地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/02/22
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村弘海君。
○中村(弘)委員 自治大臣及び国家公安委員長の所信表明に対しまして、私は、地方行財政、警察等にわたって、基本的な問題について御所見をお伺いしたいと思います。時間が非常に限られておりますので、さわりだけをひとつ……。 今日、都市化の急速な進展に伴いまして、地方自治に関する諸問題が大きくクローズアップされておりまして、あらためてこの地方自治の危機が叫ばれておるような状態でございます。御承知のように、都市化の進展は、伝統的な自治理念の崩壊ないしは変形を招いておりまして、住民の価値観の多様化や複雑化と相まって、住民意識の大きな変化となってあらわれておるわけでございます。その顕著な例といたしましては、いろいろな公害の問題や、それから日照権の問題等に見られる住民ぐるみの運動で、その動きが近年ますます盛んになっているのでございます。これに対して、自治体行政は一体どのように対処すべきなのであるか。さらにまた、地方自治の阻害要因として、住民の激しい移動に伴うところの定着意識の希薄化や、都市部においては、通勤圏の拡大に伴うところの職場と住宅の分離などがあるが、そういったものから、自治体への愛着、関心の薄さがますますその傾向を強めているような次第でございます。 そこで、自治大臣にお伺いしたいわけでございますが、このような住民意識の急激な変化の中で、新しい地方自治確立についてどのような対策を持っておられるのか。その基本的なお考えをお伺いしたいと思うのでございます。
○江崎国務大臣 いま御指摘になりましたように、いろいろなひずみができてまいりました。たとえば過密であるとか、過疎であるとか、また、御指摘になるように、自治体に対する関心度、愛着度、そういうものがだんだん薄れておることは否定できないと思います。しかし、その反面において、その生活環境に豊かさを求める、快適さを求めるといった要望が住民意識の中に非常に強くなってきておることも否定できないのであります。したがいまして、そういう住民感情というものを的確に把握していくこと、これは口で言うことはやさしいわけですが、非常にむずかしいことです。しかし、地方自治体に対する配慮はきめこまかなものでなければならぬ。そして、従来のいわゆる指導型指向の形でなくて、いわゆる押しつけのものではなくて、住民感情の盛り上がり、住民の希望の盛り上がりといったものを的確に把握して措置をしていき、そういった希望に十分反応をさせる血の通った自治体形成をするということが望まれるというふうに私ども考えておるのであります。 したがいまして、今後とも住民の側に立って、地方自治体なるものは、十分その施策の全うを期していくことが大切である。したがいまして、私ども自治省としましても、従来以上にきめこまかな、行き届いた配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
○中村(弘)委員 ただいまの大臣の御答弁を聞きまして、私は、地方自治というものがやはり民主主義の本旨に沿うものだということを考えておりまして、非常に力強く感ずるものでございます。 ところで、次に都市対策についてでございますが、今回の所信表明で、都市対策の推進強化に対する御熱意がうかがえるわけでございまして非常に喜ばしいことだと考えておるわけでございます。しかしながら、この都市づくりにつきまして、二十五万都市構想など、各省ばらばらで、いまだにきまっていないような状態でございまして、今後国土総合開発庁が設置され、国土総合開発法の全面改正案の制定を待って、国としての都市づくり方法、あるいは都市配置等が決定されると思いますが、自治大臣としては、どのような都市像を理想として今後の都市配置や都市整備を進めようと考えておられるのか、お伺いしたいと思うのでございます。
○江崎国務大臣 国土の均衡ある発展、要するに人口、そして産業、これの適正な配置、最近にわかに問題になっておりまする過密過疎の問題の解決、こういったことが今日の大事な問題だと思います。 地域住民の福祉の向上に資していきまするために都市を合理的に配置する。これはもう数年来言われておることでありまするが、まだ、これに対しての顕著なあらわれがありません。遅々として進んでおりませんが、しかし、当省としましては、地方の中核となる都市、その周辺の市町村を含むいわゆる社会生活圏と申しますか、地方中核都市圏とでも申しまするか、そういうバランスのとれた快適な整備をして、これを全国土にわたって合理的に配置するよう——関係省庁は御指摘のように必ずしも十分連絡が行き届いておるとは思いませんが、そうかといって、これはなおざりにできる問題ではありませんので、十分そのあたりにこまかい配慮をしまして、都市、町村との均斉のとれた調和のあるバランスなどを配慮しながら、充実につとめてまいりたいというふうに思っております。 これは、工場の分散とか、過密地帯の人口の都心外への配備とか、いろいろありましょうが、いろいろな機能、総合された機能をそこに持たせるということもやっぱり必要だと思います。たとえば産業、文化、福祉、レクリエーションの場というようなものをそこに整備いたしまして、住民の基礎的な生活条件を確保していくことが大事なポイントになるというふうに思っております。この圏域の整備というものが、すなわちこれからの理想的な地域社会づくりであり、地方公共団体の発意に基づいて、その自主性というものを十分尊重しながらつくり上げていくということが大切だと考えております。
○中村(弘)委員 次に、広域市町村圏についてでございます。 広域市町村圏は、昭和四十四年に設定されてから、すでに四年を経過しておるわけでございますが、地方行政において果たすべきその役割りは年々重要性を増しておるかと思います。 そこで、この広域行政をさらに推進する上で、従来の市町村一部事務組合制度を弾力的に運用するために市町村の連合制度を設けることが必要ではないかと考えるわけでございますが、この問題についての御所見をお伺いしたいと思うのでございます。
○江崎国務大臣 このことは、もう数年来やかましく言われておりまするし、地方自治体においても、この広域圏整備の問題が具体化しております。私どもも、地方公共団体の発意に基づいて、その強い希望を背景にして、いろいろな住民の福祉事業、生活環境を整備する事業が滞りなく行なわれることを最も希望するものでありまして、従来の一部事務組合という域を脱して、この市町村の広域圏の、いわゆる実質的な効果があがる体制づくりを期待いたし、同時にまた、ぜひこれを推進いたしてまいりたいというふうに考えておるものでございます。(「慎重にお願いします。」と呼ぶ者あり)
○中村(弘)委員 いま、山本先生から慎重にということばが出ましたが、いずれ法案が出ると思いますから、そのときに……。 それからまた、広域市町村圏につきまして、その指定によって、道路整備にかかる需要の割り増し補正が行なわれておるわけでございますけれども、関係市町村においては、その割り増し補正の三年間の期限が切れるという問題が起きておりまして、その先行きを非常に心配していると私は思うのでございます。この問題は来年度から直ちに出てくるわけでございますので、自治省としてはどのような対策をお考えになっておられるのか、そのお見通しをお伺いしたいと思うのです。これは大臣でなくてもけっこうです。
○江崎国務大臣 交付税の基準財政需要額の算定にあたりまして、道路費のかさ上げ措置を講じて今日に至った。向こう三年間ということに一応なっておりまするが、これは非常な成果をあげて今日に至っております。一件平均いたしまして三億円ぐらいになるわけでございまするが、すでに形もあらわれ、成果もあがっておる。しかも、年々事業量はだんだん膨大になっております。そういう点から、これはまだ当分の間措置していくことが時代の要請に沿うことでもあるし、また、地方公共団体の強い希望にこたえることにもなるというわけで、四十八年度におきましても、従来と同様の措置を講ずる予定で進めております。
○中村(弘)委員 よくわかりました。ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、地方一般財源の確保について、問題をしぼってお伺いをしたいと思うわけでございますが、まずその第一点は、ただいまの問題にも関連いたしますが、地方交付税についてでございます。 本年度、つまり昭和四十七年度は、地方財源の不足対策として、臨時地方特例交付金一千五十億円、地方交付税特別会計において、資金運用部資金から千六百億円を借り入れ、また、地方財政計画から三千五百億円の地方債を増額するなど、公共事業にかかる地方負担額のうち、従来地方交付税によって措置されていた一般財源の一部を地方債に振りかえるという措置がとられてきたのでございます。 そこで、来年度、四十八年度でございますが、地方税及び地方交付税等、相当程度の自然増収が見込まれるとは思いますけれども、その反面、本年度のような特例措置はなくなりまして、九百五十億円の借り入れ措置だけで——まあ、この件につきましては、大臣は相当奮闘なさいましたわけでございますが、それだけで地方公共団体の財政需要に十分対処できるのであるかどうか、それをお伺いしたいと思うのでございます。 それから、第二点は、交付税率の問題でございますが、交付税特別会計において、資金運用部資金からの借り入れ金は、来年度、四十八年度の九百五十億円を入れて三千八百四十五億円にも達するということでございます。 そこで、その償還は多額にのぼりまして、後年において地方公共団体の財政運営を大きく圧迫するとの意見もございます。自治大臣はこの現状をどのように認識されておられるのか、お伺いしたいと思うのでございます。
○江崎国務大臣 ことしは、住民の福祉の要請にこたえまして、社会福祉の充実強化、社会資本の整備、住民の福祉の向上、こういった柱を大きく伸ばしていきたいということで、重点的な財源措置をしたわけであります。 御指摘のように、地方税等の自主財源の充実強化をはかっていかなければならぬということは、これは以前から御指摘いただいておる問題の点でございます。また、地方交付税の充実確保についても、これまた、与党、野党にかかわらず、これでいいのかというだめ押しをいただいておるわけであります。しかし、幸いにことしは地方税の自然増収もかなり多額にのぼる見込みでありますし、さらに、土地に対しまする固定資産税の課税の適正化、これで約四百十一億ほど収入がふえます。それから、交付税特別会計における借り入れ金、先ほどお話のありました九百五十億円、まあ、こういったもの等々の措置を通じまして一般財源の充実確保をはかってまいったわけであります。それから、娯楽施設利用税、これも従来県と市町村と分け合っておりますのを、五〇%ずつというようなことにいたします。ゴルフ場の入場税ですか、利用税等々においても、多少市町村に財源としてカバーすることができるようになっておるわけでありまして、乏しいながらもできるだけの措置をしておる、努力をしておるというのが実情であります。 それから、お尋ねの九百五十億円の借り入れでありますが、本来借り入れがないことがいいわけですが、昨年から見合って、どうしてもこの程度のものは資金運用部資金から借り入れをしなければならないということになったわけでありますが、これは、昭和四十七年度の国税三税の自然増収に伴いまして、まあこれに見合うものは何とか入るであろう、したがってこれは消化できる、四十九年度にはそれを見合いとして返還が可能である、というふうに考えております。
○中村(弘)委員 そのように地方財政が、いままでの経緯から見まして、財源不足の状態が毎年見込まれているところから、現行の交付税率を、三二%でありますが、引き上げるべきだという意見もございます。その件につきまして御所見をお伺いしたいと思うのでございます。
○江崎国務大臣 これは、予算委員会等でもやはり議論になったところであります。だんだん引き上げられて、地方自主財源が増大されていくことが私どもも望むところでありますが、これは国の方針としても重要な問題でありますので、今後、地方制度調査会や税制調査会等々ともよく相談をし、また、皆さま方から、与野党にかかわらず強い御意見もありますので、そういった御意見等を十分勘案しながら、御相談をし合いながら、今後内閣の方針としてどうするかということで方向づけをしてまいりたいというふうに考えております。
○中村(弘)委員 次に、人口急増地域対策とか地方公営企業についてお伺いしたいと思うわけでございますが、時間がありませんので、次のことに移りまして、社会資本の充実についてお伺いしたいと思います。 先月発表されました経済社会基本計画によりますと、社会資本の投資額が九十兆円にのぼると見込まれでおるようでございます。この基本計画事業を推進するためには、地方公共団体においては多額の財政負担が生じまして、現行の国と地方を通ずる財政の仕組みでは地方公共団体は財源不足を来たすことは明らかであると私は思いますが、この点について自治大臣はどのようにお考えでございますか。御所見をお伺いしたいと思うのでございます。
○江崎国務大臣 まさに、これはたいへんなことであると思います。しかし、これは当然達成をしなければならない大目標が示されたわけでありまして、長期的視野に立って、租税負担率の上昇等を含めまして、従来の地方税、地方交付税、一般財源の拡充強化、地方債の活用、国庫補助負担金の改善等総合的に地方財源を充実する。先ほど申し上げたような形で、交付税率を一体どういうふうにするかという問題等も含めまして、ぜひひとつ達成をはかってまいりたいというふうに考えます。
○中村(弘)委員 したがって、国の基本計画との関連で、今後の地方財政収支についての長期的見通しを確立し、たとえば将来必要な財源を国から地方へどれだけ移譲したらよいかということ、あるいは、ただいまおっしゃったような国債発行下の地方交付税制度について、交付税率の改善も含めて、一般財源の充実強化に一そうつとめるべきであろうと考えるものでございますが、当局の最大の御努力を期待するものであります。
○江崎国務大臣 わかりました。
○中村(弘)委員 それから、ただいま問題になっておりますが、円の大幅な再切り上げが地方税の税収にも大きく響くものと考えられます。二、三日前、二月十九日でございますが、自治省は、円の変動相場制移行に伴って打撃を受ける中小企業への緊急対策として、税制面から優遇措置を講ずるよう、各都道府県に通達されたと言われますが、円の大幅再切り上げが地方財政にどのような影響を及ぼすとお考えになっておられるのか。また、その対策を具体的にと言いますと時間がございませんので、基本的なものだけでもけっこうでございますから、ひとつ御所見をいただきたいと思うのでございます。
○江崎国務大臣 まだ、現在フロートしております段階において、どの程度ということを具体的に推測することはむずかしゅうございますが、中小企業の事業税、また所得割の地方税等々考えてまいりますときに、相当納税が遅滞するが、業態に応じて遅滞もやむを得ない、延納措置を認めようということを、進んで自治省としても大蔵省のほうと話し合いをしまして、通達を出したところでありますが、これはもう予想にかたくありません。したがいまして、いま現在しからばどの程度かということになりますと、ちょっとお答え申し上げるまでに至らないわけでありますが、これは予測にかたくないわけであります。 したがいまして、今後国側の措置がどう展開されるか、これなどと見合いまして、地方財政がたださえ貧困で苦しいという場面でありますだけに、十分行き届いた機宜の措置がとれるようにしてまいりたいということを考えております。このあたりは、国の施策と相まって十分留意して、万遺憾なきを期したいと考えております。
○中村(弘)委員 この問題は非常に重要な問題だと思いますので、ひとつ、大臣の特別な御配慮をお願いしたいと思うのでございます。 次に、国家公安委員長にお尋ね申し上げます。 警察行政についてでございますが、大臣は、激動と変化の時代といわれる七〇年代の警察の基本的な姿勢として、警察が一そう国民に親しまれ、信頼されるよう、国民の立場に立ってきめこまかな対策を講ずると述べておられるわけでございますが、この基本的な姿勢は当然のことであります。かつまた好ましいことでございます。 そこで、警察としては、具体的にはどのような対策を講じようとされておられるのかお伺いしたいと同時に、なお、今回四千五百人の警察官を増員することになっておるわけでございますが、その増員の理由と内訳をできれば御説明をお願いしたいと思うわけであります。
○江崎国務大臣 国民に信頼される警察としての実をあげてまいりますためには、何といっても、国民の中にいる制服、国民の中の警察官、親しまれる警察官、より親切な警察官づくりということが警察の側からいうと一番根本であるというふうに私は考えております。しかも、警察行政そのものは、いま申し上げましたように、国民の日常生活に最も密接な関係がございます。したがいまして、交通の取り締まりであるとか犯罪捜査活動のような場合は言うまでもありませんが、たとえば道端で行く先を教える、地理を教えるというようなこと、あるいはちまたの苦情処理といった場面でも、窓口サトビスといいますか、そういう面において改善をはかっていく必要があると思います。日本人というものは、政治家の場合でもそういうことがいわれるのですが、ゆとりに欠けるのです。(「それはあなただけだよ。政治家一般じゃない。われわれは落ちついている。」と呼ぶ者あり)非常にビジネスライクな面が強過ぎる。そこで、街頭でたとえば道を教えるおまわりさんにしても、交通取り締まりをするおまわりさんにしても、いま交通の場面では、まだとてもそういうゆとりはありませんにしても、もう少しユーモアが出てくるということが非常に望ましいと思うのです。林さん、そういうことを言っておるのです。だから、そうなったらもっともっと警察官と国民生活というものが密着するのじゃなかろうかという感じがいたすわけであります。 しかし、犯罪であるとか、暴力であるとか、こういうものにはき然として臨む峻厳さがあわせ保たれなければならぬというふうに思っております。警察が国民の日常生活の中にある最も密接な存在であるだけに、国民的な支持が得られるような警察官づくり、こういうことに十分留意をして、今後とも努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 それから、警察官四千五百人の増員の内訳及びその理由を言えということでございまするが、御承知のように、交通警察官は年々増加をして今日に至ったわけでありまするが、まだまだ交通禍が多うございます。文化国家と名がつきながら事故死が多いということは、日本の一つの恥部であるような気がして、私は残念でたまりません。昨年も、車の台数に比例して交通事故は多くはならなかった、反比例して少なくはなりましたが、しかし、死者は一万五千台であります。一万六千に近い。負傷者は九十万人というのですから、これはまだたいへんな事故被害でございます。そんな意味から、交通事故の防止に必要な指導、取り締まり体制の強化、大都市における交通の円滑化の確保、それから警らの頻度を高めること、機動警ら要員の充実、高速道路における交通警察体制の整備、バスレーンの実施に伴う要員の確保、こういうような意味で三千百人を充てたいというふうに思っております。 それから、第二番目には、外勤の警察官でありまするが、特に、団地及びその周辺部におきまする警戒活動を強化していきたい、防犯体制を整備したいというわけで、団地に派出所をつくったり駐在所などをつくる。その要員が九百名要るわけでございますが、これは大都市周辺部にということになるわけです。 それから、三番目に、警備警察に五百人を考えております。これは暴力的な破壊活動を未然に防止するということが中心になっておるわけでございます。
○中村(弘)委員 ところで、最近、新聞やテレビ等で報道されておりますように、暴力団の活動が非常に激化しておるわけでございます。活発化しております。そこで、組織暴力の根絶には国民の理解と協力がぜひとも必要でありますが、警察庁としては、その対策並びに取り締まりに十分に力を尽くしていただきたいと考えるわけでございます。また、昭和四十七年度の犯罪白書によりますと、年少者の凶悪犯罪が増加しております。こういった年少者の大半が暴力団のいわば二軍といわれるような、つまり予備軍といわれるようなおそれがあると思いますので、これらの対策、指導についても十分御努力のほどをお願い申し上げる次第でございます。 以上、私は、地方行財政について、まだ、区長公選の問題や地方税制の問題等いろいろお聞きしたかったわけでございますが、総括的に御所見をお伺いいたしましたが、いずれも住民生活と密着した最も重大な問題だけに、当局におかれましては、最大の配慮と情熱をもって諸施策の遂行に当たっていただきたいと思うわけでございます。特に、江崎自治大臣に期待していることが多大なものでございますので、どうかよろしく御勉強、御努力を賜わりますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○江崎国務大臣 非常に重要な御指摘でありますから、簡単に決意だけ申し上げますが、暴力は、いつの時代におきましても、平和な市民生活共通の敵でありますし、また、民主政治の敵でもあるわけでありまして、厳重に取り締まっていかなければならぬと思います。 なお、青少年の、いわゆる未成年者の犯罪が多いという御指摘は、これも重要な御指摘だと思います。今後、これらの指導につきましては、関係省庁の協力はもとよりでありまするが、私ども警察におきましても、このごろの婦人警察官、要するに母親のような立場から相談相手になるというようなものも含めまして、十分その防止に対処してまいる決意でおりまするので、決意だけ申し上げてお答えにかえます。
○上村委員長 山田芳治君。
○山田(芳)委員 自治大臣から所信表明を伺ったわけでございますが、昨年もそうでありましたけれども、当面の問題についてのお話は非常にけっこうだと思いますけれども、地方自治のいわゆる基本的な問題についてお考えをお伺いをしたいと思います。具体的な問題をあげながら、最終的に、地方自治に対する大臣の基本的な考え方についてお尋ねをいたしたいと思います。 私は、二十数年にわたって地方行政一本で来た人間でございます。地方から見た地方自治行政という問題について、日ごろからいろいろと意見を持っております。 その第一は、何と申しましても、地方自治の本旨ということであります。憲法の第八章九十二条以下に「地方自治の本旨」ということばが出ておりまして、御承知のように、法律や制度というものは地方自治の本旨に基づいて運営されなければならないし、制定されなければならないというふうにいわれております。そういう根本原則の中にあって、現在の地方制度組織及び運営がはたして地方自治の本旨に基づいてできているかどうかということは、地方自治団体におる多くの人たちが非常に疑問を持っておる点であろうというふうに思います。累次にわたる御努力はわかりますけれども、なおいまだしの感を深うしているわけであります。特に、憲法の付属法典として、地方自治法、地方財政法、地方税法あるいは交付税法等が制定をされておるわけでありますけれども、それらの内容が、地方自治の本旨に沿っているということは必ずしもいえないのではないかというふうに私どもは考えておるわけであります。 そこで、「地方自治の本旨」というむずかしいことばを憲法でも地方自治法でも使っているわけでありますが、その問題には二つの要素があるといわれております。一つは住民自治であり、もう一つは団体自治だというふうにいわれております。住民自治は、住民の意見というものを聞きながら行政をやるべき制度というものが確立されていなければならないということであり、団体自治というものは、地方自治団体が国から独立をした行政権能と財政権能を持たなければならないというふうに考えられるということは、多くの学者が指摘し、また、いろいろの人の言っている一致した意見であります。 さて、そこで、私は、いわゆる三割自治あるいは一割自治といわれているところに見られるような現在の財政権能、行政権能の中で、地方自治が、はたしてほんとうに地方自治の本旨に沿った運営がなされているかどうかという点について、大臣の基本的な御意見とお考えを伺いたいというふうに考えているわけでありますが、先ほど申しましたように、いろいろの質問をいたしました中で、最後にこの点をお伺いをいたしたい。 まず、第一に、地方自治体の機能についてちょっと申し上げますと、御承知のように、いまの地方自治体というものは、国の高度成長政策やいろいろの政策の中のひずみというものに対して、一つのクッションの役割りを果たしていると思うのです。いろいろの住民が一々東京へ来て、各省に対していろいろとものを申すということができない。だから、いろいろな公害であるとか、物価高であるとか、交通難であるとかというような問題については、みなそばの自治体にかけ込んで何とかしてほしいということを言うわけであります。したがって、地方自治団体こそまさに、国のいろいろのひずみを何としてでも解決をしてやるんだという立場に立った住民自治の原則の中で行政をやってきているわけでありますから、非常に苦労と困難が多いわけであります。そういう意味でクッションの役を果たしている地方自治団体というものは、もっともっと大事にしてやってほしい、それが私たちの意見であります。 さて、そこで、大臣にまずお尋ねをいたしたいのですが、地方自治法がございまするけれども、その地方自治法ももう何べんも改正されておりますけれども、もっと基本的にものを考え直す時期ではないかというふうに思うわけであります。ここに昨年の「地方行政委員会審議概要」という本がございますが、その九二ページを見ると、昨年の三月におきましても、渡海自治大臣は、社会経済情勢の変化に伴って、地方税の税源配分や、あるいは地方自治のあり方についての根本問題を考えるべき時期ではないか、そのために地方制度調査会の委員の任期を二年に延期し、当面の問題はもとより、根本的な問題についても長期にわたり取り組んでみたいというふうに言っておるわけであります。したがって、前の大臣がこういう所信表明を地方行政委員会でされているわけでありますから、私も、引き続いてこの方針の中で、いまやまさにこの根本的なものの考え方というものをひとつ江崎大臣のときに打ち立てていくというような考え方でやっていただきたいというふうに思うわけでありますが、その第一点は、地方自治団体の事務の問題であります。地方自治法第二条に、いわゆる地方自治団体の事務というものがあげられておりますが、地方自治団体の事務は、第二条によりますと、「その公共事務及び法律又はこれに基く政令により普通地方公共団体に属するものの外、その区域内におけるその他の行政事務で国の事務に属しないものを処理する。」とあるわけでありますが、こういう府県制以来の事務の列挙のしかたでなくて、地方自治団体としての、もっと住民自治あるいは団体自治の原則に基づいた、いわゆる地方自治事務というようなものに変えていくべき時期が来ているのではないか。普通固有事務あるいは団体委任事務その他の公共事務というむずかしいことばでいわれている三つの事務が、それぞれ区分する実益と意味があるのかどうか、その点についてまずお伺いいたしたいと思います。
○江崎国務大臣 御指摘のように、住民中心の自治が行なわれておるかどうか、これは非常に重要な問題だと思います。私どもも、住民中心の自治が行なわれておるかどうかという面を十分見きわめながら今後に対処してまいりたいというふうに考えております。 また、制度の面から申しまするならば住民の福祉の向上に関係いたしておりまするいろいろな事務権限、これを、押しつけでなくて、権限委譲のような形で行なわれるようにしていくこと、これもやはり十分検討しなければならぬ大事な問題だというふうに考えます。したがいまして、今後、財政権をどう確立していくか、それから、広域化する住民生活に対応する体制の整備、充実というものをどうしていくか、それから、地方行政に対する住民の意思の反映について、制度的に——口で言うことは簡単であるが、制度的にどう形づくっていくか、そういう問題などを十分再検討する必要があるというふうに考えております。これは地方制度調査会等々、いろいろな機関の意見を十分傾聴すると同時に、これを参考に取り入れて、そして今後の事務の処置等々についても慎重な配慮をするようにしていきたいと思います。
○山田(芳)委員 次に、地方自治法の中でいろいろとそういう基本的なものの考え方をやっていく中において考えていただきたいという点を二点あげて申し上げたいと思うのでございます。 その第一点は、起債の許可の問題でございます。御承知のように、起債の許可は、地方自治法の二百五十条によりますと、当分の間地方債の許可を大臣の権限にかかわらしめているというふうに書いてあります。昭和二十二年に地方自治法ができたときに、やはりこの許可権というものは長く置くべきでないということで、「当分の間」というふうに書かれているわけであります。「当分の間」というのは、期間的にいえば、われわれの常識でいえば、せめて三年か五年くらいであって、四分の一世紀に及ぶというようなことは常識的には考えられないわけであります。したがって、許可を大臣にかかわらしめているという、その立法の意思と、それから、その当時「当分の間」といわれている問題について、どういうふうにお考えになっているか、また、大臣として今後どう対処されるかということをお伺いいたしたいと思います。
○江崎国務大臣 山田さんはやはり専門家ですから、非常にこういう点に御関心が深いわけですが、これはやはり、原則として、限られた金を必要に応じて地方公共団体に公平に分配をしていくというたてまえから申しますると、どうしても、当分の間、それこそ許可制度をとらなければならぬという必然性に迫られるわけでございます。特に、資金需要が多くなればなるほど、調達のしいい市町村においては簡単に調達ができるが、特に、過疎地帯などといわれる調達しにくい地域になりますると、この調達がはなはだ困難になってくる。そういう弊をどうして調整していくかということになりますと、この許可制度はやはり必要であるという結論にならざるを得ないわけであります。「当分の間」というのは、まさに当分でなければならぬわけですが、いま申し上げましたような理由によって、まだここ当分は許可制度を続けなければならぬのではないかというふうに目下考えておりまするが、山田さんのおっしゃる意味はよくわかりまするので、今後も、その許可にあたっては、極力弾力的に事情を十分察知して、地元の意向というものが達成されるような形で許可をしていきたい。これはもう執務の心がけとしてそういう感じでやってまいりたいと思っております。
○山田(芳)委員 政府資金については、おっしゃるように限られているということ、これも意見があります。地方が積み立てたいろいろの簡保資金その他をもっと地方に還元すべきだ。戦前は非常に多く還元されていたこともありますが、これは一歩譲るといたしまして、最近のように、いわゆる縁故資金で、銀行が非常に金が余っていて、大企業に金を貸してどんどん土地の買いあさりをするということであるならば、むしろ、地方団体が公共的な社会資本のために縁故債として借り受けるようなものは、これは一々許可制にしなくても、たとえば公債費比率を一定のところにとどめ置くという財政的なめどというものを示したり、あるいはまた、その使途についても、普通建設事業に限るというような限定のしかたはいいとしても、それを一々縁故債のように——しかも、いまのような資金需要で、特に最近は、御承知のように、大会社は銀行からお金を借りなくても、いわゆる転換社債であるとか時価発行株式というようなものをどんどん出しながら、自己で資金を調達しているという中で、銀行の金が余って土地の買い占めに非常に回っているということが土地対策に対して非常なネックになっているときに、地方団体が社会資本の充実のために、公立学校の施設あるいは下水道その他、こういういろいろと超過負担にわたるような、そういうものの資金に調達をするという場合に、起債は、一定の額で、超過負担まではなかなか認めていただけません。これは弾力的にとおっしゃいますけれども、基準があります。私は今度建設省から調べてきたものがあるので、あとでも申し上げますけれども、非常に超過負担が多いわけでありますし、そういう中で、地方の単独事業等について、社会資本の充実という中で、縁故資金については届け出るだけとか、あるいはいま申し上げたような一定の条件を示すにとどめてやっていくほうがむしろインフレ気分を鎮静させるであろうし、また、無用な土地の高騰というものを招くことがないのではないかと私は思うのですが、いかがなものでしょう。
○江崎国務大臣 公共用地の確保、わけても住宅用地の確保については、いま山田さんの御指摘になるような配慮は十分しなければならぬと思います。特に、今後、土地開発公社を中心にして、宅地にまず網をかぶせてしまおうということで、いま政府としても土地対策を進めておるわけでありますが、そういう場合の縁故債等については、お説のように十分配慮をしてまいりたいと思います。ただ、無制限にこれを認めますと、地方自治体の将来の健全な財政運営にも支障があってはなりませんので、ある程度の干渉はするわけでありますが、御指摘になるような点については、効率的にこれがすぐ回転いたしますので、十分配慮したいと思います。
○山田(芳)委員 もうちょっと聞きたいのですが、時間の関係が制限されましたので、これはまた次の機会に譲らせていただきます。 それから、「当分の間」というのにもう一つあるわけでございます。いわゆる附則八条にあるところの都道府県における官吏たる身分を持っている職員が約二万人おるわけでありますが、これはもう昨年もわが党から法案を出して継続審議になっているかと存ずるわけでありますけれども、大臣としては、都道府県に置かれているところのいわゆる国の官吏で、身分権もなければ給与権もない。ただ屋根を貸している。これはまさに「当分の間」と書いてあって、地方自治の自治権に対していかがなものかということを考えて「当分の間」とされたわけでありますが、これについては自治大臣も異論がなかろうと思いますので、ひとつ大いに推進をしていただきたいと思いますし、わが党が法案を出したときにはひとつ賛成をしていただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
○江崎国務大臣 おっしゃる意味はよくわかりますが、実は、いままだ各省間の話し合いがつきませんので「当分の間」が生きておるわけでありますが、詳しくは行政局長もおりますので、事情等について必要があれば申し上げさせます。
○山田(芳)委員 またそれは法案を出したときに行政局長さんのほうから伺いますが、各省との折衝を、大臣、ひとつがんばってやっていただきたい。これは激励演説でございます。 その次は、地方財政の問題でありますけれども、特に超過負担の問題であります。今回六事業二百八十三億国費ベースで補正されていくということは、それなりの評価はするわけでありますけれども、残念ながら、御承知のように物価が非常に上がっております。建設省で実は聞いてきたのでありますけれども、地上八階、地下二階の建物を鉄筋でつくるときの平米当たりの単価が、昭和四十七年度が四万九千四百七十円、今回の予算の中では五万一千六百五十円という査定であります。約二千円程度しかアップしていないということであります。これは国の総合庁舎等の建物の単価であります。ところが、地方で見てみますと、地方の同じようなものを建てるときには、超過負担、超過負担で非常に困るわけであります。財政局のほうでは国の単価というものをそのまま使っておられるわけでありますが、国の場合には超過負担がなく、知らぬ問に建つけれども、地方のほうは超過負担が非常に多くて困っているという状態は、おそらく、国が適当に流用したり何かしなかったらああいうふうにはならない。だから、国のほうについてはちゃんとできるけれども、地方のものは超過負担で、単独事業の費用まで食っていかなければならないという超過負担の問題があるということをひとつお考えおきをいただきたい。国の場合は十分できるけれども、地方はできない。こういうばかなことはあり得ないと思うので、これは地方におるものとしては非常な義憤を感ずる一つの例であろうというふうに思います。 それから、次に、超過負担を解消するためには補助金の精算主義というものをやってみたらどうかという一つの提案です。できるかできないか、大蔵省の問題もありましょう。だから、いずれまた大蔵省の方にも、主計官にも伺いたいと思っておりますけれども、精算主義をやるというような提案をしたいと思うのですが、大臣はどうお考えになるかということをお伺いしたいと思います。
○江崎国務大臣 超過負担の問題につきましては、今度も非常に努力をいたしまして、四十八年度以降において解消するということで鋭意努力をしておるわけでございます。そればかりか、四十七年度において対象にならなかった事業等におきましても、今後も検討していこう。これは私どもも、長い間政治をやっておりますと、全く基準単価が低かったり、道路にしろ、河川改修にしろ、何らか地方の地主の犠牲において、町村長が手を合わせて頼んで、そして道路の拡幅をしたり、河川改修をしなければならぬというような実情に直接接しております。はなはだ不満なことだというふうに考えておりますので、この点は全く同感です。ただ、中央等の場合におきまして、特に予算措置に懸隔があるというふうには思いませんが、しかし、中央においては、業者においても一つの仕事が看板になるというようなことから、容易に事が処理できるかもしれぬが、地方においてはそういうことにもならない。そういった面の数字にあらわれないいろいろな問題も包蔵しておると思いますので、これらの問題は中央、地方が公正であるということでなければならぬ。この点も全く同感に思っております。 それから、御指摘の補助金の精算主義につきましては、財政局長から御答弁させます。
○鎌田政府委員 一つの傾聴すべき御提案だと思うわけであります。ただ、いまの補助金の中に、御案内のとおり、義務教育等、いわば国と地方が金を持ち合ってやるという意味におきましては、いわゆる負担金的なものと、それから、奨励的な助成の意味を持ちます補助金、こういうふうに分けて考えまして、前者につきましては、私は、やはりそれは一つのお考え方であろう、あとの点につきましては、まさに助成的なものでございますから、そのようなことは考えられないのではないだろうか、こう思います。ただ、いま大臣から申し上げましたけれども、私ども、超過負担の問題につきましては、昭和四十四年から四十六年まで三年間で解消しまして、それでまた四十七年度に実態調査をいたしまして、四十八年、四十九年と解消する、こういうことでやってまいるわけでございますが、関係各省が大蔵省に予算の要求をされるときに、そういう超過負担の生じないように絶えず努力していただきませんと、私どもはいわば督戦隊みたいな形でやっておるわけでございますけれども、予算の最終段階になりますと、勢い自分のところの補助事業量をふやすということに重点が置かれてしまいまして、超過負担のほうはあと回しになる。こういうことで、私どももまた非常に焦燥の感を持つわけでございまして、超過負担の解消につきましては、ただいま御指摘の点も含めまして、私ども、どういうふうに適切な処置がとれるか、定期的に見直しをやる。こういうルールを確立をすることも一つの行き方であると思いますし、また、そういう御提案の点も含めまして、ひとつ前向きに検討させていただきたいと思う次第でございます。
○山田(芳)委員 超過負担の問題にもかかわる問題ですが、地方におって非常に不満にたえない例を一つだけ申しあげてみたいと思うのでありますが、いわゆる委託職員というのがございます。統計の職員であるとか、外国人の登録関係の職員とか、地方財政法の十条の四に列記されている事務に要する経費なんでありますが、特に統計職員や外国人登録の関係職員の場合に一定の委託費が出されるわけでございますけれども、その中には単価がそれ自身安いという問題があるのは、これは当然解消していただくということは一般の超過負担の問題ですけれども、たとえば五十人おって、二十五年一人が働くなら、毎年二人ずつやめていくという計算が成り立つわけであります。したがって、退職金であるとか、あるいは共済組合の負担金の地方団体負担分というようなものは当然委託職員に委託をしておる。仕事を頼むわけですから、そういうものを込めて委託されるべきものだと私は考えます。それが交付税の積算基礎に入っているなら、交付税計算は八割なんだから二割でやれとか、あるいは何とかという理屈はあろうと思いますが、交付税計算からはずれているわけですから、全くこれは超過負担というのじゃなくて、何というのでしょう、全然相手にもしていない、考えてもいないのじゃないか。人にものをたのむときに、退職手当も共済組合の負担金も持たないでものを頼むのはおかしいじゃないか。これはもちろん自治省ではございません。したがいまして、自治省でしっかりがんばってほしいということを申し上げたいのですが、大臣のお考えはいかがなものでしょうか。これは額は少ないですけれども、こういうことは地方自治体におる者としては、正義感にからめて非常に不満にたえないという感じがするのでお聞きするのです。
○鎌田政府委員 私も全く同感でございまして、その点につきましては、委託職員の給与、まず基本的に給与の単価の問題からあるわけでございますが、ただいま御指摘になりましたように、退職手当なりあるいは共済組合の負担金といったものまで含めて、その単価の是正というものをやるべきだということで、かねがね関係各省に、予算の概算要求の前に、事務次官名でお願いをし、また、毎年度予算折衝の過程におきましても、それを強力にお願いをいたしておるわけでございます。 なかなか横着でございます。率直に言って横着だという感じを持つわけでございまして、これはぜひとも是正をしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○山田(芳)委員 こういう問題については、大蔵省側にもその責任があると思うので、いずれの日にか、また大蔵省の関係者を委員長のほうからお呼びいただいて、こういう問題について私は質問をしたいと思いますので、この点は留保して、この問題は終わります。 ちょっと資料を持ってきましたので、これを配っていただいて、これを見て質問をさせていただきます。 次は、地方税の問題でございます。 財政にも関連をいたしますが、いまお手元にお配りをいたしておりますのが、いわゆる各都道府県別国税徴収額及び交付税、国庫支出金の額の調べでございます。これは私がつくったものでございますので、ごらんをいただきたいと思うのですが、たとえば東京のところを見ていただきたいと思うのでありますが、東京というところは、国税で二兆円納めておる。ところが、地方譲与税、地方交付税及び国庫支出金、いわゆる国庫負担金、国庫補助金が、いろいろ含めて千五百六十四億返ってくるわけであります。二兆円の国税を納めて、そして千五百六十四億しか返ってこないという形になっております。〇・〇八%の還元率ということになるわけであります。御承知のように、国税が七割とって地方税が三割とって、実際支出する段になると、地方は七割で、国が三割であるということがいわれております。したがって、これを逆転させろという意見はありますけれども、こんなことは財源調整の問題がありますからできっこないのはよくわかっております。 そこで、私は、これは一つの提案なんでありますけれども、この1マイナス2の三角の立っていないところ、すなわち国税の税源があるところ、地方へ還元してもまだ余りのあるところは、少なくとも国庫支出金なり地方交付税というものをできるだけゼロにするというふうな方向で財源配分というものを考えていかなければならないのではないだろうか。地方自治団体の自治権というものを、先ほど言いましたように、地方自治の本旨に沿って強化をしていくという考えをお持ちになるならば、税源がないから税を配分してはいかぬという意見は、それはそれなりにわかるわけですけれども、こういうふうに見てまいると、国税の中で還元されておるというのは非常に少ない。東京にしても、あるいは大阪にしても、そういうところに対してはもっと地方税の強化というものをはかる。そのためには、国庫負担金なんかの足を切ってもいいと思うのです。現に、不交付団体については定額で足を切っているわけでありますから、そういう制度を使いながら、地下鉄をやるとか何とかいう個別的な補助金はそうはいきませんけれども、全国的に出しているところの負担金等の足を切ってでも、地方に地方税源というものをひとつ拡充をしていく必要がある。この三角が立っていないところ、1マイナス2の欄がプラスになっているところは十五県あります。府県から言えば、不交付団体がいま四つしかないのであります。ですから、そういうものをもっとふやす。あるいは、五大市というように税源があるところはせめて不交付団体になるくらいの税の配分をしてやるべきじゃないか。それがまさに地方自治というものを財政の面から強めていくゆえんでもあるし、また、そういうふうな努力をしなければ、財政調整権が非常に強くて、地方自治のそれ自身の権能というものは非常に弱いのではないか。私はそう思うのでありますが、これも一つの提案ですが、財政局長さんと大臣の御意見をひとつ聞かしていただきたい。
○江崎国務大臣 たいへん御熱心な積算表をおつくりになり、また、新たなそういう御提案があるわけでございますが、十分傾聴をし、いいところは取り入れさせていただきたいと考えます。
○鎌田政府委員 非常に参考になる表だと思うわけでございますが、ただ、これは、基本的には国税のウエートというものを含めて、地方税のウエートを高めていく。こういうことで、少なくとも新自治制度発足以来私ども一貫して努力をしてまいったわけでございまして、繰り返して申し上げますように、基本的な考え方というものは全く同感でございます。 ただ、その場合に考えなければならないかと思いますのは、いま御提示になりました資料でも明らかでございますけれども、国税の地域的な配分状況というものを見ますと、一番少ない島根県と東京都との間で二十倍近い開きというものがある。こういうことでございますし、やはり地域的な経済の発展が不均等であり、どうしても税源の所在というものが片寄りがちであるということがございまして、私ども、地方歳入に占めます地方税の割合というものを高めてまいるということをやって、あるいは、そのために地方税源の拡充をはかるという場合に、常に突き当たります問題が、結局、税源の偏在という問題になるわけでございまして、そこで、これをいまの交付税制度というものとどういうふうに組み合わせ、あるいはまた、ただいま御提案になりました国庫支出金のある程度の足切りと申しますか、頭切りと申しますか、そういうものともかみ合わせながら、全体として地方税源のウエートを高めていくということについては、今日までも、あるいはまたこれからも努力をしてまいらなければならないところであろうというふうに考える次第でございます。
○山田(芳)委員 今度は、地方税の問題にまいりたいと思います。 大臣、一時言われました工業再配置に伴う追い出し税というのがございますね。大臣は賛成でございましょうか、反対でございましょうか、ちょっとお伺いいたします。
○江崎国務大臣 私は、方向としては、そういうものが考えられていいというふうに思いますが、実際、これをどういうふうに税法上当てはめ、合法化していくかという点になりますと、なかなかいろいろ問題があるというふうに考えております。
○山田(芳)委員 追い出し税の構想というのは、不均一課税なんです。特定の地域の特定の工場に特定の税をかけていくということを考えているわけです。 そこで、不均一課税というものについて自治大臣としては、追い出し税は構想的には賛成だといまおっしゃったわけですから、ある意味においては不均一課税というものはあり得るのだというふうに考えておられると思うのですが、さて、そこで、私は大臣に御質問をしたいのですが、ことしの、四十八年一月に、東京都が専門委員会から「大都市財源の構想」という、こういう本を出されましたが、お読みになりましたか。
○江崎国務大臣 就任しましてから、まだ、予算編成に追われ、予算審議に追われているわけで、どうも読む時間を持っておりません。
○山田(芳)委員 一度これをお読みいただいて、また議論をさしていただきたいと思うのですが、その中でこういう提言をしておるわけなんです。いまの日本の国の法人税は諸外国に比べて非常に安い、たとえばアメリカの法人税は、普通税、付加税、州法人税を含めても実効税率は五一・六四%、フランスは五〇%、西ドイツは付加税、営業税を含め四九・〇五であるのに対して、わが国は、道府県民税、市町村民税、事業税のすべてを合わせても四五・〇四であるというものであります。大法人にいくほど、現在の日本の税制では、いわゆる租税特別措置法という中でいろいろと軽減をされているわけであります。 そこで、東京都としては、法人の事業税の上の部分について、超過課税という形で、いわゆる不均一課税をしたいということをいっておるわけでありますけれども、私は、これは意味があると思う。資料的に言っても、資本金百億円以上のほうが非常に安いという数字がここに出ております。ですから、一ぺんこれをお読みをいただきたいのでありますけれども、税負担を見ますと、百億円以上は二八・七八%、である。五十億円以上は三〇・九七%、十億円以上が三二%、一億円以上が三三・二〇%、百万円以上が三〇・九六%というふうに、中間が高くて、大法人ほど安くなっているという数字の調査表がございます。そういう意味で、大都市の税源を拡充するためには、資本金が百億とか五十億とかいうような非常に大きな法人の事業税について、不均一課税というものを——いま、追い出し税についての構想はいいと言われたのでありますから、同じように、こういう不均一課税というものを、特殊の法人に対しては、その利益を還元をしてやるという意味で認めていくということはいかがなものであろうかということについて、大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○江崎国務大臣 いま御指摘の「大都市財源の構想」は、大至急読むことにいたします。 超過課税につきましては、財政上特別の必要性がある場合には、地方税法の上から考えましても、当然認められるものだというふうに思いますが、いまお聞きしておりまする東京都の新財源構想研究会ですか、この提案のような不均一課税を行なうことは、結果的に、いまお話にもありましたが、ごく限られたものについてだけ非常に過重な負担を求めるということになりまするので、地方税法の趣旨から見て、これは十分考えてみる必要があろうかと思います。これは私もよく研究をしまして、あと議論をしてみたいと思います。
○山田(芳)委員 いまのは、私は負担率の数字をあげて申し上げているものですから、負担率の問題と税の均衡の問題についてはまたゆっくりやらしていただきますが、考え方だけきょうは伺って、あとに譲りたいと思います。 その次は、同じくこの提案の中にもあるんでありますが、自治省としては、経済政策その他の立場からいって、法定外普通税をあまりふやしたくないという気持ちはわかるわけでありますけれども、この中にもあるんですが、法定外普通税を特別のところから取っていくというような場合に、自治省としてどうお考えになるか、大臣としていかがなものかということをお伺いしたいと思います。
○佐々木政府委員 法定外普通税の問題につきましては、それに対応するところの必要な財政需要があり、そしてまた、その税の内容が、地方税法に規定されておりますところの、いわば許可要件に該当しているというものであります場合には、私どもとしては許可をしていく方針でございます。ただ、ただいま御提案がございましたところの、この新財源構想研究会で述べられておりまする法定外普通税につきましては、ややその趣旨が不明確な点もございますので、私どもも、ただいま東京都のほうにおきまして、いろいろその内容について事情を聴取いたしているところでございます。
○山田(芳)委員 時間が五十分でございますので、もう少し話を進めたいと思いますがまた別の機会に譲ります。 それで、最後の質問を申し上げるわけでありますが、現在の国の考え方も、地方の考え方も、現在の日本の住民の共通意思としては、福祉国家の福祉元年であるということが盛んにいわれるわけであります。したがって、福祉の対策のためにいろいろと地方団体が先取りの政策をやるということが行なわれてくる、また、国がそれをカバーをしていくという形になってきているように思うわけであります。たとえば児童手当のようなものにおいてもそうだろうし、老人の医療の問題についてもそうであったと思うのでありますが、かつて、地方団体が、先取りの政策として児童手当を支給したときには、こういうものは国が行なうべきものだから適当でないというような通牒を出されたことがあるわけでありますが、現在もその考え方はどうであろうかということをお伺いしたいのです。 これだけ福祉をいわれている以上、地方自治体の事務の中で、いわゆる固有事務、公共事務といわれるものは、福祉というものを中心にしながら考えられておった時代が少なくともあったわけでありますが、いまやこういう時代に、国とか地方とかで、福祉は地方で、国は違うもんだというんじゃなくて、国も地方もやはり福祉というものを考えなければならない時代に、財源の許す範囲内において、福祉的な事業、社会福祉の事業を行なう場合には、やはりこれは自治省としてはバックアップをしていってやりたいというふうにお考えになるかどうか。その点ちょっとお伺いしたいと思います。
○鎌田政府委員 この点につきましては、実は、私どもも、率直に申しまして非常に判断に迷っておるところがございます。と申しますのは、まあ紋切り型の表現になりますけれども、そういう国民全体の福祉にまたがる問題につきましては、国の統一的な制度として、北海道の人間も鹿児島の人間も同じような給付を受けるということが望ましい姿ではないだろうかという気持ちと、他方におきまして、地方団体が地域住民の要請にこたえていいことはどしどしやっていくという意味での、いわゆる自治の立場と申しますか、地方的な特殊性と申しますか、そういう一般と特殊という面での扱いをどういうふうに考えたらいいだろうかということで、私ども、率直に申しまして、この問題についての最終的な判断をつけかねておるわけでございますが、基本的には、福祉国家と銘を打ち、この福祉というものをやっていくということであれば、やはり、国が統一的な制度としてやられるということのほうが考え方としては望ましいのではないだろうか、こういう気持ちを基本に持っておるわけでございます。
○江崎国務大臣 これは政治問題ですから私からも申し上げておきますが、いま財政局長が答弁したのは、もう率直にそのとおりの場面だと思いますが、ただ、民主政治のいいところ、悪い面、いろいろございますが、これが地方財政を無視した、いわゆる首長の人気取り政策というようなものに基づくものであるかどうかということ、これがやはり大事な判断の要素だと思うのです。そうでないというならば、やはり私は、国民ひとしく均てんできるように、国もそういう方向を考えながら財政措置をしていく努力をしていく、これは当然必要なことだと思います。
○山田(芳)委員 時間がございませんので次に移りますが、最近のように福祉の非常に重要な時期においては、または、僻地において医師が不足する場合においては、都道府県にできている医科大学というようなものについて、自治省においても、自治医科大学の創設に御苦労になっておられるし、地方団体も相当協力をする形の中でできていっているわけですが、そういう新しい自治大学をつくるという以前に、すでに各地方団体に大学が置かれているわけです。その中で、一昨年までは財源的な措置がなかったわけでありますが、しかし、最近は、生徒一人当たり五十万円ですか、交付税で見るという形になっているように思いますけれども、現在でもやはり、大学は、地方団体が設置するものはぜいたくで、高校以下のものは地方団体がやるけれども、大学は国にまかせるのだという考え方であるかどうか。もしそうでなければ、もう少し財源措置をさるべきものではないか。特に、社会福祉がいわれる以上、ほかの大学はいざ知らず、医科大学についてはそういう考え方はどうであろうかということをお伺いしたいと思います。
○鎌田政府委員 地方財政の観点からだけ申し上げますと、御案内のとおり、地方団体の仕事は非常に広範多岐にわたっておるわけでございますし、かつ、財源的にも十分でないところでございますので、教育に対する国と地方団体との負担割合と申しますか、分担関係というのは、大学が国、県が高等学校、義務教育あるいは幼稚園は市町村、基本的にはこういう分担関係に立つことがここ当分はやはりやむを得ないのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。 ただ、僻地医療の問題を中心にいたしまして、医師の確保ということは現在非常な時代の要請になっているわけでございますし、私どもが非常に異例な経過と決断をもちまして自治医科大学の建設に非常な苦労をいたしておりますのもそういう考え方でございまして、公立の医科大学に対しましては、ただいま御指摘になりましたように、いままでは、どちらかというと、大学を県が持つということについては消極的であったのでございますけれども、むしろその考え方を積極的に切りかえまして、医科大学、医学部の学生に対しましては、一人頭五十万の経常経費というものを普通交付税で積算をする。たまたま四十八年度から、国のほうで、公立大学の医学部につきまして、一人頭三十万という助成措置ができましたのを契機に、交付税で五十万というものも、これの増額を来年からはかってまいりたい。そういうことで、現在最も大事な医師の確保のための公立医科大学の充実というものを、及ばずながら私どもも考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○山田(芳)委員 大臣、いま私が、地方自治団体に長いことおった者として、いろいろな大きな問題や小さい問題を申し上げました。ある意味でいやな質問をしたかと思いますけれども、そういう点についていろいろ問題があるという指摘をきょうはしただけで、私は別に、大臣をどうということではございません。こういうふうに問題がございますので、地方自治団体はますます行政が複雑多岐にわたって、関係者は苦労をしておりますので、大臣、地方自治団体のためにひとつしっかりとがんばっていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
○上村委員長 吉田法晴君。
○吉田委員 先般の所信表明で、国家公安委員長として、江崎国務大臣は、「国民の理解と協力は、警察運営に不可欠の要件であり、このためにも、警察が一そう国民に親しまれ、信頼されるよう、警察行政の各分野にわたり、国民の立場に立って、きめこまかな対策を講じてまいる考えであります。」と申されました。先ほども同僚委員の質問に対して同趣旨のことを答弁されましたが、それに反するような事件が最近北九州で起こっております。詳細な経過はここでは質疑の対象ではございませんが、警察庁から事件の概要をプリントにしていただいて、お手元にあるかと思いますが、これは、大臣の所信表明あるいは希望とはうらはらな事件である。あるいは、警察本来の任務であるところの、国民の人命と権利とを守る、あるいは財産を守るという趣旨に反しておる。 と申しますのは、これは、昨年の十一月の二十日の夜中のことでありますが、一時過ぎに、小倉市の住宅区域でどろぼうに入ったのを、パトロール中の警官二人が見つけて、入るときにはこれを阻止しないで、出てきたところを待ち伏せをして、そして追っかけて射殺をした。こういう事件でありますが、取り上げました地元の新聞は、どの新聞もやはり疑問を投げております。虫けらのように人命を取り扱ったというか、その少年が部落の少年であったということで、部落解放同盟を中心にして、地元の北九地評と小倉地区労、それから全生連小倉支部等関係しておる団体が一緒になりまして、警察権力不法射殺事件対策会議なる団体をつくり、そして、警察に申し入れをしたり、いろいろいたしましたけれども、取り上げられない。そこで告発をしています。 したがって、この問題に関連をしてお尋ねをし、事実の関係を明らかにした上で国家公安委員長に所見を求めたいのですが、捜査を願ったという、その点までは私は認められると思うのであります。捜査を願ったけれども、まだ処分が決定をされていない。実地検証もいたしましたが、その実地検証の模様も承りたいと思いますが、処分がどうなっておるのか、あるいはどういう処分をするのかという点も、法務省にも来ていただいておりますが、伺いたいところであります。よって、先ほどの御答弁にもありましたが、国民に親しまれる警察になるような努力を大臣自身でなさるべきだと思いますから、質問をいたしたいと思います。
○江崎国務大臣 御指摘の事犯につきまして、私もここに印刷物を持っておりまして、一応詳細に事情等を聴取いたしました。被疑者の少年が死に至るというような結果を招きましたことは、いかにも遺憾に思っております。あのピストル自体が、犯罪を防止していく上の一つの抑止力というものであるならば、用いないで事をおさめるということが最上でなければならぬと思います。 今回は、不幸にして、相手の十七歳の少年が死亡するというような事態を招いたわけでありまするが、今後こういう事故が再発しませんように、十分努力をしてまいりたいと思います。 御指摘の経過、また捜査の結果等につきましては、政府委員から答弁させます。
○吉田委員 初め、経過の中の事実関係を聞きたいところでありますが、この質問の要点は、これはみんなが疑問に思っているところでありますから、いわば地元の市民なり、大臣から言われるとこれは国民でありますが、国民の疑問としておるところを代弁をしてお尋ねをいたしたいと思います。 第一は、パトロール中に挙動不審な二人を見かけた。そして、そのうちの一人が鉄さくを乗り越えて、内部に侵入をし、ボール箱を盗み出したところを現認をしたから云々とあります。ところが、あとで追っかけて逮捕をしようとした。どろぼうをさせて——させてとは言いませんけれども、黙認をして、出てきたところを待ち伏せをして射殺をしておるのでありますが、鉄さくを乗り越えて内部に侵入をしようとしたならば、なぜそれを制止しなかったか。あるいは、挙動不審だと思ったら、職務質問をして、いまも大臣も答弁をされましたけれども、犯罪が行なわれないようにするのが警察の任務でありましょうし、また、強制措置をするにしても、そのことは求められております。警察法の精神がそういうところにあると思いますが、事前に職務質問をしたり、あるいは制止をして未然に防止をすることをなぜしなかったかという点については、何人も納得することができませんから、この点は、大臣じゃなくて担当者でけっこうですから、答弁を願いたいと思います。
○関根政府委員 事案の概況と、いまの御質問の点について申し上げたいと思います。 小倉警察署の外勤係足原派出所勤務の警察官桜井純一二十二歳が、十一月二十日の午前一時から、この派出所勤務の同僚の警察官と、勤務地内の小倉区熊本一丁目付近を制服で警ら中、午前一時三十五分ごろ、五十メートルないし六十メートル前の緑橋という橋を、無灯火の自転車に相乗りして渡ろうとしておりました二人連れの男を発見いたしました。深夜でありますので、挙動にも不審な点があるということで、職務質問を行なおうということで、その行動をじっと見ておったわけでありますが、そのうちの一人が、神岳川という川の対岸にあります北九州ガス燃料店と棟続きになっております倉庫の鉄さく、これは高さが約一メートル三十くらいでありますが、その鉄さくを乗り越えて中に侵入し、ボール箱——これはあとではかったわけでありますけれども、総重量十一・二キロ、六十センチ、四十八センチ、二十一センチという大きさの箱でありまして、この中には新品のガスレンジが入っておったわけでありますが、そのボール箱を盗み出したということを現認したわけであります。そこで、警察官らは、この二人の男を窃盗の現行犯と判断をいたしまして、その二人を逮捕するために、二人の行動を見ながら、そこから約二百メートル離れた場所に参りまして、その地点で待っておりましたところが、二人の男がその地点を通りかかりましたので、警察官が「待て」と声をかけました。ところが、警察官の制服姿を見た二人連れの男のうちの一人は一もくさんに逃げた。そして、自転車に乗っておりましたもう一人の犯人、これが問題の少年でございますけれども、この犯人は、すぐに自転車からおりまして、警察官の一人に自転車を振り回すようにして投げつけ、先に逃げた犯人とは逆の方向に逃走をしたわけであります。 この行為によりまして、この同僚の警察官は、自転車もろともに路上に倒れ、七日間の傷害を受けたわけでありますが、そのため、もう一人の警察官は、これが当該の桜井巡査でありますが、その桜井巡査は、直ちにあとから逃走した犯人を追跡いたしましたけれども、犯人は逃げ足が速くて、その距離はますます開いたということであります。そのままの状況では犯人に逃走されてしまうということで、「待て、逃げると撃つぞ」と、大声で四回以上警告の上、犯人と二十メートルないし二十五メートル離れた地点で拳銃を取り出しまして、銃口を約六十度上空に向けて一発発射いたしました。犯人は振り向きもしないでなおも逃走を続けますので、続いて同じような方法で第二弾を発射いたしました。しかし、犯人はさらに逃走を続けましたので、その犯人の逃走を防止するために、約四十メートル前方を逃走中の犯人の足の左約二メートルぐらいのところをねらって撃ったわけでありますが、犯人はなおそれから約九十メートル逃走をした後、近くのへいにもたれるようにしゃがみ込んだわけであります。 追いついた桜井巡査は、犯人が右の胸の上部から出血しておるということを認めまして、直ちに、追いついた同僚の警察官とともに救急車の出動を要請し、約十分後に病院に収容いたしましたが、その少年は午前三時三十七分ごろに死亡するに至った。こういう経緯でございます。 ただいま御質問がございました最初の点、警察官は、その少年ら二人の者が犯罪を行なう前に質問をしたり、あいるは制止できなかったか、その理由はどうだということでございましたけれども、二人の男が、橋を渡って、警察官の現認しておる場所から、川を隔てて対岸の正面、約二、三十メートルありますが、その正面の暗がりに自転車を置きまして、このうちの一人が北九州ガス燃料店の倉庫に侵入して、すぐに段ボール箱を持ち出してきて、外に見張りをしておりました男に渡したわけであります。警察官が最初に二人を発見し、そのうちの一人が倉庫に侵入するまでの間は、いわゆる不審者でございまして、どういう行動をするのかということで、離れた距離からは、やはり一応これは注視せざるを得ないわけでございます。注視しておった間に倉庫に侵入して、段ボールを持ち出した。こういうことになるわけでありますけれども、その間直ちに職務質問ができなかったかということにつきましては、その程度の距離が離れておりますときに、遠くから声をかけるということも不適当でありますし、職務質問をしよう、あるいは不審者があった場合にどういう行動をとるかということは、その現場の警察官の判断で、この場合は、職質をするいとまもなく窃盗の現行が行なわれた。こういう状況に理解しております。
○吉田委員 私は、大体経過は承知しておることですから、皆さんに、説明するために長々と時間をかけられることは迷惑であります。簡単に願います。 それから、事実は、鉄さくを越して入って、それから出てくるところで黙ってつかまえようとしないで、何百メートルか先に回って、待ち伏せをして、そこでつかまえようとした。ですから、私が推量すると、その辺にどろぼうが多かったという関係もあって、その二人の人間についても、特に偏見もあって、どろぼうをして出てくるところを待ち伏せしてつかまえようとしたのじゃないか。それから、その後の拳銃の使用にしても、私は、やっぱり背後に何か偏見があるような気がしてならぬのです。そのことは、具体的な証拠がありませんからあとから聞いてまいりますけれども、少なくとも、出てきて、それからホテル花の木の前まで行ったところで、そこに待ち伏せしておった二人の警官が「待て」と呼びかけて逮捕しようとしたわけです。しかし、ずっと読んでみますと、中に入っている者、主犯と従犯といいますか、その二人は別な方向に走ったわけですが、少なくとも、その別の方向に走ったときにつかまえようとしたのは、二十三歳ですか、二十四歳ですか、年上の入ったほうで、外で待っておった少年を追っかけようとしたのではないことが主観的には認められる。少なくとも、そのあとで捕えようとした人間、射殺した人間は主犯ではなくて、中心的な人間でなくて、人を間違えたというのが事実のようですが、それはどうですか。
○関根政府委員 現場の地形の問題になりますけれども、間に十メートル程度の川があって、警察官のほうからまっすぐに相手方に声をかけられないという場合には橋のある地点で待ち受けるということで、最初の御質問でありますけれども、出てきたところをすぐに声をかけてというふうなことにつきましては、地形上むずかしい地点であったというふうに考えます。 それから、二人の被疑者のうちで、一人が主犯で一人が従犯でなかろうかという点につきましては、具体的に現場で物をとる人、それから外で見張りをする人、それから、そのとった物を運ぶ人というふうなことで、この場合は、両方とも窃盗の犯人で、軽重はないというふうに判断をしております。
○吉田委員 新聞の模様によると、間違えたのではないか、主犯、従犯という関係はあるかないかは別問題にして、捕えようとしたのが入った人間だと思って追っかけたが、それが少年であった、こういう人違いはあるのではないかということを尋ねたのですが、たいして重要な問題でありませんが、少なくとも尋ねたのはそういうことです。 それから、いまの説明の中にも少し違った数字が出てまいりますが、警察官は最初六十メートルのところから拳銃を発射したと説明がされておりますが、その後、現場検証の結果、四十メートルと訂正をされたようです。少年の属しております部落解放同盟は、二十メートルに近いと判断をしております。四十メートルよりもっと近かったと判断をしております。いま、局長は、二十五メートルのところから最初の威嚇射撃をした、しかし、最後の一発は四十メートルだったと言っておりますが、解剖の結果はいかがですか。所見はいかがであったかをお尋ねしたいと思います。 というのは、札幌事件のときには、十何メートルかのところでうしろから足元をねらったが、磐部に当たって、それは貫通はしておりません。中にとまっている。四十メートル以内でなければ、貫通をし、そして、出てくるときの部位はおそらく大きいと思うのですが、その解剖の結果からする距離の所見はいかがでしょうか。お尋ねいたします。
○関根政府委員 解剖の結果から、何メートルくらいの距離という点は出ておりません。
○吉田委員 犯人の足元左約二メートルの路上をねらって撃ったといいますが、桜井巡査は、ピストルは初級であったといわれます。その辺の距離あるいは明るさですが、近くにあったのは街路燈ではなくて、飲食店であったかと思いますが、商店の光の中で発射をしたと思いますが、その光度、距離。そしてまた、桜井巡査の拳銃の初級というのはどういう程度かわかりませんけれども、それがどうして左肩でなくて右肩に当たったか、これは説明が何といっても納得ができません。左足元三メートルの距離をねらったというのは、ピストルの使用でなくて威嚇だと言いたいところだと思うのですが、しかし、実際には人の肩に当たって、それが致命傷になっておるわけでありますから、その辺の説明をもっと納得いくように説明をされないと通りませんが、どういうぐあいに見ておられましょうか。
○丸山政府委員 拳銃の訓練の状況についてちょっと申し上げます。 本人が初級だということでございますが、初級の大体の基準になっておりますのは、二十三メートルの射距離で、直径約二十八センチの円形の標的に対しまして、十分間に十発を撃ちます。これを撃ちまして、全弾命中するというのが初級の実力でございます。
○吉田委員 いま言われるような腕前の人が、左足約二メートルの路上をねらって撃ったとして、それが、左でなしに右の肩にどうして当るか。この十分間に十発を撃って、十発とも当たるという腕を持っておる人が、ですね。
○丸山政府委員 いま私が申し上げましたのは、初級の基準でございます。 それから、本人は、聞くところによると、いま先生がおっしゃいましたように、左足の後方二メートルをねらって撃った、しかもそれは、当たることを考えずに、威嚇として撃ったんだ、こういう供述のようでございます。 結果的に、どうしてその右のほうへ行ったのかということでございますが、先ほど刑事局長からも御説明申し上げましたように、そのときの距離は四十メートルでございます。 それで、現地の明るさはどうであったかということでございますが、これは被疑者を十分確認でき得る明るさがあったというふうに申しております。ただし、詳しい実地検証の結果に基づいてではございませんが、そういうことでございます。 結果的に、右のほうの胸を撃った。これは直接貫いているようでございます。跳弾ではなくて、直接貫いておるようでございますが、これにつきましては、本人については、いま申し上げましたように、威嚇のつもりで撃って、しかも左をねらったということでございまして、本人の意思どおりにたまが飛ばなかったということではないかと思うのでございます。その点について、なぜ右の胸を撃ったかというこまかい点については、私どもとしては、現在のところは判明しておりません。
○吉田委員 これは現場検証の結果なのか、よくわかりませんが、これはやはり警察官の説明だと思いますが、威嚇射撃によってその少年がひるんで、逃げる速度が落ちたと書いてあります。これは新聞の記事です。六十メートルと四十メートルと、その差は縮まっておりますが、三発目を撃たなくとも、威嚇射撃をして、ひるんで速度が落ちたのなら、ほかの方法で捕え得たのではないかとわれわれには考えられますが、警察ではどういうぐあいに考えられますか。 それからもう一つ、あわせて関連してお尋ねしますが、拳銃初級という程度ならば、技術だけでなしに、拳銃使用の条件等、警職法七条、それから警察官けん銃警棒等使用および取扱い規範は十分承知をしておったと思われますが、あわせてその点も承りたい。
○丸山政府委員 威嚇射撃をして速度が落ちたと、現場検証の結果そういう話が出ているというお話でございますが、私どものほうではそういうふうには伺っておりません。第一回の威嚇射撃、第二回の威嚇射撃、それから第三回に結果的に当たったわけでございますが、そのときも速度は落ちていなくて、その第三回目の発射をいたしましてから九十メートルほど走っておる。そして、急にブロックべいに倒れた。こういうことでございます。 それから、いまお話のございました拳銃使用の条件、警職法の第七条、それから私ども規範と申しておりますが、国家公安委員会規則、こういったものにつきましては、初任科の学生につきましては九十時間——これは一年間高校卒の生徒を教育するわけでございますが、その中に九十時間、拳銃操法、それからただいまの規定を教え込む時間がございます。それで十分教えておりますし、本人もその点に関しては認識は十分あるというふうに考えております。
○吉田委員 先ほど申しましたように、警察からも捜査を依頼したり、検察庁は実地検証をしておられますが、その実地検証による検察庁の心証、それから起訴の見通しですね。新聞によりますと、一月中には処分を決定をするということが報ぜられておりましたが、どういうことになったか、あるいはその起訴の見通し等についてお尋ねをいたします。
○根岸説明員 ただいまのお尋ねでございますが、本件につきましては、事件発生の日でございます昨年の十一月二十日に、直ちに、事件の性格上、福岡地方検察庁小倉支部におきまして捜査を開始いたしております。その後、昨年十二月十八日に、被害者の両親から告訴、関係団体から告発がありまして、これも福岡地方検察庁で受理いたしまして、それを小倉支部に移送して、その事件も受理しております。なお、本年二月十三日に警察から本件の事件の送致を受けまして、結局のところ、自分から始めた捜査と、告訴、告発と、警察からの送致と、三つの事件が競合した形になっておりますが、現在捜査を進めております。 現在までの心証はどうかというお話でございますが、何ぶん現在捜査中の事件でございますので、その点につきまして、まだ事実の確定はしておらないと思いますし、現段階でそのことについて述べることは差し控えさしていただきたいと思います。 処分の見通しでございますが、本件を起訴するか、あるいは不起訴にするかということにつきましては、捜査が終了した段階で、各証拠等を判断してきめることになると思いますので、現段階ではまだ何とも申し上げかねます。ただ、検察庁といたしましては、公正な立場に立ちまして事件を捜査し、かつ処理をするものと私は信じております。
○吉田委員 実は、私は、二月の初旬になって現地に行ってみたところ、専門家あるいは検察庁等が実地検証をしておられるから、警察なりあるいは検察庁もその本来の任務に従って行動されると思って参りましたのですが、私のようなしろうとが参りましても、たいへんな疑問を感ずるようなことが多々ございます。いまうしろのほうから、単にどろぼう一人つかまえるのに射殺をすることが妥当であったかどうかということは疑問だというお話がございましたが、私が行ってみましたところ、さくを乗り越えて倉庫に入ったと報告には書いてございますが、ところが、事務所があります。その事務所にはなるほど人が寝泊まりをしておる。ところが、問題のガスレンジが置いてありますのは倉庫の中ではありません。それは道路から見えるところに箱に積んであるのです。それを取ってきた。はたしてあれを取ることが兇悪犯かと私は疑問を持ったから、その北九州ガス何とかというところのお嬢さんに聞いた。そうしたら、そこに置いてありますものは井筒屋に納めている品物でございまして、この報告には新品と書いてありますが、井筒屋から返品をしてきたものでございます。ですから、倉庫の中に置いてなくて、軒下に置いてある。それはなるほど、へいといいますか、さくといいますか、入り口のドアがあります。夜のことですから、おそらく施錠してあったと思いますが、それに入って、外から見えるものであります。これは報告にもありますように、夜中になって夜業をしておった。腹が減って、何かめしを食いに行こうかと出かけた二人が、いわばその前を通って、でき心を起こしたのです。それを、挙動不審だったら、なぜ職務質問して防止してくれなかったのだろうか、これが常識的な考え方です。いわば、不良品で返品されておったものが屋根の下に積んであった。これはいいとは言いません。いいとは言いませんけれどもそれを拳銃を使用して射殺しなければ取り押えられないものであったかどうか。これは警察の原則の中にも、衡平の原則というものがあるそうですが、守られる法益と、レンジを取っていくという対照の、守るべき法益と、片や人間の命、これを比較してみた場合に、法を読んでおっても、判例を読んでおっても、どうしてもあれが正当であったということにはならぬ。少なくとも、法律も学びました。しかし、常識的に考えてみてもそうならぬのです。これは時間がありませんから詳しい話をしませんけれども、調査室に聞いて、職務執行法の規範についての宍戸基男という人の本、あれが警察でも読まれておるということですから、読みました。その中に、兵庫県姫路支部の判決も入っている。それから、吹田事件のときの判決も、簡単でありますが書いてあります。それから、最近旭川であった事件等についての判決も全部読ませてもらいました。どう考えても、あるいは本を読んでも、判例を見ても、たったこれだけのと言ってはたいへんあれですが、報告には新品となっておりますけれども、それは返品をしたいわば不良品——これは使っておらぬから、新品かもしれません。しかし、井筒屋で店頭に出したところが、不備があったから返ってきた。それを取って出てきたところを誰何をして、拳銃で威嚇をするまでは許されぬとも思われませんけれども、しかし、ほかに方法がなかったかといえば、ほかに方法がなかったとはいえないのではないか。出てくる。待ち伏せておる。二人おります。抵抗したわけでもございません。あるいは凶器を持って入ったわけでもございません。それにこれだけの行き過ぎがどうしてなされたのか。 私は法務省にもその点をお尋ねしたいと思いますけれども、少なくとも、法の執行あるいは手続——国家公安委員長の言うように、国民に親しまれる警察、あるいは国民の生命と権利を守る警察ならば、起訴をして、裁判所の判断を得るというのが私は当然だと思うのですけれども、その点はどういうふうに考えておられるか。国家公安委員長の御所見と、法務省の所見を承りたいと思います。
○江崎国務大臣 先ほども申し上げましたように、少年が死に至ったということは、いかにも残念に思っております。現場の説明などを聞いておりますと、一つの言い分がないわけではないようですが、とにかく、死に至らしめたということは、何といってもこれは残念なことですし、左のほう二メートルを目標に撃ったものがからだに当たったということも、これは警察官側から申しますならば、事考えと違ったということで、本人もまことに残念であったというふうに思っておることと思います。したがいまして、今後こういうあやまちを繰り返さないように努力をし、教育を徹底していくことが必要であるというふうに考えます。
○根岸説明員 ただいまお尋ねの点につきましては、現段階におきまして、私が起訴すべきであるとかないとかいう立場にございませんので、答弁いたしかねるわけでございますが、しかしながら、具体的事実関係、あるいは、その中には、もちろん職務執行の妥当性という問題が非常に重要な争点の一つになってくると思いますので、現在捜査中ではございますが、それらの点につきましても、十分厳正な捜査を行なった上で、適切な処理が行なわれるものというふうに私どもは期待しております。
○吉田委員 公安委員長は心得を言われました。何と言いますか、警察のたてまえ、それから国家公安委員長としての希望を言われた。しかし、現に人一人の命が失われた。取ろうとしたのは返却品であった云々という点はおわかりになったかどうか、あるいは、これは凶悪犯になるのかどうか、これらの点は所見が述べられると思いますけれども、法務省のほうも、捜査中ですから、どうすべきかということについては、現段階で答弁の限りではないと言う。まあ、四角四面に言えばそうでしょう。私も、調査室から借りた本やら判例やらを見ましたけれども、法的な判断はこれについてされると思いますが、事態についての、いわば職務執行の判断は警官にまかされているわけでありますけれども、しかし、それが自由裁量でなしに、法規裁量だということがはっきりしておる。拳銃を使用し得る条件が整っているかどうかという点は、これは所見は述べられないことはないでしょう。いかがですか。
○根岸説明員 今度の具体的事件につきまして、その要件が備わっておったかどうかということは、事実の認定ときわめて密接な関係がございますので、確定的な事実の認定を、検察庁の捜査の結果いたしておらない現段階におきまして、法律見解を述べることは適当ではない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○吉田委員 それでは、時間のある限りその点についてお尋ねをするしかないと思うのですが、この宍戸基男さんの書かれた本の中に、一八六ページに、「刑法第三六条(正当防衛)または同法第三七条(緊急避難)に該当する場合で、自己または他人の生命または身体を防護するため必要であると認めるとき」と書いてあるのであります。その場合には、「相手に向かってけん銃を撃ち、または警棒等を武器に代わるものとして使用することができる旨を定めている。この結果、個人の生命、身体に関係のない社会公共の法益または人の自由、財産に関する正当防衛または緊急避難として、相手に向かってのけん銃発射は、規範上許されない。これは、けん銃による危害と保護法益との均衡を考慮し、その最小限度の使用要件を明文化したものであり、一般の正当防衛または緊急避難と本法本条によりけん銃を使用してのそれとの要件が必ずしも一致するものではないことを示している。」と書いてありますが、このことは、警察から言えば、これはどなたから答弁願えるか知りませんけれども、そのとおりだと思いますか、いかがですか。
○丸山政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○吉田委員 一八九ページに、「このただし書の除外事項以外の場合には、人に危害を加えることが予測できるような方法で武器を使用してはならない旨を定めたものと解される。すなわち、けん銃の使用方法でいえば、相手方の方向に向かって発射してはならない、という意味に解すべきである。」と書いてございますが、そのとおりでしょうか。
○丸山政府委員 御趣旨はそのとおりでございます。その「相手方の方向」というのが、どの程度が相手方の方向になるかという問題があるかと思いますが、今回の場合には、一回目、二回目は六十度斜め上空をねらって撃っております。これは明らかに相手方の方向ではないと思うのでございますが、相手の左足の方向をねらっておるということが相手方の方向になるのではないかというふうな御疑問はあるかと思います。この点は一つの法律解釈でございまして、一回、二回と威嚇発射をして、その効果があがらなかった。今回の場合はそういうケースでございます。そこで、より効果をあらしめるために、やや相手方の方向に近づけたというのが今回の経緯だと思います。したがいまして、そこに書かれておりますのは一般解釈でございまして、具体的な個々のケースによって、要するに、相手方に危害を加えないということの目的を達するために相手方の方向を避ける、こういう意味だと思います。
○吉田委員 別のところにも同じような趣旨のことが書いてあるのです。「人の生命、身体等に対し危害を与える可能性があり、そのため著しく人を畏怖させる方法によって行なわれるもの」云々と書いてありますが、相手に向かってというのが、二へんやったから三べん目は二メートル距離を離して撃てば、それはここに書いてある趣旨あるいは法の趣旨からいう相手に向かってでなしに、威嚇だ、こういう説明ですが、公安委員長さんにお尋ねをしますが、あなたは政治家ですから、常識的に考えて、どろぼうをして、そのどろぼうの取って逃げたものが不良品であるということはわかっていなかったかもしれません。わかっていなかったかもしれませんけれども、軒下に置いてあるものを持っていっておる。これはパトロール中の巡査でなければ全然わかりません。自分が平生パトロールをしておる所ですから、そのものが貴重品なのか、あるいは何百万円もするものなのか、あるいはそれは何千円するか知らぬけれども、どの程度のものだとかということは、その商売からいって、一応の認識はあるでしょう。それを持って逃げたのだから、偏見がなければ、それは別な方法でつかまえようとする。あるいは、二人おるのですから、橋を渡ってホテルの前まで来たのを二人でつかまえようとする。一人はもうあきらめたのですから、両方からはさむ方法もあったでしょう。あるいはほかの方法もあっただろうと思うのですが、ほかの方法がないときにピストルを使えと書いてある。それが当たるかもしらぬということは予見もしなかった。しかし、予見をしなかったとするならば、過失があるものと考えられますけれども、足を二メートル離れて撃とうとした。これは暗かったかもしらぬし、あるいは走っておったから間違うかもしれないが、そのくらいの知恵が初級の巡査にないはずはないと思いますが、常識的に考えてみて、それは行き過ぎだと思われますか。あるいは、あくまでそれは法の適当な執行だと思われますか。これは常識問題です。御所見を伺います。
○江崎国務大臣 この問題は、やはり、事実認定が相当重要な要素として判断の基本になるというふうに思います。それから、あくまで威嚇射撃ということでやったわけでございましょう。それからまた、窃盗するところを現認しておった。これはやはり、にわかの場合で、何を盗んだかという中身まで透視することができませんから、現認しておりながらこれに逃げられたということでは責任を果たすことができないという、一つの責任感の上から逮捕しなければならぬ、これが威嚇射撃という形につながったものというふうに思います。 その威嚇射撃が自分の考えと違った。これは、腕の未熟であったのか、あるいは早急の間であったために動転してそういうことになったのか、これはいろいろな心理的要素もあろうかと思いまするが、私どもも、実情に即して調査を十分にして、つまびらかにしていきたいと思います。
○吉田委員 時間がありませんから結論だけ申し上げますが、警察本来の使命を果たすために国民に親しまれる警察であることを望まれる公安委員長であるならば、私は、国民からの疑問には答えるべきだと思います。そして、そういう事態にならぬ前に職務質問なり処置をする方法があったのではなかろうかということ、これはみんなそう言っております。 それから、他の法令とか判例や法解釈を見ても、拳銃の使用についてはやはりたいへん慎重でなければならぬ、警察庁自身も常々教育をしておったんだがと、こういう話でありますが、そうすると、常識的に考えてみて、守ろうとした法益と失った法益とのバランスが著しく失することは、これはだれが見てもそうだと思うのです。そうするならば、警察としても、あるいは検察庁としても、これははっきりと法の判断を求めるというのが当然じゃないか。これは私の常識です。あとは、公安委員長が、あるいは検察庁が、あるいは法務省が、どういうぐあいにされるかはここでは言えぬかもしれませんけれども、言われるように、本来の任務を果たすために国民に親しまれる警察であろうとするならば、警察職員だからかばおうとか、あるいはあとからの説明を牽強付会をしようとかいうことは、まあ、国会でもしばしばわれわれは見受けておりますけれども、そういう三百代言的な言いわけ、言いのがれで警察の任務が果たされるものとも思われませんし、国民の命、権利を守れるものとも思われませんので、その点は、権威ある措置を十分とられることを要望して、質問を終わります。
○上村委員長 林百郎君。
○林(百)委員 私は、時間の関係上、円のフロート制への移行に伴う地方財政計画、それから地方債計画に及ぼす影響について、五十分ですから、あと準備もしてありますが、これにしぼってお聞きしたいと思うのですが、先ほど、大臣の中村君の質問に対する答弁では、幸いに本年は地方財政の収入が相当大幅に増額することになっているというようになっておりますが、現在のこの円のフロート制のもとに、政府の考えているような——まず、三税のうちの国の法人税、それから地方税収入の中の法人税割り、それから法人事業税、これが当初の計画のとおりに、対前年度比非常に大きな、たとえば三五%から三六%程度の増収ということになっていますが、あなたはこれが可能だとお考えになっておりますか。
○江崎国務大臣 現段階では、御承知のように、前年度を基準にしての税収ということになるわけでありますので、まあ、予算としてはこれでいく。しかし、すでに国においても措置をしておりますように、いま御指摘の事業税、それから、地方でいいまするならば、法人の事業税だの、法人税割り、こういったものが円の切り上げ、ドルの切り下げによって受ける影響というものは、これは何がしかあろうかと思います。また、現に、納税の措置についても、延期を認めるとか、あるいは中間決算をして、その納税の手続等について相談に応ずるというような対策を講じておるわけでありますから、何がしかの影響があることはやはり否定できないと思いますが、御承知のように、それが一体どの程度に落ちつくのか、これは現在まだちょっと予測にかたい点等もありますので、国の措置とまって、地方財政対策についても十分配慮をしていきたいというふうに考えております。
○林(百)委員 大臣にお聞きしますが、四十八年度の地方財政計画、地方債計画も含めて地方財政計画をお組みになるときに、円がフロート制になるということを込みでお組みになったのですか、どうですか。これは、御承知のとおり、田中総理は、予算委員会で、こういう事態になったことははなはだ遺憾である、責任を痛感すると言っていますが、事地方財政についてはあなたが担当なんだから、あなたもこの委員会で、総理が国の財政についてそう言っているときに、何がしか程度のことでこの場をのがれ得るとお考えになりますか。もう少しはっきり責任を明らかにしてもらいたいと思います。
○江崎国務大臣 全く御指摘のように、フロート制になる、あるいはドルのほうからころんでくるというような場面は、想像されても、こんなに早く来るということは思っていなかったわけでありまして、その点は、まさに、一つの見通しの問題としては遺憾でありたというふうに考えます。しかし、先ほども申しましたように、財政計画そのものは、歳入の面におきまして、さっき申し上げた程度の問題はありましょうが、しからば、どの程度どういうふうにするかという点については、ちょっといまにわかに把握しがたい点もありますので、今後の推移にまちたい、こういうことを申し上げておるわけであります。
○林(百)委員 昭和四十六年度の経験もありますので、地方自治体としては非常に大きな動揺を来たしている。ことに、都道府県における法人事業税の減収等の見通しについて非常な大きな動揺を来たしている。そういうことに対する自治大臣としての責任の感じ方が非常に薄いと思うのですけれども、これに対してどういう指導をしていくつもりですか。自治大臣がいまの程度の答弁を国会でして、そしてほおかぶりしているということは許されないと思うのですが、どうでしょうか。
○江崎国務大臣 私は、率直にありのままを申し上げたわけで、もとより、地方財政というものは、国の財政と見合いながら——もたれながらということばは当たらぬかもしれませんが、見合いながら進めていくわけでありますから、もうしばらく時間をおかしいただきたい。 ただ、今日いまの時点において、しからば地方財政計画を改める必要があるかというと、にわかに改める必要はありませんというふうに思いますが、今後具体的にひずみがどこにどう出てくるか。なるほど、四十六年の場面もありましたが、もうしばらく時間をかしていただきまして、それに即応して十分きめこまかな配慮をしていく。これはもう当然のことだと考えます。
○林(百)委員 大蔵省にお聞きしますが、いま、円の実勢は、対ドル関係でどうなっておるのですか。ドルを一〇%切り下げた、それは、相対的には円を一〇%切り上げたと同じ効果になると思うのです。それに対して、さらに一六%程度の、円の、実質的には切り上げと同じようなことが出ているような状態なんですが、いま実勢はどうなっておるのですか。
○加藤説明員 アメリカが一〇%切り下げまして、御承知のように、円は対ドルで二百七十七円何がしになっております。本日の相場はちょっと聞いてまいりませんでしたが、昨日が二百六十四、五円でございますか、一六を前後していたかと思いますが、そういうような情勢でございます。
○林(百)委員 そうすると、法人税ですね。これは直ちに三税の三二%交付税交付金に影響してくるのですが、大蔵省の見通しとしては、そういう実勢でいくとして——時間がないのでだいぶ質問が先走っていくのですが、大体、固定相場制に移行するためにフロートの状態を見ておると考えていいのかどうか。かりにそういう事態が生じた場合に、国が当初計算しておった法人税に対してはどういう影響を与えるか。あるいは、かりに現状のまま固定制に移行するというのも、まだフロートの状態を見なければわからないので、ここで幾らということは、大臣まで言わないのだから、あなたに言えといっても無理かもしれませんけれども、しかし、これは固定相場制に移行するためのフロートの実勢を見ているのではないかと思うのですが、そういういろいろの円とドルとの関係から見て、本年の国税としての法人税の収入についてはどういう見通しを持っていますか。
○加藤説明員 円が変動制に移行いたしまして、国内経済にかなりの影響が出るということは当然のことだと思うのでございますが、変動制がどのくらい続くのか、それからどういうふうな線でおさまっていくのか、そういう点につきまして、非常に不確定な要因がまだあるわけでございます。そこで、税収等につきましても、現段階では確たる見通しが立たない。ただ、企画庁のほうの見通しによりますと、四十六年のときと違いまして、景気が上昇過程に乗っておるわけでございます。 そこで、前回の経緯もございますが、変動制に移行した影響はかなりの程度吸収されるのではなかろうか。税収につきましては、いま申しましたように、現段階では、不確定要因が非常に多いので見通しは立てがたいのでございますが、そう悲観することもないのではないかというような見解を持っておるように聞いております。
○林(百)委員 悲観をするかしないか、実際どういう影響を及ぼすかということは重要なことで、総理ですら、予算委員会で、これは万全の対策を講ずる、ことに中小企業に対しては十分な保護政策をとらざるを得ないと言っているわけで、あなたの言うような直接の所管庁でないにしても、楽観論がまかり通るわけにはいかないようなことを総理みずからが言っておるわけです。 そこで、経済企画庁にお聞きしますが、今日の変動相場制の状態で、まだ固定相場制に移行していないわけなんですけれども、このような状態でかりに一五%以上二〇%程度で固定相場制に移行する可能性も出てくるわけですけれども、中小企業に与える影響というものが、景気が上昇機運にあるから、実質的な円の切り上げによる影響は、吸収されて大した影響はないと思うというような、いま大蔵省の言ったような見解を経済企画庁は持っているのですか。
○小泉説明員 お答えいたします。 御質問がございましたが、円の変動相場制移行後の状況は、先ほど大蔵省からお答えがございましたように、非常に流動的でございます。最近の経済の実態は、四十七年度後半からかなりの上昇の状況が明らかになりつつあるという状況でございまして、この環境下で、変動相場制への移行に伴う諸般の影響は、かなり吸収されるのではないかというふうに現在見ておるわけでございます。
○林(百)委員 そうすると、中小企業に対して特別な対策を講じなくてもいいのですか。あなたの言うことは、総理が予算委員会で答弁しているところとだいぶ違うのではないのですか。大蔵省の主計官、経済企画庁の課長さんの皆さんの言うことは、ですね。
○加藤説明員 総理が予算委員会で申されましたことと少しも違いありませんで、先ほど申しましたように、不確定要因が非常に多い現段階では、見通しがなかなか立てにくい。ただ、中小企業の点につきましては、四十六年にやりました特別法が現在も生きておりまして、私はたまたま外為会計を担当しておるわけでございますが、先般為替予約制度を発動いたしまして、財投面とか、総理が答弁されておりますように、必要に応じて強力に措置を講ずるというような体制をとっております。
○林(百)委員 これは、今後の時日の経過の中であなた方のような楽観論が通るか、非常に大きな打撃を輸出関係の中小企業に与えていくか、事実が証明すると思うのですよ。 そこで、これだけ討議していますと時間がたってしまいますけれども、自治大臣、実は一つ二つ例を申しますが、これは新聞にも出ているのですが、たとえば、北海道の四十八年度の会計を見ますと、道税は三五・二%増と見て、法人事業税は五六・六%増と見ているわけですね。これは昨年の五〇%増と見ているわけですね。こういうものが一体まかり通るかどうか。そのほか、栃木県が三二・六%、それから東京都が二六%増。こういうような、対前年度五六・六%法人事業税だけでも増と見ているような地方自治体の財政の予算計画が、そのまま通るとお考えになるかどうか。 ちなみに、四十六年度の税収見込みについてさかのぼってみますと、東京都では、税収見込みが四百四十億落ち込んで、そのうち法人関係は五百三十億の狂いが生じている。大阪府でも、税収の見込みが百億の減収を見ている。こういう打撃を受けているわけですね。こういう事態の中で、自治省が、地方財政計画は一応の見通しなんだから、これを手直ししろとか、あるいはこういうような考え方をしろとか、あるいはこういう措置をあらかじめ講じておけというような、そういう適切な行政指導をここで何らしなくてもいいのでしょうか。いま大蔵省や経企庁の課長連中が言うように、まあ詳しくは聞いていないのですが、ああいう楽観論で手放しにしておいていいというような状態なんでしょうか。
○江崎国務大臣 法人税において直接影響があることは、これは私ども否定できぬと思います。ただ、経企庁も大蔵省も言っておりますことは、四十六年度のときは、いわゆる不況下のまっただ中における切り上げであったということなんです。不況下に切り上げが行なわれるということは、これは異例中の異例というか、マルクの場合でも、好況のときに切り上げをいたしております。好況のときに切り上げをすれば、影響を受ける業態ももちろんあるわけですが、これは予算委員会等でも申し上げておりまするような政府の諸施策でカバーをしていく。影響を受けない業態というよりも、輸入原材料が切り上げによって値下がりをして、むしろ、好況下であるがゆえに事業全体を好況の方向にカバーしていくこともできる。そういうことを、私、吸収ということばで、率直に表現したものというふうに理解いたしておるわけでございます。したがいまして、やはりひずみも出てくるが、私どもは、これは政策的に、十分きめこまかに、しかも積極果敢に対策をしていく。 同時に、一方、自然増の形になって吸収される分も相当あるというふうに見ておるわけであります。しかし、先に参りまして、御指摘のように具体的に不備な点が出てまいりましたときは、これはしかるべき措置をとっていく。現在の時点では、ある程度吸収されるのではないかという見通しに私どもも立つわけでございます。しかし、地方財政の非常にむずかしい、また、財源の苦しい場面というものは、これはよくわかっておりまするので、これらに対しては、十分連絡を密にしながら、今後の方途を講じてまいる予定でございます。
○林(百)委員 大臣、好況、好況と言いますが、あなたの言う経済が非常に好況にあるというのは大企業ですよ。中小企業は、今度の円のフロート制への移行によって非常な大きな脅威を受けているし、現に、企業閉鎖が方々に出ている。それはよく知っておく必要があると思うのです。ことに、中小企業は地方にあるわけなんですから、そうすると、地方自治体の税収、ことに法人関係の税収が大きな影響を受けるということは、もっと真剣に考えなければならないと思います。 先ほど大臣のほうからも、円の変動制で、緊急対策について通達を出しましたという答弁を中村君にしておりましたが、これはいつ出されたのですか。
○佐々木政府委員 円の変動制に伴う税の取り扱いの問題につきましては、今月の十七日に各府県知事あてに出しております。
○林(百)委員 どういう通達の内容だったのですか。その内容を説明してください。
○佐々木政府委員 通達の内容は、特に中小企業等について影響を受ける部面におきましては、中間申告制度の際の取り扱い方、あるいは納税猶予制度の取り扱い方、こういうことにつきまして、以前にとりましたのと同様な措置をとってもらいたいということを通達いたしております。 なお、この点につきましては、市町村税につきましても同様な取り扱いをするよう、各府県のほうから市町村についても指導してもらいたいということを述べております。
○林(百)委員 以前にとったと同じ措置をとってもよろしいということなんですか。それともう一つは、以前というのは、昭和四十六年の、この前の固定相場制への移行の際の措置のことをいうのですか。そして、こういう制度をとってもよろしいということなんですか。とる心がまえをしろということなんですか。どういうことなんですか。
○佐々木政府委員 円の変動相場制につきましては、昭和四十六年度に経験をしておるわけでございますが、その際にも同様な趣旨の通知を各府県にいたしております。これらの措置について十分配慮していただきたいということを各府県に通知をしたわけでございます。
○林(百)委員 配慮していただきたいというのはどういうことなんですか。そして、それによって、地方自治体の税収が当初の予定よりは先に延びる、あるいは、仮決算だけで確定的な数字を把握できないというようなことが生じた場合、自治省としてはどういう指導をなさるのですか。この通達によって、もしそういう事態が発生した場合、たとえば延納制は——これも新聞にも報道になっているのですけれども、二分の一相当額について三カ月以内の納税延期を認める。そして、そういう納税の猶予制度を積極的に活用する。予定申告制、中間申告制ともあなたは言われましたけれども、これによって決算月を早めて仮決算をして申告する。そういたしますと、納税の延期をするといえば、当初見込みよりそれだけ収入が延びることになるし、それから、仮決算で申告するということになれば、その数字が確定的なものではない、それがどう変動するかわからないということにもなるわけですね。そういう事態に対して、そういう不確定的な状態のもとに地方自治体の予算環境を置くということに対して、自治省はどういう指導をなさるのですか。それでもしかたないというのですか。
○佐々木政府委員 御承知のように、中間申告の制度は一年決算の法人の場合にあるわけでございます。それで、中間申告をいたします場合には、原則としては、前年の税額を基礎にいたしまして中間申告いたすわけでありますけれども、当年度になりまして、その経営の状況が非常に悪化をするといいます場合には、その中間申告の段階におきまして、その年度の経営収支の見通しのもとに、前年度の申告額の二分の一以下の額で申告をすることが認められておるわけでございます。そういうことで、それぞれの企業の業態によりまして、その実情に即した中間申告制度の取り扱いをするようにということの通知でございます。 さらにまた、納税の猶予につきましては、申告書が出てまいります段階で、納税者の実情に応じまして、その徴収猶予の申し出がありました場合には、それに応じた取り扱いをしてもらいたいということを言っておるわけでございます。ただ、こうした円の切り上げ、変動相場制の移行に伴いまして、影響を受けます中小企業というものもあると思いますし、また、その反面に、為替差益等によりまして、むしろ逆の影響を受ける企業もないわけではありません。そういう意味では、現在の段階でこうした制度をとることが直ちに地方団体の収入の減少につながるかどうかという点は、税収入全体として見た場合には、必ずしも減収には直ちにはつながってこないであろうというふうに私どもは考えております。ただ、この通達は、あくまでも、個々の納税者について、その実情に応じた取り扱いをするようにという通知でございます。
○林(百)委員 為替差益金については、消費者の有利になるようにこれを転化しろ、企業が為替差益金を自分のふところに入れて、円のフロート制による輸入の値下がりの利益を企業が持っていてはいかぬ、予算委員会では、政府はこう言っているんじゃないですか。もし、あなたの言うように、輸入の値下がりによって企業が利益を受けるということになれば、為替差益による利益は企業にとどまるということになるんじゃないですか。そういうことをしてはいかぬというのは政府が言っていることでしょう。だから、あなたの言うような、為替の差金で、あるいは輸入価格が実際下がったということによって、法人が大きな利益を受けるということは出てこないはずじゃないですか。少なくとも、政府の言っている立場からいえば、ですね。それを、もし法人が為替の変動によって利益を受けるということになれば、その利益は消費者へ転化しろと言っているではないですか。それでは、実際は、裏はそういうことを本気で考えていないということになるんじゃないですか。 いずれにしても、そういう為替の差金によってもうかるなんというのは、中小企業にはないわけですね。中小企業で直接貿易をしているというのはないのですからね。そしてまた、輸入によって受けた利益を中小企業にまで潤いを及ぼしていくなんという大企業はないわけなんですから、いずれにしても、あなた方のよく言う輸入の例をとってみても、これは中小企業に一定の影響を及ぼす。ましてや、輸出の場合には、中小企業のすべては大きな影響を受けると思うんですね。だから、これはどう考えてみても、自治省としては、地方自治体の法人関係の税収について手を打たなければならない。 ここでお聞きしますと、大蔵省も、経企庁も、自治省までが、この事態を非常に軽く受けとめておるような感じが私はしてならないわけですけれども、決してそんなわけにいかないと思うんですね。 そこで、それではお聞きしますが、四十六年度、このときには、御承知のとおり、円が一六・八八%、三百六十円が三百八円に固定になったわけです。その上下二・五%の幅があるわけですが、このときの自治省のとった処置、これをちなみに言ってみてください。これは法人関係の収入が減少したためのいろいろの補正をしているはずです。これを言ってみてください。
○鎌田政府委員 昭和四十六年度におきましては、御案内のような状況で、当初の見積もりから交付税及び税収が落ち込みを生じたわけであります。それともう一つは、あの年には、景気浮揚のために所得税の年度内減税がございました。そこで、私どもは、それに対応いたしまして、所得税の減税に伴う五百土十八億の交付税の落ち込みにつきましては、国の一般会計から補てんをする。それから、法人税の減収に伴う交付税の落ち込み、たしかこれは七百億余りだったと思いますが、これにつきましては、交付税の総額を減らさないように、交付税特別会計におきまして、資金運用部から借り入れをいたしました。それから、税の減収がちょうど千三百三十四億ほどあったと思いますが、これは法人関係税と地方道路譲与税。これにつきましては、千三百三十四億のうちの一千億につきまして、地方債の増発を行ないました。それによりまして、事業費に充てておる一般財源と財源の振りかえを行なった。こういうことで財源対策を講じたところであります。
○林(百)委員 臨時地方特例交付金五百二十八億ですね、この措置はとらなかったのですか。とったのでしょう。しかも、これは、一般会計からの繰り入れで、返還は必要としない金なんですね。
○鎌田政府委員 いま申し上げました。
○林(百)委員 それじゃ、それと臨時地方特例交付金、それから交付税の借り入れそのものもあるわけです。これは返還を要するわけですね。これが一千二百九十五億六千万円。しかも、このうち五百五十億は給与関係の財源だったから、地方財政の税収落ち込みに対する補充としては、純粋には七百四十五億になるわけです。地方債は、補正で二千六百八十二億組んだんじゃないですか。一千億というのは……。
○鎌田政府委員 説明をはしょりましたのでなんでございますが、いまの一千億と申しましたのは、税が地方税で落ち込んだわけでございます。それが千三百三十四億落ち込んだ。こういうことでございます。その中の三百三十四億につきましては、財調の地方団体が積み立てております。それを取りくずすということによりまして、残りの一千億について地方債を出した。 それから、それにもう一つございましたのは、この景気浮揚のために公共事業の拡大を行ないました。それに伴いまして、地方債を千五百億。これは公共事業の補正増に伴います地方負担の増に充てるために千五百億の地方債を増発いたしました。二口出したわけでございます。
○林(百)委員 そうすると、中央の公共事業の拡大のための地方自治体への負担のために一千五百億。それから一千億は、税収見込みの、あるいは歳入見込みの落ち込みの補てんのために地方債を発行した。こう聞いていいですか。
○鎌田政府委員 そうでございます。
○林(百)委員 大臣、お聞きのとおり、四十六年のときには交付税からの借り入れをしたり、あるいは地方債の増発をした。これも地方自治体の借金になるわけです。それから、積み立て金の切りくずし使用もあったわけですね。さらに、返済不要の臨時地方特例交付金という措置もとっているわけですよ。そういうようなことを自治省としてはお考えになっておらないのか。 もう一つ、それじゃ大臣の答弁の前に聞いておきますが、四十七年度当初、これも四十六年のドル・ショックが影響しているわけですね。これに対しては、ドル・ショックに対する対策としてはどういうように考えられたか。あるいは、それをも含めてどういう措置をとられたのですか。その後、後半に至って若干景気が持ち直してきて、税収も増加してきたのですけれども、当初はどういう措置をとられたのですか。
○鎌田政府委員 そこで、いま申しましたように、四十六年度で大体五千億くらいの財源措置をしたわけでありますが、四十七年度の当初におきましては、やはり引き続き景気の落ち込みというものが非常にひどかったわけでございますので、いずれも地方税も七%しか伸びない、交付税も七%くらいしか伸びないということで、どうにも財政のやりくりがつきませんで、八千億くらいの財源不足になってきました。そこで、千五十億の臨時地方特例交付金、これは四十七年度限りの単年度措置といたしまして、国の一般会計から交付税特別会計にそれだけの金を交付いたしたわけであります。 それからなお、交付税ではそれでも配れないという状態でございましたので、千六百億の特別会計借り入れを行なったわけであります。 それから、沖繩は省略させていただきますが、地方債におきまして四千九百八億というものの増発をいたしたわけでございます。 いま先生のお尋ねになっておられます点につきましても、先ほどから大臣が申し上げておりますように、現在の段階では、率直に言ってどうなるのか見通しがつかない。見通しがつかない段階でございますので、そこをどう見るのか、そういうのが全く手当てがない。先ほど先生がおっしゃいましたように、今後の経済の推移というものによってこれは対処していかなければならないわけでございますので、年度中途におきまして、不幸にいたしまして四十六年度の事態のような事態が再び発生するということでありますれば、地方税の落ち込み、交付税の落ち込み、あるいは他方におきまして、景気浮揚のために、景気刺激策として公共事業の拡大等が行なわれる。こういうことでありますれば、その時点におきまして、地方財政につきましては、財源確保の措置を講ずることは、これはもう当然のことだろうと思うわけでございます。
○林(百)委員 そこで、大臣にお聞きしますが、円のフロート制への移行については、これは全く政府は予期していなかったことだということですね。田中総理も政治的な責任を痛感すると言っているわけですね。政府がそういう見通しをしておらなかった、見通しを誤った、私のほうはそう言いたいのですけれども、誤った結果、地方財政に、特に法人関係の歳入の落ち込み等が生じた場合には、国の責任においてそれを補てんするということは、これは要するに国が責任を負うということの現実のあらわれだと思うのです。それについてはどういうように考えているのでしょうか。たとえば臨時地方特例交付金というような制度も、四十六年度、四十七年度、二年も続けてやっているわけなんですから、こういう返済を要しないというような制度も場合によっては考える。まあ、交付税からの借り入れあるいは地方債の増額というのは、結局これは地方自治体の借金になりますから好ましい方法ではないと思いますけれども、しかし、地方自治体としては、こういう手当てをしてもらうだけでも何とか急場をしのぐ道にもなると思いますが、基本的には好ましい方法ではないと思います。しかし、四十六年、四十七年にとったような交付税の借り入れあるいは臨時地方特例交付金の交付、あるいは地方債の増額、こういうようなことは考えられるのですか。どうですか。
○江崎国務大臣 これはやはり必要があればという前提がつくわけですが、当然、そういう措置も必要があれば講じていかなければならぬと思っております。ただ、林さんのお見通しは非常に暗い感じで見ておられますが、私どもも、多少この問題に関心を払って見ておりますと、実際、四十六年のときと今回とでは、経済の実勢が根本から違うんですね。ですから、悪い面に対しては国は思い切って果敢な措置をするが、これによって影響を受けない業態、これも相当あるんです。それから、中小企業にしても、いま手持ちの外貨も多くなりましたし、金融もある程度ゆるんでおりますから、消費を活発にしていくということにおいて潤う中小企業もあるのです。それから、さっき佐々木局長が申しましたのは、為替差益については、これは新聞等にも報ぜられておりまするように、もとより政府としては厳重に追跡調査をして、不当な利益がそこに公然と認められるなどということがあっちゃなりませんので、これは厳重に追跡しなければならぬと思います。そうして円の値打ちが出てきたわけですから、前のときは不況下でしたから、特にまた、輸入物資をめぐって、重油等においては、環境整備の問題がやかましくなって公害がいわれておりますときだけに、何だか、安くなった分は、砂地に水をまいたようにいろいろな口実を設けて吸い取られてしまった傾向があります。しかし、今度はこれは許さないという強いきびしい態度で政府も臨んでおりますし、安くなった分が、国民であり消費者であるそれぞれの階層に還元されるべきことはあたりまえのことでありまするから、政府としても、これはやはり関係省庁を督励して、これを正当に国民に還元されるようにしていこうという姿勢でおりますので、どれだけのひずみが地方財政に出てくるかというあたりは、四十六年の例をそのまま踏襲する、それが一つの前例になるというほど代表的、模範的なものではまだないように私は思うわけであります。 したがいまして、御注意の点は、これはやはり十分承っておきまして配慮をしていきたいと思いますが、四十六年の場面とはちょっと根本的に条件が違う。これは、私は、楽観という意味でなしに、現状の分析というような立場からお答え申し上げておる次第でございます。
○林(百)委員 大臣、私たちの見解はこうですよ。結局円の再切り上げは必至だというように考えるわけです。いまはフロート制ですが、実質的には切り上げていますがね。結局これは、自民党の長い間の経済の高度成長政策からきている結果で、いまのような、労働者に安い賃金を与えて、福祉の面が犠牲にされて、公害がたれ流しのような状態で、輸出に日本の経済の高度成長政策のすべてを傾けていくという政策をとる限り、経済の成長のすべてが輸出の方向へ傾斜しているという、この日本の自民党のとっている経済の体質自体が根本的に変わらない限り、またドルがたまって、円の再々切り上げがくることは必至だと思うんですよ。そういう意味で、この前と今度とは根本的に違うということはないと私は思う。同じ体質の中から出てきた現象であって、その体質が根本的に変わらなければ、また再々切り上げの事態が発生する可能性があると私は見ている。その点は、自民党の大臣のあなたと共産党のわれわれと根本的に見解が相違しているわけなんで、われわれはそういう見解はとることができません。 そこで、そういう根本的な違いは、これからまたゆっくりといずれかの機会にやるとしても、ここでは時間がありませんので、二つの問題を提起したいと思うのです。 一つは、ことしは、当初地方財政計画を組むときには景気が上昇機運にあった。今後もこれは続くようなことを言っていると思うわけですね。それにもかかわらず、交付税からの借り入れが九百五十億。最初、自治省からは、新聞の報道するところによると、本年度地方財政の不足は八千億だろうというようなものが出、それが六千億となり、最後には九百五十億になった。この前のときは、大蔵省と七回くらいの交渉をして、最後に大臣折衝できめたわけですけれども、借り入れの問題についても、ことしは早目に、十二月の二十八、九と二回会っただけでおきめになった。早くきめたのはむしろ功績じゃないかという見方もありますが、私としては、早く大蔵省の軍門に下ったんじゃないかという見方もしているわけなんです。 さて、それは別としても、四十六年度にも交付税の借り入れがある。もっとも、一部は、臨時地方特例交付金というような返済不要な交付金もありました。四十七年度も交付税の借り入れ、それから臨時地方特例交付金の借り入れ、これもありました。四十八年度も九百五十億の借り入れ、一方起債が相当大きな額になっている。こういう状態が続いているときに、私たちの党の政策でもありますけれども、この三二%という交付税の税率をそろそろ引き上げるべきじゃないか。幾らに引き上げるということは別にしても、交付税の会計が一般予算から借り入れをするということが、累年こういうように三年も続いているといえば、もう「引き続き」ということにもなりますし、いやしかし「著しく異なる」ということは適用がないじゃないかと言いますが、しかし、「著しく」という部分を起債のほうへ転嫁してしまえば、これは「著しく」ということにもなりますししますので、この三二%という税率を根本的に考え直すと いうことは、大臣はお考えになっておりませんか。
○江崎国務大臣 九百五十億の借り入れにつきましては、四十七年度の国税三税の伸びで返していこう、そいつが見返りになっておるというわけですが、いま御指摘のようないろいろな問題はありましょうが、まずこれは可能であるというふうに見通しておるわけでございます。 三二%の問題につきましては、これは自民党の議員各位からも、もっと引き上げるべきだという議論も出ておりますが、この問題は地方財政の根本にも関しまするし、また、もとより国の予算の根本にも関係する問題でございますので、今後慎重に検討をしてまいりたいと思います。御意見としてはよく承っておきます。
○林(百)委員 あまり実のある答弁じゃないのですけれども、決断と実行を売りものとする田中内閣の自治大臣だから、せめてあなたのときに、このくらいのことを決断と実行でおやりになったら、江崎さんも功績を残したということになるかと思って激励しているのですけれども、どうも、激励にあまりこたえたような答弁でないので、はなはだ遺憾だと思います。 それから、もう一つ、地方債の引き受けの問題なんですけれども、これが原資が、政府資金で占める割合がだんだん減少してきているわけですね。地方債自体は、公営、準公営も入れて、累績も八兆円にもなっている。それから今年度も、公営、準公営も入れて二兆二千億の地方債というようなことになりますと、やはりこれは一定の歯どめがありませんと、これが公募債というようなことになりますと、あるいは縁故債もあると思いますが、これが日銀のオペの対象にならないとは言い得ません。この程度のものでインフレーションを刺激するとまでは、私いまの段階ではまだ言いませんけれども、しかし、そういうことも考慮すれば、鎌田さんなどは積極的な地方債増額論で、これはもう非常に楽観も楽観、いいところなんですけれども、しかし、自治省内部からも、地方債についてそろそろ一定の歯どめを考える時期じゃないかという意見があると私は聞いておりますが、まあそれはそれとして、問題は地方債の内容が、政府資金の占める割合が、昭和三十年ころは八二・五%だったのですよ。ところが、高度経済成長政策が進むに従って、三十年が八二・五であったのが、三十五年に七七・三、四十年に六三・四、四十五年に五九・三。四十六、四十七、四十八は、五九、五五、五五。四十七年は五五・六%、四十八年は五五・九%ですけれども、五〇%台になっておる。かつて八〇%台だったのが。 一方、他の資料で、財政投融資計画に占める地方債に充てられる割合を見てみますと、これまた顕著な例で、当初昭和三十年、財投の中で占める地方債の割合は四四・八%であった。それが三十五年で二五・四、四十年で二六・二、四十八年は一八・二と、こういうふうになって、そして、縁故債あるいは公募債の方向へ移行してきている。これはまあ利息が高くなるわけですが……。 先ほど山田議員からも、地方債発行を地方自治体の自主性にまかせるべきじゃないかという御意見もありましたが、これも私は賛成ですけれども、かりにその立場に立つ立たないにしても、この地方債の原資が、政府資金がこのように減少していくということ。そして、一方では、市場公募あるいは縁故債が非常に多くなってきている。それで、全国地方銀行協会のほうでは、縁故地方債を公募地方債に移行して銀行に引き受けさせろというような意見も出てきている。それを受けてかどうかわかりませんけれども、何か、銀行協会の要望に自治省がこたえたごとく、本年度市場公募債のできる道県と指定都市が拡大されてきているわけですね。あなたのほうで言えば勘ぐりと言うかもしれませんけれども、そういうような状態にもなっているわけですね。この改善について、地方債といっても、これは自治体の借金になるわけですから、それに対して、なるべく利息の低い政府資金を原資に充てるという方向で一そうの努力が必要だと思いますけれども、その点についてお聞きしたいのです。これはもう地方自治体あげての要望でありますから、そういうようなことをやっていかなければ、江崎自治大臣の功績というものは結局何にも残らないことになるんじゃないかというように思うわけですが、どうでしょうか。
○江崎国務大臣 御激励の点は、厚く感謝をいたします。 国の公債の依存度が、昭和四十七年度で一七・四%、昭和四十八年度で一六・四%ということになっておるわけですが、そういう比率から見ますると、地方債が非常に過重に発行されておるということにはならないのではないか、また、これが将来極端に地方財政を圧迫するというようなことになるといま断定することはどうであろうか、こういうふうに私ども考えて、まあまあこの程度ならば容認されるものだということで、今日の状況を認めておるわけでございます。 それから、先ほどの、地銀の要請によってというのは、これはまさにおっしゃるとおり、いささか勘ぐりでありまして、これはもう無関係でございます。やはり資金需要が、お示しになりましたように非常に多くなりまするので、この資金を広く集める、その一環としての措置でございまして、その点は御了解を願いたいと思います。
○林(百)委員 原資を政府資金でなるべく充当するようにするということについてはどうですか。できるだけそうするということですね。
○江崎国務大臣 もとより、できるだけそういう形に持っていきたいと思っております。
○林(百)委員 それじゃ時間が参りましたので、これで終わります。
○上村委員長 次回は、明二十三日金曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十九分散会