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71回国会衆議院1973/09/25

大蔵委員会 第50号

発言数
188
登壇者
20
会派数
4
開催日
1973/09/25

会議録

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これより会議を開きます。  まず、本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  本会期中、当委員会に付託された請願は五百十五件でありまして、その取り扱いにつきましては、理事会等において協議いたしたのでありますが、この際、各請願について紹介議員よりの説明聴取等は省略し、直ちに採決に入りたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  おはかりいたします。  本日の請願日程中、第五、第七、第三六ないし第七九、第一一六ないし第二〇五、第二一九ないし第二六一、第二六三ないし第二七五、第二七七ないし第三〇八、第三一三ないし第三四一、第三五三ないし第三六〇、第三六九ないし第三七三、第三七六ないし第三七八、第三八六ないし第三八九、第三九二ないし第四〇一、第四〇七ないし第四一四、第四二三ないし第四二九、第四三四、第四四三ないし第四四六、第四四八、第四五九・第四六七、第四七一ないし第四七六、第四八一ないし第四八三、第四八八、第四九〇、第四九四、第五一一ないし第五一三の各請願につきましては、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決し、第一なしい第四、第三三ないし第三五、第四九五ないし第五〇〇、第五〇二ないし第五〇七の各請願は、いずれも議決を要しないものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 なお、本会期中、参考送付されました陳情書は、公共事業予算の適期執行に関する陳情書外二十八件で、お手元に配付いたしておるとおりであります。      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  まず、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  広瀬秀吉君外九名提出の銀行法の一部を改正する法律案並びに  国の会計に関する件  税制に関する件  関税に関する件  金融に関する件  証券取引に関する件  外国為替に関する件  国有財産に関する件  専売事業に関する件  印刷事業に関する件及び  造幣事業に関する件 の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、おはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になりました場合、本会期中設置いたしておりました三小委員会につきましては、閉会中もなお引き続き存置することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長は従前どおりとし、その辞任及び補欠選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査におきまして、委員会及び小委員会において参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になりました場合、委員を各地に派遣し、その実情を調査するため、議長に対し、委員派遣承認申請を行なうこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 国の会計、税制、金融及び専売事業に関する件について調査を進めます。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。塚田庄平君。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 きょうは二点について質問したいのですが、まず銀行関係について、これは局長に率直に御質問したいのですが、銀行、地方金融機関に対しては大蔵省あるいは日銀等の検査、監査、考査があるのですが、この場合、特に大蔵省の行なう検査とそれから日銀が行なう考査を問題にしたいと思うのですが、日銀の考査と大蔵省の検査とは一体どういう関係になっているかということをまず御答弁願いたいと思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 まず、大蔵省の検査でございますが、これは銀行法等に基づきまして、法律に基づいた権限を行使するという形で行なわれております。これはそういう趣旨でございますので、検査の目的も預金者の保護を目的といたしておりまして、そのためには資産内容それから経営のあり方ということを包括的に検査していくという趣旨のものでございます。  日本銀行の考査は、日本銀行と金融機関との取引関係に基づきまして、契約に基づいて行なっておるわけでございます。その考査の目的とするところもそういうところにございますので、相手の取引先銀行の内容をよく承知しておくというのが、基本的な目的でございます。なお、そういう取引関係に基づく契約でございますので、コンサルタント的な、営業のあり方等についてのアドバイスをするという点は多少加えられておりますが、基本的にはそういうことでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 そこで日銀の考査ですが、いま答弁されたとおり、日銀と当該金融機関との契約に基づき、その契約が円満といいますか、適正に遂行されているかどうかということを、日銀としても承知しなければならないのですね、そういう意味で考査を重ねる。  まあ契約といいますと、両方対等でそれぞれ自主性があるようにも聞き取れますが、元来日銀と地方銀行あるいは金融機関との関係というのは、常識的には考えられない。上下といってはなんですが、とにかく日銀の監査、考査、監督というのは、地方銀行、地方金融機関にとっては、これはもうたいへんな、金科玉条といいますか、一言一句聞きのがしてはならない、そういうものとして響いておると思うのですよ。これは現実として認めなければならぬと思うのですが、どうでしょうか局長、その点は。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 確かに御指摘のように、そういう非常に重要なものとして金融機関は受け取っております。現に日本銀行は、金融政策についての第一義的に責任のある政策当局でございます。そういう中央銀行としての指導性というものを発揮していくという意味からも、その金融政策の対象機関としての金融機関がよりよく業務を行なってもらうということには関心を持っておりまして、そういう面からの指導は行なっております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 この日銀の考査と大蔵省の検査、これは同時に行なうのですか、それともことし大蔵省の検査があった、そのときには日銀は一時休んでその次の年にやる、日銀があったらその次の年に大蔵省がやる、こういうかっこうで交互に行なわれておるものかどうか、その点ひとつ……。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 先ほど御説明のときに申し落としましたが、私のほうの金融機関の検査は、日本銀行の対象としておる金融機関以上に広いわけでございます。私どものほうが監督の対象といたしております金融機関は全部でございます。日本銀行の場合は取引先金融機関というわけで、その意味ではかなり数も違います。  そこで、私のほうの検査といたしましては、検査官の定員あるいは相手先金融機関の状況等によりまして、必ずしも周期が一定していないという事情がございます。私のほうは、そういう立場から私どもといたしましての検査の周期をきめてまいっておるわけでございます。  この辺のところは、いま御指摘のように、日本銀行と同時にやっていくとか、あまり期間が短く行なわれているということは、相手の金融機関にとってもはなはだ迷惑の点が多いわけでございますので、事前に私のほうの検査計画と日本銀行の、これは考査といっておりますが、その計画とは調整をしておる。したがいまして、ある一定の私どものほうの周期の間に入るような形で考査が行なわれるということが多いようでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 いまの答弁でわかったのですが、受け取る銀行は、とにかく隔年といいますか、ことしが日銀であれば来年は大蔵省、つまり大蔵省の検査と日銀の考査というものは交互に行なわれながら、したがって、毎年毎年の実績に対する検査、考査はそれぞれ同じウエートで受け取らざるを得ないような日程といいますか、関係になっておるわけですね。だから、そういう意味では、日銀考査というのは地方銀行にとっては大蔵省検査とほぼ同等といったらなんですが、同じ程度のウエートを持ちながら受け取られておる。しかも、この考査内容というのは、主要部分については両方はほぼ一致している。資産内容あるいは貸し付けの状況あるいは営業の態度、場合によっては職員の研修状況等、万般にわたって両方とも同じようにやっているのです。そのように受けとめておるという実態は御承知だろうと思うのですが、どうでしょうか。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 仰せのとおりだろうと思います。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 つまり大蔵省の検査と日銀の考査とは相補いながら銀行業務の正確といいますか、安定といいますか、健全化を期す、こういうふうに私ども御答弁から受け取っていきたいと思います。  そこで、北海道のある相互銀行なんですが、これは実はそう言えば大体おわかりだろうと思いますが、昭和四十年ごろからどうも経営状態が思わしくない、そして内部的な、紛争といったらなんですが、幹部段階における十分な意思疎通といいますか、一体となった経営体制がなかなかとれない、特に職員との関係、端的にいいますと労働組合との関係が他の行と比べて非常に紛争が多いということで、寄り寄り大蔵省あるいは日銀関係ではこの行については注目していた時期であったと思うのです。昭和四十一年には、実は日銀の考査がこの行について行なわれました。翌年の四十二年には大蔵省の検査と、順次いま答弁のとおり検査、考査を交互に重ねてきたわけですよ。  そこで、私が問題にしたいのは、この日銀の考査で実は労使関係について、問題の点についての解決の方法といったらなんですが、そういったものをこの問題行に所見として発表しておるのですが、たとえばこういう事項等は一体どう考えるか。  労使関係では、正常ではない事態について非常に残念だ、労働協約については、たとえば組合オルグの際の賃金の無カット、あるいはあっせん、調停を経ることなく七十二時間経過すれば争議行為に突入できる、こういう労働協約の内容にわたって、つまりこういうことはけしからぬというのですよ。この文書を見ますと、こういう組合内部の、あるいはそのほかベースアップ要求についてはどうすべきかというようなこと等につきましても、こまごまと指示を与え、見解を述べておりますが、一体日銀というのは、政治的中立性が最近非常に問題になっておりますが、労使の間に入って、そして当該銀行の労働政策についてこのようなこまかい指示を与える、見解を述べるということは、これは大蔵省として、監督官庁としてどういう見解か、こういうことについてひとつ御答弁願いたいと思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 かねてから御答弁申し上げておりますように、私どもは一つの法人としての金融機関を監督させていただいているわけでございます。したがいまして、その法人において労働関係が適正な慣行が確立されておるということを祈念するわけでございます。その適正な労使の関係というものは、労働関係法規というものを順守しつつ双方が良識をもってこれをつくり上げていくというものであろうかと思います。したがいまして、私どもといたしましてはあくまで労使の問題については厳正に中立的な立場で、公正な第三者機関による、そういう労働法規のもとにおける諸機関の活動によってこれが円満に解決していくということであるべきかと思います。  そういうことからいたしますと、検査の場合でございましてもああるいは一種の調査の場合におきましても、その限界を守るべきである、かように考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 その限界を守るべきであるというのは、いま私の言ったのは具体的な資料について読み上げた部分が多いわけですよ。こういう考査なりこういう考査所見というのを当該銀行にぶつけてくる。現実にこの銀行はこのあとこういった方法でおそらく行なっただろうと思うのですが、不幸にしてかえって労使間といいますか、職員間の摩擦が非常に多くなってまいりまして、その後の事件というのはほとんどこれにかかわっておる。と同時に、この勧告がなされたあとに当行は大きな人事の異動があって——率直に言います。日本銀行から課長が天下っていくというような事態が出てきておるわけです。  こういうことで一体いいのかどうか。この際、限界はあるべきだというのじゃなくて、はっきりした御答弁をお願いしたい。考査役の名前も実はここにあがっておるのですが、きょうはこの名前をあげることは避けたいと思うのです。ひとつ局長の明快な答弁をお願いいたします。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 おそらくその講評というものは、自分が口頭で言ったことを文書にして銀行の求めに応じて出した性質のものであろうかと思うのです。その形、形式のいかんを問わず、そういうことを調査の講評というような形で行なったといたしますれば、これははなはだ適当ではなかったと私は考えます。ただ何ぶん、いまの御指摘のように四十一年のことでございますが、その後日本銀行の調査につきましても私どもと同じような立場で調査が行なわれておるというように考えますが、御指摘の件に関する限りは、私ははなはだ不適当であった、かように考えます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 この件は、機会を求めてなお日銀当局に対して具体的な質問をしていきたいと思いますが、実はこの銀行では、最近また組合との関係で、配置転換の問題その他不当労働行為等の問題が具体的にあがってきておりますが、これは局長御存じでしょうか。私は、時間もありませんし、次の質問もありますから、承知しておれば、この問題等につきましては、今回のような所見、考査が相当経営者をむしろ刺激したという面等もありますので、大蔵省としては公正な立場でこれらの問題の解決をはかるという御意思で今後指導していくという考えであるかどうか、その点等について、名前をあげなかったのが非常に質問に具体性を欠いておりますが、大体わかっておられるだろうと思いますので、ひとつ御答弁を願いたいと思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 おそらく御指摘の金融機関に限らず、そういう金融機関の場合に労使に紛争が起こっておるということは承知しております。  ただ、その労使の紛争に臨みます私どもの態度といたしましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、あくまで中立的であるべきである、かように考えております。何が公正であり、何が公正でないかということに関しては、むしろその判断については私どもが判断する立場ではない、かように考えております。  そういう意味からいたしますと、あくまで中立的な立場でこれを見守っていくという立場を堅持したい、かように考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 それでは、銀行はこういう紛争の中で一般の預金者あるいはその他にたいへん不安といいますか、あの銀行は一体いつまでこうしているのかという懸念を抱かせておりますし、また、そうなってまいりますと信用状況も非常に低落する。かたがた、きょうは言いませんが、大蔵省のこの銀行に対する検査の状況を見ますと、おそらく全国のこの種銀行では最悪の事態になっておるというのが実態であろうと思うのです。  そういう実態を踏んまえると、いま言ったとおり公正に見る、これは表向きそういう御答弁でけっこうですが、しかしやはり十分そういう事態を踏んまえて、労使関係の紛争については早急にこれを解決していくという方向で、まあ指導するといいますか、経営面からもそういう問題が出てきておるのですから、ぜひそうしなければならぬものだと思うのですが、どうでしょうかね。局長、再度御答弁いただきたい。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 特にお答えさしていただきたいと思いますが、現在北海道に存在いたしますいかなる金融機関においても、経営の破綻というような心配を持つ金融機関はないものと私は確信しております。もちろん御指摘のように、各種の金融機関でございますので、その間にあって多少の差異はあろうかと思います。ただ総体的に見て預金者の保護に欠けるような、あるいは信用の破綻を招くような金融機関は現在幸いにして北海道には存在していない、かように考えております。  ただ、御質問の趣旨が、そうであっても、今後十分経営の健全性を確保していくようにあらゆる面に注意すべきであるということと存じまして、私どもは、その点につきましてはまさに御主張のとおりこれから厳正な態度で臨んでいきたい、かように考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 私の指摘した銀行については全くそういう懸念はないと、こう言うんですか。つまり社会的な信用を失墜する、あるいは預金者の不安を助長するという具体的な面——これは表面化したらたいへんなことですけれども、そういった要素が幾つかあって、大蔵省は毎回その点を指摘しておるじゃないですか、現実に検査の中で。全くないというのはどういうことなんですか。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 個別のと申しますか、具体的な案件について確かにいろいろ私どもから指摘するに値する状況は、それぞれの金融機関について若干はございます。その程度の差はあろうかと思いますが、金融機関の経営が安定的に推移するものであるということについては、私どもはそういうように確信しております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 局長がそういう答弁をするということになると、私どもここで具体的な大蔵省の検査の内容について発表せざるを得ないのです。たとえばいま問題になっておる、私が質問しておるこの銀行については、分類資産の点についてもきわめてよくないということは、大蔵省も四十四年の検査で指摘し、その後一、二回の検査でも、必ずしもこれは完全に払拭をされてないという状態になっておるのではないですか。どうなんですか。私は、わざわざその銀行の名前を言わないということについても十分配慮しておるつもりなんです。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 確かに、先生のお持ちの資料に該当する金融機関については、ほかの一般の状況よりは問題がある点もあると存じます。その点については私ども鋭意その改善に努力をしたい、かように考えておるわけでございます。すべてそういうことは御心配ないということを特に申し上げるゆえんのものは、やはり金融機関であるだけに、できるだけこれが世間の中で信用をそこないたくない、こういうところからでございます。最近の実情といたしましては、非常に好転しておる、かように考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 時間がないのでこれ以上あれですが、私ども、この銀行の現在並びに将来の行く末を——銀行の内部のいろいろな問題もさることながら、預金者に与える影響等も最近ぼつぼつ出てきておるようなので、この点は注目しておりますから、大蔵省もその点については十分注意をしながら指導体制を強化するというふうにしていただきたいと思います。  それでは次の問題に移りたいと思います。国税庁ですが、最近、夏場が過ぎてビールの値上げが、またぞろ年中行事のように世間でうわさされておるという事態になってまいりました。おそらく本年度の上期の決算状況というのは、まだ書類としては出ておらないだろうと思いますが、ビール四社の有価証券報告書による損益状況といいますか経理状況、昭和四十七年はどういう状況であるか、ひとつ御説明願いたいと思います。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 各社の四十八年上期の決算につきましては、御指摘のようにまだ有価証券報告書は出る段取りになっておりませんけれども、私ども営業報告によりましてあらましを承知しております。  その状況をごく簡単に申し上げますと、ビールの消費量は御承知のように安定的に増大いたしておりますが、他面におきましてコストが上昇いたしております。つまり、人件費でございますとか原材料費でございますとかあるいは運賃でございますとか、そういうコストが上昇いたしまして各企業とも減益という状況になっております。  たとえばトップ企業について申し上げますと、売り上げ高におきましては、四十七年上期が約二千二百七十億ぐらいでございますが、これが四十八年上期は二千六百十八億円。しかしながらコストの上昇によりまして、利益は四十七年上期の百十二億円から四十八年上期の百四億円というふうに減益をいたしております。つまり増収減益、こういう状況でございます。  これに対しまして下位企業の場合におきましては、売り上げ高が横ばいないし社によりましては減収という姿になっておりまして、利益につきましてももとより非常に苦しい状況になっております。下位企業の場合、不動産あるいは有価証券を売却いたしまして益金を計上して、配当をやっとしておる、こういうふうな状況になっております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 いまの御答弁で上位企業というのは麒麟麦酒、下位企業というのはサッポロですか。それともサントリーと考えていいですか。朝日と考えていいですか。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 トップ企業は御指摘のように麒麟麦酒でございます。下位企業は朝日、サッポロ両社というふうにお考えいただきたいと思います。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 三社全部ですね。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 はい。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 いまの答弁でちょっと感じたのですが、上位企業というのは麒麟、あとは三社ごっちゃまぜ。つまり上位と下位というのは、四社がありますけれども、中間がないということがあなたの答弁ではっきりしたようなんですけれども、つまり麒麟はものすごい勢いで独走しておる、あとの三社ははるかに離れて一団となってこれを追う、こういう印象を受けました。事実そうなんです。  それで、いま麒麟麦酒の決算といいますか、有価証券報告書による決算状況のあれがございましたが、ことしは百四億の利益、この上期売り上げも——ここの決算はおそらく七月で締め切っているんでしょうね。六月ですか。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 麒麟麦酒の決算は一月と七月でございます。したがいまして、上期は二月一日から七月末まででございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 そこで八月、九月というのは史上最高の売り上げ、非常な暑い夏に恵まれまして、むしろ水がないために売れ行きに追いつかないという事態さえあったほど、ものすごい売れ行きを示しました。この売れ行き状況というのは、麒麟の上期決算が今度出ても、おそらく計上されていないと思うのです、これからのあれですから。  そうしますと、さなきだに百億をこえる純利益、その後の売れ行きを考えたら、麒麟は、食品工業の中ではもちろんのこと、製造業の中でももちろんのこと、おそらく日本の企業の中でこれほど非常な好況に恵まれているといいますか、とにかくもうけが多くてたまらぬという会社はないだろうと思うのですが、その点は国税庁のほうでどうつかまえておるか。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 下期の見込みにつきましては私どもはっきりまだつかんでおりませんが、会社側の見込みを承りますと、下期におきましても利益は減少するであろうということを発表いたしておるようでございます。  麒麟の食品工業あるいは他の製造業との比較でございますが、たとえば総資本利益率あるいは売り上げ高利益率等で比較いたしますと、食品、製造業の総資本利益率が五・一%に対しまして、麒麟麦酒の場合が七・九%、売り上げ高利益率が食料品、製造業全体が二・八%でございますが、麒麟麦酒は四・〇%ということで、水準よりも少しよいというふうに考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 いまの計算ですけれども、これはどういう計算になりますか。売り上げというのは税金を含んだ売りり上げになっていますか。四八%の酒税を含んでですか。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 売り上げ高の中には税金の部分が入りますけれども、同時に経費のほうに税金分が入りますのでこれは相殺されるわけでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 私は四十七年度の上期、下期の有価証券報告書を読んだのですが、麒麟の収益力の総合的な指標である総資本利益率というのは一一・九%という数字を見ているのですが、どうでしょうか。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 よく検討いたしてみますが、おそらく営業利益率じゃないだろうかと思うのでございますが、営業利益率は御指摘のように一一%くらいになります。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 同じような計算で、たとえば一部上場の製造業の三百五十二社の平均をとりますと大体三・四%、それから同じようにこれも一部上場ですが、食品工業二十四社平均だとさつき指摘のあった五・一%、私どもはこういう計算が出てくるわけです。いずれにせよ麒麟というのは一部上場会社の平均をはるかに上回っておる、飛び抜けて収益率がいいということを物語っておるのじゃないかと思うのです。これはあまり時間がありませんので答弁は要りません。  私どもやはり四十七年度の上期、下期の決算状況から見て、特に四十六年度度従業業員一人当たりの利益は百二十五万六千円、これがいかにばく大かということは、たとえば松下電器、これももうけがあって笑いがとまらぬという会社ですが、これにしても従業員一人当たりの利益八十八万円、トヨタは九十二万円、日産は七十万、これに比べて麒麟は百二十五万六千円といいますから、従業員一人当たりの利益からいうとこれは国際的にも三番と下らない、こういう収益をあげている会社なんですね、との麒麟という会社は。もっとも麒麟という会社は装置産業といわれて従業員は非常に少ないという点等もあろうかと思います。  私の言わんとするところは、こういう会社でビールの値段を上げなければならないというのは一体どういうことかということを聞きたいわけです。おそらく大蔵省はビール価格というのは自由価格だからと言われるだろうが、大蔵省は製造認可と販売認可といういわば伝家の宝刀を握っているところであるし、特にビールというのは酒税四八%、半分が税金なんですよ。黙っていて大蔵省のふところに入ってくる金なんですよ。特にこのビール会社は清涼飲料水をあわせて経営しています。これだって物品税という税金がごっそり大蔵省に入ってくるという関係になっておるのですが、これに値上げをぶっかけるということになると、これは業者はさることながら大蔵省自体が大きな批判といいますか、大蔵省自体のやり方が世間から指弾されなければならぬ事態になると思うのだが、この件について一体どういう見解であるか承りたいと思います。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 ビールの値上げの問題は、御承知のように昨年の秋ごろから起こってまいりました。これは先ほど申し上げましたが、下位企業が非常に経営的に苦しい状況になっておるというふうなことから起こってまいっておるわけでございます。国税庁といたしましては、御指摘のように、自由価格ではございますけれども、これにつきまして経営の合理化あるいは経費の節減ということで極力値上げをしないように自粛を要望してまいりまして今日に至っておるわけでございます。  ビールの場合におきましては、先ほど来御指摘がございましたように、ビール消費の安定的な増加というふうなものにささえられまして、四十八年の上期におきましては増収減益決算というふうになっており、また本年下期におきましても減益というふうな見込みのようでございますけれども、しかしながら他の企業に比較いたしますならば比較的に安定をいたしておりますので、現在の時点におきましては他社は比べまして値上げの要因は比較的乏しいというふうに申さざるを得ないかと思います。したがいまして、国税庁といたしましては値上げを極力しないように今後とも要望してまいりたいというふうに考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 四社について値上げをしないように極力指導していくということですが、私はむしろ、どうですか、麒麟については値下げをすべきじゃないですか、これだけの利益をあげておるのですから税金のことだけを考えないで、この際思い切って値下げをするという措置をとってしかるべき会社であろうと思うのですがどうですか。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 先ほど申し上げましたように、麒麟麦酒におきましても売り上げ高は増加いたしておりますけれども、コストの要因はかなり上昇の傾向を示しております。特に最近の状況といたしまして、わりあいに安定的に推移をいたしておりました原材料費がかなり高騰しつつあるという状況でございます。たとえばビールの主原料でございます麦芽でございますが、最近の状況では三割程度の値上げが見込まれるというふうな状況にございます。したがいまして、麒麟麦酒の場合におきまして値下げが可能であるかどうか、なおしさいに検討しなければなりませんが、会社といたしましては従来よりは苦しい状況になっておるというふうに見ておるわけでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 麦芽の値段が上がったことはわかるのですけれども、この会社は、いま輸送費の問題がありましたが、こう大きくなってくると輸送費についても非常に有利な条件のもとにあるわけですよ。それは工場が全国に散らばっておるということですよ。それぞれ工場を中心にして販売シェアを持っておる。サッポロは札幌でつくったものを東京まで送ってくるということで、これはほかにありますけれども、たいへんな輸送費がかかりますけれども、麒麟はあり余る資本にまかせて至るところに工場をつくっておるから、その工場を中心とする販売区域の中で非常に輸送費を低コストであげておる。  それから人件費については先ほど私から話したとおり装置産業で比較的従業員が少ない、それだけじゃなくて、人件費は固定費ですから、どこでも麒麟だけの問題ではない。しかし、にもかかわらずこれだけの利益をあげておる。おそらく今度新しい決算がくれば、来期、再来期の決算はこの夏の売り上げでまたどっと伸びてくるのじゃないかと思うのです。そこで値下げという問題があるのですが、いまの答弁だけじゃなくて、値下げしたのではまずいのだという、ほかに何か理由があるのじゃないですか。率直にひとつ答弁願いたいと思うのですよ。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 ビールの問題につきましては非常に複雑な問題がございます。御承知のように、四社のビール会社がございますけれども、それらが生産いたしておりますビールがおおむね似たようなビールでございます。したがいまして、それらのうちで一番消費が伸びておりますビールにつきまして、他のビールよりも低い価格で売るというふうなことは非常にむずかしい問題がございます。と申しますことは、現在麒麟麦酒のいわゆるシェアが御承知のように六〇%くらいになっておりますが、もしも御指摘のように麒麟麦酒が安い価格、他のビールが高い価格というふうなことで市場に出ますならば、この麒麟麦酒のシェアというのがさらに七〇%、八〇%というふうに非常に高まってまいる、いわゆる独占の状態におちいる、独占の状態なりまして、独占の弊害があるいは出るかもしれない、こういうふうな御意見もあるような次第でございます。そういう点から考えますと、このビール問題につきましては値上げの問題と関連いたすわけでございますけれども、いわゆる寡占の問題というのを真剣に取り上げていかざるを得ない、こういう状況になっておるかと思うのでございます。  そういう意味合いから、私ども、値上げにつきましては極力各社の自粛を要望いたしますとともに、これに関連しての寡占の問題がございますので、これについて今後勉強してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 さて、いまの答弁だと麒麟が六〇%をこえるシェアを持っておる。そうなりますと、いまの答弁だともう打つ手がない。値段を上げれば麒麟のもうけというのはさらに上積みされてものすごい利益、私どもからいうと不当利益といってもいいのですが、そういう利益が蓄積されていく。おそらくそれはまた資本になって設備投資の拡大ということになるでしょう。そうなりますと、さらに麒麟のシェアはふくれ上がっていく。それではこのビールの価格を上げなければどうなるかといったら、下位三社というのはさらに下降線をたどって麒麟との間に格差が出てくる。ビールというのはこれはほとんど変わらぬのですから、水とホップと麦芽だけなんですから、あと変わっておるのは宣伝のしかたがどんなにうまいか、その宣伝で消費者の口をどんなにならしているかというだけの違いなんですよ。こういう状態の中でますます格差が広まる。  では一体これはどうしたらいいのか。安いビールを、しかもそういう寡占体制が進まぬような歯どめの中でやっていくのにはどうしたらいいのかということについて、この際公正取引委員会、いまこちらから答弁があると思いますが、同じような質問について局長からもひとつ御答弁願いたいと思う。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 私は、ビールの問題は管理価格、いわゆる寡占価格の問題ではないかというふうに考えておりますが、独占あるいは寡占による弊害が顕著に認められるような事態に立ち至ったような場合に、いわゆる日独禁法の八条に不当な事業能力の格差、いわゆる事業能力の格差が著しく、それが私的独占を行なう程度に至っている場合には、営業の譲渡というような一種の分割規定があったわけでございます。これは二十八年に廃止をされましたけれども、そういうものの復活が必要ということも考えられるわけでございまして、寡占産業の弊害の実態等をさらに調査いたしまして、これはなかなかむずかしい問題ではございますが、世論の動向等もさらに考慮しながら、今後いわゆる旧八条の復活の問題については慎重に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 これはたいへんむずかしい問題だ。これはいまの独占禁止法の中では物的証拠をはっきりつかまぬ限り、つまり公正取引委員会の勧告とか措置というのはへのかっぱでもないというようなことで一笑に付されていくという事態が残念ながらいまの状態ではないか。したがって、局長のいま言われた旧法の復活といいますか、そういう面等も、私ども社会党として十分これから検討を進めなければならぬ問題だ、こう考えております。だけれども、それじゃ現在どう物的証拠をつかまぬ限りだめなのかということなんですが、これは私はもうそういう状況ではないのじゃないかと思うのですよ。  たとえばビールの例を言います。先ほどから自由価格、こう言っていますが、ビールは私の知る限りでは、過去二回の値上げを例にとれば、昭和四十三年の九月に一回上げております。これは大びん一本百二十七円を百三十円に三円アップして、五月の増税分を加えて七円、計十円を上げた経緯があります。それからこのときには、下位の企業であるサッポロが実は苦しくてどうにもならぬというので口火を切りました。しかしサッポロが口火を切ると、朝日がその四日後に同じ値段をつけました。その次はサントリーがつけたんです。そして一番大きな企業である麒麟が最後に、それにちょっと色をつければいいのですけれども、やはり同額の値上げをやったわけですよ。これが四十三年の例です。  それから二年たちまして四十五年の十月に再びビールの値上げがありました。これは今度は同じ下位の朝日が口火を切ったわけです。そしてこれはその一週間後に直ちに他の三社が一斉値上げをしました。しかしこれは値段がまちまちじゃなくて、やはり同じ大びん百四十円という値上げがあったわけです。  こう考えてまいりますと、自由価格だというのは名目だけであって、いま局長の言われた、明らかに管理価格だという状況が出てきておる。これはだれも否定できないと思うのです。そこでそういう状況証拠といいますか、そこで公取が動かなければ公取はないにひとしいですよ。その辺にやはり大きなあれをしなければならぬと思うのですが、これは一体どうですか、局長。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 いわゆる寡占産業におきますプライスリーダーの問題あるいは隠れたカルテルの問題、いろいろございますが、値段が大体時期を同じゅうして上がるというのはいろいろ理由があると思いますけれども、独禁法に違反するカルテルがあると言うためには、協定あるいは申し合わせ、つまり相互間に何らかの形で意思の合致があることが必要だという見解をとっておりまして、短時日に各社が同じような値上げをしたというような状況だけでは、違法なカルテルというふうに認定することは困難だという考えをとっておるわけでございます。  しかし、ビールなどの寡占産業におきます立証、つまりカルテル、共同行為があるかどうかというようなその立証の問題につきましては、やはり状況証拠というものを極力採用しなければいけないというふうに考えております。それが一体どの程度の証拠があれば違反と認定できるか。これは一がいには申せませんが、極力状況証拠の活用、採用をはかっていくというふうにいたしたいと考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 局長、いまの答弁で、今度ビールの場合はできる限り状況証拠といいますか、それを採用していきたいということですが、いま私から具体的に見ますと、これは協定書なんというものは、そうすれば違反なんですから、やるほうはつくらないですよ。あとはこれを状況で判断する以外にないと思うのです。三日後に一斉に、しかも自由価格といいながら、あれだけの格差がありながら、私から言わせると、麒麟なんか一銭も上げることはない。むしろ切り下げなければならぬですよ。にもかかわらず同じように十円上げていく。その裏、その実態は、局長はよくつかんでおると思うのです、なぜそうするかということについては。だからそういう状況の中で、ここで質問したいのですが、少なくとも今度上げるなんというようなことは、一斉値上げになるということは、あるいは一斉に準じたような値上げですね、とにかく一週間か十日の間に同じ価格で上げるのですから、そういう事態は絶対に許さない、こういうふうに誓っていただきたいのですけれども、どうでしょう。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 現在まだ値上げはしておりませんが、現在の段階で許さないという根拠があるかどうか、これは疑問でございますが、私どもとしては非常に独禁法上も好ましくないということはいえるのではないか。これはただビールだけの問題ではございません。ほかにもございます。大体時期を同じゅうして同じ幅で上げる、あるいは同じ時期で上げればこれはあまりにも見えすいているというようなわけでございまして、多少時期をずらして上げる。その背後には何らか意思の合致あるいは共同行為があるんじゃないかというふうに非常に疑いが濃いわけでありますから公取の立場としてはやはりそれを共同行為があるということを状況証拠、どの程度の状況証拠かという問題がございますけれども、証明をしなければいけない、立証する必要があるということでございます。  これは独禁法でもって、違反があれば審決という形で出るわけでございます。それに対して不服があればまた高等裁判所に参りまして、したがってこれは証拠の問題をよほどしっかり固めておかなければ公取が負けてしまうというようなこともあるわけでございまして、状況証拠については、先ほど申し上げましたように極力これは寡占産業等の一斉値上げについては採用していきたいというように考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 それはいま話がありましたが、やるべきですよ。裁判所は物的証拠のほかにやはり状況証拠というものの判断というものはあり得るのですから、これは当然そうやるべきだと思います。灯油とかなんかのようにいろいろ各社たくさんあるという場合と違って四社でしょう。たった四つ。ここでできなければ、先ほど言ったとおり、局長の前でたいへん申しわけないのですが、公取はあってなきがごときものですよ。たった四社ですよ。そこでつかまえなければならぬと思うのです。思い切って、とにかく裁判にかけても、受けてもという、そういう気がまえで立ち向かってもらいたいと思うのです。これは私の希望です。  さて、さっきから麒麟、麒麟という名前が出ておりますが、麒麟の独占を許しておるのは、これは大蔵省にも大きく責任があると私は思うのです。それはなぜかというと、酒税法という法律が案外ビール界の独占をむしろ促進させる材料、促進剤になっておるということをやはり知らなければならぬと思うのです。大蔵省は、酒税法に基づいて製造認可とそれから販売認可を与える権限を持っております。製造認可は一応おくとして、販売認可については、これは過当競争といいますか、端的にいうと法律でもうたわれておるとおり、これは税金の安全といいますか、税金の確保、これが目的で酒税法が制定されておるわけなんです。  そういう関係で、比較的財力といいますか、経営的に安定しておる業者、商店、あるいは信用度のある商店、あるいは過当競争を避けるために同じような区域に同じような商店が乱立するということを防ぐ、こういうようないろいろな規制をもって許可しておると思うのですよ。しかしこれは反面、麒麟なりサッポロなりという業者からすれば、大蔵省が安全にビールの代金回収のその基盤をつくってくれておるのだ、こういうふうにもとれると思うのですよ。だからこれは非常に安定したおろし先を持っておる、こういうことです。これが非常に過度になって、たとえば生活協同組合に対する販売認可なんというものは極端に締めておる、こういう状態が出てきております。  もう一つは酒税法による延納ですね。延納措置がこれまた企業を助けておると思うのです。この延納は、法律で、一月以内の税金の延納を認めております。おそらく一月以内にどんどん税金を納めるなんという会社は、この四社のうちにないのじゃないかと思うのです。ところが麒麟などは、いまいったような評判もあろうかとは思いますが、その資金回収なんというのは非常に早いのです。一月といっていますけれども、これは実は七十五日ぐらいになるのですよ。どうしてかというと、締め切りが翌月の末ですから、それから一月延ばされるのですから、平均とって七十五日ぐらいの余裕があるわけです。だから資金を七十五日間どんどん回すことができるのですよ、極端な話。  こういう延納制度がむしろ麒麟などをがっちりとささえておるといいますか、保護しておる。こういう過保護といいますか、これがむしろ独占を、あるいは寡占を進めるという一助になっておる、こう思うのですが、この点について一体どういう認識を持っておられるか、御答弁願いたいと思います。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 最初に販売業の免許の問題でございますが、御承知のように全国で約十五万八千軒の小売り業免許がございます。これは先ほど御指摘のようにいわゆる酒税の確保、こういう見地から必要な許認可制度でございまして、私どもこの制度は今後とも必要であろうというふうに考えておりますが、御承知のように、物価閣僚協議会の決定でございますので、弾力的に運用いたしてまいるというふうにいたしておるわけでございます。  ただ、御承知のように、小売り販売業はいずれも非常な零細企業でございます。昭和四十五年に私どもがサンプル調査をいたしました結果によりますと、全国平均の小売り業者の所得でございますが、これが百十万ぐらいでございます。六大都市におきまして百四十万、地方小都市におきましては九十万というふうなところが小売り業者の所得の実態でございます。この辺からいたしまして、私は、酒税の確保の見地から、また政府全体といたしましての方針でございます零細業者の安定、こういう点からいたしまして、小売り業の免許行政を運用いたしておるわけでございます。  生活協同組合について御指摘がございましたが、百貨店でございますとかあるいはスーパーでございますとか、あるいは生活協同組合のような大型店の進出は、御案内のように百万程度の所得しかない零細小売り業者に大きな影響を与えるわけでございますから、私どもはこれについては弾力的に運用はいたすのでございますが、若干慎重に対処しておる、こういう状況でございます。  それから次に延納の問題でございますが、御指摘のように出荷の翌月末が申告と納税の期限でございます。これをさらに、資金の回収が困難な場合におきましては担保を提供いたしまして一カ月延納ができるわけでございます。そういう点から、月半ばで出荷したといたしまして、延納をフルに活用いたしますと、御指摘のように七十五日の余裕があるわけでございます。しかしながらこの点が麒麟麦酒につきまして特に有利に働いておるかどうかという点については、一がいには申せないのではないかというふうに考えております。出荷をされましてから、消費者に渡りまして、それから代金が税金と一緒に回収されるわけでございますが、私どもは、この場合におきまして、たとえば麒麟の場合におきましては、回収が早いという場合において麒麟のメーカー側におきましては若干の利益が出ておるかと思いますが、卸、小売り段階におきましてはかえって不利益が起こっておる。それから下位のビール企業の場合でございますと、回収期間が長いわけでございますが、この場合におきましてはメーカーの側は利益がないわけでありますけれども、卸、小売りの段階で利益が生じておる、こういうことでございますから、この延納の制度が、特定の会社に特に利益になる、有利に働いておるということはないように存ずるわけでございます。  いずれにいたしましても、この延納の問題につきましては、一つの税目でありますとか、あるいは一定の業種のグループでございますとか、そういうものを平均的に見まして、納期限がいつが適当か、あるいはまた延納はどのくらいが適当かということを判断しなければなりませんので、そういう点から見まして、個々の企業ごとにこれを見てまいるということは事務的に非常に煩瑣でございますし、また、この制度が特定の会社に利益になっておる、こういうことではないと思います。  また最初に返りますが、小売り業の免許がビール業に特別に利益を与えておるということではなくて、私どもは酒税確保の見地から販売業免許の行政をいたしておるわけでございまして、間接的にそういう点が全くないとは申しませんけれども、主たる目的は酒税の確保であるというふうに御理解をいただきたいと思います。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 製造認可については安定的に酒税を確保、販売については安全、確実に酒税を徴収と、こういうとにかく酒税を安全につかむ、徴収するということがどうも酒税法の主眼になっていて、いま答弁されたようなことは、たとえば中小の酒屋さんに対してたいへん負担をかけるというようなことをおもんぱかっておるようですが、たとえば、それでは蔵出し税制度というものを改めて——これがあるから、業者は負担をしなければならないのですよ。税金まで取らなければならないのですよ、小売り店は。そうでしょう。大びん一本百四十円というのは、そのうちの四八%は税金なんですから。その税金を小売り店は徴収しなければならぬわけですよ。  そういうことじゃなく、税を引いちゃって、もうそれは製造段階でかけていく、もっぱら企業の責任にする、こうすべきじゃないですか。私は、これが一番小売り業者を保護する道だと思うのですよ。ところが、大蔵省にとってみれば、酒税を確保する道は、消費者が金を払ったときにぽんとつかむのが一番安全で確実なんですよ。困るのは小売り店なんだ。払うのは消費者。これはだれに払ったって、値段は同じですから。だから、むしろ、そういう危険負担は大蔵省もある程度覚悟しなければならぬだろう。酒税なんというのは間接税の中で最も大きいのですから、ある程度の危険は覚悟しながら、しかし、やはり大きく企業に負担をさせる。この蔵出し税制度というものを再検討すべき時期に来ておるんじゃないか、こう思うのですが、どうでしょう。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 ビールの税金につきましては、工場出荷段階におきまして課税をするということにいたしておるわけでございますけれども、しかしながらそれは卸、小売りを通りまして消費者に転嫁をされるという過程をたどってまいるわけでございますので、私どもといたしましては工場段階課税でございますけれども、やはり卸でありますとか小売りでありますとかという段階につきまして、免許制度を維持するということが酒税の確保を容易にする、こういう道であろうと考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 それは答弁にならぬでしょう。相変わらず酒税酒税と言っているけれども、酒税を確保するというのじゃなくて、私の言うのはこれはビールの値上げの問題ともからんできますが、税金の確保というものを企業の段階で、利益を得るもののその段階で取りなさい、消費者が税金を一緒に払うのじゃなくて。そう言っているのですよ。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 御承知のように、ビールの場合におきまして、清酒等も同様でございますが、税金を納めます納税義務者、これは製造者でございます。したがいましてビールの場合におきましては、ビール四社が出荷後申告と納税をする、こういうふうになっておるわけでございます。ただそれは転嫁されてまいりますので、私どもといたしましては、やはり転嫁の過程も円滑にまいりますように押えておく必要があるというふうに考えておるわけでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 つまり税金を納めるのは業者、企業ですよね。しかし税金の徴収代理人といいますか徴収機関は、これは小売り業者なんですよ。そうでしょう。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 そういう卸、小売り段階を通りまして転嫁されてまいりますので、御指摘のように消費者から税金込みで代金が回収されまして業者に返ってまいる、こういう過程でございますので、御指摘のとおりでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 だから販売の認可というのはそういう仕組みを守らなければならぬから販売の認可をしなければならぬわけですよ。だからそういう仕組みをくずせば、何も販売認可ということできつく規制をする必要はないのじゃないですか。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 私どもが考えますところは、販売業免許をいたすといたさざるとにかかわらず、結局転嫁の過程を通りまして税金が徴収されてまいるということになるわけでございますから、その点は変わりがないのじゃなかろうかというふうに考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 まあこれは問答やっていたら切りがないですから……。しかし、それを安全に確保するために認可制度をとっているのです。だからこれはやはり徴収ということと認可ということは切り離されないのです。そういうことを言っているのですよ。そのために先ほどの生協の問題等も出てきておりますが、これは一般のデパートの場合と違って生協の場合は特別な考え方を持たなければならぬ。現に横浜では百四十円のビールを百三十円で売っておる。つまりそれだけマージンは少ないのだろうけれども、安く消費者にやっておるという実績等もありますから、おそらくこれからの生協運動の方向からいって、その点は物価値下げといいますか、物価対策に対して非常に大きな貢献をする、こう考えておるのですよ。そういう一面から、私は生協なんかについては進んで認可を与えるべきだ、こう思うのですが、一体どうでしょうか。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 御指摘の点については私どもも今後とも慎重に勉強してまいりたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、小売り業者いずれも非常な零細でございます。先ほども六大都市で百四十万程度の年所得であると申しましたが、たとえばビールについて見ますというと、標準的な小売りのマージンは十八円二十銭でございます。小売りの業者はビールのほかに清酒それから他の食料品も扱っておりますが、おおむね売り上げの七〇%程度は酒類であるという業者が多いように思うわけであります。そういう業者の方で、ビールを十八円二十銭のマージンで売りまして、年に所得が百四十万程度、これが六大都市の小売り業者の実態でございます。  そこで、たとえばただいまお話のように生協が百四十円のビールを百三十円に十円値引きをいたす。もちろん小売り業者の方々は他の食品を扱っておりますとかあるいは営業時間が長いとかあるいはまた長い地縁人縁でありますとかそういうものがいろいろございましょうけれども、かりに生協の十円値引きに影響されまして同様な値引きをいたさざるを得ないというふうになりますと、極端な場合といたしましては年所得百四十万円が七十万円程度に下がる場合も考えられる。そういうことでございますので、私どもは物価の問題ももちろん大事な問題でございますので、そういう零細業者との調整をはかりながらこの免許の問題に対処いたしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 もう時間が来ましたが、いまのような答弁ではだめなんですよ。それじゃ困る、小売り業者は困るというのでしょう。値引き全部かぶってくるというのでしょう。どうしてそれを企業に——大蔵省も酒税については四八%もかかっているのですから、これに対して若干の税率、これは従量税ですから十万六千円ですか、これを幾らか下げるとかあるいはまた企業に対して持たせるとか、少なくとも小売り業者のマージンについては下げないようにする、下げても最小限にするというような、そういう措置を、そういう行政指導をやるというのがたてまえじゃないですか。それをいま言ったとおり経営者は、企業はいまのとおりもうけさせる、そして税金もいままでどおり取る、そうなれば、値上げをしたりあるいはまた値引きで売るというような場合には、これは当然小売り業者に負担がかかってきますよ。だれでもわかることなんですよ。どうしてその上の段階でその負担を持たないか。そうすることによって私は値引きをしなさい、こう言っているのですよ。値下げをしなさい、こう言っているのです。最後に一つこの点について御答弁願いたい。  と同時に、もう一つ先ほど公正取引委員会のほうから旧法の復活問題ということが出ましたが、一面またここまで来れば、つまり税金を四八%飲む。たばこを吸うと同じですよ。ビールを飲めば税金四八%飲んでいるのですよ。しかも延納制度を認めておる。しかも製造認可、販売認可という方法をとっておる。もうこれは至れり尽くせりの実は保護をしておるわけですよ。私企業とはいいましても、先ほどの自由価格と同じようにもうすでに半官半民といって過言じゃないわけですね。こういう事態になったら、もうこれは公社にしたらどうかというような説も出てきておりますが、この点について一体どういう考えを持っておるかということをあわせて聞きましょう。御答弁願います。

横井正美国税庁間税部長

○横井説明員 酒税をどの程度ビールにつきまして負担を求めればいいか、この辺につきましてはいろいろな御議論があるかと思いますが、本来ならば主税局から御答弁をしなければならないことかと思いますが、私ども現在のところ間接税にある程度負担を求める、こういう税制のあり方は適当なものではないか、こういうふうに考えておりますし、それから酒税の中でビールと他の酒類を比較いたしますと、安定的に伸びておりますのはビールである、こういうことからいたしまして、酒税の軽減によりましてこの問題に対処することは非常に困難ではなかろうかと存ずるわけでございます。  それからまたメーカーで負担してはどうかというお話でございますが、従来値上げの際におきましては特に小売り業者からのマージンの増加要求、これが契機となりまして値上げが行なわれておる場合が多いのでありますが、従来の経緯をながめてみますというと、やはり小売りマージンはそういう機会にふえておるというのが実態のように見ておるわけであります。たとえば前回の四十五年の十月の値上げの際におきましては、末端価格十円の値上げに対しまして小売りのマージンが四円ふえておるというふうなことでございますので、そういう小売りのマージンを増加するというふうな方策につきましても、今後ともメーカーのほうにも十分指導してまいりたいというふうに存じております。  ただ、生協の問題につきましては、税の問題あるいはメーカーが小売りマージンをふやすような措置をとるというふうなことをいたしましてもこれは解決いたさない問題でございまして、やはり生協と周辺の零細小売り業者の関係を前向きで調整をしてまいるということが必要かと存ずるわけでございます。

山本幸雄自由民主党大蔵政務次官

○山本(幸)政府委員 いまいろいろビール問題について御論議をいただきましたが、最近ビールの値上げという問題がいろいろ言われるようになってきましたのは、私の考えでは、要するにトップメーカーのシェアがどんどんふえていくという、そして下位の三社のうち一つは少し小さ過ぎますから、あとの二つがだんだんとシェアが減っていく。減っていくにつれて割り高についていく反面、人件費、広告費といったようなものがどうしても割り高についていくものですから、会社の内容がだんだん苦しくなってくる、こういうことに私は来たように思うのです。  そこで先ほど来お話のように公社論というものも出ております。なるほどこのビール業界の将来の構造というものを考えたときに、思い切っておっしゃるようにどこかで独占的にやることにいってしまうか、あるいは正当な競争が行なわれるようにシェアがあまり動かないといいますか、どこかが非常にシェアをどんどん浸食をしていくという状態の起こらないような状態にして自由公正な競争をさせるか、いずれも最終的な目的は、消費者に安いビールを提供する、こういうことだと思うのですが、そのやり方を何とか考えなければならない段階にきておるように私は思うのです。この問題につきましては、独占してしまうという公社論というものもそれはあるかもしれませんけれども、やはり公正な競争をしていくという、そういう構造といいますか体制で、そういう寡占あるいは管理価格にならないような行政指導も、自由価格といいながらやっていくという姿が一つの行き方ではないだろうか、こう思うわけでございます。いろいろ考え方があり、これらについてはひとり大蔵省あるいは国税庁だけではなくて、経済企画庁も含めまして全体として今後検討、勉強をしていきたい、こう考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 終わります。   〔委員長退席、木村(武千代)委員長代理着席〕

木村武千代自由民主党

○木村(武千代)委員長代理 広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 専売制度の問題について、全般的に質問をいたしたいわけですが、この国会では、専売問題は、ことしは関係法案が出なかった関係もあって、ほとんど論ぜられたことがないわけでありますが、まあ専売公社では、長期経営計画に従って第一次長期計画がことしで終わる、したがって、引き続いて第二次中期経営計画を策定を急いでおる、そろそろ詰めの段階にきておる、こういう状況にあるわけであります。  そこで、まず最初に専売公社の総裁に伺いたいのですが、このうようにしてよくて安くてうまいたばこを供給する、しかも健康にもできるだけ害のない低ニコ、低タールのものを出そう、こういうことで長期経営計画の基本にそういう問題を据えておるわけであります。そういうことと同時に、この専売制度そのもの、専売公社という公共企業体という形でこのたばこの製造、販売関係が行なわれる、まさに文字どおり国家独占の事業になっている、そういう体制を持ちながら、これが国際的な経済諸般にわたる自由化の中でどういう状況になっているかということを加味して、長期経営計画はできているということだと思うのであります。  そこで、第一次中期計画が四十三年から四十八年度にかけて行なわれたわけであります。そしていま第二次中期計画に来年から入ろう、こういう段階を迎えておるわけでありますが、この中で、私ども基本的にこの段階で考えなければならないのは、一体専売制度というものを、こういう長期経営計画というようなものを推し進めていくという方向、これはまあ中身はいわゆる合理化施策になっておるわけでありますが、したがって、長期経営計画をつくられたときにも、たばこの消費税制度——納付金制度、地方たばこ消費税、こういうようなものを一元化して、もうたばこは消費税一本というような形で、その配分は国と地方とどういうようにするかは別として、そういうものに移行していこう、納付金制度というようなものを消費税に一本化していこうというようなことがある。  あるいはまた、合理化をどんどん推進をして、製造の段階で二交代制というものを導入する。なぜ導入するかといえば、機械の高速化、高速機械を導入をする、したがって、この投資の効率化というようなことからいって、機械をよけい働かしたい。いままで八時間働いておったものを一日に十六時間働かせようではないか、こういうことに見合って連続集中化というようなことが行なわれて、それに二交代制がどうしても必要である、こういう発想でいく。  機械が高速化すれば製造工場も、当時は三十八かあったわけでありますが、今日では三十四ということになっているようで、四つも減っておる。そういうようにして、工場の統廃合がどんどん進められていく。  そして製造たばこの需給計画が、五年先、六年先、第二次中期経営計画の最終年度は五十三年度になると思うのでありますが、その段階では、三千二百億本ないし三千六百億本ぐらいのところで、たばこの消費量というものはそのくらいに算定をされる。そうして機械の高速化というようなことによって、一工場当たり三百億本ないし三百五十億本あるいは四百億本というような規模のものに工場を統廃合してそういうものに持っていこうという、これは第二次中計でどこまでいくかは別問題でありますが、最終的にはそういうことになっておるということになれば、これはもう単純な算術計算でいけば、この工場の統廃合というようなものも十か十一の工場にすれば事足れりというようなことにもなる、こういう計画を立てておられるようであります。  まず、公社の総裁に伺いたいのは、そういう方向を進めて、しかも現在働いておる人たちに対しては、いまより少なくとも労働条件が悪くなる二交代というようなものを採用する、そうしてそういう合理化計画を進める、このことは一体専売制度というものを、諸条件の中でやがて廃止さるべき方向であるという認識のもとに進められるのか、あるいは専売制度をやはり日本においてはどこまでも維持したい、こういう考えでそういう方向というものを進めておるのか、まずその基本の問題で、どっちを向いた立場においてそういう施策が構想され、また、実施されておるのか、この辺のところは一体どっち向きですか、このことをまず伺いたいのです。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 第一次中期経営計画が四十八年度末までを目標としておりますので、これに引き続いてただいま第二次中期経営計画の策定立案中でございます。  その内容といたしましては、ただいま広瀬委員からいろいろございましたが、おおむね大体そんな数字でございます。数字につきましては、もちろんそのとおりではございませんけれども、大体の考え方の方向としてはそういうことでございますが、ただ、これは一体専売制度を廃止の方向に進んでいっているのか、あるいは維持の方向で進んでいっているのか、こういう御質問でございます。これはもちろん後者のほうであります。私どもは、専売制度を廃止するためにこういうことをやっているのじゃなく、むしろ専売制度のもとにおいて一そう合理的な経営をするためにこのようなことをいたしておるわけでございます。公社法第一条におきましても、専売公社は、国の専売事業の健全にして能率的な運営実施に当たる、こういうことになっておりますので、その第一条の精神に従いまして、あくまでも専売制度下において合理的な運営をはかる、こういった趣旨で策定し、またこれを実行せんとしておるものでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 最近われわれは、専売民営論というようなことを声高に叫ぶ勢力があることをそれほどは聞かない状態、私もそう思っておるのでありますが、長期経営計画が出た当時にはかなり世論の中に、専売制度を廃止して民営に移行すべきではないかというような論説がマスコミの中にもかなり見えた。あるいは財界筋等においてもそういう問題がかなり、まあ世論を支配するほどにということではなかったけれども、有力な人たちからそういう問題が提唱される、そういうような論文などが雑誌にも載るというようなことなどがあったわけでありますが、いまやや下火になった感じはありますけれども、私ども考えてみますと、いま合理化施策をどんどん専売で進めていっているということで、工場の統廃合というようなものをどんどん急速に進めていくというようなことになると、これが第二次中計でそこまでいくかあるいは第三次までかかるか、あるいはそれ以上かかるかまだはっきりいたしませんけれども、大体一分間四千回転というようなすごい機械が導入をされてくるというようなことになりますと、いま大体平均してすべての製造工場の平均たばこ生産が一分間にどれだけか、それは要するに回転数によってきまるわけですけれども、そういうものから倍に近いような回転速度でシガレットが生産されていくというようなことになれば、これはもう十か十一くらいでほんとうに済んでしまうのではないか。  年間百億あるいは百二十億本くらいの増加率でいったとしても、そういうものを全面的に工場の中に導入をしていくというようなことになれば、そしてそれを今度は包装をして出荷をする体制がそれにくっついていけば、もうそのくらいで済んでしまうというようなことになってくることが予想される。そういうことが突き詰めて大体一工場で三百五十億本ないしは四百億本できるということになれば、いま三十幾つかある工場は十くらいに集約されてしまうであろう。  そうなったらこれは一つの条件として、かつて電力が国全体一本でやられておった時代があった。それが電力九分割ということで九電力会社ができたというようなこと、こういうものがわれわれの頭にぴんと来る、そういう方向にいま専売制度を維持するために、維持するということは第一条にも書いてあるという、その専売事業の健全な発展を専売公社としてやっていくのだという、そういう第一条の趣旨でやっているけれども、経済の実態面としてとらえた場合には、いつでも民営移管ができる方向に向かっていくだろうということがそういう面からひとつ考えられる。  それからもう一つの面は消費税制度の導入ということで、納付金というような問題から消費税何十%というようにきめて、消費税を定価、代金からその六〇%なら六〇%、五〇%なら五〇%という消費税を取りさえすれば、大蔵省としては何も専売事業としてこれをやる必要はないじゃないかという、そういう構想が一面においては出ている。  その二つがかみ合ったら、大蔵省としては国の専売として今日までやってきたけれども、専売益金を上げるという目的でやってきたけれども、消費税で取りさえすればその面では何も公社としてやる必要もない、モノポリーとして、専売事業としてやることも必要ないのじゃないか。こういう形でもう大蔵省はきわめてそういう点では無関心になってくる。消費税であがりさえすれば、国の税収があがりさえすればいいという形になってくる。そういうことに結びついていくのではないかということが一つ考えられる。  それからもう一つは、最近EC諸国等でかつて専売制度をとっておったところが専売制度から離脱をしておるというようなこと、フランス、イタリア等においてはまだ専売制度を守って、このために全体的な専売制度からの離脱ということがおくれておるというようなことになっているようでありますが、そういう世界的な専売からの離脱という方向、こういうものとさらに国際的な経済の自由化の方向という中で、専売制度がやはり何か非関税障壁の一種ではないかというような、そういう面からの圧力というような、そういうようなもろもろの原因が重なってくると、どうしてもそっちへ行きそうだというような不安がやはり今日従業員にも、そうしてまたたばこの小売りをやっている販売の面を担当している人たちも、また葉たばこ生産に従事している人たちもかなりそういう面で将来に向かっての不安というようなものを持ちつつある、こういうことが言えるだろうと思うのです。  そういう点では、私はこの辺で専売制度のあり方というものをきちっとして、やはり専売制度を維持していくという——私どもも当然専売制度としてこの問題は考えらるべきである。維持さるべきであるという立場で質問をしておるわけでありますが、その点は、今度は大蔵省に伺いますが、大蔵省はそういう面でどういうお考えなのか、監理官でもけっこうですから。

戸田嘉徳大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○戸田政府委員 ただいま先生からいろいろご意見を承りまして、まさにおっしゃるようないろいろな問題があると思います。  実はたばこの専売制につきましては、従来からも各種の審議会等で議論されております。古くは昭和二十六年に臨時専売制度協議会というのがございまして、それから何回もいろいろな審議会、調査会で議論をされてきたわけでございます。したがいまして、その利害得失というようなものはほとんど洗いざらい出ておるということがいえると思います。  特に、専売制度をかりにやめますというと、どんなような欠陥があるかといいますと、まず第一には、どうしても民営になりますと、専売益金の中からいまのたばこの価格をかりに一定といたしますと、民間の企業への利潤配分というようなことが当然これは必要になってまいりますというようなことから、また宣伝広告費というようなものも非常にこれは使われるというようなこと、したがって純粋に財政収入という面から見てもこれは多少の減少は免れないということは言わざるを得ないと思います。  また、たばこの原料といいますか、葉たばこの生産業者、これはわが国の農業基盤とパラレルになっているわけでございますが、わが国の葉たばこ耕作農家の立場というものはそれほど強いものではございません。国際競争力はこれは乏しいと言わざるを得ないのでございます。専売制をやめますと、その辺が自由競争になってまいりますことから、その立場は非常に不安定になるというような問題がございます。  またさらには、かりに民営に移管ということになりますと、これは実際の問題といたしまして公社の膨大な資産をどういうふうに評価するか、あるいはそれを買い受けていくようなそういう民間の企業というものがあるかどうか、あるいはその資金はどうか。それからさらに重要でございますが、従業員の引き継ぎとか、処遇というようなこと、いろいろ実際問題として非常に困難な問題があるわけでございます。  それから民営論のほうからいいましてメリットといいますのは、民営のほうが非常に効率的な運営が行なわれて、たとえばたばこにつきましても品質とか、多様性というようなものがよりもっと豊かに生産されまして消費者に提供されるのじゃないか、こういうことがいわれるわけでございます。そういう点につきましても専売公社の営業努力、企業努力によってそういう欠陥はまた乗り切れていけるのじゃないか。以上のようないろいろな問題があるわけでございます。  したがいまして、かりにこの専売制を廃止するというようなことになりますと、その及ぼす影響はきわめて広範多岐に及ぶ、こういうふうに言わざるを得ない。そういうようなことで、大蔵省としましてはただいまの段階においては専売制度というものを廃止するということは考えておりません。このまま維持していくという考えでおります。  ただ、かような時代でございまます。経済情勢その他いろいろ変動はなはだ激しいわけでございます。いろいろな事情から将来またそういう問題が提起されてまいりました場合には、いま申し上げたような点を十分勘案して、慎重に検討せざるを得ない問題であろう、かように考えます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 専売制度を維持するかどうかという問題についての大蔵省の見解を伺ったわけですけれども、われわれの立場からすればやや消極的に過ぎるといいますか、やはりわれわれは専売制度というものを維持するについては、もっとしっかりした、積極的なかまえというものがあってしかるべきであって、民営に移管したいのだけれども、それにはいろいろな困難が伴うからというのは、一歩も二歩も下がった発想であると思うわけです。  たばこは嗜好品であるというけれども、今日二千三百億本という、一億の人口としても一人平均しましても年間二千何百本というものを消費をしておる。同じ嗜好品でもお茶を飲むとかコーヒーを飲むとかいう、ティータイムに一ぱいやるというのでなしに、朝起きてから夜寝るまでに、ほとんど十分おきか三十分おきに吸っているという、そういうような状態にまで全国民的に、成人男女のうち男が何%吸ってる、女性が何%か吸っておるという資料もあとで聞きたいけれども、そういうように全国民的な消費物資になっておるという問題、もうそういうものである。圧倒的にほかの嗜好品とは違う。完全に毎日の生活の中に食い込んでしまっておる品物であるということが、一つ言えるわけです。  しかも、この問題が、最近ではたばこと喫煙による健康はどうかという問題が、あるときには肺ガン原因説というもが非常に強く出たり、最近しばらくそういう記事は少なかったのですけれども、ニコチンとかタールとかいう発ガン物質による害というものから、今度はこういう部屋の中で何人がどれだけの量のたばこを吸ったらどの程度空気が汚染されて、一酸化炭素による中枢神経の麻痺現象というものが無視し得ないものである、そういう意味での一つの公害というようなものに結びついているというような、一酸化炭素とヘモグロビンの結合というようなものが普通の酸素と違ってたいへん高度の関係にあるというようなことが指摘をされるような状態になってきておる。こういう問題を含めて、やはり全国民の健康を守るというような積極的な立場、これはやはり私企業の営利企業に化してしまったら、そういうことなんかは怠られるであろう。  そういうような点では、やはり公共企業体としての公益的な立場、国民の健康に害がありそうだ——これはあるという断定はまだ行なわれていない段階ではあるにしても、公社もたばこの吸い過ぎには注意しましょう、害があるということを認めざるを得ないような状態になっている。そういうような健康保持の問題もやはり公共企業体である専売制度の中でそういうものを考えていくというようなことが、当然これからの問題としても必要だし、さらに対境関係、生産、製造、それから販売、こういうところの人たちをやはり所を得せしめ、専売事業の中で働いておる人たちが、ほんとうに生きがいのある人間らしい生活がその中で保障される、そういう積極面というものをやはり専売制度は積極的にになっていかなければならない、国家独占の事業として積極的になっていく必要があるのであろう。  あるいはまたそのことはいま監理官も言われたけれども、地域産業あるいは過疎地帯、そういうようなところにも相当専売公社の食品工業類似の一種の軽工業として全国的にそれぞればらまかれて存在をしている、そういうものはある程度維持をしていくのだという、そういうことが日本の今日騒がれている列島改造の、これは田中総理のやり方はいろいろ批判はあったけれども、地域産業としてすでに配置されているところをわざわざつぶして統合するのだ、統合するのだというようなことでなしに、そういう地域対策、地域における産業の維持、あるいは過疎地帯における産業の維持というような、そういう積極面なんかもこれは当然あってしかるべきである。  しかもそういうことでいった場合に、益金率が最近やや低下をする。さりとて、たばこの価格を上げられるかというと、そう上げるべきでもない、やはり物価上昇というようなときには、外国たばこを下げるというようなことも専売制度だからできたわけですね。そういうようなこともあるというような問題も含めて、益金率はやや低下をしてくる、あるいは国の財政の中で占める比率はなるほど低下をするだろう、こういうようなことはあるけれども、そういう問題についてはこれは大蔵省はずっと維持していこうという気持ちがあるようですけれども、この辺のところはやはり新しい専売制度の意義として、たばこと健康の問題あるいは公害の問題というようなものが出てきたり、あるいはまたバランスのとれた地域産業をやはり発展させていくというような立場というもの、そういうものは専売の中でこそやりやすいというような積極的な理由、こういうようなものを考えれば、やはり益金の問題等を中心にするとどうでもいいことになってくるわけですね。  消費税制度に移行して民間にやらしても、取るものだけを取ればいいのだという、こういうことになってくればまずいわけだから、その辺のところは大蔵省として益金が減るというようなことによって、この専売の合理化を迫る長期経営計画を、やはり国庫納付金、益金率を下げないようにという、このことが一番大きい問題、専売公社総裁以下問題意識として、まっ先にその問題を中心にすべての発想をやっていこうということに結びついているという気がしてならないわけです。  そういう点について、このたばこ産業というものが、これは専売制度と直接関連を持たなくても、そういう問題がやはりいろいろな無理な合理化計画というようなものにも結びついているわけですから、その辺のところについて大蔵省はどうお考えになっておるのか、六〇%というような利益金率をどこまでも専売公社に要求をしていくおつもりなのか、その辺のところはどうなっているのですか。

戸田嘉徳大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○戸田政府委員 ただいまの先生のご質問、たばこの専売収入と収益というものをどの程度上げるべきか、またいまおっしゃったように六〇%の利益率というものをあくまでもずっと維持すべきかどうか、こういう御質問だと思うのです。  御承知のように、専売事業の専売益金の財政収入に占める割合というものは、これは実は年々に低下いたしております。これはもうすでに御案内かと思いますが、たとえば国の一般会計歳入予算に占める割合というものは、三十年ころは実は一〇・五%くらいあったわけでございますが、これが四十八年度では二・四%に激減をするというようなことになっております。しかしながら、こういう財政収入における割合というものは、これは一種の高度成長によりましてほかの財源、所得税、法人税その他が非常に伸びてくる、そういう相対的な関係がございますので、必ずしも低下したからどうということはないと思います。ただ、こういうふうに二・四%になったからといいましても、しかしながら率は下がっても主要な財源であるということはやはり大蔵省としては考えざるを得ない。そこでむしろ見方としては、いま先生のおっしゃいましたように、専売益金といいますか、そういうものは一種の税金のようなものでございます。いわばたばこを召し上がる方にどれだけの実質的な税負担を負っていただくか、かような問題に帰してくるのではないか、かように思います。  そうしますと、大体どれくらいの負担をしていただくのがいいか、こういう問題になろうかと思います。これは国民一般の所得水準でありますとかあるいは物価水準の問題あるいは消費の動向というようないろいろな要素がそこで考えられると思います。またいま申し上げました財源調達の要請ということも、これあろうかと思いますが、さようなもろもろの要素を勘案しまして、どの程度の実質上の税負担をたばこ消費者に負っていただくか、かような問題になろうかと思います。  まあこの辺は、いま先生のおっしゃいましたように特定した、絶対にこういう限度である、そういう明確な動かしがたい限度というのはなかなかむずかしいと思いますが、従来これを見ますと、三十年以降大体六〇数%、低くて六〇%強というような、大体六〇%台を占めてまいっておるというようなところ、これはやはり一つの目安になるのではなかろうかと思います。  それから諸外国の例、これは御案内かと思いますが、たまたま手元にちょっと資料がございます。イタリアではたばこ消費税が、シガレットでございますが、七三%から七九%くらい、それからオーストリアでございますが、オーストリアではたばこ税が六四%、フランスではたばこ消費税が六七・一四%、スウェーデンが約六九%、いずれも大体六〇%台、七〇にのっているようであります。そんなようなところが諸外国のいわばたばこ消費者の方のたばこ税負担といいますか、負担率であるということはいえます。  そのようなところを考えますと、やはり六〇%台といいますかその程度のところは御負担いただいてしかるべきじゃないか。これはほかの税負担との関連、特にほかの消費税あるいはお酒の消費税というようなこととのバランスもあるかと思いますが、私どもとしてはさような大体の目安というものを頭に描いて従来やってまいった、かようなふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大蔵省としては一般会計の中に占める専売益金、たばこ消費税を含んで比率が低下していくのはある程度やむを得ないであろう、こういうお考えのようであります。これは当然のことであって、日本が六〇年代から七〇年代、今日に引き続いてずっと高度経済成長をしておるわけでありますから、これだけ経済大国になっているわけですから、このたばこ事業が相対的に税収入を求める事業体としてその比重がだんだん後退していくことは、これはもうほかにどんどん伸びるところが出てきているわけですから、そういう面で経済が大きくなり、そこからまた税収がどんどん多様化し、高度化し、上がっていくわけですから、下がるのはあたりまえの話である。しかし利益率、益金率というものは六〇%程度に押えたいという、これは諸外国の例もわざわざお引きになったわけでありまするけれども、こういう問題についても、やはり日本には日本の実情というものが、長い慣習というものがあるわけです。  そういう中で特に物価の異常な上昇というようなことが今日騒がれておる。そういう中で益金率をよくするためには、六〇%以上をコンスタントにずっとまかなっていこうというためには、これはなるほど定価を上げていけばそういう状態になるだろう。しかしその面は、やはり専売制度として国の独占的にやっている事業として国民の抵抗の中でなかなかそういう安易な道は進めないというようなことから、ある程度下がらざるを得ないという要因を今日の日本の問題として考える必要があるという点で、その点はかなり弾力的な考えというものをやはり大蔵省としても持たざるを得まい、こいうことなんです。  ところが、それを六〇%をめどにするのだということになると、あなたがそうおっしゃったことによって大蔵省の考え方というものを専売公社の総裁以下が非常に忠実に、益金率を下げることはしまい、五〇%にならないようにということを至上命令に受け取らざるを得ない。大蔵省と専売公社の関係はどうしてもそういうところにあるだろう、そういうことが考えられるわけです。  その辺のところについて今度は総裁の立場になると、かなり無理しても合理化、人間を減らして経費を節約するあるいは葉たばこ生産者に十分な買い上げ収納価格を保障しない、こういう立場になってくる。あるいは小売り店に対するメリットも少なくなる、サービスも低下をするというようなことをやらざるを得ない、こういうことになってくるのじゃなかろうかと思うのですが、その辺のところで大蔵省の考え方というものを、六〇%までということがいまはっきりしたわけだけれども、それについてはかなり弾力的な考えを持っておられるのかどうか、これをもう少し伺いたいのです。

戸田嘉徳大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○戸田政府委員 いま先生がおっしゃいましたように、直ちに六〇%を維持しなければ値上げをするとか、さような問題ではないわけでございます。現に従来でも六〇%厳守といいますか、これは鉄のワクでこれを一歩も割ってはいかぬというような、そんな硬直的な考えはいたしておりません。先ほど申し上げましたように、これは一つのめどとして考えておる、かように申し上げておるところでございます。  ただ、公社のほうとされましては、当然一つのめどを達成するようにいろいろな合理化努力をしておられますが、葉たばこの収納価格にいたしましても、また工場その他の合理化にいたしましても、これはあくまでも文字どおり合理的な価格、合理的な合理化計画というのをやっていただくといいますか、やっておられるわけでございます。そういういわゆる合理的な合理化の推進によってそういうめどを達成していこうというふうに努力しておられるものと私どもは信じております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 総裁に伺いますが、たばこ消費税、専売納付金、これのいわゆる財政寄与でありますが、昭和四十年当時は消費税が千百八十七億、専売納付金が千六百四十三億、両者合わせて二千八百三十億。それからずっと三千百億、三千三百億、四千百億、四千六百億、四千九百億、五千五百億、六千十七億、昭和四十八年度は、これはまだ見込みの数字でございますが、六千五百八十億、こういうように四十二年から四十八年を比較して、六年程度で大体倍に専売の財政寄与額もふえておるわけですね。なるほど率は若干値上げした年あるいはそれ以外の年というようなことで変遷はありまするけれども、確かに三十八年当時六二%、四十二年度で五九%、四十三年六三%、四十四年六二%、四十八年五九%というように大体益金率がそういうように出ております、金額としては少なくとも国家財政に寄与する、あるいは地方財政に寄与する、総額としてはこういう数字が描かれておるということは私どもは大事なことだと思うわけでありますが、これもやはり納付金や消費税も益金率とこれは全く無縁ではないわけですね。  なるほど一般会計に占める納付金の比率というようなものはどんどん下がってはいるけれども、こういう膨大な財政益金として国なり地方なりに納められておる。これは国の財政としては、大蔵省の立場に立てば多ければ多いほどいいということに違いはない。しかし一方、このたばこという商品、こういうものが今日の事態で積極的に需要を新しく開拓する、よけいいままで吸わなかった人に吸わせよう、こういう積極的な努力、あるいは売らんかなということで、いわゆるデモンストレーション効果ということをねらってまでどんどん国民に吸わせるように仕向けていくというそういうものであるかどうか。  必要に応じて吸いたいという人には一〇〇%供給をちゃんとやります、しかし今日の健康あるいは公害の問題というようなことと関連して、専売事業としてそういうある程度健康に害がありそうだということがかなり容疑濃厚にいわれておる段階で積極的に売り上げを伸ばそうという、そして新しい製品をどんどん出していこうという、そういうようなことに向かっていくという方向は一体正しいのだろうかどうかというようなことについて——もちろん、もうおざなりで企業努力も何もしなくていいということではありませんよ。いろいろそういう努力はするにしても、その努力の限界は、たいへんなデモンストレーション効果を持った新製品をつくって、それを新しい層にどんどん吸わせるように仕向けていこうという、そういうところまでいくということはそろそろもう節度というようなものを設けてしかるべきであろうというようなことも実は考えられるわけなんです。そういう点では、これは大蔵省と専売公社、どういうようにお考えになっておりますか。  一〇〇%需要のあるところには供給する、吸いたいという人のものには的確に一〇〇%供給していきましょう、そういう責任を果たしましょう、しかし、新しく新製品を開拓したり何かして新しい層をたばこ喫煙の列に加えていくという積極的な努力をすべきものであるかどうかというような点について、今日のいろいろな問題を踏まえて、万般の問題を踏まえてどうお考えになっておるか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 あくまでも需要に即応して私どもは製造し、販売するというのが根本でございます。ただ需要の動向というものは、これは変化してまいります。昔のように、強いたばこが好まれた時代から、いまは健康等の配慮もございましょうが、世界的にはやはり喫味のやわらかい、まるいたばこというふうなものに嗜好が変わっていることは事実でございます。私どもは、そういった消費者の要望に応じて製品をできるだけ消費者の需要に応じて提供を申し上げるのが私どもの責任であろう、こう考えまして新製品を出しているわけでございます。  あるいは次から次へと出しているじゃないかというお話でございますが、現に需要の動向がそういうように向いております。これはもう私どもの知っておる範囲においても、年配の方々は軽いたばこにどんどんかえていらっしゃる。そういったことを考えますと、私どもといたしましても、やはりそういう方々の御要望に応じて製品を提供する義務がある、そういったことで新製品の開拓をいたしている次第でございます。

戸田嘉徳大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○戸田政府委員 いま総裁のお答えになったようなことだと思います。私どもも決して財政収益をあげるためにたばこをしゃにむに売ってほしいというようなことは決して申しておりません。まさに消費者の方の自然の需要の変化に応じてそれに応じたたばこを、それこそ世界じゅうのたばこというものは非常にバラエティーに富んでおります。そういう形で所得が向上いたしますし、そして消費水準が上がりますと、またその消費者者の動向というものもいろいろ変わってまいります。高級たばこあるいは非常にバラエティーに富んだいろいろな形のたばこというものが愛好されてまいっております。そういうものに即応した経営をやっていただく。特にいま幸いにも非常にニコチン、タールの含有量が少ない、いわゆるソフトなたばこというものが非常に消費動向の大きなところを占めております。これはむしろ健康のためにもよろしいと思いまして、そういう方向で努力をしていただいて、そういう形で自然にその収益も上がってくるという形、これが非常に自然でいい形じゃなかろうか、かように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 事務当局に伺いますが、ハイライト、これは日本の場合にはフィルターつきのたばこの草分けみたいになっているわけですが、これは現在どういう変遷をたどっておりますか。これは非常に根強い需要がいまも続いている、私はこういうように思うのですが、その点、このシェアの変化はどういう状況になっていますか。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 お答えをいたします。  ハイライトはたしか三十五年に発売したのだと思いますけれども、それから漸次たいへん売れ行きが好調でございまして、四十三年には全体の五〇%近くまでいったわけでございます。それをピークにいたしまして、最近ではおおむね全体の三〇%くらいに低下をしておる。その理由は、やはり先ほどもいろいろ御議論がありましたように、一般の嗜好傾向が緩和な、ソフトなものに移ってきているということにあるのではないかというふうに思います。したがって、ハイライトそのものについては成長期を過ぎまして、現在衰退期にあるのではないかというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 その辺のところにも非常に問題があるのですが、まあ本格ブレンド、それからニコチンの少ないマイルドな、タールの少ない、いろいろなくふう、そういうことで次々に、セブンスターを出し、あるいはチェリーを出すというようなことでやってきておるわけですね。  そういう中で、これはハイライトなども当時は爆発的にシェアがふえてきた。それがずっともう新製品が出るに従ってそのシェアが食われていくという状態になっているけれども、いまでも三〇%ということになっている。このたばこ吸いの心理というか性向というか、くせみたいなものであるけれども、これはやはり自分の吸いなれたたばこがよほどのことがない限りは一番うまいと思って吸うのですね。そういうものを、新しいことでこれだけニコチンが少なくなりました、これだけあれでしたというようなことで出されると、やはり肺ガン説なんかにおののく人は、そっちへ移行しようか。私なんかもその一人で、最近はハイライトはやはり強過ぎるということで、ヘビースモーカーだもんだから、どうしてもこっちへくるというようなことになる。これはひとつ勘ぐってみれば、国民の立場からすれば、たばこ消費者の立場からすれば、これは値上げをせざる、高単価政策というものを通じての、益金率を上げるための隠れたる意図を持った政策である、こういうことをいわざるを得ないというようにも思うわけなんです。はたして、フィルターの原価なりあるいは原料の葉たばこの調達の費用なりあるいはライスペーパーの良質化なりというようなことで、いままで大体ハイライトが、これはこの前もわずかに、値上げ幅も小さくしたというようなこともありましたけれども、同じようなもので、まあそれは本格ブレンドでマイルドな味になってきましたという宣伝はありますけれども、そしてまた実際にも、確かにタール分をどうとかあるいはニコチン分をどれだけ少なくしか持っていないかというようなことはあるでしょうけれども、そういう値上げを正面切ってやれないから、新製品を、本格ブレンド、マイルドな味、そして嗜好にぴったりする新しい消費の高度化というような、あるいは所得の増大ということにマッチしたたばこなんだということで出されてくれば、これはそっちへ移動することに間違いないわけですが、これはやはり専売公社としては定価値上げということで国会の議論を避けながら、巧妙に経営効率を上げるというか、売り上げ高を上げて益金率を高める、そういう意図を持った誘導政策というようなことになっている、こう見ざるを得ないわけです。  そういうところまでやって新しい層を開拓する、いままで吸わなかった層を開拓するというような、そういうところまでいかなくてもいいのではないか。しかしそれをやるのは、どうしてもいわゆる専売として財政益金をあげていこうというような気持ちが相当強く働いている、こういうことがやはり原因であろう、そしてそういうことをやりながら、専売公社自身がかなりきびしい合理化政策を労働者に押しつける、あるいはまた葉たばこ生産者に押しつけるというようなことに結びついていくという、この疑念を晴らすわけにはいかないのだけれども、そういう点で、さっき益金率六〇%ということは一つのめどで、そうかたくななことは申しませんと言っておるけれども、専売公社としては、やはりそういうものが一つの専売公社の経営のメルクマールにもなっている、そういう受け取り方をしている、そういう中からそういう無理なことが生まれていく、こういうように考えるのですが、そういう点、専売公社の総裁は、そういうことはないというように言い切れますか。どういう御心境でございますか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 たばこというものは、無理に新しい、いままで吸わなかった方を誘引しようというようなことは、私はなかなかできがたいのじゃないかと思います。ただ、消費者の嗜好というものは変遷がございますし、それから消費の高度化という面も確かにございます。こういった方面に即応いたしまして、消費者が好まれるようなたばこを私ども出さなければ、これは事業の健全な運営ははかれないということはございます。したがいまして、そういった趣旨に従って、消費動向に即したたばこを、また多様化というものを目がけて出していることは事実でございますが、無理にいままで吸わない方に吸わせるというようなことは、私はたばこはできないのじゃないかと思います。  そういった御懸念から、あるいはその他の合理化の問題も含めて、専売公社は益金率を無理に維持するために施策をその一点に集中しているのじゃないかというような御懸念があるようでございますが、私どもはそういうことはございません。ただ、あくまでも専売事業の能率的な運営ということは、私どもに課せられた使命でございますから、親方日の丸で国家独占の上にあぐらをかいておりますれば、これは国民全般、皆さまにも申しわけない次第でございますし、そういうことになりますれば、非能率だから民営にしてしまえ、こういった声も出るわけでございます。私どもはむしろ、そういった民営論が出ないように、専売公社においてもこれだけのものはできるのだぞということは、やっぱりしなければならぬと思いますし、これが私どもの国民に対する義務ではなかろうか、こう考えておる次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 ある資料によりますと、一九六九年ですから四年ほど前ですが、たばこの——シガレットといっていいでしょう、総生産額が二万五千八百意本というのが、これが六九年における世界全体の総生産量である。そのうち、アメリカが五千八百四十億本、それに次いで日本が当時は二千二十億本、これはすでに二千三、四百億本にはなっておると思いますが、世界で第二番目のシェアを国全体として持っているということになっている。しかも専売公社の利益率などを見ましても、決してほかの企業と比較してどうこうということではない状態、むしろ成績がいいほうだ、こう見ていいだろうと思うのです。  確かにそれぞれの国でたばこの値段は相当なばらつきがあります。同じような味だな、同じ程度の品質のものだなと思うようなものでも、かなりばらつきがある。しかし日本ではやはり専売の制度なるがゆえに、比較的専売のたばこは、諸外国と比べてみると、これはアメリカのように安いところもあるけれども、ヨーロッパ諸国なんかから比べると安い面がある。しかし、これはけっこうなことだと思うのです。  専売制度でやっぱり安いたばこでしかもうまいものを提供しようという、しかも今日の物価高の中でこれを上げるということは、これはいけない。そういうような面を十分大蔵省としても考慮をしなければならぬ。益金率というものをめどにするということについて、弾力的に考えるとはいうものの、そういう専売制度という中で、全体的なバランスをとりながらある程度販売定価を押えていくというような、そういうことでは国民に貢献しているわけですから、そういう問題から見て、これ以上無理な合理化計画というようなものをやって、対境関係、専売全体に携わっている従業員をはじめ耕作者あるいは小売り商というような人たちに対するサービスなり待遇なりというものを低下させていくような方向に結びつくようなものは、もうそろそろ考え直さなければならない時期ではないかという考えがあるわけです。  もちろんわれわれも四千回転の機械があるというのに二千回転でやめておけ、こういうことは言うつもりはないわけですけれども、しかし、これだけでいいじゃないですかということを実は言いたいのですね。そういう程度でいいじゃないか。四千回転のものにするということで、何か工場を統廃合して、そうして二交代制を導入してというような、そういうことまでやる必要が一体あるのかどうか。こういう点については、大蔵省は一体どういうようにお考えでしょうか。

戸田嘉徳大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○戸田政府委員 先ほど総裁からもお答えがございましたけれども、従来、ときどき民営論というものがなぜ出たかということでございます。これはやはりその基本的にあるのは、民営のほうが効率的であり、いろいろな面で合理的なんじゃないか、こういうことであろうと思います。そういうことから見ましても、私どもとしましては、いま先生がおっしゃいましたように非常に無理な合理化とか非常にそういう無理なことをやるということは、これはもう問題であろうと思いますが、いわゆる合理的な合理化というものは、これはむしろ社会の進歩のためにもやらなければいかぬのじゃないかと思います。たとえば葉たばこの収納にしましてもいろいろそういう計算方式がありまして、合理的にきめられておる。その他もいろいろな面で合理的に問題を解決しながら進歩していくというのが、やはり社会の進展に即応していく一つの大きな態度であろう。  そういうことをやって、いわゆるすべてが合理的な社会の流れの中で専売公社も合理的に動いていくということが、先ほどから先生がおっしゃいました民営論というものの誘発することが非常に押えられていくのじゃないかと思います。なぜ公社がそういう合理的な行動をとる必要があるか、これはやはり私どもとして考えていかねばならないし、またそれは自然の姿じゃないか、かように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 無理なことをさせるつもりはないということなんですが、たとえば今度第一次中期計画でももうすでに六工場が二交代制に移行する。一直のいわゆる日勤という形で朝八時から四時半なり五時なりというような、そういう一直制度の日勤でやっているというものから、朝の六時半から二時前後、二時から今度は十時近くまで、こういうような二直の二交代制というものを導入する、こういうようなことが無理なことでないのかどうか。これは私ども人間が生活をしていくにあたって、大体一般の労働者というのは、朝早い人は六時ごろ起きる人も夏場なんかはあるでしょうけれども、大体朝六時から七時ぐらいに起きて、そして八時ごろうちを出て職場に行く、そして四時から五時ぐらいの間に終わって帰ってきて、夜は夜の生活をする、こういう生活のスタンダードな、ごくあたりまえの生活サイクルというもので生きて生活をしているわけですよね。  それを朝六時あるいは五時半というような時間に起きて、そして特に専売の場合には婦人労働者、しかも家庭を持っている、子供を持っている、御主人を持っている婦人労働者というのが非常にウエートが高いわけでありまして、六割から七割はそういう婦人労働者だ。そういう人たちが朝六時にはもううちを出なければならぬ。子供がいる。子供が学校に通っている。その学校に通う子供たちの朝めしの支度もしてやれない。あるいは支度をしてやるとするならばもっと早く起きていかなければならぬという状態になってくる。  そしてなるほど勤務時間は幾らか、十五分でも二十分でもいままでより短縮したんだということで、かりにしたにしても、二時ごろに工場を終わって三時か四時の間には帰ってくる、こういうことになってくる。そしてまた、それが一週間おきぐらいにおそ番、早番がかわるようでありますから、今度は次の週は一時ちょっとぐらいのところで出ていって、二時から作業が始まって夜の九時五十分に終わる。十時以降になると深夜作業になるからその辺でとめるようでありますが、それで仕事が終わる。それからあと始末をする。バスが出る。バスに乗ってかなりの距離を帰ってくるということになると、もう十時半、十一時ということになってくる。  こうなると家族じゅうでほんとうに一家団らんをする、子供との対話とかあるいは御主人との一家をあげた対話というようなこともない。ほんとうに一家じゅうそろって家族が楽しむというような時間はほとんどなくなってしまう。働きバチのように奥さんはそういう状態で朝早く出ていく、あるいは夜おそく帰るというようなことになったら、これはもう生活自体をたいへん撹乱をしてしまう、破壊をしてしまうというようなことにもなりかねない、主婦のつとめをもう完全に奪ってしまうというようなことにもなりかねない、そういう状態が、これは無理でないのか。  これはもうすでに三工場は一年の経験を持っている。近く来月あたりから三工場がまたそういう形で出発をする。そして近くまた、四十九年ないし五十年ぐらいには宇都宮の北関東工場あるいは高槻とか京都とか、そういうのをまとめるというようなところでまたそれを導入する。そういうことが今度の第二次中計で引き続き行なわれていく。そういう点について、これは無理である、いまよりも労働条件が下がったということが言えないのですか。私はその辺非常に疑問があるのですよ。  これは現状よりも少なくとも合理化という名において——ほんとうに合理性を持った合理化だ、労働者に犠牲を一切負わさない、いいことずくめの合理化だというならば、それは文字どおり合理化かもしれないけれども、そういう従業員を泣かせる、犠牲にするという面はどうしたってそういう面では出てくる。こういう問題までやらせるということは、やはりどうしても専売公社としては六〇%程度はくずしたくない、益金率をその程度から以下にしたくないという必死の努力がそういうところに向かわざるを得ない。  なるほど通勤バスも全部配置しましょうということですが、そう何十台もというようなことはできないわけですから、ぐるっと回ってくる。大体職員のうちで、だれはどこから何分歩いてあるいは何十分歩いてここまで出てきてくれ、かれはここだというようにして、大まかに停留所をきめて、それでまとまったものを運ぶというようなこと。うちを出るのはやはり一時間も二時間も前に出なければならぬというようなことになるわけですから、そういうことが職員にちっとも無理をかけない、いい合理化だということはなかなかできないわけであります。   〔木村(武千代)委員長代理退席、委員長着席〕  たとえばいま二交代制勤務で、早組、おそ組ということで、始業時刻が六時三十分ですよ。これが冬場なんかになったら、冬時間で幾らかずらすというようなことも具体的には考えるようでありますが、早組が六時三十分、それで十四時二十九分まで、こういうようになっている。六時三十分に出るためには、少なくとも一時間前には起きてその準備をしなければならぬ。これは交通の関係であるいはもっと早く起きなければ間に合わないという人もある。ああいう土地柄で、冬場なんかについては若干の、三十分やそこらずらすということがあったにせよ、これはたいへんなことだと思うのですよ。こういう問題について、労働条件が決してダウンしていないというようなことは言えないと思うのですよ。  その点で、先ほどからいろいろ議論はしてきましたけれども、やはりとどのつまりは大蔵省の益金率を下げないという目的に合致するために合理化計画を進め、長期計画を立て、中期経営計画一次、二次と進めてこういうところに来ている。いままでの日勤でやって、そして二千回転のものが四千回転、それだけでも倍の能率があがるのです。それを今度は二乗、三乗という乗数効果をねらって、二交代で機械をよけい働かせる、投資効率をあげるのだという、機械に全く人間生活を従属させるという、そういうことに結びついていくと思うのですが、これが無理ではないとお考えなんでしょうか。これは総裁と大蔵省と両方から答弁を願います。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 専売公社では従来から原料工場あるいは印刷工場に二交代制度をやっておりました。陳腐化した工場を全面的に建て直しまして最新鋭の設備を入れた新鋭工場をつくる、こういった場合におきましては、お話のように投資効率を高め、またあるいは日進月歩の技術の革新に備えまして償却をできるだけ早くする、こういった見地から、御指摘のように北の三工場、それからことし開設を予定されております南の三つの工場につきまして二交代制度を導入することにいたしておるわけでございます。  これにつきましては御承知のとおりたいへん問題もございます。そこで組合とも十二分に話し合いをいたしまして、結局私どもといたしましても、二交代制度による影響をできるだけ緩和するような措置を講じようということで、あの手この手といろいろ組合と相談いたしまして実行いたしておるわけでございます。もちろん労働時間の問題、これも考慮に入れてございますが、ただ生活のサイクルが変わるという点は確かに御指摘のとおりであります。いままで日勤制度でこられた方については生活のテンポが狂ってくる、こういった点はあると思います。これも二交代制度にだんだんなれてくれば、私どもといたしましてもそういった悪影響はやはりだんだんなくなってくるのじゃないか、こう思います。私たちの個人の生活でも生活環境が変わったときには非常につらい感じがするのでございますが、これも一定の期間の経過とともにだんだんやはりそれに適応するような働きをやっていくわけでございます。  ただ、そういうことを一がいに申すわけではございません。これに対する悪影響の排除につきましては組合とも十二分に話し合いまして、あるいはどうしても二交代制度に向かない方につきましては日勤の勤務場所を与えるとか、あるいはもちろんのことではございますが、交通関係の施設を提供する、これはもちろんであります。その他育児給食の制度とか、あるいはまたできるだけ早番とおそ組とを固定させるとか、そういったいろんな手段を講じまして、二交代制度による悪影響を排除しよう、こういうふうに組合と相談してただいま実行中でございます。  ただ、こういった制度はもちろん全部について導入するわけではございません。いままで導入いたしました施設におきましても、これは益金率を維持させんがための二交代制度という考え方ではございません。あくまでも当初申しましたように、私どもは国の専売事業の能率的な実施を委託されているわけでございます。そういった趣旨に従って、そうしてそんな非能率なら民間に委任してしまえ、そういった声にこたえる意味におきましても、できるだけ私どもとしてはそういった合理的な措置を講ぜざるを得ないわけでございます。これがやはり私どもの責任であろうか、こう考えているわけでございます。決して無理な合理化措置というようなことは実は考えておりません。できるだけ組合とも話し合って、そうして最後に妥結策を見出していきたい、かように考えております。

戸田嘉徳大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○戸田政府委員 いま総裁からお答えがありましたが、この問題は公社にもりっぱな組合がございますことで、組合と公社とがよく相談されてやってこられたものと私は考えております。そういう形で、当事者で納得してやっていっていただくのが一番よろしいのではないか、かように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 無理ではない、こうおっしゃるのだけれども、無理であることはやはり言外に含めておられるのを認めざるを得ない。生活サイクルは非常に変わって、激変してくるわけですよ。いままで子供たちをちゃんとその学校に送り出す、弁当もちゃんとつくってあげます、一緒に食事もしますというようなことが母親のつとめなんですね。専売に働いているからそれが今度はできなくなったということはたいへんなことなのです。かけがえのないことを専売公社がむしり取ってしまったということは当然言えるわけですね。  それはもうそういう生活実態にあることは間違いないということだし、それから交代制勤務の職員は一日について四十五分の休みだということで、この面でもおかしいのじゃないでしょうか。第一回十五分、第二回三十分ということで四十五分になっている。たぶん昼飯の時間でしょう、第二回の三十分というのは。早番は当然そこに入りますからね。こういうことがある。それからまたおそ番のものは夕飯どきということがおそらくこの第二回の三十分ということになるのだろうし、あるいはこれを一回、二回に分けないで、昼飯どきに一ぺんでとってしまうというようなこともあるかもしれない。日勤の場合にはこれが六十分与えられている。その点は総体の勤務時間の中で幾分その分をやはり縮めようということになっているかもしれませんけれども、早組が六時三十分から十四時二十九分、こういうことになっておりますけれども、これはちょうど八時間ということであります。同じ八時間の中で片方は六十分出し、片方は四十五分出すということにもなっている。  こういうことだって若干問題があるだろうということが言えるし、いままでの機械よりもものすごい、倍以上の能率をあげるような機械が入る、それにふさわしい工場スタイルもできる、そういうことで、それだけでも倍の能率はあがるわけなんですよ。それでいいじゃないですかというんですよ。それ以上に二乗、三乗というような意味を持たせて、倍じゃなくて今度は乗数でいこう、投資効率をやはりどうしてもあげなければならぬということになって、そういう状況を組合とこれは妥結をしたにしても、組合としてもいよいよ専売公社のほうから追い込められて、これはのまざるを得なかったという事情もあるようでありますけれども、実際にやってみてやはり相当きびしい労働条件になっているということはいえるわけです。  しかもこれによって勤務時間の面でどれだけ目に見えたようなメリットがあったのかという点はどうなのですか。少なくともこれだけのことをやるのならば、週休二日というようなものはもう時代の潮流だといわれているのですよ。国家独占事業としての専売公社がそういう面でもやはり一歩先んじてこの時代の流れを先取りして、週休二日を同時に導入するということがあればこれはまだしもという感じを受けるのですけれども、それもほんの一部分にしかまだ実現してない。総体的にこれで労働条件は一体どれだけ、そういう合理化によって週の勤務時間というものがどれだけ短縮されたのですか。そうして同時に、この高速運転の機械を導入する、そして二交代にいくということだったら、週休二日を入れましょうということがどうしてやれないのか。それをやったら十六時間機械を稼働させるというメリットがまるっきりなくなってしまうというものでもないと思うのですね。その辺のところはどうでしょう。

石井忠順日本専売公社管理調整本部職員部長

○石井説明員 お答え申し上げます。  勤務時間の配置は先生がおっしゃいましたとおりに、夏の時間帯と冬の時間帯とで分けてございます。夏の時間帯は先ほどお話ございましたとおりに六時半から二時二十九分まで、これは早組でございます。冬の時間は同じものが三十分下げまして七時からということにしてございます。  お説がございました週休二日制との関連でございますが、拘束時間をなるべく短くするという観点から、休憩時間を従来より十五分縮めてございます。さらにこれを縮めまして、若干ふだんの時間を延ばしますと、週休二日という配置もとれると考えられますけれども、現状ではこの時間帯で週休二日にいたしますと、週の労働時間がたいへん少ないことになってしまいますので、現在交代制の工場は週休二日制をとっておりません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 関連して。私のところは関係があるからちょっとお尋ねしたいのです。  私のところの選挙区にある茂木工場が宇都宮に統合されるわけですね。その場合、かりに夏、朝六時半から出勤する場合約四十分はかかるのですね。公社はバスで出迎えするそうですが、かりにバスで往復出迎えされたところで、六時半から作業にかかるとなったら少なくも五時四十分か五十分には茂木の町を出発しなければならない。女の人で子供をかかえている、こういう人たちが、こういう朝の早い時間に長いことこの勤務にずっとたえられると思うかね。それはとてもたえられないからやめることになりますよ。自然的に女の人はみなやめざるを得なくなるというところに追い込まれるのだよ、この時間帯でやられたら。そうは思わないかね。それが一点です。  まことに無神経だと思うのだけれども、総裁どうですか。御婦人が毎朝五時四十分ごろ出るとしたら、五時に起きたのでは間に合わないわけね。それこそ四時ちょっと過ぎに起きてごはんをたいて、子供が学校へ行かれるような支度まで全部親はやって、それでバスに乗って出かけていくのだ。御婦人がつとまりますかね。その感覚だけ聞きたい。科学的なきちっとしたお答えでなくても、感覚を聞きたいの、だから、どうですか、総裁。御婦人がやめずにずっとつとまりますか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 それはまあ各個人によってやはり私は違うと思いますが、どうしてもそういった二交代制度にたえられない方は、これは実は退職の御希望によりまして一応いままでよりも割り増しの退職手当というものでおやめいただいたわけでございます。いま残っている方は、とにかくこれでやっていこう、こういう決意をされた方々ばかりでございまして、ただいま茂木工場の皆さんも、北関東工場へ行って働こう、こういうような御決心で働いていると私はうかがわれるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 それは総裁、一たんそうきまったけれども、三工場は二交代制で一年間やってみた、組合は実績を見た。そうして今度組合員の世論調査をしてみた。ところがこれは無理だ、そんなことをきめるような組合では困る、こういう空気が非常に強くなったところに今回の事態に発展したのでしょう。だからそこで私は人間的な生活がこういうスケジュールでできるのかどうかという判断の感覚を聞いているのですよ。  やることにきまったからもういいんだということではなくて、一年間の実績から反省をしてみてもまずいということでひっくり返った。それで二交代制は確かに組合で承認したのですよ、一回。一回承認したけれども、その実験を一年やってみたところがうまくないという結論になったのだ、組合の意見は。下から突き上げられたわけだ。そこには人間的なものが失われているからですよ。だからそういう無理なスケジュールを、総裁として人によってはいいという人もいる、人によってはできない人もいるというように個々のケースはあるかもしれぬ。しかし一般的な人間の日常生活のあり方として、こういう無理な出勤体制が長続きできると思うか。人間的に私は非常な苦痛だと思うのですよ。その一点だけ伺っておる。現実は妥結したとかしないということでなくて、人間の取り扱いの姿勢として、総裁こういうことが合理的なんだ、これでいいのだと自信をもって言えますか。私は無理だと思うね。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 確かに日勤の勤務に比べて生活にやはり相当な変化を生ずる、こういう点についてはつらい方は確かにおありだ、こう私は思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 つらいということは認められた。つらいことをさせておるわけですよね。たとえば国鉄とかあるいは電信電話とか、こういうようなところはやはりこれはたとえば国鉄が五時までは汽車がとまってしまうというのでは、これはどうしようもないところだから、全国民的な合意の中で徹夜勤務もこれはやむを得ないだろう、あるいは交代制勤務もやむを得ないだろう、こういう国民的な合意だと思うのですよ。これはしょうがない。そのかわり別な面でよくしてやれということが当然出てくることだと思いますけれども、国家の独占事業としてたばこという商品をつくっている。そのたばこという商品を二交代で、朝四時起きで行って夜は十一時にしか帰れぬという、そういう労働者の手によってたばこを生産するという、そういう必然性というか、だれもがやむを得ない、汽車をとめるわけにはいかないのだから夜中働くのもやむを得ない、こういうものとは、国民の見る目だってこれは違うと思うのですよ。  どうしてもやるのだというそういう必然性は何から来るのか。そして組合も追い込まれてしぶしぶながら第一次中計の際に一応妥結はした。しかしやってみてかなりきびしい、つらい、そういう訴えがあり、第二次中計でそれをさらに踏襲をしていこうということは、やはり第一次中期計画の見直し、その中で一番重要な問題は私はこれだろうと思うのです。四時に起きて、あるいは十一時に帰ってというような、そういう労働者でたばこをつくらなければならない。なぜそうせざるを得ないのかということは、せんじ詰めればこれはやはり益金をあげなければならない。専売益金を財政当局の要求に従ってあげなければならないというところに帰すると思うのです。大蔵省、これはどうですか。  今度は山本政務次官に聞きますが、たばこがそういう形でつくられなければならぬのだという必然性はほかには何もない。国民が納得するようなものは何もない。国鉄が徹夜勤務をやっているのとはこれは事の本質が違う、そう思うのですよ。それをさせるというのはやはり財政当局がこのくらいの利益率をあげて、このくらいの益金を地方消費税として、あるいは国庫納付金として出しなさいという、そういうものがあるからだけだと思うのですがね。いかがですか。それは第一次中計では、いままでの一千回転やあるいは宇都宮工場なんかは朝日をつくっているから明治時代そのままくらいの百二十回転なんというのもあるのですよ。それが今度は一挙に四千回転の機械が入るのですよ。それだけでもいまの日勤体制でやったって能率はもう何倍にもなるのです。それからまた包装部門や何かについても次々に高速の包装機械等もできているわけなんです。そういうことで能率はまた二倍にも三倍にもあがろうというのに、それ以上三乗、四乗ということで乗数効果を、特に投資効率をそういう形で回収しよう、引き上げていこうという、そういう感覚でやるべきではない、こう私は思うのですが、政治家として、大蔵大臣の代理として、ひとつその点についてあなたのお考えを聞きたい。これは監理官、耳打ちする必要はない、山本さんの率直な御意見を伺いたい。

山本幸雄自由民主党大蔵政務次官

○山本(幸)政府委員 私は実は専売の工場における労務管理といいますか、業態をつまびらかにいたしませんので、よくわからないのでありますけれども、いまお話を伺っていますと、確かに総裁が言われるように生活のサイクルは変わることであろうと思います。たいへん勤務の様子が変わるということは、しばらくなれられるまでは相当苦痛のものであろうと私は思います。そこで専売公社としましては、やはり先ほど来お話しのように、国民の生活の中に深く入り込んでおる、全国民的な需要を持っておるたばこを安定供給するという任務を持つものですから、そういう観点からも大いに御勉強なさるのはこれは当然の責務だろうと思うのです。そこのところでいろいろ労務の条件というものが出てくることだと思うのですけれども、まあいまお話を伺っていますと、一応は組合とも話をして、組合側も一ぺん——一ぺんということであろうかあるいはどうか存じませんが、とにかくそれでやってみようというお話になっておるようでございますので、私のいまお伺いしておるだけの感じでは、ひとつそれでしばらくやらしていただいて、もしそれでまた支障が非常に大きいということであるならば、これまた公社としてもお考えになるということも将来の問題としては起こり得るのではないだろうか、こういうふうに思います。確かにそういう生活の実態というものは、いまいろいろ聞いておりますと御苦痛のことはよくわかりますが、一応そういうことでその職場でやはり引き続きやろうという意欲を持っていただいておる方もおありのようでございますので、当分といいますか、いまのところそういう方向でやらしてみていただきたい、こう思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 どうも戸田監理官の耳打ちがきいたらしくて、山本政務次官の政治家としての回答をきけなかったことを非常に残念に思うわけですけれども、とにかくこの投資効率をあげていくということは、先ほども何回も繰り返しているように、いままで一千回転か二千回転でやっていたものが四千回転になる、包装の分野においても高速の包装機械も入る、こういうようなことでかなりの、二倍、三倍の能率があがるのですよ。投資効率はそのメリットの中から幾らでも出るじゃありませんか。それを二交代までやって投資効率をあげる。機械なり工場なりの償却というのを一刻も早くあげてしまいたいというのは一体どこにその計算の基準というか、めどというものを置かれてそういう計算をしておるのか、その辺のところはどういうことになっているのですか。  たとえば函館なら函館の工場、そういうすでに二交代をやっている工場におきまして、これはどの程度の設備投資をして、機械の減価償却がどのくらいで、どれだけいままでよりその面で浮くのだ、投資効率を高めるのだ、こういう計算の基礎を具体的な数字で、どこかの工場でけっこうだがひとつ説明してください。あるいは私の一番身近なところで、北関東工場でそういう計画があるならばそれでひとつ——これはいま敷地の造成が始まった程度ですからこれからの問題ですけれども、しかしそういう計画はあろうと思いますから、そういう点はどういうことか、その一つの工場でどれくらいのメリットを考えているのだという、その具体的数字をあげてひとつ説明してください。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○斎藤説明員 いま先生の御質問になりました事柄につきましては、実は手元に所見をまだ持っておりませんのですが、実は二交代にいたしましたのはまあ償却をできるだけ早くするといった点に重点を置いてお話が進んでおるように伺うわけでございます。  もう一つ現実的な問題といたしまして、第一次経営計画——最近たばこの売れ行きが非常に増加しておるということは御承知のとおりでありますが、確かに御説のとおり高速機を入れれば、千回転が二千回転になれば二倍ということ、従来ですと千二百回転くらいのものを二千回転くらいに変えてきた、確かにそういうことはございますが、現実に機械というものが右から左にそう無限にできてまいりますものでございません。現在使っております高速機にいたしましても、公社の機械製作所でつくっておりますが、精一ぱい能率をあげまして年に百台程度しかできない。  したがいまして、年々百億本ないし百数十億本ふえてまいります需要に対応してまいりますためには、その機械を八時間だけ使っておるのではなかなか追いつかないという事情があった。おっしゃいましたように、ただそれで機械をかえて、その機械、高速機が無限にできてまいります場合にはおっしゃるようなことで対応できるわけでございますけれども、具体的にはそういった機械のできる能力というものがネックだ、そういうためにどうしても機械を倍の時間使わざるを得ないという事情にございます。第二次中期計画に入ります向こうしばらくの間、これもかなり販売の数量というものがふえてまいります。それに対応するためにはやはりそういったわけで能率のいい機械を定時間だけではなくて、それ以上動かしていかざるを得ないといったような事情にあるということを御了解いただきたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この中期計画の第二期に入ってこれはどこまで二交代制というのは続くのですか。将来の見通し。これは二交代制をやがては廃止するというめどがあるのですか。二交代制はこれからの常態になる、新しい機械を入れ、新しい工場をつくった、そういうようなところは、何十年でももうこれからずっとコンスタントな状態として二交代制はこれが専売公社におけるたばこ製造労働者の常態の勤務形態であるということになるのですか。何年先にはそういう状態からもとの日勤、しかも時間も八時間労働から七時間ぐらいに短縮をされて日勤体制の工場になるのだ、そういうめどなんかはあるのでしょうか。これがいつも、どこまでも、高速機械を入れたから、新しい工場システムにしたからということでずっと常態になるのですか。その辺のところの構想はどうなっておりますか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○斎藤説明員 ただいま広瀬先生の御質問に対して、いつからどうなるという答えはまだいまでき上がっておりません。ただ問題は、このたばこに対する需要が一体どういうふうなテンポで伸びていくのかということ、それから片っぽうでは一般の勤労者の勤務がどういうふうなことになるか、そういったようなこと、公社の内部の要素あるいは公社外部の要素、そういったようないろいろな要素があろうかと思います。そういったものを総合的に考え合わせまして、そしてきめるべき問題だと思っております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 いまこれは特殊な機械ですから、なかなか需要に追いつかないというようなことなら、じゃ、その機械が整備されて能率のいい、効率のいい機械がどんどん各地に行き渡っていくというようなことになれば、これは二交代というようなことも当然なくなるのだなという感じをわれわれ受けた。それで私は、それじゃどういう見通しなんでしょうかということを質問したのだけれども、質問の焦点に合った答えがはね返ってこないわけだけれども、これはもうずっとこれからたばこの需要がふえていく、年に百数十億本、まあ大体百二、三十億本ずつあるいはふえるかもしれない。そうすると、一工場ずつ本来ならば建てていかなければならぬ。いまかなり能率のいいところでも一工場では大体百二、三十億本ぐらいが最高ですから、そうすると一工場ずつ建てていかなければならぬということになる。それを統合して、能率のいい機械にしよう、そして人間も減らそう、こういう効率化を同時に進めようというわけですから、しかしそれはこの長期経営計画の中でずっともうこれからたばこの需要の増大ということをちゃんと見込んでの計画なんですから、それに追いつくためにそういう高能率の機械を導入するということによってそれではいつごろその需要をまかなえるという状態になるのか、そのまかなえる状態になったらそれはもとに戻しましょう。戻してもやれるだけのものにいつごろなるのか。あるいはもうずっとこれから先効率ということも考え、専売納付金の利益率のことも考えて高能率にします。そして人間も減らしていきます。そしてまた益金率を六〇%に押える。さらに五六%程度の専売納付金あるいはたばこ消費税というものをどこまでも確保したい。そういうようなところから逆算してきてこの問題が出ていると思うのです。が、これからもう二交代というのは専売の勤務者の常態なんだ、これがすべて新しい合理化工場の勤務の常態になって何十年先まで続くのだ、こういうことなのか。あるいは五年先なり、この中期計画が終わったころには大体そういう無理なことをさせないでも済むようになりますよ、こういうことなのか、その点について一体どっちなんです。そのくらいのことは答えられていいはずじゃないですか。

小佐嘉博日本専売公社理事

○小佐説明員 私ども長期計画に基づきまして、第一次中計を受け現在第二次中計の策定作業に入っておるわけでありますが、第二次中計以降の問題につきまして現在のところどういう需要になるかという予測がたいへんむずかしいわけでございますので、一応第二次中計におきましては第一次中計の路線に従いまして統廃合する工場につきましては二交代制を考えていきたいというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そうすると、この二交代制というのはずっと続くのだということなのですか。新しく統廃合した工場には全部二交代制を導入してどこまでもいきます、将来それが常態になります——もう大体工場の統廃合をどんどん進めるわけですから、統廃合がどんどん進めば、早いところ統廃合をして、たとえばもうすでに函館とか盛岡とか金沢とかいう工場は二交代をやっているわけですから、それをずっと将来どこまでも無限にこの二交代が続くのだ、こういうお考えと了解していいわけですか。ある一定の需要を満たせる段階、そういう状態になったらいつでも二交代制をやめます、こういうことなのか。目安は一体どの辺なのかということは全くわからないわけですね。

小佐嘉博日本専売公社理事

○小佐説明員 工場の勤務形態の問題は先ほどからいろいろお話がございましたように、これからの技術革新のテンポを一体どういうふうに考えていくか、あるいは労働事情の変革というものをどういうふうに予測をしていくかということに非常にかかわり合いがあるのではないかと思います。いままで機械の回転数につきましては、かつて九百回転であったものが千二百回転になり、二千回転になり、二千五百になり、さらに最近では四千回転というような機械が開発されつつあるわけでございますが、機械のコスト、生産費自体が回転数の違いによりまして相当大幅にふえてまいります。したがいまして、できるだけ早い時期に償却をし、次の発展に備えていくということが非常に大事な考えではないかと思います。そういうことでできるだけそういう体制に応じまして、現在新鋭工場につきましては二交代制ということを考えておるわけでございます。  しからば二交代制がこれから先未来永劫に続くかということでございますが、これは将来需要がどういうふうに変革をするかということと非常に深いかかわり合いがありますし、そういう予測が現在のところできておりませんので、当面、先ほど斎藤総務理事から御説明しましたように、需要に対して製造能力のほうが追いついていかない。それを二交代制によって、少なくとも第二次中計の期間中にはカバーをしていかなければならないという状況でございます。第二次中計以降一体どういう姿になるかということは、その時点にさらに見直しをやらなければいけないのではなかろうかというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 需要の動向というものがどうなるかということも未確定の問題ではあるけれども、二交代制ということが労働者にとってはかなりきびしい、無理のあるものであるということは総裁も認められておるのです。そういう形態を、機械を合理化した、非常に高価な機械を入れる、そういう投資をしたのだから、それを早く回収し、投資効率をあげていくということを考えるためにやむを得ないのだ、こういうことではわれわれはどうしても納得できないわけです。  今日、三十四の工場がある。三千億本をかりに近々にこえるということになりましても、百億本規模の——いまだ四十億本か七十億本というような工場もたくさんあるわけでありますから、そういうようなものを一つ一つ新しい機械にかえて百億本台くらい三十四の工場でつくれるようにしていけば十分間に合うのですね。統廃合をやったり何かしなくても、一つ一つの工場にそういうことをやっていけばいいわけです。何でも統廃合するのだ、統廃合しなければ——四千回転の機械というようなことになると、かなりスケールも違わせなければならぬというようなことで、工場の作業体系全体が変わらなければならぬというようなことで、ある程度やむを得ない面もあるけれども、そういう形でやっていったってできるわけです。何も統廃合ということだけで、そしてそこへ高速機械を入れるというようなことでなくたって、やりようは幾らでもあるじゃないか。  そして二交代制にしなくたって——二交代にするというのは、あくまで納付金を確保しよう、益金を確保しようということに尽きるわけなんですよ。だから、そこをやはりもっと考えて、専売公社に働いている労働者も人間生活をちゃんとスタンダードに平準的な立場でやれるのだ。たばこをつくっているがゆえによけい苦労しなければならぬという、そういうところまでいくこと自体がおかしいではないかという根本的な疑問をどうしても解消するわけにいかない。  ところで、そういうことで皆さんが固執をされるなら、「おおぞら」「マリーナ」という新製品、新規商品の投入を考えてやられた。しかもこれがたいへんな見込み違いをして、これはそういう逼迫した工場の中で売れない品物をつくり過ぎているじゃありませんか。一体この責任はどうなんですか。需給に追いつかないのだ、現状のままでは追いつかないのだ、追いつかないのだと言いながら、これは経営責任としても非常に大きいと思うのだけれども、まるきり見込み違いをして、今日おそらく「おおぞら」「マリーナ」両方合わせますと少なくとも三十何億本ぐらいのストックを持ってしまっているのじゃないかと思うのです。  しかもこれを数字的にいいますと、たとえば、当初の見込み数字が四月の段階で八億二千六百万本製造しますということですから、大体このくらいつくったのだろうと思いますが、それを今度は実勢見通しということで、六億九千万本に計画見込みを縮小した。販売実績は四億二千八百万本である。当初の計画から見ると、大体半分、こういうこと。五月も八億八千二百万本に対して、製造のほうをさらに見直しをして八億六千七百万本にしたが、これも五億三千三百万本しか売れないということ、販売でもそういう状態にした。ところが、実際の販売数量を見てみますと、四億二千九百万本で、これもやはり八億八千万本から見直しをした。製造の過程からいっても、そして販売の数量としての見直しをした数量からいっても五億三千三百万本からは一億一千万本も少ないというような結果が出ておるわけであります。そして累積過剰在庫というようなものもおそらく両方で三十数億本も数えているというようなことになっている。  こういうようなことは一体どこから出てきたのか。専売公社としてはやはり本格ブレンドの開発だ、そして大衆の嗜好に応じて出していこうというようなことで、ややそういう面であせり過ぎがあったのじゃないか、見込み違いがそういう面から出てきたのじゃないか。こういうところにも基本的に皆さんの考えておる問題がどう国民にほんとうに受け入れられるかというようなことについて、皆さんの考えと消費者大衆の考えというものがそういう食い違いを現実に示したということで、それだけの過剰在庫をかかえる。これはもう五カ月も六カ月も低温冷蔵庫に保管をしておる。そういうところに入れなけれればすぐかびてしまって、しみが出てしまうということになるのです。もうすでにそういうものも出ているのだろうと思うけれども、そういう保管料だけだってこれはたいへんなことだ。そしてこれを解消するために、今日地方の小売り商に、要求もしないのにそういうものを押しつけるというようなことから、小売り商からも不満が大きくはね返ってきている、こういうような問題も出ているわけです。  こういう、需要に追いつかない、需要に追いつかないといいながら、経営首脳陣がそういう誤りをおかしてこういう事態を招いたということは、やはり根本的に皆さんの考え方というものが全的に正しいなどと思い上がったら間違いだということを私は示していると思うのですよ。そういうところは謙虚にやっていかなければならないと思うのですが、この実態は一体どうなっていますか、具体的に過剰在庫が現在どのくらいか、製造がどのくらいか、どれだけ売り上げがあって、どのくらい見込みとそれがそごがあったか、それをパーセントで示して、今日の在庫量、そして一体その損害額はどのくらいあったかということを示していただきたい。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 お答えをいたします。  お答えの前に、なぜ「マリーナ」「おおぞら」を発売をしたかという趣旨から御説明をしたいと思います。  最近におきますところのたばこの消費傾向というものは、先ほどから御議論がありましたように、喫煙と健康の問題に対する一般の関心というものが反映をいたしまして、喫味が軽くて、しかもうまみがあるたばこが好まれるということでございます。このような傾向は日本だけでなく世界的にもそういう傾向というのはございますが、公社といたしましても、このような消費者の意向を踏まえまして、葉たばこに特殊加工を施したソフトなたばこの開発に力を入れることにいたしました。  昭和四十五年の春、初めてソフトブレンド銘柄として「らん」、続いて「チェリー」を発売したのでございますが、これらの銘柄はおおむね順調な売れ行きを示しております。さらに、軽くてしかもうまいたばこという消費者の強い要望もございまして、「チェリー」「ハイライト・エキスポート」に続く銘柄をどういうふうに出したらいいかというふうに考えたわけでございますが、一方、ニコチンのレベルから申しますと「ハイライト」が一・八ミリグラムでございます。全体で売れている平均レベルが一・五ミリグラム弱ということでございますが、先ほども御説明いたしましたように「ハイライト」が、だんだん売れ行きが減少しているということでございます。そういうことを考え合わせますと、やはり一般の嗜好が軽いたばこに向かっているということを考えざるを得ないと思います。  一方、それまでに開発をいたしまして新発売した銘柄は、大体百円を中心にしまして、それ以上のものが出ておったわけでございますが、そういうことから、なぜ公社はそういう高いものだけを出すのかというような批判もございましたので、特に「ハイライト」と同じような価格組みのものを「おおぞら」として発売したわけでございます。  それから「マリーナ」につきましては、「チェリー」に対するところの批評がわりあいに軽過ぎるということ、もう少しハイテーストなものを発売してはどうかということで、その要望にこたえて出したわけでございます。「マリーナ」につきましては昭和四十七年の秋から、「おおぞら」につきましては本年の一月から発売をしておるわけでございます。  そういうことから、私どもといたしましては「ハイライト」がたいへん大きな銘柄でありまして、当時といたしましては年間約八百億本、それから「ハイライト」の二十五本入りの需要が約五十億本というような状態でございます。  そういうことから、私どもはどの程度この両銘柄を売ることを計画をしたらいいかということをいろいろ考え合わしたわけでございますけれども、たいへんむずかしい問題がからんでおりまして、私どもとしては一応百億本という計画を立てたわけでございます。発売後の売れ行きは、先生御指摘のように意外にお客さんの好評を得なかったということ、言いかえますと私どもの期待に反した成績であったわけでございます。しかし、客観的な情勢からいきますと、その百億本が多かったかどうかという問題につきましては、結果的にはたいへん願望的な数字であったというふうにも見られるわけでございますが、「チェリー」等を発売したときの状態から考えますと、現在の売れている状況、年間に直しますと約四十億本見当というふうになろうと思います。普通の新製品発売ではその程度のものが出ているわけでございまして、その面からいきますと、必ずしも「おおぞら」「マリーナ」についてへ新発売したために特に売れ行きが悪いということではなかろうと思います。ただ、製造をするための要請として、何と申しますか、製造計画数量が大きかったということでございます。  これに対する対策といたしまして、私どもはできるだけ早く需給の調整ということをいたしておりますが、そういうことで、たばこを売る上からいきまして、やはり需要と供給とが合致したものでお客さんの手元へ渡すということが一番大切であろうと思います。  それから、全体的なたばこの売り上げをここで申し上げてみますと、そういう計画のそごはございましたけれども、本年度の八月までの販売成績は大体計画を若干上回っておるというところで推移をいたしておりまして、比較的順調な推移でございます。  それから、先生御質問の件でございますけれども、大体八月末で「おおぞら」のストックが約三十億本でございます。それで御承知のように、「おおぞら」につきましてはデザインが変わることになっておるわけでございますが、いままで売ってまいりましたのはたいへん世間で議論をいただいたデザインのものでございますけれども、これから出回りますのは新しいデザインのものでございます。そういうこともございまして、今後の売れ行き等についてはまだ何とも予測がつかないわけであります。私どもといたしましては、これからのたばこということで、しかも大衆銘柄として育てたいというような気持ちを持って「おおぞら」には対処いたしておるわけでございますが、そういうような状況でございますので、「おおぞら」についての将来の問題については今後の研究課題であろうと思います。  「マリーナ」につきましては、これは「おおぞら」と違いまして、「チェリー」等との互換性がございますので、需給の弾力と申しますか、そういう製造上の調整が比較的つきやすいものでございます。そういうことでございますので、私どもといたしましては今後の売れ行きの状況を見きわめながら現在あるストックというものを処理をしていきたい。  それから「おおぞら」についてはすでに製造を一時休止をいたしております。以上でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 どうもそういうところにも、これはいろいろあなたから御説明があったけれども、売らんかなのその姿勢、たとえば「おおぞら」にしても「ハイライト」と同じぐらいの値段でということで二十五本入り、これはやはりある程度の消費の強制なんですよ。二十五本のあれは、パッケージもポケットに入れるのにはやや大きい。それをことさらに二十五本ということにした。一箱買う人がよけい買う、そういう欲張りな根性が働いておった。やはり経営効率主義ということが先走り過ぎたということがまず一つあるだろうと思います。そして値段は、「ハイライト」並みの二十五本で百円だから同じ値段になります。しかし、一方において製品が需要に追いつかない、足りないというのに、よけい売ってやろう、こういうことがかえって好みに合わないものを大衆に押しつけるような形になった。  「おおぞら」というものはどうも文字を最初から間違えたというけちがついたし、そういう点でもあれだし、特に私が言いたいことは、「マリーナ」の問題はまあ転換もききますというようなことだけれども、最近では「チェリー」がよく売れている。それから「セブンスター」もずっと好調に売れておる。そういう銘柄が定着してずっとふえておるというときに、一年か二年で、またそれっということで新しい品種を次々に出すという、あるいは半年もたたないうちに出すというようなことが、はたして賢明な施策であるのかどうか。定着した品種を、やはりそれが伸びる状況というものを見ながら、それに合わして計画をうまくマッチさしていく、こういうようなことでなくて、売れるか売れないかわからない、しかも市場調査なんかも、ほんとうの大衆の好みというものを吸い上げた形でやっておるかどうかわからない新しい品種を、新しがり屋で出していくということは、常に危険が伴う。今度それが集中的に出たと思うのですよ。そういう面で今度専売公社の責任は大きいと思うのです。  特に需要に対してなかなか追いつかないのだと言いながら、売れないものをよけいつくってしまって、それだけそういう点で売れないものをかかえておるということ、売れるものが足りないのだから、それをちゃんと需要に合うように供給されるということでやっていけばいいのであって、結局、新しがり屋で次々に新製品を開拓していく。もう「チェリー」などは、ニコチンの含有量なんかの問題でも、それからマイルドだとかいうようなことにも合致したものとして相当伸びておる。「チェリー」「セブンスター」というようなものに、少し「ハイライト」にあきた人たちがそういうところにどんどん移ってきておる。そういうものが足りなくなっているところへそういうものをやって、新しいものを、売れるものか売れないものかわからぬものを開発しては失敗するというようなことは、これは合理化をほんとうに必死に進めようということから見ても、いかにも経営者の責任は、そういう反面としても重大であるということをいわざるを得ない。  そう新しがり屋で次々に出すというようなことをしないで、少なくとも三年なり五年なりという年月、じっくり売れ行きを見て、大衆の嗜好というものがどこまで定着してどこまで伸びていくかということも——これは人間には新しがり屋の一面もありますから、ときには、これがもう限界だというようなところを見きわめて新しい製品に移る、そういうことはいいかもしれないけれども、あまりにもこうした、あせってそういうことをやるという経営姿勢というものは、この際、まだ三十五億本ぐらいの過剰在庫ということで八月末でおさまっておるようですけれども、それらの問題についても、そういう点を十分注意してもらわなければいけないし、そういう中から私が真に言いたいことは、先ほど言ったように、二交代というものがいかにも人間性疎外の勤務形態であるということを十二分にこの際認識していただいて、これは一日も早く、むしろ第二次中期計画において、この中でやめていくという方向をとりながら、そして需要に対しては追いつけるだけの体制というものをそういう中から——これはくふうすれば幾らでも、先ほどのような間違い、失敗をやらなければ追いつけていけるはずなんですから、そういうところで考えてもらいたいということ。  それからこの際、公社の総裁にお聞きいたしますが、週休二日制という問題、これは本来二交代とは別に論ぜられるべきであるけれども、二交代工場だけは一部週休二日制の対象にもならないというこのやり方、二交代制によって気の毒かけたから、せめて週休二日をこの人たちにやりましょう、この人たちだけでなくて全部やりましょう、こういうことがあればこの二交代制もわずかに救われる。週休二日という問題は二交代制とからめて論ずべきものではないですよ。現在国家公務員や何かでもやろうという、あるいは金融機関等でもやろうという空気が高まって、もうここ一両年中にはそれが実現しようというわけですから、この際これだけのことをやるならば、もう週休二日を二交代工場にずばりやりましょう。これがあれば幾ぶんでも救われますけれども、毎日子供にも迷惑かけておる、母親らしいこともない、土曜と日曜その取り返しをするために勉強の手伝いもしてやろう、あるいは子供が行きたいところも一緒にお供してやろうというような母親らしい心の配りというものもできるわけですから、それでぼくは十分だということではないですけれども、そういうことぐらいまずやったらどうですかということを申し上げたいのですよ。二交代工場は抜きです。一部実施からも抜かれておるというような、あまりにもこれは血も涙もないやり方ではないか、こういうことなんですが、総裁、これはいかがですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 「おおぞら」「マリーナ」の問題でございますが、これにつきましては確かに需要の予測に狂いがございまして、それについて私もたいへん申しわけなく思っております。これは非常に私どもの反省すべき絶好の機会だと思っておりまして、部内でも謙虚に反省しようじゃないかということで、労働組合に対しても、私は謙虚に反省しております。こう申しております。いろいろ御指摘の点、私も同感の点も多々ございます。ここでは申し上げませんが、私どもとしてはこれをたいへんいい経験として、あのような事態を起こしたのは、結局統率者である私が及ばなかったということで、私自身たいへん責任を感じておるわけでございます。これを機会に、公社全体として、いま言ったような合理的な需要予測、そして消費者の要望にこたえるようなやり方をして進めていきたい、そういうふうに考えております。何とぞひとつ今後をごらんいただきたいと思います。  それからまた週休二日の問題でございますが、これは専売公社におきましては、工場につきましては月のうち土曜日一回だけ働く、これは実際上週休二日制を相当導入したことになります。土曜日一回正規の労働はございます。他の土曜日は休み、相当週休二日制としてはあるいは進んでおるかとも思われます。これと実は二交代制との関係があるわけでございまして、二交代制になりますときにも、そういった点についての懸念も確かにございました。それから今後さらに週休二日制度が進んでいった場合にどういうふうにしたらいいか、こういった点も私どもたいへん今後の関心事でございます。  そういった点については当該職員のほうに、将来おそらく週休二日制で進んでいくが、それまで先ほど言ったような二交代で一体どういうふうに進んでいくか、この問題について十分ひとつ検討してほしい、そういうことをいまから言っております。将来の問題につきまして二交代制度は永久にやるのか、こう言われますと、これは先ほど申し上げましたように将来の需要の動向もございますし、社会一般の労働事情の変化もございます。そういう点も頭に入れなければなりません。少なくとも私どもといたしましては先ほど申し上げましたような考えから、今後来たるべき五カ年の間におきましては、相当程度の需要の伸びが見込まれますし、新たに統合してできますところの最新鋭の工場につきましては、やはり二交代制でもって対応すべきであろう、そういうふうに考えておる次第でございます。その後の先のことにつきましては、またその時点でそのときの社会情勢あるいは消費需要、そういったものを十分見きわめつつ対処すべきであろう、こう考えます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 約束の時間もすでにオーバーしておりますから、きょうはこの辺でやめておきますが、実はこのほかに葉たばこ生産関係、あるいはまた販売関係等にも触れたかったのですけれども、時間がありませんのできょうはこれで終わりますが、第二次中期経営計画、この問題についていま総裁から最後に非常に謙虚な態度が表明されたわけです。私どももそういう態度こそやはりこういう計画を進める際に一番必要なことであろう。いままでやったことはどこまでも反省の要なくして、これが正しいのだといって突っ走る、そういう態度じゃないということは表明されたわけですから、十分その経験を見直して、そして特に労働者の意見というものを十二分に聞いて、先ほどから論議したように二交代というような問題につきましては、これが唯一最局のものだ——そしてまた需要に追いついて、新しい本格ブレンドの味のいい、しかもタール、ニコチンの少ないマイルドな香喫味豊かなタバコを安く供給していく、そういうような目標についてはやり方は幾らでもある。そういう立場で、この計画だけが唯一絶対正しいものだというような思い上がった形でなしに、思い上がると、その市場調査でも消費者大衆を甘く見ると、「おおぞら」「マリーナ」のような危険性もあるわけですから、そういう点では十二分に対境関係の意見というようなものを調査をして、ほんとうに民主的な専売制度の運営というものが、すべて対境環境を満足させるような専売のあり方というものとしてぜひひとつ推進をしていただきたい。  弾力的に、間違った点は大胆に改めていく。そういうところで、人間疎外というようなことでぶつかったならば、大蔵省にもこれはやはり人間を生かしていかなければならぬというような形で、益金至上主義になりがちな大蔵省に対してある程度抵抗するくらいな気持ちで、大蔵省もまた抵抗に対しては謙虚に新しい事態を踏まえて理解するところはきちんと理解をするような態度、専売制度の問題について、専売運営の問題についてそういう心がまえであってほしいという注文をつけまして、あと生産関係、販売関係はいずれ日を改めて次の機会にしたいと思います。  きょうは、これで終わります。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 午後三時より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後二時十五分休憩      ————◇—————    午後三時四分開議

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本委員 時間がありませんから質問に対する答えは結論だけにしていただきたいということを要望しておきます。  まず第一は、昭和四十五年をべースにして卸売り物価、消費者物価指数をとっておるようでございますが、その最近のものは幾らであるか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○小島政府委員 まず卸売り物価でございますが、四十五年をベースにいたしました日銀の卸売り物価指数の一番新しいところは九月上旬でございまして、一一九・〇ということでございます。それから消費者物価でございますが、どうも申しわけありません、なまの数字をちょっと持ってまいりませんで、前月比と前年同月比はございますが、同じベースで卸売り物価のほうを申し上げますと、いまの九月上旬でございますが、これが前年同月に対しましては一八・四%アップでございます。それから前旬比は〇・八%でございまして、これは上旬だけでございますから月としてまとまっておりますのは八月が一番新しく、八月の前年回月比が一七・四%、それから前月比が二・一%でございます。  それから消費者物価のほうは、全国の数字は七月が一番新しゅうございまして前月比が〇・七%、前年司月比が一一・九%、それから八月の速報の東京の数字が出ておりまして、これは前月比が一・二%、前年同月比が一二・九%というのが一番新しいところでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 いまの消費者物価の指数は幾らですか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○小島政府委員 七月の全国の数字でございますが、四十五年ベースで一二三・九でございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 経済企画庁としては、国民がいま一番聞きたいことは物価の値上がりというものがどこまで続くのか、どの辺まで上がるのだろうかということが一つ。それからいつごろから下がるであろうかということが一つ。これについて結論だけでいいです、あなたの説明はちょっと長過ぎるから、結論だけ言ってください。

小島英敏経済企画庁物価局長

○小島政府委員 現在の物価は慢性症状と急性症状と重なっておると思います。そういう意味では前年同月比ではかりますと卸売り物価は大体いまごろがピークで、これからむしろ前年同月比は少しずつ下がっていくと思います。これはしかし去年が相当上がっているという結果でございまして、前月比で見ますと九月の上旬にまたちょっと上がっておりますけれども、これは上がり方が今後著しく鈍化していくというふうに思います。いつから下がるかということになりますと、これは金融引き締めその他の政策効果がどうかということでなかなか明確に見通しにくいのでございますけれども、いずれにしても卸売り物価の前月比は横ばいにだんだん近づいていくというふうに思います。  それから消費者物価のほうでございますが、卸売り物価が落ちつくに従って今後いい結果が出てくると思いますけれども、むしろ、いままで三月、四月が前月比では一番高うございまして、それから前月比としてはだんだん鈍ってきているのですけれども、これから秋にかけて強くなるのじゃないかと思います。そういう意味では、消費者物価のほうが鈍化してまいりますのはやはり年末から来年に入って以降ではないかというふうに思います。  ただ、下がるということになりますと、これはなかなかむずかしゅうございまして、消費者物価については上がり方が鈍くなっていって、ことしのように十何%も上がるというようなことは来年はなくなるということは申せると思いますけれども、やはり慢性的な部分というのが残っていくのじゃないかというふうに思います。

竹本孫一民社党

○竹本委員 あまり長々と説明されると、庶民のいま聞きたいことは、端的にたとえば卸売り物価はこれから横ばいになるというふうに見ていいのかどうか、それから消費者物価については、いまの前月比がどうだとか前年同月がどうだとかいう数字を別にして、いつごろから下がり始めるのかということだと思うのですね。  だから私が聞きたいのは、たとえば総理大臣田中さんは年末までには下がり始めるのだというようなことをたしか言ったと思うのだな。けさ何か新聞を見たら三月ごろになるだろうといっておるようだけれども、物価局としては何月からという月で下がるだろうと見ておるとか、あるいは何月ごろから下げるように努力しておるとか、どちらでもいいから、見通しでもいい、努力目標でもいい、もう少し具体的に言わぬと、前年同月が〇・八だとか、〇・五だとかいってみても、そんなことは大衆にはわからない。いまのインフレムードを消す一番根本の問題はいつごろから下がるだろう、政策効果がどうだとか、輸入インフレがどうだとか、説明は要らないから、結論的に一体物価は、卸については横ばいと見ていいか、消費者物価等については下がり始めるのは十二月、年末であるか、一月であるか、三月であるか、どれですか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○小島政府委員 消費者物価につきましては、水準として絶対的に下がるということはまずむずかしいのではないかと思いますが、前年同月比では下がっていく可能性がある。これは年末から来年一−三月までの間にそういうことになると思います。

竹本孫一民社党

○竹本委員 物価の下げが悪いときあるいは物価が上がるときに、ときどき経済企画庁というか当局は物価指数のとり方をよく変えて、またその流れをちょっと変えたように、まあ知能犯的にごまかすのかあるいは善意の努力をしておるのかよくわからぬが、指数改定をやることがある。とり方を変えることがある。いまから半年のうちに指数のとり方の変更をやる意思がありますか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○小島政府委員 これは全く政策的な意図なしに五年おきにやっておるわけでございますから、四十五年ベースになりましたのがまだ去年ぐらいかと思いますから、当分そういうことはないわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 物価問題についてきょうは論議を特にいたそうとも思いませんが、たとえばいまの卸の場合は特にそうですけれども、一一九・〇ということになる、あるいは前年同月比で一八・四%というようなことになると、かりに四十五年が一〇〇で一一九というならば一九%、約二割上がっておる。これを一つの基調にして主計局のほうに聞きたいのだけれども、いま十四兆円の予算、それから来年が十七兆円か十八兆円、いろいろあるだろうけれども、かりに十四兆円のことしの予算というものは四十五年ベースに換算して考えてみれば一体どれくらいであって、実際において水ぶくれ、物価の値上げだけのために予算の額がふくれているのが何兆円と見ればよろしいかということが一つ。  それから銀行局のほうに伺いたいことは、銀行の預貯金が七十兆円とかいうふうに最近の数字は出ておるようであるけれども、全体の国民の預貯金は幾らあるか。それについて名目的、きわめて観念的な計算だと思いますけれども、いま言った二割なら二割、消費者物価でいうならばまた変わってくるわけですけれども、それだって約二割、それだけのものを損失を与えているということになるが、預貯金は全部で幾らで、その二二%か二三%、二五%といろいろあるが、どれくらいの損失を名目上、計算上は与えたことになるか、結論だけ伺いたい。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 ただいま御指摘の問題につきましては、いつの時点のどういう物価指数をとるかという問題があるわけでございますが、かりに消費者物価をとれば、四十五年を一〇〇といたしますと、本年度の初めでございます四十八年の四月の指数が一二〇・七ということになっております。それで試算をいたしますと、四十八年度の一般会計の予算規模が十一兆八千三百四十億円ということに相なります。

清水汪大蔵省銀行局銀行課長

○清水説明員 個人貯蓄の総額という数字で申し上げますと、四十八年三月末の個人貯蓄の総額といたしましては九十兆六千億円という数字がございまして、全金融機関の預金、債券全部を合計いたしますと、この数字が百五十兆というような数字も別途ございますけれども、その中には保険というポジションも全部入っておるわけでございますが、むしろ、個人貯蓄ということで九十兆という数字がございますが、この数字につきまして四十五年度末と比較をいたしますと、いまの消費者物価指数で見ますと約一三・八%、四十五年度末に対しまして四十七年度末は上昇しております。したがいまして、この一三・八%でデフレートいたしますと、その数字は七十九兆六千億円という数字が出てまいります。したがいまして、御指摘の問題としては九十兆六千億円と七十九兆六千億円との差額ということになろうと思います。

竹本孫一民社党

○竹本委員 そうすると、予算の上では十四兆円が大体十一兆円ということで、三兆円くらいはインフレによるむだな名目的な膨張である。実質的な基礎で計算し直すと大ざっぱにいって三兆円。それから消費者物価指数で考えた預貯金についても大きな損失ということになると思うのですが、そうすると、これはひとつ政務次官に聞くが、あるいは審議官でもいいですが、国民はインフレのために三兆円くらいのものを全くむだにして損をしているわけだけれども、それは選挙で自民党政府を選んだのだからがまんしろということになるのか、あるいは政治の政策でインフレが出てきて国民に迷惑をかけているのだから、国家賠償で損失補償をするということになるのか、あるいはそのうちの半分なら半分、四割なら四割輸入インフレだから、輸入インフレが必ずしも全部外的な事由とはいえないと思いますが、その何割は政府の責任ではない。政府の責任はいま言っただけの予算、並びに預貯金における名目上の損失についてはその何割が政府の責任で、その責任をカバーするにはどういうことを考えておるか、いないか。その点だけちょっと伺いたい。

山本幸雄自由民主党大蔵政務次官

○山本(幸)政府委員 たいへんむずかしいお尋ねでございますが、こういう物価の推移に伴って預貯金が実質上でマイナスになったという事象については、政策の運営のしかたがまずかったということも確かに一半の責任がないわけではないと思います。ただ、いま日本の物価については必ずしも国内的要因ばかりではありませんで、世界的なインフレの中に、日本もこの波の中から免れることはできないということもあるのであって、したがって、ある場合には、いまインフレでありますけれども、将来あるいはこれデフレになってくるかもしれない。その場合はまた逆の現象も起こるわけでありまして、そのときどきの世界的な状況あるいは国内の特殊事情というものによって動くわけでありますが、それをいまお尋ねのように政府が、あるいは国が直にその責任を負うかどうかということになってきますれば、これは非常な検討を要する問題であろう。国といいましても結局は国民の税金でまかなえということになるわけでございますから、これは国全体の経済あるいは国民経済という全般的な立場で考えるほかはないのではないだろうかと思います。詳しい数字については私もよくわかりませんので、たいへん概括的なお答えでお答えとしたいと思います。

清水汪大蔵省銀行局銀行課長

○清水説明員 ちょっと補足させていただきたいのですが、ただいまの個人貯蓄の数字で申し上げますが、四十五年度末の個人貯蓄総額は約五十九兆五千億でございます。これが二年後の四十七年度末に九十兆六千億円にふえております。これは五二・二%の増加率となっております。ただいま九十兆六千億円を単にその時点における消費者物価の二年間の上昇率一三・八%で計算いたしました数字七十九兆六千億円という数字になるわけでございますが、この七十九兆六千億円自体、先ほどの四十五年度末の五十九兆五千億円と比較いたしますと三三・八%の増、こういうことになっておりますので、逆に申しますと九十兆六千億円と七十九兆六千億円のその時点の差額だけが御指摘の議論の対象となる数字とはやや違うという感じはいたします。  その点と、それからこれは申し上げるまでもない蛇足かと存じますが、その間における金利の問題、こういうようなことも数字の上では勘案せざるを得ない問題である、こういうふうに考えます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 政務次官、私が言っておるのは端的に言いますと、予算は十四兆円の予算を組んだけれども、四十五年の値段で換算して考えてみた場合には、まあ三兆円くらいは水ぶくれ、インフレートしている。預貯金についても、いま御説明のように損害をこうむっておる。しかし、これは政策の誤りであると全部言うか、あるいは外的要因によるものであるから政策は関係なしということに全部言い切れるのかどうか、その点について、まあ国民に迷惑をかけているのは実際上どのくらいだと思いますか。それについては、政府をおまえたちが選んだのだから、その政府がやったことだからがまんしろと言うのか、あるいはそれについて国家が何らかの責任を持って損失補償を考えるのか、考えないのか、これは預貯金についても、一、二の例外的ではあるけれども、国によってはちゃんと補償をしようという努力をしておるところもある。そういうことについて日本の政府は補償をするのかしないのかという点だけ、結論だけもう一回簡単にひとつお願いします。

山本幸雄自由民主党大蔵政務次官

○山本(幸)政府委員 これは非常に大きな問題といいますか、私がここでやりますと言ったってそう簡単にやれるものでもありませんし、政府の一般的な考え方としては、いま先生のおっしゃるような意味では、少なくもそういう補償をするというつもりはない、こう申し上げて差しつかえないと思います。

竹本孫一民社党

○竹本委員 この問題は政府の政策の誤り、たとえば金融の、いまの物価騰貴でも、私どもは昨年の秋くらいから、金融引き締めその他調整インフレなんてばかなことを言っている、その時期から逆に引き締めていかなければならぬ、またいまのように金融ばかりにしわ寄せしてはいけないのだということで、物価政策についていろいろ論じておる。したがって、いろいろ議論はありましょうけれども、われわれから言えば政府の責任で物価を上げておる。だから、そのために預貯金の上でこれだけの損失で国民に迷惑をかけているのだけれども、それに対して政府は直接的に責任を負うのか負わぬのか。負っている国もあるのですよ。だから負うのか負わぬのかということでございますから、また予算委員会か何か場所を改めて議論いたしますけれども、これは大蔵省でも一ぺんくらいは真剣にそういう問題に検討を加えておいてもらいたいと希望を申し上げておきます。  次に、最近ビールの値上げの問題がいろいろ議論されておりますが、国税庁のほうはそれに対してどういう努力をされておるか、時間がありませんので非常に簡単に伺います。

安川七郎国税庁長官

○安川政府委員 御承知のとおり、ビールの価格は三十九年六月に基準価格制度を廃止いたしました。したがいまして、全くの自由価格になっております。したがいまして、最近いろいろビールの値上げが報道されておりますが、実は約一年くらい前からいろいろのビール産業のコストアップの要因がかさんでまいりました。これに対して、自由価格である、同時に国税庁で価格を規制する権限はございませんけれども、しかし、ビール産業そのものをある意味で監督いたしております立場上から、極力企業内の合理化あるいは流通段階の合理化をはかりまして、価格の値上げを押えていく、できるだけ消費者に対しますサービスを事欠かないように、かような行政指導を行なってきておるところでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 第一に、権限がないという点をもう一回確認をしてもらいたい。第二には、権限がないのに行政指導でやることには限界があるはずだ。法的な基礎を持たないでかってなことをしてもらっちゃ困る。そういう意味で行政指導というものについて限界があると思うがどうか。この二つだけについて……。

安川七郎国税庁長官

○安川政府委員 御指摘のとおりでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 物価局に伺いますが、日本の物価について責任を持つ官庁あるいは物価大臣はだれか。それから物価の問題について責任大臣ということになれば一体いかなる権限を現在持っておるか、その法的根拠というものを示してもらいたい。

小島英敏経済企画庁物価局長

○小島政府委員 物価につきましては、個々のものについての物価の安定の責任は、個々のその物資を所管している省庁の大臣でございます。企画庁の長官は総合調整機能を持っておりまして、全体的な責任を負うということでございます。  それから、企画庁の各省に対しまする権限でございますが、本国会で設置法の一部改正が認められまして、まず企画庁の物価に対する権限といたしましては、物価に関する基本的な政策を企画立案するということ、それから物価に関する基本的な政策に関する重要な政策及び計画について関係行政機関の事務の総合調整を行なうこと、つまり総合的な政策の企画立案と、それからそれに関連した各省の重要な政策についての総合調整を行なう、こういうことが明示されておるわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 企画庁、これはあとでけっこうですが、戦争中にはいろいろ物価統制令がありましたから、物価は十何万とか十七万とかありましたね。現在考えられる物価というものは何万種類あるのか、これは総数でよろしい。  次には、その中で、先ほどお話もあったように、個々のものについてはそれぞれの主務官庁がやっておる、したがって経済企画庁はほとんどノータッチであるというものは何万であるか、その表をひとつあとでもらいたいから、ひとつお願いをしておきたい。  次に、本論の問題ですけれども、企画庁が持っておる権限というのは調査立案と総合調整だけだ、だから具体的にたとえばいまビールについても、大蔵省もこれは遠くのほうから言うてみるだけだ。大体いままでは国税庁長官がビール会社を呼んで上げてもらっては困ると言ったら、翌朝必ず上がっておる。これはいままでの例がそうなんです。そういうような調子では、役所はまるでばかにされたようなかっこうになる。  そこで伺いたいのだけれども、物価の非常に上がっているものについて、商品投機についての法律もこの間できたわけですけれども、立ち入り調査ができる権限が一体どこかにあるのかないのか。それから情勢を報告させるだけの、報告を聴取する権限が一体どこにどういうふうにあるのか。それからそれは上げてはいけないというストップをかける権限がはたしてあるのかないのか。それから原価計算の中身に入ってまで調査検討を加える権限がいまの政府にあるのかないのか。  実は私は佐藤さんが総理のときに、物価の問題についてはいまの経済企画庁なんというものは何の役にも立ちゃしない、もう少し権限をほんとうに強化しなければだめだという質問をしたときに、佐藤総理は、大体いまの機構と権限でだいじょうぶであると答弁したのですよ。そんなばかなことはないと言ったのだけれども、そう答弁されて一応それで終わっておるわけだけれども、だいじょうぶであると言うならば、どういうふうにだいじょうぶであるかということを中心に、いまの私の質問に答えてもらいたい。

小島英敏経済企画庁物価局長

○小島政府委員 まず、この立ち入り検査の権限でございますが、この間できました法律によって、著しく値上がりしまたは値上がりするおそれのあるもので、それが買い占めとか売り惜しみに基づくと考えられる場合にはこの法律に指定することになっておりまして、現在十五品目が指定されております。大豆とかあるいは繊維関係、それからこの間灯油なんかが指定されましたけれども、この点については立ち入りの検査権限がございます。  それからストップにつきましては、これは物統令に基づく現在価格統制をしておりますのは塩と浴場料金だと思いますが、それからアルコール、この辺の非常に少ない品目しか指定されておりませんから、それ以外のものにつきましてはストップ令というものはないわけでございます。  それから同じく原価計算につきましても、これは別途、公正取引委員会が独禁法の関係で立ち入り検査をしたり原価計算の調査をしたりすることができますけれども、一般的にはやはり物統令で指定されておりますもの以外は法律的にはないというふうに考えております。  したがいまして、現在の物価は個々のものについて手を打って統制をするということではなくて、もともと今度の値上がりというのが海外の輸入インフレと、それから国内の需要超過に基づくものでございますから、特に政策的には総需要調整というマクロ的な観点からの調整を進めているわけでございまして、個々のものについてストップをするというようなことを考えていないわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 最後に要望しておきますが、本格的な論議は別の機会にやるということにならざるを得ないが、私は、いまの総合政策については田中さんはじめ大臣の頭が間違っているのだから、これはもうどうにもならぬ。しかしそれなりに総合的な、基本的な努力をしてもらわなければならぬと思いますが、これは別。しかし個々のものについてはもう少し立ち入って調査もし、検討も加え、あるいは場合によっては値上げを押えるだけの権限を用意する必要があると思うのです。  そこで、たとえばこの間、商品投機のあの法律のときにも問題にしたのですけれども、それからまた商法改正のときに、今度は監査役が会社に入っていって業務監査もいろいろやるようになってある程度権限を強化しましたが、ぼくはあれだけじゃだめだと思うのだな。やはり監査役というのは受けて立つので、取締役会議できめるのを横にすわっておって、それはどうも間違いがありそうだ、法律上あるいは業務上間違いがあるというアドバイスができるというくらいなところなんだな。そうでなくて、たとえば内閣に物価庁をつくりあるいは物価調査官を置いて、資本金五億円以上の会社なら五億円以上の会社には、あの商法が監査役に与えた権限以上の権限を与えて、それぞれの物価についてもう少し基本的調査や、あるいは重役会における発言もできるところまでいかないと、とてもいまのような資本主義機構の中ではあとから追っかけて回ってみてもどうにもならないということでありますので、もう少し根本に立ち入って、まず第一にいえばいまデータがないでしょう。  極端な場合をいうと、お役所は民間から出してくれた資料をもらって、それをただほじくり回す以外にはほとんどできないのですよ。ところが、重役会議に出たって、重役会議に出た数字を読んですぐ批判できる人は幾らもいないが、それらがずっとあとから資料をもらった程度では私は物価問題の根源をつくことはできないと思いますので、やはりもう少し本格的に原価計算の源にまで入っていって調査、検討ができるだけのくふうというものを制度的にやらなければ、この問題は解決しない。もちろん根本は総合政策でございますが、これは田中内閣にわれわれは望まないということにしていますから、個々のものについてももう少し基本的なあり方というものを、商法の監査役を考えるときにもっと深い掘り下げた考えを持つべきではなかったかと思います。  そういう問題を含めて、ひとつそれこそ総合的、基本的な物価対策を検討していただきたい。要望を申し上げまして質問を終わります。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 増本君。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 共産党・革新共同の増本です。  先ほど広瀬委員からも専売公社の問題で質疑がありましたので、私は時間を省いて短時間で伺いたい点二、三を質問したいと思います。  一つは、広瀬委員も指摘をしたのですが、「おおぞら」と「マリーナ」の問題。私のところにも小売り業者の人からたくさん「おおぞら」の問題を何とかしてくれという陳情が相次いでいたのですが、結局なかなか売れないでカビが生える。そうすると返品を頼んでも、持っていくけれども次のものをまた持ってくる、しかし依然として努力をしても売れない、こういう実態なんですね。  そこでひとつお伺いしたいのは、店頭に並べて引き取った品物、カビの生えた「おおぞら」は一体どうしているのでしょうか。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 先生から御質問があった点でございますけれども、私どものほうでは小売り店舗で悪くなった品物、これは取りかえることになっておりますが、取りかえたものは営業所に持ち帰りまして品質等を検査しまして、それが再使用にたえるということでありますればもよりの工場に送りまして、それを原料として再生して使うというたてまえになっております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 再生にたえないものはどうするのですか。再生にたえないものは廃棄するのですね。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 そうです。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 廃棄したものはこれまでにどのくらいあるのですか。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 ちょっと手元に資料を持ってきておりませんが、そう大きな数字ではないと思っております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 先ほど総裁もこの問題については遺憾の意を表されたのですね。ところが総裁のもとで総裁の意を体してやるべき方たちが、いわば国民の事業、国民の財産について廃棄処分をするなどの損害を与えておるのに、その実態もつかんでいない。これはおかしいじゃないですか。はっきりとこの点は明らかにすべきじゃないですか。それに応じた責任はきちんととる、そういうきびしい姿勢をみずから持たないで、あとから述べるように労働者にだけきびしい労働条件を押しつける、こういう態度でどうなんですかね。ひとつ経営責任、経営姿勢の問題として総裁にお伺いしましょう。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 先生からいろいろお話がございますけれども、小売り店からその品質が悪くなったということで引きかえますのは、これは必ずしも「おおぞら」だけに限った問題でございませんで、一般的にたばこというものはわりあいに生きておると申しますか、変質をする性質を持っておりますので、長期に小売り店で持っている場合には引きかえざるを得ませんし、さらにお客さんの中から品質が悪いから取りかえてくれ、こういう要求に対しても小売り店で取りかえることになっておりました。したがいまして、そういうたてまえになってできるだけお客さんに悪い品物が渡らないようにという配慮を加えておるわけでございます。したがって、それが全然出ないことが好ましいことですけれども、品物の性質上、全然出ないというわけにはまいらないかと思います。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 いや、ほかの現在問題になっていないようなものについて私はとやかく言っているのじゃないのです。専売公社ではことしの九月に「販売店の皆さまへ」という刷りものを配って、その中で「おおぞら」と「マリーナ」について釈明をしているのですね。総裁も御存じだと思うのですよ。三角総務理事はなお知っていると思うのです。この中で、「売行きから見て過剰な在庫をお持ちいただくことになり、ご迷惑をおかけしたことを、ここにお詑び申し上げる次第でございます。」と販売店にわびているわけですね。それくらい、「ハイライト」とか「セブンスター」が売れなくて、かびがはえたとかしみがついてこれを取りかえてくれという問題と問題は質的に違うし、質的に違うように公社のほうでも扱っている問題でしょう。  それを、三角総務理事は、一般の品の交換と同じように考えて、国民の前では責任ある姿勢や答弁を示されない。これはたいへん遺憾だと私は思うのです。そういう点で、経営姿勢の問題として、こういう見込み違いで銘柄をきめて、売りに出したけれどもいまうまくいっていない、それで廃棄処分も出しているというような事態について、そこまで深くお考えになった上で、ひとつ総裁の御意見を伺いたいと思います。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 先ほどお答え申しましたように、この「おおぞら」「マリーナ」問題は、率直に申しまして私どもの不手ぎわで、需要予測と実需に非常にそごを来たしたということでございます。これに対しまして、当面、目下製造中のものを直ちに製造ストップいたしまして、それから、ストックのものについて今後長期間貯蔵を要するものについては低温倉庫に入れます。それから店頭の売れ残りの品を取りかえまして、ただいま三角営業本部長が申しましたように、そのうちで使用にたえるものについてはさらに包装処分——包装をかえるとかして再使用する、こういった計画をいたしておるわけであります。  このようになりましたのはたいへん不手ぎわでございます。私もこれについては謙虚に反省いたしまして、今後このようなことのないように、内部におけるところの計画実施面について十分な調整をいたしたい、こう考えております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 私は、総裁のそのことばは、ことば自体としては了といたしますけれども、廃棄処分したのがどのくらいあって、それによってどのくらいの損失になっているのかという実態を国民の前にも明らかにし、それに相応した責任のとり方をするということがない限り、これはほんとうにきびしい経営責任というものを感じてそれぞれの職務を遂行しているということにならぬと思うのですね。ですから、担当の人が、「おおぞら」で何ぼ廃棄処分をやっているか、そして国民にこの公社の経営でどれだけの損害を与えたのかというようなことについて具体的な実態を正確につかんでおられないということでは、まだまだほんとうに国民の立場に立って責任を感じているというようには私は了解できないと思うのです。  ですから、特に「おおぞら」については、開発や製造、販売にどのくらいのお金をかけたのか、つまりこの銘柄についてどのくらいの投資をしたのか、そしてどの程度還元ができて、今後の見込みとしてどの程度の還元ができる、しかし、どうしても回復できない部分がこのくらいあるというようなことをひとつ明確にして、委員会に報告をしていただきたい。そのことを強く求めるのですが、総裁、いかがでしょう。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 「おおぞら」の引きかえ問題でございますが、これはちょうど新しいデザインとの切りかえの時期に当たっておるわけです。本来ならば、デザインが変えられなければ、そのまま一応販売をしていただいて、そしてもし悪ければ取りかえるという式になるわけですが、今回はデザインの切りかえという新しい事態もございますし、現在それを切りかえ中でございますので、そういう数字等はまだはっきりしないわけでございます。この点につきましては、できますれば、まとまり次第先生のところへ御報告に上がりたいと思います。  それから、開発費用等につきましては、「おおぞら」とか「マリーナ」とか、特定の銘柄だけをその対象にしませんで、開発の部門でいろいろな銘柄を一緒にやっておりますので、その区分がたいへんむずかしいのではないかと思っております。以上でございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 戸田監理官にお伺いしますけれども、こういう現実のいろいろな事態が起きているわけですね。こういう問題を含めて、専売公社の経営者の経営責任あるいは経営の姿勢というものについては、大蔵省はどういう立場で指導をしているのか、その点はっきりさしてください。

戸田嘉徳大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○戸田政府委員 戦後、たばこが非常に不足しておりまして、それに比して喫煙者の数が非常にふえてまいった、こういう一般的な傾向があったわけでございます。したがって、公社としましては、おおむね、つくれば非常に売れるというような体制で、とにかく需要に即応するという形でやっておったのでありますが、最近になってまいりますと、国民一般の方の所得の向上、消費水準が高まる、非常に高級品を嗜好される、そういうようなことで、その嗜好も種々さまざまに、非常にバラエティーに富んでまいったわけでございます。したがいまして、そういう意味では、いわゆるマーケティングといいますか、その消費者の嗜好、好みというものを的確にとらえていくということが従来よりは非常にやりにくくなるといいますか、むずかしくなってきておると思います。しかしながら、全体としましては大きな国際化の流れもありますので、外国製品などもどんどん入ってまいります。そういうものとも太刀打ちしていかねばならないということで、公社としては広く商品を多様化しまして、いろいろな層の消費者の嗜好に合わしていきたいということでかような新種類も出してまいった、かように思いますので、率直に申しますとそこにマーケットリサーチといいますか、市場の探求力といいますか、消費者の嗜好を的確に把握する方法においてまだ足りないものがあったのじゃないか、そういう意味では、公社に対しては市場と製品とをもっと密接に結びつけていくように、そういう努力をさらに要求いたしたいと思っております。  広くいいますと、やはり一つの大きなたばこ産業を経営してまいりますと、そういう商品に当たりはずれというと、ちょっと語弊があるかもしれませんが、見込み違いもある程度はやむを得ない面もあるかと思います。しかし、理念としてはできるだけ消費者の動向を的確に把握しまして、それにマッチした製品をむだなくつくっていくということが、やはり公社の経営目標である、かように思っておりますので、そういう方法での努力を公社に対しては一そう求めたい、かように考えております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 そこで、今度「おおぞら」についてはデザインを変えて発売することになるそうですけれども、目先を変えていまあるものを全部はいてしまおうというやり方がほんとうに正しいのかどうかということは、もう大いに疑問があるのですね。小売り店の立場からしますと、「おおぞら」はできるだけ置いておきたくない、こういう気持ちがある、なかなか売れない。だから、私は総裁の決断をいただきたいのですが、返品を希望する小売り店からはともかく全部引き取ってもらう、引き取りを認める。そして皆さん、これから新しいデザインで売るという、その売れ行きを見て自主的に小売り店が置くという選択がきくようにする。ともかくいま希望するところは全部返品を認めるというようなことをこの際ひとつやって、それで販売店等に無用な負担を生じさせないということを思い切って考えるべきじゃないかと思いますが、どうですか。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 お答えをいたします。  新製品を出した場合に、小売り店にある程度持っていただくということは、商品をお客さんに周知させるためにはやむを得ないことだと思います。ただ、売れ行き状況によりまして、あとの繰り返しの仕入れがなかなかうまくいかないということであろうと思います、「おおぞら」の場合は。ただ、デザインを変えることによりまして、まあ前のデザインは世間でわりあいに物議をかもしたこともございまして、そういうことでデザインを変えたような次第で、したがって、売れないから目先を変えるために直ちにデザインを変えておるというようなことではございません。その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。  全部変えると申しましても、現在私どもが変えるということについての考え方といたしましては、まあそうたくさん持っていただくということでなくて、許せる限度の範囲内で新しいデザインのを持っていただくということで、残りのものは他の品物と引きかえで提供をしていく、こういう考え方でやっておるわけでございます。現在あるものを全部引き揚げてしまうといいますのは、なるほどある小売り店では売れないということもございますが、この「おおぞら」につきましては、地域によってそれぞれ事情が違いますし、そういうこともかね合わせまして今後は無理のない販売をやっていきたいと考えております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 だから、全部引き揚げろというのではなくて、希望する販売店の希望はいれてあげなさい、そういうたてまえはとれないか、こういうことを言っているのですよ。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 「おおぞら」といえども、普通の新製品を発売した当時の程度は売れているわけでございます。したがって、お客さんの御希望なり購買をするチャンスというものを、私どもは小売り店頭から失いたくないという気持ちでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 総裁、やっぱりお客さん、消費者との接点が販売店ですよ。だから販売店は、ほかのたばこを含めていろいろたばこを置いて、マージンの問題でもいろいろ要求があって、手間ひまかけてやっているわけですね。そのときに、売れない品物をそのまま引き取ってもらえない。これでは、皆さんおっしゃる市場開拓にしたって、あるいは需要を伸ばしていくことにしたって、こういう点では販売店との関係では全然融通性を持たない。そういう面でのサービスというのは、これから大いに、せめてそのくらいのところからやっていくことが大事なんじゃないですか。——三角さんはいいです。あなたはあまり融通がきかないから、総裁に直接、どうですか。  いま希望する販売業者については、それは引き取りを認める。しかしほかの面でいろいろがんばってください、こういう協調関係というのは大いに必要じゃないですか。

三角拓平日本専売公社総務理事

○三角説明員 おことばを返すようでたいへん恐縮でございますけれども、私どもは小売り店をいじめているという気持ちはございませんで、私どもと小売り店との関係は、一つはたばこを売っていただくという立場、もう一つは、お客さんと接触する大切な窓口だというふうに考えております。したがいまして、私どもは小売り店とよりかたい結びつきを願っておるわけでございまして、特に小売り店の希望を全然無視をするということではございません。  「おおぞら」につきましても、無理無理ということではなくて、先ほども申し上げましたように、やはり購買の機会というものはお客さんのためにぜひ必要ではないかということで申し上げたような次第でございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 三角さんのお考えはわかりましたから、ひとつ総裁にそこら辺の決断を聞きたいですね。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 簡単に申しますれば、店頭に置いても売れっこないたばこは回収する、こういうことでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 禅問答みたいで、切りがないですね。いまの総裁の一言、それを私は積極的に受けとめて、私のところに陳情に来た販売店の人には、そういうように総裁は言っておったということで、はっきり言いますから、あとの始末は、ひとつ公社で善意を持ってつけてください。  それで、第一次中計の問題についても、先ほど広瀬委員からもいろいろ質問がありましたけれども、私は、婦人の労働者が二交代によってどんなに健康を破壊しているか、こういう点を公社としてはっきり正確につかんだ上での先ほどの答弁なのかということを非常に強く疑問に思いますので、その点を若干ただしたいと思うのですが、ことしの七月二十五日現在で函館工場の労働組合の婦人部の人たちがアンケートをやって、その結果が組合の「オルグ手帳」というものに載っておるのですが、これを見て驚いたのです。体重の減少を訴えている人が六三%、大体二、三キロ減が多いけれども、十キロ減っている人もいる。これはたいへんですね。それから生理の変調を訴えている人が七三%、胃が悪くなった七三%、肩こり五〇%、神経痛三七%、疲れ目六九%、腰が痛いという人が四七%、不眠を訴える人が三三%、頭痛を訴える人が三五%、婦人病八%、耳が遠くなった一八%、のどが痛くなった人が三三%、痔が悪くなった人が二五%、これはコンクリートの立作業のためかとの注釈がついております。かぜをひきやすくなった人が二九%、その他疲れやすくなった、視力が落ちた、足の裏が痛い、肝臓疾患、水虫、肌荒れ、背中が痛い、貧血、低血圧、胃下垂、血圧変動、くしゃみ、こういうようにいろいろな病状や症状を訴えておる。ですから単に人間生活のサイクルが変わった、それできつくなった、これはなれればなおるというような性質のものではなくて、ここへ来てまだ一年足らずでしょうが、相当深刻な事態になっておる。  だから、まず最初に伺いたいのは、こういう職員の人たちの実態を正確につかんでおられるのかどうか。もう一つは、こういう状態の中で従業員、労働者の皆さんに対する健康管理というものをどういうようにおやりになるか、この二点をお伺いしたいと思います。

石井忠順日本専売公社管理調整本部職員部長

○石井説明員 お答え申し上げます。  体重が減りましたということはよく労働組合のほうからも聞くわけでございますけれども、二交代に入ります前、昨年の春の時点、二交代にいたしまして約半年経過したことしの春の定期健康診断の時点、この両時点だけで比べますと、三工場ともほとんど有意の差はございません。函館は男女平均で〇・〇六キロ減という数字が出ておりますが、盛岡は〇・〇三キロ増ということ、金沢は〇・六八キロ減、これは全職員平均でございます。体重の減は、これは二つの時点だけの比較でございますので、ここだけですべてとは言いかねるのでありますが、一応そういう結果になっております。  それから罹病率の関係でございますが、これも三工場ならしますと、二交代に入る前と入りましたあととではほとんど違いはございません。二四、五%のものであったのが、——二四、五%と申しますのは、全職員のうち健康診断の際は何がしかの病気というふうなことを訴えました者が、二交代に入ります前が約二四%、入りまして後が二八%というような数字でございます。あまり有意の差というようなことではないと思っております。  以上のようなことで、統計的にはあまり有意の差はございませんけれども、実態的には、公社といたしましては、生活のサイクルが相当変わることでもありますし、健康診断の機会あるいはいろいろな機会に健康保全のための措置は十分に取り入れまして、たとえば異常がありますれば、すぐ診療所で受診ができるように、あるいは妊産婦等については部外の健康診断等も受けられるように措置をいたしておるわけでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 病気にかかるという、そこまでいったのではもう終わりですね。だけど、率直に、そこで働く労働者がきわめて深刻にいろいろなことを訴えている、こういう事態に正直に耳を傾ける、しかも、たとえば体重が減少した、そういうように言っている人が半分以上、ほとんどが半分以上ですね。生理の変調、胃が悪くなった、肩こり、疲れ目。腰痛も四七%。ですから、これはともかく労働そのものが非常に回転も早くなりきつくなったという点もあるいはあるかもしれないけれども、しかし、自然の循環関係の中で人類というのは今日に至っているときに、早朝からの労働あるいは深夜にわたる労働が恒常化すれば、五体満足な人間でもいろいろな変調が起きてくるということはもう容易にわかることですね。  ですから、特にこの婦人労働を含めて、とにかく二交代はほんとうにやめていく方向で検討しなくちゃならぬ性質の問題だというように私は思うのですよ。先ほどから、いつになったら二交代をやめるのだという質問が広瀬委員からも出されたけれども、ようお答えになりませんけれども、そういう方向で検討をするということを、あるいはそういう経営姿勢を持って今後対処していくという決意がおありなのかどうかという点は、これはやはり経営者として当然お考えになることでしょうから、ひとつ総裁のその辺についての経営姿勢の決意のほどをお伺いしたいと思います。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 二交代制度につきましていろいろのお尋ねでございますが、公社といたしましては二交代制度をやめるという方向で検討することではございません。二交代制度はまだ始まったばかりでございますし、これの影響等も十分頭に入れまして、先ほど申しました今後のたばこの販売数量の伸びとか、あるいは社会情勢の変化、そういったものを頭に入れながら検討すべき問題だ、こういうふうに考えたわけでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 それですと、たばこのみがふえたから二交代制度はやむを得ないというように聞こえるのですね。需要がふえているから、その分は全部労働者にかぶってくる。そうじゃなくて、その需要に見合うように、しかも、そこで働く労働者の生活もきちんと保障できるような経営を考えるというのは、これは公社法の第一条でもいっている健全な経営の内容でもあると私は思うのです。何か最も労働強化の最先端を国がやっている企業で大いにやるというようなことでは、これは日本の労働政策そのものにとってもしめしがつかない問題だと私は思うのです。そこはもうどうしてもそういう労働者に対する考え方あるいは労務管理そのものに対する考え方を百八十度根本的に転換すべきであるというように思うのです。  ですから、いま経営者がそういう考えだというのですが、国としては一体そういうことで好ましいのかどうか。ほんとうはやはり昼間の労働できちんと国民の需要にも対応できるような仕組みにしていく、これが私はやはり一〇〇%望ましいと思うのです。そういう望ましい方向に接近していく努力というのがやはり政治であると思うのです。ですから、きょうは大臣おられませんので、政務次官にひとつそこの辺のところの抱負をお伺いしましょう。

山本幸雄自由民主党大蔵政務次官

○山本(幸)政府委員 先ほど来公社当局からもお答えしておりまするように、公社としては、国の一つの機関として、国民にひとつうまくて安いたばこを安定供給するというその責務を忠実にやられるということは、私は当然の責任と義務であろうと存じます。それをやっていきまする場合に、いろいろ条件があるわけですけれども、与えられた条件のもとで、できるだけいまの目的と調和をさせながら努力をしていくわけですが、いまお話しの二交代勤務の問題は、そういう一つの目的から始まったものであろうと思います。いま始まったばかりで、まだ全国的に実施している工場の数も多くないようであり、また、いま当局のほうからも御説明したように、具体的な結果というものも一応はそういう結果として、非常な深刻な影響というものも出ているとは思えない、こういう実態だということでありますし、また、先ほど来週休二日制の問題というものも、一体国がこれからどういうふうに考えていくかという問題もございます。そういうことを考え合わせながら、確かに労働者の労働をしていただく体制というものについてはできるだけ改善をしていくということは、これは間違いないわけでございますから、それらのことをいろいろ考え合わせながらひとつ公社としては、実態的に、できるだけ公社の目的に沿い、また全体としての国の趨勢といいますか、そういうものに沿いながらやっていく、こういうことのはかなかろう、こう思うわけであります。  私は先ほど、この問題はまだ始まって間がないことでもあり、また、当局としてもりっぱな組合があり、その組合との話し合いも十二分に公社としてはやって御納得をしてもらって、そしてその御納得をいただいた職員の方々がそれではやろう、こういうことに現在はなっておるようでございますので、そういういまのあり方で、将来の問題としては考えていくということで現在はそれでいきたい、こう思うわけであります。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 ちょっと職員部長さんにお伺いするのですが、二交代勤務になってから最近までの労働災害の発生件数はどのくらいなのでしょう。

石井忠順日本専売公社管理調整本部職員部長

○石井説明員 現在二交代に入っております工場、函館、盛岡、金沢、三工場ございます。二交代に入りました前、昨年の十月一日から二交代に入りましたが、それまでは一直でやっておりました。函館が昨年の上半期においては二十件、下半期は二十七件、盛岡は上半期で十一件、下半期は二十三件、金沢は上半期十件、下半期は二十件、そういう状況でございます。若干盛岡、金沢等はふえておるわけでありますが、ほとんどが操業当初、つまり十月、十一月、十二月に若干多うございまして、その後は、年が変わりまして今年になりましてからは、ほぼ大体従来程度の件数になっておるかと思っております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 しかし数字の上から見ても、二交代勤務になって労働災害もふえている。最近はないというけれども、たとえば函館工場で八月二十四日大きな事故がありましたね。こういうような事故が起きる。函館の場合には新しい工場になって、結局三千七百平方メートルの地下室に従業員たった一人、機械にはさまれて、発見がおくれたらほんとうに死んじゃったかもしれないという事故になっているのですよ。こういう合理化が押しつけられてきているわけですよ。だから現場の労働者は、みんな二交代勤務をやめてくれという切実な要求を持って、今度の第二次中計との関連で公社に対しても非常にきつい要求を出し、再検討を要求しているのだと思うのですね。  ですから総裁も先ほど、これは人間生活から見てそれは苦痛であるということは読めるということを答えられているわけですが、だからこそこの二交代の問題はそれをなくしていくという方向で、始まったばかりだって、「おおぞら」だって始めて売れなくて軌道修正をやろうと言っているのだから、ましてや人間を扱う問題では、これは間違いがわかればすぐに軌道修正する。「おおぞら」以上の問題だと思うのですね。そういう方向で強くやっていただきたいということを要求しておきます。  あと一点ですが、先ほどの話でも二交代勤務になって、生理の変調を訴える人が七三%、これは二交代勤務のところだけでなくて、現在生理休暇が非常にとりにくくなったという、そういう現場の人たちの意見も聞くのですよ。たとえば二年前、ころはまだ二交代勤務制度がとられていないときだと思うのですが、岐阜の工場では生理休暇をとって、それで休みのときに何か実家へ帰ったら、そこを職員課の人が尾行をして、不正に休暇を使用したということで減給三カ月処分にするというようなことをやった。それから九月の十五日に泰野の工場では、原動機付自転車に乗って有給休暇の請求をしに行って、帰りがけにその職員課の人にとがめられて、生理休暇として認めないというようなことを言い出したというような、労働基準法上の権利を何か認めないような、非常に不届きしごくな労務管理がやられているというように思うのですがね。  こういう面で、労働基準法だからこそ十分に尊重するという立場で、この辺は各工場などの職員課やそういう労働者の管理について責任を負う部署の人たちに対して、もっともっと周知徹底させるということをこれはきちんとやってもらいたいというように思いますが、どうですか。

石井忠順日本専売公社管理調整本部職員部長

○石井説明員 生理休暇の点につきましてでありますが、生理休暇は、御承知のように、生理日の就業が著しく困難な女子職員が請求をするということでございまして、数少ない事例でございますけれども、間々そういうことでないことで生理休暇を使うということがございます。まことに残念でございますけれども、一般的には生理日の就業が困難な女子職員が生理休暇はきちんととっておるように思います。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 特に二交代制の労働をやっておるようなところでは——これは今後の方向を聞いているのですよ。あなたに質問するといつも何か弁解めいた答弁ばかり出てくるのですが、これはほんとうに徹底してやってもらいたいと思うのです。そのことはほんとうに約束していただけますか、その指導、監督。

石井忠順日本専売公社管理調整本部職員部長

○石井説明員 御承知のようにたばこの工場には女子職員が相当数おりますので、生理休暇のみならず、妊娠中の職員その他健康保全のためには、先ほど申しましたようにできるだけの措置を講じまして、部内の診療所あるいは外部へ通院等の制度もある程度従来よりは改善をして、母性保護と申しますか、健康保全の措置を認めておるところでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 そこでいよいよ第二次中計の問題で出てきておるわけですが、これはひとつ総裁にお尋ねするのですが、ここまでやってきて二交代の深夜労働について労働組合でも深刻に考えている、そして要求もしていこうということになっている。そこで、この第二次の中期計画については組合と労働条件の協定がきちんとできて、それで組合もじゃ労働者がほんとうにこれでだいじょうぶだというような保証ができるまで私は実施をすべきでないというように思うのですが、その点についてそういうようにはっきり労使間の協議をきちっと整えて、そしてその上でやっていく、それまではやらぬ、こういうことを約束してほしいのですが、どうですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 第二次中期計画はいわば今後の五カ年間の経営の指標でございます。これを具体化する場合においてはそれぞれ実効的な計画案が出てくるわけでございます。この計画案につきましては労働協約に従いまして十分に協議することになるわけでございますが、ただいまの第二次中期計画全般についての協議というのは実は協議になじまないわけでございます。ただ、ただいま労働組合に、私のほうの素案ではございますが、素案を提示いたしまして、その意見を求めておることは求めております。その協議がまとまらなければ中期計画を策定できないということにはなりません。ただ具体的な計画の実施のときについて十分協議する機会があるわけでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 しかし大もとができてしまうと、これはもう最初の第一次中計で苦い思いを労働者の人たちはしておるわけですから、じゃ、この第二次中計の策定にあたって労働組合の意見も十分反映させていく、譲れるところは譲っていくというような点についての気がまえはいかがですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 これは第一次中期計画においても、まあ五年間の見通しでございますので、状況の変化に応じてそれぞれモデファイしております。そのつど具体案につきまして労働組合と十分実施方の協議をしておりまして、両方合意の上でやっておるわけでございます。今回の第二次中期計画もそういった性質のものでございます。一応絵にはかきましたけれども、状況の変化に応じてこれは修正さるべきものはあるものと存じます。その個々の具体的の案につきまして組合とはとっくり協議する機会があるわけでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 じゃ最後に、この新たに工場の統廃合が問題になっていますけれども、その具体的な実施計画を含めて、後ほどでいいですから、ひとつ私のところに資料をお届けいただきたいのですが、いかがでしょう。

小佐嘉博日本専売公社理事

○小佐説明員 資料を提出いたします。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 それではきょうは時間を過ぎました  ので終わります

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後四時二十五分散会

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