商工委員会 第56号
- 発言数
- 287 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/10/23
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 現在の情勢について通産省並びに経済企画に対していろいろお尋ねしたいこともありますが、私の県で軍艦島といわれる炭鉱の閉山がありまして、就職の問題その他きわめて深刻な問題がありますので、その点を一応お尋ねいたしたいと思います。 伝統的に非常に古い山でありました長崎県の高島町軍艦島といわれる端島の山が閉山をするということになってまいりました。ところが、閉山ということになってまいりますと、あとは全く人一人も住めない島であるわけです。 そこで、いま就職先について調査をいたしておりますが、離職者の約七〇%は長崎市周辺で就職を希望しているようであります。また、この炭鉱の閉山に関連をいたしまして、商店なんかももちろんこれは集団的に移動をしなければならないということになってまいりますが、労働省としては、この就職のあっせんについてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、伺ってみたいと思います。
○佐藤説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、端島鉱が四十九年の一月中旬に閉山することが予定されておるわけでございまして、実は一昨日山元の臨時組合大会におきまして退職条件をめぐっての確認が行なわれた次第でございます。予定どおり閉山をいたすことになりますと、下請関係を含めまして約八百二十名の離職者が発生する予定でございます。 現在、労働省におきましては、端島鉱の閉山後早期に離職者が再就職できるように諸般の対策を練っておるわけでございますが、御指摘のとおり離島でございまして、あの島を出ていかなければならぬという特殊な事情もございますので、長崎県当局とも連携を密にいたしまして、職業紹介体制の確立をはかるべく準備を進めておる次第でございます。 一方、離職者対策の円滑な運営をはかるためにも、閉山前の早い時期に離職予定者の求職動向について把握しておく必要がございますので、一昨日臨時大会で退職条件をめぐっての確認がなされたと承知をいたしておりますので、現在労使に対しまして就職動向調査の実施について協力方を要請いたしておるような次第でございます。 さらに、閉山前に県外の求人開拓を実施いたしまして、やはり求人の確保につとめてまいる必要があろうと思いますが、閉山が確定いたしました後におきましては、地元の町、労使の御協力をいただきまして、県といたしましても就職対策本部を設置するとか、また現地に臨時相談所を開設する、また求人内容についての総合説明会を開催する、それから県外の安定機関の職員によります職業相談あるいは訓練校への入校といったようないろいろな施策があるわけでございますが、従来の閉山に伴います離職者対策の経験を生かしまして、きめこまかい対策を実施いたしてまいる所存でございます。 なお、御発言のとおり、現段階におきましては約半分近い数の方々が長崎周辺の就職を希望されておりますので、私どもといたしましてもそういった地元の状況を勘案いたしまして、長崎県の職業安定機関で長崎県内の求人開拓も強力に推進いたしてまいりたいと思っております。 なお、端島炭鉱と同一企業の二子鉱におきましても抗内員を約二百名ばかり再雇用いたしたいというような話もございますので、炭鉱への再就職を希望するものにつきましては積極的にそのほうへの就職あっせんをいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 労働省としての考え方もわかるわけです。また、県としても現地に臨時事務所を設置するということも、私も石炭対策特別委員会に同道いたしまして、現地参加で事情を伺ったわけであります。ところが、実際問題として長崎市周辺で全体の五〇%、県下でもって七〇%というわけですが、長崎県の現在の経済界の実情等々から考えてみまして、その可能性があるのかどうか、その点についてはいかがですか。
○佐藤説明員 求職者の希望といたしまして長崎市周辺五〇%、県内で七〇%という状況は聞いておりますが、実はこれは組合が、閉山が予定されますずっと前に求職条件として出してきた数字だと承知をいたしております。もしそのとおりだといたしますと、先生御指摘のとおり、いろいろ困難な問題も出てまいると思います。私どもといたしましては、現在人手不足の時代でございますので、全体的にまいりました求人の中で、やはり本人の適性に合う職場があるならばいろいろとお話しをしながらあっせんを進めていく考え方でございますが、七〇%長崎県内に就職あっせんをするというのは、先生御案内のとおり、非常にいろいろな問題をはらんでおる点である、かように承知をいたしております。
○中村(重)委員 問題がある、だからやむを得ないのだというので本人が希望しない地域に就職をあっせんいたしましても、深刻な失業問題というものが起こってくるであろうということを考えるわけでありますから、困難をできるだけ排除してぜひひとつ就職をさせる、こういうことでなければならないと思います。 それから職安からも現地に本部をつくりまして、その中に入るということになってまいりますが、当初はそれでいいわけですけれども、最後までということになってまいりますと、なかなかうまくいかない。また、離職者が職安その他の役所の方々に対しては相談をしにくいから組合の出身者を専任の相談員として配置をして、そこできめこまかいあっせんをしてもらいたいという希望があるわけですが、その点に対してはどのようにお考えになりますか。また、制度としてそのような制度はないのであろうと思うのでありますが、これは新しい制度という形にもなってまいりましょうが、それらの点に対してはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○佐藤説明員 閉山が確定いたしますと約三カ月ばかり職安の職員を現地に張りつけるわけでございますが、先生御指摘のとおり、いわゆる安定所の職員になかなかざっくばらんに打ち明けた話もしにくいということでございます。そういった観点から、従来の離職者対策におきましては、現在雇用促進事業団におきまして、炭鉱離職者対策の万全を期するために、閉山炭鉱等の離職者で炭鉱離職者の実情によく通じておられる方、こういう方々で、しかもその援護に深い関心を持っておられる方、こういう方々を山元協力員として委嘱をいたしまして、炭鉱離職者の方がざっくばらんに閉山後の自分の生活設計、就職の問題等につきまして御相談のできる体制を実はしいておるわけでございます。山元協力員という制度がございますので、御質問の端島鉱におきます山元協力員の配置の問題につきましても、約八百名余りの離職者が出てまいるわけでございますから、閉山時点にはひとつ現地に山元協力員が配置できるように私どもといたしましては雇用促進事業団と十分相談をし検討いたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 山元協力員というのは有給なんですか。大体どの程度の手当を支給しているのですか。
○佐藤説明員 山元協力員は、雇用促進事業団が委嘱するわけでございますが、有給でございます。給与は非常に僅少でございますが約三万八千円ばかりの手当が支給をされると承知をいたしております。
○中村(重)委員 三万円程度ではどうにもならないのだろうと思うので、その費用の捻出をはかって十分お世話ができるような手当を支給するということが必要であろうと思うのですが、何か方法がありませんか。
○佐藤説明員 従来の閉山対策におきましても、非常に僅少でございますが、炭鉱労働者の中から、炭鉱離職者の気持ちをよくわかっておられる方ということで、非常に献身的に努力をしていただきまして、実績をあげてまいっておるわけでございます。御指摘のとおり確かにその手当額は十分ではないと考えますが、予算の制約もございますので、これを増額するということはきわめて困難だと思いますが、そういった点で理解をいただく方、組合とも十分相談をいたしまして、措置をせざるを得ない実情でございますので、御了解賜わりたいと思います。
○中村(重)委員 それから、当然のことなんですが、転出に伴いまして転出先の低家賃住宅の確保といったことが相当重点事項という形にもなってまいりましょうが、それらの点はどのように配慮をなさいますか。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 住宅の問題につきましては、私どもで所管しております雇用促進事業団で、移転就職者用の宿舎を用意いたしております。この宿舎は、地域を異にして移転する就職者に対しまして、公営住宅とか社宅とかあるいは自宅等を確保するまでの間、暫定的に宿舎として貸与するためにやっておるものでございます。こういう宿舎をやっておるわけでございますが、これにつきましては、長崎地区及びその周辺にすでに二百八十戸用意してございます。また、本年あるいは来年度あたりに約三百二十戸のこの宿舎を用意したいと思いますので、こういうものを活用していただきまして、暫定的には何とかやってまいる、このように考えておる次第でございます。 なお、これは暫定措置でございますので、本格的なその後の住宅につきましては、関係方面で努力いただきたい、こういうふうに考えております。
○中村(重)委員 暫定措置としては相当力を入れておやりになるのだけれども、恒久的な住宅ということになってまいりますと、なかなかうまくいかないのですね。そこで、雇用促進事業団の宿舎であるとか、あるいは公営住宅を措置するように対策を講じなければならないと思いますが、その点に対しての一つの考え方というものはあるのでしょう。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 私どもとしては、所管しておりますのがそういう暫定宿舎でございまして、その後の問題につきましては、たとえば、私どもとしては、そういう住宅等のための融資をやっておりますので、そういうものをお使いいただきまして、本格的なそういう住宅をいただきたい、また、関係方面にも私どもとしても呼びかけて協力をお願いする、こういうことでやってまいりたいと思います。
○中村(重)委員 県当局とも十分連絡をとって住宅対策はひとつきめこまかくやってもらいたい。 それから職業訓練校への入校の措置の問題なんですが、途中入所をまず認める、それから希望地で希望の科に入所できるように措置する必要があると思います。同時に、本人だけではなくて、この家族の宿舎をどうして確保するかといった問題が起こってまいりますから、それらの点に対する考え方をお示しいただきたいと思います。
○橋爪説明員 職業訓練につきましては、大体いまのところの推定によりますと、二十名から六十名と推定されておるようでございます。これは求職動向調査を実施いたしまして、なお詳細確定いたしたいと思っております。大体現在のタイミングで参りますと、四十九年四月からの入校ということになろうかと思いますが、いま先生お話しの随時入所、希望がありますれば、そういうような措置をとりたいと思っております。それからまた、希望の訓練校、希望の訓練科ということは、従来からその方針でやっておりますので、今回もその方針で臨みたいと思っております。 それから宿舎の問題でございますが、訓練校はたいてい寄宿舎を持っておりまして、本人は入れるわけでございますが、家族向きの部屋になっておりませんので、家族の寄宿は事実上できないというのが現状でございますので、これはまた他の方法でやっていただくということになろうかと思います。
○中村(重)委員 本人についてはわかっているわけですよ。しかし、結局山から出ていかなくちゃならない、訓練校に入る、家族の問題がいつもガンになってくるわけです。ですから、家族の宿舎について当然何らかの措置を講じなければならないのです。別になっているのだから、何らかの方法でというような、あえてあいまいな態度と言えば言えるわけですが、これは絶対的な条件として何らかの措置を講じていく必要がある。そのことについて、もう少しはっきりした対策が必要になってくると思いますが、いかがですか。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げました移転就職者用の宿舎でございますが、これは制度としましてはい先ほど申し上げましたように、地域を異にして就職しました移転就職者を対象とするものでございます。御質問の、そういう訓練する方たちの家族に本来御使用いただくという筋のものではございませんけれども、ただ、この場合におきましても、私どもといたしましては、たとえば訓練を受けられる、おそらく訓練を受けられたあとには当然どこかに就職されるというようなことが予定されるわけでございまして、そういう企業との雇用の予約がございまして、訓練終了後たとえばそういう予約がはっきりしておりまして、その次に就職するということが明確でございますれば、何らかそういう便法で貸与できるようにできないかという方向でひとつ検討してまいりたい、このように実は考えておるのでございまして、どうぞよろしくお願いします。
○中村(重)委員 対策は実情によって講じていかなければならない。陸地の山の閉山ということになってまいりますと、そこに炭住がある。その炭住に家族が住んでおって、短い期間でありますから訓練校で訓練を受けるということも考えられないではないですね。しかし、いわゆる軍艦島といわれる、はるか海のかなたの島なんだから、ほとんどその島を出ていってしまうのです。そこへ船は通わない。そこで家族だけが取り残されているといったことは、これはできることじゃありません。したがって、家族の問題を解決しなければ、この訓練校に入所をするという問題そのものが大きな壁にぶつかってくるということになるわけだから、そうした実情に即して対策を講じていく、そのことが絶対的な私は条件であると思います。したがって、こうした実情に即してどうするかということをお考えにならなければいけないのだがら、もう少し前向きのお答えをほしい。
○鈴木説明員 先生の御質問のとおりでございまして、私ども十分実情に合った対策を講じてまいりたいと思います。 宿舎の問題につきましても、先ほど申し上げましたように、たとえばそういう雇用の予約というようなものがはっきりしておりまして、将来そこに住むことが明確であるという場合には何らかの方法で前向きに検討してまいりたい、このように考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○中村(重)委員 それから、先ほどの就職あっせんの問題の中で、身体障害者であるとか中高年齢者であるとか未亡人、この再就職はたいへん困難になってくるであろう、したがって、この点に対してはどのような配慮をなさるお考え方であるか。
○佐藤説明員 従来の炭鉱閉山の場合におきましても、身体障害者それから未亡人等の就職は、やはり安定機関としてかなりの努力を傾注してまいったわけでございますが、今回の場合におきましても、身体障害者並びに未亡人等の問題につきましていろいろな手を考えておるわけでございますが、身体障害者につきましては、身体障害者雇用促進法に基づきますいろいろな対策もございますのでそれに基づいて努力をいたしてまいりたいと思っております。また、未亡人についても社会福祉関係機関等への求人開拓を積極的にやりたい。 実は北海道の三菱大夕張炭鉱におきまして、先般、閉山が行なわれたわけでございます。その際に、身体障害者が五十一名おられたわけでございますが、現在、未就職で残っておられる方は四人でございまして、私ども安定機関として全力をあげますれば、問題は困難ではございますが、何とか解決できるのじゃないか。また、未亡人につきましても、大夕張の例で申し上げますと、三十一人の未亡人の方がおられたわけでございますが、現在三人がまだ未就職で現在努力中でございますが、大半は再就職ができたというような経験も持っております。近くの伊王島で、特に未亡人の問題でございますが、伊王島の閉山の際に、愛知県名古屋市の老人ホームの付き添いという形で再就職をあっせんした例がございまして、非常に好評でございます。そういった従来の経験を生かしまして、非常に困難な問題ではございますが、身体障害者、未亡人の就職につきましては全力を傾注いたしてまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 それでは、労働省関係を終わります。 次に、文部省関係でお尋ねいたしますが、島から出て行くことになってまいりますと、それに伴って子弟の他県への転入学といった問題が起こってくるわけです。また、他県だけではなくて、七〇%の県内就職を希望しているわけでありますから、それが全員県内就職ということになってまいりましても、当然これは転校しなければならないという問題が起こってまいります。それらの点に対してどのような対策をお考えになっていらっしゃるのか、伺ってみたいと思います。
○柴沼説明員 高等学校への転学につきましては、入学定員等の関係がございまして必ずしも円滑に行なわれない場合がある。そういうようなことから、私どもといたしましても炭鉱離職者の子弟の転学、特に高等学校関係の転学につきましては、教育委員会間及び学校間においてあらかじめ連絡をとる等の配慮を行なって、できる限り円滑に行なわれるような措置を講ずるよう、初等中等教育局長通達で四度にわたってその徹底をはかってきてまいっております。 それで、その端島鉱の高校生の転学問題につきましては、高等学校が端島になくて、同じ町内の高島にあるということで、端島出身の高校生を調べてみましたところ、端島出身の高校生が七十八名おりまして、うち高島高校が四十五名、長崎市内高校が三十三名、合計七十八名の中から転学問題が起きるのではないかと考えております。そして高校生の転学につきましては、現在のところまだ閉山がされていないということもあって父兄の就職先がはっきりしていないということで、今後就職動向調査等と相まちまして適切な措置を長崎県教育委員会と連絡をとりながらはかってまいりたい、そのように考えております。
○中村(重)委員 具体的に伺いますが、各都道府県の教育委員会に対して個別に適切な指導をする必要があると思いますが、その点はどうなさいますか。
○柴沼説明員 その点につきましては、先日北海道で大夕張炭鉱が閉山したことがございますけれども、その閉山に伴って、高校生の転学につきまして、北海道からの連絡により、北海道から道外へ出る者及び道内に出る者について、それぞれ北海道教育委員会と連絡をとりまして、高校生の転学は、現在の時点では、就職がまだきまらない父兄の子弟あるいはちょうど入試の時期とずれて就職が決定されてしまったという者を除いてはほとんど解決をしている状況にございます。この端島鉱につきましても、長崎県の教育委員会と十分連絡をとって同じような措置をとってまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 長崎県の教育委員会に対しては当然でありますけれども、転出をします先の各都道府県の教育委員会に対する指導というものが非常に重要になってまいります。遺憾なくやってもらいたいということを希望しておきます。 文部省関係については終わります。 次に、自治省関係についてお聞きします。 高島町というのは、炭鉱の今日の実情等からいたしまして、先般も高島町の二子鉱というのが七百名の職員が解雇される、鉱員と合わせてでありますが、そうしたことから過疎地域に変貌しつつある。ましてや今回の高島町端島炭鉱の閉山ということになってまいりますと、その点が決定的になってまいります。そこで、過疎地域対策の緊急措置法によるところの地域指定がまだ行なわれておりませんから、この地域指定を行なう必要があるというように考えます。過疎地域緊急措置法の第二条には条件が御承知のとおりあるわけですね。国勢調査による人口に基づいた人口の減少率、それから国勢調査年を基準とした過去三カ年の平均財政力の指数〇・四でございますか、こうした条件はあるわけですけれども、国勢調査時の人口調査ということになってまいりますと、それだけの、いわゆる過去三カ年平均ということになる。ところが、山の閉山なんというこういう緊急の事態が発生をするということになってまいりますと、こうした固定的な行き方ではなくて、弾力的な扱いをしていかなければならないというように考えますが、これらの点に対してはどのようにお考えになっていらっしゃるのか。
○市橋説明員 お答え申し上げます。 過疎地域対策緊急措置法第二条及び第二十三条によりまして過疎地域の指定の要件が定められておるわけでございまして、ただいま先生からお話のありましたとおり、その要件は、国勢調査の結果による人口がその前回の国勢調査の結果による人口に対しまして〇・一以上減少していること、それから第二番目といたしましては、その市町村の前三カ年間の平均財政力指数が〇・四未満であるということを条件としましてその市町村を指定しておるわけでございます。したがいまして、現在のたてまえといたしまして国勢調査の結果をまちまして指定することになっておりまして、高島町につきましては、今後の過疎地域の指定につきましては、次の国勢調査の結果の公表をまって、その要件に合致しておる場合におきましては過疎地域の市町村として指定いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 過疎地域の緊急措置法第二条によると、いまおあげになりましたような条件が伴わなければならない、こういうことになってくるのですね。その条件のとおりいきますと昭和五十年の国勢調査を待たなければならない、こういうことになってまいります。こうした固定的なことではなくて、実態に即して指定をするお考え方があるのかどうかという点なんです。それが先般私どもが石特で参りました際の非常に強い要望であったわけでありますから、私があえてここで質問申し上げるのも、五十年を待たないで実態調査をやって、それによって指定をすることができるならば指定をしてもらいたい、こういうことなんだが、その点どうなんですか。
○市橋説明員 お答え申し上げます。 国勢調査につきましては五年ごとということになっております。その中間の時点におきまして人口が移動する場合もあるわけでございます。現在の法律の構成につきましては、国勢調査の人口を基礎にしておりますので、この過疎地域対策緊急措置法の要件からいたしまして現在不可能でございまして、この法律の要件のとおりにやらしていただきたい。現在の段階におきましては残念ながら指定ができないというふうな状況でございます。
○中村(重)委員 法律のとおりいけばそうなんだけれども、先ほども私は労働省への質問の際に申し上げたんだが、実態ということを無視するわけにいかぬじゃないかということなんだ。端島炭鉱が閉山になった場合に、町財政というものは年間大体どの程度減収になるという調査になっていますか。
○市橋説明員 お答え申し上げます。 財政力につきましては、四十五年度ごろまでには大体〇・四六程度の財政力指数でございまして、四十六年が〇・三七、四十七年が〇・三三でございます。四十八年につきましては〇・三程度の財政力指数になるというふうな調査でございます。
○中村(重)委員 おっしゃるとおりの指数になるのです。なるんだが、端島炭鉱が閉山になってくると約千名近くの人たちがこの島から出ていくわけなんだ。島から出ていくということは高島町から出ていくということなんだ。したがって減収というものも飛躍的に増大をすることになってくるから、端島鉱が閉山になって端島にいる人たちが高島町から出ていくということになると、町財政は減収が年間どの程度になるかということを聞いている。
○森岡説明員 お答え申し上げます。 高島町の財政の実態は先ほど管理官から申し上げたとおりでございます。 なお端島炭鉱閉山に伴ってどの程度財政需要がふえ、あるいは財政収入の減少が生ずるかというお尋ねでございますが、これにつきましては私ども現在まだ正確なる数字を入手いたしておりません。ただ、これは関係官が町当局から口頭で伺った数字でございますので正確でないと思いますが、三千万ないし四千万程度の財政収入の減少があるだろう、こういうふうに伺っておるわけでございます。 いま御指摘の過疎市町村としての指定の問題は、過疎地域対策緊急措置法の現行の法律から申しますと、これは不可能だと私ども思います。法律の改正がない限りは新たな指定はできない。したがいまして、私どもといたしましては、年度中途にこのような閉山が生じ、閉山対策関連費も相当額にのぼり、また財政収入も相当の減少が生ずるわけでございますので、その実態を一月までの間に正確に把握いたしまして、高島町の財政運営に支障が生ずることのないよう、たとえば特別交付税その他につきまして適切な配慮をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 いまお答えがありましたように、鉱産税も入ってこなくなる、住民税も入ってこなくなるということになってまいりますと、指定を受けるのと受けないのとでは約三千五百万程度の差が生ずることになっている。小さな町といたしましては、これはたいへんな打撃を受けるという形になってくるであろう、こう思います。 そこで、いまお答えがございましたように、どうしてもこの指定が法的に不可能であるというようなことは私もわかっているわけですが、弾力的な扱いとして何か考えなければいけないではないか、こう申し上げたわけです。そうなってくると、いまのお答えに出ましたいわゆる交付税の問題なんということが当然考えられなければならないということになってまいります。これは指定をしてやらなければならないけれども、法的には不可能である、したがって何らかの措置をしなければならないということで、積極的な扱いとしてどう措置をするか。指定をするとしないとでは三千五百万程度の差が生ずるんだから、何とかしてやらなければならないという考え方からの答えとして、今後の対策をどうするかということをもう一度明確にお答えをいただきたい。
○森岡説明員 過疎市町村に指定されました場合と指定されない場合との財政的な措置の差は、過疎債の発行が認められて、その元利償還費の七〇%が地方交付税の基準財政需要額に算入される、御承知おきのところでございますが、これが 一番大きなところでございます。むしろ高島町の場合にここで問題がありますことは、本年度閉山をいたしまして、本年度の財政需要なり財政収入に非常に大きな変動が生ずる、それにどう対処するかということ、これがむしろ本年度の中心的な課題ではないか。今後いろいろな公共施設を整備して、地域のレベルアップをはかっていくという場合につきましては、現行法で申しますれば、五十年度以降過疎市町村に指定されれば、いま申し上げた過疎債による対策が十分講ぜられていくわけでございます。それまでの間、財政需要の増大なり財政収入の減少にどう対処していくかという問題でございますので、それにつきましては、いま申しましたように、特別交付税その他を十分活用いたしまして財政運営に支障のないように配慮してまいりたい、こう考えております。
○中村(重)委員 遊休公共施設に対する未償還債務の元利償還、それから固定資産税減免措置の場合の財政補てんということに対しては、特別交付税の増額等が当然考えられなければなりませんが、その点に対してはどう措置なさいますか。
○森岡説明員 遊休公共施設というものもいろいろあろうかと思いますが、たとえば小中学校でありますとか清掃施設などにつきましては、現在普通交付税の計算の際にその元利償還費のたとえば六割でありますとか五割でありますとかを基準財政需要額に算入いたしております。したがいまして、遊休になりました部分について、通常の普通交付税による財政措置が当然続けられていくわけでございます。そのほかに、これは私が申し上げるよりも御承知済みかと思いますが、産炭地域振興臨時交付金の内容が今回改まりまして、遊休公共施設の元利償還費のうち普通交付税で算入されております以外の部分について二分の一程度を臨時交付金で措置をする、こういうふうなことにもなるようでございますので、それらを合わせますと、遊休施設に対する元利償還費の財政措置は相当手厚く措置されるもの、かように考えております。 なお、固定資産税の減免の問題は、鉱山関係の固定資産税あるいはその他関連施設がいろいろあろうかと思います。実態に応じて関係町において適切な措置が講ぜられるものと思いますけれども、それらに伴う財政収入の減少につきましては、先ほど御指摘の鉱産税の減収その他とあわせまして、適切な財源補てん措置を講じたい、かように考えております。
○中村(重)委員 企業がその山に対して特別な企業誘致、あの島特有の企業誘致ということが考えられないかどうか、いわゆる騒音ということは海のまん中にあるんだから少しも差しつかえない。そういうことが考えられない限り、あの公共施設というものは全部もうこれは遊休になってしまう。だれも住まないのだから。だからその点は特別な条件として考えていかなければならないということを強くひとつ要請をしておきたいと思います。 山下審議官は長崎県におられたので、あの島の実情は人一倍御承知になっていらっしゃる。あなたの管轄の中でこの閉山に伴って特に配慮していかなければならないとお考えになっている点がありますか。それらの点に対して、あなたの実情を知っているという点からひとつお答えをいただきたい。
○山下説明員 地方税の問題であろうと思いますが、地方税の点につきましては、今回のような場合におきましては、納期限の延長あるいは徴収猶予というような制度がございます。なおかつそれをもってしても負担に耐えられないような担税力の薄弱な納税義務者に対しましては、さらに減免をすることができる規定がございます。したがいまして、高島町の判断におきまして、担税力の有無を認定いたしまして適切な減免をしていくという運用をすべきであろうと思いますし、私どもも適切な指導をしてまいりたいというふうに考えます。
○中村(重)委員 時間の関係もありますから、これで自治省関係を終わります。 最後に通産省関係にお尋ねをいたします。端的に伺いますが、高島町を産炭地域振興臨時措置法の第六条該当市町村として指定をする必要がある、このように考えますが、通産省としてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、見解を伺いたいと思います。
○佐伯説明員 お答えいたします。 先生御承知のように、産炭地域振興臨時措置法の第六条におきまして、地方公共団体が地方税の課税免除または不均一課税を行なった場合に、国による減収補てんの措置を規定しておるわけでございます。現在、この六条指定ということをいたしておりますのは百三市町村になっておるわけでございますが、高島町は従来炭鉱が比較的安定操業を続けておりまして状態もよろしゅうございましたので、現在は六条指定になっておらないわけでございますけれども、先ほど来お話がございますように、端島炭鉱の閉山が労使の間できまったというふうなこともございます。私たちといたしましては、六条地域に指定をする必要があるんではなかろうかというふうに考えておりまして、高島町を六条地域に指定するために関係各省と協議をいたしておる状況でございます。
○中村(重)委員 六条の指定をするということになってまいりますと、政令改正を行なわなければなりません。これは政令改正を行ないますね。
○佐伯説明員 政令改正をお願いすべく現在準備をいたしておる最中でございます。
○中村(重)委員 できるだけすみやかにやってもらいたいということを申し上げておきます。 それから、閉山に伴って商工業者は全部島から出ていかなければなりません。そこで、商工業者に対して諸制度の融資が実効があるようにしていかなければならないと考えているわけですが、あなたのほうではまず閉山指定をすることになってまいりますね。だから、閉山指定以前であっても融資を行なっていくというような弾力的な措置が必要になってくるであろうと思います。それらの点に対してどのようにお考えになっていらっしゃるのか、伺ってみたいと思います。
○佐伯説明員 お答えいたします。 従来、閉山地域におられます中小商工業者の方々に対しましては、従来までは中小企業金融公庫と国民金融公庫のほうで産炭地域の特別融資というもの、あるいは中小企業の信用保険の特例措置ということで、いろいろ対策を講じておったわけでございますけれども、実は四十八年度から新たに新しい制度を設けまして、もっと長期低利な融資を転廃業あるいは移住等をなさる場合にするような制度をつくったわけでございます。これは、先ほど御質問ございました六条地域におきまして閉山をした場合の措置として新たにつくったわけでございまして、先ほど申しましたように、なるべく早く政令の指定をお願いをいたしまして、それに基づきましてこの新しく四十八年度からできました長期低利の融資を運用してまいりたいというふうに思っております。それで、これは先生御承知と思いますけれども、長崎県のほうでそのような制度をつくっていただきますと、臨時交付金の中からその半分を国が補てんをするというふうなことでございまして、先生先ほどからお話しのようなことを実態に合わせまして弾力的にほんとうに効果あるように運用してまいりたいというふうに思っております。
○中村(重)委員 お答えのように、六条指定ということが絶対的な条件になってくる。指定があるのとないのとでは内容が全く変わってまいります。それから私が申し上げましたように、この閉山指定の前に融資をするということも考えてやらなければいけないではないかということになってくると、この六条指定の問題がおくれてくると、その点も非常に障害が起こってくることになります。ですから、十分それらの点を勘案してやってもらいたい。三十四業者、約二億円の資金需要ということが調査の結果出ているわけですから、その点を申し上げておきます。 それから、商工業者に対して見舞い金交付ということが考えられなければならないと思いますが、いまの制度としてはこれはない、しかし、北海道の三笠市で奔別炭鉱閉山の際に、十万円から 二十万円程度見舞い金が交付されたということも伺っているわけでありますが、これらの点に対し てはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○佐伯説明員 先生いま御指摘ございましたように、中小業者の方への見舞い金の制度というのはいろいろ私たちも検討いたしたわけでございますけれども、いろいろな他の商工業者との横並び等のこともございまして、なかなか制度化することはむずかしいわけでございます。先生先ほどおっしゃられましたように、実は閉山をいたします場合には、私たち通産省のほうから臨時交付金という形で閉山トン数に大ざっぱに申しましてトン当たり八十五円をかけたものを交付するわけでございます。これも実は四十八年度から従来六十五円でございましたのを八十五円に単価アップをいたしました。そのほかに端島炭鉱のような例はたぶんそのようになるのではなかろうかと思いますが、集団ぐるみ移転せざるを得ないというふうな場合には、それにまた五十円を積み増しするという制度を四十八年度から新たにつくったわけでございます。北海道のほうでも直にその中から出すということではございませんけれども、先生御承知のような三笠市あるいは美唄市等におきましては、一そういう臨時交付金が出たということも頭に置きながらだと思いますけれども、別途市のほうから見舞い金というようなことでお出しになったというケースがあるようでございます。
○中村(重)委員 いずれにしても産炭地振興臨時交付金制度というのがあるわけだから、これからやれないことはない、だから、やれるから、いまあなたがお答えになりましたようなところでは、これを実行しているわけなんです。ましてや全業者が文句なしに出ていかなければならないというような特殊な事情にあるという点を十分勘案して、この見舞い金を交付するということをぜひやってもらいたいということを申し上げておきます。これはその気でいるわけでしょう。どうですか。
○佐伯説明員 交付金の中からというわけにはまいりませんのですけれども、交付金を出すということ等も頭に置いていただきまして、高島町のほうあたりでそういうことを御検討願えればありがたいというふうに思っております。
○中村(重)委員 交付金の中から出す、交付金外から出すということは別として、高島町から考えろというようなことじゃなくて、出さなければならないということで、あなたのほうで適切な指導もやる、対策も講ずる、こういうことが必要である。その気になるのとならないのとではたいへん違ってくるわけだから、その気になって、どこから出すか、どうするかという点をひとつ考えてもらいたいということを申し上げておきます。 それから産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律というのがあることは御承知のとおりであります。この期間を延長する必要があると私は考えるわけでありますが、この点はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○佐伯説明員 先生御指摘ございましたように、産炭地域におきますところの中小企業者につきましての中小企業信用保険に関する特別措置法というのがございます。これは四十九年の三月三十一日までに廃止をするということに現在の法律ではなっておるわけでございますけれども、先ほど来御指摘がございましたように、産炭地域の中小企業者をめぐりますところの情勢は依然としてきびしいものがございます。本制度に基づきますところの特別措置を引き続き実施する必要があるというふうに私たちは考えておりますので、次の通常国会にこれの延長をお願いしたいというふうに思っております。そのための準備を現在いたしておるような次第でございます。
○中村(重)委員 お聞きのとおりですが、事務当局もいまお答えになったような考え方があるわけですが、大臣のツルの一声でこれをぜひ延期をやる必要がある、こう思いますが、大臣、いかがでしょう。
○中曽根国務大臣 いまお答え申し上げましたように、法案の改正案を出しまして、延長いたしたいと思います。
○中村(重)委員 明確な答弁で敬意を表します。 それから、あと地利用のための企業誘致ということで、これはいま公害がたいへんやかましくなっているあの島でございますけれども、海がきたなくなるような廃液なんというのは避けなければならないんだけれども、騒音なんというものは全く起こってこないですね。ですから、あの島に適する企業誘致といったようなことをこの際真剣に考えてみる必要があるだろう、もちろん企業とも緊密な連携が必要になってくると思いますが、この点に対しては事務当局はそこまではまだ考えていないのではないかと思いますが、むしろ大臣の意欲的なことがこれらの問題を解決する道につながるであろう、私はそう思うのでありますが、大臣、いかがでございますか。
○中曽根国務大臣 現地の情勢を聞いてみますとなかなか土地が狭いようでございます。しかし、住民の皆さんの将来の発展等も考えまして、できるだけ適切な企業が誘致されるように協力してみたいと思います。
○中村(重)委員 そうなってまいりますと、進出企業に対する融資条件、いわゆる特別援助ということが当然条件になってくるであろう。工業再配置・産炭地域振興公団、この融資制度というものを弾力的に講じていくということにおいて企業誘致の問題が案外可能性が出てくるのではないかという感じがいたしますから、これらの点に対する配慮も必要になってくると思います。この点はいかがでございますか。
○佐伯説明員 いま大臣からお答えいたしましたように、そこに新しい企業を何とかして持っていきたいということで私たちもいろいろ検討し、また長崎県工業再配置・産炭地域振興公団にも相談をいたしておるわけでございます。離島というようなことで、現在まだそこまで至っておりませんけれども、今後とも鋭意努力をしてまいりたいと思います。 その場合には、そのような特殊なところに来ていただけるわけでございますから、融資条件等につきましても極力弾力的に運用してまいりたいというふうに思っております。
○中村(重)委員 私は、今度中近東方面に行ってまいりまして、通商政策、特に油の問題等についても大臣の見解を伺いたいと思っていたのですが、割り当ての時間がついにこの問題だけで来てしまいました。それで、やむを得ませんから、いずれ適当な機会にまたお尋ねをいたしたいと思います。 最後に、労働省との関係もありますし、また法改正の必要が生じてくる問題になってまいりますが、炭鉱には、御承知のとおり、下請というのがあるわけです。下請に働いている労働省に対しては離職金の措置というものが考えられておりません。通産省としましても、この下請関係は通産省、中小企業庁の所管事項にもなるわけでありますから、この離職金を何とかしてやる必要があるのではないかというふうに考えます。この点に対しては事務当局はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○佐伯説明員 端島には、先生おっしゃられますように、下請企業の方が約十企業おられるわけでございますけれども、三菱鉱業といたしましては、同じ高島町のいわゆる高島炭砿がビルド鉱でございまして、今後とも発展をいたすわけでございます。三菱鉱業としては、何とかむしろ高島におられる下請の方を全部高島炭砿のほうで働いていただきたいということで、いま交渉されておるというふうに聞いております。そうなりますと、離職というようなことはございませんので、そのほうが一番炭鉱のためにも、また働いておられる方のためにもいいのではなかろうかということで、目下はそのような方向で検討し、進めていきたいというふうに思っております。
○中村(重)委員 だから、そのようにならなかった場合に、離職金というものが起こってくるわけだから、離職金を出す必要のないように努力をするということは、失業問題との関連もあって、私はこれは当然努力をしなければならぬと思う。しかし、どうにもならないという場合だってあり得るわけだから、その場合には、大企業の場合は、なかんずく、特に大手関係ということになってまいりますと、作業所がたくさんあるから、それに移動していくことが可能である。しかし、中小企業は、現実にそうまいらない。また、大企業の場合、中小企業の意向というものを必ずしも十分そんたくをするということにならないわけだから、その場合は当然離職金というものを考えてやらなければならないのだが、法改正が必要にもなってくるわけ、でありますから、離職金を出す制度になっていないこの制度をどうするのかということは、これは一般論の立場からも考えなければならないし、現実にはいま端島炭鉱の例を取り上げてお尋ねをしたわけだけれども、それに基づいて具体的な問題としても考えておく必要があるであろう、そのように思いますが、いかがですか。
○佐伯説明員 先ほども申し上げましたように、端島炭鉱のケースにつきましては何とかいわゆる高島炭砿のほうで作業じていただくということを念頭に置いておりますが、そうでない場合のこともあるのじゃないかというお話でございます。ごもっともでございまして、従来いろいろ検討したわけでございますが、なかなか雇用形態と申しますか、炭鉱が雇用しておるのではないというようなことで、法律になじまないというようなことで、むずかしいわけでございます。従来は行政指導をいたしまして、炭鉱主のほうからそれに見合うと申しますか、そういう形で金を出していただくというふうなことで、いろいろやってまいった例があるわけでございます。今回の例につきましても、まず炭鉱になるべく多く働いていただくということを主体にいたしまして、それがいかなかった場合には、従来のような方法で経営者のほうとも相談をしてまいりたいというふうに思います。
○中村(重)委員 それでは法改正については考えていない、極力いわゆる大手の大企業、親企業と申し上げてもよろしいのですが、そこで就職の問題として何とかしてもらいたい、それができない場合は、離職金というのか見舞い金というのか、そういうことをするように努力をするという程度にとどめて、この下請に働いている労働者に対しては離職金を支給することを法的に制度づけていこうという考え方はない、そういう答えになるわけですか。
○佐伯説明員 下請と申しますか、組夫の方は閉山とともに職をやめられる場合もございますけれども、また違う炭鉱に行く、いろいろなケースがございまして、ずいぶん検討をしたわけでございますが、なかなかむずかしい問題がございます。したがいまして、先ほど申し上げましたようなことで当面対処をしてまいりたいと思っておるわけでございますけれども、実は四十九年度の予算におきましては、予算措置でもって何とか同様な、すべての場合じゃございませんが、特殊な場合につきまして予算措置でもって同等の処置ができるようにしたいというふうなことで予算要求を実はいたしておるような次第でございます。
○中村(重)委員 大体あなたのほうの考え方が——もう石炭対策というものを本格的に講ずるようになりましてから十年以上になるが、その場合に、炭鉱の経営者、いわゆる鉱業権者に直接雇用されているところの労働者に対しては、額は少ないけれどもいろいろな制度づけが行なわれてきた。下請に働いている労働者も労働者に変わりはないわけなんだ。常時やはり働いている。そういう下請に働いている弱い労働者に対しては全く何にも考えてやらないというようなことは、私は正しい行き方ではないと思っている。当然考えてやるべきなんだ、やらないでおることが悪いわけなんだから、いつまでもそういうあいまいな態度をとるのではなくて、当然下請に働いている労働者に対しても、山で働いていることに変わりはないんだから、きょうはここであすはあっちでという形ではないわけなんだから何らかの措置を、何らかということよりも離職金の制度を確立して、そして離職金を支給していくということが必要なんだから、それをやる気があるのかないのかということなんですよ。
○佐伯説明員 予算措置でもちまして、離職金と同様な措置を講ずべく四十九年度の予算要求をいたしております。これが確保に全力を尽くしてまいりたいというふうに思います。
○中村(重)委員 大事な問題ですからこの点は大臣からお答えください。予算的に何とか考えてやる、いま予算要求をやっているんだ。私はきちっと制度づけていく必要がある、そういうように考えるわけであります。今回の具体的な問題について予算的に措置をするということでございますが、今回の問題は法改正までには時間がありますから、確実に離職金の予算要求をやってそれを措置するということを大臣からひとつ確認していただきたいことと、将来の方向としてこれをいわゆる法改正をやって制度化する必要がある、この点に対してはどのように大臣はお考えになるかという点です。
○中曽根国務大臣 予算確保については努力してみたいと思いますし、また将来の法改正につきましても検討させてみたいと思います。
○中村(重)委員 大臣のお答えとしては、政治家ですから、お役人の答えではなくて検討しなければならぬことは間違いないのだけれども、大臣もう十何年ですよ。ほんとうに一番弱い下請というようなことを軽視をしているのです。弱い者にこそあたたかい強い光を当てていくということが私は政治でなければならぬと思う。中曽根大臣にしてまあそのことは、私これは単刀直入そうしなければならないのだ、こういうことでお答えを期待したわけなんだけれども、いまの検討という意味は何と申しましょうか、私の質問に対する単なる答弁なんですよ。その気でやるという考え方の上に立った検討でございましょうか。いわゆる消極的なのか積極的なのかという点です、聞きたい点は。
○中曽根国務大臣 下請の中にもいろいろなものがありまして、どの程度下請をやってきたか、そういう安定性、恒久性というようなものも考える必要もあると思います。しかし、私は御趣旨に沿って積極的検討をしたいという考えであります。
○浦野委員長 板川正吾君。
○板川委員 いま全世界で非常に注目されております中東問題に関連して、石油政策並びに通産省のいわゆる石油関係の汚職問題について質疑をいたしたいと思います。 けさのニュースでは、イスラエルとエジプトの両国が国連の安全保障理事会の決議を受け入れて、十七日ぶりに停戦の動きとなってきた、こういう状況を伝えております。われわれはこれを大いに歓迎するところでありますが、今回の中東動乱は、わが国のエネルギー政策、ひいては産業政策に非常に大きな教訓を与えたと思います。この機会にエネルギーの問題について質問いたしたいと思います。 まず第一に、外務省に伺いますが、現在までの停戦の状況、それから今後アラブ諸国と米国との関係がどうなるだろうか。これは推測です。 それからアラブ諸国の団結というものが今回はっきりと明白になったのでありますが、アラブ諸国の団結の状況。 さらに、今回の停戦の国連決議案の受諾によって、いわばほんとうの平和というのが中東にあるだろうかどうか。 こういった問題について、今日の段階でできるだけの情報をひとつ報告をしていただきたいと思います。
○田中説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生の御指摘ございましたとおり、二十二日、昨日の日本時間で一時五十分、安保理事会におきまして、米ソ共同提案にかかりまするところの停戦決議案が採択されました。もちろんこの戦争は六日に始まりまして、シナイ半島におきますスエズ運河をはさんだ戦闘、それからゴラン高地からシリア領内、ゴラン高地からダマスカスに及ぶ線上の戦闘、この二正面の戦闘が行なわれておりまして、停戦までの状況は、シリア戦線におきましてはイスラエル軍がアラブ軍を押し返しまして、ダマスカスを去る二十キロの地点あたりまで進出をしていたと伝えられております。 シナイ半島のスエズ戦線におきましては、アラブ側がスエズを渡りまして、イスラエルの占領地域であるところの東岸に進出をいたしまして、この攻防が非常に激しく繰り広げられておった。最も最近の情報によりますと、イスラエルの一部が運河を渡りまして西岸地方に渡って、このスエズ運河の線の奪取をめぐって双方非常に熾烈な戦闘が行なわれておった。こういう状況下におきまして、米ソの共同提案の停戦決議が通りましたことは、まことにわれわれといたしましても喜ばしい事態であると考えております。 この停戦決議が受諾されまして、イスラエルそれからエジプト、これがこの決議案を受諾いたしまして、続きましてヨルダンがこれを受諾いたしております。しかしながら、シリアはいまだに受諾をしておりません。したがいまして、スエズ戦線におきましてはすでに戦闘がやんでおるという情報を得ておりますが、シリア戦線におきましてはなお従来どおりの戦争状態が続いておる、このように了解をしております。しかしながら、ここで見通しを申し上げるのは非常にむずかしいわけでございますが、おもなる交戦国でありますところのイスラエルとエジプト、この両国が停戦を現に実施をいたしておりますので、シリア戦線におきましても、早晩停戦が実現するということを祈念してやまぬ次第でございます。この停戦というのも、シリア戦線におきましてはシリアが若干後退を余儀なくされておりますので、なかなか一度にやめるということがむずかしい事情があるのかもしれないのでございますが、いずれにしましても、今回の決議案と申しますのが、停戦を実行して、その後会議を開きまして、一九六七年十一月の安保理事会決議二四二号、これをベースにいたしまして恒久的平和、つまり抜本的な中東問題そのものの解決に進みたいという考えがきわめて明確に打ち出されておりますので、そのように私は事態が進むことをひたすら願う次第でございます。 わが国も、その意味におきまして国連のワク内におきます活発な和平工作あるいは和平交渉、こういうものが具体化していくにつれまして、全面的な協力をしなくてはならぬ、かように考えております。 アメリカとアラブの関係でございますが、これは御承知のように、アメリカがイスラエルを全面的に支持し続けております関係上、必ずしも各国別に、アラブとアメリカが非常に緊密であったというわけにはいかないわけでございますが、アラブ十八カ国の中で、やはりアメリカと非常に緊密な関係を保っておりました国もございますし、そうしたようなことで、アラブの内部でもいろいろな問題がおそらくあるのではないか。たとえば、アメリカに対して、石油を武器といたしまして対米石油の禁輸というような問題を打ち出します場合におきましても、アラブ十八カ国のそれぞれの国内の事情というものは異なるわけで、そうした関係で今後とも問題は尾を引くかと思いますが、しかしながら、今回の停戦決議というものを提案いたしましたのも、アメリカが東奔西走いたしまして、同時にソ連もいろいろと努力をいたしまして、この共同提案国となって決議を提案した次第もございまして、事態が平穏に向かいますれば、アメリカとアラブとの関係も次第にもとに復していくのではないか、このように考えるわけでございます。 それからアラブの団結と申しますと、アラブは十八ヵ国ございまして、この十八ヵ国でアラブの世界を形づくっております。しかしながら、この中には産油国もございますし、いろいろ各国の事情が異なります。しかしながら、今度の戦争というものに対しまして、スラブ世界がかつて見なかった団結を示しましてイスラエルに当たったわけでございまして、こういったような今回の自信その他によりまして、アラブの団結は今後一そう強まるのではないか、このように考えます。
○板川委員 もう一つだけ伺いますが、国連の六七年決議、きょうの新聞によりますと、中東和平の基本原則である六七年安保理事会決議二四二号ですか、これの内容は、御承知のように、六日戦争前の状況に国境を戻せというところにあろうかと思いますが、このアラブ、イスラエル両国が今回の国連決議を受諾するということは、そういう方向に行く可能性があると期待してよろしいというように考えていいのですか、非常にむずかしいという状況ですか、その点だけ簡単に説明してみてください。
○田中説明員 御指摘のとおりにたいへんにむずかしい問題だと思います。しかしながら、占領地から撤退をするということは、安保理決議二四二号に明確にうたってございまして、問題はどこまで下がるかという点で、おそらく今後とも相当むずかしい交渉が続けられると思いますが、もちろん二四二号は撤退をうたっておる決議でございます。
○板川委員 おそらくイスラエルが六日戦争で獲得した地域、今回の戦闘停止で、あるいはでこぼこが、出たり入ったりするところがあるか知りませんが、六日戦争でかちとった占領地域から撤退するということは非常に困難だ、長期的な解決が必要だ、長期的な時間が必要となるだろう、私はこう思います。今回の十七日の中東戦争の特徴は、従来親米的といわれましたアラブ、アラブの中で足並みがそろってなかったのが完全にそろったということ、それから、特に念頭に置いているのは産油国十一ヵ国を頭に入れておりますが、完全に石油を対米交渉の武器にするという方針を立てて、アメリカに対して反米的な空気になってきつつあると思います。この戦争でアラブ側として停戦を受諾せざるを得なかった原因は、アメリカのイスラエル支援体制ということがやっぱりあると思います。そういう意味で、私は、アラブ側の今後の外交は反米的になる、悪化することは必至ではないかと思います。このアラブ十八カ国のうちにOAPECに加盟しておる国が十ヵ国ですか、この産油国が毎月五%産油量の削減とか、あるいはサウジアラビア、リビアなどの対米原油の禁輸、こういうような政策は、この戦争が、完全に六七年決議が履行されるまではこの傾向が進んでいくと思いますが、これに対する見通し、これは通産省でもよろしいし、この点についてどういう見通しを今日持っておられるか、お伺いをいたしたいと思います。これはどちらでもいいです。
○田中説明員 アラブの産油国十カ国、OAPECを構成しておりますが、そのうちの七ヵ国がすでに生産削減ないし対米禁輸という措置をとっております。ただ、今回の彼らのとっております措置は、中東戦争に関連いたしましてアメリカを対象とした措置でございまして、そのほかの関係のない国あるいはアラブに友好な国につきましてはその対象からはずすということを明言しております。日本は、幸いにして今回の制限の対象には入っておりません。しかしながら、今後間接的にいろいろ複雑な世界の石油供給機構の関係がございますので、日本にも影響が漸次出てくるであろうということは当然想像されるわけでございますが、現状におきましては、ただいま申し上げましたとおり、日本はその対象に入っていないということでございます。今後非常に長く続きますれば、なかなか困難な問題も生じ得るかと思います。現にアメリカがイスラエルを援助しておる限りこの生産削減はやめないというようなことも申しておりますので、その点は憂慮されるわけでございますが、和平交渉が漸次進むにつれまして、そういった空気を緩和するような条件がつくり出されることをわれわれは希望しておる次第でございます。
○板川委員 アメリカがアラブ産油国から輸入しておる原油の量はアメリカの消費量の約六%ぐらいだといわれておるのです。ですから、それが全面的な禁輸とかあるいは五%削減となっても、アメリカとしては直接それで重大な影響、痛手はないのじゃないかと思いますが、しかし、その禁輸の中には、アメリカ系のメジャーの取り扱いというのは現状どういう扱いを受けているのですか。たとえばアメリカ系のメジャーに対する取り扱い数量というのは、その禁輸と五%削減、五%削減はアメリカがねらいですし、禁輸ももちろんアメリカがねらいですが、メジャーの扱いはそれによって影響を受けないのですか。この点はどうなんです。
○田中説明員 私の承知しております限り、たとえばサウジアラビアが十一月まで一〇%削減、こういう政策を打ち出しますれば、当然サウジアラビアの中で操業いたしておりますメジャー系の会社も生産を制限せざるを得ないというふうに考えております。それから禁輸の場合は、アメリカを仕向け地とした輸出を禁止される、このように考えております。
○板川委員 そうしますと、減産一〇%ということになれば、メジャーの取り扱い数量も一〇%減る、こういうふうに見ていいわけですね。
○田中説明員 そのとおりと考えます。
○板川委員 今後産油国とアメリカの外交関係の発展の状況にもよりますが、もしそういう状態が将来さらに続くということになれば、メジャーを通じて、日本は、メジャーとすれば大体六割五分、アメリカ系とすれば約五割ちょっと供給を受けているわけでありまして、わが国に対する供給上の影響というのも徐々に出てくるのではないかという感じがいたします。 そこで、そういう需給状況がたいへん窮屈になってきますと、原油の価格というものも非常に高騰するおそれがあります。ペルシャ湾の六カ国による原油公示価格の引き上げ、それから価格決定方式の一方的な変更——御承知のように、公示価格と実勢価格との間に差がありますが、今度価格決定方式をペルシャ湾六ヵ国がきめて、そして実勢価格が上がれば公示価格も同時に自動的に上がるということになる。そうしますと、今後大幅な原油価格の高騰が予想されるわけであります。 新聞等によりますと、この価格決定方式が全産油国に適用されたとする場合には、三〇%ないし四〇%値上げされざるを得ないだろう、こういわれております。昨年の五月からことしの五月まで、まだ中東動乱の前でありますが、わが国に入っておった数量と価格を比較いたしてみますと、二三%この一年間に原油輸入数量が伸びておりますが、価格は五四%になっております。すでにこの割合からいいますと、去年の五月からことしの五月の比較においてすら三〇%値上げしておる。さらにそれをベースとして三〇%ないし四〇%値上げをするということになれば、これは昨年の約二倍近い価格で原油を輸入せざるを得なくなる状態が近々生じるのじゃないだろうかと思います。昨年の原油代を見ますと四十億ドルですね。これがもし原油代か近いうちに——近いうちといって、あるいは一年たつか二年たつかわかりませんが、とにかくこの状況で二倍近くなると、四十億ドルも外貨の支払いがふえるということになるわけでありまして、これは国際収支に大きな影響を与えることになります。また、原油代の値上がりによってわが国の産業にも大きな影響を与えるだろう、こう予想されておりますが、この原油代の値上がり、これに大幅な値上がりがいまや必至という状況でありますが、これに対して一体どういうような対処の方針といいますか、構想というものをどうされようというふうにお考えでありますか、これはひとつ通産大臣と経企庁から御返事を承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 まだメジャーとそれから産油国との価格の交渉というものの詳細が妥結したかどうかもわかりませんし、われわれのほうにそういう通知もメジャーズ側からは来ておらない状況でありますから、仮定の数字でいろいろ議論をしてもわれわれとしてはあまり益がない状態であります。 しかし一般的に見まして、いま御指摘があったような方向に行く可能性はかなりあると見ておりまして、私たちはそういういろいろな検討を内面的にはやっておるところであります。やはり油の値段が上がってくるということは非常に可能性があるように思っておりますし、それにつれて国際収支の面において油代金というものがかなり大きく出てくる可能性もなきにしもあらずでありまして、いま日本が百四十七億ドルばかりの外貨を持っておりますけれども、いま外貨が急減している情勢等々も考えてみて、日本の国際収支の面に及ぼす影響等もよく検討しなければならぬ、そう考えておるところであります。
○板川委員 いまの数字は実は小さ目に言ったのですが、きょうの新聞によりますと、日本経済新聞にこう書いてあります。「今回は産油国が価格設定メカニズムを大変更したことによって、従来の図式をそのままあてはめることはできない。標準原油のアラビアン・ライトの場合、公示価格は一バーレル三ドル〇一一セントから五ドル一一セントへ約七〇%アップ。メジャーの対産油国支払いは一バーレルードル七七セントから三ドル〇四セントに激増する。いままでのやり方なら新しい実勢価格は現行のニドル八〇セント前後に負担増の一ドル三〇セント弱をそっくり転嫁して四ドル一〇セント程度にするというのが予想されるところだった。ところが六カ国は市場価格を公示価格の約七割の水準に設定して産油国とメジャーの利益配分を八対二とすることを大きなネライとしており、アラビアン・ライトの市場価格は三ドル六五セントと決めている。メジャーが現行の三〇%高であるこの価格を実勢価格とすれば、利益幅が旧価格体系での一バーレル九三セントから約五〇セントへ大きく落ち込む。利益の減少を食い止めるため、実勢価格を三ドル六五セントより高くすれば、産油国は公示価格を引き上げ、再びメジャーの支払い負担がふえることになり、このイタチゴッコによって一バーレル当たりで従来の利益幅を維持しようとすれば、実勢価格が七ドル、公示価格一〇ドルの驚くべき高水準にまで押し上げざるを得なくなる。」こういうようなペルシャ湾六カ国が投じました原油の価格方式というものは、アメリカのイスラエル介入の問題を通じていまのうちに産油国側としてはとにかく強固な地位を確保しておこうということで、こういう強硬方針がとられておるのじゃないかと私は思います。 いずれにしましても、中東のこの和平交渉の中からあるいは若干の緩和する方向がくるかもしれませんが、しかし世界全体として石油の生産力は落ち込み、非常に窮屈になってくる、値上がりも必至という状況になってくることは疑いもありません。 そこで、これも経企庁と通産省に伺いますが、たとえばかりに原油の購入価格がいまの二倍になった場合に、産業別、業種別に製品コストに占めるエネルギーの費用にどのくらいの影響を与えるか、現在何%ぐらいであり、それが倍加された場合にどのくらいの比率を占めることになるのか。この資料があるかどうか。ありましたらぜひ提出をしてもらいたいと思いますが、これは企画庁と通産省、どうですか。
○中曽根国務大臣 通産省で調べさせました数字によりますと、電力のような場合が一七・六%程度、それからセメントは七・六%でありましたか、それから鉄鋼が四%、それから非鉄金属のようなものになると三%、その他一般のものは一%ないし一%以下というのが製品コストにおける油代のようになっておりますから、そういうような基準で動けば、いまのような影響が出てくると考えられます。アメリカがイスラエルを援助しておる限りこの生産削減はやめないというようなことも申しておりますので、その点は憂慮されるわけでございますが、和平交渉が漸次進むにつれまして、そういった空気を緩和するような条件がつくり出されることをわれわれは希望しておる次第でございます。
○板川委員 アメリカがアラブ産油国から輸入しておる原油の量はアメリカの消費量の約六%ぐらいだといわれておるのです。ですから、それが全面的な禁輸とかあるいは五%削減となっても、アメリカとしては直接それで重大な影響、痛手はないのじゃないかと思いますが、しかし、その禁輸の中には、アメリカ系のメジャーの取り扱いというのは現状どういう扱いを受けているのですか。たとえばアメリカ系のメジャーに対する取り扱い数量というのは、その禁輸と五%削減、五%削減はアメリカがねらいですし、禁輸ももちろんアメリカがねらいですが、メジャーの扱いはそれによって影響を受けないのですか。この点はどうなんです。
○田中説明員 私の承知しております限り、たとえばサウジアラビアが十一月まで一〇%削減、こういう政策を打ち出しますれば、当然サウジアラビアの中で操業いたしておりますメジャー系の会社も生産を制限せざるを得ないというふうに考えております。それから禁輸の場合は、アメリカを仕向け地とした輸出を禁止される、このように考えております。
○板川委員 そうしますと、減産一〇%ということになれば、メジャーの取り扱い数量も一〇%減る、こういうふうに見ていいわけですね。
○田中説明員 そのとおりと考えます。
○板川委員 今後産油国とアメリカの外交関係の発展の状況にもよりますが、もしそういう状態が将来さらに続くということになれば、メジャーを通じて、日本は、メジャーとすれば大体六割五分、アメリカ系とすれば約五割ちょっと供給を受けているわけでありまして、わが国に対する供給上の影響というのも徐々に出てくるのではないかという感じがいたします。 そこで、そういう需給状況がたいへん窮屈になってきますと、原油の価格というものも非常に高騰するおそれがあります。ペルシャ湾の六カ国による原油公示価格の引き上げ、それから価格決定方式の一方的な変更——御承知のように、公示価格と実勢価格との間に差がありますが、今度価格決定方式をペルシャ湾六ヵ国がきめて、そして実勢価格が上がれば公示価格も同時に自動的に上がるということになる。そうしますと、今後大幅な原油価格の高騰が予想されるわけであります。 新聞等によりますと、この価格決定方式が全産油国に適用されたとする場合には、三〇%ないし四〇%値上げされざるを得ないだろう、こういわれております。昨年の五月からことしの五月まで、まだ中東動乱の前でありますが、わが国に入っておった数量と価格を比較いたしてみますと、二三%この一年間に原油輸入数量が伸びておりますが、価格は五四%になっております。すでにこの割合からいいますと、去年の五月からことしの五月の比較においてすら三〇%値上げしておる。さらにそれをベースとして三〇%ないし四〇%値上げをするということになれば、これは昨年の約二倍近い価格で原油を輸入せざるを得なくなる状態が近々生じるのじゃないだろうかと思います。昨年の原油代を見ますと四十億ドルですね。これがもし原油代か近いうちに——近いうちといって、あるいは一年たつか二年たつかわかりませんが、とにかくこの状況で二倍近くなると、四十億ドルも外貨の支払いがふえるということになるわけでありまして、これは国際収支に大きな影響を与えることになります。また、原油代の値上がりによってわが国の産業にも大きな影響を与えるだろう、こう予想されておりますが、この原油代の値上がり、これに大幅な値上がりがいまや必至という状況でありますが、これに対して一体どういうような対処の方針といいますか、構想というものをどうされようというふうにお考えでありますか、これはひとつ通産大臣と経企庁から御返事を承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 まだメジャーとそれから産油国との価格の交渉というものの詳細が妥結したかどうかもわかりませんし、われわれのほうにそういう通知もメジャーズ側からは来ておらない状況でありますから、仮定の数字でいろいろ議論をしてもわれわれとしてはあまり益がない状態であります。 しかし一般的に見まして、いま御指摘があったような方向に行く可能性はかなりあると見ておりまして、私たちはそういういろいろな検討を内面的にはやっておるところであります。やはり油の値段が上がってくるということは非常に可能性があるように思っておりますし、それにつれて国際収支の面において油代金というものがかなり大きく出てくる可能性もなきにしもあらずでありまして、いま日本が百四十七億ドルばかりの外貨を持っておりますけれども、いま外貨が急減している情勢等々も考えてみて、日本の国際収支の面に及ぼす影響等もよく検討しなければならぬ、そう考えておるところであります。
○板川委員 いまの数字は実は小さ目に言ったのですが、きょうの新聞によりますと、日本経済新聞にこう書いてあります。「今回は産油国が価格設定メカニズムを大変更したことによって、従来の図式をそのままあてはめることはできない。標準原油のアラビアン・ライトの場合、公示価格は一バーレル三ドル〇一一セントから五ドル一一セントへ約七〇%アップ。メジャーの対産油国支払いは一バーレルードル七七セントから三ドル〇四セントに激増する。いままでのやり方なら新しい実勢価格は現行の二ドル八〇セント前後に負担増の一ドル三〇セント弱をそっくり転嫁して四ドル一〇セント程度にするというのが予想されるところだった。ところが六カ国は市場価格を公示価格の約七割の水準に設定して産油国とメジャーの利益配分を八対二とすることを大きなネライとしており、アラビアン・ライトの市場価格は三ドル六五セントと決めている。メジャーが現行の三〇%高であるこの価格を実勢価格とすれば、利益幅が旧価格体系での一バーレル九三セントから約五〇セントへ大きく落ち込む。利益の減少を食い止めるため、実勢価格を三ドル六五セントより高くすれば、産油国は公示価格を引き上げ、再びメジャーの支払い負担がふえることになり、このイタチゴッコによって一バーレル当たりで従来の利益幅を維持しようとすれば、実勢価格が七ドル、公示価格一〇ドルの驚くべき高水準にまで押し上げざるを得なくなる。」こういうようなペルシャ湾六カ国が投じました原油の価格方式というものは、アメリカのイスラエル介入の問題を通じていまのうちに産油国側としてはとにかく強固な地位を確保しておこうということで、こういう強硬方針がとられておるのじゃないかと私は思います。 いずれにしましても、中東のこの和平交渉の中からあるいは若干の緩和する方向がくるかもしれませんが、しかし世界全体として石油の生産力は落ち込み、非常に窮屈になってくる、値上がりも必至という状況になってくることは疑いもありません。 そこで、これも経企庁と通産省に伺いますが、たとえばかりに原油の購入価格がいまの二倍になった場合に、産業別、業種別に製品コストに占めるエネルギーの費用にどのくらいの影響を与えるか、現在何%ぐらいであり、それが倍加された場合にどのくらいの比率を占めることになるのか。この資料があるかどうか。ありましたらぜひ提出をしてもらいたいと思いますが、これは企画庁と通産省、どうですか。
○中曽根国務大臣 通産省で調べさせました数字によりますと、電力のような場合が一七・六%程度、それからセメントは七・六%でありましたか、それから鉄鋼が四%、それから非鉄金属のようなものになると三%、その他一般のものは一%ないし一%以下というのが製品コストにおける油代のようになっておりますから、そういうような基準で動けば、いまのような影響が出てくると考えられます。どうお考えですか。
○山形説明員 お答え申し上げます。 スタンドの設置につきましては、法律に基づく行為ではございませんで、いま先生のお話のとおり、需給の実態から必要なるスタンドの数をきめまして、これを各社別に認めておるわけでございます。しかし、これは法律上の問題ではございません。いま御指摘のとおり、これが完全な自由裁量でございますと、いろいろと問題もあろうかと思いますので、できる限りこれを客観的な基準で運営するべきであるということから、各社の販売店数のウエート、それから精製能力のウエート、この二つを前提にいたしまして、各社別に公平に配分をいたしておるわけでございます。 なお、もう一つの基準といたしましては、これはおふろ屋さんとか、たばこ屋さんと同じような考え方でございますけれども、スタンド間の距離があまりにくっついておりますと、営業上のいろいろな問題がございますので、地域別に距離、間隔の基準をつくりまして、あわせてこれを基準といたしておるわけでございます。 今回まことに遺憾なことが起こったわけでございますが、われわれといたしましては、特に四十八年度から、この基準を前提にいたしまして、どういう仕組みで、また仕組みといたしましてもこれを公正に行なうかということで、四十八年度にスタンドに関する流通問題懇談会というのを設けまして、スタンドのあり方という答申をいただきまして、それに基づき、具体的には中央給油所建設懇談会という、通産省と元売り業者と石油連盟と全国石油商業組合連合会との四者で構成する仕組みをつくりまして、ここで、先ほど申し上げましたような基準を巌正に運営しながら各社別の設置の数をきめることといたしたわけでございます。自由裁量ということでございませんで、できる限り客観的に運営してまいったつもりでございます。
○板川委員 この割り当ての制度は、昭和四十年から発足をしておったそうであります。聞くところによりますと、これは石油業法をバックにした考え方に基づいて、石油業法の中には事業活動等の調整をすることができるということがあるので、販売のほうの事業活動の調整をしたのだという説もあるようであります。 そこで、伺いますが、昭和四十六年十二月、総合エネルギー調査会石油部会が、その中間報告において、「末端における石油製品の安定的かつ低廉な供給を確保していくためには、流通段階における望ましい秩序を創立、維持する必要があり、今後、制度的な措置を含め、所要の検討を進める必要があろう。」こういうふうに総合エネルギー調査会石油部会が中間報告をしておりますね。従来の法的根拠に基づかない、行政指導としてのスタンドの配分基準というものはどうも好ましくないという感じがしまして、おそらくここで制度的な措置を含めて所要の検討をしろ、こういうことを通産大臣に答申をしておる。ところが、通産省のほうでは、給油所に関する流通問題懇談会というのをつくって、いま汚職の仲間といわれる人たちと同時にそういう制度的な問題を取り上げなかった。そして従来どおり行政指導でやっておる、こういう形になった。ここに私は、せっかく総合エネルギー調査会で答申した精神を取り入れないで、従来どおり行政指導中心にやっていこうとした、こういうところに、問題の発端とは言いませんが、問題を小さいうちにつまもうという意欲がなかったのではないかと思いますが、この総合エネルギー調査会の答申があるにもかかわらず、制度的な措置を含めて検討しろということに対して、どうして制度的な措置をとらなかったのか、この点をひとつ伺っておきたい。
○山形説明員 先ほど四十八年度からの流通問題懇談会なり中央給油所建設懇談会等の仕組みにつきまして御説明申し上げましたけれども、これはいまの先生の御質問の一環としてエネルギー調査会の答申の線に沿って発足したものでございます。この全体の仕組みにつきましては、一応今後一定期間これをやってみるということで、その一定期間のつかみ方でございますけれども、三年程度ということで考えております。われわれといたしまして、三年程度先ほど来申し上げましたやり方をやってみまして、なおそれで不十分でございますれば、そのときまた別途の仕組みを考える、必要があれば立法も必要かという感じがございますけれども、一応暫定的に三年間それをやってみるということでございまして、総合エネルギー調査会の答申を無視したわけではございません。むしろそれに沿ってすべり出したわれわれのやり方でございますので、御了承願いたいと思います。
○板川委員 公取に伺いますが、従来通産省が行政指導でスタンドの建設に対する調整を行なってきた。これは独禁法上問題はございませんか。
○吉田説明員 お答え申し上げます。 競合維持という独禁法の立場からは、行政指導によってスタンドを規制するというような規制のやり方は、これはエントリーの規制でございますが、こういうことは好ましくない。しかも、その強化をはかることはより好ましくないという考えを従来公取はとっております、しかし、石油産業の特性その他から何らかのSS規制の必要は理解はできるという立場でございます。
○板川委員 通産省が法律に基づかないで行政指導としてやられていることについては、独禁法上にも若干の問題がある。これはまあ鉄綱の通産省の指示価格ですか、これにも問題がありますように、とにかく官僚の自由裁量が大幅にあるところに必ず汚職というものが発生してくるんじゃないだろうか、こう思います。ネコの前にかつおぶしを置いて食べちゃ悪いといったって無理であって、厳重処罰するぞといっても無理でありまして、制度的にそういう措置ができないようなことを講ずることが必要だろう、私はこう思いますが、この石油スタンドの許可等に対して法的な措置をする必要があるんじゃないだろうか。もちろんその場合には、単に設置の許可ばかりじゃございません。元売りとスタンド業者、小売り業者との流通上の関係の適正化といいますか、あるいは石油の中にいろいろの、灯油に軽油を混入するとか、いろいろのインチキをして売るものもありますが、そういうものの規制をくるめてスタンドに対する法的措置が必要ではないかと思いますが、これに対して通産省の見解はいかがですか。
○山形説明員 先ほど来、中東の問題にも関連いたしまして、今後の石油行政のあり方全般について御議論があったわけでございまして、現在の石油業法、これは一口で言いますと消費地精製主義で貫かれておるわけでございますが、最近のOPEC諸国との経済協力その他も含めまして、海外立地の問題も当然出てくるわけでございます。また、備蓄のより一そうの増強も必要であろうかと思います。それから、いま御指摘の元売りと末端との関係等々、いろいろな問題が石油にからめてあるわけでございますので、われわれといたしましては、先般エネルギー調査会の石油の基本問題懇談会におきまして一応の御提言をいただいておりますので、早急にこれをエネルギー調査会の石油部会にかけまして、今後の新しい石油政策の樹立に進みたいと思っておりますが、いまお話しのスタンドの問題につきましても、これは流通段階の末端でございます。価格形式の問題も非常に大きな問題だと思います。全体の新しい石油政策の一環としてわれわれとしては今後考えていきたいと考えておるわけでございます。
○板川委員 時間となりましたから、一言大臣から答弁、意思表示をしてもらいたいと思いますが、とにかく汚職事件が相次いでおる。またコンビナートにおける化学工場の爆発事件も相次いでおる。公害もなかなかその後減少しないという状況であります。その責任は、私は何といっても通産行政にある、通産省と企業の癒着というところに根本的な原因がある、こう思いますが、これに対して大臣としてどういう反省をされているか、伺っておきたい。
○中曽根国務大臣 いろいろ国民に御心配をおかけし、または御迷惑をおかけしているような事件が相次いでおりますので、従来の政策や通産行政のあり方を根本的に検討いたしまして、粛正を断行し、かつまた政策につきましても、安全その他の面についてこれを絶対的に確保するという方向でいろいろ会社その他にも指示をし、御期待に沿うように改めてまいりたいと思っております。
○板川委員 終わります。
○羽田野委員長代理 加藤清政君。
○加藤(清政)委員 私は、きのう党の調査団として日石化学浮島工場のENBプラントの爆発事故調査に参りました。そして死者の方に花を手向け冥福を祈ると同時に、重軽傷された方々の一日も早く快方に向かうことを祈りつつ現場を調査したわけでありますが、あの浮島工場の事故原因について通産省としてどのように考えておられるか、まずその考えをお伺いしたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 事故が連続しておりましてまことに申しわけないと思っております。 ただいま御指摘の日石浮島工場におきます事故の原因の状況でございますが、ENBのプラント内のコンプレッサーにトラブルがございまして、十三時ごろ当該プラントの運転を停止いたしました。この停止期間中に、十五時二十分ごろブタジエンとシクロペンタジェンの反応槽付近からガス漏れがございまして、これが爆発火災という形になっております。 原因につきましては目下関係者が寄りまして調査、検討いたしております。したがいまして推定の域を出ませんが、私どもがいままでに県あるいは警察あるいは消防あるいは通産局等が調べました結果をもとにして検討いたしておりますところでは次のようなことかと思われます。 まず、反応槽での反応が急激に進行した形跡がございます。この急激な反応によりまして温度及び圧力が上昇し反応槽まわりのフランジがゆるんでガスが漏れたと考えられるわけでございます。 問題は、こういった急激な反応現象が起きておりますが、これはそもそも予見し得なかった反応であるか、または停止中に従業員がいろいろ、点検をいたしておりますが、こういった操作に誤りがあったのか、そのいずれかによると思われますが、いまこの段階でどちらだという断定はまだできない段階でございます。近くこの事故のございました反応槽を解体いたしまして詳細な点検を行なうことになっております。それに従いまして的確な原因究明に当たることにいたしております。
○加藤(清政)委員 私たちが工場で事情を聞いた範囲につきましては、いま大体通産当局からお話があったと同じように簡単に申し上げますると、報告を求めましたらば、十月十七日夜からコンプレッサーが不調になり、十月十八日の午後からコンプレッサー修理のためにENB装置前半部門の停止作業に入ったということであります。十三時から十三時二十分の間に原料張り込みを停止して、加熱炉−反応器をバイパスし、DCPD循環に切りかえたということであります。十三時二十分からコンプレッサーを停止し、直ちに修理作業に入りました。それから反応器圧力が徐々に上昇してきたので、十四時ごろ圧力調節弁、ブロック弁をあけて圧抜きをしたということであります。それからさらに、その後また圧力が上昇ぎみであったので前記ブロック弁を直ちにあけたということであります。それから十四時五十分ごろ圧力が落ちてきたのでブロック弁を締めました。十五時ごろ反応器反応圧力が急激に上昇してまいりました。火災発生数十秒前に反応器付近で大きなガス漏洩音を感知したということであります。それから十五時二十分ごろ反応器上部で出火、反応器上部をおおう程度の炎、その直後鈍い爆発音を伴ってさらに大きな炎が立ち上がったという報告をきのう受けました。 そこで、操作ミスではないかという意見もあったわけであります。もし調査の結果、事故の直接原因がかりに担当者の操作ミスであったとしても、それだけで今回の事故の結論を出してしまうことはたいへん危険であります。本来一人の作業者の万一のミスというものはあり得べきものとして前提とされなければなりませんが、作業者のミスを幾ら指摘しても、また糾弾してみても、事故の再発を防止する歯どめにはならないわけであります。たとえば今回の日石化学の場合でも、この装置はパイロットプラントを兼ねたものであり、この種のものが浮島というコンビナートのまん中に設置され、しかも、こうした新しい装置の運転に際して、設計段階から携わった者が一人もいなかったというような体制自体を問題にしなければならないと思います。だからこそ反応がまの圧力が急激に高くなっても、その異常事態に適切に対応できなかったということであり、その辺の事態の認識をはっきりさせることが、この際、将来の事故再発の防止に万全を期するためにも重要であろうと思うわけであります。この点について通産大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
○中曽根国務大臣 日石化学の事故につきましては目下詳細に究明しておるところでございまして、正確なことはまだわかりませんけれども、ともかくいまお示しになりましたように、現場の従業員が操作をするときに何らかの間違いをやったのではないかということは言えそうであります。反応槽の化学作用とかオペレーション上の問題点とか、いろいろございましょうけれども、どうもそういう感じがいたします。 先般来各社の社長あるいは協会の首脳部に集まってもらいまして、私からも厳重に示達しましたことは、増産よりも安全第一という方向にはっきり頭を切りかえなさいということと、それから社長が陣頭指揮をしておのおのの安全確保の本部のようなものを各会社ごとにつくって重要人物をそこに充てて、社長の責任においてもう事故の絶無を期して、これから厳重にやってもらいたい。それから、やはり現場のそういう操作員の地位や身分、あるいはそういう充てる人物について、いままでのような安易な考えを離れて、最も大事な社の運命をかけるようなポジションでもあるのであるから、それにふさわしい人間を充て、地位や給与についても考うべきである等々諸般の指示をいたしまして、各社ごとにどういう対策をとっているか、至急対策を報告してもらいたいということでやったところであります。 いずれにせよ、この装置ないし操作上の問題が問題でございますから、その辺を究明いたしまして、事故の再び起きないようにわれわれとしては戒心してまいりたいと思っておるところでございます。
○加藤(清政)委員 パイロットプラントに類するようなものは十分な保安距離を持たせて、コンビナートなどの工場の中では行なわせないような具体的な規制をとるべきであると考えます。きのう私が参りましたらば、主要プラントが立ち並び、片っ方ではアルコール工場があり、またライオン油脂が隣接しておって、そのどまん中にあるということだって、こういう立地条件自体も誤りではないかと思うのですが、こういうことについてやるかやらないか、その点お尋ねしたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 新技術あるいは新設備の場合は、定着した技術、設備の場合に比べまして危険度が一般に高うございます。少なくとも不安がそれだけ大きい。したがいまして、危険度が特に高いもの、あるいは事故の態様が従来の設備と違って予想しがたいもの等の場合には、ただいま先生が御指摘のとおり密集した地帯を極力避けるというのがたてまえでございますし、そういう趣旨で指導してまいりたいと考えております。同時にテストプラントあるいはパイロットプラントといったような段階で可能な限り周到にテストをする、あるいはそれが運転段階に入りました際でも、研究に携わりました高級な熟練した技術者、技能者が中心になって操作をやっていく、十分定着、安定した段階で一般従業員による操作に漸次移していくというふうな形をとるべきだと考えております。そういう趣旨で指導を続けていきたいというふうに考えております。
○加藤(清政)委員 新鋭装置はそれが高性能であればあるほど、異常時の操作は的確に敏捷にされなければならないにもかかわらず、今回の事故の場合などは装置をとめるときにどういう順序でとめるのかさえ、あらかじめ十分検討されなかったということであります。このような新装置についての国の規制は、単に装置の完成検査だけでは不十分であり、あらゆる事故発生のおそれに対してどういう対策を具体的にとり、そこにどれだけの人員を配置したらいいか、また、責任体制はどうなっているかなども含めた計画書の提出を求めるなど、許可要件をもっと総合的なものにする必要があると思いますが、この点についていかがですか。
○林説明員 お答え申し上げます。 新技術、新設備による場合に検査だけでは不十分である、異常時の装置、特に運転に携わります人員配置等について的確な作業計画をチェックすべきである、総じて総合的な監督体制を国がとれという御指摘でございますが、現在の法制上はそういう形になっておりまして、省令あるいは省令に基づきます諸法規に基づきまして完成検査、それから技術基準に適合しているかどうか、それから製造方法が規制に適合しているかどうか、さらに危害防止規程といったものを作成して認可を受けるような形になっております。したがいまして、そういう形は今回の場合も一応は整っております。ただし、新しい設備でございますので、具体的にどの程度まで的確に記述がしてあるかという点が問題でございまして、特に御指摘の新技術、新設備の場合には、そういったことにつきまして不安あるいは不十分さがどうしても残ります。したがいまして、そういう場合にはただいまも申し上げましたように、それが定着運転にいくまでの間、高度の技術を持った者が中心になって運転に当たっていくというふうな配慮があわせて必要かと考えております。
○加藤(清政)委員 この機会に業界に対する行政指導を強化すると伝えられておりますが、どういう方針で指導強化をはかるのか。通り一ぺんの通達では意味がないと思います。また、安全点検が形式化しているという声もありますが、現在のコンビナートに対する点検は、どの程度の範囲を、どのくらいの人員と日数をかけてやっているのか、この点お尋ねしたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 高圧ガス取締法に基づきます保安検査あるいは施設の完成検査でございますけれども、これは項目といたしましては、高圧ガス製造施設の位置、構造、設備が認可基準に適合しているかどうか、あるいは完成検査の場合には、検査内容が耐圧試験、気密試験、腐食検査あるいは遮断弁とか散水装置の作動テストあるいは内圧容器の肉厚測定あるいは運転及びテストのデータの分析、こういったものが一定の基準に従いまして合格しているかどうかというふうなテストをいたしております。したがいまして、検査のやり方といたしましては、国際比較をいたしましても甘いといったようなものではないと私どもは考えております。 なお、御指摘のこういった検査に当たります府県の担当官の状況でございますが、事故がございました千葉県は課長以下十五名、それから神奈川県の場合には課長以下二十四名になっております。 なお、この中には火薬とかLPGとかのようなコンビナート以外のものも含まれておりますが、こういった技術スタッフを援用しながらこういったテストに当たっておる状況でございます。 なお、こういった事故の頻発状況にかんがみまして、各府県及び通産局、本省を含めまして専門官の充実あるいは訓練の充実につとめておる状況でございます。
○加藤(清政)委員 それでは一カ所当たりの人員数と日数についてお答え願いたいと思うのです。
○林説明員 大体企業が年に一回定期検査をいたしております。これは設備の規模なりあるいは難易性等々によりましてかなりむらがございますが、三週間ないし四十日くらい、六週間くらいでございます。それからこれを一気に夏場まとめてやる場合もございますし、その装置が区分できる場合には部分、部分でやるということもございます。 監督検査のほうでございますが、これは県のただいま申し上げました担当者が中心になり、必要に応じまして通産局、工業技術院あるいは本省が参加してテストを行なうか検査を行なう、こういう形になっております。
○加藤(清政)委員 私は、この際、通産省が本気になってコンビナートの事故防止に取り組むということを期待しておるのですが、コンビナートを点検する場合、いわゆる役人だけで構成されるチームによって行なわれるというのではなくして、そういうことをやめて、ひとつその地方の大学教授やあるいは学識経験者を含めたチームを構成すべきではないかという点について、それからさらに、調査内容も単なる設備の点検だけではなくして、会社の組織体制、十分な人員の確保がむしろ問題で、これを中心にして人間工学的な観点からも行なうべきである、そのように考えますが、この点についてひとつ御答弁願います。
○林説明員 お答え申し上げます。 第一点の、検査にあたりまして、大学の先生あるいはその他公的研究所の専門の方々の参画を得るようにということでございますが、私どもも大賛成でございます。先般のエチレンセンターの総点検あるいはこれから行なおうとしております誘導品工場の安全点検に際しましては、すでに府県の担当者を集めまして、いま先生が御指摘になりましたような外部のニュートラルな専門家の参画を極力得てやるということで進めております。 それから第二点、点検にあたりまして工場あるいは企業の組織にまで配慮するように、あるいは第三点、人員が十分であるかどうか、あるいはその資質が的確であるかどうかというところまで見るようにという御指摘でございますが、私どもも全く賛成でございまして、今後のいろいろな検査にあたりまして、具体的な着眼項目として御指摘の項目を加えていきたいというふうに考えております。
○加藤(清政)委員 この事故が起こると、日石化学の社長は、事故発生後、責任を感じているので、この装置の開発を直ちにやめるといったような発言をしたと聞いておりますが、私は、これは責任回避だろうと思います。企業の社会的な責任を自覚しているのであるならば、事故の再発防止、公害の防止などを頭に入れて新技術の開発に当たるべきだと思いますが、事故を起こしました、やめましたでは、とうとい人命を犠牲にして、なくなられた人たちが浮かばれない、そのように思います。 元来、このENBはUCC、ユニオン・カーバイドというアメリカの巨大企業が独占して、日本は一切輸入によっていたと聞いておりましたが、これは国産化に踏み切って開発され、生産されたものである、そのように聞いております。それも副産物がきわめて手に入りやすく、外国から買ってきた技術ではなくして開発された技術を、事故を起こしたからやめるということだけでは筋違いであり、責任回避もはなはだしいということであろうと思います。かりに中止してもこの種の事故は防げないわけでありまして、一体通産省はこの点についてどのように聞いておるのか、その点お答え願いたいと思います。
○林説明員 まずこの新技術の開発問題でございますが、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、やはり新技術の開発はこういう事故があったからといってやめるべきものではなくて、安全を確保するという大前提のもとに大いに進めるべきだというふうに考えております。 問題は、こういった事故が起こらないように新技術、新装置をくふうするというところにあるわけでございます。コンビナート一般にそうでございますけれども、二重、三重あるいは四重に安全装置、事故防止装置をビルトインしたような装置にしていくということが、装置そのものの研究開発といたしましては主眼かと思われます。 今度の事故が起きましたENB反応槽につきましても三重程度のあるいは四重くらいの安全装署がかかっておりまして、まず反応槽の中で温度を三カ所検出いたします。これが自動記録あるいけ場合などは装置をとめるときにどういう順序でとめるのかさえ、あらかじめ十分検討されなかったということであります。このような新装置についての国の規制は、単に装置の完成検査だけでは不十分であり、あらゆる事故発生のおそれに対してどういう対策を具体的にとり、そこにどれだけの人員を配置したらいいか、また、責任体制はどうなっているかなども含めた計画書の提出を求めるなど、許可要件をもっと総合的なものにする必要があると思いますが、この点についていかがですか。
○林説明員 お答え申し上げます。 新技術、新設備による場合に検査だけでは不十分である、異常時の装置、特に運転に携わります人員配置等について的確な作業計画をチェックすべきである、総じて総合的な監督体制を国がとれという御指摘でございますが、現在の法制上はそういう形になっておりまして、省令あるいは省令に基づきます諸法規に基づきまして完成検査、それから技術基準に適合しているかどうか、それから製造方法が規制に適合しているかどうか、さらに危害防止規程といったものを作成して認可を受けるような形になっております。したがいまして、そういう形は今回の場合も一応は整っております。ただし、新しい設備でございますので、具体的にどの程度まで的確に記述がしてあるかという点が問題でございまして、特に御指摘の新技術、新設備の場合には、そういったことにつきまして不安あるいは不十分さがどうしても残ります。したがいまして、そういう場合にはただいまも申し上げましたように、それが定着運転にいくまでの間、高度の技術を持った者が中心になって運転に当たっていくというふうな配慮があわせて必要かと考えております。
○加藤(清政)委員 この機会に業界に対する行政指導を強化すると伝えられておりますが、どういう方針で指導強化をはかるのか。通り一ぺんの通達では意味がないと思います。また、安全点検が形式化しているという声もありますが、現在のコンビナートに対する点検は、どの程度の範囲を、どのくらいの人員と日数をかけてやっているのか、この点お尋ねしたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 高圧ガス取締法に基づきます保安検査あるいは施設の完成検査でございますけれども、これは項目といたしましては、高圧ガス製造施設の位置、構造、設備が認可基準に適合しているかどうか、あるいは完成検査の場合には、検査内容が耐圧試験、気密試験、腐食検査あるいは遮断弁とか散水装置の作動テストあるいは内圧容器の肉厚測定あるいは運転及びテストのデータの分析、こういったものが一定の基準に従いまして合格しているかどうかというふうなテストをいたしております。したがいまして、検査のやり方といたしましては、国際比較をいたしましても甘いといったようなものではないと私どもは考えております。 なお、御指摘のこういった検査に当たります府県の担当官の状況でございますが、事故がございました千葉県は課長以下十五名、それから神奈川県の場合には課長以下二十四名になっております。 なお、この中には火薬とかLPGとかのようなコンビナート以外のものも含まれておりますが、こういった技術スタッフを援用しながらこういったテストに当たっておる状況でございます。 なお、こういった事故の頻発状況にかんがみまして、各府県及び通産局、本省を含めまして専門官の充実あるいは訓練の充実につとめておる状況でございます。
○加藤(清政)委員 それでは一カ所当たりの人員数と日数についてお答え願いたいと思うのです。
○林説明員 大体企業が年に一回定期検査をいたしております。これは設備の規模なりあるいは難易性等々によりましてかなりむらがございますが、三週間ないし四十日くらい、六週間くらいでございます。それからこれを一気に夏場まとめてやる場合もございますし、その装置が区分できる場合には部分、部分でやるということもございます。 監督検査のほうでございますが、これは県のただいま申し上げました担当者が中心になり、必要に応じまして通産局、工業技術院あるいは本省が参加してテストを行なうか検査を行なう、こういう形になっております。
○加藤(清政)委員 私は、この際、通産省が本気になってコンビナートの事故防止に取り組むということを期待しておるのですが、コンビナートを点検する場合、いわゆる役人だけで構成されるチームによって行なわれるというのではなくして、そういうことをやめて、ひとつその地方の大学教授やあるいは学識経験者を含めたチームを構成すべきではないかという点について、それからさらに、調査内容も単なる設備の点検だけではなくして、会社の組織体制、十分な人員の確保がむしろ問題で、これを中心にして人間工学的な観点からも行なうべきである、そのように考えますが、この点についてひとつ御答弁願います。
○林説明員 お答え申し上げます。 第一点の、検査にあたりまして、大学の先生あるいはその他公的研究所の専門の方々の参画を得るようにということでございますが、私どもも大賛成でございます。先般のエチレンセンターの総点検あるいはこれから行なおうとしております誘導品工場の安全点検に際しましては、すでに府県の担当者を集めまして、いま先生が御指摘になりましたような外部のニュートラルな専門家の参画を極力得てやるということで進めております。 それから第二点、点検にあたりまして工場あるいは企業の組織にまで配慮するように、あるいは第三点、人員が十分であるかどうか、あるいはその資質が的確であるかどうかというところまで見るようにという御指摘でございますが、私どもも全く賛成でございまして、今後のいろいろな検査にあたりまして、具体的な着眼項目として御指摘の項目を加えていきたいというふうに考えております。
○加藤(清政)委員 この事故が起こると、日石化学の社長は、事故発生後、責任を感じているので、この装置の開発を直ちにやめるといったような発言をしたと聞いておりますが、私は、これは責任回避だろうと思います。企業の社会的な責任を自覚しているのであるならば、事故の再発防止、公害の防止などを頭に入れて新技術の開発に当たるべきだと思いますが、事故を起こしました、やめましたでは、とうとい人命を犠牲にして、なくなられた人たちが浮かばれない、そのように思います。 元来、このENBはUCC、ユニオン・カーバイドというアメリカの巨大企業が独占して、日本は一切輸入によっていたと聞いておりましたが、これは国産化に踏み切って開発され、生産されたものである、そのように聞いております。それも副産物がきわめて手に入りやすく、外国から買ってきた技術ではなくして開発された技術を、事故を起こしたからやめるということだけでは筋違いであり、責任回避もはなはだしいということであろうと思います。かりに中止してもこの種の事故は防げないわけでありまして、一体通産省はこの点についてどのように聞いておるのか、その点お答え願いたいと思います。
○林説明員 まずこの新技術の開発問題でございますが、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、やはり新技術の開発はこういう事故があったからといってやめるべきものではなくて、安全を確保するという大前提のもとに大いに進めるべきだというふうに考えております。 問題は、こういった事故が起こらないように新技術、新装置をくふうするというところにあるわけでございます。コンビナート一般にそうでございますけれども、二重、三重あるいは四重に安全装置、事故防止装置をビルトインしたような装置にしていくということが、装置そのものの研究開発といたしましては主眼かと思われます。 今度の事故が起きましたENB反応槽につきましても三重程度のあるいは四重くらいの安全装署がかかっておりまして、まず反応槽の中で温度を三カ所検出いたします。これが自動記録あるいけ 時間がございませんからあとでお見せいたしますが、町原信という、どういうわけか肩書きがありませんから、あるいはおそらく匿名じゃないかと思いますが、この人の論文にも私は一理ある、こう思いますので、検討して、ひとつ文書をもって答弁をしてもらいたい。詳しくはこれを読んで答弁してもらいたいということを要望いたします。 終わります。
○羽田野委員長代理 午後二時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時五分休憩 ————◇————— 午後二時九分開議
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。米原昶君。
○米原委員 私は最近社会的に大きな問題の一つとなろうとしている紙不足の問題について質問いたします。 紙不足の問題は、最近急に問題になってきたので、まだ一般には響いていないと考えておられるととんでもないことで、実を言うと、私もいろんな問題を耳にしたので、私の家の近くの文具店に行って聞いてみたんです。ところが、小学生の学習ノートがたとえば七月には五十円であったのが八月には六十円、現在では百円になっております。わずかに二ヵ月ほどで二倍に上がっておるわけです。標準型の封筒が十枚二十円のが四十円になっております。画用紙は一枚五円なのが二枚十五円に上がっておるというふうに、ものによっては、それぞれ違いますが、二倍から三倍と急激な上がり方をしておるわけです。これが各家庭でも問題になろうとしておるようであります。 先日、この問題を聞いたところが、消費者団体連合会でもたいへんな問題だというので、やはりこの問題が消費者の間でも一つの大きな問題になってくるだろうと思うのです。 そういう状態の中で一つ見のがせないのは、教科書の問題です。教科書をつくっておる会社では、教科書の紙の調達のめどが立たない。これは毎日新聞の十月十八日の夕刊にも出ておりますが、その中を見ますと、教科書をつくっておる会社が六十八社ある、そして文部省が調べた十八日までの調べでは、紙のめどをつけたのは二割程度だ。これでいくと、来年は教科書がつくれなくなるんじゃないかということがすでに問題になっておるということを聞きました。これでは日本の将来をになう子供の教育に影響してくるわけでありまして、全くこれは見のがせない問題であります。こういう点について、私、最初に通産省のこれを担当しておる方にお聞きしたいのですが、こういう紙不足の問題についてどういうふうに考えておられるかということを最初に聞きたいんです。
○橋本説明員 初めに、紙と板紙の一般的事情、需給ないしは価格について御説明申し上げたいと思います。 紙及び板紙につきましては、本年の初め、特に四月以降非常に需要が伸びてまいりまして、現にこの一−八月の実績を見ますと、出荷量にいたしまして千四十一万九千トン、昨年の同期に比較いたしまして一七・九%の上昇になっております。これに対しまして供給面では、当省から増産要請等もいたしました結果、稼働率指数は一〇五・七、事実上フル稼働に入っておるわけでございますが、その生産量は千二十五万五千トン、昨年同期に比べまして一五・六%、かなり供給も増加いたしておるわけでございますが、その増加をさらに上回る需要の高い伸びがある。これが当今われわれが当面いたしております紙不足の主たる原因というように考えておるわけでございます。 それから価格につきましては、日銀の卸売り物価指数によりますと、本年九月におきまして総平均一一九・三、これに対しまして紙及び板紙類の指数は一一七・六、総平均に比較いたしますといささか低いわけでございますが、昨年の同期と比較いたしますと一九・八%、かれこれ二割程度高い数字になっております。 かような状態にございますので、当省といたしましては、原木事情の悪化あるいは副資材等の高騰等もございますが、極力増産を慫慂いたしまして需給の緩和をはかる方向で努力いたしております。
○米原委員 いまのお話を聞きますと、発表されておる指数でも、去年と比べて上がっておることは上がっておる。しかし実際にはもう紙が足りない、いま言いましたように、ものによっては、二倍、三倍学用品なんかが上がっておるわけです。こういう実態をすでに通産省のほうでつかんでいられるのか。このままほっておくと、またたいへんな騒ぎが起きるように思うのです。この実態がまだよく掌握されていないのじゃないか。一般的な卸売り物価指数というようなものではいまおっしゃった程度でありましょうが、それが実際の小売り業者のところへいくと、そんなふうに上がってきておるわけです。おそらくそういう意味での上がるということがわかると、買いだめをするところも出てきますし、紙のようなものをあまり大量に買いだめするということは、ほかの商品と違って不利ですからね、またそう買いだめがあるとは思わないのですが、しかしどうしても、上がりだすと、そういうことをやる業者が出てくるのは当然です。そういう点で、これは直接国民の生活やあるいは子供の教育に影響する面が出ておりますし、ことに教科書の問題は、これは文部省のほうがやっておられるかもしれませんが、通産省としても、これは教科書の紙だけは確保する措置をぜひ早急にとってもらいたいわけですが、その点どうでしょうか。
○橋本説明員 まず、教科書用紙についてお答えいたします。 教科書用紙は、文部省の調べによりますと、本年度およそ三万四千ないし三万八千トン使用されるだろうと見込んでおります。教科書に充当いたします紙は、印刷用紙の中でも中質紙でございまして、これも大体一三ないし一四%が教科書用に向けられる、かように見ておるわけでございますが、実は先日も文部省のほうから、教科書用紙についてメーカーとの話し合いがつきづらくなっておるといったような申し入れもございましたので、先生ただいま御指摘のような趣旨も体しまして、当省でその間に入りまして、できるだけ教科書用紙の円滑なる供給を確保できるようにいたしたいと考えております。 それから小売りの実態を承知しておるかという御質問でございますが、先ほど先生が例にあげられました学習用ノートでございます。これにつきましては、御指摘のとおり、昨年一年間は年間を通じて三十円であったわけでございますが、本年に入りまして、二月に五十円、八月に六十円というふうに上昇してまいりまして、昨今一部の企業では八十円程度にしておるものがあるというふうに承知いたしておりますが、この値上げの理由といたしましては、上質紙ないしはノートの表紙に使う用紙の価格が上昇しておるということを原因といたしておるようでございます。 それから画用紙につきましても、これは印刷用紙の中の上質紙を使用するわけでございますが、上質紙の値上げの影響を受けまして、本年五、六月にはキロ当たり百十円、九月には百二十三円ないし百二十五円程度に上がっておる。この画用紙につきましては、紙の質が厚い、厚いために高騰しておるパルプの使用量が多くなる、さような点から高くなっておる。かように承知しておるわけでございますが、メーカーの立場からいたしますと、原材料費あるいは人件費等の上昇などやむを得ない事情もあるかと思いますが、このような際におきまして便乗値上げ等のことがないように、われわれもさらに実態を詰めまして、十分対処してまいりたいと考えております。
○米原委員 相当深刻な状態だということはわかりますが、もう一つは、中小の出版業者、印刷業者、こういうところではもっと深刻だということが、これは東京新聞でも報道されておりますが、このままだと倒産になる。先日は大出版業者の岩波の岩波文庫の値上げもとうとう行なわれましたが、岩波文庫の値上げというのが出版界では一つの標準になっているそうで、あれが上がるとさらに全般的に上がってぐるのだろうと思うのですが、その中で中小業者は、紙不足で会社はもうつぶれるんじゃないかということが一部で非常に報道されております。 それから、大新聞社のほうはともかく、相当窮屈にはなっているがまだ紙は確保しておるようですが、中小新聞社あるいは労働組合や私たちの政党の機関紙、こういうところでも深刻な紙不足が起こっております。こういうような全般的な点から見まして先ほどの話では、急激に需要がふえて需給のバランスがとれなくなるというような御説明でありましたが、この点、通産省としてはいつごろからそういうふうに事をつかまれたのでしょうか。何か見通しを非常に誤っておられたのではないかという感じが私はするのですが……。
○橋本説明員 新聞用紙について御説明申し上げます。 新聞用紙につきましては、昨年度の需要の伸び率が四・五%という数字でございましたので、当初本年度は六・五%程度の需要の増という見積もりがございました。ところが、この四月以降非常に新聞用紙の需要が増大いたしまして、本年四ー九月期だけをとりましても一一・五%、昨年の同期に比較いたしまして約三倍という非常に強い需要の伸びを示しておるわけでございます。これに対しまして、供給サイドにおきましては、この四月二十三日に増産の要請をいたしまして、五月、六月とかなりの増産を見たわけでございますが、七、八月に入りまして非常な異常渇水に見舞われた、その結果、せっかくの増産努力にもかかわらず六%程度の供給減になった、かような需要面での異常な伸びと供給面での制約からいたしまして、新聞用紙の需給が非常に逼迫してまいった、かようなことでございます。
○米原委員 実は先日通産大臣にこの問題について申し入れに行ったときにも話したのですが、製紙連合会の「紙・パルプ」という機関誌であります。これの七月号に「昭和四十八年度紙需給見通し」という論文が出ているのです。大臣はそのときに、これは個人の論文でしょうということをおっしゃったので、念のためにまたよく調べてみると、個人の論文じゃないのです。製紙連合会の機関誌ですし、むしろ個人署名のない論文ということになると、これは連合会全体を代表するような指導的な論文ということになるのです。これを見ますと、こういう四十八年度の需給見通し、これは七月の段階ですからね。この段階に発表して、これは一般にも読まれている雑誌ですが、その中で「広告出稿量の増大を」——広告が非常にふえたということを言っているわけです。「広告出稿量の増大を基盤とした国内向需要は、場合によっては見通しを上廻る数字になると想定される一方、輸出は円の変動相場制への移行、原料価格の上昇等輸出抑制要因が重なっているにもかかわらず、引合が活発なところから昨年並み程度と推定した。一方、供給についてば従来ほぼ生即販で推移してきているが、四十八年度後半に大型マシンが二台稼働するため、下期では若干の供給オーバーになるものと思われる。」、七月の段階で、本年度の下期に新聞用紙は若干供給オーバーになる、製紙連合会の機関誌自身がそういうふうな論文を発表しているわけなんです。ですから、用紙を扱っている新聞社その他でも大体こういう見通しで、紙のことは心配しなくてもいいというふうにむしろ受け取っていたわけですね。それが突然、八月段階から急激に需要がオーバーしたから紙が足りないというような問題で、深刻な問題になってきているわけです。この点については通産省御存じでしょうが、こういう点で、通産省の見通しもこの製紙連合会の見通しに動かされて誤っていたのじゃないかということを私痛切に思うのですが、この点通産大臣にもこの前私聞きましたので、ひとつこの点について通産大臣の見解を聞きたいのです。
○中曽根国務大臣 製紙連合会のどういう資格のある論文であるか私は知りませんが、そういう論文を書いていたとすれば見当違いもはなはだしかったと私は思います。われわれのほうは、七月のときから紙の不足が顕著に出てくる気配がありました。それは特に苛性ソーダその他が公害問題等で工場が動かなくなってきつつある状態でもあったからです。そういう意味で、私は当局に命じて、七月の末から各業界等に内面的にいろいろ懇談をする機会をつくりまして、それで自粛あるいは増産そのほかの問題をたんねんに懇談させてきたところなのであります。やはりこういう紙の問題は言論統制、思想統制といわれる危険性が出てまいりますから、非常に慎重にやらなければならぬという立場に立って、なるたけ自主的に皆さんで融通できるように、また過度の需要増を起こさないようにやってくださいということで実はやってきたのでありまして、製紙連合会のその論文がどういうものか知りませんが、見当違いも大きかったと思います。
○米原委員 まあ通産省がこういう製紙連合会の見解に乗せられていたのじゃないということははっきりしたので非常にけっこうですが、ただ問題は、なぜこうなっているかという点で、需要が非常に増大したといわれるわけです。確かに需要が増大しているのも事実だと思うのです。これに対してあまり口を出すと言論統制になるということで望ましくないと通産大臣言われているので、確かにそういう面があります。結局新聞が用紙の面でいろいろ制約を受けるということは、言論、出版の自由、これとかかわってくるので、実にデリケートな面があるわけであります。その点は慎重に考えていただきたいのですが、ところがこういうふうに新聞用紙が不足してくる。そこで実際問題としていま深刻になってきているのは、一応大新聞社、ことに五大新聞社、これは大体、紙をこうなっても確保しているようです。それはいままでも紙会社から膨大な紙を仕入れているわけですから、実績もあるわけです。紙会社が一般的、政策的に紙が足りないから何とか押えようとしても、ならして押えることになりますと、大新聞社のほうには大体紙がいく。足りないのは中小新聞社、地方新聞社というところにかかってきているのが実情だと思うのです。そうしますと、ただこれを放任しておきますと、大新聞社のほうはとにかく紙がいくが、中小新聞、地方新聞、そういうところには実際は紙がいかない、経営も成り立たない、こういう問題が深刻にいま起ころうとしているわけです。そうなりますと、その面で言論活動を非常に圧迫されるわけです。出そうにも紙がなくて出せない、こういうことになると、その面で言論、報道の自由が制約されるわけです。これは非常に重大な問題が発生してくるわけです。その点で私たち痛切に感ずるのは、大企業の、大新聞社の出しているいまの新聞の紙面を見まして、これでいいだろうかという点があるのです。もちろん言論的な部面を制約することはいけないことだと思う。しかし、新聞の紙面を見ますと、とにかく広告欄というのは相当とられていますね。この広告欄の問題は相当深刻だと思うのですが、この広告でも、もう少し少なくしていくとか、紙面を広告に与える部面を節約させるということができれば、いま程度の不足の問題は全部解決つくんじゃないかと思うのです。これはあとで申しますが、数字的にも調べてみました。ところが、その点については全然触れないということになりますと、一部の大新聞だけは言論の自由は保障されるかもしれないが、ほかの面では紙がないという形で言論が封殺されていくということになっていくわけです。この点相当考慮する必要があるわけです。その点を私は痛感しているのです。 たとえば、御存じと思いますが、業界新聞として「新聞之新聞」というのがあります。これの十月十二日付を見ますと、九月における大新聞の全紙面に対しての広告掲載がどのくらいを占めているかという一覧表を出している。これを見ますと、たとえば朝日新聞の朝刊は広告欄が五三・五%、夕刊は五三%という数字が出ております。毎日新聞の朝刊が五〇・五%、それから読売新聞の朝刊が五二・五%、こういうふうになっております。これ見てちょっと驚いたのです。というのは、郵政省の方にも来ていただいておりますけれども、第三種郵便の基準、つまり広告が五〇%をこえるという場合は第三種郵便は適用されないはずなんです。これは明らかにこえているわけですよ。こういう点は少なくとも厳正にやっていただいて、というより、この紙不足のもとでは五〇%ではなくて、もう少しこの点きびしくするのがむしろ合理的ではないか、そういうように考えるのですが、通産大臣この点どう思われますか、ひとつ御意見を聞きたい。
○中曽根国務大臣 広告の量が法規に規定しているよりも多いことをどうするかということは、これは監督官庁の郵政省の御答弁をいただいてほしいと思いますが、広告の量をどうするかという問題も、紙面の編集との関係もあるので、私らのほうでどうこうと言うことは適切でない。むしろそれは新聞協会等の業者の中で自主的に自粛するとか皆さんで話し合って解決していただく。そうして、紙不足があるとすれば、皆さんで協調してやっていただくようにすることが適当ではないか、そう思います。われわれのほうがちょっとでも割り当てするとか、そんな気配を見せますと、すぐ言論統制と言われるので、それはまた厳にわれわれが注意しなければならぬところであると思っておるからであります。
○米原委員 新聞の言論にまで干渉される、これはもうやっちゃならないことですし、そういう点では通産大臣の言われることはもっともなんですが、広告欄をもう少し小さくさせるとか、減らすということを言ってもそれは言論の抑圧になるわけじゃないと思うのです。ことにいま言った問題はあとで郵政省の方にもこの点御答弁していただきますが、いまのたとえば広告欄、広告も全然これは無用だと私は言ってるわけじゃないのです。生活上にだって、いろいろな商品の広告が出ることは悪いことじゃない。いまでは生活にある程度必要なわけですから、広告を全部なくするという議論に私は賛成しているわけじゃありません。しかし、こういう用紙不足の状態が起こってきた場合に、そのあたりを節約していくというのが一番現実的にも解決できる方法じゃないか。商品の広告じゃなくて、たとえばゴルフクラブの入会申し込みをとるための広告なんかが一ページつぶして新聞に出ていますね。せいぜい数百人の会員を募集する程度のものですよ。それを一面全部つぶすような広告を出しているわけですからね。こういうものから少なくしてもらう。通産大臣はそういうことにも口を出してはいけない——通産大臣が命令される権限もないかもしれませんが、しかし大臣としては少なくともそういうことを自発的に考えてもらいたいぐらいなことは言っていただきたいのです。これはもちろん業界自身が申し合わせでやるということが一番いいと思います。そうすべきものだと私は思うわけですが、通産大臣、この点については全然タッチできない、こういうことを言われるわけでしょうか。
○中曽根国務大臣 その点もうすでにやっておるのでありまして、われわれのほうの係の者が新聞協会の皆さん方といろいろ懇談をいたしまして、できるだけ両方で融通し合うとか、自粛の措置を自分たちでお話し願いたい、われわれのほうからは干渉や何かタッチするようなことはいたしませんが、どうぞよろしくお願いいたします、そういうごあいさつを申し上げまして、新聞協会の皆さんも、これは自分たちで相談しましょう、そういう話であるという報告をすでに受けておるわけであります。
○米原委員 この問題については私たちも郵政省の方にちょっと聞いたのですが、五〇%というのはある日五〇%をこえたらもうだめだというのじゃなくて、大体一月の平均をとってやられるわけですから、全体として五〇%以下に押えるということは決して不可能なことじゃないと思う。それすらが実際は九月の実績で見ると、これは実行されていない。それで私は十月になったらどうかと思った。ところが、新聞用紙の不足が表面化した十月になってからかえって広告欄がふえているのです。これはまだ月半ばですから、十月全体の統計は出ておりません。しかし十月一日から十五日までの東京で発行されている新聞、もちろん朝日新聞にしても、東京発行の朝日新聞と名古屋で発行された朝日新聞では名古屋のほうがずっと広告が少ないそうです。そういう点があるそうですから、東京が一番多いのかもしれません。私たちの手に入っている東京の新聞で調べたところが、十月になってからかえって広告欄はふえているわけです。たとえば朝日新聞の場合、広告欄は、朝刊が五二%、夕刊で五五%です。毎日新聞は朝刊が五〇・五%、夕刊が四八%。読売新聞の朝刊が五五%で夕刊が五六%、このくらい十月になってからいままでのところ——一月平均でやられるそうですから、半ばだけで断定することはできませんが、大体いままでの慣例からいっても十月は広告が多い月だそうですから当然かもしれませんが、新聞用紙の不足が現実の問題になってきて、製紙会社からも各社に対して紙の削減を申し入れているということを聞いておりますが、そういう段階で相変わらず広告量は規定をはるかに上回っている、こういう状態ですね。こういう点について、ひとついままでよりももっと強力に通産省からも話しかけをやっていただきたいのです。何かそれを通産大臣として政府の命令的なものでやるということはできないかもしれないし、それはやらないほうがいいかもしれないけれども、実際上の政治指導ということはやられるべきじゃないかと思います。 もう一度、この点について大臣の見解を確かめておきます。
○中曽根国務大臣 政治指導をやる意思はありません。ただ、すでにやっておりますように、業界が自主的な立場で話し合いをしていまのような問題を解決していただくようにお願いはしてあります。
○米原委員 それでは、この点について郵政省の方にお伺いしたいのです。 郵便法の規定によると、第三種郵便物の要件としては広告が全体の五〇%以下と定められているわけですが、いま例にあげたこれらの新聞はいずれも第三種郵便の許可をとっているにもかかわらず、この規定が厳格には適用されてない。適用すれば、これは全部第三種郵便物として扱えないということになるはずでありますが、この点郵政省ではどういうふうに措置をとっておられるかを聞きたいと思います。
○守住説明員 御質問にございましたように、私ども、一つの版と申しますか、ある日だけでございませんで月を単位として、暦月でございますが見ておりますし、またその版数につきましても、たとえば東京のごときはセットで夕刊含みで十三版もある、県ごとにいろいろ版数が異なっております。したがいまして、その版を一つのグループと見まして、このグループの中で平均五〇%以下、こういう線で地方郵政局あるいは郵便局の引き受けの段階でいろいろ記録をとりましてチェックをしておるという状況でございます。 ただ、この点につきましては、従来、これはだいぶ前から新聞界その他とはいろいろ議論のあるところでございまして、広告に対します認識あるいはまた購読料へのはね返り、そういうものからする大衆と新聞との結びつきと申しますか、そういう角度で長い間いろいろ議論が行なわれておりますし、また諸外国におきましても、このような第三種と申しますか、新聞につきましては、特別の割安料金の制度を設けておりますけれども、これにつきましても、諸外国の例は、広告につきまして必ずしも五〇%未満という国ばかりではない、むしろ多い国もあるということから、われわれあの省令の中におきまして五〇%未満というのをきめたわけでございまして、きめておる以上はその運用につきましして的確、厳正を期していきたい、このように考えておりますが、ただ、新聞協会からはそういう制限はなしであるべきではないかという議論が絶えず繰り返されておるということは、先生御承知おきをいただきたいと思います。
○米原委員 いまの計算のしかたでいきますと、たとえばさっきも申しました朝日新聞の広告欄でも、東京の場合はかなり五〇%をこえて、名古屋のほうの版はそれより割っているというのを込みにして計算すると、それでもどうも、「新聞之新聞」が発表しているのですから、九月の場合五〇%をこえているという結論が出ておるようですが、そうしますと私は相当問題だと思います。少なくともこういう規定がある以上、これは厳重に適用していただきたい。実際には、さっきも申しましたように、新聞の広告欄というものを全部なくしろと言っているわけではないのですが、しかし、言論、出版の自由という点から見れば、広告欄というものはそういう一般的な言論とは全然別の問題だと思うのです。もしも紙が不足して節約しなくちゃならぬということになると、むしろここにまず手をつけるというのは当然のことじゃないか。私は、この五〇%というのでも、いまの計算のやり方をやりますと、ある版では非常にこえていても他の版でこえてなければセーブされないわけですから、厳重な適用をするためには五〇%じゃなくて、広告欄の比率を三〇%ぐらいにしたっていいではないか。そのくらいにやっても、実際は五〇%こえる版が出ても、全体としていま言われた計算のやり方をやるのだったら、三〇%ぐらいにしたっていいのじゃないか。そういうふうにされれば、いま起こっておるような新聞用紙の不足の問題でも、いまの程度だったら私は解決がつくのじゃないかと思うのですよ。そういう点でこのあたりを変えられる考え方はないかどうか、これをもう一つ聞いておきたいと思います。
○守住説明員 まず前段のほうでございますが、九月のたとえば朝日でございますけれども、おっしゃいましたように、都内版につきましては五四%ということになっております。地方のほうにつきましてはこれが平均いたしまして三七ということで、総トータルを平均いたしまして四九%、読売の場合は総トータルが四五%、こういうことに現状は把握いたしております。なお、今後のそれを四〇%、三〇%にという問題でございますけれども、私どもの立場といたしましては、第三種の認可というものの法律二十三条を受けました省令あるいはその運用という立場で、紙不足の角度からこれを云々するというのは非常にむずかしいのではないか。ただ、一般の世論と申しますか、一般社会の良識の中で各方面の方々がそれなりの方向へ向いていただくことを私どもとしては非常に期待をいたしておるわけでございます。
○米原委員 そうしますと、いまのような計算で、ほんとうはもっと詳しく聞かなければならぬのですが、これは何%だったというのは郵政省のほうに各社が報告を出すわけでしょう。それに基づいて計算をやっておられるわけでしょう。あるいはそれを全然別に独自の機関で広告欄が何%を占めておるかということを調べておられるのか、あるいは各社が出す報告をそのままうのみにされておるのか、このあたりもちょっと聞きたい。
○守住説明員 調査いたします方法といたしましては、各新聞の段別で把握をいたすということにいたしております。それからもう一つは、各グループに分けまして、それを加重平均いたしまして、そのグループを代表する版につきましてわがほうそれ自体としてもチェックをいたしておるわけでございます。
○米原委員 実はいま言われた問題は、第一線に立っておられる新聞記者の方々の意見も私聞いたのですが、日夜何とか正確な報道を国民に知らせたいと考えておられる新聞記者の方も、この広告の問題についてはやはりもっと変えるべきではないかという意見がかなり強いようです。このあたりはどうしても反省してもらわないと、この新聞用紙の不足の問題から、大資本は別として、一般の地方新聞とか、いわゆる二流といわれる新聞とか、あるいは労働組合や、政党の機関紙とか、一般の民主団体の新聞とか、そういうものが発行不能になるところがかなり出かかっておるようです。そういうところがいま言われたような大新聞のこういう紙の使い方のために犠牲にされていくということになりますと、言論の自由を守るという美名のもとに実際は自由が抑圧される結果になる。これはもう憲法上の問題にもなるわけですから、ゆるがせにできない大社会問題になると思うのです。その点で、やはり第三種郵便物の規定にしましても、このあたりから手をつけるのが一番妥当なやり方じゃないか。これは一般の世論を聞いてみましても、広告を制限することはけしからぬというのは、それで経営を立てているところは別として、一般の世論としては、そのあたりから締めていくべきじゃないか。私は、自由民主党の政務調査会のほうで立てられた調査を見ましても、やはり第三種郵便物の問題を何とかすべきであるということに触れておられるのを先日読みました。当然だと思うのです。この点について何らか手を打つべきじゃないかということを痛切に感ずるのです。これはいま言いましたように、与党である自由民主党の政務調査会だってそういうことを言っておりますが、具体的な案というのはまだ知りませんし、出ておらないようです。このあたりについて再考される考えはないかどうか 通産大臣の意見をひとつ聞きたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 自由民主党の考えは自由民主党の考えでありますが、通産大臣といたしましては、先ほど申し上げましたように、用紙の割り当てその他について政治指導する考えはありません。
○米原委員 そういう点で最も先進的にいままでいろいろな発言をされてこられた中曽根通産大臣としてはあまりにも消極的だと私は感ずるのです。 この紙不足の問題と関連して、もうすでに御存じだと思いますが、製紙メーカーのほうは、四月から七月までの納入実績を基準にして、それぞれこれは独自でやっているわけですから社によって違いますが、その五%程度減らす、こういうことを通告しているわけです。御存じのように、新聞用紙の消費は、朝日、毎日、読売、日経、産経というような大手の五社だけで新聞用紙の七〇%を消費しているわけですね。王子とか十条という製紙メーカーの一流のところも、新聞用紙の自社生産の九〇%まではそういう大新聞社に供給しているのだということを言っております。私も先日こういう製紙会社にも行って意見を聞きました。そう言っておりますが、そうなりますと、こういう五大新聞社だけは必要の大部分はすでに入手されておると思うのです。少し足りなくても、いま言った王子や十条という以外の製紙会社から若干補充的に購入すればやれるという実情だと思うのです。ところが、それ以外の中小新聞社やあるいは民主団体、労働組合、政党などの機関紙となりますと、その残ったワク内で取り合いということになって、結局そうすると力の強い大新聞社が若干値段をつり上げても新聞用紙を確保する、こういう事態になってきます。こういうことになりますと、実際は、言論の自由を旗じるしにする新聞社が他人の言論の自由のほうは抑圧するという客観的な結果になるわけであります。何とかして広告量の削減とか、効果のある紙の節約法をとるべきだと私は思うのです。そういう点で、現実には紙の不足といいましても、さっき言われたように、若干需要が供給をオーバーしたという実情で、世界的にいま紙不足になっておりますが、日本の実情を見ると必ずしもそんなにたいへんな状態ということは、大きな数字で見たら、ないのです。だからここで必要なことは、この少なくとも出ている紙を公正に配分する、そういうことをやれば大体解決できる程度の問題だと私は思うのです。先行きのことは、それぞれ生産増強とかいろいろな手を打たなければなりませんが、当面起こっている問題は、公正な配分を実行するというところになると思うので、具体的な提案として、たとえばということで広告の問題を取り上げたわけですが、その点について公正な配分をやる、こういう点について政府はどう考えておられるのでしょうか。ただ一律にいままでの得意先に対して五%減らすというようなやり方が公正だと言えるだろうかどうか。物が足りないときに、たとえば戦時中でも統制ということをやりましたが、そういう戦争のもとで行なわれた統制なんていうものは決して望ましいものじゃありませんが、実際に物が足りなくなったときに、たとえば食糧が足りなくなったときに配分するということになると、とにかく国民の最低生活をやっている人たちを保障するということが必要なんで、そのときには大口消費者のところを削減して、あとのところは公正に配分するという措置をとるのが常識だと思うのです。そういうような社会常識から考えても、こういう用紙の七〇%も占めているようなところの節約という問題ですね、これに対して何か有効な手をとらないと、それは、自由を保障するためにあんまり政府が干渉することは望まないんだと言われましても、実際は逆にそういう大企業の自由を保障するために中小企業は犠牲にされる、自由が逆に奪われていくという結果になるわけです。この点についてもう一度通産大臣の見解を聞きたい。
○中曽根国務大臣 戦前の言論統制は、あなたがおっしゃるようなところから実は始まって、それが玄関口であったわけであります。資材不足というようなところから国が介入してきて新聞割り当てをやる、そのために言論が萎縮してきたというのが一つの原因であったように私は思うのです。公正とおっしゃいますけれども、何が公正かということは、みんな考えが違うわけです。共産党がいう公正、公明党がいう公正、民社党がいう公正、自民党がいう公正、おのおのの世界観があるわけでありますから、結局これはなかなかむずかしい。それで、一人の人間の言うことが正しいというよりも、みんなで懇談をして、関係者立ち会いで納得するというやり方がまず一番ベターな公正ではないかとわれわれは思うわけであります。政党の機関紙なんかも、いろいろ売り込み競争なんかしておりまして、米原委員も御存じかもしれませんが、いろいろな政党が月間完遂運動であるとか、だれだれは割り当てを完遂しろとかしないとか、わが党でも一生懸命そういうことも実はやっている向きもあります。そういうようなことで、要らぬのに窓口に置いていかれたというのもありますし、そういうようないろいろな例もありますから、公正という考えの取り方が非常にむずかしいわけです。結局、だから、まず戦争のあの苦い経験から考えてみますと、関係者が話し合って良識に基づいてお互いが納得する線を出し合う、それが賢明だと思いまして、八月以来そういう措置をとっているわけであります。
○米原委員 抽象論で言えば、公正ということについて確かにいろいろな意見があります。そういうことはわかりますが、まだそこまでいっているほどの問題じゃないと思うのです。これはもう社会常識の問題だと私は申している。いまの事態は社会常識の範囲で解決できる程度の問題じゃないか。そこが、初めから大手業者だけが紙を買い取れるというようなことは、決してこれは望ましい事態じゃないと思うのです。そんなに何か、自民党と共産党は公正についても考え方が違うというような議論を持ってくるのはちょっと違うんじゃないか、筋違いじゃないか、こう感じますが、まず通産大臣の意見はよく承っておくことにしまして、もう一つこれに関連して、これに乗じた値上げの問題ですね、これについて御意見を聞いておきたいんです。 例の業界紙の「新聞之新聞」の十月十八日付を見ますと、十条製紙と丸住製紙、大王製紙、この三つの製紙会社が取引先の新聞社に対して新聞用紙の値上げを申し入れて、一連について二百五十円です、おそらくほかの業界の方にも聞きましたが、これはまあ協定して値上げしたらそれこそ違反になりますから、そういうことをやられるわけはないと思うのですが、それぞれこれは値上げされるようですね。そうしますと、一連で二百五十円とか二百六十円という値上げをやりますと、先般七月に一般の新聞紙全部が新聞代金の値上げをやりました。ところが、一連二百五十円の値上げをやれば、あの値上げで浮いた金というのは、ほとんど帳消しになるだろうと思うのです。そうすると、おそらく新聞の値上げは、また来年早々にでも行なわれるんじゃないかということは、これはだれでもわかることだと思うのです。そういう形勢になっているわけですね。もちろん各社にはそれぞれの事情があるでしょうから、その経営の状態なんか聞かないで、これは全部が不当であるということを言うのは少し早過ぎるかもしれません。とにかくこれはたいへんな影響、また物価の値上がり問題に影響を与えていくことは必至です。 この点で、先日、日経産業新聞の十月十六日付ですが、ここに紙不足の問題について、アメリカのこれは世界第一の製紙会社インターナショナル・ぺ−パーの会長のポール・A・ゴーマン’という人が、紙不足の原因についてしゃべっています。それを読みますと、結局インフレで急増するコストを価格に転嫁できないので製紙メーカーの利益が圧迫されているために設備投資もできない、これが紙不足の原因であるということを言って、紙を値上げさえすれば紙不足は解消するんだ、こんなことを言っておられるわけです。これはもちろんアメリカの会社のことで日本とは違いますが、この会長の発言を見ると、やはり日本の業界についても同じような事情だということもしゃべっているようですし、しかもこの会社を見ますと、自分がしゃべっていますが、七二年度には一億二百七十四万ドル、つまり一億ドル以上の収益をあげたと言っている。あげたけどこんなもんじゃ話にならない、もっとあげなきゃならないんで、その点でこんなもうけじゃしようがないんで、もっと価格を上げろ、上げさえすれば紙不足は国際的にも解消する、こんなこともしゃべっています。それで、こういうような調子でどんどん上げられたら、これはたいへんなことになります。おそらく世界製紙業界の一番の大御所がそういうことを言っておるわけですが、今度の日本の紙不足も、ただこの紙不足に乗じて、またこれがどんどんとてつもない値上げをやられたのじゃたいへんなことになる。物価全体が上がっていくことが社会問題になっておるおりからでありますから、またこれに乗じて一部の業者が買い占めをやるとか独占的に買い付けをやるとかいうことになると、ほかの商品で起こっている以上の混乱が紙の問題で起こってくると思う。紙の問題は、大臣も何回も言われますように、言論の自由にかかわる問題でありますから、決して軽視できない。一歩誤ると、これは言論の自由を押えることになります。そういう意味でも、こういう状況にかなり敏感に通産省としても対処していただきたいのです。この点について最後的にひとつ大臣の見解を聞きたいと思います。
○中曽根国務大臣 現下の物価問題並びに新聞等の果たす社会的、公共的な役割りにかんがみまして、新聞用紙の代金の値上げ並びに新聞代の値上げ等については極力自粛していただきたい、私は切に要望するものであります。
○米原委員 希望としてそうおっしゃる——当然希望されなくちゃならぬと思いますが、もっと効果的な手をその点で打っていただきたいのです。通産省としても、この紙不足の問題で節約運動を始められるということが新聞紙上にも出ておりますし、閣議でもそれをきめられたそうでありますが、それを読みました。読みましても、どうもこれだけじゃ一なるほどほかの商品の場合に、いままで政府自身が先頭に立っていないじゃないかという批判がいろいろありましたが、今度の紙の場合には、大臣が先頭に立って、官庁から紙を節約していくと言われるのですから、そのことは私たちもけっこうだと思うのです。政府がやればまた地方官庁もやる。これもみなけっこうです。しかし、紙の実情は、官庁がやるだけで解決するような状態でないことは御存じのとおりであります。何かもっと有効な手が現実的にとれるのじゃないか。節約運動にはわれわれも協力したいと思うのですけれども、それができるような何か次々と手を打っていく必要があるのじゃないか、こう思いますから、ひとつその点もさらに考慮して抜本的なやり方を考えていただきたい。これを訴えまして、私の質問を終わりたいと思います。
○浦野委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 今日資源問題という点につきましては、これは非常に大きな問題としてクローズアップしてきているわけでありますけれども、そういう点におきまして、今後経済、外交等におきましては、やはり一体となったそういう取り組みが必要であると思うのです。具体的には外務省なり通産省のそうした取り組み、また相互の関係というものはより一そう連携をしていかなければならないと思うわけでございますが、この問題について中曽根大臣のお考えを承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 資源問題は、いま世界的な問題として登場してまいりました。ことしの春先からは、まず食糧問題が大きな問題として登場いたしましたが、これはソ連が気候の理由その他から非常な不作でありまして、約二千万トンの食糧不足と伝えられて、アメリカに対してこれが購買を行なったとき、たまたまアメリカは端境期、また余剰農産物がなくなったというときにそれを受けたものでありますから、大豆その他の問題で日本にも波及して、世界的な食糧不足が云々された状態でありました。しかし、幸いに、アメリカもカナダも非常な豊作の状況で、三割をこす情勢であると伝えられておりますし、日本も豊作でありまして、大体、食糧問題については、目下のところは、来年は安心していけるだろうというような情勢で推移できると思います。 次は、石油問題でございます。これは中東紛争の発展の状況を注意深く見守りながら、われわれとしては、日本の石油の需給を、国民に迷惑をかけないように今後とも努力していかなければならぬと思っております。一番心配しておる灯油の問題につきましては、大体百日分ぐらいの確保がすでにございまして、量的には心配はございません。値段の点で、九月の平均価格を上回らないように、一かん四百円台にならぬように、われわれとしては行政指導を強力に展開しているつもりでおります。一般の非鉄金属等につきましても、不足の状態、あるいは戦争の動向等を見ました乱高下等が見受けられます。しかし、これらも中東紛争の鎮静化に応じて、次第に鎮静していくものであると思っております。しかし、全般的に見て、日本のような資源のない、海外から資源を輸入して生きでいく上につきましては、重要な資源を確保しておくということは国策の基本でもありますので、来年度は、特定重要資源の備蓄等も考えまして、政策を進めてみたいと思っております。
○近江委員 ちょっと私がお聞きしたのと答弁が違うように思うのです。そういうこともお聞きしていいわけですけれども、具体的に、外務省と通産省の今後の連携についての大臣のお考えをお聞きしたわけです。具体的な問題としまして、この七月の十二日にエジプト、イスラエルなど、中近東の十四カ国の駐在の大使が参加して、中近東大使会議を開いたわけですが、これは当然国際的なエネルギー危機を背景とするところから、石油の安定供給の確保問題について焦点がしぼられたと思うのですが、その結論は中近東諸国からの石油の安定供給に不安は見当たらない、こういうことであったと思うのです。そういう点におきまして、政府として、外務省から大使会議の結論なり、中近東の情勢にかかる情報聴取で、第四次の中東紛争発生など、こういう見通しについて考えておられなかったのではないか、このように思うのですが、その点についてはどうですか。
○中曽根国務大臣 中近東大使会議のおりに、中近東から来た大使から私は直接話も聞きましたし、外務省の観測も聞いておりましたが、私個人といたしましては、この五月にイラン、サウジアラビア等を歴訪いたしまして、直接責任者にも会い、その後いろいろその筋の方面からの情報等も手に入れておりまして、石油問題がかなり政治問題に登場してくる、そうして、石油の供給自体がかなり世界的な問題になってくる、また、アラブが石油を政治的武器として使う可能性が非常に出てきた、そういう時期がかなり切迫してきている、そういうことも七、八、九月ごろから十分に感じておったところであります。戦争が勃発するとは考えておりませんでしたけれども、しかし、石油がともかくアラブの大義といいますか、そういう政治的要求を実現するための一つの武器に使われるという時期が非常に切迫してきたということは、自分でも承知していたところであります。
○近江委員 中曽根大臣はそういう把握をしておられたわけですが、こういう有能な大使が十四人も集まって、石油の供給に不安が見当たらない、こういう結論を出しておった。今後はどうしても国際情勢の見通しなり、そういうことにつきましては政府全体として的確なとらえ方をしなければいけないと思うのです。こういうような結論を出しておって、今回のようなこういう事態へ発展しておる。こういうことについて、政府全体のとらえ方についての反省をひとつお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 アラブに駐在している大使たちは、ある程度私らと同じような緊迫感を持っていたのだろうと思います。しかし、表に発表する場合に、緊迫しているとか、危険であるとかというようなことは、石油の買いだめ等も誘発するという考えもあって、安定供給の可能性について言及しておったのではないかと私は思います。現地におる大使は、やはり現地と接触しておりますから、かなり現地の切迫した感情というものはよく知っていたと私は思います。
○近江委員 今回の中東紛争の特徴というものは、石油を武器にしてアラブ諸国が統一を保ち、結束を保っておるという点があげられるのじゃないかと思うのですが、OAPECの決定に基づいて原油の生産削減に踏み切ったわけです。この中東戦争は一応停戦という状態になったわけでありますけれども、今後こういう削減という問題は続くであろう、このように思われるわけですけれども、そういう問題について大臣としてはどういうように受け取っておられますか。
○中曽根国務大臣 中東における戦火がやんだことはわれわれまことに歓迎すべきことでありまして、アラブ、イスラエル両当事者の態度を大いに歓迎いたしたいと思います。そして一日も早く完全な和平が訪れることを祈っておる次第でございますけれども、いまの事態から見ますと、長い因縁のある問題でございますから、やはり完全な両方の合意と行動が一致するというまでにはかなり時間もかかり、その間政治というものが、この交渉妥結の促進剤として石油等が武器として使われるという可能性は十分あると私は思いまして、推移を見守って対策を十分とっていくようにいたしたいと思います。
○近江委員 OECDの石油委員会で消費国の立場をまとめる、こういう動きがあるように聞いておるわけですが、政府として、日本の声というものをどのように反映させるお考えでありますか。
○中曽根国務大臣 OECDから連絡がありまして、この石油委員会は常時、機に応じて開かれておるものであります。今回も同じように、こういう機に応じて開かれたものでありますが、日本としては産油国と消費国が対決するというようなことは絶対回避しなければならぬ。それで、産油国の立場も重んじつつ、消費国との話し合いがうまくいくような環境づくりをやるということが非常に大事である、日本の立場はそこにあるということを強調するように、それからまた石油の値段が著しく高くなるというようなことは、これは一面において製品価格にはね返ってきて結局世界経済全体がインフレ傾向に走っていくことで、どの国の利益にもならない。そういう面から、世界経済全般の円滑な運営という面から見ても、この石油の値段が暴騰しないように、これは各国とも協力し合うという必要がある、そういうような面についてもわれわれは発言すべきである。 しかし一番大事なことは、何といってもこれは産油国と消費国の協調、感情的な疎隔疎遠を起こさないということが一番大事なことなのでありまして、長期的に世界経済並びに産油国、消費国の共存共栄という立場から十分協調して、また産油国が十分石油を産出し供給できるような環境づくりをやるという点について消費国も協力しなければならぬし、産油国のリーズナブルな主張に対してはわれわれはまた十分耳を傾けなければならぬ要素も多々ある、そういう点について日本の立場を明らかにするように指示したところであります。
○近江委員 この石油委員会におきまして、日米、ECの主要消費国との間で緊急時の石油融通協定案というものが推進されておるということを聞いておるわけですが、そういう具体的な作業が進められておるのかどうか。 また、この石油の緊急融通制度など、相互協力を推し進めるということにつきまして、石油を武器にして戦うというような現状下において、消費国の結束を表面化させるとOAPECに対する挑戦と受け取られるおそれがあるのではないか。こういう点については、政府としてはどういうようなお考えでおられるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 消費国の緊急時における融通については、OECDのワク内においていま検討を進めさせております。日本としてはこれに協力するにやぶさかでない立場も明らかにしております。これはしかし、やはりその国その国が国民生活を維持していくために必要な範囲内でやろうとするのでありまして、そういうような生存、生活を維持する最後の手段として融通し合うということが産油国に対する挑戦的行為であるというようにわれわれは考えておりません。
○近江委員 石油をめぐるこういう争いといいますか、そういうものが今後懸念されるわけですが、たとえば具体的に東一楽毛力がイランから天然ガスを大量に輸入する計画で商談を進めておった。ところが、米国のトランス・コンチネンタル・ガス・パイプライン社にさらわれたということも聞いておるわけですが、米国企業が最近中近東を中心といたしまして猛烈な買いあさりを続けておるということを聞いておるわけですが、こういう状態では、消費国内の協調体制にひびが入ってくるのではないか、石油の争奪に一段と激しさを加えるのではないか、こういう点を心配しておるわけであります。 さらにまた、具体例として、国際石油資本のエクソンとリビア政府の国有化措置との争いで、わが国のリビアの直接販売原油購入に対して、購入阻止の警告を伝えてきておるということも聞いておるわけですが、こういう動きにつきまして非常に心配点があるわけですが、大臣としては、どのように受けとめておられますか。
○中曽根国務大臣 日本は、長期的、安定的供給と、それからやはり国際協調ということを一つの大きな政策として掲げているわけでありまして、そういう点については、どこの国における需要供給についてもわれわれは当てはめていきたいと思うわけであります。イランにおいてガスの問題がわれわれの不本意に解決したことば残念であります。これはまたわれわれの努力不足があるのかもしれません。 リビアの問題につきましては、リビア国のそれぞれの御事情がお互いにあるんだろうと思いますが、日本はそういう申し上げたような原則をたてまえとしながら、外国の制肘を受けずに、自主的に自前でものを決定して、独自の政策を進めていきたいと思っております。
○近江委員 田中総理が訪欧された際、消費国と産油国を同じテーブルにつかせる世界石油会議構想を打ち出しておられるわけですが、いま申し上げたようなこういう具体例から見ますと、各国が一堂に集まるということすら非常に困難があるように思うのですが、政府としてこういうような問題について、国際的なそういう規模で解決を求めていかれるお考えですか。
○中曽根国務大臣 そういう考え方であります。石油問題は国際的協調の中に、産油国、消費国おのおのの協調で解決されなければ長期的な安定的な解決の方法はないわけであります。一時的な利得を消費国あるいは産油国が獲得しようとしても、長期的な安定的供給というものほど長い時期にわたって相互にベネフィットを及ぼすものはないと私ば思うわけであります。そういう立場から田中総理の消費国、産油国が同じテーブルについて虚心たんかいに話し合うということは、私らの一番念願していることでありまして、そういうことも私は不可能でないと思っているわけです。今日はなかなか感情が波立っておりますからむずかしいかもしれませんけれども、世界経済全般の繁栄及び利益の享受それから産油国、消費国おのおのの利益という面から考えてみましても、お互いが話し合いでそういう妥協点を見出すということが摩擦を少なくして、また利益の多い立場になる。おのおのが次第にわかってくると思うのです。だからそういう日が実現するまでわれわれは営々として努力していくべきであり、それが日本の立場である。国連におきましてはFAOのような農業機構がございますが、石油等につきましてもそういう機構ができれば望ましいのではないか、それがまた第一歩になるのではないか、そういうように考えておる次第であります。
○近江委員 そういう大臣の構想をいま発表されたわけですが、それは国連等に大臣の提案として、また日本の提案として出されるおつもりがあるわけですか。
○中曽根国務大臣 これは、私がかねがね考えていることを御質問がありましたからお答え申し上げたので、政府としてそういうことを提議するかどうかは検討すべき問題であると思います。
○近江委員 従来産油国に対してドルで支払ってきました輸入代金を円決済でしてほしいという要請が非公式ではあるけれども提案されておるということを聞いておるわけですが、大臣としてはこの点どう思われますか。
○中曽根国務大臣 それらの点につきましては関係当局と相談しなければならぬところであります。大蔵省側は円が海外に流れるということはかなり警戒的な要素もあります。それは円の投機その他のいろいろな問題が将来惹起される危険性があるからだろうと思います。しかし、日本の経済的、国際的地位が向上するにつれて、そういう形で経済が流れていくということは一つの必然の流れであるとも私らは考えるわけです。したがいまして、私らは、私個人といたしましては、そういう時代の趨勢に反対の行動をとるということは日本に適さない、いずれそういう時代も来るのであるから、適切な処置をしながらそういう方向に協力するということもまたわれわれは可能性として検討していかなければならぬ、そう思います。
○近江委員 円の国際化という問題が政府部内においても非常にあろうかと思うのですが、今後の日本経済の発展という点から考えて、円の国際化ということは非常に大事であるということの声が非常に強まっておるということも若干聞いておるわけですが、通産大臣は、先月だったですか、三重県伊勢市での研修会で来年度からデノミネーション実施のための調査と準備を進めるべきであるという発言をされたと聞いておるわけですが、これも円の国際化ということが念頭にあっての発言であるわけですか。
○中曽根国務大臣 もちろんそういうことも頭にあったことであります。私があれを申しましたのは、いずれ円のデノミネーションということは経済が鎮静すれば必要であろう。来年の七月までに国際通貨体系の話し合いが行なわれるように期限がつけられてありますし、日本経済も来年にはだんだん鎮静してきて正常化していく。そういうような時代的な見通し等も考えてみると、円のデノミネーションに対する国民のアレルギーをできるだけ解消することがよろしい。それには繰り返し繰り返し心配がないのだ、また匿名預金にも手をつけません、あるいは財産調査もいたしません、心配はございませんというようなことで、安心して行なえる土壌づくりをやることが望ましい。かつて円の切り上げはやりませんと言っておって突如そういうことが起きて、六十億ドルもドルを買いささえたという不幸な経験がありますが、そういう通貨の問題をアンタッチャブルな聖域みたいにしておくとアレルギーが起こるものであります。だから何回も何回も国民の心が平静に受け取るような環境づくりをやるということが非常に大事であると私は思ったわけです。 私はよく言うのですけれども、伊勢皇大神宮に朝お参りしたら、天照大神から、これ、そろそろPRを始めよというお達しがあったよ、そういうことを言いましたが、まあ日本民族として考えてみると、政治のスケジュールを長期的にも政治家として考えなければならぬので、そういう長期的な見通しの中で、そういうような準備行為というようなものを始めることは適当である。青年に対して国家を正常化していく上の一つの過程として、そういう話をしたものであります。
○近江委員 それから諸外国におきましては、石油消費の規制とか、いろいろな具体的なそういう形が出ておるわけですが、大臣は、一応安定供給がだいじょうぶである、心配要らない、しかし、片一方事務局ではいろいろな用意もされておるということを聞いておるわけですが、今後その点につきまして立法化の考えというものはお持ちであるわけですか。
○中曽根国務大臣 まだ七十九日分くらいの余裕がございますから、じたばたする必要はない情勢で、そういう意味で、いますぐ節約をするとか行政指導で規制するとか、そういうことは考えておらないです。しかし、世界的にこういう情勢でもありますから、将来いかなる時点に、いかなることが起こるかもわからぬというのは事実であります。でありますから、いろんな段階に対して通産省が用意は整えておいて、やるというときにはいつでもやれるような事務的な準備だけはしておきなさいと通産省当局に命じて、そういうことはいま研究しておるところであります。その中には、立法措置も含まれておるわけであります。
○近江委員 石油精製につきまして、現在の石油業法ですと、消費地の精製ということでありますが、最近、現地精製という問題が出てきておるわけですが、そうなってきますと、石油業法等の見直し等もやはり問題が出てくると思うのですが、この問題についてはどのようにお考えでありますか。
○中曽根国務大臣 その点は同感でございまして、現在の産油国、消費国の関係を見ますと、先進工業国が産油国に対してインフラストラクチュアや工業建設のために積極的に協力すべきときであると思い、日本もそういう考えに立ってやります。その場合に、製品のさばき方が問題になってきますが、一部をわが国で輸入するという考えも、これは当然考えてこなければならぬ問題でもあります。そういうところから石油業法の検討あるいは関税制度の検討等も含めてわれわれは検討しなければならぬと思っておるところであります。
○近江委員 この原油の大幅値上げ攻勢、これが非常に大きな問題になってきておるわけですが、今後のメジャーのそういう態度等も見なければわからないわけですけれども、こういうことで非常にそういう問題が生活等に大きく波及をしてくることは当然考えられるわけです。特に、運賃であるとか電力値上げの問題等、非常にいろいろな点で心配されるわけでございますが、こういう波及という問題について、特にインフレが高進いたしておりますし、これ以上こういう基本的な点が大幅に値上げということになってまいりますと、国民生活の破綻という点になるんじゃないかと非常に心配されるわけです。こういう波及という点について大臣として値上げをさせない、抑制する、こういう方向でやはり考えてもらわなければ困ると思うわけですが、その点について基本的なお考えをひとつお伺いしたいと思うわけです。
○中曽根国務大臣 値上げは極力抑制する、便乗値上げはこれを許さない、そういう立場で政策を進めていきたいと思います。
○近江委員 それから特に灯油につきましては、東北、北海道はじめ全国どこの地域でも冬季は非常な問題になるわけでありますが、この卸値について通産省から九月平均の価格で押えておる、こういう指示を出されておるわけですが、現実には四百円を上回っておるところがほとんどなんですね。通産省が調査されたのは九月と思いますが、十月の時点になりますと、高いところはもう四百数十円とはね上がっておりますし、そういう点におきましてこのストックが百日あるということはエネルギー庁長官もおっしゃっておるわけでありますし、当然便乗値上げの動きということが考えられるわけですが、これはもう極力押えなければいかぬと思うのです。この点ひとつ大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○中曽根国務大臣 その点は全く同感でありまして、御趣旨に沿って努力をいたすつもりでおります。
○近江委員 これは担当大臣におっしゃっていただいたのでことさらお聞きする必要はないわけですが、経企庁も来られているわけですので、経企庁の決意をひとつお伺いしたいと思います。
○有松説明員 経済企画庁といたしましても、伝えられるこのような動きに対しましては事態の推移を注視いたしまして、ただいま通産大臣おっしゃいましたように、通産省とも十分連絡を保ちまして電気等の公共料金についての極力抑制という態度、また灯油につきましては小売り価格の便乗値上げの抑制ということにつとめてまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 それから石油の備蓄の問題でありますが、輸送中のものも含めて七十九日である、現在貯蔵しているのが五十九日ですか、五十八、九日と聞いておるわけですが、やはりこういうような紛争等の場面に出くわしますと、備蓄の少なさということは非常な不安を覚えるわけですが、備蓄の増加について特別に考えていかなければいけないのじゃないか、このように思うのですが、大臣としての具体的なお考えをお聞きしたいと思います。
○中曽根国務大臣 私、就任以来石油の備蓄につきましては鋭意努力もし、またいろいろ御協力を願ってきておるわけでございますが、最近七十九日分ありまして、そのためにいまアラビアで若干の削減があっても国民に心配をかけないで済む状態になっているわけであります。しかし、日本の消費量がかなり大きく伸びていく次第でございますから、それに応じて備蓄量も多くなるわけでございまして、そういう意味において、石油のような重要なものの備蓄につきましては、国際協調の関係からも責任も出てくるものであろうと心得ます。すなわち、OECDの緊急時の融通ということを考えてみましても、ヨーロッパが九十日備蓄している、日本が六十日備蓄、そういうことではつり合いがとれないし、先方からも苦情が出るという条件にもなります。そういう面から並行したラインで備蓄が行なわれているということがやはり緊急融通事態を切り抜ける公平なやり方にもなるかもしれません。そういうことも考えまして、備蓄政策はさらに進めていきたいと考えておるわけであります。
○近江委員 大臣の考えとして何日分くらいの備蓄をされたらいいと思われておるか、またそれに対して具体的な裏づけとしてどういうことをお考えか、その点さらにお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 やはり終局的にはOECDの各国並みの備蓄まで届くように、時間はかかりますけれども努力していくべきだと思います。
○近江委員 田中総理がヨーロッパ、ソ連を訪問されたわけですが、そのときにシベリア開発あるいは北海油田等の開発協力についての御発言があったわけですが、これは担当の通産大臣としてどのように受けとめられ、今後どういう行動をとられるのか、お伺いしたいと思います。 〔委員長退席、田中(六)委員長代理着席〕
○中曽根国務大臣 それは日ソ友好あるいは世界平和、そういうような面から、また一面におきましては日本の資源の獲得、そういう面からも話し合いを友好裏に進めてシベリア開発に日本が協力できるように、われわれのほうの側からもいろいろ政策をできるだけ進めていきたいと思います。
○近江委員 それで、今後のエネルギー問題という大きな問題になってくるわけですが、たとえば電力を見ますと、非常に火力に片寄っておるように思うわけです。今後やはり水力の見直しであるとか、あるいは地熱発電の推進であるとか、燃料源の多様化の問題等、大きな問題があろうかと思うのですけれども、大臣として、基本的に今後どういう方向に行くべきであるかということをひとつお伺いしたいと思うわけです。
○中曽根国務大臣 やはり終局的にはエネルギーの総合活用という面が安定性の強いやり方になると思われます。そういう意味において石炭、石油、原子力あるいはそのほかの天然の、たとえば地熱とか、そういうようなものを総合的に開発してバラエティーな供給源を持っている国に実は発展させたい、そのように思います。
○近江委員 たとえば地熱発電等、この前、委員会として松川のほうへ見に行ったわけでありますが、地熱発電等をやっていくという点になりますと、やはり立法化等の措置を考えなければならないと思うのですけれども、その点についてはどのようにお考えですか。
○岸田説明員 いまお話ございましたように、これからの電力資源を考えてまいりますと、火力以外の水力の問題、地熱の問題等について新しい視点から見直しをし、またこれに対する対策を立てていくことが必要かと思っております。お話の中で地熱の問題につきましては、四十八年度以来基礎調査を開始し、できることならば四十九年から多少精密な調査に移り、地熱資源がどの程度賦存するか、それによってどの程度のエネルギー利用が可能かということを調べてまいりたいと思っております。これらの基礎調査の結果、可能性がありということでございましたら、積極的にこれの開発に取り組むという姿勢でいま鋭意準備を進めておるところでございます。
○近江委員 それで、この爆発事故については他の委員からも質問があったと思うのですけれども、こういう連続で事故が起きるということにつきましては、これはもう大体コンビナートの存在自体が大きな問題であると私は思うのです。そういう点におきまして、保安の確保という点については、これはやはり最大の政府としての監督、シビアなそういう姿勢が必要であると思うのです。その点、今後反省されるのは当然として、どういうように対処されていかれるのか、ひとつお聞きしたいと思うわけです。
○中曽根国務大臣 事故が頻発いたしましてまことに申しわけなく思っておる次第でございますが、先般も業界首脳部を招致いたしまして、ともかく増産よりも安全である、それから社長が陣頭に立って責任を持って安全対策をやりなさい、もしこれから以降怠慢とか過失とか、そういうような会社側に責任があるような形で大きな事故を起こしたという場合には、将来の増設等について考慮せざるを得ぬ、そういうこと等を申し渡しまして、いままで以上の最大の関心を持って会社が安全問題に取っ組むように要望し、通産局等にもこれを指示いたしまして監督するようにしているところでございます。
○近江委員 企業の第一次責任、これはきびしく通産省としてもやってもらわなければいけませんし、この総点検についても、エチレンセンターだけに限っておった、こういうような盲点がやはりあったと思うのです。こういうエチレン以外のプラント等も多発傾向にあるわけですし、その点再度やり直しをされるかどうか。 それから法規的に見ましても、高圧ガス取締法におきましても保安距離の問題であるとか、それから消防法等におきましてもやはり企業との協力体制の問題であるとか、やはり中身において相当検討しなければならぬ問題がたくさんあるのじゃないか、そういう点についてはどうお考えか、これは自治省も来られておるわけですから伺いたいのですが、従業員の保安訓練、これは当然だと思います。あるいはコンビナート単独の、たとえば事故防止法等が必要じゃないか、このようにも思うのですけれども、いま申し上げた何点かの問題について関係当局のお答えをいただきたいと思うのです。
○林説明員 お答え申し上げます。 安全点検の問題でございますが、御指摘のように徳山事故はエチレンセンターでございます。したがいまして、エチレンセンターの総点検を実施し、しかるべく改善事項を関係工場に指示し、あわせましてその類似の誘導品工場にも示したわけでございますが、その後チッソ石油化学あるいは日石の浮島等々、いずれも御指摘のように誘導品工場でございます。したがいまして、誘導品工場の安全点検をこの際実施するという手はずをすでにきめておりまして、関係府県の担当者を集め、その実施要領等をいま打ち合わせしておる段階でございます。 それから保安距離の点でございますが、規則にもかかわらず、現在の行政指導の形といたしまして、今後の石油化学コンビナートの場合、新増設の場合には、境界線から二百メートル以上の距離をとるように、それから既存の設備の場合でも、民家からの距離を大体百五十メートルぐらいは少なくとも離すというふうな措置あるいは離し得ない場合にはこれに代替する諸施設をもって補完するということで現在指導しておるさなかでございます。 それから法制面からコンビナートの保安確保に対する検討状況ということでございますが、ただいまの保安距離のほかに、現在高圧ガス取締法に基づきます審議会におきまして、コンビナートの保安体制のあり方、さらにもっと高度な専門的な見地からの保安確保のあり方等を現在集中的に検討しておる段階でございます。 それから従業員の訓練の点でございますが、御指摘のように過去一カ年間、十一件のコンビナート事故が起きておりますが、操作ミスあるいはこの事故時における判断の甘さというふうな点がほとんど共通の原因になっておるような状況でございますので、一般従業員へのマニュアルの徹底あるいは教育訓練あるいはそれに基づきます異常時に的確な措置をとるような訓練等を、企業サイドあるいは府県の監督のもとに実施をし、本省におきましても、そういった趣旨に基づきまして、府県の監督者に対する研修を年二回実施しておる状況でございます。 なお最後に、コンビナートの集積の危険にかんがみまして、これを一体として事故防止のための単独法の検討でございますが、現在、ただいま申し上げました高圧かる審議会におきまして抜本的な保安体制を検討中でございますので、この中の重要な一環として検討を続けておるさなかでございます。その検討の結果に従いまして必要な措置をとるつもりでおります。
○山田説明員 消防関係の御質問でございますが、今回の連続いたしておりますコンビナートの事故につきましては、私ども現場の消防機関としてはそれなりにベストを尽くしておるのでございますが、たいへん遺憾に存じております。 消防法の体系としては、特にこういった危険物に関しまして規制をとっておるわけでございますが、一つは危険物施設の保安員というものを必ず定めなければならないということと、それからもう一つは、工場、事業場等が予防規定を設けまして、市町村長もしくは知事の認可を受けてこの予防規定に基づく保安教育その他に従事しなければならないということになっております。 それから第三には、規模の大きい事業所、工場等につきましては、いわゆる自衛消防組織を持つ。化学車をはじめ要員を置いて組織を置くことになっておるわけでございます。 このような三段がまえといいますか、いろいろな法的な措置によりまして規制をいたしておりますけれども、要は、やはり先ほど中曽根大臣の申されましたように、第一次責任である会社におきます保安教育の徹底という点が私は一番かなめではないかと思うわけでございまして、最近のいわゆる高度成長に伴いましてコンビナート地帯の発展というもの、これは生産技術の向上ということでございますが、その裏づけとしてのいわゆる安全技術の向上というものが相伴っていかない場合には非常に危険でございまして、いわゆる砂上の楼閣と申しましょうか、そういうおそれがあるわけでありまして、やはりどうしても企業責任者自体が安全と真剣に取り組む、そういう体制をとってもらわない限りにおきましては、せっかく——せっかくと申しますか、一つの事故が起きましても、それを他山の石として自分のところは事故を出さないということになかなかならないわけでございまして、そういう点につきまして、これは私は通産省、消防庁のみならず政府全体として取り組んでいくべき重要な問題じゃないか、かように存ずる次第でございます。 私どもといたしましては、やはりすでに川崎市であるとかあるいは横浜市等が直ちに発動いたしましたように、消防自体としての企業の一斉査察、総点検ということも、これもすでに相当な効果をあげておりますけれども、こういった点につきまして今後一そう強化をいたしてまいりたい。それから特に企業の持っております自衛消防力の強化と、それから所在市町村の消防力の強化、こういう点につきましては従来鋭意努力いたしてまいりましたけれども、今後一そうこういう点につきまして国としての努力を傾けてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○近江委員 経企庁からもらった資料によりますと、消費者物価指数が総平均で一二・九%、これは前年同月比ですが、卸売り物価が同じく一五七と、戦後の混乱期を除きましての最大のこういう上昇を続けておるわけです。先進諸国も値上がりはしておりますが、データを見ましても日本が一番であります。こういうような状態で、少々のベースアップがあっても生活が極端に苦しい状態に追い込まれておりますし、特に中小零細企業等は資材の高騰あるいは品不足等で仕事もできないというような、国民生活全般にわたって非常にそういう影響が出てきておるわけです。 最近の状態を見ますと、先ほども話しましたように、原油の値上がりというような問題の波及で、電力はじめ運賃等の一斉値上げも予想されておりますし、その他、目につく問題でも、たとえばちり紙が三〇%値上げになったとか、これも九月に三〇%上げたところなんですね。それをさらにまた値上げをする。あるいは農機具も一四%値上げをする。七月に値上げしてまた値上げをする。あるいはコーラ等も値上げをしてくる。あるいは消費者の米にしろ麦にしろ大幅なこういうアップがまた予想されておる。一体どうなるかということです。経企庁が当初予定をしておったそういう消費者物価指数等は、はるかにこれはオーバーしておるわけですね。こういう点においてこれは非常に政府全体の大きな問題になるわけですが、お目付役の経企庁としてこういう問題に対してどうなさっていかれるのですか。基本的にどういう具体策を持ってこれに当たっていくのですか。
○有松説明員 ただいま先生御指摘のように、本年に入りまして物価の上昇は非常に加速化されております。当初本年度の経済見通しを策定いたしました際に比べましても、消費者物価並びに卸売り物価通じまして非常な値上がりになっておりますが、これは、最近におきます当初予想いたしました以上の非常に急速な景気の拡大、それから海外におきますところの農産物の不作による価格の高騰、あるいは海外諸国におけるインフレ含みの景気の拡大、その影響、あるいはさらにことしの春ごろ等より行なわれました一部の商品に対する投機的な需要、こういったようなことがいろいろ重なり合いまして現在のような物価上昇がもたらされておるというふうに考えておるわけでございます。 こういった物価情勢に対処いたしまして、ただいま先生のおっしゃいましたように、個別の品目につきましてはいろいろと上昇の動きがございますけれども、まず全体として総需要が非常に拡大をしておるというふうな考え方に立ちまして、まずこの総需要を抑制しなければいかぬというふうな考え方から、先般来種々対策を講じてまいっておるわけでございます。 具体的に申しますと、金融あるいは財政面からの引き締め、あるいは輸入の拡大、買い占めの防止、こういったようなことを講じてまいったわけでございますが、さらに物価の騰勢が続いてきておったということにかんがみまして、先般八月末に緊急対策を物価対策閣僚協議会で決定いたしまして、公定歩合の大幅な引き上げ、預金準備率の引き上げというような金融の一そうの引き締め、並びに財政につきましてもその執行の繰り延べ、さらに民間の設備投資、建築投資の抑制あるいは自動車の割賦販売等の消費の抑制、こういったようなもろもろの対策によりまして総需要の抑制を通じて物価の安定をはかりたい。かたがた先ほども申しましたように公共料金につきまして極力抑制をはかってまいりたい。このような措置によりまして、今後におきましてはこの対策の効果が次第に浸透してまいるであろう。もちろん海外要因とか、そういった国内の政策措置によりまして十分対処し切れない問題もありますけれども、全体といたしましてはこういった対策の効果が次第にあらわれてくるであろうというふうに考えております。現に最近の商品相場の動きにも一部そのきざしがあらわれておりますので、こういった対策につきまして引き続いて強力に実施を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○近江委員 特に電力なり各種運賃、これの値上げ、これはもう非常に心配されるわけです。それから特に消費者の米価問題ですね。特に麦の値上がりなども非常に大幅なものを予想されておりますし、これについてはほんとに経企庁として腹を据えてやるのですか、もう一度ひとりお伺いします。
○有松説明員 電力料金あるいは運賃、消費者米価、こういった政府が直接介入いたしますもろもろの価格につきましては、従来も極力抑制する考え方をとってきておりますが、今後におきましても関係の向きと種々協議いたしまして、極力これは押えるということで、物価の安定に資するように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 それから特に先ほども他の委員から出ましたが、紙の問題です。非常に不足をしておるわけですが、一つはやはり政府の需給見通しの誤りもあったのではないか、これはもう一番根本だと思うのです。それで現状がこうなっているものですから、そこで前向きにお伺いしたいと思うのですが、紙という問題は、文明が高度になればなるほどやはり消費もふえてきますし、当然節約ということについてはやっていかなければならぬわけでありますけれども、そういう点、通産省としては、今後この不足に対して前向きに具体的にどう考えておりますか。事務局からお伺いして、それから大臣にお伺いしたいと思います。
○橋本説明員 御指摘の紙需給の逼迫に対しましては、当面対策と長期対策の両面から対策を進めております。 まず当面の対策といたしましては、この四月と八月、再度にわたりまして増産の要請をするとともに、便乗値上げ等について極力防止するよう強く呼びかけております。それから九月一日から紙並びに板紙につきましてあっせん相談所を開設いたしまして、主として中小企業、そういった小口需要に対する供給を確保するという体制で臨んでおるわけでございます。 こういった措置に加えまして、長期的には、最も問題でございます原木ないしはチップの開発輸入を進めたい。現にブラジルとわがほうとで共同プロジェクトを検討いたしております。さような原木の開発輸入のほかに、さらには紙パルプ工場の海外進出といった積極的な展開も考えていきたいと思っております。 それから、ただいま先生御指摘のような紙の使用の合理化につきましては、故紙の回収と並びまして国民運動的な展開をはかりたい、かような観点から、せんだっての閣議でも大臣から発言があり、昨日の次官会議では、まず官庁から率先して実施しよう、いわゆる次官会議の申し合わせ等を進めております。 かような長短両方の体制を前向きに進めることによりまして、今回のような需給の逼迫を来たさないように、量、価格、質、ともに安定供給でき得るような体制に持ってまいりたいと考えております。
○中曽根国務大臣 先ほど来申し上げましたように、昨年は千四百万トンくらいの需要であったものが、ことしは千六百万トンくらいにふえるという数字にもなっておりまして、これは長期、短期の本格的政策に取り組まなければいかぬと思いまして、とりあえずは短期策として節約その他のこともお願いをするし、長期的には資源の確保等についてもいま精を出してやっておるところでありまして、しばらくはごしんぼう願わなければなりませんが、極力需給関係を合わせるように努力してまいるつもりであります。
○近江委員 最近設備投資を押えるというようなことで、非常に金融等も引き締めが行なわれておるわけであります。そういうしわ寄せがもろに中小零細にかかってきておるわけでありますが、特に年末にもかかりてきておりますし、最近は倒産も大幅にふえてきております。インフレによるそういう倒産というものが非常にふえてきておりますし、金融等の逼迫で非常に倒産もふえております。こういうことで、特に年末を控えて、金融の点につきまして、大臣として中小零細企業に対する根本的な対策をひとつお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 預金準備率の引き上げとか四次に及ぶ公定歩合の引き上げとか、そういうことで金融の逼迫は次第にきびしくなってきております。しかし、中小企業に対する金融はできるだけ手当てするように、都市銀行、市中銀行及び地方銀行あるいは農協等にもお願いをして、大蔵省と協力してやっておるところでございますが、この年末を控えまして、最近倒産が少しずつふえてきておりますので、金融関係をさらに努力しなければならぬと思って、大蔵省に対して昨年は政府系三機関の特別ワクを千九百五十億円お願いしましたが、ことしは四千五百億円程度お願いしよう、そうなると、ことしはかなり思い切った財投を出さなければなりません。四千億円台の財投をお願いしなければならぬと思っておりますが、そういうふうに精一ぱいの努力をしてまいるつもりでおります。
○近江委員 それから小規模経営改善資金融資制度、十月の十一日から本制度の受付を開始したようであるわけですけれども、申し込みの状況がどういうことであるか。 それからこまかい点はたくさんあるわけですが、要するに、現実には非常に借りにくい状態になっておるわけですね。条件にしても非常にきびしいわけです。こういう状態で制度はできたけれども、これでは政府がPRしておったことと違うじゃないかという意見が非常に高まってきておるわけです。その状況について担当者からお伺いしたいと思います。
○原山説明員 お答えいたします。 小規模経営改善資金は十一日から発足したわけでございますが、十月二十日現在、約十日間くらいでございますが、現在の申し込み状況百九十三件、金額にいたしまして一億一千七百六十五万円、こういうふうに相なっておりまして、出足としてはほぼ順調に出ておるのではないかというふうに思っておるところでございます。 なお、申し込みに対する条件がきついのじゃないかという御指摘でございましたが、この小規模改善資金は、国民公庫から融資をするにあたりまして、商工会、商工会議所の推薦が必要だというふうになっております。その際、融資を希望する者につきましては、原則として経営指導を受けておるということを条件の一つにしております。と申しますのは、先生御存じのように、この制度は商工会、商工会議所が行なう経営改善事業を補完するということで実施したものでございまして、小規模事業者が経営改善を行なうために必要な資金を融資するものでございまして、その条件も無担保、無保証というふうにきわめて優遇した条件で行なうわけでございます。その対象となる企業は経営指導を十分受け、経営内容、経営意欲について商工会あるいは商工会議所が十分把握しておるものということが必要だということからこの経営指導条件を付したわけでございます。 なお、この条件は原則として六カ月というふうにいたしておりますが、経営指導の内容、密度等に応じまして、商工会、商工会議所が推薦に際しまして実質的に判断して運用するようにいたしたいと思っておるところでございます。
○近江委員 条件等は私から何も言わなくてもおわかりであるかと思いますが、運用をよほど考えていかないと、実際上これはかかってくる人というものは厳密にやればないわけです。しかも、二十一項目について点数をつけて、A、B、Cの三段階の判定を受けると、ほとんどみなCですよ。そういう実際上できないようなことをこういうようにやっておるわけですね。ですから、その点現実ということをよく考えてやっていかないと、制度ができても実際上利用できないということになりかねませんから、この点はよく検討してください。 それから百万円をたとえば年五%で借りた場合、一月の返済金が五万円くらいになるわけですが、こういう小規模企業で五万円の純利をあげるというのは非常にむずかしいと思うのです。しかも二年間で返済ということで、国金の場合だったら三年なり五年という、むしろ条件が有利なんです。そういうような中身においても無担保、無保証ということだけを前面に出しておりますけれども、金利であるとか返済期間という点になりますと、もっと考えなければならぬわけです。来年さらに拡充されるということも聞いておるわけですが、そういう点については改善されるおつもりがあるわけですか。
○原山説明員 お答えいたします。 まず最初に、この制度の運用にあたっては十分弾力的に運用しろ、小規模事業者にあまり過度な負担をかけないように運用しろという先生の御指摘は、私ども肝に銘じてそのように運用するように指導いたしたいと思っておるところでございます。 なお、この条件がきつ過ぎるじゃないか、二年というのは短いではないか、こういうふうな御指摘でございましたが、私ども貸し付け限度を百万円というふうにいたしたわけでございます。この百万円と申しますのは、この層の借り入れておる国民公庫の平均が九十九万円ぐらいでございますので、それを勘案して定めたわけでございますが、来年はこれを物価あるいは経済の大型化等を考えまして二百万円に限度引き上げを要求しておるわけでございます。それに伴いまして、貸し付け期間も現在二年、据え置きを含んでおりませんが、これを半年据え置き三年というふうに条件を有利に改定していきたいと思って、現在大蔵省と折衝中でございます。
○近江委員 時間がありませんから終わります。
○田中(六)委員長代理 加藤清二君
○加藤(清二)委員 お許しを得まして、私は主として通産大臣に質問をしたいと存じます。 〔田中(六)委員長代理退席、山田(久)委員長代理着席〕 すでに同僚の委員が質問をされましたので、私はもはや質問をする必要がないと思っておりましたところ、質問漏れがございます。ですから、その埋め草と申しましょうか、補足質問をいたしますので、簡潔にお願いしたい。 幸い、もう新聞記者は全部引き揚げてくれました。ほんとうのところを言っていただきたい。もう新聞に出ません。テレビにも出ません。もう帰られたのですからだいじょうぶ。ほんとのことを言うていただきたい。 私が聞きたいのは、油の問題で三つの爆発が起きておる。中東戦争がその一つである。国内においては工場の爆発である。通産省においては内部の汚職である。そこで聞きたいことは、こんな時期にどうして通産省の内部で汚職が起きるだろうかということです。汚職が起きるというのは、大体平和に、事が順調にいっているときであって、あそこでもここでも工場が爆発する。しかも、石油の爆発が起きておる。こういうときには、当該官僚は緊張してその対策に腐心するはずなんです。にもかかわらず、汚職の内容を聞いてみますると、遊びに使ったという、料理屋のつけを回したという、ゴルフに行ったつけを回したという。これは研究費が足りないというならわかりまするけれども、すべて遊びに金を使って汚職をやっておる。意味がわからない。それはそれでいいです。かってにおやりあそばしたって影響がなければいいけれども、この三つの爆発によってしわが国民に寄っては、国民は黙っちゃおれないということになる。現に灯油が高くなりつつある。先ほど大臣は、四百円以上になったら何がしの手段をとるとおっしゃったが、とっくに四百円以上になっておる。これでまたガソリンが高くなる、石油製品が高くなる。爆発や汚職のしわまで国民がかぶらされては、国民としてはたまったものじゃないです。だから順番にまず足元から聞いていきます。 書類送検になった方が通産省にあるかないか、それはだれとだれであるか、石油連盟はじめ汚職に関係のございました当該企業、身柄送検あるいは書類送検、これが行なわれたかいなか、それを通産大臣としてはどのくらいキャッチしてみえるか。
○中曽根国務大臣 まことにこの大事な時期に不祥事件を起こして申しわけない次第でございます。 書類送検を受けた者は、課長二人それから課長補佐以下二人、通産省の数はそれでございます。
○加藤(清二)委員 もう一つ答弁漏れがある。石油連盟または当該企業の中に書類送検その他が何ぼあった、それをどのようにキャッチしてみえるかということです。
○熊谷説明員 お答えいたします。 関係業界といたしましては、全石連の専務理事の方が一名、それから石油連盟は詳細に存じておりませんが、あと企業関係で一、二名かと承知しております。 これは実は、警視庁並びに検察の場合の書類送検でございまして、現在司直のほうの取り調べ中でもございますので、この席でのお答えはお許しいただきたいと思っております。
○加藤(清二)委員 司法当局がすでに手を入れておる案件について、それを促進するとか、それを妨害しようなどとは、つゆさら思っていない。そんなことで聞いているのではない。通産省当局としては、わが傘下に汚職者を出しているじゃないか。それに対する行政的措置をしなければならぬ。今後これに対して、当該企業に対しては許可をするとかしないとかという場合にも考慮をすると言っている。しかくさようとするならば、企業側がどのような犯罪者を出したかくらいのことは、当然キャッチしておってしかるべきだ。それをこの席で言えないの言えるの、とっくに新聞に出ているんですよ、これは。わざと私はどのようにキャッチしておるかと聞いておる。もう一度承りたい。そんな逃げ口上じゃだめです。
○熊谷説明員 お答えいたします。 おしかりを受けたわけでございますが、私ども石油業界並びにスタンドに関係いたしまして、本件不祥事件が起きたわけでございますので、十分実態につきましては把握をいたしまして、今後の措置を行ないたいと考えておる次第でございます。 ただいまお尋ねの何名というところにつきましては、私、ただいま具体的な氏名と、それから人数につきまして確認をいたしておりませんので、お許しいただきたいと思います。
○加藤(清二)委員 これはしたり。それでもって勤務評定ができますか。やがて行政措置をしなきゃならない。刑事罰が行なわれたら、公務員は公務員法違反のみならず行政罰がくるのはあたりまえなんです。私はそれを望んでいるわけじゃないんだ。しかし、現実を正しく把握せずして、どうして行政罰が行なえます。どうしてまた企業に対して許可その他についての措置ができます。そういうことだから——私はむずかしいことを聞いているんじゃないんだ、工場の爆発の原因いかんといったら、それは文官の方や事務官の方じゃわかりにくいでしょう。だから、操作ミスといわれて労働者にしわが寄せられる。それでよろしいということになるでしょう。それはやむを得ぬと思う。しかし行政官が、いますでに司法当局で行なわれている、将来のことはいざ知らず、今回までの時点において書類送検されたものが何名あるかと聞いておる。そんなことをキャッチせずして、どうして行政が行なえますか。何がそのことが秘密事項だ。
○中曽根国務大臣 通産省に関するものについては先般配置がえをすでにいたしまして、おのおの新課長等を配置いたしまして発令したところであります。それらの配置がえをした者につきましては官房付等にしてありまして、検察当局の調書の整備等をまちましてしかるべき措置をするようにいま待っておるところであります。民間の者につきましては、これは官庁関係と違っていろいろまだ調べている要素もございますし、私自体がそれほどまだ調書等を聞いて深く知っているわけではございませんが、これも同じように検察当局の調書の整備をまって、われわれとしては将来に備えておきたい、こう考えておるわけであります。
○加藤(清二)委員 それでは本件はこういうことにいたしましょうね。本日この席で答えることができないとするならば、後日答えられる時期において詳細を資料として御提出願いたい。 次に、その爆発事故にしても汚職にしても、企業側に悪事があったとした場合には、新増設であるとか、あるいは認可事項等々において考慮するとか、すでに大臣は新聞に発表されてそれが新聞に出ておるんですね。したがって、業界の勤務評定をよく調べてそれに対する対応策を講ずる、こういうことなんですね。これはまことにけっこうな、当然そうあってしかるべきだと私は思っているのです。 そこで、お尋ねしたいのですが、一体この汚職を出した企業はどこが一番多いですか。
○中曽根国務大臣 私の記憶では共石であったと思います。あとは協会あるいは連盟というようなものであったと思います。
○加藤(清二)委員 そのとおりです。私はすでに起きたことについて死馬にむち打とうとか古墳をあばこうなどとは、つゆさら考えておりません。ただ、国民的感情として、他国の戦争や会社のミスによるところの爆発や、官僚と業界の癒着によるところの汚職によって国民の命と暮らしが汚されてはならぬ。国民の暮らしに悪影響があってはならぬ。すでに消費者連盟のごときは、この石油の値上がりについても汚職の問題についても、非常な怒りをもってわれわれのところへ訴えがあるのです。ですから、以後さようなことをなからしめるために、いま何をすべきやということを考えなければならぬ。そこでお尋ねするわけなんです。 お尋ねしたい次の点は、共同石油の社長はどなたさんですか。専務さんはどなたさんですか。社長室次長というお方は何という名前の人ですか。
○熊谷説明員 お答えいたします。 共同石油の社長は森誓夫さんと申します。それから専務は生駒勇さんでございます。それから社長室次長は土井馨さんだったと思いますが、以上でございます。
○加藤(清二)委員 その御出身は、母体はどこでございましたか。
○熊谷説明員 お答えいたします。 共同石油にお入りになります前に通産省の職員であった経歴がございます。森社長は、通産省から退職されましてから、たしかほかの企業に行っておられまして共同石油に来ておられる、直前ではございませんが。通産省のいわゆる先輩の方々でございます。
○加藤(清二)委員 大臣、お聞き及びのとおりです。私はこの三方を全部知っておるのです。森さんも、生駒さんも、土井さんも存じ上げておる。私が議員になりまして以来、お目にかかったことのある方ばかりなんです。 私は過去二十何年、いまだかって天下り人事がいけませんなどと言うたことは一言もございません。五十二、三歳、家庭的にも、子供の教育の上からいっても、一番金の要るときなんです。そのときにやめていかなければならないのです。やめてその家庭が保てるなどというような財産家の方は、まあ数少ないのです。働かなければ、家庭が保てないのです。だから私は、天下り人事がいけない、再就職はいけないなどということは、一言も言ったことがない。むしろ、国家の禄をはみ、国家の機関で長きにわたってその業務の勉強をなさったという方ならば、本省をやめた後においても大いに国家のために役立ってもらいたい。これが私のいままで申し上げてきたことなんです。通産省のみならず、他の知り合いの官僚の諸君にも、ぼくはそう言ってきた。しかし、就職なさることはけっこうです、社長になりなさることもけっこうです、専務もけっこう。それは専務より社長のほうがいいでしょう。けっこうです。しかし、そのゆえをもって自分の古巣の後輩をあごでしゃくったり、あるいはその後輩に毒酒を飲ませるとか毒まんじゅうを食わせるというようなことをして、なお私の企業の繁栄をはかるということは、許しては相ならぬことだと私は思う。許すべからざる行為だと思う。 そこでお尋ねする。この共同石油は発足以来八年と聞いている。この会社に対して、政府はどのようなことをなさったか。答弁のいかんによっては、日石化学の今井君のこともお尋ねしたいと思います。
○中曽根国務大臣 外資系と民族系の石油会社をできるだけ均整あらしむるという意味において、まあ民族系の一つとして、財投等によりましてこれが育成をはかってきたというように考えております。具体的には係から御答弁申し上げます。
○熊谷説明員 お答えいたします。 共同石油につきましては、ただいま大臣からお話をいたしましたように、民族系企業の育成という観点から、政府といたしましては、幾つかの企業を共同石油グループといたしましてグループ化を行ない、それに対して開銀の融資ということを通じまして企業の強化をはかってまいっております。
○加藤(清二)委員 形式的な御答弁では困りますよ。そんな形式的な逃げ口上をおっしゃるならば突っ込んで聞きます。 しからば、この共同石油は八年の間に開銀融資を何ぼいただきましたか。設備許可を何ぼいただきましたか。その設備許可は、まず石油精製のほうから承りたい。次にスタンドの許可、これは何ぼいただきましたか。
○熊谷説明員 お答えいたします。 いま手元にちょっと資料を持ってきておりませんでまことに恐縮でございますが、後ほど申し上げたいと思います。
○加藤(清二)委員 大臣、あなたの部下がいまなまけとるとかどうとか言うわけじゃありません。ちゃんと記憶しておるはずです。ここで言いにくいでしょう。だからさっき言ったんです。新聞記者もテレビも写真ももう帰っていただいたんだから、ほんとうのことを言うていただきたいと言っているんです。開銀融資が何ぼあったか。終戦後以来何ぼということであったら、それはむずかしいでしょう。この共同石油というのは発足以来わずか八年ですよ。八年の間にずばずばっと伸びてきた。だから業界でも仲間でも石油連盟の中においても、何でこの会社ばかりあんなにひいきにしてもらえるだろうか、なぜあそこだけがあんなに伸びるだろうかと業界注目の的になっておった会社なんです。開銀融資だけお答え願いたい。できなきゃこっちが答えます。そうするとますますあんたに不利になりますよ。
○熊谷説明員 まことに申しわけございません。いま手元に資料を持ってきておりませんので恐縮でございます。
○加藤(清二)委員 私はあなたを責めようとは思っておりません。なぜかならば、あなたには責任がないんだから、前にやった人の責めをいま現在その職にいるがゆえにおっかぶされているんですから、むしろあなたは犠牲者なんだ。ですからあなたがなまけているとか、あなたがけしからぬなどと一言も言いません。あなたは有能なエリート官僚なんだ。しかし、開銀融資が八年間に何ぼあったかぐらいのことは暗唱しておってしかるべきなんです。世間では一千億の余あると言っておる。こんなものは簡単です。私は調べちゃってある。世間の言うていることが当たらずといえども遠からずです。 しからば、それは銀行関係だからわからぬとおっしゃられるならば、これはちゃんと通産省と大蔵省と相談の上できたことだけれども、しかも通産省原局が申請してできたことなんです。それは設備許可。スタンドはあんまり数が多いから、これはあとで書類で答弁していただきましょう。何万バーレル・パーデー八年の間にふえたんですか。
○熊谷説明員 どうもたびたび申しわけございませんが、いま手元に資料を持ってきておりませんので……
○加藤(清二)委員 わかりました。これ以上あなたを追及しようとは思いません。決して心配せぬでもいいですよ。あなたを責めているんじゃないんですから。 そこで、先ほどその協業化によるところのメリットとおっしゃった。これがこう行なわれた集約メリットとは何でございますか。
○熊谷説明員 お答えいたします。 民族系を中心といたしまして、国内の精製業としての実力をつける、それが外資系に対して自主性を確保するゆえんである、こういう観点から、精製並びに国内の販売の面におきまして十分な資本力を持って行ない得るようにという観点から、共同石油に対しまして、従来までは、販売のブランドの統一ということで傘下の企業につきましては統一ブランドを行ないまして、また、傘下の企業に対しましては新しく新増設を行ないます場合に、共同石油と共同投資を行なうという形におきましてグループの靱帯の強化をはかってまいっておるわけでございます。
○加藤(清二)委員 あなたのお答えは、この場ではまことに優等生の答弁でございます。そのとおりです。しかし、一歩突っ込んでいきますと、あと困ることが出てくるのです。はたしてそうですが。具体的にと承ると困る。世間ではこう言っている。集約メリットとは一体何か。二つある。それは、共同石油の会社がよその会社に優先して許認可がとれることである。そのための開銀融資もいただけることである。もう一つのメリットは、通産省のお役人が天下りでたくさんここへ収容していただけることである。私はそう思っておりません。私はそう思っておりませんが、石油通、業界並びに業界紙あたりは、もはやこれは共通な合いことばになっている。そこらあたりに今度の汚職のうみが破れ出す原因があるわけなんです。 そこでお尋ねしたい。四十八年の十月二十日、ついこの間ですね、通産大臣は、コンビナートの事故企業に対しては新増設不認可も加えるということですが、汚職企業は野放しでございますか。
○中曽根国務大臣 検察庁の調書等を見まして、これはある意味における措置を加える必要があると見た場合にはもちろん措置を加えるつもりでおります。
○加藤(清二)委員 当然そうあってしかるべきだと存じます。一罰百戒、頂門の一針がやがて今後再びかようなことをなからしめるゆえんになると同時に、ふんまんやる方なき国民を納得させる一つの原因になると存じます。 承りますが、今度は計画です。山形さん御存じでしょうな。五十一年、五十二年、新増設計画は進んでいるはずでございます。その内容、いつ大体発表ができるか、国民一般にいつ通告なさるのか。
○山形説明員 お答え申し上げます。 五十一、五十二の必要設備量につきましては、先般石油審議会を開きまして、百五万バーレル・パーデーということに相なったわけでございますが、これを前提にいたしまして各社から申請をとり、その詳細につきましてはヒヤリングを行なっておるわけでございます。しかしながら、不幸なことに非常に遺憾なことでございますけれども、汚職事件等も起こりまして、担当課長を官房付にかえまして新しい課長の着任を見ましたのが数日前でございます。これは内部の事情でございますけれども、そういう事情もございますので、新課長のもとでもう一回ヒヤリングの再検討も行なわざるを得ない現状でございます。いまわれわれのほうのめどといたしましては、来月の半ばごろを目途に石油審議会を開きまして決定をいたしたい、こう思っておるわけでございます。
○加藤(清二)委員 ごもっともな御答弁でございます。審議会の経過、内容については私は先刻漏れ承りました。当然この五十一、五十二年度の決定は早期になさるべきだと存じます。なぜかならば、この土地確保の問題、地元との納得ずく、当該県並びに市との公害協定その他、事前に行なわなければならない案件があまたあるわけでございます。したがって、よほど早目に一、二年の猶予をもって行なわれませんと、せっかくつくられました答申、それからせっかく通産省でつくられました計画、これが砂上の楼閣とは言いませんけれども、延期延期ということになりまして、どこやらだれかが怠慢をしているような結果が発生することをおそれるからでございます。十一月の中ごろに再び審議会を経た結果通産省は決着を見る、こう受け取ってよろしゅうございますか。もう一度。
○山形説明員 そのとおりでございます。
○加藤(清二)委員 百五万バーレルは今日、地元との関係、地元の納得の関係で消化できるという想定でございますか。それともこれは難渋するところがあるとお考えでございますか。
○山形説明員 これは従来から設備強化を行ないます場合に、地元との関係を調整いたしますために地元の県知事、市長等との承諾書といいますか、これはいろんな種類のがございますけれども、そういうことで申請にそれを添えてもらうことに相なっておりますが、今回は、最近における環境問題及び地元との調整の問題の重要性にかんがみまして、さきに申し上げましたような書面または口頭におきましても、正確なるところを御提出願うことに相なっておるわけでございます。われわれといたしましては、設備許可はあくまで需給上の問題でございますけれども、当然に環境保全及び地元との関係は重要なファクターでございますので、そういう配慮をいたしたいと思います。 しかしながら、これが認可になりましたあとで最終的に地元との調整がつかないという例もあり得ようかと存ずる次第でございますけれども、われわれといたしましては、その百五万というのがそういう意味での若干のアローアンスも持っておる数字でございまして、許可されましたあとで地元とは完全な御了解をつけてその設備の完成がはかられることを考えておるわけでございます。
○加藤(清二)委員 アローアンスを考慮に入れての百五万バーレル・バーデーとおっしゃられましたから、やはりさすが頭のいいお方がお考えになった計画だなと思いますが、この際大臣に、それはすでに認識済みのことと存じますけれども、この許可に当たられましてぜひひとつ考慮に入れていただきたいことは、第一が爆発事故を再三起こすような会社、それから汚職、と同時に地元との了解が取りつけられてあるかないか、どの会社がどれだけの申請を出すかは別として、すでに出ているはずでございますが、あなたのほうは集約していらっしゃるはずでございますけれども、その数字がはたして地元との了解が取りつけられているのかいないのか、これが重要なファクターになると存じます。すなわち、電気事業の場合でもそうです。東電がすでに許された火力発電を静岡で断わられております。静岡県知事が断わっている。次に千葉県知事がまた断わっている。もらい公害はもうごめんだというわけなんです。そうなってくると、もうそれならば電気事業は地区分割ではなくして、もっと広域に統括して、九分割ではなくして四分割にしたほうがいいじゃないか、じゃ一つにしたほうがいいではないかというようなところまで論理が発展していくのです。ますます迷路へ入って、工事が伸びなくて電力危機ということに相なる。ガソリン、灯油またしかりです。ぜひひとつ、少なくとも当該首長、市町村長の認定と申しますか、許可じゃないですから、了解書と申しましょうか、そういうものを取りつけていただきたい。同時に、その県会、市議会等々の了解を当該首長は事前にとるように、そのことが円満解決をさせるゆえんになるのではないか。このときに及んでそれをしておかないと、必ずトラブルが起きます。トラブルは延期だけではなくて、ついには流血ざたになります。ぜひこれを御考慮に入れていただきたいと存じますが、大臣、いかがでございましょうか。
○中曽根国務大臣 公害問題やあるいは地元との協調というものは非常に重要な問題であると考えて、これを重視してまいりたいと思います。
○加藤(清二)委員 それでは、資料の提出を要求いたします。 百五万バーレル・パーデー、これの理由、積算の基礎、これの配分の基準。それから、各企業から申請書が出て、それが集約されておるはずでございます。その申請の希望数字。これなどを何もあすあさってと期限は切りませんから、たいへん取り込み中でお忙しい中ですから、その合い間合い間にやっていただければけっこうでございます。ぜひひとつそれをお願いしておきます。 次にお尋ねしたいことは、先ほど同僚議員の板川委員が質問なさっていましたときに、産油国、 OPECのほうは、日本にはシャットアウトとか輸出制限はしない、こういうお答えがございました。それは当然のことだと思います。しかし、悲しいかな、このメジャーは資本がほとんどアメリカ資本であり、イギリス資本でございます。いままでの彼らの行き方を見まするというと、OPECのほうが値上げをしたら、それを自分でカバーできるにもかかわらず、必ず消費国へ押しつけてきておる。今度、アメリカが制限を受ける。しかし、これを握っている世界的な問屋、メジャーば、これはほとんどアメリカである。はたして、自分の国を制限し、自分の国の希望を押し切ってまでも、日本へこれを回すでございましょうか。日本の石油輸入は、メジャーにたよる率が圧倒的でございます。アメリカの五%制限は、これは自国にも備蓄やら試掘やらして、すでに地球の中にあることを知りつつも、掘らずに、地球の中の倉庫に保管している場所が、アメリカはたくさんございますから、三%や五%を削られても痛くもかゆくもないでしょう。しかし、アメリカの五%を日本へそのままおっかぶさせられた日には、日本は五%や一〇%ではおさまらぬことになります。なぜならば、消費量が違うからです。 それで、影響はないとおっしゃいました。それならば承りたいが、このような関係において、それではメジャーとの契約ないしは外交上の話し合い、それで間違いなくアメリカへ持っていくことをやめても日本へ持ってくることができるかというめどは、どこについておりますか。
○山形説明員 お話しのとおり、メジャーに対する依存度は非常に高いわけでございます。ただ、いま日本の精製はメジャーから油を買っておるわけでございますけれども、これはFOB建てが原則でございます。したがいまして、用船はそれぞれ日本の精製会社が用船をいたしまして、所要の港にこれを所要の時期に持ってきまして、そこで油を引き取るわけでございます。したがいまして、仕向け地がどこである、どの船ということは一応確定できる現状でございます。しかしながら、先生もおっしゃいますように、それをまた万が一、仕向け地を変えたりなんかされる可能性もないわけではございません。現時点ではメジャー側の意向、またその背景にございます国際的な全体の動きがまだ不分明の点が多いわけでございますけれども、われわれといたしましては、明日メジャー中心の日本の精製会社、特にメジャーを中心に集まってもらいまして、われわれのほうの量の確保を中心にいたしまして御要請といいますかお願いもし、メジャー側の意向もはっきりつかむということを行なうような段取りに相なっておるわけでございます。いずれにしましても、全体的に非常に流動的でございますので、今後機敏に、適時具体的なる対応をしていきたいと考えておるわけでございます。
○加藤(清二)委員 いまの答弁は私了承しますけれども、あなたは流動的ということばをお使いになりましたが、われわれ野党の側からいえば、確信を持ってメジャーを信頼することを非常にちゅうちょする、そう言わざるを得ない問題がございます。それをやりますとあと時間がなんですから、いずれ来月早々の委員会で私の本番——埋め草でなしに本番のときにこれをやらさしていただきますが、同時に、それをなお実行を容易にさせるために、ミナスその他中東以外、メジャー以外と直接取引をしている日本がそれをてこに使うということは非常に有効だと思います。この具体的事実と論理は次の機会に譲ります。いまのあなたのお話は了承するとします。 最後に、もう与えられた時間がほんのわずかでございますから、備蓄があるの、九月価格を上回らないようにするのと、灯油に対する答弁でございました。灯油の量がどうなるだろうか、灯油の値段がこの冬どうなるだろうか、これはもう日本じゅうの主婦が頭を悩ましているところでございます。それで承ります。大臣、ほんとうに上げないのか。
○中曽根国務大臣 全力を尽くして上げないようにいたしたいと思います。
○加藤(清二)委員 それではいまのメジャーじゃないが、まだまだ不安を解消するわけにはいかない。それじゃ次に、四百円を上回ったら対処すると、こうおっしゃられた。ほんとうに四百円を上回っていたら、どのような対処をなさいますか。
○山形説明員 灯油の現実の小売り価格につきましては、通産省のほうの価格モニター、これは五百人以上の相当の数の方々と思いますが、全国を調査いたしたわけでございます。これは若干時間がたってもう過ぎ去ったものでございますが、九月のあれで調べまして、全国平均で三百八十六円でございます。これは地区別にそれぞれ差があるわけでございますが、われわれのほうといたしましては、このモニター結果を前提にしておるわけでございますが、現時点で四百円を上回っておったらどうするかということはきめておりません。 ただ、われわれのほうといたしましては、九月現在の元売り価格の凍結及び在庫の百日分というものについては元売り段階と完全な了解がついておりますし、それから地区の石連及び全石商連の支部との連絡も、通産局長を通じまして完全に現在ついておる段階でございます。したがいまして、九月のこのモニター調査等の結果から著しく高くなるということはおかしい、何らかのことがあるはずであるということで、公取当局とも御連絡をとりながらこれを調査の対象にいたしておる。現に山形県の鶴岡におきましては、若干そういう動きもあるやに考えられましたので、公取当局に調査を御依頼いたしまして、現在公取で調査を検討しておる段階でございます。
○加藤(清二)委員 あなたの答弁は、先ほど大臣がおっしゃられた、極力努力します、こういうことの内訳と受け取ります。それはそうでしょう。しかし私の質問は、上がったらどうするかと聞いておる。 その答えを聞くと、次に私はこう聞きたい。もう時間がなんですから、みんな一言でしゃべってしまう。内幕を全部言ってしまう。上がったらどうするかということを聞いたら、私は直ちに、四百円以上のところがこことここにある、さあこれをどうしてくれると、こう質問したかったのです。あるのです。したがって、それほど御努力をなさいますならば、ひとつもう一度抜き取り検査、モニター調査を小範囲でもよろしいですから、私の言うことがうそかうそでないか、やってみてください。しかしそれは、通産省から調べに来ましたなんということでやられたらだめですよ。主婦に聞かなければ、内緒で買いに行かなければいけないんです。私はあなたのところの店の売り値を調べに来ましたよと言っていったらだめだし、名刺を出したとたんに値が安くなるのです。代議士でもだめです。代議士の奥さんでもだめです。親切ごかしに、高うなりますからあなたのところ早うたくさん買い込んでおきなさい——買い占めとは言わぬ。買い込んでおきなさいと、こうくるんだから。ですから、一般の何にも肩書きのない御婦人の方がふらっと買いに行って、幾らですかと、こうやらなければならぬ。ですから、その九月におやりになったモニターはけっこうでございます。しかし灯油というのは需給の関係——灯油に限らず需給の関係でものが上がる。冬はますます需要期です。もう一度モニター調査をする気はございませんか。私はやるべきだと思う。なぜならば、あなたは上がっていないとおっしゃる、私は上がっておると言うんだから。もしそのときに、上がっていないという答えが全部出たら、私は腹を切らなければいかぬ、私は受取証を持っているんですから。どちらかが腹を切らなければならぬ。そこで、あなたが間違いだとは言いません。腹を切ってもらいたくない。汚職で大ぜい切られた上に今度は一番の大将が切られたらたまったものではない。日本の油行政がとまってしまう。ほんとうは部長、局長にもあるではないかと聞きたいところだったけれども、それも避けた。そんなことをやったら行政がとまってしまう。したがって、もう一度調査する気はありませんか。やるべきだと思うのです。同じことを公取の事務局長さんに承ります。
○山形説明員 これは御説のとおりでございまして、われわれといたしましても、九月だけでこれをとめるつもりは全然ございませんで、十月もすでにモニターの調査に入っております。これの結果は十一月に入りませんと集計できませんけれども、十一月におきましてもモニター調査はやっていきたいと考えております。なお、モニターはほとんど全部といっていいと思いますけれども、いわゆる家庭の主婦にお願いしておりますので、われわれがモニターとなってやるわけではございませんで、そういう点ではわりあいに実態がつかめるのではないかと考えておるわけでございます。
○吉田説明員 石油製品、特に灯油は全国的に値上がりしておるという情報もございますので、その背後に違法な価格協定があるんじゃなかろうかということで現在情報収集につとめているところでございます。違反の疑いのある場合は積極的に審査を開始しております。これで石油の商業組合関係で現在審査中のものは七件、それから四十八年度に勧告した件数が灯油以外のものも含めまして七件ございます。今後とも業界の動向等はきびしく監視いたしまして、違反の疑いがあれば積極的に審査をしてまいりたいというふうに考えております。
○加藤(清二)委員 大臣にお尋ねして結論としたいと存じます。いずれ詳細は次の委員会で緒論から本論に入ります。 きょうは埋め草でございまするから、とぎれとぎれの質問でございましたが、要は石油関係に大きな事故が三つあった。中近東で一つ、内地の工場で一つ、本省の内部で一つ。その悪影響が国民の命と暮らしを妨げないように、特に零細な家庭の主婦のさいふのへそくりまでも苦しめるというようなことのないように特段の御努力を願いたいし、実行に移してもらいたい。いろいろ述べられました対策を具体的に実行に移していただきたい。その第一が今度の十一月半ばに行なわれまする許認可の問題であります。それからその時期において行なわれまするモニターの再調査の問題、これをひとつぜひ実行に移していただきたい。公取とよく連絡をとられまして、全国の主婦のへそくりを守って、さなきだに値上げ値上げで苦しんでいる全国のおかあさん方の涙とあかぎれやひびをぬぐうてあげていただきたいと思います。大臣の所見を承ります。
○中曽根国務大臣 御趣旨に沿ってそのように努力をいたします。
○山田(久)委員長代理 松尾信人君。
○松尾委員 きょうは終日大臣も出席されまして熱心なる討議がなされたわけでありまして、ラストバッターの私にやっと回ってきたのでありますけれども、ずいぶん論議が尽くされまして、もう新たな問題というものはほとんどなくなりました。 その中で特に私が大臣に聞きたいと思いまするのは石油消費の問題であります。消費の規制はやらないというような御答弁でありますけれども、やはり基本的には日本の中近東からの油の輸入が八四%にもなるのだ、それから備蓄というものは六十数日分しかない、非常に問題があれば日本の産業はとまるというような観点から基本的にお考えにならなければならないのは、高度経済成長というものをどこまで取り続けていくかという問題であります。 これは、日本列島改造の問題でますます物価が上がる、いろいろのものが消費ができない。総需要というものがぼんぼん上がってきておる。鉄鋼も足らぬ。セメントも足らぬ。ビニール製品も足らない。いろいろの要素がありますけれども、総需要というものが非常に起こっておる。こういうところからやはり資源エネルギーを考えた場合には、基本的にこれ以上日本に公害を広めてはいけませんし、これ以上また環境の破壊というものは許されませんでしょう。それから石油の輸入というものも今後はますますむずかしくなってくることは明らかであります。 そういう観点から、やはり産業構造というものを基本的にお考えにならなくてはいかぬのだ。燃料を多く使う産業、これをもうすでにあなたのほうでは知識集約化に向かっていくのだということでありますけれども、ほんとうにこれを腹をきめておやりになるのかどうか。いまのような総需要というものが伸びていけば、なかなかこれは燃料を幾ら使っていこうとも、この産業はやめられぬ、やめれば鉄鋼もあかぬ、電力もどうだというような問題になってくるわけでありますから、このかね合いでありますけれども、ほんとうに通産大臣としてお考えにならなくてはいけないのは、日本の五年、十年、二十年先の問題だろうと思うのです。そういう点で、この燃料を多く使う型の産業というものを、これは少なく使っていく産業へ、この基本的な命題というものとどのように真剣に取り組まれておるのか。また、それをそのとおり、言われたとおりにやっていこうとほんとうになさっておるのかどうか。むずかしい情勢の中から、大臣の決意とか姿勢というものをはっきりさせておかなくてはいかぬだろう、こう思って第一番に聞くわけであります。
○中曽根国務大臣 お説のように、高度成長をためまして、適正な経済速度を持った成長力に切りかえていく必要があると思います。そして、資源多消費型でない、知識集約型の産業構造に転換を始めておりますが、その努力をさらに継続してまいるつもりであります。しかし、日本の国の構造を見ますと、やはり貿易で生きていく国でありまして、にわかにそういうふうに急変するわけにはまいらない。経済は非常に密接に密着して現実とつながっておるわけであるからであります。そういう意味において、一億の人口を養い、ある程度外国と経済協力をしていくために貿易の黒字を出しつつ、それをそちらに転用するということを考えますと、重化学工業というものにある程度依存しなければならぬということもまた現実であります。重化学工業の基礎のないところに知識集約型の産業は盛えるとも思えません。したがって、適正に比率を変えながら、現実に即して着々前進していきたい、そう考えます。
○松尾委員 現実に即して着々と前進されるわけでありますけれども、それにはやはり一定の計画というものがなされなくては一定の計画というものは実現できない。これも机上の空論になると思うのでありますけれども、そのようなところまでもう必要であると私は思います。これを何年計画でやる、このようなものが必要だと思うのでありますけれども、こういう点について大臣は具体的に何か考えていらっしゃいますか。
○中曽根国務大臣 それは大まかに言いまして、社会経済発展計画の中において大きなワクができつつあります。そのワクの中において実行していきたいと思うわけであります。
○松尾委員 これを押し問答しても、だめでありますから、これでとめますけれども、これは資源エネルギー問題の基本の問題であるし、ここに一つ歯どめがなされなければ、幾ら口ではいいことを言われましても、現実にはこの燃料の輸入に苦労をし、そして何か事件が起これば、それで日本の産業がとまるような心配もする、これを繰り返していって、景気が一たん悪くなればまた鉄鋼等の不況カルテルをやるというような繰り返しに終わるから、強い、力のある中曽根通産大臣のときに、やはりそういう日本の行く手というものをきめるのは、方向づけをきちっとしておかれるべきである、こういうことで申し上げておるわけであります。これはこの点でとどめておきましょう。 それから、くどいようでありますけれども、灯油の問題でありますが、これはいま大臣の、非常に一生懸命やるのだという御決意であります。また、四百円以上の話もいま加藤議員からも出まして念を押されたわけでありますが、この中東戦争、これは別の意味で石油戦争でありますけれども、石油業界は早くも石油製品一斉値上げの要望というものが始まりつつあるわけであります。その中における灯油の値上げの問題、これはいま明確にお答えを聞いておりまするので安心しておりますが、この中で、灯油の中でやみ協定がある。山形県の石油商業組合鶴岡支部が、灯油価格をやみ協定しておるのだ、これは生活協同組合ですね、この連合会が事実をつかんで二十日に公取委に調査するよう申告しておる、この問題でありますけれども、すでにこのような灯油につきましても、政府の決意にかかわらず、具体的にそのような動きがある。このことをやはり大臣も御認識なさって、私、大臣のお帰りになったあとで公取には聞きますけれども、この点もよく御認識しておかれるべきであるということを申し上げたいと思うのです。 次に、石炭の問題でありますけれども、いよいよ日本の石炭というものは北海道と九州だけになりました。あの筑豊の山も、最後に貝島炭鉱が十月早々に閉山になりまして、とうとう抗内掘りというものは筑豊からも影を消しました。いま九州の中でも石炭は三池と長崎県だけであります。この長崎県のほうはすべて炭鉱というものは離島にございます。かつては崎戸炭鉱、これも非常に輸出までした炭鉱でありますけれども、閉山になってもう七、八年になりました。そういう離島の炭鉱、そこで閉山になった場合にはもうどうしようもない。崎戸がしかり、松島がしかり、やっと最近大島のほうへ大阪造船所というものの誘致ができまして、明るい話題をまいておるわけでありますけれども、長崎に残された炭鉱は離島の二ヵ所、先輩の離島の炭鉱が閉山になってそのまま不況のきわみであります。やっと最近一ヵ所だけ大島に造船所の誘致ができた。高島炭砿も池島炭鉱もそういうことで非常に地域の人が動揺しておるわけであります。そういうさなかに高島炭砿の一つの分かれでございます端島炭鉱がいよいよ閉山という決定になりまして、先日われわれ石炭対策特別委員会の一行が現地に参りまして、つぶさに事情を聞いてまいりました。たいへんなことでございます。そういう離島である。それが炭鉱地帯である。閉山になった場合には、新たな企業の誘致はほとんどなされていないという、さびれっぱなしの状態でありますので、この端島炭鉱の閉山につきましては、もうちゃんと石炭部長のほうにも詳細なる陳情、要望の書類が出ておりますので、これをすみやかにきちっと解決してもらいたいということが一点であります。 また、離島振興の意味からも、閉山炭鉱の離島の意味からも、これは考えてもらわなくてはできません。同時に、炭鉱からは一般炭が出てまいります。これは池島炭鉱から出ます。また、この高島炭砿からも若干出ます。三池炭鉱からは相当の部分がこれは一般炭であります。そういう一般炭というものをどのように使っていくかというのが重大問題になっております。地元では一般炭の消費増、これは炭鉱の生死にかかわる問題というようなことで非常に問題でありますけれども、これを火力専焼の発電所に設けたらどうかということが一つの解決方法になっております。これはいきなり大臣に答えを聞くわけにまいりませんので、まずそのような問題が九州にある。北海道ではその火力専焼の、石炭専焼の問題が解決されておるようである。九州だけ取り残されておる。そういうことを前提に置いて、そうしてつぶさに九州を今回視察なされた石炭部長の御意見を聞いた上で、大臣の決意を聞きたい、このように思います。
○佐伯説明員 せんだっても先生にお供をしまして、九州のほうを見せていただいたわけでございます。 先生おっしゃられますように、九州ではおもな炭鉱といたしましては三池、池島、高島というようなことになってまいりましたが、それらにつきましては、二千万トンの一翼をになうわけでございますので、極力これに援助をいたしまして、発展さしてまいりたいというふうに思います。 それから、かつて先生がおっしゃられましたように、離島で閉山しましたところにつきましては、その後いろいろなことで企業誘致を進めておるわけでございますけれども、先生おっしゃられますように十分ではございませんけれども、最近、大島炭鉱のあとの大島には大島造船所、あるいは香焼、これはもう島でなくなりましたけれども、そこには長崎造船所やいろいろなものが参りましたし、また、伊王島炭鉱のあとの伊王島にも西日本タンカーサービス等が参ったわけでございますが、今後とも企業誘致につとめてまいりたいというふうに思います。 それから、おっしゃられますように、産炭地火力でございますが、これは一般炭の需要を確保するためにきわめて重要なことだというふうに思っております。そこで、私たちはそれを推進してまいりたいと思いますけれども、いろいろな具体的な問題といたしましては、公害問題をはじめといたしまして、立地の問題あるいは電力需給の問題あるいは石炭供給の問題等、いろいろな問題があるわけでございます。さしあたっては、九州の一般炭につきましては、三井アルミが大牟田に火力発電所をつくっておりまして、それの第二号機をつくるべく計画をいたしておりまして、第二号機十七万五千だったと思いますが、建設することに決定いたしました。これをいたしますと、一号機と合わせまして約百二十万トンの石炭を使うことになるわけでございます。 それからもう一つは、電発の高砂火力のほうに排煙脱硫装置をつけまして、そちらのほうでも硫黄分の多い石炭でもたけるようにいたすということをまずさしあたっての対策といたしまして実行すべくやっておるわけでございます。 御承知のように、北海道のほうはそういう当面の手当てがございませんので、来年度、石炭火力をつくるべく予算要求をいたしておるわけでございます。九州のほうにつきましては、先ほど申しましたように、三井アルミの発電所あるいは電発の高砂火力発電所の排煙脱硫装置をつけるというようなことを当面やりますが、先生おっしゃられますように、長期の問題といたしまして、公害問題あるいは地域の問題、立地の問題等を検討し、今後とも産炭地火力についても検討してまいりたいというふうに思っております。
○松尾委員 大臣きょうは非常に長い時間ここでくぎづけになりましてたいへんだと思いますが、一言いまの火力発電の問題について所見を聞いて、それで大臣退席してけっこうであります。
○中曽根国務大臣 いま石炭部長が御答弁申し上げたとおりでございますが、石炭火力につきましては北海道並びに九州におきまして私はできるだけ早く積極的に進めたい考えを持っております。問題は、いま部長が申し上げましたように、公害問題とか、それからサイトの問題それから石炭供給の安定性等々、幾多の問題がございますけれども、そういう困難を克服いたしまして石炭火力を増強するように今後つとめてまいりたいと思います。
○松尾委員 一言でありますけれども、いまいろいろ、アルミ第二号機の問題発電所等出ましたけれども、長期的な観点からの石炭専焼の火力発電、これは福岡の通産局におきましてもいろいろのお考えがあるようであります。でありますから、やはり離島振興というような意味合いも兼ねまして、公害問題をあまり提起しない、また地域においても反対がないというようないろいろのそういう前提を満たしながら、これは速急に具体的にお考えになるべきであろう、こういうことを私も抽象的にいま申し上げますけれども、具体化をなさるべきである、こう思います。この点はしっかりひとつやっていただきたい。 いま申しましたとおり、長崎県といたしましては離島であり、離島に炭鉱がある。それが閉山になりますると、いま若干言われましたけれども、崎戸、大島も長らくの間企業誘致もなければ、非常にたくさんの古い設備がそのままで、もう立ち腐れの状態であります。何とかしてこれをしっかり地域の発展をはかりませんと、もう長崎県の炭鉱はすべて前例のとおりにさびれていくわけであります。これは離島の振興にもつながらぬわけでありまして、ますますもって離島振興に対する熱意というものが、離島県長崎でありますが、そこからこの離島振興という問題がもう全部がだめだということになりかねないおそれがあるわけです。離島振興のためには経済企画庁におかれましてもいろいろ熱心にやっておられることは、これは私もこの審議会委員の一員としまして、過去三年間この離島振興にはタッチしてまいりましてよく知っております。また、閉山炭鉱の離島に対してむずかしい問題が一ぱいあるということも知っておりますけれども、もう一回あらためて、この端島炭鉱の閉山というものもありますから、ひっくるめて、経済企画庁における離島振興、その中で炭鉱閉山によるそういう地域の振興、現在炭鉱を継続しておるけれども、あわせての振興というものをどのように考えてこられて、どのようにいままで実行されてきて、今後どのようになされるかということを聞いておきたいと思います。企画庁のほうからこれは聞いておきましょう。
○北川説明員 先生は離島問題については非常にお詳しいので、いまさらちょうちょうするまでもございませんが、御承知のように、離島というところは内地と比べまして、きわめて社会的にも経済的にもきびしい条件下にあるわけでございます。端的に申し上げまして、内陸部と比較しますと、平均的に申し上げますけれども、その所得は約半分であるというような、産業、経済、あらゆる面で非常に不利な状態にございます。そういう状況にかんがみまして、御承知のとおり、離島振興法は先年の六十八国会で先生方の御努力によりまして一部改正を行ない、さらに十年延伸する、そうして振興体制を整えるということで四十八年度から新たに離島振興計画を作成したわけでございます。もちろん離島振興は、離島振興法始めましてから相当の伸び率を示しました。その事業費もいままでに約二千三百億という状態でございます。また、今年度予算も約四百三十億、前年度対比で三三%の伸びということで、一般事業、公共投資に比べまして相当の伸び率を示してございます。しかしながら、御承知のとおりいま言ったような離島の現状でございます。そういう意味で離島振興対策については、公共事業、医療あるいは航路問題その他幾つかの問題を控えております。そういった対策は今後十分行なわなければならない、こう考えております。 いまお話のございました端島の問題でございますが、あれは三菱の島かと思いますが、そういったいわば一つの鉱業で成り立っておるという、これも離島の一つの特性ではないか、こう考えます。大体離島は、御承知かと思いますけれども、農業、水産業といった第一次産業を主体としております。この軍艦島のようなものは特異な例かもしれませんが、この島も同様に、総じて一つの事業とか非常に零細な事業とか、そういうものが中心になっております。その意味で今後、もちろん環境問題ということを十分踏まえなければなりませんが、やはり一次産業、二次産業を合理化する、農道をつくる、あるいは漁港を整備する、その他道路を改築するというような公共投資もやり、同時に二次産業というような問題までも十分考慮してやらなければならぬ。先ほどお話のあった大島においても大島造船が来た。これは通産省その他各省のいろいろな御努力もございましょうが、府県も、いま端島においては対策本部などをつくって、その離職者対策等について心血を注いでおると聞いております。われわれもそういった御努力に報いるように当然いろいろな公共投資を行なわなければならぬ。実はそういったすでに閉山になった島々につきましては海岸事業、道路事業、農業基盤事業ということで、いままでいろいろと整備してございますが、従来よりも投資をふやしまして、他の産業が育成できるようなそういう状況の基礎をつくらなければならぬということで努力してまいっております。もちろん今度閉山になりました端島につきましても、そういった意味の事業を十分積極的に行なわなければならぬ、こう考えている次第でございます。
○松尾委員 では石炭問題、それに関連します離島の振興の問題、これは今後しっかりやってもらう、そういうことを前提にいたしまして一応いまのお答えで私の質問を終わりたいと思います。 先ほど灯油のやみ協定の問題で公取に聞くといっておったのでありますが、これは日本生活協同組合連合会が二十日に公取に対して調査するよう申告した、このようなことでありますが、その後どうなっておるのか。一言公取の姿勢等をここではっきりさせてもらいたいと思います。
○吉田説明員 お答え申し上げます。 これは十月十八日に担当官を現地に派遣いたしまして、支部役員の事務所等を立ち入り検査いたしております。いわゆる法第四十六条に基づきます臨検検査を行なっております。現在これは事件として審査部において審査中でございます。
○松尾委員 石炭関係と公取関係はこれでけっこうです。 最後にはっきりさせておきたいと思っておりますのはカネミ油症の問題であります。これはもうすでに私がたびたびこの一般国政の質問におきまして質疑を重ねてまいったわけでありますけれども、このカネミ油症が奇病として報ぜられてからすでに五年になります。この五年間に患者たちは病状の進行、その間の生活苦というもので、まさに死のふちをさまよってきているわけであります。病気で仕事を休むと仕事をやめさせられる。仕事は絶対休みませんという条件で仕事をしておる。どんなに苦しくても仕事を休むと首になるので、がまんしてやっていますけれども、そうそうはいかないで、非常に苦しい状態であります。 また、油症患者の死亡九例のうち、これは五島の離島だけの例でありますけれども、六例はガンで死んでおります。こういう実態であります。 また、油症患者の中に子供がおります。これは生まれたときにまっ黒な黒い赤ちゃんと言われるわけでありますけれども、五島の玉之浦町だけでも二十一人もおる。そういう人々がいまだに認定を受けていない。油症患者としての認定がおくれておる。若干認定を受けていますけれども、まだ認定が残されておる。こういう問題があります。その赤ちゃんたちの将来の問題でありますが、本人もだんだん大きくなりますと、非常に自分のそういう特別な症状で、肩身の狭い生活をする。親も油症患者である。生活が苦しい。認定を受けぬ。受けておっても治療費だけの問題でありますということで、非常にこれは病苦と生活苦というダブリの苦労であります。 われわれも現地に調査団として参りました。その調査団の代表から政府に提出したカネミ油症患者に関する質問主意書に対する政府の回答でも、このカネミ油症というものは公害病に認められない、このような冷たい答え一本でございます。ではどうするのかということでありますけれども、私の質問に対して先般は、難病対策としてやりましょう、こういうことを言っておった。この前聞いたら難病の対策にもなかなか入りがたいというお答えがあった。どうするのかということでなかなか困っておる。五年間もそのような答えではもう厚生省の基本的な態度というものが一体どこにあるのか、そういう難病というものをどういうふうにやっていこうとするのか、さっぱりわからない。厚生大臣が今度博多に行ったところが、難病としてうんと国で治療の研究開発をするというようなことを言うておる。こういう委員会で幾ら質問しても、そのような答えを出さない。旅先で言う。こういうことでは全くこれはおかしい。 私もカネミに関する質問はきょうで全部打ち切りというくらいに思っておりますので、きょうは厚生省のカネミ油症患者に対する対策の進め方、今後どのようにするということをはっきり聞いて、カネミを全部ここで終わりにしたい、このように思ってきょうは質問しているわけでありますから、すべての問題の結論をきょうは出す、カネミの問題はここで解決する、この気持ちでお答え願いたい。
○三浦(英)説明員 カネミ油症の患者さん方の治療方法の解明につきましては、これまでも食品衛生の調査研究費で従来から研究を続けてきたところでございますが、実はさらにこれの治療方法の解明につきまして促進せよということで、大臣のほうから難病対策の一環としてもっと研究を充実してやれ、こういう指示がございまして、私どもこれからは関係方面とも調整をいたしまして、その趣旨に従って治療方法の解明につきましてはもっと促進をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○松尾委員 それではただ難病対策の一環としてやる、それは治療の研究であるということでありまして、ほんとうに五年間苦しみ続けてきた数千名にのぼる患者、それで認定を受けた患者、同じ患者の中でも、認定を受けた患者と認定を受けていない患者、いま訴訟を起こしておる人々ともう会社と妥結したような人々というように分かれまして、地域でも大きな問題を起こしております。食品中毒、食品事故というならば公害病として認定できない。ですから、これは食品中毒というならば食品中毒者を救うような立法措置が必要じゃないか、食品事故であるならば、食品事故を受けてこのように長年苦しんでおる人々をきちっと救っていく対策が必要でないか、こう思うわけであります。ですから、これは食品中毒救済法とか、ひっくるめて食品事故救済法というようなことをどのように考えておるのか、この点をはっきり答えてください。
○三浦(大)説明員 カネミの中毒の事件が起きましてから五年を経過したわけでございますが、私ども食品事故といたしまして、いままでともかく治療法の確立ということを中心にやってきたわけでございます。 なお、患者さん方がからだが悪くて、その後いろいろ生活もできないという事態も最近加わってきておるわけでございます。したがいまして、私どもこれは何とか救済する方法はないか。特に先生前回にも公害病に指定できないかという御質問がございました。ただいまの公害病と申しますのは、大気汚染あるいは水質汚濁にかかわる健康被害だということで、これの適用は非常に困難だというお答えを申し上げたわけでございますが、先生からまたその後難病に指定できないかということもございまして、ただいま三浦審議官からお答えをしたとおりでございます。ただ、難病に指定されましても、生活費その他のいろいろ問題が解決するわけではございません。現在世帯更生資金によりまして、現在ある制度によって救済をはかっておるわけでございますが、私どもこれを抜本的に救済する方法といたしまして、食品事故救済制度化、これをともかく早く制度化をしなければいかぬじゃないかということで、大臣のほうからも御指示がございまして、目下これを検討して結論を急いでおるわけでございます。
○松尾委員 いまお答えがありました食品中毒を救済していく、そういう特別措置をやる、それを急いでやるというお答えでありまして、了承いたします。了承いたしますから、これはやはりもう五年もたっておりますから、この次また私があなたにあれはどうなりましたかと聞いたとき、まだ研究していますではいけませんよ。あのときのお答えに従ってこのようにもう進んでおりましてこのようになっておりますというような、そのような取り組み方でなくちゃ了承できません。 それだけ強く要望いたしまして、きょうの私の質問を終わります。
○山田(久)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十五分散会