大蔵委員会 第34号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/05/11
会議録
○鴨田委員長 これより会議を開きます。 アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律案を議題といたします。 本案は、去る四月二十五日質疑を終了いたしております。 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、順次これを許します。塚田庄平君。
○塚田委員 私は、日本社会党、公明党を代表して、アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律案について、反対の討論をいたします。 まず、本条約で特徴的なのは、アメリカに対して不当な優遇措置をしていることです。他の参加国については計算単位による払い込みを定めておきながら、アメリカについては一千五百万ドルとドル出資を認めておること。そのアメリカに対して原本を長い間公開しながら署名を待っていたが、まだ署名をしておらず、ソビエト、中国、フランスの不参加とあわせて基金の機能、運営上に大きな支障を来たすことが十二分に考えられるのであります。アフリカは賦存する資源の豊かさ、種類の多様さから、その開発は国際的に大きな課題となることは必至で、その意味で、このような解釈を留保しなければならないほど不安定な、足並みのそろわない条約については、これを安易に認めることはできないのであります。 また、この基金の具体的な運用面での問題点は資材、サービス等の購入先を基金参加国に限定しておることであります。ひもつき援助からの脱却が必要である今日、新たなひもつき援助方式となることは火を見るよりも明らかであります。アフリカ諸国第一の原則に立てば、あらゆる国、すべての広範な援助国との交易利用を認めるのが正しいやり方であり、先ほど申しました中国やあるいはソビエト、フランス等の不参加は、この点からも何としても納得のいくことのできないものであります。 わが国の出資方法についても反対の理由としなければなりません。国債発行それ自体は、麻薬注入といわれる財政運営であり、可能な限り最小限に押えなければならないのであります。この原則は、国際的出資についても同様であります。 特に対アメリカとの関係では、いわゆるガリオア・エロアの支払いを早めてまで償還する一方で、この基金には全額国債出資するのはどうしても納得することができません。かりにこのような出資のしかたを認めるとしても、出資国債については、少なくとも予算総則において海外経済協力費として明記すべきであり、国債整理基金特別会計の中で一括処理することは、財政民主主義の立場からいって絶対に容認することはできないものであります。 周知のように、従来からの海外援助、対外投資は資源収奪、被援助国無視の気ままな政策であったことは、いわゆる開発途上国から、侵略国日本、日本品ボイコット運動を起こせ、こういうきびしい糾弾の声にあらわれているとおりであります。 このたびのアフリカ援助にしても、日本のエネルギー事情の将来を見越してのウラン開発、商品市場の強奪等が予想されるものであり、いつか来た道を再び歩み続けるものといわざるを得ないのであります。 このような点から見れば、今回の政府提案は国民の利益にも合致せず、かつ、現在わが国に対し諸外国が真に求めている援助方法にもこたえないものであることを強調して私の討論を終わりたいと思います。(拍手)
○鴨田委員長 増本一彦君。
○増本委員 日本共産党・革新共同の増本一彦でございます。 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりましたアフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律案に反対して討論をいたします。 まず第一に、アフリカ開発基金を設立する協定の持つ本質的諸問題についてであります。 この協定は、他の同種の諸条約、協定と比べると、構成国の発言権が強まり、改良の方向が示されていますが、アフリカ諸国の要求する自主性の点では依然として制限、ひもつき融資であることは明らかであります。同協定第十五条四項(a)号は、明らかにその法的根拠となっております。 また、この協定は、融資先に、構成国のほか、構成国にある参加国企業をも加えており、アフリカにおける資源と市場確保をめざす先進諸国の激烈な競争の資金需要を満たす以外の何ものでもありません。さらに、旧宗主国の参加によって、先進資本主義諸国、なかんずく旧宗主国の経済支配を依然として断ち切ることができず、それを強めることになり、アフリカ諸国の経済的自立の道を確実に保障するものになっていません。またアメリカに対する不当な優遇措置も重大な問題であります。 第二の問題は、本法案にかかわる問題であります。 今日までわが国が輸出入銀行を通じて行なっているアフリカ関係四カ国に対する政府間ベースの借款を見ても、国民大衆の郵便貯金などを原資とする資金運用部資金から拠出されているにもかかわらず、その資金で輸出入するわが国大商社や大メーカーの契約条件や利潤率に対する規制措置は全くとられていず、現に大企業の商業取引、利潤追求のための資金手当ての役割りしか果たしていません。今回のアフリカ開発基金への出資も、結局、国民の税収による一般会計から拠出されるものであるにもかかわらず、大企業、大商社の不当な利潤追求をチェックする手だてがとられていません。 以上のとおり、アフリカ開発基金への出資は、依然として大企業の海外進出をもたらすものであり、ひもつき制限融資であって、その歯どめが全くないのでありまして、反対せざるを得ないものであります。 以上で討論を終わります。(拍手)
○鴨田委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○鴨田委員長 次に、中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本件について参考人から意見を求めることにしております。 本日御出席いただきました参考人は、全国相互銀行協会会長尾川武夫君、全国信用金庫協会会長小原鐵五郎君の両君であります。 両参考人には、御多用のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本案はもちろん、中小企業金融に関する諸問題について、何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。 なお、御意見は十分程度に取りまとめていただき、そのあと委員からの質疑にお答えを願うことにいたします。何とぞよろしくお願いをいたします。 それでは、まず最初に尾川参考人よりお願いを申し上げます。
○尾川参考人 ただいま御紹介を受けました全国相互銀行協会の尾川でございます。 本日は、相互銀行法の一部改正に関する参考人としてお呼び出しをいただきまして、まことにありがとうございました。この機会に、改正に関する意見を述べながら、相互銀行の現況について簡単に御報告を申し上げたいと思いますので、お許しを願いたいと存じます。 相互銀行は、昨年沖繩の本土復帰とともに私ども業界に仲間入りをした沖繩相互銀行を加えまして、現在総行数は七十二行であります。その保有する店舗の総数は、本年三月末で三千五十八店舗となっております。また、保有する資金量は、同じく三月末で九兆八千四百二十六億円、融資量は八兆二千二百九十億円に達し、今日金融界に占める預金のシェアが約八%となっております。また、中小企業金融の分野に占めるシェアについて見ますと、約一九%となっておりまして、全体の二割近い部分を占めておりまして、金融構造の中においてはっきりした地位を築いているものと考えております。 ところで、相互銀行は御高承のとおり、昭和二十六年に新しい制度による中小企業金融機関として発足してからすでに二十余年を経ました。この間、二度にわたって法律改正をしていただきまして、そのつど近代的金融機関としての機能を拡充し、わが国経済の高度成長を背景として着々その地位を固めてまいりましたことは、すでに計数によってその概況を御説明申し上げましたとおりであります。 法律改正の第一回目は、昭和二十八年八月に行なわれ、そのときは内国為替業務の取り扱いが認められたのであります。また、第二回目の法律改正は、昭和四十三年六月に行なわれたのでございまして、この改正によりまして相互銀行は中小企業金融を専門とする金融機関であることが法律上明文化された次第でございます。 最近のわが国経済情勢の推移を見ますと、この数年における国際化の著しい進展、労働力不足に対処する中小企業の資本装備率の上昇、さらには金融サービスに対する社会的要請の多様化などから、中小企業専門金融機関である相互銀行としても、この際制度を改正していただいて、さらに一そう機能の拡充をはかることが望まれるところでございます。 その具体的内容を申し上げますと、一つには同一人に対する融資限度を拡大していただくこと、その二つには相互銀行に対し外国為替業務の取り扱いをお認めいただくこと、この二点でございます。 まず一番目の問題といたしましては、相互銀行は現在のところ相互銀行法第十条によって、同一人に対する融資限度を自己資本の一〇%以内に規制されております。しかしながら、日本経済の国際化、大型化の進展につれ取引対象である中小企業の成長発展もまた著しいものがあり、資本装備率の上昇あるいは運転資金需要ロットの大額化に伴い、その資金需要額が逐年増大しておるのが実態であります。 これに加えて、これら企業の資金調達状況を見ますと、自己資金の割合が低く、また資本市場からの資金調達も依然困難であり、勢い中小企業金融専門機関等からの借り入れに依存せざるを得ないのが現状でございます。 このような情勢に対処するためにも、相互銀行の融資機能の拡大をはかり、中小企業金融の一そうの円滑化をはかる意味合いから、自己資本に対する比率限度を拡大していただくことが、この際早急に望まれるものでございます。 また、二番目の問題につきましては、現在相互銀行が取り扱い得る為替業務は、相互銀行法第二条によって、内国為替に限られております。しかし最近、経済の国際化進展に伴い、相互銀行の主取引対層である中小企業においても、外国為替取引の取り扱いの需要が逐年ふえてきておるというのが現状でございます。 このような実情から、相互銀行の取引先である中小企業の便宜を考え、ぜひとも実態に即した制度の改正が必要とされるところでございます。 以上、簡単に私どもの考えを披瀝いたしましたが、私どもとしては、今次改正法案が、皆さまの御審議を経まして、一日も早く成立することをお願いする次第でございます。 次に、最近の金融に関連する問題について、相互銀行の立場から、若干意見を申し述べさせていただきます。 御高承のとおり、わが国の経済は、昨年に入り、昭和四十五年秋以降続きました長期不況を脱して、景気は上昇に向かったのでありますが、景気拡大の速度が急となり、物価高騰の現象を招来いたしましたために、金融政策は、本年に入って引き締め基調に転じております。 すなわち、日本銀行は本年一月以降二次にわたり預金準備率を引き上げ、特定企業の手形買い取り規制、窓口規制の強化、さらには公定歩合の引き上げなど一連の措置を相次いで講じられ、総需要の抑制をはかるに至っておるのであります。 この結果、相互銀行も、本年の四月−六月期の貸し出し純増額に対しては、日本銀行の窓口規制を受けることとなりました。 もちろん、最近の経済実態から見まして、マクロ的な規制の趣旨は十分理解しておりますし、また相互銀行としても、このワクの範囲内で極力中小企業金融ないしは消費者金融の疎通に努力を払う所存でございます。 しかし、現下の不安定な国際通貨情勢あるいは金融引き締め政策の浸透に伴う中小企業へのしわ寄せなどを思いますときに、当面中小企業の経営環境はまことにきびしいものがあると判断されるのであります。金融の量的調整の必要性は十分認められますが、中小企業金融専門機関の立場からいたしますと、中小企業金融に対する窓口規制については、何らかの弾力的な運営が必要であると考えるのであります。 また、現下の政府の御方針である国民福祉向上という国の基本的な政策に金融面で協力する立場からも、個人向け住宅金融を一般貸し出しと同様に窓口規制のワク内において取り扱うことは、少なからず問題があるのではないかと考えます。したがって、これにつきましても、何らかの弾力的な御措置をお考えいただきたいと存ずる次第でございます。 以上、私の意見を終わります。まことに御清聴ありがとうございました。
○鴨田委員長 ありがとうございました。 次に、小原参考人にお願いいたします。
○小原参考人 ただいま御紹介をいただきました全国信用金庫協会と全国信用金庫連合会の会長を兼務いたしておりまする、城南信用金庫の理事長の小原でございます。 平素私たち信用金庫は諸先生方にいろいろお世話に相なっておりますることを、この機会を拝借いたしまして厚く御礼を申し上げます。 本日は、本委員会で御審議中の中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案について、意見を申し述べるようにということでございますが、まず最初に、信用金庫を御理解いただくため、現状を簡単に申し上げさせていただきます。 現在、信用金庫の数は、北は北海道の北端から、南は鹿児島、沖繩に至る全国に散在し、四百八十四で、本支店を含めた店舗の数は四千二百を数え、その預金量は、この三月末で十二兆四百四十八億円を突破し、貸し出し額も九兆九千五百三十億円をこえ、政府系金融機関及び民間金融機関を含めた全金融機関の中小企業向け貸し出し額の二二%強を占めております。また、その会員数は三百八十万人に達し、信用金庫との取引関係にあるものは四千八百万口座に達する実情でありまして、わが国中小企業及び国民大衆の金融機関として重要な役割りを果たしているものでありまするが、さらに国民生活の安定をはかるため、現在躍進三カ年計画を実施し、業界あげてその実現に努力を続けているところであります。 このように信用金庫は、わが国金融機構の中で重要な一翼をになうまでに成長してまいりましたが、今後も中小企業金融の円滑化をはかり、わが国経済の均衡ある発展に寄与するため、信用金庫が健全に発展し、その機能が十分に発揮できまするよう、一そうの御配慮と御支援をお願いいたす次第であります。 この意味におきまして、今回の法律改正案につきましては、経済金融の実態に即応して中小企業金融の円滑化をはかるためにも、本法案の成立を希望するものでありまするが、さらにそれに関連して幾つかの意見と要望を述べさせていただきます。 第一は、信用金庫の融資対象となる会員資格の問題であります。 今回の改正法案では、資本金規模を現行の一億円から二億円に引き上げていただくことになっております。今後わが国経済の国際化、人手不足の進捗に対応し、中小企業の資本集約化、構造の高度化が急速に進むものと存ぜられまするので、それらに弾力的に対応し、中小企業金融の円滑化とその健全な発展をはかるために、今後とも適時適切に改正していただくよう御配慮をお願いいたします。 第二は、全国信用金庫連合会の機能に関する法律改正案でございます。 御案内のように、信用金庫は地域金融機関であります関係上、連合会が元請となり、単位金庫をその代理店として、全国各地区の信用金庫が地域住民のため公共料金、すなわち納税、ガス電気料金等の振りかえ払い、山間地の住民でも有価証券の払い込み金や元利金の支払いが地元信用金庫で取り扱いができまするよういたしたいためでありまするので、改正していただきたいのであります。 以上が、今回提案されておる問題について意見を申し述べた次第でありまするが、この際、次の点について今後の問題としてお願い申し上げます。 その第一は、信用金庫の一債務者に対する融資限度の問題であります。 現在信用金庫の融資限度は、自己資本の二〇%か二億円以下のいずれかの低い額とされておりまするが、信用金庫は基本的には中零細企業を中心としたすそ野金融に徹していくことはもちろんでありまするが、先ほども申し上げましたように、産業構造の高度化や協業化等の進展による中小企業の規模の拡大とともに、取引量の増大により中小企業の資金需要額は年々上昇しており、現行の融資限度額では地元中小企業である地場産業の要請に十分こたえることができないような状況でありまするので、実態に即して現行の二億円を中小企業の実情に即した額まで引き上げていただくよう、御配慮をお願いいたします。 第二は、中小企業向け長期安定資金供給問題であります。中小企業は、資本市場の利用が困難なこともあって長期安定資金の確保がむずかしく、また政府系金融機関も財政資金等の制約があって、その需要を満足するまでに至っておりません。そのため、勢い民間金融機関に依存せざるを得ない実情であります。民間には長期資金を専門に取り扱う銀行もありまするが、これらは御承知のように、大企業中心であり、今後ともこれに多くを望むことはむずかしいと思われます。 したがって、中小企業に深い理解を持ち、その金融を専門に取り扱う中小企業専門金融機関がこれに当たることが最も望ましく、中小企業の実態から考え、信用金庫が短期金融とあわせて現在より一そう長期金融を取り扱うことができますることが、その社会的使命遂行の上からも必要であろうかと存じます。 ついては、系統金融機関である全国信用金庫連合会を中心とする長期安定資金の供給対策を検討しているのでありまするが、その資金源の確保が必要であります。その方法として、資金運用部資金の外部資金の導入、全国信用金庫連合会による信用債券の発行等が考えられまするので、この点についても特別な御配慮をお願いいたします。 第三は、外国為替の問題であります。今回の改正法案では相互銀行が外国為替取引を行なうことができるようになったわけでございますが、信用金庫は、先ほども申し述べましたように中小企業向け貸し出しが二二%のシェアを持ち、その取引先には外国貿易を取り扱っているものが数多くありまするとともに、地域住民の子弟が外地勉学資金の送金や外地からの送金等国際金融を必要とする人々のためにも、早い機会に外国為替取引の取り扱いができまするよう、法律改正について御配慮くださるようお願いいたします。 第四に、現在会員資格の問題でありまするが、従業員数三百人以下で資本金では現行一億円、今回改正案では二億円とされておりまするが、先ほど来いろいろと申し述べましたように、経済金融の面で変化の激しい時代を迎えておりまするので、現行法は、昭和四十三年六月に制定されたものであり、すでに五年間も経過いたしておりまするが、この間に経済の発展は著しいものがあったのに加えて、貨幣価値の下落もはなはだしく、今後も引き続きかような状態が続くものと考えられまするので、これに即応して適時法律の改正をお願いいたす次第であります。 第五に、卒業生金融の問題であります。会員資格を有していた時代に貸し付けを行ないましたものが、資本金の増加により会員資格を失った場合、卒業生金融として貸し付けておったものが、返済期に金繰りの関係上返済期日に返済できなくなり、一年なり二年なり延期してもらいたいと申し出のあった場合に、どうしても返せとなりますると、その中小企業が破産をするような場面もあります。特にこの六月一日から卒業生金融の期限がまいりますが、こうした貸し付けについては延期することもやむを得ないものもありまするので、この点について御配慮をお願い申し上げるとともに、基本的には、中小企業者が零細企業であったときに会員となり、取引が開始されてからその企業が健全に発展成長し、資本金の面で会員資格を失うような場合、その過程において信用金庫が金融の面であたたかい援助をしてきたものについては、何らかの形で引き続き取引を続けることが実際に即したものと考えられまするので、この点について取引が続けられますよう格段の御配慮をお願い申し上げます。 以上をもって、私の意見を終わらせていただきまするが、今回の法律案の改正には賛成でございます。御清聴ありがとうございました。
○鴨田委員長 ありがとうございました。 —————————————
○鴨田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。村岡兼造君。
○村岡委員 きょうは相互銀行協会長さん、また信用金庫の協会長さんにおいでを願いまして、私、商工会並びに中小企業の団体に関係しておりますので、その立場から、中小企業の金融の発展という意味で忌憚のない御意見、あるいは私もいろいろ調べてまいりましたこと、御意見を申し上げて、お願いしたい。時間も限られておりますので簡潔にお答えを願いたい、こう思うわけです。 相互銀行法、信用金庫法を改正する法律案が提案されておるわけでございますけれども、それに伴いまして、昨年度と違って今年度に入りまして金融状況が非常にさま変わりとなりまして、第一に、預金準備率の引き上げが二回にわたって行なわれた。特にまた相互銀行には初めてといわれる窓口規制が行なわれておる。したがって、商工会関係あたりから、零細中小企業から、引き締めの傾向がもうすでに出てきたとということになっておるわけです。大蔵省あるいは通産省では、今回の金融引き締めにあたって中小企業、零細企業には影響させるなと再三言っているわけですが、現地あるいはそういうところでは起きておる。したがって、実際に相互銀行さんあるいは信用金庫さんでこの預金準備率引き上げあるいは窓口規制の結果どうなっているのか、この状況をひとつお知らせ願いたいと思います。
○尾川参考人 預金準備率の引き上げにつきましては、ただいま先生の御発言のような趣旨から、私どもは第二回目は引き上げを免除してもらっております。したがって、そういうふうな面につきましては私どもはたいへんにしあわせに存じておる次第でございます。 一般的に見まして、中小企業は非常に困るじゃないかということはどうかという御質問でございますが、私はそのとおりだと思っておりますが、現在のところでは、まだ四月一カ月過ぎただけで数字的には出ておりません。しかしながら、中小企業の需要が非常に多い、そうしてまた住宅金融等にも相当な貸し付けをしていただきたいという希望も出ておりますが、こういうものをかれこれ勘案いたしまして、私どもはできるだけそのワク内で皆さんに御迷惑をかけないというようなことで最善の努力を払わなければならぬと考えております。御質問のように、具体的にいま非常に困っておるというようなものは、数字的には出ておりません。地区的には、名古屋地区等において一部困っているというようなところもあるそうでございますが、それは具体的に私の手元に持っておりません。
○小原参考人 ただいま尾川さんからお話のございましたように、預金準備率につきましては、二回目のときには中小企業の金融を圧迫してはいけないというふうな日本銀行さんの御配慮から、私のほうは適用を受けませんでした。 窓口規制という御質問でございますが、これは信用金庫には直接窓口規制はございません。ただ、先ほど申し上げました信用金庫連合会には若干の窓口規制のお話がございましたけれども、信用金庫自体には、単位金庫には窓口規制というようなお話は現在ございませんですから、いままでどおり融資を行なうことができるというふうになっております。 ただし、現在できるだけいろいろ引き締めの政策を日本銀行等で行なっております趣旨については協力してもらいたい、一方、銀行さんのほうで窓口規制をして借りられなくなったようなものが、そういうものはわれわれのところへ来ませんけれども、来たとしてもそういうものには貸さないで、中小企業専門にひとつ心配してもらいたい、こういうお話でございます。
○村岡委員 先ほどの意見の御陳述の中に、窓口規制を何らかの弾力的な措置によってゆるめていただきたいというような相銀の会長さんのお話がありましたけれども、何らかの弾力的ということは、結局は窓口規制をやめていただきたい、こういうことでございますか。
○尾川参考人 いや、全然やめていただきたいということではございません。大きな目から見まして、私どもも金融引き締めに協力するということはよく承知しておりますが、ただ、大企業、他の都市銀行あたりから締め出されたお客さんのしわが、われわれのところに寄ってくるであろうということは私どもは考えております。したがって、このワクをはずしてもらうとかなんとかいう意味でなしに、何らかの方法で少し緩和策をとっていただければたいへんしあわせだ、こういう意味でございます。
○村岡委員 いま都市銀行あるいは地方銀行に窓口規制、預金準備率がどんどんなされておるわけでございますけれども、そうなりますと、従来の金融の引き締めのときに、大企業が今度相互銀行さんあるいは信用金庫さんから金を借りに来る、こういう従来の傾向があったわけでございますが、今後もそういう傾向が出てくると思います。そうなって、相銀さんで大企業に貸せば安心だしというようなことになりますと、窓口規制を緩和しても、あるいは預金準備率のあれには関係なくても、ますます中小企業、零細企業の資金がなくなるということになりますので、この点はひとつ、今後そういう場合に、相互銀行さんあるいは信用金庫さんにそういう大企業が借りに来ても貸さないで、相互銀行、信用金庫の使命である中小企業対象に貸していくかどうかということをひとつお答えを願いたい、こう思います。
○尾川参考人 私どもは、数字が出ますとよく実情がわかりますから、そのはっきりした数字をもちまして、中小企業を見殺しにするわけには絶対にまいりませんから、その実情を述べまして、そして緩和策をとっていただかなければならぬときが来るという場合には、これを強力に理由を述べまして、何らかの形で緩和の方法を講じていただきまして、専門の中小企業金融機関が金を貸さないからということでは中小企業者は行くところがない、それではたいへんなお困りだし、私どももその使命感に対して責任を感じておりますから、そういうことがないためには、あらゆる努力を払って御了解を得るということの心組みを持っておることをお答えいたします。
○小原参考人 私ども信用金庫の使命というものが、中小企業を育成するということと、それから国民大衆の家庭生活を豊かにするというふうなビジョンを持っております。そういう関係上、こういうふうなことがあって大口融資が来ましてもそれには応じない、こういう考え方でどこまでも自分の目的に徹してまいりたい、こういう覚悟でございます。
○村岡委員 今回の一部改正によって、貸し付け限度の引き上げ率がきまるわけでございます。そうなりますと、比較的中小企業でも大きな金額が借りられる、これはたいへんけっこうなことでございますが、一方において、五十万、百万あるいは二百万、三百万、こういう方々、つまり五千万、一億あるいは二億貸すほうがこの改正によってできてくるわけでけっこうでございますが、零細なほうにも金を回すことを十分要望して、同時に私、いつも考えておるわけでございますが、都市銀行は平均の六・三三%、地方銀行の利息は六・九六%、相互銀行は七・七%、それから信金は八・一一%、こういうふうな平均利息になっておるわけでございますが、正直に申しまして、大企業は安く、零細、中小は高く、こうなっておる。同時に預金を集める費用その他、相銀さん、信金さんがかかるのは私ども承知いたしております。しかし、大きな組織もある、金もあるところは安くて、組織も金もないところは高ければ、結局何年か後には、金額は少ないにしても、やはり中小企業というのはなかなか容易でない。この金利を大企業並みに下げるとすればどういうような 預金を集めるには相当な金もかかりますので、これを下げるとしたらどういうような努力が必要なのか、あるいは大蔵省あたりでそういうことが考えられておるかどうか、この点ひとつ御意見を伺いたい。
○尾川参考人 金利が都市銀行あるいは普通銀行に比べて若干高いということは事実でございます。これはいろいろ理由がございますが、主として項目をあげますと、取り扱い一件の金額が非常に少ない五十万、百万というものと、都市銀行あたりで一億、十億というものの取り扱いとでは、これは私ども百万のものを一億にするためには百倍の手数をかけなければならぬ。それが一億、十億貸すなら一つの手形ですぐ済むというようなことで、件数が多いために非常な手数がかかる、これが一つでございます。 それからあとは量的な問題でございます。やはり持っております金の額が少ないということが一つ、それからあとは合理化の問題、こういうものも考えられるのでございますが、しかし、私どもは、何としても一番困るのは中小企業者ですが、金利は先生のおっしゃるとおり、一番安く貸したい、これがほんとうだと思っております。そうですけれども、現実の問題としてはできませんので、非常な努力をいたしまして、まず資金量をふやすことに鋭意意を注いでおりますが、私どもの希望といたしましては、やはり政府から出る大きな金でございますが、これが私どもには一向、歳入は取り扱わしてもらっておりますが、歳出に対しては全然タッチさせていただけない。私どもは、そういう金は一つもない。それからまた地方財政地方自治体におきましても地方の財政資金がたくさんございますが、こういうものも、私どもは一行としてこれを取り扱わしてもらうということができない、こういう現状でございます。私どもは、何としても政府の金を使わしてもらうことを考えたい、こう思っておるのでございますが、歴史が浅くて、すでに既得権だというような形になっておりまして、なかなか入るわけにまいらない。 そこで、金利を下げるということは、結局資金量をふやすということが一番でございますが、それじゃ大口に貸したらいいじゃないか、これはある程度の手数が少なくなりますから、金利は下がるかもしれません。しかし、そういうことでは、私どもの使命が達せられない。どうしても小さいところに重点を置いて、地域に中心を置いて、中小企業一本に金を貸すということが私どもの使命でございますから、非常に苦しみながらでも、最善の努力を払って金利の引き下げにつとめておるというのが現状でございます。 そこで、多少危険なところもあるというようなこともございますので、私は、信用保証制度、こういうものでも拡充してもらうということも一つの方法じゃないか。そういたしますと、やはりこれを利用いたしますとぐあいがよろしい。ある程度危険負担も少なければリスクも少なくなるということで、これが将来は金利の引き下げにもつながってくる、こういうふうに考えておる次第でございます。
○村岡委員 いま会長さんから、中小企業の金利を安くするには政府系の資金導入ということが出されたわけでございます。銀行局長さん来ていらっしゃいますか。──大蔵省の考え方として、こういう金利の問題で、たとえば政府系の資金を出すとか出さないとかいう考え方がありましたらひとつお願いいたします。
○吉田(太)政府委員 いま尾川参考人のお話しになりました政府資金とおっしゃいますのは、おそらく国庫金、政府の歳出、歳入の資金を扱わしてほしいというお話であろうかと思います。これはいまもお話のございましたように、できるだけの努力を双方ともにしていかないといけない問題だろうと思います。特に国庫金支払いというのは、分散いたしますと国庫の金の効率的運用といいますか、非常に歩どまりが多くなることによって、金の運用が効率化しないという財政上の問題がございます。しかし、この辺のところはやはり時間とともに解決していくことだろうと思います。 地方財政につきましても、これは従来から相互銀行は非常に努力をしておるところでございますが、それぞれの地方自治体とのいろいろの話し合いが進められております。これも相互銀行の内容が格段に充実してまいりました現在、さらに努力していただくということを期待しておるわけでございます。 さっき先生がお話しになりましたのは、おそらく利子補給というようなことではなかろうかと思います。相互銀行、信用金庫とも非常に重要な公共性のある機関ではございますが、一面私企業でもございます。中小企業金融という分につきましても、現在全国銀行が約四〇%余り、それからその他中小専門機関が半分、ここまで非常に中小金融機関は努力して今日まで合理化の努力を続けてまいりました結果、資金コストも低下しております。それから貸し出し金利も非常に低下しております。これは全国銀行以上に低下の割合は強いわけでございまして、私どもはその努力を非常に多としているわけでございますが、同時になおかつ、まだ経営努力を積み重ねる余地は大いにあろうかと思います。たとえば提携をしていくことによって資金の効率的運用をやっていく。場合によっては合併ということもその一つだろうと思うのです。そういう改善努力をしていただくということをあわせやっていくことによって、その経営努力が必ず実ってくるものである、かように考えております。 なお、政府が税金をもってその利子補給をしていくというのは、やはりたてまえから申しまして政府金融機関を中心にやっていくべきではなかろうか、かように考えておるのが現在の大蔵省の考え方でございます。
○村岡委員 時間も迫ってまいりましたので、何点か申し上げましてお答えを願いたいと思います。 いまの利息の問題でございますが、特にこれはある地方の実例でございますが、信用金庫さんあたりで利息が一一%というのもある。それで商工会を通じて文句を言ったら、九・五%にしてくれた。平均八・一一%ですが、ほんとうの零細になると、一一%もとっている例もあるということで、協会長さんとかまた理事長さんとか、あるいは社長さんは知らないにしても、末端の支店へ行けば、やはり支店の成績をあげるためにそういうような問題が出ておることも、私ども承知をいたしておるわけでございます。やはり一一%となりますと相当高い。こういう点改善をしていただきたい。 同時にまた、従来いつもいわれることですが、歩積み両建て、これが依然として行なわれておる。これはなんといっても支店その他になりますと、どうしてもやってくれ、こういうことで、借りるほうは泣く泣くそうしなければ貸さないと言われてやる。 それからまた問題は、定積みみたいなものが完了してもそれを落としてくれない、預けておけ、こういうことを言われる。しかもその部分の、定積みあるいは定期預金に見合った利息の軽減をしてくれない。それはそのまま預けておいて、貸すものは別に貸しておいてそのままにしておる。これは相銀さんあるいは信用金庫さんでもあるわけでございます。ここにおいでの方々は、そういう気持ちは毛頭ないだろうけれども、支店長あるいは支店の競争ということによってそういう問題が出てくる。 それからまた、いろいろ政府系の制度金融があるわけでございますが、これは商工会とかある団体を通じて相銀あるいは信用金庫へ申し込む。ところが、私なら私が一定の限度借りておる。その上に五十万、百万あるいは二百万借りる場合、あなたのワクはこれだけですよ、したがって制度金融には貸すことはできぬ、こういう例が非常にあるわけでございます。実際には借りるほうの本人の悪いのもあろうかと思いますけれども、できるだけそういう点のないようにしていただきたい。 それから、いろいろ問題点があるわけでございますが、この信金さんあるいは相銀さんの店舗が、合わせますと全国に約七千店ございますね。この七千店の店舗の増改築というものは、毎年相当な数で行なわれておる。預金は中小企業あるいは地元から集めて、たとえば支店の建設の場合、工事の発注は大建設会社、こういうような事例が非常にあるわけでございます。相銀さん、信用金庫さん、これは信用を重んずる商売ですから、といってもたかが二億以下あるいは三億以下の建築に、地元の企業を入札にも参加させない、こういうことでは非常に困ることである。したがって、こういう問題点について、相互銀行さんの協会あるいは信用金庫さんの協会でいままで話があったかどうか。なかったとすれば、協会長さん方の意見はこの問題に関してどうであるか。全部とは言わないけれども、どうも相当数大建設業者にやっておる。 中にはこういううわさがある。建てるときに大建設会社から預金を一億でも二億でも受け入れまして、そしてその結果入札に入れまして仕事をさせる。中小企業はそんなことできない。その工事に参加するために一億も二億も預金を預けることはできない。したがって締め出されて、わずか三千万、四千万あるいは一億以下の建設工事にも参加することができない。この点は私どもも何とかひとつ改善をしていただきたい。 あるいはまた備品でも、相銀さん信用金庫さん、この七千店で購入するもの、これらも値段が同じで納期がよくて品物が同じならば、大企業からでなく、ひとつ地元から極力購入するように、相銀さんも信金さんも中小企業もともども栄えていくようにしていただきたい。どうもそういうほうになると、大企業のほうへちょっと片寄っている点があるのでないか、こういうふうに私ども見ておりますので、これをひとつ直していただきたい。 それからまた、今後だんだん金融情勢が逼迫してまいりますと、従来相銀さんあるいは信金さんから都市銀行あるいは地方銀行がコールローンでございますか、こういうものを引き上げていく。いまは利息は安いようですから、コールローンの残高というものはどちらも非常に少ない。しかし今後逼迫してまいりまして今度金利は高くなってくる、ぽんと貸せばこれは間違いない、そうなりますと、逆に中小企業にいくのがなくなる。このコールローンの今後の考え方、金利が上がったからそちらのほうへどんどん──これは銀行さんの経営としてはいいのですが、困るのは中小企業だ、こういうような問題でございます。 それともう一つ、時間もないようでございますので、これは大蔵省のほうに聞きますけれども、金融制度の中小企業金融制度の整備に関する答申の委員の名簿を見ますと、これは商工会とかあるいはそういうような中小企業の方々の代表が一人も入っていない。これで中小企業の金融制度というものがきめられるということは、私は、一人か二人かは今後入れていただかにゃいけないのではないか、こういう考えをいたしております。 以上、時間がないので口早にお話しいたしましたが、ひとつ簡単にお答えを願いたい、こう思います。
○尾川参考人 先生のお話は、私どもは十分傾聴いたしまして、今後とも先生の御意向に沿って努力いたしたいと思いますが、ただ店舗のことは、これは私も銀行の社長を長いことやっておりましたが、私は、地域の支店はやはりその地域の建設業者にやってもらっておるということをずいぶんやっております。ただ、お耳に入っておるのは本店を建てるときということじゃないかと思いますが……。
○村岡委員 いや本店じゃございません。本店は入っておりません。
○尾川参考人 そうでございますか。やはり多くの支店がいい得意さんを、建設業者を持っておりますから、そこから推薦しておりますので、全部というわけにはまいりませんが、何割かというものは必ずその地元の建築業者がやっておる、こういうふうに考えておりますが、その点につきましても十分配慮いたしたいと思います。 それから、物品購入につきましても同様な考えを持っていかなければならぬ、こういうふうに考えております。 それから、コールの問題は、コールでもうけようとかなんとかいうような意味でコールに出すということは全然考えておりませんことをお答えいたします。
○小原参考人 建築につきましては、ただいま先生のおっしゃるとおりと私は思っております。できるだけ私どもなんかもやはり大、中、小、いろいろな建築業者にお願いします。それから建築業者から預金をもらってどうこうというようなことは私ども考えておりませんです。 それから、物品の購入でございます。これはやはりできるだけ地元の中小企業、零細企業でも、そういうところから買ってあげるということが大切だ、こういうふうに思っておる次第です。 それから、コールにつきましては、信用金庫業界に対してコール依存というものから脱却しろということを私は言っておるわけなんです。つまりコールというものは、金利の上げ下げによってふやしたり削ったりするということは経営の不安定になるから、今後もできるだけコールに出さないというふうなことにひとつ姿勢を改めろというふうな指導をしておる次第でございます。
○村岡委員 どうもありがとうございました。
○鴨田委員長 次に、塚田庄平君。
○塚田委員 それでは、参考人の皆さん方に数点にわたって御意見を賜わりたいと思います。 時間もございませんので、非常に項目は多いと思いますから、簡潔にひとつお答え願いたいと思います。 まず、たいへん苦情になりましてあるいは失礼に当たる面もあろうかと思いますが、率直にお答え願いたいと思います。 相互も金庫も、これは中小企業振興のためにある、これが唯一の目的であろうと思うのです。最近相互、信金、連合会も入れまして、いろいろと固有の方針といいますか、その目的にはずれた問題がちらほら見えてきておる。実は当委員会でもその点については再三質問がなされておるわけですが、この際連合会、協会の最高責任者として御所見を承りたいと思います。 まず第一点は、これは信金の連合会のほうですが、昨年ですか、石油公団に対して百億ぐらいですか、その程度の融資を行なったということで、この委員会でも実は問題になりましたが、最近になりますと石油の備蓄率というのがどんどん上がっていく。備蓄日数が上がっていく。きょうの新聞なんて見ますと、調査団の報告として九十日ぐらいの備蓄をしなければならぬ、こういう情勢まで伝えられております。備蓄がどんどんと上がっていく。したがって、それに対する設備投資等についても広範に金を集めるということで、連合会その他にも、協会等にもそういう要請、それから特に緩和されたときには、金庫自体あるいは銀行自体の事情等もあってこういう事態になってきておると思いますが、これはやはり私ども何といっても当初の目的から逸脱した融資のしかただと思うので、この件についてひとつ御所見を承りたい。 特に銀行については、どうも最近土地関連企業に対する融資がずっとふえてきておる。しかも大口が大体土地関連に集中しておる。そればかりじゃなくて、銀行自体が系列の不動産会社を持っておる。これは私は具体的には申しませんが、相当あると思うのです。ひどいところになると、その系列会社が国内で二十以上のゴルフ場を持っておる。国内だけではなくて、海外にも出かけて買いあさっておるという実態が明らかになってきておると思うのです。最近土地に対する世論のきびしさと相まって、一体これはどうするのかということ等について、所見も含めて、御両所にひとつ率直な御意見を承りたいと思います。
○尾川参考人 先生のお話でございますが、私どもの銀行が土地に大きくまとめて金を貸したということは私は耳にしてはおりませんが、土地ブームのときに前からの不動産業者にまとまった金を出しておるということは、これは否定できません。事実は幾ら出しておるかはわかりませんが、しかし、先般準備率の引き上げを私ども除外していただきましたときに、大蔵省、日本銀行、両方から、融資は慎重にやらなければいかぬ、準備率の引き上げを除外した理由をよく了解すべきであるという重大な警告を受けておりますので、私は全相互銀行にその旨を通知いたしまして、まとまった土地に融資することは絶対にやめてもらいたいということを通知を出しておりまして、各銀行からもそれに対して、そのとおりだ、慎まなければならぬと言っておりますから、現在の情勢においてはそういうふうなまとまった金が出ておるところはないと信じております。 もう一つは、傍系会社というようなものをたくさんつくって、それに対して金を流しておるじゃないかというようなお話でございますが、これは私はどういうことであるか、それだけの資金を持って、多く流すような実力を持った相互銀行はあまり耳にしておりませんからわかりませんが、しかし、そういうことがあってはいけないということはよくわかっておりますから、十分注意をいたしたいと存じます。
○小原参考人 お答え申し上げます。 最初に、石油備蓄公団に対する融資の問題で、これは逸脱した融資ではないかというふうな御質問だと思います。この問題につきましては、御案内のように、信用金庫の実情をちょっと申し上げますと、ちょうど一昨年以来昨年の秋くらいまでは、金融が非常に超緩和時代を迎えておったわけです。そういう面からいきまして、当時は貸し出し先もかなり金融の貸し出し競争みたいなものが一時起こっていたことがございます。なかなか貸し出し先もないというので、地方の信用金庫がかなりの余裕金をかかえておった、こういうことです。余裕金の運用につきまして、債券運用とかいろいろなことをやりましても、非常に低い利回りのものきりない、こういうことです。連合会といたしましては、単位金庫のつまり余裕金の集中運用ということを事業の目的としてございます。金の余っておりますものを個々でもって運用したのでは非常に安くなってしまいますから、できるだけ連合会に集中して、高率の運用をして差し上げる、こういうふうなことがございます。 そういう面からいきまして、連合会に非常に昨年は金が集まったということは、ちょうど昭和四十六年度に単位金庫に対しまして、連合会の定期預金を七分五厘の金利でもって払ったわけなのです。七分五厘払うということは、当時の金融環境からいいますとかなり高いのでございますが、ほかに運用の道がないような時代が一昨年の秋から昨年の夏ごろまであったということ、これを御了承願いたいと思います。そういう面からしまして、七分五厘払いませんければ、地方の信用金庫が行き詰まってしまうような時代を迎えたわけです。やはり地方の信用金庫を行き詰まらせたのでは地域のためにならない、そこで、連合会がここでもって思い切って心配してあげることが必要だというので、そういうふうな若干高い金利でもって連合会で金を預かったわけです。 現在でも一兆四千億ばかり金を預かっておりますけれども、そうしたことからかなり余裕金が連合会に集まり、連合会はこれを運用するのでございますが、連合会も代理貸しとかいろいろな面でやっておりますけれども、一面余裕金運用の一環としまして、債券類も買っておるわけであります。いろいろな政府保証債を買ったり国債を買ったり社債を買ったりというようなことで、運用もかなりしております。しておりますが、今度の石油備蓄公団につきましては、私は、あれは国策にも沿う仕事でもあるし、それからまた信用金庫としまして、また連合会といたしましても、政府の保証債を、政府が保証していただいていますから政府保証債を持ったというふうなぐあいに余裕金の運用を、結局政府保証債を買いますと、いろいろな発行費やなにか出ますから、そういったものまで含めた金利をもらえば、同じ政府保証債を買ったと思って、いま申し上げました石油公団に心配するというふうなことがいいのではないか、こう考えましてやった次第でございます。 それから、その次の問題でございますが、信用金庫といたしましては、住宅ローンなんかにつきましても提携ローンと非提携ローンが住宅ローンにもございます。二つございますが、私のほうでやっておりますのは非提携ローンというのが非常に多いのでございまして、これは、実際に家の必要な人に金を貸す、これが中心でございまして、不動産会社等に対する貸し付けについてはきびしく、ひとつできるだけ土地の思惑買いであるとかいったような資金については、こういうものに貸さないようにということを、常日ごろ指導しておる次第でございまして、信用金庫にはそうたくさん不動産会社に貸しておるというものはないというふうに、私ども考えておる次第でございます。 以上でございます。
○塚田委員 あまり時間がないのであれですが、相互銀行のほうは、現在土地買いはあまりやっておらない、引き締めておる。あるいは現在そういう方針で臨んでおるのかもしれませんが、実態について会長はもう少しつかんでいただきたい。ここにいろいろなパンフレットもあるわけですよ。大胆にもある相互銀行のごときは、提携会社と共同で名前を掲げて、これを使用するいろいろな使用料金は、全部当該相互銀行へ入れるようにということを麗々しくうたった銀行等もありますので、その点ひとつ今後とも十分あれしてもらいたいと思います。 それから、備蓄公団の点ですけれども、当時の事情としてはわからぬことはないのですが、ただ、ちょっと私どもいま引っかかりがあるのは、これは政府保証債のつもりだ──大蔵省、この件について、備蓄公団といいますと、これは当然政府の財政資金によってまず考えていく、たとえば備蓄の日数がふえれば当然設備投資が必要なんですから、その点一体どういう──民間の機関に依存した、おそらく大蔵省は了解を与えておるのだろうと思うのですが、この点の考えをひとつ聞きたい。
○吉田(太)政府委員 政府の、後段のほうの問題は、実は率直に申しまして私所管ではございませんが、ほかに適当な者がおりませんので、私からお答えさせていただきます。 民間資金を導入するというやり方は、実は住宅公団その他の機関にもございます。これは政府保証債というやり方もございますし、それから借り入れ金というやり方もやっておるようでございます。その際に、政府が債務保証をしていく、こういうことだろうと思います。私のほうとしての全信連に対する監督の立場といたしまして、先ほど小原参考人からのお話のように、信用金庫連合会の運用資金の一五%の範囲内においてその余裕金を運用するようにという指導をいたしておりまして、そのワク内の運用の問題である、かように考えておるわけでございます。
○塚田委員 やはり基本的な原因としては政府の金融方針というか、財政方針というか、とにかく昨年は野方図な緩和状態、ことしは百八十度転換して引き締め、そういう中でやはり中小金融、つまり中小企業が非常に困るという事態が出てきておるのじゃないか、こう考えるので、その点はひとつ参考人のほうよりも、むしろ政府の方針の目まぐるしい変転の中で、特に庶民金融あるいは中小企業金融は困っておるという事態を認識してもらいたいと思うのです。 いまお答えの中で、非提携ローンについては金融引き締めの波は及ぼさない、つまりそこは守っていくのだというような御意見がありましたが、私の前の人の質問ともあわせて、ひとつぜひ住宅ですね、マイホームの夢もこのためにがらがらとくずれていくという事態さえ考えられて、苦情もずいぶん来ておりますので、特に住宅の建設についてはぜひ考えていただきたい。 それから、住宅建設と称しても、たとえば大きなマンション、これもいま庶民のための分譲住宅としてどんどん出ておりますが、最近、これは一例でありますが、相互にしましても、五千万円あるいは六千万円という高額なマンションを建てるのに対してもこれは融資する。五千万、六千万というマンションはサラリーマン、庶民の住宅じゃないんですね。どっかの重役か、そういう金持ちのセカンドハウスなんというようなことにもなっているので、こういった住宅等については、これは特に提携ローンだと思うので、提携ローンについても、そういうやり方についてはぜひひとつ金融面で考えてもらいたい、こう思います。これは意見で、参考人の御意見は要りません。 そこで第二番目は、先ほども話がありましたが、だんだんと引き締めてまいりますと、中小企業は追い詰められていく。それで、地方には御承知のとおり信用保証協会というのがあって、貸す場合には担保あるいは信用保証協会の保証というのが大体常道になっておりますが、保証料が非常に高い。また保証してもらうについてもいろいろな困難が指摘されてきております。 そこで、私ども御両人に聞きたいのは、銀行なり相互銀行なり、あるいは金庫なりで独自に保証機関をつくっていくという立場をとれないものか。保証料を安くして一般の零細な中小企業に容易に貸し出し得るような、あるいはサラリーマンに対する貸し出しもそういう形でやれないか、こう私は思うのですが、この点は御両人から御意見を聞きたいと思います。
○小原参考人 その前にちょっと先ほどの石油公団につきまして申し上げますと、石油公団にこうしたことでもって中小零細企業の資金を圧迫しないかというふうなお考えもおありと思いますが、私どもの連合会といたしましては、昨年これをやりました当時に、ちょうど七千億の余裕金を持っていたわけです。先ほど銀行局長さんからお答えになりましたように、資金量の一五%以内では員外の貸し出しも認める、こういうことでございまして、現在でも連合会で余裕金を持っておりますので、中小零細企業にこれをやったからといって逼迫させるようなことは絶対にございませんですから、それだけは申し上げておきたい、こう思います。 それから、いまお話のございました、保証協会をつくってどうというようなお話でございますが、私は最近事務局のほうへこういうことを立案しろということを言っております。それは、全国の信用金庫の窓口を通じまして、百万円までは、今度政府でもやられましたが、無担保、無保証で貸せるような制度をひとつつくったらどうだ、こういうことなんですね。それにつきましては、全国の信用金庫が中心となって一つの保証協会をつくって、そしてその保証協会の保証によって全国各地区の信用金庫の窓口で百万円までは担保も要らない、きた保証人も要らない、ほんとうのただ保証協会の保証でやれるというふうなことを現在計画中でございますので、これが実現しますと、むろん零細企業の人たちはいいと思いまするし、また一般の大衆のためにもなるんじゃないか、こう考えまして、現在立案中でございます。これは近く私のほうで成案を得ましたら、また大蔵省のほうへお願いに出る、こういう考え方でございます。よろしくどうぞ。
○尾川参考人 先ほどの先生の御説は、私ども前から十分いろいろ考えていたのでございますが、すでに広島地区で六行がそういうものをつくりまして、これは各銀行の庶民ローン、消費者金融などの小口金融を推進するために設立するという目的で、中国地区の相互銀行全部集まりまして、中国相互信用株式会社をつくりました。これはいわゆる保証機関でございまして、先生のおっしゃる趣旨に沿うものだと思っております。私はこれは非常に注目しておりまして、その結果を見ないまでも、大体方向がよければこれを全国的なものにしたいという考えを持って、中国地区の協会長にも十分私の意思を伝えておる次第でございまして、そういうものを将来考えていきたい、こういう考えを持っておることをお答えいたします。
○塚田委員 第三点は、政府の公債政策がどんどん拡大されてくるという中で、地方債も伴って、地方財政計画の中では大きなウエートを占めてきておると思うのです。地方債の中の特に縁故債については、地元の機関に依存するというケースが非常に大きくなってきておると思うのですよ。超緩和時代ならこれまた別ですけれども、最近のようにぐんと締めてくると、おまけに公債は大きくなる、縁故債はいろいろな関係で、それこそ縁故の関係で引き受けざるを得ないという中で、やはり中小企業に対する融資がどうも円滑にいかないという不満が二、三届いておるのですけれども、この事態に対して一体どう考えておられるか。 あわせて、時間もございませんから、縁故債、地方団体からいえば起債ですね、この利子の引き下げについて何とか御努力を願えないかという声も、特に末端の町村の段階で上がっておるのですが、これらの点についてどういうお考えであるか、ひとつお聞きしたい。
○尾川参考人 地方債を持っておることでございますが、これは実は相互銀行としては多少違う考え方を持っておるのでございます。縁故債をということでございますが、私どもは、ちょっと申し添えますが、これが縁故債であるか縁故債でないかということの区別がつきませんが、まあ縁故債を持っておることは事実でございます。そうしてそれがまた逐年ふえてまいっておるということも事実でございます。これを申し上げますと、四十四年度末には九十九億円であったものが四十五年度末には百五十四億円になりました。それから四十六年度末には二百八十八億円、四十七年度末には三百六十二億円、こういうふうにふえております。これはおそらく縁故債であるかもしれませんが、その区別がつきかねております。 しかし、これを持っておる比率を見ますと、都市銀行や地方銀行と比べますと、それは全くお話にならぬほど低いものでございまして、これが、私どもの資金量の中からこういうものをさいて、そうして中小企業に金融をするということに支障を来たすというようなことは、現在のところでは、この程度の金額ではもう絶対に懸念はないと信じております。 私は、目的が多少違っておりまして、先ほどの意見を開陳さしていただきましたときに申し述べましたように、どうしても地方自治体とのつながりをつけたい。そしてそこの指定機関になれば、その自治体の金も預けていただけるし、また出し入れの取り扱いもしてもらう、そういう面において何かの形のつながりをつけたい。現在のところでは、まあそういうふうなつながりがあるところは一行もございませんので、そこで、一般の融資に支障を来たすというようなことではむろんこれは困りますが、それでなければある程度の、現在程度の地方債は持ってもいい。そのかわりそれによって自治体とのつながりをつけて、どうしても指定金融機関になりたいというような目的を持って今後ともこの点はある程度は持っていきたい、私はこういうふうな考えを持っております。むろん、これによって一般金融を阻害する、障害になるというようなことはいたしません。
○塚田委員 利子の引き下げはどうですか。
○尾川参考人 利子の引き下げですね、これはどうもむずかしい問題じゃなかろうかと思っておりますが……。
○小原参考人 ただいまのことにお答えを申し上げます。 縁故債とか地方債でございますが、信用金庫は地域金融機関で、その地域に密着しております関係上、こういったような要請もあるわけで、いままでは大きな都市銀行さん、地方銀行さん等が担当しておられたのですが、最近非常にそこいらの面だけでもって地方債を消化するとか縁故債を消化するというわけにいかなくなったような状態で、信用金庫にもそういう要請が若干参りました。参っておりますけれども、これにつきましては、その地区の信用金庫が、資金量の大きな信用金庫と資金量の少ない信用金庫といろいろございます。そういう面から、資金量の少ない信用金庫がこれを持つということでは、そこの金庫が、先ほど来御心配の中小企業の金融に差しつかえるという面もございますので、私どもの考え方としましては、こうしたようなときには、その金庫がいろいろと仲立ちになって話しに来ていただいて、持てる範囲において、これは連合会の資金で心配してあげたい、こういうふうに思っておるわけでございます。それで、単位金庫でもって持てるところは持ってもらう場合もありますけれども、持てないようなところについては、またその金庫の資金を圧迫するような場合には、連合会の資金をもってそれに充てたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから、金利につきましては、いま尾川さんからもお話のございましたように、最近預金金利も引き上げになりましたし、それから人件費も最近は非常に高くなりました。物件費も上がっているという際でございまして、あまりこれを安くするということはどうか、こう考えますので、できるだけ勉強はいたしますけれども、そう安くはできない、こういう実情でございます。
○塚田委員 四点目ですか、五点目になりますか、合併問題について。金融二法が成立してから、健全な経営ということで合併が促進されてきておる。二法制定以来、すでに件数も相当あがっております。 そこで、私どもその具体的な内容を見てまいりますと、案外異種合併が、つまり相互銀行と信金なり、あるいは相互、信用組合、こういう異種間の合併が非常に目立つわけですね。この金融二法の制定の本来の趣旨はやはり同種合併、なぜならば相互は相互で、あるいは組合は組合で、あるいは金庫は金庫で、それぞれ特徴を持って立てられておる機関だと思うのですよ。そういう機関同士の合併で強化していくということは当然あってしかるべきだと私は思うのですが、どうもそういう点で若干性格の異なる銀行間で合併が促進される。率直に申しまして、あるところでは、たいへん聞きづらい合併をめぐってのいろいろな争い、こういうものも出てきておるわけなんですけれども、これはひとつその点について、これから進めるなら同種合併を進めていくという方向で、いたずらな紛争を起こさない、むしろそれぞれの分野で発展していくという体制をとるべきだと思うのです。 これは指導するのは大蔵省だと思うのですが、大蔵省としても一体どういう考えであるか、この際お聞きしたいと思います。
○尾川参考人 合併の法律をつくっていただきましたときは、異種等もできるということになっておりますが、私は先生のお説と同様なことを主張しております。合併はいろいろな条件があって、なかなかむずかしい。しかし、合併をするのであれば、同種の金融機関が合併すべきである、相互銀行は相互銀行同士で合併をしていこうということを常に主張しておる次第であります。
○小原参考人 合併については、合併転換法を私ども否定するわけではございませんが、やはりいま先生のお話しのようなことで私は指導しておるわけです。と申しますことは、かりに信用金庫が大きな銀行さんと合併したとしますね。合併しますと、金は同じ金でございますけれども、大きな銀行さんに合併すれば、その金は大企業に貸す金が中心として運用されちゃう、こういうことですね。われわれ信用金庫同士の合併ならば、これは信用金庫としますれば、先ほど申し上げましたような中小企業のためとか、あるいは国民大衆だとか、あるいは地域の住民のしあわせというふうなことに使われる、こういうことでございますので、私は、信用金庫に対しては、同種合併はいいけれども、ほかの大きな銀行との合併については、できるだけひとつやめろということをよく指導しております。そういう次第でございますので、先生のお話と同じでございます。
○吉田(太)政府委員 大蔵省といたしましても、まず歓迎すべきは同種合併であるということは、これは全く同様でございます。事実、信用金庫の場合をとりますと、信用金庫の同種合併は三十三ございます。信用金庫がその他のものと合併いたしました場合は、相互銀行の場合は二件ございますが、むしろ信用金庫と信用組合が十一合併しております。こういうケースは、ある意味では、それぞれの事情があるようなことがございます。一がいにこういう場合に、これはおかしいんだというわけにはいくまいかと思いますが、基本的な考え方としては、まず同種合併でできるだけ対処してもらいたい。そしてその他の場合において事情やむを得ない場合に、しかもそのことによって中小金融が阻害されないという保証がある限りにおいてこれを認可する、こういうことで今後もやっていきたい、かように考えております。
○塚田委員 いま、大蔵省の答弁ですけれども相互と信金の合併は二件と言いましたか。
○吉田(太)政府委員 そうです。
○塚田委員 これは、私の資料とは大きく違うのですけれども、つまり、相互銀行と信組との合併ですね。
○吉田(太)政府委員 相互銀行と信組との場合と違います。
○塚田委員 信金との合併ですか。信組も入れますと、どのくらいになりますか。
○吉田(太)政府委員 相互銀行と信組の場合は十四でございます。
○塚田委員 しかし、信組にしたって、相互との合併ということになると、これは異種合併ですね。そういう面からいって、十四といいますと、合併の約三分の一は異種合併ということになってきて いるわけですよ。だから、そういう面では、むしろ大蔵省の指導は及ばなかったという実証になっておるんじゃないかと思うんですけれどもね。
○吉田(太)政府委員 同種が五十一で、異種が二十七でございます。それで、そのうち相銀と信組が十四あるというのが、おっしゃるように二十七のうちの十四ということになりますと、確かに異種合併の中では半分を占めておるということは、そのとおりだと思います。これはそれぞれの実情で、信用組合サイドの問題もあって合併したケースもございます。しかし、私先ほど申し上げましたように、基本とするところは、その合併によってよりよくその地方の金融が疎通されるようにということで指導していきたい、かように思っております。
○塚田委員 次は、これも先ほどちょっとお話がありましたが、歩積み両建ての問題、いつも問題になるのですが、確かにお説のとおり、歩積み両建ては件数としては、公正取引委員会の十六回にわたる調査の結果なのですけれども、だんだんと減ってきておることは事実です。そこで、問題はその減り方なんですけれども、公正取引委員会では、狭義の拘束預金と広義の拘束預金、こう分けております。確かにこの狭義の拘束預金、つまり拘束力をうんと強くする、念書を入れたり、直ちに定期にさしたり、そういう狭義のものは減ってきておりますが、広義の拘束預金、たとえば口約束あるいは実際上引き出せない、こういう預金がそう割合としては減ってきてないという数字が出てきているわけですよ。だから、この歩積み両建てについては、指導体制も非常に強化されてきておると思いますが、反面、あの手この手で実際上引き出せないという事態に追い込んでおるという面も出てきておるのですが、この点を一体どう認識しておられるかお聞きしたいと思います。
○尾川参考人 この歩積み両建ては、私どもは御承知のように、毎年の五月と十一月にその結果を大蔵省に報告しております。また検査の際も十分大蔵省からこの点について御検査を願っておるのでございますが、なかなか先生のおっしゃるようなことも、ございませんと言い切るわけにはいきませんが、しかし全体といたしましては非常に減っておることは事実でございます、そういうふうな狭義とか広義とは別にいたしまして、全体的に。相互銀行を見ましても、一番新しい四十七年十一月の状況を申し上げますと、拘束性預金は五十四億二千九百万円でございますが、これは貸し出しに対して比率が七・三%というように減っております。これを以前と比べてみますと、自粛を申し入れを行ないました当初である昭和三十九年五月末の時点では四二・三というような大きな拘束性預金があったので、歩積み両建てがあったのでございますが、これを大蔵省の指導によりまして、ただいま御報告申し上げましたようにほとんど一〇〇%近いまでに訂正しておるのでございます。これは、金額は五十四億二千万というほど大きな金額でございますが、これは定められた金利措置によって残っておるものでございまして、金利が安くなっておるのでございます。そこで、これは十分債務者ともよく了解がついて金利を下げまして、こういうふうに保有しておる金額でございます。
○小原参考人 お答え申し上げます。 ただいま広義の拘束預金がふえていはしないかというお話でございますが、私ども信用金庫といたしましては、要求払いの預金が非常に少ないということなんですね。ですから、広義の拘束をするというようなことの面がほとんどないような状態で、大きな銀行さんですというと当座制預金をうんと持っているとか、普通預金をうんと持っているということで広義なそれができると思いますが、われわれ信用金庫としましては、そういうことはでき得ない。 そこで、私ども歩積み両建てにつきましては、一つの私どもの考え方を持っておるのですが、歩積み両建てを自粛するということはもちろんしなければいけないことはよくわかる。ただ、中小企業者、零細企業者の立場からいきますと、手形なら手形をかりに十枚持っている、その十枚の手形がみんな筋の通った手形ばかり持っておりません。持ってくるわけじゃない。そういたしますと、若干でもその人に余裕がありますれば、そうすれば少しこれは首をかしげるような手形でも、十枚全部ひとつ割ってあげようということができるわけです。ところが全然その人が余裕のないような人ですというと、十枚のうち七枚きり割ってあげないということになる。七枚きり割らないというと、三枚の手形が公の金融機関で割れない、その割れない三枚の手形を今度は高利貸しから高い金利で割らなければならない、こういうふうな結果に追い込むこともあります。 それからまた、割った手形が中零細企業ですとときどき不渡りなんか出ることがあるんです。不渡りの出た場合に買い戻しをしなければならぬという場面が出ます。買い戻しをしなければならぬ場面があったときに、買い戻し資金が若干余裕を持っていますれば御自分が買い戻しすることができるのでございますけれども、できないために買い戻し資金を高利貸しあたりから借りて、それがために中零細企業が高い金利を借りたために破産してしまうというふうな場面もございますので、中零細企業に対する歩積み両建てと申しますか、かりに五百万円の金を貸すとしますね、五百万円の金を貸すときに一千万円の証書を書かして、すぐにその五百万円を預かってしまうというふうな極端な歩積み両建てについては、ほんとうにやかましくやっていただくことが必要だと思うのです。ただし中零細企業が仕事をやっていて、その仕事でやったうちのほんとうの十分の一くらいを毎月毎月手形なら手形を割ったりなんかしたつど積んでいくというふうな面は、やはり中零細企業のためには、そうしたことのほうがかえって金融機関ペースでなくして、むしろそのほうが中零細企業は仕事がやりいいのではないか、こういうふうに私は考えますので、一応参考までに申し上げておきます。
○塚田委員 どうもかえって中小企業のためにやりいいというような御意見を承ってあ然としておるのですが、しかしこれは御承知のとおり明らかに地位利用行為、乱用行為ということで公正取引委員会からも指摘されている問題であり、実際狭義拘束預金というのは確かに減っておりますよ。だけれども広義はほんとうに水準は下がっていない。調査によりますと同じなんですよ。こういう点からいって、いま言った潜在的な拘束力というのは、預金に対してやっているということを物語っておると思いますので、この点は確かに資金の量とかあるいは利子とかあるいは保証とかいろいろな問題にからんでくる問題だと思うので、そういう問題の解決をまず急ぐことによって、いやしくもそういう乱用行為のないような体制に早く進んでいかなければならぬ、こう思いますので、これはひとつ希望としてお伝えしておきたいと思います。何か御答弁ありますか。
○尾川参考人 ちょっと数字を訂正いたします。先ほど御報告申し上げました拘束性預金は五十四億二千九百万円ございますが、これが七・三%になっております。これをまたさらに金利措置をいたしまして、現在は五十二億六千九百万円ということに減っております。ほとんどあと十五億くらい金利措置をすればいい、こういう数字になっております。訂正いたします。
○塚田委員 そういう数字はあまり出されぬほうがよかったのです。つまり、これは金利措置をしたということですね。いままでしてなかったということですよ。だから、こういう金利措置さえしないということはもってのほかなんで、しかもまだ若干残っておる、これは実態だと思います。私はよくわかりますから、その点ひとつよく改善してもらいたいと思うのです。 もう時間も参りましたので、最後に簡単に次の二点について御両所の御意見を承りたいと思います。 いま週休二日制という問題がいろいろと議論されております。これは一般銀行と、おそらく中小金融をもっぱらやる金庫や相互とは若干違うと思いますが、つまり五日操業ですね。五日だけ窓を開くということです。この点については協会としては率直にどういう見解を持っておるか。それは、銀行としてはあるいはできるのじゃないかというなら、その点率直に御答弁願いたいと思うのです。 第二は、きょうの新聞にも出ておりましたが、中期預金という問題がいま表面化してきております。いろいろ都銀などの間でごちゃごちゃやっておりますが、中期預金について、まあおそらく協会のほうでは賛成だと思うのですが、一体それをどう扱いをしたらいいかという問題について、意見があったら述べてもらいたいと思います。
○尾川参考人 まず週休二日制の問題でございますが、これは時代の趨勢でそういうふうな傾向をたどっておるということは当然でございますが、私ども相互銀行といたしましては、就業時間というものに対しては今日まで非常に努力してまいりまして、その内容を見ますと、七十二相互銀行の中で何らかの形で六十行が土曜日を休むというような形をとっております。これはどういう休み方をするかと申しますと、具体的には、隔週を休んでいるという銀行が一行、月に二回という銀行が三行、四週で一回というのが九行、月一回が四十四行、その他が三行、こういうふうになっておりますが、私は週休二日制というものはまことにけっこうだが、サービスをしておる金融機関が先に立って週休二日制をするということではお客さんが困りはしないか。だからお客さんのほうでもう週休二日制をされるということであれば、当然私どもはこれに踏み切ってやるべきではないか。週休二日制というものには反対しておりません。おりませんが、その順序を、私はそう金融機関が先に立ってやるのはどうも納得がいかないと思っております。それで、そういうふうな二日制にいたしましても、お客さんのほうで休まれれば、その荷物が翌週にひっかかってきて、また残業をしてこれを処理しなければならぬというような重荷がかかってまいらないから、週休二日制にしてもさほど影響はない、こういうふうに考えております。 それからもう一つの問題でございますが、中期預金の問題は、先生のおっしゃられるとおりにここ二、三日毎日、新聞で見ておりますが、この問題は相当重要な問題でございますので、私どもはまだ正式にこの中期預金に対して意見を述べろということはどこからも参っておりませんが、しかし、参っていなくても早急に役員が寄りまして、そこで右か左かの態度をきめなければならぬ、こう思っております。この中期預金に対しては、非常にぐあいのいいところもあるし、またぐあいの悪いところもあるというようなことを私個人は考えておりまして、私としてはただいまのところそういうことを、これがいいとか悪いとかいうことをはっきり申し上げるような心境でないということをお答えする以外にないのでございます。緊急に会議を開きまして態度をきめたいと思っております。
○小原参考人 それでは最初に週休二日制の問題でございますが、これは時代の要請だというふうに私ども考えております。ただ、われわれはやはり中小企業なり一般国民大衆の金融機関としまして、お客さんサイドを考えなければならぬということでございますので、そこいらはよく動向を見定めた上でこれはひとつ実施したい、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから、次の問題の中期預金でございます。中期預金につきましては、最近この中期預金を打ち出したのが都市銀行さんだ、私、そう思っております。そこで都市銀行さんが結局いろいろなことを、証券業もやりたい、中期預金もやりたい、それからまたいろいろなことをやりたいといいますが、あれもこれもやるということになると、いま貿易商社がいろいろなことをやっちゃって、それで日本の社会をいろいろな面で困らしている、こういう面もございます。そういう面からいきまして、私どもは中期預金についてはあまり大きなところが中期預金や何かをやって、みんな自分のところですべてをやっちゃおうというようなことがはたしていいか悪いかという面について、相当疑問を持っているということで、あまり賛成はしてないということだけは申し上げておきます。
○広瀬(秀)委員 関連して。いま非常に慎重なお答えをされたわけですけれども、実は私ども考えますのに、いま小原参考人が言われましたように、都市銀行サイドからそういう問題が実は提起されたと思うのです。金融制度調査会等でもこの問題についてはかなり各委員から賛否両論がありました。そのことも承知をしておるわけでありますが、皆さんの立場では、やはりこの中期預金ということになりますれば資金コストがどうしても上がるというようなこと、それから貸し出し金利を安くしたいという要請、そのジレンマに悩んでいるということが、尾川さんのおそらく決しかねている、気持ちを表明する段階に至ってないという表現になったろうと思うのでありますが、私どもはやはりこの中小企業にも長期低利の安定資金、特に設備投資というものが根強いということになれば、どうしてもいまの短期預金の体制では安定長期資金というものは充実していかない。そうすればそういう面でのニードにこたえられないという、そういう必要性といいますか、そういう見地から、むしろ大きい銀行がどうこう言うのではなくて、これは金融制度調査会でもそういう有力な意見の人も何人かあったようですけれども、中小専門金融機関、ここくらいにひとつ特別に認めたらどうか、そしてその貸し出し先というか、そういうものも、たとえば住宅であるとかあるいは中小企業の設備投資というようなところにその資金を供給するという、それ以外にはもう利用しないというような何らかのそういう歯どめのようなものを設けながら、中小企業金融機関こそそういうものを与えて、そういう商品を売り出すことを特別に認めて、大銀行や都市銀行ということじゃなしにむしろやったほうがいいのではないか、こういう意見を実は私ども持つわけなんですけれども、そういう点では、その経営面というかコストの面でどうしても踏み切れないものなのか。まあ長期資金になれば金利も当然高くなるわけですから、ただその幅はある程度狭まるでしょうけれども、しかし損がいくことではない。その利は薄いけれども、その辺のところはやはり全体的にその使命感に燃えて何とか経営努力によってカバーしていくということで、もう少し中小金融機関サイドから積極的な御意見があるものと私は期待しておったのですが、その辺のところの本音を御両所からもう一つ突っ込んで御意見を伺っておきたいと思います。
○尾川参考人 先生がお話しになりましたように私どもは昭和四十一、二年ごろは資金集めに非常に困りまして、相互銀行だけに三年定期を認めてもらいたいということを陳情したことも事実でございます。それは都市銀行あたりに押しまくられてしようがないから、こういうものでひとつ魅力を持った商品にしようじゃないか、これは相互銀行だけで、ほかの金融機関にやられるのでは、やはり重荷がかかるばかりだからやめようじゃないかというようなことをやったことは事実でございますが、先生のおっしゃったことは十分私は胸に置きまして、そして役員会に臨んで、慎重に審議いたしまして、態度をはっきり近日中にいたしますということをお答えいたしておきます。
○小原参考人 いま尾川さんからいろいろお話がございましたが、信用金庫といたしましても、われわれだけにやらしてくれと言いまして、はたしてやらせてもらえるかどうかということも疑問なものですから、まことにあれですが、私はむしろそのペースにはまってしまいはしないかということを懸念するわけでございまして、そういう面から、コストは若干上がっても、それはやっていかれることはやっていかれますけれども、しかし、今度は大きな銀行の大きな翼の中へ入れられてしまうということをおそれているということでございます。
○塚田委員 終わります。
○鴨田委員長 増本一彦君。
○増本委員 共産党・革新共同の増本でございます。 私たちも皆さん方の中小企業、特に中小零細企業の金融の問題については、皆さん方の御苦労は多といたしますし、今後やはりそういう方面で十分に独自性を発揮して、中小企業の利益になるようにやっていただきたいということを強く希望しているわけですけれども、きょうは皆さん方の御意見を伺って、その決意のほどをよく私どもは理解する点ではやぶさかでございません。 そこで、そういう立場から進めていく上で、主として労使間の問題について幾つか御意見を伺って、また、私どももひとつ業界全体によき労働慣行を確立するようにして、そして労使相まってこの目的の達成のために努力をしてほしい、こういう気持ちでひとつお伺いしたいと思うのです。 一つは営業時間の延長の問題なのですけれども、いまいろいろ調査をしたり、それから聞いたりしますと、三時の閉店を延長するというような動きが非常にある、このことが一つ労働条件の大きな変更になるんじゃないかということで、非常に問題にもなっておる。この点については、先ほどの塚田さんの質問でも、週休二日制の問題とか、あるいは労働時間の短縮というのが、いま時代の趨勢である、しかし、その反面で、たとえば中小企業の経営に自主性を与えるために、その手段として自由競争を行なわせることが最も手っとり早いし、営業時間延長も顧客の希望にこたえるだけでなく、競争原理導入のための手段として有効であるというようなことを、大蔵省の、これはうしろにおられる貝塚中小金融課長が金融経済新聞に書かれるようなこともあって、かなりいろいろな店舗でこういう問題が起きている。 しかし、この問題については、私は、営業時間を延長することだけが顧客のサービスになるとか、このことに中小金融機関が特殊性を持つというようなことであってはならないと思うのです。むしろ内容の上で利用者に対してどういうサービスをするか、このサービスの充実、特に金融商品の中小企業向けとして充実したものであるということを、何よりも業者の人たちは望んでいると思うのですが、そういう点でひとつ営業時間の延長問題については、私はいまの時代の趨勢からいきましても、これは軽々にとるべきではないと思うのですが、もしそういうような事態を考えるとしても、十分に労使間で、これは労働条件の重要な変更にも当たりますので、交渉をきちっとして、その上で決定していくという方向を、業界としても立てられるべきではないだろうかというようにも考えますので、まずその点について、業界を代表されるお二方の御意見と方向をお聞かせいただきたい、こういうように思うのです。
○尾川参考人 労働時間の延長ということは、残業という意味でございますか。その時間を、たとえば九時から三時までのを……
○増本委員 一つは開店時間、つまり窓口をあけている時間ですね。いまですと三時で締めますね。それで五時までおやりになる。その三時を四時にするとか、たとえば平和相互なんかですと夜までずっと開店しているというような銀行がある。こういう点で、趨勢としてどうなのか、こういうことです。
○尾川参考人 私は平和相互の実情をよく知りませんが、営業時間のあれは延長ではないのじゃございませんか。時差出勤で、勤務時間は八時間なら八時間、こういうふうに押えてあるのじゃないかと思いますが、営業時間を延長するということは規定上はちょっとむずかしいのじゃないかと思うのでございます。
○小原参考人 私は、営業時間の延長ということは、やはり働く人たちの労働過重になるのじゃないかということで、私、信用金庫業界に対しては、やはり開店は九時から三時までが適切だ、こういうふうに考えて、みなにお話をしておるわけです。営業時間を延長いたしましても、一時間なり二時間なり延長したからといって、お客さまは特別よけい来るというわけでなく、時間を延長しておるようなところの信用金庫が発展しているかというと、そう発展していないという面もございます。そういう面から、やはり九時に開店して三時にしまって、その間一生懸命お客さまサービスをするということが一番いいので、それから三時にしまいましても金融機関はやはりあとの残務整理がございます。残務整理がありますと、どうしても四時半なり五時になってしまいますから、やはり九時から三時までということが私は適切な時間で、それ以上はやらせるべきじゃない、こういうふうに考えておる次第でございます。
○増本委員 尾川さん、いまのあれで、つまりお店をあけて、お客さんの預金の払い出し、そういうものに要する時間を、いままで三時で締めていたのを特別に四時にするとか五時にする、あるいは七時までやる、こういうことが、八時出勤で五時までの時間で、それを一時間延長して四時まで受け付ける。相互銀行の場合ですとだんだんオンラインやコンピューターで合理化なども進んできていますから、それをやっても、あとの残務整理の二時間を一時間でできるから、それで余った時間はあるいは、いままでは一日の締めをやってきたものを、今度は時間が余るから、その分を折り込み広告やそのほかの宣伝に使うとかいうようなことで、いままでやってきた労働と内容の違う労働がやられるというようなことも、一つはトラブルの原因にもなっているのです。 こういうことだと、いままできめられてやられてきた労働条件と、それから今度やられる労働条件と内容も違ってくるというようなことになると、これはやはり労働条件の問題ですから、労使間の交渉できちんときめなければならない、こういうことに私はなるだろうと思います。これは労働基準法でもきちっと保障している点だと思いますので、その点について、ひとつ業界のほうでもきちんとした労使慣行が確立できるように指導していただきたい、こういう趣旨でございます。
○尾川参考人 よくわかりました。それはそのとうりでございます。私は何も意見ございません。
○増本委員 もう一つの問題は、ほかの業界でもそうなんですけれども、特に皆さん方の相銀とか信金の業界で、やはり労使関係でいろいろ問題が起きている。特に解雇問題などが起きまして、今日まで裁判などもやられてきているわけですけれども、ほかのところと比べてもちょっときわ立った特徴なんですが、相銀関係で現在四つの銀行で五名の人たちが解雇をされている。また、信金の業界で、私の知っている限りでは、三つの信用金庫で三名解雇があるのですが、これがみんな五年から十年間で、多い人ですと十三回も裁判をやって、それでいずれも勝っているのに職場復帰もできないとか、いろいろそういう問題がある。これは裁判の結果を尊重しているということにならぬし、こういう点では業界がやはり順法精神を欠いているきらいがあるんじゃないだろうかというように考えざるを得ないのです。 こういうことも、裁判の結果をきちんと尊重して、それを順守するというような立場を業界のよい慣行として確立するということも、これはそこで働く労働者の皆さんの権利関係、雇用関係を安定させますし、そして皆さん方のほんとうに考えている中小企業金融機関として充実させていく上でも、労働意欲をわかせたり、そういう点でかえって私はいろいろプラスになるというように考えるのですが、そういう慣行を確立させていくような、そういう点での指導や方向を打ち出させるようにぜひしていただきたいと私は思いますが、ひとつその点での御意見を伺いたい、こういうふうに思います。
○尾川参考人 私は、今日まで先生のおっしゃるとおりのことを実行いたして、常に労使協調ということで、了解のもとに仕事をしておりますが、やはりそれはそのとおりで、相互理解のもとに仕事をしていかなければ、人間としても満足のいくような気持ちになりませんし、成績もあがらぬということでございますので、先生のおっしゃるとおりのことを業界全体が推し進めて、労使お互いに話し合って、理解の上で仕事を推進したいという気持ちを十分持っておりますことをお答えいたします。
○小原参考人 いま御質問の、裁判できまったようなものに対しては、やはり前の職員と同じような待遇をもって迎えるということが大切ではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○増本委員 特に裁判所の公的な判断がきちっと出ているようなものについては、負けたからということでえこじになって、それでかえって差別や対立を深めるということのないように、この点での順法精神を大いに発揚することが、その面について経営者が率先するということが非常に大事だというように思いますので、ひとつ業界全体にわたる十分な指導をお願いしたいというように思うのです。 三番目の問題ですけれども、皆さん方のお仕事は非常にたいへんなお仕事だし、各支店単位でやっていらっしゃるものですから、支店長、それから支店長代理とか次長とか、いろいろそういう職制をつくって皆さん一生懸命やっておられる。そうすると、とかくそういうところから企業との一体感が出てきて、それはそれでまた一つはプラスにはなりますけれども、そこから労働条件の中でかえって労働基準法と離れていくような、そういう状態も非常に見受けられるわけですね。その一つが役付者の時間外手当の問題だと思うのです。 いろいろ実態を調査したり聞いたりしますと、支店長代理ぐらいの人ですと、これが役付者だということで時間外手当が、早く来ても出なかったり、おそくまで仕事をやっても出なかったりというような傾向がやはり見られる。そういうことも一つ経営者との間の交渉事項になっているし、この点については銀行局との交渉なども、それぞれ労働組合などで自主的にやっておられるようです。この問題については、大蔵省の銀行局のほうではせんだっての私どもの質問に対する答弁としては、それぞれのところの労働基準監督署の判断に従って、そしてそれを守るように監督指導を強めるんだ、こういうことでお答えいただいているわけですけれども、なかなかうまく交渉が進まないというような傾向もある。 具体的な名前を出して恐縮なんですけれども、実は滋賀相互銀行でついきのう組合と経営者と交渉した結果、支店長代理以下の人たちについてはいままで時間外手当を支給していなかったけれども、労働基準監督署のほうの意向も踏まえて、四月にさかのぼって手当を支給することがきまったというようなこともあるわけで、これをやはり業界全体の問題としてひとつきちんとされて、そうすることによって労働者の待遇の改善をはかりながら、皆さん方の目的を達成していくという方向で、業界としてもきちんとした指導をされることが非常に重要ではないかというように思いますので、この点についてもひとつ御見解を伺いたいと思います。
○尾川参考人 先生のおっしゃるとおりに、私どもは法の精神を尊重してお互いに納得の上でやっていきたい、こういうふうに考えております。
○小原参考人 お答えいたします。 就業時間が済んでから後の残業といったようなものについては、これはもうどうだこうだ言わずに、はっきりと残業手当を支給すべきものである、こういうふうに考えております。それから残業させるにつきましても、やはり女子には労働基準法に規定がございますので、そういったようなことであまり過重な残業をさせないというふうなシステムにするように指導しておる次第でございます。
○増本委員 役付者の場合には、労働基準法の四十一条との関係で限界が非常に、あいまいで、そこから何でも役をつければ役付手当を出すから時間外手当のほうはいいんだとかいうようなことになって、そこの関係が非常にあいまいになる。こういうことからいろいろ問題が起きてくるわけなんです。ですから、四十一条の監督者というのは、企業と一体性を持った者だけに具体的に限るわけでして、これはおそらく支店長ぐらいのところであと支店長代理というのは、それぞれ名刺に書きますけれども、得意先回りやいろいろなことをやっているわけで、平の職員と変わらない仕事をやっているわけですね。こういうようなことを、実態を踏まえ、なおかつ労働基準監督署などの意見に従って、きちんと慣行を確立していくという方向でひとつ努力をぜひしていただきたいというように思うのです。 時間がありませんので、最後にもう一点だけお伺いしますけれども、企業の中に、労働組合が二つにも三つにも分かれているような企業がある。これはそこで働く皆さんにとってもたいへん不幸な事態だし、それに対して、一部の組合員に対して昇任とか昇格あるいは昇給、この点での差別問題がかなり極端に出ている企業があるわけなんですね。私が調査したところだと、東京の、これはS信用金庫としておきましょう。この場合ですと、三十五歳の男子で一年間に百三十五万円の差額が出てくるんですね。一人の人は非常に安い賃金でそのまま働かされる。昇格もない。それから二十年勤続をしている婦人でも、その人がたまたま第一組合の組合員であるということで、同じように昇任とか昇格がないために、六万五千六百円で頭打ちになって、全然賃金が上がらない、こういうような状態もあるわけなんです。 これは、業界の労働問題に対する姿勢が問われる問題だというように私は思うのです。問題は、皆さん方の経営の中で、一生懸命仕事をする人に対して、その人の所属している労働組合がどこだということだけで、そういうことで差別をするということは、もちろんいかぬことは皆さんよく御承知のとおりなんで、ただ具体的な問題では、そういうことがよく行なわれるということもありますので、こういう問題について、ひとつ業界において正しい指導をして、業界の労働問題の姿勢を全体として問うていくような、常にそれを顧みて進めていかれるということが非常に重要だというように思うのですね。 皆さんも方、いってみれば中小企業の経営者の皆さんだし、これは先ほどのお話もありましたように、都市銀行や大銀行の圧迫の中で、その経営を守り、そして中小企業も同じように大企業からの圧迫を受けている。そのもとで中小企業者の利益を守って、これは金融の面で保証していこうという、こういう大事なお仕事をやられるわけですから、何よりも労働者とも力を合わせて、その圧迫をはね返して、そして自分の目的を達成していという非常に重要なお仕事にあるわけですから、こういうことで、そこに不団結を生むようなことをあえてするということは、そういういまの情勢からいっても非常に不見識なやり方だというように思いますので、その点についての業界の指導をはっきりさせるということをひとつお願いしたいと思うのですが、ひとつ御見解を伺いたいと思います。
○尾川参考人 おっしゃるとおり、最も望ましいことでございますが、各行各行で、いろいろな事情によりまして、そういうまことに不幸な事態ができておるところもあると存じますが、これはやはり先生の御意向を尊重して、そういうトラブルのないすっきりした形で仕事をみんな楽しくできるように、業界としても努力すべきだと考えております。
○小原参考人 お答え申し上げます。 いまお尋ねの面につきましては、第一組合に属しているとか第二組合に属しているというふうなことはあとの問題で、そこの、われわれ信用金庫なら信用金庫の職員であるということでまず解決すべきだ。職員であるならば、やはり公平な給与なり待遇を与える、こういうことが必要なんで、どこに属していようが、これはやはり職員という考え方で、そこのつまり信用金庫の職員という立場からいけば、平等に考えていくべきだということが原則じゃないか、私どもはこういうふうに判断しておる次第でございまして、そういう指導を今後行なっていきたい、こう思っております。
○増本委員 いま中小企業、特に中小零細企業は多端な情勢を迎えていますので、ぜひとも、いまおっしゃった趣旨に沿って、改正案では上位シフトの問題もありまして、私たちはその点を非常におそれているわけですが、零細企業に対して皆さんのいままでおっしゃった趣旨が十分徹底されるような業界全体の指導をお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○鴨田委員長 広沢直樹君。
○広沢委員 時間の制約がありますので、簡単に二、三点お伺いしておきたいと思います。 何と申しましても、いま最大の焦点になっている問題は、先ほどいろいろお話がありましたように、いわゆる金融引き締めに対して中小企業金融機関としてどう対応していくかということが、今日の一番の問題じゃないかと思うわけです。大体、今回の金融引き締めは、御承知のように、過剰流動性を吸収しようというところからまず始まったわけですけれども、四月二日の公定歩合の引き上げによりまして総需要抑制、こういうような一つの総体的な引き締めに入ってきておりますし、また従来と違っているところは、中小企業金融機関にまで、先ほどお話がありましたように、窓口規制を強化してきているというところが従来のパターンと少し違ってきているのじゃないか。それだけ強い引き締めをしていかなければならないという背景には、もちろん物価の抑制ということが今日の緊急課題であるということで、それが問題になってきているわけであります。 しかしながら、こういう引き締めになりますと、一般的には金融が非常に詰まってくるんじゃないかという印象をまず持ちますし、また機関としても、金融引き締めになったんだからということで、非常にきびしい考えで融資を考えるということになってまいります。もちろん、それは中小企業金融機関といえども、総体的な引き締めの中でその一方だけを緩和してしまうということは、これは総需要抑制にはならないのかもしれませんけれども、しかし、やはり今日までのパターンで、総体的な引き締めの中で全部押えるというやり方は、常に引き締めの中で問題になっておりますように、いわゆる中小企業の対策の問題だとか、最近福祉ということを重点にしたいわゆる住宅ローンの問題だとか、こういう面にまで非常なしわ寄せが寄ってくる。したがって、今日の引き締めの中では、こういうふうないわゆる従来の対策として早急に立てなければならないものに対する金融は、先ほどもお話がありましたけれども、私も何らかの形で考えなければならないと思うわけです。 しかし、今回窓口規制ということで、そういう日銀からの指導もあるわけでありますが、やはり資金量においても、預金準備率を引き上げていくというわけでもありませんし、量的には、これは別に大きな問題にはなってきてないと思うのです。ただ、姿勢の問題としての窓口規制である、こういうことになりますので、今回の引き締め下における中小企業金融としての両参考人のこれに対応する考え方をまず最初にお伺いしておきたいと思います。
○尾川参考人 私どもは、中小企業の専門金融機関でございますので、私どもに中小企業者が融資を持ってこられるのはおそらく私ども中小企業金融機関を最後のとりでとして来られるのだと思っておりますので、これに対しては、どうしてもある程度の努力をして御要望に沿うということでなければ、私は、中小企業金融機関の意義がない、こういうふうに考えております。したがって、今後とも中小企業金融に対しては最善の努力をしてまいりますが、窓口の規制を受けておりますので、やろうと思ったって持つものがないからできないじゃないかというようなお話にまで進むのじゃないかと思いますが、そういうふうなことになります前に、まず実際の数字をよく見まして──どれだけしわが寄ってくるか、まだ数字がわかっておりません。そこで、その数字を見まして、事前に私は日本銀行に参りまして、その事情を述べて、そうして手当てをしてもらうことに最善の努力を払っていかなければならぬ。そうして中小企業者がたくさん倒産があるんだ、それを救済する者がだれもないじゃないかというようなそしりを受けないようなことにしなければいかぬ、こういうふうに考えております。
○小原参考人 現在のインフレ傾向と申しますか、物価高に対処するための金融引き締めということでございます。 〔委員長退席、大村委員長代理着席〕 私どもは信用金庫の立場から、中小企業の中でもどっちかといえば投機的にわたるような面については、これは規制しなければならぬ、こういうふうに思っています。しかし、まじめな中小企業に対しては、これが金融に困るようなことはいたしたくない。また、どっちかといえば資金需要が非常に多くて困っておるというふうな信用金庫に対しては、連合会の資金を供給してそこらに充てる、こういうことです。 それからまた、一般の庶民住宅ローンでございますが、住宅ローンの融資につきましても、私どもこのシェアにおいてはいままで一番なシェアを持っていたのです。昨年以来幾らか信用金庫のシェアが都市銀行さん、地方銀行さんよりちょっと減ったところがございますけれども、しかしこれは金融緩和期においてそういうことを大きな銀行さんがやられたので、私どもは依然として住宅ローンのようなものはかなり積極的に、先ほど申し上げました非提携ローンと申しますか、ほんとうに庶民に役立つローンをやっていきたい、今後もこれを続けていきたい、こういうことで、そういう面についての金繰りに困るところは連合会がそういう金庫に資金を提供する、こういうふうに考えておる次第でございます。
○広沢委員 総体的な問題として、引き締めの問題に対してはいま御意見を伺いましたが、この引き締めの問題に対しては、やはり総体的に景気過熱であるとかあるいは物価の抑制であるとかいうことは私はよくわかるのですけれども、それより、もう少し原因を突き詰めていけば、何によってその景気が過熱傾向になってきたのか、あるいは設備投資がどんどんやられていくということになれば、それに対しての金融の窓口は多少押えるとか、そういうもう少しこまかな分野で引き締めということを配慮していかなければいけないのであって、総体的な引き締めということになるとどうしても中小企業とか、運転資金に必要であるというような部門にまで非常にきびしくなってくるという傾向がありますので、その点はいままでも努力されていることは十分に評価いたしておりますけれども、十分に御配慮をいただきたい。これは御要望も含めて申し上げておきたいと思います。 いま小原参考人から住宅ローンの問題についても若干お触れになりましたので、その問題について一、二点お伺いしておきたいと思うのですが、先日も私、当委員会でその住宅ローンの問題で大蔵当局にお話を申し上げたのですけれども、やはりこういう引き締め下においては、現実の問題として非常に資金が窮屈になってきている。実際の需要におこたえできないという面が現実に出てきております。 〔大村委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、特に四月−六月期においては前年同期に比べて相当貸し出しワクを押えようということでありますから、その面が顕著に出てくるのではないかと思われるのですけれども、都市銀行においては一応四月−九月期におけるいわゆる計画においては、住宅ローンはやはり一七%のシェア、それだけは確保していくんだという計画が出ているということをお伺いしているわけでありますけれども、これはいま伸び続けてきておる、需要が非常に大きくなってきておる。それだけに押えただけでもやはり影響はあろうかと思います。なかんずく一番庶民に密接な中小企業金融機関に対しての要望というのは従来からずっと続けていらっしゃるわけですけれども、今後こういう引き締めの中で資金ワクというものを相当確保されるのか。従来のシェアを確保するだけに終わるのか。その点やはり需要にこたえるだけの十分なるものをこういう福祉重点という政策の上からも考えていかなければならない問題であるというように私は考えておりますので、その点の参考人の御意見をお伺いすると同時に、こういう問題に対しては積極的に取り組んでいただきたいことを御要望申し上げたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○尾川参考人 相互銀行の住宅ローンの実績は、昭和四十七年三月末千五百七十一億円、六月末が千九百二十八億円、九月末が二千五百三十億円、十二月末が三千百九十七億円と飛躍的な増加を示しております。最近のデータは明らかではありませんが、金融引き締め基調下にある現在においても、住宅資金需要はきわめて旺盛である。各行とも日本銀行の窓口規制のワク内でこれにどう対処していこうかということで悩んでおることは事実でございます。このため相互銀行といたしましても、従来のペースで住宅ローンを続けることはきわめて困難な状況にあると思うのでございますが、相互銀行は中小企業の金融機関であると同時に、地元大衆の金融機関でもあり、かりに窓口規制を設けても、それを理由に取引先である個人の住宅ローンを断わるというわけにはまいりません。現に相互銀行の中には四十七年度並みに四月以降も総融資の三〇%を個人住宅ローンに振り向けておるという計画の御報告も受けております。 いずれにいたしましてもこのような実情を勘案していただいて、少なくとも個人住宅ローンについては何らかの弾力的な取り扱いをしてもらわなければならぬということが私どもの切なる願いでございますが、ただ住宅ローン住宅ローンと申しましても、こういう時節で、重点はやはり個人の住宅ということに限定してもらわなければならないというような考えを私は持っております。マンションを建てる者であるとかなんとかいうことでは困るので、個人の住まいを建てるというそのローンに対しては、何としても都合をつけていかなければならぬという決意を持っております。
○小原参考人 住宅ローンの御質問でございますが、現在信用金庫は総体の貸し出し額の六・三%を住宅ローンに回しておるということでございます。よそのことを申し上げては恐縮でございますが、都市銀行さんが二・四ですか、地方銀行さんが三・二、信託銀行さんが三%というぐあいで、この面については信用金庫は、住宅ローンといいますか、庶民ローンにはかなり努力を重ねておるということは申し上げることができると思います。これからも住宅ローンについては私も積極的に心配していきたいということでございます。 それから、心配するとしましても、高級なマンションといったようなものは私はお断わりするつもりです。金額でいきまして、マンションとしましてもせいぜい千五百万以内、それ以上のものは高級と見ています。二千万だ、三千万だ、こういうふうな、同じローンであっても庶民の役に立たないぜいたくなマンションだとか、それからぜいたくな家を建てるような者に対してはあまり住宅ローンを私は使いたくない。むしろほんとうの庶民の役に立つ、個人住宅にしましても住宅金融公庫から金を借りてもなかなか家が建たない、その足し前を貸してあげるとか、個人住宅でも大体千五百万以内というふうなぐあいに、大ぜいの庶民のめんどうを見ていきたい、こういう考え方でございます。これは積極的にやるつもりで、信用金庫で金が足りないときには連合会が資金を供給する、こういう考え方でございます。
○広沢委員 それから次の問題として、中小企業金融機関の中にも大、中、小といろいろあるわけですね。やはり格差があるということですね。その地域の要望にこたえた融資をやっていくためには、やはり格差の是正ということがそれぞれ協会におきましてはいつも念頭にあるのじゃないかと思うのですけれども、しかし今日の状況から考えてみましても、その格差というものが非常に開いてきているという面も見受けられます。そういうようなことで、これに対してどういう態度で臨まれるのか、これは一般論になりますけれども一応お伺いしておきたいと思うのです。 ということは、その地域に密着した、あるいは地域的な制約を受けている特に信金さんあたり、非常に資金量も豊富であり、そしてまた経営基盤も安定しているという面については、地域の金融に十二分にこたえられると思うのですけれども、その点やはり非常に格差があるということ自体については、そういう金融サービスの面についても非常にいろんな格差が出てくるのではないか、こういう点が若干見受けられるわけです。その地域地域において若干私も二、三の具体的な例——時間がありませんのできょうは申し上げませんけれども、そういう懸念を待つものでございますので、それに対する今後の方針なり御意見なり聞かしていただければと思うわけであります。
○尾川参考人 格差ということは、結局金融機関の規模の問題だ、こう思っております。これは格差がないほうが一番いいのでございますが、やはり地域によりましてどうしてもこれは避けることができないということが実情でございますが、しかし小さいなら小さいなりに全力を注いでその使命の達成に努力をしておるということを御了解願いたいのでございます。 それで、今度の法律改正にいたしましても、私どもは、小さい規模の相互銀行が自分のいいお客さん、一生懸命育てたお客さんを逃がさないようにやはりそれをつないでいって、そして資金量をふやしていって、そして格差の是正、訂正をさそうというようなことも法律改正を願った趣旨でございます。相互銀行の特別の金を、相互銀行の中から持っていって、そしてこれを援助しょうというようなところまでは考えておりませんが、格差に応じて最善の努力を払っていく、そうして不要不急のものとか、あるいは生産に役立たぬものに金を使うとかいうようなことでなく、効率的に金を使っていくということに配慮をしなければならぬと思いますが、そういう点についても十分考慮をいたしてまいりたいと思います。
○小原参考人 いま格差の問題のお尋ねでございますが、御案内のように、株式会社の銀行と違って、信用金庫は会員組織であり、それから地域金融機関ということになって地域が限定されておるのが特色でございます。そういう面からいきまして、日本全体のことを見てみますと、経済的に非常に恵まれた地域と恵まれない地域とあるわけですね。その二つございまして、恵まれた地域は資金量も比較的どんどん伸びていくという面がございます。けれども地域によりましては、幾らその地域の人の余っている金を全部お預かりしてもまあ大体このくらいというようなぐあいに、経済的に非常に低い地域もございます。しかし私は、大きい、小さいというよりも、その地域において、経済力の低いような地域でもってやっております信用金庫が、その地域の中小企業さんなり、それからまた一般大衆の金融にこたえられるならば、私は、大きいとか小さいとかでもけっこうじゃないかとこう思っております。しかし、その地域の中小企業なりそれから一般大衆にこたえられないようなことであったならば、これは合併なり何なりしてもらうよりしようがない、また努力をしてもらうよりしようがない、こう思っておる次第でございます。 あながち大きいから小さいからといいましても、やっぱりその地域金融機関という関係上、まあ山陰であるとか九州であるとか四国であるとかといったようなところ、それから東北とかといったようなところには、やはり小さいのがございますけれども、これらはやはり地域的の関係、またそこの地域に住まっておいでになるその人たちの経済力が低いというので金庫が小さいというのは、これはやむを得ないと思います。しかし、それにこたえられないようならば、これはやはり合併なり何なり、お互いにしてもらう、こういうふうに考えておる次第でございます。
○広沢委員 時間が参ったようでありますので、最後に一点だけ、店舗行政についての御意見をお伺いしておきたいと思うのですが、今回の大蔵省が五月一日に内示になりました店舗行政につきましては、一応各界なりに評価をいたしておるように聞いております。しかしながら、やはりいま申し上げましたような事情から考えてみましても、これは非常に画一的といいますか、いままでは都銀から信金に至るまで、基本的、画一的な基準でこう来ているという関係がありまして、それぞれ店舗を持ちたいとしても現実的にはそれが資金やいろんな関係で不可能だという面も相当出てきていると思うのですけれども、やはりこれはその希望に応じられるような基準というか体制というものを考えていかなければならないと思うわけです。 そういう意味においては、具体的にいろいろな、金庫なりその他の方々の意見を聞いてみますと、確かにそういう基準として与えられるけれども、それに応じられないような体制、一つの店舗をつくるとしても、いま非常に物価が上がり、たいへんな状態で、やりたいんだけれども現実にはできない。あそこにどうしても基盤として地域的に持ちたいというけれども、これができないという面も出てきているわけですね。そういうような関係で、この今回の一律的な体制に対して今後どういうふうに臨んでいくお考えになっているのか。やはり店舗行政というのは、窓口を開くことですから、これは一番大事なことであろうと思われますし、その点に関しての御意見をお伺いして、時間がもう過ぎておりますので、終わりにいたします。
○尾川参考人 店舗行政は、指導監督される大蔵省でも、いろいろな金融機関がふくそうしておるから非常にむずかしい問題だと思っておるのでございますが、私どもは、今回の店舗行政は革新的のものであって、非常なゆとりをもった店舗行政をやっていただいたということに非常に感謝しております。と申しますのは、一年一年でやってもらいまして、そしてまぎわになってここへこの店舗を許そうということで押えられますと、そこの地域はもう土地が高くてどうにもならぬというようなことで、非常に高い建設費をかけなければなりませんが、今回のような、二年にわたって点舗行政をしていただきますと、十分安い土地を買うことができる、そしてお客さんのサービスの点についても、長期的にいろいろなことを考えてお客さんに満足してもらうようなサービスにつとめる支店行政ができるような形を整える準備ができるということにおいては、非常に感謝しておるのでございます。そういう点につきまして、私どもはいま非常に困るというようなことは考えておりません。
○小原参考人 お答え申し上げます。 ただいま尾川さんからお話のありましたように、最近この長期計画といいますか中期計画ということで、二年間の面の御心配を願ったということでございます。信用金庫業界としましても非常に、大蔵省の御理解のあるやり方をしていただいたということについては感謝申し上げているわけです。 そこで、いまお話しの、結局支店設置ということにつきましては、むろんこれはもう役所のほうでよくお調べになっておいでになりますが、支店をつくっていくためには、人的の面だとか、いろいろな面を勘案してやはり支店をつくっていかなければいけない。許可してもらったからといってすぐ人を、しろうとを集めてそこでやれといったって、なかなかできるものじゃございませんから、そこらを勘案して私どももやらなければいけないし、役所のほうとしましてもそういうことをお考えの上おやりくだすっている、こういうふうに判断しておる次第でございます。
○広沢委員 以上、時間ですから終わります。
○鴨田委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 私は、中小企業を守っていかなければならないという立場に立って、相互銀行あるいは信用金庫、信用組合といったようなものはさらに積極的にその機能を拡大強化すべきであるという考え方に立っておりますが、そうした立場で、両参考人に、簡単に二、三の質問を申し上げたいと思います。 第一は、相互銀行についてでございますが、先ほども御説明がございましたけれども、相互銀行の中小企業の融資先の件数といったものは一二、三%である、融資金額は一八%前後である、いずれも二〇%に足りないということであります。そこで、考えてみるのに、中小企業専門の金融機関であるといっておられるし、われわれもそれを期待しておるわけであるが、実際においては、都市銀行や地方銀行のほうは二三%以上のシェアを持っておるのに、相互銀行は二〇%に達することもできないということは、これは一体、相互銀行がなまけておることであるか、あるいは資金的な基礎が不十分であるためであるのか、あるいは大銀行が中小のシェアのところまで割り込んでくるからおのずからシェアが小さくなっておるのであるか、一体そのどれであるかということについて、ひとつ会長さんの御意見を承りたい。これが第一点であります。
○尾川参考人 私ども一九%のシェアを持っておりまして、都市銀行が二二%か三%だと思っておりますが、これはいたずらに他の金融機関から圧迫されるから私どもが伸びきれないという意味ではなしに、歴史が浅い、そのために基盤が弱い、また少ない。これを徐々に拡大していきまして、このシェアを広げていくのが私どもの仕事だ、こういうふうに考えております。 しかし、先ほど、先生のおっしゃいますような視点がないことはないということを申し上げたのでございます。と申しますのは、中小企業の基盤というものは、私どもは中小企業を対象にしておるのですが、この基盤に対しては、都市銀行も地方銀行も、自由かってにどんどん来られる。これは資金の繁閑によってこの構成が非常に違ってくる。少し資金がゆるむと、私どものところは、どんどん来て都市銀行へ持っていかれてしまう。今度は資金が詰まってくると、すぐ引き揚げられてくる、そうするとお客さんが、しかたがないから私のほうへ来られるというような悪い慣行がいままであるのです。私どもは、そういうことをなくさにゃいかぬ。中小企業の専門機関は、私ども中小金融機関だから、景気の繁閑によってお客さんに締め出されたりゆるめたりされるような、そういう金融機関であってはならぬ。そのために私どもはサービスをしなければならぬ、金利も安くしなければならぬ、ここらあたりにつながってくるものだと思っておりますので、十分努力をしておるのでございますが、何と申しましても、資金がゆるみますと、その攻勢に耐えきれないでお客さんに持っていかれるというようなことになるのでございます。 私は、ほんとうは、先生もおっしゃいましたように、この前の金融制度調査会のときでも、大体シェアがもうきめられるんじゃないか。都市銀行のシェアというものはこのくらいでいいのだ、そして地方銀行はこのくらいでいいのだ、相互銀行、信用金庫のシェアというものは将来こうあるべきではないか、こういうふうなシェアの基準をきめてもらうほうがいいのじゃないかということを申し上げたのですが、いやそれはまだできない、これは自由競争だということで、結局取ったり取られたりするような実情でございますが、決して私どもがなまけておるというわけではございません。私ども懸命に怒力しておりまして、将来は、やはり中小企業の基盤は、都市銀行のものでなくてわれわれのものでなければならぬ、こういうふうに考えております。
○竹本委員 銀行局長についでにここで簡単に聞きたいのですけれども、いまお話がありましたように、私も偶然意見が一致するのだけれども、相互銀行なら相互銀行のシェアというものをある程度──計画経済でないからきちんとはいきませんけれども、都市銀行や地方銀行以下に位置づけるということでなくて、ある程度まではシェアを広げてやるという方針をとり、またその一定のねらいと目標を定めるべきであると思うけれども、大蔵省としては一体どう考えておられるか。 それからそれに関連しまして、いまもちょっとお話がありましたけれども、都市銀行がどんどん進出というか侵略というか、とにかく出ていくということにも、相互銀行はこれ以上来てはいかぬというワクをつけておるのだから、同じように都市銀行についてもある程度の、何らかのチェックがあってしかるべきではないかと思うけれども、その点においてチェックをする考えがあるかどうか。 それから三番目は、簡単に結論だけでいいのですけれども、いま住宅ローンの問題等もいろいろお話が出ました。相互銀行の関係でも、住宅ローンセンターなんというのができたようだけれども、根本の資金的基礎が弱いしするものだから、いろいろ御努力はあってもそれほど顕著な実績をあげることは物理的に不可能であろうと思うのですね。そういう意味からいえば、今度は相互銀行には相互銀行の独自の商品というか、独自の物的基礎を考えてやらなければならぬと思うのですね。そういう意味からいうと、中期預金、三年定期等の問題についても、相互銀行であったと思うが、前からそういう独自の主張をしておられる。大蔵省は今度はそういうこともまた考えようという動きがみるようだけれども、そういう場合に、相互銀行の資金的基礎を強めるという意味において、特別な配慮はあり得るのかあり得ないのか。 この三つだけ簡単に大蔵省の意見を承りたい。
○吉田(太)政府委員 簡単にお答えいたします。 まず第一の、中小金融というものについてのシェアというか、ある程度かきねをつくったらどうだという御質問だろうと思います。私どもは、基本的な立場としてはむしろ従来の銀行行政というものは非常に保護育成ということに重点を置いてきた、これが世の中でよくいわれますが、むしろ過保護に堕しておって金融機関としての向上発展に欠けるのではないか、あるいは国民的立場からのサービスに欠けるのではないかという批判も一方ではあるわけでございます。この辺のところをどう調和をとるかということが今後の問題だろうと思います。 で、中小企業に対してすべての金融機関がよりよく機能していくためにはどういうことがいいかという角度で考えていかないといけないわけですが、広く中小企業と申しましても、その中にはやはりいろいろな質、たとえば中と小というようにもここに表現がございますように、いろいろなカテゴリーの中小企業があるかと思います。それぞれの経営の基礎になるその基盤をそれぞれの金融機関がぜひ確立してもらいたいということは、これは私どもの念願するところでございますし、また先ほどの御指摘のとおりだと思います。これをむしろワクを引くことによって確保することが、はたして中小企業が国民的に金融を疎通させるゆえんかと考えますと、私はむしろ逆に考えております。できるだけたくさんの機関がこのところでよりよく、いい意味での競争をやってもらうことによって良質の資金を吸収、供給してもらうように、かようなことで臨むべきではなかろうか。しかしこれが、いまも御指摘のように金融の繁閑によって強い者が出たり入ったりするということのないように、ゆるんだときに来たものは、締まっても引き揚げないようにという指導はやっていきたいと思いますが、しかし、ここはできるだけたくさんの人が、中小企業に金を向けていくようにという方向で考えていきたい、かように考えております。 それから最後の、たとえば新商品というお話、中期預金を含めてのお話でございます。私はこの中期預金に限らず、こういう新商品というものは、特に中期預金の問題は、基本的には預金者の取り分と借り入れ者の取り分とをどの程度に分配するかということで考えるべきことではなかろうかと考えております。新しい商品を、たとえば中期預金という形で金利を高くすることによって還元していく、そのやり方と、それによって借り入れコストが高くなるということとの調和の問題ということが中期預金の本質だと考えております。あるいは中期預金ということをやらなくて、一般的に預金金利を上げていくというやり方もあろうかと思います。いずれにいたしましても、借り入れ者のコストをどの程度に上げないで預金者に還元できるかという角度で考えるべきことではなかろうか。 ただ、その場合に、そういう中期預金を特定の金融のグループに認めることによってそれを保護していくという考え方も確かにあろうとは思います。ただ、現状のように、先生もう十分御指摘のように、中小企業というような分野が、また現状においては全国銀行が四五%、中小金融機関が四二%、こういう状況で中小企業に金融が向けられておる状況において、特定の金融機関にこれを与えていくということが、中小企業金融のサイドから、あるいは国民、預金者のサイドから適当かどうかとなりますと、これは非常に慎重に考えていくべきではなかろうか、かように考えております。 それから、その他預金の種類に対していいアイデアで相互銀行なり信用金庫がつくっていただく部分については、それは私ども預金を一々認可というかっこうにはしておりませんので、金利だけを規制しておるということでございますので、できるだけそういう創意くふうで預金者のニードにこたえていただきたい、かように考えておるわけでございます。
○竹本委員 できるだけ多数の金融機関が中小企業にもサービス競争する、これは大いに必要であるし、賛成でありますが、それならば競争は公平に行なわれなければいかぬ、フェアコンペティションでなければならぬと思うのですね。ところが、相互銀行の立場に立って考えた場合は、いろいろ歴史とか沿革とか、あるいはその実力とかいう問題がもちろんありますれども、しかし、たとえば法人税は三六・七五%たぶんいま負担しておると思うのですが、税金は大銀行と同じように負担しておるけれども、特典の面においては必ずしも一緒でない。たとえば公庫の代理業務をやるような場合においても、制度は別としても実質的には相互銀行は力がないからということになるかもしらぬが、必ずしも優遇されてはいないだろうという問題もあるかもしれない。あるいはデータ通信のネットについても、相互と一般の銀行とはネットはできていない。為替業務は今度認めてもらってやっと一人前と、こういうことになるわけだ。税金は同じように負担しておるのに、やる仕事の面においては、ある意味において差別待遇を受けておるというのか、実力相応の待遇を受けておるのか、いろいろ議論はあるが、結果においては区別がある。そういうことでは、中小企業金融機関としての公平なサービス競争はできないと思うのです。 しかし、これは議論にもなりますからこれ以上は申さないで、あらためた機会で大蔵省とも議論をしてみたいと思っておりますが、ただ一つだけどうしても納得ができないというのは、相互銀行法第六条でありますが、相互銀行というのは相互銀行という文字を使え、よそのものは使ってはならないということもあるが、全体として銀行法の適用はやらないんだ、こういう規定が御承知のようにある。このことが相互銀行にとっては沿革的にいえばきわめて当然な規定だと私も思いますけれども、現在の地方銀行と相互銀行との問に実力的に、実質的にどれだけの差別があるかということを考えてみると、法の規定のほうには必要以上に、差別待遇というか、冷遇というか知らぬけれども、格差がある。銀行法は適用されないのだということで、簡単にいえば、おまえのほうは一人前の銀行じゃないのだ、こういう規定になっている。そういうことについて会長並びに局長の意見を、簡単に結論だけ伺いたい。
○尾川参考人 相互銀行法はすでに二度改正していただきまして、今度三度、また改正していただきます。これを改正していただきますと、大体普通銀行法と同じようなもの、ただ金融機関の専門の金融機関であるということが違うということで、あとはそう違わないようなお取り扱いをしていただいたと思うのでございますが、ただ、その実際の運営に当たりますと、先ほどからお願いをしておりますように、法律の面だけでは大体同じだというような扱いを受けておりましても、どうも国庫金の取り扱いとかあるいは地方治体との協力体制を確立するという面においては、とても都市銀行、地方銀行には及びもつかないという現状でございます。これは、まあ相互銀行が若年でもありますし、また微力でもあるという一面も示しておるのでございますが、私どもはできることであれば、国の金の取り扱いというものは、都市銀行と地方銀行が独占するものではない、相互銀行も信用金庫も、あるものは均霑してこういうものを取り扱わしてもらう、こうすべきじゃないか、こういう考えを持っておりますが、しかしこれも既得権であるということであれば、これをもぎ取るわけにはいきませんから、私は、今後はいろいろな方策を講じて、何らかの形で国庫金の、すでに歳入のほうは取り扱わせてもらっておりますが一般取引を、日本銀行でしてもらっておりませんし、地方自治体とはもう全然ノータッチという関係でございますので、先ほど申しましたように、地方債も持ちましょう、そのかわり私どもも金を扱わしてくださいというようなことの経営努力は払っていきたい、こういうふうに考えております。
○吉田(太)政府委員 相互銀行法と銀行法が別にございますゆえんのものは、やはり四十三年の答申でも明らかなように、やはりその専門性ということを明らかにしていきたいということであろうかと存じます。ここで、六条の御指摘の話は、商号として単に銀行といってはいけないということを規定しておるものだと私は考えております。その他は大体銀行法を準用するという規定もございます。準用できないものについて特定の規定をしている、こういうことだと思います。 ただそれが、おそらく先生の御指摘は、特定の義務を課するのみであって恩典がないではないか、こういう御趣旨だろうと思います。この辺のところは、確かに制限は非常に強いという面もございますが、私は、実際の運用の面においては、いまの参考人のお話のように、特にこれが足かせになって問題になっておるということはなくて、この規定は無尽会社から転換していく場合に、その基礎を固めるという形でできた規定であり、特にそれがいま支障になっておるというようには考えていないわけでございます。
○竹本委員 この前ここで、御承知のように日銀法の改正が論ぜられて、政府がぼんやりしてやらないならば、議員立法でやろうかというような問題が出ました。議員立法でやることが適当であるかどうかについては、私は若干意見があるのだということも申し述べたのでありますが、問題は、日銀法が、昭和十何年かの法律がいまだにそのまま現存しているというところに問題があると思うんですね。それと同じように相互銀行法なんというものも、たとえば第一条にも、貯金はどうだとか書いてある。第二条には一番初めに、第一項第一号に掛け金の受け入れということが書いてある。これが相互銀行の、沿革的にいえば一つの特殊な性格である。しかし現在において、その掛け金の比率というものが相互銀行において一体何%あるか。これが第一項第一号に掲げられる相互銀行の特徴的な、第一次的な任務、仕事であるか、その点については会長、いかがですか。
○尾川参考人 第一義的ということではございませんが、しかしながら、私どもは掛け金業務から生まれてきた相互銀行でございますので、掛け金業務は現在も相当やっておるところがございまして、行数で五十九行掛け金業務をやっておるところがございます。金額的には掛け金業務というものが時代から多少残されたというような形になっておりまして、これが手形貸し付けとか手形割引とかいうような形に変形してしまったのでございます。しかし、掛け金業務そのものが主要項目であるとは申しませんが、これも必要な項目ではあると考えております。ですから、掛け金業務は銀行によっては継続していきたい、こういうふうに考えております。
○竹本委員 これは要望であり、また機会を改めて論じますけれども、日銀法の場合も相互銀行の場合も時代の進展、動きというものと、いまの銀行法の規定がマッチしていない、これは銀行局の怠慢か慎重な態度によるのか知りませんが、少なくともそこに問題があるということだけ指摘をしておいて、あらためて検討の機会を持ちたいと思います。 時間が参りましたが、最後に一つだけ小原参考人に伺いたいのですが、今度御承知のように、二〇%までは員外利用を認めるということになったそれはいいことであるのか悪いことであるのか、一応の考えからいえば一歩前進のように受けとれます。しかし、私が調べたところによると、特に信用協同組合なんかの組合には力が弱いのです。力が弱いのだから、員外の利用というものがなければ立っていけない。したがって、実質は二〇%どころか、その倍の四〇%もしくは五〇%員外利用をやっている。また、それがなければやっていけない。 そこで、小原参考人の御意見を聞きたいのだけれども、現在の実態はどのくらいになっておるか、これを二〇%までは認めるということになれば、二〇%以上は認めないということになるのだろうと思うが、その場合にはどういう適応対策を講じられるのか、その点だけ伺って終わりにいたします。
○小原参考人 いまの預金の面でございますが、信用金庫は員外預金を幾ら預かってもいいというふうな──員外預金は組合の問題だと思いますから、私からはちょっとお答えしにくいので……。
○竹本委員 けっこうです。
○鴨田委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 両参考人には御多用のところ、貴重な御意見を開陳していただきまして、ほんとうにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。 午後三時より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時四十四分休憩 ————◇————— 午後三時二分開議
○鴨田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 今回、中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部改正法案が出て審議中でありますが、私どもこの法案は、少なくとも中小企業金融機関、特に専門金融機関として法律上の地位を持っております相互銀行なり信用金庫なりあるいは信用組合、こういう中小金融機関の整備充実、体質の強化、こういうものを達成していこうという立場で努力をしてきた立場においては一歩の前進であるという評価をいたしておるわけでありますが、それはそれといたしまして、大臣にお伺いしたいことは、今日の金融情勢と申しますか、こういうものをどうとらえ、どのようなこれからの金融政策を展開されようとしておるか、景気の今日の動向を大臣としてどのようにとらえ、これにふさわしい金融政策というものをどう展開されていくか、この点をまずお伺いいたしたいのであります。 申すまでもなく、今日は預金準備率の第一次、第二次の引き上げもいたしましたし、公定歩合の引き上げもやった、まさに引き締め段階に入っておるわけでありまするけれども、この引き締めは景気動向との関連において、あるいはまた過剰流動性の吸収というようなものなどとの関連において相当長期にわたるものなのか、あるいは短期決戦でいこうとされておるのか、その辺のところ、景気動向の見通しとともに、これからの金融政策をどうとられていこうとしておられるか、そのことをまず大臣にお伺いいたしたいわけでございます。
○愛知国務大臣 ちょうど定例の月間の経済報告と申しましょうか、これを内閣としては今朝いたしましたので、御質問がございましたので、概略経済界の現状と見通しについて御報告かたがたお答えいたしたいと思います。 第一は、わが国の国内経済全体は、最近におきましても全面的な拡大傾向を続けております。変動相場制移行など国際通貨面で大きな変動がございましたけれども、ただいまのところ景気動向に基調的な変化を与えるにはまだ至っていないように見受けられますが、ただ国際収支面には基調的な変化のきざしがあらわれつつあるように見受けております。 そこで、主要な経済指標を見てみますと、鉱工業生産は前期の比で、四十七年の七−九月におきまして二・四%から十−十二月に五・三%、本年の一−三月までが六・六%、こういうふうな依然として急速な拡大基調を示しております。また、今回の景気回復を主導してきております個人の消費の支出、それから民間の住宅投資関連の諸指標も高水準を続けております。さらに、民間の設備投資関連の機械受注も、特に製造業からの受注が、三カ月移動平均でとりますと四十七年六月以来一月まで連続プラスになっておりまして、設備投資の急速な回復を示しております。 こうした実体経済面の拡大に加えまして、海外の市況高、需要構造の変化等もありまして、物価は著しい上昇を示しております。卸売り物価は、四月に入って上・中旬と投機的要因の剥落等もありまして微落を示しましだが、需給要因はなお強含みで、先行き楽観を許しません。また消費者物価は、昨年秋以降の卸売り物価高騰の波及もございまして、依然騰勢を続けております。 このような経済の急速な拡大と物価の騰勢に対処いたしまして、ただいまもお話がございましたが、政府といたしましては日本銀行と協力をいたしまして、年初以来御案内のようないろいろの施策を続けてまいりました。さらに四月以降には、四十八年度の公共投資関係事業につきまして緊要度と地域の実情を勘案しながら年度内の施行時期の調整を決定いたしまして、当面の物価対策として、七項目の施策等とあわせてさらに施策を進めている次第でございます。 そこで、これからでございますけれども、わが国の経済は変動相場制に移行する等の変動や、いま申しました一連の財政金融政策の効果が浸透するにつれて安定的な成長路線をたどるように期待いたしておりますが、物価上昇の背景は多様でございますので、その動向にはなお非常な警戒を要する面もありますので、今後引き続き適時適切に金融財政政策の運営につとめてまいりたいと思います。 なお、国際収支の動向につきましては、本年二月までは輸出入ともに増勢が強く、両者の絶対額の水準差もありまして、貿易収支は毎月七億ドルないし九億ドルの黒字を続けてまいりましたが、三月になりまして貿易収支は九千万ドルというように黒字幅が大幅に減少いたしました。また長期資本収支の大幅な出超を見まして、総合収支は十億九千万ドルの赤字を記録するに至りました。 輸入拡大傾向の定着を中心とするこのような貿易収支の動向から、わが国の国際収支は、緩慢ながらその基調を変えつつあるかに見えますけれども、海外の景気と物価動向など、輸出の先行きはなお相当の増勢が予想される面もありますので、今後ともその動向には十分留意しながら対外経済関係の一そうの改善にもあらためて努力を続けてまいることが肝要と考える次第でございます。 大体、ただいまの時点の経済の現状と今後のあらましの見通し並びに政府のかまえ方は以上申し上げたとおりでございます。
○広瀬(秀)委員 今日の日本経済の状況、こういうものはよくわかったわけですけれども、さて、そういう景気動向を踏まえて今日引き締め政策をとって諸般の手を打ってきたわけでありますが、これからどの程度長期的にこの引き締めというものが、過剰流動性の問題、物価高の問題などを含めて一体どこまで続くのだろうかということに対して、やはり引き締め段階に入りますと、常に好況の波に中小企業は一番あとでしか乗れない。引き締め段階というのは不況の引き締めではない。もうむしろ先手を打った引き締めかもしれませんけれども、そういうときにはまっ先に、いち早く金融引き締めの被害を受ける、こういう立場に置かれている中小企業等におきましては、今日ようやく手元の流動性などもある程度よくなって、また企業収益も上向いた、この辺でひとつ新しい設備投資をやろうかというようなところで、引き締めでまっ先に中小企業から引き締め効果が及んでいくということになると非常に問題だということで先行き不安というようなことにもなりかねない、こういう情勢にあるわけであります。 そういう中小企業の立場というようなものを踏まえて、どういう考えを政策当局が持っているのだろうか、こういう立場で不安を持っているわけであります。そういうものに対してある程度の安心感を与え、これからの政策運営の適正を期していくというような立場での大臣のお考えを、そういう点でひとつ聞いておきたい、このことを質問いたしたわけでありまして、いまのは、一つの質問に答えて、二つ目の質問に答えていなかったので、その辺のところの金融政策をどうこれから展開されていくのかという大臣の見通しについて伺いたいわけであります。
○愛知国務大臣 現状並びに見通しにつきましては、ただいま申し上げましたような状況でございますから、金融の引き締め、また財政上の公共事業関係の繰り延べといったようなことはある程度時間をかけて続けていかなければならない、こういうふうに考えておりますが、まことにごもっともな御指摘でございまして、政府としても、中小企業あるいは農業の関係、あるいはまた方面を変えて申しますと、住宅のローンといったような面につきましてはもう十分に、この波が及ばないようにこれがいわゆる窓口規制等の妙味を対照的に発揮していかなければならない重点である、こう考えておる次第でございます。たとえば輸出関連の中小企業対策等は相当早く手を回したと思いますが、かなり鎮静をしてきて、決して悲観的な状況ではない、不況を克服しつつあるように看取されますけれども、なおこれらの点については十二分に配慮してまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○広瀬(秀)委員 端的に伺いますが、かなり引き締めは長期化する、そういうお見通しでございますね。
○愛知国務大臣 やはり全般的には物価の状況等も見まして、ようやく諸般の政策の効果が浸透しつつあるやに見受けますけれども、決してこれは手をゆるめてはいけない。総体的には相当の長期の覚悟で引き締めをやっていかなければならない、こういうふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 時間がありませんから、その点をさらにそれ以上の確認をいただこうとは思いませんが、大体金融引き締めはかなり長期化するということはわかったわけでありますが、そこで、最近物価の異常な高騰の非常に大きなウエートを占めた過剰流動性問題、これからのこの問題の解消というような発想の中で、八日の閣議で田中総理が、前に、四十三年以前のあの金融制度調査会でも相当問題になりました中期預金の問題があらためて、そのときには結論が出なかった問題でありまするけれども、それでその結果として、一年半もの定期が生まれたわけでありますが、そういう形ではなくて、過剰流動性吸収対策として中期預金が非常に効果があるのではないかということを田中総理が閣議の席上おっしゃった。それで愛知大蔵大臣もそれに相づちを打って、私もそう考えている、こういうことで、中期預金の創設ということがにわかにクローズアップしているというようなことを新聞で報道をされているわけであります。この引き締め問題、金融政策全体の問題の中で、いま大臣は、この新聞記事の中にあるように、総理のお考えに同調されたという、その辺のところの大臣の真意をひとつこの際われわれに明らかに聞かしていただきたい、かように思うのです。
○愛知国務大臣 まず、過剰流動性という問題でございますが、これは現在の状況におきましては、その根元、過剰流動資金というものの定義もむずかしいのでありますけれども、その中の一番顕著な外為から来るところの資金の散布超過、これはすっかり情勢が変わりまして、変動相場制採用以降におきまして、特に最近におきましては、外為からの資金の状況は引き上げ超過に転換してまいりましたことは御案内のとおりでございますから、いわゆる外為を中心にした過剰流動性というものは、ここで基本的に根が変わってきた、こういうことがいえると思いますので、この点は、いろいろの見方もございましょうけれども、今後においては、一昨年来の過剰流動性の根本というものは是正されたということは、私は今日の状況としてはプラスの要因になっていると思います。 それはともかくといたしまして、これは常識的な発想も入れてでありますけれども、よく当委員会でも御指摘いただいておりますように、通貨の発行の状況というもの、その増勢というものも、やはりこれは相当に戒心を要すべきところである。必ずしも金融機関に金が集まるというだけではなくて、一般に個人間におきましても相当の通貨が持たれておる、こういう状況から申しますと、また違った意味の過剰流動性ということがいえるかと思いますが、これを吸収するということについては、より有効な手段を国民に提供するということを考えるべきである、かねがね私はさように考えておりまして、その一つがいわゆる中期預金でございます。幸いにして、内閣としても、総理も積極的にこれの有効性を評価して、いよいよやろうではないかという話になりましたことを私は歓迎をいたしておるわけでございます。同時に、しかしこれはなかなか波及するところもございますし、またそれならば金を集めて、また金融機関から変なところへ金が出るではないかというようなことも、一般的に批評される点でもございますから、有効な貯蓄手段を国民に提供すると同時に、そうして集まった資金については、これに特にさらに有効な配慮を加えなければならない、こう考えますので、預金の体系、金利の体系、横のバランス、いろいろ考えながら、またこうして吸収できる資金についてのコントロールをどういうふうにするかということをあわせまして、なるべく早い機会に根回しも十分にし、そしていま申しましたような点にわたっての考え方を固めまして実行に移したい、こういうふうに考えておりますので、まだ期間とか条件とか、どういう姿でやるか、これをどういうふうにリンクするかというような点については、しかと具体策をこまかく御説明するに至っておりませんけれども、ものによりましては、金融制度調査会等の意見も念のために聞きまして、そして十分な用意の上で実行に移したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 中期預金というときに、今日までの日本の長い金融の歴史の中で、一年以下のものは短期だし、一年をこえるものは長期だというような、経済の実態になかなか沿わない概念規定みたいなものが行なわれてきた、そういうものがまかり通ってきた。中期預金というときに、少なくともそういうものではなくて、すでに一年半預金というようなものも中期預金の一種のような形で出てきておるわけでありますが、大蔵大臣が中期預金と言う際に、また田中総理が中期預金ということを提唱されている、そういうお考えをはっきり出してこられたその際の中期というのは、二年もの程度であるのか三年もの程度であるのか、そういうものについても、まだ語るほど詰めてないというお話でありますけれども、大臣の率直な現在の立場で、どの程度のものを、二年ものか三年ものか、この辺のところでお考えがあったら、二年ものがいま私の頭の中にあるのだ、あるいは三年くらいまでというのが頭にあるのだ、こういうような点、聞かせておいていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 端的に申しますと、二年ないし三年と考えておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 わかりました。大体そういうところで、これは今日における常識であろうと思うわけで、その点はっきりしたわけであります。 そこで、いま大臣も心配されたように、過剰流動性対策として再び浮上した、前はこの問題は別な角度で議論されておったと思いますが、そのことはいまどうこう言いませんが、これが浮かび上がってきた、その資金の使途、これがまた銀行を通じてどんどん集められて、どんどんまた出ていくということになれば、やはり過剰流動性対策として、預金の形で吸収をするということが、それがまたおかしな形になって、所期の効果をあげ得ないということにもなるということなのでありますが、やはりそういう預金制度をつくることを、むしろわれわれも提唱をしたい。しかもその使い道といいますか、そういうものでも、午前中も中小企業専門金融機関のそれぞれの中央の会長、相互銀行の会長、信金の会長に来ていただいていろいろお話を伺ったわけでありますが、住宅ローンというような特定の目的に、住宅ローンにさいている資金上のシェアというもの程度に押えるというような形をとったらどうか、こういうような考え方が一つあるわけであります。 使い道の問題でもう一つの問題点は、これを都市銀行にんまりと新聞では報道されているわけです。中期預金の問題が総理から出た、都市銀行にんまりと、こういうことなんですが、都市銀行は、今日体質も非常に強力過ぎるくらい強力になっているのだから、そういう長期の安定した、優良な資金源に非常に乏しい、またそういう預金以外の金融債であるとか、あるいはその他の株の問題であるとか、そういうようなもので自己資金の調達ということができない状況に置かれているこの中小企業、そしてまた中小企業金融機関、こういうようなものに安定した長期資金をやはり豊富にさせる、こういう立場で、この際中小企業サイドに立って、専門金融機関だけがこの中期預金を集めることができる、こういうことにしたら、そういう趣旨にも合うし、今日まで比較的金融の面で大企業から見れば恵まれなかったものに対する安定かつ長期の資金供給が、そしてまた体質改善、体質強化というようなことをねらった、設備投資などに向けられるようなそういうもの、それを押えていくというようなことにしてはどうか、こういうようなことを実は考えるわけでありますが、大臣のこの点についての御所見を承っておきたいと思うわけであります。
○愛知国務大臣 先ほども抽象的に申し上げましたが、中期預金ということについては、これを創設することによって資金コストを高めるという、いわば一つの問題がございますし、それから中小金融機関に及ぼす影響ということを考えなければならないし、それから公社債市場育成との関連をどう考えるかというような点が、実は横の問題で、この考え方を整理しなければなりません。それから、縦の問題としては、そうした金をどういうふうに有効に使うか、あるいは封鎖するか、いろいろの方法があり得ると思いますが、この点も考え方をまとめる必要がある。そして、たとえばいまもおあげになりましたが、住宅ローンと結びつけるとか、あるいは中小企業の設備投資に結びつけるとかいうような意見も大いに参考にしなければならないと思いますが、いずれにしてもこの中期預金というものが、いまも御指摘がございましたように、大きな社会的な関心を集めておりますだけに、この創設のやり方についてはいろいろ苦心が必要なのでありまして、これらの点を早急に解消して、政府としての方針をきめ、実施に移したい、こう考えておるわけでございますから、これはひとり大銀行がにんまりしたり、あるいは中小金融機関だけにやらせるとか、こういうふうに限定的、偏向的に考えるべきものではないということを、私は基本的に考えておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 時間がありませんので、これ一問になりまするけれども、とにかく今日までの金融というのはやはり大企業には非常にゆるやかにいろいろな形でのメリットが集中しておった。中小企業の振興、それから助成、育成、こういうようなものに対しての金融政策面からのアプローチというものは政策的に非常に少なかったし、メリットも少なかった。中小企業はやはり振興はさせる。そのための中小企業専門金融機関としての相銀なり信金なりあるいは信組なりこういうようなものに対しても、もっと金融政策として引き締めのときだけは一律に網をかぶしていく、今度の場合準備率なんかについては二回目ははずしたというような配慮は若干ありますけれども、そういう面でもっと中小企業振興という立場においてそういう態度から問題の所在をとらえて中小金融機関をほんとうに充実させていこう、こういうようなことをもう少しひとつ考えてほしい、もっと政策的に振興助成の対策というものを今日まで大企業が過保護、銀行過保護論が出るというのは、大体これは大銀行に対してのことでありまして、中小専門金融機関に対しては比較的そういう点が薄かったということを反省されて、そういう点をもっともっと増強するようにしてほしいんだ、こういう気持ちを十分御理解をいただきたいと思うわけであります。 そこで、中小金融機関の整備の再編成、合併転換というような問題についてちょっとお伺いしたいのですが、この合併転換法をわれわれこの委員会で議論をしたわけですが、その際大蔵省の立場としては中立であるということを言われてきたわけであります。しかし、具体的な場面におきましては、信用協同組合というようなところに対して、それぞれ都道府県ではもうやはり体質の弱いところあるいは経営状況が悪いところ、いろいろな問題をとらえて積極的に合併の方向を指導されているというようなことが非常に多くなってまいりました。そして合併したところではやはり合併したなりのメリットもかなりあがっている。成果があがっているというような点も見られておるというような現状を考えますると、ことばで中立だ、そしてその内実は合併が望ましいんだというような形でやられるのではなくて、正しい発展、中小金融機関が堅実に発展して大衆の、中小企業のニーズにこたえられるというようなそういう立場をきちんときめて、望ましいものはやはり望ましいと言ってその方向に進んでいいのではないか、こういうような考えを実は持っております。これを干渉がましいことをしたり、どうこうということはこれは当然避けられなければならぬことでありますが、そういう立場で行かれるのかどうか、この問題についての基本的な大臣の考えをこの際ただしておきたいと思うわけであります。 それからもう一つ、先ほど大臣当面の経済情勢について、委員会全体に聞かしていただくというようなことで、私の質問はそれほどのことは期待してなかったのですが、その辺で大臣が時間をだいぶとったので若干時間が延びることを申しわけないと思いますが、そういうことを考慮してもう一問お聞きしたいことは、租税収入が三月末で実績が出されました。それによりますと、これは補正予算でも五千億自然増収を見込んで、補正予算はかなり大幅に組まれたわけですが、それをさらに上回って四千九百七十六億ですか、約五千億自然増収が出ておるわけであります。これは景気動向ともにらみ合わせて、またこれだけ経済が発展してなおかつ個人消費比率が五〇%そこそこというような状態にある。 そういうような面では、これは追加年内減税というようなことに回す、あるいは個人のいい意味での個人消費率を上げて、幾らかでも金融引き締め段階というような中でも今日まで個人消費、生活水準がまだまだ低い、そういう中でもやはり個人の幾らかでも豊かな暮らしを助成するというような立場でそういう面に使っていくべきではないか、このように思うのでありますが、よけい出てきたこの税の自然増収分を公債発行の縮減というようなことだけではなしに、その辺のところは景気動向に対する景気対策などとも十分斉合性をはかって考えなければならぬとは思いますが、個人消費比率が非常に低いという、すなわちこれは国民生活のレベルが低いということでありますから、こういう中においても、こういう引き締め段階においても、個人の消費経済というものが豊かになるような方向に、その最も有効な手段としてはやはり減税というようなことだと思うのでありますが、そういう方向に使うのが至当であろう、こういう考えを持つわけですが、その点についての大臣の所見も一言お伺いをしておきます。
○愛知国務大臣 庶民金融機関としての相互銀行とか信用金庫というのが、御案内のように昭和二十六年に議員立法としてこれは創立されたわけでございます。そうした恒久的な金融機関の新しい設立ということについて議員立法でこれができたということは、私は非常な特殊な例であると思うのです。それだけ国民的な、大衆的な期待が国会を通じて与野党の協力でこれはでき上がったものだということに、私は歴史的な意義が感ぜられると思いますから、そうした経過にかんがみましても大切に育て上げていきたい。今回の改正案の中にもそういったような気持ちがございます。 合併の問題については、あくまでやはりたてまえは政府は中立であるべきでありますけれども、好ましい合併についてはもちろんこれは指導というか、お手伝いをして合併の成果があがるように、りっぱな公共機関としての立場が確立されるようにしたいと思っております。御案内のように実績で見ましても、相銀、信金あるいは信用組合入れて同種の合併が五十一実行されておりますし、それから相銀、信金その他の異種の合併が二十七実行されておって、それぞれ成績が良好であると承知いたしておる次第でございまして、こういう傾向は大切に今後も育て上げていきたいと思います。 税の自然増収はなるほど非常に多いのでございます。これをどうするかということでございますけれども、やはりこれは予算編成の場合の問題としてどういうふうに減税をしていくかということで考えるべきものである、かように思いますし、先ほど経済情勢で御説明いたしましたように、一面それだからというわけでは決してございませんが、今日の経済状況下においては消費支出は非常に伸びております。現状はそうでございます。決して結びつけて申すわけでございませんが、減税につきましては四十九年度の問題としてもうそろそろ検討を始めておりますけれども、大衆的な減税を四十九年度にはぜひ実現したいということを前向きに検討をぽつぽつ始めているような次第でございます。
○広瀬(秀)委員 時間がございませんので、以上で終わります。
○鴨田委員長 増本一彦君。
○増本委員 いま議題になっています中小企業の金融関係の整備法につきましては、これで資本金や貸し出しの限度額が引き上げられることによって上位にシフトされて、中小、特に零細企業に金融の面で不都合の生じないように、ひとつ大臣としましても厳重に指導監督を強めていただきたいということをまずお願いしておきたいと思います。 せっかくの大臣の御出席でございますので、そういう現在の中小企業を含めた金融政策に関連しまして、ひとつ大臣のお考えを伺いたいと思うのです。 先般大臣は、公共事業の契約率を上期は五九・六%に抑制して、景気の過熱や特に設備投資の過熱を押えていくというような方向をお出しになりましたし、それからせんだっての経済企画庁の発表によりますと、設備投資が前年に対比して一二・六%ふえて、特に一億円以上の企業では一七・三%増になっている。一千万から一億円未満は、中企業あるいは中堅企業以下の場合ですと一・一%くらいだけれども、大手の企業になるほど極端に設備投資が加熱している、こういう状況がいまあらわれているわけでありますけれども、これまで実は金融の緩慢な政策をとってこられて、そういう条件をもとにして、公債発行の問題につきましても、過剰流動性を公債発行によって吸収をして資源の配分を公共投資のほうに振り向けていくんだ、これが福祉社会建設の財政経済政策の一つの柱になるというようなことをおっしゃってこられたわけですが、今日の時点で見ますと、現在では金融の引き締めが非常に強まってきて、大蔵省の現在の態度を見ましても、この引き締めは特に民間部門を対象にして行なっていくというようなことをおっしゃって、そういう態度をとってこられているわけです。 今日の段階で、経済企画庁のこういう調査とか、あるいは先般大臣が見解を出された公共事業の契約率を抑制していくというようなことと金融引き締め政策とが相まつということになると、いままでのような公債政策によって過剰流動性を吸収して福祉社会をつくっていくというような政策、こういうものが実際には壁にぶつかって修正を余儀なくされている、あるいはそういう点での政府の見通しそのものに大きな誤りがあったのではないか、こういう点を考えて、一体政府として、大臣として、どういうようにお考えになっていらっしゃるか、またこれをどういう方向で国民がほんとうに望んでいる福祉政策を金融政策あるいは財政政策の面で実現させていこうとお考えになるのか、その点をひとつ明らかにしていただきたいというように考えます。
○愛知国務大臣 これはきわめて平たく申しますと、四十八年度を通じて公債は適正な規模、私どもは二兆三千四百億としておりますが、その規模の公債を発行して民間からの資金を吸収するということが適切であると考えます。したがって、この第一・四半期におきましては、四月、五月で合計いたしますと七千三百億になると思いますが、このほうはむしろ例年の比率から比べれば非常に多い公債を年度首において発行して資金を吸収する。 そして今度は、これを公共事業の関係で歳出のほうで申しますと、全体としては五九・六%という上半期の契約ベースの比率になりますから、これは全体としては年度内で時期的な調節をするわけでございますけれども、その中で生活関連、それから災害関係はもちろんでございますが、それから予算の執行としては気候の関係で年度の前半にするのが適当である地域、こういうふうなものは、繰り延べの場合におきましても比率でとりますと七十数%になります。これはむしろ施行を順調にやっていくということになるわけであります。 それら以外のものについては七〇%をこすような契約ベースでやっていこう、こういうふうな関係になるわけでございますから、全体の予算の仕組みの中でタイミングの要素を入れましてポリシーミックスを展開していく。そして一面においては、その財源を平たく申せば吸収すべきものはふところに入れておく、そしてふところから出すものについては、福祉関係あるいは国民的ニードとして時期的にも必要なものについて優先順位をもってこれを実施に移す。それから資材の状況、需給関係とか価格の関係とか大きく響くようなものについては実行の時期を繰り延べていくということ、年度を通じての予算の編成をそこにさらに味つけをしタイミングを考えていくということがいわゆるポリシーミックスの展開ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○増本委員 しかし、引き締めを基調とする金融政策を続けていくという状態のもとでは、むしろ公債量を減少させていくということが一面では自然の成り行きだし、むしろ財源は別の点での確保、たとえば法人税の増税とかというような方向でお考えになることが、長期的な展望からいっても、現在のこういう一方で引き締めをしながら他方では手元の流動資金その他を使って設備投資を過熱させていくというような状況では、ますます重要になってきているのではないかというように考えるのですが、その点で先ほどポリシーミックスということもおっしゃっていますので、もちろん金融政策あるいは公債政策そのものだけでこの問題を解決するということでないことは十分承知もしますけれども、そういう点でほかの政策とのかみ合わせですね、その中で特に法人税制の強化ということが非常に重要な意味を持つようになると思うのですが、こういう点での方向はどういうようにお考えなのでしょう。
○愛知国務大臣 まず金融の引き締めは、先ほど申しましたようにもうしばらくの問はきびしさでやっていかなければならない。もちろん状況の推移は十分観察していかなければならないと思いますけれども、現在の時点ではきびしくやっていく。同時に、いままでやってきました金融政策の効果というものがこれからいよいよ本格的な結果をあらわしてまいりますれば設備投資その他の過熱ということが押えられてくる、私は当然そういう成り行きになってくると考えておるわけでございます。それと、ただいま申しましたようないろいろのやり方が、総合的にそのほかにもいろいろの対策が講ぜられつつあるわけです、それはあえて申し上げませんけれども。 もう一つ、税をそういったような景気調節に使うとという方向も、これは一つの考え方であると思いますけれども、先ほど自然増収と年度内の減税というお話が出ましたけれども、やはりこれは年度を通じての予算の編成との関連において実行すべきものであって、あえて租税法定主義とは申しませんけれども、やはり十分な御審議を願って、そして恒久的な制度として税制というものは扱うべきものではないか、私はかように考えるわけでございます。いろいろな論議が、こういう異常なと申しますか、状況下においては建設的な御意見も出ておりますので、政府としては謙虚にそういったようなことに対しましても十分御意見を聞いて参考にしておるわけでございますけれども、ただいまのところ税制について年度中に改正をするということは、政府の現在の立場としては考えておりません。
○増本委員 政府の経済政策の基本が国民福祉優先ということをおっしゃる以上、公共部門の安定的な拡大が非常に重要になってくる、これは大臣もおっしゃいましたけれども。そこで、この面での金融政策がいままでの政府の構想ですと、私どもが判断する限りでは、金融緩和とか低金利の政策を基調として、そしてその資金を公共部門で安定的に供給をはかるというようなやり方であったと思うのです。ところが、今日はこの引き締めとそして高い金利の政策をとらざるを得なくなって、その上に公共事業の契約率を押えたりあるいは設備投資を押えるように、通産省でも呼びかけをやるというようなことで、総需要の抑制をはかっているというようなことまで考えるようになりますと、金融政策のいままでのとってきたやり方では、福祉優先という本来の金看板はすでに手詰まりになってきている、こういうように言わざるを得ないと思うのであります。 最初の質問と多分に繰り返しになりますけれども、しかしここは非常に重要な問題だと思いますので、あえてもう一度お伺いしますが、こういう局面をどういうふうにほんとうに打開しようとしているのか、特にいままでのように金融政策だけで景気調整をはかろうというような傾向が非常に強かったというように私たちは思うのですけれども、もうこういうことでは非常に無力である。だから大臣も言われたように、ポリシーミックスということがいわれるのだし、そういう中ではいまお話ししましたように、経済企画庁の調査でも一億円以上の企業の場合ですと、今日の段階でもこれだけ金融引き締めその他が問題になっていながら、なおかつ設備投資は対前年比一七・三%増であるというようなことですと、これはやはりどうしても法人税の引き上げその他の政策と関連させて景気調整の手を打っていくということにならざるを得ないし、その点では進んでおやりになって財源を確保されるということが非常に重要だと思うのですが、いま一度非常に恐縮でございますけれども、その点について、もう少し今日の段階で具体的にどういうようにお考えになるのか。いま大蔵省等でも、来年度以降の税制の問題を検討されていらっしゃるし、その中で法人税の引き上げということも問題になっているおりでもありますので、ひとつその点まで含めまして御見解をいただきたいと思うのであります。
○愛知国務大臣 あまり学問的なお答えにならないかもしれませんけれども、福祉政策の問題も、主としては直接的には一般会計の財政の支出の問題に非常に大きなウエートがあると思います。その関係におきましては、四十八年度予算も成立させていただきましたから、一般会計の歳出で処理すべき福祉政策あるいは社会保障というような関係については、これは計画どおりに進むことができると思っております。ただ物価が非常に上がるということになると、そのメリットが減少するのではないかという御議論は当然あると思いますけれども、中には物価スライド制というようなものも取り入れてありますことは、御承知のとおりでありますし、このほうはそれで順調に歳出の関係は執行されつつあるわけでございます。 もう一つの分は、これは恒久的な、公共的な長きにわたる事業で、よくいわれますように、生活関連と一口にいわれますけれども、財政投融資等も含めた長期にわたる財政の資源配分の問題ということになると思います。その面では、先ほど申しましたように、むしろ公債財源というものを適当に併用することによって、公債というものは従来ならば景気変動に対する調整手段としてのみといいますか、それに比重を置いた使われ方がしておったと思いますけれども、今回の場合は、財政主導型で資源の配分を福祉関係に切りかえていくという面にむしろ比重を置いてまいりましたから、したがいまして先ほど申しましたように、公共事業の支出の繰り延べ等につきましても、そういった関係についてはできるだけ手を触れないで、そして一般のそれ以外の大規模なものについては、契約ベースでいいましても、相当高い比率の繰り延べをする、こういうふうにやっておる次第でございます。 したがいまして、私はこの福祉政策が手詰まりになったという御批評に対しては、私どもの立場からいえばそうではなくて、計画どおりこれは行っておるはずでございます、というお答えをいたしておるわけですし、それに関連して、年度内に増減税をするということは、政府としては考えておりませんという結論になるわけでございます。先ほど申し上げましたように、さらに税というものを政策手段として大いに臨機に活用せよという御意見も、私は一つの見識のある御意見であると思いますけれども、制度的に申しましても、またいま申しましたような実際的な必要性ということから申しましても、政府としては年度内の増減税ということは考えておらぬということに相なるわけでございます。
○増本委員 それでは、時間がありませんので最後にお伺いしたいのですが、いま金融二法以来預貸金利の弾力化によって金融機関の経営の効率化をはかっていこうという主張が大蔵省を中心にしてなされているわけでありますけれども、これをそのまま額面どおりやられてしまうと、利益の非常に劣る中小金融機関が非常に大きな痛手を受けるということは言うまでもないと思います。政府のお考えを推測いたしますと、政府は金利を安くして企業の支払い利息の負担を軽減することが実は生産コストを引き下げることにもなり、物価の安定にもつながっていくというような、そういう面で物価の問題にもからめていままで金利政策、持に預貸金利の弾力化については考えてこられたのではないかというように思うのですが、しかし、今日のような異常な物価高のもとでは、特に大衆による預貯金の場合は、これは実質的には金利は低下していることになるわけですし、こういう低金利政策、あるいは預貯金の金利の弾力化を促進していくというようなことで考えていくと、これは結局大企業には大量に資金を供給することになるけれども、他面その資金コストの非常に高い、そうせざるを得ない相互銀行や信用金庫その他の中小企業向けの金融機関は、ますます都市銀行にそのシェアを食い荒らされ、そのことが結果として中小企業金融にも大きな痛手を与えるということになると思うのです。 そういういろいろな点を勘案しますと、どうしてもそういう中では中小企業向けの金融制度について、もう一つはっきりとした制度的な保障や確立をはかる必要があると思いますし、それからさらに大衆の少額預貯金の金利については、こういう金利の弾力化からやはりはずして考える、あるいはその他の社会保障的な、福祉的な要素というものを十分考慮しなければならないというように考えるのですけれども、こういう点について最後にひとつ大臣のお考えを伺いたいと思うのです。
○愛知国務大臣 金融機関というものは、できるだけ預金者に対して高い金利を払ってあげて、そうして貸し出しに対してはできるだけ低い金利で貸してあげるように経営の努力がさるべきが本則であると考えますし、そうして当局としても金融機関に対する行政の指導というものはそういう点にしぼられて、要するに経営の効率化ということを望んでおるわけでございます。 私は、感覚的に申し上げるのでありますけれども、たとえば相互銀行というようなところは、大金融機関よりもそういう努力というものはかなりよく行なわれておるように従来から見ておるわけでございます。それから預貸率の関係などもより健全であるように思われますから、こういう点について今後ともこの庶民金融機関というものが大いに努力を続けてもらうように、またその努力がしやすいように当局側としても配慮を続けていくことが適切ではなかろうかと考えます。 それから、少額の預金について特別な特利でもという考え方が一部にございますこと、これもよく承知しておりますけれども、同時に、現実の問題としますと、預金の大体六割あるいはそれ以上が百万円以下のものである、これが実態でございます。まあそういう点から考えましても、あるいは預金が少額にうんと分割されるというようなこともきわめてあり得ることでもございますし、この預金の金利について特別な特利を出すということは、できればはなはだおもしろい適切なことだとは思いますが、実際問題としてはきわめて困難であると私はいわざるを得ないと思いますけれども、数字的なこれらに関連する問題については、私からは十分ではございませんから、政府委員から補足して説明してもらいたいと思います。
○武藤(山)委員 議事進行について、緊急動議を提案したいと思います。 いま国対のほうから、内容はあまりよくまだわかっておりませんが、特に江崎自治大臣が憲法で認められないような分離提案をするという発言をいたして、選挙法に関する発言をめぐっての四党の国対委員長会談の結果、直ちに各委員会とも一切の審議を中止をして本部に帰れ、こういう指令が参りましたので、ひとつ動議として提案をいたしますから、よろしくお取り計らい願いたいと思います。
○鴨田委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○鴨田委員長 速記を始めて。 暫時休憩いたします。 午後四時九分休憩 ————◇—————