商工委員会 第51号
- 発言数
- 173 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/09/11
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 参議院から送付されました内閣提出、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案を議題といたします。 この際、連合審査会開会に関する件についておはかりいたします。 本案について、公害対策並びに環境保全特別委員会から連合審査会開会の申し入れがありましたので、これを受諾するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時につきましては、委員長間において協議の上決定いたしますが、明十二日午前十時三十分から開会の予定でありまするから、御了承ください。 —————————————
○浦野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。神崎敏雄君。
○神崎委員 化学物質の規制に関する法律案に関連をして、初めに若干の問題について当局にお尋ねをいたします。 まず第一に、本法案が提案されてきた背景には、化学物質による環境汚染、人体への悪弊を防止せよという強い国民世論に当局もようやく対策を強化し始められたという点がある、私はこう思います。念のために聞いておきますが、既存の化学物質に対する安全性の総点検を進めておられるのかどうか。また、PCB等の処理について万全の処置をとる用意があるのかどうか。この二点をまず伺っておきたいと思うのです。
○飯塚政府委員 既存の化学物質全般につきまして、この安全性に対して政府として可能な限り必要な措置を講じたいということで、現在いろいろな準備をやっておるわけでございます。しかし、化学物質の数は約七千ほどございますので、これらについて一々のチェックというのは困難でございますが、本法が施行されるに至りますと、本法に基づきます規制によりましてその万全を期したいと考えておるわけでございます。 また、PCBにつきましては、PCBの製造、輸入並びに出荷はすでに停止をいたしておりますし、現在問題になっておりますのはこれの回収でございまして、回収並びに回収したものの処分でございますが、開放系、閉鎖系それぞれにつきまして所要の施策を現在進めつつあるところでございます。
○神崎委員 その準備をしているということは、いままでは何もやっておらなかったということを意味するのか。それから、本法が出たらやりやすいということになれば、本法が出るまではやれないということにもなるのか、あるいは七千もあるので非常に膨大だからというので放置しておったのかどうか。 先般、有害物質の問題のときに伺ったときは、非常に広範囲にこれを調査して処置をしているというような答弁をいただいておりますが、そういうものと関連していまの答弁は何か抽象的であるので、具体的にもう一回、この点については答弁をしてほしいと思う。
○飯塚政府委員 既存の化学物質の中で特に問題と思われるような物質につきましては、大学、試験研究機関等の意見も聞きながら、通産省といたしましても関係各省と御相談をし、かつ関係業界にもいろいろな要請をいたしまして、可能な限りの安全性確保についての施策を進めておるところでございます。ただ、現在までのところ、その数につきましてはそう多いものではないのであります。
○神崎委員 そういう答弁だったら、また聞かなければならぬ。問題のあるものについてはというのは、問題のあるものと問題のないものとがあるのですか。問題のあるものとは、どんなものですか。
○飯塚政府委員 正確に申しますと、問題のありそうなもの、あるおそれのあるものということでございますが、たとえばPCBが非常に有害であるということが明確になりましたが、これに従いまして、PCB類似の、たとえばPCTにつきまして所要の措置を講ずるとか、あるいはPCBの代替品として出てきましたものについて、その蓄積性、分解性あるいは毒性等につきましても各研究機関の御協力を得ながらその結果の解明を急ぐというような措置等を申し上げているわけでございます。
○神崎委員 では、そのPCBに関して若干質問しますが、現在通産省はPCB使用工場の回収状況等の実態調査を行なっておられるのかどうか、もし行なっておられるとすれば、その目的は何においてやられているのか、その点を伺いたい。
○飯塚政府委員 PCBの実態調査につきましては、実は通産省の中の立地公害局のほうで実施をいたしておりますが、いまその担当の者がこちらに向かっておる最中でございますので、詳しくはその者が参りましてお答えすることにいたしますけれども、実態調査の目的といたしましたのは、PCBが環境汚染を通じまして人体への影響がきわめて甚大であるということは、日本国内におきます研究によりかつ外国の例等からも明白になってまいりましたので、これの製造、輸入についてはきわめて明確に停止等の措置ができるわけでございますけれども、これを使用いたしております工場等は非常に数が多いものでございますから、その使用の実態等につきまして調査をし、かつ、それの環境への放出の状態がどうなっておるか、それから回収について従来どの程度確実に実施しておったかというような実態を調べまして—いずれにしましても、環境への放出は厳に規制する必要があるわけでございますので、今後の回収あるいは処分等の具体的施策に資するために必要な調査を行なうというのが今回の調査の目的でございます。
○神崎委員 今回の調査の目的じゃなしに、いままでのことを聞いておるのですが、特にいま通産省の中には立地公害局がある、それの責任のある者がこっちへ向かってきているのでということを前提に答弁をされたのですが、この委員会が始まって、この法案が出ているときに、その専門的知識のある責任のある方がまだ来ておられないということは一体どういうことなのか。議会軽視もはなはだしいということで、責任をとった態度で法案を提出しているということにはならないのですね。委員長、どうなんですか。責任ある答弁をする人がまだこっちへ来てないというのだったら、専門的な答弁ができない。できなかったら質問ができない。何だ、これは。
○浦野委員長 神崎君に申し上げます。 松村公害防止指導課長がいま向こうを出ておりまするから、来るまでごしんぼういただいて、ほかの質問をひとつお願いしたいと思いますが………。
○神崎委員 委員長がそういうことを言われること自体が私は不見識だと思うのですね。答弁側が来ないからほかの質問をせいとは何ということなんですか。専門的なことをこれからずっと聞いていこうと思っておるのに、その人がおらぬのに責任ある答弁ができるのですか。それで答弁者が来ないから質問者は違う質問をせいとはどういうことなんですか。
○浦野委員長 それは答弁する人がおらないからほかの質問をしてもらいたいということです。
○神崎委員 ほかの質問というが、その質問をいまやっておるんだ。その質問に答弁が……
○浦野委員長 それじゃしばらくお待ち願いますか。
○神崎委員 待ってもよろしい。大体この委員会が始まる前に答弁者がおらないということがおかしいじゃないか。
○浦野委員長 それは厳重に注意いたしておきます。
○神崎委員 来るまで待ちます。
○浦野委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○浦野委員長 速記を始めて。
○神崎委員 専門の責任のとれる答弁者がお越しになったらしいので、質問を続けます。 次に伺いますのは、三重県の四日市市に日本合成ゴムという工場があります。三重県水質課の調べでは八十・五トン使用した。この量は県下二十三の主要工場の中で四番目に多い量だ。これは資料も持っておりますが、しかし、今回の通産省の調査対象には含まれていない。それはなぜか。先ほどからも調査のことについて触れておられたが、一体どういう基準で調査工場を選んでおるのか、これをまず伺いたい
○松村説明員 お答えいたします。 まず最初に、おくれて参りましたことについて、たいへん申しわけございませんでした。 いま御質問の件でございますが、今回のPCBの調査につきましては、私どものほうで最初に把握しておりましたPCB使用工場のリストが全国で千二百五十八工場あったわけでございます。これについて調査をする。ただ、このリストの中には、これはPCBのメーカーの出荷リストからとったわけでございまして、したがいまして、若干のダブリ等もございます。それで、これを実地に調査いたしましたところ、ダブリあるいは不明と申しますか、そういうのを除きまして、私どもで調査いたしました実際の数が千百八十工場でございます。それで、このうちいわゆる八水域と申しますか、その関係が四百三十二工場でございます。それ以外の地域の工場数が七百四十八工場でございます。そういうところについて調査をいたしたわけでございます。
○神崎委員 いま私の聞いておる三重県の日本合成ゴムが、三重県の水質課の調べでは八十・五トンで、県下二十三の使用工場の中の四番目だ。これほど多量に使っておるところがなぜ調査の対象からはずされておるのか、何を基準で調査をしているのかという質問なんで、数を聞いているんじゃないのです。この日本合成ゴムはどうなったんだ、なぜはずしたのか、これを聞いているんですよ。その点だけ答えてほしい。
○松村説明員 私どもが企業のほうから入手いたしましたリストに基づいて調査をいたしているわけでございますが、この中には熱媒体その他、主として熱媒体の使用工場を対象といたしておるわけでございます。それで発電所あるいは受電所における大型トランス、PCBを大型トランスに使っているという工場はこれから除外しているわけでございます。したがいまして、日本合成ゴムの工場について、私ここに個表を持ってまいっておりませんけれども、そういうことで大型トランスとして使用しているということであれば、これは自動的に除外されているわけでございます。
○神崎委員 そのことについては、またあとで企業の報告かどうか、そういう基準について聞きますが、PCBを使っている工場というものは全企業を対象として調査しないのですか。
○松村説明員 お答えいたします。 いま申し上げましたように、PCBを熱媒体として使っている工場が主でございますが、それ以外にもPCBをかつて使った工場等は調査の対象にいたしております。ただ、その際に、大型トランスの中にPCBが入っておる、そういうトランスを使用している工場、これはそれを使って何かをつくるとかいうことではなくて、普通のトランスと同様にただそれを設置しておる工場、この数は、推定でございますが十万以上あるというふうにいわれているわけであります。 それで、これにつきましては、今回の調査の対象としては数も非常に膨大でございますので、別途調査をする、そのために電気PCB処理協会という協会をつくりまして、それらの膨大な数の調査というのは別個にいたす予定にいたしておるわけでございます。
○神崎委員 どうも聞いておることと違う答弁になっておる。十万からあるから、それは民間ですか、何か別の組織に調査させる、トランスのほうだけはいまやっておるのだ、媒体物についてはあとからやるのだ、こういうような形に聞こえたのですが、そうですが。
○松村説明員 御説明が不足しておりまして、たいへん申しわけないと思います。いわゆるトランスに使う工場の数が非常に多うございますので、その分については別個に財団法人をつくりましてこれで調査をいたす、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○神崎委員 これからつくるのですか、財団法人は。
○松村説明員 財団法人は現在設立を完了いたしております。それでいま調査計画の作成中ということでございます。
○神崎委員 国民の命にかかわる、いまでも社会的に非常に大問題になっておるこういうものが、そういう状態でぼつぼつやられるようなことを国民が聞いたらりつ然とすると思うのです。まさにお役所仕事というか、これは許されないことだと思う。しかし、そのことについての論議をここで展開する時間はありません。したがって、具体的な実例をあげて、明確に答えていただきたい。 それは、たとえば公表しないという約束で調査しておる県がありますが、公表しないという約束で調査をするようなことがよいのかどうかということ、それは当局としてはどうです。
○松村説明員 お答えいたします。 今回の調査の結果については、取りまとめた段階で当然公表するという予定でございます。
○神崎委員 もしそういう約束をしておる県やら出先通産局があった場合、どうしますか。
○松村説明員 そういうケースがもしございました場合には、当方で十分指導していきたいと思っております。
○神崎委員 どういう指導をするのですか。
○松村説明員 いま申し上げましたように、本件は調査の結果これを当然公表するというたてまえで指導していきたいと思っております。
○神崎委員 あなた、もうちょっとよく聞いて答弁してください。またもとへ戻ったのです。もしそういうことを公表しないという約束をして調査しているような出先通産局とか、あるいはその県によっていわゆる通産局のないところもありまして、水質課でやっているところもありますね。そういうところでもしそういうものが出てきた場合には責任ある当局としてどうやるのだと言ったら、よく指導しますと言ったのでしょう。その指導の中身はどんなことなのかということを聞いているのです。
○松村説明員 私どもの調査は通産局を通じて調査をいたしたわけでございます。したがいまして、これは県としてまた別途に独自に調査をなさったケースもあろうかと思います。それで、県の調査につきましては、これは私どもの所管でございませんで環境庁、県の公害部というラインで調査をなさったケースがあるのかもしれないと思っているわけでございます。したがいまして、県のケースはちょっと御答弁しにくいわけでございますが、通産局として、そういうことはないと私ども信じておりますけれども、もしあやまって、今回の調査は公表しないんだというようなことで企業から情報をとっているというようなことがありましたら、これは本省の指示と違ったことでございますので厳重にその点は訂正していきたいというふうに考えております。
○神崎委員 環境庁については、あとの問題で、いまの問題と関連してまた伺います。 そこで、もし企業がにせの報告をしていたとしますと、それはどういう処置をとられるか。ある県の化学工場の資料をいま私は持っておりますが、ニュースソースはここでは明らかにいたしません。しかし、しなければならないときが来ればしてもいいと思うのですが、いまはしません。 具体的な資料によりまして一つの実例をあげますと、たとえば実際にPCBを使用している量が十二・五トン。七トン回収して五・五トンがロスだ。これは実際の数ですね。ところが、当局に報告している使用量は八・八トン。八・一トンは回収した、したがって〇・七トンはロスだ、しかもそのうちの六百七十キロから六百八十キロは焼却した、したがって実際の排出は二十から三十キログラムだ、こういうふうに言っているのですね。こういうように、実際の使用量と、それから報告の使用量と、あるいは回収についての数字というものが、報告と実際と違ったような場合は、当局はどういうふうになさるのですか。
○松村説明員 御指摘の問題は非常にむずかしい問題でございまして、私どもとしては、最初の段階として企業から報告を徴収しているわけでございます。それで、これも現在の段階では基本とすべき法律がございませんので、行政指導ということで報告を徴収いたしておるわけでございます。そこで、企業側から、実際にPCBの購入量はたとえば十トンであった、それから八トンはこれを回収して返しました、それであと二トン残っております、こういった数字が出てくるわけでございます。その場合に、私どもといたしましては、企業のほうのリストから見まして、実際に十トン購入したという数字は確かであるのかどうか、それから次に八トン返却したと言っておるが、実際に八トン返却が行なわれておるのかどうか、そういうところを現在チェックいたしているわけでございます。ただ、先生いま御指摘の、二トン残ったのだけれども、そのうちの一・八トンはすでに焼却した、こういう報告がかりに出た場合に、それが実際に一・八トン確かに焼却したのかどうか……
○神崎委員 八・一トンです。
○松村説明員 八・一トンでございますか、実際に焼却したのかどうかという点についての詰めでございますが、これは企業のほうに一体どういう設備で、いつごろどういう理由で焼却したのだということを聞くわけでございますが、これによって必ず完全に正確な数字がつかまえられるかどうかという点については、御指摘のようにまだ完全とはいかない面があるというふうに考えるわけでございます。
○神崎委員 私はそれが調査だと思うのです。たとえば一方的に企業が言うてきた、それをうのみにする、それでこと足れりということでは、行政指導も監督も管理機構も何もないのだ。言うてきたら、現実そうか、それが事実かどうかということを、すぐ行って実際に点検される、そのことが生きた調査だと思うのです。しかし、そうなっておらない。一方的な企業の報告だけでこと足れりとし、しかも、先ほど言われたように十万もある。先ほどは七千あるいは千何ぼだ。言うたびに数が変わるのですが、それは実態をはっきり知らないからだと思うのですよ。それがいま非常に大問題になって、人間の命にかかわるような有害物質であるということになれば、私は、もっと厳格な立場で処置をしなければならない、このように思います。 そこで、現在回収してそのままになっているPCBは全国でどのくらいの量になっておるのか、その量に対して当局は今後どう処理をしようとしておるのか、その方針を納得するように具体的に教えていただきたい。
○松村説明員 現在鐘淵化学で回収しております回収量が、七月末現在の数字で申し上げまして……
○神崎委員 答弁中ですが、私は鐘淵化学とかそういうことを聞いてない。全国でどのくらいの量になっているのか、その量を聞いている。その量に対して当局は今後どうやるのだ、その責任ある処置について納得するように答えていただきたいと言っているのです。全国の量はつかんでいるのかどうか。
○松村説明員 御質問の趣旨をちょっと私、把握しかねているのでございますが、回収したPCBの今後の処置のことを御質問になっておられる……
○神崎委員 量です。
○松村説明員 それでございましたら、現在回収いたしておりますPCBの量は全国で四千五百二十七トンあるわけでございます。その中ですでに鐘淵とモンサントで焼却いたしました数が百三十五トンございます。したがいまして、現在鐘淵とモンサントで保管しておりますPCBの量は四千三百九十二トンあるわけでございます。これについては、現在これをタンクに入れまして保管しているわけでございますが、今後これを焼却する必要があるわけでございます。それで、現在両社ではこれを焼却するための専用の焼却炉を持っておりまして、これで焼却するということになっているわけでございますが、実際にPCBを焼却いたします場合には、これが完全に分解しないで幾らか大気中に出るというケースが考えられるわけでございます。したがいまして、先ほどこれまでの焼却量が百三十五トンと申し上げたわけでございますが、百三十五トン焼却いたしました段階で、もう一ぺんどの程度のものが大気中に放出されるのか、これを厳重にチェックして、それによって厳重な焼却方法を指示するべきであるということから、県それから通産省、環境庁等で相談いたしまして、それで環境庁のほうから一つの排出の基準というものを出されたわけでございます。 それで、それではその排出基準に対してこの鐘化、モンサントの焼却炉がどの程度のレベルにあるのかということを大学の先生あるいはそういった専門家の方にお願いいたしまして測定をしていただいたわけでございます。その結果は、環境庁でお示しになったレベルよりははるかに低いという数字が一応出ております。ただ、地元の御意向といたしましては、そういうことはわかったけれども、やはりもっと何かいい方法といいますか、そういったものはないだろうか、あるいはそのレベルより低いといっても完全に出ないというわけではないのであって、したがって、焼却するにしてもどこか別のところでやるということが考えられないだろうかといったような御意向もありまして、現在では、これらの施設についてはまだ稼働いたしていない、こういう状況でございます。
○神崎委員 たとえば、いまあなたも触れられたが、三菱モンサント化成、ここの四日市工場には、その構内に回収したPCB六百トンがまだそのままになっておるのです。これはワクをつくって安全性に配慮しているというのですが、そこの工場長は、大きな地震でもあればたいへんなことになる、これは早く処理をしたい、こういうふうに言っているのですが、通産省はその処理についてストップをかけておる。それはなぜか。こういうようなことで、これをどういうふうに処置しようという形からストップをかけられておるのか、どういう意図でその処置について指示をされておるのか、これをひとつ明らかにしてほしい。
○松村説明員 ただいま申し上げましたように、私どもといたしましては、環境庁の基準にも十分合格しているわけであるし、ただいま御指摘のように、何か不慮の災害と申しますか、そういう危険性——これは一応タンクの設計といたしましては、私は昨日も鐘淵化学のほうに衆議院の先生方のお供をして伺ったわけでございますが、そこでの説明では、関東大震災の四倍ぐらいの地震に耐えるような設計には一応なっているという説明はいたしておりました。それにいたしましても、こういったPCBというようなものを何百トン、何千トンを構内にただいたずらにためておくということはやはり問題ではなかろうかと思います。したがいまして、そういう規制基準に合格しているわけでもございますし、これはなるべく早く焼却をすべきではないかという立場でございますけれども、ただ地元の県、市のほうのお立場からいって、どうもそこの決断をまだいたしかねておられるというふうに承っているわけでございます。
○神崎委員 その三菱モンサントの四日市工場は二千トンのPCBを製造してきた工場です。水銀患者も出した工場です。鈴鹿市の八野地区の約八千平方メートルの地中に、産業廃棄物をドラムかんに詰めて埋めておるのです。これは昭和四十五年十一月ごろからそうですが、そのドラムかんの量は数十本ともいわれるし、三百本ぐらいあるともいわれているわけです。その正確な量も中身も全く不明なんです。企業は有害物質ではないといっている。しかし中身は調査されていない。そこで地元の住民は、再三再四このことについて市や県に、ドラムかんの中身を調べてほしい、こういうふうに要請しているのですが、いまだにそのままになっておる。しかも、そのすぐ近くに農業用水がある。きわめて不安を呼んでおるのです。これは直ちにドラムかんを発掘してその中身を調査して、そして完全に処理すべきであると思うのですが、当局はどういうふうにお考えになっておるのか。いまからでもそこへ行って、そしてそのドラムかんを点検をされて、処置をされる、指導をしなければならない、こういうふうに思うのですが、通産、環境両当局から責任のある答えをひとついただきたい。
○飯塚政府委員 ただいまの三菱モンサントの例につきましては、実は私どもいままでそういう情報は入ってなかったわけでございますが、県、市と連絡をとりながら、いま御指摘のような実情につきましては、通産省といたしましても直ちに調査をいたしたいと考えております。もちろん関係各省との緊密な連携のもとにやるほうが効果的だと思いますので、環境庁とも御相談の上でやりたい、かように考えております。
○松田説明員 水質保全局でございますが、私どもの局で廃棄物の最終処分の基準を担当しておりますので、その観点からお答え申し上げたいと思います。 ただいま御指摘の点につきましては、残念ながら実態を承知しておりませんので、それをよく調べまして、廃棄物の処理そのものにつきましては厚生省の所管でございますので厚生省、通産省の各局担当とよく協議いたしまして善処いたしたい、こういうふうに考えております。
○神崎委員 これは両当局に言うのですが、いまあげた三菱モンサントは二千トンのPCBを製造している工場なんです。水銀患者も出した工場だ。こういうような大きな規模の工場に対して、その後環境庁も通産省も、その結果とか、現状だとか、あるいはその過程、いまはどうなっているとか、こういうものは一向に関心の外にあるのですか、途中でもそういうものの点検などをしようとしないのかどうか。先ほどもあげましたように、それは通知がありませんのでという形だから、企業が言ってきただけを捕捉しておる。それになぜ十万トンぐらいはあるだとか、あと四千何ぼの工場がありますとか、三百十何ぼだとかはやりましたという数字が出てくるのだろうか、こう思うのですね。そこらでこそこそどうも捕捉しにくいような、そういうような小規模のものじゃなしに、いまあげた三菱はさっきも言うたように二千トンも製造し、水銀患者も出している。これは社会的な問題になってだれでも知っている問題なんですね。ところが、そこがそういうようにドラムかんで地中に埋めている。その上にごみをずっと出して、そして点検するときはそのごみだけを点検して、そしてこれはいわゆる基準量より下だとかなんだとか言っているのだが、実はそのごみの下にある地中のドラムかんというものがそういう形で処理されているということを一向に調査をしようとしないのか、あるいは意識的にしないのか。地域では市や県にまでも再三交渉している。こういうようなことがなぜこちらへ聞こえてこないのでしょうか。あるいは聞こうとしないのか。そこらあたりの責任のとり方は一体どうなっているのですか。
○飯塚政府委員 御指摘のように、三菱モンサントにおきましてはPCBの生産量は約二千四百トンでございますが、現在回収いたしておりますのは、本年の七月末現在でござ、ますが、六百八十二トンが回収されておりまして、焼却いたしましたものが二十二トンでございます。したがいまして、七月末現在で六百六十トンのものが保管されておるわけでございます。 いま御指摘のように地下にドラムかんで埋めてあって云々というような点でございますが、実はこれは私どものほうに県、市からもそういうことについての情報等もございませんので、私ども事実を知らなかったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、付近住民がそういうことで非常に大きな不安を持っているとすれば、私どもといたしましてはその実態を究明する必要があると考えますので、県、市とも連絡をとり、かつ関係各省とも協力をしながら実態調査に当たる必要があると考えております。
○神崎委員 では、環境庁はどうですか。
○松田説明員 ただいま通産省から御答弁がありましたように、環境庁といたしましても関係省庁とよく連絡をとりまして、事実の確認及びその対策の検討をいたしたい、さように考える次第でございます。
○神崎委員 いまの通産当局の答弁では六百八十二トン——私は二千トンと言ったのだが、あなたのほうは二千四百トン製造している工場だ、それでその回収は六百八十二トン、そのうち二十二トンは焼却した、六百六十トンが残っているんだ、ここまで数字を捕捉されているのですね。その六百六十トンはその後どうなったのだろうか、なぜ点検をしないのか。六百八十二トンが回収されたということはわかって、二十二トンが焼却されたということもわかる。だから六百六十トンが残っているということもわかっているんだ。そうすると、この膨大な六百六十トンのものはどう処置したのだろうかというようなことは、もうそこまでは追及しないのですか。そしてあなたのほうで、それが地域もあげて、鈴鹿市の八野というところに埋没されているんだとなると、その六百六十トンはどこへ行ったのだろうか、どうなったのだろうかというふうに追及されるのが監督当局の責任であり、また義務であると私は思うのですが、いま、そういうことは初めて聞いた、そういうことが事実であればたいへんだ、関係当局と連携をしてすぐ処置をとります、こういうふうにおっしゃるのですが、直ちに現場へ行って地域住民の不安を解消するような処置に出られますか。そしてその処置はどういうふうにされますか。この二点、ひとつ聞かしてください。
○飯塚政府委員 現在保管しております六百六十トンはタンク及びドラムかんに保管されておるというふうに私ども考えておりますが、ただこの内訳は、幾らがタンクで幾らがドラムかんというのはいま手元に資料がございませんのでお答え申し上げることはできませんが、いずれにしましても、タンクにいたしましてもドラムかんにいたしましても、これが安全な状態で保管されていかければならないことは当然でございますので、御指摘のように、付近住民がこれについていささかでも不安があるということでございますと、私どものほうもそれを放置しておくわけにまいりませんので、至急実態調査のために人員派遣その他のこともやってみたいと思います。
○神崎委員 もう一つの実例で申しますと、これは走行中のいわゆる特急列車のトランスから——先ほどトランスのほうは捕捉しているということをおっしゃっていたのですか、多量のPCBを含んだ約二百リットルの絶縁用カネクロール、これが四キロメートルにわたって漏れたのですね。こういう事故が起こっておる。ところが国鉄当局は、これをひた隠しに隠しているのですね。このできごとは、この八月十二日、国鉄の北陸本線芦原温泉から丸岡間を走行中の特急「雷鳥五号」です。運転士から事故の報告を受けた国鉄の金沢鉄道管理局は、レールやまくら木をぼろきれでふいたのですね。それからレール下の砂利をビニールや麻袋に入れて貨車八台で石川県松任市新田町の国鉄松任工場へ運んだ。そして駐車場の下へ埋めてしまっているのですね。これがこの八月十二日のいわゆる北陸本線の芦原−丸岡におけるできごとなんですね。これもいわゆる新田町の松任工場の駐車場の下へ埋めてある。先ほどもドラムかんドラムかんとよくお話に出るのですが、ドラムかんを土の中へ埋めておきますと、そのドラムかんというものは何年くらいで腐蝕してそのドラムかんはこわれていったりするんでしょうか。ドラムかんというものを土の中へ埋めておくと、何年ぐらい腐蝕もしないで保存されておるのですか。そういう耐用年数も調べておられますか。
○松村説明員 ドラムかんの耐用年数でございますけれども、これを地中に埋めました場合に、その土中にどの程度の水分があるか、あるいは酸性であるか、あるいはアルカリ性であるか、あるいは中性であるかといったようなことで一がいに申すわけにまいりませんけれども、非常に良好な状態であればこれは相当長く持ちますが、土中の条件が悪い場合にはこれは相当短時間で漏洩と申しますか、そういったことが起こるであろうというふうに考えております。
○神崎委員 短時間に、悪い場合は漏洩その他が起こるといったら、その漏洩したPCBはどうなるのでしょうか。そうすると、ドラムかんへ入れて、何百本も土の中へ埋めたりしておるというような現状をこのまま放置しておいてよいのかどうか一こういう処置について、環境庁も含めて監督当局は、今後どう指導されるのですか。
○松村説明員 私どもは、回収いたしましたPCBにつきましては、ドラムかんに詰めてこれを土中に埋没するというようなことは非常に危険であろうかと思います。したがいまして、現在は保管としては基本的にはタンクに入れまして保管するわけでございます。ただ、輸送してまいりました場合に、これを一時タンクに入れるまでの間、若干の期間それがドラムかんの中に入っているということはあるわけでございますが、基本的にはこれをタンクに入れて保管いたしまして、完全な焼却をする、こういう処分方法を考えているわけでございます。したがいまして、いま先生からお話のございましたドラムかんの中にPCBを入れて、どういう土質であるかは存じませんけれども、そういうことでPCBを処理するということは私どもだけでは何とも言えませんが、少なくとも私どもとしては好ましい処分の方法ではないというふうに考えております。
○神崎委員 有害物質評論を聞いておるのじゃないのだな。それは好ましき状態ではないとか——どのように監督して、どのように処置をとろうと監督当局は考えておるのか。たとえば、いま言うところの三菱へ行かれて、何百本あるか知らないが、ドラムかんを発見された。発見したらそれはだめだといってほっておくのか。ドラムかんへ入れておいてだめだったらどうするのか。焼却したってまた煙から有害物質が拡散される。それで、たとえば先ほどあげた石川県の松任といういわゆる国鉄の工場へ行かれて、その駐車場の中を掘られてそのものが出てきた、それをどうするのか。ところが、いまの段階では大体ドラムかんで土の中へ埋めておるというようなことになっておるのですね。それには非常に危険度が高いというなら、一体これはどうしたらいいのか、どう処置をつけようとされておるのか。それは好ましくない状態でございますというような評価だけでは私は責任のある態度であり、とり方ではないと思うのですが、その点どうですか。
○松田説明員 お答えします。 所管が各省にまたがっておりまして十分なお答えにならない面があるかと思いますけれども、私ども環境庁の中でも大気保全局で、先ほど御説明のありましたように、焼却の場合の基準、こういうものを暫定的にきめまして通達をするわけでございます。したがいまして、最終的に処分する場合には焼却してそれが安全に処理されるというのが望ましい、こういうふうに考えておるわけでございますが、これにつきましてもいろいろ不安その他が現在あるという状況でございます。しかしだからといって、それではその他の方法で処理をする、あるいは土中に埋めるとかあるいはその他の方法で投棄をする、こういうことは好ましくない。したがいまして、その間におきましては保管という問題になろうかと思いますが、保管につきましては、これは所管のことを申し上げて恐縮でございますが、省といたしましては厚生省の所管でありますが、その場合はいま各省協議をいたしておりますけれども、あくまで漏出しないといいますか、環境に悪影響を及ぼさないという保管方法を検討して指示をすることが大事であろうと思います。でございますので、たとえば土中にただ埋めるということでなくて、コンクリートで厳重に層をつくってそれに保管をするとか、そういうふうなことを検討しておるわけでございまして、そういう方向で協議をし、万全を期してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○神崎委員 これはいろいろ所管が各省にわたっていて協議される時間もかかるのですが、それは命にかかわる問題ですから、協議して結論が出るのは一体いつごろになるのですか。
○松田説明員 PCBの保管方法等につきましては、すでに各省の専門担当官で検討いたしておりますので、技術的には結論を得ておると私は聞いておりますので、本件の問題等につきましてもそれを適用する、その指導する場合に、具体的にどんな方法を指示するかということであろうかと思います。そういう意味では、実態がはっきりいたしますれば早急に結論は出るだろう、そういうふうに考えておるわけでございます。調査をしましてその結果によりましては直ちに指示できるのではなかろうかというふうに考えております。 本件につきましては、その具体的な量とかあるいは埋設の状況とか、そういうものを調査いたしまして事実が判明いたしますれば、考え方としては、技術的には検討がなされておると聞いておりますので、それに対する指示は直ちにできるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。
○神崎委員 聞いておられる中身を聞かしてください。処置のしかたについてこういうふうにやっていくというように私は聞いておりますとあなたはおっしゃっておるのですね。
○松田説明員 コンクリートの厚さとかあるいは強度、こういうものについて私ちょっと技術的に専門でございませんので、ここで申し上げかねますけれども、要するにコンクリートの層で、わき張りといいますか、横張り、下張りといいますか、全部張りまして、漏出が絶対に起こらないというふうな形で、その中に——ドラムかんにつきましてもどういう形でそれをセットするかということについて私ちょっといま申し上げかねますけれども、それのさらに上張りといいますか、上の雨その他による影響とか、こういうものもないような形で処理をする、こういうことで技術的な検討を専門官でしておるというふうに聞いておるわけでございます。したがいまして、その場所等がやはり問題になろうかと思いますけれども、そういうふうな漏出しないという方法につきましては、こういう方法ならばいいのではないかという技術的な処理方法といいますか、そういうものの検討が進んでおると私は承知しておりますので、具体的に適用するように、応用といいますか、そういうことを判断すればよろしいという段階だと承っておるわけでございます。
○神崎委員 それで安全だな、いつごろになったらその危険がなくなるなというような十分に納得できるような答弁ではありませんが、可及的すみやかに、それこそ一日も早く、もうわれわれが心配しなくてもいいようにやってもらいたい。そういうふうなことで今度法案も出ておるのですから、このことについて一言申し添えておいて、私は次の本法のいわゆる具体的な条項に入っていきます。 この法案では、試験研究の目的に使う化学物質は適用除外になっておりますね。試験研究用でも、これは少量とは限らないと私は思う。そうすると環境汚染を起こさないということにはならない。これは何らかの適切な規制が必要であると思うのですが、大臣、これは試験用だったら除外していいのですか。
○飯塚政府委員 大臣がお答えになる前に、法律的な点でございますので私から御説明申し上げます。 試験研究用というのは、概してそれの使用量というのはきわめて少量でございますし、かつこれでつくられたものというのは市場、流通に回る心配はないわけでございますので、したがって、環境を汚染するという心配はない、かように判断いたしまして、この法律の対象から除外しておるわけでございます。
○神崎委員 次に、法案の第四条第三項の公示したあと、その化学物質による被害が発生した場合の責任はどこにあると考えますか。これは当然国にあると思いますが、その場合、国はどのような責任のとり方をするのですか。第四条第三項の公示をしたあとで化学物質の被害がもし発生した場合、これは責任はどこがとると考えておるのですか。
○飯塚政府委員 国が化学品審議会等に諮問いたしまして、試験の結果をもとにいたしまして判定をするわけでございます。したがいまして、判定をいたして公示したあとに実は危険であったというような場合が出てきましたときには、その試験あるいは審査等について国に過失があります場合には、当然国家賠償法に基づきます国家賠償という問題が出てくる、かように考えるわけでございます。しかしながら、たとえば国が賠償責任を問われた場合においても、民間企業がこれによって責任が全然解除されるというものではないと私どもは考えておるわけでございます。国も責任を負いますし、それからその製品をつくって販売いたします民間企業自身も、自己の製品につきましては注意、調査義務があるのは当然でございますので、これにつきましては民法上の責任というのは当然民間企業も負うべきものだ、かように考えておるわけであります。
○神崎委員 企業も国も両方責任がある、こういうことですから、それでけっこうです。 そこで最後に、この法案では特定化学物質を使用した製品の輸入は規制の対象になっておりますが、新規化学物質を使用した製品の輸入は規制の対象になっていない。それはなぜか。使用した製品の輸入は規制しているけれども、製品の輸入は規制の対象外になっておる。これも規制の対象に含めなければこれは片手落ちになると思うし、当然製品の輸入も規制の対象になってしかるべきだと思うのですが、これはどうですか。
○飯塚政府委員 新規化学物質あるいは特定化学物質の輸入に伴います弊害を徹底的に除去するという観点から申しますと、いま先生御指摘のように、新規化学物質を使用した製品の輸入についても法律の規制があるのが望ましいという御意見はわかるわけでございますけれども、しかしながら、現実問題といたしまして、新規化学物質が使用されているかどうかというのを一々チェックするということを輸入を行ないます者に義務づけるのはかなり困難ではないか。たとえ法律にそれを書いても、それを実行し得る担保というのは見つかりがたいのではないかということで、法律の上の条文からは落としておるわけでございます。しかしながら、もし新規化学物質を使った製品が、その新規化学物質が特定化学物質に指定されました場合には、これは十三条に基づきまして輸入の制限というのはございますから、この条文によりまして規制することは可能である、かように考えておるわけでございます。
○神崎委員 大臣は途中で出ていかれたので、初めからいままでの質疑は全部御存じないと思うのですが、来られてからもう聞いておられると思うのですが、この法案を議決するにあたってわれわれの態度も明らかにしなければならないから、それに関連する現状について、いろいろの角度から、また具体的に四日市の問題やら北陸本線等の問題をあげて、現在の非常に危険な状態を見て具体的に実証として出したわけです。その中でいろいろ答弁がありましたが、依然としてやはり各省所管の協議、打ち合わせ、あるいは専門技術的な問題からいろいろとまだ協議されている段階ですので、われわれは国民とともにこういう有害物質、特にPCBについては、大きな社会問題にもなっておる、こういう段階ですので、ぜひともあげたところの現場は検証していただいて、そして具体的に処置をしてもらうことは約束をしてもらいましたが、抜本的な今後の対策として、最終的に通産大臣としてこの問題についてはどういうふうにやらすのか、ひとつできるだけ早く国民に安心をさすような行政措置あるいは通産当局としての責任ある態度、こういうものを明らかにしていただきたい、こう思います。
○中曽根国務大臣 PCBにつきましては、残存物を的確に把握し、保管し、処理をしていくということは大事であると思います。特に市町村等から出ますテレビ等のコンデンサーに入っているようなものは産業廃棄物で出てくるというケースもございまして、これらは何万件という数の多いスタイルの違った各会社別のテレビが出てきているわけでございます。これらにつきましては会社別のリストがようやくできまして、それらを市町村長のところにも参考のために配付して、そしてそれらについては東芝なら東芝、松下なら松下とも連絡をとって、そういうものの処理を急いで実行したいと思っております。このようないままで性能のよくわからなかった化学物質が将来出ないとも限りません。また現存していないとも限りません。そういう意味においてこういう新しい立法をお願いしたわけでございまして、神崎委員の御質問の御趣旨を体しまして、行政措置に遺憾なきを期してまいるつもりでございます。
○浦野委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 この法律案の目的並びに定義を読んでみますと、「人の健康をそこなうおそれがある化学物質による環境の汚染を防止するため、」それから定義の二項のロに、「継続的に摂取される場合には、人の健康をそこなうおそれがあるもの」ということにしぼりがかけられているわけです。したがって、本法案は、人の健康のみに限定をしているということになりますが、これをもっと広く環境全般にわたって規制をするという措置をおとりにならなかった理由について御説明をいただきたいと思います。
○飯塚政府委員 化学物質の環境汚染の問題は、現在、非常に大きな問題となっておるわけでございますが、本法におきまして、人の健康をそこなうおそれがある化学物質、つまり環境を経由して人の健康をそこなうおそれがあるという化学物質に限定いたしたわけでございますけれども、環境汚染の問題につきましては、たとえば富栄養化等の問題がございますが、富栄養化の原因につきましては、化学物質によるものであるか、あるいは屎尿あるいは都市下水その他いろいろの要因が重なり合っているというふうに実は考えられておるわけでございます。したがって、環境汚染の因果関係というものは、現在の試験方法その他の段階におきましてはまだ明確にできないといううらみがあるわけでございますので、この法律におきましては、ここで特定化学物質として指定されましたものについては、製造、輸入、販売等につきましてきわめて厳格な規制をして、いわばこういう特定化学物質として指定されたものは原則として製造、販売を行なわせないというくらいのきびしい態度で臨みたいというのが私どもの念願でございますが、こういうきびしい法規制をとるという点から考えますと、環境汚染をもたらします化学物質については、まだそこまで因果関係についても明確にできてない、そのためにこの法律に取り上げるということはできなかったわけでございます。
○中村(重)委員 私は、いまお答えのようには理解をしていないわけですが、あとでその点についてお尋ねをしてみたいと思います。 アメリカで審議中の有害物質規制法案の中身はどういうことになっているのか。これは健康及び環境に対して不当な危険を与えるだろう化学物質、こういう形になっているのではないかと思うのですが、お調べになっていらっしゃるかどうか。
○飯塚政府委員 アメリカの法律は、まだ案という段階で、上院、下院におきまして審議中でございますけれども、この法案によりますと、環境汚染の問題も対象として取り上げるということになっておるわけでございます。ただ、私どものほうでいろいろ調べてまいりますと、アメリカにおきましても、実は環境汚染について明確な試験方法がまだ確立されてないといううらみがあるようでございまして、これを一年くらいの間に、その試験方法についてこれから確立するような研究をやっておるというような段階でございますが、アメリカの法律のたてまえといたしましては、試験方法が確立したものについて物質を特定していくというふうになっているように聞いておりますので、かりにアメリカの法律が通りまして法施行になったときに、環境汚染関係の問題で環境汚染のための物質の指定が直ちにできるかどうかは、その後のアメリカの試験方法についての研究状況等を見ないとわからないというふうに、現在までの調査の段階では私どもは承知いたしておるわけでございます。
○中村(重)委員 この因果関係というものが明らかではない。したがって、化学物質によるところの影響、いわゆる人の健康をそこなったという場合はきびしい態度で臨むのだ、その点は理解ができるわけですね。かといって、私は人の健康のみに限定をするということにはやはり問題があるように思う。もっと突っこんでいかなければいけないのではないかという感じがいたします。したがいまして、まだ明確ではないのだということでこれが放置されるということになってまいりますと、たいへんなことになっていくのではないか。したがいまして、今後の方向としては、どういうふうな方向をもってこれに取り組んでいこうとするのか、その点を明らかにしていただかなければ困るわけです。通産省だけではなくて、厚生省並びに環境庁もお見えですから、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○飯塚政府委員 今後の方向につきまして関係各省に対する御質問でございますが、通産省の関係につきまして私からお答え申し上げます。 試験方法の確立を急ぐ必要がございますが、これとの見合いにおきまして、やはり方向としては、環境汚染問題もこの法律の中で将来取り上げるという方向で検討すべきだと考えております。
○橋本(道)政府委員 いま先生から御指摘のございましたように、今後の方向としては、環境に及ぼす影響ということは非常に重視すべき重大な問題であるというぐあいに考えております。ただ、現在の段階におきましては、どういうぐあいに環境に及ぼす影響を事前に評価をして予測をするかということは、日本だけではなくて、世界的にも非常に知見が不足いたしております。その点をできるだけ最大の努力をいたしまして詰めまして、今後はそういう面にもこういう化学物質の規制を及ぼすようにするという方向で対処していきた い、そういうぐあいに考えております。
○豊田説明員 お答えいたします。 厚生省の担当分野といたしましては、特に人の健康に及ぼす影響というような問題に関連をいたしまして、新規化学物質に対する毒性、特に慢性毒性の調査等につきましては、国立衛生試験所の毒性関係の分野を強化いたしまして対処してまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 他の法令との関係ですが、先般衆議院を通過いたしました有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律案、それからすでに成立をいたしております消費生活用製品安全法、これらの法律との関係はどういうことになりますか。
○飯塚政府委員 本法の十四条におきまして「使用の制限」という規定がございます。この中に「次に掲げる要件に適合するものとして特定化学物質ごとに政令で定める用途以外の用途に特定化学物質を使用してはならない。」ということで一号といたしまして「他の物による代替が困難である」、それから二号に「用途が主として一般消費者の生活の用に供される製品の製造又は加工に関するものでないこと」云々とございますので、特定化学物質は非常に有害性の多い物質でございますから、適正な無害化の処理の期待できない一般の消費者の生活用品が出回るということはきわめて危険なことでございますので用途の制限をいたしまして、そういう製品には特定化学物質は使わせないというたてまえになっておりますので、特定化学物質については一般の消費製品とは無関係である、かように考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 豊田審議官、いまのお答えのとおりの理解でよろしいのですか。
○豊田説明員 ただいまのお答えの中で、われわれの考えておりますのは、厚生省担当といたしましては、安全性の確保という意味におきまして、化学物質の人体影響の問題につきましては、慢性毒性という問題が非常に重要でございますので、厚生省の担当の分野におきましては、衛生試験所等において長期の毒性試験をやった上で、そのものについての毒性判定を厚生省並びに通産省と共管で判定していくという考えております。
○中村(重)委員 いまのお答えのとおりだろうと思うのですが、その点は谷間にならないようにしてもらわなければいけないということですね。緊密な連携をとっていくという点に十分注意を払っていただきたいということを求めておきたいと思います。 それから、第三十三条において、食品添加物、洗済、農薬、これらのものは適用除外になるわけですが、これはなぜですか。
○飯塚政府委員 第三十三条に列記いたしておりますそれぞれの法律におきましては、たとえば食品等については、食品衛生法によりまして非常に厳格な規制が加えられておるわけでございますので、本法におきましてさらに二重に規制をする必要もないということで適用除外にいたしておるわけでございます。 なお、特定化学物質が、たとえば食品とかあるいは農薬等に使われております場合には、当然この法律で適用除外になるわけでございますけれども、同じ特定化学物質でも、農薬、食品以外に使われているものは、当然のことでございますけれども、この法律の適用対象になる、かように考えるわけでございます。
○中村(重)委員 いまのお答えですが、むしろ縦割り行政の調整の結果ということで除外されたのではないかというふうに私は思っているんですが、そうではなくて、両方の法律で毒性審査をするというほうがより効果的ではないかと思いますが、そうは思いませんか。
○飯塚政府委員 必ずしも縦割り行政の結果、こういう適用除外をしたわけではございませんで、現実にいまここに列記をしております法律では、たとえば食品におきましては人の口に直接入るもの、したがって、この規制の方法につきましては、たとえば生産の上の工程等につきましてもきわめて厳格な規制をしなければいけないということで、この法律よりもさらにきびしい規制をしている個所は幾つかあるわけでございますので、そういういままでの既存の法律によりまして特別に厳格な規制を加えられておる物質につきましては、あらためて本法において取り上げる必要もないということで除外になったわけでございます。 ただ、御指摘のように、関係各省間でもし相互間の連携が不十分で、本法の施行に遺漏が出るというようなことが出てまいりますとたいへんでございますので、実際の運用につきましては、厚生省は共管大臣となっておりますから当然でございますけれども、その他農林大臣、もちろん環境関係各省との連携を緊密にとるということが本法運用上きわめて重要なことではないか、かように考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 そのお答えのように、個所個所にはそれはきびしい規制になっているところもあるのですよ。しかし、ただいまの御答弁ですけれども、私はやはり縦割り行政の調整の結果適用除外になったというふうにしか理解できないのですね。ですから、この法律で規制をする必要はないのだとおっしゃるのだけれども、どうしても縦割り行政の弊が今後あらわれてくるおそれがある。いわゆるすき間がそこに生じてくるおそれがある。したがって、両方の法律で規制をしていくということになってまいりますと、より完全な行政運営というものができるのではないかと私は思っているわけですね。その考え方から出てまいりますと、その障害となると思うのは、縦割り行政の調整の問題ですから、そういう意味からいたしますと、この権限の問題は、環境庁長官に権限を与えていくということがより好ましいのではないかと私は考えるわけですが、そのことの検討はなされなかったのかどうか。通産省と環境庁からそれぞれお答えをいただきたいと思うのです。
○飯塚政府委員 所管の問題でございますが、本法の運用につきましては、特定化学物質あるいは一般の化学物質につきましてその性状を十分把握する必要があるわけでございます。それからまた、人の健康に重要な影響を与える物質についての諸規制の問題でございますので、こういう点を考えましてその二つの点に一番関係がございます通産省と厚生省がこの法律の主管大臣ということになったわけでございます。また、現実の取り締まり等の問題を考えましても、製造、流通、消費というような問題につきましては通産省は責任を持つ官庁になっておりますので、通産省と厚生省は主管大臣ということになったわけでございます。しかしながら、環境問題は非常に重要な問題でありますので、環境行政を総合的に所管いたしております環境庁とも緊密な連携をとって法律を運用する必要があるわけでございまして、そのために、届け出につきましては環境庁長官にそのまま通報するということも法律の上で規定いたしておりますし、それから判定等につきまして環境庁長官は意見を述べることができるというような規定もございますし、かつ法案の二十二条及び二十三条の命令、勧告等の措置に関して環境庁長官は意見を申し述べることができるような幾つかの条文を置きまして、環境庁の御意見を十分尊重しながらこの法律を運用していくということにいたしておるわけでございます。
○橋本(道)政府委員 本問題につきましては、ただいま通産省のほうからも御説明がございましたが、この法律の基本的なねらいといたしておりますところが、難分解性と生物学的な濃縮という物質そのものの性状と、もう一つは人間の健康に及ぼす影響、この二つが基本になっておるわけでありまして、前者の物質そのものの性状という点についてのテストということにつきましては、これは通産省のほうのテストがやる、また人間への影響ということにつきましては厚生省がやるという形になっております。 環境庁は一体どうしておるのかという御質問でございますが、この法律は製品の製造と輸入と使用制限というところで押えますので、通産省と厚生省が基本になってこの法律をやるということについては、環境庁としては適切ではないか、こういうぐあいに考えておりますが、環境庁としてはこれは非常に関心のある問題でございますし、また、もし環境汚染が起こって問題があるという場合には、これに対する権限に基づく行政的な行為がとられないといけない、そういうぐあいに考えられますので、この法律におきましては、三条の届け出書の写しは環境庁に遅滞なく送られるということになってまいりますし、また試験、判定の基準につきまして、第四条にございますように、試験の項目とか技術的事項という点については総理府令もこれは関与してくるという形をとります。また、特定物質の指定につきましては、これは政令になっておりますので、当然に閣議で決定されるということで、私どもも十分この点についての事前の両方の調整はつくということでございます。また、用途制限につきましても政令になっておりますので、当然にこれは調整がつく。問題がありますときにアクションをとるということにつきましては、二十七条の要請ということを環境庁長官がやることができますので、問題があればこの要請ということを起こしまして、それで回収等の措置とかあるいは勧告というものを発動してもらう。そういう形になりますので、環境庁としては、非常な深い関心を持ちながら、この法律の中に規定しております義務と、また閣議における決定という範囲内で十分その目的を達成し得るというぐあいに考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 いまお答えがあったように、条文の数カ所に環境庁が関係するような条文があるのです。しかし、お答えの中に出たように、関心を持っているという程度であるということです。私は、本来化学物質の安全審査であるとか環境汚染対策というものは環境庁長官が主導権を持つものだというように考えておる。通産省も従来のような産業政策中心というものから発想の転換をはかっていかなければならぬということはわかるのです。わかるのですけれども、人の健康に関係する問題といったようなことについては厚生省とか、いまお答えが出ましたけれども、環境庁というものは関心を持つということよりもむしろ権限行使というような強い態度というものが望ましいのではないかという感じがするわけです。ですから、十分緊密な連携をとっていくのだと言うけれども、それだけでは足りないのじゃないかという感じがしてならないのです。しかし、お答えはただいまのようなことがまた返ってくるにすぎないのでございましょうから、通産大臣、この点についての、今後の法律の運営の問題にもなるわけですが、考え方をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 環境庁ともよく連絡をとりまして、これらのまだ解明されない物質あるいは現在すでに存在して危険性のある物質につきましては、化学的によく究明した上で予防的にも万全の措置をとるようにいたしたいと思います。
○中村(重)委員 既存化学物質の審査は、政府も審査を実施すると言っているわけですね。それから予算も取っておるように思うのですが、これが本法案に規定してないということはどういうことなんです。この点が私は理解できないのです。
○飯塚政府委員 既存化学物質につきましては、本法の附則の第二条におきまして、既存化学物質名簿というものを作成いたしまして、これに載ってないものは全部新規の化学物質ということになるわけでございます。本法に載っておりますのはこの名簿だけでございまして、実は規制その他の点につきましては、いま先生御指摘のように何も規定はないわけでございますが、しかしながら本法の二十二条、二十三条、つまり二十二条というのは、いままで生産され流通されておった物質が特定化学物質として指定をされて、回収その他の命令を下すというのが二十二条の規定でございます。それから二十三条には、そういう特定化学物質と疑うに足りる理由がある場合には、事前に勧告をして、その用途等につきまして制限を加えるという規定でございますけれども、これはまさに既存の化学物質についての規定でございまして、新規の化学物質につきましては、これから届け出を受け審査をして有害でないという判定を下したものしか生産、輸入ができないわけでございます。この二十二条、二十三条はいままで流通し、販売されておる化学物質についての規定でございますので、これによりまして十分措置はできると考えておるわけでございます。 現在、既存の化学物質というのは約七千あるわけでございますけれども、国はすみやかにその有害性、つまり分解性、蓄積性、慢性毒性といったような有害性について審査をしなければならぬわけでございますが、審査の方針といたしましては、この中で生産量の多いもの、あるいは物質の化学構造等によりまして危険性があるのではないかというような心配のあるもの、こういうものに重点を置きまして、こういうものから先に取り上げて審査をやっていく必要がある、かように考えておるわけでございます。 それで、七千の既存の化学物質のうち、年間生産で申しまして百トン以上のものは約千二百種類ございますけれども、このうち早急に試験をやる必要があると思われますのは四百種類ぐらいかと考えておりますけれども、これにつきましてできるだけすみやかに試験をし、その結果を審査いたす必要がある。審査の結果、問題のあるものにつきましては、先ほど申し上げましたように、二十二条とか二十三条で勧告とか命令とか、そういったような措置を講ずるということになるわけでございます。
○中村(重)委員 なるほど、二十二条、二十三条の説明を聞いてみると、これが既存化学物質に関連する条文かなという判断が出てくるわけです。しかし、予算措置を講じながら実施要綱というものも明らかになってないのです。それから既存の化学物質について毒性が明らかになった、環境汚染が問題になる、そういったような場合に緊急措置ということだって必要になってくるのです。それに対しては何ら明記してないということです。ただ二十三条に勧告というものがある。勧告で間に合うはずがないじゃありませんか。すみやかにこれを公表するといったようなことがなければいけないのです。行政にのみ知らされたのじゃこれはだめなのです。広く一般国民に直ちに明らかにするということでなければいけない。予算を取りながら実施要綱も明らかにしてないし、既存のものに対しては二十二条、二十三条がこれに当ってはまるのですといったようなことでは話にならぬと私は思う。やはりもう少し既存の化学物質に対するところの規定というものをここに書く必要があったのじゃないのか。ただいまの私の指摘に対してどのようなお答えをされますか。
○飯塚政府委員 既存化学物質の中で問題の、つまり特定化学物質として指定されますものは、二十二条におきまして直ちに製造、販売の禁止、それから製品の回収その他の措置も講ぜられることになっておるわけでございます。御指摘のように、勧告というのは二十三条の関係でございますが、まだ特定化学物質として指定するほど試験結果が十分出てないという場合には、なるべくそういうものを事前に防止していきたいということで勧告という規定があるわけでございますが、新規化学物質については、いずれにしましても試験の結果によりまして二十二条で製造禁止、回収等の強力な措置が講ぜられることになっておるわけでございますので、法律の条文にはございませんけれども、実際のこの二十二条の精神というのはそういうことで既存化学物質対策として措置できる、かように考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 私は、いまの御答弁ですけれども、この二十三条の勧告というのはやはり不十分であると思うのです。当然公表がなされなければいけない。これはこの法律案の審議に入ります前に、通産省の機構改革、あなたが基礎産業局長になられる前に、公表というものは書いてないけれども、運用の問題で公表していきたい、事前の法律案のヒヤリングの際に、そうしたお答えがあったのですね。しかし、あなたは勧告で十分なんだというようなことでありますと、これはやはり問題なんですね。より完全なものにするということになってまいりますと、やはり行政運用面において完全にしていくということでなければいけないのじゃありませんか。ですから、勧告だけではなくて、必要により公表するのだというような態度ではないのですか。いかがですか。
○飯塚政府委員 御指摘のように、二十三条におきまして勧告を行ないます場合には、法律の上では規定はございませんけれども、私どもの方針といたしましては、勧告の公表は行なうつもりでおります。
○中村(重)委員 化学品審議会についてお尋ねをいたしますが、審議会に関する規定はほとんど明らかになっていないのですが、構成員の数であるとか、あるいは消費者代表をその中に参加させるのか、あるいは生産過程で労働者の健康問題が当然起こってまいりますから、労働者の代表を参加させる意思を持っているのかどうか。 それから、財界代表というのはもうここらあたりで縁を切ったらどうか。財界代表の発言というものを強くさせるというようなことを通産省はお好みのようだけれども、そのお好みはこの際ひとつおやめになって発想の転換をしていく必要があるのではないか。何も私は財界の代表を罪人扱いするわけじゃないけれども、ともかく通産省の行政というものがゆがめられてきていることだけは間違いないのだから、この際、百尺竿頭一歩を進めて発想の転換をする意思があるのかどうか。以上の点について、それぞれお答えをいただきたい。 それから、環境庁も厚生省もこれに関しては関心をお持ちでございましょうから、化学品審議会の構成についてそれぞれお考えを聞かせていただきたいと思います。
○飯塚政府委員 化学品審議会は、本法に基づきまして化学物質の試験方法、判定の問題あるいは特定化学物質の指定というような、要するに本法の最も重要な問題につきまして数多く諮問をいたしまして、その審議会の意見によって行政庁としての法律の運用上の責任を果たしたいというふうに考えておるわけでございます。 そこで、審議会の構成でございますが、医学、化学等の分野の専門家は当然でございますが、そのほかに学識経験者、言論界、それから需要者、消費者並びに業界の代表というもので構成をいたしたいと考えておるわけでございます。しかし、この審議会の中で一番問題になりますといいますか、一番中心になる仕事といたしましては、物質の審査の問題、判定の問題という点、つまり安全性の判定の問題でございますが、こういうものは分科会を設けまして、分科会は専門の学者だけをもって構成するということで、これには業界は全然入れないできわめて公正な運用をしたい、かように考えておるわけでございます。 なお、先生御指摘の業界代表はもう審議会の委員から落としたらどうかという点でございますが、私どもが審議会の中に業界代表を入れるということは、業界の利害関係人を入れるというつもりで入れておるわけではございませんで、やはり化学業界につきましての現実のいろいろな知識を持っているのは業界代表であるということは否定できないところでございまして、そういう既存の知識をできる限り広く活用していきたいということでございます。業界といたしましても、自分の生産する製品につきましては安全性確保について責任を持つのは当然でございますので、業界が今日までとってまいりました安全性の施策についてもこの審議会で意見を述べさして、参考となるべき事項は取り上げていくということもあるかと考えまして、業界も入れるほうが適当ではないか、かように私どもは考えております。
○橋本(道)政府委員 基本的な考え方につきましては現在通産省から御答弁いたしましたことと同様でございますが、若干補足さしていただきますれば、この判定をするというところで生物の濃縮という問題もございますので、生物に関連した専門家もこの中に入る必要があるということが一点、もう一つは、この専門の学者というものが分科会をつくる。これは学問的な判断は学者のみができるということはありますが、学問的になかなかわからないところも出てくるということで、審議会で最終的な判断をすることもあろうかと考えておりますが、そういう問題につきましても、審議会がやはり社会的に公正に判断できる組織ということを念頭に置くべきだ。業界の代表が大きなウエートを占めることは反対でございますが、しかしながら、一定の事業の中のことに精通している人がいるということはやはり絶対必要な要件と思われますので、一定の人数の人は化学工業、化学薬品に明るい人がいなければ困るのではないかというように考えております。
○豊田説明員 厚生省の担当いたしております、先ほど御説明いたしました慢性毒性に関する評価に関する委員会を別途に設けますが、その別途に設けますということは、すでに薬事法に基づきます薬事審議会というものがございまして、そこで新薬等の審査をいたしておるわけでございます。その中央薬事審議会の中にこの新規化学物質の毒性を評価していただきます審議会か、あるいは研究会等を設けてもらいまして、そこで専門の先生方に毒性に関する評価をしていただいた結果をただいま通産省から御説明いただきました化学品審議会等におはかりして、通産、厚生の共同におきまして正しく判定していきたい、そのように考えております。われわれのほうの毒性の分野はやはり特殊でございますので、特にその専門家の先生方に集まっていただいて、別な審議会を設けて検討していきたいと考えております。
○中村(重)委員 それぞれの考え方は理解できるのですが、業界代表の問題についても、利害関係人ということではなくて、化学物質というような面から十分な知識を審議会の中で大いにひとつ明らかにしていくというようなことはより審議会の運営にプラスになる面も私は必ずしも否定はいたしません。人の健康に関する問題であるから、生産過程において労働者の健康に重大な影響を及ぼしてくるのであるから、労働者代表というものは当然入れるべきではないかという指摘に対してお答えがなかった。業界は必要なんだけれども、労働者は必要じゃないというような考え方なんですか、いかがです。
○飯塚政府委員 労働安全衛生の関係も非常に重要な問題でございますので、この法律の中におきましても、そういう観点から、労働大臣の意見を十分聞いてこの法律を運用するということも書いてございます。 御指摘のように、審議会の委員の中に労働関係の人を入れるかどうかという問題でございますが、御指摘のような必要性もあると考えますので、私どもはこの問題について、いま最終的に入れるということをお約束することまではちょっとまだ早いかと思いますけれども、そういう方向で検討をしていきたい、かように考えております。
○中村(重)委員 それから回収処理についての規定がないわけですね。すべて他の法令にゆだねられているわけですが、私はこれは適当でないと思います。この点に対しての考え方をお示しいただきたい。
○飯塚政府委員 回収処理につきましては、この法律におきまして二十二条で、既存の化学物質が特定化学物質となった場合には回収その他必要な措置について命令をすることができるということになっております。その他必要な措置と書いておりますのは、たとえば公告を出して、その公告の様式等についても一定の様式を指示するつもりでおりますが、これを一般に公表をせしめるような意味で公告を義務づけ、それから流通段階にあります在庫を凍結するとか販売業者の名前を通報せしめるとか、そういったような具体措置を回収の問題については考えておるわけであります。 ただ、廃棄の問題につきましては、確かにこの法律の中に規定は置いてございませんけれども、これは法律的には廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりまして、従来からその法律の運用はやっておるわけでございます。今後におきましても、法律的な措置としては、この廃棄物の処理及び清掃に関する法律によって措置することになるかと思います。ただ、本法におきましては、廃棄段階の回収処分等につきまして関係業者に対して命令を下し得るということで措置したいと考えております。
○中村(重)委員 クローズドシステムという以上は、使用後の廃棄とか保管、処理の方法について、その規制措置を明確にしていくということは当然じゃありませんか。私はいまの答弁は不十分だと思いますが、いかがですか。
○飯塚政府委員 クローズドシステムをとるということは当然なことでございまして、たとえば使用の制限等の規定がございますけれども、これもやはり開放系への用途を禁止する、あるいは閉鎖系に用途を特定した場合でも、その回収処分が明確にわかるものだけに限定をするということがこの法律の趣旨でございます。したがいまして、この法律におきましても、回収処理につきまして十分措置はできると考えておりますが、ただ一たん廃棄されたものの法律的な処分はどうなるかということでございます。これは法律的には、先ほど申し上げましたように、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によってやるということをお答え申し上げたわけでございますけれども、御指摘のように、廃棄物が出ないようにクローズドシステム化をはかるという必要は十分ございますし、また、この法律におきます命令等によりまして、それも十分担保できるというふうに考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 回収後の管理とか処理が適切に行なわれないということになってまいりますと、二次公害が起こるおそれがありますよ。ですから、いまの通産省の答弁で十分なのかどうか、環境庁、厚生省、それぞれお答えをいただきたい。
○松田説明員 廃棄物になりました場合の収集、運搬、処分、こういうふうなことにつきましては、先ほど御答弁がありましたように、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定がございまして、そのうちの最終処分の基準につきましては環境庁が担当しておるわけでございます。したがいまして、クローズドシステム化という点につきましては先ほど御答弁のとおりでございます。万一廃棄物になりました場合の最終の処分基準につきましては、現在でも有害廃棄物の処分基準というものはきびしく規定してございますが、新しいそういう物質の性状等に応じまして適切な処分基準をきめまして規制してまいりたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○豊田説明員 お答えいたします。 厚生省の関係といたしましては、二次汚染の場合は、やはりあくまでも人に関連してきた場合についてのみ回収あるいは廃棄等の処理をしていかなければいけないのじゃないかと考えております。あくまでも厚生省の場合は、二次汚染の場合でも人に関連してのみ関係してくるのじゃないかと考えております。
○中村(重)委員 いろいろ質問してまいりましたが、決定的な欠陥というものを指摘するまでにはまいりませんが、非常に不十分な点があるように感じます。しかし、それは今後の法の運用いかんによって十分補完されるであろうというように思います。ですけれども、通産省、厚生省、環境庁の十分な連携が必要になってまいりますから、これは単なる連携をするという考え方ではなくて、連携の体制を整える必要がある、私はそのように考えます。そういったことで今後お臨みになるのかどうか、具体的に考え方があるならばそれをお示しいただきたい。そうして次の質問に移ってまいりたいと思います。
○飯塚政府委員 本法の運用につきましては通産省、厚生省、環境庁あるいは物質によりましては農林省等の各省との間の連携をとって仕事をしていかなければならぬことは事実でございますが、これが単なることばだけの問題に終わらせないために、私らとしても最大のくふうをする必要があると思います。いま具体的にどういう方法で連携をとっていくかということを明確に申し上げるわけにはまいりませんが、たとえばこの法律の運用のために関係各省の間の連絡協議会をつくりまして、メンバーを固定いたしまして、それぞれの責任ある各省の方々がこの法律と各省との連絡及び所掌事務の遂行に責任を持つような体制をとっておく必要があるのではないかと考えております。具体的な各省間の連絡調整の方法につきましては今後積極的に打ち合わせをいたしまして、できるだけ早く詰めていきたいと考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 洗剤の問題についてお尋ねをいたします。 昭和三十七年でしたか、いまから十年前くらいだと思うのですが、家庭用洗剤の人体に及ぼす影響について、厚生省は、これは有害ではないという一応の結論をお出しになったと思うのです。十年たちましていろいろと問題等も起こっているようでございますが、厚生省の見解はどうなのか、伺ってみたいと思います。
○小島説明員 昭和三十七年に、厚生省といたしましては、当時日本の国内及び外国におきますいろいろな文献を調査いたしまして、食品衛生調査会において、通常の使用をはなはだしく逸脱しない限り人の健康に障害を及ぼすおそれはないということでいままでに至っておるわけでございます。しかし、その後におきましても、先生御存じのように、洗剤につきまして一部の学者の方からいろいろな疑問が提出されたことがあるわけでございますが、そのたびに、私どもといたしましては、たとえば国立衛生試験所において追加の試験を行なってその安全性を確かめるとか、あるいはその後諸外国においていろいろな実験も行なわれておりますので、そういったものも検討いたしまして、安全性を確認してきたわけでございます。 しかしながら、洗剤と申しましても、これを実際に使います際にはいろいろな形で商品として出てまいるわけでございまして、その品質の問題あるいはまた食品衛生調査会の答申にもございますように、使い方というものもその安全性の上で非常に重要な要素でございますので、実は昨年の食品衛生法改正が行なわれました際に、従来法律的には規定のなかった洗剤につきまして、食品衛生法では食器及び野菜、果実の洗浄剤につきましては、品質の規制及び使用方法の規制ができるように規定を改めまして、本年四月、それに基づきまして、私どもとしては品質の確保、それから使用方法の規制というものを告示いたしたわけでございます。私どもとしては、今後ともそういった面で十分適正な使用が行なわれ、安全が確保されるように努力してまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 いまのお答えにありましたように、厚生省は食品衛生法による規格の設定ですか、それから通産省は家庭用品品質表示義務というのを決定をしたわけですが、そのとおりのことが行なわれたら、人の健康をそこなうおそれはないという考え方の上に立っておられますか。
○小島説明員 すべての化学物質にはいろいろな意味でその作用というものがあるわけでございまして、たとえば洗たくをするといいますか、ものを洗います洗剤には強く油を落とす作用があるわけでございまして、そういうものを使いますと、どうしても手に触れますと手の油を落とす、それによって手が荒れるというようなことがあるわけでございまして、そういった意味で、すべて有効さとそのうらはらにやはり人体に対して何らかの作用があるということは避けられないわけでございます。やはりそういうものを使う使用方法を適正に行なうことによってそういった被害を避け、そういったものを有効に使っていけるのではないか。これが文明社会においていろいろな化学的な生産物をじょうずに私どもの生活に利用していく道ではないかというように考えております。 ただ、もちろんそういったものが環境に蓄積したり何かというような問題については、広い観点から今回の御審議のような法律によって取り締まられるというように私ども考えておりますが、そういった意味で、そういう使用というもの、それから私どもの生活の中における有効さというようなもの、全体のバランスというものから考えまして、人体に危害のないような形でそういうものをじょうずに使っていくことが大事だというような観点から私どもとしては規制を考えてまいりたいというふうに存じております。
○中村(重)委員 人の体質によっていろいろ差異があるということはわかるのですが、多くの学者はこれは有害であるということを指摘している。それは厚生省も十分御承知のとおりだと思うのですが、私もこの「合成洗剤」という題の機関紙を読んでいるのですが、何と申しますか、実に危険だなという感じを受けるのです。昭和四十四年に三重県立大の三上美樹教授ですか、メダカとマウスの実験結果として、水道法によるABS許容量の問題これについての有害が指摘されておる。それから名古屋市立大の佐藤寿昌教授がガン学会でABSと発ガン物質をネズミに同時投与した結果、通常の数倍になると発表して注視を浴びておるといったような例であるとか、実際合成洗剤を使った人が受けた被害ということです。たくさんの例がここで明らかにされておるわけですが、「手袋しないと大変」というような見出しで具体的にあげております。時間の関係もありますから一つ一つこれを読みませんが、人の体質によって違うのだというようなことで済まされないような感じが私はいたします。ですから、この点については有害であるという学者等の意見あるいは具体的に合成洗剤を使った人等が受けた被害というようなものを避けて通らないでもっと安全性に取り組んでいく必要があるのではないかというふうに思うのですが、その点に対して、再度今後の方向を含めてお答えをいただきたい。
○小島説明員 先生のお話ですと、大ぜいの学者からというお話が最初にございましたが、日本では数人の学者の方にいろいろな動物実験等でそういう御意見があるわけでございますが、先生の御指摘の昭和四十四年の三上教授の御説につきましても、私どもとしては国立衛生試験所においてその後大がかりな追加の実験を行ないまして、これは三上教授にも御説明をいたしまして御納得をいただいておる次第でございます。それからまた、名古屋市立大学の先生のおやりになった実験につきましても、これは洗剤の相当な濃度の液に水に溶けにくい発ガン物質を溶かしておりまして、そのために吸収がよくなるというようなことでございまして、実際にこれが人体の危害に結びつくことはないというようなことも、私どもとしては専門の学者等の御意見も伺っておるわけでございます。 しかしながら、私どもとしてはあくまでも国民の方に不安を持たせるということは困る、そういうことであってはならないという行政の姿勢を考えまして、たとえば一般の方の皮膚障害というものがどういう形で起きるのか、実際に御家庭でお使いになっておる方の使用方法等を伺ってみますと、やはり非常に濃い溶液をそのまま手におつけになる、こういうようなことになりますと、洗浄効果を非常に強く持っておるようなものでありますと、どうしても手が荒れてくる、こういうようなことでございますので、私どもとしては、先ほど先生に申し上げましたように、洗剤の適正な使用の方法というものを今度の食品衛生法で定めますと同時に、また、現在私どもとしては、今度の十一月の洗剤に関する規格基準の施行を控えまして、業界に対しまして、一般の消費者の方に正しい使用方法を十分PRするように、たとえばテレビの広告等でも商品を売り込むというようなだけの広告ではなしに、やはり一般の消費者の方に正しい使い方をよくわかっていただくようなことにつとめてもらいたい、それからまた、洗剤というものは一般の消費者の方が自分たちで選んでお使いになれるものでございますから、人によりましてはABSといったような洗剤よりも、自分は石けんのような洗剤がよろしいというような方もいらっしゃるわけでございますが、そういう方のために、脂肪酸の誘導体のような洗剤を別に、洗剤を売るところでは必ず並べて売るようにというようなことで、私どもとしては、食品衛生法でこういうことが規制できるようになりましたのを機会に、業界の指導をいたしておるところでございまして、そういった意味の努力を今後とも重ねてまいりたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 たくさんの学者が何名か、少ない学者が何名かというのは、それは定義というものはないわけなのだけれども、いまあなたがお答えになったように十分PRをする。それから、人の体質によって違うのではあるけれども、被害を受けているというような人があるということは事実なので、やはりそれについては極端に言いますと、極端ということよりも当然のことでございましょうが、そういう被害を人に及ぼさないというような洗剤でなければならない。そういう方向に最大限の努力をしていくのでなければ、批判をする者は、それはおまえはよくわかっていないのだというような排他的な考え方では、私はこうした被害の除去、人の健康を守るというような方向には進まないであろうというような感じがするわけです。したがって、厚生省もその点は十分留意をされる必要があるであろう。そうした考え方から、また、あなたの先ほどのお答えの中から適当ではないというように私が考えるのは、日本中性洗剤協会編集の、ここに持っておりますが、あなたもお読みになったことがあるんでしょうが、社団法人日本食品衛生協会発行「台所用中性洗剤」というのを読んでみますと、これはPR用でありましょうが、その前文のほうでは有害論を批判をしていますね。これは私は行き過ぎではないかというような感じがいたします。これは単なる私的団体ではないということ等から考えてみまして、もう少し、何と申しますか、単なる批判ではなくて、そういう有害であるという声は声として謙虚に耳を傾けていく、そしてそういう被害が出ないように努力をしていくということこそ当然ではないかというように考えるのですが、この点に対してはどのようにお考えになりますか。
○小島説明員 私は何も反対論を排除するというような立場をとっておるわけではございません。中性洗剤につきましては、これは御存じのように非常に洗浄力もよろしいものでございますし、世界的にも非常に広く使われている。これはやはり、洗浄力が強いために、消費者としても、非常にいろいろな面で利益があるために、消費者の方がお使いになっているわけでございますし、また、各国政府も十分それぞれの国において安全性を検討した上で使わしておるものであると私は考えておるわけでございます。しかしながら、先生がおっしゃるように、これはそういったものであっても、それを使った方に何らかの障害が出るということは非常に困ったことでございまして、そういうものの出ないようにじょうずに使っていただくということが肝要ではなかろうかということでございまして、そういった意味で、業界を指導して使い方を適正にするようにPRをしたい。それからまた先生がおっしゃるように、ABS以外の洗剤につきましても、現在は石けんを使えばいいとおっしゃっても、なかなか化粧石けんで物を洗ってもにおいがついてしまうということもございますので、こういうものも使えるようなものを開発して、一緒にたなに並べておくようにして、消費者が選んで使えるように、これは消費者の方が御自分で選択をなさる。法律でたとえばこちらを使えというふうに規制すべきものではないのではなかろうか。やはり消費者の選択ということができるような形に持ってまいりたいというふうに私考えております。 それから日本食品衛生協会のパンフレットでございますが、日本食品衛生協会が中性洗剤の推奨制度というようなものを昔からやっていたのは、はなはだ私としてはおかしいのではないかというふうに考えておりまして、実は今回の私どもの規格基準の制定を機会に、これも役所の監督している団体ではございますが、やはり独自のやり方につきましては、それほど強く干渉するわけにはいかぬわけでございますが、しかし、私どもとしては、そういうものはやめろということでやめさしたような状況でございますし、そういったパンフレットにつきましても私注意を与えたことがございますので、おそらく先生お持ちのパンフレットは、もうその後は刷られていないのではないかというふうに考えておりますが、なお先生から本日御注意をいただきましたので、私戻りましてから食品衛生協会のほうへはさらに強く申しておきます。
○中村(重)委員 いまのあなたの答弁は、そうあるべきだというように私は思うのです。日本中性洗剤協会というのは認可法人であるわけですからね。お答えのとおり、障害が出ないように、障害を受けないように、そうしたPRということに努力するということは当然でなければならないのですよ。ですけれども、これはまことにけしからぬので、有害だという学者はけしからぬのだというような批判、「中性洗剤についても、間違った有害論をとなえる人がいます。」というようなことで、これは内容に至っては話にならないのですね。あなたも注意を与えた、今後もきびしく注意をしていくということですから、監督をきびしくやっていただきたいということを要請しておきたいと思います。同時に、障害がすべての人に出ないように十分研究してやっていただく。あなたがおっしゃるように、石けんばかりを使ったら問題はないのでしょうが、やはり洗剤を使っている人が数多くあるというこの現実に目や耳をおおうわけにもまいらない。かといって、また何回も繰り返しましたように、障害を受けた人のあることも、これはまた目をおおうわけにはいかない、こういうことですから、厚生省としても十分配慮されて、有害でないように、障害がすべての人に起こらないように十分ひとつ研究をしてもらうということを要請をしておきたいと思います。 これで質問を終わります。
○浦野委員長 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時八分休憩 ————◇————— 午後二時三十六分開議
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。松尾信人君。
○松尾委員 特定化学物質の規制関係法案について質問するわけでありますけれども、最初に輸入の問題にしぼってお聞きしておきたいと思います。 これはいままでの質疑を重ねてきたところによれば、百トン以上の輸入品についても調べた、これが累計して二千品目に達しておる、このようなお答えだったと思うのですが、この既存の輸入された化学物質でございますけれども、この通関関係、取り締まり官庁であるところと現物を輸入する官庁、そのつながりというか通関の実態というものについて御説明願いたいと思います。
○飯塚政府委員 既存の化学物質は全体で約七千でございますが、そのうち輸入によりますものが二千、国産が五千、こういうふうに私どもは調査結果をまとめておりますが、従来の化学物質につきましては、特定の規制がございませんものにつきましては、通常の輸入手続によりまして国内に入ってきておるわけでございます。 今後の本法施行後の輸入のチェックの問題でございますけれども、実は私ども、この法律の立案の過程から大蔵省の関税局とも現実の取り締まり体制につきましてお打ち合わせをいたしておるわけでございますが、関税当局のほうも、本件についての取り締まりについては最大限の努力をするということを約束していただいておりますし、あと具体的な問題につきましては税関当局と私どものほうとの間でさらに事務的な詰めをする必要があるかと思います。 具体的に申し上げますと、新規化学物質につきましては、国内におきます製造につきましても、輸入につきましても、届け出をして許可を受けなければならないわけであります。それから特定化学物質につきましては、特定用途以外は輸入を認めないということになるわけでございます。そこで、通産省といたしましては、この法律施行後は新規化学物質の製品名とその性状等を記載しました一覧表を税関当局のほうに提出いたしておきまして、税関はそれを見ながら化学物質の輸入についてチェックをするということになっておるわけでございます。もちろん化学物質は非常に数多くあるわけでございますので、これの具体的なチェックについてはいろいろ疑問が生ずる点も多いかと思いますので、税関当局のほうで調べて疑問を生ずるものにつきましては通産省のほうに通報していただき、通産省はこれを専門的な立場から調べまして、税関の御相談に十分応じていくという体制をとるようにいたしておる次第でございます。 特定化学物質につきましても同じでございますが、このほうにつきましては、特にその輸入について厳格なチェックをする必要があるわけでございますので、税関等で疑いがあるというものにつきましては、通産省のほうに通報をすると同時に、通産省と税関当局が一緒になりまして、そういう疑いのある物質につきましては、あらためて試験検査等の措置を講ずる用意もいたしておる次第でございます。
○松尾委員 そうしますと、いままで二千ぐらい入っている、それは通常の税関手続で通っておる、こういうことですね。そのほかに、すでに法の規制の対象になっておるものがあったであろうと思うのです、食品衛生法だとか。ですから、通常の税関手続といいますけれども、その中にはすでに規制の対象になっておった輸入品と規制の対象でなかった化学物質があったろう、こう思うのですけれども、そういう点はわかっていますか。
○飯塚政府委員 既存の法律、たとえば食品衛生法あるいは農薬取締法その他の法律によりましてチェックを受けて輸入されたものももちろんあるわけでございますが、いま私のところでは、個別の法律の規制によりまして輸入のチェックを受けたものと、それから一般のものとの数につきましては、まだ数字がございませんので、これは後刻調べておきたいと思います。
○松尾委員 要するに、国内の五千のすでに生産されたもの、これについてはあとでチェックをしていく、こういうことですね。そうすると、輸入品については、他の法令によって規制を受けたもの以外はチェックの方法があるのかないのか。これは全然できないような感じがするわけですけれども、そこのチェックをするといっても、輸入品についてはやれないのじゃないか、こう思うのですよ。いや、こういうところでやれるとおっしゃれば、そういうことを聞いておきたい。規制の対象としては輸入品はだめなのかどうか、やれるのかやれぬのか、わかるのかわからぬのか。
○飯塚政府委員 既存の化学物質につきまして名簿をつくるわけでございますので、この名簿のほかに性状等も詳細にわかるようなリストを税関のほうに提示いたしまして、税関当局はこれと照らし合わせながら、今後、本法の施行後に入ってきます輸入品について新規のものがあるかどうか、それから特定化学物質が含まれているかどうかの検討はできるかと思います。もちろん先ほどもお答え申し上げましたように、判定について技術的にいろいろ非常にむずかしい点もあるかと思いますので、そこのところは、税関が疑問を持ちましたものにつきましては、通産省も積極的に協力をしてその解明に当たるということで、そのチェックに多少時間をかけるようなつもりでやりませんと、法をくぐって入ってくるというような心配もございますので、そこは十分税関当局と連絡をとりながらチェックに万全を期すようにしていきたいと思います。
○松尾委員 そうしますと、いままで入ったものについては調べようがない、こういうことですね。そうでしょう。
○飯塚政府委員 従来入ったものにつきましては、輸入の段階でチェックのしようがなかったわけでございますが、ただ、既存化学物質の試験と、それからその審査をやるわけでございますので、その過程で、これが特定化学物質に該当するものが出てくるかどうかというのは、輸入品も含めましてその検査はできることになるわけでございます。
○松尾委員 入るというのは、継続的に入ってくるものとそうでないものとあると思うんですよ。継続的に入ってきたものなんかは現物があるかもしれません。現物がなければ検査のしようがないですね。在庫がない、輸入してそれを使ったということ——それが事業用等でずっと継続的に使われておれば調べようがございましょう。そうでなくて、その他の営業用等で使っていけば、調べようと思っても現物がありませんからこれは不可能であろう、追跡調査というものがそういうものについては全然できないのじゃないか、こう思うんですよ。かりにそういう中から特定化学物質と指定しなくちゃできないものが出てきたとすれば、これは現在ストック等があれば非常にぐあいがいいわけでありますけれども、それがなければ、どこへ行ったかわからぬというようなかっこうになっていく。国内が五千、輸入が二千、これもやはりおろそかにはできない問題でありますけれども、ある点、追跡のしようがないじゃないかということを心配して聞いているわけです。いかがですか。
○飯塚政府委員 過去において入りまして、それがその後継続的に輸入が行なわれておりますものは審査もできるかと思いますが、たとえば一回ぽっきりであとは輸入がとだえておって、その輸入品が国内で消費されてしまって残ってない、在庫もないというようなものにつきましては、国内にありますものについて審査をするということはできないわけでございます。ただ、その一回入ったものが、現在はとだえておるけれども将来さらに入ってくる可能性があるかどうかは、実情を調べてみますとある程度見当がつくかと思いますが、そういう今後も入ってくる可能性のある物資につきましては、外国等の事情も調べまして審査をする方法も可能かと思うわけでございます。
○松尾委員 じゃこれはそのくらいの程度にとどめておきますけれども、いろいろ規制が多くなりまして、通関関係では税関は苦労しておるわけです。それでまたこういうふうにして膨大なる化学物質の一覧表が行く、そしてまた特定化学物質がその中で特に要注意で行く、疑わしきは通産省に通報してもらう、たいへんな手数がかかるわけです。それなりのめんどうは、よそからだれも、人員とか予算等は見てくれません。あなたのほうはお願いしていく一方です。ですから、受ける側の立場をよく考えて、品名簿といいますか、そういうものはほんとうに懇切丁寧に製品名も詳しく書いて、そして日常の通関業務に支障の起こらないようにしていきませんと、私はこれはあとで非常に困ったことが起こるのじゃないかと思いますけれども、その点の配慮はいかがですか。
○飯塚政府委員 確かに本法施行によりまして税関当局に非常な負担がかかることは事実でございますので、実はその点をおもんばかりまして、私ども法案の立案の過程から大蔵省の関税当局とも打ち合わせをしておったわけでございますが、その結果、関税当局のほうもこれについて協力する用意があるということを約束してもらったわけでございます。ただ、御指摘のように、なるべく税関当局に負担をかけないようにする必要はあるわけでございますので、私どものほうも事前に提示をいたします資料等につきましては、なるべくそれを見ただけで事務がスムーズに運べるようなという配慮で資料等の作成に当たっていきたいというように考えております。
○松尾委員 ではそのようにしっかり配慮してください。 次に、PCBのほうは指定第一号になっていくだろう、このようなお話でありますけれども、その他水銀とかカドミウム等はどのように現在考えておるのか、PCBに準じてこれはやはり第二、第三というふうに考えておるのか、当分それはあと回しになるのか、こういう点をお聞きしたいと思います。
○飯塚政府委員 御指摘のようにPCBにつきましてはおそらく指定の第一号になろうかと思いますが、そのほかの物質につきましてこれから審査をするわけでございますが、その際に、生産量の多いもの、あるいは化学構造式等から考えまして有害性の危険性がわりあいに高いのではないかと思われるものから重点的に審査を進めてまいりたいと思いますが、御指摘の水銀あるいはカドミウム等の化合物につきましては、できるだけ早く審査の対象として取り上げていきたい、かように考えておるわけでございます。ただ、試験並びに審査の結果、化学品審議会等にはかりまして、これの取り扱いについて決定がされるわけでございますが、いずれにいたしましても、これが特定化学物質の対象になるかどうかは、その審査並びに化学品審議会の専門の先生方の御意見を聞いた上でないと結論が出ないかと思います。
○松尾委員 まあ順次、環境汚染のおそれが強いというものについては指定というものがなされていくであろう、こう思うのですね。また、当然それは指定をしていかなくちゃならないものであります。やはりそういうことをしっかり、早く研究し、検査の結果を早く出して、そして環境汚染また人体に悪影響のあるものは早く家庭用品等からなくしていく、この配慮は当然なされなくちゃいけない。これは強く要請しておくわけであります。 それで、そのように一生懸命あなたのほうでも検査もする、それから専門のそういう検査機関もつくる、審議会で決定していくというようにやられるわけでありますけれども、これがやはり化学物質、特に特定化学物質によりまして環境汚染、人体被害、そういう問題が起こった場合の責任の所在の問題ですね。これは国に重大な過失があれば国家賠償の問題になるでしょう。また、そうであっても企業自体の責任も免れないわけでありますけれども、これはもう一回はっきり聞いておきたいと思います。
○飯塚政府委員 特定化学物質の審査につきましてミスがあった場合には、国家賠償法の適用によりまして、国に過失ありということで国家がその賠償の責に任ずることになるのは御指摘のとおりでございます。同時に、民間企業につきましても、国家賠償が行なわれたからそれで民間企業は責を免れるというものではないと考えるわけでございまして、化学品につきましては、当然安全性の確保についてその製造なり輸入をした業者というのは責任を負うわけでございますので、注意義務違反ということで民事上の賠償責任等も生ずることになるのだと考えております。
○松尾委員 このPCBそのもの、また製品、これにつきましてはいろいろ実態調査をされて、そしていま強力なる行政指導をしておる、それは家庭用品としては使えないように製造、使用等について配慮をしている、もうほとんど家庭用品としては出回らぬだろう、こういうことをおっしゃっていますけれども、それがもう安心できるところまで来ておるかどうかということと、いま私が申し上げました水銀、その化合物、カドミ、その化合物につきましても、このPCBに準じた用途制限、配慮、行政指導、それによって家庭にはそういうものは使えないようになっておるというところまで来ておるかどうか、あわせて聞いておきます。
○飯塚政府委員 PCBにつきましては非常に有害物質であるということで、政府におきましても行政指導によりまして生産、出荷の停止、その他回収等の措置を講じておるわけでございますが、PCBの用途といたしましては閉鎖系と開放系と両方あるわけでございまして、特に開放系につきましては、たとえば感圧紙あるいは塗料等一般の消費者に関係の深い用途が多々あるものでございますから、これの回収を急ぎ、かつ、その出荷制限等につきましても最も早くやったわけでございます。現在はトランス、コンデンサー等の閉鎖用につきましても、それから熱媒体用につきましても、それから感圧紙、印刷インキ等につきましても最大限の回収の努力をいたしておるわけでございまして、特にこの回収されたものの処理の問題につきまして、いろいろ技術的に解明を要する点はございますけれども、いま国の試験研究機関等でもこの問題につきまして検討いたしておるわけでございますので、これもできるだけ早く解決するように措置したいと考えておるわけでございます。 なお、重金属化合物につきましても、御承知のようにこの使用につきましては注意を要する問題でございますので、可能な限り抑制できるものは抑制するということで措置をいたしておりますし、それから特に水銀につきましては、苛性ソーダの生産等におきまして製法の転換等の指導も積極的に進めておる状態でございます。
○松尾委員 まあ、PCBでは回収させておる。家庭に出回っておるような感光紙だとかいろいろそういうもの、これは回収といっても、いまの在庫がなくなるまでは認めるというような態度じゃないかと思うのです。いろいろの製品が出ている、それがPCBの製品でいろいろ汚染する、環境にも悪い、人のからだにも悪い、そういうふうに、回収するといっても、生産等が、用途制限で今後はつくれぬというわけであって、いま現在出回っておるものを引き揚げて回収する、こういうところまでいくのかどうかですよ。 それから、重金属化合物につきましては、そういうふうな措置はまだとられておらぬのじゃないか。今後PCBに準じてやっていこうとされておるのじゃないかといま思うのですけれども、その点、はっきりさしてください。
○飯塚政府委員 PCBにつきまして、感圧紙等の開放系の用途に向けられたものにつきましては、御指摘のようになかなか回収がむずかしいことは事実でございまして、感圧紙メーカーが現在四社ございますけれども、この四社が出荷先等が明確にわかっておって、かつまだ出荷先で在庫になっているものにつきましては回収を鋭意やっておりますけれども、その販売先がすでに末端の消費者まで売り渡してしまったものにつきましては回収ができないという実情でございます。 感圧紙メーカーがことしの七月までに回収いたしましたものは、紙の量にいたしまして千二百五十トンばかりございますが、これも全体の感圧紙の量からいいますとそう大きな量ではないと思うわけでございます。ただ、閉鎖系コンデンサー等に使われたものにつきましては、八月の二十七日に、電気PCB処理協会という財団法人ができまして、ここがコンデンサーからいかにしてPCBを抜き出し、かつ、その処理をうまくやるかということにつきまして研究をいたすし、かつ現在のPCBを使ったトランスの所有者について戸籍簿みたいなものをできるだけ早くつくるということで検討をいたしておる状態でございますので、トランス、コンデンサー等につきましては、比較的しっかりした体制がとれるのではないか、かように期待しておるわけでございます。 それから、重金属化合物につきましては、現在、PCBほど用途の規制につきまして強い行政指導をとっているわけではないわけでございますけれども、もし、この重金属化合物の中で、あるものが特定化学物質ということに指定されますと、今後は本法によりましてその製造、輸入、用途等につきまして厳格な規制が行なわれることになるわけでございます。
○松尾委員 そうしますと、重金属関係の分はどのくらい既存化学物質の中にあるか、それがどのくらい有害かということは、新たにこの特定化学物質になってからやる、いままでのものはもうやらない、こういう方針のようですけれども、そのように受け取っていいですか。
○飯塚政府委員 重金属化合物につきましては、その分解性、蓄積性あるいは慢性毒性等につきましてPCBほどその有害性につきまして明確なデータがあるわけではございませんし、したがいまして、その毒性につきましては、PCBほどひどいものではないというあれもございますので、まだ具体的にその使用を規制するとか、あるいは製造を禁止するとか、そういう措置をとるまでには、諸種の試験検査の結果がそこまで明確にはなっておらないために、現在行政上の措置もPCBみたいな徹底したことはできないという状態であるわけでございます。
○松尾委員 あわせてこれはやはりやっていかれたほうがいいと思います。いままでデータがないとかなんとかおっしゃいますけれども、やはり起これば大きな社会問題が起きますから、これも対象に入れてきちっとやるというふうな方針を固められたらいかがですか。できるだけやってみるということです。今後特定化学物質になってからやるというのではなくて、やる、疑わしきものは調べておくというような態度も必要じゃないかというわけで念を押しておるわけでございますけれども、いかがですか。
○飯塚政府委員 その点につきましては、今後積極的に検討いたしまして必要な対策というものを講じていきたい、かように考えております。
○松尾委員 PCBの問題に関連するわけでありますけれども、厚生省来ておりますか。 〔委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕 この前、カネミの問題が起こりまして、いまカネミの油症患者は非常に苦しい立場に立っております。四十三年の末にこれは発生しておりまして、すでにもう五年ですか、この間、厚生省とされましてはどのように対策をとってこられたか、また、現在はこれがどのようになっておるかという問題ですけれども、概略でいいですから御説明願いたい。 また、特に公明党といたしまして、昨年の七月十一日にカネミ油症患者の救済に関する質問主意書を出しております。そして厚生省のほうから、これは食品中毒であるから食品中毒者の救済法というようなものを検討したい、法の検討というものは、検討して出るまでには相当の期間を要しますので、その間は難病対策として取り上げてこの油症の患者を救済したい、このようなお答えがあったわけでありますけれども、そういう問題も含めて、どのようにいまなっておるか、対策というものがどのように厚生省としては進んでおるか、この点を聞いておきます。
○三浦説明員 カネミの事件の発生いたしましたのは四十三年でございまして、すでに五年が経過しておるわけでございます。その間の厚生省の対策の概略をというお話でございますが、全くまだ毒性等未知の事件でございまして、患者さんにとってはたいへん気の毒なわけでございます。したがいまして、私ども厚生省といたしましては、あくまでも患者の立場に立ってこれに対処しなければいかぬじゃないかということで、まずこれは診断の確立、それから治療の方法も当時全くわかりませんでした。したがって、この治療方法の研究もすでに一億数千万円をかけてやってきておるわけでございます。 なお、患者さん方が治療の過程で非常に生活がお困りになる、こういう問題に対しましても、厚生省としては世帯更生資金の活用等を講じましていろいろやってきたわけでございますが、何はともあれ、これは原因者が明らかであるわけです。したがって、基本的には会社があくまでも責任を持つという立場をとるのが当然かと思いますが、私ども会社に対しましても、医療費その他そそうのないように十分見てあげろ、こういうことでいままでやってきておるわけでございます。特に最近になりまして未認定患者と申しますか、油を飲んだ家族が認定されておるけれども、一人その家族の中で認定されない方がおるというような問題も含めて、未認定患者の確認というような問題もいま持ち出されてきておるわけでございます。これらにつきましても、当時全く新しい事件でございましたので、その診断基準につきましても目の症状、それから皮膚の症状、二つの大きな特徴を取り上げましてこれを認定してきておったわけでございますが、その後かなり治療研究が進んでまいりました。診断研究も進んでまいりました。昨年の十月にはこの診断基準を改正してかなりきびしい臨床検査まで取り入れました。したがって、その後また約百名近く患者がふえておる。私どもは、なるべくこの被害者は広く救済していくべきではないか、こういう立場に立っていまやっておるわけでございますが、なお、昨年公明党からいただきました質問主意書の中で、ことにこの救済制度についての御質問がございました。これは私どもといたしましては、食品事故にかかわります救済の制度化ということもこの五月から検討を開始しておるわけでございまして、秋までにはこの成案を得たいというふうに考えております。 なお、難病対策として取り上げるよう検討しろという御質問がございましたが、難病対策として取り上げる条件といたしましては、あくまでも原因のわからないものという条件がついてございます。それともう一つ治療方法が確立されていないという条件がついておりますが、このカネミの患者さん、油症につきましては治療方法はまだわからないのですけれども、原因者が明らかだということで難病の指定がなかなかむずかしゅうございます。 また、難病の指定になったメリットを考えてみましても、治療研究ということになりますが、生活費が難病の指定になったために見られるわけではございません。そうしますと、現状のように治療研究を大いに進めていけば難病として取り上げなくとも同じことではないか、こういう問題もございまして、現在難病として取り上げることは非常に困難でございますので、私どものほうの食品衛生調査研究費から研究費を出しまして大いにその治療方法の確立その他を研究しておるわけでございます。
○松尾委員 いま検査機関の問題をそちらから言われましたけれども、これは治療専門の研究機関を設置しなさい、そうして早くこの治療方法をはっきりさせて、病状の実態の究明、胎児に及ぼす影響等を明らかにしなさい、こう言っておるわけでありますが、いまあなたのおっしゃるのは、いままで福岡なりまたは長崎医大、そういうところの研究班にやらせておって、特別にこの治療体制というものは確立されていないように私は思うのですよ。ですから、いまこのように治療体制としてはもうはっきりできた、福岡なら福岡にこのようなものをつくりました、長崎なら長崎の大学の中にこういうものを付設いたしました、そこで、これは国としての一つの治療機関であるというようなことをあなたが言えるかどうか。いまお答えの中では非常にいい話ばかりでありますけれども、現実にはそのように進んでおりません。ですから、きのうからきょうにかけてこのカネミ油症患者は全国大会を開いて会社のほうにもいろいろ要望を出しますけれども、応じない。すでに五年、四年とたって生活がますます困窮しておる。それから生活資金を出したとおっしゃいますけれども、これは特定の人間でありまして、すでにその実績をぼくのほうは持っておりますけれども、これはわずかなものであります。九万から十二、三万の金で何年と経過して、はたして生活資金になるかどうかという問題がありますよ。おまけに県は期限が来たから返せといって回収まで途中でしょうとしたのでありますけれども、この被害者の実態からこれは無理だ、むしろこれは救済措置を強力にやらないといかぬということで厚生省はやったと言いますけれども、それはわずかな一部分でありまして、これが行き渡っておるとかなんとかということは、現実はとうてい言えないのですよ。そして難病対策にも取り上げられない。それは原因者がはっきりしているからだ、こうおっしゃいますけれども、この場合は、難病対策等で一つの法律、食品中毒者救済法というようなものを検討する、その間のつなぎとしてとりあえずこの難病対策で救っていきましょうというようなお答えがありながら、いまごろになって、その難病対策では原因者がはっきりしておるから取り上げない、これはまたおかしいと思うのですよ。私はここではっきり聞いたのだから、そうしたらいまのようなお答えがあって、早くそのような難病対策で取り上げられたなら、生活資金一万円くらい出るのじゃないですか。おまけに治療のほうも会社に言っておるとおっしゃいますけれども、非常に困っておるのは、特に玉之浦という町が被害者が多いのでありますけれども、この町の保険財政というものはいまカネミ油症患者のほうに食われまして、町の保険財政というものはいま非常に苦しんでいます。要するに、原因者がはっきりしておりながら、なぜ国民健康保険でやるのか、一般の掛け金をしたその地域の人々は適切な治療も受けられぬ。ほとんど財政の八〇%以上はカネミ油症患者に食われておるという問題まで引き起こしておいて、町も困っておる。おまけにその地域の人々は、あるいは会社と話し合って妥結した人もおれば、いまだに訴訟をしてがんばっておる人もおる。両方に分かれて地域の空気というものも非常に険悪です。なぜなら原因者がはっきりしておるのに、何年も何年もかかっても解決できない。まだ全国大会を開いてやらないといかぬのか、こう思うのですよ。 あなたはいま非常にかわいそうだ、生活も苦しいであろう、厚生省としてはこのようにやりましたというようなお答えでありますけれども、そのお答えのとおり実際出ていないのですよ。そしてあらゆるところにそのしわ寄せが来て全部が困っておる。患者なんかかわいそうですよ。認定も百名ふえたとおっしゃいますけれども、認定の方法もやっといろいろの問題が提起されて、患者の組合のほうから出て、それを県が厚生省と相談して取り上げて、やっと少し前進しただけであります。ですから、そういう認定の問題も含めて早急にやりませんと、これは非常に重大なる社会問題でありまするし、今後ともこれは発展いたしますよ。もうたまらないというところへきますと、これはまだいろいろ取り上げて、われわれもあらゆる角度から取り上げてこれを追及していかなければなりません。もう一回いま私が言ったことを総ざらいしてはっきり答えてください。
○三浦説明員 御指摘の中の最初に、専門の研究機関の設備という問題がございました。これにつきましては、昭和四十三年以降、治療研究が進められてきておるわけです。私ども、専門の研究機関を新設することは必ずしも効率的ではないのではないかというふうにも考えておるわけでございます。なぜかと申しますと、まだ治療法が確立されておりませんので、必要に応じて広範に研究機関と専門家の協力を得ながら、治療研究の推進をはかっていったほうがいいのじゃないか、こういうふうにいま考えておるわけでございます。 それから、保険財政圧迫の問題がございます。現在、医療費が、患者の負担分が、事件が発生いたしましてから去年の年末まで、患者自身、個人負担分は一億二千万円でございますが、保険者負担が七千四百万円ございます。この問題につきましては、いま裁判も行なわれている最中でございまして、その結果いかんによっては、保険者に会社が支払うということになろうかと思いますが、その辺は、いま裁判の進行状況とあわせて考えてまいりたいと思っております。 なお、認定方法の問題でございますが、できれば全国的に統一された認定方法があれば、私ども、もちろん一番いいと思っておりますが、なかなか地元の大学とか医師会等の関係もございまして、地元の実情を考慮しながら、各県でそれぞれ認定をしていただいておるわけでございますが、私ども、できれば将来これは統一的な認定方法にしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○松尾委員 生活資金のほうは……。
○三浦説明員 生活資金につきましては、全般的な生活保障という問題につきましては、先ほどお答えを申し上げました食品事故の制度化研究会のほうで、いま鋭意検討をしておりますが、これは秋までに結論を出していただきたいということでこの五月からやっておりますが、それまでのつなぎといたしましては、やはりいまある制度の活用をはかるということだと思います。したがいまして、この油症患者に対する世帯更生資金の貸し付けという問題があるわけでございますが、これにつきましても、従来、福岡県、長崎県等はやっておったわけでございますが、この八月三日付で広島県にも貸し付けできるように特別措置を講じておりますが、また新しい認定患者に対しましても貸し付けができますように、それぞれ措置を行なってございます。
○松尾委員 そういうものが役に立たぬと言っているんですよ。もう何年たったかというのです。そして、長崎県から幾ら出た、福岡県から幾ら出たとおっしゃいますけれども、それは九万円から十二万円とかなんとか、わずかなものであって、すでに彼らが生活資金に充てまして、いま苦しんでおる、こういう実態であるということですから、いま裁判中だとかなんとか言うけれども、なぜいつまでも裁判しなければできぬのか。もう原因者というものがはっきりしておるなら早く決着をつけて、そうして彼らの生活というものをきちっと守っていくのがあたりまえじゃないか、こう思うのですよ。五月から検討を始めて、この末までに何とかとおっしゃいますけれども、それも非常におくれていますね。五年目ですからね。現実は苦しいのですから、そういうところでもう少し真剣に早く対策を立てなさい、こう言っているわけです。いいですか、もう一回それについて答えてくださいよ。いまのようなことではいかぬ。なぜおくれておるのか、早く解決する道はないのか。それから、会社にぶっかけても、会社はなかなか聞かぬ。財政的負担力がないのかどうか。そこはあとでぼくは通産省にも聞くわけでありますけれども、そういうことも私は心配しております。ですから、なぜおくれておるのか。なぜ四年も五年もかかるのか。そしてなぜこのように苦しまねばならぬのか。それはやはり厚生省というものが率先して救済するという立場に立って立ち上がらなくては解決できない、こう思うのですよ。結論を出してください。
○三浦説明員 油症患者に対します救済の問題ですが、基本的にはやはりこれは急いでその制度をつくらなければいかぬというふうに私ども考えておりますが、もちろん先生の御趣旨を十分に体しまして、今後、鋭意検討してまいりたいと思っております。
○松尾委員 ここではそう言いますけれども、できないんですね。これは早くやりなさいよ。 これに関連するわけでありますけれども、このカネミの会社はPCBを触媒に使っておったと思うのですよ。そうすると、局長、PCBが特定化学物質になった。それで現在そのように触媒に使われておりますけれども、それが家庭に入っていくわけですよね、製品は。家庭で食用油として使うわけでありますけれども、これは保守管理の面で会社自体に大きな過失があった。ですから、触媒に使ったとすれば、この油の中に入って、そうしてそれでみんなやられた。これが患者発生の原因です。現在、触媒等に使っておる、そういうものについては、本法との関係はどうなっていくのか。現在そういうものを触媒に使っておれば、これは単なる食品衛生の問題だけに限るのか、特定化学物質としての用途制限等で何か考えていかれるのか、それの関連はいかがですか。
○飯塚政府委員 カネミ油症事件の場合には、熱媒体として使っておられたのだろうと思いますが、PCBは非常に便利であるということで熱媒体にもかなり使われておるわけでございますが、熱媒体として使う場合にも、食品関係に使う場合には特に慎重な配慮が必要ではないかと思うわけでございます。 本法が施行されましてPCBが特定有害物質ということに指定をされますと、その用途はきわめて厳格な規制を受けるわけでございまして、一般の消費者に渡るようなものはもちろんだめでございますし、それから閉鎖系に使われるといたしましても、これはもう非常に限られた場合でございますので、おそらくいま御指摘のような熱媒体等にPCBを使わせるということは困難になるというふうに考えております。
○松尾委員 これは困難になるであろう、また現在、法律はないけれども、強い行政指導をして用途制限をいまやっておる、こういうことにつながってくるわけであります。 それであわせてこの関連で聞きますけれども、中小企業者が、いまのような、家庭用品等でPCB等の製品が出ておるが、それが用途制限で売れない、自然とつくれない、そういうことを心配するわけでありますけれども、これは中小企業関係にそのような用途制限で今後製造までできないというものがあるのかどうか。かりにあるとすれば、どのくらいお調べになっておるかどうかという点でありますけれども、いかがですか。
○飯塚政府委員 本法が施行されまして、特定有害物質として指定された物質につきましては、これは原則としてその製造も、輸入も、使用もさせないという方針で運用していきたいと思います。したがいまして、この毒性が環境に放出され、それが人の健康に影響を与えないという趣旨で本法はできておるわけでございますので、それを製造するもの、あるいは使うものは、大企業であろうが、中小企業であろうが、同じような規制を受けなければならないと考えるわけでございます。ただ、御指摘のように、中小企業の場合には大企業と違いまして、製造禁止、使用禁止というようなことになった場合には、その影響は大きいかと思いますので、その点につきましては、今後救済等の面について十分な配慮をする必要があるかと思います。 ある物質が製造できないということになりますと、その中小企業は他に転換せざるを得ないわけでございますが、転換のための資金の融通をどうするか、さらに転換したあとの経営がうまくいくかどうか、そこら辺について政府としても十分な配慮をする必要がある、かように考えておるわけでございます。 ただ、現在の段階で一体どういう物質が今後特定化学物質として指定されるかにつきましては、まだ明確にお答えできる段階ではございませんが、具体的にそういう事態に到達いたします際には、いま御指摘のような点について、十分配慮しながら考えていく必要があるかと存ずる次第でございます。
○松尾委員 これで最後にいたしますけれども、カネミでもそうでありますが、被害者が相当出てきた。それでぐずぐずして、会社がその油症患者の要求になかなか応じないということは、もう一つ会社自体の財政力といいますか、力が弱いからぐずついておるのじゃなかろうか。そして早く安い条件で妥結派をつくる。納得しない、そういうものではあかんというのが訴訟でがんばっておるわけであります。それで、このように非常に苦しんでおるわけでありますけれども、これは会社自体にもやはり資金的な弱さがあるのじゃないか、このような感じもするわけです。そうすると、国の責任の分はこれは当然でありますから問題になりませんけれども、企業の責任の問題ですが、これもそういうところにぶつかれば、その責任、責任と追及するだけであっては、具体的に何も解決できないわけですよ。カネミのこの問題だけとっても、はっきりするわけであります。ですから、そういうときにはやはり企業の力の限界というものを考えて、そして何かの方策を立てませんと、苦しむのは被害者であり、ほっぽらかされて救済方法がないというのがいまのカネミの実態です。何やかや、既存のものの中からどうなりこうなりかき集めて対策を立てておるから、さっぱり根本的な解決はできない。弱体な企業、そういうものに、これは中小企業の話をいまいたしましたけれども、やはり出てくるということを考えておってもいいと思う。そして全面的に会社の責任であるとわかっておっても、どうしようもない場合がある。それはどうしますか。
○飯塚政府委員 確かに御指摘の点は非常に重大な問題でございまして、企業が負担能力がある場合には十分な補償もでき、かつ必要な措置も講ずることが可能かと思いますけれども、その企業に負担能力がない場合には、結局被害者に一方的に迷惑をかけたままでなかなか事態の解決が進まないというようなことになるおそれがあるわけでございまして、この点につきましては、今後特定化学物質の法律が施行されました後においても、私どもとしては、絶えずそういう心配をしながら考えていかなければならぬ問題だと思います。具体的に、そういう負担能力のない企業、たとえば中小企業等が不幸にしてこういう事件を起こした場合にどうするかという問題については、現在まだここでお答えできる成案を持つに至っておりませんけれども、問題の重要性にかんがみまして、通産省として真剣に勉強していきたいと考えておるわけでございます。
○松尾委員 それでは、質問を終わります。
○稻村(左)委員長代理 次回は、明十二日午前十時理事会、午後四時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十六分散会