大蔵委員会 第35号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/05/30
会議録
○鴨田委員長 これより会議を開きます。 中小企業金融制度の整備改善のための組互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。増本一彦君。
○増本委員 前回に引き続いて、残り時間はもうほんのわずかでありますので、一点だけ伺いたいと思います。 五月の十八日だと思いますが、資金運用部資金の金利を〇・三%引き上げるということを決定されまして、それとの関連で国民金融公庫その他の中小企業関係の金利がそれぞれ同じく〇・三%ずつ引き上げられ、国民金融公庫の基準金利も八%になるというように報道をされていますけれども、確かに中小企業金融で、民間金融のほかに政府関係の制度金融というのは非常に重要な問題でございまして、貸し付け金限度が五百万から八百万に引き上げられたということは一定の前進であると思いますけれども、その上ここに来て同じように金融引き締め等々の関連で、特に小規模零細業者が利用するこういう制度金融の金利の引き上げをするというのはまことに中小企業対策としても不適切ではないかというように私は考えるのですが、ぜひその点については再考をすべきであるというように考えますが、ひとつ大臣の中小企業対策から見た関係でも御意見を伺いたいというように思います。
○愛知国務大臣 結論から申し上げますと、報道はともかくとして、国民金融公庫の金利等方針の変更といいますか、決定はいたしておりませんで、ただいまお話がございましたような点も十分配慮して慎重に処理しなければならないと考えまして現在勉強中でありますのが現状偽らざるところでございます。
○増本委員 従来国金の基準金利については民間長期の最優遇金利と連動する、そしてその他の金利は運用部の金利と連動をするというやり方をとってきましたが、そうするとそういうやり方は機械的にもうおとりにならない、こういうように承ってよろしいのでしょうか。
○愛知国務大臣 もう少し詳しく申し上げますと、政府関係の金融機関の金利については、基本的には民間の金融機関の金利水準と連動をすべきものであると考えております。同時に、国民金融公庫で申し上げますならば、そうした基本的な原則を頭には置きますけれども、そして資金運用部の貸し出し金利などの原資のコストということも考えなければなりませんけれども、景気や物価の動向に対処しながら、特に一方において中小企業者等に対するただいまお話がございましたような配慮、それから特に特別貸し付けにつきましては当該制度の趣旨、目的というものを十分勘考いたしまして、基本原則あるいは一般の金融政策というものはありますけれども、しかしこうした中小等の具体的なものに対してはその性格や目的に照らして特別の配慮をする、こういう方針で具体的にきめてまいりたい、こういうふうに考えております。
○増本委員 今回の中小企業関係の金融整備法は、再三指摘してきましたように、上位にシフトする危険性を多分に持っていますし、従来のこの面での運用が小規模零細業者にどうであったかということでは多分に問題である。そうなると、ますます今回さらにそういう危険が出てきたとなれば、制度金融の利用が非常に高まるはずですし、またそういう面での政府関係金融機関の果たす役割りというのも大きくなるはずであろうと思うのですが、そういう意味でひとつその点については十分小規模零細業者の立場に立って検討されるように強く要求をしておきたいと思います。 質問を終わります。
○鴨田委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 最初に大臣に、三月期決算等を見てますとすべて増益増収ということになっているようですが、その中でも銀行の利益というものが非常に大きい。私は従来大蔵省の銀行行政には、銀行局長もいられるから申し上げるが、はなはだ不満が多い。そういう意味から申し上げるのですけれども、銀行の利益は少し大き過ぎはしないかという点についてまずお伺いします。
○愛知国務大臣 銀行に限らず三月期の決算につきましては予想以上の収益がありましたように思われます。これが今後どういうふうな状況になるか、金融の引き締めその他の政策が奏功して仮需要はもちろんでありますけれども、過熱的な傾向というものがとまるようになれば、また大きく変動も起こってくるのではないかと思われますけれども、公平感といいますかあるいは財政需要といいますか、そういう面から考えましても、金融機関を含んで今後の税制等については十分考えていかなければならない。来年度の税制改正についてはいまからそういう方向で十分検討してりっぱな案をつくりたいということを、御趣旨のようなことを考えつつ考究している次第でございます。
○竹本委員 結局私は、大蔵省としては、銀行の利益というものが、まあお客さんの金を預かって右から左へ回すだけだ、これが汗水流して苦労して戦っておるそういう製造工業の利益の何倍もある、あるいは想像もできないほど多いということについて、基準を持っていないんじゃないかと思うのですが、大蔵省はいかがですか。たとえば銀行の利益というものは、配当についてはある程度の制限なりノルマがありますけれども、収益のほうについては、どれだけあがるか、あがったものに税金をかければいいのだということでいっておるけれども、銀行としてはどの程度までの利益ならば社会的にがまんできるのか、そういうことについて全然目安を持たないでコントロールをしているのではないかと思うが、一体銀行の利益はどのくらいまでが妥当であると考えるか、そのめどを持っておられるかおられないか、その点だけ聞きたい。
○吉田(太)政府委員 計数的に申し上げられるような形の基準では指導いたしておりません。基本的な考え方といたしましては、できるだけ外部に流出しないよう内部に留保して、それが貸し出し金利の引き下げという形で行なわれるようにという形で指導してまいりましたのが一般的な原則でございます。
○竹本委員 それでは大臣にお伺いしますけれども、銀行の利益というものは、製造業のどの辺の製造業と大体バランスをとるのか、とらないのか、そういう目安は全然持たないで、あがったものは税金をかける、できるだけ内部留保をさせるということだけでやっておるのか。私が聞いているのは、銀行の利益というものは、大体十億なんというのはべらぼうな話で、全体の何%ぐらいの利益——配当について一つの基準があるならば、利益をあげるということの根源について一つの考え方がなければならぬ。大蔵省には全然ないような感じだけれども、あるかないかを聞いているのです。
○愛知国務大臣 いま銀行局長から申しましたように数字をあげての基準というものはございません。しかし配当等については基準を設けて指導しておる、これが現状でございます。 何しろ数字の基準というものよりも、私どもの考え方としては、金融機関というものは公共的な性格のものである、そうして預金という大事なものを預かってこれを貸し出しに回すわけでございます。そして銀行の営業というものについては銀行法では非常にきびしい監督ができることになっておりますが、それに基づいて一般の活動に対しても規制というのは他の製造業などとは比べものにならないような非常に厳重な規制をいたしておりますから、そういうことのほうが一律の何%とか何億という基準よりはずっときびしい基準があるもの、こういうふうに考えてよろしいんじゃないかと私は思います。
○竹本委員 私が言っているのは、この半期に大体都市銀行の場合で十億円まではいいとか、十億円以上は多いとか、あるいは何%まではいいとか悪いとかいうことを言えというのではないのです。それはむずかしいだろうというのはわかるが、しかし一般的な指導理念として、汗水流して働く製造業の何倍くらいならばがまんするのか、何億くらいまでは許容できるのかということについては全然基準をお持ちにならないかと聞いているのです。
○吉田(太)政府委員 金融業一般として考えます場合と、各種業態、たとえば都市銀行と中小金融機関の場合と異なるかと思います。そういう意味から申しまして、金融業あるいは都市銀行の利益が総体としてどのくらいであるべきか、あるいは相互銀行の利益がどのくらいであるべきかということにつきましては、遺憾ながら適正であるべき基準というものを持ち合わしておりません。
○竹本委員 だから私がいま申し上げるのは前向きに申し上げますから、遺憾ながらということではいけないのだ。汗水流して働く人が一割もうけるのに苦労しているときに、一方では三割でも四割でももうけてとにかく半期二百億ももうけるなんということはふざけていると思うのですね。そういう事態に立ち至らしめたということについて、銀行局としてもう少し反省があってしかるべきではないかということが私のポイントでありますから、今後とにかく銀行はもうかるだけもうけて、あとは税金だというような話だけでは納得できない。要するに銀行がもうけ過ぎる。このもうけをある程度コントロールするということについてもう少しくふうをしていただきたい。いかがですか。
○吉田(太)政府委員 それをコントロールする方法といたしましては、貸し出し金利を下げさしていくか、あるいはコストである預金金利の面で考えていくかということが正道であろうかと思います。ただ収益の大きさが幾らであるべきが正しいかということをもとにして金利のあり方を指導していくということは、現実問題としては今日の経済の体制の中では非常にむずかしいことであろう。だから一般的な考え方として、そういう金利政策というものの運用の面において考慮していくべきことではなかろうか、かように考えております。
○竹本委員 これは大臣への要望にとどめておきたいと思っているわけだけれども、いまの答弁だとどうも話がはなはだ不徹底で、私が言っているのはいまの貸し出し金利をどうするとかなんとかいうことを言っているのじゃないが、相互勘案して、まじめに働いている中小企業や一般製造業に比べて銀行の利益はいま過大であるじゃないか、その過大なものになるように銀行行政が、途中は全然関係ないとはいわないまでも、努力が足らない結果、膨大な利益が出るんだから、こんなに利益が出ると思ったら、その利益を半分にしても貸し出しの金利を下げるとかコストを上げるとか預金の金利を上げてやるとか、何かそういう指導をして、べらぼうな利益が出ないように心がけるだけの目安を持つことがぼくはこれから必要だと思うのですね。銀行の社会性とか、大臣のお話のように公共的な性格が強いのですから、あの独占的な、権力的な地位に立って何百億でももうけさえすればいいんだというような行き方を大蔵省が見ておるということは、私は正義感の上からいっておかしい、やはり目安を持つべきだと思うのですが、その点の結論だけ聞きたい。
○愛知国務大臣 ごもっともだと思います。従来からも十分配慮しておるつもりでありますが、御指摘のように最近のような状況であれば、なお一そう厳粛に扱うべきものである、こういう御趣旨については拳拳服膺してまいります。
○竹本委員 次に参りますが、もう一つは、ここで日本銀行法の改正の問題が出たこともあります。そして政府がやらなければひとつ議員立法でもやるかというような議論も出ました。私はちょっと別な見解を持っておるけれども、それこれ考えて、いまの銀行行政のあり方についての第二の問題点ですけれども、日銀法についても、それから相互銀行法についても、やはり法律のあり方というものは現実の情勢にマッチしていなければいかぬ。昭和十何年の日銀法がいまごろ君臨しておるのもおかしい。これは時間がありませんから、問題があるという程度だけで申し上げませんけれども、日銀法は日銀法で今日の事態に即応した体制に法律そのものを変えるべきだ、指導理念も変えなければならぬが、法律も変えるべきだ。 同様に相互銀行法についても第一条、第二条、その他を見れば明らかなように、これは掛け金の受け入れというようなことが中心に書いてある。ところがいろいろ実態を見れば、掛け金の受け入れ業務というようなものは全体の一割とかそこらということになっている。それがしかも主たる業務の第一号に書いてあるということ自体がおかしい。そういう意味で、相互銀行法というものについて非常におかしい点が二つある。 すなわち相互銀行の存在理由は一体どこに求めていくつもりかという点が一つ。それからもう一つは、相互銀行法は何年にできたか調べてこなかったが、やはり今日の事態に即応したように法の改正をやらなければ、いつまでも掛け金銀行だというような性格のもとに相互銀行を見るとか取り扱うということ自体に少しギャップがあり過ぎはしないかと思いますが、いかがですか。
○愛知国務大臣 相互銀行法は、当委員会でも前に申し上げたことがございますが、昭和二十六年と記憶いたしますが、これは金融制度としてはめずらしいことでございますが、議員立法でできたわけでございます。 これは無尽会社というようなものを中心にいたしまして、日本古来からの伝統といいますか、特色のある制度を近代化して、そして庶民大衆の要望にこたえたいというのが当時の大蔵委員会のコンセンサスであったように記憶いたしております。したがって、その立法の沿革や趣旨は今日といえども十分尊重していくべきものであろう、こう考えております。 それから、掛け金業務は地方的に、それから規模の比較的小さい相互銀行におきましては、相当高い比率で、たとえば給付金の比率でいうと一〇%あるいは一二%をこえている銀行もある。それから掛け金の率でいえば八・一%というようなものもあるというような状況でございまして、だいぶ相互銀行相互間におきましてその比率は違いがございます。いま一がいに掛け金を否定するというのじゃなく、こういうところに相互銀行としても十分配慮をして運営されることが望ましい、こういうふうに考えておりますが、相互銀行法を現状に即するように改正してはどうかという御意見につきましては、金融制度全般にかかわる問題でもございますから十分検討は続けたいと思いますが、いま直ちに政府の提案として相互銀行法を改正するという必要は認めておらない、これが現状でございます。 〔委員長退席、木村(武千代)委員長代理着席〕
○竹本委員 これは検討していただくということでお願いをしておきたいと思います。 それからもう一つ、相互銀行のあり方の問題に関連いたしますが、今度の法改正の趣旨等を考えてみると、量的発展ということに中心が行っているような気がするのですね。そしてだんだん地方銀行に追いついていくのだ、大きいところは五千億円の預金も持っておるというようなことで、量的発展と向上についての考え方がやはり中心的になっておるような感じがして、たとえば相互銀行の沿革、歴史から考えても、その地域社会における密着度を考えてみても、福祉国家建設ということになれば、やはり新しい理念に基づいて、相互銀行のあり方にそういう面のくふうこそ必要じゃないかと思うのですね。それが上に伸びていくということだけを見ていく。従来いったGNP中心のような考え方に沿ったような法改正であって、この改正で相互銀行が地域に密着し、社会の福祉にこういう独自な役割りを果たさせようとしておるのだというくふうが足りないような感じを受けるのですけれども、いかがですか。
○愛知国務大臣 大勢としてはそういうことであると思いますけれども、同時に一般の国民生活の内容や要請が複雑化し多様化してきておりますから、たとえば十年前には相互銀行に期待された地域社会の要請というものに応じ切れないというふうに発展し、積極性を国民生活全体が持ってまいりましたから、その要請にこたえるように業務内容を広げておくということもまた必要な一面であると思います。あるいはそういう面に比重がかかり過ぎているという御批評と思いますけれども、そういう点についてはさらに一そう、地域的な本来の相互銀行の役割り、使命というものがもっと十分に果たせるように、それについては十分の配慮をしてまいりたいと思います。
○竹本委員 中期預金の構想がいろいろ出ているようでありますけれども、それはどうなっているか、またこの相互銀行との関係においてはどういうふうにこれを考えたらいいのか、その辺についてのお考えがあれば、お答え願いたいと思います。
○愛知国務大臣 率直に申しますと、中期預金というものは大都市銀行という方向からの要請にこたえるものではないかという世評がございますし、またそういう面も、沿革的といいますか、最近の風潮としてないわけではございません。しかし私どもとしては、むしろ現下のような情勢のときには、貯蓄性向をさらに一そう高める、それから消費をむしろ抑制する、いわば貯蓄奨励の一つの手段として積極的に考えるべきではなかろうかと思いますが、やはり従来的な発想から申しまして、中期預金というようなものが、たとえば中小の金融機関が迷惑をするとか、あるいは長期の資金を扱うたとえば信託その他にも異論があるとかということもまた事実でございますので、そういう方面と十分相談をしながら、政府としての考えは、資金の吸収の一つの積極手段である、これに全金融界が協力をして快くその目的が達成できるようにと考えまして、多少時間はかかりますけれども、慎重に根回しを現にやっておるような状況でございます。それから同時に、そうして吸収する資金につきましては、有用なところにだけその資金を回すようにしたい。できるだけこれを、ブロックするというとことばが悪いかもしれませんが、そういう点と結びつけてこれが実現できれば一石二鳥の目的を達し得るし、また一部大都市銀行を偏重するというそしりも免れる、ぜひそういうふうな方向でこの問題に結論を出したいと、いま鋭意根回しや研究をいたしておるところでございます。
○竹本委員 これはいまの大臣の御答弁の線でひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思います。 次に、店舗行政の問題でございますが、これは相互銀行だけというのじゃなくて、一般論でひとつお伺いしますが、店舗行政は現段階においてどういうかまえで取り組んでおられるかということが一つ。それからこれに関連してもう一つありますが、それは銀行がいろいろ店をつくる、支店をつくるというような場合に、その地域社会において歓迎される姿、形において出ていくべきだと思うのですね。 〔木村(武千代)委員長代理退席、委員長着席〕 ところが銀行さんがその大きな資金力にものを言わせて、都市のまん中辺の土地を買い取ってしまう、そして支店を持ってくる、大きなビルをつくるという場合に、いま御承知のように、都市の再開発だとかなんとかいろいろ問題がありまして、それぞれの地域社会にはそれぞれの地域社会なりの自主的な一種の総合開発計画を持っているわけですね。そこへ銀行が出ていって、中央突破をやったような形で、自分が買った土地だ、おれの支店をつくるのだというふうな形でかってに大きな支店をつくられるということのために、せっかく商店街なりの皆さんが苦労してまとめた案の構想というものが、たちまち中央突破されてめちゃめちゃになる。その場合にも銀行のほうは、いや、おれのほうで買ったのだというふうな形だけで出ていくようなやり方は、これまた先ほどの銀行の公益性、公的な性格からいってまずい。やはり銀行は一つ支店をつくるについても、地域社会において歓迎される姿において出るべきであるし、お互いの利害をよく調節しながら出ていくべきであって、中央突破するようなやり方は間違いだと思いますが、その二つの点についてお伺いいたしたい。
○愛知国務大臣 まさにその点が問題の点でございますので、銀行の店舗をつくります場合に、これを認可いたしますときに、そういったことが起こらないように、たとえば、いまの御指摘の中にはなかったかと思いますけれども、支店を設置するのだというようなことで、不必要な土地を買ったり、それから資金力があるからというので相当な高額であっても土地を買収していくというようなことがあるとすれば、これはもうゆゆしきことでございますから、そういう点については、十分監督行政の効果を発揮できるように、今日一番その点を注意いたしておるところでございます。 それから、店舗行政の具体的な点については、銀行局長から御説明したほうが適当だと思いますけれども、私の感じを申しますと、従来からやっておりましたような店舗行政は、少し窮屈に過ぎるのではないか。やはりたとえば都会の中におきましても、預金をするというような便宜から考えれば、このごろできる高層のビルなんかに簡易な店舗をつくるということなども、むしろ積極的に考えてもいいのではないか。あまり窮屈に、一年に一店だけであるとか、あるいはあまり集中したところにだけ店が集まるとかいうようなことは、厳重に注意していかなければならぬところでございますけれども、今回は少し長期的に見て、そして支店等の配置などがより合理的にいくように、そして預金者の便宜がはかれるように、あるいは借り入れ希望者の便宜がより多くはかれるようにしたい、こういうふうな感じで、二年にわたって計画をし、認可あるいは内認可をいたしたのが、今年とりました措置でございます。
○竹本委員 時間がありませんので次へ参りますが、信用金庫にも大きいのも小さいのもありますが、外為業務をこれにやらせるということについては、どういうお考えでございますか。
○愛知国務大臣 信用金庫側から陳情が出ておりますが、現に都会地にある信用金庫などでは、たとえば外国為替業務に習熟しておるような大銀行との間に特別の契約を結んだりその他で、そういった面の要望は現在は充足されているように思いますので、いま直ちにこの陳情、請願にこたえるつもりはございません。
○竹本委員 もう一つ、今度は信用協同組合の場合でございますが、その員外預金の問題ですけれども、これは今度の法律改正で二〇%までということになっておりますが、実際はそれよりもずっと多いと思うのです。あまり深刻にこれを論議する意思もありませんけれども、二〇%にするということになれば、それから以上のものは法律に違反したということになると思うのですね。その辺の対処は、どういうふうに大蔵省として指導されるとか、取り組んでいかれるおつもりであるか。二〇%の問題を中心としたいろいろな問題がいまから出てこようとしていると思うのですけれども、大蔵省の大体のお考えを承っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 協同組合は、御案内のように、都道府県知事の監督下にございますので、率直に申しまして、大蔵省としては、必ずしも全国にわたる数多くの組合について正確に実態を把握できているとは申し上げかねるわけでございます。 それから二〇%に引き上げていただいて、また、あとにおきましてはやはりその法律が守られるように指導していかなければならないと思いますけれども、もしかりにそれをこえるようなものの場合には、これはやはり組合に入ってもらうという方向で指導していかなければならないのじゃないか、こんなふうに考えております。 こまかい点は局長から御答弁いたします。
○吉田(太)政府委員 確かに、先生の御指摘のような事実なしとは考えておりません。ただ、できるだけそれが急激な変化のないように、たとえば預金量のふえに応じてこれが吸収されていくようにという形で、経過期間を設けて指導していくということも一案だと考えております。その辺のところは、できるだけ法律違反の実態が起こらないように、また、事実預金者のほうにも非常に急激な迷惑のかからないようにという形で経過的に措置していきたい、かように考えております。
○竹本委員 最後に、直接これに関連の問題でないのですけれども、せっかく大臣おいでになっているので、希望を交えて御質問をしておきたいと思うのですが、それは国鉄等の仲裁裁定の問題です。 新聞で見ると、政府はこれを、いま大臣もいろいろ御苦労いただいておるようですが、公労法の第十六条第二項によって国会に付議するという問題です。これは政治論になりますけれども、今回のいきさつから見ても、当然裁定はそのまま完全に尊重し実施しなければならぬという立場に政府は置かれていると思うのですね。そういう点から考えてみて、法の解釈にも、従来の先例にも、いろいろあるようですし、一がいに断定もできないような立場でございますから、ひとつこれは積極的に、そういう付議をするというようなことでなくて、まあ簡単にいえば、あっさり出してもらうということのほうがベターではないかと思うのです。特にわれわれの関係の組合のほうなんかでは、ストライキはやらぬということを基本的なたてまえにしているわけですね。そういう組合の立場からいうと、ストライキはやるべきではないしやらない、事実いままでやっていない、というような立場でまじめにやってきている。しかしそれの代償として、仲裁裁定は尊重するという形になっておるのだから、それで政治的バランスがとれておるのだから、ストライキはやるな、やってはならぬ、やりません、一生懸命やりましょうと、こうやっているのに、こちらのほうは、いや国会に付議してみてあらためて考え直すのだ、こういう形をとられると、バランスが破れるわけですね。そういうことはむしろいたずらに、まじめにやっている方を刺激するし、政治的に見るとまずいことのほうが多いという意味で、こういうものはそれこそ大臣の政治判断で取り組まれるべき問題ではないかというのですけれども、国会付議の問題については現段階でどういうお考えでありますか、それを伺って終わりにします。
○愛知国務大臣 現段階におきまして、たいへんむずかしい問題の御質疑で、私もお答えしにくいわけでございますが、仲裁裁定というものは、政府としては尊重しなければならぬ。ところが、国庫大臣といいますか、大蔵大臣の立場から言いますれば、国鉄の現況から見まして、まさに公労法十六条第二項によって国会の御判断を願わなければならないような状況でございます。したがいまして、現段階におきましては、大蔵大臣の立場からいえば、公労法を援用して国会の御判断を願わなければならないという立場に私はおるというのが私の現段階における認識でございます。御意見は承っておきたいと思います。
○竹本委員 現段階ということで、将来の段階はどうなるかわかりませんが、私は、特にそういう大衆を相手にした大きな政治の問題については、やはり政治の決断とか全体の判断というものが一番大切で、最後になってどうせ出さなければならぬというような形に追い込まれるのなら、あっさり出すほうがりこうだという点について、これはすぐれて政治判断の問題、決断の問題でございますから、特にその点を要望して、終わりにいたします。
○鴨田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○鴨田委員長 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、これを許します。増本一彦君。
○増本委員 日本共産党・革新共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案について、反対の討論を行なうものであります。 第一の理由は、政府の説明による中小企業の資本規模の拡大という点に全く妥当性がなく、相互銀行、信用金庫の融資対象ワクを拡大する必要はないからであります。すなわち、大蔵省統計によっても、昭和四十五年から四十七年まで、資本金一億円未満の法人数は全法人数の九九%を占めており、資本金一億円から十億円の間の法人数は〇・七%、資本金十億円以上は〇・一ないし〇・三%と、その割合は三年間全く変化をしていないことであります。また、法人の増加数では、資本金一億円未満のものが最も多いのであります。このような現状からして、相互銀行等の融資対象限度を拡大する必要はないと考えざるを得ません。そればかりか、この改正によって、相互銀行等がより多い利潤追求のため融資対象を上位にシフトするおそれがきわめて強いことであります。 第二の理由は、現在でも冷遇されている小規模零細業者に対する小口金融がますます冷遇される道を開くものであると同時に、規模が小さいがゆえに、今回の改正によっても融資ワク拡大の恩典に浴さない低位金融機関と融資ワクを拡大できる上位金融機関の格差の拡大にも拍車をかけることになるからであります。 中小企業金融公庫の調査によりますと、相互銀行では、一件五百万円以下の融資件数が全体の八七%に対し、融資金額は全体の一五%にしかならず、信用金庫でも、一件五百万円以下の融資件数が全体の八九%に対し、融資金額は全体の二六%にしかなっていません。いま緊急に必要なことは、このような現状をすみやかに是正することであり、この点は金融制度調査会答申においても指摘されているとおりであります。 第三の理由は、全信連役員のワクを会員外に広げることであります。いわゆる天下り人事を拡大することであり、これは金融効率化の立場から、合併転換の一そうの促進、小口金融の冷遇化、職場の労働条件の圧迫など、大企業本位の金融政策を民間金融機関において助長することになります。また他方では、信用金庫内職員の昇進に道を閉ざす危険を多分に持つといわなくてはなりません。 以上、今次改正案には、相互銀行や信用金庫の業務の拡張など実情に見合った改善も若干は含まれておりますが、基本的には、四十三年の合併転換法の方向を受け継ぐものであり、小規模零細業者に対する小口金融の圧迫を進め、金融機関の格差を拡大するものであります。 以上の理由から、わが党は本法案に反対せざるを得ません。 以上で討論を終わります。
○鴨田委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 おはかりいたします。ただいま議決されました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○鴨田委員長 次に、内閣提出、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び広瀬秀吉君外五名提出の国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、公共企業体職員等共済組合法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
○鴨田委員長 これより、各案について順次提案理由の説明を求めます。 まず、愛知大蔵大臣。
○愛知国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている退職年金等につきまして、このたび別途本国会に提出されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置にならって年金額を引き上げることとするほか、退職年金等の最低保障額の引き上げ、遺族年金の受給資格要件の緩和等所要の措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び旧国家公務員共済組合法に基づく年金並びに現行の国家公務員共済組合法に基づく退職年金等のうち昭和四十七年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給における措置にならい、年金額の算定の基礎となっている俸給を、昭和四十六年三月三十一日以前に給付事由が生じた退職年金等にあっては二三・四%、同年四月一日以後に給付事由が生じた退職年金等にあっては一〇・五%増額すること等により、昭和四十八年十月分以後、年金額を引き上げることといたしております。 第二に、長期勤続した七十歳以上の者が受ける退職年金等または長期勤続した者にかかる遺族年金のうち、七十歳以上の者及び妻子等が受けるものにつきまして、恩給における措置にならい、年金額の算定の基礎となっている俸給を、さきに申し述べたところにより増額するとともに、さらに四号俸を限度として増額することにより、昭和四十八年十月分以後、年金額を引き上げることといたしております。 第三に、退職年金、廃疾年金及び遺族年金につきまして、厚生年金保険の改正にならい、昭和四十八年十一月以後、これらの年金の最低保障額を引き上げるとともに、通算退職年金の額につきましても所要の引上げを行なうことといたしております。 第四に、公務傷病によらないで死亡した場合の遺族年金の受給資格要件につきましては、組合員期間十年以上とされておりますものを、他の社会保険における遺族年金の受給資格要件との均衡等を考慮いたしまして、組合員期間一年以上に短縮することといたしております。 第五に、掛け金及び給付の算定の基礎となっている俸給の最高限度額につきまして、現行の十八万五千円を、公務員給与の改定等諸般の事情を勘案し、二十二万円に引き上げることといたしております。 第六に、組合員が国の要請により引き続き公庫等職員となった場合の組合員期間への通算条件につきまして、組合員が公庫等職員となり、さらに他の公庫等職員となった後再び組合員となった場合にも、その公庫等職員の在職期間を組合員期間に通算する等の措置を講ずることといたしております。 このほか、恩給における措置にならい、公務員としての前歴を有しない元外国特殊機関職員の在職期間を年金の受給資格期間に通算することとし、また、公務による廃疾年金及び公務傷病にかかる死亡者の遺族年金につきまして、これらの年金の最低保障額を引き上げることとする等所要の措置を講ずることといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその概要であります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○鴨田委員長 次に、佐藤運輸政務次官。
○佐藤(文)政府委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。 この法律案は、旧国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法に基づき公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等につきまして、このたび別途本国会に提案されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じた改定を行なうとともに、遺族年金の受給資格要件の緩和等の措置を講ずるため、所要の改正を行なうほか、公共企業体職員の通勤による災害に対し各公共企業体が補償することとして、日本専売公社法、日本国有鉄道法及び日本電信電話公社法につき所要の改正を行なおうとするものであります。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一点は、年金額の改定内容でありますが、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等のうち、昭和四十七年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給における措置に準じて、年金額の算定の基礎となっている俸給を、昭和四十六年三月三十一日以前に給付事由が生じた退職年金等にあっては二三・四%、同年四月一日以後に給付事由が生じた退職年金等にあっては一〇・五%増額することにより、昭和四十八年十月分以後、年金額を引き上げることといたしております。 また、老齢者及び妻子等を優遇するため、長期勤続をした七十歳以上の者が受ける退職年金等または長期勤続した者にかかる遺族年金のうち七十歳以上の者及び妻、子または孫が受けるものにつきまして、恩給における措置に準じて、年金額の算定の基礎となっている俸給を、さきに申し述べたところにより増額するとともに、さらに四号俸を限度として増額することにより、昭和四十八年十月分以後、年金額を引き上げることといたしております。 第二点は、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する内容でありますが、恩給制度の改正措置に準じて、満洲拓植公社、上海共同租界工部局等の外国特殊機関職員の在職期間を年金の受給資格期間に通算する条件を緩和する等所要の改正を行なうほか、遺族年金の受給資格要件を従来組合員期間十年以上とされておりますものを一年以上に短縮すること及び厚生年金保険法の改正に伴い通算退職年金の定額部分四百六十円を九百二十円に引き上げること等の改正を行なうことといたしております。 また、公共企業体の要請に応じて公団へ転出した職員のその公団における在職期間の組合員期間への通算については、従来は、日本鉄道建設公団等の特定の公団にその公団成立の際、日本国有鉄道に在職していた者が転出する場合に限り認められておりましたが、今回、通算の対象となる公団の範囲を拡大する等の緩和措置を講じ、公共企業体と公団との人事交流の促進をはかることといたしております。 さらに、今回の国家公務員共済組合制度の改正に準じ、国家公務員に転出した職員が引き続き公庫等に転出しその後六月以内に死亡した場合にその期間を組合員期間に算入することといたしております。 第三点は、今回労働者災害補償保険制度等において通勤災害を業務災害に準じて補償することとなることにかんがみて、公共企業体においても同様の措置を講ずる必要が生じましたので、三公社法の改正を行ない、公共企業体の職員の通勤による災害について、公共企業体の負担により補償を行なうことといたしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○鴨田委員長 次に、広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)議員 ただいま議題となりました国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案及び公共企業体職員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を一括して御説明申し上げます。 最近の急速な経済成長の蔭で、わが国の社会保障の水準は、西欧先進諸国に比べ、依然として低水準に置かれております。しかも注目すべきことは、すでに政府の昭和四十七年度経済白書も指摘しておりますとおり、経済規模の拡大につれて成長と福祉の乖離が次第に顕著となり、とりわけインフレを背景として、高齢者世帯、母子世帯等の所得格差が拡大し、他方における資産の偏在と不平等化の進展と相まって所得と富の格差と不平等を一そう増大させている現状にあります。いまや「成長より福祉へ」の転換点に立って、成長の成果を国民生活の充実に振り向けるべき絶好の機会であるといわなければならないのであります。 このような観点から、現在の国家公務員及び公共企業体職員の共済組合の現状を考慮いたします場合、その実態は、きわめて憂慮すべき状況に置かれているのであります。その国の福祉の水準は、その時代の老人の生活がどうなっているかを見ればわかるといわれております。国家公務員、公共企業体職員及びその遺家族が、退職後、今日の生活を保障し得る人間らしい年金を受け、病気になっても経済的不安のないようにすることは、国及び公共企業体の共済組合の趣旨に照らして当然の任務であります。 それだけでなく、最近における医療費の急激な増高は、各種共済組合の短期給付財源の収支を悪化させ、組合員に過重な負担をしいる掛け金の引き上げを余儀なくし、また一方、長期給付におきましても、ここ数年来の異常なまでの消費者物価の上昇のもとで、年金受給者の生活は極度に逼迫しているのが実情であります。 このような事態に直面し、国家公務員及び公共企業体職員の共済組合制度を充実強化するため、共済組合による給付の内容を大幅に改善し、年金額を平均給与額の変動に応じて自動的に改定するとともに、その財政については賦課方式を採用し、かつ、国の負担金割合を引き上げ、あわせて国家公務員及び公共企業体職員の共済組合の制度が組合員の福祉の増進のために運用されるよう規定を整備するほか、退職者についての短期給付の特例等の措置を講ずることは、緊急かつ重要な課題となっているのであります。 以上の立場から、共済組合の短期給付及び長期給付の改善充実等をはかるため、両法案を提出いたした次第であります。 次に、法案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず第一は、共済組合の給付に要する費用につき、国の負担割合を引き上げ、組合員の負担の軽減をはかったことであります。すなわち、短期給付に要する費用につきましては、現在、国と組合員の負担が百分の五十ずっとなっておりますのを国の負担割合百分の七十、組合員の負担割合百分の三十とし、長期給付に要する費用につきましては、現在国の負担割合百分の五十七・五、組合員の負担割合百分の四十二・五となっておりますのを、国の負担割合百分の八十、組合員の負担割合百分の二十といたしたのであります。 第二に、従来の積み立て方式による長期給付の財政方式を改め、これを賦課方式に切りかえたことであります。後に申しますように、本法案は長期給付の給付内容を大幅に充実させ、また年金のスライド制を実施することといたしておりますが、このような給付内容の充実のためには、従来からの積み立て方式では限界があるため、新たに賦課方式を採用したものでありまして、三年を一期とする期間を単位としまして、掛け金、国の負担金は、その期間内における給付に要する費用と均衡を保つよう定めることといたしたのであります。 第三に、共済給付の内容を大幅に改善することといたしました。 まず、短期給付におきましては、家族療養費の給付率を現行百分の五十を百分の八十といたしました。次に長期給付におきましては、退職年金は、現在その支給率が組合員期間二十年の場合、俸給年額の百分の四十となっておりますのを百分の六十に引上げ、最高支給率も百分の七十を百分の八十一とし、さらに最低保障額十五万円を四十八万円に引上げることといたしました。これに準じまして、退職一時金の額の引き上げ、廃疾年金の支給率及び最低保障額の引き上げをいたし、また遺族年金の額につきましては、その最低保障額の引き上げとともに、現在退職年金額の半額とされておりますのを八割相当額といたしました。さらに、長期給付の算定の基礎は、従来退職前三カ年の俸給の平均額とされておりましたが、消費者物価の上昇の中で年々ベースアップが行なわれている現状等を考慮して、これを退職時の俸給といたしたのであります。 第四は、年金額の自動スライド制を採用したことであります。右に述べましたように長期給付の額を大幅に改善いたしましても、年々の消費者物価の上昇の中ではその価値は常に低下するのでありますが、これを是正して、年金受給者に一定の生活水準を確保するため、公務員の平均給与額が五%以上上昇しました場合には、政令によって、当然にそれに見合った年金額を引き上げる措置をとるごとといたしたのであります。 第五は、遺族に対する給付を受けるための要件の緩和と年金者遺族一時金の創設であります。まず遺族に対する給付を受けるべき遺族の範囲でありますが、年金を受ける遺族は、現在組合員の子、父母、孫、祖父母は、組合員死亡の当時組合員の収入によって主として生計を維持していた者に限られておりますのを拡大しまして、一部でも組合員によって生計を維持しておればよいこととし、年金以外の給付を受ける遺族の範囲はこれを一そう拡大しまして、組合員によって生計を維持していない者等を含めることといたしました。そして、遺族年金の支給要件を満たしていてもそれを受けるべき遺族がないときには、組合員の収入によって生計を維持していなかった者に対して遺族年金の七・五年分の年金者遺族一時金を支給することといたしました。 次に、遺族年金の受給要件につきましては、現在、組合員期間が十年以上二十年未満である者に支給される遺族年金は、六カ月以上の組合員期間があれば支給されることとし、これに伴いまして、従来の遺族一時金は廃止することといたしました。 第六は、退職者についての短期給付の特例の新設についてであります。現行法では、退職の際に療養の給付等を受けている場合には療養の給付等の支給開始後五年間は継続して療養の給付等を受けることができることになっておりますが、退職後の新たな疾病や事故に対しましては、共済組合員の資格がないため、給付水準の低い国民健康保険によらざるを得ないのであります。しかしながら、永年勤続して退職した者は、退職後二、三年の間に疾病する場合が多いという事情等を考慮いたしますと、退職後も一定期間は医療給付等が行なえるよう改善をはかることが必要であると考えられますので、組合員期間が二十年以上である者が退職した場合または組合員期間が十年以上である者が五十五歳以上で退職した場合には退職後十年間はなお短期給付を受けることができることといたしたのであります。 第七は、国家公務員共済組合審議会委員と国家公務員共済組合の運営審議会委員についてでありますが、共済組合運営の実態及びその特殊性から、現在は非組合員であっても、たとえば労働組合の役員として専従業務に携わっている者等、かつて組合員であったものについては、労働組合の推薦により、委員に任命できるようにしたのであります。 第八は、長期給付の支給のための積立金の運用についても組合員の意思を反映させるようにはかったことであります。すなわち、現在この積立金は法律上の一定の制約のもとに組合員の意思が直接には反映しない形で組合または連合会が運用いたしておりますが、これがなるべく組合員の福祉のために活用されるよう、その管理、運用については、組合の運営審議会または連合会の評議員会の議決事項としたのであります。 第九は、年金受給者の福祉増進のため、共済組合は、福祉事業として新たに老人福祉施設その他必要な施設の設置、運営の事業を行なうことができることといたしました。これは、現在の共済組合の福祉事業が組合員の福祉増進のためのものに限られておりますのを広げまして、かつて組合員であった者で現在は年金を受けておりますもののための必要な福祉施設の設置、運営の事業をも行なうことができるようにしたものであります。 第十は、労働組合専従者の共済組合員としての継続についてであります。昭和四十三年十二月十三日において、国家公務員共済組合法に規定する職員であった者で、在職中に国家公務員法の規定により職員団体または労働組合の役員としてその業務にもっぱら従事した者がその後職員を退職した場合において、その退職の日の翌日において、職員団体または労働組合の役員であるときは、その者は、その後における職員団体または労働組合の役員である間、職員である組合員と同様に取り扱うものといたしております。 第十一は、退職一時金からの通算退職年金の原資の控除を受けないことを選択することができる期限の延長についてであります。すなわち、この選択期限は、男子については昭和四十四年十月三十一日に満了しておりますが、その期限を、とりあえず、昭和五十一年五月三十一日まで延長することといたしたのであります。 以上は、国家公務員共済組合法について御説明申し上げましたが、公共企業体職員等共済組合法についてもほぼ同様の改正をいたすことといたしております。 以上、この法律案の提案の理由及び内容の概略を申し述べました。 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。
○鴨田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 午後一時再開することにし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十三分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕