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71回国会衆議院1973/04/13

大蔵委員会 第26号

発言数
186
登壇者
17
会派数
5
開催日
1973/04/13

会議録

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これより会議を開きます。  入場税法の一部を改正する法律案及び物品税法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。高沢寅男君。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 昨日、党の佐藤委員なりあるいは村山委員からもお尋ねしておりますので、私はきょうは、もうあまり残った問題点はございませんが、短時間御質問したいと思います。  一つは入場税の問題ですが、この入場税の税収としての額が非常に予算総額の中でいわば取るに足りないというふうな額になっていることは、客観的にお認めになると思うのです。そこで、入場税の場合の徴税費との関係ですが、徴税費は入場税の関係でどのくらいになっているのか、今度はその徴税費と税収、それの対比の関係、いわば税金のコストの関係になりますが、その辺御説明を願いたいと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 入場税だけの徴税費というのはいまちょっと持っておりません。また、間接税全体としてはある程度、国税庁の組織が直接税、間接税というふうになっておりますから、出ると思いますが、入場税だけの担当職員というものもおりませんので、ちょっと出しにくいわけでございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 私としては、徴税費の金額のお答えがあれば、それと税収との関係で、われわれの本来の主張である、ギャンブルの関係は別として、演劇なり映画なり、あるいは芸能なり音楽、スポーツ、こういう関係はもうやめるべきではないかということを申し上げたかったわけですが、それは客観的な数字がないとなればやむを得ませんが、そのことはわれわれの主張として申し上げておきたいと思います。  そこで、入場税の中で、きのうの論議でもありましたし、先般の予算委員会の分科会でも私そのことを申し上げたわけですが、子供の入場税の関係になるわけです。私はあのときは子ども劇場ということで申し上げたわけですが、しかし、考えてみれば、あのとき主税局長からも、子ども劇場という形で一つのサークルに組織されている、それで一つの社会教育のそういうふうな側面を持っておるものとそうでないものとの限界線の引き方が非常にむずかしい、こういう御説明があったわけですが、そうなればいっそ未成年者は課税しない、こういうふうなことで、そこら辺のことも逆に解消されるというふうなことになろうと思うわけです。きのうの佐藤委員がそのことの質問をしたわけですが、政務次官からは、切符を売る窓口で、未成年者だから税をかけないというふうな扱いはちょっとできないというふうなお答えもあったわけですが、先般の所得税の論議の中でも、未成年者には所得税をかけないように、こういうふうな方向が、いまの政府の答弁や、あるいはまた税制調査会の東畑会長の御答弁でも進んでおるこのときに、入場税というふうな関係も、未成年者であるからかけない、こういうことは私は十分に成立する、こう思うわけですが、その点、政府のお考えをお聞きしたいと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 いままであるいはそういう御提案があったかもしれませんが、私自身は、年齢とか、それからたとえば未成年とかいうことで入場税を課税しないことにしてはどうかという御意見は、これまであまり承っておりませんので、明快にお答えできないわけでございますけれども、十年以上前になりましょうか、かつて展覧会とか、それから遊園地とかいうものに対する入場税の課税制度がありましたときに、それが撤廃をされます段階において、やはり子供というものを対象にしての入場税というものにいろいろ批判が集まりまして、そしていろいろ御議論の末、入場税がやめられたという経緯もあるわけでございます。  さて、いま御指摘のように、ずばり未成年ということでその境目を引くことがいいかどうかという点につきましては、これは検討に値する問題であるとは思いますけれども、しかし、現在のところでは、そういうたてまえをとりますと他にいろいろ問題があるのではないか。たとえば他の間接税についてもいろいろ問題があろうかと思います。一つの御提案として承っておきたいと思います。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 いまの点のあれになりますが、入場税の税収の中で、そういう未成年者の関係からの税収はどのくらいというふうなことは、これは数字的に出るでしょうか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 いまのところは把握いたしておりません。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 いまの点は、私は局長の御答弁ではたいへん不満でありますが、今後もその方向でわれわれ要求してまいりたいと思いますし、もっとも、その前提は、入場税全体をやめていこう、こういうわれわれの主張ですから、その上に立ちながら、しかしまた、もう少しこまかい刻み方としてはそういう未成年者はやめるというふうなことも、十分政策としてあるべき姿だと思いますので、これは一つ主張として留保しておきたいと思います。  そこで、入場税が下がった場合の入場料金の関係であるわけですが、これは従来も、入場税は下がったが入場料金はその分だけいわば引き上げられて、大衆が窓口で払う金額には何の変わりもない、またどんどん上がってきておる、こういうような姿があるわけで、これもきのうの御答弁では、入場税を引き下げた場合に、少なくも半分は入場料金の引き下げのほうへ、半分はサービス向上うのほへ、こういうふうなお答えがあったわけですが、この前の昭和三十七年の入場税の引き下げのときに、実態として、そのとき映画館の入場料なりあるいは芝居の入場料なり、そういう客の負担する料金が下がったという実績があったのかどうかということをひとつお尋ねしたいと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 前回のときの状況では期待したほどうまく効果は出ておりません。われわれのほうから直接、あるいは所管官庁を通じて、今回と同様に要請はしたわけでございますが、一般的な入場料金の長期にわたる上昇傾向が、上げ渋りといいますか、人件費その他の上昇に伴って入場料金が全体として長期的に上がっていくテンポがゆるめられたという程度の効果であったということが、正直なところではないかと思います。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 こういうふうなインフレの時代には、そういうだんだん上がっていく趨勢、これはわかるわけですが、しかし、少なくとも、たとえば昭和四十八年の五月一日から入場税の引き下げが行なわれたというその五月の段階では、入場料金がかくんと一つ下がるという一つの刻みが当然出なければならぬじゃないか、こう思うわけです。三十七年の実績についてはそういうものが十分に顕著に認められていない、いまこういうお答えであるわけですが、今度の引き下げの改正が実現した場合、四十八年の五月なら五月と、こういう時点において、映画館なりあるいは劇場の入場料なりというふうなものに、はっきりと入場税の引き下げの結果と確認できる、そういう料金の引き下げが出るように、これはひとつ政府当局は責任をもった措置を講じていただきたい、こう思いますが、局長いかがでしょうか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 その点は私どもも重大関心事でございまして、主として所管官庁たる通産省を通じて各方面に呼びかけを行なっているところでございます。私どもが聞いておりますところでは、通産省の担当部課からの呼びかけに対して、入場税の引き下げ額をそれをそっくりきちっと下げますという確約がなかなか得られないわけでありますが、減税額の少なくとも半分程度は引き下げましょうという回答をされておる団体もあるというふうに聞いております。それからスポーツ等につきましては、現在実は今期からの値上げを予定しておったものをしばらく見送るという形で協力をいたしますという形での回答がきておるやに聞いております。この問題はいつも長期的にはどうしても若干ずつ料金が上がるわけでございます。いまのように努力して下げようという形で、業界としても入場税の引き下げは好ましいところでございますから、それに対応する意味で下げるという態度をとるところもありますし、引き上げをしばらくおくらすという形にとどまるところもあるわけでございまして、今後とも通産省ともよく相談の上、御趣旨に沿うようにいたしたいと思いますが、過去の例等に徴しましても、なかなか全部にわたってそういうふうにするということはむずかしい問題だと思っております。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 いまの御説明は、どうも自信がないような御説明に私は聞こえるわけです。かねて値上げをしようと思っていたのが、ここで入場税が引き下げになったから、値上げをやめてその分はいままでどおりにします、こういうふうな名目を使われると、要するに、この入場税の下がった分だけ入場料金としては結果は値上げになっておる、こういうことになるわけですね。要するに、入場するお客さんの払う金額に変わりはない。けれども、興行者側からすれば、入場税の下がった分だけ料金としては値上げになっておる。つまり、値上げしない形の値上げになっておる。いままでの入場税の引き下げの場合でもほとんどその形できた、私はこう思うわけです。そこで私がさっき言いましたように、半分値下げのほうに回します、もしこういうことであるならば、それは金額としてはそうたいした金額ではないと思いますが、少なくも窓口で大衆の払う入場料金がいままでの料金に比べてこれだけ確かに安くなったということがはっきりと事実で確認されるということがないと、せっかくの政府の政策結果が一部の業者のふところに全部入ってしまうというようなことで、全く法律の権威もないわけです。そこで、もう一度、この点は政府としてこうやってそういう実際の効果を必ず確認しますということのお答えをいただきたいと思うのです。もちろんわれわれも、そのころには一観客として映画を見に行ったり芝居を見に行ったりしてひとつ確認をしたいと思いますが、政府側からお答えをいただきたいと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 先ほども申しましたとおり、監督官庁といいますか、所管官庁を通じて二月以来繰り返し呼びかけを行なっているところでございますし、私どもといたしましても、まさに入場税の引き下げはそれが大衆に還元されなければ全く意味がないということでございますから、今後とも、そういう監視といいますか、勧奨といいますかを続けてまいりたいと思いますが、しかし、たとえば千円のところで申しますと、一〇%から五%に引き下げるということになりますと、五十円ということになるわけでございますが、それがさらに少ない入場料の場合に、それぞれ業界自体としては人件費の上昇等の主張もいろいろあるわけでございまして、全部が全部そういうふうになるということはなかなか期待できないし、またやむを得ない事情もあるのではないかと思います。今後とも引き続いてそういう指導なり勧奨を行なっていくことだけはお約束できますが、結果として必ず上がらない、あるいは下がるという約束はなかなかいたしかねる実態にあるわけでございます。  非常に歯切れの悪いお答えのしかたでございますが、従来そういうふうになりましたのも、必ずしも放置してあったわけではなくて、相当いろいろ努力した上でのことでありますので、ひとつ今後も努力は続けますが、全部が全部そううまくいくということはお約束しかねるということで御了解いただきたいと思います。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 いまのお答えではまだ私は不満ですが、結局そのことは、そういう入場税の減税というものが、大衆の窓口で払う金額に顕著に客観的にあらわれてくるだけのいわば幅でない、こういうことも一つ関係があると思うのです。  そこで、実は今度は免税点の問題に関係してくるわけですが、この前予算の分科会で私御質問したとき、これは局長のお答えであったわけですが、今回の改正では、税率の引き下げでいくか、免税点の引き上げでいくか、いろいろ検討した結果としては、今回は税率でやることにした、こういうこの前のお答えがあったわけです。私としては、免税点を上げていくという行き方と、税率を下げる、これは両方並行して一向差しつかえないわけであって、それが税収面に響くというならば、さっき言いました、もう今日予算総額の中で入場税税収はほとんど問題にならない程度の税収額であるということですから、今回も免税点の引き上げをあわせておやりになるのが当然じゃなかったか、こう思うわけですが、そこを何も、今回は税率、今回は免税点と、こう分ける必要はなかったと思いますが、しかし、ともかくそういうものとしていまこの改正案が出されております。したがって私は、この上に立ってすみやかに次は免税点を上げるというふうな形のまた改正をされるように、これはぜひひとつ要求したいと思うのです。  といいますのは、これはきのう来の質問でも、政府もお認めになっておる今日の物価の状況のもとで、今日百円の免税点というものが実際上意味ないものである、一体百円以下の入場料のものがあるのかということに対して、ごく例外的にこんなものがありますという御説明はあったわけですが、これは全体のこういう入場料の大衆の窓口で支払うものの中では全く問題にならないわけであって、どんな場合であってももう五百円、千円と、こういうふうな入場料であるわけですから、そうなると、私は免税点というものはこの際少なくも五百円というようなところまで引き上げなければ意味をなさぬ、こう思うわけです。     〔委員長退席、大村委員長代理着席〕 これをたとえば来年なら来年、すみやかに次の機会にそういう改正をするということを私は要求したいわけですが、政府のお考えをひとつお尋ねします。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 ただいまおっしゃいましたように、四十八年度の問題としては、税率の引き下げに重点が置かれるべきや、免税点を考えるべきやという問題があったわけであります。それで、実は昭和四十六年に免税点を三十円から百円に上げるということの御提案をいたしまして、御承認願ったわけですが、その審議の過程におきまして非常にいろいろ御議論がありまして、百円というのは全く意味がない、直さないのと同じではないかという御趣旨の御批判がいろいろありまして、もし上げるならばもう少し思い切って上げたらどうだということが一点と、この際、長年放置してあるところの税率についても手直しをしてはどうか、本来ならば入場税をやめることが望ましいのかもしれないが、それがどうしてもできないというのであれば、せめて税率を下げるというようなことをしてはどうかということが、審議の過程において非常に繰り返し御議論がございました。今回の場合につきましても、この税率と免税点とどういうふうに考えるべきかということをいろいろ検討いたしてみたわけでございますが、大体、免税点でメリットがはっきり出てまいりますのは映画等の場合でございます。いわゆるなまものといわれますもののほうが比較的入場料が高い、映画のほうが比較的安いという関係にございますから、免税点を上げるということのメリットは、主として映画等にあらわれてくるわけでございますが、映画の最近におきます入場料の平均額は、四百円をちょっと切っておるというあたりにあるわけでございます。でございますから、さて、いざ免税点をどこまで上げるかということになりますと、どの辺で、平均的なところがいいのか、もう少し上なのか下なのかというような問題がいろいろ出てくるわけでございまして、この入場税はおもしろくないというほうのお立場からいえば、なるべく高ければ高いほうがいいということになりますし、やはり私どもいつも申し上げておりますように、他のサービス課税との関連からいってそうにわかにやめるわけにもいかないというほうの観点からいえば、まあ平均よりは低いところに置くべきだというようなことになりまして、免税点を動かす場合に、どこに置くかというのはなかなかむずかしいわけでございます。現在の百円というのは、どっちかといいますと、臨時開催であるとか地方興行であるとか、そういうもので、お客の数も非常に少なく、また興行者、主催者にとりましても、入場税の徴収ということが、経常的経営でない場合は非常にめんどうでございますので、そういうこともあって、臨時開催的なものを課税対象外にしようということから生まれているわけでございますが、いまおっしゃいますように、入場税をだんだんやめていくべきだという方向の前提として免税点を上げるべしということになりますと、なかなかその数字がむずかしいということでございます。  この問題は長年論議されてきた問題でございますし、今度入場税の税率を変えましたからといって、免税点はこれでいいんだというふうには申し上げるわけではございませんけれども、また、免税点の問題は今後とも問題になることはよくわかりますけれども、さて、免税点の問題を、将来の問題としてでありましても何か検討しようということを考えてみますと、どの辺に置くかということでなかなか頭の痛い問題だというふうに思います。引き続き検討はいたしますが、たとえば来年とか、そういう形でできるかどうかは、ちょっとお約束いたしかねるということでございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 私はさっき五百円ということで言ったわけですが、五百円というものが千円になれば、いま言われた非常に大衆的な性格を持つ映画というふうな関係はかなりカバーできるし、また、なまものの演劇、芝居等の関係でも、五百円ということであれば、このA、B、Cというふうな大衆的な席の料金のほうになれば大体カバーできるというふうな関係になろうと思うわけです。それからまた、その線がもし実現すれば、先ほど年齢でのあれもどうかと局長は言われたわけですが、実際上子供の入場の関係もこれによってほとんどカバーされるというふうな面にもなろうし、ですから、その点では、これを実現すると、いま論議の中で子供の問題とかいろいろ提起されているそういうふうな問題が、二重三重にあわせて解決される、こういう結果が出ると思うわけです。そういう意味において、来年なり何なりというそういう時間的約束まではできない、こう局長は言われるわけですが、ぜひ来年度は、この大蔵委員会での審議の中でも、法人税なり所得税なり、税の関係でいえば、昭和四十九年度というのは相当大きな改革のなされる年になるわけですから、この際この中へこの入場税の関係も入れて思い切った改革を含めて行なうということをぜひお願いをしたいと思うわけですが、重ねてもう一回お考えをお尋ねしたいと思います。

山本幸雄自由民主党大蔵政務次官

○山本(幸)政府委員 おっしゃるように、入場税という問題は、税額も小さいし、また、国民大衆にとっても文化的あるいは芸術的な面での徴税でもあるわけですから、慎重に考えていかなければならぬと思います。ただ、入場税をやめてしまったほうがいいのではないかという御議論もありますけれども、これは消費税全体の税体系から見ても、そう簡単にいかないのではないか。各国の例を見ましても、ほとんど入場税を入場税という形で、あるいはまた、税の形はほかの形であるかもしれないが、取っておるということでありまして、先ほど来の免税点あるいは税率という問題、これもいろいろ検討をしてみなければなりませんが、これは四十六年に免税点を上げて、そのあとやはり税率の問題を検討せいという非常に強い御要求が各方面からあったわけです。国会も含めての各方面からあったので、真剣になってそっちを検討して今度は下げてきた、こういう形になったわけでございます。しかし、税額は小さくても、税体系の中では入場税というのは一つの大事な税でございますので、今後慎重に検討をさせていただきたい、こう思っておるわけであります。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 入場税というのは、戦争中に戦時の戦費調達の考えもあって創設され、大きく進められてきた税なのであって、そういうふうなことから考えれば、何も税体系云々の問題ではなくて、これは当然おやめになる、そういうふうなものではないか。いまの次官の御説明の中にもあった文化的なあるいは教育的な、こういうふうな国の政策面から考えれば、映画にせよ、あるいは演劇にせよ、音楽、スポーツ、いずれもそういう面では大いに国のほうから助成、振興を進めるべき方面になるわけです。また文化庁というものもあって、それなりにこの方向の助成策は、われわれから見ればなお不十分とはいえども、現に政府でなされておる。一方その方面に対して税金をかける。これはつまり助成というプラスをやる面と、税金をかけていわばマイナスを与える面と、両方やっておる、こういうことになるわけなのです。ですから、助成という文化庁を通ずるものがなされているということは、この面はむしろ国の政策として助成すべきだという、この認定あるいは価値判断の上に立てば、大いにそういう演劇関係なり何なり文化的な関係に助成をし、その助成の一つの姿として税はやめていく、これが一貫性のある政策ではないか、こう思うわけです。きのうの論議の中でも、今度は、地方税の娯楽施設利用税との均衡もあるというような御答弁もあったわけですが、これはまた性格が違うわけであって、パチンコへ入るとか、そういうたぐいのものと、その文化的な催しものに入るものとは、性格が全く違うわけですから、そういう点においては、撤廃しないという前提をもっていろいろの理屈を言われるわけですが、撤廃するという前提に立てば、また皆さんはりっぱな理屈を考える天才であるわけですから、ぜひ、政策のまず価値判断としてはこういうものはやめるのだ、そして文化的な側面は大いに振興していくのだという前提に立って、その上で進んでいく過程でこの免税点の大幅引き上げなり税率の引き下げなりというものを進めてもらえば、われわれも非常に理解できるわけです。いま次官が言われた、四十六年に三十円から百円に免税点を上げたばかりで、それでは不十分だといって今度は税率を下げたら、いや、また免税点だ、これではあんまりではないか、こう言われるわけですが、あの三十円から百円というのがあまりに実効のない引き上げだから、当然これではだめじゃないかということになるのであって、したがって、今回の免税点の五百円の要求というのは、決して私は隴を得て蜀を望むというふうなことばかり言っているわけじゃないわけであって、この免税点の引き上げがなされて、それで税率と両々相まって、当面入場税の関係ではこれで改善がなされるということになろうと思うわけです。そういう点で、ひとつ四十九年度の改革の中でこの点もひとつ思い切った措置をとられるようにぜひ私は期待をし、要望したいと思います。  以上で一応入場税の関係を打ち切りまして、次に入場税に関連しまして、これは若干税の問題とずれるかと思いますが、この関係で働いておられるいわゆる芸能人関係の国からの補助の問題について少し触れてみたいと思うのです。  最近、ことし四月一日に発足した芸能人の年金制度というのがあるわけです。これは公的年金ではなくて、芸団協という団体に結集されている芸能人関係の皆さんのお互いの拠出による私的年金としてこれが始まった、こういうことであるわけです。毎月一口千円という掛け金でやっていって、そしてそういう芸能人の方が六十五歳をこえると栄誉年金、こういうことで年額二万四千円、それから六十五歳をこえた方に、今度は老齢に対する共済年金として、その掛け金の口数あるいは掛け金をかけた年数に応ずるわけですが、二十年かけたという標準で見れば、年額四万五千七百円というふうな年金を予定される、こういうふうなことであるわけですが、何といったって加入者が三万五千人しかいない、こういう小さいプールの中でやる年金制度であるわけですから、支給される年金額も非常にわずかなものである、こういうことになっております。先ほど来の、そういう国の文化政策の面として、そういう面に特にタッチされている芸能人の関係の人たちに対する一つの助成の方法として、この芸能人年金に対して私は、国から何らかの助成、援助がなされて、そしてこの年金の経理というものがもっと楽にできて、もう少し十分な年金の支給がなされるような、そういうあり方が非常に必要であるし、望ましいと思いますが、この点に関しては、税の面よりは、むしろ予算支出の面になりますので、主計局のほうからひとつお考えを聞きたいと思います。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 老後保障をはかるための年金につきましては、御承知のように、いわゆる国民皆年金のたてまえに基づきまして、すべての国民が公的年金制度に加入するということに相なっているわけでございます。芸能人の方々につきましては、主として国民年金であろうかと思うのでございますが、これに加入することによりまして、公的年金による老後保障の道が講じられているわけでございます。四十八年度におきましては、御承知のように、国民年金につきましても、あるいはまた厚生年金につきましても、年金額の大幅引き上げでございますとか、あるいはスライド制の導入でございますとか、そういう改善をはかることを予定しておりまして、別途法律案により御審議をいただくことになっておるわけでございます。また、これに伴いまして国庫負担の予算額につきましても大幅に増額しているところでございます。したがいまして、芸能人の方々だけを対象にして新しい制度をつくるということは考えていないわけでございまして、全国民を対象といたします国民年金なりあるいは厚生年金なりの制度の改善充実、そういうことによりまして対処してまいりたい、かような考え方でございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 国民皆年金のそういう体系があることは、言われるとおりですが、それで十分であれば、決して芸能人の皆さんがわざわざこういう自分たちの仲間うちで年金制度をやろうなんということにはならないと思うのです。これはつまり不十分であるから、それに対してさらにプラスを加えなければならぬということでみんなやられるわけですが、私は国の政策の関連でいえば、農村では農業者年金というものがあるわけですね。これは国民年金という一つの統一的な国の年金体系というものを土台としながら、その上に、農業者の経営の移譲というふうな政策目的もありましょうし、それに加えてまた農業者の老後の保障というふうな意味も含めて、農業者年金というものが現にやられているわけですね。そしてこれについては、農業者の掛け金もあるけれども、またこれは農林省の関係からそれに対する助成の予算支出も行なわれて、国民年金の上へ乗せる形で農業者年金というものは現に行なわれているわけですね。そこで、それといわば同じような意味において、国民年金は確かにあるわけですが、その土台の上に乗せる形で、文化的なあるいは芸能の関係の人たちに、現に彼らが自主的に始めたそういう年金制度の上へ、ひとつ国の助成というものを含めて上へ乗せていくという考え方は私は当然成り立つど思うわけですね。もう一度重ねてそれについてのお考えを聞きたいと思います。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 農業者年金制度の場合は、ただいま御指摘のございましたように、単なる老後保障というわけではございませんで、経営規模を拡大していく、資質のすぐれた経営担当者によります生産性の高い農業経営の育成でありますとか、そういう農業経営の近代化なり構造改善という目的があるわけでございまして、直接そういう政策目的と結びついた制度であるわけでございます。したがいまして、芸能関係の方々の場合とは事情が異なっているのではないか、かように考えるわけでございます。  なお、申すまでもなく、芸術、文化の振興につきましては予算的にも従来から配慮しているところでございまして、関係予算の充実につきましては、たとえば四十八年度におきますと、前年度対比で四割以上の増額ということもやっておりますし、その中で、芸術関係団体に対します助成でございますとか、そういう所要の政策をとっている次第でございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 農業者年金の場合には一つの政策目的がある、こう言われるわけですが、私、全くそうだと思います。同じように芸能人の年金もそういうことをやれば、有為な人材が芸能あるいは文化の世界へどんどん入ってきて、それで国の文化がまた進むという政策目的というものは十分成り立つわけであって、そういう意味において芸能人年金というものに対する国の助成を行なう十分な政策的な根拠がある、私はこう考えるわけです。ここで辻さんから、直ちにやりますというお答えは、お立場上なかなかむずかしいと思いますが、ぜひそういう方向を進めてもらうことをこの場合重ねてひとつ希望いたしたいと思います。  それで、それに関連いたしまして、今度は税の関係になるわけですが、年金についての非課税の措置は今回の租税特別措置法の中でなされたわけですが、その場合、公的年金についてはそういう扱いになるとして、こういう芸能人の年金というふうな場合に同じように非課税の扱いがなされてしかるべきじゃないか、こう考えるわけです。もちろん、これはまだ制度が始まったばかりで、実際の年金給付が行なわれるのはしばらく後の問題になりますけれども、考え方として、こういう年金も同じようにひとつ所得税において非課税の扱いをする、こういう措置をぜひとるべきではないか、こう思います。  そこで、それに対する一つの参考として、先ほど言いました農業者年金、これは昭和五十二年から支給が開始されるということであるわけですが、これは先般の租税特別措置法できめた年金控除の中に入るのかどうか、お聞きしたいと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 農業者年金については、御指摘のように、最近から給付が始まるはずでございますので、それをどう扱うかということでございましたが、今回の所得税の改正に関連いたしまして、それを給与所得扱いにするということを明らかにする改正をいたしております。この給与所得扱いにするということはどういう意味があるかと申しますと、年金を受給されるわけでございますから、かなり年配の方になるわけですが、受けられる年金について、いわば給与所得控除が働くという形になってまいります。給与所得控除が働きますから、いまの程度の年金であれば非課税という気持ち——頭から非課税という気持ちではございませんが、一応計算はしてみるわけでございますけれども、現実には給与所得控除が働くので、実際には課税対象は起こってこないということでございます。今回の農業年金の問題は、もっぱらそこのところで関係省との間に議論もございまして、御要請に応じてそういう扱いにしたという経緯でございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 給与所得控除という扱いになると、その同じ扱いを芸能人年金のほうにもということはなかなかむずかしいことになりましょうか。私は、年金控除という形で扱ってもらえば全部すっきり入る、こう思うのですが、いかがでしょう。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 問題がいろいろございますが、まず年金の問題については、本年新しくつくっていただきました年金の非課税制度を、今回は公的年金に限定をしておりますけれども、それでいいかどうかという問題が一つございます。必ずしも芸団協の問題に限らず、他にもいろいろ私的な年金がだいぶふえてきておりますので、それについて今後どう扱うべきかという問題がございます。その場合に、給付の段階における課税の扱いの問題もあり、また、掛け金の段階における課税の扱いということもございます。そういうことでございますので、まだ芸団協自身の年金制度はどういうことか、私詳しく承知いたしておりませんが、そこに入ります前の問題として、一般的に公的年金に対応する意味での私的年金について、いわゆる今回の非課税というような思想を導入していくべきかどうかということがまず問題になろうかと思います。これは先般の所得税の御審議の際、あるいは特別措置法の御審議の際にもいろいろ御議論をいただきました。私どもも、このあたりは、制度としてもそうでございますし、運用としても、個々の年金の問題が流動的になってきておりますので、その動向等を見合わせながら、そして相互にどのようにしたらバランスがとれたものになるかということを考えながら、年金非課税のあり方を検討してまいりたいと思いますし、その際、御指摘の特に芸団協ということではございませんが、それと類するいろいろな私的年金、先般御指摘がありましたが、医師会の場合であるとか、弁護士会の場合であるとか、いろいろ御指摘があったわけでございますが、そういうものを相互に総合的に判断することを近い機会にやらねばならぬと思っておりますので、その際議論いたしてみたいと思います。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 ひとつその検討の中でぜひ非課税の扱いがなされる方向でお願いをしたいと思います。  それから、次は物品税関係ですが、その中でお尋ねしたいことは、特殊用途免税、この規定が免税の中にあるわけです。たとえば、いま論議している文化関係の、職業的音楽家の人たちの使うピアノやその他の楽器、あるいはカメラマンのような人の扱うカメラであるとか、そういうふうな特別な仕事、職業に関連して使うそういう物品に関して、現在特殊用途免税の中に入っていない、そういうものがまだ他にあるわけであって、こういうものはひとつこの免税の中へ含めて免税措置をとられるべきではないかと思いますが、いかがでしようか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 特殊用途免税というのは、御存じのように、本来の物品税の精神からいって課税対象とすることが適当であるかどうかということが疑わしいものであり、そしてまた、たとえば他の政策目的からいってぜひともこれは非課税にしたほうがいいという理由があるものであり、それからまたもう一つは、現実の問題として、ある物品について特殊用途免税をすることにいたしましても、まあいわば横流れ等が行なわれないという保証があるものについて行なわれているわけでございます。芸術大学の学生等が練習用に使うピアノ等について、一台だけ非課税といたしましょうというような特殊用途免税制度が、ただいま御指摘の音楽家の問題に一番近い問題かと思いますが、これは実は教育目的といいますか、そういう角度からと、それから学校におりますものですから、学生時代に一台だけというような制限が、証明書発給事務との関係で可能であるというようなことから、だいぶ前、もうすでにずいぶん久しいことでございましたけれども、そういう手続ができまして、今日に及んでいるということでございます。  いま御指摘の、職業上必要なもの、いわゆる奢侈品ともいえないじゃないか、ぜいたく品ともいえないじゃないか、これは職業上必要なものじゃないかということで特殊用途免税にしたらどうかという御指摘かと思いますが、職業上必要だからということの角度からの、現在特殊用途免税の制度はそういう運用はいたしておりません。そのことがいいか悪いかはまた御議論があろうかと思います。あろうかと思いますが、職業上必要だからということで、いまのカメラマンの場合だとか、いろいろまいりますというと、さてなかなか、いつもそういうことを申しますのでおしかりを受けますが、線を引きにくいというか、限界を引きにくいという問題になってくるのではなかろうかという感じがいたすわけでございます。御指摘の楽器、写真機等は確かに典型的なものであろうかと思いますが、あるいは他にも及ぶのではないだろうかと思います。いままでのところは、職業用物品についての特殊用途免税ということはいたしておりませんわけでございまして、ただいま御指摘がございましたから、またあらためて検討はいたしてみますが、いままで長年の間の歴史がありながらやってなかったということは、やはりそれなりに困難であることを示しているものではないかと思います。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 そういう音楽家の人にせよ、あるいはカメラマンの人にせよ、それぞれいま責任のある団体にほぼみな結集されているわけですから、おやりになる場合は、当然そういう団体から責任のある一つの証明書というふうなものでチェックの方法はこれはまた十分成り立つと思うわけです。そういう点において、いま申し上げて直ちにイエスの答えまではあれでしょうが、ひとつこれからの検討課題として十分前向きな処置をお願いしたい、こう思います。  それから最後に一つ、これもこまかい具体的な問題になりますが、ことし特に問題になったミカンの過剰生産、三十万トン凍結したというふうな措置もとられたわけですが、これは農業政策の関係ですが、こういうものの消費の促進という関係からいうと、ジュースというものが非常な役割りを果たす。そこで、現在物品税では、日本農業規格の果汁は非課税ということになっておりますが、何かそういうジュースを扱う業界で一つの新しいくふうをして、ジュースの中へ炭酸ガスを入れる形で非常に清涼感というものを含めたジュースをつくれば、さらに消費が拡大できるのではないか、そういうことでこの三十万トン凍結のミカンの問題も解決の一つの道になるのではないかということでのあれがあるわけですが、ところが炭酸ガスを入れると物品税が免税にならないというふうな現在の仕組みになっておる、ここのところをひとつ免税の扱いをしてほしい、こういう強い希望があるわけですが、これはせっかく国でもいろいろな助成措置で当面のミカン対策もやっておられる際ですから、この物品税の面でも、そういう政策目的を進めるために、いま申し上げた措置をひとつとられるように要望したいと思いますが、いかがですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 いまの炭酸飲料については、これはまたなかなか技術的にむずかしい問題がございます。全重量の万分の五以上炭酸ガスを含有しているものを炭酸飲料とするという定義をいっているわけでございます。典型的な炭酸飲料は、大体どなたからも物品税の課税対象にしていいのでははないかという、こういう御議論でありますし、ただいまのような特殊な政策目的から一部のものを非課税にしてはどうかという御議論は、前からもあるところでございます。そのどのあたりに、どこから炭酸飲料という定義のものにしていったらいいか、いまの万分の五というようなところの線の引き方の問題が一つと、それから、だれでも課税物品か非課税物品かを比較的簡易にわかるということになっていなければいけませんから、いわば製品の分析技術等にも関連して何か適当な手を打たなければならぬということもあるわけでございます。そういう技術的なむずかしさはありますが、最近におきますミカン対策というものがまた一つの大きな問題でございます。ミカン対策については、これまでもいろいろ産出面でも努力を続けてきたわけでございますが、なお今後とも、農業対策の面からいっても、それから例の自由化等の関係からいっても、いろいろ問題があろうかと思います。技術的な問題でありますから、そこらを中心によく検討を重ねてみたいと思います。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 じゃ、これで質問を終わります。

大村襄治自由民主党

○大村委員長代理 竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本委員 最初に入場税のほうから簡単に一、二の質問をいたしたいと思います。  入場税は、比較的少額な価格による大衆的な娯楽に対する課税でありまして、一つには、それが大衆負担になるということであります。のみならず、映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ、見せものといったようなものの芸術的な価値の高い催しもの、または健全娯楽と見られるような催しものに対して入場税の課税を行なうということは、文化国家の理念、あるいは人間性回復といま叫ばれておりますが、そうした時代的な要請に対して逆行するものであるというふうに考えられることは、申すまでもありません。また、すでにこの点につきましては同僚議員からきびしく追及も行なわれております。したがって、こうした入場税はギャンブルの面を残して、あるいはギャンブルの面は別に体系をつくって、そしてこうした健全娯楽や芸術的な価値の多いものに対する入場税については、これは廃止すべきものであるということについては、大かたの意見は一致いたしておると思うのであります。しかもこの税の税収入ということを考えますと、全く問題にはなりません。十兆円に近い収入の中で八十六億円程度の収入ということでございますから、ほとんど問題にならないというふうに思うのであります。しかるに、この税がまだことし残っておるということを考えてみまするに、一つは、これはサービスに対する消費税ということで、大蔵省の考えからいうならば、税の体系の上において、概念整理の上でこういうものが一つ出ておるということが、非常に必要であるというか、便利であるというか、こういう点が一つあるのではないか。すなわち、税体系の上で、サービスに対する消費税というものもそういう入場税のような形でひとつちゃんと残しておきたいということではないか。さらに申すならば、これは大蔵省としては、やはり森羅万象みんな課税の対象にしたいというような気持ちもあるんだろう、額は少なくても、というような本能的なものがあるかもしれないと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、大蔵省の税体系の一つの柱としてそのために残すということも意味がありませんし、それから徴税と申しましても、これはいま申しましたように収入の面から見れば全く税収入というものは問題にならない。しかも健全娯楽に反するし、文化国家の理想に反するし、人間性回復にも逆行するものであるというならば、これはやはりこの際——税率を一〇%のものを五%にする御努力はそれなりに評価いたしますけれども、そういうことでなくて、抜本的に廃止の方向に踏み切るべきであったと思うのです。  そこで、簡単に要点を伺いますけれども、こうした要請が強いにもかかわらず、特にこの税を今回残されたということの理由は何か。また、今後も末長くこうした税を残していかれる考え方であるか、まずその点を大臣にお伺いいたします。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 いま御指摘になったとおりでございまして、他の物品とかサービスに対する課税というものとの関係から申しましても、税の体系としては入場税というものを残したい、率直に言ってそういう気持ちでございます。そういう気持ちでございますから、たとえば免税点の大幅の引き上げというふうなことではなくて、そうすれば事実上廃止にひとしいようなかっこうになりますから、税率の引き下げということで今回の改正案を考えた次第であります。

竹本孫一民社党

○竹本委員 いま大臣の答弁にもありましたけれども、私は、税の体系としてこういう形があったほうが概念整理に便利だということはよくわかりますが、しかし、そのためにこうした庶民の要請に反するような税が残されるということはまことに残念に思いますが、いま伺いましたのは、そういうそれぞれの複雑な利害関係も考慮の上で、政治的判断としてこの税は末長く残されていくつもりでありますか。われわれの考えとしては、すみやかにこれは廃止して、ギャンブルはギャンブルの税として体系づける、それはけっこうでありますが、この映画、演劇、音楽といったようなものに対する税というものは、文化国家の理想からいえば恥ずかしいものであり、税の体系からいっても収入からいってもおかしいものであるというふうに思いますし、特に超高度化社会になれば、私はやはり人間性の回復ということが非常に重大な問題である。私は、その意味においては、映画や演劇は、豊かな人間性をつくる上において、国の政策、政治の姿勢としては、頼んででも見てもらう、鑑賞してもらうということによって豊かな人間性をつくらせるということが、これからの政治の大きなねらいでなければならぬ、かように思うのです。  ちょっとほかの話に触れることになりますけれども、私も前に満州の総務庁に参事官としてつとめたことがありました。そのときも、大蔵省から派遣された方々との間で、ちょうど映画に対する税金の問題で議論をしたことがあります。名前はまあ別といたしましてね。そのときに私が非常にふしぎに感じたのは、映画であるから税金をかける、入場税みたいなものをかけるのだということでございます。ところが、当時の国策からいいますと、いわゆる満人といいますか、満州の人に日本人を理解してもらう意味において、映画は見てもらわなければ困るものなんですね。だから、いまは人間性回復のために頼んででも映画を鑑賞してもらいたい、音楽も鑑賞してもらいたいと思いますが、そのころは、国策の必要からいえば、満州の人に頼んででも見てもらって、少しでも多く日本を理解してもらわなければならぬという必要があるときに、それに税をかけてなるべく見せないように、見れないようにするというのは、一体どういうそろばん勘定だということでいろいろ議論をしまして、まあこれはいろいろ議論が長く続きましたけれども、最終的には取りやめになりました。これは私が先ほど申しました一種の大蔵官僚さんの徴税本能のしからしむるところかなと思ったんですけれども、いずれにいたしましても、今日は入場税の大部分の対象になっている映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ、こういうようなものは、豊かな人間性形成のためには、頼んででも見てもらうべきものであるということになれば、やはり方向としては、すみやかに廃止の方向にいくべきだ、税の体系はまた別に考えられればいいことでありまして、そのために残すということはどうも納得ができない。文化人でもあられる大蔵大臣のその辺に対するお考えを、いつまで残していくつもりなのか、またあくまでも残しておくべきものと考えておられるのか、その辺についてのお考えだけを伺っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 私は、実は率直にお答えするんですけれども、将来の税制につきまして一つ大きな問題は、直接税、間接税の関係をどういうふうにとらえたらいいだろうか、どういう角度から広く国民的な御支持がいただけるような税制体系というものをどういうふうに建設的に考えるか、そこはまた根本論議になりますし、私もまだ具体的なものを持っておりませんから議論にならないと思うのですけれども、かりに間接税体系というものにやはり相当の比重を置いて考えます場合には、そういう前提で考えますと、将来の動向としては、物を中心に間接税を考えるよりは、サービスを中心に考えということになるのではないだろうかと考えられるわけです。たとえば物を買って楽しむということよりも、旅行だとかそのほかの、レジャーといいますか、そういう嗜好の傾向がずっと変わってくるんじゃないか。だから、そういう動向の中で間接税というものを考えるということにかりにいたしますと、やはり入場税というようなものは、税として将来的に改善することはもちろんでございましょうが、やはり一つの税の体系として残しておきたい、非常に率直でございますが、そういうふうに考えております。     〔大村委員長代理退席、委員長着席〕 これはたとえば通行税だとか、それから料飲税だとかそういったようなものも、これは税制全体の問題として大きな問題でございますが、サービスに対する課税ということからいえば、そういう面も、これは大蔵官僚的意識であるかもしれませんけれども、税源ということを、財政需要が膨大になってくるのに対処してどういうところに税金を考えるかという場合には、やはり一つのよりどころではないか、こんなふうに考えますので、入場税というものを現在廃止することはもちろん、将来におきましても廃止をすべきものであるという考え方は、現在の私は持っていないわけでございます。前提の御論議をいただかないと、おまえの言うことは間違いであるとか、そういう考えもあるなということに発展しないかとも思いますけれども、現在の立場で考えますと、そんなふうに考えます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 サービスに対する消費税その他間接税をかけていく、あるいはそれが将来の間接税のウエートを重からしめる一つの大きな柱になる、この点については、いろいろお考えもあるでしょうし、したがってまた議論もあることでしょうけれども、ただ、映画、演劇、音楽といったようなものをその対象に持っておくということ自体には、私としては、文化国家や人間性回復といった理念の面から見て、どうしても納得できない。なお御考慮願いたいと思います。  もう一つだけですが、免税点の問題ですね。これは先ほども議論がありましたけれども、三十円を百円に上げた、飛躍的な引き上げであるというように、事務当局から見れば考えられるわけですけれども、しかし、いま百円で救われる面が一体幾らあるかという実際問題から考えてみると、どうもあまりにも少ない。これは去年でありましたか、前回のときにも、これは少なくとも五百円にあるいは千円にという議論がこの大蔵委員会においても非常に出たわけですね。今度は税率が、千円以下のものは、映画だったら一〇%が五%になった。税率改正の御努力はそれなりに評価するのだけれども、免税点のほうはお預けだということになっておるわけです。しかし、百円という免税点そのものがどうもあまりにも現実的でないというふうに思えますが、この免税点の引き上げ、もちろん、前回、これを千円に上げたらどうかと言ったら、ほとんどなくなってしまうという議論がここでも出ました。なくなるから引き上げられないのだけれども、実際は引き上げる必要があるのだ——と言うと、税のために議論がさか立ちするような感じでありますが、いずれにしても、百円が免税点だということはあまりにも非現実的である、実際的でないと思います。今回は百円ということをそのまま据え置かれているわけですけれども、この点について大蔵省といえども相当検討されて、時代の客観的な現実の動きにやはり対応すべきじゃないかと思いますが、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 昨年の当委員会における御議論も私も承知しておりますし、またそういう点についても今回の改正案についても考えたところでございますけれども、かりに五百円に引き上げるということになりますと、実は映画の入場料の平均は、御承知のように一二百何十円というところでございますから、映画については入場税はなくなるわけでございます。非常にラフな言い方でございますけれども、そんな点も考えまして、むしろこれは税率の大幅な引き下げのほうがよろしい、こういうふうに考えた次第でございます。十分考えました末、私はやはり先ほど申しましたような考え方に立って、そしてこういう結論が適切であるという結論を私としては出したわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 ずいぶんお考えになったという御答弁でございますけれども、どっちの方向に向いて考えられたかということが問題ではないかと思うのですね。  時間もありませんから、私は強く要請だけして・次へ進みたいと思いますが、やはり税のためにわれわれがあるのではなくて、われわれあるいは文化国家の理想のために税をどう再検討すべきかということのほうがより現実的な問題でございますから、免税点の問題についても、またサービス課税の一つとしての入場税のあり方についても、ぜひもう少し積極的に検討をしていただきたい。強く要請を申し上げまして、次に移りたいと思います。  次は物品税の問題でございますが、これは主税局長にお伺いしますが、今回免税点が約五割、思い切ってということになっているようですが、上げられた。しかしながら、これは一体何年間手をつけなかった問題であるか。その間に、賃金にしても物価にしてもどのぐらい上がっておるという前提に立って五割の免税点の引き上げをされたのであるか、その計算の基礎といいますか、前提をひとつお伺いいたしたい。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 免税点の引き上げ幅は大体四種類に分けて考えておりまして、平均的には五割近くになると思いますが、一割ないし二割程度にとどめたもの、それから五割未満にとどめたもの、それから五割から一〇〇%、つまり倍ぐらいのもの、それから、それと関係なくさらに倍以上上げたものというふうに、四段階ぐらいに分けて考えております。  免税点の改定は四十一年以来でございますので、当時と今日との比較をする必要があるわけでございますが、賃金は約倍近く、一八〇%ぐらい上がっておるという前提で考えておりますし、物価そのものにつきましては、これはもう商品ごとに非常に違っておりまして、たとえば、一般的に電気製品のように大企業がつくっておりますもの等につきましては、これは合理化等の進みますにつれましてほとんど上がっていないということでございますし、それからその他のいわゆる中小企業の製品におきましても、品物ごとに違っております。たとえば皮革製品等は材料費が非常に上がっておるわけでございますし、それから木材を使っておりますものも、最近の異常値上げは別にいたしましても、やはり木材価格は上がっておるわけでございまして、これは賃金と違いまして、各商品を通じて一般的に物価の上がりを見たということでなくて、品目別に考慮したつもりでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 これは大臣にひとつお伺いしたいのですけれども、物品税は、御承知のように六十九品目が対象になっておる。こまかく計算すれば五百ぐらいになるそうですし、課税対象から逆算して考えますと、大体三兆円から五兆円の品物にかけられるだろうと思うのでありますが、大体われわれが見たり持ったりしておる品物の一割ぐらいが対象に選ばれておると思うのですね。ところが、税のほうを見ると、三〇%あり、一五%あり、二〇%あり、あるいは小売りで一五%ありということになっております。今回だいぶ整理もされた、軽減もされたということでございますが、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、今後の間接税の体系をどうするかというようなことも頭に描きながら、問題は当面の物品税の軽減措置、あるいは新規課税もありますが、物品税の問題に取り組む場合には、将来一体こういう税はどういう方向に整理するか。統合するか、あるいは拡大するかは別としまして、方向づけの問題があると思うのですね。この個々の物品について、具体的に申しますならば、一五%のものもあれば、二〇%のものもある。それから、かかるものもあれば、かからないものもある。かかるものも、お互いに非常に格差がある。これは一体どういう方向に方向づけていかれるつもりであるか、その観点からこの物品税を再検討しておられるのであるか。これは今後のあり方の基本に関する問題として、いかなるプリンシプルで、いかなる理念でこの問題に取り組んだ結果がこうなったのであるか、したがって、将来への展望も含めてどういうふうに考えてお取り組みになっておるのであるかという根本についてひとつお伺いをいたしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 将来の方向としての考え方は、まあ一口で言えば、一般的な消費税というものに近づくといいますか、そちらの方向づけが将来の方向づけとしてはよろしいのではないか。したがって、品目の選び方はバランスをとりながら選ぶべきであるし、それから税率は、お説のように単純化する方向に向かうべきである、こんなふうに考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 そうしますと、税率の単純化の問題について、言うならば、いま申し上げましたようにバラエティーがちょっとまだ多過ぎるような気がします。それはさらに整理統合していかれるのであるか。  それからもう一つは、今度対象を選ぶ場合に、今回も新規課税がクーラーその他十品目ありますが、これは先ほど申しましたように、同じようなものでかかるものもあれば、かからないものもあるということになると、アンバランスが出てまいりますから、したがって、新規課税というものは、そうした大きな方向からいえばなお拡大される可能性、必要性があるかどうかというふうに思います。それから、今度はマッチの場合はやめる、ただし、期間は一年くらい猶予期間を置くということになったようでございますが、廃止するというものも出てくるのか、出てこないのか。一体物品税の今後のあり方というものはどういうふうに受け取ればいいかということであります。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これは今後よほど各方面から検討していかなければならないことであると思いますし、いま政府としての確定的な考え方というのは、将来の問題でございますから、申し上げにくいわけでございますが、私の私見といたしましては、いま申しましたように、一般の消費税的な方向に向かうべきものである、そして税率はできるだけ簡素化すべきものである。同時に、これは私見でございますけれども、そういった考え方からすれば、品目の選定については、むしろ、捨てるものもあるが、バランスをとって広げる場合もある、こういうふうに考えざるを得ないのではないか、こういうふうに思います。

竹本孫一民社党

○竹本委員 大臣、今度の物品税は、いろいろ御努力をいただいているという点もあるわけですけれども、新規にしても、あるいは軽減措置が講ぜられるものにしても、これは業界なり消費者にも影響が非常に大きいと思うのですね。ところが、今度は国会のまた特殊な事情がありまして、いつから一体実施されるかということで、きょう出された修正案を見れば、「公布の日の翌日」こういうことになっているのですね。しかし、こういうような大衆生活なり、民間の企業に、思惑もあるでしょうし、いろいろそろばんもあるだろう、特にまた、ものによっては予約生産、見込み生産といったようなものもあるでしょう。そういうことを考えると、こういう法案の実施の問題についてはよほどきちんと目安をつけてやらないと、ある意味において、せっかくの好意がさっぱり効果を結ばないということになるし、業界がへたをすれば混乱だけするということになると思うが、一体今度の物品税についてはそういう点ではなはだ遺憾な点が多かったのではないかと思うが、その点はどうか。  それから、きょう大蔵委員会、衆議院のほうは質問がある程度のところまで進んでいくと思いますが、今後一体ほんとうの意味で実施の期日に対するめどはどの辺につけておられるのか。  この二つの点についてお伺いしたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 御質疑の点は、遡及してはどうかということだと思います。政府としては四月一日施行を期待して考えておりましたが、これはできませんでしたから、そこでどういうふうにしたらいいかということは、事務当局とも十分にこの点は相談をいたしたわけでございますが、蔵出し税であるというような点から申しましても、御審議が衆参両院で完全に済みまして、そして公布してその翌日からということが、いろいろの検討の結果、妥当であろう、いろいろの御意見、御批判もあると思いますけれども、こういう結論を政府としては得たわけでございます。  また、こまかいいろいろの点については、事務当局からもさらに補足して説明させたいと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 なるべく早く効果を出していただきたいということで、できましたならば、公布の日の翌日からということにしていただいたらいかがかということを思っているわけでございますが、もう関係方面からは、いつ通るだろうかと、しきりに聞かれておるところでございます。そしてきまったら、いまのままであればこうなりますよということはよく連絡をしておりまして、公布がありましたならば、即座にそれが末端にまで届くように一応の準備はいたしておるところでございます。  むしろどうしても税率が下がるものがありますものですから、若干蔵出しが押えぎみになっている傾向もありますので、それが流通に詰まってくる危険がありますから、そういう意味でも、何とか早くスムーズに品物が流れるようにしていただきたいというふうに思うわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 この点は特に実施に十分の努力、注意を払ってもらいたいということを要望申し上げまして、質問を終わります。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 入場、物品両税について御質問をいたしたいと思います。  まず入場税でございますが、この委員会でもこの問題については多くの議論がなされてきておるわけです。私ども、かつては、入場行為の中で、たとえば純芸術というようなものを見せる、あるいは聞かせる、そういうものについては入場税の対象にすべきでないというような議論を展開したこともありますし、あるいは人格なき社団、労働者が自主的に会費を出し合って音楽や芸術を楽しもう、そういうものに対しては税金を課すべきではないというような、いろいろな形でいろいろな角度から議論をしてきたわけでありますが、私は、そういう個別的な議論ではなしに、日本のこれからの政策展開が、生産第一、輸出優先という形から、人間を大事にしていく政治への転換、生活優先、文化国家への指向、福祉国家への指向、そういう方向に向かっているのだ、そういう立場からは、今日までいろいろな政策面においてもそういう点が非常に不十分であったけれども、税制面においても、やっぱり文化、福祉の増進という角度からこの入場税というものを根本的にひとつ考え直すべき時期に来たのではないか、こういう立場で大臣の所信をまず承りたいわけですけれども、人間性豊かな福祉国家をつくるというようなことでは、文化というものに非常に価値を与え、そういう政策を優先させるという方向がいまこそ新しく思い切った形でとられていかなければならぬだろうと思うのです。そういう角度からは、もう個別の、こういうものには課してはいけない、ああいうものには課してはいけないというような形での議論でなくて、入場税を文化的な立場において廃止していく方向、こういうようなものが要請されている今日の時代だ、こういうように考えるわけなんですが、そういう方向をとることが正しいと思うか、あるいは文化国家、福祉国家というような方向下における入場税の位置づけというようなものについて、まず大臣のその点についての所信を、総括的に基本的な立場を伺いたいと思うわけであります。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 私も、文化国家、福祉国家ということが大切な考え方であるということは御同感でありますが、同時に、日本の税制というものを考えた場合に、個別消費税と申しますか、個別消費税体系というものが一つの税の体系の根幹である、その観点から申しますと、入場税を廃止するということは私は賛成いたしかねるわけでございまして、入場税をやめるということは、同種のサービスに対する課税であるところの通行税とか、あるいは、地方税でございますけれども娯楽施設利用税とかあるいは料飲税といったような消費税との間にバランスをとりながら、一つの個別消費税体系として大切な税体系ではないだろうかと思います。したがって、文化国家福祉国家というものを頭に置きながら、その体系の中で味つけをしていくことで政策を遂行していくことが、とるべき妥当な道ではないか、こういうように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大臣の基本的なお考えを伺ったわけですが、個別消費税体系の中で、他の物品税やあるいは娯楽施設利用税や遊興飲食税とか、そういうものの対比の中で考えていかなければならぬということでありますが、今日産業優遇税制、あるいは大企業優遇税制と言ってもいいわけでありますが、そういうものについては、非常に熱心に税の特別な優遇措置というようなものを考えてきた。しかし、そういう文化国家への転換、福祉国家への転換というような形で、公害の問題で租税特別措置を充実させるとかいうような点や、あるいは老人福祉の問題で年金の控除額を新たに設定したとか、一応そういう面ではあらわれてきておりますが、文化的な角度といいますか、文化というのは、要するに人間の心の問題だと思うのですね、そういうものについては税制面はほとんど機能していないといいますか、機能させようとも思わないというようなところがあったのでは片手落ちであり、文化国家という方向は正しいとはいいながらも、それはことばだけのあだ花に終わるのではなかろうか、こういうように考えるわけです。  今度の入場税の改正の中でも、芸術祭とか、あるいは移動芸術祭とか、巡回公演を含んで、そういうものを非課税にしていこうというような点では幾らかありますけれども、これは国が主催者である。大体文化というものは、国とか権力とかいうものの中からはほんとうの文化というものは生まれないわけです。語源的には、カルチュアというのは、クルツール、カルチベートと語源を一にするというようなこともいわれるわけでありますけれども、実質的には、耕して何かをつくり出す、そういうものが文化の本質である。人間の一番基本の心の問題、心のかまえ方の問題、こういうようなところが文化だとするならば、この程度のことを国がやって——国がやるのはこうだ、あるいは国が伝統芸術だと指定した歌舞伎の特定の出しものについてだけ免税措置をとろうというようなそういう程度では、これはむしろ文化の本質からいえば逆行というようなこともいえるわけであります。そういう点で、しかも財源の問題といたしましても、今度の減税の六十億を差し引きますと、昨年の百四十六億から見て、ことしは八十六億というような非常な小さい比重しか占めない。こういうものに対して、これを廃止をしていくというような方向、ただし私どもは、今日国民のギャンブル、今日の経済の全体がギャンブル経済化しているということ、十大商社、六大商社等のあの投機行為、こういうものがいかにもばくち経済的な大きな問題点になっているということからも、そういうギャンブル的な競輪、競馬あるいは競艇というようなものへのいざないというようなものを一そう促進しようなんということは夢さらありませんし、そういうものについてはむしろ廃止の方向に進めるという立場を基本的にはとっておるわけであります。こういうものに対しては、ある程度抑制的な、あるいは禁止的な税制を利用するというようなことは残していいと思いますけれども、そういうものこそが——ほかの個別物品税の場合でもあとで議論をしますけれども、奢侈品だとか、一般大衆の消費レベルからは上回った、特定の人だけが便益を得ておるというようなものを取り出して物品税をかけるというようなことと見合うものである。全般的な国民が心の潤いを得よう、ゆとりを持とうという形で求める文化的な入場行為というようなものに対して、これをいつまでも課税対象にしていくというようなことは、文化国家としてはいささか恥ずかしいことではないかというように考えるわけであります。その点でもう一度ひとつ将来の方向というものを明白にしていただきたいと思うのです。すでにアメリカでも一九六六年にこれを廃止をした。イギリスは付加価値税移行との関係もあるようでありますが、しかし、イギリスは娯楽税という形を一九六 ○年に廃止をしておる。今度は付加価値税ということになりますと、これが付加価値税の対象にはなるというようなことも聞いておりますけれども、そういうようにすでに英米等においてこういう課税を廃止したというようなことは、文化というものを重視をする、そして国民の情操といいますか、文化といいますか、そういう心のゆとりというようなものを生活の局面で大事にしていくというような思想が、廃止した原動力だと思うのですが、英米等が廃止したその理由というようなものはどういうところにあるのか。私どもと同じ理論であったろうと実は思うわけでありますが、大臣と主税局長と両方から御答弁を願いたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 いまのお話につきましては、先ほど申しましたように、文化国家、福祉国家というようなものが非常に大きな国家目的であるということは、私も全然同感でございますが、同時に、税体系として入場税を全廃ということには賛成いたしかねる。なぜならば、個別消費税体系と申しますか、そういう点から考えて、現に行なわれている日本の税制の中で、同種のサービスに対する課税というものが中央、地方を通じて一般に行なわれている、そういう点から考えましても、これをにわかに廃止するということには賛成できませんので、その考え方の中ではございますけれども、今回の税率の改正等につきましても、文化あるいは演劇というようなものが大切であるということに立脚して、できるだけの配慮を、先ほど私申しました味つけはしておるつもりでございます。その他の面においても、一々詳しく申し上げるまでもなく御承知のとおりでございますが、相当の配慮はしておるつもりでございます。  それから、これは税制の面ではなくて、国としては歳出の面でも、文化、演劇その他の面については、歴年、年を追うごとに積極的な助成策を講じておりますことも、御承知のとおりでございます。  それから英米の問題でございますけれども、これはやはり根本は租税体系の問題に触れているのではないかと思います。もちろん、入場税の問題については、現にアメリカにおいても州税としては入場税が依然として残っております。それからイギリスの場合などは、やはり付加価値税体系に切りかえるということについて、入場税の廃止についてはいろいろ段階を置いてやったようでございますが、最初は芝居関係というか、演劇関係のもの、そして最後に映画の入場税をやめた経緯があるわけですが、しかし同時に、それを補うものとして付加価値税が一律一〇%賦課されることになったように承知いたしておりますが、こういったように、税制体系の問題としてその中で入場税の廃止ということについていろいろの位置づけが行なわれたように聞いておるわけでありますから、もし日本におきましてもそういう方向がいいということであるならば、付加価値税というもの——私はいま付加価値税をすぐ実行したいというわけでは決してございませんけれども、そういう体系が考えられるような場合には、いまの個別消費税体系というものがその中で吸収されて解決されることになるわけでありましょう。しかし、現行のような租税体系の中においては、やはりいまくどいように申し上げておりますような考え方で進むべきではないかと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 どうも議論が根本のところでかみ合わないわけなんですが、私は別に付加価値税創設の段階に入れというようなことも言っておりません。  そこで、入場税というものがやはり文化問題に触れるものだということで、ほんとうに文化ということはどういうような定義があるのか、学者でありませんからわかりませんけれども、ともかく心の問題である、心のゆとりというようなものを求めて、美にあこがれる、美を求める、芸術を求めるということ、そういうものに対しても、私どもも大正初期の生まれでありますから、戦時経済下、それから総動員法体制の中で青春時代を送っておりますから、遊びというようなこと、心のゆとりというようなこと、美に対するあこがれというようなものに対しては、われわれ自身非常に鈍感であったと実は思っておるのですが、しかし、そういうようなものこそ、これから人間らしいしあわせな暮らしと豊かな暮らし、しかもそれは物質的な豊かさだけでなくて、精神的な豊かさというようなものに対しては、やはり美に対するあこがれ、そういうものを大事にしていく、そういうようなものの効用というものにしっかり価値を置いていく、評価をしていく、そういうものこそが、新しい世の中の発展というものなのだ。まさに人はパンのみにて生くるものにあらずという、そういうものに転換をしなければ、現行の個別物品税体系、消費税体系というようなものの中ではやはりこういうものも必要だというだけではいけない。そういうものから超越をして、そういうものを大事にしていく、心の問題を大事にしていく、文化を大事にしていく、そういうものが政策的にも打ち出されていかなければいけないだろう。  そういう面では、この入場税というものがそういう方向を非常にはばんでいるではないか。だから、財源としても八十六億程度に落ち込んできたところでありますから、この辺のところでもう思い切って、ギャンブルくらいを除いて、ほかの消費税体系の中でギャンブル程度のものは肩を並べて同列に評価してそのバランスというのを考えてよろしいであろう。そういう積極的な配慮というもの、この入場税について大部分のものを落としていく、廃止していくという形にすることが、政府の新しい方向を指向する、転換の基本的立場というものが具体化していくことになるのではないか、そこを言っておるわけでありまして、これからの政策の中でどう文化を位置づけ、評価し、そして心豊かな、芸術を愛する、そういう芸術にあこがれ、美を愛するというようなものへの国民の心情といいますか、そういうようなものを育てていく税制というようなものがあまりにも日本では少な過ぎたのではないか、そういう立場からは、もう少しこの私どもの主張に対して理解を示してしかるべきではないのかということを言っておるわけであります。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 根本的に食い違いがあるというお話でしたけれども、私は根本的に食い違いはないと思うのです。というのは、この入場税につきましても、文化的な潤いというものを味をつけて実行していく、そして税率の改正についても、あるいは非課税についても、先ほど申しましたように、一々こまかくは申し上げませんけれども、最近の傾向から申し上げましても、たとえば展覧会は、三十七年の改正のときに非課税にいたしておりますし、それから今回のこの演劇、音楽等については、入場料金が二千円以下のものの税率を五%に引き下げる、あるいは国立劇場その他について御承知のとおりこういうところに文化的な潤いということを胸に置いた考え方を展開しているわけでございますから、要するに、一つは、もっとこうした潤いを幅を広くしろという御説、これは結局幅の問題だと思います。  それからもう一つは、結局、そうなりますと、入場税というものはやめたほうがいいというお考えになるのではないか、こういうことになりますと、これにかわる、要するに、個別消費税体系のほかのものをやはり間接税体系としては考えなければならない。そうすると、付加価値税というような問題がそこに一つの選択として考えられるということになってくる。考えようによっては非常に広くなってまいります。その第二段のところになってまいりますと、これはあとは基本的な意見の食い違いということになるかもしれないと思います。  要するに、最近の傾向、対象、税率、免税点あるいは非課税措置というものをずっと過去の傾向をごらんいただきますと、文化的な配慮というものが相当加えられてきていると思います。  それから、昨日も御論議がございましたが、たとえば地方で地方的な演劇、文化の催しというものをどう扱うか。これは要するに、客観的なよるべき基準といったようなものが権威者の間なり何なりで一つ設定できれば、国の催しに準じて取り扱ってよろしいというところまで私も言い切っておるようなわけでございまして、そういうような点のくふうは今後とも続けてまいりたい、こう考えておるわけであります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大臣、味つけと申しますけれども、味つけにもいろいろあるし、これが苦い味つけであったり、えらい塩辛過ぎたり、あるいは毒までは入っていないけれども、今度の場合でも大臣の言われる味つけに相当するのは、国が企画して行なう一定の催しもの、具体的には、政令において、芸術祭の主催公演及び移動芸術祭、こういうものなどは非課税にされたということなんですが、やはりどうも国が特定のものを企画し、主催をし、そして特定の出しものというようなことで指定をしてこれを庶民大衆に与えるというようなことは、これはやはり非常に文化的ではない。味つけも少し辛くて、苦くて、ちょっと大衆がすなおにとけ込めないものになるので、押しつけがあっては、やはり文化の面ではいけない。人間の気持ちを解放するもの、権威から解放するもの、やはりそういうものでなければいかぬだろうと思うわけなんです。  そこで、この点を論争しておったらこれは切りがありませんから、この論争はまたあとに譲りたいと思います。  ところで、私どもは、競輪、競馬、競艇というようないわゆるギャンブル的なものについては、特別な提案を実は持っているわけなんです。これはもう前にこの委員会で堀委員からも党を代表してそういう提案もなされたわけでありますが、たとえば、入場料というものが課税標準になっておるわけですが、これはまあ公営のギャンブル等がいま花盛りで、入場者についても、映画演劇等が横ばいあるいは減っているというような中で、どんどん激増をしている分野であります。しかし、課税標準になる入場料というものは非常に安い。三十円とか五十円とかいうことであります。だから、それを課税標準にしていたのでは、これはどうもおもしろくない。したがって入場行為そのものについて一定の金額を税金として課する、そういう課税標準を入場行為そのものに置いて、三百円くらいの負担を求めるというような形で徴収をする。そういうところに行く人たちは、一獲千金をやはり夢見て行くのですね。たとえば歌舞伎を見に行きます、あるいは音楽祭に行きますというようなときには、やはり心を美しくしたい、その美しい音色にしばしわれを忘れて人間の基本に戻るというようなことなんですけれども、一方では、一獲千金を夢見て、目の色を血ばしらせて行くのですから、そしてある程度の金を持っていくわけですから、そういう人たちからはある程度、かなりの額の税というものはいただいてもいいだろう、そして、それだけではいけないから、そういう人たちも、やはり社会的にわれわれの納めたものが貢献されるんだというようなことで、たとえば身体障害者の福祉というようなこともまだまだ至らないところがたくさんある、こういうようなものに税金を向けていきますよということをやったらどうか。これはスウェーデンあたりでしたか、マッチを買いますと、このマッチに対する税金は老人の福祉、子供たちの福祉に使われますということがマッチ全部に書いてあるのですね。今度わが国ではマッチははずされ、非課税物品になりましたけれども、そういうような形になっているのですよということならば、そういうギャンブルに向かう人たちも、われわれのそういう行為の中からわれわれも社会的な奉仕をしているんだ、そういう気の毒な人たちに対して一定の寄付をしているんだというようなことで、これはやはり心の豊かさというものを、目を血ばしらせて一獲千金に向かっている心の中に、たとえば俗なことばで、すってんてんにすってしまったといっても、そういう心のなぐさめが逆に得られるというような、まさに一挙何得というようなことにもなる。こういうようなことを私どもは提案をしているわけなんですが、こういう問題についてそういう方向をとられるお考えはございませんか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ギャンブル税は私も賛成でございます。私は、将来の税制改正のときにはぜひ取り上げてまいりたいと思います。同時に、ギャンブル税というのは、これは入場税では律し得られない、場外馬券、場外車券というものがございますから、その辺にひとつ十分のくふうをこらして、できるものならば来年度の税制に織り込みたい、私はいま、個人的な見解でございますけれども、そういうことでひとつ税調その他に御相談したいと思っております。同時に、目的税的にこれをつくろうという御提案でございますが、その点・はちょっと私も踏み切りがつきませんけれども、いわゆるギャンブル税というものについては、私としては積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 目的税に関する問題については若干議論も存するところでありますし、本来私ども競輪、競馬というようなものはだんだんなくなっていくような方向というものが正しいのだろうというような見解も持つわけでございますから、目的税を課することによってそれが永久に存続するのだというような、そういうことにも問題があろうと思いますので、その点の問題は別にいたしまして、ギャンブル税というようなものはやはり真剣に考えていい問題であるという指摘をいたしまして、物品税のほうに移ります。  時間があまりありませんので端的に聞きますが、私どもは、物品税は、沿革的なところからいいましても、奢侈品課税、ぜいたくは敵だというようなところから始まった戦時課税であったということからも、この問題についてはやはり物品税、個別物品税体系をとっておる限りにおきましては、奢侈品、あるいは先ほど申し上げたような非常な便益性のある物品、こういうようなものに対してきちっと、今日まで行なわれておったような四〇%というような課税も、ある程度存続してもそういう面ではよろしい。奢侈品、全体的な生活のレベルから見て非常に奢侈的な、ぜいたくなもので、特別な高い所得のある人でなければ買えないというようなものについては、やはり税の公平の原則からいいましても、そういうものに対してはそうやたらに——所得が平準化したというような一般的、抽象的概念でやるというようなことでなしに、そういうものはそういうものとしてかなり重い税金を課しても、その人たちにとっては痛くもかゆくもないということでありますから、そういう方向であっていいだろう。しかしながら、消費の平準化ということが同時にある程度進んでおるというような、大衆消費財に入っておるというようなことから生活必需品化しているものについては、いきさつや何かにとらわれないで、あるいはまた、いろいろな関係というようなものにそれほどとらわれないでどんどん落としていく、そういうものは大胆に落としていく、こういう基本的方向というものをこの際はっきりさして、物品税、個別物品税の体系は体系としてあるべき姿に、絶えず見直しをしながら相互のバランスというものを、そして公平感というものがこの中にちゃんと出ているのだ、こういう形にしていくべきだと思うのですが、そういうことについてはいかがお考えでしょう。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 物品税については、奢侈品とか、便益品というのですか、長らく物品税については使われていることばのようでございますが、そういうものに対して課税するたてまえでずっときたわけですけれども、だんだん生活が多様化し、何が奢侈品で何が便益品であるか、限界が非常にむずかしくなってきたように思います。しかし、やはり気持ちとしてはそういう点を頭に置いて、絶対的な生活必需品というものは抜いて考えていくべきであると思います。  それから将来はどうするかということにもお触れになったわけでございますが、将来の傾向としては、これは一般的に消費税的な考え方をだんだん強くしていったほうがいいんじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。今回の場合も、税率の区分などについては簡素化する方向に向かって改正を企てたわけでございますけれども、将来の方向としては、均一化といいますか、単純化する方向にいくべきである。それから物品の選択というものについては、バランスを考えながら、選択の上から、はずすものももちろん考えるけれども、加えるものも考えるという考え方で将来はやるべきではなかろうか、私はこんなように考えます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 非常に気になる、将来的な展望では。均一化というような方向というものは、これはまあ当然付加価値税の施行につながるという角度から、この点については十分慎重でなければならぬということを特に申し上げておきますが、基本的には、やはりつけ加えるもの、あるいは落とすものというようなことは、奢侈的なもの、それから一般的な生活水準というレベルの問題から、非常に便益であるというようなものは次々に取り入れていく。しかしながら、一般のたとえば電気掃除機であるとか、あるいは洗たく機であるとか、あるいは扇風機だとか、あるいは石油ストーブだとかいうのは、ほとんど大衆の生活必需物資になっている。たとえば石油ストーブなんというのは、これはもういまや炭、まきの時代ではない。もう森林資源も、炭を焼く人もなければ、まきを燃やす人もなくなってきている。公害問題もやかましい。そういう中で、石油ストーブというのはもはや暖をとるためには全く庶民大衆のものですね。こういうものになっている。そしてもうほとんど全家庭に行き渡っている。しかも、それなしには暖をとれないというようなところまできている。そういうものなどはもはや大胆に——大体電気洗たく機のごときは九五%、あるいは電気掃除機なんかについても九〇%近い、あるいは九〇%をこえたかもしれませんが、そういう状態になっている。さらにまた、扇風機というようなものなども、暑い時期にルームクーラーという便益品も入れられない人たちにとっては、これくらいはまあ、うちわでいきなさいということではなしに、扇風機なんというものももはやこれはまさに生活必需物資になり切っている。こういうようなものはやはり非課税物品に加えていくべきだ。その点についても皆さんの見解を承りたいのです。  それと同時に、今度はその裏返しの問題として、先日から論議をされております高級衣料、一着分何十万あるいは百万に近い値段のするような高級織物、そういうようなものが非課税になっている。あるいはキリだんすが非課税になる。あるいはウルシ塗りの仏壇、これが宗教用具だということで、百万しても二百万しても、それがウルシ製品であるというようなことも含めて、しかもそれが中小企業の職人等がつくっているのだからというような、中小企業対策というようなことも理由にはなっている経過もあるわけですけれども、しかし、そういうようなものなどについては、これはやはり新しい課税物品——二十万程度でかなりりっぱな御仏壇なんかも買えるわけです。百万のものもあるし、百五十万のものもある。切りのない状態にある。それから総ギリのものなんかについても、昨日も村山委員が質問いたしましたように、輸入の外材品を原料にしたものが四十万、三十八万というようなもの、総ギリというようなキリのたんすが——三方ギリとか四方ギリとか総ギリとか、いろいろ言いますけれども、そういうものは五十万以上もする。そういうものに対しては当然これは新しく課税物品に、これは一たん経過はあったけれども、加えていくというようなことがなければならぬと思うのです。そういう方向をとる考えがあるかどうかということ。  それから、これは主税局長に伺いたいのですが、そういう高級織物、それからたんす、仏具等を、どれくらいの事業所でどういう規模でつくっておるのか、そしてその形態はほんとうに手づくりで一人の職人さんがやっているというような形態なのか、その辺のところがはっきりするような業者の数だとか、その形態が法人組織であるか、個人で零細なものであるか、個人の場合でもたくさんの人間を使ってやっているというようなものなのか、その辺のところをひとつ資料としてはっきりさしてもらいたい。わかっている限りにおいて答えてもらいたいが、その辺のところをびしっとひとつやってもらわないと、これはもういろいろな実情、沿革がありましてという説明だけでは納得を得られない段階にきていると思うのです。その辺のところをびしっと数字でお示しをいただき、もしここで答弁ができなければ、あとでそういうものについてしっかりした資料をひとつ出していただきたい、こういうように思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 私へのお尋ねの部分でございますが、非課税物品でございますから、税のほうでは現在のところは正確な資料は持っておりません。お求めに応じまして関係官庁等になお照会してみますが、私どもとしては持っておりません。  ただ、高級織物につきましては、これはむしろ問題は、糸の段階とか、染めの段階とか、織りの段階とか、いろいろあるわけでございまして、高級織物の非課税が過去においてうまくいかなかったからというような事情は、主としてどの段階でどういうふうにとらえられるかというところでひっかかったわけでございます。そのことでおわかりいただけますように、非常に零細な、場合によりましたら農家の副業である場合もございますし、いろいろ零細な形で積み上がってきておりますので、それをどの段階でとらえるかということが非常にむずかしいわけでございます。  それから仏具につきましては、これは過去においても課税の実績がございませんので、過去における統計等も非常にとらえがたいと思います。これはむしろ宗教的なものについては課税しないという思想から出ておるわけでございまして、そういう意味で課税になってないわけです。これも非常に零細なものだとは思われますが、この仏具については全く課税の実績がない、過去においてもないというところから、十分資料ができますかどうか、よく研究はいたしてみたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 たとえば高級織物なら高級織物をどういうところでどういう形態でつくっているのか、事業場の数は一体幾つあるのか、こういうようなことをこれは調べてみなければいけないと思うのですよ。そうでないと、いつも議論がから回りして、問題は指摘するけれども、一向に皆さんのほうも——その点がどうなっているのか、ほんとうに零細な、いわゆる伝統的な無形文化財に指定されるような、人間国宝に指定されるような人たちがやっている、そしてその人が手づくりでやっているのだ、こういうようなものだから、それに対してはなかなか転嫁もむずかしいからというようなことを理解される場合もあるかもしれないが、何十万とかあるいは百万に近いような織物をつくっているということがどういう形態で行なわれているか、これはもう転嫁も十分できるのだ、何十万とか百万とかいうようなところに対しては転嫁も容易である、ほんとうに安いものだったらなかなか転嫁もできない、自分で税金をしょい込んでしまうということにもなるかもしれませんけれども、その辺のところを判断するためにも、そういう資料というものをひとつはっきりさしていただきたい。このことができますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 高級織物、それからキリのたんすの問題については、まあ御承知のように、いまも御指摘ございましたが、沿革的に非常に零細な特殊の職人の手にかかるものであって、また伝統としてこういう芸術的なものは尊重していきたいという二つの観点から考えてまいってきておるわけでございまして、現実にどういうふうな状況になっているかということにつきましては、できるだけ御趣旨に沿うように調べてお答えをすることにいたしたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 誠意をもってひとつやっていただきたいと思うのです。  それから、時間がありませんので、もう一つだけ伺いますが、先ほども文化論議をいたしましたが、物品税の中でも、今度、尺八が非課税ということに初めてなりました。尺八、琴、三味線あるいは琵琶というようなものは、これはもう日本の伝統的な音楽を象徴するものなのですね。しかも三味線なんというのは、最近非常に民謡ブームということで、民謡にはつきものである。こういうようなもので、しかも三味線、琴、笙というような日本の伝統楽器、こういうものなんかについては、これはやはり日本の伝統音楽を助成するというような見地からも、こういう伝統音楽の管弦楽器——管楽器の代表的な尺八は落ちましたが、弦楽器の三味線なんかも、なるほど免税点の一万円か一万一千円くらいのところでつくられておりますけれども、日本の伝統のそういうものを保護するといいますか、そういう新しい見地から、こういうものについての非課税扱いというようなことについても十分ひとつ考えていただきたいと思うのですが、大臣、いかがでございましょう。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 御趣旨はよくわかります。将来の問題として検討いたしたいと思いますけれども、率直に申しますと、使う人や使う場所その他のことも十分社会的な感覚で配慮をしなければならないというようなところに、微妙な配慮がございましたことを御理解をいただきたいと思います。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時四十三分休憩      ————◇—————     午後四時二十八分開議

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。広沢直樹君。

広沢直樹公明党

○広沢委員 きのう物品税について質問申し上げたのですが、ちょっと時間の関係で最終的なお話し合いができておりませんでしたので、一、二点また伺ってみたいと思います。  まず、大蔵大臣、きょう物価の閣僚協議会で、物価に対して一応責任体制を確立していわゆる総合的な物価対策を決定した、こういうことが報じられているわけでありますけれども、総合的な物価対策も必要だと思うのですが、きのうも質問の中で申し上げたとおり、やはり個々的にきめこまかい対策、施策を推進していかなければならないと思うのです。そこで、物品税の改正によりまして、免税点の引き上げとまた税率の引き下げによって、きのうは通産省に対して具体的に効果を直接消費者に与えられるようにということで申し上げたわけでありますが、やはりこういう主管庁としてこれは行政の責任においてやっていこうということをけさ申し合わせができたようでありますが、それに対して、これは要望も含めて、いわゆる今回の物品税の税率の引き下げと免税点の引き上げが直接消費者に結びつくような具体的な施策というものを強力にとっていただきたい。それについての大蔵大臣の決意と各省との連絡関係はどうなっているか、これをまず伺っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 今朝、物価対策閣僚協議会をいたしまして、その中で、数項目のことをきめました。その中には、予算の弾力的な運営とか、金融の引き締め問題というような、すでに決定いたしましたものも中に入っておりますけれども、同時に、たとえば変動為替相場制によるところの輸入物資が、価格が下がるようにするということや、そのほかいろいろの施策によって物価が下がるはずなことが、いろいろの流通機構その他の対策がよくなかったために、将来まともな成果があがらなかったことなどを反省をして、十分手回しをして、その結果フォローアップをしながら各省庁の横の連絡をよくしていきましょうという申し合わせをいたしました。したがいまして、物品税関係につきましても、昨日、通産省から通達も出ていることが説明されたわけでございますが、今後もこの物資別の対策ということになりますと、大蔵省だけではとうていフォローアップできませんですから、ひとつ通産省その他の協力を得て、これが物価の引き下げに結びつくように、この上とも情報連絡を密にいたしまして、またその結果を持ち寄りまして、足らざるところは補っていこう、こういうことにいたしてまいりたい、かように考えております。

広沢直樹公明党

○広沢委員 それでは入場税の一部改正に入りたいと思います。  この入場税につきましては、三十七年の四月以降、映画、演劇など一律に一〇%、こういうふうに税率はなっておりますが、今回映画については百円から千円までが五%、千円以上が一〇%、演劇あるいは演芸、音楽、スポーツ等、これは百円から二千円が五%、二千円以上が一〇%、こういう二段階になっているわけです。これは、これまでの経緯から見ますと、この三十七年の四月一日の改正によって一律に一〇%としてきた理由、それまでは非常に段階が分かれておったのですね。その別かれておったものを一律にしたのは、金額の大小によって税率をきめるということは税務執行上も繁雑であるし、その効果もあまりあらわれていない、あるいは純芸術的なものについて軽減云々というような問題についても、税務当局として、どれが芸術であるかということを判定するのはなかなかむずかしいし、かりにそれがほかの要件から考え出したとしても、実質的に税務当局で一つ一つこれをチェックするのはなかなかむずかしいんじゃないか、そういうような観点もあるし、また消費税は大体小売り段階で一〇%程度になるから、バランスをとるためそれに合わした、こういったもろもろの理由によって、いわゆる三十七年以降一律になっているわけです。それを今回また二段階にしたという問題ですが、これはどういう理由によるのか、簡単にひとつ説明していただきたい。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 今日までの過程におきましては、御指摘のように、いろいろな税率構造になっておりまして、それを簡素にするということで一〇%一律ということになったわけでございますが、今回の場合は、内容的に税率区分を設けるということはいたしておりませんので、もっぱら金額で切るということにいたしたわけでございます。これによりましても、ほとんどの入場者については、低いほうの税率が適用になるわけでございまして、高いほうの税率が適用になるのは、いわば特等席といいますか、一等席といいますか、そういうものであるとか、いろいろレスリングや拳闘におけるリングサイドというようなものについてだけは高い税率が適用になるであろうという前提でございます。  なぜ高い税率を残したかということでございますが、これはかなり入場料金の大きいものもございますので、そういうものについてまでこの際五%というような低い税率にするのはいかがかということで残したわけでございまして、従来の税率区分とはその意味でだいぶ趣が違うということで御理解をいただきたいと思います。

広沢直樹公明党

○広沢委員 それは税率を五%にするか一〇%にするかということでありますが、一〇%一律を基準として今回五%に金額の小さいものを分けた、この意味がわからぬわけじゃないのですけれども、しかしやはりそういうふうな配慮をするのであれば、いままでの経緯から考えてみて、少なくとも入場税については前々から議論がありますとおり、これは文化の発展という意味合いから考えてみても、もう入場税は、一部ギャンブル的なものを除いて、これは廃止しろという意見が非常に高まってきているわけでありますから、その際、こういうふうなこまかな段階を設けるよりも、どうしてもこうしなければならぬというのであれば、もうそれ以下は入場税をかけないというふうにして、いま言う一部高級なものにつきましては、これはまあいままでの一〇%がいいか五%がいいか、ここでははっきりいたしませんが、一応税率を残すというような、これも段階的に考えられぬことはないのですね。いままでは一律にしましょうということで、いろいろな議論の末、これを一本化して今日まで約十年近くやってきて、それからまたいま言うような状況で段階に分けるというのは、どうもやり方が納得ができないわけです。  もちろん全部撤廃という一つの前提に立っておりますから、その中でのいま言う一つの議論になりますけれども、いま言うようなことを、これはもう少し二段階にしていった理由について明確にしていただきたいと思いますし、それと同時に、いま言う千円以下あるいは二千円以下という映画と演劇の分についての税率のところはやめるべきじゃないだろうか、こう思うのですが、いかがですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 やはり一番基本になりますと、入場税というものをどういうふうに位置づけるか、評価をするかという問題になると思います。政府といたしましては、入場税というものの性格というものが、要するに間接税体系の中の一つの位置づけをいたし、これを将来とも考えてまいりたいという、こういう基本的な体制に立って、そうして現実に対してみますと、ただいま局長が申しましたように、このごろは入場料から申しましてもほんとうにべらぼうに高いものもございます。そういうものに対しましては、感覚的にも相当高い税率でいいんじゃないだろうか、こういう角度であえて二つの税率ということにいたしましたわけでございます。  それから、やはりこれは基本の問題にかかわるわけですけれども、それならば免税点をもっとうんと高く上げたらいいではないか、こういう御議論になると思いますけれども、たとえばこれを五百円ということにいたしますと、映画館の入場料が税引きだと大体三百四、五十円というところではないかと思います。そういうことになりますと、これは撤廃したと同じことになる。そこでわれわれとしては、撤廃はしたくないというところで、税率が残るわけでございます。その辺のところは結局、基本的な税務行政というものの位置づけや評価にかかってくるのじゃないか、こういうふうに思います。

広沢直樹公明党

○広沢委員 それでけさの質問の中でも、いまもおっしゃいましたとおり、やはりサービス課税的なものはこの体系は残していきたい、こういうお話なんですけれども、そこで、その中でも当然サービス課税——ギャンブル的なものはこれは残してもいいんじゃないかと私は思っているわけでして、むしろそれは、ギャンブル課税というものをいま盛んに検討されている段階でもありますし、はたしてこういうものに対して免税点を、三十円ですか、そういうふうに設ける必要はないんじゃないか。そういったものについてはもうそのまま課税するということで、免税措置なんていうものは講じなくてもいいんじゃないか、むしろそう思っているわけです。  しかしながら、一応問題になっておりますのは、この改正の中にも、国が企画して行なう一定の催しものについては今度は非課税になっております。同じような、民間がやっても、これは先ほども議論がありましたけれども、民間がそういう催しを、音楽祭をやろうとあるいは芸術祭をやろうと、いろいろここに出ております問題をやっていきましょうとも、これは同じような意味での文化の発展、文化国家と言うにふさわしい問題としてやっていくわけでありますから、特異な営利目的というものがあるならいざ知らず、それ以外については、当然これは一応課税しないという考え方に立っていかなければならないと思うわけでありますけれども、その点いかがですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これは文化を尊重するという点からいって、いいくふうがございましたら、前向きに考えていいと思います。ですから、国の催しと申しますか、そういうものをはずして考えるくらいなら地方的なものもというお話ですが、何か一定の基準といいますか、こういうものは非常に尊重すべきものであるということが認定されるようなものさしができれば、私はそれでいいのじゃないか、こう思います。  それからもう一つは、現在の制度でいえば、学生がたとえばダンスパーティーをやる、そして切符を売って相当にぎやかにやるというような場合は、御案内のように、入場税の対象になっておるわけでございますから、こういう点をやはりいろいろとバランスの上でも考えていくべき性格ではないだろうか、こういうふうに思います。

広沢直樹公明党

○広沢委員 いろいろな統計から見ましても、映画と違って、なまものについてはこれから相当ふえる傾向にありまして、非常にいい傾向だと思うのです。健全なそういった催しものについては、いま大臣も申されたとおり、何らかの基準が示されれば一応課税しないという方向でもよろしいというお話でございましたので、何らかの基準というのは、非常に問題がありましょうけれども、それではどこで純芸術的なものだとか、問題を引くかということは問題があろうかと思います。しかし、文化庁もあることでありますから、一応国家が企画して行なう一定の催しものについては、国の芸術、文化行政の一環として行なわれるものだから、これは非課税にするということですから、その点は、民間が積極的にやっていっても基準として見きわめることができると思うのです。国の一つのなにを基準にして考えていけば、私は不可能じゃないと思うのです。そういう観点に立って、少しこれは今後は鋭意検討していただいて、いわゆる営利目的じゃないということが判明するものについては非課税にするという、前向きに今後取り組んでいっていただきたい、こう思います。よろしいでしょうか、その点。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これは、先ほど例を申し上げましたけれども、営利ということを目的にするかどうかということだけじゃなくて、文化的なものであるかどうかということが対象として考えられるべきものである。そういう意味において、いまお話しのような点は、今後におきましても、十分私どもも勉強さしていただきたいと思います。

広沢直樹公明党

○広沢委員 そこで、少し先ほどの話とダブりますけれども、免税点の引き上げの問題ですね。これについては、一応ギャンブルは除いて一律にこれまた百円になっています。百円になっておりますけれども、やはりこれは基本的に全部入場税を撤廃ということになれば、この免税点の問題もひとりでに解決するわけでありますけれども、いま大臣お話しのように、サービス課税というものを一応考えておられるし、あるいはいま前向きなお話がありましたけれども、それについても、これはきまってない以上は、この免税点の問題が、皆さんおっしゃるように、やはり私も問題じゃないかと思うのです。  そこで、これは実勢に合わせて、入場料金の最近の状況というのは、いただいておる資料にも出ておりますから事こまかにわかります。ですから、これは当然引き上げていくという方向で御検討なさるかどうか。これはきめられてからちょうど五、六年ですか、たっていますね。ですから、当然その点は引き上げるという方向で次は検討されるかどうか伺っておきたいのです。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 免税点のほうは、これは一昨年の改正できめられてあるもので、今回も手をつけなかったわけでございます。そして、これは次元の低いことを申すようで恐縮なんでありますけれども、この免税点というのは、たとえば仮説のというか、非常に簡素なやり方でやっているようなものをはずすということで、そこまで徴税の対象にするということは技術的にもなかなかむずかしいというようなことが、むしろ免税点をきめた理由でございまして、今回の場合も、免税点の引き上げということは先ほど申し上げましたが、五百円にでもすれば、対象が映画などではほとんどなくなる。やはりこれは税率の引き下げで今回は対処すべきものである、こういうふうに考えたわけでございます。

広沢直樹公明党

○広沢委員 それではあと一問で終わりにしますが、一応これは全体としては、今後も入場税の撤廃ないしは減免ですね、こういうことについては各層異論がないところであろうと思うのです。今後これが終わりましたら附帯決議にでもしようかということになっておりますけれども、いまこの入場税は昨年あるいはことしの見込みについても、減免措置で非常に下がってきておるわけですね。毎年毎年これを一つ一つ検討して下げていくといったって、全体の国の収入に占める割合というものは非常に微々たるものに年々なっていこうと思うのです。さらに、もう少し具体的に先ほど申し上げたところを検討していきますと、これは当然財源的な感覚からいけば、もう全然一つの財源としてとらえる意味がなくなってくると思うのです。そういう意味から考えていくと、やっぱり撤廃してもいいんじゃないか。これは私は意見として申し上げておきますが、最後に、そういった将来の方向を伺って終わりにしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 率直に申し上げますと、これは税額の問題もさることながら、個別消費税体系ということ、他の、先ほども申し上げましたが、たとえば通行税だとかあるいは料飲税であるとか、そういうようなものとあわせて個別消費税体系というものができておりますので、それらとの体系の関係から申しましても、やはり私は入場税というものは残していただきたい、これが基本でございますものですから、いろいろ御論議いただいて食い違いが出てくるのは、結局基本的な考え方の問題じゃないかと思います。  ですから、午前中に外国の例なども申し上げましたけれども、間接税体系というものが発想が変わって、これは私決していまいいと言っておるわけじゃございませんけれども、たとえば付加価値税体系というようなものにでも変わるということになれば、また考え方が変わってくるかもしれませんが、とにかくサービスや個別の物品に対する課税が一つの消費税の体系、間接税の中の体系として組み立てられている、このワク組みというものが私どもは大切だと思いますし、それはやはり別の観点からやめるべきだという御論議がありますと、われわれとしては、それには賛成いたしかねる、こういうことになるわけでございます。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 次に、増本一彦君。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 増本でございます。  現在、物価が非常に上がりまして、そしてこの物価をどうしても抑制しなければならないというのは国民全体のいわばコンセンサスであろうと思うのです。特に生活関連物資に占める物品税の割合というのは、これはやはり相当な部分を含んでいると思いますし、この物品税の存在自身が、物価を抑制していくという上でも非常に大きな役割りと意味を持っているのではないかというように思うわけです。私どもは、生活関連物資に対する物品税はむしろ廃止すべきであると思いますし、そういう点で、現時点でも大幅な減免をすべきであるというように考えているのですが、まず、物価対策との関係で、この物品税の問題について大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるか、ひとつ所信を伺わせていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 物品税については、生活の必需品というものの定義がまたここで大いに論議されるわけでございますけれども、便益品と申しますか、そういう限界のところが、意見によっていろいろの限界の引き方があると思いますけれども、要するにぜいたく品といいますか奢侈品と申しますか、そういうものに対するもので本来あるべきものである。しかし国民生活が向上して生活が多様化しておりますから、たとえば十年前には奢侈品であったものがいまはもう生活の必需品であるというようなことになってくると、どうしてもある程度対象がいまの生活環境、観念からいえばおかしいではないかという御議論の出てくるのもごもっともな点も私はあると思いますけれども、そういうものも考えながら税率を引き下げたり免税点を引上げたりいたしまして、物品税体系というものは続けてまいりたい。  それから、物品税が減免になれば、そのメリットはできるだけ多くを消費者に還元したいということで、すでに通産省の御協力もいただいているわけですが、本日の物価対策閣僚協議会等の趣旨とするところもまたそういう点でございますから、当面の物価問題についてはいい影響が出るように、これに対してさらに努力をしてまいりたいと思っております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 今度の物品税の改正にあたっての税制調査会の答申を見ましても、また政府のこの提案理由の説明におきましても、消費の平準化、一般化の傾向に顧みて、実情に即して税率の調整をはかる、こういう趣旨がうたわれているわけでありますが、おっしゃるように生活関連物資あるいは生活必需品として取り入れられている部門にやはりまだ物品税が残存しているということは、これは大臣もお認めいただけると思うのです。たとえば繊維製の調度品の場合にしましても、あるいは毛皮製品の中でも、また電気製品などについても、これはもう国民の生活になくてはならないものになっている。それが今度の改正の理由の一つとしてもあげられてきているゆえんだろうというように思うわけです。それから見ますと、今回の場合にそういう生活関連物資についてはまだまだ私は税率の引き下げが少ない、また免税点についても引き上げ方が非常に少ないというように思うわけですが、今回のこの物品税の改正によって、じゃこの消費の平準化とかあるいは国民にこれらの欲望として持っているこういう生活関連物資の均てんに何ほどの貢献があるのかということになると、その辺のメリットは決して多くはないというように思うわけです。  大臣に一つお伺いしたいのですが、今後こういう生活関連物資についての物価を抑制していくという立場に立って、この物品税の軽減についてはどういう方向とお考えをお持ちでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 まず何がしのメリットがあるかというお尋ねですが、たとえば時計を例にとりましても、時計は絶対の必需品である。今回のこの免税点を適用すると四千七百円、これは小売りの段階にいきますと一万円になる。一万円の時計というものはもう物品税から解放されている。たとえば高校なりあるいは中学卒業の若い人が就職をして腕時計を絶対に必要とする。これはまず小売りで一万円というところならばこういう必需品は免税になる。これは一例でございますけれども、そういう感覚で今回整理をいたしたわけでございます。ですからたとえば電気スタンドの問題もございましょう。たんすの問題もございましょう。あるいは楽器の問題、いろいろございますけれども、大体基本的な感覚としてはそのくらいのところをめどにいたしているわけでございますから、生活の必需品というものにはなるべくかからないように、またかかるとしても税率を安くするという配慮はいたしたつもりでございます。  それから、将来についてどう考えるかということでございますが、私は、将来の傾向としてはやはり一般の消費税というようなものを頭において考えるべきではないだろうか。そういう場合の品目の選択としては横のバランスを考える、また生活程度の向上等考えましてその品目の選択をすべきものである、こういうふうに考える次第でございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 当委員会の調査室からいただきました資料の中に「個人消費支出に占める物品税収の推移」というのがあるのですが、これを見ますと、昭和三十七年から四十八年までの間を見ましても、個人消費支出と物品税収との割合が、昭和三十七年で〇・八五%、今年度、昭和四十八年の見込みが〇・八一%。その間に四十年で〇・七四%とか四十一年に〇・六四%というように下がった時点がありましたけれども、それ以降四十四年で〇・九三%、四十五年〇・九〇%、そして去年は〇・九三%ということになって今年〇・八一%と、若干下がるという傾向を持っているようでありますけれども、しかし大勢から見ると個人消費支出の中での物品税収の割合はそう大きな開きがない。やはり物価の問題の中で考えますと、もっとこういう面での物品税収の割合を引き下げることによって個人の消費支出をさらに伸ばし発展させていくということが、今日言われている財政政策の問題から見ても、内需に積極的に転換していくというような立場からもきわめて重要だというように思うのですが、生活関連物資に対する減免を積極的におやりになっていく、こういう方向でひとつ御検討いただきたいと思うのですが、その点についてくどいようですが、もう一度大臣のはっきりとした御答弁をいただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これは率直に申しますと、私はいま確たる意見を申し上げるところまでまだ進んでおりませんけれども、将来の直接税と間接税というものの配分をどう考えたらいいかという一つの大きな命題があるわけです。間接税ということになりますと、間接税をひとつ頭に置いて考えてまいりますと、いまお示しになった、私もこれは拝見しておりますけれども、昭和三十七年が〇・八五、それから今度が〇・八一、これがあまり下がりますと間接税体系というものに相当なやはり影響があるわけです。それからもう一つは、これはまだこの調査をしさいに私も点検しておりませんので、あるいは間違っているかもしれませんが、ある年度で、たとえば自動車とかあるいは貴金属、貴石などの売れ行きがよかったというような何らかの理由があったような場合には、この比率は自然にふえるわけです。  こういったようなことを勘考いたしまして、年度間の比率というものはいろいろの点から考えてまいらなければならぬだろうと思いますが、私はやはり〇・八幾らというようなところが一応妥当な線ではないかと実は考えております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 将来の直接税、間接税との比率をどうするか、これは直接税、間接税の体系をどのようにしていくかということとの関連でおきめになる問題だ、こういうお話でありますけれども、これからの税体系として大臣は、直間比率を大体どのようにお考えになって、つまり直間比率がどのくらいが一番望ましい体系だと、それを目ざして努力されるかというその方向を、じゃひとつお話をいただけませんでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 この点については、おまえはどのくらいの比率がいいかということは、この国会でもしばしば御質問いただいたのですけれども、現在は、たとえば七、三がいいとか六、四がいいとか、そこまでまだ私もはっきりした考えを持っておりません。ただ最近の傾向としては、直間の比率というのが直に非常に重くなっているということは事実でございます。  ただ同時に、この問題は私もずいぶんいま頭の中ではいろいろの要素を考えているのですけれども、直接税におきましても、たとえば法人の重課ということが私の頭に今後の問題として大きくあるわけです。それから所得税の、特に大衆的な勤労階級の直接税は少なくしていく。それから一方で財政需要というものが年々非常に大きくなる。歳入の構成についても今年度は、よく私申しておりますように、公債の依存度は四十七年度よりもある程度低くはいたしましたけれども、やはり過剰流動性というようなことを考えますと、ある程度の公債財源というものは必要である。これは景気調節という面だけではなくて、やはりこれで財政を通して国民の資源配分を福祉国家建設に向かっての社会資本の充実ということに向ける、これがよい方法であると考えたからこういう手法をとりました。しかし長期的に見て公債財源というものはそうこれに依存すべきものではないと思います。したがってだんだんふえてくる財政需要をまかなっていきますためには、やはり税収入というものが相当大きなウエートにならざるを得ない。そこで法人の重課ということを頭に置きながら、その歳入計画というものを考えていきます場合には、やはりある程度間接税というものを重視していかなければならないのではないだろうか、こういうふうに、抽象的ではございますが、考えております。  そういった場合に物品税といったようなものをどういうふうに位置づけるか。これについては先ほど申しましたように、将来の方向としては一般の消費税的な性格がもっと強くなって、そして税率などは考え方として均一化することが、そういう発想からいえば出てくる結論ではないだろうか。それから物品の選び方については、これは相互のバランスやそれから生活環境の変化に応じて対象となる品目は選択すべきである。その選択の結果、これはいま前提として申し上げたように、まだどういうふうにしたらいいかということの具体策を持っておりませんからなんでございますけれども、場合によって品目が減ることもありましょうし、若干ふえるということもあり得る、こういうふうに考えております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 お話の中でちょっと気になるところがございましたので、さらに深くお伺いしたいのですが、先ほどのほかの委員のお話の中でも再三ことばとして出ましたけれども、付加価値税ですね、いまのお話ですと、消費税的な要素とか体系で、こういうものの中で一つは考えていくということと同時に、税率を一率のものにしてかけやすくして、そしてやっていくということになりますと、現在西ヨーロッパの諸国で採用されている増加価値税とか付加価値税あるいはそういうものへの移行をやはり段階的にしろお考えになっているのではないか。その点ではいま大臣おっしゃった間接税の体系をどうするかという問題との関連では非常に重要な問題だと思いますので、この付加価値税ないし増加価値税への移行まで含めて、いま御答弁いただいた問題をお考えになっていらっしゃるのか、その点をひとつはっきりお答えいただければと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 付加価値税というものを現在頭に描いてこれをぜひ実行したい、こう考えているわけではございません。それから一方において付加価値税というものは従来の経験に徴しても相当広い範囲に反対論が多いということもよく承知しております。そういう中でどういうふうに考えていったらいいかということは検討に値する問題であると思いますけれども、いま付加価値税を前提として私の意見を申し上げたわけではございません。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 それでもこの一定の一率の税率で、そしてその物品に対して税をかけていくということになりますと、これは小売りから消費者に渡る場合にも一定の品目について一率の税率をかけていく、いまの物品税はそういう体系でもあるわけですけれども、これがそれぞれの間接税の比率を、いま大臣がおっしゃったような方向で物品の移動に際して常に一率の税率がかけられていくということになりますと、名前は付加価値税と呼ぼうがあるいはほかの流通税として呼ぼうが、結局実態としてはいま反対運動や反対の世論もある付加価値税と同じような実質的な内容のものになるだろうと思うのです。ことばでどう表現するかは別にしまして、大臣が、直接税、間接税の比率を、望ましいものを考えておられる場合に、この間接税のウエートというものは、やはり内容としてはそういう商品や物品の移動に際して一率の税率がかかっていくというシステムをお考えになっていらっしゃるのでしょうか、その点もう一度。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これは、これからの検討のやり方について私はまだ抽象的にしか考えておりませんけれども、いろいろの点を考えていかなければならないということを率直に申し上げたわけです。いま私は付加価値税というものをよしとして申し上げているわけではございません。結局そこで現実の課題として見れば、今年度についてはもちろんでございますが、私はお互いに慣熟してきたといってもいいのじゃないかと思いますが、物品税のこのやり方、そしてこういった税率の引き下げや免税点の引き上げというものが数年やれませんでしたけれども、この際こういう手直しをしておくということが一番適切な選択である、今年度においてはこういう結論に達したわけでございます。将来のことについては、先ほど申しましたようないろいろな要素があると思います。それらを十分勉強をしてよい案をつくりたい、こう申し上げたわけでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 そうしますと、いままでの大臣のお話を要約いたしますと、将来あるべき間接税の方向としては、一つは消費税体系の中でこの問題は考えていく、もう一つは、一率の税率で、しかも対象品目は選択をして、それにかけて税収効果もあげられるようなものにしていく、大体このいま私が言いましたような点をお考えになっているというように承ってよろしいのでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 大体の方向はそういうことではないかと私は現在思っております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 もう一度お伺いしますが、消費税的な体系の中で考えるということになりますと、小売りから消費者に移るその段階で一率の税率がかかるだけで、製造元から問屋へ、間屋から小売り店、この関係の物品の移動に対しての税ということは問題にはしない、こういうことに考えてよろしいでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 そこまで具体的な構想は私はまだ持っておりません。その辺のところが、やはり現在の物品税というもののよさではなかろうかと思いますから、税制というようなものはできるだけ慣熟されたものを改善していくことがいいのじゃないかと思います。ただ、将来の方向として、たとえば物品税制度というものはどういうふうにいく方向がいいのかというお尋ねに対しては、やはり一般の消費税的な感覚でもって、そして税率等についてはなるべく単純な、簡素化された、できれば単一の税率というものが望ましいのではなかろうか、こういうことを申し上げておるわけでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 いま私がかなり失礼かもしれませんけれども、しつこく申し上げるのは、何かそういう大臣の発想がさらに具体化されていきますと、やはり問題の付加価値税と実質的に同じような役割りを果たすような税制が生み出されてくるのではないか、このところを国民も危惧をしているところだろうと思うのです。大臣の御答弁では、物品税としてはという限定をお使いになるわけです。しかし、消費税体系の中でこの物品税についてはそうだということになりますと、このやり方が、いま私が言いましたように、製造元から問屋、問屋から小売りと、この商品の流通段階でそれぞれ同じ一率の税率がかけられていくということになりますと、その点を大臣がはっきりと否定してくだされば、物品税についてあとの問題は、それが悪平等になるかならないかというような、そういう問題だけになりますからあれですが、そういう商品、物品の流通の中で、動くごとに一定の税率がかけられてくるということを否定なさらないということになると、現在の税体系が間接税への比率を高める中で、付加価値税とか増加価値税とかそういう税制をお考えになっていることになる。呼び名はどうであろうとも、実質的にはそういうことになるのではないかということになるわけでして、その点についてもう一度はっきりとお答えをいただければというように思うわけです。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これも先ほど付加価値税というものに対しては広範囲に反対が多いことも私はよく承知いたしておりますと、率直に申し上げたわけでございますし、それからいま私が付加価値税をよしとするという意見を申し上げているわけではございませんということは、何べんもお断わりしているところによって御理解をいただきたいと思います。  同時に、税制全体について何かもっとよいくふうはないであろうかということを来年度以降において大いに考えていきたいという意欲を持ちますだけに、考え方の背景というようなことを先ほど率直に申し上げたわけでございますから、それらの点は具体的な提案を申し上げているわけではございませんし、また付加価値税というものには非常に反対が多い。反対が多いということはそれなりに危惧の念もございましょうし、あるいはまた付加価値税という名前ではないけれども、過去の税制において経験があるだけに、その反対の根拠というものについても十分理解をしていかなければなるまい、こういうように考えております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 そうしますと、いまお尋ねした中で、流通過程のそれぞれの段階での課税ということはいまのところお考えになっていない、こういうように承ってよろしいわけですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 現在考えているかと言われますと、現在は考えておりません。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 そうしますと、現在は巷間言われている国民も危惧し、反対もしている付加価値税という問題については、これを採用されるというお考えはない、こういうことでよろしゅうございますね。たいへんしつこくて申しわけありませんけれども。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これはもうただいまもしばしば申し上げておりますように、いま私が付加価値税というのをよしとして、これを私の意見として申し上げているわけではないということは再々お断わりしているとおりでございまして、さように御理解くださってけっこうです。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 そこで、物価問題にもう一度戻りますけれども、特に商品投機などの問題で焦点になりました木材とか繊維の原料が非常に高騰している。それは直接最終需要者である国民にはね返ってくるわけですね。今回の物品税の改正案の中でも、たんすについての免税点の引き上げなどで直接木材の値上がりの問題がやはりからんでくるわけでございます。繊維の調度品の原料である繊維、羊毛やあるいは生糸、化繊までも現在は値上がりをしている。生糸を例にとりますと、昨年の四月ぐらいまでは大体一キロ八千五百円ぐらいであったものが、あの商品取引所がストップをする段階ではすでに一万五千円になっている。それ以降値は下がってきたとはいえ、現在でも一万円をこえるというような段階になっているわけです。国民の生活にとってたんすやその他の木製品にしましても、また繊維の調度品にしましても非常に重要なものの一つでありますから、こういうものについては、これが商品投機などによって不当に値がつり上げられ、価格が下がり安定をするという見込みがまだまだ立っていないし、このまま固定されていくという危険も非常にある。こういう段階では、少なくともその製品に課せられている物品税は、国民の生活関連あるいは必需品に密接に関係したものを含めて免税点を引き上げるとか、あるいは物品税そのものを廃止するとか、そういう手だてをとって物価安定に資するということがやはり非常に重要であるというように思いますけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 たとえば木材とかあるいは羊毛とかいうものにつきましては、いろいろの措置が相当急速に成果をあらわしておるということは御案内のとおりかと思います。それからもう一つは、物品税のほうでも家具類とかあるいはじゅうたんといったようなものについては、免税点の引き上げということで対処していく。私は、いま御指摘のような問題については、両方から対策ができる、こう考えております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 本改正案の後にも、今年度中にその価格の安定がはかれない、あるいはその物価の高騰の抑制の効果があらわれない場合には、再度この免税点の引き上げないし税率の引き下げは御検討されるというお考えでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 さらに御質疑があるかと思いますけれども、免税点は政令に譲らしていただいておるわけでございます。このことは、私がいま申しましたように、特異な現状はかなり急速度に改善されると思っておりますけれども、不幸にしてそういう予測が当たらないような異常な状態の場合におきましては、政令におきまして免税点のさらに引き上げというようなことを考えなければならない場合もあり得る、こう思っております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 合板とかあるいはその他の建材の値上がりによって、たんす、建具などの業者も非常に困っているわけですね。私が調査したところによりますと、もうすでに原材料の値上げは一五〇%から二五〇%ぐらいの値上げになって、そのために原材料を仕入れるそのこと自身にたいへん苦労をしている。だから物品税の免税点を引き上げる、そして価格の安定に資するようにしてほしいという声が非常に強いわけであります。ですから、免税点については、いま大臣がお話しになりましたようにこれは政令で改廃のきく問題でありますから、ぜひ免税点の引き上げをはかっていただきたいというように思います。  時間がありませんので、次の質問に移らせていただきますが、局長、ちょっとお伺いするのですが、今度のこの物品税法によりますと、新たに五条の二がつけ加わりまして、販売業者証明書を所持する者等へ販売する場合の確認等という規定がつけ加わっていますが、これに関連してお伺いしますが、この第五条の二の第一項で「貴石等の販売を業とするものであることを確認のうえ、政令で定めるところにより、その確認の事実を明らかにしなければならない。」ということで、販売業者の証明書を所持しているかどうかということを確認する義務をこの販売業者に負わせるということになったわけでありますね。これは、やみ業者とかそういうものの横行をチェックしょう、そして物品税の逋脱を防止しようというところに意味があると思うのですが、これまでの実績から見ると、販売業者の証明書の交付を受け、そして一々小売りのたびに物品税についての記帳をしなければならないということで、小売り業者はかなりな負担を負っていたわけですけれども、それに加えてこの確認の義務をつけ加えるということになると、さらに販売業者に対して義務が加重され、そしてやらなければならないことも非常に煩瑣になるということになると思うのですが、その点についてはどのようにお考えになっているのでしょう。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 御指摘のように、宝石につきましてはもともと価格が相当高いものもございますし、税率も高いからということで、残念ながら逋脱がかなりあったわけでございますし、今日も若干あるわけでございます。そこで、四十二、三年からであったと思いますが、一種の人間の知恵と申しますか、国税当局のほうの指導もございましたが、業界のほうの知恵もありまして、現在、御存じだと思いますけれども、法律にはあっておりませんが、販売業者の証明書制度というものが全国的に行なわれております。その結果、比較的、いま言われました、よくかばん屋さんといいますけれども、かばん屋さんを通じて物品税を逋脱をするというケースが減ってきたということから、業界の内部においても秩序がだんだんできつつあるということで、この証明書制度については、この方向がそういうおもしろくない事実を解消していくには好ましいのではないかという空気が高まってまいりまして、それで今回、いままで行政指導ないし業界の申し合わせというような形で進んでおりました証明書制度を法律的なものにすることにいたしたわけでございます。  御指摘のように、この制度になりますれば、卸売りの方が小売りの方に売るという場合には、あとで買った小売りの方が今度は納税義務者になるわけでありますから、そのことをはきっりするために、従来の概念の卸売りの段階で、何という小売り屋さんに売りました、したがってそれは物品税を取っておりませんが、それは小売り屋さんに売ったからですということを確認しておく。これは卸屋さんのほうにとってはわずらわしいことは事実でございますけれども、しかし、多少わずらわしさがふえましても秩序がきちっとしてくれば、そういう無秩序、いろいろ混乱を起こすというものがなくなってくるということであるならば、それもまたやむを得ないということで、業界としてもこれでいきたいという空気が強いわけでございまして、一挙にやるわけではございませんで、従来からあったものを法制化するのでございますから、私どもはある程度の負担は受忍していただけるものというふうに考えております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 貴石金属の小売り業者の場合は零細な業者が非常に多いように思うのです。私、せんだって京都へ参りましたついでに、京都の貴石金属の業者の協同組合の人からいろいろ聞いてまいったのですが、京都の場合ですと、京都府下で五百三十四店があって、大体、貴石金属それから時計などを全部売っても月平均の売り上げが二百万円以上の人で五十三店、二百万未満百万以上が十五店、百万未満のお店が三百三十一店というように、圧倒的な人たちが非常に零細な商売をやっておる。ですから、そこで現在でも非常に物品税の納税に関して、帳面をつけなければならないとか事務が非常に煩瑣である、今度この五条の二のようなことで一々確認もし、また確認もされる、そしてこれが義務づけられてくるとなお問題が、いろいろ自分たちの負担が重くなるのではないかということで心配をしているわけですね。ですから、大手でたくさんの従業員を使っているようなところはともかく、やはり小さなお店が非常に多いのは、私たちも商店街を歩いてみればよくわかることですから、どうもこういう貴石金属を第一種の課税にするということにそもそも問題があるのじゃないだろうか、こういうように思うのですが、その点はいかがでしょう。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 宝石の問題は、御存じのように、過去の段階においては、現行のように小売り課税ではなくて卸の段階での課税であったわけでございますが、当時いろいろ混乱がございまして、それで卸から小売りに課税段階を移した経緯があるわけでございます。その後も小売り段階の方々は卸の段階で課税してはどうかということを言っておりますし、卸の段階ではやはり小売りのほうがいいということで、どちらにしても納税の義務を負うのはわずらわしいという声があるわけでございます。  これは、先ほどから盛んに御議論がございました個別消費税に伴う問題点であります。一般消費税の場合はそういう問題がなくて済みますが、個別消費税の場合にはどうしてもどの段階でどういうふうにして課税をするか、その記帳をどうするかという問題は常に伴う問題でございます。私どもといたしましても、卸段階が望ましいのか、小売り段階が望ましいのか、いつも議論のあるところでございますが、今回はこれを小売り段階において課税するということで方式を変えないままにしておいて、さりながら、そのことに伴う弊害を除去するという意味において、卸段階の方にも協力をしていただくという形で、卸と小売りの間でほぼしばらくこういうことでやっていこうかということになったわけでございます。  この方式でやりますと、小売り段階の方は納税の義務を負うことになります。それから卸段階の方は、納税の義務を負わないが、小売り段階のほうに渡した、消費者に渡したのでなしに小売り段階に渡したという確認をする、こういう義務を分け合うようなかっこうになるわけでございまして、そのことが、先ほども触れましたように、ここ二、三年実際上やってまいりました結果、従来よりは少なくとも改善されるということでありますのでこれを法制的に取り上げることにしたわけでございまして、確かに、おっしゃるように、相当負担がかかるということは私どもも承知をいたしておりますが、さりとて、この宝石のような非常に小さくて値段が大きくて持ち歩けるような品物の課税の技術としては、現段階では出し得る知恵はこの辺のくらいのところじゃなかろうかと思っておるわけでございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 この問題はあとでまた大臣にもちょっとお伺いしたいんですが、その前に、五条の二の第六項で「販売業者証明書を所持する者にその者が貴石等の販売業者でないことを知らないで貴石等の販売等をした場合において、その知ることができなかったことにつき、その販売等をした販売業者の責めに帰することができないときは、当該所持する者を貴石等の販売業者とみなし、その販売等の時にその者が当該貴石等の小売をしたものとみなして、この法律を適用する。」こういうようになっているわけですが、結局この法文から出てくる結果はどういうことになるんですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 これは非常に異例の場合をいっておるわけですが、非常に悪い場合でいいますと、消費者が小売り屋さんから販売証明書を借りてくる、あるいはどっかで拾う、そうしてその証明書でもって消費者が卸屋さんに買いに行く。消費者に売る場合には、普通は証明書がありませんから物品税を徴して物品税込みの価格で消費者に渡さなければならないわけですが、にせの証明書であるとか、あるいは拾ってきた証明書であるとか、あるいはまた借り受けた証明書などを提示して、卸屋さんから宝石を自分は消費者でないから税抜きで売ってくれという申し出があって、その卸屋さんがそれを売ったという場合には、その所持者がほんとうの販売業者ではないわけでありますけれども、さりとて、それが販売したという事実について、そのお客さんが販売業者でなくて消費者であったということを知ることができなかったことについてもっともであるといいますか、やむを得ないといいますか、そういう場合であるならば、その場合には、その販売業者、卸行為をしたつもりである、ほんとうは小売りだったわけですが、あとから見れば卸行為として税を取らずに売ってしまった業者、それに物品税を求めることは無理であろう、そこでどうしたらいいかということになりますと、その一種の不正行使といいますか、そういうことをした消費者自身に負担をしてもらうほかはないのではないかということで、納税義務の転換といいますか、そういう概念でございますが、そういうことを通じて消費者に税をあとから追徴をして負担をしていただく、こういう方式でございます。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 これは小売り業者に、売った先まで行って持ってこさせるのか、それとも税務署が小売り業者のところに行って取るのか、どちらになるのですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 いま御説明しましたように、これは納税義務が転換されますので、税務署がその不正行使をした消費者のところに直接接触をして課税をする、こういうことになります。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 そこで、知ることができなかったことにつきその責めに帰することができないかどうかですね。この点の認定を、結局現場の税務職員と卸売業者との間でやることになるわけですね。そうすると、これは救済規定としても実質的には決して販売業者の利益になるように運営されないように思うのですよ。ですから、こういう規定があり、納税義務が転換されるようなことがあっても、それ以外の取引については物品税を納めなければならない関係に販売業者は立っているわけですから、そういう点から見ますと、この救済規定というのはあってもあまり実のないような運用になる危険が非常にあると思いますが、いかがですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 この制度が予定しておりますとおり取引が確実に行なわれて、そして販売業者証明書の確認が確実に行なわれますならば、ほんとうは六項のようなことは起こり得ないことでございます。六項が必要であるというのはどういう場合かというと、何らかの意味において販売業者証明書がいわば不正に使われたというような場合に限ってそういう必要が起こってくるというふうに考えられるわけでございます。  その場合に、その責めに帰することができるかできないかということについて、税務署と卸売り業者との間で若干の紛争が起こることは避け得ないことであると思います。しかしその場合でも当然、税務署が業者との間に何か非常識に接触があるということであってはだめでございますけれども、税務署はそれはそれなりに常識的に行動をいたしますから、そのことのために卸売り行為をしたと思ったその販売業者に著しい迷惑がかかるということはない。またかかってはならないから、ある意味でその義務を解除する意味においてこういう規定があり、それは転換された消費者のほうにかかっていく、こういう仕組みになっておるわけでございますので、その点は運用上よほどうまくやらなければならぬという御指摘であればわかりますけれども、こういう仕組みをつくっておきませんことには、証明書制度の最後の締めくくりができないわけでございますので、そういう趣旨で置かれたものであることを御理解いただきたいと思います。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 この六項の条文の書き方でいきますと、販売業者のほうで自分はその責めに帰することのできない事情があったということを税務署に証明しませんと納税義務を負う、こういうように解釈できるわけですね。むしろ逆に、この立証責任を税務署のほうに転換するような運用がきびしく行なわれるということが必要ではないか、こういう意味で私は申し上げておるのです。ですから、そこら辺解釈の上で、ひとつ具体的に実のある運用のしかたをやっていただきたいというように思うのです。  ところで大臣、先ほど局長からもお話がありましたけれども、貴石金属につきましては、たしか昭和二十八年の六月までは第二種の課税であったわけですが、それが第一種に変わってしまったわけですね。その結果、現行の第五条、そして今度の第五条の二が制度としてできてきた。そのために、全国には四万五千軒からの貴石金属を扱う小売り業者がいるわけですが、その人たちの記帳義務やその他もろもろの物品税にまつわる問題が出てきて、負担が非常に重くなる。税の逋脱を防止する上からまいりますと、貴石金属も、これは原料を加工して出されるものですから、むしろ第二種にもう一度戻して、そして押えれば、貴石金属の加工工場は、私の調べるところでは全国で五百軒ぐらいではないかと思うのですが、そこで確実に押えることができるんじゃないかというふうに思うのです。そういうことに立法の上でお考えになって、もとに戻されるとかあるいは小売り業者の負担をなくすということでこの問題はお考えになるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 これは実態が非常にややこしいことになっておりまして、私から御説明いたしますが、宝石は要するに原石を輸入してきて卸がそれを買い取りまして、そして加工をする。その加工は、これまた非常にたくさんの加工業者がおります。それで、第二種物品のような製造という概念ではめていきますと、これは加工のところにかかっていくわけですが、これがまた、いわば職人的仕事として非常に多数のところで家内工業的にいろいろやっておりますので、その製造段階というのがなかなかむずかしい。  今度は卸ということになりますと、卸の概念というのが非常に明確でございません。現在、物品税で卸段階課税というのはやっていない。それでおわかりいただけると思いますが、卸とは何ぞやというのはまた非常にむずかしいわけでございます。そこで、課税する可能性ということからいいますと、小売りの段階で課税をするか、あるいは加工の段階で課税をするということになってくるわけですが、これが前のときにもいろいろ問題を起こしたわけですが、非常に多数であり、力が弱いということでむずかしいわけでございます。  それで、そこらのところは前回の改正以来今日まで関係者の間でも、どこか自分のところでないところで課税をしてもらえないかといういろいろな申し出があるわけでございますが、いろいろ研究いたしましたけれども、それはいまのところでは小売り屋さんにお願いをする以外にないという結論になったわけでございます。この点につきましては、もし必要があればまた詳しく申し上げますが、過去において経過的な研究をいろいろした上で、なおかつ今後とも小売り屋さんに御迷惑をかけるということでやっていかざるを得ないということになったのは、決して粗略にやっているわけではなくて、相当研究の上でやってきたことでありますので、必要があれば申し上げますが、時間がかかりますから、そういう意味で御理解願うということでお願いをいたしたいと思います。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 それならば、小売り業者の負担を軽くするためにひとつ免税点を上げるとか、少なくとも零細な小売り業者の場合には、そう高い金額のものを扱っているということでもないでしょうし、それはたとえば若い人たちがエンゲージリングを買うとかという程度の、そこいらのところの範疇の品物しか扱わない業者というのがむしろ圧倒的多数の小売り業者であろうと思うのです。そういうところの負担を軽減すると同時に、最終需要者である消費者の中でも、ひとつ若い人たちへのプレゼントということまで含めて、せめて通常働く人たちがエンゲージリングを買うくらいの指輪などの貴石金属についてだけは税金がかからないようにするというような手だてをおとりになっていただきたいと思うのですが、ひとつその点、大臣のお考えを伺いたいと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 免税点につきましては、今度のもので結婚指輪でありますとプラチナで一匁程度のもの、それから真珠のネックレスで六ミリ、五十粒というくらいのものを、小売り価格で一万七千円くらいのところを基準に置いております。それは先ほどの小売りのわずらわしさの問題につきましてはこれは私ども非常に気にしておりまして、そこで最近ここ二、三年くらいところでは、国税庁の執行の段階でもあまりこまかいことをこまごまとこの関係の小売り屋さんに御迷惑をかけないようにということでかなり気をつかっておるところでございまして、これまでもやってまいりましたが、これからもそういう心がまえでいくように国税庁を通じて指導してまいりたい。この問題は、確かに小売り課税はここだけ残っておる、こことじゅうたん等も残っておるわけですが、この貴石については、そういう執行に関連した非常に煩瑣な問題がございます。これは繰り返し今後も指導を続けてまいりたいと思います。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 ひとつ大臣と局長、小売り業者は税率を若干下げるかどうかという問題よりも、免税点をできるだけ上げてもらったほうが負担がかからなくて済むという、こういう要求を持っているということは十分御理解いただいて、ひとつこれからもその点について処置をしていただきたいと思います。  私の大臣に対する最後のお尋ねになりますけれども、アメリカで最近ニクソン大統領が新通商法案を発表いたしましたけれども、そこの中でも出てまいりますが、要するに関税障壁だけでなくて非関税障壁の撤廃の問題も、アメリカの対日要求として今後ますますきびしいものになってくるだろうというように考えるわけですが、この問題に対して、特に新通商法案の出された背景等を含めて、この際、物品税とも関連を持ちますので、ひとつ政府の態度をお伺いしたいと思うのです。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 新通商法は昨日アメリカ政府から議会に提案されたよしにございます。その条文はまだ政府としても入手しておりませんので、ごく概要だけは承知いたしておりますが、一番根本的な問題は、関税とかあるいは輸入制限とか課徴金制度とかあるいは非関税障壁問題とか大統領に授権をしてくれということが一番の根本であると思います。そこで、これから相当の期間審議もかかりましょうし、それから授権されたあとで発動するのはどういうことになるか、こういう点をもうほんとうに注意深く見守っていかなければならないと思いますが、一番基本的には、アメリカがそもそも先頭になって世界的通商経済交流というものの障壁をなくしようというケネディラウンドその他に象徴されている考え方が、これによってすっかり変わってしまう。保護主義でモンロー主義になるというようなことはおかしいではないか、この点が一番の問題だろうと思います。  それから、日米の関係におきましては、私は先般も当委員会でも申し上げたと思いますけれども、一般の観察としては、日本に対してなるほど日米間の国際収支の、ことに貿易上のアメリカとしての赤字がなかなか累積して解消しないものですから、アメリカ側としても非常に大きな問題であることはよく理解できますけれども、日本側でもこれに対応していろいろの措置は一生懸命やっているわけでございますから、日本に対して特にディスクリミネートして、俗なことばでいえばさかなでをしてくるようなことは私はなかなか向こうとしてもできにくいことではないかと観察はしておりますが、要するに日本としては、国益を守る上から申しましても、一口にいえばドル減らし、日米通商関係でいえば輸出超過が依然として大量になり過ぎるというようなことは是正することに努力を続けていくということが日本のためでもあるし、結果においてアメリカの日本に対する報復的措置と申しましょうか、そういうことの手荒いことが出ないことになる。そこをねらっていくべきである、こういうふうに考えておりますが、なおまたこの条文等を精細に検討し、またアメリカの内部におけるいろいろの論議等についても十分注意深く見守ってまいりたい、こう考えております。

増本一彦日本共産党・革新共同

○増本委員 あと、物品税の問題を私自身お尋ねしたいのですけれども、小林議員のほうでそれに関連する問題がありますので、私の部分は小林議員に譲りまして、小林議員から質問させていただくことにします。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は、持ち時間きわめて短い時間ですので、端的に子ども劇場の問題に関連をして伺いたいと思いますけれども、子供を俗悪な文化から守り、そしてバレエ、音楽、演劇などすぐれた文化を子供たちに観賞させ、それを通して子供の創造性を育てる、また文化の水準を高めるというような非常に社会的な活動を続けてきているのが子ども劇場でございますし、この点については、すでにいろいろとわが党からも質問をいたしているところでありますけれども、いわゆる子ども劇場を課税対象と見ているこの基本的な考え方、いわゆる奢侈的趣味娯楽消費というようにこれを見て、そこに担税力を求める、こういう見方を大臣はされて課税対象としているのかどうか、この点をまずお伺いをいたしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 入場税というものは、そもそも税法的にいえば、サービスに対する課税でございますから、子供さんの子ども劇場であるからこれを除外して考えるということは、税のほうの考え方からいえばとっていないわけでございます。しかし、子供さんのための演劇鑑賞その他については、御質問のところとすれ違いますけれども、ちょっと説明さしていただきたいと思いますが、できるだけ入場税というもののわずらわしさなしに楽しんでもらいたいと思って、四十六年の改正のときにも、学校の先生が引率して行かれるというようなときには、これは全部非課税にするということは、四十六年以来やっておるわけでございます。それから今回の場合も、先生というのが学校の先生だけではなくて、保育所とか教護院の子供さんたちや児童も加えるということに今回はいたしておりますから、だいぶ範囲は広くなっております。そこで、今度は子ども劇場のほうでございますが、学校教育法に基づくような場合は非課税であるけれども、社会教育という範疇だから除かないのはおかしいではないかという御議論がそこで出てくるわけでございます。そこでやはり税のほうの考え方から申しますと、そこも全部非課税ということにいたしますと、非常に簡単に組織ができるわけでございます。本来なら子供さんの同好者でまとまってやってくるならばいいではないか、そこで観劇をやるならばいいではないかというのもごもっともとは思いますけれども、きわめて簡単にグループができて、そしてこれだからこれは非課税だというふうになりますと、基準がないわけです。その点で実は税法上としては扱いにくい、なじみにくい問題がある。そこで子ども劇場としてこれを入場税の対象外に全然置くということはではないというのが入場税のたてまえの問題であり、実際上の問題であります。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 会費なり料金というものを取って見せればそこに課税をする、これは法のたてまえで当然だ、こういう原則的な考え方に立って、そして小、中、高のいわゆる学校教育法に基づく教師が引率をした場合なり、あるいは今回もう少しワクを広げて、保育所等の保母さん等が引率をした場合には、これは非課税にする、こういうことですけれども、私はむしろ子供たちに対して、よりよい文化を青少年に広く接する機会を与えていくということは、これはもう国の文化政策の上からも当然のことじゃないかと思いますし、いままでむしろ私は、このことは国の文化政策の貧困さというものをいかに物語っているかということの、入場税というのは一つの事例になっているんじゃないか、このように考えております。むしろ国は正しい文化の創造については積極的に助成措置をとるべきであって、課税の対象にすべきというようなことは、私はこれはもう全く筋の通らないことではないか、このように考えておりますが、ともかく、いまのこういう俗悪な文化がはんらんしている中で、何としてでも子供たちの健全な姿を創造していくために活動しているこの子ども劇場に対しては、いろいろな矛盾は若干いまの法のたてまえではあるでしょうけれども、これは大臣、どうしてもひとつここでもって非課税にしていく、こういう基本姿勢を私ははっきりと打ち出していただきたいと思うのです。むしろ大臣自身がここに大きな矛盾を感じているんじゃないかと思うのですけれども、矛盾をお感じになりませんか。率直に私はお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 矛盾というよりも、もっとやってあげたいわけなんです。ところが、いま申しましたように、同好者のグループだけで組織したものを、それも全部非課税だということになりますと、これはもう何と申しましょうか、基準なしに非常にたくさんの集団といいますか、あれができる。それから子供さんならということになると、今度は老人も御同様にやはり文化のかおりに老後を大いにささえさせていきたいということになる。それからさらにそれはどこまでも広がってまいりますから、そこで矛盾というよりも何とかして差し上げたいということで、学校教育法に基づく学校だけではなくて、先ほど申しましたように、引率者が引率されて鑑賞されるというようなものは非課税にするということで、そこは私どもの気持ちを——入場税なんというものは廃止してしまえということになればまた別でございますけれども、このたてまえの範囲の中でできるだけのことは考えてまいったつもりですし、今度も若干の改正はしたわけでございます。お気持ちはよくわかりますけれども、入場税というものを続けていくということからいえば、どうもその辺のところにぎりぎりの限界があるのじゃないかと思います。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私はいま入場税一般の問題というよりも、特に社会教育の分野で活動しているこの子ども劇場問題にしぼっていま大臣に質問をしているわけですけれども、金額にしても予算の額にしてもそうたいした額じゃない。しかも子供たちには豊かな文化に接する機会というものを行政指導の面からもむしろ積極的に広げていく、こういうたてまえから考えても、何かこれを通せばあちらにもグループができる、こちらにもグループができる、子供たちはみんなただになってしまというように聞こえてならないのですけれども、子供たちに豊かな文化に接する機会を与えることは、むしろ国が率先して行政指導の面からもそういう機会というものを広げていくべきなんじゃないでしょうか。大臣、ここのところをひとつお聞かせいただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ですから、引率者があるという場合には、これはほとんど全部非課税になるはずでございます、この改正をやりますと。それ以上子供さんだけで私はこのグループだ、私はこのグループだということになりますと、入場税というものをたてまえとしている中では、そこのところは割り切りがつかないということに申し上げざるを得ないわけです。それから一方、これははぐらかすわけでも何でもございませんけれども、これは税のほうではこういうようなことになっておりますけれども、歳出面でもこうした面に対しては、これもまたこれっぱかりの予算かとおっしゃられるかとも思いますけれども、年を追うごとに文化庁あるいはこれに関連する施設や助成については歳出の面でもかなりこのごろはお世話を申し上げている、こういうふうに考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 大臣、非常に歯切れの悪い御答弁なんですよね。何とかしてあげたい、しかし税のたてまえからいってはそれがなかなかどうもできないんだ。私は、これはほんとうにやる気なら、大臣、この問題についてはいろいろなやり方が当然あると思うのですよ。地方自治体の場合には社会教育のたてまえで会場まで無料で提供したりいろいろしている。むしろ私は、社会の実態という点から踏まえて、この問題をほんとうに誠意を持って解決しようというたてまえに立たれれば、やり方は幾らでもあると思うのです。問題は、いまの実態をほんとうに解決していくというたてまえにほんとうに主税局は立っているのかどうかということなんですね。ここのところにかぎがあるのじゃないか。法のたてまえはやはり社会の実態に応じていろいろと改正していくべきものだと思いますし、そういう点から大きな矛盾が出てきている。この子ども劇場問題は、やる気があればほんとうにいろいろなやり方があると私は思いますけれども、全然ないのですか、どうなんですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これは前々からわれわれも考えておりますところで、今度の改正についても、先ほど来申し上げておりますように、幅は今度はずいぶん実際上広がったことになると思います。それから政府としては、何かよい考え方があったならば、そういう御趣旨に沿うようにいたしたいということは前から表明していることでございますから、今後とも十分検討さしていただきたいと思います。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 時間がありませんので……。この問題については検討するということでございますけれども、口だけで検討するということは、私どもも前々から聞いております。具体的にほんとうにこれを非課税にしていくということでの誠意をはきっりと示していただきたいと思います。  それと同時に、入場税そのものについて、本来やはり文化あるいは演劇、芸術、それらのものについては課税の対象にすべきではないと思うのです。この入場税のそもそもの創設のときからのことを考えても、何か奢侈、娯楽、こういうものはぜいたくである、そして戦費の調達だということから消費税として出発してきたものであります。現在、わが国の高度経済成長政策がいまとかく大きな社会的問題にもなり、いろいろな問題がここで集積をしてきているときに、文化、芸術に対して入場税を課税をするなんということは、はっきりとここで私はおやめになるべきだと思います。大臣、財源的にもわずかな額じゃないですか。八十六億ぐらいでしょう。この八十六億の財源がなくなったからといって、国の財政に重大な支障を来たすとは私は考えられません。入場税そのものを撤廃をするということは世論も大きく求めているところでございますし、この点について大臣に基本的な考え方をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 入場税を撤廃すべきであるという御意見は、野党の皆さま方から非常に御熱心に御提案いただいておりますが、これに対してかたくななまでに私どもは政府の態度を御説明申し上げているわけです。これはやはり個別消費税体系と申しますか、こういう点から申しまして、税の体系としてぜひ残していきたいと思うのです。これは入場税だけの問題じゃなくて、たとえば通行税とか料飲税とか物品税、税の理論からいえばこれと同種類のもので、それは個別消費税です。したがって、こういうふうな間接税はいかぬということを大いに強調されると、さきほども御論議が出ましたけれども、たとえば一般的消費税とか付加価値税とか、またそちらのほうの問題に転換していく問題である。したがって、入場税というものについては、文化のかおりの高い国家にするという面でできるだけくふうはこらしてまいりましょう、こういうのが政府の態度であり、そのことは、入場税の改善にあたりましても順を追うて免税点や税率の上でくふうをしておりますことはしばしば申し上げたとおりでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 では一言だけ。私はいま大臣のやはりこれも非常に歯切れの悪い御答弁を伺いまして、この結果は国民が正しく判断を下すものだという点を強く主張いたしまして、私の質問を終わります。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 だいぶ夕やみも迫ってまいりましたので、簡単に総括的に最後の質問をしておきたいと思います。  大臣、実はきのう大蔵省審議官と話をしたのであります。入場税の問題でありますけれども、再三お話がありますように、免税点が百円ということであまりにも低いために、皆さん方と実はきのう大蔵委員会で半分大笑いをしたわけでありますが、実際にはお子さんたちの入場料金にまで税金が課せられている。はたしてお子さんたちに担税力というものがあるのだろうかと言いますと、その親御さんなりあるいは自分のお小づかいから出すということのようであります。とにかくそういう説明はできたとしても、現在のこの世の中でお子さんたちが親御さんと一緒に行く、あるいはお子さんたちが自分たちのお小づかいから出す、そのお小づかいから税金を取る、これは常識的に考えて、主税局として事務レベルではいろいろ説明はできます、説明はできますけれども、現状から言ってはたしていかがなるものであろうか。これについて、主税当局の理屈は、理解はできませんけれども、とにかくありましょう。けれども常識的に考えてお子さんのお小づかいからもなおかつ入場税ということで税金を取るというのは、普通のいまの社会情勢から考えていかなるものであろうか。おかしいのではないか。ここまで過酷にいかなくてもいいのではないか。尽くるところは免税点が百円というところにあると思いますが、これを率直に大臣どういうふうにお考えになるか、答弁をお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 いま子ども劇場の問題で答弁申し上げたと同じことになると思いますけれども、入場税というのは映画なり演劇を鑑賞する、そしてそれを提供するサービスに対する課税である。これはいわゆる私の言う個別消費税の体系の中に属するものである。したがって、子供さんに担税力があるか、常識に反するではないかとおっしゃられれば、その御議論はごもっともです。そこで、入場税というものを私どもとしてはぜひ維持したい、その範囲の中でできるだけそういう御趣旨に沿うていきたい、こういうのが私の考え方でございます。  これは、やれ担税力はとか、親が負担するものであるとかなんとかと理屈をこねますと、なかなか常識では理解できないと思いますが、そういうふうな気持ちで今後とも対処していきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私たちはいまや入場税は廃止したほうがいいのじゃないか、廃止すべきであるという考え方に立っているものですから、論議はあまり茶の木畑に入りたくないのですが、いまの大臣の御答弁をそのまま延長すれば、現実的には免税点百円になっているものをせめて五百円に持っていけば、お子さんのお小づかいにまで、映画館なり劇場に入ると税金がかかる、入場税を取られるという、常識で考えてもおかしな現状というのが打開できるのではないか。大臣の御答弁をそのまま延長すれば、具体的な方策としては、せめて免税点を五百円にすればいいのではないかと思いますけれども、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これはたいへん冷たいようなお答えになるので恐縮なんですけれども、五百円に免税点を上げるということにいたしますと、たとえば映画館などは全部入場税というものがなくなるわけであります。ですから、ギャンブルと言っては悪いのですけれども、非常な高価な入場料を取るところは別でございますが、平均して映画に行っても入場税がなくなるということになりますので、結局基本のところへさかのぼって入場税はもうやめろという御議論ということに私どもはなると思いますし、佐藤さんのほうはもうそもそも入場税なんというのはけしからぬものだからやめるべきであるというお気持ちがあるから、ああそれでいいじゃないかということになるので、そこのところはかみ合わないところでございます。やはりわれわれとしては、税率を半分にするということで対処をしたいというのが政府の考え方でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 大臣はお忙しいから、あまり映画に行かれたことはないと思いますけれども、いまの映画というのは、先ほど増本委員でしたかへの御答弁でもそういう御答弁があったのですけれども、いまの映画はおとなの場合には七、八百円というのは普通なんですよ。子供の場合に三百円、四百円というのがあるわけです。ですから大臣、大臣がお子さんのころの値段といまの映画の入場料金というのは全然違うわけですね。そういうところがら申しますと、免税点を五百円にしたら入場税が全部かからなくなるという、いまそのくらいの入場料金だという認識では、これは大いに論議がすれ違うのは当然なわけですね。私たちは大臣が言われましたように、いまやこの入場税は廃止すべきであるという考え方に立っていますから、この論議をしておってもたいへん時間がかかってしまいますので、この辺でやめますけれども、現実に課税がこのようになされておるという現状をもう少し判断して考える必要があるのじゃないかと思うのでございます。  その次に、物品税でありますけれども、どうも大臣のお話を聞いておりますと、私は昭和四十五年くらいの速記録をずっと読んでみましても、物品税に対する考え方というのが大いに変わりつつあるのじゃないかということをつくづく考えるわけであります。たとえば、これは四十五年の四月三日の議事録でありますけれども、当時の細見主税局長は、物品税というのが豪奢品課税である、あるいは便益品課税である、あるいは一般の消費よりも高額なもの、こういったものにかかるものであるということを、堀委員とのやりとりでもやっているわけです。このことについては、私はこういう範囲での物品税というならわかるわけであります。ところが、どうも大臣の話を聞いておりますと、物品税自体がだんだんに一般消費にもかけられるようなそういう方向に向かいつつあるように、御答弁の端々から聞かれるわけであります。その辺のところ、物品税という中身、定義、これが、いま私は四十五年の例をあげたのでありますけれども、昭和十二年から始まった物品税というものの考え方がこの二、三年変わったのか、定義が変わってきたのかどうなのか、この点はいかがでございましょう。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 定義は変わっておりませんけれども、客観的な情勢といいますか、これが変わってきて、結果において若干ニュアンスが変わってきている、こういうふうに私自身は受け取っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その客観的情勢というのはどういうことですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 たてまえは変わっておりませんということは、やはり奢侈品とか便益品とかに課税すべきであるたてまえは変わっておりません。しかしある時期、これはもう一年一年変わると言ってもいいと思いますけれども、たとえば五年前に細見君が奢侈品あるいは便益品と思っていたものが、今日ではもっともっと一般生活に溶け込んでいるというような関係があることは否定できない。そういう意味で、ニュアンスが変わってきているということはあえて私も否定できない事実であろう、こう申し上げておりますが、やはりたてまえはたてまえでございますから、そのたてまえにできるだけ沿い得るように考えて、免税点や、税率の引き下げ、免税点は引き上げを今回数年ぶりでございますが実施いたしたいと考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その御発言ですと、あくまで物品税というものの定義と申しますか、豪奢品、奢侈品、便益品、これにかかるという内容自体は変わっていないということだと思うのですね。ところが、大臣御存じだと思いますけれども、たとえば扇風機、普通のものですね、扇風機については現行税率一五%、これが今度は一〇%に変わるようでありますけれども、物品税がかかっているのですね……。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 扇風機は税率は変えておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 逆だった、扇風機についてはいま助言がありましたように、税率も変わっていないわけですね。これは特殊なものは非課税になっておりますけれども、普通の扇風機が一五%の税率で、しかも扇風機の場合には免税点すらないんですね。普通家庭で使うどんなものを買っても、どんな安いものを買っても扇風機に物品税がかかる。これは大臣は物品税というものの定義は変わってないと言われるけれども、はたして現状の世の中で扇風機というものは便益品である、あるいは奢侈品である、これで話が合うだろうかと思うわけであります。いま扇風機を一つ例にあげたわけでありますけれども、これは大臣おかしいんじゃないですか。もう扇風機というのは日用品になっているし、あるいは広沢委員も御指摘になりましたけれども、もうこの普及率というのは、経済企画庁の統計を見たって九二%まで来ているわけですね。普通の家庭で扇風機があるわけですね。これまで物品税がかけられているというのはいかがなものか、これはいかがですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 そこがただいま私が率直に申し上げましたとおりで、たてまえは変わっておりませんけれども、しかし世の中の進歩において、もう扇風機というものははたして便益品と言えるだろうかというところにニュアンスの相違があって、そしてある意味からいえば物品税の対象が広くなっているということを私は否定できない、これが事実であろう、これは率直に申し上げておるわけでございます。ただ、今度たとえば湯わかし器というのは、これはやはり若干考慮したほうがいいということで税率を下げておる、これがわれわれの考え方であります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ですから、たとえば扇風機に限っていえば、確かに時代は変わりました。昭和十二年物品税法ができたとき以来、世の中はどんどん進歩しているわけですね。当時、たとえば昭和十二年に物品税がかけられたものは貴石、貴金属製品、写真機、蓄音機、楽器、こういったものにかけられたわけですね。それは昭和十二年当時は、まだこういったものは便益品、奢侈品、豪奢品と言えたと思うんですね。ところがいまの時代になってみて、現実に扇風機には一五%の、しかも免税点なしに物品税がかけられているということになると、やはり物品税というものの性格が、いま大臣はニュアンスが変わってきたんだと言われたけれども、だれが見たって扇風機が便益品、奢侈品だ、特殊なものであるというふうに考える人はないと思うんですね。ですから、そういう意味で課税される物品税の定義自体が——いま蔵相が言われたニュアンスが変わったという内容は、かなり日用品まで課税をされるという内容になりつつある、こういうふうに理解せざるを得ないわけでありますけれども、、そういうことでありますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 そういう実情であるということを私は否定できないと申し上げた。ですから、五年前に考えられた対象よりはいまのほうが広くなっている、便益品ということよりも範囲が広くなってきている、これは常識的にそういうことが言えると思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 どうもそこがわからないんですけれども、たとえば一つ例にとっているわけでありますけれども、扇風機が五年前のときにはまだたとえば便益品であった、あまりみんなないところに扇風機は便益品であった、ところが普及率がだんだん高くなって、いまや便益品ではなくなっているんだ、したがってこれは免税点を大幅に高くするなり、あるいは課税品目からはずす、これがやはり現状に合った物品税というものであるべきではないかと思うんですね。だんだん世の中が変わったから、その課税される範囲が広くなってくるんだというのでは、奢侈品、便益品にかけるという、物品税法の本来の性格からいって変質をしつつあるのではないか。また、扇風機まで免税点なしに物品税がかけられているというこの現状というのは国民は納得しない、こう思うのでありますけれども、その辺がどうも大臣の答弁はよくわからないのですが、いかがですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 よくわからなくてたいへん恐縮なんですけれども、それではこういうふうに申し上げたらいいかと思います。先ほどニュアンスということばを使いましたけれども、それから対象が広くなってきている、便益品ということからいきますと、便益品以外のものに多少今日の感覚からいえば広がってきている、これは実質的に変貌ではないかとおっしゃっておりますが、実質的に変貌とまでは言えないと思いますけれども、そういう傾向にあることを私は否定できないということを事実の上において申し上げておるのであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 たとえば、そのほか普通の卓上用の電気スタンド、これの免税点が二千四百円、電気スタンドまでとにかく物品税がかかっている。あるいは一般の写真のフィルム、家庭で普通使うもの、これまで免税点なしでかかっているわけですね。あるいは冷蔵庫、電気洗たく機、電気掃除機、白黒のテレビ、カラーテレビ、ラジオ、こういったものまで物品税がかけられているということになりますと、これは本来の物品税というのからだいぶ性格が変わって、時代の趨勢に合わない、普通のうちのものまで、物品税がかかっているということになるわけですね。私は、これは物品税というものは大きく幅を広げて、だんだんこれが一般大衆の品物までかけられていく。ひいては、一般消費税と申しますか、個別消費税でなくして、だんだん一般的なものまでなっていくのではないか。  大体矛盾しているのですよ。ではなぜ個別の商品を政令にするか、私はきのうさんざんやり合ったのでありますけれども、時代の進歩に伴って新しい製品ができてくるし、それを課税したり非課税にしたりしなければいけないので、別表は政令、つまり政府に委任をしているということになったわけですね。だから、時代の趨勢に物品税法というものは合っていかなければいけないのに、大臣の御答弁ですと、新しくできたものでもだんだん課税の対象になっていくのだということになると、私は、物品税法の本来の性格からだいぶそれが広がって、一般的な日用品まで課税される、そういう一般消費税の体系に入りつつあるというふうに考えるわけでありますけれども、それはそのように考えてよろしゅうございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 現実の問題としては、なるべくその範囲を拡大しないようにやはりたてまえを守っていくべきであると思います。ただ、何べんも申しますように、情勢が変わり、そして国民の生活の内容が変わってきておりますから、その関係からいって、時代の流れに沿うて見れば、前には便益品であったものがいまは便益品といってはおかしいというところまで、事実問題として範囲が広がってきているということは否定いたしておりません。しかし、これが物品税ということであるならば、これがどんどん広がるということは私は考えるべきではないと思うのです。  しかし、同時に、これから先は言わずもがなのことを申し上げて、かえって論議がまた起こることになるかと思いますけれども、将来の税制ということを考えました場合に、間接税というものをどういうふうに位置づけるかということになれば、いろいろの選択、オルタネーティブがあると思うのです。そういう場合には、一般消費税というようなものが適当な選択だということも考えの対象としてあり得るであろう。それらとの関係からいえば、現実の時点においては、物品税というものの対象は、いまの感覚からいえば多少本来の筋を逸脱するようなかっこうになっておっても、やはり多年慣熟してきた物品税というもののこの程度の調整ということが現実の選択としては一番適切ではないか、これが私の結論でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 どうも衣の下からよろいが見えるようで、ちらちらするわけでありますけれども、片方では時代が変わりつつあれば、かつて便益品であったものもいまはそうでなくなる。それは本来物品税の性格からいえば課税をはずすべきであるのに、それをそのまま残しておいて、そうしてだんだんそれが広がっていく、片方では、大臣は時代の趨勢もあるということを言われているので、どうもその辺がちぐはぐのような気がするわけであります。特に、たとえば物品税法別表第一七、今度はこれの三項目、固型ラムネ、粉末ジュースその他溶解してし好飲料に供する固型、粉末及びねり状のもの、これは課税からはずされました。ところがたとえばコーヒー、ココア、ウーロン茶及びパオチョン茶並びにマテ及びチコリー、あるいは炭酸飲料、コーヒーシロップ及び紅茶シロップ並びにこれらに類するもの、果実水及び果実みつ並びにこれらに類するもの、こういったものは相変わらず税金がかけられておるのですね。どうも私は、物品税というものの性格は変わってないけれども、ニュアンスが変わったという、きわめてあいまいだと思うのです。  最後に私は、確認をしておきたいのでありますけれども、どうもちらちら見えるのは、この物品税をだんだん普通のものまで広げていって、そうしてこれは一般付加価値税へのワンステップにやはりなっているのではないか。また現実に、私は昭和四十五年から今日までの答弁を見てみても、なりつつあるのではないか。これは政府のほうでおきめになった経済社会基本計画にある一般消費税ないし付加価値税について今後ともさらに掘り下げた検討を行なうというふうになっているわけでありますけれども、どう見てもこれはやはり付加価値税へのステップにこの税制改正というのがなっているのではないか。私が現実にあげた品物にまで物品税というものがかかっているというのはどうも納得ができない。これはまた皆さんがつくられた経済社会基本計画の財政部分の一端ではないか、こう考えるのですが、大臣の御見解はいかがですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 経済社会基本計画のことについては私も言及して御説明しているわけで、財政需要が相当大幅に広がってくる、それに対してどういうふうに対応していくかということは、これから将来の大きな問題であると思います。そこで先ほども申し上げましたが、公債財源というものは、私は今年度の場合におきましては大きな意義があると考えておりますが、将来においてこれに大きな依存度を期待することは私は適当でないと思う。やはり経常の歳出は経常の歳入で原則的にまかなうべきものである。そこで直接税、間接税を大きく分けてみますと、やはり間接税というものも相当考えなければならないのじゃないだろうか。もちろん直接税においては法人重課、勤労課税軽減ということが大鉄則でございますけれども、同時に税制という面からいえば、間接税というものがやはり主柱であると思うのです。これをどういう形にしたらいいかという場合に、一般論として、それは一般の消費税とか付加価値税というようなものが検討の課題としてそこにも出てきているわけです。  しかしこれに対しては、私は先ほども強調しておりますように、過去の経験からいっても非常に大きな反対がある。このことも肝に銘じておかなければならない。したがって、現在付加価値税というものを私は非常によい案であるというようなことは言っておりません。現在そういう気持ちは持っておりません。現在の選択としては、ただいま御審議をいただいておる物品税あるいは入場税というのに非常に固執しているのもむしろそういう気持ちからなんですが、将来はよく検討をしていかなければなるまいという程度のことを申し上げているだけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 最後に、間接税の問題点は数々あるわけですね。たとえば先ほど入場税の例にあげましたけれども、とにかく消費税だということで、あるいはサービスの提供に対する税だということで、お子さんの小づかいからもとにかく課税されるというのは、これは間接税の悪いところなわけですね。どんな金持ちの人がたばこを吸おうと貧乏人が吸おうと同じ税率を課せられている、税金が取られるというのは大衆に課税されるということで、これは決して好ましいことではないし、あってはならないことだと思うのです。そういう意味で間接税の問題点というのは非常に大きな問題点を含んでいるわけです。それが物品税のなしくずしとして間接税がどんどん導入されてくる、しかも今後の財源として大きなウエートを占めてくるということについては、もっと深めた論議をこの大蔵委員会でもする必要があると思うのです。それだけを申し述べまして、質問を終わります。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 両案に対し、自由民主党を代表して、木村武千代君外四名よりそれぞれ修正案が、また、入場税法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、阿部助哉君外四名より修正案がそれぞれ提出されております。     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 この際、各修正案について、順次その趣旨の説明を求めます。木村武千代君。

木村武千代自由民主党

○木村(武千代)委員 私は、ただいま議題となりました自由民主党の提案にかかる二つの修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨と内容を簡単に御説明申し上げます。  案文の朗読は、便宜省略させていただきます。  御承知のとおり、政府原案におきましては、両法律とも本年四月一日から施行することを予定していたのでありますが、あらためて御説明申し上げるまでもなく、現在すでにその期日を経過するに至っております。  両修正案は、いずれもこのような事情に伴う期日の修正に関するものでありまして、改正法律の施行日を、それぞれ「公布の日の翌日」に改めるとともに、物品税法改正案中、販売業者証明書の制度について、準備期間を考慮して、本年六月から実施することといたしておりましたものを、一カ月延期し、本年七月から実施することに改めようとするものであります。  以上が、両修正案の趣旨と内容であります。  何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上げます。以上。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 次に、阿部助哉君。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 ただいま議題となりました日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる修正案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。  修正案の案文は、お手元にお配りいたしておりますので、朗読は省略させていただきます。  御承知のとおり、入場税は、映画、演劇などをはじめ、競馬、競輪等のギャンブルに至るまで、各種の幅の広い課税対象を持っておりますが、事実上その負担は、今日、われわれが、ますます大衆のものにしていかねばならない映画や演劇、あるいは音楽、スポーツといった分野にかけられており、課税人員、税額ともに全体の八〇%から九〇%を占めるという高い実績を示しているのであります。  申すまでもなく、このような芸術文化などの分野は、人間性の回復という、今日の大きな政治課題にとって欠くことのではない重要な使命を持つものであり、文化的先進国を自負し、福祉国家への転換を内外に宣言するわが国において、このような大衆負担をもたらしている課税がいまなお存在していることは、われわれの全く理解に苦しむところであります。  しかも、その税収は、今回の改正なくしても、せいぜい百四十億円程度、改正後においてはわずか八十六億円、国税収入全体に占める割合では実に〇・一%にすぎないものでありまして、二兆円をこえる自然増収をあげ、十四兆円という膨大な規模の予算を計上している中で、この程度の入場税に固執する財政的な理由もまた見出しがたいところであります。  入場税の存続を前提として、税率を若干手直しする程度の政府案には、その基本的な考え方において、全く同調できないものであります。  われわれは、このような観点から、一般大衆の税負担をなお一そう軽減するため、この際、入場税は撤廃することが妥当であるとの結論に達し、ここに入場税法を廃止する旨の修正案を提出した次第であります。  なお、われわれは、競馬、競輪等のギャンブルにつきましては、全面的な廃止を主張するものであり、ことに最近における異常ともいうべきブームを招いている状況等にも顧み、われわれは現行の入場税とは全く発想の異なる新たな措置を講じ、これによる収入は身体障害者施設の充実あるいは教育文化の振興等の財源に充てるべく、目下その具体策を検討している向きもあり、それまでの経過的な措置として、なお当分の間、課税を存続することといたしております。  以上が修正案の概要であります。  何とぞ、御賛成を賜わりますようお願いを申し上げます。以上です。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これにて各修正案の趣旨説明は終わりました。  入場税法の一部を改正する法律案に対する阿部助哉君外四名提出の修正案は、歳入減少を伴うこととなります。  つきましては、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において意見があれば、この際、発言を許します。愛知大蔵大臣。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ただいまの修正案につきましては、これが他の個別物品やサービスに対する課税との負担の均衡を著しく失することとなるのみでなく、昭和四十八年度予算にも影響を及ぼすこととなりますので、政府としては反対でございます。     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これより両原案及び各修正案を一括して討論に入ります。  討論の通告がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております入場税法の一部を改正する法律案及び同案に対する自由民主党提案の修正案に反対、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党の四党共同提案の修正案に賛成、物品税法の一部を改正する法律案及び同案に対する修正案に反対の意向を表明いたします。  まず、入場税につきましては、われわれは従来から、このような大衆課税は基本的に撤廃すべきものであるという考え方を明らかにしてまいりました。  すでに御承知のように、今回の政府案は、千円または二千円以下の映画、演劇等の入場料金に対する税率を五%に引き下げようとするものでありますが、免税点のほうには全然手をつけず、依然として百円のまま据え置こうとしております。われわれが入場税を大衆課税とする理由の一つは、この入場料金の現状からかけ離れた時代錯誤的な低い免税点にもあるのでありまして、これでは諸物価上昇の著しい今日、何のための免税点か、全くその存在の意義をなしていないのであります。免税点が少額不追求の趣旨から出ているという政府の説明は、全くの官僚的な発想にすぎません。小づかいをさいて入場する子供料金にまで課税するという入場税の大衆課税的性格は、今回の改正によっていささかも改善されたといえないのであります。大いに努力してここまでの減税に踏み切ったという説明にしては、あまりにもお粗末というべきであります。  われわれが入場税を撤廃すべしとする理由については、先ほどの修正案の説明に述べられておりますので、多くは申し上げませんが、口を開けば福祉社会の建設、人間性の回復、芸術文化の振興を唱える政府が、財政的にも八十六億にしかならない入場税に今日まだこだわっているのは、全く筋の通らない話で、矛盾もはなはだしいといわざるを得ません。われわれは、このような入場税の存続を前提として提案された政府案及び自民党の修正案に反対し、入場税の撤廃を進める四党共同提案の修正案に賛成するものであります。  次に、物品税につきましては、私どもも、ここ数年来、その全般にわたる基本的な見直しを強く要求し、政府もようやく今回重い腰をあげたというところでありますが、具体的な改正の内容は、高級消費財偏重の減税案であって、大衆消費物品の負担軽減を主張したわれわれとしては、きわめて不満足の意向を表明せざるを得ないのであります。  税率の改正について言うならば、一方において、ダイヤモンドや貴金属製品あるいはゴルフ用具、大型乗用車等の豪奢的物品については、製造段階税率に換算して一〇%もの引き下げを行ないながら、ストーブ、電気掃除機、電気洗たく機などの大衆消費物品についてはその半分の五%、扇風機、卓上用の電気スタンドなど数多い必需品的なものに至っては全然手がつけられていないのであります。これまでの政府の答弁などから判断するならば、このような改正は、最近における消費の一般化や高級化等の傾向に即応するという考え方にあると思われますが、今日といえども、ダイヤモンドや高級乗用車の奢侈性が薄れたと誰が認めるでありましょう。特に、高級乗用車については、対外的な理由があるにせよ、別途、租税特別措置法により、さらに減税措置が講ぜられるに至っては、まさに何をかいわんやであります。高級消費財の軽減をはかり、きりだんすを非課税とする不公平をそのまま放置するような余裕があるならば生活必需品化した数多くの物品に対する課税をまず廃止すべきであります。  また、政府は、一方において付加価値税等の一般消費税の導入は慎重に取り扱うと再三言明しておきながら、今回のこのような税率の平準化によって、事実上その布石を置くがごとき措置をとることは、われわれの絶対に見のがすことのできないところであります。  さらにまた、この際政府に対し、特に検討を要求したいことは、政令のあり方の問題であります。  現在、物品税の政令においては、物品税の課税対象について、その定義をはじめ、ほとんどの物品について免税点の金額や規格による非課税等の規定を置いており、法律上の課税物品が国会の意思によって決定されても、その事実上の課否の決定は、政府の自由裁量にまかされるという構成になっているのであります。  たとえこの免税点や規格非課税の措置が一般消費者にとって、あるいは中小企業対策等のため、かりに許されるとしても、現在のような構成のあり方が妥当であるかどうか、きわめて疑問のあるところであります。  あらためて申し上げるまでもなく、租税法律主義を規定する憲法の八十四条は、税法上の基本的事項である納税義務者、課税物件、課税標準、税率等をはじめ、不服の申し立てや訴訟、罰則に至るまで、税法上の権利義務の一切について、必ず法律をもって規定すべきことを厳格に要求しているのでありまして、かりに政令に委任する場合においても、それはきわめて必要最小限のもののみに限って許されるのであります。この点は単に学説のみならず、いくつかの判例においても明らかなところであります。  いやしくも、このような租税法律主義のたてまえをとるわが国の税制の中において、行政府の独断で事実上の課否が決定できるという現在の法律、政令の構成は絶対に認められません。  今回の改正においても、相当の品目数にわたる免税点の引き上げや、新規課税、課税の廃止等大幅な、ある意味では法律以上に内容のある改正が、政府限りで行なわれようとしております。この機会に政府に対し厳重な警告を発するとともに、法律上の政令委任、特に別表の構成のあり方を含めて、基本的な政令のあり方について、早急に再検討を行なうよう強く要請しておきます。  なお、最後に、入場税、物品税の本質から見て、今回の減税の効果は小なりといえども、すべて最終消費者である国民に還元されべきでありますので、政府においても、行政指導等の面で十分な配慮を払い、いやしくも中間の業者によってこれが吸収されてしまうようなことのないよう、特に要望して私の討論を終わります。(拍手)

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木(宏)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、入場税法の一部改正案について、政府提出の改正案並びに自由民主党提出の修正案に反対し、わが党を含む野党四党の共同提案にかかる修正案の成立を期す立場から討論をいたします。  今次改正案の主要点は、政府の趣旨説明によりますと、税率を一部引き下げ、非課税範囲につき若干調整しようとするものでありますが、文化、芸術の豊かな社会を建設することは国民の願いであり、その自主的、民主的な発展はわが党の重要な政策であります。そのためには、音楽、演劇などの催しについては、財源対策としてみるよりも助成発展の対象とするべきものであります。  現在、国民各層の文化要求はたいへん高まってまいりました。たとえば勤労者音楽協議会や子ども劇場をはじめ、民族的、民主的文化運動が自主的に進められ、わが国社会の文化の発展に貢献をしています。この意味において、抑制的な効果を持つこの種入場税は廃止すべきであります。  財源としては必ずしも比率が大きくないにもかかわらず、政府が依然として現行入場税を存続しようとしているのは、間接税全体として、あるいはまた直間比率などの財源調達もしくは国庫主義の立場からこの問題が考えられていることは明らかであり、国民の強い文化要求に反するものであります。  この立場から、わが党は他党と共同して撤廃の修正案を共同提案したものでありまして、国民は本修正案の成立を心から期待していることと信じます。  今次改正案についてみますと、百円という常識はずれの免税点はそのまま据え置きになっており、その減税効果は微々たるものであり、非課税範囲についても国の催しはその扱いになりましたものの、国民の自主的な催しはもとより、地方自治体の催しすら除外されており、むしろ国民の強い撤廃要求を、ある意味ではすりかえるものである、こうさえ言えるものでありまして、賛成することはできないのであります。  私は、入場税が戦費調達目的のために設けられた沿革と、今日ますます大衆課税であることをあわせ指摘しまして、政府改正案並びに自由民主党の修正案に反対し、四党共同提案の修正案が可決せられるべきであることの意見を表明いたします。  次に、物品税の一部改正案について、政府提出の改正案並びに自由民主党提出の修正案に反対の討論をいたします。  今日物価を安定させることは国民の強い願いであり、物価に深いかかわりを持つ物品税もまた物価政策の面から検討されなければなりません。この点につきまして、わが党は生活必需品にかかる間接税などは平均して二〇%引き下げ、物価を安定させるべきことを主張しております。これはまた国民の強い要求でもあります。  今次改正案を見ますと、第一に奢侈品、高級品に対する高い税率を引き下げようとしているにもかかわらず、生活必需品に対する税率は引き下げなく、維持されているものがあります。一例をあげれば、宝石、大型モーターボートなどは引き下げ、卓上電気スタンドなどは据え置くという事例を見ても明らかであります。  第二に、生活必需品について新規課税をしております。たとえば天井直づけまたは壁つけ照明器具などを同種物品との対比から新しく課税物品に入れておりますが、これは全く物価安定に逆行するものであり、もし政府の主張されるごとく斉合性を唱えるならば、生活関連照明器具について課税を廃止する方向でこそ斉合すべきであります。  第三に、現行法では税率構造が六段階になっておりますが、改正案では四〇%を廃止して五段階に縮小し、一〇%と二〇%にその大部分が集中するようになっています。昨年の六月一日付の大蔵省の物品税改正方針を見ますと、物品税の課税対象の拡大や、一般消費税導入など、大衆課税強化の考え方が見られ、今次税率構造の改正が右方針の具体化に結びつく危険性を指摘しないわけにはいきません。  第四に、貴石等の販売について販売業者証明書制度を法制化しています。これは小規模業者にも記帳義務をきびしく追及する結果が生ずるであろうことが予想されます。しかもその手続が政令にゆだねられていることは憲法に定める租税法律主義に反するものであり、この点は物品税法全体としての特徴でもあります。  以上のとおり、政府提出の改正案並びに自由民主党提出の修正案は国民の利益に反するものであり、反対であります。(拍手)

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 広沢直樹君。

広沢直樹公明党

○広沢委員 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました物品税法の一部改正法案、入場税法の一部改正法案及び自由民主党提出の両法案に対する修正案について反対、入場税法について日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党、四党の共同提案である修正案について賛成の討論を行ないます。  まず、物品税法の一部改正法案につきましては、負担の不均衡を助長している現行物品税法を是正することには反対するものではありませんが、しかしながら、その方向は奢侈品、高級消費財を課税対象とし、生活必需品には課税すべきではないという原則が貫かれていなければならないはずであります。今回の改正のように、消費構造が変わったからといって生活必需品も奢侈品も同じ範疇で扱い、多少の手直し程度の改正では納得できないのであります。生活必需品に対する課税の撤廃こそが先決であって、その上に立っての物品税の総洗い直しが必要であると思うのであります。  さらに今回新規課税されることになっておりますが、それが価格に転嫁され、現在のインフレムードを助長することにもなりかねないと思うのであります。同時に、物品税の引き下げによってどれだけ消費者価格に反映されるかも疑問であります。  また今回の改正によって、税率が平準化の方向にありますが、これによって間接税の幅が拡大されるおそれがきわめて強く、ひいてはきわめて逆進的な大衆重課となる付加価値税の導入の意図さえ見られるのであります。  以上の理由で、物品税法の一部改正案については反対をいたします。  次に、入場税法の一部改正法案につきましては、入場税は戦費調達ということを目的に創設され、昭和十三年支那事変特別税法として、さらに十五年単独法として施行されたのであります。それは、戦時においては戦費調達という目的と同時に、娯楽的消費の抑制という作用をし、戦争の激化に伴い税率の引き上げが行なわれてきたのであります。このような創設目的を考慮するならば、戦後二十数年を経過した今日、当然撤廃すべきであります。  さらに税務当局は一般の消費課税の一環として担税力に応じた税負担を求めるのは当然だとしておりますが、国民の文化的水準を引き上げ、芸術文化の進展による人間性豊かな文化国家、福祉国家を築く見地から、性格の異なるギャンブル的なものを除き、この入場税の撤廃は当然であると思うのであります。  しかもこの税収は、四十八年度でわずかの八十六億円にしかならず、政府にやる気さえあるならば二兆五千億円をこえる自然増収が見込まれる今日、容易に実現ができるのであります。  以上の理由で、入場税法の一部改正法案に反対するとともに、これらの矛盾を是正しようとする四党提案の修正案に賛成の意を表明しまして、私の討論を終わります。(拍手)

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより順次採決に入ります。  まず、入場税法の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、阿部助哉君外四名提出の修正案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、木村武千代君外四名提出の修正案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 起立多数。よって、修正部分を除く原案は可決し、本案は修正議決いたしました。  続いて、物品税法の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、木村武千代君外四名提出の修正案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 起立多数。よって、修正部分を除く原案は可決し、本案は修正議決いたしました。     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 ただいま議決いたしました入場税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、越智通雄君外四名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。越智通雄君。

越智通雄自由民主党

○越智委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の四党共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨と内容を簡単に御説明申し上げます。  案文はお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。  このたび政府から提出された改正案は、入場税負担の軽減をはかるため、千円または二千円以下の映画、演劇等の入場料金にかかる税率を、五%に引き下げようとするものでありますが、文化国家を指向し、国民文化の向上等をはかるためには、文化性の高い催しものについての負担の軽減に、今後より一そう努力を払うべきであると考えられるのであります。  本附帯決議案は、このような観点から、国民文化の向上のため、望ましいと認められる種類の催しものについては、従来困難とされていた減免基準をさらに検討し、客観的に妥当な基準を求めつつ、その入場税負担の減免に一そう努力するよう、政府に対し、特に要望するものであります。  以上がこの附帯決議案の趣旨とその内容であります。  何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上げます。     —————————————   入場税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、国民文化の向上のため望ましいと認められる種類の催物については、客観的に妥当な基準を求めつつ、その入場税負担を減免するよう一層努力すべきである。     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  おはかりいたします。  入場税法の一部を改正する法律案に対し、動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。愛知大蔵大臣。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます。     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 次回は、来たる十七日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時八分散会

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