大蔵委員会 第36号
- 発言数
- 278 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/06/01
会議録
○木村(武千代)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、その指名により私が委員長の職務を行ないます。 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案について、国家公務員共済組合連合会理事長竹村忠一君に参考人として出席を求め、その意見を聴取することとし、その日時につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村(武千代)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○木村(武千代)委員長代理 次に、金融に関する件について、来たる六日、日本銀行総裁佐々木直君、全国銀行協会連合会会長横田郁君の両君に参考人として出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村(武千代)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○木村(武千代)委員長代理 次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしております。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 まず、事務当局でけっこうでございますけれども、いま国家公務員、それから公企体の職員で年金をもらっている人は一体平均幾らくらいの年金をもらっているのか、まずその点からお伺いしたい。
○辻政府委員 国家公務員共済組合の年金について申し上げますと、四十七年度の退職者、これは国家公務員共済組合の連合会の一般職員でございますが、その退職年金の平均額について見ますと、大体六万四千円程度というふうに見込まれております。
○住田政府委員 公企体は三つございまして、まず専売でございますが、専売の平均が五十三万一千二百九十六円、国鉄の平均が四十六万八千八百六十円、電電が六十四万二百三円になっております。
○佐藤(観)委員 大蔵大臣、いまお伺いをしたように、国家公務員共済組合の場合は平均六万円——これは月額ですね。
○辻政府委員 月額でございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、年間七十二万円。公企体の場合には、いまお話がありましたように、専売が五十三万、それから国鉄の場合が四十六万、電電が六十四万、こういった平均になっているわけでありますけれども、大臣御存じのように、このような物価高で、前年同月比一〇%、こういった異常なインフレ下で、かかる年金の額というのは一体どういうようなものであろうか。大臣、この年金で暮らしていらっしゃる方々はどういうふうに感じていらっしゃるだろうか。その辺の大臣のまず感覚みたいなものをお伺いしたいわけであります。
○愛知国務大臣 感覚的には非常に低いという感覚を一般的に持っておられることと思いますが、同時に、これは従来からの恩給制度、それに淵源を発しているところの年金制度であるし、また各種のその他の年金とのバランスというようなものを考えまして、現在のところこういうふうな年金の実額になっているということは、御承知のとおりの事情でございますから、一律に現在物価が異常な状況を示しているからといって、これをそれだからどうこうするということにはいかないのではないだろうか、こういうふうに考えます。
○佐藤(観)委員 今日の制度ができるまでにもいろいろな変遷をたどっておるわけですから、物価高だからといってすぐそれでは幾ら上がるというふうには、歴史的にはそう簡単にいかぬと私も思うのです。しかし、おそらくいまは異常なこのインフレ、これは私は異常だと思いますし、これをある程度考えなければいけない方向にあると思いますが、少なくとも日本が高度成長政策をとっている限り、このインフレというのは度合いによって——度合いは違うにしても、いずれにしろやはりインフレに悩まされる将来だろうと思うのです。そこで、やはりこのインフレに強い年金制度と申しますか、そういったものを今後つくっていく必要があるであろう。 それで、大臣御存じのように、国家公務員共済組合法の第一条の二、年金額の改定、「この法律による年金たる給付の額については、国民の生活水準、国家公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずるものとする。」こういうふうに昭和四十一年に法文としては入っているわけであります。しかし実際、この第一条の二「年金額の改定」について、物価の変動あるいは国家公務員の給与、こういったものの変動に合ったような年金の改定をしなければいけないということだったのですが、今日まではたしてこれが生かされた法文になっていたのかどうなのか、そのあたりの事情はいかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 今回のたとえば四十八年度におきましては、いまお読み上げになりました条文などを総合勘案いたしまして、四十六年度と四十七年度の公務員の給与改善率に伴って、恩給の引き上げにならった年金額の両年度合わせて二三・四%の引き上げをやっていることは御承知のとおりで、これを中心にした御提案をいたしておるわけでございます。これはいわゆる賃金自動スライド制をとっているというようなものではございませんけれども、やはり恩給改定に歩調を合わせて、かつ恩給改定というものが公務員の給与改善率に伴って考えられるわけでございますから、総合的に見ればこの国家公務員共済組合法第一条の規定している趣旨というものは取り入れられていると、かように考えている次第でございます。
○佐藤(観)委員 その問題に移る前に、もう少し前段でお話をお聞きしておきたいのでありますけれども、確かにいま大臣が言われましたように、国家公務員の給与が上がるに従いまして、年金の額は若干なりともアップしておるわけであります。四十二年が対前年増加率一〇%、四十三年が九・〇九、四十四年が二〇・六七、四十五年が八・七五、四十六年が八・四〇、四十七年が一〇・一、それで今度の法案が通れば四十八年の十月からは二三・四%上がるということでありますけれども、まだまだ世界的な水準に比べますと低い。しかも、あとからお伺いしますように、賃金スライド制というのが成文化されて法律の中にあるいは制度の中に入っているということには現状ではなっていないのじゃないかと私は思うのです。 そこで、物価スライドあるいは賃金スライド、こういったものについて恩給審議会なり公的年金制度調整連絡会議というのが前にあったわけでありますけれども、こういったようなところでは、この賃金スライドについてどういうふうな結論、どういうふうな方向をいま見出しているのか、事務当局でけっこうですからお答え願います。
○辻政府委員 年金の額の実質価値を維持、確保しなければならないというのは当然な話でございまして、ただいまお示しのとおり、ここのところ毎年にわたりまして年金額の改定をお願いいたしまして、実質価値の維持、確保につとめてきたところでございます。 ただそのやり方につきまして、自動的に行なうのがよいか、あるいは政策的に行なうのがよいか、いろいろ問題があるわけでございまして、実質的に自動的に行なう場合でも、物価を基準にするか賃金を基準にするかという問題があるわけでございます。諸外国の制度を見ましても、一般の公的年金でございますけれども、政策的にスライドを行なっている国もございます。イギリスのごときはさようでございます。それから賃金とスライドにしているところもございます。フランスのようなところはさようでございますし、物価を基準にしているところ、たとえばスウェーデンのようなところは、そういうふうになっているわけでございます。 そこで、いろいろわが国の年金制度が分かれておりますので、ただいま御指摘のように、公的年金制度調整連絡会議等におきまして、いろいろこの問題について議論をいたしたところでございますが、何ぶんにも各年金制度それぞれ目的も違いますし、沿革も違っております。給付の水準等も違っておりますので、なかなか共通のルールを見出すことが困難なわけでございます。 そこで、ただいまのところはグループ別に考えまして、民間グループ、公務員グループというふうに分けて検討を行なっている段階でございます。民間につきましては、御承知のように別途法律案の改正をお願いいたしておりますが、厚生年金につきましては、物価スライドという規定を今度御提案を申し上げているわけでございます。公務員グループにつきましては、いろいろと議論をいたしたわけでございますけれども、先ほどお示しがございましたように、ここのところ数年は、恩給にならいまして公務員の給与等を基準にして改定してきた経緯もございますし、一方、公的年金制度の根幹でございます厚生年金につきまして、物価スライドということを導入した経緯もございますので、今回はスライド規定を設けておりません。このスライド問題をどうするかにつきましては、なお公的年金制度調整連絡会議あるいは関係審議会等にはかりまして、今後の問題としてさらに検討してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○佐藤(観)委員 そこで、先ほど一番冒頭に私がお伺いをしたような額では、おそらく年金だけで生活していくということができないだろうと私は思うのです。おそらく何らかの他の職業に再びつかざるを得ない現状だと思うわけでありますが、この年金生活者にとってみて、物価高というのが何といっても一番生活にこたえるわけであります。ここで物価高がどうして起こるか、インフレはなぜ起こるかということについて詳しい論及は避けるといたしましても、大臣、いかがですか、現状の非常に進んでいるインフレあるいは物価高、これは何といっても政府の今日までのいろいろな政策、金融政策もありましょうし、そのほかいろいろな政策が今日のこの状態をあらしめたのじゃないか。これはまた来週水曜日、日銀総裁なり全銀協の連合会長なりあるいは大蔵大臣と、現在のこの異常な物価高についてじっくり論議をしたいと思うわけでありますけれども、賃金あるいは物価、これにスライドをした年金を支給するための財源、これはやはり物価高の大きな責任が政府にある以上、当然財源としては国が負担すべきである、こう考えるわけでありますけれども、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
○愛知国務大臣 問題は二つあると思うのですが、年金の実質価値を維持してインフレに対抗していくのにはどうしたらいいか。これについてはただいまも政府委員からもお答えいたしましたように、いろいろの角度から各年金相互間のバランスなどを考え、あるいは物価スライド制というものをどういうふうに考えていくかということを前向きに検討していかなければならないと思うわけであります。 それからもう一つは、そういった場合の財源措置でございますが、これはやはり保険制度というもの、あるいは共済制度というものの根本的の考え方として、足らずまえは財源はすべて国が持つという考え方はいかがかと思うわけでございまして、その辺のところはまた十分いろいろな点から論議をしていかなければなるまい、かように考えている次第でございます。
○佐藤(観)委員 現状は残念ながら、いま大臣が言われたように、保険制度、共済制度としてまだ社会保障という段階まできてないわけでありますね。このこと自体が私は非常に問題だと思うわけでありますけれども、しかし、国民にとってみれば、自分たちの生活を一番脅かしている物価高というのは、政府の政策が非常に大きなウエートを持っている以上、それに伴いますところの生活の窮迫というのは政府が責任を持つべきではないか、こう考えるわけであります。特に先ほど大臣も言われましたように、本年度の恩給法の改正に伴いまして、国家公務員共済あるいは公企体の共済についても二三・四%給付額が上がるわけでありますけれども、その財源というのは一体どこからくるのか。これは今度の改正の第八条、費用の負担のことと関連をするわけでありますけれども、そのあたり、今度の二三・四%の引き上げの費用負担はどういうことになるのか、その点についてお伺いしたい。
○辻政府委員 ただいまお尋ねの今回の年金額の改定によりまして増加いたします費用の負担につきましては、従来からこういう方式でやっております。つまり新しい共済組合法ができました昭和三十四年以前の期間にかかわります分は、これは国が負担するということになっております。その以前の制度は、官吏についての恩給制度と同様でございまして、雇用人について旧共済組合制度があったという関係がございますので、いわば事業主としての国が負担をする、こういうたてまえになっております。 それから新しい法律ができましたあとの期間にかかわります分は、新法は社会保険制度として新しく出発したわけでございますので、他の公的年金制度、厚生年金等と同様に三者で負担をする。三者と申しますのは、国庫としての国と事業主としての国と、それから共済組合の三者でございますが、それによって負担する、かようなたてまえになっているわけでございます。
○佐藤(観)委員 ところが私は、各組合にとってみて、長短合わせてみて共済に納める負担金というものはもうある程度限界にきているのではないか、こういうことを思うわけですね。ちなみに、国家公務員に話を限れば、長期の負担率、短期給付の負担率、これは最高は、いろいろあるわけでありますが、どういうふうになっていますか。
○辻政府委員 長期のほうの掛け金につきましては、連合会の加入組合については共済組合員の負担になっている分が俸給の千分の四十四でございます。それから短期の掛け金につきましては、大体いま平均が千分の三十五程度でございますが、最高が千分の四十一、最低が千分の二十八ということになっております。
○佐藤(観)委員 そうしますと、これはたとえば短期給付の平均の千分の三十五を足しますと、長期給付が千分の四十四ですから千分の七十九という数字になるわけです。あるいは最高の部分をとりますと千分の八十五という数字になるわけであります。これを十二カ月、一年分にしますとかなりな額になるわけです。この辺からもうすでにある程度個人で負担する限界というのにきているのではないか。合計が千分の七十九、約千分の八十でありますから、これは計算をしてみますと一年分の給料のうち約一カ月に近い額を短期給付あるいは長期給付のために共済に納めなければいかぬ、こういう計算になるわけでありますが、こういったことから、私はもういまいわれているように、この二三・四%上がる分の負担をするにしましても、組合員個人が負担をするには負担の限度ができているのではないか、こういうふうに考えますが、そのあたりはどういうふうに見ていらっしゃいますか。
○辻政府委員 共済組合に納めます掛け金の負担につきまして、健康保険あるいは厚生年金と比較をいたしてみますと、まだ共済組合のほうが安いと申しますか低い負担になっておりますので、やはり他の制度とのバランス上この程度の負担はやむを得ないのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
○佐藤(観)委員 少し話をかえますけれども、今度のこの共済組合法をいろいろ検討してみますと、結局現在のようなインフレ下では、いまやっているような修正積み立て方式でやっておりますと、これはたいへん給付の額を上げようとするわりにはどうもその効果があまり出てこない。これは何といってもインフレのほうが給付をよくする度合いに比べてあまりにも早く進みすぎているのではないか。これはもうあげて現在のインフレ政策に問題があるわけでありますけれども、この観点から、現行の修正積み立て方式というのはインフレに対して弱い制度という欠陥が如実にあらわれてきてしまっているのではないか。この辺で私たちが主張するような三年とかあるいは五年を一つの単位とした修正賦課方式と申しますか、そういった制度に移行すべきではないか、こういうふうに考えるわけでありますけれども、この点について大臣、いかがでございますか。現在の修正積み立て方式というのはどうしても生命保険の養老年金と一緒でございますから、あまりにもインフレに弱いのではないか。この辺でやはり制度自体を見直しをしていく必要があるのではないか。このあたりはいかがでございますか。
○愛知国務大臣 これは現在御審議を願っております案件以外に広い問題で、各種年金等についても同様の議論があるわけでありますけれども、従来から申しておりますように、長い目で年金制度を育てていくためには、現在の時点だけを中心にして見ればいろいろの考え方があろうと思いますけれども、世代を通じての負担ということを考えてまいりますと、たとえばこれから二、三十年後にはかえって掛け金を相当負担していただかなければならなくなる。三倍にもなろうかというような計算にもなりますので、御趣旨はよくわかりますし、できれば改善の方法があれば、世代間を通じてなだらかに、給付内容も充実する、そして制度全体が堅実に発展するようにできるというふうな何らかの改善策があれば検討するにやぶさかでないということは、前から当委員会で申し上げているとおりでございますけれども、現在のところはにわかに基本の方式を変えるというだけの、政府としては、そこまで割り切った考え方はまだ持つに至っておりません。
○佐藤(観)委員 それは結局国庫からこの共済なりあるいは厚生年金なりにどれだけ入れるかという国の姿勢の問題にやはりなってくると私は思うのです。予算の組み方の問題になってくると思うのですね。そのことと関連をするわけでありますが、先ほど御答弁をいただいたように、今度の給付が二三・四%上がる。ところが確かに昭和三十四年以前の制度の方々については国庫で見ますけれども、三十五年の一月以降の新しい現在の共済組合法の適用の方々については、先ほど言ったような比率で共済組合の方々にも負担をしてもらう。しかし、それでも昭和三十四年以降の国家公務員についても当然二三・四%上がる以前の不足率、不足額、こういったものがやはり必ず出てくるわけですね。これはおそらく五年の計算のし直しのときに調整をはかられるということだと思うのでありますけれども、その辺のところで、やはり問題は基本的にはこの共済制度あるいはその他の厚生年金の制度をも比べまして、国の姿勢自体があまりにも立ちおくれていたのではないか。あるいは国庫からの支出が年金に対して少なかったのではないか。このあたりの点については大蔵大臣はどういうふうに現在考えていらっしゃいますか。
○愛知国務大臣 国家公務員の共済制度については、御案内のように恩給というものを切りかえたということで、恩給受給者のいわば法律的な既得権というようなこともございますから、国の負担区分がその制度の変更によって変わることはこれはやむを得ないことではないかと思います。 それから、基本的な第二段の御質問に対しては、政府としてもできるだけ前向きに検討したい。その比率がそれでもまだ低いではないかという御意見も十分承っておりますけれども、たとえば今後の長期計画の中でもたとえばいわゆる振替支出の比率を政府として財政的にも増加させていかなければならないということは、社会発展計画の中でも一つの基準が示されているような関係もございますし、それから四十八年度の予算全体の中でも、四十七年度以前に比べれば相当なくふうが払われているつもりなのでありまして、こういう考え方は前向きに建設的にこれからも十分考えていきたい。基本的な姿勢のお尋ねとしてはそういうふうに考えているわけでございます。
○佐藤(観)委員 その次に、これもやはり現在のインフレとも関係をしてくるわけでありますけれども、いわゆる脱退一時金の問題であります。これはたしか五十一年で女子の場合も年度が切れることになっていたと思うわけであります。いままでは国民年金あるいは厚生年金に移行するか、あるいはそこで脱退一時金を受け取るか、これは選択制であったわけでありますけれども、五十一年の五月にこの脱退一時金の選択制度というのは切れるわけであります。確かに、これもあとで大臣にお伺いしますが、将来最終的にはすべての年金制度というものは一本化しなければいかぬと私も思うのです。やはり憲法で定められている国民平等の精神からいっても、最終的にはこれは民間も国も全部一本化しなければいかぬと私は思うのです。そういった大きな流れから考えますと、公企体あるいは国家公務員、これをやめて、女子の場合には結婚する、あるいは再就職をする、この際に、結婚をする場合にはこれは国民年金ですし、あるいはどこか民間にいかれる場合には厚生年金、こういうことになって、確かに最終的に一本化という道からいけば脱退一時金をやめることもやむを得ないではないかという考え方もわからぬわけではないわけなんです。 ところが、今日の国民年金あるいは厚生年金の給付額、こういうものを見てみますと、いままでせっかく五年なり十年なりかけて、ある程度たまったものを、今度は六十歳のおばあさんになったときに国民年金としてもらえるのだ。それがあまりにも低いがゆえに、どうも国民感情として、国民の一人として考えますと、これは合わないのではないか、どうせのことなら現在のように掛け金の利率、それに国庫負担の二分の一、こういった額を一時金としてくれたほうが、これだけインフレが進んでいる現在では、事実上国民の側からもって見れば助かるのではないか、また金は今日まで納めてきたけれども、それは厚生年金、国民年金に引き継ぎます、支給は六十歳です、そのときにはきわめて少ない額にしかなっていない、こういった感情、一般的な考え方からいって、前段に申し上げましたように一本化の道はわかるけれども、その一本化があまりにも貧弱なるがゆえに、どうもこの脱退一時金を五十一年で打ち切るということについては賛成しがたい、やはり続けるべきではないか、こう考えるわけでありますけれども、この点についてはいかがでございますか。
○辻政府委員 ただいま御指摘の点についてはいろいろ御議論のあるところでございます。ただ現在御承知のように、国民皆年金体制をとっておりまして、すべての国民がいずれかの年金制度に加入をいたしておるわけでございます。そこでできるだけ年金権に結びつけるという考え方をしているわけでございます。老齢あるいは退職になりました場合に年金をもらえるようにしようということでやっておりますので、長い目で見ますならば、いろいろ御批判はございましょうけれども、一時金ということで処理をいたすよりは、老齢あるいは退職の際に年金を差し上げたほうが有利ではなかろうかという考えをしているわけでございます。 御承知のように、女子の方が結婚で退職されましても、また国民年金に加入されるというようなことになるわけでございます。厚生年金あるいは共済年金に入っておられた期間と国民年金の期間と合わせまして通算年金という制度がございます。したがいまして、そういう制度がある前提のもとでは、退職一時金の支給ということよりは年金権に結びつけて差し上げたほうがよろしいのではなかろうか。いわば退職一時金の制度は皆年金の体制になる前の特例的な制度ではないかという考え方に立っておるわけでございます。これは共済年金だけではございませんで、厚生年金を含めました公的年金制度全般の問題でございますが、ただいまのところそういうふうな考え方でやっておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 ですから、私も前段に申し上げましたように、確かに今後一本化しなければいかぬという、またすべきであるというそのお考え方は私はわかるわけです。いま辻さんの言われることもある部分では私もわかるわけであります。そういった意味で、国民年金、厚生年金というものがある程度生活できるような年金になっていけば、またしていかなければいけないと思いますけれども、まだまだそういう状況じゃないわけですね。そういうことから考えますと、このインフレ下で、今日まで女子の方が十年間なら十年間つとめて、そして、はいこれは国民年金に移行します、厚生年金に引き継ぎますといっても、通算年金制度がありますから確かに制度的には合算されますけれども、問題は考え方として、これだけインフレが進んでいるときに、六十歳でこの掛け金プラス年金を掛けたものをもらうのがいいのか、それともいまのこの金の価値が日に日に下落している現状では、幾らかでもまとまった金をいまもらったほうが、女子の場合には結婚の資金にもなりましょうし、何かの一部にもなりましょうし、そういった現在の経済の状況、貨幣価値の下落、インフレ下、こういった中では、やはりもう少しこれは延長する必要があるのではないか。 筋道としてはわかります。確かに将来もっともっと国民年金、厚生年金が十分国民に納得してもらえるような額になれば、これは通算年金制度があるわけでありますし、引き続き皆さん方も掛けるでありましょうけれども、どうもこのインフレ下では、たとえば高校を出て今日まで十年つとめた人が二十八でやめる、そして国民年金なり厚生年金なりをあと三十二年間ですか掛け続けて、今度六十歳にもらうまでには、まだまだ貨幣の価値の下落がある、インフレが進んでいく。それならばやはりどちらか選択制を今日のインフレ下では残しておいたほうが現実の政治としては合うんではないか、こう思うわけであります。 辻さんの言う制度として、私も前段についてはわからぬわけではないわけです。その辺、大臣いかがですか。このインフレが進んでいるときに、六十歳になったときにもらうそういった国民年金、厚生年金よりも、これは五十一年の話でありますが、選択制を残しておいて、やはり女子の脱退一時金というものは残しておいたほうが国民の側にとってみては現実に合うんではないか、こう思いますが、いかがでございますか。
○愛知国務大臣 これはいまもお話がございましたように、五十一年にあらためて検討する時期になると思いますが、これは国家公務員共済だけの問題ではなくて、年金制度全般の問題でございますから、とくとひとつ検討を必要とする問題ではないかと思います。現在、選択制をとるべきかどうかということについて、現在のところまだ政府としてはそこまでは考えておりませんが、今後とくと検討いたしたいと思います。
○佐藤(観)委員 それから、これはちょっと私の勘違いかもしれませんけれども、国家公務員あるいは地方公務員、こういったものには、運営ではなくしてその内容を審議する審議会が、たしか社会保障制度審議会以外にあったのではなかったかと思うのですね。これはどうなっていますか。
○辻政府委員 国家公務員共済組合の場合には国家公務員共済組合審議会というのがございまして、この法律に基づきます組合に関する制度その他事業の運営に関する重要事項につきまして、大蔵大臣の諮問に応じて調査、審議するために置かれておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 そういったものは公企体にはありますか。
○住田政府委員 公企体関係にはございません。
○佐藤(観)委員 そうしますと、公企体の場合には、いまお話がありましたような公企体の共済の実態あるいは大蔵大臣からの諮問に対していろいろこたえる機関というのは、社会保障制度審議会以外にないということですか。
○住田政府委員 そのとおりでございます。公企体は御承知のように三つあるわけでございまして、専売、国鉄、電電、この三つでございまして、それぞれ主務大臣が違っております。したがって、国家公務員の場合には大蔵省のほうで二十五の組合を統轄するということで問題を扱っておられるようなわけでございますし、また地方公務員についても自治省で数多い組合を一括して扱うということでその審議会が置かれておるわけでございますけれども、公企体の場合には三つしかないということで、まあ三つの関係者が集まれば問題点は審議できるではないかということと、それから先ほど申し上げましたように主務大臣が分かれておりますので、実際上各省に審議会を置くというのは非常にむずかしい状況となっております。
○佐藤(観)委員 これはちょっと私の勘違いかもわかりませんけれども、佐藤政務次官にお伺いしますが、日本国有鉄道の共済組合、これの主務大臣というのはだれですか。
○佐藤(文)政府委員 運輸大臣でございます。
○佐藤(観)委員 私の記憶しているところでは、これは経過的に少し変わっているかもしれませんけれども、いわゆる三公社、三つの公企体の主務大臣というのは大蔵大臣ではないのですか。これは経過があって変わったのですか。
○住田政府委員 三公社の主務大臣はそれぞれ、専売については大蔵大臣、国鉄については運輸大臣、電電については郵政大臣ということになっております。
○佐藤(観)委員 それは主管の事務当局ということと主務大臣ということとがあると思うのですね。で国会に対しては、いわゆる立法のときに三公共企業体については運輸省が所管をせよということで、いま当委員会でも佐藤運輸政務次官が出ていらっしゃるわけですね。しかし、最終的な主務大臣というものは大蔵大臣と違うのですか。
○住田政府委員 公共企業体職員等共済組合法の八十四条に「この法律における主務大臣及び主務省令は、専売共済組合については大蔵大臣及び大蔵省令、国鉄共済組合については運輸大臣及び運輸省令、日本電信電話公社共済組合については郵政大臣及び郵政省令とする。」と書いてあります。
○佐藤(観)委員 それではちょっと私の勘違いでありますが、話をもとへ戻しまして、いま公企体の共済は三つしかないから、そこで話をすればいいのだということでありますが、現場のいわゆる組合員と申しますか、共済組合に入っておられる方々あるいはそれを運営していらっしゃる組合側の方々に言わせてみると、どうもやはり、国家公務員と同様に審議会を設けて、いろいろな給付内容なりそのほかのことを検討する審議会があってしかるべきではないか、こういう意見が強いのでありますけれども、公共企業体職員等共済組合審議会、こういったものがはたして必要がないんだろうかどうだろうか、そのあたりはどういうように考えていらっしゃいますか。
○住田政府委員 国家公務員につきましても地方公務員につきましても、それぞれ審議会が置かれてあるわけでございますので、公企体について審議会が要らないということは言えないかと思います。しかし先ほど申し上げましたとおり、共済組合の数が三つでございますし、また主務大臣も三人に分かれておりますので、技術的にも審議会を設けるのは非常にむずかしい事情にあるわけでございます。したがいまして、必要な事項にについてはそれぞれ関係者が集まっていろいろ話をするということでカバーできるのではないかと考えております。
○佐藤(観)委員 最後に、福祉事業についてお伺いしたいのでありますが、国家公務員法の七十三条には、国はここに働いている人々の福祉事業について独自にやらなければいけないとその内容まで、保健とかレクリエーションとかあるいは安全保持に関する事項とか、こうあるわけでございますが、今日まで一体国は国家公務員法にいうところのこういった福祉事業というものに対してどういうことをやってきたのか、簡単に御説明してください。
○辻政府委員 たとえて申し上げますと、職員の厚生経費というのを毎年予算に組んでおりますが、四十八年度予算では一人当たり二千四百円ということで積算をいたしておりまして、健康診断でございますとか、レクリエーションでございますとか、そういう経費に充てているわけでございます。その他各省にそれぞれ必要な厚生経費を、それとまた別に組んでおるわけでございます。
○佐藤(観)委員 この額を民間のものに比べますと、民間でも福利厚生費の中身が少し違う部分もありますけれども、日経連の調査でありますと、民間の場合にはいま一万二、三千円になっておる。そういうことからいきますと、国家公務員あるいは公企体、地公の国の行なう福祉事業というのは少な過ぎるのではないか、こう考えるのであります。 それに伴いまして、共済の行なう福祉事業の額は短期給付の九十五分の五というふうになっているわけでございますが、この九十五分の五というのは一体どういう額なのか、どういうところの根拠で九十五分の五というふろにきめられているのか、そのあたりはいかがですか。
○辻政府委員 これは福祉財源の分として五%ということできめておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 この五%が結局——私はいま国家公務員法を持ち出しましたけれども、七十三条にいうところの国がそこに働く人々の保健とかレクリエーションとか健康維持とか、こういったようなことをやらないといけないのに、現実には共済組合が肩がわりをしている。あるいは宿泊事業あるいは住宅事業、貸付事業、こういうことをやっている。そこに働く人々の健康管理あるいはレクリエーション、こういったものは本来ならば国が行なわなければならないのを、国がやらないから、しようがないから共済組合の費用でやっている、こういう部分が多分にあると思うのですね。この九十五分の五という数字、たとえばこれがなかったらもっと住宅事業に、共済組合に入っている方々にお金を貸すこともまたできるだろうし、あるいはそのほかの共済組合が行なっている福祉事業、こういったものにも費用がさけるんではないか、こういうふうに思うわけであります。 その辺でいわゆる共済組合の福祉事業に国の本来行なうべき福祉事業がおんぶをしてしまっているんじゃないか。すでに御存じのように国家公務員法、これは国がやらなければならないという義務規定でありますけれども、共済組合法にいうところの福祉事業はやることができるという、これは任意規定であります。そういった意味で共済組合のほうが、国がやらなければいけない福祉事業を肩がわりをしているこの現状、これについて大臣はいかがお考えでございますか。
○愛知国務大臣 一口でいえば、民間の大企業と比べれば、国家公務員あるいは三公社五現業というようなところの福利施設が悪いということは言えると思います。したがって、もっと福利厚生施設を充実していかなければならない、こういうふうに考えておりますが、同時に共済組合のほうも五%、あるいはそれをもう少し増してもいいんじゃないかと思いますけれども、共済組合の事業としてもそういったことを補完するということは私は適当なことではないだろうか、こういうふうに考えます。
○佐藤(観)委員 前半の部分はわかるのですが、後半の部分は、本来そこに働いている人の健康管理とか医療事業とかあるいはレクリエーションというのは、これはやはり基本的には国家公務員法にいうところのそれを使用している人というか、いわゆる国側が本来やるべきが主であって、それ以外の部分を共済組合が自主的にやるのは私は従だと思うのです。現状の場合には国の福祉事業を補完するどころか、主従が逆になっているのが現状だと私は思うのです。この辺もやはり改めてもらわなければいけないと思うのです。 最後に、私がたびたび口にしております今後の共済組合あるいは厚生年金、国民年金、こういうものとの一本化の問題でありますけれども、現実に長期給付については、たとえば一番身近な衆議院に働いている人と参議院に働いている人については、長期給付については原則は一緒でありますが、短期給付については、このはじき方がありまして、人数その他がいろいろ影響してきますから、短期給付については若干違うわけでありますね。同じ建物におりながら、衆議院と参議院で廊下一つ向こうへ行きますと、働いている人のそういった短期給付というか付加給付が違ってくるというのは、これはどう見ても私は共済組合があまりにも個々ばらばらになり過ぎているのではないかと思うわけであります。共済組合と国民年金、厚生年金を全部一本化するといっても、長い長い歴史があって今日の共済組合ができたわけでありますから、そう簡単にいきませんけれども、この各省ばらばらになっている共済組合、特に短期については何らか考える必要があるのではないか。また一方には合理化を押しつけられている労働者側にとってみれば、合理化はされる、そして現実には官のほうに当事者能力がなくしてよく春闘で問題になり、あるいはこういった労働条件にも関係するようなことでも問題になる、こういったことがありましょうけれども、その辺のところを、将来の共済組合の一本化、ひいては国民年金、厚生年金の一本化、こういったものについて大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。おそらく遠い先のことだと思いますから、田中内閣もそのころはないから、大臣としても責任あることばは言えないかと思いますけれども、方向として、考える基本として、その辺からいろいろな諸政策、諸施策が出てくると思うのでありますが、そのあたりはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○愛知国務大臣 基本的には、おっしゃるように各種の社会保険制度というものは一本化すべきものであろうと私も思います。そうすれば、よほど財政負担等についても考え方がいまよりは容易になるのではなかろうかと思いますけれども、これは現在のところでは理想であって、なかなか現実にはそうまいりませんが、そういう考え方でいろいろの場合に前進ができるように考えてまいりたい。ただ全体として、先ほど来いろいろの御質疑がございましたけれども、社会保険全体の給付の財源というものにつきましても、結局は国民全体から拠出する租税によるか、あるいは保険料という形で負担を願うか、いずれにしても国民全体の負担の中でこれをつくり上げていかなければならない問題である、それだけにまた非常に重要な問題であるという点は、お互いに常に認識の基本に置いていかなければならない問題だ、かように考える次第であります。
○佐藤(観)委員 終わります。
○木村(武千代)委員長代理 次に塚田庄平君。
○塚田委員 まず大臣にお伺いいたします。 先ほど佐藤委員の質問に対して、感覚的に年金は低いと思う、ことばがよく聞き取れなかったのですが、そういう感じがするというような意味の御答弁をなされたのですが、大臣は、日本の年金額は低い、そういう感覚を持たれる基本的な原因といいますか、どこに一体そういう感覚を持たれる根拠あるいは原因があるのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○愛知国務大臣 感覚的には、年金全般についてこれは決して高いとは考えておりませんが、しかし、いま佐藤さんの御質疑に対して最後にお答えいたしましたように、こうした広い意味の社会保険制度というものは、結局は国民全体の負担の中で積み上げていかなければならない問題でございますから、そういう点から申しましても、払うほうの年金あるいは受け取るほうの年金というだけでなくて、その年金は何によって払い得るか、受け取り得るかということを考えますと、これは感覚的にだけ、現在もらうものが低いからという感覚だけではなかなか処理ができないし、また考えることもできない、そこにむずかしさがあるように考えますが、ただ、たとえば厚生年金について、本年度から物価のスライド制というようなものを採用したということは、政府としては、従来の考え方からいえば非常に大きな前進である。ことに財政当局としては、これはほんとうに一大決心をもって踏み切ったようなわけでございますから、そういうところに対して、まだ幅が狭いあるいはスピードがおそいというような御批判も重々承知しておりますが、政府としても十分前向きに、かつできるところから具体的に進行しておりますことは御理解いただけることかと思います。
○塚田委員 これは私なりに考えるのですけれども、大臣が感覚的に高くない、こういう原因といいますか、要素は幾つかあると思う。 一つは、日本の社会保障制度というのは、国際的に見まして決していいほうじゃない、いやむしろ先進国の中では下位に位するのじゃないか、こう思います。 もう一つは、いま大臣は国民全体で年金をささえる、こう言われましたが、そのお考えの中で、私は、国民全体というのは、よくいって、使用者としての国、それから被使用者、この二つだけ頭にあって、その上に国庫という観念がないのじゃないか。国民全体ではなくて、それと並んで国が持つんだ、つまり国がもう少しこの年金制度に対して国庫として財政的な裏づけを高めていく、こういう観念が薄れておるんじゃないか。つまり国民がどう考えるかというと、掛け金のわりあいに年金額は少ないんじゃないか、こういう総体的な観念があると思うのですよ。これをどうするかということが、やはり政府として考えなければならぬことではないか。 第三点は、さっきから一生懸命質問がありました現実の生活の面と、それから受ける年金の額との格差、いま大臣はスライドの問題を言われましたが、この点についてはあとでいろいろと質問したいと思いますが、そういう問題があるのではないか。 少なくともこういう三つの要素を基本的に改善しなければ、大臣の高くないという感覚はなくならぬと思うのですよ。この点についてもし数字があれば、国際的な水準等についてひとつ説明していただきたいと思います。
○愛知国務大臣 私の考え方を率直に申しますと、まず第一に国際的比較は、これは現実に決して高くはございません。まだ低位にある。それはやはり社会保障政策が戦後発足した、戦前からもございますけれども、特に年金制度等は戦後に新しくできたものですから、そういう関係もあって、たとえば外国と比べても、いま辻次長から御説明いたさせますが、これは低い。それから国庫との関係から申しましても、先ほど申しましたように、いわゆる振替支出の比率というようなものもまだ決して高くはございません。そういう点で、外国との関係から申しましてさらにこれを充実していかなければならない。基本的に私はさように考えております。 それから第二点は、議論申し上げるわけではございませんけれども、国庫というものが国民と離れてあるというような御趣旨の点は、私には若干意見がございまして、国庫はやっぱり税金で成り立っているものでございますから、たとえば国際的な比較にいたしましても、税としての負担率とそれから社会保険関係の、一口に言えば掛け金、国民からの拠出、それらの率を合計して比較いたしますと、外国のほうがはるかに負担率が多い。こういうことにもあらわれておりますように、結局こうした制度を充実するための財源というものは税金と掛け金と、いずれにしても国民全体の負担で成り立っておるものでございますから、これはやはり国庫とこうした社会保険制度とは一体にして、全国民的に取り上げていかなければならない問題であろう、こういうふうに思います。ですから、そういう点も踏まえまして、税制の問題というものを十分並行的に考えていかなければならないし、同時に、拠出の額というものもやはりあわせて考えていかなければならないものである、こういうふうに思います。 それから第三点は、年金とかいうような種類のものを、現在のところ生活給的な角度から見ることは、事柄の性質上いかがであろうか。この点についてはもっと掘り下げて検討しなければならぬ問題ではなかろうか。しかし繰り返すようでありますが、物価スライド制というようなものは、そういったような関係からいっても数歩前進しつつある、私はかように認識いたしております。
○塚田委員 私もことばじりをつかむわけじゃないのですが、国庫は国民の税金の蔵だということは私もよく知っております。国庫は、これは年金にだけ使われておるものじゃないと思うのですよ。つまり、私どもの言うのは、国民から徴収した税金をどう一体配分していくのか、こういう問題だと思うのですよ。そういう観点から、特に社会保障については、この情勢の中では諸外国とも比較して、むしろ重点的に配分すべきじゃないか。つまり国庫の負担割合をもっとふやしなさい、あるいは負担してないなら負担しなさい、こういうことを言っているのであって、大臣はそれを局限をとって答弁されたようですが、その趣旨をひとつ御了解願いたい、こう思うわけなんです。 それから、諸外国に比べての話なんですが、確かにこの日本の年金というのは成熟度が低い。これは私どもも認めますが、しかしいま言われたスライドの問題あるいは国庫負担の問題等、これは四十二年に新しく制度に移り変わるときに、もうすでに審議会からこの点についてはきつく勧告され、あるいは申し入れされている事項なんですよ。 これはおそらく大臣も御承知だろうと思いますが、昭和四十二年の六月二十一日に、当時の総理府の中にあった社会保障制度審議会からは、その点をきつく指摘され、そして、基本的には年金というのは生活保障的な意味を持つのだからということをわざわざ指摘して、スライドの問題その他をぜひ確立するように、こういう意見書、申し入れ書があることは、これは大臣も御存じだろうと思うのですよ。年金というのは生活給的なものだけではないということもわかりますが、しかしわれわれとしてこれは生活保障的だということは、これは通念じゃないですか。それをいまのような答弁では、私ども、とてもこれは納得することができないと思うのですよ。これが確立せなければ、これからの議論進まぬわけですよ。その点の合意がなければ。もう一度ひとつ答弁願いたいと思います。
○愛知国務大臣 第一の点はまさにそのとおりでございまして、これは財政の編成方針にかかわる問題でございますから、したがって今年度予算でいえば、額でいえば全体でこうした福祉関係といいますか、もう少し狭義にいってもいいのですが、二兆円以上になったというようなことは、十四兆の規模の予算の中では、これは予算の幅からいいましても従来に比べて非常に大きな前進であると思います。こういう点がやっぱり福祉政策重点に国全体の方向が切りかえられつつあるわけで、これは今後とも十分伸ばしていかなければなるまい。まあこういう点は御趣旨のとおりであると思います。 それから、生活給的というか、社会保障的と申しますか、そういう趣旨の答申というものが出ていることも承知いたしておりますが、これだけで現在直ちに全生活費がまかなえるというような考え方にはなかなかまいりますまいということを率直に申し上げているわけでございます。同時に、先ほど私が申し上げましたようなことは、三十七年の社会保障制度審議会の答申でもはっきりしておりますので、これはやはり財政の編成方針にもかかわる問題であると思いますけれども、特に財源の配分につきまして、たとえば貧困階層に対する公的な扶助を最優先とする。それから低所得階層に対する社会福祉対策がこれに次いで考えられなければならない。それからすべての階層に対する施策ではあるが、その性格上租税をもってしかまかなえない公衆衛生を、社会福祉に次いで重点を置くべきである。そうして最後に、一般所得階層に対する施策である社会保険は、これらの施策に劣後するものとされるべきである。三十七年の審議会の答申の中にもこういう考え方が出ておりますので、これからの政府のとりあえずの政策の進め方といたしましても、こういう考え方に沿うてやってまいるべきものである、かように考えております。
○塚田委員 しばらく長期給付の問題に限って、短期はあとで質問したいと思います。 今度の法律の改正で、恩給法の改正に伴って二三・四%のベースの引き上げ、基本額の引き上げがあったのですが、二三・四%の引き上げというのはこれは何ですか。スライドですか、それともその他のものですか。二三・四%という観念を聞かしていただきたい。
○辻政府委員 今回年金の改定をお願いいたしておりますのは、恩給にならって同様に措置をするということでございますけれども、二三・四%の根拠といたしましては、四十六年度の公務員の給与改善率が一一・七%でございます。それから四十七年度の同様公務員給与の改善率が一〇・五%でございます。その二年分をかけ合わせますと二三・四%になるわけでございます。これで年金の改定をお願いいたしているわけでございます。
○塚田委員 それはわかっておるのですよ。そこでその二三・四%というのは、たとえば厚生年金については五%以上の物価が上がった場合には改定スライドするということが出ていますね。この共済年金の場合に、二三・四%とは一体どういうものか。数字のかけ合わせはわかるのですよ。観念は何かということなんです。
○辻政府委員 四十八年度におきましては、御承知のように、厚生年金につきましても、別途法律案を御提案申し上げておりますように五万円年金というように大幅な給付の改善をお願いいたしておりますが、そういう他の公的年金制度の改善を考慮いたしまして、そして恩給にならいまして二三・四%の引き上げをお願いいたしているわけでございます。 従来どういうふうに改定してきたかと申しますと、御承知のように、従来は消費者物価の上昇を基準といたしまして、公務員の給与改善率が消費者物価の上昇率を上回ります場合には、その上回る分の六割相当額を消費者物価の上昇率に足しまして改善をいたしてきたわけでございますが、今回はそれを改めまして、恩給と同様に給与改善率を基礎にいたしたわけでございます。しかし、これは自動スライドということをとったわけではございませんで、今後におきましては、他の公的年金制度あるいは恩給制度等の動向を勘案いたしまして、国家公務員共済組合法の一条の二にございますような調整規定の趣旨に沿って改正してまいる、そして年金の実質価値の維持、確保につとめてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○塚田委員 あまりことばじりはやめまして、こういう、スライドといいますか、自動スライドじゃないけれども、何らかのスライドをしてきまして、昭和四十八年十月になるとこの二三・四%がかかってくるわけですね。かかりますと大体額としてどのくらいの額になりますか。
○辻政府委員 退職年金でまいりますと、現在平均をいたしまして三万九千円程度のものが、改定をいたしますと四万九千円程度に相なるわけでございます。
○塚田委員 年金支給の基礎になる、何といいますかね、仮定俸給というか、これはどのくらいになりますか。
○辻政府委員 アップ率といたしまして二三・四%ということでございます。
○塚田委員 金額でどのくらいになるか。たとえば四十七年十月の前年対比の増加率は一〇・一〇になっていますね。そうでしょう。その場合に、この仮定俸給といいますか、これはたしか四万六千何がしになっていると思うのです。そうじゃないですか。つまり仮定俸給というのは、四十年十月、二万円ベースのときに一・二をかけて二万四千円。これを基礎にしてずっと展開してきているのですよ。そうじゃないですか。
○辻政府委員 四十年十月の際の改定の考え方といたしましては、御指摘のように、二万円ベースの二割アップということでいたしたわけでございます。
○塚田委員 それから四十二年十月にはその二割アップされた二万四千円に一・一をかけておると思います。つまり一割。それから四十三年には二割。それぞれ二万六千四百円、二万八千八百円、こう金額で出てきておると思うのです。つまり四十年十月の二割アップを基礎にしている。これを基礎にして一体どのくらいになっているかということです。
○辻政府委員 四十年十月の二万円ベースの二割アップを基礎にいたしますと、四十八年十月の、今回改定でお願いいたしておりますのが二・三六倍程度になります。
○塚田委員 金額で幾らぐらいになるかということです。
○辻政府委員 二万円ベースの二割アップでございますから二万四千円。それに二・三六をかけて約五万五千円程度になります。
○塚田委員 そこで、この五万五千円、推定ですが、四十七年十月ですと四万六千三十九円となるのです。これは資料として出てきています。そうしますと、公務員の俸給との比較において、大体五年ぐらいのズレがあるのじゃないかと思うのです、実際の俸給との関係ではですね。これはどうでしょうか。
○辻政府委員 公務員の給与改善率とただいまお示しの年金の改定率とを比較いたしてみますと、三十四年の、新しい共済組合法ができましてからの数字で申し上げますと、共済年金の改定率のほうは、三十四年を基礎にいたしますと二・八四倍でございます。それから公務員給与の本俸の改善率で申しますと三・二五倍になっておりまして、その間約一四・七%程度の格差があるわけでございますが、今回の改正案では、別途高齢者につきましては基礎俸給を四号俸引き上げるということでお願いをいたしております。その四号俸の引き上げは約一四・二%程度に当たりますので、こういうことを考慮に入れますと、共済年金の改定率と公務員給与の改定率とがほぼひとしくなるという結果になるわけでございます。
○塚田委員 私、年金は非常に複雑な計算があることは知っております。ひとつ端的に、金額の単位で計算をし直してみてくださいよ。たとえば私の知っている範囲では、四十七年十月、これは改正がありました。先ほど言ったとおり、一〇・一〇%の上のせがあって、四十年十月のときに比べると一・九一八三の引き上げ、そしてこれは四万六千三十九円となるのです。こういうベースでいきますと、これは一体いつの給与の時点とマッチしてくるのか。四十七年四月の公務員の給与は平均九万二千二百七十六円です。これは統計上はっきりしていますね。これは認めますか。資料に出ているのですから、これは認めざるを得ないでしょう。
○辻政府委員 ただいまちょっと公務員給与の統計を持っておりませんが、共済のほうで申しますと、一人当たり俸給の国家公務員共済の平均が七万八千八百七十七円ということになっています。
○塚田委員 もう一ぺん言ってください。共済のほうでというのはどういうことですか。つまり勤労統計上からいう公務員の平均ベースとは違うのですか。
○辻政府委員 こまかいことを申し上げますと、国家公務員以外の連合会の職員等も入っておりますので、若干の食い違いがあるかと思いますが、年金額の基礎になります俸給の一人当たり平均は七万八千八百七十七円ということになっております。
○塚田委員 これは議論をしないで、あとで事務的に合わしてみたいと思います。 そこで、大臣の答弁にも関係してくるのですが、既裁定じゃなくてこれから裁定していく場合、長期の場合は退職時における給与から三年さかのぼって、その三年の平均をとる、こういう字づらにはなっておるのですけれども、既裁定部分については、いまお話しのとおり、実際給与と四年、五年、人によっては六年というズレが出てきておる。ここに、どうも年金は少ない、大臣も高くないと言われる、こういう感覚が出てくる一つの大きな原因があると思うのですが、どうでしょうか。
○辻政府委員 従来の年金額の改定につきましては、先ほど申し上げましたように、消費者物価を基準にいたしまして、公務員給与の改善率と消費者物価の上昇率の差の六割を上積みするという方式をとっておりました。したがいまして、消費者物価指数を正確に把握する必要がございまして、統計の関係から年金の改定時期がおよそ二年半おくれておったことは事実でございます。 それからもう一つ、改定のやり方といたしまして、たいへん技術的なことになって恐縮でございますが、三十五年三月当時の俸給ベースにさかのぼりまして再計算をいたしていたということもございまして、年金の改定の対象になりながら、さらに二年程度実質的に改定が行なわれないという事例もあったわけでございます。四十七年度の改正におきまして改定方法を改めていただきまして、退職時の給付の基礎となった俸給額に改定率をかけるという端的な方式に改めさしていただいたわけでございます。これによりまして、あとのほうで申しました時期のズレは二年程度取り戻したわけでございます。それから今回、四十六年度、四十七年度の二年分の公務員給与の改善率を基準といたしまして改定をさせていただくことをお願いいたしておりますので、それでさらに一年程度のおくれを取り戻すということになるわけでございます。確かに御指摘のように、過去におきましてはズレがあったわけでございますが、現在時点では相当追いついてまいったというふうに考えております。
○塚田委員 数字的には私はずいぶんまだズレがある。つまり消費者物価のつかみ方等も原因しまして、三年ないし四年くらいのズレがあるというのが私の資料ですが、これはあとで事務的にひとつ突き合わせていただきたいと思います。 それでは午後に……。
○木村(武千代)委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 正午休憩 ————◇————— 午後一時三十七分開議
○木村(武千代)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。塚田庄平君。
○塚田委員 午前中の質疑の途中で時間がきて終わりましたが、例の、年金は軽い、少ない、こういう感覚が一般的だという一つの原因として、こういう点を指摘いたしました。それは年々改正されておる年金ベースと実際の国家公務員の給与ベースというものとの間にはあまりにも開きがあり過ぎるのではないか。 その一例として、たとえば四十七年十月の改定では恩給ベースというのは四万六千何がし。しかしそのときにおける公務員の給与ベースというのは九万二千二百七十六円。これは推定ですが、そこまできておる。四十六年にさかのぼりますと、これは確定で、四十六年五月の段階では八万三千三百六十九円、これは人事院の資料です。それに比べて年金ベースといいますか恩給のベースは四万一千八百十五円。両方照らし合わせてみますと、大体四年ないし五年程度のズレがある。こういうところにも年金を受ける人の感じといいますか、これは実感なんですが、少ないという一つの根拠があるんじゃないか。こういう点は一体どう考えるかという質問なんで、ひとつあらためて御答弁を願いたい。
○辻政府委員 ただいまお示しの公務員の給与ベースは、おそらく公務員が昇給等によりましてベースが上昇する部分も入っていると思います。つまり、公務員の場合には年齢構成がだんだん上がってまいりますので、それに伴いまして昇給という形でベースも上がってまいるわけでございます。したがいまして、それと退職者のベースでございます年金の額とを直接にお比べいただきますのは必ずしも適当でない面があろうかと存じます。ただ、午前中にもお答え申し上げましたように、いろいろな事情で従来の改定方式の技術的な方法等から若干のおくれを生じていたことは事実でございますが、その大部分は昨年の改定並びに今回お願いいたしております四十六年度及び四十七年度、二年分の給与改善率を基準として改定させていただくことによりまして、そういう意味の時期のおくれというのは、大部分取り戻すことができるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○塚田委員 そこで、スライドの問題に移っていきたいと思うのですが、先ほど佐藤委員から共済組合法一条の二に基づく、これは四十一年、五十一国会で決定されたのですが、つまりスライドの問題「変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずるものとする。」しかし、その規定があってから、すでにもう七年くらいたっておるのですが、具体的な実施の日程なり方法というものについてはいまだ明らかにされておらない。ことしはおそらく大蔵省のほうでも審議会に対する諮問といいますか、今度の改正にあたっての諮問をしたと思います。その諮問の中で、スライドの面にも触れた諮問をしておると思うのです。具体的に大蔵省は、この諮問をする時点において、いま言った共済組合法の一条の二の趣旨と照らし合わせて、一体どういう態度を持っていたのか。残念ながら具体的な答申を得られないまま、今回はこの程度の措置で終わったのですが、基本的にスライドについてどういう考えを持っておるかということについて、これは大臣でもいいし局長でもどっちでもいいです。
○辻政府委員 スライドの問題をどういうふうに考えるべきか、いろいろと検討したわけでございます。御承知のように、公的年金制度の基幹でございます厚生年金の制度におきましては、ただいま御提案申し上げておる法律案の中で、物価スライドという規定を盛り込んでおるわけでございます。そこで、国家公務員の共済組合年金につきましても、最低限度の保障といたしまして物価スライドを織り込むという考え方もあるのではなかろうかというふうに考えまして、国家公務員共済組合審議会におきまして御議論をいただいたわけでございますけれども、いろいろと御議論をいただきました末に結論を得ることができませんで、この問題についてはなお公的年金制度調整連絡会議、その他関係審議会等も含めまして御検討をいただくということにいたしまして、今回はスライドの問題としては見送ったわけでございます。 しかしながら、先ほどお示しのような共済組合法の一条の二の調整規定の趣旨にのっとりまして、できる限り年金の実質価値の維持、確保をはかるという趣旨、あるいはまた他の公的年金、厚生年金が大幅に改善になりましたこと等を考えまして、ただいまお願い申し上げておりますように、二三・四%、給与改善率を基準といたしまして、大幅な改善をはかることを考えているわけでございます。
○塚田委員 それで具体的に聞きたいのですが、消費者物価スライド制の導入について諮問をした。その場合の議論として、物価指数そのものに非常に問題がある、議論の余地がある。そういうことで確定は物価スライドだけではなかなかできないのじゃないかということと、その際財源は一体どういう負担になるのかという議論もおそらく審議会でなされたものと思います。すなわち財源負担の問題、さらにそのときの大蔵省の腹といいますか、いろんな審議会の中で、スライドである以上は上にスライドすることもあれば下にスライドすることもある、つまり上も下もいずれもあるのだという考え方のもとに、一体、下にスライドする場合には、これは行政措置でそういうことをやることは法制上疑問があるのじゃないかということ等の議論がなされたやに聞いております。現に答申ではその点が疑問として出てきておるわけですよ。その点について大蔵省としての考え方をこの際はっきりいただきたい、こう思います。
○辻政府委員 私どもが審議会に対しまして消費者物価スライドということを考えてもいいのじゃないかということを申し上げましたのは、物価だけでいくということではございませんで、厚生年金がああいう制度をとりました以上、いわば最低の保障として物価スライドという制度を設けていただいてもよろしいのじゃないか、毎年毎年の改定につきましてはまた恩給その他の例にならいまして考える、あるいはまた再計算の時期に考えるということはそれといたしまして、いわば制度的な最低限度の保障として考える考え方もあるのじゃないか、こういう意味でございます。 そこで、ただいまお尋ねのスライドの指数の問題でありますが、これは厚生年金と共通の問題でございます。確かに指数の取り方その他につきまして御議論がございました。ただこれは共済だけの話ではございませんで、厚生年金にも通ずる問題でございます。それから財源の問題につきましても、同様に他の公的年金制度と共通の問題でございますが、たとえば諸外国におきましてスライド制をとっておる国でも、その分の財源を特別な国庫負担にしておる例はないようであります。一般的な財源の負担割合で行なっておるように承知をいたしております。したがいまして、私どもとしてはスライドの部分だけ特別に負担割合を変えるとか、国庫負担を多くするという考え方はとっていなかったわけでございます。 それから第三番目のお尋ねの、下にスライドする場合という問題でございますが、いまのような状況ではなかなか、下にスライドというケースが起こり得るものは非常に少ないかと思いますけれども、これも厚生年金と同じでありまして、理屈の問題といたしましては、上にスライドするならば下にスライドもあり得るのではなかろうかということで、厚生年金のほうがそうなっておりますので、こちらもそういうかっこうで御提案申し上げた、こういう経緯でございます。
○塚田委員 そこで、いまの答弁の中で私どもお考えいただきたいのは、消費者物価にスライドするという考え方を最低の保障として考えるのだといういま話がありました。つまりこれは最低だと。そこで私はこういう考えを持っておるのですよ。先ほどから質問がありましたとおり、消費者物価にスライドするというのは、これは政府の政策の貧しさといいますか、最近のようにどんどん物価が上がっていく、この貧しさを最低限度消費者、つまり俸給生活者あるいは退職者に及ぼさない、特に年金生活者に対してそういう影響を最低限にとどめるという意味において、最低の保障ということばがいま局長からあったものと思うのですよ。 そこで、それでは最低ではなくて平均的にどう考えるのかといったら、これはやはりあくまでも物価についてのスライドというのは、先ほどのことばではございませんが、政府の政策を、年金をスライドさせることによって政策の貧しさに対する保障といいますか、そういう関係であって、基本的に給付水準を上げるという面から考えると、まさにこれは最低だと思うのですよ。給付水準を上げるということを考えた場合、私は、はたして消費者物価だけにスライドさせることがいいものかどうかということについて疑問を持っておるのですが、この点は一体どうでしょうか。
○辻政府委員 物価スライドをかりにとりました場合でも、先ほどお答え申し上げましたように、物価にスライドするだけで、それだけでいいとは決して考えていないわけでございます。たとえば厚生年金につきましても、御承知のように再計算期ごとに見直しまして、生活水準その他の諸事情を勘案して、給付水準を見直して改定をする、ただその間は物価スライドでいわばつないでいこうという考え方でありまして、物価スライドと再計算期ごとの見直しとあわせまして実質価値の維持、確保をはかってまいる、こういう考え方に立っておるわけでございますから、したがいまして、かりに共済年金につきましてもそういう制度を導入いたす場合も同様でございまして、別に物価にスライドさせるだけで、それですべて終わりというふうに考えているわけではございません。
○塚田委員 そこで、先ほど私ども委員の質問の中で、諸外国においてはすでに物価であろうと賃金であろうと、スライド制というものは一般の制度になってきておるということは、これは大蔵省も認めておるわけだと思います。自動的に翌年の何月にこうするということが制度的にきまっておると思うのですよ。これは毎年毎年行なわれている勧告も、スライドの問題については制度化するようにと、つまり法制的な根拠を持っていつになったらこうなるということを年金受給者にははっきりわかるような、そういった体制をとることが望ましいという、こういう勧告が再々なされておりますし、諸外国でも物価、賃金の差はあっても大体制度的になされておる、こういう情勢等を見まして、私どもは一日も早くこれを制度化すべきだ、こう考えているのですが、どうでしょう。
○辻政府委員 諸外国の制度につきましては、午前中もお答え申し上げましたし、ただいま塚田委員からもお示しのあったところでございますけれども、イギリス、アメリカ等では必ずしも自動スライドでございませんで、随時政策的に改定をいたしておるわけでございます。フランスは賃金スライド、スウェーデンは物価スライド、西ドイツは生産力、経済力、国民所得等を総合勘案した調整率で自動スライドしているということでございまして、諸外国必ずしも一様ではございません。 それから、ただいま御指摘のスライドの問題は、かねてから御議論いただいておるところでございますので、政府といたしましても公的年金調整連絡会議その他において鋭意検討いたしたわけでございます。そして民間の年金につきましては、再々申し上げておりますように、厚生年金、国民年金についての物価スライドということで今回御提案を申し上げておるわけでございます。公務員グループにつきましては、いろいろと議論をいたしたわけでございますが、先ほど来御質疑の共済審議会においても御議論をいただいたわけでございますが、本年は結論を得るに至りませんでした。今後も公的年金調整連絡会議あるいは関係の審議会等におきまして他の公的年金制度その他の事情をよく勘案いたしまして慎重に検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○塚田委員 私どもは長期給付の水準を上げるためにすでに四党で改正案を出しております。提案理由の説明があったとおり、二十年以上基本俸給の六〇%に改めるべきだ、しかもそれは退職時の俸給を基準にして六〇%に改めるべきだ、なお二十年をこして一年ごとに、これはまあ政府と同じですが、一・五%の加算をしていくべきだ、こういう改正案を出しております。ここでかりに政府案としても、いまの政府の案は退職前の三年間の平均俸給というものを基礎にして四〇%をかけておるわけですが、公共企業体のほうはどのようになっておりますか、御答弁を願いたいと思います。
○住田政府委員 公企体の場合は退職時の最終俸給が基礎となっております。
○塚田委員 そこで私はそういう面では公企体のほうがずっと進んでおると思うのです、私どもの主張といいますか、あれから言って。ところが、公務員共済は三年間の平均ということになっております。私はいまのような、こういう物価高の現実の情勢を踏んまえても三年間平均ということはやはり合理性がないのじゃないか。この際公共企業体と同様に最終年を基準にして率をかけるという方向に切りかえるべきだと思うのですが、この点について御答弁願いたいと思います。
○辻政府委員 ただいまお尋ねの件につきましては、昨年も当委員会で御指摘をいただいた問題でございまして、私どもも問題は十分承知をいたしておるつもりでございます。確かに御指摘のように、現在、国家公務員共済、地方公務員共済におきましては、年金額算定の基礎になる俸給が退職前三年間の平均の俸給である、公共企業体共済については最終俸給であるという違いがございます。しかし、それはそれなりの理由があるわけでございます。 まず第一は、社会保険でございますので、社会保険はもちろんマル私保険とは違いますけれども、ある程度の、拠出と給付との間に対応関係があることが必要ではなかろうかと思うわけでございます。拠出、つまり掛け金を納めますほうは、公務員になりましてからやめるまでの全期間にわたって掛け金を払い込んでいくわけでございます。それに対して給付のほうを最後の俸給だけできめてよいものだろうかどうだろうか、そういう保険の公平性の観点からの問題が一つございます。 それから第二番目は、社会保険の基本をなしておりますのが何と申しましても厚生年金でございますが、厚生年金の算定の基礎は、御承知のように全期間の平均標準報酬でございますから、会社に入りましてからやめるまでの全期間ということになっております。その均衡というものも考える必要があるわけでございます。 それから、公共企業体との違いの調整につきましては、これも御承知のように、別途退職手当のほうにおきまして公社職員の場合には国家公務員並みに計算した額の九七%とする。三%をそこで差をつけておるというような形で調整をしておるという問題もございます。 そこで、そういういろいろな問題もございますが、確かに同じ共済制度の中で年金額の算定の基礎が違いますということは、私ども必ずしも好ましい問題とは考えておりません。そこで今後とも関係審議会等にもはかりまして十分検討いたしたいと思いますけれども、しかし、その場合でも、繰り返すようで恐縮でございますが、社会保険のたてまえなり、性格、あるいは他の年金制度との均衡、退職手当制度との関連、あるいはまた運用上の問題等もございますし、財源に及ぼす問題もございますので、なかなかむずかしい問題であるということだけは御了解を賜わりたい、かように思うわけでございます。
○塚田委員 先ほども議論がありましたが、やはり年金制度というのはいろいろな分野に分かれてそれぞれ違った形態をとっておる。これもやはり年金制度の一本化ということを進める理由にもなってきていると思うので、その際私どもはやはりできるだけ年金受給者に対してはいい方法をとってやるという意味において、現段階においては年々給与が上がっていることは事実ですから、その意味では、限定された意味ですけれども、それは公共企業体の方法をとるべきだと思う。 そこで、大臣にひとつ御質問いたします。 今度の年金改正で厚生年金の定額部分の引き上げに伴いまして、最低保障についての改正が行なわれております。具体的に申しますと、十五万円から三十万二千四百円に変わっておるわけですが、三十万二千四百円といいますと、これは月二万五千二百円です、十二で割りますと。そこで最低保障というのは、私は少なくともそれで生活を保持するという場合を想定した最低だと私は思います。そこで現実にこれを算定しますと、二万五千二百円、しかも公務員の場合は厚生年金の場合と違って五十五歳が一応定年であり、五十五歳でもらうわけです。つまり五十五歳ということは、具体的に申しますと、六十歳、六十五歳あるいは七十歳の場合と違って、扶養家族がまだたくさんいる、若いということに通ずるのじゃないかと思うのです。 ひとつこれは数字的に示してもらいたいのですが、公務員の年金受給者の扶養家族数というものもひとつ示してもらいたいと思いますが、しかし、いずれにせよ五十五歳ですから、まだまだこれから養わなければならぬ家族もいるし、子供もいる、学校にもあげなければならぬという事態があると思うのですね。それに二万五千二百円、これがはたして最低の保障であるかどうかということは、私どもは非常に疑問だし、全然そういう事態には、現段階においては、現在の経済情勢ではなっていない。一体三十万二千四百円というものはそういう意味で妥当なものと思われるかどうか。これは生活の実態から、実感から大蔵大臣の御答弁を願いたいと思います。
○愛知国務大臣 先ほど申し上げましたように、そういう点を感覚的にとらえてみましてもこれは決して高いとはいえない、低いといわざるを得ないと思いますので、この実態がよりよくなるように逐次改善をはかってまいりたい、こう考えておるわけでございますが、結局これは午前中にも申し上げましたけれども、国民全体でよりよきものを社会連帯的な気持ちでつくり上げていかなければならないし、具体的には財政計画の問題にもなるわけでございますが、そう急に非常に多くを引き上げるということは、それらの点から申しましてもなかなかむずかしい問題であるということは認識していただかなければならないことだと考えます。
○塚田委員 私は大蔵大臣としては少し冷たい答弁だと思うのですよ。とにかく二万五千二百円で〇・八人くらいになりますかね。おそらく一人は必ず扶養者がいる。こういう統計に示されておる実態を考えたときに、端的に言いますと二万五千二百円でやっていけ、こういうことでは実態に即さないのじゃないか。したがって、これはぜひ上げなければならぬ。社会党など四党はこれについて最低四万円、これは四万円といってもむしろ低きに失すると思うのですよ。しかし、少なくともこのくらいは保障しなければならぬという改正案を出しております。国民全体の連帯でとこう言いますが、最低を保障するのに連帯ということよりも、この線は政府の責任でやるんだと言ってこそ初めて社会保障の実をあげることになるのじゃないかと思うのです。最低これまでは国民みんなでやりなさいでは、これはあまりにひどいじゃないかと思うので、ひとつ再度この点の答弁を願いたいと思います。
○愛知国務大臣 基本的にはできるだけ今後とも上げるように積極的な努力をいたしましょうということは、われわれとしても政府として考えておるところでございますことはただいまも申し上げたとおりでございますが、そう急に、かつ負担割合と申しますか、そういう点から考えてみましても、なかなか財政計画の面でも急速にそこまで行けるかどうかということについては正直に申し上げているわけでありますから、認識と努力をいたしますことについては明確にお約束をいたしますけれども、その程度ということについて改正案でお示しいただいておるところは、やはり国全体としての負担区分とかあるいは社会保険全体を通じてのバランスの問題とかいろいろ考えまして、なかなか改正案のようにつくりかえるということをこの際直ちにやれるということは、政府としてはむずかしいことであるということを正直に申し上げているわけでございます。
○塚田委員 これはそうむずかしいことじゃないと思うのです。私どもとしては早急にいま出しておるわれわれの線を勘案して最低限度を上げる、最低保障を上げるというふうに理解したいと思うのです。 そこで、早急にというのは、聞くところによると来年は思い切った減税も含めた政策をやるというふうにも仄聞しておりますので、来年はそういう意味において画期的な年金制度の改革、水準の引き上げをぜひひとつ考えてもらいたい。少なくとも最低限四万円については改正案にぜひひとつ同調するように私から希望しておきたいと思います。 そこで、いろいろな諸年金との関係があると言いましたが、公共企業体は最低保障はないですね。
○住田政府委員 ございません。
○塚田委員 ここにもまたそれぞれの年金制度の凹凸があると思うのですよ。先ほど私は公共企業体について、最終の俸給額を基礎にするとほめたのですけれども、今度はほめられない。この最低保障が逆にない。こういうことでは私はいかぬと思うのですよ。大臣、これは私は三十万二千四百円というのは不満、いけないのですけれども、公共企業体について最低保障がないという事態について一体どう思いますか。これまた大臣の御答弁を願いたい。
○愛知国務大臣 ですから、全体として積極的に、それから午前中にも御意見がございましたが、終局の目標は一本にするということであろうかと思いますけれども、少なくとも各種の共済組合の間にバランスができるだけとれるように、この考え方は政府としても積極的に考えてまいりたい、いろいろくふうをいたしてまいりたいと思います。
○塚田委員 これは問題が前後してたいへん恐縮なんですが、いまのように各種の年金の間にいろいろなアンバランスというのがある。 もう一つ例をあげますと、これはちょっと飛びますが、財源の負担の面なんですよ。国家公務員は、これは国庫負担として長期について一五%国庫負担があります。厚生年金の場合は国庫負担は二〇%。それから農林漁業、私学の場合は一八%。色とりどりなんですね。私はそれなりにやはり長い歴史的な事情があったと思いますが、いつまでもこういう負担率の格差を残しておくことはいけないんじゃないか。ぜひ少なくとも厚生年金並みの二〇%、これは現在直ちに全共済年金についてとるべきじゃないか、こう考えるのですが、大蔵大臣はどう思いますか。
○愛知国務大臣 これも結局いまもお話しのとおり、各種年金がいろいろの経緯その他によりまして、一口にいえばばらばらである結果がこうなっておるので、たとえば厚生年金に対する国庫負担はなるほど二〇%でありますけれども、国家公務員共済のほうは給付水準がそれよりもずっと高いわけでございます。そういう関係から、厚生年金同様に二〇%にいたしますとバランスがくずれるわけでありまして、その他でもたとえば農林それから私学、こうした共済は一八%である。国の共済は一五、厚年が二〇、こういうふうにばらばらでございますのはもう御指摘のとおりでありますが、いま申し上げましたような事情、それからただいまもいろいろ御意見を承りましたが、共済の場合は退職前三年間の平均俸給であるし、厚生年金のほうは加入期間の全体の平均標準であるというような基準が違いますし、それから年金の支給を開始する年齢も違うわけで、共済は五十五歳、厚生は六十歳というふうな差異がございますので、給付の水準その他とあわせ考えますと、補助率を一律にしますと均衡が失するわけでございますから、これらの点を総合的に現状においては勘案いたしましてバランスがとれるようにするということになると、こうした補助率がむしろ現状においてはばらばらであらねばならないというふうな結論にならざるを得ないわけでありますが、これらの点は、ですから将来の問題として全体的に整合性ができるように、これは多少の時日はかかりましょうけれども、前向きに検討していかなければならない問題がある、かように存ずる次第でございます。
○塚田委員 たとえば厚生と国家公務員共済の場合。あるいは地方公務員でも同じでございますけれども、片方は一五%、片方は二〇%。そこでいま大臣いろいろ答弁されたけれども、二〇%と一五%、それぞれ見合うのだ、いろいろな要素が違うのだから、結局財源についてもこういう負担割合になるのだ、たとえば厚生年金二〇%は、年金の出来高に対する二〇%だ、片方の一五%は、これは財源計算上一五%の負担をするのだ、こういうやり方で見合うと言う。その見合う具体的な資料は一体あるのですか。一体どこで見合うのですか。これは幾ら要求してもこの資料はなかなか来ないのですね。こうこうこうだから具体的にこれだけの国庫負担で見合うんだという、具体的な資料を私はいただきたいと思うのですが、その前にひとつ、これはどういうことなのか、見解を承りたいと思います。
○辻政府委員 厚生年金と共済年金とで国庫補助率に差がございますのは、ただいま大臣からお答え申し上げたとおりでございまして、要するに給付水準の差を加味したわけでございます。どのくらい給付水準が違うかと申しますと、今回厚生年金は大幅な改正をお願いしておりまして、約五万円になるわけでございますが、それに見合う国家公務員共済組合の年金の水準といたしましては大体六万四千円程度になるわけでございます。 それからもう一つ、これも大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、年金を受ける年齢が違ってまいりまして、共済の場合には五十五歳から、厚年の場合には六十歳からでございます。 そこで、簡単な例をあげて御説明申し上げますと、たとえば七十五歳まで生きると仮定いたしますと、共済年金の場合には二十年間受給できるわけでございますが、厚生年金の場合には十五年間しか受給できないというようなことになってまいります。そこで毎月もらう年金額ともらう期間と、それぞれ共済のほうが有利でございますので、それらをひっくるめまして、全体としての給付の水準がどのくらい違うかという計算をいたしますと、大体、共済年金を一〇〇といたしますと厚生年金の水準は、今回の改正後で六割ないし七割という計算になってまいります。そこで、大臣からお答え申しましたように、同じ補助率ではかえって均衡を失するので、一五%、二〇%というふうに差を設けているわけでございます。
○塚田委員 そこで、財源の計算に話がきていますが、いわゆる財源率といいますか掛け金率といいますか、国家公務員の場合、四十八年度の見込みでどのくらいになりますか。
○辻政府委員 現在長期の財源率は千分の百五でございまして、それを国と共済組合員とで負担を分けているわけでございますが、共済組合員のほうの掛け金率は千分の四十四でございます。
○塚田委員 そこで、掛け金額はどのくらいになりますか。
○辻政府委員 ただいまちょっと正確な資料を出しますが、いま平均の本俸が大体八万円ぐらいでございますので、それでありますと、千分の四十四をかけますと、三千五百円程度でございます。
○塚田委員 そこで、おそらくこれは資料があると思いますからちょっとお聞きしたいのです。これはあとの積み立て方式から賦課方式へ移るといいますか、それとの比較において、われわれ参考にしなければならぬのでお聞きしたいと思いますが、昭和四十七年度の俸給の推定総額はどのくらいですか。 それから、一緒に聞きますが、四十七年度の給付金額の全額。
○辻政府委員 俸給の総額は九百十三億三千三百万円、四十七年度の年金の給付総額は七百八億一千九百万でございます。
○塚田委員 そうしますと財源率はどのくらいになるのですか。
○辻政府委員 現在の財源率は、先ほどお答え申し上げましたように、千分の百五ということになっております。
○塚田委員 現実の四十七年度のは、つまり財源率というのは 四十七年度の財源率は幾らになりますか。実績がこういうふうに出ているのだから、割ったらいいでしょう。
○辻政府委員 つまり、現在のところは千分の百五という財源率をきめておりますので、そのうち国が負担いたします分、それから共済組合員の負担いたします分ということで、掛け金なり負担金なりを取っているわけでございます。それに見合ってまた支出のほうは、先ほど申し上げた額が出ている。しかし、積み立て方式をとっておりますから、当然その収入と支出の差額というものは積み立て金として累積していく、こういうことになっておるわけでございます。
○塚田委員 四十七年度の俸給総額が出て、それから給付金額が出て、それで財源率がわからぬのはおかしいんじゃありませんか。
○辻政府委員 年金の財政方式に関係することになりますが、年金は長期にわたって財政を安定させるということでございますので、単年度の給付を単年度の収入でまかなうという方式をただいまのところとっておりませんので、ただいま申し上げたような結果になっておるわけでございます。
○塚田委員 こういうことになるから、私ども——いまいろいろいわれておる賦課がいいのか、あるいは準賦課といいますか、あるいは積み立てがいいのかという、いろいろ判断の資料が、これじゃ何も出てこないわけですよ。推定は出るでしょう。
○辻政府委員 四十七年度で申しますと、収入額の合計が二千二十三億円でございまして、支出額はただいま申し上げたとおりでございますが、端数を上げますと七百九億円、準備金の繰り入れ額がその差額でございますから千三百十四億円、年度末の積み立て金が九千二百十三億円ということに相なっておるわけでございます。
○塚田委員 私の聞いているのは、掛け金率というものは、たとえば千分の百五というのは、給料千円で百五円を負担しますよということでしょう。いま総額が出ているのだから、財源率出ないはずないですよ、掛け金率は。
○辻政府委員 ただいまのお尋ねは、つまり単年度の収支が見合うように賦課方式でやったらどうなるかという御質問であろうかと思いますが、そういたしますと、ただいま計算をいたしますが、そういう前提に立って計算をいたしますならば、当然財源率は低くなるわけでございます。整理資源分を考えないで計算をいたしますと、千分の二十五程度になろうかと思います。整理資源を考慮に入れますと、千分の七十程度になります。
○塚田委員 それは恩給部分を含めて……。
○辻政府委員 さようでございます。
○塚田委員 大体千分の七十でおさまるということですね。——こういう財源率、たとえばいまは千分の百五ですが、いまのような物価変動の激しいときに積み立て方式で積み立てた積み立て金は、年々減価していくわけですね、物価が上がりますから。しかも、いま財源率を見ますと千分の七十でおさまるということになれば、私どもはむしろ効率的な使い方として賦課方式に移行したほうがいいのではないか、こう思うのですが、どうでしょうか。
○辻政府委員 確かに現在は受給者の数が少のうございますから、賦課方式に切りかえますと掛け金率、財源率の下がってくるのは当然でございます。しかし、御提案のようにかりに三年ごとの賦課方式ということで計算をいたしてみますと、現在のところは掛け金負担金が少なくて済みますが、将来、大体三十年から先になってまいりますと、現在の財源率の三倍という計算になってまいります。三百三十ということですので、長期にわたります年金財政の健全性を確保する、あるいはまた世代間の負担の公平をはかるという見地から申しますと、やはり積み立て方式でいかざるを得ないのじゃないだろうかというふうに思っております。
○塚田委員 三十年後の話が出ましたが、それじゃ三十年後になりましたら、一体金の価値といいますか、物価の値上がりはどのくらいになるのか。つまり、いま積み立てておる金は一体どのくらい減価されるのか、どのくらい価値がなくなるのかという議論にも私は発展しかねないし、そういうことにもなってしまうのですよ。だから、そういう点を総合勘案した場合に、一ぺんに賦課方式に行けないという事情があるならば、修正的な賦課方式を、しかも国庫の負担をこれは相当思い切って将来に向けてあれしなければならぬということになりますが、その点を勘案して、私は賦課方式のほうが非常に合理的だ、こう思うのですが、大臣どうでしょうか。
○愛知国務大臣 これはいま辻政府委員から申し上げましたように、現在を考えますと賦課方式のほうがよろしいということになろうと思うのです。しかしやはり、金の価値が下落するということも含めまして、そうしますと将来どうしても国の負担というものが多くなるか、あるいは掛け金の額が非常に多くならざるを得ない。その配分の問題になると思いますけれども、やはり社会保険制度というもののあり方からいえば、どうしてもこれは掛け金が高くならざるを得ない。こういうことを考えますと、にわかに賦課方式あるいは修正賦課方式にいま移行することがいいかなという点はほんとうに真剣に考えざるを得ない。現在のところではむしろ、ことばは変ですけれども、修正積み立て方式というくらいの考え方で改善をはかっていきたいと、私はまあ私見でございますけれども、二カ月ほど前の当委員会でも申し上げたことがあるわけでございまして、改善ということはぜひはかっていきたいけれども、直ちに賦課方式あるいはそれに近いものにするのにはなかなか踏み切りができないところである、かように思います。しかし、いろいろの御意見が出ておりますから、政府としても謙虚にそういった御意見を取り入れて、さらに将来によりよき形ができるようにいたしたいという気持ちだけは十分持っておる次第でございます。
○塚田委員 そこで、現在積み立て方式をとっておるのですが、この積み立て方式で問題なのは、やはり不足責任準備金の問題が大きな問題になってくると思うのです。不足責任準備金の算定の基礎で、いろいろな要素を加味しなければなりませんが、大体法律等のあれを勘案すると、脱退率や残存率、あるいは死亡率、廃疾率あるいは平均余命率、こういったものがずっと要素として加わってくるわけです。まあそのほかに昇給の率があるでしょうし、また積み立て金の運用利子、五分五厘ですかでやっている、この運用利率が算定されることになろうかと思います。 ここでやはり問題になってくるのは、この不足責任準備金の中で、定期昇給分はそれで見込んでおるけれども、ベースアップ分ですね、つまり定期に昇給するのではなくて、経済の変動に伴って給料を上げるというベースアップ分が考慮されておらないということと、平均寿命が統計上やはり年々延びてきておると見ざるを得ません。こういう点は一体どう考えるのか。そしてもう一つ、そのベースアップ分による積み立て金の不足額というのは現段階で大体どのくらいと計算されておるか、それから脱退者の推定違いによる不足額はどのくらいか、御答弁願いたいと思います。
○辻政府委員 御指摘のように、ただいま積み立て方式をとっておりますので、例年お願いを申し上げておりますような年金改定をさせていただきますと、その分の金は過去に積んでございませんので不足が生じてまいります。また、ただいまお話しのように、ベースアップは保険計算に織り込んでおりませんので、給与の改定がございますとその分はやはり不足になってまいります。そのほか、今回も多少お願いいたしておりますが、遺族年金の受給資格の要件をゆるめていただくというような給付の改善をやらせていただきますと、その分も過去に積んでおりませんので不足が生ずるわけでございます。 このような積み立て金の不足額が幾らあるかというお尋ねでございますが、新法施行後の期間の分につきまして四十四年に再計算をいたしたときの数字でございますと、約九百億円程度でございます。しかしその後も給与改善あるいはまた給付の改善、年金額の引き上げを行なっていただいておりますので、さらに過去勤務債務がふえていっておるものというふうに考えます。 なお、ただいまもお話がございましたように、年金の計算の基礎、保険経理の基礎は、脱退率なりあるいはまた受給者の失権率と申しますか、まあ平均余命でございますとかそれから俸給の指数、つまり昇給率でございますとか予定利回りというようなもので構成をいたしておりますので、それを最新のデータに当てはめまして、四十九年度、来年度再計算をいたすわけでございます。そのもとのデータの変動によっても変わってまいります。いずれにいたしましても、不足額がどのくらいあるかにつきましては、次回の再計算期でございます四十九年の十月に計算をいたして、額を確定いたしたいと考えておるわけでございます。
○塚田委員 四十四年の段階で九百億の不足、五年ごとの改定ですから、四十九年十月ですが、もうすでに四十八年、ばく大な不足額があると思うのです。だから、いま政府のとっておる現行の積み立て方式を是認する立場に立っても、これだけばく大な不足額がある。この不足額をどういうふうにして解消する、あるいは解消する検討を進めておるのかどうか、御答弁願いたい。
○辻政府委員 こういう過去勤務債務の処理をどうするかというのは、一つの問題であるわけでございますが、現在、共済年金でとっております方法といたしましては、資産の有利運用によりまして利差益が生ずるわけでございます。予定利回りを五分五厘で見込んでおりますけれども、実際の運用におきましては六分五厘あるいはそれを上回る程度の運用がなされておりますので、その分だけ利益が生ずるわけでございます。それをこの過去勤務債務の償却に充当するという考え方で前回の再計算のときには処理をいたしたわけでございますが、次回の再計算のときにどういたしますか、またその時点で計算をいたしまして検討したい、かように考えております。
○塚田委員 公共企業体、特に国鉄でもいいですが、一体どのくらいの不足額が生じているか。
○住田政府委員 国鉄共済組合の過去勤務債務の総額でございますが、四十六年度末におきまして二兆一千三百六十四億という額になっております。
○塚田委員 そこで、いま運用の利子の問題、五分五厘、実際は六分五厘ぐらいで運用されておる、こう理解してよろしいですか。
○辻政府委員 そのとおりでございます。
○塚田委員 そうすると、各年度の予算ですね、この利子及び配当金というのは、五分五厘を基礎にした予算であるかどうか、あるいは利子の実勢をそのまま横すべりさしているのかどうか、御答弁願いたいと思います。
○辻政府委員 実際の運用いたしました利益で見ているわけでございます。
○塚田委員 それでは次にまいりたいと思いますが、短期のほうについて若干御質問をいたします。 短期給付は、長期と違ってフィフティー・フィフティー、全く国庫の負担がないわけです。この短期給付は、組合員については十割、家族については五割という計算になっておりますが、実際上はいろいろ給付の対象にならないものがある。しかし近代医学にかかるということになれば、金の支出が伴うという事態が現実だと思うのですが、そのほかに初診料二百円、入院については六十円ですか取られるわけですね。そういうこととか、ちょっと手術をするとこれはもう給付外、あるいは高価な薬品を与えるとこれもまた給付外、現実の看護婦不足の中で付き添いを雇うといえばこれも給付外、あるいはまた医者のすすめによってどうしても個室で治療しなければならぬという場合、これはばく大な金が取られます。差額を取られるわけですよ。こういうふうにして、十割とはいっておりますけれども、実際は六割とか、よくて七割という現実なんです。この実態について大臣は御存じだろうと思いますが、どのようにお考えになっておるか、御答弁願いたいと思います。
○辻政府委員 ただいまの医療の給付でございますけれども、国家公務員共済組合の場合、本人は原則として十割給付でございます、一部に一部負担がございますが。家族の場合には五割給付でございますけれども、別途付加給付という制度がございましてプラスアルファの給付が行なわれるようになっております。したがいまして、政府管掌の健康保険よりは給付のレベルが高くなっているわけでございます。 なお、差額ベッド等の御指摘がございましたが、これは医療保険制度全般の問題でございまして、共済だけの問題ではございませんけれども、本人の特殊な希望等によりまして個室に入るというような場合は、これをすべて保険で処理するというのはなかなかむずかしいのではなかろうかと思っております。
○塚田委員 本人は十割、家族は五割、しかし実際は付加給付をやっている。結局保険制度の短期給付の不足を付加給付で補っておるという実態は私は変則だと思うのですよ。だから、特に国民健康保険の場合は家族給付は確かに七割ですね。短期の場合は五割。このように差があるわけです。そういう家族給付について非常に低い給付、あるいはまた国保との間に差がある、こういう事態はすみやかに是正されなければならぬ、こう思うのですが、どうでしょうか。
○辻政府委員 国民健康保険の場合には、世帯主も世帯員も通じて七割でございます。つまり家族に当たる者も七割で、本人に当たる者も七割ということに相なっておるわけでございます。 それから、別途御提案申し上げております健康保険法の改正におきましては、御承知いただいておりますように、この家族の五割の給付割合を六割に上げる。さらにその上に高額医療費の支給ということを御提案申し上げておるわけでございますが、共済組合の制度におきましても同様な措置をとる考えでございまして、健康保険法の付則でその改正を盛り込んで御提案を申し上げております。
○塚田委員 最後に、先ほどの私どもの委員の質問の一番当初の問題に戻りますが、いろいろ年金があります。所管はそれぞれ公企体については運輸省が窓口、国家公務員については大蔵省、その他それぞれ所管があるわけです。私はこの国家公務員の共済についての取り扱いといいますか、扱うのは、その他の共済を扱っておる諸官庁の例にならって、いまの国の機構の中では、大蔵省が所管するのは間違いといっては何ですが、適当ではなくて、むしろこれは国家公務員の給与の関係、その他を扱っておる総理府で所管すべきものではないか、私は過去の歴史的な経過は知っております、恩給からずっと流れてきておるのですから、しかし、もうそういう事態ではないので、これは当然総理府が扱うべき性質のものだ、こう思うのですが、大蔵大臣どうでしょうか。
○愛知国務大臣 ただいまも御指摘がございましたように、沿革的に旧法ができた昭和二十三年以来大蔵省が所管しているわけでございますが、これはいわゆる所管官庁としての大蔵省の立場でやっておるのであって、財政総括責任省としての大蔵省の立場とは違うわけでございますが、旧法施行以来ずっとやっておりまして、所管省として別段不自然なこともなく、また摩擦もなかったように思われますから、ただいまこの所管を変えるということは政府としては考えておりません。
○塚田委員 所管庁としてやっておる、財政運営の庁じゃないのだ。ところがこれがとかく混同といいますか、対外的には誤解を与えているわけです。それは年金積み立て金が資金運用部資金に大きく繰り入れられる、預託される、こういう問題等をめぐっていろいろな問題も出てきておるやに聞いておりますので、むしろこの際所管庁としては先ほど私が言ったとおりすっきりと総理府なら総理府にやる、財政運営というのはもちろんこれは大蔵省のやるべき仕事ですから、これはこれでいいと思うのです。少なくともその窓口、所管というものは総理府に移管すべきじゃないか、こう思うのですが、どうでしょうか。
○愛知国務大臣 年金の問題、あるいは積み立て金の問題についてよく所管の問題が議論されることはございますが、資金運用部で運用するということのために一般的に年金制度について賦課方式に反対しているというようなふうにとられますことはたいへん大蔵省としては不本意でございまして、そういったような制度が改善されます時期になれば、積み立て金の運用をしたいがために大蔵省が握っておるということは全然ございませんからそういったような際におきましては、私たち制度全体の改正というようなことの場合には、十分考えてしかるべき問題だと思いますが、現在は特別にその必要も認めていないし、またそういったようなふうにお考えいただくことについては、さようなことはございませんから、またこれを事実の上にもはっきりあらわしていくようにいたしたい、かように存じます。
○塚田委員 終わります。
○木村(武千代)委員長代理 増本一彦君。
○増本委員 共産党・革新共同の増本です。 私たちは年金にスライド制を導入して年金だけで生活のできる保障をすべきである、こういうように第一に考えているわけでありますけれども、現在の国家公務員共済組合年金の受給者の状況を見ますと、昭和四十六年の平均年金支給額は退職年金で三十八万一千二百七十二円、こういうぐあいになっているわけであります。それ以降の若干の引き上げを勘案しましても、今日の状態では年金で生活ができないというのは感覚的には大臣もお認めになっているところでありますけれども、先ほど政府側で紹介のあった四十七年で六万四千円というお話も、結局五万円年金をこちらにスライドした場合にどうなるかという趣旨であって、年金の平均受給額はそれよりずっと下回っているということも明らかであろうというように思うわけです。 そこでまず、この法案を考えるにあたって、大臣として今後この共済組合年金について、生活できる年金への接近の方角についてひとつ所見を伺いたいというように思います。
○愛知国務大臣 先ほど来申しておりますように、感覚的に低いということを率直に申し上げておるわけでありますから、当然これが充実し、増額がされるように政策としても考えてまいりたい、こう思っておるわけであります。そのあらわれといたしまして、今年の場合におきましても四十六年、四十七年の二年分の国家公務員の給与の引き上げの率をあわせて二三・四%の引き上げをいたしたということもその姿勢のあらわれでございまして、そういうふうに御理解をいただきたい。また今後におきましても十分前向きに検討いたしたい、こう思うわけであります。
○増本委員 先ほど来質問者から引用されています昭和四十二年六月二十一日付の社会保障制度審議会の申し入れによりますと、この各種年金は「その根底に生活保障的な意味をもつ。」ということを直言しているわけであります。そしてこの申し入れに基づいて公的年金制度調整連絡会議が発足をして、昭和四十六年の一月二十日に中間取りまとめが出されましたけれども、この論旨でいきますと、共済組合年金、特に国家公務員年金については恩給との関係が一つはブレーキになって社会保障的なあるいは生活保障的な側面というものをかえって打ち消すようなそういう傾向が出ているし、先ほど来の政府の答弁によりましても、この恩給との関係からいうと、生活保障的な面がやはり薄らいでくる、あるいは全くそれを否定する論理として使われているというような懸念が私は非常にするわけであります。しかし、この中間取りまとめ、四十六年一月二十日の公的年金の連絡会議の中でも、各種共済組合については恩給との関係について再検討する必要があるということを検討にあたっての具体的な留意点として掲げているわけでございます。すでに四十二年の六月以降六年を経過していますし、また中間取りまとめ以降の方向が明確にされていません。 そこで所管の大臣と、それから公企体関係については政務次官にお伺いしたいのですが、この中間取りまとめで恩給との関係について再検討するという方向が出ている点を踏まえて、今後この恩給と共済年金との関係についてどういう方向でどういうように調整し、しかもその年金としての実質的な価値の維持の調整をはかっていこうとされるか。まずその基本的な方向を明確にしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 沿革的、歴史的に申しますと、確かに恩給というものを制度的に切りかえたという点がいろいろの場合に一つの論点になっておりましたこと、あるいは今後も考えるべき問題点であることは私もお話のとおりだと思います。それにはいろいろの面がございますが、先ほどもちょっと触れましたが、たとえば恩給からの引き続きということがある関係で、財源的な措置を考える場合でも既得権あるいは期待権といったようなところに留意しなければならないというようなまた別個の一面もあるわけでございますけれども、しかし受給者のこれからの姿その他から考えれば、やはり他の社会福祉といいますか社会保険的な考え方にこれは移行していく、そのほうに比重が多くなる、それが当然の成り行きでありますから、そういう点に立脚して今後の改善策を考えていきたい、こういうふうに考えております。
○増本委員 毎年国家公務員の共済年金法そのものを改正し、そして生活保障としての側面を一〇〇%保証していくという方向でこの年金問題を考えていくべきであるという意見は主張されていますけれども、政府のほうでは相も変わらず恩給法の改定に従ってこの年金の引き上げを考えていくというこういうやり方で、いつまでたっても古くからの恩給概念のしっぽをきちんと切っていくということをしていないわけであります。いま大臣も生活保障的な側面を今後の受給者の実態から考えてやっていこうというお話でありますが、それならばひとつ本法である年金法に戻ってその年金法の根本的な改正をはかり、その本法に基づいて常に年金受給者の生活維持をはかっていけるようなやり方に変えるべきであるというように思いますけれども、その点についてはいかがでしょう。
○愛知国務大臣 これは先ほども申しましたように、歴史的あるいは沿革的な背景もありますし、受給者の立場ということもございますから、そういう点を一挙に抜本的に改正するということはなかなかむずかしいのじゃないかと思います。 それからもう一つは、なるほど共済年金の額の引き上げにいたしましても、恩給に追随した考え方をいつまでも残滓として残しているではないかという点も、見方によれば確かにそうかもしれませんけれども、同時に年金額の額をふやしたいということからいって、いろいろと先ほども経緯の説明がありましたけれども、審議会等の御答申というものも具体的に得られなかったような関係もあって、やはりこれは公務員給与ベースの引き上げをよりどころにして、かつ二年分をここに持ってくるということが今年度においては最も適切で、また非常にわかりやすい。そして政府の意図として引き上げたいという気持ちにもこれが合致するものでありますから、今回の場合にはこういう方式をとったわけでございます。しかし同時に、先ほど申し上げましたように、将来の問題としては、まず年金制度自体をできるだけ一本にしたいというような考え方も一方にあるくらいでございますから、いわんやただいま御指摘の問題についても、将来の姿としてはできるだけ一本の目的に沿うように全体の姿を改善していくことは望ましいことである、どういうふうに考えております。
○増本委員 国家公務員共済組合法にも、第一条で「国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与する」ということをその目的にしていますし、これは憲法二十五条を引用するまでもないことでありまして、ぜひ恩給というような恩恵的な立場で生活保障を二次的に考えたり、あるいはそれを全く軽視するようなそういう発想の根拠になるようなやり方は今後は根本的に改善していくようにしていただきたいと思います。そういう点で今日年金の支給率が四〇%ということが一つの基準になっておりますし、それから先ほど来指摘されているように、国家公務員共済組合の年金、それから地方公務員の共済年金、いずれも退職前三年間の平均報酬をもってその計算の基準とするというやり方がとられておる。この辺も実は来年度以降やはり公企体並みに退職時の報酬というぐあいにはっきりと改めるべきであるというように考えますが、その点についての大臣の所見はいかがでしょう。
○愛知国務大臣 この点については、先ほども辻次長から詳しく御説明いたしましたように、これは諸制度が沿革的にばらばらになっておりますから、できるだけ一本にするような方向で考えたいと思いますけれども、それらの点が実は四党の御提案と考え方が率直に言って違う点でございまして、いま直ちに一律に、あるいは来年度はそういたしますということをお約束するまでにまだ考えが政府としては割り切れておりませんことを率直に申し上げ、なお政府としても十分研究はいたしたいということをあわせて申し上げるにとどめたいと思います。
○増本委員 辻次長にちょっとお伺いしますけれども、退職時の俸給で計算する場合と、それから退職前三カ年の平均報酬で計算する場合と、年金の受給額においてどのくらいの開きがあるか計算なすったことございますか。
○辻政府委員 これはベースアップの率をどのくらいと置くかということによって違ってまいると思いますが、財源の問題で申しますと、三年平均から最終俸給にかりに直すといたしますと、財源に及ぼす影響は千分の四程度と推定しております。
○増本委員 私が若干試算したところで見ますと、四十七年十一月末に公務員として二十年勤続して五等級六号俸、これはことしの四月一日昇給で退職した人の場合でも、三年平均の場合だと約四万円、年金としての開きが出てくるというようになるのです。これは生活保障の方向に持っていく、そういうように政府自身がおっしゃっても、結果としては生活保障でないということは明らかだと思うのです。ですから、具体的にいまそういう点についての試算をされてないということでありますけれども、現に年金受給者について、ひとつ一般的な公務員であった人で一体どの程度の開きが出てくるのかということの実態をまず把握されて、そうして、その不利益というのが非常に大きいことはいまの例を見ても明らかですから、ひとつこの点は公企体並みに直ちにするという、そういう方向で検討をしていただきたいというふうに強く要求したいと思うのです。 一体政府のほうでは、年金生活者について退職後どういう生活実態にあるかということを調査されたことがございますか。
○辻政府委員 共済年金の受給者について特に調査をいたしたということはございませんが、四十八年度人事院のほうで退職者の生活実態ということで調査を予定いたしております。
○増本委員 年金受給者の生活の実態も十分にお調べにならないで、それで年金の計算というものはできないと私は思うのです。大体政策の方向が現実を踏まえているかどうかという点で、この問題はきわめて重要だと思うのですね。皆さん方だって将来年金を受けて、それで生活をしなければならない立場に立つわけでしょう。 私の手元に全税関労働組合の神戸支部の人たちが、仲間の人たちの退職後の生活についてアンケートをとった実態がありますけれども、この人たちの生活で見てみますと、退職後病気にかかった人というのが六七%、医療費に困っているという人が四〇%、退職後の生活実感が非常に苦しいという人が一二%、やりくりがたいへんという人が二七%、苦しいけれども何とかやりくりをしているという人が三六%、こういう状態になっているわけですね。こういう実態を踏まえてみますと、年金だけでは生活ができないので、現在自分で働いているという人が七三%、子供の援助を受けているといろ人が九%、家族の援助を受けている、これが六%。そうして今後年金をどうしたらいいかという問いに対しては、物価にスライドしてくれという人が三七%、賃金にスライドせよというのが二九%、生活できる年金がほしいといっている人が三三%いるわけです。こういう生活の実態をやはり現実のものとして受け取って、いままで長い間国民のために働いてきた人たちがどういう生活環境に置かれているのかということについてまできちんと実態を把握し、あたたかい手を差し伸べるというのは、これはもう当然のことだというふうに私は思うわけですね。 それで、大臣にお伺いしたいのですが、いまのように年金受給者の状態についても政府は実態をなかなか把握されておられない。これでは今後この年金を大臣がいかように生活保障の側面を強くして改善していくということをおっしゃっても、やはり実態との乖離(は避けられないと思うのですが、十分に実態の把握を進められ、そうして改善されるように私は要求したいと思いますが、いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 これはまことにごもっともな御指摘でありまして、実はそういう点がおくれておったということを反省いたしまして、四十八年度の予算の編成のときに、正確な数字はちょっと私、ここでは記憶いたしておりませんが、人事院にもお願いをして、予算をつけて、そうして国家公務員の退職後の状況を調査することにいたしておるわけで、この点はただいま辻次長から申し上げたとおりでございます。私としても、特にこういう点の調査には行き届いたやり方をいたすべきである、たいへん従来はそういう点に欠陥があったということの反省の上に立ってこれからひとつ十分気をつけてまいりたいと思います。またそういうことがなければ、今後の政策の樹立の上にも支障があるということは御指摘のとおりと思います。
○増本委員 そこで、この年金の問題で、生活できるという年金で非常に大事なのは、最低保障額をどのようにきめるかという問題であると思うのです。この点については、もう先ほど来皆さんが主張しておるように、年四十八万円、月四万円にすべきであるというのが私たちの主張であり、要求でありますけれども、まず公共企業体については、先ほど来の指摘のように最低保障額がきめられていません。これは私ははっきりと国家公務員や地方公務員の共済年金と同じように明確にきめるべきであるというように思いますが、今後の政策方向ですので、ひとつ運輸政務次官から御意見を伺いたいと思います。
○佐藤(文)政府委員 御承知のとおりに専売、国鉄、電電、この三つの共済組合がありまして、それぞれ運営審議会がございます。そこで緊密な連絡をとりながらそういう問題について検討を加えております。今後とも前向きに取り組んでいきたいと思っております。ただ公的年金制度調整連絡会議もございますので、制度面その他の調整もそこで十分やっていきたいということ。それからさらに社会保障制度審議会にも意見を各大臣から十分に徴しまして、こういう問題についても考えていきたい、こういうぐあいに思っておる次第でございます。
○増本委員 公企体の点では国鉄の共済組合が何といっても一番大きな比重を持っていますし、皆さんのほうでその気になれば、これはできると思うのです。ひとつ来年度以降この点で国公並みに足並みをそろえるという方向でお願いしたいのですが、その点はいかがですか。
○佐藤(文)政府委員 来年すぐそういう方向にいきますという御返答はここでできません。しかし、そういうことも入れまして、生活保障的な、先ほど大蔵大臣が申し上げましたような方向に向かって検討を加えていきたい、こういうぐあいに考えております。
○増本委員 そこで、最低保障額ですが、ことしの十月から三十万二千四百円ということになるわけですけれども、これ自身がきわめて低いということは大臣もおっしゃったとおりです。人事院の標準生計費をとりましても、平均すれば三十七万五千八百四十円ですし、独身者の場合でも三十二万一千六百円ということになっているわけです。生活保護の世帯で見ますと、六十歳から六十四歳の夫婦の場合で、年額三十八万九千七百四十円、六十五歳以上夫婦で三十九万九千二百二十円、こう見ますと人事院の標準生計費よりも低いし、なおかつ生活保護世帯の生活保護費よりもさらに低い、こういう現実であるわけですね。政府側のほうは四十六年の十五万円から二倍以上引き上げたということでありましょうけれども、これはやはり生活実態をきちっと調査をし、把握をしていない結果、こういうきわめて冷たい結果になっているのだというように思うわけです。こういう点についてもほかの諸関係とも勘案してやはり十分な善処をすべきであるというように思いますが、この点で所管大臣としての御見解をひとつ伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 先ほど来申し上げておりますことにつけ加えることはないのでありますが、ひとつできればそういう方向に向かって検討を進めたいと思います。同時に、これは何べんも申しますように、いろいろの制度がばらばらになっておりますから、全体をよりよくしたいわけです、われわれといたしましては。そういたしますと結局財政計画の問題になり、そして結局四党の方々は賦課方式ということに移行されるような御提案なんでございますが、そこに触れるわけで、結局財政計画とそれからいずれにしてもこれを拡充すればその財源は税金によるのか、掛け金によるのかということでございますから、その辺のところにつきましても国民的な考え方というものを十分ひとつ分析しながら、掌握しながら前進するようにしてまいりたい、こう考えております。
○増本委員 この点は、国際的な基盤である世界人権宣言でも十分な生活水準を保持する権利を世界のすべての人々に保障するということをいっておりますし、英国の社会保障の基本となったビバリッジの原則でも第一に最低生活を保障するということをうたっているのでありまして、ほんとうに日本がこの面で国際水準からきわめて低位であるこの事態も十分に直視をして、善処をしていただきたいというように考えます。 次の問題に移りたいと思います。これは、私たちは今回の改正の問題でも、遺族年金の給付条件を緩和して、掛け金の掛け捨てをなくすようにしなければならないというように考えるわけですが、その点で、今回は遺族一時金をなくして、一年以上のものについて年金を支給するというようになっていますけれども、統計上見ましても、退職して一年未満の死亡者の割合が非常に多いわけですね。四十五年をとりましても六・八%ということになっています。ですから、ほんとうに遺族年金の給付条件を緩和するということであるならば、少なくとも六カ月ということを基準にすべきであるというように思うのです。これは厚生年金は六カ月ということになっていますし、なぜ一年というぐあいにしたのか。私は当然六カ月というようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○辻政府委員 ただいま御指摘のように、現在の制度でございますと公務員の遺族年金は、公務員として十年間つとめていないと支給されないようになっておるわけでございますが、他の社会保険制度に比べましても均衡上問題がございますので、今回御提案申し上げておりますように、一年以上の期間があれば年金を受給できるように改正さしていただきたいと思っておるわけでございます。 そこでお尋ねのなぜ六カ月にしないのかという問題でございますが、現在共済年金におきます他の公務外の事由による長期給付の最短受給資格期間というのが一年ということになっておりますので、それとバランスをとりまして一年ということにいたしたいと考えておるわけでございます。
○増本委員 大臣、身をすり減らして長年勤続をして仕事をやってきた人が、一年未満になくなられるというのが、先ほど話しましたように四十五年でも六・八%というぐあいになっているわけですね。ですから、こういう人たちにも、あとの遺族の生活保障ができるような手だてをすべきであると私は思うのですが、これは小さな改正だけれども、しかしその及ぼす結果というのは非常に大きいというように思いますので、その点についてのひとつ御所見をいただきたいと思います。
○辻政府委員 ただいまお尋ねの問題は、公務員が退職をいたしまして、退職年金を受給するようになってから六カ月で死亡したという場合でございます。とすれば……
○増本委員 違う。
○辻政府委員 それならば遺族年金の受給資格はあるわけであります。先ほど私が御説明いたしましたのは、公務員になりましてから一年以上たちまして死亡いたしました場合には、遺族年金を受給できるようにしようという改正の趣旨を申し上げたわけでございます。
○増本委員 いやいや、ぼくが言い方を間違えた。ごめんなさい。在職一年未満というのです。失礼いたしました。それじゃけっこうです。 そこで次の問題ですが、遺族年金の中で、遺族の所得制限、特に配偶者についてですが、これが今日三十一万七千五百円ということになっているわけですね。これは私は非常に問題だというように思うのですよ。この点について、当然これは改善されなければならないというように思いますけれども、いかがでしょう。
○辻政府委員 一般的に申しまして、遺族については生計維持要件というものがございますが、その生計維持要件を具体的にどういうふうに判定するかという場合に、ただいまお示しのような年間の収入が三十一万七千五百円というところで一応の線を引いているわけでございます。これは所得税法上の扶養親族にかかわる所得金額の制限の例を参酌をいたしまして、このような認定基準を設けているわけでございます。所得税法の改正によりまして、給与収入の最高限度額の金額が上がりますならば、またそういう点を勘案いたしまして、基準の引き上げを検討いたしたいと思っておるわけでございます。 次に、配偶者の場合でございますけれども、配偶者の場合は、配偶者の所得のほうが本人の所得よりも少ない場合については、これを遺族として認めるということにいたしておりますし、かりにそれを上回る場合でございましても、今後は年間の収入が大体二百四十万程度でございますれば遺族として認める方向にいたしたいというふうに考えております。
○増本委員 これはぜひ改善すべきだというように思うのですね。しかもこれはいまのお話にもあったように運用方針でやっているという問題が一つあるし、それから額自体が非常に低過ぎるために、これではもうパートでちょっと働いただけでも年間三十一万ぐらいは出てしまうわけですね。この点の問題については、所得税法上の問題としてかつて当委員会でも審議をしましたけれども、配偶者の場合は、特に主人をなくして子供を養育しなければならないというような点で、この所得制限があるということ自身が、これは生活保障としての面からいっても大きな制約になると思うのです。もう一つは、今年度の税制改正で老年者年金の特別控除も六十万円というようになったわけですから、遺族だからむしろもっと優遇して、来年度以降大幅に引き上げるということをやるべきだというふうに私は思いますので、ひとつ大臣から明確なお約束をいただきたいというように思います。
○愛知国務大臣 ひとつ十分考えます。
○増本委員 そこで、こうして今回も年金が若干にしろ引き上げられるということになると、心配なのは掛け金を値上げされるのではないかということなんです。この点については、私は値上げをせずにやっていけるというように考えるわけですね。三十九年、四十四年の二回にわたって再調整をされ、来年の十月にまたちょうど調整期に入るわけですが、過去の例を見ますと、三十四年から四十四年までの十年間の年金改定率では七三・六七%、四十四年から四十八年までは六三・四七%の引き上げになるわけですね。しかし、過去七三・六七%の引き上げをやったときには、掛け金の引き上げをやらないで済ませてきたわけで、今回でもほぼ一〇%ぐらい低い六三・四七%の引き上げになるわけですから、値上げをする積極的な理由は全くないというように思うわけです。 ここでもひとつ大臣から明確に御回答をいただきたいのですが、掛け金の引き上げはしないで済ますというようにされるべきだと思いますが、いかがでしょう。
○愛知国務大臣 この点はなかなかむずかしいところでございまして、いま直ちに御返事、お約束することはできません。十分これから検討してまいりたいと思います。 それから、掛け金と社会保険一般の考え方というものは、先ほど三十七年の答申も引用いたしましてお答えいたしたとおりでございまして、なかなかこれはむずかしい問題であると考えます。
○増本委員 しかし大臣、四十四年までの間に、先ほど言ったように、七三・六七%、今度四十四年から四十八年までの五年間では六三・四七%の引き上げになっていくわけです。この前掛け金の引き上げをしないで済ませて、今回はやるという根拠はどこにあるのでしょう。 それから、資金の運用利回りを見ましても、四十七年の推定で六・四一%ということで、これは四十年から四十七年まで全体をとりましても、あるいは四十四年から四十七年までの四年間をとっても大差がないし、利回りの点でも悪くなっているということにはならないと思うのですね。ですから、ぜひ掛け金を引き上げるということのないように、その面でも十分に政策的な手だてをとっていただきたいということを強く申し上げたいと思うのです。むしろ私は国庫負担率の引き上げをやるべきだというように思いますけれども、その点ではいかがなんでしょう。
○愛知国務大臣 そこが問題のところでございまして、これは先ほども申し上げましたように、いろいろ制度の沿革等からもきていると思いますけれども、現在の制度自身がばらばらなんで、これはできるだけ一本にするように機会あるごとにつとめていかなければならないと思いますが、現在はそういうふうな横のバランスの関係から申しましても、ただ単に国庫の負担率を引き上げるべきである、その一点からだけで問題をお取り上げいただくのはいささか早計ではないだろうかと思います。 同時に、これは詳しく申し上げるのを省略いたしますけれども、結局税金でまかなうのか保険料でまかなうのか、またその相対関係をどういうふうに割り切っていくかという一番基本的な問題があるわけで、もう少しこの点についての理解がよく進んだ上での国民的な合意がまとまるようにつとめることが政府としての責任でもあり、また関係の方々の責任でもあろうか、こういうふうに考えておる次第でございますから、いま国庫負担率の引き上げという一点にしぼって、これを上げるか、約束せよ、こう言われても、現在の政府の立場としては、これは申し上げるわけにまいりません。
○増本委員 では今度の二三・四%の引き上げで、新規に必要な財源というのは、四十八年、四十九年でそれぞれ幾らになるのですか。
○辻政府委員 今回の改定に伴います増加所要額といたしましては、初年度が七十一億五千六百万円、平年度が百八十二億七千三百万円ということになっております。
○増本委員 合わせても二百五十五億円弱ですね。そうだとすれば、国庫負担のうち一五%分がほぼ百二十二億円、これをいま一五%ですけれども、五%引き上げて二〇%にしたとしても、全体として百六十二億円というように大体なりますね。ですから、私は当面厚生年金並みに国庫負担率を引き上げるべきだ、その方向でひとつ十分に御検討をいただきたいというように考えますが、もう一度、一応必要財源の額が明確になったところで一言でいいですから大臣のお約束をいただきたい。
○愛知国務大臣 これは残念ながらお約束できないのはなぜかと言いますと、こちらを二〇%に引き上げると今度は厚生年金をうんと引き上げなければ、給付内容との関係から申しましてつじつまが合わなくなる。先ほど申しましたように、農林とかそのほかのすべての関係等々、さらに他の社会保険のほうにもこれはバランスとして波及せざるを得ない。したがって、この一点からだけ所要の財源がどれくらいだ、それだけで取り上げられるならばたいした問題でないとおっしゃるかもしれませんが、実は非常に広範にわたる問題でありますので、この一点についてだけまずイエスと言えとおっしゃられても、これは無理でございます。
○増本委員 大臣そうおっしゃいますけれども、これは掛け金が片方は高いんだから当然だというふうに思いますね、厚生年金と給付水準が違ってくるというのは。そこで、国家公務員共済組合連合会の四十八年度事業計画の概要の中の業務経理のところに「長期給付所要財源率の再計算を四十九年十月に行なうため、資料の整備検討を行なう。」というようになって、連合会としても独自にその財源確保等々についても努力をされるように書かれていますが、これはどういう方向で検討をするのか、その点を明確にしていただきたい。
○辻政府委員 四十九年の十月が財政再計算期に当たっておりますので、いろいろな資料を集めまして財政再計算の準備をするための費用でございます。
○増本委員 皆さんのほうでは、国家公務員労働組合の年金についての要求は十分御承知でしょうね。
○辻政府委員 承知をいたしております。
○増本委員 それならば、その声をやはり十分に反映できるように私は指導をされるべきだと思うのですよ。そこで、この業務経理の問題については検討委員会をつくって検討するということになるわけですけれども、連合会の運営協議会の委員の中から委員を任命して、その委員については労使折半、そこで出てきた検討の結果については運協の全体委員会の決議事項として組合員の意見が十分に反映できるような手だてをとるべきだというように思いますが、そういう方向での指導をなさるかどうか、お伺いしたいと思います。
○辻政府委員 細部についてはまだ十分詰めておりませんけれども、ただいまの御指摘のように組合員の意向が反映するような方向で検討いたしたいと思います。
○増本委員 そこで今度は、単位の共済組合の運営の問題について若干お伺いしたいと思うのであります。 大蔵省の共済組合の場合は、運営審議会の委員は大臣の一方的な任命できまるというように法律のたてまえはなっておるわけですが、法律では委員は十名以内というようになっておるのに、運営審議会の規則では九名ということで職員のほうから四名、そして省のほうから五名が委員になって出てきておるのですが、これは当然労使五名・五名というぐあいにすべきだと思いますけれども、いかがですか。
○辻政府委員 共済組合制度の運営につきましては、できる限り全組合員の意思が反映されまして自主的に行なわれることが望ましいことは、御指摘をまつまでもなく当然のことであります。そこで、現在の制度におきましても、共済組合の業務の適正な運営に資するために、各組合に運営審議会が置かれておりまして、定款の変更でございますとか、事業計画、予算、決算の重要事項はその議を経てきめるということになっておるわけでございます。 そこでただいま御指摘の運営審議会の委員でございますが、法律によりまして一部の者の利益に偏することのないよう相当の注意を払うべき旨が明記されておりますが、委員の数につきましては、法律上は委員十名以内ということになっておりますので、その法律の規定の範囲内で各組合がそれぞれ自主的に委員の数をきめて運営を行なっておる、かようなことであると思います。
○増本委員 しかし、職員の側を見ますと、税関労連の代表、国税会議の代表、全財務の代表、それから大蔵職組の代表ということで、全国税労働組合や全税関労働組合のほうからの委員が全然出ていないですね。こういうことだと、一方の利益に偏しないような委員を選ばなければならぬといっていても、結局それぞれのところの意見を十分に反映させるという点から見ると、きわめてへんぱな結果になるおそれがあるというように思います。この点については改善するようにすべきだと思いますが、いかがですか。
○辻政府委員 大蔵省の機構は、御承知のように大きく分けますと、本省と国税と財務と税関とに分かれておるわけでございまして、ただいまの大蔵の共済組合の運営審議会の運営といたしましては、この大きなグループごとに一人ずつの委員を選ぶという方法でやっておるのではないかというふうに思います。
○増本委員 しかし、いま次長が言いましたように、その組合員の、つまり共済組合員の声がやはり民主的に反映できるようなそういう運営というのが何よりも必要であるというように思うのです。これでいくと、未組織の、労働組合に参加していないような共済組合員の発言の機会もないし、その声も反映できない。また委員を出していないところでは、事業計画の説明すら受ける機会がない。だから黒字なのか赤字なのかということもわからないというようなぐあいになっているので、この点についてはひとつ十分な改善策を講じて、共済組合がほんとうに組合員の、そして職員の意思が反映できるようにすべきだと思いますが、その点での善処をひとつお願いしたいと思うのですが、いかがですか。
○辻政府委員 政府のたてまえは、先ほど来申し上げておりますようなたてまえでございます。確かに各省の実情によりましていろいろな実情があろうかと思いますけれども、大蔵の共済組合の場合には、先ほど申し上げましたような大きな職域ごとに代表を選んで運営をいたしておるものと承知をいたしております。委員の数につきましても法律上の制限がございますので、なかなかただいま御指摘のように参りますかどうか、いろいろ問題があろうかと思いますけれども、なお十分検討いたしまして、私どもといたしましても、組合員の意思というものが自主的に反映できるような運営に心がけてまいりたい、かように思っております。
○増本委員 それから、こういう組合の事業計画の内容について、やはり組合員に周知徹底させる、そしてその意思が反映できるようにするということは非常に重要なことだと思うのですね。とかくそういう点がおろそかになっていて、各省ごとの共済組合の実態を見ますと、どうも省内に、あるいは庁内に出される広報やその他で、海の家ができたとかそういうようなことは宣伝されるけれども、年間の事業計画とか、あるいは予算や決算というような問題が、必ずしも十分に組合員の前に明らかにされていない傾向にあると思うのですね。こういう点についても十分な指導をして、事業計画をみんなに周知させると同時に、やはりそれについての説明の機会も与えるようなことで、組合員の意思を吸収していくという方向でひとつ指導も徹底してほしいということを特にお願いしておきたいと思います。その点はいいですか。
○愛知国務大臣 周知徹底等について十分くふうをこらしてまいりたいと思います。
○増本委員 そこで、国家公務員共済組合の連合会の事業計画を見まして、医療経理の問題が非常に重大な問題にいまなってきているというように思うのですね。今回、見ますと、赤字が約七十二億円というように出ていますけれども、この赤字はどのようにして解決されるか、また政府としてそのためにどういう指導をなさろうとしているか、ひとつ明らかにしていただきたい。
○辻政府委員 病院の経営につきましては、一般的に申しましても、なかなかむずかしくなってまいっておりまして、特に年々医療水準が向上いたしますので、それに対応いたしまして設備その他も充実していかなければならないという問題がございます。それから連合会病院の場合には、特別な原因といたしまして結核の病院、病床が非常に多いわけでございます。結核が御承知のような状況になってまいりましたために、その点も問題が生じております。それから病院の規模もまちまちでございまして、いわゆる適正規模に達していない病院もあるというようなことで、ただいま御指摘いただいておりますように、四十八年度末の累積損失が七十億円をこえるというような状況になってまいっております。その対策といたしましては、別途、連合会に設けられております医療経理の特別対策委員会がございますが、その答申に沿いまして、一般病院にありましては設備投資の効率化をできるだけはかってまいる、また結核病院にありましては一般病院への転換をはかる等、いろいろと経営の改善、合理化のくふうをこらしまして、赤字解消に努力してまいりたいというふうに考えております。
○増本委員 この医療経理特別対策委員会の答申によりますと、合理化をはかっていくということで、当然廃院してしまうような病院が出てくる、こういうように思うわけですけれども、つぶす病院というのはあるのですか。
○辻政府委員 九州の若松病院につきましては、いろいろと検討をいたしました結果、ただいま申しました医療経理特別対策委員会、ここにおきましても慎重に審議をいただきました結果、この答申に基づきまして、九州地区にございます新別府病院という結核病院と整理統合するということを考えておるわけでございます。
○増本委員 この若松病院の問題ですが、医療経理特別対策委員会の答申でも、一方的な閉鎖とかというような措置はとるようには出ていないわけですね。ところがこの病院については、一方的に閉鎖をしてしまっているということになって、そこから、そこに働く労働者との間で大きな問題になっているわけですね。その点は御承知ですか。
○辻政府委員 もちろんこの整理統合にあたりましては、患者あるいは職員に不安を生じないように特に配慮するつもりでございますし、またそのとおりやっているものと承知をいたしております。
○増本委員 ところが、若松病院の廃止については、その手続の上からいってもいろいろ問題があると思うのですよ。 まず第一に、この若松病院の存廃問題で、評議員会で討議をしたというように報告を受けているでしょうか、どうですか。
○辻政府委員 先ほど申し上げましたように、医療経理特別対策委員会の答申の結果に基づきまして、そういう方針をきめたと承知いたしております。
○増本委員 次長も、この対策委員会の答申はお読みになったと思うのですよ。ところが一方的に閉鎖をするとかというようなことについては、何一つ書いてありませんね。どこでこの閉鎖についての意思決定をしたというように聞いておられるのですか。
○辻政府委員 答申の内容は御承知のとおりでございますが、結核病院につきましても、対策をいろいろ列記してございますが、「一般病院に転換可能なものは一般病院に転換する。それから組合員の利用が期待できず収支改善の見込みの乏しいものにつきましては、場合によっては地方公共団体への移管についても考える。上記の対策ができないような場合につきましては、連合会病院の設置の趣旨に沿いまして引き続き慎重に検討の上しかるべき措置をとる。」ということになっておりまして、この「しかるべき措置」の一環としていろいろと検討いたしました結果、廃止もやむを得ないということに踏み切ったと承知をいたしております。
○増本委員 それはどこで意思決定をしたのですか。廃止に踏み切ったという意思決定は、じゃ運協では討議をしたのですか。
○辻政府委員 先ほど申し上げております経理特別対策委員会につきましては、組合側の代表の方にも御参加を願っているわけでございます。そこでいろいろと御検討をいただいた末、そういう方針をきめていただきましたので、それに基づきまして連合会としてきめたというふうに承知をいたしております。
○増本委員 いつだかわかりますか、その意思決定をしたのは。
○辻政府委員 医療経理特別対策委員会が連合会の理事長あてに答申を出しましたのが四十六年の十二月二十一日と承知をいたしております。
○増本委員 これはあと連合会の理事長さんが見えたところでこまかく伺いたいとも思いますけれども、所管庁として、そのやり方が適正であり、理にかなっているかどうかということは、特に監督し、それから適正な指導もしなければならぬと思うのですね。病院を廃止するためには非常に作為的にやっているというような批判もあるのです。なぜかというと、昭和四十一年に改造費として一千万円の予算を組んだにもかかわらずそれを使わなかった。それから昨年の九月廃止を発表してから、退院患者には三万円を渡すから移ってくれというようなビラを患者家族に配っている。しかし一方で、保健所では改善勧告を出しているけれども、その改善勧告に従う改善措置をとっていない。この病院で働く人たちの労働組合との交渉もなかなか渋ってやろうとしないというような問題があるので、健康や命を預かる大事な病院ですから、一名の患者でもいる限りきちんと責任を果たしていくということが一つはたてまえであるというように思うのです。そこで、今後やはりこうした労働組合と十分に話し合って解決点を見出していくという方向で指導をさるべきであるというように私は思いますが、その点、政府の見解はいかがですか。
○辻政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、この種の整理と申しますか、統合と申しますか、そういう事例の場合には、患者及び職員に不安を与えないように配慮するのは当然のことでございまして、将来とも、そういう事例がありました場合には、その点につきましては十分注意してまいりたいと思います。 なお、御指摘の若松の問題につきましては、患者の移送でございますとか、あるいは受け入れ先の新別府病院の建物の整備でありますとか、そういう問題につきましてはそれぞれ所要の措置をとっているところでございます。
○増本委員 そこで今度は、国が当然責任を持たなければならない旧軍関係の病院も連合会が引き取って経営をしている。それに対する国庫負担は十億円にすぎない。これでは国としての責任を果たしていることにならないというように私は思うのですよ。もっと国庫負担をふやすべきである。そして国立病院に移管すべきものはきちんと整理をして移管をするというように、抜本的な対策と方針を立てて赤字を解決しなければならないという大事な時期にいまきていると思いますが、この旧軍関係の病院についてどういう処置をおとりになろうとするか、これはひとつ大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○辻政府委員 旧軍関係の病院と申しますのがどの病院を御指摘か必ずしも十分にわからないわけでございますが、連合会といたしましては、共済組合の福祉事業といたしまして病院の管理運営をいたしていくわけでございます。その病院につきましては、公務員がこれを利用してその福祉に当てるということでやっておるわけでございまして、先ほどお示しのございましたような補助金も一部つけておるわけでございます。 なお、旧軍関係の病院といいますと、いわゆる旧令の病院というものがございまして、十病院ございます。主として旧海軍病院でございますが、これにつきましては現在収支状況がよろしゅうございます。別段そこで赤字を生じておるという問題はございません。
○増本委員 それから、広島にかつての毒ガス工場の後遺症の患者を収容しておる病院もあるわけですね。これも連合会が引き継いでおるわけですよ。こういうのは当然国が責任を持つべきだというように私は思うのですが、この点はいかがですか。
○辻政府委員 忠海兵器製造所の職員でガス障害を受けておる者につきましては救済措置をとっておりますが、その被害者の救済につきましては全額国庫負担をしておるわけでございます。 それから、ただいまお話しの忠海病院につきましても、今年度の予算におきまして医療施設の整備といたしまして七千万円計上いたしておりまして、国からの補助で施設の整備充実をはかっておるところでございます。
○増本委員 では、あと一点お伺いをします。 いわゆる国家公務員宿舎法の九条によって、特別の借り上げの宿舎として連合会の所有している宿舎を借り上げておりますね。これを特借宿舎というように言っておきますけれども、これの連合会と国との間の建物の使用契約関係はどういうようになっているのでしょうか。
○篠田説明員 連合会で建ててもらっております宿舎を国が国家公務員宿舎法の公務員宿舎として借りておりまして、これを公務員宿舎法上の宿舎として使用することになっております。これに対する借料は、建設費に六・五%の利子分を加えまして、さらに連合会がこれに対して払います公租公課及び火災保険料を加えまして半年賦で支払っております。
○増本委員 政府からいただいた資料によりますと、この貸借関係は、国の会計年度ごとに毎年度契約を締結し、毎年更新できる、こういうようになっておりますね。そのとおりなんですか。
○篠田説明員 さようでございます。
○増本委員 そうすると、この更新のたびに賃料を引き上げるというようなことが本来可能なのですか。その点はどうなんですか。
○篠田説明員 連合会と国との間、実際を申しますと、連合会の理事長と各宿舎を管理いたしております財務局の総務部長との間の契約で、賃借料の計算として六十年借りるという計算上の問題でございます。実際、借りるのは六十年と書いてございませんが、毎年更新できますけれども、その建設費、さらに六十年間の利息、それから先ほど申しましたように公租公課、保険料というものを加えてやっておりまして、それを毎年同じようにやっておるわけであります。
○増本委員 毎年一つの建物については定額で、それが全然変わらないわけですね、一つの建物についての賃料単価そのものは。
○篠田説明員 変わりません。
○増本委員 しかもそれが年六・五%で、六十年の半年賦、元利均等償還を基準にするということになっておるわけですね。本来公務員宿舎というのは、やはり国が責任を持って建てるべきものですね。それを連合会の資金で建物を建てて、全面的に国が借り上げてやるわけですから、これでは賃料の改定ということが全くできない仕組みになっていると思うのですよ。私はもっと借り受け料をそういう意味では引き上げる。それから、この事業計画を見ますと、ことしは借り上げ分、特借宿舎のために回す金というものは前年繰り越しの二十三億円以外にないということになっているので、来年以降も絶対にもうこれからは国が全部責任を持つというこの二つの態度をきちっととるべきだ。そしてその資金の運用はやはりもっとほかの組合員の福祉のために使うべきであるというように考えるのですが、政府はどのようにお考えでしょうか。
○愛知国務大臣 これは御指摘のとおり、国が直接やるべき筋合いのものであるというふうに考えております。ところが、やはり沿革的に非常に宿舎の要望が強い。それから国としての建設が意に満たなかったというようなことで、昭和三十七年度でございますかに共済組合連合会の仕事の一還として認めることになりまして、自来相当の宿舎の建設等に当たっておりましたが、ただいま御指摘のような御議論もございましたから、四十八年度ではもうほんとうに特定なものだけにとどめて、ほかのものはやめることにして、そして資金は直接公務員の福祉厚生のために使うようにいたしたわけでございます。今後ともその方針でまいりたいと思います。
○増本委員 やはり最初に申し上げましたように、年金というものはそれだけで生活ができるように、その保障の水準を引き上げると同時に、実質的な価値の維持の調整のためにスライド制も十分に取り入れてやっていくように私はすべきだというように思うわけです。そういう点で、政府のひとつ今後とも一そう抜本的な改善を強く要求しまして、私の質問を終わります。
○木村(武千代)委員長代理 次に、広沢直樹君。
○広沢委員 年金制度の問題につきましては、各種共済組合の年金から厚生年金、あるいは国民年金、いろいろ種類がありますけれども、その究極とするところは、やはりいまお話がありましたように生活できる年金、将来の生活安定が確保できる制度にしていかなければならない、こういうことになっているわけです。しかし、それぞれ年金制度の沿革といいますか、いままでの経緯から考えて、それぞれの土壌が違う立場で順次できてきている経緯もあって、それがなかなか一本化ということは——まあ私も社会保障として将来は一本化すべきではあると思いますが、しかし、そこまでなかなかいかない。そこでそれぞれの分野において順次改善がなされていっているわけでありますけれども、やはり今日年金制度というものを拡充して福祉の充実をはからなければならないという観点に立つならば、当然これは生活できる年金という立場から、その具体的な構想をまず立てる必要があるのではないかと思うのです。部分部分にそれぞれの充実をはかっていくことも現実の問題としては当然でありますけれども、これからは成長より福祉へということで、成長と福祉、こういった問題の乖離がますます目立ってきている今日でありますから、これを是正していく将来にわたる基本的な構想というものを当然政府は示すべきではないか、こういうように私はまず大きく考えているわけでありますが、まず大臣に、その方向をひとつどういうように考えていかれるか。 そのときどきの部分的な改正ではこれはなかなか充実したものはできない。少なくともこういうふうな構想で持っていくんだという趣旨にのっとって、それぞれ一本化をはかり、あるいは横とのバランスを考えていくということは当然考えられる問題だと思うのですが、大臣も先ほどは一本化の傾向は将来必要だということをおっしゃっておられるので、そういった基本的な構想というものを一ぺんお聞かせいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 将来の理想としては一本化すべきものである、かように私もかたく考えておるのでありますけれども、実際の問題といたしますとこれは非常にむずかしい問題でございます。したがって、基本的な考え方を頭に置いて漸次ならしていくという方向をたどってまいりたい、こう思っておりますので、今回の国家公務員共済制度の中におきましては、給付の充実その他、他の方向、政策とできるだけ相照応してやっていけるようにしているところに相当のくふうをしておるつもりでございます。
○広沢委員 ですから、そういった基本的な問題のもとに、いまの国庫負担の問題にしても使用者の負担あるいは被用者の負担の問題にしても基本的な方向が示されてくるのじゃないかと思うのですね。 そこで、具体的にこれからお伺いしたいのですが、まず四十八年の二月三日に国家公務員共済組合審議会から答申が出ております。大臣が諮問されたことに対する答申でありますが、それによりますとまず第一には「恩給法等の改正に伴う措置については、共済組合としては受動的にこれを受け容れざるを得ない立場にあるが、」その各項目の中には、むしろ取り上げるのがおそきに失した、それからもう一つには、「相変らず筋のとおらない救済に終っている部分も目立つ。」というふうに言われているのですね。それに対しては非常に遺憾だということを冒頭に述べられているわけですよ。その次にはスライド制の問題がありますけれども、こういう答申を受けられて、その点をどのように認識されているのか。いまここに申し上げたおそきに失した面もありますが、筋の通らない救済に終わっている部分が目立っている、こういうことでありますが、それはどういうふうに受け取られておりますか。
○辻政府委員 ただいま国家公務員共済組合審議会の答申の御指摘がございましたけれども、要するに恩給追随と申しますか、恩給にならって改定するのがいかがであろうかという御指摘であると思います。そこでこの問題につきましては、先ほど来大臣からも御答弁申し上げたとおりでありますけれども、何ぶんにも現在の年金制度が恩給あるいはまた昔の共済組合制度、年金制度を統合して発足した制度でございますので、その期待権なり既得権という問題もございます。いまの年金の額をどういうふうに計算しているかと申しますと、新法施行前の恩給期間の分は恩給のとおりの計算をいたしまして、新法施行後の期間の分は新法で計算して、それを合算して支給して年金額にするというやり方をとっております。したがいまして、恩給期間の分につきましてはどうしても恩給受給者との均衡をはかる必要があるわけでございます。それから新法施行後の期間の分は、確かに新しい制度として社会保険として出発した制度ではございますけれども、現在の新法の年金受給者を見てみますと、その在職期間のうち、過去の恩給制度の適用を受けていた期間の占める割合が非常に高い、七割以上になっておりますので、その均衡という問題もあるわけでございます。そこで現段階におきましては、先ほど来大臣からもお答え申し上げましたように、恩給の改定方法にならって改定をしていくというのが実情でございますが、審議会の御指摘もあることでございますので、今後他の公的年金制度との関連も十分考えまして慎重に検討してまいりたい、そういう態度でやっておるわけであります。
○広沢委員 次に第二番目には、いまのスライドの問題については二つに意見が分かれているわけです。これは経済が変動するわけでありますから当然スライドしていくべきであるというのは常識であろうと思うのです。そのスライドするについては、多少の疑点がいろいろここに述べられておりますけれども、たとえばスライドですから切り下げを行政措置で行なうことは法制上どうかという問題もあります。しかし少なくともこの切り下げの問題等については、やはり生活の安定ということをまず考えた上での年金の基本がありますから、やはり今日の物価はこういうような上昇期、あるいは経済が成長期にある間というものは、物価の上昇に従ってこれに対するスライドというものを考えるのは当然じゃないか。これは厚生年金のほうについては、御承知のように恩給法等でも考えられておりますように、このスライド制というものを今度取り入れるわけですね。 ですから、二つに意見が分かれて答申が出てきていることに対して、当局としてはどういうふうにお考えになるのかわからぬというわけはないと思うのです。やはり主体性を持っている当局のほうとしてはスライド制というものを必要としているのだとお考えになっているのか。その点いかがでしょう。
○愛知国務大臣 別途御審議を願っております厚生年金等についても物価スライド制に踏み切りましたことは御案内のとおりでございます。したがいまして、今回の国の共済組合については、そういう方向はこの御答申にもあるような経緯もございましたので採用いたしませんで、恩給方式というか公務員ベース引き上げ率を採用いたしたわけでございますけれども、やはりこの御答申の全体を流れる趣旨ですね、そしてことにこの中の第四項にありますように、二年前建議した線に沿いということもございますように、これはできるだけ他の社会保険制度と同じような考え方でいくべきであるということが、私には底に流れているように思われますので、今後の方向といたしましてはスライド制というふうなものをまじめに前向きに考えていくほうがよろしいのじゃないだろうか。すでにこの審議会に対して、当時大蔵省といたしましても物価スライド制ということはいかがでしょうかという趣旨の御研究を願った経緯もございますから、その方向でいくほうがいいのではなかろうかと、現在のところはさように考えております。
○広沢委員 それでは次に、年金財政の問題について簡単にお伺いしておきたいと思います。 これは先ほどからもいろいろ問題が出ておりましたとおり、ベースアップ二三・四%の引き上げに要する費用について一体これはだれが負担するのかという問題でありますが、先ほども旧法のときには国が負担した、新法になってから社会保険的な色彩を持ってきたので、いわゆる三者負担ということになっておるわけでありますけれども、私はむしろ先ほどから皆さんがおっしゃっておられるように、やはり国が負担すべきではないか、こういうふうに主張しているわけです。 というのは、インフレによって物価がどんどん上昇していきますと、それはもちろん年金の引き上げということをやらなければいけないことは、これは当然のことですね。そうなってくれば、年金の原資の目減りすることは当然のことです、引き上げていくわけですから。それを負担する場合に、あくまで社会保険的な意味であるから三者負担にすればいいというような考え方ではなくて、やはりこういうような非常な上昇期におけるインフレ的な傾向になってくるというものは、これは別途経済政策の問題があるわけでありますから、当然国が制度的な——静態的な経済状態のときは別としても、こういう場合においてはやはり国が負担していくべき方向で考えるべきじゃないだろうか。片方の経済政策のあり方というものの失敗によっていわゆる急激なこういう上がり方をする、それに見合った年金の引き上げをしなければならぬという問題について、あくまでもそのためにはやはり、これは三者負担であるから保険料はどうしても上げなければそこまでいけないのだ、財源がないのだというような考え方でくることについては、被用者としては納得できないわけですね。 ですから、こういう問題については、そういう背景的なことから考えましても、やはりこれは国が負担すべきではないか。先ほども問題出ておりましたので、私は自分の主張としても申し上げておきたいわけでありますが、もう一度これに対するお答えをいただきたいと思います。
○辻政府委員 年金の改定の原資の負担をどうするかということにつきましては、いろいろ御議論のあるところでございます。ただいまお話のございましたように、全額国で見たらどうかという御意見も私どもは承知しておるのでございますが、しかし社会保険は申すまでもなく社会連帯の思想を根幹としているわけでございまして、相互の救済を目的とする制度でございますが、この社会連帯の考え方と申しますのは、必ずしも同世代の連帯だけではなくて、世代間の連帯ということも中に含まれるのではなかろうか。そういたしますと、過去の組合員に対します給付の負担の一部を現在の組合員が負担する、あるいは現在の組合員に対する給付の負担の一部を将来の組合員が負担するということは、社会保険の本質から見て決してそう不合理なことではないのではないだろうか。そういう考え方に立ちまして、厚生年金等他の社会保険につきましてもそういう三者負担という考え方でいっているわけでございますし、先ほどもお答え申し上げましたように、諸外国におきましても、特にその分の改定の原資だけを別の負担でやるという方式はとっていないようでございます。またかりにそういう改定の原資を現在の組合員に負担させるのは無理ではないかというお考え方もあろうかと思いますけれども、そうだからいって直ちに一般納税者の負担による国庫負担に依存すべきだという結論にもならないのではなかろうかというふうに私どもは考えておるわけでございます。そこで他の社会保険の例等にならいまして、現在のところは三者負担でいくのが妥当ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
○広沢委員 何も国が社会保険について全部税金でまかなえと言っておるのではないのですけれども、やはりその背景的に経済のそういういろいろな運営の問題上において起こってくる問題については、それについての引き上げは、スライドの問題もありますけれども、やはり国の負担というもののあり方がどうあるかということを考えてみなければならないという観点からいま申し上げたわけであります。 そこで、国庫負担の問題が出ておりますので、これにからんで二、三点お伺いしておきたいのですが、一つはいわゆる厚生年金においては給付時に支払う、それから失業保険もそうですが、共済年金のほうにおいては掛け金のときに保険料を払い込むときの負担を国庫負担する、こういうふうになっているわけですね。この問題については、やはり給付時払いと掛け金の負担時払いというのでは、これは経済が変動しておる関係上所得水準も上がってきておるわけでありますから、当然そこに財源の差というものが出てくるわけですね。その点はどういうふうにお考えになっておられるのか。いままで共済のほうではむしろ掛け金負担時払いというものを中心にものを考えてきたようでありますが、今日のようなインフレが非常に進んでいるというような時代においては、やはりそこに大きな負担のギャップというものが出てくるんじゃないかということが一つの問題になっているようであります。この点いかがでしょうか。
○辻政府委員 年金の国庫負担の方式につきまして、ただいまお話しのように、給付時に負担をいたしますか、あるいは拠出時、掛け金を納めるときに負担いたしますかにつきましては、これまたいろいろな方式がございまして、御議論のあるところでございます。共済はただいま拠出時負担でやっております。ほかの年金制度を見ましても、国民年金につきましては原則として拠出時の負担でございます。厚生年金につきましては、御承知のように給付時の負担でいたしておるわけでございます。これは保険の数理の面から見ますと、拠出時であろうとあるいは給付時であろうと、保険料あるいは支給をされます年金額には何ら変更がないわけでございまして、数理に関する限りは、拠出時だから保険料が高くなるとか、あるいは給付時だから年金額がふえるという問題はないわけでございます。それぞれ制度の沿革等もございまして、いまのような方式がそれこそ分かれているわけでございます。特に、それによって片方は有利であるとか不利であるとかいうことはないものと考えております。
○広沢委員 ちょっと、言っている意味がわからなかったのかもしれませんけれども、やはり、給付時において国が負担する場合と、保険料を納めるときに国が負担する場合と、当然そこに、保険料を納めたときの国の負担一五%ですか、厚生年金や失業保険については給付時に二〇%負担するわけでしょう。ですから、先に負担割合をもらっているか、あるいは給付時ですからそのときにもらうかということにおいては、経済は変動しておりますから、当然給与水準も上がってきたりしておりますから、そこに財源的に差が出てくるのではないかということなんです。 ですから、それについては、あとで補てん財源で補てんするか、あるいは何らかの方法を講じていかなければ、こういう二とおりの国庫負担のあり方においては問題が生じてくるのではないかということです。その点をどうするかということをいまお伺いしているのです。それはどちらの方法をとったって、結局国庫負担には違いないわけです。ですから、いまの保険料を納めるときに問題があるならば、その差をどういう形で埋めるかということをはっきりしておけばいいわけであります。その点をお伺いしたわけです。
○辻政府委員 積み立て方式でやってまいりますと、御指摘のように、給付の改善でございますとか、ベースアップでございますとか、年金額の改定でございますとかいろいろやってまいりますと、そこに積み立て金が不足してまいりますので、その分の過去勤務債務の財源をどう負担するかという問題が起こってまいりますことはお示しのとおりでございます。しかし、その分につきましても同じ割合で三者負担なら三者負担でやるわけでございますから、そこのところは、拠出時と給付時と変わりはないのではなかろうかと思います。
○広沢委員 それは私は、いま言うように差が生じてくるのじゃないかというふうに考えているのですがね。その場合に、当然国がそこで見直して国が負担するのか、あるいは保険料で持つのかという一つの問題点が現実に、これはいろいろなものにもそういうふうに述べられていますけれども、現実にそうなっているんじゃないですか。
○辻政府委員 たとえば共済年金の場合についていいますと、国が負担する率は一五%でございまして、これを、先ほど来御指摘のように拠出時に負担をいたしているわけでございます。そこで、給付の改善、年金額の引き上げ等が行なわれて積み立て金が不足いたしますと、その不足財源はどうするかと申しますと、やはり同じ、一五%は国が持つという原則が確立しておるわけでございますので、そこは拠出時であっても給付時であっても変わりはないのじゃないかと考えております。
○広沢委員 それじゃ次に、先ほどもお話がありました費用負担の割合の問題で、いまの、組合員が四二・五、使用者が四二・五、国の負担が一五%、こういうふうに負担割合がなっています。そこで、三十四年ごろには、国の負担が一〇%で、それぞれ四五ずつ、こういうことになっておったわけでありますが、現実は、国庫負担の割合一五%に、共済年金のほうはなっているわけですね。 そこで、厚生年金のほうは、現実は四〇、四〇の、国庫負担二〇%、こういうようになっているわけですが、これも先ほどお話がありましたように——これはまたわれわれの主張としている共同提案の中では、この主張は、当然これは国庫負担をもっと大きく考えていかなければならないということをわれわれはあるべき姿として要望いたしておりますけれども、現実の問題として、負担の割合というものは、いまの厚生年金、いわゆる被用者年金の柱になっておりますそういうものを中心にものを考えていくというならば、国庫負担率というものも当然上げるべきじゃないかと私は思うのですがね。 これは先ほどもお話がありました給付の内容の関係について、これは実質的には共済のほうも優遇されているんだ、大体二〇%、一五%が同じ関係になってくるんだという御説明もあったようですけれども、それはそれとして、国庫負担の割合として考えた場合においては、やはりこれは、いまの一つの、先ほど申し上げたように大体見合った体系に持っていこう、一本化の体制に持っていこうと考えていく場合においては、内容の問題も別にありますが、割合としてはこういうふうに一五%の国庫負担の割合を二〇%にする、合わせていくというのは当然じゃないかと私は思うのですがね。この点の考え方をもう一ぺんお聞かせいただきたいと思うのです。
○辻政府委員 ただいまのわが国の年金制度はいろいろな制度に分かれておりますので、先ほども大臣からもお答えいたしましたとおり、これをどういうふうに調整していくかあるいは統合の方向に進むかという問題は確かにあるわけでございます。しかし、それはそれといたしまして、現在の制度で考えてみますと、先ほども御答弁申し上げましたが、厚生年金の給付の水準と共済年金の給付の水準とを比べてみますと、年金の額も違ってまいりますし、それからもらう期間も違ってまいりますので、全体として見ると、共済年金を一〇〇といたしますと、厚生年金の水準が六〇ないし七〇ということになってまいります。 そこで、そういうことを前提にして考えてみますと、同じ国庫負担ではかえって均衡がとれないということで、現在、国公共済の場合は一五、厚生年金の場合には二〇ということで差を設けているわけでございます。 なお、ちなみに各国の年金制度の国庫負担について申し上げますと、御承知のとおり、西ドイツ等では大体一五%程度の負担がございまして、イギリスでは二〇%から二五%程度の負担がございますが、その他の諸国、アメリカは国庫負担はございませんし、フランスも国庫負担がないということになっております。全体として見ますと、わが国の年金の国庫負担というのは相当な水準ではなかろうかというふうに考えております。
○広沢委員 それから、厚生年金は一応被用者年金の柱になっているわけですけれども、そこでこれは一つの基準と考えていけば問題点があるかもしれませんが、将来のことを考える一つの基準として考えていった場合に、いま現実にそれぞれの立場があると思うのです。公務員の特殊な身分といいますか、そういう形でいまの共済があるわけですけれども、その第一条によりましても「公務の能率的運営に資する」という一つのなにが、目的としてついているわけです。ですから、社会保険的な要素もあるけれども、換言すれば、また労務管理的な性格もこれは一つ含んでいるわけです。もちろん、総理府の社会保障制度審議会においても、企業年金的性格を加味するというふうにいわれておりますから、当然その点はそうだろうと思うのです。 ですから、もちろん厚生年金よりも、一般的な社会保険としての考え方よりも、加味されているわけですから、多少有利な条件であるのは当然じゃないかということは言い得ると思うのですね。将来においてこれが完全に一致していく段階においてはその点は違いますが、現状においてはそういうことは考えられるわけです。ですから、国庫負担の割合が多少そういうふうに多くなってもいいのじゃないかというふうな感じを私は持っているわけなんですがね。そういう意味からすると、負担割合だけを考えた場合に、いま言うように前に一〇%だったのを厚年の一五%に合わしてやってきた経緯があるわけですね。それは割合を合わしたというだけじゃないと思うのですよ。内容的にも問題があるかと思うのですが、いまの次元で考えていっても、もうこれは二〇%の国庫負担の割合に当然すべきじゃないか。将来においては国庫負担の割合をもっと大きくして、そして被用者の負担というものをもっと軽くしていくということは、これはわれわれの主張しているところでありますけれども、現実の問題としては少なくともそこまで毎年毎年の状況を考えた上で改正すべきではなかったのかと思うのです。今後の改正にはこういう問題があがっておりませんが、この点いかがですか。
○辻政府委員 確かにかつて共済年金の国庫負担率一〇%、厚生年金が一五%でございましたのを、それぞれ一五、二〇という現在の水準に引き上げましたことは事実でございます。しかし、また先ほど来申し上げておりますように、諸外国に比べましても、現在の国庫負担率は相当な水準に達しているというふうに考えておりますので、これをさらに全体として引き上げていくのはいかがであろうかという考えを持っております。 それから、厚生年金との均衡の問題につきましては、先ほど来お答え申し上げたとおりでございますので、現在の段階では、いまの国庫負担率で適切なのではなかろうかと思っているわけでございます。
○阿部(助)委員 議事進行……。
○木村(武千代)委員長代理 速記をとめて。 〔速記中止〕
○木村(武千代)委員長代理 速記を始めて。 続行します。広沢直樹君。
○広沢委員 次に、通算退職年金制度のことについて若干お伺いしておきたいのでありますが、これは厚生年金のほうは、掛け金の期間によって老齢年金の水準というか、それをもらえることになっているわけですね。ところが共済の通算退職年金のほうにおいては、期間に応じて出すけれども、かけた人の年齢によって減額する、こういうふうになっていますね。たとえば極端な一つの例をあげますと、五十五歳から入って六十歳まで、この五年間というふうに考えてみた場合においては、これは全部もらえるわけでありますけれども、共済の場合においては七十九条の二の第四項によれば、ある程度その期間というものを減額率をかけて減額するというふうになっています。これはやはり長期にわたって公務に従事するという意味合いが含まれているとは思うのですけれども、こういった問題については、やはりもう厚年と同じように制度を改正していくべきではないかと思うのですけれども、この点いかがでしょう。
○辻政府委員 通算退職年金の制度が発足いたします前には、退職一時金の制度があったわけでございます。そこで通算退職年金の制度ができたときにどういうふうに措置したかと申しますと、通算退職年金の原資として必要な分を凍結と申しますか、それを引きまして、残った額があれば退職一時金として支給をするということにいたしたわけでございます。しかし、ただいま御指摘のように、通算退職年金の支給に必要な額がその退職一時金の額を上回る場合には、ただいまお話がございましたように通算退職年金の額を調整するということになっておるわけでございます。 ただ、共済年金の場合には、厚生年金の通算年金制度と違いまして、死亡一時金、これは通算退職年金を受けることがなくてなくなった方の遺族に支給する制度でございます。そういうものもございますし、返還一時金と申しまして、通算退職年金の支給開始年齢である六十歳の時点で通算退職年金の受給資格を取得しなかった者に支給されるというような制度もございますものですから、必ずしも共済年金のほうが不利だということにはならないわけでございます。ただいま御指摘の点につきましては、退職一時金のあり方とも関連する問題でございますので、将来の課題といたしまして慎重に検討させていただきたいと思います。
○広沢委員 社会保険的な意味合いをもって考えていきますと、どうしてもやはり厚年でやっているような、そういう方向に共済年金のほうもある程度考え直していかなければならないと思います。制度によって、これは一時金とかいろいろなものがありますから、その点の違いを加味しているものとは私も考えてはおりますけれども、この点についてはこういったところまでこまかく考えていかなくても、やはりこれは制度として社会保険的な性格をこれからますます強めていかなければならない、こういう立場にあるわけでありますから、それについては先ほど言ったように、企業性を持たしたという意味を加味されている面については、いろいろ厚年と同じような、ある程度そういう一つの大きな社会保険的な意味合いを強める意味から考えていっても、これは考えていくべき問題じゃないかと思うのですが、よくそれは御検討いただきたいと思います。 次に、遺族年金の問題について若干お伺いしておきます。 遺族年金も退職年金もともに生活を保障するという意味合い、これがなければならないわけです。ところが遺族の場合は退職年金の二分の一、そういうふうになっておりますが、これは二分の一ときめられた根拠というのはどういうふうになっているのか、まず御説明いただきたいのです。
○辻政府委員 これは沿革的に申しますと、恩給制度の場合に二分の一でございまして、わが国の公的年金制度でございますと、厚生年金その他もこれにならいまして、すべて二分の一ということになっておるわけでございます。したがいまして、共済年金制度におきましても二分の一ということになっているわけでございます。
○広沢委員 私は現実の問題として、やはり先ほど申し上げたように、生活保障的なものである、安定的なものであるというならば、現実にこれはほかの年金制度もみなそうですけれども、二分の一で適当であるかどうかということもこれは検討に値する問題でありましょう。四党共同提案の中では、これについてもやはり二分の一ではなくて、もちろんこれを六〇%かあるいは八〇%か、これは当然それぐらいのことを考えていかなければいけないんじゃないかということを指摘いたしておるわけですけれども、やはりこの点も検討に値する問題じゃないかと思うのですが、いかがですか。
○辻政府委員 確かに御指摘のとおりでありまして、今後の問題として検討すべき問題であると思います。 ただ、一つ申し上げておきたいのは、被用者の妻の年金制度における取り扱いの問題とからむわけでございます。被用者の妻は、現在国民年金に任意加入できるということに相なっております。そこで妻が寡婦になるといたしますと、夫の遺族年金、これがただいま御指摘のとおり二分の一が支給されるというほかに、本人の分といたしまして、老齢になりました場合には、国民年金の老齢年金が支給されることになっておりますので、そういうような被用者の妻の年金制度上の取り扱いともからむ問題でございます。あるいはまた寡婦と申しましてもいろいろなケースがあるわけでございまして、老齢になりました寡婦の場合と子供のない若妻で寡婦になりました場合と同じでいいだろうかどうかというような問題もあろうかと思います。いずれにいたしましても各種の年金制度共通の問題でございますので、ひとつ全体の問題といたしまして、将来の課題として検討いたしてまいりたいと思います。 なお、今回はこの点については触れておりませんが、遺族年金の受給資格要件の緩和とそれから最低保障の引き上げということを遺族年金についてお願いを申し上げておるわけでございます。
○広沢委員 最低保障は、これは厚年の改正に合わせて、これは確かに今度アップになっているわけです、二十三万五千二百円ですか。しかし、共済の遺族年金の場合においては、ほとんどが最低保障にひっかかっているのじゃないか。この実態はどういうふうになっているのか、お示しいただきたいと思うのです。
○辻政府委員 今回の改定後におきまして遺族年金の最低保障の対象になりますものが大体三分の二程度でございます。
○広沢委員 やはり最低保障というのはこれはほんとうに最低を、ここまでなければならぬということを保障したものでありますから、これがほとんど三分の二ということは、これは非常に異常じゃないかと思うのですね。やはりもう少し内容というものを検討して、考えていかなければならない問題じゃないかと思うのです。これは厚年の場合は、たとえば六カ月以上で死亡すれば二十年と同水準の年金が出ることになっていますね。それはかりに私は試算してみますと、今度の改正が行なわれた場合は、定額部分が九百二十円に一応案として出ておりますが、それに二十年ということになれば二百四十カ月ですからそれを掛けて、さらに平均の標準報酬、それに千分の十、それにまた二百四十カ月というものを掛けていけば、一応年金額が出てくるわけです。それはたとえば平均標準報酬が六万円に仮定して考えてみますと、定額部分のほうがこの計算でいくと二十二万八百円になるわけです。いまのあとの分が、比例報酬部分が十四万四千円、合わせて三十六万四千八百円ということになる。そのほか厚年の場合は、これに子供がある場合は加給年金というものがプラスされることになっておりますですね。相当金額的にもそれは現実に計算してみると大きくなるわけですが、共済の場合は今度は一年以上というふうに改正されるわけですし、そうなった場合に、同じような計算をして見ましても非常に遺族年金額というものが低いわけです。 ですから、そういう計算のもとに基づいてずっと計算すると、いまおっしゃったように三分の二くらいがほとんど最低保障以下ですから、最低保障になってしまう、こういう結果が出てきているんじゃないかと思うのですね。こういう内容から考えていきますと、当然これは遺族年金の内容というものを変えていかなければならないのじゃないかと思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○辻政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、この点は各種公的年金制度を通ずる問題であると思いますが、ただこの遺族年金の支給率をかりに上げるといたしますと、相当多額の財源を要することになりまして、財源率の影響が、やり方にもよりますがかなり大きいわけでございます。したがいまして、直ちにこの問題を取り上げるというのはなかなかむずかしい状況にございますが、先ほど申し上げましたわが国の年金制度におきます妻の地位等の取り扱いの問題その他も考えまして、公的年金制度全般の問題として将来検討してまいりたいと思います。
○広沢委員 いまたとえばの一つの試算として申し上げてみたわけですけれども、これにおいても厚年と共済年金のほうと遺族年金については大きなギャップがあるわけでありますから、その点はやはり十分にこれは考えていかなければならない問題だと思うのですね。 それから次に、労働福祉の問題について、これも簡単に一、二点お伺いしておきたいと思います。 四十八年度予算に職員厚生費としてあげられた分については、先ほども説明がありましたように一人当たり二千円ということになっていますか。そうですね。
○辻政府委員 二千円と申しますのは四十七年度でございまして、四十八年度は二千四百円ということになっております。
○広沢委員 これはやはり集団検診、健康診断ですか、そういう費用だけしか見込んでいない、こういうことになっているわけでありますが、民間の場合においては大体人件費の七%がこういうような福祉、いわゆる厚生関係に見込まれている、こういうふうに出ております。したがって、この問題については国はそれだけしか見ておりませんが、あとは組合でこれを見るということになっているわけであります。特に福祉事業の場合は、短期の給付費用の五%ですか、こういうことになっておりますので、この点についてもやはり組合員の負担と、こういうようになっているわけですけれども、これは当然民間と比べてみてももう少し充実して考えていくべきではないのか、こういうふうに考えるわけでありますが、いかがでしょうか。
○辻政府委員 午前中にもちょっと御答弁申し上げましたように、ただいまお示しの一人当たり二千四百円のほかに、これは各省によって違いますけれども、いろいろな厚生関係の経費を計上いたしておるわけでございます。たとえば厚生関係の医師、看護婦あるいは寮の管理人でございますとかそういうものの人件費、その他諸種の福利厚生費を計上いたしております。あるいはまた住宅につきまして、公務員住宅等の経費を相当大幅に計上いたしておるわけでございます。そこで、民間と法定外の福利厚生費を的確に比較するのには十分な資料がないわけでございますが、民間の場合と抽出でごく簡単に比較してみましても、むしろ官のほうが若干上回っているのじゃないかという感じがしているわけでございまして、それほど官の場合の法定外厚生福利費が少ないというふうには考えておりません。
○広沢委員 共済組合の場合は、いわゆる長期あるいは短期、福祉事業、この三つになっているわけでありますが、当然福祉事業関係については、これは国が使用者側として見ていくのは当然じゃないでしょうか。第一民間が主体的にそういうふうになっているわけですね。ですから、福祉掛け金の分についてまで、これはたとえ少額であろうといえどもこれを負担させるということを考えていくということは、この組合関係におけるあり方としては、私は姿勢としてはおかしいのじゃないかと思うのですがね。ですから、いまたとえば計算してみますと、十万円の俸給をとっている人は、いろいろのなにによって違いますが、千分の二十八から四十近くまであるわけでしょう。種々ありますが、平均的に三十と見たところで、十万円の月給だったら、短期の掛け金は六千円ですか、それの五%でありますから、福祉掛け金が五%ですから、大体月に三百円ですか、これは半分は負担するわけでありましょう。ですから、そういったところはやはりもう少し充実して、厚生費として十分な民間とのつり合いのとれた形で見ていくというふうに姿勢を変えるべきじゃないかと思うのですがね。もう一度その点について……。
○辻政府委員 ただいま申し上げましたように、そういう福祉関係の経費を全部共済組合のほうにしょわしているということはないわけでございまして、いろいろ資料その他の制約がございますので、的確な比較はなかなか困難でございますが、民間の福利厚生費に比べていま官として支出をいたしております福利厚生費はむしろ民間を上回っているのではないかと考えておるわけでございます。 それから共済組合のやっております福祉事業の財源でございますが、ただいまお示しのように確かに折半の負担でございます。そこで共済組合の掛けました、負担いたしました掛け金の分については、それぞれ単位の共済組合のほうに繰り入れまして、各省ごとに共済組合の医療でございますとか宿泊施設でございますとかそういうところに充当いたしているわけでございます。そこで国が事業主として負担いたしました半額につきましては連合会に繰り入れまして、まとめまして連合会の共済病院でありますとかあるいは共済会館でございますとか保養所でございますとか宿泊所でございますとか、そういう福祉事業に充当しているわけでございます。民間の場合でも健康保険組合その他で福祉事業を行なっておる例もございますので、それとの均衡上も現在のやり方で適切なんではないかと思っておるところでございます。
○広沢委員 それじゃ以上で、簡単ですが終わりますが、とにかく答申にありますように、制度的にもやはり問題点がいろいろあると思います。他の年金制度と比べてみても非常に劣っておるというか、非常に差異がある問題もありますし、この点についてはひとつ前向きに取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、終わりにいたします。
○木村(武千代)委員長代理 次回は、来たる六日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、なお、来たる五日火曜日、午前十時より運輸委員会と連合審査会を開会することとしておりますので、さよう御了承を願います。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会