商工委員会 第17号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/04/13
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、中小企業に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。
○佐野(進)委員 大体一時間くらいあるということで準備をしてきたのですが、三十分に削られたので、しゃべることもだいぶ少なくなってしまいましたが、これから大臣だけに質問をしぼってお答えを願いたいと思うのです。私のほうもできるだけ要点を質問しますから、大臣のほうも簡単に。時間がないということでたいへん残念なんですが、やむを得ません。 まず第一に、私この前質問申し上げまして、所信表明に対していろいろ大臣の見解をただしたわけでございますが、そのときも時間がありませんので次の機会で質問申し上げたいということで保留しておった事項がございます。その点、きょうもまた時間がなくなりましたから全部聞ききれませんが、若干の点について大臣の見解を聞いておきたいと思うのであります。 四十八年度の通商産業政策の重点は、国民福祉と国際協調のための通商産業政策である、このようにうたって四十八年度の予算を編成され、予算が成立してこれから事業に入るわけでございますが、私は、この国民福祉と国際協調のための通商産業政策ということについて、現状があまりにもかけ離れておるのではないか、いわゆる国民福祉は単なるうたい文句であり、国際協調といいながら、実際的に、国際的に経済の面において波乱を巻き起こしている一つの大きな要因が日本経済の状態ではないか、このように考えますので、まず第一に、これらの質問を申し上げる前提として、この国民福祉と国際協調のための政策であると訴え出られた真のねらいはどこにあるのか、意味はどこにあるのかということを原則的にここで聞いておきたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 従来の通産行政は一般的に成長優先あるいは企業保護というふうに受け取られておりましたけれども、いまやそういう時代ではなくなってきておる。ともかくこれだけ高度経済成長をして、基礎的な経済力というものはできているのであるから、この経済力というものは福祉に転用されなければならぬし、これからの経済の運用自体が福祉を目的にして行なわれるように転換しなければならない、そういう考えに基づきまして、一面においては、通商産業省もそういう方向に切りかえていくために大機構改革を今回はやりました。それと同時に、施策の面におきましても無公害社会の建設とか、消費者行政の推進とか、あるいは国際経済関係につきましては輸出入のバランスを回復して日本に対する非難を少なくしていくとか、そういう面についていま努力しているところでございます。いままで大きな惰性がございましたからこれを一朝にして変えるということは非常にむずかしいと思いますし、御指摘のような点もまだ多々あると私も自覚しております。しかし、そういう方向に大きく目標を切りかえまして前進を開始しつつあるというふうにお考えいただければしあわせであります。
○佐野(進)委員 私はそこでいまの大臣の答弁を前提にしまして、いろいろ柱を立てて取り組んでおられますが、その中で消費者生活の充実と国際経済における調和、この二点についてきょうは質問してみたいと思うのであります。 御承知のとおり、この消費者生活の充実ということの意味は、いままで通産省の行なってきた政策が産業活動の助成、これを活発にし輸出を増進するということを中心的な課題にしておられたわけでございますが、これは表面的に見るならば政策の一大転換であります。しかし、一般的風潮として、そのような一大転換が行なわれているというような認識は全体的に受け取られていないわけであります。通産省は、相変わらず大企業優先、大企業奉仕の政策を行なっておるのではないかというような点が幾多見受けられるわけであります。私は、この消費者生活充実のためにというこの項の中における、いわゆるいま最も問題になっている商社の投機行為、これらを中心にして一、二お伺いしてみたいと思うのであります。 物価対策の推進と流通の近代化ということについては、大きな柱として政策の転換を行なったと考えられることを前提にしていま取り組んでおられるわけでございますが、一つの具体的な例を申し上げますと、通産大臣がこの三日に発表された商社の商行為に対するところの実態調査、いわゆる通産省の実態調査に基づくところの内容の発表があり、これらについて商社に企業局長を通じて注意を喚起しておられます。しかしながら、実質的に、その後におけるところの具体的な措置等については何ら見るべきものがないように考えられるわけであります。たとえば、物特において行なわれた商社のいわゆる意見開陳等におかれましても、通産省の指導というものがどの辺にその真意が置かれておるかということについて、いまだ理解されていないやに見受けられる等の答弁がひんぴんとして各トップレベルの人たちから発表されておるわけであります。私は、そういうことを前提にいたしまして、この通産省調査というものの結論、今後行なわんとする対策が幾つかあげられておるわけでございますが、それらの対策がいずれも手ぬるく、いわゆる相手側にとってはこのような対策においては何ら痛痒を感じない、こういうような点において受けとめられるのではないかという印象が非常に強いわけであります。端的なことばで言うならば、通産当局はなめられているんじゃないかといわれるような感じすらするわけでございますが、この点について、通産大臣はこの措置等をどのような決意をもって推進されていくつもりであるか、この際、お聞きをしておきたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 商社に対する調査を公表いたしまして、その結果に基づきまして商社に警告と自粛を要請いたしましたが、あれが公表されまして、そのためにかなり商社も自粛自重という考え方が出てきたのではないかと思います。特に過剰流動性がどう蓄積され、それが土地あるいは木材そういう方向に流れ、商品経済にも流れたという面の実態が明らかにされましたので、単にそれを抽象的なお題目のように言うのでなくして、具体的な計数をあげてそういう調査の結果を公表いたしましたので、商社自体も、おそらく社長でも知らなかった実態があったのではないかという気がいたします。 それで、国会の力にもよりまして、ああいうところで社長自身が参考人として出ていろいろ釈明をしたり説明をしたりいたしましたが、社長みずからが米に対する出動をやめるとか、そのほか自粛的な発言もありました。そういうきっかけを通産省はある意味においてはつくったと思いますけれども、通産省は、何しろ権限がございませんので、あれを第一弾として、今度御審議願っております法律による権限を獲得いたしましたら、もう少し裏づけのある有効な対策も次の段階ではとり得ると思いますし、それ自体がまた伝家の宝刀的意味を持って商社をますます自粛させるような結果を導いてくるのではないかと思います。
○佐野(進)委員 新しい法律が提案され、いま審議をされておるわけでございますから、この法律の効果がどのような意味を持って、商社活動に対して正しい活動をさせるように指導できるのかどうかということは、これは今後の課題であります。しかし、いま行なわれつつある通産当局の対策の中におきまして幾つかの問題点が指摘されておるわけでございますが、その問題点の一つ一つに対して具体的に積極的に決意を持って立ち上がるならば、非常に大きな効果をあげることができる、そういうやり方があると思うのであります。いわゆる商社活動の面におきましても、大企業である大商社が、その商社の名において買い占めなり売り惜しみを行なうということだけでなくして、実質的に何段階かの系列企業に対してその役割りをになわしておる。三段階、四段階、五段階、それぞれの小中あるいは大のさらにまた中間的な企業等に対して一定の行為をなさしめているとするならば、大商社だけに対してその反省を求め、その措置を行なおうとしても、実質的な効果はあがらない。だから痛くもかゆくもないんだということを言われております。したがって、大中小のそれぞれの段階における対策は非常にむずかしいことは私もよくわかるのでございますが、これらの行なわれつつある段階における対策、この中においても、問屋等に対する対策等もあげられておるわけでございますが、この際、通産大臣に強く要望したいことは、これらの対策の一つ一つに対して、より具体的、積極的な行政指導を行なう必要がある。権限がございませんということだけでなく——私は、通産当局は非常に強力な権限を持っておると思うのです。したがって、その権限をもって現在の行政指導を行なう。いわゆる法律的な制裁を加えるということだけでなく、行政指導を行なう面においても立ち上がる決意を持ってそれに対して対処する、それがいわゆる国民福祉へ転換すると大臣の言われたことに全く合うのではないか。へっぴり腰である、調子を合わせればいい、何とか政治的責任をのがれればいいというような形の中における取り組みでは問題の解決にはならないのではないか、私はそのように考えるわけです。 時間がございませんので、私はひとつ具体的な面について御質問申し上げたいと思うのですが、たとえば丸紅がいまいわゆるモチ米の問題について強制捜査を受けております。当然処分が行なわれるでありましょう。私は、不起訴というようなことでなく、一定の処分が行なわれるであろうということが予測されると思うのです。現在の社会的な風潮からいいましても、世論の動向からいいましても。このような措置が行なわれるとき、通産当局は、いわゆる一罰百戒というような面もございまするけれども、具体的にこれらの企業に対するところの行政処分をすべきではないか。なすことによって、全体的にいわゆる中小に至るまで買い占めということが行なわれることによって、どれだけ社会的批判並びに行政的処分を受けるのかということについての反省の要因にもなるのではないかと考えるのでございますが、これについての大臣の決意をお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 丸紅がいま捜査を受けておりますけれども、その結果によってわれわれのほうで可能な行政処分的措置があれば、もちろん適当な、適切な方法によってこれを実行いたします。
○佐野(進)委員 私は、この問題について、この質問で終わりますが、要は、今日行なわれつつある商社の行為というものが、結果的にいうならば、過剰流動性に基づくその資金をその企業の利益を得んがために多方面に、いわゆる正常な経済活動に障害を与えるような方向に運用したところに、その問題の根本的な原因があると思うのであります。したがって、そのような資金を商社に、いわゆるドル投機をはじめ一連の投機行為においてそれぞれの資金を蓄積せしめ、これを回収することに対して積極的な手を打たなかった政府の責任はきわめて重大だと思うのであります。一商社の商行為というものに対してその責任を追及することだけでは終わらないと思うのであります。したがって、いま政府が一定の決意のもとにこれに立ち上がろうとしていることについて、私も敬意を表することにやぶさかではございませんが、しかし、これは単なる一つの出てきた責任というものを政府がのがれるために、商社をその悪役に立てているかのごとき感を一般民衆は受けているわけであります。したがって、この際、政府はそのえりを正し、今後そのような状況が再び起こらないような先見性に基づく具体的な措置を政治責任において果たしていくべきではないか、このように考えるわけでございますが、大臣の見解をお伺いしておきたいと思うのであります。
○中曽根国務大臣 過剰流動性の吸収等の措置がおくれたという御指摘の点は、そういう点も確かにわれわれは反省しなければならぬと思います。今日の経済混乱等につきましては、やはり政府も責任の一半を持っているわけでありまして、大いにこれから自粛して繰り返さないように努力したいと思います。
○佐野(進)委員 それでは、次の問題に移ります。 私は、この物価問題との関連の中でジェトロの果たした役割りについて質問をいたしたいと思ったのでございますが、時間がたいへん短くなりましたので、ジェトロのいわゆる国際経済における調和のための輸出優先からの転換というその項に、第二の問題点について質問をする中で、この内容に触れてみたいと思うのであります。 数日前の新聞に、ジェトロの改変が大きく報ぜられておったことは大臣も御承知だと思うのであります。今日までの日本経済の発展のためにジェトロの果たしてきた役割りを私は高く評価するものでございますが、今日の状況の中において、ジェトロの持つ役割りがもはや終わったのではないかと思われるような印象が強いのであります。特に、ここのところ、ジェトロの行ないつつある業務の内容等を分析いたしますと、先日発表されました、いわゆる東京と欧米諸国との物価の比較において、東京が世界のうちでは十番目で、まだまだ暮らしやすい都市である、物価が非常に安いのである、このような発表をいたしておるのであります。物価が安い東京という印象を、諸外国から日本へ来た旅行者が持たないで帰っている状況の中において、この発表した意味が、たまたま物価高に悩む東京都民に対して一体どのような印象を与えたかというならば、政府は相変わらず国民をだましているのではないか、このような印象を与えているのであります。したがって、このような発表をこの時期に行なったということについての見解をまずお聞きしたいということが一つであります。それから、ジェトロは本来、貿易振興のためにその役割りを果たすということがこの法律の条文の中で明らかでありますが、その事業内容の中で、諸外国の物価と貿易振興との関連が一体どこにあるのか、私もいろいろな本を読みながらその関連について調べてみたのでありますが、その関連が一つも出てきていないわけであります。言うなれば、ジェトロの機能に対して、通産省がその機能を法律の精神から離れて活用したのではないか、いわゆるジェトロの本来持つべき役割りはもう終わったので、このような仕事をやらしているのではないか、このような印象を受けるのでありますが、この点について、大臣の見解をお伺いします。
○中曽根国務大臣 ジェトロの機能につきましては、昭和四十六年度予算以降においては、調査面では輸出振興に重点を置いた面を縮少いたしまして、輸入の促進、資源の確保、輸出秩序の維持、投資環境の整備等の新しい面を強化しております。それから、海外向け広報活動の面でも、商品のPRから日本の産業、経済、社会の正しい理解を深めるという方向にPRを実施いたしておりまして、誤解やあるいは摩擦を回避する、そういう方面に力をいたしております。 昭和四十八年度のジェトロの事業費補助金六十二億九千万円のうち、輸出振興関係経費は約四分の一、十六億一千万円でございます。輸入関係経費は約一割、七億円程度でございます。四十二年度……(佐野(進)委員「大臣、わかっているから、もう時間がないんだから簡単に」と呼ぶ)それで、私も着任以来ジェトロの機能変化をさらに促進しなければいかぬ、こういう考えをもちまして、日本の貿易環境の整備、特に輸入とかあるいは社会、経済条件の認識を深める、フジヤマ、ゲイシャガール的日本でない現実の日本の実情を知らせて貿易関係の理解を深める、そういう方面に力を入れるように特に指示してやってきておるわけであります。 それから、先般ジェトロで発表しました統計は、毎年やっているのを出したのでありまして、これは毎年どういうふうにグラフが動いていくか、それをトレースしているという意味もございます。 それで、この表を見ますと大体の傾向がわかりまして、食料加工品というようなものは東京は高い、しかし耐久消費財は安い。それから個人サービスの面では、東京はそれほど高いというほうではない、むしろロンドンとかパリのほうがはるかに高い。公共料金はどうであるかというと、公共料金も東京はそれほど高いほうではなくて、むしろニューヨークやシカゴや、そういう方面のほうが高い。大体の傾向がこれでわかっておるのであります。政府の政策を援護するという意味で発表したのではございません。
○佐野(進)委員 大臣の答弁の内容と、この日本貿易振興会法という法律との関連の中で、いま言われたようなことについては幾つか疑義があるわけです。いわゆる拡大解釈という形になりますけれども、第三章の業務の項をどこをどう見てもそのようなことをやっていいというような印象は得ません。しかも、これは通産省の発表であります。しかも、このジェトロの予算の、大半とまでは言いませんが、ここのところしばらくの間、たいへん多額の金が本来のジェトロの業務ではなくして支出をされておるわけであります。これは海外貿易開発協会にジェトロを通して金が交付されている。ジェトロは、本来その資金の運用につきましても、第二十八条で幾つかの制限条項が定められておるわけであります。したがって、これらの点を総合いたしますと、全くいまの日本貿易振興会法におけるところの精神に基づいてジェトロが運営されていない。むしろジェトロの果たすべき役割りは終わり、新しい情勢に対応する活動をしなければならないということを、法律条項をそのままにしながら、通産当局はそれらに対して措置をさしているというように考えられるわけであります。 私は時間がございませんのでこの点について議論をしているわけにはまいりませんが、ジェトロはいまやまさにその歴史的な役割りを終わったとするならば、新しい役割りについてどのような対策を立てるべきかということについて、この際、基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思うのであります。 時間がなくなりましたから、この際質問を一括して行ないたいと思います。 私は、国際経済における調和のための輸出優先からの転換という通産当局のその方針については、その額面どおり受け取るなら全く了解してしかるべきだと思うのであります。しかし、その内容を具体的に分析いたしますと、幾つかの矛盾点をわれわれは見出すことができるのであります。たとえば、商社が海外市場におけるところの利益優先のために買い付けに狂奔したことによって、海外市場に混乱を巻き起こしておるとか、ある いは米国の新通商法案に対して、こちら側が貿易——いわゆる自由化を阻害し、多額の補償金を要求する等の行為の中で、秩序ある輸出ということに対するところの貿易ということに対して損害を与えているとかいろいろな点があるわけでございますが、これらについてはあとで渡辺委員のほうから質問があるようでございますので私はやめたいと思うのでございますが、ただ一つお聞きしておきたいことは、ここに共産圏諸国ということばがあるのですが、共産圏諸国ということばがはたして妥当かどうかわかりませんが、少なくとも自由圏に対応する諸国に対する対策として幾つかの問題が残されているわけであります。たとえば、時間がございませんから質問を続けるわけにはまいりませんが、事前許可品目の保証であるとか、あるいはまたココムの問題であるとか、いろいろな問題があるわけであります。ココム等は今日のこの通商状況の中において存続をしておるべきものではないわけであります。これについて大臣がどのように考えておられるか、ひとつココムの問題についてお聞かせを願いたいと思うのであります。 それから、朝鮮民主主義人民共和国との関係におきましては、いまだ正常なる国際的な交流が行なわれておらないわけでございますけれども、しかし、逐次この道は広がりつつあるわけでございます。これに対して、プラントに対する輸銀資金の使用の問題あるいは貿易代表部の相互設置の問題等は関係方面において強く要求されておるところでありまして、これらの関係が打開されることによって、国際経済におけるいわゆる調和ある発展が期せられるのではないかと考えますので、この点についての御見解をお伺いしておきたいと思うのであります。
○中曽根国務大臣 まず、ジェトロの機能及び仕事でございますが、ジェトロの仕事は、貿易の振興ということでありますが、貿易は、輸出と輸入でできるわけで、輸入の増大という面について、ジェトロは、昨年以来非常に力をいたしておるわけです。つまり、どういう品物がその国から日本に売れるかというような点について、その国の商社やそのほかともよく懇談をしたり、誘導をしたりしております。それと同時に、やはりその貿易振興のために、その環境の整備ということも必要でありまして、私は、タイへ行きましたときにも、ジェトロの諸君に、特に日本人の商社の行動のビヘービア等についても、大使館と連絡をとって、著しく適当でない、適切でない行動をとっている商社があったら、君らのところは目が届くのだから、よく商社の内部をかけずり回って実態を調査して、大使館を通じ、われわれのところに報告せよ、そういうことを命じてきました。大使館の一等書記官や参事官の方々は、なかなか商社の中へ入り込めないのですけれども、ジェトロの場合はそういうことが可能ですから、そういう貿易環境の整備という意味においても、新しい機能を時代に応じて強化していくようにということを言っておるところでございます。 それから、共産圏諸国との問題は、ココムというようなものは、時代から見ますとややはずれた点もかなりございます。それで、ココムはできるだけ早く、もうやめたらいいのではないかと私らは思いますけれども、しかし、これは日本だけで、独自でやれるという問題ではございませんから、その品目を整理してできるだけ縮小さしていく、そういう方向に積極的に活動しております。今後もそういう線で進んでまいりたいと思います。 北鮮との関係につきましては、大体いままでジェトロは、中国関係の貿易にいたしましても、貿易事務所にジェトロの人間は相当おりまして、政府が正式にやる前にジェトロが前進していって、水先案内みたいな役目を民間団体と一緒になってやったという要素があるわけです。そういう点では、通産省のある種の窓口として、大事な機能を果たしておるわけでございます。通産省では渡辺弥栄司君なんかもそういう機能をやっておったわけであります。そういう機能は、やはり大事な機能でありまして、北鮮との関係等につきましても、これは南北関係の融合の度合いに応じて、われわれも北鮮との貿易の問題を考慮してまいるということでございますが、ジェトロなんかの機能を活用するという段階になれば、これはそういう適切な処置をやっていい、そう思うわけでございます。
○佐野(進)委員 輸銀の使用を……。
○中曽根国務大臣 輸銀の使用というのは、どういう御質問でしたか。
○佐野(進)委員 これは北朝鮮民主主義人民共和国との……。
○中曽根国務大臣 それもいま申し上げましたように、南北の融合の度合いに応じて、その北鮮貿易の関係を考慮していくと申しましたのは、そういう意味もあります。現在は、やはりケース・バイ・ケースで審査して考える、そういうことでございます。
○佐野(進)委員 たいへん短い時間で、きょうは一時間予定があるということで準備してきたのですが、中途はんぱな質問になってたいへん残念でありますが、来たるべき機会に、また大臣に残された問題について質問したいと思います。 以上で終わります。
○浦野委員長 渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 私は、電算機の問題を中心にお伺いをしたいと思いますが、これもまたきわめて時間が少なくて、二十五分という時間であります。これでは実際問題としてどうにもならぬわけでありますけれども、しかし足らないところは保留をさしていただいて、あらためて近い機会に、たとえば大臣の御出席がなくても、工業技術院長あるいは重工業局長等から具体的にお伺いをしたい、こういうようなことを前提にして、せっかくきょうは大臣が御出席でありますから、最初に中曽根通産大臣にお伺いをしたいと思います。 三月五日の予算の第四分科会で、私は、電算機の自由化の問題について御質問を申し上げました。その後約四十日経過をいたしまして、事態は一そう進展をしてまいったと思います。 それで、昨今の報道機関の報ずるところによれば、電算機の一部が即時自由化される、こういうふうな状態になってきておりまして、さらにまた、日本のコンピューター産業界では、特にアメリカとの比較における立ちおくれを回復するために、そしてわが国のコンピューター産業の体制を維持するために、あるいは発展をさせるためには、どうしても相当額の国家の援助というものを得なければならないということを明確に出しておるわけでありまして、その金額は、伝えられるところによりますと一千五百億円ともいわれております。 時間がありませんので、きわめて端的にお聞きをするわけですが、こうした情勢に対して通産大臣の考え方をまず最初に簡潔にお伺いを申し上げたい、こういうふうに思います。
○中曽根国務大臣 日本の産業構造を知識集約型に前進させようというのは、私たちの考え方の一つでございますが、その知識集約型の中核をなすものは電算機であります。日本の産業構造を見ますと、重化学工業から脱却して、資源多消費型から知識集約、付加価値の強い産業形態に変えていくという一つの中心は電算機活用でございます。そういう点を見ますと、日本の電算機産業というのはかなりおくれておりまして、御存じのように、IBMは世界の七〇%をひとりで占めておる。それでIBMの力に対抗できないでGEとかRCAも電算機から手を引く、それぐらいの力を持っておるわけでございます。IBMは、日本にも入ってきておりまして、日本アイ・ビー・エムというものもございますが、IBMは三七〇シリーズというかなり高性能の新機械を開発して出てきているわけです。そういうためにも、日本の電算機産業を振興していくためにはおくれていること等もありまして、自力だけではなかなかできない。 それで、外国の例を見ますと、相当の額を自国の電算機産業振興のために補助を出しておるのです。ドイツの場合には、第一次で三百億円、第二次で二千四百二十億円、フランスの場合は、第一次で四百十億円、第二次で千二百七十二億円、こういうふうに出しておるわけです。わが国も、そういうおくれているものを取り返して、できるだけ国産化のシェアをふやしていこう、こういう考え方に立ちまして、機器の開発及びレンタル等に対する便宜供与という点で積極的に施策を講じてきております。しかし、いまの国際経済情勢から、さらに資本並びに貿易の自由化を電算機についても進める必要があるわけでございますから、広げれば広げるだけ外国の電算機産業が日本に入ってくる可能性がもっと強くなってまいります。そういう点からも抵抗力を培養するという意味において、ある程度の助成措置をわれわれもやらなければいかぬ、こう思うわけでございます。
○渡辺(三)委員 電算機業界のこの現状からして、国が非常に力を入れて、この現状を克服する、こういう基本方向については、私どもも異存はありません。そういう実情の段階に立たせられておるだけに、一体今後その開発がどのように進められていくのだろうか、こういうふうな問題については、これはある程度のしろうとを含めて、国民の大多数が大きな関心を持っておると思うのでございます。 一方、申し上げるまでもないのですが、最近の異常な物価の高騰あるいは円の変動相場制移行、こういう状態の中で、国民の各階層が政府に対するいろいろな具体的な施策を緊急に要求をしております。そうした中で、この千数百億円という国の金がどのように使われるのだろうか、それがどのような効果をあらわすのだろうかというふうな面については、やはりみんなが重大な関心を持っているわけであります。 そこで、時間がありませんから、私は端的にお聞きをしたいと思うのですが、さきに昭和四十一年から四十六年まで国が具体的に指導し、金をおろして行なわれました超高性能の電子計算機、この研究開発の方式について三月五日にお伺いをしたのでありますけれども、きょうは工業技術院の院長がお見えになっていると思いますから、民間への委託のやり方、その際の指導方針についてひとつ簡潔にお伺いをしたいと思います。
○太田(暢)政府委員 大型プロジェクト制度のやり方でございますが、これは一番最初にどういうテーマを選ぶかという問題がございます。これは通産省内に委員会を設けまして、ここでいろいろな各界の学識経験者の方々の意見も伺いながら、たくさんの案を出してもらいまして、そうして次第にセレクトしていって、最終的には、工業技術院の中に工業技術院の諮問機関、それから大臣の諮問機関になっております工業技術協議会というのがございますが、ここで討議をしていただきまして大体のプロジェクトのテーマを選ぶわけでございます。 それから、その進め方につきましては、これは工業技術協議会の中に大型技術開発部会を設けまして、この中でいろいろな専門家の方々の御意見を伺いながら、進め方あるいは中間におきます評価、そういったものを進めておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 少し具体的にお聞きしますが、委託をされた民間のいわゆる委託先ですね。これはどことどこですか。
○太田(暢)政府委員 大型プロジェクト全般につきましては、非常にたくさんの……
○渡辺(三)委員 私が聞いておるのは、超高性能の電子計算機に限ってお聞きしたのです。時間がありませんので、端的にお答えください。
○太田(暢)政府委員 これは超高性能電子計算機研究開発組合というのがございます。これは日立、日電、富士通、日本ソフトウエア、これからなっております。それから東芝、沖電気、三菱電機、東光、日本電子工業振興協会、以上でございます。
○渡辺(三)委員 その中でのソフトウエアの問題について、実は少し詰めてお聞きをしたいというふうに準備してまいったわけでございますけれども、残念ながら時間が全くありません。それで、それらのこまかい問題については、いまここですべてをお聞きするわけにはまいりませんが、冒頭申し上げましたように、この問題は非常に重要でありますから、私は引き続いて他の機会にお聞きをすることにいたしまして、そういう意味で、若干の項目をここで申し上げたいと思うのでありますけれども、いわゆるソフトウエアの法的な保護といいますか権利の問題、これは四十五年に新たに法律が制定をされました際に、衆議院と参議院の商工委員会で相当議論がなされております。その際に、通産当局をはじめとしていろいろ御答弁があったわけでありますけれども、詳細を読みましてもどうももう一つぴんとこない、こういうふうに私は考えざるを得ません。ですから、この問題は、いずれ詳細に詰めて御質問を申し上げたいと思います。 もう一つは、わが国におけるソフトウエアの市場の問題、これも今後のコンピューター産業全体の発展の場合に、決して避けて通るわけにはまいらないと思う問題でありますから、この点についても、いずれきわめて近いうちに正確にお聞きをしたいと思うわけであります。 そこで、非常に端的な質問になりますけれども、超高性能の電子計算機の研究開発は、当初の計画あるいは目標に照らしてどの程度の成果をあげることができたのか、こういう点について実は工業技術院の院長からお聞きをしたいわけであります。 本来ならば、この各項目について、私はもちろんしろうとでありますけれども、具体的にお聞きをしたいわけでありますが、その時間が残念ながらありません。ですから、端的に当初の計画や目標に照らしてどういう成果をあげたのかということをぜひ一言でお答えをいただきたいと思います。
○太田(暢)政府委員 研究開始の当初に立てました各種の性能、目標につきましては、大体所期の目的に到達したと考えております。ただ、実際の厳密な評価に関しましては、今後の成果利用機の使用実績に待つ面が非常に多うございます。また、電子計算機全般の技術の問題としまして、ソフトウエアを中心としましてまだかなりの格差が残っておるわけでございますが、大型プロジェクト自体としては一応所期の目的を達して、日本の関係の技術に対しまして非常に大きな貢献をしたものと考えております。
○渡辺(三)委員 いまお答えをいただきましたが、工業技術院の責任のある方が出されておりますこの論文といいますか、あるいはこれは通産省全体がそういうふうにもともとお考えであったということは言うまでもないことでありますけれども、昭和四十一年から研究開発が進められました超高性能電子計算機の目標としては、非常に大ざっぱな言い方をしますと、わが国コンピューターのおくれを取り戻して一九七〇年代の初頭には世界最高水準の電子計算機に決してひけをとらない高速大容量のものをつくり上げるのだ、これが目標だ、こういうふうに明確に言われておるわけであります。もちろん個々の技術の面については、いま時間がないので工業技術院長も詳細触れられませんし、その点については、さらに専門的な角度でそれぞれの分野の人が吟味すべき問題だと思いますけれども、そういう点について、私はそれなりに手元にいろいろいただいた資料などを参考にして検討してみますと、必ずしもそうは言い切れない、こういうふうに考えておるわけなんであります。 一つここでお伺いをしますけれども、この研究開発の中で試作をされたハードの原体、本体ですね。これはいまどこで保管をされ、どういうふうになっておるか、お伺いをします。
○太田(暢)政府委員 日立製作所に保管されております。
○渡辺(三)委員 日立のどの工場に保管されて、その所有権はどのようになっておるか、お伺いをしたい。
○太田(暢)政府委員 日立の秦野工場でございます。そうして保管は工業技術院の中にございます電子技術総合研究所でございます。
○渡辺(三)委員 あと六分くらいしかないわけでなんで非常に困っておるわけなんでありますけれども、秦野工場ということになりますと神奈川県ですね。これはいわゆる工業技術院でしっかり保管しておる、こういうことをお聞きしまして、言 い方は悪いのでありますけれども、安心をしました。これはいずれ機会があればお目にかかりますから、そういう点で評価もできるのじゃないかと思いますが、もう一つは、ソフトウエアの問題で、工業技術協議会大型技術開発部会で出された超高性能電子計算機の研究開発に関する評価報告書というのがことしの二月二十日に出されております。これに照らしまして、先ほど申し上げましたように、三月五日に私が質問をしましてから、相当権威あるいわば専門家といいますか、研究者も含め、あるいは電算業界の方々も含めまして、多くの資料提供を私はいただきました。これは関心の度合いの深さというものがこれでもってはかれるのじゃないかというふうに私も思ったのでありますけれども、もちろんそれらの幾つかについて私全くずぶのしろうとでありますから、今後さらにそういう専門家の方々の手助けを受けながら、あるいは仕事をお願いしながら分析し、整理をし直してみなければならぬと思いますけれども、しかし、その中で工業技術院で出されておりますところのこの評価報告書、これと照らし合わせた場合に、特に本体の周辺装置の部分について、いわばソフトウエアの部分についても、必ずしもこの評価どおりには受け取れないのじゃないかというふうな面が数多くあるように私は思うのであります。 なぜこういうことを申し上げるかといいますと、冒頭言いましたように、わが国のコンピューター産業というものを今後大きく発展をさせる、そして重要な国の今後の産業であるから、諸外国に対してひけをとらないように、特にアメリカに対しては非常に大きく水をあけられておるのが実態でありますし、当初通産大臣が言われましたように、ヨーロッパ諸国の国の施策、こういうものと比べた場合でも、日本ももっと力を入れなければならぬということをおっしゃっているわけです。そういう点から考えてみましても、今後さらに引き続いて大きな研究開発あるいは産業界に対する補助金というものは必須であろうというふうに私は考える。そうなりますと、これまで行なってまいりました国が直接計画をし、指導し、しかも日本のビッグスリーといわれる大手メーカーに委託をして進めさせた研究開発というものがどのように行なわれたかということについては、やはり相当しっかりと吟味をして判断をしなければならないし、決して金のむだ使いになるような形になってはいけないというふうに私は考えるのであります。そういう意味でこまい問題を幾つか申し上げたわけでありますけれども、中身にはまだ触れておりません。残念ながらこれは時間の関係できょうは割愛せざるを得ません。 超高性能電子計算機研究開発組合、先ほど工業技術院の院長さんが言われましたこの開発組合と個々のメーカーとの関係、これは民間の委託のあり方と非常にかかわってくると思いますけれども、この問題やあるいは超高性能電子計算機の研究開発を進めるためにどうしても必要だというようなことからつくられた日本ソフトウエア株式会社、これは四十一年の十月に設立をされて、そして昨年の十二月十五日に解散をしております。これはなぜ解散をしたのか、あるいはせざるを得なかったのか、またはなぜ解散をさせられたのか、こういうふうないろいろなニュアンスの見方があります。こういう面についても、しっかりと私ども内容を明らかにしていかなければならない。これは今後の問題を考えれば考えるほどそういうふうに思うわけなのであります。 こういう点について、時間がありませんから締めくくりとして、まず最初に工業技術院の院長にお伺いをして、あとでまたちょっと大臣にも見解をお伺いしたいと思いますが、最初に技術院の院長から御答弁を願いたいと思います。
○太田(暢)政府委員 最初に評価の問題でございますが、これは私どものほうでもできるだけ公正な評価をいたしたいと思いまして、先生御承知のような大型技術開発部会の中に評価分科会というものをつくって、できるだけ公正にやっているつもりでございますが、今後とも一そうこの問題に関しましては、そういう評価の重要性を踏まえまして行なっていきたいと思っております。 それから日本ソフトウエアの問題でございますが、超高性能のコンピューターの研究開発、これはほかの大型プロジェクトの場合と同じでございますが、研究委託は、この大型プロジェクトの目的から見まして、技術的あるいは経済的な能力から最も適当と思われます企業体に研究委託を行なうものでございまして、日本ソフトが選ばれましたのもそういうところから選ばれて契約いたしたものでございます。 また、このプロジェクトは長期計画に基づきまして行なうものでございますが、一応プロジェクトが終われば、その段階で各企業体との契約も切れるわけでございまして、日本ソフトとの委託契約もそういう方式にのっとって結んだものでございます。
○渡辺(三)委員 大臣からもひとつ。
○中曽根国務大臣 研究は一区切り一区切りずつやって逐次前進していくものでございますが、いよいよ資本・貿易の自由化というところへ差しかかりまして、電算機につきましては、私は、ソフトウエアの開発ということは一番日本に大事な点になってきたと思っております。今後行なう電算機開発の中で、日本的なソフトウエアの開発という面にかなり力を入れて助成策を講じていきたい、そう考えております。
○渡辺(三)委員 時間が参りましたので、きょうのところはこれで終わりたいと思いますけれども、最後に工業技術院の院長も言われました委託、受託の関係、一般論としてはそのとおりだと思うのです。私は具体的にいままで行なわれた研究開発の中での問題としてこの問題をお聞きをみておるわけなんでありまして、今後相当時間をたっぷりとって詰めなければならぬ問題だと思います。 きょうのところは、いま申し上げましたように一応保留をしまして、質問を終わらせてもらいたいと思います。
○浦野委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 十七分間という時間的制約の中で質問しますから、まとめて質問いたします。答弁は簡潔にお願いいたします。 まず公取委員長にお尋ねをいたしますが、商品の投機ですね、とりわけ商社の買い占めに対しまして、公取は独禁法第四十条を発動して強力な調査活動を展開し、これを処分すべきであるということで質問いたしましたが、公取委員長はそれに対しまして、初めはやれないということでしたが、私が具体的な条文をあげての質問に対しまして、やれる、これからやりますという答弁がなされたのであります。その後四月七日の新聞であったと思うのでありますけれども、「独禁法抵触の疑い」「売惜しみ協定の可能性」「物価抑制へ新たな手段」という形で、公取が十数社にわたって調査をいたしておるようなことが報道されておるわけであります。その後どのようになっているのか、経過についてお尋ねをいたしたい、かように思います。 なお、四十条を使います場合、報告期日の指定ができると同時に、九十四条の二によりまして罰則の規定もされているわけでありますが、今回の調査にはこのような必要事項を明記しているのかどうかという点を第二点としてお答えをいただきたい。 それから四十条の次に出てまいりますものは、強制力を持つところの四十六条の適用による検査というのが当然されなければならないと思います。この点に対してどのようにお考えになっておられるのかという点が第三点であります。 それから第四点といたしましては、四月十二日の朝日新聞によりますと、見出しそのものを言いますと「そっけない物価の番人」 「大豆製品の便乗値上げ」 「調べる気はない」という見出しで、公取の委員長は「トウフやナットウなどの製品価格が便乗値上げされたかどうか、いちいち調べる気はない。公取委の能力からいっても、各地の零細業者が値上げを申合わせたかどうか、ハエをたたいて回るようなことはできない」、こういうことで全くやる気のない姿勢を示しているわけでありますが、公取委員長の真意なのかどうか。あなたは公取委員長としての職務をやる気がないんだったら、むしろこれをおやめになることが適当であると私は思うのでありますが、その真意のほどを実は伺いたいと思うのであります。この点に対しましては、高田ユリ主婦連副会長の批判談話もあるわけでありますから、私は全く根拠のないことではないのではないかというように思います。 なお、商品取引の問題に対しましても、商社の投機行為に関しても「独禁法違反は考えられない。しかし調査は続ける。」そういったことで「いま無罪放免、というのもおかしいからで、今までのところ独禁法にふれる、と考えられる点はない」ということを言っておりますが、これは取り方によりますれば、これは全くないのだ、商社は白であるというようなことを裏づけしたような、あなたが定例記者会見における談話という形になっているわけであります。私どもはこれをたいへん重視いたしておりますから、この真意のほど、冒頭私が申し上げましたように、四十条の明記あるいは四十六条の強制適用、こういうことであなたはこれを精力的にやる御意思があるのかどうかという点であります。 それから経済企画庁にお尋ねをいたしますが、大豆が一月四日ごろは六十キログラム一俵で四千四百円でございましたが、二月一日になりますと一万五千円になった。ところが、四月二日現在では四千六百円になっておりますから、もとに戻りました。しかし、とうふの価格はもとに戻っておりません。上げたままでありますが、これは大豆が上がった、原料が上がったということで、とうふの価格を上げたわけでありますから、いわゆる五十円どうふ、六十円どうふということになったのでありますから、当然これをもとの二十五円あるいは三十円どうふにしなければならない、そのように思うわけでありますが、これに対して経企庁はどのような考え方を持っておるのか、これを下げさせるという強力な行政指導をおやりになる御意思があるのかどうか、それらの点に対して一応お答えを伺ってみたいと思います。
○高橋(俊)政府委員 お尋ねにお答えいたしますが、まず最初に四十条で調査する、これは公取のいわゆる独禁法違反事件を調査するということではなくて、ただ資料の提出等に対して強制力がございますから、そういう点では投機行為についても独禁法との関連が全くないかどうか、これを調べる上では便宜な方法でございます。それに基づいて私どもは幾つかの品目を選びまして鋭意調査をいたしました。 その結果をこの間新聞記者会見のときにもちょっと申し上げたのですが、いままでの段階では四十六条を適用、発動して調査に踏み切るというふうなケースはちょっと見当たらない。これはつまり、よくおわかりかと思いますが、商品投機を行ないます場合に、商社等が共同いたしまして、いわば結束して、あるいは通謀しまして価格の引き上げをはかるということは、今回の場合におきましても普通の場合におきましてもちょっと考えられないわけでして、これらについてもちろん調査はいたしておりますが、それを業者等の答えからいきましても、資料等からいきましても、共謀したという事実はなかなか把握できません。 そういう意味におきましては、これからも、万が一にもそれはないとは言えないわけでありまして、たとえば売り惜しみというような面で依然として——何の業者かわかりません。私は商社とは必ずしも申しません。わかりません。これはいま申すことはかえって弊害がございますから具体的には申しませんが、依然として在庫を余分にかかえておって、市中価格が高いのに売り惜しみしているケースがないとは言えません。依然として値下がりをあまりしてないもの、それから在庫が多いのに下がらないというふうなものがないわけではありません。したがって、そういう点については調査を続けるという態度をとっております。四十六条をいますぐ発動するということはありません。 四十条による資料の提供でございますが、期限をつけております。しかし、その期限については、話し合いの結果すぐ少し日にちをずらすというふうなことはしばしばやらざるを得ません。と申しますのは、このごろの帳簿というのは、非常に大型のああいう商社の場合に、現実には商社は、ものによって違いますけれども、十社以上を調べているものもありますが、それらがたとえば伝票を一たん帳簿に写してやっているのではなくて、いきなり電算機に入れてしまっているというふうな例もございます。したがいまして、その帳簿でもって調べるといいましても、電算機から逆に出すわけです。それに手間どるとか、便利なはずのものが私どもからいえば、先生の言を聞くと、逆に不便な場合もあるというふうなこともございます。でありますから、期限をつけて資料の提出を求めたのに対して、一部修正を行なっているというような点がございます。端的に一応そういう点についてお答えを申しまして、時間の関係がございますので調査の概要を申し上げるのはいまはとどめておきたいと思いますが、そういう事情にございます。 なお、朝日新聞に報道されました私がやる気がないという点につきましては、そういうふうに受け取れたものとすれば、まことに私の不徳のいたすところだと思いますけれども、同じ新聞記者会見の席上で、私が申したことは朝日新聞以外の他の新聞といいますか、たとえば、はっきり申し上げまして読売にも出ておりますし、それから日経あるいはサンケイ、いずれも経済欄でこれは扱っておりますが、そこには合併等の問題を例に引きながら、独占禁止法の運用基準は、もっといまよりは私としてはきびしく運用するように変えることを考慮していきたい、そういう研究を続けたいということを申しております。たまたま確かにとうふの問題に触れました。それはまあ何十分かにわたる話の中で一部私がみずから触れた問題でございます。ですから言ってみれば、私のしゃべったことがそのように受け取られたかもしれません。 とうふの問題につきましてここで申し上げますと、この二月の二十七日にこの委員会で商品投機について公取は調査をすべきではないかというふうに言われまして、いたしますということで、今日までも相当やっております。独禁法違反のおそれはないのにまとめて発表するという点については、私どものほうではたしてやるべきかどうか疑問に思いますので、あえてそれを発表するということをやっておりませんで、通産省のほうからも一応の新聞発表がありましたし、これに対して私のほうがまた違った資料であれこれするのもどうかなという感じがいたします。そういう点がありますが、いずれにしても、私の考えといたしましては、当時から確かにとうふの値上がりとか納豆の値上がりというものが現象的に見られました。しかし、これはすでにお気づきと思いますが、とうふ業者の中なんかには独禁法の適用除外になる組合もいろいろたくさんございます。適用除外にならないのは商工組合というふうなことでございますので、全国的にこれだけ広がったものをどこから手をつけるかということについては、他の仕事を一切放棄しなければならぬようなことになる。それよりも、私どもに言わせれば、そういう業者のあれをするよりも、やはりそのものをなした商品投機の犯人はだれかということを追い詰めながら、そしてそちらのもとを直して正していくという、そちらのほうに精力をさくべきじゃないか、これは私の思い違いかもしれませんが、私といたしましては、そのほうに重点を置いて施策を進めるという決意でやったわけでございまして、あえて調査権を放棄したという気持ちはありません。 いまでも私は、とうふが十分に下がっていなければ、それは逆に下げないというほうの協定をしているかもしれないわけで、引き下げるものをなるべく引き下げないようにというふうなことで組合が指導しているということも……(中村)(重)(委員「やるのかやらぬのか、これからの問題」と呼ぶ)これからは、私どもは、大豆の放出等で農林省等があのとき価格の指導をやっておりますが、一方で原料を安く提供するから下げなさいとかいうふうな指導はやっている。そこで、独禁法違反ということでいっていいものかどうかということについて迷っておりますが、今度は相当大豆の値段も下がってまいりました。それでなおかつ価格を下げておらないということになれば、これは何らかの申し合わせがあるのではないかという意味におきまして、必要とあらば私どもは調査をいたすつもりでおりますが、あまり調査をするするということを強く申しますと、みんながおそらく証拠を残すようなことはしませんが、ただその行為によって、私どもはあると推定するぞというような感じを持っております。 その真意は大体こんなことでございますし、よろしく御理解を願いたいと思います。
○小島政府委員 大豆の相場でございますが、先生おっしゃいましたように、去年の初めごろは三千円台でございましたのが一万五千円にもなり、最近は四千八百円、一番新しい数字は四月十日の数字が四千八百円、去年の三千百円ぐらいのときの最終製品であるとうふの小売り価格は約三十八円という数字が出ております。これはいろいろばらつきがございまして、平均的なものでございますから……(中村(重)委員「いいから、どうするかということを答えなさい」と呼ぶ)これは大豆は下がりましたのに、おっしゃるように末端製品のほうはなかなかもとに戻っていないということは事実でございますが、現在の価格でコスト計算いたしますと、一、二円ぐらい高くなるのはやむを得ないという数字が出ております。ただ、現状はどうもそれよりも高いところでとまっておりますので、私どもといたしましては、こういうコスト計算等を十分消費者にPRをいたしまして、消費者のほうから抵抗力をつけるということが一つと、それから、最大の問題は、とうふ屋さん自身に農林省を通じて強力な指導をしてもらうことが必要だと思いますので、今後さらにそういう面を農林省ともども努力いたしたいと思います。
○浦野委員長 野間友一君。
○野間委員 私は、前回の無籍織機の問題に引き続いて、きょうも同じテーマでお伺いをしたいと思います。 まず、無籍織機の附則に基づく届け出についてお伺いしたいと思うのですけれども、届け出の手続、順序からいたしますと、工連がまず確認すする、この確認の内容については、現に設置してあるもの、これで足りる、このことについては、前回のときに局長から答弁をいただいたわけですけれども、その次には、施行時の織機が昭和四十七年六月十日以前に設置されてあるものである、そしてその次の段階として届け出をする、こういう順序になるわけです。 そこで、まず工連の確認について、この確認の内容が、経済的な負担あるいは削減計画、処理計画、こういうものは全く条件内容になっていない。しかしながら、現実に各工連、産地組合では、こういうものを条件にして確認をやっておる。確認をやること自体は、これは告示期間の有無にかかわらずできるわけですし、また、やることについてとやかく言うものじゃありませんけれども、こういう通産省の方針あるいは法律に違反してこのようなものを条件に、いまなおこういう確認が行なわれておる。これについて局長のほうでどのような指導を行なうのか、あるいは今日指導しておるのか、まずお伺いしたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 お答えいたします。 ただいまお話がありました件につきましては、私ども現状のままで凍結をする。先行きいろいろのことを考えまして……(野間委員「時間がありませんから簡単に答えてください」と呼ぶ)現状において凍結をしております。もしそれに反するようなことがあれば、私どものほうで注意をいたします。
○野間委員 質問に対して答えてほしいと思うのです。確認する際に——これはいま確認できるのです。その際に、いま申し上げたようなものを条件にしなければ確認しない、あるいは条件にして確認を現にやっておるわけです。ですから、これは法律にもない、局長答弁にもあった。現に違法行為が行なわれておる。これをどうやってとめていくのか。あなたのほうでそういう手だてをしたかどうか、その点を答えていただきたいと思うのです。
○齋藤(英)政府委員 ただいま申し上げましたとおり、そういう確認行為を行なうことにつきましては、私のほうでそれは停止するように申し上げてあります。
○野間委員 次に、経済的負担あるいは処理計画の点について、この前も若干お聞きしたのですけれども、あなたのほうで出しておる四十七年十月付の「無籍織機対策について(案)」によりますと、三つのペナルティー、これが対策についての骨子である。これは二ページにちゃんと書いてある。その一つは戒告、公表、二つ目は五年間で四分の一を処理していく、三つ目は経済的負担、これが今後の対策についての通産省としての方針である、この三つのペナルティーを考えておる。こういうことはちゃんと資料に書いてある。したがって、あなたのほうでは前回に、これは工連がかってにきめたものだ、通産省は関知しないんだと言った。しかし、この資料による限り、あなたのほうでこういう骨子をきめて、そして指示をしておるということは明らかなんだ。しかも、この中では、現在政府部内で検討中なので、その調整を終え次第決定し云々、こういうことまで書いてある。あなたがこの前言ったのは私はうそだと思うのですけれども、どうですか。明確に簡単に答えてください。
○齋藤(英)政府委員 お話がありました件は、無籍織機対策の案ということで銘を打っております書類の内容かと存じますが、私どものほうはそれは案でございまして、したがいまして、決定ということではございません。
○野間委員 決定でないにしても、案であるにし、ても、あなたのほうで具体的にこういう方針をきめて工連におろした、こういうことになるのじゃないですか。特に私は、これが単に内部の案ではなしに、工連に対してこの方針に従って指導したということを推測するに足りる証拠があるわけです。たとえば、このいまの資料の中に、この無籍の問題について、これは十数年来の繊維行政のいわばひずみであり、こういうことばが、表現が使ってある。四十七年十二月付の、これは尾西の毛織工業組合で出した文書の中に、同じ文章が書いてある。十数年来の繊維行政のひずみでもあり、無籍織機について同じ文章表現が使ってあるわけです。したがって、こういう文章をあなたのほうで資料を出したから、これがそのまま工連の文書の中に引用してある。しかも、この骨子の内容そのものが各工連がつくった文書の中に記載してある。それでもあなたのほうでは、これは通産省の指導である、これを認めないですか。お答えいただきたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 私どものほうは十二月の文章というのを実は見ておりませんが、いま申し上げましたように、私どものほうは、本来無籍というのはアウトサイダー規制命令違反のものでございますからして、これを逐次解消していくというふうなことにつきまして、私ども解消していくのが望ましいということは申し上げたことはございますけれども、それ以外の具体的な内容につきましては、工連自身がきめたものでございます。
○野間委員 それでは別の点から同じ問題についてお聞きしますけれども、私は前回にまず質問をしたのは四月の六日です。そのあと四月の九日に五工連の会議が持たれております。この会議をまず局長知っておるかどうか、あなたは出席したかどうか、その点について確認を求めたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 四月九日の会合というのは、私どもいま記憶にありませんので、調査いたします。
○野間委員 四月九日なんですよ。つい最近なんですよ。あなたは出席しておりませんか。私が聞いたところによると、局長が出席をして、そしてその中で、四月六日に委員会の中で、これは通産省の指導ではない、こういうふうに答弁したけれども、この点について工連から非常な突き上げを受けた、抗議を受けた、そこで局長は平あやまりをしまして、こういうふうに答弁をしなければ野党から憲法違反で追及されるからだ、こういうふうに答弁されたというふうに、私は出席した人から聞いておるのですけれども、そういう事実があったのかなかったのか、確認を求めたいと思うのです。
○齋藤(英)政府委員 そういう事実はございません。
○野間委員 それでは次に質問を進めます。 経済的負担の問題について、これが一体法律的な性質は何なのかということです。考えられるのは、たとえば刑事上の刑罰ですね。あるいは行政罰、あるいは手数料、寄付、いろいろ法律上の性質が考えられると思うのですけれども、あなたのほうではどう考えておられるのか、性質ですね、お答え願いたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 法律的な性格につきまして私ども厳重に探求をしたわけではございませんので、いまどういう性格のものかと御質問がございましたけれども、正確にお答えすることではございませんけれども、おそらく私どもが考えますのは、これはいわゆるまじめ産地の方も相当おられます。そういうこともおそらくお考えになったのだと思います。 それからもう一つは、やはり無籍織機の解消の財源にする、そういうようなことで、経済的負担の問題が出てきたのじゃないかと存じております。
○野間委員 先ほど引用しましたあなたのほうの案、資料ですね。これにはペナルティーという表現が使ってあるのです。したがって、少なくとも通産省としては、これを何か行政罰、過料ですね、こういうような性格のものとしてとらえておるのじゃないか。これならまさに違法なんで、どういう見解をとっておるのかということを聞きたかったのですが、あなたのほうでは、その性質についてお答え願えませんか。
○齋藤(英)政府委員 ただいまお答え申し上げましたとおりでございまして、私どものほうで考えますのは、正直者と申しますか、正規登録業者が多数いるということがございます。それから財源の点がございます。そういう点を考えて経済的負担の問題が出てきたのじゃないか、そういうふうに存じておる次第でございます。
○野間委員 時間がありませんし、あなたのほうではそういうものを通産省としては指導したものじゃない、こうおっしゃるので、この点についてはさらに私のほうで保留いたしまして、質問を続けたいと思います。 告示がない今日において、各工連、産地組合が任意確認をして、そしてたとえばここにも一つありますけれども、これは絹人絹織機登録証、これは五万円の経済的な負担と引きかえにこういうものをどんどん出しておる、こういう事実を知っておるかどうか、どう考えておるのか、こういう点について答えてください。
○齋藤(英)政府委員 私どもではそういう事実を存じておりません。
○野間委員 それでは、これは私のほうであとでお見せしますけれども、こういう事実があるわけです。あるとすれば、あなたのほうではどういう見解をとるのか、とっておるのか、その点についてお答え願いたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 あとから内容を見せていただきましてから私ども判断をいたしますが、性格いかんによっては、私のほうはそれは取りやめるように申し上げなければいけないかと存じます。
○野間委員 二五%の削減についてお聞きします。これについても、先ほど引用した資料の中で、あなたのほうでも明確にそういう趣旨の指導骨子が書いてある、この根拠ですね、これをひとつ明確にお答え願いたいと思います。特に私がお聞きしたいのは、前回のときにも引用した一宮の調査によりますと、一業者当たりが持つ織機の数ですね。たしか二・七台でしたか、非常に少ない。四分の一減産するということになると、これはまさに弱小、零細業者に死ねということになると思うのです。あなたのほうでは、この二五%減産についてどのように考え、どういう根拠に基づいてこういう数字をはじき出したか。あなたのほうの骨子に書いてあるから、お答え願いたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 先ほど申し上げましたように、私どものほうは無籍織機そのものは、これはアウトサイダー規制違反のものでございますから、逐次これを縮小していくのが望ましいということは申し上げました。しかしながら、五年間で二五%減らすということは私どもが計算をいたしたものではございません。
○野間委員 無籍がなぜあるのかということについて、私のほうで若干意見を踏まえながらお聞きしたいと思うわけですけれども、私は、ここに一九六八年表彰輸出貢献工場、こういうプレートを持っております。これは社団法人尾西化学合成繊維輸出振興会が出しておるのです。しかも、これを受けた人は無籍業者なんです。しかも、この社団法人の役員構成を見ますと、この中には黒田正隆さんという方がおられるわけです。この黒田さんという方は、尾西紡織工業組合の理事長なんですね。この社団法人が無籍の業者に対して、このような輸出貢献工場として表彰しておる。このことは何を意味するか。つまり需要に対する供給の関係で、有籍だけでは追いつかない。そのためにこれはいろいろ理由があるわけですけれども、無籍業者が輸出に対して非常に貢献をしておる。このことを認めた上でこういうことをやっておるのです。私は無籍の表彰をするのが悪いというのじゃなくて、これは逆なんです。無籍業者こそが、ほんとうに下積みの中で日本の繊維の輸出に貢献した、こういうことをこのプレートが物語っておる、こういうふうに思うのです。 さらに、あなたのほうで、昭和四十二年十一月二十八日に「無籍織機等の取締り強化について」、これは四十二繊局第九百六十号通達を出しております。これによりますと、無籍についても一定の要件があれば融資の対象とする、こういう文書になっておるわけです。これはこの間課長からもらったわけですけれども、このような通達に基づいて各産地組合がいわゆる認定書というものを発行して、そしてこれに基づいて現に融資がなされておる。融資そのものは非常にいいことだと思うのです。 こういうふうに、無籍業者が、一つは供給に追いつかないという観点から非常に輸出に貢献し、しかも、それに関連して、無籍であっても認定書を発行してそれを融資の対象とする、こういう通産行政の指導の中で、無籍が、有籍とある意味では変わらない程度に保護されてきたという一つの経過があるわけです。こういう認定織機があるということは、通産省も百も承知である。 さらに、山梨県の知事公室長から各無籍業者にあてた昭和三十八年一月二十二日付の文書を私は持っておりますけれども、この中でも、認定書を出しておるということを県そのものが容認しておる。このように無籍が果たした役割りというのは非常に貴重であり、大きい、こういうふうに私は考えるのです。 特に無籍がなぜこんなに多くあるのか、これは具体的な、地方自治体の中で私も調べてまいったわけですけれども、たとえば自民党の農政のまずさ、この中で百姓ではめしが食えない。田畑を追われた農民が賃機業者への転換、しかもこれについては、たとえば、岐阜羽島の場合には、市そのものがこういうものを強力に指導して、賃機業者に転業を進めておる。石川県の能登においても、過疎対策の一つとして賃機を奨励し、無籍の買い入れ、これに県が利子補給をしておる。こういうところが幾つかあるわけなんです。 さらに、大手業者が、これは親機ですけれども、人手不足やあるいは危険負担を分散するという点から無籍業者をふやすことによってそれを安全弁に使っていままでやってきた、こういうような経過があるわけですね。 しかも、もう一つ御指摘申し上げたいのは、無籍を取り締まる、登録制度をとるといいながら、原糸あるいは織機、こういうものは何の制限もなしにどんどん機械がつくられ、原糸の制限もない、こういうことをせずに、いたずらに歴史的に必然的なこの無籍の発生、存在、こういうものを敵視して、これに対してきびしく、やみというような名前で取り締まるということは許されないと思うのです。こういうようなことについて通産省はどういうふうに考えておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 ただいま御意見がございましたように、無籍織機そのものは、いわば一種の統制をしておりますもののワク外として経済的に存在してきたわけでございます。それで、もちろんこれは法律に違反をしておるものでございますから、私どもとしては、これに対して厳重な態度で臨むべきが原則でございます。しかしながら、いまお話がございましたように、これは経済的にいろいろの効用をあるときには果たしておったということは否定できない事実であろうかと思います。私どもは、そういう点もいろいろ考えて今後の対策も考えたいと思います。
○野間委員 次に、質問を変えて、特繊法に基づく破砕計画、買い上げですね、これについての見解をお聞かせ願いたいと思うのですけれども、私どもが把握したところによりますと、四十二年から四十七年、この破砕計画の目標が二五%、台数にいたしますと十六万六千台、こういうふうに理解しておるわけです。 ところが、その中で一体どの程度のものが破砕されたのかというと、これは通産省からも資料をいただいたわけですけれども、綿、スフ、絹人繊、これだけですね。三万二千八百台、通産省の資料に基づいて計算してもそうなる。大体私たちの握っておる調査によってもそうなるわけです。十六万六千台のうち三万二千八百台、こういう結果に終わっておるわけですね。 しかも、前回のときに、同僚の委員のほうからもたしか質問があったと思いますけれども、この買い上げについても次のようなからくりがある。つまり遊休登録織機を業者に売るわけなんですね。プレート、権利だけを置いておいて機械を売る。機械を売ると売り主のもとにはなくなるわけですね。そうすると、それには鉄工所もありまして、全く使いものにならないスクラップのものをそこに入れ込んで、そうして権利とそれとをセットして国に買い上げをさせ、さらにその機械をスクラップに出すという。そうしますと、一つは機械だけを業者に売って金もうけをする、さらに政府に買い上げさせて金もうけをする、そうして最後に破砕に、スクラップに現に出します。さらにスクラップ代を取る。 こういうふうに、結局特繊法に基づいてやったことは何なのかといいますと、遊休登録織機を買い上げただけの話で、しかもその機械は現に移動しまして、そこでどんどん稼働しておる。無籍がさらにふえておる。これは愛知で調査をした結果現実に明らかになったわけです。こういうようにして特繊法に基づいてやったことが全く法律上のねらいを果たしていない、こういう結果になっておるわけですけれども、これはあなたのほうでは知らぬとは言わないと思いますが、どうですか。
○齋藤(英)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまのような事態につきまして、私のほうは、登録織機でございますれば、これは買い上げの対象にいたしておるわけでございまして、ただいま詳しく御説明がございましたようなことを私存じておりませんが、そのようなことがあれば非常に遺憾だと思いますので、直ちに私どもとしては、もし御指摘のようなことがあれば訂正をいたしたいと思います。
○野間委員 先ほどからいろいろお聞きしておるのですけれども、もう一貫して言えることは、通産省の行政指導は全くなっていない、しかも、この中で常に悪者扱いをされ、常にしわ寄せを受けてきたのは無籍業者じゃありませんか。こういうことについて、通産行政としてあなたらは責任を感じておるかどうか。局長と通産大臣の答弁を求めます。
○中曽根国務大臣 無籍織機は団体法に基づくアウトサイダー規制命令に反している織機であって、これを奨励するわけにもいきませんし、通産省としてはそういうアウトサイダー規制命令に従うように業界の秩序維持ができることは望ましい、そう考えておるわけです。しかし、そういうふうな業界の秩序維持を業界自体がやっているというときにおいて、なるたけ業界全体が共存共栄の実をあげるようにお互いにがまんし合うところはがまんし合ってもらって、全体としての効果をあげていくという方向でわれわれとしてはものを考えていきたいと思っておるわけでありますが、一面においては、その間において非常にがまんをし、また犠牲をしょった人々もおるわけです。そういう正直者がばかを見るということが何回も何回も行なわれるようなことになれば、正直者で一生懸命秩序の維持に協力しようという人はなくなってしまいまして、業界自体がまた無政府状態になってしまう危険性があります。とはいえ、現に無籍ということが存在することは事実でございますから、その人たちのなりわいのこともまた考えろということも、一面われわれは考慮に置く必要があります。 そういう二面の調和性をある意味において考えて政策を考えてきたのがいままでの経緯だろうと思うのであって、無籍織機というものの存在をいいものであるとか、気の毒だということは確かにあり得る問題でしょう。無籍になっておる方々は、いろいろな関係でそういうふうになった人も多いのであって、いたずらに責任をストレートに追及するということが正しいかどうか、こういう点も慎重にやる必要はあると思いますけれども、無籍を奨励したり、無籍をほめはやしたりということは私たちはできないし、適当でないと思います。
○野間委員 局長は時間の関係でけっこうです。 最後に一点だけ私のほうから申し上げたいと思いますけれども、先ほどから申し上げておるように、全く通産省の繊維行政のまずさですね。さらにもっと広くいえば、自民党の政治全般の大企業本位の政治、しかも、農民が農村を追われ、しかも、これについて地方自治体が奨励して転業させ、あるいは将来利子補給までする、こういうような事情がからみ合って無籍が生まれ、また現に存在し、しかも非常に大きな貢献をしておる。こういう点から考えまして、無籍だけにすべてのしわ寄せをするということは全く許されない。先ほどからいろいろ答弁を聞きましたけれども、いままでの繊維行政に対して、この試案では、なるほど十数年来の繊維行政のいわばひずみである、こういうふうに行政のまずさを認めておる、通産当局自体が認めておる、こういう中で無籍の対策についてどうするか、この零細企業者がこれから生きていくためにどうすればいいのかということについて真剣にひとつ考えていただきたい。 そこで、具体的な要求としては、負担金を取らずにすべて本登録にする、希望者があれば買い上げは政府がやっていく、破砕については希望者だけに破砕をする、二五%は強制はしない、そして無籍に融資を即時復活してやらす、こういうことを通産省としては当然やるべきだ、この点を強く要望して、最後に一言、通産大臣から答弁を求めたいと思います。
○中曽根国務大臣 無籍織機の処理につきましては目下いろいろ政策を練りつつありまして、いまその成案を作成中でありますので、もうしばらく御猶予願いたいと思います。
○浦野委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 きょうは非常に限られた時間でありますので、簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。 まず初めにお聞きしたいのは、最近の物価問題であります。最近の上昇から見てまいりますと、卸売り物価の二・〇%、消費者物価の五・五%、これは政府の見通しでありますが、はるかにこれを上回る、そういうおそれが出てきております。そういうことに対しまして、経企庁長官としましてどういう具体策をもって臨もうとされておられるのか、お伺いしたいと思います。
○小坂国務大臣 実はけさ物価対策閣僚協議会を開きまして、七つの対策をきめましたわけでございます。 その一つは、予算が参議院を通過いたしました段階におきまして、公共事業の施行時期、それから地域に関しまして、これの調整をはかるようにするという考え、もう一つは、金融をさらに今後も引き締め基調で推進させようではないかということ、これが財政金融政策の弾力的なポリシーミックス政策でございます。 それから次に、輸入の積極的拡大、これは資本の自由化、輸入の自由化を双方計画的に推進するということでございますが、さらに輸入ワクの拡大を考えておりますわけで、これは対前年比三〇%以上拡大をはかるとともに、国内消費量の八%相当に満たないものは八%まで拡大するということでございます。これは昨年七%にしたいと考えておったものでございます。さらにまた、いろいろございますが、特に牛肉が最近非常に高くなっておりますので、これを前年度の約三倍、七万トンの割り当てにするということをきめたわけでございます。 それから、変動相場制に移行いたしまして実質的に円の切り上げがありましたので、まず政府関与物資、たばこ、航空運賃、国際電信電話料、こういうものにつきまして値下げをするということをきめました。さらに、民間の扱っておる物資についても、その業界を指導して、円高が反映して物価が安くなるように指導するということ、それから流通機構の改善、ことに輸入品に対する改善をすることをきめました。 第四点としまして、価格高騰物資に対する対策の推進でありますが、これは木材、羊毛、大豆、綿糸、生糸、モチ米なども含めまして、こういうものについて過剰流動性対策と関連いたしまして、特に投機的な需要をあおるようなおそれがあるものについては、適切な対策を講ずることにいたしておるわけであります。一方、国会に生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案を出しておることは御承知のとおりでございます。 それから第五点としまして、消費者に情報を提供しよう、的確な情報を特に新聞、テレビ等のマスメディアあるいは消費者との懇談会、国民生活センター等を積極的に活用いたしまして、やはり正確な情報を適時適切に消費者にお届けするということをきめたわけでございます。 第六点としまして、物価対策のフォローアップをきめておりますが、こういうことをやろうときめましても、それがどうなっておるかという実態の点検が必要でございまして、閣僚協を月一回今後開くと同時に、適時点検を行なっていくということをきめたわけでございます。 第七点は、物価行政の責任体制の確立でありまして、これはだいじょうぶ、だいじょうぶといっているうちに物価が三倍も上がるようなものもあるわけでございます。そういうものについてははっきりと責任をとってもらう、そういう責任体制をつくろうではないか、こういうことをきめたわけでございまして、実施官庁においてそれぞれ実情を把握していただくと同時に、経済企画庁、公正取引委員会等の関係機関へ一そう連絡を密にしてやっていただく、こういうことをきめたわけでございます。 御指摘のように、この三月は消費者物価も九%あるいは卸売り物価もそれ以上というような非常な高騰を見せておりますので、何としても国民生活に最も関連の深い物価問題と全力を尽くして取り組んで、何とかこれを引き下げるような方向に持っていかなければならぬ、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 それで、今年公共料金の引き上げというものがメジロ押しに予定されておるわけです。国鉄をはじめといたしまして健保あるいはまた電力、ガスあるいは私鉄と、こういうように、いまの情勢でいきますと政府の見通しを大幅に越えて上がっていこうとしておりますし、国民生活に与えるその影響というものは非常に大きなものがあるわけです。 そこで、公共料金の問題につきまして、今後当然経企庁にもいろいろ相談がくると思いますけれども、これは極力押えていくべきだと思うのです。特に、こういう私鉄等につきましても、不動産の経営も中身に入れておりますし、かなりの黒字をあげているわけですね。多角経営もやっているわけです。そういうことで、非常にそういう便乗値上げというのも考えられますし、特に電力、ガス等につきましても、これは非常に大きな影響を与えておりますし、政府としても、ほんとうにこの問題については真剣に取り組んでもらわなければ困ると思うのです。この公共料金の安定につきまして、この値上げについて押えさせますか。これは長官の決意をひとつお伺いしたいと思うのです。
○小坂国務大臣 公共料金につきましては、いろいろな機会で申し上げておりますように、真にやむを得ざるもの以外は極力これを抑制するという方針を今後とも堅持してまいりたいと思います。 国鉄に関しましては、本院に法案を提案している次第もございまして、これは私どもとしてやむを得ないと考えておるわけでございますが、その他のものは極力これを押えるという方針で考えておる次第でございます。
○近江委員 責任官庁のそういう体制の確立ということが閣議で決定されたわけですが、報道によりましてもナフサがまた大幅に値上げになりますね。また一キロリットル当たり五百円上がってくる。こうなってまいりますと、プラスチックとかナイロン製品であるとか、この波及というものが非常に大きなものになってくるわけであります。 こういう点、値上げの状態というものを見ておりますと、非常に私は疑問がいろいろわいてくるわけですが、聞くところによりますと、石油化学等に売り渡す場合は六千五百円のものが約七千円、都市ガスを七千五百円から七千八百円、なまだき用を八千五百円から九千円、こういうように平均約五百円の値上げというようなことがいわれておるわけであります。きょう公取委員長も来られているわけですが、これはどうも独禁法違反の疑いが私はあると思うのですが、公取委員長としてどういう御見解をお持ちか、また、そういうことであるならば調査に入られるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○高橋(俊)政府委員 ただいまのナフサの値上げの件は、本日の新聞で知ったという段階でございますので、いまこの場で私といたしましては独禁法違反であるときめて調査するというふうなことは、言及することは避けておきたいと思います。しかし、その件については十分な注意を払ってこれから実態を見たいと考えておる次第でございます。
○近江委員 国民生活のそうしたお目付役ともいうべき公取であり、経企庁なんですよ。きょう初めて知った、公取委員長ともあるべき人がそういう態度でいいのですか。こういうような動きをいままで全然あなたは知らないのですか。いいかげんな答弁をしたらだめですよ。ここは国会なんですよ。
○高橋(俊)政府委員 職員を含めまして、その値上げの事実を知ったのは遺憾ながらきょうの新聞によって承知しただけでございます。事前にはその事実は承知しておりませんでした。これからのあり方については、いきなりわれわれのほうがこうするああするということをこの場で申しますと、かりに独禁法違反だといたしましても、その追及はおそらく逆に困難になる場合もございますので、私の先ほどのようななまくらな返事をあえて申し上げた次第でございますので、その辺を御了承願いたいと思います。
○近江委員 いずれにしましても、こういう問題については非常に国民生活に甚大な影響があるわけですよ。何か出てから公取が動く、私はこういうことについてはいつも言っている。業界の動きであるとか、そういうことは当然あなた方が真剣に取り組んでおれば、そういう動きは察知できるはずです。これから真剣に各業界の動きもつかんで、国民生活の安定に、その立場から、そういうようなやみカルテルの疑いとか、そういうことを真剣にやれば幾らだって浮かび上がってくると思うのですよ。これは絶対に疑いが濃いと私は思う。だから、よく検討して公取としては調査に入るべきである、このことを私は強く申し上げておきます。検討していただけますね。もう一度答えてください。
○高橋(俊)政府委員 私どもまずその実態の把握に十分つとめまして、もしそれが独禁法違反というふうなことであると認められる場合には、それ相応の措置をとるつもりでございます。
○近江委員 それを強く要望しておきます。 それから、公取委員長も御存じないときにこういう値上げのしかたをしてきた、これは、担当である通産省としてはいままでこういうことを知らなかったのですか。これだけ国民生活に大きな影響があるわけですよ。また、経企庁長官もそういうことを知らなかったのですか。たいへんな問題ですよ。ひとつ私は、両大臣に御見解なり今後の対策についてお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 ナフサの問題は、最近はOPECの原油値上げ攻勢が響いてまいりまして、そういう原油価格の面からナフサのほうにも値が響いてきて、五百円値上げというようなことで妥結をしたということであります。われわれとしては、極力値上げが起こらないようにいままで業界を指導してまいりましたが、根元のほうがそういうふうに上がってきたかげんで、今回はやむを得ない、そういうふうに考えております。しかし、今後ともそのような値上げが波及しないように、また製品価格の上にそれができるだけ反映しないで、途中で吸収されるように努力していきたいと思っております。
○小坂国務大臣 いま通産大臣が言われたような次第と承知いたしますが、私のほうといたしましては、このナフサの価格というものを相談を受ける立場に従来なっておりませんので、できるだけ上がらぬほうがいいとは存じますけれども、私どもが相談を受けて拒否するとか、そういうような権限はないわけでございます。
○近江委員 権限がないからということでなく、要するに、これが国民生活に大きく波及するわけですから、その権限の云々ではなくして、経企庁長官もひとつもっと前向きに、何とか経企庁としてもそういう介入のできる方法はないか、ひとついろいろ検討してもらうべきじゃないでしょうか。 また、中曽根大臣も、原油の値上がり、元が値上がりしたのだからやむを得ないだろう、こういう前提条件でものを考えてもらったら困るわけです。その辺のことにつきまして、何とかいままでのそういう利益についてもそれを縮小さして、そこで吸収さしていく、円の再切り上げに実質上なっておるわけですから、やはり国民生活を守るという立場から押えてもらわなければ、元が上がったのだからやむを得ないだろう、そういう安易なことが基本的な形であると私は困ると思うのです。ですから、通産省としても、一そうこの点引き下げにつきまして何とかできないものかどうか、私は努力するべきだと思うのですけれども、もう一度大臣にお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 引き続いて努力してまいりたいと思います。
○近江委員 では、その点は強く要望しておきます。 それから、エカフェの東京総会が行なわれておるわけですが、第一日目から、アジアのそういう貧しい現実というものが浮き彫りにされてきておるわけです。いままでの、どっちかといいますと、このエカフェ事務局主導型の経済開発方式というものについて、非常に強い不満が参加各国から表明されたように思うのです。そうして現在、そういう援助というものは、エカフェの事務局のこういう総花的なやり方に問題があるのじゃないか、そういう事務局の体質等に基因する面が多いのじゃないかということもいわれておるわけです。アジア開発の援助に力を注いできたわが国として、その点についてどのように受けとめておられるか、中曽根大臣にお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 エカフェの運用につきましては、これはむしろ外務大臣の所管のほうでございますけれども、メンバーカントリーの政治的意思というものが適当に調整されて運用されることが確かに好ましいと思います。今回、東京で総会が開催されておりますが、この機会に各国の代表等とも懇談の機会がございますので、そういう努力もしてみたいと思います。
○近江委員 いま大臣がおっしゃったように、非常にいい機会でありますし、十分意見交換をされて一とかくいままでは問題が多過ぎたわが国の援助です。もう大臣も御承知のように、民間資金が政府援助よりも大きいとか、あるいは政府援助においては二国間援助が国際機関よりも大きいとか、政府援助におきましては贈与より借款が大きいとか、あるいは二国間援助では賠償が大きく技術援助が少ない、あるいは政府借款、民間信用合わせて六〇%を占めておる、借款においては貿易アンバランス緩和のために与えられるものが多いとか、借款条件は金利、返済期間とも非常に他国より条件が悪いとか、借款はすべてひもつきであるとか、また地域的にも偏重しておるとか、いろいろな問題がたくさんあるわけですね。ですから、こういう点ひとつ中曽根大臣等が中心になって、どこから見ても日本の援助は筋が通っておる、こういう援助にしてもらいたいと思うのですね。中国がアフリカ等で鉄道も引いておりますが、非常に好評を博しておる。やはりわが国としてもやる以上は、そういうどこからも喜ばれてほんとうに筋の通った援助のあり方をひとつしていただきたいと思うのです。大臣として、何かそういうビジョンといいますか、何かこうしていきたいというような点がありますか。
○中曽根国務大臣 私は、世界は一つであり、またアジアは一つである、そういう思想、アイデアを持っておりますが、それを実践するためにも、日本の経済協力というものが善意に満ちた、そして相手側の国々が喜んで受け入れられるようなものでなければならぬと思っております。単に経済的合理主義を追及するということであってはいけないのでありまして、相手国側の立場を考えて、喜ばれるというものにすべきであると思います。 そういう意味において、まず第一に、政府の援助額を多くする、それから、できるだけアンタイイング化を実施して、その国の自主性、自発性を尊重していく、それからさらに、単に経済関係のみならず、教育とか文化とか社会福祉とか、そういう面についても日本は積極的に手を差し伸べるべきである、それから、日本が出ていく場合の経済協力のビヘービアについて、商社あるいは政府関係機関等は相手国の感情を阻害しないように十分注意してやる必要がある、そういう点を注意していきたいと思います。
○近江委員 それから、アメリカの新通商法案の問題でありますが、米国は保護貿易主義に転換したのじゃないかというようなことが非常に心配されておるわけですが、この法案の与える影響というものは非常に大きいと私は思うのです。大臣としては、この通商法案につきましてどのように見ておられるか、率直な御感想をお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 ある程度報道もされておりまましたし、この前ピーターソン氏が来たときに大体輪郭も聞いておりましたので、新聞あるいは情報によってこれを拝見いたしまして、大体予想しているようなものでありました。しかしこれは、新聞にもよくありますように、新通商法案というものはジキルとハイドの両面があって、どういうふうに運用していくかという点が非常に重要な要素になってきている。どちらにも使える。そういう点でわれわれが特に注意しておりますのは、差別的措置ということを日本にやられてはたまらぬ、その点を一番重大な関心を持って審議を見守っていきたいと思います。 それから、やはり私ら通産行政をやるについては、福祉と国際協調の二つの面を言ってまいりましたが、国際協調の面において日本で是正すべきものはやはりみずからえりを正して是正していく、そういうフェアな態度をわが国みずからもとっていく必要がある、そういうように考えます。
○近江委員 じゃ、時間がありませんから、これで終わります。
○浦野委員長 玉置一徳君。
○玉置委員 許された時間の範囲内で一、二質問を申し上げたいと思います。 商品投機に関連しまして、総合商社のあり方が大きく国民の関心を呼んでおるわけであります。そこで私は、買い占め、売り惜しみ等というような論議はいま置いておきまして、総合商社のあり方のうちで一番私が従来から懸念をいたしておりますのは、総合商社が商取引の中でお砂糖ならお砂糖は何々製糖を伊藤忠が手に入れたとか、ある会社の二〇%ぐらいの株式を取得することによってその会社を傘下に入れつつあるということです。これは公正取引委員会ができました趣旨から考えましても、財閥を解消して公正な取引を行なわせようという趣旨から来たわけでありますから、ある商品が全国段階におきまして三分の一以上のシェアを占めるような場合はチェックするようになっておるわけでありますが、それは平面の問題で、垂直的に考えると総合商社が金融業を営んでおるような形で非常な力を持ちつつあるのが現実だと思います。いわば戦前の財閥の復活に近い姿をいま持ちつつあるのじゃないか、こういう感じがいたします。 そういう点から考えまして、いろいろモラルの点で直さなければいかぬことは、通産省も慫慂されましてお互いに行動の準則等をおきめいただいておるわけでありますけれども、いま申しましたような機構、組織という点でもう一つ深く考えなければいかぬのじゃないだろうかと私は思うのであります。 今度の問題でも、総合商社の問題で一番よくなかったのは、私は、やはり株式の売買による利益が非常に計上されておる、第二点は、土地を取得したことは感心しなかった、三点目に、ただいま申しましたような組織、機構からもう一ぺん考え直さなければいけないのじゃないだろうか、これで総合商社法という業法をつくったほうがいいのか悪いのか、そんなことで効果があり得るのか、またつくることが妥当なのかどうかということがちょっとわからないのですが、常にそういう問題が頭に去来しておるわけです。今回のあれを見まして、通産大臣並びに公取委員長はどのようにお考えになるか、所感をひとつお伺いしたい、こう思います。
○中曽根国務大臣 その御指摘はごもっともであると思います。われわれもそういう必要性ありやなしやということが頭に低迷しておりまして、検討を加えておるところであります。特に、おっしゃいましたように株式とか、それから業務用の土地以外の土地とか、そういう面に出てきたり、あるいは中小企業、零細企業の面まで商社が手を伸ばしてきて、中小企業、零細企業を圧迫するとか、そういうようないろいろな面が最近目についたわけであります。ただしかし、中小企業団体組織法とか、あるいは下請代金支払遅延等防止法とか、そのほかの法体系もありますから、現行のものによって取り締まれるところもありますし、今度御審議願っております売り惜しみ買い占め規制法案によってもある程度できるわけであります。そういう面でもうしばらく商社の様子も見ながら検討を加えていこう、こう考えております。
○高橋(俊)政府委員 全くお説のとおり、総合商社の経済のあり方は、ちょっと普通の常識の範囲を越えておる面があるのではないかと思います。独占禁止法上も、これは主として株式で支配するということになっておりませんから、いわば付随的なということで、持ち株会社とはみなされておりませんけれども、もしある部分だけをとらえれば非常にそれに近いようなものもあるというようなことがありまして、日本のいわば自由経済の発展の上から見て、いまの総合商社のやり方については、プラスの面もあるがかなりマイナスの面もある。ことに国民経済そのものについて考えてみますと、有害な面もあるのではないかということから、公正取引委員会といたしましても、実はこの問題にメスを入れていきたいとかねて私は考えておりましたが、最近もそういう総合商社をどう見るかという内容分析から始めまして対策を考慮していきたいと思います。
○玉置委員 この機会にお互いに勉強を続けていきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 時間がありませんので直截簡明に次の問題に移りますと、売り惜しみ買いだめというよりは、今回の幾つかの流通機構の各段階で、手元に確保しておかなければ物資が不足するというので少しずつ確保されることが、日本の需給のバランスを思い切って変えてしまうのだということが痛切にわかったわけでありますが、これには流通機構の整備等の問題があると思いますが、いま御質問するのはそのうちの最後、良識ある消費者の選択にまたなければいかぬことが非常に多い。ところが、良識ある消費者の選択というのは不特定多数の方である。まさか役所から毎月上がりますの下がりますのということを出すわけにもいかない。これはどういうふうにしたらいいのかと思ったら、きょう新聞を見ますと、懇談会をやる。なかなかうまくそしゃくしていただいたと思って私は喜んでおるのですが、その間に半官半民のような形の生活センターというようなものがあるように伺いますが、それが消費者の口からそういうことが一緒に流れていくような形で全般にいけばいいんじゃないか。NHKもいろいろな問題があったのですが、NHKのああいうところでそういうものが流れるようにひとつくふうしていただいたらどうであろうか、こういうふうに思ったのです。きょうの新聞の七項目のうちの一項目に載っておりましたが、その運用についてよほどうまく考えていただきたいのですが、経企庁長官の御所見を承っておきたいと思います。
○小坂国務大臣 まさに玉置委員のおっしゃるとおりでございまして、御指摘は最も正鵠を射ておる、ポイントをつかんでおる点だと思うのでございまして、私どもは従来反省してみなければならぬと思うのは、消費者運動というのは、とかく反政府、政府批判運動の観を呈しておりましたので、これはやはり政府のほうからそのつもりになって消費者運動を強化するという態度も望ましいと思っておるわけでございまして、その意味で、正確な情報を提供するということは必要でございますが、御指摘の国民生活センターというのは東京に一つあり、あとはそれの地方のセンターが各県にあるわけでございまして、いま十億円くらいの予算をいただいてやっておりますので、これなどは今後大いに活用さしていただきたいと考えております。 さらに、私ども今度予算がつきました機会に、農林省の予算になっておりますが、テレホンサービスそれからテレビによる広報、これなども消費物資の広報ができるようになっておりますので、大いにこの機関を通じてお願いしたいと思っております。 さらに、NHKというような公共放送でございますので、あの公共放送の朝の一定の時間に国民の生必物資についての情報を必ず入れてもらうということができますれば、これは一般のまじめな消費者の方々がよけいなお金を使わぬで済むし、しかも、その結果として物価の値上がりを押えることができるということになりますれば、まさに必要なことであろうかと考えておる次第でございます。
○玉置委員 時間がございませんので、最後に一点だけでございますが、今度の商品投機のような問題がもしも石油に波及したら——どこかで何か戦火でも、産油国同士で紛争がございましたり、運航途中の場所でそういうことがもしもありとすれば、わずか四十五日分の貯油しかございませんので、そういうことで大騒ぎを起こすおそれがあります。海外のあれを見てみますと、あらかじめそういうことを想定しましてチケットをすべて印刷しておいて、問題が起こったときの第一次規制はまず何からやっていく、第二次は冷暖房だ、第三次はこれこれだ、こういうことを何でもないときにあらかじめ国民の前に周知徹底さしておくというようなものがあるわけであります。これからすべてのものが売り手相場になってくると思います、世界商品は。と同時に、不測の場合を考えますと、そういうことも考えておいたほうがいいのではないだろうか。現に灯油その他がずいぶん不足をしておるように見受けられます。そういうエネルギー対策の一環として、あるいはいまの商品投機に関連をいたしました問題点として考えれば、確保その他のことを抜きにいたしまして、商品投機、いわゆる売り借しみ、買い占めというような点を考えますとぞっとするような感じが実際はいたします。すでに電気も三年ほどすれば供給が不足するのではないかという点すら考えられるわけでありますので、こういう点について、将来の構想と申しますか、お感じでもけっこうですから、ひとつ簡単に通産大臣からお伺いしておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 エネルギーの問題は非常に重要な事態になりつつありまして、昨年関西電力において発電機が故障した際には、通産省も電気事業法を発動する、そういう消費規制も考えて準備までしたのでございましたけれども、発動するまでに至らぬで済みました。そういうことが電気について将来起こり得る可能性が非常にあるわけでございます。そのために発電所の増設及び消費について節制をしていただく、そういうことについてわれわれは今後一そう努力をして国民の皆さまに事態を知っていただくようにしていきたいと思っております。 石油につきましては、なるほど将来の動向としてはお説のことでございますが、石油は大体流通の経路がいまほとんどきまっておりまして、ガソリンスタンドに至るまで系列が行なわれて、これを破るということは、ちょっといまのところむずかしいだろうと思うのです。電力ほどいまそう切迫しておるわけではございません。備蓄をいまふやそう、そういうわけで、三十日、四十日、六十日というふうに次第次第にいまふやそうとしておるところでございまして、その努力を続けていくことが当面の仕事であろう。そうまだ急に逼迫もしてないのにそういう措置をすると、かえって人心を混乱させますから、その点を慎重にしたいと思います。
○玉置委員 時間が一分ほど余りましたので、もう一言。 公害、排気ガス、あるいは商品投機のときも同じでありますが、われわれのこれから求める公害排除等々、ある部分までは非常に思い切っていけますけれども、そこから向こう、質を高めようとするとコストが非常に高くなるのだということだと思います。つまり希求すべきものとそれからコストの問題を考えなければいかぬのだということを一般にわかるように、だんだんPRしていかなければいかぬと思うのです。そういう点、政府もそれから社会全般もちょっとPRが足らないのじゃないだろうかということを思うのです。時間がもうありませんので、ちょっと質問の意味をゆっくり申し上げておれぬわけですが、意味はわかるでしょうか。質問の趣旨がちょっと時間足らずで説明しにくい。——もう時間がきましたからやめます。どうもありがとうございました。
○浦野委員長 次回は、来たる十七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十一分散会