石炭対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/02/22
会議録
○田代委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 この際、石炭対策の基本政策について、中曽根通商産業大臣及び加藤労働大臣から、それぞれ説明を聴取いたします。 まず中曽根通商産業大臣。
○中曽根国務大臣 最初に、昨年十一月二日に北海道石狩炭鉱におきまして、罹災者三十一名を伴う災害の発生を見ましたことは、所管大臣としてまことに遺憾であり、保安行政面において今後一そうの努力を払う決意をここにあらためて表明する次第であります。 石炭鉱業につきましては、昭和四十四年度から第四次石炭対策を実施し、国会をはじめ関係各方面の御協力のもとに、石炭鉱業の合理化と再建を可及的に支援する措置を講じてきたところであります。しかしながら、石炭鉱業をめぐる内外情勢の変化には、その後もなお著しいものがあり、採炭条件の悪化、コストの上昇、公害規制の進行等による需要の減少等、石炭鉱業の諸条件には、第四次対策発足の当初において予定したところをすでに越えた重大な変化が生ずるに至りました。 こうした新しい情勢の進展に対処いたしまして、政府におきましては、一昨年来石炭鉱業審議会の場において、今後の石炭対策のあり方につきまして、審議を重ねてきたところでありますが、昨年六月にその成果が同審議会の答申として政府に提出されております。政府といたしましては、この答申の趣旨を尊重し、昭和四十八年度から昭和五十一年度までを対策期間とする新しい長期的石炭対策を推進する所存であり、昨年七月にはその旨の閣議決定を行なったところであります。 具体的には、答申にうたわれた対策の基本に従い、国内炭需要の確保につとめるとともに、対策期間中に総額約四千七百億円ないし五千億円程度の対策財源の確保につとめつつ、従来から講じてきた諸施策についてはこれを引き続き推進し、さらに、新たに次の諸施策を講ずることとして、より強力な石炭対策の展開をはかってまいる所存であります。 第一に、石炭企業向け対策につきましては、石炭鉱業の資金経理の状況にかんがみ、総額六百八十億円の累積債務の財政による第三次肩がわり、第二次債務肩がわりの期間短縮、石炭鉱業合理化事業団による運転資金融資制度の創設、各種補助金、融資の補助率、融資率の引き上げ等を行ない、石炭企業に対する国の助成の大幅拡大をはかることといたしております。 また、各種の助成を、原則として石炭鉱業合理化事業団に集中し、同事業団に管理委員会を設置することにより、助成運営の強化をはかることといたしております。 第二に、保安対策につきましては、監督、指導の一そうの強化をはかるとともに、保安確保事業に対する補助金の補助率引き上げ等により、企業の自主的保安確保を促進し、石炭鉱山の保安の確保に万全を期してまいる所存であります。 第三に、労働対策につきましては、石炭鉱業合理化事業団による近代化資金融資制度の拡充をはかることにより、炭鉱における住宅その他の福利厚生施設の一そうの整備充実をはかることといたしております。 第四に、閉山、産炭地域振興対策につきましては、閉山の影響を極力緩和するため、閉山交付金制度の改善を行なうとともに、産炭地域振興臨時交付金の引き上げ、閉山地域の中小商工業者に対する融資制度に対する助成等、産炭地域振興対策の強化につとめてまいる所存であります。 第五に、鉱害復旧対策につきましては、昨年十二月に策定した鉱害復旧長期計画に基づき、残存鉱害の早期完全復旧につとめてまいる所存であります。 これら施策の実施につきましては、昭和四十八年度の石炭及び石油対策特別会計石炭勘定の予算案において所要の財政措置を講ずるほか、法制面の整備をはかるため、今国会に、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を提出し、御審議をいただくことといたしている次第であります。 本委員会におかれましては、従来から石炭対策について深い御理解と心強い御指導御鞭撻をいただいておりますが、何とぞ今後とも一そう御協力をお願いする次第であります。
○田代委員長 次に加藤労働大臣。
○加藤国務大臣 このたび労働行政を担当することになりました加藤でございます。 第七十一回特別国会にあたり、石炭鉱業に関する当面の労働問題について、一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。 近年、石炭鉱業を取り巻く環境は、一そうきびしいものがあります。政府においては、昨年六月石炭鉱業審議会から「長期石炭対策について」の答申を受け、同年七月「石炭対策について」の閣議決定が行なわれたところであります。 労働省といたしましては、石炭鉱業審議会の答申の趣旨に沿って、まず炭鉱労働者の労働条件と福祉の向上を促進するとともに、雇用の安定をはかってまいる所存であります。 他方、今後における石炭対策の進行に伴い、なお相当数の合理化による離職者が発生することも予想されます。これに対処するため、従来から行なっている援護対策及び産炭地域振興開発対策の充実をはかるとともに、今特別国会に所要の法案を提出し、炭鉱離職者対策の一そうの充実をはかることといたしております。よろしく御審議くださるようお願いいたします。 また、労働災害の防止につきましては、人命尊重の立場に立ち、昨年制定された労働安全衛生法を中心に、働く人々の安全と健康を守る施策を進めているところであります。石炭鉱山における労働災害の防止につきましては、今後とも通商産業省と十分な連携をとりつつ、石炭鉱山における安全衛生の確保をはかり、炭鉱労働者の保護に万全を期してまいりたいと存じます。 また、一酸化炭素中毒症に関する特別措置法による健康診断の実施、救急医療措置の確保などについて今後とも一そうその徹底につとめてまいります。 以上、石炭鉱業に関する当面の労働問題について、所信の一端を申し上げました。今後とも、各位の御意見を十分拝聴して行政の推進に力を尽くしてまいる所存であります。
○田代委員長 次に、葉梨労働政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。葉梨労働政務次官。
○葉梨政府委員 このたび労働政務次官に任命をされました葉梨でございます。 労働行政が新しい転換期を迎えておるときに参加することができましたことは、私の光栄とするところでございます。重大なる責務に思いをいたし、また石炭鉱業に働く勤労者の福祉向上のために、全力投球することをお誓い申し上げる次第でございます。 委員各位の格別の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。 ————◇—————
○田代委員長 次に、昭和四十八年度通商産業省所管の石炭関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。外山鉱山石炭局長。
○外山政府委員 お手元に「昭和四十八年度石炭及び石油対策特別会計予定額総表(石炭勘定分)」という資料と、「昭和四十八年度一般会計(石炭関係)歳出予定額総括表」というのをお配りいたしております。また、説明資料といたしまして、「昭和四十八年度石炭対策予算案について」と題しました資料を差し上げてございますので、以下この資料に沿いまして、四十八年度の石炭関係の特別会計、一般会計予算案の御説明を申し上げます。 なお、御説明の内容には、公害保安局の部分も含まれておりますが、あわせて御説明申し上げます。 縦書きの「昭和四十八年度石炭対策予算案について」という資料に基づいて申し上げます。 昭和四十八年度石炭対策予算予定額は、特別会計が一千九十二億二千八百万円で、一般会計が三千九百二十四万九千円となっております。まず、一、石炭及び石油対策特別会計、石炭勘定でございますが、昭和四十八年度は、昨年六月の石炭鉱業審議会答申に基づく第五次石炭対策の初年度であり、予算案の作成に当たっては、この答申の趣旨を最大限予算に盛り込むことにつとめた次第であります。また、予算の実行に当たっては関係法の改正を必要とするものもあり、このため、今国会に、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を提出いたしております。 昭和四十八年度の石炭勘定予算予定額の総額は、歳入歳出とも一千九十二億二千八百万円であり、前年度の当初予算額に比べ、九十億七千七百万円の増額となっております。この場合、歳入は、石炭及び石油対策特別会計法の規定により石炭勘定の歳入に組み入れるものとされておりまする、原重油関税収入のいわゆる十二分の十相当額一千八十億円に、前年度剰余金受け入れ等十二億二千八百万円を加えたものであります。 以下、歳出の主要内容について御説明いたします。 まず、(一) 炭鉱整理促進費 四十八年度の炭鉱整理促進費補助金いわゆる閉山交付金及び離職金の原資でございますが、これは、百二十四億四千七百万円を予定しており、同年度中に処理すべき閉山規模を三百万トンと見込んで、算定しております。 なお、四十八年度におきましても、万一不測の閉山の増加により所要資金に不足を生じた場合は、特別会計、石炭勘定でございますが、において別途借り入れを行なってこれに充てる措置を講ずることとしたい考えであります。これに対しては、石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する予定をしております。 (二) 石炭鉱業生産体制改善対策費でございます。 この項目の中心は、坑内骨格構造整備拡充事業費補助金であります。 石炭鉱山における坑内骨格構造の整備拡充は、能率の向上、出炭の安定及び保安の確保の見地からきわめて重要であります。四十八年度におきましては、答申の趣旨に沿って甲類坑道の補助率を四〇%から七〇%に引き上げるとともに、炭鉱向け助成の一元的運営の観点から、本件補助金交付業務を石炭鉱業合理化事業団に移管する考えであります。これは石炭鉱業合理化臨時措置法の改正の部分に相当いたします。 それから、(三) 石炭鉱業合理化事業団出資金 石炭鉱業合理化事業団に対する出資金は、同事業団が炭鉱に対し行なう設備近代化融資等の原資に充てるためのものであります。四十八年度におきましては、答申に従い、同事業団に新たに運転資金の融資を行なわせることとし、これもまた石炭鉱業合理化臨時措置法の改正にあたるわけでございますが、このための原資三十億円を含む八十億円を出資することとしております。 (四) 石炭鉱業経理改善対策費 本件項目は、石炭企業の累積債務のいわゆる財政による肩がわり石炭鉱業再建交付金及び石炭鉱業元利補給金と申しておりますが、これらと、並びに炭鉱に対し生産トン当たり一定の単価により交付する石炭鉱業安定補給金に充てるためのものであります。 このうち再建交付金につきましては、九十二億六百万円が計上されておりますが、この中には、答申に従った既存再建交付金の期間短縮分、これも法律改正にあたるわけでございますが、短縮分十億一千万円と、いわゆる第三次債務肩がわり、これも同じく法律改正にあたるわけですが、その初年度分二十一億六千五百万円が、含まれております。 なお、安定補給金につきましても、その交付業務を四十八年度から石炭鉱業合理化事業団に移管したい考えであります。これも石炭鉱業合理化臨時措置法の改正を必要としております。 (五) 石炭需要確保対策費、いわゆる石炭増加引取交付金でございます。 石炭増加引取交付金は、前年度とほぼ横ばいの五十一億三千百万円を予定しております。 (六) 石炭鉱業保安確保対策費 保安確保対策の重要性にかんがみ、四十八年度におきましては、鉱山保安確保事業費補助金の補助率を三分の二から七五%に引き上げる等の改善をはかりつつ、二十三億五千六百万円を予定しております。 (七) 石炭鉱業合理化事業団補給金 本件項目は、石炭鉱業合理化事業団の経理体質の強化をはかるため、業務経費の一部を補給することとするものであります。 (八) 鉱害対策費 石炭鉱業の残存鉱害は、現在約一千七百億円にのぼっており、その計画的復旧が重要となっております。 四十八年度の鉱害対策費は、百七十億九千二百万円を予定しておりますが、このうち、鉱害復旧事業資金補助金は百三十八億三百万円で、これにより復旧事業規模を四十七年度の百六十四億六千四百万円から、四十八年度は、百八十六億一千五百万円に引き上げることとしております。 (九) 産炭地域振興対策費 産炭地域振興対策は、産炭地域について、産業基盤の整備、企業の誘致、地方財政の援助等を通じて、石炭鉱山の閉山がもたらす地域経済の疲弊を可及的に回復することをねらいとして実施されております。四十八年度においては、合計八十二億三千二百万円の予算を予定しております。 このうち、産炭地域振興臨時交付金は、炭鉱の閉山があった市町村に対し四年間にわたって交付金を交付するものでありますが、四十八年度においては、石炭鉱業審議会答申及び昨年六月の産炭地域振興審議会の建議に沿いまして、(イ)基準額の単価をトン当たり六十五円から八十五円に引き上げること、なお、これに伴って、四十七年度をもって交付金の基準額の交付が終了する市町村に対しては、一市町村当たり二百万円の調整額を交付する。それから(ロ)としまして市町村が行なう特定公共事業に対する補助率引き上げ措置の改善をはかるため、新たに特定公共事業に対する調整額を設けます。それから、(ハ)として、閉山地域の中小商工業者対策として、道県が行なう長期低利融資の原資の二分の一を交付する。こういったこと等、内容の拡充をはかることとしております。 また、工業再配置・産炭地域振興公団の産炭地域振興事業につきましては、五十四億円の出資を行なうこととし、資金運用部からの融資百二十七億円と合わせて、四十八年度におきましては、二百十五億七千四百万円の事業規模を確保することとしております。 (一〇) 炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費 これら二項目は、労働省所管予算でございます。後ほど御説明があるかと存じます。 (一一) 国債整理基金特別会計への繰り入れ この項目は、特別会計の過去の借り入れ金の元利償還に充てるためのものであります、四十八年度は、本来は、昭和四十五年度に借り入れた百七十億円の元本を全額償還すべきこととなっておりますが、四十八年度は第五次石炭対策の実施の年として、各種の施策の拡充のための財源を確保する必要がありますので、特例措置として、右の百七十億円のうち八十億円のみを償還することとし、残余の償還は、四十九年度に延期することといたしております。これは石炭及び石油対策特別会計法の改正を要するわけでございます。 (一二) 予備費 予備費は、四十七年度と同じく二億円を計上しております。 次に、一般会計予算について御説明いたします。 二、石炭関係一般会計予算 昭和四十八年度の石炭関係一般会計予算予定額は、三千九百二十四万九千円であります。 次にその主たるものについて、御説明いたします。 (一) 亜炭鉱業の生産体制改善に必要な経費 亜炭鉱業における炭層探査を促進し、合理的な坑道掘進を行ない、生産体制を改善するための費用の一部を補助するためのものであり、四十八年度予算予定額は、一千三百八十四万二千円としております。 なお、全国亜炭鉱業協会が行なう亜炭鉱業整備共済事業に対する補助金については、補助事業の終了に伴い、四十八年度は計上しておりません。 それから、(二) 海外原料炭開発調査に必要な経費、これは海外原料炭開発株式会社に対する補助金でございます。 海外原料炭開発株式会社は、石炭業界と鉄鋼業界の共同出資によって設立したものであり、海外の原料炭資源に関する資料、情報の収集及び基礎的予備調査を行なっております。 本件補助金は、同社の事業の補助を行なうもので、四十八年度は千五百九十八万七千円を予定しております。
○田代委員長 次に、昭和四十八年度労働省所管の石炭関係予算の概要について説明を聴取いたします。桑原失業対策部長。
○桑原政府委員 お手元の「昭和四十八年度石炭及び石油対策特別会計(石炭勘定)予定額表」の労働省所管分という資料、一枚ものでございますが、それに基づきまして御説明申し上げます。 労働省所管の合計は最下欄にございます百九億四千七百六万余円になっております。四十七年度に対しまして十億六百二十九万円余の増でございます。 05、一番上の欄でございますが、炭鉱離職者援護対策費は、六十五億九千九百七十四万円余でございます。 そのおもなものを申し上げますと、まず第一に炭鉱離職者援護対策事務費でございますが、三億六千四百四十五万円余で、四十七年度に対しまして四千二百六十三万八千円増加いたしております。これは離職者の職業相談、職業紹介あるいは職業指導等を担当いたします就職促進指導官の人件費でございます。 第二は、炭鉱離職者緊急就労対策事業費の補助金でございますが、これが三十一億五千九百万円で、四十七年度に対しまして一億五千六百万円の増になっております。その内訳は、吸収人員が四十七年度よりも二百人の減、三千二百人、事業費単価が四百円増の三千八百円でございます。 第三は、炭鉱離職者援護事業費の補助金でございますが、その内容は、援護協力員手当、炭鉱離職者の移住資金等に必要な経費で、雇用促進事業団に対する補助金でございまして、十六億五千九百四十六万円余を計上いたしております。この中には、炭鉱離職者が広範囲の地域にわたって求職活動を行なうに際しまして、昭和四十八年度から新たに支給されることになる求職活動費の費用も含まれております。 第四は、炭鉱離職者の職業訓練費の補助金でございます。炭鉱離職者が他産業へ再就職をいたします際、これを容易にするため都道府県が行ないます職業訓練の補助の経費で、九千六百八十三万円余を計上いたしております。 第五は、炭鉱離職者の就職促進手当の経費でございます。十三億二千万円を計上いたしております。四十七年度に対しまして二億六千九百万円増でございまして、その内容は、手当の単価が一八%増で、最高日額につきましても、千百十円から千三百十円に引き上げております。 次に、06の産炭地域開発雇用対策費でございますが、四十三億四千七百三十一万円余を計上いたしております。四十七年度に対しまして四億二千百十二万円余の増になっております。吸収人員は四十七年度と同様三千二百人、事業費単価は六百円増の六千二百円でございます。 以上、労働省所管について御説明申し上げました。 ————◇—————
○田代委員長 この際、理事補欠選任の件についておはかりいたします。 理事佐々木秀世君及び中村寅太君が去る十二日委員を辞任されました結果、現在理事が二名欠員となっておりますので、これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により、委員長において指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、金子岩三君及び山崎平八郎君を理事に指名いたします。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三分散会