商工委員会 第48号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/08/29
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近江巳記夫君。
○近江委員 まず初めにお伺いしたいのは、最近の異常な物価上昇、卸売り物価の異常な上昇の問題であります。御承知のように、この七月の卸売り物価というものは、前月に比べますと二%の上昇ということで、二十六年の八月以来二十二年ぶりに二%台の大幅上昇になっております。空前のインフレ高進の様相になってきておると思うのであります。そういうことで、これは異常な状態であるわけですが、こういう現在の状況を政府としてどのような反省をもって把握されておられるか、まず経企庁長官にお伺いしたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいま御指摘のように、最近の物価の上昇は卸売り物価、消費者物価ともにまさに異常ともいうべき状況でございまして、政府といたしましては、あらゆる手段を考えまして全力投球いたしまして、これに立ち向かいたいと考えておるわけでございます。 すでに御承知のように、日銀の公定歩合につきましても一%上げという、これまたいままでにない非常に大幅な引き上げをいたしましたし、また預金準備率も引き上げる。あわせて公共投資に関しましても、財政的に繰り延べを決意するというようなことをいたしておるわけでございます。この繰り延べの内容につきましては、三十一日に大蔵大臣からいろいろお話があるというふうに承知いたしておるわけでございますが、財政、金融ともに総需要の引き締めにつきまして全力投球をしていこうというような姿勢を持っておるわけでございます。 また、個々の需要につきましても、需給関係の調整についていろいろな手を打っていきたいと考えておるわけでございますが、なかんずく最近は供給不足の問題がございまして、供給不足に対処するためにできるだけ供給をふやすようにはいたしますけれども、やはり需要を押えるという面で合理的な消費をお願いしなければならぬという点もございまして、いろいろ通産当局とも御相談をさせていただいておるわけでございます。こういう事態になっておりますことは、海外のインフレ要因というようなものがあるとはいいながら、いずれにいたしましてもたいへん遺憾なことでございまして、深くこうした事態についてこれを押え込むということについて反省もし、対策も講じておるという次第でございます。
○近江委員 こういう卸売り物価また消費者物価の上げ足というものが一段と加速されてきておる、景気というものがかつてない過熱の様相を強めておるわけですが、こういうように、需給の逼迫の拡大から先高を見込んだ買いだめなどの投機的な動きが再び強まってきておるというように考えるわけです。売り惜しみも当然あろうかと思うのですが、こういう動きについて、経企庁長官はどう思われますか。
○小坂国務大臣 最近供給面の不足ということが問題になっておりまして、そういう情勢を見るにつけても、それではもう少し持っていようかというような売り惜しみ、あるいは早く買わないというふうな買い急ぎ、そういうような問題がやはり現実の問題としてあるわけでございまして、私どもといたしまして、そういうことのないように、先般御決定をいただきました売り惜しみ、買いだめ規制の法律、こうしたものを十二分に活用するとともに、新たにまた灯油等も指定することに決定しているわけでございまして、いろいろな手だてを用いてさようなことがないようにしたいと思いまするが、しかし、一部の大量の買いだめあるいは売り惜しみというより、非常に広範な層にわたりましてそういうことが行なわれておるということが今日非常な問題でございまして、これに対してはやはり先の景気が過熱しない、大体私どものいろいろな手だてをもってすれば、この暮れを境としてだんだん状況はしずまっていくであろうと思っておるわけでございますが、そうした状況ともにらみ合わせて、そうしたインフレマインドというようなことからする経済的な動きを封じていくというふうに極力手だてを講じてまいるというふうに考えておる次第でございます。
○近江委員 今回の公定歩合の引き上げの一%を入れまして、四月から五カ月間に四回、二・七五%引き上げられることになったわけですけれども、これまでの引き上げの効果についてはどのように把握されておりますか。
○小坂国務大臣 公定歩合の引き上げあるいは預金準備率の引き上げというようなものは、私はよく拳闘にたとえて言っておるわけでございますが、ボクシングで申しますボディブローに当たるようなものでございまして、一ぺんに著しい効果を生ずるというようなことはむしろなくて、徐々に効果があらわれてくるということであると思っておるわけでございます。現に、最近になりまして相当に企業の手元が変化してきて、預金を取りくずして支払いに充てるというような状況が出てきておるというふうに承知しておりますし、またいろいろな債券類もむしろ投げ物も出てくるというような状況であるというふうに承知しておるわけでございます。しかし、やはりそういうボディブローであるだけに相当効果的なブローでなけりゃならぬので、私はやはりやる以上は一%くらい上げたほうがいいというようなことを一月ばかり前に申したことがあるわけでございますが、なかなかそれをめぐって甲論乙駁しておりまして、ようやくこのほどそういうふうに決定されたわけでございまして、私としてはたいへんわが意を得たように思っております。これは必ず効果が出てくるというふうに存じております。
○近江委員 公定歩合の引き上げとか公共事業費の繰り延べ、こういういろいろな対策によって徐々に効果が出てくるということをおっしゃっておられるわけですが、非常に抽象的なお考えのように思うのです。そういう鎮静効果というものについて、具体的にはどの程度、一応見通しを立てておられるわけですか。
○小坂国務大臣 預金準備率の引き上げでは今度が二千億円くらいというふうに考えておるわけでございまして、従来やったものを全部入れますと、大体九千億円くらい、まあ一兆円を少し割るくらいのものの貸し出しが引き上げられるということになります。それの乗数効果というものもございますわけで、大体それが三倍くらいになるでしょうから、三兆円くらいの購買力が減っていくというふうなことになろうかと思っておるわけでございます。 それから公定歩合の引き上げのほうでございますと、これはやはり銀行の信用造出がそれだけ減っていくわけでございますので、これは相当に銀行の貸し出し態度にも影響してまいるわけでございますので、これのほうがさらに直接の影響を持つことになると思います。 要するに、今日の状況というのは非常に需要がだぶついておると申しますか、お金が非常にあって、そしてそれが消費に直接向かっておるという状況でございまして、何としてもお金の非常にある状況というものを締めていかなければなりません。そういう意味で、今回の措置は銀行の信用造出にも相当規制的な効果を持つであろう、かように見ている次第でございます。
○近江委員 今回の措置でその鎮静効果がなかった場合、今後またさらに公定歩合の引き上げをする考えでおられるわけですか。
○小坂国務大臣 金融というものは状況によって非常に締めたりゆるめたりということができる点が特色であると思いまして、さような意味で、公定歩合はこうしただぶつきの状況のもとにおいては思い切って上げる。しかし状況が非常にノーマルになったと判断されたときにはこれを下げるということは、これは当然考えるべきことであると思います。しかしながら、いわゆる下方硬直性と申しますか、貸し出し金利が上がりますとやはり預金金利も上げるということになりまして、一度上がった預金金利を今度下げるということになりますとなかなかそう貸し出し金利を上げるようにしかく簡単にはいかないという問題がございまして、そういう意味でやはり預金金利を上げるということにわりあいに財政当局が慎重になるということだと思うのでございます。しかし原則的には、景気が落ちついてくればまた貸し出しはゆるめるということがよろしかろうというふうに思っている次第でございます。
○近江委員 いま、ゆるめるというお話をされているのですが、要するに鎮静効果がなかった場合、これは先のことですからわかりませんけれども、そういう手を打たれてこの鎮静効果がなかった場合、今後さらに公定歩合を引き上げられるお考えがあるかどうか、もう一度お伺いしたいと思うのです。
○小坂国務大臣 私は今度の場合は必ず鎮静効果が生じてくると考えております。先ほど申し上げたようにボディブローでございますから、あんまりちょびちょび打っていたのではこれはきかない。そこで相当重量感のあるものを一発かまさなければいかぬということだと思うのでございますが、そういう点で必ず効果があると存じます。しかし、やはり経済は生きものでございますのでそうした状況を見なければなりませんけれども、今日のところは、その効果を期待し、これを見守るということを申し上げる程度にとどめさしていただきたいと存じます。
○近江委員 こういう金融引き締めの措置によりましていつもしわ寄せを受けるのは中小企業、零細企業なんです。特に御承知のように原材料不足で非常に中小企業が困っておりますし、そうなってきますとダブルパンチとなってくるわけです。当然倒産ということが懸念されるわけですが、特にこの中小企業の金融についてどういうような配慮をされておるのか。これは中小企業庁長官でもけっこうです。
○外山政府委員 原材料不足が中小企業に与える影響につきましては、私どももいろいろな状況を通じまして把握につとめているところでございますが、ともかくもそういったことからくる所要資金量の増大という点は疑いのないところだと思います。決済資金の問題あるいは現金比率の問題いろいろな点でそういった要請が強まると思います。したがいまして、とりあえず政府系三金融機関に対しましてそういった事情から生ずる所要資金量の増大に対して特段の配慮をするようにということをつい先ごろ通達をしたところでございます。もう少しその辺の事情を見まして、適時適切な対策をとってまいりたい、こう考えている次第でございます。
○近江委員 特段の配慮というのは中身がないわけですね。それで、いままでにもこういうような中小企業へのそういう影響ということは、大体いままでの経験からしてわかるわけですよ。それで、具体的にどういう特段の配慮をなさるのですか。
○外山政府委員 一つは、金融機関もすでにそういう方向をとっておりますが、設備資金よりも運転資金のほうに向けるように資金量についての配慮をするということ、あるいは従来の通常のベースだったらもうこれで資金手当てはできていると思う場合でもさらにその上積みとして資金の手当てをしてあげること、そういった点がとりあえずの措置でございます。もちろんそうしたことを含めまして、さらに全般として金融引き締めの影響が中小企業に来ることのないように、私どもとしては、今後の状況を注視いたしまして、とりあえずは第二・四半期の資金量の確保ということにつとめますが、さらに状況の推移をよく見まして、御承知のような年末財投というふうな問題もございます。そういったことも早目に考えまして、手当てをしてまいりたい、こんなことをいま考えておるところでございます。
○近江委員 こういう金融の逼迫になってきますと、中小企業、零細企業がいつもやられるのは、選別でやられて、歩積み両建てでまたやられる。こういうことについては、民間金融機関にもきびしくその点は言ってもらわなければいかぬと思いますし、また政府系の三金融機関につきましてもやはり大幅な追加をする必要があると思うのです。そういう点についてはどうお考えですか。
○外山政府委員 民間の金融機関が中小企業向けに対して貸し出し比率を後退しないようにということをすでに七月の初めに大蔵省とも協議をいたしまして、そういう要請を全金融機関にいたしております。 それからもう一つのお尋ねの今後の追加財投という点につきましては、とりあえず当面商工中金のワクを二百五十億ほどふやしまして、最近繁忙を増しつつあります中小企業金融に対する対処をしておりますが、さらに御承知のように年末財投は十一月の初めごろにいつもセットするわけでございます。今後九月、十月の状態を見ましてこの点につきましても、その状況いかんによりましては例年になく大幅な増加もしなければならないというふうに考えておりますが、その点につきましては、今後検討を重ねてまいりたい、こう考えている次第でございます。
○近江委員 それで、この金融の問題と原材料不足がいま中小企業、零細企業にとって非常に大きな問題であると思うのですが、特に鉄鋼、塩化ビニール、繊維原料、合成ゴム等、きわめて広範囲に深刻な原材料不足の問題が生じておるわけですが、この原因についてどのように通産省としてはとらえておりますか。
○飯塚政府委員 御指摘の鉄鋼、塩化ビニール製品等につきましては異常な品不足傾向を生じておりまして、このために中小関係の業者が非常な困惑を来たしておるのが現状でございますが、これに対しまして、通産省といたしましては、生産の増大に可能な限りつとめるように企業に要請いたしますと同時に、緊急出荷の措置を講じている次第でございまして、鋼材関係につきましては、すでに八月の八日に小棒につきまして緊急出荷並びにあっせんの業務を開始いたしたわけでございます。それから小棒以外の一般鋼材につきましては、八月の二十三日に措置をいたしまして、これも大口の需要を一割程度カットいたしまして、この分を鋼材あっせん所を通じて中小の建設関係の需要家にいくように措置をいたした次第でございます。 なお、塩ビ電線、特に平形ケーブルでございますが、これにつきましても今週からあっせんの業務を開始するように手配をいたしておる次第でございます。数量にいたしまして五百五十万メートルを全国の中小の電気工事業者に直接メーカーから渡るような措置を講じておる次第でございます。 なお、塩ビ管につきましては、千五百トンを緊急出荷いたしまして、これも電線と同じように都道府県の商工課等を窓口にいたしまして、塩ビ管の工事業者に直接渡るように措置を講じた次第でございます。
○近江委員 今回のたとえば塩ビ等の問題を見ましても、たとえば徳山工場の爆発事故であるとか、あるいは公害等によるエチレンの生産不足であるとか、いろいろなことをあげておられるわけですが、徳山にしても一五%、公害による操短も合わせまして二〇%くらいということを聞いておるわけですが、この徳山のほうも十万トンブラントが動き出すということも聞いておりまして、少しは希望的な観測もできるのじゃないかと思うのですが、大体通産省は百四十二万トンという見通しを立てたが、現実にはやはりプラス二十万トンの需要が出ておるわけですね。そういう見通しの誤りということが一番問題だと私は思うのです。しかも、鉄鋼にしてもこうした塩ビの問題にしましても、カルテルをさして、やはりその線上にあるものが全部このような不足を来たしておるわけですよ。そういう重大な政府の誤りがあると思うのです。この辺について通産大臣の所感をお伺いした いと思うのです。
○中曽根国務大臣 塩ビやそのほかの不足で中小関係の業者に迷惑をかけておることはたいへん恐縮に存じておるところでございます。 いろいろ原因はございますが、一つは総需要が思いのほか伸びてきておる、特に建設関係においてかなり伸びが強い、そういう点がございますのと、それからやはり公害関係で苛性ソーダの生産がストップしたりあるいは停滞ぎみである、あるいは徳山の事故の関係、そういうようないろいろな悪条件が重なりまして供給が少しとだえがちになったところでございます。しかし、いろいろ緊急措置をやりまして、とりあえず手当てをいたしましたが、これらの生産体系は順次また機能を回復しつつありますから、年内にはだんだん正常化していくだろう、こう思っております。
○近江委員 年内には何とかなるだろうという大臣のおことばでございますが、きのうの新聞によりましても、金沢で配管工事会社の常務が首つり自殺をしておる。その前々日には社長が自殺をしておる。そういう品物がない、むちゃくちゃな値段であるということで、中小零細業者は仕事もできない、いままでの経営悪化に加えて、プラスまたこういう悲惨なことが起きておるわけです。いま使うものがないわけです。それを年末ぐらいになれば何とかなるだろう、そういうことでいいのかどうかということなんですね。先ほど経企庁長官は、売り惜しみ買い占めの規制法もできたのだからと言われたが、いま問題になっているこういう塩ビであるとか、電線であるとか、ビニールタイル等なんかは、何も指定のあれにも入っていないわけですよ。政令指定されていないのですね。それじゃ幾ら法律があるからといってもできないでしょう。いまこれだけ問題になっておることについては、経企庁長官も、やはり買いだめなりあるいは売り惜しみの傾向があるということをおっしゃっておるわけですが、これは国民生活に重大な関係があるわけですよ。政令指定もせずしてどうやってやるのですか。公正取引委員会等も強力に動かさなければならぬし、あらゆる法律もあるのですから、これは緊急にやらなければならない。しかも国民生活に重大な関係があるわけですよ。当然政令指定すべきであると私は思うのです。この点、長官はどう思われますか。
○小坂国務大臣 塩ビ関係のたとえばパイプであるとか電線であるとかというものが非常に逼迫していることは、私もたいへん遺憾に存じておるわけでございますが、これについては、通産省があっせん所を設けまして、ビニール電線のごときは五百五十万メートルというようなものを放出することになりまして、よほど状況が変わってくると思うのでございます。ただ、塩ビ電線等をつくっておる業者というのは、中小企業者で非常に数が多いという問題がございまして、しかも、それを扱っている問屋筋が非常に多いということで、いかにすればこれが最も必要な工事をされる方々のところへ間違いなく、しかも適当な価格で渡るかということについて、いろいろ通産当局でも御苦心をいただいておるように承知しておるわけでございますので、私どもはその様子を拝見しながら、どうしても指定して、売り惜しみ、買いだめの規制措置に対して適当であるというふうな状況が的確に把握されたときには、これは当然政令指定すべきものだというふうに思っておるわけでございます。いま申し上げましたように、灯油はすでに指定をいたしますことに決定しておりますが、この塩ビあるいは小棒等については、目下検討をしておる最中でございます。その検討をしておる考え方の中心は、いま申し上げたようなことでしておるわけでございます。
○近江委員 先ほど私が申し上げたように、徳山の事故、それから公害等による操短というようなことをやっても二〇%減でしょう。ところが、突然に店頭からも品物が消えているのです。これはおかしいでしょう。当然そこにはやはり売り惜しみ、買い占めのそういう動きが現実に出ておると見なければいかぬと私は思うのです。それを調べてから政令指定する、なぜそういう後手なことをやるのですか。国民生活にこれだけ影響があるのだから、政令指定することになぜそれだけ政府がちゅうちょしなければならないのですか。まず政令指定をかけて、そして政府が責任をもって調査に入る。法律があるんだからね。この法律ができる前は、なかなかそういうことは自由経済下においてむずかしいことでありますが、法律ができれば、できる限りその適用もやりますと大臣は常におっしゃっていたわけです。現実にこういう問題が起きながら、もうしばらく待つということは、私はおかしいと思うのです。小坂長官は、どちらかというと非常に正直な大臣ということは私も承知しておりますし、そういう前におっしゃったことをやはり実行してもらわぬと困ると思うのです。だから、これについて緊急に政令指定すべきである、私はこう思うわけです。今度は一ぺん通産大臣にひとつお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 小棒や塩ビにつきましては、いま緊急措置をやりまして、いろいろ大口をカットしたり、そのほか手当てをしているわけでございます。いまこの緊急措置が緒につき始めているところでありますから、この経過をもう少し見守りたいと思っております。
○近江委員 そうすると、両大臣は、少し経過を見てそれからという御意見なのですか。いつまでも経過を見るというわけにはいかぬと思うのです。それで、政令指定をするというその考えは強くお持ちなのですね。これは小坂長官にひとつお伺いしたいと思います。
○小坂国務大臣 通産大臣も言われましたように、いまの措置が、どうも効果が出てこないということになれば、これは当然考えなければなりませんが、しかし、指定しなくてもいまの措置でできるというような御意見もございますから、その様子を見なければならぬということでございまして、国民生活に非常に影響のあるものについては、せっかくできた法律でございますから、これの効果が及ぶように考えるということは当然だというふうに思っております。
○近江委員 政令指定ですから当然閣議におかけになると思うのですがどうしても直轄の官庁というのは経企庁と通産省なんです。ですから、やはり両大臣がこれはどうしても国民生活の上から指定しなければいかぬ、特に実力者の大臣が二人きょうはお見えになっているわけですから、腹をおきめになれば閣議でも私はすっと通ると思うのですよ。言うならば、両大臣の腹一つでこれはきまるわけです。その辺を真剣に考えてもらわないと困ると私は思うのです。私が申し上げたことについて、事務当局等との詰めも要るかと思いますが、これは十分検討されますね、していただけますね。もう一ぺん小坂長官にお伺いいたします。
○小坂国務大臣 通産大臣と私の考えは全く同じでございまして、少しも間然するところはございません。そこで、この問題についてさらに事務当局も交えまして、十分検討するということを申し上げておきます。
○近江委員 先ほど申し上げましたように、この棒鋼にしろ塩ビにしろ、やはり不況カルテルを組んだ延長線上にある品物である、こういうことで、やはりそこに価格協定の疑いも濃厚に出てきておると思うのです。こういう点、こういう異常な今日の状態を公取委員会としてはどのように見ておるか、また、そういう疑いに対してどういう動きをしておられるか、お伺いしたいと思うのです。
○吉田(文)政府委員 先ほどから通産省あるいは経企庁の方が申されていますように、最近における鉄鋼、塩ビ等の資材が不足しておるという実情について、これの原因としては、需要の予想外の堅調、伸びによるほか、塩ビにつきましては、メーカー事故あるいは原料不足等によるものでありまして、また、鉄鋼については渇水、電力不足による操業低下というのが主原因となっていると考えられます。したがって、価格の高騰はもっぱらこのような需給関係によるものではないかというふうに私どもも考えているわけでございますが、しかしながら、これは前にいずれも不況カルテルを結成しておりまして、価格協定がしやすいという状況は確かにあるわけで、したがいまして、私どもとしては、従来からその実態について業界あるいは通産省から事情を聴取いたしまして、その点については厳重に監視を行なっております。必要があれば、もし違法な価格協定あるいは共同して出荷制限をするという独禁法違反の手がかりがつかめますれば、これは直ちに法による手続をとりたいというふうに考えておりますが、まだ現在のところは事情聴取の段階でございまして、そういう手がかりはつかまっておりません。今後ともこの点については十分実情把握につとめてまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 いままでどちらかといいますと、公取委員会というのは通産省と対立ということばはおかしいかもしらぬけれども、あまり協調性がなかった。最近は非常にそういう協調性が増してきておるということも私は聞いておるわけです。そういう点で、独禁法の内容からいきまして、状況で立ち入り調査ということは日本の法律では非常にむずかしい。この辺も改正して強力にすべきであるということは常に申し入れしておるわけですが、これについては、公取委員会としてはまとまってきているのですか。そういう方向に強化しますか。
○吉田(文)政府委員 その点は現在まで十分検討しておりまして、どの程度の状況によって違反の価格協定等が判定されるかというのは十分に考えております。ただ、具体的にどうこうということは、一般的には申されませんけれども、直接の手がかりだけではなくて、諸般の情勢から見てどうも価格協定なりがあるに相違ないというふうな事情がございますれば、状況証拠によってそういうこともしようということは考えております。
○近江委員 従来に比べて一歩前進であると思うのですが、それをさらにささえていくためには、やはり法改正をしていくのが一番の武器になると思うのですね。ですから、いまおっしゃったのは運用の点でやられるのか、法改正まで持っていかれる用意はあるのか、それをお聞きします。
○吉田(文)政府委員 現在のところは運用として考えているわけでありまして、まだ法改正ということは内部的に固まっておりませんし、当面の問題としてはそういう運用で何とかできるんじゃないかというふうに考えております。
○近江委員 これは毎回申し上げておりますが、法改正までできるようにひとつ政府部内として強力に検討してもらいたいと思うのです。よろしゅうございますね。この運用の問題につきましても、私はちゅうちょすることなく公取が権限を持ってびしびしやってもらいたいと思うのです。この点も要望しておきます。 それで、きょうの新聞にも出ておりますが、「大手商社、公取委調査に備え」「共同で顧問弁護士」 「独禁法問題などで勉強会」こういう動きをやっているわけですよ。こういう点から考えましても、今日公取委員会のそういう機能というものを強化して、皆さんも権威を持ってもらって動いてもらわなければならぬと思うのです。こういう異常なこういう物価上昇のこういう中にあって、いままでと同じような姿勢であっては私はならぬと思うのです。それで、今後公取委員会としてはどういう姿勢で臨んでいかれるか、基本的な考え、姿勢をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのです。
○吉田(文)政府委員 確かに先生おっしゃるとおりでございまして、最近の情勢から見まして、従来のようなやり方ではなかなか違反も見つからない。やはりある程度状況証拠等も活用いたしまして、それは現在のところ法改正ということを考えておりませんけれども、そういう点も十分検討して強力にひとつ独禁政策を厳格にきびしく運用してまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 いま特に水道管であるとか排水管あるいは電線等の塩ビ系統の深刻な影響を受けているわけですね。小型棒鋼であるとか、そういうことで、建設関係の特に中小零細等につきましてはいま非常な苦境に立っております。そういうことで、この具体的な救済措置として、財政上のそういう助成措置等につきまして政府として特に考えておられますか。これは通産大臣あるいは中小企業庁長官にお伺いしたいと思います。
○外山政府委員 原材料不足に伴いまする中小企業に対する金融上の配慮につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。いま御指摘のように、特に特定の分野について特別の措置を講ずるということは、いまのところ考えておりません。この辺はもう少しいろいろなあっせん措置が現実の問題にようやくなってきたところでございますし、今回の特段の配慮措置がどの程度需要にマッチして行なわれるかということももう少し見たいと思います。 なお、全般の調査はいたしておりますけれども、個別の事情についてももう少しきびしく調べるということも必要かと存じます。 以上のようなことから見まして、いますぐ個別の業種について特段の措置を講ずるという特別のことは考えておりませんが、全般的に先ほどお答えしましたようなことで対処してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 それで、この中小企業につきましては、この八月一ぱいで来年度予算の概算要求をお出しになるわけですが、来年度の金融あるいは税制措置に対しましてどういう具体的な要求をしておりますか。
○外山政府委員 特に来年度予算全般につきましては、小規模企業対策に重点を置いて、いま金融政策あるいは諸般の政策につきましていろいろな検討をしているところでございますが、御指摘のように、まず第一に金融対策の点で申し上げますと、小規模企業の経営の改善をはかるため無担保、無保証の小企業経営改善資金というのが本年度から発足するわけでございますが、これにつきましての資金量の大幅の増大あるいは貸し付け条件の改善といった点につきましてまず取り上げたいと思っております。 それから第二には、政府関係中小企業金融三機関全体につきまして、その貸し出し規模を大幅に拡大する。そのほか、需要にマッチしました特別の貸し付け制度、たとえば海外投資の促進貸し付けとか、あるいは工場移転関係の下請け企業貸し付けとか、あるいは伝統産業に対する振興貸し付けといったようなものを新たに加えまして、そういった要請に対する充実をはかりたい、こういうことを考えております。 また第三には、金融のうらはらとしまして重要な位置を持ちまする中小企業信用補完制度につきましても、保険公庫に対する出資の増大等を通じまして保険料あるいは保証料の引き下げを特段に配慮したい、こう考えておりますし、また付保限度額の引き上げにつきましても引き続き検討してまいりたい。こんな三つの点が金融上の重点要請でございます。 それから第二に、税制要求の重点でございますが、四十九年度におきましては、国税、地方税を通じましてまず課税最低限を大幅に引き上げたい。これによりまして中小企業者の税負担を軽減したいということで関係方面と折衝したいというふうな考えを持っております。特に所得税の課税最低限を大幅に引き上げたい。また事業税につきましても事業主控除を現行の八十万円をさらに引き上げ、あるいは本年度から国税について認められました事業主報酬制度、これを事業税にも適用する、こういった点を税制上の要求としていままとめているところでございます。
○近江委員 この課税最低限につきまして大幅に引き上げるというのはどのくらいを見ておられるか。事業税の八十万円引き上げについても具体的にどこまでの数字を中小企業庁としては考えていかれるのか。
○外山政府委員 課税最低限の問題あるいはその金額をどうするかという問題につきましてはいろいろな検討が必要だと思います。しかし、私どもといたしましては、現在の百十四万円を少なくとも百五十万ぐらいまではしてみたらどうだろうかというふうな考え方で一応検討しておるところでございます。 それから八十万円の控除につきましても、これも同様に百五十万円まで上げるということが適当ではないだろうかということを基本に考えながら検討しておるところでございます。
○近江委員 次に、公害の問題でありますけれども、いまや日本列島が公害で侵食をされ、このままで推移していくと日本国民がもう生きられなくなるという心配もあるわけです。 そこで、私は一つの具体的なケースとしまして、この前、大東市におきます植田マンガンの公害問題について質問をしたわけです。その後、大阪通産局から係官を派遣なさっておられるわけでありますが、どういう調査をされ、どういう手を打たれたのか、簡潔にひとつお伺いしたいと思うのです。
○北村政府委員 先般の六月五日の商工委員会で先生の御指摘がございましたので、さっそく六月八日通産局の担当官を派遣いたしまして実情を調査させたところでございます。その結果を申し上げますると、まず植田マンガン工場の粉じんの排出状況につきましては、大阪府がきめております一般粉じん規制基準以下の状況であることを確認した次第でございます。 次に、工場のほうは、それに先立ちまして六月四日から二時間の操短を実施いたしますとともに、その操短時間中に掃除を行なったり点検を行なったりして飛散防止に努力をしていることを確認いたしました。 さらに、工場のほうは移転を考えておりまして、土地をすでに取得をいたしておるのでございますが、移転予定先のほうの問題もございまして、現在のところ、移転は困難な状況におちいっておる次第でございます。 さらに、通産局のほうは、工場の努力のほか、粉じん発生のおそれのある個所につきまして、次のような改善を指示した次第でございます。 一つは、工場内の土間に絶えず水まきを行なって飛散を防ぐこと、それからもう一つ、微粉末を工場の屋上で乾燥をやっておりますが、これがまた飛散の原因の一つにもなっておることでございますので、屋上乾燥を中止すること、以上二点を改善方指示をした次第でございます。 さらに、今月十日再度係官を派遣いたしまして調査させましたところ、前回指示した事項がそのとおり改善、実行されておることを確認した次第でございます。 以上でございます。
○近江委員 私は、この八月の中旬に現地へ行ってきました。そこで、大阪府が六月十四日にマンガン中毒はないという発表をしたわけです。ところが、私は現地へ行きまして悲惨な患者に会ってきたのです。しろうと目にもはっきりしているわけですね。工場の前うしろが住居なんですよ。しかも、その工場のへいたるや二尺ですよ。やかましくいわれてからビニールでへいをしているのです。一日に午前中三回、昼から三回、夜三回掃除するのです。一時間もしたらまっ黒になるのです。そこにいる中学校一年生の女の子は起きることもできないのです。阪大、京大病院をはじめとして十六の大学病院をみな回っている。全部原因不明です。たとえばマンガンを運んでおる運転手に聞きますと、貨車から工場へ持ってきておろす、それだけで一週間はせきで話もできないというのです。それが幾ら運般に手当をもらっても私は行きませんと——そして、その患者を見ておれば、自分の症状の激しいそれと同じである。それは私が、しろうとの私だけのことで言っているのと違う。七月の二十二日に京大、阪大の医師団が発表しているわけです。大阪府におけるその発表については大きな疑念がある。このグループが二十二日に発表しておる報告書を見ましても、重症患者が七人、マンガンによる健康破壊と判断される神経、精神的自覚症状を示す人が二十六人、被害は予想を越える深刻な事態になっているのです。しかも、その診察のときに、目とか耳とか非常に簡単な、しかも希望者だけ集めてやっているのです。結論を出した医員の十人のうち三人しか行っていない。あとの七人は何も行かぬで、かってにそんなことをきめている。私は、政府が地方自治体に権限をまかすということはいいことだと思います。だけれども、地方において、だれしもが納得できない、ことばを悪くして言えば、企業と全く癒着しているようなそういう姿勢というものは許されていいかどうかということなんです。刻一刻こういう重症患者は容体が悪くなってきている。その中学一年生の北田さんという娘さんですけれども、一年以上学校を休んでいるんですよ。仲間からはずれていく、また自分のからだが刻一刻おかされていっておる、そういう深刻なことを考えていただきたい。皆さんの娘さんがそういう状態だったらどうしますか。黙っていますか。こういういいかげんな姿勢を許していいかということなんです。私は前にも、環境庁にも現地へ行ってもらいたいということを申し上げている。どうして行かないかということなんです。この問題につきまして、現実に権威ある阪大、京大の医師団がそのように発表しているわけです。そういう事情もあるわけです。ですから、この際、通産省、環境庁は現地に行って事情をよく調べてほしいと思う。きょうは環境庁もお見えになっておりますし、通産大臣もいらっしゃるわけです。大臣直接じゃなくともけっこうです。担当の方からお答えいただきたいと思います。
○竹中説明員 お答え申し上げます。 この問題につきましては、大阪府から従来いろいろと状況を聴取いたしておるところでございますが、さらに現地の実情を一そう十分把握いたしますために、通産省の関係部局とも御相談をいたしまして、環境庁から係官を派遣し、実情を十分調査をいたしたい、そのように考えております。
○近江委員 それで、環境庁が、また通産省が行かれるということは非常にけっこうだと思うのです。しかし、ああいう悲惨な患者の症状を見ておりますと、早く行ってもらいたいと思うのです。いつ行っていただけますか。
○竹中説明員 来週中にも係官を派遣いたしたいと考えております。
○近江委員 いま環境庁はそうおっしゃったのですが、通産省にも確認をしておきたいと思います。
○北村政府委員 環境庁が係官派遣の際、われわれ通産省のほうも係官を同行させたいと思っております。
○近江委員 それで現地へ行かれたならば、私が申し上げたことがオーバーであったかどうかということがわかっていただけると思うのです。やはりそのように本省の方が、こういう問題があったときはいち早く行っていただく、そして地方の足らないところをよく指導していただく、こういうことが一番大事だと思うのです、どうかひとつ、行かれる以上は患者にも会って事情をできる限り把握もしていただき、適切な指示も、各地方自治体の担当の人にもよく指導もしていただきたいと思うのです。 それで、大阪府の発表を見ましても、この神経系統を含む精密検査というのはやってないわけですね。それをやらない段階で中毒なしというようなことは、これは皆さん平静になって考えてもらったらおわかりになると思うのですよ。今日マンガンの中毒症に対する研究というのは進んでいますか。正直言って、政府のどこがやっていますか。ちょっとその点をひとつまずお聞きします。
○竹中説明員 マンガンの中毒に関しましては、従来一部で労働衛生の問題としていろいろ研究をされておるところでございます。私ども承知をいたしております範囲では、一つは物理的あるいは機械的な粉じんとしての刺激といたしまして、肩あるいは鼻、耳そういった器官の粘膜の刺激症状、それから呼吸器官、呼吸器系統に対する刺激症状といったようなものが一つございます。 もう一つは、神経症状といたしまして、いわゆる神経内科的な運動失調でございますとか、そういった点の症状が出てまいるというふうに聞いておるわけでございます。
○近江委員 いまお答えになりましたけれども、一貫してそれの研究をやっておるという実態は、正直言ってないわけですよ。そうでしょう。そういう専門家というものはほとんどおらぬわけですよ。しかも、私がいま申し上げたように、そういう神経系統を含む精密検査もせずに中毒症状がない、こういうことが結果としてどういうことになってきておるかというと、おとといですか、その植田マンガン工場が一万三千五百枚もビラをつくって、マンガンに毒はないというビラをまいている。その根拠は何か。大阪府が中毒がないと—私その新聞記事のコピーしたものをここに持ってきていますよ。見えるでしょう、これが。マンガンに毒はないとかってなビラ一万枚以上まいているんですよ。こんなことを企業は平気でやるんです。こういうとを全市の三分の一以上の地域にまいているのです。そういう判断をそんな精密な検査もせずによくやったもんだなと私は思うのです。こんなことは絶対許せませんよ。事生命、人命にかかわることですよ。こういうことは政府の指導において、私はこういういいかげんな態度は絶対許してはならぬと思うのです。 それで、現地へ行かれたらわかると思いますけれども、最初大阪府はアンケート調査をやって、二回目にそういう簡単な診察をして結論を出したわけですが、第三次の神経系統を含む精密検査を早急に実施すべきだと思うのです。これについて環境庁は大阪府に指導していただいておりますか。
○竹中説明員 大阪府が本年二月ないし三月にかけまして実施をいたしました第二次の検診と申しますか、その内容はいま先生お話しのとおり、アンケート調査に基づきまして眼科、耳鼻科、それから呼吸器系統、そういったところの診察、検査、それから尿中のマンガンの量の測定、そういったことを実施いたしたわけでございます。 そういたしまして、この調査結果につきまして大阪府でこの六月に発表いたしたわけでございますが、その発表内容を見ますと、後段の部分におきまして、嗅覚異常などの所見のあった者、神経学的な自覚症状を有する者及び尿中のマンガン量の多い者については早急に再検診を実施する必要があるというふうに言っておるわけでございます。 その後私ども大阪府からいろいろと事情を聞くと同時に、この問題につきまして協議をいたしてまいったわけでございますが、大阪府におきましては、内科学的、神経学的な面を中心にいたしました第三次の検診をできるだけ早く実施をいたしたいということで、ただいまいろいろと準備を進めておるというふうに伺っておるわけでございます。
○近江委員 そうすると、第三次のそれはやられるわけですね。それで時期とか、そういうことについてはどうなんですか。早急にやらせるように環境庁として大阪府に言っておられるわけですか。
○竹中説明員 大阪府もいま鋭意第三次検診の準備を進めておると聞いておりますが、私どもといたしましても、できるだけ早くこの第三次の検診を実施するよう大阪府を指導しておるところでございますし、また、今後もそういうことで指導してまいりたいと思っております。
○近江委員 今回、次の検診にあたっては全患者を網羅して、そうして精密な検診をしていただいて、大阪府が発表したようなああいうずさんなやり方ではなくして、反省を込めて精密な調査をしていただきたい、これを特に要望しておきます。そしてそれも早くやってもらいたい。もしもその間に患者が死んだらどうしますか。そのくらいほんとうに重症なんですよ。刻々悪化しているのですよ。皆さん方も一日九回も掃除するような家に十年間も住んでおってごらんなさいよ。いま工場がへいをして水をまいて、しかも調査に来るときに限って散水して、万全の態勢で待ちかまえて、そんなときに測定して基準がありませんなんて、それならいままでのことはどないなるのですか。十年間以上も、十数年そうやって吸い続けてきているのです。工場内と全く一緒ですよ。工場のへいが低くて、家の中が工場と全く同じような状態で生活しているのです。相当悪化していますよ。だから、早くこの第三次検診を実施してもらいたいと思います。これは特に要望しておきます。 それからこの被害者の治療であるとか、補償の問題です。現実にいま全部自己費用でやっておるわけです。十六の病院を回るだけでもたいへんですよ。交通費だけでもたいへんです。診察代から何から、サラリーマンの家庭でそういう病人をかかえておったらどうなりますか。一家は沈んでしまいますし、経済的な負担にもたえかねてくる。これを放置しておっていいかということですよ。それで相手の会社が大企業じゃないということが一つの問題があるのです。そうなった場合、うちは金がないと言われた場合、どないするのですか。大事なことは、こういう病人を早く救ってあげることでしょう。環境庁としては、この対策についてどう考えておられますか。
○竹中説明員 調査の結果もしも被害者が発見された場合に治療費等につきましての救済をどうするか、どういうふうに考えるかという御質問でございますが、公害による被害につきまして、その原因者が明らかであります場合には、被害者の救済につきましては、当然原因者が責任を持って当たるべきものであろうと考えるわけでございます。したがいまして、まず当事者同士で十分お話し合いをいただきまして、そういう救済、補償等につきまして十分お話し合いをしていただくことが必要であろうかと思うわけでございます。 また、不幸にしてその話し合いがつかないような場合には、公害紛争処理法に基づきまして都道府県に設置されております公害審査会に調停の申請をするというようなことができるわけでございます。 それからもう一つは、大阪府におきます各般の調査あるいは検診等の結果、それからまた当事者間の話し合いの状況等によりまして、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法の適用が適当であるかどうかというようなことが考えられます場合には、その点につきましても私どもとして検討いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○近江委員 その場合、マンガンについての政令指定はありますか。なければ改正もしなければいかぬでしょう。その点についてはどうなんですか。
○竹中説明員 現在のところ、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法の政令におきましては、まだマンガンについて指定をいたしておる地区はないわけでございます。先ほども申し上げましたように、各般の調査の結果と、それから当事者間の話し合いの状況等によりまして、もし政令を改正する必要がある、あるいはそれを改正することが適当であるというような段階になりました場合には、その政令の改正につきまして検討いたしたいと考えておるわけでございます。
○近江委員 それで、いまお聞きしますところ、第一が直接交渉、第二が調停の申請、第三は法による救済ということになっておるわけですが、やはり現実にこれだけ苦しんでおる患者がたくさんおるわけですね。そうして生活も非常に困窮してきておる。こういう事態を考えていただいたときに、たとえば直接交渉等についてあまり政府なり地方自治体の行政当局がタッチするのはどうかというようなお考えもあろうかと思いますが、こういう場合、私は介入してもかまわぬと思うのです。大いに介入してもらって、そして一日も早くそういう治療なりまた補償等ができるように努力していただきたいと思うのです。これはやっていただけますか。
○竹中説明員 先ほども申し上げましたように、公害によりますこういう被害の救済につきましては、原因者が責任を持って当たっていただくのが当然であろうかと思うわけでございます。ただいまお話しございましたが、当事者間でできるだけお話し合いをしていただきたいと思うわけでございます。もし必要がございましたら、大阪府が仲介に入ってその点の話し合いが進められるように指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
○近江委員 それから基準の問題でありますけれども、従来一立方について〇・五ミリグラム、これが大阪府の条例で、四十八年六月からマンガンについて一立方について〇・〇二五ミリグラム、このように一段と網をかけたわけですね。だけれども、ここで基準を見てみますと、この植田マンガンというのは商業地域にあるわけです。商店街がのど首にあるわけです。調査に行かれたらわかると思いますが、付近は密集地域です。しかも真隣が小学校ですよ。プールからたくさんの沈でんしたマンガンも見つかっているわけですね。子供たちも授業中は窓を締め切ったままなんです。換気の点等考えて、子供たちがそれですこやかに育つかということですね。そういうような地域の中にある工場について、この基準というものは一律なんでしょう。工業地帯、準工業地帯、商業地域、住居地域、いろいろあるけれども、そういう住居地域なり商業地域等についてさらに一段ときびしくしているのですか。この基準というものはどうなっているのですか。
○石田説明員 お答え申し上げます。 大阪府の条例につきましては、先生御指摘のように、住居地域、商業地域のいかんにかかわらず一律で排出基準をきめてございます。
○近江委員 そういう一律にきめてあるということ自体おかしいわけですよ。こういう従来からある工場は、あとでその付近に住居なり商店ができて、われわれが先にいたのだという変な既得権的な考えが濃厚にあるわけですね。それで、できる限り移転させるというのが一番の問題であります。しかし、基準自体の問題を考えても、その地域に何の区別もなく置いておるというのがおかしいですよ。こういう問題について今後改正していかれるお考えがありますか。
○石田説明員 大阪府条例に基づきますマンガンの排出基準は、敷地境界におきまして建物一立方メートル当たり二十五マイクログラムというようにきめられております。これは労働者を対象といたしました労働衛生基準の二分の一以下ということで、一般の人を対象にいたしまして十分な安全性を考慮して定めたものと聞いております。しかし、先生御指摘のように、さらに合理的な基準としていくことにつきまして、環境庁といたしましては、必要がございますれば大阪府に必要な助言指導を行なっていきたい、こう考えております。
○近江委員 この基準というようなものは幾ら低くしても出ることは間違いないわけです。そんな人口の密集した、しかも商業地域のどまん中で、学校の隣で、住居が密集しているところに工場があること自体問題なんです。こういう公害工場については移転をさせなければいかぬ。そういう点何か用地のことで困っているとかなんとかというお話があったわけですが、この移転の点について、通産省は大阪府とどういう相談をしてこれに努力されているか、この辺についてお伺いしたいと思うのです。
○北村政府委員 移転の問題につきましては、先ほども申し上げましたとおり、会社自体もそれを考えて土地を手に入れているわけでございますが、そこの土地への移転実行は事実上困難な状況でございますので、通産省といたしましては、大阪府とよく話し合いをいたしまして、適当な工場団地などの中へ移転のあっせんを行なうという線で府と一緒になって努力をいたしておるところでございまするが、なお一そうの実現に努力いたしたい考えであります。
○近江委員 では、そういう点についても努力をしていただきたいと思うのです。 それから、こういう住居地域なり商業地域等にまだまだこういう公害工場というものが全国的に点在していると思うのです。こういう問題につきまして、地方通産局なり各都道府県なりがどこまで把握をしてそれに対処しておるかということが非常に問題であると思うのです。そういう点、通産省は、地方通産局もお持ちでありますし、また都道府県等についても指導もなさっているわけでありますし、あらゆる機能をフルに生かしていただくならば、こういう工場の実情についても、万全な実情調査ということもできるし、指導もできる、このように私は思うのです。この点、全国的にそういう事情調査、総点検といいますか、そういうことについてどのように考えていただいておるか、これは大臣にお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 大東市における問題につきましては、ただいまお答えのとおりでございますが、一般的には大気汚染防止法及び地方公共団体の条例できびしく排出規制が行なわれており、問題はないと思われるのでありますが、なお万全を期するためにマンガン粉じんによる類似の公害問題の有無については環境庁と十分連絡をとってその実態把握につとめてまいりたいと思います。その結果、問題がある事例があれば、環境庁並びに関係都道府県と十分に連絡をとって適切な指導を行なうことといたしたいと思います。
○近江委員 この種の問題は、まだまだ全国的に隠れた問題もあろうかと思います。いま大臣はその問題につきまして調査をし、また指導もし、対策も打つということをおっしゃっていただいたわけでありますので、すみやかに実現ができるようにやっていただきたいと思います。 それで、あと一、二問ちょっとお伺いしたいと思いますが、それは一つは、総理が原子力発電所の建設問題について推進を指示されているわけですね。ところが、きょうの各新聞を見ましても「原子力発電所また事故」「今度は美浜二号機」、こういう事故が続発しております。現在稼働しております五基のうち四基までが故障しておる、こういう実情なんです。そういう中にあって総理がこういう建設推進を指示されておるということについて、安全性なり、またアメリカにおきましても、そういう軽水炉等の問題については出力を削減せよということにもなっておりますし、わが国としてもそれに準じて削減しておるようであります。そういう状況下にあって総理が建設推進を指示されておられるということにつきまして、安全性を常におっしゃっておられる中曽根大臣といたしましてどのように思われるか、率直な御感想をお伺いしたいと思うわけです。
○中曽根国務大臣 新しい技術開発等によりまして新しい施設をやるというときにはややもすれば故障が起こるもので、この故障を直しながらさらにこれを改良していくというのが技術開発の例であります。火力発電の場合、石炭あるいは重油による場合でもやはり初めは故障はよく起こるもので、それをとめてそれを直し、そして故障が起こらない体系に順次インプルーブしまして日本の火力発電機械等も発達してきたわけであります。原子力発電につきましても日本は導入したてでありまして、これを運転していく上については、あるいはそういう故障が起こるのは無理もないというところもあると思います。初めから一〇〇%故障のないものがあるということは、いまの科学技術の面から見ても期待し過ぎているところもあると思うのです。問題はそういうものが起きた場合に適切な処理をする。そして放射能その他の被害を出させないようにする。いま関電その他でやっているということは、やはりそういう意味で事前に運転を抑制するとか、あるいは停止して、そして事故を起こさないようにする措置として考えられるので、私はそういうところは勇敢にやったほうがいいと思うのです。しかし、その上に立ってさらによい改良を行なっていくといういわゆる発明改良への指向を失ってはいかぬと思うのであります。 世界のエネルギー事情から見ますと、原子力に期待するところはやはり非常に多いので、われわれは安全性を確認しつつ安全性の基礎の上に立って原子力発電あるいは原子力の平和利用をさらに進めていくべき宿命にあると私たちは思っております。いずれは核融合反応まで伸びていかなければならぬ問題であるだろうと思うのです。 そういう観点に立って総理も、原子力発電については関心を持たれて、そしてくじけず勇敢に改良しつつ前進すべきであるという考えを述べられたものだろうと私は思うのです。私はそういう方向については同感であります。ただ、この問題は、安全性をいかに確保しながらそれをやるかという問題でもあるので、それらにつきましては、製造元であるアメリカ等ともよく連絡をとって、科学的に究明しながら安全性を担保しつつ改良していく、そういう方向で進めていきたいと思うのであります。
○近江委員 中曽根大臣は科学技術庁長官もなさっておられましたし、閣僚の中でもベテランの大臣であると思います。しかし、いまおっしゃったように、エネルギーが足らないからその建設をしていく、これは宿命論であるというようなこともおっしゃったわけですが、宿命論という立場に立って、そういう安全の問題なりあるいは環境公害の問題なりに手を加えておられることはわかるわけですが、しかし現実にこのように故障も起きておりますし、環境汚染にいたしましてもやはり進んでおるわけです。そういう中で、なおかつピッチを上げていかなければならないのかどうか。言うならば、生命よりもエネルギーのほうがどうしても大事なのかということなんです。ですから、そのピッチを押えてでも、まず安全性の問題について安全を期しながら前進するという姿勢が望ましいのじゃないかと思うのです。その点についてもう一度お伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 ただいま申し上げましたように、安全性を担保しつつということがやはり非常に大事であろうと思うのです。原子炉の安全性については国際学会もあり、またいろいろ技術者間の交流もありまして、その安全性を確保しつつ容量を漸次大きくしていくという方向にあるわけであります。そのほか、最近では、いわゆるローレベルのエネルギーあるいは放射能という問題等についても関心が払われてまいりました。ともかくそういうあらゆる問題についてこれを科学的に究明しながら、安全性担保の上に発展を期していくという良心的な立場をもって原子力平和利用あるいは原子力発電という問題は進めていくべきであって、これを停滞さしたり退歩させるべきではない、そう考えます。
○近江委員 結局停滞さしたり退歩させるということじゃなくして、むしろ安全性に万全を期して、そして国民の理解と協力を得た上で推進していく。これこそほんとうに大きく前進する姿じゃないかと思うのです。そういう不安と疑念、問題点を残しながら総理がおっしゃるように推進せよ、こういう姿勢は私は非常に危険であると思うのです。科学技術の問題について一番理解をなさっており、また直轄の大臣でもあるわけでありますから、こういう総理のお考えについては、やはり大臣のほうから安全の問題であるとか、そういう問題についてブレーキをかけてもらう必要があると思うのです。その点どうなんでしょうか。総理がおっしゃっておるそのままの姿勢で、こういう問題を残しながらなおかつ推進を強力にしていく、こういうことなんでしょうか。
○中曽根国務大臣 安全性を確保し、これを究明しながら住民の皆さんの理解を深め、国民からの理解の上に立った協力を求めることは非常に重要なことであります。しかし、安全性云々という問題は非常に科学的なことであって、単に耳で聞くとか、目で外から見るという程度の問題ではないわけであります。したがって、専門家による厳重な究明あるいは実験というような上に立った結果を尊重すべきものなのであります。私は、厚子力委員会を見ておりまして、あの中の安全部会等においてもいろいろ国際的な資料も取り寄せて、IAEAその他とも国際的水準等もよく調べながら進めてきておるのであります。いままで軽水炉をだいぶ導入いたしましたが、開発に伴う爆発事故とか、そういうものはないのです。もし危険性がある場合には、いろいろな安全保障の担保の措置が緊急冷却装置があるとかそのほかできているわけです。そういうような面から見て、安全性は確保されておると私は確信しておるのです。しかし、いやが上にもさらに安全性を担保して進む必要はあります。なぜならば新しく開発された技術であるからであります。そういう立場に立って原子力発電あるいは原子力の平和利用を推進していく、国民は大部分これに共鳴していると私は思います。
○近江委員 それで、総理は住民の反対があっても原発の建設を促進せよということを指示されておるわけですが、大臣は同じお考えですか。
○中曽根国務大臣 総理は住民の反対があっても推進せよと、そういう直接的に言ったという記憶は私にはありません。よく理解を求めてやれ、そう言ったように私は記憶しております。そういう理解を求めて推進せよという考えは、私は正しいと思っております。
○近江委員 こういう問題につきましては、アメリカでも、原発の推進につきまして現在出力の削減であるとかブレーキもかかっておりますし、やはりこういう環境問題また安全性の問題ということは非常に重要な問題でありますし、これはもう十分な検討の上に検討を加える必要が私はあると思うのです。ですから、そういう問題が遅々として進まない間は、その建設を促進していくという考えについては私は納得できないわけです。ですから今後十分大臣もその点をよく総理と話し合いをされて、まず安全性を第一として今後その問題については考えていただきたい。このことを強く要望しておきます。 それでもう時間もきておりますので、あと一点だけお聞きしておきたいと思いますが、田中総理が今度訪ソされるわけです。そのときこのシベリア開発につきまして、チュメニ開発あるいはヤクート開発等のプロジェクトが懸案になっておるということを聞いておるわけですが、輸銀総裁が訪ソ中に話されておると思うのですが、シベリア開発問題も重要な対象になろうということを話しております。 それで、このシベリア開発の中でも先ほど申し上げたチュメニあるいはヤクート、ヤクートの中でもガス田あるいは原料炭等の開発プロジェクトの問題がいまソ連との話し合いでどういう状況になっておるかということを一つはお伺いしたいということです。それから訪ソに際して、政府としてはどういうように対処なさっていかれるか、これが二点であります。三点目は、まあいろいろな考えというものがありまして、安定供給という点から積極論、消極論の両論があるわけですが、その安定供給という点につきまして政府としてはどのように考えておられるか、以上の三点についてお伺いしたいと思います。
○和田(敏)政府委員 最初に、チュメニ、ヤクートについてどういう状況になっておるかというお尋ねでございますが、チュメニ石油プロジェクトに関しまして、年間二千五百ないし四千万トンのチュメニ原油を一九七八年ごろから二十年にわたりましてわが国がこれを輸入いたしますため、イルクーツクーナホトカ間にパイプラインを新規に敷設する計画で、パイプ、コンプレッサーなどの対ソ輸出を十億ドル以上の信用供与により行なうというのが本件プロジェクトの骨子でございます。 日ソ両当事者間の交渉については、予備的折衝は数次にわたり行なわれておりますが、政府交渉は、去る七月に行なわれる手はずになっておりましたところ延期となりまして、その後延び延びになっております。当方といたしましては、第一回正式交渉が早期に行なわれることを期待しているものでございます。 なお、本案件に米国企業が参加いたします件については、具体的に参加希望が出ており、またソ連側も米国側の企業の参加を了承いたしております。 次に、ヤクート天然ガスプロジェクト関係でございますが、日ソ米三カ国の共同開発により、わが国へ年間百億立米、米国へ同じく百億立米の天然ガスを一九八〇年ごろより二十年間以上にわたり輸入する案件であります。このため、ソ連側から探鉱費一・二億ドルないし一・五億ドル、開発費三十億ドルの信用供与による設備資材の提供が要求されておりまして、これを日米折半で供給する見込みであります。 日ソ間における交渉は、昨年十月モスクワにおいて行なわれ、第二回は、去る七月、東京において行なわれました。米ソ間の交渉は九月−十月に行なわれる予定と聞いており、その後日米間のすり合わせが行なわれた後、まず探鉱費についての契約が結ばれることと見込んでおります。 次に、シベリア開発に対する態度いかんという御質問だと思いましたが、シベリア天然資源プロジェクトに関しましては、去る三月六日ブレジネフ書記長に手渡されました田中総理の親書、また三月十二日トロヤノフスキー在京ソ連大使に中曽根通産大臣が伝えましたように、日ソ両当事者間で合意に達した場合には、日本政府としては、必要な信用供与を行なうなど前向きに対処するという方針をすでにとっております。今回の田中総理の訪ソにあたりましては、この基本方針に沿いまして事態の推移に従って適宜対処していくことになろうかと思います。 次に、三番目の御質問でございますが、共産圏との協力に関係しまして安定供給の点からどう考えるかというお尋ねかと了解いたしますが、わが国の資源エネルギー政策の基本方針は、長期的安定的供給の確保ということにありまして、そのため量的確保と供給源の分散化をはかることが必要であります。現在懸案中のプロジェクトにつきましては、この方針に即してこれを進めてまいりたいと考えておりまして、過度に一国、この場合はソ連になろうかと思いますが、一供給先に依存することはないものだというふうに考えております。
○近江委員 もう時間もありませんので、これで終わりますが、いま通商政策局長からお答えになりましたので、あとは中曽根通産大臣から、このシベリア開発につきまして大臣のお考えがございますればお伺いして、終わりたいと思います。
○中曽根国務大臣 いま通商政策局長が述べたとおりでございます。
○浦野委員長 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時十分休憩 ————◇————— 午後二時三十九分開議
○稻村(左)委員長代理 休憩前に引き続き、を開きます。 質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 屋内用の電線が不足しているという問題について、各委員からこの問題を取り上げられ、政府の考え方も一応わかったわけですが、質疑応答を伺っておりましても、また、大臣が、例の電気工事業者の三千名大会に出席をされてのあいさつ、あるいはその他いろいろな機会に大臣から通産当局としての電線不足に対してたいへん迷惑をかけたということについての遺憾の意の表明、また、今後積極的に取り組みをして、できるだけ早い機会にいまのような深刻な状態をなくすようにしたいというように、誠意のある態度を示しておられると私は思っているわけですが、ただ、どうも明確な需給に対する見通しであるとか、あるいは方針が示されていないという感じがするわけです。これから十月ごろになってくると、クーラーなんかが使われないから、その需要がたいへん少なくなるということ、あるいはアメリカから塩ビの原料が輸入をされるとか、その他もろもろの対策を講ずるということで、いまの危機を乗り越えられるのではないかという、そうした見通しからの答弁であるとは思っているわけですけれども、もう少し一つの計画に乗った需給体制の確立の方向を明示される必要があるのではないかという感じがいたします。これは局長でけっこうですが、はっきりしたその需給に対する見通し、これならだいじょうぶだという確信が私どもも持ち得るようなことについてお聞かせをいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○飯塚政府委員 塩ビの電線、それから塩ビ管等につきましては、塩ビ樹脂そのものの需給の見通しがどうかということですべてきまってくるかと思いますが、塩ビ樹脂の需給見通しにつきましては、当初私どもといたしましては、本年度百四十二万トン、これは対前年度二六%増で考えておったわけでございます。しかしながら、その後の需要の伸び等を考えますと、百四十二万トンではとてもまかないきれないということで、つい最近、見直しをやりまして、対前年度一三〇%、数字にいたしますと百四十七万四千トンという数字で需給の関係を考えていきたいと思っておるわけでございますが、生産の面から考えますと、この百四十七万四千トンというのはほぼ限界ではないか。需要につきましては、現在のような建築等を中心といたします爆発的な需要の増加がありますと、やはり需給の面の調整というのはなかなかむずかしいわけでございます。どうしても総需要の抑制と申しますか、建設関係を中心といたしまして、ある程度の需要の抑制ということは考えていかないといかぬのではないかと思います。ただいま申しました生産に、若干の塩ビ樹脂の原料でありますEDC等の輸入を加えましても、なおやはり需要面の抑制というものを前提に考えないと、本年度の需給の関係というのはうまくマッチできないのではないか、かように考えている次第でございます。
○中村(重)委員 この需要の面については、総需要の抑制をやりたい、また、塩ビの生産では一三〇%、百四十七万トンと言われるわけですが、総需要の抑制の中で、特に建設関係といういまのお答えがあったわけですが、それ自体、私は問題があると思うのですね。住宅の建設というものは極力推進をしていかなければならないわけです。なかんずく、通産省としても住宅産業の振興というのは、これから先の成長産業として目玉の一つに加えられているはずなんです。その建設関係についての抑制を重点的に行なうということのお答えの建設関係とは何ぞやという点が一点問題になるような感じがいたします。 それから生産の問題ですけれども、百四十七万トン、対前年度比一三〇%、この生産を積極的に進めていくことはそれなりに必要なんですけれども、塩ビの生産は何を中心に生産をさせるかということなんです。平形電線というのは屋内用の電線として欠くことのできないものである。したがって、塩ビは需要というものがたいへん多岐にわたっておるということです。ですから、せっかく生産をいたしました塩ビを製品化する場合に、何を重点にするかということが問題ではないでしょうか。それを十分行政指導をしていくということでなければ、私はその塩ビの生産を一三〇%にするから、それで需要供給の関係はうまくいくのだということにはならないのではないか、そこいらがこれから先の施策の重要な問題点であるという感じがいたしますから、もっと具体的にそれらの点に対する考え方をお示しいただきたい。
○飯塚政府委員 建設の関係につきまして需要の抑制と私申し上げましたけれども、建築の関係でも、庶民生活に密接な関係のございます一般住宅その他公共関係の建築物で重要なものにつきましては削減できないのは当然でございますが、一般のビル等につきまして、これは最近建設省のほうでもその抑制等につきましても検討しておられるようでございますので、こういった不要不急の建築関係の工事の着工の繰り延べ等によりまして需要の抑制ということをはかっていく必要があるのではないかと考えまして申し上げた次第でございます。 それから塩ビの中の製品別の部門別出荷についてしっかりした考えがないと塩ビ製品の確保はできないのではないかという御指摘でございますが、私どもはそのとおり考えておるのでございまして、先般も申し上げましたけれども、塩ビ製品の中の内訳で申しますと、約三〇%が塩ビのパイプでございまして、その他平板、波板等が一六%、フィルム関係が一〇%、それからいま一番問題になっております電線につきましては七%ということでございまして、電線につきましては塩ビの製品全体の中に占める比率はそれほど大きな数字ではないわけでございます。私どもは塩ビメーカーに対しまして、当面最も緊急な部面に塩ビを振り向けるように従来から強く要請をしておるわけでございますが、今回緊急出荷をいたしました塩ビ電線並びに塩ビパイプにつきましてはメーカー団体であります塩ビ協会に対しまして、こういった部門に重点的に出荷を振り向けてもらうということで要請を申し上げまして、今回の措置が実施できることになったわけでございますけれども、こういうような重点的な配分につきましては今後とも積極的に塩ビ協会と話し合いを続けて、大事な部門にはぜひ必要な量を確保するように努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 建設省からは会計課長がお見えですが、いまの通産省の需要の抑制に関連をいたしまして、何かあなたのほうでお答えできる面がございましょうか。
○森田政府委員 ただいまの民間の建築物の規制の問題でございますが、これにつきましては関係官庁協議の上、近々対策を打ち出す、こういうことになっております。
○中村(重)委員 いまのお答えでも考え方というのはわかるのですが、いま通産省のほうから総需要の抑制ということで、民間住宅等は重点的に考えていかなければならない、ビル等の建設については抑制する方向で進めなければいけないという考え方があったわけです。それらの点に対して、建設省としては具体的な考え方が固まっているのかどうかという点ですよ。その点はいかがでしょうか。会計課長ですから無理であればけっこうですから、十分省内で話し合いをして、実施官庁としては、その点では建設省になるわけですから、十分対応策は考えていただかなければいけない、こういうことです。 それから緊急出荷の五百五十万メートル、いわゆる五万五千ぱということですが、これを通産省は住宅二戸については約百メートル、したがって五万五千戸分に相当する量の緊急出荷をやるのだということで、私は通産省の言われることでそのとおり信頼をしてまいりましたが、どうも当事者の人たちの意見を聞きますと、住宅一戸に百メートルなんということはナンセンスだということで問題にならないという考え方を持っているわけですが、通産省としてはどうお考えになっているのですか。これは建設省に聞きたかったのですけれども、会計課長にそこまでお尋ねするのは、担当としては無理ではないかと思っておりますから、通産省でけっこうですが、その根拠はどこから出たのですか。
○飯塚政府委員 五百五十万メートルの電線を緊急出荷いたしますと、現在全国に電気工事業者として登録をされております者が五万五千軒おりますので、一応一軒当たり百メートルの塩ビ電線が手に入る計算になるということで考えておりまして、この百メートルというのは実は小さな住宅の場合には一軒分に使う配線として間に合うというふうに考えてかような措置をとったわけでございますが、その後詳細に専門家に聞いて調べてみますと、いま先生御指摘のように、百メートルでは若干足りないというようなことがございまして、十五坪の平屋の場合でも百二、三十メートルくらい要るのではないかというようなこともありますし、二十坪になりますとさらによけい要るというようなことでございます。今回はこういうことですでに関係都道府県等にも連絡をいたしまして実施をいたしておりますが、次回の措置からは、ここら辺につきましては少し再検討していく必要があるかと考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 いま百メートルの問題について、なるほど電気業者は五万五千から六万程度、これは五万五千ぱを配給するということになってまいりますと、一店舗九十メートルかそこらということに、業者の実数からいえばなるわけですね。それから住宅の問題についても、一戸住宅を建てるのに百メートルで足りるものもあるだろうと私は思う。その点についての再検討ということはどういう意味であるのかわかりませんけれども、電線そのものが不足をしないように根本的に解決しなければならないのであって、特配をするのが一店舗当たり百メートル、いわゆる住宅でいきますならば小さい住宅の一戸分について百メートルで足りると考えておったのだが、それが足りないとすれば再検討だなんということになってくると、質問に対するその場のがれの答弁ということになる。そんな一戸について百メートルで足りるのか足りないのかということの再検討だなんということで問題を解決しようというようなことであってはならないのですね。品不足そのものを解決するその対策をどうするかということの検討がなされなければならない。そういう部分的な問題の検討だなんということでは問題の解決にならないことを十分留意される必要があるということを私は指摘しておきたいと思います。 それから五百五十万メートル特配をするということになりましても、住宅の建設は、月間十五万戸くらいですよ。そうすると、実際使っておる数量からいたしますと三分の一にはならない。四分の一程度であろうと私は考える。だからその不足をどうするかということをお考えにならなければならない。そのためにいろいろな施策を講じておるのだということで、同僚諸君の質問に対するお答えもあっておるわけですから、それを答えるということになれば答えにはならぬということにはなりませんけれども、しかし先ほど私がお尋ねいたしましたように、需要供給の関係についてはっきりした計画というものが示されていないことが問題なんだという指摘に対して、また先ほどのようなお答えが出て、いまのように質疑応答が繰り返されておるわけですが、第二次の特配の問題についても言えるのですけれども、塩化ビニールの放出をやって電線生産メーカーに生産をさせる。これはどういう方法で流していくのか。仄聞するところによると、第一回の緊急出荷は都道府県にあっせん所をつくって、あっせん所を通じて配給するということのようですが、第二次の特配というのは、そういうことをやっておったのでは問屋がどうにもならない。したがって、これは通常ルートをもって流していこうとする考え方のようです。ここで留意しなければならないことは、塩ビを電線メーカーに生産をさせる場合何をつくるのか。平形電線というものに限定をして、それ以外のものを生産させないという保証はどういう方法でそれを確認していくかということが一点あると思う。もう一つは、正常ルートと申しましょうか、問屋を通じて流していくという場合、それがいま深刻な打撃を受けているところの中小の電気工事業者の手元に確実に流れていくという保証は、どういうことで確認しようとお考えになっていらっしゃるのかという点も、小さいことのようであって行政指導の面において重要な問題点であるというように私は感じます。それらの点に対してはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○飯塚政府委員 第二回の特配といたしまして、私ども現在塩ビメーカ−の協会と話し合いをいたしておりますが、塩ビメーカー協会のほうから平形ケーブル用としてさらに第一回分を上回るような塩ビの供出をしてもらうということで話し合いをしておりますが、塩ビの電線につきましては大手の電線業者と中小の電線業者がおりますが、いま問題になっております平形ケーブルは、もっぱら中小の電線メーカーがつくっておりますので、これも電線工業組合という中小企業関係の法律に基づきます工業組合をつくっておるわけでございますが、この工業組合に対しまして、今回の第二回分の特配の分の塩ビにつきましては一・六ミリの平形ケーブルの生産にもっぱら向けるようにという約束のもとに供出をしてもらうということで考えておる次第でございます。 それから第二番目の御質問の問屋をかりに使った場合には、これが電気工事業者に確実に渡るという保証が取りつけられるかという問題でございますが、私ども第一回にやりましたのは、都道府県を窓口といたしまして、可能な限り電気工事業組合を使ってやるということであります。したがって、問屋を通すということは第一回では考えていなかったわけです。問屋の問題についてもいろいろ問屋関係の業者から意見は出ておるようでございますけれども、この特別出荷の分につきましては、何としても確実に末端のユーザーであります電気工事業者の手に入ることが必要でございますので、やはり第一回と同じようにメーカーから電気工事業者に直接渡るようなルートで措置を考えていきたい、かように思っておるようなところでございます。 〔稻村(左)委員長代理退席、左藤委員長代理着席〕
○中村(重)委員 第一回の緊急出荷が五百五十万メートル、それを上回る数量であるということになってくると、具体的にそれでは幾らか。千メートルということになるのか、八百メートルということになるのか。その点もあいまいであってはいけないと思います。正確にする必要がある。それから供給の方法として電気工事組合を通じてやるということでありますが、あなたのほうが当初お考えになっておられたのが電気工事組合を通じてやるという考え方であったのだろう。ところが、アウトサイダーあるいは全建総連というような団体がある。この全建総連という団体の構成員というのは電気工事組合に入っておるのもあるし、アウトサイダーもあるといったようなことから、これはなかなかうまくいかないというので、県に相談所というのか、あっせん所をつくってもらって、そこを通じて流していこうというようにされたのだと思うのだが、その場合に電気工事組合を通じて流してくるということになってくると、先ほど申し上げたように、アウトサイダーの関係とか、全建総連の関係がどうなるのか。そこで、混乱は起こらないのかどうかという点が問題になってくると思います。 それからちょっと私が聞き違えであったかもしれませんが、大手電線業者、それから中小の電線業者、中小の電気工事業者、これはおっしゃるように一・六ミリの平形ケーブルといいますか、電線でもどちらでもいいわけですが、これを使うわけです。第二回の特配は大手の電線業者のほうにはもう流さないで、それに使う電線はつくらないで、平形電線が重点ということではなくて、平形電線をつくるために特配をするということになるのかどうか、そこらを明確にしておかなければいけないことだと思うのですよ。その二点についてはいかがですか。
○飯塚政府委員 あとのほうの御質問から先に申し上げますと、第一回分として緊急出荷いたしまました五百五十万メートルというのは、銅量に換算いたしますと約二百トンに当たるわけでありますが、第二回として考えておりますのは、三百トンくらいが可能ではないか。したがって、メートル数でいいますと七百万メートル近くになるのではないかと考えております。その供給先につきましても、大手には通さないで塩ビメーカーから直接中小の電線工業組合を通して渡すということで考えておるわけであります。 それから初めのほうの御質問でございますが、全建総連等が申しております電気工事業組合以外のいわゆるアウトサイダーにこれが公平に渡らなければいかぬということでいろいろ要望もございまして、私どもも実は都道府県の商工課等を使いまして、そのアウトサイダーへの不公平な扱いをなくするということで措置したわけでございます。県のほうでも何ぶん初めての仕事でございますので、いろいろ戸惑っている面もあるようでございますが、何とか要望にこたえてやってくれると思っておりますけれども、この点につきましては、結局アウトサイダーの差別扱いをしないという前提で、県とそれからこの関係で従来から何としても力を持っておりますのは電気工事業組合でございますが、こことの十分な連携を保ちながら、かつアウトサイダーに差別扱いにならないようにということで、実際の運用を考えてまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 私はどうすべきだということは申し上げません。いずれにしても末端で混乱をしないようにしていく必要があるということですね。 それから第一回は二百万トン相当ですから、それが五百五十万メートルになるわけです。三百トンということになってくると七百万メートル、これは五割増し程度になりますね。それはけっこうなことだと思います。もちろんこれは不十分でありますけれども、第二回が多くなる。そうなってくると、確実に平形電線をつくることに限定をしていく必要があるということです。これはもうほかのものをつくらせないということですね。そうなると、ほかの電線というものはあり余っておるとは申しませんけれども、平形電線ほど窮屈ではないということです。しかも、民間住宅というものは住宅政策の点からきわめて重要でありますから、その点はしっかりしてもらいたい。それをもう一度きっぱりお答えをいただきたい。
○飯塚政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、私どもはそういう方向でやることをここでお約束申し上げることができると思います。
○中村(重)委員 それから冒頭私がお尋ねいたしましたように、五万五千ぱというものが三分の一か四分の一か、そのくらい少ないのですが、あなたのほうは平形電線というものの年間生産がどのくらいあるのか、それから需要がどのくらいというようにつかんでいらっしゃいますか。不足量が幾らかということです。
○飯塚政府委員 本年の一月から六月までの平均で考えますと、平形電線の生産量は、銅量に換算いたしまして、大体月間三千トンぐらいだったと思いますが、それが七月から、材料でございます塩ビの不足によりまして漸減いたしまして、現在においては二千トンくらいに生産が落ちておるというふうに考えます。 なお、需要につきましては、最近の異常な需要増によりまして、需給の関係から見ますとかなりタイトであるというふうに考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 生産は三千トンがいま二千トン、これはメートル数についてどのくらいかということをつかんでいるのかどうかわかりませんけれども、それから需要については最近の需要増から相当大量だと思う、そういうことであなたのほうの計画が立ちますか。先ほど私が申し上げましたように、実際需要量の三分の一なのか四分の一なのかという点、それに関連してあなたは、再検討したいというお答えがあったのだけれども、その再検討はあなたのほうの大体何戸ぐらいであろうというようなことの見通しについての再検討ということ、それは再検討も需要供給の関係から十分広い意味でやっていただかなければならないというように思いますが、生産については三千トン、最近は二千トンということを明確にお答えになりながら、需要について大量であると思うというようなことで、そういう需要供給の関係をはっきり把握することなくこの品不足対策ということが考えられるのかどうか。そんなあいまいなことではいけません。これほど深刻な問題になってきているわけですから、生産が幾らだ、需要が幾らだ、不足が幾らだ、この不足についてはこういう方法で補っていくのだということを明確に押えていって初めて対策というのが成り立つのではありませんか。いかがですか。
○飯塚政府委員 需要の数字につきましては、一般家庭用の屋内配線の問題でございますので、数字はなかなかつかみにくいわけでございまして、私も現在非常に不明確な答弁しかできませんで申しわけないと思っておりますが、ただ私どもが考えておりますのは、現在の極端な品不足に対してどうするかということをまず何よりも手がけるということでいろいろな措置をやっておるわけでございますが、六月までの間三千トンの生産があり、それが供給されたわけでございますが、それが二千トンに減っていくに従いまして末端におきます電気工事業者が品物がほとんど手に入らないという極端な窮状におちいっておりますので、とりあえずの措置として三千トンと二千トンの千トン分をいかにして確保するかということでやっておりますけれども、本格的には、先生御指摘のように、現在並びに将来の需要の状況を明確に把握して、その上で対策を立てるべきものだ、かように考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 当然なことですから、それ以上そのことについて追及はいたしません。いたしませんが、当初あなたは五万五千ぱ特配をする、これが住宅五万五千戸分になる、大体月間に十五万戸住宅が建設されている、したがって、それは三分の一の量に相当するものをあなたのほうでは特配をしたのだという受けとめ方であったのだと私は思う。それは実際と合うか合わないかは別として、あなたのほうでは、それなりにこれを押えて対策を立ててきたのだと私は受けとめたわけです。しかし、いまのお答えからすると、実際は需要がどのくらいあるのかまだ押え切らないでおるのだ、しかし、しなければならないのだ、だからこれからその点についても十分やっていこう、こういうことですから、まことにずさんというのか、そういうことではどうにも話にならぬじゃないか、こう申し上げざるを得ないのですが、とにかくもっと積極的に正確にその数量も十分押えて、そうして対策もそれに基づいてやっていくということにしてもらいたいということを申し上げておきます。 それから平形電線が不足をした原因というものは何かということです。この出光の徳山工場の爆発事故あるいは公害の問題あるいは需要増、いろんなことから塩ビの不足であるというような形は説明をされているわけですが、ただ私がふしぎに考えておりますのは、四月と五月はいわゆる適正在庫と申しましょうか、生産量の約一〇%の在庫があったということです。それが六月になってまいりますと六%になった。出光の事故は七月七日でございましたか、この七月に入りますと二%に減ったということです。ですから出光事故というものがこの不足についての最大の要因であるというように説明をされているわけですね。ところが、出光事故が七月七日にあったわけでありますが、実際の品不足というものが、もう四、五月ぐらいからずっと減りかけてきて、そうして、申し上げたように六月は六%になり、七月はわずか二%に減った。これは出光工場の爆発事故といったようなものが品物が極度に少なくなった、いわゆる平形電線というものが姿を消した原因ではないのじゃないか、私はほかに原因があるような感じがいたします。その点についてあなたはどのように把握をしていらっしゃいますか。
○飯塚政府委員 電線関係の需要が漸次月を追って増大いたしまして、その関係でメーカー、問屋等の在庫が漸次減ってきたことは御指摘のとおりでございます。ただ、在庫が極端な減り方をし、それから末端の需要者がきわめて入手難になったというのはやはり七月の半ばを過ぎてからだと思います。出光の事故は七月七日でございますが、七月七日から直ちにその影響が出るわけではございませんで、生産されたものはすでに流通段階に在庫としてあったわけでございますが、それが直ちになくなるはずはないわけでございますが、末端の電気工事業者等の意見も聞いてみますと、あの事故から一週間後にはもう非常に買いにくくなっているということでございまして、おそらくあの事故を契機といたしまして、生産の減少、供給の削減というようなことを心配いたしました需要家が少しずつよけいに手当てをしておこうということで買い増しに走ったために末端の需要者が極端に品薄という現象が招来されたのではないかと考えております。
○中村(重)委員 お答えになったように七月七日に徳山工場の事故が起こった。しかし、それによって直ちに七月に在庫が二%に減ったという原因とは結びつかない。もう流通段階において、おっしゃるように、品物が流れておったんですね。しかし、現実には私が申し上げましたように、六月には六%に減り、七月には二%に減った。それはあなたのほうの調査によって明らかになってきている。ユーザーの買い増しというものがそういうことになったのだというあなたの受けとめ方は甘い。実際は問屋なりあるいはメーカーというものが売り惜しみをしている。きのうまであった品物が急にきょうは姿を消してしまったということは、ユーザーが、どうも品薄になりそうだからというので買い占めをしたことが急にこんなに品物がなくなったということではない。それは若干あるでしょう。六万軒の電気工事業者が少しずつ買い増しをいたしましても相当な量になりましょうから、全く皆無だとは私は申し上げません。しかし、そこに品物が姿を消した最大の要因があるのだという受けとめ方は間違いである。これは私の主観でありますから断定的に申し上げることは無理があるかもしれませんが、やはりこれはメーカーであるとか問屋、そこでの売り惜しみ、ストックがなされたであろうことは容易に想像がつくのではないでしょうか。そのことは同僚諸君の質問に対しましても、あなたからはそういうことはないという答えが出ているわけです。なぜにそういうことはないとお考えになっていらっしゃるのでございましょうか。ユーザーの買い増しなんだということをあなたが具体的にあげて、これが品薄になった原因であるということを言われるならば、一方においては問屋であるとかあるいはメーカーであるとかというようなものがそうした売り惜しみをしている、ストックをしているという事実はないということは、何を根拠にそういうことを言われるのでございましょう。いかがですか。
○飯塚政府委員 いずれにいたしましても、私どもの調査が完全にできているわけではございませんので、ユーザーの一部買い増しが大きな原因であると言い切ることについては若干問題があるかと思いますが、私がそういう推論に至りました経過を申し上げますと、出光の事故の後、八月の初めから半ばにいたりまして、メーカー、商社、問屋等につきまして七月分の出荷の数字を報告していただいたわけでございます。出荷量並びに在庫量につきまして数字を出していただいたわけでございますが、この数字によりますと、在庫量につきましては、先ほど先生御指摘のように、二%という非常に少ない数量に在庫が落ちておるわけでございまして、したがって、こういうメーカ−、流通段階等におきましては、かなりの出荷をし、かつそのために在庫が減っておるという状況が報告書の数字の上から出ておるわけでございます。そういうことで、私どもはいま申し上げましたような推測をしたわけでございます。ただ、これもやはり推測でございますので、これが全く正しいということが言えるかといいますと、そういう確証を持ちますためにはもう少し詳細に検討する必要はあろうかと思っております。
○中村(重)委員 最後にお答えになりましたが、メーカーからその出荷量、在庫量について報告書を出させたところが、六月は六%、七月は二%という在庫量であった。そう減ったということは、それだけ出荷がなされているであろうというふうに推測した。しかし、推測が必ずしも正しいということにはならない。最後にあなたがそうおっしゃったのですから、私はそれはまじめな答弁であると思います。しかし、非常に重要な点なんです。あなたのほうの行政というものをどう動かしていくかということについては、対策をこれからお立てになる上においては重要な要素であると考える。ユーザーの買い増しといったようなものが品物薄になった原因であろうと一応あなたがお考えになったとするならば、ユーザーはどの程度買い増しをしたのかという調査を同時になさらなければ、あなたのほうの第一回の特配であるとか、あるいは第二回の特配であるとか、あるいはこれから続いていくであろう第三回、第四回の特配の対策というものも私は出てこないと思います。したがって、十分なその点に対する調査をおやりにならなければ、施策の展開ができないということになっていくのではないか。私は、最大の要因は、メーカーであるとか、あるいは問屋であるとかいうものが、ともかく売り惜しみをし、ストックをしているのではないかというように考えているわけです。これは単なる私の推測ではございません。私どもなりにたくさんの業者の方々と接触をいたしております。同時に、建築請負の業者の方々について、電線不足のために工事にどのような支障が出てきておるのかということについて調査をいたしております。品薄のために電気工事がおくれておるというような、私どもなりにいろいろなそういう報告を伺っておるのであります。買い増しをして相当量持っておるのだったら、私は、何も住宅に対するところの電気工事を作為的におくらせるということにはならない、おくらせる必要はないというように思うわけです。そういったようなことから、おそらく問屋あるいはメーカーが売り惜しみをしているのであろうというように私判断をいたしておるのであります。そういうような考え方から、私は通産大臣あるいは公正取引委員会に要求をしたいのは、投機防止法の対象にする必要があるのではないか。また、公正取引委員会は独禁法に基づいてきびしい調査に乗り出す必要があるのではないかという点であります。投機防止法の問題あるいは独禁法の適用の対象として調査に乗り出す点については同僚諸君からも質問がなされましたが、しばらく事態の推移を見てみたいというようなお答えが出ておるようでありますが、あらためてひとつ通産大臣並びに公正取引委員会から、それらの点に対するお答えをいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 指定につきましては、先ほどから申し上げましたように、現在やっておる緊急措置の情勢を見守りながら企画庁当局その他と相談してみたいと思っております。
○吉田(文)政府委員 私どもとしては、最近の塩ビ樹脂並びに電線等の品不足の実情というのは承知いたしておりますが、その原因につきましては、先ほど通産省から申しましたが、メーカーの事故あるいは原料不足等による塩ビモノマーの減産あるいは需要の予想外の堅調といったようなものによるものではないかと考えております。価格は非常に上がっておりますが、価格の高騰というのはもっぱらこのような需給関係によるものであるというふうに考えております。しかし、私どもとしては、売り惜しみ、買い占め、特に売り惜しみの点について共同行為ということが考えられないわけじゃございませんので、まだそういう手がかりはつかんでおりませんけれども、通産省あるいは業界からも事情を聴取して実態の把握につとめております。同時に価格カルテル、それから共同して出荷を制限するというような共同行為の有無については厳重に監視をしております。情報はできるだけ集めて厳重に監視しておりますが、まだ審査を開始するというような手がかりまではつかめていないということでございまして、今後とも情報収集に努力をして、そういう事実があれば、法律上の手続によって審査開始ということをいたしたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 事情聴取は独禁法の何条に基づいておやりになっていらしゃいますか。いつごろからお始めになりましたか。
○吉田(文)政府委員 いつごろというのはちょっと私いま正確な期日は覚えておりませんが、ごく最近でございまして、独禁法の事情聴取というよりはいわゆる任意調査で、一般の調査権限に基づいての調査というところまではまだいっておりません。一応事情を聞くことによって業界の実態を把握するというような観点から、任意調査ということで行っております。
○中村(重)委員 これはおっしゃるように調査までいっていない、任意調査ということでは、いわゆる独禁法上の調査ではないということですから、何か聞いてみょうがなという程度ですよ。だから経済部がやっているのですね。審査部もこれに関心を持っていない。取引部も関心を持っていない。これほど大きな深刻な問題になってきている。価格は三倍ともいわれ、五倍ともいわれていますが、実際は八倍程度にものによっては上がっています。これほど価格騰貴の状態が起こってきている。そして悲鳴をあげている電気工事業者の三千名という大集会が行なわれ、昨日も全建総連はおそらく千五百名程度通産省で結集をされ、通産大臣に対するところの申し入れであるとか陳情というものがなされてきておる。いまや大きな社会問題になってきている。この段階において、公正取引委員会が何かちょっと聞いてみょうがなという安易な態度でよろしいのですか。そしてその程度の安易な取り組みをしておきながら、いまのところ、これが売り惜しみや買い占めをしておる、あるいは共同行為がなされておるというようなことばないと思うといったような断定的なことが言えますか。なぜにもっと積極的に独禁法の四十条なら四十条に基づいて調査に乗り出すという態度をおとりになりませんか。何を考えているのです、あなたのほうは。私のこの指摘に対して反論がおありになるならば、何か任意にちょっと聞いてみようかなということが適当であるというお答えが出ますか。いかがですか。
○吉田(文)政府委員 私が任意調査と申し上げましたのは、これは四十条を使うまでもなく向こうがしゃべる、供述をするという場合にはわざわざ四十条を使わなくてもできるわけでございまして、やはり法的な根拠としては最終的には四十条にいく。それから審査の関係でございますけれども、情報を収集して厳重に監視しているというのも、いま審査部でやっているということでございます。まだ審査を開始するだけの手がかりをつかんでいない、そういう趣旨で申し上げたわけでございます。
○中村(重)委員 事務局長、私は経済部長と数日前に会っているのですよ。考え方もただしているのです。どの程度の取り組みをしているかということも十分伺っているわけです。午前中も同僚諸君の質問に対して、あなたは事情聴取をやっていると非常に積極的に取り組んでおるかのごとき印象を与えるような答弁をしておりましたが、そういうことは、あなたのほうはやっていませんよ。単なる委員会における公式な質問に対する答弁をあなたはやっているにすぎないのです。委員会であるからかっこうをつけなければならない。実態はそうじゃない。そんなことでは話にならぬではありませんか。なぜに取引部あるいは審査部が、この問題についてもっと関心を払わないのかという私の問いに対して、経済部長は何と答えておると思いますか。あなたのほうは問題にしていないのです。そして相手が供述に応ずるならば独禁法四十条を発動するまでもないのだ。四十条を使おうが四十六条を使おうが、これほどあなたのほうで関心をもって供述を求めたり何かしているのではないのですよ。まさか部長を通り越して事務局長がいまのような積極的ともとれるような答弁ができるような行動をしているのではないでしょう。それぞれの機関を通じてあなたのほうはやっているのです。それをあなたが質問に対して答弁をされる、こういうことだろうと私は思うのです。かっこうをつけている、あなたの答弁は。だからお帰りになったならば委員長とも十分話をされて、もっと重大な関心をもってこの問題に対処してもらいたいということを強く申し上げておきたいと思います。 それから通産大臣、いま緊急対策を見守って、関係方面とよく話し合いをやって、投機防止法の対象にするかどうかを考えていきたいというようなことですが、灯油も投機防止法の対象に今度追加されましたね。それと価格の問題にしても、全部ではありませんけれども、八倍くらいになっているのがありますね。それから先ほどの質疑応答を通じてあなたもお聞きになっておわかりでございますが、急に姿を消しているのですよ。なるほど報告書はそのメーカーからとって、六月に六%あるいは七月に二%に減ったということは、それだけ在庫が減ったのだからそういう出荷をしているのであろう、出荷をしたということは、ユーザーの買い占めという形になっているのであろうというような数字の面から先ほど飯塚局長はお答えになりましたが、必ずしもそれが正確だとは考えられません、こういう答弁がお聞きのとおりあったわけですね。してみると、これはほんとうに売り惜しみというものをやっていないのかどうか。やっている疑いというものもあるのではないか。そのことで価格が暴騰するということになってきたのだということになるならば、もっと積極的に十四品目、灯油が追加になって十五品目、これほど住宅の建設等国民生活に重大な関係を持ちます物資であります以上は、投機防止法の対象にして精力的な取り組みをされる必要があるのではないかという感じが私はいたしますが、そうあなたのほうでは切実感をお感じになりませんか。
○中曽根国務大臣 売り惜しみがあるのかどうか、その辺はまだわれわれも的確によく把握できません。一部にあるいはあるのではないかという疑いもなきにしもあらずであります。しかし、全般的に見て、やはり需給の関係で値上がりというものがある、そういうふうに考えられるわけであります。そういうかげんから、いませっかくいろいろ手当てをしつつありますことの成果を見届けながら、もしそういうような売り惜しみというようなことがあるという傾向が顕著に出てきまするならば、そういう指定ということも考慮せざるを得ないかもしれませんが、当面はいま申し上げたようなところで様子を見守っていきたいと思うところでございます。
○中村(重)委員 十四品目の指定をしている品物、物資にいたしましても、これは需給関係で、その品物はみんなきまっていくのですよ。ところが、需給関係というものは実際はそう逼迫していなかったんだが、売り惜しみであるとか、買い占めという形において、あるいは作為的なことによって価格の騰貴がなされた。しかしながら、やはり国会でたいへん問題になる、大きな社会問題になる、政府もやはり積極的な取り組みをせざるを得ないという形になって、あなたのほうがメーカーや商社を役所に集められて、いろいろ注意を喚起する、あるいは調査取り締まりに乗り出すといったようなことがやはり相当の効果があったということは事実でありますよ。電線に限って、今度追加をいたしました灯油、この十五品目と異なるものであるという受けとめ方をするということは適当ではないのじゃないかと私は思います。現実に、価格が五割も八割も暴騰しておるというこの事実、急にストックがなくなった、姿を消したというこの事実、それらのものといままで指定になっておりますほかの品目とどう違うのでございましょうか。これに対してそう慎重にならなければならないという積極的な説得力のある理由があるのでございましょうか。私はこういう感じがいたしますが、間違いでございましょうか。いわゆる塩ビ協会に対して放出をさせたわけです。先ほど三百トン程度生産をさせるということは、いわゆる塩ビ協会に要請をして放出をさせるということになったからである。それによって何らかの約束がなされているのではないでしょうか。投機防止法の対象にするということについてはいま直ちに行なわないなんといったような約束がなされているのではないですか。私はどうも塩ビ協会に対する気がねがあるような感じがしてなりません。間違いでございましょうか。私がそういう推測をしておるわけでありますから、ああこれは単なる推測であったというように考え方を変えるような説得力のあるお答えをひとつ聞きたいものだと思うのですが、いかがですか。 〔左藤委員長代理退席、委員長着席〕
○中曽根国務大臣 塩ビが上がりました理由には、やはり品不足ということが非常に強く響いておりまして、その品不足の中には、公害の問題もありますし、また、出光の事故という不測の問題等もあって、こういうようなことも起きてきたわけであります。出光の事故というようなことがありますと、これは不足するんじゃないかというようなことで需要者のほうで買ったという、売るほうで売り惜しみというよりも需要者のほうで買ったという向きもあのころはなくもなかったんではないかと思います。そういうような不測の事態等々もありましてこういうような事態になったので、一般的に自分がもうけをするために売り惜しみをしている、そういうような予想はいまのところそれほど多くはないのであります。あの投機的な様相が出てきた三月の物資の状態とは若干趣を異にしております。そういう面からもう少し情勢を見つつやろうというのでありまして、決してそういうことをするのをいやがっておるという意味ではありません。また、塩ビ協会との間にそういうお約束みたいなものがあるということももちろんございません。
○中村(重)委員 出光工場の爆発事故というのが品不足に拍車をかけたという事実については否定をいたしませんですけれども、大臣、きのうあなたに対する陳情に私が立ち会いましたときも話が出ましたように、また先ほど飯塚局長の答弁もお聞きのとおりであります。私は、六月に六%、七月に二%というのは、通産省のほうからのお話で承知をしているわけであります。出光事故と関連するのではなくて、そんなにきのうまであった品物がなくなったということですよ。姿を消したということです。まきか出光事故が起こるであろうということを予測して品物を隠したり何かしたのではないと私は思う。やはり先を見越してストックをした、売り惜しみをしたということは十二分に疑われるのではないでしょうか。ユーザーが買い増しをするといっても、これはいまあなたは徳山工場の爆発というようなものがあるとユーザーが買い増しをするのだということをおっしゃいましたが、ああいう直接の大きい事故が起こってくるとユーザーは動き出します。しかし現実に品物というものは、その事故が起こります前に姿を消したということです。品薄になってしまったということです。そうすると相当先の見通しがつく人たちによって、売り惜しみ、ストックがなされたということは十分推測できるのではないでしょうか。それならば価格も非常に八倍、九倍と暴騰しているわけでありますから、投機防止法というものを対象に追加する、徹底的にこれを洗っていく、そういう態度があってしかるべきじゃないでしょうか。どうも慎重になられるのが私には解せないのです。そうはお思いになりませんか。
○中曽根国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、いろいろな手当てをいまやったところでございまして、それらの様子をもう少し見たいと思っておるわけであります。
○中村(重)委員 飯塚局長にお尋ねをいたしますが、現段階とそれから五月、六月、七月の段階とでは、中小の電気工事業者の手持ちというのは、どの程度変わっておりましょうか。数量として明らかにしてほしい。
○飯塚政府委員 電気工事業者の手持ちの在庫につきましては、私ども調査はいたしておりませんが、七月に入りまして極端になくなったということは事実でございます。ただ本年に入りまして、月ごとの数字というのは調査いたしておりませんので、手元にございません。
○中村(重)委員 そういうことでいいのですか。ただ、集会に集まってきて大きな声が立った、だからして中小の電気工事業者は品物がないのであろう、そういうような考え方であなたのほうは対策を立てているのですか。はっきりした根拠の上に立って、住宅はこれだけ建設される、しかし住宅建設に非常に欠くことのできない平形電線というものはこれだけ減ったんだ、そのことは住宅建設の大きな阻害要因になってきた、同時に、力のないところの中小工事業者が倒産の運命におちいるといったような深刻な事態が起こってきておる、だからこうしなければならないという科学的な根拠の上に立って対策をお立てになっているのではないですか。幾ら中小の電気工事者が手持ちがあるのか、幾ら不足しているのか、調査していないからわからない、そういうような態度で政策の展開が大体できるのですか、どうですか。
○飯塚政府委員 従来から電気工事業者の数は非常に多いわけでございまして、しかもそれもかなり零細な業者もおるわけでございますので、私どもも実はそこまで調べがついてないわけでございます。
○中村(重)委員 話にならないです。何と言ったらいいのか、俗に言うあきれたというのか、話にならないですよ、そういう不見識なことでは。 次に質問を進めなければなりませんが、大臣、このように基礎物資が値上がりしたり、あるいは極度に品物が減るといったようなことについてはやはり何か根本的な対策を講ずる必要があるのではないか。いわゆる計画生産、計画出荷あるいは価格の問題については、再販というものは最低価格の指示なんですけれども、何か現在の再販制度といったものの行き方、内容を少し変えて、最低価格もですけれども、値段を末端で上げないような、そういうことをもやらなければならない段階にいま来ているような感じがしてなりません。必ずしも一番おきらいになる統制経済ということにならないですね。いろんなことについて統制的なことをおやりになる、おやりにならなければどうにもならぬような今日の資本主義の状態になってきている、いわゆる危機的な状態になってきているような感じが私はいたします。その点に対して大臣は何か中曽根構想的なものをお持ちになりませんか。
○中曽根国務大臣 そういうときのために備えて先般売り惜しみ買いだめ規制の法律を通していただいたわけでございます。それ以上にわたってまた新しい法規をつくってやるということは、いままだ当面その必要はないように思っております。ただ大事なことは、やはり総需要の関係が大事だと思うのであります。総需要を起こして、それで物資がそれと均衡しないで値が上がる、そういうこともあるわけでありますから、総需要をカットするとか、あるいは来年度の計画においては物の量に応ずる金の量を考えた予算編成をやるとか、そういうような全体的なワクや数量的比例と申しますか、均衡ということがより大事ではないか、そういうように思います。
○中村(重)委員 売し惜しみ買い占め防止法、これでは問題の解決になりません。これを価格をばっとつり上げる、だからむしろいま制定されております売り惜しみ買い占め防止法、これは倫理感を失っているところの業者に対して倫理感を持たせる、モラルを持たせるという程度のもの以上を出ないですね。そういうことでは私が申し上げました問題の解決にならない。鉄鋼にいたしましても、これは売り惜しみとか、買い占め防止法の対象になっておりません。また考えていないであろう。ところが鉄鋼に不況カルテルを結ばせました。これは不況カルテルを認めなければならない状態だというふうに判断をされて、通産省も公正取引委員会もこれを認めた。ところが、そのときに今日の鉄鋼の価格の暴騰を予想したでしょうか。おそらく予想されなかったであろうと思います。このことはあまりにも業者まかせ、政治というもの、行政というものが働いていないというところにあるような感じがいたします。そういうことが資本主義の危機の状態に今日なってきていると私は思う。だからして業者の利益を擁護するという観点によって施策の展開をしていくということではなくて、ほんとうに需要者の、国民の利益を守っていくという観点の上に立って、計画生産であるとか計画出荷であるとか、それらの施策を講ずる必要がある、もうその段階であるというように私は感じます。これを統制経済であるといったような形で片づけられるべきものではないのだというような感じがいたします。もう一度大臣の見解を伺ってみたいと思います。
○中曽根国務大臣 戦争とか天災地変とかという非常にドラスチックなものがあるという場合には、ある程度国家権力を発動して市場機能をほかの力によって代替させる、そういうことも考えられますけれども、まだ今日の事態ではそういうドラスチックな事態ではないのであって、できるだけ市場機能を活用する、そしていまのような当面の状態を臨時暫定的な状態として推移せしめるという考えに立って経済を運営することが、長い目で見て国民経済的により有利である、われわれはそういうふうな考えに立っておりますものですから、売り惜しみ買いだめ規制法というものを背景にしつついま政治、行政をやっている段階である。いまのところ、それ以上まで進む段階ではない。戦争とか地変とか、そういうようなドラスチックなものによって長期的にそういうことが起こり得る可能性はいまのところはないと思っております。
○中村(重)委員 私は現実に起こってきている鉄鋼の例をとりましたが、そういうことに目をおおって、そして売り惜しみとか買い占め防止法というようなことによって問題の解決がはかられるのだというような考え方は、必ずや遠からず現実がそれを証明するであろうというように申し上げざるを得ません。また、これは根本的な問題でありますから、ひとつあらためて大臣と十分議論をしてみたいと思います。 次に、大臣をはじめ局長から緊急対策といったようなことについていろいろお考え方が示されたわけでございますが、私はそれらの点について、問題は解決できないのではないか、まだいろんな対策があるのではないかというので若干あげてみますが、これに対して、時間の関係もありますから、一つ一つでお答えをいただきません。まとめて申し上げますからお答えをいただきたいと思います。メモしておっていただきたい。 隔膜法によるところの生産を五十一年ではなくて、早める。それに対する見通しはどうなのか。 それから電線の生産を、これは平形ケーブル生産を重点的に行なうというようなことについては先ほどお答えがありましたから、これはけっこうであります。 それから屋外高圧線の被覆化、これを優先的に行なっております。そのために平形電線の生産をストップしているというような面すらあります。だから屋外の高圧線の被覆化をあと回しにして屋内用の平形電線の生産というものを重点的に行なっていくということについての考え方はどうなのか。 それから先ほどもお答えがございましたが、大手には比較的順調に品物が入っております。これは年間契約がなされているからであります。ところが、中小工事業者は零細なるがゆえに年間契約が行なわれておりません。こういうときには弱い中小工事業者に大きな痛手が出てきているわけであります。そのことが中小工事業者だけではなくて、住宅の建設その他に対して大きな影響が生じているわけでありますから、大手工事業者と中小の工事業者とのバランスをとるために何らかの対策を講ずる必要があるであろう、こういうように思いますが、その点はどうお考えになっていますか。 それから輸出をできるだけ抑制する必要がある。これについては抑制を若干しているようでありますが、これ以上の抑制が可能なのか不可能なのか。 それから二塩化エレチンの輸入を四千トンから六千トンふやして一万トン程度にしようということでありますが、これをもっとふやすことはできないのかどうかという点であります。 もう一点は、製品の輸入は因難かどうか、規格の問題もございましょうが、いわゆる電線の輸入をする必要があるというように思いますが、その点に対する見解はどうなのか。まだありますけれども、一応以上の点に対してのお答えをしていただきたいと思います。メモしていただきましたね。隔膜法については大臣から答えていただきたい。
○飯塚政府委員 それでは隔膜法以外の問題につきまして、私から御説明申し上げたいと思います。 屋外高圧線に対しては、塩ビ等が優先供給されておるけれども、これをあと回しにして屋内配線のほうに振り向けろということでございますが、先ほど申し上げましたように、第二次緊急出荷等につきましても、平形ケーブルをもっぱらつくるために供給するように塩ビメーカーに働きかけるつもりでおります。今後御指摘のような線に沿って私どもは指導してまいりたいと思います。 それから、大手、中小との関係でございますが、これはいま申しましたような屋外高圧線等は大手メーカーがつくり、平形ケーブル等は中小メーカーがつくるわけでございますので、これにつきまして、中小メーカーが主としてつくっております平形電線を中心として塩ビの確保策を私ども中小電線メーカーと一緒になって塩ビメーカーに対して強い要請をしながら、御要望の線に沿ってやっていきたいと考えておるわけでございます。 それから輸出の問題でございますが、これは現在塩ビメーカーが中国その他の東南アジア諸国を歴訪しておりまして、わがほうの国内の需給逼迫を訴えて、すでに契約しておりますものにつきましても輸出の繰り延べの要請をやっておるわけでございます。調査団がいま逐次回っておりますので、その結果はまだ判明いたしておりませんけれども、いずれにしましてもメーカーが非常に熱心に関係国に協力方を要請いたしておりますので、その結果を見まして私ども判断するよりしかたないと思いますが、ただ中国等もなかなか塩ビについては必要度が高いようでございまして、そう簡単に日本側の要請をのんでくれるかどうか、私どもは心配をいたしておりますけれども、メーカ−が一生懸命になってやっておりますので、その推移を見て判断するよりいたしかたがないかと思います。 それから二塩化エチレンの輸入でございますが、これはアメリカのダウケミカルから輸入するということで、いま商社がやっておりまして、ようやく九月から従来よりも六千トン増加した計一万トンの輸入の話し合いがついておるわけでございますが、なお商社を督励いたしまして、この輸入の増大についてさらに折衝するように私どものほうも商社に対する指導をやっていくつもりでおります。 それから、電線の輸入は困難かという御質問でございますが、電線につきましては、特に平形ケーブル等に小口のものにつきましては従来から輸入の実績もございませんし、それから屋外高圧等につきましてもやはり輸送その他の経費の関係でなかなか輸入というのは経済的に採算性の面でむずかしい点があったせいもありましょうし、それから外国の輸出力というものにも限界があったようでございまして、現在は輸入はやっておりませんが、この点につきましても関係業界と相談いたしまして、可能なものは輸入をするということで指導していきたいと思いますけれども、見通しといたしましてはかなりむずかしいのではないか、かように考えるわけでございます。
○中曽根国務大臣 隔膜法に対する転換の問題でございますが、当面はクローズドシステムを早く完了させる、それから隔膜法に対して転換を促進する、そういう二段がまえでいっておるわけでございます。隔膜法の転換は五十年をめどとして極力パーセンテージを大きくしていこうということでございますが、これは工業所有権、技術の問題がございまして、そういう点でなかなか困難も伴います。しかし、いまや至上命令にもなってきておりますから、金はかかりますけれども、業界を督励いたしまして、隔膜法に対する転換を全工場にわたりまして促進するつもりでおります。
○中村(重)委員 この屋外の高圧線の被覆化の問題、それから大手工事業者とは年間契約がなされてきているということは、九つの電力会社との関連が出てまいります。したがって、電線メーカーだけに要請をするということでは問題の解決にならない。そうした電力会社との話し合いというものをどこまで進めてきているのか、話し合いを進めていなければいないでけっこうでありますから、真実をお話しいただきたいと思うのです。 また、屋外高圧線の被覆化がおくれることが災害防止の点についてどの程度の影響があるのか。問題は屋内線との比重の問題もあるわけでありますから、私が申し上げましたように屋外線の被覆化、それらの関係から、あるいは大手工事業者との約束事というようなことで、この平形電線というものの生産がストップされている向きもあるわけなんです。あと回しにされている。それほどの問題なんでありますから、簡単にそういうことで要請をしていきたいというようなことでは問題の解決にならないのではないか。ですから、問題が重要であれば重要であるように真相を語っていただく、そうしてそれの克服策についてこういう方法でやるのだ、問題点はこういうところにあるのですけれども、これは克服することは可能であるなら可能であるという確信のあるお答えをしていただきたいと思う。
○飯塚政府委員 九電力その他電電公社等の屋外の高圧線問題でございますが、これは私ども九電力とか電電公社とはまだ話をいたしておりません。しかし、御指摘の点は私は非常にもっともだと考えますので、今後資源エネルギー庁とも相談をいたしまして、電力関係につきまして、九電力関係使用の電線の削減等が可能であるかどうかを至急詰めてみたいと思います。
○中村(重)委員 大臣、お聞きのとおり打つ手が非常におくれているのです。問題はたくさんあります。ですから、質問によって安易にお答えがあるのですけれども、実態はなかなかむずかしい問題があるわけです。そういう事情を大臣も十分ひとつ事務当局からお聞きになりまして、この投機防止法を適用することも、緊急対策をいろいろなことを聞いて考えたいと言われるのですが、実態は、いまお聞きのとおりいろいろ問題があるのにかかわらず、それが放置されているというか、手が届いていないという実態があるわけでありますから、十分ひとつそれらの点を事情を聞く、督励をする、また大臣みずから解決しなければならない点はみずから乗り出していくというようなことをやっていただきたいということを要請しておきたいと思います。 外山長官にお尋ねいたしますが、大手業者は年間契約がなされてきている。ところが、中小工事業者というものは年間契約が行なわれていない。これからは、中小企業の生きる道は近代化であり集約化の方向ということでありますから、やはり中小企業工事業者等も督励をして、受注にいたしましてもあるいは仕入れにいたしましても、この場合は年間契約等を協同組合によってやはりやっていくというようなことを指導なさらなければ、こういう場合にぶつかったときに手も足も出ないという状態になります。それらの点に対しては今後どのような指導方針をもってお臨みになるのか。 それから中小工事店の価格リスクという問題これは先ほど申し上げましたように八倍も九倍もに価格が値上がりをしております。ですけれども、零細な中小の工事店というのはどうすることもできない。地方公共団体等の工事の場合におきましては、その価格リスクというものをスライド制において何とか解決をするということにでもしなければならないし、実際上電線が入らないわけでありますから、したがって工期の繰り延べといったようなことで、これは地方公共団体に対するところの指導、連携、あるいは建設業界等に対するところの連絡といったようなこと等によって、この問題の弱い中小工事店の急場を何とか救っていくというような点が必要であろう。しかしなかなかむずかしいような点もあろうと思いますから、中小企業庁と自治省、建設省からそれぞれお答えをいただきたいと思います。
○外山政府委員 最初の御質問のほうでございますが、電気工事業者は大体協同組合の締結はしていると思います。 協同組合と申しますのは相互扶助のために組織するわけでございますし、その典型的な行動が資材の共同購入というところにあることは従来から言い古されたことでございます。やはり結成するときにはそういうことも一つのねらいとしてやっているはずでございますけれども、物の需給についての問題があまりないときにはとかくそういうものがゆるみがちでございまして、実際に困ったときに、その共同仕入れ等のやり方がかえって大事なときに働かないというふうな例が多いように聞いております。今後もやはり中小の業者が共同仕入れをするというふうなことは非常に大事なことでございます。競争の単位としてもそういった指導が本質的に大事でございます。 私どもとしましても、今回のこういうことを機会に、そういった点の指導につきましては引き続きやってまいりたい。今回の資材の問題につきましても、協同組合中央会に対して指示をいたしまして、いろいろな問題点も洗いたいと思いますし、それから状況も逐次つかんでまいりたい、こういうふうなことを考えておる次第でございます。 それから第二点の、実際に弱いものの立場から見て、工事についての工期の繰り延べ等について考えたらどうだ、こういう御指摘でございます。実はその点についてどのような事情になっているのか、まだ具体的につかんでおりません。これは省内におきましても、電気関係の担当部局があるわけでございますから、そういうところとも相談し、なお関係の自治省あるいは建設省等にも協力を要請するという必要があれば、私どもとしましても今後の状況をよく見まして、よく御相談を申し上げたい、こういうふうに考える次第でございます。
○森田政府委員 お答えいたします。 今回の資材の入手難によりまして工期内に請負工事を完成することができない場合、それらの場合におきましては工期の延長等の措置をとるということを近日中に次官通達で出すつもりでおります。
○石原説明員 地方公共団体におきましてはそれぞれの立場で工事契約等を締結しておるわけでありますが、全体の問題として、国の公共事業等の方式に準じまして地方公共団体におきましても工事の繰り延べ等について協力するように、近く関係省とも相談いたしまして指導の通達等を出した いと考えております。
○中村(重)委員 価格リスクの問題は何とかしなければならないのですよ。七倍も八倍もに電線が上がっているわけです。だから、スライドをしてやらなければ工事業者はまいってしまいますね。倒産の状態におちいりますよ。だから建設省としても自治省としても、地方公共団体に対し、あるいは関係業者に対して十分指導をしてもらう、中小企業庁はこれを要請をしていくということ、工事の繰り延べの問題しかりであります。セメントの場合もいろいろな手当てをなさったわけですね。一つも変わりません。だからその点は積極的にやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それから中小企業庁長官に見解を伺いますが、こういう状態であればあるほど無担保、無保証の特利融資をする必要がある。あなたのほうでいま通牒をお出しになっているのは、電線不足によって業者が困っているようであるから、まあできるだけワクについて考えなさいという通牒を出しているのにすぎません。そういうことで間に合う状態ではありません。ですからこれは大臣にお答えをいただきたいわけでありますが、公害によって漁民に対して、あるいは関連業者に対して特別のワクをつくって、御承知のとおりに漁民に対しましては二百五十億、関連業者に対しては二百億、これもずっとふやすということになって特別立法さえいま与野党間に話し合いがなされておるという状態であります。この直接的な公害による漁民の場合と若干違いますが、電気工事業者の場合は、魚屋さんその他関連業者の場合と同じだ。だから、どうしてもこの無利子ができなければ利子補給をやって、公害の場合の関連業者には三%の特利で融資をしておるわけでありますから、それと同じような扱いをしていく必要があるというように思います。その点に対しては、大臣、御見解はいかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 いまのような問題については、利子の率云々という問題よりも、金融の量の問題がやはり大事ではないか。それで、いまの利子に関係するような部分については、これは予算単価を引き上げるとか、あるいは工期を延長するとか、そういうことによって処理すべきではないか。そういう方面に、建設省その他に対して、中小企業庁を通じて努力をさせたいと思います。
○中村(重)委員 それも必要ですよ。しかし、特利の融資ということも考えてやらなければならぬ。御承知のとおり、中小企業の近代化のために事業団融資なんかもたいへん安い金利で融資をするとか、八割無利子であるとか、あるいはその他経営改善資金といたしましては無担保、無保証の融資もするとか、いろいろな施策を通常の場合講じようとしておる。私はこれはいいことだと思う。こういう異常な状態の中においては、大臣お答えになりましたような点も大切でありますが、同時に、特利融資というようなことも欠かすことのできない問題点であると思いますから、そういう特利融資なんというものは必要がないという考え方ではなくて、これはやらなければならない、問題があれば克服するというようなことでやってもらいたいということを強く要請しておきたいと思います。 それから飯塚局長、先ほど電線の製品の輸入の問題について、輸送であるとか経費の関係についていまのところは考えていない、しかしながら関係業者と話し合いをするということでありましたが、実は役所の手続というようなものがひっかかってくるわけですよ。たいへん時間がかかるのです。それから規格の問題ですね。そういうようなことで従来なかなかこれは認めてこなかった。規格としてどうしても保安上問題があるのかどうかという点。それから、輸送の日時の問題よりも役所の手続の問題で、ああでもないこうでもないというような形で相当長期間を要するというようなことになってくるわけです。こういう異常な状態の場合は、これはいいんだ、いけるんだということになったならば、そういう手続的なものはきわめて簡素化して、そしてその緊急対策としてこれを考えていくという方向で関係業者とも話し合いをしてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 時間が参りましたから、山形さんに一点だけお尋ねをしておきますが、屋外の電線の保安責任の問題であります。昭和三十九年電気事業法を改正をいたしました際に、屋外線については九つの電気会社からこの屋外線に対する保安責任を解除したわけです。このことは電気事業者はたいへんな利益を得たわけであります。ところが、それにかわる保安責任といたしまして、いわゆる自主保安体制の確立、そういうことで、いま保安協会ができております。ところが、現実にはどういうことが行なわれてきているのかといいますと、やはり送電をすることについては電気事業者がこの検査をしなければならなくなっております。それから、二年に一回、保安協会が調査をする、これは検査ということになってまいりますが、その検査の実態がどう行なわれておるのかということについては、私は後日、時間をかけて十分これらの点について議論をしてみたいというように思っております。ところが、電気工事業者というのは、電気工事をしたがゆえに、永久責任から免れないわけです。責任は追及されるけれども、電気工事業者は、その電気の古い、たいへんもう長くなった、地震があったりあるいはいろいろなことで老朽化し、あるいは問題が出てきているというようなことになりましても、電気工事業者は責任を追及されるだけで、みずからこれを検査をすることができません。責任のみが追及されるということになっている。火災等が発生をいたしました場合は、永久責任追及という形において、ある場合は電気工事業者はその責任を負わなければならないということにすらなるわけであります。したがって、私は、根本的解決は、昭和三十九年電気事業法改正の際に、屋外の保安責任を九つの電気事業者から解除いたしましたが、またもとの状態に戻して保安責任を持たせることにしなければならぬと思う。その検査をずさんに行なっておりましても、保安協会も同じでありますが、自主保安体制の確立とはいうけれども、検査はするけれども、その検査の結果において責任を問われないということであります。こんなばかげたことがあってはならないと私は思う。そして、その責任を追及される者は、みずから検査することのできない零細な電気工事業者のみが責任を追及されておるというこの矛盾、これを解決しなければならないと考えます。どういう方法で解決をするのか、私は私案を持っておりますが、その私案については、きょうは時間がございませんから触れません。同僚諸君の質問の時間がありますから、問題提起をいたしておきます。ですから、きょうは答弁を求めません。十分検討していただきまして、後日、時間をかけて議論をいたしますから、その際に明確に直ちにお答えがいただけるようにひとつ用意をしておいていただきたい。そのことを申し上げておきます。 以上をもちまして私の質問を終わります。
○浦野委員長 野間友一君。
○野間委員 では最初に、大臣がもう渉外事務のために出られるということで、一点だけお聞きをして退席を願いたいと思いますが、最初にお聞きしたいのは、出光の徳山工場の事故についていろいろと資料を拝見したわけですが、この事故に関して通産省あるいは山口県、これらが責任あるのかないのか、あるとすればどの点に責任があるのか、このあたりを少しお答えいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 もう少しあのときの情勢を検察庁の調書等を見て調べてみませんと、相当因果関係がどういうふうに及んでいるかわからないので、私から責任ある的確な答えはできませんが、第一義的にはもちろん会社の責任であります。しかし、それを監督しているのは、いろいろの法律、規則等によりまして通産省でもあります。そういう意味におきましては、監督者としての責任は県にもあるいは通産省にもあるのではないかと思います。
○野間委員 具体的にたとえば法律とかあるいは規則、省令、そういうものから考えて、どの点に責任があるというふうにお考えですか。あるいはいまの時点でまだそこまで検討が進んでいないとすれば、これは早急に検討した上で当委員会に対して報告書を出していただけるかどうか、お答え願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 大体事態については、ここでもうすでに公害保安局長等から説明申し上げておりますので、この全貌は明らかであるだろうと思います。また、あの事故の原因につきましても、バルブの誤操作云々という調査委員会の報告も出まして大体明らかになっておるところであります。しかし何ぴとがどういうふうに直接責任を負うかというような点は、これは警察庁あるいは検察庁方面のことで、われわれとしてはその辺までまだ的確には見きわめておらないわけであります。 そこで、通産省はどういう責任があるかという御質問でございますが、一般的な監督者としての責任はあると思いますけれども、だからといって、どの公務員を首にしろとかあるいは左遷しろとか、そういうような点まで及ぶかどうか、これはよく検討してみないとわからない点であろうと思います。
○野間委員 それでは後日、いずれにしても、この県なりあるいは通産省の責任の所在について明らかにして、当委員会へ出していただけませんか。
○中曽根国務大臣 御質問の意味がよくわからないのですけれども、最終的な結果がわかりましたら、ここで私が口頭で野間委員に答弁の形を通じて申し上げたいと思います。
○野間委員 これはいまからずっとこまかい点についてここで私は追及したいと思うのですが、時間の関係がありますから、きょうは御退席願って、あと事務当局の担当者にいろいろ聞きたいと思います。 まず、この調査委員会の報告書を拝見したわけですが、これによりますと、本件爆発事故について幾つかのミスが指摘されております。 一つは作業員の誤操作のミス、これはこの報告書にもありますが、分解炉のデコーキングのためプラント用空気管の六インチバルブを開いて二インチバルブを閉じる作業をしなければならない。にもかかわらず、この計装用空気管の四インチバルブを閉止した。これによって全系統が緊急操業停止したというミス。それから、この誤操作に気がついて、計装用空気管バルブを開いた。誤操作のミスとしてはこの二点が指摘されております。 それから二つ目のミスとしては、八分後に計器が正常に復したので、正常操業への準備として整定作業に入った、このミス。それから、水素バルブの閉止が不完全であったということ。それから四つ目は、反応器の温度が上昇した。これに気づいて相談した結果、エチレンの供給を開始した。私、この調査報告書を見まして、この四点にわたってミスがあるやに思うのですけれども、こういう私の認識は正しいのかどうか、御答弁願いたいと思います。
○林(信太郎)政府委員 お答え申し上げます。 調査委員会のレポートを要約いたしますと、ただいま先生が御指摘になられたような点でございますが、第一番目はそのとおりでございます。第二番目、整定作業はミスという形にはなっておりません。判断が甘かったのではなかろうかというような形になっております。三番目は水素バルブの締め方が甘かったのではなかろうかということ、これは御指摘のとおりです。それからエチレン供給開始、これは温度なり圧力なりをもっとよく調べてやるべきでなかったか、判断上に落ち度があったのではなかろうか、この三点になっております。
○野間委員 最初に、バルブの開閉のミスについてお聞きするわけですが、これは報告書にも指摘されておりますが、バルブの位置ですね。いわゆるコンピューター用のバルブ、それから六インチバルブですね、デコーキング用のパルプ、これが非常に近接したところにあり、しかも四インチバルブについては、何らそれらの標識なりロックがなかった。ところが、一方二インチバルブについてはこの図面からいいますとかなり離れておりますが、本文では約百メートルという記載があります。いずれにしても百メートル以上離れておる。こういうような装置あるいは構造、こういうところもこれは装置、構造上の誤りじゃないかというふうに考えますが、この点についてどうなのかと いうことです。 それから当時のこの操作をしました労働者、これは岩本という労働者だと思いますが、彼は通常このような操作になれておったのかどうか、習熟しておったのかどうか、どのくらいの経験があったのか、お答え願いたいと思うのです。
○林(信太郎)政府委員 第一点のバルブの位置、特に計器用の空気を送ります操作をしますバルブの位置の点につきまして、御指摘のように通常はハンドルをはずすとかロックしておくとかいうふうな形で、通常の工場の場合には行なわれております。ただ、責任の所在というふうな観点で申し上げますと、技術基準が省令できまっておりまして、その技術基準を受けまして知事が申請をし、製造施設の認可をすることになっております。したがいまして、認可を受けておりますので、この一点につきましては構造上のあやまちということにならないかと思っております。 第二点の誤操作をいたしました岩本さんでございますけれども、これは一回、三カ月前に操作をしたことがあるという、それだけの経験でございます。
○野間委員 そうしますと、このバルブの位置あるいはロックのないこういう装置については、いま構造上の誤りがあるという答弁がありましたが、これはどういう法律あるいは法令に関係してくるのか、もしある法令に抵触あるいは関連するとすれば、これはやはり県あるいは通産省に大きな責任があると思いますが、この点についていかがですか。
○林(信太郎)政府委員 私の説明が不十分でございまして恐縮でございますが、バルブの位置の点につきましては構造上の誤りはございません。通常一般的にはもっと見やすいような表示をする、色分けをするとか、あるいは大きな木の札をかけるとか、こういうふうな形でより入念な扱いをしておりますが、省令によりますと施設の位置、構造というふうな形で規定されておりまして、それを受けまして県が申請をし、製造の開始あるいは施設の認可を受けるわけでございます。したがいまして、この点につきましては県あるいは通産省に責任はございません。 特にバルブの点でございますが、六インチバルブと全く同一のバルブではございませんで、片一方がまるいバルブで、片一方は切り込みのあるバルブになっております。したがって、昼間であれば目視状態ではっきり識別できるようになっております。操作が夜間でございまして、それも若干注意すれば通常の注意力であればよくわかり得るのではなかろうか。したがいまして、その辺は程度の差ではなかろうかと考えております。いずれにいたしましても、県の認可あるいは省令に照らしてみますと、省令に定めております技術基準に適合しておるというふうに私どもは判断しております。
○野間委員 この点についての技術基準、こういうのは具体的にどこにあるわけですか。たとえばバルブのこういう標識とかロック、そういうことに関連した基準はどこにあるのですか。
○林(信太郎)政府委員 高圧ガス取締法に基づきます技術基準としてきめておりますのは、バルブの切り込み、あるいはロックしろだとか、そういう点まではきめておりません。危害が起こらないようにすることというふうな形で、もちろん施設につきましては、圧力をどうしろだとか、気密をどうしろだとか、いろいろなことが省令に書いてございますけれども、その最後のところに一項、その他危害防止に必要な措置を講ずること、こういう形になっております。
○野間委員 しろうとが考えても、しかも法律とかあるいは規則等々、これを別にしましても、このようなバルブの位置が、要するに通常の二インチのバルブ、これが百メートル以上離れたところにある、そして計装用のバルブとデコーキング用のパルプ、これが非常に近接したところにある、しかも何の標識も、あるいはロック等のそういう装置がない場合にはこれは誤る可能性がある。可能性というよりも、むしろ蓋然性があるのじゃないか、関連したところで作業しますから。そういう意味から考えてみて、こういうような装置なり構造、これは私は根本的に誤りであると思うのです。現にこのあとで調査委員会なりあるいは通産省のほうからこの点についても指導されておるように思いますけれども、こういうような装置が適切であったと考えるのですか、それともそうでなくて、やはり不適切であるというふうに考えるのですか。
○林(信太郎)政府委員 一般的な常識からすれば、今度の改善項目に指摘されておりますように、より安全を期する、より入念に保安について万全を期するという見地から位置を離すとか、あるいはいま御指摘めように大きな札等による標識をつけるというようなことになろうかと思っております。ただ省令によりますと、そこまでのきわめて個別、具体的なところまでは記述しておりませんので、そういう点では省令違反ということにならないかと思っております。
○野間委員 ちょっと答弁が抜けましたが、これは省令とか法令以前の問題として、こういうような装置なり構造、これは常識から考えても私は不適切だと思うのですが、これはどうなんですか、そう思いませんか。
○林(信太郎)政府委員 距離及び形につきまして、より安全を期する、より入念に措置するという観点からすれば、まず通常離すとか、あるいはいまも少し標識を分けておりますけれども、もっと明確な標識にするとかということが通例かと思われます。
○野間委員 どうもずばり質問に答えてないのですがね。それじゃ結局この点についてはどのような処置をしようとするのですか。これはこのまま放置しておくのですか。
○林(信太郎)政府委員 事故調査委員会の結論に従いますと、色分けをきちっとしろということでございます。その点は具体的に指摘されております。それから、足場が悪うございますので、足場を改善しろ、この二点が改善事項として指摘を受けております。そのとおりにやるように県を通じて企業に指示済みでございます。
○野間委員 時間がありませんのであまり深くは触れませんが、いずれにしても、事故があったあとで、このような誤操作を行なうような、こういう可能性のあるところについては改善命令が出されておるわけですね。だから、そういう点から考えて、これはあとで気がつくというのはありますが、要するに事故前に、しかも点検というのは一つの義務になっておりますが、その点検した時点において、これは全くこの点についての指導がなされていなかった。これは事故にあってから、そのような措置を命ずると申しますか、指摘があったということですが、この点について私は県なり通産省に手抜かりがあるように思うのですが、いかがですか。
○林(信太郎)政府委員 いまのバルブのそういった標識を明らかにするというのは、通常の場合の常識のような形になっております。そこまで法令では規定いたしておりません。しかし、実際問題といたしまして、御指摘のように、点検を企業自身も義務づけられておりますし、県も定期点検をやることになっております。したがいまして、いまになっての判断でございますけれども、事故防止についての意識があれば、そういう指摘を事故前にしておくべきでなかったかという反省は探くいたしております。したがいまして、この指摘を受けまして、この直後に他の全コンビナートに対しまして、こういうことについて直ちに点検あるいは必要ならば改善するように通知を出して万全を期しております。
○野間委員 そうですね。その次に、もう一つの問題は、先ほどの労働者の技量とかあるいは経験の点について、いまの話によりますと、三カ月前に一度やっただけということですね。この事故当時、このような誤操作をする現場には、その作業員、従業員としてはどういう者がおり、あるいは有資格者がおったのか、あるいはどのような処置、指示をしたのか、答弁を願いたいと思うのです。
○林(信太郎)政府委員 お答え申し上げます。 有資格者は二名おりました。このときの当番が十三名で構成されております。有資格者は直長と直長補佐でございます。岩本さんはたまたま担当でございましたが、こういう作業主任者の資格は持っておられませんでした。指示は、御案内のように六インチバルブを開いて四インチバルブを締める、こういう指示を岩本さんはもらったわけであります。
○野間委員 具体的に特に私が指摘したいのは、このような接近した場所にあるバルブですが、単に四インチ、六インチということでなくて、具体的な指示の内容として、誤操作すればたいへんなことになるわけですから、適切なそういう指示をしたのかどうか。その点はどうですか。
○林(信太郎)政府委員 具体的にどういうことばでやったか調べておりません。ただ三人一緒に行っております。岩本さんのほかにもう二人一緒に行っております。その二人の中の一名は、入社間もない、研修が終わったばかりの人が一人おられまして、その人が、岩本さんが操作しておりてこられた直後に、締められたバルブはいまのところでなくて別のところではなかろうかというふうな何か話をしたというふうなことも聞いております。この辺は、正確に私のほうが権限をもって調べる立場にないわけでございますけれども、いろいろ県、市あるいは企業等から話を聞きましたときに、そういうことを伺っております。したがいまして、通常の注意義務を持っておれば、まず事故が防ぎ得たのではなかろうかとも思っております。
○野間委員 この点に関する会社の中での作業マニュアル、こういうのがあったのか、なかったのか。あるとすれば、具体的にどういうものであったのか。それが周知徹底させるような体制にあったのかなかったのか。どうですか。
○林(信太郎)政府委員 出光の運転マニュアルは一応ございました。省令に基づきます事項について満足しておるということで県当局でも認可をしたわけでございます。ただ、事故が起きましてチェックいたしてみますと、具体的な記述になっておりませんので、その辺が一つの弱点ではなかったかと考えております。 なお、マニュアルに基づきます訓練は、法律に基づきます保安教育計画を立てまして、それに従って的確にやっております。したがいまして、先ほど岩本さんについていった見習いを終わったばかりの若い社員が、いま申し上げましたような指摘をするような状態であったわけであります。
○野間委員 そうしますと、この誤操作をした作業のマニュアルはあるわけですね。具体的にあるのですか。たとえばデコーキングする場合はどういうバルブの操作をするかというマニュアルがありますか。それを徹底させるような方法をとっておったのですか。
○林(信太郎)政府委員 デコーキングをどういう形でやるかということは運転マニュアルがございます。私は見ておりませんが、私のほうの技術の専門家は見ております。それで作業に従事します方々に対する訓練は、ただいま申し上げましたとおり実施をしてまいっております。
○野間委員 それでは、そのマニュアルを取り寄せて当委員会に出していただけますか。
○林(信太郎)政府委員 取り寄せまして提出いたします。
○野間委員 取り寄せて提出する、これは約束していただいて、ぜひそれを実現してほしいのですが、この前の住化とかあるいは住金の鹿島の事故について、このマニュアル、作業基準、保安基準、これらについて通産省は熟知しておるのかどうかという点から質問したのですが、残念ながらこれらを持っていないわけですね。持っていなくてどのような行政指導ができるのか、こういう点が問題になるわけです。これは早急に取り寄せてやりますというような答弁を得たのですが、要するに、行政指導をする前にやはり——そういう基準を知らないでどのような基準を持っておるのか、省令で定めることが義務づけられておるのはともかくとして、これは当然持つべきだし、そうでなくても、要するに行政指導で点検する場合に、これは定期検査の義務がありますから、したがって、点検する場合の基準としてこのようなマニュアルをやはり通産省は握っておかないと具体的な判断をすることはできないわけですね。だからいまお聞きしたのですが、取り寄せて、こういうことになるわけです。特にこのような石油化学コンビナートあるいはまた製鉄とか石油精製、こういうところについては事故が続発しておるわけですから、法律で義務づけられたものでなくても、それぞれの保安基準はみずから事前に取り寄せて、そしてそれを基準にして点検をする、あるいは基準そのものが適切かどうか、これをやはり行政指導で判断しなければならぬ、これは当然だと思うのですが、どうですか。
○林(信太郎)政府委員 ただいま私お答えが不十分だったのでございますが、マニュアルは私のほうに持っております。膨大なものでございますからただいま手元には持っておりませんので、後刻コピーをつくりまして、さっそくお届けいたします。なお、マニュアルあるいは事故時の処置あるいは危害防止のための諸規定、こういったようなものは法律で義務づけられておりますし、常時手元に完備し、かつ、それが実態に適合しておるかどうかという点にも常に検討を加え、よりいいものをつくっていくという方向で、私どもは今後とも執務する所存でございます。
○野間委員 いまの答弁は実態違うのですよ。 この前の金曜日の委員会で、私は住友鹿島のこの事故について、高炉の事故についていろいろ聞いたのです。このときには、基準はあるけれども、通産省は持っていない。それでどうして行政指導ができるのだ、こういうようなことから質問したのです。そういうような状態をぜひなくして事前に基準を取り寄せて、そして行政指導の基礎とする、こういう答弁を得たのです。ですからないのですよ。あなたは膨大なものを持っておるとおっしゃるけれども、これは住友にしてもないのですよ、これはいまの答弁と違うのです。出光については持っておるかどうか私はわかりませんけれども、局長もこれは認識がなかったわけですね。取り寄せて出します、こうおっしゃった。ところが、いまの答弁ではこれは変わってきたわけですね。局長自身がそういう認識であるわけです。実際あるかないか疑わしいと思うのです。住友がそうでしたからね。ともかくこれはぜひ出してほしいと思います。 それから次に質問を進めたいと思いますが、その後岩本さんが誤操作に気がついてもとに戻したというが、このあたりが報告書の内容ではよくわからないわけですが、これによりますと、四インチバルブを誤操作によって閉じた、こういうような表現があるわけですけれども、六インチを開いて二インチを閉じる、これが通常の作業になるわけですが、ところが誤操作によって四インチを閉じたわけですね。そして誤操作に気がついて、この四インチを開いた、こういう表現の記載があるわけです。ところが、二インチバルブの操作については書いてないわけですね。ですから通常六インチを開いて二インチを閉じる、こういう作業をするようですが、これは誤った操作をした。この誤りの内容ですけれども、これを四インチを開いて二インチを閉じておったのかどうか、この点明らかでありません。この点どうなんですか。
○林(信太郎)政府委員 二インチはもとからあいており、六インチをあけて二インチを締めるのを誤って四インチのバルブを締めた、こういうことになっております。
○野間委員 そういう記載はこれにないわけですね。そこで問題になるのは、こういう誤操作によってすべての計器が停止した。そのあと八分後ですが、計器が正常に戻った。これは誤りに気がついて四Bをあけたわけですね。したがって、そのために正常に復したわけですが、約八分間計器が異常を示したわけですね。ところが、その後の措置として、先ほど指摘しましたように正常操業への準備としての整定作業に入った。この場合の整定作業、これがはたして正しいのかどうか、私はそうじゃないと思うのです。この場合には、たとえ八分間であってもすべての計器が不正常な作動をしたわけですから、すべての装置をとめてそして点検する、こういう作業をしなければならないのに、整定作業というのはここにも書いてありますように、正常操業への準備としての整定作業ですね。したがって作動をさせながら点検する、こういうような操作しかしていないわけです。ここに本件事故の一番大きな問題があると思うのです。どうですか。
○林(信太郎)政府委員 八分間たっておりますので、その間に当然いろんな異常反応が起きるかもしれないということは想定したようでございますが、そういう異常がもしあれば、この計器に自動的に出るような仕組みになっております。したがいまして、そういう計器に出てくる異常を見ることによって、もし起きておれば調整しよう、そういうことで整定作業に入ったようでございます。
○野間委員 いやそれはわかっておるのですよ。わかっておるけれども、この場合の措置としてこれが適切であったかどうかということを聞いておるのです。
○林(信太郎)政府委員 適切であったと考えております。
○野間委員 適切ですか。これはこういう八分間の計器の異常があったわけですから、たとえ正常に戻っても、これはどこかに何かの欠陥があったと考えるのが普通だと思うのです。しかし、その場合にはすべての作動を停止して、そしてどういう作業になるかわかりませんが、これは総点検すべきである、時間をかけてやはり点検すべきである、これが適切な措置だと思うのです。これは違いますか。あなたは、これは適切な措置だったとおっしゃるけれども、それでいいのですか。
○林(信太郎)政府委員 この点は事故委員会でもずいぶん検討されましたところでございまして、適切ということばの意味からいいまして、いろんな判断ができようかと思いますけれども、そういう問題を別にいたしまして、事故委員会で指摘されました点は、そういう場合には、やはり入念に、よりその万全を期するという見地から、いま先生が御指摘になられましたように、高温あるいは高圧になるような部分は少なくとも含めまして、点検をして、それから再開に入るというふうな方法に改めるべきだという意見をいただいております。
○野間委員 ですから、このときの措置のしかたが誤っておったと思うのです。こういう場合の措置のしかたについての、マニュアルはあるのですか、あるとすればどういうふうになっているのですか。
○林(信太郎)政府委員 シャットダウンいたしましたあと、その間、当然異常反応が起こり得る可能性があるわけでございますので、再開にあたりましては、当然いろいろな検討をすべきでございます。特に、事故が起きましたアセチレン水添塔は、マニュアルで明らかに危険な作業であるということ、危害防止あるいは製造方法等、各種のマニュアルに指摘されております。したがいまして、扱い方についてもかなり記述されております。ただし、その記述の程度が、もっとすぐれた、より具体的なマニュアル、これは勧告の中でいろいろな形で具体的に指摘を受けております。そういう観点から比べますと、いまになっての話でございますが、具体性に乏しい、あるいは順序が、点検の順序等においても、そういうものと比べると十分でなかった、こういう形になっております。
○野間委員 私がなぜこういうこまかいことを聞くかといいますと、これは先ほどもちょっと申し上げたように、コンビナートの事故、これはあとでも若干、時間があれば触れたいと思いますけれども、非常に多いわけですね。これは新しいコンビナートの安全性の問題から、この種の点検について、私は全部根本的に洗い直す必要がある、そういう観点から申し上げておるわけです。いま、お話によりましても、この種事態における作業の方法としてのマニュアルが十分でなかったというお話がありましたけれども、そうであるとすれば、これをやはり規則なり、あるいは規則に基づく危害の防止規程、そういうものに当然入れて、それを作業員に周知徹底さすべきだ、こういうふうに私は思うからであります。 次に、ちょっと私わかりませんのは、報告書の二一ページの(四)のところですけれども、これは「水添塔へのエチレンおよび水素の供給が始まったが、脱エタン塔が緊急停止により圧力降下しており、メタンスプリッターの圧力が上昇していたため、水添塔前後の圧力差がなくなり、」云々、こういう記述がありますが、これはそれぞれ、たとえばメタンスプリッターの圧力がなぜ上昇したのか、解明されておるのですかどうですか、具体的な理由、内容についてはともかくとして。
○林(信太郎)政府委員 お答え申し上げます。 六ページに図がございます。恐縮でございますが、左のほうに脱エタン塔、それから次に第二アセチレン水添塔、それからその右にメタンスプリッター、プロセスは左から右に流れております。それで全部遮断いたしましたので、メタンスプリッターその次のエチレン塔がございますが、その間も遮断したわけでございます。したがいまして、このメタンスプリッターの中の圧力が上がりました。それから手前の脱エタン塔の圧力が下がる、そのために自動調整に戻したのですけれども、第二アセチレン水添塔にエチレン原料が入るということでございます。それが停滞した、こういうことでございます。
○野間委員 それは書いてあるのですよ。知っておるのです。知っておるのですけれども、メタンスプリッター、この圧力が上昇した理由はわかっておるのかということです。
○林(信太郎)政府委員 事故委員会におきまして究明されております。
○野間委員 それから、どうも時間をとってしようがないのですが「水素バルブの閉止が不完全であった」とありますが、これも完全にとまったかどうかです。この装置そのものに欠陥があったのか、あるいは装置でなくて、これは手動でやったというように聞いておるのですが、作業そのものにミスがあったのか、もしミスがあったとしたら、完全にとまっておるかどうかということを確認するそういう装置がなかったということになると思うのですが、この点はどうですか。
○林(信太郎)政府委員 お答え申し上げます。 この水素バルブは油圧バルブになっておりまして、油圧バルブは機械式あるいは電気式と違いまして、完全に締まるというかっこうでなくて、常に遊びがあるようでございます。したがいまして 「不完全であった」という記述でございますが、事故委員会では完ぺきにとまるということにはならないものだ、したがいまして、構造上の欠陥ではなくて作業上のミスというふうに事故委員会の結論はなっております。 それから第二点、水素の状況は自動的に記録されるようになっております。これは記録計に出ております。
○野間委員 あとで記録が検証できるかどうかじゃなくて、不完全である状態、バルブを手動でとめて、そのとめたときにこれは完全にとまったかどうかを検知する、そういう装置があったのかなかったのか、こういうことなんです。
○林(信太郎)政府委員 第二アセチレン塔の反応の過程におきます水素の量を自動的に記録する装置はございます。ただ、自動的に水素の量を調整する装置はございませんので、今度の改善事項に入っております。 なお、第二アセチレン塔の中におきます反応は、原料ガスの中に含まれておりますアセチレンの量と、それからそれをエチレンに反応させるために必要な水素の量、この流入量が、自動調整で、片一方が減ればこちらも減るというふうな調整になっております。 なお、第二アセチレン塔の中におきまして水素が多くなりますと、当然異常反応、さらに暴走反応ということになりまして、温度及び圧力が上がるので、それはアラーム及び自動記録という形で知悉するような形になっております。
○野間委員 ちょっと議論がかみ合わないので、恐縮なんですが、私が聞いておるのは、完全にとめたつもりが作動のミスで不完全であったということですが、そうであれば、完全にとまったのかどうか、それを検知する、確認する計器がその場にあったのかどうかということを聞いているのです。
○林(信太郎)政府委員 完全にとまったかどうか、記録する装置はございました。
○野間委員 そうしますと、これは計器の見落としということになるわけですか。
○林(信太郎)政府委員 計器に二種類ございまして、自動的に記録はしておりますが、こちらが要求してその記録を見ませんとわからないのと、それを見なくてもベルが鳴って認知できるのと二つございます。この場合には記録は出ておりますが、アラームはついてない、こういう状況であります。
○野間委員 そうしますと、積極的意識的に記録を見るならともかくとして、そうでなくて作業をした、その作業の効果がどういう影響、結果をもたらしておるかということをその目の前で、具体的に言いますと、水素の流入が完全にとまったか、あるいは流入しておるということを一目で見る、そういう装置がなかったわけですね。なかったとすれば、これは当然つけるべきだと私は思うのです。
○林(信太郎)政府委員 この点は事故委員会でも議論になったところでございますが、委員会の意見としましては、当然その記録をとって見るべきであるというような意見でございます。
○野間委員 そうすると、私の言い分ではなくて、その記録はあるんだから、意識的積極的に記録をとって調べてこい、それでいいんだ、こういうことですか。五官で、目で、その場で見て感知するような装置ではなくて……。
○林(信太郎)政府委員 この水素の存在量につきましては、事故委員会ではそういう形に、私が申し上げましたようなことになっております。ただし、水素の量が多くなりますと温度、圧力が当然上がってまいります。温度、圧力につきまして所要の幾つかの改善事項が出されております。
○野間委員 どうも時間がたつばかりですが、この二三ページですね。冒頭に指摘した反応器の温度上昇に気づいて、相談の結果エチレンの供給を開始した、この記述があるのですが、これはミスであるということは明らかであるわけです。こういうような場合の措置としエチレンの供給を、これはいけないことなんですが、現にやっておる。これらについての基準ですね、マニュアル、こういうものはあったのか、なかったのか。あったとすれば、どういうようになっておったのか。
○林(信太郎)政府委員 お答え申します。 この点につきましてはマニュアルにやはり具体的な記述がございまして、第二アセチレン水添塔の温度が上がりまして、上がった場合に、これを下げる必要上新しいエチレンガス、大体六十度くらいだそうでございますが、それを入れるというマニュアルになっております。
○野間委員 そうしますと、この場合の措置としてはどうなんですか。それでよかったのですか。
○林(信太郎)政府委員 事故委員会では、この場合の措置としては、エチレンを入れたこと自身については一つの方法であるということでございます。ただし、エチレン水添塔の上部はそういうことでございますが、内部の特に中心部の温度が移動しておりますけれども、非常に高くなっておる。それが自動的に検知され、記録はされておるのですけれども、アラームがついてなかった、そういうこともございまして、内部の温度なり圧力なりを作業員が見て、それでエチレンを入れて温度を下げるかどうかの判断をすべきであった、その点については、今後改善すべきだという事故委員会の結論になっております。
○野間委員 では時間の関係でもう省略いたしますが、この高圧ガス取締法にはずいぶん省令の定めがございますね。これを受けていろいろありますが、本件工場に適用される省令としては冷凍保安規則、これになるわけですか、一般高圧ガス保安規則になるわけですか。
○林(信太郎)政府委員 一般高圧ガス保安規則の適用ということになっております。
○野間委員 私は、かなり時間をかけてこの規則の内容をずっと調べてみたのですが、非常に大ざっぱで、あまり具体的な危険、危害防止の用をなさない、こう思うのです。したがって、具体的に私はいま問題提起をしませんけれども、この規則を早急に洗い直してこれを改正する必要がある、こういうふうに思うのです。特にコンビナートの事故というのは新しい一これは御承知のとおり、コンビナートの規則については、いろいろな法規あるいは官庁が違うわけですね。たとえば高圧ガス取り締まりに関しては通産省、あるいはそのほかには消防法とか、公害基本法とか、あるいは建築基準法、いろいろと法があり、それぞれの立法趣旨からそれぞれの規制があるけれども、この種のコンビナートそのものを総合的に一体的にとらえてどう規制していくかということについての規制がないと思うのです。それは将来の問題だと思いますけれども、この規則の内容が非常に大ざっぱで荒くて、このような近代的な、しかも、一発爆発を起こしますとたいへんな災害になる。にもかかわらず、これらを規制する規則がない。私はこれが一番大きな問題だと思うのです。この点についてどうお考えになっておるのか。この一般高圧ガス保安規則を中心に高圧ガス取締法の内容である通産省令、それを総点検して洗い直して、そして近代的なコンビナートに合うような、そういう取り締まりができるような基準を設けるべきであると思いますけれども、どうですか。
○林(信太郎)政府委員 ただいま先生が御指摘のとおり、省令だけを見ますと、ああいった複雑な、しかも大きな反応が行なわれておる場合の保安の万全を期するという観点から見ますと、お感じとして一般的に過ぎる、大ざっぱであるということは、私どももそのとおりだと思っております。したがって、コンビナートがスタートいたしまして、すぐあの省令に基づきまして補足の基準を局長通達で具体的に可能な限りこまかく規定をして補足をいたしております。なお、補足をいたしておりますけれども、基本的に日本のコンビナートは外国の導入技術に依存しておりますので、施設の型式なりあるいは運転の方法等ほとんど例外なしにまちまちでございます。したがいまして、これは個別具体的に末端に至るまで一本の省令あるいは局長通達でやるということがどこまでできるか、かなり問題かと思っております。ただし、基本的にはナフサを原料にいたしましてエチレンをつくるというプロセスについては共通点を持っております。したがいまして、そういう共通点に着目いたしまして施設の基準あるいは製造方法についての基準あるいは危害防止規定についての基準をただいま御指摘のように可能な限り具体的に記述したいというふうに考えております。
○野間委員 それから検査の回数ですが、これは法の三十五条で三年以内に一回以上、こういう大ざっぱな規定しかないわけですね。しかも、これらの検査の機関は都道府県ということになっておるわけです。したがって、私はいまの時点から考えて、こんな三年以内に一回以上というようなのんびりしたことで、この安全性の面から災害が防止できるかどうか非常に疑問に思うのです。 それから私も現場に調査に行ったのですが、そのときに広島の通産局の職員も来ておりました。聞いてみますと、これは通産省は全然入っていない。県にまかせっきりだ。県に聞きますと、これはいわば企業の自主的な検査にまかせっきりになっておるわけですね。これはまさに企業べったりと言わざるを得ないと思うのです。この点についてメスを入れて、ほんとうに安全の見地から点検、検査の回数を増加さす問題、それから検査の内容、これについてもっときびしく規制しなければならぬと思いますが、これはどうですか。
○林(信太郎)政府委員 コンビナートの危険性等から判断いたしますと、特に最近のこういった現象から判断いたしますと、いまの検査体制をもっと抜本的に検討すべきであるという御意見は私どもも同感でございまして、ただいま高圧ガス審議会におきまして、重要な検討項目の一つとして審議を願っておる段階でございます。三年に一回というのは確かに法律としてはそういう形でございますが、運用におきまして、実は自主検査という形を一つ大きく打ち出しております。それは毎年一回必ずやることになっております。点検項目といたしましては、気密あるいは安全弁、肉厚等々あるいは内部開放というようなことで相当こまかく規定した項目になっております。ただし、いまの仕組みでは保安、安全について優秀あるいは特に優秀というふうな場合には、一年一回の検査が二年に一回とか、あるいは三年に一回とかというふうになっておるわけでございますが、これもこういった審議会の答申を待ちまして改めてまいりたいと考えております。
○野間委員 事故についでもう一点。先ほどちょっと申し上げたのですが、関係各省でそれぞれの規制目的が違う、そういう側面から入っておるわけですが、このコンビナートという新しいこういう装置なり構造、こういうものを考えて、こういうものを総合的に規制する必要があるのではないか。いわばコンビナート規制法ともいうべきものですね。そういう意見があるわけですが、この点について通産省ではどういうふうに考えておるのか、ちょっとコメントしてほしいと思います。
○林(信太郎)政府委員 確かにいろいろな違った問題を多くかかえて、しかも一体として有機的に動いております。かつ周囲に対する、特に周囲住民に対する心理的なあるいは実際的な影響もあるわけでございます。したがいまして、先生が御指摘になられますような案も内部ではいろいろ私ども以前に検討したことがございますが、ただあまりにも複雑でございまして、一括してやるというようなことが現実問題としてなかなかむずかしくて、現在といたしましては、消防あるいは労働基準法あるいは高圧ガスというふうな形をとって、この間の緊密な連携をとりながら、コンビナートの防災、安全確保に万全を期していく、こういう方向をとっておる段階でございます。
○野間委員 時間がありませんので質問を次に進めたいと思いますが、塩ビの問題については、これはもう同僚諸君が何度も何度もやったわけなので、私は簡潔にお聞きしたいと思うのです。 きのうの新聞によりますと、塩ビ不足で金沢のある配管工事の社長が自殺をされ、さらにそれを追うようにして常務がまた他界された、こういう記事が出ておるようですね。塩ビの不足というのは非常に深刻になっておる。これは私は多言を要するまでもないことです。しかも、この塩ビの不足についていろいろ検討してみますと、これはやはり昨年の一月から九月までの不況カルテル、それから九月のスクラップ、これは四十万トンですか、こういうものが大きくいまの塩ビ不足にそういう結果になってあらわれておると思うのです。しかも、いろいろ統計を調べてみますと、昨年の十月ごろもうすでに塩ビに対する需要が激増しておる。そうだとすると、不況カルテルからさらに九月の設備スクラップ、これをしたあとに需要が伸びておるという点からして、当然この需給関係についての見通しについて再検討というか、もう一度洗い直して見通しを正確に立てる必要があったと思うのです。この点について私は、通産省としてこの見通しを誤っておったと考えざるを得ないと思うのですが、いかがですか。
○飯塚政府委員 塩ビの需要につきましては、本年に入りましてから建設関係を中心といたしまして急速な増加を示したことは事実でございまして、私ども需要の見通しのもとに本年度の需給計画を当初百四十二万トンということでつくったわけでございますが、確かに私どもの需要の見通しの中で、最近の建設関係を中心とします急激な伸びについては見方が甘かったということは事実でございます。
○野間委員 最近でなしに、私が言うのは、統計からして十月ごろにもうすでにその徴候が出ておるのです。これは過熱になっておるのですよ。ですから、この時期に、公害とかあれこれは別にして、当然に手当てをし、そうして見通しについて再検討するべきであったと思うのです。この点について私は、通産省はこれは誤っておる、その点についての責任があると思うのですが、もう一ぺん答弁を願いたいと思うのです。
○飯塚政府委員 需要の関係は多少見通しの甘かった点は事実でございますが、しかし、いまの塩ビ工業界の生産能力からいたしますと、まだ余力はあるというふうに考えておったわけでございます。ただ、それがごく最近におきましては、出光の事故その他光化学スモッグのための影響等々ございまして、それが需要の伸びとそれから生産の減退とがきわめて明確に背離いたしまして今日のような塩ビの不足の状態を招来したというふうに考えております。
○野間委員 私は、この塩ビ不足の一つの理由として、徳山の事故とかあるいはその他公害の問題があるということについては否定をするわけではありませんけれども、根本的には大企業の生産第一主義、こういう生産体制の中で公害をまき散らし、あるいは保安無視の生産、これもまさに生産第一主義ということによって保安、安全が無視されて、そのために災害が続発する、こういうことになっておるわけですから、根本的には公害あるいは安全の問題、こういうものをきびしく規制するということを前提にしてこの需給の見通し、こういうものを立てなければ、公害を野放しにし安全性を無視して需給関係を見通したところで、これは意味がないわけです。そういう意味においては、私は、やはりこれはアクシデントとしての徳山の事故をとらえることはできないと思うのです。これはこの前から私も再三指摘しております。ですから、この点について、実際、いまの金沢の配管工事の社長やあるいは常務の他界されたこの事故について、私はやはり通産省にも責任がある、こう思わざるを得ないと思うのです。ですから、長期の展望というか見通しの上に立ってこの需給計画を立てる場合に、こういうものを当然前提にして、その上でやはり立てるべきである。これがなければだめだ。同じような一つの事故が起こると同じようなことが出てくる、こういうように思うのです。これは基礎産業局だけの問題ではありませんけれども、やはり総合的にこの点についての手だてを十分するべきであるということを強く要望しておきたいと思うのです。具体的な、特に中小零細企業に対する手だてとして、先ほどからいろいろ質問が出ておりましたが、私も多く触れません。しかしながら、緊急時の多少の放出、これではまさに焼け石に水であるというのが業者の意見なんです。私もそのとおりだと思うのです。パイプ、電線、しかもその上に成型加工業者、これはプラスチック関係の業者ですが、いま特に奈良県の場合では五〇から七〇%の操業しかできていない。しかも、これは先行きの見通しが全く立たないという現状にあるわけなんです。だから電気、水道だけではなしに、こういうプラスチック業者、こういう人たちの暮らし、営業をどうするかということも非常に大きな問題だと思うのですが、これらを含めて、とりわけプラスチック業者に対する手だてについて通産省のいまの御見解をお伺いしたいと思うのです。
○飯塚政府委員 塩ビの不足の中で私どもが当面緊急と思いまして措置いたしましたのは、一般庶民の住宅に密接な関連がございます塩ビ電線、塩ビ管に重点を置いてやったわけでございます。御指摘のように、一般中小企業者がつくっておりますプラスチック製品の原料でありますプラスチックの需要確保も中小零細業者対策としてきわめて重要な問題だと考えておるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、プラスチック製品関係の業界は非常に多岐にわたっておりますので、これらにつきまして個別にどういう対策を立てるかというのはなかなかむずかしい問題でございますが、私どものほうといたしましては、省内におきましても関係局といろいろ相談をしておるところでございます。
○野間委員 これはずいぶん私はあるのですが、時間の関係で……。 こういう中小零細企業に対して、特にパイプ、電線が中心だと思いますが、これを中心にして緊急時のこういう措置をとられましたけれども、いま申し上げたように、たとえば電線のごときは一業者が配給割り当てを受けても、これはうまく受けるかどうかは別にしても、かりに受けたにしても二月分まかなうことすらもできないような現状であります。しかも、パイプについても同じことが言えると思うのです。これらについて継続して何度も緊急の措置をずっとやってほしい、こういう要望が強く私たちのもとにも参るわけですけれども、これらについてどうですか。
○飯塚政府委員 塩ビ電線の平形ケーブルにつきましては、第一回分として五百五十万メートルの緊急出荷をやったわけでございますが、引き続き九月に入りましてから第二段の措置としてさらにこれを上回るような緊急出荷をやるべく、現在関係業界と折衝をいたしております。 なお、塩ビ管につきましても、とりあえず千五百トンの小口径塩ビ管生産のための塩ビを出荷したわけでございますが、さらに引き続きまして関係業界と折衝いたしまして家庭関係の小口径の塩ビ管の確保のために努力をしていきたいと思っております。
○野間委員 それではあと紙の問題について若干質問をしておきたいと思うのです。この紙不足について、ものは不足するし、しかも値段が大幅に上がっておる、こういう実情をどのように通産省では把握しておるのか、ひとつ簡単に答弁願いたいと思うのです。
○橋本(利)政府委員 最近の洋紙類の需給状況を簡単に申し上げます。 景気の回復に伴いまして、特に本年の春ごろから洋紙類の需給関係が非常にタイトになってまいりました。四月の二十三日に製紙業界、洋紙業界を招致いたしまして、増産の要請と便乗価格について厳重に忠告を発しておいたわけでございますが、その結果五月、六月を通じまして洋紙類としましては大体四万四千ないし四万七千程度の増産を実現いたしまして、ことしの一−六月におきまして約四百万トンの生産を記録したわけでございます。需要がそれよりもさらに上回る四百四万七千トンという数字になりまして、さようなところから原木事情等の問題もありますが、供給力の増加については極力努力したつもりでおりますので、需要がそれをまだ上回る状況にある、遺憾ながらなお需給がタイトな状況にあるということでございます。
○野間委員 特に紙そのものは文化のバロメーターであるというふうにいわれておりますが、小零細企業者の場合、この不足と価格の暴騰、これは異常なんです。こういう実情を御存じなのかどうか、その点からまずお伺いしたいと思うのです。
○橋本(利)政府委員 価格について申し上げますと、印刷用紙の代表的品種である上質紙を例にとって申し上げますと、昨今では代理店段階で百十六円程度になっておると承知しております。昨年の八、九月ごろがキロ当たり八十八円ないし九十円、当時といたしまして最近の底値を記録したわけでございますが、その後原木事情等もありまして、昨今では百十六円、一年前に比べまして三割程度の上昇になっておると承知いたしております。
○野間委員 私ずっと調べてみたのです。たとえば和歌山で二、三調べてみたのですが、ある印刷屋さんのごときは、聞きますと、ことしに入ってから三回ばかり紙の価格を値上げしたようですね。しかも、いま注文してもなかなか思うように紙がそれだけこない。しかも、来ても注文するごとに上がっておる。同じように紙の小売り業者、これも同じ和歌山で聞いたわけですけれども、大阪の問屋からとっておるけれども、ことしに入ってから三月二十日、五月二十日、八月二十日と三度にわたって値上げした。これは昨年のいまごろから比べて五割から倍になっておる紙もある。しかも、それがなかなか注文どおりの品物がない。運送業者に聞くと、倉庫がからっぽであったというようなことを意識的に流すかどうか別として、そのために手当てができない、こういう深刻な状況にあるわけですね。東京でも、調べてみますと、たとえば上質サイズがA4、これが四百六十円が七百二十円に、同じB4が五百円から九百二十円、厚さが五十五というもののA4四百六十円が八百十円、いろいろありますが、いずれにしても、極端なものになりますと倍近い値上げをしておるのですね。しかも、これが単に一、二の問屋だけが——これは二次の卸のようですけれども、調べてみますと、大体が八月二十一日に一斉にこの程度の値上げをしておる、こういうような話を聞くのですが、これは直接聞いたのですが、こういう実態を把握しておるかどうか、この点について伺いたい。
○橋本(利)政府委員 品種によって異なりますが、本年に入りまして一ないし二回の値上げが実施されておるというふうに聞いております。先ほど申し上げました上質紙を例にとって申し上げますと、御承知のとおりメーカー、代理店、卸商という流通経路を紙がたどっておるわけでございまして、そういった観点からいたしまして、百十六円の代理店段階での価格は、卸段階では大体これに三十円程度手数料と申しますか、マージンを乗っけて需要者に渡すというような形式をとっておるわけでございまして、この点から申し上げましても一挙に五〇ないし一〇〇%も値、上げをしておる。昨年の八月に比べますと、ものによっては三〇%ないし四〇%の値上げになっておるかと思いますが、八月時点で一挙に五〇ないしは倍にもなっておるということは承知いたしておりません。ただ、御指摘のように中小の印刷業者等が対象になっておるわけでございますので、御指摘もございますので、実情を十分調査いたしまして、もしさようなケースがある場合には十分に注意を与え、価格的にも行政指導を続けてまいりたい、かように考えております。
○野間委員 そうしますと、こういう実態、これは事実なんですが、こういうのを全部調査して、その上て強い行政指導——これは便乗値上げになるかどうかわからぬけれども、あなたから言っても、異常な値上げになるわけでしょう。だから、こういうものについて調査した上できびしい行政指導をするということをもう一度確認願いたいと思うのです。と同時に、このようなほしくても紙がない、あっても高い。こういうような零細業者に対して、ちょうど塩ビのように、通産省としては何か適切な行政指導をするような用意があるのかないのか、この点についてもお答え願いたいと思うのです。
○橋本(利)政府委員 価格につきましては、実態をさらに調査いたしまして、先生御指摘のようなースにつきましては厳重に注意いたしたいと思います。 それから二番目の問題につきましては、現在板紙のあっせん相談所を開設すべく準備検討を重ねておりまして、できるだけ早い機会に発足させたいと考えております。
○野間委員 それじゃ、そのあっせん所の点についてもう少し具体的に構想を明らかにしてくれますか。たとえば場所はどこにどういうふうに置くのか、あるいはいつごろから置くのか、どういう形で、だれを対象にあっせんするのか、そのあたりを明らかにしてください。
○橋本(利)政府委員 まだ検討段階でございまして、さだかに申し上げることはむずかしい点もございますが、一応中小事業者を対象といたしたいと思います。対象の紙の種類につきましては全種類を取り上げたい。それから場所につきましては大体東京に事務所を置きまして、必要に応じて地方のほか、電話連絡等によりまして、従来の流通経路を尊重しながらありせんを実施いたしたいと考えております。
○野間委員 終わります。
○浦野委員長 次回は、来たる三十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十二分散会