商工委員会 第53号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/09/14
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、特許に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。板川正吾君。
○板川委員 再販取り消し問題と不当廉売禁止といわれる問題について質疑をいたしたいと思います。 山下官房副長官の時間的な都合もございますから、先に山下副長官にお伺いをいたしたいと思います。 昨日の新聞によりますと、山下官房副長官は、記者会見で、同日の政務次官会議で、公正取引委員会が再販売価格維持制度改正を最終決定するにあたっては自民党と政府に連絡をとり慎重に行なうべきだとの意見が大半を占めた、こういうことを昨日明らかに発表されております。この山下副長官が記者会見で発表した真意、いかなる権限に基づいてそういう発表をされたのか、その真意を伺っておきたいと思います。
○山下(元)政府委員 御指摘の点につきまして、昨日の政務次官会議におきます会議の模様を通例記者会見で発表することになっておりますので、昨日もその例に従いまして会議の模様を発表いたしたのでございます。そのことにつきましては、・大体報道されておるようなとおりでございますが、再販制度の改正につきましては、公正取引委員会におかれても、政府機関として、他の政府部内の連絡と申しますか、そういうものを十分とって慎重にやるべきであるという意見が大勢でございましたので、その空気を記者会見で発表した次第でございます。
○板川委員 政府と自民党に連絡をとるべきだ、それは大勢の意見だ、そうした意見が政府として妥当な意見の発表だと思いますか。御承知のように、公取は、行政組織法第三条に基づく行政委員会であります。独禁法二十八条で、内閣の意向にかかわらず独立して委員長、委員は権限を行使できる、こういうことになっており、公取は行政機関であるが、同時に司法的権能も付与されております。そういう独立した権能を与えておりながら、自民党と政府に十分連絡をとらなければこういう最終結論を出しては悪い、こういう見解を発表することは、公取の権限というものを——いわば裁判所に対して、自民党と政府に連絡をとった後でなければ判決を下すべきではない、こういうものと同じじゃないですか。独立の権限を与えている権限を無視することになり嘱せんか。
○山下(元)政府委員 独占禁止法の二十八条には公正取引委員会の独立性がはっきりと明定されておるわけでございまして、私どももその趣旨はそのとおりに考えております。ただ、公正取引委員会は、内閣総理大臣の所轄に属します、いわゆる政府機関でございますので、政府機関としては、事務的にもいろいろ部内の連絡調整は当然とるべきであると考えております。ただ、自民党ということが報道されましたけれども、これは政府との連絡ということでございますが、通例政府・与党ということばもございますように、政府としてのいろいろの意向につきましては与党との連絡を絶えずとっておるわけでございまして、特に政務次官と申しますのはそういうことが仕事の大きな中身でございますだけに、空気としてそのような感じを受けましたけれども、あくまで公正取引委員会の独立性は法の示すとおりでございますが、ただ、政府機関としては、やはり事務的にも十分部内との連絡調整をとって、そして慎重に当たるべきだということはそうではないかというように考えておるわけでございまして、そのような意見が次官会議で大勢を占めましたものでございますから、通例政務次官会議の結果をいつも発表いたしますので、昨日もその例に従って申し上げたというのが真相でございます。
○板川委員 公取は、独禁法二十七条の二項で、「公正取引委員会は、内閣総理大臣の所轄に属する。」こういうことになっておりますから、内閣総理大臣に所属していることは事実であります。しかし、これは議論しますと非常に長い議論になりますが、憲法解釈上からいいましても、内閣に所属するということは、たとえば予算権、委員長、委員の任免権、こういうものをコントロールする範囲でありまして、公正取引委員会の再販なりあるいはおとり販売なり、こういう公取の判断する内容まで発言するということは、これはけしからぬ行為で、越権行為ですよ。これは予算の打合わせとかなんかということなら発言権がありますよ。しかし、この内容にわたって、再販を最終決定する場合には政府・自民党に連絡をしてきめなくてはいかぬなんということ自体——しかし、そういう発言があったことは事実として認めても、得々としてこれを発表するなんというのは、憲法や独禁法というものをまだよく勉強してない証拠だから、ひとつ十分注意してもらいたい。また、時間があったらこの問題は憲法論議として議論してみたい。けっこうです。 再販問題でひとつ議論をいたしたいと思います。 公取委員長に伺いますが、再販売価格維持契約制度というのが昭和二十八年の独禁法改正の際に取り入れられました。そのときに取り入れられた趣旨、理由というものを説明していただきたい。
○高橋(俊)政府委員 これは昭和二十二年につくられました独禁法に対しまして、昭和二十八年に、つまり昭和二十七年当時から起こった問題とお考えいただきたいのでございますが、その当時の経済情勢も背景にあったようでありますけれども、おとり廉売とか、小売り業者あるいはそのメーカーを含め乱売戦があったというふうなことを契機として、それがほんとうの理由であったかどうか私としては判然としない点がありますけれども、主としては廉売行為、安売りの行き過ぎということに対応するために設けられた制度である、かように私は承っております。
○板川委員 当時これを取り入れる契機となったのは西ドイツの競争制限禁止法ですね。この西ドイツの独禁法の中に再販売価格維持契約制度というのがあり、これはいい案だということで、二十八年の改正するときに前向きのものとして取り入れられたわけでありますが、その後、西ドイツにおいてこの競争制限禁止法が改正をされて、再販制度というのは全面的に禁止されつつある。あるいは西欧諸国でも、共通独禁政策というたてまえから、この再販制度というものが禁止の方向にある、こういうふうにいわれておりますが、実態はどうでありますか。
○高橋(俊)政府委員 ただいま仰せのとおり、最近におきまして、西ドイツは来年からほとんど全部の再販商品、これは西ドイツがかつてはヨーロッパで一番品目の多い再販制度をかかえておったものでございますが、それがごく一部の新聞、書籍を除きまして、全面的に再販制度を廃止するということを決定いたしました。他の国におきましても、イギリスはすでに医薬品、これは医薬分業になっております関係から残しまして、全部廃止しております。フランスもごく一部の商品に認めている程度で、ヨーロッパの先進諸国におきましては、ほとんどが廃止の方向に向かっている、大幅に縮小されておるというような実情であります。
○板川委員 これは通産大臣でも関係者でもいいのですが、経済企画庁所管の中に消費者保護基本法に基づく消費者保護会議という会議がございます。総理大臣が会長になっておりまして、関係各省がこれに参画をいたしております。四十七年十二月二十四日の消費者保護会議で、再販制度というのを縮小すべきであるという決議がなされております。それから昭和四十八年二月十三日、経済社会基本計画の閣議決定の際に、これまた再販制度というのは縮小すべきであるという決議がなされております。この再販制度を縮小すべきだという方向は、これは政府・自民党の基本的な方針、こう見てよろしいのじゃないかと思いますが、通産大臣、この閣僚会議には、閣議決定の際には出ておりますが、再販制度というのは縮小すべきだという決定をされておりますので、この方向は政府の方向と思いますが、いかがですか。
○中曽根国務大臣 大体政府の方針のようであります。
○板川委員 大体じゃなくて、これは完全に政府の方針であります。昨日の業者の大会には自民党の方が出られて、あたかも自民党は、この再販縮小に反対であるというような、政府の方針と違った意見を言っているそうでありますが、これは大体じゃなくて、再販制度というのは、物価対策上、消費者保護政策上縮小していくべきだ、こういうのが政府の一貫した従来の基本的態度だ、こう思います。自民党の方もひとつそれを念頭に置いていただきたいと実は思います。 そこで、これは公取に伺うのですが、再販制度を縮小する今回の措置に対して、値幅再販を残したということ、たとえば化粧品については千円以下の場合、あるいは薬品、こういうものに値幅再販を認めたということは、正田教授等の意見ですと、これはおかしいじゃないか、再販をやめるというなら値幅も許すべきではない、こういう意見等もあります。これに対して公取が値幅再販を残した理由、値幅のパーセンテージ、これはどんなふうに考えておられるのか、公取の見解を伺いたい。
○高橋(俊)政府委員 値幅再販と申しますのは、価格を確定したものとしませんで、一応届け出の際に価格は小売りの末端で幾らとする、たとえば千円とするといたしますと、これは実際、値幅再販の趣旨は上に値幅ということはないわけで、一割引きの九百円で売ることも再販の趣旨に反しない、制度に反しないといいますか、その系列における再販の値段としては千円から九百円の間で売っていい、あるいは一割以上であれば一割以上の値幅、そういうものも現在あります。値幅再販を認めているものはすでにございますが、これを全面的に値幅といたしましたのは、それだけ再販制度をゆるめるといいますか、制度の縮小した考え方としては相通ずるものでございます。
○板川委員 こういうふうに理解してよろしいのですか。値幅が大きくなればなるほど再販の意義が失なわれるというふうに考えて、値幅の多いことを期待をしながら、しかし化粧品等で千円以下の場合、薬品等については、そういう意味で値幅再販を残した、まあ趣旨徹底しないというのがこの正田教授の意見ですね。これはそういう意見もあるということをひとつ念頭に置いてもらいたいと思います。 次に、公取委員長にお伺いしたいことは、再販取り消しの今回の公取の措置に対して、こういうような反対論というのがあると思うのです。それは、再販制度がとられておる品物は消費者物価に比べて値上がりを示していない、だから物価安定に寄与している、したがって、この再販制度を取り消しすることは物価安定の上から好ましくはない、こういう意見が一つあるようであります。 もう一つは、昨日大会があったそうでありますが、化粧石けん、洗剤、歯みがき等の三品目の指定取り消しに対して、これは業者の死活の問題である、こういうことで反対だという意味を主張されておるのであります。 しかし、この二つの論理は明らかに矛盾しておるのじゃないかと私は思います。値上がりをしないというならば、いわば一般消費者物価の上昇によって収益が相対的に減る、だから値上がりを認める、指定取り消しというのはほんとうは歓迎すべきだ、われわれは値上げをしたいんだけれども、再販価格制度で値上げの届けを出すと公取がうるさいから値上げをしなかった、こういうならば、指定を取り消されることを喜んでいいはずであります。 また、後者の、再販を取り消しされることは業者の死活問題だ、こういう意見であるならば、前の話と論旨が明らかに矛盾しておるのですね。食料品とか衣料品とか、そういったわれわれの日常生活の品物は自由価格で行なわれておるわけです。われわれ一般の国民からいうと、化粧石けんとか洗剤とか歯みがきという品物をどうして再販制度にしなければならないのかということがわからない。こういう点が再販指定取り消しの問題にからんでどうもわからない三つの点でありますが、公取はこれに対してどのような見解をとっておられますか。
○高橋(俊)政府委員 全くいま板川委員のおっしゃられますとおり、数字の上では再販商品は値上がりしていない。したがって、統計の上で値上がりしてないんだから、むしろ物価の安定に役立っている。それを廃止することは、現在の目先の物価問題に対してプラスにならないという意見が一方にございます。しかし、昨日行なわれました化粧品の小売りの大会なんかにおきましては、再販をはずされれば死活にかかわる問題だ——特に私どもは、この化粧品については、一挙にこれらをやめるのじゃなくて、千円以下のものはそのまま、値幅再販ではありますけれども、残す、それをこえるものだけを再販品目からはずすと申しました。それから、全部を廃止するのじゃありません。ところが、高級品である千円をこえるものを再販からはずすことに対して、死活の問題であると言っているのはどういうことなのか。物価の安定ということから見ますと、それが明らかに値下がりするから非常に苦しくなるんだというふうな説明にしかならないわけでありまして、はっきり申してまして私どもはその点了解できません。 なお、ついでにちょっと申しますが、値上がりしてないという原因の一つに、総理府統計では、再販品目のうちでその統計に使われておるのは十数点でございます。全体の再販品目数は五千五百でございます。非常にこまかな容器別に計算した品目数はそれだけですから、ほんのごく一部にしか使われていないということがあります。 同時にまた、これは別の面から私ども公正取引委員会の事務局がたんねんに届け出をとっておりますから、その中身をいろいろ見ますと、実質的な値上げ、つまり高級品に切りかえていく、だんだんに下級品より高級品のほうに移していって、おそらくその中身はあまり変わりないのでしょうけれども、これらについて厳密に内容を分析した上での厳格な考え方でありませんが、大体数年間に三割ないし五割ぐらい値上がりしているというのが実情でございます。他の品目につきましては必ずしも上がっていないというものもございますが、化粧品に関する限りは遺憾ながら統計上据え置きというのは非常にわずかな品目でございまして、実質的には値上がりしているということでございます。これを今回一部、特に高級品についてはずしました場合に、事実上どうなりますか、私ども予測がつきません。さしあたりの物価に対してプラスと出るかマイナスと出るか、これはわかりません。わかりませんが、業者の考えをそのまま解釈いたしますと値下がりするんじゃないか、こういうことになりますし、まあ逆の方向では、いままで価格が動いてないんだからということで、物価に貢献しているともいわれるし、その辺私どもわかりません。 なお、三品目を廃止いたしましたが、いままで五品目だけを特別扱いしたような形になっております。これは筋が通らないと思います。昭和三十六年以降、いかなるところから再販指定の申請がございましても、これを全部実は拒否をしてしまっているわけです。ですから、それによって実は再販として認められないので、再販類似の行為をしたといって公取から規制をされたというものもあって、たいへん実は不公平な制度になっているのではないか、かように考えて今回の措置を考えたわけでございます。
○板川委員 消費者物価指数の中には食料品、衣料品、こういったものが、おもな品目として入っておりますが、しかし石けんとか洗剤とか歯みがきとかいうのは、消費物資であることは事実だが、いわばこれは大量生産、工業製品的な要素を持っておる。だからこの値上がりというのは、どっちかというと工業製品の物価指数と比較しなくちゃあるいは妥当な比較じゃないかもしらぬ。いま公取の調査では三割ないし五割くらい上がっていると言われますが、おそらくその時期における卸売り物価というのはどれだけ上がったかというと、三割も四割も五割も上がっていないと思います。 いずれにしましても、この再販取り消しの措置に対する反対意見というのが、なかなかわれわれは理解できない。ドイツのように今度カルテル法を改正して再販制度を禁止するというところでも、各党各員によっていろいろ評価が違っておる。再販制度を禁止しても物価は下がらないだろうとか、いや効果があるとか、いろいろ議論が各国でも分かれておるようであります。しかし、どう考えても、化粧石けん、洗剤、歯みがき、この製品だけ再販制度でなくちゃならぬという社会的な理由というのは私ども首肯できない、こう思います。 そこで次に伺いますが、この再販の指定取り消しの方針を公取がきめられた、これを実行する場合に、その前に、政府・自民党の先ほどの見解を考慮してこの再販指定取り消しを取り消す、この意思を取り消す気持ちが公取にあるのですか。政府・自民党の次官会議の要望等を受け入れて、これはやめたという気持ちがございますか。
○高橋(俊)政府委員 これは私がきめることではなく、私と四人の委員の完全な合意できめるべきものと思います。今回発表いたしましたのも、その五人委員会の合意によるものでございます。いま私が直ちにこの場でどうこう申し上げることはできませんが、いままでの五人委員会の態度としましては、内容を変える気持ちはないということであります。
○板川委員 この意思をひるがえす気持ちはないという委員長の答弁でありますが、そこで、そうした場合に手続的にどういうことを踏まれますか。公聴会を開いて、関係者の意見、一般の意見を聞くのですか。それとも公取が官報に告示すればよろしいのですか。そしていつからそれをやろうとするのか、そういう手続の見通しについて伺っておきたい。
○高橋(俊)政府委員 取り消しをいたします場合には、第二十四条の二の第三項によりまして告示をすれば足ります。その前に公聴会の必要はないわけでございます。 いつごろからという話に対しましては、私いま明確なお答えをしないほうがいいという判断でございます。 どうもこの問題につきましていろいろ騒然と——事柄の性質からいって、それは業界としては重大であるかもしれません。だけれども、どうもそれほど国家をあげての大問題とも思われませんが、騒ぎのほうは相当なことでございまして、私はこれらの騒ぎをなるべくなら静めて、ある程度落ちついたところで告示をするほうがいいのじゃないかと思っております。 一方、おとり廉売を禁止する不当廉売禁止の問題がございます。これとからまっていないとは申せないのです。つまり、そういう措置を一方においてとるということを条件にしているわけではございませんが、そういう措置とあわせて縮小の措置をとるということにしたものでございますから、当初そういうことで発表もいたしております。再販縮小を契機として、こういう不当廉売の禁止規定を設けますよということでやりましたので、その間、告示の日にちが同一日にちでなければならぬとは思っておりません。違ってもいいわけです。しかし私どもも、もう少し慎重に事態を見て、その上で特に不当廉売のほうは公聴会をやらなければならないことになっておりますから、手続上若干おくれることも一考えられます。そういったことも勘案いたしまして、いつ告示をするかということをきめたい。いま直ちにすみやかにやれという御意見でございましょうが、私いつやるかということについては、ちょっといま申し上げないほうが適当である、こういうふうに考えております。
○板川委員 私は、この再販制度が取り入れられるときに、おとり販売禁止というものと関係があったかもしれませんが、今日の段階では、これは切り離したっていいんじゃないかと思うのです。これはこれで、再販は指定を取り消される。おとり販売禁止の条項は、いまこれから伺いますが、慎重にやるべきだと私は思いますから、期限をこれとセットにして考えられるというのは、私はどうも公取の今回の措置がわからない。従来の資料等を見ますと、不当廉売とからんできておることは事実ですね一昭和四十六年四月十五日の公取の見解等でも、再販売価格維持行為は、おとり廉売等の不公正な取引方法から、メーカーのブランドの信用を守り、小売り業者の利益を保護するのに役立つものとして、一定の条件のもとに独禁法の適用除外がされてきた、これは四十六年四月十五日の公正取引委員会の見解発表です。だからこういう意味から見れば、おとり廉売という不公正取引との関係はありますが、しかし、これをあくまでもセットにして考える必要はないんじゃないかと私は思いますが、これはまた議論しましょう。 そこで、公取委員長に伺いますが、もし指定を取り消された場合に、業者、メーカーがこの指定を取り消されたにかかわらず、同じ再販制度というものをとっていた場合には、どういう措置が法的にとられることになりますか。
○高橋(俊)政府委員 再販は原則として禁止されております。それは指定を受けたものだけが、法律上の再販品目だけが認められておりますから、したがって、これは不公正な取引方法として排除されなければなりません。
○板川委員 こういうことになるのでしょう。メーカーがやみ再販を継続しておれば、勧告をするか、そして審決を出すか、あるいは勧告を出さずに審決に入るか、そして命令を出して、聞かなければ独禁法十九条による不公正取引の違反として罰則を受けます、こういうことになるでしょう。そうじゃありませんか。
○高橋(俊)政府委員 仰せのとおりでございます。
○板川委員 そこで、西独で今回再販禁止を全面的に行なうにあたって従来もあったようですが、正式に法文の中に、西独のカルテル法の三十八条に勧奨価格制度というのを新たに設けましたね。これはこの資料によると、三年間くらいの時間をおいて一応この再販価格制度的なものを残してみよう、こういって残されたようであります。その理由は、西独カルテル法の三十八条に、「企業が他のメーカーの同種の商品と価格面で競争関係にある自社の商標品の再販売に関し、拘束力のない価格勧奨を行ない、かつその勧奨が、拘束力を有しない旨明示されており、実施にあたっては経済的・社会的又はその他の圧力が行使されない場合、勧奨価格が勧奨を受ける者の過半数により要求されると見通される価格に相応するとの期待のもとに通告されている場合には適用されない。」とあります。いまの日本の独禁法では、再販売制度というのは、言ったとおりの値段で売らないと出荷停止をするぞ、こういう拘束要件がついておるが、これはいかぬ。ところが、この西独の推奨価格制度というものは拘束要件がついていない。拘束要件をつけない旨示されておって、そして末端の販売業者が他の競争関係があるからこのくらいで売りたいということが過半数により要求されると見通される価格に相応する、こういう場合には拘束力がなく、末端業者の大半がそういう価格で売りたいという場合には、推奨価格制度というものが西独の場合には今度あらためて設けられた。こういうことを考えますと、この推奨価格制度というもので場合によったら扱われるという方法も一つの方法ではないかと思いますが、公取委員長はどういう見解を持っておられますか。
○高橋(俊)政府委員 西独で考え出した推奨価格という制度については、これはわが国では、すでに私の公取のほうでも認めておりますが、メーカーの希望価格というものと同じじゃないかと思うのです。日本の希望価格は、特に耐久消費財の場合に典型的に見られますが、カタログがございまして、それには値段が書いてある。これはメーカーの希望価格ということでございまして、それを守らなければならぬというふうなことになるとたちまち再販の禁止違反になりますが、そうではなくて、それを守らなくてもいい、まあ一応の基準価格であってそれは拘束力を有しないというものが明確であるものについては、これは現在認めております。ですから、そういう方法は日本にもすでにあるとお考えになっていいんじゃないかと思います。
○板川委員 拘束力がない指導価格というものであれば現在も再販禁止条項にひっかからない、こういうわけですね。そういういわば方法もあるのでありますから、どうもこれが死活問題だと大騒ぎすることも実はどうかと思っておるのです。現在の独禁法の中でもそういう趣旨はあると思います。 次に、不当廉売について伺いますが、まず「不当廉売に関する特殊指定案の概要」というのが資料で出されておりますが、一般指定がすでに告示十一号である。この小売り業における不当廉売に関する特殊指定というのは、これも一つの一般指定じゃないか。まあスーパーの不当廉売を禁止するというのなら特殊指定でありますが、特殊指定と一般指定との区分というのはどういうことになるのですか。これも一般的な大きいメーカーが不当に廉売して、安い値段で顧客を自分のほうへ取ろうということを禁止しようというのだから、この内容から見ると、私は特殊指定というのはおかしいのであって、一般指定じゃないかと思うのですが、これはどうして特殊指定ということになるのですか。
○高橋(俊)政府委員 一般指定は、御承知のとおり、不当に低い対価とか不当に高い対価ということで、業界も何ら特殊指定しておりません。ですから、おっしゃるとおりに、そのメーカーがダンピング行為を行なって自分の競争相手を困らせるということが行なわれますれば、今回の特殊指定ではなくて一般指定の解釈によって禁じられることになります。規制されます。ですけれども、今回の措置も一般指定と同じじゃないかという点については、私はそうではないので、これはさしあたりメーカーや卸に対してじゃなくて、小売り段階の業者のみを対象にしよう。と申しますのは、卸の段階を含めて特殊指定によってすべての段階を規制の対象にすることもそれは不可能じゃありませんし、そういうことも考えられるのでありますが、特に必要と思われましたのは、小売り段階における規制が必要である。そして一般指定のところでは、御指摘のように、不当に低い対価ということが使われており、法律上の文言も実はあまり変わってない。今度の特殊指定におきましては、その点におきまして実はそれでは不十分なので、小売り業者に対して何が不当に低い廉売なのか、つまり不当であるということの境目はどこにあるのかというのを示すのが目的であり、かつ、それだけではございません、その不当な廉売に該当しない、たとえば値段を仕入れ価格の半値で売っても、極端な廉売でありましても正当とみなされる場合がある。正当といいますか、防衛的といいますか、緊急避難的なものがある。そういうものを、事項を並べまして、さらにその上に解釈上、これは運用上の問題でありますが、正当な理由のあるものは不当廉売にはならないということを申しております。これらの点は一般指定に比べればはるかに具体的であり、かつ、その業者に対して現実に即した運用ができるようになっておりますので、ばく然とした不当……(板川委員「質問したことだけでいいです。」と呼ぶ)そういう点を考慮したものでございます。
○板川委員 この公正取引の指定には一般指定と特殊指定がある。まあ質問をしないその内容まで答えていますから話を戻しますが、この正田教授の「独禁法の解説」によっても、「公正取引委員会の行なう「指定」には、業種にかかわりなく行なわれる「一般指定」と、特定の業種について、取り立てて一定の行為を対象にして行なわれる「特殊指定」がある。」こういう区分が出ておって、一般指定は御承知のように昭和二十八年の告示十一号、特殊指定はいままで十三の業種に行なわれておる、こういわれておるのですね。しかし、今度の不当廉売規制というのは、どうも私は特殊指定というのはおかしいのじゃないかということが一つあります。しかし、これはいいです。さしたる議論じゃない。 ただ、いま物価が非常に暴騰しておる。消費者物価も暴騰しておるまっ最中、卸物価もかつてないほど暴騰しておるまっ最中に、公取が不当廉売の禁止法をやる、まあ悪口に大安売り禁止法ということを特殊指定にしようというのは、どうも私は公取の政治的判断がなかったという感じがしますね。ただ単に再販指定とからめてあまりものを考え過ぎてきたことじゃないかと思うのです。再販制度との関係というのがどうも私はわからないので、これは切り離すべきだという主張をいたします。時間の関係がありますから、その点では申し上げませんが、この不当廉売について、一般指定、告示十一号の六、ここでなぜ取り締まりができないのですか。従来もこの不当廉売については告示十一号、一般指定で十分取り締まりといいますか、指導されておったのじゃないですか。告示十一号の六でなぜできないかということを公取委員長、ひとつ説明してください。
○高橋(俊)政府委員 簡単に申しまして、いままでの一般指定の、先ほど申しましたが、基準がはっきりしておりません。仕入れ原価を割った場合には不当であるというふうな解釈が部分的には正式でなく出ておりますけれども、公正取引委員会がそれによって規制するには非常に困難を感じました。現実にはこれの違反によって排除命令を出したようなケースは一件もないわけでございます。ですから、実効性が非常に疑わしい。この際、公取委員会は、その基準を明確にした上で規制を強化すべきである、こういう考え方でございます。
○板川委員 告示十一号、公正取引の一般指定では基準が明確ではない。従来はそれは明確なのですね。一般指定の公正取引の基準というのは、従来は仕入れ原価を割って売った場合には不当廉売になるが、仕入れ原価までは不当廉売ではない、こういう基準が明確になっています。だけれども、今度の不当廉売を特殊指定にしようというのは、その差は、この仕入れ原価に対して六%というマージンをつけ加える、これ以下で売ったら不当廉売であるということをきめるかきめないかによって、従来の告示十一号、一般指定か、今度の特殊指定かの差か、この一つしかないと思います。ところが、欧米でもこの不当廉売という制度はあります。われわれも大資本がそういう経済力を乱用して、不当に他の顧客をとってしまうというような方式は反対です。だから不当廉売という制度そのもの、そのことはわれわれも賛成なんです。だけれども、従来は仕入れ価格までだ、今度は六%のマージンを加えないという不当廉売だ。西欧諸国では一体どういうふうにやっておりますか。時間がないから詰めて言いますが、イギリスでも仕入れ原価に税金というのですから、税金は差し引けば仕入れ原価じゃないですか。フランスでも仕入れ原価じゃないですか。西独でも仕入れ原価じゃないですか。アメリカの三十の州の中で十九州が四%ないし八%のマージンを取らなければ不公正取引だ、不当廉売だと言っているにすぎないじゃないですか。公取がいまの物価高の最中に六%のマージンを取らなければ不当廉売だ、こう言って固執されるのはどういう精神なのですか。これがわからない。伺っておきます。
○高橋(俊)政府委員 各国の制度につきましてもいろいろなタイプがございます。アメリカのある部分では、仕入れ原価に対して販売経費を加えたもの、つまりほんとうの意味の原価でございますがそれを割れば不当廉売になる、こういうのもございます。ですから、すべてが仕入れ原価で通用しているわけではございません。私どもが日本のいまの現状等から考えまして、六%というものは、マージンというと非常に誤解を生むのですが、要するに利益ではありません。利益というふうにはほど遠いものでございまして、これは経費です。経費のうちのほんの一部でございます。スーパーの場合に、調べてみますと平均が二二%販売経費がかかっており、小売り業の場合には二九%、仕入れ原価に対しましてそのくらい高い経費がかかっております。そういう現状を考えまして、どのくらいがほんとうに商品として使われる場合の赤字販売の限度として、仕入れ原価がいいか、あるいは若干の経費の一部を加えたものがいいか、これらについては私どもいろいろ検討いたしました結果、六%という数字を一応出しております。しかし、これに対しては全然正反対の意見がございますので、公聴会等を通じまして最終的には取り扱いをきめたい。私ども六%そのものに固執しておるわけではございません。
○板川委員 公取が固執しておる六%の経費というものは、諸外国ではアメリカぐらいで、あまり取ってない。これをはずせばいまの告示十一号で十分やれる。こういう考え方からいえば、私はこの特殊指定をあえて公取が強行しようというのはどうかと思うのです。もしこの方式で特殊指定をしようとすれば、独禁法七十一条、七十二条の手続によって、関係業者、それから一般の消費者の意見を公聴会を持って聞く。そしてその意見を十分考慮して——これは独禁法七十一条にありますね。「公正取引委員会は、特定の事業分野における特定の取引方法を第二条第七項の規定により指定しようとするときは、当該特定の取引方法を用いる事業者と同種の事業を営む事業者の意見を聞き、且つ、公聴会を開いて一般の意見を求め、これらの意見を十分に考慮した上で、これをしなければならない。」七十二条が「不公正な取引方法の指定の方法」として「第二条第七項の規定による指定は、告示によってこれを行う。」ということになりますが、この公聴会を開いて、公聴会で圧倒的にこの特殊指定に反対だという空気が盛り上がった場合には、公取はどういう措置をとられますか。御承知のように、公取は独立した権限を持っておりますから、どういう意見があろうと、決定する気なら決定できるでしょう。しかし、民主主義の原則は公取も無視することはできない、私はこう思うのですが、この特殊指定の提案に対して、公聴会等で一般が反対だ、特にそれはいままでの告示十一号でよろしい、一般指定で取り締まれる、こういうような意見であった場合には、公取委員長は、それでも一この特殊指定を強行されようとされますか、いかがですか。
○高橋(俊)政府委員 ただいまの御質問は、反対のほうに立っての説が多かった場合ということでございますが、私どもは、反対も賛成も両様出てくる、しかし、それらのうちからいろいろ総合判断してきめる、こう申しておるわけでございまして、仮定の御質問に対して、それならばこうするというふうにいま答えるのは、私たちにとって適当なことじゃない。いずれにしても、公聴会の意見を聞いた上で、十分それらの意見をしんしゃくしながら最終的な決定を行ないます、こう申し上げるほかはないわけであります。 〔委員長退席、左藤委員長代理着席〕
○板川委員 公取の独立した権限をわれわれはとかく言うものではないが、しかし国会の意見もひとつ参考にしてもらいたいということで、私は、不当廉売というのは、この特殊指定というのは、そういう意見を聞いて慎重にやってほしい、できれば現在の告示十一号の一般指定がこれをやっていけると思うので、やるべきではない、しかし再販制度は早急に取り消しを告示すべきである、こういう見解だけ申し上げます。 以上で、公取委員長に対する質問を終わります。 通産大臣に伺います。通産大臣は、八月二十四日の当委員会で、加藤清政議員の質問に答えて、例の金大中事件で対韓援助を打ち切るべきではないか、政府機関なり公的機関が関与しておった場合にはこれを打ち切るべきではないかという再三の質問に対して、最後のほうで、十分検討する必要がある、こういう趣旨の答弁があったと思います。 その後、捜査当局の発表等によりますと、今回の金大中事件では、韓国のCIAの介入が明らかになってきた、明白である、法務大臣は、国会及び記者会見等では、しばしば韓国のCIAの介入は政治的判断としては一〇〇%間違いない、ただ関係者を呼んでこれを調べて証拠をあげるということができないからである、もしそういうことが明白であれば、経済援助打ち切りというどころではない、もっと重要な事態になるだろう、こんなような発言もされております。これは法務大臣の委員会における発言のようでありますが、通産大臣として、八月十四日から今日まで相当日数もたち、事態が進んでまいりましたから、対韓援助問題について今日の段階でどういう見解を持たれているかというものを伺いたいと思うのであります。金大中事件の解決を見ない以上、対韓援助は現在全面的に中断されておるのですか。この対韓経済援助というのが現在の段階では動いているのでしょうか、それとも停止をしておるのでしょうか。これを伺っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 私が加藤委員に御答弁申し上げましたのは次のようなことであると記憶しております。もし万一主権侵害が合った場合には対韓援助を打ち切るべきではないかという執拗な御質問に対して、私は、日韓両国の間は善隣友好の関係を続けていくことが好ましい、今日の時点においても同様である、今回もし万一主権侵害といういうようなことがあれば、それはまことに不幸な事件であって、そういうことがないことを希望しておる、しかしもし万一そういうことがあったとするならば、外交当局と相談し、閣議レベルで、その問題も含めて検討することはいいと思う、そういう返事をしたと記憶しております。 その後、外交当局及び日本の司法当局の動きを見ておりますというと、まだ主権侵害という事実が明白になされておらぬようであります。外交関係においては、やはりある程度の明確な根拠を持って行動しないというと国際的に必ずしも適当でない。そういう意味において、司法当局や外交当局はいま懸命にその資料等を集めておる最中であり、事実を探索している最中であると思うのであります。したがいまして、そういうような段階において対韓援助を変更するというような考え方は適当でないと考えております。 それからいま事務的な関係その他で動いているかどうかという御質問でございますが、政治の方針がそういう方針でございますから、その趣旨に沿って事務レベルのことも処理されているのではないかと思います。つまり、これがために断絶しておるというようなことはないのではないかと思います。
○板川委員 そうしますと、現在の状態でも対韓援助の問題は従来の契約に基づいて事務レベルなりでは取引が行なわれておるのですか。
○中曽根国務大臣 事務レベルのことは事務レベルの者に聞いてみないとわかりません。ただ、政治の方針がそういう方針でありますから、断絶しておるということはないのではないか。しかし、事実上話がいまだないとか、あるいは進行してないとか、そういうことは事実問題としてあり得るかもしれませんけれども、政治の方針はそういう方針であります。
○板川委員 大臣がこの委員会で、いま大臣も言われましたように、そういう不幸な事件でないよう念願しております、しかし、万一そういうような性格のものであるとすれば——ということは、これは韓国の政府機関の関与があった場合ということですが、そういうような性格のものであるとすれば、それに相応する措置につきましては外交当局とも相談して閣議レベルでいろいな対策を講ずべきであると思いますが、対韓援助云々——云々というのは対韓援助打ち切りという問題につきましてはよく検討してみる必要も一あると思います、こう言っておるのですね。だから、このときにもよく検討すると言っておるのですから、その後の状況は、法務大臣も明白に言っておるように、韓国のCIAが介入しておることは明らかだと言っておる。それで、関係人を招致したいというのに、向こうではこちらに送還をしない、呼び戻しをさせない、こういうことになりますと、向こうでいつまでもそういう状態が続いておっても、この対韓援助というのは、従来の契約に基づいて、約束に基づいてどんどん走っておるのですか。私は、もしそうであれば、これはこの辺で大臣も、事務レベルでなくて、これに対する援助の少なくとも停止、中止、こういう程度のことはやはりしなくちゃならないのではないだろうか、こう思いますが、いかがですか。
○中曽根国務大臣 私の検討ということばは、もし万一主権侵害の事実が不幸にしてあればという条件がかかっておるのでありまして、その主権侵害の事実有無ということは目下司法当局で探索している最中であって、まだそれが明確に出てきておるということには至っていない段階であると私は思います。ですから、まだその段階に至っていない、検討云々という段階にまだ至っていないと私は思うのであります。
○板川委員 これは政府の一貫した方針のようで水かけ論になりますが、ひとつ検討すべきだということを要請いたします。 それからもう一つは、石油消費国同盟に対する大臣の発言について真意を伺いたいというのが私の質問の趣旨ですが、大臣は去る五月に中東四カ国を訪問して帰国した。その際の報告にもありましたように、日本は消費国連盟に参加する意思はない、こういうことを向こうで発言され、こちらでも報告をされておりました。われわれもそれを実は了としておるわけであります。この消費国連盟に参加するかしないかは、実はわが国のエネルギー政策上重要なポイントになろうかと思いますので、伺います。 最近の新聞報道によりますと、通産大臣は去る七月に、アメリカに対して日米共同でエネルギーの調整を話し合う機会を持ちたい、こういう申し入れをされたことに対して、最近アメリカでもこれを受け入れて、エネルギー問題について調整の話し合いをしようというふうに何かアメリカの方から意思表示があったと新聞に出ておりますが、このエネルギー調整についてアメリカと話し合おうということと、消費国連盟に参加しないということとの考え方は矛盾しないかどうか。話し合うことが、消費国連盟に加入する方向にいくのじゃないかという危惧を持つものですから、これはどういう趣旨でそういう措置をとられたか、伺っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 私が中近東へ参りまして要路の人と会って話したことはここでも御報告申し上げましたが、もし伝えられる消費国同盟が産油国に対して対決や挑発的なことを意味する消費国同盟というものならば、日本は入る意思はない、そういうふうにはっきり言ってきておるのです。つまり、対決とか挑発を意味するものであるならば入らない、そういうことを言って、消費国と産油国が協調して共存共栄をはかるということが私たちの考えであるということもつけ加えてきておる。これは今日といえども、私の考えは変わっておりません。こういうような時期に産油国と対決や挑発を引き起こすことは愚策である、そう思います。 それから、アメリカとの話はその前にやっておることで、ピーターソン氏が来たときに、たしか三月か二月ころであったと思います。ピーターソン特使が来たときに、資源・エネルギーに関する専門家会議を随時やろうではないか、そういう話をしたわけです。その話の続きであるわけです。 資源・エネルギーに関する専門家会議という意味は、原子力の問題もございます。日米で濃縮ウランの共同工場をつくろうということをいろいろ事務的にもあるいはコマーシャルベースでもやっておるわけであります。この濃縮ウランの製造問題というのは、日本のエネルギー政策を非常に左右する大事な問題でもあります。あるいはシベリアに対する開発に関する協調という問題もございます。これもチュメニやヤクートの問題で、新聞報道されておるような対応が両国にあるわけであります。さらに、緊急時における石油の融通という問題もあります。 私は、中近東へ参りましたときにも、OECDのワク内で活動することは、われわれはもちろんやりますよ、そういうことは言ってきておるわけです。OECDの中に石油の委員会がございますけれども、その委員会で専門家が集まって協議したり、相談をしております。その中でも、石油の緊急事態における融通問題は議題になっておるわけです。それを日米関係においても、最も密接な関係にある両国でありますから、考えるということも当然であります。そういう非常にバラエティーに富んだ意味における日米の専門家会議という意味で私は言いました。 日米閣僚会議においては、ロジャーズ国務長官は賛意を表しておりました。それから今回シュルツ長官が見えられまして、フラニガン氏とケーシー次官がやってまいりましたが、そういう意思を持ってきたように私も受け取っております。そういうシベリア問題とか原子力問題とか、緊急事態における輸入問題とか、そういう諸般の問題について、随時日米両国で専門家で話し合うということは非常に大事なことであると考えております。
○板川委員 そういう趣旨で、石油消費国連盟に、いわゆる提唱されているようなものに参加する意思ではないということが確認されれば、私もそれはそれで了といたします。 ただ、最近において、御承知のように、リビア政府が石油の五一%の国有化を即時実行する、こういう状態になってきましたし、あるいは原油の値上げをこれまた即時実行しよう、しかも、その支払いはドルではいかぬ、こういうようなリビア政府の非常にきびしい政策が発表される。日本はリビアから輸入の一%ぐらいしか入っていないから、比較的関係が薄いほうですけれども、このリビア政府に対してアメリカが消費国同盟をつくろうとか、リビア政府けしからぬとか、産油国の横暴をたたけとか、だいぶ対立がきびしくなってきている状況でありますから、ひとつそういう誤解のないような、従来の精神を貰いてもらいたい、こういう意味で確かめておきました。 大臣に対してもう一つは、特許行政なんですが、大臣、特許行政では、昨年の資料を見ましても、特許行政に使う費用と特許料を取る費用とを比較しますと十億ぐらいもうかっているのですね。年々数億もうかってきた。あるときはもうからない、とんとんという場合もありますが、特許行政で非常にもうけるというのは、これは国民に対するサービス機関としておかしいんじゃないか。特許行政というのはもっと機械化したり電子化したり、あるいは要員をふやしたりして、国民にもっとサービスをしなくちゃならぬと思いますが、この特許の行政でもうけているというあり方は、大臣どう考えられますか。
○中曽根国務大臣 特許庁の収入は一般会計における収入で、特別会計における収入とは違いますから、それを特許行政のみに転用するということは会計法上もむずかしいところであります。最近見ると、予算の伸び率は大体二一%程度ずつになっておって、均衡してきておるようです。長期的に見れば、大体バランスはとれつつあるのではないかと私は思います。それで、確かに板川委員が御指摘のように、年によっては、出るほうと入るほうを比べると、入るほうが多い年があります。私もあなたと同感なところがありまして、そういう入るほうが多い分だけはぜひ特許行政の充実に使わしてもらおう、電子化であるとか、あるいは審査官の増員であるとか、ともかく仕事が山積しておるおりからでありますから、そういう方向に御趣旨に沿って努力していきたいと思います。
○板川委員 予算編成時期ですから、ぜひひとつその公約を守ってもらいたいと思います。 時間がありませんから特許庁長官に伺います。 四十五年の特許法改正のときに「特許協力条約等に関連し、国際動向に即応するために必要な機構の整備拡充を行ない、特に新規性調査機関の設立を急ぐこと。」という附帯決議がなされております。 御承知と思いますが、当時五十年ごろ発足される見込みといわれておったのでありますが、この特許協力条約、PCTというもののその後の各国の批准状況、参加状況、それから国内における整備の状況等はどういう状況になっておりますか。
○齋藤(英)政府委員 PCTの問題に関係いたしまして、先般の、われわれ四十五年法といっております特許法の改正に際しまして、附帯決議がございましたことはそのとおりでございまして、私ども新規性の調査機関といたしましていろいろ考えておりますが、四十六年の六月に、財団法人でございますけれども、日本特許情報センターというものをつくりました。新規性の調査には当然既存のものの資料をどういうものがあるかということをいろいろ整備をいたしますとともに、それを審査官あるいは一般の人によく認識してもらうということが非常に重要なことでございます。したがいまして、日本特許情報センターを四十六年六月に設立をしまして、四十七年二月からでございますが、出願人の名称でございますとか、あるいは発明の名称、発明の年月日等いろいろなことがございますが、そういうふうなことを電算機を用いまして検索する、そういうことを開始しております。 以上のことは非常に簡単なことでございますけれども、それからなお発明の実際のさらに詳細な内容につきましては、別の検索のシステムをつくりまして、現在一、二のものにつきましてはシステムがすでにでき上がっておりますが、その内容、情報をインプットするのに多少時間がかかっておりまして、詳細な項目につきましては本年の後半ぐらいからそれが一部整備するという状況になっております。 それからなお御質問がございましたPCTの各国の状況並びに日本の状況でございますが、その後いろいろ状況を見ますと、簡単に申し上げますと、わが国としては昭和五十年よりももう一年ないし二年くらい延びるのではなかろうかというふうな予想を持っておるわけでございます。
○板川委員 この準備がおくれていることが予算関係でおくれているという事情はありませんか。
○齋藤(英)政府委員 予算関係の問題は全くないということではございませんが、主としていまの検索のシステムの問題で申し上げますと、やはり相当資料を収集いたしまして整理してシステムをつくり、それを電算機にインプットする、そういうところで時間がかかっているというふうに私どもは考えております。
○板川委員 予定の時間より二十五分ばかりおそくなって時間がございませんから、最後に一言だけ大臣に要望いたします。 特許行政というのは産業の発展からも非常に重要な行政だと思うのです。従来、特許庁長官がしょっちゅうかわるし、あるいは総務部長がしょっちゅうかわるということもあり、一度にかわったりするのでなかなかその内部がうまく進まないということがあるんだそうです。今度は特許技監というのができて、中枢にすわって、しかも一長期にその職におって特許行政に対する指導権を発揮されるからいいと思うのですが、この特許庁の首脳がしょっちゅうかわることは特許行政に非常にマイナスである、こういう要望も受けておりますので、念頭に置かれまして今後の人事の場合に考慮していただきたいということを一言申し上げて、私の質問を終わります。
○中曽根国務大臣 特許庁の仕事は息の長い、そして恒久的に安定的に仕事をしていく必要があるように思います。御趣旨に沿いまして、今回通産省の機構大改革に際しましては、若手の中で最も一有能な齋藤新長官を長官に抜てきしまして、息長くやってもらおうと思っておる次第であります。
○左藤委員長代理 神崎敏雄君。
○神崎委員 きょう伺うのは廃油処理の問題についてでありますが、まず第一に給油所、いわゆるガソリンスタンドですね、これから排出されておる廃油の量は全国でいまどのくらいありますか。
○北村政府委員 四十六年七月の通産省の実態調査によりますと、一給油所当たり月間の発生量は、廃油五百八十四リットル、それから油を含んだ汚泥月当たり二百四十六キログラムというふうになっております。したがいまして、現在、四十八年度の全国の給油所が約四万二千店ございますので、先ほどの単位を掛けまして年間発生量を推定いたしますと、廃油二十七万キロリットル、含油汚泥約十一万トンでございます。
○神崎委員 二十七万キロリットルと十一万トン、こういうものがあるということですが、その廃油を処理する体制はどうなっていますか。
○北村政府委員 現状は、各府県別に石油業組合がございまするが、その地域によって違いまするが、大体以下の三つのやり方がございまして、一つは組合が共同事業で処理しておるやり方、二番目は地方自治体と協力して処理をしておるやり方、三番目に、既存の処理業者がございまするが、それに委託をしてやっておる方式と三つございまして、以上三つのうち、ほとんどのものがこの委託方式でやっておるのが実情でございます。 それから、廃油の処理は再生、焼却などの技術も必要でございますし、かなり設備の資金も食いますし、さらに相当の広さの用地が必要でございます。現在では、この技術とか資金の面もさることながら、地域住民との関係もございまして、用地確保の困難が一番大きいという実情になっております。当省といたしましては、それぞれの地域の石油商業組合に対しまして、関係者といいますのは、地方自治体とかあるいは精製元売り業者とか、こういった先でございますが、こういう関係方面と十分協力をいたしまして、できるだけ石油商業組合の共同処理体制を確立していくように指導いたしております。 現在、当省の方針に基づきまして給油所環境対策推進協議会というものを中央、地方——地方というのは通産局単位でございますが、さらに地方の協議会の下部機構といたしまして県別に四十七の対策委員会をつくりまして、そこで鋭意推進をしておる次第でございます。 なお、その場合に組合が協同事業をやっていきます際に、既存の収集運搬業者、専門の処理業者が十分立っていけますよう十分な協調体制をとるようにあわせて指導しておる次第でございます。
○神崎委員 いろいろ言われたのですが、それは責任体制としていわゆる委託方式あるいは地方自治体に対して、これも結局は委託的なことなんですが、地方自治体も責任ある側面を持っておると思います。しかし、終局的にはやはり国に責任がある。そういうものは、そういう形から一元化して、そうしてやはりこれも公害にかかわる大きな問題ですから、これほどの量がいわゆるそういうような委託的な形態で処理されているということは、国民の側から見たらこれは安心ができないということが一つあると思うのですね。そういうことで、いまのような現状でよいと思っていらっしゃるのか。そうではなしに、もっと責任ある体制をとって国民を安心させなければならない、こういうふうに思っていらっしゃるのか、その点はどうですか。
○北村政府委員 廃棄物の処理及び清掃に関する法律がございまして、その法律の上では、産業から出てまいります廃棄物は、その産業をやっておるものがみずからそれを十分に完全に処理をする責任が規定されてございます。それからまた、その廃棄物を収集運搬しあるいは処理することを業とする専門の処理業者、これは市町村長の許可という体制になっておるのでございます。そういう体制下で、先ほど申し上げましたように、通産省といたしましては、給油所の協同組合が県別にできておりまするので、その協同組合の場で、みずからの協同事業ということで、みずからの責任でこれを処理していくという体制の確立について強く指導を進めておる次第でございます。 〔左藤委員長代理退席、委員長着席〕
○神崎委員 では少し方面を変えて、先ほどあげられたいわゆる十一万トンですね。それ以外に不法に処理をされているということは捕捉されておりますかどうか。そんなことは絶対にない、こういうふうに見ておられるのか、どちらなんですか。
○北村政府委員 先ほど給油所から発生いたしますものといたしまして、廃油とそれから油を含んだ汚泥、この二つを申し上げましたのですが、そのほかにわれわれのほうでつかんでおりまするのは、潤滑油とか灯油などのあきかんに付着しておりまする油分でございまして、それは先ほどの四十六年度のあれでいいますと、一スタンド当たりのあきかんの発生の数でいっておりますが、百六十六本ということになっておりますので、それに四万二千軒をかけますると、年間約七百万本くらいのあきかんの発生でございますが、そこからどの程度の油が出てまいりますか、ちょっとまだわかりません。
○神崎委員 七百万本ものかんにある廃油がどのように処理されておるかということがわからない、捕捉されておらないということはきわめて重大な問題だと思うのですね。これについて当局は責任ある処置をとっていかないと、これはたいへんなことになる。また、こういうことで、先ほどから言われておるような処置の方法、いまの体制、これは過渡的な体制として、原則的には一元化して捕捉する、地方自治体と国の両方が責任をとってやるとかいう明確なものをやらないと、このままではせっかく出しておられるいわゆる「給油所廃油等の処理について」というようなものに書かれておることがいつものでんではございませんけれども、ただ言いっぱなし、書きっぱなしになって、そうしてそういうものがたれ流されておるということは非常に問題である。また、そのために、そういう委託形態とかいうような現状の中で利権争いというものが至るところに起こっておると思うのですが、いまその問題で東京都内に起こっておる問題については御存じですか。
○北村政府委員 廃油処理のための用地の確保に関しまして、東京都石油業協同組合というものがございまするが、これはスタンドの組合でございます。これが東京都に対しまして廃油の処理のための用地といたしまして、東京湾の埋め立て地の払い下げの申請を行なっておりまするが、これと競願の形で東京都廃油処理業協同組合、これは処理専門の業者の協同組合でございまするが、これが同様東京湾の埋め立て地の払い下げについて申請をしておる。さらにそのほか、その埋め立て地に対しまして処理を専門とする業者が二件ばかり同様競願状態にあるということを聞いております。それで、現在東京都においてそれの処理の検討中、こういうふうに聞いております。
○神崎委員 それをよく御存じだったら、当局はそれについてどのように指導されておるかということです。というのは、従来からこれを長い間一生懸命やってこられた方々のいわゆる生業を破壊する、奪うというような問題になっている。一方では、国民の健康を阻害する重大課題をこういう姿勢で放置しておきながら、一方では、営々とそれを生業として、言うならば、廃油を原油に戻したり、いろいろな形で整備し、そうして結果としては客観的には国民の命にかかる問題を保護しているようなそういう側面を持つ業者を逆にそういう利権争いの渦中に巻き込んで、そうしてその人たちの生業、親子二代あるいは三代にわたってやられてきた、そういうようなものまで奪う。そうして一方では、大きなバックを持ってあとから用地獲得を言い出して、そういう形でいわゆる弱小業者を苦しめる。結果としては、廃油が放棄されていく。こういう二重、三重の弊害がいま起こっている。そういう現状認識を持っておりながら、いわゆる具体的な国民サイドに立った指導措置をおとりにならない、そういうところに私は問題があると思う。いまはこの点を指摘して、当局がそれに対して業者サイド、国民の立場に立って善処されることを強く要求しておきたいと思う。 それからもう一点は、昭和四十七年度あるいはできたら四十八年にわたって、長い期間というとお困りだと思うので、ただ四十七年度と四十八年の今日まででけっこうですが、よく海上でタンカーが衝突したり座礁したりして、原油を海上にばらまくというたいへん大きな事故が起こっております。そういう事故は何件くらいあったのか、そのときに流れた、いわゆる海上にばらまいた油なるものはどのくらいのトン数になるのか、もし捕捉されておるなら発表してほしい。
○北村政府委員 海上事故の所管のほうは海上保安庁が担当しておりますので、後刻海上保安庁のほうと連絡をとりまして、正確なる御報告をさせていただきたいと思います。
○神崎委員 それは資料として出していただけますか。
○北村政府委員 海上保安庁と相談をいたしまして、なるべく御趣旨に沿うようにしたいと考えます。
○神崎委員 なるべくその趣旨に沿うようにしていただきたい。これは先ほど言ったように、単なる一つのガソリンスタンドですら、いまあなたがあげられたくらいな天文学的な数字になっているのですから……。 それともう一つ、私は実はしろうとですが、よくテレビや何かで見ていると、タンカーが衝突して海上に油が流れる。それをまた小さな船で行って液体をまいて、一つに寄せてくるんですね。それであれをどこかへ持っていって、海上に浮いているものを引き揚げて処置をされているのだと思っていた。その処置のしかたを御存じですか。ぼくは聞いてりつ然としているのだが、監督官のほうは御存じですか。
○根岸説明員 お答え申し上げます。 海洋油濁の問題につきましては先生よく御承知のことと思いますが、海洋汚染防止法という法律がございまして、これは運輸省の所管になっておるわけでございますが、そういう海難事故等によりまして油濁が生じた場合の措置がいま申し上げた法律に規定されているわけでございます。その法律で規定されております排除のしかたというのは、いま先生から御指摘がありましたように、できるだけ散逸しないように、例の浮き袋をつなげたようなものがございますが、あれで取り巻いて、それを回収するということになっているわけでございます。その回収する方法と、それから化学剤を使いまして沈降させてしまうという方法と両方あるわけでございます。化学剤を使いまして沈降させます方法につきましては、この化学剤の組成等によりましては、あるいは海底に沈着しまして魚に対する影響等が考えられるということで、これも運輸省のほうでどういう薬剤が適当であるかというのを御検討されておるというふうに聞いております。最近そういう吸着する物質で使われますのは、御承知の、いまちょっと商品名を失念しましたけれども、ふとんや何かに使っておりますああいう合成樹脂、あれは非常に油を吸着いたしますので、ああいうものに吸着させて、それを引き揚げまして、それから油をしぼって回収するという方法、あるいはわらとかそういうものを投入しまして、そういうものに吸着させて、それをまた集めまして焼却するというような方法をとるべきであるということを運輸省のほうで指導されている状態でございます。
○神崎委員 大体わかっておられるらしいのですが、ぼくがりつ然とするのは、回収して焼却すれば、またそれはそれなりに排煙とかいろいろな形で公害ばらまきの一つの要因になります。しかしながら、もっとりつ然とするのは、ぼくは化学剤をばらまいて酸化するとか、あるいは引き揚げると思ったら、みんな海の中に沈めているんですね。あなたが言ったように沈降しているんですね。あんなものが沈降しておったら魚もたいへんだし、ヘドロもふえる。それを何も処置しないのです。私はしろうとですから、お聞きしておきたいのです。 さらにたいへんなことだと思ったのは、タンカーというのは、ああいう事故を起こさないでまともた陸上に石油をおろしても、そのままからになって帰らないのだ。からになったら喫水度が軽くなるから転覆するのだという。そこで海水を入れるというんですね。海水を入れて、運航中にまたそれをほうって新しい海水を入れて、また到着地点に行くまでに船を一回洗っているんですね。まさに文字どおりたれ流しだ。こういうことが白昼公然とやられておって、一方で公害問題をやっているのですが、こういう現状は一体どういうことなのか。これは海を荒らすどころではないわけですね。たいへんなことが起こっておるのです。これはいまあなたが言われるように、海上はもちろんですけれども、陸上の自動車は自動車で違う。船舶はいま言うように運輸省だ、工場は通産省だ、こういうように行政あるいは指導監督が各省みなばらばらになっているから、そのことがなおざりになっておる。だから先ほど言ったように、廃油問題を取り扱うにしても、行政、監督当局は一元化すべきだ。ところが、タンカーの問題を聞いたら、それは一定のところ、何か海岸に埋め立て地をつくって、そして堤防をつくって、そこへ油をほうって、それからまた海水を入れて走ります、こう言っていますけれども、それならそういうものが全国に幾つくらいあるのだといったら、二、三カ所しかないんですね。よけいあるのですか。あるのでしたら、全部そういうことをやっておられますか。
○根岸説明員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘のバラスト水の処理あるいはビルジ水の処理という問題につきましては、いま申し上げたようなビルジ水とかバラスト水が入った形で入ってきまして、そこでその水を出して、油を積み込む、そういう場所にはバラスト水処理場というものを備えさせるようになっております。これも先ほど申し上げました海洋汚染防止法のたてまえにのっとりまして、運輸省の所管になるわけでございますが、そういうことで、いま全国で製油所が三十四カ所ございますが、そういうバラスト水処理場を持っております。場所は、私も正確な数字をちょっと覚えておりませんが、六十数カ所になっておりまして、今後もそういうものを確保するという予定に運輸省のほうではなっておるようでございます。 そういうことで、そういう施設があってもやはり流しておるではないかという問題が一つあるわけでございますが、これにつきましては、石油精製のほうは荷主という観点からの義務として、自分が使っておるタンカーに対しては必ずそういうバラスト水ないしビルジ水を処理場にあげるようにという指導を私ども厳重にいたしておるわけでございます。 それから、先ほどそういう体系の一元化というお話がございました。海と陸という問題になるわけでございますが、海のほうはいま申し上げた海洋汚染防止法で運輸省が所管されるわけでございますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、これは厚生省の所管でございまして、しかも法律の権限は地方自治体に非常に大幅におろされておりますので、われわれとしましては、いま油のバラスト水ないしビルジ水の処理について運輸省のほうと協力して、そういう体制を進めるという体制もやはり陸上のほうでもとっておるわけでございまして、都道府県の御方針あるいは厚生省の全体的な御方針に対して御協力申し上げる形で業界を指導していくという方針でやっておるわけでございます。
○神崎委員 あなたはいま積み出しのときのことを言われたのですが、主としてわが国の場合は積み出しじゃない、積みおろしたあとのことを言っているのですね。積みおろしたあと海水を入れる。原油が出たときは船倉は油だらけです。そこへ海水を入れる。だから準油的なものが船倉に一ぱいになるわけですね。それをまたおろして、全く船がきれいになるようにはなっておらないのですね。いま言ったら、あなたの場合は海上では海上、陸上では陸上、そういう形でいろいろ法律の名前をあげられますが、法律どおりやっておったらそんな心配は起こらないんです。そういうことをやっているかやってないかということは、一々その船に監督する人がおらなければ点検もできないのです。そういうことは法律どおりやりなさいということだけが行政指導ではない。点検なんかをときにおやりになるのですか。外国船が入ってきて、そして油をおろして、そこへ海水を入れて、次の処理場まで持って行った。そこへまたそのよごれた水を出して、そしてまた新しい海水を入れて、そしてまた出ていくというようなことですが、点検等はときにはおやりになるのですか。それはもう地方自治体とか、あるいはそういう委託しているようなところへまかせ切りなんですか。どういうことになっておるのですか。おろしてからのことです。
○根岸説明員 お答え申し上げます。 日本の近海でバラスト水をおろすべき船が流すというのが、いまの油濁の一番大きな原因だということを海上保安庁のほうからも国会答弁等を通じまして御報告申し上げておるわけでございますから、それを主体にして申し上げたわけでございますが、オーシャンタンカーが中近東あたりから原油を積みまして日本へ来て、日本で原油をおろすという状態の場合は、こちらで海水を積み込んでバラスト水にして、また中東のほうへ参るわけでございます。そのときに、これは世界的にいろいろ問題になっておるわけですけれども、日本の領海を出て、公海上、たとえばいま言われておりますのは、台湾沖とか、あるいはインド洋あたり、あるいは中近東に近づいた地点におきまして海水を排除して、タンク内をクリーンアップするというような作業が行なわれるわけでございます。そのときに、おっしゃるような油濁が起きるわけでございますが、いまの海洋汚染防止法の体系によりますと、ある濃度である量までは、そういうことでどうしてもやむを得ない作業であるから流してもよろしいという体系になっておるわけでございます。 そういうことでございまして、それからあと実際にバラスト水を処理場にあげて処理しておるかた法律に規定されているわけでございます。その法律で規定されております排除のしかたというのは、いま先生から御指摘がありましたように、できるだけ散逸しないように、例の浮き袋をつなげたようなものがございますが、あれで取り巻いて、それを回収するということになっているわけでございます。その回収する方法と、それから化学剤を使いまして沈降させてしまうという方法と両方あるわけでございます。化学剤を使いまして沈降させます方法につきましては、この化学剤の組成等によりましては、あるいは海底に沈着しまして魚に対する影響等が考えられるということで、これも運輸省のほうでどういう薬剤が適当であるかというのを御検討されておるというふうに聞いております。最近そういう吸着する物質で使われますのは、御承知の、いまちょっと商品名を失念しましたけれども、ふとんや何かに使っておりますああいう合成樹脂、あれは非常に油を吸着いたしますので、ああいうものに吸着させて、それを引き揚げまして、それから油をしぼって回収するという方法、あるいはわらとかそういうものを投入しまして、そういうものに吸着させて、それをまた集めまして焼却するというような方法をとるべきであるということを運輸省のほうで指導されている状態でございます。
○神崎委員 大体わかっておられるらしいのですが、ぼくがりつ然とするのは、回収して焼却すれば、またそれはそれなりに排煙とかいろいろな形で公害ばらまきの一つの要因になります。しかしながら、もっとりつ然とするのは、ぼくは化学剤をばらまいて酸化するとか、あるいは引き揚げると思ったら、みんな海の中に沈めているんですね。あなたが言ったように沈降しているんですね。あんなものが沈降しておったら魚もたいへんだし、ヘドロもふえる。それを何も処置しないのです。私はしろうとですから、お聞きしておきたいのです。 さらにたいへんなことだと思ったのは、タンカーというのは、ああいう事故を起こさないでまともた陸上に石油をおろしても、そのままからになって帰らないのだ。からになったら喫水度が軽くなるから転覆するのだという。そこで海水を入れるというんですね。海水を入れて、運航中にまたそれをほうって新しい海水を入れて、また到着地点に行くまでに船を一回洗っているんですね。まさに文字どおりたれ流しだ。こういうことが白昼公然とやられておって、一方で公害問題をやっているのですが、こういう現状は一体どういうことなのか。これは海を荒らすどころではないわけですね。たいへんなことが起こっておるのです。これはいまあなたが言われるように、海上はもちろんですけれども、陸上の自動車は自動車で違う。船舶はいま言うように運輸省だ、工場は通産省だ、こういうように行政あるいは指導監督が各省みなばらばらになっているから、そのことがなおざりになっておる。だから先ほど言ったように、廃油問題を取り扱うにしても、行政、監督当局は一元化すべきだ。ところが、タンカーの問題を聞いたら、それは一定のところ、何か海岸に埋め立て地をつくって、そして堤防をつくって、そこへ油をほうって、それからまた海水を入れて走ります、こう言っていますけれども、それならそういうものが全国に幾つくらいあるのだといったら、二、三カ所しかないんですね。よけいあるのですか。あるのでしたら、全部そういうことをやっておられますか。
○根岸説明員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘のバラスト水の処理あるいはビルジ水の処理という問題につきましては、いま申し上げたようなビルジ水とかバラスト水が入った形で入ってきまして、そこでその水を出して、油を積み込む、そういう場所にはバラスト水処理場というものを備えさせるようになっております。これも先ほど申し上げました海洋汚染防止法のたてまえにのっとりまして、運輸省の所管になるわけでございますが、そういうことで、いま全国で製油所が三十四カ所ございますが、そういうバラスト水処理場を持っております。場所は、私も正確な数字をちょっと覚えておりませんが、六十数カ所になっておりまして、今後もそういうものを確保するという予定に運輸省のほうではなっておるようでございます。 そういうことで、そういう施設があってもやはり流しておるではないかという問題が一つあるわけでございますが、これにつきましては、石油精製のほうは荷主という観点からの義務として、自分が使っておるタンカーに対しては必ずそういうバラスト水ないしビルジ水を処理場にあげるようにという指導を私ども厳重にいたしておるわけでございます。 それから、先ほどそういう体系の一元化というお話がございました。海と陸という問題になるわけでございますが、海のほうはいま申し上げた海洋汚染防止法で運輸省が所管されるわけでございますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、これは厚生省の所管でございまして、しかも法律の権限は地方自治体に非常に大幅におろされておりますので、われわれとしましては、いま油のバラスト水ないしビルジ水の処理について運輸省のほうと協力して、そういう体制を進めるという体制もやはり陸上のほうでもとっておるわけでございまして、都道府県の御方針あるいは厚生省の全体的な御方針に対して御協力申し上げる形で業界を指導していくという方針でやっておるわけでございます。
○神崎委員 あなたはいま積み出しのときのことを言われたのですが、主としてわが国の場合は積み出しじゃない、積みおろしたあとのことを言っているのですね。積みおろしたあと海水を入れる。原油が出たときは船倉は油だらけです。そこへ海水を入れる。だから準油的なものが船倉に一ぱいになるわけですね。それをまたおろして、全く船がきれいになるようにはなっておらないのですね。いま言ったら、あなたの場合は海上では海上、陸上では陸上、そういう形でいろいろ法律の名前をあげられますが、法律どおりやっておったらそんな心配は起こらないんです。そういうことをやっているかやってないかということは、一々その船に監督する人がおらなければ点検もできないのです。そういうことは法律どおりやりなさいということだけが行政指導ではない。点検なんかをときにおやりになるのですか。外国船が入ってきて、そして油をおろして、そこへ海水を入れて、次の処理場まで持って行った。そこへまたそのよごれた水を出して、そしてまた新しい海水を入れて、そしてまた出ていくというようなことですが、点検等はときにはおやりになるのですか。それはもう地方自治体とか、あるいはそういう委託しているようなところへまかせ切りなんですか。どういうことになっておるのですか。おろしてからのことです。
○根岸説明員 お答え申し上げます。 日本の近海でバラスト水をおろすべき船が流すというのが、いまの油濁の一番大きな原因だということを海上保安庁のほうからも国会答弁等を通じまして御報告申し上げておるわけでございますから、それを主体にして申し上げたわけでございますが、オーシャンタンカーが中近東あたりから原油を積みまして日本へ来て、日本で原油をおろすという状態の場合は、こちらで海水を積み込んでバラスト水にして、また中東のほうへ参るわけでございます。そのときに、これは世界的にいろいろ問題になっておるわけですけれども、日本の領海を出て、公海上、たとえばいま言われておりますのは、台湾沖とか、あるいはインド洋あたり、あるいは中近東に近づいた地点におきまして海水を排除して、タンク内をクリーンアップするというような作業が行なわれるわけでございます。そのときに、おっしゃるような油濁が起きるわけでございますが、いまの海洋汚染防止法の体系によりますと、ある濃度である量までは、そういうことでどうしてもやむを得ない作業であるから流してもよろしいという体系になっておるわけでございます。 そういうことでございまして、それからあと実際にバラスト水を処理場にあげて処理しておるか
○齋藤(英)政府委員 先ほど五十年度末までにと申し上げましたのは、実際に統合する移転が完了する時期の見通しを私は申し上げたわけでありまして、三期工事を実施いたしますには、庁舎の建設の期間というのは当然ございます。いまのままでは、通産省全体としてはいずれにも入るところがございませんので、新しく庁舎をいずれかの方法でつくらなければいけないと思います。つくるのにつきましては、当然これは数年間の期間を要するわけでございます。私が先ほど申し上げましたのは、そういう計画をつくるのに際しましても、特許庁のことを考えて計画をつくってもらいたいということを本省のほうに申し上げているということを申し上げたわけでございます。計画がきまるのが五十年度末ということではもちろんございません。
○神崎委員 この新館のできる当初に、特許庁と統合するということが決定されているのですね。そしてそれが可及的すみやかにそういうことをするということを前広に具体化するというように官房長は労働組合側と約束しているのですね。そうしたらあなたは、いま最終的にそうだ、しかしいま通産当局は入るところがないと言われたが、入るところがないようなものを初めに約束すべきでなのであって、約束したら約束したようにやはり実現しなければならぬと思うのですよ。しかし、そのことがまだ停滞しているのなら、約束どおりやれというように、積極的に当初官房長が約束したようにやるのが、あなたが先ほど言うたように、若い人を登用して息長くやってもらうためにも——息長いからといってぐずぐずやってもらってはかなわぬから、そのほうはひとつ息を短くして進めてもらいたいと思うのですが、どうですか、進めてくれますか。
○齋藤(英)政府委員 和田前官房長が各方面に申し上げましたことにつきましては、もちろん五十年度末には統合できると私自身は思っておりますけれども、なおその約束の履行については私も誠意をもって努力するつもりでございます。
○神崎委員 では続いて聞きますが、現在の職場の環境ですが、長官、窓のない部屋が事務室になっているのですね。こういう形で使用されているのです。これはやはり働く人の健康上問題が大きい。現に国会図書館、これなどでも窓のないよく似た条件で働いているのですね。そのためにじんましんやメニエール氏病が発生しているのですね。あるいはまた頭痛がひんぱんに起こるとか、精神的に非常に苦しめられてやりきれないというようなことをしばしば聞くのですが、こういういわゆる特許庁の中で窓のない部屋で職員を働かしているという現状について、私はすでにいま図書館の例もあげましたけれども、これはひとつ長官の新しい仕事として、そういうことのないように、もっと環境を改善されて事務をとれるようにされなければならないと私は思うのです。そういうことのないようにされるかどうか。それは人権問題にもかかわります。また、労働の条件あるいはいろいろと仕事をやっていく進捗状態にも影響がある。根本的には健康、人権、こういう立場から見て、長官、どうですか。
○齋藤(英)政府委員 現在新館の、私どもコア部分といっておりますが、窓のない地帯がございます。それで、私どもの方針といたしましては、窓のないそういうところに職員が常駐して勤務をすることに関しては、私どもはそういうことがない方針で実は計画をつくったつもりでございますが、その後様子を聞いてみますと、いろいろ事情がございまして、実質的に多少常駐せざるを得ないようなこともあるように耳にしております。私どもの方針はいま申し上げたとおりでございますので、これはそういうことがないようにさらに努力をいたしたいと思っております。
○神崎委員 善処をし、積極的にやるといっても、最終的には合併するのは五十年だ、それまで窓のないところは減らない。一方では進められるからもっと早まるとは思いますけれども、一年早まってもまだ一年以上はそういうところでやはり仕事をしなければならない。こういうことでそこの窓をあけるような改装とかというものはできないような建物になっているのか。窓のないところは窓をこしらえるなんて、やる気になればすぐです。ところがそれができないような建築構造なのか。もしできないような建築構造なら、換気装置など何ぼでも発達しているのですから……。どちらにしても、そういう現状がだめだ、いけない、好ましくない環境であるということを長官が認められるなら、いずれかの方法をすみやかにやっていただきたいと思うのですが、この点どうでございましょうか。
○齋藤(英)政府委員 ただいまお話がございましたとおりに私どものほうも考えております。私どものほうは、最初から職員をそこに常駐させることはさせないという方針でおった次第でございます。したがいまして、建物の構造等のことは、私も実は専門家ではございませんので、窓が明けられるかどうかよくわかりませんけれども、少なくともそういうコア部分に職員がしょっちゅういて執務をしなければいけない、こういうふうなことがもしありとしますれば、これは早急に改善いたしたい、私はこういうふうに考えます。
○神崎委員 改善することを約束いただいたので、この問題は一日も早くやっていただくことを条件にしてそのものについての質問はやめます。 次に申し上げることは業務上のことですが、現在、審査官が起案して出願人に発送するまでの期間、それともう一点は、出願人が意見書を提出してから審査官の手に着くまでの期間、これはどのくらいかかるのですか。
○齋藤(英)政府委員 お尋ねは、いま特許、実用新案、意匠、商標、四つ種類がございますが、そのうちでいろいろ滞貨があり、末処理件数が非常に多くなっております。それで、いまあるものを平均に処理をするとすればどのくらいかかるだろうか、こういうふうなお尋ねではあるまいかと思いますが、出願をいたしましてから処理する期間は、特許、実用新案は実は少し縮まっておりますが、それでも四十七年度末で、平均をいたしまして大体三年六カ月くらいかかるわけでございます。なお一番長いのは商標関係でございます。商標は四十七年度末で、年度末の滞貨と処理の問題を考えますと、平均の処理期間が三年八カ月くらいかかるわけでございまして、実は滞貨が少しずつふえております。ことに商標は出願が非常に多いものでございますからふえておりまして、私どもはその対策に腐心をいたしておる次第でございます。
○神崎委員 いまある滞貨を全部片づける期間を聞いているのじゃなしに、たとえば私が特許を起願するとしまして、書類を出しますと、その書類が審査官のところへ行くのにどれだけの期間がかかるのか、あるいは審査官の手元に出願人が意見書を提出した場合、審査官の手元にその意見書が届くのはどのくらいかかるのか、このことです。
○齋藤(英)政府委員 出願の受付をいたしましてから審査官の手元に来ますまでに、現在でございますと二カ月ないし二カ月ちょっとくらいじゃないかというふうに考えます。
○神崎委員 なぜ二カ月もかかるのかということは、人手が不足だ、そしていまの滞貨を片づけようと思ったら三年六カ月も八カ月もかかるというのはどうかといえば、基本的にはやはり人手が不足だ、こういうふうに私は思うのです。人手の不足の上にそれだけの滞貨があって、そして発願人や意見書を出した者は二カ月も三カ月も待たなければならない。やはり原因は、処理する体制が弱いからです。したがって、イコール何かといえば人員増加だ、こういうふうに思うのです。そうでなかったら、やはり特許庁としての本分を全うされないと思うのです。そこで長官に先ほどから、働く人たちの健康、環境、このことについては前向きに積極的に改善し、やるということの約束をいただいたのですが、基本的には人手不足だということがどれだけ労働過重になっているか、そのことにあわせて環境が悪い。もういいところなしだ。そのことで結局出願者はまた迷惑をこうむると思うのですが、結論として、長官は新しく長官になられて、そして特許庁の人員を増加する——ちょうど概算要求の時期でありますし、来年度は人員を増加されるのかどうか、あるいは増加される方向に向かわれるのか。もし向いておられるなら、どれだけくらいの人員増加によって現在渋滞しているような問題を片づけたり、あるいは出願者の便宜、さらにサービス、奉仕を強化するというような立場から見てどういう構想をお持ちになっているのか、最後に聞きたい。
○齋藤(英)政府委員 お話しのとおり、工業所有権関係のことが私どもの職務でございますけれども、これは国民の皆さんに対するサービスというのが私どもが第一に考えなければいけないことでございますし、そのサービス自身も質量ともに向上をはかるということが私どもに与えられました責務であるというふうに考えております。したがいまして、具体的にいわゆる事務系の職員が非常に足りないのではないかというお話がいまございました。私どもは、今回の予算要求につきまして、定員の要求もその中に入っておりますけれども、これは従来要求しておりますよりもさらに多数の要求をいたしておりまして、その実現に努力をしたい、人員増加には努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
○神崎委員 何人という形ではいまは言いませんが、あなたのほうでそれを言ってもまた大蔵省等で削減されたり、いろいろのことの実情はよく知っていますが、そのときも建物の合併統合等を通産省に強く言うように、現状をやはり強く言っていただいて、そしていま言われている人員増加の実現を必ずしてもらいたい。もしそれに対して大蔵省などがチェックをしたりいろいろなことがある場合は、われわれもこぞって長官の立場になって大蔵省ともかけ合ってみたいとも思いますが、とにかくそこで働いている労働者の方々を非常に労働過重に追い込んだり、あるいは環境が悪いために苦しめたり、それと同時に、人手不足のために国民に対する行政が渋滞したり、先ほどから言うように二重、三重にいいところがないということになりますので、それをやっていただきたい。それともう一点は、国会のこの場で申し上げますと、長官いろいろと前向きの答弁もされますが、具体的には労働組合側との交渉のときには、国会で言ったこととあるいは違うことを言ったり、国会で言ったことよりも非常に悪いほうになるようなケースをわれわれは過去にもたくさん経験を持っておりますが、どうです、労働組合と話し合う場合も、いま私に答弁をいただいた姿勢を基本的に続けていただけるかどうか、最後にだめを押すようですが、聞いておきたい。
○齋藤(英)政府委員 私が国会でただいま申し上げましたようなことにつきましては、実はうちの職員の皆さまも御存じのことであると思います。私も職員の皆さまにはたびたびお会いをしておりますが、私いま申し上げましたことを大体そのとおり職員の皆さまにも申し上げているつもりでございます。したがいまして、職員の皆さまもいま私が申し上げたことはよく御存じであると同時に、私はもちろんその実現に努力をするつもりでございます。
○浦野委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十四分散会