大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/09/13
会議録
○松本小委員長 これより税制及び税の執行に関する小委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。先般、各位の御推挙により、私が当税制及び税の執行に関する小委員会の小委員長に就任いたしました。 福祉社会実現のため、租税政策の果たす役割りが重要なおりから、本委員会の使命の重大さを痛感する次第であります。各位の御協力を得まして職責を果たしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。 まず、税制に関する当面の諸問題及び税の執行の現況等について、政府より説明を求めます。高木主税局長。
○高木(文)政府委員 最近私どものところで検討いたしております昭和四十九年度の税制改正とからめました最近の問題点を申し上げてみたいと思います。 昭和四十六年の八月に政府に向けて答申がございました税制調査会の答申におきまして、大筋として所得税は現在の総合累進のたてまえから、これを放置するならば、だんだん相対的に実質増税になっていくということを頭に置きまして、今後とも減税が行なわれるべきである。それから法人税については、諸外国の状態等との比較におきましても、なお応分の負担を求める余地がある。それから全体として所得税、法人税を通じまして、相続税も加えました直接税のウエートがここ十年間に一〇%、しかもそれが着実に年一%くらいの割合でふえまして、間接税のほうのウエートが減っておるということとの関連上、今後間接税の果たす役割りというものについてなお着目をして、間接税のあり方をもう一度よく研究すべきである。 この三点が御答申の主要点であったのでございますが、四十九年度の税制改正におきましても、基本線はその線に沿って考えられるべきものというふうに思っております。 はなはだ申しわけないことでございましたが、四十八年度は、経済見通しと実績との間で大きな開差が出てきたということにもよりまして、かなりの自然増収を生むかという状態でございますし、結局それがベースになりまして四十九年度の税収見積もりも見積もられることになりますので、この際といたしましては、かなり大幅な所得税の減税を行なってよいのではないかというふうに考えておるわけでございます。その内容等につきましては、私どもも各方面の御意見を承ってきめたいと思っておるところでございますので、まだ申し上げる段階にございませんが、いずれにいたしましても、所得税の減税についてはかなり大規模のものであるべきだという考え方を持っておるわけでございます。 また、法人税につきましては、二度にわたりますところの為替レートの変更にもかかわりませず、わが国の輸出力というものはなお相当の力があるということが証明されたわけでございますので、その見地から申しますと、この段階において法人に負担を求めたからといって、日本の経済、産業に著しい悪影響を及ぼすおそれはなかろうというふうに思われますところから、法人に相当の負担を求めるという考え方をこの際実行に移してもよろしいのではないかというふうに考えておるわけでございます。 法人の負担引き上げということにつきましては、世上基本税率を三六・七五%から四〇%に上げることを軸にして研究を行なうということになっておりますが、御存じのように、現行法人税制はかなり複雑なものになっておりまして、受け取り配当が支払い配当をこえました場合のこえた額につきまして益金不算入という制度がございましたり、配当についての軽課税率というようなものがございましたりいたしますので、それらを含めて検討いたしたいというふうに考えております。 ちょっと前に戻りますが、所得税につきましては、やはり中心は、一つは課税最低限の問題でございます。課税最低限は、長年諸外国の水準にまで追いつきますようにということで年々手直しが行なわれてきたわけでございますが、最近に至りましてわが国の課税最低限は、御存じのとおり、諸外国の水準に比べましても遜色がないと申しましょうか、あるいは諸外国と比べてさらに条件のいい状態になったわけでございますが、現在のわが国の納税者の生活実感といいますか、そういうものからいいましたならば、なお引き上げられてしかるべきものということで、その点に所得税の減税の一つの重点が置かるべきものというふうに考えております。 第二は、各納税者階層中、特にサラリーマンの減税問題というのが問題であるわけでございまして、これはどこからそれが出てくるかという点でいろいろ問題がございます。課税が制度と執行を通じて総合的に見てうまくいってないということかもわかりませんし、あるいはまた、総じてサラリーマンはストックが不十分である、フローはとにかくとしてストックが非常に不十分であるということからくる負担感の問題もあるかもしれませんが、現実問題としてサラリーマンの問題というのは、言ってみれば非常にコンセンサスのあるところではないかと思われますので、その点についてはかなり重点を置いたものの考え方をしたいと思っております。 所得税の構造は控除と税率で組み合わせられておるわけでありますから、税率はどうするのだという御議論がしばしばあるわけでございます。税率問題につきましても、確かにわが国の税率構造は若干ゆがんでおるということがいえると思います。御承知のように、最近では四十四、四十五、四十六、この三年間の所得税減税にあたりまして税率の手直しが行なわれたわけでございますが、その手直しが一般的に行なわれたのではなしに、ある所得階層に向けてメリットがありますように行なわれました結果、税率構造としてはかなりゆがんだものになっております。したがって、これも直すべき時期に来ているのではございますけれども、その辺につきましては、他のサラリーマン減税のための給与所得控除の拡大であるとか、基礎控除と人的諸控除の拡大であるとかいう問題と、相互にいずれが優先すべきやということで議論さるべきであり、かついわゆる減税財源の問題との関連において判断さるべきものというふうに考えております。 法人税、所得税は以上のような感じでいま作業を進めておりますが、間接税につきましては、一つは、大きな問題としては道路財源の問題がございます。政府におきましては第六次道路計画を途中で打ち切りまして、昭和四十八年度から第七次道路計画に入りました。五カ年間に十九兆五千億の道路整備を行なうということで考えておるわけでございますが、その財源につきましてはまだきめていないわけでございまして、四十九年度の予算編成にあたりましてきめなければならぬことになっております。 この道路計画は、前回の計画に比べまして年率で二〇%をこえる事業規模の拡大が見込まれておるわけでございますので、いままでの道路計画を実施いたしますための主要な財源であります自動車諸税の毎年の自然増収割合を上回っております関係で、税制を改正いたしませんならばいわゆる特定財源比率が落ちることになりますので、何らかの意味において道路のための特定財源の拡充をはからなければならないというふうに考えております。これは国税だけでなくて、地方税についても同様でございます。 この所得税の問題と法人税の問題と道路財源の問題が、四十九年度へ向けての主要な問題でございますが、以上のほか、先般の法案審議の際に非常に御熱心に御討議いただきましたもろもろの問題、所得税につきましては、たとえば若年勤労者層の負担軽減の問題であるとか、退職所得の控除を拡大する問題であるとか、あるいは年金について何か特別な配慮が必要ではないかという問題であるとか、その他数多い問題のいわば宿題をいただいておりますし、法人税につきましても特別措置のなお一そうの整備を進めるべきだというような御意見を中心として、いろいろと問題が残っております。そういうこともなおいろいろと検討いたしております。 間接税につきましては、その道路財源とは別の問題として、いわゆる長期税制において間接税を重視すべしということとの関連で何か勉強しているかという点でございますが、どうしても従価税になっているものはよろしいのでありますが、従量税的なもの、定額税的なものはウエートが下がってまいるわけでございますから、そういうものについてまず検討しなければならぬわけでございまして、そういう意味からいいますと、酒の税金、たばこの税金、印紙税というようなものが先ほどの道路財源と別にまた検討さるべき問題であると考えております。しかし、酒、たばこの問題はなかなか複雑なバックグラウンドがございますので、いまのところは四十九年度に直ちに何か手をつけるのはどうもむずかしいのではないかという情勢になってきておりまして、当面現在印紙税を中心に検討をいたしておるところでございます。 以上がごく大ざっぱに申しました主要な検討項目であり、改正について私どもがばく然と頭に置いております方向でございますが、政府のほうの段取りといたしましては、先週の金曜日に税制調査会を再開をいたしました。今後毎週一回ずつ税制調査会を開いていただきまして、そこで審議を続けていただくというつもりでおります。毎年の例に比べましたならば、若干早いペースで作業を始めておるということでございます。 まことに雑然といたしましたが、以上で最近の状況の御説明を終わりたいと思います。
○松本小委員長 安川国税庁長官。
○安川政府委員 先般六月の大蔵省の異動に際しまして国税庁長官を拝命いたしました安川でございます。事故の静養のためごあいさつがおくれておりました。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。 税務執行の現況と問題点について、御説明申し上げたいと思います。 まず、第一は税務執行を取り巻く税務環境の現況と問題点でございます。昭和三十年代後半からの高度成長の進展は、課税対象の増大、経済取引の広域化、複雑化という現象をもたらしまして、税務執行は年々質量とも困難の度を加えてきております。 納税者数は、ここ十年間に申告所得者で二・一倍、法人で一・七倍に増加し、それぞれ四百四十五万人と百二十一万社に達しておるわけでございます。 しかも、その中でも調査に手数のかかる高額所得者や売り上げ額の大きいいわゆる大法人が増加してきておるわけでございます。 また、申告所得者の中でも、土地取引の増大や所得源泉の多様化等によって、譲渡所得をはじめとするいわゆるその他所得者がここ十年間に二・七倍にふえ、しかも申告所得者の実に四八%を占めるに至っております。これらの中には所得の把握に手間のかかる納税者が少なくない現状でございます。 一方、これら納税者は経済力の都市集中に伴い、大都市及びその周辺に集中しております。特に都市周辺のいわゆる新興地域は、納税者の出入りが多く、一般的にいって納税者の把握に困難を来たしておるわけでございます。 さらに、納税者の抵抗感が比較的強く、課税の適正確保に多大の労苦を要しまする直接税が、総体の税収の中で占める割合が高くなっておるわけでございます。特に比較的執行に困難を伴う申告所得税が、総税収の六%から一〇%へと、ウエートを高めておるわけでございます。 税務環境は要約して申しますと、課税対象の累増と執行に手数のかかる直接税事案への傾斜、都市集中化が、その特長であろうかと存じます。 以上、申し上げました税務環境の変化に対応し、国税庁といたしまして、定員、機構、税務職員の処遇、確保、教育訓練につきまして、どのような対策を講じてきたか、その現況と問題点について次に御説明申し上げたいと思います。 税務職員数は、ここ十数年ほぼ五万人の規模で推移しておりますが、皆さま方関係各位の御理解と御協力によりまして、わずかながら増員を認めてもらいまして四十八年度定員は五万二千百七十三人となっております。しかしながら、この定員は私どもとしてはなお不足ではなかろうかという感じをもっております。さらに一そうの御理解を得たいと考えておるわけでございます。 次に定員を内部的に見ますと、過去数回にわたって、地域間及び事務系統の定員の再配分を行なってまいりました。これは先ほど申し上げました税務環境の都市化、直接税傾斜化等の事務量の変化に対応し、税務執行の合理化、効率化をはかったものであります。 その概要を御説明いたしますと、昭和三十五年から四十七年にかけまして地方局から都会局へ約三千人の振りかえ、また各局内でも都市署への集中がなされました。また、総務、徴収、間税事務系統から直接税事務系統へ約五千人の振りかえが行なわれました。 次に機構の改革でございます。執行の効率化を推進する見地から、昭和三十八年から四十七年の間に、小規模署の統廃合と大規模署の分割を行ない、二十七署の統合、二十一署の分割が進められました。現在、沖繩を除きまして四百九十八署となっております。また、署内部においても事務運営の効率化と納税者の期待に一そうこたえる体制のために、昭和四十六年七月から従来の課係制を廃止いたしまして統括官による事務の直接管理制を採用いたしました。特に機構簡素化のため、小規模署では一課一統括制をとっております。 これらの機構改革から二年経過いたしましたが、全体的に見て機構改革のねらいとしたところはおおむね達成されつつあると感じております。 次は、職員の処遇、確保、教育訓練でございます。御承知のとおり、昭和二十一年から二十五年の間に三万四千人の新規採用がございました。そのため、職員の平均年令は三十七・九歳でありますが、中高年齢層職員とそれに続く三十歳代職員の極端な谷間現象が出ております。特に中高年齢層職員は、戦後二十年間税務行政をささえてまいりました人材集団でございまして、国税庁といたしましては、これらの人たちの苦労と重責にこたえますために、税務俸給表の改善、上位等級定数の拡大に努力してまいりましたが、今後とも十分配意していかねばならないと考えておるわけでございます。 これら戦後大量採用の中高年齢層職員が、いわゆる離職の年齢にだんだんと達してきておりまして、そのため離職者が四十四年二千九十六人、四十五年千九百九十三人、四十六年千八百四十一名、四十七年千六百八十人と出ております。このように毎年二千人前後の離職者はここ当分続くものと思われます。 これに対しまして、税務大学校普通科生を毎年千六百ないし千七百人、女子職員百五十人前後採用するほか、四十五年度から国税専門官の採用試験制度を実施いたしまして、税務専門に就職しようといたします大学卒業生を毎年二百名を若干上回る程度採用いたしております。しかしながら、税務職員の中心は、高校卒の税務大学校普通科生に依存せざるを得ないことは申すまでもありません。普通科生は昭和四十一年ころまでは、採用予定数に対し九・六倍の応募者がありましたが、四十七年では六倍に減少し、大学進学率の向上に伴いまして応募者数が急激に減ってきております。今後の職員採用については、何らか特別のくふうが必要とされると考えられます。 次に、各税に移りまして、直接税事務につきましてその現況と調査指導をめぐる諸問題について御説明いたします。 申告納税制度が戦後導入されて以来、この制度が基本的には定着しつつあるという認識を持っておりますけれども、この制度のもとで適正な申告水準を確保し、課税の公平をはかるためには、国民の納税道義の一そうの向上と私ども税務当局による的確な調査と適切な指導の両輪が不可欠の要件であると考えております。 まず、調査、指導について申し上げますと、先ほど申し上げました納税者数の増大にかかわらず、定員はほぼ横ばいであるため、職員一人当たりの要処理件数は、ここ十年間に所得税では二百二十七人から四百七十三人へ二・一倍、法人税では百三社から百三十三社へ一・三倍と増加しております。このため実地調査割合は年々低下の傾向にありまして、四十六年分所得税で所得百五十万円以上の納税者に対しては一六ないし一七%を維持しているものの、同じく四十六事務年度の法人税につきましては、税務署所管法人で一三%、調査課所管法人で二四%と次第に低下してきております。 そのため、申告所得税をはじめとして各税事務運営の基本方針として、内部事務の簡素化、省力化を進めるとともに、調査、指導の効率化、重点化をはかることといたしております。 まず、事務運営全般の簡素合理化、特に内部事務を圧縮軽減するため昭和四十六年度から機構改革を行なったことは先ほど申し上げたとおりでございますが、このほかすでに昭和三十六年から電算機の活用について検討し、所得税、法人税の内部事務のADP化の拡充につとめております。そのカバー率は、四十八年度で申告所得税の四三%、法人税で五〇%に達しております。 他面、調査、指導につきましては、指導行政の充実と税務調査の重点化をはかることといたしております。 申すまでもなく、申告納税制度の本旨は、納税者がみずから正しい申告、納税を行なうことにあり、税務行政の役割りは、このような納税者に必要な指導、援助をするとともに、一方、悪質な脱税をはかる者に対しましては徹底した調査を行ない適正公平な税負担の実現をはかることにございます。 このため指導行政の面におきましては、小規模納税者に対する記帳指導や税務相談の拡充をはかるとともに、調査の際に調査内容を納税者に十分納得するよう説明するほか、民間協力団体、業種団体等を通じて適正な申告の指導につとめております。特に法人税におきましては、納税者の記帳能力、申告状況等に応じまして、法人を質的に区分いたしまして、優良申告法人、準優良申告法人については自主的に適正な申告が行なわれますよう指導重点の施策をとっております。 このように指導行政を推進する一方、税務調査につきましては、先ほど申し上げました実地調査割合の低下傾向にもかんがみまして、調査の重点を大口悪質者、脱漏税額の大きいと認められるもの、繰り返し不正計算を行なっていると認められるものなどに置きまして、これらに対しましては、査察、特別調査の対象に組み入れ、徹底した調査を行なうとともに、これら査察、特別調査と一般調査とを効率的に組み合わせることによりまして、限られた事務量を効率的に活用することにつとめておるわけでございます。 次に、間税事務の現況について御説明いたします。 間接諸税の税額も経済発展に伴ないまして増大しておりますが、間税部門においても事務の重点化をはかりますとともに、納税者に対する指導を充実することといたしております。 特に酒税事務に関しましては、清酒製造業及び酒類卸売り業が中小企業近代化促進法に基づきまして、昭和四十八年度を最終年度としてそれぞれ近代化の措置を講じまして、その体質改善を進めておるわけでございます。特に清酒製造業につきましては、構造改善計画の実施とあわせまして生産カルテルを実施してまいりましたが、これも来年六月三十日限りで廃止され、生産は自由化されることになっております。また、近年ビール産業の構造のあり方が問題となっておりまして、当庁といたしましても今後の酒類産業構造の長期ビジョンの検討に取り組んでおるわけでございます。 管理、徴収系統につきましては、事務の簡素合理化につとめる一方、納税者の自主納付意識の高揚に訴えておりますけれども、納税貯蓄組合も年々増加し、組合数約九万六千、組合員数は三百十万人に達しようとしております。また、振替納税制度も着実に普及し、期限内収納割合も四十七年度では九三・五%となっております。滞納の新規発生も徴収決定済み額が高い伸びを示しているにもかかわりませず、四十五年度を頂点に減少傾向にあります。特に滞納発生割合、滞納の残割合とも四十七年度末におきましては、それぞれ二・九%、一・五%で国税庁発足以来の最低となっております。 最後に、広報活動と税務相談の現状について御説明申し上げます。 広報は、申告納税制度の基盤を築く上で重要な意義を持つものでございまして、納税道義の高揚、税務知識の普及向上、納税者への各種広報サービスの提供並びに親しみやすい税務署づくりの観点に重点を置きまして公報活動につとめております。具体的には従来から行なってまいりました「国税のしおり」という広報パンフレットのほか、カラースライドやテレビ、ラジオ、新聞、雑誌等の広報媒体の積極的な利用につとめております。また、次代をになう高校生のため、学校教育の場を通じまして納税に関する正しい知識を広めるための各種教材パンフレットを作成配付をいたしております。 さらに、広く納税者の声を聞き、税務行政をよりよく改善いたしますため、御承知の納税者の声を聞く旬間のほか、国税モニターを四十六年度から全国的に統一して委嘱いたしております。また、納税者が気軽に相談できますような税務相談体制の充実にもつとめております。従来から実施しております五の日の相談日のほかに、四十八年度におきましては税務相談官を増加いたしまして、国税局や県庁所在地の税務署などに相談官を常設いたしまして、納税者の利用の便宜に配意いたしておるわけでございます。 以上簡単でございますが、申告納税制度の確立を目ざしまして、困難な環境変化の中で税務行政を推進しております実情を申し上げまして、御説明を終わらせていただきます。
○松本小委員長 以上で政府の説明は終わりました。
○松本小委員長 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。三枝三郎君。
○三枝小委員 私は、ただいま国税庁長官の所管事項の御説明の中に、清酒と並んでビール産業の構造のあり方について問題があるという趣旨のお話がございましたので、それに関連してビールの値上げ問題について国税庁の御意見を伺いたいと思います。 持ち時間が十五分でございますので、ごくポイントだけをお答え願いたいと思います。 ことしはたいへん暑い夏でございましたので、全国的にビールがずいぶん飲まれたと思います。相当の売り上げ高になったと思います。私は北海道でございますが、サッポロビール、朝日麦酒いずれも工場を持っておりますが、さらには麒麟麦酒が進出するというような話もございまして、それに関連して業界あるいは小売り業者のいろいろな意見が出ております。すでに新聞などでも出ておりますが、ビールの値上げはどうかというようなことで、だんだん問題が大きくなってくるのではないかと思います。 そこで最初に、ビール各社の経営状況についてどのようになっているか、特に企業の数は少のうございますが、この企業間の格差が現在どのような状況になっているか、その格差は拡大するものかどうか。これはひとつ酒類全体の中のビールの伸び率あるいはシェア、そういったものに関連して経営状況について御説明を願いたいと思います。
○横井説明員 ただいま御質問がございましたように、ビールの値上げにつきまして昨年の秋ごろから各社からの動きがございます。これは最近におきまする人件費の上昇あるいはまた原材料費の上昇、あるいはまた流通経費の上昇といふうなことからいたしまして、ビール各社とも増収ではございまするけれども減益という状況にぶつかっております。特にただいまお話のございました下位の企業につきましてはかなり経営の状況が悪化をいたしております。昭和四十七年の上期あたりから各期ともビール部門におきましては赤字というふうな状況になりまして、手持ちの有価証券でありますとか、あるいは遊休の不動産でありますとかいうふうなものを売却いたしまして、その益金によりまして一割程度の配当をいたした、こういう状況になってきたわけでございます。 国税庁といたしましては、そういうコストの上昇という面は認めるのでございますけれども、これを生産性の向上でありますとか、あるいは経費の節減でありますとかいうことで極力コストをカバーするということで努力いたしまして、値上げを回避してもらいたいということを業界に再三要望しておる状況でございます。 次に、御質問のビール各社間のいわゆる企業間格差の問題でございますが、御承知のようにビールは四社の寡占企業でございますが、その中におきましてトップ企業が非常に高いシェアを占めるというふうな特異な企業でございます。この最近のシェアの動きをながめますと、五年前の昭和四十三年ごろにおきましては五〇%程度のシェアでありましたものが、昨年におきましては六〇%というふうなシェアに高まってきております。このシェアが高まってきておるということが、先ほど申しました下位の企業経営の悪化ということに、さらに拍車をかけておるというふうな状況かと存じておるわけでございます。 そういう点からいたしまして、私どもといたしましては、先ほど長官から御説明申し上げましたように、今後のビール産業のあり方というふうな問題につきましても勉強をいたしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○三枝小委員 いまビールの値上げの動向について触れられて御答弁がありましたが、私から申し上げるまでもなくビールの価格については、戦前から昭和三十五年まで物統令による公定価格があった。その後それが廃止されまして酒団法による基準価格になった。さらに三十九年から現在の自由価格になっております。これはもう御承知のとおりであります。そこで私お伺いしたいのは、昭和四十五年に百三十円が百四十円になった。十円上げたのです。あのときの企業の経営状況はどのようなものであったか。あの値上げが、物価問題はたいへんな問題ですけれども、当時十円の値上げによって消費者価格にどのような影響を与えたか。また業界がそれによってどのような影響を受けたか。またその値上げというものは業界については、いまお話しのように寡占が進行しておるかどうかという問題はありますが、ある程度経営に有利な状況になったわけですが、これがまた値上げをする、またしばらくたって格差が出てきてまた値上げせざるを得ないというようなことになるのかどうか。いずれにしてもこの四十五年の値上げの際のそれらの影響というものについてどのように見ておられるか。特に全国のビールの小売り業者がどのくらいの数がありますか、この小売り業者の動向なり要望というものはどんなものであるか、当時どうであったか、現在はどうであるか、そういった問題について御説明をいただきたいと思います。
○横井説明員 ただいまお話のございましたように、昭和四十五年の秋に標準的な大びん一本の小売り価格が百三十円から百四十円に十円値上げになったわけでございます。当時におきましても、コストの上昇によりますところの経営の悪化という状況がございまして、ビール各社といたしまして値上げをしたいという動きがあったわけでございます。それに対しまして国税庁といたしましては、当時におきましても合理化あるいは経費の節減ということでこれをカバーするように、値上げを極力抑制してほしいという要望を再三行なっておったわけでございます。ところが、非常に遺憾でございますけれども値上げがあった、こういうことでございます。 その当時におきまして、消費者の方々から値上げはけしからぬ、こういうふうな反対の声が相当高うございました。その後におきまする消費の伸びは順調でございますし、またただいまの十円のうちの約七割、六円八十五銭でございますが、これは卸、小売りのマージンに充てられたということもございまして、零細小売り業者の経営の安定に資した、こういう面はございます。 しかしながら、ビールが酒類の中でも最も消費の多い酒類であるというふうなこと、消費者の物価指数に及ぼす影響は一万分の七十一というふうな指数でございますが、そういうふうなことからいたしまして、ビールの値上げが家計費に及ぼす影響というのはかなりあるわけでございますので、当時といたしましても私どもはビールの値上げを回避するということを要望してまいったわけでございます。 今後におきましても、ビールの消費量の多いこと、あるいはまた国民生活と密着をしているということ、一万分の七十一ということでございますが、そういうように家計費に影響を及ぼすということ、そういうことからいたしまして、安易な値上げをされるということは非常に困ったことでございまして、極力値上げを回避してほしいということを要望しておる、こういう状況でございます。 なお、お尋ねの、メーカーが値上げをいたしまして若干安定はしたわけでございますが、その後再びコストが上がってまいりまして、今日再び値上げの動きがあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、ビール産業の構造がトップ企業が非常に大きなシェアを占めておる、それからまたこのシェアがさらに拡大の方向に向かうであろうというふうに予想されるような次第でございますので、そういう点の改善を考えませんと、御指摘のように下位企業が苦しくなりまして値上げをしたいというふうな動きが早期に出てまいる危険性が多分にあるのではないかというふうに思っております。
○三枝小委員 それでは次に、先ほどもちょっと触れましたが、ビール業界は寡占の典型だとよくいわれております。それで現在のビール業界におけるシェアの伸び率、そういうものを見まして、大蔵省としましては寡占がどの程度進行しているか、また進行しているとすればどのようないわゆる寡占の弊害が出ているか、また出ていないとすれば将来寡占の弊害があらわれるおそれがあるのかないのか、そういった点の御意見を伺いたいと思います。 御承知のように、業界の名前は出しませんが、マッカーサー司令部の集中排除法によって、昔といいますか戦後業界が分割された、それである程度寡占の弊害を排除したわけですが、現在のような状況が進行した場合に、再び寡占の弊害というものが出てきて、そして独禁法の改正によって企業の分割といったようなことを行なわざるを得なくなるでのはないか。将来の問題ですが、そういった場合の大蔵省、国税庁の対処のしかたと申しますか、その辺の、これは仮定の問題ですが、御意見をお伺いいたしたい、さように思います。
○横井説明員 寡占の弊害といたしまして一般的にいわれておりますのは、独占価格を形成する、あるいはまた競争を排除する、あるいはまた品質改善の努力を怠る、こういうふうなことがいわれておるわけでございます。現在、先ほど申し上げましたようにトップ企業のシェアが六〇%程度でございますが、現状におきましてはそのような寡占の弊害というのはあらわれていないのじゃないかという御意見が多いようでございます。ただこれが七〇%あるいは八〇%というふうになってまいりますと、いま申しましたような寡占の弊害があらわれてくるのではないかというふうにいわれておるわけでございます。 そういうことで、現在の段階での弊害というのはあらわれていないと見られるのでございますが、売り上げの集中度が今後なお相当に進むという場合におきましては、下位企業のコストが上がりまして、価格を上げざるを得なくなる、トップ企業へ利益が集中するというふうな問題が起こってまいると思われますので、これらにつきまして、消費者の利益を保護すると同時に、また業界の安定をはかるというような意味合いにおきまして、私ども前向きに検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 御指摘のシェアが極端に高まりました場合におきまして分割論が出るかどうかという点でございますが、これには独禁法の改正というふうな問題もございましょうし、また七〇%あるいは八〇%、それ以上になった場合にどのような弊害が出るかというふうなこととあわせて検討いたすべき問題かと存じまして、いまの段階で分割が必要になるかどうかということを申し上げる段階ではないのではないかというふうに考えます。
○三枝小委員 ありがとうございました。 時間がございませんので、最後に長官に御意見だけお伺いいたしますが、すでに経済企画庁の物価安定政策会議の中にビール問題懇談会というのが御承知のようにございます。そしてこれは七月から会合を持って九月中には何らかの結論を得るようにしているように聞いております。また国税庁では、承りますとビール寡占問題研究会というものを設置しまして、関係の権威のある委員の方々の御意見を伺って、何回か開催をしているということになりますと、やはり現在の業界の安定、さらには消費者の生活を守るというような点、さらには先ほども触れておりますが、全国の零細な小売り業者、これはたしか十五万人ぐらいいると聞いておりますが、こういった小売り業者の生活の問題もございます。そしてまた大蔵省と国税庁ばかりでなく、経済企画庁でもこのような問題を取り上げておりますので、今後関係各省とは十分に連絡をとり、業界の安定あるいは消費者の動向、そういった各方面の調和のとれた何らかの措置といいますか、結論を得るように努力すべきではないかと思いますが、いずれにいたしましても、長官といたしましてはこの問題についてどのような腹がまえで今後対処されるか、それだけをお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○安川政府委員 ただいまの御指摘、非常にもっともと感ずるわけでございまして、先ほど間税部長が御説明申し上げましたが、やはり一つの業界の中でトップの企業があまりに大きなシェアを占め、さらにそれが逐次進行するということになりますと、現在のところはさしたる弊害は出てないと考えておりますけれども、将来そのような事態になることも必ずしもないとは言い切れないわけでございます。 そこで、当面の物価問題との関係から、さらには今後のビール業界の構造等の関係から、やはりこの際、私どもとしてはいろいろ専門家の方々の御意見を十分拝聴いたしまして、私どものほうの行政の立場とあわせまして、ただいま御指摘のメーカー、消費者、それから流通各段階のいわば三方面の利益と申しますか、それの調和の上に立ってこの問題を考えていきたい、こういうふうに基本的に考えておるわけでございます。 そこで経済企画庁方面のビール問題懇談会、あるいはその他の各委員会に出ていらっしゃる専門家の方々に、いろいろすでに個人的な御意見を伺っておる最中でございます。さらに先ほどビール寡占問題研究会というのが国税庁で置かれておるというような御指摘がございましたが、実はこれはそのような明瞭な名前をつけておるわけではございませんが、しかし、やはり問題の所在はいろいろとございますので、そのような非公式ないろいろな御意見を伺っておる、そういうのが寡占問題研究会というようないわば通称をもって新聞等に報道されたものと考えております。 いずれにいたしましても、こういうような方法論を通じまして、できるだけ当面のビール値上げ問題、さらにはその根本にございます寡占問題というのをでさるだけ慎重に扱ってまいりたいと考えております。私どもの立場は、メーカ、消費者、流通段階各方面の利益をできるだけ調和し、しかも品質のいい低廉なビールを供給するところにある。かように考えておるわけでございます。
○松本小委員長 野田毅君。
○野田(毅)小委員 先ほど主税局長から来年度の税制改正の方向なり、あるいは基本的考え方についてお話をお伺いしたわけでございますが、もちろん税制改正についてそういう先ほどのお話のとおり、税負担の面あるいは税体系の面あるいはまた資源再配分の面、もろもろの観点から行なわれておることと思いますが、一つお伺いいたしたいのは、今日、戦後最大といわれるほどの卸売り物価の高騰等があったわけでありまして、こういう異常な物価の値上がり、これをどうやって税制面からも安定の方向に働きかけていくかという配慮は、どういう形で行なわれようとしておるのかということを実はまず最初にお聞きしたいわけでございます。 おとといの新聞を見ますと、四-六の国民所得統計の速報では、GNPが名目で五・五%、実質で〇・七、この開きが四・八ときわめて大きい、実に異常な形になっておるわけです。この傾向はおそらく七月以降においてもなかなか簡単には縮まらないであろうということも考えられます。 そこで、先ほどのお話しのとおり、いわゆる物価調整減税的な形の、実質増税にならないような形での所得減税ということは当然お考えになっておられるわけでありますが、しかしあれはいわゆるあと追いという形になるわけですね。むしろそれに対して、物価を安定させるための税制面からの配慮というものが何らかあってもいいのじゃないかということをひとつお伺いしたいわけでございます。
○高木(文)政府委員 税の制度と物価の関係については、ちょうど二律背反の関係にあると思います。現在の日本の税制は、比較的弾性値が高い、税収の国民所得弾性値が非常に高いといわれております。高いということは、税制の景気調整機能はわりあいにうまく働いている制度だということにつながるわけでございます。景気がいいときには、法人の場合ですと所得がふえてまいりますから税収が上がってまいりますし、それから個人のほうも累進構道が働いて税収が上がってまいります。したがって、現行税制は、景気のいいときには引き揚げ、引き締めの効果に相当働いております。景気の悪いときにつきましては逆に働くわけでございます。そういう意味からいいまして、現行の税制がすでに相当効果を持っておると思うわけでございます。 しかし一面におきまして、物価が上がったにかかわらず税制を変えないということでありますならば、それは実質的増税を意味することになるわけでありますから、国民生活にそれだけ負担がくる、摩擦が生じるという関係にあるわけでございます。 そこで、当面の問題といたしましては、現在相当自然増収がたくさんある状態でございますが、この自然増収があるということは、すなわちこういう過熱期においては現行税制が吸収効果、鎮静効果を持っておることを証明するものと思っておるわけでございます。これを減税いたしますと、物価に対しては少なくともマイナスに働くという影響があることは否定できないわけでございますから、したがって、このような状態がいつまでも続きます状態におきまして減税を行ないますということは、しかも非常に大幅な減税を行ないますということはいかがかと思うわけでございます。 しかし、私どもの感じでは、そういつまでもこのような状態が続くとも思われませんし、いま考えております来年度からの減税ということであるならば、それまでには何とかある程度の安定があるだろうということを前提に考えておるわけでございまして、全く仮定の問題でございますけれども、いかにもこういった状態がなおエスカレートしていくという状態になってきましたならば、これはいま一般的にいわれております大幅の減税というようなことをやるのには、はなはだ環境としてはぐあいが悪い状態にあるというところにいま置かれておるわけでございます。 しかしいま一面において、影響の程度はどうかということでございますけれども、その程度は、現在わが国の消費支出というものは五十兆をこえているわけでございますから、そしてそれが毎年一割をこえるような幅でふえていっているわけでございますから、その消費支出の大きさとそれからいま言われております所得税の減税の大きさ、いわゆる一兆前後というようなことが言われておりますが、その大きさとを比べてみますならば、ある程度安定する状態にあることは絶対必要条件でございますけれども、その五十兆の一割ないし一割五分の消費支出の伸びというものと一兆という数字をお考えいただけば、ある程度安定さえするならば、そうそれが悪い影響があるということでその減税の物価への悪影響を過大視することも、また問題ではないかというふうに考えるわけでございます。
○野田(毅)小委員 私、別に所得減税をやめろとかそういうことを申し上げておるのではありませんで、やはりこれだけ大幅な物価上昇になりますと、相当累進税率によってかなりの実質増税ということになってくる。そうなれば、やはり国民の負担という面から見れば、そういう物価を調整してやるという減税は当然必要であろうと考えるわけでございます。それからさらに、まあ静態的に考えて、ほかの条件が全部一定であるとするならば、確かに減税は追加需要といいますかそういう購買力をふやすことになるから、物価に対してはむしろ上昇の方向に作用させるということになるとは思いますけれども、しかし、これは必ずしも一がいにそうとは言い切れない面があるし、実は私はそのことを申し上げたかったわけでございます。 というのは、法人税増徴論というのがだいぶ新聞なんかにも、たとえば四〇%以上にするんだとか、あるいは法人の地方の住民税の所得割りをいまの倍ぐらいにするんだとかいうようなことが新聞にもちらりほらり出てきておるわけでございます。御承知のとおり、こういう特に法人税というようなものは、いわば一年おくれあるいは中間納税というようなことであるいは半年間、そういう形もあると思いますけれども、しかし、いずれにしてもそういう民間資金を吸い上げるというか、そういう財政資金の対民収支バランスというような面から見れば、確かにほかの条件が一定であるとすれば、その分だけ金融引き締めをしたと同じ効果がある。その限りにおいて、物価に抑制的に働くということは言えると思います。しかし、これはあくまで金融情勢との関連で考えなければいけないし、一がいに法人税を引き上げることが物価抑制につながるとは言い切れない面があるということを感ずるわけです。 そうなりますと、大切なことは、片一方でこういう金融引き締めをやっていきますと、一番響いてくるのはやはり中小企業になってくるわけです。法人税率を引き上げられて一番困るのは、やはり中小企業だろうと思うのです。そういう中小企業に対する影響というもの、これは決して法人税を引き上げたから、それだけ企業のビヘービアというものが変わってくるとかあるいは投資意欲が減退するとかいうような性質のものではない。むしろ中小企業は毎日毎日の自分の生活の戦いであるから、なかなかそう簡単に、金融を引き締められたからといって、あるいは法人税率を引き上げられたからといって鎮静化するものではないというふうに感ずるわけなんです。 そこで、むしろそういう一般的な税率の引き上げというような形で考えるよりも、あるいは小手先生言われるかもしれないけれども、むだな費用を使っている面がかなりあると思うのです。過剰な広告宣伝費というものが結局、価格の中に転嫁されてきておるという面もありますし、そういうものによって、いわば買いたくないものも買わされるというような、消費をあおっておるという面もあるわけですから、むしろそういう一般税率を引き上げるよりも、広告宣伝費というものに対して、ある程度交際費課税に準ずるような課税をやってみたらどうかということを考えておるのですが、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○高木(文)政府委員 広告費課税の問題は、しばしば当委員会においても御意見が出ておりますし、私どもとしてもさらに検討を進めておりますが、それがなかなか踏み切れませんのは、次のような事情にあるわけでございます。 一つは、市場を開拓をしていくというための事業の遂行上広告が必要だという点では、交際費と非常によく似ておるわけです。それを過剰に使う、これはよろしくない、だからこれを規制すべしという点では、交際費と広告宣伝費は同じように考えてよろしいのではないかというふうに思われるわけですが、交際費にはもう一つ規制されてしかるべき要素がある。と申しますのは、会社の金を使って、個人に飲食等による受益があるということがあるわけでございますが、広告宣伝費にはそういう要素がないという点で、広告宣伝費と交際費とを全く同じに考えるということもなかなかできないのではないかという点が一点でございます。 〔小委員長退席、三枝小委員長代理着席〕 それから第二点は、広告宣伝が悪いということをよく言われます、むだなことだとこう言われます一つの大きな要素は、誇大広告であるとか不当広告であるとかいうことが、一般の世の中で、広告はこのままにしてはよろしくないのではないかと言われる理由ではなかろうかと思われるわけでありますけれども、過大とか誇大とかいうことをこの税の要素の中に入れてくることは、これはまあ言ってみれば、税務署の職員がものごとの当否に一々介入するということになりますので、その意味においては私どもはあまり気が進まないわけでございます。 それからもう一つ、広告費についての課税について是といたしております最大の理由は、先ほどたとえば中小企業についての例をお出しになって、一般の税率を上げるよりも広告費課税で処理したらどうかというお話でございましたけれども、ただ、中小企業と一口に言いましても、業種業態が各様でございまして、そこで、広告宣伝費が比較的よけい要る、広告宣伝費を必要とする企業も中小企業の中にもやはりあるわけでございます。 販売を拡大していこうという場合にいろいろなテクニックがございます。そのテクニックとしては、たとえばいわゆるリベートというような方法もありますし、あるいは人手をたくさん使ってどんどん売り込みに歩くという方法もありますし、ダイレクトメールみたいなもので見本を送りつけるというような方法もありますし、あるいはテレビや新聞を使うという方法もありますし、いろいろな方法があるわけでございます。そのいろいろな方法のうちで、特に一種のマスメディアと申しますか、新聞、テレビなどを通ずるものだけを抑制するということをした場合に、それが今度は中小企業の中で一定の業種業態について特にきつく当たるということになる可能性があるわけでございますので、大企業と中小企業への影響度をうまくやろうということとの関連からのみ広告宣伝費の問題を議論することは、なかなかむずかしいのではないかというふうに思うわけでございます。 なお、中小企業の問題につきましては、わが国の中小企業というのは非常に特有な性質のものでございますから、今回法人税の税率の問題を検討いたしますにあたりましても、中小企業については全く税率は動かさないということはなかなかお約束できかねますけれども、しかし、中小企業の実態というものをよく見合わせた上でなければいけないのであって、中小企業も大企業も法人税率を同じように全く一律に考えていくということがあってはならないというふうに思っております。 〔三枝小委員長代理退席、小委員長着席〕 それから、御質問の中にちょっと触れておりましたが、法人地方税の問題でございますが、ある新聞でこれを倍にするというふうな報道がなされておりますが、これは何かのよほどの思い違いではないかと思います。地方税は国税を基準として一四・七%でございますから、法人税ほどの負担にはなっておりませんが、いかなる税といえども、どのような事情があろうといえども、この倍というような大きな手直しということは、これはとても考えられないことでございまして、自治省当局もそのようなことは考えてないということを一言触れさせていただきます。
○野田(毅)小委員 広告宣伝についていろいろなむずかしい、交際費とは異なった事情があるということはよく承知しておるのですが、その中でたとえば過大であるかいなかということの認定を税務署の職員にゆだねるのは非常にむずかしい、これはごもっともです。そこで業種業態によって、たとえば交際費課税についてもいわゆるメーカーと販売業者とではそれぞれ基準を変えておくとか、いろいろな形があるわけです。したがって、これは決断の問題にかかってきておるのではないかという気がしないでもないわけです。ひとつこの点をもう一度御考慮を願いたいと思います。 それから、また同じくきのうの新聞を見ておりますと、田中総理が十一日の証券大会で、自己資本比率を五〇%ぐらいにしてほしいのだ、みんなも何とか考えてくれというようなことを述べておられるのですが、これはずいぶん前から、ちょうど四十年ごろですか、あの四十年の不況のときに自己資本比率をどうやって改善しようかというようなことが取りざたされておる。それがいつの間にか忘れ去られてまた今日息を吹き返しておるわけなんですが、このことのよしあしは別にして、総理が自己資本比率を向上させたいというようなことを願っておる以上、税制面においても少なくともそれにマイナスにならないような施策をとらなければいけないのじゃないか。その際一番むずかしいのは、御承知のとおり同族会社の留保金課税の問題があるわけです。 もちろん同族会社についていわゆる大法人と異なった企業行動があり、またいろいろの違った性格を持っておりますことは十分承知しておりますけれども、少なくとも一般的には、大企業優遇である、中小企業は一生懸命がんばって伸びよう、内部蓄積したいというのに一割も課税しているというのはどうも納得できないということをよく耳にしますし、私自身もそういうことを感じないわけでもないわけなのです。 そこで、中小企業の優遇といいますか、優遇ではなくてむしろ大企業並みに取り扱うように、いまの留保金課税の限度額をさらに大幅に引き上げるとか、あるいはこの一〇%という数字を下げるとか、何らかの方策を考えてやらなければ、中小企業としてもなかなか心情的に納得できない面がかなり強いと思うわけでございます。この点についての来年度の税制改正における検討の素材として、はたして主税局のほうとしては税調あたりに出しておられるのかどうか、お伺いしておきます。
○高木(文)政府委員 最初、広告税のことについてもう一度申し上げますが、私があたかも非常に消極的であるかのごとくお受け取りいただいたかもしれませんが、私としても必ずしも現段階で消極的であるということではないわけでございまして、何とか広告費課税ができないものか、うまくいかないものか、それが消費抑制なり何なりにつながらないものか、また最近資源抑制、資源をもっと大事にするということが非常に強調されておるということとの関連におきましても、何とか研究して実現できないものかという気持ちを持っておることを申し上げておきたいと思うわけでございます。 ただ、なかなかこまかい点でむずかしい点があって、踏み切りの問題であるとおっしゃいましたが、その踏み切りがなかなかむずかしいということを御理解いただきたいと思うわけでございます。 それから、留保金課税の問題につきましては、これは税制上の理屈はあるのでございますが、いまおっしゃいましたように心情的になかなか理解しにくいというのはおっしゃるとおりでございまして、さればこそ毎年といってもいいくらい中小企業の留保金課税の問題は手直しをしてまいったわけでございまして、現在約百万に及ぶ中小企業のうちで留保金課税の適用を受けるものは数が非常に減ってきておるわけでございます。今後におきましても留保金課税制度については、中小企業に与える影響等との関連からどのようにあるべきかということは検討してまいらねばならぬと思いますが、これは税のたてまえの上からいきましても、また現在の実態は、皆さまの頭の中で中小企業というのにふさわしくない、大企業で同族会社がまだたくさんあるわけでございます。そういうところについて留保金課税をやめることは非常におかしいわけでございまして、同族会社即中小企業というふうに結びつかないわけでございます。 上場してない会社、しかも同族的な会社でかなり大規模に活動している会社はあるわけでございますから、その大規模に活動している会社で、しかもどの程度留保しどの程度配当するかを事実上社長さんなりその周辺の人だけできめられるという状態にある場合に、その留保をうんとふやしてもそれに課税しなくてもいいというわけにはなかなかまいらぬものと思います。しかし同時に、それは数は非常に少ないわけでございますから、そうだからといって数多くの中小企業の同族会社に心情的に理解しがたいものを、いつまでも置いておくのも問題であります。私の現在の気持ちでは、従来とりきたりましたような方向、つまり漸進的に留保金課税の課税対象が減っていくような方向に持っていくということで、今後とも検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○野田(毅)小委員 先ほど主税局長の最初のお話の中に、いわば税体系の問題として間接税のウエートをある程度高めるような方策をいろいろ検討したい、その中で道路財源の問題ありあるいは酒、たばこの問題があるというようなお話を伺ったわけですが、これは確かにそういう税体系の問題、あるいはさっき国税庁長官がおっしゃいましたような実際の徴税機構面の問題という両面からいっても、この点は当然考えていただかなくてはいけない。その中でも特にたばこの問題は、ひとつ大いに前向きで積極的にやっていただきたいと思うわけでございます。 やはり何といっても一線の職員というものは、私も税の職場におったわけでございますが、なかなか一般の人にはわからないようないろんな苦労をなめております。調査に行っても、わけのわからないような連中が十何名も来て取り囲んでばり雑言を浴びせる。そういう中でも歯を食いしばって一生懸命やっておる。また、そういうあからさまな調査妨害をするようなグループがあっちこっちでどんどんふえてきておるということも事実でございます。そうなるとその調査の割合というものも、なかなかスムーズにはいかないためにだんだん低下せざるを得ない。同じ職員を投入しておってもなかなか困難である。理由もないのにそういう妨害をされる。しかしそういう中にあっても、非常に政治的な問題もからんでおるものですから、一線の職員はそれをあまり大きな声で言えない。そういう苦しい中でほんとうに一生懸命やっておるわけです。 そういう人たちのおかげで今日の税収、特に直接税収というものがあがってきておるということは、やはり政治家としてお互いが認識しなければいけない。となると、そういう一線の人たちの労苦を多とし、それに報いるような処遇の改善をしてやらなければいけないということは、私は当然のことであると思うわけです。 そのことを来年度の予算でどういうふうに反映されるか。ひとつ長官も、そういう一線の職員の身になってぜひともがんばっていただきたいし、私どももあと押しをしたいと思います。 同時に長官が先ほどおっしゃいました学歴水準がだんだん上がっていくということで、すでにいまの大卒者はおそらく昔の高卒者以上の割合になっておると思います。そういう中で、あまりレベルを下げるわけにもいかないということで専門官制度を採用されてきたわけでございますが、この専門官制度を今後どういう形で拡充していくのか、その辺のたとえば来年度は専門官をどれぐらい採用する、そういう長期的な見通しというものを少しお聞かせ願いたいと思います。
○安川政府委員 ただいま野田委員から税務行政の第一線の職員の苦労につきまして、たいへん御理解ある御指摘を受けたわけでございます。まことに私どもそのとおりでございまして、だんだん経済社会あるいは社会全体が非常に複雑化を増しておりますので、その中で税務行政を展開いたしますのは非常に技術的にもあるいは精神的にも負担の多いことになっているわけであります。そこでやはり私は税務職員の処遇を第一にできるだけ考えていただきたい、こういうふうに考えております。先般人事院のほうで勧告が出まして、税務職員に対しましては一般の行政職に対しある程度の格差というものは若干認められてきたわけでございます。こういったようなことを通じまして、この職務の重さと申しますかあるいは精神的な負担と申しますか、そういう点につきましても政府全体としてできだけ配慮をいたしてほしい、こういうことでございます。そこで来年度の予算等につきましても、いろいろな各方面でそういうような要望を実は持っておるわけでございます。 それから、実際のそのような金銭的な配慮のほかに、やはり職場の環境というものを十分よくする必要がございます。たとえば一つの例を申し上げますと、税務署の冷房施設というものがございます。税務署というのは、一般の納税者の方々が参られてかなり深刻なお話をするところでございます。ところが世間一般非常に冷房が普及してまいりましたにかかわらず、なおかつ税務署のほうの冷房施設は比較的おくれている。こういうような職場環境、これは単に職員だけではなくて納税者の方々にも十分還元できるような方法でございますので、かような職場環境をできるだけ整備いたしたい、こういうふうに考えております。 いずれにいたしましても、非常ないろいろな苦労をして、ことに若い諸君が、世間一般の仕事でございますと相当の年齢になってからでなければ経験しないような非常につらい職務に比較的若い時代から投入されるわけでございます。この点が非常にわれわれとしても配慮をしていく必要があるかと考えております。 そこで第二点は、そう申しながら、やはり税務署というのは国民の権利あるいは義務に重大な関係がございますので、職員の質というものは落としたくない。さらには世間一般のいろいろなレベルが上がりますに応じまして少しでもこれを上げていく必要があるかと思います。そこで現在進めておりますのは、研修体制を、既存の職員につきましてもできるだけ研修を十分実施してまいる。これは職場の研修あるいは税務大学校におきます集中的な研修もあわせまして、これを極力拡充してまいりたい。そのためには研修所というような物理的な施設も相当程度なおほしい、こういうようなことでございますので、これも逐次予算上いろいろお願いしてまいろうかと思っております。 それから、大学卒のいわゆる専門官制度でございます。これは先ほど御説明申し上げましたように、比較的最近に発足した制度でございます。すでに数年を経過いたしておりますが、その職場への定着率が現在のところではわりあいに良好である。しかしこれはあまり急速に一挙にいたします場合には思わざるいろいろな人事面のそごがあります。ある意味で、現在は既存の職場に大きな影響を与えないような範囲で逐次毎年増加しておるわけであります。そこで先ほども冒頭の御説明で申し上げましたように、現在は中高年層が相当多くなっておりまして、十数年後にはそれらの方々が離職期に入るということでございます。そこでやはりこれは相当長期的に人事の採用の面を、一種の長期ビジョンと申しますか、長期の計画を立てる必要がある、こういうふうに考えております。 そこで、現在までのところはそうあわててやるほどの必要はないわけでございますが、やはり税務行政というものを一貫した軌道に乗せてまいります観点から、ここ五年あるいは十年の一つの中長期の計画を立てて、その中にただいま御指摘の専門官制度あるいは大学卒あるいは従来の高校卒の人々の職場研修、こういうものを総合一貫的に組み込んだ施策を考えていこう、かように考えております。最近着手したばかりでありましてまだ十分な結論が出ておりませんが、これはひとつどうしてもじっくり考えていきたい。 要は、そういう人事面の配慮あるいは職場環境の整備あるいは職員の給与面の改善、こういうことを通じまして、非常にむづかしい第一線の諸君の苦労というものに十分に報いるような方法で、しかも困難を増す税務行政を十分守っていきたい、かように考えておる次第でございます。
○野田(毅)小委員 ありがとうございました。これで終わります。
○松本小委員長 武藤山治君。
○武藤(山)小委員 主税局長は先ほど、税制調査会に諮問をしておるのは昭和四十六年八月の答申の線に沿うて、基本線はそのままで実は税調で審議を願っているのだという意味の話ですね。ずいぶん古い話ですね、四十六年。一体税調にかけなければ処理できない税法上の修正、廃止、改正、そういうようなものは主税局当局ではこれは手はつけられない限界、ここからこれ以上は税調にかけて答申を受けなければいけないという、何か不文律のお互いの領域というものはきまっているのですか。
○高木(文)政府委員 税制調査会は政府に置かれております諮問機関であり、税金に関するある種の知識経綸をお持ちの方に委員になっていただくと同時に、これはいわば役人的感覚でなくて納税者的感覚でものを判断してもらうための組織ということでございます。現行制度の上では、どういうことを諮問してどういうことを諮問しなくていいということは、何も具体的にはきまってないわけでございますし、過去の例におきましてもかなり重要な事項で税調に諮問しないでやったこともございます。また税調の諮問と違ったことをやったこともございます。一般的に、現在存在しております税調につきましては、四十六年の十月七日に、社会経済の進展に即応する税制のあり方はどうしたらよろしいかというばく然たる諮問が一つ出ているだけでございまして、あと個々別々の問題については私どもが判断をして審議をお願いし、あるいは委員のほうの要求によって、こういう点を審議しようということになっておるわけでございます。必ずしもそれにこれはかけなければならない、これはかけないでもよろしいという、不文律という意味も含めましても、原理原則はきまっておるわけではないのでございます。
○武藤(山)小委員 そこで主税局、社会経済のいろいろな諸情勢に応じた税制というのだけれども、昭和四十六年のときと四十八年の社会情勢では、まるで違ってきているのですね。貿易の問題にしても、あるいは外貨準備の処理の方針についても、あるいはいまのインフレの動向についても、かなり四十六年といまでは違ったものがある。したがって、いま諮問をするとすれば、インフレ的経済動向のもとにおける税制はいかにあるべきか、あるいは総需要抑制の見地からの財政のになうべき役割りは何か、それについての税制はどうあるべきか等々の、やはり四十六年と現在では視点が変わらなきゃならぬですね。それをそのまま諮問をしておくというのは、いかがなものかなという印象を受けますね。 ことしは主税局、たいへん親切に、「国会の審議過程における主要な討議事項」、総二〇-一というので、われわれの質疑したことをたいへん詳しく抽出をしてわれわれに配ってくれたわけですね。この中を見ると、かなり国会で議論をし、手直しをしなければならぬ、できる問題等々がかなりあるわけですね。こういうような問題について、かなりこれは景気の問題やなにか、あるいは福祉元年、そういう理論に適合するような視点からの質問事項がたくさんあるわけですね。 こういうような問題については、税調に対して、個別問題として、こういう項目はどういう取り扱いを一応いたすのですか。税調には全くかけないで、これは主税局の範囲内でやれそうなものだという、たとえば年金課税あるいは未成年者の税負担の問題あるいは教育控除の問題、相続税の居住用財産には相続税がかからぬようにしたらどうかとか、夫婦間の財産の移転は無税にしたらいいじゃないかとか、こういうような問題については、個別問題として税調にかけずに主税局の範囲内で処理できるものなのかどうなのか、その辺の御見解をひとつ……。
○高木(文)政府委員 一般的には申し上げかねますが、ただいま御指摘がありました問題の大部分、たとえば夫婦間の贈与の問題であるとか居住用財産の相続税上の扱いの問題であるとか、あるいはまた未成年の人の税負担の問題であるとかという問題は、かなり所得税制度なり相続税制度なりの基本的な問題であると思いますから、やはりそれは税制調査会にお願いをして、御意見を承るというのがよろしいのではないか、私はいまそう考えております。
○武藤(山)小委員 そういたしますと、主税局長の御判断で、与党野党通じて国会で質疑をされ、あるいは附帯決議条項に記入されたような問題は、税調に一応問題点という形で提起をし諮問を願う、こういう姿勢ですか、かなりの部分。 先ほどあなたがおっしゃった、所得税の課税最低限の問題、サラリーマン減税、税率構造のゆがみの問題、あるいは法人税の引き上げの問題、ガソリン税の問題、従価にしたらいいか従量にしたらいいかの問題、関税の問題をどうバランスをとるか、その辺までを先ほどあなたおっしゃったのですが、それ以外にたくさんあるのですね。 これを見ると、七十項目ぐらい。ちょっと、ぱっと見ても、なかなか国会議員よういいことを言っておるわという感じを受ける項目が一ぱいあるわけですね。こういう問題について、税調には全くかけないのか、それとも主税局がやる気がないから諮問しないのか、問題点として何項目ぐらいを提起するのか、項目の数だけでもいいです、どんな状況ですか。
○高木(文)政府委員 税制調査会はここまでしか審議できないとか、これしか答えられないということはございませんで、税のすべてについて当方からかりに何か呼びかけをいたしませんでも御意見が出てくるわけでございますから、そういう意味において、これはかけるとかこれはかけないということについて厳密な線があるわけではないわけでございます。先ほど来お話がございます国会でいろいろ御熱心に出ました御意見につきましては、一覧表にいたしまして税制調査会にお配りをしてございますから、委員の中からも、またそれを取り上げて御議論になる方があるわけでございます。項目の数というふうな形ではちょっと御説明しにくいのでございますが、もともと国会で議論されましたすべてが一覧表になっているわけではなくて、そのうちの税の制度に関連いたします主要な問題を一覧表にしておりますので、ここにあげられました問題は、少なくとも七、八割というか、半分以上というか、そういう項目につきましては、当然税調で審議されるテーマであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○武藤(山)小委員 それでは主税局、あとで大蔵委員の皆さんに、税調に問題点として提起した問 題はこれとこれとこれだというのをマルをつけてひとつ資料で出していただきたい。よろしゅうございますね。
○高木(文)政府委員 これは前もって題目をずっと並べて、これを審議してくださいというかっこうをとりませんで、きょうは所得税法を審議していただきたい、所得税法についてはこういうところが問題になっておりますと紹介をいたしますから、たとえば過去においてどういうことを審議してもらったかとか、四十八年の春の国会で問題になった事項を四十九年度までにどういうことを審議してもらったかということをマルをつけることはできますが、まだこれからこれをかけていきますからということは……。現時点でなしに、あとで整理の意味で御提出できると思います。
○武藤(山)小委員 大体簡単なことですから、そのつど、今週はこういうことを一応やりました、こういうことをひとつ局のほうでしるしをして、せめて大蔵委員には配っていただきたい。 次に、簡単な質問ですが、先ほど局長のお話の中で、道路財源が四十八年度から第七次計画でたいへん膨張して、年率二〇%くらい工事予算がふえる、ガソリン税の増収はとてもそれに追いつけない、こういうお話がございましたが、ガソリン税の伸びとその工事費の今後の見積もりの伸びとのギャップは何%くらいあるのですか。そうしてそれを埋めるためには、ガソリン税をどのくらい値上げしなければならぬと判断をしているのか、明年度のガソリン税の値上げの大体の幅ですね、どのくらいあれば道路計画と一致するのか。
○高木(文)政府委員 第六次道路計画は十兆三千五百億でございました。このうち約半分、四割が国費であり、また四割が地方費であり、二割が財投でございます。財源の問題が問題になりますのは国費と地方費でございます。国費の特定財源比率は六次道路計画では八二・五%でございました。地方費では五四・五%でございました。現在の税制を変更しないとすれば、道路費中の国費所要額のうち特定財源比率は約五八%に落ちるものと見込まれます。八二・五から五八に落ちてしまう。地方費のほうは五四・四から三四・何がしというところに落ちてしまう。それだけつまり一般財源を投入しなければならない率が上がっていく、こういうことでございます。 なお、そのうちのガソリン税の伸び率でございますが、最近の傾向は、毎年毎年の伸び率は九・五と一〇%の間になっております。過去におきましては一二、三%ガソリンの消費量が年々ふえた時代がございましたが、最近はそのような状況でございます。
○武藤(山)小委員 そういたしますと、他の省との関係もあるでしょうが、主税局長としては、ガソリン税の大幅値上げをする以外にない、こういうお考えになっていらっしゃいますか、あなたの見解は。
○高木(文)政府委員 かりに特定財源比率をこのままほうっておきますと落ちます。特定財源比率を第六次計画のとおりに戻そうとするにはどうしたらいいかということになりますと、やはり主要財源としてはガソリン税の問題になると思います。そのほかに先般御審議いただきまして現在施行されております自動車重量税の問題というのがございます。自動車重量税は先ほど説明しました八二・五という特定財源比率との関係では、これは目的税になっておりませんので一般財源のほうにカウントしておりますが、実は自動車重量税は実際問題として八、九割まで道路に使われているという概念でございますので、それで考えてみますと、特定財源にはカウントされませんが自動車重量税が増税されるということであっても目的は達せると思うということでございまして、問題になりますのはガソリン税と自動車重量税であろうかと思います。地方税といたしましては軽油引取税とそれから自動車の取得税、これがいま考えられておるところでございます。 ただし、これは各方面の御意見を聞いてみなければわかりませんが、最近のように自動車公害の問題とかそれからどうも自動車が少しふえ過ぎるとかいう問題との関係上、片っ方においては自動車の保有に対しての税をもっと重くしたらいいじゃないかという御意見と、自動車の使用に着目してもっと重くしたほうがいいんじゃないか、使用ということは結局燃料税になりますが、そういう御意見でありまして、これはなかなか両方の御意見があります。その辺はもう少し関係者の間でも議論しなければなりませんし、それから利用者の方々の御意見も聞かなければなりませんし、関係業界の反応もあろうかと思います。また保有のほうにウエートを置くのか、使用すなわち燃料のほうにウエートを置くのか、そこまでは私ども自身きめかねております。
○武藤(山)小委員 主税局長、これは個人としてどう考えるかというお尋ねでありますが、いまのように道路整備五カ年計画なり下水道計画なり治山治水計画なり、とにかく十カ年計画、五カ年計画が財源の見通しも、あるいは主計局の国家財政全体の将来への展望も持たずに各省庁ばらばらに作成されていく。それをさあ財源で割り振りをする。どうしてもそれはたいへんなことがいろいろ私は起こってくると思うのですね。いわゆる中期財政計画というものがないんですね。 そこでやはり近代的な財政というものをほんとうに当面五年ぐらいまでの展望を持ちながら歳入の面も歳出の面も見通されながら編成をされていく、そういう方向に財政というもののあり方を再検討すべき時期がきたような気がいたすのですね。あなたは税金をあずかるほうの立場からそういう問題についてどのような私見をお持ちになっているか、あなたの高邁な見解をひとつ御披瀝願いたいと思うのです。
○高木(文)政府委員 先般来、将来福祉を充実をしなければならない、福祉を充実するとすればそれがためにいろいろ財源が要るのではないかということで、いわゆる高福祉高負担ということばが非常にはやったわけでございますが、その際に福祉の内容が明らかでないのに負担のほうだけが問題になるのでは困るではないかという御批判がここ一、二年非常に強くなりました。まさに私どもそのとおりだと思います。 私どもも将来の税のあり方を考えるにつきましては、将来の歳出のあり方がわかりませんとなかなかできないということでありまして、武藤委員おっしゃるとおりでございまして、私ども実は部内におきましてはその点を強く主張してきたわけでございます。 おかげさまでその主張がある程度認められるようになりまして、昭和四十八年、つまりことしの財政制度審議会の審議の際には長期財政計画についてある程度議論してみようじゃないかということになりまして財政審のほうでも長期財政計画を、非常にばくとしたものしかできないかもしれませんけれども、ある程度立てていこうじゃないかという空気になっております。ぜひともそれを、ばくとしたものでもよろしいので、ぜひともそういうものを立てていただいて、さらにそれを漸次精緻なものにしていくという努力を続けるべきものと思います。
○武藤(山)小委員 私は、やはり財政の斉合性、統一性、統合性、そういうものを立法府の国会にも年々出してそして五年五年の見通しと計画と同時に単年度の予算というものがセットされて審議をされる、片方はかりに議決事項でないにしてもそういう中期財政計画というものが国会に示されることが、国民に対する納税の意欲を高めるためにもいろいろな角度からたいへんなプラスになると思うんですね。これはただ一大蔵省の問題とせず政府自体の大きな日本の財政上の問題としてとらえて推進をしなければいかぬ問題ではないか。そこで副大臣はどう考えるか、政務次官の御見解を伺って次の問題に進みたいと思います。
○山本(幸)政府委員 全くいまのことは仰せのとおりだと思います。福祉につきましても、福祉についての長期計画というものがいまないというのが私はその福祉をこれから推し進めていく上において非常な問題の点ではなかろうかと思います。国といたしましても、いまおっしゃるように全く無計画ではないと私は思うのでありまして、たとえば経済企画庁でやっております経済社会基本計画というものの中にいま仰せられた、特に公共投資については何はどれくらい何はどれくらいという具体的な金額をあげてそういう計画を示しておるわけであります。またそれに対して税の負担は一体どれくらい上がるだろうかというばくとしたものも、たとえば三%ぐらい上がるであろうという、そういう見当も一応つけておるということでございます。また各アイテムごとにいろいろな長期計画をつくるわけでありますが、その場合ももちろん各省庁がかってにやっているわけではなくて一応財政当局ともあるいは経済計画を立てるほうとも打ち合わせをしながらその基本計画の範囲内でそれぞれつくっておるということでありまして、全くばらばらとまでは私も思わないのであります。 しかし、そういった計画性については十分であるかといえば私は必ずしもまだ十分でない点も多々あると思うのでありまして、そういう意味ではもっともっと詰めて長期的な計画を立てた上で、また財源の目当てをつけた上でやらなければならぬことだと思うわけでございます。
○武藤(山)小委員 その問題はいろいろ議論するとたいへんな時間がかかるのでやめますが、いずれにしてもいまのような各省ばらばらで斉合性がない、国家財政全体の視点から見た統一性がない、こういう計画をばんばん出されたらとても財政当局はやり切れたものじゃないと思うのですよ。そういう意味でいまのような公共投資の計画というようなものもやはり全体を統括する機関をつくってやらなければ意味がない、こういうことを私は提言をいたしておるわけであります。 次に進みますが、もう一つ、きょう通告してないのでありますが、これは安川国税庁長官に今後の検討材料として希望を申し上げておきたいのであります。 それはお酒の特級、一級、二級という級別をもうやめるべきだ。特級だからうまい酒、一級だからうまい酒というようなことに必ずしもいかぬ性質のものがかなりある。そこでやはり酒税というものは全部従価にしちゃう。もう販売価格に応じて税金を取ればいいので、大蔵省自体に税金を確実に確保できればいいわけなんでしょうから、この等級差をつけて大メーカーだけがつくられた消費によって、広告、宣伝を通じてシェアをどんどんとっていく、しかも特級、一級という、さもこれならほかの二級とはまるで違うんだというような印象を与える宣伝、こういうようなことが行なわれているいまの酒について、やはり等級別をこの際なくす。この酒は幾らです、この酒は幾らです、銘柄別にそれぞれ価格があれば買う人は別に不便はないのでありますから、新長官に就任して、ここらをひとつ突っ込んで検討してみてもらったらどうか。 それからもう一つは、国税庁がわれわれの手元にくれた「納税者の声を聞く旬間行事と納税者の声」この中にも出ておるのでありますが、つくり酒屋の申告期限を一カ月延長してくれ。現在つくり酒屋が酒を出しますと、原則として一カ月後には納付しなければならぬ。それをさらに延ばすためには担保を出さなければ延ばせない。そうすると、もうほとんどつくり酒屋も小さいものはみんな借金、借金で、担保に入れるようなものはない。第二担保と第四担保、これじゃ国税庁も信頼しない。こういうことで、事実上そういう制度があっても担保を入れろということをやられるために、なかなかその規定は生きない。したがって、国にこれだけ協力をし、納税義務を果たしているつり酒屋を信頼して担保をはずしたらどうでしょうか。そして取引銀行が、この酒屋については取引内容はこうだから心配ありませんよと、そういうような証明が取引銀行から出たら、じゃ納付期限をもう一カ月延ばしてやろう。そうでもしないと、やはり売り掛けができちゃうんだそうですね。なかなか売った金をぱっと小売り店から持ってくることができない。ここらは間税部長にこの間いろいろお尋ねしたら、なるほど役所は役所で言い分はあるんだな。大体事情を聞いたんですが、どうも実情を幾らか改善できる余地がある、私はかような感じがいたしてならぬのであります。 ひとつ新長官、その二つの点についてこれから検討してみよう。そういうお腹づもりになれるかどうかをちょっとお尋ねして、次に進みます。
○安川政府委員 最初の酒の級別の問題あるいは従価の問題、従価税の問題には税制上の問題がございますので、国税庁のほうから申し上げるのは適当ではないかと思いますが、まだ私十分問題を研究しておりませんので、ただいまの武藤先生の御指摘のとおり、十分勉強はいたしてみたいと思っております。 ただ、私の現在感じまするところは、清酒は御承知のとおり長年の間日本の土地に生まれました特殊な嗜好品でございます。その中でいろいろなメーカーが長年にわたりまして級別によっていろいろ製造技術をみがいて、その積み上げの上にこの級というものができておると思うのです。それぞれの級によりましていろいろ品評会等も相互にやりまして腕をみがいておるわけでございますから、酒という嗜好品の税の問題以前の一つの形態というもの、これはにわかに変えがたいものがあるのではないか。さりとて、世の中いろいろな意味で各種の酒類に対する嗜好も変わってまいりますので、いつまでもそれがそのまま妥当であるとするのは必ずしも適当でない面があろうかと思います。そういう意味で、なおこの問題は、ただいま申し上げました見地から十分検討してまいりたいと思います。 それから、何か大メーカーが広告宣伝等で消費をつくっておるのではないだろうか、こういうような御指摘があったようでございます。やはり消費者というのは非常に明敏なもので、そのような宣伝が相当行なわれましても、結果的には消費者の選択というものはかなり鋭いものであって、必ずしもメーカーのほうの宣伝によって消費自身が創造されるというふうなことにはなっていないのではないかと考えております。しかしながら、広告につきましては、先ほどもございましたような誇大の広告であるとか、問題がいろいろあるわけでございます。なお十分研究してまいりたいと思っております。 それから第二は、納税者の声を聞く旬間の中に、酒屋さんの納付期限並びにその担保についての要望がございました。これはいわば法的な事項でございまして、税務行政面だけで処理するということにはまいらないように考えております。しかもその実態といたしましては、やはり長年の間酒税というのは、ただいまも申し上げましたように、酒類そのものが嗜好品でございますので、その嗜好品の中で相当の税を徴収いたしておるわけでございます。長年の間、酒税行政といたしましては、またそういう嗜好品という特質にかんがみまして、酒税の確保というのはかなり重要な問題であろうかと思うのであります。 これは世間の金融一般のように非常に景気不景気等によって伸縮することがはたして適当であるかどうか、酒税の確保という見地からできるだけ現金売りというような、末端消費の段階ではそういうような方法を講じていただきまして、酒税が円滑に入るという方向で一つの流通過程を形成していくというような方策を従前からずっととっておるわけでございます。法律的な問題もございますけれども、さような実態もあるかと思われます。 なお、現在ではいわゆる担保、つまり物的担保のほかに銀行保証というのも兼ねて認めております。その点は従前よりも弾力性を持っておる問題でございますが、期限の問題は法的事項でございます。さように考えております。
○武藤(山)小委員 きょうの本論でないからいいと思いますが、そうするとやはり主税局の範囲になるわけでしょうか、法律上の規定で。いずれにしても主税局長、私の意見をお聞きになったと思いますので、あとの機会にお尋ねいたしたいと思いますから、ひとつ御検討を願いたいと思います。 それから主税局長に、ちょっと皮肉のようになると思いますが、きょう配られた資料で実効税率、たとえば資本金百億以上の会社を所得金額と法人税だけで見ると三四・四、準備金、特別償却などを考えると三〇・一、交際費の損金不算入を加えると三一、こういうようにきょうの資料で出ておるわけですね。 先月の七日の「エコノミスト」という雑誌の冒頭に「展望」というところがあるのでありますが、それを読んで見るとこういう記事が書いてある。これが国民にどういう印象を与え、大蔵省はこれに対してどういう反論を加えられるだろうかという質問でありますが、「エコノミスト」のそこの部分だけ読みます。 「日本の法人所得の実効税率は四五・〇四%と一般にいわれているが、各種の租税特別措置法による減価償却費、各種引当金、準備金制度などによる減免税を考慮して、法人の所得全体に対する法人税額を計算すると、資本金一〇〇億円以上の法人の現実の税負担率はわずかに二〇%くらいであることはいまや一般にかくしようのない事実とされている。」たいへん購読者の多い「エコノミスト」がこういうことを書いておるわけですね。これに対して一言主税局長、二〇%をどうお考えになるか。ひとつこの資料の数字が違うのか、「エコノミスト」が違うのか。違うとすればなぜこういう誤解が出ると考えられるかの推察までも入れてあなたの御答弁をいただきたい。
○高木(文)政府委員 この資料は昨年阿部助哉委員から御要求がありまして、相当長時間いろいろ資料をあらためて徴しまして作成したものでございます。こういう数字は普通なかなかできないわけでございまして、できるとすれば私どもしかできないはずでございますので、「エコノミスト」という雑誌を非難するわけではございませんが、そういうものが出るのが非常にふしぎでございます。出るはずのない、計算し得ないはずのものでございます。 どこからその差が出てくるかと申しますと、この二番の法人税額(算出税額)というのがございますが、この算出税額というのがなかなか出てこないわけでございます。もし一般の方が何か計算してみようと思うとすると、納付税額のほうで計算しなければならぬということになりますが、納付税額というのは法人税として納付した額でございまして、この算出税額から、すでに所得税として納めました額、利子とか配当について納めました所得税額であるとか、あるいは外国のほうへ納めてしまいました外国税額とかいうものを引いた残りのもの、さらにここにちらっと出ておりますが、試験研究費の税額控除をやったあとのもの、その数字は有価証券報告書とか、そういうものに出てまいりますから、そっちのほうで出せば、いろいろ計算をすれば、ある程度のものは出ると思うのですが、それは税負担ではないわけでありまして、法人税としてではなしに、源泉徴収で先に納めておりますから、その分を引いた残りでものを見られるということは、これは間違いであろうと思います。 この数字は、実はある意味から申しますと、もっと早く作成をして国会の御審議に参考にしていただかなければならなかったのかもしれません。ただ、何ぶんこういう計算をするのに相当な手間がかかりますものですから、いままで率直に申し上げましてお出ししなかったわけでございます。今後は、これは非常に重要なものでございますので、毎年につきましてこういうものを見て、そうして現行税制を見ていただきたいと思っております。また、いま申しましたそういうものがなかなか出ないということのもう一つの理由としては、特別償却や準備金の取り戻し計算がなかなかできないということに一つあるわけでございます。その両方からきているわけでございます。 そこのあたりを考えますと、いかに現行税法が複雑であるかということを裏から物語るものということになろうかと思いますが、しかし幾ら複雑でありましても、実態がどうかということはやはり明らかにして、国会をはじめ、また各方面で活発な議論をしていただく材料にしていただきたいわけでございます。私どもが責任をもって今後ともこういう資料をお出しいたしますので、御討議の一つのベースにしていただきたいというふうに考えます。
○武藤(山)小委員 頭脳明晰の主税局長の言を信頼して、「エコノミスト」の数字は誤りという判定を私下したいとは思いますが、大蔵省の名誉のために、「エコノミスト」の「展望」に主税局長に執筆してもらうように、私のほうから「エコノミスト」へ電話してみますから、ひとつ大蔵省の正確な見解を報道させるように心がけてもらいたいと思います。 それからいま、たまたまこの資料の中で、外国税額控除、これは法人税法六十九条によると、日本の法人が外国に事業場を持った場合あるいは支店などを持った場合、外地で納めた税額を内地のほうで控除してくれるという制度のように思います。どうも税法はむずかしくて、この六十九条を読んだだけではなかなか全貌を把握することはできないのでありますが、こういう六十九条に適用される企業数、法人数ですか、どのくらいあって、一番近い統計で、その税額総額はどのくらいになるのでしょうか。これは国税庁でわかりますか。主税局ですか。
○高木(文)政府委員 四十六年度で九百八十五社、六百二十二億円でございます。
○武藤(山)小委員 九百八十五社。たいへんあるのですな。これはひとつ主税局長、あとで資料で――これは国税庁でないとできないのかどうかわかりませんが、この控除を受けた企業の上位二十社ぐらいの会社名、それから控除の額、これをひとつ資料として配付を願いたいのでありますが、いかがでございますか。
○高木(文)政府委員 資料をお出しすることはけっこうでございますが、どういうあらわし方にするか、いつもかたくなに申し上げておりますように、社名別のはちょっとぐあいが悪いということでございますので、どういう形にするか、また小委員長のところで御相談の上でお出しをさせていただきたいと思います。
○武藤(山)小委員 主税局長、社名別のは困るとおっしゃいますけれども、有価証券報告書で、明らかにこれはもう一般に見られるように報告書は出ているわけですね。市販もされているわけですね。政府刊行物サービス・センターでは報告書をみんな売っているのですからね。これは不特定多数、だれでも見られるわけでありますから、それをただたまたままとめるだけの資料でありますから、そうプライバシーの侵害にはならぬと思うのでありまして、それはひとつまとめて整理をしてお出しを願いたいと思いますが、それでもだめですか。
○高木(文)政府委員 御存じのとおり、有価証券報告書は、株主及び債権者の保護のために、企業がみずから届け出をしてそれを公示することが制度上確認されておるものでございます。ところが、事のよしあしは別として、現行有価証券報告書制度の中では、外国税額控除額はそこに書く必要がないことになっておりまして、そこへ書くことになっておりますのは、日本で最終的に納めるべき、しかも所得税を別にいたしました法人税額だけを書くことに、約束上になっておるわけでございますので、企業別外国税額控除額は、申告書を個別に当たりませんと出てこないわけでございます。そこで、また例の守秘義務との関係でめんどうなことになりますので、そこはしかし御審議に支障になりません程度で、しかるべき形で出させていただきたいというふうに思います。
○武藤(山)小委員 局長のしかるべきということのしかるべきを信頼して、次へ進みたいと思います。 いままでの質問は全然通告をしてないで突然、きょうのこの資料が入ったり、質疑を聞いて質問をした項目でありまして、これから、通告をした問題二点にわたってお尋ねをするのでありますが、あと十五分しかありませんので、こまかく詳細に尋ねることはできませんので、たいへん理解しにくいと思いますが、ひとつ……。 芸能人を取り扱う芸能法人の課税あるいは還付の問題が中心なんでありますが、所得税法第百七十四条四号ですか、芸能法人に対しては特別に源泉徴収で一〇%先に取り上げておくという制度になっているのですね。この制度はこういう法人にとってはたいへん困る制度ですが、なぜこういう制度ができたのか、ちょっと沿革を簡単に。あんまり長々やられると、十五分だからポイントだけぴちっと答えてもらいたい。
○高木(文)政府委員 非常に言いにくいのでございますけれども、芸能関係のフィールドというのは、いろいろな面におきまして、経理面が必ずしも普通の商業とか製造業のようにきちっとしていない傾向がありまして、そこであとでそれに出演した納税者といいますか、芸能人が翌年三月十五日の確定申告のときにいろいろとごたごたすることがありまして、同時に、ああいう仕事の方でありますから、そのときになりまして多額の納付額が出てくるということになると実際納められないというようなことがありまして、一つは、むしろ源泉徴収で前もって、収入があったときにある程度のものを納めておいたほうが納めやすいということがあり、第二には、もらった額そのものを明確にしておく、支払い者の段階から明確にしておくことのほうが紛争が少ないということがありまして、源泉徴収制度に、やや異例のことでございますが、のせることになったという経緯でございます。
○武藤(山)小委員 主税局長はあまりこまかいことまで御存じかどうかわかりませんが、私の手元で調べた例で申しますと、法人と出演者との間の契約は、出演料は何でもかまわない、全体の収入の八五%が芸能人に渡る。あと残り一五%しかありませんね。そうすると、その一五%のうち一〇%を法人の源泉税としてそのつど取られてしまうわけですね。それ以外に芸能人の源泉の一〇%分というのは、ちゃんと別な部分として取って納めているわけですね。だからいまの主税局長の言うような、芸能人があとでもってまとめて取られるのはたいへんだという議論は当たらないのですよ。芸能人は芸能人で別に八五%の中の一〇%をすでにそこでもって差し引きして源泉所得で納めているわけですから、それ以外に法人に対して一〇%を担保さしておくわけですね。これが私はよく意味がわからない。この一〇%の法人の部分の法人源泉所得、源泉税というのが私にはよく理解できない。それはどうなんですか。
○高木(文)政府委員 ちょっと私の答え方がまずかったので、いま武藤委員がおっしゃるとおりでございます。それはなぜそういうふうにしたかといいますと、実は芸能法人というものに実態はいろいろなものがございまして、非常に継続的に大量に芸能人の周旋といいますか、あっせんといいますか、そういうことをやって、しかも継続的にりっぱにやっておられる芸能法人と、きわめて小規模にやりまして、しかもややいわゆる泡沫会社といいますか、生まれたりつぶれたりする傾向のものとございます。実はこの制度ができましたのは、あとの泡沫会社の扱いに非常に弱りまして、それで昭和三十九年の税制改正で設けました制度でございます。 そこで、おっしゃるように、非常にきちっとしたやり方で長期にやっておられるところには、いまのやり方はあるいは相当御迷惑が及んでいるということがあり得るかもしれないと思いますが、それらにつきましては、現在一部税務署長の証明によって、一定の要件を備えているという証明がつく法人については源泉徴収を要しないこととする制度もないわけではございませんので、この制度の運用がどうなっているか、場合によりましてはこの制度の運用があるいはうまくいってないかもしれませんので、その辺はもう少しよく研究してみますが、おっしゃるような形の点については、何かくふうの余地はありはせぬかというのが、率直ないまの私の感じでございます。
○武藤(山)小委員 やはり高木さんは頭脳明晰だという感じをいま受けたのでありますが、率直に検討する、と私がこれから質問に入ろうと思った百七十七条の問題についてまで、すでに触れられております。 その話をちょっと転換しますが、いまの局長の答弁は、別な百七十七条のほうの税務署長の証明書の問題、これも問題があるのです。これもあとで聞こうと思ったのですが、あなたは先にこの問題を検討しようといったから、あとでちょっとお尋ねします。 さっきの続きで、全体の収入のうち八五%が出演者の芸能人にいく。残り一五%ある。一五%のうち、一〇%は源泉で法人が先に納めさせられてしまう。残り五%ですね。そこで局長、五%の残りでプロダクションが運営できる、経営難にならないと考えるかどうか、これは税金の問題じゃないけれども。とにかく収入、残った一五%のうちの一〇%を税務署に先に取られちゃって、五%で借金しないでプロダクションというのは一体やっていけるかどうか。ここの常識論なんですよ。きょうの質問のポイントはそこなんですが、局長はどうお考えになりますか。五%しか残らない。
○高木(文)政府委員 おっしゃるように八五対一五というような関係にあるのはすべての芸能法人の場合であるかどうかについては、私はちょっと疑問に思うのですけれども、そうだとすれば、確かにおっしゃるような問題があろうかと思います。少しその辺は芸能法人と出演者との間の歩合といいますか、分け方がどうなっているとかいうことを研究した上で、いまの率がよろしいかどうか、この点も当たってみなければならぬというふうに考えます。
○武藤(山)小委員 それから国税庁のほうですが、そのプロダクションが先払いをしておく源泉の一割というものを、確定申告の期限がきて申告をすると還付をすることになる。先に納めたわけですから、還付申請が出るわけでしょう。たとえば九百万円あったうち、税金部分は七十四万円でしたとなると、差額は返すわけです。ところが、その返すのが、簡単に個人所得税を返すような状態ではないですね。実態を知っていますか。どのくらいかかっていると思いますか。プロダクションの還付請求に対して、還付の期間は平均どのくらいかかっていると思いますか。この証拠にここへ五、六点、納税者のを持ってきていますが、どのくらいだと思いますか、大体局の判断は。
○高木(文)政府委員 ある事情で私はその辺のことをたまたま知っておりますが、相当かかっておると思います。相当かかっておりますのは、ちょっとこういう公開の場所でなかなか申し上げにくい事情がいろいろあったことがありまして、かかっておりますが、その後それは、私が承知しておりますのは三年くらい前のことでございますので、どういう処理になっておりますか。 要するに非常に全く公明正大、問題なしという芸能法人と、しからざるものとのいわば仕分けに非常に困っておるわけでございまして、そういう事情から、きちっとしておられるところまであるいは御迷惑を及ぼしているというものもあるかもしれません。それは少し国税庁のほうにも研究していただいてという感じがいたします。
○武藤(山)小委員 改善するというのですからこれ以上聞くことはないのですけれども、一応念のためにやはりきちっとしておいたらいいと思いますから、もうちょっとしゃべらしてください。 その決算に基づいて確定申告を法人が出す。そうすると還付の金額が出る。ところが、その場合にかくかくに調査をしなければ返してはならぬぞという通達が出ているわけですね。その国税庁の通達はどういう内容ですか。この調査事項はどういうふうになっているのか。その通達の要点を読んでみてください。
○田邊説明員 たいへん申しわけございませんが、ちょっと手元にございませんが、お話の還付金につきましては一応原則として税務署のたてまえとしてはすぐお返しする、調査は必要でございますれば後ほどするというのが、正確ではございませんが、たしか現在の徴収事務の運営要領だと思います。私どもたとえばサラリーマンが確定申告をいたしまして、たとえば配当の税金につきまして……
○武藤(山)小委員 この例でいい、ほかのことなんか言わぬでもいいです、時間がないから。
○田邊説明員 一般的には、大体通常の場合には十日程度で支払い手続は終わっているはずでございます。
○武藤(山)小委員 十日くらいなら文句は言わないですね、だれも。ところが、みな四カ月から五カ月かかっておる。いまもう時間がありませんから、ぼくの知り合いのプロダクションの例で申しますと、この会社は還付金額が八百六十九万九千円になる会社なんです。その八百六十九万九千円が四カ月か五カ月戻らなかったら会社経営はどういうことになるか。結局、芸能人に払う金を、しょうがない、借りておくか、銀行から借り入れを起こすか、そういうことをやらなければ、一割先取りされているためにたいへんな苦労をするわけです。この決算内容――私、ここに三社の決算書を持ってきている。一社は、やはり戻ってくるのでありますが、五百九万二千円。そういうような先に払っておいて戻りがたいへんな金額になる会社は、五%で経営しろといったって、これはできるはずがない。 これはやはり税務当局が、とればいいのだという考え方ではいかぬのであって、この問題については私は改善をしなければならぬ問題点が幾つかあるような気がしますから、還付の迅速性、それからいま言った還付までに調査をしなければ返さないという通達があるようですから、この通達をひとつ吉田次長のところあたりで目を通して、一回この通達を洗い直してもらいたい。そして現状に沿うような検討を願いたい。 さらに、先ほど主税局長がちょっとおっしゃいました源泉一〇%を納めない方法の許可がとれるのだ。それは百七十七条に基いて税務署長の証明書をもらえればそうできるのでありますが、この証明書をとるのがまたなかなか法律規定がきつい、うるさい。そんなことまでしなくとも、青色申告をきちっとして正式な税理士がきちっとついているものについては証明したっていいじゃないですか。どうせあとでわかれば脱税でとっちめられるのですから、私は、青色申告制度というのがあるのですから、せめて青色申告で税理士がきちっとついているものについては、あの幾つかの、四つ五つある条件を取っ払う、このくらいの改善をしてしかるべきではなかろうか、こんな感じがするのですが、主税局長いかがですか、百七十七条のほうです。
○高木(文)政府委員 いずれにしましても、非常に問題のあるところであろうと思います。少し実態を調べました上で、制度の問題、運用の問題を通じて再検討ということにさしていただきたいと思います。
○武藤(山)小委員 きょうは主税局長たいへん再検討、改善を約束されたので、気持ちよく質問を終わりたいと思いますが、あと幼稚園の土地の譲渡の問題、寄付の問題に対する課税問題等については、ひとつあとで直税部長のほうと直接お話し合いをして改善すべき点は改善してもらいたい、かように考えております。 一応割り当ての時間ですから、これで私の質問を終わります。
○松本小委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十分開議
○松本小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。増本一彦君。
○増本小委員 午前中に政府から、四十九年度税制の改正についての方針について御説明があったわけですけれども、その中で、一つは課税最低限の引き上げの問題ですが、これは確実に夫婦子二人百五十万円までは免税にするという方向で固まりつつあるのかどうか。片方で、中堅所得者の税負担を軽減するために税率の改正、緩和をはかるべきである、こういう意見も非常に強い。三年間にわたって税率の改定が行なわれていないというような経過もある。そうすると、夫婦子二人百五十万までは税金をかけないというこのたてまえとそれから中高所得者の税率の軽減、この問題の中でどちらにいくか宙に迷っているような感じがないわけでもないのですが、この課税最低限の引き上げについて、政府はほんとうにおやりになる意思があるのかどうか、それをあくまでも貫徹する決意であるのかどうか、この点をまず明確にしていただきたいと思います。
○高木(文)政府委員 所得税の減税を大幅に行なうということは、方針としてかなりはっきりした方向でものごとが進んでいるということは言えると思います。その場合にどういう点に重点を置いた減税が行なわれるかということは、率直に申し上げてむしろまだこれからの問題だ、少なくともまだ税制調査会等において案をお示しして、たとえばこういう三つの案がありますが、どっちに重点を置きましょうかというようなことを御相談するという段階にまで至っておりませんから、これからの問題だということでございます。 その場合に、われわれの若干専門的な立場だけで申しますと、物価調整減税的なものではございますが、いわゆる基礎的諸控除については十分か不十分か別として、毎年毎年少しずつは手直しが行なわれてきた。ところが税率についてはしばらく休んでおりますから、そういう意味で税のいまの構造そのものは、われわれは若干ゆがんできているというふうに思うのでございます。 これは何か絶対的な正しい姿というものがあって、それに比べてゆがんでいるとか曲がっているとかいうことが言える性質のものではございませんから、ゆがんでいるとかなんとかいってもものの見方でございますけれども、私どもの感じでは、過去の税率のあり方、五年前どうであったか、十年前どうであったか、十五年前どうであったかという過去の税率の所得に対応するあり方と現状を比べますと、残念ながら現状は非常にまずい形があるのではないかというふうに思うわけでございます。 ですから白紙でものを考えれば、私どもとしては相当税率の問題というものにいまウエートを置いて考えるべきではないかというのがいわば事務的に考えた考え方でございますけれども、しかし事の経緯等もございますし、前国会以来今国会にかけいろいろと課税最低限、特に人的控除の問題についてはいろいろ御論議のあったところでもありますし、またそういう与野党の御意見を受けられて総理もなるべくひとつ百五十万円にしようやという気持ちでおられるわけでございますから、そういうことを考え合わすならば、決して単純に事務的な機械的なものの考え方が通るわけではなくて、一種の社会的感覚、政治的感覚というもので最終的にきめられるべきものだと思うわけでございます。 それはどこできまるかという問題はまさにこれからの問題であり、一方において税制調査会の問題であると同時に、政府なり与党なりを含めた意味での最高の幹部の方々がおきめになることでございますから、いまから私どもがどうなるとは申し上げられないわけでございますが、私どもはそれを受けて仕事をする立場にございますので、当然いまの空気からいえば何とか課税最低限を百五十万まで早く持っていこうやというのが喫緊の問題になっておりますから、それが相当程度優先順位の高いものとして扱われることになろうかというふうにいま考えているわけでございます。 それじゃ税率はもうやらないのかと言われますと、それは全部そういうものをひっくるめてどうあるべきかというのを議論していただくべきタイミングでございますから、まだ私どもとして税率はやらぬとも申し上げられませんし、ぜひどうしてもやらなければならぬとも申し上げられないというのが現段階であろうかと思います。
○増本小委員 税調の討議待ちということのようですけれども、政府はこの課税最低限の問題についてこうあるべきなんだということをはっきりと税調に意見を出して、それを税調もたたき台にする、それから広く国会の内外に政府の方向というもの、方針というものをはっきりさせて、国民の討議のたたき台にもしていくというような積極的な方向がとられるべきではないかというように思うのです。この課税最低限を百五十万円まで引き上げてくれ、これは言ってみれば数年来の国民の要求でありますし、私どもの党の一つの公約でもあったわけです。この点が昨年の総選挙でも一つの大きな問題にもなってきたという経過を考えますと、政府あるいは与党としてはっきりこの点を公約しているわけですから、政府の方針としてこの百五十万円ははっきりとおやりになる、こういう意思表示がこの場であってしかるべきだと思うのですが、この点は政務次官いかがなんでしょう。
○山本(幸)政府委員 課税最低限の問題はいま主税局長が御説明をいたしましたような経緯で、今度は相当大幅にやりたい、従来の幅よりはひとつ大きくやりたいという思想統一はおおむねできてきたように思いますが、いま一つ政府が幾らだときめてそれを税制調査会に出したらどうかというお話であります。税制調査会のほうではまた税制調査会でそれぞれ幾らぐらいにしたらいいかという意見がお出になるだろうと思います。 そういうことも踏まえてなるべく早くそういうものを出したらいいと思いますけれども、全体としての来年度の税制改正というものは、少し去年あたりよりはテンポが早くなっておりますし、また内容も従来に増して豊富な内容にならなければならない。特に経済が非常に目まぐるしく動いてきておりますから、そういう動きに対応して税制を考えていかなければなりませんので、そういう全体の中でひとつ大いに前向きに考えていく、こういうことであろうと思います。いずれもうそう遠くない時日には必ず幾らということも打ち出すということの段階が来る、こう思うのでございます。
○増本小委員 今日の物価の上昇、インフレというような国民経済生活の実態を見ますと、すでに百五十万円でも低過ぎるのではないかという意見すらあるし、私自身もそう思うのですが、それだけにこれははっきりと私はぜひお約束をしていただきたいと思うのです。 もう一つは、給与所得者についての課税最低限を引き上げるということに限定せずに、給与所得者はもちろん大幅な減税をしなければいけません。それと同時に、小規模零細業者についても、同じような課税最低限の大幅な引き上げということをやるべきであるというように私は思うのですよ。この点については、すでに委員会においても大蔵大臣から、小規模零細業者についての減税もそれとあわせて検討をし実効あるようにしていくというような趣旨の答弁もありましたわけですけれども、特にこの点を強調するのは、先ほど国税庁長官の説明にもありましたように、非常に調査事案が多くなっている、しかも小規模零細の申告納税者の所得調査の事案が非常に多いというような点を見ますと、決して、その努力のわりに大幅な税収があがるというわけではない。もちろん税の適正化ということははからなければならないけれども、しかしほんとうに福祉優先の財政あるいは税制というものをやっていくということであるならば、こうした小規模零細業者の課税最低限を引き上げることによって、そして調査事案の軽減をはかり、全体としてその減税の効果を押し及ぼしていくということも非常に重要な問題であるというように思うわけですね。この課税最低限の問題と関連して、小規模零細業者についても給与所得者と見合って、それと同じように課税最低限の引き上げを検討していくということについては、政府のほうはいかがでしょうか。
○高木(文)政府委員 課税最低限というのは、ある意味で非常にわかりやすいことばでございます。どこから税金がかかるかということで、わかりやすいことばでございますが、たとえば夫婦子二人で、給与所得者について百五十万まで税金がかからないように制度を仕組みましょうかということをいっておるわけでございますが、課税最低限というのは法律上のものではなくて、法律上はあくまで、御存じのように、基礎控除なり配偶者控除なり扶養控除なりという制度があり、さらに給与所得者についてだけは給与所得控除という制度がありまして、そのもろもろの規定が適用された結果、夫婦子供二人については百五十万円までは税金がかからないようにしましょう、こういう話でございますから、現在の百十四万九千円を百五十万円にいたしますという場合には、当然基礎控除、配偶者控除、扶養控除というようなものについて手直しが行なわれる。そして同時に、給与所得控除について手直しが行なわれて、それによって百五十万円までかからないようにしよう、こういう考え方でございます。でありますから、必ずしもサラリーマンだけについて減税をしようというわけではないわけでございまして、事業所得者についても、基礎控除が引き上げられれば、当然にそれが及ぶ、こういうことになるわけでございます。 問題は、かりに百五十万ということにいたします場合に、百五十万になるようにするためには人的諸控除の引き上げをどの程度にすべきや、給与所得控除の引き上げをどの程度にすべきや、またその他のいろいろの課税最低限の計算上影響あるもろもろの事項についてどのようにすべきやということが問題になるわけでございますが、そこはまたもう一つ給与所得者とその他の企業者、税法上は事業所得者とのバランスをどうするかということを考えながら、両方に減税を割り振るということになるわけでございます。決して、零細、零細でないにかかわらず事業所得者に減税が及ばないということにはならないわけでございます。ただ、そのバランスをどうすべきかについては、いろいろな御議論が現在あるところでございます。
○増本小委員 今度の所得税の法案の審議の際にも、有価証券の譲渡所得などのキャピタルゲイン課税の問題もたいへん議論になりましたけれども、この点も前向きで検討していく、そういう政府の答弁も得たわけです。今度の税調の中で、キャピタルゲインに対する課税については、政府はどういう方針をもって臨まれているのでしょうか。
○高木(文)政府委員 キャピタルゲイン課税については、先般の御審議の際にもいろいろ御議論がございましたし、私どももお答え申し上げましたように、何とかしなければならぬ、何かうまい方法を見つけなければならぬということでございます。そしてその線に沿って内々いろいろな勉強はいたしておるところでございます。ただ、非常にいい案ができました、これなら何とかいきますでしょうというところまではなかなか至っていないわけでございます。さればこそ今日まで何ともならぬできたわけでございますが、それこそ午前中の御議論にもありましたように、どこかで踏み切る必要があるわけでございます。そのことについてまずこれならいけるであろうという案を何とか見つけ出して、そして引き上げを求めるということにいたしたいとは思っておりますが、そこまで行きつけるかどうか、必ずそういたしますというところまではちょっとまだ私ども部内の作業状況は進んでおりません。
○増本小委員 そうすると、今回の税制調査会にキャピタルゲインの問題についての答申を求めるという方針はないのですか。
○高木(文)政府委員 そこまであるともないとも言えないので、何とか求められるようなうまい案をつくるところまでひとつこぎつけたいと思っておりますけれども、かくかくのこういううまい案が出てきましたというところまではまだ来てない。何とかしかしそうしないとぐあい悪いのじゃないか。いまいろいろ税について御批判があるうちで、全体として重いという議論がありますけれども、公平論が非常にあるわけでありますしいたしますので、何とかそれは見つけ出したいというふうに考えておりますが、ここで必ず出すと言えと言われましても、そこまでは準備が進んでいないという状況でございます。
○増本小委員 ぜひこのキャピタルゲインに対する課税について、早急に前向きでしっかりとした方針で踏み切ってもらいたい、このことを強く要望したいと思います。 前回の委員会において、固定資産税の減税の問題についても、大臣から来年度の減税についての積極的な方向がある程度打ち出されたと思いますが、この問題については、税制調査会でも、これは所管が直接――あるいは地方税の問題かもしれませんけれども、この問題についてはどうなっているのでしょうか。
○高木(文)政府委員 自治省から内々聞いておりますところでは、固定資産税のうち住宅用地の問題については、若干制度を改めるということで具体的な提案をいたしたい。ただ、たとえばよく伝えられておりますように、何坪か以下の面積のものについてはさらに半分にするとかなんとかいうことがいろいろ伝えられておりますが、そうなった場合にどのぐらいどういう形で地方税収に影響してくるのかというようなことはなかなか算定が因難だそうでありまして、そういう事務を進めておるところだ、しかし、いずれにしても今度の税制調査会に審議をお願いをいたしたいという腹づもりでおるというふうに聞いております。
○増本小委員 これと関連して、都市計画税についてはどうなんでしょうか。そのお話はないのでしょうか。
○高木(文)政府委員 いまのところ都市計画税のほうは、税率が低いという関係もあり、あまり考えていないように聞いております。
○増本小委員 これは私が調べたのですけれども、たとえば都市計画税の場合でも非常に評価額が急激に上がったために、六倍以上になっているというところはたいへん私の知っている地域でもざらになっているわけですね。やはり都市計画税、固定資産税というのは両方かみ合ったものですから、この両方についての大幅な減税ということをぜひ私はやるべきじゃないかというように思うわけです。 参考までに私どもが考えている点を申し上げますと、少なくとも六十坪までの土地についてはやはりこれは一切の税金をかけない。そして所得を一応考慮に入れて、年二百万円までの所得の人についてさらに四十坪までの上のせの軽減措置をとれるような仕組みをつくったらどうだろうか。また建物についても三十坪まではこれは完全に控除して、二十坪について同じような所得を基準にして軽減措置の仕組みをつくるというようなことで、住宅用地についての問題を一日も早く解決をしてほしいし、そういう点でもこうした問題も参考にして、ほんとうにこの固定資産税、都市計画税の減税が、国民の住宅用地、居住用地あるいは事業用地に累を及ぼさないように、ひとつしっかりとした対策をとってほしいというように考えるのですが、その点政務次官、いかがでしょうか。
○山本(幸)政府委員 固定資産税のうち、この住宅用地の税負担の問題は、これは地方税としては非常な当面の最大の課題なのですが、一体どの程度の大きさ、またどれぐらいの税負担の軽減をするかということについては、これは自治省でもまだ考えがまとまっていない。もちろんそれは非常にいい傾向の考え方なんでしょうが、同時にこれが地方税でございますから、地方財政に及ぼす影響、地方団体の財源というものが一体どれぐらい減るものなのか、これは相当見当としては大幅に減るという見込みがあるようでございます。と同時にまたいま土地を持って、宅地を持っている人はたいへんいいのですけれども、宅地を持っていないという方もたくさんにおありなので、そういう方とのバランスの問題も一つ考えなければならぬ問題であろう。多々ますます弁ずというわけばかりでもいかぬのじゃないだろうかという感じがいたすわけでございます。 しかし、まあいずれにせよ、考え方としてはこれが来年の地方税制の目玉になることであろう。自治省のほうでもそういうふうに考えて作業をしておるものと承知をいたしております。
○増本小委員 地方財政に及ぼす影響はこれは考慮しなければなりませんが、その点は、買い占めている大企業などの土地の問題あるいは大企業に対する固定資産の適正な評価をすることによって増税をはかることが十分可能である。法人税の引き上げがいま問題になっているおりでもありますから、こういう大企業の固定資産に対する評価を厳格にし、それについての税率についても保有面積等に応じてやはり累進課税をしていくというような方向もパラレルに十分検討をしてほしいということ、これは私は要望をしておきたいと思います。 あと、直接税、間接税の比率を是正するという関係で、間接税の中でも、特に印紙税の問題が非常にクローズアップされてきているのですが、いま政府としては印紙税についてはどういう改定をなさろうとしているのでしょうか。
○高木(文)政府委員 印紙税は定額的なものでございます。したがって、貨幣価値の変動に伴って実質的に負担率が落ちていくという関係にあるわけでございます。たしか四十二年でございましたかに改正をしましてから改正をしてないわけでございます。したがって、そういう定額制のものについてはときどき見直しをいたしませんと、実質的に負担が落ちていくということになりますので、それを見直すという必要があろうかと思います。その場合に、従来のような定額方式のままで改定をすることでいいのか、それでまた何年かに一ぺん改定すればいいのか、何かそうしょっちゅう改定をしなくてもいいように、言ってみれば従価的なものにするほうがいいのかという問題がございます。 ただ、印紙税というのはこれは税務署がほとんど関与しておりません。現実には印紙を貼付しなければならない納税の義務のある方が印紙の売りさばき店から印紙を買ってきて貼付をしておるということでございますので、どういう文書についていま、より多くの印紙税が納められているかということも明確でございませんので、急遽ただいま実情を調査いたしておるところでございまして、その結果を見ましてから制度の組み立ても考えてみたいと思っております。
○増本小委員 定額制を定率制に変えていくということもあり得る。これはやはり印紙という側面ではありますけれども、一種の取引高税への移行をはかっているのではないか、こういう評価もできますし、この点では付加価値税等の問題とも関連して税制の体系の上からも非常に重大な問題への端緒を開いていくというようなふうにも考えるわけです。ほんとうに定率制への移行を政府は考えていらっしゃるのでしょうか。どうなんですか。
○高木(文)政府委員 十分考えております。もともと定率か定額かというのは税率のきめ方の問題でございます。間接税におきましても酒税やたばこのように――たばこはまた非常に違いますが、定額的なものもございますが、酒も一部特級酒等については従価的な、定率的な姿をとっているわけでありますし、物品税は定率的になっております。揮発油税は定額的であるということでございます。いずれがよろしいかにつきましては、いろいろ論議がございますし、品物によりましても、品物の性質なり、流通の形態によって、それぞれ定額であるものが望ましいものと定率であるものが望ましいものとあろうかと思います。印紙税を定率にすることを通じて取引高税を地ならしをしようということかという御質問でございますが、印紙税は形式は文書税でございますし、流通税でございまして、いわゆる取引税ではないという、形式論としてはそういうことになっておりますが、実態は取引があるところに文書がつくられるわけでありますので、文書に税を課すということは、結果としては取引税に現実になっておるわけでございます。 これを理論的といいますか、学問的にどう分類するかというときにはいろいろな議論があろうかと思いますが、私は、別に定額を定率に直したらそれがすく取引税になるというのではなくて、そこは現在の印紙税自体も一種の取引税であるというふうに考えておりまして、そこを変えるか変えないかによって印紙税の性格が著しく違ってくるということではないのではないかというふうに思っております。
○増本小委員 時間がありませんので深い議論はまた次回にしたいと思いますが、しかし、これはたいへん重大な問題を今後の税体系に呼び込むことになるというふうに考えるわけです。ですから、政府に特にこの点を採用するかどうかという点については、十分慎重に検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。 自動車関係税の引き上げということがいわれる。これは第七次道路計画と関連するわけですが、特定財源比率が非常に大幅に起こってきた。これはこの道路整備計画を一たんきめて、そしてそれをもう動かさないものというものに立っての問題であって、しかし、現実はどうかというと、今年度の予算でも公共事業費の繰り延べまでやる。そしてこうした公共事業が一そう卸売り物価の高騰を招き、インフレを一そう激しいものにする。これはもう前回までの委員会の中でも強調されてきた点だし、この点については政府の認識も部分的にしろ共通のものがある。 だから、これを国民の負担でさらに重くすることによってこの計画を貫徹するということではなくて、私はこの道路整備計画こそむしろ再検討をすべきであるというように思うのですが、この点について政務次官はいかがでしょうか。
○山本(幸)政府委員 道路整備計画の中身は、これはいろいろありまして、財投によるところの道路三公団などがやるような大きなプロジェクトといいますか、そういうものもございますし、あるいはまた府県あるいは市町村に対する補助事業、こういうのはまことに地方住民の生活と密接に関連しておる、言うなれば生活関連施設とでも言えるようなものも私は中に含まれておると思う。それらをひっくるめた道路整備五カ年計画が、今度は第七次として十九兆五千億というものができておるわけであります。 まあ経済がだんだんふくれてきますので、また全体としての単価も上がってきておりますから、絶対額の比較だけの事業量のふえというものでもないように思いますけれども、いずれにしろそういう計画を現段階において、非常に経済がめまぐるしく変わっていく過程でありますから、そういう事態に対応はしなければなりませんけれども、しかし、ある程度は長期的な視点に立って計画を立てていかなければならないであろう。 第七次道路整備五カ年計画は、中身としましては毎年毎年の予算できめていくわけですから、全体の計画はもう少し長い目で見た、もう少し時間的なゆとりを持った視点で考え直してみることもあるいは起こるかもしれませんけれども、現時点では、私はいまの計画をその年その年の財政の規模なりあるいはその当時の経済的な景気あるいは経済の実態に合わしてやっていってまだ差しつかえないのではないか、こう考えるわけであります。
○増本小委員 その点は政務次官、田中総理大臣がみずから本会議でも言ったのです。道路をつけていく、そうするとそこに今度人が住むようになり、工業再配置やその他の工業の分散もうまくいく、それで地域開発がいくのだ、これは文字どおり列島改造が基本になっているわけですね。 ですから、生活道路とか福祉関連の道路というのは副次的なものであって、列島改造を進めていくための道路計画、これが今日のような悪性インフレを招いている、それをさらにまた十九兆五千億円で進めていこう、そのための税負担を国民に転嫁していく、これでは国民は納得しないと思うのです。文字どおり福祉財政に転換していこう、こういうときですから、ぜひこの道路整備計画についても再検討を強く要求したいと思うのです。 時間があとわずか五分くらいですのでちょっと、国税庁長官が先ほど、税務職員の処遇の問題で非常に腐心されている、こういうお話がありました。私は、税務職員の待遇改善は大いにすべきである、そういうように思うわけです。ところが、特に私が指摘したいのは、税務職員の中で婦人の職員に対して、男子と比べてことさら差別的な扱いがされているのではないかというように思うのであります。で、庁のほうから資料をいただいたのですが、これは金沢国税局関係の資料ですが、いわゆる特別昇給を婦人の場合には全然と言っていいくらい受けていない。なぜ婦人の人たちに対してこういう特昇をしないのか。私は、長官はフェミニストだと思うのですね。ですから、長官になられた以上、まずこういう問題はきちんと解決してほしいと思うのです。いかがなものでしょうか。
○安川政府委員 税務職員の中で女子職員がおりまして、ただいまの御指摘は、男子と女子とこう区別いたしまして、女子の職員を何か特殊な扱いをしているのではないか、こういうような御質問だと思います。 私、東京国税局長をしておりましたときもそうでございますけれども、今日のような世の中になりましたために、男子、女子の間に人事上何か特別の差別を設けるという考え方は全然持っておらないわけでございます。したがいまして、国税庁全体といたしまして、今後のいろいろな誘導の方向は、やはり同様な考え方で進めてまいりたいと思っております。 しかしながら、現場での感触を申し上げますと、女子の職員と男子の職員とではおのずから従事させる仕事の性格等が異なってまいります。御承知のとおり、税務行政は外部に出かけていくことが非常に多い。あるいは税の徴収面におきまして滞納処分というような仕事もございます。一方、最近はだいぶ内部事務もふえてまいりまして、電算機関係の仕事あるいはその入力といったような事務的な問題も非常に多くなってまいりました。この面にはやはり女子の職員を相当程度使わなければいけない、こういうような構成になってきております。したがいまして、男子と女子をそれぞれその持ちます特色に応じて配置する、こういうような考え方を持っております。仕事の性質上からきますいろいろな差異というものは、これは当然のことで、それが昇給あるいは昇格等にいろいろ反映する面も多少あろうかと思うわけであります。 しかしながら、一般論を申し上げまして、ただいま申し上げたように男女間に特別な差異はつけない。そこで特昇なりあるいは昇格というような問題につきましては、現在私どもがとっております考え方は、その個人個人のメリットと申しますか仕事の実績、対納税者の接触の態様といったように、これは非常に考課がむずかしいわけでございますけれども、一言をもって申し上げれば、やはり個人個人の勤務の成績によって個人個人の問題としてやっております。したがいまして、その積み上げました結果として出てまいりますものにつきましては、各局あるいは署それぞれの仕事の性質によりまして多少のフレがある、こういうことだろうと思います。 しかしながら、それは何か演繹的に当初から違いをもって臨むということではございませんで、ただいま申し上げましたように、個人個人の結果としての積み上げがさような姿に若干なる場合もある、こういうことでございます。 なお、私、まだこまかいところを十分把握していない面がございますので、何か補足することがございましたならば次長のほうから御説明申し上げたいと思います。
○増本小委員 人事考課などの結果で婦人のほうは特昇からはずれてくる。婦人は考課の結果は全然能力がないみたいになりますね。 ただしかし、金沢国税局の場合を見ますと、未特昇者数が男が百六十八で女が九十六、合わせて二百六十四。ほとんどの婦人が特昇には該当しない。これは人事考課や評価によってきまるのだ、そうすると人事考課や評価そのものが実はたいへんおかしな基準でやられているということにもなるんじゃないでしょうか。ここいらは抜本的に検討し男女同一労働同一賃金、そして同一待遇同一労働条件で処遇していくということははっきりと方向としてお持ちになって検討すべきであると私は思うのですが、長官としての決意をもう一度伺いたいと思います。
○安川政府委員 ただいま申し上げましたように、男女それぞれ税務の第一線の仕事におきましては、仕事の性質上いろいろ向き向きがございます。したがいまして、完全に男女の労働量というものを同じ水準におきまして比較するのは、これはやはり人事考課上いかがであろうかと思います。しかしながら、ただいま御指摘のように、人事考課というものは、税務署のほうの第一線の仕事の性質がわりあいすみやかに変わってまいります。仕事の変化に応じまして人事考課の面というものをその情勢につれて変えていく、これは私は当然のことであろうかと思います。 先ほども申し上げましたように、内部事務その他がかなり変わってきております。ある意味では女子職員にいろいろな仕事をしていただくという面もまたふえておる。さような面につきましては、やはり仕事の性質の変化に応じまして考課をする。したがいまして、その結果でございます特昇といったようなものもやはり逐次変わってまいる。その意味の見直しというものは私は必要だろう、かように考えております。
○増本小委員 最後にもう一問ですが、これは質問とお願いです。それは国税の労働組合というのは不幸にして分裂をしています。いただいた資料によっても第一組合、つまり全国税労組の中に所属している職員の場合には、金沢局の場合五十三名中四十九名、そのほとんどが全然特昇になっていない、こういう実態ですね。これは皆さんは差別はしていないとおっしゃるかもしれませんけれども、実際の問題としては待遇上格差が出てきている。これは同じ職場の中で同じ仕事をし、それでいてこういう評価が出てくるということだと、これは署一体となっていい仕事をし、納税者の権利も守り、ちゃんとやっていこう、そういう点からいっても私はきわめてまずい実際の運営ではないかというように思うのです。 こういう格差の是正をすみやかに行なうべきである、またその点について十分検討すべきであるというように思うのですが、いかがですか。この点についても、結局人事考課その他が問題になる。婦人の問題、そしてこのような職員間の特昇についての格差が出てくることを私はたいへん疑念に思いますので、どういう人事考課をやっておるのか。人事考課表その他をできたら資料として私にいただきたい。この二点、一つは質問、一つはお願いということで私の質問を終わりたいと思います。
○安川政府委員 ただいま増本委員の御指摘の中に第一組合所属の職員、これについての特昇の問題がございましたけれども、まず基本的に申し上げておかねばなりませんことは、私どものほうの国税の職場におきましては現在複数の組合がございます。そこで私どもはこの組合を異にするということにつきまして特別な差異は設けておりません。 したがいまして、正確に申し上げまして、どういうような職員がどの組合に属しておるかということは私ども承知いたしておらないわけでございます。いろいろ組合の機関紙というものがそれぞれございます。そういう面にあらわれてくるマクロの数字としては確かにいろいろ数字はございます。そういうような基本でございますので、たとえば某々局の第一組合員の特昇の数がその他の組合員の特昇数に比べてこうこうであるというような御指摘を受けたわけでございますけれども、実は私どもそのような意識というものを別に持っておるわけではございません。先ほど来申し上げましたように、男女の場合と同様でございます。ことに男子職員の場合には、まずもって仕事の性質が変わらないわけでございます。これはやはり同じような一つの目で、同じような評価を行なっておる、こういうことでございます。 なお、人事、勤務の考課につきましては、ちょっと私いま正確にどういうような方式でやっておるかということを承知いたしておりませんので、ちょっと研究さしていただきたいと思いますが、あるいは次長がお答えするのが適当かと思います。
○吉田(冨)政府委員 ただいま資料要求にからんでお話がありました点につきまして、人事関係の記録でございますので、外部に出せるものと出せないものと若干ございますので、振り分けまして、できるだけ、お出しできるものについては御審議に差しつかえないように提出したいと思います。
○松本小委員長 広沢直樹君。
○広沢小委員 まず、政務次官と高木主税局長ともにお尋ねいたします。 現在福祉経済ということが盛んに言われておりますし、さらにことしは福祉元年であると、こういうことも言われてまいったわけでありますが、経済の一つの大きな柱になっています税制についても、やはり国民の福祉を増進していくという形で税制のあり方というものを考えていかなきゃならないと思うわけです。そこで、例年より早く税調でいま審議が行なわれているわけでありますけれども、これは四十九年度の税制改正、こういうことで行なわれているわけです。十月の中旬には中間答申がまずなされる、こういうことに聞いているわけでありますが、やはり今日の物価の問題やあるいは税の増収の関係から考えてまいりますと、四十九年度の税制改正というよりも、やはり年度内減税をすべきではないかという強い声もあるわけでありまして、その点に関して当局としてはどういうふうな考えでおられるのか。少なくとも税調に対しては、年度内減税ということを中間答申の中に織り込むように、それを審議するようにすべきではないかと思うわけでありますけれども、その点いかがお考えでしょうか。
○高木(文)政府委員 再開後第一回の税制調査会の、と申しますのは先週でございますが、席上におきましてもお尋ねのような御意見が一部から出ております。その点に関しましては私どもは、税制全体として現在の所得税のあり方が問題がある、もっと所得税負担が低くなってよろしい、低くならなければ困るという気持ちを持っておりますので、やはり所得税は、相当むずかしい事情がありましても、制度として減税を進めていただきたいという気持ちを持っておるわけでございますが、今度それをいつの時期から実施するかということになりますと、やはりその時期の選び方につきましては、そのとき、そのときの経済事情というものをよくにらみ合わして考えなければならないのではないか。はたして現在の課税最低限なり税率なりが現在の国民生活からいってよろしいかどうかという点については、疑問が確かにございます。 ございますから、それを直すなら早く直したらよかろうというのも一つの御意見ではございます。さりながら、税制が景気に対して影響があることは事実でございます。減税をして可処分所得がふえるということが景気刺激効果があることは、これは間違いのない事実でございますから、そのいつがよろしいかということについては、やはり物価等の情勢から見てあまり刺激的でない時期を選ぶべきではないか。もちろん物価が上がっているのに減税をしないということは国民にとってはいわば踏んだりけったりではないかという御議論もあるわけでございますが、それでは直す必要があるといっております現行税制がどういう現行税制であるかということとも関連するわけでございまして、国民の生活にとって物価と税と両面から非常に圧力が加わっていることは事実でございます。 さはさりながらいまここで景気刺激的な経済政策をとるのもいかがなものかということを考えざるを得ないわけでございまして、昭和四十六年には年内減税をいたしましたけれども、あのときの年内減税は、むしろ不況から浮かび上がるための刺激を必要とした時期であったわけでございますので、そのこととも考え合わせますならば、いま年内減税を行なうのは適当な時期ではないのではないかという判断でございます。税制調査会の中の御質問にもそうお答え申しておるわけでございますが、それはまだ委員の各位の間で、そうだといわれる方もおりますし、やはり年内減税をすべきだという方もおります。まだ始まったばかりでございますので、今後も議論はあろうかと思っております。
○広沢小委員 主税局長は自問自答されておりますので、大体詳しく御説明でございますけれども、やはり景気との関係もあるということで、当然なことです。これは否定するものではございません。しかし、もっと基本的に考えまして、いわゆる減税のあり方といいますか、基本的に考えてまいりますと、四十七年度の当初予算には八兆八千四百八十五億円の税収見込み、それで予算は立てるわけですが、それに対してその後において六千四百億余りのいわゆる自然増収がある。また四十八年度、本年度においては、税収額は十一兆四千百億円、約三〇%近くもふくらましたけれども、それでもいま見込みとしては約一兆円の自然増収が見込まれる、こういうわけですね。 その自然増収というのは何かといえば、私どもは、端的に申し上げてこれは国民の税金の、当初予定しない、いわゆる取り過ぎである、こういうふうに端的に申し上げるとなるわけですが、したがって減税のできる余裕がそれだけある、あるいは減税というか、別に使う余裕がそれだけあるということに当然なるわけですね。ですから、それを減税するか別に使うかということになってくるわけです。 国税庁がこの五日に発表したものによりますと、四十七年度民間サラリーマンの白書によりますと、民間企業の給与所得者は、所得は平均一四・七%しか伸びていない。所得税は前年より一八%もふえている。それから、もちろん御承知のように昨年秋からずっと物価は異常な上昇を続けて、消費者物価においては一二%、こういうような異常な物価高になっているわけですね。この両面から考えていきますと、やはり実質の所得というのは逆に横ばいか、ないしはダウンしていくのじゃないだろうか。ですから、そういう自然増収が見込まれるのであれば、それを年度内において減税をしていくということを考えるのは当然しかるべき減税のあり方じゃないか、こういうふうに私どもは考えるわけです。 もちろん、先ほど主税局長がお答えになりましたように、景気との関係はどうなるか、これは当然可処分所得がふえれば相当消費支出が増大してまいりますし、景気に対して大きな影響を与えるということは、これはわかります。しかしながら、別の需要で財政支出にそれを振り向けた場合においても、やはりこういう問題がいえるのではないかと思うのです。特にことしにおいては、公共事業を翌年度に八%繰り延べしよう、こういうような状態まで出てきて、いわゆる財政支出を縮小しなければならぬ、特に景気刺激の強い公共事業についてはそういうふうな処置もとらなければならぬというわけでありますから、当然、それならば財政支出に向けるか、あるいはそういう自然増収に対しては減税の方向をとるか、二つに一つだろうと考えるわけです。 ですから、確かに景気を可処分所得がふえれば云々という問題がありますから、それに対しては別の観点からその対策を講じればいいのじゃないか。特に政府関係においては、緊急の物価対策としては貯蓄を奨励していくものを一つの大きな柱としてそういうふうにしてやっていかなきゃならない。だんだんインフレが高進して貨幣価値が下がってくると、どうしても換物思想というものが起こってきて、だんだんそういう傾向が強くなるというのは、これはまたかえってインフレに拍車をかけていくようになりますし、何とか貯蓄奨励制度といいますか、そういうものをつくって体制を整備していかなければならぬ。ですから、それができるまでは、やはり減税というものは景気を相当刺激していくということはわかりますけれども、物価対策との関係からいまお答えになりましたようなことを考えるならば、当然それとにらみ合わしていかなければ、こういうふうに税の負担というものが累進的になっていますから大きくなってくるのと、物価と、両方の問題で家計というものは非常に苦しくなる、国民生活が実質的に苦しくなる、こういう現状が出てきているわけですね。ですから、そういう観点からの減税というものを一ぺん考えてみる必要があるのではないかと思うのですが、その点、いかがでしょう。
○高木(文)政府委員 どうも若干議論になって恐縮でございますが、一つには、やはり物価の上昇によって一番打撃を受けるのはどういうあれかといえば、収入がない、所得がない方が最も打撃を受けるわけでございます。たとえば年金生活者であるとかあるいは利子所得者、昔ためた貯金によって生活をしている方たちとか、また全く収入のない方というのは、打撃を受けるというのが大きいわけでございます。 〔小委員長退席、栗原小委員長代理着席〕 でございますから、減税をいたしますれば物価対策としてきくかといいますと、それはどうしても収入のある、所得のある階層にしかきいてこないということになりますので、物価による救済という意味からいえば、どっちかというと優先順位のあとのほうにきいてくるということになりますので、そこのところはまず一つ問題があるわけでございます。 それからもう一点は、先ほど自然増収が多いからそれをどういうふうにか使うのだから結局減税のほうに使ったらどうかという御議論でございますが、これはまだ全体の見通しがついておりませんのでポリシーをきめるに至っておりませんけれども、自然増収がありました場合にどういうふうに使うかということにつきましては、一部補正を必要とする部分がございます。お米の代金が上がりましたとか給与が、サラリーが上がりましたとか、その他いろいろのいわゆる補正要因もございますので、補正予算がいずれの時期にかは提出されなければならないという状態にある、その財源に充てられる部分もございましょう。 しかし、それでもなおもし余裕があるとすればどうするかという問題がございますが、その場合にもそれを一種のたな上げと申しますか、凍結と申しますか、そういうことを通じて民間対政府の収支じりではいわば揚げ超という形にしておけば、それはデフレ効果として働いていくわけでございますし、それからもう一つは、公債発行額を予定より減らしますならば、それはまたそれなりに引き締め効果として働いていくわけでございます。したがいまして、この際減税をしないでそれをどこかへ散じてしまうということであれば何もなりませんけれども、自然増収的なもの、見込みよりふえましたところの歳入、これをそういう形で景気を刺激しないような方向に働くように使いますならばよろしいのではないかというふうに考えるわけでございます。 しかし、この点はいろいろ議論のあるところでございまして、経済政策だけでものごとを考えるわけにもまいりません。負担論としても考えなきゃならぬわけでございますので、広沢委員の御指摘のような御議論があることは十分承知をいたしております。 〔栗原小委員長代理退席、小委員長着席〕 しかし、私どもの現段階におきます考え方を言えということであれば、ただいまのような理由から、いまのところは年内減税には適しないのではないかというふうに考えているわけでございます。
○広沢小委員 物価の観点からいま減税の話をしますと、来年度はいわゆる大幅な減税と、先ほどの説明の中でも申されたわけでございますが、報道によれば一兆円近くのいまだかつてない大幅減税である、こういうことも報道されておるわけですね。確かにいま金融引締め政策等で景気を押えていくという政策がとられております。その効果についても、将来は年度内なのか、あるいは年度後になるのか、あるいは年末になるのか、景気が鎮静していくのがいつごろになるのか、それはまだ見通しでありますけれども、はっきりしておりません。しかし、少なくとも一致した経済関係の方々の考え方というものは、卸売り物価についてはそう早急に鎮静しないだろう、こういう見通しに立っていますね。 ですから、来年、あなたが先ほど説明されたように大幅な減税をやる。いまだかつてない大幅な減税をやらなければならない。物価の観点もあるでしょうけれども、やはり国民の生活、実質的な所得の増大というものを考えた上で、これは減税しようという方向を考えているはずなんですね。 ですから、いま私が申し上げるのは、当面の問題として考えてみましても、これだけの自然増収が見込まれている。財政支出のそっちのほうに使わなくたって、景気を刺激するほうに使わないでも、それは別に振り向ければいいじゃないかといいますけれども、補正要因であります問題については、これは昔と違って、当然すでに当初予算の中にある程度の見込みを立てて組み込まれている問題ですね。 ですから、この自然増収を全部そういう補正要因の中に使ってしまうというものでもないはずです。ならば、本年度において先ほど言ったように物価の急上昇、いわゆる地方税にせよ、あるいは所得税にせよ、これだけ負担が大きくなってきている。ということから考えると、その負担によって、ここにいただいているいろいろな資料によりましたならば、いわゆる下の階層の負担というものは税負担が大きくなってきているわけですね。それから考えていくと、当然減税という一つのあり方の中では、年度内で調整して、それだけの多くの自然増収が見込まれる場合には、この分だけを国民に返すという考え方の減税の基本というものも考えていくべきではないだろうか、そういうふうに考えるわけですが、その点もう一ぺんお答えいただきたいと思います。
○高木(文)政府委員 一つは物価の問題でございますが、この物価の上昇要因が国際的な要因のウエートが高いことは御承知のとおりでありますところから、いつになったら物価が上がらないようになるかということについては、だれしも自信を持ってこうなるということはなかなか言えないわけでございます。しかし、それじゃいまのような異常なスピードでの物価の上昇ということがいつまでも続くのか、これまたあり得ないことでございまして、いろいろな要因が重なり合ってこういうことになったわけで、そんなことはまたあり得ない。ですから、物価が上がらなくなりますということがいつからでありますということは、とてもだれも言えないということでありますけれども、しかしながら、いまみたいなことは続くとは思われませんので、もしとまらないとしてもある程度の上昇率に落ちつくだろうと思われるわけでございます。 ですから、そういう意味である程度の安定した状態――全然動きなしということではないかもしれないけれども、ある程度の安定した状態になれば、所得税の減税ということを思い切って行なうことがあってもそれはよろしいのではないかと思うわけでございますが、いまはいわば非常に大きな変化のさなかでございますから、その変化のさなかに刺激を与えるのは何としても適当でないのではないかというふうに思うわけでございます。 なお、本年度の物価上昇については、消費者価格については五%強ということを前提にしておったことは事実でございます。本年度の課税最低限の上げ幅が八%強であるということ。ところが、その後、消費者価格は一〇%以上も上がらんとしているという事実もあるわけでございます。 それではどういうことになるかという問題がございますけれども、たとえば最近三年間のことを見ていただきましても、あるいは五年間のことを見ていただきましても、さらに十年間のことを見ていただきましても、所得税の減税スピードというものは物価上昇スピードをはるかに上回っておるわけでございますから、確かに非常に短い時間での摩擦現象をそのままにしておきますと、短い時間では摩擦現象は起こってまいりますけれども、やや中期に見ていただきますならば、ここで所得税の減税を行なわないと、物価との関係でどうにも理論的に説明できない状態にあるということではないわけでございますので、もう少し物価情勢の安定するまで待っていただくというのが現在としてはとるべき道ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○広沢小委員 それは当面いろいろ心配ごとがありますから考えなければなりませんが、私が申し上げたいのは、当初予算で一応税収見込みというものを立てて、それから予算を組んで、その範囲内で今年度はこれだけの仕事をしよう、こういうことを考えるわけですね。それ以上に自然増収というものがこれだけ見込める、それをいままでであれば補正要因の中である程度考えていくということは財政的に当初の予算の考えではおかしいではないかという議論があって、それじゃ当初予算の中に補正要因も一応含めて考えようということになってきたわけです。ですから、当然その自然増収というものに対しては、どのような使い方をするのかということをやはり当局としては考えておかなければいけないんじゃないかということですね。 ですから、それを減税という、いわゆる当初見込みよりも多く出てきた分については、これは国民に対して、累進税率でこういうふうにどんどん負担が大きくなってきている、あるいは諸条件でこういうふうに物価が非常に高いときには、その分だけはお返ししましょう、あるいはある一部分はこういうふうに使わしてもらいますというふうな、一つの年度内での処理の基本を立てておく必要があるのではないかということを私は申し上げているのであって、いまこれをどうこうしろということよりも、今日この問題から考えてみれば、本年度において当初見込みよりもこれだけ大きな自然増収が考えられるならば、年度内減税というものに振り向けていくことが実質的な国民の所得をふやすことじゃないか。 それが可処分所得をふやしてそして景気を刺激する要因となるということならば、物価対策については政府は何もしてないということになる。国民の生活を守っていこうとすれば、物価対策上から考えていけば、その分だけはやはり貯蓄を奨励していく。いまは貯蓄奨励ということばだけなんですから、それを具体的な政策でやっていけば、国民は金融面のことも考えなければならぬでしょう。むだに使わないようにしていけばそれによって消費支出が直ちにふえるというものでもありません。 ですから、そういう基本的な自然増収の扱い方というものの中で、私どもはそれが当初見込みよりもふえていく分については国民にお返しするという意味での減税というものを補正の中でもやるべきじゃないか、こう申し上げておるのですが、これは最後に強い要求といいますか、要望を含めて申し上げるのですが、お答えいただきたい。
○山本(幸)政府委員 いま主税局長から、いろいろ当局側の見解を申し上げたわけですけれども、要するに、いまの段階では、私は何といっても景気をどう調整していくかということが経済運営の主眼であろうと思うのです。そのためには財政、金融その他いろいろな手法を講じて日本の経済を安定成長に持っていこうと努力をしておる最中であります。これが年末になり来年度に入って一体どういう景気の動向を示すかということはなかなかまだ予測はできないと私は思うのですが、政府のねらいとしては、やはり景気を安定して物価を鎮静といいますが、安定させる、こういう方向にぜひひとつ持っていきたい、こういうことでございます。そういう政策に向かっていま私は進んでおると思います。 なるほど自然増収がございますが、自然増収は一つの税金の取り過ぎだからこれを納税者に返せ、こういうお話、これも私はごもっとものお考えだと思いますが、繰り返し申し上げるようですけれども、現在の政府がとっておる全体の政策の中でそれを考えた場合には、時期としてはいま年内減税とまで踏み切るというところまではちょっと決断がしにくい、こういうことであろうと思います。 たいへん自然増収があっていいではないかという話ですけれども、自然増収はございますけれども、自然増収がございますと、たとえば御存じのように地方交付税にいく分が、かりに一兆円ありましても、国税三税が大体八〇%以上だと思いますが、それのまた三二%が交付税に回る。それから先般来いろいろ補正要因というものを考えてみましても、米の値上げ、公務員その他の給与ベースの改定といったようなものをだんだん見てまいりますと、なるほど自然増収はあるけれども、増収の中でだんだんともう余裕がなくなってきた、こういうことも私はあるように思います。さりとて増収をそういうところへ使ったら、国民の生活をどう考えるか、こういう御反問になると思いますけれども、そういうこともあるということでございます。 時期として一体いつごろがいいかというその時期の判定といいますか、時期の問題に私はなると思います。しかし、いずれにせよ、繰り返し先ほど来申し上げておるように、ひとつ来年度は相当大幅に減税をやりたい、こういうことには変わりはないのでありまして、いまの段階としては、たびたび申し上げてたいへん恐縮でありますけれども、年内減税というものについてはまだ速急に踏み切るという空気にない、そういう考えにないということでひとつ御了承をいただきたいと思うわけであります。
○広沢小委員 この問題ばかりあまり押し問答しておっても、時間がありませんけれども、ただ先ほど国税庁のほうからもお話がありましたように、やはり脱税の問題だとか、あるいは納税は国民の義務ですけれども、しかしながら、何か税金を取られるというような不満を国民が持ったりということになってきますと、これはやはり問題があると思うのです。その中には不公平であるとかいろいろな要因があると思います。しかしながら、少なくとも国民が一生懸命働いてそしてそれだけの納税をしておる。その中でいまこういうふうに国民の生活が圧迫されておる中であれば、自然増収の一部をそれじゃ年度内でも皆さんにお返ししましょう、こういうような姿勢を徴税当局が示すということが、やはり国民の信頼というか、基本的にそういうムードをつくっていくことになるのではないか。 ですから、それは景気対策はあるけれども、景気対策は先ほど申し上げたようにやはり別の政策の面から考えられないことはないわけでしょう。あくまでも税金だけで――税金だけという意味ではありませんけれども、金融は大きなウエートを持っておりますけれども、それがやはり税制の面も景気に大きく作用しておるということであれば、それは別の方策でやっていく方法だってあるわけでありますから、これは十分検討していただきたいし、やはり税調の中でも十分論議を尽くして国民の要望というものを取り入れる方向で減税の方向を考えていっていただきたい、このように申し上げて次に移りたいと思います。 きょう私おくれて来ましたので、ちょっと最初の説明を聞き漏らしましたけれども、大体来年度、四十九年度の税制改正の大柱というのは、いわゆるサラリーマンに対する大幅な減税である、そしてまた法人税の課税の強化である、大筋からいえばこういう二つの柱は立てられたわけですね。そこで、この二点について簡単にお伺いしておきたいと思いますけれども、先ほども質問がありましたように、いわゆるサラリーマンの減税といえばまたこの中で柱になってくるのが課税最低限をどうするかという問題と、税率をどうするか、こういう問題になってくるわけです。その他諸控除をどうするかという問題もありますけれども。 そこで、課税最低限のことについて先ほど触れておりましたので、もう一ぺんはっきりしておいていただきたいことは、やはり何を基準にしてこれをきめるかということは、過去においては大蔵メニューなんというものが出てきていろいろな議論が起こりましたけれども、これはやはり基準というものをはっきりすべきじゃないか。主税局長の朝の説明の中には、諸外国と比べて話をなさっておられましたけれども、もちろんそれは何かの参考にはなるでしょうけれども、それをいきなり見て、これは先進諸国並みに相当なレベルまでなってきたということだけではだめである、生活の実態などもつけ加えておられましたけれども、その基準というものをやはりこの際はっきりしていくべきじゃないか。毎年毎年この課税最低限というものは上がってきているわけです。今度大幅に課税最低限を上げようという意向を示していらっしゃる。伝えられるところによれば、われわれが今日まで要求してきた百五十万円まで課税最低限を上げるというような目標でやっておられる。その次にはどうなるか。ここで打ち切りですよと当局は言えるのか。そうじゃなくて、やはりまだ状況によっては課税最低限を上げていかなければならないということだって考えられるわけですね。 そうすると、何を基準にしていくのかということが、今後この問題を取り扱う上での最大のポイントになってくると思うのですが、それに対して、総理府の統計だとか、あるいは民間でいろいろ家計の実態を調べたものだとか出ております。それには総理府の統計等を皆さんのほうはよくお使いになるけれども、民間のほうにおいても、百五十万円じゃない、もう二百万円くらいまで、そこまで上げるべきだという議論も今日ぼつぼつ出てきておるわけです。そしてまた、そういうような家計の実態を見ても、食費にしても住居費にしても、その見方というのが現実に合わないという見方が出てきます。 そういうような面から考えていきまして、どこをどういう基準でやっていくのか、どの水準を考えていくのか、こういったところをひとつ、いまそれがないのであれば、具体的に検討すべきであろうと思うし、あるいはいまあれば、それを示していただきたい、こう思います。
○高木(文)政府委員 いわゆる課税最低限というのは、結局所得の再分配をどういう所得階層からやるかという問題でございます。いろいろな所得の方がある、その所得のある方の所得の大きさに応じて税を納めていただいて、そしてそれを歳出を通じて、またもろもろのところへ使うということでございまして、そういうからくりを通じて再分配を行なう、その再分配をどこから、どの程度の収入なりどの程度の所得の方から行なうべきかという問題でございます。 その基準をどこに求めるべきかというのは、確かに何か目安があるならば非常に望ましいわけでございますが、これは従来も申し上げておりますように、絶対的な目安というものはどうもない、幾らさがしても見つかる筋のものではないようでございます。ずいぶん税の問題についてはいろいろな学者があり、いろいろ研究しておられます。諸外国にもそういう研究がありますが、かつて課税最低限の水準はかくあるべしという議論をされた方はどうもないようでございます。ただありますのは、アメリカの一部の学者において、いわゆる貧困ラインというものを考えまして、その貧困ラインを越えてなければならないという議論はあるようでございますが、それを除きまして、このようにしてきめるべきだという議論はどうもないようでございます。 しかし、絶対的な基準はないにしても、きまりました水準が、家計費との関係で、あるいは生活費との関係でどういう地位にあるかということは絶えず見ていかなければならないというふうに思います。したがって、どのような調査がいいか悪いか別にしまして、この家計費調査の中のどの程度の分布、百軒なら百軒の世帯の中でいろいろ生活費、生計費の水準が違うわけでございますから、一定の課税最低限であれば、どの程度の家計費の方までが課税の対象にならないかというその分布、それを見ることは必要であろうかと思うわけでございます。現在のところは、大体よくいわれますように、単純に家計費調査の結果等をぶつけ合ってみますと、ちょうど五分位に分けました場合の第二分位、第三分位の境目くらいのところと課税最低限がほぼ見合っている、こういうことになっておるわけでございまして、そういう姿でございますが、だから、必ずしもそれによってその額をきめるということではないというふうに理解をいたしております。 今回税制調査会におきましても、やはり一ぺんにもし三十五万というような大幅な課税最低限の引き上げをやるのであれば、何か目安がないと、先ほどもちょっとお触れになりましたように、では次はいつどういうところが問題になってくるということが起こるではないかという議論が、きわめて活発に行なわれております。私どももそれに対していわばお答えに窮しておるわけでございますけれども、しかしどうしても絶対的な基準というものを見つけるということは困難というか、不可能というか、事柄の性質上できないものであるということのようでございまして、税制調査会でのわれわれの答えもそういうことで御了解願っておるわけでございます。 繰り返しになりますが、家計費の状態等のチェックはやらなければなりませんけれども、それが決定的なものではない、それじゃ何かいい統計とか資料というものがあり得るかというと、現在のところ日本だけでなくて、どこの国にもそういう絶対的なものは見つからないということのようでございます。
○広沢小委員 とにかくいまのお答えでいくと、非常に水準というものはつかみにくいというお答えのようでありますけれども、やはりこれはサラリーマン減税の柱でありますから、課税最低限をどうするかということは、やはり当局としてはその水準はいかにあるべきかということを十分検討し、研究し、それを見出していくようにしていかなければ、先ほど言ったようないろいろな問題があると思うので、これは十分検討していただきたいと思います。 それから、税率の問題ですけれども、税率の問題についても、先ほどもお話がありましたように、確かに所得が一ふえると税額は二・一倍、こういうふうにその度合いが最低所得者ほど強くなっているわけです。たとえてみますと、年収百五十万円の人の所得が一〇%ふえると税率は約四〇%もふえる。ところが五百万の人が同じ比率で所得がふえても、税額の伸びというのは一四、五%である。これは一つの例ですけれども、そう考えてみますと、やはり税率の改正というものも、先ほどもお話がありましたようにやっておりませんけれども、当然これはやっていかなければならないのじゃないだろうか、こういうふうに思うわけでありますけれども、その点について四十九年度の税制改正においては、そういう税率の改正をやるようになっているのかどうか、あるいはそういうふうに答申を求めていらっしゃるのかどうか、その点についてもお伺いしておきたいと思います。高木(文)政府委員 ただいまの、所得が課税最低限すれすれのところにおられる方が、そこからちょっと飛び出しますと、税率といいますか、納める額が急にふえますから、毎年課税最低限以下のときと比べて、納める額が急にふえるという現象、こういう現象がございます。しかし、それは税率のせいではないのでございます。これはむしろ控除の関係でございます。どうしても控除制度の場合には、たとえば百十五万なら百十五万ちょうどであったというときに税額ゼロということになります。そこで百円ふえましても何ぼかふえる、千円ふえましても何ぼかふえるという場合に、課税最低限から一円こえた部分が一番大きくふえる、こういう関係になります。ゼロからふえるときが伸びが一番大きくなります。それを一部の著書等におきまして、税率の影響のように書いてございますが、それはちょっと誤解でございまして、むしろ控除制度の影響でございます。 それとは別に、飛び込み税率と申しまして、最初にかかってくる税率がいま一〇%になっておりますが、飛び込み税率をもっと低くしたらどうかという議論もよくあるわけでございます。たとえば五%とか三%とか二%とかというところからにしたらそのショックも小さくなるのじゃないかということがよくいわれるわけでございますけれども、それは二つの考え方がございまして、飛び込み税率を低くするくらいならば、非常に小さな税額になってしまいますので、その場合にはもうそこはむしろ控除、その分は上げてむしろ税額はゼロにしてしまうというほうがいいのではないかということでいまのような一〇%という率になったわけです。 もっとも御存じのように税率はもう少し低いところにありましたのを、そういう税率にすることは非常に複雑になります、計算も複雑になりますというところから、一番低い税率を比較的算定しやすい一〇%ということに昭和四十四年の改正、四十五年の二年にわたる改正で八%から一〇%に上げたわけでございます。それは非常に税技術論でございまして、いろいろ御意見があろうかと思います。そうしてそこは御意見としては一〇をもっと下げたらどうだという議論はあり得るわけでございますけれども、どこまで下げても飛び込みのところの負担の増加率が高いのは、税率を五%にしましても三%にしましても、何%まで下げましてもそこのところの率の伸びが一番高くなるという現象は起こってくるのでございます。 そういうことがありますので、私どもとしましてはいま税率を、一〇という最低税率を直すということは考えておりません。もし直すのであれば一〇の適用は控除後の所得について一円から四十万円までが一〇%になっておりますという刻みを少し伸ばすかということは場合によって考えて考えられないことではないかと思いますが、それは一般の税率論でございまして、そういうやり方をいたしますと、また高額所得者のほうが非常に何といいますか軽減率が大きくなるというような問題があり、またそれには相当大きな財源が必要であるということで、本来的には控除と税率の組み合わせで所得税法ができておりますから、控除だけでなくて税率も直したい気持ちはないわけではございませんが、なかなかむずかしいということはけさほどのどなたかの御質問にお答えしたとおりでございまして、現在のところ御質問がありました意味での税率の引き下げにつきましても、一般的な税率の引き下げにつきましてもやや後順位の問題として考えておるわけでございます。
○広沢小委員 約束の時間になりましたので、最後に一点だけ聞いておきますけれども、先ほど武藤委員のほうから、「国会の審議過程における主要な討議事項」ということで、国会の質疑状況、ポイントをずっと書いております。これはあとから資料をいただいて見たわけでございますけれども、これを一つ一つやっておりますと時間がありませんので次回にまたずっと詰めていきたいと思いますけれども、中でも未成年者には課税しない、これも強く大蔵委員会では再三にわたって述べられておるわけですから、その点はどういうふうに今度の税調に答申を求めるつもりでおられるのか。 それから国税庁長官に、これは簡単にお伺いしておきたいのですけれども、新聞の発表によれば年々非常に脱税の額というのが大きく出てまいります。これは一面でいえば皆さんが努力なさってそういう調査を徹底しておられるという面もありましょう。しかし、国民の側からとってみますと、こういうようにどんどんどんどん出てまいりますと、これはまだほかにもあるのじゃないか、不公平じゃないかというように非常に納税に対する考え方としては先ほど言ったようにとられるというような、不公平じゃないかというようなそういう感情を持ってくるわけです。そういう意味から考えて、機構上の問題が悪いのか、先ほど定員やいろいろな内容について触れておられましたけれども、それであるならば早急に充実をして、やはり公平な徴収というものをしていくようにしていかなければならぬ。 ですから、新しく長官になられた安川長官にこういった問題は徹底的に、これから脱税額はいわゆる年々減っていく、完全にきちっと納められていくような状況が生まれてくるという状況でないと、毎年新聞を見ておりますと、脱税額、件数はちょっとお話しになりませんでしたのでわかりませんけれども、件数もふえているのじゃないかと思います。そういう意味から、その点をひとつ十分に努力していっていただきたいと思うのですが、それについての所見を承って終わりにいたしたいと思います。
○高木(文)政府委員 未成年者の税金の問題あるいは若年勤労者の税金の問題については非常に活発な御議論をいただきましたので、来年度に目がけて真剣に検討をいたしております。ただ、その焦点は、やはり私どもの考えでは、現在の段階ではまず第一に何と申しましても中学校を卒業してそして高等学校へも進学できない家庭事情にあって就職をした。その就職初年度から所得税を納めてもらわなければならぬという人の数が急激にふえておりますので、まずまずその辺のところから問題の焦点を当てるべきではなかろうか。一般的に未成年者は非課税だというわけにはなかなかまいらないというふうに考えます。しかし、いま申しました若年勤労者について非課税になるような措置を具体的にどういうふうな方法でやったらよろしいか。もちろんこの若年勤労者につきましても所得が非常に多い人については何とも方法がないし、またその必要がないわけでございますが、いまのように若年勤労者、中学を卒業して半分以上の人が納税者にすぐになるというのはどうもぐあいが悪いので、そこのところは何とかなるようにくふうをいたしたいと思っております。具体的なテクニックについていま検討中でございます。
○安川政府委員 けさほどの冒頭に申し上げましたのは基本的な方針を申し上げたわけでございます。やはりこういうような経済情勢でございますので、悪質、高額者、こういうようなものを重点に税務行政を展開しておるわけでございます。したがいまして、そういうような意味から、査察の対象となりますようなかなり大きなケースが最近出てきております。これが非常に報道されまして、あたかも全体として脱税というようなことが非常にふえておる、こういうような印象を与えているかと思いますけれども、これは確かに御指摘のとおり私どもの作業というものはかなり効果的にできたという面もございますので、しかし全体として国全体をならしてみますと、脱税が相当なペースでふえておるということはいえないようにも思うわけです。と申しますのは、一般のいわゆる査察以外の案件でございまして、納税者の申告に対します更正あるいは決定というような件数あるいは金額というものは必ずしもそれに応じてふえていないわけでございます。ですから全体をとらえますと、かなり申告納税制度またそれに基づきますところの納税道義というものは逐次じみでございますけれども私はやはり上がってきておると思うわけでございます。 しかしながら一方において、非常に経済の変動が激しい高額なものあるいは最近の社会情勢に伴いまして悪質なものというものはふえている、こういうような情勢であろうかと思います。したがいまして今後私どもとしましてはできるだけ、午前中冒頭に申し上げましたような事務の効率化、重点化ということを進めてまいりたいと思いますが、そこで御指摘の定員でございます。 確かにいまの税法が求めます満足な事務を完全な姿でやるということになりますと、実は相当な定員がほしいわけでございます。毎年いろいろお願いしておりますが、しかし定員だけふえましても、実は実働人員というものがこれなかなか同時に、申し上げましたように、実際の人がなかなか採れにくく、あるいは教育しにくい、こういうような事情がございまして、やはり実際に採れます人員と定員とのかね合いで定員の増加をはかっていく、こういう必要があろうかと思うわけでございます。定員をとりますと、やはり全体として徴税費が上がります。実は税金が非常に貴重なものであるということは、私どもが一番身にしみて感じておりますので、そういう意味からも、できるだけ事務の合理化でございますとかあるいは重点化と、いろいろなくふうを通じまして、実員とのかね合いで定員をお願いしておる、こういう実情でございます。しかし、率直に希望を申し上げますれば、やはりもう少し定員がほしいというのが偽らざる気持ちでございます。今後ともそういう意味におきまして、政府の部内におきましていろいろ私どもなお努力をいたしたいと思っております。 それから、機構につきましては、四十六年に税務署の機構をいわゆる統括官制度に相当大幅に変えて、大体機構というものはやはり数年たちませんと、完全に定着して、その中におります職員が安心して仕事ができないという性質のものでございます。幸いにして、前回の機構の統括官制度への改正というものはかなりよく成功していると思っております。わずかに二年前でございますので、この際、あまり追っかけまして大きな機構改正というものは、矢つぎばやにするべきではなかろう。しかしながら、やはり全体の国税庁、国税局あるいは税務署という中で、いろいろ経済の地域的変動が変わってまいります。それからまた、所得の発生態様もいろいろ変わってまいります。これは絶えず機構の面でも合理化、省力化ということを加えまして検討しなければならないかと思っております。 将来を展望いたしまして、人員の動向も勘案して、やはり機構につきましても国税庁、たとえば東京局等におきましてもいろいろ企画的な面から絶えず検討しております。しかしながら、これをうかつに矢つぎばやにやりますと、やはり職員の心理が不安になります。現在のところは、大幅なことは考えておりません。しかしながら、これもやはり再度申しますように十分絶えず検討して、全体として税務行政が非常に効率的になる、しかも納税者の方々に非常にいいサービスができるようにと、かように考えております。
○広沢小委員 最後に一言、いま税調は例年より早く審議に入っている、そういう積極的な姿勢は評価いたします。そしてまた、先ほどの資料にありますように、委員会でこの一年間、いろいろと述べられてきたことが、当局においてポイントをよくつかんで理解している、これも評価いたします。したがいまして、われわれが今日までやってきたことについても、やはり当局におかれても税調の中でも十分審議を尽くしていただいて、少なくともわれわれが前向きに取り組むべきであると主張申し上げたことについては、四十九年度の税制改正にその芽が出てくるように、十分な努力をされることを強く要望いたしまして、質問を終わります。
○松本小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十四分散会