商工委員会 第16号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/10
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、消費生活用製品安全法案を議題といたします。 本日は、参考人として、全国地域婦人団体連絡協議会副会長大友よふ君、日本消費者協会専務理事渡辺伊平君及び日本消費者連盟創立委員会代表委員竹内直一君、以上三名の方々に御出席を願っております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 参考人各位には、御多用中のところ本委員会に御出席いただき、まことにありがとうございます。 本委員会におきましては、消費生活用製品安全法案について審査を行なっておりますが、本日は、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じております。 なお、議事の順序でございますが、初めに御意見をそれぞれ十分程度に取りまとめてお述べいただき、次に委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。 まず、大友参考人にお願いいたします。
○大友参考人 私は、全国地域婦人団体連絡協議会の副会長大友よふでございます。 世上、消費者団体と申しますと、主婦連、いわゆるおしゃもじ団体といわれておりました。ところが最近、私どもの団体がLPガスの実態調査を何回もいたしまして、数年もかかりまして省令改正をいたしましたり、あるいはカラーテレビの二重価格調査をした結果、買い控え運動を始めるようになりましてから、ようやく全地婦連という名がクローズアップされるようになりました。しかし、全国津々浦々の末端会員を含めますと、総数約六百万ございまして、ほんとうにマンモス団体であり、市町村における地縁集団でもありますため、自主的団体を標榜しながらも行政全般との関係が深く、各種の課題と取り組んでいるために間口はきわめて広うございますが、専門的に研究するということはなかなかできないということを前もって御理解いただきたいと思う次第でございます。 政府提出の法案前文にもうたってありますように、技術革新と経済成長によりまして所得水準も向上したばかりでなくて、高性能な製品が次々と開発され、国民の消費生活の改善や向上に寄与してまいりました。しかしその反面では、企業の利潤追求のために不必要なモデルチェンジをしたり、誇大広告や欺瞞広告によりまして消費者の欲望をかり立て、浪費をあおってきたことも事実でございます。それにも増して、消費者から製品の欠陥による事故や製品の安全性についての苦情がたいへん多くなってまいりました。 生産業界から言わせれば、消費者は選ぶ権利があるんではないかと反論されるでしょうけれども、何千種類に及ぶ消費生活用品の安全性について確認できる消費者は数多くはないはずだと思います。 私どもの団体では、かねがねどんな消費者でも安心できるための法律ができないものかと、消費学習の中で話しておりました。この法案は、専門家の先生方がごらんになればまだまだゆるいと思われるに違いありませんが、産業構造審議会の消費財安全対策小委員会委員として末席を汚し、十一回余にわたって二十余人の委員がそれぞれの立場から安全性確保と向上対策について真剣に審議し、早大教授宇野政雄教授が委員長として答申したものでございます。したがって、多少不備の点があるとしても、消費者代表としては早急に成立をお願いしたい所存でございます。 次に、産業構造審議会の審議のポイントについて述べたいと思います。 まず、国と民間の役割りが第一点でございます。民間としては、製品の安全性確保を企業の第一の責任とし、自主的にその向上体制をつくり出すということでございます。 第二は、国は一般消費者の生命、身体に対する危害発生防止を基礎的な責務とし、国みずからが安全基準を作成し、規制をする必要があるということでございます。 第二番目は、危害防止の命令ということでございます。既存取締法の例から見て、国の規制があっても安全基準に合致しない危険な製品が出回ることがあります。たとえば電気製品などはその一例かと思います。また、安全基準に合致しないで消費者に危害の及ぶおそれのあるとき、業者に対して回収命令等必要な措置を講じさせる体制の確立の必要があるということでございます。 第三には、新規製品の安全性でございますが、新製品が次々と開発されますが、大きな危険性が存在する可能性がございます。これに対しては常時安全制についてチェックを行なうこと、また、万一事故が発生した場合は販売停止、回収命令等必要な措置をとる必要があること、つまり緊急命令を出すことをしてほしいということでございます。 第四番目は、安全基準の水準でございますが、たとえ誤った使い方をしても、消費者が間違いやすい使用状況であれば、通常の使用状況と言えるわけです。安全基準の見直しの頻度でございますが、これも技術の進歩のテンポから見て、新たな危険性のおそれも生じますので、ひんぱんな安全基準の見直しが必要ではないかということでございます。 五番目は、被害者救済制度の創設をしてほしいということでございます。従来は買い手御用心というわけで、消費者が運が悪かったんだということであきらめてまいりました。一つには、メーカーが財政的な基盤が弱かったということもあるかもしれません。しかし、消費者権利意識からいえば、売り手御用心という時代になりました。そこで保険制度をつくり、被害者に対し、最高少なくとも一千万円くらいの限度で見舞金を出してやるべきではないだろうかというようなことも出ました。被害者を救済するために公正な機関による被害者救済制度を創設する必要があるということでございます。 第六番目は、消費者としては製品の安全性確保については強い関心を持っており、消費者の意見を反映させるようなシステムの確立の必要性があるということでございます。 以上、非常に簡単に申し上げましたが、最初に申し上げましたように、ぜひこの法案を早急に通していただきたいということをお願いしたいのでございます。 以上でございます。
○浦野委員長 次に、渡辺参考人にお願いいたします。
○渡辺参考人 ただいま御指名を受けました財団法人日本消費者協会の渡辺でございます。 本日、本委員会に出席いたす機会を与えられましたことに対しまして、まことに光栄に存ずる次第でございます。 この法律案につきまして、消費者問題に携わっている者としての立場から感じましたことの所見の一端を述べさせていただきます。 御承知のとおり、最近の消費ブームと技術革新に伴いまして、市場には複雑で高性能な新製品が続々と売り出されております。また、既存品におきましてもモデルチェンジが激しく行なわれている実情でございます。このことは、ある一面におきましては、私たちの消費生活、いわゆる豊かな消費生活に役立ってまいりました。しかしながら、先ほど大友参考人が申されましたように、このような多種な製品につきまして、私たち消費者みずからがこの安全性を事前に確かめて購入するということは非常に困難な状態でございます。 本来、産業界におきましてまず心しなければなりませんことは、かつては商品をつくれば売れたという時代でございますが、現代におきましては、まず安全性を十分に備えた商品でなければ売れないという時代でございます。一部の小さな泡沫的な、商品をつくってすぐ消えてしまうというような泡沫会社ならともかくといたしまして、永続的な発展を願う企業ならば、このような重大な欠陥を生ずるいわゆる無責任な商品を一般消費者に売りまして、かりにその欠陥によりまして重大な人身事故を起こすようなことがございましたら、その企業にとりましては、その商品はまさに命取りになるはずでございます。しかし、それにもかかわりませず、残念ながら現在の産業界の一部におきましては、いわゆる安全指向、安全性を十分に備えた商品をつくり出すという姿勢がまだまだ不十分な点が見受けられる状態でございます。 諸先生方も先刻御高承のとおりと思いますが、かつて目を保護することを目的としておりますサングラスが、逆にその製品に欠陥がございまして目をいためる、こういうようないわゆる欠陥サングラスが出回っておりました。あるいは子供用の玩具でございますが、たまが勢いよく飛び出しまして、それによってけがをする危険なおもちゃのピストル、こういうようないわゆる危険な商品がちまたに出回っておりまして、警戒を要する商品を一々並べましたら切りがない状態でございます。 私どもの日本消費者協会は、昭和三十六年九月、いわゆる商品についての公正な情報を一般消費者に提供すること及び啓発教育を通じまして、消費者の利益を保護することを目的として設立されたものであります。そして設立以来本年で約十二年になりますが、耐久消費財を中心とする商品の比較テスト、それから苦情処理を含めました教育啓発事業、そしてこれらを受けまして一般消費者に商品テストの内容につきまして知らせるための出版事業、これを大きな柱としていわゆる消費生活の健全な発展をはかってまいりました。 しかしながら、先ほど申し上げましたように、最近におきます欠陥商品の続出にかんがみまして、私たちの商品の比較テストを実施いたす場合に、科学テストと使用テストをやっておりますが、安全性の試験につきましては特に力を入れている状態でございます。 その経験から申し上げますと、かりに電気製品ですと電気用品取締法といいますか、この基準に合致しない商品もたまには出回っております。また、当協会におきまして、直接相談室というものを設けてございます。それ以外に全国百カ所に窓口を設けておりまして、いわゆる各種商品の安全性、機能、品質に関する一般消費者からの苦情を受け付けまして、正しい商品選択のための情報を消費者に提供いたしております。そうしまして、苦情その他であがってきました消費者の声を生産者あるいは販売者に伝えまして、また改善していただくというような方法によりまして、消費生活の健全化に力を入れてまいりました。 皆さまもあるいは御記憶のことと思いますが、かつて新聞紙上を大きくにぎわしましたいわゆる瞬間ガス湯わかし器でございます。あの欠陥事故は相当大きな反響を呼びましたが、あれの発見されました端緒といいますのは、一般消費者からの苦情がありまして、それを私たちが調べておりました結果、重大な欠陥があるということがわかりました。この欠陥がありましたことによりまして、当時約十一万台くらい出回っておりました瞬間ガス湯わかし器をガス会社において回収した次第でございます。 このような状況を思量いたしますと、まだまだわが国におきまして消費者が満足できる水準と範囲内におきまして、各種製品の安全性が確保されていないというのが現状でございます。このようなとき、政府におきましても、消費者の立場に立ちまして危険製品、欠陥製品の取り締まりに本腰を入れられることになりまして、本法の制定を契機といたしまして、いわゆる消費者向け製品の安全性が総合的に確保されようとしておりますことは、私ども消費者問題に携わっております、取り組んでおります者といたしましてはまことに喜ばしい次第でございます。 今国会にはいろいろな問題が山積されているようでございますが、こういうじみではございますが、ほんとうに消費者のためになる法律案は、大友参考人と同じでございますが、一刻も早く成立させていただければはなはだ幸いに存ずる次第でございます。何とぞ諸先生方、皆さま方に心からお願い申し上げる次第でございます。 ただ、こう申し上げましても、この法律を生かすも殺すもいわゆる運用一つでございますので、私ども消費者問題に携わっております者といたしまして、本法の運用につきまして十分御配慮を願いたい点を若干申し上げさせていただきたいと思います。 その第一は、安全な消費生活の実現をはかるためには、何といいましても事故の未然防止をはかることが最も肝要かと思われます、このため、本法では、特定製品についての事前検査制度あるいは自主製品についての安全性の認定、緊急命令等、いろいろな措置が講ぜられておりますが、このほかにも試買検査、新製品の安全性の確認テスト、組織的な苦情処理等の施策を一そう拡充強化願い、危険な製品の流通を未然に防止していただきたいと思います。 第二は、製品安全協会が行ないます消費生活用製品の安全確保及び被害者救済制度は、製造事業者等の申し出を受けまして適用されるようになっているようでございますが、その意味では、いわゆる任意的なものでございます。しかしながら、政府にお願い申し上げたいのは、一般消費者の保護の観点から、せっかく安全基準をつくりましても、加入するメーカー、参加するメーカーが少なければ、いわゆる仏つくって魂入れずと申しますか、そういうことになりますので、積極的に協会の行なう事業に加入するように行政指導をお願い申し上げたいと思います。 第三は、製品に基因する事故を未然に防止するためには、メーカー等が製品の安全性の確保、向上をはかることはもちろんでございますが、このほかにも、いわゆる表示によりまして、消費者の注意を喚起したり、あるいは製品の安全性、品質機能、取り扱い方法等についての正確な情報や知識をぜひ消費者や販売者に提供することがきわめて重要であると思います。このため、すでに施行されております家庭用品品質表示法の運用の抜本的な強化を願い、一般消費者、消費者団体、学校、生産者等に対し、それぞれ適切な資料や情報を提供願いまして、多角的な啓発活動、教育の推進につとめていただきたいと思います。私たちの協会といたしましても、微力ながら政府、地方公共団体あるいは地方の消費者協会等の行ないます教育事業に対し、積極的に協力してまいる所存でございます。 第四は、本法がほんとうに消費者の利益のために運営されますよう積極的に消費者の意見を反映させていただきたいことであります。このため、審議会あるいは評議員会等には、ぜひ消費者代表を重要メンバーとして参加させていただきまして、消費者の苦情が適切に処理され、その結果が本法の今後の運用に生かされるようなシステムの充実をはかっていただきたいと思います。 それから、最後にお願い申し上げたいことは、今後特定製品にしろ自主製品にしろ、もうすでに予定されている品目もあると思いますが、その安全基準の実施にあたりましては、それぞれどの製品が早くやる、どの製品がもうちょっとあとでいいというような順序がなかなかつけがたいと思いますが、私が最も希望いたしますことは、まず、幼児用といいますか、児童用に関係の深い製品をまっ先に取り上げていただきたい。かりに幼児がある玩具なら玩具の欠陥によりましてけがをしまして、顔なら顔にけがをしてその後遺症が残る。こういうようなことになりますと、その幼児が少年少女に成長していく過程におきまして、そのけががその少年少女の精神的な負担になり、ひいては人格形成に大きな影響を与えかねないからでございます。この意味におきまして、現在、製品安全センターというのがございますが、最初に取り上げました品目がいわゆるベビーカー、乳母車ということを聞いておりますが、まことに私としてはけっこうなことと感じている次第でございます。ぜひまっ先にこの幼児用、児童用といいますか、こういうかかわりの深い商品を取り上げていただきたい、こういうように思ってお願い申し上げる次第でございます。 以上、簡単でつたない意見で申しわけございませんでしたが、私の所見を述べさしていただきました。
○浦野委員長 次に、竹内参考人にお願いいたします。
○竹内参考人 竹内でございます。 政府は、去年の割賦販売法の改正に続きまして、今度、消費生活用製品安全法という消費者保護の観点からの立法を出してこられたわけで、いままで業界寄りといわれていた通産省としては、私どもは、非常に大きな変身をしたと思っておりますけれども、この法律を読む限りにおいては非常にけっこうなことが盛られております。おりますけれども、この内容は大体行政運用にまかされている。こまかいことはすべて役所がやるというたてまえになっております。そういう意味で、これはあとで申し上げますけれども、まだまだ私たち消費者は、役所に対する不信感というものをずいぶん持っているわけで、そういう意味からこの法律をながめてみますと、ずいぶん私たちにとって心配な点がある。そういう点を逐条申し上げてみたいと思います。 第一に、第二条の「定義」のところで、この法律で扱う商品の範囲が書かれておりますけれども、この抽象的な文句だけでは、私たちどうもはっきりしない。特にいままで、たとえば電気用品取締法だとか食品衛生法、火薬類取締法、毒物及び劇物取締法だとか、いろんな法規でもって安全をはかるための規制がなされておりますけれども、そういったものと、この法律とのなわ張り調整といったものがどういう手順で行なわれるのかということがどうもはっきりしておりません。 一口で言いますと、お役所というところはなわ張り根性が非常に強いですから、これはめんどうだと思えばお互いに譲り合って、めんどうなことには手を出さない。逆に、これはいけそうだとなるとお互いに奪い合う、そういうような現象が間々起こりがちなんです。そういうことのために、私たち消費者の安全が害されるということになってはまことに困ることなので、そういった点についての権限調整といいますか、仕事の調整は一体だれがするのか。言うなれば、これは政府の責任だ、政府閣僚がやるべきことだということに尽きるのでしょうけれども、そういうことであるならば、私は、たとえば物価については物価についての閣僚協議会がある。言うなれば、こういった安全についての閣僚協議会といったものをつくっていただいて、これは食品についてもあるいは車についても化学物質についても、いろんな多岐な製品についての安全について、統一的な考えのもとに、そういう安全の基準あるいは安全についての対策を講ずるというようなことをやっていただきたいというように希望するわけです。 それから、次の二条の二項に特定製品というものの定義が掲げてあります。これは「特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品で政令で定める」云々とありますけれども、これは運用次第で、非常に限定的、制限的に運用されますと、私たちの安全は確保されない。ですから、この点については、なるだけ広くこれを包含するように運用をしていただきたい。 たとえば、昨年の夏、私どものところへ苦情が持ち込まれましたコカコーラのびんの破裂による事故、こういったものは、その前の年、おととしにそういう事故が起こって、びんのつくり方を変えたということで売り出したところが、それがまた破裂事故を起こしておる。そして目がつぶれたり後遺症の残るようなけがが起こっておる。ああいったものについて、どうして事故が起こってからやっと取り組むというようなことをされるのか、これは私たちにとって非常に不信感の種なんです。そういうことが起こるであろうということは予想されるわけですから、そういう事故が頻発してから特定製品に指定するという後手に回るようなことは絶対にやっていただきたくないということをお願いしたいわけです。 それから、さっきもお話が出ましたが、子供用の製品、たとえば子供用の自転車ですね。あれのブレーキは小さい子供の握力ではなかなか急にとめることができないようなブレーキがつけられているらしいです。これはある自転車屋さんが私に言ってくれました。こういった点についてはいまのところ野放しなんだ、だから子供が自転車を乗り回して急ブレーキをかけようと思ってもだめなんだというわけです。こういう点についても、早急に安全基準をつくっていただきたいということをお願いをしたいわけです。 それから次に、第三条の品質基準については、消費者というものが完全な知識を持ち、完全な能力を持っているものという前提でこういった安全についての品質基準がきめられますと問題を生じがちだ。ですから、完全な消費者を前提としたような安全基準であっては困りますということです。逆に言うならば、不完全な消費者、わりあい注意力のない消費者が多いわけですから、そういった消費者を前提にした基準をつくっていただきたい。その場合に、いままでメーカーは、えてして、表示でそういうことが書いてあるから、注意表示がしてあるからといって責任をのがれようとするわけです。 一例を申し上げますと、これは四十五年の暮れにあったことなんですけれども、東京瓦斯が出しておる赤外線ガスストーブ、これのある機種について、ガスせんを半開きにして使っていますと不完全燃焼を起こして事故が起こっておる。そういったものは、普通のわれわれの常識からすれば、ガスせんというものは火力を調節するために半開きにするということは常識なんです。台所のガスコンロはそういう使い方をしております。それと同じような考え方でそのガスストーブを使っていたところが、不完全燃焼で事故を起こした。これはまだ現にそういうものが消費者のところに出回っているのです。そういったものについて東京瓦斯にものを申しますと、パンフレットに書いてある、これは全開にして、全部開いて御使用くださいと書いてあるから、そのとおりやってくれれば、そういう事故は起こらないのだ、こういう説明なんです。そういうことは、ああいう説明書を一々読んで使うという人は、よくよく注意深い人でないとないはずだ。ですから、普通の注意力でもって使う人を前提に、そういう半開きになるようなガスせんをそこにはつけない、全開か全閉か、どちらかにしか使えないようなガスせんをつけるというような配慮が必要だろうと思うのですが、現状はそうはなっていない。こういう点もぜひ改善をしていただきたいということです。 それから、いまの品質基準、それから二十五条に書いてある型式承認の点検ですね、こういったものも、これは一年以上七年以内と法律に書いてありますけれども、七年に一回というようなゆうちょうことではわれわれとしては非常に困ることなので、最低一年に一回は必ず点検をする、そしてその品質基準が現状に合っているかどうかという見直しを必ずやっていただきたいということを希望したいのです。 それから次に、二十八条の特定製品の設備の定期検査、これも一年一回以上、頻度を上げていただきたい。これは省令できめることになっておりますけれども、煩をいとわずにひんぱんにやっていただきたいということです。 それから次に、これは役所の行なう行政措置、たとえば三十条の改善命令、三十二条の承認の取り消し、それから三十五条の危害防止命令、八十二条の緊急命令、こういった役所がとる行政措置については必ず公表する。いままでの取り締まり法規の運用を見ておりますと、始末書をとって、以後注意しろということだけで済ましておる。外部に公表すると業者が迷惑するというような配慮から、公表をしないで済ましているということが多かったわけですけれども、こういうことでは、こういう事故というものはなかなか根絶できない。そういう意味で、一見酷なようでありますけれども、こういうことをやった場合には実態を広く消費者に知らせる、あるいは同業他社に知らせるという意味ですべて公表をしていただきたいということです。 それから次に、第三章の製品安全協会につきまして申し上げたいのは、四十五条の発起人、それから五十一条の役員、それから五十九条の評議員、こういった人たちに業界人は入れないでほしいということをお願いをしたいわけです。そういう業界人がいままで学識経験者というような名目のもとに入っておりますと、私たち消費者にとっては、そういうことだけでもってその団体に対する不信感が出てくるわけです。何もその人がりっぱでないという意味じゃありませんけれども、やはり疑わしいようなことはしていただきたくないという意味で業界人は入れていただきたくないということを申し上げたい。と同時に、お役人が天下り人事でもってあまり熱心でない人がそういうところへたらい回し的にポストを占めていいかげんな仕事をやられても、これもまた困るわけで、せっかくつくるならば、ほんとうにこの安全協会が消費者のために実質的な仕事ができるような人的構成を配慮をしていただきたいということです。 次に、六十三条の賠償保険につきましては、先ほども御意見が出ておりましたけれども、最高一千万円という限度があるようですけれども、現状では一千万円ではたしてカバーできるかどうかという点を非常に疑問に思いますので、この限度額はもっと上げていただきたい。 それから、この損害額を査定をするのに半年か一年かかるというお話なんですけれども、これはもっと早く始末をつけていただきたい。これは損害保険会社に委託をしてこういった査定をされると聞いているのですけれども、これはもっと早くできるのではないかというように思います。 それから、六十三条五号の資金の交付、これは一律三十万円となっておりますけれども、三十万円ではいかにも少額で、この金額ももっと上げていただきたいということです。 それから、これは大事なことだと思うことは、業者が、こういう制度があるからといって、被害者に対する損害補償を、もうあれでおしまいだ、あとは知らないぞというような態度を絶対にとらないように、これは強力な行政指導をぜひお願いをしたいわけです。これは、昨年夏にコカコーラが破裂をして、それで事故を起こしたときに、コカコーラ会社は、保険会社からその補償はするのだからといって、全然親身になってその被害者に対する配慮をしなかったという実例がございます。こういうことになっては、非常に消費者にとっては困ることなので、これはぜひお願いをしたいと思います。 それから次は、八十二条の「緊急命令」ですが、これは申すまでもないことですけれども、弾力的に臨機にどんどんやっていただきたいということを申し上げたいと思います。 それから、八十三条の特定製品の業者に対する「報告の徴収」、次は八十四条の「立入検査」、こういった行政官庁の監督権の発動なんですが、この監督権を発動する端緒はどうしてつかむのかという点が私たちはっきりいたしません。通産省のお話では、この新年度から私書箱を設けてどんどんと消費者の苦情を受け付けるのだ、それによって端緒をつかむというお話なんですけれども、私たちは、まだまだお役所に対する信頼感というものを持っておりません。ですから、そういうことをやって、そのとおり親身になって取り上げてくれるかどうかという点は、はなはだ私たちは心もとなく思っているわけなので、そういう意味で、端緒をどうしてつかむのかという点について私たちは不信感を持っております。 それから次に、こういった立ち入り検査なんかに従事する職員なんですが、都道府県にも権限を委任するというようになっているのですけれども、実際の運営として都道府県の職員がどの程度こういった仕事に従事することになるのか、この点は、はっきりいたしません。通産省と通産局だけでもって細々とおやりになるということであるならばあまり実効があがらないのじゃないか、ぜひこれは都道府県の職員がどんどんとこういうことに介入できるように運用をしていただきたいということです。 それから、八十九条の審議会について申し上げますと、これも製品安全協会で申したと同じように、業界人をメンバーに入れないでいただきたい。業界人の専門的な知識を得るためには、参考人という形でどんどんと知識を吸収されることはけっこうだと思いますけれども、メンバーに入れるということは弊害を生じる。これはほかの、たとえば農林物資の規格法のJASの調査会、ああいったところに学識経験者という名前で業界の人が入っているために、多数決で押し切られてしまうのです。消費者代表はもちろん入っておりますけれども、多数決でいつも押し切られてしまう、こういう運用をされては非常に迷惑なので、特に多数決でそういうような運用がなされないようにぜひお願いをしたいということと、それから重要な事項は、公聴会でもって広く意見を聞くというような運営のやり方もやっていただきたい。それから、ほかの法令で規制されている事項について、この審議会がどんどんと積極的に意見を出す、あるいは建議をするというようなこと、ほかの同様の安全のための審議機関と連絡をとって行政の斉合性を保つようにしていただきたいということを申し上げたいわけでございます。 それから、九十三条の「主務大臣に対する申出」、これについても聞きっぱなしでは困るということで、お役所のなさることは、自分のメンツでもってなかなか改めようとしない傾向がございますけれども、消費者が、こういった場合に意見を言ってきたならば、率直に審議会を開くなりあるいは公聴会を活用するなりして、その意見が妥当である場合にはどんどんと制度を改めていただきたいということを申し上げておきます。 時間が超過いたしましたので、あとまだ申し上げたいことはございますけれども、この程度でやめさしていただきます。
○浦野委員長 以上で、参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○浦野委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 各参考人とも、消費者保護の第一線に立っておられるだけに、たいへん参考になる御意見を聞かしていただいて、敬意を表したいと思います。まず第一に、消費財安全対策小委員会の委員でいらっしゃる大友参考人にお尋ねをいたします。 この審議の過程で相当突っ込んだ御審議になったのだろうと思うのでありますが、この製品の安全確保について、国と民間の役割りがそれぞれあるわけでありますが、国の役割りというのはこの程度でいいというようにお考えになっておられるかどうか、いろいろ御議論があったことだと思いますから、一応伺ってみたいと思います。
○大友参考人 お答えいたします。 実は一カ月ばかり国を離れておりまして、帰ってきたとたんのお呼び出しなので、あまり詳しく申し上げられませんけれども、いま思い出してみますと、民間の役割りは自主性ということでございますが、私たち消費者から言わせれば、自主性を尊重することはもちろんですけれども、たとえば安全マークというシステムがございますが、安全マークをつけたおもちゃが危害を生じて、そうして倒産したという例もあるわけですね。したがって、自主性を信用しないわけじゃないけれども、そういうマークシステム化というものをもう少し政府のほうでやられたらどうだろうか。これは私の個人の意見でございましたが、やはり消費者だけの会議でございませんから、最大公約数ということになりますとこういう結果になろうと思います。ですから、見直しの時期にいろいろ考えていただきたいというように私は思っております。
○中村(重)委員 時間の制約がございますので簡潔にお尋ねをいたしますが、お答えもそのとおりお願いしたいと思います。 渡辺参考人にお尋ねいたしますがただいまもいろいろ御意見がございましたように、この法律案というのは、たてまえとしては消費生活用製品のすべてを包括的に対象にするいわゆる一般法である。ですけれども、実際の運用の面ではきわめて限られた特定製品のみが対象となるというように見られるわけであります。この点が今日までの審議を通じまして各委員とも問題にした点でありますが、先ほどあなたから御指摘がありました幼児の製品の指定なんというのはたいへん参考になったわけでありますが、時間の関係がございますからあわせてお尋ねいたしますが、この事前チェックということがすべての製品に対してできないにいたしましても、新製品だけはやはりチェックする必要があるのではないかというような感じもいたします。この二点について、一応あなたのお考え方を聞かしていただきたい。
○渡辺参考人 お答え申し上げます。 まず最初の特定製品といいますか、私たちの聞いておりますところによりますと、特定製品というのは、非常に危険の多い商品というように、私の間違いかもわかりませんが、聞いております。したがいまして、特定製品というのは、ある意味におきまして国のほうできめる、それ以外のものは自主的といいますか、業界のほうで自主基準をつくって、それで安全ラベルを張っていくというようなかっこうのようでございますが、私たち常に消費者問題に携わっております立場から申し上げますと、いわゆる安全基準というものが確保された商品が多いにこしたことはない、こう思っておるわけでございます。 あともう一つの後段のものは……。
○中村(重)委員 すべての製品に対して事前チェックができないにしても、先ほどあなたの、指定としては幼児の製品を指定してもらいたいということが非常に参考になったわけでありますが、新しい製品だけは事前チェックが必要ではないのかというように思うわけですが、その点についてのお考え方です。
○渡辺参考人 どうも失礼しました。 新製品につきまして、確かに新製品をつくるねらいというものは、それぞれメーカーが消費者のためといいますか、そういうためにつくる製品であると思いますけれども、品質、機能の面では、まさに新製品というのは、ある意味においてわれわれの生活に役に立つわけでございます。ところが、安全基準が——当然企業のほうでその製品をつくり出すときに、技術者のほうがこれこれの基準を、基準といいますか、そういうことでつくらなければ危険のおそれがあるというような場合は、当然内部でも行なわれると思うのですが、現実問題として、それを商品化するとコストが高くなるとかいうようなことで、危険な商品というものが出回ってくる、こう思うわけでございます。したがいまして、第一義的には、企業のほうが新製品をつくるときには、みずからのあれでそういう商品をつくり出すことが企業の当然の姿勢だろうと思うわけでございますが、なかなかそういかないとすれば、新製品につきまして事前の、国なら国、業界なら業界、どちらでもよろしいと思いますが、なるべく国のほうにおきまして事前検査といいますか、そういう措置を講じていただくほうがベターだろうと思います。
○中村(重)委員 竹内参考人に二点についてお尋ねをしてみたいのです。 御承知のとおり、現在政府の苦情処理体制というのがあるわけですね。消費者の意見というのがこの苦情処理体制の中に反映しているかどうかといった点。 それから、国の欠陥商品に関する監視体制というのもあるわけですが、この監視体制というのは現在の程度でよろしいのかどうか。問題点としてあなたがお考えになった点があるんだろうと思うのですが、一応伺ってみたいと思います。
○竹内参考人 いままでの政府の機関、特に消費者からの苦情処理体制と申しますと、都道府県の消費生活センター、ああいうところに苦情処理の窓口がございます。ですけれども、そういうところのいままでの運用を見ておりますと、行政というところは中立なんだ、ですから特に民事事件といいますか、そういった関係のことについてはタッチしないという傾向がいままで強かったわけなんです。ですから、いろいろな苦情を持っておりましても、お役所へ行ってもどうせだめなんだろうといって、泣き寝入りして寄りつかないという傾向が強かったと思います。 それから、いまのこの法律に関連して申しますと、安全を害されたといった場合の苦情についても、これは第一次的には業者に言っていくのです。業者に言っていきますけれども、たとえばそれはセールスマンに言うとか、営業の窓口に言うとかいうようなことで言いますけれども、さっきもコカコーラの例を申しましたけれども、営業所の人間が来て、お見舞品ですといってコカコーラの一箱を持ってくるだけで、それで終わりで、あとは保険会社がやりますというような、被害者の気持ちを全然くまないような処理のしかたが行なわれている。ですから消費者は、とにかくこういう目にあった場合にはもう百年目だというような気持ちは、現段階では非常に強いのではないかと思うわけです。 それから第二点の監視体制につきましても、先ほどちょっと申しましたけれども、これは通産省関係とは申しませんけれども、業者がそういう事故を起こした場合に、始末書で済ましてしまう、そしてそれを公表しない、そういう傾向がわりあい強いと思うのです。ですからこれは、始末書を取ればその業者だけは以後はやらないと約束するでしょうけれども、またやったってもう一ぺん始末書を出せばいいんだというような、非常に安易な気持ちで仕事をやる傾向があるのではないか。これはやはり私が先ほど申し上げましたように、公表することによって社会的制裁を加えるということが一番効果的なのではないかというように考えます。
○中村(重)委員 大友参考人にお尋ねをいたしますが、先ほど竹内参考人から表示の問題について触れられて、これもたいへん参考になったわけですが、製品そのものに欠陥がなくても、使用方法を誤って事故を起こすという事例がたいへん多いようであります。そこで、現在の使用方法の表示というのがこれでいいのかどうか。竹内参考人は先ほど、たいへん不親切な不十分な表示であるということについても触れられたのですが、特に御婦人の立場から、この点に対しては関心がおありであろうと私は思うのでございますが、いかがでございましょう。
○大友参考人 お答えいたします。先ほど申し上げましたとおり、消費者がちょっと間違って使いましてもこれはあたりまえの使い方なんだといえるくらいに、今度の法律は、きびしくやるようにということを申し入れて、そういう基準でこれからやる、こういうことになっておりますから、私はそれについて期待をしているわけです。 しかし、いままではまことにその点はまずかったと思うのです。先ほども申し上げましたけれども、おもちゃの問題で、安全マークがついているからいいかと思えばそれが安全でなかったとか、いろいろそういう例がございますので、やはりチェックする必要があるのではないか。ただ、政府が全部やるといいましても、これは非常な人件費、予算が要ることでございますから、私たち消費者とするならば、どんなおろかな消費者でも安全であるのだ、そんな安全マークがつかなくても安全なんだといって買えるような商品をほんとうは出していただきたいわけです。それには予算とか、人件費というものが伴いますので、われわれも、やはり、買い手の消費者として選ぶ権利を持っておりますし、あるいは安全を求める権利を持っておりますし、あるいは言う権利も持っているし、情報を聞く権利も持っておりますから、消費者みずからも勉強はいたすつもりでございます。しかし、なかなかその勉強が間に合いませんから、法律はきびしくしたにこしたことはないと思うのです。だけれども、この法律さえも通らないようだったら今後どうなるだろうかということを感ずるので、まだまだ言いたいことはありますけれども、まあこの辺で通していただければ、次の見直しのときにはまたよくなるのじゃないだろうか、こういう気持ちを持っているわけでございます。
○中村(重)委員 時間が参りましたからこれで終わりますが、私は、この法律案は百四条にわたるたいへん長文の法律案で、慎重に審議はいたしておりますが、これをできるだけ早く成立させるという考え方であることを申し上げておきたいと思います。時間がございませんから、これで終わります。
○浦野委員長 板川正吾君。
○板川委員 参考人には御苦労さまです。二、三一括して質問いたしますから、どうぞ参考人の方、御意見がありましたら、これに答えていただきたいと思います。まず第一に、この法案の欠陥という点を私どもが考えますと、安全基準、これは三条で、国が特定製品については基準を定めるというふうに規定されております。ところで、この安全基準というのは、社会の進歩によって常に更新され、変えられていかなくちゃならないと思うのです。ところが、一たん政令できまりますと、なかなかそれを変えることはできない。それで、この二十五条の、先ほど触れられました型式承認を一年から七年の間で受けろ、いずれもこれは業界からの申し出を前提といたしております。 八十九条では、改廃するときは審議会にかけろということになっておりますが、これは改廃しようとするときは審議会にかけるという手続の規定であります。 九十三条では、何人も申し出することができるといっておりますが、これも消費者からの申し出によって主務大臣が適当な措置をとるべきだということが九十三条で規定されておりますし、あるいは十条の設置法の改正で、この審議会では審議するというように規定をされております。 しかし、いずれもそれは国の積極的な更新義務というのか改定義務というのをうたっていない。そういう点で一つの、下から要請があればという法体系になっておると思います。本来なら、国はこういう社会情勢を勘案して、安全基準というのを常に高度に保つような改定義務というものを持つべきではないだろうか、こう考えるのでありますが、この点について御意見を承りたいと思います。 それから三十五条で、これは危害防止命令の規定であります。御承知のように、これは特定製品に対して、表示を付されていないものを販売してはいけないとか、あるいは型式登録製造業者が安全基準に適合しないものを製造し販売してはいけない、この場合には緊急防止命令を主務大臣は出せる、こういうことになっておるわけでありますが、条文等を見まして、条文の規定が非常にきびしいのですね。「危害が発生するおそれがあると認める場合において、当該危害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、」こういうように非常にきびしく、危害防止命令についてなかなか発動できないように重いふたがかぶさっておる。こういう点を産構審の審議会等で、どういう御意見があったろうかと思うのです。この危害防止命令というのは、必要があればもっと大胆に発動できる体制が必要ではないか。あまりくどくどと、ふたを二重にもかぶせておって発動できないような感じがいたします。審議会の審議の経過なりを御参考に発表していただければ幸いと思います。 同じくこの八十二条なんですが、これは緊急命令です。これは特定製品を除く消費生活用品に欠陥があって、これまた「一般消費者の生命又は身体について重大な危害が発生し、又は発生する急迫した危険がある場合において、当該危害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、」といって「製品の回収を図ることその他その製品による一般消費者の生命又は身体に対する重大な危害の拡大を防止するために必要な応急の措置」こういって回収命令、回収をはかるよう緊急命令が出せる。これなんかも、この条文のどこかにウエートを置いて解釈すれば緊急命令はほとんど発動されないんじゃないだろうかという感じがするわけでありまして、これまた二重、三重の発動できないような、要するに、消費者の保護に重点が置かれていない規定のように感ずるわけであります。この点について御意見を承りたいと思います。 それから、これは先ほども触れられました九十三条でありますが、何人も、主務大臣に対してその旨を申し出て適当な措置をとるべきことを求めることができる。これはいままでの他の法令に比較しまして、いわば一歩前進の法律であります。この点は、私どもも評価するのにやぶさかではございませんが、しかし残念ながら、その措置を要求して適当な措置を主務大臣がとった場合に、竹内参考人も言われましたように、それを公表することを明記していない。しかし、産構審の答申の中では、これを公表すべし、こういう答申をなされているわけであります。自動車の安全基準、型式承認ということでも公表する義務はございませんが、これはここで公表の義務を規定したほうがさらに消費者のためにもう一歩前進した法案ではないか。これをはずして行政措置にまかせたということは、どうもこの点で画竜点睛を欠く感じがいたします。その点について、参考人の御意見を順次お聞かせ願いたいと思います。
○竹内参考人 いまの御質問の第一点につきましては、これは私の最初の陳述のときにお話をいたしましたから省略いたしますが、第二点の危害防止命令はなかなか発動できないのではないかという御心配については、私もそう思うものですから先ほど申し上げたのですけれども、具体的に政府は何を想定しているかということでもって私たちは判断したいと思うのです。たとえば、先ほども引き合いに出しましたけれども、コカコーラの改善しましたといって出してきたびんが依然として破裂をした、そして人身事故が起こっておる。ああいった場合に、この八十二条を今後発動するつもりがあるかどうかということでもって、私たちは、政府はこの八十二条の運用をどういうように考えているかということを判断したいと思うのです。 それから、三番目の公表の義務づけは、私もそういう意味で先ほど申し上げたのですけれども、これは法律的に法文に書く場合にえらくめんどうなことがあるのかどうか、私は法律の専門家でないので存じませんけれども、当然行政庁としては公表の義務を負うべきであるというように私は考えます。
○渡辺参考人 お答え申し上げます。 第一の安全基準につきまして更新の期間が一年から七年というような条文で書かれているわけでございますが、先ほど竹内参考人も申されましたように、技術の進歩というものは日進月歩と申しますか、相当進んでくると思うわけでございます。したがいまして、初めにきめられた基準が、ある時代がたちますとあまり効力を発揮しないということも考えられますので、なるべく基準につきましては常に厳正に見守っていただきたい、こう思っているわけでございます。 それから、危害防止命令とか、あるいは緊急命令を発動する場合には、法律では相当厳正な縛り方をされている、これについてどうかという御質問でございますが、私たちといたしましても、この法律の実際の運用にあたりまして、どの程度になったときに緊急命令あるいは危害防止命令が出るのか、まだ詳しく聞いておりませんのでわかりませんが、当然われわれといたしましては、その危害というものが一般消費者といいますか、多数に広がり、危険な事故が続々起きてくる、こういうような状態を考えますと、発動につきましてはなるべく積極的にやっていただきたいという希望はございます。 それから公表のことでございますが、これは義務的にされるかどうかは別といたしまして、おそらくそういうようなものがあったとすれば、当然行政官庁におきましても公表その他適切な措置が講ぜられるのではないだろうかというふうに考えております。
○大友参考人 ちょっと頭が混乱しておりますからお答えにならないと思うのですけれども、危害発生のおそれがあるという場合、いろいろな意見が出ました。一々申し上げているととても時間がたいへんなのですが、やはりこういうことばに結果的にはならざるを得なかったように思うのでございます。 それから、重大な危害ということが、消費者にとってはどこからが重大な危害でどこからが重大でないのかという疑問が非常に多く出たことは事実でございます。 それから、公表をしてもらいたいというのはやはり消費者の意見が圧倒的だったように思います。 それと、まあ私個人でございますけれども、やはり売り出して、そのあとで回収命令を出すということは、国の経済という面から考えてもまことに不当じゃないだろうか。また、公害がいま非常に多くて、私どもはどうしたらば公害を追放できるかということで全地婦連があげて公害追放をやっておりますのに、こういうむだな製品をつくって回収をさせるということはやはり本当じゃない。だから私から言わせれば、生産財そのものから、もう初めに研究して公害を出さないようにしてほしい、こう思うわけですけれども、とにかくこの法案が通らないことには見直しも何もできませんので、第一段階としてはこれは通してほしいと思うわけでございます。
○浦野委員長 板川君に申し上げます。 時間がぎりぎりですから、適当に御質問いただきたいと思います。
○板川委員 それでは、これで失礼をいたします。
○浦野委員長 岡田哲児君。
○岡田(哲)委員 三人の参考人の皆さんはそれぞれ消費者の関係を代表する方々でございますので、そういう立場で特に三人それぞれ御意見があった場合にお聞かせいただきたいと思うわけであります。 まず最初に、未然にこの防止をするということが大事ではないかというふうに私は考えておるわけでございます。特に最近のように非常に多種多様な新製品が市場にはんらんするような状態にあるので、特定製品以外にも欠陥によって事故が起こる場合が相当出てくるのではないかという心配を私はいたしておるわけです。 そこで問題は、従来の経緯から見ますと、起こってからこれはたいへんということで措置をとるということがやられてきておるのであります。問題は、被害が起こる以前にそういうものを何らかの形で措置がとれるというふうにしたらどうだろうか、こういうふうに思うわけでありますが、もしお知恵がありましたならこの機会に教えていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
○大友参考人 別に知恵はございません。知恵はございませんけれども、私どもが消費の学習をいたしております場合でも、未然に何とか国の力なりあるいは地方自治団体の力なりで食いとめられるものならばそうしてもらいたいというのは万人の願いだと思うのです。ところが日本は、資本主義、自由主義の経済でございますから、それをあまりにきびしくするとやはり大企業だけが栄えるようになってしまうこともあるんじゃないか。だから、あまりそういうことも私たちとしては言えない。しかたがないからまあ特定製品から始めてもらおうじゃないか、それにはやはり基準をきびしくし、それから特定基準の品目を多くしていただいて、そしてなるべく早くやっていただきたい、こう思うわけです。 それと同時に、私どもも団体自体の中にモニターを置いております。そして団体の中で討議をして、これはおかしいと思ったものは早くこれを申し出る。やはり民間も賢くならないとなかなかできないわけでございます。 それと同時に、今後の学校教育でございますが、私どもが習う学校教育というものは、消費者教育というのは家計簿のつけ方とか、そういうものばかりが多かったのですけれども、少なくともこれからはやはり小学校時代から学習の中に消費者教育あるいは実験というものを入れて、いつでも科学的な目を持たせるような方向に行かなければならないと思うのです。 まあ、法律と関連がないかもしれませんけれども、以上申し上げます。
○岡田(哲)委員 先ほど、渡辺さんだと思うのでありますが、事前の防止ということについてちょっと触れられておったと思うのであります。この法で見ますと、緊急措置として販売停止、事前に回収をはかる、あるいは試買検査、こういう点があげられておるわけです。確かにこれも一つの方法でございますが、もしこれ以外にもさらに適切な事前の措置というものがありましたらお聞かせ願いたいと思うのです。
○渡辺参考人 この事前のチェック制度というのは、われわれも商品テストをやっております場合に、やはり出回った商品をきめられた一応の基準によってこれが危険であるかどうかということでチェックしているわけでございますが、新しい商品といいますか、これは全然いままでなかった商品、奇想天外なものが出てくるということは考えられないわけでございます。そうしますと、類似な商品というものが当然出回ってくるわけです。そのときに安全基準というものができている商品分類ですか、そういうものが数が多ければ多いほど、新製品が出る場合にその安全基準にひっかかっていくのではないだろうか、こういうふうに考えておりますので、まあ消費生活用製品でございますが、なるべく広範囲に安全基準というものができるということがある意味における危険な新製品の防止に役立つのではないだろうか、こう考えております。
○岡田(哲)委員 竹内さん、何かございませんか。
○竹内参考人 未然防止のためにといって、きめ手はこれというものはないと思いますけれども、一つは、これは私がいままで仕事をやっておって感じたことですけれども、同業者の良心的な通報、こういったものは非常に役に立つと思うのです。いまは不正競争防止法という法律がございまして、同業者のことを言うと引っぱられるというわけで、オフィシャルには一切言わないのです。だけれども、これは業界全体のために黙っていられないということで、私たちにひそかに教えてくれるのですけれども、そういうチャンネルを役所として何とかして持つことができないのかと私は考えるのです。役所でどうしてもだめというならば私たちのところでそれはやりますけれども、そういったものを役所へ私たちが取り次ぐ場合に、これまた非常にむずかしいのです。だれが言ったんだということになりますと、不正競争防止法にひっかかるからいやだ、こう言う。その点は、私たち非常にジレンマを感じます。 それから第二点は、企業の従業員が、ネーダーが言ったように、いわゆる内部通報ですね、こういったものが私たちのところへ、現に幾つも来ております。電気製品についても言ってきております。そういうのは、従業員として、公になってもかまわないという腹をきめて言ってくる場合はよろしいのですけれども、やはり首になっては困るがらという条件つきで言ってこられた場合に、非常に私たち取り扱いに苦慮いたします。それをそのまま役所へ持っていきますと、会社は、そのニュースソースはどこなんだということになりまして、非常にめんどうな問題が起こるのです。だから、こういったことをどうして処理すればいいかというのは、私たち非常に悩んでいる問題なんですが、これは皆さんでまたお考えいただきたい。 最後に、消費者の通報ですね、これは先ほど申しましたけれども、通産省のおつくりになった目安箱、これを本気になって活用するお気持ちがあるならば、どんどん消費者のほうから通報してくると思います。これは通産省のお考え次第だと思います。
○岡田(哲)委員 次に、せっかくこういう法律ができたのにもかかわらず、それが消費者の間に非常に徹底を欠くというようなことが起こった場合には、たいへん自画自賛といいますか、絵にかいたもちということに終わってしまうと思うのであります。この間も私、質問の中に強くその点は要請しておったのでありますが、いままでの通産省の宣伝のやり方は非常にへただ、こういう立場を私とっておるわけでありますが、PRのやり方を消費者の皆さん方、特にこういうふうにしてもらいたいというものがありましたら、この機会にお教え願いたいと思うのであります。
○大友参考人 資料が非常に不足でございます。ですから、資料をたくさんつくって配付していただきたいと思うわけでございます。 それともう一つは、消費者は非常に意識の差がバラエティーに富んでおります。したがって、安全ということをだれでも望んでいるのですけれども、その安全のマークはみなものによって違うわけです。電気製品だと三角Tという型式承認ですか、おもちゃの場合はST、今度の場合はSG、これを覚えるだけでも容易じゃないのでございます。ですから、混乱を起こさないように、今後の見直しのときに何とかシステム化していただいて、このマークを見れば安全だということがすぐ理解できるような行政体制というものがあったほうがいいように私自身は思っておるわけでございます。 それともう一つは、安全でないものをつくってあとで回収するということは、先ほど申し上げましたように、たいへんに不経済でございます。ですから、やはり業界のモラルというものが第一番で、これは行政指導が必要だと思いますが、と同時に、日本の罰則があらゆる面で非常に甘いというように私は思うわけです。単に安全法だけを強くしてほしいといっても各法律との関連がありますからそうはできないでしょうけれども、もっときびしい態度を国としてとっていただいたほうが、あとになって倒産させられるよりは、未然に防ぐ方法としていいのじゃないだろうか、こう思っております。
○渡辺参考人 いまの先生のお話は、私のほうで先ほど申しました要望の中に実は入っているわけでございますが、私たちも消費者協会でいろいろ教育事業なんかやっているわけでございますが、いわゆる目ざめた消費者は早く理解をするのです。ところが、一般消費者といいますか、わりあい無関心の方が多い。この人たちにいかに安全マークとかいうものを周知徹底させるかということにつきましては、非常にむずかしい問題がございますが、政府におきましても、予算その他の制肘はございましょうけれども、やはりPRということ、知らせるということが何しろ必要だと思いますので、一番周知しやすい方法、テレビその他を通じまして大いにやっていただきたいということであります。 それから、これは全国的な問題でございますので、御存じの各県に消費生活センターというのがございまして、そこでいろいろPRとか教育をやっておりますが、この辺の活動ももっと大いに積極的にやっていただく、何しろ地方公共団体のほうがより一生懸命にやっていただきませんと、中央だけでやろうというのはなかなかむずかしいだろうと思いますので、ぜひ地方公共団体で大いにこの問題につきましてPRしていただきたい、こう思っております。
○竹内参考人 いまのPRの問題ですが、お役所にそういうことを申しますと、まず自分でもってパンフレットをつくったり、何かそういうことでないとPRでないというようにお考えになるらしいのです。それで予算がないから困るということなんですけれども、私たちが考えますのに、ほんとうの意味のPRということは、なまなましい事実を知らせるということが一番ではないかというように思うわけです。 いままで苦情処理の結果は、たとえば国民生活センターだとか各地の消費者センター、そういうところでもって苦情処理についての報告がございます。これは苦情があってこういう処理をしたというその実績の報告なんです。それで完結しているりっぱな資料であるには違いないのですけれども、私たちは、ほんとうの意味のPRというのは、こういう事故があった、あるいはこういう通報があったということをそのままみんなにぶつける、これは少しオーバーな言い方をすれば、警察が公開捜査というのをやりますけれども、ああいった方式で、でたらめの通報じゃ困りますけれども、ある程度信憑性があると見たならば、こういう事故の通報があったぞということを知らせれば、ここにもあった、あそこにもあったといって、みんなが気がついてまた言ってくるというようになるだろうと思うのです。そういう形でやるのがほんとうの意味のPRじゃないかと思うのです。その場合には、利用するのはマスコミです。自分で予算を使ってパンフレットをつくることだけがPRだという考えは、もう古いのではないかというように考えます。
○岡田(哲)委員 ありがとうございました。 以上で終わります。
○浦野委員長 神崎敏雄君。
○神崎委員 初めに私は、参考人の三人の方々に心から御苦労さまというごあいさつを申し上げるとともに、ひとつ御意見を伺い、それから訴えたい。 時間が十五分なんですので、私も簡単にお尋ねするつもりですから、御答弁もひとつ簡潔にお願いします。往復十五分しかございませんので、この点をお願いいたします。 この法案がきわめて重要だというのは、先生方にも行っておると思うのですが、この「消費生活用製品安全法の必要性」という薄いパンフレットですが、これは二一ページしかないのです。この中に、一般消費者の生命または身体に対する危害の発生の防止とか、生命または身体に重大な損害を生じた場合とか、こういう文言が十カ所も出てくるのですね。したがって、私たちの命にかかわるきわめて重要な問題である、このように思うわけです。 先ほどから渡辺さんも、安全性について気をつける、苦情はよく聞く、こういう話をされておったのですが、先般われわれが当局からいただいたものには、何と苦情が三千六百三十六件あるのです。その中で、先ほどから公表せいと皆さんおっしゃっているので、私たちもそういう考えですから、この三千六百三十六件を全部公表せいということを資料要求いたしました。そうすると、これまた皆さんのところに行っておるかどうか知らぬが、いまこの席上で、私の要求で違反電気用品一覧表というものが出ました。これの中にも、二十七のメーカーの電気関係だけの違反電気用品一覧表というのが出ております。 そういうことで、通産省が現在握っているだけでも八百件ある。こういうようなことでございますので、家庭用品品質表示審議会の委員であられる渡辺さんにまずお聞きしますが、いま巷間一番問題になっている大きな問題の一つは合成洗剤ですね。中でも資生堂が製造販売しておりますところのクリーナ、これは安全なのか危険なのか、御見解をまずお伺いしたいと思います。
○渡辺参考人 はなはだ申しわけないのですが、クリーナにつきまして、私は現在、これが安全である、あるいは危険であるということにつきましてはっきりした、確固たるあれは持っておりません。
○神崎委員 先ほどからたびたびコカコーラの実例も出ておりましたが、御存じなかったら一つの実例を簡単に読み上げて、認識をしていただいて、ひとつ手を打っていただきたい。 というのは、これは島根県の斐川町の金森病院で起こった最近の事件です。この病院では、食器やら野菜洗いにこのクリーナを使用したのです。これは昨年の十二月に購入いたしました。ところが、これを使用しておった給食担当の女子従業員三名が、一月中旬ごろから手や顔が赤くはれ上がって、湿しんが出たのですね。ひどい人は湿しんのために目が見えなくなり、一カ月余り休みましたが、それでもよくならないので、松江市の病院で治療を受けました。そして県の消費センターに洗剤の分析調査を依頼しました。そうしてそのセンターを通じて資生堂の島根販売店、これは松江市にありますが、これに連絡をいたしました。そうすると、会社側は、道義的な責任は感ずるといって、そこの八木という常務がこの三名を訪れまして、三名に対して十万円——先ほどコカコーラ一箱持ってきてという話がありましたが、十万円を見舞金に持ってきました。 ところが、この三名は、これは受け取らずに、先ほど皆さんおっしゃっているように世論に訴える、そういう立場から、被害者は、まず一に、洗剤の追跡調査を実施し公表せよ、二番目は、同じ製品の成分を分折すること、三番は、企業責任を認めること、四番は、成分表を明示し、使用法もわかりやすく説明すること、お金を取らないでこのことを要求しました。問題のクリーナは同社の東京の向島工場の製品ですが、これの入れもののかんには、N二三〇を加えたソフトタイプ、すなわち手荒れ防止剤配合というやつですね、こういうことを書かれて、使用法というようなものは一切書かれておらない。注意書きがない。こういうことで安心して使っておったらこういう結果になった。これについて大友さんの御意見をひとつ伺いたいと思うのです。
○大友参考人 お答えいたします。 合成洗剤は、いま私どもの全地婦連では問題になっております。それで、その問題は、ABSというものが皮膚に影響するのじゃないだろうかということで、これにかわる安全な粉石けんというものを利用したらどうだろうかという話になって、島根県その他二、三の県ではすでに粉石けんを利用しているようでございます。私も二、三年前でしたか、新聞に報道がありまして、手を洗って、そして金魚の池へ入れたら金魚が死んじゃった、そういうことがありまして質問したことがありましたけれども、私はやはり好ましくない、ですから、今後はこれはなるべく使わないほうがいいだろうということを考えております。 以上でございます。
○神崎委員 そうすると、資生堂のクリーナというのは有害であるというふうに理解をいたします。 次に、これも身体安全に関連いたしまして、少し違うんですが、これは竹内先生にお伺いします。 特に私たちの身の回りに直接大きな影響のあるPCBですね。これは御承知のように熱や酸、アルカリに強くて水に溶けにくいので非常に絶縁性に効果がある、そういう形からこのPCBの用途は非常に広く利用されております。自然界にこのPCBが一たんあらわれますと、人体にきわめて強力な悪影響を与える。この前も委員会でだいぶこのことでやりとりをやったんですが、訴えを含めて御意見を聞きたいのです。 絶縁油として使っているのですが、特に新幹線、それから地下鉄、この電車のパンタグラフですね。パンタグラフにこういう箱がございますね。あれが全部PCBなんですが、この場合カネクロール一〇〇〇、それからアクロールT一〇〇です。現在すでに新幹線の場合は東京−岡山間を拡散し続けて時速二百キロで走っておる。ところが、御承知のように、日本列島改造で新幹線を九千キロにするというんですね。そうしますと、この車両数というのは、現在の数千、数万も車両をふやさなければならぬと常識的に考えるのですが、現在でもこういう人類に大被害を与えるようなPCBを拡散しているのに、さらに、これからこれが数百倍、数千倍、数万倍になればどういう形になってくるかということが一つ。 いま一点聞きたいのは、これまたわれわれの身の回りに毎日のように接触する蛍光灯、塗料、冷蔵庫、洗たく機、クーラー、電子レンジ、印刷用インキ、それから接着剤、床タイル、トイレットペーパーなどなど、あらゆるものにPCBが関連しているのですね。いま問題になっているカラーテレビあるいはノンカーボン——このノンカーボン紙なんか、先ほどの洗剤と同じようにいま非常に問題になっておりますが、このPCBと人体との安全性と危険性にまつわる御所見を簡単にひとつ御発表していただきたいと思います。
○竹内参考人 実は私も、いまのPCBが電気製品に使われておるということで、ある電気メーカーの人と議論をしたことがございますけれども、そのときに電気メーカーの人が言うのには、たとえば変電所で使う——あれは何ですか、私失念しましたけれども、その機械がPCBを使うことによって容積が何分の一にもなるというんですね。非常な合理化になるというんです。そのときに私、気がついたことは、そういう安定性の高い物質が開発されて、それがいろいろな工業製品に使われる。それはやはり合理化、コストの切り下げという一点でもってそれが追求された。それによるわれわれ人体に対する——人体ばかりじゃございません。あらゆる生物に対するマイナス面ということは全然考慮されなかったという点に気がつきまして、そういう合理化ということをメーカーで考えられた場合に、そのマイナス面をあわせてどうして考えなかったのかと聞きましたら、自分たちは電気メーカーだから、それはよそさんがお考えになることでしょう、それは法律で禁止されない限り私たちはその合理化を追求する、それだけですというような答えが返ってまいりまして、がく然とした記憶がございます。 最近、通産省がそういう特定の化学物質の製造についての規制をしようという法律をお考えになっているということを聞いたのですが、あのカネミのライスオイルもこのPCBによる被害なので、こういう事故が起こってから、そうして日本じゅうが汚染されてから気がついたのではもう手おくれなんですけれども、まあ手おくれにしても、今後は一切、そういった新規物質については、いまの生物体にどのような影響があるか、そういう影響がマイナスに出る場合には、いかに工業製品の合理化に役立つとしても、それは使わせるべきではないという大原則が確立されないと、この事故は今後もまた起こってくるのではないかというように考えるわけです。
○神崎委員 あと二分しかございませんので、あと一つだけ伺います。 先ほど竹内さんは、行政運用の面で役所に対して非常に不信感を持っておる、こういう御意見を二、三度発表されました。また、あらゆる点で、いまのやり方についての不十分さについて、おことばはやさしいのですが、心の怒りを私は感じて、私も同感の意を表しておきたいと思うのですが、特に御指摘になった審議会のメンバーの中に業界人を入れるな、この強い、あるいは天下り人事はやめろという御意見、これも同感です。 これも先般やったのですが、特に中で強調していただきたいのは、ここに審議会の名簿があります。これを分析しますと、二十二人のうち十四人、いわゆる六四%が業界出身ですね。二十二人のうちの十四人、六四%がこの審議会のメンバーである限りは、先ほどからおっしゃっている、特に竹内さん、大友さん、きょうお越しの御三人の御意見などを強力に反映をしていただいて、先ほど冒頭に申しましたように、単なるマークを張るとか、チェックするとかいう技術的な問題とか小手先の問題ではなしに、抜本的な、人間の命を守るという——きょうまでわれわれは無事に生きてまいりましたけれども、あすから将来に向かって、あるいは後世の人たちの命を守るという立場から、消費生活にまつわる製品に対する安全性についての審議会委員の立たれている位置、それからつとめられる任務、性格は非常にきびしいものであるということを、失礼ですが御認識していただきまして、どうかひとつ、りっぱな形に私たちのまわりを守っていただきたい、これを希望申し上げて終わります。ありがとうございました。
○大友参考人 消費者の代表として非常に責任を感じます。しかし私は、政府の責任がより重大であると思うのです。 一九六二年にちょうどアメリカに参りましたときに、カールソン女史が、殺虫剤のDDTのようなものは非常に人間に影響があるということで、エコロジーの立場から「沈黙の春」という本を書かれました。それを読んだケネディ大統領が、さっそく調査をさせて全面的に禁止をされたというお話をたいへん感動深く聞いてまいりました。その点から申しますと、日本の政府も例外ではないはずで、政府自体の態度もはっきりしていただく必要がある。私たちももちろん責任を感じますけれども、やはり国と民と業界と三者一体にならなければ、効果はあがらないと確信しております。
○神崎委員 ちょっと一分間。 その点については、これから公害対策委員会とか、先般のこの法律のときに、通産当局や関係当局に、われわれの立場として、国民の代表としての意見は十分申し、さらに今後、私たちはその立場で追及してまいりますから、どうかひとつ、中からも積極的にやっていただきたい、こういうことをお願いして、終わりたいと思います。
○浦野委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 参考人の方にお伺いする前に、一点だけ政府にお聞きしておきたいと思いますが、年間、新製品の数というのはどれくらいできるのですか。きょうは局長も来ておると思いますので簡単に……。
○村岡説明員 御説明申し上げます。 複雑多岐にわたります消費生活用製品全般につきまして新製品が年間何件あるか、はなはだむずかしい御質問かと思います。私どもも全貌をとらえてないということでございますが、各種の情報から、私どもがこの法律を立案いたしますときにとらえました新製品の数をかわりに申し上げますと、大体年間二、三百件ぐらいであります。ただし、その新製品というのが一体何かということが非常に問題でございまして、アメリカの法律では非常にきびしい定義をしております。エネルギーの変換形態の変更とか、あるいは従来使われたことのないマティリアルを使うとかいうぐあいに非常に局限されております。そういうような定義でまいりますと、件数が非常に減るかと思いますが、ただいま私が申し上げました数字はもう少し幅広いものをつかまえている、こう御解釈いただければありがたいと存じます。
○近江委員 それで工業品検査所に商品テスト部というのが今度できまして、四十八年度予算では千二百万程度政府は組む予定であるということを聞いておるわけですが、しかし、この法案の中身を見ますと、型式に至るまでいろいろとここで検査するわけですね。こういうようなことで、法律はつくっても実際にこんな程度で動くかどうかということですね。こういうことについて竹内先生はどう思われますか。
○竹内参考人 私もその点を非常に心配するものですから、先ほど来数々申し上げているわけなんですけれども、いまお話しの予算面におきましても、こういうことで、はたして法律の目的が達せられるんだろうか、非常に心もとなく思っておる一人でございます。
○近江委員 私も、竹内先生おっしゃったように、こういうことでは法案をつくってもほとんど機能を停止する、ほんとうに消費者のそういう立場に立ってこれを充実していく上におきましては、もっと政府は本腰を入れなければいかぬと思うのです。われわれ国会でもこの点はやかましく言っていきたいと思っておりますし、消費者代表の先生方からも、この点は政府に対してやかましく申し入れもやっていただいて、われわれ国会と消費者の皆さんと団結して、さらにこの充実ができるようにお願いしたいと思うのです。 それから常時監視の体制ですね。これは要するに、何かあれば大臣に言ってこいということが法案にも盛られておるわけですけれども、しかし国民に奉仕するという立場からすれば、政府はもっと常時監視という強い体制で臨んでいく必要があると思うのです。その辺がどうもこの法案を見ても非常にぼやけておるわけですね。この常時監視という体制について先生方に具体的に何かいいお考えがありましたら、お教えいただきたいと思うのです。三先生からひとつよろしくお願いしたいと思うのです。
○渡辺参考人 先生のおっしゃるとおり、常時監視という体制が整えば非常にいいわけでございます。試買検査というのが当然今後行なわれると思いますが、こういう試買検査を積極的にやっていただくということだろうと思いますが、ただ、国のほうが全部をカバーする。というのはなかなかむずかしいという点もあると思います。私たち消費者協会では商品テストというのをやっております。 〔委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕 新製品につきましても、ときどき試買検査をやる、あるいは比較テストのときにも安全性を中心としたテストを十分行なっております。 それから、地方の消費生活センターというのもそれぞれの分野でやっているわけでございますが、やはり何といいましても常時監視体制というものをシステム化しまして、当然国でやっていただくにこしたことはないと思います。それをどういう方法でどういうふうにするかということにつきましては、われわれ消費者団体としてはなかなかむずかしいわけでございますが、ただ御存じのとおり、先ほど御紹介申し上げましたように、苦情というものが、ある意味におきまして、われわれが気がつかない、あるいは政府も気がつかないようなかっこうで出てくるわけでございます。それを取り上げますことによりまして、すぐ対応できるというようなかっこうになると思うわけでございます。この苦情処理という方向も一つの大きな、常時監視体制の補完措置とすれば重要な仕事だろう、こういうふうに思っております。
○大友参考人 常時監視というのは非常にむずかしいのでございまして、やはり地方自治体の権限を強めるということが第一点じゃないかと思います。 それからもう一つは、各県に消費生活センターがつくられてかなり利用はされておりますけれども、高度な技術はまだ持っておらないように思うのです。それで、やはり技術者の養成をするということ、そしてなるべく技術者を多く配置しましてそしてやっていただく、こういうことがよろしいんじゃないかと思っております。
○竹内参考人 大友参考人からお話しのあった件は私も同感でございますので省きますが、先ほどもちょっと申しましたけれども、同業者がいまのところ不正競争防止法というのをえらくこわがりまして、一切言わないという、これは法律の解釈について、一ぺん政府でもって、こういう趣旨でこういう範囲であるならばいいんだということをはっきり示していただければ、同業者は良心的な通報はすると思うのです。これが私はいま一番のネックになっているのじゃないかと思うのです。 アメリカでは、御承知のようにベター・ビジネス・ビューローというものがございまして、同業者同士でお互いに相互監視をするというシステムができておるわけで、そういうものが日本でも早く育たないと、みんな十分に知っていながら黙っておるわけです。これじゃちっとも改善にならないのだろうと思うのです。そして悪徳業者だけがのさばっている、役所はそういうことを知らないで取り締まりをしない、これじゃ正直者がばかを見る、そういう悪循環になっていくのではないかと思いますので、先ほども申しておりますけれども、ペナルティー、社会的制裁、あらゆる意味におけるペナルティーをきびしくかける、そして少しでもそういう事故を起こした場合には、もう二度と経営体として立ち上がれないという、そのことを事実でもって見せつけるしかないのではないかというように思うわけです。
○近江委員 それから、この表示の問題につきましては、大友先生からも先ほどお触れになったわけでございますが、カナダ等におきましては、たとえば爆発するものは爆発する絵がかいてあるわけですね。一目りょう然でわかる。そういうように諸外国では非常によく知恵を働かしているわけです。わが国では、どうもむずかしいことばで書いてみたり、先ほど大友先生はバラエティーに富んだ人がいるとおっしゃっておりましたが、そのとおりだと思います。 この表示の点につきましては、竹内先生はいままでそういう点で非常に新しい提案等もなさっておられたわけですが、何かお考えがありましたらひとつ披露していただきたいと思うのですけれども、何かございませんでしょうか。
○竹内参考人 日本でも、たとえば繊維製品については絵表示という、これは非常に好評であるようですけれども、そういった視覚に訴えるという形での表示は、これからますます開発していかなくてはいけないと思います。 それからもう一つは、アメリカなんかでは、危険なものはデンジャーと書いてあるんですね。危険だということをはっきりと赤い字で書くとか、そういうことを平気でやっております。ところが、日本の場合は、そういうことを書くと商品のイメージが落ちるから困ると業者がしつこく言うわけなんです。これは私たちがタッチしたことですけれども、台所用の合成洗剤について、子供の手の届かないところへ置けとか、あやまって飲んだら吐かして医者へ連れていけとか、そういった注意表示ですね。これもやかましく言ってやっとこさあれは載っけるようになった。業界は役所から強姦されたと言っておりますけれども、そういうセンスなんです。ですから、これは業界人の頭を徹底的に切りかえさせませんと、私たちが希望するような表示というものはなかなかできないだろうと思っております。
○近江委員 それから、この協会の問題でありますけれども、今後運用をうまくやってくれればいいわけですけれども、私たちは決して業界の立場には立たない、消費者の立場に立って常に政府に対して意見を言い、それを実現できるように促進をしておるわけです。 しかし、業界の中にも、大企業と中小企業、零細企業というものがある。常にこの中小企業や零細企業というものは大企業によって痛めつけられておる。そこで、いまわが国においても、自主技術の開発ということが大きな技術革新の目玉になっておるわけです。たとえば零細のところが新製品を発明した、開発をした、消費者のためにもなる、ところが、そういうものを売られると、大企業は非常にマイナスになる、こういう場合、そこでいろいろと協会というものを利用して圧力をかけて売り出しをさせないというような、そういうことも、将来は、これは非常に悪い考え方かしれませんけれども、あり得ないとも言えないわけですね。中小企業、零細企業という立場からいきますと、そういう心配な点も一つあるわけです。そういう点で、協会の運営ということはいろいろな問題が今後出てくるのじゃないか、私このように思うわけです。 そういう点、消費者代表の皆さんとして、中小も零細も大企業も、もちろん安全という点からいけば何も関係ないわけですけれども、しかし中小、零細の保護という立場からすると、それが変にやられると困るのじゃないかと思うのです。その辺についてはどのようにお考えですか。これはどの先生でもけっこうですけれども、協会の運営ということにつきまして……。
○渡辺参考人 安全協会の設立は、この法律の趣旨から申しまして消費者保護の立場から当然できたものだ、こう思っておるわけでございます。したがいまして、運営につきまして消費者の立場に立った製品ができるようなときに、それが中小企業だからどうだといって圧力をかけるようなことは本末転倒もはなはだしいだろう、こう思うわけでございます。 ただ、別な観点から申し上げまして、中小企業というのは、技術情報といいますか、こういうものは大企業に比べまして弱いという点もございますので、政府の諸機関、いろいろ国立研究機関その他がございますが、そういうところで得られました安全性に関する技術情報につきましては、これは別に中小企業にだけ流すというのはおかしな話ですが、できるだけ流していただきたい。それで安全性を高めるような製品をつくっていただきたいというふうに考えております。
○竹内参考人 いまのお尋ねについて補足して申し上げますと、私たちが商品を選ぶ場合に、こういった安全基準その他のいろいろな商品を選ぶ場合の指標がはっきりしていない場合は、どうしてもメーカー品を買いましょう、大企業のもの、一流企業のものなら安心だというわけで選ぶ傾向があるわけなんですけれども、こういった形で安全基準というものが客観的につくられまして、それがはっきりと表示され、そのとおりの商品がつくられているということが保証されているならば、これは大企業であろうと中小企業であろうと、その製品に甲乙がないということで、安心して、あとはその値段の比較で買うということが可能になるのではないか。そういう意味では、良心的な中小企業はそこで生きる道があるのではないか。私は、逆に、こういうことによって、まじめな良心的な中小企業が伸びる可能性が出てくるのではないかというように考えております。
○大友参考人 一般消費者はどうしてもいままでブランドを信用するということが多かったわけです。ところが、私どもで再販制度の廃止運動をしまして、再販製品の化粧品と、私どもが共同購入しておりました百円の化粧品の内容が、わずか百円と千三百円で中身は二十八円八十五銭しか違わない、こういう現実がテストの結果わかりまして、それをPRいたしましたら、たいへんに消費者が信用するようになり、やはりブランド買いはあまりうまくないということがいまわかりつつあるようでございます。
○近江委員 終わります。
○稻村(左)委員長代理 松尾信人君。
○松尾委員 きょう御参集いただきました三人の参考人の方々は、かねがね消費者を代表いたされましていろいろ問題の処理に当たっていらっしゃるわけでありますが、今回この消費生活用製品安全法という法律をつくっていきたい、これで一応政府としましては、この法律のもとで、政府また地方公共団体、それから安全協会というような体制をひとつつくっていくわけであります。 皆さまといたされましては、今度は消費者の保護ですね、これはどこにまず消費者が行ったらいいか、その苦情の処理の問題ですね。先ほどお話のとおりに、端緒を早くつかむというような問題がありまするので、消費者は一体私はどこに行ったらよかろうかというのが偽らざるところであろうと思います。ですから、消費者としましても、消費者団体としましても、政府からすとっと法律に基づいてそのような体系ができておりますように、お取り上げくださる皆さまのほうにおきましても、消費者の窓口をきちっきちっとはっきり今回はおつくりなさっていくことがまず必要であろう。いままでもそうでありましょうけれども、今後は、この安全法に関する限りは特にそのような傾向をおとりなさったがいいのではないか、こう思うのであります。要するに運用の問題であります。でありますから、消費者というものはまずどこにいらっしゃいということですね。それは三つのきょうの団体ですから、それぞれの窓口で、いらっしゃい、このようなことをはっきりお教え願うようになっておるかどうか。 それから、結局苦情の処理の問題になりますけれども、これが非常に時期的におくれてもまずうございます。先ほど竹内先生からは、半年、一年かかるというようなお話もございまして、こういう具体的な損害補償の問題、こういうものをどのように取り上げられるか、またいままでに解決された事例があるかどうかですね。 〔稻村(左)委員長代理退席、委員長着席〕 今後は、特に私はこの苦情処理の機関としての皆さま方の大きな努力というものが非常に必要であろう。消費者というのは、ほんとうにあすこに行ってうまくできました、ほんとうにこれで問題が解決してよかったというようになりませんと、この法の運営というものはうまくいかぬのではないか。片方の政府の機関だけではなかなかうまくいきませんよ。それを取り上げる、そして地方公共団体ともいろいろ当たる、また消費生活センター、そういうものとも皆さま連携をとられ、企業のほうに対しても、皆さまのほうでも、事故の起こった消費者の代表としていろいろ当たられる、そして問題を解決するというようなことも私は必要であろう、こう考えておるわけでありますけれども、いままでの苦情の取り上げの実情と、今後はさらにこのような法律に基づいて皆さま方のほうで窓口をきちっとして、このようにやっていこうということは、はっきりきょうお示し願いたい。それで私の質問は全部終わりたい、こう思うわけでありますが、これはひとつ皆さま方の見解と、今後の運営のしかた、そうして法の目的に沿った、消費者を守っていくという立場を貫くという点を逐次はっきりさせていこう、こう思って聞いておるわけであります。よろしくお願いします。
○大友参考人 ただいまの御質問は、ほんとうに大事なことだと思います。実は私は、昭和三十年度から何か学習する場合には、必ず実情の調査をしまして、そうして問題点を把握しておったのです。それできょう御質問があると思いませんからその数字を持ってまいりませんでしたけれども、消費者の苦情はどこの窓口に一番出しているかということを三年前にやりました。ところが一番多かったのは、やはり消費生活センターであるとか、あるいは県の窓口、それから婦人団体の窓口というわけでございまして、市町村の窓口を利用しているということが少ないのです。それは、市町村で窓口をつくっていないところが非常に多いということです。それと、同じ市町村の中でも、商工課が窓口をつくっているところと、あるいは総務課とか別な課でやっているところとまちまちでございます。たとえば埼玉県の場合ですと、最初埼玉県は、県が消費行政をあずかるところとして商工部に置いたわけです。そうしますと、それをまねたところはいまもって商工課にあるわけです。ところが、その後、県民生活部というものができまして、そのあとにできた市町村段階ではそちらの関係にできたというわけで、おそらく全国はまちまちじゃないかと思うのですが、何といっても国の体制よりも末端の自治体制の確立が必要なんじゃないか、この点やはり行政指導をなさることが最も効果的だという気がいたします。お答えになるかどうかわかりませんが……。
○渡辺参考人 先生御指摘のとおり、一般消費者が苦情を申し出る窓口というのはいろいろございます。これが多ければ多いにこしたことはございません。私のほうも全国に百カ所窓口といいますか、われわれの要請いたしました消費生活コンサルタントとか、あるいは地方の消費者協会というところに窓口を置きまして、苦情処理といいますか、苦情の申し出のしやすいようなかっこうで処理してございますが、やはり日本は広うございますので、あらゆる方法を通じまして、いま大友参考人が申されました地方の消費生活センターとか、あるいは婦人団体とかいうようなところをもっともっと皆さんに知っていただくということがまず必要だろうと思うわけですが、何といいましても、目ざめた消費者をなるべく多くすればするほどそういう問題を解決していく、一般無関心層をなるべく早くこういう問題に目を向けさせたいとわれわれも考えておるわけでございます。 たまたま実例的に申し上げますと、私が苦情処理をやっておりまして、いまいろいろ解決した例がございます。私が最後に先ほど陳述のときに申し上げましたが、玩具の例でございます。子供の遊ぶパチンコでございます。おとなのと違いまして、その場合に子供さんがそのパチンコの玉でけがをしたという実例がございました。その機械を取り寄せましていろいろ調べてみたわけでございますが、初めそれをそのメーカーのほうに持ち込みました場合に、絶対そんなものがこわれるわけがない、玉がですね。ところが、いろいろ私のほうで苦情を申し出た人たちとやってみますと、玉が空中でぶつかってこわれたというようなことで、そういう実例がございます。ですから、今後われわれといたしましても大いに積極的に苦情処理をやっていきたい、こう思っております。
○竹内参考人 私どものところは告発団体というニックネームをもらっているくらいでございまして、毎日のように苦情が参ります。年間数百件に及ぶのですが、仕事の大半がこの苦情処理だといってもいいかと思います。私どもは個々の苦情を個々の問題としてただ解決するというだけでなくて、変なことばを使っておりますが、苦情の社会化と申しまして、それを制度の改正とか、そういったことにつなげるというようなやり方で、たとえば役所に告発するとか申し入れをするとか、それから直接企業に申し入れをするとか、そういうような形で仕事をやっております。 それから、いろいろ技術的に私どもしろうとでわからないことは、たとえば東京都の消費者センターに分析をお願いするとか、そういうような形で協力を仰ぎまして仕事をやっております。ですから、消費者の苦情の窓口というのは、もう仕事全体が窓口だといっていいかと思うくらいやっております。 それから第二点の損害補償につきましては、これは私どもが企業に、いまのコカコーラの破裂事故を例にとりますと、コカコーラ会社に私どもが直接手紙を出してどうするんだということはもちろん申しますけれども、ああいう人身事故の場合に損害補償額を計算するのはわりあいめんどうなものですから、こういう場合には私どものグループの弁護士さんにお願いをしまして、その被害者の補償の問題はそういう形で解決をしてもらっております。そういうことをやっております。
○松尾委員 よくわかりました。それで、結局安全協会というのが向こう側へきちっとできるわけでありますから、消費者もいろいろ考えますけれども、もう一つその段階までにひとつ皆さん方において安全協会みたいな、消費者がほんとうにたよれる、またそこに行けば何でも解決できる、おまけに損害賠償の問題等も向こうに行けばなかなか弱いけれども、皆さんのところできちっとやっていただいた、このようなことの方向に今後しっかりお進め願いたいということを申し上げておるわけでありますから、これはどなたか一人でけっこうですから、代表として一言お話を願いたい、こう思います。
○大友参考人 民間が何ものにも左右されないような協会がほしいということは、われわれ団体がいつも申しているのです。ところが、婦人は非常にけちでございまして、その資金がばく大にかかるもんですから、テスト機関をつくるということになりますとたいへんなお金が要るために、それができないというのがまことに残念だと思います。おそらく将来は、民間の消費者団体が結集しまして出資してやりましたら、アメリカのようなものができないという保証はないだろう、早くそうなってくればいいということを念願しております。
○松尾委員 どうかその間、皆さんでひとつしっかりがんばってください。 きょうはどうもありがとうございました。御苦労さまでした。
○浦野委員長 以上で、参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 次回は、明十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十四分散会