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71回国会衆議院1973/06/06

商工委員会 第28号

発言数
218
登壇者
17
会派数
4
開催日
1973/06/06

会議録

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、中小小売商業振興法案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 今国会に提案されている中小企業関係法案が相当あるわけですが、きょうは中小小売商業振興法案が議題とされたわけでありますので、私は、この法案を審議する中で、当面する中小企業問題全般について、大臣並びに中小企業庁あるいは各省の見解をただしたいと思うものであります。  大臣は、この法案の趣旨説明に際しまして次のように述べておられるのであります。「最近、百貨店、大型スーパーとの競争が激しくなっており、また、流通部門に対する外国企業の進出が相次いで伝えられるなど、中小小売商業を取り巻く環境は一段ときびしさを増しております。このような情勢に対処して、」「自主的な近代化努力を促進し、その能力を効果的に発揮できるよう必要な援助を行なうことは、」「わが国経済の発展のためにもきわめて重要な課題であります。」このように趣旨説明をいたしておるわけであります。したがって、今回この法案が提案されたその核心は、いま私が申し上げたところにあるのではないかと考え、大臣に対しましては、以上の点を中心にして質問をしてみたいと思うのであります。  最初に、百貨店、大型スーパーとの競争の問題につきましては、この法案のあとで百貨店法の改正の問題が審議されますのでそのときに譲るといたしまして、私は「流通部門に対する外国企業の進出が相次いで伝えられる」云々という点について大臣の見解をお伺いしたいのであります。いわゆる小売商業に対する資本の自由化は一〇〇%自由化の線がすでに既定の方針として決定せられ、それに対応するために個人小売商業を擁護し、援助する、こういうためにこの法案が出されたというぐあいに伝えられておるのでございますが、そのように考えていいかどうか、まず冒頭お伺いしたいと思うのでございます。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 自由化の国際的な波はひしひしとして日本の周囲にも訪れておるのでございまして、商業に対する分野についても外国の要請は非常に強いのであります。しかし、小売商業となりますと日本では百九十万くらいございます。飲食店を除くと百五十万の由でございますが、ほとんど零細な資力のないものが多いのでございまして、それを簡単に自由化してしまうと非常な苦難におちいる可能性がございます。そこで、小売関係につきましては、自由化は個別審査ということにして留保しておるわけでございます。  しかし、一面において外国からの要請及び国際的な公正競争という面からの要請等から見まして、それらの要請をむげに拒否することもむずかしいという情勢でもありますから、できるだけ早期に日本の小売商業に力をつけて、そして対抗し得る素地を早く形成していこうという趣旨もこの法案の中にはあるわけでございます。  今回われわれが中小企業関係でやりました一連の政策、すなわち事業主報酬制度あるいは無担保、無保証関係のいろいろな金融政策及び大型小売店舗に対する諸般の政策と並んで、この法案もいまのような内外の情勢に対応すべく中小小売業を強化しよう、そういろ趣旨でやっておるものでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そこで大臣にお伺いいたしますが、いまは個別審査だということでございますが、これは第四次の資本自由化によってそのような取り扱いがなされておるわけでございまするけれども、話に聞くところによると、四十七年七月の日米箱根会談で一〇〇%の自由化が、一定の制限下ではあるが、その自由化についての約束がなされておる、このようにいわれておるのでございますが、それは間違いございませんか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 過般の箱根会談におきましては、アメリカに対しては一〇〇%十一店舗の支店を認めるということで妥協いたしました。それ以上の店舗の増強等につきましては、先方とまだ決定したようなものはございません。われわれとしては、これらの諸般の政策を講じながら中小小売業における体質の強化がどの程度に進んでいくかということも考えながら対米折衝等に備えたいと考えておるところでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そうすると、対米間においては十一店舗ということで一〇〇%の自由化を認めている、他の諸国についてはまだ認めていない、しかし、これについてもやがてこれを解除する、十一店舗の制限も解除する、このような答弁と受け取れるのですが、そう解釈してよろしいですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 小売商業における体質の強化の状況を見比べながら将来の対策については対米関係、外国との折衝において考慮していく、こういうことでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 日本の小売商業の現況は、大臣がその情勢を見守りながらそれに対処していく、こう表現されておりまするが、今日の日本における小売商業の現況下においてそのような時期はそう急に来ない、少なくともここ五年以内にはそのような状況は来ないと判断して差しつかえない。いかにこの振興法案が通り、財政的にあるいは税制的に、さらに指導面において充実した指導を行なったとしても、日本の置かれている現況下において、特に小規模零細企業の様相を深く有している小売商業関係においてはそのような状態は来ないと私は判断しているわけですが、大臣は、そのような状況下において、五年以内にそのような状態がくるとお考えになるかどうか。この法案の実施に基づいてそのような状況がもし来たと判断されるならば、一〇〇%自由化を行なう決意であるのかどうか。いわゆる時間の幅の問題と、いわゆる外的な圧力に対してはね返す条件、その二つで自由化に対する一定の方向がきめられてくると思うのでありますが、大臣は、そのような状況の中で早期にそれを実現せざるを得ない情勢下にあるというように考えるかどうか、その点ひとつ聞いておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 先ほど米国関係で御答弁申し上げましたものは、米国産品及びこれに準ずる商品に限る、そういうことでございまして、日本の内地で産出している品物等を自由にやっていいということではございません。念のために申し上げます。  第二に、では自由化の時期はいつごろになるのかという端的な御質問と考えますが、これはいまいつというふうに時期をきめて申し上げにくい状態でございます。何しろこういう法案、諸般の政策によりましてどの程度日本の小売商業が強化されていくか、あるいは景気の状況等もよく見比べながら徐々に進んでいくべき問題で、一挙に水門を開くというようなことはなかなかむずかしいのではないか、そういうように思います。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 きのうの藤田さんの質問に対しても、大臣はたいへん巧妙な答弁を繰り返して、とうとううまいぐあいに、私どもをもって言わしむれば逃げたような形になっておるのでありますが、事この小売商業に関係する法案については、先ほどお話ございましたように、数百万にわたる中小小売商業者並びにその関係者が注目して見守っておるわけでございまするから、適当な表現の中で逃げられるということなく、お互いにひとつ核心に触れ合った討議をしてみたいと思うわけであります。  そのことを要望しながら御質問をしてみたいと思うのですが、そこで当面する小売商業は、大型、小型にかかわらずこの自由化の問題に最大の関心を有しておるわけです。したがって、この問題に対して一定の歯どめがかけられているという状態の中で、いわゆる自助努力あるいは政府における指導等の関連の中で、中小企業の近代化、小売商業の近代化というものの促進がはかられる、いわゆる安定した状況を保障し得ないで、ただそこの努力をしなさいということだけでは、今日のような経済情勢の中では、法律を制定してもなかなかその目的が達せられない、こう私は考えるわけです。したがって、私をして言わしむれば、対米国との交渉の中において、特に小売商業部門の中における自由化の促進についての要請に対して、少なくとも通産大臣はこれに対して断固たる決意をもって阻止すべきではないか。政治的な配慮に基づいて、これに対して対処すべきではなく、いわゆる日本の国益を守るという立場においてこれに対処すべきではないか、こう考えるのでございますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 基本的には先生のお考えと私も同じであります。何しろ百数十万にわたる店舗及びそれに関係している家族の皆さま方の生活に関することでございますから、われわれとしてはそれらの人々の生活を守るということは政治の第一義であると私も考えます。ただ、その力が次第に伸びて強化されていくに従いまして、国際的調和という部面もまた二次的には考えなければならぬと思うのです。内外の情勢から見ますと、日本の経済は単に孤立してはあり得ないので、国際経済の中の一環として貿易も行なわれ、資源の入手も行なわれておるわけでございます。したがいまして、そういう国際経済の調和も第二義的には無視し得ない要素もありまして、その辺の調和は体力の強化をよく見きわめつつ、景気の情勢、国際情勢等もよく見きわめつつ弾力的に判定していくべきものであると考えております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 この問題について時間をとっているわけにはまいりませんが、私は、ただということばのあとにおける表現は当然の表現であろうと思うのです。政治でありますからね。しかし、基本的に常に国益を守る、その中小小売商業者の立場に立った判断、そのためにあえて強硬に主張していくべきところは主張していただきたいという要請を含めて質問をいたしておるわけです。  特にその場合言い得ることは、国内の情勢が力が強くなった、外国と対等に渡り合えるようになったと言いながら、自由化の段階におきましても、それぞれの条件に対応した決定があろうと思うのです。特にアメリカが日本に進出しなければならない部面についても、それぞれの場合においてそれに対応する条件として一つずつあるではありましょうけれども、少なくとも零細小売商業に関係する部面にまでその強い要請をしてくる必要はないのではないかとわれわれは判断するわけです。したがって、そういう部面について大臣に、この点については、まず中小小売商業を振興するために、五年以内ということを言い得ることが適切かどうかわかりませんが、当面少なくともある一定の時期内においてはこの自由化に対しては厳格な態度をもって対処していただきたい、私はこのことを要望いたしたいと思うわけであります。  そこで、第二番目の質問に入りたいと思うのでありますが、私は、政府はどうも第一点の問題については弱腰だというような点については非常に危惧を持っておるわけでございますが、しかしいずれにせよ、そういう状況の中でもって今回単独法として中小小売商業振興法案が提出された、この努力に対しては敬意を表したいと思うのであります。と申し上げますことは、小売商業関係者にとってその社会的な地位、あるいは営業面における保障、あるいは一定の政策面における対象が単独の法律の中において規定されてきたということについては、関係方面、特に零細小規模小売業者の方々は、この法律に対して大いなる期待を持っていると思うのであります。そういう意味において私は敬意を表したいと思うのであります。  しかし、この法律をしさいに検討いたしますと、単に近代化だけが目標である、いわゆる近代化によって力をつけるのだという形の中において幾つかの項目が羅列をされているわけでありますが、結果的にそのことによって落ちこぼれを来たす部面が、いわゆる格差を発生する部面が非常に大きいように考えられるわけであります。それらの点については、この法律の内容をあとからしさいに分析しながら御質問をしてみたいと思うのでありますが、第一に、いまのこの提案された法律案の印象としてそのように考えられるのでございますが、このことに対して大臣の見解をお伺いしておきたいと思うわけであります。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 小売商業は千差万別でございますから、これの合理化あるいは体力増強というようなことはなかなかやりにくいわけでございます。協同組合とかあるいは商工会とか商工会議所を通じて指導あるいは情報の伝達という形で行なったり、あるいは国民金融公庫や中小企業金融公庫あるいは信用保証協会等を通じて金融面においていろいろな措置を講ずるという面、あるいは今回の税制措置の面等もございますが、近代化、合理化という面を考えますと、共同組織、共同行為における連携した力の合わせぐあいによる発展ということが最も合理的のように考えられるわけでございます。したがって、今回の法案におきましても、一面においては商店街の整備という共同行為、それから事業の協業あるいは合同、合併等、事業の連携を通ずる一つの共同行為丁連鎖店における共同行為、そういうようなみんなで力を合わせてという方向で近代化をやらざるを得ないという形になっておるわけでございます。そのほかには、個別的指導というさっき申し上げたこと以外にちょっと考えられませんので、小売関係の発展ということはこういうことを軸にして、それによってまわりの個別的にやっておられる方々も刺激を受けて、自分たちでまたいい方法を考えていってわれわれと相談してもらう、そういう発想に基づいておるわけであります。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そのことのよしあしは、法案の内容討議の際に私は質問してみたいと思うのでありますが、ともかく近代化、合理化、これが小売商業を振興させるという唯一の方法であるがごとき印象が、この法案全体を通じて言えるわけです。単にこの法案だけでなく、中小企業対策、政策全般を通じて、政府の考え方は一貫してそこに焦点が当てられているようであります。私は、近代化、合理化ということばの持つ意味をいまここで議論しようとは思いませんが、ただしかし、そのことだけで全体的な中小企業対策、特に小売商業対策が完全に律せられるというぐあいには考えられないのであります。いわゆる近代化政策の中においてむしろ落ちこぼれを来たし、格差を発生し、その格差を発生した面については転換をしろという形の中で政策として発表されているようでございますが、そうでなく、むしろこの法案の精神の中で中小小売商業者の方々が非常に大きく期待を寄せている——期待を寄せているということは、いままでそれらの法案がなかった、しかし今度は政府はそれらを取り上げてやってくれた、非常に感謝する、しかし同時に、この法案の中に盛られていない条項について、特にこの法案に盛られている条項そのものを適用されてくるならむしろ脱落する、落ちこぼれるという懸念すら感ぜられるのではないか。そういう点について、いま少しく幅広くあたたかみのある対策というものがこの法案の中に補完されてしかるべきではないか、こういうような印象が私どもとしてもあるわけでありますが、そういう点について、この法律を提案したことについては敬意を表するとともに、それらについての補完措置について、大臣は今後積極的に各方面の意見を入れてこれを補完していただきたい、いただかなければならない、こう考えるのでありますが、このことについて見解を承っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 御指摘のように、この法案が完全であるとは思いません。ただいまの御発言の御趣旨をよく体しまして、いろいろな補完的措置について謙虚に検討を加えまして、必要あらばどしどしその政策を実行していくつもりでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そこで、私はこれに関連して御質問したいのですが、実はこの法律の基本法である中小企業基本法の第十四条の一項に「国は、中小商業について、」云々とあり、二項に「国は、中小商業又は中小サービス業について」云々ということがあるわけであります。今回の法律案は、この中における第一項を基礎にして提案されていると考えて差しつかえないと思うのであります。とすると、当然いま申し上げましたとおり、同じ地域にあって商店街を構成している中で、片一方はこの法律の該当は小売商業である、片一方はサービス業である、同じ店舗、同じような条件の中で消費者に対してサービスを提供している形の中においてそのような状況が発生した場合、そこに一定の矛盾が発生してくるわけであります。したがって、それらの点について、私はこの法案をつくるときに、当然第十四条第一項ないし第二項との関連の中でこの法案が作成されていなければならなかったと思うのです。しかしそのことがなされてないで、いま申し上げましたとおり第一項を前提としてこの法案が提案されたということは、全体的な中小小売商業という名のもとにおけるところの小売商業界における対象が、商店街ないしそれの振興、共同化という形の中における法案の内容といささか狂いが生じてくるような気がするわけであります。したがって、第二項の点についての配慮等は、いまの補完するという意見の中においてどのように措置し対応していかれる考えであるか、この際お伺いしておきたいと思うのであります。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 お答え申し上げます。  本法は中小小売業者を対象にいたしておるわけでございます。中小サービス業者についてやはりいろいろな問題点があるわけでございますけれども、小売業とはその実態を異にしておりますので、特に小売業者に限定をいたしたわけでございます。  ただ、先生例示に引かれました商店街あるいは共同店舗等におきましては、同じ商店街の中にサービス業者が雑居しておる、あるいは共同店舗におきましても小売りが共同化して店舗をかまえる、そういうときにサービス業者がその中に入ればさらに共同店舗の顧客吸引力が増すというような実態も当然考えられるわけでございますので、本法の実施の過程におきましては、商店街あるいは共同店舗等におきましては、サービス業者が一定の数を限ってではありますけれども、当然中に入って助成の対象となり得るように処置をいたしたいというように考えておる次第であります。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 次長にはあとでゆっくりいろいろな点で質問するから、大臣はいつまでもあれではないから、ときどき質問するとしても、最初のうちはひとつ大臣答えてください。あまり具体的にわからなければわからないでいいですから、なかなかこまかい内容がありますから、大臣は、全部わからなくても、ただ概念的にこうだと言っていただければけっこうだと思います。  そこで私は、いまの答弁で一応了解して次へ進みたいと思うのですが、一般中小のこの法案の対象者はたいへん喜んでいる、消費者もそのことによって一定の利益を得ることができる、こういうことになるようにわれわれも大いに努力してみたいし、法律が成立したあとにおいてそういうようにやってもらいたい、こう思うわけですが、ただ中小企業法案というのは審議するときにはたいへん熱心に審議をするわけですが、それが法律となっていった場合、案外活用されていない。そういう場合が非常に多いわけです。多いと言っては言い過ぎになるかわかりませんが、いわゆる政府が中小企業対策として法案としては出すけれども、その実施にあまり熱意を持たれないのかどうかこれはわかりません。そういう例が多々あるわけでございます。  たとえば小売商業調整特別措置法、これは百貨店法に対応するがごとき形の中で制定されておるのですが、これが活用についてはほとんど聞く例を見ないといわれるほど眠った法律になっているわけです。さらにまた下請中小企業振興法、いわゆる造船関係企業の中において一昨年通ったこの法律が一定の効果をあげて活用されておりますが、大部分の下請企業者に対してこれの法律が審議している過程の中において論じたほど効果をあげているかといえば、ほとんどその効果をあげていない。あるいは中小企業指導法という法律がありますが、指導法の中に盛られている法律のその精神は非常に重要であり、かつそれを活用することによって多くの効果をあげることができ得るにもかかわらず、その効果を具体的にあげ得る措置がとられていない。あるいは一定の条件下において活用されているかもしれませんが、ほとんどとられていない。それらは予算がないとか、あるいは人手がないとか、あるいは対応する組織がないとか、いろいろなことがありますが、私は、そういうような法律になっていく危険性をこの中小小売商業振興法案も持っていると思うのです。精神的にはたいへんよくできているけれども、実施面においてはその内容について一つ一つを分析してみると、たいして効果のないものになっている。いわゆるいままであったもので十分なのに、ただこの法律をつくる形の中だけでそれを糊塗していく。ただ、いわゆる名目を与えて実質が伴わないという法律になり得る可能性を私は持っていると思う。  いま申し上げました法律の内容がどれだけ活用されているかということについてはおわかりにならないと思うのでありますが、それらについてはあえておわかりにならなくてけっこうでございますけれども、そういう法案と一緒になってもらっては困るという意味における質問について御答弁を願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 確かにおっしゃるように法律が活用されていないという憂いはあるだろうと思います。  これはいろいろ考えてみますと、中小企業あるいは特に小売業等におきましては体質が非常に保守的なんだろうと思うのです。それで共同事業をきらう体質を持っております。やはり自分で独自に商売をして自分でもうけていけばいいのだ、そういう体質を持っておりますから、みんなで共同して一緒に繁栄するという考え方がどうも足りない。一カ所にパーキングブレースをつくるにしても、遠くへつくってくれるならいい、おれのそばでおれの土地を出すのはいやだ、そうなると、どうしても結局共同事業が進まない。いわばそういう現象が各地にあると思うのです。ですから、法律をつくりましても、そういう体質をそのまま温存しておいたのでは馬の耳に念仏みたいな法律になります。そう思いますと、何といっても情報活動、それからそれによる指導、誘導、そういうことが非常に重要であるだろうと思います。つまり意欲を起こさせる、そしてみんなで一緒にやろうという方向へ一歩前進させる、そのモーションが役所やあるいは商工会議所やその他にまだはなはだ弱いということを反省いたします。この法律が制定されるに際しましてはその点についてよく反省をいたしまして、つくっていただきました法律が完全に機能を発揮するように全力を尽くしていきたいと思います。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そこで私は、そのような精神でやっていただくという前提に立って、通産省の努力目標もいわゆる生産第一主義から福祉へ重点を転換していく、機構もそれに伴って今度の国会で改正をしていった、このようにいわれているわけですから、その力点の指向の一つの重要な方向として中小企業対策にひとつ大きく踏み出していただきたい。特にその面においては、通産省は通産大臣という形の中において重化学工業偏重、大企業偏重から中小企業重視というほうに常に方向を向けてもらいたいということを私は多年にわたって主張しており、特にそういう意味において中小企業省の設置、庁ではなくて省の設置という形の中でそれらの問題をひとつ積極的に取り組んでもらいたいという要望を長くしておるわけですが、なかなかできないわけです。中曽根通産大臣も実力者大臣ですから、これらの点について将来展望を含めてひとつお答えをいただければ幸いだと思うのであります。  そこで、私はそのような中小企業対策に通産省の重点を指向するとともに、積極的にこれら各法律をいま一度洗い直して、積極的にそれに活用する予算をつける。予算をつけるためにその法律をいま少しく重視する、こういうような形の中でひとつ取り組んでいただきたいと思うのです。この法案が成立したあとにおきましても、ぜひひとつこの法律の精神に基づく予算措置に対して積極的な取り組みをしなければ、またしり抜け法律の一つの中に数えられてお蔵入りしてしまう、そういう可能性があると思うのでありますが、この点について大臣の見解をお伺いしておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 いままでつくっていただきました法律の中にもずいぶんいいところがあるだろうと思いますが、おっしゃるように活用されていないうらみもございます。今回つくっていただきます法案がそういう轍を踏まないように、ただいま申し上げましたこちらの情宣活動、それからもう一つは、商工会議所あるいはその他を通ずる啓蒙、宣伝及びやはり関係中小企業者について意欲を起こしてもらって、そしてこちらと一緒に相談して進む、積極的に前へ進むような措置をいろいろ努力してまいりたいと思います。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 では次へ進みます。  そこで、大臣はこの法案を提案するに際して、きびしい環境に適応しない部面が多いということでこれを提案しているというふうに説明されておるわけであります。その説明をされているきびしい条件に適応するために、さっき言った近代化、合理化ということが出されておるのですが、私は、この法律全体をながめて大きな柱、精神が一つ抜けていると思うのです。この法律について、中小小売商業を振興させ、そして自助努力を続けて、そして外資の導入に対しても対抗できる、そしてりっぱな世界に冠たる小売商業につくり上げようという場合において、一つ重要な欠けている面がある。それは私が先ほど来主張していることに相通ずるのでありますが、何といっても一番大きく欠けている点は、社会福祉、社会保障、これをこの法案の中で取り入れていないところに問題があると思うのです。零細小売業者はほとんど生業的であります。生業的な業者に対して、合理化をしろ、協業化をしろ、共同化をしろと、幾らそれを指導してみても、二人や三人の小売零細業者はなかなかそのようにいかない。しかし、いま必要なことは、外資が入ってくる、大型店舗による圧迫が加わるということに対して、その業者の人たちが生業として成り立っていく条件をつくり上げていかなければならない。それはどうしても、この法律の中においても、あるいは政策全般の中においても、社会福祉、社会保障を強力に取り入れていく。たとえば、三人の従事者を持つお店の御主人であっても、経営者であると同時に労働者である、働く人である、従事者である。この人に対しては、従事者、労働者と同じような社会保障、年金にしろ、あるいはその他いろいろな面におけるところの制度にしろ、これを保障してやる。さらにはまた、従事者に対しては、一般大企業その他に働いている人たち以上に自信と誇りを持つことのできるような社会環境、それをこの法律の中に少しずつでも生かしていかせるような、伸びていくことのできるような精神が盛り込まれていかなければならない。ところが、どこの条項を見ても、そのようなことがない。  あとでまた具体的に御質問申し上げますが、そのような条項がないということは——大臣もたびたび外国をお回りになってよくおわかりだと思うのでありますが、外国の小売商業が安定しているその基盤の中に社会保障制度の充実というものが非常に大きな役割りを果たしているということ、特にその従事者に対するところの生活保障というのが非常に大きなウエートを占めていることはお気づきだと思うのであります。そういう意味において、この法律の中にこれが抜けているということについてはたいへん残念だと思うのでありますが、大臣の御見解を承っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 その部面はまたその部面として、われわれは特に強く考えなければならぬところであると思います。たとえば週休二日制の問題にしても、大企業がどんどん週休二日制を実行していくと、中小企業からどんどん人が引き抜かれて、人員不足で非常に困るという問題も起きましょう。特にそれに従事する中小企業従事員の労働福祉という面は非常に考えて、国が手を差し伸べなければならぬ部面であると思います。  それから、税制の面におきましても、国税、地方税等におきましてもっと前進さしていく必要があると思います。それらは、それらのおのおののほうの部面においてさらにきわめられていくべきであり、強められていくべきであると思います。  われわれ通産省のサイドといたしましては、企業の近代化、合理化という面からこれをとられて進めていこう、今回の法案はそういう趣旨でございます。しかし、労働福祉という面等についてはわれわれは最大限に考えなければなりませんから、振興指針をきめる際に、そのような従事者の福祉向上という面について特に強調もいたしますし、これに関する共同施設等については金融面等で十分配慮していきたいと思っております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 大臣に対する総括的な質問はもう一点で終わりたいと思うわけであります。あとは中小企業庁長官ないしは関係者それぞれに——しかし、大臣についてもときどき質問いたしますから、ひとつお聞きおきを願いたいと思います。  原則的な面でもう一つ確認をしておきたいと思うのです。さっき質問いたしましたけれども、いわゆるサービス業、食品業、中小小売商業に関係していながらその対象から除外されておる部面について、本法律が適用される部面については、さっき次長も言っておりましたけれども、包括的な条件の中でこれを対象にするというぐあいに理解してこれから論議を進めていいかどうか、その点だけを聞いておきたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 サービス業等につきましては、いま直接この法案の対象としては書かれておりませんけれども、共同事業等を実施して、その中に参加する場合には一定の限度においてこの法案の援用を受ける、同じように扱われて処理される、そういうふうに御理解願いたいと思います。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 ちょっとそこが違うんだけれども、これはきょう審議が始まったばかりだから、いまここでやり合ってもしようがないから、もう少しあとで議論してみたいと思います。いずれにせよ、あとで次長にも質問いたしますから、その際また深めてまいりたいと思います。  そこで、本法案の内容について質問いたしてみたいと思うわけであります。  まず第一に目的であります。目的では、商店街の整備と経営の近代化で国民経済の健全な発展に寄与するとありますけれども、私どもは、この文章をそのまま読んで、それが違うとか、それがいいとか悪いとかという議論をしようとは思わないわけでありますが、問題は、いわゆる保護政策なのか、自助努力に対してこれを要請する政策なのか、法案として一体どちらに力点を置くのか。大臣の趣旨説明をお聞きしていると保護に重点を置いておるように感ぜられるわけです。しかし、法案の内容をつぶさに検討すると、自助努力、いわゆるその対象小売商業者の努力によって成果をあげたいというように考えられておるわけです。いまの共同化にしろ何にしろ、みんなそうです。したがって、それらの点の解明が明確でないと、結局法案ができてしまったんだというだけで終わってくるわけであります。そして、毎年適当に予算をつけて、幾つかの案件について適当に金を出しましたということだけで終わってしまう可能性があるわけであります。いままでは中小企業の団地その他に対する補助、援助等をやっておりますが、それは一定の条件下にある人たちが行ない得る対象でありましたからいいのでありますが、この場合においては特に小規模零細な対象者として多数を占めておるわけでありますから、そういう意味においては、むしろその点についてのいわゆる接点、どこにそのウェートを置くのか、十を七にするのか、五にするのか、三にするのかという点で非常に大きな違いが出てくると思うのであります。そういう点について、健全な発展に寄与するという法案の趣旨に基づいて、どこにその力点を置くのか。これはこれから法案を審議する上において非常に重要でありますので、御質問しておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これは自助努力を促して、それを助成するということで、やはり基本は、自由主義経済のもとにおいて各企業者が創意くふうをもって自助努力をしていくということであります。それを国が誘導しながら助成し、保護していく、こういう関係であります。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 それでは、次に振興指針に入ります。  いわゆる生業的零細企業者が多くて、この業種の業態は非常に複雑多岐である。先ほど来御説明があったわけであります。したがって、そのような生業的零細経営が多い状況の中で近代化をしようということはなかなかたいへんなことです。言うのはやさしいのですが、結局中堅、もうあるべき姿に成り立った人たちに対する自助努力の培養と対策、こういうことになりかねないわけであります。しかし、それでは、本来この法律を提案した趣旨に合致しない部面がたくさん出てくるわけであります。もちろんその人たちも、外資の導入あるいは大規模小売商の進出等によってたいへんなことになる条件があるわけでありますけれども、それだけではなかなかたいへんであります。したがって、振興指針を示すということについては、それらの問題について少なくとも一定の条件を判断しながら、その判断に基づいて振興指針が出されると思うのでありますが、政府のお考えになっている小売商業のあるべき姿、そのあるべき姿をどういうところに置くべきであるか、こういうことについて、原則的な面でけっこうでございますから、御説明を願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 小売商業は、からだにたとえますと毛細管のように、からだの末端に血液を補給し、新陳代謝を促していくという作用があるだろうと思います。日本の経済の中において、特に流通部面において最も消費者に接触する前線を承っていただいて、そして円滑に、きめこまかく消費者の要望にも応ずるし、それによって小売商業者自体の生活を立てていく、発展させていく、そういう関係でやっていただくことを期待しておるわけでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 まことに抽象的で、毛細管にたとえられた程度ではなかなか満足した答弁とは思えないのです。ほんとうはそこのところはずばりこうですよと言っていただかなければこの振興指針の審議には入れないわけですが、しかしそれはなかなか無理だろうと思います。しかし、一刻も早く明確に大臣もひとつ把握をしていただきたいと思うわけです。  そこで二項に「振興指針には、次に掲げる事項について定めるものとする。」と書いてあるわけでありまするが、この「次に掲げる事項」、大部分がいわゆる近代化、合理化、近代化、共同化、こういうことになっておるわけです。最後の五に「その他中小小売商業の振興のため必要な事項」、こういう形に書かれているわけですが、私は、先ほど申し上げましたとおり、この振興指針の中にどうしてもつけ加えていかなければならないのは、従業員の福利増進という項を従業員、経営者も含めて、零細企業でございますが、それも含めてでございますが、少なくとも振興指針に書いていく場合、合理化、共同化ということだけでなくして、それに対応するように、その合理化、共同化に進んでいこうとする従事者なり経営者に対するところの福利増進その他のことを指針として一項加えておかなければならないと思うのです。そうでなければ振興指針にならないでしょう。人手不足で労働者が集まらぬ。幾ら合理化、近代化したところで、人が集まらぬ企業なんか存在しないです。にもかかわらずここには書いてない。これでもって振興指針になるとお考えになっていること自体がちょっとおかしいのではないか。どこへ行っても人手不足で労働力を確保しなければならぬといわれながら、ここに書いてないということについてはたいへん大きな落ちこぼれではないかと思うのでありますが、その点ひとつ御質問申し上げます。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 私が先ほど申し上げましたように、従事者の福祉の関係、特に労働福祉の問題は、中小企業政策の総合的な政策の中の非常に大きな大黒柱の一つであると私も思っております。したがいまして、当然そういうことは含まれるべきであり、第五号の「その他」ということで含めているつもりであるわけでございます。振興指針の中には当然そういうことも含めて書き上げるように心がけてまいりたいと思います。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 その大事なことが「その他」の項の中へ入れられちゃ困っちゃうのです。これはまああとで修正するのかどうか、また考えてもらうとして、次の質疑に進みます。  そういたしますと、当然そのことが含まれているということでございますが、その次の三項に「通商産業大臣は、振興指針を定めようとするときは、小売業に属する事業を所管する大臣に協議し、」云々と、いわゆる「事業を所管する大臣」云々というのが出てくるわけであります。さっき大臣の答弁では、サービス業、食品業等についてはアーケードあるいは商店街整備等の場合があったとき、それを入れるのだ、こういうように御説明になっておるわけであります。ところが、小売業に関係する場合においても、食品業なりあるいはサービス業の一部等についても小売商業に類似するような場合もあるわけです。したがって、「小売業に属する事業を所管する大臣」云々なるものがここに出てきながら、先ほど、きわめて狭い範囲にその範囲を限定する、こういうような形になると矛盾点が出てくるのではないか、私はそのように考えるわけであります。しかもこの場合、「小売業に属する事業を所管する大臣に協議し、」さらに「近代化審議会の意見をきかなければならない。」、まあこれはよろしいですけれども、いま少しく大臣としての立場に立って、いわゆる所管大臣としての立場は、大臣の先ほどの御説明からするならば、いわゆる通産大臣が一番多くの力をお持ちになって協議をするわけでございますけれども、それらの場合においては、指導する通産大臣の権限に基づいて小売商業の場合においてはそれを行なう、そういうことがあってもしかるべきではないかと思うのであります。いわゆる協議し、審議し、話し合いをしているうちに時期を失してしまうというような場合もあり得るではないか。しかも、対象はそういう場合においては非常に広範でありますから、一定の条件の中にそれらの業種を入れて事前の事務的な段階におけるところの協議はあってしかるべきでありますが、実施段階においてはいま少しくその責任が明確になされるほうがいいのではないか、こう思うわけでありますが、御見解はどうでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 小売業の中には通産省系統のものだけでなく、他省に属するものもあるわけでございます。他省の管轄下に属するものについて通産省が一定の指針をきめるというときに合い議をするということは、やはり官庁間の常套手段でございまして、そういう意味で協議をして了承をもらう、こういうことであります。  なお、飲食店のようなものは小売業に入れてある由でありますけれども、飲食店のようなものまで含めて指針をつくるという場合には当然関係各省で協議してやる。その場合にできるだけ迅速にこれを行なうということは当然のことでありまして、原案はこちらがいろいろつくってまいりますが、その原案に対する意見をすみやかに聞いて審議の方向に持っていくように努力してまいりたいと思います。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そこでまだいろいろ指針の中であるんですが、省略いたしまして、一つだけこの際ここで確認をしておきたいことは、いわゆる振興指針を定めてこれを公表するわけでございますが、その公表するということの理由は、国民経済の発展に寄与する、いわゆる消費者の利益を守りながら企業者の利益もともに守っていく、こういうところにその目的があろうかと思うのでありますけれども、そうした場合、振興指針の中でいま一番大事なのは、共同化あるいは近代化とともに、いわゆる情報化のこの情勢をどのように掌握しこれを活用するか、いわゆるどのように情報を提供するという形の中におけるところの方針を定めていくかということがたいへん大切ではないか。特に消費動向に応じたところの情報を、小売商業でございまするからそれに対して情報を提供するということが振興指針の中でこうあるべきだという形においてきわめて重要な要素であろうと思う。また、これがその他振興のため必要な事項の中に入っていると言われればそれきりでありますけれども、これらの点についてはどうお考えになるか、この際お聞きしておきたいと思うわけであります。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 先ほども申し上げましたように、情報伝達ということは中小企業政策の中でも非常に重要なことでありまして、それは一つは経営管理に関する情報伝達ということもございますし、お客さまの動向に関する情報伝達ということもございますし、技術的な開発等に関する問題もございますし、景気や市況に関する問題もいろいろございます。ともかくそういう経営の指針に関することというものは商売の運命を制するような非常に重要なものでありまして、当然経営指針の中に包括的に包含されてくるものであります。私は第一号、第二号等「経営管理の合理化に関する事項」というようなことの中にもこれは包含されるものでもありますし、第一号の「近代化の目標に関する事項」についても、情報の伝達、情報の豊富さというようなものは当然入ってくる問題ではないか、そういうように思います。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 それでは次に、認定の項に移りたいと思います。  高度化事業計画の認定ですから、これはこまかくどうだこうだと議論してみても始まらないと思うのでありますが、この書かれている文章そのものを理解すればそれでよろしいと思うのでありますが、ただ、第四条第一項に関して通産大臣が認定する。その認定された、これこれこういうようなメリットが出てきますよ、したがって、これこれこういうことについてはこう認定しますよという形においてその事業というものを認定したあとにおいてどのようなことの確認がなされるのかということについて、この項の中では別に示されていないわけであります。「政令で定める基準に適合するものである旨の認定を受けることができる。」、認定を受けたあとどうするのか、それに対してどうなったかということについてどうすべきか、こういう点についての規定が解釈上明らかにされていない限り、この条文は単なる条文に終わってしまう。これは事業協同組合云々と非常にむずかしい文句が書いてありますから読んだだけではなかなかわかりにくいわけでありまするけれども、それらについてこの点をどう解釈しているか。いわゆる認定をされたということだけで終わってしまうということであってはならないという意味で御質問申し上げるわけです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これは認定を受けましたら助成の対象になり得る、それらの計画を推進していく上についていろいろな助成措置が講ぜられておりますけれども、その対象になっていく、そういう有資格者として資格が認定される、こういうことではないかと思います。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 この項についてもまだいろいろ聞けば聞きたいこともたくさんあるわけでありまするが、時間もだいぶたっているようでございますので、進みたいと思います。  ただ、この項の中で高度化事業の認定の中で、問題は、第四項第三号の中にその内容について一応提出することになっているわけでありまするが、これをどういうような内容において提出するのか、この点について御質問をいたしておきたいと思います。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 法律でいっておりますいろいろな高度化計画は認定を受けることになっております。その認定の様式自体は同法で定めるわけでございますが、その認定の様式に従って当然通商産業大臣の認定を受けることとされておるわけでございます。ただ、この通商産業大臣の認定は、私どもとしてはでき得る限り都道府県知事に委任をいたしたいというように考えております。ただ、全部都道府県知事に認定をまかせるかどうかということになりますと、やはり大規模店舗等の関係あるいは資金等との関係がございますので、ある程度通商産業大臣に権限を保留して、原則としては都道府県知事に認定をおまかせするというような考え方にいたしたいというように考えております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そうすると、この項の最後に、各計画の認定基準は政令で定めることになっているといわれているのでありまするが、その政令で、いま地方公共団体の長、都道府県知事に委任する、こういうようなことが言われているわけですが、ただ単に都道府県知事に委任するということだけでは、その認定基準はたいへんばく然としていると思うのであります。したがって、その際これが一つの大きな認定の柱になってまいりますから、政令の内容等についてすでに準備ができているならお示しを願いたいし、準備ができていないならいないということでひとつ御説明願いたいと思います。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 お答え申し上げます。  成案として具体的にまだできてはおりませんが、基本的な考え方について御説明申し上げたいと思います。  まず第一に、認定の基準として高度化事業全部についての共通の考え方、たとえば高度化事業の目標内容が振興指針に定める事項を順守するために適切であるかどうかとか、あるいは高度化事業を実施する場合に必要な資金の額等が確保されておるかどうかというような点が第一であります。  それから第二に、高度化事業はいろいろございますが、商店街整備事業あるいは店舗共同化事業あるいは連鎖化事業ごとに構成員が一体どの程度であればいいかというような点について具体的にきめたいと思っております。たとえば、商店街整備事業でございますと、組合の組合員の数が三十人以上で、先ほど御説明申し上げたところに関連するわけでございますが、その中で、中小小売業者が三分の二以上なければならないというようなこと、それから店舗共同化事業につきましても大体何人必要とするか、あるいは連鎖化事業でも大体加盟店の数が何社必要であるかというような、各事業ごとの組織についての案件を第二にきめたいと思っております。  それから第三に、各事業についての案件でございますが、商店街整備事業の場合でございますと、適当な共同施設事業があるのかどうか、あるいは店舗共同化事業でございますと、組合員の事業に関し適切な共同施設事業があるのかどうか。連鎖化事業の場合でございますと、本部事業者の場合に倉庫、事業所等の施設が十分に確保されておるかどうかというような点を認定基準として具体的にきめていきたいというように考えております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 それでは資金の確保の問題に入りたいと思うのですが、それに関連いたしまして、どうしてもいまの高度化事業の認定のいわゆる第四条第三項及び第四項に関連した質問になるわけであります。これらの高度化事業を認定し実施するということになれば、当然それに基づいて資金要請が出てくるわけであります。あるいは税制の問題が出てくるわけでありまするが、この資金の確保に関係してこの条項においては、「国は、前条第一項から」云々ということだけで、ただ「必要な資金の確保又はその融通のあっせんに努めるものとする。」とだけしか書かれていないわけであります。したがって、これが先ほど来質問申し上げているとおり、しり抜け法案になる可能性を持つ大きな要素になっているわけであります。したがって、この資金の確保の問題に関連して、中小小売商業振興法案が成立した上は、どのような融資制度を適用するのかということは、特に資金確保を法律の条文の中に掲げてあるだけに重要な項目になっていると思うのであります。したがって、当然この面については新たな融資制度をつくるべきではないか、こう考えるわけでありまするが、その内容について考えがあればこの際明らかにしていただきたいと思うのであります。  次に、税制については、この税制の中において初年度十分の一の特別償却をすべきであるというようなことであるが、その内容についてはどのような考えがあるのか。いわゆる資金と税制の面について、この際お伺いをし、関連して認定の項の第三項第四号について後ほど質問してみたいと思うのであります。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 国は高度化事業の認定をいたすわけでございますが、従来高度化事業につきましては、中小企業振興事業団を通じて、中小企業庁としては援助してまいったところであります。中小小売商業振興法ができますに際して、従来の振興事業団の融資をさらに中小企業者に有利になるように改正いたしますとともに、その資金量の増大をはかったところであります。従来振興事業団からは、まず第一に、商店街の造成に関しましては当然援助をしてまいったわけでございますが、今回、本法案の制定に伴いまして、特に公共性の高いような駐車場あるいはアーケード等をつくります場合は、高度化計画の認定を受けますと八割無利子、必要金額の八割に相当いたします部分を振興事業団を通じて無利子で融資をするという制度を創設いたしたわけでございます。また、共同店舗等につきましては、従来から当然振興事業団を通じて援助してまいったわけでございますが、特に小規模業者が主としてつくりますような小規模共同事業店舗につきましてはやはり所要資金額の八割を無利子で融資をするというような制度を創設いたしたわけでございます。また、連鎖化事業等につきましても、従来事業団から所要資金の六五%相当額を低金利で融資をいたしておったわけでございますが、本法のできますのに伴いまして所要資金額の七〇%を低利融資するというように改正をいたしたわけでございます。なお、高度化事業の認定を受けますと、たとえば、商店街でございますと、商店街に所属しております組合員、それから連鎖化事業でございますと、連鎖化事業の加盟店がございますが、こういういろいろな構成員が当然合理化事業をするというようなケースがいろいろ起こってくるわけでございますので、こういう場合に備えまして中小企業、国民金融公庫の融資の条件を改善いたしまして、金利七%の割合で構成員の事業の合理化に必要な資金を供給するというようなことといたしたわけでございます。  なお、御質問の第二点の税制の問題でございますが、御指摘になりましたように、高度化事業で認定を受けたところに従って建物等を設置いたします場合には、普通償却額のほかに初年度十分の一の特別償却を実施するというような制度を設けまして、これによりまして中小企業の共同事業者の内部留保の充実をはかって高度化事業の伸展に資するというような配慮をいたしたわけでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そこで私は、先ほど言いましたとおり、認定の第三項に関連するいわゆる連鎖化事業についての御質問をいたしたいと思うわけでありまするが、連鎖化事業は、今度のこの法律の中におきましても非常に大きな柱になっているわけであります。したがって、この大きな柱としての位置づけは、連鎖化事業によって近代化を促進しようというような考え方が通産当局においては非常に強い、いや政府部内を通じて非常に強い、こういうような印象を受けるわけでありますが、大臣、そのように私が考えてよろしいかどうか。いわゆる連鎖化事業の本法案における、中小小売商業における位置づけをどのように考えるべきかということについてひとつお答え願いたいと思うのです。   〔委員長退席、山田(久)委員長代理着席〕

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 この法案をごらんになりましても、第一項は商店街関係、第二項は共同事業関係、第三項は連鎖化事業関係というふうに振り分けてございます。連鎖化事業というものについて非常に関心を持って振興助成したいと考えていることも事実でございます。これは事業体の強化という面と同時に、消費者に対するサービス部面からも非常に有効な方法である、そういうように考えておりまして、通産省としても力を入れておるところでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 建設省の方、来ていますね。あまり待たしてはあれだから最初に質問したいと思うのです。  私は、いまボランタリーチェーン、コンビニエンスチェーンあるいはその他連鎖化事業の中で一番大きな問題になっているのは幾つかあるとしても、特に必要なことは集配地、いわゆる商品を集めてそれを分散する、各商店に分けていく、そういうところ、これは倉庫という表現でこの中には出ておりまするけれども、これはきわめていま大きな課題になっていると思うのであります。いわゆる連鎖化事業を計画してボランタリーチェーンをつくることはそうむずかしくはないけれども、それが事業として一定の効果をあげて運営されていくということについては、それに関連する施設というものが非常に大きいわけです。  あなたは、先ほど来大臣と私とのやりとりをお聞きになって中小小売商業の日本経済において占める位置なり、これから果たさなければならぬ役割りというものが非常に大きいということを認識されたと思うのです。そこで、そういう面から流通部面の一環としてこのボランタリーチェーンと連鎖化事業についての育成をどうはかるかといった場合、特にこれから多くのボランタリーチェーンをつくっていかなければならぬとするならば、その場合におけるところの用地の確保、施設の確保ということが非常に大きな課題になって、そこで建設省関係においては流通業務市街地の整備に関する法律という法律があって、その法律の条項に基づいてそれぞれ処理をされているようでありますが、これは同時にまた通産関係にも関係するわけであります。  そこで、御質問を申し上げたいことは、都市計画あるいは市街地改造計画、さらには港湾埋め立て等一定の条件下において新しい事業を起案される場合、これら中小小売商業者関係におけるところの用地の確保、いわゆる近代化、高度化にふさわしい用地の確保についての一定の条件のもとにおいてそれをとり行なうということは非常に大切だと思うのです。いわゆる大企業ないしは大型企業に対するところの対策というものは、それらの計画の中においてはきわめて迅速に取り入れられるわけでありますけれども、中小小売商業関係は資金力その他の面でなかなか取り上げられない。そこで私は、この流通業務市街地の整備に関する法律に関連してそれを質問するということでありまするが、単にそれだけでなくして、今後の方針として、それら通産当局ないし関係者のほうから要請があった際、新しい計画についてはそれらを十分取り入れて配慮しながら施策を行なっていく、こうしてもらいたい、こう思うのでありますが、それらについてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

野呂田芳成建設省都市局都市再開発課長

○野呂田説明員 中小小売商業振興法案第四条第三項の「連鎖化事業の用に供する倉庫その他の施設又は設備」は、いま御指摘がありましたように、倉庫、冷凍庫あるいはベルトコンベア等の集配センターを意味するものだというふうに思いますが、これらの施設を整備することは中小企業の近代化、振興のために必要不可欠のものであるというふうに認識しております。  流通業務市街地の整備に関する流通団地内には、倉庫とか、荷さばき場とか、冷凍工場とか、それから貨物の積みおろしのための施設等が建設できるということになっておりまして、それらにつきましては、先ほどもお話が出ましたが、もろもろの資金の融通、あっせん、確保あるいは税制の恩典が与えられております。  幸いにしまして、この流通施設の整備に関する基本方針につきましては、この施設の基盤を整備する建設大臣と流通機能面といいますか、卸売業等を所管される通産大臣とが協議して定めることになっておりますので、御指摘いただきましたような問題につきましては今後十分配慮いたしまして、用地の計画的な確保につとめてまいりたいというふうに思います。  そのほかに、実は一連の市街地開発事業がございますが、たとえば市街地再開発事業で建設されます建物の一部に、これらの集配センター等の施設または設備の一部が条件いかんによりましては十分組み込んでいける余地があると思いますので、そういった問題につきましても、十分通産当局と連絡をとりながら合理的に進めてまいりたいというふうに考えております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 建設省の方、どうも御苦労さまでした。  そこで、大臣、いまの私の質問の趣旨はおわかりだと思うのでありますが、そのボランタリーチェーン等、一定のいわゆる近代化その他の形の中において事業を行なう場合、一番困っている問題は、いま新しくつくる場合においても、いますでに行なわれている業務の中においても、用地の確保はたいへんな大きな問題になっておるわけです。そこで、都道府県知事に対して、それを協議をし、あるいは一部の権限を譲渡し、これらの事業を進めていくのだ、こういうようなことを先ほど来御説明になっておられるわけでございますので、各都道府県における公共用地を活用する形の中において、一定の集配送センターあるいは倉庫等の建設を進めることは、これらの事業を推進する上にきわめて重大な課題であろう、こう考えるわけですが、大臣の御見解を承っておきたいと思う。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 なかなか当世土地取得難でございまして、公共用地が適当なものがあれば、それは非常に有効に活用されると思います。市有地とかあるいは県有地等で、商店街から多少離れておっても、共同駐車場に使えるというような場所があれば、非常に活用されている例もございます。そういうふうに私たちも積極的に活用するように助力してまいりたいと思います。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そこで、このボランタリーチェーンとの関連でありますが、今回のこの法律の制定を促進する人々の意見の中に、資本の自由化なり大型店舗の進出に対抗するためにどうしても連鎖化事業を強力に推進しなければならぬ、特に専門店街、商店街等においてもそういうような意見が多く出ているようであります。しかし、なかなかこれは、言うはやすくして行なうはむずかしい。特にボランタリーチェーンの場合は、一般の商品のほか食品関係のボランタリーチェーンがたいへん大きなウエートを占めているわけです。これは当然、先ほど来御質問申し上げているとおり、通産省所管でなくして農林省所管あるいは厚生省所管というような形になる業種があるわけです。たとえば、厚生省の中においても食肉だとか鶏その他いろいろな食品関係の業種もありまするし、こういうような他の関係について、この法律の中にもいろいろなことが説明されておるようでありますが、ぜひこのサービス業との関連その他の中で、農林省の関係者にも来ていただいておりますので、ボランタリーチェーンに関係する問題についてひとつ質問をしてみたいと思うわけです。  これは通産省との関連もありますので、ひとつお聞きおきを願いたいと思うのでありますが、いま食品関係は、いわゆるボランタリ・チェーンとして発展するとともに、コンビニエンスストアも同時に非常に速い速度をもって発展をしているわけです。これらについて、農林省や通産省はどのような位置づけをもってこれらの食品関係におけるコンビニエンスストアに対しての取り組んでおられるのか、その原則的な取り組みの姿勢について御質問申し上げたいと思います。

岩野陽一農林省食品流通局商業課長

○岩野説明員 お答えいたします。  私ども農林省関係といたしましては、昭和四十五年、六年と、ボランタリーチェーンの食料品関係のチェーン化につきまして、いろいろの実態調査をいたしまして、さらにマニュアルというようなものをつくりまして、チェーン化、協業化の一環としてボランタリーチェーンの育成強化につとめてまいったわけであります。  現在ボランタリーチェーン協会に加盟しております食品関係のボランタリーチェーンは、卸売商、小売商合わせまして、これは四十六年の末でございますが、大体三十七チェーンというふうに相なっておるわけでございます。組織をつくりますと同時に、その内容充実に私どもも力を入れてまいっておるわけでございます。  さらに、四十七年からそういうチェーン化を進める一つの新しい行き方として、コンビニエンス店といいますか、消費者の利便に沿ったそういった形の小売業の発展というものに、総合食料品を中心といたしましてコンビニエンス化の動きというものは現在進んでまいっておるわけです。私ども四十七年度に、コンビニエンス化につきましてのマニュアルを作成いたしまして、現在その動きに対する適切なアドバイスというような形で進めてまいっておるわけです。現在のところ、コンビニエンスチェーンのあり方、それに対する物品の供給と申しますか、そういうような形について多少試行錯誤的な動き方もございます。今後そういうことで動きますチェーンというものがかなりふえてまいるというふうに考えておりまして、その指導に力を尽くしていきたいというふうに考えております。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 中小企業庁といたしましては、やはり最近の消費需要の多様化に対応いたしまして、消費者の購買の便宜に資するというような面から、コンビニエンスストアの利便はいろいろ考えられるわけでございます。したがいまして、私のほうもコンビニエンスストアのマニュアルをつくりまして、コンビニエンスストアを開設される場合にはこういうようなかっこうでコンビニエンスストアの形態はあるべきであるというような指導をいたしておるわけでございます。先生おっしゃいますとおり、これはやはりボランタリーチェーンの一部としてコンビニエンスストアが当然開かれるということが考えられるわけでございまして、私どもとしては、ボランタリーチェーンの育成と同時に、コンビニエンスストアの開設等についても極力中小企業者を指導し、援助をしてまいりたいというふうに考えております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 そこで、農林省に私御質問を申し上げたいのですが、いまお話しのように、ボランタリーチェーン、コンビニエンスストア等々、食品関係に対するチェーン形式による中小小売商業者の自助努力というものは非常に高まっているわけです。したがって、これに対する指導が適切であるかどうかということがこれからの中小商業者の振興に対して非常に大きなウエートを占めてくると思うわけでありますので、農林当局においても積極的に取り組んでもらいたい。  同時に、これが主務大臣という形の中で処理されているわけですけれども、結果的にいうと主務大臣という形ですから、通産ベースで通産大臣が——私は通産ベースでいいということで先ほど強調したのですが、役所としてのなわ張りがありますので、それぞれが競合し、あるいはそれぞれがそごを来たす、こういうふうな形の中でデメリットが出てきてはどうにもならないと思うので、これを機会にひとつ農林当局も、この法案の成立を契機にして積極的な対応、取り組みを強く要請しておきたいと思うのであります。  そこで、厚生省から来ていただいておりますので、厚生省に御質問を申し上げたいと思うのですが、私は先ほど来質問を続けてきておるのですからおわかりのとおり、今回の法律案に基づいて、中小小売商業者の関係については一定のメリットが得られるような状況の中でこの法案の審議がいま進められつつあるわけでありますが、先ほど大臣とのやりとりの中で明らかになったように、いわゆる環境衛生団体の中で厚生省が所管し、商業であるといわれるがごとき形でありながら商業でないサービス業といわれる重複した商業もあるし、あるいは純然たるサービス業だという形もあるわけでありますが、これらの層がこの法律の恩恵を受けることなく、あるいはその審議の中において埋没してしまうということがあってはたいへん残念だと思うわけであります。一般的には、先ほど申し上げたとおり、同じ街区の中にあって、小売商業あるいはまたサービス業が存在しておる場合は幾らもあるわけでございますから、これらについて、この法案審議の中における私の要望を含めて、厚生当局の見解をこの際聞いて、積極的にこの法律の審議の経過を通じて取り組んでいただきたい、こう思うわけですが、御見解をこの際お伺いしておきたいと思うのです。

加地夏雄厚生省環境衛生局環境衛生課長

○加地説明員 先ほど来の御審議で先生御指摘のように、環衛業をどうこうというのではなくて、環衛業の中にも小売業に類するものもございますし、また先ほどのお話にございましたように、商店街とかいった問題については、サービス業であっても当然その計画の中に入るということでございます。なお、たとえばクリーニング業界のような場合には、御承知のように、現に近代化促進法でやっておるわけでございまして、私どもとしましては、この法律が流通の合理化とか近代化という形で焦点が小売店に置かれておるわけでございますけれども、決してサービス関係も適用の除外になっておるわけではございませんので、そういう意味で理解をしておるわけでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 いずれにせよ農林、厚生両省とも積極的に中小小売商業あるいはサービス業の振興のために努力してもらいたい、こういう要望を申し上げておきます。どうも御苦労さまでした。  そこで私は、ボランタリーチェーンの問題あるいはコンビニエンスストアの問題についてはまだたくさんお聞きしたいことがあったわけでございますが、十二時半まででやめてくれということでいまメモが来ましたので、省略をいたしまして、次の問題に進みたいと思います。  次は、先ほど資金の確保と減価償却の問題は終わりましたので、調査について御質問を申し上げたいと思います。  いわゆる調査の効果、わざわざここに「調査」ということでこれほどの項目をあげて御説明になっておられるわけです。文章は少ないけれども、この法律の中で非常に調査を重視しておられるということがよくわかるわけでございますが、これをまた長く御質問申し上げておりますと時間がかかるので、一点だけ御質問申し上げます。  この調査ということは、現行の商業地域近代化計画を意味しておるものか、あるいは新しい角度に立っての調査という項目の設定なのか。現行の商業地域近代化計画を意味するものであるとするならば、簡単でけっこうですから、現在の実施状況と今後の方針について、この際、御説明をしていただきたいと思うのです。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 法律の七条に調査のことに触れております。この調査は、先生御指摘のとおり、一つは商業近代化地域計画のことを意味しておりますが、他面診断の一態様といたしまして、私どものほうで従来から広域商業診断というのを実施いたしております。さしあたりはこの二つのことを意味しておるというように私のほうは考えております。  商業近代化地域計画につきましては、四十五年度に発足いたしまして、四十五年度に四地域、それから四十六年度に十地域、四十七年度は十二地域を実施いたしております。なお、広域商業診断につきましては、毎年大体五十地域ぐらい実施をいたしております。ただ、商業近代化地域計画と広域商業診断の違いは、広域商業診断のほうが地域が比較的狭く、一つの商店街と他の商店街との関係という点を主としてとらまえておるという点に差異があろうかと存じます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 調査が診断ということになりましたが、次の研修事業との関連で御質問申し上げます。  いわゆる研修事業の実施ということは、「経営の指導を担当する者の養成その他の措置を講ずるように努めるものとする。」云々といっておりますが、結局これからの中小小売商業者が、その自助努力によって外資の圧力なり大型店舗の圧力なりをはねのけて、その企業基盤を維持して発展していくためには、みずからの力を高める、そのみずからの力を高めるために、研修なり、指導なり、その他診断なり、いろいろなものが必要になってくるわけです。  そこで、政府の行なっている法律の中で、中小企業指導法をはじめいろいろの法律に基づいてそれらの措置を行なっているわけですが、結果的に中途はんぱではないか。もちろん予算の面その他がありまして、いま次長の説明がありました点につきましても、そう多くの地点に対する調査が進められていない。診断といいながらも、単なる幾つかのほんとうに形式的な形しか行なわれていない。こういうような形ではその効果はあげ得ないし、この法律の調査の項目も、結果的にはそのまま終わってしまうことが考えられるわけであります。  そこで私は、この研修事業という問題について若干御質問をしてみたいと思うのでありますが、時間がございませんから全体的に質問をいたしますので、大臣並びに次長のほうから答弁をしていただきたいと思うのであります。  まず、研修事業実施の主体は一体だれなのか。だれがその研修事業を行なうのか。  二つ目には、経営の指導を担当する者の養成機関は一体どこなのか。いま中小企業振興事業団が行なっておるといわれておりまするけれども、この養成機関というものは一体どういうことを考えているのか。  三つ目に、中小企業診断員等あるいは商工会議所、商工会等の指導員等、民間指導員の活用をどのようにはかっていくのか。  四つ目に、商工会議所等の果たすべき役割りの範囲、商工会議所等がいまそれぞれの役割りを果たしておりまするが、それらの範囲について、この際お伺いをいたしたいと思うのであります。  私の申し上げることは、単に役所ベースの中でそれぞれの問題について処理をするのではなく、広く民間の有識者の理解と協力を求める中で、一定の役割りを分担させる、たとえば、研修機関についても、あるいは診断事業にしても、その他の形の中においても、それぞれの事業を分担させる形の中で十分なる機能を果たしていくべきではないか、そうでないと、先ほど言った調査の項での説明のとおり、単なる申しわけ的にそれをやってやりました、それが全体的な条件の中でどれほどの効果を生み出すかといえば、ほとんど形式的な効果しか生み出さない、こういうようなことになるおそれがあるので、そういう点について質問をしてみたいと思うのであります。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 お答え申し上げます。  中小企業の研修につきましては、実施の主体は都道府県であります。都道府県におきまして、現在中小企業の経営者あるいは従業員を対象にいたしまして研修制度を実施いたしております。ただ、都道府県が実施しがたいような部面につきましては、御指摘のありました中小企業振興事業団におきまして、やはり中小企業の経営者あるいは従業員を対象にして研修制度を実施しておるところでございます。ただ、先生御指摘のとおり、規模が不十分ではないかという点は確かにございまして、私どもはさらにこれは将来拡大をしていきたいというように考えております。  それから、御指摘のありました民間の診断員等の活用でございます。民間の診断員等は、当然都道府県がいろいろ中小企業を指導いたします場合に、診断を都道府県の総合指導所で実施をいたしておりますが、その場合にやはり民間の有識者として御協力を願っております。  なお、振興事業団でいろいろ研修制度を実施いたします場合に、先生御指摘のような面もありますので、民間のそういう知識を持った人のうち、有能な方を嘱託として事業団のほうで常時利用しておるというような点もございます。  いずれにいたしましても、先生御指摘のように、やはり民間の有能な人を大いに活用するというような方向で、将来とも実施していきたいというように考えております。  なお、商工会、商工会議所の指導事業につきましては、御存じのとおり、おのおの経営指導員を商工会、商工会議所に置きまして、いろいろ中小企業の経営指導を行なっておりますけれども、これはやはり小規模事業という面を主として目的としてこういう経営指導を行なっておるわけでございますが、同時に、中小小売商業者の大部分が小規模企業であるという実態から見ますと、商工会、商工会議所の経営指導も、やはりこういう法律を背景として経営指導をするというような方向で今後運用を強化してまいりたいというように考えております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 大臣、いまの点についてお聞きしておきたいと思うのですが、その指導事業というのは非常に大切なことでありますので、全体的にいわゆる広範な各方面の力を結集した形の中において、これだけではございませんけれども、中小企業全体に対する振興のために活用する措置を十分考えられたほうがいいのではないか、こういう点を申し上げたいと思うのです。  そこで、これはまたあと中小企業基本法の問題の場合、当然議論になりますので、私またその際質問してみたいと思うのであります。したがって、きょうはこの程度で終わりたいと思うのであります。ただ、考えられることは、そういうように指導体制をつくって各団体なり何なりにどんどん指導を強化していく。そういうことになりますと、農林省も厚生省も帰ってしまったからあれなんですが、それぞれ団体ができてくるわけですが、それぞれの団体で、特定の人が自分の個人的な利益を追求するためにその会長になる。具体的には申し上げませんが、必要があればこの次のときに申し上げたいと思うのですが、補助団体その他補助金や交付金に基づいて運営される団体、指導団体でも何でもけっこうですけれども、そういうような場合に、特定の個人利益に基づいて就任する、むしろ強引にその組織そのものがそれを求めるのじゃなくて、その人の個人的な利欲に基づいて就任しようとして強要したような場合を私どもあらゆる方面で見聞きしているわけです。そういう場合において、案外指導体制の本部である通産当局なり各省の指導がきわめて弱いというような例があるわけです。必要があれば、この次の質問にその具体的な例を持ってきてもいいと思うのですが、私は、これらの点についてきょうは大臣に抽象的に質問しておきますので、関係方面でひとつ御調査を進めていただきたい。いわゆる公平な形の中においてそれぞれの団体の補助金、交付金団体の責任者になっていない。そういうような条件については、厳正な立場においてこれを処理する、こういう政治的な姿勢をひとつ大臣、この際明らかにしておいていただきたい。もし必要があれば具体的な例で御質問しますけれども、きょうはそういうことは必要ないと思いますので、抽象的な質問をしておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 法律でも、商工会と商工会議所あるいは協同組合等においては政治的中立性を保つように配慮されておりますし、また、事業それ自体が、いまのような企業自体の共同行為として経済行為を追求していくという立場にあるものでありますから、われわれはそういう見地に立って厳正公平な行政をやらなきゃならぬと思っております。また、そういうふうに業界自体も努力していくべきであると考えております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 いよいよ時間がなくなりましたので、最後の質問に入りたいと思います。  公取、さっきからたいへん長く待たして恐縮でした。最後の質問はフランチャイズの問題であります。いわゆる特定連鎖化事業に関する問題でありますが、これはあと五分の中で質問しろといったってどだい無理ですから、せっかく公取が来ていますから、公取に関係した問題だけ質問してあとは保留して、また適当な機会に質問してみたいと思うのであります。  そこで、五月二十一日の日経に、「公取「フランチャイズ」規制へ」「多い不当取り引き、弱い立場の加盟店守る」「契約に「認定基準」検討」「顧客誘引へ誇大表示」「フランチャイズチェーンの問題点」「加盟店への価格制限など」「公取調査」こう出ているわけです。ときたまたまこの法律の中にも、フランチャイズの問題については相当こまかに書かれているわけです。時間がないのでそれらの面を一々言っている時間はございませんが、あなたに御質問したいことは、この書かれていることは、この提案されている趣旨とほぼ同じだといってもいいような内容が書かれているわけであります。したがって、この内容は事実かどうかという点について、そしてその考え方がどうなのかという点について、ひとつお聞きしておきたいと思います。  それから大臣にこの際、これに関連してフランチャイズ問題でお聞きしておきたいことは、これは内容を勧告するということだけが書いてあるのです。そして勧告したことについて公表するということもないわけです。それから公取のほうは、これについて一定の罰則とまではいわないけれども、それに対していわゆる公取違反であれば結果的に審判によって処罰をされるわけでありますが、この法律によると全然それらの点については触れられていないわけであります。そうすると、公取の態度に対して通産省の新しい法律の中においては、それよりもむしろ後退した形の中で、むしろ公取の行為を制限するような形の中で法律が制定されようとしているわけです。これはこの書かれている文章の面から見ても全く後退であり、矛盾であり、かつ、この法律の精神が生きてこない。単なる行政上の指導点だけを書いたというぐあいに印象づけられるわけでありますが、この点について、公取の答弁と、大臣の答弁を承っておきたいと思うのです。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 お答えを申し上げます。  この前、日経新聞に出ておった記事でございますが、公取ではかねがねフランチャイズチェーンにつきまして独禁法上問題があるのではないかということで、問題があるかどうかという点の実態調査を進めております。ただ、現在までまだ調査結果はまとまっておりません。  ただ、新聞の報道では非常にはっきり書いてございますが、これはあくまで事務局における調査、検討でございまして、まだ委員会としての正式態度を出しているわけではございません。  フランチャイズにつきましては、やはり加盟店の保護という立場、つまり独禁法との関係で加盟店の保護という立場から調査をやっているわけでございまして、一応考えられる問題点としましては、フランチャイズの本部が加盟店を募集する場合、いわゆる不当誘引効果を持った募集方法をとっているかどうか、それからフランチャイズ契約書の内容にいわゆる優越した地位の乱用行為であるとかいうふうな不公正取引方法を用いているのかどうかというような点を中心に調査を進めています。  それから認定基準を出すかどうかということはまだきめておりません。問題点につきましては、中小企業庁等関係当局とも、これは十分に事務局段階で協議している段階でございます。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 フランチャイズの問題については、新聞紙上に報道されましたり国会でも御質問をいただいておりまして、本部と加盟店との間に力の相違とかあるいは情報や知識の有無とか、そういうことによって乗ぜられている加盟店というものも必ずしもないとはいえないと思います。ただ、いまフランチャイズというものは日本で発展し始めている当初でありまして、当初におきましては若干の摩擦もあるとは思っております。しかし、原則としてこれは契約で営業行為として両方が結んで提携していくという関係でありますから、できるだけ法的強制というものを加えることは避けることが妥当である、われわれはそういう考えに立って、あまり罰則のような強いものは考えておらなかったのであります。しかし、現実に強いもの、弱いもの、あるいは情報知識のあるもの、ないものということが目に見えてあるようなケースもあると思います。そういう問題もよく踏まえてこの問題には対処したいと思っておりますが、一応はそういう契約の自由という原則に立った姿勢で法案は提出しております。しかし、これは推移によっては考えなければいけないポイントであるだろうと思っております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 だいぶ長く質問をしましたが、ちょうど十二時半になりましたので、まだ質問がたくさん残っておりますが、あらためてまた時間をいただいて質問するということで、これで終わります。

山田久就自由民主党

○山田(久)委員長代理 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後零時三十一分休憩      ————◇—————    午後一時三十八分開議

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします神崎敏雄君。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 まず、振興指針の内容について第一にお聞きいたしますが、この第三条二項で五つあげられていますが、この五つの項目のそれぞれの具体的な内容についてひとつ御説明を願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 振興指針は、いわばガイドラインとでも申すべきもので、われわれのほうで官僚的な統制的な処理を避けて、一応の基準点となるべき大まかな原則的なことをお示しして、それを採用になろうがなるまいが、これは関係業者の自由でございますけれども、一応こういう方向に持っていくことが望ましいと思われる政策的方向をお示しをして参考にしてもらおう、そういうことであります。  各項目につきましては、次長から御説明申し上げます。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 お答え申し上げます。  法律の第三条にあります振興指針は、第一号が「経営の近代化の目標に関する事項」ということに相なっております。「経営の近代化の目標に関する事項」におきましては、たとえば、経済合理的な事業活動によって生産性の向上をはかることとか、あるいは最近の消費者の欲求の多様化に対処いたしまして、消費者の欲求をよく把握したような販売態度をとるというようなこと、あるいは午前中の質疑にも見られましたように、労働力不足というような問題がありますので、省力的経営をはかることというような、そういう経営の近代化の目標に関することを第一号で掲げることといたしております。  第二号の「経営管理の合理化に関する事項」でございますけれども、この中では、第一に、やはり経営者並びに従業者の資質の向上ということが大事でございますので、経営者が資質の向上をはかるというようなこと、それから、いろいろな欲望に対処した商品の仕入れを計画的に行なうというようなこと、それから、展示あるいは販売促進ということについて効率的かつ合理的な方法を講ずるというようなこと、それから、経営管理的な部面といたしまして、家計と営業をできるだけ分離をしろというようなこと、最後に、従業者の資質の向上をはかりますために、できるだけ検定試験制度を利用しなさいというようなことを二号にうたうことといたしております。  第三号は、「施設及び設備の近代化に関する事項」でございますが、店舗その他の施設の合理化に関する事項をここで掲げることといたしております。特に、省力的な設備あるいは物的流通の合理化に関するような設備あるいは店舗設備等の導入について積極的に行ないなさいというようなことを第三号で書いております。  第四号は、「事業の共同化に関する事項」でございまして、小売商業者は積極的な共同意識を持ってグループ化あるいは組合化というようなことにつとめなければならないということを前提といたしまして、後ほど出てまいります商店街、連鎖店あるいは小売共同店舗についてのいろいろな備えるべき事項ないしはつとめなければならない事項というものを四号に列記をいたすこととしております。  五号は、「その他中小小売商業の振興のため必要な事項」ということに相なっておりますが、午前中の質疑でもございましたように、従業者の福利厚生に関する事項をこの中で盛り込みたいというように考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 いまの説明の中で、第一号の地域経済環境との調和という問題、第二の経営管理の合理化の中で財務管理というこの二つが落ちているんですが、これはもう意識的に落としているんですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 御指摘のとおり、第一号には地域との調和あるいは第二号の経営管理の合理化の中で御指摘のような事項はこの振興指針の中に盛り込んでおります。意識的に落としたわけではございません。その中で独立した項目であげております。ただ、振興指針の内容が非常に多岐にわたりますので、代表的な事例を摘示して申し上げたまででございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこで、その地域経済環境との調和とは一体どういうことかということの中身を聞きたい。財務管理とはどういうことの管理をやるのか。中身を教えてください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 この振興指針は、性格として指針的なものでございます。したがいまして、おっしゃいましたような財務管理とは具体的に何であるかというようなことについては、小規模事業者に対する指導員あるいは商店街の指導員等がございますので、こういう人たちが財務管理とは一体何であるかというようなことを個別具体的にお教えするということになっておりまして、この振興指針ではその方針的な面のみを摘示しておるということでございます。  なお、ちょっと申し忘れましたが、振興指針につきましては、私どもは、現在、申し述べましたとおり考えておるわけでございますが、これはさらに各方面の意見を聞きまして最終的にきめた上、公表いたしたいというように考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 それでは、財務管理の中には青色申告に対するいわゆる半強制的な指導、そういうものは入っておらない、こういうふうに理解していいのですね。  それから、いわゆる地域の経済環境との調和というのは抽象的な表現ですが、ここは論議のあるところなんでまたあとで論議しますが、いわゆる財務管理というようなことについて、そういうことには関連がないのだなというふうに理解して質問を続けていってよろしいか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 お答え申し上げます。  現在私どものほうで考えております素案で、地域の発展との調和ということにつきましては、第一の経営の近代化の目標に関する事項の第六号というところで、地域発展との調和ということで別に章を分けて書いてございますので、先ほどは特に御説明をいたしませんでしたけれども、振興指針の中には入れるつもりにいたしております。  それから、御質問のありました財務管理等について青色申告制度をとらなければいけないというようなことは、この振興指針の中にはうたっておりません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 第二に移ります。  そうすると、次に、高度化事業の認定は、商店街整備計画、店舗共同化計画、連鎖化事業計画、それぞれ政令で定める基準に適合することが条件となっております。ところで、この基準を定める際の政府の基本姿勢についてお尋ねしたい。  昨年の産業構造審議会流通部会の第一部会中間答申によると、中小小売商は消費者への近隣サービスの充足のにない手として、商店街に多様性を持たせる、また、構成要素として、あるいは大型小売商の地域独占化のおそれに対して、有効競争を維持する対抗力として健全な発展が見られるように配慮する必要がある、こういうふうに述べておられる。中小小売施策の基本方向として、こういう形をそういう形の基準にしておる、こういうふうにいわれておるが、こういう法律はこの基本方向に沿ってきめられておるのかどうか、この点どうですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 指針のようなものは、単に対抗策として基準をつくるということは適当でないと私は思うのです。つまり中小小売商業振興ということを目途にそれは立てらるべきであって、その中小企業振興という目途の中にいろいろな経営の近代化もありましょうし、労務問題も出てまいりましょうし、税金問題も出てまいりましょう。それで、通産行政として把握する範囲をこの法律では対象にしておりますから、その範囲内において指針を立てるということであります。対抗策という感じになりますと、これは公正競争とかあるいは消費者保護という面が強く出てまいりまして、必ずしも小売商業を中心に考えるというやり方よりも、何か政策的なにおいが多分にいたします。そういう点から、やはり中小企業者自体を本位に考えた考え方で基準は立てらるべきであると思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そういういまの大臣の基準でこのことが進めていかれるということについての一貫性について、私は、そこでやはり基礎理念をがんと据えて置いていただきたい、このように思うのです。  そうすると、第三番目に聞きますのは、政令できめる基準とは、引き続いてできますところの百貨店とかスーパーに対抗する力の最低限度を維持することになりますけれども、現在政府の考えているこのスーパー、百貨店に対抗する力の最低限度、こういうものに対する考え方の具体的な内容はどういうふうにお考えになっておられるか、これを聞かせてください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 法律の中では、商店街、共同店舗、連鎖化事業等の計画を認定するということと相なっております。そういう計画を認定いたしますからには、やはり一定の小売業者が参加をし、一定の内容を持っておるものでございませんと、中小小売商業の近代化というような目標には到達できないわけでございます。したがいまして、私どもの観点は、あくまでもそういう計画自体がほんとうに中小小売業者自体の資質を高めるような高度化事業であるかどうかということを認定の基礎条件にいたしたいと思っております。  たとえば、具体的に申しますと、商店街の改造におきましては、三十店以上の商店街、構成員が三十店ありますような商店街の整備事業でなければなりませんし、やはり適当な共同施設事業がこれに伴ったものでないと認定はできないというように考えております。  また、店舗の共同化につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、今年度から新たに零細店舗、小規模事業店舗につきまして特に有利な貸し付け制度を創設するということを行なったわけでございますが、小規模事業店舗ですと、やはり相当数の店舗がその中に入りませんと店舗共同化の実をあげるわけにはまいらないということで、大体十店以上の小規模事業、十店以上の店舗が参加したものでなければ店舗共同化とは認めないというようなことを原則的に考えております。  また、ボランタリーチェーンにつきましても、やはり一定数の加盟店がございませんとボランタリーチェーンの長所が発揮できませんので、五十店以上の加盟店のあるものを計画認定の対象といたしたいというような考え方でおります。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そのことが冒頭に尋ねた地域経済環境との調和の基準ですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 先ほど地域との調和ということで申し上げましたのは、振興指針にうたっておるところでございます。私がいま御説明申し上げましたのは、具体的な個々の計画の認定基準であります。ただ、具体的な個々の認定基準以外に、具体的に個々に認定する場合に、当然振興指針というものは参考にされなければなりませんので、具体的に商店街の整備計画あるいは店舗の共同計画等が出てきました場合には、いま先生御指摘のありました地域経済との調和が十分保たれておるかどうかという点も十分配慮した上で認可をいだしてまいりたいというふうに考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そうすると、商店街といったら三十店以上あったら商店街、それ以内だったら商店街とは言わないということになって、それが都市計画との斉合性については関連がありませんか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 お答え申し上げます。  現実にございます商店街は、百以上の商店を含みます商店街、あるいは三十店以下の商店街、いろいろあると思います。ただ、現実に顧客吸引力を持つような一つの共同体として行動できるような商店街というのは三十店くらいが限界ではないか、これは一種の腰だめでございますが、そういうような考え方で私どもは認定基準を一応考えたわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 ちょっと抽象的でありますが、またそれはあとで具体的な事例をあげた中で、私の聞いておる真意を立証していきたいと思います。  次に、四番目に聞きますが、高度化事業計画の認定と振興指針とのかかわり合いはどうなっておるのか。つまり計画が振興指針に沿ったものであるのかどうかが認定の条件になるのではなかろうか、こういうふうに思うのですが、それはどういうことになるのですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 先ほど御説明申し上げましたとおり、具体的に高度化事業を認定いたします場合には、振興指針に合っておるかどうかということは一つの条件になるというように考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そうすると、通産省の振興指針のワクの中だけに限定されるということですね。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 私どもは、やはり振興指針が中小小売商業振興の基本になる考え方というふうに存じておりますので、いろいろな振興方策を講ずるにあたりましては振興指針を基礎に行動しなければいけないというように考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 一々反論していると時間がないので、次にどんどん進みますけれども、五番目に伺いたいのは、中小小売商の実態について見ますと、常時従業者五人以下の小売店が九〇%を占めており、また、従業者を使用していない個人商店が約八〇%を占めている。これが産構審で報告されているのです。ところで、これらの小零細小売商は、いまのあなたの説明からすると、どの程度高度化事業に参加できるのか。これについて具体的に納得させていただきたい。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 私どもは、中小小売商業者は、商店街あるいは連鎖化事業あるいは共同店舗というような形で行動していかなければその効果をおさめることはできないのではないかということを第一に考えております。先生御指摘ございました小規模事業者が一体こういう事業にどの程度参加をしておるかという点につきましては、大体私どもは、商店街におきましては構成員の約半数が小規模事業者である、それから共同店舗等におきましては小規模事業者が八割以上を占めておる共同店舗が約半数であるということで、小規模事業者もこういう高度化事業を十分利用いたしておると考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 八割というのは訂正ですか。いま五割、八割と言われたのは訂正ですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 共同店舗の場合について申し上げましたのは、たとえば共同店舗の中に構成者が十人おるといたしますと、そのうち八割まで小規模事業者でありますというような共同店舗が、全体の共同店舗のうち半分以上あるということを申し上げたわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこで次に六番目に聞きますが、スーパー大手二十社の平均売り場面積を通産省の調査で見ましても、小さなところでピーコック産業ですね、これが千三十平方メートル、大きなところでは平和堂の五千七百五十七平方メートル、こういうことになっております。売り場面積をこれに匹敵するものにしなければ、競争できないという単純なものではないにいたしましても、政府も一定の基準をきめているように、ある程度大きな規模が必要とされます。したがって、大型化すればするほど、大きな資金が必要とされるのは言うまでもありません。  こういう点から見ますと、高度化事業に参加できるのは、中小小売商の中でも資金的に余裕を持った一部に限られる、こういうふうに思うのです。結局、本法案によって資金面で恩恵を受けるのは中小小売商の上層といいますか、一割にすぎないということになると思うのですが、あなたの言われるその商店の八〇%がこれの中に含まれますか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 確かにスーパーの一店当たりの面積は数千平方メートルに達しておりまして、相当な大きさを持っておるわけでございます。ただ、私どもは、店舗の大きさのみで競争するという必要は必ずしもないと思っております。やはり商品を的確に選択して、消費者の需要に応ずるようなものを売りますれば、スーパーよりも小さい店舗でも、スーパーと同じような効率をあげ得るのではないかと考えております。  先生御指摘の小規模事業者がなかなか利用できないではないかというようなおしかりをいただいたわけでございますが、そういうような点もありまして、私どもは今回、共同店舗をつくります場合には、八割で無利子の融資制度を実はつくったわけでございます。小規模事業者は、資金源がそれほど豊かではありませんし、やはり財政的にも弱いという面で、必要資金量の八割は、振興事業団を通じて府県から貸し付ける、しかも、これは無利子でありますというような制度を考えたわけでございます。こういうような制度でございますれば、残りの二割を調弁すればいいわけでありますから、小規模事業者といえども、相当程度の共同店舗を設立し得るのではないかと考えておりまして、したがって、本制度は小規模事業者も相当利用されるのではないかというように期待をいたしておるわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 別に私はしかっているわけではないんで、おしかりを受けましたという表現を使ってもらうとぐあいが悪いのですが、尋ねておるのです。あなたの言われている、大きな入れ物でなくても、小さくても、一般消費者に非常に喜ばれるようなものを売っておれば経営は成り立つのだ。これはやはり机上の空論ですよ。実情はそういうものではない。それは何ぼでも実例をあげます。いま一緒に出ておりませんけれども、百貨店法、スーパーについての法案が出たときには、実例をたくさん申し上げますけれども、それはほんとうにへ理屈といいますか、実際はそうじゃないですよ。だから、そういうような形で考えてせられたら、せっかくこの法律をつくっても、先ほどから言われているように、ほんとうに一面いいようなことを言っておって、そして一面では非常に苦しめる。だから、大臣が冒頭に言われた基本姿勢が生きない。こういうように思うわけです。  そこで、意見の違いは違いとして続けますが、商店街整備に対して中小企業振興事業団の融資を受けたもの、これを調べてみましたら、あなたはいまそういうふうに言われましたが、昭和三十九年から四十六年の七年間に、全国で十二の商店街しか受けていないのですね。この数の少ないことにも問題がありますけれども、この十二の商店街のうちで、小零細小売商といわれるのは一体全体の何%を占めているのか。いま一点、共同店舗についてはどうか。これを具体的に教えてください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 確かに先生御指摘のとおり、商店街近代化については昭和三十九年から四十六年に至る期間において十二件の助成しかいたしておりません。ただ、商店街につきましては、このほかに商店街として共同施設をいろいろ設置をしておるというような事業がございまして、これは同期間に二百五十二件の助成をいたしておるわけでございます。  確かに、商店街の近代化ということで従来振興事業団がやってきました事業自体、これはやはり商店の相当数の店舗を建て直すというような非常にむずかしい内容を含んでおりますので、商店街自体の中でなかなか権利調整ができないために、私どものほうに出てくる件数が非常に少なかったという点は、御指摘のとおりであろうかと思います。したがいまして、この恩恵に浴したものが一体小規模事業者の中で幾らであろうかという御質問でございますが、計算するまでもなく、これは全体の小規模事業者の数からいたしますれば、現状では非常に微々たるものではなかろうかと思っておるわけでございます。ただ、私どもは、こういうことではいけないと思っておるわけでございまして、いろいろ制度の改正を行ない、制度を使いやすくし、中小企業者にPRをして、こういう高度化事業をさらにふやしていくという決意を固めておるわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 この七年間に十二といったら、一年で二カ所やったら十四になるのですね。そしたら、一年で二カ所もやっておらぬというわけですね。商店街というのは、いま全国で何ぼくらいあるのですか。こういう振興事業団の融資を受けられる対象の数は一体どれだけあるのか。そういうような形から融資を申し入れたり申告をしたりした数は一体どれだけあるのか。そういうものを整理され、いろいろな形の折衷もあると思うのですが、全国の商店街の中でこれの対象になったものが年二つもないというのは、一体どのような形でこういうことになっているのか。これでは、中小企業振興事業団なんて麗々しい組織をつくってやっておられることについてどう思いますか。一体、三十店以上の商店街は全国にどれだけあるのですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 お答え申し上げます。  全国に商店街は、任意団体も入れまして約一万五千あるというように私のほうでは考えております。このうち事業団として取り上げました商店街は、おっしゃいましたように十二でございますが、商店街の中でやはりいろいろと改造計画を持っている商店街はあるわけでございまして、これを調べてみますと、やはり全体の商店街の二五%は商店街全体について改造いたしたいというような考え方を持っておりますし、また、商店街のあるブロックについて改造計画を持っておるというような商店街は全体の一四・六%あるわけでございます。したがいまして、全体の約四割の商店街は何らかの改造をしたいというような意欲を持っておるものというように考えております。  ただし、それでは十二件と全体の四〇%という幅があまりに大きいではないかというような御疑問が当然出てくるだろうと思います。御存じのとおり、商店街の改造自体は非常にたいへんな事業でございます。小売業者の中でいろいろな意見を持っておるものを統合し、意見を調整し、その上で初めて商店街の改造ができるわけでございまして、そういうような点から、改造の気持ちは持っておりながらも事実上できないというような商店数が相当あるというように私どものほうは考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 一万五千の商店街のうち約四〇%が改造を希望している。七年間にそのうちの十二件しかやってないというのは、四〇%も占めておるのに、一年に二カ所以内のものしか対象にしてないというような中小企業振興事業団というのは、一体何をやっているのですか。一年に二つくらい対象を求めて……。振興事業団の中身は御存じですか。それを教えてください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 中小企業振興事業団は、おもな業務として二つ持っております。  一つの業務は、中小企業構造の高度化と基本法では言っておりますが、中小企業構造高度化のために中小企業者の共同事業を援助することであります。その中には、たとえば工業者が集まって工場の団地をつくる、あるいは商業者が集まりまして卸商業団地をつくるというような事業、それからいま御説明申し上げております商店街改造事業あるいは共同店舗の事業あるいはいろいろな組合で共同の施設を設置したいというような場合に、共同施設の設置に必要な資金、こういうような資金を府県と共同をいたしまして組合等に貸し付ける事業をいたしております。組合等に貸し付けるというのは若干ことばが足りないわけでございますけれども、必要な資金を府県に貸し付け、府県が自分のほうである程度資金量を出しまして、府県が自分のほうの持ち分と振興事業団の金と合わせて中小企業の組合等に貸し付けるというような事業を第一にいたしております。  それから第二の事業といたしましては、いろいろ中小企業者の指導をするという仕事がございまして、中小企業につきましては各県が大体総合指導所等を設けまして、総合指導所の担当官が自分のほうの中小企業のいろいろ経営指導をしておるというようなことになっておるわけでございますが、そういう経営指導をするにあたりまして、このために必要な指導員等の養成を事業団で行なっております。あるいはその他中小企業者の研修事業等々も事業団で行なっております。  なお、府県等がいろいろ中小企業者の診断をいたす場合に、自分のほうの能力に余る場合には振興事業団に応援を要請してくることがございますので、こういう府県が自分の力を越えるような診断事業の応援業務というようなものも同時に実施しておるところであります。  ほかにまだ二、三、情報提供業務とか、あるいは調査業務とか、そういうものもいたしておりますが、事業団の業務は、大別して融資業務と指導業務というのがおもな仕事であろうかと存じます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 大体、私の聞いている零細中小企業、商店、小売商、そういうものを育成したり振興したりするよりも、いまあなたがくしくも言われた、たとえば、大阪で言ったら金物団地、マーチャンダイズマートビル、天六にあるああいう形、いわゆる横堀へ行ったらせともの屋ばかりが並んでおった、天六へ行ったら古着屋さんばかりがあった、谷町へ行ったら金物屋さんばかりがあった、そういうものを一堂に集めて金物団地をつくるとか、マーチャンダイズマートビルをつくるとか、そういうようなことで往々にしてやってきたことがいわゆる中小企業振興事業団の仕事だというように思うのです。説明を聞いておったら、そう思うのです。だから十二ぐらいだと思うのです。首を横に振られたから、違うと言うのなら、十二ぐらいだから、振興事業団の融資を受けた団体名といいますか、商店街名と、一つの商店街にはどれだけの金融をしたのか、総合計は今日現在どれだけの金額になっておるか、それを説明してください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 お答えを申し上げます。  振興事業団のほうでいままで商店街近代化で助成いたしました商店街は、群馬の桐生市本町商店街建設協同組合、兵庫の湊川商店街近代化建設協同組合連合会、和歌山市堀止商店街建設協同組合、足利中央商店街協同組合、静岡の連雀商店街振興組合、長野の海野町商店街振興組合、大分の大分市竹町商店街振興組合、佐賀の北水商店街協同組合、秋田の大館市御成町二丁目商店街振興組合、長野の長野市北石堂商店街振興組合、同じく長野の駒ケ根市広小路商店街振興組合、佐賀の本通筋商店街協同組合でございます。  この参加者は大体小さいもので三十二企業、多いもので百三十七企業ということでございまして、構成員の中で小規模事業者がどれだけ占めておるかということは、先ほど御説明申し上げたとおり、約半数が小規模事業者であるということでございます。  融資金額は、小さなもので三億九千三百万円、大きなもので十八億七千六百万円というのが総所要資金でございまして、これに対して県と市と合わせまして五、六割の助成をしておるというのが実態でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 先ほどから言われている、そういう答弁に該当するものの中で、中小規模の小売商が占めておるのは大体五〇%だ、こういうふうにおっしゃっているのですが、使用人を雇用していない零細企業はその五〇%の中に含んでいますか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 私が申し上げましたのは、全体の構成員の中で、従業員五人以下の小規模企業が半数を占めておるというふうに申し上げたわけでございます。したがいまして、その中には当然使用人もおらないような小規模企業も入っておるという前提でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 それがどのくらいあるか御存じかと聞いておる。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 調査をいたしておりません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 なぜこういうこまいことを聞くかといえば、こういうものをつくってもらったら、できるだけ中小の、特に零細の商店が、いわゆる恩恵ということばは適切でないけれども、これに該当したり対象者になり得るものにしたいからこのことを言っておるのです。そういうことから見て、これらの小零細企業を調査してないと言うが、調査しなさいと要求します。そうでなかったら、いつまでたってもやはり調査の対象にならないような人たちが多いのです。そういう人たちが振興してほしいのですよ。それがいつも目こぼれになって、網の目からはずされているわけですね。調査もしてないのだから。言っておることはわかりますね。だから、それは調査をして、それに対して適切な手を打ってもらいたい。というのは、これらはいわゆる小零細で現在共同店舗を張っておりますが、そこらの経営状態というのは順調にいっておりますか。この法律をつくるに際してもそういうことを調査されましたか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 私のほうとして直接調査はいたしておりませんが、大体高度化事業で助成をいたしましたような商店街あるいは共同店舗等につきましては、そういう事業ができました後に運営診断というのを行なうことになっておりまして、大体こういうような助成高度化事業につきましてはほとんど全部そういう調査が実施をされておるということに相なっております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 さっぱり言っておることはわからないですね。調査をしてない、しかし運営診断はしております、だから調査はしていると思いますというのは、どういうように理解したらいいのですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 ことばが若干不十分であったわけでございますが、高度化事業につきましては府県が融資をいたしておりますので、府県のほうで運営診断等を通じてその状況を把握しておるということを申し上げたわけでございます。中小企業庁としては直接調査はいたしておりませんということを申し上げたわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そうしたら、府県が調査した結果、こういういわゆる零細共同店舗は今日経営は順調にいっているというような報告が通産省にきておるのか、経営が順調にいっておらぬ、非常に困っておるというような調査報告がきておるのか、調査結果を教えてください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 共同店舗等につきましては、やはり全体として見ますと、共同店舗の事業そのものが必ずしもうまくいっておらない共同店舗もある。中には、もちろん非常に成功をおさめておる共同店舗も数多くあるわけでございますが、反面、組合員の団結を欠いたりあるいは立地条件の選定を誤ったり、あるいはそこの所在地に対する商品の選択を誤ったりというような、いろいろな事情が重なってうまくいっておらない共同店舗が相当数あることは事実でございます。  それから、商店街等につきましては、大体こういう事業を実施いたしましてから、特にうまくいっておらないということは聞いておらないわけでございます。  ただ、共同店舗の中のまた個々の企業者の経営状況はどうなっておるかということでございますが、やはりうまくいっておらないところの共同店舗の中の小規模事業者、これはもちろん店舗全体がうまくいっておらないわけでございますから、小規模事業者の経営は苦しいものがあるということは聞いております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 うまくいっていないのは、団結が悪かったり、商品の選択が悪かったり、いまあげられたようなことがおもなうまくいってないほんとうの理由とあなたは思っていますか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 私は、やはり中小企業のいろいろな共同事業を実施いたす場合には、組合員の団結が一番大事であるというように思っております。もちろん団結だけではだめなので、やはりグループの中小企業者を指導する指導者に当然その人を得なければいけないわけでございますが、私ども高度化事業をやっておりましていろいろなケースを見て、失敗の事例を見ておりますと、組合員全体の共通意識がない、全体に協力してよくやっていこうというような意識のないような協同組合に失敗しておる事例が多いというのは事実でございまして、私どもは、やはり何よりも組合員の強固なる団結ということが第一ではないかというように思っております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 団結とか、そういうものじゃないですね。具体的な実例をあげますが、そういう団結がよかったらうまくいくとかいうものじゃなしに、資本の問題で、そういうことではないという事例を、これは百貨店法が続いてこの委員会に上程される予定なんですが、その場合に、大体おもな、大阪、奈良、和歌山その他調査したところのことをあげて言いますが、きょうは時間の関係もあるし、その問題ではないので、私は和歌山県の和歌山市の実例を一つ申し上げて、団結さえよかったらうまくいくものでないという実例を申しておきたいと思う。  これは和歌山市内の堀止百貨店という共同店舗ですが、これは昭和四十二年の十月、中小企業の近代化資金一億四千百七十万円と、自治体の融資及び自己資金合わせて約六億円、組合員四十六名で発足した。ところが、昭和四十四年六月には、このうち二十六名が脱落をした。なぜ脱落をしたのか、これが問題の一つ。  同時に、いずみやというスーパーが組合に入ってきた。いずみやは、御承知のように資本金が当時三億三千五百万円、現在いずみやは総販売の床面積四千六百十七平米。それで四十六名のうち二十六名が脱落して二十名が残っておるのですね。その二十名はいまどういう仕打ちを受けているかといえば、当初これだけのものをやりくりして、自己資金も出し、自治体からの融資を受け、中小企業近代化資金を一億四千百七十万円も受けて、そうしてやった堀止百貨店は、四十二年十月から四十四年六月ですからわずか一年半ほどですね、この間に二十人しか残らないで、二十六名が脱落をして、その残った二十名は一階のすみに追いやられ、そして他は地下に追い込まれている。こういう事実を知っていますか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 堀止百貨店につきまして、当初昭和四十二年十月発足いたしましたときには組合員が四十六名おったわけですが、現在の組合員は二十九名おります。ただし、このうち三名はあとからいずみや関係店として入居したわけでございますので、二十名が脱落をしておるという事実は承知いたしております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 だから、それは団結が悪くて脱落したのか、いずみやが乗り込んできてこういうことになったのか。なぜその人たちだけが一階のすみに追い込まれたり、地下に追い込まれたりするのか。それは団結が悪いからということを先ほどから言っているのですね。けれども、そういうものじゃないでしょう。原因はそういうことじゃない。しかも、このときに府県の援助も得たというが、当時和歌山県の知事はこういうことを言っているのですね。これは県の意見です。ぱらぱらと読みますから聞いておいてください。   当商店街は、地勢的にみて和歌山市のほぼ中央部に位置し、市内から南に向う国道四十二号線、南海電鉄軌道線堀止停留所を中心に南北及び東西に交叉する道路に街として連なっている。   この国道四十二号線は、現在十五メートル道路であり、昭和四十五年までには紀南方面への唯一の幹線として三十六メートルに拡幅される予定である。   既に市中央部から小松原通り五丁目までは、拡幅完了整備されているが、当商店街は非戦災地帯として取残されたのと、未だ拡幅されるに至っていないため、商店の店舗構造は老朽化し、商店街も自然発生的に立地して場当り的であるために業種配列等が住民の消費物品の買物に不適で総合的な機能を果してなく、更には最近の車両運行の激増により商店活動が著しく阻害されている。このため本年度からはじまる都市計画の一環としての拡幅事業により当商店街が街路事業区間整理対象としてその立地の変更を余儀なくされている。   これらの諸情勢と軌を一にして昭和三十七年から当商店街を組織するものが集まり、都市計  画事業と密接な連携をとりながら商店街の近代化計画を推進していくための経営立地として新  らしく用地を取得し、小売商業経営の抜本的な体質改善と合理化を店舗の大規模化と環境の整備化を通じて実現しようとそのプランを慎重に練りあげて漸くその第一歩を踏み出そうとすることは真に適切と認められる。   幸いにして当該地域は、市内でも最も所得水準の高い住宅地域を背景にもち、しかも非戦災なるが故にその人口は極めて大であり立地的には非常に恵まれている。当該計画は商圏内における需要動向を十分調査研究しており、取扱商品も専門品から普及品まで有効に考慮した商品計画ならびに設備計画、資金計画等極めて効果的かつ実現性のあるものと考えられると同時に、ひいては小売商業全般の近代化に益するところ大なるものと認められる。 こういうふうにして知事があなたのほうの中小企業庁長官影山さんに、これは答申というのですか稟議というのですか、出しているのですね。これに基づいてあなたのほうはこういう処置をおとりになった。それで、一年半ほどの間にいま申し上げたような脱落者が出て、結局はいずみやに取られてしまっている。  こういう例は、いまのこの法案ですから私はこれは一例だけ言っているのですが、先般も大阪の千里ニュータウン、曽根、その他、あまり名前を早いとこ言ってしまったら、あなたのほうで先に行って調べてしまうけれども、ずっと六つか七つ見てきたのですが、ニュータウンができたときは、そこの市長や知事は、住宅ができてショッピング街がなかったら困るからといって、その辺の商店の幹部を集めて、そしてそこに商店をつくらすのですよ。そうしたら、せっかく長らくやっていた自分の店舗をやめて、新しくニュータウンができるからそこへ移転するのです。それで形だけの商店街ができてやっと営業を始めて、まあいいと思っていたら、突如としていずみやとか、こういう大きなスーパーがそこへどかんと乗り込んできて全部吸収してしまう。そうすると、前にやっておったところは、大体もう店はなくなって道路になってしまっておるし、結局は都市計画のいわゆる戦略目標というか、そういうことに利用されて、住宅も店舗も全部そういう形に統合されていくのですね。その中で落ちていくのは小零細商業、そして出てくるのはいずみや等の大きなスーパー、そういうのが今日の現状なんですよ。それをただ商店街によって団結が悪かったり商品の選択を誤った——自分の商売をするのにそんな商売人はありませんよ。売れぬものを買ってきたり仕入れたりしませんからね。売れるものを買ってきますよ。そういうことで、こういう法律をつくってなおかつよくすると言ってみたところで、実際問題とは全然かけ離れているということなんです。これについて、先ほど中曽根さんは、そういうものについては基本をそこへ据えてやるとおっしゃっていたのですが、先ほどから言っておるように、こういう状態ですが、大臣、こういう状態をどういうふうに改善されて小零細商業を守っていこうとされますか、御意見を聞きたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 この問題につきましては、小売商業調整特別措置法等で、ある程度の規制がありまして、それらの業者のほうからクレームが出た場合に通産大臣が仲裁裁定する、そういう形で規制がございますけれども、一方的にいま役所のほうから法的権限に基づいて規制するということはむずかしい状態にあります。  そこで、行政指導によりまして、先般の商社の問題が起きましたときには、商社に対して、中小企業の領域を荒らすな、商社は貿易商社であって外に向かって顔を向けよ、そういうような指導をしたところでございます。最近のいろいろな話を聞いてみますと、クリーニング業界等に大手が出てきて、一括してリネンサプライやそのほかのものもやるとか、そのほかのこともときどき聞いておりますけれども、大きなメーカーが自由競争の名のもとに資本力にものを言わせて中小企業の領域に入ってきてこれを圧迫したり、あるいはその力を利用して自由を乱用するというようなことは好ましい現象ではございません。それで、商社の場合には立法するかどうか検討する、そういうことを私はこの場でも申し上げましたけれども、やはりそういう態度でもう少し推移を見ながら、メーカーあるいは商社の問題に対処していきたいと考えます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 ぜひ強力な手を打ってもらいたいのですが、これは大臣もお読みになったろうと思いますし、中小企業関係の方もお読みになっておると思うのですが、日本経済新聞の五月十六日の新聞記事なんですが、いま小売業のベストテンでダイエーがトップなんですね。ダイエーというスーパーは九十店舗持って、販売額は年間三千五十二億、三越百貨店が負けておるのですね。それからその次の西友、これは東京ですね。これが千六百六十八億で、九十六店舗持っております。その次はジャスコ・グループ、これは大阪ですが千五百五十億、それからニチイチェーン、これは千四百四十二億で、百五十六店舗持っておる。それからユニーというのが名古屋にある。千二百六十四億で、百八店舗ある。これは次の百貨店法の問題のときに詳しくやりますが、いまこういうものが非常に出てきて、いわゆる町の従来からの商店街というものが軒並み食い荒らされてつぶれていってしまうのですね。  私も時間が過ぎましたので、あとはまた次の機会に譲りますが、お答えいただかなくてもいいから、一つの事例を大臣に実情として知っておいてもらいたいのです。  この間、三つか四つ回った市場の中でも、たとえば先ほど言ったように、知事や市長の勧誘によって、自分がいままでやっておったところをやめて新しくできたニュータウンなんかへ行ってやっている。そこへスーパーがくる。つぶれる。そういうところへ行きますと、非常に気の毒なのは、スーパーで目玉商品だけを買って——スーパーではいつも目玉商品で客を寄せますが、そこで売っておらない、スーパーでないものだけを従来からある商店街へ来て買う。おこぼれですがな。そういうことから営業はどんどんやめて、そしてむすこや娘はもうあとを継がない。ちょうどいまの農村の三ちゃん農業みたいに、おじいちゃんとおばあちゃんが残って商売している。おじいちゃんとおばあちゃんが残って商売しておるところはまだましなんで、そういうものがおらぬところは、もう店を閉めてサラリーマンや一般労働者になってしまうのです。  そうすると、二十軒か三十軒の市場の中で三軒くらいはカーテンを閉めてやめているのですね。隣にとうふ屋があって、荒物屋があって、魚屋がある。そのまん中の荒物屋が敷布みたいな毛布みたいなカーテンを引いておる。そんなものが五十軒くらいある商店の中に四、五軒あったら、その市場全体が何か索漠として客は入ってこない。全体がだめになってしまうのです。それで目先のきいた人は、百万円で買ってそこへ店を出す、それでもうだめだ、スーパーが来よるからと思ったら、七、八十万に下がってもぱっと売ってよそへ行くのです。それをようせない人は、もたもたしているうちに二十万でも買い手がない。住宅用にしているのですね。そうすると、市場の中に歯抜けのようにぽつぽつと商店があって、そして毛布のような敷布みたいなものでカーテンしてある店があったら、もうその市場全体がだめです。そこの市場の役員は、そのことで県や当局にいろいろな形の陳情をしたり、それの改造をやっておるのです。  こういう法律ができても、そういうきめのこまかいところまで配慮されてやるようにせなければ、金物団地やそういうような形の大きなところだけをこの法律の該当者にやっていくならば、私は八〇%の無利子の融資の側面は評価しますが、具体的にはいわゆる零細商店の営業を維持するだけです。維持するだけでも困っておるのですから、それをさらに発展さすには、フルにこの法案を生かして、そこまでやるような形に配慮されるのか、そうではなしに従来どおりにやっていかれるのか。そのことだけをひとつ大臣配慮していただけますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 スーパーと商店街やあるいは市場との問題でそういう点が起こり得るだろうと私どもよく了解されます。スーパーはスーパーあるいは小売商店街は小売商店街の特色があるわけでありますから、消費者のことも考えてみて、おのおのが公正な競争によって繁栄していくということが望ましいので、スーパーがその立場を利用して、時間の問題であるとか、あるいは価格の問題であるとか、そのほかの問題で優位な地位に立って商店街を圧迫していくということは、必ずしも好ましいことではございません。われわれは、実情に即しまして、それらの問題については、スーパーと商店街のバランスをとり得るようにいろいろ現地の指導をしていきたいと思います。そういう場所がもしございましたら教えていただければありがたいと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 小売商店従業員の資質の向上とかその他の問題でもう五点ほど伺いたいと思っていたのですが、時間もだいぶ約束した時間をオーバーしましたので、また次に譲りまして、これで終わります。ありがとうございました。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  本案審査のため、本日国民金融公庫副総裁有吉正君を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 引き続き質疑を続行いたします。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 森口次長にお尋ねいたします。  本法案と、小規模企業事業対策の中の小企業経営改善資金融資制度——今度新たに創設をされたわけですが、これと直接の関係はないように思うのだけれども、この点についてお尋ねをするわけです。  あなたのほうの大蔵省に対するところの概算要求というのは骨格らしいものがあったのだけれども、予算査定の段階においては、おつき合い程度で大蔵省が中小企業庁の顔を立てたというので骨格らしいものはなくなってしまった。この点に対してどのようにお考えになっておられるのか。これは、大蔵省から禿河主計官もお見えでございますから、それぞれお答えをいただきたいと思います。   〔委員長退席、田中(六)委員長代理着席〕

禿河徹映大蔵省主計局主計官

○禿河説明員 先生御指摘のとおり、予算の要求は最終的な段階よりも大きな数字でございましたけれども、私ども中小企業庁といろいろ相談いたしまして、一応三百億円ということで、初年度の制度発足時におきましては十分やっていけるのではなかろうかということで、最終的に政府全体としてセットしたものでございます。確かに実際の資金需要がどのくらいかということを見きわめますのは、新しい制度でありますだけにたいへんむずかしいことでございまして、正確なところはなかなかわかりにくいというのが実情でございますけれども、現在中小企業庁のほうにおきまして、この制度の発足の準備をしておると聞いております。この制度が動き出しまして現実にどうなりますか正確に把握しにくいところでございますけれども、初年度におきましては三百億円の規模でかなりやっていける、かように考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 初年度としては三百億円でやっていけると思う、こういうことなんだが、中小企業庁が大蔵省に概算要求として出したのは、貸し付け条件としては金利が六・五%、これが七%になっておる。貸し出し限度が百万円以内、運転資金は五十万円以内、これは概算要求のときと同じになっている。期間が三年以内、据え置きが六カ月であったのが、期間が二年以内、据え置きの期間がなくなっている。それから無担保、無保証、商工会、商工会議所推薦、これは要求のままで、事業規模としては六百四十億であったのが三百億、それから三年間で五千六百億、五年間で一兆二千億であったわけですね。これは骨格ということが私は言えようと思う。ところが、この点がどうなっておるのか。いま初年度で三百億ということを認めたんだ、大体これでいけると思うということだが、そのことは中小企業庁で、骨格として、将来計画ですよ、この三年間で五千六百億円、五年間で一兆二千億ということが、金額はこれと若干差ができるといたしましても、こういう方向で融資をしていくことが適当であるというお考えの上に立って、初年度三百億をお認めになったのか。この点が私は重要であると考えるわけですから、あわせてひとつこの点についてもお答えを願いたいと思います。

禿河徹映大蔵省主計局主計官

○禿河説明員 ただいま申し上げましたとおり、初年度におきましては、三百億でとにかく制度の発足をやっていくということでございまして、今後につきましては、いま先生からお話がございました一兆幾らというふうな全体のところまで私ども実は詰めて考えてございませんが、四十八年度の予算におきましては、とにかく一応三百億円でスタートしよう、四十九年度以降につきましては、これまた四十八年度の状況等を見まして中小企業業庁のほうとも十分相談してまいりたい、かように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 なるほど初年度だから三百億認めたんだ。これは予算査定の段階で各省庁から要求されたことを大蔵省がそのまま認めるわけじゃないのですからね。それはあなたのお答えを聞いてみると、それなりにわかるような気もする。しかし、この小企業経営改善資金融資制度という制度そのものは、あなたのほうで認めるのかということですよ。中小企業庁のほうから熱心に要求されるから、まあ将来計画は別として、六百四十億初年度で要求しているのを三百億だけ認めておこう、先は先だというようなことでは、これは骨格にならない。  また、ここで問題は、設備資金でもって百万円でしょう。運転資金は五十万円ですよ。二年以内でしょう。二年以内で、小規模企業者が借りた金を返すといったようなことはそう簡単にできるものじゃないですね。現実的じゃないですよ。まして据え置き期間も、二年以内ということになってくると、六カ月置くのかどうか、ここらあたりも明確じゃないわけですね。三百億、あなたのほうで初年度として認めたというからには、こうした中小企業庁の概算要求には、将来計画まで立てた、そこできちっと骨格ができ上がっていたわけだから、そのことをあなた方のほうで認めるのかどうか。それが基本だと私は思うんだな。そういう骨格を認めた上でこの融資制度を認める、これは適当であるということを認めた上で初年度三百億認めるのだというならばわかるのですよ。ただ、金額の面において四十九年度に幾ら認めますということはまだきめておりません、しかしこういう制度は必要なんだ、将来計画も中小企業庁が主張しておられることは理解できる、そういう考え方の上に立って三百億お認めになったのかどうか、そこをひとつお答えいただきたい。

禿河徹映大蔵省主計局主計官

○禿河説明員 この無担保、無保証人の制度というものは、金融の面においてはたして貸し倒れがどうなるかとか、いろいろむずかしい問題が今後出てくるのではないかという点はございますが、一方零細企業につきましてはその施策を厚くしなければならぬ、こういうふうなことで、最終的に政府としてこの制度を認めたわけでございます。したがいまして、中小企業庁がどうだ、あるいは大蔵省がどうだということは予算折衝の段階ではもちろんございますけれども、最終的に政府全体としてこの制度を発足させるということで認めたわけでございますので、私どもも、もちろんその骨格と申しますか、制度自体、これが今後うまくいくことを実は期待いたしておるような次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 少しはっきりしてきましたが、具体的な条件の中で期間の二年以内、これは適当であるとお考えになっておられるのか。私は、やはり中小企業庁の要求のとおり、最低三年は認めなければ、据え置き期間も六カ月程度置かなければ償還できないと思うのですよ。そこで、償還がうまくいかないからこの制度はあまりよろしくなかった、やめてしまえ、こういうことになったのでは話にならないのですね。その点、どうお思いになりますか。

禿河徹映大蔵省主計局主計官

○禿河説明員 この貸し付け期間の二年間というのか短い、あるいは据え置き期間がないというのはどうか、こういうような御指摘でございますが、私どもいろいろ検討いたしておりまして、限度は一件当たり百万円でございますけれども、実際の貸し付けの金額は、平均いたしますと、これよりもかなり低くなるであろう、おそらく五十万円台ではないか、一応こういうふうな試算をいたしたわけでございます。そういたしますと、かりに二年間で毎月返すといたしましても、この五十万円は月々大体二万円程度の返済ということになるわけでございまして、月々二万円ぐらいの返済は、借りました小企業者にとりまして決してそれほど大きな負担にはならないであろう、かように考えたわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 禿河さんは従来の実績からいまのようなお答えが出てきたのだと思う。確かにそうなんです。実績を見てみると、お話にならない。きょう私は国民金融公庫総裁の御出席を願ったのだが、総裁が御病気で副総裁がお見えになっておられるのだが、国民金融公庫プロパーの融資にしましても、それからマル環資金、いわゆる環衛公庫の貸し付け、それから生鮮食料品小売業近代化資金のマル食資金、これらの資金の融資状況を見てみると、たとえばマル環資金の場合は、クリーニングが最高五千万、それから理容であるとか美容であるとかいうのが一千万円で、特別の場合は五割増しになるようになっているのだな。ところが、一件当たりの貸し付け額は幾らかというと九十三万二千円だ。マル食資金でもって百五万一千円、それから償還期間というのは七年から十年ということになっているんだけれども、マル食資金でもって四年七カ月、マル環資金でもって五年九カ月、それから国民金融公庫のプロパー資金にいたしましても平均が百十六万円、これも年限は二年数カ月程度でしょう。こういう実績になっている。こういう実績だから、いま禿河さんから、金額にしても五十万程度になるのじゃないか、予算の額三百億ということにしてもたいして少なくはないだろう、二年というようなこともそうたいして無理ではないだろうという答弁が返ってきたと私は思うのですよ。どうしてこのような一件当たりの低い貸し付け額になっているのか。また、年限にいたしましても、なぜにこんなに五年九カ月とか、あるいは四年何カ月というような短い期間になっているのか。これらの事情について副総裁からお答えをいただきます。

有吉正国民金融公庫副総裁

○有吉参考人 ただいま先生が数字を申されましたとおりの額でございまして、一口当たりの申し込みの金額を申し上げますと、四十八年の四月でございますが、普通貸し付けの一般口百九十六万円ということに相なっております。そこで、私どもとしましては、お貸し出しをしている金額は百四十九万九千円ということでございます。なるほど物価の騰貴に従いましてだんだんと申し込みの金額が高くなってまいっておるのでございまして、四十三年度におきましては九十三万四千円でございました。本年の四月、約倍ということになっておるのでございまして、五年間に倍ということでございますが、これはお客さまのお申し込みの需要がそういうようなことで高くなってまいったわけです。  私どもといたしましては、これにつきましていろいろ金融上の審査等をいたしますが、しかしお貸し出しにつきましては約八割程度のものをお貸し出ししておるのでございまして、一件当たりの金額はできるだけお客さまの御要望に沿うように配慮してまいっている次第でございますが、何ぶんにも全体的に私どものお客さまは小零細層の方々でございまして、お申し込みの金額も比較的小額でございますので、それに応じまして私どもの貸し付けの金額も小額になおとどまっている。しかし、今後とも資金の手当て等に鋭意努力いたしまして、お客さまの御需要に十分に沿うように努力してまいりたい、かように存じております。  なお、期間の点でございますが、やはりいま先生御指摘のとおりの状況でございまして、普通貸し付け、運転資金でございますと二十九・六カ月、つまり二年半程度、設備資金で四十六・七カ月、四年弱というようなところでございますが、これまた毎年少しずつ延びているのでございまして、四十三年におきましては、現在二十九・六カ月になっておりますのが二十五カ月でございました。四十六・七カ月の設備資金は三十八・六カ月というような次第で、毎年一月程度ずつ期間も延びてきているのでございます。もちろん金額が若干ずつ大きくなるにつれまして期間も延びてくるというような自然の趨勢もございますが、しかしできるだけお客さまの御需要に応じますように、私どもとしましても鋭意努力して対処している次第でございます。ただ、さらに私どもの資金の手当て等につきましての力及ばないところもございますので、これをもちまして十分にお客さまの御需要に応じているとは必ずしも言いがたいところがございますので、なお一そう内部的にも反省、検討いたしまして、できる限りのことをいたしてまいりたい、かように存ずる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 副総裁、あなたのほうに貸し付け申し込みをするときには、もうあきらめてかかるんだ。国民金融公庫に申し込みをしてもなかなか思うように貸してもらえない。それから従来の実績というものから、あまり大きく増額借り入れ申し込みをすることはなかなか認めてもらえない。それから一度借りておりまして途中でまた資金が必要になりましても、前に借りた金額の半分以上支払いをしておかなければ貸してもらえないといったような点で、あなたのほうは、よく言ったら形式を重んじるということ、悪く言ったらとらわれ過ぎておる。実情というものをほんとうにつかんで融資をしようとしておられない。これは独採制になっているのだからやむを得ないといたしましても、政府関係金融機関として、なかんずくその中心である国民金融公庫として、もう少し小零細企業の期待にこたえていくという融資の姿勢がなければいけないのじゃありませんか。いまあなたの答弁だけから聞いていると、大体申し込みの平均八割程度、だからたいして押えているのじゃないのだと言いましたが、それにしても融資実績というものは実態とはあまりにもかけ離れています。それから借り入れの申し込みの期間にいたしましても、七年、十年というのが半分程度の平均の期間になっていますね。これもやはりできるだけ押えていこうとするあなたのほうの考え方があるということですね。  それから、最近は若干改善をしているのかいないのか、あまり私どもの耳にはやかましく入ってこないのですけれども、審査員が非常に少ないですね。審査員が少ないために十分な審査ができない。したがって、従来の実績というようなものから見て、この程度の申し込みがありましてもこれを押えていく、そして焦げつくというような形になってくると、その審査をした審査員の成績にさわるから、さわらぬ神にたたりなしというか、あぶない橋は渡らないほうがいい、そういうことになっていることがあると私は思う。だから副総裁、もう少し実態をつかんでいくということがなければいけないのじゃありませんか。ただ各支店から上がってきているデータだけを見て、これでうまくいっているのだというように判断されるところに、いささか現実と遊離しているような点があるのではないかという感じがいたします。そうはお思いになりませんか。

有吉正国民金融公庫副総裁

○有吉参考人 先生から十分に御指摘、御教示いただきましたが、私どもとしましては、かねてから国民金融公庫の姿勢は、できる限り国民の皆さま方にとけ込んで、国民の皆さま方の御需要を十分に把握して公庫の使命を達成しよう、かような努力を続けておるのでございますが、何ぶんにもまだ至らないところは多々ございます。今後とも十分に反省、検討を加えまして、国民各位の御需要に沿うように努力してまいりたい、かように存じておるのでございます。ただ、私どもの力及ばないところもございますが、何ぶんにも限られた資金という点もございますので、これをやりくりやりくりいたして回しておるという点もございます。  また、先ほど御指摘の審査員の問題でございますが、できる限り簡略にすべきところは簡略にし、重点的な審査をするようなときには重点的な審査をするようにしてまいりまして、効率的なこともあわせて考えてまいり、今後とも先生の御指摘のようなことのないようにできる限りのことをつとめてまいりたい、かように存じておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 ただいまの質問に対しては額田特別金融課長からもお答えをしていただきたいと思うのですが、時間の関係もございますから、小企業経営改善資金融資制度のマル環関係の資金の取り扱いをどうされるのか、伺っておきたいと思うのです。  環衛金融公庫に七十五億割り当てをしていらっしゃるんですね。そしてこの七十五億の融資をいたします際に、特別の融資制度であるから、これには商工会あるいは商工会議所の経営改善指導員の講習を受けなければならない、そしてその指導をした上で、借り入れをするときは商工会長または商工会議所会頭の承認というものが必要だというような考え方が当初あったように私は記憶いたします。私は、これは現実的ではないと思う。なるほど経営改善指導員の指導は、講習は必要であろうけれども、指導証明だけを会議所会頭または商工会の会長が行なう、そしてその借り入れのための証明は従来どおりの各環衛団体の理事長の証明、いわゆる県に対するところの推薦という形でやってよろしいのではないかということを申し上げたような記憶があるのでありますが、この取り扱いはどうしようとお考えになっていらっしゃるのか、伺っておきたいと思います。

額田毅也大蔵省銀行局特別金融課長

○額田説明員 お答えいたします。  先生お話しのとおり、環境衛生金融公庫につきましても小企業設備改善資金特別貸付という制度を設けてございます。金額は四十五億円でございます。この制度の運営をどのようにするかという点につきましては、先ほどお話がございましたように、本制度の運営の一つのポイントとして商工会議所ないしは商工会の推薦という制度が小企業経営改善資金制度のほうではとられておるわけでございます。環境衛生関係の融資につきましては、御高承のとおり環境衛生同業組合というのがございまして、現在環境衛生金融公庫からの融資につきましても、この環境衛生同業組合の推薦と申しますか、あるいはその申し込みに対する意見といいますか、こういうことを聞きながらやっておる、こういう制度でございますので、いわば一番よく実態がわかっておるという意味で、環境衛生同業組合の推薦というものを一般の商工会議所ないし商工会の推薦にかえるという方法はどうかということで現在検討いたしておるわけでございます。  なお、経営指導の問題につきましては、商工会議所ないし商工会にも経営指導員という非常にりっぱな組織がございます。ただ、この点につきましては環境衛生関係の業者はきわめて現金取引が多い。それから一般の商工会議所、商工会の指導員の行ないます対象というのは、たとえば製造業であるとかいうふうなものが多い。ややそこに業種の特殊性があるということで、完全に商工会議所、商工会の経営指導員の指導でカバーできない面も出てくるかもしれない。片方は非常にたくさんの対象を扱っておる、片方は特殊の対象で、かつ現金商売である。こういう点につきましては、環境衛生同業組合に御高承のとおり経営相談員という制度がございます。これを充実強化する方策が現実にとられつつございますので、このような力もかりて、全体といたしましてこの小企業経営改善資金の貸し付けが円滑に行なわれるように措置してまいりたいということで、関係各省と目下協議中でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いま後段にあなたがお答えになりましたように、環衛団体の中にある経営指導員ですか改善員ですか、これをもう少し強化しまして、これでもって指導というのか講習というのか、それをやるというようなことでないと、金を貸すのにあまりむずかしい手数がかかるようなことがあってはならない、私はこう思うのです。だから、その点は十分配慮される必要があるということを申し上げておきたいと思います。  それから、中小企業庁の次長にお尋ねいたしますが、この経営改善資金の融資は無担保、無保証ということになっているのだが、これ以外に何か条件がありますか。無担保、無保証だと何にも制約条件はなくなるというように思うのだけれども、申し込みに対して直ちに貸すということが可能なのかどうか、これはだれかの証明が必要になってくるのか、この点が明らかではないわけです。もちろんこれは三百億という絶対額がきまっているのだから、したがって申し込み順みたいな形になって貸し出しをするのか、こういうケースの場合は貸さないとかなんとか、そういう制約条件があるかどうか、いかがですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 小企業経営改善資金はどういう人に貸せるかという点については、現在まだ関係各省と詰めておる最中でございます。ただ、先生御高承のとおり、同じように無担保、無保証の制度が中小企業体系の中にございます。信用保険制度で無担保、無保証の保証をしておるという制度がこれでございます。この制度によりますと、やはり借りる資格といたしまして、一定の居住要件、一定の納税要件等を課しております。これと同じような条件を課するかどうか、あるいはさらに若干緩和したような要件にするのかどうかという点については、現在関係者間でまだ意見の一致を見ておりません。現在いろいろ交渉を重ねておる最中でございます。  それから第二点といたしまして、やはりこれは経営改善のための資金でございますから、単に小企業者であれば何でも資金を貸しますという制度ではなしに、経営改善の一環として必要な資金でありますという制約は当然こうむるわけでございます。したがって、使途としても経営改善のために必要な資金、当然それに伴って資金の内容というようなものについてもある程度制約をこうむるというようなこともございますが、こういうような点について現在まだ協議中でございまして、最終的な成案を得ておらないわけでございます。できるだけ早く詰めまして、この資金制度を発足せしめたいというように私どもは考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 どうもあなたのほうは時間がかかり過ぎるんだな。かわいている人は金を借りたくてしようがないのですよ。これは別に法律は要らないんだ。予算が通っているんだからね。もう六月ですよ。いまごろまだ各省との間に詰めている、そんなもたもたしたことでどうするのですか。やはりこれは、私が冒頭お尋ねをしましたように確たる方針がきまってないのですよ、三百億認めてやったというだけで。それだからもたもたしておるのですよ。そんなていたらくでは話になりません。こういうことは大臣もひとつやかましく言ってもらいたい。  それで、経営改善とは何ぞやということです。この答えもまだ出てないかもしれない。それから一定の納税要件——納税要件とは何ぞや、無担保、無保証の特別小口保険、これは住民税の均等割りでしたか、納めておればいいわけであります。納税要件なんてあたりまえのことで、むずかしいことは何もない。これは所得割りでしたか。所得割りを納めておればそれでよろしいわけですね。何もむずかしくないですよ。だから他に納税要件というものが何かあるのかどうか。ここらあたりは実際の取り扱いをする国民金融公庫には、このことに対するところの方針はまだおりてきていないのでしょうね。副総裁、これに対してどのように理解をしていらっしゃるのでしょうか。

有吉正国民金融公庫副総裁

○有吉参考人 小規模企業経営改善資金の運営につきまして、従来中小企業庁あるいは大蔵省から、いろいろと私どもに下相談的にお話はございますし、私どもの感触のお伺いということはございます。まだはっきりと、いまも次長から御答弁ございましたように、関係各省との御意見の一致は見ておりませんので、私どもに対しましては正確なる指示と申しますものは一切承っておりません。したがいまして、私どもといたしましては、従来から密接なる連絡をとっておりますが、さらにこの連絡を密にいたしまして、御指示が承れまするならば、直ちにその線に沿いまして運営ができますように準備はいたしておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大臣お聞きのとおりですが、まことにもたもたしている。これはやはり基本的な方針がまだきまっていないのですよ。これがやはり問題なんです。禿河さんは、私の質問に対して一応のお答えはされたんだけれども、やはり当初予算折衝のとき、これは中小企業庁の顔を立てるみたいな形で三百億ついたというのが実態なんです。そういうことで、やはり骨格そのものがまだきまっていない。だからもたもたしておる。しかし、いま大蔵省禿河主計官からも、初年度としてこれを認めた、この制度は当然今後とも生かしていくべきであるというお答えもあったわけですが、やはり担当通産大臣としての中曽根大臣がぴしっとした態度でこの後臨んでいただかなければ、せっかくこういった前進的なものも、将来あまり芽ばえないというような感じもいたします。これに対する方針をこの際ぴしっと明らかにしておいていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 本制度は四十八年度における中小企業政策の一つの目にしたいと思いまして、私も非常な熱意を傾けて大蔵省を説得してここまで踏み切ってもらったものであります。発足がおくれておりますことははなはだ遺憾にたえません。しかし、この小規模企業に対する経営改善の融資制度、無担保、無保証で始めたということは非常に画期的なことでございまして、これを一つの前進の糸口にして小規模企業に対する経営改善の資金量をもっと豊富にしていきたいと思っております。融資条件について、いろいろ各省間でいま相談をさしておりますことも私も知っております。いろいろ具体的な問題になりますと、技術的な問題もあるようでございまして、また商工会議所やあるいは商工会等にも協力を要請する点もございまして、もたついておるようでございますけれども、至急これらの問題は打開いたしまして早期に実施するようにいたしたいと思いますし、来年度以降は三百億をさらに拡充をして、御期待に沿うようにいたしたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 では時間の関係もありますから、法律案の中身についてお尋ねをしてまいりたいと思います。  その前に、この法案提出の動機といいますか、何かの見合いでこれを御提案になったのか、大臣からひとつお答えをいただきます。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 小売関係の問題は、いろいろいま日本の国際環境並びに国内経済情勢から見まして重大な問題を包蔵しております。一つは、スーパーとかあるいは百貨店とか、そういうものが非常に大型化し、かつ系列化して各地域に進出してきておるという事実でございます。  それからもう一つは、国際経済的に自由化の波が押し寄せてまいりまして、それがしかも小売りの世界へ進出してくる可能性がないとは言えない情勢でございます。そういうような段階にあって、わが国の小売商業の地位を確固不動のものに保護してやる必要があります。  そこで、先般来、税制の面においては、雇用主、商店主の報酬制度を認めましたし、あるいはさらにそのほかの諸般の問題を打開しておるところです。先ほどの小規模経営改善資金もその一つでございます。それで、今般は特にこういう立法を行ないまして、商店街あるいは共同事業あるいは連鎖店等々を主眼にいたしまして、小売商業の振興とその地位の保全ということを考えたわけでございます。これはまさに現在の国内経済情勢の変動と国際的な情勢変化に対応して中小企業、特に小売りの体力を強めておこう、そういう趣旨に基づいて立法せんとするものでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大臣の構想というのか熱意というのか、その点はそれなりの評価はしたいと思います。しかし、どうもその中身になりますと、残念ながらどれほどの効果があるんだろうかと思って首をかしげたくなる。先ほども同僚議員諸君から指摘もあったように思うのですが、振興指針を制定して公表する、高度化事業計画の認定、中身としては商店街の整備計画、商店街の改造、共同施設の設置、店舗共同化計画、寄り合い百貸店、スーパー等の設置、連鎖化事業計画、ボランタリーチェーン等の本部施設の設置、そこで認定を受けた高度化事業に対する特別の助成措置として二、三あるわけです。これによって特定案件として融資をすることになってくる。この特定案件は共同公害施設であり、工場アパートであり、連棟式建物であり、アーケード、駐車場、それから街路灯、こういうことになっておるようでございます。  さて今度は、この商店街の認定を受けるような条件というようなものがまたむずかしくなってきておるのではないか。繁華街に連棟式建物でございますから市場みたいなものになるわけであります。同じ棟でないといけない。こういったような棟の中に幾つかの店舗が、三十なら三十以上の店舗が入ってくる。そういったことが商店街のどまん中になかなかつくりがたいという形になってくるであろう。そうすると、少しはずれた場末というか、そこなんかになってくると、また商店街の認定というのにむずかしいような条件というものが出てくるのではないか。制度、道は開かれたんだけれども、ぴたっとそこに当てはめてくるということになってくると、なかなかむずかしい条件というものがいろいろと出てくるのではないかという感じがしてならないわけでございます。  そこで、八〇%無利子はまことに評価すべきものであるというように私は思っております。しかし、現実にこれを融資していくということになってまいりますと、ただいま申し上げましたようないろいろむずかしい条件が出てくるのではないかと思いますが、単なる杞憂であろうか。したがって、その点は、大臣からよりも事務当局から、運用の方針といいますか、具体的な運営をどうしていこうとお考えになっておるのか、伺ってみたいと思います。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 中小小売商業振興法案におきましては、たとえば高度化計画と認定されます商店街あるいは共同店舗あるいは連鎖化事業等について、その高度化事業そのものを助成することはもちろんでありますが、やはりこういう高度化事業に参加できないような小売商業者は相当多数おるわけでございます。こういう小売商業者も、やはりそれぞれ流通の一環をになってそれぞれ合理化のために努力をいたしておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、そういう高度化事業に助成をいたしますことはもちろんでございますが、やはりそれ以外の中小小売商業者につきましても金融面からサポートを与えたいということを同時に考えておるわけでございます。従来、中小公庫あるいは国民金融公庫等を通じましてセルフサービス店あるいはボランタリーチェーンの加盟店あるいはショッピングセンター入居に必要な資金等々というように、中小小売商業者の個別の合理化のために必要な資金を見てまいったわけでございますが、新しい中小小売商業ができましたことに伴いまして、やはり個々の中小小売商業者の設備資金も体系的に中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫を通じて見ることといたしたいというように考えておるわけでございます。振興指針にも、やはり省力化をはかれ、物流合理化をはかれ、あるいは経営管理の合理化をはかれというようなことが具体的にうたわれることになっております。したがいまして、これに対応いたしますような機械類、たとえば省力化につきましては、自動秤量機あるいは物流合理化につきましては配送車両、経営管理の合理化につきましては会計機等々というような機器類を中小企業者が購入いたします場合には、低利、長期の資金を新たに供給することといたしたいというように考えておるわけでございます。  なお、先般来御説明申し上げておりますように、商店街に所属する個々の商店あるいはボランタリーチェーンに加盟しております個々の商店につきまして、高度化計画の認定を受けますれば、個々の商店に必要な施設等に対する融資も中小公庫、国民金融公庫を通じて手厚く見てまいりたいというように考えておるわけでございます。したがいまして、単に高度化事業に参加する事業者のみならず、広く一般の中小小売商業者も当然振興指針の示すところに従って合理化をしていただきたい。そのために政府は必要な助成をして小売業全体のレベルアップをはかりたいというのが今回の中小小売商業振興法のねらいであるというように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまあなたのお答えを聞いていると、百九十万といわれるところの小売商業者が何か全部恩典を受けるように受け取れるんだね。しかし、制度として何もそんなものはないじゃありませんか。あなたの頭の中にこういうことをしたい、ああいうことをしたいという将来計画として考えておることを私は尋ねておるのじゃないですよ。あなたのいまの答弁は何も制度としてないんだ。そんなことで私どもを満足させようなんというような考え方はむだな話なんだね。時間もそんなむだな時間はないんですよ。だから、法律案について私は質問しているんだから、この法律案に基づいてぴたっとはまってくるものはどういうものであろうか。どの程度あるのだろうか。どういう条件でぴたっとはめるのかということを聞きたいところなんだ。いかにも中小小売商業振興法案ということで小売商業というものがみんなこれによって恩典を得るような錯覚を起こす、現実にはきわめて限られた小売商業だけがこの恩典に浴するということになるのだから、まず初年度としてはこういたしました、四十九年度からこういうような計画をもって進めてまいりたいと思いますというような迫力のある答弁ならいいけれども、いかにもこれは細々としてたいしたことはないから、実はこういうようなこともやらなければならぬと考えておりますとあなたの答弁は弁解が先に立っている。そんなことじゃだめです。だから、私のいまの質問に対してどんぴしゃりと解明をしてもらいたい。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 中小小売商業振興法案では、第三条によりまして中小小売商業者の指針、いわゆる振興指針を明らかにすることといたしております。中小企業者は、この方向で当然近代化、合理化をいたすわけでございます。その方向に従って援助をするという内容を先ほど御説明申し上げたところでございます。  第四条以下におきましては、この振興指針に示されております中で、特に高度化事業計画といたしまして、商店街の整備計画、それから店舗共同化計画、それから連鎖化事業の計画について高度化事業の認定を行なうことといたしております。この認定をいたしましたものについては、政府のほうで強力な助成をいたすことといたしております。  第五条では、資金の確保をうたっております。資金の確保は、当然、先ほど申し上げました高度化事業の認定を受けたものに対する助成と、それから振興指針に示されたところに従って中小企業者が経営の近代化を行なうために必要な資金の確保、両方が含まれておるわけでございます。その内容を先ほど御説明申し上げたわけでございます。  こういう振興指針、それから高度化計画の資金の確保というようなおもな手段は用意されておるわけでございますが、なおこのほか、国は中小企業の振興のためにいろいろ調査をしたり、あるいは研修事業の実施をするというようなことを法律としては考えておるわけでございます。  なお最後に、連鎖化事業の中で特定連鎖化事業というものを取り上げまして、特定連鎖化事業に対して、これに参加します中小小売商業者が不利な扱いを受けないように、特定連鎖化事業の本部事業者に対して、書面の交付義務あるいは契約内容の明示義務を十一条以下で課しておるところでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまの御説明はわかりましたが、実際にこれを認定する場合の条件というのがなかなかむずかしくなってくるのではないかということです。ですから、その認定をする条件というものはどういうことなのか。なるほど十店舗とか三十店舗以上とか、それはわかっているのですよ。その地域によって、認定を受けられない商店がずっと軒を並べているいわゆる商店街といったようなところは、店舗も比較的大きい。そこで連棟式の、一つの棟に中小企業者、零細企業者をずっと収容するといったような市場式のものはなかなかそんなところには持ってこれない。だから、そういうものを持ってこようとするとどうしても場末のほうになる。そこには商店街として認定するのにまたむずかしいという条件が出てくるのではないか。制度はできたけれども、それを当てはめていくのにはなかなかむずかしいというようなことになっていくのではないかという点を私は尋ねておるわけだから、そのことについてまずお答えをいただきたい、こういうことです。  それから、第三条の振興指針についてもお話がありましたが、今日、週休二日制であるとか、いろいろいま置かれている経済環境あるいは労働環境といったような問題等々から、私は、この従業者の福利厚生というものは重要な事業として振興指針の上に載せてこなければならない、しかしそれがこの事業の中に入っていないのはどういうことか、これは落とされたのか、その必要なしとお考えになっていらっしゃるのか、それらの点をあわせてお答えをいただきたいと思います。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 商店街の整備事業につきましては、確かにおっしゃいますとおりいろいろな商店街がございます。したがいまして、朝以来御説明申し上げておりますように、商店街整備事業をやりますときには、三十店以上の店舗がなければいけないということを申し上げておるわけでございますが、現実に商店街整備事業をやります場合に、三十店が全部連棟式で改造しなければいかぬということを義務づけるものではございません。全体の商店街の改造が行なわれなくても、あるいは商店街の三十店のうち相当数の店舗が当然商店改造をする場合もあるでしょうし、あるいは必要な共同施設を設置する場合もあるでしょうし、それから駐車場を設置する場合もあるだろうと思います。そのおのおのの場合につきまして認定を受けますれば助成の手段は用意をしておるわけでございます。ただ、振興事業団の高度化資金に対する融資条件にはまらないものにつきましては、やはり中小企業金融公庫の融資等を通じて助成をするというようなことを考えておるわけでございます。  それから、御質問の第二点の従業員の福祉の向上に関することにつきましては、当然振興指針の中に明らかにいたす所存でございます。その他の事項という中で、従業員の福祉に関する事項については明確に定めていきたいというように考えておりますし、これに対する助成手段といたしましては、たとえば従業員の福祉のための必要な施設を組合でつくるというようなものにつきましては、中小企業振興事業団融資等を活用して、その助成をはかってまいりたいというように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この必要を認められたようでありますから、第三条は、私は修正をしていきたいというように考えます。従業員の福利厚生は、事項として第三条に挿入をするという措置をいたしたいと考えます。  それから、前段のあなたのお答えからいきますと、特定案件にならない、一般案件になる。三十店なら三十店という店舗があって、それが全部改造しなければならないというものではありません。それは一般案件の高度化資金では二分七厘という資金を使わなければならない。いわゆる八割無利子の対象にはならないというような形になってまいります。もし八割無利子の対象になるとするならば、それはこの中にある連棟式というような形にはならないのじゃないか。三十店舗なら三十店舗、五十店舗なら五十店舗あって、それが全部改造しないでばらばらになることはあり得ない。いわゆる公共的なものなんです。ですから、その建物は個人の名義ではない。その事業組合の名義になるわけです。でなければ八割の無利子にならないのだ。だからして、いまあなたの答弁は、私の質問に対して的確にお答えになっておられないわけだ。だからして、この八割無利子の対象となるものは、どういう場所で、どういう形でこれが認定をされることになるのかということを私は例をあげてお尋ねしているわけだから、それに的確にひとつお答えをいただきたいと思います。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 お尋ねの八割無利子の対象となる施設でございますが、商店街改造におきましては、私どもは、公共的性格の強い共同施設だけを八割無利子の対象といたしたいというように考えております。すなわち、商店の駐車場とかあるいは街路灯であるとかあるいはアーケードとか、そういうものは商店自体の販売促進にも役立つわけでございますが、同時に、商店に参ります顧客一般の便宜にも資するというようなものに限り八割無利子という制度を認めたいというように考えております。  なお、共同店舗におきましては、零細事業者が大部分を占めておりますような共同店舗については、一般の共同店舗が二・七%であるのに対しまして八割無利子という制度を適用いたしたいというように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その零細企業者が集まって事業をやる共同店舗、これは連棟式ということになるんですね。それは商店が密集している商店街にはなかなかそういうものは設置しにくいわけだ。どうしてもそういう市場式なものは場末になる。場末でも共同店舗であることに変わりはない。しかし、商店街としての認定を受けるということになってくると、むずかしい条件がそこに出てくるのではないか。ですから、共同店舗であれば、それ自体を商店街として認定をしていくのかどうか。そういう市場的なものはどうしても場末のほうになるのですよ。中心部にならない。そこが問題で、アーケードであるとか街路灯であるとか共同駐車場であるとか、そういうものはわかります。それはやろうとすれば中心部のほうに設置できます。駐車場等はおそらく地下なんかになっていきましょうから、だいぶ金がかかるでしょう。しかし、共同店舗というのは商店の密集した中心部にはなかなかつくりにくいということになります。どうしても離れたところになる。だから共同店舗であるからというので認定して八割無利子の融資をいたしますか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 商店街の中に小規模事業者のみをもって構成する共同店舗をつくれば、当然八割無利子の対象にいたすつもりでございますが、ただ、先生の御意見は、なかなか商店街の中にできない、逆に離れたところに共同店舗をつくればそれを商店街として認定をするかという御質問だろうと思います。その離れたところにつくりました共同店舗自体、小規模事業者を主体にしておれば、当然これはそれ自体だけで八割無利子の対象になるわけでございます。その上に商店街の認定が必要かどうかという点については、私どもは一般には必要はないと思うのですが、離れたところにたまたま共同店舗をつくり、たまたま相当多数の商店が共同店舗のまわりにある。そういう共同店舗とそのまわりにある商店がともに利用する駐車場をつくりたいということでありますれば、共同店舗の認定と、あるいは商店街整備計画の認定と同時にできるのではないかというように感ずるわけですが、共同店舗を離れたところにつくって、それが同時に共同店舗の事業計画の認定を受け、また片一方で商店街の認定を受けるということは、これはちょっと法律の考え方からしてできないのではないかというように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私が申し上げたことを理解していただいてないと思うのだけれども、まず八割無利子の連棟式の建物をつくる場合に、商店街としての認定を受けなければいけないのでしょう。問題はそこから起こってくると私は言っておるのですよ。商店であるとすれば、そこへ問題が起こってくるから、そういう商店街とはかかわりなく共同店舗に対して八割無利子の融資をするのかということ、それならば、何も問題は起こってまいりません。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 若干御質問の意味を取り違えたかもしれませんけれども、共同店舗はそれ自体高度化事業計画の認定の対象になりますし、それから先生おっしゃいましたように、その中に入るものが小規模事業者が主体をなしておれば、商店街の計画の認定がなくても八割無利子の対象になり得るわけでございます。ただし、この場合には、同時に共同店舗の計画の認定を必要とすることは申すまでもございません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうでしょう。だから、商店街の認定を受けるというのがまず前提なのだ。いまあなたも答弁をしておるのだ。この場合は商店街の認定を受けるのは当然でありますと最後に答えたのだ。だから、あなたの答弁が混乱しているのじゃないかな。だから問題は、いまあなたと私がやりとりしているところに起こってくるのだ、今後はこの商店街の問題は。連棟式の問題がですよ。ですから、この共同店舗、八割無利子、これの条件は商店街の認定を受けることを前提としないか、これを明確に答えてください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 私のほうで高度化事業計画の認定といっておりますのは三種類ございまして、商店街の整備計画、店舗共同化計画、連鎖化事業計画の三つの種類があるわけでございます。それで、共同店舗をつくろうという場合には、商店街の整備計画の認定を受けるわけではなしに、店舗共同化計画の認定を受けるわけでございます。店舗共同化計画の認定を受けてつくりまする共同店舗に入りまする中小企業者が小規模事業者が主体をなしております場合には、その店舗については八割無利子の制度が適用される。その場合には、したがって商店街の整備計画の認定の必要はないということでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 今度は必要がないということになってきた。だから、高度化事業計画の認定の中にイロハとあって、商店街整備計画等というのがあって、その囲みの中に商店街の改造、共同施設の設置とあるわけだ。共同施設の設置というのがいわゆる共同店舗のことなのだから、囲みの中に書いてあるのです。それはだからいいです。あなたの答弁のとおりであれば、私はあなたの答弁のとおりが好ましいわけだから、要するに、共同店舗というものであれば、いわゆる零細業者が五分の四入るのだね。そうしてその中には、なおまた、サービス業等は一割しか入ってはいけない、そういう条件がつくのでしょう。そこで、そういう店舗をどこへつくっても商店街の整備計画の認定というものは受ける必要がないと最後にあなたはお答えになったのだから、そのとおりでよろしいですね。どこへでも共同店舗というのはつくれるのですね。それは八割無利子ですよ。間違いないですね。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 仰せのとおりでございます。ただし、店舗共同化計画にかかわる共同店舗が全部八割無利子の対象になるということではございません。共同店舗の中に入ります中小企業者の大部分が小規模事業者である場合に限り、八割無利子ということでございまして、そうでない場合には従来どおり二・七%の融資条件で貸し出されるということでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それは私が解説して尋ねておるのですから、あなたに答えてもらわなくてもいいと思うわけだ。サービス業は一〇%以下でなければいけないのでしょうとまで、私はあなたから答えを受けなかったけれども、私のほうからも申し上げてお尋ねしているわけだから、それは五分の四が零細業者でなければならない。もうわかっていて、その条件だけを尋ねているわけだ。どこに設置してもよろしいのかと。それでわかりました。あとでそれは商店街の整備計画の認定を受けなければなりませんなんということをおっしゃらないで、していただかなければ——念には念を押してお尋ねをいたしました。   〔田中(六)委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、もう時間がございませんからあと五分以内で私はやめますが、最後にお答えにありました特定連鎖化事業、いわゆるフランチャイズ事業、これの運営の適正化の問題でございますが、これに対しましては十一条に、いろいろとこの条件が一項の一号から六号まであります。この「規定に従うべきことを勧告することができる。」というのが十二条にあります。先ほど午前中に佐野委員からも指摘をいたしておりましたが、やはりこの勧告だけではだめなんだ。勧告に従わなかった場合は公表するといったようなこと、あるいはその他の処罰規定といったようなものが必要ではないかと考えますが、その点の見解はいかがですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 特定連鎖化契約自体、これは商業者と商業者との契約であります。私どもは、実態を見ますと、ともすると契約のときに契約条件が明らかでなかったり、あるいは不当にフランチャイザーのほうに有利な条件の契約がかわされることがあるということを聞いておるわけでございますので、契約に際してあらかじめ条件を明示し、また、これを商業者たる中小企業者が完全に了解した上で契約を結ぶということの必要のために、いろいろな契約条件について明示あるいは書面の交付義務を課しておるわけでございます。したがって、これはいわば商取引の関係のことでございますから、やはり罰則というような強い威嚇的手段でこれを担保するということは適当ではない。特にフランチャイズ事業というのは、本法でまだようやく始まりかけた制度でございます。フランチャイズ事業そのものは、中小企業者の面から見ましていろいろ有用な面もございますし、その健全な発達をはかるという点から見ましても、これをいま罰則をもってその点を強制するということは妥当ではないというような考え方でおるわけでございます。したがいまして、こういうものにつきまして、不当なときには大臣から勧告をするというような制度にとどめたような次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 考え方はわかりました。私どもは、勧告だけでは不十分である、罰則等の適用というものまではいかないにいたしましても、少なくとも勧告に従わない者は公表するというのでなければ、ほんとうの効果を発揮することはできない、そのように考えるわけであります。それは修正等の態度をもって臨みたいと考えております。  時間が参りましたからこれで終わりますが、本法案の中心は、何と申しましても八割無利子の金融です。ほかに税制上の措置であるとかいろいろありますけれども、やはり金融が中心である。そこで、これらの融資制度に対して、どの程度の融資規模をお考えになっていらっしゃるのかという点であります。それからまた将来計画についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 事業団融資につきましては、事業規模約二十五億円ほど用意いたしてございます。しかし、これは一応の目安でございまして、事業の拡大を必要とするというような場合には、当然ほかの事業団資金を流用して本法の施行に遺憾のないようにいたしたいというように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大臣にお尋ねしたいことがたくさんございますが、締めくくりの際にお尋ねしたいのと、百貨店法の改正案という重要法案もございますし、基本法の改正案もございますので、その際に基本的な問題等々あわせてお尋ねをすることにいたしまして、きょうは保留をいたしまして、これで終わります。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 松尾信人君。

松尾信人公明党

○松尾委員 これは最初に大臣にイエスかノーか簡単にお答え願いたいと思っておるのですけれども、今回政府が中小小売業という部門に焦点を当てられたということは非常に高く評価いたします。しかし、従来の中小企業に対する政府の施策は、何といっても製造業中心であったということですね。近代化、またその中の特定業種の構造改善というような製造業、重化学工業の成長、発展、また経済成長というような、そういう面からの施策というものが中小企業に及ぼされておりまして、それが中心の施策であった。でありますから、製造業重点の施策というものにしっかり取り組まれてまいったわけでありますけれども、その反面、中小小売商業というような部門に焦点が長らく当てられなかったんじゃないか、このように私は思うわけでございますけれども、いかがですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 中小企業の振興につきましては、中小企業庁を設けて以来いろいろ努力をしてきておるところでございますが、やはり高度成長に幻惑されまして、そちらの方面に対して中小企業が取り残されるといううらみが必ずしもなくはなかったと反省いたします。そして今回は、国際経済の変動及び国内的ないろいろな経済条件の変化に応じまして、この際、中小企業に対するいろいろな施策を思い切って打って出て、中小企業の皆さま方にも安心してもらおう、そういう意味で先般来申し上げましたいろいろな政策をいまお願いしているところでございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 そのとおりだと思います。この中小小売商業という面にスポットライトが長らく当てられていなかった。そういうことで、この中小小売商業というものがいろいろのものに比較いたしましても、生産性の格差が非常にある。それから販売シェアというものも三十年代以来だんだん低下しておるわけです。非常に低下しておる。ここで政府が今回いろいろお考えになっておるわけでありますけれども、今回のこの法案における考え方、どういうことをやっていくかということを、簡単でけっこうでありますから、この重点的なものをお答え願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 中小企業は千差万別でございまして、これは一々個別的に手当てするということが一番望ましいのでございますが、それはあまりにも数が多過ぎて態様も異なりますし、とてもむずかしいところです。ですから、商工会議所やあるいは協同組合等を通じまして、いろいろ経営指導員その他の制度によって自主的改革ということを促しながら政府も助成するということをやってまいりました。やはり一番大事なことは、経営指導を各中小企業別に綿密に親切にしてあげて、そして情報とそれから新しい経営改革のめどをつけさせてあげるということだろうと思うのであります。これはこの面として一生懸命努力してまいりたいと思っておりますが、また一面におきまして、この国際的な変化によって自由化の波が押し寄せてきて、外国の大きなチェーンストアその他が入ってくるということもありましょうし、あるいは日本の企業におきましてもスーパーやその他が大型化して、また全国的に連鎖店等を設けて出てくるということもございましょうし、そういう事態に備えまして、三つの点に特に注目して今度法案として盛ってきたわけでございます。一つは商店街、もう一つは共同事業、もう一つは連鎖店の問題でございます。  これらにつきましては、先ほど申し上げましたような施策で大どころをつかまえまして、大いなる助成をいたさんといたしておるものであります。しかし、いろいろ中小企業の態様を見ますと、私、何か欠けているところがあるんじゃないかということも考えておるのでございますが、法案を提出して自分で反省してみて、情報の面で何らかもっとやってあげる必要があるんじゃないかという点が一つ心残りになっておる点ではあります。

松尾信人公明党

○松尾委員 いま大臣がおっしゃいましたこの法案における今後の施策の方向、これはやはり高度化事業というものが基本になっておりますね。しかし、いま同僚の議員からも質問がありましたとおりに、この中小小売商の九〇%が常時従業者五人以下で、非常に小規模である。それから、そのような従業員を使用していない個人商店がその中で八〇%ある。こういう今度の法律の考え方でも乗らない、その法律で手の及ばないといいますか、そういうものが相当あるんじゃないか。商店街または共同事業またはフランチャイズというようなかっこうでまいりますけれども、この百四十七万という中小小売商、そういう中でどれが乗っていくかという問題が先ほどもちょっと論じられましたけれども、ここが非常に問題だろう。いま大臣も、いろいろ取り残しのものがあるんじゃないか、それは情報の点であるというふうに私は感ずるとおっしゃいますけれども、それ以外に、この法律案に基づいてやっていこうとされるそのグループに入れないものが百四十七万の中にうんとあるんじゃないかと考えるわけでありますけれども、いかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 その点も御指摘の点があると思いますが、大部分は、個別的にいろいろ経営改善を指導しなければならぬというものではないかと思うのです。これはやはり協同組合とか、あるいは商工会議所とか、商工会の経営指導員等を充実させて、自主的な意欲を持たせて経営改革等を促していく、それをある程度国が助成をしていく、こういう形のようではないかと思うのです。ある程度グループをつくらないとなかなか近代化というところには進みにくい日本の体質であります。しかし最近は、JCのメンバーとか、経営者の中でも二世、三世の若手が出てまいりまして、それらがかなり意欲的に動くようになっておりますから、適切な情報を与え、経営改革のパターンその他を与えて指導すれば意欲を起こすということもあり得ると思います。そういうものにできるだけ国としても助成を与えるという形が好ましいと思うのです。そういうようなものは個別的に経営改革するだけでなくして、同じ業種がそろって一緒にやるとか、あるいは共同事業を行なうとか、共同購入とか、その他の道も伸びてくるということもあって、そうすると、こっちのほうへ入り込んでこれる何らかの機縁によってそういう基本的な改革から共同的な連携という方向に進める、こういう方向に入り込んでくるように努力することがいいのではないかという気もしております。

松尾信人公明党

○松尾委員 そうしますと、この法案によって特定のものが救われていく、恩恵を受ける、それは具体的に言えば商店街の問題であり、共同店舗の問題であり、またフランチャイズの問題である、その他当分の間、この法律の恩典と申しますか、それに漏れていく分については手厚い、従来のいろいろの施策というものをしっかりやっていこう、この法律以外には新しいものはないわけでありますから、すべてこの法律でやっていこう、それ以下のものについては、従来の施策というものをきめこまかに指導していく、そしていろいろの意識なんかも変えていって、この制度に乗るような、そういうものにつくっていこう、このようなお答えと解していいわけですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 そのとおりでございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 くどいようでありますけれども、店の立地の状態、利用されておる状態、こういう点から考えますと、新宿だとか池袋、銀座のような非常に大きなきちっとした地域に定着したような商店街、それから地方に行きますると月に一、二回周辺から来て買っていくような商店街、それから地域の人が朝晩、とにかく毎日そういうところに行って日常生活必需品を買う、そういうようにいろいろあるわけでありますが、この施策に乗っていける分はどういうものか、この施策に乗れないものはどういうものが残るか。残るものがうんと多いわけですから、いま大臣がおっしゃったように、何かそこにきちっとした方針を立ててやっていかないと取り残された分がいつまでも残る、それがやはりいろいろの波をかぶって苦しむ、そしてひどい目にあう、このように思うわけであります。  そういうふうな対抗の施策といたしまして、私はひとつここで申し上げたいと思うのでありますけれども、産地の実態調査をこの前ドル・ショックのときに早急におやりになりました。緊急調査をやられましたね。そのようなぐあいで、何かこの法律によって漏れていく分についての実態をきちっと把握されまして、その部門における年次計画というものを立てておいて、そしていま大臣のおっしゃったようないろいろの指導、それからその指導の方法、それから助成の方法、予算のつけ方、そういうことでだんだんとこれが共同化し、団結し、力を合わせて、そして大きなものに対して対抗していけるというようなものをきちっとおつくりなさらないと、片やよくなる、片や全然よくならぬという、そういう取り残され組がひどい目にあうのじゃないか、そういう施策というものをきちっと考えて三年、四年、五年というような計画を立てていくべきではないか、こう思うのですが、いかがですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 その点は、行政の公平を維持するためにも非常に重大な点であると思いまして、よく検討してまいりたいと思います。

松尾信人公明党

○松尾委員 これはよく検討して、そうして実行する計画を立てていただきたい、こう私は思います。  それから、先ほども振興指針の話がよくここで問題になりましたけれども、この振興指針でありますが、次長さん、この振興指針というのは中小小売商業者のだれを対象とするのですか。全体を対象とするのかどうかということでありますけれども、教えてください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 法律の第三条に書いてございますように、中小小売商業者に対する一般的な指針でございます。したがいまして、との中には当然高度化事業を実施いたします中小小売商業者に対する指針の部分も含んでおりますが、むしろ一般的な個々の中小企業者がいかにあるべきかということについての指針を振興指針で明らかにいたしたいというように考えております。

松尾信人公明党

○松尾委員 むしろ一般の高度化事業計画等に乗っていくものは、こういう振興指針がなくてもうまくいけるわけです。そういうものにかかってきて、そうしてきちっといくわけです。問題は取り残され組です。一般というのはそれでしょう。その取り残され組の一般に対する振興指針でありますから、ここに書いてありますことはわかります、わかりますけれども、要するに、取り残され組というものは、こういう抽象的な事柄ではたしてうまくいくかどうか。いま大臣のおっしゃったとおり、新しい取り残され組に対してはどのような手を打っていくか、そしてそれをどのように助成していって、共同化に向けて、どのようにして百貨店とかスーパーとか、また、いままでできたそういうものに対して対抗していけるかというようなものを具体的にやるべきであって、抽象的なこのような書き方では、取り残された組に対しては、私はあまり役に立たぬのじゃないかと思うのですが、見解はいかがですか。これは一つの作文みたいな感じがして、ほんとうにこれによって残された一般の中小小売商業がどのように方向づけられ、どのようによくなっていくかということについては、私は非常に疑問を感じます。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 中小小売商業の実態は千差万別であります。したがいまして、確かに先生おっしゃいますように、たとえば、百貨店が進出をしてきたときにどうすればいいのかということを具体的に示すのも一つの大きな意味の指針ではございましょうが、政府として、広く一般の中小企業者ということになりますと、やはり朝から御説明申し上げたような一般的、抽象的指針にとどまらざるを得ないというように思うわけでございます。ただ、私のほうでは、中小企業指導法という体系がございまして、その体系に従いまして一般中小企業者の指導をいたしておるわけでございます。具体的には都道府県の総合指導所が中心になりましていろいろ経営指導をいたしております。商店街診断とか、あるいは商店診断というのもこういうところで実施をしておるわけでございますが、こういった診断の実際にあたって具体的にどうすればいいかというような方向を示していかなければいけないと思います。また、小規模事業につきましては、商工会、商工会議所におきまして指導員がございますので、いろいろな具体的な事案について、この振興指針を参考にして、中小企業者を個別、具体的に指導していかなければならないと考えます。

松尾信人公明党

○松尾委員 では、どうしても表現としてはこのようにならざるを得ないということは認めます。認めますけれども、それだけでは実際の効果はあがりませんですね。ですから、いまおっしゃったとおりに指導員の問題、そういうきめのこまかい予算をうんと組む。それから大臣がおっしゃったように、レベルアップしていく。そしてそれが共同化の方向に向く。そして中小企業、小売商の基本的な難問題ですか、そういうものをなくしていく。これをやりませんと、もう手が届かないところは十年、二十年もほったらかされてしまうわけですね。これをひとつしっかりと、きょうの成果としまして取り残された組をどうするかということをよくお考えにならぬといけない、このように強く要望いたします。  それから、取り残された組でありますけれども、この第五条に資金の確保のところがありますね。先ほどもそのお話が出ましたけれども、この予算はどうなっていますか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 中小小売商業の振興のために、財政投融資といたしまして、流通近代化のために百三十億、小売商業高度化のために六十億、それから流通安全のために二十億、合計中小企業金融公庫には二百十億円の貸し付け資金を用意いたしてございます。また、同じような金額は、国民金融公庫で、生鮮食料品の小売業貸し付け四百五十億を含めまして、五百六十億の貸し付け資金を用意いたしてございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 次の問題ですけれども、この流通のシステム化と申しますか商業問題、そこには二つのポイントがありますね。一つは、大型小売商業と、中小小売商業の調整の問題、これは百貨店法の改正というような問題になってくると思います。それから二番目には、流通の効率化の問題、こういうことで、流通のシステム化だとか、商業立地の適正化ということは政府としても調査をされておるわけですね。商品別の流通構造調査、流通情報サービス、これは先ほど大臣がこういう面が欠けておるのじゃないかと言われた点でありますけれども、その調査はどうであったか。そしてまた、その調査結果は、中小小売商業にどのように反映されておるかということを聞きたいと思うのです。

橋本利一通商産業省企業局次長

○橋本政府委員 私から事あらためて申し上げるまでもないかと思いますが、流通部門におきましては、非常に多数の企業あるいは多数の事業所が流通の各段階にわたりまして相互に密接に関連し合って存在しているというのが流通部門における大きな特色ではなかろうかと思います。さような点から、流通の近代化をはかりますためには、個々の流通担当企業の体質改善あるいは強化をはかることも非常に大切なことでございますが、あわせて流通の流れを一つのシステムとしてとらえる。その全体的な立場に立ちまして流通業全体の効率化をはかっていくということも必要かと思います。  そういった観点に立ちまして種々の調査を実施いたしておるわけでございますが、そういった調査を政策の面に及ぼす場合におきましても、小売商業というのはきわめて重要な流通担当企業でございますので、助成の重点を中小商業者に置きましてシステム化を進めていくということでいままでも進めてきておりますし、今後とも、さような観点に立って、調査の結果を中小小売商業者の体質改善、強化のために活用してまいりたいと考えております。

松尾信人公明党

○松尾委員 調査の結果を、いまからやっていくわけですね。

橋本利一通商産業省企業局次長

○橋本政府委員 そうでございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 これはまた商業立地の問題ですけれども、この商業立地の適正化のためにも商業近代化地域対策計画の策定、二番目には広域的な商業診断等の施策もやっておるわけでありますが、そのやった結果の取り上げ方というものはどうなっておりますか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 私のほうでは四十五年以来、流通の近代化計画の樹立をやっておるわけでございます。御指摘のように、つくりましても、なかなかすぐに利用されるというわけにはまいらないわけでございます。いろいろやっていきますと、やはり関係各省、特に建設省等が開発をおやりになる場合に、実際上これを参考にしていただくというのが一番いい利用の方法ではないかということで、関係建設省のサイドの方にお願いをしておるような状況でございます。  それでは、全然机上プランであるかということになりますと、流通近代化計画の中でもやはり使われておるケースはあるわけでございまして、例として適切であるかどうかわかりませんけれども、たとえば旭川において買いもの公園をつくったというのは、流通近代化計画の中で一つのそういう構図が描かれておりますので、それに従ってつくったという経緯もございます。近くは岡山あたりでも流通近代化計画を参考にして同じようなことを考えておると聞いております。  広域商業診断のほろは、もう少し個別の商店街等にかかわりますので、個別の商店街がそれぞれの立場から、広域商業診断の結果を自分の商店の販売方法あるいは商品の陳列等に利用しておるというように私のほうで考えております。

松尾信人公明党

○松尾委員 調査が必要である、これは大事ですね。その調査の結果というものは、やはり行政上具体化して反映されていかなければならぬ、これを言っているのです。何か調査、調査といっても、片一方では少しもつながらぬ、これではだめですから、そのつなぎをきちっとしなさいよ。そしてこのような調査をした結果このようになったというものを出していけば、両々相まってよくなっていく。これを言っているわけですから、しっかりやってください。  それから、商店街の問題でありますけれども、いま日本に幾らありますか。それから、その内訳として、商店街の振興組合の分または事業協同組合の分、このようになっていますね。簡単でいいですよ。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 商店街は全国で約一万五千ございます。約と申し上げておりますのは、法人格を持っておりますものは当方でつかんでおりませんので、任意団体が約一万二千ございます。その他法人格を持っておるものといたしましては、商店街振興組合が千二百十六、それから振興組合の連合会が三十九、事業協同組合組織を持っておりますものが千六百七十六、協同組合連合会でございますものが十五、こういうような区分で、約一万五千の商店街が全国にあるということと相なっております。

松尾信人公明党

○松尾委員 そうしますと約一万五千ですね。今回、商店街の改造計画作成費の補助というのがありますね。これは今年度から始まるわけでありますけれども、その予算としては、対象は幾らですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 四十八年度には商店街の改造に対しまして設計費補助をいたすことといたしております。予算で組んでおりますのは、約八つの商店街に対して所要経費の三分の一の補助をするということで組んでおりますが、現在すでに八つの商店街をこします商店街から設計費補助の申請書が出てきております。

松尾信人公明党

○松尾委員 その改造計画作成はけっこうでありますけれども、振興組合で千二百とか、また事業協同組合で千七百とかいうようにたくさん商店街があるわけですよ。それに予算としてはわずか千二百四万、対象組合八組合、こういうことでは足らぬですよ。そして一番初めに何といっても商店街の整備ということもうたっておるわけで、これはこういう調査とかそういうものから浮かび上がっていく、エレベーターに乗るわけです。それにしてもこれは非常に少ない、足らぬ、商業分野に対する力の入れ方が足らぬ、これを私は指摘したいのです。わかりますか。——ではもうこれ以上言いませんけれども、これは来年度からしっかりがんばるべきでありましょう。  今度は中小企業振興事業団の高度化の分、共同化の分、その実績、予算ワク、その消化状況というものを概略おっしゃってください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 振興事業団で助成をいたしております高度化事業は、商店街近代化、店舗共同化、小売商業連鎖化、それから商店街の共同施設というものがおもなものでございます。  このおのの実績でございますが、大体昭和四十七年度までに商店街近代化につきましては十二件、それから店舗共同化につきましては二百十四件、小売商業連鎖化につきましては十九件、商店街共同施設につきましては二百五十二件の助成をいたしております。これを四十七年度単年度の金額で申し上げますと、商店街近代化につきましては約三億、店舗共同化につきましては約十六億、それから小売商業連鎖化につきましては一億五千万、商店街共同施設につきましては十一億三千五百万というのが四十七年度単年度の実績でございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 ですから、当初このようにやっていこうという予算ワクと申しますか、そういうものが全然なくていまおっしゃったような数字になったのかということが一つ。いずれにしても、今回の法案における目玉商品でありますから、これはうんと予算を組まなくちゃいかぬのじゃないか。また、かりに予算ワクがあっていまのような実績だとするならば、予算ワクどおりフルにいっているのかいっていないのか。いっていなければ、そこにはうるさい、具体化できないいろいろな問題があるだろうと思うのですけれども、そういうところはどうですか。簡単でいいです。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 中小企業振興事業団のおのおのの項目につきましては一応の予算ワクはございますけれども、必ずしも固定的なものではございません。  それから、四十八年度で予定いたしております貸し付け予定でございますが、大体八〇%無利子のものにつきましては約十億、それから七〇%、二分七厘のものにつきましては約一億三千万、それから六五%、二分七厘のものにつきましては四十三億、合わせまして金額で五十五億を予定いたしております。もっともこの中では商店街整備、店舗共同化、連鎖化のみならず、一般中小企業者の共同施設分二十億を含めまして五十五億の融資を予定いたしております。

松尾信人公明党

○松尾委員 特定のワクはない、幅の広いワクの中でやっている、こういうお答えであります。それから合計五十五億というようなお話も出ましたけれども、これはうんと力を入れてやっていくべきでありましょう。これはがんばるべきでありましょう。  先ほどボランタリーチェーンとかフランチャイズチェーンでいろいろ公取のほうでも問題があって調査しておるということでしたが、問題点を二つか三つここでおっしゃってください。どういう点に問題があったのだということですね。わかっておる範囲でけっこうです。それと大きな問題点だけでけっこうです。

生田豊朗中小企業庁指導部長

○生田政府委員 フランチャイズチェーンにつきまして調べた結果でございますけれども、フランチャイズ本部と加盟店との関係で問題になりましたものにつきまして一番多いのは、詐欺的な方法で加盟店を募集したというような問題点、それから加盟店を募集いたしましたときに、本部がいたしました説明よりも加盟店は実際に収益が上がらなかった、あるいは必要資金が過大となってしまったというような問題点がございます。(松尾委員「簡単でいいです」と呼ぶ)あと二、三ございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 ボランタリーチェーンにもあると思うのです。そのような問題がある。しかし、ボランタリーチェーンというものは、大臣もおっしゃったように、いまから大いに育成していかなければいけない、このような期待もあるわけであります。問題点があるならば、どのようにその問題点を防ごうとされましたか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 フランチャイズチェーンはちょうど発祥期にあるわけでございます。いろいろトラブルもあるわけでございますので、実はこの法案をつくります前に、私どもはフランチャイザーを集めまして、フランチャイザーの協会を設立せしめたわけでございます。こういうトラブルが起こるというのも、やはりひっきょうするにフランチャイザーの心がまえの問題でございますので、こういうことが起こりませんように協会にフランチャイザーの倫理綱領というものをつくりまして、これによってフランチャイザーの指導をいたしてまいったわけでございます。しかし、やはり倫理綱領だけでは十分ではございません。先ほど指導部長が御説明申し上げましたようなクレームがいろいろございますので、この法案の十一条以下に契約条件の明示と書面の交付義務というものを義務づけまして、それと同時に、やはり問題のありますものについては主務大臣が勧告をするという規定を設けて問題の内容に処置をいたしたわけでございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 まず協会をつくった、それから綱領をつくった、また、この法案の十一条にそのような規定も盛った、こういうことでありますけれども、業者と業者の契約でありますけれども、これは割賦販売の場合にはちゃんと消費者というのがいますからね。こういう契約というものはきちっとなっております。そこにはクーリングオフの制度もあります。ですから、やはり悪い面が出てきておるのですから、このような十一条の規定もけっこうでありますけれども、もう少し契約内容というものをきちっとしまして、そしてその契約を結ぶときのいろいろの条件というものを煮詰めて、最小限度これだけのものをはっきりするのだということはきめるべきだと思うのです。同時に、クーリングオフというような冷却期間というものを置いて、いつでも解約ができるように加盟店をがっちりさせていく、そして本制度をりっぱに育てていくという点は考えていませんか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 十一条の一号のところで、契約を結びます場合には、「加盟に際し徴収する加盟金、保証金その他の金銭に関する事項」、二号で「加盟者に対する商品の販売条件に関する事項」、三号で「経営の指導に関する事項」、四号で「使用させる商標、商号その他の表示に関する事項」、五号で「契約の期間並びに契約の更新及び解除に関する事項」等々を契約で明らかにすることを義務づけております。なお、こういうようなフランチャイザーのあり方、あるいはフランチャイズ契約自体のあり方については、私どものほうでは、できれば振興指針の中でフランチャイズはいかにあるべきかということについて何らかの形でこれを明らかにすることとしたらいかがかということで現在検討いたしております。

松尾信人公明党

○松尾委員 いいでしょう。では、しっかりそこで固めてください。  それから、小売商等が固定客をつかむというようなことからいろいろ手を打つわけでありますけれども、スタンプがありますね。スタンプというのはどういうことですか。

橋本利一通商産業省企業局次長

○橋本政府委員 ただいま御指摘のスタンプ事業でございますが、固定客の拡大、新規客の増大を通じて計画的な小売経営を可能にし得るものであるということで、昨今成長しつつある分野でございます。ただ、率直に申しまして新しい分野でございますので、まだ十二分にその実態を把握いたしておりません。スタンプ事業者は大体数百、年間のスタンプ発行高は約五百億といったようなことを聞いておりますが、健全な育成をはかるための対策を講ずるためにはさらに十二分な実態の把握が必要かと思いますので、本年度の予算におきまして実態調査を実施したいと考えております。

松尾信人公明党

○松尾委員 五百億とかなんとかの売り上げですね。スタンプというのは、お客が行って買えば一回一回幾らかくれるわけでしょう。それで三百枚なり五百枚たまったときに幾らかの物をやる、こういうことですね。ですから、そのスタンプというものを三百も五百もためるうちには、家庭で全部なくなるわけですよ。そしてお客を握る。また、スタンプをもらいたいと思って買いに来るであろうというようなことでありますけれども、この分は、やはり消費者は高く買わなければなりませんしね。こういうことで、はたしていいのかどうか。むしろほんとうにまじめな商売であるならば、やはり品質をよくし値段を一円でもまけていくというようなことであるべきでしょうけれども、特に今度スタンプ業者がおって、そういう方法を教えて、それで客をつかませ、五百億売り上げた。そして営業利益というものがスタンプ業者にあるわけですよ。そういうあり方はやはり反省すべきではなかろうか。おまけにスタンプの回収率が私は非常に疑問だと思います。三百枚、五百枚たまるまで一生懸命一枚もなくさないでためておくという家庭はよくよくのことでありまして、途中でこれはどんどんなくなっていく、スタンプの回収はうんと減り、そして置いてあるスタンプ業者というものがもうかっていくような制度は考えものだと思いますが、そういう点も含めてこれはもう少しがっちりよく見てもらいたい。消費者サイドに立っても、これはあまりいいことじゃない、このように私は判断いたしますが、いかがですか。

橋本利一通商産業省企業局次長

○橋本政府委員 御指摘の点につきましては、調査の結果を見て検討いたしたいと思います。

松尾信人公明党

○松尾委員 これは大臣にも聞きたいところでありますけれども、やっと個人事業主報酬制度ができました。これは青色申告の分だと思うのですが、この中小小売商の方々の納税の実態と申しますか、青色の分が何%、また白色の分が何%、このようなことは次長わかりますか、お答えください。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 先般実施されようとしております事業主報酬制度は、一定の帳簿を備えまして正しい記帳を行なって、事業部分と家計部分とを明確に区分して経理しております青色申告者に対して、その所得を事業主の労働の対価である事業主報酬と、企業の利潤であるみなし法人所得に分けて課税しようとするものでございます。したがいまして、企業と家計が未分離の状態にあります白色申告者にこれを適用するということは、きわめてむずかしいというように考えるわけでございます。  ひるがえって考えてみますと、一定のルールに従いました記帳を行なうということは、企業者自身にとっても合理的な経営管理を行なう上で必要なことでございます。私のほうといたしましても、経営改善普及事業の一環として、記帳指導ということをやっておるわけでございますが、いろいろ見てみますと、零細企業の中にはなかなか正規の帳簿をつけておらない者が少なからずあるわけでございます。したがいまして、こういうところには事業主報酬制を適用するということは、先ほど御説明申し上げましたような事情でなかなかむずかしいわけでございますが、このためにいろいろな制度を従来から実施しておるわけでございます。すなわち白色の専従者控除というものを実施いたしておりますが、四十八年度におきましては、この控除額の引き上げを実施いたしております。また、個人事業税におきまして事業主控除制度というものがございます。これは青色、白色を問わず適用される制度でございますが、これにつきましてもやはり控除額の引き上げを四十八年度は実施したようなわけでございます。こういうようなわけで、事業主報酬制度はなかなか適用しがたいわけでございますが、反面、小規模な業者につきましても、あとう限りの配慮をいたしておるというのが現状ではなかろうかと思います。

松尾信人公明党

○松尾委員 今度、一兆円の所得税減税の発表がありましたね。これは非常にけっこうなことですよ。百五十万円まで免税していこう、こういうのが骨子のようでありますけれども、中小企業に対してはどうなるのですか、これは大臣に伺います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 来年度の減税につきましては、まだ今年度の法案を仕上げている最中で、いずれ八月概算要求のときまでに検討を加えていきたいと思っております。所得税について党の幹部が大幅減税の構想を発表したようでありますけれども、われわれも非常にいい政策であると思います。中小企業そのほかにつきましても、サラリーマンの皆さん方と相共通するところもございますから、特に地方税、事業税等について非常に考慮すべき段階ではないかと思っております。できるだけ減税の政策を推進いたしてまいりたいと思います。

松尾信人公明党

○松尾委員 いまのお答えのとおりだと思います。個人事業主報酬制度も、パーセンテージを聞かなかったのですけれども、青色は何%ですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 営業所得者の約五三%が青色申告制度を実施いたしております。

松尾信人公明党

○松尾委員 そうすると、残り四七%が白色である、これは事業主報酬制度の適用がない、専従者がおればそこで若干の控除ができる、こういうことですね。でありますから、やはり白色をどのようにして青色にするかという問題も指導の問題ですよ。こういうこともしっかりやり、この税制の恩典に漏れのないようにしていく。それから所得税減税が一兆円というのはたいしたことであります。その中で、中小企業をお忘れなくやっていただきたい。このような個人事業主報酬制度の適用も受けられない、そういう人たち、本法案によりましても、本法案の恩恵を受けられない大部分の中小小売業者、こういうものに対しては、税制か何かで基本的によくしていく以外に当面の打つ手はないと私は思うのですよ。大臣のおっしゃったいろいろなこと、団結し、共同化してやっていくということは、これはずいぶん年数がかかります。その間に受けるいろいろの大きな打撃、これは中小企業の大きな悲劇であります。でありますから、基本的にはこういう税制でたくさんの人をまず救う、その上に立って、この法案に漏れる人々をどうしていくかということを考える、このようなことが私は基本的に一番大事であろうと思うのです。これは要望であります。大臣もその決意には少しも変わらぬと思いますからあえて聞きません。  これはもう最後でありますが、中小商業者もいろいろの問題でもう仕事から離れます。離職するわけであります。外国のほうの制度では、いろいろ離職者に対する恩恵的な制度と申しますか、救済制度がある、こう聞いておりますけれども、二、三でけっこうですから、どういうものがあるか。  それから、これは大臣に聞くわけでありますけれども、このような中小企業の離職者に対して外国の制度がある、これをお聞きなさった上で、この中小企業のこのような者に対して大臣がどのようにお考えになるか、これを聞きたいのです。これは最後であります。

生田豊朗中小企業庁指導部長

○生田政府委員 外国の例でございますが、先生の御指摘の離職者対策そのものという感じでございますと、西ドイツの例でございますが、廃業いたしまして賃金労働者になろうとする者に対しまして、職業訓練期間中に財政的な援助をするという例がございます。あとは離職者対策ということでは必ずしもないかと思いますが、転廃業に対する助成といたしまして、オランダにおきましては、五年間自家営業を続けた者に対し政府が廃業の助成をするという対策がございます。それからフランスでございますが、高齢の商業者に対して財政からの給付制度を考慮する、これは検討中でございます。それからアメリカにおきましては、アメリカ政府の中小企業庁によりまして、転廃業に対しまして融資あるいは補償等が行なわれております。以上でございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 転廃業のことは日本にも若干制度があります。それから離職者の問題、これはいま外国のそういうような例がありまして、大臣がどのように感ぜられたか。また、日本において現在ない制度というものを研究されまして、これは手厚くそういうものを考えていかれるかどうか、最後に聞きたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 よく検討してみまして、日本に適当な制度をできるだけ勉強してつくっていきたいと思います。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 次回は、明後八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十八分散会

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