大蔵委員会 第31号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/25
会議録
○鴨田委員長 これより会議を開きます。 アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 昨日は塚田委員のほうから法案の中身についてお話がございましたので、私は今度の開発基金のバックグラウンドについて若干お伺いをしたいと思うのであります。 これは開発基金と切り離せないのは、やはりアフリカ開発銀行の資金量と切り離せないわけでありますけれども、いままでアフリカ開発銀行というのは一体どのような投資を幾らぐらいの規模でどのような国にやってきたのか、二十五件ばかりのようでございますけれども、おもだったところ一体どんなことを具体的にやってきたのか、若干御説明を願いたいと思います。
○林(大)政府委員 ただいま佐藤先生から御指摘がありましたように、このアフリカ開発基金は、アフリカ開発銀行の業務がハードな条件、きびしい通常の商業ベースの条件による貸し付けということで限界がございましたので、それとは別に、よりソフトな、よりゆるい条件での貸し付けをする機関として設立されたわけでございます。したがいまして、アフリカ開発銀行の融資活動がどうなっているかというのが当然私どもの関心になるわけでございますが、一九七一年十二月末現在のアフリカ開発銀行の貸し付けの承認金額、これは全部が融資実行済みというまでには至っておりませんけれども、これは金額にして四千八百万ドルでございます。したがいまして非常にその融資の実績はあがっていない。 その内訳のおもだったものを申し上げますと、アルジェリアに対しましては、乳牛及び酪農プラントとして三百万ドル、道路建設として三百万ドル、それからチャドと象牙海岸はそれぞれ少額の借款、それからケニアに対しましては三件の融資貸し付けがございまして、道路建設、製紙事業、主要幹線道路建設という三件のプロジェクトに対しまして合わせて六百万ドル、それからリベリアの電力関係の貸し付けが百万ドル、それからマラウイに対します水力発電システム関係の貸し付けが三百万ドル、それからマリに少額の繊維工業の貸し付け一件、それからモロッコに対しましては電気事業の貸し付けが二百八十万ドル、それからニジェール、ナイジェリア、シエラレオネ、ソマリア、スーダン——スーダンは比較的大きいのでございますが、ソマリアまでのところは大体百万ドルから二百万ドル見当のところ、スーダンも二件出ておりますが、家畜検疫所建設と鉄道車両合わせまして三百六十万ドル、タンザニアが石油設備で三百万ドル、チュニジアがかんがいプロジェクトで二百万ドル。アッパーボルタの開発銀行への借款が二百万ドル、あとウガンダ、これは二件でございますが、特に上下水道の関係が三百万ドル、ザンビア、それから東アフリカ地域につきまして、東アフリカ開発銀行に対します二百万ドルの貸し付け、それから中央・西アフリカに対しまして民間航空事業に五百万ドル、合計四千八百万ドルの貸し付けが承諾をされているという状況でございます。
○佐藤(観)委員 そこでお伺いをしたいのは、この中に二件の銀行への貸し付けがあるわけですね。私は、先ほどあげられましたたとえば道路建設とかその他の電力事業とか、こういったプロジェクトということになると若干わかったわけでございますけれども、銀行への貸し付けということになりますと、これは若干形態が変わるような気もして奇異な感じがあったわけでありますけれども、この銀行への貸し付けという形で、具体的に何ができるということのない貸し付けが今後起こり得るのかどうなのか。 それからもう一つ、融資の実績がまだあがってないということは一体どういう理由によるのか。これはあとの基金の額の問題にもからんできますので、とうして融資の実績が——まあいろいろな事情があるのでしょう、もちろん技術がそれだけ足りないということもありましょうが、大きく言ってどういうような理由なのか、お答え願いたいと思います。
○林(大)政府委員 二点御質問のうちの第一点、開発銀行の銀行に対する融資というのがあるのがほかとちょっと異質であるという御指摘でございますが、これはそのとおりでございまして、直接プロジェクトに対する貸し付けをいたしませんで、たとえば日本におきます開発銀行とかそのような地域的なと申しますか各国それぞれに民間銀行部門では行なえないような資金供与、これを、政府関係機関としての開発銀行ができておりまして、そこから政府資金を流すということを、これは後進国の多くにおいていたしております。当然のことながらそのような発展途上国の開発銀行の資金も不足しておりますので、その活動が正常でありかつその国の開発にとって有益であるというふうに認められます場合には、アジア開銀をはじめといたしまして地域的な国際開発銀行がそのような国の開発銀行に金を貸すということもときどき見られる現象でございます。今回の協定におきましても同様なことを想定しておりまして、新基金の活動におきましても似たような融資形態はとり得るということが明らかにされております。 それから第二点の、なぜこのように供与が伸びなかったのであろうかという点でございますが、この点につきましては、一つは構成国が若く、しかも構成国の中に資金供与能力のある大口の国がないということがその事情の特色ではないかというふうに存じます。これは、たとえばアジア開銀に例をとってみますと、日本あるいはオーストラリア等の先進国がございまして、これが域内での資金供与に非常に大きい役割りを果たすと同時に、域外からの資金の導入のパイプとしてもいろいろな発言権を行使している。ところがこのアフリカ開発銀行は域内にそのような先進国がないばかりでなく域外の国の加盟を認めておりません関係上資金のソースが限られていたというような事情もあったというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 後半のお答えは、融資の実績が上がらなかったのは、簡単にいえば融資条件がたいへんにハードであるということだと思うのですね。前半のお答えの中に、上ボルタと東アフリカ地域の開発銀行に貸し出したのは、民間ではできないものを国から貸し出すのだということでありますが、一体いま融資条件というのはどうなっていますか。私はそれほどアフリカの金利というのは調べたことないのですけれども、今度のこの条件がこんなに——今度の条件というのは、つまりアフリカ開発銀行の金利、返済期間、特に金利はアフリカの民間の銀行の金利とほとんど変わらぬのじゃないか。ですから、後半の融資条件はきわめてハードであるということはわかるけれども、前半の開発銀行に貸すのは、民間でできない部分について貸すのだということはどうもちょっと納得ができない。いまのお答えの中には、前半と後半とは相矛盾した答えが入っているのではないか、こういう気がするのですが、いかがですか。
○林(大)政府委員 アフリカ開発銀行の貸し付け条件でございますが、この貸し付け条件は、その大部分を占めております通常資金の貸し付け条件は金利が年五%から八・五%、平均いたしますと、大体六%になります。そのほかに手数料が一%、それから借り入れが、契約をしてから実行に至るまでの間、約束だけをしてあって、まだ金が出ていないという残高に対しまして、これは金利は取りませんで、〇・七五%のコミットメントチャージが課せられます。それから返済期間は一年ないし五年、据え置き期間を過ぎまして七年から二十五年程度ということに相なっております。 しかし、このような条件でありましても、やはり開発途上国におきましては資本の蓄積もなかなか進まない。そしてこれだけの融資条件の融資もなかなか得ることは困難なはずでございます。これは日本の戦後におきます開発銀行が一〇%をこえるような金利で融資を行なっておりました場合にも、日本の経済再建上あれだけの役割りを果たしたわけでございますから、これだけハードな条件であっても、開発途上国にとっては貴重な資金源であり、しかもそれが外貨で入ってくるわけでございますから、やはり十分貢献し得る。もちろんよりソフトな条件で同じような開発銀行を通して転貸されるというほうが望ましい場合が多いとは思いますけれども、しかし、ただいま申し上げましたような間接的なおのおのの国の開発銀行を通ずる融資というのもそれなりのメリットがあるというふうに考えておる次第でございます。
○佐藤(観)委員 私はそのことで論争するつもりはないのですけれども、ただ、先ほど銀行への融資が、非常に民間でできないもの——民間でといったって、アフリカ地域の金利がどのくらいか私は知りませんけれども、そう一〇%も二〇%高いわけないと思うのですがね。おそらく同じくらいのものだと思うのです。時間がありませんからこの点は論争しませんけれども、おそらく上ボルタ、東アフリカ開発銀行の場合には資金繰りがたいへん苦しいので、いま林さんからお話がありましたように、アフリカにおいては最大の銀行でありますから、そこからおそらく借りているということだと思うのです。要は、現状では資金量にしても、発展途上国が集まった銀行でありますからきわめて少ないし、金利もまあ五%から八・五%ということでハードであるということだと思うのですね。 それで、今日までの投融資の実績、先ほど林さんは四千八百万計算単位と言われましたけれども、あとこれに投資があると思うのですが、これを合わせると合計幾らか、そしてアフリカ開発銀行の授権資本は幾らで、現在まで払い込みになったのは一体幾らなのか、その数字をちょっとあげてください。
○林(大)政府委員 アフリカ開発銀行の授権資本は二億五千四百万計算単位でございまして、全額応募済みでございます。その応募額のうち五〇%が払い込み資本、それから残りの五〇%が請求払い資本で、応募はされておりますけれども、半分は必要に応じて請求があれば払い込むことあるべしということで、元来払い込みが、当初から予定しておりますのが全体の中の半分でございます。この払い込み資本も、全額直ちに払い込まれるわけではございませんで、七二年の十月末現在で約八千六百万計算単位が払い込まれております。 で、加盟国は現在三十六カ国でございますが、まだ若干、ガンビアとかレソト、マダガスカル、モーリシャス等々と加盟交渉が行なわれておるというふうに聞いております。
○佐藤(観)委員 ですから、現在まで払い込みの資本が八千七百万で、実際に今日まで投融資が行なわれたものが大体約六千万、こういう現状になっておると思うのですね。それを踏まえて今度の開発基金というのは、とにかく三年間払いでありますけれども、合計が九千六十六万計算単位、もっとも開発銀行の場合の計算単位とそれから今度の開発基金の計算単位は若干違っておりますから、すぐ九千六十六万という数字と八千七百万という数字を比べるわけにはいかないわけでありますけれども、はたして九千六十六万計算単位という今度の開発基金の総額というものは、現在のアフリカの開発にとっていかがなるものか、そして日本が一千五百万計算単位出資をするということを約束してきたわけでありますけれども、日本にとってみて、この一千五百万計算単位というのは一体どういう観点から出てきたのか、その辺はいかがですか。
○林(大)政府委員 まず、アフリカ開発銀行のほうの資金量が必ずしも十分ではないのではないかという点につきましては、確かにアフリカ開発銀行の資金量も、たくさんあれば多々ますます弁ずだろうとは思いますけれども、しかし現在の状況では、大体資金量に見合った程度の融資活動が行なわれている。ただ最近のところは融資活動がかなり活発化しております。したがいまして、大体現在までの払い込みの金は使い切ってしまうような状況でございます。 それから、アフリカ開発基金のほうでございますけれども、アフリカ開発基金の資金量、これも先ほど先生御指摘のとおり、計算単位が銀行の計算単位と若干違いますが、この基金のほうの計算単位は九千六十五万計算単位ということが予定されております。これに比べまして資金の必要量という点から申しますと、確かに資金量のほうはばく大なものがあるわけでございます。ただ基金といたしましても、銀行と比べればかなりの資金量になるわけで、当初の発足段階の資金としては、この程度で発足するというのが順当なところではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。 全体の中で日本がどうしてこのような大きいシェアを占めたのかということでございますけれども、これは政府として、これだけの日本の国際的な地位の高まりと、国際的な経済活動の広がりということから考えますと、従来のような東南アジアに集中的に行なわれていた援助を、次第に地域的にも広げていく必要がある。アフリカ諸国をとってみましても、諸国とのいろいろな経済関係、これは貿易関係もございますが、資源関係、その他外交関係、諸般の事情を考慮いたしまして、日本のこれだけの力を利用して、積極的にこの基金の設立に参加したほうがよろしいという観点から、カナダと同額の最高額千五百万計算単位を拠出するという前向きの姿勢をとることにいたした次第でございます。
○佐藤(観)委員 最後に、おそらくこの開発基金ができますと、先ほど開発銀行のときに述べていただきましたようなプロジェクトのうち、たとえば道路建設を、おそらくアフリカの場合には有料道路というわけにいかぬと思うのです。道路建設を五分から八分五厘の高い金利の金でやっていたら、とてもじゃないけれどもテークオフはなかなかできないわけであります。したがって、おそらく今度開発基金ができれば、こういった道路建設、電力の場合にはこれは基幹産業でありますから、ある程度ペイできないこともないとは思いますけれども、かなり重い負担になると思うのですね。したがって、今度開発基金ができた場合に、開発銀行の従来やってきたプロジェクトというのは、多くの部分が開発基金に引き継がれるというか、内容的には開発基金がほとんどやるようなことになるのではないか、その辺の連関関係というのは一体今後どういうふうになっていくのだろうか、その点についていかがですか。
○林(大)政府委員 銀行ないし基金から融資を受けます国にとってみますれば、もちろんソフトな条件である基金のほうから金を借りたいという意欲は非常に強いと思います。しかし、貸すほうにとってみますれば、やはり貸し出し先の国、それから貸し出しの対象になるプロジェクトの実態をよく見きわめなければならない。そうすると国による貧富の問題も当然考慮の中に入ってまいりますが、そのプロジェクトがどの程度の収益があがるかということが、ハードなローンによることを認めるかどうかという非常に大きいポイントになってくると思います。そういうことを考えてみますと、いわゆるインフラストラクチュア、特に先生御指摘の道路あるいは港湾といったような収益性の低いものが主として基金の対象のほうに移ってくる可能性が非常に強いと見ております。
○佐藤(観)委員 終わります。
○鴨田委員長 増本君。
○増本委員 共産党・革新共同の増本でございます。 私たちは、こういう経済協力は平等互恵、内部問題に干渉しない正しい立場で進められていくべきだというように考えているわけですが、特にこういう経済協力の資金は、今回の開発基金を見ましても、いわば国民の財産を一般会計から出資して行なわれるということになると、特に国民の利益を守り、なおかつ国際的にも有効な役割りを果たしていくということがきわめて重要だというように思うわけです。そういう立場で、ひとつこれまでのアフリカ地域に対する二国間援助がどういう実態になってきたかという点を若干伺いまして、この審議の一つの重要な材料にさせていただきたい、こういうように考えるわけです。 それで、私どもも若干調べてみましたけれども、アフリカ地域に対する日本輸出入銀行の直接借款の実情についてまずお伺いをしてみたいと思うのですが、アフリカ地域に対する輸銀による直接借款、これは政府貸し付けの点でいきますと実情は一体どうなっているか、まずその点からひとつ説明をしていただきたいと思います。
○林(大)政府委員 アフリカ地域に対する輸銀による政府ベースの直接借款についてでございますが、これは主としてナイジェリア、タンザニア、ウガンダ、ケニア、現在実施中のものはこの四カ国でございます。この直接借款はすべて輸銀から供与されておりまして、それは市中銀行との協調融資、融資比率は輸銀が八〇%、市中金融が二〇%ということになっております。詳細は、もし必要がございますればまた個別にお答えいたしたいというふうに存じます。
○増本委員 私の手元の資料によりますと、ナイジェリアに対しては一九六六年十一月、円借款で金額が百八億円、金利が五・七五%で、返済期間が十八年、据え置き五年で、そうして紡績工場の設備拡充等というようになっていますけれども、これ以外にさらに追加融資をした事跡がございますか。
○林(大)政府委員 百八億円でございますが、ただいま御指摘のがナイジェリアに対する直接借款貸し付け契約締結済みのものでございますが、今後貸し付け契約が行なわれる予定のものがございます。これは昨年の九月の十四日に交換公文を取りかわしましたものでございまして、金額は六十二億円、対象予定プロジェクトは相互の協議によるということに相なっております。
○増本委員 それからケニアについては、私の手元の資料では、同じく一九六六年九月で、円借款で二十億一千六百万円、金利は五・七五%で、据え置き期間、返済期間はナイジェリアと同じ、それで紡績工場と道路建設機械等がプロジェクトであるというようになっていますが、これ以外にありますか。
○林(大)政府委員 ただいま御指摘の二十億一千六百万円の融資のほかに、現在交換公文は締結されておりまして、まだ貸し付け契約を締結するに至ってないものが一件ございます。これはことしの一月の三十一日に交換公文が取りかわされたものでございまして、金額は四十億八千六百万円、プロジェクトはモンバサ空港拡張計画となっております。これはただ輸銀が供与機関ではございませんで、海外経済協力基金が供与機関ということになっております。
○増本委員 タンザニアですけれども、これは私の手元によりますと、同じく一九六六年八月で、円借款で金額が二十億一千六百万円で、金利、それから返済期間、据え置き期間は同じ、対象プロジェクトがカシューナッツ工場と毛布工場拡充等というようになっていますが、これ以外にありますか。
○林(大)政府委員 ただいま御指摘の二十億一千六百万円の貸し付けのほかにございません。
○増本委員 最後のウガンダですが、これが一九六六年七月で、金額十億八百万円で、金利、返済期間、据え置き期間は同じ、シャツ製造工場拡充等というようになっていますが、これ以外にありますか。
○林(大)政府委員 ほかにございません。
○増本委員 先ほどの局長の説明ですと、出資の割合が輸銀が八〇%、市中銀行二〇%ということになっているようでありますが、市中銀行の貸し付けに対しては、輸銀は市中銀行に対して債務保証をしておるのでしょうか。この点はどうなっていますか。
○林(大)政府委員 輸銀八〇、市中銀行二〇の協調融資のうち、市中銀行の協調融資につきましては、日本輸出入銀行は元利払いについて保証を行なっております。
○増本委員 そこで、輸出入銀行が貸し付け金の八〇%を出しているということになりますと、それぞれの国に対するプロジェクトの開発事業の施行者、これは当然輸銀の法律及びその設立した目的からいきますと、やはり国内の企業がこれらのものを担当することになるわけですね。この開発事業についての施行契約というか、工事の請負契約というのですか、こういう点については、政府としてはどういうように締結の段階及び施行の段階で指導監督等をなさっていらっしゃるのか、まずその点についてのたてまえと体制をひとつ御説明いただきたいと思うのです。
○林(大)政府委員 輸銀の政府ベースの直接借款でございますけれども、これは対象事業が当然個別にあるわけでございまして、その対象事業のためにわが国から機械や設備が輸出されるわけでございます。この輸出入の契約は、相手国の実施主体とわが国の輸出業者との間で通常の取引により締結されるわけでございます。輸銀といたしましては、円借款の供与主体でございますから、対象事業計画の内容につきまして十分調査いたします。そして、それに基づいて貸し付け契約を相手の事業主体と行なう、それから貸し付け契約は、何と申しますか、支払われる対象は、輸出入契約の輸入支払い代金に充てられるわけでございますけれども、その相手方の輸入契約については、これは相手方の政府が審査、承認をする。それから日本政府あるいは輸銀がどういうことをやるかということでございますけれども、相手国の政府が、日本の輸出者とどういうような契約を結ぶか、そういうことにつきましては、これは相手方の政府の行なうことでございますから、したがいまして、政府ないし輸銀は、その当否について、特に相手国の政府に干渉するとかあるいはそういうことは行なえない立場になっております。
○増本委員 輸銀の出資金も、いわば国民の財産というか、お金で出されるものだし、その資金を運用して貸し付けを行ない、輸銀のたてまえからいくと、国内の業者が輸出入の契約もする、そうなりますと、結局輸銀では低利で相手国にお金を貸して、そして日本の業者がその輸出入の契約にタッチをする。そうすると、結局お金を安く貸してあげても、もし利潤率がきわめて高いとか、不当にもうけるというようなことだと、これはもうたてまえと実態とが全くうらはらの関係で、これは国民のお金を有効に使うという立場からいってもきわめて不当なことであるというように思うのです。もともと輸銀というのは主としていままでは輸出第一主義でやられてきて、今日の事態をつくるような、そういう資金運用が多分にあったという一つの批判の的にもなっているわけですけれども、少なくともそういう関係は十分な監督が必要だと思うのですが、いまのお話ですと、何か相手国の政府のやることだから、それについての監督、干渉ができないというようにおっしゃるけれども、しかしこちら側は日本の業者ですから、それとの関係でどうするという問題は、やはりもっとしっかりされることが必要だと思うのですが、実際にいま具体的にどういう手だてをとっておられるか、もう少し御説明していただきたいと思うのです。
○林(大)政府委員 実は、私ども経済協力の仕事を進めるにあたりまして、非常なジレンマにおちいりますのは、その資金のもとになる金が日本の納税者あるいは日本の郵便貯金その他の貯金者の金から成り立っているものであるから、その運用につきましては特に慎重にしなければならないという要請が片方にあり、また、他方にはこれが国際的な協調の場において行なう、先生最初に仰せられましたように平等互恵、相手方の内部に干渉せずというようなプリンシプルに従って行なわなければいけない、この要請が両者しばしば相反する場合があるわけでございます。 ただいま先生御指摘の場合も、そのようなジレンマケースの一つでございまして、日本政府が公の資金を相手方に供与するのであるから、その使途につきましてできるだけ有効に使われるように、こちらとして発言権を確保しておきたいという要請が片方にある、一方で、これを受け取った側といたしましては、援助として供与された金額の使い道にまでこまかくくちばしを入れられたのでは、国の主権と申しますか、自主性というのをそこなうのではないかということに相なるわけでございます。相手方に直接借款を供与し、その大ワクについて合意が行なわれた場合には、あとは相手国の政府がその資金をできるだけ有効に使いたい、したがって、たとえば日本のメーカーないし商社から輸入をいたします場合に、できるだけ質のいいものをできるだけ安く買いたいということは当然のことでございまして、そのような基本的な立場に立って行ないます相手方の政府の行為につきまして、その取引の相手方となります日本側のメーカーないし業者について、とやかくあまり干渉がましいことを言うのは望ましくないということで、ただいま申し上げましたような基本的な仕組みで、政府は、直接借款を供与するという方針を決定いたしますと、事務は輸銀にまかせる。輸銀はその実行にあたりましては、両国政府の意向をできるだけ尊重するように、かつ相手方にできるだけ多くの自主性を与えるようにという基本方針で運営しております関係上、二つの要請のうち、資金が有効に使われるということについてこまかいところまで政府は干渉できないということになるのはある程度やむを得ないというふうに判断をいたしております。
○増本委員 実際の輸銀からの資金の貸し付けも、やり方をいろいろ調査してみますと、相手国にしてみれば先にプロジェクトのプランがあるわけですよね。そしてそれに必要な機械や施設がほしい。日本の商社は、まあそういうお客さんをさがし回っているわけですから、それで一応の話を相手国として、それについての資金手当てをどうするというようなことの話もあって、それで商社のほうも輸出入銀行に、ここの一つのトレードについてめんどう見てくれ、相手国政府のほうも外交ベースで日本のほうにそういう申し入れをするというようなことで、やはりプロジェクトのプランと、それから正規にできるまでの間にしろ、一応の仮契約的な一定の合意までは商社の間でもう取りきめているわけですね。 だからそのときに、資金運用部資金から出ておるお金ですから、そのお金を使って商社が一定の成約までやる、この段階では日本の商社に対して政府として、こういう機械については少しもうけ過ぎじゃないかとか、こういう施設についてやるのはどうなんだというようなことでの日本側でのチェックなりするというのは、これは私は可能だと思うのですね。そこいらのところのたてまえというのは全然ないのですか。
○林(大)政府委員 ただいま増本先生御指摘の点は、直接借款につきましての交換公文ができまして次第に実行に移っていく段階というよりも、むしろその前の段階の御指摘だと存じます。実際問題といたしまして、やはり御指摘のようなケースはあるわけでございまして、その相手の発展途上国とそれから日本側のメーカーなり商社なりがある具体的なプロジェクトについて話し合いを行なう、そのプロジェクトを相手国としては何とか実現したい、ところが資金がつかない、そこで日本政府に直接借款供与してくれないかということをアプローチしてくるというような過程は、ときどき見られる現象でございます。ただその場合にも、ある特定のプロジェクトがその国の発展のために有益であるかどうか、それからそのような有益であるようなプロジェクトにつきましては、当然のことながら国際的に競争者はあるわけでございますから、その中で日本のメーカーなり商社を選んでそれになるべくやらせたいと思うに至る過程におきましては、これは日本から申し出ておりますいろいろな話が非常に相手の国にとっても有利なものであるに違いない。そこでプロジェクトの質ないしは価格というような問題につきましては、相手の国が十分なディスクレッションをもってやっているはずでございます。 それでその上に立ってはたして日本がその相手国に対して直接借款を供与すべきかどうかということになりますと、このことにつきましては日本国政府は借款を与えるか与えないか、その条件はいかんということについては主体的に判断できるわけでございまして、そのときにそのプロジェクトの値段が法外に高いものであるかどうかということは、元来からいえば、相手国の政府がしっかりしている以上は、それは妥当な範囲におさまっているはずでございます。そのことにつきまして、あなたの国は余分に高く値をつけ過ぎているのではありませんかというようなことは、あまり申し上げるのは適当でない場合が多いわけでございます。
○増本委員 局長、そうおっしゃいますけれども、だけれども、安いにこしたことはないわけですよ。どこの国でも、いい品物が安く買えるということを望んでいるはずだし、ましてや発展途上国であればあるほど、ほかにも財政資金を有効に使いたいという——日本ですら、今度のあれで国債を発行して、開発基金については曲がりなりにも、多少の短い期間にしろ資金を有効に活用したいと思うから国債を発行するんだというような説明もきのうあったわけですから、ましてや財政的にも他の諸国の援助を得なければ、協力を得なければ一つの大きな開発計画どころか、紡績工場の設備拡充すら十分にできないという国ですから、その点については適正なコストでやられているかどうかとかという点については、私は、もっともっと商社などに対する監視というものをきびしくしてやらなければ、ほんとうの意味での経済協力というものを発展させることはできないというように思うのです。 ですから、そういう点でのたてまえがいままでしり抜けといいますか、それが相手国に対する内部問題に対して干渉しないという立場だったら、そうじゃなくて友好のために、やはり損をかけないようにして、そしてわれわれ一般国民の郵便貯金からも出ているお金であればなおさらそれが有効、適切に相手国のためにも使われるように、ましてや取引先が日本の商社ですから、その点についてのきびしい規制、監督というものは、これは相手国のためにこそむしろやるべきではないかというように考えるのです。 そこで、きょうは時間が限られていますので、いま政府ベースの借款でしたけれども、ほかの輸銀の事業項目の中のアフリカ地域に対する輸出金融や輸入金融、それから投資金融、この点を含めて大体実情はどうかということを簡単にあと御説明をいただきたいと思うのです。
○岩瀬説明員 四十七年度の実績で申し上げますと、アフリカ向け融資は、船舶、プラントを含めました輸出では全体の三六%になりますが、融資承諾金額全額で申し上げますと、日本円に直しまして五千四百八十九億円、これが輸銀の総額でございます。アフリカ向けにありましては、合計額で千三百三十二億円でございます。そのうちの、輸入投資がございませんので、輸出金額の内訳は船舶が千百四十九億、プラントが百八十三億でございます。
○増本委員 今度の開発基金が設立されますと、開発基金による融資と、それからそれに加えて、さらにまた二国間の経済協力というものをこの開発基金は排斥しているものではありませんから、これもやはり行なわれることになりますね。そうすると開発基金からの融資と輸銀などによる融資が合わさって一つの事業計画が行なわれるということも当然あり得るわけです。その点はどうなんですか。あり得ますね。——そこで、開発基金が、いままでアフリカ開発銀行の金利が高かったために、みんなで、構成国、参加国や原参加者が参加して、もっと低利で融資ができるようにしようというのがこの基金の目的だそうですけれども、開発基金では金利はどのくらいを見込んで計画が立てられているものなのですか。
○林(大)政府委員 開発基金の貸し付け条件、これは一般的にソフトな条件であるということは当然でございますが、それが一体いかなる条件になるかということにつきましては、一般の商業的条件に比べて低い利子率、長い返済期間、長い据え置き期間ということで、借り主に加える負担が軽いというような条件になります。具体的に一体どういう条件になるかということでございますけれども、それは基金発足後に協議の上決定されるものでございます。いわゆるソフトな条件と申しましても、第二世銀が行なっておりますような五十年、それから十年据え置き、それから次の十年間一%ずつ返済、次の三十年間には三%ずつ返済、しかも金利はゼロ、手数料はわずか取るだけというような例から、アジア開銀はそれほどまでは行っておりません。そこら辺のところでどのところに大体おさめるかということは、基金発足後にきめられるというふうに承知しております。
○増本委員 当然開発基金の構成国、参加国をまじえてきめるわけでしょう。日本としては大体どういうプランをお持ちなんですか。
○林(大)政府委員 当然基金の意思決定機関できめられるわけでございますから、日本が参加をお認めいただき、正式に参加国になりますれば、それなりの発言権は確保し得るわけでございます。その場合にどの程度のことを主張するかということでございますけれども、これは一がいに言うことができない。それはそのときにおける各国の意向なども考えながら、コンセンサスを得られるように考慮しながら行なっていくべきだと思います。その場合に直ちに第二世銀のような非常にソフトな条件を提案するかというと、いまそこをきめているわけではございません。 現にアジア開銀の特別基金の融資条件もそれほどソフトにはなっていないわけでございますし、あまりソフトにいたしますと、それはかえって取り合いのような状況になっているわけでございますから、また相手方にそのような恩恵まで与えることがいかがかと思われるようなケースもあるわけでございますから、必ずしもソフトであればあるほどいいということでない場合があるということでございます。したがいまして、そのときの状況によりまして、一たんスタートいたしますとなかなか変えられないわけでございますから、よく相談してまいりたいというふうに存じております。
○増本委員 輸銀の貸し付け条件よりは大体もっとソフトになるのでしょうか、どうなんですか。
○林(大)政府委員 日本輸出入銀行の直接借款の条件よりはソフトになるということは言えると思います。
○増本委員 外務委員会でもわが党の委員が政府に対して質問したのですが、二二ページの三行目、十五条の融資の条件の四項の(a)号によりますと、基金は、「その資金は、参加国又は構成国の領域内で生産される物品及びそれらの領域から提供される役務をそれらの領域内で調達するためにのみ使用される。」というように本文はなっているわけですね。こうなりますと、いままでに商社などがアフリカでプロジェクトのプランを相手国との間でいろいろ注文をとり、金融の裏づけまでもきちっとして、それで今度ようやく政府間ベースで交換公文を取りかわして、貸し付け契約もしてお金が出る、こういう実態が、さらに輸銀もあわせてやるし、その上開発基金の低利、長期の借りやすい条件でお金を借りて、そして参加国としての日本の品物が参加国の日本の国内で調達されてアフリカのどこかの国へ行くということになるわけですね。だからこそいまでもこの輸銀の輸出入契約についてことさら政府の立場で、利益率や利潤率、契約の条件等について監督、指導が徹底されていないとすれば、ますます商社が進出していくための金融の条件を整備してやる、これのためにだけこの開発基金は使われるという危険が非常に多いというように思うのです。アフリカに向かって大きなプラントを中小企業などができるわけはない。これは大企業が進出する以外にないわけですね。また大企業の製品を送る以外にない。であればあるほど、この点の国内での体制をきちんとしなければならないというように私は思うのですよ。そういう点について参加を政府のほうでおきめになっているわけですが、一体どういうようにおやりになりますか。
○林(大)政府委員 この種の国際開発金融機関、これはグローバルな世銀、第二世銀、それからいわゆる地域的な国際開発機関、アジア開銀でございますとかあるいは米州の開発銀行でございますとかそういうものが融資をいたす場合の対象プロジェクトは、そのプロジェクトを施行する施行者をきめるにあたりまして国際競争入札によるのが原則でございます。国際競争入札という場合には、先生御指摘のとおり確かにそこへ出かけていってそれだけの事業をしようという企業は、どこの国でも中小企業はまずほとんどなくて、大きい企業が国際競争入札に参加する例が多いと思います。もちろんそのような場合におきまして、現地で現地の中小企業が全体のプロジェクトの一部を、直接にではなくても間接の形で仕事を進めるのに参加するということは当然考えられるわけでございますけれども、しかし国際競争入札そのものは大企業、ただその場合に、日本の商社なりメーカーなりが出かけていって不当な利益率なり条件で暴利をむさぼろうといたしましても、その場合には競争の現実があるわけでございまして、したがってそのようなことは許されないというふうに判断いたしております。 日本の商社、メーカーその他海外に出かけていって不当な暴利をむさぼりましたり、あるいは相手国の秩序、あるいは国際的な取引の秩序を乱すことは厳に慎まなければならないとは存じますけれども、しかし日本が質のいいプラント類を低価格で供給をするということによるメリットは、現在までは各国それぞれから評価されているわけでございまして、国際競争入札の結果日本の業者が落札をする、その場合に、さらに国際競争入札自身にまで日本政府が関与をするということは、これはやはり避けたほうがいいのではないかというふうに考えております。一般的には先生御指摘のようなことを十分頭に入れながら、その開発基金自体の自主性というものを尊重していきたいというふうに考えている次第でございます。
○増本委員 私たちは、この開発基金の協定の中身は、従来のいろいろな多国間の経済協力の協定と比べると、若干民主的になってきている、民主的といいますか、その構成国の発言権を無視できないようなそういう仕組みにはなっている。しかし十五条の四項の(a)号でいうここに「参加国又は構成国の領域内で」というようにこの参加国というのがくっついていると、やはり融資の申し込みを受けたその国が必要な品物やそれから役務を提供するということになるわけでして、だからここのところでは、決してまず第一に構成国の自由な選択がこの面で特別制約を受けない。またもう一つは、この参加国の側からすると、アフリカというのはこれからきわめて将来性のある市場である、だからその融資の申込みを受けた国が、参加国が、自分のところの物品や役務を提供するということでないと出資もしないだろうということだけからこういう条項ができたということになると、ひもつきでないといいながら、実際上は、事実上の運営の面ではやはりひもつきになってくるという点があるのではないか。この点についてはほんとうに開発基金が政府のおっしゃるような趣旨で運営されるためには、では参加国になる、しかも原参加国になろうという日本として一体どういう方法なり手だて、手当てをおやりになろうとしておるのか、御説明いただきたいと思うのです。
○林(大)政府委員 先生御指摘の四項の(a)の部分は、いわゆるやや広い範囲ではございますけれども、いわゆるひもつきの規定でございます。すなわち参加国または構成国からでないと調達ができないというわけでございます。ただ融資を受けた国自体が、その受けた国だけからローカルに調達しなければならないというわけではございませんで、それはローカルにその融資を受けた国だけに限ってはいけないというのが四項(a)の第一文の前段にあるわけでございます。そこで問題は、これをアフリカ開発銀行の構成国、すなわちアフリカの域内だけに限るべきか、あるいはアフリカ開発基金に参加しております参加国からの調達にまで広げるべきかという点でございますが、この点につきましては、たとえば大容量の発電機でございますとか、現在のアフリカの域内国では生産不可能なものが非常に多々あるはずでございます。したがいまして、この調達先をアフリカの域内国だけに限りましてはプロジェクトそのものができ得ない場合も当然あるわけでございまして、その範囲を広げるのは、これは性格上この種の銀行ないし基金を設立する場合にはやむを得ないことである。ただその調達先になる先進国の範囲を参加国だけに限るということによりまして、その基金への参加を奨励し、かつできるだけ多数の国から参加を得て、ソースを潤沢にいたしたいという配慮でこの規定に相なっている次第でございます。その意味で、これはいろいろな要請を兼ね合わせた一つの総合的な見地からとられた政策であり、合理的なものであるというふうに判断している次第でございます。
○増本委員 それからこの開発基金の融資を受ける資格のあるものは、その構成国だけでなくて、これには団体組織というのが入っていますね。これは民間の団体も当然含まれるわけですね。日本がアフリカのある国の資本と合弁して会社をつくる。この合弁会社が開発基金を利用するということは当然できるわけですね。そういうことになるわけですが、そこらはどうですか。
○林(大)政府委員 先生御指摘の条文は、第十四条の最後のほうではないかと存じます。「基金が承認した特定の事業計画に転貸するため国の開発銀行その他の適当な団体に対して行なう融資を含む。」二〇ページの十四条の最終のところでございますが、この部分でございますか。
○増本委員 ちょっと待ってください。——十六条の三項の(a)、(b)ですよ。(c)もそうですね。三項の(b)号です。
○林(大)政府委員 「基金は、次の者に対して融資を行なうことができる。」「構成国の領域内にある団体又は企業」というその団体、企業の中には、アフリカの域内の加盟国の領域内で業務を行なっておりますわが国の現地法人、あるいは合弁会社もその受益者となることができるというふうに解釈されます。ただその場合、その現地法人なり合弁会社が行ないます融資の対象となるプロジェクト、これは当然アフリカ地域の開発に資するものでなければならないわけでございますし、それからアフリカ開発基金協定の第十七条の一項のところ、基金のほうの規定で申しますと……
○増本委員 じゃ、時間がないからいいです。あとで別に聞きます。 ところで、先ほど伺ったナイジェリア、ケニア、タンザニア、ウガンダ、これに対する政府ベースの借款でそれぞれの国と輸出入契約を結んだ日本の商社というのはどこどこなんでしょうか。ちょっと教えてください。
○林(大)政府委員 商社、メーカーの名前を申し上げます。ナイジェリアの日本からの輸出者、日綿、それから豊田通商、日立製作所でございます。これはプロジェクトが三つほどございますので、そのおのおのに、全部を通じまして三社でございます。それからタンザニアはカシュートレーディング株式会社それから八木商店、三井物産でございます。それからケニアは三井物産、蝶理、平田紡績、安宅産業、これが輸出者でございます。それからウガンダは丸紅と日商岩井でございます。ただいま申し上げましたのが貸し付け契約締結済みのものでございまして、貸し付け契約未締結のものにつきましてはまだ輸出者は決定いたしておりません。
○増本委員 ところで、あと関連してなんですが、アフリカ向けの貿易の実情を見ますと、リベリアが非常に多くて、ところがそれはカッコつきでして、リベリア向けの便宜置籍船が非常に多いと、こういうことになっているわけですね。それで、これは輸出入銀行のこれまでの融資額の中で船舶の比重が非常に大きくて、私の手元の資料ですと一九七一年度末において七千八百一億円だ、こういうようになっていますが、このうちリベリア向けの船舶は何ほどくらい含まれているものなんでしょうか。
○岩瀬説明員 四十七年度末で、いわゆる船舶に対しまして輸銀が融資いたしました累計で申し上げますと、こちらの資料でございますから若干先生の数字と違うと思いますが、累計では一兆九千三百六十六億円でございまして、そのうちリベリア向けが九千三百四十億、約四八%でございます。
○増本委員 今度この開発基金ができたとき、向こうにいる現地法人が船舶の建造のためにこのアフリカ開発基金を利用できるという条件はあるのですか。この点はどういうことになっておりますか。
○林(大)政府委員 普通、船舶はこの種の開発基金の融資の対象になっていないというのが実情でございます。
○増本委員 一つのプラントなり開発事業の中で、たとえば銅山なら銅を出すための港湾設備を充実し、あるいはその輸送機関をつくるということになりますと当然船が必要になってきますね。そういう開発事業の中に占める、それの一環としての船舶の建造とかということであれば当然対象にはなるんでしょう。どうなんですか。
○林(大)政府委員 それは確かに、たとえば天然ガスの開発を進めるような場合には、液化天然ガスを現地でつくりましてその液化天然ガスを運んでくるためにLNG船というものをつくらなければいけないわけでございます。そしてそれが当然のことながらプロジェクトの中に入ってくる。ただ船舶というものは元来譲渡可能であり、かつ国際的に激しい競争条件の中にあって、お互いに競い合う海運会社の行なう海運活動の対象になるものでございます。したがいまして、当然金利を負担しても十分な収益をあげられるという性格のものでございますから、したがって元来道路とかあるいは港湾とかいうようないわゆるインフラストラクチュア、低収益という概念とははずれるものであります。したがいまして、元来からいってソフトな条件の融資には適しないものでございますが、ハードな条件で融資をするにあたりましても、やはりその条件についてはいろいろ通常の経済協力とは違う観点からの配慮が行なわれるのが通常でございます。その意味におきまして、今回設立が予定されておりますアフリカ開発基金からの融資対象に船舶が加えられるということは、まず通常の場合には考えられないと申し上げてよろしいと存じます。
○増本委員 では、もう最後の質問になりますので、いまの開発基金とは直接関係がないのですけれども、通産省の方、見えていますか。——実はリベリアの船舶の話が出たついでのことでお伺いするのでまことに恐縮なんですが、いま非常に軽油が不足しているというように言われているのですね。私の近くにも採石場がありまして、電気で採石できないので動力を使うのに軽油を使いたいのだけれども軽油が全くない、何か、重油に灯油をまぜているんですね、それで馬力は少なくなるけれども何とかそれでいましいのいでるのだと、こういう状態だというのですが、いま軽油の市場での需給状況ですね、それは一体どういうようになっているか、ちょっとお伺いしたいと思います
○石井説明員 鉱山局のほうでやっておりますので、別途それでは資料をお出しするようにしたいと思います。
○増本委員 それから、貿易の統計を見ますと、最近の統計の中では南アフリカ共和国との貿易の現状というのが、オーストラリア、ニュージーランドなどと一緒にその他というぐあいになって、それでここだけの、一国だけの明確な数字というのはなかなか手元に入らないのですよ。南アの貿易の実態は一体どうなっているのか、その点を御説明いただけますか。
○石井説明員 ただいま手元にこまかい数字を持っておりませんので、後ほど説明させていただきますが、一応南アに対しましては国連安保理の決議がございまして、武器弾薬あるいは軍用車両等の輸出を制限するといったような決議に基づきまして、そういった分野における商品の輸出は全部禁止という状態になっておりまして、ブラック諸国からの批判というものはただいまないというふうに考えております。
○増本委員 最後ですけれども、アフリカ開発基金には絶対に南アは入らないということは保証できるのですか。
○御巫政府委員 南アは入ることはないというふうに考えております。
○増本委員 どういう理由ですか、ちょっともう少し親切に答弁してください。
○御巫政府委員 現在、銀行にも入っておりませんし、それから銀行の他の構成国であるところの他のアフリカ諸国がこぞって反対しているということから判断いたしまして、入らないと思います。
○増本委員 日本はどうですか、反対しますか。
○御巫政府委員 現在そういう事態は起こらないというので、態度を別に考えたことはございませんが、アフリカ開発のためのこの基金に南アが入ってくるような事態が生じた場合には、日本としてはおそらく反対せざるを得ないということになると思います。
○増本委員 では、時間がないので終わります。
○鴨田委員長 広沢君。
○広沢委員 私は、アフリカ開発基金を設立する協定とそれからアフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律案、これで若干疑問の点を伺いたいと思いますが、まず、協定に関することですから外務省に属すると思いますけれども、第三条に「原参加者でない国は、この協定に反しない条件であって、参加者の全投票権数の賛成票によって採択された全会一致の決議により総務会が決定する」こういうふうになっておるわけでありますが、これは後に、いまも質問がありました十五条の四項の(a)の問題とちょっと関連してくると思うのですけれども、きびしい条件になっている背景というのはどういうことになっているのか御説明いただきたい。
○御巫政府委員 この種の、御指摘のような種類の規定はほかの機関にはあまり例のないものでございますので、特殊なケースといわざるを得ないと思いますが、その理由としては、想像のほかはないのですが、こういうような基金に新たに参加の意向を表明する国は、すでに前から参加しておる国の全体の意思でもって参加させるのが最も適当であるというような意向が非常に強く左右して、こういう規定が設けられたものというふうに考えております。
○広沢委員 そこで、先ほどもお話がありましたいわゆる十五条の四項の(a)ですが、これに対してひもつき、先ほどのお答えの中でもやはりひもつき的な援助の規定であるというお話でありまして、これは従来のひもつき、二国間におけるそういう物品並びに役務の提供を規定したものとは違ってきておると思うのですけれども、確かに原参加十六カ国ですか、いわゆる参加国内でのこういうことを行なうわけでありますから、従来とは違っていると思うのですけれども、やはり参加国の規定は非常にきびしいわけですね。ですから、いまお話のありましたとおり、これに入っていない国、さらに先進国でもフランスは入っておりません、ないしは共産国でもユーゴは入っておりますけれども、その他の国は入っておりません。全体から見ると、やはりそういうような一つのワク内で規定したような色彩が非常に強いわけでありますが、経済援助を行なう場合には、ひもつきというものは是正しなければならぬというのが一つの大きな眼目になっておるわけでありますから、こういう面が少し納得ができないわけですが、この点はどういうふうにお考えになっておられましょうか。
○林(大)政府委員 先生御指摘のとおり、援助資金をできるだけ有効に活用するという観点からいえば、世界じゅうの国々から最も質のいい、最も安いものを調達すればいいわけでありまして、したがってアンタイイングを日本が先立って主張しておりますゆえんのものもそこにあるわけでございます。ただ同時に、このアフリカ開発銀行ないしはアフリカ開発基金のように、新興国の集まりであり、かつおのおののセクショナリズムが非常に強く意識されておるという国柄におきまして、またそれらの国々が集まりまして共同の事業をしょう、アフリカ開発銀行の場合には特にそのような色彩が強くて、域外先進国の加盟を認めないという立場をとっておりましたのを、今回は一歩を進めまして、域外国とも共同で作業を進めていこう、ただその場合、やはり域外国が入ってくるのも、アフリカの国々の意向を強く反映して、みながいいという国でなければ入れたくないという希望が強いようであり、またそのような空気を反映いたしまして、その物資の調達先、役務の調達先は、その域内の構成国及び先進国からこの基金に加わってきたいわば仲間だけから調達したい、そのほうがまた資金の基礎を潤沢にするゆえんでもあるということで、このような規定が設けられましたゆえんのものを考えてみますと、日本もこの協定でこの部分があるのは非常にぐあいの悪いことだといってむげに排斥するわけにいかぬ、これはこれなりに一つの考え方であるというふうに考えまして、このままでこの協定に参加したいというふうに考えている次第でございます。
○広沢委員 いま、第一次国連開発十年、一九六〇年代はそういうことであったのですが、それの一つの反省の上に立って第二次国連開発十年ということで、一九七〇年代はそういうことでいこうということですが、その中に一つの問題は、二国間におけるそういうひもつき援助というようないままで摩擦を起こしてきた問題をなくして、できるだけ広い分野にわたってこういう南北問題の解決ということに当たろうということでありますから、従来とはこの中身を見まして多少変わっておることはわかるのですけれども、総体的にはやはり少しワクが広がった程度で、域内だけでものごとを処理しようという感じが出ておるのではないか。それにこの協定に調印し参加する場合においては、当然出資の内容から考えてみまして理事も出すことになるのではないか。それから総務は各参加国から一人ずつ出ていくわけでありますから、当然わが国の主張としては、そういういま言うような過去の問題をなくする方向でやはり考えていくべきじゃないかと思うのですが、これは意見として申し上げておきたいと思うのです。 それから、アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律案で、第三条に国債による出資等というのがあるのですが、これは「本邦通貨に代えて、その全部又は一部を国債で出資することができる。」こういうことになっておりますね。この場合どうなんでしょう、これは、全部をわが国としては国債で一応出資するという形をおとりになるのでしょうか。
○林(大)政府委員 第三条の第一項は、全部もできるし一部もできるというふうに授権をしていただきたいという趣旨で規定は書かれておりますが、実際問題としては、現在のところ全部国債で出資いたしたいというふうに考えております。
○広沢委員 そこで協定の第九条、出資の払込みでありますけれども、この中に「払い込むべき出資のうち基金の業務に必要としない部分を、参加者又は第三十三条の規定に従って参加者が指定した寄託所が発行する手形、」いわゆる日本でいえば日銀手形、日銀発行ですね、国債で受領する、こういうことになっておりますし、要求があり次第それは支払うということであります。そのあとに「基金が自己の管理費その他の費用をまかなうための収入を得るため、預金し又は投資することができる。」これは運用を書いてあるわけですね。 ですから、この意味からいいますと、基金側のほうに立って考えた場合に、これはやはり国債というよりも、こういう運用のしかたをするようにすれば先に払い込んでほしいというような意向もうかがえないわけではないのですけれども、その辺の感触はどうなっているでしょうか。
○林(大)政府委員 実際問題といたしましては、国債で出資いたしましても、請求があり次第キャッシュにするわけでありますので、したがいまして第九条の第一文で現実に発足すると直ちに払い込むわけでございますから、したがって、そのうち基金が現実に金が必要になればどんどんキャッシュを請求してくれば、国債をキャッシュにかえることはできる。ただ、御指摘の短期的運用の規定がございます。ここにも書いてございますが、大体は預金し投資をする、これは短期的に保有しております資金を関係国にたとえば銀行預金いたしましたりあるいは国債を保有いたしましたりすることになるわけでございますけれども、しかしそれを無制限に金をもうけるためにやるというのは通常はいたさないのが、この種の国際地域開発銀行の現実でございます。 現実に金が要るときに国債の現金化を求める。ところが国債の現金化を求めたところが、キャッシュにしてから相手方に貸し付けするまでの間に若干の時間がある。それから貸し付け先から元利の償還がありました場合に、その元利をさらに次のプロジェクトの貸し付けに支出するまでの間に時間がある、あるいはそれをもとにして月給を払いましたりあるいは物品代を払いましたりするまでの間に時間がある。その場合に、そのキャッシュのままで置いておくのはいかにも不経済だから、そこで預金なり証券なりに運用するというのが通常の姿でございまして、最初から現金出資を求めてそれを投資して収益に充てるということは、通常はいたさないわけでございます。 それで、このしまいからの第二文は、そういうようないわば資金運用の規定であるというふうに解釈いたしております。現実にアジア開銀などもかなりの資金の運用はいたしておりますけれども、これはかりにアジ銀債を発行して手取り金が入ったという場合に、それが直ちに支出に充てられるまでの間運用しょうということはいたしております。
○広沢委員 次に、第六条の参加国の当初出資ですが、これは自由交換可能通貨で払い込みは三回の均等年賦になっていまして、これはそういうことで今回予算には国債の発行ということを一応義務づけて、予算の上にもそれをあらわそうということになっておりますが、その最後のほうに、「基金は、基金の業務が必要とする場合には、第二回及び第三回の分割払のいずれか一方又は双方について早期に払込みを行なうよう要請することができる。ただし、そのような払込みは、完全に各参加者の任意のものとする。」と、こういうようになっておりますが、この点についてはどういうお考えをお持ちになりますか。三年年賦であるから三年ということになるのか、それともそういう要請があった場合においては、こういうようになっているけれども早期に払い込むことを考えるのか。ということは、どうせこういうふうにして参加することについては賛成でありますし、ならばむしろ向こうが望む方向にとっていくのが適当じゃないかと思うのです。そういう考えでお伺いしたいのです。
○林(大)政府委員 この第六条の第二項の規定は分割払いを規定しているわけでございますが、この分割払いの規定によりまして各国はおのおの一定の資金繰りを予定する。ところが基金の業務が実際に発足してみますと、非常に業務が円滑に行なわれ、早く支出が行なわれまして、資金繰り上第二回または第三回の分割払いを少し繰り上げたほうが資金繰り上ありがたい。しかしそれを強制するといたしますと、それは各国の資金繰り上予定していたものと狂ってまいりますので、そのような場合には前向きの姿勢で対応してくれる国だけはそういうふうにしてくださいということが、このただし書きを含めました最後の二文でございます。 先生御指摘のとおり、この第二回及び第三回の分割払いの期日をもっと繰り上げるということも一つの考え方かと思います。またあるいは繰り上げ払いをただし書き抜きでやるというのも一つの考え方と存じますけれども、しかしそもそも基金協定というものがその基金の立場とそれから金の出し手になります参加国の立場との相互の調和の上に築かれた妥結の産物でございますから、したがってこのただし書きということによって双方の立場の調和をはかったということではないかというふうに考えております。
○広沢委員 それでは一般的な経済援助の問題について若干お伺いしたいと思います。私の手元には一九七一年の実績しかありませんので、それをもとにしながらお伺いしたいと思うのですが、一九七一年の経済協力の実績は二十一億四千百万ドル、こういうことになっております。そのうちの五〇・七%がアジア、中南米が一七・一%、中近東が四・五%、アフリカ六・八%、国際機関が二〇・九%となっておるわけでありますけれども、これは二国間援助に限定して考えますと、アジアで六四・一%です。二国間の政府開発援助の場合は九八%と、非常にアジアに偏在している形になっているわけでありますが、今度アフリカにこういう基金に参加するというようなことから、もう少し地域拡大、視野を広げていこうという意図であろうと考えるわけですが、このように今日まで東南アジア、アジア諸国——東南アジアといっても五一%ですから、そのアジア諸国に偏在したこれからの経済援助のあり方を今後どういうふうに考えていかれるのか。このアフリカ基金に参加するということが一つの拡大の芽だと思いますけれども、その点について。
○御巫政府委員 わが国のこれまでの実績は先生御指摘のとおりでございまして、わが国自身の反省としてのみならず、同じく開発途上国を援助しております各国からも、日本の援助があまりにもアジアに集中し過ぎていやしないかという批判も行なわれております次第でございますので、私どもといたしましては、かねがねこれを援助の地域的拡大という方向に考えを進めてまいりたいというふうに考えておりまして、御指摘のように、この開発基金に参加いたしますのも一つの大きな機会であると存じますが、それのみならず、最近におきましてアフリカ各国にもバイラテラルの経済援助をいろいろと話し合いを行なっておるというわけでございます。
○広沢委員 わが国の経済協力の構成を見ますと、これは一九七一年の実績ですが、いわゆる政府開発援助が二四%、それからその他の政府資金の協力が三〇%、それから民間ベースが四六%。この政府開発援助というのはやはり経済援助の中核といいますか、それが今日でもDACでも問題になっているわけですが、これをいまの実績で見ますと四分の一、非常に小さいわけですね。アメリカの場合は四七%であり、フランスの場合が六七%、ドイツが三八%、DACの平均で四二%と、こういうふうにDAC平均に比べても著しく小ない。 ですから、やはりDACに入っているわが国として、その中でも経済大国という一つの観点から見られているわけでありますから、この点どういうふうに今後はかっていかれるのか、その点についてお伺いしておきたいと思います。
○御巫政府委員 御指摘のように、七一年の実績で申しますと、わが国のいわゆる政府直接援助、ODAといいますものはGNPに比較して〇・二三%ということになっておりまして、これが昨年のサンチアゴで開かれましたUNCTADの決議とはだいぶんかけ離れておりまして、まさにこのODAというのは真の援助ではないというのが最近の議論でございまして、わが国といたしましてもサンチアゴの〇・七%まで持っていこうという決議を受諾しております以上、この目標に向かって一生懸命に努力を続けていくということで、これを目標に努力をしておる次第でございますが、何ぶんにもこの政府直接援助といいますものは予算の分量と直接に関係してまいりますことでもございますし、それからまた政府間のいろいろな話し合いをやっております段階でなかなか手続に時間もかかって、いわゆる約束をしたものが実施に移るまでにも非常に時間がかかるというようなことで、俗称パイプラインなどというようなこともございまして、そういう点の障害を具体的に逐次排除しながらODAの分量をふやすことに積極的に努力をいたしたいと思っております。
○広沢委員 これまで一応GNPの一%、これを経済協力の目標に置いてきたわけですが、大体これが一九七一年でも〇・九六ですから、一応の目標としては一九七五年ごろまでにはこれは達成できることは間違いないと思うのですけれども、しかし、いまは総体的なことよりも、今度は中身の問題がいまおっしゃったように問題になっているわけですね。その点はいま申し上げたとおり非常にわが国としては少ない。したがって、民間ベースは非常に伸びてきているわけですから、その中でいろいろな議論はあると思いますけれども、民間ベースのなには経済協力、援助ということがいえるかどうかということもひとつ問題があろうかと思うのです。 真の援助というのはやはり政府の、それこそひもつきではない協力的なものが発展途上国が望んでおる援助であるということがいままでの会議の中でも出ておりますけれども、これがいまお話しのように、〇・七%というのが一応目安になって、一九七五年ですか、それを目安にしてひとつ努力せよということになって、わが国のほうもそれに向かって努力するということでありますけれども、その点の見通しはどうなんでしょうね。
○御巫政府委員 サンチアゴのUNCTADの会合のときに、確かに〇・七%の目標を達成する時期の問題も議論の対象でございましたが、いまのような現状から見まして、この時期について約束することはなかなか困難であるということで、わが国といたしましては〇・七%の目標達成の時期については約束をいたすことができなかった状態でございます。しかしながら、たとえば先ほど御指摘のDACの平均であるところの〇・三%ないし四%の段階までにはなるべく早く到達するように、まずそこのところに目標を定めていきたいというふうに考えております。
○広沢委員 次に、援助の条件についてでありますけれども、政府開発援助の約束額に占める贈与の割合というものは、一九七一年の実績はどういうふうになっていますか。
○御巫政府委員 ちょっと正確な資料を持ち合わせておりませんが、ODAの全体の中で贈与の占める割合は約三三%ぐらいと承知しております。
○広沢委員 これもDACのいわゆる諸国の平均は六〇%ということになっておりまして、これも非常に少ないわけですね。さらに貸し付け条件にしても除々に改善はされておりますね。しかし金利が大体三・六%ですか、返済が二十二年、据え置きが六−八年、こういうことになっていますが、DACにおいてもこれは二・八%、それから返済が二十八年、据え置きが六年、こういうふうになっておりますね。非常にこういう条件についても差があるわけでありますけれども、わが国の場合においては現物の貸し付けあるいは延べ払いの分が含まれておるわけで、円借款だけを考えた場合においてはまだ条件が悪くなるのじゃないかということなんですが、この点もこれは非常に改善していかなければならない問題じゃないか。いわゆるアフリカ地域に対するそういう援助の拡大ということから考えてみても、いままでの東南アジアに集中されておったような実績の中から考えると、この条件も相当改めなければならぬと思うのですが、この点についての見通しはいかがでしょう。
○御巫政府委員 これも昨年でございますが、昨年の十月にDACの上級会議というのがございまして、そこでこの援助条件緩和の勧告というのが採択されております。その中でグラントエレメントという字を使っているわけでございますが、平均のグラントエレメントを八四%にするように努力せよということになっておりまして、わが国の現状ではいまの無償援助そのものも含めましたODAのグラントエレメントが六五%程度ということになっておりまして、約二〇%くらいの努力をこれからしなければいけないわけでございますが、こういう勧告に従いましてもうDAC諸国の平均はいまの勧告に非常に近い八二%程度になっておりまして、ほかの国からはこの八四という目標はあまりに低過ぎるという批判もあったくらいでございますので、わが国とほかの若干の国がDAC加盟国の中では著しくグラントエレメントが低いという状態でございますので、この点につきましても今後大いに積極的に努力を続けて条件の緩和をはかりたいと考えております。
○広沢委員 要するに経済援助というのは、国民の勤労の蓄積をこれは使うわけでありますから、いままでのようないろいろな批判がありますけれども、そういうかえって相手に喜ばれるようなやり方、条件、こういうものを考えていかなければならないと思うのですね。いまいろいろな平均の数字をあげながらお話ししたわけです。やはりそういう面では基本的には努力をしていかなければならない面がまだ数々残されておるのですね。国内事情の関係もありますから、一ぺんにいかないことはよくわかりますけれども。 そこでもう一点お伺いしておきたいのは、技術協力の問題ですけれども、これも幾ら資金を回したところで、技術協力というものがこれからやはり援助の中では相当大きなウエートを占めていかなければならないと思います。それにしましても、これはまた数字をあげて申し上げますと、一九七一年で二千七百七十万ドル、こういうようにこれは年々伸びてきています。しかし、その経済協力総額に占める技術協力の比率というものは非常に少ないわけですね。この実績でいうと一・三%ですか、ドイツでも一一%、フランス三〇、英国が九%、DACの平均で九%ですから、もう一・三%じゃこれは極端に少ないわけですね。そういう面についても、今後これは十分考えていかなければならない問題だと思うのですが、いかがでしょうか。
○御巫政府委員 まことに広沢先生御指摘のとおりでございまして、技術協力の全体の経済協力、あるいはODAの中で占める比率というものを今後極力増加するように努力いたしたいと思っておりますが、何ぶんこれは政府援助の中でも直接予算と密接につながっておるものでございまして、特に技術協力につきましては外務省の予算の問題でございます点が非常に多いわけでございますので、その点につきまして外務省といたしまして、今後積極的にこの面の予算の増加をはかっていきたいというふうに考えております。
○広沢委員 時間がありませんので、外務省の経済協力費の中で具体的にお伺いしたいのですが、この中に日本青年海外協力隊派遣事業委託費というのがあります。これは経済協力費の中で相当な大きなウエートを占めておるわけでございますね。何も私はいまお伺いしょうということは、この協力隊がどうこうというのではなくて、むしろ協力隊を充実して、やはりこういうふうにアメリカの平和部隊のああいう感じじゃなくて、日本の場合は技術的な協力ということを行なっているわけですから、むしろこういう面を充実していかなければならないと思うのですが、その実態というのはどういうふうになっているのか、簡単にひとつ御説明いただきたいのです。
○御巫政府委員 青年協力隊の予算につきましては年々増額をはかっておりまして、当初予算額で申しますと、四十四年度で八億八千九百万円、それが四十七年度には十六億八千七百万円というふうな増加を見ておるわけでございます。したがいまして、これに伴いまして、隊員の数につきましても逐次増加をはかってまいっておるわけでございます。しかしながら、先生いま御指摘のように、日本の青年協力隊と申しますものは、ある意味で若い人の力によります直接相手国の民衆の中に入っていっての技術指導というような点に力を置いております。したがいまして、要請をする国側の望んでまいります業種に適当な人を派遣しなければいけない、そういう意味で語学の問題、相手の希望します業種の問題、そういうような点から、なかなか隊員を募集するときにもいろいろな困難がございまして、予定されました予算になかなか満たないような場合が見られております。こういう点につきまして、いろいろな問題点もございますので、青年協力隊の事務局というのが置かれておりますが、そこでもってそういったような障害を次々と克服して、予算の範囲に極力見合うように、隊員を拡充していきたいということで、施設の拡充、それから語学の訓練の拡充、そういうことに努力をしておる次第でございます。
○広沢委員 私も、過去アフリカに参りましたときに、ケニアやあるいはタンザニアでこの協力隊の人々と懇談する機会を持ったことがあるのですが、趣旨としてはむしろ最も力を入れていかなければならない問題なんですが、現実にそういう意向からこれだけの大きな予算を組まれているわけでありますが、現実には隊員数についても予定の予算の定員といいますか、それの数よりも実際の派遣される人数というのは非常に少ないわけですね。そのために、毎年毎年予算が非常に余ってきているという現状が出ているわけでしょう。技術協力の中で、具体的にこういうふうな役務の提供といいますか、こういうことをやっていかなければ、力を入れていかなければならない中で、やはり経済協力費の中でそれだけの大きな金額を組まれておっても、実際には使ってないという面が出てくるわけですね。 たとえば四十四年には六千五百万も余っている、四十五年には約一億近くも結局予算を余らしてしまった、四十六年にはこれは通貨調整の関係もあったと思うのですけれども、三億五千九百万も余っている。毎年大体三億円くらいずつ予算はふえておりながら、こういう状況が出てきておりますね。その他の面にこれを使ったとして、運用したとしても、実際の不用額としても相当の金額が出ているわけですね。四十七年度も見込みで約一億数千万円はやはり残として残るだろう。 こういうような実態で委託費としてただ委託するだけでなくて、政府みずから具体的にこういうことについては積極的な態度をとっていかなければ、それは協力隊の事務局というのが東京にあって、全国的にいろいろやっているようですけれども、そういう小さな範囲の中でやっておれば、なかなかそれは徹底もしませんし、あるいは隊員に対する待遇にしても派遣にしましても、あるいは訓練にしましても、そしてまた二年間なら二年間というものを終わって帰ってきたあとの再就職の問題にしましても、その位置づけというものが明確でないと、やはり気分としては行きたかないなという気分になるでしょう。ですから、過去に登録人員が多いときは五千名以上こえたけれども、現在は千数百名ぐらいしか登録されていないというような実情ですね。 ですから、そういうようなことを考えてみるならば、技術協力であるとかなんだかんだいいましても、こういう一つの例をとらえていっても、まだまだ政府のこういった具体的なものに対する検討は足らないんじゃないかと思うのですが、その点どういうふうに——これ一点をとらえて、具体的にお伺いしているわけですが、これをどういうふうにやっていかれるか、お伺いしておきたいと思うのです。
○御巫政府委員 まさに御指摘のような諸種の問題がございますわけで、たとえば隊員の訓練ということにつきましても、訓練設備が不十分であれば隊員を一時にたくさん募集ができないということになりますので、この点について拡充も現在予算をとりまして、それをはかっております。それからまた地方での公募の確保につきましても、従来外務省はなかなか地方に手足を持ちませんでしたので、むずかしい点がございましたが、たまたま移住関係の仕事が少し手がすいてきているというようなこともございまして、そちらのほうの人を利用して公募の関係の仕事もやってもらうということで、都道府県の担当の方にときどき集まっていただいていろいろお願いもしていくとか、またいまの隊員が勤務しまして帰ってまいりましたあとの身分保障の問題というようなことも、これは非常に問題がございますので、いわゆるいろいろな保障を行なうとかというようなことで解決をしていくというように、いろいろ予算の上でも技術の上でもくふうをこらして、現在せっかく努力している次第でございまして、私みずからも青年協力隊の事務局長をしばしば督励いたしまして、そういった方面で諸種の改善をはかって、何とかしてこの予算を十分使いこなすように努力している次第でございます。
○広沢委員 まあそれは督励しているだけじゃなくて、具体的に政府が施策を講じていかなければならぬと思うのですね。私も事務局長に若干お伺いしたところによると、今度は募集も都道府県にお願いしてやろうというようなことを考えているようです。しかし、それだけで十分充実したものになるかどうかということは問題だろうと思うのです。ただ、技術者を海外に技術援助で派遣してこれをやることも大事でしょうが、さらにやはり生活にというか、もっと現実に密着した、技術援助方式というのはこういう部門を充実していくべきじゃないかと思うのです。また、青年に海外的な視野を持たせるという意味から考えても、もっと意欲的にこういうものに対しては積極性がなければならないと思うのに現実が少ないという、そして現実にはそれだけの大きな、毎年大蔵省としてはどんどん予算を組んでいるけれども、それが一億円も二億円も不用額で、不用額というか残として、その目的のために具体的に使われないで残していくというようなやり方というのは、これはもう問題じゃないかと思うのですね。 この点に関して大蔵省自身は、これはこういう使い方、私は予算が多過ぎると言っているのじゃないのですよ、むしろこれを今後もっと充実していかなければならぬと思うのですが、現実の施策と相まってこれは予算というものは考えていかなければならぬのじゃないかと思うのですね。その点について政務次官の意見を伺っておきたいのです。
○鴨田委員長 山本政務次官、簡明にやってください。
○山本(幸)政府委員 経済協力の中で技術協力、技術協力の中で特にそうした人たちに人的なエレメントを強化していくという面は非常に大切な仕事でございますから、いまおっしゃることはまことにごもっともなことでありますので、予算方面におきましてもそういうふうなやり方でひとつぜひやっていきたい、こう思っております。
○広沢委員 質問はまだ残っておりますが、約束の時間でありますので後刻に譲ります。
○鴨田委員長 午後一時より再開することにし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十三分休憩 ————◇————— 午後一時十八分開議
○大村委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きす。 質疑を続行いたします。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 きょう大蔵大臣はアジア開銀に御出発なさるわけでありますけれども、アジア開銀に対する日本の基本的な態度について若干お伺いをしておきたいと思うのであります。 まず、国金局長にお聞きしますけれども、アジア開銀に入れる資格というのはどうなっていますか。
○林(大)政府委員 アジア開銀に入れる資格は、アジア開銀協定に規定がございまして、銀行の加盟国は、国際連合アジア極東経済委員会、いわゆるエカフェでございますが、エカフェの加盟国それから準加盟国、これが第一のもの、第二のグループは、「その他の域内国及び域外先進国で国際連合又はそのいずれかの専門機関の加盟国であるもの」これがアジア開銀の加盟国になれることになっております。
○佐藤(観)委員 大蔵大臣、そこでいま国金局長が読まれたように、アジア開銀の協定の第三条に書いてあるわけでありますけれども、いま台湾が入っているわけでありますね。これはいま第三条のどういう資格で台湾がアジア開銀に入っているのか、これはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○愛知国務大臣 これは設立当初は国連の加盟国でもあり、エカフェの一員でもあり、そして出資もしているという関係で、そのままつながって現在事実上参加している、こういう状態に相なっていると理解いたしております。
○佐藤(観)委員 確かに事実上はそうなっているわけですね。ところが、あくまで基本的には、アジア開銀というのは、第一のグループはエカフェの加盟国でなければいけない、こうなっているわけですね。そうしますと、この前エカフェの総会が行なわれたのでありますけれども、明らかにエカフェの中国の代表は中華人民共和国が来ているわけであります。そうなりますと、現状においては、つまり一昨年の秋中華人民共和国が国連に復帰をして以後は、台湾としてはアジア開銀に入る資格がないと考えるのがこの協定の正しい読み方だと思いますけれども、これは大臣、いかがお考えですか。
○愛知国務大臣 エカフェでも、中国の代表から意見も出ておるようでありますが、私の承知しているところでは、これはアジア開発銀行の問題としても、加盟国間において何らかの態度が相談されるであろうというような趣旨で、その問題はエカフェとしての決議ということにはならなかったように承知いたしております。
○佐藤(観)委員 あくまで、アジア開銀というのは、形式的にはエカフェとは別の法人格であるわけですね。ところが、国金局長、アジア開銀に現在の台湾地域が加盟をしたとき、これはどういう資格で入っていましたか。中国ということで入っていますか。どういうことですか。
○林(大)政府委員 現在、中国が加盟国でありまして、問題となるのは、むしろ代表権の問題ではないかと思います。
○佐藤(観)委員 四十一年六月の本委員会で審議されているときも、政府側は、中国ということでこれは加盟をしているわけですね。通産省の貿振局のつくっている「経済協力の現状と問題点」というところでも、経済援助について、私の手元にある一九七〇年の統計では、これは「中華民国」カッコして台湾という取り扱いになっているわけですね。ところが七二年版になりますと、これがアジア開発銀行の加盟国ということになって、「台湾」という形になっているわけですね。それから「特別基金に対する各国の拠出状況」にも、各国ということになって「台湾」ということになっているわけです。 外務省にお伺いをしたいわけでありますけれども、いま外交上台湾について、これはここの通産省の資料にあるように、あくまで国なのか、また、国と考えていらっしゃるのか。それから、いま問題になっております、エカフェの加盟国でなくなった台湾がアジア開銀に入ることが、外交上明らかに二つの中国を是認する形にならざるを得ないと私は思うのでありますけれども、その点について外務大臣の見解はいかがでしょうか。
○大平国務大臣 わが国としては、去年の九月、中国との間に国交の正常化をなし遂げまして、台湾という国を認める立場にないわけでございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、外務省の見解としては、御存じのようにエカフェには加盟していないわけでありますから、アジア開銀に台湾が入っている現状について、おかしい、また資格がないというふうに考えていると理解してよろしゅうございますか。
○大平国務大臣 これはアジア開銀の問題であると存じます。アジア開銀におきましてこの問題が取り上げられておるというようには、まだ伺っておりません。同時に中華人民共和国が参加の意向を表明されておるとも聞いていないのであります。これを、そういう状態においてアジア開銀はどのように処置してまいるかということになるわけでございますが、わが国は有力な参加国の立場を持っておることは当然でございますので、もしそういう問題が出た場合におきましては、参加国の意向も十分たださなければならぬことは当然でございまするし、また中国との間の正常化、日中友好関係というものを念頭に置いて処置しなければならぬことと考えております。
○佐藤(観)委員 どうもよくわからぬ部分があるわけでありますけれども、問題は日本の外交の中国問題に対する基本的な考え方、それから具体的な処置のしかたになってくると思うのですね。つまり、日本として二つの中国をとらない、したがいまして台湾は現在では国ではない、こういう見解に立つならば、どこかの国か、あるいは日本から提案するかもしれませんけれども、現在アジア開銀の中に台湾ということで入っている、しかも融資についてもたいへん額が多い、こういうことをそのまま認めることは、日本の外交政策としてきわめて矛盾をしているのではないか、こう思うわけでありますけれども、その点はいかがでございますか。
○大平国務大臣 いまお答え申し上げましたように、日中友好関係というものを踏まえた上で、日本が参加国の意向も十分聴取しながら対処することで間違いないと私は考えております。
○佐藤(観)委員 話はちょっと戻るようでありますけれども、この問題は、大平外務大臣がいみじくも言われましたように、中華人民共和国がアジア開銀に入れてくれというかどうか、これはまた話は別の問題だと思うのです。ただ、私が問題にしたいのは、こういったいろいろな問題、四十一年にこれが出されたときに、やはり反共の銀行ではないかということが数々いわれたわけでありますけれども、そのときには、エカフェの加盟国という関係で、中国が国連に復帰するまで入っていたわけでありますね。 そういうことになりますと、大蔵大臣、どうなんですか、これは現在は、この協定上台湾が——冒頭にお聞きしましたように、確かに経過は私もわかります。経過はわかりますが、台湾は、現状において資格がはたしてあるのか、協定でいうところの資格があると考えていらっしゃるのか、ないと考えていらっしゃるのか。それは大平外務大臣の、現状の日中関係、日本の政策、そういうものを踏まえて、現在資格があると考えていらっしゃるのか、ないと考えていらっしゃるのか、それはいかがでございますか。
○愛知国務大臣 日本としては、中華人民共和国政府との間に国交が回復されて、そして同時に国連の有力なメンバーでもあるし、日中友好ということが私どもは日本外交の基本方針であると思いますから、日本としての態度ははっきりしていると思います。同時にアジア開銀については参加国が非常に多くて、その中には、通称で言えば中華国民政府ですか、これを承認してその関係は継続しているところもまだ相当あるわけでございます。ですから、アジア開銀としての態度ということになりますと、十分その辺のところを日本としては、日本の立場を踏まえて根回しとかなんとかいろいろやりまして、好ましい結論が出るようにすべきであろう、私は基本的にはこう考えておりますが、しかしいま予定されている今回のアジア開銀の総務会という形式で呼ばれておりますが、そこのアゼンダにはこの問題まだ出ておりませんから、これは私が行ってみませんとどういう姿でどういうふうに取り上げられつつあるかわかりません。私としては、いま外務大臣も言われたような基本的な態度を胸に入れまして適切な行動をとりたい、かように考えております。
○佐藤(観)委員 私がお伺いしているのは、いま大臣が言われた好ましい結論というのは一体どういうことなのか。それは先ほど大平外務大臣が述べられたような日中国交促進、こういった政策と相矛盾したことにはならないのだろうか、好ましい結論というのは。大臣が言われているのは、あなたはあくまでアジア開銀の中できめられることだということでありますけれども、それは当然そうでありますけれども、その中で日本の態度ということが一つのポイントになるわけです。日本外交にとって、日本の態度はどういうことなのか。最終的には日本の結論だけがアジア開銀の結論になるわけではありません。日本の一つの意見として、それがどうなるかはわかりませんけれども、少なくとも日本の意見はどうなのか。台湾がはたして資格が現在あるのかないのか。資格がないといってもこの協定には追い出しの条項はないのです。ないですから、それはまた別に考えるとして、はたして協定上資格があるのかないのかということ。それから、好ましい結論というのは一体どういうことを想定されているのか。あくまで結論はアジア開銀の中できめられるにしても、日本政府としての態度はどうなのか、この点についてお伺いをしたいわけであります。
○愛知国務大臣 一つはいまお話しの中にもありますように、国連憲章のような加盟とか脱退とかあるいは除名とかいうような規定もはっきりいたしておりませんし、それから組織としても政治的な国際機関でもございませんから、おのずから処理方法についてはやはり多数の合意の中で結論を出していくよりほかにしようがないだろう、こう考えますが、日本としては、これは直接のお答えにならぬかもしれませんが、同時にこれは国際通貨問題におきましての日本の主張というのは、世界は一つであってイデオロギーを越えて、国境も越えて世界が一つのワールドエコノミーということを主張しておる立場もございますから、いずれも日本と友好関係にある国々が参加国でありますから、これらのコンセンサスがうまくでき上がっていくように配慮していかなければならない。日本外交上の基本政策というものはきわめてはっきりしておりますから、それを体して、かつアジア開銀というようなものの組織が円滑に今後も動いていくように、それからさらに進んでは、中華人民共和国政府がやはりこういう組織に入る意向を表明してくれるということがまた望ましいことではないか、私はこういうふうにも考えておる次第でございます。
○佐藤(観)委員 私はその言を延長していきますと、日本外交にとってきわめて大きな問題になってくると思うのです。融資の額にしましても、韓国と台湾とが大きなパーセンテージを占めているわけですね。そしていまこういった日本外交が中華人民共和国を唯一の正統政府と認めているという現状において、片方の関税定率法でいけば御存じのように地域ということになっているわけですが、そういったところに援助をする、これは日本の外交政策としてたいへん大きな問題を含んでいると思うのです。やはりはっきりしていかなければいけないのは、大蔵大臣のおことばの中では、いやしくも外国と結んだ協定の、しかも参加できる資格が、どうも現状からいま大臣が一番最初に述べられたようにきている関係できわめてあいまいに、きわめて広くとられてしまっている。 外務省にお伺いしたいのですが、国際協定課長の堤さんどうですか。これは国際協定上、アジア開銀の第三条というのは御存じのような状況で、中華人民共和国が国連に復帰をしてから、この情勢を考えてみますれば、第三条にいうところのエカフェ加盟国にはなっていないし、したがってアジア開銀の入れる資格にはならぬ、こう読むのが国際協定として当然の読み方だと思うのです。これが違うということになりますと、今後国際協定の読み方というものはずいぶん変えなければいかぬと思うのですが、これはどういうふうに考えておられますか。
○堤説明員 まず第一に、第三条の規定は、新加盟の条件を定めたものでありまして、一たん加盟した加盟国の地位というものはこれはアジア開銀の組織において定められるもので、アジア開銀の決定にまつところが大きいと思います。それから二番目に申し上げたいことは、先ほども御指摘があったことでありますけれども、いまの台湾を中国として承認している国があるわけでございますし、また現在も台湾が正式に専門機関の加盟国となっておるということから、この第三条の規定に徴しても新加盟の資格は備えている、現状では備えているものであるということが言えるのではないかと思います。
○佐藤(観)委員 これは私はたいへんな解釈のしかただと思いますよ。台湾がエカフェ加盟国でなくなったわけですね。そこで、あなたはいま国連の専門機関に入っているといっているけれども、第二の、後段のほうは、域内国及び域外先進国で国連ないしは国連の専門機関に入っているということでありますから、台湾が域外先進国の国連専門機関に入っているということじゃないわけでしょう。どういう資格で台湾がアジア開銀法の第三条にいうところの加盟国になる資格があるのですか。 それから、アジア開銀に加盟している他の国がまだ台湾を国として認めているといっていますけれども、問題は、あなたは日本の外務省の協定課長なんですね。日本と台湾との関係、日本と中華人民共和国との関係が問題なのであって、他の国が認めているから日本は台湾を国として認めているわけじゃないでしょう。きわめて私は大切なことだと思うのです。台湾がどういう資格で第三条のどの部分に当たって入れるのですか。 しかももう一つお伺いしておきたいことは、これは加盟しているときには、先ほど私もお伺いしましたように、あくまで台湾——中華民国ということじゃなくて、政府の答弁は中国ということで、通産省の資料をかりれば「中華民国(台湾)」という形で入っている。あくまでも中国の代表として入っているわけですね。それが御存じのように一昨年の秋国連に中華人民共和国が復帰をして、台湾の中国代表権というのはなくなったわけですね。そういうことから考えますならば、いまの説明というのは説明になっていないと思うのです。いま一度、第三条で台湾が加盟国となる資格があるかないか、どの点であるのか、これをお伺いしたいと思う。
○堤説明員 私が申し上げましたことは、この協定の条文の解釈でありまして、それ以上は全然出ておりません。また事実を申し上げただけでありまして、日本の政策には関係ございません。この協定のテキストの上で、国連の「専門機関の加盟国」という句は「域内国」にもかかっているということをまず御指摘したいと思います。それから、現在は台湾と私どもがみなしております中華民国は、ある種の専門機関の加盟国の地位を保有していることは事実でございますので、これは協定の解釈と事実だけを申し上げた次第であります。 〔大村委員長代理退席、委員長着席〕
○佐藤(観)委員 これまたたいへんだと思いますよ。台湾は日本政府としての見解は域内国ですか、域外国なんですか。そんなばかなことを言ってはだめだよ。
○堤説明員 この域内国と申しますのを解釈いたしますのは、日本政府の立場として申し上げたわけではございませんので、その協定の条文を客観的に解釈すればそういうことになるということでございます。
○佐藤(観)委員 客観的にと言われますけれども、それでは日本政府としてこれを読む場合に、台湾というのは域内国になるのですか。
○堤説明員 日本政府としての立場と、この協定の客観的な解釈ということはおのずから別でありまして、その域内国ということばをいろいろに解釈する国はあるかと思います。ちなみに日本から見て、現在の台湾は国とはみなしておりません。
○佐藤(観)委員 いいですか、アジア開銀に入ったときに、あくまで現在の台湾地域というのは中国として入ったわけですね。しかもこの条件としては、エカフェの加盟国だということが第一グループにあるわけですね。そのときには台湾だったわけですね。これはいいか悪いかは別として、現実としては台湾だったわけです。中華民国だったわけでしょう、中国として入ってきたのは。ところがそれが御存じのような中国の国連復帰によって、中国という国を代表する国は、日本も認めるところは中華人民共和国になった。あるいはあなたが外国でまだ台湾を認めるところがあると言っているけれども、国連では——専門機関はまた別ですよ。別だけれども、国連の総会では中華人民共和国が中国の代表であるということで入っているわけですね。中国として台湾が入った、その台湾が中国でなくなったらば、その中国というのは中華人民共和国が今度このエカフェの加盟国として入るのじゃないですか。 こういった基本的な問題を、私は問題のすりかえだと思うのですけれども、あなたが言うのは、それではいま台湾が入っているのは、この第三条の域内国だというのですね。協定は域内国と台湾を認めるというのですね。つまり現在は資格があると、こういう見解ですか。
○堤説明員 私の答弁の冒頭に申しましたが、第三条の規定はあくまでも加盟の際の資格を申しておるのでございます。現在の台湾の地位に関しましては、御質問の趣旨は、結局その地位はアジア開銀というものが、その組織が決定すべきものである、そういうふうに考えております。
○佐藤(観)委員 そうすると、確かにアジア開銀の協定は日本だけがつくったものじゃありませんから、日本だけの見解ではないことはわかります。ただし、日本の見解として、いま台湾の地位についてはあくまで域内国として資格があるんだと、協定はそう読んでもいいという理解に立つわけですね、外務省としては。
○堤説明員 私は、日本の立場からのこの協定の第三条の解釈を申し上げたのではありませんで、この協定の条文を客観的に読めばそういう意味になる、それを申し上げた次第でございます。
○佐藤(観)委員 それじゃ大平外務大臣どうですか。いまのやりとりをお聞きになりまして、最初このエカフェに台湾、現在の台湾地域が入ったときには中国として入ったわけですね。これはなぜかといいますと、エカフェの加盟国だったから中国として入ったわけであります。ところが現状は変わりまして、いま台湾は国連の総会から出ているわけでありますね。そして日本政府としても国とは認めていないわけであります。ここに立って、台湾地域が現在のアジア開銀の資格があると考えるのか、ないと考えるのか、これはいかがでございますか。 日本政府の態度、日本政府の考え方、これはもうアジア開銀がきめることといったって、日本の主張というのは当然あるんですね。その際にいま協定課長さんのお話しになったのは、この協定をそのまま読めば域内国としての要件は台湾は備えているという判断でありますけれども、日本政府の判断として、あくまでアジア開銀の域内国としていまの台湾、台北政府——政府というかとうかわかりませんけれども、台北政府は資格があるという見解をおとりになるのですか、どうですか。
○大平国務大臣 いま問題になっておりますことは、アジア開銀における台湾の地位でございまして、それはたびたび政府側から御答弁申し上げているとおり、アジア開銀という独立の法人がきめることであるということをまず申し上げておるわけでございます。アジア開銀には台湾の地位につきまして問題の提起がいままでのところないということ、御指摘のように、中華人民共和国政府もこれに加盟の意向をいままでのところ示していないということを申し上げたわけでございます。しかしながら、日本はアジア開銀の有力なメンバーでございますので、問題は二つあると思います。 まず、日本がこの問題をアジア開銀へ進んで提起するつもりがあるかどうかという問題と、それから第二は提起が日本以外からあった場合に、日本は参加国といたしましてどういう態度をとるかという問題でございます。私の考えでは、進んでこの問題を提起するつもりはございません。しかしこの問題が提起された場合に日本がどういう態度をとるかということは、先ほど佐藤さんに申し上げたとおりの態度で対処したいと考えております。
○佐藤(観)委員 私は、そういう後段のふわふわっとしたことでは現実の処理としてできないのじゃないかと思うのですね。それで大蔵大臣にお伺いしたいのでありますけれども、このアジア開銀の総裁は日本の井上四郎総裁でございますね。この井上総裁というのは、日本政府を代表する意見を総裁として述べるのか。総務としては大蔵大臣が出ていくわけでありますね。総裁は日本から出ているわけでありますけれども、井上総裁というのは、これは日本の立場を総裁として主張なさるのか、その関係は一体これはどういうことになるのですか。
○愛知国務大臣 井上総裁は日本人ではありますが、いわば国際機関の人になったわけでございますから、何と申しますか、アジア開発銀行総裁としてはその立場においては国際的な、これは国連とまたちょっと違いますけれども、国連などでいえば国際官僚でございますか、そういうふうな呼び方がよくいわれるかと思いますけれども、国際機関の公務員的な立場である、こう理解しております。日本政府を代表するものではございません。
○佐藤(観)委員 そうしますと、これは事務当局でけっこうですが、井上四郎さんは日本政府のいまどこの省に所属をして、どういう身分でこのアジア開銀の総裁になっているのですか。
○愛知国務大臣 これは日本の公職とは何にも関係ございません。ですから、ただ何といいますか、自然人として日本人である。しかし、現在の彼の立場はアジア開発銀行の総裁である。これはお答えにならぬかもしれませんけれども、たとえば先般のエカフェの総会のときにも来ておりましたけれども、全然これは日本政府としてはアジア開銀の総裁として外国人として扱っております。そういう扱いでございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、念を押しますけれども、日本政府総務としては愛知大蔵大臣が日本を代表して、政府の代表として総務会に出られるわけでありますけれども、その愛知大蔵大臣の総務としてのこの問題に対する見解と井上四郎総裁との見解が違うことは当然起こり得る、可能性としては起こってもかまわないのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 当然そういうことはあり得ると思うのです。これはやはり総裁であり、それから各国が総務あるいは総務代理を出しておりますけれども、私は意見が相違することはあり得ると思います。私はしかし、あくまで日本を代表するものである。ただ、アジア開銀の会議におきましては一総務としての立場において、日本としての立場を表明する立場にある、こう考えております。
○佐藤(観)委員 なぜ私がこの問題を提起したかと申しますと、一昨年秋の中国の国連復帰以来、やはり日本外交というのは大きく転換をしなければいけない、私たちもっと前から言っていたわけでありますけれども、現実には日本外交というのは転換しなければいけない、特にアジア外交を転換しなければいけないときに来ていると思うのです。現実には二つの中国をつくらないと言っておっても、現実の処理としてはこういったような問題にどういうふうに対処していくかということが私は対中国政策の具体的なあらわれになって出てくると思うのです。 で、いま申しましたようなことで、台湾がアジア開銀の融資を受けている額というのはきわめて大きいわけでありますね。片方では現在御存じのように、廖承志さんを団長とする訪日団が来ている。そして日中国交回復という大きなレールが進んでいる一方で、このきわめて複雑にして大事な問題の部分で、台湾についてアジア開銀を通して日本が援助をする、これは国際的に日本の対中国政策にとってもきわめてまずいことではないか。また私としては台湾というものは追い出し条項はないけれども、現状では資格がないものだと考えるわけです。これは日本外交にとってきわめて大きな問題だと思うのでありますけれども、その点について現状は外務大臣としていかがお考えであるか、はたしてこのままいっていいものかどうか、この考えについてはいかがでございますか。
○大平国務大臣 何べんも同じことを御答弁申し上げるわけですけれども、アジア開銀に対する参加国といたしまして、他の参加国の意向もいろいろ聞きながら日中友好、信頼の関係をそこねないように対処してまいりたいということでございます。
○佐藤(観)委員 その基本線は私もわかるわけですね。基本線と現実の外交の部分とが触れるところが現実に起こってきているわけですね。現状はそうでしょう。政府としては中華人民共和国、中国との日中国交回復をした、そうして友好関係をさらに増進をしたい。そこのときに起こってくる問題がこの台湾の問題であるわけです。しかも片方では日本は二億ドルというたいへん大きな資金を出して台湾に経済援助をする。これは日中友好の促進という大きな日本外交の路線からいうと、はずれてくるし、また接触点としてきわめて大きな問題になってくるのではないか。 大平外務大臣の基本線はわかる。基本線はわかるのだけれども、現実に問題として起こってくるのは、このアジア開銀は、大蔵大臣にお伺いしますけれども、さらに五億ドルの三分の一を新基金として出資をしたい。さらにアジア開銀を強化する方向に日本としてはあるのだと思うのですよ。あとでお答えを願いますけれども、その中にあって、現実には問題は日中友好の促進という大きな路線の中で具体的に接して起こってくる問題というのは、アジア開銀を通して日本が台湾地域に援助をするということ、経済協力をするということ、これが基本線と大きくはずれているのではないか、しかもそちらの部分はアジア開銀を強化するという方向に、強力にするという方向にある。これは日本外交の本質をゆがめることにはならないか。 どうも外務大臣の御答弁は、本筋は私もわかるのです。だけれども、それに枝葉になってくる、あるいは枝葉ではないかもしれないけれども、もっと大事なことだと私は思うのでありますが、具体的な接触点ですね、つまり、アジア開銀を通して台湾に援助をする、経済協力をする、これが大筋をはずれてしまうということになるのではないか。たいへんむずかしい二つの中国というものを現実に認めることになるのではないか。何回も同じようなことをお聞きしますけれども、大平外務大臣のおことばは基本線しか出ていないのですよ。具体的に接点となるこの台湾のアジア開銀を通しての援助には御回答がないわけですね。私が求めるのは、やはりこのままアジア開銀を通して台湾地域に援助をすることは日中の友好関係を促進するにはマイナスになるのではないか、こういう可能性もあるのではないか。あるいはそう考えていらっしゃるのかもしれない。その点もお伺いしたいわけであります。
○大平国務大臣 アジア開銀を育成し、その機能の活発な展開を促していくということは日本として考えなければならぬことでございまして、きょう佐藤さんが取り上げられた問題はアジア開銀がおきめになる問題である。それにつきまして参加国の日本の態度は、先ほど私が申しましたような基本的な態度をもって具体的ケースが起こった場合に処理してまいらなければならぬのではないかと思うわけでございまして、その間に私は矛盾はないと考えております。
○佐藤(観)委員 どうも一歩もお話が出ないで時間が過ぎてしまった。 最後にお伺いをしたいのでありますが、先ほど大蔵大臣に私がお伺いしましたアジア開銀に対する新基金の五億ドルの三分の一、これを出資なさるというお話が新聞に出ておりますが、このお考えがあるのかどうか。 それからもう一つ、大平外務大臣にお伺いしたいのでありますが、具体的に日中友好促進という中で国連に中国が復帰して以来日本外交というものは変わらなければいけないと私は思うのでありますが、韓国ではASPAC、アジア・太平洋協議会、これは必ずしも固執するものではない。これはそもそも韓国が大きな音頭とりをやって一九六六年にできた協議会でありますけれども、韓国ですら不可欠な機構とは思わないといっているわけであります。日本にとって、こういった日中友好を進める中で、ASPACというのは大きな障害になると思うのでありますけれども、それを日本として抜け出る考えがあるのかどうなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○大平国務大臣 ASPACにつきましてのお尋ねがございましたので、お答えいたします。 本件につきましては、本院の他の委員会におきましてもお答え申し上げておるわけでございます。すなわち、ASPACというのは自発的な地域協力の国の集まりでございまして、日本もそのメンバーの一国でございます。したがって、この組織を、地域協力機構をどうするかということを、日本だけできめられる性質のものではないと心得ております。関係国が、つまりASPACのメンバー各国が一致したコンセンサスを得まして処理してまいることが一番自然でもあり、当然な道行きであろうと考えております。 日本といたしましては、最近のアジアの状況から考えまして、当面、ASPACの会合は持たないほうが適当でないかと考えておるわけでございまして、ほぼそういう方向に各国の意向もなってきておるようでございます。これが行く行くどういう始末になりますか、それはいま私が予言する限りではございませんけれども、当面これを開くことは必ずしも適当ではないと判断しております。
○愛知国務大臣 先ほど来お話があるように、アジア開銀に対する態度が、積極的に介入の問題といいますか、これをこちらから提案をするつもりはございませんが、しかし先ほど申しましたように、これが問題に取り上げられることはあり得ることでございます。その際の態度といたしましては、日中友好であり、それから中華人民共和国が国連の代表権を堂々と持っている、この条件のもとにおいて、日本代表としては適切な行動をとりたい、こう考えております。 それから、その次の問題、またいろいろあると思うのです。これは、たとえばアジ銀がこれから金融面でどういう活動をするかということにも関連して言及されておりますが、これはやはり基本的な態度と関連するものであって、私は、日本の態度といたしますれば、その基本線に乗ってアジ銀が新しい局面において大いに活躍するように、こういうふうな心持ちでやってまいりたいと思います。 それから、出資につきましては、そういう基本的な考えを前提にいたしまして応分の協力をすべきものである。ただ額とかなんとかいう大筋のところは、四十八年度予算でもお認めいただいておるわけでございますから、そういう線を基本に置いてやっていきたい、こう考えております。
○佐藤(観)委員 終わります。
○鴨田委員長 増本君。
○増本委員 外務大臣は何かほかに御用がおありのようなので、先に外務大臣に伺いたいと思います。 いま懸案のアフリカ開発基金の協定の審議をしておりますので、それに関連してひとつお伺いしたいのは、私どもは再三言明しておりますように、こういう経済協力はやはり自主平等、内部問題不干渉の立場に立って行なっていかなければならない。しかもその立場からすると、いまアフリカ開発協定の中で当面参加国または構成国になっていない南アフリカ共和国の関係が、これは国連の決議等ですでに再三にわたって非難が集中しているわけですけれども、通商関係を見ますと、アフリカ地域の中でも南アフリカに対する貿易というのは非常に大きな比重を占めているわけなんですね。日本からの輸出が、一九七二年の十月一日現在で見ましても、全アフリカに対する貿易の割合で二〇・九%、輸入が三五・七一%、これは年年累増しているのですね。こういう関係が一方にあるというのは、国連で非難の決議がされ、国際的な世論もそういう方向にいっている現在、外交の上でもきわめて好ましい状態ではないというように私たち思うわけです。 そういう点で、外務大臣として南アとの関係をどういうようにされるかという点と、もう一点は、もし南ア共和国がこのアフリカ開発基金に参加してくるというような事態になったときには、私は当然反対すべきであると思うのですが、外務大臣としてのその点の所見をまずお伺いしたいと思うのです。
○大平国務大臣 わが国と南アフリカ共和国との貿易が、アフリカの他の国々に比較いたしまして圧倒的に多いという御指摘でございますが、それは御指摘のとおりでございます。われわれは、アフリカにおける国際政治の状況を踏まえまして、われわれの南アフリカ共和国に対する態度がアフリカ諸国から非難の的にならないように、その理解を得られるような方向で処置いたしておるつもりでございます。 すなわち、南アと日本との貿易は普通の貿易、通常貿易でございまして、投資というようなことは差し控えておるわけでございます。日本はこういう自由貿易体制をとっておる国といたしまして、個々の商社側で南アとの間に物資の売り買いがあるということを、日本政府としてとめる権限もございません。そしてそれはきわめて自然なことでございまして、日本が必要とする資源が多い、また日本の品物を買いたいという意欲が強い関係で、他の国々よりも圧倒的に多いことは、あなたの御指摘のとおりでございます。しかし、これは政府がそれを奨励いたしておるわけでは決してないわけでございます。われわれは他のアフリカ諸国とあわせて友好と信頼をつないでいかなければいけないわけでございますので、南アに対する政策はこういうたてまえでやっておるのだということをよく説明をいたしておるわけでございます。通常貿易でございますが、通常貿易でも他の地域におけるわが国の貿易の発展の度合いから比較いたしますと、南アに対する増加割合というものはずっと低い状態になっていることもまたあなたが御承知のとおりでございます。したがって、そういう節度のある対処のしかたを今後も、いままでもやってまいりましたけれども、今後も続けてまいりたいと考えております。 それから、アフリカ基金に対する南アの加入問題についての御質問でございますが、新規加入はこの協定の第三条の三で参加者の全会一致の議決を要することになっております。これは論理上の問題としてあり得ても、事実上そういうことは、あなたが御指摘のような問題は起こり得ないのじゃないかと思います。
○増本委員 日本としてそういう事態になったときどういう態度をとるかということと同時に、この開発基金協定には私どもはいろいろ問題があり、当委員会でも、また外務委員会でも指摘をされましたけれども、いま政府のほうではこの協定に調印をしてこれを進めていこう、こういうお考えがあるわけですから、当然アフリカの中の南アが加入をするのは好ましくないというようにお考えになっているのかどうか、またそういう事態になったらどうするとお考えなのか、その点ははっきりさせていただきたいと思います。
○大平国務大臣 私が申し上げたのは、論理的にはあなたのような設問ができようかと思いますけれども、実際上そんなことはあり得ないのじゃないかと私は考えております。現実に起こった場合にどうするかということをよく聞かれるわけでございますが、万々起こるまいと思うのでございますけれども、起こった場合はたくさん反対が出るのじゃないでしょうか。日本が特に力むほどの問題ではないと思います。
○増本委員 先ほどのアジア開銀の問題にしてもそれからいまの問題にしても、どうも大臣の方針というのは出たところでどういう態度をとるか、大勢を見きわめてきめていくというような式で、日本の方針というのが諸外国との関係ではっきりしていないように思うのです。この開発基金でやっていくことになると、この構成国はほとんど、大臣もそこを踏んでおられると思うのですけれども、要するに反対があるだろう。だから、そういうことは起こり得ないとおっしゃるけれども、日本が自主的な立場に立って、こういう開発基金を発足させるにあたって、南アとの関係はどうするのかという点については、きちっと節度を持った、しかもしっかりとした方針というものが当然要求されていく問題だというように思うのですね。ですから、その点について、先ほど経済協力局長のお話ですと、そういうときには日本は当然反対するであろうという趣旨の答弁をなすったのですが、大臣としても局長の先ほどの答弁と同じ趣旨であるというように了解してよろしゅうございますか。
○大平国務大臣 いま卒然と御質問をいただいたのでございますが、私は、あなたから南アがアフリカ基金に加入するということについてどうかという御提起があったわけでございますが、いま全くそういうことは考えられないと申し上げたわけでございますが、しかしもし、反対するという意見も一つの考え方だと思いますけれども、私はむしろアフリカの諸国が、南アも一緒になってひとつアフリカの開発をやろうという気分になることはたいへん望ましいことだと思うのでございます。いまのアパルトヘイト政策がだんだん解けてまいりまして一つのアフリカになるということは非常に望ましいことで、したがって根本は二つあると思うのでございます。 アフリカの諸国が祝福をもって南アを迎えるような事態はたいへん望ましい事態だと考えるわけでございますが、しかし当面冷たいアフリカの現実はさような事態ではない。おそらくそういう問題は提起されないと思いますが、かりにいまのような状態において提起されるということでございますならば、政府委員のお答えしたような態度にならざるを得ないと思います。
○鴨田委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○鴨田委員長 速記を始めて。 村山君。
○村山(喜)委員 まず初めに、お尋ねいたしますが、アメリカが一九七〇年の三月に参加の意思表示を行なったわけですね。そしてその後、日本と同じ程度の一千五百万計算単位のものについて拠出の意思表示を行なっておりながら、なお今日に至るまで、アメリカの国内事情とおっしゃいましたが、現実に原参加国になれない事情というのはどこにあるのですか。
○川村説明員 原参加国になれない、まだそういうふうにもきまっておるわけでもございませんので、協定上御承知のとおり原参加国になれる道が開かれておるわけです。ただ、現在までにアメリカの最終的な態度はきまってないということば御指摘のとおりでございますが、これは行政府としては、先ほど御指摘のございましたように、かなり早くからアメリカは参加の意向を非常に積極的な態度で表明しておりました。現在もこれには変わりはございませんけれども、米国の議会との関係におきましてまだこの話を正式に詰めるという情勢にないというのが米国政府の判断のようでございます。そこで、協定上にも正式にまだ参加できていないということだと思います。 ちなみにその議会との関係と申しますのは、一般に、残念なことでございますけれども、近年アメリカの議会における対外援助に対する態度が非常に従来に比して慎重になってきた。かたがたアメリカといたしましては、このアフリカ基金のみならず、もっと前に、たとえば第二世銀に対する出資とか米州開発銀行に対する出資の問題、あるいはアジア開発銀行に対する協力の問題というものが、いわば山積しておりまして、そういうものをやはり順々に処理していこうということからアフリカにつきましてはまだ十分議会と話が詰まってない、こういう情勢にあるのではないかと理解しております。
○村山(喜)委員 この協定の附属書ですか、この一の原参加者、この原参加者は、そこに掲げてある資格を有する国々は千五百万アメリカ合衆国ドル以上の出資を行なった場合においてと、こういうようなことを掲げてありますが、うしろの当初の出資には計算単位で掲げられておるわけです。とするならば、これは当時、計算単位のその表示額とそれからアメリカの千五百万米ドルというその単位との間には食い違いがなかったわけですが、それが今日の時点においては、SDRに対して一〇%の米ドルの切り下げが行なわれたという関係が生まれてきたわけで、この附属書Aの一と二との関係においては、今日は食い違いが生まれてきているわけですが、これはどういうふうに統一して解釈をされるべきですか。
○川村説明員 御指摘のとおり、附属書のAの一のほうにおきましてアメリカドルを用いております関係上、この協定作成後におきまして、ドルの切り下げの結果一米ドルというものと一計算単位というものとが食い違ってきていることは事実でございます。一と、それから二に当初出資が書いてございます。各国の出資額を掲げてございますけれども、協定上は直接には関係がないということが言えるかと思います。すなわち二のほうは、これはここに列記されました十五カ国及びアフリカ開発銀行がそれぞれの計算単位の額というものを出資するということをはっきりと約束している附属書でございます。しかるにAの一のほうでございますが、これは協定本文の規定によりまして、署名及び批准が協定本文の規定に定める期限に間に合わなかった国について、依然としてしかし原参加者となるという道を開いているだけの規定でございまして、その際に二つの条件を課している。その条件のもとに普通よりもおくれてきても原参加国と見なそうという、こういう趣旨でございます。 その二つの規定と申しますのは、ごらんのように、一つは一九七四年十二月三十一日までに署名及び批准を行なう、それからもう一つは千五百万アメリカ合衆国ドル以上の出資を行なう、この二つになっております。ここに合衆国ドルを用いてありますのは、この協定作成当時、仰せのとおり、合衆国ドルと計算単位というものが全く等価の関係、等しい関係にあったわけでございますので、たまたま当時最高の出資という意向を表明していたカナダとそれから——まあカナダでございますが、大体その最高のレベルまでアメリカとしては参加する場合には出資する意向であるということを、非公式にはたびたび表明していたわけです。というわけで、そこで千五百万ドルとそれから千五百万計算単位というものが全く等価の関係にあったものですから、そこでアメリカ合衆国ドルというものが合意された、こういうことかと思います。
○村山(喜)委員 そういたしますと、ベルギーをはじめ、そこに当初出資をする国の名前が掲げられておるわけですが、この中で、はずれているのはアメリカ合衆国だけだ。そのアメリカ合衆国は附属書Aの一の規定によりまして、アメリカとしては千五百万アメリカドル以上の出資をした場合には、その期限がありますが、それまでの間に批准をした場合には原参加者とみなすわけだ、こういうことになりますと、ほかは計算単位でやりますが、アメリカの場合には合衆国ドルで支払ってもよろしい、そういうような形で出資をするのだということになりますか。
○川村説明員 協定の本文の第六条をごらんいただきますと、六条の三項でございますが、「原参加者以外の参加国の当初出資も、計算単位で表示され、」という規定がございます。これは原参加者もそうでございますし、原参加者ではない国もそうでございますが、いずれの国もこの基金に出資する場合には計算単位の表示によりその出資を行なうということは、協定上全然疑問の余地がなく明白になっております。したがいまして、アメリカが出資する場合にも、アメリカの出資額は当然計算単位によって行なわれるということでございます。
○村山(喜)委員 とするならば、アメリカとしては、過去においても千五百万計算単位のものは出資をする意思である、こういうことですから、アメリカドルの出資の額からいえば、その計算単位よりも今日のレートの上から見て多額のものを出さなければならない、こういうことになりますね。
○川村説明員 現在のドルに換算した場合には、千五百万ドルというのは千五百万ドルではございませんで、千六百何がしというふうに金額が大きくなっていくことは、事実そのとおりだと思います。
○村山(喜)委員 そこで、この基金が生まれまして大体一億ドル足らずの資金ということに、資金量から見ればなるようでありますが、一体そういうような程度で期待できるアフリカの開発、しかもソフトな資金を供与をして、そうしてアフリカ銀行のささえをやるような体制をつくって域内の開発をやっていくのだというねらいでありますが、これによってどの程度のアフリカの開発を期待ができるというふうにお考えになっているのですか。
○川村説明員 これはおっしゃるとおり、たとえアメリカが出しても一億計算単位足らずという、まあ考えによってはきわめて少額の基金ということは仰せのとおりでございますけれども、これは供与と申しますか援助がこの基金に対してどのくらいあるであろうというような具体的なところからきたものでは必ずしもございませんで、やはりこれは出資各国ともそれぞれの事情あるいはアフリカに対する援助政策というものからおのずからその額がきまってくる。それからもちろん無制限というわけではございませんで、それぞれの国の事情に応じた限度があるということは言えるかと思いますけれども、そういうことで、たまたま当初出資の意向を有する国というものの出資意向額を集めたら大体こういうことになったという事情になるかと思います。 これで基金としての運用がうまくいくのかという点でございますけれども、これは御承知のとおり、アフリカというところは世界の開発途上地域のうらでも最も貧困の程度が大きいところだ。国連でいいます例の後発開発途上国、これの過半数をこのアフリカ地域で占めているというような事情もございまして、まさにこういう開発のおくれた国のために基金というものは設けるわけでございますので、これは言うなればおそらく多々ますます弁ず、多ければ多いほどいいということはここで言えるかと思います。しかしながら、とにかく八千万ないし一億というものがここで出資されるわけでございますので、もちろんこれだけで十分ということは言えないと思いますけれども、ある程度の所期の目的、すなわち特に緩和された条件でのそういう開発に関係のある事業というものをやっていくことはもちろんできるというふうに考えている次第でございます。
○村山(喜)委員 政務次官、いま事務的な答弁があったわけですが、この協定の中身を見てみますと、基金の使い方、その運営については非常にやかましいきまりが多いようですね。そしてわずか一億ドル程度の資金量、それはないよりはましだという程度のものしか期待ができないような感じがするのですよ。そこで、日本の対外政策、対外経済協力というのですか、円借款の場合等もアフリカに対するものが出されておりますが、一体こういうような形で——私は、多数の国々が特定の利益を求めずに、おくれている開発地域に対して資金供与するというやり方が経済の正しい発展の上に役に立つならば、開発援助の上から見てこういう不特定多数国を援助するというような形のものが望ましいと思うのです。二国間でひもをつけるような援助のやり方よりもこちらのほうが正しいと思うのですが、このアフリカに対する二国間援助の総額を押えてみますと、一億四千五百万ドルあるようですね。そしてまたそのほかにアフリカ地域に対する円の借款供与もあるようですが、その一千五百万計算単位程度で義理立てをしようという考え方なんですか。こういう程度で所期の効果をあげ得るのか。どの程度考えていらっしゃるのかわかりませんが、こういうようなみみっちいといってもいいようなもの、はたしてこれで実効性があがるだろうかと私は考えるわけです。それにしても、そういうようなみみっちい金にしかならないものを、アメリカが、私たちも参加いたしますよといいながら、なぜ現実に参加できないような状態にあるのか。またここに非常に関係のあるフランスが参加していない、こういう状態から考えると、アフリカ開発基金の将来性というものはどうもあまりないのではないかという気がするのですが、政務次官はどういうふうにお考えになりますか。 そしてまたこの基金のメンバーというのは、当初は銀行とそれから域外諸国に構成がなっているわけですが、将来は一体どうあるべきだとお考えになっているのか。というのは銀行に加盟している独立国は三十六カ国です。こういうようなところは基金に対してはどういうふうな態度であるべきなのか、やはりそういうような問題もにらみ合わせながら、この基金に参加するという態度を決定をすべきではないだろうかというふうに考えるわけです。したがって、そういうような考え方に対して、大蔵政務次官はどういうふうにお考えになるのか、お答えをいただきたい。
○山本(幸)政府委員 いままでわが国の海外経済協力で一番問題だったのは、ひもつきということでないのをやりたい、こういうことでありまして、そういう意味からしますと、今度のような一つの国際的な機関ができて、その機関に出資をしていくという形は、日本の経済協力の一つの大きな方向を示す、こう思うわけであります。そこできのう来アジア開銀の場合とアフリカ開銀の場合の違いがだいぶここでも御質問がございました。何と言いましても日本は、いままで地理的にあるいは歴史的にあるいは経済的に、アジアの開発ということに力が入っておりますから、アジア開銀については相当力を入れてきた。しかしアフリカのこういう問題については今度積極的にひとつ参加をしていきたいというわけでございます。 そこで、先ほど来フランスが参加していないというお話もございます。私はよく存じませんけれども、アフリカに対しては、やはりヨーロッパの各国は従来植民地との関係で結ばれておったところが相当あるように思います。したがって、日本は二国間の援助というものはあまりアフリカとは密接でありませんけれども、ヨーロッパはおそらくそういう二国間の援助、協力というものは非常に濃密に行なわれておるのではないであろうか。特にフランスなんかはそういうような気がいたします。この出資を見ておりますと、カナダと日本が最高を持っておると思うわけですけれども、これは非常に遠隔な土地で、いままでアフリカに対する二国間経済協力というものが比較的縁が薄かったということで、ひとつこの際こういう国際機関に参加をしていきましょうというその姿勢で最高を出しておる、こういうふうに思うわけでございます。日本の将来としては、できるだけそういうひもつきでないものでやっていくという方向では、この機関に最高額を出して、アフリカに対する協力を惜しまないという姿勢を政府としてはとったわけであります。 アメリカが同時に参加をしなかったということは、はなはだ私どもも遺憾に思いますけれども、しかし参加しないわけではないのでありまして、いずれ参加をするものとわれわれも期待するし、またアメリカもそういうふうに参加をしてもらわなければならない、こう思うわけでございます。アジア開銀の場合は、御承知のように域外の国が相当入っておるわけですが、アフリカの場合は域内の国だけでやっておるという違いがございますが、何と言いましても、アフリカは資源は豊富だけれども、非常にいわゆる後発開発途上国という、そういう一つの名前で呼ばれておる国が多いわけでございますから、これらの資源を開発をして、これらの国が社会的、経済的に発展をして、それらの国民はより以上のしあわせをつかんでいってもらうという、そういう協力をしなければならぬ、こういうわけだと考えます。 日本としてはできるだけのそういう協力を今後とも惜しまないようにしていく、金額は非常にアフリカについて少ないではないかというお話がございますが、これは向こうのいろいろそういう具体的な、私は投資をするにしましても具体的のプロジェクトというものがやはり出てこなければ、なかなかそれに対応することができないといううらみもございますから、そういう具体的なプロジェクトがだんだん出てくれば、これも私は発展をしていくのではないか、こう思っておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 関連して。いま村山委員から質問があったわけですけれども、私もアフリカ開発基金の今度の措置法の審議にあたって、一体協定自身が非常に小型のものであるというようなことで、あの広大な約四十二カ国でございますか、しかもかつて暗国大陸といわれ、一番世界の中でも開発の程度が低位にあるだろう、こういうようなところに、しかもアフリカ開発銀行自身がわずか二億五千四百万ドルですか、この程度の資金のうち、全部もとうてい貸し出されない、その何割かという程度しか融資が行なわれてないという状況の中で、これは条件があまりにもハードであったからということでありますけれども、今度それは緩和しようということで一億ドル足らずの基金をソフトな条件でやろう、こういうことですけれども、あの大陸に対してこれだけのもので一体何ができるのだろうか、この協定自身があの大陸に、四十二カ国あるこの国々に対して、一体どれだけの開発のビジョンというものを持ち、また彼ら自身アフリカの四十数カ国というものが、どれだけどういう社会的、経済的な開発をみずからやっていくかという意思というか、そういう希望というか、そういうものがどの辺のところに一体あったのか、この辺のところがやはりどうもわからぬ。単にアフリカ開発銀行が非常に成績がふるわない、その使命を達していない、そのほんとうの補完的な立場で今度基金を設置しょう、その程度で一体何ができるのだろうかという、将来の、アフリカという大陸に国をなしている諸国をどういう形に発展させていこうというものが国際的に合意され、またそういうビジョンというものがコンセンサスを国際的に得ておるのか、その辺のところがどうもわかりにくいわけですね。 この辺のところについて、どういうビジョンのもとにどういうアフリカをつくり上げるのだという、そういう議論というようなものが国際舞台の中でどういうように論議されてきたのか、この辺のところがどうもわかりにくいわけであって、その辺のところについてひとつお考えを聞かしていただきたい。
○林(大)政府委員 大臣ただいま着かれたばかりでございますので、私から一応概略を御説明いたしまして、必要があれば大臣からまとめのお答えをしていただきたいと存じますが、広瀬先生よく御存じのとおり、アフリカの独立国の大部分が独立後まだ比較的歴史が浅い国でございます。したがいまして、その国の行政運営その他におきましても、非常な意欲に燃えておりますけれども、その実際の行政運営をどうやっていくか、またプロジェクトをつくって地域的な開発を進めていく場合にも、一つの国だけではなかなかうまくいかない場合に、隣の国あるいは近隣の数国が集まりまして、たとえばアフリカの横断ハイウエーをつくるというような構想がありましても、それを具体的にどういうふうに進めていくかということになりますと、その構想の段階から実施の段階に至るまでの過程におきましては、当然のことながら先進国の資本とその技術、その技術ということの中にはいわゆる科学的な技術のみならず、行政ないしは管理面での技術、そういうところまで取り入れていかなければいけないわけでございますが、現実にはなかなかそれが思うようにスピードが上がりませんで、今日のような、御指摘のような状態になっているわけでございます。 そのような状態の中でアフリカ開発銀行というのもまだ実績が十分にあがっていない、資金の量もわずか九千万計算単位程度。これは一つには先進国からの資本の協力を十分に求めていない、身内だけでやろうということはたいへんけっこうだと思いますけれども、しかしそれでは身内だけでどれだけのことができるかというと、やはりそこにおのずと限界があるということで、今度先進域外国の協力というか、先進域外国と一体になって開発技術を進めよう、その進めるにあたりましても、まだ資金のボリュームは比較的小さいわけであります。ただこういうところで突破口を見つけて、先進国それから域内諸国との協力作業というものの始まりがあるのではなかろうか。 何事も始まりは小さいのはやむを得ないと存じますので、そこでわが国といたしましても、御指摘のように資金需要それから地域の大きさから考えればまことに微々たるものであるという御批判はまさに正鵠を得ていると思いますけれども、ここから始めるということで前向きに協力、参加の意向を表明しているというのが基本的な立場でございます。
○広瀬(秀)委員 御答弁をいただいたわけですけれども、この九千万計算単位くらいのところで、いままでよりはかなりソフトな条件でいろいろなプロジェクトに融資ができるということで、いかにも小さいけれども、まあ初めは小さい、しかし将来を楽しみにということであるけれども、一体いまアフリカにとって何が一番必要なのかということですね。これは世界的に食糧がもう間もなく危機状態を迎えるだろうというようなこともいわれている。したがって、あの未開発の大陸にその食糧を中心にした農業を振興させていこうというのが当面の一番大きなプロジェクト、農業開発というような面が初期の段階において最も必要とするものなのか、あるいは道路がそうなのか、あるいはそれ以外の軽工業というようなもののプロジェクト、そういうようなものでいくのか、この辺のところなどについて、やはりビジョンなき融資ということであってはならないだろう。彼ら自身がどういうアフリカにしていこうというような強い意向を持っておるのか、この辺のところが私どもとしてはやはり知りたいわけなのです。 実際に協定に参加をした外務省からでもけっこうだし、また大蔵省でもどちらでもけっこうですけれども、いまほんとうに必要なものを、これは一つ一つのステップ・バイ・ステップを重ねるということでなくて、最初から重化学工業的なプロジェクトというようなものをやっても、たいへんに悪いことばですけれども、豚に真珠ということばもあるくらいである。やはり当面何が一番必要なのかというところに重点的にその投資が行なわれるような進歩のプロセスというものは、この未開発諸国においてやはり一つ一つステップ・バイ・ステップでやっていくというようなことがあってしかるべきだと思うのですね。だからそういう点で、住民サイドのニードというか、要求、ほんとうの正しいものに即応した融資が行なわれていく、ソフトな形での条件をもってやられていく、こういうことでなければならぬと思うのですが、その辺のところは一体どうなっているかということをお聞きしたいと思います。
○川村説明員 大蔵省のほうのお考えもあるいは表明されるかと思っておりますけれども、わが国として、アフリカは非常に広大な地域でございますから、全体の開発計画というようなものは、必ずしもはっきりしたビジョンというものは、確かにマーケットとして確立がなかなかむずかしい、それから従来の関係も必ずしもヨーロッパとの関係に比べて密ではなかったという事実もございます。 そこで、一体アフリカ側としてどんなビジョンがあるのかということでございますけれども、これは一口に言いまして、後発開発途上国が非常に数が多いということもありまして、一般に後発開発途上国の必要性ということについていわれておりますことは、やはり大きなプロジェクトということよりも、先ほど国際金融局長の御答弁にもありましたけれども、そういうプロジェクトをつくっていく際の経済的な基盤、社会的な基盤あるいは技術的な基盤といいますか、あるいは資本の吸収能力あるいは行政一般の能力というものをまず開発するということが、非常に強くいわれているわけでございまして、これはアフリカについても当てはまるということかと思います。 それから、今度できますアフリカ開発基金について、一体どのような融資計画というものを持っているか、これはまだ具体的にはございませんけれども、一つの目安ということからして、現在ありますアフリカ開発銀行のほうの現在までの活動が、どのような部門に重点的に行なわれていたかということを見てまいりますと、やはり先生御指摘のように、農業ということが一番最大のウエートを置かれているようでございます。それから先ほどもお話ありました運輸部門というものも、その次にウエートを占めているということがいえると思います。したがいまして、この基金のほうも、特に緩和された条件により、収益性という観点からいいますと低い経済基盤に関係のある、したがいましてやはり農業、運輸部門というものを中心にしたような融資活動が中心になるのではないかというふうに想像されるのであります。
○鴨田委員長 広瀬君、関連ですから簡明にやってください。
○広瀬(秀)委員 関連ですから、これ一問で終わります。 いずれ日本は原参加国としておそらく総務国になるだろうと思うのです。総務会にも出席する、そして、このアフリカ開発基金の理事会を通って出てきたプロジェクトについて、最終的な審査をする、あるいは方向づけをする、こういうような点での発言権というものは、当然持つわけだと思います。そういう中で、大蔵大臣にお伺いしたいのですが、いま申し上げたように、このアフリカ開発基金が、当面どういうところに融資をしていくことが最も適切なものであるかというような点については、やはり原参加国として、また最大の出資国の一つとして、どういう態度をもってこの発言をされていくか、それほど多くもない資金ではありますけれども、やはりこれが最も有効に、最もアフリカの現状に適合して開発の効果をあげていくことにつながるのかという角度で、どういう態度で総務会に臨んでいくお考えなのか、その辺のところを聞いて、私の関連質問は終わりたいと思います。
○愛知国務大臣 一口に言えば、日本のこうした後発開発国に対する協力は、二国間の援助と、それからこのような方式の多数国の援助と、二つに分かれると思います。今回の基金の場合は、いまお話もありましたが、総務会というようなものの票数のウエートによって発言力も違うでありましょうけれども、二国間の場合は、日本と特定のアフリカの国との間でプロジェクト等については相当こまかく検討し、そして協議をいたしまして、それで実行されますから、非常に的確に、詳細にわたった計画を、日本としても意見を持ち、発表もいたすわけでございますけれども、多国間の場合でございますと、やはり基金全体のコンセンサスでもって動くことになりますので、二国間の場合のように確定的なプロジェクト等について、事前に明確に計画というものを持ち得ない場合も多いと思います。 それから、原則的に考えれば、こうしたアフリカの後発開発国は、従来からいわば宗主国といいますか、たとえばイギリス系とかフランス系とかベルギー系とかいろいろございますが、総じて言えば、やはり民生の安定、アフリカの人たちが生活のレベルを急速に向上するということになりますから、それが私は主たる目的になるのじゃないかと思います。農業につきましても、直ちに水利、かんがいというのはたいへんな事業であると思いますから、そういったような点から入っていくことが、こうした多数国援助の対象として、一番基本的な観念として望ましいことではないだろうか、こういうふうに考える次第でございます。
○村山(喜)委員 たいへん委員部のほうが時間を気にしているようでございますので、私も協力をいたしますが、まだ十分ぐらいしか質問をしておりません。しかしやめますけれども、大臣、「経済協力の現状と問題点」というのを通産省が出しているのですが、これを見て調べてみたのですが、アフリカに対する二国間の援助総額は一億四千五百万ドルだ、それからアフリカ地域の円借款供与の分が、六六年から七二年に供与した金額を調べてみましたら、四千九百万ドルあるわけです。今度この基金に対して一千五百万計算単位で出資をされるわけです。そういうような二国間の援助総額なりあるいはアフリカ地域に対する円借款の数字の上から見まして、あまりにもみみっちいというのですか、多数国間の援助の中身にしては金額が少な過ぎるのじゃないかという印象を利は第一に受けるわけですよ。 そこで、今後そういうような発展途上国に対する経済協力の形というものは、やはり私は二国間の協定よりも、こういうような形で多数国間で協力をしていく、しかもその中で域内にある国々が、これは自分たちのものとして取り組んで、初め域外国と銀行が出資をすることになるわけですが、あとは自分たちの力も加わってきたから基金に参加していくというような体制をつくっていく中から、みずから助けるという自助の意欲とそれに先進国のそういうようなひもつきでない援助の形というものをふやしていくことによって、そういうようなおくれている地域の開発を進めていくという方針が日本の経済外交のあり方としては正しいと思うのですよ。 そういう点からいいまして、今度のこの協定は、そしてまたこの基金でございますが、確かにアフリカ大陸の四十二カ国の国々を対象にするのでは、五十年間の長期にわたって低利の資金を供与して条件をソフトなものに変えていくのだと言われましても、これで一体何ができるだろう、こういうふうに考えざるを得ないわけです。大蔵大臣はこれからそういうような経済外交政策といいますか、方向というものをどういうように推し進めていこうというふうに考えていらっしゃるのか、この協定と開発基金の法案の提案をされておる中で、これからの方向というものを大臣の所見として述べていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 いろいろ御指摘になりましたことはごもっともであって、一口にといってもなかなか言い尽くせませんけれども、二国間の援助というものにも意味はありますけれども、どちらかといえば、私は気持ちとしては多数国の援助のほうがよろしいとかねがね考えておる一人でございます。それは先ほど申しましたように、二国間の援助でございますと、具体的に非常なかっちりした計画でやれるということは利点でございますが、それだけに受けたほうも日本からの援助であるということが非常にはっきりする。しかし、それは反面において、ともすると政治的な意図ということにいろいろと憶測が入ったりいたしますので、そういう点からいえば、日本は絶対平和主義で、私がいつも申しますように、ワン・ワールド・エコノミーということを一番の基本的考え方にしていく考え方からすれば、多数国のこうした基金というようなものに日本が出資をする、これが望ましい一つの方向である。 それから同時に、日本としては、御指摘のありますように、いわゆるODAというか、政府からの協力援助ということが比率からいっても非常に少ないし、それから民間の経済協力を入れましても地域的に従来非常に偏在しておった。これは賠償の関係などもございますが、同時に東南アジアあるいはもっと日本の周辺のアジアというようなところに偏在しておったわけですが、日本の地位がいろいろの意味で注目を浴びてまいるようになりますと、アフリカに対してはたとえば他の大国に比して非常にみみっちいではないか。それにはそれなりの沿革というものがありますけれども、したがって、このアフリカ基金という話がそもそも出ましたときに、いま非常に少額だという話がありましたけれども、当時私は大蔵省におったわけではございませんが、できるだけ早く積極的な姿勢をあらわすべきものであるということを主張しておりまして、千五百万計算単位というようなことは、当時の世界の大勢からいえばいち早く日本が相当積極的な態度を示したということで、歓迎されたようにも思いますので、先ほど来いろいろ御議論ございますけれども、なお今後においてはこうした機構についてより積極的に協力をすべきであろうかと考えております。 ことに、これはいまの日本の外貨事情等からいってもまたやりやすいところであります。それから日本の将来の資源問題その他等から申しましても、できるだけ手を広げて協力をしておくことがひいては日本の国益になるということは疑いのないことである、こういうことで、こころもち大きくして、あまりこせこせしないで、しかも日本だけがガリガリにやるのではないという方向が望ましい形であるから、ひとつ今後も積極的にやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○村山(喜)委員 大臣、ナイジェリアに対しましては、六六年と七二年合わせると二千三百万ドルの円借款を供与しているわけです。今度アフリカ全体に対して一千五百万ドル計算単位という形ではあまりにもみみっちいような感じがしてなりません。そういうような意味で、大臣がいま言われましたことはきわめて普遍的な問題だと思いますので、ひとつ今後のこういうような取り残されている地域の人々に対してできるだけの援助をしていくという形の中で、しかもそれは支配をする援助という形ではないものが——アメリカがまだ今日参加できないような状態にある、しかも社会主義圏としてもユーゴを除いたほかはまだ参加しない、そういうような問題も残されておるので、今後のリーダーシップを要請いたしまして、私の質問を終わります。
○鴨田委員長 増本君。
○増本委員 時間がありませんので、基本的な点だけひとつお伺いしたいと思うのです。 今回のアフリカ開発基金は、これまでの経過から見まして大企業の利益を優先する海外進出の性格というものが非常にあるのではないか、このところを私たちは一番重視をしているわけであります。昭和四十五年の十月に政府派遣のアフリカ経済使節団が参りまして、その帰国報告を見ましても、アフリカへの企業進出の目的は、資源がほしい、アフリカでのマーケットがほしい、あるいはコンゴの銅資源の開発についても、すでに日本側が八五%の持ち株で非常に利益をあげて成功しているとか、これは日本鉱業がやっておりますが、こうした帰国報告を見ましても、非常に資源開発とそれから市場の開拓が大企業中心に進められる構想を持っているのではないか。その結果が、これは午前中質疑をしたのですが、日本輸出入銀行がアフリカ諸国に政府ベースで直接借款をしている分を見ましても、それに対する日本の商社と相手国との間の輸出入契約に対しては、政府は金を貸すだけで、あとその利益率や契約条件がどうなっているかというようなことについてのコントロールや指導が行なわれない、これはもう民間ベースでまかせでいるのだ、こういう御趣旨の答弁も出ているわけでして、これだとほんとうの意味で対等、平等、そして互恵の経済協力ということにならないというように考えるわけです。 ですから、少なくともアフリカ開発基金に参加するというのでしたら、今後のこういう経済協力につきましては、大企業に対する契約条件や利益率についても政府が適切な指導やコントロールをすべきであるというように考えますが、その点についてどのようにお考えになっているか。 〔委員長退席、大村委員長代理着席〕 特にこれからまた第二外為の構想等も発表されまして、民間会社に直接外貨を貸し付けて、いろいろ開発その他をおやりになるということになると、ますますその点は重要になってくる問題であろうと思うのですが、いかがお考えか、まずお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 これはたいへんごもっともな点だと思います。ことに、先ほどもちょっと申しましたが、バイラテラルの場合に、そうした批判やあるいは風評あるいは問題が起こりがちなわけであります。ことに相手国との関係などもございまして、チェックすることがなかなか困難である場合もありましょうし、また楽な場合もございましょうけれども、そういう点については、今後の構想を考える場合にはよほど注意していきたいと思います。 それから、今度のアフリカ基金の場合なんかはもちろんですけれども、これは資金的に協力して、そこでどういうものをどこから求めるか、あるいはどこに仕事をさせるか、いわゆるひもつきでなくいけますから、いわゆるアンタイイングのやり方になるのは当然でございますから、そういう点にもメリットがあるのじゃないか、こうも考えられるわけでございます。 いま御指摘の日本鉱業の場合などは、目的としては、日本の足らない資源を大いに開発をしてこちらも協力をしてもらうということで、それなりの非常に大きな意味はあると思いますけれども、細部の点等にわたりましてトラブルを起こさないように、またお話のような、場合によっては大企業か小企業かということで必ずしもけじめはつかないと思いますけれども、どういう進出ぶりにしましても、その進出した開発会社なり商社なりというもののビヘービアというものについては十分監視をしていかなければならない。これは当然これから十分な配慮をしなければならぬ点であると思います。
○増本委員 それから、この開発基金ですけれども、午前中も、十五条の四項の(a)項の、ひもつきという事態は免れないことだと思うのですね。そこへもってきて、原参加国にユーゴスラビアを除けばいわゆる社会主義国が参加していない。本質的にこれは制限融資であるということは免れないというように思うわけです。しかもアフリカ諸国は自主性を非常に要求していますし、またその方向でいろいろ政策も強化されています。ザンビアなども銅の国有化が行なわれていますし、ナイジェリアでも石油の国有化の方向が打ち出されている、こういう事態で考えますと、よほど日本としても進出をしていくというか、経済協力を進めていく企業に対して、ほんとうにきびしいコントロールをし、相手国の自主性をほんとうに保証していくということが何よりも重要だと思うのですね。そういう方向で大臣はおやりになるとおっしゃいましたけれども、これは第二外為の場合でも同じような問題が今後起きてくると思いますので、その仕組みは一体おつくりになることなのか、その点についてひとつ具体的な構想がございましたら、この際お伺いをしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 これは先ほども申しましたけれども、先方の自主性を徹底的に尊重するということは、プリンシプルとして当然なことですが、それをどういうふうにして保証し担保するかということになりますと、いろいろの手段方法があると思いますけれども、一つは国際入札をやることになるのだろうと思うのです、普通の場合としては。その国際入札に、たとえば日本の会社なり商社なりが応札して落とした場合、それをどういうふうにチェックするかということは、具体的にはなかなかむずかしい問題だと思いますが、これはしかし、われわれとしてもそういう点についての配慮というものは原則的に見守っていかなければならないと思います。 それから、第二外為構想ということは、少し早く表題だけがはでに伝わり過ぎたきらいが若干ございますが、しかし何としても、外貨の活用ということについてはもう少し積極的に考えなければならない、いろいろいま勉強しておるのですけれども、そういう際に、そういう点もひとつわきまえて、あまり遠くない機会に一つの内容を盛りました具体的な構想もひとつ御批判を仰ぎたいと思っておりますので、そういう際にまたいろいろと具体的な御批評や御指示を仰ぎたいと思っております。
○増本委員 この前のアフリカ使節団の帰国報告によりましても、向こうには新しい労働法が導入されて過保護になり過ぎているというようなことを、公然と大企業の使節団の団長や団員が言っている。こういうことですと、開発基金をやっても、これは大企業の進出のいわば資金の裏打ちをしてやるだけで、決して利益にはならないというように思うわけです。その点のコントロールをひとつきびしくしていただくということを要求しまして、私の質問を終わりたいと思います。
○大村委員長代理 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○大村委員長代理 この際、国の会計に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 当面の春闘情勢に関連をいたしまして、日本の低賃金構造、こういう問題に触れながら、ことしの春闘に対処する政府のお考えについて若干ただしたいと思うわけでございます。 ところで、新聞の報ずるところによると、いよいよ春闘が最後の決戦段階を迎えているということでございます。しかも、昨晩等におきましては、もうすでに本番の、言うならば前哨戦的なところでたいへんな事態なども起こっておるようでありますが、こういう異常な事態を迎えておるわけであります。 このことについては、何といいましても、基本は相次ぐ物価高、しかもことしは国鉄運賃の値上げ、さらに健保料金の引き上げなど、公共料金主導型のむしろ物価上昇、政府見通しの五・五%などではとうていおさまらぬであろう、こういうような生活に対する不安がまず根本にあると思うのであります。そこへもってきて、先般来国会でも非常に取り上げられました大法人、大商社等による異常なばかりの土地投機、そして庶民大衆は、特に勤労大衆は、マイホームの夢はまさに絶望的なところまでおちいっているというような地価の上昇をはじめ住宅難、こういうようなものがあるわけであります。そればかりでなく、株への投機あるいは生活必需物資にまで投機的な買い出動をして、買い占め、売り惜しみというような事態が逐次国民の前に明らかにされてきた。こういう中で国民生活が非常に苦しくなってきているというようなところから、特に日本の低賃金、物価高、しかも一部の大企業、大資本はかってほうだいなことをやっている、こういうようなことが大きなバックグラウンドになって、勤労大衆の、春闘で大幅賃上げをかちとらなければどうにもならぬ、これがこういうような大きな盛り上がりにつながっているだろう、このように考えるわけであります。 政府も、それらの点についてある程度の理解をことしの春闘で、特に政府が関与をしている国家公務員あるいは地方公務員あるいは公共企業体労働者、政府関係機関あるいは公社、公団などのいわゆる政労協といわれる人たちに対する賃上げについて、一部公労協関係についてはすでに昨年並みの有額回答を出した。このことはやはり、たとえば国鉄等につきましてはまさに七年ぶりの有額回答というようなことで、しかも去年並みということである程度政府の誠意というものは見られるわけでありますが、しかし、そういう点で若干の政府が譲歩を示したかの感を呈しておりまするけれども、今日民間全体を通ずる春闘における賃上げ状況というのは、最高は三万円の賃上げをかちとっている企業もある。そのほか昨年よりも少なくとも三割、四割のかさ上げというような形で一万三千円以上の回答で妥結をしたところ、もうすでに昨年同期から比べて、昨年同期の一万円以上の数に達している、こういうような状況にあるわけであります。 そういう中から見れば、政府が公共企業体の当事者能力についてある程度それを開放して、当事者能力を持って回答したということについての評価をしながらも、私はことしの賃上げ要求というものをこの程度で、昨年並みで押えるということはまず絶対にこれは無理であろう、こういうような感じを強くするわけでありますが、この政府が関与する労働者の賃金について、去年並みということでどこまでも押し通す気なのか、あるいはもっと民間の賃上げの状況というものとにらみ合わせて弾力的に昨年以上のものを出す用意があるのか、この辺のところについて大臣の忌憚のない率直な見解をお示しいただきたいと思うわけであります。
○愛知国務大臣 忌憚なく率直にお答えいたしますが、この時点において、政府側として、いまお尋ねのような点についての見解を求められることは、ちょっと時期が適当ではないのではないかと思うのです。 政府として率直に言えば、これは三公社五現業に限りませんけれども、職員の処遇の改善というような経済的な問題についてはできるだけの努力をすべきものである、かように考えておりますが、すでにそれぞれの公社あるいは公企体から回答が出ておって、これから調停とか仲裁裁定とかいうことになってまいるのではなかろうかと思います。私は非常に率直に言えば、たとえば国鉄等について有額回答を出すということは、あの有額回答というものを私も見ましたが、やはり一方においては国鉄の再建ということについて、現在国会で御審議をいただいているような政府の提案、政府の姿勢というものもありますので、それを踏まえて出された有額回答であると私は理解しておるわけでございます。 それやこれや日本の三公社五現業に対する給与問題、経済上の要求の問題等については、それぞれの機関というものがあり、あるいはそこで公平な、公正な第三者的なところがこれからも御相談になるわけで、いま有額回答は政府が出したわけではございません。それぞれの企業体が出したわけで、この現状において、ことに財政当局に対するこのタイミングにおいて御質疑をいただきましても、私としてもいまお答えをする立場にない。あるいは、しいて言えとおっしゃるならば、非常にぎくしゃくをいたしまして、今後の調停等についてもいろいろな影響が悪く及んでくるようなことになると、これもお互い自体が困ることじゃないかと思いますから、私は原則的な態度だけを申し上げるにとどめたいと思います。 同時にこれは、私も内閣の一員として申すわけでございますけれども、経済的な問題とそれから違法な政治的な問題とこれが取り上げられて、そうして国民的に非常な大混乱、大問題を起こしておるという事実は、私は国民が良識をもって判断してくださっているであろうということも期待しておりますが、こういった点につきましては、おくまできびしい態度で政府は臨むべきものでおる、かように私は考えておる次第であります。
○広瀬(秀)委員 私どもも、いま大臣の口から財政当局として具体性を持った数字というものが示されるとは思っておりません。いずれにいたしましても、いままでは政府の金縛りにあって、特に財政当局の金縛りにあって、公企体の使用者側が当事者能力をほとんど喪失しておった、有額回答ができないというような状況から見れば一歩前進であるという、その点での評価をいたしておりますし、そしてまた国労のごときは、その回答を受けてストライキ戦術のダウンをするというようなこともちゃんと表明をしておった。そういうようなところに実はいろいろな外的な要因が加わって、不幸なゆうべのような事態にもなったわけであります。 たとえばその中には、自民党から出されている「自由新報」というようなものが、「絶対許すな春闘スト」「公労協や日教組も違法参加」というようなことで、「私たち国民は、さんざんストやサボでいためつけられました。もう、これ以上ガマンできません。」「埼玉の上尾駅や大阪の東淀川駅で乗客の怒りが爆発したことは、ご存じの通りです。この怒りはむしろ当然でしょう。」というようなアジテーションのビラがゆうべの段階で各駅で、あの問題の起こったところで全部まかれておる。 こういうような実は事態もあるわけだし、いま社会党から党の国会議員団を中心にして調査団がそれぞれ行っておりますから、それを待ってしかるべき場所においてその点は議論をいたしたいと思うわけでありますが、しかも目撃者の談話によると、たとえば池袋駅で目撃したということで情報を知らしてくれたそういう中には、某大学の右翼の学生がまっ先に立ってガラスを割ったりさんざん電車をこわしたりなんかして、さあこれから赤羽駅だ、こういうようなことを言ってそっちへ姿を消していったというようなことなどがあり、右翼反動派というような者が意図的にああいうものをたくらんで、計画的にああいう暴動類似の行為をやっているんじゃないかというようなことが言われておるわけであります。この点は、まあここでの議論ではありません。いま党としても正式にそういう問題を努力して調査団が現に行っているところでありますから、ここでは申し上げません。そういうようなことでああいう不幸な事態になったというふうに私どもは見ておるわけであります。 なるほど、通勤者あるいは国鉄等の利用者に、油を注げばすぐ燃え上がるような状態に不満がかなりうっせきしているということはわれわれも認めますけれども、そういう者をけしかけ、あおり、そそのかすというような計画的な行動というものがああいう不幸な事件を起こすことにもなっているということなんですね。しかし、われわれは、財政当局に対しても、そういう現象にとらわれないで、根本にさかのぼっての日本経済の体質の転換を、ドル問題、円問題に関連して申し上げたわけでありまするけれども、とにかく円が強くなり、国際競争力が抜群に強まって、円の力ももうマルク以上に強いといわれるような状態になっている。そういう状態の中で輸出はさらに伸び続けている。そういう状態の原因というものはやはり何といっても日本の低賃金というところにあるだろう、こういうふうに考えるわけであります。 最近の景気動向関係の統計の中で、全産業の労働者賃金のうち定期給与を四十七年の一月から十二月までずっと見ましても、大体七万五千円から七千円くらいのところでずっと推移をいたしておるわけであります。しかもこれを国際的に時間給で比較してみますと、日本を一〇〇といたしまして、アメリカが三・〇八倍、イギリスが一・二九七倍、西ドイツが一・六九六倍、フランスが一・〇四九倍、そういう状態であります。いまや西ドイツよりも、アメリカよりも生産性は高い、経済の成長率も高い。そういう中で賃金が依然としてこういう状態になっているということがいわれておるわけであります。 さらにまた、一九七一年版通商白書で生産性を見てみましても、一九六九年までしか出ておりませんが、六五年から六八年までの移動平均値と六六年からの数字をずっと読んでみますと、日本の場合には、生産性一四%、一二・四%、一七・二%、一四・二%、一五%。それに対して賃金の上昇率が一三・一%、一二・二%、一二・五%、一五・六%、一七・二%、こういう状態であります。アメリカにおきましては、生産性は二・六%、二・一%、三・一%、二・四%、二・四%。それに対して賃金上昇率は四・八%、四・二%、四・〇%、六・四%、六・〇%。西ドイツを見ましても、生産性六・〇%、三・三%、六・〇%、八・四%、七・一%。賃金上昇率が六・一%、七・三%、四・一%、四・一%、一〇・二%。こういうように生産性を非常に上回った賃上げを各先進諸国でもやっているわけですね。 こういう状態の中で日本の低賃金の問題がいわれているわけであります。こういういわゆる低賃金構造というものを改めない限り——円が強過ぎる、輸出が伸び過ぎる、外貨がたまり過ぎる、こういうような状況に対して一番大きい根源は低賃金構造です。労働時間の問題はあとで申しますけれども、労働時間は先進諸国の中で一番長い。少なくとも一週四時間ないし五時間くらいはよけい働いているということがいわれるわけですね。そういう低賃金構造というものに対して、大蔵大臣としてはどのようにお考えになるのか。特に円問題、ドル問題等をめぐって論議された日本の福祉国家への転換、生活優先政治経済への転換というようなことの一番大事なポイントは、やはり基本的にはこの問題だと私は思うのでありますが、大臣はどのようにこれを改善させようとお考えであるか。その点については、基本的な立場は、大臣として、財政当局として答えられるだろうと思うのでありますが、いかがでございますか。
○愛知国務大臣 賃金の問題は、今度の国会で予算委員会でもだいぶ論議がございましたが、これは比較する基準にもいろいろの条件の相違があり、どこが高くてどこが安いかということはそう簡単に割り切れないように私は思います。ことに為替の変動というようなこともありますが、いかなる角度から見ましても確かにアメリカよりは安いでしょう。しかし、西欧諸国の中では日本よりも低いところがたくさんあるわけでございますから、そういう点から、あながち外国との比較ということだけではなくて、日本としてどういうふうに考えればいいかということを自主的に、お互いに大いに建設的に考えていくべきであると、私はまず第一に考えます。日本の政府としては、とにかく福祉国家建設ということは活力のある社会をつくりたいということなんでありますから、賃金が安定し、物価が安定するような基礎条件をつくり上げるということに専念をしていくべきである。そういう点からいえば、今回の有額回答ではございませんが、高い低いという御批判はいろいろありましょうけれども、経済条件をできるだけよくしていくということについては最大限の努力を継続していきたい。これが基本の政策でございます。
○広瀬(秀)委員 国家公務員労働者、公企体労働者あるいは地方公務員労働者の賃金はいつも——時間が幾らもございませんからあれなんですが、民間賃金は大体その年の賃金相場というのは春闘で出てくる。これを人事院が調査をし、確定をしたところで、民間企業との格差解消という形で、どれくらい上げるべきであるか、そしてどのように民間とのバランスのとれた賃金体系に持っていくか、こういうことで賃金上昇を勧告することになっておるわけでありますが、この点では、昨年来ようやく人事院勧告どおりに四月から実施をするという段階を迎えたわけであります。しかし、それにいたしましても、暮れになってからようやく、あるいは年を越した後に四月にさかのぼって行なうというような事態を何とか改めていったらどうか。いまのような物価上昇が続く、インフレが続く、こういうような状態の中では、最初からもうこの年はどれだけの賃上げということを——税制の見通しにおいて、毎年賃金上昇率はどのくらいであるというような見通しを大蔵省みずからが発表されるわけですね。税金を計算する際に、特に給与所得税の計算の基礎としては、ことしも少なくとも一二%は上がるであろうというような見通しを立てておられる。こういうことも考えて、それだけ見通しをされるならば、その程度のものは公務員も当然上がるべきだというような形で最初から当初予算に組んでいくというような形で、公務員労働者もあるいは政労協の労働者たちも地方公務員も、やはり賃上げというものは当初予算からしかるべきところを盛っていくということが必要だと思うのであります。そういう方向に脱皮するお考えは財政当局としてはございませんか。
○愛知国務大臣 これも実はかねがねの問題で、なかなかよい姿になっていないことは財政当局としてもむしろ問題にしたいところであると思います。ということは、長年の慣行で、せっかく人事院というりっぱなところができてやっていただいているわけですが、勧告が出るのが夏以降で、それから政府がその勧告に基づいて態度をきめて、いま御指摘のようにさかのぼって実施ができるようにようやく慣行はできつつあると私は思いますが、できれば予算編成のときに来たるべき年度中の給与の基準というものがきまっておればそれにこしたことはございませんから、財政当局としてはむしろ御意見に賛成といわざるを得ないと思います。しかし同時に、公務員の給与は民間とのバランスをとっていかなければならない、これが一つの大きな眼目である以上は、日本のこうした現状からいえば、春闘相場というようなものが民間給与の象徴であるとすれば、それがきまってからということに、人事院のお立場とすればそういう時期を選ばざるを得ない、これがまた現実の問題でございますから、なかなかそう簡単にはいかない。 そこで、低い低いと御指摘はあるでしょうが、財政当局としての立場としては、たとえば五%程度のものを、あらかじめかくもあろうかということに備える意味で予算に計上しているというのがたとえば今年度の予算編成の立場でございます。ですから、これはいままでも一部でいわれていた意見ですけれども、たとえばある年に二度人事院の勧告を公務員給与に出していただく、そしてそこで繰り上げるというようなことがある年度で切りかえができれば、その来たるべき年度についての公務員の給与水準というものを予算に組むことはできると思います。しかしそれだけでは、その面は解決できるけれども公務員の給与ベースが民間とのバランスをとらなければならない、そしていま御指摘のように年度中の変動が物価の面においてもあるではないか、こうなってくるとまた現状のほうがいいかということに返らざるを得ない。これは長年のいろいろ議論の対象でございますから、与野党というような立場ではなくて建設的に、どうやったらもっと合理的になるか、そしてどうやったら公務員の方々の経済条件の向上ということに益することができるか、こういう点は財政当局としても建設的な検討をする、実施を目がけて検討をするということについては私はやぶさかではないと思います。
○広瀬(秀)委員 時間がありませんのでこれ以上議論できないのですけれども、前向きの答弁で十分検討されるということでありますから、その問題はそれだけにしておきますが、ただ、いまの政労協、公社、公団等の従業員の人たち、この人たちは本来ストライキ権を持っておる労働組合なんですね。ところがやはり人事院勧告を見なければならぬというかたくなな大蔵省の態度で、ストライキをやっても団交をやってもいつも相手方、理事者側が団交の結論を出せない。大蔵省側の締めつけによって、そういう状態になっておる。これはやはり不幸なことで、したがって、もう一年じゅう戦いが労使の間に絶えないというような状態にもなりかねないわけであります。ストライキ権を現に保証されている組合なんですから、そこでストライキをやって民間の労働者と同じような時期に早く賃金問題を片づけたいという熱願を持っておる、熱望をしておるわけです。いつもそれを人事院勧告が出るまで待ちなさいということでやっているという不自然なことも現に行なわれているわけであります。 こういう問題に対して、やはり公共企業体にも当事者能力をことし特に認められたというような立場で、この政労協の人たち、ストライキ権をちゃんと法律上認められているそういう人たちに対して、やはり団体交渉の結論を尊重するという労働問題における基本、こういうものを踏まえてそういう方向をとるべきだと思うわけでありますが、当事者能力をちゃんとそういう公社、公団の理事者側に認めて、団交の成果、まとまったものについてはこれは当然そのまま認めていく、これが新しい進歩の方向であろうと思うのでありますが、いかがでございますか。
○愛知国務大臣 これはよく御案内のとおりに、政労協の給与体系というのは公務員の給与体系と全く同じというか、類似をしているというか、そういう関係がございますから、従来は御指摘のようなかっこうで処理されていたわけでございます。これをいま財政当局からどうしろと言われましても、先ほど来申しておりますように、いま……
○広瀬委員 財政当局が労働基本権を無視しているということなんですよ。
○愛知国務大臣 いや、それだから、たとえば私から言えば、これは政労協の問題を離れますけれども、国鉄側が有額回答をするというようなことについては、財政当局から、さっきも申しましたが、率直に言えとおっしゃれば、私はこれはおかしいと思うのですよ。しかし、これは政府全体の今回のこの問題に対する政治姿勢として、経済条件といいますか、処遇の改善ということについては最大限の努力を払いましょうということの姿勢のあらわれですから、七年ぶりに有額回答も出したというところに、私をも含めて内閣の体制が明確にされているわけです。そういうことで、私どもも十分いろいろの点については政治的な配慮もしているということはおわかりいただけるだろうと思います。
○広瀬(秀)委員 最後の問題点等についても、これは同じ体系になっているというようなことでは、もはや全く説得力を持たない発言でありますから、この点も十分ひとつ——労働基本権を財政当局の財政的な立場だけから認めないということになるわけであります。もう皆さんが信頼して、それぞれの公団や公社等に、あるいは事業団等についてまかせておる経営者がちゃんとあるのですから、その良識というものをきちんと信頼しておれば、これはもうちっとも問題の起こらないことでありますから、そういう点では、さらに十分早急に検討をして新しい方向にしていただくように強く要求しておきます。 時間がありませんので、これで終わります。
○大村委員長代理 荒木宏君。
○荒木(宏)委員 御承知のように、春闘が非常に大きく盛り上がってまいりまして、労働者の皆さんが大幅賃上げをはじめとして、国鉄の運賃値上げ、健康保険料の改悪反対といった、自分たちの組合だけの要求ではなくて、国民の皆さんの生活防衛の要求も掲げて大きな統一行動に発展しておるわけでありますが、きょうは大臣に、公務員労働者の皆さんの賃金をはじめとする労働条件向上の要求、いま春闘で出されておりますたいへん差し迫った要求について、財政当局の責任者として御意見をお尋ねしたい、かように思うわけであります。 私どもは、いまの物価高の時期、たいへん価格暴騰の時期にこういった賃上げの要求はまことに当然である、こういうふうに思うわけでありますが、従来の経過を見ますと、財政当局はこういった労働者の皆さんの賃上げの要求に対しては、とかく否定的な役割りを果たしていらっしゃる。そこでまず前提として、実態はどうか、事実はどうなっておるかということについての認識を確認したいと思うわけでありますが、私どもの調査によりますと、予算の中の人件費の割合は年々低下をしている。上がったり下がったりというのじゃなくて、もう下がる一方なのであります。一般会計予算総額の中での人件費総額、一九五五年には九・六%でありましたが、それが一九七〇年に七・五%、七一年に七・四%、七二年は七・二%、こういった人件費率がずっと下がってきておるということは財政当局もはっきり御認識になっておるかどうか、この点をまずお尋ねをしたいと思うのであります。
○吉瀬政府委員 御指摘のように、一般会計の中に占める人件費予算でございますが、四十五年度には一九・四、四十六年度には一九・三、四十七年度には一八・〇というような形になっているわけでございます。これは別にベースアップはその間十何%の水準で行なわれておるわけでございます。これはまた民間の賃金相場、その状況を見きわめて人事院勧告がなされる、それを完全実施してきておる、そういう状況でございますので、特に人件費が不当に低められてきておる——ウエートは下がってきておりますが、原因といたしましては、たとえば社会保障費の増大だとかあるいは公共事業費の増とか、そういう種類の他の要因にかかるところが多うございますので、一がいには言えないと思います。
○荒木(宏)委員 これは他の費目とお比べになればすぐおわかりと思うのですが、防衛費の比率あるいはいままで再三例を引きましたけれども、大企業向けの公共投資の比率、その他他の階層に向けての予算との比率、項目対比を見ますと、人件費のように一貫してずっと下がってきておるというのは非常に珍しい。そういう意味合いで、これだけで申すのではないのですけれども、ウエートが下がっているということはいまお認めになったように思います、理由は別といたしまして。 そこで、民間との比率でありますが、私どもの調査によりますと、指数で見ましても、また対前年比の上昇率で見ましても、これまた低下してきている。一九五五年を民間、国家公務員ともに一〇〇といたしますと、七二年では民間は五三六・七に対して公務員労働者の皆さんは五二九・九、対前年上昇率を見ますと一九六五年の民間が九・五に対して国家公務員の場合は一二二でありましたが、七二年になってまいりますと、これが逆転して民間が一五・七、国家公務員が一四・一、つまり指数で見ても上昇率で見ても民間に対しておくれている。こういう事実、この傾向は認識されておりますかどうか、いかがですか。
○愛知国務大臣 人事院のほうからお答えいたします。
○長橋説明員 御説明申し上げます。 人事院といたしましては、御承知のことと思いますけれども、公務員給与をきめます場合に、一応現実に民間で勤労者に対してどういう額の給与が支給されているかということを、職務の種類、年齢、学歴別に比較いたしまして、したがってその実証的なデータ、民間でどのくらい払われているかということに基づきまして、公務員の給与をきめるという方法をとっておりますので、したがって、事実につきましては先生御指摘のとおりと思いますけれども、公務員の給与を決定するにつきましては、あくまでも民間におけるところの勤労者に現実にどういう給与が支給されているかということできめておるような状況でございます。
○荒木(宏)委員 民間のほうを見てきめるから事実としては上昇率なり指数なりがおくれる、この実態はお認めになったように思いますが、さらに、実際に幾らもらっているかという金額、現実の給与実態という点から見ましても、これは民間の場合には中央労働委員会、東京都の調査、関東経営者協会、これらの給与実態調査の平均をとり、国の場合には現行の本俸、扶養手当、それから調整手当を四%と見て金額をとりますと、大学卒の場合に、独身者二十五歳で、民間は六万八千四百円に対して国家公務員は五万三千八百円、一万四千六百円の差がありますし、三十五歳の標準労働者で、民間は十一万六千三百円に対して国家公務員の皆さんは九万一千四百円、二万四千九百円の差があります。高校卒業者の場合に、二十五歳独身で同じく民間が六万六千六百円に対して国家公務員は五万一千三百円、一万五千三百円の差があり、三十五歳の場合には民間十万三千九百円に対して国家公務員が八万六千五百円、一万七千四百円の差がある。こういうふうに同じ年度で同じ条件の金額を対比してみた場合に明らかに低い、しかもそれが二万円をこえる差が出ておるということが明らかになっておりますが、こういう実態についてはどのように認識をしておられますか。
○長橋説明員 いま先生御指摘のとおり、資料によりましていろいろ違った数字は出ておりますけれども、これはやはり調査内容の細部についての若干の違いということがそういう結果になって出てくると思いますけれども、人事院におきましては職種別にやはり初任給の実態調査をいたしまして、その結果民間において古払われている初任給の平均値をとってきめているという状況でございます。
○荒木(宏)委員 ここで大臣にお尋ねをしたいのですが、なるほどいろいろな御説明はありましょう。あると思います。たとえば予算の中での構成比にしましても、先ほど少し説明を伺いました。しかしいずれにしても結論は人件費率が減っており、それから指数、前年比で見て民間対比でおくれており、また金額も低いという結果は実務当局のほうははっきりお認めになった。ですから、そういう意味合いでは、いま申したような国家公務員の労働者の皆さんの給与は低い、こういう事実ははっきり認識をしていただかねばならぬというふうに思いますが、大臣のお考えはいかがでありましょうか。
○愛知国務大臣 先ほど来申しておりますように、公務員の給与につきましては人事院というりっぱな組織が戦後できておりますので、あくまでこれを尊重し、その勧告に従って財政の衝に当たっているつもりでございます。今後もそうしていきたいと思っております。 ただ、これに水をさすわけではないのですけれども、先ほどもちょっと私も触れたのですけれども、たとえば昭和二十九年を起点にして、そして昨年の中ごろまでの国家公務員の平均給与と、それから全産業の上昇率を比較いたしてみますと、かえって国家公務員のほうが上昇率が相当高いのです。こういう見方もまたあるということだけは申し上げておきたいと思います。
○荒木(宏)委員 人事院のほうの勧告を経てきめるというようなことになる手順については、これは従来の政府のとられたやり方もありますから、そのことをわざわざ大臣にお伺いしようと思ったのではないわけです。そういった手順や、あるいはいろいろな関係官庁のこの問題についての見解は、それはそれとしてありましょう。しかし財政当局の責任者として大臣は、公務員の皆さんの給与はこれでよろしい——これだけ春闘で大きく盛り上がっておって、公務員の労働者の皆さんの切実な賃上げの要求があるときに、一体実態をどうごらんになっておるか、私はそのことについての率直な御意見を伺いたい、こう思ってお尋ねをしたわけでありまして、なるほど手続上はいろいろなことがありましょうけれども、その点についての率直な御意見をひとつ伺いたい、こう思います。
○愛知国務大臣 私は、後段でその点を申し上げたつもりなのですけれども、手続のことは当然のことですから言わぬでもいいことを言った、まさにそのとおりですが、ですから水をさすような気持ちは毛頭ないが、民間と比較して低いのかどうなのか、低いことを認めよ、その点にしぼっていえば、御提示になっている見方が、見方として私も理解できますけれども、また別につくろったあれでも何でもなく、二十九年と昨年とを比較して上昇率を比べてみると、さらっと勘定してみても国家公務員のほうがかなり高くなっている。こういう事実もございますよということを申し上げているわけであります。 なお、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、公務員の給与、処遇の改善ということを、現時点においてできるだけの努力をしたいというのが政府の姿勢でございますから、その政府の姿勢に従って、従来には墨守していたような考え方や慣行も、今回は相当胸を広げて私は対処しておるつもりでございます。
○荒木(宏)委員 御存じのように、消費者物価の値上がりが非常な勢いであり、ことに生活関連の品目については、先日の物価関係官庁の次官連絡会議で報告されましたように、二〇%以上が六十四品目もある。ことに極端な例でいいますと、大根が五二・六%、白菜が一〇三・三%、昨年に比べて一年間で驚くほどの値上がりになっている。そうしたときに政府のほうでは、解決の一つとして申し入れてあるトップ会談についても、いろいろな動きが伝えられておりますけれども、応じようというふうな気配が見えない。ですから、見方の問題については、いま大臣の見解をお聞きしましたけれども、私は不当だと思いますよ。実際率直に見れば、いまのこの物価高の中でこういった賃金水準で十分それで生活ができるかということは、いろいろな資料をあげるまでもなくもうはだ身でみんな感じているわけですね。 ですから、これだけ大きな取り組み、運動として盛り上がってきているわけです。道理がなければ旗だけ振ったって人はついてきやしません。そこのところをよくお考えいただきたいのです。にもかかわらず、話し合いをしようじゃないかといっても、そのことについては冷たい回答しか戻ってこない。これでは誠実に労働者の皆さんの要求を検討し、ほんとうに国民の、働く人たちの生活を守る、そういう立場に立っておられるとは思えないわけです。 そこで、組合から出されておる要求を誠実に検討されて、そしてこのトップ会談拒否といったようなかたくなな態度の再検討も含めて、解決の誠意をお示しになるべきだ、こういうふうに思いますが、大臣のお考えはいかがですか。
○愛知国務大臣 ごらんになっていると思いますけれども、昨日もある労働界のリーダー、最高のリーダーの方がいみじくも言っておられましたけれども、やはりものごとは順を追うて根回をして、そして手順を踏んでやるべきことをやるべきであろう。政府に対する御批判ももちろん出ておりましたが、同時に組合等に対する御批判も出ておる。まことに掬すべきことばであると私も感心いたしました。政府として考えるべきことはもちろん考えてまいらなければならぬと思いますけれども、やはりこれは三公社五現業あるいは国家公務員、いろいろの系列というか、これはございますけれども、それぞれやはり法定された、そして第三者の公正な機関によって調停とか仲裁とかいうことがあるのですから、それらも踏まえましてお互いに尽くすべきところを尽くしながら、その間において残った数点について、あるいは一点についてというようなことであるならば、効果もあろうと思いますけれども、ただ形式だけトップ会談などということは、私は意味がないことだと思います。
○荒木(宏)委員 いまの大臣の御見解は、手順の問題を一つ言われたのですけれども、解決の一つの方法としてはそういった協議、要するに誠意を込めた協議ですね、そういうことを政府としても考慮すべきだ、そういう考えである、こういうふうにお聞きをしたのでありますが、それでよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 これは私はもちろん国務大臣でありますけれども、大蔵大臣としては言及すべきことではないと思います。
○荒木(宏)委員 関連しまして、それはそれとして、労働時間短縮の要求が強くなっておりますし、その問題をひとつ伺っておきたいと思うのですが、関係の閣僚会議でいろいろ御相談になっておるということが報道されておりますけれども、労働時間短縮についての閣僚会議に入っておられる一人として決意のほどを、実施時期、立法措置のめど、こういったことについてお聞かせを願いたいと思います。
○愛知国務大臣 私は、たとえば象徴的にいえば週休二日制ということについては積極的な賛成論者です。したがいまして、これがやはり順を追ってといいますか、考えるべき基本の考え方というものが十分整理されて、そして万端の配慮なり準備が整ったならば、実行を目標にしてすべてを進行させていくべきであろう、こう考えております。たとえば私の一つの考えを申しますなら、週休二日制ということはそれ自体仕事を減らすことだと思うのですね。したがって、休んだからといって仕事の量が依然としてつきまとってくるというのでは、これはほんとうの意味の週休二日制でもないし、よく週休二日制ということが国際的にも、日本だけが取り残されて、これまた批判の種になるといわれますけれども、これはやはり仕事の量を減らすということで意味があることではないだろうか。私見でございますが、そういうふうに見ております。その考え方が正しいのか正しくないのか、大いにひとつ議論を戦わしながら、私としては週休二日制が実現されるような方向に向けていきたいというふうに思います。
○荒木(宏)委員 ある意味では、いまの御答弁が週休二日制についての問題点の一つの側面にお触れになっていると思うのですが、週休二日制ということを時間短縮の方向で論じられておりますけれども、無批判に進めるならば超過労働といったようなことで、結局は抜け道や脱法的なことになる可能性、危険性がある。 そこで、労働省のほうから見えておると思いますので、時間短縮と超過労働禁止の問題、これをあわせて検討されるべしと思いますが、簡単にいま時間短縮の作業を進めておられる方向、超過労働禁止の方向についてのめどを明らかにしていただきたい。
○廣政説明員 週休二日制を進めていく過程で、私ども特に民間企業について指導いたしてまいっておるわけでありますが、その基本的な考え方といたしましては、やはり労働時間がそのために、一週間通じてあるいは年間を通じてそのために労働時間が長くなるということであっては、週休二日制を実施していくという意味は半減してしまうのではないか、そのように存じます。そこで、いわゆる所定内の労働時間というものに着目して考えました場合に、所定内労働時間を減少の方向で週休二日制を考える、これが一つのポイントだと思うのであります。 もう一つは、いわゆる実労働時間単位にながめました場合に、日本の労働時間は、私どものとっております統計で毎月勤労統計というのがございますが、これによりましても、三十五年をピークといたしまして実労働時間が百七、八十時間、四十七年時点で減ってきております。これは所定内労働時間が減ってきているということもございますが、残業時間も減ってきているということもあわせてその統計の中から読み取ることができます。労働基準法の上で御承知のとおりでございますが、三十六条に基づきまして労使が話し合うことによって、協定を結ぶことによって時間外労働、休日労働をやることができるようになっておりますが、これが私どもは無制限であっては労働時間短縮の意味もないじゃないか、十分いわゆる超過労働というものにつきまして、私どもも三十六条協定が合理的な範囲で結ばれるようにという指導は現在あわせて行なっております。こういうところでございます。
○荒木(宏)委員 この週休二日制の問題について、やれるところからまずやっていこうとか、こういうふうな考え方があるように聞いておりますけれども、しかしこれは労働基本権を確立して、週四十時間労働制、いま労働者の皆さんの切実な要求として出されておりますが、これを確立するという方向で進めないと、逆にいまのようなことから格差を是正するあるいは経営者のほうの便宜に使われるというような危険が実際問題としては多いわけですね。ですから、そのことについて強くいまの点を指摘をして、そういうふうな方向でやられるべきだということを申し上げておいて、時間の関係がありますからもう一つ大臣にお尋ねしたいのです。 公務員宿舎の使用料が増額されるという話がいま出ておるようであります。昨日参議院でわが党の岩間議員が大臣に質問をいたしまして、とにかく一ぺん話し合いをしたらどうかということで、善処するというお答えをいただいて、あすそういう運びになったように聞いておりますが、今後もこの問題については、やはり値上げが済んでからこうなったというふうな一方的な通知ではなくて、よく話し合って実情も聞き、そして要望も十分考慮してきめられることが宿舎法の目的からいいましてもよろしいのではないか、こう思いますので、今回のことはそれとして、今後もそういうようなはからいにしていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
○愛知国務大臣 この問題につきまして、昨日岩間委員から、率直に申しまして、私も突然御質疑をいただいて私もとっさのことでございましたけれども、これは取り扱い方等について配慮が足らざるところがあったのではないか、これは率直に申し上げるわけでございますが、そしてこれは理屈をいろいろ申し上げますとまた何でございますけれども、とにかく先に組合のほうからも書面の申し入れもあったことを私も知りましたので、とりあえずさっそくお話をとにかく伺いましょうということで、担当官が明日お話を伺うことにいたしております。
○荒木(宏)委員 いま春闘の時期に、賃金、時間の問題、そしてまた使用料の問題等お伺いしたわけでありますけれども、政府としてもこの労働基本権を尊重する、労働者の皆さんの切実な要求を誠実に検討する、こういう立場で、いたずらに違法なスト呼ばわりをして、そして要求に背を向け、いまのようなかえって混乱を招くということのないように強く期待をいたしまして、そのことを最後に申し上げて質問を終わりたいと思います。
○大村委員長代理 広沢直樹君。
○広沢委員 大臣がマニラにいらっしゃるとかで、時間が切迫しておりますので、私は簡単に二、三点、経済協力の問題でちょっと伺っておきたいと思います。 まず、基本的な問題として、六十三国会の施政方針演説、これは佐藤総理の時代ですが、そのときには、七〇年代をアジア開発の十年とおっしゃっています。当時外務大臣でありました愛知大臣も第五回東南アジア開発閣僚会議で同じように東南アジア開発の十年だ、こういうふうにおっしゃっているわけでありますけれども、やはりこれからの経済協力については、さきの法案の審議のときにもありましたように、やはり国連でも第二の国連開発十年として南北問題を大きく取り上げられておるわけでして、今後の方向として、いままでやりましたように東南アジアにわが国の経済援助が集中しているわけであります。したがって、その中には一地域に集中した場合あるいは一ブロックに集中した場合、いろいろな弊害も出ているようでありますので、これからは一応それを発展途上国、それに対する広範な見地に立った経済協力というものが必要ではないだろうかと思いますが、その基本的な問題を一点お伺いしておきます。
○愛知国務大臣 御指摘のとおりでございまして、私はいろいろな点から考えまして、これは国益上ももちろんそうだと思うのでありますけれども、経済協力はできるだけ積極的に展開いたしたい。したがって対象地域も広げてまいりたい。それから従来は賠償の関係その他いろいろ沿革はございましたが、どうしても偏在していたということは否定できない事実でございます。それから政治的な環境もだいぶ変わってまいりました。偏在しているからといって、やはり従来の関係は尊重しなければなりませんが、そこに政治的な要素で変更を加えなければならぬところもございますが、同時に範囲を広める、できれば従来よりもマルチの関係における協力ということがODAの比率を上げる上からいっても望ましいことではないか、こう考えまして、アフリカ開発基金というものについても積極的に政府としては参加しよう、こういうふうに考えた次第でございます。
○広沢委員 これからの経済協力のあり方として、二国間の援助から多国間の援助へと、さらには民間ベースの協力からいわゆる政府開発援助へと、また資金援助だけじゃなくて、やはり経済援助とミックスした発展途上国の条件に合ったそういう援助の方向へということがいま問題になっているわけですね。そこで大蔵省は、第三次円対策以降の対外経済政策として、国際収支の黒字の是正ということ並びに経済協力という観点から、対外直接投資を推進する方針をきめたと伺っているわけですけれども、その具体的構想というのは那辺にあるか、その点を御説明いただきたいと思います。
○愛知国務大臣 現在あります制度以外にも何かそういう考え方から新しい仕組みもひとつこの際考えてみたらどうだということを、まだ抽象的でございますが、先般来言っておりますので、第二外為会計というふうに象徴的に呼ばれておりますが、実は国会のほうの関係なども、率直に申しましてもう少し時間的余裕ができましたら積極的に勉強いたしてみたいと考えております。中身はまだこれといった名案が浮かんできておりません。 ところが反面、現在の外貨貸し付けとか外貨預託であるとかあるいは輸銀融資の金利の問題とか、従来から制度としては十分やれることであって実績があがっていない、これはプロジェクトが適当なものがないとか、あるいは国際金融情勢待ちとか、いろいろの点がございましたが、こういう点はもう少しオープンに割り切って積極的に出ていいのじゃないか、これは方針の問題でございますからかなり道が開けてくると思いますが、あわせて、実は与党の中にも積極的な意見があるし、次々と検討されておりますから、そう長くない期間にこれらの問題を取りまとめてみたい、こういうふうに考えております。
○広沢委員 ところで、昨年の暮れに大蔵省は対外直接投資を推進する一つの問題として、いわゆる官民出資で合弁的なもの、そういうものの構想を一応具体案として考えておったという報道が出ておるわけですけれども、そういった問題に対して実際に具体的にこういう問題を検討なさっていらっしゃるのか、また、将来においてそういう意向をお持ちになっておられるのか、やはりこういうことをお考えになる基本というものは円対策の問題もからんできていると思うのです。経済援助を考える場合に、先ほど申し上げましたように、政府開発援助というものを中心に考えていこうという一つの空気になってきておるわけでありまして、あまりそういうほかの問題とからめて考えることは好ましいことではないと私は思っているわけです。そういう意味からも、もちろんそれは民間ベースが悪いというわけではありません。その行き方、あり方については是正される面は多々あるだろうと思いますけれども、そういう観点から考えていくと、こういう構想は事実かどうか、私にはよくわからないので聞いているわけでありますが、その点についてお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 そういう考え方も一つの考え方としてあり得ると思いますけれども、もし大蔵省に昨年暮れあたりにそういう考え方があったと報道されているとすれば、報道のほうがちょっと先回りをされ過ぎたのではないかと思います。現在は持っておりません。 これは最近のいろいろの状況など考えまして、官民という形よりはむしろいままであったものであれば——実は輸銀と基金というものでさえも両方の職務分界がはっきりしないという御批判もときに受けることがあるようでございますから、あまり屋上屋を架すことや、あるいは民間にこういうところに参加してもらうということは、今日の情勢からはいささかとりがたい構想ではないか、したがって、いま考えておりません。
○広沢委員 それでは最後にもう一点お伺いします。 円のフロートによりまして、わが国からの借款を受けている発展途上国において為替差損を受ける、こういうことが現実問題としてあるわけで、対日支払いの負担というものが増加してくるのではないか、こういうようなところから、いわゆるこういうものに対して経済協力という立場からはどういうふうに考えるか、たとえば為替差損を補てんする考えがあるのかどうか、国内的にもこういう円のフロートの問題で相当被害を受けて国内対策も十分というわけでありませんので、こういった問題はどう考えておられるのか。これは国際的な中では、開発途上国のほうからはそういう意向もあろうかと思うのですが、それに対しての大蔵大臣のお考え方、または、そうでなければ、どういう対策をこういった問題について経済協力の中でお考えになっていらっしゃるのか、実質的な改善内容というものはどういうものをお考えになっていらっしゃるのか、この点をお伺いして、時間のようでありますので、終わりにしたいと思います。
○愛知国務大臣 実は広沢さんの御指摘になるような問題があって困っているわけで、経済協力の相手国が円の実勢相場がこういう状況だから自分たちのほうは困っている、つまり、それだけ購買力が低くなるわけですから、そこで、何らかのかっこうで、たとえば円を増額してくれという希望あるいは期待あるいは申し入れがあることは事実でございまして、それらの国の立場からいえば無理からぬこととは思いますけれども、しかし、国際的な慣行ともいえないかもしれませんけれども、こういう場合に増し貸しをするというようなことはないように思います。また、日本としても、現在の実勢相場でもっていろいろの新経済路線をつくろうとしておるところでございますから、そういうところに少なくとも全部応ずるということになると、これは矛盾するわけでございますから、そういう観点もございますから、なるべくこういうことは話し合いで、ふやすことのないようにしたい、つまり、先方の為替差損というものをそれだから埋めるというようなことをやったならば、これは切りがございませんから、なるべく話し合いで当方の事情もよく納得してもらいまして善処したい、こう考えております。
○広沢委員 終わります。
○大村委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十八分散会