石炭対策特別委員会 第13号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/07/20
会議録
○田代委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。愛野興一郎君。
○愛野委員 私は、石炭対策の、閉山後の鉱害処理の問題について若干お伺いをいたしたいと思うのでありますが、今日石炭産業は、片方で閉山が行なわれておるかと思えば、また炭鉱爆発等々の災害も起きておる。同時にまた、エネルギー資源としての石炭というものも、やや見直されんとしておるかのごとき状態であるわけでございますけれども、佐賀県におきましては全然炭鉱が閉山をしてしまったわけであります。そこでいろいろと非常に深刻な問題が起きております。 そこで、そういった問題につきまして若干質問をいたしたいと思うわけでありますけれども、その前にお伺いをいたしたいのは、昭和二十二年に石炭非常増産対策要綱というものが国でできておるわけでありますけれども、この意義あるいはまたその要旨はどういうふうに理解をいたしておられるのか、ちょっとお伺いをいたしておきたいと思います。
○佐伯政府委員 私、ちょっとつまびらかに存じておらないわけでございますが、終戦直後でございまして、いわゆる日本の復興の一番もとになるという意味のエネルギーを確保する。その当時は、石炭がエネルギー源の主体であったわけでございます。それを増産をしてわが国産業の発展と国民生活の向上ということに資しようということで策定されたものというふうに存じております。
○愛野委員 佐賀県にとりましては、石炭の閉山後の対策につきましては、それが非常に重要な問題になるわけでありまして、筑豊あるいは北海道等々の石炭産業の先進県と違う事情が佐賀県にはあるわけでありますから、そこでまずそのことをひとつ念頭に置いていただいて、私はこれからお尋ねをしていきたいと思います。 さらにもう一つお伺いをいたしたいわけでありますけれども、昭和二十三年の十二月にバトラー調査団というものが派遣をいたされたわけでありますけれども、この派遣された意義はどういうものであったのか、この辺をひとつお伺いをいたしておきたいと思います。
○佐伯政府委員 これも正確でないかもわかりませんが、やはり先ほど申しましたようなことで、石炭をどうしても増産をして終戦直後の日本の復興に役立てたいということで、その当時まだ占領軍といっておりますかどうか、ちょっと正確ではございませんが、ありましたし、それから技術的にもいろいろアメリカの指導を受けるということもございまして、おもに石炭の緊急増産をしようということが主体であったのじゃなかろうかというふうに思います。
○愛野委員 私は、この昭和二十二年九月の石炭非常増産対策要綱によって、政府が国策として石炭エネルギーの増産を積極的に進める、同時にまた、二十三年十二月にドイツのバトラーという方を団長として、そして占領軍と、それから政府の炭鉱特別調査団を派遣をいたしまして、徹底的に佐賀県の場合は調査をされた。そして、できるだけ石炭を増産をするということから、戦後の佐賀県の石炭産業というものは画期的な発展をいたしたわけであります。 そこでそういう実情を、いわゆる石炭産業以外の農業あるいは一般市民、こういったものが、いわば国策に協力をしなければならないという、戦時中から引き続いての特有の、何と申しますか、国に協力をする、言いかえれば佐賀県特有の愛国心、こういったことから石炭に協力をしたということが、この佐賀県の特異的な石炭産業と県民との関係である、こういったことを御認識をいただかなければならぬ、こういうふうに私は考えるわけであります。 そういうわけでありますから、私は、少なくとも筑豊はこれくらい、あのように規模が大きいにもかかわらず佐賀県はこれくらい災害復旧に力を入れている、むしろ佐賀県の規模にしては力を入れ過ぎておるというようなこときことを、通産省のほうでもし当該市町村長に言われるというようなことがあるならば、やはり佐賀県としてはこういったことを持ち出さざるを得ない、こういうことになろうかと思うわけであります。私も県議会を二期やっておりましたときから、閉山問題そして炭鉱鉱害問題等、ずっとこれが佐賀県の、言いかえれば一番悩みの種であるわけであります。 いまの法律なりあるいは役所の基準なりというようなことだけで閉山問題を処理されるということであれば、佐賀県としては、いわゆる協力をしたいろんなそのときの経過、過程というものが、実は今度、こっちのほうにたくさん資料が残っております。しかも、当時通産局の担当者として政府と一緒に何とかひとつ炭鉱を拡大をしていこうといって努力をされた方々が、やはりあるいはこの鉱山の役員としておられるかもわからぬわけであります。そういうことでありますから、そういった方も非常に佐賀県に対してはお気の毒であると言っておられるわけであります。そういうことを踏まえていただいて、そしてお役所特有の冷静な処理だけではなく、こういった過去の歴史あるいはまた地域住民に対する愛情、そういったものもひとつ十分要素に入れて、佐賀県の炭鉱災害の問題については処理をいただきたい、こういうふうに私は思うわけであります。 そこで、佐賀県におきましては、炭鉱鉱害の認定をお願いしておる地域がまた非常にたくさんある。しかも、それがどういうわけか遅々として進まないわけであります。そこで、これは役所の基準がどうであろうと、あるいはまた認定できない要素がどうであろうと、あるいはまた財政的にそういったことが非常に不可能であるということがどうであろうと、現実に災害を受けておる人たちがおるわけでありますから、これはやはり何とかしていただかなければならぬ、こういう観点に立脚をいたしますと、今日鉱害の認定作業と申しますか、これがどうして早急に決定できないのか、それをひとつ系統的、計画的に迅速に今後何とか進めていただくお考えはあるのか、また進められない障害があるのはどういうことなのか、ちょっとお伺いをいたしておきたいと思います。
○佐伯政府委員 先ほども先生おっしゃいましたように、戦後特に石炭の大いな増産をしなければならないというようなことで、佐賀県におきましても、たとえば里山炭鉱とか佐賀炭鉱とか、新しい炭鉱をつくって増産に励んでこられたわけであります。そんなこともございまして、佐賀県だけではありませんけれども、鉱害を計画的に復旧しなければならないというようなことで、国会でも臨時鉱害復旧法などおつくり願って、私たちはそれにのっとりまして鉱害の復旧を進めておるわけであります。それも昨年の国会では十年間延長していただきまして、残っております千七百億の鉱害を十年間できれいにしようとして一生懸命やっておる次第であります。佐賀県ももちろん、これは全国的に十年間で鉱害をきれいにしようということで鋭意努力しておる次第でございます。 その中で、先生御指摘のように、鉱害問題と申しますとなかなか認定にむずかしい問題等ございまして、それがおくれますと鉱害復旧がおくれるということがありがちでございます。私たちといたしましても、鉱害認定の業務といたしましては地方通産局、佐賀県の場合は福岡通産局でございますが、そちらのほうで処理いたしているわけでございますけれども、やはり鉱害の認定の業務と申しますのは、復旧基本計画を作成します前提となるわけでございます。鉱害復旧を円滑に進めます観点から、認定業務の促進についてはできるだけの努力はしておるような次第でございます。 ただ、先生おっしゃいますように、佐賀県におきましても数地区のうち、たとえば江北町とか多久市というような二地区につきましては認定が可能だというふうな結論が出ておりますので、現在復旧計画を検討しておる最中でございます。 それから牛津町の科学認定調査、これはなかなかむずかしゅうございますので、科学認定調査というようなことをいたしておるわけでございます。これには学識経験者の先生方等も入っていただきまして科学認定調査をいたしておりますが、四十七年度に調査を完了いたしましたが、牛津町の一部の地域は採掘の影響を受けておるという結論を得ておるような次第であります。 それから小城町の下右原地区につきましては、四十八年度に調査対象として取り上げることにいたしておりまして、現在調査を実施中でございます。 このような形で、先生御指摘のようにおくれておる点があるかもわかりませんが、私たちとしては鋭意認定を早くやりまして、復旧に乗せて、一日も早く復旧が完了するようにいたしたいと思っておる次第でございます。
○愛野委員 いまの小城の科学認定調査の分は知っておりますけれども、そのほかに実際はもっと大きな、たとえば杵島郡の次町町とかあるいは江北町、それから小城郡の芦大町とか多久市とかあるいは伊万里市とか、こういうところが全部まだ認定になっていないわけですね。そこで、そういったところの作業はどういうふうになっておるのか、ひとつお伺いしたい。
○佐伯政府委員 佐賀県でいいますと、大町町でございますと畑田、それから江北町でございますと六角川周辺、それから小城町でございますと虎坊、多久市でございますと谷下、伊万里市でございますと大川という地区は、鉱害認定促進地区にしておりまして進めておるわけでございますが、その他のところにつきましては、鋭意いま鉱害認定をやる、それからまた必要に応じて科学認定調査も行なうということで進めてまいりたいというふうに考えております。
○愛野委員 鉱害認定促進地区に入っておるということでございますか。——そうしますと、これは促進地区に入っておるが、それは大体いつごろ認定になるか。あるいはまた認定できないという結論が出るのはいつごろになりますか。実はこういう陳情書というものが毎年毎年出るわけでございますね。
○佐伯政府委員 先ほど促進地域と申しましたが、これは別に法律的に促進地域というものがあるわけではございませんで、私たちは促進地域ということにいたしまして鋭意これを進めてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○愛野委員 これを促進地域というつもりで鋭意進めてまいりたいというようなことではなく——大体この地区は、田代委員長もよく御存じでありますけれども、炭鉱を掘ったあとの地盤沈下、こういう非常に有名なところであります。ですから、これを促進地域という心がまえだけでは現地は非常に困るわけであります。鉱害認定できるなら早く認定していただく。またできないという結論であるならば、何らかの方法を県としてはあるいはまた町としてはとらなければならぬわけであります、現実に沈下をいたしておるわけですから。こういう作業がおくれるということは、通産御当局よりもむしろ現地の県とか自治体が地域住民の苦情あるいは抗議に一年じゅう苦慮しなければいかぬ、こういう状態なんです。しかも、現実にその地区の方々も非常に困っておられるというわけであります。大体どの辺まで進んでおるというようなことはお伺いできないものでしょうか。
○篠島説明員 具体的な問題でございますので、私からお答えさせていただきます。 まず江北町の六角川周辺、それから多久市の谷下でございますが、これは最初に部長から申し上げましたように、すでに一応の認定の調査は終わりまして、われわれとしては、これはもう認定してもいいという結論を得ておりますので、現在復旧計画を進めております。 それから、大町町の畑田地区でございますが、これについては、現在調査はかなり進行しておりまして、まだ結論を出すところまではいっておりませんけれども、近く具体的に方向は出したい、こう考えております。 それから、小城町あるいは伊万里市、これは鉱害があるということはもちろんわれわれ承知しておるわけでございますが、通産局のほうに問い合わせてみましたところ、まだ地元の被害者のほうから、特に早急に処理をしてくれ、あるいは認定をしてくれというような要望はあまり聞いていない。ただ、先生からの御指摘もありますので、われわれからももう一度指示したいと思いますが、今後必要に応じてできるだけ早急に認定事務をやるように措置してまいりたいと考えております。
○愛野委員 いまの伊万里と小城は通産局にも申請が出ていないということでありますけれども、佐賀県鉱害被害者組合連合会から各役所にも四十八年当初に陳情をした。しかも、組合連合会の各自治体の長が正式に判を押しておるわけであります。ですから、これは私も帰りまして、どういうことでそういうことになっておるのか調査をいたしたいと思っておるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、伊万里市と小城郡の問題は別といたしましても、とにかく早急にこれは認定をしていただかなければどうにも進まないという状況であります。これは鉱害に認定されなければ農林のほうで何とかしなければならぬということが出てくるわけであります。いずれにしましても、とにかく早く結論を出していただきませんと、自治体にしましても、それからまた当該地域に住む住民にいたしましても困る問題であります。ですから、これをひとつ早急に結論を出していただきたい、こういうふうに思うわけであります。 それから、災害防止に対する予算づけの考え方についてちょっとお伺いをいたしたいと思うわけでありますけれども、一例をあげてみますと、昭和四十八年度に杵島炭鉱、すなわち後の住友石炭であります。このあとのボタ山災害の流出防止の応急措置費として四千四百万円の予算を計上されておるわけであります。地方要望は一億三千万円であったわけでありますけれども、しかし、現地の現状から見まして、これでは五十ミリくらいの雨が降ればまた流出をする、こういうわけでありますから、もう毎年毎年ボタ山の流出に頭を悩まさなければいかぬ。しかもこの地区は商店街あるいはまた町役場、学校、町民グラウンド、そして川を通じて水田にそういうボタ山が流出をするという非常に危険なところであります。したがって、大蔵との問題あるいはまた財政上の問題はいずれともして、実質的なボタ山の応急災害防止さえもこの程度の予算であるということは、一体これはどういうふうにすればいいのか。これはもう実際は町役場の責任ではないわけであります。ですから、こういった面の予算づけの考え方というものに対して、どういう考え方で処理をしていただいておるのか、ちょっとこの辺についてお伺いをいたしたい。
○原木説明員 杵島炭鉱ボタ山ということでありますので、私からお返事申し上げます。 杵島炭鉱のボタ山は、御承知のように集積量が三百六十五万立米、高さは七十五メートルというような大きなボタ山でございます。土質が非常に軟弱で、民家が多いので、御指摘のように非常に危険だということで、昭和四十四年度からいままで工事を続けております。工事総額一億四千三百万円、補助金額約九千五百六十万円が四十七年度でありまして、四十八年度は御指摘のように四千四百万円という金額にいたしております。当初四十四年から五十一年までの八カ年計画ということで、このボタ山の防災工事というものを考えておりましたが、昨年の大雨でくずれて、下の住宅のほうに相当の被害を出したということもございますので、従前の方法だけでいいかどうかということについては、いまなお詰めておる最中でございます。相当量のボタを運ばなければいけませんが、運ぶ土地が一番の問題でございます。鉱害の復旧あるいは飛行場建設というような面にも使えないかということも含めまして、いま計画の練り直しをやっておる最中でございまして、これについて成案を得次第、また具体的にもう一ぺん考えていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○愛野委員 いまの問題は旧杵島炭鉱のボタ山災害だけの問題を取り上げてもこういう実情であります。したがって、今日のボタ山災害防止の状態では、毎年毎年これはやり直すということをやっていかなければならぬ状態でありますから、その辺で、何か一つ、これはどこでもボタ山があるところはそのボタ山をどこに持っていくかという問題があるでありましょうし、あるいはまた、技術的にボタ特有の土質と申しますか、そういったことから、困難な問題であるわけでありますが、しかし、それだからといってこのままの状態では、毎年毎年そういった災害に見舞われているというわけでありますから、何か抜本的に考えていただかなければならぬ時期に来ておるのではなかろうか、こういうふうに私は考えるわけであります。 同時に私は、このボタ山流山防止などの陳情をいたします場合において、非常に地元の自治体が困ることは、たとえば通産省あるいは県でもそうでありましようけれども、危険性は認めるけれども、炭鉱あと地は私有物であるために、所有者が防災工事をすべきであるという観点に立って話をされる。それはそういうことでありましょうけれども、しかし、先ほど冒頭にも申し上げましたように、昭和二十二年の九月の石炭非常増産対策要綱に協力をした自治体とか住民の側からすれば、これは今日閉山後の炭鉱というものがない場合においては、やはり昭和二十二年九月の原点に返って、どっちみち国とか公団とかでボタ山を買収していただいて、そうして国の責任においてこれをやっていただくべきだ、こういう声さえ起こっておるわけでございます。したがって、私はこういうことから考えますと、やはり住民の生命を守るために、もう少し積極的なボタ山の災害防除の対策に国として本格的に取り組んでいただきたい、こういうふうに思うわけでありますけれども、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。
○林(信太郎)政府委員 ただいま御指摘のボタ山の防災対策の抜本策いかんという点でございますが、本来ボタ山の危険防止につきましては、鉱山保安法に基づきまして鉱業権者が一時的に管理義務を負っております。鉱業権者が消滅しましたあとも、五年間は法律によりまして危害、鉱害の防止あるいはボタ山の管理につきまして、適正の規制を行なうというたてまえになっておりまして、こういったたてまえから、鉱務監督官を督励いたしまして、監督、検査を計画的あるいは臨時に実施をいたしまして、危険の防止をはかっておるわけであります。特に終閉山を控えております石炭鉱山のボタ山につきましては、終閉山後の危害、鉱害の予防を適確にするというたてまえから、あらかじめ恒久的な措置を実施するように指導監督を行なってまいっております。 ただ、ただいま先生から御指摘がございましたように、保安上危険であり、したがいまして、災害防止工事を実施する必要があるボタ山であるにかかわらず、鉱業権者がいない、したがいまして防止義務者が不在、あるいはありましても力がないといったような、放置されましたボタ山がたくさんございます。こういったものにつきましては、ただいま石炭緊急増産によります傾斜生産による戦後の廃墟からの復興といったようなことに始まります国策への協力、そういったものが背景になりまして、国、地方公共団体ともどもその安全確保につとめる必要があるわけでございまして、かかるたてまえから、現在は、県が防災工事を実施いたします際、国がこれらの災害防止工事補助金制度という制度によりましてその費用の三分の二を補助するという形で、ボタ山災害防止に努力してまいっております。現在四十八年で工事額で三億六千五百万円、補助金額は二億四千三百万円という形になっております。 ただ、今後ボタ山対策の抜本策ということになりますと、現在やっておりますような災害防止の手法あるいは限度では、御指摘のようにきわめて不十分でございまして、私ども内部でも強く反省をいたしております。特に鉱害を除去する際に、部分的な危険除去というふうな形でやってまいっております。これにはそれなりの財政的な制約もあってのことかと思われますが、ただいま先生御指摘のように、地域住民に与えます不安を考えますと、こういう限度でとどまるわけにはまいらないという感じを強く持っております。したがいまして、こういった実情にかんがみまして、今後はボタ山の危険度に応じましたボタ山災害防止措置を強力に進めてまいりたいというふうに考えております。 こういった方向の準備行為といたしまして、本年度地方公共団体と協力いたしまして、ボタ山の実態を調査いたしております。これを基礎にいたしましてボタ山災害防止長期計画を策定したいということで、内部で作業を進めております。この長期計画をもとにいたしまして、四十九年以降の予算の増額に最大の努力を傾注いたしたいと考えております。なお、その際の主要点といたしたしては、ボタ山の切り取り量の限度をもっと上げるとか、あるいは対象地域あるいはただいま担当課長が申し上げましたような運搬処理といった点にも、可能な限り努力をしていきたいという所存 でございます。
○愛野委員 そこで、佐賀県の場合を見てみますと、地下採掘をしたところは炭鉱鉱害による地盤沈下、そうしてそこから石炭を運んでいって処理をしたところはボタ山と、両方に災害を受けておるというようなわけでありますから、そこで、炭鉱災害による地盤沈下を受けて一ぺんその災害復旧をしていただいて、さらにまたその後地盤沈下をした、こういったところもたくさんあるわけであります。そこで、農地とか家屋とかの再地盤沈下、鉱害による対策はどういうふうに考えておられるのか、また、その制度化等々はひとつ考えていただけないものかどうか、お伺いをいたしたいと思います。 それから、時間がございませんから一括してお伺いをいたしたいと思いますが、同時に、この鉱害地域内のミカン園の鉱害による湧水枯渇のための成熟未熟とか、あるいはその他果実肥大の減少、あるいは品質の悪化、あるいはそういう農産物に対する鉱害による被害に対しては、鉱害の対象にならないものかどうか。まだ佐賀県からこれは出してはいないと思いますけれども、今日佐賀県下でまとめた数字では約二十億から三十億くらいの被害になろう、こういうふうに申しておるわけであります。そういうわけでありますから、そういった問題についてはどういうふうに考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○佐伯政府委員 お答えいたします。 いわゆる再復旧全般の問題についていろいろ問題点があるわけでございますが、特に佐賀県の例で申しますと、江北町の特に平野部の軟弱地帯の一部におきましては、すでに復旧をいたしておりますのがまた問題が出てきておるというのがあるわけでございます。これはもともと浸水とか傾斜等のために、早く復旧をしなければいけない、あるいはそっとしなければ危険だというふうな状態に過去になりましたものですから、鉱害が安定をいたしておりませんでしたけれども、本来なら鉱害が安定してからいたすわけでございますが、それまではとても待てない状況でございましたので、復旧をいたしたわけです。したがいまして、その後にまた沈下の進行等によりまして新たな被害が発生をいたしておりますものにつきましては、再鉱害として認定をしよう、また認定が可能だというふうに考えております。 それから、もともと特にこの辺の地域につきましては、地盤が軟弱でございますので、なかなか家屋の復旧の工法について問題があるわけでございます。それらにつきましては、復旧工法自体につきまして、再沈下防止をどうやってやればいいかというふうな技術的問題がございますので、私たちといたしましても、現地の通産局あるいは鉱害事業団あるいは県、町あるいは九大の先生等学識経験者の方にお集まりいただいて、復旧対策委員会みたいなものをつくっておりまして、そこで復旧工法その他の工法を、そういうことがないように軟弱地盤の復旧に適するような工法を、いま一生懸命検討していただいている次第でありまして、それらを得ましたら、そういう工法で復旧してまいりたいというふうに思っておる次第であります。 それから果樹園も、これは前から問題でございまして、私たちといたしましても、特に佐賀県の場合、果樹園地帯でおっしゃられますような鉱害、地下を掘りまして亀裂が生じますものですから、地表水が逸水をいたしまして保水力がなくなるというふうな問題がございます。したがってミカンなどが減少するというふうなものも起こりますし、また品質が低下をするというふうなことも起こっておるわけです。これらも鉱害と認定して、鉱害復旧の対象にいたしたいというふうに存じます。それで、そういうふうにしたい、またするわけでございますが、果樹園のそういうふうな亀裂ができましたときの保水力が減ったものを、どうやれば完全に復旧できるかという技術的問題になかかむずかしい問題があるわけでございまして、これも数年前から佐賀県の農林部とか農事試験場等で具体的工法について検討をしていただいているような次第でございまして、それらも近く結論が出るというふうに聞いておりますので、そちらのほうで御検討いただきまして、早く結論を出していただきまして、それによって具体的に処理してまいりたい。それで工法を選定して、その工法でやってまいりたいというふうに思います。
○愛野委員 最後に、たとえば江北町の鉱害認定の問題にいたしましても、あるいは地盤沈下の再災害処理の問題にいたしましても、通産省と農林省が、先ほど例にお出しになったように、技術面で協力をされるというようなことが非常に望ましいわけでありますけれども、逆に予算のつくものは、今度は協力じゃなくてその反対であるわけですね。たとえば地盤沈下の問題は、江北町に引き続いて今度は白石平野というものが、水のポンプアップがあまりにも多いための地盤沈下と言われておりますけれども、したがってそれは、炭鉱鉱害じゃなくて、その影響によるところの農林のほうの地盤沈下であろうというふうに言われる。あるいはまた逆に農林のほうは、今度は江北町に引き続きの白石野の地盤沈下は炭鉱鉱害による地盤沈下であろう、こういうふうにかりに言われる。そういたしますと、両方から実際は投げ合いのようなかっこうで結局結論が出ない、こういうようなこともあるわけでありますけれども、そういうわけでありますから、少なくとも各省間の有機的な連携と申しますか、これをしていただいて、そして早くこういった問題は結論を出していただかなければならぬ、こういうふうに思うわけであります。 いずれにいたしましても、佐賀県におきましては、戦前あるいは終戦直後は米と石炭に象徴されておったようなところであります。しかも、両方ともに国策の線に沿ってやった。それが逆に被害者になり、しかも島根県と並んで一番過疎県になっておる最大の原因だ、こういうようなことを考えますと、これはむしろ国の責任でもあるというようなことも言えると思うのであります。そういうわけでありますから、ひとつぜひそういった観点からいろいろと、いま現実にある基準とかたてまえとか、そういったものだけを冷静に見ていただくということじゃなくて、そのよって来たる原因、また過去における国の施策がどうであったか、こういう観点から、ひとつ地域住民の立場に立った行政をやっていただくようお順いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○田代委員長 塚田庄平君。
○塚田委員 きょうは通産大臣もおられないのですが、ちょっと原則的な問題について質問をしたいと思いますので、みんな大臣になったつもりでひとつ責任ある答弁をお願いしたいと思います。 この間アメリカが、大豆のアメリカからすれば輸出、これをとめて日本の国は大騒動になりました。食糧は御存じのどおり七〇%程度の自給率ということでいままで発表されておりましたが、大豆がちょっと来なければ日本は大騒ぎになる。特に酪農家などは、豆かすのストップというのをたいへん懸念したという事件が起きましたね。 さて、こういう事件を振り返って、エネルギーは一体どうか。いま言ったとおり、七〇%の自給率であってもこういう大騒動になる。ところが国産エネルギーというのは、四十六年度で、われわれの調査で言うと一五%程度の自給率、あとの八五%はこれは全く輸入。一体食糧にいま起きておるような事態が燃料について、エネルギーについて起きたらどうなるのか。最近は、これは単なる私どものほうのやりとりではなくて、国民が本能的にその危機を感じつつあるのではないかと私は思います。言わんとするところは、自給率一五%、こういう自給率で一体推移していっていいのかどうかということを、まずこれからの質問の前提としてお伺いしたい。
○外山政府委員 エネルギーの自給率はいま一五%程度でございまして、御指摘のようにその点ではたいへんな海外依存度を持っているわけでございます。その中でも、特に御承知のように石油に大きな依存度を持っておる。石油が九九%をこえる依存率になっておるというふうな事情がその間の消息をはっきりと物語っておるわけでございます。これがいいか悪いかという点になりますと、確かに私どもから見ますと、たとえばアメリカのような国がエネルギーの危機をいろいろ言いますけれども、国内にはまだまだ有望な資源が埋蔵されておるという意味ではたいへん日本と違っておるという事情がございまして、この点を私どもとしては羨望の念をもって見ざるを得ない。ということは、逆に申しますと、日本はエネルギーについて選択の余地が非常にない。つまりそういった海外依存度にしておきながら、しかもそういった意味での選択の道が非常に乏しいというところに非常に問題があるというふうに私ども思います。 しかし、いまこれを急速に自給率の向上と結びつけるという政策については、これは非常にむずかしい。長期的に見まして、いろいろな新エネルギーを開発するという努力がどれだけ実るかということ、またどのくらいのテンポでこれが実っていくかというふうなことを私どもとしては期待せざるを得ないわけでございますが、そういった努力がどの程度の数字の変更をもたらすかという点についても、いまのところ確たる自信がないわけでございます。 いずれにしましても一九八〇年ないし八五年以降の問題として、私どもとしてはそれを掲上せざるを得ない。それまでの間に総自給率の向上という点が望まれないという事実の上で、私どもとしてはいろいろな対策を考えなければならない、こう考えておる次第でございます。
○塚田委員 そこで、私は残念ながら、第五次までに及ぶ石炭対策というのは、特に第五次に象徴的にあらわれておるように「二千万トンを下らざる」というその考え方は、これは国家的な要請として、たとえばとにかく自給率をできるだけ上げたい、炭鉱に困難な事情はあるけれども、それを克服して自給率を上げていくという考え方に残念ながら立っておるんではなくて、一体企業はどれだけの石炭を使うんだろうか、どれだけ引き取ってくれるだろうか、つまり需要確保の面から二千万トンという数字がはじき出されてきておるというこのこと自体が、私は石炭対策の取り組みの最も大きな欠陥だと思う。いま答弁のとおり、とにかく何としても新エネルギーの開発、あるいは現存するエネルギーの拡大生産の中で、とにかく自給率を上げて、もし不測の事態が起きてもそんなに国民に不安を与えないような体制を一日も早く確立したいという思想に立つならば、第五次というのは徹底的に見直しをしなければならない、こういう事態に来ておると思うのですが、どうでしょうか。
○外山政府委員 確かに第五次石炭対策の趣旨は御指摘のとおりだと思います。需要の確保ということを中心に討論をいたしまして、その結果、それをできるだけ引き上げるというかっこうでの努力はいたしましたけれども、それが「二千万トンを下らざる」というところに落ちついたという状況でございまして、これは先ほど御指摘のような問題点から見れば、はるかに遠いかけ離れた数字でございまして、自給率との比較で見ますと、石炭が「二千万トンを下らざる」という程度の努力では、それに対する寄与率は非常に低い。ほとんど問題にならないような感じがいたします。しかし、その当時の石炭対策の趣旨から申しますと、やはり石炭をできるだけ確保していくというふうな角度に立った場合に、やはり日本の炭層の条件なりあるいは経済的な条件、あるいはそれを使う需要家の条件といったようなものを総合勘案いたしますと、これがやはり石炭対策としての限界であるというふうなことも当時も議論されたというふうに考えますし、それがまた、私どもの本時点において与えられた課題でございます。これをやはり確保していくということが当面の問題としては基本的に大事である。 で、先ほど先生がおっしゃったような角度からの検討というものは今後の課題として、大臣もしばしばおっしゃっておられましたように、これを出発点として、私どもは今後、将来考えたい。しかし当面、この五次答申の趣旨を尊重して、これを実現することに最大の努力を払いたいということでございまして、率直に申しまして、先ほどのような自給率の問題との関連での石炭対策という点は、将来の問題だろうというふうに考えます。
○塚田委員 これから質問したいと思うのですが、将来の課題であろう、一九八〇年くらいを目ざしての基本的な対策を立てていく必要があるということだったんですが、あとでいろいろと質問したいのですが、そうやっているうちに、そういう中でどんどんどんどんと閉山が進んでいく。おそらく一九八〇年になったら、振り返ってみたら山が一つもなくなった、さてそれでどうするかという時代に必ずぶつかってくると思うのですよ。残念ながら、最近の閉山というのは非常に急テンポになってきている。こういう事態を考えると、やはり早く五次政策というものを見直して、国家的な要請、つまりわれわれのいう総合エネルギー対策というものをはっきり確立して、その中で石炭の位置づけというものをきちっとする。そうでないと、こういう印象を免れないのですよ。やることなすこと、結局個別企業の対策であり、あるいはまた産業対策であり、閉山になったら、地域の対策であり、就職あっせんである、こういううしろ向きの個別対策をやっていたのでは、私は追いつかないのではないか、こう思いますので、ごく早い機会にいま言ったような観点から六次政策の確立というものに着手すべきじゃないか、こう考えるわけです。もう一ぺん御答弁を願いたい。
○外山政府委員 率直に申しまして、アメリカが先般のニクソン教書で、石炭についての技術開発並びにそれの将来のエネルギー源としての使用という展望に立った努力をしていくのと比較いたしまして、わが国の石炭の状態というのは必ずしも十分ではございません。条件も悪いし、コスト状態もよくない点もございますし、公害との関係で問題もございます。しかしやはり外国の研究技術というものを適用すれば、公害面での対策は立ち得るんじゃないかという問題もございましょう。ですから石炭のガス液化という問題も今後の技術的の課題だと思います。あるいは埋蔵量自体はかなりあることで、条件は悪いけれども、技術的克服によって将来可能になる場合もあり得るかもしれない、こういうこともあると思います。しかし、これはあくまでも将来の問題でございまして、当面石炭のエネルギー源として活用の余地というのは、日本の場合は、国際的に比較いたしましても非常に劣位にあるということが指摘できるわけでございます。しかし、先ほどのような問題点もございますし、私が申しましたような技術的な課題もございます。来週中には資源エネルギー庁というかっこうで、石炭もその中に含まれたやはり新しい角度からの行政的な視野というものも加わっていくと思います。単なる資源という見方だけではないという、見方も少しずつ変わっていく時期も来ると思います。これは今後の課題に待ちたいというのが私の気持ちでございます。
○塚田委員 こういう議論はこれで一応終わりたいと思います。結論的には、私はやはり石炭についてのナショナル・セキュリテイーといいますか、そういう思想を放棄してはならないということを基本にして石炭対策を立ててもらいたいと思う。エネルギー革命だ、固体から流体へ、こういうことを是認した上で、あるいは高いものよりも安いもの、こういう考え方で石炭対策を立てたんでは、これは撤退路線しか出てこないのはあたりまえなんですよ。その点ひとつ基本的な転換を私は求めます。これは私の意見ですから答弁はいいです。 さて、先ほど質問しましたが、「二千万トンを下らざる」というのは、実は需要確保の面から示唆されてきておるということですが、この需要の将来の見通しですね。たしかこのときには一千五百五十万トンについてはほぼ確定ということでしたが、四百五十万トン等については未確定のまま現在推移してきておりますし、また実際石炭を掘っても、最近は、たとえば三池はもう二百万トンをこえる貯炭、太平洋でさえ四十万トン、五十万トンの貯炭をかかえておる。こういう情勢の中で、一体需給の見通しというのは、少なくとも第五次の計画中の「二千万トンを下らざる需給見通し」というのははっきりできるのかどうか。特に最近電力の、これは九電力ですが、特に関西、関東はほとんど総撤退をしておるという状況の中で、将来どういうことを一体考えておるかということを、総括的にひとつ説明していただきたい。
○佐伯政府委員 先生おっしゃいますように、第五次対策を御検討願っておる過程におきまして、昭和五十年度の石炭の需要規模と申しますか、千五百五十万トン程度ということであったようでございますが、その後審議会でずいぶん御検討願い、私たちと申しますか、通産省でもいろいろ検討いたしまして、最終的に、先生先ほどおっしゃられましたように、二千万トンを下らざる線という需要を確保するということで合意を見たわけであります。四百五十万トン引き上げたわけでございます。これは鉄鋼向けに三百万トン、電力向けに百三十万トン、その他見合い分として二十万トン引き上げたわけであります。そういうことで、四百五十万トン引き上げたわけでございますが、先生御承知のように、需要の確保ということは石炭業界自身の、従来もやっておりましたが、それよりももっときめのこまかい絶大な努力が必要になることは申すまでもないわけでございますけれども、私どもといたしましては、需要業界に対しましても、引き取り要請、あるいは現在もやっておりますが、鉄鋼と電発等に増加引取交付金を交付いたしております。そういうことを含めまして、二千万トンを確保するということをせっかくやっておる次第でございます。 その中でも、先生おっしゃいますように、一般炭につきましては、公害規制が相当に進行いたしまして、したがいまして、環境保全に対する社会的要請が高まっております。石炭の需要と申しますか、利用に大きな制約になっておるのは事実でございます。したがいまして、たとえば、政策的につくりました電発揚げ地火力につきましても、排脱装置をつけて建設——現実にたとえば高砂火力等につきましては、排脱装置をつけることによりまして、いまよりも多く石炭をたくことも可能だというふうに思っております。 そういうことで、先ほど申しましたようなことで、鉄鋼業界あるいは電力等に引き取り要請あるいは増加引取交付金等を通じまして、二千万トンを下らざる線を確保ということに努力をしてまいりたい、またそのように着々と進めてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○塚田委員 需要については四百五十万トンとにかく一応期して処理する、あるいはユーザーはそういう点についての一応承諾といいますか了承のもとに進めていく。四百五十万トンをそのようにして引き取ってもらうのですけれども、同量四百五十万トン、四百万トンないし四百五十万トンぐらいいま現実に貯炭として残っておるのはどういうことなんですか。計画に従っていろいろ生産しながら、売れないで残っておる。どんなに相手方がとってくれるというふうに数字的には合わしてみても、現実に日本には四百ないし四百五十万トンの貯炭がこのようにしてあるということについては、これは非常に矛盾しているのじゃないですか。どうですか、部長。
○佐伯政府委員 先生御指摘のように、四百万トン余る石炭があるわけであります。現在国内の石炭の存在意義の相当大きなものに、私はエネルギーの安定供給ということがあるのじゃなかろうかというふうに思います。したがいまして、ある程度の貯炭、これは幾らということはいろいろ意見があろうかと思いますが、ある程度の貯炭も確保しておくということも必要ではなかろうかというふうに思います。 それから、四百万トンの貯炭があるわけでございますが、実は三池に二百、正確な数字は持っておりませんが、おそらく二百二十万トンくらいの貯炭があると思います。それが貯炭の半分以上を占めておるわけです。これは硫黄分が多い等の特殊な事情がございますので、いろいろ問題があるわけであります。したがいまして、それらの対策といたしましては、現在三池炭鉱のすぐそばに三井アルミがございますが、ここで専用の発電所を設けまして、水酸化カルシウムによりますところの排煙脱硫装置をつけました石炭専焼火力をつくりまして、とてもいい成績をおさめております。そして三井アルミさんのほうでは、施設を増強したいという話でございました。それにまた、専用の発電所をもう一基つけ足そう、十七万五千キロワットの発電所をつくろうということで計画をいたしております。これができますと、現在で大体、硫黄分の多い石炭を年間六十万トンたいておるわけでございますが、それがもう六十万トンたけることになってまいるわけでございます。それも一つの方法でございます。 それから先ほどちょっと申し上げましたが、これは三池ばかりではございませんけれども、発電の高砂火力、これは公害防止の観点で付近の住民の方と協定をいたしております。やむを得ず二十数%の重油を現在混焼いたしておりますが、これに排脱装置をつけまして公害防止対策をいたしまして、石炭をそれにかわってまた一〇〇%近い形でたいていくというふうなことをいたしたいというふうに、電発のほうで計画いたしております。これを私たちも推進をいたしたいというように思っております。 これらを合わせまして、それからまた、普通の九電力に対しまして引き取り要請をすること等によりまして、貯炭の解消の方向に向かって努力をしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○塚田委員 いま火力発電の問題に移ってきていますので、そこに質問を集中したいと思うのですが、おっしゃるとおり、これからの需要拡大の重要な一環として、石炭専焼の火力発電をやる。北海道では、まあここでもずいぶん問題になりましたけれども、ただ揚げ地の場合は、揚げ地といいますか臨海地帯では、いま言った公害問題が非常にたいへんだという情勢の中で、しかも時間を何年もかけて公害問題について住民との話し合いとか何かを進める、ということではなくて、早急にいまやる方法としては、私はこういうことをぜひひとつ検討して進めてもらいたい。北海道には火力発電所は四カ所ありますね。奈井江、江別、砂川、滝川です。奈井江を除いてはもう老朽化しているわけですよ。奈井江は二基ありますけれども、それぞれ五十九年と六十三年償却ですからまだ差があるのであります。だけれども江別、砂川、滝川はいずれも五十一年で償却済みですよ。償却が終わるのです。そしてこの三つはいずれも稼働率が非常に低下しています。私はこういう情勢で、江別、砂川、滝川を早急に切りかえるといいますか、償却はもう終わるのですから、それぞれ十二万五千あるいは七万五千、十七万キロワットが二基ないし三基ついているわけですが、これを早急に切りかえる。特に私は、この場合、いままでのような低品位炭じゃなくて、中品位といいますか、六千キロくらいのものを使う体制をつくらなければ北海道の場合はだめなんじゃないかと思うのですよ。そういう切りかえをやっていく。それに国家資金を思い切って投入していく。新しいところへ持っていくとなると、なかなかいろいろな問題がありますね。そういう一つの方法が考えられないだろうか。どうでしょう。
○佐伯政府委員 おっしゃられますように、北海道では石炭専焼火カ——これもおのおの石炭専焼でございますが、滝川、江別、奈井江、砂川とございまして、年間三百万トン強の石炭を使っておるわけでございます。私の記憶では、先ほどおっしゃいました奈井江が新鋭の石炭火力である。ほかの火力につきましても、まだ石炭を相当量たいております。まずこれをたいていただいて、そのほかに五十年度までは、先ほど申しましたようなことで、電力のほうでも二千万トンに見合う石炭をたいていただけることになっておりますが、その後の問題といたしまして、別に北海道に相当大規模な産炭地火力をつくってまいりたいというふうに思いまして、いろいろ検討を進めておる次第でございます。 その新しくつくりますものは、検討段階でございますけれども、大体経済的規模も考えまして三十五万キロワット程度のものにいたしたいと思いますし、使用する石炭も、先生おっしゃられましたように、大体六千カロリーくらいな石炭を使うというふうにいたしたい。そうしますと大体年間に八十五万トンぐらいの石炭がたけるというふうに思っておる次第でございます。できましたら、現在ございますのはまだ使えますので、もう少し石炭をたいてもらって、新しくそういうものをつくっていきたいというふうに思っておる次第でございます。
○塚田委員 いまの答弁で確認したいのは、三十五万キロワットで大型のをやりたい、その場合、大体火力発電——発電というのは一基ではだめなんですね。合わせて三十五万ですか。それとも三十五万二基以上という意味ですか。
○佐伯政府委員 私、電気の専門家でございませんですが、一般的に発電所は一つではなかなか効率がよくない、いわゆる片肺ではなくて二つが効率がいいというふうに聞いておりますが、いま計画をし、検討いたしておりますのは、一基三十五万キロワットのをさしあたってつくるということでございまして、その後やはりそれが片肺だということになりますと、将来の問題としてはもう一基つくるということも一般論としては考えられますが、当面三十五キロワット程度、これもまだ最終ではございませんが、そういうものを一基早急に建設する方向で参りたいというふうに思っております。
○塚田委員 どうでしょうか、その際、先ほど言ったとおり、臨海ということにこだわらないで、奈井江、江別、砂川、滝川等の状況等を勘案しながら、内陸についても検討を進める、これは臨海よりは早いと思うのです、合意を得るのは。どうでしょうか、その点について検討を進めて、もしすべての点で条件が整えば、たとえば敷地の問題その他技術的な問題等について整えば——これは整ったからここにあるのですけれども、そちらのほうに転換しても可なりという考えであるかどうかということなんです。
○佐伯政府委員 正直申しまして、立地点につきましてはまだきまっておらない状況でございます。北海道庁等と十分連絡をとってまいりたいというふうに思います。どこに立地をするかという問題、その中にはいろいろな公害防止の設備をつくるわけでございますけれども、完全ゼロというわけではございません。それらの公害の問題等を含めまして立地点を検討してまいりたいというのが一つでございます。 それからもう一つは、石炭の供給先の問題でございますが、御承知のように、北海道で一般炭が出ますのは石狩炭田と釧路炭田でございます。両方から石炭が供給できる、しやすいという意味からいいますと、臨海部のほうがいいのではなかろうかというふうに思いますが、これも臨海部に決定したわけではございませんが、そんな感じがいたしております。 それからもう一つ、先ほど三十五万キロワット一基と申し上げましたが、これも詰めたわけではございませんで、もう少し検討しなければなりませんけれども、三十五万キロワットの発電機でございますと、なかなか輸送の問題等、橋梁の問題等あるようでございまして、それらも全部含めまして検討をいたしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。 特に立地点につきましては、北海道の方々と十分連携をとり、御意見を伺ってまいりたいというふうに思います。
○塚田委員 その際、私はこういうことが一番いいと思うのです。それは竹原、高砂方式をとる、つまり電発でやるということですね。あそこはそういう面では非常に地元も協力している関係があるので、ぜひ私は竹原、高砂の方式でやるべきじゃないか、こう思うのですが、その辺はどういう考えでしょうか。
○佐伯政府委員 石炭部という立場からいたしますと、石炭の発電所ができて、それに石炭を長期にわたってたいていただけるということでよろしいわけでございますが、先生おっしゃられますように、北海道の場合でございますと、電発でやるかあるいは北海道電力でやるかということだと思います。その辺は公益事業局と十分連携をとりたいと思いますし、特に今度は、近く資源エネルギー庁になりまして、一つのところで検討できることになりますので、その辺のところで十分検討していただけたらと思います。
○塚田委員 それでは次に移ります。 第五次の石炭対策が確立されたその時点において、日本の炭鉱の炭鉱別の出炭計画あるいは実績の積算がなされたのではないかと思うのです。そこで、まず、どのくらい出るかということを押えなければ、これは需要需要といってもだめなんで、押えられたものと思いますが、大体四十七年度当初の出炭あるいは四十六年度の生産量集計でございますか、どう押えたか、一々の炭鉱ででなくていいですから、その点ひとつ御答弁願いたい。
○佐伯政府委員 昭和五十年で二千万トンを下らぬ線というふうな対策でおきめいただいたわけでございますが、これは先ほどもちょっと申し上げましたように、おもに需要面から二千万トンという数字を最終的におきめ願った。マクロ的にそういうことできめてまいったわけでございまして、五十年度にどの炭鉱がどうだというふうな積み上げ方をいたしたわけではないわけでございます。ただ、四十七年度当初にございました炭鉱の四十六年度の生産量を見ますと、それが二千九百三十万トン程度であったわけであります。四十六年度中に閉山をいたしました炭鉱がやはりあるわけでありますが、それらを含めますと、四十六年度の生産は三千百七十万トンくらいであったわけでございます。
○塚田委員 すると、四十六年度生産集計では二千九百三十万トンの実績だ。しかし、その後どんどん減ってますね。それで本年でもすでに三百万トンは飛んでいるんですから、その段階でどのくらいの生産量を押えることができるか、その推計をひとつ発表していただきたい。
○佐伯政府委員 先ほど申しましたように、四十七年度当初にございました炭鉱の年間生産数量は、四十六年度で二千九百三十万トン程度でございますが、それが五十年に二千万トンを下らざる線というふうなことになるわけでございますので、その間に約七、八百万トンの閉山が見込まれるというふうな状況でございます。しかし各年度別のそういう計画というのはございませんで、その当時御検討していただいた時点と、それから五十年度のそういう数字という二つでございます。
○塚田委員 それは部長間違いじゃないですか。来年の——これは来年どうなるかということはちょっとわかりませんが、一応予想される閉山といいますか、これを予想して、来年一ぱいで大体二千百万トンくらいという私どもの試算です。本年はおそらく三百万トンでしょう。来年、私は大体百五十万トンと試算しました。どうでしょう、この辺の見当は合いますかな。
○佐伯政府委員 実は答申の段階ではずいぶん御検討願ったわけでございますが、その後私ども、この国会で石炭鉱業合理化臨時措置法の改正をお願いして通していただきましたので、昭和五十一年度の基本計画をつくることに相なるわけでございます。近いうちに石炭鉱業審議会を開きまして、そこで御検討願うことにいたしておるわけでございますが、四十八年度の実施計画、それから五十一年度の基本計画をおつくり願うわけでございますが、私たちはまあ近く御検討願うことで、いま鋭意その準備をいたしているわけでございますが、五十一年度におきまして二千万トンを下らざる線、答申では五十年度でございますが、五十一年度においてそういう線くらいが一番適当ではなかろうかというふうなことでいま作業を、最終段階ではございませんが、している次第でございます。 それから、四十八年度の生産数量も、大体まあ二千三百五十万トン程度ではなかろうかというふうなことで、なお目下詰めておるような最中でございます。 それから、四十九年度につきましては、その過程でまた四十九年、五十年のことも、法律的にはきめる必要はございませんが、検討いたしておりますが、先生おっしゃられました二千百万トンよりはもう少したくさん出るというふうに思いますし、またそれの需要確保もいたしたい、こういうふうなことで、数字はもう少し詰めておる最中でございますが、そんな感じでおります。
○塚田委員 いずれにせよ、当初の五次の策定したときの基礎的な数字が音を立ててくずれてきているわけですね、閉山と同じように。 そこで、五十一年度計画というお話ですけれども、やっぱりこだわらぬで、まだ第五次に入ったばかりですけれども、冒頭申し上げたこの石炭に対する国家的な要請といいますか、これをがっちりと確立すると同時に、それ以後の計画についても徹底した見直しをはかる、こういう態度で第六次の策定に着手すべき時期じゃないか、こう思うのですがね。年度別に計画に従ってやるということじゃなくて、もうそろそろ——入ったばかりですけれども、長期のものをやる、こういう考え方はないでしょうかね。
○佐伯政府委員 これにつきましては、先ほど外山局長が御答弁申し上げたとおりでございまして、私どももその線に沿って作業をしてまいりたいというふうに考えております。
○塚田委員 まあひとつやってもらわぬと意地の悪い質問も出てくるので、たとえば百五十万トンとわれわれは試算している。炭鉱の名前をあげてもいいですよ。だけどこれはたいへんなことになると思うのであげることは避けたいと思いますが、いずれにせよ音を立ててくずれるという事態をどう阻止するかという基本的な対策をひとつ立てていただきたいと思うのです。 第三番目、災害の問題について聞きたいんですれけども、ことしもまた、すでに残念ながら五十名近い、昭和四十八年七月十六日現在で四十二名、炭鉱の災害で死亡しています。負傷の数は押えておりませんが、まあ大体昨年並みくらい、ちょっと少なくなりますか、そういう死亡率ということで、ただ特徴的なのは、端島にしましても三井砂川にしてもあるいは幌内にしても、どうも初歩的な災害といいますか、単純な災害で、防ぎ得なかったという災害じゃなくて、ここをちょっとやればこんなことは起きなかったんじゃないかという災害が続発しているようですが、これはどうなんでしょうか。私はこれはやっぱり技術指導なり何なりが非常に不行き届きだということと、深部採炭に伴う基礎的な訓練といいますか、こういうのが欠けておるように思うのですが、最近の災害状況と照らし合わせてひとつ御見解を承りたい。
○林(信太郎)政府委員 ただいま塚田先生から御指摘がございましたように、最近災害が……。
○田代委員長 大きな声で言ってください。
○林(信太郎)政府委員 最近災害が多発いたしております。石炭鉱山におきます本年の遺憾なことでございますが、死亡者を伴います災害は、七月十八日現在で、回数で三十三回になっております。で、四十二名の方が死亡という形になっております。昨年の話がいま先生から出ましたので、昨年一月から七月十八日までという同じ期間で比較いたしますと、回数で十六回減っており、死亡者の数で十一名の減。昨年は四十九回、五十三名。一−七月十八日の間でございます。しかしその内容を見てみますと、死亡者三名以上あるいは罹災者五名以上というような重大な災害が、現在、本年に入りまして四件に達しております。昨年は二件ということで、本年のほうが重大災害の数が多いという形になっております。五月二十九日あるいは引き続きます六月十二日の西部炭鉱におきます災害に続きまして、ただいま御指摘のような災害が続いたわけでございます。西部炭鉱の災害の直後に各石炭会社の社長を通産省に招致いたしまして、保安確保に万全を期するよう警告を発しますと同時に、全炭鉱にわたりまして保安の総点検を実施させた次第でございます。さらに、当委員会から保安確保につき万全を期するようにという申し入れを受けまして、私どもも決意を新たにいたしまして、先般理事会で私どものとりました対策につきまして御報告申し上げましたそのやさきにもかかわりませず、六月二十六日には夕張新第二炭鉱におきまして、落盤によりまして死亡二、重傷一というような重大災害が起こっております。まことに申しわけないと申しますか、遺憾な次第でございます。ただいま先生から御指摘がございましたように、この事故の原因を見てまいりますと、夕張新第二炭鉱の場合には、落盤によります取り明け作業中に第二次崩落によって事故が起きている。端局炭鉱の場合には二段払いの作業におきまして、二十メートルの天井の落盤で事故が起きている。それから幌内炭鉱の災害の場合も、夕張新第二炭鉱の場合と同様でございまして、崩落したあと、山固め作業中にまた天盤が二次崩落をして罹災が起きるというような形になっております。さらに三井砂川の場合には、二番方で作業のため電源を切ったため作業場でガスが充満した。三番方の保安係員がそれを排除するために現場に参りまして、禁柵の中に入ってガス窒息というふうな罹災の状況になっております。こういった事例を反省してみますと、ただいま先生御指摘のとおり、初歩的な保安の意識、あるいは保安の要領が徹底しておれば防ぎ得た事故ではなかろうかという気持ちは、私も全く同感でございます。こういった事件ごとに、その事件に同様なことが再び起こらないように監督局部長あてに十分注意するような指令を出しますとともに、初歩的なことでございますが、保安意識の高揚、保安教育と、それからこういった初歩的なことでございますから、老練者が未熟な鉱員をマン・ツー・マンと申しますか、現場の実地について指導するような具体的な方法も指示いたしまして、初歩的な保安要領の欠如によります痛ましい災害の防止に万全の措置をとるように監督しておる状況でございます。
○塚田委員 時間もありませんので、一々質問できないのですが、初歩的なミスで取り明け作業中に二次災害が起きるとか、禁柵に入ってガスを吸うとか、これはもう常識的には考えられないことなんです。やはりそれは基本的な欠陥があると思うのです。 そこで私は、保安についての教育の徹底だけではなくて、やはり個々の坑内の事情について徹底した指導をしていくということが必要だし、特に深部の採炭ということになるといろいろな事件が起きるんで、深部採炭については一体どういう点をまず注意する、そのやはり基本的な対策というものを立てる必要があるのではないか。これはもうどの山も全部深くなっているんですから、深部採炭についての対策を一体立てておるのかどうか。検討しておるのかどうか。これがなければ、いまの事故は一人、二人ですけれども、たいへんな事故も考えられる。特にこういう初歩的な問題でさえ克服できないで死んでいるんですから。その点どうでしょうか。
○原木説明員 技術的な問題でございますので、私のほうからお答え申し上げます。 採掘区域の深部移行に伴いまして、一体どういったような現象が生ずるかということを考えてみますると、一番目に、やはりまずガス突出と申しますか、ガスが非常に出やすくなるという状況があろうかと思います。二番目に、当然深度が大きくなります関係で岩盤にかかります圧力が大きくなる。それに伴います山はねの現象も起きやすくなる。それから自然発火といったものも、炭層の粉化その他もありまして多くなるだろうというふうに考えられます。それからもう一つ、深くなるにつれまして、これは常識的なことでございますけれども、相当程度温度が上がってまいろう。こういうような四つの問題が一番大きな問題だろうかと思います。 それではこういった問題に対しましてどのような手を打つかということでございますけれども、現在施業中の炭鉱に対しましては、石炭鉱山保安確保補助金といったものを交付いたしまして、特に坑内の冷房機等の充実あるいはガス抜き、先進ボーリング、それから密閉工事、充てん工事の促進といったことをはかっております。それで、長期的に、もう少しいまの技術以上に進んだ技術が必要であろうというように考えております。これにつきましては、たとえば私どもで設けております鉱山保安新技術検討会といったものを使いまして、ガス突出防止対策あるいは高温対策部会といったものを設けまして、過去ずっと検討してまいったところでございます。その検討にあわせまして、石炭技術研究所に鉱山保安技術調査委託費というものを交付いたしまして、ガス突出、山はね、高温対策、坑内火災対策といったものの調査あるいは技術基準の作成といったものをいたしております。 今後どうするかと申しますと、こういった問題をなお総合いたしまして、来年度からこの検討会を充実いたしまして、もう少し具体的な技術基準、そういったものの作成をなお強化して拡充してまいりたい、こういうように考えておる次第でございます。
○塚田委員 そこで部長、いま技術研究所その他にいろいろ委託をしながらやっているということですが、私はこの際、石炭に関係した研究所、これはそういう狭い範囲じゃなくて、もっと広く、たとえば工業技術院なら技術院、そういうところの力もかりながら、一大プロジェクトを形成して、深部採炭に伴ういろいろな技術的な問題開発方式をきちっと立てる。私は将来の、石炭がどうしても必要だ、国家的な要請だという場合に、それがなければ、どんどん補助していっても災害がずっと続いていくというような事態になるので、ぜひこれは国の全機能を集めて、そこでプロジェクトをつくって、そして通産省が中心になって進める。こういう体制をつくるべきだと思うのですね。どうでしょうか。
○佐伯政府委員 先生おっしゃいますように、だんだん深部に移行いたしておりまして、その面は、保安面だけでなくて生産面でもいろいろ問題が出てまいっております。それから、同じ保安面でも、生産とまさに同時に解決しなければならない問題がたくさんございます。いま純粋保安価については原木課長のほうからお話がございましたが、たとえば従来のように、沿層坑道でなくて岩石坑道を切って、そこからガス抜きをするというふうなことがとても大事なことだというふうに存じますので、私たちのほうといたしましても、骨格構造の補助金を本年度から、四〇%から七〇%に補助率を上げまして、岩石を主体といたします骨格構造の整備をするということが、保安を確保するもとでもあり、また生産を確保することでもあるというふうに思って、その面からも努力を進めてまいりたいと思っております。 それから、先生がおっしゃいました技術開発の面、これはきわめて重要な問題でございまして、私たちも従来から石炭技術研究所でいろいろな研究をいたしております。また、先ほど御指摘の工業技術院の中の特に公害資源研究所のほうでは、相当に強力なスタッフをもって研究いたしておりますが、なお一そうそれらのところあるいはそれらを含めて大学の先生等とも連携をもっともっと密にいたしまして深部開発をすることが、先生おっしゃいますように、日本の炭鉱を維持していく一番大事なことだというふうに思いますので、いろいろな方法を考えまして、御趣旨に沿ったような形で強力に総合的に進めてまいりたいというふうに思っております。
○塚田委員 労働省、来ていますか。——いまいろいろとお聞きのとおり、二千万トンを確保し、さらにそれを進めていくという上においていろいろな困難があるし、やらなければならぬ問題があるということなんですが、その一つに、私は労働力対策といいますか、これを欠かしてはならぬと思うのですよ。それで、炭鉱の現在置かれておる状況が逆に労務者にはね返って、そして離山という情勢もだんだん進む。それがまた炭鉱自体が悪化するという、こういう悪循環がどんどんきているわけですね。それでこの労働力、特に若い労働力の確保対策といいますか、一体どう考えておるか、労働省の御見解をひとつ承りたい。
○桑原政府委員 炭鉱におきます労働力確保の問題は、石炭産業の発展のために欠くべからざる要素だと思っております。そのためには、特にやはり石炭産業が経営基盤が安定されること、それから保安確保ということ、こういう点がやはり最重点じゃなかろうかと思います。そういう点で、私どもも通産省と連携をとりながら、魅力のある、特に若年労働者にとって魅力のある山にしていかなければならない。こういうことで、通産と連携をとりながら施策を進めておるわけでございます。特にそのためには、やはり賃金その他が他の産業から比べると低いという問題もございます。結局、問題は経営基盤の確立ということが大前提でございますけれども、この第五次政策を通じまして、国の非常に大幅な助成等もございますし、また、炭価の改定等がやはり賃金その他の労働条件にはね返っていくということを、ぜひ私ども期待しなければなりませんし、また、通産当局とも十分そういう点を協議しながら進めてまいりたいと思います。 それから二千万トンの確保のためには、若年労働以外に、現実に山が閉山になってまいりますと離山される方がございますので、こういう方たちがやはり前職の経験を生かして山に行かれるというような措置もとっていきたい。そのために、やはり事業主に雇用奨励金あるいは労働者に再就職奨励金あるいは山から山に行かれる方の移住資金等の措置あるいはその拡充等についても努力をしてまいりたい、こういうふうに考えます。
○塚田委員 そこで質問は、具体的に、大夕張のあと始末といいますか、大夕張対策というか、これをひとつ取り上げて、これは象徴的な閉山地域なので、各省の見解を聞きたいと思うのです。 いま失対部長は、御答弁がありましたが、その中で——こういう事態が一番困るのですよ。大夕張が閉山になっていく。一部はもちろん南部に吸収されるのでしょう。あとは地元にいないでどんどん本州へくる。けしからぬのは、特に三菱セメントを持っておる三菱で、こっちは労働力不足だからこっちへ来なさいというようなやり方で、せっかくの炭鉱労働力といいますか、他の労働力と違っていろいろな経験なり技術の必要な労働力が地元を去るということがやはり一番問題だと思うのです。かたがた、あそこは南大夕張、南部ですね、それから次には北炭の新鉱の問題に当然なっていく地域なんですね。 そこで私ども、定着させる一つの方法なんですけれども、それは絶対的な方法ではないのですが、事業団宿舎というのを——これは送り出し地にはつくらない、むしろ受け入れ地につくるというのが原則なんですが、夕張という一つの自治体をとってみると、あそこは市という形はとっていますけれども、私は町村の連合体だと思っている。御存じだろうと思いますが、全部別々になっているわけです。山別にあるいは沢に全部入っている。だから町村の連合体といっていいのではないか。たいへん金のかかるところです。したがって、学校の数は多い。駅は多い。何一つするのにも全部つくらなければならぬのですから、たいへん金がかかる。そこで、送り出し地にはつくらないとはいっても、町から町へ移るようなものですよ。たとえば大夕張から沼ノ沢に移るとか、あるいは鹿ノ谷へ移るというのはちょうど町一つまたいで行くようなものです。こういうことで、原則にとらわれないで、しかもこの際定着させるという意味において、事業団宿舎を、市という単位からいえば送り出し地ではありますけれども、そこにひとつ模範的なものを建てる、こういう対策も一つの方法ではないだろうか。できれば三DKぐらいの、いやあ、炭鉱はすばらしいというようなのを事業団でつくる。会社がつくれば、まただめになればすぐつぶしてしまうのですから、こういうことではなくて、平常のあれでも住めるようないい住宅をつくる。こういう考え方はどうでしょうか。つまり、事業団宿舎を、夕張の場合、送り出し地ではあるけれども、市内につくってみるという考え方なんですけれども、御答弁願いたい。
○桑原政府委員 先生も御承知のように、送り出し地域になっておりますが、これは本州に行かれる方等に対するいろいろな援護措置がからんでおりまして、その指定地域をはずしますと、今度は労働者の援護のほうがなかなかうまくいかないというような、そういった仕組みになっておりますので、その辺、技術的にやはり当然検討しなければなりません。私どもといたしましては、大夕張対策のこれからの基本は、あの地域に企業が相当進出をしていって、そして地元に安定した仕事ができるということが、労働者に対しましても再就職対策としてはやはり重要なポイントであると思います。そういったときに、そういった雇用促進住宅をどういうふうに進めていくかという問題でございますが、したがって、その推移を見ながら前向きに検討してまいりたい、こういうふうに思います。
○塚田委員 その前向きに期待します。 それでは、林野庁おりますか。——これまた同じことなんですけれども、大夕張地区、あれはほとんど全部国のものです。三菱は借りてやっていたのですけれども、今度三菱が撤退ということになれば一体どうなるか。土地がないわけですよ。そこでとりあえず、いま商店あるいは住宅になっておる林野庁所管の土地、国有地ですね、これをいままで三菱に貸していたのだけれども、それから商店はまた借りしていたわけですよ。そこで、それを夕張市に払い下げるあるいは貸与すというかっこうで、少なくともあそこに定着して仕事をしていきたいという人たちには不安のないような方策を立てる必要があるのじゃないか。私はいま木の植わっている山を開放せよとまでは言いません。しかし、人間の住んでいる土地については、そういう不安のないように、三菱が撤退しても市が肩がわりをしてあそこに定着させる、あるいはその他の計画を立てられるような、そういう状態にしてやりたいと思うのですが、どうでしょう、林野庁。
○平松説明員 ただいま先生お話しのように、夕張市は私どもの国有林の面積が非常に大きいということがございまして、現在、三菱鉱業に貸与している面積も相当な面積に及んでおります。その中から先生御指摘のような状況があるわけでございますが、三菱鉱山の廃鉱に伴いますいろいろな市の産業振興対策であるとかあるいは住民の福祉対策であるとかいうような形のものにつきましては、鋭意地元のほうで計画を練っておられる、かように承知しておりますけれども、現在のところまだ固まったものとしては承知いたしていないわけでございますが、そういうふうな計画ができてまいりました場合には、夕張市の御意向なりを十分徴しながら、関係行政機関とも連絡をいたしまして、法令の許す限りにおいて前向きに検討してまいりたいと思います。
○塚田委員 これまた前向きに期待します。 さて、同じような事件ですけれども、文部省おりますか。——あそこから出る子弟の問題です。義務教育はどこでも受け入れてくれると思うのですけれども、道では、道内に出ていくといいますか、道内で就職する者、これは絶対に修学期間が中断するとか、修学が中途で中断しなければならぬということのないようなことでいま対策を練っております。従来はそうでありました。問題は津軽海峡を越える場合なんですよ。その場合、これは広範囲に散っていくので、東京だけに集まるというわけではないのですからね。しかし、いずれみな離職ですから、それぞれ持っておりますこういう人たちに対して、特にこの場合は高等学校でしょう。絶対に修業が中断することのないような措置を——私は、その土地の一番いい学校にあげろなんということは言いませんから、とにかく子供の能力に応じて絶対に入れる、こういう道を講じてもらいたいと思うのですけれども、どうでしょう。
○柴沼説明員 炭鉱離職者の子弟の高校転学の問題でございますけれども、一般に高校転学の場合には、入学定員等の関係があって必ずしも円滑にいかない場合がある、そういうようなことがあるものでございますから、私ども、昭和三十八年から初等中等教育局長通達で、四度にわたって炭鉱離職者の子弟の転学が円滑にいくようにということを各都道府県教育委員会に依頼してございます。本件に関しましては、北海道の教育委員会が七月三日付で各都道府県教育委員会及び道内の各市町村及び直轄の学校等に、その転学が円滑に受け入れられるようにという通達を出してございます。 本件につきまして、実は具体的に調査をしてみましたところ、現在、閉山に伴う離職者の子弟の高校生の数が、夕張四つの高等学校合わせて三百五十九名ございます。このうち、転校の希望高校生が現在四十一名、そして道外へ転校の希望をしている者が二十五名でございまして、先生御指摘のとおり、その移転先は全国にわたっている状況でございます。ただ現在、今後どうしようかという方針の未定者がまだ百八十八人おりまして、今後北海道教育委員会等を通じまして、転校の方針等を見定めながら、必要に応じて適切な措置をとってまいりたい、かように考えてございます。
○塚田委員 いま、あの町に高等学校が四つあるなんと聞いて、おそらく皆さん驚いたろうと思うのです。あすこはそういう町なんです。そこで、この四つは公立なんです。向こうでいう道立ですね。だから私は、でき得べくんば、いま二十五名ということですが、百八十八名がどういう意思表示をするか、この二十五名がうまくいけば、百八十八名についてもそれぞれ本人は腹がまえができると思うのですよ。そこで、公立ですから、公立から公立へという措置でひとつやってもらいたい、こう思うのですが、御答弁願いたい。
○柴沼説明員 先生御指摘のとおり、昭和三十八年以来私どもといたしましては、公立高等学校から各都道府県管内の公立高等学校への転学を円滑に取り計らってほしい、そういう通達を出してございます。
○塚田委員 実際はそうはいかないのですよ。だから、その点はひとつ通達一本でなくて、十分あたたかい気持ちで指導しながら一々点検してもらいたいと思うのですよ。ひとつそういう態度で臨んでもらいたいと思います。これは希望です。
○多賀谷委員 関連。いまの点ですけれども、子供の修学の問題が一番親の悩みです。それで、いま百八十八名の人は様子を見ておるというのですけれども、私はやはり夕張の高等学校を卒業さしたらいいと思うのです、一つの考え方は。ですから、それがためには宿舎の問題が重要な問題だと思う。高等学校を全国的にお願いしても、なかなか親の就職先の高等学校、しかも公立に入るのは現実至難なんです。そこで、いままでいた高等学校を卒業までは夕張市に置いておく、そうするとあるいはそれが労働力になってまた夕張市の発展の活力になるかもしれない。こういうことを考えると、やはり寄宿舎を何らかの形でつくって、そして転出した家庭の子供を収容する、こういうことが必要ではないかと思うのです。それは私は、永遠とは言いませんが、年次を設けて、たとえば大夕張において閉山があれば、いま中学の三年生、そういう者も収容できるような、次に夕張の関係の高等学校に入って、そうしてさらに三年後には卒業、その程度の期限を置いた高等学校の寄宿舎制度というものがどうしても必要ではないか。これは私は、一番適当なのは、やはり雇用促進事業団かあるいは市でやるのが適当だと思うのですけれども、これをひとつ考慮する必要がある。ついては、私は、稲築において山野、漆生の閉山があった場合に、雇用促進事業団でそういうことを考えたらどうかという話をして、この席でも質問をしたことを覚えておるわけです。雇用促進事業団のほうも、これは逆に親の転出には役立つわけですから、これをひとつ推進をされたらどうか、かように思いますが、労働省あるいはまた文部省から御答弁を願いたい。
○桑原政府委員 離職者の子弟の転入学の問題でございますけれども、過去そういった例ございまして、閉山をされる会社が、まるまる閉山される会社では困りますけれども、ございまして、会社の寮というものを活用して、そしてそこの学校に一定期間寄宿舎に住まわせて、問題を解決した例もございます。稲築の問題につきましても、山野鉱業及び漆生鉱業所と話をして、具体的なケースで問題が出てきました場合に、会社のほうで寮がございますので、そこで責任を持ってお預かりして、そこで卒業させる、こういった話をいま進めております。したがって、大夕張の問題につきましても、そういった問題について関係各省とも十分相談をして、そういった方向でいきますように努力をいたしております。
○多賀谷委員 会社の場合はよろしいのですけれども、どうも役所が逃げるのですね。これは政策にのせたらどうですか。それを、子弟にもしものことがあったらとかなんとか言って、だれが責任を持つかというと逃げる。その逃げがいけないと思うのです。ですから、事業団なら事業団が、施設は借りてもいいですよ。しかし、管理人等はやはり事業団で置いてやるということで、制度にのせて行なう必要がある。私もいろいろ知っておるつもりだけれども、いままで例がありますって、どこの例があるのですか。
○桑原政府委員 時期は忘れましたけれども、たしか一昨年だったと思いますが、常磐炭鉱で、ございました。
○多賀谷委員 私は、やはり制度にのせていく必要があると思うのですよ。学力の違い等で、率直に言いますと、なかなか転校というのはむずかしい。それから、中学の三年生が高等学校に入るのもまたむずかしいのです。現実に公立の高等学校に、その地域以外のところへ入るというのは非常にむずかしい。そして、通達を出してみても、では実効はどれくらいあったか聞いてみたいのですが、現実にはほとんど実効はないのですよ。それはそうでしょう。どこだって、就職するような需要地は、公立の比率が非常に低いのです。北海道や九州に比べて、大体公立の比率が非常に低くて、私立が多いのです。それは膨大に高校の入学生が多いからです。それで結局困るわけですよ。そして、学力の違いもあるのでしょうね、非常にむずかしい。ですから、やはり少なくとも中学の三年生くらいからは、そこの高等学校を卒業させるというほうが親切なやり方です、現実問題としては。ですから、私はそのことをぜひ実現をしてもらいたい。そして、そこの会社はもう大体終わっておるのだから、そこの会社の寮に置くとか、それに責任を持たせていっても、現実になかなかむずかしいでしょう。ですから、雇用促進の一環としてやればいい。また地元としても、高等学校を出てそこで就職をすれば、産炭地振興にもなるわけでしょう。労働力確保にもなるわけでしょう。労働者というのは、結局世帯一体の問題です。このことをなぜ私が言うかといいますと、あなたのほうの工業再配置の問題だって、一番大きな問題はこの子供の問題ですよ、逆に言えば。せっかく東京の公立に入っているのに、いなかの高等学校になるから行かないという親がいる。子供の教育の問題で、いなかに工場が移転しても行かないのです。現実にどこのデータでもそうでしょう。それは明電舎の大崎工場だってそうだ。日立製作所の問題だってそうでしょう。結局一番は何かというと、子供の教育問題が出てくるのです。移転が困難だ。ですから、幾ら総理大臣が工業再配置などと言ったって、子供の問題で——本人の問題はいいですよ、行く先には住宅があるから。ですから、一番は教育の問題です。これを軌道に乗せないで、幾ら労働力の移動といったって、これはもう考えられない。これは文部省もそうなんですよ。ですから私は、子供の教育というものは、やはり雇用政策の全体の中に入れていかなければ、現実問題として処理は円滑にはできない。ですから、せっかくそういうのがあるのですから、労働省、文部省と相談して踏み切ったらいいのです。 あなたのほうは会社にまかすというのでは政策にならない。役人は大体政策をつくらなければならないのでしょう。そういうものは次から次になくなるのだといえば、それは筑豊や北海道は少なくなるでしょう。しかし、いま大きな、全体的な日本の工場の再配置を政府が考えるならば、やはり子供の教育の場所というものを考えなければできませんよ。これはやはり制度にのせてもらいたい。とりあえずは、いま夕張に起こっておる問題を真剣に考えてもらいたい。もう一回両省から答弁願いたい。
○桑原政府委員 考え方は、現在そこで勉強した高等学校で卒業させるという、その目的に沿って私どもとしては努力をしたい、その方法としては、いろいろ方法はありますが、会社等とも話し合って、そういう道があればそれも使うべきだというようなことを考えていく、将来の工業再配置その他、大きな問題として、私どもとしてはそういった問題も今後検討を進めてまいりたいと思います。
○柴沼説明員 いま先生いろいろ御指摘なされました点の中で、学校の寮の問題につきましては、これは高等学校関係につきまして設置者負担の原則というものがございまして、一応道の教育委員会が高等学校の施設設備についての責任を負っております。したがいまして、北海道の教育委員会と、この百八十八名の希望や何かを見ながら、十分連絡をしてまいりたい、そのように考えております。 それから、公立高等学校への転学の問題でございますが、いま御指摘のとおりでございまして、実は高等学校へ進学を希望する者は、現在九八・四%までは進学ができている状況でございますけれども、私学が全体の三割を占めている、そういうようなことから、なかなか希望する公立へ入れないという点がございますので、これも北海道の教育委員会と、どういうところへ移っていくのか等を十分連絡をとりながら、対策を考えてまいりたい、そのように考えております。
○多賀谷委員 役所の局長なんかは札幌チョンガーとか博多チョンガーとかおるでしょう。結局何かといえば子供の教育なんですよ。みな家族を残して単身で赴任しておるでしょう。その余裕がないのですよ、一般はね。一般の労働者にそれだけの余裕がないのですよ。ですから、やはり制度にのせてやらなければ、労働力の移動なんてできない。いま親が一番心配しているのは教育じゃないか、こういうことを全体的な問題として、また現実に深刻な問題としても、ぜひひとつ考えていただきたい。 関連を終わります。
○塚田委員 時間もございませんので、少し急ぎたいと思います。 開発庁来てますか。——夕張はああいう事態になりまして、将来についても石炭だけということでは先行きなかなか明るいものを見出せないわけです。そこで、夕張の地形は、よく知っておるとおりどん詰まりということで、とにかく明るいものを見出すためには、あのどん詰まりを突破して、どこかにつながっていくということが、これは夕張の人の長い間の念願なんですね。たまたまそういった念願が夕張——芦別道路によってまず目があくんじゃないかということを考えると、あの夕張——芦別道路、まあ資源の開発も含めて、あれの早期完成というのは、夕張六万市民の一致した願いだと思うのです。一体この計画はどうなっておるか、あるいはそういう願いをどうする考えか、その点ひとつ御答弁願いたい。
○秋吉政府委員 ただいま先生御指摘になりましたとおり、特に今回の大夕張の閉山に伴いまして、地元の御要請、関係方面の御要請も、ただいま先生御指摘のとおり非常に強いものがございます。私どもはこの夕張——芦別の連絡につきましては、先生御案内のように、二路線で結ぶ計画で着々作業を進めておりまして、工事といたしましては四十三年度から工事を進めておるわけでございます。 そこで、私どもの当初の工程計画は、五十六年度に完成を見るという計画でまいっておったわけでございますが、事の重要性と、しかも緊急性にかんがみまして、何とかもっと早く、可能な限り早期完成の方途はないかということで、鋭意検討をいたしております。ただいまの段階では、五十三年度には完成できるのじゃないかということで、一応の成案を見つつございます。しかしながら、私どもは何もこの五十三年だけに拘束されるわけではございませんで、なおかつ事情が許すならば、いろいろなことを考えまして、できるだけ可能な限り、早期完成に向かって努力をいたしたいと思っております。 なお、具体的な御質問等がございましたら、各路線別にお答えしてもけっこうでございますが、私どもといたしましては、可能な限り、工程の許す限り早期完成に向かって鋭意つとめてまいりたい、こういう所存でございます。
○塚田委員 秋吉さん、きょうは路線別にいろいろ聞きたいのですけれども、ほんとうに時間がございません。 そこで私のほうから、いま言った代表的な夕張——芦別、そのほか金山線の問題もありますし、占冠のほうもありますし、あるいは清水沢——由仁線というものもあります。いろいろ、とにかくあのどん詰まりに穴をあけよう、そうして道をつけよう。これはまたあとでいろいろ質問しますが、企業誘置するにしても、ああいうどん詰まりではなかなか来ないのですよ。それにひとつ空気を送るということで、ぜひ急いで完成していただくことを希望いたします。 それでは自治省。何といってもやはり金がないわけですよ。日本沈没ではないけれども、大夕張沈没なんですから、財源が当然不足してくるということなんですが、どうでしょうか。私は交付税については、特交あたりはいろいろ算定基準があると思うのですよ。全く最大災害ということで大夕張は沈没したのですから、そういう観念で交付税についてひとつ十分に検討を進め、地元市に困るようなことはしないという力強い答弁をひとついただきたいと思うのです。
○土屋説明員 いまお尋ねの夕張市につきましては、炭鉱が閉山になりました場合に現段階でどういった財政上の影響を受けるか、具体的な点では必ずしも明らかではないわけでございますけれども、鉱産税の減収ということもございましょうし、その他の税収の減少、需要のほうでは離職者対策あるいは閉山炭鉱に依存しておりました中小商工業者に対する対策その他の振興対策等、特別の財政需要が生じてまいる。そういうことで、現在でも市におきましては財政的にあまり十分ではございませんので、なお大きな影響を受けるということは十分予想されるところでございます。この点につきましては、関係各省庁と協力して総合的な対策を講じなければならないと思うわけでございますけれども、いままでもいろいろ御承知のような特例措置というものがあるわけでございますが、本年度は、普通交付税の算定におきましても、その根拠になりますいろいろな数値において激変があったというような場合に、数値急減補正措置を適用するというようなことも考えて、激変緩和の措置を講ずるというようにいたしたいと思っておりますが、それは普通交付税のほうでございますけれども、なお今後の夕張市におきます閉山対策等の具体的な進展に即応して、市のほうでもお考えになり、道でもいろいろこれは相談されるでございましょうし、関係省庁等の示唆もございましょう。そういったようないろいろな具体的な対策の進展に応じまして、必要とあれば地方債等も十分活用していかなければならないと思いますけれども、いまおっしゃいました意味で、最終的な意味の財政のささえということが必要になってまいりますので、さらに財政状況を十分勘案いたしまして、特別交付税による財政措置も十分考慮していきたい。そういったことで、全般的な対策を含めて積極的な財政措置を講じていきたいというふうに考えております。
○塚田委員 ひとつ、あたたかい気持ちで十分やっていただきたいと思うのです。具体的に一つの山がなくなりますので、不用の公共施設があるわけですよ。学校なんかは典型的でしょう。ところがこれは借金で建てたわけですよ。つまり起債の元利償還の問題があるわけですね。これはどうでしょうか、元利償還免除ということで踏み切れば、これは相当手助けになると思うのです。率直な意見を聞きたい。
○土屋説明員 過去に建設いたしました施設の元利償還を全部免除ということにはまいらないと思うわけでございますが、いまの財政状況のもとで、そういったことも含めて、いろいろ財政需要があるわけでございますから、そういった形での支出というものを考慮いたしまして、財政措置を今後考えていくということになろうかと思います。
○塚田委員 全部免除するわけにはいかぬというが、すでに使っているのですからね、使ってきたのですから、それを差っ引いて、ほかは全部免除するというわけにはいかぬのですか。過去の例があるでしょう。ちょっと説明してください。
○土屋説明員 過去具体的にどういった措置をとったか、いまのようなことで、それ以外の残りは全部免除したということは、ちょっと私いま思い出さないわけでございます。しかし、今後のそういった償還の状況を考えて、それに要する財政需要という点で市が困っていかないような、措置をとるというような点は、十分検討していかなければならないと思います。いまお尋ねの、全部それを免除したということは思い出しませんが、あるいはそういった事例があるのかどうか、それは十分ひとつ研究いたしたいと思います。
○塚田委員 私ども、北海道でもそうやっているという記憶があります。たとえば沼田、雨龍だったと思いますが、これも全部免除した。そういうことで例がありますので、そういう例をよく調べてもらって、少なくともそれを下らない措置をしてもらうということを要請します。 そこで最後に、通産省のほうですけれども、町がああいう情勢の中で、通産省の炭鉱に対する制度の中で、臨時交付金の制度がありますね。この臨時交付金の特別制度というのはいろいろな制約があるわけなんですけれども、私どもは少なくとも、もう端的に言います。八十五円はこれはこのとおりやってもらいたいと思います。それに上置きする面がありますね、これは五十円ですか、特別加算といいますか、それをいまの大夕張の例からいって、これは人口が半分になったらどうかとか、いろいろな規定がありますけれども、さっきから何べんも繰り返し言っておるとおり、あの町は市の形はなしておるけれども、町村連合体だという観点に立って、大夕張という町が一つ陥没したという観点に立てば、これは当然といいますか、加算五十円をする根拠も出てくるのじゃないか、こう思いますので、この点ひとつぜひやってもらいたいと思うので、御答弁を願いたい。
○佐伯政府委員 大夕張炭鉱閉山後の財政対策については、先ほど自治省さんのほうからるる御説明がございましたけれども、通産省といたしましても、先生いま御指摘のような産炭地振興臨時交付金を交付するということで対処してまいりたいというふうに思っております。 これはいろいろ内容があるわけでございますが、一つは基準額でございます。これもことしから国会で御承認願いまして、従来はトン当たり六十五円でございましたが、これを八十五円に上げたわけでございます。これに沿ってまいりたいというふうに思います。大ざっぱな計算でございますが、過去の閉山分のが約千六百万円くらいございます。今回の閉山分で約六千万円ぐらいになろうかと思います。 それから、いまお話のありました集団ぐるみ移転の調整額でございますが、これも、従来は一つの市からあるいは市町村から人口が三〇%以上減少するというふうな場合には、調整額として五十円上増しするというふうなことになっておりましたが、市全体では大夕張地区のようなのになかなか適さないというふうなことで、これも新たに当該地域の人口が五〇%以上減少するような場合にはこれを積み増ししようというふうなことにいたしまして、これが適用になるような場合には約四千万円ぐらいになるのではなかろうかというふうな状況でございます。 それからもう一つは、これもことしから新しい制度でございますけれども、例の産炭地域振興臨時措置法の十一条の補助率の引き上げでございますが、ある一定以上、六%以上公共事業を実施しない場合には補助金のかさ上げをしないというふうな規定がございましたが、これも四十八年度から産炭地、いわゆる六条市町村につきましては、根っこから引き上げの対象にするというふうにいたしたいと思います。従来夕張市は大体五・五%ぐらい実施されておりましたので、従来はこの恩典に浴さなかったわけでございますが、ことしから予算措置でこういうことができるようにいたすわけでございます。今年度から夕張市にもこれに対する交付金が出せることになる。 それから、不用公共施設につきましての免除等について先ほどお話がございまして、自治省さんのほうから御答弁があったわけでございますが、私たちのほうといたしましても、閉山によりまして不用になりました公共施設につきまして、起債の元利償還を行なっております市町村に対しまして償還額の二分の一を臨時交付金で交付するという制度を、これも四十八年度から新たに予算措置で実施をするということになりましたので、これも夕張市についても運用してまいりたいというふうに思います。ただこれは、どれが不用公共施設になるかということはこれからでないとちょっとわかりませんので、その不用公共施設になりましたものについて、先ほど申しましたように、償還額の二分の一を交付金で交付するというふうなことを実施をしてまいりたいというふうに思います。
○塚田委員 最後になりますが、先ほどちょっと五十円加算になれば四千万円程度になりますと、そういうのじゃなくて、ぜひ加算をしなさいということなんです。ひとつそのようにしていただきたいと思う。 そこで、最後ですが、こういう状態で、これは北海道だけじゃございませんが、賃金は上がる。しかしいま八月のお盆を迎えて、炭鉱の労働者には実は全額賃金が渡らない。あるいは一時金、お盆手当になりますか、夏期手当、これが全額渡らぬというのが実は実態なんです。これはもう会社はけしからぬのですよ。きまったものを払わないなんというようなことですからね。しかし、現実にはやはりそういう状態が出てきて、残念ながら労働者がみずから会社からもらう金を担保にしてほかから金を借りるなどということが行なわれている。しかもこれは、実は恒常的に行なわれてきたわけですね。ことしは特にそれが詰まっているんですよ。これは労働省、通産省、最終的には大蔵省あたりへ行って、資金運用部資金の金でも引き出して何とか場つなぎしなければならぬと思いますが、その点通産省、大蔵省は十分ひとつ御認識を願って、大蔵省に対する突き上げ、もうそろそろお盆が来ますから、その点をやっていただきたい。われわれも微力ながら大蔵省あたりへその点ひとつ強力に主張していきたいと思いますので、ぜひ皆さんの努力を期待します。 いろいろ質問がありましたが、これで時間が来ましたので終わりたいと思います。どうもありがとうございます。(拍手)
○田代委員長 この際、午後二時十分まで休憩いたします。 午後一時五分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕