石炭対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/03/07
会議録
○田代委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺惣蔵君。
○渡辺(惣)委員 新国会になりましてから初めて正式に開かれます石炭特別委員会にあたりまして、特に主管大臣であります中曽根通産大臣に質問を行ないたいと思うわけであります。 特に、いま四十八年度に直面いたしまして、石炭第五次答申の実施を前にいたしまして、エネルギー資源に関する問題は、内外非常に大きな混乱期に遭遇いたしております。特に石炭につきましては、二千万トンを上回るという態勢で、現実に今日二千七百万トンを出炭いたしておりますが、第五次答申ですでに五、六百万トンは消されてしまうという状況の中に置かれておりますし、しかも、いま第五次答申を審議しておるさ中で、すでにこの一月以来、石狩炭鉱、赤間炭鉱、そしていままた美唄の三美炭鉱が、三月三十一日をもって閉山の危機に逢着しておるという状態で、第五次答申の足元から崩壊の危機にぶつけられておるという状況であります。しかも、大臣自身がひしひしと体験されておりますように、石炭にとってかわろうとする重油の対策にいたしましても、国際的な石油合戦のさ中で、日本の立場は非常に微妙なものがあるかと思います。したがいまして、この国際的な立場から見たエネルギー資源の問題、ことに日本において唯一残された石炭のエネルギーの位置づけこそは、この機会に明確にしていただきませんと、さらに石炭政策の崩壊が強められる一方であると考えられるわけであります。 したがいまして、世界的なエネルギー合戦の状況につきましては、大臣から展望や所信を石炭問題とからめてお伺いをしたいと思うのでありますが、特に一番最近、きょうの新聞に出ております記事を中心にいたしまして、一番新しい状況の中で大臣の意見を承っておきたいと思うのであります。 私が特にここに資料として読み上げますものは、けさの日経新聞の記事であります。これによりますと、「世界のエネルギー事情、端的にいえば石油事情は全く予断を許さない局面に立っています。いろいろな意味で、世界はエネルギー危機に直面しているのです。かつては石油王国であった米国が、深刻なエネルギー危機に見舞われていることは、繰り返し報道されています。この危機に対処するため、ニクソン大統領はエネルギー教書を作成中ですが、その発表が予定より遅れています。ということは、今後の石油事情が予想以上に悪化するとみられており、それに対処するためには全く新しい決意、考え方が必要となり、その作成に手間取っていると思われます。一方、OPEC(石油輸出国機構)は三月十六日からウィーンで、加盟国の閣僚級代表による特別会議を開きます。国際通価変更による原油の公示価格の調整方式は、すでに昨年一月のジュネーブ協定によって確立しているので、今回の特別会議でも当然、さきのドル切り下げによる損害の補償問題を採り上げることと予測されています。米国のエネルギー教書にせよ、OPECの特別会議にせよ、それは、ますます窮迫化している世界のエネルギー事情の象徴であり、その成り行きが注目されます。」提供は石油連盟の情報として掲載されております。 こういうような緊迫した状況の中で、世界エネルギー戦争に対処するいかなる方策をもって臨もうとしているのか。国内資源としての石炭の位置づけを、こういう状況の中でどのようにされようという展望の上に立ち、政策の上に立っておられるのか、この際、所信を承りたいと存じます。
○中曽根国務大臣 結論を申し上げますと、石炭に関する第五次答申の線を守って、政府は政策を進めていくということでございます。 国際的な現在のエネルギー情勢を申し上げてみますと、何といってもアメリカというものが世界に対して非常な大きな影響を持っておりまして、このアメリカ、次にEC、ヨーロッパ諸国の燃料政策の動向が非常に大きく作用してくるわけでございます。いまの諸工業、諸産業の発達の度合い等を見ますと、石油の需要というものはかなり大きなところにのぼっていく見込みでございまして、アメリカにおいても、一九八〇年代の初期には、おそらくアメリカの消費量の半分は輸入しなければならぬだろう。その政策の半面には、ある程度のリザーべーションを国内に持っておって保全しておくという思想もあるやに承っております。そういう形でアメリカが半分を外国から輸入するということになりますと、いままで以上に需給関係に影響が出てまいりますし、ヨーロッパの諸国においても、ほとんど大同小異の行動が出てくるだろうと思います。日本自体を考えてみましても、八〇年ごろには六億トンないし七億トンの油が要るという計算になっております。 そういう逼迫した中にあって、一方産油国の情勢はどうであるかと考えてみますと、いわゆるOPEC諸国のほうにおきましては、いわゆるパーティシペ−ションということを要求してまいりました。つまり、自分のところから出た原油のある一定割合をその国に還元せよ、だから、経営参加ないし資本参加を要求してきて、原油の割り当てを要求してきている状態でございます。それで、これも八〇年代の初めには、大体五〇%にそれをのぼらせようという動きでいま動いております。そうなりますと、いわゆるいままでメージャーといわれた米英の国際独占資本が獲得してきた油の量は減ってきて、アフリカやあるいは中近東における国々の持ち前の油がふえてくるわけです。この油をどこに売るか、メージャーに売るのか、あるいは日本やその他のメージャーでない国に売ってくれるのかということは、石油情勢に非常に大きな変化を持ってくるわけでございます。この間、すでにアブダビにおきましては、アブダビ石油の分のパーティシペーション二五%の分について、ジャパンラインがこれを獲得した、こういうことも起きております。この獲得につきましては、国際的波乱を起こしまして、通産省としても厳重に注意をいたし、規制もしておるわけでございますが、ともかく、そういう情勢が出てまいります一方、中近東の諸国は、いまのうちに油を全部掘り尽くして売ってしまうのはまずいという考えに立って、生産を制限して、地下に保存して、少しずつ世界に売っていく、そういう動きも出てまいります。そうなりますと、一方において需要は増大するが、供給は縮小ないし微増にとどまるという可能性もあるわけでございます。そういう非常に変化に富んだ国際エネルギー戦争ともいうべきものの中にあって、日本は何を考えるかというところが大きなポイントです。通産省としては、そういうことも見越しまして、今回、機構改革をお願いして、資源エネルギー庁というものをつくりまして、長官以下強力なスタッフでそういう大政策に取っ組む用意をしておるところでございますが、一面において、そういうメージャーの諸国の方向にも参加する。これは、この間イギリスのBPの持っておる株を日本が引き受けまして、それで大体、BPのアブダビ関係の石油については、三分の一の保有を日本は獲得したわけでございます。そういうふうに、メージャーの方向にも参加していくし、また、その原油国の側ともある程度話し合いをしていくということも出てくるのではないかと思います。その間にあっては、メージャーの供給を受けるほうと供給するほうとの利害が対立するわけでございまして、非常に国際的波乱が予想されますが、こういう中にあって、日本としては、何しろ足りない国でございますから、国際的な波乱を不必要に起こさないで、しかも日本の、でき得べくんば固有の油の量をふやしていく、そういうたてまえに立って政策を機動的に運営していく。そして方針としては、洋の東西南北を問わず、できるだけ各地に手当てをする。それがまた、ある意味においては、安全保障上からも大事でございます。それと同時に、国際協調を主にして考えていく、そういう考えに立ってエネルギー資源の補給を考えておるわけでございます。 それで、単に油だけでなくて、ガスもございますし、また、原子力エネルギーの基本であるウラニウムもございますし、多元的に幾つかの重層的な構想を持って日本のエネルギーを確保していこう、こう考えているわけでございます。 その中にあって、わが国固有に産出しておる石炭というものは、いまのような情勢を考えてみると、なかなか貴重な要素でもあります。アメリカ自体あるいはOPEC諸国が保全をはかるという情勢等も考えてみますと、やはり必要最小限の石炭は自国において確保して、ある意味において安全保障の基礎を持っておるということも、私はゆるがせにできない政策であると思うのでございます。単に経済的な合理性のみにとらわれずに、そういう世界政策的な見地からの国内炭政策というものもなければならぬと、私は思っております。そういう意味において、第五次答申というものは妥当なものでありまして、そういう見地からも、第五次答申をわれわれは推進していきたい、そう考えておるわけでございます。
○渡辺(惣)委員 最も経済合理主義者と思った中曽根大臣が、経済合理主義にとらわれないで、国策を重視するという発言はけっこうだと思いますが、特に石炭以外のエネルギー資源は、指摘される重油にしましても、あるいは濃縮ウランにいたしましても、あるいはガスにいたしましても、国内資源としては問題にならない状況にありますから、依然として石炭のウエートはきわめて高い評価をしなければならないと思うわけであります。 ところが、最近における石炭の状況を見ますと、加速度に石炭の出炭量が激減し、崩壊の危機にあるのだということは大臣自身が御了承だと思います。 これは通産省の資料でありますが、石炭の合理化計画が始まりました昭和三十五年の年次には、六百二十二の炭鉱があったわけです。働いておる労働者は二十四万三千五百二十四名、石炭の産出量は五千二百六十万七千トンという膨大な石炭の産出をしておったわけです。その後、昭和三十七年に始まりました石炭合理化の第一次答申以来、今日第五次答申に至る十数年の時間を経過しております中で、昭和四十七年度の炭鉱は、かつては、昭和三十五年に六百二十二の炭鉱を数えましたのが、十分の一以下に激減しまして、今日わずか五十二の炭鉱があるばかりであります。これも四十七年の十一月末の勘定でありますから、まだこれがはるかに減退をしておると思います。出炭量は今年度の見込みが二千七百三十一万トン、それから常用労務者の数が三万四千三百八人ということになっておりますが、ここで一番問題になりますのは、昭和三十五年には、当時の状況で労働者の一カ月の生産量は十八トンでありましたのが、四十七年になりますと、六十三トンと、五倍も六倍もに非常にふえてきており、それだけ労働者の稼働率が高まり、機械技術その他の発達もさることながら、労働者が非常に極端な労働をしいられていることで、合理化のために苦労を積み重ねておるという経営の実態を証左するものと思うわけであります。こういう状況で、加速度に炭鉱が崩壊しつつあるということに対しまして、第五次答申を通してどういうふうに歯どめをされるのかということを明らかにしてもらいたいと思うのでありますが、別の資料を見ますと、日本における電力の供給量の上からいきますと、大体、昭和五十二年度までの推定でいきますと、水力発電は一六・二%ですが、六十年度になるとこれが二〇%に伸びる。火力発電の場合は、石炭火力は六・五%、それから重油火力が六八・一%、原子力が八・七%という状況で、一〇〇%になるわけですが、これが六十年度の推定になってくると、火力発電が重油を中心にして五五%、原子力が二五%、水力発電が二〇%に伸びて、石炭はゼロという勘定になっておりますが、そういう展望の中で、いま第五次答申を策定され、今日実施しようとしていらっしゃるのかどうか、将来の石炭の展望についてお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 次の段階、いまの第五次答申のあとの問題につきましては、いずれ審議会にいろいろお考えをお尋ねして、その方針でわれわれは行くことになると思います。しかし、いずれにせよ、長期的展望を考えてみまして、日本が一つの独立国家として存在していくという観点から考えてみますと、エネルギーの非常に多元的供給、あるいは国内、国外からの供給のある一定の考慮、それから国際的協調というような点は、一つの基本線として考えておかなければならぬ要素があると私は思います。経済ベースも非常に大事でございますが、いまの情勢から見ると、おそらくその経済ベースにまかせるというと、なるほど石炭の消費というものは減っていく可能性は十分あるだろうと私は思います。一番のポイントは、価格の問題と公害の問題でございます。特に公害の問題というものは近来騒がれてきておるからであります。公害については、これに対抗する技術を至急低廉に行なわれるように確立しなければなりませんけれども、ともかく、そういう面から見ると、必ずしも先行きは楽観を許さぬ状況にあるという冷厳な認識をわれわれはしなければならぬと思いますが、それにもかかわらず、日本の国家の存立という面から考えて、必要最小限のものは自力で国内で確保しておくという考慮は、私は必要であると考えておるのであります。
○渡辺(惣)委員 その必要最小限度確保するという努力ですが、現に第五次答申のさなかで、続々と毎月定期便のように炭鉱が減っていくわけであります。 特に一つの具体的な例証を申し上げたいと思うのですが、去年の十一月二日に、北海道の空知炭田の中にあります石狩炭鉱が災害を起こしまして、一月三十日に閉山になってしまいました。特にこの災害と申しますのは、総員百六十名の小山ですが、災害にあってなくなった人は二番方全員の三十一名であります。これを他の中小の標準の山、一千名ぐらいの規模の山と仮定いたしまして想定いたしますと、実に五分の一でありますから、二百人が一挙に災害にあって死亡されたということに該当するわけであります。全員の五分の一が一挙に、一瞬に災害に逢着したのですから、かつてない大がかりな、比率的に見たらば前例のないことで、五分の一が死亡した。二番方全員が一挙に死亡してしまったという例はかつてないわけであります。それほどひどい災害に見舞われましたにもかかわりませず、遺体の発掘が十二月下旬までかかって、四十八日間遺体の発掘に手間どり、そして通産省からも災害の調査報告書が二月のたぶん上旬になって出たと思います。ところが、いままででありますと、必ず災害の場合は大体十名内外を目途として、十名以下の災害ですら国会で視察に参りましたりあるいは役所も調査団を出しましたりいたしました経過があるのでございますが、今回の場合は、総選挙にからまった時期にぶつかったという点もありましょうが、一度も衆参両院とも視察に出なかった。それから役所も調査団を出して正式にこの災害の状況をつぶさにできなかった、しなかった、こういう状況が残されて、いまでも問題を残しておるわけであります。 原因は、労働組合の調査によって三項目の問題点を指摘しておりますが、しかし、それもどういう理由か、炭じん爆発なのかガスが爆発したのか、全山が火の海になって焼け落ちてしまっておりますために、しかも二番方の関係者が全員死亡しておりますために、いまだもって的確な原因が明らかにされていないという悲惨事が繰り返されておるわけであります。 これが終わらないうちに隣りの赤平の赤間炭鉱が閉山宣告を受けて、これが二月二十七日にうやむやのうちに閉山せざるを得ない状況になり、さらに三月三十日に美唄の三美炭鉱が閉山になるという状況であります。幸いにも目下石狩炭鉱を除き、赤間炭鉱にいたしましてもあるいは三美炭鉱にいたしましても、災害を伴わないで閉山になるのですから、条件が若干違います。違いますが、しかし、赤間炭鉱を例に引きますと、これは、一年前に隣の歌志内にあります空知炭鉱と坑道をつなぎ合わせて、会社が一本になって、鉱業所も一つになり、一つの鉱業所のもとに空知炭鉱と赤間炭鉱がそれぞれ鉱業所の事務所を置き、鉱長を置いて、両分してやっている。しかし、その中にトンネルを貫通いたしまして、それから一年後、ようやくこれからは、非常に生産体制が整った、会社の将来もみごとに立ち直っていく方向が確立したということで、会社、労働者、町もろともに凱歌をあげ、祝杯をあげたばかりであります。にもかかわらず、坑道をつなぎ合わして、貫通して、生産体制を強めるという生産目標を持っていたはずにもかかわらず、十月下旬になりますと、これも突然、会社の採算がとれないという理由で、閉山をしたい、こういうので、この三月末閉山を宣告されております。 美唄の三美炭鉱のごときも、これはいま掘っております坑口でもなお一年間の炭量はある。しかも、その深部を掘れば八十万トンの埋蔵量があるということをいままで会社側が主張してまいっておるのである。これもいまだ終掘になっておらないのに、経済炭量ではない、金もうけの対象にならない、利潤追求にならないという理由で、可採炭量のあることを認めていながらこれを閉山に導くということで、三つの山が一月ごとに連続して閉山をしておるわけであります。 この問題につきまして、大臣はこまかなことは御存じなかろうと思いますので、関係の局長でけっこうですから、石狩炭鉱は、指摘されたように、原因がまだ明らかでないのにうやむやのうちに閉山されてしまって、原因究明がされずに終わっておるが、これに対してどういう見解をとっておるのか。それから赤間及び三美炭鉱の閉山問題に対しまして、産炭量があり、大臣も、日本の国内資源としては石炭を大事にしなければいかぬ、経済合理主義だけにとらわれずに、それはそれとして、日本のエネルギー対策の上に資源は尊重すべきだという発言をされておりますおりから、一私企業の御都合主義で、炭量があるにもかかわらず次々と閉山をしていく、こういうことについて妥当と認めておるかどうか、いかなる措置を講じているのか、会社側に対して、私企業に対してどういう指示を与え、これを説得しておるのか。その態度について御答弁願いたいと思います。
○青木政府委員 石狩炭鉱の事故につきましての関係は、私の所管でございますので、私からお答えいたします。 石狩炭鉱の事故につきましては、非常に多くの犠牲者を出しましてまことに申しわけないことと思っております。先生御指摘の国会の調査団でございますが、衆議院のほうは、いろいろな事情がございまして、調査団の派遣のいとまがなかったわけでございます。参議院の現地調査団は、実は派遣されることになりまして、現地へ行こうとしたわけでございますが、天候の関係で札幌空港で着陸できないために、時間の余裕がなくなりまして、結論としては、現地には調査団は到着しなかったわけでございます。 役所サイドといたしましては、現地に私も飛びましたし、担当課長ないし担当官を派遣しまして原因究明にはいろいろ努力いたしたわけでございます。ただ、先生御指摘のとおり、全山が非常に崩落が激しくて、原因の究明が非常にむずかしいところでございます。それと、犠牲者の方々の遺体回収に非常に手間どりまして、そちらのほうに主力を注ぎましたために、原因究明がおくれておりますが、現在なお、若干の鑑定を急いでおる次第でございます。 現在までの調査結果では、火源といたしましては、北二方の坑道炭抜き目抜きのハッパ、ガス源といたしましては、溜掘の払いあとの停滞ガスの疑いが濃厚であるということになっておりますが、なお、専門家の鑑定を急いでおる状況でございます。
○佐伯政府委員 石狩炭鉱につきましては、先ほど公害保安局長から申しましたとおりのような状況で、閉山のやむなきに至ったわけでございますが、赤間炭鉱につきましては、先生御指摘のように、空知部内とつなぎまして大いにやっていこうということでやっておったわけでございますが、深部に参りましたところが、きわめて断層が多くなりまして、かつまた、炭層が貧化をしてきたという事態になってまいったわけでございます。それからもう一つ、昨年の七月に自然発火を起こしまして、これは幸いにして、また皆さんの御努力によりまして、いわゆる人災にはなりませんでしたけれども、自然発火を起こしまして、その部分を密閉せざるを得ないような状況になってまいりました。一番いいところが放棄せざるを得ないというふうな状況になってまいりました。そこで、会社のほうは、どうしても赤間炭鉱部分を閉山しなきゃいけないということで、提案をされたわけでございます。その後労使でいろいろ御相談なさって、私たちもそれに入らしていただいていろいろ検討いたしましたが、結果といたしまして、会社側と労働組合のほうでやむを得ないということで、閉山ということに相なったような次第でございます。 ただ、御承知のように、空知部内と赤間部内とありまして、空知部内にはまだ優良な炭層もございますし、まだ増産の可能性もございます。赤間炭鉱におられる方は多く空知炭鉱のほうに移っていただくということを、会社のほうも希望いたしておりまして、現在まだ閉山はいたしておりませんので、逐次そちらのほうに移っておられるというのが現状でございます。 それから三美炭鉱につきましては、二月十五日に、三美炭鉱の会社のほうから労働組合のほうに、閉山の提案をされたように聞いております。この件につきまして、実は一昨日も、炭労の幹部の方、それから現地の組合の方といろいろお話を突っ込んでいたしました。実は本日も、こっちに参ります直前まで、炭労の方と現地の組合の方といろいろ話を詰めておったような次第でございます。 私たちが判断をしております限りでは、いまやっておりますところに八十万トン、先生おっしゃるように、あるということで掘進をやったわけでございますが、二百七十メートルくらい掘進をいたしましたが、結果は、そこはきわめて断層が多い、それから炭層が貧化をしている、要するに山たけ分の炭たけの割合が五五%以下になってしまっておるということが行ってみて判明をした。そこで、また別のほうから、新たに坑道をやはり二百数十メートル掘りましてやってみましたが、同じような状況であるということで、やむなく会社は閉山提案をしたというふうな事情でございまして、その件につきましては、組合の方ともいろいろお話をいたしましたが、そういうような状況でございます。 あと炭層は確かにございますけれども、このまま掘りますと、現在石炭一トン当たり千円くらいの赤字でございますが、三千円以上の赤字になる、これではどうしてもやっていけないというふうな状況になっている次第でございます。あとは、そういう状況を踏まえて、もう一度、きょう、先ほど炭労の方々などともお話をいたしましたが、会社側と折衝するというふうに言っておられました。したがって、まだ閉山がきまったわけではございませんで、労使のほうで、そういう坑内状況がきわめて悪くなったということを踏まえまして、再度交渉をされるというふうに聞いております。
○渡辺(惣)委員 時間がないので、答弁もひとつ要領よくかいつまんでいただきたいと思いますが、いま部長も触れられたような、特に石炭の経済性、可採炭量があっても経済炭量として掘るのが困難であるという発言がありましたが、しかし、いままでの多くの閉山も、膨大な可採炭量を残しながら強引に閉山をした例がたくさんあるわけです。しかも、そういう場合、たとえば通産省みずからが、あるいは従来も、北大の磯部教授等が調査に加わりまして、精密な調査をしておるのですが、会社側の一方的な発言を聞いてこの閉山を承知している場合がきわめて多いのは、遺憾しごくであると思うわけであります。こういう点につきまして、資源保護の立場から、資源を大事にする立場から、もっと権威のある科学的な調査団の編成等によっての調査を十分にして、すべてが納得せざるを得ない、力の関係で納得するのでなくして、資源保護の立場から、国の機関をあげての資源の再調査によって問題を裏づける、こういう措置を積極的に、前向きの姿勢でとってほしいということを特に希望するわけであります。 一方で、エネルギー資源の問題の論議の中で、特に最近の火力発電所の多くが、重油専焼の火力発電所の設立計画が至るところに起こって、問題を引き起こしております。北海道でも、いま最大の問題になっておりますのは、北海道の湘南地帯といわれる非常に気候温暖な、雪の降らない伊達市という町、噴火湾の右側でございますが、その沿岸にいま北電が重油専焼の火力発電所をつくるとして四十ヘクタールの土地を買い占めて、そこで非常に問題を引き起こしております。この周辺半径二十キロが亜硫酸ガスにおおわれるというので、地域住民——非常に温暖な地で保養地であります。隣は洞爺湖温泉という、日本でも非常にまれに見るいい温泉が湧出して栄えておるというような状況で、沿岸の漁民も農民も居住者も全部被害をこうむる。周辺半径二十キロの地点が全部すっぽりと亜硫酸ガスにおおわれるということで大問題になっております。隣の洞爺湖温泉があります虻田町では、遂に町長のリコール問題にまで発展しまして、住民は、署名運動をして、リコール申請の決定をしたのです。その状況が、さらに周辺の町村に波紋を描いておるということであります。 実は当初、単純に、噴火湾の一部落の土地を買収して北電がそこに重油火力発電所を設立するんだ、地域住民もこういう受けとめ方をしておりましたし、私もそういう受けとめ方をしておったわけです。ところが、だんだん調べておるうちに、たいへんなことを見出したわけです。それは実は、通産省の幹部の諸君は十分了解づきではないかと思うのですが、新全総計画ですね、これは事実上は行き詰まって、昭和三十七年から四十四年までかかってつくり上げた新全国総合開発計画は、現在は廃棄されたと同様になっております。新しく五十年度を目途にしまして新全総計画を策定するということになっておりますから、文書としては、もうすでに廃棄と同様の部面に置かれておりますが、この新全総開発計画という閣議決定の文書を通して見まして、それからそれを延長し、その中から関係者がつくり上げた田中角榮総理の「日本列島改造論」という書物があることは、御存じのとおりです。ところが、ふしぎにもこの新全総計画の中のこの分を田中角榮氏はほとんど引用して、まる写し同様に書いておるわけです。まる写し同様に書くのはけっこうですが、一番肝心かなめの問題、全国における火力発電所、重油専焼の火力発電所の設置の場所を、この新全総の一一五ページ、CTSの調査対象地点位置図というものが、具体的に図表まで出ておるのです。これによりますと、北海道のこの伊達火力発電所が設置せられる予定候補地になっております噴火湾全体が、実は単純な火力発電所ではなくて、CTSの原油備蓄基地でありますから、原油の備蓄基地をつくり、そこに原油の陸揚げの中継基地をつくる。全国で、場所も全部指定しております。第一、北海道の噴火湾から、最後は九州鹿児島の志布志湾に至る十六カ所の場所が、具体的に全部図表で個所づけまでも明らかになっておるわけです。しかも、それを受けて、田中角榮氏も得々としてこのままのことを羅列して、自分の新政策であるような発表のしかたをしておるわけです。田中角榮氏の思惑はどうでもいいですが、問題の原典は政府の閣議決定のこの新全総計画書の中から引用しておるのですから、原典は通産省が一番おわかりだと思うのですが、そういう北海道のような産炭地に至るところまで、しかも、全然気候、風土温暖で、そして保養地であります。そういうところまで重油の基地をつくって、単純な重油専焼火力発電所じゃなくて、基地をつくるという計画を今日でも持ち続けておるのか。この点はとういう責任を——いままで公表したのは気がつかなかったのか、あるいはどういう展望に立って今後廃棄された新全総計画というものをそのまま踏襲して、これからもCTS基地として強力にやられるという意思を持っておられるのか、どうか、これをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○井上政府委員 北海道の伊達火力発電所の建設問題でございますが、これは北海道内におきます需要の問題であるとか、あるいは系統信頼度の問題であるとか、そういう問題を考えまして、将来の需要にタイアップするために計画したものでございまして、特に噴火湾の問題、そういうものとは全く関係ない、こういうように考えております。
○渡辺(惣)委員 どうも答弁が今度は簡単過ぎて……。問題はCTSであるのか、単純な重油専焼の火力発電所であるのか、それを今後どうしようとするのか、もう少し具体的に述べてもらいたい。
○井上政府委員 私のほうの所管は発電所のほうでございますので、あまり詳しいことはわかりませんけれども、実態を申し上げますと、いろいろなCTSの関係であるとか、あるいはコンビナートの関係というものにつきましては、いろいろなところで研究をいたしておりまして、民間の機関でも、あるいは公益法人みたいなところでも、あるいはシンクタンクみたいなところでも、いろいろ研究いたしておりまして、いろいろな案がございまして、それぞれ机上プランといたしましてかってなことを皆さんおっしゃっておるというようなところがございます。そういうものの中で、噴火湾が将来のCTSの基地になるのではないかということを読んだことはございますが、われわれが火力発電所計画をつくりますときには、そういうこととは全く関係なく、これは昭和四十五年に伊達町から誘致がございまして、そういうことで伊達町を選んだというのが最も大きな理由でございまして、別にCTSを将来考えるというような構想とは全く関係なく決定したことは事実でございます。
○渡辺(惣)委員 それはおかしい話を聞きますね。昭和四十五年に伊達市から誘致があったというお話ですが、しかし、これは四十四年に策定された文書ですよ。ごらんになっていないのですか。ちゃんと噴火湾にCTSの番号ナンバーワンがふってある。この文書もこれはいかがわしい、これもインチキな文書だとすれば、経済企画庁の総合開発局長であった宮崎仁君が責任を持って発行した政府関係文書ですよ。この文書の中でごていねいに全国の地図をつくり、CTSの番号を全部ふっているのもあなたはインチキである、これはどこかがかってに書いたんだとおっしゃる。 もう一つ申し上げます。ここに国土開発計画図というのがございます。国際地理学会発行ということです。この国際地理学会の表示の中にも、これは公文書でないといえばないかもしれません。かってにやっておるのかもしれませんけれども、ここに掲げてあるCTSの場所ですね。噴火湾とはっきり書いてある。堂々と大きな記号をつけてCTSの場所を指定しておる。だから、計画がないならないでいいですよ。それをインチキだとか知らぬという話。宮崎仁君の責任を追及することになりますよ。私文書であるというならば。
○井上政府委員 先ほど申し上げましたのは、シンクタンク等の機関でいろんな研究をしておったということを申し上げまして、ただ、計画はいろいろあるようでございますが、これはまだ、机上プランと申しますか、実際に実行性のある具体的な計画ではございませんで、われわれが伊達火力の火力発電所のサイトをきめます際には、そういうことと関係なく、さっき申し上げましたように、誘致もございましたし、電力系統上あるいは将来における需要の伸びる地点に近いとか、そういう観点からそこの地点をきめたということでございまして、そういうCTSの問題その他の問題とは全く関係なくきめたことであるということでございます。
○渡辺(惣)委員 そうすると、しつっこいようですが、新全国総合開発計画に表示されておりますこのCTSの図表というものは、全然宮崎個人のものである、役所として、政府としては関係の問われる筋ではない、こうおっしゃるのですね。
○井上政府委員 先ほども申し上げましたように、私のほうは、そういう点にからんで地点をきめたことじゃなくて、それ以外の理由でサイトをきめたわけでございます。 それから、そういう計画がありましても、それがまだ具体的に実行されるという段階の計画ではございませんで、非常に将来の見通しの問題であるということだと思います。 なお、私のほうはCTSの関係は所管しておりませんで、火力発電所の決定というときには、その計画が具体的になっておりませんので、そういう問題については、特にそういう点から地点を選んだということではないわけでございまして、それはさっき言いましたような、電力サイドの事情からその地点を選んできた、こういうことでございます。
○渡辺(惣)委員 計画はあるが役所では直接きめていないのだという意味ですか。そういうシンクタンクその他がいろいろ研究している。しかし、民間機関やシンクタンクが研究しても、この閣議決定の文書に載せたのはどういうことだということを言っておるのですよ。この載っておることは否定できないでしょう。民間のシンクタンクのことではないのですよ。この政府の出している文書ですね。宮崎仁君署名の、宮崎仁君が編さんした政府自身の文書です。その文書の中でCTSの個所づけをしているが、それは全く関係ないのだというと、その宮崎君の責任を問わなければいかぬことになるのです。それは研究の過程でやっているのだ、まだ成案を得ないので、研究の過程でそういう計画をも含めて検討中なんだということなら、賛成か反対かは別として、それはそれなりで御答弁になりますよ。まるっきりこれを否定しているのですか。そうすると宮崎君の責任を問いますよ。大臣、御答弁願います、もしあちらで答弁しにくければ。
○井上政府委員 CTSの計画につきましては、決定しているのではないのだと私は思いますけれども、ただ、私のほうのきめましたのは、そういうことに関係なく、電力サイドからの事情からきめている。CTSの問題につきましては、それは確定した計画ではない、こういうことではないかというふうに理解いたしております。
○渡辺(惣)委員 確定した計画ではないが、そういうことも含めて将来計画について検討されておるわけですね。これは、単純な四十ヘクタールの敷地の中に火力発電所ができるというのと、その湾内全般がCTSになるのとは、たいへんな違いですからね。
○井上政府委員 伊達火力のキロワットは三十五万キロワット二基ということになっておりますが、これは、いまの状況で需要が伸びてまいりました場合に、大体五十年、五十一年程度の需要増加をカバーするために計画したものでございまして、主として道南方面の需要増加というものを対象にいたしまして、これをつくりませんと将来電力の運用が十分にできないということで、計画いたしたものでございまして、特にCTSその他のものを対象にして考えたものではございません。
○渡辺(惣)委員 割り当ての時間が尽きてしまいましたので、最後に大臣に承りたいと思うのです。 いまの問題と関連して、産炭地北海道におけるいわゆる火力発電所の問題であります。北海道の炭鉱、これは御承知のように、原料炭と一般炭とは大体五分五分の生産率です。燃料炭専門の山もありますが、原料炭を専門とする主力の山であっても、当然、燃料炭、一般炭も含められて生産されるのでありまして、二千万トンの石炭を産出するには、一千万トンの一般炭が当然含まれてくるということは常識であります。 そこで承りますのは、北海道のような産炭地ですね、石炭の基地、そして第五次答申以降に残って生産が継続されるのは、北海道の地場産業としての石炭産炭地であります。そこで私が、いま北海道における重油専焼火力発電所の問題をここで承っておりますのは、そういうような無理をしてまでいろいろな公害を拡散して、住民の不安と反対を巻き起こして、あるいはリコール運動なども各地に起こってきている、こういうような、本州と北海道が入れかわってきたような中に置かれている状況の中で、特に注目に値する問題が出てまいりました。これも新聞の記事ですから、そういう考え方が政府自身の計画の中に議論として出てきておるのかどうか、参考に意見をお尋ねするわけです。 これは日経の三月三日の記事です。「火力発電所の建設は工業基地とセットに 北海道電力の計画」こういう記事です。以下、ちょっと読んでみます。「北海道電力は今後、火力発電所の単独立地は公害問題を理由にした地元住民の反対で、無理との見方を強め、将来は火力発電所を工業基地のなかに立地させていく方針である。北電では三月中ごろを目標に作成を進めている四十七年度長期計画のなかで伊達火力を除いて三カ所程度に新火力の立地を求める必要がある。これらの用地の取得は直ちに行なうわけではないが、北電ではこれらの火発の単独立地は不可能とみている。新火力建設の地点として北電は苫小牧、釧路などを有力候補地にあげており、苫小牧は東部大規模工業基地、釧路は白糠の工業地帯あるいは西港の後背地、工業基地とセットで建設する方針を固めつつある。北電が火発の立地に工業基地とのセット方式を取らざるを得ないと判断しているのは1工業基地内に建設すれば周辺住宅地、農地などとある程度の距離を保つことが出来る2燃料となる重油の陸揚げのための港が確保できる——などのためで、単独立地はよほどよい条件が整っていない限り無理とみている。」ということになりますと、新しくこの工業基地、コンビナートの形成されておるところへ火力発電所の基地を求める、これは重油の取得の必要上特に港のあるところを選ぶ意味が含まれておるようですが、一体、北海道のような産炭地基地に、従来から問題になっていました、たとえば釧路の工業港における共同火力の石炭火力の設置問題、あるいは現に今年十二月には苫小牧で共同火力が三基、去年とおととし一基ずつできて、あと十二月にはもう一基できる。それから苫小牧の東部大規模工業地帯、この地帯は一万二千ヘクタール、東京の国電を全部中にはさんですっぽり山の手線から全部入って、なおその一・七倍の広大な地域に、新しいコンビナート、日本随一の最大の工業基地がいま計画されているわけです。当然そこで、その工業立地計画を遂行するために、そこにいまの発電計画が集中されなければならぬ。しかも、それをも重油専焼でいくのか。産炭地が至近距離にあります。空知炭田から至近距離にある苫小牧であります。そこの地帯の発電計画に対して、石炭を永続的に、将来計画を中曽根大臣も言われるように、資源を温存して、大事にして活用していく精神の上に立って、重油専焼でなく石炭専焼の火力発電所をつくる意思があるのかないのか。検討しているのかどうか。北電当局のこういう姿勢の変化に対しては、通産省の働きかけやあるいは見解というものがどのように反映していっているのかという問題について御答弁をわずらわしたいと思います。
○井上政府委員 電源開発一般の問題でございますが、これは御承知のとおり、需要がだんだん伸びてまいっておりまして、各地帯それぞれ火力なりあるいは原子力なり、そういう発電をやっていく必要があるわけでございます。それで発電所の立地点でございますが、単独立地地点をとるかあるいは工場との同一の立地地点をとるかという問題については、それぞれ特徴がございまして、ケース・バイ・ケースに応じまして検討するということになると思います。具体的な点でございますが、先ほどお話がございましたような、北海道の具体的な発電所につきましては、まだ会社の中で検討している段階ではないかと思いまして、われわれといたしましては特にまだ聞いていない段階でございます。 それから、火力発電の問題でございますが、北海道電力は、御承知のとおり、その性格から、非常に石炭政策に協力してまいりまして、従来ともたくさん石炭を使っておるわけでございまして、第五次答申におきましても、それぞれ所要の石炭を取ることにいたしておるわけでございます。 なお、将来の石炭火力の問題につきましては、石炭の可採量であるとか、あるいはコストの問題であるとか、あるいは公害の問題であるとか、そういうものを十分に検討いたしまして、石炭火力の妥当性というものを検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○渡辺(惣)委員 残念ですが時間を経過しましたので、これでやめることにいたします。ありがとうございました。
○田代委員長 岡田春夫君。
○岡田(春)委員 若干お伺いいたしますが、三十分ですから、お答えがあまり長いと三十分が済んでしまいますので、ひとつ要点をお答えいただきたいと思います。 先ほど渡辺委員から非常に重要な問題提起があったわけです。それは、国際的な関係で、日本は輸入する側として、エネルギー資源は今後きわめて逼迫する情勢にある、そういうように非常に苦しい状態になってくるのであるが、石炭政策については一体これからどうするんだ、こういう意味の御質問があったわけですが、そういう情勢であるから第五次答申が必要なんだというのが、中曽根通産大臣の御答弁であります。しかし私は、これはちょっとかみ合わないという感じがする。というのは、御承知のように、第五次答申というのは、あの数字においても、これはもっとになるだろうという危険性があると思うのです。答申は、三百万トンの減産という計画です。そうすると、石油の輸入というものがどんどん苦しくなっていくのに、石炭産業はいわゆる合理化して減産をしていく、こういう方針が立てられている。そういう点では、ひとつここでエネルギー問題を根本的に再検討しなければならない状態ではないだろうか。 というのは、これはひとつ通産大臣に将来の展望について政治的な見解を伺いたいのですが、一九八〇年の段階では、これはもう国際的には相当たいへんな状態になってくる。ヨーロッパ諸国でも、いま石炭産業を安定させるという方向にどんどん切りかわってきている。そういうときに、日本だけが合理化を進める、それによって減産してもいい、こういうことになってまいりますと、日本のエネルギー需給問題というのはたいへんじゃないか、私はそう思うわけです。そういう点で、五次答申との関係について、先ほど御答弁になりましたが、もう一歩突っ込んだ御答弁をいただきたい。特に八〇年代では、石炭価格と石油価格においては、ヨーロッパではおそらく石炭価格のほうが石油よりも安くなるだろう、こういうことまでいっておる。逆に石油のほうがもっと上がる、こういう意味ですが、そういう点なども勘案しながら、ひとつ率直明快な御答弁をいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 将来のエネルギー資源の問題の展望については、率直にかつ明快に申し上げることは非常にむずかしいと思うのです。アンノーンファクターズが多過ぎるせいでもあります。ただ、岡田委員は、おそらくそういう国際経済情勢から日本の石炭問題というものを考える前に、社会政策的な見地からもこの石炭問題を取り上げなければならぬ、そういうお話であるのだろうと思います。 私のいまの答弁は、渡辺委員の御質問が、国際情勢の展望の中において、石炭政策、第五次答申の位置づけをしろ、そういう御下命でありましたので、それにこたえてそのように申し上げたのでございます。しかし、日本の石炭産業というものを考えていく場合に、日本の一つの社会問題としても、もちろんそれは考うべき要素がありまして、第五次答申の中にもそういう精神は盛られておると私は思います。したがいまして、それを没却しているわけではございません。御下命がそういう御下命でありましたから、そういうふうにお答えしたわけでございます。
○岡田(春)委員 アメリカの場合でも、十五年後というものを目標にして計画をつくっている。社会政策的な問題も当然のことですが、いわゆる生産政策、経済政策の面においても、一体、エネルギーはどうなるのか、こういう問題での一つのプランが必要ではないか。そういう場合における石炭の位置づけをどうするのだ、こういうことは、日本もいまから具体的に進めていく必要があろうと思うのです。そういう意味で、もう一度中曽根さんから、化学の問題などもからむと思いますが、見解を承っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 石炭化学について御言及になりましたけれども、私の持っておる現在の情報と知識では、石炭化学の発展というものはそれほど早く期し得られない情勢ではないかと思います。やはりこれからは流体エネルギー、ガスとかあるいは石油というようなものが化学としては進む手っとり早い可能性があるんではないかと私思います。アメリカは膨大な金をかけて石炭化学の開発につとめておるようでありますけれども、コストという面から見ますと、なかなかむずかしい情勢ではないかと私は思っております。 まあ、いずれにせよ日本の石炭政策というものは、日本独自の理由、条件に基づいて考えなければならぬ問題でございまして、第五次答申というものを完遂していくことと、それから第五次以降の将来の問題につきましては、そのときの情勢によると思いますが、やはり先ほど申し上げたような理由によって、必要最小限のものは国内でみずから確保しておく、そういう立場が必要であると思っております。
○岡田(春)委員 第五次答申ではどんどん石炭産業は減っていくという方向になるわけですけれども、そういう点からいっても、もっと具体的にいろいろ伺いたい点もありますが、きょうは時間の関係で省略いたします。 そこで、第五次答申の中で一つ重要な柱が答申として出されているんですが、石炭鉱業の合理化事業団の運営の問題について、管理委員会制度を確立する、これは非常に重要な提案だと思うのです。かつて臨時炭鉱国家管理法案のときにも管理委員会の問題があったことを私思い出すのですが、やはりここで管理委員会を確立する、そして石炭事業をほんとうに安定させる方向に持っていく。そこでは管理委員会の構成というのが非帯に重要だと思うのです。 それで、私は、今日の石炭産業においては、労働者階級の協力を無視して石炭産業の安定をはかることはできないと思います。そうなってまいりますと、四名の管理委員が選ばれるそうでありますけれども、この四名の管理委員の中には、当然労働者を代表する者を入れるべきだと私は思うのですが、通産大臣はこの点は率直にどのようにお考えになりますか。
○中曽根国務大臣 管理委員会を設けました趣旨につきましては、社会党や野党の皆さんのほうから国家管理的な御構想が示されまして、自民党の皆さん方と必ずしも考え方が一致したわけではございません。そこの妥協的産物という意味もあって管理委員会という思想はできたと、私聞いております。そういたしますると、やはり管理委員の性格というものは、中立的委員をもって構成して、そうしてまあ第三者的良識の線で運営していく、そういうことが妥当であると思いまして、目下中立的委員を頭に置いております。
○岡田(春)委員 その点は、改正案の中にも「委員は、石炭鉱業に関しすぐれた識見を有する者のうちから、通商産業大臣が任命する。」そういう意味では、中立的なということはどういう意味か私よくわからないのですが、労使の関係外と、こういう意味ですか。私はむしろ、四名も入るならば、労働者の代表も入る、また経営者のほうも入るでしょうが、純然たる意味の中立なんということはちょっと考えられないのであって、いま中立という意味で答弁されましたが、この内容についてもうちょっと具体的に御答弁をいただければけっこうだと思います。
○中曽根国務大臣 米価審議会におきましても、あるいは社会保障制度審議会関係の委員会におきましても、いわゆる労使の代表的なものから、中立委員というものがおるわけです。労働委員会におきましても、中立委員というものはおります。数も少ないことでございますから、中立委員、つまり労使両方に足を置かない、まあ第三者的立場、客観的立場を持っておると考えられる見識のある中立委員を四名選んで、そこでやる。そういう考えで、数でもうんと置ければ岡田委員のような構想もありますけれども、四名でありますから、そういうことが適当ではないか。いろいろ米審の場合やそのほかの場合を考えてみますと、結局はその中立委員の所信、所見というものがかなり影響を与える立場になり、あるいは中立委員が小委員会をつくって最後の答申案をつくったりよくいたしますけれども、まあ能率的に考え、いまの構成陣容を考えてみますと、そういうところにいかざるを得ないのではないか、そう思います。
○岡田(春)委員 中立委員というものの性格は、たとえばいま米審の例をお出しになりましたが、必ずしも中立という態度ではない。そういう点では、両方お入れになって、そういう中でひとつ十分討議をしたほうがむしろいいんではないか、私はそう思うのですけれども、特に米審の場合には、両方の代表があり、中立委員があって、しかも中立委員が小委員会を構成してやるということなんですから、生産者あるいは消費者その他の関係者を全然除外したわけではないのであって、まあそういう点からいっても、これはもう少し御研究をいただきたいと思います。 そこで、どんどん進めてまいりますが、もう一つは、先ほど渡辺委員も言われましたように、相次いで閉山の通告が行なわれる。特に三美炭鉱などの場合には、計画倒産というか、計画閉山ではないのかということすら実は私は感じるのであります。と申しますのは、三美ではなく三井の社長が就任された直後、石狩炭鉱でまだ遺体があがっていない最中に、石狩炭鉱と同時に、三美炭鉱、滝口炭鉱ともに閉山しますということを、実はだいぶ前に発表しておるわけです。その際に、現地の三美炭鉱では、労働組合がこれをたいへん重視し、三井の社長はこう言っいるんだが一体どうなんだということを、現地の社長に詰め寄ったところが、そういう計画は全然ない、こういう答弁をした。ところが、そういうことは全然やりませんと言いながら、間もなくして、今度は一方的な通告をしておる。こういう点を見てみますと、計画的に閉山をどんどんやっているというように思われてしようがない。これは赤間の場合もそうですし、また、その他の場合においても、どうも計画的な閉山というものが進められている感じがするのですが、こういう点について、石炭部当局としても一体どういうようにお考えになっているのか。先ほど、八十万トンあるんだが、それほどはないんだというような御答弁でありましたけれども、個別の問題というよりも、一般的に会社側がそういう計画閉山をこの機会にやろうとしているという動きのように感じられるが、この点は一体どうなのか。 それからもう一つは、閉山後の状態については、御承知のように、三菱美唄炭鉱の場合、あるいはその他赤間炭鉱の場合もしかりですが、そういうように閉山をしたあと地の産炭地の振興の問題については、政府はそのときはいろいろなことをおっしゃるけれども、実際は、思ったようにはほとんど進んでおらない。特に美唄炭鉱の場合は、当時通産大臣であった田中現総理は、工業再配置第一号にいたしますまではっきり言ったんです。ところが、これについていまだに音さたも何にもないという状態なんですが、一体政府としてどういうふうになさるおつもりなのか、ここら辺も大臣から責任のある答弁を伺っておきたいと思います。
○佐伯政府委員 先生からお話がございましたように、三井鉱山の社長が、昨年のたしか十一月だったと思いますが、かわりました直後に、新聞記者会見で、いわゆる系列炭鉱は五十年までもたないだろうというようなことを発表されたのを、私は新聞で知りました。それと今回とは、私は、先ほども申し上げましたように、坑内条件の悪化というようなことで、関係がないというふうに思っておりますし、またその直後に、実は三井鉱山にも、どういう意味かということをただしたわけでございますけれども、全体的にそういう状況である、すぐに閉山ということではないんだというふうな話でございましたから、私は、これとは別個だというふうに考えております。 それから、先生のおっしゃられましたように、閉山のあとはいろいろ問題が起こっておるわけでございますので、それらにつきましては、産炭地振興には鋭意努力をいたしておりますし、今後もいたしてまいりたいというふうに思っております。 ちなみに、美唄市におきましては、若干数字が入って申しわけございませんが、昭和三十七年から四十七年末までに工業再配置・産炭地域振興公団の融資によりまして、三十三の企業が進出いたしておりまして、千五百六十八人を雇用いたしております。そのうちで炭鉱関係者が七百九人、約半分ぐらいでございます。その後、四十七年度におきましては、八社企業が進出いたしまして、これによりまして二百二十三人雇用いたしまして、そのうち百八十人が炭鉱関係者でございます。 それから、御承知と思いますけれでも、この公団によりましていろいろな団地をつくっておりまして、美唄市におきましては、昭和四十年五月に東明団地ができ上がりまして、四十五年九月に第二東明団地の第一期ができ上がりました。さらに、四十七年十一月には第二東明団地の第二期が完成いたしました。したがいまして、これからも企業に大いに進出してもらうべく考えておる次第でございます。 それから三菱美唄炭鉱の閉山に伴いまして、おっしゃるように、企業誘致、特に三菱系の企業誘致をいたしたいということで、鋭意努力をいたしておりまして、数回にわたりまして三菱関係グループの方、約二十社ぐらい、役所のほうにも来ていただきまして、企業誘致につとめておりますし、また公団でも、それから道のほうでも努力をいただいております。おっしゃるように、まだ現実に実っておりませんけれども、鋭意努力をいたしておりまして、何回も詰めてやっておりますので、なるべく早い機会に企業誘致をいたすべく、今後とも努力をしてまいりたいと思います。
○岡田(春)委員 もう五分しかなくなってしまったのですが、いま、佐伯さんの話では、はしなくもお話しのように、八社で二百何十人の企業誘致をした。八社で二百何十人といったら、一社三十人ですか。そういう企業を持ってくるという約束ではなかったはずですね、再配置計画第一号というのは。大規模な企業を持ってくるという約束だったはずです。こういう点について、大臣、やはりここでひとつ思い切った努力をしていただきたいと思うのですが、現在も努力をしておられると思うけれども、もう少し思い切った努力をしていただきたい。というのは、現在でもまだ三百人も失業者が残っているわけです。こういう人たちのためにも思い切ってやっていただきたいのです。 そこで、具体的にちょっと伺っておきますが、私は企業の誘致と同時に、やはり政府関係の企業体といいますか、あるいは事業といいますか、こういう面についてもひとつ積極的に目を広げてもらったほうがいいのではないか、こういうことも実は考えているわけです。こういう点も含めてひとつ思い切った努力をしていただきたいということを、特に要望しておきたいと思いますが、決意のほどをひとつ通産大臣から伺っておきたい。 それからもう一つ。もうこれで終わりですから。もう一つは、これまた審議の際に詳しく伺ってまいりますけれども、中小炭鉱の閉山の場合に、労務債ですね。これはやはり、たとえば会社預金にしても、退職金にしても、会社がつぶれたんだから労働者もその負担は背負ってくれということは、これはいかぬと思うのです。やはり労務債だけは政府が全部一〇〇%負担をする、そういう方向で政策をとりませんと、そういう点については今度の法案の中でも詳しく伺ってまいりますが、やはり労働者が苦しい中で預金をしておったものが返らなくなってくる。全部返らないのじゃなくても、七割しか返らないとか、退職金も十分にもらえないとか、こういうことがあってはならないと思いますので、こういう点は政府の施策としてひとつはっきりそういう労働者に犠牲をかけないように、ここはひとつ通産大臣から明確な言明をいただきたいと思います。 この二つでありますが御答弁を願います。
○中曽根国務大臣 工場の誘致につきましては、前通産大臣の言明もあり、引き続いて積極的に努力してまいります。 それから、労務債の問題については、御説ごもっともであると思います。こういう汗と涙でたくわえたものが完全に返らないというのは痛々しいことでありまして、われわれとしても、これを改善するために努力をいたします。
○田代委員長 吉田法晴君。
○吉田委員 石炭対策を、エネルギー資源の中で、将来展望も含んでどういうぐあいに考えておられるかという質問を渡辺、岡田両議員もされました。具体的にどういう数字を考えておられますのか承りたい。それは先ほどの第五次答申のとおりだとおっしゃいましたが、第一次、第二次五千万トンがくずれてからは、いまもお話がございましたけれども、これは計画どおりには行っておりません。いわば石炭は、総退陣といいますか、総くずれという情勢にございますだけに、これは関係者全員あるいは国民の相当の部分が関心を持っておりますだけに、通産大臣として国内最小限度の石炭生産は維持するんだというお話ですが、その具体的な数字を承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 第五次答申に書いてありますように、その期間を通じて年二千万トンを下らざる数量を確保する、そういうことで努力してまいりたいと思っております。
○吉田委員 「電力、鉄鋼等大口需要産業界における国内炭の引取りを強力に指導する等により、昭和五十年度において二、〇〇〇万トンを下らない国内炭需要の確保に努めるものとする。」と書いてございます。それも大臣の口から確認をされたわけでありますが、実際にはあの一次、二次の答申のときには、数字も、それから能率も、あるいは経費も含んで目標が設定されたと思います。ところが、それが今日くずれておることは何人も否定するわけにまいりません。そしていまお話が出ましたように、残炭はあるけれども、炭量はあるけれどもやめる、あるいは従業員はおって、従業員なりあるいは地元の反対はあるけれども、採算の見通しが立たぬから閉山をする、こういう事態がございますだけに、その二千万トンを下らざる数字、それと、それに従事をいたします労働者の数等についてもはっきり承りたいと思います。
○佐伯政府委員 お答えいたします。 第五次の答申におきまして、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、二千万トンを下らざる線ということで対策を進めておりまして、現在もそれに沿いまして予算措置も目下お願いをいたしております。法律の改正もお願いしたいというふうに思っております。その線に沿ってやってまいりたいというふうに存じております。
○吉田委員 労働者の数。
○佐伯政府委員 現在は、先ほどありましたように、三万四千人でございますが、第五次答申の中におきましては、昭和五十年度に何人だということが明記されてございません。現在よりも当然機械化等によりまして能率の向上はいたすことになると思いますけれども、その数字は明確にはなっておらないわけでございます。
○吉田委員 二千万トンを下らざる数というだけで、従業員が幾らになるかも知らぬ。それから、物価その他の騰貴に対しまして、補助を含みまして結局ペイするように、あるいは利潤第一に考えますと、いまお話しのように、合理化もさらに進むであろう。あるいは進めることを要素に織り込みながら考えると、どれだけの従業員が維持できるかわからぬ。さらに先ほど来お話がございましたけれども、企業だけにまかしておきますならば、三井鉱山なら三井鉱山の社長のさっきの話じゃありませんが、十年を出ずして三井鉱山の石炭部門では、それではどうなるかわからぬ、こういう実態が出てくるだけに、政策として二千万トンを維持する、二千万トンだけでなくて、それに従事する労働者を含んで、どの程度の炭鉱あるいは出炭量を維持するということがなければならないと思います。 ただ、二千万トンを下らざる数字、あとは規模。それに反して閉山が行なわれたならば、あるいは人員縮小が行なわれてもしようがない、こういうことでは国の石炭政策とは言えぬと私は思います。それだけに、はっきりその辺の、何といいますか、石炭政策の中における通産大臣の責任ある答弁をお願いしておるゆえんであります。
○中曽根国務大臣 人数の点につきましては、やはり機械化、省力化がある程度進むと思いますので、ここで予測することは非常にむずかしいと思いますが、いずれにせよ、そういう人間対策につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、われわれも全力を尽くして政策の手を差し伸べるつもりでおります。
○吉田委員 それでは、第一次あるいは第二次の当時については、能率から、あるいは人員から、一応の目標があったと思いますが、その点はいまは放棄をされたわけですか。私は、いまの通産大臣の言われるような、全力をあげて維持をしなければならぬ努力があるならば、あるいは雇用の安定をはからなければならぬとするならば、そこには一つの目安がなければならないと思います。もし、それが企業の努力だけでできないならば、国の補助ということもありましょう。あとの問題は、これからの形態の問題については、あとでお尋ねいたしますけれども、少なくとも人間の問題について、政府が責任を持たれるというならば、この程度のことは維持していきたい、そのために政策もそれにつれて行ないたいということが出てくるはずだと思うのですが、あえてもう一度お尋ねいたしますけれども、そういう目標はございませんか。
○佐伯政府委員 先ほどことばが足りませんで失礼いたしましたが、二千万トンを下らない線を維持するということで、現在法律改正もやりまして、現在は昭和四十八年度の基本計画がございますが、今度は第五次答申に基づきまして、昭和五十一年度の基本計画を作成するようにいたしたいと思っておりまして、法律が通りましたら、五十一年度の基本計画の中ではっきりさせてまいりたいというふうに思います。ただ、その間におきまして、皆さん方の努力と、それからいろいろなこともございますし、そういうことで能率の向上もいたしてまいりたいと思いますが、片やおそらく、当然でございますが、賃金も上がってまいると思いますので、それらを吸収いたさなければなりません。 それから、炭価にいたしましても、第五次答申の中におきましては、競合エネルギーと現在では相当の差がございますが、その差は需要業界が認めてくれております。たとえば、原料炭で申しますと、日本と競合いたします弱粘結炭が上がりましたならば、それに比例した形で炭価も上げていくというふうな仕組みになっておりまして、需要業界のほうもそれをのんでいただいておりますが、それらとあわせて対策を進めてまいりたいというふうに存じておる次第でございます。
○吉田委員 それでは少し角度を変えてお尋ねいたしますが、三十五年の第一次答申以来いままで、一兆円の金が投ぜられております。そして四十八年度予算で見ます限りでも一千億をこしております。これだけの金をかけ、そして目標を設定してきたけれども、いわばどの要素を一つとってみても、最初の計画どおりといいますか、あるいは第一次、第二次の答申どおりにはならないで、五千万トン目標のものが二千万トン台になり、その二千万トン台も次々にくずれつつある。もっと前において、この社会化の傾向を、国有あるいは国管という方向でしたならば、もう少しこの石炭の生産量の維持あるいは国内最小限度の維持というものはできたのではなかろうかといった感想もないわけではございません。また、保安、労働者の生活、離職対策あるいは鉱害等を考えますと、石炭がこれだけ社会化しておる、あるいは公共化しておるといってもいいかと思いますけれども、それならば、それの保安の維持、労働者の生活の保障あるいは鉱害の完全な復旧や補償の観点からするならば、その社会化の性格をもっとはっきりしたほうがいいではないか、こういう議論が私は有力な意見として出ると思いますが、中曽根通産大臣の所見を承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 いまのお考えの基礎には、要するに国家管理ないし国営への志向のお考えがあると思います。それも一案であると思います。しかし、効率、能率というような点、あるいは予算運営の機動性、弾力性というような点等いろいろ考えてみますと、どうも国営や国家管理というようなものは日本の社会になじまない。イギリスの国有化政策が必ずしも成功しているとは思えない要素もございます。したがいまして、民間の創意を生かしながら、機動的、弾力的に経営していくという現在の形態のほうが、より適当であると私は考えます。
○吉田委員 現実の社会化の性格を、何らかの形で効率あるいは機動的な運営云々と言われましたけれども、それらをそこなわない限りにおいて、私は考え得るところだと思いますが、具体的に保安対策について承ります。 先ほど来、あるいは大臣の所信の際にも、昨年十一月の北海道石狩炭鉱における三十一名の罹災問題が取り上げられております。福祉行政というのは、私は、人一人の命は地球よりも重いということを実際に政治、経済の上で実現すること以上のものはないと思います。いわゆる保安対策が利潤よりも何よりも第一と言われますけれども、いま言われておるように、合理化が進むと同時に、そのうらはらとして災害があとを断ちません。私どもは、利潤本位の合理化政策の当然の結果として、こうした災害は根絶をできないと思います。私も不勉強ではございますけれども、各国の炭鉱を三、四見てまいりました。ソ連のモスクワ郊外で、地下ガス化とそして採炭の現場、切り羽が水圧式の移動する切り羽になっておるのを見た経験もございますが、これこそ利潤主義でなしに、人命第一、保安第一の採炭方法だと考えましたが、福祉行政、人一人の命が地球よりも重いというのを、石炭の保安対策の上に実現するとするならば、それは、これでどれだけ能率があがるか、どれだけもうかるかということでなしに、その利潤や計算以上に、人一人の命も失わないようにすることが大事だと思いますし、それには、採算主義でなしに、社会化のいまの姿を強化するしかないと思います。補助金あるいは補助率の引き上げでは、ほんとうにその目的を達することができないので、保安設備については一〇〇%国から援助をする、あるいはその保安の万全を期するためには、完全な利子補給をしても融資をするていの措置が必要だと思いますが、通産大臣としてどういうように考えられますか。
○青木政府委員 石炭の保安の問題につきましては、私どもの指導方針としましては、あくまで保安第一であって、保安が十分確保できる場合に限り生産が続けられるんだという精神で運用しておるわけでございますが、従来の実績から申しまして、災害を根絶することができないという事態はまことに遺憾だと思っております。 ただいま先生から、ソ連の採炭につきまして御指摘がございましたけれども、日本の炭層は、そういうところの炭層と違いまして、褶曲とか断層が非常に多く、切り羽が非常にとりにくい自然条件がございまして、一律に論ずることはなかなかできないのではないかと思います。ただ、私どもとしては、放置していいとは考えておりませんので、保安監督の強化はもとより、今後保安面の助成につきましては、第五次答申の線に沿いまして強化してまいりたいという方針でおります。
○吉田委員 局長に答弁を願いますとそういう話になるだろうと思うから、通産大臣にお尋ねをしたわけでありますが、問題は、効率その他から考えていまのままのほうがいいと言われるけれども、保安を一つとってみると、幾ら保安第一といってみても、あるいは生産が従だといってみても、利潤とそれから経営の基礎がもうけ主義でございます以上は、この保安第一は実際には貫かれないという現実があるわけであります。あるいは先ほども認められましたけれども、合理化というものが今後もやはり行なわれるでしょう。そうすると、その合理化の陰には、災害がつきものであります。私も石炭に関係いたしましたから、大災害が起こるたびに、なぜこういう災害が防げないんだろうか、もし、こういう災害がどうしても石炭産業につきまとうならば、これは石炭はやめるべきだ、こういうことまで考えたこともございました。しかしそれは、先ほど申しましたように、局長はいま褶曲や断層の問題があって云々と言われますけれども、私が見ましたのは一メートルそこそこの炭層で、日本の炭層とあまり変わりがないところでそういうものが可能である、可能にしたのはやはり利潤主義なのか、あるいは利潤は度外視をして人命第一の採炭方法をとるかということにかかっておるだけに、私はこれは石炭政策の基本になると思いますだけに、福祉優先を言われる内閣の通産大臣ならば、これらの点についてお考えがあるべきだと思いますからお尋ねをするわけですが、もう一度通産大臣の答弁を願います。
○中曽根国務大臣 より合理的な技術の開発、あるいは開発された技術の採用ということを私たちはやはり積極的にやるべきだろうと思います。いま御指摘になりました方法が、はたして日本の炭鉱に向いて、より合理的であり、より効率的であるかどうか、そういう点は調べてみないと、ここでお答えすることはできませんが、一般論としていまのようにお答えすることができると思います。
○吉田委員 時間がないから、論議をしている間はございませんから、先に進みますが、産炭地域振興について、先ほども北海道の問題についてお話がございました。産炭地域振興臨時交付金の引き上げが四十八年度予算の中で組まれ、特に閉山地域の中小商工業者に対する融資ができたことは、従来要望してまいりましたものとしてたいへんうれしく思うところでありますが、産炭地域をもっと広めてまいりますと、筑豊における若松のごとき問題が残っておるところがございますが、いずれにいたしましても、関連の中小商工業者に融資の道が開けましたことは感謝をいたします。 さらに、関連産業について、あるいは関連地域について考慮を要請をするものでありますが、産炭地に行ってまいりますと、実際に誘致をされた企業は、先ほどのは北海道の例でございましたけれども、若年労働者、特に女子を雇用しておるのが大部分で、その地域における世帯の中心をなしております者の仕事というもの、あるいはこれからの一生を託するに足るような仕事はなかなかで、一般失対やあるいは緊就、特会といったような仕事に従事するか、そうでなければ、筑豊の産炭地でいいますと、北九州への通勤で、日雇い労働に従事をしている。朝早く暗いうちから、五時ごろに起きて、帰ってくるのは七時過ぎ、家族もほったらかして、マイクロバスにゆられながら働きに行っておるというのが実態であります。産炭地域の振興について、これは産炭地域振興事業団が今度は規模が大きくなって、全国的な開発事業の一部分になったようでありますが、この九州の重化学工業中心で、中小企業はその関連下請にとどまっておる実情に対して、自動車産業等、今後の中心の基幹的な産業になるべきだという意見等もございますが、私は中国やアジアの今後の発展、あるいは日中共同声明の中にありますような平和五原則による、平和共存の原則によるアジアの協力、あるいは発展に貢献し得る産業等を、産炭地域にも、私は、市町村が誘致をするのでなしに、国として通産行政として、再編されるべきだと考えますが、中曽根通産大臣の所見を承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 適当な御構想であると思います。われわれもそういうものをさがしまして、積極的に誘致する方向に努力してまいりたいと思います。
○吉田委員 公団の平田理事長も、ことしの一月ですか、行ってみられて、あるいは適当な条件が整備されつつあるといったようなお話がされましたが、実際には各市町村が自分で超過負担をしながらやっております。そして、超過負担について、超過負担解消のために国の援助を仰ぎたい、あるいは起債と元利償還についての補てんを願いたい、あるいは臨時交付金を考えてもらいたい。特に先ほど労働の実態と申しましたが、一般失対やあるいは緊急就労事業あるいは開発就労事業あるいは特会等の補助の単価の引き上げやら、あるいは超過負担の解消のために、国に対して要請がなされておりますが、これらの点について、通産大臣なりあるいは労働大臣から所見を承りたいと思います。
○佐伯政府委員 お答えいたします。 産炭地域振興につきまして、特に閉山等が起こりましたところの市町村に与えますところの打撃は多うございますので、臨時交付金を交付いたしておったわけでございますが、先ほどもお話ございましたように、四十八年度予算からはその単価も引き上げるという方向でまいりたいと思っておりますし、それから、起債等につきましての利子補給等も、従来どおり強力に推進してまいりたいというふうに存じております。
○桑原政府委員 産炭地域におきましては、一般失対事業、緊就事業、開就事業、特会事業等が行なわれておりますが、こういった事業を施行するにつきまして、地方自治体にいろいろな財政上の負担がかかるというようなお話でございます。労働省といたしましても、予算折衝等におきましては、特にこの事業費単価の引き上げについて最大の努力をいたしております。 また、具体的にそれぞれの町村におきまして、その財政上の問題につきましては、十分御相談に乗りながら、こういった事業の運営につきまして、できるだけ負担の軽減をはかるように努力をいたしておるわけでございます。
○吉田委員 時間がございませんから次に移りますが、次は、鉱害復旧についてであります。 福岡県の出身でありますから、鉱害復旧について、まあ数十年と言っては少し大げさになりますけれども、三十年近く関係をしてまいりました。そして、私の国会議員としての仕事の中で、臨時石炭鉱害復旧法制定については努力をいたしたつもりでありますが、いまなお千七百億円にのぼる工事量がある。残存鉱害が残っておる。四十八年度には、その一部百七十億の予算を計上して努力をしていただいておりますが、御承知のように、無資力鉱害、炭鉱が閉山になって無資力の炭鉱、あるいは鉱業権者が続々としてなくなっておる。したがって、地方公共団体がこの財政負担を補っておる点がふえてまいっておるわけでございますが、無資力鉱害の復旧についてあるいは補償について、地方公共団体の財政負担補てんの方法について、ひとつ一段の努力を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。 それから、ついでに申し上げますが、なかなかやはり鉱害であるということについて認定をする機関がございません。因果関係の証明は、鉱業法の改正によって無過失賠償責任が規定をされておりますけれども、しかし、どこの鉱害かということは、これは無資力に全部なってしまえば問題はございませんけれども、認定機関あるいは科学的な認定調査の活用を地元では望んでおるところでありますが、これらの点についてどういうように考えられますか、関係局長に承りたい。 それからもう一つ、最後に、打ち切り補償がなされておるところがございますが、救済措置について考えられるところをひとつ承りたいと思います。
○佐伯政府委員 炭鉱が閉山し、特に無資力になってしまいましたところの鉱害復旧は、問題でございますので、これらにつきましては補助率をうんと引き上げまして、ごくわずか地方公共団体のほうに持っていただきまして、鉱害復旧につとめておる次第でございます。 なお、鉱害かどうかなかなかわからないというのが現実にございまして、先生おっしゃられるように鉱害認定がとても重要な問題でございます。したがいまして、私たちのほうといたしましては、鉱害認定のための調査員を設けまして、そこの調査員の会議でもって鉱害認定をいたすというふうなことをいたしておりまして、その御要望も強うございますので、予算もふやし、もっと積極的にそれらを進めてまいりたいというふうに思っております。 それから、最後にお話のございました、打ち切り補償されましたところは、いろいろ法律上鉱害の責任というのが打ち切られておるものですから、なかなか問題でございます。ただ、農地等におきましては、復旧をいたしましたが、その後におきまして、地下水の上昇等のためにまた問題ができておるというふうなものは、再復旧をいたしておる次第でございます。それから一回復旧いたしましたが、他の別な原因による鉱害の場合には、当然鉱害復旧をいたすということでいたしておる次第でございます。
○吉田委員 時間がだんだんなくなりますが、離職者対策についてもう一、二点ただしたいと思います。 それは、関係市町村の中から、緊急就労事業の費用について全額国庫負担をお願いし、あるいは事業費単価の引き上げと吸収ワクの拡大について陳情をし、それから炭鉱離職者の炭鉱への再就職を配慮願いたい。これは労働省関係でありますが、要するに産炭地域において、これは炭鉱がつぶれてしまったことについては、国の石炭政策が大きくその根拠をなしておるだけに、出てまいりました炭鉱離職者については、国で責任を持ってその仕事をあっせんをしてもらいたい、あるいは補償をしてもらいたい、あるいは事業を興してもらいたいという思想が根底にあると思います。私ももっともだと思います。そしてまた、疲弊をして財源をなくしました市町村のよくするところではありません。すべての国民に対する仕事は憲法二十七条で国が保障をしておるところでありますが、その精神に従って、離職者対策にあるいは産炭地域の仕事について、全額国庫負担あるいは事業費の単価の引き上げあるいは吸収ワクの引き上げ等、もっと国で責任を持ってやってもらいたいということについて、どのようにお考えになりますか、労働大臣に承りたい。
○桑原政府委員 緊急就労事業につきます全額国庫負担の問題でございますけれども、現在の制度のたてまえは、五分の四の補助になっております。非常に高率な補助であると思います。それから、補助裏の五分の一につきましては、交付税、起債でめんどうを見ておりますので、地方自治体にそう御負担をかけていないと思っております。 ただ、自治体におきましては非常にいい仕事をしたいということで補助単価よりも高い工事をやるというようなことがございまして、超過負担の問題が出ております。先ほど申し上げましたように、関係市町村とよく相談をして、その問題についての解決の方途は講じております。 それから、産炭地におきます失業者全体の雇用安定の問題でございますけれども、私どもも、先ほどお話のございましたように、憲法二十七条の精神に沿って積極的にいろいろの手だてを講じております。特に炭鉱離職者につきましては、他の離職者の中で一番手厚くその措置を講じながら、安定した雇用にすみやかにおつきいただくように努力をいたしておるわけでございます。
○吉田委員 最後にもう一点。先ほど通産大臣は、産炭地域振興事業の中で、中国、アジアで需要があるであろうこれからの開発機械等について申されましたが、九州における産業の実態からいって、自動車産業が戦略的な産業であろうということを言われております。しかし、乗用車その他については、私は中国をはじめ東南アジアにおいても、必ずしも需要を期待することは困難だと思います。トラクターあるいは運搬手段あるいは開発機械あるいはプラントといったようなものについては、これは素材生産だけでなしに、九州の産業の体質改善をし、そしてまた、中小企業が共同化していきます場合の産業としての目標だと思いますが、そういうトラック、建設資材あるいは造船等について、九州の産業の将来と関連をして、あるいは産炭地域振興と関連をして、通産大臣として所見がございますかどうか、承りたいと思います。
○佐伯政府委員 先ほど大臣から御答弁がございましたように、従来、どうしても産炭地はまず企業ということで、小さい企業が多かったわけでありますけれども、つとめて大規模企業のいわゆる中核産業を誘致するようにいたしてまいりたいというふうに思っております。具体的には、いろいろ検討いたしておるわけでございますけれども、特に男子雇用型と申しますか、いわゆる鉄鋼、伸鉄のようなもの、建設業、車両整備等をまず誘致をいたしまして、それから先生おっしゃられるような方向に進めてまいりたいというふうに思っております。なお、福岡にはございませんけれども、佐賀県、長崎県、熊本県にはおのおの造船所が一社ずつ進出することがきまりました。一部にはすでに工事に着工しておるというような状況でございまして、今後ともそういう方向で努力してまいりたいと思います。
○田代委員長 多田光雄君。
○多田委員 今度の第五次の石炭政策を見ると、二千万トンを下らない、こういうことになっているわけです。前回も佐藤内閣のときに、第四次でこれでおしまいだ、こういうことを言っておりながら、二千万トンを下らない……。しかし、最近の閉山の動向を見れば、あるいは二千万トンを割るかもわからない、こういう状況なのです。いままでの質問者にもるる話がありましたが、大臣が石炭産業をほんとうに発展させようとしていないという態度が歴然としている。私は、どうして石炭を大幅に増産に向けていかないのか、その大臣の考えている最大のネックになっている問題、これをひとつ伺いたいと思う。
○中曽根国務大臣 最近の流体化エネルギーの発展及び使用というものはふえてまいりまして、そのために石炭のメリットというものは次第に産業間に薄れてきたように受け取られて、そのために需要が減退してきている、それがポイントであります。一つはコストであり、もう一つは公害であります。
○多田委員 私の聞いているのは、企業ベースにおける問題だけじゃないのです。つまり先ほどから言っている、日本のエネルギーで最大の資源といわれる石炭産業をどうするつもりなのか、こういう問題について実はお伺いしているのですが、その前に一つ伺いたいことは、大臣は先ほどの答弁でエネルギー庁を発足させたい、こういうお話でしたが、このエネルギー庁をつくる理由ですが、各種のエネルギー資源、とりわけ石油資源、大臣の先ほどの答弁の流れを聞いていますと、石油資源の海外開発あるいはその備蓄、それからいろんな企業間調整、そういうふうなためにつくるというふうに私は受け取ったのだが、どうでしょうか。
○中曽根国務大臣 これは、国際及び国内両政策を頭に置きまして、日本の資源、エネルギー政策を確立し、推進するためにつくっているわけでございます。
○多田委員 ではお聞きしますが、さきに閣議決定を見た経済社会発展計画の中で、これに見合った昭和四十八年から五十二年、この期間にわが国で総エネルギー量でどのくらい消費するのか、それからその中で特に石油、これがどれだけのウエートを占めるのか、特に石油の場合に、いわゆる国産資本から買うものと日本が海外開発をする場合、この比率をちょっと計画を教えていただきたい。
○外山政府委員 経済社会基本計画におきましては、昭和五十二年度のいろいろな数字を出しております。しかし、エネルギー総体としての量を幾らであったか、ちょっと私いま手元に資料がございませんので覚えておりませんが、石油の需要量につきましては、たしか昭和四十六年度の約二億キロリットルの一・六倍くらいになるだろうというふうなことが記述されていたかと思います。私どもといたしましても、その程度の需要に達するものと予想しているわけでございます。今度はそれの海外と国内の割合とかあるいは海外における獲得のしかたとか、そういった点の詳細は、数字的にはあの計画は触れていない、またそういった点の参考資料もついてないというふうに理解しております。
○多田委員 それはいま手持ちにないということですか、そこまで計算をしてないということですか。
○外山政府委員 たぶんそうした詳細な資料を内容とした長期計画ではないというふうに了解しております。
○多田委員 通産省としての試算なりはないのですか。
○外山政府委員 通産省といたしましては、エネルギー全体では、だいぶ前にエネルギー調査会の答申というのをいただいております。これは十年、十五年先についての各エネルギーの見通しでございます。 それから、石油につきましては、私どもといたしましては毎年五年先までの需要見通し、供給見通しを数字的に出しているわけでございまして、これは石油業法に基づいて毎年出しているものの一環として私どもとしての資料でございます。
○多田委員 先ほど来もお話があったのですが、諸外国の傾向をいま日本にそのまますぐ適用するわけじゃありませんけれども、石炭を見直せ、こういう声が起きていることは、これは事実だろう、こう思いますね。そしてあわせて日本の場合を見ますと、たとえばこの間のイラクの石油の直接買いつけの問題にしても、メジャーの圧力に屈する、こういうふうな傾向もある。さらにまたいわゆる石油危機という名のもと石油争奪戦がいま激しくなっておる。それでこの背後で、特にアメリカ系の石油、これが非常に暗躍している。こういうことも新聞その他ではっきりしているわけです。 私がいま指摘したいことは、ここで数字を申し上げる時間もありませんけれども、日本の石油輸入が非常に一方的に、やはりアメリカ系資本あるいは米系の国際資本に依存している、そこから、この価格のつり上げが、今日の国内におけるエネルギー危機の一つの大きな原因になっているのではないか、こういうことであります。あまりにも石油中心主義、しかもそれが特に米系資本、これらに依存し過ぎている、こういうところに日本の国内のエネルギー危機の一つの問題がある、こういうふうに思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 歴史的に見ますと、そういう傾向はあったと思います。われわれはそれをいま是正するために民族系を養成し、発展させるように、いろいろ心を砕いておるところであります。
○多田委員 大臣も御承知と思うのですが、近代社会の国家を見ていると、一時はなやかであったとしても、その国の資源を十分に生かせないで主要な資源を外国に依存する、これが国家の百年の計をどう誤まらせているか、これは御承知のとおりだろうと思う。今日、石油の、原油だけではないです。手元に資料がありますが、石油精製、石油化学、どれほど海外の資本がここに入り込んできているか、これは御承知のとおりだろうと思う。これは石油だけではないですよ。大豆を見ても、その他の食料を見ても、こういう状況なんですね。ですから私は、先ほど大臣が、日本が独立というふうに言われたが、ほんとうの独立を全うしようとするならば、こういう海外一辺倒というか、アメリカ一辺倒というか、そういうものではなくして、民族資本といわれる石炭産業を思い切り発展させる、少々それがコストが高かったとしてもそこに思いをいたすということが、私は政治家として非常に大事な問題と思いますが、これはどうでしょうか。
○中曽根国務大臣 原則的には、私が冒頭に申し上げた考えと同じであると思いまして、同感であります。
○多田委員 第五次石炭対策は、二千万トンを下らない、しかもその間に四千七百億から五千億という金を投ずる、こうなっているわけであります。 そこで大臣にお伺いしたいのですが、大臣の所信表明の中にこういうことばがある。「第四次対策発足の当初において予定したところをすでに越えた重大な変化が生ずるに至りました。」こう言っているわけですが、このわずか四年前から見た重大な変化、これはどういうものでしょうか。
○中曽根国務大臣 それは、流体エネルギーの拡大使用、そういう点であると思います。
○多田委員 その程度のことは、これはわかっていたと思う。過去の高度経済成長のもとで、どれほど石油が使われるか、使われたか、それがどういう公害を起こしたか、そんなことは政府がわかっていないはずはない。これはいまに始まったことではないし、去年始まったことではないのです。しかも、先ほど答弁があったように、これから経済成長の中でわずか四、五年で一・六倍からの石油を使っていく、こんなことも見えすいていることなんです。ですから、そういうことは私は答弁にはならないと思いますね。ここで大事な問題として、大臣が、ほんとうに日本経済の独立ということに自主的に転換していくためには、あなたは具体的にどういう措置が一番正しいと思いますか。
○中曽根国務大臣 日本はしかし、資源的に見ましても、貿易構造、産業構造から見ましても、自給自足はできないのでありまして、アウタルキーというものはとらないところであります。もし、それを無理してとろうとするということになると、切符とか統制経済になっていくということで、われわれはそういう統制経済的な行き方には賛成できません。ある意味において、やはり世界との貿易交流を通じて、日本の所得水準を上げ、福祉水準を上げていくということが日本のとってきている英知であると私は思うのです。そういう意味において、この国際性と国内性をどう調和していくかというところに政治の苦心の存するところがあると思うのであります。たとえば、農産物にしても約八〇%自給しようとか、あるいはエネルギーについてはみずからが把握するエネルギーを最小限どの程度持とうと努力していこうかとか、そういう内外の調整改善目標、そういうことが非常に大事であるだろうとわれわれは思うわけです。石炭の問題もその一つのところでありまして、日本のセキュリティーという面を考えてみても、われわれは必要最小限のものは確保しておく必要がある、こういうふうに申し上げておるところなのであります。
○多田委員 そこで、次の質問に、私移りたいと思います。先ほどお話しのあった、ことしになってから石狩炭鉱、赤間鉱それから三美鉱業、こういう閉山が相次いでいるわけですが、この閉山をやめさせる、通産省としてそういう意思がありますか、ないですか。これは大臣に伺いたい。
○中曽根国務大臣 日本の企業というものは自由経済で、企業の総意においていま運営されておるのでありまして、現在企業がそういう方向にきめたものを、国家が強行してそれをやめさせるということはできないと思います。
○多田委員 政府の答弁は、都合のいいときは自由経済、ここへ逃げておられるのですが、一年間の石炭の売り上げは幾らになりますか。国内炭です。
○佐伯政府委員 きわめて大ざっぱな計算でございますが、約千二百億円ぐらいと存じます。
○多田委員 大臣、これを聞いたらわかると思う。国内炭の一年の売り上げが一千二百億ぐらい。ところが四年間で政府が出す金が四千五、六百億から五千億です。しかも、今年度の石特会計を見ると、私この間、政府の人に来てもらって調べたのだが、人件費その他は別として、ほとんど大半が石炭企業。しかも、石炭企業の大宗を占めているのは大企業です。これも、いろいろな理由があるけれども、ほとんどやりっぱなし、貸し付けというのはわずか二、三億の産炭地の中小企業ぐらいのものです。つまり、自由経済というならば、いままでやれなかった大企業にほんとうに責任を負わせなければならない。ところが、この点においては国策だといって、一年間の売り上げのこれに匹敵するだけの金を大企業につぎ込んでやっておる。しかも大企業は何をやっているのか。片手では、その政府資金をもらって不動産会社、観光会社をやる、そっちのほうに金は回す。そして石油業もやっている。今度の五次答申というのは、世間でよく言われておる、大企業を安楽死させるための政府の投資だ、そのとおりだと私は思う。そういう意味で、私は、ほんとうに大臣が先ほど言われた民族の独立というりっぱなことばを使われるのであるならば、いま大事なこの日本のエネルギー、その石炭を最小限度食いとめて、そして発展させていく、このことなくして、幾ら言ってみても、やはりエネルギーの外国依存、これはついていくのじゃないか、こういうふうに思います。 それで、私はもう一度お伺いしたいが、この相次ぐ閉山に対して、金を出す通産相として、それを進めるのか、反対するのか、その態度を聞きたいのです。
○中曽根国務大臣 われわれは、大企業だからとか中小企業だからといってものを差別するという考えはございません。石炭企業を維持し、石炭企業に従事している労働者のことを考えて、一生懸命やっているのでありまして、大企業にばかり肩を持ってやっているという考えは偏見であり間違いであると私は思っています。いまわれわれが一生懸命やっていることをよく科学的に分析をしてもらえば、そういうことはおのずからわかると思います。 また、エネルギー問題について大事なことは、流動をしていくこの世界にうまく対応して、日本の状況に合うようにやっていくということであって、偏狭なナショナリズムをとる考えはありません。
○多田委員 最近つぶれた石狩炭鉱、赤間鉱それから三美鉱業、なるほど中小企業です。しかしながら、はっきりしていることは、石狩炭鉱は三井系、それから赤間は北炭、それから三美鉱業は三井系です。かつては三井の鉱山だったのです。つまり、どこでどうきめるのかわからないけれども、私はやはり、政府資金その他を当て込んで、それなりの計画的な後退である、こう考えざるを得ない。一般は、全くのずぶの中小企業というのは、つぶれたらそれで終わりなんです。つぶれっぱなしでいまは数少なくなってしまった。したがって、私の言っているのは事実に反していないと思う。 そこでお伺いしたいのですが、石炭の消費を大臣の言っているように伸ばそうと思うならば、次の三点を質問したいのです。一つは石炭専焼の火力発電所あるいは都市の集中暖房、これに思い切って手をつけるかどうか。第二番目は家庭用の暖房炭の値下げ、思い切った値下げ。それから三番目、石炭化学、それから石炭の多面的な利用技術、これに思い切って金を出すかどうか。この辺が大臣の言っている独立とかあるいはまたエネルギーの総合的な発展、それをためす試金石の一つとなると私は思うのですが、これはどうでしょうか。
○佐伯政府委員 先生おっしゃいました石炭火力、特に産炭地石炭火力につきましては、九州と北海道に建設すべく目下いろいろな検討をいたしておる次第でございます。たたき台は、つくりまして省内でも関係部局と詰めておる次第でありますけれども、建設費の問題、それから現在の重油との格差の問題、公害問題、立地問題等、いろいろ検討する問題がございますので、もう少し時間をくだされたら幸いだと存じます。 それから、暖房炭につきましては、特にこれは薪炭等との競合等があると思いますが、現在では、いわゆる薪炭等との対比と申しますか、そういう形で適正な価格ができておる、現状ではそのように考えております。 石炭利用につきましては、日本でも、たとえば国内と申しますか、役所のほうで申しますと、工業技術院の中に公害資源研究所あるいは北海道工業試験所、九州工業試験所等ございまして、それらのところで石炭のたとえば活性炭化とか、あるいはガス化、ボタの利用というふうな研究をいたしておりまして、いろいろと成果があがっております。一部のものについては、たとえば活性炭等につきましては、それらの成果をもとにいたしまして企業化を進める段階に参っております。 それからまた、別に財団法人の石炭技術研究所というのがございまして、もう設立されて約十数年になるわけでございますが、ここでも石炭の利用、特に一般炭のコークス化の研究あるいは排水処理——排水処理だけでも経費がかかりますので、その排水処理をやりまして、とれましたものを有効利用する研究等を進めておるわけでございます。あるいはまた、ごみ処理に石炭を利用する等の研究をいたしておりまして、これらにつきましては、相当の補助金を国から出しておるというような現状でございます。
○多田委員 私は、二、三研究機関の人にも会って話を聞いたのですが、何年か前までは、たとえば石炭鉱害の問題について研究をやっていた。ところが、最近政府から、その方向に金は出ないとか、そういう研究のかわりにこういう研究をしろ、そういう指図もきておるという話も聞いておるのです。ですから、確かにそういう活性炭の研究も細々とやっておられるだろうと思う。しかし、いま大事なことは、私の言っているのは、石炭を思い切って発展させるために、そういう積極的な処置を。これは何も、いまの政治体制を根本的に変えなくてもできることなんです。そうしてこそ初めて日本の大事な石炭産業を守ることができるし、そしてまた、数多い労働者や、あるいはまた産炭地住民の要望にこたえていくことができるんだ。そのことを私は思い切ってやってもらいたい。このことを私は言っているのです。 時間もありませんので、次に移りたいと思うのです。 大臣は、先ほど労働者の立場を守るというふうに言われました。そしてまた、このたびの大臣の所信表明の冒頭にも、所管大臣として、石狩炭鉱の災害について遺憾である、保安行政面において今後一そうの努力を払う、こういう決意を述べられた。 そこで、これは大臣にお伺いしたい。この石狩炭鉱の保安の最大の責任者は一体だれなのか、これが第一。第二番目は、今後一そうの努力を払う、これは具体的にどういう内容ですか。これは大臣に聞きたい。
○青木政府委員 災害の第一義的な責任者は鉱業権者でございますので、石狩炭鉱の経営者でございます。 それから今後の問題でございますが、石狩炭鉱に関して申しますと、いま原因調査が半ば済んでおるところでございまして、この結論をまちまして、今後の保安規則の改定等によりまして、二度と再びこういう事故を起こさないような措置をいたしますことが第一。 第二には、同様な事故を防止するために、監督体制を強化いたしまして、現在でも北海道地区のガスの量が非常にふえておりまして、われわれも憂慮しておるところでございますが、こういう炭鉱につきましては、操業の停止なりハッパをかけることを停止する等の措置をとりまして、事故の撃滅に対して努力をいたしておるところでございます。 なお、保安関係の予算も充実いたしまして、今後いろいろの助成制度その他につきましても、第五次策に沿いまして強化してまいるという所存でございます。
○多田委員 私はいま、大臣の答弁を要求したのです。三十一名の労働者がこれは殺されたにひとしいのです。そして、この労働災害の事故の究明がはっきりしない間に、山は閉山してしまっている。私、大臣が事こまかな災害の逐一を知っている必要はないと思うのです。しかし、事人命であり、三十一名という膨大な人間の、しかもその原因の究明が明らかになっていない、これについて答弁しないということについては、私はたいへん不満です。つまり、そういう政治姿勢が石炭産業の中にもあるんだということです。今度の石狩の問題については、私は、二、三度、早く出してもらいたい、こういうことを述べているのですが、大臣は、一体この問題について、保安局に対してどういう指示を与えられましたか、ちょっとそれを伺いたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 災害が起きたときの救助のことですか。——災害が起きますと、すぐ政務次官を現地に派遣しまして、現地で会議を持って、直ちに緊急救助体制に入らせ、またその後、いろいろガスの事情、また破粋等が多くて危険で入れない事情もありましたから、周囲の炭鉱の救助、救援を求めることも行ない、また、東京におきましても、そういう関係の本社の重役等も集めて、各社協力してこの問題に当たるように要請して、人員、資材を供出したりして、全力をふるってあの災害の救助に当たったわけです。しかし、意外にガスが多く、かえって入ることが危険な状態でもあったので、救助作業が進まなかったのははなはだ遺憾でありました。
○多田委員 今度の災害の概況というのが出て、その原因は何か、六つの点をあげていて、そのうち四つは、これは原因でなさそうだ、そして最後の黒だと思われる二つ、つまり携帯用安全小型電話器云々という問題と一番黒と思われるのはハッパの問題なんです。これらの系統は明らかに会社の責任、それは先ほど政府側が述べたとおりです。 その点で、私は災害をほんとうに撲滅するという観点から一、二点申し上げたいのですが、たとえば保安法規、保安、安全に関する条項を資本家に厳重に守らせる。それから、ガス、炭じんの取り締まり基準を強化する。それから、保安義務を怠った資本家に対する罰則を強化する。こういうことをやるかどうか。それから、炭鉱に、これは五百人に一人でもよろしいでしょう、一人の割合で、労働者が直接選出した代表、これに国から給料を払って、保安法規の履行とその監督に当たらせる。これに監督官と同等の権限を与えていく。これは、いままでも屡次批判されてきた政府と資本家とのなれ合い、末端の監督官はいろいろ苦労をしておりますが、こういうものを打ち破っていくことが、ほんとうに現場での事故をなくしていく上でも大事な問題なんです。それから、鉱山保安監督官の数が少なければそれはふやさなければならない、こういうふうに思っておりますが、特にこの監督官による保安行政、監督の指導、計画実施の内容、規則違反の実情やこの処理の状況などを、報告と同時に公開する義務づけを与えていく。こういう問題についてひとつ考えていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。これは人命の問題であり、石炭産業を最小限度に守っていく問題であるから。
○青木政府委員 ただいま先生のほうから御指摘がございましたことについてお答えいたします。 ガス、炭じんの規定の強化につきましては、今回の事故の原因究明をよくいたしまして、同じような事故を起こさないように規則の改正をいたす所存でございます。 それから、鉱業権者に対する国の罰則の強化でございますが、これは十分検討いたしまして、現行法規でも十分罰則がございますので、厳格な適用をいたすようにいたしてまいりたいと思います。 それから、国が給料を払って労働者に権限を持たすという話でございますが、現行の保安法では、保安委員会その他労働者が十分参画できるような仕組みになっていると考えておりますので、その運用方針で私どもは十分ではないかというふうに考えております。 それから、監督官の数でございますが、だいぶ炭鉱が減っておりますが、来年度におきましては、一炭鉱当たりの監督官が若干昨年度より改善されるような定員配置にするように考えております。
○多田委員 私はもう、会社に対しての責任があるということは答弁のとおりなんです。しかし、保安を監督する政府側にもその監督の責任があると思うのです。毎回事故を起こして、そしてその霊前では涙を流して、二度と繰り返さないと言いながら、毎年何十人、何百人を殺しているのです。今度の石狩炭鉱の場合でも、私の聞いたところによれば、何日か前に滝川の鉱山保安監督署から、この問題についてガスが多いという忠告をした、しかし、その結果どうなったか、それをどう追及したか、この辺が監督する者の立場だろうと思う。そういう点で、私はこの点を特に強調して次の問題に移りたいと思います。 炭鉱労働者の賃金の問題ですが、もらった資料によりますと、炭鉱労働者の賃金というのは、あの悪条件の中で最も低いのですね。毎年上がっていく率、これも低いのです。炭鉱労働者は上昇率、上昇額ともこの十年間最低です。 そこで、所管大臣に伺いたいのですが、この安い賃金が、上からの石炭産業の取りつぶしと同時に、いわゆる労働力の流動化という名のもとに、労働者をどんどんはじき出していっている、これが石炭産業をつぶす一因にもなっている。そういう意味で、この炭鉱労働者の低賃金についてどうお考えになるか、これは労働大臣と通産大臣の意見を聞きたいと思います。
○廣政説明員 炭鉱労働者の賃金につきましては、私ども、手元の毎月勤労統計によって見ますと、特に製造業との比較を見ました場合に、製造業よりも若干高い。また、調査産業全体につきましても、それよりも高いというのが私どもの手元の数字になっております。
○多田委員 第一次から第五次にわたる石炭合理化政策の中で、当然政府から金が出るわけですから、その場合の炭鉱労働者の賃金あるいはベースアップ、これをどういうふうにはじいてきましたか。
○佐伯政府委員 第五次から現在までの対策の中での賃金の上昇のお話でございますが、賃金は、労使のほうでおきめになることでございます。私たちのほうといたしまして、特別に想定をいたしてやっておるわけではございません。
○多田委員 何百億、何千億という金を出す場合に、そのコストで一番大きな比重を占める賃金のベースアップその他を計算しなかったのでしょうか。
○佐伯政府委員 当然、一応のと申しますか、全体的な平均的なものでは計算はいたしておると思いますけれども、特に炭鉱のということで、特掲をして計算いたしておるわけではございません。
○多田委員 時間があと一、二分なんでたいへんあれだけれども、私があるところから聞いたのによれば、第一次答申のときには七%、それから第五次では一〇%以内というような目安があったという話も聞いているのですが、これはどうですか。
○佐伯政府委員 先ほど申しましたように、特にそういうことで策定したわけではございません。
○多田委員 策定したわけではないと言うけれども、そういうことをやったことはないのかということを聞いているのです。そういうことを計算したことはないのか、または、そういう問題について資本家と話し合ったことはないのかどうか。
○佐伯政府委員 そういうふうにいたしておりません。特に資本家のほうと相談をしたことはございません。
○多田委員 いま春闘で、労働者側が高い物価の中で賃上げをやっているわけですが、特に私は、大臣に一つお願いしたいことは、あの地下労働をやっている炭鉱労働者は、いつ首を切られるか、山がつぶれるかという不安におののいている。したがって、この炭鉱労働者に対して、もっと賃金を上げてやる、こういうような援助なり、あるいは配慮なり、アドバイスなりというものが必要だろうと思うのですが、どうですか。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、石炭関係の労務者の待遇について、政府も非常に心配しておるのでありまして、でありますから、いろいろ補給金を与えたり、援助政策で相当な金額を毎年出してやっておるわけでありまして、もとより考えておるところであります。
○多田委員 私が冒頭で、石油の問題、これは十分資料が得られませんでしたが、あるいは石炭の問題を申し上げまして、一つは炭鉱労働者、産炭地の住民、こういう人たちの生活と権利、命を守るという問題、第二番目には、今日の日本のエネルギーを見ると、やはり外国依存であって、エネルギー問題をてこにして日本の経済がかなり外国依存になってきているという問題、これらの問題を考えてみて、やはり日本の経済を自主的に発展させなければならない、炭鉱労働者の命あるいは産炭地住民の生活を守らなければならない、こういう問題から、私は幾つかの問題について質疑を行なったわけであります。 なお、足りない問題については、あらためて委員会で質問したいと思います。
○田代委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 石炭対策について、通商産業大臣並びに労働大臣の所信表明に対する質問を行ないます。 まず最初に、所信表明の中に「政府におきましては、一昨年来石炭鉱業審議会の場において、今後の石炭対策のあり方につきまして、審議を重ねてきたところでありますが、昨年六月にその成果が同審議会の答申として政府に提出されております。政府といたしましては、この答申の趣旨を尊重し、昭和四十八年度から昭和五十一年度までを対策期間とする新しい長期的石炭対策を推進する所存であり、昨年七月にはその旨の閣議決定を行なったところであります。」こういうように、五項目にわたって述べられております。本日は、時間の制約もあるので、特に大事なことを冒頭お伺いしまして、時間が許す範囲内で細部の問題をお聞きしたい、かように思っております。 そこで最初に、通産大臣にお伺いいたしたいのでありますが、いろいろ論議してきたところでありますけれども、第四次石炭対策以来、石炭の経済合理性を否定して石炭対策に膨大な財政資金がつぎ込まれるということで、過保護であるという批判等もあることは事実であります。第四次、第五次と続けて今後対策をやっていくわけでありますけれども、御承知のように、今日では企業自体のいわゆる自力再建は不可能であり、したがって、石炭鉱業の再建のためには財政上の助成はやむを得ない、その中で再建が困難な場合には進退を決すべきであるという考え方も、いろいろと取りざたされております。私は、政府の石炭対策を従来から見てまいりまして、資源の枯渇、生産性の低下に伴いまして、経済ベースに乗らないものは閉山して徐々に先細りしていくのもやむを得ない、そのときそのつど起こった問題が大きな社会問題に発展せずに処理されていけばいいじゃないか、端的にいいますと、そういう印象を受けて、今日までいろんな会合でも仄聞してきたわけでありますが、こういったことから、政府の姿勢が非常に消極的なように思うわけです。所信表明には相当前向きのことが書いてございますが、こういつたことを考えまして、いろいろ論議もされておりますが、ここであらためて、こういった石炭に従事している者、また国民の不安に対して、率直に政府の石炭対策の基本的な考え方、今後第四次、第五次だけでなくて、将来ともにわたってどういうふうに石炭に対しては考えておられるか、こういった点を通産大臣からぜひひとつ冒頭にお伺いをしたい、かように思うわけです。
○中曽根国務大臣 石炭関係に従事しておられる労働者の皆さんは、自分たちのいたつきのことについて非常に必配していらっしゃると思います。われわれといたしましては、ともかく日本の総エネルギー需要の中で、石炭関係のエネルギーの値打ち、価値というものも決して忘れるものではありませんし、特に先ほど来申し上げているように、必要最小限の石炭エネルギーというものは、日本みずから国内において確保しておかなければならぬ、そういうふうに私も考えております。したがいまして、具体的には、第五次答申にありました年間二千万トンを下らざる線を確保していくように、政府としても全力を尽くす所存でございます。
○瀬野委員 今回の第五次石炭対策の答申によりますと、七ぺ−ジの、(イ)と書いてあるところには、「昭和五十年度の国内石炭需要が仮に約千五百万トン程度にとどまる場合は、わが国石炭鉱業はきわめて急激な縮小を余儀なくされることとなり、炭鉱に働く従業員およびその家族その他産炭地域の住民、中小商工業者、地方公共団体等に一時に多大の社会的混乱を惹起するおそれがある。この観点からは、需要の引上げが是非とも必要である。」こういうふうに答申が出ている。 そこで、大臣の先ほどの答弁等をお聞きしましても、将来の国内石炭の需要規模については、昭和五十年度を基準時点としてこれを年二千万トンを下らぬ数量で確保する、こう言われている。また、答申の中にも、そのような意味のことが次のページに書いてあるわけでございますが、実際に石炭の需要等を過去のデータからずっと見てまいりますと、需要のパーセントがずっと落ちておりまして、はたして二千万トンの目標が達成できるか。実際には千五百万トンがようやくであるというふうにもわれわれは思うわけです。こういった点で、もし千五百万トンとなるとたいへんだということが答申にも書いてあるし、われわれもそういうふうに思うのですが、その点大臣の確信のほどをひとつ伺いたいのです。
○中曽根国務大臣 これからのエネルギー事情、コスト等の変化にもかかってくることであると思いますが、なかなかきびしいことであると私ら考えております。しかし、最近石油関係の値段が上がってきておりまして、そういう事情もまたある程度考えてみますと、さらにまた、先ほど申し上げましたエネルギーの総需要量が非常にふえてきておる、そういう条件等も考えてみますと、われわれが大いに努力をして、電力、鉄鋼そのほかの需要者の協力を求めれば、二千万トンを確保することは必ずしも不可能でない、そう思います。
○瀬野委員 大臣、答申の中にも、次の八ぺ−ジには、(ロ)のところに、「他方、供給側についてみても、わが国の炭鉱の自然条件上、」「自然条件上」といいますと、これは採掘する場所が深部に移行するのに伴って、当然考えられることとしては、盤圧の増大だとかガス湧出量の増加とか運搬の遠距離化等によっての作業環境の悪化等が考えられますし、これらのため生産力がずっと低下して、生産活動も逆に増大することになるということは当然考えられます。そこで、「今後とも一部炭量枯渇はまぬがれ得ないところである。また現状の労働力をそのまま確保できるかどうかにも問題がある一方、能率の面においては従来のような大幅な向上が期待できないとみられる。これらを考慮すれば将来の供給力はおのずと低下するものと予想せざるを得ない。」これは十カ月にわたって検討した答申です。これを閣議決定し、大臣もこれを率直に認めておられるのですが、この答申の中にも書いてあるのですが、大臣、この点を踏まえて、これに対してはどういうふうにあなたは見解をお持ちであるか、さらにお伺いしたいのです。
○中曽根国務大臣 確かにここに書いてあるようなきびしい事情はあるわけです。ですから、いままでも需要者側に対しては、私は直接経営者に電話をかけて、石炭鉱業との価格協定等に際しては、石炭鉱業の側に立って何回も協力を要請しているという事情があります、炭価交渉等の場合において。そういうこともありますから、事情はきびしいとは思いますけれども、しかしまた一面、エネルギー事情というものはさまざまに変化しているいま条件下にありますから、そういう変化もとらえながら、われわれが適切な指導を行なってこの線を確保していきたい、そう考えておるところでございます。
○瀬野委員 大臣からそういうふうに言っていただくと、われわれはうれしいわけですけれども、実際に答申にあるように、「二千万トンを下らない水準と想定することが適当であると判断した。」というふうにも書いてありますし、また一面千五百万トンを下がるとたいへんだということも書いてある。 そこで、これはいろいろ政策的なものがあることも十分承知はしておりますが、実際にこういう事態が起きる、また、こういうふうなことになるのじゃないかという、われわれも実は心配をたくさん持っているわけです。これ以上この公開の席で聞くというのもどうかという気もするのですが、そういった場合に、これは心配なことになってくる。あとあとの質問にも関係するのでさらに聞いておきたいのですが、断片的に話はあったけれども、需要の引き上げがぜひとも必要であるということは当然ですが、さっきから家庭の暖房等の問題とか、火力発電に使えとか、またいろいろ大臣からも今後の需要等断片的に話がありましたけれども、積極的に政府はこの需要の増大についてはどういうふうに考えているのか、きちっと国民にわかるようにまとめて御答弁いただきたい。
○佐伯政府委員 先ほど先生も、答申の内容についてお話しいただきましたが、答申の検討段階では、率直な需要は千五百万トンぐらいということでございましたが、それではまさにここに書いてございますように困りますので、特に鉄鋼業界、電力業界に協力を要請いたしまして、二千万トを下らない線を確保するように審議会の中で御検討いただいたわけでございます。その線に沿って今後とも対処してまいりたいというふうに思います。 それから、生産量のほうにも、先ほど御懸念があるようにおっしゃいましたが、そういうことがないように、たとえば坑道掘進費の補助金のアップとかいろいろな施策をいたしまして、生産のほうも二千万トンを確保するように万全の努力をしてまいりたいと思います。
○瀬野委員 通産大臣、いまの件について具体的に話はなかったのですけれども、第五次石炭対策がいよいよ四十八年から新しいスタートを切ると、四十八年度が初年度として一番大事な年になる、この需要というものが、すなわち所期の需要を確保するということが、当面の重大な課題である、こういうふうに思うわけです。さっき申しましたように、だんだんこれはじり貧で、静かなる閉山のほうにいく方向でひそかに腹の中で思っているならば別ですけれども、そうもまいらぬわけですから、そうすると、四十八年度当初の所期の需要というものがたいへんな問題になるのですけれども、もうすぐやってくるわけですが、その点についての見通し、または自信のほどは、所管大臣としてどう見ておられるか、くどいようですけれども、さらにお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 さまざまな条件、変化もありましょうけれども、この答申に盛られた線を政府の責任者として絶対確保していくように努力する決心であります。
○瀬野委員 どうかひとつ、絶対確保していくというかたい決意の披瀝がございましたので、その線でしっかり努力をしていただくようにお願いをしたいのであります。 そこで、次にお伺いしたいことは、現在の石炭鉱業界では、エネルギーソースの転換により、さらにまた次のようなことから、たとえば出炭量の不足だとかコストの上昇、公害問題、輸入炭と国内炭との価格差の拡大、災害等の不測の事故、これらいろいろ考え合わせてまいりましたときに、採算が極度に低下してくる、また民間企業の合理化の努力、事業に対する努力に依存することはかなり困難な問題が伴ってくるという現状であります。しかしながら、わが国の石炭資源の可採埋蔵量、いわゆる地下資源というものは五十億トン、こういうふうにいわれておりますが、一説には二百億トンともいわれておる。これはもちろんずいぶん地下深層にわたるわけであります。こういったことから、世界のエネルギー資源のかかえている諸問題からしまして、石炭のエネルギーソースとしての役割り、位置づけといいますか、これを再び考え直す必要がある、こういうふうに思うわけです。と申しますのも、先ほどもちょっと話が出ましたが、英国では昨年来、将来の世界エネルギー情勢の変化に対応した石炭の役割りへの再評価として、政策の練り直しを行なっている。英国のエズテ石炭庁長官は、七〇年代末にエネルギー危機の到来説に賛成しておりまして、原子力は八〇年代末か九〇年代に入らないと大きな役割りを与えることはできない、また、石油はべらぼうな価格でなければ入らなくなってくる、したがって国内資源の活用、特に石炭がそのかぎを握っていると考えると、こういうようなことを考えて発言をいたしております。こういったことを私いろいろ参考に見てまいりまして、世界の地下資源の枯渇ということを考えましたときに、現在はこういうような斜陽産業になっておりますけれども、やはり少ない資源を有効に使わなければならないという時代が当然また考えられるし、いまはエネルギーソースの関係で、こういうふうに石油と石炭がひっくり返ったようなことになってきましたが、将来のことを考えると、これはどうしたものかなと、こういうふうにも思って、長い目での資源ということからもいろいろ心配をするわけでございます。そういったことから、日本の石炭の将来にわたって、いわゆる地下埋蔵量が五十億トン、または一説には二百億トンといわれますが、どのくらい正確には見ておられるか、その点をお伺いするのと、今後石炭が、一九八〇年代等にわたってどういうふうに、いま申し上げたようなことから、位置づけを考えておられるか、展望に立った石炭の位置づけというようなものについて、大臣から、お考えがあればひとつ聞かせていただきたい、かように思います。
○中曽根国務大臣 ローマクラブの報告とかあるいは専門家の計算等によりますと、大体八〇年代をこしていくとエネルギーは不足してくる。そういう計算がいまのところ立てられておるようであります。一にかかって、石油あるいはガスの採掘の見通しにかかってきているだろうと思いますが、需要の伸びが非常に巨大なものでありますから、まずそういう形勢に進むとも考えられます。したがいまして、石炭も含めたエネルギーに対する要望というものは、私はある程度出てくる可能性があると思います。 しかし問題は、公害の問題とコストの問題であります。エネルギーはあるけれども、公害の面から拒絶されるとか、エネルギーはあるけれども、やはりコストの面で低位に置かれるとか、そういう可能性がなきにしもあらずで、そういう点を私らは非常に心配して見ているところでもあるわけであります。 日本の埋蔵量につきましては、政府委員より答弁させます。
○佐伯政府委員 正確には申せませんが、昭和二十二、三年ころの埋蔵炭量の調査によりますと、約百五十億トン、これは推定炭量も予想炭量も含めてでございますが、あることになっておりますけれども、私たちが内々で検討いたしますと、いまよりある程度コストが高くなってもかまわないという範囲で可採炭量を見ますと、四億ないし五億トンくらいしかないというふうな計算になっております。といたしますと、あとは経済的にもべらぼうに高くて掘れない、あるいは密集市街の下等で、鉱害問題等で掘れないところの炭量等が相当ございまして、現在でも、若干コストが高くても掘れるのは約四、五億トンというふうに存じております。
○瀬野委員 通産大臣にもう一点お伺いして、あとは若干労働大臣にお伺いしたいと思うのですが、大臣の所信表明の中で第二番目に、「保安対策につきましては、監督、指導の一そうの強化をはかるとともに、」そしてさらに次の行には「企業の自主的保安確保を促進し、」と、こういうふうに書いてある。いろいろなものを見ても、こういうようなことをよく書いてあるのですけれども、全く炭鉱事故は痛ましいわけですね。さっきも、理事会のときにもいろいろ同僚議員とも話をしたわけですけれども、さっきから論議をしてまいりました、昨年十一月二日の北海道石狩炭鉱における罹災者三十一名の災害の発生、こういったものを見ましても、大臣もずいぶん遺憾であると、こういうふうに述べておられますが、ほんとうに炭鉱事故は悲惨でありますし、数の多い人が一回にたくさん被災される。また、かつての三池炭鉱においてもそうであります。それで数少ない炭鉱になってきた、もう五十幾つしかないということでございますが、この保安対策の中でも「監督、指導の一そうの強化」一片の通達だけじゃなくて、ほんとうに身をもってひとつ監督、指導してもらいたいし、「企業の自主的保安確保を促進し、」と、これは抽象的に書いてありますけれども、実際にどういうことでなさるのか。起きてからばかりの対策でございますが、どうかひとつ新年度を迎えるにあたって、こういったことについて強力にやっていただきたい。それに対する大臣の所信を承りたいのであります。
○中曽根国務大臣 石狩炭鉱の災害はまことに遺憾なことでございまして、遭難者及び御遺族に心からおいたみ申し上げるものでございます。ああいう不幸な事故が起きるということは、一面においては経営者の責任でもありますけれども、一面においては監督しておる政府の責任でもございます。あの事故の前に、何回か注意をしたり、あるいは現場を調査したりしておりますけれども、もっと厳重にやればああいう事故は起こらなかったかもしれないという反省もあります。われわれといたしましては、さらに厳重な監督をいたしまして、ああいう悲惨な事故を再び起こさないように戒心していくつもりでございます。
○瀬野委員 労働大臣に労働問題をちょっとお伺いしますが、昭和三十七年から四十六年末までに六条地域に進出した企業数というのは約八百四十二工場あったように伺っております。雇用人員は約六万二千人、うち炭鉱離職者は約三万人、こういうふうに承知いたしておるのですが、この数は四十五年から四十七年の離職者とほぼひとしい数であります。いままで十年間の離職者のうちで、企業誘致によってどれだけの人を吸収してきたか、御承知であればひとつお答えいただきたいと思います。
○佐伯政府委員 昭和三十七年度以降、産炭地におきまして八百四十二社の企業が進出をしてきておりまして、そのうちで雇用いたしました者は六万二千人でございました。このうちで炭鉱離職者関係は約半数の三万一千人でございます。それから、その後も産炭地域の企業の進出が進みまして、四十七年十二月末現在でございますと、企業数は九百四になりまして、雇用者数は六万六千人、うち炭鉱離職者関係数は三万二千人というふうになっておる次第でございます。
○瀬野委員 炭鉱閉山によって、また合理化等に即応しまして、常に問題になってきておるわけですけれども、再就職のことでございますが、中高年層がなかなかむずかしい。これはどの職場でも同じですけれども、そういったことから再就職対策の一そうの充実をしていただきたい、こういうふうに思うのです。 そこで、雇用安定にいろいろと力を尽くしていただいておりますけれども、福岡県の大牟田等においては、市のほうに緊就関係でたいへん支出がかさんできて、何千名という人をかかえ込んでおりまして、市の財政を極端に圧迫しているので、市長も再三陳情にも来ておるわけですが、こういったことでこの中高年層の対策、雇用安定ということについて、労働省ではどういうふうに考えておられるか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○桑原政府委員 炭鉱離職者を含めまして、中高年齢者の就職が、最近の雇用情勢が非常に好転しております中においてもなかなかむずかしいというのは、御指摘のとおりでございます。労働省といたしましては、特にその点を注目いたしまして、一昨年、中高年齢者に対する雇用促進特別措置法というのを制定いたしまして、これに基づきまして、積極的に中高年齢者に対して雇用の安定にいま努力をいたしております。特にその考え方は、手当を支給しながら、職業訓練、職業指導というものを、総合的に連係を持ちながら、その一人一人の阻害要因というものを解明しながら、具体的な就職あっせんをするというようなことで進めております。 なお、炭鉱離職者につきましても、別に炭鉱離職者臨時措置法がございますが、こういう方々におきましては、特に高齢者という方々がおられますので、やはり具体的に御相談に乗る。特に問題になりますのは、やはり中高年齢の方は住居を持っておられる、あるいは土地を持っておられるというようなことで、なかなか就職の場合にもその雇用口とうまく結びつかないという問題がございます。そういった場合には、当然本人の御希望を聞きながら、また必要によっては奥さまも来ていただいて十分相談に乗って、喜んで就職していただくというような措置をとっておりますが、中高年齢者に対する対策は、特に労働省としては最重点に取り上げてやっておるようなわけでございます。
○瀬野委員 時間がきたそうでございますので、最後に、ただいま局長から答弁があったことについて、労働大臣は、省略して言ったので意味がわからなかったのかもしれませんが、こういう問題は小さいから局長でいいというわけでもないと思いますけれども、実は質問通告の際には詳しく申し上げておいてあるのですけれども、大牟田の市で、これは再三市長からも当局には陳情しているわけで、実はほかにもあるのですが、特に大牟田市は九州で一番、全国でも一番というふうに緊就の方をかかえておりまして、財政に大きな負担をかけておる。いまおっしゃったようなことはわれわれも知っておるわけですが、そういう特定の財源が少ない小さな市で、炭鉱の関係の離職者等をかかえ込んで相当財政圧迫を受けているというところに対しては、何とか手厚いことをしてあげないと、かつては黒ダイヤといって、掘って、掘って、また掘って、ということをやった時代があったわけですけれども、こういう時代になりまして、やはり何かあたたかい政治の手を考えていかなければかわいそうだ、何かほかに方法はないものか、こういうふうに私は思っておるわけです。そういったことについて、労働大臣から御見解を承りたい、こういう意味で質問したわけでございますが、ひとつ大臣のお考えをお聞きしておきたい、こう思うわけです。
○桑原政府委員 大牟田市におきまして、炭鉱閉山に伴いまして失業者が非常にたくさんおられるということで、失対事業あるいは緊就事業というものが、大きな事業の実施ということで財政負担になっておるということは、私どもも聞いております。私どもも再三市長のほうから御要望がありまして、したがって御指摘の点につきましては、たとえば、失対については高率補助制度がございます。それから、緊就につきましても五分の四という高率補助でございますが、そういった補助制度をうまく運用して、できるだけ超過負担の解消に私どもとして努力をいたしております。最近もまた、市長がおいでになりまして、具体的に御相談に乗っております。私どもの力の足りないところは、自治省とも相談をして、起債その他の手を打つというようなことで積極的に努力いたしておりますので、御理解いただきたいと思います。
○瀬野委員 ぜひそういうふうに取り上げていただきたいことを強く要望いたしまして、質問を終わります。
○田代委員長 稲富君。
○稲富委員 私、通産大臣に、石炭産業の基本的な問題について若干お尋ねしたいと思いますが、私は本委員会に出たのは初めてでございますので、私が質問いたしますことは、あるいは今日まで本委員会でしばしば論議された問題もあるかと思いますから、その点は御了承願いたいと思います。特にまた先刻、同僚議員の質問を聞いておりますと、私がお問いしたいと思うこととずいぶん重複いたしておりますので、できるだけそういう点を省きまして簡略にお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 まず、先日所信表明の中において、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申の趣旨を尊重して、四十八年から五十一年までを対策期間とする新しい長期的石炭対策を推進する所存である、こう言われておるのであります。よって私は、その点についてお尋ねいたしたいと思いますことは、本年二月十三日に経済企画庁より経済社会基本計画というものが発表されております。これは閣議で決定されておりますが、この計画は、石炭答申より時間的にはおくれて決定されておりますが、わが国の経済政策の基準となるものであって、非常に重大な問題であります。ところが、この計画の第二部第五の「産業政策」内の「資源・エネルギー政策の新展開」という中に、石炭については一言も触れてはいないのであります。それを私どうこう言うのではございませんけれども、通産大臣は、経済社会基本計画が石炭答申を肯定し、是認しているもの、こういうふうにお認めになっておるのかどうか、これは石炭対策の施策の基本的な問題として非常に重要な問題でございますがために、これに対して大臣の所信を明らかにしていただきたい。これをお願いします。
○中曽根国務大臣 その基本計画は、第五次答申を是認し、その前提の上に立って策定されたものと考えます。
○稲富委員 それでは、これに関連いたしましてお尋ねいたしたいと思いますが、この経済社会基本計画の参考資料の「鉱工業生産指数」の欄に、昭和四十年を一〇〇として、昭和四十七年鉱業生産指数は八四・六%、昭和五十二年には九四・六%の伸びというものを想定してあります。昭和五十二年の九四・六%というのは、およそ何千万トンの石炭生産の想定をしておられるのか。これにはただ「鉱業生産指数」となっておりまして、石炭というものは別にあげておられませんので、この点、石炭の指数に対する想定を伺いたいと思うのであります。
○佐伯政府委員 先生ただいま御指摘になりました、経済社会基本計画の参考資料に示されておりますところの五十二年の鉱業の生産指数については、九四・六ということになっておりますけれども、これは産業連関モデルによりますところのマクロ的な推計値でございまして、その数字は個別の物資の生産見通しの積み上げという形でやったものではないわけでございます。したがいまして、計画自体は将来の石炭の生産水準を示すものではございません。 先ほど来大臣が御答弁申し上げましたように、答申の線に沿いまして、石炭は五十年度二千万トンの水準ということが、この中に内在的に入っておるわけでございます。
○稲富委員 そうすると、この指数の発表は、石炭を含めておって、先刻大臣が答弁なされましたように、また答申に出ておりますように、石炭は二千万トンを下らない、こういう想定をしておる、こういうことでございますか。
○佐伯政府委員 先生おっしゃるとおりでございます。
○稲富委員 次に、この問題につきましては、先刻渡辺委員より質問をいたしまして、大臣もこれに対する見解を明らかにされておる問題でございますけれども、これはわが国の石炭産業に非常に重大な問題である、基本的な問題であるがために、重ねて私申し述べたいと思うのでございますが、先刻も話がございましたごとく、アメリカのニクソン大統領は、近くエネルギー特別教書というものを発表するということを言われております。これは先刻大臣もお述べになったのでございますが、最近アメリカでは、石油不足というものが大きな騒ぎとなっております。米国は、いまや石油についてはもう売り手国ではなくて買い手国になっている。エネルギー確保は米国の重大な国策ということになっております。このエネルギー対策をどういうことにするかということが、アメリカが発表しようとするエネルギー教書、こういうふうにわれわれは考えるわけでありますが、このような米国の方針が決定いたしますと、当然このエネルギー政策というものがわが国にどういう影響をするかということが大きな問題であります。ここでわが国といたしましても、エネルギー対策としての日本の石炭産業というものが非常に重大な問題であるとして、再検討し、再認識をすべき問題であるということは、先刻大臣も述べられております。 それで、この機会に私は、先刻もお触れになりましたけれども、念のため一つ伺っておきたいことは、将来わが国が輸入する石油、これに対する輸入の見通し、また将来の輸入価格等に対する見通しが、今日よりどういう状態に変化するであろうかということに対して、この機会にひとつ承りたいと思うのでございます。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、一九八〇年に入りますと、いまの推計では、アメリカが大体五〇%は輸入しなければならぬ、そういう形勢でございますから、へたすると、日本とアメリカで世界の石油資源の争奪戦が起きかねないということも考えられます。ガスについても同様でございましょう。そういうような資源戦争みたいな愚劣なことをやらないように、日米あるいは日米ヨーロッパ間において協調して、国際協力して、この問題を解決していくというやり方が好ましいと思うのでございます。 いま通貨に関する調整で、いろいろ国際流動性の問題等が云々されておりますが、通貨と同様に、この資源問題というのは次の時代に必ず登場してきて、国際会議、世界会議のレベルでこの問題を討議しなければならぬ段階が来るだろうと私ら思って、わが政府としては、そういう問題について世界に対してもイニシアチブをとるべきである、そう考えて、いかなるタイミングで、いかなる構想で呼びかけるべきかということを実は検討しておるのでございます。 そこで、日本としてどの程度のものが要るかという推算をしなければならぬところでございますが、一応、めどとされるのは、八〇年前後には六億トンないし七億トンの石油が要るであろう、そういう一応の試算ができております。このままいったら、おそらくその前後にいくという可能性がございますけれども、しかしそれは要望のほうの数字でございまして、それがそのまま入るには、膨大な貯油施設とか港湾施設とかタンカーとか、いろいろな付帯設備が要るわけでございます。はたしてそういうものが可能かどうかという点は、現実的に計算しなければわかりません。これは大問題であるだろうと思うわけであります。その中にあって、それではもう少し原子力関係を増強しろとか、あるいは情勢によっては、石炭にもっとたよるということも起こらないとも限りません。そういうことは、今後どの程度われわれが確保できるかという見通し、それから値段の見通し等も考えた上、またいま言った国際協調の線がどういうふうに成り立つかということも考えた上、あるいはシベリア、アラスカ、中近東あるいは東南アジアあるいはオーストラリア各国にいま手を伸ばしてやっている石油の確保の見通し等も考えて、順次具体的な計数がわかり次第、徐々に確立した計算もつくっていく、そういう考えでおるわけでございます。
○稲富委員 いまの大臣の御説明を聞きまして、いずれにせよ石油資源というものは国際的にも非常に重大なる段階に来ている。さらにこの問題に対しては、日本としても重大な関心をもって取り組まなくてはいけないというこの事実は、私も見のがすことはできないので、そういう点から考えましても、今度は国内エネルギー資源としての石炭産業をどうして守っていくかということは必要なことであるし、これは先刻から大臣も述べられていることでございますので、それは了承いたしております。 それで、先般審議会においても、先刻もお話がございましたように、五十年度を基準時点として、二千万トンを下らないという水準を想定されておるのでございますが、ここに、先刻からも議論がありました、非常に不安があるので、ほんとうにこの二千万トンは下らないというこういうようなことでやっていこうという確信がおありになるのかどうか。はなはだくどいようでございますけれども、これは石炭産業に従事する労働者、石炭産業に関係するものが非常に不安を感ずることでありますので、この点に対しては十分政府も責任をもってやらなければいけないと思いますので、大臣からこの点に対する考え方を明らかに承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 第五次答申の目はそこにあったわけであります。また、関係労務者、経営者、関係者全部が見詰めておったところもその線でありまして、ここに石炭関係全関係者の利害休戚がかかっている一点であるとわれわれも考えております。したがいまして、不退転の決意をもってこの線を維持するように私ら努力してまいるつもりでございます。
○稲富委員 私は、ここでまたさらにお伺いいたしたいと思いますことは、この二千万トンを下らないようにするという政府の決意のあるところは十分承知をいたしました。ところがこれは、一応昭和五十一年度までを想定した答申であるのでございますから、長期的な問題とは、これに続く昭和五十二年度からの問題であると考えられるわけでございます。そうなれば、私たちが常に要望いたしております、先刻からもいろいろ議論になっております消費量を拡大するための火力発電の設置というものが当然必要なものとして要望されます。先刻から答弁を承っておりますと、この問題についてはただいま検討しているんだと、こういうようなお話でございますが、問題は、この火力発電所の施設をやるといたしますと、その準備が何と申しましても三カ年はかかるだろうということを一応考えなくてはいけません。そうすると、本年の昭和四十八年度には準備に着手しなければ間に合わないということになってくるわけでございますので、その点非常に急を要する問題であると思うのでございますが、これに対する見通し、この点をひとつ承りたいと思うのでございます。
○中曽根国務大臣 石炭火力の設置の問題につきましては、かねて関係者からも強い御要望があり、また、関係議員の皆さま方からも、本委員会の席上において強い御要望がございまして、通産省当局といたしましても、できるだけ早期に実現していくように、いろいろいま準備し、努力しているところでございます。いまのお説のように、ことし中にぜひ目鼻のつくように、私たちも大いに努力してまいるつもりでおります。
○稲富委員 次に、石炭の価格についての問題でございますが、答申は、第一に、政府と中立学識経験者のあっせんのもとに、需給両業界の協議によって炭価を改定する。第二に、毎年度の改定に臨んでは、増加引取交付金制度の改善で対応する、すなわち交付金のトン当たり価格の引き上げを行なうべしというのが内容であります。この交付金単価の引き上げは、すでに明年度予算にも計上されておることは承知いたしております。当然これは、明後年度以降にもこれを踏襲していかれるという御意思であろうと思うのでありますが、これに対する政府の考え方を伺いたいと思うのでございます。
○佐伯政府委員 先生おっしゃいますとおりに、石炭の価格につきましては、大体競合燃料との価格差を、現状のを認めまして、たとえば原料炭で申しますと、競合いたしますオーストラリア弱粘炭等の値上げに伴って上がっていくということになってまいるわけでございまして、その辺は需要業界とも話し合いがついておるわけでございますが、先ほどお話がございました増加引取交付金でございますが、特に電力で申しますと、電発火力につきましては、政策的に長期に安定して石炭を引き取ってもらっておるという関係もございますので、本年電気は百五十円値上げをいたしましたが、そのうちの百円分は増加引取金という形で見ることにいたしました。四十八年度も百五十円くらい値上げするであろうということを見込みまして、百二十円分の予算を計上しておる次第でございます。
○稲富委員 ところが、この際、トン当たり単価の引き上げ財源は、石特会計の歳入の範囲という制限があることは御承知のとおりでございます。しかしながら、今回の国内石炭の引取交付金については、先刻もお話がありましたように、国際的にエネルギー源確保が次第に困難になってくるというような情勢でありますので、これに対しましては、ただそういうことにこだわらず、たとえば一時的な借り入れ金というような別個の財源も想定すべきであるのじゃないか、こういうことも一応考えられますが、これに対しては大臣としてどういうお考えでございますか。この点だけは大臣から承っておきたいと思うのでございます。
○佐伯政府委員 単価等につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますが、一時的に、たとえば急激に何かの事情で需要が減ったとか、あるいは何かの船の配船の関係で炭が回らないというようなときに、とたんに困ってまいるわけでございますので、それらのときに対しまして、いわゆる運転資金を貸し出す制度をつくりたいというふうに存じております。これは合理化事業団から、運転資金、経営改善資金と申しておりますが、貸し付ける制度をつくってまいりたいというふうに存じまして、石炭合理化臨時措置法の改正もお願いをしておる次第でございまして、それに要します予算も国会のほうに御承認いただくようにいまお願いしておる最中でございます。
○稲富委員 大臣も時間がないそうでございますから、締めくくりをいたしまして二点だけ。 次に、国内炭の需要を増大するという立場から、これはいままでもずいぶん論議されている問題と思いますが、硫黄炭の脱硫技術の問題でございます。これを何とかして促進するような、こういうようなことに対して、これは国が積極的な態度をとって検討すべき問題であると思いますが、これに対してどういうような処置をお考えになっておるか、この点承りたいと思うのでございます。
○中曽根国務大臣 炭の脱硫装置につきましては、通産省がみずからもこれを開発し、また、関係団体等に対しても補助金等を与える等によりまして、鋭意開発に努力しておるところでございます。これは石炭火力やなんかの場合に非常に重要な問題になりますポイントでありますので、鋭意努力していくつもりであります。
○稲富委員 それから、今日、御承知のとおり、石炭が非常に生産されまして貯炭が非常に多い。これが労働者の待遇そのものの問題等にも非常に影響するわけでございますが、この貯炭対策としての融資制度というものをこの際確立するということをお考え願えないか。これに対する政府の考え方を伺いたいと思います。
○佐伯政府委員 まず、貯炭が異様に多くならないように、いわゆる需要の確保ということが大前提だと思いますが、現在、貯炭が平常ベースよりも多うございます。特に一部の炭鉱に多うございますけれども、それらにつきましては、つとめて需要の確保につとめてまいりたい、そういうふうに思っております。 それから、先ほどもちょっと申しましたが、貯炭が多いから、貯炭に比例して融資をするというわけではございませんけれども、何らかの形で結果として貯炭がふえて、それがまた炭鉱経営を圧迫するというふうなときには、運転資金を貸し出すような制度を合理化法の改正でもってやってまいりたい。それで対処してまいりたいというふうに存じております。
○稲富委員 最後に、これは先刻吉田委員からも希望した問題でございますが、鉱害復旧対策、これを何とか短年間にやってもらうような方法をやってもらいたいということ、特に今度はボタ山の処理、これも非常に危険を生じますので、鉱害復旧並びにボタ山の処理に対して、何とか急いだ手を打ってもらいたいということを、特に私は要望いたしまして、これに対する政府の考え方を承って、私の質問を終わります。
○中曽根国務大臣 鉱害の復旧処理につきましては、事業団等を通じまして鋭意努力しているところでございますが、特にボタ山の問題は、雨季やあるいは洪水時については非常に危険性をはらんできております。地元からもいろいろ御陳情もございますので、去年の秋に通産局に命じて、基本的な調査を全部各山ごとに命じました。最近さらに、危険個所と思われるところを摘出いたしまして、それに対する対策等いま練らしておりまして、この雨の時期に間に合うように手当てをしていきたい、そう思っております。
○田代委員長 多賀谷君。
○多賀谷委員 大臣に、時間がないそうですから、一点だけお聞かせ願いたいと思います。 実は、筑豊の山野鉱業と漆生鉱業所、この三月末で二つの炭鉱が閉山になる。そこで、従来とも非常に問題であって、依然として解決ができていないのは、組夫の労働者、下請の労働者です。私は、本来炭鉱のようなところに組夫を入れるべきでないと言うんですけれども、ついに通産省はそれを認めて、やはり請負夫というのを入れております。ところが閉山になりましたときに、労働省の関係、すなわち、炭鉱離職者の手帳というようなものは、労働省では、鉱山労働者として、組夫も本鉱員もなく一緒に扱っている。ところが通産省の関係は、鉱業権者が直接雇用しておる者のみを扱っておる。そこで、従来長いこと論争いたしましたが、どうしてもこれが解決しない。 そこで、私は一つだけ申し上げたいと思うのです。それは、組夫の労働者が持っておる賃金債務を肩がわって払ってくれとはいま言いません、これは立法の問題ですから。しかし事業団が、いわば離職金とも称すべき三十日分の平均賃金、これだけは、同じ鉱山労働者ですから、私は払ってやってしかるべきだと思うのですよ。それで、条文の三十五条の十一の、鉱山労働者に対する金銭の支払い、事業団が直接払う、これを見ましても、必ずしも鉱業権並びに租鉱権区に従事したというふうになっていないのですよ。鉱業権者の雇用した労働者でなくても、読めるわけです、立法の意図は別として。現在の解釈論としては、これは読めるわけですよ。その前のいわば賃金債務の代位弁債等については、これはいわゆる本鉱員しか読めません。しかし、組夫については、鉱山労働者として、条文でも、現行法でも読める。ですから私は、これはこんな差別をしてはならぬと思うのですけれども、新しく来られた大臣に質問をするのは、私としても非常に心苦しい点はあるのですけれども、これをひとつぜひ解決をしていただきたいと思うのです。せめて一カ月分だけは法のもとで平等であってしかるべきじゃないか。現実に労働省の離職者は、組夫とか請負夫という区別はしてない。この点大臣の御配慮をお願いいたしたいと思うのです。
○佐伯政府委員 先生、先ほどからお話ございますように、従来ずっといわゆる鉱業権者が雇用しております者に対しまして、その賃金債務あるいはその三十日分のというようなことで出してまいったわけでございまして、過去にもう十年間以上も、そういうことでずっと実施をしてまいったわけであります。法律上もいろいろ問題があろうかと思いますけれども、せっかくの先生のお話でございますので、検討さしていただきたいと存じます。
○多賀谷委員 大臣、よろしいですか。前向きにひとついいですか。 労働大臣に一言。この委員会で常に問題になっておりますね、緊急就労の問題。これは現在も、あるいは四十八年度で打ち切られるんじゃないかという非常な心配を関係者はしております。そこで、労働大臣から明確に、その存続についての決意を承りたいと思います。
○加藤国務大臣 緊就事業の決定の経緯は、御承知のとおり、四十六年三月に閣議で決定いたしまして、四十九年三月三十一日までこれを実施するとなっております。しからば、これを続いて継続するかしないか大きな問題でありますが、就労関係の実情、失業者のいろいろな情勢の推移、これらを十分考慮して、もう一年近くでありますが、この夏ごろから、前向きにいろいろ検討しなければならぬ、しかし、ここで私が申し上げるのは、諸般の事情がまだ決定いたしておりませんので、大臣として確たる答弁はできませんが、御期待に反するような情勢でないということだけを申し上げて、御答弁にかえます。 ————◇—————
○田代委員長 次に、去る二月二十日に付託されました内閣提出の石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。中曽根通商産業大臣。
○中曽根国務大臣 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 石炭鉱業につきましては、昭和四十四年度からいわゆる第四次石炭対策の推進につとめてまいりましたが、御高承のとおり、石炭鉱業をめぐる内外情勢の変化には、その後もなお著しいものがあります。このため、新しい情勢の進展に対処いたしまして、政府におきましては、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申の趣旨を尊重し、昭和四十八年度から昭和五十一年度までを対策期間とする新しい石炭対策を実施することといたし、昨年七月その旨の閣議決定を行なったところであります。 この新しい石炭対策の実施のため必要な制度の追加及び改善を主たる内容といたしまして、このたび、この法律案を提案いたした次第であります。 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。 本法律案は、第一に石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正、第二に石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部改正、第三に石炭及び石油対策特別会計法の一部改正を、その内容とするものであります。 まず、第一条は、石炭鉱業合理化臨時措置法の改正であります。その改正の内容の第一点は、このたびの新しい石炭対策の対策期間に合わせて、石炭鉱業合理化基本計画の目標年度を、現行の昭和四十八年度から昭和五十一年度に改めることであります。これとともに、石炭鉱業合理化事業団の主要業務の廃止期限も、同じく、現行の昭和四十八年度末から昭和五十一年度末まで延長することといたしております。 第二点は、石炭鉱業合理化事業団の業務運営の一そうの円滑化及び強化をはかる観点から、同事業団に管理委員会を設置し、同事業団の収支予算、事業計画等をその議決にかかわらしめることといたしたことであります。第三点は、従来国が行なってまいりました坑内骨格構造整備拡充補助金の交付及び石炭鉱業安定補給金の交付を石炭鉱業合理化事業団の業務とし、石炭鉱業に対する各種助成の同事業団による一元的運営を可能ならしめるとともに、新たに、石炭鉱業の経営の改善に必要な資金の貸し付け、鉱山労働者の用に供する住宅その他の福利厚生施設にかかわる設備資金の貸し付け等の業務を追加し、石炭鉱業における資金調達の円滑化、労働環境の改善等に資することといたしたことであります。なお、経営改善資金の貸し付けにつきましては、採掘権者または租鉱権者に対し、その貸し付けを行なうことが事業の経営を改善するため特に必要と認められる場合に行なうこととし、また、福利厚生施設にかかわる設備資金の貸し付けにつきましては、現行の近代化資金の貸し付け対象の拡大により、行なうことといたしております。 その他、今回石炭鉱業合理化事業団の業務を追加することに伴う関係規定の追加、石炭鉱山整理促進交付金の制度の改善等、所要の規定の整備をあわせ講ずることといたしております。 第二条は、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部改正であります。その改正の内容の第一点は、石炭企業の資金調達力の強化に資するため、現行再建交付金交付契約の期間を短縮することであります。すなわち、現に再建交付金を受けている会社が、再建交付金交付契約の対象となっている市中金融機関からの借り入れ金につきまして、借り入れ契約の変更を行ない、残余の償還期間を五年半に短縮したときは、政府は、これに合わせて、再建交付金の交付期間を短縮することができることといたしております。 第二点は、長期借り入れ金の返済が石炭鉱業の経理の圧迫要因となっている実情にかんがみまして、再建交付金の交付対象に、新たに、昭和四十七年六月三十日以前に借り入れた長期借り入れ金債務を追加することであります。すなわち、現に再建交付金の交付を受けている会社が、当該借り入れ金につきまして、償還期間十五年、金利三%等の要件に適合するように借り入れ契約の変更をしたときは、政府は、当該借り入れ金につきまして、再建交付金を交付することができることといたしております。なお、現に再建交付金の交付を受けていない会社につきましても、追加的に再建整備計画の認定を行ないまして、このたびの再建交付金の交付対象に含めるよう、措置いたしております。 第三条は、石炭及び石油対策特別会計法の改正であります。その改正の内容の第一点は、不測の閉山に備えまして、昭和四十八年度におきましても、炭鉱整理促進費補助金等の額に不足を生じました場合には、その不足する額を限度といたしまして、石炭及び石油対策特別会計の石炭勘定におきまして、借り入れ金をすることができることといたしたことであります。 第二点は、今次の石炭対策の実施に伴う経費の額の増大に対処いたしまして、昭和四十五年度に石炭対策特別会計が借り入れた借り入れ金の償還期限を、現行の三年から四年に延長することといたしたことであります。 以上が、この法律案の提案の理由及び要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○田代委員長 これにて提案理由の説明を終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 ————◇—————
○田代委員長 次に、去る二月九日に付託されました内閣提出の炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。加藤労働大臣。
○加藤国務大臣 ただいま議題となりました炭鉱 離職者臨時措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 石炭鉱業の合理化の過程において発生する炭鉱離職者に対しましては、炭鉱離職者臨時措置法に基づき、炭鉱離職者求職手帳を発給して、特別な就職指導、就職促進手当の支給を行なうなど各般の施策を推進することにより、これらの者の再就職の促進及び生活の安定につとめてまいっております。 政府は、さきに石炭鉱業審議会からいただきました答申の趣旨を尊重して石炭対策をより強力に推進することを決定したところであります。これを受けまして、このたび、炭鉱離職者求職手帳の発給要件の緩和及び雇用促進事業団の援護業務の拡充を行なうとともに、現行の離職者対策の実施期間をさらに延長する必要があると考え、との法律案を提案した次第であります。 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。 改正の第一は、炭鉱離職者求職手帳の発給要件を緩和することであります。 この手帳は、現行法上は、過去の一定の日に在職し、一年以上炭鉱労働者として雇用されていた者に限って発給されることになっておりますが、これらの者のみならず、昭和四十六年七月一日以降において一年以上炭鉱労働者として雇用されていた者についても、この手帳を発給するようにいたしました。 改正の第二は、炭鉱離職者に対して広域求職活動費の支給を新たに行なうことであります。 雇用促進事業団は、炭鉱離職者に対して各種の援護業務を行なっておりますが、新たに、その業務の一つとして、公共職業安定所の紹介により広範囲の地域にわたる求職活動を行なう炭鉱離職者に対して、その求職活動に要する費用の支給を行なうことを加えることにいたしました。 改正の第三は、炭鉱離職者臨時措置法の廃止期限を三年間延長することであります。 今回の石炭対策の期間が昭和五十一年度までとなっていることにかんがみ、この法律の廃止期限を昭和五十二年三月三十一日まで延長して離職者対策についても万全を期することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○田代委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十六分散会