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71回国会衆議院1973/03/30

商工委員会 第12号

発言数
175
登壇者
22
会派数
3
開催日
1973/03/30

会議録

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、中小企業に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。越智伊平君。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 私は、最近非常に逼迫をいたしており、また非常に高騰を呼んでおりますセメントの問題につきましてお伺いをいたしたいと思います。  まず、最近のセメントは、御承知のとおり異常な逼迫をいたしておりますが、このことについて、通産当局はどのように把握をし、またどのように対策を立てておられるか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 最近セメントの需要が急激に伸びておりますが、これは例年、過去十年くらいが大体年率一〇%ぐらいの伸び率でございましたけれども、ことしは、去年の秋口から民需が盛り上がり、それから公共事業等の増大によりましてずっと高い伸び率を示しておりましたけれども、特に年が明けましてから、この暖冬異変によりまして依然として民需が旺盛でございますこととか、あるいは年度末になりまして官公需関係、公共事業関係が非常に殺到してまいった、こういった事情もございまして、不需要期であります一月、二月が、たとえば一月で二二%増、二月が前年度同月比二五%増、三月も十五日までのところでは二一%増、こういうふうに過去に例を見ない非常に高い伸び率を示しておるのでございます。  こういう情勢に対処いたしまして、セメントメーカーのほうも設備のフル稼働をいたして生産の増大と出荷の促進につとめておるところでございますが、加えまして先月の国鉄の順法闘争の影響が出始めまして、当初セメント不足が、特に伸び率の高かった中国地方に限られておりましたのが、だんだん全国的にも広がってきた、こういう状況にございます。  通産省といたしましては、ただいま申しましたようにフル生産を指示いたしますとともに、輸出を極力内需に振りかえるということで、年間二百万トンの輸出を予定しておりましたところを、既契約で切れない分は別といたしまして、極力内需に振りかえることにいたしまして、大体年間で百万トン以内におさまるように、去年の四、五月ごろが月に十五、六万トンの輸出でございましたのを、ただいまは五万トン以下に輸出を押えております。  それから災害復旧でございますとか、治山治水といった、時期的に限られておりまして急ぐ必要のあるものにつきましては優先的にセメントの確保をはかるといった施策、それから価格が高騰しないようにという配慮方を業界に要請いたしますとともに、今月の上旬に韓国から袋ものの緊急輸入も決定いたした次第であります。  なお、去る三月二十二日に関係各省、それから需要業界等もお入りいただいた需給協議会を開きまして、この三月、四月あたりが非常に急増しておりまして一種のピークをなしておりますので、そのピークの山をなるべくやわらげるという意味で、災害復旧等の急を要しますものを除きました官公需につきまして一部工期の繰り延べをやるということで関係各省間で至急に検討することをその中央協議会で決定をいたした次第でございます。きょうの午後、この中央協議会の小委員会を開きまして、どういった面の官公需の繰り延べをするかといった点の検討をいたすことにいたしております。いずれにいたしましても、フル生産をすることと輸入等によりまして供給力をふやすことが第一かと存じまして、そういった面で努力をいたしておるところでございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 ただいま対策についてお伺いをいたしましたが、その対策の手を打つのが少しおそきに失したのではないか、こういうふうに考えられるのでございます。いまお話にもございましたが、この対策委員会が三月二十二日に開かれた。それより以前は開かなかったのでございましょうか。その点をまずお伺いいたしたいと思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 特に中国地方でこの一月ごろから需給逼迫の度合いが目立ってまいりましたので、中国におきましては、広島通産局におきまして、地方の建設局の出先機関、それから府県並びにセメントメーカーの出先機関を集めまして、現地での対策協議会は、いろいろ開催をいたしておったのでございます。それから、関係各省との間では随時協議いたしまして、需要に見合った能力増加策といったような点を検討はいたしておりましたが、中央需給協議会という形で、メーカーそれからユーザーの方もお入りいただき、各省も入りましての公式の会合は三月の二十二日が初めてでございました。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 確かに中国はセメント不足、また災害を含む公共事業が非常に多い、こういうことはわかるのでございますけれども、その中国に手を打った、こういうことによって、全国的に見ますと供給面にアンバラを生じておるのではないか、地区によっては非常にそれ以上に逼迫しておる地区が出てきておるのではないか、こういう懸念があるわけなんですが、その点はいかがでございましょう。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 中国地方は、特に山間部におきまして、たとえば三次地方でございますとか太田川の上流地域で災害復旧が急がれておりましたことと、中国縦貫道の建設あるいは山陽新幹線の建設といったような工事が重なりまして、ことしに入りまして、月別の伸び率が前年同月比で四割から五割という伸び率でございましたので、セメント不足が目立ってまいりましたために、周辺地区から急遽この中国地区に重点的に輸送いたしまして、供給の確保をはかったのでございます。その結果、生産はフル操業をしておりましたけれども、ほかの地域のものが一部中国に振りかえられるといったような事情もございまして、たとえば四国地方でございますとか、あるいは兵庫県でございますとかいった地域にその影響が出てまいりまして、漸次その不足がほかの地域にも波及するといったような現象が出てまいりましたので、中国地方だけの問題としてでなくて、各地域での不足に対処するということで、地方協議会を四国、それから大阪、名古屋等と各地域でただいま開きまして、その供給確保対策につきまして対策を整えつつある段階でございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 こういったことで非常にセメントが逼迫をしておる。このことはただいまわかったことではなくして、今年度の補正予算による公共事業あるいは災害復旧、こうしたもの、あるいは景気が浮揚をしてきた、こういった政策とともにセメントに対する対策、こういったことをやはり考えなければならない。その点がいささかおくれておったのではないか。また、来年度の見通し等についても、どういうことを考えておられるのか。公共事業も非常に伸びる、こういう状況でありますが、いまのこの対策が非常におくれておったこと、さらには来年度いかように需給のバランスをとろうとしておられるか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 四十七年度につきましては、セメント業界の生産能力が大体八千五百万トンでございまして、それに対しまして当初の需要見通しを年度間六千二百万トンというように、大体七%くらいの伸びで見積もったのでございますが、御指摘のように、その後民需、特に住宅関係の建設の盛り上がりでございますとか、当初見込めなかった財政投融資の追加等もございまして、二次にわたりまして改定をいたしまして、ただいまの見通しでは四十七年度実績は大体六千八百万トンになろうかと考えております。年度間を通じてみますと、八千五百万トンの能力で十分間に合っておるわけでございますが、特に先ほど申し上げましたように、後半、年が明けましてから急激に集中して需要が伸びました関係で、三月以降につきまして供給の面が間に合わなくなったという事情はまことに申しわけなく思っております。これがなかなかつくりだめがきかない品物でございまして、保存ができませんために、相当設備の余裕を持っておりませんと、ある月に非常にピークが出ました場合に、それに対応できないという問題もございまして、今後の設備増設につきまして極力余裕を持たせるように努力をいたしたい、こういうふうに考えておるところでございます。  明年度の需要の見通しにつきましては、きょう各省の数字を提示してもらいまして、それに各地方ごとの集計分も合わせまして、需要の見通しを策定する予定にいたしております。それにあわせまして設備の増強をいたしたいと考えておりますが、ただいま四十八年度の設備投資の業界の数字を集計中でございますけれども、一千万トン以上の設備の増強になる見通しでございまして、明年度の需要を幾らに見るかという問題もございますが、今回のようなことを繰り返さないように、大幅に設備の増設をはかりまして、セメント不足といったようなことで公共事業等に支障を来たすようなことのないようにいたしたいというふうに考えまして、いま設備投資計画そのものを検討いたしておるところでございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 いまばく然とした御答弁があったわけなんですが、ただいま現在でおおよそつかんでおる明年度の数字というのはないのですか、どの程度必要かという数字です。  それからもう一点は、いま御答弁のありました中に、一千万トンの設備の増強をはかる、こういうお話でございましたが、設備をいたしましてもすぐには間に合わない。したがいまして、一千万トンの設備増強をいたしますと、どの程度のものが明年生産できるか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 明年度の需要見通しでございますけれども、実はまだ作業中でございまして、確定的な数字ができておりませんが、建設省のほうでおつくりいただきました建設関係の投資の見通しによりますと、明年度の建設省関係の建設投資は、当初計画では二六%増となっておりましたけれども、四十七年度の実績が伸びました関係で、最近の四十七年度の実績見通しに基づく伸び率で一八%増というふうになっております。それを見ますと、公共事業関係で一三%増、それから建築関係が一九%増、合わせまして一七%増といった数字になっております。公共事業関係は、当初の計画では三二%増でございましたけれども、ただいま申し上げましたように、四十七年の実績がふくらみました関係で、ふくらんだ実績に対します伸び率は一三%増というふうに変わっております。セメントを非常に食いますのは公共事業の関係でございまして、建築関係は、伸びは一九%増でございますけれども、セメントはあまり食わない、こういう事情もございまして、ならしましてセメントの需要増としてはおおむね一五、六%ではなかろうかというふうに見ておりますが、正確にはさらに詰めたいというようにいま考えておるところでございます。一五、六%増といたしますと、ことしが六千八百万トンでございますが、大体八千万トン弱くらいの需要になろうかというふうに考えられます。  設備の増強のほうでございますが、ただいま一千万トン以上と申し上げましたけれども、まだ集計中でございまして、一千何百万トンまでの数字になりますか、まだはっきりいたしておりません。私どもとしては、一千万トンではやや不足ぎみでございますので、これより相当上にいった増強にいたしたいというふうに考えております。  なお、ただいま業界のほうの投資計画の数字で見ますと、そのうち九月までに七百五十万トン増強するような計画になっておりますが、さらにその増強のスピードを早めまして、なるべく早く完成するように指導をいたしたい、こういうふうに考えております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 明年の推定需要が八千万トン、そうしていま一千万トン以上の増強をしよう、こういうお話でございますけれども、設備の増強といってもすぐに間に合わないし、また設備をいたしましても、いまのお話によりますと稼働率が一〇〇%、こういった数字でなかろうか、かように考えるのでございます。こうした点から考えると、どうしても明年度もやはりセメントは逼迫をする、こういうふうに考えられます。したがって、輸出はどうしても押えなければならないし、また輸入をできるだけ増加をはからなければ間に合わないのでなかろうか、かように思いますが、輸入の点、それから輸出の点、いまの設備増強による生産増の問題、これについてもう一度はっきりと御説明をいただきたい、かように思います。  なお、これはいま単年度の話で私は申し上げておりますけれども、四十七年度の流れ込みが四十八年度にある。このことを一つも数量に入れての話になっていないように感じるのでございます。その点につきましてはあとでお伺いをいたしますが、とりあえずただいま申し上げました明年度の対策、これをもう一度はっきりお聞かせをいただきたいと思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 ただいま申し上げましたように、明年度大体八千万トンの需要と考えますと、八〇%操業でまいりますと一億トンの能力が必要ということになりますが、現実には八三%くらいの平均操業をことしはいたしておりますので、もう少し能力は下回っておっても八千万トンの供給にはたえ得るかというふうに考えておりますが、極力余裕を持たす意味で大幅な設備の増設をいたすように指導いたしたいと考えます。  輸出の面につきましては、ただいまでも月間四、五万トンというふうに非常に小さな輸出になっております。明年度につきましてはさらにこれを切りまして、極力内需に振りかえるように指導をいたしたいと考えます。  輸入の面は、ただいま韓国から、袋ものにつきまして四月中に一万トン入れるということで交渉をいたしておるところでございますが、さらにこういう状況でございますので、継続的にも少しよけい入れられないかということにつきまして、至急に台湾あるいは韓国と交渉をいたしたいというふうに考えておりまして、できればもう少し長期に大量のものを輸入いたすようにいたしたいというふうに考えておるところでございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 そこで建設省と農林省の政府委員にお尋ねいたしたいのでございますが、もう年度末ですが、四十七年度の事業で、いま残っておる事業の推定の必要セメント量がわかればお聞かせ願いたいと思います。

山岡一男建設省大臣官房会計課長

○山岡政府委員 建設省で現在とらえております来年度のほうへ繰り延べます事業のトータルでございますが、電話で速報的に聞いておりますので不正確な点がございますが、トータルで約九百八十五億円、建設省の全事業につきまして約四・七%くらいが繰り越すのではないかと考えております。そのうちで、資材不足によりまして繰り越すことになるという報告を受けておるものが百二十九億円でございます。全体繰り越し量の中の約一三%に当たると思います。その他のものにつきましては、やはり用地とか、その他によりまして繰り越すものでございます。  現在、その百二十九億円の資材不足と称して繰り越すものの必要トン数につきましては、工種別にいろいろ違いますので直ちに推計できませんが、三月十日ごろに、繰り越しになります工事も含めまして、年間であとどれくらいのセメント不足かという点につきまして調査をいたしました報告によりますと、約二百六十万トン不足をするということでございます。

棚橋正治農林省構造改善局建設部防災課長

○棚橋説明員 農林省関係についてお答え申し上げます。  農林省関係の公共事業については、全体の数字は詳細についてはまだ把握しておりません。ただ、緊急を要します災害復旧事業につきましては、農地、農業用施設の災害復旧事業費のうち明年度に繰り越します額は二十二億五千万円でございます。全体のパーセンテージにいたしまして三・八%という数字になっております。そのうちセメント関係でどれだけ繰り越すかは、詳細まだ把握しておりません。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 ただいま御報告をいただきましたが一この中で真に急を要するものがあると思うのであります。私の地元におきましても、昨年の集中豪雨で山くずれあるいはため池、井ぜき、水路、こういったところが決壊をいたしまして、それの災害復旧をやっておる。ところが、セメントが間に合わないので工事ができない。したがって、ことしのたんぼはどうも植わらないのではなかろうか、こういう心配な個所が多々ございます。これは私の地元だけでなく、全国的にそういう個所がやはりあるのでなかろうか。また、建設省あるいは農林省の林野庁関係にいたしましても、山くずれがあったのでそこに砂どめをする、ところが、これがセメントがなくてできない、こういった個所が多々出ておるのでございますが、こういった面につきまして、ことしたんぼが植わらない、あるいは再災害のおそれがある、こういったものをいかようにしようと考えておられるのか、建設省あるいは農林省で把握をしておればお答えいただきたい、かように思います。

棚橋正治農林省構造改善局建設部防災課長

○棚橋説明員 農地農業用施設関係の災害復旧事業につきまして、本工事がおくれているために作付の用水が確保できない、このようなときは仮締め切りだとか、あるいはポンプ等の仮設備によりまして、作付に支障ないように用水を確保するよう指導しているところでございます。  それから、災害復旧がおくれたために災害をこうむるのじゃないかという御指摘もございますが、これにつきましては再災害が起こらないよう、そういう個所を優先的に復旧するというふうに考えております。

鈴木郁男林野庁指導部治山課長

○鈴木説明員 林野庁関係の治山事業につきましても、セメントの不足によりまして、近畿、中国、四国地方を中心といたしまして予定より若干おくれているような状況でございますが、四十八年度の災害復旧事業につきましては、梅雨期、台風襲来期までにぜひともやりたいというようなことで、都道府県を通じまして災害復旧事業に優先的にセメントを供給していただくよう指導しているところでございます。

三浦孝雄建設省計画局技術調査官

○三浦説明員 建設省関係の災害復旧の当面の対策について申し上げますと、先ほど会計課長も御説明申し上げましたように、資材不足に伴う災害関係の本年度の繰り越しが、直轄を含めまして四十九億円あるわけでございますが、この災害復旧事業を主といたしまして、実は災害復旧工事のみならず、一部の河川改修等も含めまして、出水期あるいは苗しろ期を控えまして、早急に河川工事を完成しなければならないものが相当ございます。そこで、これにつきましては、先ほど農林省もおっしゃいましたように、期間を勘案いたしまして、必要な若干の設計変更を要するものもあろうかと思いますが、原則的には、私どもはセメントの緊急手配をあくまで基本に据えまして進めたいと思っております。  そこで需給協議会、通産省の御配慮でいろいろやっていただきまして、また地域におきましても地方協議会ができておるわけでございますが、この場で、私どもといたしましては、先ほど申しましたような緊急工事を特定いたしまして、できますならば設計契約ごとに限定をいたしまして、これに対して集中的に資材が流れますようにきめこまかい手を打っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 いまの農林省の御答弁でお伺いをいたしたいのですが、たんぼの植わらないところは仮締め切りあるいはポンプでやる、こういうお話ですが、私は、ここではそう言えるけれども、現地では決してそうはできない、かように思うのでございます。平たん部の井ぜきのようなところは、災害のとき決壊してもすぐに復旧できますけれども、山間部の井ぜき、非常に落差の多いところの井ぜきは仮締め切りで問に合うような状態では決してないと私は思うのです。建設省から御答弁がございましたように、こうした災害復旧等には優先的にセメントを回してやって、復旧を早くしなければならない、私はかように思いますが、いかがでしょうか、もう一度御答弁願いたいと思います。

棚橋正治農林省構造改善局建設部防災課長

○棚橋説明員 お答え申し上げます。  いま先生のおっしゃるとおりでございまして、農林省といたしましても、特に中国地方におきましては、セメント不足の地域に対しましてセメントを優先的に回してもらうようにということで、地方農政局長から通産局長にお願いいたし、それから関係の県にもそのように指導いたしまして、セメントを優先的に特に災害復旧に回してもらって、早期復旧ができるようにということで指導しております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 時間が参ったようでございますので、最後に政務次官にお尋ねし、お願いいたしたいと思います。  通産省が御指導をいただいておりますけれども、この指導が非常に徹底しにくいきらいがある。私は、いまの災害復旧あるいは防災等で国民生活に直接影響のあるこういうところへ優先して、ぜひ早く災害復旧等が行なわれるようにお願いいたしたいと思いますとともに、公正取引委員会においでいただいておりますが、一つだけ要望しておきます。  先般立ち入り検査をされたそうでございますが、巷間伝えるところによりますと、四月、五月には集中的にかま修理をして生産を落とす、そして自然値上がり、こういうことを末端では言っております。さらに、最近生コン工場が、通産省が御指導なさっておるようでございますけれども組合をつくる、そして価格の引き上げ——価格の引き上げまでは通産省はもちろん御指導はしてないでございましょうけれども、実際はそのことによって価格協定、あるいは極端に言いますと、ほかに生コン工場ができてもセメントの供給をしない、こういう申し合わせ、これは新聞等にも出ておりますけれども、現実に全国各地にこういうことが行なわれておる。したがいまして、公正取引委員会としても十分こういった面を注意して、監視をしていただきたいと私は思います。このことについて政務次官、公正取引委員会から御答弁をいただいて終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 セメントの需給をすみやかに均衡状態に持っていくことにつきまして、先ほど局長も申しましたように、中央需給協議会において鋭意その調整をいたしておるところでございますが、まずもって一番大事なのは、災害復旧用を優先しなければならぬことは当然でございます。その次に公共工事でございます。  そこで、私たちが原局からいろいろと事業を聞いております中に、あるいはまた私自身が府県当局等に当たっております中に、その連絡が十分にとれてない府県等も実はございます。たとえば、災害復旧用の要請がございました中で、どういう地方でどのくらいの需要があるのか、必要なのかという問い合わせをいたしましても、的確な返事がないような場合も実はあるのであります。したがって、こういうことを早急に私たちは建設省と協力いたしまして実態把握をしていきたいと思っております。  なお、需給協議会の中におきまして、災害用につきましては一刻の猶予もなく輸送する体制を整えていきたい、こういうふうにいたしておりますので、御迷惑をかけておる点は重々おわび申し上げますが、早急に改善されるものと思うのであります。  それとあわせてこの際に、局長から昨年度の需要の見通しを約八千万トンと先ほど申し上げましたが、それに対する対策を鋭意とりつつございます。  そこで、最近のセメント需要をずっとつぶさに見てまいりますと、もう少し節約してセメントを使ったらどうだろうかということも実はあるのであります。最近までは日本は最大の輸出国でございましたので、輸入ということもあまり考えておらなかったけれども、セメントにつきましては、いまとなりましては、その需給のバランスをとるためには、必要に応じ緊急輸入の措置もとっていかなければならぬ、こういう事態になってきております。  そこで、資材の節約ということ、特にセメントの場合につきましては、もう少し各業界、利用者、こういう方々で鋭意また研究もしていただきたい。したがって、そういう面におきますところの開発ということもあわせて通産省としては考えていかなければならぬ、このように思っておるのでございまして、いずれにいたしましても、昨年末から本年にかけましてこういう事態が起こりましたことについて、確かに行政指導の面から申しまして後手になったと私は思っておりますが、それを早急に取り返していって御迷惑をかけないように持っていきたい、このように思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 お答え申し上げます。  公正取引委員会といたしましては、ことしの三月九日にセメント協会、それからセメント協会のメンバーであります大手のセメントメーカー十三社に立り入り検査をいたしました。価格協定等の疑い等でございますが、現在まだ結論が出ておりませんが、早急に出したいと思っております。  そのほか、先ほど先生おっしゃいましたように、セメント業者が業界でかまの修理を四、五月ごろ一せいに行なうというお話でございましたが、私のほうではまだ実態をつかんでおりませんので、これはそのような事実があれば至急調査をいたしたい、このように考えております。  また、生コンの組合が、全国各地で生コンの製造設備の新増設の規制でございますとか、あるいは製造販売価格の協定というものをやっている疑いがございまして、全国各地で、いま八地区におきます協同組合等審査中でございます。こういうことがまだほかにもあるのではないかと思われますので、重大なる関心をもって厳重に監視をしてまいりたいというふうに考えております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 終わります。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 私からも通産当局にちょっと注意申し上げておきますが、セメントの不足ということはもう相当前からわかっておったようであります。私自身も通産当局に一カ月半ばかり前に注意を申し上げておきましたが、その後の手だてというものは非常に緩慢である、また見通しも非常に甘く見ておった、こういう感じがいたしておるわけでございます。特にセメントが住宅の関係、防災の関係、いろいろと民心に及ぼす影響も非常に大きいのでありまするから、これはいろいろと手だてはしておられるようでありまするけれども、もっと早急にその需給対策を練り、また、ときには買は占めというような声もちまたに出ておりまするので、公取あるいは建設省、農林省、各省協力しまして、この体制を一日も早く直していただくように御努力をいただきたい。一言注意を申し上げておきます。  竹村幸雄君。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 建設省に対してお伺いいたしたいわけでありますけれども、全体としての建設工事量、それに基づくセメントの需要について、本年一月から三月の問の伸びをどう把握しておられるのか、当初見込みとの関連について簡単にお答え願いたいと思います。

三浦孝雄建設省計画局技術調査官

○三浦説明員 お答え申し上げます。  本年度建設投資につきましては、四十七年でございますが、当初十八兆円でございましたが、それを修正いたしまして二十兆円ということを本年度の建設見通しとして把握しているわけでございます。これは昨年に比べまして相当の伸びになっておるわけでございますが、それに見合うセメント量につきましては、従来公共投資の伸び率を相当下回った形でセメントの需要の伸びがついておるわけでございます。  この理由はいろいろございますけれども、やはり先ほどもお話がありましたように、資材節約と申しますか、たとえばプレハブが相当発展するとか、あるいは同じ建築物にいたしましても、柱が最近相当細くなっております。むしろ鉄に置きかわっている点もございまして、相当下回っているわけでございます。そこでセメント協会等でお立てになっておられます本年最終一五・五%という伸びで生産していらっしゃるわけでありますが、全国をマクロに見ました場合には、見通しが妥当であるというふうに私ども考えておるわけでございます。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 特に一月から三月の時点をとってみてわかりませんか。

三浦孝雄建設省計画局技術調査官

○三浦説明員 失礼いたしました。ただいまの御質問の点でございますが、一月−三月につきましては、実は現在十分な資料を持ち合わせておりません。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 資料の持ち合わせがないということで質問はやめますけれども、それでは通産省に対してちょっと御質問をいたしたいわけですが、ことしの一月以降セメントの不足問題が非常にやかましくいわれてまいりましたけれども、実際にセメントの総量が不足しておるのかどうか。一部には売り惜しみやあるいは買い占めや——これは買い占めがなかなかしにくい品物でありますけれども、契約をして先物を買い占める、あるいは生産出荷調整が行なわれているようにも聞いておるわけでありますけれども、需要と生産能力稼働率、生産量によって説明をいただきたいというふうに思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 生産の実績と稼働率等でございますが、昨年の九月、十月ごろから急激に生産が上がってまいりました。これは需要の増加に応じましてふえてまいりまして、前年同月比で二〇%前後の伸び率の生産になっておるわけでございまして、特に十二月には九四%の操業率になっております。これは一応生産能力を七百三十万トンと見た場合の操業率でございますけれども、実際には動かしますと公害が起こるような工場ですとか、あまり動かないような設備も能力に加えておりまして、こういうような数字になっております。  ほんとうに稼働できます実働能力は大体七百万トンというふうに私ども算定いたしております。この七百万トンでございますと、一日も休まないで三十日フルに動かして七百万トン、こういうふうに見ておるわけでございますが、十二月の生産が約六百九十万トンで、実働能力に対してはほとんどフル稼働という状態でございます。  一月が五百二十八万三千トンでございまして、操業率としては七百三十万という名目上の操業能力に対して七二%の操業になっております。これは一見低そうに見えますけれども、実はこの秋口から、こういった六百万トン台の増産に伴いまして、本来やるべき補修点検をむしろ繰り延べまして増産につとめてきました関係で一月に集中的に補修点検をやった、こういうことで一月の稼働率が落ちておりますけれども、前年同月比で見ますと一二三%という生産高になっております。  それから二月は五百七十五万トンでございまして、操業率が七九%でございますけれども、これは稼働日数が二十八日でございまして例月よりも三日少なくなっておりますので、これを逆算いたしますと八五%くらいの操業になっておろうかと存じます。  それから三月は、ただいまの見通しでは、ほぼフル稼働に近い六百八十万から九十万に近い生産になるのではなかろうかと考えるわけでございまして、大体二月、三月はフル稼働に近い操業をいたしておる、一月は補修点検の関係でちょっと生産が落ちた、こういう状況になっております。  それから買い占め云々の点につきましては、先生も御指摘ございましたように、これは非常に保存ができにくい商品でございまして、つくられましたセメントは直ちにセメント会社が持っております各地にありますサイロに入れられまして、そこからまた直接需要者のサイロあるいは生コンのサイロへ届けられることになっておりまして、こういった保存設備という関係から商社等が介入いたしまして買い占めをはかるということはきわめてむずかしい事情にございます。しかも、実際にもあまり契約そのものにも商社等は介入しておらないようでございまして、大体メーカーが直接販売しておるという状況でございますので、買い占め等の事情はないものと私ども判断いたしております。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 いまの御説明を聞いておりますと二月、三月はほぼフル稼働しながらなお不足しておるようでありますけれども、そのおもな原因はどういうところにあるのか、お答えをいただきたいと思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 ことしは例年と違いまして暖冬異変で、例年でございますと一月、二月というのは非常に不需要期になりまして、前年同月比でも一割以下の伸び率に落ちるのでございますけれども、暖冬異変の関係で各地で工事が活発でございまして、むしろ伸び率が去年の秋よりもさらに伸びた。それから財投の追加等もございまして、こういった関係の公共事業の発注が非常に集中して年度末に出てまいりまして、それがさらに二月、三月の需要を急増させる、押し上げる原因になったというふうに考えまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、一月が二二%増、二月が二五%増、三月が十五日までで二一%増というように、いろんな事情が集中して二、三月の需要増を押し上げたというふうに見ております。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 そのことは結果的に当初の年間の需要見通しが間違っておった、甘かったというふうに考えていいわけですか。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 当初実は私ども四十七年度の需要見通しを六千二百万トンと見ておりまして、これは七%増に当たりますけれども、GNPの伸び率その他からいろいろ積算をいたしましてこういうふうに踏んでおったわけであります。ところが、やはり最大の原因は国民所得の向上によりまして、住宅の着工あるいは設備投資の伸びが私どもの予想以上に大きかったということと、それからもう一つは、いまもちょっと申しました暖冬異変によります冬場での工事が非常に伸びたということと、もう一つは、財政投融資あるいは補正予算による追加支出等がございまして、そういうものを年度当初に織り込んでおりませんでしたために、その後二回改定を重ねまして、今年度六千八百万トンという見通しに改定をしたわけでございますが、そういう意味で、当初見通しが需要の伸び方をやや低目に見積もっておったというような点が総体としてありますのと、特に一、二、三月に非常に急増したという点で、これはならされておりますと、供給の面でもそう御迷惑をかけなかったかと存じますけれども、非常に集中的に出ました関係でこういう事態を招きましたので、明年度につきましては、極力発注を早目にしていただきまして発注の平準化をはかっていただくというふうな点を検討願うように建設省等にもお願いをしておるところでございます。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 いま局長のほうから御説明いただいたわけでありますけれども、当初の計画が大体六千二百万トン、十月一日にその計画が六千五百五十万トンに見直されておるわけでありまして、暖冬異変その他の理由はこの段階では理由にならないのではないかというふうに思います。そういう意味から申しますと、やはり当初の見通しが間違っておったというふうに断ぜざるを得ないというふうに思うわけであります。  時間の関係で先へ進みますけれども、先般からセメント不足に関する新聞の切り抜き等を集めたわけでありますが、わずか一カ月の間にこれくらい集まったわけでありまして、その非常な深刻さがわかるわけでありますけれども、これから二、三御紹介を申し上げたいというふうに思うわけであります。  これは「セメント不足で学校建たず」、これは高槻市柳川中学のことが書いてあるわけでありまして、政務次官も地元大阪のことでよく御存じかというふうに思うわけであります。さらに三月十四日の読売新聞では「セメント不足、道路工事ストップ」これは宝塚市の状態であります。あるいは「尼崎では学校建設遅れる」というふうに訴えておるわけであります。さらに同じく三月の十四日の読売新聞では、「セメントがない、公共土木事業ピンチ、供給見通しお先真っ暗」だというふうに訴えておるわけであります。  ここで私は例を京都府、市に求めたいと思うわけでありますけれども、いま京都府におきましては、三月十五日現在、四十七年度の公共事業工事残が全額で、金額にして約百億円、これに要するセメントが約六万七千三百トン必要だというふうにいわれておりますし、京都市では、同じ時期に土木関係で約二万トン、下水道建設関係で約一万トン、住宅あるいは建築関係に約一万トン、学校関係に約二万五千トンのセメントが必要だというふうにいわれておるわけでありまして、去る三月十四日に、京都府におきましては、セメントのメーカー、関係業者、そして地元の建設業界の代表者等を集めて懇談をし、協力を依頼しておるのであります。さらに、京都市も、同じ時期に、同じようにセメントのメーカーや代理店やあるいは建設業界代表を集めて協議をし、公共事業進捗のために協力を要請いたしたのであります。しかしながら、業界の代表、業者の代表の方々は、御意見はよくわかりますけれども、業界としては協力はいたしたいわけでありますが、ないそでは振れない、こういう返事でありました。逆に、ここに持ってまいった建設業界からセメントの需給悪化に伴う善処方についての陳情を京都市と京都府が受けておるような状態であります。このことは単に京都市、京都府だけにとどまらず、北海道を除く全国の地方自治体が大同小異このような状態に置かれておると言っても過言ではないわけでありまして、このような実態を建設当局や通産当局はよく把握しておられるのかどうか、そしてそれに対する対策をどのようにお立てになっておるのか、いままで指導されたことがあるなら、そのことについてもあわせてお聞かせ願いたいというふうに思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 ことしに入りまして、二月ごろ中国地方で非常にいろいろな事情が集中いたしまして、セメント不足であるということで、急遽中国地方に重点的に各地のセメントを回すような手配をいたしたわけでございますが、その後、先ほど申し上げましたような事情で、いろいろ公共事業等が年度末に近づいて集中的に出てきた等の事情もございまして、各地にセメント不足の事情が出てまいりましたので、私どもとしましては、業界の首脳を呼びましてフル生産の指示をいたしますとともに、輸出を切って内需に回すようにということ、それから災害復旧と治山治水は確実に品物を確保するように、これは通産局を通じまして、各府県の実際の所要量を聞きまして、それとセメントの届けるほうを結びつける、こういう手配を各地域ごとにやったわけでございます。それから同時に、設備の増強を急げということで業界に指示をいたしましたが、さらに今月上旬、戦後初めてでございますけれども、韓国から輸入をするように手配をいたしますとともに、今月の二十二日に需給調整協議会を開きまして、当面治山治水、災害復旧が最重点でございますので、それを間違いなく確保するために、それ以外の公共事業につきましては、三月末完成分を若干繰り延べる等の措置をとるべく各省と至急に内容を詰めるという御相談をいたしたのでございます。  そのほかに、今後のあり方といたしまして、四十八年度につきまして極力事前に発注計画をセメント業界に示していただきまして、発注の平準化をはかっていただく。それからもう一つは、公共工事につきまして、契約が建設業者まかせでございますと、ほんとうにぎりぎりになるまでセメントの手当てをしませんでぎりぎりになって発注されますと非常に需要が集中する傾きがございまして、セメント業界の設備としては、非常に、あいているときとピークになって足らないときと波を打つという事情がございますので、極力このセメントの直接発注方式を公共事業等にとりましてやっていただく、こういうふうなことを至急に検討するように関係各省間で申し合わせをした次第でございます。  なお、輸入の促進につきましては、さらにもう少し長期的に大量輸入をするべく対策を検討いたしたいというふうに考えております。

三浦孝雄建設省計画局技術調査官

○三浦説明員 ただいま通産省のほうから御説明がありましたとおりでございますが、建設省のほうでも、この間、関係地方公共団体及び関係業界と十数回の会合をいろいろ重ねてまいりました。そのつど、建設省の所管関係につきましては、情勢に応じながらいろいろの指示、指導をやってきたわけでございます。  一方、セメントの需給そのものにつきましては、やはり随時通産省にいろいろお願いを申し上げました。年度末になりまして、最近の時点でございますが、従来東海地方等におきましては生コン不足が、実は骨材不足ともからんでおりましたですが、関東もそういう傾向がございましたけれども、最近骨材の輸送業者との話もつきまして、その面の解決ができましたために、この地方では相当の好転が見られておるというふうに考えておるわけでございます。しかし災害復旧、昨年の災害が相当山間部地域に集中いたしましたために、小規模かつ都市から離れました山間地域におきましては、輸送その他の溢路もございまして、特に中小業者の方々が相当苦労しておられるということは十分承知しているわけでございます。  今後どうするかということでございますが、先ほども申しましたように、まず緊急の工事に限定いたしまして、きわめてきめこまかな体制をぜひ確立したいということでいま原案を考えておりまして、通産省とも早急に御相談を詰めていきたいと思っているわけでございます。これは個所ごと、契約ごとに全部リストアップいたしまして、そうしてできますならばセメント生産現場と消費の現場とを十分結びつけるような臨時の組織をつくっていきたいというふうに実は考えておるわけでございます。  それから、本年度災害復旧その他資材の不足に関連いたしまして非常に工程のおくれたものがございますが、これにつきましては、工事の内容も勘案いたしまして、いわば契約条項から申しまして、甲乙と申しますが、受注者を乙といっておりますけれども、乙側の申し出によりまして工事の無償延期をしようということを通達をしたわけでございます。これによりまして若干その分につきましては、逆の意味でございましょうが需給の緩和に資するということも考えるわけでございます。  それから、平準化につきましてただいま通産省からお話がございましたが、確かに重要な課題でございまして、建設省としましても目下いろいろ具体的に検討しておるわけでございます。これも中央需給協議会の場で、通産省はじめ関係省といろいろ御相談をしたいと思っているわけでございます。  それから、これもただいま通産省からお話がございましたが、材料の支給問題でございます。これも確かに重要なポイントであろうと思いますが、実は監督者側の立場を考えますと、材料の量なり質の検収というものに従来たいへん人間が足りないということもございまして、全般的になかなか苦労しております。しかし、一部道路公団や国鉄でやっておられるわけでございますので、その辺のやり方もいろいろ勉強しまして、相当規模のものだとかあるいは沖繩等、問題になっております特定の地域については相当積極的に考えなければならぬじゃないかというふうに考えているわけでございます。  簡単でございますが、お答えいたします。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 いま建設省のほうから御答弁いただいたわけでありますけれども、これからきめこまかいいろいろの施策をやっていきたい、一つ一つの契約なんか取り上げて、その工事なんかと見合ってやっていきたいということでありますが、昨年の十二月の発注状況を見ますと、政府並びに政府関係企業の前年度比は一番高くて四三・三%増になっておるようであります。その時点で、発注するときにそういう問題も含めて検討されるべきじゃなかったかというふうに思うわけであります。先ほども同僚議員から若干話がありましたように、後手後手に回っておるという感じがするわけであります。  さらに、先ほど通産省のほうから御答弁をいただきました公共事業、特に災害復旧あるいは治山治水、防災工事については重点的に配慮するようにということで地方の通産局を通じて指示されたかに承ったわけでありますけれども、現実にはそのようになっておらないから問題が起こっておるのであります。  具体的な例を一、二申し上げますと、先ほど申しましたように、高槻市の柳川中学校では、セメントが間に合わない。しかし、新たに開校する中学校でありますので、生徒が入ってくる。どうしても間に合わないということで、床だけ張って壁なしに授業を始めなければならないという状態でありまして、授業をやりながら、セメントの入荷と見合って壁の仕上げはやっていく。そして二学期には何とか間に合わしたいという教育委員会の話でありましたし、京都におきましても、いま二十数カ校増改築をやっておりますけれども、ほとんどがセメント不足のために新学期に間に合わない、こういう状態であります。きのうの時点で、京都市の建設局ではセメント不足のために災害復旧工事すら発注できずにストップされておることがあるというふうな状態であります。こういう状態について、打開のためにきょう政務次官お見えになっておるわけでありますから、政務次官からお答え願いたいのでありますけれども、緊急にこのような事態をどのようにして解決をしていくお考えがあるのか、お聞かせ願いたいと思います。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 そういう事態が起こっておることは新聞で報道されておりますし、また現に私も地元でそういう体験をしたことがございます。  そこで、これは建設省なりあるいは文部省、そういうのがそれぞれ公共関係で大きい比率を占めておるのでございますが、私たちもそういう両省からの要請を受けまして、業者の調整機関でございます中央需給調整協議会において積極的にその善処方を要請しております。  そこで、先ほども私ちょっと触れたと思うのでございますが、各府県の当事者等に私から直接電話したこともございますが、その場合、現場に送ることにつきましていろいろと実は問題もございます。と申しますのは、県庁なり市役所がそういう業者の、何といいますか、資材を直接供給するということもむずかしい。したがって、あっせんという形になってくるのでございまして、それはもう市町村、県庁なかなかたいへんなことだということで非常に強く要請してきております。そこで、でき得れば、そういう工事をしておりますところに直接行き届くように配給をすべきがほんとうだろう、あっせんすべきがほんとうだろうと思いますので、そういうこまかい要請を私のほうで吸い上げていきたい、このように思っております。  ただ、現在各府県なりあるいは文部省からございますのは、セメントが不足しているので何とかしてくれ、こういう要請が非常に強くきておることは事実でございます。それに対しまして何とかこちらのほうで手配をと思いますが、いまやもうそういうことよりも、ほんとうに緊急あるいはまた絶対的に時期を急ぐようなもの、こういうものについては、ある程度は個々のあっせんというようなものも出先の通産局等を通じてやっていかなければならぬのではないか、このように思ったりいたします。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 いま次官のお答えは、個々の問題について、具体的な問題があれば出先の通産局を通じてあっせんをしてもいいというふうに受け取っていいのですか。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 極力そのようにいたしたいと思います。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 そのようにお聞きしたわけでありますけれども、あっせんについては、単にセメントの量を確保するという意味のあっせんか、あっせんする限りは価格の点についても妥当な価格であっせんされるのか、その点についてお聞かせを願いたいと思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 セメントの価格でございますけれども、セメントの八割は、セメントメーカーがバラものとして直接需要者のほうへ届けまして、これの価格が昨年一月日銀の発表によりますと六千円でございましたが、十二月で六千百円ということで、そのあとはまだ発表がございませんけれども、強含みではございますけれども六千百円から百五十円前後で推移いたしておりまして、特に取り立ててこのセメント価格が急騰しておるというような事情はないように私ども見ております。したがいまして、量につきまして県当局の防災工事等の必要の分を通産局を通じましてごあっせんしておりますが、価格については、ただいま申しましたようなことで、特別に手配をしなくても、かなり強含みではございますけれども高くなっていないというふうに考えておるところでございます。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 そのような認識では間違うと思うのですけれども、価格があまり変わらないということでありますけれども、いまの特に袋もののセメントについては非常に暴騰しておる。このことはお認め願いたいと思うわけであります。大体三百円から三百五十円くらいのセメント四十キログラム入りの袋もの、これはいま千二百円とかあるいは千五百円出してもない。最高二千円出してやっと買ったというような状態でございます。ある地域ではトラック一ぱい二、三百袋持ってきて道路で、終戦後のやみ市のようにして売っておったというような状態があるわけであります。いま局長のほうから、価格はあまり変わってないということでありますけれども、その辺の認識について少しお伺いをいたしたいというふうに思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 全生産の二割くらいが、いまお話しのように袋ものの形で販売されておりますが、その袋ものの中の八五%は、セメントメーカーが直接需要地にございますサイロにバラで運びまして、現地で袋詰めをいたしまして需要家にお届けする、こういうかっこうをとっておりますので、セメントメーカーの直売分につきましては、現在も四十キロものでございますけれども、三百円からちょっと上くらいのところかと見ております。たとえば、いまの府県等の需要に応じまして局がごあっせんしておる分はメーカーの直売分でございますが、大体三百円ちょっとくらいで供給されておるというふうに考えております。  御指摘の町の建材店を通じて売られております分が袋ものの中の一五%くらいございます。全生産量に直しますと三%くらいに相当いたしますけれども、これが場所によりましては、非常に需給の逼迫した地域では、価格が混乱すると申しますか、相当高値のものも出ておるやに私どもも聞いておりますが、これの対策といたしましては、末端の小売り店でございますので、なかなか私どもの手が及びにくいのでございますけれども、まず袋ものの供給をふやすことが先決と存じまして、メーカーの増産並びに、できれば韓国から袋ものを輸入する、こういう形でまず供給をふやしまして、袋ものの一部の、わずかの量だと思いますけれども、異常な高値を呼んでおるものを冷やしたい、かように存じております。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 一般にセメントが不足しておるというふうにいわれておりますけれども、実際問題として大手建設業者が請け負っておる現場にはほとんどその影響がないわけでありまして、先般も京都市の新設校の開校がセメント不足のためにできない、こういう事態になりましたところ、これはまあ好意からだと思いますけれども、大手建設業者からセメントの供給をしてもいいという申し出がありましたし、あるいはまた、いまセメントについては心配することはない、わが社は確保しておるということで入札参加の申し込みがあるような現状であります。特にいま不足をしておるのは、大工さんだとか左官屋さんだとかあるいはまた中小零細建設業者が非常に困っておるというふうな状態でありまして、一般的には大量消費する大手建設業者はほとんど困っておらないというふうな現状だと思うのですけれども、その点についての局長の御意見を聞きたいというふうに思います。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 全体として二月、三月に非常に需要が急増いたしまして供給がやや追いつかないという状態でございましたところに、公共、特に災害復旧等の優先的な荷繰りというような形をとりましたために、特にいま御指摘のような民需の小さな需要につきまして品物が届かないといったような事例が出ておりますことはまことに遺憾に存ずるところでございます。  この対策といたしましては、災害復旧、治山治水は雨季までに問に合わせる必要がございますので優先確保ということでやりますけれども、一方、一般の公共事業につきましては、繰り延べ可能なものは若干繰り延べまして、むしろそれを民需のほうに回す、こういうような対策で急場をしのぎまして、基本的には早く設備の増強をいたしまして供給全体をふやしていく、そういう意味で四月、五月もフル生産を続けるようにいたしまして供給をふやすということで、ただいまの中小建設業者等の入手難を解消してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 もう少し御質問申し上げたいのですけれども、もう時間が参りましたのでこれはこのくらいにして、これに関連をして、中小企業対策として一つお伺いをいたしたいわけでありますけれども、先ほど申しましたようにセメント不足の一番深刻な影響を受けておるのが大工さんや左官屋さんやあるいは中小の零細建設業者である。そうしてセメントが入らないために工事が完成できない。御存じのように、建設工事そのものは工事が完成してお金をもらうわけでありますから、工事が完成しないために入金ができない、あるいはセメントが入らないためにいわゆる手待ちをして遊んでおる。左官屋さんが遊んでおれば大工さんも手待ちをしておる。このようなことで非常に請負金額を超過した状態になっておる。あるいは先般も京都で新設校に間に合わすために約二千袋のセメントが不足をしておったわけでありますけれども、これはどうしても間に合わせなければいかぬということで京都の建設業者があげて協力をして、十袋、二十袋とその請負業者に協力をして二千袋のセメントをこしらえたわけでありますけれども、この価格が一袋当たり約六百円、その建設業者が京都から請け負っておられる金額は約三百円、あっせんをしてもらって仕上げをして納めても、倍以上につくセメントを使用しておる。このような状態がすべて業者にいま押しつけられておるような状態であります。こういう状態を中小企業対策として一体どのように受けとめて、どのように解決されようとしておるのか、お伺いをいたしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 現在セメントに限りませず、そういう基礎資材的なもので一番困っております業者はおっしゃるように中小企業者でございまして、これらはいわばいわゆるスポット買いが多いのであります。  そこで、現在こういう関係の流通問題を考えます場合に、スポット買いをどう保護していくかという問題が一番大きな問題だと思うのです。おっしゃるように中小企業対策として考える場合、それはスポット買いを保護する方向で何とかこれをカバーしていけないか、このように思うのですが、いまのところ、実は私たちも寄り寄り協議いたしておりますが、名案は実は出てこないのでございますが、何としてもこれの保護に重点を置いて考えていきたい、このように思っております。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 いまも政務次官のほうから建設資材一般についてお答えがあったわけでありますけれども、セメントと建設資材一般と若干違うところは、代替品がないということでありまして、これらの学校建設その他について、床のフローリングがないというときには話し合ってPタイルでやったり、あるいは木材がないので鉄鋼でがまんするとか、鉄鋼のないところを木材でがまんしながら手待ちができるだけないように進行しておるような状態でありますけれども、セメント不足ということについては、これは代替品がないために手待ちして遊んでいるよりしようがないというふうな現状であるわけであります。このことを解決するためには、まず第一にセメントの供給をふやさなければしかたがないというふうに思うわけでありますけれども、これは先ほど申しましたように、大企業、大手土建業者はセメントを長期契約をして安定的な供給源を確保しておる、このような状態にあるわけでございますから、通産当局の行政指導としては、この大手建設業者の押えておる、契約をしておるセメントを必要に応じて提供していただく、このような方法をとる以外には早急に解決する方法はないというふうに思うわけでありますけれども、その辺についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 その問題は十分検討していかなければならぬと思います。つきましては、工事の繰り延べをせしめるとか、あるいは公共事業で緊急を要する工事、これを中小業者が請け負っておる場合は、先ほど申しましたように、出先の通産局等を通じまして極力あっせんさせていって、中小企業であるがために買えないんだ、こういう事態の起こらないように留意して指導していきたいと思います。

竹村幸雄日本社会党

○竹村委員 ただいま次官の御答弁の方向でひとつ鋭意取り組んでいただきたいというふうに思うわけであります。  時間の関係で最後に公正取引委員会に御質問申し上げたいと思うわけであります。  公取は、さきにセメント業界に立ち入り検査をして、三月九日に富山県の睦会に勧告をされておりますけれども、それに類した事実が数多くあると聞いております。これは先ほど同僚議員の発言にもあったとおりでありまして、関東地区では生コン業者が一斉に休業して一立米当たり千円以上の値上げを行なうという実態があります。さらにまた、先日も建設委員会で論議があったようでありますけれども、特に大手建設業者の鹿島建設が先物を契約、買い占めて、中小零細建設業者が必要なセメントを手当てするときには鹿島建設に話をつけなければ融通できないというふうにも言われておるわけであります。これらのことは明らかに不公正な取引方法であり、独禁法に違反するのではないかというふうに思うわけでありますけれども、公取はこの問題をどのように見ておるのか、また実態調査をしたのかどうか、お答えを願いたいと思います。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 生コン業者、これは各県で大体運搬距離が短いものでございますから、えてして独禁法違反の行為に及びがちなわけであります。ただいまは需要のほうがはるかに上回っておるような状態で強気になっておりますから、二、三私のほうで県単位で行なっておる生コン業者のカルテル行為を規制いたしまして、独禁法違反としてこれは審決を下しております。そのほかの件にも同様なことが見られるであろうことは容易に想像できるのでありますが、私どものほうの手元に確実な証拠を添えて申告が参りませんと、なかなかこれを立ち入り検査できない。人数の問題だけでなしに、証拠を把握できないような状態で立ち入り検査をしますとあとの始末がたいへんなことになるものですから、そこはある程度手がかりをつかんだ上で検査をしたい、こう思っております。そういうふうな情勢にあるということは十分に私どもは感じ取っておるわけでございます。  それからなお、たとえば一部のセメント会社と一部の大手建設業者が優先販売契約というふうなことで、そのために他の小さな建設業者がその会社からセメントを購入することが非常に妨げられるということは、事実としてまだ私どものほうには来ておりませんが、ただいま話を承っておりますと、当然あり得ることだと思います。ただ、そのことだけでは——たとえばセメント会社は大小合わせまして二十一社ございます。まあ値段が高くても、それらがそれぞれ競争関係にある。先般価格を協定した疑いで私どものほうは立ち入り検査を行ないまして、全部の会社についてカルテルの疑いあり、価格協定の疑いありとして、ただいま鋭意調査中でございますが、立ち入り検査は二十四カ所もいたしました。しかし、その後の調査の問題につきましては、調査中のことについてはたいへんデリケートでございますので、相手側から一々全部供述を求めておるわけでございます。そういうことについて、思わぬほど日数がかかるものなのでございます。いわば証拠固めをするために、そういう日にちが外部から考えられるよりは非常に余分にかかっておりますけれども、この点については何とか早く解決したいと思っております。  先ほどの大手の建設会社と一部の優先的な販売契約というものは、全体が競争関係にあればそれだけでは独占というものにもなりませんし、不公正な取引法とも一がいに断じ得ないということなので、その辺は解釈でございますが、ちょっとむずかしいというふうに思っております。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 中村重光君から関連質疑の申し出がありますので、この際、これを許します。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 先ほどから質疑応答を聞いておりますと、各政府委員の答弁、なかんずく齋藤化学工業局長の答弁は、現在のセメント不足というのは不可抗力だ、また将来の見通しについても、韓国からの緊急輸入だとか、あるいはセメントの不需要期に入るとか、これは私はたいへん甘いと思っております。そうしたことでは問題の解決にならない。このメーカーの売り惜しみといったことがないと確信を持っているのかどうか。それから建設会社の大手が困ってない、相当ストックをしているという事実をお調べになったのかどうか。  それから、この間、通産省に各大会社をお呼びになっていろいろ注意を与えたり、あるいはいろいろと考え方を聞かれたのだろうと思うのですが、その際はどういうことであったのかということです。  価格の問題に対しても、齋藤さんは大手の関係だけを調べているのじゃないですか、二百何十円だとか三百円というのは。このごろは中小の建設事業者なんかは千円台でセメントを買うことは普通のようになっていますよ。三千円で取引されているという事実を私は知っているのです。もう工期を完了するというときには、早く工事金を下げてもらわなければならないから、あと一俵か二俵あるいは十俵で工事が完了するということになってくると三千円でセメントを買ってもそのほうが得だということになっちゃうんですよ。そうした末端の深刻な状態に目をつむっているのか、全く関心を持っていないのか、私は理解に苦しむのです。  先ほど委員長から異例の注意の喚起があった。これに対して政務次官から抽象的な答弁を私は聞こうとは思わない。委員長の異例の注意喚起の中に、いままで通産省に対してこれが積極的な対策を講ずるよう注意を促してきたけれども、態度が非常に緩慢であるという指摘があった。だからこれらに対して、決意表明ではだめだなんで、いままではどうであったのか、これからこの問題の解決についてどうするのか、具体的な考え方をこの際明らかにしてもらいたい。  それから齋藤さんからも、私の指摘に対してあなたのいままでの調査なりあるいは今後の見通しなりについて、もっと詳しく確信のあるお答えをいただきたいと思うのです。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 先ほど来、一月、二月、三月と非常に需要が急増して、そのためにセメント業界の持っております現有能力を特に三月等はフル操業しておりますけれども、なお需要に追いつかない状態になったということを御説明したわけでございますが、こういうふうに需要に追いつけないということは、やはり需要の見通しにつきまして私どもの判断が甘かったわけでございまして、もう少し早目早目に設備の増強をはかっていくべきであったという意味におきまして深く反省をいたしておるところでございます。  今後につきましては、なるべく早く設備の増設をいたしてこのような事態が二度と来ないように、むしろ余裕をもって対処できるように設備の増強を急ぎたい、こういうふうに考えております。  業界に対しましては、三月二日に業界の首脳を呼びまして、フル生産の指示、それから輸出は前からせぬよう指導しておりましたが、輸出の内需への振りかえの問題、それから災害復旧等の優先確保、設備の増強、それから価格の高騰をさせぬよう十分配慮するように、こういった指導をいたしたのでございます。業界の大手が売っております分は先ほど申しましたようにバラもので大体六千円から六千百円前後、それから袋もので三百円からちょっと上ぐらいというふうに見ておりますけれども、特に建材店を通じて売られております小売りとしての袋もの、これは全体の三%ぐらいでございますが、場所によりましては相当値段が急騰しておるというふうに聞いておりまして、この点はたいへん遺憾に存じておるところでございます。  結局、こういった面の解決策としましては、基本的には設備の増強によりまして生産そのものをふやすということと、緊急措置としては輸入をできるだけ持ってくるといったようなこと、並びに需要面で、まあ不急不要というわけではありませんけれども、公共事業の中で災害復旧等以外のものにつきまして繰り延べ可能なものは繰り延べましてこれを民需のほうに回す、こういった形で、この三月に急増しました分のこぶが四月あたりに若干繰り越しがありますので、四月、五月をしのぎまして、そのうちに一まあ四、五、六は不需要期で秋口から需要が出てくるのが例年の通例でございますので、四、五、六もフル操業を続けまして不足状態を解消いたしたい、かように考えておるところでございます。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 今日、セメントの需給ギャップが深刻な問題になってきておりまして、これが寄って来たる原因はいろいろございましょうが、そんなことは結果から見ました場合には単に言いわけにしかすぎないように思います。でございますから、これからの対策ということに懸命の努力をいたさなければならないと思うのでございます。それにつきましてはやはり需要をきびしく算定していかなければいかぬと思います。それがために来年度は八千万トンという見通しを持っておるのでございまして、この八千万トンにつきましてはやはり科学的に計数をいたしまして、これで十分な需要であろうという一応の見通しを持っておるのでございます。しからば、その八千万トンをどうして確保するかということが問題でございますが、現在ありますところの設備を全部稼働の状態に持っていくと同時に、業界において一千万トン増設をするということを極力急がして、そしてあらゆる面から通産サイドから支援もいたしまして、増設を早急にさしていかなければいかぬ。これがまず第一点の問題でございます。  それと昨年の補正予算において出ました公共投資、これに対する手当て措置が、先ほど局長が言っておりましたように若干見通しが甘かったところがあったと私は思うのです。そこで四十八年度予算が執行されます場合に、でき得ればそういう公共事業、これが来年度需要増の中で一三%を占めておりますので、これはできるだけ早く発注をしていただくと同時に、だからといって発注と同時に一斉に工事にかかられたのでは、これまたたいへんな事態が起こってまいろうと思います。そこで発注を早くして、十分セメントの需要の見通しを早く立てていただくと同時に、施工については、やはり私はその中で緊急度を勘案して順序を立ててもらわなければ、発注したからといって、一斉にこれがやられたんでは、これはまた非常なギャップが出てくると思うのでございます。したがいまして、一方において一千万トンの設備の増強を早急にはかると同時に、需要の面におきましてもやはり調整を極力していかなければならぬ、このように思っております。  なお、輸入に対する期待でございますが、この問題等につきましては、私たちも極力輸入の増加をはかっていきたいと思っておりますが、これは中村先生御承知のように、現在韓国におきましては、現場では日本の商社がどんどん行きましてどんどんと買い付けておる。これがために韓国のセメンも、もともと需給がやっと均衡がとれておるような、余りがちのところではないところでございますが、そういうところに日本のほうから買い付けにいくと値段は上がる、品は不足する、こういう事態が起こって、韓国にあるいはまた台湾等に迷惑をかけてもいけませんしいたしますならば、輸入の増に対しますものをあまり甘く見てはいかぬ。やはり根本的には国内におきますところの供給体制を強化していくということ、ここに重点を置いて考えなければいかぬと思っております。つきましては、先ほど申しました諸点について努力し、今後におきましてこういうことの起こらぬように極力つとめてまいりたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 関連ですから、まあいまのお答えに対しての議論はいずれまた適当な機会にいたしたいと思いますけれども、いまの答弁を聞いておりましても、あなた方は世故に通じていない。たとえばいま政務次官が、一斉に工事に着工してもらっては困る——現在着工している工事はどういう方法で消化しているのかということを御存じないのです。建設省がお見えですから、あとで私は聞いてみたいと思う。セメントが不足しているから、五つの現場を持っておると、四つの現場は休まなければならない。入手したことによって細々と仕事を進めていくのですよ。そうすると、労働者は、今度は五つなら五つの現場の労働者を全部一カ所のところに持っていくわけにいかないのですよ。この人手不足のときに、その工事、現場を休ませたために労働者は散ってしまう。それをまた確保することはできない。きわめて深刻な状態をセメント不足がもたらしている、深刻な問題があるということを御存じにならなければいけない。それから工期の繰り延べをやるというのだが、工期の繰り延べだけで問題を解決することのできない深刻な状態を今日中小零細の請負業者は持っておるということです。じゃ、どういう方法があるのかということについては建設省からお答えをいただきたい。どういう深刻な状態にいま置かれておるのか、セメント不足によって、工期は来た、しかし完了できない、どうするのか、その対策についてもひとつ伺ってみたいと思う。

三浦孝雄建設省計画局技術調査官

○三浦説明員 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、官公庁工事その他建設工事、この年度末に一斉に工期が来るものが多いわけでございまして、その間セメントが特に中小規模の建設業者におきましては入手難のために、極端なところは三日に一回しかコンクリートが打てないというようなことも相当あるようにわれわれも承知しているわけでございます。  このために具体的にどうするかということでございますが、まず第一点は、先ほども申し上げたことでございますが、公共工事等につきましては工期の無償延期をしようということをまず考えているわけでございます。これは無償延期をいたしまして、全体の逼迫に対して工期延期そのものが非常に大きな効果があるとは思っておりませんけれども、当面の建設業者の立場から考えまして、従来の標準約款におきまして必ずしも十分発動されてなかった、これを本省の指導のもとに全国にやらせようということを通達したわけでございます。  それからその次の問題といたしましては、やはり何と申しましても建設省自体、特に公共工事につきまして年度内における平準的な発注をするように強力に指導しなければならないというふうに考えております。  その他、工期延期に関連いたしまして、実は先生御指摘のように、その間労務者のいわゆる手持ちがございます。こまかく申しますと、建設機械も現場で一緒に遊んでいるとかいうこともございまして、状況によりましては相当な増加支出があるということも承知しておるのでございます。これにつきましてはいろいろ検討しているわけでございますが、国庫債務負担行為で契約しておりますようなものにつきましては、従来の標準契約約款の精神を活用いたしまして、まあこの場合工事期間に幾ぶん制約がございますけれども、十二カ月後の全体の期間における増加工事費を勘案いたしまして、物価スライドもするという腹をきめておるわけでございます。  その他の直轄関係でございますけれども、いわゆる中間前払いということを実はやっておりますが、これをやっております場合には、仕事を繰り越しいたしました場合には、実は中間前払いをやっているために年度末の支払いが十分にできないという制度的な制約がございます。実はこれは便法といたしまして、その場合に、発注者側が特に年度末特別に契約がなくても検査をいたしまして、年度末支払いを積極的にやろう、そして窮状を打破したい、こういうふうに考えているわけでございます。  以上をもってお答えにかえさせていただきます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたも世故に通じてない一人のような感じがしてしようがない。国がやる事業、これは比較的大きい事業なんで、それで大手業者が主として相手になるのですよ。その実態しかつかんでいらっしゃらない。ところが小さい事業、なかんずく地方自治体等がやらせる事業になってくるとどうするか。年度末というのが多いですね。大手業者というのは単年度工事というのは少なくて、二年、三年という工事になるのですよ。何億というのをやる。ところが、地方自治体等がやるところの小さい工事、中小零細の請負業者がやる工事というのは小さい工事なんです。だから年度末までに終わらなければならない、こういうのです。ところが、セメント不足なんだから、あるいは木材不足なんだからというので、工期の延長をやる、いわゆる年度末までよろしいというような形、あるいは出納閉鎖期までよろしいという形になったとしますよ。その場合には竣工届けを出さなければいけないんですよ。竣工届けを出すと、出来高払いの請求が今度はできないんです。それでお手あげなんです、今度は工期の問題で。だから、あなた方は、工期を延ばしさえすれば問題は解決すると考えているところにたいへんな間違いを起こす。工期を延ばすときには、同時に請求書を出し、竣工届けを出さなければ延期をされない仕組みがある。ところが、竣工届けを出したときに、出来高はこれだけできておりますからといって出来高払いの請求ができないじゃありませんか。だからバンザイしてしまう。そういう深刻な状態があるということをお見落しになってはいけません。もっとほんとうに実態をよくおつかみになって、そしてセメント不足、木材不足、それから、先ほど申し上げましたように同時着工したり、あるいはその工事現場を幾らか休んだ場合の労働者の離散の問題等々、この事業者に対する影響の問題だけではなくて、そうした問題についてきめこまかい対策を講じて、これを措置していくということでなければなりません。そのことに対して最後に政務次官のお答えをいただいて——これは私は通産省だけに申し上げているのではありません。建設省、もう農林省はお帰りになったようですけれども、すべての担当の方々に注意を促しておきたいと思います。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 貴重な御意見、十分に考慮いたしまして、今後通産あるいは文部省関係と協議いたしまして、十分な対策をしていきたいと思います。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 きょうは公取委員長、経済企画庁長官、通産大臣に出席していただいて、独禁法行政なりというものについて質問いたしたいと思いましたが、時間の関係もありまして、公取委員長しか出席しませんので、前回のこの委員会の席上で、鉄鋼カルテルの問題について質疑をいたしました。時間の関係で十分な論議は尽くせなかった問題が残っておりますから、きょうはそれだけ質問いたしたいと思います。  公取委員長は、最近、新聞で報じられておる鉄鋼大手業者が有史以来の好況を迎えてこの三月の決算期を迎えている、こういう報道があったことを御承知と思います。その後、経済雑誌等を見ましても、かつて六分に減配したのを今度は一割に復配するといわれておりますし、経理内容は有史以来の好調だそうであります。この有史以来の好調だといわ翻る鉄鋼業界の経営内容は、実は昨年の九月からことしの三月まで、三月期決算ですから半期決算、その半期決算の中で昨年の十二月まで、半期の半分は不況カルテルをやっておった時期であります。この不況カルテルを半期のうち半分やっておる時期に、それが戦後最良の経営内容を示すということについて、公取委員長としてどういう感慨を持っておられるか、承りたいと思います。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 三月決算については、まだ、いってみれば予想の段階でございます。決算を実際に確認できるのは四月の終わりから五月の初めという段階であろうと思います。ただ、現在の価格あるいは生産量から類推していけば、相当利益が増大するはずであるという推測は成り立つと思います。  御指摘のごとく、そのうちの三カ月分はカルテル期間中であったということは、もう当然そのとおりでございますが、実は昨年の第二次カルテル延長の場合の予測といたしましては、まだまだ非常に暗い不況が続くものと予想されておった。これは今日の段階あるいは十二月の段階になってから見れば、非常におかしかった、見通しの誤りだということになりますけれども、一般的に、六月の下旬になって公定歩合がいまの四・二五%に下げられたわけでございますから、当時はまだまだこの円対策その他のためにも国内の景況を持ち上げなければならぬというような空気が一般的であったわけでございます。そういうことから申しますと、そのとき延長を認めたのはやむを得ない。しからば十一月ごろからの急変に対して、即時打ち切りの措置をとらなかったのはけしからぬとおっしゃられれば、それはそのとおりでございますが、実は打ち切りをすることも、これは業者が辞退すれば別でございますが、なかなか簡単にいかない問題であると同時に、私どもは通産省とも十分連絡をしながら、増産に次ぐ増産といって、ワクをどんどん上げまして、そして品物の供給をふやして当時の市中価格の——市中といいましても、これは二割程度の分量でございますが、それの値段を冷やす方向を先に選んだということでございます。その効果が、実は平電炉の場合なんか特にそうでございますが、あとになって、二カ月後になって出てきますので、十二月には思い切って八十万トンを一挙に全体で減らした。そうしますと、そういう増産効果というか、増産体制の効果というものがずっとおくれて出てきた、二月の終わりごろになってようやく出てきたような状態でございまして、決算が非常によくなるということはわかりますけれども、実は九月決算は非常に悪かったのでございます。九月決算が三月決算よりもいいかどうかという点について評価がありますが、私どもが見たところでは、九月の決算というものは、実体的に見ますとあまりいいとは言えない。特に償却方法、すべての会社がこれは新鋭工場について定率法から定額法に取りかえただけで、大きなものは半期百何十億という差が生じてきます。その累積が一社で三百何十億になっておるのもございます。ですから、払わなくてもいい税金を払うだけの利益を計上するような結果になる。ですから、始まって以来といいますが、生産総量が非常にふえております。稼働率も高うございますが、能力から申しましても、全体をとらえればいまや一億三千万に近い。高炉メーカーだけではありませんが、そういう高い水準にございますから、これは急激に何か需要の高まりによって稼働率が高くなったということによる利益でございまして、私はあえていまおっしゃられたことを否定するものではございません。不況カルテル下に置きながら、なぜそういうもうけをふやすようになったか、けしからぬとおっしゃられれば、まことに申しわけないと思いますが、当時の私どもは、価格を冷やす方向に力を入れて稼働率を高めることを要請したというのが実態でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この不況カルテルを一昨年承認したときは、前の委員長ですね。あなたではない、前任者です。ですから、責任は前任者にあるわけでありますが、私があえてこの問題に公取の責任ということを持ち出すのは、前任者のこういう軽率なカルテルを容認するという態度をひとつ反省をしてもらいたい。今後の独禁行政を扱う上において、これを他山の石として反省してもらいたい、こういう気持ちで実は申し上げておるわけであります。あなたが直接このカルテルを認めたわけじゃないことは承知しておりますが、そういう意味でもう少し二、三議論してみたいと思います。  委員長のこの独禁行政に対する意欲というのがどうもわれわれ何となく消極的である感じがいたします。なるべくいままでの独禁法運用の範囲内で、まあ事なかれ主義でおさめていけばいいのじゃないかという考え方で運用されているような感じがします。戦後独禁法が制定されて二十六年、それから最近までは確かに財界は独禁法を目のかたきにしてあらゆる機会に独禁法の改正なりあるいは空洞化なりを要求してきた。そういう中で日本の資本主義というのが発展してきたのでしょう。そういうような形をとっておるでしょう。それにはいろいろ議論がありますが、とにかく財界は、独禁法というのを目の上のこぶとして、これに何とか風穴をあけていこうという態度で一貫してきた。しかし、最近はさすがの財界も独禁法はけしからぬとか、あるいは独禁法の運用はけしからぬという態度はとらなくなってきたのじゃないですか。最近そういう風潮がない。公取委員長としてこういう傾向を一体どういうふうに考えておられますか。伺っておきます。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 私自身のことに対して御批判がございまして、たいへん恐縮に存じますが、独禁法というものをそう軽々しく動かすほど、私はまだ独禁法に通じておりません。はっきり申し上げまして、実質的には昨年の九月からでございますから、わずか数カ月の間に独禁法をどういじるか、あるいは場合によったら法律改正を新しくするかというふうなことになりますと、これは大問題でございますから、したがいまして、そういうことについては慎重に考えて扱っていきたい。  それから財界一般、産業界一般といいますか、独禁法、公正取引委員会というものにそれほどあまり何か目くじら立てなくなったということは、私はたいへん理解が進んでけっこうだと思いますが、これは日本だけではなくて、もともと独禁法の元祖は、これはアメリカから自然的に発生してきた。それが西欧諸国にも移りまして、先進国で独禁法に近いもの、独禁法そのものも多いのでございますが、いずれにしても、競争制限的行為を排除していこうという動きは、いまや言ってみれば世界的な動きであって、必然的にまたそれは私どものほうから申しますと、資本主義経済、自由主義経済を維持していく上において必要なんだ、独禁法というものをあまり軽んじていると、結局自業自得でマイナスの面が出てくる、そういう点について独禁法はあったほうがいいのではないだろうか。それぞれの企業にとってはあまり歓迎すべきことではございません。ときどき立ち入り検査なんか受けて非常に不愉快な思いをするのですけれども、大勢的に考えた場合に、独禁法というものに対する理解がやや進み、早くいえばあきらめてしまった。独禁法そのものをいまさらなくしようといっても無理であるというふうに、これは一面的な見方かもしれませんが、私個人としてはそういうふうに感じているわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 最近、財界、産業界の独禁法に対する非難、攻撃が薄らいできた原因は、産業界自身独占がいわば完成したということ、目的を果たしてきた、こういうところに、独禁法というのは実質的に運用が狭まり風穴があけられてきているから、とにかくもう目の上のこぶにならない、こういうことになってきたのじゃないだろうかと思います。これは私の見解ですが、そういう考え方、見方もあることを念頭に置いてもらいたいと思います。独禁法の根本的な理念というのをどういうふうにお考えでしょう。私は資本主義というのがほんとうの自由といいますか、市民法的な契約自由とか、そういうふうな形式的なものじゃなくて、実質的な自由を確保するために独占を押えていこう、不公正な取引を押えていこう、こういうことにあるのだと思うのです。これは本来なら資本主義の体制を守る上から見ればたいへん必要な法律であろう、こう思うのですが、独禁法論争についてはいずれまた機会を改めます。  先ほどの鉄鋼の問題ですが、一昨年の十二月にカルテルを認めた、そして認めるのには鉄鋼の市況が悪化してたいへん値くずれをしておる。だからカルテルを認める。それは昭和四十五年の六月の値段を中心に理由を書いております。しかし、当時は鉄鋼業界が非常に好況のときであったのです。これは前にも言いましたから多く言いませんが、とにかく一番いいときを参考にして、それから低くなったからしたがって不況カルテルだ、こういう論理なんです。それはひとつ議論があるとして、一昨年の十二月に不況カルテルを認めたのはやむを得なかったとかりに認めて、その次の昨年の六月にこれを延長を許可しましたね。その延長を許可したときには、なお不況だといいますが、その延長を許可した理由の中には、こういう意味のことを書いてあります。「前回の共同行為の発足後、事態は次第に改善へとむかった。すなわち、国内需要は本年に入って漸次増加し始め、輸出の停滞にもかかわらず在庫はカルテル実施とともに着実に減少し、普通鋼鋼材のメーカー問屋在庫率は昨年十月」——これは一昨年十月に当たるのですが、「の一・二一カ月が本年四月には一・〇四カ月となり、季節修正値では同じく一・二一カ月が〇・九七カ月へと約二〇%低下し、適正在庫率といわれる〇・九〇カ月へ近づきつつある。」というように、この延長を認めるときに、すでに改善の風潮が非常に高いということを認めておるのですね。そういう理由で、昨年の六月公取が延長を決定した。だからそういう情勢であれば、七カ月もやってきてさらに六カ月もこのカルテルを延長したというのは、私は公取のいわば判断のミスだろうと思うのです。  先ほど委員長は、二カ月、三カ月先のことはなかなかわからぬ、こう言った。二カ月、三カ月の先のことがよくわからぬというなら、何で六カ月も不況カルテルを認めたのですか。しかも、前回七カ月やってきて、改善の兆が見られると、こうみずから認めておきながら、さらに六カ月をやったのは、私はミスだと思う。だから、もしそれもあるいは見解なり判断でやむを得なかったとしたならば、このあとの昨年の四月一日から十二月までのその中間の三カ月日くらいで、非常に回復してきたんですから、途中でカルテルを打ち切ってやるのが、公取としての正しい態度じゃなかったろうか。それを便々として十二月までそのまま六カ月延長させた。十一月ですか、この新聞によりますと、こういう記事がありますね。「ガイドポストは通産省が作成するものの、業界の意向が強く反映されることもあって、需給をやや窮屈にする水準で決められがち。十−十二月の当初ガイドポストがつくられたとき、公取委は内需の増加見込み量が少なすぎると通産省に増加を申し入れたが、一しゅうされたいきさつがある。このため公取委は、ガイドポスト修正後も市況が上がるので、通産省にまかせていては市況過熱を押えきれないとの気持ちにかられたようで、十二月六日に直接、田坂新日鉄副社長を呼んで、百万トンの緊急増産を要求したという一幕さえあったほど。もちろん通産省を通さずに直接、メーカーに話をしたことが通産省を刺激したことはいうまでもない」こういうようなことがありますね。みずから数量制限をしておいて、カルテルを認めておいて、そしてそのあとになって増産しろなんて自分から言い出すということは、これは公取としては、私は醜態だと思いますよ。これは認めたのはあなたじゃない、前委員長ですが、これは公取としては非常にかっこの悪い醜態の状態だと私は思いますね。この考え方をどう思いますか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 最後の点についてだけお答えいたしますが、私としては、当時、もう残りわずか一カ月余りしかない期間を、もしここでかりに何らかの方法でカルテルを打ち切ったといたしまして、じゃ打ち切った場合に、高炉メーカーの場合は、大手は六社でございますね、あとは二社ございますけれども、これは問題にならないとします。その高炉メーカーの六社が、言ってみれば、寡占体制でカルテル体制になっちゃっているわけすでね。即刻大幅に増産に踏み切るかといいますと、私ども公取の立場から見ますと、いま言われた新聞記事のような事情もないとは言えないのでございまして、即刻増産には踏み切らないというふうに判断したわけでございます。だから、確かにみずから数量制限を認めておきながら、ワクにかかわらず増産せい、それには平電炉メーカーの棒鋼などに対しては、制限を全部撤廃せい、こう言ったのです、私たちは。青空だ、要するに数量制限はない、こう言ってきたところが、そうは言っても、にわかに動かないのだ、減産体制をとってきて、急に一〇〇%以上やれと言われても——これは必ず効果は出ます、一、二カ月やってもらえば効果は出る、こういう話でございます。だから、公正取引委員会が、半ば通常の行政のようなことをしたことを私は遺憾に存じますが、しかし、そういう公取のあり方、立場というものを多少逸脱いたしましても、そのほうが経済のそういう価格現象、数量問題もからんでおりますが、価格が飛び上がるのを押えるためには、もう一カ月余りのことであるからやむを得ない、しりぬぐいという意味で、私はそうすることがむしろいいのではないかというふうに判断したわけでございまして、おかしいということは確かに認めます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 どうも公取委員長、新任早々ですから、あるいはまだ十分に理解がないかもしれませんが、いまのことばの中で、私はちょっとひっかかる問題があるのです。大手六社の、たとえばカルテルを解いても増産をしない。これはあれですか、カルテルに当たりませんか。増産をしないということを公取が認めるのですか。   〔委員長退席、田中(六)委員長代理着席〕 いわば増産しないことは、大手六社のカルテル、それは協定しようがしまいが、文書で書こうが書くまいが、それは独禁法行政として取り締まる対象になるのじゃないですか。  もう一つは、公取は通産省の下部幾関じゃないのですよ。行政官庁が一つの行政指導をしたところで、公取はそれにとらわれることはない。これは独禁法の解釈からいって、とらわれることはない。そしてその当事者の、あるいは業界の責任を堂々と独禁法で追及できるというのが法のたてまえじゃないですか。通産省が行政指導をしたのだからこれはやむを得ないのだという態度はない、独禁法からいいまして。だからいまの公取委員長の態度は、カルテルを破棄させても、あるいはそういう生産制限が続くから実効がないのだというのもおかしいじゃないですか。どう思いますか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 一つの理由は、自動車がとまっておるときに、これを走れというのはもう簡単なんです。しかし、いまの鉄鋼業界のような、ああいう非常に大きな設備、それは幾つもございますが、それらがある程度生産のテンポがある。カルテルをやめた翌日から直ちに走り出せといっても、これは無理な点があろう。それでカルテルは、たとえば十一月末で打ち切ると、十二月からでも、すぐに増産にいかない限りは、カルテル行為であるといって私どもが直ちに立ち入り検査をするということは、私は、いささかおかしいのじゃいなかと思うのですね。翌日から違反であるというような態度はとりにくい。そこに多少判断の余地があるわけでございまして、結局私ども通産省にもお願いして、もっと早く増産体制をとるようにする。私どものほう自身も、代表を呼んで、そういう面に行ってもらいたいということを——もしカルテル期間がもっと長かったら、当然打ち切る方向をとっております。そういうことでございますので、今後も——経済の見通しというのは非常にむずかしいものですから当たらない。相当な専門家でも当たらない。だから、そういうおそれがある場合には、期限をなるべく短く、一年で多いといえば半年、半年でもあれだと思った場合は三カ月刻みでいくとか、何かそういう期間をなるべく短くして、運用していくのが適当かなというふうに思っておりますが、厳格にいたしますと、今度はやみカルテルのほうに走ってしまいまして、私どものほうは、逆にこれの取り締まりのほうに非常に精力を使わなければならない。だから、財界が正式に申し込めば認めてもらえるのだということでないと、みんな玄関払いを食わされたのじゃ困るということで、その辺の考え方に、公取としての立場のむずかしい点があることをある程度御了解を願いたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 まあ経済の見通しはなかなかむずかしいけれども、しかし、大蔵省の優秀官僚であるあなたを公取に持っていったというのは、経済的なそういう判断を持つ者としての適任者として要請したわけですから、ひとつわれわれのこういう声も念頭に置いてもらいたいと思いますが、まあ私が言いたかったのは、六カ月も延長しないで、三カ月でいって、そしてなおかつ情勢が悪いというなら、さらに三カ月やったらよかったのじゃないか、大幅にこういう大手六社を中心とする鉄鋼カルテルのごときを——通産省でガイドポストをつくってやっておるのでしょう。だから、ある程度の見通しができるのだから、半年も延長する必要はないじゃないか、もしそうだったら途中でよく検討して、いつでもそれを打ち切るような監視をしておるべきではないだろうかということなんです。議論が少しまだかみ合わないところがありますが、独禁法行政についてはいずれ場所を改めてひとつ議論をしたいと思います。ぜひ勉強していてもらいたいと思います。  それからもう一つは、これも一つの課題ですが、昨年から一年数カ月で、円の切り上げが三百六十円から今日二百六十円と百円上がっているのですね。百円円が切り上がっておるということは、輸入物資がそれだけ安く入るという形になるわけです。しかし、なかなか物価は下がらない。これなんかもひとつ公取として各方面の実態を調査して、なぜ下がらないか、独禁法のたてまえから検討してもらいたいと思います。  特に、たとえばいま議論になっております木材にしろ大豆にしろ、昨年と一昨年はそう大量というわけじゃないけれども、相当にふえております。なお、品不足といわれておる羊毛などは、一昨年と昨年は二〇%ふえております。生糸のごときは、供給が二五%もふえておる。綿花も、七%輸入がふえておる。こういう輸入が大量にふえておるものすら、今日品不足あるいは高値を呼んでおる。こういうことは、それは売り惜しみ、買いだめがあったといって逃げるばかりじゃなくて、この中に独占的な経済力をもってそういう利益を壟断しておるといいますか、そういう傾向があるんじゃないかと私は思うのです。私的独占というのを悪として取り締まるという公取でありますから、この問題もひとつぜひ検討しておいてもらいたいと思います。いずれ機会を改めて議論いたします。  これで終わります。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時三分休憩      ————◇—————    午後二時三十七分開議

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 高橋委員長にお尋ねをいたしますが、公正取引委員会は、ジュースの不当表示の問題について、昭和四十六年四月三日、不当景品類及び不当表示防止法第十条第六項の規定に基づいて不服申し立てがあったので、審判手続を経て次のとおり審決をする、こういうことで昭和四十六年(判)第五号でもって審決をいたしておるようでございます。その後、また主婦連のほうから不服申し立てがありましたのと内容的には変わらないその申し立てを実質的に認めるような表示を決定をいたしておるようでございますが、この経過について一応お伺いをいたしまして、そのお答えによってさらに質問を続けてまいりたいと思います。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 果汁飲料等の表示に関する公正競争規約という問題でございます。これは認定という行為で、公正取引委員会がその業界から提出されました申請を審査いたしまして、これは公正競争規約として適当なものであるという認定を下すわけでございます。  この事件をかいつまんで発端から申しますと、最初に果汁規約を業界が設定することにつきまして、もちろんこれは当時公正取引委員会に働きかけがあったものと思います。自主的なものでございますが、ただでは動かない場合が多い。そこで行政指導も行なって、競争規約をつくってくれるようにということなのですが、昭和四十二年十一月ごろそういう設定の準備に取りかかりまして、実に二年数カ月、これをまとめるのにかかっております。非常にめんどうであった。と申しますのは、やはり業界の考え方、果汁規約のつくり方についていろいろ問題がありまして、特に最後の点では、五%未満のものをどう表示するかという点について、一方では、主婦連だけでもありませんが、消費者のほうからも消費者団体というほうからも、いろいろ注文がつけられた。そういうことで、かなりごたごたがあったようですが、結局四十五年の六月二十五日でありますから、二年半以上たってから認定の申請が行なわれ、その翌月の七月に果汁規約の案について公聴会を開催いたしました。公聴会は、必ずしもこの場合の義務となっているわけではございませんが、自主的に各方面の意見を聞くというような見地からこれを行ないました。  それから、四十六年の三月にこの規約を認定いたしまして、直ちに、三日ばかり置きまして、三月五日に官報に告示いたしましたところ、四月の三日に不服の申し立てが主婦連及びその代表する者の個人の資格と両方で行なわれました。しかし、それとは別個に、四十六年の九月から果汁規約そのものは効力を発生しております。  それで、不服の申し立てにつきましては一応審判に付しまして、相当長い期間これを論議しておったのでありますが、結局私ども公正取引委員会の最終的な審決といたしましては、不服申し立てを行なうことができるのは、この場合、行政事件訴訟法第九条を引き合いに出さざるを得ないわけでございまして、つまり、この不服申し立ては、行政事件訴訟そのものとは言えませんけれども、言ってみれば、それと同等に論じなければならぬものである、その一環であるというところから、行政処分の「取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。」というのが行政事件訴訟法第九条に明示されております。  では、一般消費者とあるのはどうなのかということですが、一般消費者の利益あるいは関連利用者の利益を不当に害するおそれがないことというのが、公正競争規約を認定する場合のいろいろな条件の中の一つにあるわけでございます。そう書いてあるからという理由で、いわゆる一般消費者を代表するものと認める者あるいは一般消費者個人が実質的な個別的な被害を受けて、法律上侵害されて救済を求めることができるところの法律上の利益を有するかどうかという点について、それは法律上の利益を有するというふうには解せられないという理由から、これを原告適格なしという判断をいたしまして、不服申し立てを却下したのであります。しかしながら、争いとなっておりました五%未満の果汁の表示につきましては、そのままストレートにパーセンテージを書いてもよろしいが、そうではなくて、これに対して合成着色飲料とか香料使用とかいうふうな表示をしても差しつかえない、それにかえてすることができるというふうな競争規約の内容であったわけでございます。  はからずも、それに対して最初から不服の申し立てがあり、たとえ原告適格がないといたしましても、表示そのものが国民、一般大衆消費者の間に定着をするいとまがなくして当初からつまずいたような形になっておりますので、昨年の十一月ごろでございますが、私たちの判断として、業者のほうにある程度内容的には折れてもらって、自分で直すということはできないでございましょうから、果汁のみならずほかのものを含め、七品目についてすべて五%未満のものはそのパーセンテージをストレートにそのまま書く。それでゼロのものはゼロと書く。五%未満のものをゼロと書くことはかまわない。果汁等の含有率五%未満のものについてはそのままゼロと書くか〇・二%と書いてもいい、こういうふうにするように指定を行ないました。  その指定は、不当景品類及び不当表示防止法の四条三号に指定することができるということがございますが、この指定を行ないましたのは、同法が昭和三十七年に施行されてから初めてのことでございまして、そういう点では、内容的には一番肝心の部分については不服申し立て人らの主張を取り入れた形になっておるわけでございます。  初めの審決は、あくまで争訟手続に関して原告の適格がないという判定を下したものでありますし、次の指定については、諸般の条件を考えた上でそうすることが適当であるということでこれを行なった次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私は、公正競争規約を認めたこと、そのことに問題があったんだというように思っているわけですが、その問題はまずおくといたしまして、いま委員長がお答えになりました、直接その利益を侵害されるということを狭義に解釈をいたしますと、お答えのとおりであろうと思います。しかしながら、その表示によって利益をそこなわれる者、権利を侵害される者はそんなに狭く解釈をすべきでないのではないか。消費者が公正競争規約の内容によって、表示そのものによって利益を侵害される、犠牲を受けるということになってまいりますならば、消費者自体が不服申し立てをする資格を有するものというように公取は判断をすべきではなかったかと私は思います。  実質的に後日これを認めることにいたしましたことは、世論のきびしい批判というものに背を向けることができなかった、耳をかさなければならないという公取の反省からそういう措置をおとりになったのである、私はそう思うのでありますけれども、少なくとも消費者の権利というものを最大限に守っていくということが公取の態度でなければいけないのではないか。その資格がないという審決をされたということに対しましては、納得がいかない。これは強く抗議をいたしたいと思うわけであります。  そこで、主婦連が利益を侵害された不服を申し立てる資格を有する者でないといたしますならば、それではだれがどういう状況でもって申し立てをした場合に公取はその有資格者であると認めるのかということが問題になってこようと思うのでありますが、それはいまのお答えの中からも一応うかがわれますけれども、この点に対してもっと的確にひとつ考え方をお示しいただきたいと思います。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 取り消しを求めるについて、法律上の利益を有する者は、これはことばを変えますと権利を有するといってもよろしいと思います。ですから、これは訴訟法上の用語でございますからたいへんむずかしいことでございまして、私どもも、これはいわゆる世間的な常識で判断したのではございません。最高裁の判例等を十分調べた上で、狭い広いという問題、批判はございますけれども、最高裁のごく最近の判例をとってみましても、住居表示、所番地をかってに変えた、これによって住民はたいへんな迷惑を受けるというようなことで、実際に自分の表札から名刺からみな直さなければならぬ、しかもその名前が非常に気に入らないという理由で争われた問題につきましても、住民は、ほんとうは直接にいわば被害を受け、相当なかかわり合いがあると常識的には推察されますが、それは原告適格なし、これは最高裁のごく最近、一月に行なわれた判決でございますが、そのように、実際には相当住民に影響があって、その主張をなぜ訴訟を適格と認めないかくらいに思われることでさえそうはならないというふうに解されておるわけでございます。  第九条の法律上の意義というものは、私どもが広く解釈するとかいう問題にはまいりません。つまり、公正取引委員会はこの景表法の点についてはどこの裁判所に次に行くかという点を明らかにいたしておりませんが、独禁法のほうでは、これは明らかに審決そのものは第一審の判決を受けたものと同じ扱いになりまして、次は東京高等裁判所にだけいくというふうになっております。  そういうことで、私どもの取り扱っておる事件に対する訴訟適格、原告適格ありやいなやということは、やはりかりに上へ持っていけば最高裁までつながる事件でございますので、したがいまして、公取自身が消費者の味方でなければならぬとかなんとかという判断だけでこれを動かすことができないものである。法律上の権利とは何であるかという点についてはたいへん論議のめんどうな点でございますので、ここであまり延々と私しゃべりたくはございませんが、いわゆる常識的な利益を守るとかということではない、相当がっちりした話でなければならぬというふうに御理解いただいたらいいと思うのです。  そういう点で、新聞などには門前払いを食わした。表現は自由でございますが、そういうことから、公取は何ら消費者の立場を守るべきものを守っておらぬといいますけれども、私どもは、その他の点では十分聞く耳を持っておるわけでございまして、公聴会は開く義務はないけれどもちゃんと開いておりますし、そのほかにもいろいろ陳情その他の話し合いといいますか、幾らでも接触して意見を聞くことがあるわけでございます。こういうことでありますから、原告適格の問題という点は何ともこれは感情的なものを繰り込んできめるわけにはいきません。しかし、それと実際の中身をどう処理するかということは別問題であるというふうに私どもは解して、いまのような措置をとったわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 公取の気持ちは、私はわかりますよ。それは主婦連を突っ放したとか、門前払いを食わせるといったような、そうした気持ちでなかったということはわかるのです。しかし、いずれにいたしましても、公正取引委員会は、やはり公正競争を行なわしめるということですね。そうしますと、表示にいたしましても、その観点に立ってその表示は中身を正しく表示するものでなければならない、そうすることにおいて国民の利益というものを守っていくというようなことを公取としては最大の問題点として考えていかなければならないのだと私は思うのです。その点は、委員長としても異論のないところであろうというふうに考えます。  そうした考え方からまいりますならば、残念ながらこの公正競争規約というものは、いろいろ審査はされるのでございましょうが、業者の申請というのが大体に通っておる。業者の都合の悪い公正競争規約といったようなものは、私はできていないというように思います。やはり業者の都合というものが優先をしてきている。それに対しまして消費者の利益というものが侵害されるというような形になってくる。それに消費者というものは何も文句を言うことができない。公取に持っていっても、公取は——これは門前払いというのは、公取委員長はおきらいになりましたけれども、おまえさん資格ありませんよということでこれを突っ放す、門前払いを食わされるということになってくるならば、その不服を消費者はどこに持っていったらいいのかということになってくるだろうというように思います。少なくとも消費者を泣き寝入りさせてはならないのだ。どうしても消費者の利益を守っていくということに最大限の焦点を当てて、この法の解釈というようなものをやっていくのでなければ、私は正しい生きた行政とは考えません。  その点からいたしますと、今回の公取の当初おとりになりました措置は、少なくとも適当ではなかったというように判断をいたします。その反省から生まれてきたのではないかと思うのでありますけれども、四条三号の指定を行なったということは、実質的に主婦連の申し立てを正当だというように示したものだというように私は理解をいたしておるわけでありますが、この点はいかがでございましょう。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 この際、公正競争規約がどういうものであるかということについて、どうしても私は申し上げておかなければなりませんが、いまおっしゃられた業者の言い分だけが通っておって、消費者のほうのあれが入らないというのはけしからぬというふうな御指摘がありましたが、実は公正競争規約は、およそ不当景品類とか不当表示とかいうものは、これだけたくさんのあらゆる段階の業界、いろいろな種類の多い業界全部に起こり得る問題でございます。現にそれは非常に多様に起こっておる。  そうしますと、公正取引委員会の職員を増加するのはけっこうでございますが、あるいは県の職員を使うにしましても、一つ一つ起こってくるものをみんな、いわばわれわれ役人が追いかけ回す、そうなるとこれは警察的な行政になってしまう。これはあまりにも大小こもごもありまするので、ぜひともそれぞれの業界の自主的な積極的な協力を得なければならないというのが、この公正競争規約の意味なんでございます。  だから業者の言いなりになっているかというと、決してそうではありません。それはいままで私自身は直接にやってきた点は少ないのでございますけれども、みな一つの公正競争規約をつくっていただくについては、業者の側にも相当折れてもらう。要するに、ここまではどうしてもやってもらわなければ不当表示が防げないし、そういう表示ではあいまいであって困るというふうなことは、公取の職員がずいぶんそれを苦労してつくってきている。ただいままでに協約の種類だけで申しますと四十一種類できておるわけです。しかし、まだまだこれでは足らない。さらにもっといろんな業界に公正競争規則を積極的につくってもらって、これは自主的な規約でございまして、あるいは誤解があるかもしれませんが、決して本気になってやらないわけではない。みなそれぞれの業界がその気になって規約をつくった以上は、自分のところのメンバー、これは加入、脱退自由でございますので、いやだったら出てしまうこともできるのですが、そのメンバーの中から不当表示等で問題を起こすようなことがないようにということで、これはずいぶん効果を発揮しております。現在でも、たとえば宅地、建物やいわゆる不動産関係でございますね、こういうものなどは山の中までわれわれがみな追いかけ回したらたいへんなんです。そんなことよりも、それぞれの業者が自分の業界の実情を知っておるわけでございますから、したがいまして、これが積極的に規制をしていただければ、われわれとしては非常に助かるし、そうではなくて、それがつまり一般消費者のためになる。一般消費者のためにどうしたら一番効果的に不当表示類を防げるかという点は、この自主規制、公正競争規約をどんどん中身をよくし、そして数をふやしていく、これが一番適切ではないかと考えておるわけであります。  そういう意味におきまして公正競争規約をいかに積極的につくり、積極的に運用させるかという点になりますと、訴訟をもって消費者がこれと争うというのはあまり得策ではなくて、むしろそうなったら、これは脱退も自由だし、つくらないことも自由でございます。これからつくっていかなければならないのはたくさんございますが、それが一々裁判をもって争われるということになったのではその意欲を大きく阻害されますから、そうではなくて、事前に消費者側の意向も十分聞いた上で、もちろん公正取引委員会はそのためにあるわけでございますから、その辺については、一般消費者の利益を保護するための表示のしかたはどうあるべきかということを常に考えてやっていく。  この果汁の問題は、実は合成着色飲料とか香料使用というのは、アメリカなどでは普通に使われていることばをそのまま持ち込んだわけです。業者のほうの意向もあって、何もゼロと書かぬでもいいじゃないですかということもあったわけでありますが、こう書けばほとんどほんとうの果汁など入っていないということになる。あとはみんなパーセンテージを最初は五%きざみ、あと一〇%きざみで一〇〇%に及ぶ、こういうふうになっておりますから、パーセンテージのないものなんというのはほとんどゼロにひとしいんだ、これで通るようになったはずなんでございますが、それが必ずしも日本人の感覚にはすぐ合うか合わないかわからぬうちに、これを改めざるを得なくなった。改めるについては、私のほうでむしろ指定して改めるということにせざるを得ない、こういう事情でございます。公正競争規約というものは業界の積極的な協力なくしては死んだも同然である、つくることもできない。訴訟で争わなくても他に幾らでも消費者側の意見を承る機会は十分開いてあるつもりでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私は公正競争規約そのものを否定的に言っているのではない。しかし、公正競争規約というものをつくる場合、業者はできるだけ業者の利益ということを念頭に置いてこれを申請もし、主張もしてくるということになってくるということは当然であろうと私は思う。その場合、いわゆる連絡協議会というものがあって、その連絡協議会の中に委員長がお答えになりましたようにいろんな団体もある、消費者団体というものも入っているんだというようなことであるから、その場において十分意見を聞くことができるじゃないか、そうおっしゃる。しかし、私は必ずしも多数の消費者の意向なんというようなものがその連絡協議会の中で一〇〇%生かされるというようには考えない。生かされるならば、今回の主婦連の集団訴訟というものは起こってこないと思うのですよ。起こってきたことは明らかな事実として委員長はお認めにならなければいけない。  それから、いまあなたは集団訴訟は好ましくないと言われたんだけれども、最近の公害訴訟等を見ても、司法界が集団訴訟というものを相当尊重する方向にあるということ、このことも否定してはならないと私は思うのです。少なくとも民主主義が成長してまいりますと、そういう方向にずっと進んでいくというようなことは当然であろう、そのことがより尊重されていかなければならないと私は考えます。そういったような点から、いまの委員長の考え方というものは納得できないということを申し上げておきたいと思います。  さらに四条三号によっての指定でありますが、これは四十八年九月二十日から施行するということになっておりますが、夏の需要期を特にはずした——特にはずしたと、こう申し上げると、まことに不本意であるというようにお考えであるかもしれませんけれども、これははずしておることは間違いない。だから、なぜにこれを半年もずらして施行しなければならなかったのかということであります。これをもっと早めて施行することが正しかったのではないかと思いますが、いかがでしょう。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 公正競争規約を実施する、あるいは変更するとかいう場合、表示をかくかくにしなければならないというふうにいたしますと、当然それだけの準備期間が必要でございます。ですから、前回公正競争規約を定めた場合におきましても、告示後半年後にやっております。今回の実施期日を原則として九月二十日といたしましたのは、もちろんこれは夏の最盛期をわざとそらす意向は毛頭ありません。昨年十一月に私どもは委員会として四条三号の指定を行なおうじゃないかというふうに腹をきめたわけです。それから取引部のほうにおきまして鋭意その準備を進めたのです。ですけれども、これにはいろんなこまかい問題がございまして、当初の案よりもさらに非常に緻密な案にしたつもりでございますが、そういうことから、公聴会を開いたり、そのほかいろんな手続で、どうしても今回の告示が三月二十日になってしまった。それから六カ月後ということにしたわけでございます。  なぜそんなに日にちがかかるのかといいますと、一つの事例だけ申し上げておきたいのですが、王冠を使って表示する場合に、王冠そのものは印刷をしなければならぬ、印刷をやりかえなければならぬ。それはどういうことになるかといいますと、一日当たり版をつくる能力、これはあまり大業者じゃありませんが、製版能力といいますか、これは現在フル運転して一日九十五枚なんです。九十五枚だけれども、これではとてもだめなのでほかのものの分は別に能力を上げてもらうということで、一日九十五枚で計算している。そうしますと、どれだけの版が必要であるかといいますと、製版を必要とするのは一万七千枚である。二十五日操業といたしますと、これを割りまして七カ月以上かかるという計算になるのです。こういう場合にほかのものもみなそうなのでございまして、とにかく一応全体について準備をしようと思うと六カ月ないし七カ月かかるので、やむを得ずそうしましたということなんです。  ただし、一部の意見として、これは私どもも最終的にはきめかねておるのですが、それ以前に準備のできたものは新しい表示をやっていいかという問題があるのです。つまり九月二十日から実施するといった場合に、それまで必ず待っていて一斉にスタートさせるか、それとも用意のでき上がった業者を先にスタートさせるかという問題がありますが、私どもとしては、へたをしますと——一般の方々は九月の二十日が実施日であるとかいうようなことは御存じない。そうすると、ちゃんとしたものが出てきている、かねて問題になったものが今度は無果汁という表示が出てきた、ところが一方にはそう書いてない、これは不当表示じゃないかということで、そっちこっちで混乱を起こすということもある。というのは、この製版は各社のものをみな並行的に行なうことはできない。社別に行なっていくわけですね。ですから、早くできるものといやでもおそくなるものとがある。おそくなったものは、何か変なところで非難攻撃を受ける結果になる。たいへん会社の数は多いのでございます。千社は優にこえていると思いましたが、こういう五%未満のものでも、関係業者というのは非常に多い。中小業者が多いのでございます。だから、途中からでも準備の整ったものはそういう新しい表示に切りかえさせるか、それとも一斉に同じ日付でスタートさせるかという点はまだちょっときめかねておりまして、内部的にも意見が分かれております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 委員長がお答えになりましたような事情もあるのであろうとは思います。しかし、いずれにいたしましても、無果汁のものを無果汁であるとびしっと表示させるような措置をおとりにならなかった、だからそういうような訴訟事件が提起されたり、またあらためて指定をしなければならないというような、そういう事件が起こってきた。だから、これには公取は反省をしてもらいたい。もっと慎重に、真に正しい競争が行なわれるように、いわゆる公正競争が行なわれるように、そして消費者の利益というものが守っていかれるように十分配慮されることを私は強く望んでおきたいと思います。  次に、長崎市の管工業協同組合が行なっております共同行為に対しまして、公正取引委員会は独禁法第二十四条第一号の要件を欠いている、同法の適用を受ける事業者団体であるというように規定をいたしたようでありますが、その後の経過はどうなっているのか、どのような指導を行なって、この問題を完全に解決するというお考え方を持っておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 これはすでに御承知のとおりでございますが、長崎市の水道の工事を請け負う業者の管工業協同組合が、工事料金を全額予納しなければ工事にかからぬ、こういう協定を行なったわけでございます。私どものほうでこれを取り調べさせましたところ、その組合——これは工業協同組合でございますが、その中に、三名は大規模事業者が含まれております。そういうことで独禁法二十四条一号の適用除外の指定はないということになりましたので、これは独禁法違反じゃないかということで、その行為自体を改めるように地方事務所を通じて改善方を強く要請さしておったのです。その後、これが全額予納せよという、そのままでやっておれば独禁法に触れるのでということをいっておりましたら、けさ情報をとってみたのですが、それによりますと、二十四日にその管工工事の組合は理事会を開きまして、三名の大規模事業者にまず脱退してもらおう、こういう方向へ行ってしまったわけです。組合と三者と協議した上で、三者が脱退することに同意した。それで、きょうかあしたのうちに三者から脱退届けが提出されるということになっておるそうでございます。そうなりますと、そのままでありましても、独占禁止法違反にはならないことになってしまう。ただ、こちら側から、全額予納せよという制度はいかに何でもひどいじゃないかということで強く話をしておりましたので、少なくともたてまえの上では、組合員が必要がなければ全額取らないで工事にかかってもいい、そういうふうに、強制しておったものを今度は強制でない形に切りかえますということをいっておるわけでございます。  その結果、はたしてほんとうにそのとおり実施してくれるかどうかは保証の限りではないのでありますが、このように三名の、いままで中小企業にあらざる業者が加わっていたものが脱退した。こうなりますと、中小企業協同組合の規定がまるまる働きまして、私のほうの二十四条一号で独禁法適用除外となりますから、料金を全部予納しなければ工事をやらないということをかりにそのまま続けたといたしましても、私どもとしてはいかんともしがたい、法律に適用除外と書いてありますので手が出ないというふうなことになってしまう。問題は、あとはこれは行政指導でありますから、市当局も非常に関係あるわけでございます。  この料金は、長崎市の場合は市が標準価格をきめておる。ですから、価格の面での競争の余地がないようになっているそうでありますが、水道でございますから当然これは市営のはずだと思います。その末端の工事でございます。ですから、市当局が行政指導するか、あるいは中小協同組合ではあるが、そのように打って一丸となって——これは建設業者に当たるわけでございますね、建設業者が、金を先に払わなければ工事をしないというのですから、私どもから見ると小さい業者が大きい業者に向かって反乱を起こしたというふうな形になっておると思うのです。だから優越的地位の乱用に当たらないのです。不公正な取引方法であれば、これは独禁法の適用除外にならない。不公正な取引方法に当たるかどうか、いろいろ研究してみましても、どうもそれには当たりそうもないというのがただいままでの経過でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまのお答えを伺ってみますと、構成員である大規模業者三者、これが脱退をするということになった。そうなってくると、独禁法二十四条一号によって、協同組合の行為は適用除外である、したがって独禁法違反ではないという解釈をしておられるようであります、が、私はそういう形式論と申しましょうか、実態というものを無視した独禁法のあり方には納得できないわけなんです。公取の、これは短い文書でございますから私は読んでみますが、「長崎市管工業協同組合は、中小企業等協同組合法に基づいて設立された事業協同組合であるが、組合員のなかに小規模の事業者とは認められない者三名を含んでおり、独占禁止法第二十四条第一号の要件を欠いているため、同法の適用を受ける事業者団体である。しかして同組合は、組合員に給水装置工事の着工前に需要者から工事費の全額を納入させた後に、その給水装置工事を行わせることを決定し、これを実施しているが、これは同組合の構成事業者の機能または活動を不当に制限しているものであって、独占禁止法第八条第一項第四号に違反する疑いがある。」と、こうある。したがって、この給水装置工事の着工前に需要者から工事費の全額を納入させる行為、そのことがいまの独禁法第八条第一項第四号に違反する疑いがある、これは事件として取り扱ったわけでありますから、何と申しましょうか、こういう決定をしておられるわけですね。また委員長は、いま給水工事の着工前に需要者から工事費の全額を納入させるということは強制しないというようなことだ、こう言われたわけでありますが、納入させることのほうが業者としては利益でありますから、それは脱法行為というようなことになってまいりましょうか、これは独禁法違反になるおそれがあるからそういう形式をひとつとっておこうじゃないかというような擬装的なことをやるかもしれませんけれども、先にもらうことのほうが得なんです。したがって、いま委員長がお答えになりましたようなことが実行されるであろうということは予想されません。あくまで公正取引委員会の独禁法違反としての追及をのがれようというような擬装措置にすぎないということを考えてもらわなければいけないということが一点であります。  それと、これは中小企業庁長官にもお答えをしていただきますが、少なくとも業者が需要者から工事費の全額を納入させるようなことがあってよろしいものでしょうか。こんな需要者を無視するようなことがまかり通っておるというようなこと自体が私は問題であると思います。中小企業庁長官はこの事実を御存じになっておられたのか、どのような指導をしてこられたのか、今後これらのことについてどのように指示、指導していこうとお考えになっておられるのか、伺ってみたいと思います。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 中村先生、申しわけないのですけれどもちょっとお考え違いな点がある。二十四条の一号は、中小業者だけの場合にはそのとおりになっているわけです。適用除外になる。だから八条の適用もなくなってしまう。だから、大企業が加わっている場合には、三者ですね、これは適用除外にならないと私は申し上げた。ところが、その三者が今度抜けてしまう。そうしますと、二十四条の規定がフルに適用されまして、適用ということは、資格ができまして、その行なう行為は、事業者団体に禁止している行為も適用除外になってしまうわけです。そこが私はどうも困ったことである。だから、内容的にはまことにけしからぬ行為だと私は思うのですよ。法律の上からいうと、内容的にはそうだと思うのですけれども、いわゆる中小企業者のみをもって構成する協同組合等は独禁法の適用除外になってしまうのだ。だから、あと唯一のあれは、べらぼうに値段を引き上げた場合とか、そういうことは禁止になっておるわけです。適用除外のほうからはずれておるわけですが、もう一つは、不公正な取引方法を用いることは、そういうふうな適用除外になっている団体にもやはり適用があるのだ、こうただし書きで書いてあるわけですね。だから不公正な取引方法になるかと思って一生懸命さがしたのですが、当てはまるものがないわけなんです。というのは、優越した地位を乱用しているということになればそういうことが言えるのですが、小さな業者が寄り集まって、そういうそれよりも強いほうの業者に対抗するような値段で——つまりそれらの業界の言い分は、しばしば下請をした上で、工事料金をあとから値切られた、払ってくれない、不払いがあるといっても、泣き寝入りするほかはない、それらの組合の言い分として、しばしば被害を受けているから、みな結束しようじゃないか、そうすればだれもがみな、向こうは全額払うのですから、被害はこうむらない。こういうことをきめた。だから、これを維持していきたい下心はあるように見えますけれども、全部それをもって強制的にそうするというのはかっこうが悪いからというので、私の言い方はあまり適当じゃありませんが、各人の判断にまかせるというところまでは折れてきたということでございますので、それで私のほうが何ともいま手が出せないというふうになってしまったということを申し上げたわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 委員長と私は、いまの二十四条一号の解釈について見解が違うわけです。協同組合の共同行為は協同組合自体の事業ではないということです。協同組合の中の一部のものが集まって、そうしていま言うように、前払いをさせなければいけないといったような行為をやっているということも、その協同組合員なるがゆえにこの適用除外をされるという形になってまいりますと、もう協同組合員であればかってほうだい、二人以上であると、これは協同組合の行為という形になって、かってなことをやっても、どのような不正な行為、需要者に対する利益を侵害するような行為をやっても、これを適用除外として追及されないということになってくると問題がある。なるほど協同組合の共同行為、共同施設であるとか共同行為自体は適用除外であってよろしいと私は思うのです。しかし、この二十四条一号は、必ずしも委員長がいまお答えになりましたような狭い解釈をすべきではないのではないかというふうに私は解釈をいたしているわけであります。この点についても、中小企業庁長官の見解も伺ってみたい。  それから、ずいぶんさがしたけれども、どうも問題になるような点がないんだ、こうおっしゃった。ところが、工事料金の協定を行なっておるこの事実は、第八条第一項一号に該当すると思います。これは私は明らかに第八条違反であると考えます。ここをなぜおさがしにならなかったのか。  それからもう一つ。小さい業者というものは大企業に抵抗する、そしてみずからの利益を守ろうということでやるんだからと、こうおっしゃったんだけれども、現実にこの場合は、公取が今度独禁法違反であるということを決定いたしますまでは大規模業者というものが入っておった。一緒になってこの行為をやっておったというこの事実からいたしましても、大企業に対しまして、その小規模のものがみずからの利益を守るために抵抗するという形でこの行為をやったのではないということを具体的な事実でも証明いたしておると思うのであります。私は、こういう具体的な事実をもって公取委員長の見解を伺っておるわけでありますから、具体的な事実の上に立ってお答えもしていただきたい、そのように思います。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 二十四条はこういうふうに——御承知と思いますが「この法律の規定は、左の各号に掲げる要件を備え、且つ、法律の規定に基いて設立された組合(組合の連合会を含む。)の行為には、これを適用しない。」とあります。となりますと、いま御指摘になりました八条というのは、「事業者団体」という見出しがついておりますが、この八条全体が適用除外になってしまうのです。ですから、三名の大規模事業者が加わっておった。きのうかきょうまで、確かにそれは違反行為があったと思います。それは独禁法違反の疑いが十分にあったと思いますが、事業者団体のこの場合は、八条の一項四号の規定が該当するということになっておったわけでございます。ですから、きのうまでの段階で申しますと、「構成事業者の機能又は活動を不当に制限すること。」という八条一項四号を適用してこれを規制するつもりでおったのでございまするが、向こうが抜けてしまって八条の適用さえなくなったということで、どうにも困ったことであるということを申し上げたわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そのきのうまでは違反であったんだけれども、この構成事業者というのはいわゆる大規模事業者、三者が抜けたんだから、こういう意味であろうと思うわけです。ところが、申し上げましたように、この工事料金の協定等を行なっている行為というものは今後とも続いていく。これとても協同組合のやる行為なんだから独禁法違反にならないんだ、一切適用除外だということになってまいりますと、私は独禁法というものは中小企業には全く働かないということになってくるであろうと思います。少なくともこの独禁法というものはそういうふうに狭い意味で解釈すべきではないのではないか。それから二十四条は、いま委員長が読み上げられましたけれども、これは「一定の組合の行為」とある。「一定の組合の行為」というのは、組合という人格の事業であると解釈すべきじゃないか。ではなくて協同組合の組合員が二以上集まってやる行為を協同組合の行為というように、狭く解釈すべきではないのではないか、私はそのように思うわけであります。法律解釈の論争になってまいりますからたいへん時間が長くかかるわけですが、きょうは私も持ち時間の制約があるわけですけれども、たいへん問題だと私は思います。ですからいまあなたは、三つの大規模事業者が抜けたんだからもう独禁法違反じゃない、適用除外であるというような解釈をなさるべきじゃない。私は、申し上げましたように、前払いをしておるという事実、さらに料金の協定をやっているという事実、これらの点からさらに、何と申しましょうか、実際の核心にメスを入れた取り締まりをやっていかなければならないし、指導もやってもらわなければならないと思う。  先ほど公正競争規約の中で申しましたように、いかに需要者を守るか、消費者を守るか、この利益というものをどう保護していくかという観点の上に立って独禁法というものを運用していくのでなければ、私は、あなたは独禁法の番人としての資格がない、そのように断ぜざるを得ません。ですから、強くその点に対する反省を促しておきたいと思います。  長官のお答えをいただきます。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 御趣旨はよくわかりました。私はただ、はっきり申し上げまして、運用ではできないと思います。いまこう書いてあるのは、ある組合の特定の行為だけが適用除外とは書いてないのです。無条件にその行為は適用除外だと書いてありますから、要するに協同組合等に対して甘い。私自身の見解を申しますと、何をやってもひっかからないというのはちょっと行き過ぎじゃないか。中小企業団体法、せめてそのくらいの線にそろえてもらったほうがいいのじゃないか。特に価格のカルテルなんというのはかまわないのだというのはちょっとおかしいのでして、そこまではちょっと行き過ぎになっているのじゃないかというふうな感じもいたしますから、運用でといいましても、私幾ら強気になりましても法律を自分で破るわけにいきませんから、その辺は、中小企業に対する一般の考え方、これからの施策の一環として、独禁法も一部適用があるというふうにしてもらったほうがいいのではないかと個人的には考えますが、そういう点についていろいろ検討をしたいと思っております。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 協同組合の行為に対しての独禁法二十四条の適用の問題につきましては、いま委員長から法律上の解釈について御説明があったとおりだと存じます。  なお、二十四条には御案内のようにただし書きがついておりまして、たとえ小規模な中小企業者だけでつくられた協同組合の行為であっても、一定の場合には独禁法を適用して取り締まるということが明記されております。具体的なケースがはたしてこのただし書きに該当し、したがって、独禁法をもって取り締まるべきかどうかということは最終的には公取の判断に属するところでございますが、通産省としても、従来から、中小企業の協同組合であればどんな協定をしてもいいのだというふうな意味の指導は実はしておらないつもりでございます。  四十一年に通達も出ておるようでございますが、所管行政庁にあらかじめ内容を届けなさいというふうな指導もしておりますし、真にやむを得ないもの以外は、その当時多数あったわけでございますが、なるべく廃止をする、あるいは非常に全国的な規模でやっておるというふうな場合には堂々と商工組合のほうに切りかえるべきである、そういう指導をするというふうなことを都道府県のほうにも連絡をしてやってきておる事実がございます。  こういうこともございまして、協定をやっておる組合の数も四十一年末では二百八十くらいあったのが、年々減りまして、昨年の暮れでは六十を切っております。五十六程度というふうに減ってきておるということでございまして、決して中小企業庁、あるいは協同組合を実際に認可し業務に対する指導をしておる都道府県といえども、平たく申しましたら、独禁法にさえ触れなければもう最大限かってなことをしていいというふうな姿勢での指導は実はしておりません。そういうことではないというふうに考えておるわけでございます。この点は御了承いただきたいと思います。  お話しの長崎県のケースでございますけれども、法律に照らしての措置という問題では、大きな企業者を脱退させる問題とか、二十四条ただし書きに該当するかどうかの判断の問題等は、当局である公取のほうに私どもとしてもお願いをしたわけでございますが、別途、組合そのものの設立を認可し、中小企業行政という意味から組合を指導しておるのは県でございますし、また、その上部機構としての私ども中小企業庁でございますので、私どもは県と十分連絡をとりながら、もちろん公取の御意見も聞きながらでございますが、県を通じての指導ということは及ばずながらやったつもりでございます。  組合のほうでも現在のやり方を少し変えまして、予納方式、後払い方式、分割払い方式、手形払い方式、いろいろあるわけでございますが、こういうものを組合員がいずれか選択できるようにひとつ規約そのものを変えようじゃないかというふうなことで、現在すでに具体的な検討に入っておるということを私ども長崎県からの報告で聞いております。引き続きまして、この組合が、これは具体的なケースでございますが、妥当な結論に達するように中小企業庁として指導もし、努力もする、こういう方針でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この問題についてはあなたのほうにもうずいぶん前から私は是正方を要求いたしております。ですから、給水装置工事着工前に需要者から工事費の全額を納入させるというやり方が中小企業庁としては適当であると考えておられるのかどうか。頭金といったようなことならばわかるのですよ。全額を納入しなければ工事に着工しないのだということになってくると、どのような弊害が生まれておるとあなた思いますか。金を取ってしまっているから、その工事にミスがあっても、その需要者に非常な不満があってもなかなか手直しをしてくれないというような弊害が起こっているじゃありませんか。中小企業のやることならどういうことでもよろしいというような——カルテル行為の問題にしても、十年以上カルテルの認可されたものがすでに全体の半分近くある。そのように中小企業というのを風の当たらない温床に置いておいて、ほんとうに中小企業というものが育成されるとお思いになりますか。中小企業も、競争力を持たせるためには、今日自由化の時代にほんとうに中小企業が強くなっていくためには外の風に当てなければなりません。少なくともいま長崎県でやっているような、こういうことをやらしておいてはならないと私は思う。真に中小企業の指導育成をするという観点から、この点についてはどうお考えになりますか。これを是正させなければならないとお考えになりますか。この点は政務次官からもお答えをいただきます。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 一〇〇%予納しなければ工事をやらぬ、これは私はやはり問題があると思います。したがいまして、先ほど荘長官が言っておりましたように、まず選択をせしむるようなことに組合を指導していきたい、こういうことと、一〇〇%という問題につきましては組合側ともよくお話し合いさせまして、こちらのほうからも行政指導いたしまして、そういう一〇〇%でなければ工事に着工しないというようなことにつきましては是正せしむるよう指導していきたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この点については時間がありませんから、私は高橋委員長に注意を喚起いたしておきたいと思います。  先ほど申し上げましたので深くは触れませんが、いま中小企業庁長官からもお答えがございましたように、第二十四条ただし書きによってどう公取が判断するか、あなたのほうの判断にすべてはかかっておるということになりますよ。大きい業者が抜けたのだから適用除外であるというような態度は、私は許されないと思う。私があげましたように、いま政務次官も答えられましたように、少なくとも全額前払いをさせなければならないというような組合がきめてやっている行為は、この二十四条ただし書きの中にある不公正な取引方法と考えられないのかどうか。それからまた、料金の協定を行なっておるというこの事実も、私は少なくともこのただし書き違反であると考えるのです。これらの点から公取は内容をしさいに検討して、もっと責任ある態度をとっていただきたいということを強く求めておきたいと思います。お答えがあれば伺います。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 実態から申し上げますれば御指摘のとおりであって、確かに全額予納しなければ工事にかからぬというのはあまり例を見ない。前金払いというのはけしからぬ行為であるということはよくわかります。ですから、私どもも、指導は地方事務所を通じて、いままでは独禁法違反の疑いが十分あったわけでございますから、独禁法違反であるぞ、だからそれに対する措置を講ずるということをずいぶん現地でも指導したつもりです。ただ、法律の解釈の上では、不公正な取引方法とは何ぞやというのは全部書いてあるわけでございますね。ですから、いわゆるそのただし書きの上にある不公正な取引方法を用いる場合はいけない、この不公正な取引方法は、法律の第二条に特定してあるわけでございます。それでありますから、私どもはそこに非常に苦労もある。そう簡単に安受け合いはできないけれども、できるだけの措置は講じたいという気持ちはありまして、多少私どもの権限の外になりましても、そういう取引は、少なくともこの法律そのものに直接触れることはなくても、好ましくない、はなはだしく好ましくないというふうな意味では、これは十分そういう取り締まりといいますか、御協力をしていくつもりでございますから、法律にない権限を振り回すというわけにはまいらない、そういう点だけひとつ御理解をいただきたいということでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたは、なるべくならば独禁法というようなものを狭く狭く解釈をして、公正競争を行なわせないような行き方をとろうとしているとしか、あなたの言うことは考えられませんよ。それと同時に、独禁法というものが適当でない、中小企業の協同組合というものを適用除外にしていることはよろしくない、ふんまんやる方なしというような考え方をあなたは持っているんだったら、進んで中小企業庁とも話し合いをする。そしてまた、いろいろな機会があるわけですから、この法律の不備の点、適当でない点は、これを改正するというようなもっと積極的な取り組みをされるということが私は適当である、必要であるということを強く申し上げておきたいと思います。  われわれも、この点についてはなお公取と意見を交換をいたしまして、真に中小企業者を守るために、消費者の利益を守るために、害になるようなものはこれを改めていくというような態度であるということを明らかにいたしておきたいと思います。  最後に、国税庁にお尋ねをいたしますが、中小企業家同友会全国協議会、これは全国協議会でございますから、すべての県ではございませんが、多くの県にこの同友会という組織があるわけでありますが、この組織を御存じになっておられるかどうか、この会の性格はどういう性格なのか、また、国税庁はこれに対してどのような態度をもって今日まで臨まれたのか、時間の関係から三点にわたってお尋ねをしてみたいと思います。

吉田冨士雄国税庁直税部長

○吉田説明員 ただいまお話しの中小企業家同友会という組織があることは承知しておりますが、税務の関係で何ら特別な活動はしておらない。つまりたとえば納税非協力的な活動、よくあります過少申告を意識的に指導したりあるいは調査妨害をしたりあるいは税務行政に対して誹謗したりというような特別な活動も何ら聞いておりません。したがいまして、国税庁といたしましては、現在この会に対しまして特別な見解を持ってはおりません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 長崎県にもこの中小企業同友会というのができているわけでありますが、去る二月九日、長崎税務署長は税理士会の総会に出席をされまして、この中小企業同友会は民主商工会と類似の団体である、要注意団体である、そういうことを総会で警告をいたしておりますが、これはどういう意図からそのような発言を税務署長はしたのか、まずその点をひとつ伺ってから次の質問をしたいと思う。

吉田冨士雄国税庁直税部長

○吉田説明員 きょう実は御質問の趣旨をちょっと伺いましたので、現地に問い合わせてみましたところが、おっしゃいますように、二月の九日に長崎の税務署長が税理士会へ出席いたしまして、その席上、中小企業家同友会のことについても言及したということは聞きましたけれども、その際、そういう税務といたしまして特別な見解を持っているということを自分は発言した覚えはないというように聞いておりますが、いま先生のお話しのようなことがもしありとすれば、現実問題として、この同友会が先ほど申しました納税非協力的な活動をいたしておればともかく、そうでなければ、国税庁といたしましては、先ほど申しましたように、何ら特別の見解を持っておりませんので、そういう発言がもしあったとすれば非常に遺憾だと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 税務署長が税理士会の総会においてその発言をしたという事実は、あなたのほうでも御調査になっておわかりになっていらっしゃると思います。これは否定することのできない証拠が実はあるわけであります。そのためにどのような混乱が起こってきてるいのかと申し上げますと、税理士は優良中小企業として税務署に推薦をし、税務署はこれを表彰するという規定と申しましょうか、慣習と申しましょうか、そういうのがあるわけです。ところが、税務署長から要注意団体であるということを言われたので、税理士はその構成員を優良であっても優良中小企業であるということで推薦することをちゅうちょいたしておる、推薦しないでおる。そのような混乱が現場には起こっておるという事実を国税庁は注目をしてもらいたい。  もう一点、私は、少なくとも国民は思想、信条の自由というものがあります。いずれの団体に所属しようとも、少なくとも国税庁がその団体を牽制するようなことを言うべきではない。私は断じてそれは許されないと思う。しかも警察庁が、警備警察がこのことについても調査をやっておるこの事実は、これはきわめて重視しなければならないと思います。この点は適当な機会に警察庁の出席を求めまして、私なりの、なおしさいに調査をいたしておりますから、それによってこの点に対する追及もし、考え方も伺いたい、こう思っておりますが、ただいまの私の質問に対してのお答えをひとつ伺います。

吉田冨士雄国税庁直税部長

○吉田説明員 おっしゃいますように、いずれの団体に属しておるかということで税務として判断すべきでないことは全く御趣旨のとおりでございまして、ただ私どもは純粋に税務の立場から、税務に非協力かどうかという点の判断でいろいろ納税者自身につきまして考えているわけでございまして、ただいま先生のおっしゃいました優良法人というものも、おそらく国税庁全体といたしまして、四十六年ごろから、これは法人行政といたしまして能率的に税務行政を執行しますために、ある程度優良な法人はできるだけ指導でやっていく、悪質な、低額申告を常時やっている法人に対しましては強い態度で臨むということでグルーピングをやっております。その際、われわれといたしましては、その法人の過去の申告状況なり調査状況なり、そういういわゆるわれわれ税歴といっておりますが、法人のそういう過去の実績、申告状況を見まして区分することにいたしておりまして、場合によれば税理士等の意見も聞くこともあるかもしれませんが、原則として税務署独自の判断でやっているわけでございます。その際に、単に一つの団体に属しているからということでわれわれ判断を誤ってはならないわけでございまして、できるだけ公平、公正な判断でやるべきだというぐあいに、われわれもいまもやっておりますし、また、そういうぐあいに指導していきたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 では具体的な事実として私が申し上げました、その税務署長が税理士会であいさつという中で、あえて私は警告と申し上げますが、そういう警告をした、いわゆる要注意団体であるということで注意を促したために、優良企業であるにかかわらず、優良企業として税理士が推薦することを避けている、こういうことはいまあなたの答弁の中からはこれを是正をさせなければならないと思いますが、そういう指導をなさいますか。

吉田冨士雄国税庁直税部長

○吉田説明員 確かに特定の団体に入っているというだけで区分すべきじゃございませんで、先ほど申しましたように、あくまでもその法人の過去の税歴なり申告状況、調査状況ということだけで判断したいと思いますので、そういう指導をしていきたいと思います。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長 岡田哲児君。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私は、航空機工業振興法、航空機工業審議会、日本航空機製造株式会社及びこのたびできた民間輸送機協会、これなどの関連するYS及びYXなどの研究開発についてお伺いをいたしたいと思うわけでありますが、そのような関連についてのお伺いをする以前に、御存じのように一月十七日、日航製から、会社側から出されました人員整理案があるわけであります。   〔委員長退席、田中(六)委員長代理着席〕 この人員整理案をめぐって、三月八日付で株式会社と労働組合、労使の関係で文書交換ができて、一応の妥結という形になっているのでありますが、その回答書なるものを見ますと、そのまくらことばの中に、「内容は監督官庁である通産省が了解ずみのものであります。」ということになっておるわけでありますから、当然この内容については通産当局は承知をしているものだ、こういうふうに理解をいたしておりますが、よろしゅうございますか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 いま先生の御質問の趣旨の、会社側と労働組合側との文書交換につきましては、存じ上げております。  私のほうで、この際、日航製の人員問題についての基本的な考え方を若干申し述べますと、御存じのとおり、日航製は法律に基づきまして昭和三十四年に設立された特殊法人でございまして、日本で初めて航空機を設計、生産、販売をいたした会社でございます。ここに働いておられます従業員の方々は、技術陣、調査陣、販売面の人員等、すべて初めての経験をした非常に貴重な経験者でございますので、できる限り散逸させるべきではないということがわれわれの基本的な考え方でございます。  いま先生の御質問の会社側と組合側との文書につきましては、このわれわれのいま申し上げました趣旨に非常に合致した内容でございましたので、労使双方から、この際、本文の中で監督官庁である通産省の了解を明記していただきたいということで、私のほうでそれを見ましたところ、そういうことでございましたので、はっきりと了解済みであるという旨を明記した次第でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 そこで、この内容についてお伺いをしておくことが今後のためにいいのではないか、こういうふうに思いますので、確認の意味で明確にしていきますので、非常に簡単でけっこうですからお答えをいただいておきたいと思うわけであります。  この中の第一項「昭和四十八年度について」でありますが「YX新組織へ出来るだけ多く配置転換を要請する。」こういう文書になっているわけであります。ここでお伺いを申し上げたいと思いますのは、会社が提示をいたしました人員計画を見ますと、現在日航製の全社員が三百名おる。このうち、YX新組織への移行で約八十名、可能人員としてYS11業務必要要員が百五十名である、こういうことから計算をいたしてみますと、七十名が四十八年度に余剰人員として残る、こういうのが提示された内容になっているわけでありますが、YX新組織へできるだけ配置転換を多くさせる、こういう内容は、言うならば八十名以上というふうに理解をしてよろしいのでしょうか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 先生のお話のとおり、YX新組織へできるだけ多くの配置転換を行なうということにこの文書は相なっております。数字は若干先生の申されたのと違うかもしれませんが、現在人員二百九十五名、これは出向者も全部含めておりますけれども、われわれのほうといたしましては、この二百九十五名の中の外へ出向している者、これは民間の会社からこちらのNAMCOのほうに出向してきている者、それからそのうちの残留の希望の方その他を全部考えまして、今後のYX関係何ぼ、それからYSがまだ業務が続いておりますので、その分が何ぼというようなことで、至急にこれは詰めなければいかぬと思っております。  基本的には、先ほど申し上げましたように貴重な人材の方々でございますので、できる限り散逸を避けるのが当然基本でございます。  なお、まことにあれでございますけれども、会社側から七十名とかいう人員の整理案が正式に提示されたということは、われわれのほうは正式にはまだ聞いておらない現段階でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 この八十名というのはYXへ出ていく数ですね。この八十名というのは、このときにすでに努力目標として出されているように理解をいたしておるのですが、この点はいかがなものでしょうか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 ちょっとくどいようでありますけれども、予算上の積算がございまして、四十八年度の予算上は、YSのほうの業務が年央ベースで百五十名、それからYX関係で年央ベースで百二十名、両方の事業合わせまして年央ベースで二百七十名というのが、予算上、積算上きまっておるわけでございます。  先ほどもちょっと申し上げましたように、このYX開発のための百二十名をどういうかっこうで構成するか。現在の日本航空機製造から何人出すか、現在ほかに出向している人間からこちらに戻っていただく方を何人考えるか、それから民間会社から出向している方の残留分を何人と考えるか、また新しく民間会社から出向してもらう者を何人と考えるか、その辺は、先ほども申し上げましたように、現在詰めている段階でございますので、基本的には何らかの現在人員を散らさないようなかっこうでの基本的な精神で、いまわれわれのほうも指導しておる段階でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 少なくとも責任ある立場で文書としてでき上がっている中に、「出来るだけ多く配置転換」をさせる、こういう従来からのおおむねのやりとりがあったと私は思うのでありますが、そういう点から勘案をして、「出来るだけ多く」という意味は、いままでのものよりもできるだけ希望を入れて出していく、こういう点だけ、これは確認をさせておいていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 先生のおっしゃるとおりの考え方で、われわれのほうも指導しておるつもりでございますので、けっこうでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 そこで、ちょっとこの機会にお伺いをしておきたいと思うのでありますが、それぞれの関係個所との関係があると思うのでありますが、この人数の確定及び実施の時期ですね、これはいつごろになるというふうにお考えになるのですか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 具体的な何月何日ということはちょっと申し上げかねるわけでございますけれども、いずれにしましても、現時点が年度末でございますので、近々にそれは相定めざるを得ないことだと思います。具体的に何月何日ということは申し上げられません。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私はまだ知らなかったのですが、いまさっき聞きますと、新たな財団法人民間輸送機協会というものがきょう発足した、こういうふうに聞いておるのでありますが、発足しておそらく年度初めからこれが執行されるということになると思うのでありますが、こういう発足をしたあと、作業というのは一週間か十日というぐらいに見ていいのでしょうか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 いま御指摘のYXのための協会は、実は私個人としては、できる限り早く発足させるべきだと思っておりましたのですけれども、いろいろと準備の都合もございまして、本日付で認可に相なる予定でございます。当然に四月早々に店開きということに相なるわけでございますけれども、何ぶんにも最初は準備段階がいろいろとかかると思いますが、しかし、これはいま一番初めに申し上げましたように、こういうYXを早く発足させるということが現時点の日本航空機製造の皆さんの、何というのですか、むしろ将来前向きにその機構とのつながりをつけるという意味でも一番いいことだと思って、早く発足させようとしたわけでございますので、何月何日ということは申し上げられませんけれども、近々にその御趣旨に沿って決定といいますか、定めをいたしたい、こう思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 次に、機体メーカーから出向している人たちに対して原会社に復帰させる、こういう問題があるわけでありますが、この出向者については「業務の状況を勘案して」ということばになっておるわけであります。最も心配をいたしますのは、いままで一緒におりました仲間が出ていく場合に、残された業務との関係、こういうものが当然出てくるのでありまして、労働過重その他の心配が実は起こってくると思うのであります。この「業務の状況を勘案して」という考え方ですが、どういうふうに考えたらいいか。一つには、YS業務上不必要になった部分が出てくるのだ、あるいは次第にYSを縮小させていこうとする気持ちがあって、それに基づいてしていく、いろいろ考え方はあると思うのでありますが、この「業務の状況を勘案して」という中身はどういうものなのでしょうか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 御存じのとおりYS11という飛行機は百八十機生産いたしまして本年度で生産活動は終了する。当然のことながら販売活動も終了いたすわけでございまして、今後はこれのアフターサービスの業務と代金回収業務等が残るわけであります。  いま先生御指摘の民間から出向しております人間の相当部分が、やはり従来のYS11の生産、販売等にも関係している人員もございましたので、これは業務の性格に応じてやはりお引き取り願い、また今度新しくYXをする場合には、それに即応してまた御出向願うというほうがよろしいのではないか、こう思いまして、「業務の状況を勘案して」というのは航空機製造の仕事の性格の変化に、何というのでしょうか、適正に即応しながらそういうことを行なうという趣旨でございます。したがいまして、御指摘の労働過重になるのじゃないかということでございますけれども、それは絶対にないように私のほうも会社側と連絡をとり、指導してまいりたいと存じ上げております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 ぜひそういうふうに監督指導をしていただきたいというふうに思うわけです。  次には、宇宙開発事業団、東亜国内航空へ出向をしておる人たちの問題でございますが、どうも通産当局の理解といたしましては、この人たちは日航製に帰りたい、復帰をしたい、こういうふうに本人たちはいっている。ですから一度出向者を日航製に帰して、その上で今度はところてんといいいますか、おる人たちをYXに出していく、どうもこういうようにされているのではないか。これは間違いかもしれませんが、そういうふうに伺っているのでありますが、これは常識的に考えてもそうですが、YSとしては一応必要ないというか、いまのままでよろしい、そこで人を出してやっておったものなんですから、この人たちはそちらに帰さずにそのままYXのほうに転換をさせる、こういうことがいいのではないかと思うのでありますが、その辺のいきさつはどんなものでしょうか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 日本航空機製造から東亜国内航空、それから宇宙開発事業団に三十六名が出向いたしております。これらの方々を今後どうするかということにつきましては、先ほどの会社側と組合側との交換文書の中におきましても、これら出向しておる社員は、原則として全員日本航空機製造に復帰させる、しかしその場合に御本人が復帰よりはむしろいま働いているところで働きたいというような希望があるなら、その希望、本人の意思にまかせようという考え方が整理されておりますので、われわれも非常に妥当だと思っておるわけでございます。  先般来私のほうで報告を受けましたところによりますと、この三十六名の方の取り扱いにつきましては、組合側ともよく折衝し、組合側も立ち会いまして本人の意思を確認しましたところ、二十三名の方がいまのままでむしろおりたい、日本航空機製造に帰りたくないというような御意思を表明したというようなことも聞いておりまして、十三名がしたがって帰るというようなことに現時点ではなっておると聞いておりますが、いずれにしましても、これは日本航空機製造の社員でございますので、一番大事なことは、現在出向しております御本人の意思を尊重するというのが一番問題の解決のための重要な前提ではないかと思っております。私の聞いておるところでは、三十六名中二十三名がそのままおって、十三名がもとへ戻りたいというように現在意思を表明しておるということであります。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 どうもその受け取り方がちょっと違っているようでありますが、問題は基本的には本人の意向を十分尊重する、こういうことでございますから、私どもの聞いているのは行きたいという話で聞いているものですから、その辺の食い違いは当事者同士十分話をして、円満にやっていただけるようにぜひお願いをいたしたいと思うのでありますが、これはどこの企業でも起こる問題で、転換のむずかしさというのはあるわけであります。特にうしろに通産省というのがいるようなこういう会社でありますから、当然この協議する場所をつくると同時に、できるだけスムーズに円満にいくような指導監督をさせるような立場で、これをぜひ解決をしていただきたい、こういうふうにお願いをいたしておきます。  それから次に、これはいままでも毎回言われておったようでありますが、人員の拡散防止ということについてであります。ことばとしては人員の拡散防止ということで受け取れるのでありますが、先ほども言われましたように、現在のこの株式会社は将来十年間くらいのアフターサービスと売り掛け金の回収、こういう業務が残っておる。こういうふうに見ますと、先行き非常に暗いといいますか、十年後にはなくなってしまうのではないか、こういう感じすらするわけであります。そういう点から考えてみて、この拡散防止のための対策といいますか、手段といいますか、そういうものはどういうふうにお考えになっておるのでしょうか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 私の感じておりますのは、先ほどもちょっと触れましたように、YXの事業を早急に本格化することが一番大事であろうと思います。四十八年度のYX関係は予備調査段階ということが前提として、しかしわりあいに巨額な金額が認められたわけでございますけれども、問題はこれからでございまして、これを本年一ぱいくらいの間に急速に具体化をはかりまして、相手側のボーイング社との間でも話を詰めて、これを四十九年度以降本格的な離陸にもっていくということが、現在日本航空機製造で働いておられる方々の実質的な吸収の最大の問題だと私は思います。もちろんそのほうへ行きますまでの間に、先ほど言いました予算積算上の問題等も出るかとも思いますけれども、この辺は予算運用上の問題としてできる限り私努力をいたしたい、こう思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 これはまことに先走ったことで恐縮なんですが、かりにYXが思うようにいかない、拡大しない、また再び御破産になってしまったという場合も一応考えられるのでありますが、おそらくこういうのは考えてはいかぬとお思いになるのだろうと思うのでありますが、考え方としては、やはりYSと同じように何とかなってしまうのではないか、こういう心配があるのでありますが、この点について伺っておきます。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 私は日本で次期民間輸送機というものは絶対つくるべきだ、これは日本国民としてそう思っておるわけでございます。本日それのための協会も正式認可に相なったわけでございます。これがだめになった場合というのは、私は非常に失礼ですけれども、考えたくない。絶対これは何としても成功させて、次代の日本の産業の中核として育てていきたい。仮定の話でございますけれども、これがだめになった場合、そのときには、われわれだけじゃなく、NAMCO、それから金融機関、財政当局、全部含めての大きな問題に相なることと思いますけれども、現時点ではぜひともこれを飛び立たせたいと思って努力する決意を申し述べるにとどめたいと思います。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 その話を聞けば聞くほどふしぎに思うのでありますが、航空機工業振興法というものができ上がった。この法律は、航空機工業審議会ができて、さらに日本航空機製造株式会社ができる、この振興法の背骨といいますか、振興法そのものが、この日本航空機製造株式会社を通じて進めていく、開発研究をしていくという趣旨でできていると私は思っておるのでございます。そうすると、いま局長のお話を聞いていると、十年後には株式会社はもうアフターサービスもなくなり売り掛け金もなくなってしまうので、なくなってしまう。もうもっぱらYX開発のために今度新しくできた民間輸送機協会、こういう財団法人に切りかえていく、こういうふうに受け取れるわけです。そういたしますと、私はせっかく現に振興法があって、この法律に基づいて民間航空の開発研究をしていこうとする過程で、この会社は十年後にはやめ、そのかわりにこの民間輸送機協会というものを設立して切りかえていくのだというふうに受け取れるわけなんでありますが、この辺はどんなものでしょう。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、現在の日本航空機製造株式会社は、昭和三十三年の制定にかかわります航空機工業振興法に基づく特殊法人でございます。当時の日本を考えてみますと、航空機は非常に幼稚でございまして、ぜひ日本で小型でも飛行機をつくろうという熱意で、この法律及びNAMCOが発足したわけでございますが、その結果YS11という、これは技術的には非常にいい飛行機だったといわれておりますけれども、できたわけでございますが、御存じのとおり、これは六十人乗りの飛行機でございまして、開発費も五十五億ないし五十六億円程度のものであったわけでございます。今回YXをやるに際しまして、いろいろとわれわれも反省しなきゃいかぬということで、航空機工業審議会にもはかりましたところ、一昨年の九月の同審議会の答申におきまして、YXの開発のやり方というのはYSと相当規模が違ってきており、世の中も変わってきておるので、新しい主体を考えて、しかも国際的な協調体制を確立していくべきであるというのが一つでございます。  もう一つは、やはりYSの反省の一つでございますけれども、民間の創意くふうをもっと尊重すべきであるというような御意見も審議会で出ましたので、今回は新しい主体で一応発足いたしたいということでございます。もちろん先ほど申しましたように、ことしの一年間は、これを母体にいたしまして、どういう飛行機をどういう形でやるかということを詰める段階でございますので、来年の予算編成時におきまして、飛行機の開発及びその進め方、その主体も含めまして議論を当然にいたすべき問題だと思います。その新しいYXというのは非常に大きな計画になる可能性がございますので、本格的にこれが実施されますれば、相当の人員を必要とする大計画でございますので、先ほど来申し上げておりますように、このYXを本格的に離陸させることが一番重要な問題であろうかと考えるわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私の質問したことについて答えになっていないのですがね。私の言っているのは、この日航製という会社ができた、これは振興法に基づいてできたものだ、この振興法は、あくまで日本の民間航空機を開発、研究していくのだ、そのためにこの会社にやらせるのだといってできたものだというふうに考えているのです。それが、こちらはもう十年後には消えてなくなる、この会社は十年後には仕事がなくなる。いまもっぱら、もうこの新たにできた新組織にあらゆる期待をかけていくのだ、こういうふうに言われているわけですから、私は、そこに疑問があるから、どういう根拠なのかというお尋ねをしたわけでありまして、いままでの経緯を聞こうとしたわけではありません。  それで、きょうは何もこの論争をしたり議論をしようと思ってやっているのではありませんので、その内容を聞きたいと思うのであります。実はきょうできた、こういうことでありますが、その補助金が六億七千五百万ですか、この補助金の率は七五%になる、あとは民間で出すのだというふうに思うのでありますが、この民間の比率については、どんなふうになっているのでしょうか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 YXの四十八年度の事業規模は全体で九億円でございまして、いま先生の御指摘のとおり、政府関係が六億七千五百万円、民間が二億二千五百万円、これを形式的に計算いたしますと、七五%と二五%ということに相なるわけでございます。しかし、予算上は一応定額補助ということに相なっておりますけれども、まあ砕いて申し上げれば、補助率は七五%とお考えになってよろしいと思います。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 民間の二五%の資金でありますが、これは新たにこの新組織に参加をしてくる企業から当然分担をするものだと思うのでありますが、現在どんな会社がこれに参加をすることになっておりますか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 これは、その協会がいま各方面と相談ないし協議をしておる段階でございますので、正確を欠くと思いますけれども、まず機体をつくっております機体メーカー、これは当然にその補助金を出す、自己負担分を出すことだと思いますが、それ以外に電気計器等をつくっております、ベンダーと称しておりますけれども、そういう電気機器メーカー等の航空機に非常に関係のあるメーカー、それからエンジンに関係しますメーカー等々が当然の対象に相なるかと思いますが、それ以外に全般的に産業界から、たとえば金融界等々から、やはりその負担を行なうのかどうかにつきましては、現在まだきまっておりません。いま協会が各方面と折衝といいますか、連絡をとっている段階だと聞いております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 聞くところによりますと、この構想が大体通産省で煮えてきたのは、予算折衝の過程だというふうに聞いているのでありますが、これはいつ、大体通産省が腹をきめたのですか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 御質問の趣旨は、その協会の設立の問題かと思いますけれども、御指摘のとおり、確かにわれわれが四十八年度予算要求をいたしました一番最初の段階では、これは事業団構想であったわけでございます。しかしながら、その後いろいろな経緯がございまして、航空審議会の御意見も徴しましたし、財政当局との折衝の過程も経まして、やはりもっと民間の創意くふうが出やすいかっこうのほうがいいのじゃないか。そういうかっこうに対して、多額の高率な補助金を出す、こういう仕組みですべり出すべきである、少なくとも四十八年度はそういうかっこうですべり出すべきである。私たち関係者でいろいろと議論をいたしましたのでございますけれども、先ほどもちょっと申しましたように、四十八年度は予備調査段階でございまして、本格的にこれが実施されますのは四十九年度以降でございますので、四十八年度に即して申しますれば、必ずしも事業団にこだわる必要はないという考え方もございまして、当初要求の事業団構想を、民間の非常に主体性のございます航空機設計協会というかっこうでの補助に踏みきった次第でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私は、非常に、何か行き当たりばったりだという感じを強く持っておるわけなんです。その予算要求をするまでは事業団的で進んでいこう、それが予算要求折衝の過程の中で一夜にしてか、いつかわかりませんが、がらっと変わって、今度は、こいつに将来性をかけちゃうのだという意気込みでやられておるのでありまして、まことにどうも一夜づけの計画だというふうに実は思いました。  それで、きょうはこれは議論ではありませんから、言いますが、その答申案の三つの入れものといいますか、これを見せていただきましたが、問題は、こうした審議会ができたという趣旨は、振興法に基づいて審議会ができておる。振興法の精神というか、法の主体を逸脱したこの審議会の結論というものはないのではないかと私は思うのであります。もしその方向だとすれば、これはまた非常に基本的に違った立場に立つと思うのでありますが、そういう意味からいいますと、先ほどもちょっと触れましたように、この振興法はあくまで日航製を中心に開発をしていく、こういうことでありまして、いまの筋道からいきましても日航製をどういうふうに位置づけていくのかという点があいまいのままに新組織といいますか、こちらに切りかえているのではないか、こういうように実は思えてしかたがないわけであります。その辺に疑問が残るわけでありますが、これはまた後ほど十分議論をさせていただくことにいたしまして、最後にお伺いをしておきたいと思いますのは、新組織が——新組織というのは今度できました財団法人民間輸送機協会なるものはYXの開発だけか、先ほど局長ちょっとボーイングとの共同開発という点に触れたわけでありますが、これはそういうボーイングを中心としてやっていくものなのか、あるいはロッキードその他のものまで総合的にやろうとしておるものなのか、さらにYXだけでなしに、その後の新機種の開発というものに向かって進もうとしているのか、その辺についてはどういうことでしょうか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 この協会は、先ほど来申し上げましたようにYXの四十八年度の詰めを行なうのを最大の目的としております協会でございます。YXにつきましては、いまちょっとお話が出ましたように、相手側といたしましてボーイング以外にロッキード、ダグラス等々の話もあったわけでございますけれども、航空機工業審議会及びその下部組織の委員会を数次にわたりまして開催していただきまして御検討願いました結果、当面ボーイングと組むのが最適であるということに決定をいただきましたので、われわれの予算要求もそういうことに相なっております。この場合、日本の限られた資金と限られた技術陣でいろいろな計画を幾つもやるということはとても不可能でございます。当面このボーイングとの提携による新しい民間輸送機をすべり出させるというのが最大の問題であろうかとわれわれは考えておる次第でございまして、将来これはどういうことになるのか、世の中にはVTOL、STOL、いろいろとそういう新しい航空機の問題もございましょうけれども、これをどこがどういうふうにしてやるかということはずっと先の問題でございまして、当面この協会がやりますのはYXの具体的なる詰めを行なうということを目的といたすものでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 この補助金七五%ということについてでありますが、これはほかのこの種の関係について比べてみますとずいぶん高いように感ずるのでありますが、問題は七五、二五という比率は今後も関係を持ちながら進めていくものなんでしょうか。

山形栄治通商産業省重工業局長

○山形(栄)政府委員 七五%の補助金というのは、確かに先生お話のとおり国内の補助金としては高率の補助金でございます。ただ、これは世界各国の航空機工業のそれぞれの国の補助率と比べますと若干低いといえる補助率でございます。今後この七五%の補助率というのがずっと続くのか、民間の二五%という負担がずっと続くのかという問題につきましては、これはるる申し上げておりますように、来年度の予算編成のとき検討いたしたいということで財政当局とも話がついております。と申しますのは、本年度一ぱいかかりまして、来年度以降これを本格的にやるかやらないか、どういうかっこうでどのくらいの規模のことになるのかということが、そのときになりませんと明確にならない点もございますので、来年度予算編成時においてもう一回議論しようということに相なっております。ただ、七五%というのは一回打ち出されておりますので、相当これがベースになることは事実ではないかとも考えておる次第でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 もう時間でございますので終わりたいと思いますが、いままで申し上げましたように、このでき上がりました民間航空機の新組織については、私、非常に疑問を持っておるわけであります。問題は、これは今後引き続いて十分御意見を聞きながら、議論もしながらしていかなければならない問題だというふうに思っております。  きょうは、おもに労使関係の点を確認させていただきましたが、できるだけスムーズに円満にいっていただきますようにお願いをしながら、今後引き続いてこれの討議をすることをここに申し上げまして、終わりたいと思います。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 国際通貨不安の収拾のために二十カ国蔵相会議が開かれたわけですが、この通貨不安、通貨制度に対して再建の手がかりをつかむことなく閉幕したわけです。そういうことで、主要通貨のフロート時代というものが相当長期化する見通しが強まってきたわけであります。こういうフロート化が長期化するということによって一番打撃を受けるのはわが国じゃないか、このように思うわけです。わが国の貿易取引のほとんどがドル建てである、こういうようなことから輸出成約等が非常に苦境に追い込まれてくるということは明白であります。こういうフロートの長期化に対してどういうような対策を考えておられるか。特に深刻な中小企業等の問題もあるわけです。そこでそういう影響をどういうように診断をされておるか、こういうことにつきまして通産省、経企庁にお伺いしたいと思います。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 御指摘のように、フロート制のもとで中小企業が一番しわ寄せといいますか、輸出の面で打撃を受けるわけでございまして、私どもで全国九十八産地を調査いたしました。労働集約的な輸出品でありまして特に影響を受けやすい地域業種を九十八選んだわけでございますが、昨年度の輸出というのは一昨年に比べて〇・六%ぐらいすでに減っておりますが、それに比べて二〇%強はどうしても減るであろう、これは二百六十五円を想定した場合です。  こういうことでございますので、御案内のとおり、去る三月の十四日に閣議決定を行ないまして、二千二百億円の緊急融資、それから第一次ドル・ショックの場合の千八百億円の融資の返済猶予をはじめといたしまして、信用保険の特例、税制上の特別措置等を講ずる方針を決定したわけでございます。事態は流動的でございますので、産地に対します実情の把握、調査ということは、その後の輸出契約の状況がどうなっておるかということを三月末時点でもう一度調べるというふうな手配もすでにいたしております。緊急融資のほうもすでに受け付けを開始しておりまして、一部融資が始まっておりますが、事態をよく見まして、今後とも適切な措置を講じてまいりたいと考えております。

橋口隆自由民主党経済企画政務次官

○橋口(隆)政府委員 ただいまの御質問に対して、経済企画庁として物価の立場からちょっと御説明を申し上げておきます。  御承知のように、最近卸売り物価が非常に高騰してまいりました。昨年は、四十七年は暦年で非常に落ちついておりましたが、ことしに入りましてから一月、二月、三月と非常にだんだん高騰してきております。これに対していろいろな手を打っているわけでございますが、為替変動によりましてわが国がフロート制に移行する、それによって物価面ではわりといい影響があらわれているようでございます。中小企業は、いま中小企業庁の長官からお話がございましたように、非常に輸出関連の中小企業は困っているようでございますが、御承知のように、必然の結果として輸入品は値下がりをする、そしてまた輸出のほうは値上がりをするわけでございますから、逆に内需へ向かってくる、そういうことで需給が緩和されて、結果的には卸売り物価にはかなりいい影響を与えているようでございます。物価面からの御説明を一応申し上げますが、詳しい点はまた事務当局から御説明申し上げます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 政務次官がいまおっしゃったのは、それは一つのパターンといいますか、そうなればいいという希望的な観測といいますか、そういうことじゃないかと思うのです。御承知のように、きょうの新聞でも、一面に出ておるのは卸売り物価の高騰ですよ。これは私はあとでまた申し上げますけれども、そういうことで、なかなかそういう思っている方向にはいっていないということですね。そういうことで、これは経済界にも非常に大きな打撃を与えてきておるわけですね。これはまたあとでお聞きしたいと思います。  それから通産大臣は、二十三日の記者会見で、ニクソン米大統領の国際経済報告に触れまして、米国の新通商法案、特に差別的輸入課徴金には重大な関心を持っておる、日本としても米国の動向によっては自由化を相対的に考えざるを得ない、こういう理解を表明されておられるわけです。  そこで、この自由化の再検討を考えられたねらいですね。わが国の報復処置としてそれを受け取っていいのか、それともわが国を対象とする差別的課徴金を撤回させようとするものか、この辺は、きょう来られておるのはそうそうたる局長さんばかりですし、大臣とはもういろいろな点において一体となっておられる方々でありますから、これはもう大臣にお聞きするのも局長さんにお聞きするのも、政務次官はもう当然これは大臣と全く呼吸がよく合われた方でありますから同じだと思いますので、その点をひとつお聞きしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 自由化について再検討しなければならないと大臣が言っておりますのは、何も報復的な措置で言っておるのでは決してないのでございまして、やはり向こうとの交渉をする上において弾力的な態度で臨まなければならぬ、そこで、いかにして国益を守るかということに重点を置いて検討をしていかなければならぬ、こういう発言の趣旨でございますので、決して報復的なものではないということに御了解いただきたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 きょうは私が質問の最後で、相当長時間の審議ですので、できるだけ簡潔にやりたいと思っておりますが、きょうは政務次官もそういうようにおっしゃっておりますので、その点はすなおに受け取っておきたいと思います。  それから、ブロックの保護主義の傾向というものが非常に高まってきておるわけですね。御承知のようにECであるとか、アメリカの保護主義の傾向というものが非常に強まってきておりますが、こういう国際環境の中で、非常に資源に乏しく、貿易の依存度が非常に高いわが国が最も不利益な立場に追い込まれるということは明白なことであります。  そこで、この主要通貨が軒並みにフロートしておる、こういう非常事態の中で、わが国の経済としてはぎりぎりの立場に立たされておると思うのです。そこで、今後何を手がかりにしてこの難局を打開していくか、これは非常に大きな問題でありますからむずかしいと思いますけれども、政務次官としてはどのようにお考えですか。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 それは一刻も早く固定相場に移行すべきが当然でございまして、そのためにはあらゆる努力を重ねていかなければならないと思います。しかし、現在の状況を見ますと、すぐに通貨の調整が終わり、固定相場に移行していくということの見通しは、いま直ちにはあり得ないと思うのでございますが、懸命の努力をしてまいるつもりでございます。  それから変動制の間、非常に貿易がやりにくくなります。特にわれわれは輸出を主体として国の利益をはかってきたのでございますゆえ、わが国のような経済構造の国は特に固定相場が望まれるのであります。したがって、変動制の間にわれわれとしてまずつとめていくべきことは、できるだけ積極的に貿易交渉を進めていくということが一つのやり方でございますし、また、この変動制の問に輸入物資については極力これを国益につながるような状態において買い付けをしていくということも一つの行き方ではないか、こう思っております。いずれにいたしましても、固定相場への移行について全力を傾けていくのが最善の道であると信じております。

橋口隆自由民主党経済企画政務次官

○橋口(隆)政府委員 経済企画庁としましても、ただいま塩川政務次官からお話があったとおりでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 池田内閣以来所得倍増を打ち出して、非常に国民としても所得倍増というかけ声に対して当初は期待しておったように思うのですけれども、しかし、その後佐藤内閣になり、特に七〇年代に入ってからは、円の切り上げ、また再切り上げ、あるいはまた近い将来においては再々切り上げというようなことも、このままでいけば心配されるわけです。さらに、公害問題あるいは物価高あるいは物価高をさらにあふるそういう投機の問題であるとか、非常にいま国民はこういう不安といいますか、ほんとうに政治に対して大きな失望を感じてきている。私はそれが実際の現状じゃないかと思うのです。こういうことに対して政府としても真剣に取っ組んでいかないと、異常なそういうような事件等も今後は発生してくるのじゃないか、いろいろな動きを見ておりますと、そこまで心配されるわけです。  そこで、橋口経企政務次官もフロートしておると輸入が安くなるから非常に安定するのじゃないか、このようにおっしゃっておりますが、きょうの新聞でも、卸売り物価の高騰ということはトップで報道しております。インフレ天井知らずということで出ておるのですね。  そこで、この物価のお目付役である経企庁としまして、今日のこういう卸売り物価、もちろん消費者物価もそうですけれども、これがおそろしいくらいの勢いで続騰しておる。この原因をどのようにごらんになっておられますか、分析されておりますか、局長でもけっこうですけれども……。

橋口隆自由民主党経済企画政務次官

○橋口(隆)政府委員 ただいま近江先生からお話のように、最近の卸売り物価の上昇は非常に異常でございます。  先ほど申し上げましたように、四十七年は暦年で、消費者物価も四・五%、卸売り物価は〇・八%というふうに非常に落ちついておりましたけれども、この四十八年に入りまして連続上がっておるのでございます。きょうの新聞あたりにも、先月に比べて三月はおそらく一・七%ぐらいアップするだろう、こう見られておりまして、非常に懸念いたしております。  そこで、どうして卸売り物価がこう上がったかということはもちろん御承知と思いますが、景気が上昇しているので需要が拡大する傾向にある、これが一番基調になっていると思います。それに加えまして、海外の物価が非常に高騰しているということ、特に天候が海外で不順のために農産物が値上がりをした、そして日本に入ってくる物資が、先ほどお話ししましたが、為替変動でほんとうは値下がりすべきところが相殺されて、しかもまだ上がっているというような状況で、それが今日の卸売り物価の高騰を招いていると思います。また、もっとその底には、過剰流動性によって資金がだぶついている、そういうことで一連の投機が行なわれている、これが実情だと思います。  そこで、こういうように上がっていく卸売り物価をどうして押えていくかということが当面の一番の課題でございまして、御承知のように、政府としまして、不足した物資については緊急に輸入をするとか、あるいは必要があれば政府の在庫も放出するとか、また業界に対してもそういう指導をいたしております。また、商品取引所の規制もこの前から行なっておるところでございますが、一番問題は、過剰流動性を吸収しなければならぬということで、再々度にわたって預金準備率の引き上げもいたしました。また、すでに御承知のように、四月早々には公定歩合も引き上げをしよう、こういうことで過剰流動性を吸収していこう、こう考えておるのでございます。  そこで問題は、あとで近江先生からもっといろいろとお話が出るのではないかと思いますが、特定物資がどんどん上がっていく、これを野放しにしてはいけないから、どうしても抑制をする緊急措置が必要であろうということで、私どもは通産省、農林省その他各省とも相談いたしまして、今国会に買い占め売り惜しみの防止に関する緊急措置法案を提案をいたしております。いまのところは、物資がどこに一体とどまっておるかという調査権も政府は持っていない実情でございまして、このままでは実態がなかなかつかめないので、今度の法案では、必要な調査をしたり、あるいは場合によっては政府の公務員が乗り込んでいって立ち入り検査もできるというような権限も与えてもらう、必要があれば買いだめをしているところに対しては、適正な値段で放出してくれ、そういうような勧告をするような権限を与えてもらいたい、こういうことで法案を提出しておりますので、どうか一日も早く審議に入っていただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 一々サーチライトを当てていきますと、いろいろな問題が出てくるわけですが、そういうことで代表的に一、二お聞きしてみたいと思うのですが、特に毛糸等は非常な暴騰をしまして市場がストップになった、こういうようなことがあるわけです。  そこで、先ほど関係各省庁と連携をとって緊急対策をとるということをおっしゃったわけですが、毛糸とか、そういうものについてはどうされるのですか。繊維雑貨局長も来ておられると思いますし、お聞きしたいと思います。

齋藤英雄通商産業省繊維雑貨局長

○齋藤(英)政府委員 お答え申し上げます。  毛糸の現状は、昨今、商品取引所を閉める前に大体三千円ちょっとぐらいの値段であります。一年前には千円ちょっとぐらいでございますから、大体三倍ないしは場合によっては三倍ちょっと高いという値段が毛糸の定期相場の値段でございます。それで、これに関しまして、私どもといたしましては、いろいろ原因がございますけれども、それは別にいたしまして、毛糸だけに局限をいたしました対策を考えています。  一つは、やはり商品取引所におきます過当投機、これがかなり大きな原因になっておるのではないかと思われます。したがいまして、これに対しましては、昨年来いろいろ対策を講じてまいりましたけれども、どうしてもとまらないものでございますから、最終的に本年の三月になりましてから臨時の立ち合い停止をいたしました。現在市場は閉鎖中でございます。  それから二番目に、海外におきますいわゆる輸入業者、商社でございますが、これがやはり買い進んでおるということがございます。現在、前年に比べまして大体五〇%増ぐらいの買い付け増になっておるのではないかと思われますが、そういうことに関しまして、それを一応自粛してもらいたい、平均的な買い付けをしてもらいたい、こういうことを要請いたしております。そのための通牒も実は出しております。それで平均買い付けにつきましての実績も報告をしてもらいたいということで協力要請をいたしております。  それから毛紡績の皆さんに対しましても、生産増加等各種の自粛措置を要請いたしております。  なお、特に中小企業の皆さんに対しましては、毛糸が足りないという声も多少ございましたものですから、毛糸のあっせん所を設置するということで、すでに設置を見ておりまして、これは中小企業者から申し出がございますれば、そのあっせん所で毛糸をあっせんする、こういうことでございます。  それから最後に、私ども本日、毛糸関係のいわゆる需給協議会というのをやったわけでございますが、需要者、生産者相寄りまして双方の情報を交換して、いかにしたら毛糸の流通、供給者から需要者に円滑に渡るかということにつきまして、その対策を協議をいたしたわけでございます。  以上、多少こまかくわたりましたが、いろいろそういうことにつきまして私どもも努力をいたしておりますし、今後とも毛糸の高騰に関しましては、いままでより以上の努力をいたすつもりでございます。幸いにいたしまして、ここのところ、毛糸の現物取引はやや鎮静化のような空気もございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 毎年の羊毛の買い付けというのは、聞くところによると、洋服にすると大体七、八百万着、今年はすでに一千万着以上買っているというのですが、これをただ買い付けを平均買い付けにやってくれというような申し出は当然のことであって、持っているものを放出させなければいかぬと思います。これについては通産省としてはどういう強硬な措置をとりますか。

齋藤英雄通商産業省繊維雑貨局長

○齋藤(英)政府委員 先ほど五〇%増の買い付けをいたしておるのではないかというお話を申し上げました。実はその買い付けいたしましたものにつきましては、大体順調に国内には一応持ってきております。国内で紡績の糸にいたしておるということでございます。海外にどのくらいあるかということは、私どもも商社の調査を一応いたしておりますけれども、さだかではございませんが、従来よりは多いと思いますけれども、多量に海外にそれがあるというふうなことは、私どもはないのではなかろうかと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それで、綿糸がまた最近非常に高騰してきておるわけですね。この綿糸についてはどういう対策をとるのですか。

齋藤英雄通商産業省繊維雑貨局長

○齋藤(英)政府委員 綿糸の現状を申し上げますと、これもごく最近のことでございますけれども、かなり取引所の相場自身が上がってまいりました。二十番手、三十番手、四十番手、それぞれ従来の格差以上に、たとえば二十番手が三十番手の値段とほとんど同じようになる等の、いろいろ異常な事態になってまいりました。したがいまして、やはりこれはいろいろ原因がございますが、取引所における過当投機を押えなければいけない、これがまあ一番最初の問題ではなかろうかと思います。すでに一月以降、数次に渡りまして、証拠金の割り増しをいたしました等の対策をとっております。  それからなお、先ほど申し上げました原糸のあっせん所でございますけれども、これもすでに綿糸につきましても発足をいたしております。それから、四月の最初でございますけれども、同じような需給協議会の設置ということも考えております。  なお、綿糸については同じような、いわば競合するものと申しますか、合繊関係が綿糸と競合するものがございます。したがいまして、これの増産につきまして、昨年の十二月に、ポリエステルの綿につきまして、日産五十トンの増産ということで能力増をしろということで、すでにこれは実施されておるということでございます。今後こういう関係につきましては、さらに増産、増設等を要請して、供給面につきましてもふやすように努力をいたしたいと思っておる次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、セメントの問題ですけれども、異常事態が生じているのですね。私も予算委員会でも申し上げたのですけれども、とにかく一俵三百円ぐらいのセメントが、ひどいときには二千六、七百円で売買されておるのですね。しかも朝一俵買いですよ。一俵以上売らない。仕事がないものだから、朝早く起きて、要するに小売店に並ばなければならぬ。そういうことで、非常に仕事、特に左官屋さんとか、そういう零細の仕事をしておる人はほんとうに泣いているわけですが、そういうような状態にいま追い込まれておるわけです。政府としてもいろいろな対策はとっておると思うのですけれども、一つは、需給関係の見通しというものが非常に甘かったのではないか、このように思うのです。いろいろな原因があろうと思いますけれども、どういうふうにその原因を分析して、反省しておるのですか。時間の関係で、ひとつ簡潔にポイントをお答えいただきたいと思う。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 四十七年度は、当初六千二百万トンという需要見通しを立てておりましたが、その後民需の住宅の着工等が相当に伸びてまいりました関係と、公共事業の増加もございましたので、昨年の秋に六千五百五十万トンに需要見通しを改定をいたしたのでございます。  ところが、その後補正予算の追加もございましたし、また暖冬によりまして、この一−二月——冬場は従来でございますと工事があまり伸びない。ところがことしは一−二月は非常に暖冬で、寒い地方におきましても工事が非常に活発でございます。加えまして、年度末が近づきまして、補正予算等による公共工事等が一斉に着工されるというような状況がございました関係で、不需要期でございます一−二月が非常に伸びましたので、さらに需要見通しを改定をいたしまして、結局六千八百万トンというふうに、年度初めの需要見通しに対しまして、六百万トンの需要見通しの追加をいたしまして、それに対して供給確保をはかっておるところでございます。年度間としての供給能力は、八千五百万トンくらいの能力を持っておりますけれども、この二月−三月等に急激に前年同期比二〇数%増というように伸びております関係で、月別に見ますと、この二月−三月等の急増した需要に対処できない、こういう状況になりましたために、急遽一部韓国からの袋ものの輸入の手配をいたしましたり、それから特に急いで工事を完成する必要のございます災害復旧あるいは治山治水につきましては、それぞれ通産局ごとに需給協議会を設けまして、そこで県当局から実際の工事現場ごとの災害復旧関係の需要額を出してもらいまして、それと実際の現物の手当てを結びつける、こういったことで、災害復旧等は優先確保をはかりますとともに、一部民需のほうの不足も目立ちますので、公共事業につきまして年度末に対して少し工期の延期等の手配も現在いたしておるところでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 まあそういう需給の見通しの誤り、こういう根本的な欠陥があるわけですね。それに対する対策も立ててない。これはほんとうによくないと思うのです。ところが、このセメントのうち八割くらいがバラであるということを聞いておりますが、あとは二割くらいが袋ものである。ところがこのバラの場合は、大体メーカーの資本系列に生コンのそういう業者もいる。こういうことで、袋ものを実際に使う小口のところになかなか回らない。当然またそこに投機、買い占めということも考えられる。こういうようなことで、このように最末端の人が一番苦しんでいるわけですね。こういうような実態について、これはもう今後は改善しなければいかぬ。  そこで、通産省の指導として今後どうしていくか。また、公取の立場から、独禁政策上から見てどういう見解をお持ちか。この二点について、通産省と公取委員長のほうからお伺いしたいと思うのです。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 いま通産当局から御説明がありましたように、セメントの値段が一部で非常に騰貴しているということは、結局需給の見通しが非常に違ってきた、これはまあ通産当局だけの責任じゃないと思いますが、金融の超緩和の状態が続いてきて、にわかにぐっと実際の需要として表面化した。セメントの場合は、何しろ投機があまりないのじゃないかと思うのです。ただし、あるとすれば、セメントはいわゆる一般的なほかの物資の騰貴と同じ理由でつり上がったのじゃなくて、供給が追いつかないほど急激に、二、三カ月の間に爆発的に急カーブで増大したということにほんとうの原因があると思うのです。すぐに設備をふやしていけるかというと、幾らセメントの場合でもそう簡単にいかないということから、結局需要のほうを調整しなければ、いま当座の急場はしのげないというように私は思うのであります。  それで、先ごろポルトランドセメントのバラ売りについては価格協定の疑いでメーカーを検査いたしました。いままだ調査中でございますので、中身についていろいろ申し上げる段階でございませんが、そのときの印象から申しましても、メーカー自身が非常な高い値段で売っているというふうには考えられない。つまり普通セメントの袋ものが二割、これが小口などに回るのですが、小口ばかりではございません。これは袋ものはやはり大メーカーも使っているものがあるのです。だからいよいよ袋ものの供給が少なくなっているわけでございますが、メーカー自身がもし非常に不当な値段でやっておりますと、大口の需要者とそうでない者との間でたいへんな差別をするということになりますから、この点については私は独禁法違反の疑いも起こってくると思いますが、そういうことはないようでございます。  結局、絶対量の不足が流通段階を経て小売りに回りますととんでもない値段になっておるというふうなことが実態でございまして、どうも小売り段階で千円はおろか千五百円も普通だということになってしまった状態は、たいへん好ましいことではありませんけれども、公取の立場からこれを排除するための理由というのはない。もう自然競争が猛烈に行なわれた結果、あまりの供給不足からたいへんな騰貴を来たしたという現象でございますので、たいへん好ましくないと思いますが、需要の調整を行なう以外に、いまのこの当座の急をしのぐことはちょっとむずかしいのではないかというふうに考えています。  その需要の調整は、やはり公共事業等を中心に非常に大きな需要の盛り上がりをしたのでございますから、その公共事業の中で二、三カ月やそこら、少しは押えてもいいものがあると思うのです。そういうものを大口でスローダウンするということ、それからビル建築の中で、住宅は別として、非住宅の建築もずいぶんふえているのでございます。これがセメントの需要に折り重なっているわけでございますから、住宅もふえ、非住宅の建築も着工面積が過去の実績から見まして相当高まっておりますから、そういったものについて建設業界の自粛を望むといいますか、多少そういう改良を強硬にやらないといけないのではないかという考えを持っております。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 セメントの価格でございますけれども、先生も御指摘ございましたように、八割はバラでございまして、これはメーカーのサイロから需要地にございますサイロに直送いたしまして、需要家の手元まで直接届けておりますので、そこに商社等が介入する余地はほとんどございません。問題は袋もののほうでございますけれども、袋ものが全体の二割ほどございます。ただ、この二割も、そのうちの八五%はメーカーが直売をいたしておりまして、大体現在も三百円から三百十円がらみの——従来よりもやや強含みでございますけれども、まあまあという値段で大体供給されておるというふうに考えております。それで、袋ものの中の約一五%、総生産量にいたしますと、二割の一五%ですので、三%ぐらいでございますけれども、これが建材店等を通じまして、いわゆる大工、左官さんなり、非常に小口のものに売られておるわけでございますが、これが地域によりましてはいろいろトラック等で輸送してもらってきた等の事情もございまして、やや異常かと思われるような価格になっているものもあるようでございます。  それで、対策でございますが、特に中小建設業者の対策といたしましては、治山治水等の関係につきましては、県のほうからその工事の需要分を通産局等へ申し出てもらいまして、その分はセメントメーカーの直接販売分をそちらでつなぎをつけるというようにあっせんをするということにいたしまして、いまのバラなら六千円ちょっと、袋ものであれば三百十円前後でお届けするようにしたいというふうに考えておりますが、一般用につきましては、結局需給が逼迫しておりますと、場所によりましてそういった異常な価格が出てまいりますので、供給増加対策といたしまして、特に公共事業の一部につきまして、治山治水以外のものについて、この際繰り延べられるものがあれば若干繰り延べまして、それを民需のほうへ回すといったような対策も検討を現にやっておるところでございます。  それから、あまり期待は持てませんが、できれば輸入を急ぎたいということで、これは主として袋もので入れるということで、いま韓国からの輸入につきまして手配中でございまして、そういった施策によりまして、袋ものの小口のものの価格の騰貴を押えてまいりたいというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 小口の袋ものの購入につきまして、局長は、一般的な三百五十円というようなことをいまおっしゃったのですが、私が言ったのとあまりにも開きがあり過ぎるわけですね。これが現状なんですよ。だから、そういうことにつきまして、今後特に零細のそういうところには影響を与えない、こういうことで袋ものの増産についてはどういうように考えておりますか。今後の増産体制について……。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 全体的にこの三月は、先ほど申し上げましたように需要がいろいろな事情で重なり合いまして非常に急増しまして、供給が間に合わなくなりました関係で、実は生産そのものをバラのほうにウエートを置いて生産をいたしておるのでございます。これは袋に一々詰めますと、能率が落ちます関係で、なるべく需要家の手元に届けるということで、つくりますと同時に袋詰めをやらないで極力バラで送り込むという措置をとりましたために、逆に今度バラのほうにしわが寄ってきた、こういう事情もございますけれども、フル生産を四月、五月と続けてまいりたいと考えておりますので、その中におきまして漸次また袋ものの生産のほうにウエートを上げてまいりたいというように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから韓国から緊急に輸入するということを言われているのですけれども、現実は全然入ってないでしょう。しかも輸入のことにつきまして、商社等もいろいろと憶測をして突っついておるというようなことも聞いておるわけです。現実に韓国から緊急輸入を一万トン、なるほどそれはカンフル剤かしらぬけれども、何も入ってないじゃないですか。どうしてすみやかにこれを入れないのか。何を通産省はもたもたしているのですか。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○齋藤(太)政府委員 戦後一回もセメントは輸入したことはないのでございますが、今回緊急措置として輸入をするという方針をきめましたところ、いろいろ商社が韓国に買い付けに行かれまして、若干現地が混乱したような事情もございまして、まだ入荷を見ておりませんけれども、第一船は、来月の上旬には入着する予定になっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 その点はひとつ通産省が協力指導をして、現実これだけ困っておるのですから、韓国からでしたら何日もかからぬわけでしょう。輸入を発表した以上は、それをすみやかにまとめて、一日も早く輸入をするようにしてもらいたいと思うのです。これは要求しておきます。  それから、公取がセメント協会とセメント会社に立ち入りをした。富山県をやっておるわけですけれども、その後の経過はどうなっておるかということですね。また、富山県だけに限らず、これは全国的な実態というものを早くつかんで手を打たなければいかぬと思うのです。その点、公取としてはどういうようにやっているのですか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 ただいまおっしゃった富山県の例あるいは各県の例というのは生コンの話じゃないかというふうにも思われるのですが、これですと数件すでに手がけております。先ほどもちょっと申しましたが、生コンの輸送というのは、平均的に申しますと十五キロぐらいしか運搬距離がないわけです。それだけに中小企業でなくて大企業まで加わりまして一手販売にしてしまっておるわけです。価格その他数量の割り当て全部が思うがままということになって、結局実際はつり上げになっておりますから、こういうものについては、端緒をつかみ次第全部これを排除するというふうな方針は変えません。ただしかしながら、やはり全国漏れなくそういうものを摘発し得るかというと、これはなかなかむずかしい問題がございまして、相手方にあまり防御体制を固められない範囲でやりたいというふうに考えております。あまり内情を詳しく申し上げないほうがよろしいのではないかというふうに思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 もう時間の関係で早くやりますが、それで世界経済にいま二つの危機があるといわれておるわけですね。一つは通貨。一つは資源問題。そこで、中国から原油を輸入する。来週にも調印するんじゃないかということをいわれておるわけです。低硫黄原油をまず百万トン、今後さらに三百万あるいは四百万トンに引き上げるというような話も出ておるようでありますけれども、この辺のことについては、通産省はどういう報告を受けておられますか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 中国からの原油の購入につきましては、目下民間ペースで中国側と交渉中でございます。私どもといたしましては、非常に低硫黄の、公害対策に役立つ油であるという点もございますし、また供給源の多様化という点にも資しますので、交渉が妥結すれば非常にこれを歓迎したい、こう考えているわけでございます。いま御指摘の、新聞に報道されておりまする量、価格、時期等につきましては、まだ私どもは正確に確認しておりません。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この価格が非常に高いように思うのですけれども、これは品質の問題もあろうかと思います。そういう供給の多角化ということはかねてわれわれも主張しておったことで、これは非常にいいことであると思っております。特にエカフェ等の調査からいきますと、東シナ海等に世界でも最も有望な油田があるということも報告されておりますし、中国の渤海湾のそういう問題をはじめとして、今後そういう石油資源という点、また中国とわが国の技術協力というような点から考えますと、これは非常にメリットも大きいのじゃないかと思うのですけれども、その点、中国との接触を何かなさっていますか。その辺のことについて伺いたい。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 私は日中間の問題としましても、資源の問題を通じてのお答えしかできませんが、いま御指摘のように、資源の賦存状況から見ましても、距離の関係から見ましても非常に有望なところでございます。しかし同時に、いままでの中国側の状況から見ますと、直ちにそういった協力関係が具体的に進展するという空気にはまだございません。また事実、資源の立場だけで私どもから交渉を開始するというふうなことは、まだ全然動き出しておりません。

近江巳記夫公明党

○近江委員 行動はまだそのように実質的な動きがないとしても、政府としては将来どう考えているのか。まずやはりその考え方の基本的な問題が一番大事だと思うのです。

塩川正十郎自由民主党通商産業政務次官

○塩川政府委員 国交が開かれまして、基本的な問題についての話し合いが進んでおるところでございます。善隣友好の精神をもってお互いに有無相通ずる、これがほんとうの相互間における国際協調の精神ではないかと私は思うのでございます。したがいまして、わが国は資源がないのでございますから、できるだけ中国の側から資源を提供していただくことを懇請すべきであるし、また、中国のほうといたしましても、できるだけ資源を供給してくれる体制はいずれとってくれるであろうと思います。そしてまた、わがほうはできるだけ技術なり資金の面、いろいろな面におきまして相互に交流を深くしていくべきだと思うのでございまして、その点非常に期待いたしております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それでは時間になりましたから、私はまだあるのですけれども、一応きょうはこれで終わりたいと思います。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 次回は、来たる四月三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時二十四分散会

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