商工委員会 第15号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/06
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、工場立地の調査に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 —————————————
○浦野委員長 提案理由の説明を聴取いたします。中曽根通商産業大臣。
○中曽根国務大臣 工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 工場立地の調査等に関する法律は、工場立地の適正化に資することを目的として昭和三十四年に制定されたものであります。 近時、工業再配置対策や農村工業導入対策などによる国土の均衡ある発展のための諸施策が講じられておりますが、今後の工業開発を進めるにあたって最大の問題は、地域環境と産業活動との関係であります。 この問題を解決するため、今後の工業立地に際しては、公害、災害等の防止に万全を期することはもちろんのこと、進んで工場緑化等を行ない積極的に地域環境づくりに貢献することを基本として進めることが不可欠であります。 これを実現するためには、公害に関する規制の強化、防止技術の開発等と並んで、工場立地の段階から、企業みずから周辺の生活環境との調和を保ち得る基盤を整備し、社会的責任としての注意義務を全うするよう誘導、規制していくことが必要であります。 このような新たな観点を加えて工場立地の適正化を推進するため、この法律案を提出することとした次第であります。 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。 第一は、工場立地に際しての敷地利用のあり方に関する規制の強化であります。 まず、工場の生産施設、緑地等の面積の敷地面積に占める割合並びに緑地等及び特定の施設の配置に関する準則を公表するとともに、工場の設置前にこの準則にかかる事項についても届け出なければならないこととしております。 次に、その届け出の内容が公表された準則に適合せず、周辺の生活環境の保持の観点から問題があると認めるときは、必要な勧告、命令を行なうことができることとしております。 第二は、大規模な工場が集中して設置されると予想される地域についての特別の規制であります。 かかる地域は、公害の防止につき、特に配慮をする必要があることにかんがみ、まず工場立地に伴う公害の防止のための調査を実施することとしております。 さらに、このような地域に設置される工場については、大気または水質に関する公害の防止のための措置の届け出を義務づけるとともに、重合汚染を生ずるおそれがあると認めるときは、必要な勧告、命令を行なうことができることとしております。 その他本法律案におきましては、所要の助成措置、罰則、権限の委任等について規定を整備しております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○浦野委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○浦野委員長 通商産業の基本施策に関する件及び中小企業に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稻村左近四郎君。
○稻村(左)委員 繊維の問題について質問を行ないたいと思います。 わが国の繊維産業は、明治以来幾多の困難を経ながら、戦後着るに衣なく、食うに食なく、住むに家なく、荒廃の中から今日の目ざましい経済発展をもたらしたのでございます。わが国の経済発展に寄与した繊維業界の役割りというものはきわめて大きいものがあると思います。しかし、内外の情勢の変化に伴いまして、すなわち、アメリカのドル防衛政策、あるいはまた、これによる保護貿易主義化、発展途上国の急速な追い上げ、また国内的には労働事情の変化、需要構造の変化、円の変動制移行、わが国経済政策の福祉優先化等、繊維業界を取り巻く状況は非常にきびしいものがあるのではないかと思います。 そこで、私はこれらの諸状況を勘案いたしまして、いま一つの大きな問題になっておりますところのやみ織機の問題を中心として、大臣、通産当局に対して若干の質問をいたしたいと思います。 そこで、織機の登録制はいつごろから行なわれているのか、繊維局長にお伺いをいたします。
○齋藤(英)政府委員 お答えいたします。 織布業におきましては、中小企業安定法の時代から、すなわち昭和二十七年あるいは二十八年ごろから、調整規程によりましてインサイダーのみの登録制が行なわれておりましたけれども、その後二十九年、三十年アウトサイダーも含めまして、通産大臣の命令によります登録制及び織機の設置制限を行なっておるという次第でございます。
○稻村(左)委員 さきの六十八国会におきまして、特定繊織工業構造改善臨時措置法の一部改正案の成立の際に、無籍織機の実態調査をすることを決議いたしました。 その調査の結果によりますならば、六月一日現在で無籍織機が約十二万六千台と聞いております。しかし、その後も無籍織機がふえ続けておるということを私は聞いております。ここに無籍問題のむずかしさがあると思いますが、無籍織機の発生の根本原因はまず何だと考えておられるか。 それからまたもう一つは、現在把握している各業種別の有籍の台数、これに対する対比を局長からお示しを願いたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 お答えいたします。 無籍織機が発生をいたしました原因につきましては、いろいろ理由があると思いますが、時代によりまして、あるいは時期によりましていろいろ原因がございます。簡単には言いきれないことであろうと思います。 しかしながら、これを大観いたして申し上げますならば、第一に、私どもとして反省しなければいけないことでございますが、監視体制が必ずしも十分でなかったということにつきましては、私どもも反省をいたさなければいけない点があろうかと思います。しかしながら、四十六年度以降につきましては、産地組合におきます監視体制を強化するというふうな措置をさらにとりました等で、現在におきましては、その辺につきましては遺漏ないようにしておるつもりでございます。 それから第二に、織布業はやはり技術的に申しましてもそれほどむずかしくない事業でございます。したがいまして、新しい事業を始めます場合にも、台数にもよりますけれども、それほど多くの資本を要しないというふうなこと等もございます。したがいまして、新規参入というのがわりあい容易であったということも考えられるのじゃないかと思います。 それからなおつけ加えて申し上げますならば、いわゆる織布業の受注先でございます商社、問屋というふうなものがございます。こういう方々が、あるいは値段を安くして発注ができるというふうなこともございますために、零細業者に対して織機を持つようにすすめたというふうなことなども、あるいは無視できない原因になっているのかもしれないということも考えられるわけでございます。 それから第二のお尋ねでございました有籍織機のことでございますけれども、有籍の織機は全部でおおむね七十万台ぐらいございます。それから無籍織機は、いま御指摘ございましたように、概数で十二万六千台でございますが、種類別に申し上げますならば、綿スフで無籍織機の台数は五万七千台ぐらいございます。それから絹人繊は三万六千台、毛織物は二万三千台、麻、タホルそれぞれ千台あるいは七千台というふうに非常に少のうございます。
○稻村(左)委員 時間がありませんので、簡単にひとつお答え願いたいと思います。 それでは大臣にお伺いしたいと思います。申し上げるまでもなく、織機は、中小企業団体法に基づきまして、機械の設備制限規制で、一切の機械につきまして設備制限をして登録をしいているわけですが、相当数無籍織機のあることは、いま局長が答えられたとおりであります。およそ、需給のバランスは、有籍、無籍を含めて、生産高によるものであると私は考えております。特に、無籍業者というのは、大臣も御承知のように、零細中の零細がやっておるわけです。これを取り除いていくことは生業を奪うというような形から、社会問題も起こしかねないのではないか、こういうふうに私は考えております。正直者がばかを見る、こういうようなこともいろいろいわれておりますけれども、認知をされない子供に責任がある、認知をしないところの親に責任がないという形でこれを持っていくということがはたしていいのかどうか、こういう問題について、ひとつこの観点から大局的な立場に立ってどう対処されるか、大臣のお答えを願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 無籍織機が生まれているということは非常に残念な、遺憾な事態でございます。これは二つの面が御指摘のとおりございまして、一面は、事実としてそれらの織機が稼働し、あるいは税金を納めているというなりわいの問題及び徴税上の問題が現実にはございますし、また一面においては、いままでの政府並びに工業連合会、組合等の政策規制等によりまして、これを漸減していくというそれぞれの方針に違反して、それが行なわれているということであります。 それで、いろいろ繊維構造対策あるいは繊維対策等をやってまいりまして、内部における秩序及び合理的生産、協調、そういうことをうまく調和ある形で時間をかけて、しかも正直者がばかを見ないというような原則も考えつつ解決しようと思って歴代の関係者は苦労し努力してきたところでございますが、しかし、いまのような現実のなりわいという問題と、また一面において正直者がばかを見ないということと、今後の繊維構造対策の前途も見つつこれを解決しよう、そこで目下いろいろ方法を検討中でございます。 いろいろ各地域地域によって利害が非常に相反しておりますし、また地域地域によって現象もおのおの異なっておりますので、これらに関する総合的な、統一的な対策を確立するということは、いろいろ調整を要することがございまして、まだ時間がかかる情勢でございますので、しばらく時間をかしていただきたいとお願い申し上げる次第でございます。
○稻村(左)委員 そこで、いろいろ問題になっておる点でございますが、減少させる四分の一と、この経済負担というところで、現在あらゆるところに論議が展開されていると思います。ある産地の業種によっては、すでに五万円、そしてこれに一部手数料等々も含めて徴収しておるところもありますし、また一部不払い運動もあるかのように聞きます。またある県では、すでに十二万五千円というものも徴収されておるということも聞いております。統一されていないわけでございます。こういったことをいつまでも放置しておくならば、いたずらに当事者の混乱と不安を招くというふうに考えますが、この実態はどうであるか、局長のほうからお聞きいたしたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 ただいま先生の御指摘のような事態が起こっておるわけでございますが、一台当たり何がしかの経済負担を取るということと、二五%削減をするということにつきましては、これは業界が自主的に行なっておることでございます。私どものほうとしては、そういう事態が起こっているということは存じております。したがいまして、これは届け出織機の告示を出すのを、そういう状態にかんがみまして現在は一時停止をいたしておりますが、先ほど大臣申し上げましたように、本件につきましては、いわゆる多数の登録織機を持っておられる方もおられる、あるいは無籍、中には零細な方も多数おられるというようなこともございます。そういうことと、それからなお、業界全体として登録制度は、やはり当該織布業界の秩序維持ということに関しましてかなりの意義があったのではないか、あるいは意義があるのではないかというふうに考えられますので、そういうふうな諸点を総合いたしまして、私どもとしては、できるだけ早く解決策を樹立していきたいというふうに考えております。
○稻村(左)委員 これは大臣にちょっとお聞きしたいと思いますが、いやしくも登録制度という一定のワクがあり、その数をふやす、減らすという議論は、長期的な需給バランスの展望にやはり基づかなければならぬと思います。その意味合いから、見通しとして将来の生産高とその需要はどういうふうに考えておられるか。しかもまた、こういったことが地についておりませんと、私は元も子もなくなるのではないかと思いますので、これは簡単に大臣のほうからお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 いろいろ織種によりまして需要やら展望も若干異なることと思います。ただ、私らが念頭にありますことは、いろいろ先進国、特にアメリカ等における規制とか国会の動き、それから発展途上国の追い上げの情勢、そういうことを見ますとやはりはさみ打ちみたいな関係になって、よほど注意していかなければならない事態が出てくるのではないかと憂えております。具体的には局長から御答弁申し上げます。
○齋藤(英)政府委員 将来の需給動向に関しましては、私ども産業構造審議会の委員会あるいは繊維工業審議会の委員会、それが合同いたしました小委員会でいろいろ検討いたしておりますが、たとえば現在の為替相場の変動の問題、それからそれに伴います後進諸国の追い上げの問題、あるいは現在ございますいわゆる輸出規制の問題等を考えますと、織布業の将来というものは必ずしも安易な道ではないというふうに考えられます。したがいまして、将来の需要ということに関しましては、あるいは国内の生産ということに関しましては、私どもは楽観的な見通しは持ち得ないわけでございまして、この辺、私どももいろいろな施策を今後講じなければいけないというふうに考えておる次第でございます。
○稻村(左)委員 これは時間の関係もございますからお答えにならなくてもいいと思いますが、あとで資料でお願いしたいと思います。 特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正したわけですが、この改善のスクラップ・アンド・ビルドのたてまえから、これによる買い上げの台数は幾らか、また臨時繊維産業特別対策に基づく機械の買い上げ台数はどのくらいかということは、時間の関係がございますので、あとで資料で御提供願いたいと思うのでございます。 今度の無籍問題を解決しなければならぬということは私自身もよく考えております。そのためには、私といたしましてもいかなる努力も惜しまないつもりでございますが、ここで大臣にひとつこれははっきりとお答え願わなければならぬと思います。 いまのいろいろの話を聞いておりましても、また過去のいろいろな流れ、状態等を見ましても、二度と再びこの無籍問題を発生させないという歯どめをどこでどうするのか、これは私は問題があると思いますよ。これがなければ、ここでどのような法律をつくりましても、私は意味がないと思います。ひとつ大臣は責任をもって、この無籍問題を今後再び発生をさせないという——これはいままでと同じことであるとするならばもとのもくあみなんです。そういう意味合いから、今度は全体の織機を全部ここで網をかけてしまうかわりに、いまの中小企業の中でも有籍を持つという特定の一つの行為というものは、私はたいへんな恩恵にあずかっていると思うのです。きょうまで私は、政府の繊維業界に対してとってこられた態度に対して深く敬意を表しております。しかしながら、どういう政策を打ち出しても、どういう救済をいたしましても、いまなおやはり織機が続けられておるという実態をどこで歯どめをするというのか、この点はひとつ大臣にはっきりお答え願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 この問題はなかなかむずかしいところがございまして、現にこういう無籍が出てきた自然発生的な社会経済要因というものを絶滅しなければ、徹底的に、再び発生させないということはできないという感じもいたしておりますが、やはり法の発動中小企業団体法等の法の発動によりましていろいろ取り締まりを厳重にする。あの法律の中身によれば、営業停止とかいろんなところまでやれるようになっております。そういう監視等を徹底的にやるということも一つの問題でございますが、もう一つは、やはり同業者や組合の内部においてそれを徹底的にやってもらわなければだめであります。景気が少しよくなるというと、親機だとか力のあるものが力のないものにいろいろ操作をして、そうしてついに無籍が出てきたというようなケースがまたなきにしもあらずであります。そういうようなものを役所の力で取り締まろうとしてもやはり限度があります。そういう意味において、同業者自体が自分たちの共存共栄をはかっていくという精神に基づいて、責任をもってやってもらわなければまたできない。そういう官民両者の力を結集してやっていきたい、そう私は思うわけでございます。
○稻村(左)委員 これは官民一体で特に業界の御協力を願わなければならぬと思いますが、やはりこういった問題ははっきりとここで区切りをつけませんと、さきに特繊法を改正いたしまして二カ年延長されましたが、四十九年六月でこれが切れるわけでございます。その後いろいろポスト構革、ポスト特繊法という問題で近代化の道を進めなければならぬと思いますが、先ほど申し上げましたところのこの歯どめというものについて、ひとつ役所のほうも大いに御協力を願わなければならぬと思いますが、いまポスト構革についてどういうふうに進められておるのか、局長のほうからお答えを願いたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 お答えいたします。 先生の御指摘のように、特定繊維工業構造改善臨時措置法は四十九年の六月三十日をもって期限切れになるわけでございます。現在の繊維産業をめぐります内外の環境と申しますのは、先ほども少しく申し上げましたように、非常に激変をいたしております。したがいまして、従来のような考え方の路線の上に立った繊維施策というものでありますれば、これは内外環境の流動的なものに対処し得ないのではないかというふうな実は危機を持っております。したがいまして、繊維産業の新たな日本産業に占める地位あるいは世界経済に占める地位というものに対する対応策というものを当然考えなければいけないと思います。 事務的に申しますれば、現在産構審におきます、あるいは繊維工業審議会、両方の審議会が合同いたしまして繊維産業基本問題小委員会というところで本問題を議論をいたしておりますが、大体六月末を目途にいたしまして答申を得るような予定で審議をいたしておる次第でございます。
○稻村(左)委員 いま大臣のお話とまた局長のお話を聞きまして了解をすることができると思います。 時間がまいりましたのであれですが、ただ繊維産業といっても、業種は多種多様でございます。また、たいへん数多くの繊維業者があるわけでございます。そういう意味から、一方では、いま景気がたいへん上昇機運にある業種もございます。たいへん景気がいいというところもございます。しかしながら、これはいろいろな過去の救済措置あるいは破砕、こういったものの影響もあるかもしれませんし、また、いろいろな需給の関係も影響があると思いますが、それ以外に小さい零細業者、たとえて言うならば、撚糸であるとか縫製であるとか製紐、ゴム入り、リボン、ボタン等、こういう小さい零細業者、構革その他の恩典も受けないという繊維の業者が数多いわけでございます。そういう意味から、こういったところに——大きいところは弾力的な動きがとれます。たとえば、いろいろな問題が、大波が来たといたしましても、これをかわすだけの余裕を持っております。しかしながら、親機もない一匹オオカミと申しますか、こういう零細な立場の業者、そういう大波、小波もさざ波も切り抜けることができない業者がたくさんあることを大臣はぜひ御認識を願いたい。こういう業者に対しては、特にわれわれも今後もちろん協力もいたしますが、特段の配慮をひとつお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○浦野委員長 堂森芳夫君。
○堂森委員 時間がございませんので、まず無籍織機の問題について大臣にまず一、二の点について御答弁を願いたい、こう思います。 昭和三十一年であったかと思いますが、繊維の旧法ができました。たしか当時通産大臣は高碕達之助さんだったと思うのです。そして当時の絹人絹の不況に対して過剰織機を買い上げるという施策を政府が巨額の国費を投じてやりました。もちろん残存業者も負担をしたことがございます。当時は無籍織機という問題はなかったと思うのです。問題とならなかった。そしてその後繊維の新法、これはたしか昭和三十九年であったと思うのです。新法がつくられまして、これが施行されました。それからその次が四十二年でございますか、特繊法の構造改善の法律が制定されました。そしてスクラップ・アンド・ビルドが実行される、こういうふうなことになって、そして昨年でございますか、一部改正法が通って、二年延長、こうなったわけであります。そうなると、昨年の五月に通ったのですから、この一部改正法の効力はもうあと来年の五月までしかない。そうでございますね。そうなりますと、大体それでもう日本の戦後の繊維産業に対する基本的な法律というか、新しくできれば別ですが、法体系からいっても、繊維産業というものは一応一段落といいますか、何かそういう一つ大きな段階が四十八年度いっぱいで来る、こう見るのが常識ではないか。そして一体これから日本の繊維産業がどうなっていくのか。これは政府は当然ビジョンを持たなければいかぬ、こういうわけでありまして、私、大臣にお尋ねしたいのでありますが、一体これからも登録制はしっかり守っていくということが一つの大きな基本であるのかどうか。そしてどういうビジョンが日本の繊維産業——こんな不景気になったり好景気になったり、いろいろな問題が絶えず繰り返されてきておる。繊維産業というものの本質には非常にむずかしさがたくさんある。いろいろな問題があるにしても、一体どういうビジョンを持ってこれからの繊維産業を育てていくのか、こういうことについて、これは専門家の局長もおられますけれども、大臣はそんなビジョンをお持ちにならなければいかぬと思うのでありますが、まず御答弁、それからあと局長から答弁をしてください。
○中曽根国務大臣 繊維産業の構造改善の問題を考えてみますと、昭和三十年前後から過剰設備に悩んで、そしていろいろな関係者の努力によって登録制度というものが生まれ、官民の努力によって、懸命な必死の努力がいままで続けられてきたと思います。その間に景気の浮沈がありまして、景気がよくなればアミーバみたいに伸びるという性格もありました。 今後のことを考えてみますと、繊維産業は非常に国際的な影響を受ける、最も激甚な影響を受ける産業であると私は思います。それでいまガットを中心にしていろいろ繊維の協定をどうするか、そういう問題も緊切に響いてくる問題でございますし、またいわゆるLDC諸国の発展の度合いがどういうふうになってくるかということも非常に痛烈に響いてくる問題でございます。 そういう問題を考えてみますと、何らかの形による自主規制といいますか、あるいは団体法に基づく一つの調整措置というものが必要なのではないか。したがって、何らかの形における登録制度というものは続けていかなければ、無政府状態になって結局同業者の秩序が乱れ、共存共栄の実が失われて、弱肉強食が現出するのではないかということも考えられます。いずれ産構審並びに繊維工業審議会の答申を待って私たちは政策を決定いたしますが、私が現在予想しているところはそういうところであります。
○堂森委員 どうも大臣の御答弁は、何も具体性はないと私は思うのです。それはおそらくいま稲葉秀三氏が小委員長をやっているこの委員会でやるからという答弁が出るだろうと予想しておったのでありますが、私は日本の繊維産業というのは古くからわが国の——いまの時世では古いことばかもしれませんが、外貨をかせいだ、日本の財政をしっかり両肩に背負って長い間奮闘してきた産業である、こういうことは間違いないと思います。そういう意味で当然長い伝統がありますし、また、繊維産業というものは、わが国の置かれておる事情あるいは具体的な日本の情勢等からどうあるべきか、世界的な規模で考えなければいかぬ。それはそのとおりでありますが、しからば、昭和三十年、あの当時も私しばらく商工委員をしまして、この当時、絹人絹の不況問題について一生懸命勉強してみた。もうだいぶ前の話でありますが、自来ずっと絶えずこの登録制の問題に——その後やみ織機の問題がどんどん出て大きな問題になってきておる。一体どういうわけでやみ織機が出てくるのか、原因は幾つかあると思うのですが、根本対策というのはあるのかないのか。いま大臣は、中小企業団体法の規制によってやれるんだとおっしゃいますけれども、なぜこんなにやみ織機の問題が解決できないのか、どうして出てくるのか、局長の御答弁でけっこうですが、お願いしたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 やみ織機といわれるものが出てきました原因、これは地方によりまして、あるいはいま先生御指摘の、時代によりましていろいろあるわけでございまして、一義的に言うことはなかなかむずかしいかと存ずるわけでございますが、このやみ織機というものは、現在では、言うまでもなく団体法のアウトサイダー規制命令による登録制度にも違反をしている織機でございます。したがいまして、本来でありますならば、まず法律的にいいますならば、これの発生した場合には——あるいは発生をしないように、やはりこれは政府側としても、あるいは民間各組合としても、十分な監視体制をとるということが必要であったのじゃないかと思いますが、その点につきまして反省をいたしますと、従来少なくとも四十五年以前は必ずしも十分でなかったところがあったのじゃないかというふうな反省を私どもいたすわけでございます。かつ、業界のほうでも、この点につきましては、いろいろ各工業組合連合会あるいは産地組合におきまして監視委員会等を設けてやっておりましたけれども、その点につきましてもう少しきちっとした態度がとれなかっただろうかというふうな気がいたすわけでございます。 それからなお、先ほどもちょっと申し上げましたように、いわゆる織機自身、いろいろ買い上げをやりましたわけでございますけれども、その買い上げをやりましたものにつきまして、それが当然スクラップをされていなければいかぬということもございますが、その点につきまして、これはやはり多少反省をする点もあるかもしれないという気もいたします。 それからなお、産元関係につきましても、やはりこれは非常に景気のいいときには零細業者に織機を、あるいは場合によっては自分の中古織機を持たせるようなこともあったのじゃなかろうかという気もいたします。 そういうふうにいろいろな原因があるというふうに考えられますが、その辺につきまして、今後われわれのほうとしてもいろいろな角度から対策を考えたいというふうに思っております。
○堂森委員 いまの局長の答弁によりますと、政府にも一半の責任はあるんだ、こういうふうに御答弁になっておるように私は受け取るのでありますが、そこで、全国のやみ織機と称する織機で機屋さんをしておる人たち——機屋さんだけではないのですが、その人たちは、みんな全部といってもいいくらいちゃんと税は納めておるわけですね。所得税も営業税も納めておる。国税も地方税も納めておる。そして私たちは、なぜきちんとした、俗にいう登録された織機を持っておる者が得られるような、政府の措置の対象にはならぬのか、税金を納めておるにもかかわらず、私たちは登録された織機の人たちと同じ政府のいろいろな措置による恩恵というか、対象にはならぬのか、こういうような当然の主張もあるわけです。 政府は、昨年のこの特繊法の一部改正のときについた附帯決議によって、やみ織機の数等を調査されておるが、実際はもっと多いと思うのです。十二万六千台くらいある、こう言っておられるのですが、もっと多いと思うのです。とにかく機屋さんを見ますと、無籍織機半分、有籍織機半分とか比率はいろいろあるとしても、いろいろな業者がおられるわけですね。そうすると、そういうような無籍織機の業者、昨年いろいろ通達を出して指導しておられますが、税を納め、そして普通に企業を行なっておる、そういう無籍の織機を持った人たちは、原則として登録された業者と同じように扱われるべきであるという考え方に立っておられるのでありますか、いかがでございますか。
○齋藤(英)政府委員 昨年特繊法の改正のときに附帯決議がつけられてございます。それで、その附帯決議にいわゆる登録織機とそうでないものの区別をはっきりして、これについての適当な措置をすべきである、こういうふうな附帯決議があったかと思います。私どもそれに基づきまして、いま先生お話しのように一応調査をいたしました。その結果、約十二万六千台という数が出てまいったわけでございますが、それは昨年の六月現在でございます。それで、いまお話ございましたように、なりわいといいますか、生業としてやっておられる無籍の方もおられるのではないかという気もいたします。したがいまして、これは本来冷たい法律的な観点だけで申しますれば、いわゆるアウトサイダー規制違反でございますからして、いろいろな方法を通じて一挙になくなすべきであるという意見も出てまいるかと思いますが、いまいろいろのお話がございましたようなこともありますし、いろいろなことを考えました末、私どもとしましては、昨年考えましたことは、まず通産大臣にそういう方が届け出をして、その届け出をしたものにつきましては稼働を一応認めるという方針をきめまして、そういう方針で省令を改正いたしたわけでございます。したがいまして、届け出ということになりますれば、まずなりわいとしての稼働が認められる、こういうかっこうに私どもは考えておったわけでございます。
○堂森委員 もっと進めてお尋ねしたいのですが、もう時間がございません。 そこで、いまの局長の答弁では、通達をして、業界が自主的にそういう無籍のものを持っておる人たちも届け出をすれば云々と、こういう答弁のように思ったのですが、しかしこれは実際には地方ではなかなか織機が多くて、具体的にいいますと、たとえばある県では五万円とか、ある県では十何万円とか、一台につき組合に金を出させて云々と、こういういろいろな具体策をやって、これで大もんちゃくが各地で起きておるわけであります。あとの人がまたいろいろお聞きになりますから私は終わりますけれども、あなたも責任は政府にもあると言うのですから、政府だけと言っておるわけではないですよ、政府にもあるというあなたのはっきりした答弁ですから、政府の責任でもっと善処されますように要望しまして、私の質問を終わります。
○浦野委員長 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 いまの堂森議員の質問によりまして、やみ織機だとか無籍織機だとか全く聞こえの悪いことばですが、やや通産省のほうにも責任がある、政府のほうにも責任があるということを認めかけつつあるというような答弁の内容でありますが、私は、さらにつけ加えまして、明確に政府の責任であるということをひとつ断言してほしいというように強く希望するわけであります。 なぜならば、先ほどから何回となく言われておりますように、この無籍織機が発生した原因というものは、いままで行政が手を入れて、具体的には繊維工業構造改善策の中で、きわめて零細企業であった二十台以下の保有者は制限の対象としておらない。したがって、そのときに登録漏れになった織機が現存するということと、もう一つは、先ほど来から言われておりますように、過剰織機のスクラップ化ということで、政府の助成によってなされておるにもかかわらず、完全にスクラップ化されておらぬ。スクラップ化するどころか、むしろこれを企業が自分の下請化するために、いま保有者である下請零細業者あるいは家内工業的に五台、十台と納屋を改造してかまえてやっておるようなところに流しておる、こういうことが今日無籍織機が発生している原因であるわけです。したがいまして、そのような行政の手を差し伸べてきた結果、現在なお無籍織機が現存しておる。これ以上その責任を政府は免れることができないじゃないか、こういうように思いますので、もう一度通産大臣のほうで、政府の責任であった、通産当局としての手抜かりであった、こういう点をひとつ明確に大臣答弁としてお願いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 この問題は、なかなか因縁のある長い道のりの苦しい複雑な問題であったと思うのです。 それで、景気が悪くなると、ともかく構造改善をして整理をしなければ業界がやっていけない、みんながそう思って構造改善に協力しよう、一生懸命やろう、そういう気持ちになりますが、また今度景気がよくなると、もうけたいという連中も出てきて、親織やその他の中には、自分の破砕すべきものを破砕しないで回したと疑われるようなものも出てくる、そういう業者の内部におけるもうけようという主義、利己主義というものがかなり原因にあるだろうと私は思うのです。 そういう利己主義が横行している限り、繊維業界内部における共存共栄の実というのはなかなかあがらない。今後LDC、発展途上国から追い上げられて、また将来不況がきたという場合に大騒ぎをするという現象が起こるのじゃないかと思うのです。そういう利己主義を絶滅しようといったって、一々刑事をつけて監視しておくというわけにはまいりませんのですから、やはり企業倫理というか、そういう団体法なら団体法をつくった精神にのっとって、みんなが協力してもらえるということをやらなければ官僚統制国家に日本はなってしまうので、そういうことはわれわれは避けたいと思うのであります。だから、一がいに政府の責任、政府の責任と言われることは、私は当たっていないと思うのです。 しかし、団体法をつくって、それに基づいて監視したり、いろいろあれだけの罰則までつくられておるわけでありますから、そういうことをびしびしやらなかったという点は、あるいは政府の責任があるかもしれません。しかし、そのやれなかったという理由もまた実際あるわけですね。中には、なりわいで困っているし、税金を現に納めているという人もおるのでしょうし、そういう生きているものを対象にしてやるという場合には、血もある涙もあるということも事実上行なわれるということは人間社会にはあることであります。だから、私は政府に責任が全然なかったとは申しません。しかし、みんなが整理しよう、共存共栄でいこうということをきめたならば、その趣旨に沿って、やはり利己主義をみんなが捨てて協力しなければものは成り立たないということも私たちは申し上げたい。正直者でばかを見た人はかなりいまでもいるのじゃないですか、現状においては。そういう点については、私たちも行政の手抜かりがあったと反省しなければならぬ点もあると思います。
○和田(貞)委員 行政の手を差し伸べておらなければ、いま大臣が言われたように、全く業者の利己的なところに責任を押しつけたらいいと私は思うのです。しかし、行政が手を入れておるわけです。少なくとも金を出して織機をスクラップ化しようということに行政が踏み切っているわけですね。ところが、その織機が完全にスクラップ化したかという確認を行政としてはとってないわけですね。言うならば、完全に火葬場に入れてもう死んでしまった、こういうことになっておらないから、死んだはずの織機がこうあちらもこちらも化けてきておるのです。いま現在、私がこの話をしておる最中でも、二台、三台、どこから織機を持ってきて納屋へ備えつけて稼働しよう、こういうように準備をしておるところも、私の選挙区の大阪の泉州ではあるのです。そこらが、私が言っておりますように、政府の責任もということばよりも、やはり政府の責任がかくあらしめたという、こういう考え方にすなおに立つほうが私は当を得た答弁じゃなかろうか、こういうように思いますので、しつこいようでございますが、もう一度確認をするために御答弁をお願いしたい。
○中曽根国務大臣 繊維対策につきましては、国会の各党あげて全力をあげていろいろ知恵を出し合って努力し合ってきたところでございます。それで、いろいろないきさつもございますが、かなり巨額な国民の税金を使って繊維業者のためにも国としては努力を傾けてきたところであります。 そういう点を見ますと、やはり繊維業者内部においても善意をもって協力してくれるということが前提になって、あれだけの巨額なお金も国会は出していただいたのだろうと私は思うのです。そういう国民全体の期待を裏切るような行為が業界の内部の一部になかったとはいえない。しかし、それは結局どこからくるかといえば、もうけたいという利己主義からきているんじゃないでしょうか。それをびしびし取り締まるということはわれわれのほうの責任ではありましたけれども、その点はわれわれのほうに手落ちがあったとさっき申し上げた。しかし、全部それがやりききれるかというと、手数とかいろんな面で、行政能力の面もあって、人間も足りません。なかなかそれはできるものじゃない。結局その業界内部において自主調整、自主規律ということで約束したことはやってもらうということでなければ、経済でも何でも成り立つものじゃないわけでございます。ですから、今後いろいろ繊維対策あるいはその他の対策が出てくるかもしれませんが、何といったって、やっている御本人同士が約束したことは守り、そして全国民の中にそれらの仕事や商売が営まれているという自覚を持っていただかないとこれはうまくいくものではない、そういうふうに申し上げたいのであります。
○和田(貞)委員 政府の責任とあわせて、金をもらってスクラップ化しないで織機を化けさして、自分の企業の下請けになる零細家内工業的にやっておるところにやらすためにその織機を流して、しかも、そこからその織機代を受け取っておる、こういう二重取りをしておる企業もまた責任を免れることはできないと思う。いま現在五台、六台、十台というように、納屋を改造して、そこで機械を稼働さして生業を営んでおる、こういう零細企業や家内工業をやっておる、農業を片手間にやっておるところがありますが、これには何の責任もない、何の責任も押しつけることはできないと私は思うのです。しかも、昨年の通産省の通達を今度はたてにとりまして、工業組合が、各県では、業者に対してそれぞれ異なった働きかけをしておるとは思いますが、一般的に言えることは、この無籍織機の解消ということは国の施策であるんだ、そして通産省の指示によるんだ、こういうことばを使いましたり、何月何日までに届け出をせい、所定のかくかくの書類を出しなさい、そこまではいいといたしましても、この際、工業組合に入っておらない業者を組合に入れるための手段として、あわせて非組合員の方は組合に入る申し込み書を出しなさい、こういうようなことさえもやっておるわけなんです。しかも、そのような通達の中で工業組合がいっておりますのは、無籍織機についても、一定条件のもとに法的地位が与えられることになりました、こういうことばを使いましたり、あるいは経済負担を産地でするために、一台につき五万円あるいは一台につき三万円という金額を明示している。これも組合の幹部は、通産省と金額の了解に達しておる、こういうようなことも言っておるわけです。 そういうようなことを見てみますと、法的地位というのは一体何をさしているのか、こういうことを私は聞きたくなるくらいなんです。全くいま大臣が言われた業界、産業界といわれる組合の幹部を構成しておる大きな企業の独断というよりほかにないと思うのです。昨年の暮れに出された「無籍織機対策について」という通産省の通達をむしろ業界がこのように逆用している、こういうこともあるわけなんです。無籍織機の発生した原因と、あわせてこれらの大企業に対して、政府は今後どういうように対処していくかということについても、この機会に所見をひとつお聞きしたいと思うのです。
○齋藤(英)政府委員 ただいま「無籍織機対策について」という私どもの通達というお話でございましたけれども、これは十月二十五日付のものであろうかと存じます。これは通産省の通達ではございませんで、事情を説明するための説明資料でございます。 それから二番目に法的地位のお話がございましたけれども、これはこの中にございますように、一応昨年の十一月一日に省令を改正いたしまして、それでその省令の中に、届け出をすれば稼働を認めるということが書いてございますが、それをさしておそらく法的地位といっておるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。 それからなお、お話にございました、いわゆる織機を削減して経済的負担を取るということ、これは関係業界で自主的にきめられたことでございまして、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
○和田(貞)委員 時間が来ましたので、あとの質問者に譲りたいと思いますが、残念でなりません。いまの答弁の、法的な地位といっておる組合のこのことばの解釈、これについてももっと追及したいわけですが、あとの質問者に譲りたいと思うのです。 なお、私は、この機会に、先ほど申し上げたように、現在無籍織機を所有しておる零細業者には何の責任もないわけなんですから、この通達による処理じゃなくて、有籍職機にすべきである、こういうこととあわせて、この通達自身が内容にいろいろと問題があるわけでありますから、この通達は、現在のところ、たな上げという形になっておりますが、この通達を撤回する、そして無籍織機所有者に対しましても、従来とってきたように、政府の責任において、国の措置によって有籍織機にするように、私の立場から強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○浦野委員長 加藤清二君。
○加藤(清二)委員 私がこれから質問しようとしていること、さきの質問者が質問しましたこと、これは事重大でございます。ですから、大臣よく聞いていただきたい。これは業者の命にかかわる問題でございます。同時に、政治家の命に影響する問題でございます。 このことをあえて国内にとりますと差しさわりがありますのでアメリカにとってみますと、アメリカが日本に向かって繊維協定を結べと強要してきました。長年断わったけれども、ついに前の佐藤内閣はこれに屈しました。なぜそうなったかというと、調べるまでもなく、これはアメリカの最大の業者であるバーリントン社のキャラウエーがニクソンの選挙のときに約束を取りかわしているのです。それをのまされてきたのだ。その結果は、日米協定でたいへんな束縛があらわれた。このことはもう古くて新しい問題であって、戦後ずっとこの歴史を繰り返し繰り返しきている。だからこそ言えるのです。これは国際問題にまで影響する。やがて秋に行なわれるガットの問題にまで影響する問題でございます。したがって、質問は非常に多うございます。たくさんありますが、与えられた時間が余すところ三十分しかありません。したがいまして、答弁のほうも解説する必要はありませんから、イエスかノーか、簡潔にお願いします。 〔委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕 そこで第一にお尋ねいたします。 本件に関しては、さきの国会で法律改正の場合に附帯決議がついております。この附帯決議の中には、「台帳を整備し。登録・無籍を明らかにするとともに、これが登録・廃棄・消滅等については適切な処理を行なうこと。」とある。どういう適切な処理を行なわれましたか、承りたい。 次に、ここから発生してきて、その処理のうちの一つに、繊維雑貨局発四十七年十月二十五日付の「無籍織機対策について」というメモがございます。これは通達であるのかないのか。この中に、やみ屋と称する人から金を取れと書いてあるのかないのか。金を取ったら、いま話が出ておりましたように、法的な保護を与えると書いてあるのかないのか、まずそこから簡潔に答えていただきたい。
○齋藤(英)政府委員 お尋ねのございました附帯決議の適切な処理、ことに台帳のことでございますが、私ども四十八年度に、従来は工業組合連合会にございましたが、これを通産省に置くようにということで予算要求をいたしておる次第でございます。 それから第二番目のお尋ねでございますが、十月二十五日の「無籍織機対策について」というのが通達であるかどうかというお尋ねでございましたが、これは説明の文書でございまして、通達ではございません。 それから第三番目の金を取るということとそのほかとの関連の御質問がございましたが、このいわゆる説明文書、メモと申しますものの中にございますように、関係業界としてこれは自主的にやっておることでございまして、文書の内容はそういうふうに書いてございます。実際そういうふうに考えております。
○加藤(清二)委員 附帯決議を受けてつくられたこのメモは通達でない、話の材料であった、その中にはやみ屋と称する業者から金を取ってよろしいとは書いてない、金を取ったら法的な根拠を与えるともいっていない、そう確認してよろしいですか。そこで、はいと言ってくれたらよろしいのです。
○齋藤(英)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○加藤(清二)委員 そうなってまいるのが当然だと思うのです。なぜかならば、附帯決議には消滅等については適切な処理を行なえと書いてある。金を取れとは書いてない。死んでいく人から香典を取れとは決して書いてない。そんなことは附帯決議にわれわれはうたった覚えはない。 次に申し上げます。ゆえにこそ——ちょっとこっちを見てもらいたい。こういうことになる。 〔加藤(清二)委員、資料を示す〕 みなさんよく見てください。私が出したんじゃない。名前はあえて控えますが、自民党の議員さんがおやりになったことなんです。組合できめたと称する五万円絶対反対、総決起大会だ。これは社会党がやったんじゃない。こういうことをやられる。なぜそうなるか。先ほど申し上げたとおりだ。これは業者の命にかかわる問題であり、政治家の命にかかわる問題だから、こういうことになってくるのだ。よく見てください。あえてこれをやられた人の名前は申し上げません。しかし、大なり小なりどこの選挙区でもこれに似たことが行なわれておる。自分の命にかかわるから無理かかぬことです。したがって、これはやみ屋の命だなどと簡単に片づけられる問題ではございません。そこでどうです。いまてんやわんやになってしまっているのですから、これを何とか早く処理しなければならぬと私は思う。附帯決議にうたわれているとおり、適切な処理を行なわなければならぬと思う。 私は、さきの構造改善の法律が通ったときに、受け皿として適切な処理をするための法律、受け皿法律をつくらなければならぬと再三申し上げておったわけなんです。大臣に承りたい。てんやわんやになったこの状況は、ただ単なる繊維雑貨局長の通達とか、あるいは話し合いとかでまとまるとお思いになるかならぬか。もし附帯決議にうたったとおり適切な処理をするとするならば、これは立法にまつほうが早いではないかと私は思いますが、大臣の御所見を承りたい。
○中曽根国務大臣 対策につきましては、いろいろ各地各地で利害も相反しておりましたし、またやっていることもまちまちのところもあるようでございますし、いまのような新聞折り込みみたいなものが出ているという情勢がある程度実情も伝えております。そういうような現実の上に立って、正直者がばかを見ないというような考え方及びなりわいというものを守ってやらなければならぬという、そういう基礎的な考え方、こういうものを生かしつつ、繊維業界内部における将来の展望も見て秩序をつくっていくという方策をどうすべきか、いま慎重に検討中でございます。各党各派のお考えも承りまして、大体の方向もきめていきたいと思っております。その中には、もし要すれば立法ということも考えらるべきであるかもしれぬ、そう思っております。
○加藤(清二)委員 立法する用意がある、もちろんその前提が各党各派の賛成、協力によらなければならぬことは、これはもう理の当然でございます。その立法は遠い先の話でございましょうか。それはもちろん国会にその用意があるとおっしゃいますか、いずれでございますか。
○中曽根国務大臣 目下政策を検討していると申し上げておるのでありまして、立法の用意ありというところまではまだ断言しておらないのであります。各党各派の御意見もよく承って、そして自分たちの最終的な考えをまとめていきたい。もし必要ならば立法も考えなければならないかもしれませんという意味のことを申し上げたわけであります。
○加藤(清二)委員 それでは、それぞれの党の政策が一致したならば立法というところまでいかなければならぬかもしれぬという、そういう前提に立てば、さきに行なわれました四十七年十月二十五日のこの話し合いのメモは、これは解消したということになりますね。
○齋藤(英)政府委員 いま大臣がご答弁申し上げましたように、法律ということも考えられるということからでございまして、私ども、かりにそういうことになりました場合でも、内容その他によりまして、通達ではございません、説明、メモとの関係がどうなるかということをもう一ぺん再検討いたしたいと思います。
○加藤(清二)委員 スクラップ化しなければならぬのはやみの織機よりも、まずこの案件によっててんやわんやになっているこの原案こそスクラップダウンさせなければならぬと思う。したがって、こけんにこだわらずによりよい道を選んでいくと大臣がおっしゃったんだから、せめて省内ぐらいはその気持ちで一致結束していただかないと、各党の政策はまとまりませんよ。 では、これはこういうふうな表現で聞きましょう。これは有効か無効か。特に五万円集めろとか十二万円集めろとかいうことは有効か無効か。ことばがいけなければ、それは合法か非合法であるかというふうに承ります。
○齋藤(英)政府委員 経済的負担を徴収することに関しましては、業界が自主的にやっていることでありまして、したがいまして法律的な基礎はないというふうに私どもは考えております。
○加藤(清二)委員 法律的な基礎がないだけでなくて、もしいま現在行なわれていることが次々と実行に移された場合には、法的の基礎がないんじゃなくて、違法の基礎がある、違法の疑いがある。なぜからば、それは局長のほうがよく御存じのはずなんです。日本の中小企業関係の法律にかかわらず、どんな法律でも自主的にきめることは自由であるけれども、自主的にきめたことを員外に利用させたりアウトサイダーに強要するという、その法律的根拠が何法のどこにありますか。ないんでしょう。法学博士さんがそこにいらっしゃるから、承って繊維局長聞いていらっしゃい。そういう基礎がどこにあるか。ないことをあえてやるというならば、それは違法じゃないですか。法律にないことをやる。法律をつくってからそれを行なえば合法でございましょうけれども、法律の逸脱行為、これを違法というのじゃございませんか。その違法を許しておいてよろしゅうございますか。ここらに指導性を発揮してもらわなければならぬところがあるでしょう。大臣に承りたい。
○中曽根国務大臣 両者があるいは関係者の中で自由な意思でお互いが自主的にやるということは合法であると思います。しかし、局長が申し上げましたように、それは法律的強制力を持っているものではありません。いま立法の問題にお触れになりましたけれども、この問題は、先ほど申し上げましたように、いまの通産省の説明の内容も含めて全体をどういうふうに処理していくかということで対策を検討中でございまして、もうしばらく時間をかしていただきたいと申しておるのでございます。
○加藤(清二)委員 自分の組合できめたことを組合員外の他の者に適用するということは、アウトサイダー規制ですね。アウトサイダー規制は、許された範囲内、例外措置は別として、いま現在行なわれているアウトサイダー規制は明らかに違法であると思う。繊維雑貨局長どうですか。
○齋藤(英)政府委員 登録制に関しますアウトサイダー規制命令は合法でございますが、経済的負担を強制的に徴収するということに関しましては、法律的基礎がございませんから、強制することはできないと考えます。
○加藤(清二)委員 わかりました。では、違法であるということを認めていただきましょう。ただし、このいわゆるやみと称する織機、無登録をこのままに野放しにしておいてよろしいということにはならない。登録織機を持っている人が無登録者を強制することもできぬ。その反面、どんどんふえていくこの無登録織機をそのまま野放しにしておくということも、これまた怠慢のそしりを免れないだろうと思うのです。 さて、そこでこれを処理するにあたって、附帯決議にも適切な処理をせいとあるから、仕分けをして考えなければならぬ。ただ、やみという名前のもとに十ぱ一からげにしているから暗中模索になってしまう。一体やみとは何ぞやという問題と、先ほど来論議されました発生の歴史、これを通産省はつぶさに調査してみえると思いますが、承りたい。 第一回の規制措置、小室案と言ったほうがわかりやすいから申し上げますが、小室案の場合に、なりわいを妨げるというので、社会保障的観念から、コットンにして二十台以下は適用の除外をするという条項を適用したことを覚えております。そのときに適用除外であったがゆえに、どうなったかといえば、政府からの恩恵は受けておりません。そのかわり、その時点において組合員でもなかった人たちは登録ということもなされていない。それはすなわち手続の不備によって無登録が生まれたわけなんです。この問題は一体どっちが悪いかといえば、手続を十分にしなかった施策のあやまちである。私はそのときに火葬場論を論じた。きっちりしなさいと言うために、方法、手段は火葬場論がよろしいと言った。しかしそれは、野党の悲しさ、取り上げられなかった。これは一体どっちが悪いかといえば、やみ屋が悪いわけじゃないのです。手続の不備なんです。行政の不備なんです。第一回、小室案はアメリカから強制されて制限をしたのですから、これはやむを得ない。大急ぎでやったことだからやむを得ないとしても、いまこれを死ねとか殺せという段階になれば、手続の不備によって生まれた私生児は当然認知すべきである。これが理の当然であり、日本の慣習にもかなった行き方だろうと思う。これについてどう思われるか。 次に磯野案のとき、乙竹案の場合、このときに、スクラップダウンせずに、いま和田委員から質問がありましたが、ダウンするための金を政府からもらった、しかしそれをつぶさずによそへ持っていって売った、こういうケースがございます。この場合はどっちが悪いか。買ったやみ屋と称せられる人が悪いのか、売った側が悪いのか。もし金を徴収するとするならば、いずれから徴収したら正しいとお考えなのか。 しかし、この時点において、特定繊維でございましたがゆえに、ウールだけはその範疇の中に入っていなかったのです。それはアメリカからの圧力のかかり方が少なかったから、これは除外された。だから、除外されたものはこれはやむを得ない。さて、その対策はどうなさるか。 あと、最後の構革以後、にわかに集落的にやみがふえております。それは先ほど大臣がおっしゃったように景気がよくなったから。その景気がよくなったのが、いなかの山村のひなびたところにガチャ万コラ千が行なわれるようになった。そのお百姓さんたちは、そんなものを買う金もなければ技術もなければ、何も知らぬところなんです。ただあるのは農閑期の労力なんです。これを目当てに、名前はあえて控えまするけれども、いわゆる大紡績や産元が一括して持っていったのです。このやみは一体どうするか。 こういうふうに仕分けをして、それぞれの発生の原因と特性に合った措置をとらなければ、これは隔靴掻痒の感と言わなければならぬ。以上についてどうお考えでしょうか。
○齋藤(英)政府委員 お答えいたします。 先生御指摘の第一点でございますが、私ども、この点につきましては、いま調査を進めております。したがいまして、いま明瞭に結果を御報告申し上げる段階にまだなっておりませんが、いろいろ織機の封印あるいは生産数量に対する制限につきましては、ある台数を控除してやったという実績はございます。 それからなお、それ以外のいろいろお話がございまして、私ども実情として、ある部分については、あるいはそういうものもあったかもしれないというふうに考えます。先般来申し上げておりますように、時代の移り変わりに従いましていろいろこれは原因がございますので、その辺は、なお私ども研究をさしていただきたいと存じます。
○加藤(清二)委員 そこで、附帯決議に沿って局長が行なわなければならぬ案件の一、二を取り出して申し上げます。 やみの配置図というものができていますか。その台帳がどこにありますか。やみの台帳がもし組合にあって通産省にないとするならば、無登録無登録というけれども、無登録なのは通産省のほうであって業界ではないということになる。まず通産省から登録を始めなければならぬということになる。それをひとつぜひやっておいていただきたい。これはもうこの前の法案のときに私は申し上げておいたのです。それでなければ真相はつかめないのです、あなたまかせでは。 次に、第一次案、小室案で対象を除外されたもの、第二次以降のスクラップダウンされたものがどう変化し、位置を変えていったか、これの追跡、おそらくこれもあるでしょうから、答弁の必要はありません。時間がございませんので、資料として提出願いたい。 それから、もし可能ならば、いま申し上げましたように、やみの発生はいろいろあるけれども、やみの機械をだれが売ってだれが買ってという、その行くえを調べておいていただきたい。なぜかならば、これは決算委員会の問題としてという声がどこかにあるからでございます。これを資料として御提出願いたい。 次に、私はあと時間がもうありませんから簡潔に言いますが、基本的にいうならば、なぜやみが発生したかといえば、発生の原因は、生んだ親が自己の欲望を満足するために生んだのだ。したがって、ほんとうにやみが悪であるという立場をとり、それをいけないとするならば、親をつかまえたほうが早い。どうしてかということは、親から材料をもらって委託加工をしているだけなんだから、これは糸を与えなかったら仕事ができない。だから、やみがいけない、やみがいけないと一般にいわれますけれども、もし悪とするならば、それは悪いのはやみ屋でなくして、親のほうが糸を与えておるからやみ屋が永久に生きていく。元を押えたらいいのです。 さて、しかしどうしてそういうことが行なわれるのだろうかといえば、存在価値と存在の理由があるからだ。そこで承りたい。大蔵省、このやみと称するものが営業を営んで収益をあげますが、そこから税金を取っておりますか、おりませんか。
○津島説明員 いわゆる無籍織機から生ずる所得と、その課税状況でございますが、御承知のとおり、事業者は、その事業態様のいかんにかかわらず所得がある場合には法人税または所得税が課せられるたてまえになっておりますので、課税をいたしております。
○加藤(清二)委員 税金は取っている……。 自治省にお尋ねする。税金を取っているかいないか、いるとすればどういう税金を取っているか。
○小川説明員 地方税としましては、住民税、事業税、それと固定資産税、それからいま大蔵省から御説明ありましたように、償却資産に対する固定資産税は、一月一日現在において対象となる償却資産に対しては一様に課税いたしております。
○加藤(清二)委員 大蔵省にお尋ねいたします。 中小企業が設備を変更した場合、いま固定資産税ということばが出ましたが、その固定資産を破壊した場合、私の過去の記憶によれば一千万円以上の破壊をしたときには大蔵省がそれに立ち会わなければならぬ、そしてなるほどこれは固定資産を削ったのだ、あるいは固定資産をふやしたのだということで、実物を見てかけなければならぬことになっているはずだと思うが、いかがですか。
○津島説明員 詳細は調査させていただきますが、一般的に一千万以上の場合に立ち会うというようなことはいたしておらないと思います。
○加藤(清二)委員 固定資産がふえたとか減ったとかがゆえに、固定資産税がふえたとか減ったとかという問題になる。その固定資産税をかけるときに、あなたたちは現物を見ませんか、見ますか。現物を見ずに、やみくもに税金をかけるのですか。
○伊豫田説明員 お答えいたします。 確認をしないで税をかけるか、かけないかというお話でございますが、大蔵省の所得税あるいは法人税の関係におきましては、もし固定資産の滅失等がございますれば、その事実の確認、あるいは現場にそれは当たりませんでも何らかの方法でそれを確認、あるいは帳薄上の場合でもその心証が得られる場合には、これについて滅失損を立てることを認めているという扱いだと思います。
○加藤(清二)委員 そういうことをやっているから幽霊が出るのですよ。 大蔵省にお尋ねする。自治省にも同じことを質問する。スクラップダウンしたというが、ダウンの実績を調べられたことがございますか。
○津島説明員 国税庁としては、そのような数字は把握いたしておりません。
○加藤(清二)委員 数字じゃないんだ。スクラップダウンしたその荷姿、それを調べたことがあるかないかと聞いておる。それは固定資産の消滅につながる問題だからです。
○伊豫田説明員 国税の執行の問題でございますから……(加藤清二委員「あるか、ないかと聞いているだけだ」と呼ぶ)固定資産の一般の場合については、確認をしている場合と、してない場合がございますが、いずれも抽象的な意味では確認を行なっております。
○加藤(清二)委員 私が聞いておるのは、通産省の命によってスクラップダウンが行なわれた、それを確認したことがあるかないかと具体的に聞いておるのであって、抽象論を聞いておるのではない。あるか、ないか。ないから、そういうスコラ哲学をひねくり回さなければならぬわけで、時間かせぎになる。 次に自治省、いまの問題、調べられたことがあるか、ないか。
○小川説明員 私たちのところで直接にそれを調べたことはございません。
○加藤(清二)委員 このほうが正直でけっこうです。それはそれだけの員数がない、設置法で行政管理庁からそれだけの員数がもらえないというならば、ぼくはあえて過去のその責任を問おうとはしておりません。しかし、そうなってくれば、やみの発生をしたところの責任、税金を取る側は、その実態を把握して税金を取らなければならないはずなんです。収益のないところから、あるいは固定資産のないところから税金を取るわけにはいかぬはずなんだ。それをあえて行なっている徴税官のほうにも責任があると言わなければならぬ。これは、いずれ時間のあるときに追って詳細あれします。 次に、労働問題についてちょっとお尋ねしますが、やみの生きる原因の一つに、労働基準法違反があると思うのです。労働基準法違反をすればこそ、低コストで生産が行なわれる。このことは、なぜ私が言わなければならぬかというと、アメリカとの繊維協定の場合に常にいわれることは、レーバーダンピング、チープレーバーなんです。どこにそのチープレーバーのレーバーダンピングの最たるものがあるかといえば、それはやみのところなんです。それがやがてアメリカにも聞こえていって、こういう不平等なことではけしからぬ、だから、日本のオール輸出についてまで制限をというこの事実は、通産省がよく御存じのとおりなんです。だから、私はこれは悪だと思うのです。やみの業者が悪であるとは言わないけれども、行なっている労働基準法違反は悪であると思うが、それを監督なさる労働基準局、どうお考えですか。
○稻村(左)委員長代理 加藤清二君、まことに申しわけないですが、時間が参りました。
○吉本説明員 先生のおっしゃるとおりでございまして、最低労働条件を確保するということは、私たちの任務でございます。したがいまして、それぞれの企業においてそういったことが守られるように私どもの監督をきちっとしておる次第でございますし、また、そういった問題についてのいろいろな情勢があれば、それに基づいての監督も実施しておるというような形で実施をやっております。
○加藤(清二)委員 残余の質問は、次に時間を与えられたときにいたします。
○稻村(左)委員長代理 野間友一君。
○野間委員 きょうは、無籍に関する質問が非常に多い。ちょうど私で五人目なんですけれども、私は、全国におられる無籍業者二万、台数にいたしますと十二万六千台、比率が一八%、この業者の立場に立って、通産大臣並びに当局に対して質問を行なうものであります。 まず初めに、経済的な負担の問題についてお尋ねするわけですけれども、三月三日に、わが党の荒木議員の衆議院予算委員会の分科会におきましての質問に対して、通産大臣並びに局長も、その経済的な負担については、法令上の根拠がないのだ、これを明確に答弁され、また、いま同僚議員の質問に対しまして、法的強制力はないのだ、こういうふうにお答えになったわけですけれども、それでもなおかつ、各工連が通産省の指示、こういうふうに称しまして、いろいろな文書を無籍の業者に出しておる。この事実についても、三月三日に荒木議員のほうから質問がなされたわけであります。こういう事実について検討したいとたしか大臣が答弁されたと思うのですけれども、要するに、根拠のないものについて、なおかつ通産省の指示に基づいて、このような経済的負担を課すのだ、こういう種類の文書があちこちで流されておりますけれども、これを直ちに撤回する必要があるというふうに私は思うのです。先ほどからいろいろ言われておりますけれども、この経済的な負担の点について業界が非常に混乱しておる、特に無為業者が非常に困惑しておる、こういう事実をすなおに認め、そうして直ちに各工連あるいは産地組合に対して、撤回するように行政指導を行なうべきである、このように思いますけれども、御答弁願いたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 先ほど御答弁申し上げておりますように、経済的負担の問題に関しましては、法律的根拠がないということは御指摘のとおりでございます。その後、私どものほうとしましては、各工連あるいは産地組合がそういうようなことをしているということは実は聞いておらないわけでございます。
○野間委員 この前の分科会のときにも局長、あなたはおったでしょうが、その中で荒木議員のほうから具体的な質問をやっておる。知らぬというようなばかなことをこれは言わせません。どうですか。
○齋藤(英)政府委員 経済的負担の問題に関しましては、三月三日に御質問がありましたことを私ももちろん十分承知しております。私がいま申し上げましたのは、三月三日以後においてそういう事実はないのではないかということを申し上げたわけでございます。
○野間委員 私が申し上げたいのは、こういう文書が依然として生きておる。これは工連あるいは産地組合によって取り消しがなされていない。 そこで私が申し上げたいのは、このような事実に違反する文書を工連あるいは産地組合が出しておる、これを直ちに指導機関としての通産省、局長、あなたが撤回するように指示するのは当然じゃないか、このように言っておるのです。どうですか。
○齋藤(英)政府委員 文書の内容で、強制的にそういうものを員外者に対して強制するというふうな文書がありましたら、これは私どもとして考えなければいけないと思います。
○野間委員 考えなければならぬということはどういうことですか。具体的に答えてください。時間がありませんから、簡潔に。このような経済的な負担、これが確認とかあるいは届け出、この条件になっておる。通産省の指示に基づくものだ、こういう文書が幾つかある。これは単に組合だけではない。たとえば、ここに持っておる愛知県商工部長から各市長、事務所長あての文書の中にも「この措置を実施するため標準織機一台当り五万円の経済負担を課するなどの指導が行なわれることになっております。」という、こういう文書すらあるわけです。あなたのほうで知らぬとは言わせません。こういう文書について、あなたは検討するのじゃなくて、直ちにこれを撤回するように指示をすべきである。もう一度答えていただきたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 いまお話のございました愛知県の文書を私は実は見ておりませんが、文書の内容に、員外者に対してもそういうことを強制するような文書がありましたならば、それは撤回させるようにいたします。
○野間委員 それからもう一つ具体的に、これは岐阜県毛織工業組合から、昭和四十八年一月 日発の、事業所各位殿、この文書の中にも「尚、この手続きは通産省の指示でありますから期限後の受付は出来ません。」これはいろいろ前にも文章がありますけれども、「毛織機届出書並に経済負担金納入ご通知」こういう種類の文書ですが、これにも明確に、通産省の指示に基づくものだ、こういう記載があるわけです。これについても当然あなたのほうで撤回を指示すべきである。一々具体的な例をあげるまでもなしに、通産省当局としては、こういう具体的な事実について、指導機関として握っておるわけだから、早急に検討して、これをすぐ指示し、そしてこの無籍業者、業界に混乱がさらに助長されるということのないように、厳重にあなたのほうですべきである、こう思いますけれども、どうですか。
○齋藤(英)政府委員 ただいまお話がございましたその岐阜県でございますかの文書、私ども承知をいたしておりません。したがいまして、現在私どもとしてはいろいろ総合的な対策を考えているところでございますので、そういう問題に関しましては一時停止をするようにするのが適当であるというふうに考えております。
○野間委員 こういう文書を事実に反するから撤回するように指示をせい、こういう要求です。もう一ぺん答えてください。こんなことで時間をとってはしようがない。
○齋藤(英)政府委員 私どもいま申し上げましたように、経済的負担を員外者に対して強制するような内容でございましたならば、それは直ちにやめるようにするのが適当であると思います。
○野間委員 適当であるじゃなくて、もう少し正確に答えてほしい。撤回するように私のほうでやります、どうしてそれが答えられないのですか。
○齋藤(英)政府委員 現在どういうふうにするか、これは私どもとしても部内で相談をいたさなければいけない問題でございますから、私としましていまどうするということは正確にはお答えできません。ただ、いまお話し申し上げましたように、そういう員外者に対して云々ということに関しましては、これはそうするのが適当じゃないかと私の意見を申し上げたわけでございます。
○野間委員 その点について、大臣の答弁を求めます。
○中曽根国務大臣 局長と同じであります。
○野間委員 そういうようなことじゃ困ります。 それでは質問を進めます。 告示の問題について聞きますけれども、いわゆる届け出期間の告示ですね。いまの時点では、まだこの点についての告示はされていないわけですけれども、これについて一体予定はどうなっておるのかということが一点。 それから、この点についても、告示がないのに、各産地組合、工連が一方的に告示期間をきめて、この告示期間に届け出をしなければ完全な無籍になる、こういう文書をあちこちに流しておるわけですけれども、この点についても、これは明確に通産省が届け出期間の告示をしていない時点において、虚偽の文書を出しておる。これについても直ちに各産地組合あるいは工連に対して指示を撤回し、そしてこれを業者に徹底さすように、あなたのほうでやるべきだと考えますが、どうですか。
○齋藤(英)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、届け出開始の告示を出しますにつきましては、各般の事情をいろいろ考えて、先行きの問題については検討しておるということを申し上げました。したがいまして、いまのところ、告示を出す予定は、私のほうではまだ正確には考えておりません。 それから第二番目の、業界でその告示を云々というお話がございました。これが私どもが去年の十一月に改正をいたしました省令の附則に基づく告示の期間を業界がもしかってに言っておるのでありましたらば、それは撤回させるのが適当であると思います。
○野間委員 具体的にいまここに文書がありますけれども、一つは岐阜県のやはり毛織工業組合、それからもう一つは、尾西毛織工業組合理事長からですけれども、この内容を見ますと、二月十六日から三月十五日までが通産大臣あての届け出期間——これはもう過ぎたわけですけれども、その予定だ。したがって、それについては二月二十八日までに経済的負担金を納入してくれ、こういうふうに書いてあるわけです。こういう文書は幾つかあるわけですけれども、これを早急に検討して無籍業者がさらに困惑を助長するということのないように、いま答弁がありましたから、その点についてあらためてまた確認しておきたいと思います。 〔稻村(左)委員長代理退席、委員長着席〕 それからさらに、アウトサイダーの組合加入の問題です。これについてもかってに届け出期間をきめて、届け出をする場合には、組合に入っていない者については組合に入ることが条件である、こういう文書があるわけなんです。ここに一つ持っておるのは、尾西の毛織工業組合理事長小川四郎兵衛から出しておる書類でありますが、こういうふうに書いてある。アウトサイダーの方は工業組合加入を条件としますのでご協力下さい。」ここにちゃんとある。あなたが知っておるかどうか。こういう文書が回っておるわけだけれども、もしこれが事実だとすればたいへんなことになる。これはいまのところまだ加入命令は出ていないわけです。したがって、これについても撤回すべきであるとあなたのほうで強力に指示するべきである、こういうふうに思いますが、どうですか。
○齋藤(英)政府委員 ただいまお話がございました二月十六日から三月十五日までに告示の予定である云々ということは、全くそういう事実はございません。したがいまして、もしそういう告示の予告期間と何か関連させておることがあるならば、その内容自体が誤りでございます。 それともう一点の組合加入の点は、組合がいろいろな方に組合に入れというふうにいろいろすすめられることは組合の自由でございますから、それはそれでいいと思いますが、ただ、それが届け出云々に関連をしておるとすれば、これは行き過ぎではなかろうかと思います。したがいまして、私のほうは、そういうふうなものを一切見ておりませんけれども、内容を見まして、先ほど答弁いたしましたような趣旨で善処いたしたいと思います。
○野間委員 善処というのは、これは違法だから取り消すように各業者に徹底さす、こういうふうに理解してよろしいですね。
○齋藤(英)政府委員 いま申し上げましたように、私どもはその文書の内容を詳細検討いたしましてから、その措置をきめたいと思います。
○野間委員 それじゃこの点についてはまた時間の関係で次にお聞きしますけれども、次は、去年の六月に、当時の政務次官が談話を出しておるわけですね。「六月末の基本方針」という談話、これによりますと、「生計を立てるに必要な限度において、稼働する状態に凍結し、計画的に漸次これを減少させてゆくという実際的な処理方法をとる。」こういう記載事項があるわけですけれども、このうち「生計を立てるに必要な限度において、」というこの点について、これは具体的に一企業何台というふうに想定しておるのか、各業種ごとの必要台数、これをひとつ明らかにしてほしい。
○齋藤(英)政府委員 政務次官の談話の要旨をいま御指摘になったと思いますが、これは私どもの態度の一般的な方針を示しておるのでございます。したがいまして、ここに書いております趣旨は、やみ織機というものは本来違法なものであるからして、これを一挙に絶滅するということが望ましいけれども、いろいろそういうことを考えまして、いま直ちに生産活動をやめさせることはしない、そういう理由をここに書いてあるわけであります。したがいまして、私どもとしましては、本件につきましては、一応これは十一月一日の省令を改正して稼働だけを認めるという状態を考えたわけでございます。
○野間委員 いまやみ織機という表現があったと思いますけれども、あなたのほうでやみ織機ということばを使うのですか。これは登録織機に対する無登録あるいは無籍、これが通産省の文書全部に書いてある。やみ織機とは一体何ですか、取り消してほしい。 それからもう一点、私が聞いておるのは、この次官談話の要旨ですが、「生計を立てるに必要な限度」こう記載にあるわけですね、言っておるわけです。言っておる以上、これに対する具体的な内容がなければだめだ、そういうことになりますね。ですから、具体的にどのようなものを想定して、この談話になったのか。その点についてお聞きしておるわけです。
○齋藤(英)政府委員 ただいま先生の御指摘がございましたように、やみということばが不適当であるというお話がございましたので、私どもも公式な用語としてはやみというのは使っておりません。したがいまして、それは訂正いたします。 それから、二番目にお話のございました「生計を立てるに必要な限度において、稼働する状態に凍結し」、といいますのは、ここに言っております意味は、稼働だけを認めて、賃貸、移動その他は認めないという意味でここに言っておるわけでございます。要するに、生産活動だけを認めるという趣旨がこの趣旨であろうと私どもは考えております。
○野間委員 質問をよく聞いてほしいのですが、そうじゃなくて「生計を立てるに必要な限度において、稼働する状態に」云々、つまり「生計を立てるに必要な限度」ということは、無籍を持った業者が生活する、それに必要な限度という趣旨で使っていると思うのですよ。だから、どのように考えているのかということを具体的に答えられませんか。 もう一点関連してお伺いしますけれども、無籍業者、これは賃機業者、零細業者が多いわけですけれども、労働の実態等についてあなたのほうでは把握しておるかどうか、どうですか。
○齋藤(英)政府委員 いま再三お尋ねがございますが、「生計を立てるに必要な限度において、稼働する状態に凍結し、」ということでございますから、そういう「必要な限度において、稼働する状態」というのを、私どものほうでは、通常でございますれば、これは移動、賃貸その他いろいろ認められるわけでございますけれども、それは認めないということで、単に生産をするという状態だけを認めるということを私どもは考えておりましたので、こういう表現にいたしたわけでございます。 それから二番目の労働問題でございますが、私どものほうとしても、もちろんいろいろのことを知っておりますけれども、具体的にどういうことであるか、私ども御質問の趣旨がわかりかねますので、一般的にある程度は知っておるという程度でございます。
○野間委員 それではひとつ私のほうで資料がありますので、特に大臣に実態を聞いてほしいと思うのです。 ここに愛知の一宮民主商工会の繊維部が、四十六年の十一月にアンケートをとりまして集約した資料があるわけです。これは二百三十企業を調べておるわけですね。これによりますと、事業主の年齢が平均四十一・二歳、営業年数が平均十一・九年ですね。しかも、この中で二十年以上というのが三十二軒、一四%。十一年から二十年というのが六十九業者、これは三〇%ですね。五年−十年が九十一業者、四〇%。非常に長い。それから織機が、これは一宮に関するものでありますけれども、登録が三五%、それからそのほかに認定、これはあとでまた問題にしますけれども、いわゆる認定書を発行した織機が二一%、百三十三台。それから無籍が四四%、二百八十台。さらに一業者の平均所有台数が二・七台、まさに零細なんですね。それから従業員の平均が二・二人、稼働時間は一日平均が十四・五時間、たいへんなことなんです。最高は十八時間。 その中で、一体工賃の関係はどうなのか。織機一台月平均六万四千百二十円あげるわけです。それで、この点について平均従業員の数で八時間労働で計算いたしますと、概算で一人当たりの工賃が月二万六千円、まさに朝は朝星、夜は夜星で、朝から晩まで寝ずに働いて、しかもその結果が何と一カ月一人当たり二万六千円という非常に深刻な中でいま暮らしておるわけです。 こういう実態を考えた場合に、この実態からしても、これはあとでまた触れますけれども、削減の問題、こういうものはとうていありようがない。こういう業者についても削減するということは、まさに業者に死ねというにひとしい。こう思うわけです。こういう実態について、私がいまアンケートの結果を述べたわけですけれども、大臣、どう思いますか。
○中曽根国務大臣 よく拝聴いたしましたが、もしそれが事実であるとすると、かなり低賃金であるように思います。
○野間委員 ですから、そこで出てくるのは工賃アップ要求ですね。これが二百二十二業者、時間短縮が百六十八業者、その他幾つかありますけれども、この要求からしても、いかに長時間労働と低加工賃の中で業者が苦しんでおるかということが明らかに出ておると思うのです。したがって、こういう実態を踏まえて、この無籍業者の施策についても考えなければならぬ。その点を私は強く要望するわけであります。 次に、二五%削減、五年間でこれだけ減らすということについて質問するわけですけれども——その前に、確認の問題について触れておきたいと思います。御承知のように昨年の十一月一日付の五百五十七号告示、これはずっと以下ありますけれども、五百五十七号告示というのは、綿スフに関する告示ですね。この中で、日本綿スフ織物工業組合連合会、工連の確認を受けること、それから施行時の織機が四十七年六月十日以前に設置されたものであること、これがいわゆる調整規則附則第七項に基づいた基準である、こういう告示があるわけですけれども、ここでお聞きしたいのは、その確認の内容、これはどういうものなのかということをお答え願いたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 いまあげられました告示の要件として、六月十日以前に稼働しておるということ、稼働でありましたか、あるいは設置してあることということについての確認を受けるという意味でございます。
○野間委員 そうしますと、もう一度確認しておきますけれども、四十七年六月十日以前に設置されたものであること、それから施行時というのは四十七年十一月一日になっていると思うのですけれども、現在で現に設置されておるもの、こういう事実を工連が確認する、こういうことですね。確認の内容はそういうことですね。
○齋藤(英)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○野間委員 それ以外には、確認の内容としてはありませんね。
○齋藤(英)政府委員 私どもそれ以外はないと考えます。
○野間委員 そうしますと、経済的な負担ですね、これは確認の条件でもなければ、届け出の条件でもない。こういうことになりますね。 それから削減計画、これについても確認について聞きますが、確認の条件ではない、これはあなたの答えから当然出てくるわけですけれども、そうですね。
○齋藤(英)政府委員 ただいま申し上げたとおりでございます。
○野間委員 ところが実際には経済的な負担、とりわけ先ほどから申し上げておりますように、これを条件にしなければ確認をしない、こういう文書を工連、産地組合が業者にあちこちまいているわけです。そうすると、これらの業者の行為は違法だ、条件になっていないわけですから。確認の内容としては、先ほどから言っておるように、単に昨年六月十日以前に設置されたものである、それから昨年の十一月一日に現にこれが設置されて稼働しておる、こういうことだけですから、こういうことは違法になるわけですね。ところが、そういう違法な行為を堂々と工連がやっておる。産地組合がやっておる。これについても、あなたのほうでこれは条件でないとすれば、当然そのような違法行為をやる産地組合、工連に対してきびしく行政指導をして、このような違法行為、法律に反する行為はやらさぬ、そういう指導をすべきだと思いますが、どうですか。
○齋藤(英)政府委員 業界が出しております通牒と申しますか、通達と申しますかよく存じませんけれども、内容を見ておりませんけれども、内容をよく見ましてから私どももよく検討をさせていただきたいと思います。
○野間委員 それから通産省は御存じですか。各工連が、たとえばこれは毛織りの場合ですけれども、毛織機届出書それから確認申請書、こういう書面をつくっておりますけれども、こういうのは御存じかどうか。これには様式の十三とか十四、こういうのが印刷してありますけれども、これは通産省が統一的にこういうサンプル文書をつくられたものであるかどうか——見せましょうか。
○齋藤(英)政府委員 そういう文書は存じておりません。
○野間委員 そうすると、あなたのほうでは、届け出あるいは確認のこういう様式というものをつくって、工連とかあるいは産地組合におろしたことはない、こういうふうに理解していいですか。
○齋藤(英)政府委員 いまの例、私、存じませんけれども、現在告示も出ていないわけでございますからして、そういうことはございません。
○野間委員 もうあと数分しかありませんのであと一、二点お聞きするわけですが、いわゆる二五%の削減の問題についてですけれども、これは工連が自主的にきめたものであるのか、あるいは通産省がそういう指導をしたものであるのか、先ほどからも質問が出ておりましたけれども、もう一度答えていただきたいと思うのです。
○齋藤(英)政府委員 業界が自主的にきめたものでございます。
○野間委員 その点が私は解せないのですが、あなたのほうで四十七年十月二十五日に「無籍織機対策について」という先ほどから出ております文書があるわけですが、同じ四十七年十月「無籍織機対策について(案)」という繊維雑貨局から出しておる文書があるわけです。これによるとこういうことが書いてある。これは二ページです。「具体的な措置は、現在政府部内で調整中なのでその調整を終え次第決定し、来たる十一月一日から実施することとしているが、対策の骨子は次のとおりである。」こういうことの中でこういう記載があるのです。「第一次計画として今後五年間で無籍設備の四分の一を次の方法により産地組合の責任において解消させることを条件に無籍設備を凍結する。」これは通産省の方針としてちゃんと書いてあるわけですよ。あなたは先ほどから、これはあくまで産地組合あるいは工連が自主的にきめたものである、こういうように言っておりますけれども、これは事実と全く違うじゃありませんか。——見せましょうか。
○齋藤(英)政府委員 その内容の文書を私どもつまびらかにしておりませんけれども、私が先ほどから申し上げておりますように、たとえば先ほどお話がございました十月二十五日の文書にも明瞭に書いてあると思いますが、私どもといたしましては、四分の一、二五%を減らすということにつきましては、業界の自主的なやり方であるというふうに考えております。
○野間委員 いまあなたはその文書を見たでしょう。この三ページのところにちゃんとあるでしょう。どうですか。ちょっと見て正確に答えてください。
○齋藤(英)政府委員 ただいま見ましたけれども、うちのほうの部内の案として一応いま御指摘のことが書いてある、これは事実でございます。したがって、これは私どものほうの案の段階ではそういうことがあるいはあったかもしれません。
○野間委員 それじゃこれで一応質問は保留して……。
○浦野委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 きょうは非常に限られた時間でありますので、何点かお伺いしたいと思います。 無籍織機の問題がずっと出ておるわけですが、無籍織機所有者に対しまして一台当たり五万円を出させる、これによって組合が無籍織機を買い上げ破砕する計画のようであるわけですが、これは政府の方針であるのかどうか、計画の内容を明らかにしていただきたいことと、どういうような法的な根拠で行なわれておるのか、この二点につきましてお伺いしたいと思います。
○齋藤(英)政府委員 二五%削減の問題につきましては、これは業界の自主的な措置としてやっておることは申し上げたとおりでございます。したがいまして、逆に申し上げますと、これは法律的な基礎がないということでございます。
○近江委員 いまこの無籍織機が十二万六千台とか、この実数というものがはっきりと把握はされておらないようですが、通産省としては、この数はどのくらいと見ておるのですか。
○齋藤(英)政府委員 私どもが国会の附帯決議に基づきまして昨年の五月十一日から一カ月間かけて調査をいたしました結果、いま申されましたおおむね十二万六千台という数字を把握したわけでございます。
○近江委員 この無籍織機の問題は商工委員会におきまして何回も問題にもなってきておるわけですが、いずれにしても、細々と一台、二台で生計を立てておる、まことにそういう立場の零細業の人がほとんどであります。そういう点におきまして、これはもう深刻な生活防衛の問題でもあるわけです。そういうことで通産省のそういうやり方というものが非常に大きな圧力になってきておるわけでございます。先ほどからいろいろな質疑も出ておるわけでございますが、通産省としては、こういう人たちの生活を守るという観点より、何とか早くつぶしていきたいというような非常に冷酷な姿が映っておるわけです。こういう零細業者のあり方につきまして、政府としてどういう姿勢で臨むか。やはりあなた方の零細業に対する根本的な考え方が一番問題だと思うのです。こういう零細業者についてどのように考えていますか。
○齋藤(英)政府委員 無籍織機を持っておられる方は零細業者がかなり多いということは事実でございます。したがいまして、私どものほうの方針といたしましては、無籍織機自身は本来はアウトサイダー規制命令の違反でありますから、冷たくいえば、法律的には何らかの方法でなくすということが出てくるだろうと思います。しかしながら、いま御指摘がございましたような各種の点をいろいろ考えまして、これを私のほうとしては一挙になくすということは考えずに届け出を受けました織機につきましては、これは稼働を認めるという方針で対処したわけでございます。
○近江委員 こういう零細業者の保有しておる台数につきましても、ほぼそれだけの実数も握っておるわけでありますし、これ以上拡大するということはまずないと思うのですよ。そういう点におきまして、条件なしで登録織機と同じようにしてあげるという考えはありませんか。
○齋藤(英)政府委員 今後の問題につきましては、私ども各般の事情をいろいろ考慮して対策を考えておるということは申し上げましたとおりでございまして、付言をいたしますならば、これは調査をいたしましたように、有籍のと申しますか、登録織機の台数というのはおおむね七十万台くらいございます。したがいまして、その七十万台くらいございます登録織機を持っておられる方の御意見も十分聞かなければいけないと思いますし、かつまた、いまの零細業者の立場も十分考え、双方いろいろ考えまして建設的な方向で対策を考えたいというふうに考えている次第でございます。
○近江委員 それで無籍織機のきわめて零細な業者、こういうところに対する特に政府系の金融機関の融資というものが非常にしぼられてきておるわけですね。こういう点につきまして、政府として締め上げの方針を出しているのと違いますか。そういうことはありませんか。
○齋藤(英)政府委員 政府関係金融機関の融資につきましては、登録をしない織機に対しましては、これは対象といたしておりません。
○近江委員 そういうように金融機関におきましても、すべてそういう条件のもとで操業を続けていかなければならない、そういうきわめて苦しい立場にいるわけですね。私が先ほど申し上げたように、これ以上台数も拡大することは考えられないわけでありまして、やはり金融とか、そういう点におきましても十分な配慮をしてあげることが非常に大事だと思うのです。政府系の金融機関におきましても、そういう締め出しを食っている。こういうことは当然民間の金融機関等にも大きくはね返ってくるわけですね。そういう点、依然としてあなたの方針というものは変えないわけですか。
○齋藤(英)政府委員 従来から登録を受けておられる方も多数ございます。したがいまして、本件につきましては、私どもは、現在のところ、そういう対象にするようには考えておりません。
○近江委員 通産省のいままでのこうした無籍織機に対する態度というものは、きわめてそういう冷たい態度であったと思います。現実に零細な人は、家族を含めますとかなりの数になるわけです。ですから、そういう現実に対してもっとあたたかい気持ちを持って、そういう人を抱きかかえていくという政策を出してあげる必要があると思うのです。あくまでも零細業者の人たちという点から、政府としても中小企業、零細企業の保護は第一にやっていくのだということをいつも言っておるわけでありますし、今後ともそういう現実というものをよく認識してもらって、でき得る限りのそういうあたたかい施策を展開していただきたいと思うのです。非常にむずかしい問題ということで政府も頭をかかえておるわけでありますが、この点、特に私は、大臣にそうした今後のヒューマンな対策を強く要望したいわけです。この問題について、まとめて大臣からひとつ所感をお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 いろいろ複雑な事情もあり、またいろいろな因縁も過去においてあることでありまして、周到な配慮をもって処理いたしたいと思います。
○近江委員 それからセメントの問題でございますが、この前ちょうど大臣が参議院のほうへ出られておりまして、おられなくて政府委員に聞いたわけですが、これも特に零細業者、一袋、二袋使用するようなところが非常に苦しい目をしておるわけです。一俵三百円くらいが、ひどいときには大阪では二千六、七百円しておるのです。なぜかといいますと、とにかくそれだけの値がしても、一日遊ぶことを思えばまだましだ。奪い合いなんですよ。それで朝、職人さんををずっと材料店に並ばして、一俵買いというような形が行なわれておるわけです。そういうセメントの問題についてお聞きしたわけですが、バラ売りが八割、袋ものがあとの二割ということです。こういうのを使用するのは零細だけではありませんけれども、特に零細は袋ものをよく使うわけですが、全体の生産量が足らない。そこでやむを得ないから韓国から緊急輸入一万トンということを政府は決定したわけですが、これがいまだに入ってないわけです。聞いてみますと、商社が集中しておるとか、お互いがしのぎを削っておる。こんなことであっては政府が幾ら発表して——みんな政府も何とか緊急対策で考えておるなと思ったが、現実には入ってないわけですよ。こういうもたもたしたようなことではだめだと思うのです。大臣として、韓国からの緊急輸入一万トンについて、どういう対策で緊急に入れるか。さらに、韓国に要望して、出してもらえるなら、またその追加をしていく考えがあるかどうか。また、他の地域からの輸入は考えておらないのか。また、国内のそういう増産体制についてどういう緊急指示を出しているのか。こういうことにつきましてお伺いしたいと思うわけです。
○中曽根国務大臣 まず四十八年度に入りましたものですから、四十八年度の生産量を業界とこの間うちからいろいろ打ち合わせをいたしまして、千三百万トンふやしてもらいまして約九千万トン——八千八十万トンくらいの需要がある見込みです。それで九千万トンをオーバーする生産計画を立てました。それで第一・四半期に特に集中しておりますから、第一・四半期で七百万トン以上毎月出してもらうように努力しておるところであります。 この間セメント会社を見に行きまして、社長にも会って、いろいろ実情も聞き、その結果、大体ばら売りが八〇%、袋ものが一七%くらいでありますけれども、その一七%の中でも八〇%くらいは大口需要、官公需等の袋ものなんです。ですから市中で大工さんや左官さんが使うというのは全体の総生産量の三%くらいです。そこで、官公需や大口需要をこの際しばらく切って、その分を少し市中の建材店や何かに回す袋をふやそう、それでいま割り当ては三%でありましたが、さらに二%ふやしなさい、そういう指示をいたしまして、いまこれを実行しようとしておるところであります。それと同時に、セメント各社とも話をして、あっせん所を府県につくりまして、そこへ申し出てもらえれば、袋ものをいまのようになるたけ安く渡す、そういういま方途を講じている最中であります。
○近江委員 韓国の輸入がもたついておるのですけれども、それはどうするのですか。
○中曽根国務大臣 韓国は一万トンばかり手当てしましたが、日本の業者が殺到いたしまして、いろいろつつきまして、残念ながら五千トンぐらいに減りそうだという報告であります。しかし、引き続いて韓国から入れるようにいま努力をしております。
○近江委員 そのように政府が話し合って一万トンというものをきめておりながら、業者の争いで半分しかない、こういうことになりますと通産省の指導性ということも疑われるわけですよ。みんな注目しておりますし、強力な指導性を発揮されて、一万トンプラスアルファということで緊急にひとつ早く輸入をしていただきたいと思うのです。そうでないと実際の現場というものは非常に困っておるわけですね。大臣のところに入ってくるニュースというものはしぼられた形で入ってくるんじゃないかと思うのです。われわれはなまのその人らの悲痛な訴えを聞くわけですし、その点はほんとうに十分な配慮をひとつしていただきたいと思うのです。特に強く、これは重ねて要望しておきます。 それから、いま通貨の問題と資源問題というものは非常に大きな問題になってきておるわけですが、資源という問題からいきますと、アメリカ等におきましても非常にいろいろ節約をしようとか、特にエネルギー問題等におきましても、電力の節約の問題であるとか、資源の再生の問題であるとか、いろいろなことが行なわれておるわけです。ここで私は、資源の再生利用技術の開発というものがわが国としては非常におくれておるように思うのです。そういうことで、アメリカ等におきましては、この資源再生法であるとか、国家物資政策法というような法律で資源の再生あるいは利用技術の開発計画を援助しておるわけです。こういうことでただもう輸入するというだけの行き方では非常に片手落ちだと思うのです。そういう点が非常にわが国としてはおくれておると思うのですが、この点について大臣として具体的に立法化もして、そういう方面に注視してやっていくというお考えはありますか。
○中曽根国務大臣 日本は資源の多消費型国家でございましたために、いろいろ公害やら何かの問題も起きましたし、またいろいろ廃棄物の処理等の問題も出てきているわけでございます。しかし、この情勢を見まして、多消費型から知識集約型と付加価値の高いものへ移行しようと思って努力しているところでございますが、また、一面において、いまおっしゃいましたように、資源の節約及び使ったものの再生、そういう点も今後大いに考えていく必要があると思います。現在、新聞や何かの古紙の回収等においては、かなり大量の古紙が新しくできる紙の原料になっておりますけれども、ほかの分野においてもそういうふうに考えていく必要がございます。いまおっしゃいましたそういう立法行為等については研究してみたいと思います。
○近江委員 私もアメリカのをぜひ一ぺん取り寄せて勉強してみようと思いますが、大臣もそういう点をよく研究してもらって——これは決してゆうちょうな問題じゃないと思うのですね。ですから早く手を打っていただきたいと思うわけです。 それから時間の関係であと一つだけお聞きしておきたいと思いますが、海洋博の問題でございます。沖繩という非常に限られた地域で、あれだけの公共投資ということで非常に物価高になってきておりまして、それをあおっておるのは海洋博である、開発優先の弊害がまざまざと出ておる、いろいろそういうことがいわれておるわけです。 それで二階堂官房長官が四十八年度の工事の繰り延べを検討したい、このようにも言っておられるわけですが、工事は政府としては当然早くやって間に合わしたいという気持ちもあるでしょうし、また、こういうような海洋博インフレというものを現実に招いておる、そういうことでいろいろな問題が山積をしておるわけですが、今後中心となって進めていかれるのが中曽根大臣でありますし、こういう問題につきまして、いま大臣としてはどういうようなお考えを持っておられるのですか。
○中曽根国務大臣 海洋博に伴いまして、沖繩県において労務及び物資及び物価の問題が起きまして、まことに遺憾に存じております。先般、坪川沖繩開発庁長官が行きまして、その報告も聞きましたけれども、内閣も対策本部の物価部会及び流通部会等活用いたしまして、各省でもすぐ緊急の打ち合わせ会をやりまして、物資別、地区別の需給計画をつくりまして、それをいま現実的に行なうように一生懸命やっている最中でございます。特にセメント、労務こういう問題が目についてきておるようであります。
○近江委員 こうした政府がやります国際的な行事でありますし、非常にむずかしいこともわかるわけでありますが、何よりもやはり住民福祉がこういうように大きな問題になってきておるわけでありますし、まずこの安定をして、それによって住民の協力も得られる、やはりウエートをしっかりそこに置かれて全力投球をしていくことが一番大事だと私は思うのです。そういう点、いまそうした会議等を開いてやっておられるということおありますが、しかし現実は、沖繩の人とも会って話を聞きますと、そういう形によっていろいろな点で生活にしわ寄せが来ておる、そういう悲痛な叫びをしておるわけです。そういう点で、特に住民福祉という立場から、そういう安定に力を入れていただきたい。そうしないともう現地は全部海洋博反対になってきますよ、このままでいけば。その点を重ねて長官に要望しまして、時間がありませんので、これで終わりたいと思います。
○浦野委員長 加藤清二君。
○加藤(清二)委員 先ほど質問漏れになりました残余の質問に対して、時間を少々いただけたようでございまして、委員長や理事さんのお骨折りを感謝しつつ質問を続けたいと存じます。 質問がたくさんございまするが、今回いただけた時間が二十五分だそうでございまするので、ピックアップして質問したいと存じます。 先ほど、やみがなぜ存在するか、存在するのに価値があるかないかということの一部をお尋ねしたわけでございまするけれども、通産省にお尋ねします。やみ屋というのは、やみ屋と言ってはいけなければ無登録織機、どちらでもいいのですが、無登録織機の存在する場所はどこなんですか。どう把握しておられますか。
○齋藤(英)政府委員 現在無登録織機の多い地帯といたしましては、まず業種といたしましては、やはり一番多いのは毛織機の関係かと存じます。それから二番目にタオルの業界もかなり多かったかと存じます。 それから場所的に申し上げますと、やはり中京地区はかなり多いのではなかろうかと思います。それから大阪の南部にも一部あったかと存じます。
○加藤(清二)委員 やみがほとんどないというところがあるかと存じまするが、そういうところはございませんか。
○齋藤(英)政府委員 たとえばでございますが、静岡県等ではやみが非常に少ない、ないしは産地組合によってはほとんどないところがあったように記憶しております。
○加藤(清二)委員 先ほど大臣が正直者がばかを見ないようにしなければならぬということばを三べん言われたのですが、その具体策をお示し願いたい。
○齋藤(英)政府委員 大臣が正直者がばかを見ないというふうに申し上げました趣旨は、私が推察をいたしますのに、現在登録織機は七十万台ございますが、その七十万台の登録織機、登録制度というものを厳重に守っていこう、そういう考え方が、産地組合によっては、いま申し上げた静岡県などにあるというふうなことで、そういう方々のお気持ちを十分生かして対策を立てなければいけないのじゃないかという趣旨で大臣が申し上げたように存じております。
○加藤(清二)委員 無登録がいけない、やみがいけないという声、これは古くて新しいことばなんです。綿々として続いておるということなんです。しかし、そういういけないという織機がほとんどないというところは、その間、正直に指示を守ってきたところだ。つまり政府の方針に忠実であったということなんです。それが一番正直だと思いますが、それはすなわち、いまあなたの指摘なさった浜松近在の機場だと思います。もしこのやみを登録と平等に扱ってしまったという結果になりますと、それこそ正直者がばかを見るということになりますね。ですから、この対策は何かございますか、ございませんか。なければ、わがほうにはありますけれどもね。
○齋藤(英)政府委員 現在検討中でございまして、私どものほうに具体的な案は現在ございません。
○加藤(清二)委員 ございませんか。それでは、これは後ほどわが党から正直者がばかを見ないためにはこういう手があるがということを提案してみたいと存じます。やはり大臣がいらっしゃったときのほうがいいと思いますので、そうします。 問題は、やみが絶えないというところは、というより、やみがふえる時期はどういう時期だとお考えでございますか。
○齋藤(英)政府委員 これは景気の動向によって著しく左右される面があるのじゃないか。たとえば、好況のようなときには無登録織機がふえるという傾向があるように考えられます。
○加藤(清二)委員 そのとおりでございます。権利義務があって、その権利から受ける利益が非常に多いとき、そのイミテーションが生まれてきます。そのイミテーションが、この場合は無登録ということになるわけですね。なぜそうなるだろうか。つまり、やみを絶滅するには発生の原因をよく検討しなければ始末ができないと思いますから申し上げますが、業者の気持ちになってみますと、やみは少なくしなきゃならぬ、減少したい、減少したいといいながら、それは一体どこの機であるかと尋ねるまでもなく、それはよその機なんですね。減らしたい、減らしたいというのは、よその機を減らしたいのであって、自分のところの場合は、ふやしたいのです。こういう利益、欲望につながる本能的な基本的な問題、これを解決しなければ、どんなに法律をつくってもこれはだめだと思います。先ほど大臣が、各党がまとまれば立法措置をしたいと言ってみえたんですけれども、前例はたくさんあるのです。 たとえて申しますと、白タクというのが一ときたくさんございましたね。これを絶滅しなきゃならぬというので、国会へ、国会へと陳情がございました。その場合にどう処置したかといったら、白タクは零細なものばかりだった、しからば個人タクシーということで、これを合法的に認めるということにしようじゃないかということになって、いまでは、どうせ乗るなら個人タクシーのほうが安心して乗れるといって、お客さんのほうから喜ばれているわけですね。それは自分のものだからなんです。しかし、その個人タクシーといえども、それじゃ無制限に働いていいかというと、そういうふうにはなっていないんですね。やはり八時間労働ということになっておる。そして賃金はといったら、大きな会社のタクシーも個人タクシーも同じ値段である。したがって、先ほど労働基準法違反があると申し上げましたけれども、それを除去するには——好きで十五時間も二十時間も働くんじゃない。時間当たりの加工賃が非常に少ないものだから、やむなく働かなければならぬということになる。したがって加工賃の問題ですね。出機の加工賃の問題も、これは大企業だから高い、零細企業だから安いというやり方は間違いであり、その実例の白タクのときは、安かったけれども認めてやったら同じ値にしたというようなことを、これは将来に向かって考えておいていただかなきゃならぬ、かように思うわけです。 それから、無登録織機の存在意義と申しましょうか存在価値を当局ではどのように考えていらっしゃるのですか。
○齋藤(英)政府委員 無登録織機は現実にいま存在しておるわけでございます。したがいまして、存在しておりますからには、これは法律上の問題は別にしまして、経済的あるいは社会的には何らかの存在意義があるということではなかろうかと存じますが、私どもいま考えますのは、先ほど申し上げましたように、好況のときに、要するにそれの周辺部分として存在するということも考えられます。それからなお考えますと、僻地にあるようなものもございますけれども、そういうところにおきましては、たとえば出かせぎに出るところを出ないで済むというようなこともあるいはあるかもしれないと思いますが、いま思いつくのはそのくらいでございます。
○加藤(清二)委員 存在価値は立場によって違いますけれども、まず親の立場からこれをながめてみますと、無登録織機は親の自己保存の調節弁にされておるのですね。あなたがいみじくも指摘なさったように、景気のいいときにはばあっと仕事をやって、景気が悪くなったら、はいさよならといって糸を渡さない。退職手当金をやらぬでもいいから、これは親のほうとしてはまことにありがたい存在ですね。また工賃も、労働基準法を守っているれっきとした工場へ出せば高い。しかし、無登録のところへ持っていけば安くやってくれる。ひどいのは北陸路のナイロンタフタ、十三、四時間かかって大体工賃が六百円くらいしか取れない。普通の工場では千二、三百円、原価計算からいってもそれが妥当であるというのに半分だ、これではかなわぬという声を聞いたことがございますけれども、これは親の自己保存の調節弁にされている。これは政府も考えてもらわなければならぬですね。大体、佐藤内閣がそういう先例を幾つも幾つもつくったのですね。自分の内閣を守るために都合が悪くなるとトカゲのしっぽを次から次へと切って、自分のからだだけ残した。そういう手本を示しなさるから、おれらだってそれくらいのことはいいじゃないか、こういう声が機屋の陰から聞こえてくる。それが実態なんだ。 それからもう一つは、通産省も考えていただかなければならぬのですが、通産省は、今後のわが国の生産は労働付加価値の多いものをという指導をなさる。労働付加価値の多いものを、こうなりますると、大工場で百台も二百台もそろったところで少量多品種はできない。隣で赤、次が青、次が黄という織り方は、みなきずものになっちゃうからできませんね。労働付加価値の多いものというと、これは需要のほうが少ないのですから、どうしても少量生産にならざるを得ぬ。そういうものを大工場でやってはかなわぬからというので、ついつい無登録をつくることになる。ちょうど自動車工業にしても、本社というのはアセンブル工場であって、部品は全部よそでつくらせる。特に少量のものは下請のほうがいい。これはもう経済の自然なんですね。したがって、この指導をなさいまするおりに、ただ少量多品種、付加価値というだけでなくて、それにつけ加えて、ぜひそういう少量のものは親に向かって交渉権を得させ、団結権と交渉権を与えるようにしなければ、これは仏つくって魂を入れずということになると存じます。ここらあたりも今後の対策としてひとつ考えていただきたいと存じます。 工賃をたたく材料になる、これは先ほど申し上げましたからこのたびは避けますが、労働組合の賃金を押える一つの手段に使われているのですね。おまえらは賃上げ賃上げと言うけれども、そんな高いことを言うなら出機のほうはもっと安くやってくれるわ、つまり労働者の賃金をアップする場合の冷却材に使われている。このことが先ほど申し上げましたようにレーバーダンピング、チープレーバーということになって、先進諸外国から日本の繊維の輸出品が制限を受ける悪結果を招来しているのでございますから、ここらもひとつよく御検討願いたいと存じます。 ところで今度は立場を変えて、無登録者自身は一体どういう利益があるかといえば、農閑期に出かせぎに行かなくてもいい。奥さんは毎日だんなさんの顔を見ながら暮らせる。かぎっ子も機の陰で育てることができる。したがって、少々長い時間働くぐらいはしんぼうしましょう、二宮金次郎方式でいきましょう、こういうことになって、それは無登録者自身もまるっきり損ではないわけなんですね。だから、これは続いていくわけなんです。しかし、先ほど申し上げましたように、労働基準法を無視する長時間労働である、婦人の深夜作業が行なわれている、しかも最低賃金制はそこにない、これは片手落ちだ。したがって、労働省ともよく御相談の上、こういう悪だけは除去していく、こういうことにしていただかなければならぬと思うのです。 それから次に、自治体の立場からこれを考えてみますと、やはり自治体もないよりあったほうがいい、こういう考え方になるわけです。なぜ、ないよりあったほうがいいかというと、これはほとんど過疎地帯につくられていくのですから、したがって、いたずらに労働力を他府県、他町村に流出する必要がなくなってくる。農家の納屋が利用できる。おまけに、先ほどお尋ねしたように、地方自治体も税収がふえてくる。したがって、これは地方自治体もなおあったほうがいい、こういう結論になるわけです。 そこで私が言いたいことは、それだけ有価値的存在でありとするならば、しかも税金を一人前に取っているとするならば、義務だけ課するという手はない。権利も平等に与えるべきではないか。その権利は、いまの登録という権利もありましょうが、最も差別待遇を受けているのは国家金融だろうと思うのです。国家の金融機関はこれに対して貸しておりません。しかし、市町村あるいは県の保証協会のつかさどるところの金は、これはその県が得することだからついつい貸す、こういうことになるわけなんです。同じ政府系統機関でも、国家三公庫は貸さないが、県は貸しておるというのは、これはおかしな矛盾なんですね。ここらの調節もひとつお考えおき願いたい、こういうことでございます。 以上、私はその存在価値を申し上げ、その対策を申し上げましたけれども、そうでなくて、立場を全然変えてほんとうに悪であるという観念に立つならば、これは殺さなければならない。殺すのだったらこれは簡単です。親を差しとめたらいい。やみ屋殺すに刃物は要らぬ、糸の十日もとめればいいという声があるのですが、これはそのとおりなんです。糸を与えるやつがいるから存在する、生き延びていく。やみ屋やみ屋といって軽べつされているけれども、無登録無登録といって軽べつされているけれども、この方々は、自分で原料買いの製品売りをやっているんじゃないんだ。あらかじめ自分でつくって、あとから他人に売っているんじゃない。親から糸をもらって、柄をもらうからつくるんだ。問題はつくるんじゃなくて、工賃をかせいでおるだけなんです。だから悪であるという規定をするならば、当然糸の場所をとめるべきだ。それができますか、できませんか。 通産省、以上の諸点について繊維局の見解があったらお述べいただきたい。なければ次へ進みます。
○齋藤(英)政府委員 いろいろ重要な点を御指摘いただきまして、私ども御意見をもとにして先行きの問題について検討いたしたいと存じます。
○加藤(清二)委員 残余の質問は後にさせていただきます。
○浦野委員長 次回は、来たる十日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十二分散会