石炭対策特別委員会 第12号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/06/22
会議録
○田代委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。大夕張炭砿問題及び常磐炭砿災害等について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲富稜人君。
○稲富委員 まず大夕張炭鉱の閉山の問題につきましては、あらゆる角度よりいろいろ検討されているということは承っておりますので、この閉山に対して現在政府がとっておられる具体的な対策、並びに経営者及び労働者との間の関係がどういうような状態に進捗しているか、この点について承りたいと思います。 実は私の時間が十五分でございますので、要点だけを申し上げまして簡略に質問いたしたいと思いますので、答弁におきましても、ひとつ簡略にごく要点だけの御答弁をお願いいたします。
○中曽根国務大臣 大夕張炭鉱につきましては、会社からことしの春閉山通告が出て、そして労働組合及び地元の市町村等との間でいろいろ交渉が繰り返されておって、政府としてもできるだけ閉山の事態を避けるように、会社の幹部を何回か招致して、またいろいろ経理的な相談にも乗って、努力してきたところでございますが、最近の模様を見ますと、経営をいままでどおり維持していくことは非常にむずかしい状態になりつつあるようになって、いま労働組合あるいは地元と最後的な話し合いの段階にきておるのではないか、このように思います。
○稲富委員 問題は、いよいよ閉山というものが表面化してきますと、おそらく労働者としても労働意欲というものが非常に喪失する。その結果は生産というものがさらに落ちるということも当然予想されます。特にわれわれが憂慮することは、いよいよ閉山ということになりますと、今日非常に炭鉱災害でも問題になっております保安体制なんかも、何となく不熱心というのか、なおざりになるのではないかというような考えがありますので、いよいよ閉山となれば、これに対する対策、具体的な問題を早く進めて、早く結末をつける、こういうことが必要じゃないかと思うのであります。そういうことに対しては、政府みずからが積極的にそれを進捗することに努力し、あるいは経営者側に対する問題、特に労働者に対する補償の問題、こういう問題はあわせてひとつ早急に対策を講ずることが必要である、かように思いますが、これに対してはどういうような対策を持っておられるか、承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 その点はまことに同感でございまして、もし万一将来閉山のやむなきに至るというような場合には、事前に組合側とよく話をしてお互いが了解し合い、また地元の市町村等についてもいろいろ影響はあるところでございますから、いろいろな手当てなり対策を講じまして、そしてできるだけ被害や犠牲者が少なくなるような措置をしなければならないし、政府はそういう点については各省いろいろ協力すべきものであると思います。
○稲富委員 ただいま大臣からも御答弁あったのでありますが、閉山いたしますと、その地元に及ぼす産炭地の対策がどこでも問題になるのであります。その地方の産業の基盤がなくなる問題でございますので、地方町村に対する対策等は、ひとつ特段に具体的に考えていただきたい。 それと同時に、先刻申しましたように、労働者の処置の問題、これに対しては少なくともひとつ積極的に——往々にいたしますと、これは経営者と労働者の意見が相違する場合がございますので、これに対しては政府として、積極的な指導的立場においてこれを解決することが必要であると思いますので、その労働者に対する対策の問題、並びに、ことに地方公共団体等に対する問題、こういう問題に対して具体的な今日のお考えがあるならば、これを解決する上においても参考になるかと思いますので、もしも具体的な考えがいまあるならば、この際承りたいと思うのでございます。
○中曽根国務大臣 最終的な閉山ということがもし出てきて、不幸な事態になった場合に、地元の市町村あるいは組合との間で、また会社との間でいろいろな話し合いが行なわれるかもしれませんが、その際出てきたいろいろな御要望を政府としてはよく勘案いたしまして、一つ一つ具体的に、両方がうまく協調し合えるような方策を側面から協力していきたいと思っております。
○稲富委員 大夕張の閉山の問題につきましては私の質問をこのくらいにしておきまして、次に常磐炭砿の災害の問題についてお尋ねしたいと思います。 先般来起こりました常磐炭砿の災害に対する原因の問題であります。われわれ聞くところによりますと、自然発火するような状態ではなかったということも聞くし、また電気関係のことでは、たかだか百ボルトくらいの電気で、電気の施設のための災害は起こらないだろうということも聞きます。その点からいいまして、この常磐炭砿の最初の災害の原因というものがどのように究明されたものであるか、この点についてひとつ監督局としての調査の結果等を承りたいのです。
○青木政府委員 今般起こりました常磐炭砿災害の原因でございますけれども、現在そのあとの証拠固めといいますか、及び関係者の供述を取っておるところでございまして、地元の警察署のほうと共同しまして原因究明に当たっているところでありますが、現在までのところ明確な原因というものの結論を得ておりませんので、結論を得次第お答えすることにいたしまして、いまのところ明確な原因というものが明らかになっていないということで御了承願いたいと思います。
○稲富委員 もうずいぶん時日は経過いたしますが、まだ原因が究明されてない、はっきりしていないということは、どの点に疑惑があるからはっきりしていないわけでございますか。これは今後の災害対策に対するいろいろな参考資料になると思いますので、この点について承りたいと思うのであります。
○原木説明員 ただいまの原因の点について、いまどういつだ状態か御説明申し上げます。 現場は、第一回目の災害のときに起こりました火事につきましては、倉庫が坑道の半分をふさぎまして、約四十六メートルにわたってございますが、倉庫から出ている。 火源といたしましては、大体電源が、百ボルトの電気が配線されておりましたので、ただいまのところでは、いろいろ調べておりますけれども、失火の疑いはほとんどございません。電気であるということになっております。 電気関係についての調査はいま十分やっておりますが、いずれも非常に高温を発しまして、約千八百度くらいで、一部には碍子が溶けておったというような状態がございますので、特に警察の鑑識にも協力いたしてもらって、そしていま鑑定を急いでおる段階でございます。
○稲富委員 電気の場合、百ボルトくらいの電流でそういうような災害を起こすような、こういうようなことがいままであったのでございますか。
○原木説明員 過去におきまして百ボルトで発火した例が、この間の調査結果では約三件か四件、ちょっとこれははっきりいたしておりませんが、起きた例はございます。
○稲富委員 その点は、まだ原因がはっきりしてないというなら、早くそれは究明しなければ、将来の問題があると思うのでございますが、さらにここで申し上げたいと思いますことは、すでに第一次災害が起こりまして、数日足らずしで、また第二災害というものが発生している。これは非常に重大な問題だと私は思うのでございます。 この点に対して、日ならずして、第二災害をまた発生させたというような状態、この原因はどこにあったのか、この点ひとつ承りたいと思います。
○原木説明員 二回目の坑内火災の原因と申しますか、坑内火災かどうかはっきりいたしておりませんが、現場が約四千メートル奥でございましたことは御存じのことだと思いますが、原因としましては、結果としていま判明いたしておりますのは、ベルトコンベヤーが燃えておりますことと、それから、坑道のワク足が燃えていたということが、これは証言によって明らかになっておる段階でございますが、それがいずれに起きたか、ベルトコンベヤーで起きたか、あるいは自然発火で起きたかということについては、まださだかではございません。一応いま、自然発火の疑いが非常に濃いということでございますが、ベルトコンベヤーの端の燃えている部分をとりまして、そういった鑑定——特に私ともの公害資源研究所というのがございまして、そこにベルトコンベヤーの端きれを送りまして、今後、燃焼、着火の可能性等について検討を進め、原因を明らかにしたい、こういうように思っております。
○稲富委員 あれほどの災害が生じて、日ならずしてまた第二の災害が発生したということ、原因がいかなるものにあるにせよ、これは双方に、会社側もそうでございましょう、労務者もそうでございましょう、また監督官庁にも、どこかにやはり弛緩しておるところがあるのじゃないか、ゆるみがあったのじゃないか、この点はわれわれは十分考えられると思うのでございますが、この点いかがでございますか。
○青木政府委員 第一回の災害から第二回の災害まで非常に日が短くて、こういう例は従来見当たらないような事態でございますので、何らかのゆるみがあったという点につきましては、私どもも反省せざるを得ない点があると思います。 ただ、第一回の災害後第二回の災害の前に一応操業を許しておりますが、その間における検討につきましては、監督局といたしましてはできるだけの手を打ったというふうに考えております。 と申しますのは、六月五日、再開に備えまして坑内の一斉点検を行ないまして、五名の保安監督官が中へ入りまして調べまして、十七項目の監督指示書を交付いたしております。それに対して鉱業代理人から、その十七項目の改善事項につきまして実施報告書が提出されておりまして、一応その改善の項目については確認をしておるわけでございます。 それからその結果につきましては、やはり五名の監督官が追跡調査を行なっておりまして、大体十六項については完全に済んでおりまして、一項目については若干時間がかかりますので、作業中であるということを確認しております。 それから、第一回目の火災の原因がおそらく機電関係であろうということでございまして、機電関係につきましては、ただいまの点検のほかに、別途鉱務監督官四名で、六月六日から九日の間に機電関係だけの点検を行ないまして、十一項目の改善指示をいたしておるようなわけでございます。それも改善実施報告書をとりまして、追跡調査をいたしておるわけでございます。 こういうことをしておりましたにもかかわらず、第二回の災害が起こりましたということは、やはり御指摘のとおりどこかにゆるみがあったものと思われますし、その点につきましては、会社側に対しても十分警告を発しますし、私どもも十分反省して、今後の監督の万全を期したいと考えております。
○稲富委員 その常磐炭砿で特に私感ずることは、あそこは非常に長い間、いまの労働者というのはもう三代にもなるとか、そういうようなことで山に対する愛着といいますか、これはほかよりもなお強いような感じがする。それで、あそこの労働者並びに会社の場合、非常に憂慮することは、あの事故が発生して、これはこのまま閉山になるのじゃなかろうか、こういうような不安感というのが非常にあったように私は受け取っております。そういうような不安感から、何とか早くこの鉱山を復活したい、仕事に取りかかりたいというような気分が特に旺盛じゃなかったか、そういうようなことに、やはり情といいますか、そういうことから、監督官のほうでも、何とかひとっこれに対しては、もうこのくらいでいいんじゃないかというような気分がつい動いたのじゃなかろうか、こういうようなことも考えられます。 現に、あそこの中に火薬庫がありました。あれなんかに対しても、監督官のほうは非常に厳重にやられておった。まだあの火薬庫の中に火薬が残っておると思うのだというので慎重だった。会社側のほうは、火薬は全部燃えてしまっているはずだ。その点に対しても非常に行き違いがあったと私は思うのです。こういう点から見ましても、会社並びに従業員は早く仕事をやりたい、そういう点から、つい監督官のほうもそういうようなことに動かされて、ある程度で大目に見た、取り扱ったんだ、こういうような感があったのではなかろうかということも察しられるわけでありますが、この点いかがでございますか。
○青木政府委員 経営者並びにそこに働く労働者の方々も同様でございますが、一般的に申しまして、災害のあとなるべく早く生産を開始したいという希望を持たれるのが通例でございます。今回の場合もそういう希望が表明されていたことは事実でございます。先ほど御指摘のとおり、火薬の判断にいたしましても、それからただいま御説明しました第二回目の操業再開にあたりましての監督、指示につきましても、特にそれに働かされたということではなくて、客観的に十分検討した上で、監督局としては慎重に許可をしているというように私どもは考えております。
○稲富委員 もう時間が来ましたので、私これで質問を打ち切るわけでありますが、最後に、今度の常磐炭砿のやつは、事故が起こりましてから消防署に対する報告が非常におくれております。最初のやつもおくれておる。二回目のやつもおくれている。これは、炭鉱側にしますと、消防署に連絡しても、消防署側の坑内の防火作業はじゃまになるくらいで、こういう点があったからついおくれたのではないかとも考えられる。この報告の義務というものが消防関係はどうなっているのか。この点はやはりはっきり確立しなければいかんじゃないか、こう思いますので、この点に対する考え方をひとつ承りまして、また、これに対する一つの対策をとるとするならば、こういう場合はこういう報告をするのだという一つの規定づくりをするかどうか、こういう点も考えられると思いますので、これに対する考え方を最後に承りまして、私の質問を終わりといたします。
○青木政府委員 鉱山の火災に対しましても、一般的に申しますと、消防法の適用があることになっております。 ただ、坑内の特殊性がございますので、たとえば防火対象物の設置、維持の技術上の基準という消防法上の技術上の基準というものは適用除外になっております。 ただいまの通報義務の点でございますが、そういう技術上の基準の適用除外部分以外の部分については、消防法の適用があると解されますので、通報義務、救急規定等は当然鉱山にも義務があると考えられますので、今回通報がおくれましたことは、まことに遺憾であると思います。
○田代委員長 上坂昇君。
○上坂委員 常磐炭砿で二回の災害が起こりました。これに関連をいたしまして、四十七年十二月七日十七時ごろに立て坑の爆発が起こっております。この問題は、やはり炭鉱の保安上非常に問題があると思いますので、この点について質問をさせていただきたいと思います。 さっそくですが、この十二月七日の鹿島立て坑の爆発の原因は一体何であるかということをお答えいただきたいと思います。
○原木説明員 十二月七日に鹿島立て坑で起きました爆発事故につきましては、マリーンスラッジと申しまして、原油タンカー内の掃除をしたあとのかすでございますが、それを投棄したことによりますガスミストの発生によって起きたもの、こういうふうに考えております。
○上坂委員 問題は、常磐炭砿の整理合理化に伴って、大体百十億円余の交付金を交付して閉山をしたわけであります。閉山をしますと当然坑口を閉塞するわけでありますが、その閉塞した鹿島立て坑を再び開口したというところに私は一番大きな原因があるだろうと思います。 そこで、お答えを願いたいのは、まず閉山交付金の算定の対象となるものは一体何であるか。
○佐伯政府委員 閉山をいたします場合に、閉山交付金というのを出しておりますが、ずっと以前は坑道等を評価いたしまして、それを買い上げるというようなことをやっておりましたが、正確に覚えておりませんが、約十年ぐらい前から、そういう方式をやめまして、評価の対象といたしましては、坑道とか炭量というようなものを評価の対象にはいたしておりますけれども、それを買い上げるというようなことはいたしておりませんで、評価の対象だけにいたしまして、鉱業権を抹消したときに評価いたしたものを交付するということにいたしております。
○上坂委員 鉱山保安法の第二十六条によりますと、鉱業権者であった者に対して、五年間はいろいろ危害または鉱害を防止する必要な設備をさせる、こういうことになっておりまして、その命令を受けた者については、これを鉱業権者とみなす、こういうことになっておるわけでございますが、いま立て坑、坑道あるいは石炭量というものが交付金の対象になっているとしますと、立て坑といい、坑道というのは、危害の防止あるいは災害防止は、その責任は一体どこが負うのかという点についてお答え願いたい。
○青木政府委員 立て坑を廃止いたしました場合には、廃坑後の坑口における危害、鉱害の発生を防止するために、石炭鉱山保安規則というものがありまして、この二百七十五条によりましてその坑口を閉塞するように規定されておるわけでございます。したがいまして、保安上はこの閉塞という行為が義務づけられているわけでございます。 ただ、この坑口を閉塞いたしました後の問題でございますが、これがたとえば自然にこわれたとかいうようなことで危害を生ずるおそれが生じた場合には、保安法上は、ただいま御指摘の二十六条の命令によりまして、その完備をさせるような手段がとれるようになっておるわけでございます。したがいまして、鉱業権者は、一応こういう危害につきましては、それを防止するよう、一般的には義務が存在するように考えられます。 ただ、本件の場合のように、他の目的に使用する場合、これは十分な安全性が確保されるならば、これを必ずしも全部否定するというものではないように考えられます。したがいまして、十分安全な措置をとった上で、その坑道をほかの目的に利用するということは、必ずしも一般的に禁止されているというふうには私どもは解しておらないわけでございます。
○上坂委員 ところで、石炭鉱業合理化臨時措置法の第五十四条ですが、ここに坑口開設という問題があります。これは鉱業権が消滅後の閉塞された坑口の再開をするということで、これには関係はない、こういうふうに解するものであるかどうか。
○佐伯政府委員 先生おっしゃいますように、それは鉱業権がございますところを新しく鉱山を始めるというときにかかるわけでございまして、鉱業権を抹消したものについてはその規定は適用いたしません。
○上坂委員 先ほど、鉱業権消滅後五年間はやはり当然危害や鉱害の防止をするということになりまして、その措置に基づいて、一応立て坑の場合、鹿島立て坑の閉塞の措置をしたというふうに私は思うわけであります。これを管理をする者がないということになりますと、これはほかのことに使用する分には開口しても差しつかえないということになりますと、私は非常に問題ではないかというふうに考えるわけであります。そうしますと、坑口というのは、鉱業権の消滅のとき閉塞するということの許可さえあれば、あとは施設はどうなってもいい、こういうふうに考えられるというふうに思うのです。売却しようと貸与しようと差しつかえないということになれば、交付金だけもらってしまえばそれで済むのだ、こういうことになってしまいまして、私は閉塞をする効果がさっぱりここにはないのではないか、こういうふうに解せざるを得ないのですが、その点はいかがでしょうか。
○青木政府委員 坑口を閉塞いたしますのは、その後における危害の防止のためでございますから、これをみだりにあけたり、十分な管理をしないということは、その目的に反する行為であると私は考えます。 ただ、鉱業権者が、それではそれを絶対にほかの目的に使ってはいけないということではないのでありまして、それが、十分に安全が確保されるような方法で有効に利用するということを、必ずしも全面的に禁止しているというふうには解されないというふうに考えておるわけでございます。
○上坂委員 そうしますと、安全性が確認されればいつでもこれは開口してもいい、こういうことになりますと、どうも保安規則の二百七十五条ですか、これによる閉塞というのは、たとえば坑口の外周から坑口半径の〇・五倍以上の範囲にわたって〇・五メートル以上の厚さの鉄筋コンクリートで密閉するという、たいへん厳重な状態にするわけであります。そこをまたあけるということになりますと、数百メートルの地下に起こっているいろいろな問題があるだろうと思うのですが、そういうことに対して、一たん密閉してしまったものを、いわゆる危害があるかどうかということは一体どこで測定することになるわけですか。
○青木政府委員 ただいま御指摘がございましたように、非常に厳重な坑口閉塞を行ないますのは、通常の場合は、これだけしておけばこわれるとか、爆発を起こすということはまずないと考えられるために、それだけの措置をしておるわけでございます。 ただ、その坑口を別の目的に使うという場合には、その場合にどれだけの注意を払っていかなければならないかということが重要な問題でございまして、これに関しましては、監督局部は、その閉塞をしたときの状態から考えまして、他の目的に使う場合どれくられの注意が要るかという点については、知識を有しておりますので、本件の場合でも、廃棄物の処理の目的に使ったわけでございますが、そちらのほうの許可をする際に、相当いろいろな注文をつけまして、これこれの事項を守る必要があるということを指摘して御連絡をしたというような処置をとったわけでございます。
○上坂委員 立て坑の場合、土砂とか岩石で充てんをするという指導をされておるわけでありますが、数百メートルの立て坑を岩石で充てんするという方法はやはり上から落とすしかないと私は思うのです。そうなりますと、岩石が周辺の壁に、金物に当たれば火花がたぶん出るのじゃないかと私は思うのですね。頭をなぐられても目から火が飛び出るともいわれておりますから、出ると思うのです。そういうときに、ほんとうに下にメタンガスなり何なりがあるとすれば、これはいつでも発火の可能性があるというふうに私は解するわけです。そういう点について、たいへん技術を持っておられるということでありますが、私はあまりにもこれではお粗末ではないかというふうに思うのですね。現実に死亡二名、負傷者九名、その他建物、家屋に非常に大きな損害を与えたこうした大きな事故が発生をしているわけでありますから、この立て坑の一そのほかにももちろん立て坑はたくさんあるわけでありまして、ふさいだものを簡単に使用させるというようなことについては、たいへんな問題であるというふうに私は思うのです。これは将来とも十分取り締まらなければならない問題というふうに考えるわけでありますが、その点はいかがでしょうか。
○青木政府委員 今回の事故につきましては、私どもは、立て坑を使用するに際してこれだけの注意をすべきだという事項につきまして、必ずしも廃棄業者のほうで順守しなかった点がございまして、ことに非常にあぶない物資でございますスラッジを投棄するというようなことは、非常に危険な作業であったと思います。こういうことにかんがみまして、私どものほうとしましては、立て坑の使用につきましては、より厳重な措置が必要だというふうに考えております。 この事故の後、こういうたぐいの坑口の使用につきましては、全国を総点検をいたしまして、これと同じような目的に使っております常磐炭砿地帯の廃棄物の投棄につきましては、全部会社のほうで自発的にやめております。その他の事例も全部調べましたが、ただいまのところ、これと同じような事故を起こすような危険のある立て坑は、私どもの把握したところではないように思っております。 今後、こういう問題もございますので、一たん閉塞しました坑口をずっと維持管理すべく義務づけるような方向で、保安規則の改正をただいま検討中でございます。
○上坂委員 スラッジは危険だということをいま言われておるわけでありますが、実をいいますと、スラッジの投棄については、昨年平保健所長から監督部平支部長が四月に意見を求められておりまして、これに対して回答をしておるわけです。その意見の中に、「廃油スラッヂの投入は、投入後油の浸出のないよう、石灰等により安定化した状態としてから行なうこと。」ということで、すでに廃油スラッジを投入することを認めておるわけであります。危険であるにもかかわらず投入を認めておるということは、保安上非常に問題があるだろうというふうに思うのですね。こういう事実についてはどういうふうにお考えですか。
○原木説明員 御指摘の点について、私ども廃油スラッジ云々ということはなかったかと思います。私どもはむしろ、堺化学からの廃滓の投入にあたっては、石灰等の添加云々ということもありますが、一応投棄物の対象として廃油スラッジというものを認めないというかっこうで申請が出ていたように考えております。
○上坂委員 私の資料では、昭和四十七年四月二十六日、平保健所長あてに東京鉱山保安監督部平支部長が通達を出しておる。これは「産業廃棄物処理業許可申請について(意見)」となっております。「上記について、昭和四十七年四月十八日付け」そういう照会があったので、これについて「別添のように考えておりますので宜しくお取り計らい願います。なお、坑口の開口等にあたっては、要請があれば立会いたしますので、この旨申し添えます。」ということをいって、それからずっとたくさんありますが、時間もありませんから簡単にやりますが、「廃油スラッヂの投入は、投入後油の浸出のないよう、」という先ほど申し上げましたようなことをちゃんと出しておるわけであります。こうなりますと、もうすでに廃油スラッジについては投入するということは予想されているのですね。
○原木説明員 私どものほうで御指摘の点については存じておりませんので、もう一ぺん調べさせていただきます。 原則として、廃油スラッジ自体は、一応——廃油といいましても原油スラッジ、発火性の強いミストを発生するような場合については、非常に危険であるということでございますので、その場合にも廃油スラッジが何を意味したか、もう一ぺん調べさせていただきたいと思います。
○上坂委員 時間がないので、もう一つだけ御質問します。 常磐炭砿がFKCに対して坑口の使用承諾書を実際に与えておるわけでありますが、この与えているほうの使用承諾書を出した常磐炭砿の所長が木山氏でございます。そして受けているほうの、FKCのほうの責任者がこれまた木山氏であります。私は、炭鉱関係者がこういう非常に危険なものを簡単に与えたり何かするというところに非常に問題がある、そういうところに保安局と炭鉱との間の関係が非常におかしな問題があるんじゃないかというふうに思います。このほかにも重役がかなり重複をしておりまして、兼職をされておるわけでございます。そういうことで安易にこういうものが使われるということになりますと、付近住民は非常に迷惑をしてしまうわけであります。そういう点で十分これに対しては取り締まりをしていただかなければならぬというふうに考えます。その点についてお答え願いたいと思います。
○青木政府委員 廃棄立て坑の利用につきましては、必ずしも、私先ほど申し上げましたように、すべてを一切禁止するということではございませんが、このような危険のある事業に使うべきでないという点については、御趣旨に賛成でございます。 今後こういう問題につきましては十分検討いたしまして、廃棄立て坑の利用については十分注意をして、安全な方法以外には認めないという方向で行政指導してまいりたいと思います。
○上坂委員 時間が参りましたから、最後に、これは大臣にお願いをするのでありますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律というのがあります。これは厚生省関係だろうというふうに思いますけれども、廃油スラッジを実際に県知事が許可をいたしております。県知事が許可をしているのに、実は法律の第十一条によりますと、「都道府県知事は、当該都道府県の区域内の産業廃棄物の適正な処理を図るため、産業廃棄物に関する処理計画を定めなければならない。」こういうふうになっておるわけでありますが、今回扱われました廃油スラッジというものは、広島県の因島の日立造船所の廃棄物であるというふうにいわれております。そうなりますと、私は、この第十一条のいわゆる当該県の区域内の産業廃棄物ではないというふうに解釈をしなければならないのじゃないかというふうに考えるのであります。したがって、区域外の産業廃棄物を処理するということは許可できないのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、もし県知事がこれを許可をしているということになりますと、これは問題になる、そういうふうに思うのです。この点についてお答えいただければけっこうでありますが、お答えいただけなければ、その点については、十分ひとつ通産省としても県のほうとも詰めていただくようなことをやっていただくのが必要であろう、こういうふうに考えるわけであります。その点について一言お答えをいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 先ほどの産業廃棄物の問題につきましては、新しい事態の問題でございまして、それが複合して爆発やその他を起こすということは、大いにわれわれこれから注意していかなければならぬところであると思います。産業廃棄物の面は、一応法律的には厚生省の所管になっておりますけれども、自治省あるいは通産省あるいは運搬については運輸省、各省ともかかわり合いのあることでございまして、われわれとしても、こういう新しい事態に備えまして、そういう被害が起きないように、各省協力し合ってその点は努力してまいりたいと思っております。いまの管轄区域外云々ということにつきましては、主務官庁が厚生省でありまして、われわれはここでいまにわかに判定つきませんが、いずれにせよ、そのような被害を将来起こさないように、各省協力して努力していくつもりでございます。
○上坂委員 時間が参りましたから終わりますが、先ほど、坑道の再使用については非常に重要な問題で、これについては十分規制をするというおことばに期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○田代委員長 多田光雄君。
○多田委員 大臣に伺いたいのですが、この間の委員会で渡辺議員の質問に対し、大臣は、大夕張の閉山問題について閣議でも検討してみたい、それから各省ともはかってみたい、こういう御答弁があったわけでありますが、その後大臣のお話がどのように実行され、どういう結果になったのか、それをひとつ伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 大夕張の問題については、事態がどうも思わしくない方向にいっておりまして、十九日に山元で、閉山に関する条件闘争大会の切りかえということが行なわれまして、会社側と労働組合側との間で最後の詰めがいろいろ行なわれているようであります。その最後の詰めの状況を見まして、その結果によって、各省は、もし閉山のやむなきに至った場合にはいろいろ措置すべきものも出てくるでありましょうから、そういう措置についてその後閣議において善処方を要請したい、こう考えておるところでございます。
○多田委員 そうすると、各省との事前のいろいろの打ち合わせはなかったのですか。
○中曽根国務大臣 これは閉山のやむなきに至った場合に、いろいろな措置が必要になるわけであります。そういう意味で私申し上げたつもりであります。したがって、大体条件闘争というような形になりますと、会社と労働組合との間で最後のいろいろな話し合いが行なわれると思うのですけれども、その中に、地元の市町村でやるべきこと、あるいは国がそのために協力すべきこと、あるいは閉山の処置について国がいろいろやるべきこと、産炭地振興その他の仕事もあるわけでございます。そういうようなことについて最終的に各省と話し合って協力を求めたい、そういう考えでおります。
○多田委員 六月十三日に政府のほうで大夕張の労使双方と話し合ったということを聞いておりますが、それはどういう内容のもとで話し合われたのか、それから労使からどういう意見が出たのか、ひとつそれを説明していただきたいと思います。
○佐伯政府委員 お答えいたします。 これは矢野政務次官から労使に話をされたわけでございますが、私も実は同席をいたしました。五月十四日、十五日と矢野政務次官が現地を調査されまして、その内容をいろいろ検討いたしております。その調査結果のようなものがまとまりましたので、その見解を労使のほうにお話し申し上げたわけでございます。 これはちょっと長うございますので、要点だけ申し上げますと、一つの点は、大夕張炭鉱の操業の継続は、技術面、経理資金面あるいは保安管理面等から困難が伴うことはどうも事実だと認められるということでございます。それから、他方これらの困難な諸問題を解決するために、大夕張炭鉱のみに対して国が特別の財政援助をするということは制度上不可能であるということが御趣旨でございます。 なお、その際につけ加えましたのは、大夕張の存廃そのものの当否につきましては、国の判断を示すようなことはしませんで、あくまで企業における労使の慎重な判断と決意のもとで決定されるべきことだということを申し伝えたわけでございます。 それから、そのあとで、かりに、そういう状況でございますので、閉山という事態に立ち至った場合には、産炭地振興とか、あるいはこの前も国会で、この場で御指摘ございました大夕張炭鉱の南部擾乱地区から先の鉱量を南のほうにつけたらいいんじゃないかというような問題、閉山になった場合にはこういうことも考えられるということをつけ加えてお話を申し上げたわけです。 それに対しまして労使のほうからは、十分その見解をもとに労使で検討しますというふうなことが主体でございました。
○多田委員 閉山が発表されてから、山元では労働者、労働組合、それから地域の住民、地方自治体、道議会、知事も含めて、この閉山をやめさせてもらいたい、こういう運動があったことは御承知だろうと思うのです。しかもその中身は、単に閉山をやめさせてほしいというだけではないのですね。石炭の有効活用を考えてもらいたい、あるいはまた、石油一辺倒の日本のエネルギー政策も考えてもらいたい、あるいは石炭の見直しをやってもらいたい、こういう要求がそれぞれの議会で、与党議員を含めて運動として広まっていったということなんです。ところが、特に山元の労働者の閉山の反対運動が急速に落ちてきたのは、この六月十三日の政府と労使との話し合いのあとなんです。少なくともその時点までは、山元では相当多くの労働者の皆さんが閉山に反対する、こういう立場だったのです。 ここで私、ちょっと申し上げておきたいことは、労働者の閉山反対というのは、単に自分たちの生活と権利というだけではなかったのです。いま私が申し上げたことは、日本のエネルギーをもう一度考えてもらいたい、私はある労働者に会ったらこう言いました。もしこの大夕張が閉山にあったとしても、政府がほんとうに石炭政策を見直していくという姿勢に立つならば、私たちは山を去っても戦いがいがあったと、こう言っている。私は、そういう意味では労働者の姿勢のほうが非常にりっぱな姿勢であったと思う。ところが、こういう労働者の戦いは、十三日の政府と労使の話し合いのあとでばたばたとくずれていった。政府が十三日労使と話し合い、その結果どうなるかということをあなた方お考えになったでしょうか。
○佐伯政府委員 先ほど申しましたような内容のことを労使のほうにお話しいたしましたところ、きわめてきびしい情勢だというふうに存じております。 それから、その後は、私たち聞いております範囲では、十七日に、大夕張再建対策委員会というのがございますが、そちらのほうで、先ほど先生おっしゃられますように、十三日のそういう話を受けてだろうと思いますけれども、条件闘争に切りかえるということになったように聞いております。また、大夕張炭鉱の山元でも、十九日にはそういう方向にいくということがきめられたというように聞いております。 なお、その辺につきまして、今週末かあるいは来週の初めに、その条件闘争の内容を、会社のほうへも条件を要求するというふうに聞いております。 まだ正式なあれでございませんけれども、来週の月曜日二十五日には、これに対する政府への要望のためにお見えになる、正式にまだ来ておりませんが、北海道からの情報ではそんなふうに聞いております。
○多田委員 私は、労使双方に示した政府側の見解というのは、先般私どもの手に配布されたこの「大夕張炭鉱の現地実情調査結果」というものだろうと思うのです。これは、この間の委員会で私も一言触れておきましたけれども、この(1)には「調査の結果に照らしてみるとき、大夕張炭鉱」二会々とあるのですが、これはいわば閉山通告のようなものですね。たとえば「大夕張炭鉱の操業の継続には、技術面、経理資金面、保安管理面で困難が伴うことは事実と認められる。他方これらの困難な諸問題を解決するため、同鉱のみに対し国が特別の財政援助を行なうことは、制度上不可能である。」。再建が困難である、金も出しません。これは閉山通告ですよ。そのあとに「なお、本調査結果は、当鉱の存廃そのものの当否について国の判断を示すものではなく、このことはあく迄も企業における労使の慎重な判断と決意のもとで決定されるべきことである点、当然のことながら申し添える。」、これは言いわけです。労使双方で決定しろと言いながら、その冒頭に、金も出しません、保安技術面でだめであります。そして、そのあと延々と閉山後の問題がここに述べられているのです。これを見れば、労働組合も、いよいよ政府のこれは閉山通告である、そういうふうに受け取られることははっきりしているのです。だから、この問題が十三日話し合われてすぐ、労働組合がこれを全山に放送した。労働者は意気消沈しているのです。この山を政府も見放してしまった。こういうことを考えればこそ、私どもは、あなた方にこういった委員会があるまでに、早くこの問題の結論を出してもらいたいけれども、委員会で検討さしてもらいたい、これは私の正式の発言ではなかったか。 まあやむを得なかったといえばそれまでですけれども、そうすると、政府の見解というのは、その発表する時期、それからまた地元で真剣に再建策を労働組合が検討しているどういう時期にこの問題を出すべきであるかということは、非常に慎重に考えなければならないことです。しかも、石炭特別委員会はその後二、三日後にあるというときなんです。ですから、いま山元の労働者の怒っているのは、資本家に対して怒っているだけじゃないのです、これは。政府は資本家と一緒になって石炭をつぶすのじゃないか、こういう見解なんです、この文書から来るのは。閉山は労使双方できめるものだと言いながら、政府が実際に事前に閉山通告にひとしいこういう文書を出しているじゃありませんか。一体こういう矛盾をあなた方はどう考えますか。
○佐伯政府委員 本来、閉山の問題というのは労使でおきめになることでございますが、先生も御承知のように、大夕張地区は地域的にも特殊な地域でございます。与える影響も多いわけでございます。政務次官が現地を視察して、いろいろ現地の状況を聞いてまいったような次第でございますが、その後、五月の十四日、十五日に行きましたものですから、約一カ月もたって、私たちは、何とか早くもう少し——行ったあとにだらだらしておくのはまずいというふうに思いまして、何とか早くと思いましたが、その検討の内容も、何とか生かせる方法はないかということに主眼を置きまして、いろいろな方向で検討いたしました。それから政務次官もいろいろな方にお会いになりました。私や、また私の部のほうからいろいろな方にお会いして、いろいろ多くの方の御意見を伺ったわけでございますが、そんなために時間が延びたわけでございますけれども、どうしてもそのような結論を出さざるを得ないというふうな客観的情勢、特に鉱内の情勢でございましたが、あまり長くだらだらとしておくのが一番悪いことであるというふうな判断から、政務次官が労使をお呼びになって、政務次官が行かれました調査の内容を労使にお話を申し上げたというような次第でございます。
○多田委員 この調査結果の(2)に、「仮りに大夕張炭鉱の閉山という事態に立ち至った場合は、同鉱の大夕張炭鉱南部区域の炭量を同社の南大夕張炭鉱より採掘することは、作業能率、坑道維持、採算性、資源の有効開発の点から、現状の大夕張炭鉱より採掘する方法よりも、より効率的である」云々とありますね。この点は検討してみましたか。また、これから大夕張についてどういうふうな、皆さん、指導しておられますか。
○佐伯政府委員 ここにも書いてございますし、また、先般来この委員会でもいろいろ御指摘、御指示をいただきました内容でございまして、まさにここに書いてございますように、大夕張炭鉱から掘りますと通勤時間もうんと時間がかかりますし、いろいろな面からいたしまして、それよりも南大夕張炭鉱の幌南斜坑のほうから——いま人車はございませんけれども、あそこに人車をつけまして行きますと、坑口から現場に到達する時間もうんと短くなってまいります。ここにございますように「より効率的である」というふうに存ずる次第でございます。ここには「検討に値する」というふうに書いてございますが、会社に対しましても、そのような方向をなるべくとってほしい、そのことによって離職者の配置転換も、なるべく多く南大夕張のほうにやってほしいということを申し入れてございます。
○多田委員 今度の大夕張の炭鉱の問題を契機にして、二千万トン以上というこの問題に対して、ほんとうに二千万トン以上を維持しようとする、そういう立場からどういう検討を加えられましたか。検討というのは、基本的な検討を含めてです。
○佐伯政府委員 昭和五十一年度の基本計画は、この前この国会で通していただきました法律の改正に基づきまして、近く策定することになっておりますけれども、大夕張炭鉱の閉山がかりにあったといたしましても、二千万トン体制に直にかかわることはないというふうに存じます。 また、全般の問題といたしまして、二千万トン体制の堅持ということは強くやってまいりたいというふうに存じております。
○多田委員 時間が来ましたので、これで終わりたいと思うのですが、この調査結果を見ましても、ここにあるものはほんとうに二千万トンを維持していくという意欲は一言も発見できない。いや、それは一つの山だと言われるかもわからないけれども、一つの山であればこそ、真剣にその山の立て直しについて、私は石炭部門だけでなくて、あらゆる角度から検討すべきだと思う。ところが、この調査結果について見れば、そういう意欲は感じられないのです。 それから、大夕張が四月に閉山発表になってから、政府から調査団が行ったのは矢野次官一回きりだと私は聞いております。いろいろ部内では検討はされたと思うのだけれども、しかしながら、炭量の問題についても、前回私申し上げましたけれども、これだけの山がつぶれるときには、炭量の調査をやってみる。もちろんそれが六月の末までに間に合うかどうか、そういうふうに私はせっかちに考えておりません。炭量をもう一度検討してみる、いろいろな角度からこの石炭の見直しをやってみるという姿勢が一体あったのかどうなのか。私はそういう姿勢を見ることができなかった。だから、山の労働者が言うのは、自分の山がつぶれても、ほんとうの石炭が掘られるのであるならば、これはもって瞑すべしだ。このことは、私は、率直に言うけれども、政府よりもはるかに労働者のほうが真剣に問題を考えている。しかも自分の生活の問題を裏打ちされているわけです。そういう意味では、私は率直に言って、今度の大夕張の問題で、先ほど理事会でも言いましたけれども、自分が議員になってみて、いかに無力であるかということを感じました。同時に、いま与党のこの政策のもとではほんとうに石炭政策を見直すことはできない。根本的には日本のエネルギー政策を根本的に改めなければどうにもならない。私はそういうことを強く感じました。 最後に、今度のあの千数百名という大きな山がつぶれるわけですから、これを契機にぜひひとつ二千万トン以上を維持する真剣な対策をとっていただくこと、これに対する大臣のおことばを聞いて終わりたいと思います。
○中曽根国務大臣 大夕張が閉山のやむなきに至る事態へ進んでいることは、まことに遺憾であります。われわれとしては、第五次答申の線に沿いまして、二千万トンを維持するように全力を尽くして努力していきたいと思っております。
○多田委員 終わります。
○田代委員長 渡辺惣蔵君。
○渡辺(惣)委員 今度の大夕張の災害の問題は、実際、真相を究明するいとまもなく、全くあいまいのうちに、へたをすると九分通りまで閉山のやむなきに至るという状況にぶつかっております。しかも、この間に特に異例のことばかり続いておるわけですが、たとえば五月十四、十五日に矢野政務次官が団長として現地に乗り込んで、矢野君は、できればひとつ一、二年閉山は延期して、その間に対策の万全を期したいという発言をして、夕張の市民を随喜の涙を流すほど喜ばせ、驚かせ、感激させておるのであります。その矢野政務次官はいかなる意図か、この委員会に一ぺんも顔を出したこともない。ついに放言しっぱなしで、姿も顔も見せずに、この委員会の大夕張の討議が終わりかかろうとしておる状況であります。しかも、十三日に矢野政務次官を中心とした委員会の調査報告が、いま同僚多田君が指摘したとおりの結果であります。したがいまして、ここで万が一閉山になりますと、事態は深刻なものが、この地方でございますから、あると思います。 そこでお尋ねしたいのですが、それぞれ対置要求が出まして、労使双方の詰めた交渉が行なわれる段階に入ってきておりますが、この間、いろいろな具体的な措置が、やがて政府の手にも入ると思いますが、いま佐伯石炭部長が述べられておる南北統一の再開発の方向をとって、南擾乱地帯に南大夕張側から坑口を再開する、統一採掘をやるということになった暁は、当初会社の発表した、南大夕張に千六百名の大夕張の鉱員のうち五百名は再採用すると発表しておりましたが、一体この南北統一した再開発方式をとることによって何名の増員が見込まれておるのか。私は、南部の地帯の開発と北夕地帯の開発として、三百名程度の増員は必至であると判断しておりますが、この点について、再雇用、雇用拡大、労働者の生活の安定の方策について、どういう姿勢をもって会社並びに地域に対して指導されようとしておるのか。これはまず部長の答弁を求めます。
○佐伯政府委員 先生もおっしゃいましたことでございますので、もし閉山になりました場合のことでございますが、南大夕張のほうから掘るべく会社のほうに話をしてございまして、人数につきましては、なるべく多く再雇用できるようにということで、会社にも話しております。 具体的内容につきましては、会社の労使のほうで現在詰めておるというふうに聞いておりまして、何人というものはまだ聞いておりませんが、私たちのほうとしては、なるべく多くということで会社のほうにお話をしておるような状況であります。
○渡辺(惣)委員 私は、千六百名の鉱員のうちで過半数以上残り得ることがあれば、これまた閉山の山としては異例の措置に道がつながる、切り開けると期待しておるわけです。したがいまして、この部分につきましては、一段の努力を要請するわけであります。 次に、時間がございませんから端的に申し上げます。それは、今度の対置要求のいろいろな方向が出ておりますが、そのうちに、特に高年齢者対策とか未亡人対策とか離職者対策、もろもろの問題が出ておりますことは、通例の閉山の場合と同様であります。しかし、対置要求の中で一つ新しい問題が提起されておるのを、たぶん石炭部長も大臣も注目されておられると思うのです。 それは、大夕張の万が一のあと地開発についての対策の一つとして、夕張市あるいはその他の関係機関のうちに討議されている問題は、大夕張開発振興公社というものをつくって、国及び道及び三菱資本自身が共同出資をして、大夕張の開発に当たれという新提案であります。いわば今日いわれる第三セクターの構想と類似したものであります。そこで、この道が可能であるかどうか、探究していただきたいと思うのであります。これに夕張は非常に大きな期待をかけているのです。 なぜこういう問題が発生してきたのか。なぜ現地からこの大夕張振興公社的な、第三セクター的な構想が生まれてきたかといいますと、それは御存じの、かつての三菱美唄の閉山にあたって、三菱の社長は胸をそらして、必ずこの土地に三菱のマークをつけた会社を最優先的に工場配置をする、再開発にも努力する、過疎化対策に十全な努力をするということを胸をたたいて発言をしておったわけであります。御承知のとおりだと思います。それがついに大ぼらに終わりまして、一つも行なわれていないということです。そういう実績の上に立っているのです。深刻な局面に産炭地都市は——もうかるときにはもうけっぱなしで、もうからなくなると、採算割れとなるとぼんぼん山をつぶして、あとの残骸は全部地方自治体にしょい込ませるというのが実態です。それを一年、二年前の三菱美唄の場合はいやというほど見せつけられてきている。ことばをかえていいますれば、三菱資本に対する不信感が現地に非常に強いということです。そういうことから、三菱自身が閉山、万が一閉山になった場合に、過半数以上の労働者が職を奪われる。それから中小企業その他もみな大打撃を受ける。せめてそのあと地の対策をどうすべきかという問題について、三菱自身が共同責任を負うべきだ。共同責任といいますよりも、主体的な責任を負うべきだというものの発想のしかたが、いわゆる国も地方自治体も三菱も共同出資で大夕張振興公社をつくってその基礎づくりをせよ、それで資本の部分の参加によってのっぴきならない共同の責任を負わすべきだというものの考え方が、それは三菱資本に対する不信感の中から出てきた構想であると思います。同時にそれは、地元それ自身の自主的な開発発想もあると思いますが、三菱を抱き込む、三菱も過半の責任を一緒に負ってもらう。そしてそれは、政府にも要望するが、政府だけの責任ではない。企業経営者としての当然のあと地整理の共同の責任を三菱が負うべきであるという発想であります。 しかも、三菱は日本における誇るコンピューターまで使って生産を続けておる。南大夕張炭鉱が隆々といまやっておるわけですから、現にその地続きには巨大な資本の構成が活動、運転されておるのですから、当然あと地開発について、全部総撤退ではないので、三菱が企業をやっているのだから、三菱も共同負担の責任においてあと地開発の責任を負え、こういう論理が生まれてくるのは当然だと思うのであります。 この点は、やがて対置闘争の中で早急にこの意見が出てまいりますが、この場合にひとつ大臣及び局長、部長の手元において、特に前向きで積極的にこの要望を果たすように協力できるような道を、資本を説きつけ、説得し、責任を負わせる。そしてこれだけの問題の処理のために協力を願いたい。所信を伺う次第です。
○佐伯政府委員 対置要求につきましては、二十五日に私たちのほうにお見えになるというふうに聞いておりまして、先生お話しのことは、おそらく二十五日にお話があるのではなかろうかというふうに思います。したがいまして、そのほかのこともいろいろあると思いますが、それらにつきましては上司と相談をいたしまして、できる限りの努力はしてまいりたいというふうに思います。 それから先生おっしゃいますように、特殊地域でございますし、会社のいろいろな、もし閉山に至ったような場合には、再雇用の問題あるいは企業誘致の問題等につきましては、この前の六月十三日のときにも強く政務次官からお話ししていただいたわけでありますが、今後とも会社にそのような方向でやってもらうように強く指導してまいりたいというふうに考えます。
○渡辺(惣)委員 最後に一つだけ意見を述べさしていただき、大臣の所信を伺いたいと思います。 先般の委員会で、大臣は、この大夕張閉山に伴うもろもろの関連した問題について、政府としての共同処理に当たられるために、各省連絡会を持つことを約束していただきました。また、そのいとまがあったかなかったか存じませんが、大臣も閣内で特に発言をしてその関係を推進するという決意のほどを述べていただきました。 そこで一言お伺いしておきたいのは、現地からの情報によりますと、まず七月二日に北海道関係機関が現地調査に入る予定だそうであります。それから開発庁、自治省の調査団が七月四日から五口にかけて入る予定だ。一番直接の担当の責任のある通産省が七月の十日から十五日以降でなければ入れない。どこが打診してこういう日程ができたのか存じませんが、大体こういう日程を承っております。開発庁側からは連絡もございました。 そこで、問題は——私は一つ心配しますのは、一生懸命行ってくれるのはありがたいと思うのですが、矢野発言みたいな無責任な、この段階にきましてまたいいかげんな、実行もできないような話を振りまいて混乱だけを誘致するというようなことは、厳に慎むだけではなしに、積極的に、そのことが現地の振興対策にプラスになるような措置を講じられるような、事前の万全の措置を望んでやまないのであります。したがいまして、きょうは開発庁、自治省が行く、あしたは通産省が行く、あさっては労働省が行く、てんでばらばらに各官庁セクト別に北海道へ行かれたら、行かれるほうも、朝に迎え夕べに迎えるというような状態で、来てくれるのは好意をもって心配して来てくれるのですから、もちろん現地ではどなたも歓迎します。あの山奥まで来てくれるのですから歓迎しますが、そうでなくて、その前に、政府が何をなすべきか、何をやるのだという統一見解、統一的な行政上の許される最高の限界で協力し得るような事前の措置こそ、いま必要があるのではないかと思うわけです。各省ばらばらの対策では困ると思います。この点につきまして、特に大臣の所信をお伺いしたいと思います。 私の質問はこれで終わることにします。
○中曽根国務大臣 最終的な詰めの話がわれわれのほうへ参りました際には、各省とも連絡をとり、また私も、閣議でも関係各省の協力を要請いたしまして、政府としてすべき点についていろいろ速急に案をつくっていきたいと思います。 それから、いま御指摘がありました点につきましては、東京において各省と連絡をいたしまして、それらを持って各省が行くか、あるいは一緒に行くか、ともかく最終的な詰めが出てきて、その対策のできぐあいによりまして懇切な方策を講じていきたいと思っております。
○渡辺(惣)委員 終わります。
○田代委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十八分散会