地方行政委員会 第10号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/03/09
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案について参考人の御出席をお願いいたしております。 参考人は、全国知事会神奈川県副知事佐々井典比古君、全国市長会盛岡市長工藤巖君、全国市議会議長会横浜市議会議長町田善太郎君、早稲田大学講師荻田保君、以上の四名の方であります。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 参考人各位には、御多用中のところ、当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。 本法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べを願いたいと存じます。 なお、議事の順序は、初めに、参考人の方々から御意見をそれぞれ約十五分程度でお述べをいただき、次に、委員諸君からの質疑に対し答弁をお願いいたしたいと存じます。 それから、御意見の開陳順序は、佐々井参考人、工藤参考人、町田参考人、荻田参考人の順序でお願いをいたします。 それでは、最初に佐々井参考人にお願いをいたします。佐々井参考人。
○佐々井参考人 神奈川副知事の佐々井典比古でございます。 諸先生方におかれましては、地方税財政の諸問題につきまして、平素から深い御理解と御協力を賜わっておりまして、まことにありがとうござ、ます。この席をおかりしまして、厚くお礼を申し上げる次第でございます。 本日は、明年度の地方税法の一部改正法案について意見を申し述べよということでございますが、私は、今川の改正法案に総体として賛成する立場から、関連する諸問題を含めまして意見を述べさせていただきたいと存じます。 御案内のとおり、最近の国際通貨情勢の急激な変化がわが国の経済にどのような影響を及ぼすか、そうして、地方団体の歳入面にどのように、どの程度に影響してくるのか、予測しがたいところでありますが、一方、歳出面におきましては、そうした経済情勢の波及いたしますほか、社会福祉の充実、社会資本の整備等の財政需要がウナギ登りに増高することが必至でありまして、したがって、このような事態に、地方団体としてどのように対処していくか、今後の行財政運営にはかなり心配されるものがあるのであります。 こうした状況のもとで、国は、明年度地方税法の改正におきまして、住民税を中心に大幅な減税をされようとしておりますが、減税自体は、住民の要請にこたえるためにやむを得ないといたしましても、地方財政の現状にかんがみますと、しかも、これは国の政策的減税でありますだけに、その減収による自主財源の低下につきましては、これを防ぎ、また補てんするためのルールの設定が欠けておるかと存じます。この点は毎々私どもが申し上げているところでありますが、私どもといたしましてははなはだ遺憾に存じておりますので、将来は十分にこの点配慮していただく必要があると存じます。 次に、土地対策としまして、国税では土地譲渡税が、また、地方税として特別土地保有税が創設されましたほか、法人等の所有する土地にかかる固定資産税については、原則として評価額課税に移行するなど、私どもの要望が取り入れられたことに対しまして賛意を表する次第であります。 そのほかのこまかい改正点につきましては、特に意見もございませんので省略いたしまして、ここで、今後の税制上とっていただきたい方策について、要望を含めて述べさせていただきたいと存じます。 全国知事会がかねてから主張いたしておりますものに、法人課税の強化があります。わが国の法人税の基本税率は、昭和三十年以降順次低下しております。また、諸外国の法人課税に比較しましても低い水準にあります。特に、公害防止や社会資本の充実のための財政支出は、企業活動と密接に関連するものが多いことと、それが今後とも増大する傾向にあることにかんがみますと、現行の暫定税率一・七五%につきましては、これを基本税率に吸収するとともに、法人課税をさらに強化し、法人所得課税に対する国と地方との現行配分比率を改め、地方への配分を拡大する必要があると存じます。 また、道路整備財源につきましては、道路整備五カ年計画が十九兆五千億円と大幅な改定が行なわれたことに伴いまして、地方負担の大幅増が必至であります。したがって、これが財源対策としまして、地方道に対する国の目的税源の充当割合を高めていただくとともに、地方税においても、燃料課税の税率の引き上げ等による道路目的財源の飛躍的充実が必要になってまいると存じます。 さらに、知事会といたしましては、かねてから、都市再開発及び地方都市育成のための財源としての都市整備税及び公害対策財源としての重油消費税等の創設について要望いたしておりまして、これらはすでに地方制度調査会等でも審議されておりますが、今後ともよろしく御検討をお願い申し上げます。 なお、都市財源の充実につきまして、都道府県と市町村との間の税源配分の問題が意見として一部にあるようでありますが、これは端的に申しますと、府県税から取り上げて市町村税に回せというような意見があるわけでございますが、これはとんでもない間違いでございます。市町村の財政は確かに楽ではございません。しかし、都道府県の財政需要も近年飛躍的に増大をし、しかも、財源構成は地方債に依存する度合いがますます高くなっている現状でございます。 一例を教育施設について申し上げますと、現在市町村で四苦八苦しておりますのが、義務教育諸学校、中小学校の急増問題でございます。ほんとうにこれは、人口急増地域におきましては、惨たんたる苦労を市町村がしておるわけでございます。しかし、数年たちますと、このブームが高等学校に入ってまいります。神奈川県の例で恐縮でございますけれども、現在県立高校は七十校ございます。しかし、現在の推計でまいりますと、昭和六十年までに新たに百三十校を建設しなければ間に合わない、こういう状況でございます。神奈川県の土地の地価から申しますと、一校をつくりますのに、土地、建物を合わせまして二十億円を下ることはございません。その百三十校分でございます。高等学校一つにつきましてもこれだけの財政需要がございますし、現在の制度では、これは国庫補助等は一切ございません。義務教育につきましては、幸いに、国庫補助率と起債充当率の大幅な改善がとられておるようでございますけれども、高等高校についてはございませんので、全部これは税源にたよって処理をしなければならないという状況でございます。 このようにいたしまして、過密県あるいは過密都市の財政事情はまことに苦しゅうございます。同時に、過疎県、過疎町村も、別な意味において財政的に苦しいわけでございまして、問題は、既存の地方税のワクの中での配分についてどうするかということは、結局朝三暮四というたとえにすぎないのであります。むしろ、問題は、国税と地方税との再配分、新税の創設等によりまして、さらに一そう地方自主財源全体の強化をはかることによってのみ解決すべきものであると確信いたしておりますので、この際強く申し上げておきたいと存じます。 次に、租税特別措置が地方税に及ぼす影響が非常に大きい現状からいたしまして、最近の経済情勢等に照らして全面的に再検討する必要があると存じます。この場合、国の行なう特別措置が自動的に地方税に影響を及ぼすことのないようにすることが必要であります。今回の租税特別措置法の一部改正案では、交際費課税の特例の強化等が行なわれておりまして、これはけっこうでございますが、今回措置されなかった社会保険診療報酬の所得計算の特例等につきましては、縮小または廃止の方向で早急に検討する必要があろうかと存じます。 最後に、最近の国際通貨情勢から見まして、円の再切り上げが行なわれるようになりますと、その切り上げによりまして、わが国の経済に及ぼす影響次第によっては、地方税収入の年度当初の見込み額を確保できないような事態になることも考えられますので、このような事態になりますれば、もちろん財政措置について十分御考慮いただかなければならないと存じます。この機会にあわせてお願い申し上げておきたいと存じます。 もう一つのお願いは、地方税法の改正案が、例年のことでございますけれども、四月一日から適用になる部分を含めまして、国会で三月の終わり近くなって成立をいたすことが多いわけでございます。そういたしますと、地方団体におきまして、これを受けての条例改正について成規の手続をとる余裕がございません。やむを得ず先決処分でする例が少なくないのであります。実質的な内容は法律できまるとは申せ、住民の基本的権利義務に関する事項でありますので、できれば開会中の地方議会に追加提案の形でなりともかけまして、正規に改正をいたしたいのでありまして、これには国会への提案も早くお願いをしたいし、御審議も可及的すみやかにお願いできればまことに幸いであります。 以上、意を尽くしませんでしたが、都道府県の立場から率直に所信を申し上げた次第でございます。 ありがとうございました。(拍手)
○上村委員長 次に、工藤参考人にお願いをいたします。工藤参考人。
○工藤参考人 ただいま御紹介をいただきました盛岡市長工藤巖でございます。 今回の地方税法の改正案につきまして、全国市長会からの代表という立場ではございますが、全国市長会の中で、税制に関するいろいろな論議を通じて意見が集約され、まとまっているものもございますが、そうでない部分もあるわけでございまして、私の申し上げることは、全国市長会の立場でもありますが、私個人の意見もかなり入るということをまずもって申し上げて、御了解を得ておきたいと存じます。 今回の地方税法の改正案におきまして、最も特色とするところは、土地対策に対する配慮であろうかと存じます。土地対策は税制だけで効果をあげるものではございませんが、少なくとも、このたびの税制改正でもって一歩前進を見せたものであると存じます。この点、基本的に高く評価いたしておるところでございます。 まず、固定資産税についてでございますが、評価額課税を原則としたこと、そして、住宅用地は、その二分の一を課税標準としたことはまことに適切な考え方であると存じております。ただ、この場合に、住宅用地と申しましても、サラリーマンの非常に小さな住宅から、かなり大規模な面積を持った大邸宅までいろいろございます。この場合に、考え方をどのようにすればよいかということは、今後における一つの問題点であろうかと思います。もちろん、農村において、農家の場合の大きな面積を持つ、都市部において狭い面積を持つ一般的な情勢からかんがみて、二分の一にするとか、あるいはその段階を幾つかつくるとかという問題と、その場合の基準をどこに置くかというのは非常にむずかしい問題であろうかと存ずるのでございますが、このたびの改正に伴いまして考えさせられる点、これからの問題点としてはその点をあげておきたいと思うのでございます。私ども盛岡市の場合にも、かなり大きな土地を持った邸宅もございます。これもすべて二分の一の評価になるということは適当であろうかどうか。もちろん、その中で、たとえが保護庭園として、多くの人々に緑の豊かな環境を与えるとか、あるいは子供の遊び場にそれを開放しているとかいうものもございまして、こういう点に配慮をしなければならないのでありますが、今後の問題として私の意見を申し上げた次第でございます。 それから、次に、特別土地保有税についてでございますが、投機的な目的で土地を取得し、あるいは値上がりを待って転売をねらうというものに対しましては、法人の譲渡所得の分離課税と相まって、ある程度の抑制になるものと存じておりまして、賛意を表する次第でございます。ただ、土地対策は、この程度のことでは解決はつかない問題であろうと存じております。ことに、いわゆる売り手市場になっておりまして、土地のほしい人が非常にたくさんある場合など、こうした税制が取得者に転嫁される、土地の価格に転嫁されるということも懸念されないわけではございませんので、もろもろの土地対策関係の諸法令の改正なり、その推進なりと相まってこの特別土地保有税というものは効果をあげてくるものだと存じておりまして、万般の土地対策の推進を強く御期待を申し上げているところでございます。 土地税制以外の問題につきましては、まず、住民税につきまして、老人の扶養控除を新設したり、あるいは老年者、障害者についての控除額を引き上げ、障害者、寡婦等の非課税限度額を引き上げるなど、社会福祉面に配慮をされておられることに賛意を表するものでございます。 電気ガス税につきましては、私どもは、今後の伸びも予想される都市的なよい財源であると考えておるところでございまして、財源を確保するという観点から申し上げますると、この電気ガス税は十分御配慮をいただきたいものである。免税点の引き上げというものは大衆生活の向上に伴ってやむを得ないものとは思うのでございますが、税率まで引き下げなくともよかったのではないのかという気もするのでありますが、市長会といたしましては、今後こうした免税点を引き上げるような、税率の引き下げを行なうような場合等は、ぜひその補てん措置をお考えいただきたい。また、電気ガス税につきましては、産業用の非課税基準というものがございますが、この検討を十分にお願い申し上げたいと存じておるのでございます。 次に、都市の——まあ、このたびの所得税の所得課税の税率引き下げにおきましても、盛岡市のような小さなところでも、約一億八千万ばかりの減収が見込まれるわけでありまして、地方財源の確立を期待しております市といたしましては、減税ということは、財政面からとって見れば、たいへん大きな痛手ともいえるわけでございます。申し上げるまでもなく、都市における行政需要の増大というものは非常に大きなものがございます。試みに、全国の都市の昭和四十六年度と昭和三十四年度の決算を比較してみます場合に、財政規模では、この十二年間に八・七倍に伸びております。普通建設事業では十二倍に伸びております。そのうち、単独事業では十五倍の伸びを示しております。これに対して、歳入のうち市税の伸びは六・六倍にすぎないのでございまして、歳入の中に占めている構成比は逐年低下いたしまして、三十四年度の四八%から、四十六年度は三六%まで下がっておるわけでございまして、都市の税源確保ということは、全国の都市共通の大きな問題であり、常にお願いを申し上げているところでございます。したがいまして、今後の問題としては、法人所得課税の強化をはかっていただきまして、特に法人の企業活動を行なう場合におきまして、都市行政からの直接的、間接的な受益度は非常に高いものがございますので、これを都市税源に加味していただきたいのでございます。 それから、市町村道の整備目的財源の強化について、特に今後の問題としてお願いをしておきたいわけでございます。地方の中核都市の例を申し上げますと、周辺の農山村地域と中核都市とを道路をもって連結をし、農山村に住んでおっても都市部と同じような生活水準が保てるように、医療においても、あるいは救急、消防においても、あるいは日常の買いものにおいても、山村地域と都市部との格差を解消するためにということで、中央都心から周辺の山村への道路を整備いたしております。現に、盛岡の場合でも、かなりの多額の財源をここにつぎ込みまして道路整備を行ない、患者輸送車を走らせているというような実情でございまして、こうした道路は主として市町村道でございます。この道路を整備していくことが、都市を中心としたところの広域的な農山村を含めて開発をはかるゆえんであると存じます。その財源の確保につきましては、特段の御配慮をお願い申し上げたいと存じております。 また、消費あるいは流通課税の問題についてでございます。夜間時あるいは昼間時等において、都市への人口、物資の流動が非常に激しいのでございます。都市施設が——単に人口のみならず、流動人口に対応していろいろの需要が多くなってまいります。これに対応いたしまして、人口の流動とかあるいは物資の消費流通面に着目したところの、直接税以外の適切な税種の新設あるいは移譲等の措置をお願いを申し上げたいと存じておるのでございます。 最後に、佐々井副知事さんからもお話がありましたように、税制改正の時期はなるべく早くお願いを申し上げたい。 以上を申し上げまして、意見陳述を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○上村委員長 次に、町田参考人にお願いをいたします。町田参考人。
○町田参考人 私、全国市議会議長会の会長、横浜市の議長でございます。平素たいへん先生方にごやっかいになりまして、おかげをもちまして四十八年度予算は大体——まだ国会で御審議中ですから、私どもがお礼を申し上げるのもどうかと思いますが、いままで内示を受けましたところにおきましては、大体においてよかったというふうな気がいたしております。心からお礼を申し上げたいと思います。 知事会の代表の佐々井副知事さん、また、工藤市長さんから大体お話がございまして、私ども申し上げることが少なくなりましたが、ただ、私どもで特に申し上げておきたいと思いますことは、国の単位であります市町村の財源の乏しさから、住民サイドの仕事がなかなかできにくいという立場にあります。したがいまして、そういう意味から申しますと、市町村で、伸長性のある、また安定をした財源というのは少のうございます。特に、伸長性に欠けておる。そこでお願いを申し上げたいと思いますことは、法人所得課税、これは先ほども佐々井さんからお話がございましたように、世界的に見て、日本がこれだけ高度成長しながら、課税率が非常に低いということであります。これをぜひ強化をしていただきまして、その配分の率につきましてお願いを申し上げたいと思いますが、現在はたしか国が六七%、都道府県が二六%、市町村が七%という状態であります。この配分比をお考えをいただきたい。もちろん、税徴収の強化によって、その配分をお考えいただきたい、こういうことであります。 それから、住民税の政策減税につきましては、これはぜひ完全補てんをしていただきたい。先ほど四十八年度の見込みにつきましてお礼を申し上げましたが、足らないところは全部起債を認めていただいておるわけでございますが、その元利償還を考えますと、きわめて寒心にたえないところがございます。したがいまして、こういったような政策減税につきましては、国においてぜひ完全補てんをお願いを申し上げたい。 それから、市長さんからもお話がありました電気ガス税でございますが、これの税率を引き下げるということは、まことにやむを得ないように思います。しかし、これに対して、もちろん使用量も上がってまいりましょうが、その差額というものについては、ひとつぜひ補てんしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。 その次は、現在の租税の特別措置あるいはそれに基づく減収の問題がございます。また、非課税の問題もあります。特に、現在のように高度成長してまいりました日本の経済おきましては、従来保護的な意味で特別措置をしておりますものが、輸出振興であるとか、外航船舶の助成、あるいは企業合理化促進であるとか、重要産業の助成、その他いろいろこういったような問題の減税あるいは免税がございます。これらを今日洗い直していただきたい。私ども勉強不足ですから、はっきりしたことは申し上げられませんが、おそらく三千五百億くらいあるだろうということをいわれておるわけであります。したがって、この洗い直しによってかなりの地方財源が得られるのではなかろうか。しかし、一方、今日福祉政策が日本の政策になってまいりましたから、これが社会福祉であるとか、住宅あるいは物価対策等の問題からのこういったような特別措置というものが当然あってしかるべきだと考えております。 それから、私横浜でございますが、特に、市街化されました農地に対する課税が非常にむずかしさを持っておるわけであります。このことは、当然に都市計画上の支障にもなります。また、そういうものができませんことには、農地が宅地並み課税に移行できないというむずかしさがあるわけでございます。したがいまして、これらにつきましては、ぜひ調整の処置を十分御研究をいただきまして、そして、逐次宅地並み課税に移行させていただきたい。これをお願いを申し上げたいと思います。 それから、次に、これは多少地方団体に影響があるかと思うのですが、温泉地であるとか観光地、また大都市のような、外からお客さんが楽しみにおいでになるところ、この場におきましての、その各都市において、たとえば道路の損耗がある。駐車場を設けなければいけない。特に、交通上で、安全対策の施策もしなければならぬ。それで一番困りますのは、ごみを散らかしていきます。その収集をいたしまして、それからこれを焼却するのですが、今日、政府におきましては、たしか一トン当たりの焼却設備が二百六十万ぐらいだったと思います。横浜市でいま計画いたしておりますのは一千万円になります。これはとんでもないことだと思うのでございますが、そういった施設をいたします場合に、とても住民に納得をしていただけません。そこで、余熱を利用した温水プールをつくるとか、あるいは老人ホームをつくるとかいうことになりますから、きわめて多額の経費を要する。そういうことになりますと、一体何%の補助になっているかという問題がございます。したがいまして、これらに対しまする何らかの援助の、税の配分と申しますか、あるいはまた補助金と申しますか、そういったようなもののお考えがいただければたいへんありがたいと思います。 特に、ただいま市長さんからお話がございましたところの、私どもの市町村道の問題でありますが、今日、住民の考えております環境整備というのは、いまの国の施策は当然のこととはいいながら、自分たちの住んでおる環境だけを考えておるのが普通だと思います。したがって、自分たちの周囲も道路が舗装されるだろう、雨が降っても高げたでなくてもよろしい、ゴムぐつでなくてもよろしいというふうな道路を要求をいたしておるわけでありますが、今日、国において、四十八年度でたしか三百三十億の地方道の補助だと思いますが、これは国の道路予算から見ますというと、何%にも達しないわけであります。もちろんこれは国直轄あるいは都道府県道、市町村道の比率を見ますと、おそらく、都道府県道のたしか一一%か一二%ではなかったかと思いますが、そういう非常に貧弱な補助をいただいておるわけでありますから、住民がなかなかこれは納得いたしません。そういうことで、この市町村道につきましては、ぜひ目的税源の拡充をおはかりいただきますと同時に、その配分についてひとつ特にお考えをいただきたい。 あとは、大体市長さんのほうからお話しいたしましたこととダブリますので、以上で私のお願いをやめたいと思いますが、まことにありがとうございました。(拍手)
○上村委員長 次に、荻田参考人にお願いをいたします。
○荻田参考人 突然ここへ出てくるように言われまして、それからまた、先ほど来お三人の方のおっしゃいましたことと重複するようでございますが、一応私の考え方を申し述べて、御参考に供したいと思います。 私は、今回の改正案に対しまして、原則的に賛成でございます。そういう立場で申し上げたいと思います。 この場合、多少理屈めきますけれども、柱が二つあるように思っております。二つもしくは三つと思っております。 第一は、やはり地方税を増強するということが大事なことだ。この方向が必要である。これは今後の——ことしの改正はともかくといたしまして、将来に向かって、この数年の間はどうしてもこの方向を推し進めていただかなければならないのではないかと考えております。理由を申し上げますと、第一に、国税、地方税を通じまして、いわゆる福祉充実型の予算をやっていく以上は、当然、税は増強されなければならないと思います。福祉充実型と申しますのは、言うまでもないことでありますけれども、日本におきまする資金の配分が、民間部門と公的部門との間においてバランスを失している。したがって、民間のほうは大いに発展したけれども、GNPが世界第二位になったというようなことでありまするけれども、行政そのものは非常に劣っておるのであります。したがって、私的部門から公的部門に資金を回して、公的部門、つまり行政を充実させるということがこれからの大きな政策じゃないかと思います。そういう意味におきまして、いわゆる高福祉高負担というようなことが言われておりまするけれども、これにはいろいろ解釈のしかたもありましょうけれども、方向としてはそういう方向に向くべきじゃないか、その意味において国税も地方税も増強されなければならないんじゃないかと私は考えております。 それから、第二には、ことに地方団体において増強する必要がある。行政の充実と申しましても、やはり一番国民の生活に密着した行政を充実しなければならない。それならば、この国民の生活に密着した行政はだれがやっているかといいますと、おおむね地方団体がやっているわけでございます。したがいまして、地方財政の財源を充実するということが大事である。その意味において、国税よりも地方税を増強する必要がある。必要によっては、国税の一部を地方税に回しても地方税を増強する必要があると考えるわけであります。 第三に、地方歳入の構成を見ますると、地方税の比率というものが非常に低いのでございます。その意味において、地方自治が、自治、自治といいながら、三割自治じゃないかと言われておりますが、その大きな理由は、地方団体が、みずから責任を持って取るところの地方税が少ないからであります。その意味においても地方税を増強する必要があるんじゃないかと思うわけであります。 第四に、地方団体の中でも、特に市町村の税金を充実させる必要があるのではないか。この点は、皆さまからおっしゃっておられますので、いまさら申し上げるまでもありませんけれども、最近におきまする地方税の構造上からしまして、府県税に比しまして市町村税のほうが伸びが少ないのでございます。ちょっと数字を申し上げますると、昭和二十六年、シャウプ勧告ができましたときには、歳入中における地方税の占める比率が、市町村は四六%、府県のほうは三四%であったのであります。ところが、現在においてはどうなっているかと申しますと、市町村のほうは、四六%のものが三二%まで下がっておる。府県のほうはたまたま三四%が同じく三四%。つまり、シャウプ勧告は、市町村をもって基礎的な団体と考えてこの財源を充実するということにあって、まことにそのとおりの体制ができたのでありまするが、ここ二十何年たってみますると、これが逆転しまして、府県税よりも市町村税のほうが少なくなっている。こういうことになっております。これはやはりいけないのでありまして、市町村税を充実するという点に重点を置かなければならぬというふうに考えるわけであります。以上申し上げましたように、地方税、ことに市町村税の充実をはかることが必要であると考えます。 ところが、半面におきまして、第二の柱としましての地方税の負担の軽減合理化をはかる必要があると考えます。それは何ゆえかと申しますると、第一に、物価の上昇によって生活費が高騰しております。あるいはまた、国民所得も向上しております。そういうことからしまして、たとえば住民税の課税最低限のごときものは、やはりこれは引き上げなければいけないということが言われるのです。 それから、第二に、低所得階層の負担というものはやはり軽減する必要がある。これは、先ほど来申しておりましたように、高福祉、高負担と申しまするが、福祉は、単に行政を充実するだけではいけないので、やはり、本人の負担の軽減もはからなければ福祉行政にはならないのであります。その意味において、低所得者の負担というものは軽減する、こういうことであります。 したがいまして、私が申しました第一の地方税の充実強化をはかるということと、地方税の負担軽減をはかるということとは矛盾するようでありますけれども、やはりこれは矛盾させないで、調和させて実行していただきたいという感じを持っております。したがいまして、取れるところからは大いに取る、安くすべきところは安くする、総体としては地方税は増強する、こういう方向にいかなければならないのじゃないかと思います。 それから、第三の点は、いわゆるほかの政策目的、ことに、国土開発、日本列島改造と申しますか、そういうための財源あるいは土地政策上の措置、こういう措置が必要だと思いますが、これはあとで申し上げます。 そこで、以上のようなことを前提にいたしまして、今回改正案が出ておりますところの個々の税についての感想を簡単に申し上げます。 第一が住民税でありまするが、先ほど申しましたように、課税最低限の引き上げは非常にけっこうでございます。これは大いにおやりになってけっこうだと私は思います。が、ただ、この場合によく誤解がありまするのは——誤解、私からしますれば誤解だと思うのですけれども、国税と一緒じゃなければならないという原則は、これはいけないと思います。私は、国税、所得税と住民税との間においては、課税最低限をいま以上に離してもいいという感じを持っております。つまり、ある程度、中所得階級以下の者は、地方団体にだけ税を出せばいいので、それ以上の者が国税も地方税も負担する、こういうかっこうでなければならぬと思います。したがいまして、きわめて乱暴な発言でありまするけれども、申しますれば、地方税のほうは課税最低限を百万円くらいにする。国税のほうは課税最低限を二百万円くらいにする。百万円から二百万円の間のものはすべて地方団体に譲る。これは、先ほど来申しておりますように、地方税の増強ということで、何をもって増強するにふさわしい税かといいますれば、やはり住民税というのが一番必要であります。その場合には、所得課税全体として増税ができない限り、やはり国税を地方税に譲るというかっこうでなければならない。その意味においては、譲る場合においては、いま申しましたように、中以下の課税分は大体地方団体だけに回す、こういう考え方のほうがいいのじゃないかと私は思います。しかし、私は、そう申しましても、地方税だからうんと低所得者の者から取っていいということを申しているのじゃないのでありまして、やはりこれは、物価の上昇、国民所得の向上に伴って、地方団体のほうの課税最低限も引き上げるべきだと考えております。 それから、ことし何年ぶりかで、住民税について税率の是正がありましたことは、これはまことにけっこうなことだと思います。今後も、中堅所得階層の減税のためには、こういう方策は何年目かにはやはり実行するということでなければならないと考えております。 それから、第二番目には固定資産税でございますが、固定資産税について、宅地の評価額を引き上げて、それ並みで課税するという方向、これは、私は、多年、そのとおりでなければいけないと主張してきておりますが、今回、三年間の猶予期間はつきましたけれども、実行できるようなことはまことにけっこうだと思っております。その場合に、住宅用地については二分の一にするということは、理屈から申しますればいろいろ問題があると思いますけれども、現実の問題としては、これで差しつかえないのじゃないか。やはり、固定資産税を収益課税といたしますれば、住宅用に使っているものと営業用に使っているものとの間においては、収益力と申しますか、これにおいて差があるのでありますから、そこに税負担に差がついても差しつかえないものだと私は考えております。 それから次は事業税でございますが、これについて、いわゆる国税、所得税に行なわれましたみなす法人課税、事業主報酬制度でございますが、これは事業税には取り入れるべきものではないと思います。そのかわり事業主控除を引き上げましたことは、最近の傾向から見て、これは差しつかえないものと私は考えております。 その他のいろいろな税について減税、増税が行なわれておりますが、私は、それはみなけっこうだと思っておりますが、ただ、問題は、電気ガス税でありますが、電気ガス税についてはいろいろな批判がありまするけれども、やはり、これは、免税点をしっかりしたものさえ設けますれば、現在としてはやむを得ないと申しますか、適当な税だと思います。したがって、いたずらにこの減税を毎年毎年行なっていくというような体制になることは適当でない、もうこの辺でやめておいたらいいのじゃないか、こういう感じがいたします。 以上が一般的な増減税でございますが、そのほかに、いわゆる地域開発のための目的税、あるいは土地政策のための目的税と申しますか、その目的を持った税を取るということでございますが、これにつきましては、いわゆる租税特別措置でも同じでありますけれども、租税をもってほかの政策の手段に使うということは、税本来の思想としてはあまり好ましくないのであります。しかし、それがどうしても必要な場合にはやらなければいけない。差しつかえない。その、どうしても必要な場合というのは、一応三つの条件があると思います。一つは、その政策目的というものが国策として非常に重要であって、何をおいてもやらなければならないという政策であること。第二に、減税なり増税なりをすることが、その政策目的を遂行するのに顕著に効果があるということ。いいかげんなことじゃいけないということ。それから第三に、そういう減税、増税を行なっても、負担の不均衡というものをそう多くは来たさないということ。そういう意味におきまして、いまの政策目標でありますところの国土総合開発あるいは土地政策というために、税が使えるならば使っても差しつかえないと私は思います。その意味において、特別土地保有税というものをつくられましたことは、これはまずまずのことだったと思います。まあ、たいしたことではありませんけれども、幾らからプラスになると考えております。 それから、これはできませんでしたけれども、一般からよく言われております事務所・事業所税、大都市開発のための事務所・事業所税、これはやはり取るべきだ、実行すべきだと考えております。 それから、ことし、目的財源としての道路目的財源が何ら手を触れられませんでしたけれども、これから道路ということが重要になってきまする以上、やはり、この際増徴すべきである。ことに、これからは市町村道に重点を置く以上は、市町村の目的財源を充実すべきだと考えております。 そのほかに、公害対策税というような思想もありましたけれども、これも考えようによっては、いい方法を編み出しましてやるべきだと考えております。 それから次に、これはちょっとこの法案に含まれておりませんでしたけれども、市街化区域内の農地の課税の問題について申し上げたいと思いますが、これは、実は、私、自治省に頼まれまして、自治省で研究会が開かれましたときの座長を仰せつかりました。したがいまして、その研究会の模様を——私の意見じゃありません。その中におきます論議を御紹介して、御参考にしたいと思います。 これをやる、やらないという観点は、私は三つあると思うのですが、一つは、負担の公平ということでございます。隣では、坪何十万円もするような土地を、安い評価でもって、坪二円か三円の税金しか納めていないというようなことは、いかにも負担が不公平であります。私は、固定資産税をもって収益課税と見ております。収益課税といいますことは、収益力ということであります。現実に収益があるかないかという問題じゃありません。所得税とは違います。所得が現実にあるということではなくて、収益する力があるということ、それによって価額というものはつくのでありますから、その価額に応じて税を取るということが固定資産税本来の趣旨だと私は思います。固定資産税の本文もそのように書いてあります。適正な時価によって評価して、これから一律に一・四%の税金を取ると書いてあるのでありますから、この方針を貫く。その意味において、市街化区域内にある農地につきましては、少なくともそれを完全に評価して課税するのがたてまえだと私は思います。ところが、これに対します反対論といたしましては、そうは言っても、農業をやっている限りにおいては、そのような収益は出ないじゃないかという意見がございます。これは、何と申しますか、農業をやっておっても、評価がそれだけある以上は取るべしだという意見と、農業をやっている限り、それは取っちゃいけないんだということで、話がすれ違う議論でございまして、これは決して合わない議論であります。この両説があったことを御紹介しておきます。 第二は、都市政策上でございます。市街化区域というのは、十年以内に公共施設を整備して、市街化してしまう、そこに農地のあることが適当でない、こういう趣旨でもって、少なくとも、理想としては、そういう目的でもって区画割りができておるのであります。したがいまして、そういうところにおいての農地としての課税というのは適当でない、これが積極論であります。それに対して、消極論は、そうは言っても、十年以内にはたして市街化するかどうかわからないじゃないかということと、また、最近特に言われますことは、いわゆる市街化区域内においても、生産緑地というようなものを残したらいいんじゃないか、そういうことからそういう緑地には補助金を出しても維持させるべきじゃないかということで、こういう議論がございますが、この二つの議論がございました。 それから、第三は、土地政策上であります。税を重く取ることによって早く農地を宅地化さすという効果があるのじゃないかという議論に対しまして、そういう効果はない、それぐらいのものはむしろゆがめた形においてしか効果が出てこないんじゃないかという反対論がございます。 このような賛成論、反対論がございまして、御承知のように、第一案、第二案という、まとまりませんでしたけれども、一応二つの案として提示されたわけでございます。 国会で御審議中のようでございますから、どうか、いわゆる大骨抜きにならないようなかっこうにおいて実現されんことを期待いたしております。 以上が私の税についての考え方でございますが、先ほど来申しましたように、やはり、この際は地方税を増強していく。もちろん、この場合に好ましくない負担のものは軽減、合理化していく。その必要はあるけれども、総体としては増強していくという方向において地方税を改正すべきである。その一歩として、今回の改正がありましたことはまことにけっこうなことだと考えております。 以上でございます。(拍手)
○上村委員長 以上で、参考人各位からの御意見の御開陳は終わりました。 —————————————
○上村委員長 これより、参考人各位につきまして質疑の申し出がありますので、順次これを許します。 なお、質疑の際は、参考人の御氏名をお示し願います。今井勇君。
○今井委員 ただいまの参考人のお話に対しまして、幾つかの点を御質問申し上げたいと思います。 まず、第一点。これは神奈川県の副知事さん、盛岡の市長さん、両方ともおっしゃいましたことでございますが、道路に対する財源の問題でございます。率直にお聞きしますが、私は、これからの道路政策の中で、地方道の、なかんずく市町村道の整備は積極的に進めるべきだという論者でございますが、実感としてお聞きします。 ただいま、四十七年度でも、四十六年度でもけっこうですが、皆さんが地方行政をあずかられて、道路整備をやっていかれて、道路に対する譲与税あるいは目的税がありますが、なおそれでもどのくらい不足だとお考えになるか。いま足りないとおっしゃいましたね。足りないというからには、その根拠があろうと思いますが、大ざっぱでもけっこうです。あるだけやろうと思っても、とてもできないとか、国の補助事業を執行するのに精一ぱいであって、自分で単独でやる余力がなかなかないというふうなことでもけっこうですが、ひとつ、順次御見解を承りたい。
○佐々井参考人 詳細な資料を持ってまいりませんでしたので、ごく直観的に申し上げたいと思いますけれども、道路関係、もちろん財源としましては、国庫支出金もございます。一部起債も認められますけれども、一般財源の中で、目的財源だけで足りるかというと、これは絶対に足りません。あらゆる目的税源をつぎ込んで、また、府県税でありますと自動車税もございますが、その自動車税をも、その金額をぶち込んでも、なお絶対に足りません。そういった感じでございます。
○工藤参考人 現在、たとえば盛岡の市内におきまして、市内の各住宅地等から、道路、側溝等の整備についての非常に強い要望がございます。ところが、この要望にこたえていけるだけの財源が不足いたしております。ほとんどございません。道路、側溝にはかなり重点を置いて、年間二億はつぎ込んでいるつもりです。まあ、盛岡のような小さな規模で、一般会計予算が七十億程度のところでございますが、これは全くの単独でございまして、補助も起債も何もないのでございます。市内の道路整備等につきましては、そういう舗装、側溝だけでその程度であります。そのほかに都市計画道路があり、先ほど申し上げました周辺の集落に通ずる道路というのは、道路の拡幅あるいはつけかえ、ないところに通していくというのでございまして、これは、市内の側溝の舗装等の数倍の経費がつぎ込まれております。これにつきましては、交付税等である程度見られてまいっておるわけでありますが、これらにつきまして整備していきますためには、特に、今度十九兆五千億という第三次の道路整備計画を進めるためにも、多くの財源がほしいというのが各市町村の共通しての念願であろう、こういう感じでございます。
○今井委員 いま非常に足りないというお話はわかりました。しからば、地方で、皆さま方は、たとえば軽油引取税でもいいのですが、どういう税目を増してもらうと非常にいいんだがという御希望があるかどうか。もしあるならば、具体的に述べていただきたい。
○佐々井参考人 やはり、府県税の場合は、軽油引取税の税率のアップ、これが大きいだろう、また、やりやすいだろうというふうに考えております。
○工藤参考人 具体的に何税というものは持っておりません。
○今井委員 次に、特別土地保有税のことについて伺いたいのですが、この問題については、盛岡の市長さん及び横浜の議長さんからお話がございました。御両者にお尋ねいたしますが、私自身は、今回のこの政府原案にあります特別土地保有税の税率は低きに失するのではなかろうかというふうな感じを持って、当委員会でも質疑をいたしましたが、そのときの政府側の答弁は、これをやってみて様子を見るんだ、その効果いかんによってはまた考えるんだという御答弁がありました。それで私は了承いたしましたが、さて、これは、実際地方におられまして、この税率でもってどの程度効果を期待できるか。率直な意見をお聞かせ願いたい。
○工藤参考人 実際どの程度の効果が期待できるかは、やってみなければわからないというのが率直なところであろうかと思います。ただ、考え方として、先ほど申し上げたように、他のもろもろの土地対策と一緒にやるのでなければ、ぜひこの土地をほしいという人に対しては、こうしたものが転稼されていく可能性があるという心配があります。そういう意味において、この税率が妥当であるのかどうなのかということは、他のもろもろの対策と合わせ、そして、実際にやってみて、その効果を見ていくということになるのではないかと私は思います。
○町田参考人 私も、数字的にはわかりませんけれども、とにかく、私どもは、ぜひそういうものを取っていただきたい。いま、都市におきまして、二千平米以下のものが非常に多いと思うのですが、これは、いま盛岡の市長さんのおっしゃったように、たまたま零細なものを、自分の将来を考えて買ったものに課税されるというふうなことになりますと、あるいはこれが他に転売というようなことになりますと、かけられた税が上乗せになるという危険がございます。したがって、この保有税というようなものは、やってみていただいて、やはり世論の動向を見ながらというのが正しいんじゃないかというような気がいたします。
○今井委員 まことにそうであろうと思う答弁でございます。 そこで、もう一つ、土地に対しますもので、農地に対します市街化区域の農地の課税の問題にお触れになりました。これは議長さんもお触れになりましたし、早稲田の先生もお触れになりましたが、私は、市街化区域の中の農地で、実質的に宅地のような形態をしておるものにつきましては、それなりの課税をしていって、宅地として使うようなことをすることが——これをしませんと、逆に、より安いところというふうな形で市街化調整区域にまでスプロールが伸びていくという観点から言いましても、私は、そういうふうに市街化をすることがきまった土地ならば、どんどんと市街化をさせていくことがいいじゃないかというふうな気持ちから、このみなし課税については賛成いたしますが、そこで先生にお聞きしたいのです。 先生は座長をやっておられたということでございますが、現在、政府の考え方は、新聞紙上でちらほら出ておりますが、先生も、だんだんと骨が抜かれるとか抜くとかおっしゃいましたが、いま新聞紙上で伝えられているような内容について、先生の率直な御感想をお聞きいたしたいと思います。
○荻田参考人 いまおっしゃいましたように、私は座長をつとめただけで、なるべく自分の意見を言わぬようにしておったものですから、あえてここで申し上げるのはいかがかと思いますけれども、第一案、第二案というものをわれわれ答申いたしまして、さらにそれをいろいろと、政府と自民党ですか、そこでまとめられて、農地として保有するという条件の制約を政令でもってきめるという方向に持っていかれる。私は、あれはけっこうじゃないかと思っております。あすこにありますように、道路ができ、水道、下水道、電気というものがすぐ利用できるような状態になっているところは、少なくともやはり宅地並みで取るべきじゃないかと考えております。
○町田参考人 宅地並み課税で一番むずかしいと思いますことは、いまの横浜市の現状から申しますと、せっかく市街化と言われましても、そこにいまの市街化されるような公共施設が投資ができません。ここに一体取れるものだろうかという疑問を持っておるわけでございます。しかし、一応土地の所有者が希望したものが大体において市街化になっておるわけでありますから、これは思い切って取っていただくという以外にはないのじゃないかという気がいたしております。
○今井委員 最後に、もう一つお伺いしたいのは、これは参考人すべての方がお触れになりましたが、地方税の強化問題でございます。 御意見の中で大体察知するところによりますと、法人所得に対する課税というものをお取り上げになっているようなふうに受け取られましたが、そのほかの、たとえば地方税の中で、何か、具体的に、新しいこういうものがあるのじゃないだろうかというようなことが、もしおありならば——特に早稲田の先生のお話では、取りやすいところから取るのだというお話もちょっとございました。どういうことを頭の中にお考えで御発言になったかわかりませんが、もしも、地方税の中で、現在のほかにこういうものがあるじゃないかというふうな、具体的なお考えなり御意見がございましたならば、順次お聞かせ願いたいと思います。
○荻田参考人 取りやすいところから取るといいますより、取るだけの余裕のあるところ、力のあるところから取る。その意味におきまして、私は、先ほど申しましたように、個人所得税の国税を地方税に譲渡するということと、それから法人税の増徴、これはまるまる増徴になっても、現在の負担から見ると差しつかえないと思います。この二つがやはり筋であります。こまかい点でいろいろ言われるものはありますけれども、先ほど申しました、ある意味において政策目的に使うというもののほかの一般財源として取るということになりますと、もう、そう大きな税は残っていないのでありまして、やはり、基本的には所得税、法人税の増徴ということになるだろうと思います。
○佐々井参考人 先ほども申し上げましたとおり、やはり、法人課税を見直していただきまして、特に、その地方への配分というものを強化をしていただくこと、これが基本であろうと思います。地方税の現在の税目の中では、伸長力を持っておりますものとしまして、先ほど軽油引き取り税を申し上げましたけれども、ほかに、自動車関係の自動車取得税がございます。これらにつきましても、余裕のあるものではなかろうかと考えております。さらに、新税といたしましては、先ほどちょっと申し上げましたが、都市再開発等のための都市整備税といったもの、また、公害対策のため、重油消費税といったものを知事会として提案申し上げております。
○今井委員 以上で終わります。
○上村委員長 この際、質疑の申し出をされている委員各位に申し上げます。 神奈川県副知事佐々井参考人は、本日神奈川県議会にぜひ出席する御予定にて、十一時三十分に退席されますので、佐々井参考人に御質疑される方は、順序を多少変更いたしまして、佐々井参考人にお尋ねをしていただくようお願いをいたしたいと思います。 山本弥之助君。
○山本(弥)委員 それでは、佐々井参考人にお尋ねしたいと思います。 第一点は、本年度の財政計画は、国の予算と同じように、非常に大型になっておるわけであります。これは、変動相場制移行前の経済情勢によりまして財政計画が編成されたわけです。それで、実際、この地方税におきましても、昨年の非常な税の伸び悩みのあとを受けまして、今回は非常に地方税は伸びておるわけであります。ことに、府県におきましては二九・七%、法人事業税は三六%以上、住民税の法人割りも三六%以上、こういう伸びを見せておるわけですね。おそらく、各府県あるいは市町村を含めましてそういう予算編成をしたのではないかと私は推測をしておるわけです。したがって、佐々井さんのところもすでに予算編成も終わっておられると思いますが、今後の経済見通しとの関連におきまして、どういうふうな予算編成をなさったか、多少今後の経済情勢に対応できるような税収の見込みをしておられるのかどうか、これを第一点としてお聞きしたいと思います。 それから、各参考人がお述べになりましたように、今日、福祉優先の行政需要に対応するために地方税を増強しなければならぬということにつきましては、皆さん一致した意見だろうと思うのです。本年度は、市町村の固定資産税が時価評価に近いことによりまして、四百億以上の増収の見込みだという以外は、従来のパターンと変わっていないわけであります。その中で、住民税の個人割りにつきましては、皆さま方は、引き続き減税することが好ましい、ただ、その減収につきましては国の補てんが好ましいという発言をしておられます。そういたしますと、法人割りにつきましては、今日の法人課税の状況からいって、実効税率が四五・〇四%でございますか、先進諸国に比較いたしまして非常に低い。これを地方税にも相当ふやすべきであるということについては、これまた、私は、地方財源の強化の意味におきましては、意見が一致しておると思うのであります。問題は、本年度におきましてもそういう措置はとられていないわけなんですね。 そこで、いろいろな大都市の御意見等もあるわけでありますが、地方都市ほど、今日、法人課税につきましては、いまだ超過課税をやっておるわけですね。これは詳しく申し上げませんが、府県あるいは大都市におきましては標準税率でやっておるわけなんですね。これは、各自治体は、歳出の面におきましては、乏しい財源の中から自主的に、行政需要に、地域住民の要望にこたえるという体制をいろいろとっておるわけですね。そのことから考えますと、こういった実効税率は、四五%というような法人課税につきましては、景気のよしあしにかかわらず——いま、景気は、上向きかどうなのかという情勢でありまして、昨年、一昨年のような情勢ではないわけであります。そうしますと、皆さま方は自主財源の強化をうたわれておりますが、具体的に住民の要望にこたえての体制をとっていないわけなんです。むしろ、法人割りにいたしましても、制限税率があるわけですから、ある程度まで標準税率を超過いたしまして、制限税率の範囲内で、法人課税をみずから強化するということをはかるべきではないか。そのことは、来年以降において、おそらく、法人税割りの強化と同時に地方と国との配分関係が問題になると私は思うのであります。その際に、そういう意味の先取りも好ましいのではないか。いろいろ自治省の指導もございましょうけれども、そういうお考えは積極的におとりにならぬかどうか。 ほかにも御質問したいことがありますが、以上二点だけお願いしたいと思います。
○佐々井参考人 まず、財政が大型化をしておるわけでございます。その中で、税収の見込みにつきまして、変動相場制をとられる以前の編成であるために、年度内がだいじょうぶかというような御質問でございましたが、これは、全国的な、全体に通じてのお答えはちょっとできかねますので、神奈川県を中心に申し上げますが、大体、各都道府県によりまして、当初予算に税収の年度間見通しのどの程度を計上し、どの程度追加財源に残すかというのは流儀がまちまちでございますので、必ずしも各県一律ではございません。神奈川県の場合は、四十七年度の最終予算額千七百億、これは税収でございますが、その千七百億に対しまして、四十八年度の予算は二千二十億、一九%弱の伸びを見ております。これにつきましては、ややかために見ておるということもございます。また、最終的な予算の決定時点におきましては、すでに、非常に国際通貨情勢等が流動的でございましたので、このようなこともあるいはあるのではないかというような感覚からやや控え目にしておりますので、著しい経済変動によりましてどうにもならぬというようなことは別としまして、まずまず何とか、たいへんに困るというようなことはなくて済むのではないかというふうな感じでございます。これは、神奈川県だけのことを申し上げて、非常に恐縮でございます。 それから、地方税の増強の中で、住民税、個人住民税については、所得ないし人口の伸び程度以上のものは期待できないわけでございまして、あとは法人関係の租税でございます。ことに、神奈川県等の場合は、約五〇%が法人関係、法人税でございます。そういったことからいたしまして、これの実効税率を国の地方税制の中で考えていただく、また、国税の体系の中で法人課税の地方への割り振りというものを強化していただくということを先ほどお願い申し上げたわけでございます。 ただいま、みずから強化につとめるということもあり得るじゃないかというお教えをいただいたわけでございまして、即答はいたしかねますけれども、お教えいただいたことを頭に置きまして、今後やってまいりたいと考えております。
○上村委員長 林百郎君。
○林(百)委員 私も、佐々井参考人に三点ほどお聞きしたいと思いますが、先ほど山本委員からも質問がありましたが、円のフロート制への移行、これが固定制に定着するまでにどのくらいになるか。あるいは、実質的には二〇%の円の切り上げにもなるではないかというようなことが言われておるわけなんですが、そういう中で、四十六年度の最初のときの円の固定相場への移行の実例から言いまして、本年度の国の税収見込みとしては、法人の所得税が、前年度比にして約三六・七%増と見ているわけですね。それから、法人事業税が、前年度比約三六・八%増と見ているわけですが、四十六年度、四十七年度の経験から言いまして、ことに、四十六年度の経験から言いまして、これは非常に強気ではないか、ここから地方財政のことしの計画がひずみが出てくるのではないかということをわれわれ非常に心配しておるわけです。そういう場合には特別な措置を講ぜざるを得ない、あるいは、国の一般会計から交付税交付金の会計へ特別の繰り入れをして、償還は免除するというような措置でも、四十六年度の実例から申しまして、講ずる、ということを考えておるのですけれども、この点、ことに中小企業の多い神奈川県ではどういうようにお考えになっているか、こういう点が一つでございます。 それから、この超過負担の問題なんですけれども、これはあとで工藤参考人にもお聞きしたいと思うのですが、たとえば学校の建設、保育所の建設その他の、特に都道府県段階で対象になるものの、単価の非常な過小な見積もりによって、超過負担の問題について、神奈川県当局の財政が圧迫を受けている、あるいはそこに一つのひずみがあるというようなことはなかろうか。あるとすれば、どういうことを望んでおられるか、もっと実情に合った補助金を国のほうで考慮すべきではないかというようなことが考えられるかどうか、その点お聞きしたいと思います。 もう一つは、国の本年度予算が、先ほどのような非常な大きな予算である上に、これが国内景気を刺激するということで、大きな公共事業への投資が見積もられるわけですが、それは補助金というような形で地方自治体へいくわけですけれども、そうすると、地方自治体としては、それに対応する費用を独自で捻出しなければならない。そういうことになりますと、国の行なう公共事業に見合う費用を捻出するのに非常に苦心をしなければならないので、県独自の単独事業へ手が回ることが薄くなる危険があるではないか。そういう点について、国のほうは、いけなければ公債を発行すればいいわけですが、しかし、地方自治体としてはそういう弾力性はありませんので、こういう大きな予算を組まれて、これが公共事業として、地方自治体に、それに見合う財政的な負担がかかってくるということになりますと、これは単独事業の面で一つの圧迫になると思いますが、その点はどうお考えになるのか。 この三つの点を質問したいと思います。
○佐々井参考人 お答え申し上げます。 まず、税収の見通し。将来でございますけれども、御指摘のように、法人関係の税金は、景気の変動と非常に直結をいたします。本県のように、半分がその関係であるという場合には、一次曲線といいますか、ほんとうに税収の問題と景気の変動とは一義的な関係で数字が出てまいります。これは大体半年おくれないし一年おくれで出てまいりますので、四十八年度前半におきましては、まず見積もりは間違いなかろう。後半におきましてどのくらいの経済的なマイナスというものが出てまいるかによりまして、あるいは期待するほどの追加財源というものが出てこないということになり、したがって、全国的に見ましても、交付税について特別の措置をお願いをしなければならぬということになりましたり、あるいは減収補てん債をお願いしなければならぬということになりましたり、こういった懸念はやはり十分ございます。そういった面も心配されますので、冒頭陳述の際にもお願い申し上げた次第でございます。 それから、超過負担でございますが、これは、おかげさまで逐次改善されている面もございます。たとえば、義務教育関係の給与負担でございますが、これにつきましては、相当な大幅な改善をこのところで見ております。しかし、たとえば公営住宅関係でございますとか、その他の面につきまして、地方団体全体としましては、ざっと七百五十億ぐらいの超過負担がまだあるというふうに聞いておるわけでございますけれども、四十八年度引き続き改善をお願いするとしまして、できるだけこういった超過負担というものはないようにお願いをしたいと思っております。 次に、公共事業が大幅にふえてまいりまして、それの裏負担というものは特にたいへんでございます。また、国の直轄事業に対する地元の負担といったものも、これまた相当な額になります。そういった負担のほかに、県単事業、地方単独事業をやってまいります財源はやはり枯渇ぎみでございまして、神奈川県の場合でも、県単独建設事業というもののシェアは非常に低下をしてきております。こういったことからも、地方税全体としての増強ということをぜひお願いをしたいわけでございまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○上村委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 市街化区域の農地の位置づけについて、副知事さんにお尋ねしたいと思います。 市街化区域内の農地の位置づけについてはいろいろと議論がありますが、まず、農地として見るのか、宅地として見るのか、また、農地として評価するのか、宅地として評価するのか、この一点をお尋ねしたいのです。 第二点目は、いま東京都で問題になっております法人二税の集積の利益に伴うところの大企業の法人税のアップ。先ほども、この法人税については、低過ぎるから上げろということでございましたが、いまもお話がありましたように、円のフロート問題やその他の問題で、非常に財源が危惧されておる。また、そういう問題を踏まえた上で、中小零細企業に対する経済問題の圧迫というものも考えたときに、一がいに法人税だけを上げていくということは、ここにいろいろと議論が出てくると思うのでございますが、法人所得の年収三百万円とか五百万円以上と、ある限度をきめて、それ以上の企業に対しては何%かのアップを考えるとかというきめのこまかい法人二税に対する対策は考えていないのかどうかという点ですね。 それから、副知事さんのところにも、横浜市という大都市を控えておりますが、この大都市の中で、高層建築ができますが、その高層建築が出たときに、日照権の問題で、日が当たらない場所にいる方については固定資産税をまけてあげるという考え方がいま出てきております。そして、これは武蔵野市等では実行しようとしておりますが、こういう横浜市等の大都市で、御地でいまかかえておる問題で、この点についての所感をまずお尋ねしたいと思います。
○佐々井参考人 まず、市街化区域内の農地の問題でございますが、これは、神奈川県としての立場で申し上げます。 神奈川県のような、都市化、過密化が非常に進んでおりますところの市街化区域というものを考えまして、その中に現在も相当農地が残っておりますけれども、これは全部ではございません。その中の相当なものをそのまま宅地なり工場なりといったことに使ってしまっていいものだろうかという感じが非常に強いわけでございます。神奈川県の平均で、公園緑地の面積は、人口一人当たりわずか二平米でございます。法の基準から申しましても六平米なければいけないのが、わずか二平米でございます。そういったことから、農地で都市の中にありますものは、一種の公園緑地の代替的な機能を果たしているのではないだろうか、オープンスペースあるいは緑といったことで、営業としての農業資産といったもの以上のものを発揮しているのではないかという考え方がございます。こういうことからいたしますと、その都市の中にあって、都市化が進むに従って支障を来たすようなものはむろん困るわけでありまして、たとえば水田でありますとかあるいは畜産農家でありますとか、こういったものは別でございますけれども、非常にきれいな園芸農家であるといったような場合、そういったものにつきましては、それが営農意欲が十分にあり、そして、公共的に見ましてもその場所が非常に貴重なオープンスペースの場所であるといったような位置づけができます場合には、これは営農意欲があります限り、やはり農地として存続をさせるといった考え方がいいのではないか。それで、神奈川県でも、生産緑地という構想を前から打ち出しておりますのはそのためでございます。それ以外の営農意欲がない、売り惜しみのために保有しておるといったものは、当然宅地並みに扱ってけっこうではないかというふうに考えます。 そういう点で、生産緑地的な、公共的な機能を果たしますものについては、固定資産税ばかりではございませんで、もっと大きな影響がありますのは実は相続税でございます。相続が一ぺんございますと、どうしても大きな評価でかかってまいりますので、そのせっかくの土地を切り売りしなければいかぬということで、みすみす都市内の貴重な緑地が失われるということがございます。この点は、当委員会の所管外ではございましょうけれども、お含みおきを願いたいと存じます。 それから、法人二税につきまして、階層的に超過累進的な形等で考えられないかということでございますが、これもとっさの御質問でございますので、お教えいただいたということで、持ち帰って検討いたしたいと思います。 次に、三番目の、大都市における高層建築、その陰にありますことによりまして、固定資産税についての問題が出てこないかということでございますが、一般的に、ただ人権上の問題あるいは健康上の問題というのみならず、そういったものができますと、地価に影響するということは当然ございます。ですから、その影響された地価に基づいて評価されるということでありますれば、必然的にそれは固定資産税の課税そのものにも影響は事実出てまいるかと思います。政策的にそれを出すか、その結果として出てくるかという違いでございまして、当然出るものと考えております。
○上村委員長 折小野良一君。
○折小野委員 時間もございませんので、一言だけお尋ねいたします。 県はもちろん管下市町村を指導するというお立場にあるわけでございますが、現在、都道府県にしましても、あるいは市町村にいたしましても、財源的には非常に窮迫をしておる状態でございます。そういう中で、自主財源を何とか確保したいとか、あるいは、仕事をやるためのお金を何とか多く持ちたいということは、これはもう共通したお考えだと思いますが、県の立場におきまして、県自体と管下市町村とを比べてみて、どちらのほうがまず財源を強化する必要があるのか、そういう点、県の立場としての率直な御意見をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○佐々井参考人 これは、先ほど申し上げましたことに尽きるわけでございまして、管下市町村の中でもピンからキリまでございます。人口あるいは面積のわりには優秀な大工場が立地をしておりまして、左うちわに近いものもございますし、そうでない、神奈川県の中でも非常に寒村に近いものもございます。通じてみますと、やはり市町村は市町村なりに、それぞれの状況に応じまして、財政上非常に苦しいということは申し上げられると思います。 県とどちらかとのお尋ねでございますが、率直に申しまして、どちらも楽じゃない、こういうところでごかんべん願いたいと思います。
○上村委員長 佐々井参考人には、御多用のところ御出席をいただき、ありがとうございました。 どうぞ御退席ください。 それでは、質疑を続行いたします。山本弥之助君。
○山本(弥)委員 時間の制約がございますので、御質問申し上げる件につきまして、一応一通り申し上げまして、御答弁をいただくということにいたしたいと思います。 第一点は、先ほど佐々井参考人に申し上げました第二の点でありますが、各団体とも自主財源の強化ということを陳情されておるわけでありますが、なかなかこの点が実現しにくい。そのことに関連いたしまして、今日、法人課税ということが意見が一致している以上は、法のたてまえ上与えられておる標準税率でなくて、制限税率までは課税するという法人課税の強化を自発的にやるべきではないか、かように考えるのですが、この点につきまして、各参考人の御意見を承りたいと思います。 税の普遍性から言いますと、町村、ことに過疎町村では、そのことによりまして普遍的な税収が得られないということがあるわけであります。今日、地方自治体の財源が非常に不公平になっている以上は、そういう町村は、税収、自主財源の強化ということよりも、むしろ、やはり、市町村の税源である交付税によって配慮すべきであって、各自治体、大中小の差がある自治体、あるいは財政力の差がある自治体に対しまして、あまりに普遍的財源を求めることは無理であるわけであります。この点をどうお考えになっているか承りたいと思います。ことに議長会の皆さま方は、その点は、法人の増税になりますので非常にめんどうな点があるかと思うのでありますが、実質的にやはり実施に移すべきではないかと私は考えますので、御意見を承りたいと思います。 それから、個人の住民税につきまして、先ほど荻田参考人から御意見を承ったわけでありますが、私どもは、所得税と住民税との課税最低限を極力近づけるべきであるということを主張いたしておるわけでありますが、このことは、今日の課税最低限が生活費に食い込むという意味で、住民税の性格が違うとはいいながら、今日、個人であれば三十四、五万で税金がかかるということはどうも理屈に合わないことでありますので、この最低限を高めるべきであるという意味におきましても、所得税に近づけるということを主張してまいっております。ただ、先ほど、荻田参考人の、所得税の最低限を中堅所得層以上に上げて、地方税としての最低限を高めながらという御意見、これは荻田さんの年来の御主張であり、私どもも個人的には共鳴する点があるわけでありますが、現段階におきましては、やはり今回の改正の最低限ももっと引き上げるべきであると私は考えておるのですが、これにつきましての御意見。 さらに、佐々井参考人が退席なさいましたが、府県税の住民税の税率ですが、これは沿革がありまして、二段階になっておるわけであります。今日、府県におきましてもある程度まで軽い累進課税にすべきであるというふうに考えるのでありますが、この点は荻田参考人の御意見をお聞きしたいと思っております。 それから、もう一つ。税で法定外の普通税という制度があるわけでありますが、現実には、府県税ではほとんどございません。沖繩に例外的なものがあるわけでありますが、市町村におきましては約二十五億、そのうちのおも立ったものは商品券の課税でありあす。これなんかも、大都市、中都市におきましては、法定外普通税を、課税の公平からいってどういうものにかけるべきかということについての検討をすべきではないか。自治省におきましては、あるいは国との税配分ということも急務でありますが、国と地方との税配分ということは、来年度、再来年度において実現できるかどうか、おそらく疑問でありますが、その中におきまして、そういった自主的な税体系を検討する必要があるのではないかと考えますので、各参考人の御意見を承りたいと存じます。 それから、特別土地保有税につきましては、先ほど御質問がありましたので、私もお聞きしたい点かありますが、省略することにいたしまして、市街化区域内の農地の課税の問題でありますが、この点は、特に工藤参考人にお聞きしたいと思うのであります。 私は、この問題は、第一点といたしまして、市町村の自主性を尊重すべきであると思う。いわば、町づくりをいろいろな特色を持っておやりになっておる市町村としてはどうあるべきかということは、いまの環境保全を含めまして、真剣に考えておる問題だと思います。このことは、都市計画上からも必要であるわけであります。その意味におきまして、その地域住民の、ことに農業経営者がどうあるべきかということも当然配慮しておるわけであります。自治省で税制改正を行なわないわけでありまして、昨年の経緯から言いますと、何とかこれにけりをつけなければならぬということで私どもも苦慮しておるわけでありますが、その意味におきまして、ある程度まで市町村長の自主性を——しかし、これは自主性と言いましても、民主的運営によりまして課税をきめるべきだと思うのでありまして、いわゆる農地課税の審議会を、昨年の改正で認めておるわけであります。これを活用いたしまして、これの審議を十分まつということが必要である。したがって、その研究会で荻田さんには非常に御苦労を願ったわけでありますが、私は、政令等で制限を設けるべきではないという考え方、いわば、市町村長の自主性と課税の民主的運営をはかるという意味におきまして、課税審議会において十分審議を尽くしてもらうということによりまして、ある程度この問題の解決をばかることが必要であるとかように考えておるわけであります。これは工藤参考人、荻田参考人から御意見を承りたいと思います。 簡単にはしょりましたが、山田委員から補足的な質問をお許し願いたいと思います。
○上村委員長 山田芳治君。
○山田(芳)委員 関連をいたしまして、荻田大先輩に伺いたいと思うのです。 市町村の税の充実についての具体的な御意見は、税源が非常に枯渇をしておるという話があったわけでございますが、事務所・事業所税の問題も触れられたわけですが、府県からとるべきだという意見もあるわけですけれども、私どもとしては、やはり、新しい税を起こして市町村にやるべきだという気持ちを持った場合に、荻田参考人の御意見をひとつ伺いたいのと、私は一つこういう意見を持っておるので、この意見についての御批判をいただきたいと思うのであります。 と申しますのは、府県の場合においては、御承知のように、法人税関係は、交付税において、当該年度の収入というものは翌年度において清算されるわけです。しかし、法人税関係以外の税については、これは清算をしない。長い目でもって大体そのとおりいくだろうというのでありますが、少なくとも、たとえば決算なり何なりをやった場合に、標準収入と決算との差額が相当大幅に出たような場合に、府県においては、その出た財源の二分の一程度のものを市町村に、府県における交付税のようなものを新設をしていったらどうだろうか。そうすることによって、府県の財源というものが清算をされないで、交付税で見た以上に出ていくという場合がある。そういう場合には、ある程度市町村に府県の税を移していくという形の中でそういったものができないものかどうか。あるいは、一定率を、交付税制度みたいなものを府県にも認めて、市町村の交付税制度の補完的な役割りを果たすというようなものができないか。これは全国的にもちろんプールするという形をとらないと、各府県ではおかしくなりますが、そういうようなものの考え方ですが、府県にも相当程度の市町村に対する調整機能を持たせていくというようなことを考えないと、府県の税をそのまま持っていくということはなかなかむずかしい問題もあるかもしれないのですが、そういうような点で、新しい税、あるいは府県間相互における財源調整というような問題について、ちょっと参考人の御意見を伺いたいと思います。
○工藤参考人 まず、第一点の、各地方公共団体が、自主的に制限税率まで税率をアップしていく努力をすべきではないかという御質問でございますが、この点につきましては、現在、各都市がなべて標準税率に直していくような状況の中で、一つの都市だけが特に税率を上げていくということは、対住民との問題で、また、法人のみに限って申しましても、この都市だけは法人に高く課税をしているということになりますと、都市の将来の機能集積をはかる面においていろいろ問題がございまして、やるのであれば、全部一度でなければ各都市はやり切れないものだと考えます。実際に、これはできかねるような状態でございます。 それから、第四点の御質問で、市街化区域の農地についてでございますが、私は、第一に、原則として、周辺の土地との均衡を保てるような宅地並み課税として、基本的にそういう方向であるべきだと思っております。ただし、都市におきましての生産緑地の保全の問題、特に、私どものような都市では、市街化のまん中にたんぼがあって、カエルの声が聞けるわけであります。こういう情緒は残していきたいのであります。こういう点からいきまして、生産緑地として残しておくことにはたいへんな意味がございます。そういう点からいきまして、生産緑地の範囲を何ヘクタール以上というような、いわば農業経営の面から見た標準規模でもって制限されますと、残したいものが残されなくなってしまうという点もありまして、こういう生産緑地として残すかどうかという判断は、各市町村、そしてその審議会等にゆだねていただきたいというのが私どもの希望でございます。 この点につきましての一つの問題は、宅地並み課税にする場合において、宅地化の進行を一番阻害しておりますのは、将来の値上がりを待つということも一つでございますが、地主と小作人の関係がございまして、地主は、町の中だからこれを市街化の宅地に転用したいと考える。ところが、その場合にはかなりな価格で売れるのですが、小作人に、四割から、高いところは五割、低くて三割くらいは離作料として払わなければならないというような慣習みたいものがございます。これが地主の宅地転用をたいへん阻害している原因になっておると思います。この点についてのいろいろな施策ですが、市が代替地を見つけて小作人に農地を与えようとしましても、現在市が農地を農地のままで持つことができない法制になっております。この点が一つの問題点があると存じております。
○山本(弥)委員 法定外普通税についてはどうですか。
○工藤参考人 これは荻田先生のほうの御質問だと思いますが、法定外普通税につきましては、現在、何がよいかということにつきましては、明確な考え方を持っておりません。税源を何とか適当なものをさがしたいという気持ちはございます。それについて検討すべきであるということはごもっともだと存じております。
○町田参考人 ただいまの、市長さんからお話がございましたような、課税限度額一ぱいの課税というのは、これは住民の抵抗があって、とてもじゃないがむずかしい。やっていただくなら、法律できめていただいて、一ぺんに全国でやっていただきたいと思います。 それから、他に税源があるはずだという御示唆をいただきましたが、横浜で現にやっておるものがございます。これは商品券課税であります。これは、定時制高校生の経費を持ってやろうということで、横浜市で実行いたしております。 それから、市街化農地の問題でありますが、これは、先ほども申し上げましたけれども、本人が希望して、かなり市街化に繰り入れてありますから、これは課税すべきだと思いますが、残念なことに、市街化になるような社会資本の投下が一体できるだろうか。道路あるいは下水、水道、これがまず絶対に不可能だと、私は、いまの横浜市での財源ではそう見ております。したがって、これは、市長さんがおっしゃったように、市町村にまかせてもらえませんと課税ができない、する場合でもなかなか問題点が多かろう、こう存じます。 以上でございます。
○荻田参考人 第一点でございますが、法人税の制限外課税をやったらどうかということですが、私は、先生の御意見に賛成です。市長会なり知事会なりが、税源の充実ということで、国税の法人税を移譲しろとか、法人税を増徴しろという決議をするくらいだったら、これはみんなで寄って、知事会や市長会が国に陳情することばかり決議せず、自分たちでやることをやって——先ほど市長さんがおっしゃったように、一つだけやるとなると袋だたきにあいますからいかぬのですけれども、全国でやれば、それがよければ、やってやったらいいのではないかという感じを持っております。 それから、住民税の課税最低限及び税率についてのお話でありますけれども、私はこういうふうに考えておるのであります。国税、地方税を通じて、まず、あるべき所得課税のあり方、どこを課税最低限にして、どういうカーブでもって取ったらいいかということをまずきめて、その中において、国税と地方税をどう割り振るかという考え方に立つ。そうなりますと、低いほうの所得の人は、これは地方にみな譲ってしまう。国が手を出さない。それから、税率の面においても、下の部分というのは、市町村民税も比例税率にしたほうがいいと思っております。それで、国のほうが、いわゆる所得再配分と申しますか、その趣旨でもって高率の税率をつくる。府県なり市町村なりは、むしろ会費的なものですから、国と違って、権力的な団体でなくて、福祉のサービス的な団体なんですから、その会費を所得に応じて出すという、その分。したがって、全体としては、先ほども申しておりますように、くどいようですけれども、課税最低限がいまのままでいいとは決して申していないので、所得水準が上がり、生活費が上がったりなどすれば上げてもいい。しかし、その分け方として、市町村は下のほうをとる。それから、税率も、累進税率をとってけっこうですけれども、地方団体の分は低い部分だけをとる。こういう考え方で一ぺん大整理をなさったらいいのではないかという感じを持ちます。 それから、法定外普通税でございますが、これはいろいろ議論があると思いますけれども、たいした額ではないのでございますね。最近はあまり動かないので、かねてもうだいぶ長い間落ちついておりますから、現状は現状でもいいのではないか、こういう感じがいたします。 それから、市街化農地の問題でありますが、これはいろいろむずかしい問題がありますだけに、市町村の自主性ということではなかなか解決がつかぬのじゃないか。やはり、国会においてしかるべき基準をお示しになって、取ったほうがいいのではないか。しかし、それにはきめこまかい配慮が必要だと思います。そういう感じを持っております。 それから、市町村税の充実ということでございますけれども、先ほど来申しておりますように、所得税を国税から移譲する、それから法人税を取る、これが大筋だと思います。そのほかには、目的税的に道路目的財源を充実するとか、それから、事業所の事務所税を取るとか、それから、都市計画税の増徴、こういうような目的税的なものを増徴すべきではないかというふうに思います。 それから、あとで補足の御質問でございますが、交付税において、府県でもって調整の方法はないかということでございますけれども、これは、現在の交付税制度に対して非常に革命的な意見であって、いまの体制をとる限り、それは好ましくないので、やはり、法人税なんかにおいて、基準財政収入よりも上回った額というのは、来年度において調整を加えて、あくまでも差し引き損得なしにするという方向で進むべきであって、余ったからといって、市町村に分けてやるというのはちょっと賛成が……。
○山田(芳)委員 法人税以外の税で、清算のない税、基準税収入以上に出たものについて、それは府県の収入の黒字になってあがるのですけれども、その分を府県と市町村で分けてやったらどうか。
○荻田参考人 それは失礼いたしました。そうたくさん差額というものがありますでしょうか。ほかの税についてはあまりないように思われるのであります。
○上村委員長 林百郎君。
○林(百)委員 まず、工藤参考人にお聞きしますが、特別土地保有税についてであります。 税率が、保有地については百分の一・四、取得地については百分の三というのですが、これで土地の買い占めから、土地を勤労者の宅地として開放するというような実効が生ずるとお考えになるかどうか、率直な御意見をお聞きしたいと思います。 それから、私は長野県で、盛岡のほうの実情はよくわからないのですが、一体、いま盛岡の周辺で土地の買い占めというようなことが行なわれているかどうか。これは市街化区域ばかりに限らなくても、もし行なわれているとすれば、どういう資本が入ってきて、どういうような買い占めをしているのか。その点が第二点。 第三としては、宅地並み課税の場合、農地あるいは生産緑地として存置する必要があるかどうかというようなことは、その土地の審議会が——農業協同組合あるいは農業委員、あるいは農民組合だとか、学識経験者とか、そういう人たちのほうがむしろよくわかっているので、そういう農地としてこれを認めるかどうか、あるいは生産緑地として認めるかどうかということは、大きなワクは国できめるにしても、これはむしろ市町村の実情に詳しい人たちにまかせて、そして、市長がそれに諮問をして、市長がおきめになるということのほうが実際に合っているのじゃないかと思いますが、その点いかがお考えになるか。 まず、工藤さんにお聞きしたいと思います。
○工藤参考人 第一点の特別土地保有税で一・四%、三%ということで買い占め防止の実効があがるかどうかということにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、実際にやってみないとわからないという気がします。ただ、保有とか買い占めというものには、それに対して税がかかるのだぞということに前進したということが、他のもろもろの土地諸対策とあわせて考えますときに、効果があがっていくのではないかと期待をいたしております。 それから、第二点の土地の買い占めの状況でございますが、開発を予想されておりますのは、盛岡の場合は、ちょうど新幹線、高速道路が来るということで非常に注目を浴びておりまして、そういう意味では買い占めや地価の上昇等も顕著に見られます。ただ、最も顕著な買い占めというのは、都市計画区域外で、つまり規制のないところに入ってくるものでございます。市街化調整区域に押えてしまいましたところは、将来開発が期待されますところには、現在私ども開発の構想を明確に立てておるわけであります。そういうところには入ってこれない。入ってこれない理由は、開発許可されなければどうにもならない。開発許可される場合には、きわめて厳重な、しかも将来を見通した大規模な条件がつけられることがわかっておるものですから、そこには入ってこれないような状態になっております。 それから、市街化区域の中では、地価の上昇ということは顕著に見られる状態でございますが、どういう資本がどういうふうに具体的に入ってきているかということは、資料を持ってきておりませんのでちょっとなにでございますが、これは、地元、中央の両方から入ってきておるような状態でございます。これに対応して、私どもは、まず市街化区域、都市計画区域を拡大いたしまして、周辺まで市街化調整区域の網で押えるのが最もよい対策であるというように考えまして、そういう方向に努力をしていきたいと思っております。 それから、次に、宅地並み課税のことにつきまして、生産緑地として、どのような規模のものをどのように保全するか、将来どうするかということは、やはりそれぞれ特色を持った地方の判断にゆだねていただいてよろしいかと思っております。基準はきめるにしましても、こまかな点は地方におまかせいただけるほうがよろしい。同感でございます。
○林(百)委員 荻田参考人にお聞きしますが、私たちの調査によりますと、大企業が買い占めた土地を東京周辺で調べてみましたら、約一億平方メートル、これは首都圏の民間の全宅地造成実績の七年から十年分だというのです。さらに、東京証券取引所の一部上場会社七百七十一社の所有地を調べてみましたら、四十五億八千万平方メートルで、全国の市街地の面積に匹敵するというような数字が出ているわけです。それから、一九五九年から一九七二年の十月までの土地に対する金融を見ますと、一九五九年には四百九十八億だったのが、一九七二年の十月末には三兆六千億円になって、約七十二倍になっている。この間、全国銀行の土地買い占めのための貸し出しが八倍になっている。こういう数字が出て、土地の大資本あるいは商社による買い占めが非常に顕著に出てきているわけなんです。 そういう情勢の中で、先生のおっしゃられたような宅地並み課税をして、農地を農民から手放すようにしていくといった場合に、それが勤労者の手に入るという保障が一体あるのかどうか。こういう土地の大商社による買い占め、金融からの大資本への融資という状態のもとに、それは結局民間デベロッパーが手を伸ばして買い占めてしまうのではないのでしょうか。それが勤労者のマイホームの夢の敷地となるという保障が、何か法律的にあるのでしょうか。問題は、このことのほうが非常に重要ではないでしょうかね。 それから、もう一つ。私は、別に先生とここで議論をかわすつもりはありませんけれども、土地の収益力に対する課税をするというのですが、それは、土地を売った場合はそういう値段になるという、そういう潜在的な収益力ですけれども、現実の所得というのは、そこで農業を経営しているわけなんですから、農業の所得しかないわけなんです。これは、課税の原則から言って、所得に対する課税が原則なんですから、潜在的な能力に対して課税をするというのは、政策的な意味は別として、課税の面から言えば、これは所得に対する課税という課税の原則からはずれてしまうのではないか。この二つの点が、私としては、先生の御意見の中で私の引っかかる点でございますので、ひとつ御見解を述べていただきたいと思います。
○荻田参考人 初めの御質問の点でございますが、私は、先ほども申し上げましたように、税制だけでもって政策が全部解決するとは思っておりません。したがって、農地課税をしたからどうなる、それだけでもって解決するということはない。その一助になるということであります。その意味においては、私は、効果があると思っております。しかし、いまあなたがおっしゃいましたような弊害の面は、これは別の方途をもって規制しなければとうてい解決するものじゃなくて、税制では解決つかない問題だと思っております。 それから、第二の収益力の問題ですけれども、これは収益税というのが、いわゆる収益力というのを課税の基準にしていると思うのです。収益力というのは、現実に所得を生じたということじゃないんです。宅地がありまして、かりに、その宅地をあき地にしておいて、家建てずに何もしないでほうっておいても、やはりそれは家の建っている宅地並みの収益があるとして課税しているのです。それと同じように、農地につきましても、それが本来市街化区域であって、宅地化すべきところであれば、宅地並みの収益力があると見て課税するのでありまして、そう見られるか見られないかというところが判断の基礎になる、こう思っております。
○林(百)委員 もう一つだけ質問して終わりますが、先生のおっしゃるように、何ら生産に用いないで土地が放置されている場合、そういう人は、その土地を別に生産の手段に用いて収益をあげなくても生活ができるからそれは放置してあるわけでしょう。しかし、農民というのは、その土地を耕作して農業収益をあげなければ生活ができない人が農業をやっているわけなんですから、だから、一方では放置されている土地があって値段が上がっているのに、一方農地にそれと同じ課税をしなければならないということは実情に合わない理論じゃないでしょうか。そんな市街化区域の中の土地を放置しても、二年でも三年でも放置できる、それで生活ができるなんという人はうらやましい人ですよ。農民は、市街化区域の中でも、まっ黒になって毎日農業経営をしていなければ生活ができないのですから、それに対して、放置しておいても生活が十分成り立つような人と同じように課税していくということは、これは実情に合わない御理論ではないかというように私は考えているわけですが、いかがでしょう。
○荻田参考人 実情とおっしゃいますとそういうことになるかもしれませんけれども、税のたてまえとしましては、あくまで収益力を課税標準にしておる税でございまするから、やはり、その収益力が価額に還元する——資本主義でございますから、その収益力が価額に還元する、したがって、価額に対して課税することは収益力に課税する、こういうことになるだろうと思います。
○林(百)委員 それでは、これで私は終わりますが、私たちのほうも、農地というような擬装をして、そして騰貴を待っているような農地に対しては——さっき工藤さんにも御質問したのはその点ですが、そういうものは実情がよくわかりますから、そういうものに対して適正な課税をするということについてはやぶさかではございません。そしてまた、そういう放置されている土地に対しては、東京周辺では五十キロ、大阪周辺では四十キロ範囲、名古屋周辺では三十キロ範囲は適当な価格で自治体が収用できるという権限を自治体に与える。そのためには、自治体に起債なり何なり認めて財政力をつけて、その開放された土地がほんとうに自治体の公な用途に供せられるような道を講じて、ほんとうに勤労者の手に渡るようにする。そういう配慮と裏づけを考えていかないと、ただ、宅地並み課税をすれば、それが直接ストレートに勤労者の宅地になるのだというようなことではちょっと不十分ではないかというように考えて御質問したわけですけれども、そういうわけでございますので、われわれの立場も一応補足しておきます。
○上村委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 電気ガス税についてお尋ねいたします。 電気ガス税は、本来大衆課税としてすべきでないという持論を私は持っているのですけれども、市町村団体の有力な財源として見る場合にはこれをある程度考えなければならぬと思いますが、私は、今回のこの電気ガス税の税率を下げたということ、これそのものに反対しているわけじゃないのですが、基本的な考えとして、国民が生活していくこういう大都市のまん中で、いままきをたいて御飯をたいている人はありませんし、ランプをつけている人もおりません。そういった憲法上のほんとうの基本的な生存権の問題である電気ガスというものに税金をかけておりながら、一方では、大企業に対して、火力発電のための租税特別措置があるとか、ある一定規模の電気ガスを消費する企業に対して租税の減免をやっているということに対してまず憤りを感じているわけなんです。それを解決せずして、こちらの問題だけで税率を下げていくことで糊塗することに基本的に私は賛成しかねている考えを持っている一人なんですが、それについて、荻田先生と全国市長会の工藤先生の、お二人の御意見をまずお聞きしたいと思います。それが第一点。 第二点は、荻田先生ですね。市街化区域の農地というものは、やはり農地として見るべきなのか、宅地として見るべきなのか。先ほども私、神奈川県の副知事さんにお尋ねいたしましたが、これによっていろいろな面が変わってまいります。私は、市街化区域の中の農地の宅地並み課税なんという表題自体が、あいまいもことした問題を含んでこうなってきたと思いますので、まず、その辺の点をどのように御評価なさっていらっしゃるか。これが第二点目。 第三点目は、町田さんに、議長さんにお尋ねしますが、神奈川県の藤沢市においては、市街化区域の農地を宅地並みにすることの反対の理由として、人口急増問題を取り上げているわけですね。もしもこれを宅地並み課税にして、農地がどんどん放出されてきて、ただでさえも人口が急増して困る藤沢市で、これ以上人が入ってきてもらっては困る、だから、三年なり五年なりは農地として保有していただきたい、人口が急増することに対しては反対だというように、こういう財政問題から、地方財政の一つの貧困な例を取り上げて、この大きな国策的問題を考えている市長さんもいるということを私は聞いたんですが、現実問題として、人口急増地帯に急速に人口がふえてくる一つの原因として、農地がどんどん宅地として供給されることによるものがある。宅地として供給されることによって人口がふえてくるのですから、その当該市町村の長として、これ以上人口がふえては困る。一例をあげますと、住宅公団受け入れ反対、大型デベロップに対しても反対だということで、そういう宅地並みをすることに税金でやることは反対だ、だから農地並みにしておけという議論もございますが、その点についてお尋ねいたします。
○工藤参考人 電気ガス税につきまして、生活水準が上がってくるに従って電気やガスの使用量がふえてくるのは当然でございます。したがいまして、免税点を適正に引き上げてまいりまして、これが大衆課税にならないようにするという配慮は必要であろうと思います。 ただ、先ほど私が意見を申し上げましたのは、この程度の免税点の引き上げをやれば大衆課税にはならないのであるから、したがって、税率の点はもうこれでいいのではないか、下げなくともよかったのではないのかという考え方と、それから、産業用の非課税基準については十分に検討すべきではないかということ、これは御質問の御趣旨に合ったようなことでございます。そういう点で市長会では議論をしておるわけであります。その考え方を申し上げた次第であります。
○荻田参考人 まず、電気ガス税でございますけれども、私は、免税点さえしっかりしたものをつくっておけば、あとは、いわゆる選択的な消費税と申しますか、所得の多い人ほどよけい使うのでございますから、その部分に対する電気ガス税というものは取ってもいいんじゃないか、こう思っております。 それから、ことに営業用についても、同じく事業税の補完税的な意味をもちまして、これを取っても差しつかえないんじゃないかと考えております。 それから、市街化農地の問題ですけれども、これは、私は、そもそも、固定資産税は、条文からいたしまして、時価に対して取るということで、これは農地であろうと、宅地であろうと、何ら差別はつけていないのです。評価基準がただ違っておるだけでございます。原則として、あらゆるものに対して時価を標準としておる、これがこの税の基本でございます。したがって、極端なことを言いますれば、農地だから、宅地だからといって差をつけるのは、基本的には本来のこの税法の規定の趣旨には反するんだと、そう思います。ただ、評価基準が、いままで、農地のほうにつきましては御承知のようなことになっておりまして、宅地と非常に違っておる。したがって、本来の姿であるところの市街化区域におきましては、いわゆる宅地化するのは当然だという前提のもとに考えられております。したがって、先ほど来お話の出ている、いわゆる生産緑地というような観念が正式に認められますれば、これは私は除外してもいいと思いますけれども、そうでなくて、やはり本来宅地化すべき土地だということになっている以上、宅地並みの課税をすることは、もとの姿に戻るのであって、少しも差しつかえない、こういう感じを私は持っております。
○町田参考人 いまお話の藤沢市でやっているかどうかは知りませんが、横浜では現にやっております。これは市街化が進んでまいりますと、どうしても公園が少ない。こういうことから、それにかわるべき広場というものを要求しておるわけです。したがって、いま私どものほうでやっておりますのは、農業専用地区というものを設けまして、そこを、いわば区画整理のようなことをして、ほんとうにそこで高度の農業をやらしておる。したがって、それは、町の中にある適当なヘクタール、面積によって認めておるわけです。これは市のほうで事業のお手伝いをしてやっております。 同時に、だんだん市街化されてまいります中で、先ほどもお話がございましたが、いま、横浜市では、市民一人当たりの公園の広さがようやく二平米であります。これを四平米、五平米に伸ばしていきたい。将来、そういう農地を特に町の真ん中に残していただいて、そこで農業をやっていただいて、それを買い上げて公園にしたいという場合もあるいは起きましょう。あるいは公共用地に使うという希望も持てるわけでございますから、したがって、そういうふうなことは横浜市としてもやっております。そして、山林あたりは、これは特に地主にお願いをして、そのまま自然に残しておいていただく。税の減免をいたしております。そういうことによって、都市における緑地というものの保全をはかる。したがって、その大きな役割りをするのが農地でありますから、それは今後私どもとしても十分検討して、できるだけ農地を残していく方法、それは検討していきたいと思っております。
○小川(新)委員 では、簡単に、最後にひとつ荻田先生に伺いますが、未利用地税というものがいま見送りになったのですけれども、土地対策として、空閑地とか未利用地というものに対して税金をかけるという考え方をちょっとお聞きして、私、終わらしていただきます。
○荻田参考人 空閑地税とか未利用地税という思想がある。外国なんかにもあるようでございますが、ただ、日本においては、まだ都市計画というものは十分できてない。したがって、空地を残しておいて——はっきりともう都市計画ができてしまって、もうこれ以上何も公共用地にとる必要がないという地域ができれば、私は、空閑地税を取ってもいいと思いますけれども、現在のままにおいては、むしろ保留地的な思想を持っているところもございますから、むしろ奨励——奨励と言うとちょっと強過ぎるかもしれませんが、残っていることのほうがいいのであって、それに特別の税を取るのは適当でないと思います。 それからなお、技術的には空閑地なり未利用地の認定がむずかしいという問題がございますけれども、それより前に、いま申しましたような都市計画というものがしっかりでき上がっていない未完成の土地であれば、その余裕を残しておくというような考え方のほうがいいのではないか、こういう感じがしております。
○上村委員長 折小野良一君。
○折小野委員 簡単にお尋ねをいたします。 まず、工藤参考人にお尋ねをいたしますが、人口の流動とか物資の流通という面に着目した税があったらいいがと、こういうような御意見がございました。それに関連をして、何か、新しい税目と申しますか、そういうものの心づもりがあったら御発表願いたい。 それから、それに関連するような税といたしまして、現在たばこ消費税というものがございますが、たばこ消費税が、地方中核都市としての盛岡のようなところではどういうような伸びを示しておるかということと、あるいは、これの配分を市町村にもっと多くするという考え方に対してはどういうようなお考えをお持ちであるかということ、これをお伺いいたします。 それから、次は、町田参考人にお伺いをいたしますが、議会の議長さんという立場におきまして、住民の声をいろいろな形で吸い上げておいでになるだろうと思いますが、税につきましてよく問題になりますのが公平ということであります。あるいは負担の軽減という問題、こういう面からのお考え、あるいは住民の声、そういうものがございましたら率直にひとつ教えていただきたいと思います。 それから、次は、荻田参考人にお伺いをいたしますが、課税をもって他の政策の手段に使うのは好ましくないということは、そのとおりだと思います。しかし、これを使うならば、非常に重要な政策の場合はやむを得ないだろう。今日、土地問題が非常に重要な政策になっておることは申し上げるまでもございません。そういうような事態の中で、特別土地保有税というようなものができたということ、これにつきましては、私どもは一応評価をいたしますが、その税率等から見まして、おそらく、政策的な目的を達成するには足りないと考えております。せっかくやるならば、せめてそういう政策的な目的が少しでも達成されるように——もちろん、税だけですべての目的が達成されるとは私どもは考えておりませんし、むしろその他の施策のほうが重要だと思いますが、しかし、この税だけでも、あまりにも政策目的を達成するには十分ではないというふうに考えます。せめて、これを五倍ぐらいにしたら多少の効果はあがるんじゃなかろうかと思うのですが、こういう点についての荻田参考人の御批判をお伺いいたしたいと思います。
○工藤参考人 第一点の、人口の流動とか、あるいは物資の流動に着目した税につきまして、何か具体的な新しい税目を考えているかということに対しましては、いまのところ見当たっておるものではございません。ただ、市長会といたしまして、都市税源を何とかして確保したいという考え方から、現在の税制の中でこうした間接税的なものが比較的少ないので、そこで、こういうものを考えようではないかということで、いろいろ研究もし、また要望も申し上げているということでございます。 それから、たばこ消費税の伸びは、盛岡市の場合大体三億程度でございますが、昨年度、四十七年度の場合は、前年と比べて一〇%ふえております。来年度は五%という見込みをいたしておりますけれども、その程度の伸びがございます。これを市町村に配分を多くしたらどうかということは、市町村の税源の確保のためにはできるだけお力添えを願いたいという気持ちで一ぱいでございます。
○町田参考人 税金の点で、私どもに何か要望があるかということですが、これは、ふしぎなことに、私が議長になりましてから二年近くになりますが、税が高いからまけろというのは一つもございません。 それと、もう一つ、公平の問題ですが、住民税は累進であります。決してもとのように二八%というのじゃなくて、累進ですから、高い所得の者ほど住民税が高いということで、これにも問題がないようであります。ただ、私どものほうでは、ごみの清掃については料金を取っておりませんが、汚物の清掃については料金を取っておりますが、これも、実際かかります三分の一ぐらいでございます。一人五十円でございます。そういうことで、これはときに話に出ることはありますけれども、住民からの直接の声は聞いておりません。 以上でございます。
○荻田参考人 いまの、特別の土地保有税の問題でございますけれども、おっしゃいましたことはごもっともと思うのでございますけれども、何ぶんにも土地の税金はきわめてむずかしい問題で、どう動くかわかりません。先ほど来、現実に当たられる市長さんあたりも、結果を見てからでなければ何とも言えないじゃないかと言っておられるわけで、いわんや私がそれ以上のことを申し上げることもできませんので、お許し願いたいと思います。
○折小野委員 最後に、荻田参考人に一つだけお伺いいたします。 先ほどのお話の中で、例の農地の宅地並み課税につきまして、骨抜きにならないようにという御意見がございました。ということは、研究会で出されました第一案、第二案をとるなということでしょうか。これよりかもっと骨抜きにならないようにと、こういうようなことでしょうか。個人としての御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○荻田参考人 後者のほうでございまして、少なくとも、出ました案以下にはならないようにお願いいたしたいと思います。
○折小野委員 わかりました。
○上村委員長 これにて、参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位に申し上げます。 長時間にわたり、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。 次回は、来たる十三日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十分散会