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71回国会衆議院1973/06/27

大蔵委員会 第43号

発言数
79
登壇者
12
会派数
2
開催日
1973/06/27

会議録

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これより会議を開きます。  今般新たに就任されました相澤事務次官等より、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。相澤事務次官。

相澤英之大蔵事務次官

○相澤説明員 相澤でございます。きのうの発令で事務次官に任命されました。微力でございますが、一生懸命やりますので、よろしく御指導願いたいと思います。(拍手)

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 中橋大臣官房長。

中橋敬次郎大蔵大臣官房長

○中橋政府委員 昨日付をもちまして官房長を命ぜられました中橋でございます。よろしく御指導をお願いいたします。(拍手)

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 橋口主計局長。

橋口收大蔵省主計局長

○橋口(收)政府委員 同じく主計局長を拝命いたしました橋口でございます。理財局在職中は、法案の審議等を通じましてたいへん御指導を願いましたわけでございますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。(拍手)

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 竹内理財局長。

竹内道雄大蔵省理財局長

○竹内政府委員 理財局長を拝命いたしました竹内でございます。よろしく御指導をお願い申し上げます。(拍手)

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 高橋証券局長。

高橋英明大蔵省証券局長

○高橋(英)政府委員 証券局長を拝命いたしました高橋でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 松川国際金融局長。

松川道哉大蔵省国際金融局長

○松川政府委員 国際金融局長を拝命いたしました松川でございます。どうぞよろしく御指導いただきたいと思います。(拍手)      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 この際、連合審査会開会申し入れの件についておはかりいたします。  目下社会労働委員会において審査中の健康保険法等の一部を改正する法律案について、社会労働委員会に連合審査会の開会の申し入れを行ないたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会の開会日時は、本二十七日午後一時より開会する予定となっておりますので、御了承願います。      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 次に、内閣提出、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、及び広瀬秀吉君外五名提出にかかる国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、公共企業体職員等共済組合法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 両法案について質問をいたしますが、まず最初に、もうずいぶん各委員から質問も重ねられてまいりましたから、きょうは私が最後のようですから、総括的に今日までの議論を踏まえてお伺いをいたしたいと思いますので、ひとつ的確に、いままでの議論は皆さんもうそれぞれ頭の中できちんと整理がついているだろうと思いますから、そういう点、率直にひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。  最初にお伺いしたいことは、そういう意味で、国家公務員共済組合及び公共企業体共済組合法のかかえておる当面の課題といいますか、問題点は何なのかという点について、大蔵省と運輸省と両方からひとつ、皆さん事務レベルでこういう点がいま問題だ、解決をしなければならない問題はこういうものであると思う、こういう点について、大蔵省、運輸省の順にひとつお答えをいただきたいと思うのです。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 共済組合制度のかかえております問題点につきましては、先般来の御審議を通じまして幾多の御指摘をいただいているところでございますが、年金法につきましては、申すまでもございませんが、たとえば給付水準の問題もあるわけでございます。厚生年金等におきまして、今回別途御審議をいただいておりまするように、相当大幅な改正が行なわれるという問題がございますので、それとの均衡、全体の公的年金制度の全般におきまして共済組合の年金をどう位置づけるかというような問題もあるわけでございます。  それから、たびたび御指摘をいただいておりますスライド制の問題、私どもも年金の実質価値の維持につきましては、従来から努力しているところでございますし、今後とも努力してまいる所存でございますけれども、その具体的な方法をどうするか、自動的にスライドしたほうがいいかどうか等々の問題があるわけであります。  それからまた、財政方式につきましても、いろいろ長期的な観点に立ちまして、賦課方式その他についての御議論があるわけでございますが、長い目で見まして財政方式をどういうふうに考えていくべきかという問題がございます。  その他いろいろな問題があるわけでございますが、ちょうど来年度が国家公務員共済組合の年金の再計算の時期に当たっておりますので、関係の審議会等にもおはかりいたしまして、そういうような問題点につきまして、できるだけ早急に事務的に検討を詰めて結論を出してまいりたい、かように考えておるところでございます。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○住田政府委員 ただいま大蔵省からお話があったのでございますが、公企体におきましても、当然のことながら、恩給法との関係あるいは厚生年金との関係あるいは国共済との関係等があり、また、現在公的年金制度についていろいろ調整をやっておりますので、公企体だけについてこうしたいということは非常にむずかしいのではないかと思います。  先般来の質疑でありましたように、当面の問題といたしましては、公企体につきましては、最低保障の制度がないということで、これにつきましては、先般来申しましたように、前向きに処理いたしたい、今後検討を加えていきたいというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 両者からお答えをいただいたわけですが、確かに大きい問題としてはそういう問題であろう、私どもはかように考えるわけであります。  そこで、この給付水準が低いという問題、これはもうこの委員会におきまする各委員の質問に対して、大蔵大臣もその点は実態として認められておられるわけでございますが、この給付水準を今後もさらに引き上げていく、こういう点については、全くこれは大蔵大臣としても異存のないところだろうと思うのでありますが、給付水準について、事務当局からはあとでけっこうですが、どういう水準というものをめどにしてこの給付水準を引き上げるのか、この点について見解をはっきりさせていただきたいわけであります。これは運輸省にもお聞きをいたしたいと思います。  最初に大蔵大臣と運輸政務次官から御答弁をいただいて、事務レベルにおいてさらに具体的なことを御答弁いただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 しばしば御論議をいただきましたように、いま辻次長からお答えしたような点が焦点であると思います。それからまた、国庫負担はどの程度がいいかということも一つの大きな問題として論議をいただいたわけでございます。それから四党から出ております案につきましても、われわれとしては謙虚に研究をいたしましたわけでございますが、この政府案と両案を比較いたしますと、そういう点が浮き彫りになっている。また、こういう点が今後とも問題とされる点であろうと思いますが、その中で、給付水準の問題については、たとえば物価スライド制ということも、厚年などとのバランスもあって、実は政府としても相当考えたところであるということは率直に申し上げたわけでございますけれども、審議会の御答申も賛否相半ばするというような状況でございましたので、今年度においては、四十六、七の両年度の給与水準のベースアップの比率をとって二三・四%ということを採用いたしたわけでございますが、今後におきましても、実質価値の維持という大目的に向かいまして、この点については十分政府部内でも検討をし、また審議会の御意見等も十分伺い、また財政上の財源の問題等も勘考いたしまして、できるだけ前向きに積極的に取り上げてまいりたい、こういうふうに考えております。

佐藤文生自由民主党運輸政務次官

○佐藤(文)政府委員 公共企業体の共済組合制度が他の公的年金に比較しまして著しく低いものがあることは好ましくないと思いますので、最低保障制度を設ける方向で改善したい所存でございまして、関係各省と十分連絡をとりつつ早急に結論を出してみたい、こう考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 事務当局から、水準を引き上げるこれの目標といいますか、あるいはどういうものを基準にして引き上げていくのか、どういう目標を立てるのか、こういう問題について、皆さんのお考えをこの際明らかにしておいていただきたい、こう思います。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 給付水準を考えます場合に、やはり他の公的年金制度、特に厚生年金との均衡を考える必要があると思うわけでございます。その場合に、よく御承知いただいておりますように、厚生年金でございますと、およそ半分は定額分ということになっておりますし、あとの半分が報酬比例分でございますけれども、これは被保険者としての全期間の平均ということに相なっているわけでございます。したがって、定額分を引き上げるとかあるいは報酬の見直しをやるとかいうような制度改正をいたしませんと、給付の水準が上がらないような仕組みになっております。  しかし、共済年金の場合には、よく御承知いただいておりますように、俸給比例、国共済の場合でございますと、退職前三年の俸給に比例いたしますので、ベースアップがあればいわば自動的に給付水準が上がっていくという仕組みになっておりまして、その間制度の組み立て方が違っておるということがあると思うわけでございます。  それから、厚生年金との給付水準比較につきましては、先般来お答え申し上げたところでございますけれども、今回の改正後の給付水準と比べてみましても、なお国家公務員共済組合の水準のほうが高いわけでございます。受給開始年齢の差、つまり国共済の場合でございますと五十五歳から支給を受けられる、厚生年金の場合でございますと六十歳からでないと支給が受けられない、そういうようなこと全部を引っくるめまして給付水準を比較いたしてみますと、大体国共済を一〇〇としますと厚生年金の水準が六割ないし七割程度であるというふうに私ども考えておるわけでございます。  したがいまして、これをどのくらいにしたらよろしいかということは非常に大きな問題であるわけでございます。共済組合法の第一条にございますように、国家公務員の共済年金は国家公務員の福祉の向上、そういう社会保障的な面のほかに公務としての特殊性を加味する年金だというふうにいわれておるわけでございますが、その公務の特殊性の分をどのくらいに評価をすべきかというような問題に関連してくると思うわけでございます。先ほど申し上げましたように再計算の時期を控えまして、その点もあわせて関係審議会等でも御議論をいただき、慎重に検討してまいりたい、かような考えでおるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 辻次長の御答弁、私どもは大筋において大体そういう考えでいいだろうと思うわけですが、基本がまだ私は明確になっていないと思うのです。年金というものが老後の生活を年金で保障をする。いわゆる憲法二十五条によって保障されている具体的な人格、老人という具体的な人間像、そういうものを対象にした憲法二十五条のいわゆる健康にして文化的な最低生活というものの保障、こういうものがやはり私は基本にならなければならないだろうと思うのであります。ところがこの委員会における大蔵大臣の答弁によりますと、何か老後においてよりゆとりのある暮らしの、言うならば補助的手段である、そういうずばりとぎらつくような表現ではないにしても、大臣のお考えはまだその程度のところに低迷をしていらっしゃるのだなという気持ちが、何か老人の最低保障の補助である。生活をそのもので保障をする、所得を保障し、その所得によって老後の生活保障というものが完全に行なわれる、そういうものとして年金をやはりきちっととらえていくという、そういう立場がこの最高責任者の大臣にややあいまいな点があるのではないかと思うのであります。  この点をしっかり、年金とは何ぞやという原点にさかのぼって、そしてこれからの福祉社会、老人福祉の問題の新しいスピードを上げた展開というものが全世界的に起きているそういう時代の流れを踏まえて、大臣からその年金の性格について私がいま申し上げたような立場でとらえるか、あくまで何か補助的な、あくまで扶養家族というような、老人を扶養するというようなことの補助的手段として年金を考えるというようなことであってはならないと思うのでありますが、その辺のところをきちっと整理をした大臣の明確な老後の生活を保障するのだ、生きがいのある人間らしい生活を保障する手段なのであるということをひとつ御答弁いただきたいと思うのですが、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 最終の目標というかそういうものは憲法二十五条であるということは私申し上げているとおりでございます。そして実際問題としては、憲法とそれから国共済はもちろんですが、年金に関連するいろいろの法体系がございますが、それぞれ各本条の明記しているところに従って充実をしていく、実際問題としてはそういうことに相なると思いますから、したがって支給率の比率の問題その他についても漸次改善をしていくということが、漸次憲法の理想とするところに近づいていくものである、こういうふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この経済社会基本計画でも、「わが国社会保障の将来における望ましい姿を描くと、次のとおりである。」こういうことで、「すべての老人が、親族による扶養、貯蓄等国民生活の実態からみて生活設計の基盤となりうる水準の年金を受けとる。」こういうものが望ましいのだということは、親族による扶養とかあるいは貯蓄等というようなもので、これは今日土地の売買によって巨額の金を稼得したというような人ででもなければ、なかなか今日の高物価の中で、貯蓄もたっぷり老後をまかなうだけのものはとうていでき得ないだろうし、親族による扶養ということも、いわゆる核家族化の進行というような状況の中で非常にむずかしい方向をたどっている。したがって、孤独な老夫婦の存在というようなものがだんだんふえていく、こういうような方向でありますから、いま大臣も私どもの意見と違わないということを申されたわけでありますが、そういう立場でひとつ考えていただきたいということを強く要望をいたしておくわけであります。  そこで、いま大臣が給付の率の問題等についても触れたのですが、私どもはこの委員会に改正案を提案をいたしておるわけでありますが、現在では国家公務員、公共企業体とも退職時の給与を基準にいたしまして、二十年までが百分の四十、さらにその後の勤続一年について百分の一・五を加算した率によって計算をされ、しかも百分の七十に至って今度は横すべりになって、それ以上の支給率というものは今日の段階ではないわけであります。七割で切られておる。これは計算上は四十年勤続でようやく百分の七十ということに到達をするわけでありますが、そういうものを、さらに長期に勤続するというような人たちについて少なくとも百分の八十ぐらいまでは持っていかなければならぬだろう。  公務員の場合には退職前三年平均の計算になりますし、公企体は退職時俸給が基礎になりますけれども、そういうものを基準にして、そのときの給与の大体八割程度までは保障をしていこうという立場をとるならば、その計算の基礎にあるいわゆる年金の受給資格を得る最低年限が二十年、これで百分の四十ということでありますが、これをやはり百分の六十ぐらいまで引き上げないことには、四十数年というような、これはほとんどレアケースにも今日ではなっている、そういうものでなければ百分の七十にも到達しない、あるいは八十にも到達しないというようなことになるわけでありますから、そういう問題等についてもこれはやはり逐次改善をしていく気持ちがあるのかどうか。  こういう点について、これはやや技術的になりますから事務当局でもけっこうでありますが、そういう点もこれは十分検討をし、実現の方向を目ざしていく、こういう答弁があってしかるべきだと思うし、また先ほどお話がございましたように、国家公務員共済あるいは公企体共済、それぞれやはり民間のいわゆる事業体に適用される厚生年金に対してもう一つプラスアルファというか、国家公務員としてあるいは公企体の職員として、憲法上のいわゆる全体の奉仕者としてのより多くのサービスもしなければならない、そういう立場にある者に対して、それをどう評価して上乗せしていくかというようなことも、やはり公務員共済、公企体共済においては考慮されなければならない問題であります。先ほど辻次長もその点に触れられた。私どもはその点を踏まえて議論をしたいと思うわけですが、そういう角度から、今日厚生年金の分野においても急速に改善の方向に向かいつつある。これは十分ではありませんが、改善の方向に向かいつつある。そういう中で、それと歩調を合わせて、そういう公務員の特殊性というようなものもきちっと踏まえて、先ほど私が申し上げたような具体的な給付率の引き上げについてどのようにお考えになっておられるか、これを両方からお伺いいたします。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 給付率の引き上げあるいは基準俸給という点についても四党の御提案というものをよく承知いたしておるわけでございまして、率直に言わしていただければ、国共済ということに限定して考えますと、確かにこれは一つの望ましい姿を示しておるものかと私も存じますけれども、ただやはり日本の年金制度その他は率直に言ってずいぶんばらばらで、それから中身も、たとえば支給を受ける年齢も違うし、あるいは国庫の補助率も違うし、しかし同時に給付水準も違うというような状況でございますから、他との権衡ということもやはり十分念頭に置かなければならない。それから、これも率直に申し上げまして、財政上の負担ということも考えなければなるまい。あるいはまた七〇%でとどめるがいいか、あるいは八一%までいくがいいかというような点については、現在の時点における諸外国等の例なども十分参酌してしかるべきではないかというようないろいろの要素がございますので、今年御提案をいたしましたものも、いろいろの点を考えて政府としてはずいぶん改善につとめたつもりでございます。  同時に、先ほども申し上げましたように、これらの諸点については来年が再計算の時期でもございますし、それから各審議会等におきましても熱心に御検討をいただいておりますから、政府といたしましてもそれらの状況下においてできるだけ前向きに、これらの点について掘り下げて御趣旨に沿うような方向でさらに十分に検討して、来年度はどういうふうにするかということを詰めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  四党の御提案に私は非常に敬意を表しておりますけれども、現状においてはそこまで行き切れない、遺憾ながらそういう立場をとっている次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 われわれの四党提案の問題にも触れられたわけでありますが、そういう点で大臣のお考え、これは財政当局としてはそういう意見が出るのは当然かもしれないけれども、一九七三年から日本はまさに福祉への大転換を遂げたんだ、福祉元年であるというような段階においては、ある程度の理解をわれわれの案に示されるだけではなくて、私どもは、今日の共済組合の組合員全体の意向を受けている、そしてその背後にある全国民的な支持を受けている案だという確信を持った案として提案しているわけでありますから、それらについてはさらにひとつ十分検討して、政府みずからも、この辺のわれわれが提案したものが政府の手で出されるように、これはここでこれ以上論争をいたしませんけれども、そういう頭に切りかえていただきたいというふうに考えるわけです。  そこで、これは事務局でけっこうでございますが、いままで毎年のようにいろいろな改正をずっとやってきておるわけでありますが、その中で常に恩給法の改正がまず先行をして、それにならうんだ、こういうことがずっと繰り返されてきた。もう新制度が発足してから十五年、公企体の場合には十七年を経過しておる。昔だったら恩給は十七年で一般公務員についたわけでありますから、そういう長い歴史もたどってきて、それなりのかなりの経験も積んできておるわけでありますが、常に共済組合の独自性、もちろんこれは他の公的年金との権衡、調整というようなことが非常に重要な問題点になることはわかっているけれども、ところがどうもいつも恩給追随、片方では厚生年金追随ということで、国家公務員、公企体というそういう特殊な立場に立つものが両面から押えられているような形、あるいはまずそれの改正が先行しなければこっちは動き出さない、そういうことでいかにも独立性、主体性、自主性が欠落をしている。この点が私ども常に不満があるのであります。  そういう点では恩給、これは日本の年金制度としては一番伝統の古いものがある、それから後発ではあるけれども、いわゆる社会保険としては本流の厚生年金というものがある。その間にはさまれて、いかにも首鼠両端しながら主体性が何も認められない。こういうことで、やはり共済組合から正しい社会保障、社会保険というような立場に立って、ほんとうに国家公務員として長期にわたって社会に貢献をし、国民大衆に寄与してきたそういう人たちの老後をしっかり理想的な形において、主体的にそういうものを共済組合でまず打ち出して、厚生年金に対して一種のガイドポストになるような、そういう役割りというようなものをむしろ積極的にになう、こういうような主体的な立場がこの際は非常に必要なことであろうし、この低迷している福祉への前進というものの突破口をここから開くというくらいの意気込みがどうも大蔵省にも運輸省にもあまりないではないか、こういうことを強く考えるわけなんですが、この点いかがですか。もちろん財政の問題も当然出てくるわけですけれども、これはあとで論議しますけれども、そういう点で共済組合にいかにも自主性、主体性、独立性がない。この点もう少し力強い一歩を進めるのだ、そういう頭になりませんか。いかがです。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 気持ちとしてはおっしゃるような気持ちでやりたいという意欲は大いに持っておる次第でございます。そして社会保障制度審議会の答申にもありますように、生活設計の有力なよりどころにすべきである、これは一般的な表現でございますけれども、こういうふうな相当積極的なかまえが審議会でも示されているくらいでございますから、この国家公務員共済組合につきましても特に意欲をもって改善に取り組みたい。私も意欲あるいは気持ちにおいては御同様であるということを申し上げておきます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そういうつもりでひとつ、共済組合が非常に影の薄い存在になっておって、どうもそういう点非常に不満でありますから、この共済組合制度というものが、むしろ日本の場合にあるべき理想の社会保障体系をここからつくり上げる、あとそれに、その理想の体制を目ざしてほかの公的年金がだんだんとさや寄せをされるようにしていくのだ、それくらいの気持ちでやってもらうように、これは強く要請をいたしておきたいと思うわけであります。  次に、年金のスライドの問題に入りたいと思うわけでありますが、これは当然財政方式と無関係に論ぜられることはできない関係になっていると思うわけであります。そこで、今日まで共済組合もその他の公的年金も、いわゆる積み立て方式、修正実額負担であるとか修正賦課であるとかというような要素が若干ずつは入りながらも、基本的には積み立て方式でやってきた。この積み立て方式をやる限り、今日のようなインフレ経済、物価、賃金が年々大幅に上がるというそういうものに対しては全くこれは弱い存在といいますか、弱いシステムというか、そういうものに対応できないものである。こういうことがやはり一番大きい問題だろうと思います。そういう中から年金の実質価値を維持するということは、もう四十一年当時、いわゆる調整規定の導入というようなことで始まっておるけれども、それから六年、七年とたちながら、今日なおこの積み立て方式にやはりしがみついているといいますか、そういうものがあるからどうしてもスライドの問題についてすっきりとした、明確な線が出せないでいるのだろう、こういうふうに考えるわけです。  そこで、実質価値を維持するということは、先ほど辻次長もおっしゃいました、これがスライドの一番大きい、ねらうべき目標であるし、メリットの点であるわけですけれども、それをやるためにはどうしても積み立て方式というようなものを転換をしなければならないのではないか、こういう点を考えるわけですが、その点、いや、そういうことなしにも政策改定の形もあるし、あるいは物価スライドもあるし、あるいは賃金スライドもある、世界各国いろいろあるけれども、あとはもうスライド制というもの、その基準のとり方にはいろいろばらつきがあるにしても、そういうものができている段階において、日本ではまだ、今度ようやく厚生年金に物価スライドというものが出てきましたけれども、まだ共済組合では何らそれが措置をされないままで今日の審議を迎えているわけなんです。  このスライドの問題、年金の実質価値の維持ということについて、今後大蔵省、運輸省はどういう態度でこの問題を、年金の実質価値を保全するための方策というものを立てていくのか、その基本的な考え方をまず伺いたいと思うわけです。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 年金の実質価値の維持につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、共済組合法の一条の二の趣旨に基づきまして従来から努力をしてまいってきたところでございます。今回お願いしております改正案におきましては、厚生年金その他の公約年金制度において大幅な改善が行なわれることを考えまして、恩給にならいまして四十六年度と四十七年度の公務員の給与改善率によって二三・四%という大幅な引き上げをお願いしているわけでございます。従来は消費者物価の上昇率を基準といたしまして、公務員の給与の改善率が上回った場合にはその上回る分の六割を消費者物価の上昇率に上積みしてお願いするというやり方をとっておったわけでありますけれども、今度は公務員の給与改善率を基準とする、その上に二年度お願いするということで御提案申し上げているわけでございます。  しかし、これはいわゆる賃金の自動スライド制をとるものではないわけでございます。賃金の自動スライド制そのものにつきましてはいろいろとまだ御議論がございます。退職者の年金の額を現職者の給与に合わせまして全く自動的に引き上げることが適当かどうかという問題につきましては、各方面にもいろいろ御議論のあるところでございます。特に、ただいまも御指摘になりましたように、年金の基本でございます厚生年金におきましては、賃金ではなくて物価のスライドを今回導入することを予定しておりますので、その関係もございますし、また財源負担等の問題もあるわけでございます。したがいまして、この問題につきましては引き続き公的年金制度調整連絡会議でございますとか、あるいは関係の国家公務員共済組合審議会でございますとか、そういうところにおきましても御審議を願いまして、今後の問題といたしまして十分検討してまいりたい、そういう考え方でいるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 結論のところが非常にぼけるわけでありますが、おっしゃったように四十年以降ずっと年々改定を重ねてまいりました。だからこれはいうならば政策的スライドというか政策改定という、あえて名前をつければ、そういうことでやってきた、こういうことだと思うのです。物価上昇率を基準にして自動スライド制をとるか、あるいは賃金上昇率を基準にして自動スライドにするかということに対して、いうならば第三の道というようなものでやってきた。しかもその第三の道はまさに物価と賃金と両方をかみ合わして、これは調整規定そのものが物価の事情あるいは賃金上昇の問題、さらに総合的に生活水準の上昇というようなものを勘案してこの改定につとめなければならぬということになっているわけですから、その調整規定を踏まえたといえば踏まえてこられた。しかし、いうならばその安定性、安心感というものが年金受給者にないわけであります。ちょっと財政が引き締め段階に入ったときには、それではどうなるのだろうかというようなこともあるし、福祉元年、福祉国家への転換ということばが強く叫ばれておるときにはいままでよりも——一方いままではいま次長がおっしゃったように物価上昇率はまずまっ先に見ましょう、それだけでは足らないから賃金上昇率から物価上昇率を差し引いたその残りの六割を保障しましょうというようなことでこうやってきたのを、さらに今度は七三年福祉元年というような立場において、初めて少なくとも賃金上昇率をストレートに用いて政策的に年金上昇の引き上げをはかった、こういうところまできたわけであります。  そこで、私どもがいま関心を強く持つのは、賃金スライドという考え方に大きく転換をした、これはやはり一九七三年の政策の基本における大転換を具体的にあらわしたものだといって、私どももその点はそれなりの評価を与えているわけですね。これがまた逆戻りするというようなことはもうあり得ない。もし逆戻りするようなことであったなら、大臣、これはやはり福祉政策への転換というようなこともまるっきり。ペテンであった、うそであったということになるわけですから、そういうことはもうあり得ないだろうということは、常識的に、特に年金受給者等も、そういうところまできたか、それでは幾らか楽になれるかというような非常に大きな期待もことしの改正によって持っているわけなんですね。  ところが、一方において厚生年金の場合に物価スライドという形で、物価が五%以上の上下があった場合に考えようという形で出されている。われわれのほうは一体どうなんだろうか、こういう疑問というか、年金受給者にとっては切実な、深刻な不安、ここまでは来たけれども、さてそれじゃ来年はどうしてくれるんでしょうかということについては何らの担保も保証もない、制度的にまだ確立されないわけですから。  だからその辺のところを、やはり賃金スライドという方向を明確にしていくということこそが来年——私どもはそういう方向で、ことしからやれということで法案は出しましたけれども、これは大臣にお伺いしたいのですが、そういう方向に向かっている、政策的にもうそこまで積み重ねがきて実績ができてきているとするならば、一方において物価スライドが初めて制度的に取り入れられるということで、いま社労委員会において審議が進められておるわけで、共済組合については賃金スライドの方向というものを打ち出したものと理解してよろしい、こういう御答弁があるならば、われわれもこれは大きな前進である、そのものずばりの評価を惜しまないわけわけなんですが、そういう点で、せっかくここまで実績を積み上げたこの問題をどのように理解され、今後どのように発展させようとしておるのか、お伺いをいたします。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 賃金スライドか物価スライドかという点については、今国会でも厚年のほうでずいぶん論議がございましたわけですが、政府としては賃金スライド制にまではちょっと踏み切りができなかったわけで、これについては事情等も詳しく御承知のとおりと思いますけれども、要するにまだ検討すべき要素がたくさんある。それから厚年のほうでも、五年に一ぺん見直しをするがそれを待ってはいられない、とりあえず物価スライド制をとるということがこの際妥当であろうということで政府として結論を出したわけでございます。  そこで先ほども申し上げましたし、何度も申し上げておりますように、この際物価スライドをこちらでもとったらどうかということは政府としても実は考えたところでございますが、審議会でも結論が出ませんでしたし、同時に、給与水準のベースアップを二年分合わせて二三・四%をアップするということをとることにおいて、国共済としては国共済の給付水準のとりあえずの充実ができるということでここに結論づけたわけでございます。  将来におきましては、先ほど申しましたように各種年金間の相互の関連性、権衡などを考えまして、さらにこれらの検討を進めたいということを申し上げているわけでございますが、これは私見になりますけれども、国共済のほうで今後物価スライドをどういうふうに取り上げていくかということがさしあたりの一つの検討課題ではなかろうか、私見としてはかように考える次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大臣、公務員あるいは公企体共済においては、いままでも四十年以降ずっと物価上昇率は全部見ましょう、さらに賃金上昇率と物価上昇率の差の六割を見ましょうということで、それをプラスした形で引き上げをはかってきた。そしてそれすらも止揚して、アウフヘーベンして今度は賃金上昇率をストレートに二年間、一一・七%、一〇・五%の相乗積としての二三・四%というものを取り入れてここまで実績がきたということは、これは一つの前進であろうと思うのですよ。これにも技術的にこまかい問題を言えばいろいろあるわけなんだけれども、そこまできたということは一つの大きいステップを踏み出したことだということなんです。  たとえば厚生年金の問題なんかにいたしましても、年金の実質価値を保持するということは、これはことばではそういうことになっているけれども、その実質価値を維持するのは、これは物価だけ見ればいいじゃないかという議論も、それは見ようによっては、局限された形において見ようとすれば見られないこともない。しかし共済組合法においては経済情勢の変化、特に物価の状況、それから賃金水準、生活水準、そういうものを総合的に見て改善をしていくのだということですから、そういう政策的改定の中にそういう歩みをたどるということは当然のことなんです。  これはほかの公的年金においても、物価だけということでは——いままでそれすらなかったことからいえばこれはワンステップ前進であるけれども、年金の実質価値というものは、先ほどの基本論争に戻りますけれども、年金というものが老後の健康にして文化的な最低生活を保障するという、そういうものの実現のための手段であるという立場に立つならば、物価だけ見れば実質価値は保全されたということにはならないだろうと思うのです。  賃金水準がどんどん上昇する、そして若い世代の家庭と老人の家庭というものが格段の差がついてしまうというようなことは許されないことだし、全体的な生活水準が上がったときにそれとの比較において物価だけしか見ていないのだから、新しい文化的ないろんな生活様式の変化というものに対応できるだけのものはやらなければ、老後のほんとに人間らしい生きがいのある暮らしを保障するということにはならないわけでございます。そういう意味を含めた実質価値ということを考えていかなければ、実質価値の維持ということはできない。物価だけ見ればそれで終われりだ、これはまさに木を見て森を見ざる考え方であろう、こう思うわけですね。  厚生年金でも今度は物価スライドというのが出た。その次には賃金上昇率の幾分でも見よう、次のステップとしてはこの前共済組合でやったような方式までいこう、さらにその次の段階としてはこの七、八年間にやってきた共済組合と同じような方向に進んでいくというように、そういうことによって平仄が合いバランスがとれていくというような方向にいかなければいかぬだろうと私は思うのです。  それで、これはことし来年の問題ではないにしても、少なくとも来年度の改正あたりでは、厚生年金なんかでももう一歩進めるということですから、そういう形で、そういうところに目標を置いて全体的にこのスライドという問題を考えていく。まあ賃金スライドになれば、大体年金の実質価値というのはまさに生活水準においてという総合的なトータルの手法といいますか、そういうものに対応できる実質価値の維持になるわけですから、賃金上昇率にスライドするということではすべてカバーできる。そういう立場というか、そこにスライドの目標は置くんだという方向というものはどうですか、大蔵大臣。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 いまさら申し上げるまでもございませんが、共済年金の場合には従来の改定方式を、いまアウフヘーベンというおことばがありましたが、改定をいたしまして、四十六、四十七年度のベースアップの率を採用した、こういうわけでございますが、それは、従来の改定方式が物価と給与の上昇率との開きの六割を物価に上乗せをしたという考え方に対して、一体前進なのか後退なのかという点にも触れられての御意見であったと思います。私は、広瀬さんのいまの御所見をこういうふうに理解いたしますが、この点は前進した面も相当ある、この点は評価してやってもよろしい、こういう御趣旨が入っていたかとかように考えるわけでございます。  それで、もっとそれを突っ込んで言うと、それならこれはいわゆる物価スライド制よりも進んでいるのじゃないか、それならば、物価スライド制ということを中心に今後共済年金については考えていくということが、また今度は逆行になるのじゃないかというような御趣旨もあるかと思いますけれども、それらをあわせて、それなら今回の改定方式は賃金スライド制に近づいたものであるかどうかということになると、私はそうは思いません。これはまあ率直にいえば、いろいろな権衡を見ながら、現情勢下における一つの結論であって、さらにこれを改善する必要が将来においてあるでございましょうということを言っておるのでありまして、それらの点についてはいろいろの考え方がございましょう、それらを総合して前向きに検討いたしたい、こう申し上げているわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 私ども四党で提出いたしました法案は、年金問題について改正すべき正しい方向というものを提示をしておるという確信を持っておるわけですから、いまの大臣のお話、まだまだ私どもとはかなりの食い違いがあるように思うわけですが、前向きにひとつ検討するという最後の答弁を一応了として次の問題に進みたいと思います。  このスライドの問題が、各年代、退職年金を受給する資格を得て年金受給者になったこの年代がそれぞれ違うわけであります。いわゆる旧法の適用を受けておる者、あるいは旧令共済の適用を受けておる者、あるいは新法になった直後にやめた者、最近やめている者と、こういうところで、当時のやめたときの給料あるいはやめる前の三年間の平均給与、その年金額計算の基礎になる俸給、これの見直しというか、そういうものについての再評価のしかた、こういうようなものが不十分であるというようなことから、同じ立場で、同じ年数つとめてやめた人、やめるときの地位も同じようであった、そういうような人たちが、かなり現に受給しておる年金に大きな差がある。  この前、関連質問のときにも、旧令、旧法年金受給者の問題で、二十五年勤続でやめた人が今日十八万八千円というような、しかも国鉄公企体の場合に最低保障がないということで、三十万二千四百円というその最低保障にも乗れない、こういう人たちが、公企体だけで三千数百人もいるということが判明したわけでありますが、そういうものについて、これはやはり現にそういう人たちは、年金受給者としてこの十八万で夫婦で生きておるというような、たいへん苦しい老後のみじめな生活を送らざるを得ないというような状態にある。こういうようなものを含めて、やめた当時の年金計算の基礎になる俸給の再評価というものが十分行なわれなければならない。こういうことが、やはりスライド制をほんとうに理想的な形でやるためには、そういう言うなればスライド制実現のための一つの地ならしとして、そういう受給資格を獲得して退職したというその年代の差によって起こる不均衡というようなものは、これに相当大胆に古い賃金を再評価する、再評価係数をかけてやる。  たとえば今度の厚生年金の改正等につきましても、最高三・八七あるいは一・一五というような、その中で、古いところで三・八七、そういう倍数をかけて再評価をしている、こういう点がやはりまだ共済組合にも非常に強く残っている、こういうように私思うのですが、その辺のところの配慮は、現在どうなっておるか、その点を救うべき状況にあると私は考えるのだが、その実態と、今後そういう点についてどういう配慮をして均衡を実現していくか、それについてのお考えを大蔵省、運輸省両者から聞きたいと思います。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 確かにただいま御指摘がございましたように、公務員は、給与ベースの改定のほかに特別昇給でございますとかいろいろそういう給与制度上の改善が行なわれるものでございますので、同じ在職年、同じ官職の者をとりましても、以前にやめた者に比べまして新しくやめた者のほうが、まあ相対的に有利であるという問題が生じておりますことは事実でございます。そこで、今回御提案申し上げている改正案におきましても、さしあたり緊急に是正を必要といたします七十歳以上の老齢者につきましては、恩給にならいまして、四号俸を限度といたしまして、その範囲内において是正措置を講ずるという措置をお願いいたしているわけでございます。四号俸でありますと、大体一四%程度に当たりますので、そういう方々につきましては、一般の二三・四%のほかにさらに上積みになりまして、さらに一四%程度の改善が行なわれるわけでございます。  それから、御指摘のございました旧令、旧法の受給者の年金額の格差の問題につきましては、御承知のように、すでに過去五回にわたりまして不均衡是正という措置を実施をいたしているわけでございます。二十八年を最初といたしまして、三十一年、三十六年、四十一年、四十六年の五回にわたりましてそういう是正措置をお願いいたしておりますので、私どもは現在のところは大きな不均衡がないのではないかというふうに考えておるわけでございます。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○住田政府委員 一般的な問題はいま大蔵省から御答弁があったとおりでございますが、公企体につきましては、先ほど来御指摘を受けておりますように、最低保障制度がありませんために特にアンバランスになっているという点があるわけでございますが、この点につきましては、前向きに処理して、厚生年金等との比較においてアンバランスがないように今後努力していきたいと思っております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 辻次長は、そう大きなアンバランスはないのだということ、各年次にわたってずいぶん是正の措置を講じてきたというということでありますが、そういうあまり楽観はされないで、実態をもっとよく調査して、私どもはかなりのバランスを失している面があるだろう、こういうように考えるのですが、その点はさらに十分な配慮をして、もうすべて終わったのだというようなことでなしに、この是正の措置というものをやはり並行して今後とも見直しをしながらやってもらわなければならないだろうと思うわけであります。  先ほども言ったように、たとえば宇都宮駅長で、二十二、三年当時にやめた人、その同じ宇都宮の今の駅長、これは大体やる仕事は同じなんであります。もう二十年前あるいは二十数年前も今日も駅長としての仕事の内容というのは大体同じなんですね。それで、当時としては、やはり現在の宇都宮駅長が得ている程度のものは、金額的には、ノミナルな面ではうんと低いけれども、実体的には同じような賃金であった。それでもう十分、七〇%近くの年金をもらえばこれでやっていけるというような人たちが、格段の今日における差になってしまっている。同じ時代に生きているのです、同じ年金受給者として。それは、そういう実態をわれわれはつかんでいると、これは具体的にはいま数字を持っていないのですけれども、かなりの差があることに間違いないのです。これは、私も国鉄のOBの皆さんと毎年二回定期的に必ず会合をして、私どもが国鉄に入った当時に駅長をやっていたような人たちと、ことしやめた人たちの年金額というものを比較してみると、たいへんな差です。半分以下であることにまず間違いないのです。そういう人たちがいまもう七十前後で、現に年金受給者になっている。この差というものは、年金受給者にとってみてはもうたえがたいところになるわけなんです。そういう点を十分今後とも——もうこれだけやったのですからバランスはちゃんととれていますというような言い方だけで、私ども引き下がるわけにはまいらない。これはあとできちんと実態を、昭和二十五年にやめた人、そしてことしやめた人、中間あたりでやめた人、全部具体的な数字をあげて持ってきますから、そういう実態というものはまだまだ不均衡があるという前提に立って、さらに是正の措置というものを考えていっていただくように要請をしておきます。  これは住田さん、ちょっと答弁していただきたいのですが、そういう点、私は現実に数字をいまは持っていないけれども、半分以下ぐらいであるということにほぼ間違いない、二十五年ごろやめた人とことしやめた人の年金額というものは。そういう状態。同じ既裁定年金者になったわけですけれども、そういう実態というものがあるかないか。それをひとつ運輸省から答弁してください。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○住田政府委員 いま例をあげてお話しになりました駅長、最近やめた方と二十年前にやめた方の年金の額については、手元に資料がございませんのでわかりませんが、現在国鉄が年金として支払っております額の平均でございますが、新法の適用を受けている者の平均が年五十四万九千円、約五十五万円でございます。それに対しまして、旧法、旧令の適用を受けている者が年間二十万五千円でございますので、その点から見ますと半分以下ということになっております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 まあそういう現実が存在するわけですから、この辺のところは、あともう余命幾ばくもない人たちです。七十をこしている人たちです。ですから、そういう人たちにほんとうに人生の最後の時期において、今日の生活の水準の中で、かって駅長という立場で重要な仕事をやっておられたそういう人たちは、いまやめた人はりっぱな恵まれたしあわせな暮しができるだけの年金をもらっているけれども、昔やめたので、この年金の上昇というものは何回も見直されて是正の措置を講ぜられたけれども、それだけの差がある。こういう問題に対しては大蔵大臣いかがでございますか。辻次長は大体バランスはとれているはずだ、こう言われたけれども、現にそういう差があるというわけでありますから、それらの点の是正ということについて、今度確かに四号アップしたということは、その人たちはたいへん喜んでおります、一四%上積みされるわけですから。しかし、それでもなおかつ足りないということであります。そういう点についての配慮というものをさらに今後とも手厚くやっていく、こういうお気持ちを持っていただきたいのですが、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 前々回の当委員会でも私申し上げましたように、それらの方々から直接に私も御陳情といいますか、実態をいろいろとお話を伺う機会もございましたので、なお一そう事実に即してあたたかい配慮を持って早急に検討いたしたいと考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 運輸省もよろしゅうございますね。  そこで、先ほど答弁の中に出てきましたけれども、そしてまた前回関連質問でも申し上げたのですが、国家公務員共済、公企体共済が非常にいろいろな点で少しずつ食い違いを設けておる。そういうようなことで、最終俸給をとるか、あるいは三年間の平均をとるかというようなことが一つあったり、そしてそれは実は退職一時金、退職手当で公企体のほうは百分の九十七で三%だけ差をつけていますというようなことでバランスをとったんです、というような言い方があったり、それから年金における最低保障というものが、公企体の共済では全く欠落しているというようなことがあったり、それから掛け金の最高限度あるいは年金額の最高限を押えているところ、野放しにしているところ、そういうような差などがいろいろあるわけなんです。  そういう点について、これはもう制度発足の当時はやはりいろいろないきさつがあって、いろいろな形でバランスを見ながら若干の差異をつけたほうがいいという、そのときはそのときなりの理由があったと思うのですが、今日、年金というものがはっきり社会保障制度の一環であり、老後の生活を保障するものであるというようなことになってまいりますと、これはやはり両制度の斉合性というようなものを、悪いほうだけお互いにくっつけ合うということでなくて、いいほうに、組合員により有利に働く方向で歩調を合わせるという、そういう方向へ、大臣、これは両制度間においてそういう意味での斉合性というか平仄を合わせていくというか、もう三年平均になっているのだから公企体のほうを三年平均にしろというようなことじゃなしに、退職時の最終俸給を計算の基礎に取り入れましょう、最低保障がなかったら、最低保障は今度あるようにしましょうというような形、それから公務災害補償の問題なんかでは、一方は補償制度がちゃんと法律にはできている、公企体はないから団体交渉にまかせる——団体交渉にまかされているというような分については、それはそのままでよろしいでしょう。そういうような形でやはり有利なほうに持っていこうという、そういう頭で改正というものを考えていっていいのではないか、こういうように思うのですが、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 私は、よいほうにつり合いをとるという、基本的な考え方としてはそういう方向へ行きたいと思いますけれども、何ぶんにも御案内のように各種年金制度には沿革や不均衡が現にあるわけでございますから、いいほうに均てんというと、たとえば一番大きな問題だと思いますけれども、国庫の負担率が二〇%のものがある、みんな二〇%に、いいほうにするか、こう簡単にはいいほうに均てんというわけにはいかない。そういう点がありますことも御理解をいただきたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 まあ国の財政の責任者として非常に慎重な言い方をされているわけですが、どうもやはりこの委員会で両方をいつもこうあわせて審議をする。その場合にいつもそういう点で問題を議論し合っているというのは、いかにも何か不毛の議論をしているような気もないではないわけなんです。したがって、いいほうにやはり合わせるという目標を立てたら、その方向にひとつ勇断を持って前進をしてもらっていささかも差しつかえない。それで国民に対する、全体に対する奉仕者としての特殊性というようなことも、やはり公企体においても、公務員においても、そうこっちが高くてこっちがどうだというような関係にない、お互いに全体の奉仕者として活動をし、働いておる人々、その人々に、短期の面で在職時代、長期の面では退職後においてもきちんとした最低生活というものは保障していこうじゃないか、こういう基本において一致する以上、やはり退化するような、これはいますぐ両方を合併してしまえというふうな議論ではなくて、そのやり方、運営のしかた、それから給付の水準というようなものについて、合わせられるものは合わして同じような方向でいけるんだという、そういう方向に向かってかなり前向きにひとつ検討していただきたいと思うのですが、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ただいま率直に申しましたのでありますけれども、私は、考え方としては、できるだけいい方向に足並みをそろえていくという方向で考えていきたいと思っておりますが、同時に組合員としても、たとえば組合員の掛け金がどうなるか、これは権衡をとってまいります場合にはそういう問題もございます。したがって、気持ちあるいは考え方としてはいい方向へ寄せるようにしていきたい、基本的にはそういう考え方でまいりたいと思いますけれども、先ほど申しましたように、それだからといって現状の条件下において国庫負担率は最高の率のところへどの制度もみんな持っていけ、それから掛け金はどの制度でも一番低いところへならせ、こう言われても、これだけのいろいろの沿革と内容が異なっておりますから、各方面の御協力をいただき、組合員の方々にも御理解をいただきながらだんだん寄せていくという場合においては、やはり不均衡の是正という面からいってそういう点にも問題が起こってくる。御理解をいただける限度においてでなければできないという点もあるということも念のため御理解をいただいておきたい、こう申し上げる次第であります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 財源率の問題に触れて、そういう面もあるという、確かにそういうことを私どもも承知をしての議論なんです。これは克服していかなければならない問題というのは確かにあることは認めますが、そういう方向をひとつ目ざして、いい方向に前進をしていただく、こういうように、さらに努力を重ねてもらうように要請をして次の問題に移ります。  そこで、いま財源の問題が出たわけでございますが、この財源率の問題も、公務員、公企体両者で違うし、また同じ公企体の中でも財源率が違う。一番高いのは国鉄で千分の百十七の財源率になっている。しかも組合員が四九・五%、国庫の肩がわりとしての一五%を含めて日本国有鉄道そのものが六七・五持っておる、こういうような形になっている。これに対して国家公務員の場合には、掛け金が大体四十四ぐらいのところ、いろいろばらつきはありまするけれども、大体この千分の四十四、こういうことになっておるわけであります。  いま公企体の中での国鉄の場合に、収支計画策定審議会ですか、これが答申を出しておりますが、「昭和五十三年度までは、掛金、負担金、追加費用及び利息収入で給付がまかなえ、積立金は、昭和五十三年度末には約四千五百億円まで増加する。しかし、昭和五十四年度から昭和六十六年度までの十三年間は収入よりも給付の方が多くなり積立金の取りくずしを余儀なくされる。これにより、昭和六十六年度末には、積立金が約千六百億円に減少する。ところが、この期間を経過すれば、昭和六十七年度以降は、収入と給付とがほぼ見合う状態となる。」という結果が出されて、そういう見通し、財源率計算収支計画が出されておるわけでございますが、今日非常に積み立て累積額というものがそれぞれにふえってまいっておるわけであります。こういう財政のあり方、財源率のとり方というようなものが、今後このままの姿で新しい要請、賃金スライドをとるにせよあるいは物価スライドをとるにせよ、年金の水準を引き上げていく、そして時代の趨勢に対応して、生きられる、最低生活が保障される年金を実現していくスライド制の実行、こういうようなことがだんだん前進をした場合に、こういう積み立て方式でどこまで年金財政がほんとうにやっていけるのかどうか、こういう点で非常に不安があるわけであります。  特に国鉄等におきましては、過去勤務債務が二兆一千三百六十四億ですか、こういうように膨大にのぼっている。これはすでに債務としては発生をしておるわけです。やがてそれは年金で払わなければならぬのです。しかも現実の積み立てというものは、現実の積み立て額としての準備金に裏づけされてない。そういうものがそれほど巨額にのぼっているというようなことを聞きますと、収支策定審議会ではこういう報告がなされておるけれども、こんなことではたしていくのだろうか、ほんとうにいくのだろうか。これはいろいろな要素を勘案しているだろうと思うのですが、この二兆一千億にのぼる過去勤務債務、不足責任準備金というようなものがはたしてこの中にちゃんと織り込まれてこういう数字が出ているのかどうか。  これはやはり掛け金率をかなり強化していく、徴収を強化していくのだ、そういうものに当然結びついているのではないか、そういう疑問が当然出てくるし、さらに国鉄がこれは公経済の主体であり、国と同じに見て一向差しつかえないのだということをこの委員会でも大蔵省は述べておられるわけでありますけれども、現実に企業体として独算制をしいられて、しかも運賃を上げていかなければならない。そういう意味で国民の立場からもきびしい反撃を受けている。     〔委員長退席、木村(武千代)委員長代理着席〕 そういう財政の三兆円をこえる借財、長期債務を負っている、利払いだけでも二千億をこえるようなそういう財政、そういう中でそういう問題の凍結ということで年間四百八十三億、四十八年度ことしも四百八十三億積まなければならぬというようなことで、はたしてやっていけるのかという疑問がそういう面からも出てくる。そうすれば、とどのつまりは掛け金率の引き上げ以外にはないじゃないか、こういうことがいわれるわけであります。  こういう点で、共済組合の財政というものが、当面いまのようなシステムで掛け金率をやたらに上げればそれはつじつまが合うかもしれませんが、そういうことなしにずっといって、はたして年金財政はだいじょうぶなのか、そういう問題点について私ども非常に心配があるわけなんです。その点を、どういう事情によって、だいじょうぶだというならばその事情をきちんとひとつ納得のできるように説明をしていただきたいし、率直に不安があるならば不安をひとつ解明をしていただきたいと思います。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○住田政府委員 国鉄の共済組合の財政の長期的な見通しでございますが、四十五年の収支策定会議で先ほど先生からお示しのあったような見通しを立てているわけでございます。あのときの策定の前提の要素が大きく変わらなければ五十四年度から赤字になるけれども、その後また黒字に転換してやっていけるということになるわけでございます。あのときの策定いたしました前提となった要素がどの程度変わるか、この点については五十年が再計算期になっておりますので、その際、再検討をいたすことになっておりますが、年金財政に与える大きな影響といたしましては、旧法の部分と新法の部分と二つに分けて考えることができると思います。  新法の部分につきましては、ベースアップがあれば当然掛け金率は同じであっても掛け金額は上がってくるわけでございますので、この点は五十年の段階で考えればいい問題ではないかと思いすす。問題は旧法の負担の問題特に追加費用との関係だと思いますけれども、昭和四十六年度の過去勤務債務の支払いは、追加費用の関係を見ますと、四十六年度の段階ではまだ追加費用のほうが支払い額より上回っているわけでございます。したがって、この傾向が破れない限りにおいては、過去勤務債務のために財政が破綻するということはないと思います。これは御承知のように、毎年千分の五ずつ上がっているわけでございますので、いま直ちに過去勤務債務のために追加費用の額が足りないということはいえないのではないかと思います。  それから、今度の十カ年計画の問題でございますが、十カ年計画におきましては人件費の上昇を前半の五カ年間では一二・三%、それから後半の五年につきましては一〇・三%の上昇率を見ております。したがって、企業者としての国鉄あるいは公経済の主体としての国鉄の負担としてはその範囲内でまかなえるというように考えております。特に、追加費用のほうは年率千分の五の増加でございますので、一二・三あるいは一〇%ということからいえばその半分以下の伸び率でございますので、いま申し上げました人件費の上昇率の中でまかなえるのではないかというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 しかしいずれにしましても、掛け金率におきましても国鉄が一番高いわけです。四十一年の四月から対本給千分の百十三から一挙に千分の四上げて百十七になっている。こういうところはほかにどこにもありません。大体千分の百五程度が公務員のコンスタントなところです。そういうことをやっているから、何とかつじつまが合っていくだろうけれども、これがどこまで上がっていくかということについては、これは重大な関心を持たざるを得ないわけですし、短期給付の負担と両方合わせますと、大体八・一%くらいになっている。これは十二カ月ということにしますと九六、七%になる。大体賃金一カ月分というものが共済組合の掛け金で徴収されてしまうということになるわけですね。こういうことはかなりこれは掛け金を負担する組合員の立場にとっては、これがさらに上がったらたいへんだという不安があるわけなんですね。  そういう点で、これらの問題について、財源率計算で、いつも国家公務員の場合には来年の再計算時期においても上げないで済むであろうというようなことが言われる。今度は国鉄の場合に、この千分の百十七がさらに千分の百二十になるというようなことは当分あり得ないということでございますか。これは大蔵省は、来年財源率の再計算期だが、もう大体ある程度の数字もつかんでおられるだろうと思う。脱退の生残表であるとか俸給の指数であるとか、いろいろな八つぐらいの要素を勘案して考えるわけだけれども、大蔵省の見通し、それから公企体、特に国鉄の見通し、こういう点についてこの際明らかになるところは明らかにしてもらいたい。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 今回の長期給付制度の改正によります財源率の影響につきましては、年金額の改定による所要料率は千分の二・八というふうに計算をいたしております。そのうち組合員の負担になる掛け金率は千分の一・一九という見込みでございます。それからもう一つ遺族年金の受給資格期間の短縮を御提案申し上げておりますが、それによります所要料率は千分の二、組合員の負担になります掛け金率にいたしまして千分の〇・八五、両方合わせますと、所要料率といたしまして千分の四・八、組合員の負担になります掛け金率といたしまして千分の二・〇四、いまの段階で一応そういう見込みでございます。  しかし、ただいま御指摘になりましたように、再計算期におきましては、もとの基礎から見直すわけでございまして、脱退率でございますとか俸給の指数でございますとか、そういう基礎計数から見直すわけでございまして、その作業は目下取りかかったところでございまして、どういう結論になりますか、再計算期に慎重に計算して結論を出したいと考えておるわけでございます。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○住田政府委員 今回の水準の引き上げによります財源率の影響でございますが、専売公社で千分の三・七四、掛け金率で一・五九、国鉄の場合が四・九八で、掛け金率で二・一二、電電公社で千分の一・八二、掛け金率で〇・七七ということで、やはり国鉄が非常に高い数字になります。現在でも、公企体は御承知のように国家公務員よりも掛け金率は高いわけでございます。これはそれなりの理由があったわけでございますが、同時に、公企体の中でも国鉄は他の二公社に比較いたしますと非常に高くなっておる。  私どもといたしましては、国鉄が国家公務員あるいは他の公企体より著しく掛け金率が高くなるということについては、やはりそれなりの不安を持っているわけでございます。もちろん国鉄と専売あるいは電電との間では、年齢構成が違うとかあるいは性別構成が違うとか、あるいは勤続年限が違うとか、それなりの理由によりまして、当然掛け金率が違ってくる分もあるわけでございますけれども、それを越えて著しく高もなるということについては不安を持っているわけでございます。しかし現在の段階では、再計算時期が五十年でございますので、この五十年の段階にどのようになるか、まだ資料も集めてない状況でございますので、五十年の段階にどうなるか、いまの段階でちょっと申し上げることはできないのではないかと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 辻次長に伺いますが、もう来年再計算期でありますが、公務員の場合、これは国鉄の場合には五十年ですから、あと一年、間がありますけれども、現行の掛け金率、これが上がるということはまずなかろう、こういう見通しでございますか。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 先ほど申し上げましたように、今回御提案申し上げている改正案によりましても、それだけの財源率の影響があるわけでございます。したがって、その他の事情に影響がないとすれば、それだけ掛け金率あるいは全体としての財源率を上げざるを得ないということになろうかと思います。なおそのほかに、先ほど来いろいろ御指摘がございました問題もございますので、かりに給付改善をいたすとすれば、その分だけさらに財源率へのはね返り、影響はあろうかと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そういう意味ではあり得る場合もある、こういうことです。これはまあ将来のことですからそれ以上議論は詰めませんけれども、財源率の上昇というものは、これはもうかなり続くのではないかと見られるわけであります。  そこで、そういう意味で、いま厚生年金の保険法の改正が国会で議論されているわけですが、千分の六十四から七十九に上げよう。これは掛け金率にすれば三・九五、上げて三・九五ですね。現在ならば三・二、それから〇・七%上がるという勘定になるわけですけれども、それ以上に国鉄の場合には約一%は掛け金率が高い、こういう状況に現実になっているわけです。〇・七五上げるのでこれだけのたいへんな問題になっておるわけですけれども、そういう状態の中で、負担の限界というのをどの程度に皆さんお考えになっているのか。  大体、組合員の実感からすれば、こういう物価高の中で、物価上昇による賃金上昇率というものがかなりそれでもう食われてしまっている。そこへ今度はこういう社会保険関係の掛け金がまた上がる、あるいは公共料金が上がるというようなことで、非常に生活上も賃金からの保険料の支払いというものが重荷になってきているという実感を訴えておられるわけですが、この限界というものが、どの程度が負担の限界なのかということは非常にむずかしい問題であろうと思いますけれども、給付を上げればそれだけ財源がかかるのはあたりまえだということでお考えになっておられるのかどうか、この点の限界についてのあなた方のお考えを明らかにしながらお答えをいただきたいと思うのです。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 厚生年金につきましては、ただいまおっしゃいましたように、今回の改正案によりまして、一般の男子で千分の七十九ということで御提案申し上げているわけでございます。したがいまして、被保険者はその半分の負担でございますから千分の三十九・五ということになるわけでございます。しかし、御承知のように厚生年金の場合には料率の算定の基礎になりますものが標準報酬でございます。共済組合の場合には俸給でございます。標準報酬の場合にはその他の手当、超過勤務手当というものも入るわけでございます。その割合で換算をいたしますと、千分の三十九・五というのは千分の四十八・一であるということに相なります。したがいまして、比較をしていただきます場合には、千分の四十八・一と国家公務員共済組合の場合の千分の四十四とを比較していただくわけでございますので、厚生年金の改正案が通るといたしますと、率だけで申しますと、むしろ厚生年金のほうが上回るという結果になってくるわけでございます。  なお、厚生年金の場合は最近大幅な給付改善をやっておりますが、それに伴って、御承知のように、保険料も上がってきておるわけでございます。三十五年ごろは千分の三十五でございましたが、それを今回千分の七十九にお願いいたしているわけでございますので、掛け金、保険料率といたしましても倍以上に上げるということで改正案を御提案申し上げているわけでございます。  それに対しまして、国家公務員共済組合の場合には、おおむね発足当時の千分の四十四というままできているわけでございますので、やはり給付の改善をする場合にはある程度の共済組合員にも負担を願うのはやむを得ないところではなかろうかというふうに考えているわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 厚生年金保険の場合に保険料の収入が、ことしの予算書でありますが、特別会計の予算書を見ますと、保険料収入として一兆三千四百四十八億入るわけです。保険の給付額は三千二百三十五億、一兆円はまるまる残る勘定になるわけですね。積立金に回っていくだろう、あるいは運用に回っていくだろう、こういうことなんです。また、共済組合等を見ましても、国鉄が、収入が千三百二億、これに対して給付が九百十三億、専売が百十七億に対して五十六億、電電が六百七十六億の掛け金収入に対して、給付は二百十三億、国家公務員の場合には、二千三百二十八億に対して九百四十二億の給付と、こういうことですね。こういう数字がはっきりしている。  これは積み立て方式をとる以上そういうことになるわけですけれども、今日やかましくいわれておりますインフレに対応できない年金制度というものを解決する手段として、この実質価値をどこまでも維持していこう、先ほど言ったような意味での実質価値を維持していこうということになれば、積み立て方式ではどんどん積み立てたものが物価上昇というようなものをカバーできなくなって、どんどんその積み立て額そのものも大きな減価をしていくというようなことで、将来どうなるかということが非常に不安になってくるということで、そういう意味で賦課方式への転換ということが言われるわけでありますが、こういう方向にやはり進まざるを得ないだろう。  これはもう大体諸外国ともこういうインフレに対する年金受給者の生活をしっかり守っていくというためには、財政方式以外に道はないということでほとんどが転換をされている。やはりある程度の契機というのは大体インフレということがその契機になっている。しかも日本もそういう状況にいま急速に悪性ともいうべきインフレに踏み込みつつある。そういうことで、賦課方式への転換ということはもうその条件がまさに熟してきたということだろうと思いますが、そういう方向について、大蔵省、運輸省はどういうように基本的に考えておられるのか、その点、ひとつきちっとした答弁をいただきたいと思うのです。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 財政方式の問題につきましては、たびたび御指摘をいただいているところでございますが、先般もお答え申し上げたとおりでございますけれども、やはりこの問題を考えていく場合には、問題は二つあろうかと思います。  一つは日本全体の人口の老齢化の問題でございまして、現在わが国の六十五歳以上の人口が七・一%ぐらいでございますが、あと三十年ぐらいいたしますと一三・四%程度になる。これが大体いまの先進諸国の老人人口の割合と同様でございます。急激に老人人口がふえていくわけでございます。  それからもう一つは、年金制度の未成熟の問題でございまして、年金に入っております加入者を分母といたしまして、老齢年金をもらっておる受給者を分子にいたしまして割ってまいりますと、国家公務員の共済組合の場合でございますと、大体一二%ぐらいでございます。厚生年金の場合でございますとさらに低くて、三%程度でございますが、諸外国におきましては、先進諸国の場合が大体二〇%から三〇%程度でございます。共済制度は、国鉄等の一部の例外を除きますと、制度として非常に未成熟な状態でございます。したがいまして、そういう状況のもとで賦課方式に移行いたしますと、現在の組合員の負担に比べまして、将来の組合員の負担が非常に過重になる。世代間の負担の均衡を欠くことになろうと思いますので、年金財政の健全性の確保あるいはまた世代間の負担の公平の見地という点からいたしますと、現段階で直ちに賦課方式に移行するのは無理があろうかと思います。  なおそのほかに、共済組合の場合には御承知のように保険集団が非常に小さいという問題がございます。連合会の場合でも七十三万程度でございますし、一番小さい造幣局等では二千人足らずの組合員でございますので、こういうように保険集団が非常に小さい場合には、保険数理上から申しましても、積み立て方式によらざるを得ない面があるのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○住田政府委員 財源の問題で、積み立て方式をとるか賦課方式をとるかという基本的な問題につきましては、公企体だけでどうこうするという問題ではございませんので、いま大蔵省から御答弁がありましたように、一般の問題としてその方向がきまればそれにフォローしていかざるを得ないと思いますが、現在の段階で国鉄の共済の財政を見た場合に、積み立て方式ではもうどうにもやっていけないという段階ではないわけでございまして、したがって、財政の面から直ちに積み立て方式をやめて賦課方式にしなければいかぬという事態にはまだなっていない、そのように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 むずかしい問題はあろうけれども、積み立て方式をとって、そしてその積み立てたものを運用してさらに財源を拡大しながら将来の給付に使っていこう、こういうことでありますがこういうインフレの時代に、しかも今日、大蔵大臣も冒頭から認めておるように日本の年金水準は非常に低い。それをいまの生活水準に合った形の中で、老人に健康にして最低の文化生活を営めるような老後の生活を完全に保障していく。     〔木村(武千代)委員長代理退席、委員長着席〕 そういうところにいけないというのは、いまのこういう積み立て方式というものをがんじがらめのものとして受け取って、これを変えるわけにはいかないという立場でいるから、給付の改善、給付水準の引き上げが大胆に行なわれない。したがって老人の所得保障、生活保障の問題というものが、常に国際的にも低水準にあるということから脱却できない。その大きな原因は、何といっても財政問題における積み立て方式をとっているからだということにならざるを得ないと思うのです。  なるほど世代間の負担の均衡の問題ということは、この問題を議論するにあたっての最大の問題点だと思うのですが、二十年なり三十年なりという先にいわゆる年金受給者のピークを迎える。それから先はほとんど横ばい状態になるということで、昭和八十年、八十五年というあたり——昭和がそこまで進むかどうかわからぬけれども、八十年とか八十五年というその辺のところがピークになるということなんですけれども、そういう段階においては、日本のGNPも国民所得も、これまた賃金の上昇で非常に高額なものになっているということも考え、そしてまた現在の国の費用負担分というものについて、これはもう動かすことができないんだ、これ以上政府は金は出さないんだという立場をとるから、そういう既成概念の上に立って賦課方式へいくのはできないのだ。そういうことでありますから、国がもっと負担分をふやしていこう、こういうことにならなければそういう踏み切り方はできない。その踏み切り方ができなければ、やはり今日の年金受給者は国際的にきわめて低水準の年金しか与えられないということになって、どこかでそういう踏み切りをしなければならぬだろうと思うわけですが、この点、大蔵大臣いかがでございますか。  国ももっと金を出しましょう。たとえば共済組合につきましても、公企体等については現在まで一五%国が持つんだ、こうなっているけれども、公務員の場合にはそれでも、いわゆる事業主としての国と国庫としての国というものが全く一体ですからそれほどぎらつく問題にならないが、公共企業体の場合には、独採制をしいられた企業体という形で特に経営の赤字という問題をかかえて四苦八苦している。国鉄なんかの場合には、そういう意味では国の公経済の主体なんだから、国庫としての国の肩がわりをするのはあたりまえだというそれだけで、年々五百億に近いようなあるいはそれ以上にもどんどんふくらんで、千億円をこえるような追加費用も出していかなければならぬ。そういうようなことでいくという現行方式にそこまで固執される必要もないのではないか。時代は変わっていくわけでありますから、年金受給者として現にいる人たちの水準を国際並みに引き上げるのだということを大前提に置いて、それにふさわしい財政方式に切りかえていくということは、当然もう少し前向きに考えてしかるべき問題ではないか、こういうように考えるのです。  もう一つ、何といっても年金として積み立てられたものが財投の主力をなしているということが賦課方式への転換をためらわせている一つの有力な原因、政府の頭を支配する原因になっていると思うのですが、その点についてどうお考えになっておられるのか、はっきりとした御答弁を承りたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 この問題については特に新しく考えを申し上げるわけにはまいらないわけでございます。いま辻次長から詳しく申し上げましたとおりで、将来を長期的に考えました場合に、非常に練れないことばでございますけれども、現在だけの状態を考えてみれば、それは賦課方式がよろしいという点があると思いますが、これからの人口構成等考えると、現に、たとえば二十代の人の場合を考えてみましても、これらの方々が年金をもらう年代になった場合に、これらの人たちの負担が急に増高するというようなことも十分考えていかなければならないことではないだろうか。ですから私は、現行の方式がよろしいと現在のところでは考えておるわけでございます。  それから、おことばの中にしばしば出ますけれども、私は、憲法二十五条にのっとって年金の給付水準というようなものもできるだけ上げなければならない、これが理想であるということは申しておりますが、同時に外国との比較等も、比較のしかたはいろいろございますけれども、ようやく世界的な水準になりつつあると私は思っております。先ほどもその点にちょっと触れたわけでございますけれども、そういう点も十分頭に入れて考えてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。  それからもう一つ、よくいわれることでありますが、大蔵省は積立金を運用したいがために、ことにそれを大企業に供給したいがために現行方式をとっているのだ、こういうことが相当多くの方々に指弾されているところでありますが、それは少なくとも現在及び今後においても、そういうことは全然頭にございません。これは切り離した問題としてお考えをいただきたいと思いますし、積立金の運用については今年度もずいぶん抜本的に切りかえてまいりましたし、積立金は大切な年金受給者の原資でございますから、これはやはり徹底した福祉関係に運用していかなければならない、同時に有利で確実な運用をはかっていくということが本旨であろうか、かように考えるわけであります。この賦課方式か積み立て方式かという問題は非常に大きな問題でございますが、冷静に年金制度の将来ということも十分展望いたしまして、誤りなきを期していくべき問題だ、現在の時点だけで受給者の関係をとらえてだけで論ずるわけにはいかないのではなかろうか、私、率直に申しまして、かような考え方をとっておる次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 もう時間がないのでこれ以上——財政の問題をもう少しやりたかったのですけれども、大体各種公的年金の積み立て額が、私が資料をあさって推計したところによると、昭和四十八年度では大体十三兆円ぐらいになっているはずだと思うのです。国鉄あるいは専売、電電の公企体だけでも七千八百億になっているだろう。国家公務員共済では大体一兆五百億くらいになっているし、地公共でも、これは荒っぽい推定ですが一兆八千億くらい、これはもっとふえているかもしれません。厚生年金では八兆一千五百十三億、国民年金で一兆四千二百九十八億、あと私学共済なり農林漁業共済というようなところ、これは大ざっぱに足してみましても大体十三兆をこえるわけです。  いま賦課方式に切りかえても、先ほど申し上げたように、収入から給付のための支出の間には相当な差額があるわけですし、これは十分いまのところまかなえるわけです。しかも、かなりの給付水準の引き上げということをやっても、いまの収入で、ここのところ、これは年金がたまたま未成熟であり、年金受給者の比率というものが先ほど次長が言ったように低いということにささえられておるけれども、これで当分は幾らでもいける、かなりな大幅な年金引き上げをやっても当面いける。そのうちに積立金もどんどんふえてくる。そしてこれは利子収入だけでもおそらく約五千億をこすでしょう。厚生年金だけでも四千五百八十億くらいですから、全体的には六分で回せば七、八千億の利子だって積めるわけです。そういうものがどんどん積立金としてふえていくわけです。それがだんだん収入と支出、給付の面がとんとんになる、あるいはそれが逆転するというようなときには、利子分をまず回していくというような形でしのいでいくというような形、それから今度は積み立ての本体も幾らかずつ取りくずすというようなことでもって、これは十分やっていける。そういうようなことで配慮をしていけば、これは急激な負担の増大というような、世代間におけるまるっきりたいへんな負担のバランスを欠くというようなことなしにしのげるような方法もこれは考えられないことではないと思うのです。  そういうことで、いま大事なことは、やはり年金をほんとうにあるべき年金にするんだということを第一義的に考える、そしてそれに見合う財政方式というものを考えていくということで、そのためにはどうしたって、やっぱり賦課方式の方向というものを明確に出してやっていく、こういうものが、これは単年度であってもあるいは二年度あるいは三年度というような期間を考えてもけっこうであるけれども、そういうことがやれないことはないというように考えるのですが、やはり前向きに、よその国で、そういうインフレ状況の中で年金受給者の生活を見ていこう、老後の生活を保障していこうという立場で、賦課方式に転換したという歴史的な事実は日本もやはりこれを学んでしかるべきであろう、こう思うのですが、いまのところどうも賦課方式というものは全く成り立たぬものだという、そういうかたくなな固執されたお考えなのでしょうか。大蔵大臣、いかがですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これは前にも私率直に申し上げたのでありますけれども、現行の制度が一〇〇%正しい、あるいはそれに何でも膠着するというようなかたくなな気持ちは持っておりません。現状において、あるいは将来を見通して、こういう現在のやり方がよろしいと私は考えておりますけれども、さらにそういうような点も踏まえて、こういうふうにやったらいいなというような建設的な考えが出てまいりますれば、それを謙虚に取り入れることはやぶさかではございません。  ただ、何しろまだ何といっても未成熟の制度であり、また日本の人口構成が急激に変わってきております。それからまあ基本は——また議論になりますからなんでございますけれども、何でも国が国がということがいいのであろうかという点などもあわせて考えまして、より建設的なそして冷静な議論ということになりますれば、私も積極的にそういう議論に参加をして、なるほどというようないい考え方があれば、それに積極的に参加するということにはやぶさかではございません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この問題はこれ以上論争してもいまのお答え以上には出ないだろうと思いますから、この辺でやめますけれども、最後に少しこまかい問題で、この年金受給者が関心を持っている問題ですが、七十歳以上の既裁定年金受給者が四号俸アップをする、これが政令の定めるところによりということになっておる。これは七十歳以上の人がもう全部四号俸積んでもらえる、仮定俸給の四号上位のものに格づけをしてそれで年金の再計算が行なわれる、こういうことに了解している・わけですが、この政令に定める内容というのは、やはり四号の者もあるし、三号の者もあるし、二号、一号の者もある、こういうような形できめるという趣旨でございますか。四号はもう七十歳以上は見るのだ、こう理解して、あと七十歳以上に次々になっていった場合には、そこでまた四号積まれる、こういう趣旨であるのか。その点は、大体はっきりしていると思うのですが、そういう政令で定めるということで、これは四号以内という文字なんですが、どういう取り扱いになるのか、その点確認をしておきます。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 老齢者等につきまして四号俸以内のアップをするという措置の趣旨は、先ほど言いましたように、退職後長年月を経過した者と同一在職年、同一官職で新しく退職した者との年金額の格差を是正する、こういう趣旨でございますので、ごく最近退職した者にまで直ちにこの措置を全面的に適用するということは適当でないと存じます。そこで四号俸を限度といたしまして引き上げを行なうということにしておりまして、ただいまお話がございましたように、具体的なやり方については政令に譲らせていただいておるわけでございますが、現在考えておりますのは、退職の年次区分によりまして、ある者は四号俸、ある者は三号俸、ある者は二号俸というような差をつけまして、引き上げの措置をとってまいるということを考えておるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 その政令は、具体的にいまは固まっていないのですか。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 政令の具体的な内容についてはまだ十分詰めておりません。関係各省、運輸省あるいは自治省との問題もございますので、関係各省とも協議をいたしまして、いま慎重に検討しておる段階でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 これは大蔵大臣、四号俸以内ということだけれども、四号俸は積まれるであろうという期待権はもう七十歳以上の人たちはみな持っておるのですよ。あるいは二号俸でとめられるというような、あるいは一号俸というようなこともあり得るかもしれぬけれども、そういうことがないように、この程度はもう——四号俸以内というのは、技術的な安全率を見越した官僚サイドの常識で、大体四号俸というものになることはまず間違いないであろうということを、われわれがそれを故意に宣伝したわけではないけれども、そういう期待権を持っているのですから、七十歳以上の人に差をつけてそういうことをやられぬように、最悪の場合でも三号まで、二号だの一号だのという引き上げをさせぬように、これはひとつ大臣、十二分にその点チェックをしておいていただくようにお願したいと思うのですが、いかがでございましょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 十分慎重に検討いたします。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 それから、最後に短期の問題を聞きますが、今度の健康保険法の改正で、いわゆる高額医療費に対する三万円だけは自己負担、それをこえる部分については公費負担にするという、こういう改正点が出されておるわけですが、これはこの共済組合の短期給付の問題としてどうこれに対応する措置を講ぜられようとしておるのか、この辺のところどうなっていますか。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 健康保険法の一部改正法案の附則におきまして、健康保険と同様な措置をとるつもりでございます。家族の療養費につきましては、六割給付にいたしまして、さらに高額医療の支給を行なう、健康保険法と同じ改正を予定いたしておるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 いま質問した問題は了解しました。  この家族療養費も、六割ということにするということですけれども、これをやはりわれわれは改正案では八割ということをいっていますが、八割保障すれば、まあ大体国民大衆も満足をするところだろう、こういうことで出しているわけですけれども、いま健康保険法の改正の問題で、その辺のところも議員修正ができる可能性というものも出てきているわけですね。その場合には、やはりそれにすぐ右へならえする、われわれは八割だけれども、六割という原案が七割になったという場合には、それにすぐ右へならえできる態勢というものは用意されておるわけですか。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 政府といたしましては、ただいま御提案申し上げている案を最善と信じて御提案しているわけでございますけれども、国会の御審議の過程におきまして、政府の原案の取り扱いにつきましていろいろ御論議のあることは十分承知いたしております。かりに健康保険のほうで何らかの措置がとられるといたしますれば、共済組合についても同様の措置をとる考えでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 時間もだいぶ超過しましたので、まあ共済組合法の問題は、社会保険の本流である厚年の問題もいまきわめて国会の審議の過程で流動的なものもありまするけれども、全体的に社会保障制度の一環であり、老後の保障ということで、非常に重要な地位を占めておるし、しかも公務員、公企体職員という非常に公共性の高い特殊性というようなものをもう一つ含めて、これの短期、長期にわたる給付の改善の問題について、そうしてまた財政的な政府の裏づけというものをもっと強化していく方向、この問題について、きょうは深く議論する時間的余裕がなかったのですけれども、われわれは少なくとも長期については給付の三〇%はもう政府が、国庫としての国が出すべきだ、公企体において特にそのことを強く要求したかったわけですが、それはまた別の機会にやることにしまして、これで終わりますが、どうかひとつ前向きで常に共済組合法の改正の問題についても、給付の改善ということに焦点を合わせながら、検討していただきたいと思うのですが、その点についての大臣の所見を最後に一言伺って終わりたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 今後とも前向きに努力を続けてまいりたいと思います。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 ただいま議題となっております各案中、内閣提出、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案に対する質疑は、これにて終了いたしました。      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 次に、物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案を議題といたします。     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 まず、政府より提案理由の説明を求めます。愛知大蔵大臣。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ただいま議題となりました物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を申し上げます。  政府は、わが国に一時的に輸入される物品に対する通関手続の簡素化と、関税制度の国際的調和をはかる観点から、物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)に加入することとし、別途その締結について御審議をお願いしておりますが、この条約を実施するため、関税法及び関税定率法の特例その他必要な事項を国内法で定める必要がありますので、この法律案を提出することとした次第であります。  以下、この法律案の概要を御説明申し上げます。  まず、通関手帳とは、関税及び内国消費税の免除を受けて一時的に輸入された物品について、所定の期間内に輸出されない場合にこれらの税を保証するとともに、税関手続に使用されるものでありますが、この通関手帳は、商品見本、展示会への出品物等関税定率法第十七条に定める再輸出免税物品のうち政令で定めるものについて使用することができることといたしております。  次に、わが国において、条約の規定に基づき、通関手帳の発給及び関税等の保証を行なう保証団体となるには、大蔵大臣の認可を要することとするほか、その認可に関する手続、業務に関する大蔵大臣への報告義務等について規定を設けております。  さらに、通関手帳により輸入された物品が通関手帳の有効期間内に輸出されない場合には、保証団体は、輸入者と連帯してその物品に対する関税等を納付する義務を負うことといたしております。  以上のほか、通関手帳を、保税運送にも使用することができることとする等、所要の規定を設けることといたしております。  なお、この法律は、条約がわが国について効力を生ずる日から施行することといたしております。  以上、この法律案につきまして、提案の理由及びその概要を申し述べました。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。  次回は、来たる二十九日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十九分散会      ————◇—————

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