大蔵委員会 第44号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/06/29
会議録
○鴨田委員長 これより会議を開きます。 物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取しております。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。塚田庄平君。
○塚田委員 九月からガットの新国際ラウンドが始まっていろいろと協議をされるという情勢の中で、ATA条約は実際衆議院を通っておりますが、今度のATAカルネというものをどう許可するか。そこでATAカルネの仕組みといいますか、こういうことでこうなっていくのだという仕組みを、順序を追って一応御説明願いたいと思います。
○大蔵政府委員 ごく大体の仕組みを、図解をもって担当の輸出課長から説明させます。
○大槻説明員 本件につきましては非常に技術的なことでございますので、チャートを持ってきておりますので、それに基づいて説明をさせていただきます。 ATAカルネのそれの図解の説明でございます。輸出国、輸入国ございまして、カルネの発給団体、これは特例法の規定もございますように大蔵大臣が認可するということでございますが、この発給団体、これは保証団体と同じでございますが、これになりますのは一九六二年の国際保証組織に関する民間協定というのがございまして、それに加盟いたしますこの国際商業会議所の傘下に入りますチェーンの団体が保証団体になるわけでございますが、それで具体的にカルネを利用する場合には、利用者がカルネの発給申請を発給団体にいたします。そしてカルネの発給をきめますと、そのカルネというものはこれは免税一時輸入のための通関手帳でございまして、その機能といたしましては、通関の書類の代用という機能と、それから担保の提供という機能と二つを持っておるわけでございます。そのカルネの中に、輸出申告の場合でありますと、通常の輸出申告書に見合うような輸出申告、それから許可というようなかっこうの書類がそれぞれ入っておるわけでございます。したがいまして、輸出申告をいたしますと、輸出証書というものを税関のほうは切り取って持っておるわけでございますが、輸出の控えというものがカルネのほうに残っておりまして、そこでどういうものが輸出されたかということが残っておるわけでございます。これはあとで申し上げますが、再輸入免税で返ってくるときにチェックするための同一性の確認のための資料として利用されるわけでございます。そこでカルネの提示をいたしまして輸出申告を行ない、必要な検査等をやって、その結果オーケーになりますと、そのカルネを返却いたします。それで輸出になります。 今度は輸入国側でございますが、今度は免税一時輸入の関係になってくるわけでございますが、カルネの提示をいたしまして、輸入の申告、再輸出免税の申請、それから担保の提供。この担保の提供というのは、カルネが担保の提供の機能を営むわけでございます。それで輸入になりまして、輸入証書というのを輸入国側の税関は保管しておるわけでございます。輸入控えというのはまたカルネに残っておりまして、本人がそれを持っておるわけでございます。輸入許可になりますと、カルネを返却いたしまして、そしてそこで国内のビジネスをやるわけでございます。 今度は、出ていく場合になりますと、手続的には輸出申告になるわけでございまして、カルネの提示をやり、そこで必要な検査等をまたその国におきましてやりまして、輸出の許可をいたしますと、カルネを利用者にまた返却するわけでございます。そこで再輸出証書を税関が保管することになっております。したがいまして、入ったときの輸入証書と再輸出証書と、ここで同一性の確認ということが行なわれるわけでございます。そして最初の輸出国にまた戻る。この国から見れば、輸出ということになるわけでございます。 それで、この輸出国にまた再輸入されましたときには、カルネの提示、この当初の輸出国からいいますと輸入申告、それから再輸入の免税申請ということで、再輸入証書を保管いたします。最初の輸出証書の保管と再輸入証書の保管ということで、税関側は同一性の確認をここでまた行なうわけでございます。出ていったものがどういうふうに返ってきたかということの確認が行なわれるわけでございます。そしてこの手続を終わりましてカルネを返却いたしますと、そこで終わるわけでございまして、利用者はカルネを発給団体に返すということになるわけでございます。 問題は、赤で書いた部分でございますが、免税一時輸入を行なったところで、再輸出されない場合等の条件違反があった場合にどうなるかということでございます。それは税関側といたしましては、関税の納付請求をカルネの保証団体に行ないます。そうすると、保証団体は立てかえ払いですが、関税の納付をいたします。それで、その団体といたしましては、立てかえた関税を当初輸出国のカルネの発給団体に求償いたします。この発給団体は輸入税を立てかえ払いをした保証団体に送付するということで、保証関係が完結するというわけでございます。 したがいまして、最初に申し上げましたように、概括して申し上げますと、ATAカルネというのは、免税一時輸入のための通関手帳でございまして、通関書類としての機能と、それから担保の提供とその保証という機能を持っておるわけでございます。 したがいまして、最初に輸出国から出てくるときにすでにカルネの中にセットされております輸出、輸入、あるいは再輸出、再輸入という関連の書類というものがあるわけでございますから、自国において記入もできるわけでございます。したがいまして、通常の個別の輸入あるいは輸出の申告ということになりますと、その国によって、その国の輸出申告になり輸入申告なりのフォームに従って申告をやらなければいけなくなって、いろいろとまどう場合もあるわけでございますが、あらかじめセットされておるペーパーに基づいてそれが準備できるということになるわけでございます。 それから一時輸入の場合の担保の提供ということにつきましても、どういう担保をどういうふうに調達するかという問題も、カルネが全体の担保の提供という保証的な機能を持っておるわけでございますから、利用者側においてもそのとまどいがないということでございまして、税関側の実務からいいましても簡素化されるということになるわけでございます。
○塚田委員 そこで、外務省はおいでですか。——ちょっと外務省にお聞きしたいのですが、この条約の主体になりましたのは、関税協力理事会といいますか、そこに加入しておる国——この関税協力理事会というのは一体どういう性格のもので、どういう経過をたどってできて、目的は何で、端的にいいますと、日本は一体どういう役割りをこの中でしてきたかということについて、ひとつ系統的に説明してください。
○羽澄説明員 お答えいたします。 関税協力理事会と申しますのは、一九五〇年十二月十五日にブラッセルで作成されました関税協力理事会を設立する条約という条約によりまして設立された国際機関でございます。その目的といたしましては、締約国間の関税制度の最高度の調和と統一をはかるということにございます。わが国は一九六四年六月十五日に加盟いたしましたが、現在のところ、これに対します加盟国数は七十カ国でございます。 関税協力理事会には、関税率表における物品の分類のための品目表に関する条約と、税関における物品の評価に関する条約というのが、二つのおもな条約になっております。これは設立する条約というのを勘定しますと三つになりますが、そのほかに二つの重要な条約がございます。 最初の関税率表における物品の分類のための品目表に関する条約には、わが国は一九六六年十月一日加入いたしました。また、税関における物品の評価に関する条約につきましては、一九七二年九月一日加入いたしております。これらの条約も、先ほど申しましたような各国の関税制度の調和と統一ということをはかるために、一方におきましては関税評価のやり方、一方におきましては品目の分類のやり方というものを統一しようというものでございます。 そこで、わが国はこの関税協力理事会に積極的に参加しておるわけでございますけれども、特に特記すべきことといたしましては、本年五月わが国で初めて関税協力理事会の総会を開催いたしました。これは、関税協力理事会にはもうアジア諸国で入っておる国もありますけれども、まだまだアジア諸国においてはなじみが少ないということもございまして、総会をアジアにおいてやるということに非常に意義を認めたものと考えております。
○塚田委員 それで、いま基本条約といいますか、設立の条約と表示あるいは評価の条約、この三つの条約があるのですけれども、そのほか、この理事会で今日まで一体どういう条約が採択されておるかということについて、ひとつ御説明願いたいと思います。 〔委員長退席、木村(武千代)委員長代理着 席〕
○羽澄説明員 お答えいたします。 まず第一に、商品見本のためのECS関税に関する条約というものがございますが、現在までのところ、締約国は二十二国で、わが国は未加入でございます。 それから、物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約というのがございまして、これもまだ未加入でございますが、いまこれは外務委員会で審議中のものでございます。 その次が、梱包材料の一時輸入に関する通関条約、これはまだ未加入でございます。 それから、職業用具の一時輸入に関する通関条約、これはまだ未加入でございますが、今回加入のため外務委員会で目下審議をお願いしておる段階でございます。 それから、展覧会、見本市、会議その他これらに類する催しにおいて展示され又は使用される物品の輸入に対する便益に関する通関条約、これもまだ未加入でございますが、今回加入のため目下外務委員会で審議お願いしております。 それから、船員の厚生用物品に関する通関条約、これはわが国は一九六八年九月十五日加入いたしております。 それから、科学的機具の一時輸入に関する通関条約、これは未加入でございます。 それから教育訓練用資材の一時輸入に関する通関条約、これも未加入でございます。 次が、貨物の国際保税運送に関する通関条約、これも未加入でございます。それから税関手続の簡素化及び調和化に関する国際条約、これはまだ作成された段階で発効いたしておりません。 そういう状態になっております。
○塚田委員 そうすると、いま数えますと十ですね、いま作成されておる段階というものを入れまして。そのうち、加入しておるというのは、端的にいって一つもないわけですか。
○羽澄説明員 いいえ、船員の厚生用部品に関する通関条約には入っております。
○塚田委員 それといま外務委員会に三つ、そういうことでずいぶん入ってないのがあるわけです。いずれもこれは理事会において決定されて加入が促進されている。日本は、理事会では相当主要な役割りを演じているのではないか。つまり分担金にしても、あるいは一、二を争うくらいの立場を持っておる。にもかかわらず、加盟している条約というのは過半数に満たないというこの事情は、どういうところから来るのでしょうか。
○羽澄説明員 お答え申し上げます。 私どもといたしましても、これらの条約には積極的に参加する方向で考えるべきであるということは、まことに先生のおっしゃるとおりであると思います。ただ、わが国といたしましては、とにかく三つの基本条約に入るのが先決であるということで、国内的な準備も進めてまいりまして、昨年、七二年ですけれども、この三つの中の最後になります評価条約に加盟した段階であるわけでございます。それで、ようやく三つに入りましたので、これからますます、ほかのものにつきましても、できるだけ積極的に取り組んでいきたいというのがまず基本的な考え方であろうかと思います。 それから、これはある程度副次的な事情になるわけでございますけれども、わが国といたしましては、たとえば今回審議をお願いしておりますようないろいろな通関条約につきましては、わが国から出たり入ったりする度合いがわりあい近年に至るまで、たとえば展覧会とか職業用の用具なんでございますけれども、それほどの度数なり回数がなくて、それなりに内外からの要求も少なかったという事情もございます。ただ、近年に至りましてわが国の経済活動が膨大化するにつれまして、展覧会の数も非常に多くなってきておりますし、職業用具を持ち出したり持ち込んだりする度合いも非常に多くなってきておりますので、これらの三条約に加盟することは非常に急務となってきたわけでございます。それで今回、まずこの三つの条約に入るという方針で御審議をお願いするということにした次第でございます。
○塚田委員 いろいろと慎重審議してきたという事情は、それなりにわからないことはありませんが、CCCに入ってから十年近くですね、六四年ですから。十年近くたって三つの基本条約、理事会に入ることはこの三つの条約を承認するということとひとしい行為だと思うのです。これを承認しないで理事会にいるということは事実上変なことなんです。 だから、あとの諸条約について、十年近くもたちながらなおかつ検討中というのは、一つにはこのCCCの活動自体、あるいはまた、たとえば今回のような一時輸入の免税の問題、こういった問題について、すでに国内法で相当整備されておる。いまここで説明を聞きましたが、率直な感じ、国際的には何か単一化して、くるっと回るような、スムーズに流れるようなあれですけれども、国内的な処置としては、かえって複雑化してきているというような印象も受けないわけではないわけです。そういうからみ合いも私はあるのではないかと思うのですけれども、他の条約について未加盟だということについては、そういう事情等もからんでいるのですか。
○羽澄説明員 原則といたしまして、これは私の考えでございますけれども、むしろできるだけこれから早い機会にほかのほうにも入っていこうというのが方針でございまして、それに入ることに対する基本的な困難とか、あるいは入ったことによってより複雑になるということはないと思うのであります。むしろ国際的に調和をはかるとか統一をはかるということで特に通関が便利になるという性格のものであって、それによって複雑化するようなことは根本的にはあり得ないと考えております。
○塚田委員 便利になるかならないか、ひとつこれはこれから大蔵省に聞きたいわけでありますが、ここでいう保証団体というのは一体具体的には何を考えておるのですか。
○大蔵政府委員 先ほど輸入課長から御説明いたしましたように、この民間保証団体は、国際的に国際商業会議所がこの保証団体に各国ともなっておりますので、日本の場合、いわゆるICC、国際商業会議所に加盟した団体の日本商工会議所等の各地の商工会議所を保証団体といたすことを考えておるわけでございます。
○塚田委員 この保証団体というのは、たとえば日本の中で一団体でなければならぬのか、それとも二団体以上であってもかまわないのかどうかということです。
○大蔵政府委員 各国とも保証団体は一団体に限るということになっておるわけでございます。
○塚田委員 日本商工会議所というのはどういう形になりますか。あれは各地にある商工会議所の単なる連合会といいますか、その業務の実態というのは、そのものはあるのかないのか。
○大蔵政府委員 日本商工会議所、それから東京商工会議所、大阪商工会議所とございますけれども、下部組織で、日本商工会議所の名前におきまして各地の商工会議所にその実際の事務は委託する、こういうかっこうになろうかと思います。
○塚田委員 もう一ぺん確認いたしますが、実際の業務は各所の商工会議所に委託する、たとえば四つの税関なら税関ではその所在地の商工会議所に、保証団体じゃないけれども業務を委託する、そういうかっこうになりますね。
○大蔵政府委員 御指摘のとおりでございます。
○塚田委員 その団体は、たとえば利用者からカルネ発給の請求があるという場合に、その利用者についての適否を調査する、そしてその利用者にカルネを発給することが可であるか不可であるかということを認定するわけですね。どうでしょうか。
○大蔵政府委員 もちろん保証団体でございまして、ある申請者が、かりにAという申請者がカルネの発給を申請する。その発給者が外国に物を持ってまいりまして、一時免税輸入の物品を、商品見本なら商品見本を持ってまいりまして、先方におきましてかりに支払うべき関税を支払わなかったという場合には、日本商工会議所はかわって払わなくてはならないという立場にあるわけでございますから、当然、カルネの発給の申請があった場合には、その会社の信用なり何なりというものは検討いたすことになろうかと思います。自動的に申請がありさえすれば直ちに発給する、こういう種類のものではないと思います。
○塚田委員 いまの局長の答弁は、場合によっては発給を拒み得る、調査した結果どうもこれは適当じゃない、事故を起こしやすい、起こした場合の担保力もない、関税も払うようなあれはないという場合には、それを拒否し得るというように考えていいですか。
○大蔵政府委員 通常、カルネを発給いたします場合に、その発給申請者から担保をとることができることになっておりますので、現実問題といたしまして、担保の提供を得さえすればこれを拒むということはないのではないかと考えております。
○塚田委員 私は、ないのではないかじゃなくて、原則的に拒み得るものかどうか、その点端的にひとつ……。
○大蔵政府委員 これは理論的には拒み得るということは言えるかと思います。申請がありさえすればこれに対して必ず発給をしなくてはならないというものではない。もし拒まれた場合にはカルネによらずしてその輸出者は先方に輸出をし、先方の国の一時免税手続をとらなくてはならない、こういうことになろうかと思います。
○塚田委員 そうすると、理論的には拒み得る、しかし大体拒否は通常貿易をやっているあれはできないだろうというふうに解釈できるのですが、そのとき事故が起きたという場合には、条文では保証団体が「連帯して」ということなんですが、保証団体が一時的に保証していく、税金を払っていくということになりますか。
○大蔵政府委員 たとえば日本に対して商品見本なら商品見本が一時免税の形で入ってくる例をとらしていただきますと、かりにドイツから入ってくる、それで一年間以内に再びドイツに返っていくはずのところが一年たっても日本にとどまったままである、こういう場合には当然その関税を払わなくてはならないわけでございます。 その場合には税関当局といたしましては、日本商工会議所に対しましてその関税の支払いを請求をいたすわけでございます。そうすると日本商工会議所はその関税を日本の税関に対して支払う、支払った後におきまして、これは立てかえ払いを日本商工会議所はやるかっこうになると思いますが、支払った分を先方のカルネの発給団体であるところの西独の商工会議所に対しまして日本商工会議所はその金額を請求をいたすわけでございます。その西独の商工会議所はそのカルネの発給を申請した者に対しましてさらに請求をする、こう いう形になるわけでございます。
○塚田委員 カルネ一本でとにかく輸出入ができるのですから非常に簡単化されたように見えても、しかしいま言ったような説明からいくと、国内的にはそういった場合が起きたら非常に手続がめんどうといいますか、あるいは利用者と保証団体との関係、そこへ委託された商工会議所との関係と、非常に複雑な関係が出てくる。むしろこれは円滑な貿易といいますか、特に一時輸入の場合ですから、どうもそれを阻害する要因もあるのじゃないか。国際的には非常にかっこうはいいのですけれども、内部的なそういった問題を考えるとかえって複雑というか、そしてあとに問題を残すという印象を受けてしようがないのですけれども、端的にどうでしょうか。
○大蔵政府委員 ちょっと御説明させていただきますと、現在かりに日本に対して一時免税輸入をいたします場合には、日本の通関手続によりまして、輸入申請者とそれから再輸出免税の手続と税関に対して様式に従いまして申請をし、さらにその物品に対してかかるところの関税を担保として積まなくてはならないという規定になっておるわけでございます。しかしながら、今回のこのカルネを使いますとそういったような手続は一切、現実に担保を積む必要もございませんし、一切自分の本国におきましてカルネの様式に従って必要な事項を書き込みさえすれば、その輸入申請の手続も再輸出免税の手続もさらには担保の積み立ても全部行なわずして日本に対して品物を持ち込むことができる、こういうかっこうになるわけでございます。 御指摘のように、かりに事故が起こりまして、その事故が起こった場合に関税の徴収をするという点に関しましてあるいは若干めんどうな事態が起きるということはあろうかと思いますけれども、事故が起こるということを前提として考えられた制度ではございませんで、事故が起こった場合には商工会議所が保証をするという形のものでございまして、これは私どもの感じでは端的に申し上げまして、お互いに貿易の数量の伸長とともに、一時免税商品の見本の持ち込みだとかそういうようなものが非常に多くなっておる現在におきましては、このカルネの条約に加入をするということは、日本の立場からいっても、国際的にも先方に対しても利益を与える。 さらに日本から申しますると、かなりヨーロッパ諸国に日本の会社の人たちが商品見本その他の持ち込みをやっておられるわけでございまして、現在やはり先方のそれぞれの国の手続に応じまして通関手続をやっておりますけれども、カルネを持ってまいりますとそういったような一切の通関手続を省略をいたすことができるわけでございますから、この点に関しましては、この条約に加入することによりまして一般の貿易に従事しておられる方々には便利になる、かように私どもは考えておるわけでございます。
○塚田委員 そこで、この法律の第三条なんですけれども、この三条でカルネの適用される物品が限定されておるわけです。これは関税定率法第十七条第一項各号ということで、これは広範な物品だろうと思うのですが、すでにこれは再輸出免税でいろいろと議論されておりますから一々の問題についてはここで問い合わせることは避けたいと思います。ただこの第十七条第一項各号のうち第十一号、これは条約によってきめられた貨物ということになっておりますが、この条約とは一体何かということなんです。
○大蔵政府委員 先ほど外務省のほうから、今国会におきましてこのATAカルネの条約のほかに二つの条約、職業用具とそれから展覧会用の条約に加入することを外務委員会において審議を願っているという答弁がございましたけれども、この現在御審議を願っております職業用具の一時輸入に関する通関条約というものと、それから展覧会、見本市、会議その他これらに類する催しにおいて展示され又は使用される物品の輸入に対する便益に関する通関条約、この条約に日本が加入いたしました後においては、これらの条約がこの十一号における該当する条約ということになるわけでございます。
○塚田委員 その二つだけですか、ここにいう条約というのは。
○大槻説明員 関税定率法第十七条第一項の十一号に「条約の規定により」云々というのがあるわけでございますが、それは政令のほうで受けておりまして、関税定率法施行令の三十三条の三におきまして三つの条約、すでに日本が加入しているものを規定しておるわけでございまして、今度条約を御承認いただくということになりますと、この定率法十七条第一項第十一号に追加するということになっていくわけでございます。そういうことでございます。
○塚田委員 そこで、先ほどのように担保の提供は要らない、手続は簡素化だということで私ども一番心配されるのは、これはカルネだからということで、カルネという名前のもとに通関の際の検査あるいは調査それ自体も簡素化されていく。たとえば率直に言うと、入ってはならない品物、そういうものが伴ってくる場合の検査等がどうもこれではちょっと不安ではないかというような気もするのですが、そのことについては何か特別な措置をするとか、そういう気持ちがあるのかどうか。
○大蔵政府委員 これは通関手続の簡素化ということを主眼といたしておるわけでございまして、現実に税関を品物が通りますときに、カルネであるがゆえに検査を省略するというようなことは私ども全く考えておらないわけでございます。世界的にもそういうものを省略するための条約ということではございませんので、カルネを使用するがゆえに、入ってはならないようなものがカルネを利用いたしまして入ってくるというようなことは決してないと考えております。
○塚田委員 カルネに対する取り扱いというのは、国際信義上の問題が伴いますから、そういう面で幾らか心理的にそういう気持ちになるのではないかということを心配したわけですが、それに伴って、これはカルネじゃないのですけれども、たとえばアメリカとの間の地位協定十一条に基づいて軍事郵便については無税で通関いたしますね。そこで、最近沖繩で非常に問題になっているのですけれども、麻薬が考えていたよりもずいぶん広まっておる。これは一つはベトナムからの引き揚げ軍人軍属あるいは家族、そういう人たちの荷物、これは地位協定十一条によってほとんどフリーパスで通関するわけですね。その中に入っている。つまりわれわれが手を加えられないのです。そしていろいろなルートを通じて民間に流れていくというような形跡がある。こういうことがしばしば報道されておる。 それと類似した問題が、今度のカルネの問題で起きるとは私は極言しませんけれども、そういう問題等が心配されるわけですが、いま言った地位協定十一条に基づくそういう問題についてはどうでしょうか。通関する場合に、税関としてはやはりさわって調べるという事態がなければ、そういった入れてはならないものがどんどん入ってくるという懸念があると思うのですが、アメリカと日本の関係を別にして、率直に言っていま国内の事情としては一体どうかという気持ちを披瀝していただきたいと思うのです。
○山本(幸)政府委員 ただいまの地位協定十一条によります通関の問題は、これは日米間におけるいろいろな協定等全体の中の一つの問題であるわけですが、確かにおっしゃるようなこともあろうかと思います。あろうかと思いますが、しかし日米間の安保条約をはじめとするそういう協定によって運用をされておるものであり、国際的にもそういう場合はおおむね現在のような取り扱いでやっているのであろう、こう思われますので、現在の状況については将来の問題として考えていきたいと思うわけであります。
○塚田委員 次官、それは将来の問題としてどういうふうに考えていきたいのですか。たとえば軍事郵便局というのは国内で数はきまっておると思います。四カ所か五カ所にきまっておるのですよ。それで成田の国際空港等も今度できるという事態を踏まえて、あそこに軍事郵便局をつくっていいかどうかという問題、むしろ住民は絶対につくってはならぬという声もずいぶんあがっておるさなかでもあるので、大蔵省としてもいま言ったような不都合な事態を阻止するという意味からいって、十一条はわかりますけれども、少なくとも新しい空港については好ましくない、こういう考えになるのが至当であると思うのですけれども、もう一ぺんどうぞひとつ御答弁願いたいと思います。
○山本(幸)政府委員 いまお答えしましたように、これはいろいろお尋ねのような事態も予想をされないではありませんが、ただいまの日米間のいろいろな協定、あるいは国際的ないろいろな慣行等も考えあわせて、将来どういうようにするかということについては、わが国としてまだここではっきり私が申し上げる程度には至っていない、将来の問題として検討をさせていただきたい、こう申し上げておる次第であります。
○塚田委員 じゃ、この際関税についての問題の一つ二つを聞きたいと思う。 これはいずれ一般質問等でいろいろと話があろうかと思いますが、近ごろ大蔵省といいますか、関税、証券をめぐる事件が相次いで起きておるという事態、まことに遺憾な事態です。そこで私はついこの間起きた銅の輸入についての差額関税、スライド関税についての事件等を中心にして若干御質問をしたいと思うのですが、その前に、実はこの差額関税については三月の段階で豚肉についてそういう思わしくない事件が起きまして、そのときの答弁では、まだ事件については調査中であるから詳細な報告は調査を待ってということで、自来三カ月たっているのですが、その後の調査の結果一体具体的にどういう事実があがり、どういう処分といいますか、措置をしたかということについて御報告を願いたいと思います。
○大蔵政府委員 豚肉に関しましては、その後実は相当膨大な資料を押収をいたしまして、かなり調査に時間がかかりまして、ようやく最近の段階におきまして全体の調査がおおむね終了に近づいてきたということで、現在私どもの調査の段階におきましては逋脱税額が約三億円ということでございます。これに関連をいたします会社は約三十社でございまして、これらに対しましていかなる処分をするかという点につきましては、犯則の態様によりまして告発をするもの、あるいは通告処分をするもの等は検察庁と打ち合わせの上、最終的な方針を決定いたしたいと考えておりますが、現在のいろいろな問題にかんがみまして、私どもといたしましては、これに対しましては非常に厳格なる態度をもって臨みたい、かように考えておるわけでございます。 ただ、ここでちょっとお話をしておきたいと思いますのは、何か通告処分と申しますと、いかにも甘い処分であるかのごとく印象づけられる面もあるかと思いますが、過去の例に徴しまして、告発をして、これが立件をされました場合に、その対象となりますのは、証拠がきわめてはっきりいたしたもののみが対象になりまして、経済的には通告処分のほうがはるかに重い、要するに罰則を先方に対しては与えるということがしばしば過去の例において見られる点があるわけでございます。 かりに私どもの調査におきまして通脱税額が三億円ということであれば、通告処分をいたしますと、一番厳重に通告処分をいたしますと、約九億円というものをその通告処分で徴収をするということになろうかと思います。したがいまして、それらの何が一番彼らに対して罰則適用が最も厳重であるかということに関しまして、検察庁とも十分に打ち合わせをいたしまして、最終的に態度を決定をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○塚田委員 確かに十億円といいますか、相当の金額です。だけれど、私はこう思うのですよ。この種の会社——会社の名前はあげませんけれども、十億円や二十億円は、金で解決することなら、そうたいして痛くないような情勢に残念ながらいまなっているのじゃないか。つまり、社会的な責任を負わせる、特に脱税ですから。そういう場合に、やはり最も効果のある方法というのは何か、そしてまた一般国民が、なるほど国は思い切ってやったというような印象を与える、つまり国の政治に対する信頼をつなぐという面からいって、金額で換算される、そういったことだけで事を済ますということは、私はいまの場合、こういう情勢の中では最善の方法ではないのじゃないか、こう思うのですね。その点はひとつ十分な検討をしていただきたいと思うのです。 そこで国税庁、こういう事件は、たとえば関税をごまかしたという場合には、これはたどりたどっていけば必ず法人税をごまかしていると思うのです。つまり、関税をごまかして所得をごまかすのですから。その面の、たとえば何か事件があったという場合には、そういう調査もあわせてもちろんしていると思いますが、今回のこの豚肉の場合はどうでしょう。
○松本説明員 ただいま御指摘がございましたように、豚肉の輸入業者が、たとえば実際の輸入価格より高い価格で輸入しているといたしますと、当然原価が過大ということになるわけでございまして、いまおっしゃいましたように、法人所得の計算上それが過少にあらわれるということが十分あり得ることであると思います。 それで、豚肉の関税の逋脱に関しまして、こういうふうに関税局のほうの措置が表面に出ましたことでもあり、豚肉の取り扱いをしておる輸入業者というものは私どものほうで把握できますので、こういう取り扱い業者につきましては、通常の調査よりも優先して繰り上げて法人税の調査を実施するということにすでに着手してまいったわけでございまして、取り扱い業者約二十社ほどございますが、そのうちの十六社につきましては、すでに調査を終わりまして、的確に、漏れているものも把握して、あるいは適正に申告しているものはそれでいいというふうに調査を終わっているところでございます。 〔木村(武千代)委員長代理退席、委員長着 席〕 あと数社も近く調査の予定にしておりまして、これまたそういうふうに調査結果を的確に把握して課税処分いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○塚田委員 どうもいまの答弁では、当然そういった法人税の脱税についての疑いが出てくる。二十社のうち十六社調べたら、適正なものはそれでいいというのでやったというのですが、私は逆だと思うのです。どういう会社か、私ども調べておりますが、会社名を言うことは避けたいと思うのですが、もうこれは必ずその法人税をごまかしているということは明らかなんですよ。スライド関税で、安く買ったものを高い値段で輸入したことにしているのですから、必ずごまかしがあるわけです。法人税に及んでいるわけです。だから、これはもう動かしがたい事犯だと思うのですけれども、私はむしろそれに対する処分を聞きたいくらいなんです。どうなんでしょうか、これは。
○松本説明員 全部が適正な申告をしておるというわけじゃございませんで、適正な申告ができておるものもございますし、申告ができてないものは、当然これは申告が十分でないものとして、その課税額を決定しておるところでございます。 申告の状況でございますけれども、関税の面でいわば輸入価格を過大に申告しておるようなケースでございましても、法人税の申告面ではこれを是正しておるというふうなものもございますので、そういうものについては法人税の逋脱ということにはつながらないものもあるということで御説明申し上げたわけでございます。
○塚田委員 その法人税申告で、法人税のほうを補正してやっておる、正しく申告していると言われるが、これにはまた何か犯罪があると思うのです。必ずまた売り先と相談をしながら、それをのがれる道を考えておる、私はそう想像するのです。そうでなければ、そういう申告をするはずがないので、その点ひとつどうでしょうか。
○松本説明員 豚肉の取引に関連しまして、これを扱っておる商社、貿易業者その他につきまして調査をしたと申し上げたのでございますが、これはもちろん法人所得全体の調査でございまして、豚肉の面も含めまして、当該法人の課税所得が全体として適正に課税されておるかどうかということに調査の全部の目的があるわけでございます。ただ、巷間豚肉が非常に論議にのぼっておりますので、調査上の重点の一つとしてそれも含めまして、法人税調査をいたしてまいったわけでございまして、全般的な所得の脱漏があるかないかということに力を注いで調査をいたしておるわけでございます。
○塚田委員 それでは国税庁、同じ会社が同じような手だてで同様な脱税をやったという場合には、あなたの調査はどういう態度で向かうのですか。同じ会社が同じ手だてで、しかも同じ事犯をしたという場合には、これも全体の法人所得の中で、まあ特別この豚肉が問題になったから、豚肉を重点を入れて調べましたという程度で終わるものかどうか、これをまず伺いたいと思うのです。
○松本説明員 調査の場合には、やはりいろいろな取引によりましてそれぞれその特色とかそういう共通の性格とかいうものがあることも、いま御指摘のとおりでございまして、そういうことになりますと、もしその一つの脱税に関連してほかの取引にも疑わしいものがあるではないかというときは、常に調査上やはり同じような重点的な着眼点として調査をしておるわけでございます。
○塚田委員 ではあとでまたそららに質問することにして、局長に質問したいと思いますが、いま私は同じような事件と言ったのは実は銅の事件なんです。 きょう各新聞社は一斉に、卸売り物価が六月中旬さらに続騰を続けておるということが出ております。その中で最もこの値上がりの主導的な役割りを演じておるものは実は非鉄金属なんです。その中でも銅——地金、くずも含めて銅が大きく役割りを果たしております。と同時に、三月から問題になっておりました食料品の中では、豚肉、卵、鶏——まあ豚肉が非常に急騰しているわけです。こういう情勢の中では、このせっかく国内産業を保護するということで設けられたスライド関税というものを完全に悪用される懸念は十分あるわけですよ。ところが豚肉に続いて銅の、肝心の銅の差額関税の違反事件が出たということなんですが、この銅の場合は一体どういう状況であるかということをひとつ説明していただきたいと思います。
○大蔵政府委員 銅に関しましては、先般関税定率法の御審議をお願いいたしました際に、なぜ豚肉の脱税が見つかったかという点で、事後調査の結果わりあいに、比較的偶然的な機会にこれが発見の端緒となったわけでございますが、私どもといたしましては、世間でこういう物価問題が非常に重大なおりから、先生御指摘のようなこともございますし、豚肉で差額関税の脱税をやっておるようなところは、そのほかの商品に関しましてもやはり何か問題があるのではないかということから、銅は御承知のように国際価格が比較的はっきり私どももつかめる品物でございまして、過去の国際価格を調査の上それを調べまして、そのときに見合った輸入申請の価格は一体どうであったかというようなことからこちらのほうで調査をいたしまして、各税関を督励をいたしまして監視官を動員をして銅の脱税というものを追及をいたしているわけでございますが、銅に関しましてはごく最近調査に着手をしたばかりでございますので、現在調査を続行中でございます。 現在までのところ、大体私どもが確実なものとして集めました資料によりますると、脱税額といたしまして大体三千五百万円から四千万円程度という脱税額のものは私どもつかんでおりますけれども、今後調査の続行によりまして、今後どういう結末になるかは、現在のところ調査を続行中という段階であるわけでございますので、現在のところわかっておらないわけでございます。
○塚田委員 銅について言いましたが、同様なものは鉛とかあるいは亜鉛とかあるいはマグネシウムとか、これはすべて免税点があらかじめきまっておるわけですよ。だから、銅のようにどんどん上がってくれば——免税点まで達しないうちはそんなことはないといっていいのですが、上がってくれば必ずいままでの傾向からいうと出てきている傾向があるので、その他の面についても調査を進めると同時に、いま三千五百万ないし四千万と言いましたが、これは出たときの当初の金額で、その後の調査ではもっと進んでいると思うのですよ。現在の段階でいいですから、どのくらい税金をごまかしているか率直に言ってください。
○大蔵政府委員 私、決して全く隠しておるわけではございませんで、現在の段階において私どもでわかっておりますのは三千五百万ないし四千万円ということでございます。 なお、ちょっとあれでございますけれども、銅の国際価格が低いときに要するにスライド関税を徴収をいたすわけでございまして、現在のように銅の国際価格が非常に上がってまいりますると、関税の問題というのはなくなってくることになるわけであります。
○塚田委員 これは訂正をいたします。 それから国税庁、同じようなことで法人税にひっかかっているというのが想像できるだろうと思うのですが、この事件で豚肉もやった、今度また銅もやったという同じ会社があるのですが、それはお気づきでしょうか。
○松本説明員 その辺は豚肉の調査に入りますときに念頭に置いておりまして、銅も含めて調査を完了した輸入業者もあるわけでございますが、いままた銅が大きく問題になっておりますので、今後ともさらにその点については今後調査をする分も含めまして、十分頭に入れてやらなければならないと考えております。
○塚田委員 この会社は豚もやるし銅もやる、米も買い占める、大豆も買い占めるということで、おそらく買い占めのトップを切って、いま国民の指弾を受けておる、そういう会社なんですよ。これはひとつ徹底的に進めて特別な調査をして、そしてわずかなものであっても金額の多寡によらずこれは徹底的に糾弾する、処罰をする、こういうことでなければいかぬと思うのです。どうでしょう。
○松本説明員 御指摘のとおりに十分そういう態度をもって調査をいたしておりますし、今後ともしっかり調査をいたしたいと考えております。
○塚田委員 それでは私のほうから、その点ひとつ厳重に、特別査察ということもありますが、そういうものも含めて、とにかく最高の最大限の検査をする、追及するという態度でひとつ進んでもらいたいと思うのです。 以上をもって終わります。
○鴨田委員長 増本君。
○増本委員 まずATAカルネの問題につきましてひとつお伺いしたいのですが、先ほどのお話でも保証団体は日本商工会議所を予定して、保証団体に対しては法律上も業務方法書を出させ、監査もする、認可について大蔵大臣が権限を持つ、こういうことでありますけれども、この保証団体が健全な内容で成立をし、そして健全な運営をするということが、この条約を進めていく上では一番大事なことだと思うのです。だからつくる上でもやはりこの法の趣旨に沿って保証団体ができるようにしなければならぬ、これは当然のことだと思うのです。 ですから、政府としても、日本商工会議所を保証団体とするというのであれば、日本商工会議所がその体制をつくるのをただ待つのでなくて、やはり法の趣旨に沿ってできるようにしていくという上での行政指導が非常に重要だ、私はそう考えるのですが、その辺での政府の行政指導の方向、方針、これはどういうようになされているか、またどういう内容のものかということを、まずひとつ明らかにしてほしいと思います。
○大蔵政府委員 御指摘のように、当然国際信用の問題から申しましても、政府がその保証団体に対しまして相当の関心を持って彼らの行動を見守るという態度は必要であろうかと思います。現在の段階におきまして、もちろんまだ日本商工会議所の申請も出てきておらないわけでございますが、現在世界的に唯一の保証団体として認められておりますのが、このいわゆるIBCCチェーンと申しますところの国際商業会議所系統のチェーンが各国において認められておりますので、わが国におきましてもそのチェーンの一員でありますところの日本商工会議所が一番適当であろうか、かように考えておるわけでございますが、もちろんこれから日本商工会議所がいろいろな彼らの業務態様に関しまして、私どものところに申請書を出してまいります段階におきまして、相当こまかい点にまで私ども監督の目を行き届かせたい、かように考えておるわけでございまして、現在のところ一体どういうふうにしてやるつもりなのかということを、まだ検討させている段階、こういう段階なわけでございます。
○増本委員 これはちょっと私は納得できないのです。法律だけつくる。その保証団体をどこにするということは、まず政府のほうではっきりとした方針を持っている、そういう政府の方針にこたえるような団体にこの保証団体の仕事をさせるというようにしなければならぬはずですね。入れものはつくった、しかしどこにどういうようにさせるかというのはこれはまだ検討中であるというのであれば、そんな急ぐ必要もないような法案をいまここで提案することだって、まずおかしいじゃないですか。そういうような議論もできると思うのです。もっとはっきりとした答弁をひとつ聞かせてください。
○大蔵政府委員 もちろん日本商工会議所に対しましては、このカルネの発給団体あるいは保証団体として適当であると認められるような態様のものにすることは、私どものほうからも要請をいたしておるわけでございまして、日本商工会議所の事務局におきまして、現在、鋭意発給団体としてふさわしいような態様にするべく準備している段階でございまして、この法律にも書いてございますように、業務方法書、その他の提出を求めることになっておるわけでございます。私どもといたしましては、その業務方法書その他の必要事項の提出がございましたときには、相当厳重にこれと取り組んで監督をいたすという、かような考え方でおるわけでございます。
○増本委員 それでは日本商工会議所にやらせるやらせないという問題はちょっとおきましょう。しかし、この保証団体は、日本の輸出業者にとってもこれは利用するものであるし、それから海外の業者が日本へ来る場合でも、やはり海外の業者は海外の保証団体からもらってくるのだろうけれども、しかし、国際的なバランスも考えなければならぬ。 この法案あるいは条約の一番大事な点は、日本の本土で全部手続がとれれば、海外においてその条約加盟国に対しては何でもできるわけですね。そこでどういう保証団体としてつくり育てていくのかという点については、やはり方針はお持ちだろうと思うのですよ。ただ、法律の条文で、申請が出てその段階で適合しているかどうかということを審査するというのであれば、そのときの審査の基準でもいいです、どういう観点でこれが適当かどうかということを審査するのか。これがとりもなおさず、そういう方向に沿って保証団体を育てていこう、こういうことになるわけですから、その審査の基準も含めて、一体どういうことを政府としては考えているのかということをはっきりさせてほしい。これが私の質問の意味なんですが、いかがですか。
○大蔵政府委員 もともとこのATAカルネと申しますのは、要するに輸出入貿易、特に一時輸入をすることが適当なる物品に携わるところの人たちの便利のための国際条約であるわけでございまして、一体ATAカルネを利用するのにどのぐらいの費用がかかるかということが、やはりこのATAカルネを利用する者の立場といたしましては最大の関心事ではなかろうかと思います。 したがいまして、私どもといたしましては、日本商工会議所がかりに保証団体となり、かつ、ATAカルネの発給団体となる場合に、一体どの程度の費用でATAカルネの発給団体となり、保証団体になるかということが、私どもといたしましても最大の関心事であるわけでございます。したがいまして、しかもこの条約の中におきまして、ATAカルネの価格が提供された役務の費用にふさわしい費用でなければならないという項目があるわけでございまして、これが法外に、要するに高いような発給価格になれば、せっかくのATAカルネの利用度は落ちるわけでございまして、こういったような意味におきまして、私どもといたしましては、このATAカルネの発給価格に関しまして、特に深い関心を持ってこれを見たいと考えておるわけでございますし、現在のところ、必要最小限度の費用を償うに足るものでなければならないということを先方に対しましても示しているわけであります。
○増本委員 このカルネの発給の販売価格、これは非常に重要な問題ですね。特に中小の輸出業者はこれはできないというようなものであれば、これはもう大企業にはフリーパスでいくけれども、中小業者は利用できない、こういうような条約あるいはこういうようなシステムであれば私どもも賛成しかねるというように思うのであります。 そこで、先ほどのお話にもありましたように、日本商工会議所が業務をやる、そして各税関所在地を中心にした商工会議所がその業務を委託を受けてやる。この商工会議所というのは加入強制をされている組織ではありませんね。だから、運営の問題として、会員と会員外の人との間で価格に差を設けるというようなこと、これをやるということになると、間接的に加入を強制するというような仕組みにもなるわけですね。イギリスなんかではその会員は四ポンドで、会員外は六ポンドというような価格がついているそうですけれども、こういうような仕組みは私はさせてはならないというように思うのですが、その辺の政府の考えはいかがなんですか。
○大蔵政府委員 発給団体がいかなる価格でカルネを発行するかという点に関しましては、御指摘のように、イギリス等のように商工会議所のメンバーメンバーでない者との間に差額を設けており、またほかの国におきましてはその通関をする品物の価格によりまして発給価格に差を設けている、各国それぞれまちまちの発給価格をきめるわけでございます。 わが国におきましても、これから商工会議所と相談をしながらきめるわけでございますが、少なくとも、私個人といたしましては、商工会議所のメンバーであろうがなかろうが、いわゆるそれにかかる手数料、発給をするに要する費用と申しますものは差があるべきではないと思います。したがいまして、これからの問題でございますけれども、私個人といたしましては、その発給価格に関しましては、みんなが同様の価格によって考えられるべきものであろう、かように考えておるわけでございます。
○増本委員 この点はたいへん重要な問題ですので、ひとつぜひいま局長の答弁された方向で、中小業者も利用できるように、日本商工会議所はたてまえからいけば別に大企業のためだけのものではないたてまえになっておりますけれども、実質はそういうぐあいにならないというような状態もありまから、ましてやこういう、いま円がフロートされておるような国際為替の問題も非常に深刻な問題もあるというような中で、中小業者もその市場が十分に開拓していくことができるように、そういう点でこのカルネも十分利用できるようなそういう仕組みをきちんとつくってもらうように、この点は特に強く要求しておきたいと思うのであります。 時間があまりありませんので、きょうは政府の通商政策に関連して、非常に緊急な問題でありますので、この機会をかりて、ちょっときのうのアメリカの大豆の輸出規制の問題についてお伺いしたいと思います。 きのうのアメリカ政府の発表が夕刊に出まして国民全部が驚いたわけですけれども、まずその事実関係について政府から説明をいただきたいと思います。
○西田説明員 ただいまの御質問、新聞の報道が事実であるかどうかという点でございますが、各新聞によりまして若干ニュアンスの相違その他もございますけれども、大体正確に報道されていると思います。ただ念のため、私どもがワシントンから得ました米国政府の発表なるものの骨子を御説明したいと思います。 まず第一点は、二十七日、現地時間でございますが、午後五時に商務長官、それから農務長官が緊急に記者会見をやりまして発表いたしたわけでございますが、大豆及び綿実、これはミール、油等その製品を含んでおるわけでございますが、大豆及び綿実の一時輸出禁止を行なう、これはワシントン時間で二十七日午後五時以降積み出し開始のものから適用するということでございます。 それから第二点は、七月二日までにこれらの品目の今後の輸出可能数量及び輸出割り当ての方式について発表するということをいっております。 それから第三番目に、この輸出規制措置の根拠法規は、既存の一九六九年輸出規制法によるものであるというふうにいっておるわけでございます。 わが国といたしましては、米国農産物の伝統的な輸入国でございますし、米国からの輸入に大きく依存しておりますので、米国に対しましては輸出規制を極力避けるよう、万一輸出規制措置に訴えざるを得なくなる場合にもわが国の立場を十二分に配慮してほしいという旨を累次にわたって申し入れてきておりますし、今回の措置が発表された直後にも、わがワシントン大使館から米側関係者にこの点を申し入れておりますし、それから実は昨日の午後、大平外務大臣からインガソルアメリカ大使に対しまして、今次措置についてのわが方の重大な関心を表明したというような経緯がございます。
○増本委員 すでに契約されてまだ引き渡しを受けていないという部分についてまでストップをかける、これはたいへんな問題だと思うのですね。いまその根拠法は一九六九年の輸出規制法であるというようにお話しありましたけれども、この輸出規制法の具体的な権限内容、これはどういうものなんですか。内容をちょっと説明してください。
○西田説明員 アメリカが申しております一九六九年輸出規制法、実はこの第三条二項に該当条文があるわけでございますが、その中身といたしましては、不足物資の過度の流出から国内経済を保護し、外国の異常な需要がもたらす深刻なインフレ効果を減殺するために必要な限度において輸出規制を行なうことが合衆国の政策である、かように規定されております。
○増本委員 それは宣言的な内容ですよね。だから、大統領が議会にもかけずに、積み出しがら何から全部それで禁止するという、そういう権限までその法律が与えているということにはならないのじゃないですか。外務省の見解いかがですか。
○西田説明員 実は昨年の八月にも、アメリカは原皮の輸出を一カ月間規制したことがございます。このときにもこの法律の条文を発動した経緯がございます。で、私どもとしましては、一応これによって大統領に権限が与えられておるというふうに了解しておる次第でございます。
○増本委員 私は前も疑問に思ったのですが、いま次長が読まれた三条二項というのは、インフレ抑止の政策であるという宣言だけであって、大統領に特別の授権がなされているという根拠が何もないのですね。だから今度、いま議会にかかっているいわゆる新通商法で大統領に一般的な授権をしようという新しい必要性が出てきているわけですよ。いままだ新通商法は議会にかかったままになっている。だからアメリカがやったこのことは、実は議会から特別の授権も得ていない。そしてただ宣言的な文言だけで、権限もないのにこういうように船積みまで禁止するというようなやり方、これはどうも国内法的にも根拠のないことではないか、法的な根拠がないのではないかというように考えるのですが、ひとつ政府のその辺の統一的な見解を聞かせてください。 先例があるといっても、先例のあれだって、実は私は法的な根拠や権限がないものだというように考えるのですが、ほんとうに法的な根拠があって、あるいは権限があって大統領がやっているのか、これはこれから外交上この問題の解決のためにもたいへん重要な問題だというように思いますが、政府のその点の見解はいかがですか。
○西田説明員 実は従来アメリカといたしましては、ただいま申し上げました輸出規制法に基づいて輸出を規制しておるわけでございますが、この点に関します権限をさらにはっきりさせるという意味で、経済安定法の改正というものを現在国会に出すべく準備を進めておる、かように了解しております。 それから、ただいま先生から御指摘のありました通商法案でございますが、これはことしの九月から始まりますガットのニューラウンドをやっていく上におきまして、アメリカ政府がいろいろ交渉権限を得るということを議会に求めておるわけでございまして、直接この輸出規制の問題とは関係ないと思います。
○増本委員 間違えた、経済安定法ですね。失礼しました。 それはともかく、いまあるのはアメリカでも輸出規制法の三条二項だけなんですよ。これは宣言的なものであって、大統領に権限を与えているというものではない。だから私は日本の政府も本来そういうたてまえで考えてきたのではないかというように考えるのです。 それは六月十三日ニクソンが、賃金、物価の六十日間の凍結とあわせて農産物についての輸出の規制を発表しましたね。このときに日本の政府のほうは、主要穀物の輸出禁止はないだろうというように判断をされていた。しかももしそれを本気でやるのだったら議会からの授権を受けるはずだと観測をしたというように新聞に報道されている部分もあるのですけれども、六月十三日のこのアメリカ政府の政策がとられたときには、日本政府に対してアメリカはどんな通告あるいはどういう趣旨の説明が行なわれてきたのですか。それをまず明らかにしてください。
○西田説明員 ただいまの点につきましては、六月十三日の発表前にワシントン及び東京で事前にアメリカ側からこの措置につきまして、物価の凍結、それからとにかくいろいろとアメリカの国内インフレに対応するために既存の契約について調査モニターというわけでございますが、これを開始するという趣旨の通報があったわけでございます。
○増本委員 その通報内容は……。
○西田説明員 その後いろいろな機会にわがほうに対しまして説明があったわけでございますが、やはりアメリカといたしましては、既存の輸入国に対しては十分な配慮を払うという趣旨のことを言っておりましたし、実は二十八日アメリカの国務省カッツ国務次官補代理、それからベル農務次官補代理が、わが国を含む関係主要国の大使館に対しまして、今回の輸出規制措置及びその背景について説明を行なったわけでございますが、その説明の中身を申し上げますと、六月十三日その当時のアメリカの気持ちとしては、既契約分は守りたいということであった。しかし、その後集計された既契約のデータが明らかになるに従いまして、これがいまや不可能であることが明らかになった。したがって、昨日の発表を行なった次第である、こういう説明があったわけであります。 先ほどちょっと申し上げましたけれども、ワシントンで六月二十七日の夕刻発表されましたステートメントによりますと、今回の輸出契約のモニタリングの結果、大豆及び大豆ミールの輸出予想量がそれぞれ前回の予想を大豆につきましては六%、それから大豆、ミールにつきましては二七%をこえることが判明した。他方大豆及び大豆ミールの六月中旬の国内物価は、今年四月に比べてそれぞれ六五%及び九〇%上昇、また一年前に比べまして二〇〇%、それから三二八%も上昇しているということをいっております。したがって、こういう事態に対処するために規制に乗り出さざるを得なかったということを発表しております。 したがいまして、六月十三日の発表以降アメリカ政府といたしましては、できる限り従来の輸出国に対する輸出というものは確保していきたいという点を繰り返し説明しておったわけでございますが、やはり異常な輸出数量とそれから国内価格の騰貴というものが判明いたしましたので、昨日新聞に報道されておりますような措置に出ざるを得なかった、かように考えておる次第でございます。
○増本委員 農林省来ていらっしゃいますか。——ことしのアメリカとの大豆の買い入れの契約高と数量、それから引き渡し分とまだ引き渡しを受けていない分ですね、これがどのくらいなのか、まず明らかにしてください。
○増田説明員 まず、わが国におきます四十八年度の大豆の需要量でございますけれども、これは大体油をしぼる製油用でございますが、これが約二百七、八十万トンぐらい、それから食品用が大体八十万トン強ということになっております。このうち国産でまかないますものはごくわずかでございまして、約三百五十万トン強くらいを輸入に依存しておるというような状況になっておるわけでございます。 このうちアメリカからの輸入見込みでございますけれども、これは大体三百二十万トン程度というふうに見込んでおりまして、そのうちいまの先生から御指摘のありました点でございますけれども、すでに五月の末までに約百五十万トン程度の輸入が行なわれております。それからすでに船積みされました分、六、七月に着く見込みの数字でございますけれども、これが大体七十万トン近い数量の到着が見込まれておるわけでございます。
○増本委員 あなたのおっしゃった三百二十万トン、アメリカとの分ですね。そうするとこれはすでに契約数量ですか。
○増田説明員 全部が契約ではございませんが、契約はいろいろ積み期ごとに契約されておりまして、たとえば十二月積み等はあまりはっきりしておりませんけれども、大体この六月からの十一月積みでございますか、これが大体百五十万トン程度、そのほか十二月があまりはっきりしませんけれども、三十万トン程度、それからさらに一月積みあたりの契約もあるようでございますけれどもここら辺になりますとまだ数量ははっきりつかんでいない状況でございます。
○増本委員 そうすると、この大豆の今回の輸出規制によってストップを受けて、日本に入ってこない分というのは何方トンになるのですか。
○増田説明員 今度の輸出規制の対象になりますものは、主としまして七月積み以降の予定の旧穀、七二年産のものでございますが、それらが対象になると考えられておりまして、それが大体七十万トン程度でございます。
○増本委員 勘定が合わないですね。あなたの先ほどの説明だと、アメリカとの大豆の今年分の契約が三百二十万トンで、五月の末までに船積みされているものが百五十万トン、六、七月で七十万トン、こういうことですね。そうすると少なくとも百万トンくらいは入ってこないというような勘定にもなると思うのですが、どうなんですか。
○増田説明員 ちょっとことばが足りなかったかと思いますけれども、三百二十万トン程度と申し上げましたのは、契契がすべてできた数量ではございませんで、一番初めに申しました輸入必要量、約三百五十万トンと申しましたけれども、そのうち三百二十万トン程度アメリカから輸入する見込みにしておるということでございまして、その内訳としまして、すでに契約されたものとまだ契約ができてないもの、われわれの見込みといいますか、そういう数字に分かれるわけでございます。
○増本委員 すでに契約をされて引き渡しを受けるばかりであったのに、今回ストップを受けるという分は七十万トンぐらいだ、こういうことですか。
○増田説明員 はい、さようでございます。
○増本委員 いずれにしてもすでに契約をして引き渡しを受けるばかりであったのに、こういうことでストップを受ける。これは契約を履行しないということですから、取引からいけば債務不履行という重大な背信行為だというふうに思うのですね。六月十三日の段階で新聞発表によると、日本にあるアメリカの大使館は、外務省や農林省などに、契約したものは尊重する、日本に対しては迷惑をかけないというように伝えてきていた、こういうようにいっているのですけれども、この事実は間違いなかったのですか、いかがですか、六月十三日のあの規制をした段階で。
○西田説明員 既契約は尊重したい、それから従来の大きな輸出国に対してはなるべく迷惑をかけたくない、こういう気持ちは表明されておりましたけれども、契約されたものは絶対にすべて実行するんだというところまではっきりした説明はなかったように理解しております。
○増本委員 そこで、先ほどの話にちょっと戻りますけれども、一九六九年の輸出規制法の第三条第二項、これは先ほど次長もお読みになったように宣言的な内容ですね。ここでは大統領にストップをかける、そういうことのできる権限を与えるというようなことまでは書いてありませんね。その点はお認めになりますか。
○西田説明員 ただいま三条しか御説明いたしませんでしたけれども、第四条に、三条の政策を実施するため、大統領は米国からの輸出を禁止または規制することができるということで大統領に権限が認められておる次第でございます。
○増本委員 それ、あとで資料いただけますか。
○西田説明員 はい。
○増本委員 いずれにしても法的な権限もはっきりしないし、しかもそれですでに契約した分までストップをかけるというのは、国際的な貿易関係からいっても商取引の上からいっても、これは国際信義に反するアメリカの重大な背信行為だというように考えざるを得ないわけですね。この国内的な影響というのは、これはもうはかり知れないものがあると思うのですよ。もしこの事態が続くとなったらどういうような経済的な状態になるかという点についての農林省の見通しはいかがですか。
○増田説明員 先ほど外務省のほうからも御説明がありましたように、輸出許可の方法についてはまだ内容がどうなるかはっきりしておりませんので、今回の措置によりまして直ちに国内の大豆なりその製品に与える影響を見込むことはいまの時点ではむずかしいのではないかというふうに考えておるわけでございますけれども、考えられますことは、その具体的な規制措置がどういう内容になるかということによりまして、当然輸入予定数量といいますか、これが変わってくるわけでございますけれども、たとえば五月末の私どもの在庫の状況等からいろいろ考えてみますと、削減の度合いが相当大きなものでなければ、新穀の出回る十月末でございますか、そこら辺までの供給の確保は大体できるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます、私どもとしましては、これも先ほど出ましたように、極力アメリカに対しまして輸出削減は軽減するようにということで要請するようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○増本委員 こういうようなことをやられると、これは大臣お見えになっておりますけれども、大臣が主張しておられるワン・ワールド・エコノミーというたてまえからいっても、それから直接狭い意味での非関税障壁ではないけれども、輸出の数量制限とか規制とか禁止というようなことを自国の都合だけでいきなりやったりするというようなことでは、これは国際的な協調という上からいっても非常に大きな問題だというように思うのですね。こういうことを甘受するようだと、九月の総会できめられる新しい国際ラウンドに向かっても、やはり重大な態度でもって臨まなければならないという結論が当然出てくるだろうと思うのですが、ひとつ大臣の国務大臣としての所見をお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 いままで外務省なり農林省からも御説明があったと思いますけれども、端的に申しますと、具体的な措置をどういうふうに行なわれるつもりでやりましたものか、これを徹底的に照会というか、詰めていかなければならない。またその間において、日本側としての言うべき主張、それから日本として主張すべきことは十分に貫徹するようにしなければならない、こういうふうに考えております。実は私も今回のこの措置についてはもちろん非常に大きな関心を持っておるわけでございまして、外務大臣や農林大臣に対しましても、考え得るいろいろなポイントについて、如才ないこととは思いますけれども、対米交渉について十分国民的に納得のいくような措置をとり得るように実は要請をいたしておるような次第でございます。 この具体的な内容等についての先方の考え方というものをもう少し詰めてみないと、前提が十分明らかでございませんから、たとえばいまお尋ねの一種の非関税障壁ではないか、あるいはガットに違反するものではないかというような具体的な点については、私も現段階ではちょっと所見を申し上げかねますけれども、とにかく食糧あるいは飼料というような日本としては非常に重大な関心のある問題でございますから、これが日本の国益に触れるようなことであってはたいへんなことでございますし、同時にまたお話がございましたように、われわれのかねがね主張しておるワン・ワールド・エコノミー、あるいは関税障壁的な、保護貿易的な、保護主義的な、こういう逆行するようなことは、世界的な傾向としても決して望ましいことではない、そういう方向に向かって政府としてもあらゆる努力を展開するつもりである、私はかように考え、かつ努力を続けたいと思います。
○増本委員 ともかく、こういうアメリカの通商政策が出るたびに日本の食糧問題がかき回される。これはやはり何といっても日本の食糧の自給率がきわめて低くて、この大豆の場合だと九二%アメリカから輸入を受けている。日本の財政面から見ましても、たとえば財政投融資でも今回、農業、林業に対する投資は前年と比べても減っているというようなぐあいに見られるように、農業投資を政府がきちっとやっていないということもこれは自給率を低めている、農業を破壊していく一つの政策的な問題として重大だというように思うわけです。私たちは自給率を高め、それと同時に、こういう不当なことが野放しにされることのないように、いままでの対米従属的なこういう通商政策を根本的に改めて、やはりき然とした態度でこのアメリカの不当な行為をひとつ糾弾していくというような姿勢を強く望みたいと思うのです。 外務省、先ほどの一九六九年の輸出規制法ですね、あの全文、私にいただけませんか。——すぐ下さい。 では、私の質問を終わります。
○鴨田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○鴨田委員長 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員会に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○鴨田委員長 次に、内閣提出、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案は、去る二十七日質疑を終了いたしております。 両案に対し、自由民主党を代表して、木村武千代君外四名よりそれぞれ修正案が提出されております。
○鴨田委員長 この際、提出者より両修正案の趣旨の説明を求めます。木村武千代君。
○木村(武千代)委員 ただいま議題となりました両修正案につきまして、提出者を代表して提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。 まず、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案について申し上げます。 この修正案は、別途今国会に提出されております厚生年金保険法等の一部を改正する法律案が修正され、厚生年金の基本年金額のいわゆる定額部分を、原案の被保険者期間一月につき九百二十円から千円に引き上げることとしていることに伴いまして、国家公務員共済組合法に基づく年金の最低保障額等について所要の引き上げ措置を講じようとするものであります。 すなわち、退職年金の最低保障額につきましては、原案の三十万二千四百円から三十二万千六百円に、また、廃疾年金の最低保障額につきましては、廃疾の程度が一級に該当する者にあっては原案の三十六万九千六百円から三十九万三千六百円に、二級に該当する者にあっては同じく三十万二千四百円から三十二万千六百円に、三級に該当する者にあっては同じく二十二万八百円から二十四万円に、さらに、遺族年金の最低保障額につきましては原案の二十三万五千二百円から二十五万四千四百円にそれぞれ引き上げることとするほか、通算退職年金のいわゆる定額部分につきましても所要の引き上げを行なうこととするものであります。 なお、本修正の結果、来年度以降国の負担増となる額は平年度ベースで約四億八千万円と見込まれております。 次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案について申し上げます。 この修正案も、厚生年金保険における修正内容にならいまして、通算退職年金の定額部分を原案の九百二十円から千円に引き上げることとするものであります。 以上が両修正案の提案の趣旨及びその内容であります。 何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上、げます。
○鴨田委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。 この際、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において意見があれば、発言を許します。愛知大蔵大臣。
○愛知国務大臣 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律に対する修正案につきましては、政府としては、やむを得ないものと認めます。 —————————————
○鴨田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、本案に対する修正案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨田委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。 次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、本案に対する修正案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨田委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。 —————————————
○鴨田委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、木村武千代君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。武藤山治君。
○武藤(山)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。 案文は、お手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。 御承知のとおり、最近におけるわが国経済社会の動きの中で、国民生活に大きな影響を与えているものに、人口の老齢化の進行と老齢者の立場の変化並びに賃金、物価の著しい上昇があります。これらの現象を背景として、医療保険及び老齢者の生活保障の充実が強く要請されるに至っており、特に年金制度に対する期待と関心が一段と高まりつつあります。 国家公務員及び公共企業体職員の共済組合制度につきましても、これまで幾多の検討改善が加えられ、また、既裁定年金の額も、連年その引き上げがはかられてきたところでありますが、なお組合員及び年金受給者より、給付水準の引き上げと年金の実質価値保全のための具体的対策等が求められているのであります。 本附帯決議案は、このような事情にかんがみ、共済組合の給付に要する費用負担とその給付内容のあり方、長期給付の財政方式等制度充実のため検討すべき諸点を取りまとめ、その実現方について、政府に一そうの努力を傾注されるよう要望するものであります。 もとより、これらの諸点を実現するに際しましては、他の公的年金制度との均衡、年金財政の長期見通しと財源負担の原則等解決すべき困難な諸問題が存することも十分に承知いたしておりますが、新制度発足以来すでに十数年を経過いたしており、また、国家公務員の共済組合につきましては、たまたま財源率の再計算期を来年に控えているというこの機会に、職員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資するという法の目的に照らし、共済組合制度全般について抜本的な検討を加えるべきであると考える次第であります。 したがいまして、この際、本委員会において論議が重ねられてまいりました共済組合制度改善のための諸問題につきまして、政府に特段の考慮を払うよう強く要請するものであります。 以上が本附帯決議案の提案の趣旨であります。 何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上げます。 ————————————— 昭和四十二年度以降における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以降における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する付帯決議(案) 政府は、共済組合制度の充実を図るため、左記事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。 一 共済組合の給付に要する費用の負担及びその給付内容の改善については、他の公的年金制度との均衡等を考慮しつつ、適切な措置を講ずるよう検討すること。 二 国家公務員共済組合等及び公共企業体職員等共済組合からの年金について、国民の生活水準、国家公務員及び公共企業体職員の給与、物価等の上昇を考慮し、既裁定年金の実質的価値保全のための具体的な対策を早急に進めること。 三 長期給付の財政方式については、賦課方式の問題も含めて検討すること。 四 旧令、旧法による年金額の改善については、引きつづき一層努力すること。 五 国家公務員共済組合及び公共企業体職員等共済組合両制度間の年金算定の基礎俸給、最低保障額等の差異について、是正するよう検討すること。 六 家族療養費の給付については、他の医療保険制度との均衡を考慮しつつ、その改善に努めること。 七 長期に勤続した組合員が退職した場合において、医療給付の激変をさけるための措置をすみやかに検討すること。 八 労働組合の非在籍専従役員が共済組合員としての資格を継続することについて検討すること。 九 共済組合の運営が一層自主的、民主的に行なわれるため、運営審議会等において組合員の意向がさらに反映されるよう努めること。 —————————————
○鴨田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 おはかりいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。愛知大蔵大臣。
○愛知国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿いまして十分検討いたしたいと存じます。
○鴨田委員長 佐藤運輸政務次官。
○佐藤(文)政府委員 ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしまして御趣旨を体して十分検討したいと思います。 —————————————
○鴨田委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○鴨田委員長 次に、通行税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 —————————————
○鴨田委員長 まず、政府より提案理由の説明を求めます。愛知大蔵大臣。
○愛知国務大臣 ただいま議題となりました通行税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、別途日本国有鉄道の運賃の改定について御審議を願っておりますが、この際、通行税法についても所要の調整を加えるため、この法律案を提出した次第であります。 日本国有鉄道の旧二等寝台に相当するB寝台については、現在、一般の乗客がこれを利用することから通行税を非課税とするよう免税点を定めておりますが、今回の運賃改定によりB寝台の料金も改定されることとなりますので、この際、通行税を非課税とすべき寝台料金の範囲の規定を改正し、一般の乗客が通常利用する寝台にかかる料金として政令で定めるものに対する通行税を非課税とするほか、所要の規定の整備をはかることとしております。 以上、通行税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由とその内容の大要を申し上げました。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○鴨田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十五分散会 ————◇—————