商工委員会 第11号
- 発言数
- 335 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/03/28
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案及び金属鉱業等鉱害対策特別措置法案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤田高敏君。
○藤田委員 私が質問しようとするこの二つの法律案につきましては、すでに同僚議員あたりから多くの質問がなされておるわけでありまして、少しくダブる面もあろうかと思いますが、政府の見解なり今後の対策に向けて理解を深め、さらに確認をする意味においてまずお尋ねをしたいわけであります。 昨日の政府答弁によっても、今後産業政策の立場から、金属鉱山の育成それ自体については、国内の探鉱を促進していくこと、あるいは現在の総需要量あるいは総生産量に対する国内鉱山としてのいわゆる生産量を少なくとも現状程度は確保する政策をとっていきたい、こういう答弁であったと思うのです。 具体的に申しますと、いわゆる現在総需要量が大体九十四万二千トン、生産量が八十二万四千トン、国内鉱出分が十一万四千トン、大体国内鉱出がここ三、四年来半ば横ばいの状態でありますが、この状態は銅、鉛、亜鉛というふうに見てみますと、生産量に対する国内鉱出の比率が、銅の場合が一四%、鉛の場合が三〇、亜鉛の場合が三二と、また総需要量に対する国内鉱出の比率は、それぞれ一二%、三〇%、三二%ということになっておりますが、この程度の比率は将来に向けて確保していく、そういう立場から国内金属鉱山の育成に政府は対処する、こういうふうに確認し理解をしてよろしいかどうか。
○外山政府委員 現在における国内鉱山の位置づけの数字的な内容は、大体いま御指摘のとおりでございます。いまおっしゃっておられました数字も、ここ数年来逐次低下してきている数字になっているかと思います。私どもといたしましては、現在の国内鉱山の状況を何とかこの程度のものは維持していくということ、内容は高品位のものに変わるにしましても、この程度のものは維持したいというふうな考え方でおるわけでございます。 一方、需要の拡大のほうは、石炭と違いまして、これからも引き続き非鉄の場合は伸びていくと思います。したがいまして、パーセンテージだけで議論をいたしますとまだ落ち目になるかもしれませんが、量的にはこの程度の国内鉱山はぜひ残したいというのが私どもの希望でございます。
○藤田委員 私自身が聞きたい一つの問題点に対するお答えがあったわけですが、国内における生産量の絶対量としてこの程度のものを維持、育成していくという立場をとるのか、総需要量が将来伸びていくという場合に、その比率において私が先ほど指摘した程度の生産量を国内資源の確保という観点から育成していくのか、どちらにむしろ重点が置かれるのか。私自身の見通しからいけば、いまの政府のとっておる政策は、なるほどそういう国内資源を確保するとは言っておるんだけれども、現実的な将来見通しとしては、海外における開発がどんどん進行していく、そちらへ重点がかかってくる、そうすると、比率の面においては相対的に国内資源の生産量というものはずっと下降カーブを描くことになり得るんじゃないか、このように見ておるわけですが、その見通しについてどうでしょうか。
○外山政府委員 数字的な見通しを申し上げるほどまだ明確な今後の推移をつかんでいるわけではございません。しかし、先ほども申しましたように、いまの国内鉱山でも、今後の国際競争力との関係で見ますと、これをそのまま維持していくのはやはりなかなかたいへんである、コスト的にも問題が多いという山も含まれていると思います。一方、これからの探鉱助成を強化することによりまして、より品位の高い山も発見できると思います。そういったものが先ほど申しましたような鉱山等にリプレースしていくということも含めて、国内鉱山の積極的な活用をはかってまいりたい、こう考えておる次第でございますので、需要の拡大のテンポにもよりますけれども、その比率における地位はやはり低下ぎみになるのではないだろうか、私はこう考える次第でございます。
○藤田委員 相対的な傾向値といいますか、方向は、比率の面において低下せざるを得ないのじゃなかろうか、こういうことでありますが、私は、この金属鉱山の地下資源を確保するという観点は幾つかあろうと思うのです。いわゆる銅、鉛、亜鉛というものがあらゆる産業の基礎的な資材になっておる。あるいは生活用品としての重要な役割りを果たしている。あるいはその他の条件もありましょうけれども、比率の面においても、少なくとも現状どおりのものを確保するという産業政策上の対策が講じられていかないと、最近における商品投機の現状に見られるように、買い占めだとか売り惜しみだとかいうような形で、いわゆる金属鉱物に対する一方的な価格のつり上げ、値上げというようなものによって、国民生活が極度に脅かされるような事態が起こってくるのじゃないだろうか。そのためには、海外に向けての開発政策を進めることも大事でしょうけれども、やはり国内における資源のほうを優先的に政府としては育成をしていく、そのためには新しい探鉱政策をもっと強力に進めていくというところに重点を置かないと、私は将来問題が起こってくるのじゃないかと思うわけであります。 そういう点では、重点の置きどころを、政府としては国内資源の活用、確保に重点を指向するというところに置くべきだと思うのですが、それについての見解と、あわせて私はこの際お尋ねをしておきたいのですが、電力とかその他のエネルギーその他については、政策としてはいろいろな角度から長期計画というものを立てていますね。この金属鉱山の場合に、そういう長期計画というものは立てていないのかどうか。先ほどの局長の答弁にもありますように、大体傾向として低下せざるを得ないというふうに言われても、そのカーブの描き方はどの程度になるのかというようなこと、あるいは横ばいというのであれば、どの程度の相対的な横ばいになるのか、そういう意味における一つの長期計画というものを策定する必要があると思いますが、見解を聞きたいと思うのです。
○外山政府委員 御指摘のように、国内鉱山は、こうした資源の安定供給という面から見まして、きわめて貴重な財源でございます。安定性という点でこれほど高い評価はないわけでございます。しかし同時に国際的な観点から見まして、残れる山、残れない山ということもおのずから経済のベースではあり得るわけでございます。今後の非鉄金属の需要拡大に備えまして、いま法案の御審議を願っております金属鉱物探鉱促進事業団にいたしましても、四十三年ですか、四十四年ですか、画期的な制度の方向がえといたしまして、海外の開発にも新たに助成策のにない手となったわけでございまして、今後の需要拡大にはどうしても海外の関係も非常に大事でございます。ただ、おっしゃるように、国内の鉱山の安定的な性格というものは、私どもはきわめて重視しているわけでございまして、先般来そういう角度でのいろいろな対策の強化をはかっていきたいということを申し上げているわけでございます。したがいまして、国内鉱山に対する立場というのは、先生のおっしゃる点とあまり変わっていないと私どもは考えているわけでございます。 一方、それなら長期計画でもつくったらどうだ、こういう御指摘だと思います。私も実はまだ着任してそれほど長いことになっておりませんが、将来の国内鉱山のビジョンというのはどうであるべきであろうかということを実は今後考えていかなければいかぬ、こう自覚しているわけでございます。いまいろいろな情勢の変化の中で、今後の国内鉱山の姿を具体的につかみまして、そしてそういったビジョンのようなものに結びつけるような勉強をやっておるところでございます。いずれそういった角度の考え方も今後の政策を実現していく上において大事な目標になるのではないだろうか、こういうことで今後も勉強してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○藤田委員 政務次官にお尋ねしますが、いま局長から答弁のあったように、国内の安定供給をはかるためにも、長期計画的なビジョンをつくることについての必要性については政府自体としてお認めになりますか、やる御意思がありますか。できるだけ早く策定すべきだと思いますが、どうでしょうか。
○塩川政府委員 先ほど局長から答弁したことでございますが、国内におきます探鉱にも私はある程度の制限といいますか、限界があるようにも思っております。したがって、今回大陸だなを中心といたしまして探鉱をしようということで、探鉱船も建造にかかったようなことでございます。したがって、国内はもちろんのこと、大陸だなもひっくるめまして、日本が保有している資源というものをできるだけ正確に、しかも良質なものを探査いたしたい、このように思っております。ついては、お尋ねの長期計画でございますが、その長期計画を立てる一つの準備というものをもう一度正確にやってみたいと思っておりまして、その準備ができ次第長期計画を立てていきたい、このように思うております。
○藤田委員 長期計画については早期に着手され、まとめられるように強く要望しておきます。 さてそこで、私は最近大手の企業がどんどん第二会社方式といいますか、鉱山部門の分離政策をとっている、ないしは別子、足尾に見られるように、わが国の代表的な鉱山が閉山のうき目にあっておる。こういう一連の現象を見ましたときに、いま私が指摘をしましたように、その絶対量においても、なるほど新しい開発を含めて現状ないしは現状以上の生産量を確保していきたい、そういう願望はよく私にもわかるわけですけれども、実際の問題としては、大企業自身が鉱山部門を分離し、極端な言い方をすれば見放していく、こういうような傾向の中で、その資本力において、あるいはこれは将来に向けての私の杞憂であればそれでいいわけですけれども、どうしても、第二会社方式になっていきますと、労働者の労働条件の面においても大企業よりも劣悪な条件というものが将来に向かって起こってくるのじゃなかろうか。ということになりますと、この分離による第二会社方式によって資本力も弱くなる。そうしてそのことが労働条件の相対的な悪化というものになって労働力が不足する。こういうことになってくると、そういう面から、企業それ自体の存立条件にも問題が起こってくるでしょうし、先ほど指摘しましたいわゆる金属鉱物の資源確保という面についても、政府が考えておるような方向にはいかないのじゃないだろうかという心配が非常にあるわけですが、そういう心配はないのかどうかということですね。この点についてのお尋ねと、それから最近そのように大手企業が分離政策をとっておりますが、その分離政策に対して、政府自身がこれは望ましい政策のやり方だと考えているのか、それともあまりよくない、困ったものだというふうに理解をされているのか、そのあたりの見解をひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○外山政府委員 閉山とか分離の傾向があるので先行き心配でないのかという御指摘がまず第一点だったと思います。閉山の場合には、主として鉱量が枯渇しているとか、これ以上掘っても労働条件が悪化するばかりで保安上の問題が非常にきわ立ってむずかしくなるとか、こういったことが動機になることが多うございます。閉山の場合はそういうことでございますが、分離の場合は、必ずしも分離がそのまま閉山につながるというわけではございません。大会社からの分離ということにつきましても御批判がございましたけれども、分離してできた会社そのものには、つまり山そのものは残っているわけでございます。そしてそれが中小鉱山ということになりますれば、中小鉱山対策としての中小企業対策的な考え方の助成もはまるわけでございます。それで分離した鉱山がそのままやれるように私どもは考えているわけでございます。ただ問題は、分離等に伴って地域会社に影響があったり、あるいは労働問題に問題があったりすることを避けるような指導はしていかなければならない。そうは思いますが、分離そのものが直ちに閉山につながるということでこれをとやかく言う立場にはないというのが私の考え方でございます。 ところで、いまちょっと申し上げましたが、政府の見解というのは、結局企業がどういうかっこうで操業していくかというのはあくまでも企業自身の責任だろうと思います。最も合理的な形態を選んで、そして操業を続けていくべきであります。ただ、私どもから見ますと、先ほど申しましたように、あくまでも自主的にきめるべきものであるけれども、同時に地域社会への影響なり労働問題の処理なり、そういったことについては十分遺憾なきを期するような指導はしていかなければならない。また、そういったことに致命的な問題があるという場合には、あるいは中立的な見解から一歩離れて、分離政策そのものに対していろいろ発言するということもあり得るかと思いますが、一応のたてまえは、企業があくまでも自主的に合理的な形態として操業していくべきで、その一環として分離ということがあっても、これはそれ自体がいいとか悪いとか申し上げるのはどうかというふうに私は考えているわけでございます。
○藤田委員 きわめて事なかれ主義的な立場ではないか。なるほど聞きようによっては企業の自主性を尊重するということで聞こえもいいようでありますけれども、冒頭私が確認したように、少なくとも一定量の鉱物資源、地下資源というものは供給安定という立場からも確保していくのだということになれば、おのずから政府として企業に対する誘導政策というものはあっていいのではないか。企業が鉱山部門を分離して第二会社になり、資本力がそのことによって弱体化しても、それがいきなり閉山に直結するとは私は思いませんが、長期的な観点から見た場合はクッション付きの閉山につながる公算というものが——大手企業が大きな資本力をもってやっておるのと、第二会社にして資本力が弱くなった形でやる場合とはおのずから違った結果が生まれてくるのではないか。そういう観点からいけば、いまの局長の答弁を聞くと、この分離政策は悪いとも言わない、望ましいとも言わない、いわゆるやむを得ないといいますか、第三の立場をとるような答弁ですが、私はむしろ、やはり一定の国内資源を確保するという観点から考えれば、むげに——画一的にいま大企業がどんどん分離政策をとっておると思うのです。それについて、私は一定の歯どめが必要じゃないか、歯どめをしていくような誘導政策、そういう指導行政というものがあってしかるべきではないかと思うのですが、それについての見解を聞かしてもらいたい。
○外山政府委員 あるいは繰り返しになるかと存じますが、大企業の鉱山分離につきましては、ただいまも申し上げましたように、基本的には企業自身の問題である。それで企業がその経営方針あるいは責任体制といったような観点から行なわれるべきものだと思います。ただ、従業員の問題とか、あるいは地域社会への影響とか、そういったことに対する問題が特に好ましくない事態を発生する、そういったようなことがある場合に、私どもとしては、十分な指導はしていきたいと思います。しかし、根本の企業のあり方という点で見ますと、やはり企業の自主性が尊重されてしかるべきではなかろうか、こう思うわけでございます。
○藤田委員 それでは角度を変えてお尋ねしますが、最近、去年の三月に三菱の尾去沢あるいはことし、四十八年には日本鉱業の日立、同じく花輪、同じく吉野、同じく釈迦内、同じく豊羽、あるいは去年の十月に同和鉱業の赤金というふうに、ここ一年ほどの間に七事業所にも及んでこういう分離政策がどんどん進行しておるというのは何に原因があるのでしょうか。それは経営上どういうところに問題があるのでしょうか。その理由がはっきりしないと、政府としての国内鉱山に対するいわゆる対応策というものは政策上も生まれてこないのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○外山政府委員 確かに最近の鉱山分離の例はいま御指摘のとおりでございます。私どもの聞いております限りでは、そのつど事情は、よく会社側からの説明は聞いておるわけでございますが、私いま手元に詳しい個々の鉱山ごとの事情を持っておりませんが、大体はやはり鉱量の問題あるいは保安条件の問題というのが基本にございまして、さらには大規模経営の中でその山を続けることがいいのか、あるいはその山に集中して操業を続けていくのがいいのかというふうな会社側の判断もそこにあるようでございます。一々の事情につきましてこまかく詳しく御説明すればよろしいわけでございますが、個々の内容についてはちょっといま持ち合わせておりませんので、それ以上のことはわかりませんが、大体聞いている範囲ではそういうことだと思います。
○藤田委員 私は、きわめて要領を得ない答弁だと思います。そういう理解で国内鉱山に対する一つの対応策といいますか、政策が策定されておるとすれば、私はたいへんなことになるのじゃないか、こう思うわけです。 率直に言って、それではさらに突っ込んでお尋ねしますが、大企業といいますか、大手には海外開発のすべてをまかす、国内鉱山は中小もしくは分離第二会社にまかしていくんだ、そういう方向を政府はきめておるわけですか。そういう一つのパターンといいますか……。
○外山政府委員 そういう方針をきめているわけではございません。大手としては、非鉄金属、地金の供給について、いろいろ長い伝統の中でその操業を続けてまいったわけでございます。したがいまして、需要の拡大に備えて海外の開発にも積極的になっていくということは当然でございます。また、国内鉱山のあり方は、先ほど来申しましたように、あるものはいままでどおりに、あるものは分離するというかっこうで身軽にして操業さしていく。いずれにしましても、国内鉱山に対する考え方と海外開発に対する考え方は、いま先生のおっしゃるような割り切り方を私どもがしているわけではございません。
○藤田委員 そうすると、結局業界自身は、ある意味においてそういう方針を立てて、そういう路線に沿って、この政策が行なわれておる、このように理解していいのですね。
○外山政府委員 業界も決していまのような方針で分離をしたり海外開発をしているわけではなくて、やはり個々の山ごとに企業の自主的な立場で判断をして実行している、こういうことだと思います。
○藤田委員 私自身は全くのしろうとですから、これは間違った見通しかもわかりませんが、私は、いま提案されておるこの金属鉱山の鉱害の問題、こういう問題を出発点に考えてみると、いわゆる鉱業部門をかかえておった大手の企業が、もうけるだけもうけた、使うだけ山は使った、あとに残るのは鉱害のあと始末だけだ、この鉱害のあと始末は、いま局長が言ったように、今後経営を存続するとすれば、保安上の問題を含めて、企業負担というものが非常に大きくなってくる、そうするとそこにメリットというものが少なくなる、そうすればここで第二会社をつくって分離をさして、負担のかかるものはもう別会社、そうして大会社の伸びていく発展の方向というものは海外の開発に重点を向けるのだ、そして安い鉱石を輸入して、そうして製錬部門重点主義で、いわゆる利潤を追求していくのだ、こういう一つのパターンがおのずから私は出てきておるのじゃないかと思うのですね。そういうことを政府自身が黙認をされて、そういうことを前提にしてこの鉱業政策をお立てになっておるということであれば、私が冒頭確認をしたような、国内資源の確保をやっていくということは非常に弱小企業にだけ負担をかけていくようなことになって、その目的を確保すること自体が困難になってくるのじゃないかと思うのですよ。私はまじめに、ほんとうにずぶのしろうとですけれども、どうも今度出されておる法律案との関連において考えてみると、そういう道筋というものがおのずからできておるというふうに理解をせざるを得ないのですが、その考え方は間違っておるでしょうか、どうでしょうか。
○外山政府委員 国内鉱山の一定量の確保をはかっていきたいということの背景には、私どももそう思っておりますが、何よりも現在の鉱山会社が、国内鉱山を持つことによる採掘技術の維持といいますか、優良な技術者の確保といいますか、そういった点がない限り海外の開発はおぼつかないのだ、したがって、国内鉱山については十分その重要性を認識すべきであるということをわれわれに対して強く叫んでおるわけでございます。私どもも、それが国内鉱山を確保するときの一つの考え方の根拠だろうと思います。そう言っている際に、いま先生のおっしゃるような行き方をはっきりと明確に打ち出して、国内鉱山はどんどん他に渡し、自分は海外開発にいくというふうなことに割り切った考え、方針を持っているというふうに私は思いません。
○藤田委員 しかし現実にはそういうふうにどんどんやっておるじゃないですか。そうして、きょうはそこまで時間がありませんけれども、海外に向けての開発というものは大手を中心にしてどんどんやって政府も是認しておるじゃないですか。一方では、わずか過去一年ほどの間に、いま指摘したような分離会社が進行しておるということになれば、さらに私は、ここ一、二年先になると、私がいま指摘したような姿というものが非常に明確に浮き彫りになってくるのじゃないかと思うのですよ。そういうことを、もう政府自身がそうなるのだということを是認されておるのであれば、そのことをはっきりここで明示されたほうがよろしいのじゃなかろうか、こう思うのです。そのことが一つ。 それと、時間の関係でなにしますが、鉱害防止との関係でいきますと、第二会社、企業を分離すれば何か鉱害に関する責任を免れるというような考えはないだろうと思うけれども、もしあるとすれば、私はここで一つ歯どめをかける必要があるのじゃないか。少なくとも、いままで鉱害を発生してきた、その発生源者としての責任というものは、第二会社になっても免れることはできないと思う。そういう点からいくと、名実ともに企業体が変われば、社会的に問題が起こったときには親会社に責任があるのではなくて、いわゆる分離会社に責任が発生する、こういうことになると思うので、私はその場合には、株を二分の一以上保有しておるような場合は、これはその鉱害についての責任は、親会社、従来の会社が負うのだというようなことで、一つの折り目をつけていく必要があるのじゃないかと思いますが、その点についての見解を聞かしてもらいたい。
○外山政府委員 分離するような話だけが大きく扱われますものですから、先ほどの御指摘のような傾向があるのじゃないか、あるいはそういう方針で企業はいるのじゃないかというふうにおっしゃるわけでございますが、同時に、四十五、六年以来、この大手の会社は探鉱の成果として幾つかの山を新たに操業開始している、開発をしているわけでございます。これはやはり先ほど申しましたように、あくまでも国内鉱山の確保をしていきたい、品位のいいものにリプレースしていこうということのあらわれでございまして、新たに開発して着手している企業が四十五年以来でも数件ございます。そういった点もにらみ合わせまして私どもは先ほどのようなことで考えているわけでございまして、先生の御指摘のような傾向、会社が考え方を持っているということについては是認しているわけでは絶対ございません。
○青木政府委員 鉱山の大会社が分離をして子会社をつくった場合の鉱害に対する責任でございますが、従来大手が稼行していましたことに伴う鉱害につきましては、民事の責任から申しますと、鉱山を稼行していたときに起こった鉱害につきましては、その稼行したときの鉱業権者が負うことになっておりますので、たとえ子会社をつくりましても、過去の大手会社がやりましたことにつきましては大手の会社の責任になるわけでございます。 それから、鉱害防止工事のほうでございますが、鉱害防止工事につきましては、鉱山保安法におきましてその義務を課すことができるわけでございます。したがいまして、分離した場合に、子会社が鉱業権者となりますから、鉱害防止の直接の責任者は子会社に移るわけでございます。しかしながら、子会社がそこで鉱害防止義務を遂行できなくなりまして、たとえば倒産というようなことになりました場合には、そこで鉱業権が消滅しますが、保安法の二十六条の命令をかけることによりまして、大手のやった分につきましてはその大手にさかのぼって鉱害防止を命ずることができることになりますので、分離によりまして従来ありました鉱害の責めを免れるということは、法律上は現在の制度ではないというふうに考えております。
○藤田委員 この分離政策に関連をしてでありますが、いわゆる鉱害防止事業の関係で、今度出されておる法律によりますと、政府の融資によっていわゆる中小企業と大企業の場合、区分いたしておりますね。これは先般ここへ四人の参考人を呼びましていろいろ意見を聞いたときにも、こういうふうに融資条件において、若干の差でございますが、こういう区別をすること自身が、先ほど私が指摘をしましたような分離を促進することになり得るんではないか、ですから、むしろこのようなことはやめて、同じ融資をするのであれば、利子の面において三・五%、融資ワクにおいて八〇%、そうしてこの償還条件については十五年だったら十五年という同一条件にすることが分離政策自体に一つの歯どめをかけることになるんではないか、こういう意見が出されたというふうに記憶をしておるわけですけれども、私は、そういう参考人の、直接企業に携わっておる、あるいはそういった事業所内で働いておる労働者の代表の意見がそういうものであるとすれば、せっかくの政府の提案でありますけれども、この融資条件については、そういうふうに中小並みに大企業を含めて統一することのほうが望ましいのではないか、こういうふうに考えますが、政府の見解を聞かしてもらいたい。
○青木政府委員 鉱害防止事業に対する融資の条件を大企業と中小企業で同一条件にしたらどうかという御意見でございますが、この融資の制度は、いろいろな制度がたくさんございまして、横並びのバランスというものを当然考えなければならないわけでございます。大体の制度におきましては、大企業と中小企業との融資の条件は中小企業を優遇するという体系になっておりますので、この鉱害防止事業だけにつきまして中小企業の優遇をやめていくということは非常にむずかしいのではないかと思います。もし非常に無理して統一するということになりますと、中小企業の優遇をやめて大企業並みにしたらどうかという意見も出てまいると思いますので、私どもといたしましては、極力有利な条件をとりたいということで中小企業の優遇ということを制度上設けたわけでございます。横並びがございますので、やはり中小企業につきましては、本来の中小企業もございますので、ある程度優遇した条件ということが現実的には望ましいのではないかというふうに考えております。
○藤田委員 私は一般的な政策論としては、御指摘というか、答弁にまつまでもなく、われわれの立場からいけば、むしろ中小企業、弱小企業に対しては、もっと思い切った優遇措置を講ずるべきだということをわれわれ政策立案の基礎にしておるわけですけれども、金属鉱山の場合、非常に歴史的な条件が違う。そうして数日来論議をされておるような経過から見て、いま指摘したような同一条件をとることが望ましいんじゃないか、こういうふうに考えたわけでありますが、この点については、これ以上私のほうからも強く要請することは見合わせたいと思います。 そこで、次に移りますが、今度の法案に関係をいたしておりますいわゆる鉱害防止事業の期間の問題であります。これもいままでの質疑の中で出たかと思うのですけれども、いわゆる公害防止の義務者が存在しておる場合は十年、不存在の場合は五年、こういうことになっていますが、被害を受けておる住民サイド、地域環境を破壊されておる地域住民の立場からいけば、鉱害防止の義務者が存在しておるという場合のほうは、その責任において短い期間の間に早く解決しろというのが住民サイドの常識的な要求じゃないかと私は思うのです。そういう点からいくと、資金的なものに理由があってそういうことにするのか、それとも別の理由によるものかは知りませんけれども、この鉱害防止事業の実施期間というものは、少なくとも五年くらいに短縮する必要があるんじゃないか。そうしないと、これは発想といいますか、考え方からいくと、私はどうもさか立ちしておるような気がしておるのです。たとえは悪いですけれども、死んで、おらぬ人のあと始末は五年間でやれるのに、生きた人間があと始末するのに十年もかかるんだ。生きた人間がおるんだから十年かかるところは五年でやれというのが、被害をこうむる側の住民の要求じゃないか。ですから、こういう防止事業を行なう場合、鉱害対策を講じる場合は、被害者の側に立ってその対策を講じることが非常に大事じゃないかという点から見て、これはぜひ五年以内に統一してやるようにやってもらいたい、こう思うわけですが、これはひとつ担当局並びに政府を代表して次官の見解も聞きたいと思うのです。
○青木政府委員 鉱害防止事業の義務者が存在する場合十年という期間が長過ぎるではないかという御指摘でございますが、私どものほうも一律に十年間のろのろやっていればいいというふうに考えておるわけではございませんので、鉱害防止事業の中にも緊急性のあるものと、それほど差し迫った緊急性はないけれども、将来のことを考えて安全のために防止事業をやったほうがベターであるというものといろいろあるわけでございます。したがいまして、非常に被害の出る可能性の強いものは、別に十年という長い期間にやらせるわけではなくて、即刻必要な手当てをさせる、それから現在被害は出ていないけれども、将来のことを考えると、安全上ぜひいつの日にかは手当てをしておくべき工事というものにつきましては、若干の余裕をおきまして十年間ということで緊急度に応じてこれをやるわけでございます。したがいまして、緊急度のごく薄いものにつきましては、五年という期間はいままでの長い間の蓄積でございますので、企業の負担も非常に大きくなりますので、その辺の事情を勘案しまして最終的には十年というふうにきめたわけでございます。緊急のものは別に十年を待つまでもなく即刻やるものもございますし、二、三年のうちにやらせるというものもございます。その辺の緊急度に応じたものの考え方の基本的な基準は、基本方針で出してまいるつもりでございます。
○塩川政府委員 先ほど局長が説明しましたことで大体要約尽きておると思うのでございますが、要するに、鉱山を経営する者は、すべて鉱害防止の義務を本来的に背負っておるものであります。したがって、鉱業権者が存在しておる鉱山は、実は鉱害防止事業を絶えずやっておかなければならぬ。しかしながら、先ほど申しましたように、緊急性のあるものは十年とかなんとかという年数にこだわらず、即刻措置をせしめなければならぬ、こういう精神でおります。したがって、十年という年数に私はあまりこだわっていただかなくてもいいのではないかと思うのでございます。それと逆に鉱業権者が不存在のところこそ、これこそ早急に実施しなければならぬというので五年というふうに縮めておる、こういうふうに考えていただいたらと、このように思っております。
○藤田委員 私は、緊急性の問題からいきますと、実に理屈に合わぬ答弁をされておると思うのですよ。緊急性のある事業所といいますか、そういう公害防止事業をしなければいかぬ地域というのは、これは義務者が存在しておろうと不存在の場合であろうと緊急性については同じじゃないかと思うのですね。それは不存在のところでも緊急に処置しなければいかぬところもあるでしょうし、また、義務者が存在しておるところでも緊急に手をつけなければいかぬところもあるんじゃないか。そういう意味からいけば、これは企業が鉱害防止事業をやる場合に、資金的、経理的負担の面で、十年ぐらいにしてもらわないと困るという業界筋の要求があってこういうことにしたのか。私は、そういう条件さえなければこれは五年以内に足並みをそろわすことは考え方として当然ではないかと思うのですが、これはどうでしょうか。これが一つ。 それといま一つは、時間の関係でまとめてお尋ねしますが、今回の場合の蓄積鉱害に対しての融資ワクは、いわゆる十年間の場合でいけば二百六十四億、こういうことになりますね。ことしの予算に組んでおりますのが、私のこの資料で間違いないとすれば、四十八年度は融資関係で十一億、そうしてこの利子あるいは保証基金の関係で約一億というので、十二億程度のものが予算措置としてなされておるわけですが、融資の面で十億や十一億なんというのは、こういった鉱害防止の事業をやる費用としては、経理負担なんというもののワクには入らないのではないか。また、財政的処置をする場合にも、このことによって政府はたいへん力を入れたというようなことにもならぬじゃないか。ですから、期間をかりに五年に短縮したってその倍でしょう。期間を五年に短縮しても倍ですから、その程度は政府の姿勢いかんによって業界筋も協力するんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○青木政府委員 鉱害防止工事の達成の目標期限でございますが、これは短ければ短いほどいいということはもちろんでございます。ただ、国がやります場合と企業がやります場合に若干の差がございますのは、国がやります場合のほうがどちらかと申しますと、従来の経験から申しますと、緊急性のある被害が出ている工事が非常に多く最近ございましたので、その点を踏まえまして、五年間で一応その緊急性のある分につきましては一掃したいということでございます。企業の分につきましても、もちろん早いほうがいいのでございますけれども、極力緊急性のあるものを重点的に先に行なうことによりまして、住民の立場に立って、非常に危険なものはなるべく早い期間に済ませるという方針はもちろんとるわけでございますが、義務者の存在する場合には、ある程度その危険が薄くても、義務者のあるうちにいろいろな危険性を考慮しまして、万全の防止工事をさせたいために、いますぐ非常に危険ではなくても、将来危険を生ずるおそれのあるものにつきましては、ある程度期間をかけてもがっちりした工事をさせたい、極力義務者にそういう万全の措置までとらしておくという方針もございますので、全体の事業量から見まして相当な量にのぼりますので、企業の負担も考えまして十年というふうにいたしたわけでございます。
○藤田委員 これは五年に期間を短縮することについて、なぜそのようなことができないのかという特別な理由があれば聞かしてもらいたいと思うのと、私の解釈からいけば、今度休廃止鉱山数は、通産省のほうから出されておるこのパンフですね、これによっても明らかなように、概略の数字でございますが、全体として休廃止鉱山が五千三十七ですか、そのうちで鉱害がありと認めておるものが三千五百六十八、そのうちで実地調査済みのものがわずか千三十八、資料推定によって鉱害はないだろうと推定したものが千四百六十九。そうすると、鉱害があると見られておる中で実地調査が済んでないものが二千五百三十、資料推定によってこれはないだろうと目されるもの千四百六十九、合わせてまだかれこれ四千くらいあるのですよ。私はむしろ、いまの局長の答弁からいうと、緊急性があるか、それとも一定の時間をかけてやっても、極端にいえば十年ぐらい時間をかけてやってもいいものというふうに区別をすると、調査のおくれておるもの、もしくは資料推定によって鉱害がないだろうと目されておる、ラフな数字ですが、約四千の事業数ですね。これはある意味においては、時間をかけて——資料推定によって鉱害がないだろうと目されておるところ、こういうものは十年ぐらいかかってやってもいいのじゃないかと思うのです。しかし、鉱害があるだろうというので、この資料にも三千五百からのなにがありますよといっておるところは、やはり私は五年以内ぐらいに処置をするような方策を講ずるべきじゃないか、こう思うわけですが、どうでしょうか。 それとこの機会に、これもすでに質問があったかもわかりませんけれども、資料によって鉱害がないだろうと断定し切ることは問題があるのじゃないか。少なくとも千四百六十九の資料推定による鉱害なしと推定しておる分についても、全部これは実地調査の対象にすべきだと思いますが、どうでしょうか。そういうものを含めてやるとすれば、いま政府が予算措置を講じてやろうとしておるこの計画分に入っておるものはむしろ優先して五年以内に繰り上げてやっていくというぐらいなかまえでやらないと、この鉱害防止について、いわゆる国民の立場、鉱害被害を受けておる者の立場からいけば、問題の解決にはならぬのじゃないか、こう思いますが、どうでしょうか。
○青木政府委員 ただいまの御質問のその数字に一対して申しますと、資料によってないと推定しておりますものは、従来掘りました鉱種その他から見まして人体に有害である物質が出ていないということがほぼ推定されるものでございます。しかしながら、これもやらなければいけないのではないかという御指摘でございますけれども、これは前の、その表の三のところの「県委託調査」というところに書いてございますように、三千三百四十九全部につきまして、資料によれば問題ないことになっておりますが、念のためにやるということで「概査B」と書いてある千四百六十九も県の概査をしていただきます。県の概査で危険があるという場合には、保安監督局部の精密調査をいたすということにいたしておりますので、調査は時間はかかりますが、すべての鉱山についてやるということになっております。 それから、資料により推定してあり得るということでございますが、これは従来掘りました鉱物の種類から何らかの被害が出てくる可能性があるという推定でございますが、これは十分調査いたしまして、有害物質が出ているか出ていないかを調べるわけでございます。ただ、すべてが緊急に処置を要するものとは私ども考えておりませんので、なるべく被害の出る危険性の多いところから手をつけまして……(藤田委員「実地調査をしてみなければわからぬじゃないか」と呼ぶ)実地調査をした結果、必要性の高いところから手をつけてまいるという方針でございます。
○塩川政府委員 藤田先生の御懸念は、私はもっともだと思うのです。その二千五百幾つのうちで千八百というのが県の委託調査になっておりますね。したがいまして、これからは通産省といたしましても、その県に委託調査をしておりますものをもっと掘り下げていって、おっしゃるように、できるだけ期間は短縮して鉱害防止措置を講じるようにやっていくことが本筋だと思います。そういうふうな観点に立ちまして、公害保安局等も懸命の努力をしていくことを申し上げておきたいと思っております。
○藤田委員 私はあとに公害関係のPPPの問題が一つありますから、この問題はこれで終わりますけれども、いまの公害保安局長の答弁を聞いておりますと、私ちょっと奇異に感じるのですよ。というのは、鉱害ありと前提を置いておる個所数が約三千五百くらいあるという場合、きのうでしたか、カドミで東京のどこかが新聞記事が出ておりましたけれども、ここには鉱害はないだろうと思っておっても、専門的に調査をすればそういう鉱害があるかもわからぬですね。これは調査なくして発現なしということがありますが、現実に実地調査をやらないで、そしてここはないだろう、ここの鉱害は薄いだろう、ここはやはり緊急性があるだろうなんという区別は、一定の科学的調査を前提として初めて区分けができるのじゃないか、こう私は思うので、これは十年間というふうにすると、これだけ世の中が早いテンポで動いておるときですから、かりに十年ということになるにしても、実施計画としては五年くらいでやってしまうのだ、そういう実施方策というものをとってもらいたいと思う。人間ですから、法律で十年だということになれば、のんびりムードになりますから、私はこれはぜひひとつ五年以内くらいにやってもらいたい。そして調査を終わってないところについては早く調査を完了して、この対策に向けての基本方針というものを明確に打ち出してほしい、このように思いますが、どうでしょうか。
○塩川政府委員 先ほど局長が言っておりましたのもそういう趣旨を含んで言っておるのでございまして、要するに、先ほど私からも申し上げましたように、調査をしております中で千八百というのが概査と書いてあります。そのように精密な調査が実は行き届いておらないということは御指摘のとおりです。したがって、まずその実態を一刻も早くつかむということが大事だと思います。これにつきましては、単に県に委託調査をするというだけではなくして、やはり政府あるいは政府関係機関の全力をあげてそれに投入していくべきだと思います。したがって、十年という年数もわれわれは別にこだわっておるわけではございません。十年あるからその間でやればいいじゃないか、そんな気持ちはさらさらございませんので、できるだけ一刻も早く措置を講じていかなければならぬと思います。それにつきまして、その前提となる調査に全力をあげていきたい、このように思っております。それに伴ってできるだけ早く鉱害対策措置が講じ得られるように、対策を講じていきたい、このように思います。
○藤田委員 それでは私はその点については強く要望をするということにして終わりますが、最後に、昨日、同僚の川俣代議士のほうから質問をした汚染者負担の原則、いわゆるOECDにおけるPPPの原則の解釈の問題について伺います。 環境庁の局長の御答弁では、今回の場合でいえば蓄積鉱害にもこのPPPの原則が適用されているのだ、いわゆる汚染者が自分のダメージに対して支払わなければならないということについても、このPPPの原則というものが適用されるのだ、こういう意味の答弁があったと思うのですが、解釈、受けとめ方として間違いないでしょうか。
○船後政府委員 PPPにつきましては種々の解釈があるわけでございますが、OECDの閣僚理事会で採択いたしましたガイディングプリンシプルの考え方といたしましては、まず基本的に環境汚染に伴いまして外部不経済が生ずる、この外部不経済を内部化しなければならないという経済原則でありまして、具体的には環境汚染防止あるいは制御装置に伴う費用は汚染者が負担すべきである、そのようにいたしまして、費用はコストに反映されるべきである、したがいまして、原則といたしまして補助金はこれを禁止するという趣旨のものでございます。公害に関連いたしまして、このような未然防止という費用と、いま一つは、日本で現在一番問題になっております、すでに環境が汚染されたことによってそこに被害が生じておる、その損害賠償なりあるいは原状回復という問題があるわけでございます。これにつきましては、このようなPPPの経済原則以前の問題でございまして、むしろ民事上の責任の大原則である原因者が負担することが当然のことであるという趣旨を昨日申し上げたわけでございます。
○藤田委員 このOECDのPPPの原則に関連をして、いまのこの法案審議にも関係するわけですが、OECDの環境局長をしておりますロドリック博士という人との間に、日本の業界といいますか、BIACというのですか、日本委員会の主催で三十二回のOECDの懇談会が開かれておるわけですね。それに対して、いまの解釈についてこういう端的な質問がなされておるわけです。「日本では目下救済基金を作る試みがある。政府の考えでは、OECDにはPPPの原則があるので、全部企業で負担せよといっているが、これはダメージ回復のための金だから、PPPの原則に入らぬと思うが、どうか。」とういう質問に対して局長は、「その意見は正しい。公害防止とコントロールのために使われる金の原則は、環境資源を合理的に処理して、貿易投資にゆがみをつくらぬことが大事であると考えている。汚染者の負担は、環境が受け入れられる状況を作り出すためのもので、人間を含んだ環境が受け入れられるものだと解釈することは、条文の初めの意図にはなかった。」こういう答弁が一つあるわけですね。 それともう一つは、これはもう今度の鉱害防止の法案に直接関係するのですが、鉱山の業界代表ですね、「私は鉱山を代表する業界のものであるが、鉱山においては過去の排出による蓄積の問題がある。」いわゆる蓄積鉱害の問題ですね。ということで質問をして、いわゆる「鉱山地帯は自然に重金属類が沢山含まれている地域なので、ともすると自然汚染を含めて企業負担がかけられる傾向がある。人為汚染との区分は極めてむずかしいと思うが、費用負担の場合に、自然汚染分は是非めん除さるべきだと考えている。この点費用負担にあたってどう考えるか。」という質問に対して、「原則として公害防止の費用は汚染者負担と考えているので、過去のダメージはふれない。政府や住民からの圧力でそうなるかも知れないが、OECDでは、そこまで現在のところにふれていない。あくまでも、コントロールの費用であって、ダメージの費用は含まないと考えている。」こういうふうに答弁をしておるわけですね。ですから、OECDにおける公害防止のこのPPPの原則というものは、通商政策上あるいは貿易政策上の一つの原則であって、日本だったら日本のように、高度経済成長の中でこれだけ生活環境が破壊されるような公害問題が起こっている。 そこで、人に対する被害あるいは救済の問題、そういう問題については、これ以上に別のきびしい基準があってしかるべきじゃないか。ですから、このPPPの原則があるから、今回のこの法律案でいえば、蓄積鉱害に向けて国が、公機関が一定の財政援助といいますか、補助金といいますか、そういう負担をすることはいけないのだということにならぬと思うのですね。これは解釈上の問題ですから、いま聞いておるのは。対応のしかたの問題については、私は別に考えがあるわけですけれども、このOECDのPPPの解釈の問題としては、きのう政府が答弁したこと、あるいはいまここに紹介したように、政府の見解というものは、解釈上誤っているのじゃないかと思うのですが、これはどうですか。この解釈を統一しておかないと、この蓄積鉱害に対応する場合の政策上の対応策が間違ってくると思うのですね。きのう川俣健二郎代議士の答弁については、私はどうもここで業界代表が質問しておるのと同じような答弁だったと思うのですが、どうでしょうか。
○船後政府委員 PPPの考え方を国内政策上どのように具体化していくかということは、これは各国政府の問題でございます。少なくともOECDで合意されました限りにおきましては、先ほど申しましたように、環境汚染のコストをその汚染者が負担することによって経済に内部化するという大原則をうたっておるわけでございます。その手段といたしまして補助金ということが考えられるわけでございますが、補助金政策を用います場合には、資源配分上あるいは所得配分上のゆがみを起こすのみならず、国際経済上に著しいゆがみを引き起こすおそれがあるので、そういう補助金は併用しないということを各国政府が合意したというのが、少なくともOECDの合意のワク内に縛られる問題であろう、かように考えるわけでございます。 そこで、いま先生が御紹介されましたように、OECDのロドリック局長も述べておりますように、このOECDの場で議論されましたのは、主として環境汚染の防止のコストという点でございまして、すでに生じておる被害というものは、これはなかなか一般原則として取り上げにくいし、同時にそれはまた経済原則の問題ではない。それは民事責任を踏まえた賠償責任がだれにあるか、あるいは原状回復の義務はだれにあるかという問題として律しられるべきであって、この経済原則の中には直接損害賠償のことは触れていないわけでございます。しかし当然のことながら、未然防止のコストが原因者によって負担されるべきであるならば、未然防止ができなかったことによって生じた損害も原因者が負担すべきであり、かつまたわが国の民法におきましても、不法行為によって損害が生じたという場合にはその原因者が負担するというのは、これはもう当然の原則であると考えております。
○藤田委員 民法上の解釈なんか聞いているんじゃないのです。国内での鉱害防止に向けて汚染者負担の義務というようなものについては、私は私なりの考えは別にあるのですよ。問題は、昨日から問題にしているOECDにおけるPPPの原則についての解釈を聞いているわけです。その解釈が政府間においても一致していないのじゃないか。きのうの答弁によると、そのものずばりで聞けば、「ダメージ、すなわち、環境破壊を元に戻すコストを汚染者が負担せよとはいわれていない。また、治療費用をとれともいっていない。」こういって、このロドリックというOECDの環境局長は答弁しているのですよ。ですから、そういうものがこの解釈どおりであると、環境庁なり政府は理解をしているのかどうかということを聞かしてください。それだけでいいです、民法上の解釈なんかわかっているのだから。
○船後政府委員 私、再三申し上げておりますように、OECDのガイディングプリンシプルの中には、汚染によって生じた損害賠償の問題は触れておりません。
○藤田委員 それでは、もう時間がきましたから終わりますが、私はそういう解釈でいけば、蓄積鉱害に向けての対応のしかたについてもそれなりの対応のしかたがあると思います。しかし、きょうはもう時間がありませんので、関連質問の渡辺議員に譲りますけれども、私は時間があれば、その対応策の問題についてあとでまた発言の機会を求めたいと思います。
○浦野委員長 渡辺三郎君から関連質疑の申し出がありますので、この際、これを許します。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 簡単な問題ですが、関連して質問さしていただきたいと思います。 いま藤田委員のほうから質問がございましたが、それに対しまして通産政務次官は、できるだけ期間を短縮するように今後は努力をしていきたいし、また当局でもそのような努力をしようとしている、こういうふうな御答弁がありました。それから局長は、県に対する鉱害の実情の問題についての委託の調査について触れられました。 これに関連をして私は御質問を申し上げたいと思うのですが、昨日、この商工と公特の連合審査の際の質疑応答を調べてまいりますと、非常に重要な問題が一つあると私は思うのです。それは昨日、庄司委員が山形県南陽市の吉野川流域の農地の土壌汚染の問題について質問をされました。これに対して蓼沼説明員それから松山説明員がそれぞれ実情についての答弁をしておるわけでありますけれども、この答弁の内容は、私、非常に重要な問題があると思うのです。しかも、これは故意に事実に反した答弁をしておるのか、あるいはまた、政府自体が全く知らないでそのような答弁をしておるのか、この問題が非常に重要だと思いますので、この点にしぼって私は質問を申し上げますからお答えをいただきたいと思います。 きょうは環境庁はおそらく関係の方は出ておられないと思いますから、そうであれば別な委員会で機会を改めてお聞きをしたいと思いますけれども、まず通産省関係でお聞きしたいのは、いま申し上げました吉野川流域の農地の土壌汚染の問題につきまして、仙台の鉱山保安監督部では何回も調査をしておる、そしてその上流にある鉱山四つを調査した結果は、鉱山保安監督部検査では基準をオーバーしておらない、このような答弁がきのうありました。これは間違いのない事実であるかどうか、あらためてお伺いをしたいと思います。
○蓼沼説明員 お答えいたします。 昨日申し上げました調査の結果でございますが、四鉱山を対象として調査をいたしております。そのうちの一鉱山は現に操業をしている山でございますが、ここからの廃出水については中和処理その他の対策を講じております。それからそのほかの三鉱山につきましては、これは廃山でございますが、これに対しましても調査をいたしまして、調査の結果といたしましては基準をオーバーしておらないと聞いております。
○渡辺(三)委員 そうしますと、仙台の鉱山保安監督部での調査では基準をオーバーしておらない、こういうふうにいま明確に答弁をされたわけですが、いま事務局から聞きますと、環境庁の責任ある方が参議院の予算委員会で答弁中のようでありますからきわめて残念でありますけれども、昨日の松山説明員の答弁は次のようになっております。四十五年に農林省の調査をやった。その結果、カドミウムを一PPM以上含有する米が検出をされておる。土壌汚染防止法が四十六年の六月から施行をされたので、環境庁は、山形県に補助金を出して、この地域の約百五十町歩について、防止法の対策地域の指定あるいは対策計画の樹立のための細密な調査をした。このように答弁をされて、その結果を県は四十七年の三月二十八日に公表をしている。その公表の内容としては、六十点調査のうち、米のほうではカドミ一PPM以上含有が一点だけ検出された。したがって、四十七年度は、この結果、その地域については休耕をしている。こういうふうに言っておるわけであります。 ところが、これはおそらく政府は御存じだと思いますけれども、この三月に行なわれました山形県議会での公害特別委員会の追及の中で、いま政府の松山説明員が言われた内容に反する、すなわち一PPM以上は一カ所だけだ、こういうふうに県は報告したけれども、実際は四カ所以上あったということを明らかに県当局も認めておる。そうしますと、この一カ所については休耕をしているというふうに言いますけれども、他の三カ所は休耕をしておらないのですから、この四十五年度の産米は流通機構に乗っていると私は思うのですよ。そうすると、国民のだれかがその米を食っておる、こういうふうな結果になるわけです。このような事情がすでに現段階では明らかにされておるわけですけれども、政府は、その後、山形県からもいろいろ事情を聞いたというふうに言っておりますが、その内容が依然としていま私がここで申し上げましたような内容の報告であるとするならば、これは食品衛生法の第四条の違反にもなる問題でありますし、きわめて重要なのではないかと思います。 そういうふうな実態がいま各県に残存しておる休廃止鉱山の鉱害の実態だと思うのです。これではせっかくいま法律を改正し、あるいは法律を新しく制定をして休廃止鉱山を含めて強力な鉱害対策を進めようとしておっても、先ほど局長からも御答弁がありましたが、県にも委託をして綿密に調査するのだというふうに言っておりますけれども、このような実態では、その委託調査というのは信用できないというふうにならざるを得ないと思うのですよ。そういう点を一体どのようにお考えになっておりますか、明確に御答弁をいただきたいと思います。
○青木政府委員 私どものほうの調査は、土壌の調査またはその作物の調査等をやるわけではございませんで、休廃止鉱山の中におきます堆積物の状態、それからそこから流れ出てまいるであろう水の採取をいたしまして、そういうものに対する概査を県に委託するわけでございます。その辺の概査の結果、これはどうも有害物質が出ている危険性がありと判定されたものは鉱山保安監督局からまた出向きまして、その水質なり堆積物あるいは坑口の状況なりを詳しく精査いたしまして、どういう鉱害防止工事が必要かどうかを判定する、こういう段取りになっているわけでございまして、たくさんあります鉱山でございますので、県に対して依頼いたしますのはそういうおおむねの調査、それから重要なところの水質の採取、こういうことを依頼するわけでございます。
○渡辺(三)委員 関連質問ですからあまり時間がとれません。また、先ほど言いましたように、環境庁あるいは農林省その他のそれぞれの責任者が来ておりませんから、私はこれ以上申し上げませんけれども、いま局長が答弁なさったようなことは、私わかっているのです。これはいままでずっと質疑応答を繰り返してきたわけですから。しかし、現実に今度の法律が出されて、事業団が関係各官庁と緊密な連携をとられながら国民の命と暮らしを守るという観点でこの法案が出されているわけだと思うのです。だから、たとえば公害保安局のほうでは、いまおっしゃったような観点の権限しかございません、あるいは仕事の領域はそれだけです、こういうふうに簡単におっしゃるけれども、われわれ国民の側から見ればそんな簡単なものじゃない。現実にそれが汚染されて、そうしてたとえば米のような場合は、いま例をあげましたけれども、人間の口に入る、こういうふうな問題なのですから、これをなくするための今回の法案提出でしょう。そういう点からいうならば、これはもうきわめて不十分な状態のままの調査でいままで来ておるのだ、あるいは今後もそういう危険がなしとしないのではないか、こういうふうな心配を私は持つわけであります。この件が追及をされて、初めて隠しておった資料をありのまま報告をしたという責任の問題であるとか、あるいはそのごまかしの報告をそのまま正しいものというふうに受けておった環境庁の問題、あるいはまた、やかましく言えば食品衛生法の違反にもかかわるような問題については、私は機会を改め、あるいは場所を改めて、その道の責任者にそれぞれ質問をいたします。 しかし、いまここで議論になっておりますのは、先ほど私が繰り返して申し上げましたように、国民の健康を守る、こういうふうな問題にかかわる法案の審議をいたしておるわけでありますから、そういう点については、通産省としても十分に手の届くような指導と完全な調査を行なっていただくように特に強く要望いたしたいと思うのであります。この点について次官のお考えを最後にお聞きしたいと思います。
○塩川政府委員 先生の御心配は県当局が調べたものと政府関係が調べたものとに食い違いがある、そうした場合にはどうするのか、したがって、そういうずさんな調査ではけしからぬではないか、こういう御趣旨でございます。こういう調査に際しましては、取り扱いますその対象試料あるいはそのときの条件等によりまして間々食い違うようなことがあるのでございますが、そういう食い違いをそのままにしておくということが実は不安なのでございますけれども、今後、実際に起こりました山形県の問題等につきましては十分に事後の調査もやってみたい、このように思っております。
○渡辺(三)委員 質問を終わりたいと思いますが、いま言ったような実情で、実際はいま非常に鉱害がひどい、そういう危険性もある、こういうふうなところが案外見落とされて——十年間に全部その危険をなくすというふうになっておるわけでありますけれども、そういう点が案外見落とされて、あそこはたいしたことないじゃないか、先ほど藤田委員も質問しましたように、これは鉱害の危険度合いというものが非常に薄いのじゃないかというふうなかっこうで、いつまでも対象に指定されない。こういうふうな形になりますと、非常に重要な問題で、国民の食生活にも影響を及ぼすような悪い結果もあるいは考えられないこともないわけでありまして、そういう点ひとつ十分に御調査いただき、万全の対策を進めていただきたいと思います。 以上をもって、私の関連質問を終わらしていただきます。
○浦野委員長 近藤鉄雄君。
○近藤委員 日本の産業が驚異的な発展をしてまいったことは、まさに周知の事実であります。私たちは、この産業発展のこれまでの実績を非常に高く評価いたしますと同時に、さらに日本経済、日本産業が今後ますます発展をしていくような措置を講じなければならないと思うのであります。このような日本の産業発展のために、いわゆる鉱山資源の確保、これがきわめて重要であることは論をまたないわけでございますし、そのような鉱山鉱物資源の確保のために、それに付随いたしますいわゆる鉱公害対策がこれまたきわめて必要であることも論をまたないと思うのであります。とりわけ従来の日本の国内の状況を考えてまいりましても、いわゆる鉱山の発展というものがその地域の社会の発展と密接不可分の関係にあった。したがって、鉱山の閉鎖ということが、しばしばこの委員会でも審議を通じて指摘されましたように、地域社会の急速な衰微につながってまいった場合が非常に多いわけであります。逆に、ただいま渡辺委員の御指摘の中にもあったわけでありますけれども、いわゆる鉱公害対策が十分でない場合に、せっかく地域住民と鉱山との従来の協力関係、協調関係というものがあったにかかわらず、こういう問題に対しても十分な措置がとられないために、山と地域住民の間に非常に不幸な関係が発生するような場合がこれまでもあったわけであります。 こういうようなことを考えてまいりますと、日本産業発展のために必要な鉱物資源を国内で確保してまいる。それが有効に調和的になされるために鉱公害対策を企業の側を通じて的確にさせる、これが私は通商産業行政のもとにおける鉱害対策ではないか、かように考えるわけであります。今般政府におきまして、金属鉱物探鉱促進事業団法を一部改正し、さらに金属鉱業等鉱害対策特別措置法の提案をされました趣旨もここにある、かように考えるゆえんであります。 そこで、もうすでにこの委員会でいろいろな問題について議論があったわけでありますが、重複をできるだけ避けたいと思いますけれども、一応原則論として通産当局にお伺いしたいわけでございます。いわゆる従来の一般の公害問題、公害対策と、金へんの鉱害問題、鉱害対策との関係といいますか、相違点といいますか、こういった問題についてどのようにお考えであるか、ひとつお考えをお聞きしておきたいと思います。
○青木政府委員 一般の公害問題に比しまして金へんの鉱害の一番大きな特色と申しますと、一般の公害は原則として操業しているときに、その操業に伴っていろいろな物質が出てきて、これが生活環境なり国民生活に非常に影響を及ぼすという態様でございます。この鉱山鉱害の場合には、鉱山採掘を終了しました後に、その採掘いたしました坑口あるいはその採掘に伴って出てまいりました堆積物から鉱害が依然として発生している、こういう点が非常に違う点でございます。したがいまして、今度の金属鉱害のこの対策につきましては、操業に伴ってそのとき出てくる鉱害に対しては、一般の公害原則に従いまして、一般の公害法の基準を守るべく鉱山保安法を適用してやってまいりたい所存でございます。ただ、この金属鉱害に特有の蓄積鉱害につきまして、その鉱害防止工事の義務者のある場合、ない場合、それから今後の操業に伴って将来蓄積鉱害となるべき場合、この三つの場合につきましてそれぞれ対策を講じたというのがこの二法案の骨子でございます。
○近藤委員 いま御説明があったわけでありますが、そこで関連してお聞きしておきたいわけでありますけれども、通産省も現在公害保安局があります。今度の新しい機構改革の中でも立地公害局をお持ちになる予定でございますが、いわゆる通産省でやっていらっしゃいます鉱公害対策と、本日お見えになっておりませんが、厚生省や環境庁でやっていらっしゃいます公害対策というものは同じものなのか、またお役所が違いますから、やりようなり狭義の考え方において何らかの相違があるものかどらか、ひとつこの点についても承っておきたいと思います。
○青木政府委員 公害問題はその及ぼす影響がきわめて広範でございますので、どこの省一つの行政ということではございませんで、もちろん通産省にも公害行政が必要でございますし、農林省にも必要でございます。その他各関連各省すべてが公害問題に関連しておるわけでございます。環境庁の環境行政は、私どもの考えるところでは、そういう各省の行政の総合をいたすところでございます。最も重要な環境といわゆる産業活動、その他の活動との問題で一番重要な環境基準あるいは排出基準というものは、各省ばらばらにやるわけにはまいりませんので、総合官庁たる環境庁がぴしっときめまして、それの規制そのものも環境庁の責任になっておるわけでございます。 一般の公害行政につきましては、通産省としましては、所管産業につきまして、その環境庁の定めます環境基準なり排出基準なりを十分順守できるような対応策を企業に指導してまいるとか、あるいは大気問題につきましては、一つの対応策は低硫黄の燃料を供給することでございまして、そういう供給体制の整備を行政指導してまいるとか、こういうようなことで公害に対応する企業の助成なり指導をしてまいるというのが基本的な姿勢でございます。 ただ、この鉱山に関しましては、従来から鉱山保安法というもので、鉱害も含めまして非常に整備された法体系で規制そのものもいたしておりますし、監督体制も整っておりますので、大気または水に関しましての規制そのものを直接通産省でやっている面がございます。環境庁との関係は、基準そのものは環境庁でおきめいただいて、取り締まりそのものを保安法の体系で通産省が直接やるという体系になっておるわけでございます。そういうように、環境庁並びに各省との公害行政に対する仕組みは、以上申し上げたとおりだと思います。
○近藤委員 日本の産業が必要とする鉱物資源を国内で開発供給できることが望ましいとは思いますが、実際問題としては、先ほど藤田委員の御質疑の中にもあったように、相当程度が海外に依存せざるを得ないような現状でございます。そうしますと、日本の国内で生産される非鉄金属の価格が海外の市況の影響を受けることは非常に大きいわけでございますが、ひとつこの際、私お伺いしておきたいことは、おもな非鉄金属について、もう時間もございませんので、二、三の例でけっこうでございますが、いわゆる国内生産費と輸入価格の関係はどうなっておるか、さらに同じ輸入価格でも、海外で日本の会社が製錬までして持ってきた場合の価格がどうなっているかについてお聞きしておきたいと思います。
○外山政府委員 御指摘のとおり、海外鉱物に対する依存度は逐次上がっているわけでございます。いま御質問のコストでございますが、輸入のコストについては、主要な形態である鉱石を輸入し、国内で製錬する場合のコスト、これは鉱石価格がLMEの地金価格で設定されますので、これの製錬費を上のせしたものになるわけでございます。このLME自体が大きく変動いたしますので、輸入のコストも非常に変動するわけでございます。かりに四十七年の平均をとってみますと、輸入品のコストは、銅の場合でトン当たり約三十二万七千円というふうに計算されます。国内の鉱山でこのコストで生産できる山はきわめて少ない、大部分の鉱山の経営がいままでもきわめて苦しかったというふうに指摘できると思います。 一方、海外で製錬する場合でございますが、わが国の製錬所は、円の変動相場制移行で、ドル表示の製錬コスト、その分だけ海外との競争では不利になるわけでございます。一般的には、臨海大型製錬所方式というかっこうで非常に合理化をされておりますが、海外製錬については、資源保有国の要請等もございますので、漸次こうした方向をとらなければならない、こういうふうに考えます。ただ、コスト的な計算をいたしますと、現在のところは、まだ海外製錬のほうがかなり割り高になるのではないかというふうに私どもとしてはつかんでいるわけでございます。現在のところ、わが国企業が現地製錬を行なっておる事例はございません。
○近藤委員 やはり海外価格のほうが安いというお話でございますけれども、それは日本の国内の採掘技術なり製錬技術が国際的に劣るから高くつくものかどうか、言いかえますと、日本の採掘技術なり製錬技術は国際的に比較してみてどのような水準にあるかということが一点と、さらに今後こうしたものの技術革新を進めることによって日本の国内の非鉄金属の生産費を安くすることが可能かどうかについて承っておきたいと思います。
○外山政府委員 鉱物資源のコストというのは、鉱石の品位とか資源の賦存状況等によりまして非常に変わってまいります。したがいまして、国内生産コストをつかむわけにはなかなかいかないわけでございます。ですから、非常にコストの安い山から高い山までいろいろあるということでございます。 技術の点の御指摘がございましたが、私どもの承知しております限りでは、製錬技術と採掘技術、そういった点では世界に決して遜色を見ないというふうなところにあるわけでございまして、その面での競争で負けるということはないと思います。ただ、今後やはり鉱石の分布状況、つまり海外のほうが非常に分布性に有利にできているということとの比較、あるいは日本の鉱山の場合は逆に労務費が上昇するとかあるいは鉱害防止対策の費用が上昇するとかという、上昇要因がかなり多いということがございます。自然条件の差とそういう経済的な要因と両方見まして、だんだんと日本のほうがコストの上でも影響を受ける要因が多いというふうに指摘できるのではないか、ころ思います。
○近藤委員 ただいま局長の御説明の中にも、これから、人件費の増大にさらに加わりまして鉱害対策費はますます増大するのだ、こういった御説明があったわけでありますけれども、今回の法律改正によって、あらかじめこのいわゆる鉱害防止対策費を金属鉱業事業団——これは改名される金属鉱業事業団に積み立てさせることになるわけでございますが、その額は、大ざっぱに言って毎年の売り上げ高の大体何%ぐらいに当たるものか、推定されていらっしゃれば教えていただきたいわけであります。あわせて、それがいわゆる営業利益の比較においてどれくらいになるものか、おわかりだったら教えていただきたいと思います。
○青木政府委員 積立金の積み立てのやり方につきましては現在検討中でございまして、一定の算定基準に従って、特定施設ごとに鉱山保安監督局部長が算定して通知するということになっております。 大ざっぱに考え方を申しますと、その特定施設を使いました後における鉱害防止事業に要する費用と、それを何年使うかという年数によって算定することになると思いますが、その辺の算定のやり方等について現在検討中でございますので、それが大体幾らぐらいになるか、あるいは営業利益または売り上げの何%に当たるかという資料はまだ手元にございません。今後検討いたしたいと思っております。
○近藤委員 いずれにしても、これは相当な金額になることが予想されるわけでありますが、こういう積立金額は従来の鉱山の生産原価に取り込まれて、いわゆる生産原価を増大さして、結果的には通常の商品生産の場合のように売り渡し価格を上げることになる、かように考えてよろしいかどうか。
○青木政府委員 こういう金を積み立てますことは、結局それがコストになるわけでございますので、ある程度コストに組み込まれるべき性質のものでございます。ただ、この鉱害防止工事は、いずれにいたしましても鉱山業者が実施しなければならないものでございますので、いつの日か必ずその費用は必要になるものでございますから、このこと自体が特別に生産コストを上げるということにはならないというふうに考えます。
○近藤委員 これはいわゆるあと始末でございます。結局あと始末というのは、たとえば二十年なら二十年、三十年なら三十年あとで始末しなければならぬということだとすると、まさに二十年なり三十年の間にあと始末費をずっと分担をして負担せよ、そういうことが私は筋ではないか、かように考えるわけであります。そういうように考えてまいりますと、やはりこれは一種の生産費である、こういうことでございますので、税法上、これを費用としてそれぞれの期間の利益から控除してしかるべきだというふうに考えるわけでございますが、いかがでありますか。
○青木政府委員 この費用の性質上、先生御指摘のとおりそういう処理をすべきだと思います。ただ、現行制度では公害防止準備金制度という制度もございますし、その他とあわせましてどういうかっこうでやれば一番法制上そういう扱いにできるかにつきまして、今後大蔵省と折衝してまいりたいと思っております。
○近藤委員 御案内のように、退職金引当金というのがございまして、これはやはり一定割合を損金で落としていくことを税法上認めているわけでございますので、ひとつ十分検討賜わりたいのです。 ただ、実は私は非公式に大蔵省とも話し合いをしたわけでございますけれども、この公害防止積立金は、それが必要がなくなった場合には取りくずしができる、こういうふうになっている。取りくずしができるケースは何かということを聞いてみますと、それはたとえばダムなんかできるとか、そこに道路ができて、そしてもうそういう形で埋まってしまうから公害防止引当金という形では要らなくなる場合もあり得るのだ、こういうことのようでございますけれども、確かにそれはそれとして十分わかりますが、そういうケースが起こるのは百に一つなり千に一つじゃないか。ほとんどの鉱山は、当然最終時においてこの引当金によって公害防止対策をしなければならない。それだからこそ、こうして法律で積立金制度をおつくりになっていることだ、かように考えるわけであります。その辺を十分お考えいただいて、先ほども申しましたように、結局その企業がこういう鉱害対策ができやすいような形をお考えいただくことが通産省の行政として非常に大事ではないか、私はかように考えますので、十分御配慮を賜わりたいわけでございます。 同時に、先ほども局長の御説明にもあったのでありますが、銅の場合などにはLME価格によって国際価格がきまってくる、これによって国内価格も決定せられる、こういう関係にございます。ほかの商品ですとそれぞれの費用がかかれば、それは公害対策費であれ何であれ、それを従来の生産費に上のせして少し生産原価を上げて、それを需要者に転嫁するということが可能なわけでございますが、この銅のような場合ですと、国際価格がきまってしまいますから、幾ら国内の生産費が上がったからといって、それを最終売り渡し価格に上のせをしてほかへ持っていくわけにいかない。こういうことだとしますと、当委員会でもしばしば問題になっておりますところの汚染者費用負担原則、いわゆるPPPというものがこの際どういうふうになっているか。いわゆるPPPというものは、そういう汚染防止のためのいろいろな費用を一応生産費に乗っけて、そしてそれをその汚染者も負担するが受益者も均等に負担するのだということができて初めてPPPというものがあるのじゃないかと私は考えるわけでございますが、このいまの銅のような場合は、そういうことができないような状況にあるということを考えてまいりますと、このPPPというものがある程度修正をされなければならないのではないかという感じも私はしろうとなりに持つわけでございますが、局長の御答弁を承っておきたいと思います。
○青木政府委員 お答えいたします。 PPPの原則はただいま先生がおっしゃったとおりだと思いますが、PPPの考え方自身からいきますと、これは生産コストの中に組み入れられるべきものであるというふうに書いてございますので、それが生産費になって、あるいは需要者が負担されるか、あるいは企業努力によって解消されるか、いろいろのケースがあると思いますけれども、そういう形で処理されるべきものと思います。 もちろんPPPの原則はあくまで原則であって、例外もあり得るということでございますけれども、ただ転嫁できないから直ちにPPPの原則の例外になるのだというふうな理解は、いまのところされてないような気がいたします。今後の研究問題だと思いますが、転嫁されない場合にはPPPの原則の例外になるのだというような一般的なルールはまだ議論されていないというふうに承知いたしております。
○近藤委員 例外とまでいかなくても、何らかの配慮を考えてやる必要があるのではないか。また、先ほども御説明を承ったわけでありますが、技術的にも日本の鉱山の採掘技術なり製錬技術は一応国際的に最高の水準になっていることだとすると、生産費を下げる形でこれを吸収するわけにいかない。また外へも出せない。そうすると結局会社の利益を圧迫する以外にいわば負担をする方法がない、こういうことも考えられますので、例外というようなことばはきつ過ぎますが、これについてはいろいろお考えいただく必要があるのではないか、かように考える次第であります。 そこで次に進みますが、いわゆる蓄積公害につきまして、これは事業団から長期低利の融資を受けて公害防止対策をすることができる、かようになっているわけでありますけれども、先ほど来この委員会の御質問にありましたが、いわゆる中小鉱山の場合に、かりにそういう融資を受けられるとしても、それを返済し得る資金的な余力があるかどうか。私は、これも部外者でよくわかりませんが、いわゆる鉱山業というものは長期にわたるものですし、相当大きな金を投資しなければならない性質の事業である、しかも土地なら土地を担保にとるのであれば、いまの情勢ですとだんだん担保価値が上がっていくということがあるわけでありますけれども、山の場合には埋蔵量がきまっておりますから、掘れば掘るほどいわゆる担保の不動産の価値が減価していく、こういうふうに考えるわけであります。本来なら鉱業法なり鉱山保安法なりで当然公害対策をしなければならない事業がそれをしないで公害を蓄積して現在に至ったということの裏には、結局それができないような状況であったのがたまってきたということもあるわけであります。私は、決してその中小鉱山が低利でそういう金が借りられるから借金をしてできるという状態でもないのじゃないか、第一、金を借りる担保力がないのじゃないか、こういうふうに考えるわけでありますが、その点についての御説明を承っておきたい。
○青木政府委員 お答えいたします。 中小鉱山の場合に金を借りてもなかなか返す能力がないのではないか、あるいは担保力がないのではないかという御指摘でございますが、確かに中小鉱山の場合にはいろいろな困難があると思います。しかしながら、中小鉱山といえどもやはりなすべき公害防止工事はしてもらわなければならないわけでございまして、それをなるべくさせやすくするために非常に有利な融資制度及び保証制度をつくったわけでございます。したがいまして、この担保その他につきましては鉱業財団をつくるなり、その他いろいろな方法でなるべく金が借りやすいような方向でいろいろ措置をしてまいらなければならないと思いますし、ある程度事業団の貸し付けに際しましては貸し倒れ準備金をたくさん積む、その他の制度によりまして、中小鉱山が金を借りる場合に借りやすいような運営に持ってまいって、やはり公害防止工事はやっていただくという方針で処理してまいりたいと思っております。
○近藤委員 債務保証も考えていらっしゃるわけでございますが、債務保証の場合にも同じようにやはり担保の問題が出てくると思いますので、そういうものを含めていま御答弁があったわけでございますが、金を借りやすくするために特定の新しい形の担保みたいなものをお考えになるとか、無担保でお願いするとか、そういうことについても十分考慮をしていただきたい、かように考えるわけであります。 それから、これからのものにつきまして、先ほど御質問しておりますように積み立てをされるということでございますが、二十年なり三十年先に、その山が終わってしまった段階で一体どれくらいの公害防止対策費が要るか、なかなか正確に計算できないのじゃないか。昨今のセメントの値上がりとか、いろいろな建築資材の値上がり、さらには労賃の高騰など考えてまいりますと、なかなか客観的にできないんじゃないかということが一つ。 それから、そういう形で積み立てをいたします場合に、ただでさえ資金的に相当苦しい鉱山がさらに自己資金なり、また借りてきた場合でもけっこうですが、資金が窮屈になる。借りてきた場合にはどこかに担保を入れるわけであります。いずれにしても、資金的に苦しくなってまいりますので・そこで、最終的に幾ら借りるということをある程度計算をされるのはいいと思うのですけれども、それをまるまる積み立てさせないで、たとえばその何掛けぐらいを一つのめどとして積み立てを強制されて、そして実際に鉱害防止対策をしなければならない時点においてその金額がはっきり確定するわけですから、その差額を自己調達するなり、場合によっては事業団から融資をさせるというようなことをお考えになれないものかどうか。特に、こうして積み立てをずっとしていくわけでありますから、相当積立金が事業団にだぶつくわけですね。その積立金の活用ということも考えますと、ある程度積み立てをさせておいて、その余った分を、今度は実際鉱害防止をしなければならない企業に上のせ分はある程度貸していくというようなこともお考えになっていただけないものかどうか、承っておきたいと思います。
○青木政府委員 まず第一番目の、将来の鉱害防止工事の費用を算定できるかどうかということでございますが、いま私どもが一応考えていますのは、たとえ何年先でございましょうとも、現在の技術水準における工事費というものは一応算定できると思います。ただ、年々物価の騰貴あるいは鉱害防止工事の技術そのものも変化してまいりますので、年々そういう新しい情勢のもとに変化はすると思います。したがいまして、鉱山保安監督局部長が算定いたします場合に、そういう情勢の変化を踏まえまして算定基準は順次見直しまして毎年通知する、こういうことで順次訂正されていくというふうにして処理してまいりたいと思っております。 それからもう一つ、工事費を全部積ませる必要はないのではないかという御指摘でございますが、もちろんこれは工事をさせる担保でございますから、必ずしも満額でなくてもいいという議論もあり得るかと思います。ただ、いまこれだけ公害問題が社会問題になっておりますし、鉱害防止工事を十分にやるかどうかということについて住民ないし国民が相当疑義を持っている時期でもございます。そういう点を踏まえてみますと、完全に工事をやるためにできるだけ担保させているのでということが、金属鉱業を維持していくために、国民の支持なり住民の支持を受けていくためには必要ではないかと考えますので、現在のところ、私どもの考えでは、満額を積んでいただくほうが世の中の理解を得るためにはよりベターではないかというふうに考えております。
○近藤委員 問題は、適切に必要な鉱害対策、鉱害防止事業ができることでございます。ですから、それは全額積むということも一つの方法ですが、ある程度積んで足りない分は事業団に融資させるという形で完全に鉱害対策が実行できるような、そういう体制を企業の協力を得て国がとっていくという、問題はそれができるかできないかということでございますので、ひとつその点についてもいろいろお考えいただきたいのでございます。 時間がございませんので、あと一言だけついでに承っておきたいのですが、これも当委員会で再三議論になりましたいわゆる休廃止鉱山の鉱害防止義務者が不存在の場合でございますが、これは国が三分の二をやって、そして都道府県があと三分の一をやる、こういうことでございますけれども、たとえば山形県なんかの場合をとってみましても、たくさん休廃止鉱山があって、百五、六十ある。これをよしんば三分の一にしても、地元の相当な負担になるわけでございます。 そこで承っておきたいわけでございますが、国の三分の二はともかくとして、地元負担の三分の一について、たとえば交付税なり特別交付税なりで国としてある程度考えるか、場合によってはその分をプラスとして起債をお考えになっていただいて、せっかくの制度でございますから、地方自治体にとっても資金的にある程度余裕を——まあ余裕ということはありませんが、それが十分受けられるような体制を国としてお考えいただけるかどうかということが一点と、それから第二点として、金属鉱物探鉱促進事業団は従来こういうことをおやりになってこなかった。いわゆる探鉱のほうを中心にやってこられたわけでございますが、こういう鉱害防止対策をおやりになるための技術的な体制、その技術者なりその他の体制がおできになっておられるかどうか、承っておきたいと思います。
○青木政府委員 先に私から事務的な御答弁を申し上げます。 地方自治体との関係につきましては、私ども一緒に仕事をしてまいりまして、こういう休廃止鉱山をたくさんかかえておられる府県については、財政上非常に大きな負担になるということは私どももよく承知しておりまして、非常に憂慮しておるところでございます。したがいまして、いま先生がおっしゃいましたような方向で今後とも関係各省と折衝してまいりまして、なるべく財政負担が軽くなるように努力してまいりたいと思います。 それからもう一つ、金属鉱業事業団の技術的体制でございますが、これはまだ成立しておりませんので具体的な人選その他はできておりませんが、役員として理事を二名増員いたします。職員として二十七名の定員をとりますので、この中で従来こういうことに経験のある優秀な技術者を用意いたしまして、府県その他の要望にこたえられるようにいたしたいというふうに考えております。
○塩川政府委員 地方財政との関係でございますが、先ほど御指摘ございました交付税あるいは特別交付税という問題でございますが、これについて、私は自治省のほうに若干感触を当たってまいりました。しかしながら、これは市町村あるいは府県の固有の事務ではない、機関委任事務に所属するものでありますゆえ、交付税の基準財政需要額の中には算定しにくいんではないか。一方、特別交付税でございますが、特殊な事情がございました場合、たとえば山形県のような場合、集中的にしかもひどい状態で出てきたというふうな場合にはあるいは考えられるかもしれませんが、交付税の対象要件にもあるいはなりにくいかとも思います。 しからば、これはやはり起債によって処置されるべき問題であろうと思いますし、その起債につきましては、特別事業債等有利な起債のワクをもって充当していきたい、このように思っておるのでございますが、いずれにしましても、先ほど局長が申しましたように自治省と詰めてみたいと思っております。
○近藤委員 要は、日本のこれからの経済発展をさらに進める必要が絶対にあると私は思いますし、そのために必要な鉱山、鉱物資源というものを海外に依存することは確かに多いわけでありますけれども、しかし、先日の委員会の大臣の御答弁にございましたように、国内探鉱の重要性というものもいろんな意味であるわけでございます。それが地元の住民と不必要な摩擦を起こしたり、住民の生活を脅かすことがないように、事前にいろいろ対策を講じておくことがまさに正しい通商産業行政である、かように私は考えておる次第でございます。 今度の立法の趣旨もそういうことでお考えいただいているというふうに私は考えまして、これに対して心から御支持申し上げる次第でございますけれども、同時に、いろいろ御質問申し上げましたように、こういったりっぱな施策を各企業もまた都道府県もやりやすいような条件もあわせて十分にお考えいただきたいということを重ねてお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうも失礼いたしました。
○浦野委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時五十分休憩 ————◇————— 午後二時二十三分開議
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。板川正吾君。
○板川委員 金属鉱業等鉱害対策特別措置法案について質問をいたしたいと思います。若干法案についてまず伺いたいと思います。 この二条で、「採掘権者」と「租鉱権者」とあります。この採掘権者と租鉱権者の定義といいますか、扱いを説明していただきたいと思います。
○青木政府委員 鉱業権者には試掘権者と採掘権者がございますが、試掘権は、鉱物の探鉱を目的として設定される鉱業権でございます。それから採掘等によって問題となる蓄積鉱害を有することは、こういう試掘権ではあまりございませんので、この対象から除いてあるわけでございます。 採掘権者とは、鉱物の採掘を目的とする権利でございますし、租鉱権者とは、その採掘権の上に設定される権利でございますので、この両権者が蓄積鉱害源のもととなる可能性がございますので、この両者に義務を課しておるということになっておるわけでございます。
○板川委員 この租鉱権の租という字を辞典で調べてみましたならば、収穫の一部を官に納入すること、こういうようにことばの意義があるそうであります。租とは、収穫の一部を官に納入すること、この租鉱権というのは、いまのお話ですと、こういうふうに理解してよろしいんですか。鉱業法によって鉱業権をとったものが、みずからまず試掘をし、そしてそこで採掘をする。採掘したものを自分から処分する。こういう採掘権というのは、鉱業権者が持つ。租鉱権というのは、他人の鉱区で、要するに鉱業権を持っておる者、採掘権を持っておる者から採掘権を借りて、採掘した鉱物を取得し、処分する権利、こういうふうに理解してよろしいですか。いかがですか。
○青木政府委員 租鉱権とは、他人の鉱区において鉱業権の目的となっている鉱物を採掘し、及び取得する権利でございます。したがいまして、これはいま先生が他人の鉱区の権利を借りてとおっしゃいましたけれども、借りるということでなくて、独立の物権でございまして、独立の権利として、他人の鉱区において鉱業権の目的となっている鉱物を採掘し、及び取得する権利でございます。
○板川委員 鉱業権は物権ですから、借りてというのは適当じゃないかもしれませんが、租鉱料を払って自分のものとして、そして他人の名義の鉱区で採掘をするということになるのですか。
○青木政府委員 そのとおりでございます。
○板川委員 二条の四項で「鉱害防止事業」とはという定義がございます。「坑道の坑口の閉そく事業、捨石又は鉱さいの集積場の覆土、植栽等の事業その他特定施設の使用の終了後における坑水又は廃水による鉱害を防止するために行なわれる事業をいう。」こういうふうにありますが、「植栽等」あるいは「その他」という字句がございますが、「等」あるいは「その他」ということはどういうことを予定しておられますか。
○青木政府委員 「植栽等」の「等」でございますが、これは植栽のほかにコンクリートで固めるというような工法もございますので、そういうようなものをさしております。それから「その他」のことでございますが、一応そういう工事をしますほかに、なかなか水がとめられない場合に、沈でんをさせて坑水をきれいにするような事業がございまして、こういうものの維持管理その他の事業を含むわけでございます。
○板川委員 その他の鉱害を防止するために、たとえば私の足尾町で、この前もちょっと触れましたが、町が鉱滓を集めて土管あるいはブロック、こういうものを焼いて鉱滓を処理しておりますね。この鉱滓処理というのは、そういう鉱滓を覆土したりあるいは木を植えたりするというものよりも、全部取り出して、いま言ったように再生して他の用途に使うということのほうが一番鉱害防止の事業としては完全だと思うのです。そういう足尾町でやっておるような、鉱滓でこれを再生する事業を行なうことなどはこの鉱害を防止する事業の中に入ると解釈されますか。いかがですか。
○青木政府委員 鉱滓を利用いたしましてほかの目的に使うというような事業は、それ自身で収益を生み得るような事業でございますので、ここにいっております鉱害防止事業と申しますのはそういうものではなくて、全くそれだけのための目的の事業でございますので、解釈上はいま先生がおっしゃいましたケースはこの事業には入らないというふうに思います。
○板川委員 耐火れんがといいますか、ブロックをやっておったり下水用の配管をつくっておったりするところでも、必ずしも利潤を目的にしておるのじゃないのですね。鉱害防止ということが重点になって、もうからないけれども町がそれを行なうとか、もうからないけれども古河鉱業と町が行なう、こういう形の事業なんですね。ですから私は、いま直ちにそういう事業まで、鉱害を防止する事業の中にあるいは入っておるということが言えなくても、・将来やはり解釈上入れる余地をつくっておいたほうがいいのではないだろうか、こう思いますが、もう一ぺんひとつ御意見を承ります。
○青木政府委員 いま先生が申されたような事業は、鉱害防止のためにも非常に有用な事業とは思いますが、ここで申しております鉱害防止の事業の中に読み込むのは若干解釈上無理があると現在私は考えております。したがいまして、この防止事業には入らないけれども、そういう鉱害防止全体の事業の役に立つものの助成その他については、別途将来検討すべきではないかというふうに考えております。
○板川委員 次に移りますが、鉱害防止義務者の不存在の鉱山が全国に二千ほどある。この不存在の鉱山の鉱害防止を八十八億円ほどかけて都道府県が鉱害防止事業を行なう、こういうことになっておりますが、実際は都道府県がそれを行なわずに市町村にまかせっぱなしというようなことにはなりませんか。市町村にまかせっぱなしだというようにいわれておるのでありますが、そういう心配はございませんか。
○青木政府委員 実際上市町村でやっておる例があるかもしれませんけれども、この制度自身はあくまで県に対する補助金でございますので、県から申請を出していただきまして、それに対して補助金を交付するということでありますので、実務は市町村にまかせるにいたしましても、責任は県が負ってやっておるというふうに私どもは理解しております。
○板川委員 おそらく鉱害防止義務者の不存在のような市町村は、かつてははなやかであったかもしれませんが、人々も疎開し、全く町あるいは村として行政能力も縮小されてきておるところだと思うのですね。そういうところに大事な鉱害防止事業をまかせっぱなしというのは困るのじゃないだろうか。といって県事業で全部やるかどうかわかりませんが、とにかく県が責任を持ってやらせるような監視体制といいますか、指導されるのが妥当じゃないかと思いますが、そういう注意を払っていただきたいと思います。 それから、いま御承知のように閉山が相次いでいます。これは閉山されたとしても、鉱山保安法によって五年間は鉱害防止をする義務がある。これはわかっておりますが、そのうちにいわば無資力であったり、あるいは行くえ不明になったりしてしまったものが、おそらく出てくるのじゃないだろうか。まだ積み立てはしてない、閉山はした、廃山になった、そして本来なら防止義務を遂行すべき鉱業権者とみなされておるものが行くえ不明になり、あるいは無資力になる、こういうものが相当出てくるのじゃないかという感じが私はいたしますが、そういう心配はありませんか。
○青木政府委員 閉山後無資力になった場合というのは非常に困ったケースでございますが、極力そういうことがないように融資その他で鉱業権者に事業を遂行させる方針でございます。しかしながら、それでも無資力になり、あるいは行くえ不明になったというような事態が生じました場合には、現行の補助金制度のほうに乗せまして、国が補助金を出して都道府県に処理していただくというほうにいかざるを得ないと思います。その数は極力少ないように運営してまいりたいと思っております。
○板川委員 そうしますと、この資料にあります八十八億円とは別個な計算になりますね。 次に伺いますが、四条で「基本方針においては、使用済特定施設に係る鉱害防止事業の実施の時期及び事業量その他使用済特定施設に係る鉱害防止事業の計画的な実施を図るため必要な事項を定める」とこうありますが、この基本方針は通産大臣が定めますが、具体的には、いつ、どのように定めることになりますか。
○青木政府委員 この法律が公布されまして施行されますと同時にか、あるいはそれからあまりおくれないように基本方針を定めて公布いたしたいと思います。
○板川委員 わかりました。 次に第五条に、採掘権者または租鉱権者は、通産省令で定めるところにより、使用済特定施設鉱害防止事業計画を作成し、これを届け出なければならないとありますが、これも事業計画は一体いつごろ届け出をすることになりますか。たとえば、通産省令を定めてからということにもなりましょうが、本法施行後どのくらいの時期になると予定されておりますか。
○青木政府委員 これは省令で詳細きめることになっておりまして、現在検討中でございますが、おおむね三、四カ月くらいの余裕を置きませんと、こういう計画を採掘権者がつくることはできないと思っております。
○板川委員 同じく五条の三項ですか、昨日阿部委員からも質問もありましたが、この五条の三項で、鉱山保安監督局部長は、この事業計画の届け出があった場合において、基本方針に照らして不適切であると認めるときは、その届け出を受理した日から九十日以内に限り、事業計画の変更を命ずることができる。こうあります。これはきのうも質問がありましたが、ここに書かれておるのは、不適切であると認めたときは、九十日以内に限り変更を命ずることができるという規定であります。これは読んだとおりでありますが、しからば、適切であったときはどういうふうに処理されるのか。これはあえて法文にうたう必要はない、たとえば省令なら省令でどうするかということになろうかと思いますが、適切であったときはどういうことになりますか。
○青木政府委員 これは適切であった場合は、何もしませんと、九十日を過ぎますと自動的に適切だったということになるわけでございますが、きのうの御指摘もございますので、適切であるという判断ができました場合は、九十日以内でありましても御本人に通知する等、適切な処置をとって、なるべく早く工事に着手していただけるような状態にしたいと考えております。
○板川委員 それはいずれ、手続的なことですから、省令などに盛られるのじゃないかと思います。 次に、この法案で一番問題点は、積立金の制度であろうと思います。この積立金についてちょっと伺いますが、この積立金はどのような基準で、どのくらいの割合で、しかも納入する方法は、たとえば半期分とか、あるいは毎月まとめてやるとか、どういう基準で、どのような方法でこの積立金を徴収するのでありますか。詳細は、もちろん通産省令で定めるといっておりますから、通産省令が用意されていると思いますが、算定基準その他について伺っておきます。
○青木政府委員 詳細は省令できまることでござ いますが、現在考えております積立金の算定の基準といたしましては、その施設ごとに、その施設が終わりましたときに必要な鉱害防止工事を想定いたしまして、それにかかる費用を計算いたしまして、それを今後使うその特定施設の年限で割った額を大体算定の基準といたしたいと考えております。 納入の方法は、事業団に入れるわけでございますが、適当な時期をおきまして、何日までに納入しろということでございますが、こういうものの性質上、おおむね一年一回に納めていただくということが適切ではないかと考えております。
○板川委員 この算定基準ですが、たとえば特定施設をいよいよ使わなくなるというのを計算をする。しかし、鉱山なんというのはなくなるだろう、五年後になくなるだろうと思ったら、新しい鉱脈が発見されるということもあるのじゃないでしょうか。そうして、いまのこの金額ですと、五年後たとえばいまの金で五千万で防止ができるだろう、こういう予想をして積み立てておったが、しかし五年あるいは八年たってみたら、それじゃとても間に合わないということになる可能性もあるのじゃないでしょうか。そうしますと、この必要な防止の金額というものは、年々あるいは見直しをされないと足らなくなるということはございませんか。
○青木政府委員 この特定施設を何年使うかということにつきましては、おおむね鉱業権者のほうの申請をとりまして調査をいたしまして、年限は計算いたすことになると思います。 それから、堆積場などにつきましては、施業案の段階で、ある程度どれぐらいの使い方をするかということが公式の書類でも出てきますので、そういうものを参考にして年限はきめることにいたしております。 それから、特定施設に対する鉱害防止工事の算定を一ぺんいたしましても、物価騰貴その他でいろいろ変わるということもございます。この変わる要素としては、一つは、鉱害防止工事の技術進歩もございますでしょうし、それから年々積み立ててきます工事費が物価騰貴によって不足になることもございます。そういうようなことを勘案いたしまして、毎年度鉱山保安監督局長または鉱山保安監督部長が通知をする場合には、そういう年々の見直しは当然行なっていくつもりでございます。
○板川委員 わかりました。やはりそれでなければだめだと思います。 そこで、全国で積立金額はどのくらいになる予定でありますか。たとえば一年間の日本の掘採量というものはわかっておりましょうから、あるいは基本計画ができれば見当はつくのでしょうが、おおむねどのくらい年間積み立てがされ、それがたとえば、今後五年間あるいは十年間でどのくらいの金額になりますか。 また、これは事業団が管理するのでありますが、金利は幾ら支払われるか、その点を伺います。
○青木政府委員 鉱害のための積立金の算定でございますが、これはいろいろ鉱山の条件等がありまして非常にむずかしい計算になりまして、私どものほうはいろんな試算をしておりますけれども、明確な数字をまだ結論として出しておらない状態でございます。ただ、大ざっぱに申しますならば数億、十億以内の金になるのではあるまいか。(板川委員「年間で」と呼ぶ)年間ということでございます。 それから金利でございますが、これはいろいろの制度の横並びもございますが、大体四分五厘ぐらいがめどになっておりまして、この前後におきまして関係省と折衝の上きめてまいりたいと思っております。
○板川委員 わかりました。年間十億、金利は四分五厘見当、こういうことになるようです。 そこで伺いますが、この積立金ですね、これは企業別、たとえば古河あるいは住友、そういう鉱業会社が幾つも山を持っておるのですが、この企業別に積み立てをされるのですか。それとも個々の山別にされるのか、どちらか。企業別か山別か伺います。
○青木政府委員 第七条に書いてございますように、計画は特定施設ごとにやりますけれども、納入させるのは山別というふうにいま考えております。
○板川委員 そうしますと、事業団のことになるのですが、この事業団の運営もいずれ通産省令で定められると思いますが、たとえば特定施設の鉱害防止事業を行なうというときに、ある山で実は工事の量が意外と予想より大きい、だからほかの山で積んだやつをそこに一時流用する、そしてやがてその流用された金は積立金をもって返済するということになるのでしょうが、個々に縛って積立金を置いた場合に、事業の遂行によって不足分を、たとえば事業団が流用させるというようなことはないのですか。できませんか。趣旨はわかりますか。
○青木政府委員 お答えいたします。 施設ごとにいろいろ予定した金額よりも多かったり少なかったりすることがあると思いますが、これは一応施設ごとに算定いたしておりますので、施設間の流用をいたしますとあとで大きな穴があくというようなことになりまして鉱害防止事業の遂行に支障を来たすと思われますので、現在のところは、施設間の流用は考えておりません。
○板川委員 わかりました。 それで次に伺いますが、鉱害防止積立金と、もう一つ一般的に言われております公害防止準備金制度、この差というのを明らかにしてもらいたいと思います。公害防止準備金制度というのがございますね。これはもう損金として算入を許されておる。鉱害防止積立金は毎年十億近く日本の鉱山が積み立てるが、これはまだ損金として算入がきまっていないということになるようでありますが、この間の差はどうされるつもりでありますか。
○青木政府委員 ただいま先生御指摘の公害防止準備金制度と申しますのは、公害防止のための費用の支出が多額に見込まれるということ、かつ所得変動が大きいと認められる業種につきまして売り上げ高の千分の三、金属鉱業等の特定の業種については千分の六を準備金として積み立てを認めるという制度でございます。ただし、この制度は積み立て後三年経過した金額のある場合はそれの金額を取りくずさなければならない、いわゆる三年ごとに洗い直しをするという制度でございます。私どものほうの積立金とこの制度とは必ずしも直接に結びつきませんが、この制度を使うことも予想されることでございますので、この制度と今度の積立金の損金算入の制度との間にどういう調整が必要かということを踏まえまして、今後税務当局のほうと相談しながら、いかなる措置をしたら一番適切かということを研究いたしまして、次の税制改正の際には何らかの結論を出したいというように考えておる次第でございます。
○板川委員 これはやはり損金算入ができるように、この積立金制度も実際に行なわれる段階になったらそういう扱いをしてもらいたいと思います。そうでないと、どうも積むほうが重荷に感じてくるのじゃないでしょうか。いずれにしましても、これはもう事業として必要な経費になるわけでありますから、そのような計らいを来年度からはぜひ実行に移すように骨を折ってもらいたいと思います。 次に第九条で取りもどしのことを規定いたしております。「鉱害防止積立金を積み立てておく必要がないものとして通商産業省令で定める場合には、鉱害防止積立金を取りもどすことができる。」こう規定をしております。「積み立てておく必要がないものとして通商産業省令で定める場合には、」とありますから、いま直ちに通産省令を定める予想はしておらないように書かれておりますが、将来これはいつごろ省令を定めようとされておるのでしょうか。
○青木政府委員 将来取りくずしが行なわれるまでに省令で定めようと思っておりますが、例示的にどういうケースがあるかということを御説明いたしますと、まず一つは積立金を使わずに自己資金で鉱害防止活動を実施してしまった場合、それから第二には、過去の採掘権者あるいは第三者が鉱害防止事業としてその事業者の積み立てた工事分をやってしまった場合、あるいは第三者の行為、たとえば道路工事とかダム建設による水没というようなことがございまして鉱害防止事業の必要がなくなった場合、こういうようなケースが考えられますので、こういうようなケースについて省令で規定してその場合を定めたいというふうに考えております。
○板川委員 この十三条で「鉱業権の取消し」が書かれておるようであります。「通商産業局長は、前条第一項の規定による命令に違反したときは、採掘権又は租鉱権を取り消すことができる。」前条第一項の規定の命令というのは「届出に係る事業計画が基本方針に照らし不適切であると認めるとき、」その変更命令を通産大臣が出すということになる命令であろうと思いますが、この取り消された場合に、積み立てておった積立金の取りもどしの請求権が残るのでしょうか、消滅するのでしょうか。
○青木政府委員 これは残ると解しております。
○板川委員 大臣も来ましたから一言申し上げます。 資源問題というのは最近どこの国でも非常に重要性が論議されるようになりました。日本のように主要な資源——こういう産業資源、鉱物資源でも、あるいは石油でも同じでありますが、主要な資源を海外から輸入する国では、この資源確保の第一の条件は安定的な供給を確保するということであろうと思います。これは石油業法には低廉かつ安定的ということになり、低廉な価格ということも石油業法の目的になっておりますが、これはもう安いにこしたことはないことは当然でありまして、高いものを無理に買う必要はないのでありますが、やはり日本のような産業立地の条件からいいますと、安定的な供給を確保するというのが第一の条件であろう、こう考えます。ところが、この二法案について参考人の意見等を聞いた場合に、特に鉱業協会の代表ですか、事業者代表の見解は、能率の悪い国内鉱山はとにかくつぶれるにまかしておけ、そして海外の買鉱に依存していくほかないというように、いわば海外依存に大きく期待をかけて、安定供給に対する国内鉱山の育成なりあるいは強化というものについてあまり関心を示していない。これが業界の態度であります。石炭の場合に、御承知のようにエネルギーの流体化というのが昭和三十四年から始まって、急速に石油が輸入をされた。そして国の政策として五千三百万トンか四百万トンをベースとして、それ以上ふえるのは石油にまかせよう、五千四百万トンは確保しよう、こういう方針をきめた。ところが、そういう方針をきめてスクラップ・アンド・ビルド方式をとったのでありますが、実は石炭の需要が減退したために、そうした政策も成功しなかった。鉱山業界もおそらくその石炭の二の舞いを踏むまいということで、もう投げて、スクラップ・アンド・ビルドで国内鉱業を開発しても、結果的に石炭と同じ結果になるだろうということで、投げてきておるのじゃないだろうか、私はこう思います。鉱山石炭局長も、石炭の場合は需要が減ってきた、しかし鉱物の場合にはますます需要が拡大するのであるから石炭と違う、こう言われております。私は、石炭と違うならば、鉱物の国内開発についてスクラップ・アンド・ビルド方式をとって、一つの国内の資源確保という問題に対して、確保の方式というものを政府として考えていくべきではないか、こう思いますが、大臣の見解はいかがでしょう。
○中曽根国務大臣 私は投げるようなことはいたしません。やはり非鉄金属あるいは鉄にいたしましても、これからは日本の需要は増大する一方であると思っております。もちろんカーブは屈折いたすでありましょうけれども、やはり重要な、貴重な資源であると思っております。したがいまして、非能率などうしようもないものまで国民の税金を、負担をよけいかけてやるということは慎まなければなりませんけれども、最大限の努力を傾けて国内資源を保護し、これを活用するということが国の政策として正しいと思いまして、私は、そういう方針をもって通産行政をやっていきたいと思っております。
○板川委員 参考人に呼んだ労働者代表も、全く非能率なあるいは貧鉱まで金をかけて開発しろとは言っていない。スクラップ・アンド・ビルドじゃないが、ある程度の鉱量を持つ鉱山は積極的にスクラップ・アンド・ビルド方式をとってやるならば、われわれは協力したい、こういう意味のことを言っているのです。鉱山石炭局長はリプレース方式と盛んに言っておるのですが、リプレースよりもスクラップ・アンド・ビルド方式を国内開発の形式として今後念頭に置いた鉱業政策をとってもらいたいと私は思います。 それからもう一問ばかりですが、しかし国内の鉱山をいかに開発したところで、需要は年々拡大しております。銅にいたしましても、百万トンからの需要がある。国内の生産は一二%、おそらくあと一、二年で一〇%を割るのじゃないでしょうか。銅の場合には九〇%は海外から輸入しなくてはならないという事態がくると思います。ですから、海外からの輸入依存というものも私は大切であろうと思います。 いま海外から入れる方式としては、単純な買鉱、単純輸入といいますか、鉱石を買ってくる、あるいは地金を買ってくるという方式があります。さらに第二としては融資買鉱、向こうに金を貸して鉱山を開発して、そしてそのものを入れることによって融資した金額を返済してもらうという、融資輸入といいますか融資買鉱といいますか、そういう方式がある。もう一つは開発輸入、お互いに現地の企業とわがほうの企業が共同して開発をする。開発には当然リスクがありますから、リスクの負担をする、そして開発されたものを輸入する。この三番目が実は一番安定した輸入方式だろう、こう思います。 将来海外からこういう重要物資を輸入する方式として、この開発輸入方式が一番いいのでありますが、最近の傾向は、二十三日の新聞にもありましたが、こういうことが報道されております。「昨年末成立したオーストラリアの労働党政権がどのような外資、資源政策を打出すか注目されていたが、ホイットラム首相はこのほど「外資による資源収奪は避けるべきだ」として、前政府のとってきた開放的な資源政策を転換する方針を明らかにした。」「日本は鉄鉱石をはじめ、多くの資源をオーストラリアに依存しており、かなりの開発投資もしているので、この政策転換は日本に大きな影響を持つことになる。」こういう報道がございますが、この一番安定しておる開発輸入という方式も将来いろいろの問題があると思います。こう考えてきますと、国内の鉱山の維持、開発というものも私は大事だと思いますが、やはり海外の諸国と友好関係を保って、そして重要資源の供給の安定をはからなければならない、こう思いますが、大臣の見解はいかがでしょう。
○中曽根国務大臣 全く同感でございます。開発輸入という方式が望ましい方式であるように思います。豪州のホイットラム首相に私は、彼が総理になる前に、野党党首時代に選挙直前お会いいたしまして、西豪州の開発の問題について話したことがあります。その際、西豪州のガスあるいは鉱石等について日本側も協力してやってくれないかという話がございました。私は非常にその点については共鳴いたしまして、ただその条件等についてはお互いにリーズナブルなものでやろう、そういう話をいたしまして、おそらくホイットラム首相の場合は、前の内閣のときよりももう少し国粋的な要素が入ってきているだろうと思っております。おりますけれども、日本を大きなパートナーとして、強力な相手としていかなければ豪州が成り立っていかないということは、よく知っておるようでありました。したがいまして、われわれが謙虚な態度で、長期的にお互いが互恵平等の条件を整え得るようにしていけば、話は成立するものと考えております。そういう点から見まして、そういう意味の開発方式を私たちは謙虚に、積極的にとっていきたいと思います。その点は単にオーストラリアのみならず、世界じゅうについても同じことが言えるだろうと思います。 それからもう一つは、中間製錬という問題が出てまいります。これも日本の公害問題等を考えてみますと、現地あるいは中間地点においてそういう中間処理をするということも非常に大事なことになってくるのではないかと思いまして、双方について積極的に進めていきたいと思っております。
○板川委員 この法案についてはわれわれも賛成の立場をとっておりますが、しかし、鉱業政策についていろいろの注文がございます。それは附帯決議の中に盛られておると思いますので、ぜひそういう点を考慮して今後の鉱業政策を推進してもらいたいと思います。 以上をもって終わります。
○浦野委員長 松尾信人君。
○松尾委員 大臣も時間があまりないようでありますから、ちょっと関連しておりまして、いきなり大臣に聞くのは御理解があまりはっきりしないうちに私が大臣に聞くわけになりますので、私もわずかあと五分か十分で聞いてくれということで困っておるわけであります。 もう一つは、金属鉱業に対します国の施策というものをうんとここで見直していくべきであろう。閉山が相次いでおりまするし、休廃止鉱山、そういうことでありまして、石炭のあとをたどるような状態であります。こういうことでは、やはり何といいましても大事な資源でありますから、石炭が石油の問題に関連いたしまして、大臣御心配のとおりに、日本の資源政策、エネルギー政策というものを確立すべきときであると同時に、やはりこの金属資源というものをもう一回新たな見地から見直していかなくてはいけないであろう。ですから、いままでもいろいろの手を打ってこられましたし、予算上の措置等もやっておりますけれども、やはり休閉山がないように、日本の資源というものをある程度自給を高めていくようにやっていく方向で、基本的にひとつ金属鉱業というものに対する一つの考え方、こういうものをはっきりひとつ大臣に持っていただきまして、今後の施策を進めていただきたい、こう思うわけであります。もう関連が飛び飛びになっておりますが、しかしおわかりだと思いますので、ひとつ大臣の今後の日本金属鉱業に対する基本的な考え方としてそれを推し進めていく方向というようなものを確立していただきたい、これが私の第一番のきょうの要望であります。
○中曽根国務大臣 その点につきましては、私も先生と全く同感でございます。おそらく危惧なすっていることは、たとえば米が余ってくる、そうすればもう米はつくらぬでもいいじゃないか、外国から安いものを買えばいいじゃないか、そういうような考えに走って、それで少し米が不足するとまた騒ぎ立てて食管制度を堅持せよ、そういうような風潮が若干ございました。ジャーナリズムその他にもあったわけです。 しかし、国の存立の深い部分を考えてみますと、そういう多少の雲煙浮動にかかわらず、国として大事なものはあくまで長期安定的に、多少のロスはあっても持ち続けなければならぬものは持ち続けなければならぬし、それは必ずロスでないというときもまたくるということが民族の長い歴史の中にはあると私は思うわけであります。米が最近のいい例です。そういう意味と同じでありまして、金属鉱産物あるいは石炭も同じです。いまは外国のものが安くどんどん入るから国内のものはどうでもいいじゃないかとか、ほっぽらかせという気持ちも一部にないとはいえないと思いますけれども、私はそれは非常に危険な考えであると思うのです。国内に現存する資源というものは非常に貴重な資源であります。だからできるだけ探鉱して、どこに何が分布しているかということを現認しておくということがまず第一です。掘るか掘らぬかは別として、とにかくどこに貴重な資源があるかということを現認しておくということ、現認した次にそれらをできるだけ有効裏に採掘していくということ、乱掘しないということ、そういうことも大事であるだろうと思います。そして国民経済全般から見て、著しくこれはもうあきらめたほうがいいというものはやむを得ませんけれども、そうでない、いまのような長期的視点も含めまして維持したほうがいいと考えるべきものについてはやはり維持していく、そういう基本的な考え方が鉱業政策については必要であります。私は、石炭も含めてそういうふうに考えております。そういう立場を守っていきたいと思います。
○松尾委員 石炭の問題につきましては、明日石特のほうでまた大臣の御意見をはっきりお伺いいたします。 もう一点でありますけれども、これは要するに鉱山からの鉱害によりまして汚染されておる地域、これはカドミによる汚染でありますけれども、これが各地に出ております。そして結局土壌汚染になりますると土壌汚染防止法、ここへ今度入ってしまいます。そこでいま長崎県の厳原の町で非常に困っておる問題が起こっておりますが、改良事業というものをいま県が一生懸命になって計画を立てておりますけれども、この土壌改良につきましてうんとお金が要るわけであります。それから幾らお金を入れましても改良ができないという、要するに湿地帯があります。これなんかはどうにも改良事業ができないというようなことで、これはもう四年も五年もこういうことでほっぽらかされまして、現地の農民はもう田もつくることができないということで、いまわずかな休耕補償金をもらっている状態でありますけれども、こういうところでは、もう農林省のほうも手が及びません。改良事業による、要するにそういう計画ができない。やろうとしても、どのくらい金を注ぎ込んでいけばいいか見当もつかないというようなことでありまするので、これはやはり場合によっては、そういうところは一括買い上げの問題が起こるわけであります。このようになりますると、環境庁といたしましても、現在国がそういうものを買い上げるというような制度がないようであります。そうしますと、いつまでたっても改良事業はできない、ほっぽらかされておる現地の農民は困っておるということでありまして、どうにかしなければこれはいけないという段階にいま達しておりますが、このようなどうしようもないところを国として最終的には買い上げ、事業団等の業務範囲を広めていくか、または別途に国がそういうものに対して責任をとっていく。通産大臣の直接的な問題でありませんけれども、発生源というのがカドミでありますから、やはり強い発言力のあるところでこういう問題をきちっと解決していきませんと、事務当局だけでは、これはいつまでたっても解決できません。そういうどうしようもない改良事業もできないようなところに対して、国の方針としてはどのようにやったらいいのか。買い上げというものが必要という場合には、それを推進していくような考えを持たれておるかどうか、突然でありますけれども、ひとつお考えを聞いておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 いまの問題は、ただいま私初めて拝聴いたしましたが、非常に大切な重大な問題を包蔵しているように思います。おそらく全国でそういう場所がほかにもあるかもしれませんが、これは持って帰らしていただきまして、環境庁やあるいは大蔵省や農林省や関係各省と相談させていただきたいと思います。
○松尾委員 大いに御検討をいただくわけでありますけれども、解決する方向に向かってこれは検討して、速急に来年度の予算等で実現してもらいませんと、非常にこれは地域としては大きな問題になっております。もう一言、その点を……。
○中曽根国務大臣 国がそれを買い上げたとしてもほったらかしておくわけにいかぬだろうと思うのです。何らかの工事を施すなり、排水をやるなり、土壌の処理をするなり、何かしなければならぬ事態ではないかと思うのです。われわれの子孫のことも考えなければいけません。そういう意味において、そういう長期的処理まで含めて、国や地方公共団体や企業あるいは関係者はどういうことをしたらいいか検討すべき課題があると思うのです。そういう意味におきまして、前向きにこれを処理していくという心がまえをもってひとつ検討さしていただきたい、こういうことでございます。
○松尾委員 大臣、けっこうです。御苦労でした。 最初、これはひとつ教えてもらいたいのでありますけれども、ずいぶん休廃止鉱山が相次いでおりますが、この休廃止の理由、特に昨年度、一昨年度等における廃止鉱山は、鉱量がなくなって、要するに掘り尽くしてしまって廃山になったのか、またはその他の理由によって廃止になったのか、こういうのはパーセンテージでわかりますか。
○外山政府委員 最近の閉山の事例をいま浮かべてみますと、大体共通して言えますことは、一つは鉱量の枯渇でございます。枯渇という中には掘りやすいところの鉱量が枯渇しているということでございまして、とにかく鉱量の枯渇ということが一つ。 それからもう一つは、そのためにさらに深く掘っていったりあるいは能率的な掘採ということをやるためには非常に条件が悪くなっている、一つは、保安上の条件ということにもなりましょう、危険地帯まで掘らなければならないことになりかねない、こういうような保安上の要請、両方の理由が多かれ少なかれあって閉山の理由になっているというふうに理解しております。
○松尾委員 そうしますとだいぶ掘った、あとは採算がだんだん悪くなってやめていく、または保安上の問題もあってやめる、このようなお答えでありますが、そこで関連してまいるわけでありますけれども、開発の三段階方式、広域調査、精密調査、新鉱床、これは補助金でありますが、こういうことで新たに新鉱を開発していくわけですね。そうしますとやめるほうが多いので、新しく出てくるのは少ないということになりますと、このような開発の三段階方式というものが実を結ぶ時期、これはどういうふうなことになるわけでしょうか、この三段階の組み合わせておいて。
○外山政府委員 ただいま御指摘の三段階方式、これは第一期計画というのが昭和四十一年度から行なわれたわけでございます。いま御指摘のように、広域調査それから精密調査それから探鉱助成、この三段階になるわけでございまして、広域調査で鉱量の大体を確認いたしまして、さらに精密調査でそれを深めて、そして企業ベースにつながっていくということでございます。第一期の実行が行なわれている際にも、四十五、六年ごろにはそれの成果として幾つかの新鉱床が企業として着手されているということでございます。 国内探鉱の助成と申しますか、要するに国内鉱山を、もっと品位のいい山を発見していくということ、これはやはり鉱業政策の最も基礎的な、基本的な問題でございます。したがいまして、これに対する助成は一番古くからあるわけでございますが、今後もこれをさらに強化していきたい。そこで来年度から第二期の三段階調査を進めよう、助成の内容も少しでも改善を加えながら第二期の三段階調査を進めていこうというのが現在の段階でございます。地質学者なんかに言わせますと、まだまだ掘ってみなければわからないところもあるのだということを言っておりますし、私どもとしてはそれなりの期待を第二期の三段階調査の長期計画にも期待をしているわけでございます。
○松尾委員 そこでこの三段階方式が実を結びまして、閉山が連なっておりましてだんだん縮小していく傾向をどこかでがっちりと食いとめなくちゃいけない、こういうわけでありますが、まだまだ調査の段階である、若干実績は出た、こういうことでありますけれども、しっかりこれはやっていかないと——いま大臣にもそういうことを含めて見直せ、私はこう言っておるわけであります。 そうしますと、この三段階にそれぞれ予算を組んでありますけれども、やはりこういうことでは前年度に対しての伸び率も少ないし、また国が鉱物資源というものをがっちりやっていくというたてまえからいきますと、何かそこに力がやはり弱いというようなことで、こういうところにもだんだん金属鉱業というものが衰退していく傾向が見られるのじゃないかと思うのですよ。これでいいのかどうか。もう少しさがせばあるということであれば、いま大臣も言われたように、うんとさがすというふうなことを来年度あたりどうですか。来年度あたりからしっかりこれはがんばっていくのかどうかということをまず聞いておきます。
○外山政府委員 金額につきましても地域につきましても、第二期計画ではさらに充実したものにしてこの三段階調査を進めていきたい、こう考えているところでございます。
○松尾委員 この広域調査の分はどういうふうになっておるのでしょうか。委託してやるわけですね。これは全額国の委託費である、このように聞いておりますけれども、だれに委託するかということと、そしてこれが、やがて次の段階では可能性のある分は精密調査に入っていくわけですね。そうしてそこには、精密調査になりますと国が六〇%、県が二〇%、ここに鉱業権者というのが出てくるわけでありますけれども、広域調査の場合の鉱業権者、それから精密調査の場合の鉱業権者、これはどういう関係になりますか。
○外山政府委員 最初の広域調査のほうは、これは金属鉱物探鉱促進事業団が委託を受けてやるわけでございますが、現実の鉱業権者とは何ら関係なしに、国が全額委託をして実行するわけでございます。したがいまして、かなり広範な地域につきまして、国として重点として考えた地域を担当するわけでございます。 それから精密調査のほうは、今度はその中から可能性の高いものにつきましてさらに精密にやるわけでございますが、その際には、現実の鉱業権者にも若干の負担をしてもらいながらさらに調査を進めるということでございます。
○松尾委員 鉱業権者とのつながりでありますけれども、いつの段階でどの鉱業権者にこれをつなげていくということでありますか。これはどうですか。企業の相手ですね。広域調査は国の段階ですね。まだ相手はいないわけですね。
○外山政府委員 精密調査の段階になって具体的な調査をする場合には、その地域につきまして鉱業権の設定されている場合が多いということもございますので、鉱業権者が二〇%の参加をするというふうな運用をいたしております。
○松尾委員 そうすると、鉱業権の設定がある、そこを彼らがやらないから政府がやる、こういうことですね。そうしておいて、そこにバトンタッチする、こういうことになるわけですか。 〔委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕
○外山政府委員 おっしゃるとおりでございまして、そういったことで第二期目のところから具体的な助成措置が鉱業権者に加わってくる、こういうことになるかと思います。
○松尾委員 それから、このような新鉱床の補助金のほうでございますけれども、これは中小企業に対する助成ですね。この予算というものはいままで十分に使いこなされてきたかどうかですね。予算は十分使われておるかどうか。その点いかがでしょう。
○外山政府委員 新鉱床探査助成費は全部使っておるそうでございます。
○松尾委員 今回新鉱床の分は補助金の一〇%のかさ上げですか、それが行なわれておるということで、中小鉱山も五〇%を出すわけですね。結局は国と県で半々出すということでありますけれども、これはそういうふうな力というものが中小企業の鉱山にもあるわけですね。これをもう一つこの予算をふやし、そうしてこのような広域調査をやる、そうして精密調査をやる段階で鉱業権者に引き継いでおるというような一つの段階も通ってきておるわけでありますから、この新鉱床の開発につきましては、今年度は若干このような前進が見られますけれども、思い切って政府がこの補助助成というものをやっていけば、なおなおうんとこの開発ができるかどうかという見通しはどうですか。
○外山政府委員 私どもも現在の予算、補助率等で十分だとは思っておりません。ただし、今回も単価を一〇%上げましてそれなりの助成の強化をやったわけでございますが、最近のような情勢の変化の中で、中小鉱山がさらに新鉱床探査に努力するためにも、この費用につきましてはますますふやしていこう、厚くしていこう、こういうことを私どもも今後引き続いて考えてまいりたいと思っております。
○松尾委員 要するに、こんなことをくだくだ聞いておりますのは、だんだん閉山閉山で少なくなっておる。どうにかしてここで食いとめませんと、石炭のあとをたどってじり貧になっていく傾向が顕著であります。それを防いでいきますのは、これは何といっても三段階方式ですね。これをがっちりやっていく以外にないわけです。ですから、ここに力を入れることが新しい意味の鉱物資源の開発、新しい意味の見直しということに私は直接につながっていくであろう、こう思うわけであります。いま言われたとおりに、これはしっかり力を入れて、ひとつ日本の非鉄金属というものをがっちりと盛り上げていく姿勢を堅持してもらいたい、これは強く要望しておくものであります。 次に、このような鉱物資源の海外からの供給の問題でありますけれども、これは供給源が特定の国または地域に相当集中しているような傾向があるんじゃないか。その分散化というような問題はどのように考えていらっしゃるか。海外からの資源がある特定地域に集中しておるような感じがするわけであります。やはりこれをある程度分散をしなくちゃいかぬじゃないか、こう思うわけですよ。そういうことについての考え方と進め方、それをどういうふうになされるかということであります。
○外山政府委員 非鉄金属資源の世界的な分布状況自体がある程度片寄っているということは言えると思います。どこにでもあるというわけではございませんから、勢い片寄っているものを開発するわけでございますから、片寄りがちでございます。特に日本の場合は、開発参加のかっこうでの海外開発の伸展といった点が非常におくれております。これからようやく本格的になっていくのではないか。ことに銅あたりもザイールにようやく一つの成果が出てきたところでございます。引き続いて他の地域にも幾つかの成果が出てくると思いますが、まだ緒についたばかりであるということ、世界的な分布状況等から見ましても、いま松尾先生御指摘のような懸念があるわけであります。できるだけ広く多元的にこういった海外の資源を求めるということ自体が非常に大事なことだと思います。そういったことで、つとめてこれからも分布状況をよく調査検討いたしまして、できるだけ分散化をはかるということも、私どもの今後の方針の一つとして考えておるわけでございます。
○松尾委員 必要だと思いますね。 それから、この金属鉱業を安定維持させるためには、資源の自給、これも当然でありますけれども、鉱物価格の安定対策が重要でありましょう。これが国際相場による個々の価格変動にまかされておるという状態では不安定であります。ですから、各鉱物につきまして価格の安定帯と申しますか、また需給価格の安定調整基金と申しますか、そのようなものを設ける、要するに価格の安定というものをどのようなことで考えていったらよかろうか、こういうことをお考えかどうかというのが一点。 それから、やはりある程度これはいろいろ市況その他もございますけれども、これは備蓄という機構も考えていかなくちゃいかぬのじゃないか、こう思うのでありますけれども、この二つの点についていかがでしょう。
○外山政府委員 御承知のように銅、鉛、亜鉛というような非鉄金属は国際商品でございまして、LMEというロンドン相場から出てくる国際価格にスライドして国内価格もきまってくるというふうな方式でありますので、どうしても外の影響をそのまま受けて乱高下と申しますか、非常に高くなったり安くなったりすることを繰り返しているわけでございます。これまでいろいろな価格安定策といったものも提案されておりますけれども、そういった価格形成方式でございますと、なかなか一国単独でそういった努力をしても限度があるという感じがいたします。幾つかの商品につきましても、国際商品協定というふうなかっこうでストックを持ちながら安定化対策をやっているケースもございますが、銅、鉛、亜鉛につきましても、ことに銅のような重要物資につきましてのそういった動きも現在若干はございます。その点を国際的な意思にまで高めて、そして国際的な協調のもとにいま先生御指摘のような安定対策がとれればこれは非常にけっこうじゃないか、また逆にそういった方向にいかないとなかなか安定するような対策はとり得ないというふうな感じもいたします。 もう一つ、御指摘の備蓄問題もそれと関係なしには語れないわけでございまして、やはり備蓄ということがある程度価格の乱高下に対して好影響を与えるということはいえると思います。しかし、これとてもやはり国際的な理解といいますか、足並みのそろったかっこうでそういった備蓄というものの位置づけをしないと、これもまた効果がないということにもなりかねない。幸い幾つかの試練を経まして、最近はこういった方向に国際的な努力がはからるべきであるという機運が少しずつ芽ばえておるようでございます。私どももできるだけこれをサポートしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○松尾委員 ちょっと先ほども触れましたけれども、やはり国内の探鉱開発を促進する、これには助成措置が必要だと思うのですね、補助金だけじゃなくて。減耗控除制度、こういうものがあるようでありますけれども、これも期限が切れるとかいう話であります。また長期低利の融資、これは事業資金に対する分でありますけれども、要するに金融、税制上今後新たに力を入れていこう、このように考えていらっしゃる点を聞きたいと思います。
○外山政府委員 ただいま御指摘の減耗控除制度、これは探鉱準備金及び新鉱床探鉱費の特別控除制度でございますが、この減耗控除制度は、確かに御指摘のように来年の三月末で期限が切れることになっております。しかし、私どもとしましては、これが非常に有効な税制対策であるというふうに考えておりまして、いずれ四十九年度の税制改正の際に検討されるわけでございますが、私どもは、これが限時的なものよりも恒久的なものとしてできれば進めたい、こういう考えもございますが、これはその時点になりまして関係当局と十分御相談したい、こう考えておるわけでございます。 一方、そういった税制上の助成のほかに、おっしゃるように融資における助成ということは大事でございます。これは先ほどの中小鉱山につきましては補助金、それから大企業につきましては金属鉱物探鉱促進事業団から融資が出ているわけでございます。そういった点の条件などもなるべく緩和したかっこうで考えて、情勢の変化の中で困難がますます加わってくる非鉄金属業界のためにできるだけの策を講じたい、こう考えている次第でございます。
○松尾委員 次は、海底資源の開発の問題でございますけれども、これは非常におくれておる、このように感じます。これはわれわれはうんと促進してまいったのでありますけれども、ほとんどまだ手がつけられていない。それで今後の海底資源の開発の方針、それに対する予算的な措置というものも考えておられるでありましょう。それから現在の民間での探鉱だとか、地質調査等をどのように民間としてやっておるのかということ、あわせてこれを聞いておきたいと思います。
○外山政府委員 海底の鉱物資源の探鉱という点は、御指摘のように非常におくれております。ただし、これは今後の国内供給の安定した供給源としましては、また非常に大事なものでございます。私どもとしましては、むしろスタートするのがおそかったと思いますが、今度のおはかりしている金属鉱物探鉱促進事業団に地質調査船といったものを予算化していただきまして、そしてこれは現在建造中でございますが、この完成を待って日本近海の大陸だなについての地質調査といった点について一段と飛躍をしたい、こういうふうに考えているわけでございます。 なお、民間サイドでもいろいろ鉱区を設定し、これを探求しようという動きは強くございます。地質調査船がそのために非常に大きな機能を発揮するのではないだろうかということでこの完成を急ぎ、同時にこれの有効な利用を来年度以降進めてまいりたい、こう考えているわけでございます。
○松尾委員 地質調査船でありますけれども、これは民間に貸すわけでありましょう。そういう民間としての対象企業、そういうものが現在あるのかどうか。これはひとつしっかりお進めにならなくちゃいけない、こう思うのであります。これは推進してください。 それから、先ほどちょっと大臣に質問したのでありますけれども、まず重金属の汚染ということを最初に取り上げて調査されたわけでありますけれども、その結果各地にそのようなカドミ汚染米とかいうものが出ております。あとは農林省がバトンタッチをしてやるわけでありますけれども、この鉱害によるカドミ汚染田に対しまして農林省はどのような対策をいままでとってこられたか、これを聞きたいと思います。
○遠藤(寛)政府委員 全般的にカドミウム汚染その他重金属汚染の問題でございますが、この問題につきましては、私どものほうといたしましては、全国的な土壌調査を環境庁と共同いたしまして何度か行なっております。その結果によりまして汚染地域の大体の見当をつけております。それでその結果がわかりますと、いわゆる土壌汚染防止法によりまして地域の指定を行ないまして、その結果指定されました地域内で都道府県知事が事業計画を立てる。その計画にのっとりまして、主として土地改良法によりまして土地改良事業を行なうというのが私どもの事業の大体の仕組みになっております。 ただ、先生が先ほど御指摘になりました長崎県の厳原のような問題になりますと、私どもが調査をいたしまして、地域の指定まで運びまして、そのあと土地改良事業をやる予定でございましたところが、客土材料というものがあの状況でございますと、ない。しかも、客土の量、排土の量が多いということで行き詰まっておりまして、県といたしましては、先ほど先生のお話ございましたような買い上げの問題とか、それから所得補償の問題、土地改良と三本の案を示しまして地元とお話し合いをしておられる状態でございます。私どもとしましてはそのほかに、土壌改良資材によります吸収の抑制でございますとか、あるいは作物を非食用作物、たとえばハッカでございますとか、イグサでございますとか、杉の苗とか、そういうことに変えていくような指導を別途いたしておるわけでございます。
○松尾委員 環境庁はどのように考えていますか。
○松山説明員 環境庁としましては、そういったカドミウム等によりまして汚染されているおそれのある地域につきましては、土壌汚染防止法によりまして細密な調査を行なっております。四十六年にはカドミウムを対象にいたしまして、全国で百十七地域、約一万一千七百ヘクタールの調査をやっております。これは国の補助事業と県単事業でこういう調査をやっておるのでございます。それによりましてカドミウムが一・〇以上含有する汚染米が検出された地域につきましては、法律に基づきまして土壌汚染対策地域の指定、その上でその対策地域の中の土地利用の方針であるとか、あるいはそういう汚染の防止、除去、そういう対策、その後の監視体制、そういう計画を盛り込みました計画を立てるというふうに指導をいたしております。現在のところ、四十七年度の調査結果をも合わせまして——四十七年度の調査結果はまだ出ておりませんけれども、対策地域に指定されましたのは全国で八地域でございます。そのうち二地域につきましてはすでに対策計画が策定されまして、環境庁と農林省が承認をいたしております。 長崎県の対馬地域につきましては、四十六年に法律に基づく細密な調査をやりまして、一以上カドミウムを含有している米が三十七点検出されましたので、その結果によりまして、県が四十七年の五月に対策地域の指定を行なっております。その中の対策計画につきましては、先ほど先生が御指摘になったとおりでございます。
○松尾委員 時間がないのでやめますけれども、結局先ほど申しましたとおりに、この土壌汚染防止法でもどうしようもない段階に来ておりまするし、環境保全、そういう意味においてもこれは土地利用というものを新たな見地で考えなくちゃできない。そうなりますと、改良事業もできないようなところは、結局買い上げという問題につながってくるわけであります。現在そのような法律がないから自分たちはどうにもできぬのだということでは、汚染を受けた地域としては納得できません。でありますから、大臣にも言っておいたわけでありますけれども、結局そういう地域は買い上げる。その買い上げの内容はいろいろ御検討なされてしかるべきでありますけれども、方針はそのような方針を固めていかなくてはならぬ。でありますから、農林省も——通産省はもともとカドミ汚染でありますから、原因はそこにあるわけです。それが今度土壌汚染に入りまして、汚染防止法で農林省に移るわけです。環境問題になったら今度は環境庁に行くわけでありまして、離れたからいいわいというようなかっこうになりまして、のほほんとしておって非常に期間がたっておりまして、困っておるのは現地の農民であり、被災者ですというわけでありますから、これは次官しっかりひとつ考え置かれまして、そして農林省も推進しなくちゃいかぬ、環境庁もそれを推進するというわけで、やはりその推進力というものは通産省がうんと推進力になってこれを解決していく方向にいくよう、もう一回私は政務次官に念を押して終わりたいと思うのです。
○塩川政府委員 松尾先生からいろいろと御指摘がございましたように、確かに汚染の処理というものは非常にむずかしい問題でございます。しかし、まず汚染をなからしめんことを期していくことが一番大事だと思います。それがためには、われわれも公害を未然に防止する方策というものを十分考えなければなりません。不幸にしてそういう汚染が広がりつつございますが、そういう事態に対しましてはできる限り、お説のようなことも考えまして、検討はいたしてみたいと思っております。何と申しましても、汚染したところを全部買い上げの対象にしていくということは、実際の現実の問題としては非常にむずかしい問題であろうと思っておりますが、しかし例外的に何としてもそのあとの復旧も何もできないというような、枯渇してしまうような土地等につきましては、これは何とかその被害に対する措置というものを踏まえて考えてみなければならぬ、こういう気持ちでございます。
○稻村(左)委員長代理 野間友一君。
○野間委員 大臣がまだ見えてないようですので、小さな問題からお聞きしたいと思いますけれども、事業団からの融資の点について、これは出す企業においては資力のあるもの、あるいはないものとあると思うのですけれども、その融資の基準ですね、これは一体どうなっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○青木政府委員 詳細は事業団の業務方針ないし貸し付け要領によることになりますが、貸し付け基準といたしましては、鉱害防止計画を提出しました者に対しまして、その計画が適正なものと認められた場合には、その計画に基づいて行ないます鉱害防止事業に対し融資をするわけでございます。融資の比率は中小企業が八〇%、大企業が七〇%ということになっております。なお、利率は中小企業三・五%、大企業五%でございます。
○野間委員 そうしますと、これはたしか二年据え置きの十五年の分割返済だというふうに理解しておりますけれども、融資の際の資力の有無、つまり返済の有無、こういったものは融資される場合の基準に考えておられるのかどうか、この点についてお聞きしたいわけです。
○青木政府委員 もちろん融資でございますから返済能力がある者に対して貸し付けるということでございまして、当然必要な担保能力は要求されることと思います。
○野間委員 私がお聞きしておるのは有資、無資の基準をどういうふうにお考えになっておるのかということです。つまり融資される場合に返済能力があるかないか、この点は資力があるかないかということと置きかえても同じだと思うのですけれども、融資の基準、これについてお聞かせ願いたいと思うのです。
○青木政府委員 これはあくまで融資でございますので、返済能力は審査させていただくことになりますが、その場合、いかなる担保を入れられるかという問題になりますが、通常の金融と異なりまして、こういう鉱害防止事業で極力鉱業権者にやらせるという方針のもとにする融資でございますので、その融資をする際の担保その他の要件につきましては、一般の融資よりも緩和した条件にするように運用してまいりたいと思っておりますが、詳細は、まだ今後の検討問題だと思います。
○野間委員 次に、鉱害防止の義務者が存在するものについて、大体防止の推定費用が二百六十四億六千万円ですか、こういうふうに聞いておるわけですけれども、義務者であっても、要するに無資力等で事実上国とかあるいは地方自治体が全部かぶらなければならぬ、こういうものもあろうかと思いますけれども、この二百六十四億六千万円のうちで、大体どのくらい国ないしは地方自治体がかぶらなければならぬというふうに考えておられるのか。
○青木政府委員 ただいま御指摘の二百六十四億の分につきましては、一応鉱害防止義務者がおる場合でございますので、これはおおむね全額義務者にやっていただくというふうに推定しております。義務者のない場合、または無資力の場合でございますが、これは現在の推定では八十八億一千万円という工事量になると推定しておりまして、これは国が府県に補助金を出しまして府県の事業として防止工事を行なうというふうに予定しておるわけでございます。
○野間委員 その無資力の場合などについてこれは同僚議員のほうからも質問があったわけですけれども、地方自治体が三分の一ですか、国が三分の二、こういう負担の割合になっておると思いますけれども、ただでさえいまは地方自治体の財政というものは非常に圧迫されておる、こういう中で、全額国がこれについて負担するのが当然ではなかろうか、これが一点。 それからもう一点は、先ほど私が聞いたことに関するわけですけれども、いわゆる鉱山部分についての企業の分離、この中で大企業のもうからない鉱山部分については非常に中小、零細化して、そしていろいろな問題を提起しておる。こういう中で、義務者が存在しておっても返済能力が事実上ない、こういう義務者がこれからかなり出てくるのじゃないか、こういうふうに思いますので、その点について、国としてはどのように考えておられるのか、この点なんです。
○青木政府委員 まず第一の自治体の負担の点でございますが、鉱害問題の解決は、もちろん国の問題でもございますけれども、同時に地域社会の問題でございますので、鉱害防止義務者が不存在の鉱山につきましては、密接な関係にある地方公共団体が事業者となって工事を実施する場合、国はその費用の三分の二を補助する制度となっておるわけでございます。この制度は昭和四十六年から実施されておりますが、現在のところ、負担能力がなくて事業ができないというような問題は発生しておりません。ただ、先ほどから御説明いたしておりますように、だんだんこの事業は増大してまいりますので、地方公共団体の中には非常に財政上の圧迫を感ずるところが生じてくるかもしれませんので、今後とも地方公共団体の負担分の軽減措置については、関係各省と相談しつつ努力してまいりたいというふうに考えております。 それから、分離その他によって返済ができなくなる企業があるのではないかということでございますが、先ほど申し上げました八十八億一千万円という数字は、現在の無資力と同時に、将来無資力になるであろうという数字も若干加味して計算してございますので、若干その中に入ってくるかと思いますが、大企業が分離いたしましても、いままで大企業が操業した分につきましての鉱害賠償なり、それから鉱害防止工事の義務は、依然として、中小企業がつぶれた場合、分離した企業がつぶれた場合でも、大企業にかけ得ることに法制上なっておりますので、そういう企業が続出するというふうには私どもは考えておらない次第でございます。
○野間委員 企業の分離の場合に、いま局長の話によりますと、大企業にも責任がかぶってくる、こういうふうに言われましたけれども、具体的にそれはどのような法律の根拠に基づいておっしゃっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○青木政府委員 まず第一に、鉱害賠償責任でございますけれども、賠償責任につきましては、鉱業法の百九条の規定がございまして、その原因をなしたときの鉱業権者が負うことになっておりまして、現在まで大企業が操業していた場合、そこに基因する損害につきましては、分離後もその原因となったときの鉱業権者ということで、第一次的には大企業の負担になるわけでございます。 それから鉱害防止工事につきましては、鉱業権者の義務となりますために、分離した場合、分離された企業が鉱業権者となりまして、第一次的には、その分離した鉱業権者が責任を負うわけでございますが、何かの理由でこの分離した中小企業が倒産するなり鉱害防止工事の能力を失いまして鉱業権が失われました場合には、鉱山保安法第二十六条によりまして、鉱害防止工事の義務を課すことができまして、その場合、その原因となりました大企業の操業しておりましたときに基因する鉱害防止工事につきましては、その大企業に鉱害防止工事の義務を課することができる。こういう法制になっておるわけでございます。
○野間委員 前者の場合には、これはあくまで事後の救済ですね、損害賠償ということで。そうでなくて、防止の義務ですね、これについては、いまあげられた保安法の二十六条にこれがあるわけですけれども、これには一定の制限があるわけですね。御承知のとおり、五年以内に命令をする。したがって、これはこの五年そのものの期間が非常に短い。特に蓄積鉱害の場合には、かなり年月がたって鉱害が出てくる、蓄積されたものが出てくるというのが通例なんですけれども、それはそれとしても、この保安法によりますと五年以内に云々、こういう一つのしぼりがかけてあるわけです。したがって、五年以内にこのような勧告命令ですね、それをしない場合には、親会社と申しますか、分離をしたその企業そのものは責任を負わなくてもいい、こういうことになっておるわけですね。したがって、そういうような一つの法の間隙から、分離された弱小企業、そういうもので義務者であっても返済できない、こういうものがかなり出てくるのじゃないかと私たちは思うわけなんで、だからあくまで、局長が言われたように、大企業がすべて責任を負う、特に予防の義務、こういうものでないという前提に立って考えなければならぬと思うのですけれども、どうですか。
○青木政府委員 二十六条をかける期間が五年という制限がかかっておるために短過ぎるのではないかという御意見でございますが、従来非常に重金属の分析術が未発達であった場合、あるいは重金属が人体に及ぼす影響、経路等について不分明であった時代には、非常にあとから発見されることが多かったわけでございますが、近時非常に大きな社会問題になってまいりまして、その辺の経路が明らかになっておりますので、そう古いことにつきまして、急に被害が生ずるということは、私どもとしては、そうひんぱんに起こるというふうには考えておらない次第でございます。 それから、今度の二法案が成立いたしますと、従来の持っております蓄積鉱害につきましても、十年間に極力なくしてまいりますし、今後操業に伴う鉱害につきましては積立金制度でもって担保されております。そういう関係もございまして、操業が終わったあとに、あるいは中小企業に操業が移ったあとに、非常に大きな鉱害というものが出てくるということは、そうひんぱんには考えられないというふうに私ども考えておりますので、いまの制度が成立いたしますと、分離後、過去の大企業の操業に伴う鉱害につきまして鉱害防止工事が行なわれないという事態はきわめてまれでないかというふうに考えられます。 それから、もしそういう事態が生じましても、直ちに二十六条命令を発動することによりまして、そういう弊害を除去できるというふうに考えております。 なお、ちなみに二十六条命令は、子会社が鉱業権を喪失してから五年間かけられまして、その間に措置命令を出せば、その五年以後といえどもその効力を持続するわけでございますので、おっしゃるほど大きな穴があいているとは私どもは考えないわけでございます。
○野間委員 まあその点については、かなり私のほうでは疑問を持っていますし、そういう考え方でやること自体に私は問題があるというふうに思うのですけれども、あとでまた時間があればその点に触れるとして、次に、これは環境庁とも関係があると思いますけれども、通産省と両方にお聞きするわけです。 今度の法案によりますと、製錬所関係の鉱害防止事業については、法案によりますと、国内鉱山の採掘に付属するもの、こういうふうになっておるわけなんで、独立の製錬所についてはこれの使用済みの施設、あるいはその他の蓄積鉱害、こういうものについては法案の対象になっていないと思う。特にいま鉱山に付属しない製錬所が独自に働く、こういう企業がふえておりますし、またさらに今後の原料輸入によってこういう形の企業がますますふえるのじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、一つお聞きしたいのは、鉱山に付属する製錬所と付属しない製錬所、この数の割合はどうなっておるのか。こういうことと、それからいま申し上げた付属しない製錬所に対してもこの防止義務を課すべきじゃないか、この点法案に盛り込む必要があるのではないか、こういうふうに思うわけですけれども、環境庁の方針をひとつお聞かせ願いたい。通産省からもその点についての御答弁を願いたいと思います。
○青木政府委員 通産省のほうから先に御答弁をさせていただきます。 御指摘のとおり、本法案に基づきます製錬所は鉱山保安法上の鉱業という対象の中に入るものでございますので、独立製錬所は適用がございません。それで数はいかがかというお話でございますが、この法案の適用を受けます製錬所が三十九、独立の製錬所が三十という数字だそうでございます。 なお、この法案は、鉱山保安法の特例法というかっこうで制定されておりますので、当然現在鉱山保安法の適用を受けてない製錬所については適用がないわけでございますが、概略申しますと、独立製錬所は他の一般工業と同じように一般の公害規制法が適用されておりますが、大部分は海岸に位置しておりまして、鉱滓と申しますか、そのいわゆるかすでございますが、かすは副産物としてほかに利用されている場合が多くて、膨大な蓄積鉱害を有するものではない例が非常に多いということでございます。現在までいろいろ問題になりました製錬所のいわゆる蓄積鉱害につきましては、すべて鉱業に属する製錬所のものでございまして、独立製錬所については現在までは問題が起こってなかったということでございます。
○山村説明員 水質汚濁防止法の関係で申し上げたいと思いますが、製錬所につきましては水質汚濁防止法の特定施設に指定いたしておりまして、国の一律基準なり都道府県の条例なりの排水規制を受けることになっております。
○野間委員 いままで独立の製錬所において被害が特段になかったやに答えられたと思いますけれども、しかしいま申し上げたように、これから原料を海外に依存するという度合いが高くなればなるほど、とのかすの堆積がふえてくるのじゃないか、あるいは独自の製錬所というものがふえてくるのじゃないか、こういうことは明らかな事実だと思いますけれども、やはりこれに対する手だてがなければ、付属する製錬所と、しない製錬所、これが防止義務の点についてあまりにも差があり過ぎるし、被害の防止という点からすればこれは平等——平等というよりも、独立の製錬所についてもこういう防止義務を課すべきだというふうに思うのですけれども、通産省では、これについて防止義務を課する、そういう方向で検討する余地はないのか。
○青木政府委員 この法律はそれ自体で防止義務を課しておるわけではございませんので、防止工事を計画的にやらせるということと防止工事に対する助成を主としてきめておるものでございます。したがいまして、現在独立製錬所につきましては、先ほど御説明ございましたように、水質汚濁防止法によります直接の規制をかけておりますので、規制の面で独立製錬所について特に重いものを課する必要があるかどうかは、私どもとしては、現在すぐそういう必要があるというふうには考えておりません。ただ、付属製錬所の中で一部山元にある製錬所がございまして、そういう山元の製錬所の一部には、鉱山と同じような鉱滓を出すものがございますので、一番製錬所との関係でこの法律の適用を受けますのはそういう製錬所でございます。 以上、簡単でございますが……。
○野間委員 それから貯蔵の問題についてお聞きしたいわけですけれども、金属鉱物の貯蔵については法案では規制の対象になっていない、防止義務の対象になっていない。ところで、私たちがつかんでおるところによりますと、神岡鉱業所が富山港の岸壁に十年以上前から高濃度のカドミウム、これは三二〇〇PPMですか、これを含む赤かすを野積みにしておった。付近の住民は非常に大きなショックを受けたというふうに聞いておるわけですけれども、未製錬の金属鉱物の貯蔵あるいは堆積施設、これに対する鉱害対策は一体どうなっておるのか。あわせていまの措置法との関係でこの貯蔵について義務を課すべきであると思うのですけれども、その点についてお答え願いたいと思います。
○蓼沼説明員 お答えいたします。 本法案の対象は使用済みの特定施設ということでございまして、鉱山製錬所の操業に伴う鉱害防止につきましては、現在の保安法の体系の中で処理をいたすという形になっております。 御指摘のような原料の貯蔵その他につきまして、もしそれが実態的に、たとえば水なりあるいはその他の鉱害を及ぼすということになれば、保安法の監督の対象として取り締まる、こういうことになっております。
○野間委員 申し上げたいのは、出してから被害を救済するということではおそいと思う。こういう措置法をつくるなら、この機会に未製錬の貯蔵についても、出す前に防止義務を計画させてこれを提出させるというのがまっとうじゃないか思うので、その点についてお答え願いたいと思うのです。
○蓼沼説明員 お答えいたします。 現在の鉱山保安法の省令の中に施設の管理等という項目がございまして、鉱物の貯鉱場その他いまおっしゃった点につきまして維持管理の規定がございます。この規定を守って鉱業権者はやるということになっております。その規定を守っているかどうかについて監督を行なっている、こういうことでございます。
○野間委員 それではまた進めますけれども、きのうの連合審査の中でわが党の中島議員からも質問があったわけですけれども、基本方針の設定、これは四条の関係だと思うのですけれども、これは地方自治体の意見をどうしても聞く必要がある、こういう発言をしたと思う。これは例の宮崎の土呂久鉱害の件について知事が再三要請した、こういう実態がありますし、また、地元の具体的な事情についてほんとうに知っておるのはやはり地方自治体であり、あるいは町である、こういうふうに考えますので、この点について、その基本方針をつくる場合に地域の住民の意向、特にいま申し上げた地方自治体の意向、意見を取り入れるべきじゃないか、こういうふうに考えておりますけれども、この点についてはどうですか。
○青木政府委員 昨日も御答弁申し上げましたとおり、鉱害問題は地域の問題でございますので、地方公共団体等の協力がなければ本法の円滑な運用は期待できないわけでございます。このような観点から、従来休廃止鉱山の調査等につきましても、地方公共団体の協力を得てこれを実施しているところでございます。したがいまして、基本方針をつくります際も、実質的には地方公共団体と十分な打ち合わせをした上これをきめなければ、実際上は動かないということになりますので、通産省としても、事務的に実際には十分の連絡をとるように考えております。
○野間委員 実際にはそういう取り扱いをするかもわかりませんけれども、これは非常に大事なことだと思うので、この点について法文上明確に自治体の意見を聞く、こういうふうに加えるべきだと思いますけれども、どうなんですか、単に実際上の問題じゃなくて。
○青木政府委員 基本方針作成の段階から十分相談をしなければできません。法律上意見を聞くとか協議をするとかいうことになりますと、結局でき上がったものの文章上の協議あるいは意見を聞くことになるわけでございますが、実際つくります前に十分御相談して、運用するということで私どもは考えております。 なお、この法案自体につきましては、関係鉱業、鉱山をかかえております府県とは十分法文の段階から御相談いたしましたが、特にそういう府県からも、法文上明記した協議なり意見を聞くということを盛ってくれという御意見も承っておりませんし、事実上密接な連絡をとってやるということで足りるのではないかというふうに私どもは考えております。
○野間委員 その点、いま明確に法文化する意図がないとしても、将来の問題として、やはり被害を受けるのは地域の住民であって、決して国や通産大臣あるいは通産省ではないわけなんですね。やはり最も事情に知悉しておる自治体なり地域の住民の意見を聞くということを将来の方向として法文化すべきじゃないか、こう思いますので、この点について強く要望しておきたいと思います。 それから次に、鉱山保安の監督関係についてお聞きしたいと思うのです。これは六十八国会のときにわが党の米原議員が質問したことがありますけれども、監督官の数ですね、これがかなり不足しておる。いま大体全国でどのくらいおるのか。特に今度のこの鉱害防止の問題については、かなりの数に及ぶと思うわけです。その点について監督官が少なければ、いかに防止の義務を課してもなかなかこれの手だてがいかない、特に点検が不十分になる、こういう観点から考えまして、監督官のいまの数と、この法案ができた場合に数をどういうふうにふやすのか、十分かどうか、その点についてひとつ答えてほしいと思います。
○青木政府委員 御指摘のとおり、鉱山の監督についてはきわめて重要な仕事でございますので、その体制の整備についてはわれわれもかねてからいろいろ努力をしているところでございます。 いまどういう措置をとったかということでございますが、まず機構面で申しますと、従来はあまり鉱害の問題がなかったので、鉱害防止に関する課はなかったわけでございますが、鉱害防止課というものを逐年設置してまいっております。それは四十五年度に仙台と東京にまず置きまして、四十六年度大阪、広島、福岡、四十七年度に名古屋、四国と置きまして、四十八年度に札幌に置きますと同時に、仙台に鉱害防止第二課という二つ目の課を置くというような機構の整備をはかっております。 なお人員でございますが、四十五年度から申し上げますと、四十五年度が百七十五名、四十六年度が百九十八名、四十七年度が二百三十四名でございます。来年度は二百五十三名にふやす予定でございます。これは総人員でございますが、このうち鉱務監督官という監督官の資格を持っている人数を申し上げますと、四十五年が百二十名、四十六年が百三十九名、四十七年が百七十一名でございまして、四十八年にはこれを百九十五名にふやすというふうに、逐年増員をはかっている次第でございます。
○野間委員 逐年ふえてはおるようですけれども、微増なんですね。しかも、いま聞いたら、金属鉱山は稼行中のものだけでも二千以上ある、こういうふうに聞いておるわけですけれども、資格を持った者がわずか二百名足らず、これでは日常不断の十分な点検はできない。これは数で勘定したってわかると思うのです。そういう意味で、もっと大幅にこれをふやして、そして遺漏のない、住民に被害のないようにすべきである、こういうふうに考えるべきだと思うのですが、いかがですか。
○青木政府委員 本法の施行以後ますますこの関係の仕事は重要となると思いますので、来年度の予算要求以降におきまして、大幅な人員の増加を認められるように大いに努力をいたしたいと思います。
○野間委員 一体この法案が成立して、実際にこれを執行する段階になれば、どのくらいあれば遺漏のないだけの点検、手だてができると考えておりますか。
○青木政府委員 ただいますぐに何名なければならないか、何名あれば十分だとかいう判断資料を持っておりませんけれども、事情の許す限りにおいて極力増員をはかってまいろうと思います。(「不適当な答弁じゃないか、おかしいじゃないか」と呼ぶ者あり)
○野間委員 いま発言がありましたように、ほんとうにまじめに考えるならば、これだけの事業をこれからやっていくわけなのに微増微増でわずか二百名足らず。稼行中の鉱山だけでも二千以上あるわけでしょう。単に行ってちょこっと外形を見て帰ってくる、これではつとまらぬわけですね。しかも、これはやはり専門的な知識なり技量を要するわけなので、そういう意味から、こういう法律をつくって執行する以上、具体的なこういう職員、資格を持った監督官の手だて、これは当然大幅に考えるべきだと思うし、また、この法案との関係で、具体的に緻密に考えるべきだというふうに考えます。まだそれじゃどうも不十分だ。いまの時点でも、まだ具体的に近い将来のことについてさえ数が考えられていない。これはおかしいじゃありませんか。
○青木政府委員 現在二千の鉱山がございますが、このうちこういう重金属の鉱害を出すおそれのない山もございますし、露天掘りで安全な鉱山もございます。大体平均しまして安全な山では年間一回は少なくとも見回る。それからいろいろ検査をする必要のある山については、五回くらいの検査を実施しておるわけでございますが、その中でいろいろ試料を採取するなり分析するなりで現在監督を行なっておるわけでございます。それで極力この回数をふやすように今後努力してまいりたいというふうに考えております。
○野間委員 いままでの鉱害の例からしますと、おそれがないところから出てくるのが普通なんですよ。したがって、動いておる山あるいは休んでおる山あるいは廃鉱、こういうものについてはやはり日常ふだんから点検して、しかも、これは具体的に基本方針をきめて、事業計画を出させるわけでしょう。その事業計画をそれぞれ具体的に点検しなければならぬので、これはおそれがないから年に一回見回ったらいいというものじゃないと思うのです。そういうような態度では、法案ができても、これに対する具体的な効果がなかなか期待できない、こういうふうに思いますので、この点についてさらに強くあなたのほうでやはり検討してまじめに考えて、これについての増員方の要請、具体的な手だてを講ずるべきである、こういうふうに言っておきます。 それから、融資の関係についてお聞きしたいわけですけれども、これは中小弱小企業だけではなしに、大手にも長期低利の融資をするわけですけれども、これについて私が考えるのは、これはもうけるだけもうけて、そうしてそのあと始末する、こういう性格を持つといっても、やはり汚染者が責任を持たなければならないというPPPの原則からいっても、企業そのものが第一次的に義務を負うというのは当然だと思うのです。私も少し大手の企業の成長について調べてみたわけですけれども、これは斜陽とかいろいろいわれておりますけれども、たとえば三井金属を一つ考えてみますと、一九六三年の下期から六九年の下期、この六年間に売り上げで約二・八四倍、総資本で二・三九倍、純利益で二・四四倍、こういうふうに伸びを見せておるわけです。これはやはり日本の代表的な企業としては見劣りしないというか、かなりの順調な伸びを示しておると思います。しかも、一方、この間に従業員の数は六年間に〇。八六、こういうふうに逆に減っておる、これは鉱山労働者に対する合理化あるいは収奪、これが強まっておることは、この数字から明らかだと思うのです。さらに、これは三菱金属ですけれども、ここでも同じ期間に売り上げで三・六六倍、住金では三・七二倍、こういうふうに伸びを示しておるわけですね。したがって、大手がこのような伸びを示しておるのに、長期低利の融資をする必要はないんじゃないか、こういうふうに基本的には考えるわけなんで、この点について通産省の見解をお聞かせ願いたいと思う。
○青木政府委員 個々の会社の資料をいま手元に持っておりませんけれども、主要金属鉱山会社十五社の経営状況のトータルではかってみますと、売り上げ高、純利益率が昭和四十四年度の上期、下期はそれぞれ一・九、二・一でございますが、昭和四十六年度ではそれぞれ〇・七、一・〇というふうになっていまして、それほどばく大な利益をあげているというふうには考えておらないわけでございます。なお、円の切り上げ等の影響もございまして、鉱山会社は非常に経営が苦しいということも一般にいわれておるわけでございます。そういう経営状況を抜きにいたしましても、この蓄積鉱害と申しますのは非常に多年にわたる操業の結果が出てまいりましたものでございまして、しかも、この鉱害の防止工事というものは、それからすぐに利益を生むものではなく、むしろ出費だけの工事でございます。そういう工事をスムーズにやらせますためには、ある程度長期低利の融資をいたしまして、こういう各社が円滑に鉱害防止工事ができるように措置したわけでございます。
○野間委員 私申し上げておるのは、地域住民、つまり住民の被害の防止という観点で万全の手だてをするという点については、これはもう当然のことだと思いますけれども、しかも少ない融資の中でこういう手だてをやっていくわけなんで、ほんとうに鉱害防止のあれこれの手だてをすれば倒産するやもしれない、こういう中小零細鉱山、こういうものにこそほんとうに融資すべきである、そうですね。そしていままでもうけにもうけてきたこういう山に対しては、やはり汚染者が負担する、こういう原則に基づいてやらすべきではないか、こういうふうに考えるわけなんです。したがって、大手に比べて中小零細鉱山の場合に、あまりにもこれに対する手だてと申しますか、そういう策がないように思いますので、そういうものに融資するならもっともっと手厚い保護を中小零細企業にすべきではないか。そして鉱害から住民の健康を守る、こういう仕事を全うすべきではないか、こういう点から申し上げておるわけですが、どうですか。
○青木政府委員 中小鉱山は確かに大手に比べましていろいろな資金能力その他についても劣るわけでございますので、中小につきましては、融資の比率なり利率なりにつきまして大手よりも優遇するという措置をとりまして、両者の間に差別を設けながら、この鉱害防止工事の円滑な実施をはかってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 〔稲村(佐)委員長代理退席、委員長着席〕
○野間委員 しかしこれは融資といっても、確かに利率が大手の場合には五%、中小企業の場合には三・五%、この程度の違いじゃないかと思いますがね。だからこれではますます大手と中小、弱小との差を激しくするばかりなんで、もっと抜本的にやはりこういう鉱害防止のあらゆる手だてをすれば、それがひいては企業の存亡にかかるというところにはもっと手厚い保護をすべきではないか、こういうように思うのです。いまあなたおっしゃるけれども、その違いというのは利率だけじゃありませんか。どうですか。
○青木政府委員 利率のほかに所要額に対する融資比率というのがございまして、これは中小は八 〇%を融資いたしますが、大企業については所要額の七〇%を事業団が融資するということになりまして、この融資の比率につきましても、差を設けてあるわけでございます。
○野間委員 時間がないようですので、次に進めていきたいと思いますけれども、融資の際に担保を取るのか取らないのか。これはおそらく取るのではないかと思いますけれども、これは返済期間が十五年ですね。長いわけで、その過程で休止、廃止あるいは担保物件の価値の減少、こういうものがこれから出てくるのは十五年という期間から見て当然だと思うのですけれども、こういう場合に国としてはどうするのか。 それからもう一つ、融資された資金は、本来的にこれは鉱害を防止するという事業にすべて投入すべきであり、またそういうふうになっておるわけですけれども、実際には、たとえば一千万の融資を受けて、かりに八百万鉱害防止に使うとしても、あと二百万はほかの資金に流用する、こういうことも十分考えられるわけですけれども、この点についてどのように、こういうことのないようにチェックしていくのか、手だてをどういうふうに考えておるのか、この点について聞かしてもらいたい。
○青木政府委員 融資のいろいろなやり方につきましては、詳しくは業務方法書等で規定することになりますが、やはり事業団といえども国の資金を借りて融資をするわけでございますから、担保は取らざるを得ないと思います。ただ、こういう関係の融資でございますので、なるべくその融資の際の担保の条件等は弾力的に処置するように今後検討してまいりたいと思います。 それから第二に、この融資がほかの目的に流用されるのではないかということでございますが、これも手続は将来検討の上決定するわけでございますが、たとえば公害防止計画を出しまして、それに沿った事業でございまして、工事契約等を十分審査した上でこれを貸し出すという方法をとる等、流用防止の点につきましては十分留意してまいりたいと思います。 なお、この鉱害防止工事につきましては、鉱山保安監督局のほうで十分監督をいたしますので、工事費の水増し等に対しましては十分監督ができるものと考えております。
○野間委員 そこで、結局先ほど申し上げた監督官の数にも関係してくるわけなのですね。私は、これからこういう流用するケースがかなり出てくるように思うのです。しかも、これは点検する人間が稼行中の二千の鉱山に対してわずか二百人足らず、ふえても二百人を少しこえるだけなんです。しかも、これを大幅に伸ばすというような計画はいまのところない。こうなりますと、点検がおざなりになることは当然だと思うのです。こういう中で流用の事態が生ずるのは、いままでのいろいろな経験からしても明らかだと思うのですね。こういう点から考えても、流用するようなことのないように、これを担保するためにもつと点検する方法を具体的にしかも正確な点検ができるように考えるべきだと思いますけれども、この点について考えがありませんか。
○青木政府委員 先ほどお答えしましたように、極力人員の増加をはかりますと同時に、いろいろ鉱害防止事業に対する契約の審査その他、あらゆる手段を通じて流用の防止につとめてまいりたいと思います。
○野間委員 そういう抽象的なことばでこの執行が確実にできるなら、これはもう問題ないわけです。そうでないから問題にしているわけなんで、そういうような甘い考え方、甘い方針でいま申し上げたことについてこれをチェックできると思うのはあなただけです。だれもそんなことを思いませんよ。だから、もっとまじめにこれについての手だてを考えるべきだと思います。時間がありませんので、この点についてはもう追及しませんが、あなたのほうで十分検討する、こういうことをひとつ約束していただきたいと思うのです。
○青木政府委員 流用防止の点につきましては十分今後検討いたしまして、そういう事故の起こらないように努力してまいるつもりでございます。
○野間委員 それから鉱業権の消滅時の措置については、法令によるとたしか通産省に届け出をするだけでいいことになっておるようですけれども、これはやはり鉱害防止という観点から、消滅時において鉱害防止の措置を義務づける、こういうふうにすべきだと思いますけれども、どうですか。
○青木政府委員 鉱業権の消滅の場合には届け出で足りるということは御指摘のとおりでございます。 それで、鉱業権消滅のときに十分の義務を課しておくべきであるという点につきましては私どもも同感でございまして、休廃止鉱山の鉱害防止工事につきましては、保安規則を改正いたしまして、十分な義務を課するように改正するように用意しております。
○野間委員 いま言われた保安規則は、金属鉱山等保安規則、この二百十一条の一項じゃないかと思いますけれども、これによりますと「坑口を有する立坑、坑井または坑道を廃止するときは、その坑口を閉そくしなければならない。」これだと思うわけですが、これは危険防止、特に墜落等の危険防止、この立場から規定されたものというふうにこの趣旨を私は理解するわけですけれども、これでは鉱害防止という点からは不十分なのは当然だと思うのです。しかも、これだけではなしに、集積場の覆土とかあるいは植栽等の措置、こういうものは、この規則からしても、これはないわけですね。具体的にいま改正する用意があるというふうに言われましたけれども、それは二百十一条の第一項をさして言われたのか、そうだとすれば具体的にどのように改正しようとしておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○青木政府委員 ただいま御指摘の二百十一条は確かに危害防止を主とした規定でございますが、この規則全体の中で、この条文でなくて鉱害防止に関する規定を新しく設けまして、それを適用するということで準備しておるわけでございます。具体的内容につきましては現在案を練りつつありまして、でき次第中央鉱山保安協議会のほうにはかりまして規則改正という運びになるわけでございます。
○野間委員 法案がいままさにできようとしておる、こういうわけですね。ですからこれと関連させて、いまの鉱業権の消滅時に一定の義務を課するということも当然やるべきだと思うのです。だから、時期的にはいつごろ成案を考えておるのか、いつごろつくるのか。
○青木政府委員 この法案の施行と同時に規則改正が行なえるように準備中でございます。
○野間委員 それでは最後に一、二点大臣にお聞きしたいと思うのです。 先ほども申し上げたのですけれども、近時企業を分離して鉱山関係を中小弱小企業化していく、こういう山がふえているわけですね。この間の参考人の中でも、たしか労働組合の代表の方だと思いますけれども、企業は残るが鉱山はつぶれる、こういう表現をされたと思うのです。実際登記簿上は確かに企業は存在する、また不十分ではあっても山は現にある、しかしこのような分離から、さらにこれが倒産あるいは解散、こういう傾向をたどっていくと思うのです。したがって、通産省として、この企業の分離あるいは資本の分離、こういう傾向をもちろん御存じだと思いますけれども、この原因あるいはこれに対してどのような考え方を持っておられるのか、さらに対策はどうなのかということについてお聞かせ願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 資本主義のもとにおきましては、企業の経営は企業の自主性において行なうというのが原則でございまして、政府が干渉したり介入するということは極力避けるのが好ましいと思いますが、最近、情勢を見てみますとかなり鉱山分離という例が出てきておりまして、鉱山部門が弱体化していくということは確かに現象として見受けられます。このことは一面において、そういう鉱山部門が弱体化したりあるいは労働者の生活やあるいはその地域関係に対して悪い影響が出てくるということは好ましからざることであると思います。でありますけれども、国家がこれに対して介入したり何かするということは極力避けたいと思いますが、いまのような影響が出るおそれのあるという場合については、よくその企業分離の実態等を見きわめまして、できるだけ行政指導等によりまして、一体として、鉱山部門を弱体化しないように、また地元に対してそういう迷惑を及ぼさないような措置を講ずるように指導していきたいと思います。
○野間委員 結局この法案との関係からいいますと、このようにして分離をして中小零細企業に弱小化していって、しかもこの中で、法案のたてまえからいろいろな防止の義務なりあるいは積み立て、そういうことが要求されるわけですね。そうなると中小企業、零細企業は、そうでなくても一定の収益財産からして、分離したものがさらに経営が悪化していく。だから防止の義務すらが十分に全うされない、こういう事態が当然出てくると思うのです。ですから、こういう意味からしても、今日までの大企業の分離の実態、こういうものを徹底して調査して把握して、これに対して、いま大臣も言われたけれども、労働者の労働条件の悪化あるいはいま申し上げた防止義務のおざなりな履行、こういうことのないようにひとつこの観点からも手だてをすべきだと思いますが、どうですか、重ねて……。
○中曽根国務大臣 無責任な処置を行なわないようによく監視いたします。
○野間委員 それからもう一点。これは私非常に問題だと思うのですけれども、この法案でも当該鉱区に鉱業権あるいは租鉱権、これがないものについては防止の義務はないわけですけれども、分離以前にさかのぼって、つまり分離した場合には、分離したほうについては、これは鉱業権が全部譲渡されますから、鉱業権者は分離された小さな企業になるわけですね。しかも、これらが防止の義務を負う。ところが、もともと分離して大きな企業については、この防止法からすれば義務がない。この法案のたてまえからすると、基本的にはそうなると思うのです。そうなりますと、ますます、ちょうどタコの足を切るように持っていって、そこに魅力のない鉱業権を譲渡、移転する、こういうかっこうのものが出てくるのじゃないか。これではいままで汚染の原因をつくっておった企業は全くつかまれない。こういう観点からして分離前のものについても、このようなケースの場合には防止義務を課すべきではないか、こういうふうに私は考えるのですけれども、大臣いかがですか。
○青木政府委員 先ほども御答弁しましたが、大企業が分離した場合に、前の大企業の責任がなくなるのではないかというお話でございますが、子会社の鉱害防止義務は、第一次的には子会社にまいりますが、子会社がつぶれた場合でも二十六条命令をかけることによりまして、大企業のなした分の鉱害につきましては大企業に鉱害防止義務が残ることになりますので、そういう点で大企業の責任というものは確保できるものと私どものほうでは考えております。
○野間委員 実務の点については大臣はあれだと思いますけれども、いまの二十六条の問題について考えてみますと、これは五年以内に命令をしなければならぬ、こういうように規定はなっているわけですね。そうしますと、五年間が無事に経過した、住民から何ら文句がない、あるいは通産省としてもこれを調べもしなかった、しかも鉱害というものは専門的しかも長期的に潜伏するわけですから、そうしますと、五年たてば大企業そのものが、親企業といってもいいと思うのですけれども、それに対しては何らの義務も課するわけにいかぬわけですね。これは二十六条でなっているわけです。これではいつでもタコの足を切るようにして大企業は逃げていく。どうしてもこれをつかまえてそこで防止の義務を課さなければこれはおかしいというのが当然だと思うのです。いま申し上げたようにPPP、これからしても当然だと思うのです。こういう点から、分離前のものについても防止の義務を課す、こういう方針で法律を適用するのが当然だと思うのですが、大臣いかがですか。
○中曽根国務大臣 要するに企業といえども社会的存在なのでありまして、公序良俗に従うことはもちろんのこと、住民社会と調和していくということが本旨であります。そういう道義性ももちろん企業は持っていなければならぬものでもありまして、無責任なことをやらせないように私たちは監視してまいります。
○野間委員 最後に、結局、いまの商社の買い占めを見たってそうなんで、開放経済とか自由経済とかいろいろなことを言われますけれども、どんどん買い占めて売り惜しみをする。その結果、国民生活が非常に困難な事態を招来しておる。これと同じように、もうからなければずっと足を切っていって、そこに全部しわ寄せしていく。もうけるときもうけて、あとはそしらぬ顔をして小企業に全部しわ寄せしていく。こういうことはモラルの上からも、あるいはそうでなくて公序良俗の点から考えても、私はこれはやっぱり違法じゃないか、こういうように思うのです。ただ、これの詰めとしてはいろいろと緻密なあれが要求されると思いますけれども、こういうものに対して防止の義務を課さなければ、ほんとうに防止の義務は全うできない、通産省としてはこういう前向きの方向で当然に考えるべきである、こういうふうに考えるわけですけれども、どうですか。
○中曽根国務大臣 さきにも申し上げましたように、無責任な措置をやらせないように、通産省としては指導してまいります。
○野間委員 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、さらに私たちはこの法案の運用と執行についてきびしくこれを見てまいりまして、そのつど私らのほうから適切な措置をとるように申し入れをしたいと思います。 以上で終わります。
○浦野委員長 玉置一徳君。
○玉置委員 東和マンガン鉱のあと始末の問題を通じまして鉱山一般の問題についてお伺いしたいと思います。 まず最初に、東和マンガン鉱山で昨年災害が起こりましたが、そのあと始末の問題について、どのようにおやりになっていただいておるか、御説明をいただきたいと思います。
○青木政府委員 東和マンガンの災害事故のその後の経過及び通産省としてとった措置について御説明申し上げます。 昭和四十七年七月九日から十二日の間の集中豪雨によりまして、十二日の夜半、東和マンガン鉱山の本坑口前の造成地が崩壊いたし、流出したわけでございます。これによりまして下流の民家三戸が全壊し、二戸が半壊、一戸冠泥、浸水、死亡四、重傷一の災害事故が発生したわけでございます。被害額は、大阪鉱山保安監督部の試算によりますと七千六百五十万円でございます。 通産省といたしましては、本災害が異常な豪雨によるものと判断いたしまして、地元及び関係各方面と連絡をとり、本災害の復旧が一刻も早く行なわれるように努力してまいったわけでございます。また、大阪鉱山保安監督部長は、鉱業権者に対しまして、崩壊のり面の整形、緩傾斜化、それから崩壊流出部分の整地、残留土砂の流出防止、扞止工事、崩壊地盤の湧水の導水工事、造成地上の半壊建て屋の撤去、坑内水等排水溝の整備という第二次災害防止応急工事を指示いたしまして、鉱業権者に対してこれを実施さした次第でございます。 それで、治山工事の前提となります保安林指定につきましては、大阪鉱山保安監督部、大阪通産局は、鉱業権者に対しまして種々説得いたしたわけでございますが、現在まで了承が得られておらない次第でございます。 大阪通産局長は、四十七年の十二月二十二日に聴聞会を開催いたしまして、鉱業法第六十二条違反に基づく鉱業権の取り消しを行なうことといたしましたが、鉱業権移転登録申請が前日に行なわれましたために鉱業権の取り消しをすることができなかったわけでございます。 災害復旧につきましては、農地関係は農林省の災害復旧事業工事の補助金二千六百十二万七千円を受けまして、和束町において四十八年三月下旬より堰堤工事にかかっております。 それから一方、治山工事関係は、鉱業権者から治山工事の前提でございます保安林指定についての了承が得られないために、農林省の補助を得ることができない現状でございます。 なお、現在も鉱業権者に対しまして監督部、通産局において保安林指定についての説得を続けているというのが現状でございます。
○玉置委員 それが鉱滓と申しますかズリと申しますか、この山の頂上でズリのずり落ちたやつ、それによって人家が流され人命を損傷したんだということは存じておいでになると思うのですが、約半分の鉱滓がずり落ちましたので、なお半分くらい山の頂上に残っておるわけであります。地元の被害を受けた個所の方々としては、やがてまた参りますつゆどき及び集中豪雨による被害を非常に心配をしておるわけでありますが、今度の雨季までにこのことを、思い切った抜本策を講じなければ、再び同じような災害を受けるおそれがあるということを承知しておいでになるかどうか。
○青木政府委員 先ほど御説明したように、二次災害防止のための応急工事につきましては、指示してこれを実施させてあるわけでございまして、通常予想される程度の雨量では危険とは考えられないわけでございます。しかし、予想されないような異常な豪雨による場合に対処するためには、崩壊個所以外の山壁をも含めた抜本的な治山工事を行なう必要があるというふうに考えております。
○玉置委員 局長は、現場を知らぬからそういう楽なことを言うておいでになるんだけれども、地元の人間としては、ちょうど山の頭の上にそういうものがまだ半分残っておるわけであります。それがために農林省まで動員してお願いをして、早く抜本的な策を講じようとお思いになっておるんだと私は思うんだけれども、東京はのんきにしておっていいけれども、大阪では通産局はなかなか一生懸命にやつでおるのです。そこで、いよいよ鉱業権を廃止しなければ、つまり保安林に入れなければ、林野庁のほうはやってもらえないんだ、そこまでいっておるわけです。森林法のたてまえから、林野庁が思い切った抜本策を講ずるのには、鉱業権がじゃまになる。しかも、保安林に入ることを承諾してくれなければ、そのことができない。にもかかわらず聴聞会を開いて、完全に休止している鉱山ですから、そのことをなそうと思ったら、前日に合名会社の代表者であったのを同じ名前の自分の個人の名前に切りかえた。切りかえたばかりにそのことをなし得ない。それは一体どこに間違いがあるんだ。いまの鉱業法でそのことがなし得ないのかどうか、御説明をいただきたい。
○外山政府委員 法律の立場だけで申しますと、確かにそのケースでは鉱業権の取り消しが行なわれてしかるべき実態だと思いますが、鉱業権自体の移転が自由になっております上では、その新たに譲った人に対しては六十二条の適用ということがございませんので、したがいまして、いましばらく、現在の鉱業権者にできたことが、移転したばかりでございますから、できなくなるということでございますから、御指摘のように非常に問題が多いと思いますが、鉱業権の取り消しが直ちにできる体制にはなっていないわけでございます。
○玉置委員 昨年五、六戸にわたりまして人家が滅失した。人が四人死んだ。いつ何時また同じ残滓が落ちてくるかわからないような状況になっておるのに、鉱業権を停止する何らの法規がないのかどうか、説明をいただきたい。
○外山政府委員 法律的には取り消しは直ちにはできないということでございます。
○玉置委員 いませっかく近ごろやかましい鉱毒その他についての立法を急いでおるわけでありますが、もっとそれよりも目に見えた物理的な現象で人家に被害が起きようとしておる。それについて何らの手も打ち得ないというようなことは、鉱業法の欠陥かどうか、お答えいただきたい。
○外山政府委員 もちろん御指摘の実態を救済するための保安対策といった点で、いろいろ代執行とか、いろいろな点があると思います。そういうことで、することにも限度があると思いますが、鉱業法の権利関係でこれを取り消すことはできないということは、確かにいまのような実情から見ますと、取り消しをすることによって万事がうまくいくということだけに、それが一番容易な方法であり、明確な方法だと思います。しかし同時に、現行鉱業法の運用を厳正にやることによってもう少しやる余地があるのではないかという気がいたしますが、現在とにかく法律論的に申しますと、取り消しという行為にはすぐ出られないということでございます。
○玉置委員 暫時待ってくれというのは、一体何をどのようにさそうと思ったのか、そのことを説明願いたい。
○外山政府委員 少なくとも六カ月は待たなければならないような法律構成になっておるわけでございます。
○玉置委員 その内容を説明してもらいたい。
○外山政府委員 新たに聴聞会を開いて取り消しを命ずるという措置を講ずるにいたしましても、移転後六カ月はたっていなければいかぬということでございます。
○玉置委員 この間、聴聞会を開いてそのことをなそうと思ったら、名前をひょいと切りかえられたら手がつかないんだ。そういう悪質な人間には、あとしばらくお待ちくださいということを人命救助の点から見て言い得るのかどうか。次には絶対にその人は名前を移転できないんだという何かの法律根拠があるのかどうか、説明していただきたい。
○外山政府委員 この点はいまの鉱業法のたてまえから見ますと、まことにそういう実態を予想しない書き方になっておりまして、その六カ月たったときにまた他の名義に登録がえしてしまうということになりますと、同じように法の書き方は取り消しが及ばないことになってしまうということでございます。それで、鉱業権の取り消しということでこれを追及いたしますと、どうしても限度が出てくるというふうな感じがいたします。 ただ一方、鉱業法自体の考え方に加えて、保安とかあるいは環境被害に対する対応策とかいうことから見て、鉱業法はどういうふうな運用がなさるべきか、あるいは鉱業法に対してもっとどういう注文をすべきかということの問題も一つだと思いますが、鉱業法だけで解決しようといたしますと確かに御指摘のように不十分な点が多々ございます。
○玉置委員 鉱業法のほかに人命を救済する方法があるのだったら示しなさい。
○外山政府委員 もちろん鉱山保安法という法律がやはり保安を最もねらいとしてできているわけでございまして、これは鉱業法との関連を保ちつつ保安という問題を取り扱っているわけでございます。ただ、鉱山保安法の対象にもまた限界がございまして、たとえば具体的に被害を起こしそうな段階では保安法の対象にならないとか、現実に影響が出てから問題がつかまえられるというふうなケースもございますけれども、たとえばボタ山のようなものは、私どもから見ましても、法律的な、また何らかの対応策が要るのではないかという感じもいたします。 しかしいずれにいたしましても、鉱業法だけで解決しようといたしますと、どうしても鉱業法自体の性格を少しいじりませんと、いま玉置先生のおっしゃるような点の改善はできないという感じがいたします。
○玉置委員 現に休止しておる鉱山、しかもそれは相当長らくの間休止しているのであって、われわれが見るには、その山が現実に稼行したのはほんの少しだ。そういう山があるために地域の住民が雨が降ればゆっくり眠られぬ。現に先ほど言いましたような大災害を起こしておる。それを官庁がどうともできないというのかどうか、通産省ではどうともできないのかどうか、言ってごらんなさい。
○竹村説明員 東和マンガン鉱山の鉱業権を設定いたしましたときとその後の経緯について、ちょっと簡単に御説明させていただきたいと思うのでございますが、この東和マンガン鉱山というのは昭和十六年に鉱業権を許可したわけでございます。当時の鉱業権者は滝口万太郎という人でございました。その後昭和三十一年に施業案を認可したわけでございます。その後、事業を実施したり休業したりの状態で、詳細はわれわれも必ずしもつかんでいないわけでございますが、昭和四十四年の十二月に至りまして、この鉱業権者の滝口万太郎から滝口合名会社に鉱業権が移転されたわけでございます。その後操業はしていないわけでございまして、操業していないのに通産局長の認可を受けていないということで聴聞会を開きまして、先ほど御指摘のような鉱業権の取り消しを行なおうとしたわけでございます。 ただ、その間におきまして、昭和三十一年に施業案の認可をしたことはいま申し上げたとおりでございますが、施業案の中身といたしましてはいろいろ書くことがございますけれども、保安に関する部分が施業案の中に書かれているわけでございます。 当時の東和マンガン鉱山の保安に関する部分につきましては、おおむね次のような内容でございました。まず第一に、捨て石等につきましては坑口付近に堆積いたしまして地ならしを行なうこと、そして堆積にあたりましては、自然勾配以下の傾斜で行なうことという条件をつけております。また、排水の処理等につきましては、坑内の湧水量というのは少量であるということから特に処理施設は設けておりませんが、十分注意をもって行なうようにという条件はつけまして、昭和三十一年に施業案の認可をしたわけでございます。 以上でございます。
○玉置委員 取り消しはいつだったのですか。取り消しをしようと思って聴聞会を開こうとしたのはいつでしたか。
○竹村説明員 昨年の十二月二十二日でございます。
○玉置委員 昨年十二月二十二日に聴聞会を開こうとしたのは、昨年の大事故にかんがみてやろうと思ったのだろうけれども、それまでの間は何をしておったか。
○竹村説明員 災害が発生いたしましたあと、地元の和束町長から二次災害の防止対策、具体的な災害復旧等につき要望がございましたので、大阪鉱山保安監督部は、二次災害防止のため鉱業権者に応急工事を指示いたしまして、これを行なわせたわけでございます。 応急工事の中身といたしましては、崩壊部分の整地、整形でございますとか、あるいは排水溝を整備するという旨の応急工事を指示いたしましてこれを行なわせたわけでございます。
○玉置委員 聴聞会を昨年十二月二十二日に開いたのは、施業案をやってないということについて鉱業権を剥奪する意味でやったのと違うのですか。
○竹村説明員 先ほど申し上げましたように、少なくとも昭和四十四年の十二月に滝口万太郎から滝口合名会社に鉱業権が移転したわけでございますが、それ以後は操業していないわけでございます。したがいまして、操業しない場合には事業の休止についての通産局長の認可を受けなければならないわけでございますが、この認可を受けずに操業をしていなかったわけでございますので、それに対する鉱業権の取り消しという措置に出ようとしたわけでございます。
○玉置委員 半年の間に施業案を出さなければいかぬというように先ほどお話があったが、事実かどうか。
○竹村説明員 先ほど局長から申し上げたとおりでございます。
○玉置委員 とおりというのは……。
○竹村説明員 六カ月以内に出さなければならないということになっています。
○玉置委員 それを出さずに置いておったのを黙ってほっておいたのは、だれかの責任じゃないのか。怠慢じゃないのか。
○竹村説明員 六カ月以上にわたりまして通産局長の認可を受けずに休止をしておったわけでございますので、これは鉱業権者が法律に抵触をしたわけでございます。
○玉置委員 大雨が降って人が死ぬまで黙ってほっておいた、それを六カ月以上ほっておいても、監督官としては何も責任はないのか。法律上はどうなっておる。
○竹村説明員 先ほど申し上げましたように、施業案と申しますのは、鉱業権者が事業に着手する前に通産局長の認可を受けなければならないということになっておるわけでございます。保安に関します部分ももちろん施業案の中に書き込むわけでございますけれども、いずれにいたしましても、六カ月を経過しても認可を受けずになお事業に着手をしなかったということに対する責めを問うておるわけでございます。
○玉置委員 ちょっと意味がわかりにくいのですが、今後もうしばらく待ってください、実はその鉱業権を取り消そうと思って聴聞会を開いたところが、六カ月の前日に同じ人間だけれども、合名会社か合資会社の代表者だったやつを個人の名前に切りかえたために、そのことができぬようになりました、もう六カ月待ってください、こういう話なんです。だから六カ月の間に施業案を出すことを規定しておるのに、出さないで置いておいてかまわぬのか。それは本人のあれはもとよりのことだけれども、監督官庁としては何ら責任がないのかどうか、そのことを聞いておるのです。
○竹村説明員 もう一度ちょっと法律関係を申し上げますと、まず鉱業権者は鉱業権の設定の登録があった日から六カ月以内に事業に着手しなければならないという事業の着手義務がかかっているわけでございます。先ほど申し上げましたように、東和マンガン鉱山は、鉱業権の設定の登録を受けてから少なくとも六カ月以上にわたって事業に着手しなかったわけでございますので、それに対する違反の責めを鉱業権の取り消しという形で問おうとしたわけでございます。
○玉置委員 だからというて大災害が起きてからあわてて気がついてやろうと思ったわけだ。その間六カ月間事業に着手していない。施業案を出していない。それで何らそれに注意もしなければ何の手も打たなかった監督官庁の責任はどうなんだ。それを聞いておるのです。
○竹村説明員 先ほどから申し上げておりますように、六カ月以内に事業着手の義務がかかっているわけでございます。鉱業権者はやむを得ない事由によって、その期間内に事業に着手することができない場合には、期間を定めまして、理由をつけまして通産局長の認可を受けなければならない、こういうことになっておるわけでございまして、この規定を厳格に適用いたしております。したがいまして、最近はこの規定の適用によりまして、鉱業権の取り消しの件数というものは次第にふえてきておるわけでございます。
○玉置委員 法律というものは、役所が仕事をするときのよって立つ根拠でなければいかぬ。一般民間にそのことをきびしく規制すると同時に、役所もまたそれだけきびしく書いておるんだったら、それが出ていなければ出ていないような措置をする義務が私はあると思う。それはどうなっておるんだ。
○竹村説明員 六カ月を経過いたしまして、事業に着手をしなかったわけでございますが、その場合において、特に通産局のほうからそういう認可を受けろというふうな指示はしなかったわけでございます。むしろ六カ月を経過してもなお事業に着手しなかったという事実を踏まえまして、鉱業権の取り消しという措置をとろうと考えたわけでございます。
○玉置委員 また局長にお伺いします。 六カ月以内に事業に着手しなければならないということは、鉱業権をとっておいて、そして一般の所有者に何らかの制約が課せられるわけでありますが、事実上施業をしない者に鉱業権というものをいたずらに設定することを避ける意味でそういうことになっておると思う。したがって、その六カ月どころか、これで数年間にわたって何ら督促も何もしなかったということの事実があると思うのです。その間に大災害が起こった場合にどこに責任があるのか、お答えをいただきたい。
○外山政府委員 先生御指摘のように、鉱業権は・一つの権利でございますから、それを与えることによって他の人がそのところに権利を持つことが排除されるわけであります。そういうたてまえから見ましても、御指摘のように六カ月以内の着手義務というのがあるわけでございますから、着手しないならばしないだけの理由について認可を受けなさい、こういうことになっているわけでございます。その点は御指摘のとおりでございます。 数年前に鉱業権の設定を受けながら、その間何ら法的な手続をとらないでそのままいたということ、これ自体が問題でございますし、そのことをまた気がつかずに放置していたことも問題だと思います。ただ、その間に災害が起こるということになりますれば、もちろん現実の鉱業権者の責任でございますけれども、しかし現実に災害が起こったときに十分な法的な運用が行なわれてないということもやはり問題だと思います。これを機会に私どもも十分いろいろな点、細部にわたりまして鉱業権の施行状況といったものをもう一度よく点検しなければいけないという感じがいたしますが、御指摘の点はただ深く遺憾に思う次第でございます。
○玉置委員 遺憾に思ってもらったってどうともならぬのだけれども、その話はもうそこらぐらいにしておいて、ただそういう問題であるにかかわらず、また前の日になってから鉱業権を移転されたら、もう六カ月待ってくださいというようなことを言わなければならぬような鉱業法というものを当てにしてそこの人間が住んでいられるかどうかということを言うておるのです。もっと的確な方法があるのじゃないだろうか。もしもないとすれば、鉱業権というものが向こうの一方的な移転によって、何ら施業する見込みもない者にどんどん移されていったら一体どうなるのだ。将来これは鉱業法を一体どういうように扱っていったらいいのか。
○外山政府委員 御指摘のような問題点は、鉱業権を設定する際に、いわば能力主義と申しますか、そういったものを採用していない、欠格要件もない、そういったようなかっこうで、先願主義で鉱業権が設定されているというところからくる問題点だと思います。ただ、それはそれなりにまた一つの意味もあるわけでございまして、長い間鉱業法という古い法律がカバーしていた分野でございますし、もっと基礎的な、基本的な考え方に基づいてそういう規制が従来から行なわれていたということもいえるわけでございます。 ただ、新しい時代の流れの中で鉱業法自体もどういうふうな検討をすべきかということ、いま先生が御指摘になったような点も検討すべき点の一つだと思います。そのほかにも、いろいろな点で鉱業法を時代に合わせるような改正をしていくべきじゃないか、少なくともその間運用は強化するけれども、同時に法の限界もあるのではないだろうかというふうなことを私どもも頭に入れながら今後の検討課題として取り組んでまいりたいと思っております。しかし、何ぶんにも非常に基礎的な伝統的な法分野であるだけに、そう簡単に直すというふうなことがむずかしい問題でございます。 それから、かつては一度鉱業法の改正問題に取り組みまして、ちょうど十年前でございましたか、国会にもおはかりした経緯もございます。そのときの議論も、いまになってもかなり参考になる点が多々ございます。私どもとしては、これから御指摘のことも頭に置きまして、検討課題として十分取り組んでまいりたい、こう考える次第でございます。
○玉置委員 一体鉱業権というものは日本にどのくらいあって、どのくらいの土地を、俗なことばで言えば押えておるのか。
○外山政府委員 件数にいたしまして四十六年度末で三万四千五百六十九件、面積にいたしまして約二〇%ということでございます。
○玉置委員 二〇%というのは国土の二〇%だと思うのですが、そのうち実際稼働、生産をしておるのは三万四千件中どのくらいの件数なのか。
○外山政府委員 稼行しておる鉱区がそのうち二千百二でございます。おおよその見当で、面積で申しますと二%くらいということでございます。
○玉置委員 二千百二、そのうちでほんとうの意味で——稼行といったって、ちょっぴりやったって稼行なんだから、まず日本の生産に寄与しておるくらいの稼行しておるというのは一体どのくらいあるのですか。
○外山政府委員 これは鉱業権のほうから見ておるわけではございませんで、現実に非鉄金属の生産量から見ましても、ほんとうに実質的な生産量となって稼行している鉱区は非常に少ないだろうと思います。
○玉置委員 私は別に三百ともお伺いしたこともあるのですが、ともかく三万四千件あるうち三百件くらいしか実際の経営としての稼働をしてない。残りは、ほとんどそれは権利の乱用としかわれわれには思えない。宅地並み課税の問題で、現にお百姓が生産しておるものまで宅地とみなして追い立てようという今日なんです。所有権という概念が、公共のために資するところのないようなものはというところまで土地の問題、所有権の問題がきておる今日に、ほとんど意味のない、権利だけのあれを膨大に持たしておるのじゃないか。そこに明治の初めに考えられた鉱業権という思想を変えていかなければ現実の問題に合わぬのじゃないだろうか、こう思うのですが、気の毒だけれども、大臣どうお思いになるか。
○中曽根国務大臣 御指摘のように、いわゆる山師の跳梁することを許しておる鉱業権の残滓が非常に見受けられるように思います。したがいまして、現代に合うように、そして特に住民保護の目的に合うように、鉱業権というものはこの際再検討さるべきであると思います。この前何か改正案ができまして、国会の御審議をお願いしたらしいのでございますが、それが流れたそうでございますけれども、私は、いまのような現状を放てきしておくことはよろしくないと思いまして、これはもう一回改正案を国会へ出すようにひとつ努力してみたいと思います。
○玉置委員 簡単でけっこうですから、局長のほうから的確にお答えいただきたいのですが、いすの災害と次に起こり得る災害を未然に防止するために、もう六カ月待ってください、もう六カ月待ってくださいという方法じゃなしに、しかも、これはもう千軍万馬の古つわものだということはいやというほどみな骨身にしみておるものなんだから、大阪で苦労し通しでがんばってくれておるわけなんだから、もう少し、いまの現行法規でもいいから、何か的確に住民を保護するような施策はあり得ないのか。なければ降参しましたということを言うてもらってもいい。
○中曽根国務大臣 法的にどうかということを私はよく知りませんが、これはわれわれが社会的良心から見て、行政措置その他あらゆる面でやれるだけのことはやらなければいかぬと思います。したがいまして、通産省へ持ち帰ってよく検討を命じまして、本人を呼び出すなりあるいはそのほかのいろいろな法的措置、考えられるものを考えてみて、行政と法と両方を組み合わせて、できるだけのことをやってみたいと思います。
○玉置委員 もう一つ、せっかくただいま審議されておるような法案が提案されておるわけでありますから、それよりも直接被害を受けるような物理的な土砂崩壊等々のものに対しても同様な手厚い施策が講じられることをわれわれは非常に期待するわけでありますけれども、石炭山の場合にはそれはどうなっておるのか。石炭が陥没したところの休止鉱山、廃止鉱山のそれはどうなっておるか。それとの関連から見て、非鉄金属等々の鉱山の場合には、いまはどうなっておるけれども、どこまでどうやらなければならないのだというような問題について、細部のところは局長、大筋を大臣からひとつ決意をお聞かせいただきたいと思います。
○青木政府委員 まず石炭の場合を御説明いたしますと、いわゆる石炭にはボタ山というものがございまして、ボタ山は鉱津の山でございますので、これがくずれますときには、またこれには人命の被害が生ずるわけでございますが、そういう危険がある場合に、その危険を除去するように何らかの措置をとりますのはやはり鉱業権者の責任でございます。ただ、石炭は御承知のとおりああいう状態でございますので、鉱業権者がないボタ山というのが九州には相当たくさん存在しておりまして、これの危険防止につきましては、応急措置といたしまして金属鉱山の鉱害防止義務者のいない場合と同様に国が三分の二の補助金を出しまして、県がその応急の防止工事をしておるというのが現状でございます。しかしながら、鉱業権者がいる場合は、あくまで鉱業権者の責任ということになっております。これは金属鉱山でも同じでございまして、金属鉱山の鉱津がくずれるという危険があります場合には、鉱業権者がある場合には鉱業権者に命じましてその安全のための措置をとらせるというのがたてまえでございます。また、鉱業権者がいない場合、またはおりましても、無資力な場合には国が補助金を出しまして県に工事をさせるわけでございますが、この場合も鉱業権者には行政指導によりまして鉱業権を放棄させておるというのが現状の扱いでございます。
○中曽根国務大臣 ともかく住民にそういう被害が出まして、それが無責任な企業者の行為によって起こされておるというような場合には、これは本来ならば本人に警告して、やらぬという場合には、官庁が代執行でもやってしまって、そして勘定書きはそっちへ回してやらせる、そういうようなことでも強行してやるべきものであろうと私は思います。しかし、そういうことが現にやれるかどうか、役所に帰ってもう少し研究しなければいけませんが、ともかく住民を保護するということを優先させまして、いろいろな措置を考えてみたいと思います。
○玉置委員 いま局長の答弁から、今度の場合もそうすると国が三分の二、県が三分の一でやり得るのですか。
○青木政府委員 本件の場合は十分これから調査しなければならぬと思いますけれども、私がただいままで聞いております範囲では、鉱津の部分じゃなくて、鉱業のための施設でない部分の山のところが危険だということでございますので、直ちにこの制度に乗るかどうかにつきましては、もう一ぺん検討させていただきたいと思います。ただ、いずれにしましても、補助金制度に乗せる場合には、説得いたしまして事実上鉱業権を放棄させてから運営しているというのが現状でございます。
○玉置委員 いまの説明によると、鉱滓である場合はやり得るのですね。
○青木政府委員 金属鉱山の場合、従来の運営は、鉱滓から出ます水が危険であるという場合に限っておりますが、ボタ山の例もございますので、鉱滓であるならばある程度解釈を広げて、こういうことを実施するような措置が私は可能だと思いますが、これはいずれにしましても補助金事項でございますので、大蔵省との協議が必要だと思います。
○玉置委員 やられても、残っておるのも鉱滓ですので、あとでひとつ関係者と相談をされまして、すみやかに手を打っていただきたい。今度の雨季までにはできてしまうことが希望なんだけれども、ここまでおそくなったのだからできませんけれども、何らかの意味で大体の目安をつけてあげないと、何ぼ何でも私は気の毒だ、こう思うのです。だから、そういうめどをどうしても雨季までにはっけなければと思います。それでだれが責任だというようなことは申しませんが、鉱業法を大臣のおっしゃったように早く前向きに考えること、それから、きょうも調べてみたのですが、鉱業法の鉱業権の毎年の金額がちょうど百アール当たりで自動車のスピード違反と同じぐらいの罰金、同じくらいの金額にしかなっておりません。だからだれでもペーパープランでとっておくわけです。そういうような意味からも、時世に非常に適さないのじゃないか、思い切って鉱業権の金額を上げることによって、正しく稼働するもの、もしくはその予備貯蔵に置いておるものだけは、逆に免税をして現行に近いものにするという方法もあるのじゃないか、こう思うのです。どちらにいたしましても、今後こういうことで一般住民の人命の危険ということのないようにすること、同時に、いまの問題も大臣の言明に御期待申し上げますが、二度と人身事故が同じところで起こらないような措置をすみやかに講じていただくことを期待いたしまして、質問を終わります。
○浦野委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 きょうは大臣も御出席ですから、鉱業政策全般にわたってお尋ねをいたしたいと存じておりましたけれども、時間もおそくなってまいりました。したがいまして、鉱業政策が直接この鉱害防止二法との関連性もございませんから、いずれあらためて鉱業政策の問題につきましてはお尋ねをいたしたい、かように思っております。 ただ、私どもがこの鉱害二法を数日間にわたりまして慎重に審議をしてまいりまして、鉱害対策が十分にその機能を発揮していくためには、鉱害源の処理と同時に土壌の汚染あるいは健康被害、農作物に対する被害の処理、補償、これらのことが計画的かつまた総合的に実施されていくのでなければ、私は鉱害問題の解決はあり得ないのではないか、そのように考えます。 先ほど来大臣の所信も伺いましたけれども、最近における公害裁判に対するところの判決あるいはこの鉱害二法の審議を通じまして、同僚諸君からいろいろな意見であるとか提言がなされたわけであります。したがいまして、この際あらためて大臣の鉱害対策に対する考え方というものを明らかにしていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 いろいろ御議論をいただきまして私もいい勉強をさせていただきましたが、御議論を通じて非常に感じましたことは、やはり鉱業権というものの存在自体からこの際再検討する必要がある。明治以来長い間続いた歴史的な法律でありますが、先ほど申し上げましたように、いわゆる山師の跳梁を許しているような要素もございますし、時代と合わない要素も確かにございます。やはり鉱山とか鉱業権というものを国民の社会生活の中においてどういうふうに位置づけるかという検討をすべきときにきているように思います。先ほどのマンガン鉱山のお話も承りまして、そういう感をますます強くしたところでございます。 一番の要点は、なるほど国の経済成長という面からいままで鉱山とか鉱業権というものが見られてきたのでございますけれども、今日の時点になりますと、そういう面も忘れるわけではございませんけれども、やはり住民の安全とか、公害とか、そういうもっと社会性を持った鉱業権なり鉱山というものがここでもう一回再発見されなければならぬのではないか、そういう気が非常にいたします。そういう面からもいろいろ行政的にも反省を加えまして、改善をしていきたいと思います。
○中村(重)委員 大臣のその所信に基づきまして——先ほど同僚委員から長崎県の対馬の対州鉱山の鉱害問題に対しまして実は指摘があったわけであります。大臣も初めて伺ったのだということでございましたが、私はこの役所の現行法に基づくところの鉱害処理と申しましょうか、これに対してむしろ憤りすら感じているわけです。 そこで、私は具体的な問題でございますから、大臣に対する質問は一番最後にいたしたい、それで、政府委員との間に具体的な問題にわたってお尋ねをいたしたい、そしてまたお答えを聞いてみたいと思いますので、大臣はひとつお聞きおきを願いたい、こう思います。 環境庁からお見えでございますが、対馬の厳原町の佐須川、椎根川、それからこれらの流域の対州鉱山からのカドミウムによる環境汚染があった。これは昭和四十年に健康調査を行なったと思うのでありますが、四十一年の調査では、重金属による健康障害が存在をするということでもって集団検診等も行なわれたという事実があるわけでございます。その後の経過について伺ってみたいと思います。
○山本説明員 お答えいたします。 対馬のカドミウムの環境汚染につきましては、現在におきましても毎年一応住民の一斉検診を行ないまして、その結果、最終段階では、中央の鑑別診断班で判定するということをいたしております。 このカドミウムの環境汚染につきましての対策といたしましては、昭和四十三年に対馬のその地域の健康調査をいたしまして、四十四年にカドミウム汚染暫定対策要領というのを当時厚生省におきまして作成いたしまして、この要観察地域に指定したのが四十四年の三月でございます。それ以降、毎年地域住民の一斉検診をしておりますが、ごく最近におきましては、昭和四十六年におきまして八百九十六名を対象とした健康調査をいたしまして、最終的には、その年におきまして五名の者がさらに追跡調査をする必要のある人、こういう型に判定されております。 なお、四十七年におきましても、現在、地域住民一千二十九名についての健康調査を実施しておりますが、現在までのところ、いわゆる富山県の神通川流域に見られましたようなイタイイタイ病と判定されるケースはございませんが、何せ慢性病でございますので、その経過を観察するということによって最終判断をしたい。この暫定対策要領は、地域の住民について毎年毎年フォローアップしながら、健康の状況を観察していく、こういう趣旨で対策を進めておるわけでございます。
○中村(重)委員 農作物からはカドミウムの汚染量、一PPM以上というものが検出をされたという形になっているわけですし、また、健康調査にいたしましても、住民が健康診断を受けることを好まないといったような傾向等も実はあったように伺っているわけでありますが、いまのところ、イタイイタイ病というおそれは全くないという考え方の上に立っておりますか。
○山本説明員 このカドミウムの暫定対策要領と申しますのは、神通川流域におきまして起きましたあのイタイイタイ病の経験にこりまして、現在のところ、全国で七カ所の要観察地域というのを設けまして、この地域につきましては、毎年県におきまして一斉住民検診を行ないまして、その結果として、いま申し上げましたように、最終の段階は、中央における専門家の判断を仰ぐという形でございまして、対馬におきましては、現在までのところ、イタイイタイ病の患者が出ているという形ではございません。しかし、カドミウムの汚染をこうむっていることはあろうと思いますので、その人たちの中から異常者が出るか出ないか、出ないようにということで観察を続けていく、こういう対策を講じているわけでございます。
○中村(重)委員 それでは、健康上の問題につきましては、あらためてまたお尋ねをすることにいたします。 次に、農用地の土壌汚染対策地域に指定をされた問題についてお尋ねをしてまいりたいと思いますが、その後の経過はどうなっているのかということです。
○岡安政府委員 この地域につきましては、昭和四十六年度に細密調査をいたしましたところ、調査点数九十四点のうち、一PPM以上のカドミを含む玄米が発見された点数が三十一点ございました。そこで私どもは、県といろいろ相談をいたしたわけでございますが、県といたしましては、昨年の五月十八日に三〇・三八ヘクタールでございますかの用地を対策地域に指定をいたしたわけでございます。その後、県におきましては、この対策地域につきまして、対策計画の樹立ということで検討いたしておるわけでございますけれども、いろいろ特殊事情がございまして、まだ対策計画につきましては検討中でございます。と申しますのは、県はこの地域につきまして、まず一号地域を中心といたしまして土地改良をやったらどうかというような考え方、それから十年間くらい稲作を休耕したらどうか、その後、食用農作物以外の農作物に転換をするというような計画、三番目には、対策地域を買い上げて転用をするという三つの計画を中心にいたしまして検討いたしておるわけでございますが、土地改良につきましては、客土のための土地が十分得られないというような問題もございますし、それから休耕後の転作につきましても、適当な転作作物が見出せないという問題もございまして、現在行き詰まっております。そこで、第三の水田の買い上げというものを中心に現在検討をいたしておるというふうに聞いております。
○中村(重)委員 さらに一・七三ヘクタールの農用地については、近く地域指定をするお考え方がありますか。
○岡安政府委員 先般の指定に追加をいたしまして、さらに丁七三ヘクタールを対策地域に指定するという考えのもとに、県は三月の二十七日——昨日でございますが、公害対策審議会に諮問をいたしております。まだ答申は得ておらないというふうに聞いております。
○中村(重)委員 お答えがございましたように、長崎県は、昨年十月九日、厳原町に対して、汚染対策として、土地の買い上げ、土地改良、所得補償の三案を示して地元の意向を聴取した。ところが、土地改良に必要な客土の入手がきわめて困難であるということが、本年一月実施した土取り場調査の結果明らかになったという点であります。大臣、聞いておっていただきたいということは、現行法というものがいかに住民の権利と生活というものを守らないかということが、もう深刻な問題と申しましょうか、きわめて具体的な問題として浮かび上がってくると私は思うのです。その土地改良、これは大体、一号地は別といたしまして、二号地になりますと、水田でございますから、米をつくらせるための対策というものを講じなければならないということが法的に義務づけられているわけです。ところが、そうしようといたしましても、この客土ができない。土取り場の事情というようなことによりまして、それができない。したがって、一号地、二号地ともこれを買い上げなければならないということになるわけであります。 さて、今度は、買い上げはだれがやるのかということになってまいりますと、県はその地元の町にやれ、そして県も応分の助成をしようということになる。町になってまいりますと、なかなか財政的に豊かではございません、きわめて貧弱でございますから、ましてや離島、僻地ということになってまいりますと、財政的にはさらに弱体でございますから、なかなかそうはいかないというような事情に立ち至っているということが実態であります。 そこで、先ほど局長は、その状況についてお答えがございましたから、私から申し上げるよりも、具体的にどういう点で行き詰まっているのか、問題を解決する見通しというものがあるのかないのか。そのことについて、一応お答えを伺ってみましょう。
○岡安政府委員 私が申しましたのは、三つの案がございまして、土地改良を実施する案、これは非常に困難な問題がありまして、行き詰まっております。 それから休耕いたしまして、十年後ぐらいに転作をする、これにつきましては、見通しが必ずしも明らかでないということで、これもちょっと問題があります。 第三の買い上げにつきましては、行き詰まっているということよりも、問題は、どれくらいの面積につきまして買い上げの対象にするか。それから買い上げ後の土地利用をどうするか。また、買い上げ資金をどういうふうに調達をするかということが現在検討されておるというふうに聞いておるわけでございます。
○中村(重)委員 二号地もだめだということになりますと、本年二月十六日、地元関係者に対して、全面的に買い上げるということを県は明らかにしたわけです。一昨日、また県はさらに地元との折衝をやっておる。ところがあなたのほうは、その具体的な事情を入手していないようでありますけれども、県が地元に対しまして、固定資産評価額の何倍とかというようなこと、一ヘクタール当たり七十万円程度ということを言っているのですね。地元は、そんなばかなことがあるか——とにかく全農家だめなんですからね。一戸だけ、大体農家として生活をすることができる。ところが、全農家九十六戸の中で九十五戸というのはもう水田が全くだめになってしまいますから、これは副業で生活をしなければならないという形に実はなってくるわけです。そうなってまいりますと、一ヘクタール当たり二百万程度はもらわなければこれはどうにもできないということになる。片や七十万程度、一方農民は二百万程度である、こういうことになるわけです。そこでなかなか話がつくような状態ではございません。 これに対しまして、それではどうするのかということになってまいりますと、県としても、全面的に県が財政支出をやってこれを買い上げるということにはならない。そして弱小な町村は、これはできる相談ではないということになってまいりますと、もう四年も五年も前の問題が、私もこの問題は当委員会におきまして数年前から何回も質問してまいりましたが、いまごろになって、さあ全面買い上げをいたしましょうとか、さあまた一号追加指定をいたしましょうとか、いまごろもたもたやっておる。米をつくらなければならない水田に米をつくってはいけないと言われた農民はどうするのだ。直ちにいま生活が困るというこの実態に対しまして、お役所ごとというような状態を、このままじんぜん日を暮らすという形であってよろしいのかどうか。これに対して県からはこういうことを聞いておりますといったことで、国として事が済むのかどうか。私は、これはたいへんな問題であると思うのです。 先ほど中曽根通産大臣は、いや実は初めて聞いたと言われた。大臣は初めて聞いたのだと思う。私はそのことに対して大臣にとやかく言おうとは思いません。いわゆる厚生省、環境庁と、こういうことで鉱山の関係ですから通産省も関係があるわけですから、県と町村がもたもたして、ただ深刻な状態に追い込まれているのは農民であるということです。また、健康上の問題も、先ほど要観察地域としてさらに注意を払っていかなければならない、健康診断についても十分留意をしていかなければならない、そういう実態もある。そして生活のかてであるこの農地の問題ではいま申し上げたとおりであります。ですから、私がただいま申し上げましたことに対しましてどのような対策をもって臨もうとしていらっしゃるのか、岡安局長の再度のお答えをいただきたいと思います。
○岡安政府委員 買い上げも対策事業ということになるかどうか問題だとは思いますけれども、汚染地域につきましての対策は主として県がこれを行なうということになっております。そこで私どもは、もちろん県からいろいろ相談があれば、また私どもが力をかすことができる点があれば、当然協力いたしまして一日も早い解決をしなければならない。その間、おっしゃるとおり農民につきましては耕作ができないわけでございますので、当然その間の補償の問題も起きてまいりますし、また、今後の生活のかてを与えなければならないという問題もございます。私どもは一日も早く解決ができまして、関係住民が今後生活が安定してできるように、これは県を指導してまいりたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 だから、あなたがいまそうお答えになったような態度でもって国は終始しているということですよ。しかし、それでは問題の解決にならないということです。県も全面的にみずから責任を負って県がこの買い上げをやるのかと言ったら、そうもいかないと言うのです。町にやってもらわなければいけない、応分の応援はいたしましょうという程度でしょう。ところが国に言ったら、国はそれは県がやるのだからといういまのようなお答えが返ってくるわけですよ。どうにもならない。ぐるぐるぐるぐる回っているわけでしょう。国といたしましては、あらゆる場合を予想してそれぞれの法律というものをつくっているわけです。その責任というものはやはり国に持ってもらわなければならない。法の不備な点はこれを直していくのでなければならない。行政措置によってやれるところはやってもらわなければならない。問題はどうして住民を守るかということなんです。住民をどうして救っていくかということに基本を置かずして、ただ現行法がこうなっておりますというようなことで問題の解決にメスを入れないで、ぐるぐるぐるぐるまわりを回っておったのでは、基本であるところの住民を守ることにならぬではないか、こういうことなんです。何としても、国がこの解決に乗り出していかなければならないと思うのです。このことについてのお答えをまたいただきます。 また、今度はその農地を全面的に買い上げる話し合いがついたといたしまして、農民は何をするのか、何をして生活をするのかという問題が残ってまいります。離農しなければならない。それでは離農資金というものは出されるのかということになってまいりますと、問題でしょう。このことに対しましても話がついて農地の買い上げというような形になった、あるいは他にこれを転用するというような形になったといたしましても、農民は離農しなければならないということになってまいりますが、その場合は、農民はどうして生活をするのか、離農に対するところの措置はどうするのかということについての考え方をひとつお聞かせいただきたいと思う。
○岡安政府委員 汚染地域の対策でございますので、基本的にはやはり汚染原因者がその被害をこうむった関係農民その他の者に対する一切の損失に対する補償等を行なうというのが原則だと思います。したがって、対策事業を行なう場合、またその対策の特別なケースとしまして買い上げを行なう場合にも、原因者である企業が土地を買い上げる場合もありましょうし、それから今回の場合、町が買い上げるというようなケースもあるかもしれません。それぞれのケースに応じまして企業は応分の負担を——応分といいますか、原因者としての負担をせざるを得ないし、すべきであるというように考えるわけです。 また、最後の離農農民に対する対策にいたしましても、それによりまして農民等が受ける損害等につきましては当然原因者が負担をするということであろうと思います。 問題は、そういう負担の原則がありましても、やはり具体的にどういう生業を与えるかということがなければならない。それにつきましては、やはり県、町というものが農民と相談をいただきまして、今後どういうふうにして生計を立てるかということをはっきりさして、それに対する措置を講じていくということになるのではあるまいかというふうに考えております。
○中村(重)委員 私は、いまのように抽象論のお答えで納得いくような形の質問はしてないのです。具体的な問題として質問している。こういうようなケースがありましょう、あるいは県がやる場合がありましょう、町がやる場合がありましょう、あるいは企業が買い上げるという場合もありましょう。ところが、この山というのは、あなたがお調べになって御承知のとおり、紀元千三百三十四年天武天皇の時代からの歴史というものが実はある。それで千三百六十一年と、こうずっと銀を出した歴史があるわけですが、二千三百十年の孝明天皇のときに現在の佐須銀山というものが開かれた。そうして採掘を開始されてきたというようなことで、このからみというのは実はずっと集積されてきているわけですね。あるいは土の中に埋まったものもある。はたして現在出ているところの鉱害が企業にその責任があるのかどうかということがきわめてあいまいだということで、全面的に企業の責任を追及できないでいる。そういうところで企業も応分の協力みたいな形になっている。そこで結局は、この法律に基づいて国は責任は負えません、県です、県は、町です、こういうことなんです。先ほど私が申し上げたとおり。そしてぐるぐる回っているというこの実態は何としても解決しなければならない問題なんです。これは住民が蜂起して国に押しかけてきたら、国はそれは知りませんよということでほうっておくわけにいかないでしょう。ですからこういうような、こういうケースもありますよ、こういうケースもありますよと具体的に出てきているこの問題についてどうするのか、いまやっているようなことでは問題の解決にならないのだから、これをどうするのかと私はお尋ねしているわけだから、それに相当する答えが返ってこなければ問題の進展にならない。ただ、あなたと私とやりとりをやったということだけに終わる。それでは問題の解決にならぬのではないでしょうか。どうしたらいいのでしょう。
○岡安政府委員 先生もそうおっしゃいますけれども、私もそう思うのです。たとえば、これは町が汚染地域を買い上げるということで何ら解決にならないというふうに私は考えております。これは所有権が移転するだけでございまして、汚染地域をどういうふうに利用するのかということがはっきりしませんと、汚染対策にはならないわけです。ですから、所有権が移転されたということは金が農民に入るということですから、それでその農民の生計が維持されるということならけっこうな話だと思いますけれども、先生おっしゃるように、値段の点その他からそれでは農民の今後の生業が補償されないということならば、買い上げという問題そのものも再検討を要するのではなかろうかというふうに私は考えるわけです。ですから、やはりこの問題につきましては、県と町が具体的にどうするのかということをもう少し詰めませんと、国もどれだけ援助ができるのかというのも決定できないのではないかというふうに考えるわけでございます。おっしゃるとおり、いまの法律によりますと買い上げという事態、特に企業が買う場合は別でございますけれども、国なり県または町がこれを買い上げるということを想定をいたしておりませんでした。したがって、それらの資金をどうするかということは現在の法律では対処できません。しかし、今回のケースは何とか措置しなければならないと思いますけれども、いまの私どもが聞いている限りの計画では、完全な計画とは考えられませんものですから、今後よく県なり町から計画を聞きまして、私どもの意見も言うべきものは言いまして、やはり相談をいたしまして最善の対策を講ずるということ以外にないのではなかろうかというふうに考えます。
○中村(重)委員 いまのはきわめて具体的な答弁になってまいりましたから一歩前進の答弁である。県や町がやりなさいということであなたが突っぱねるんだったら問題は前進にならないのだけれども、十分意見を聞く、相談をして問題の解決に導いていきたい、そういった答弁でございますから、国も責任を痛感してこの問題の処理に乗り出したいという答弁のように私は受け取りましたから——それ以外にないと私は思っているのです。あとで大臣からお答えをいただきますけれども、法律を改正するところは改正してもらわなければならないことですから、もしあなたの答弁によって私が理解したことが違っておれば、いやそれは違うのだといって訂正していただきませんと困るので、それでなければそれでけっこうです。 大臣、これも聞いておいていただきたいのですが、離農給付金の問題ですね。離農給付金の支給がはたしてできるのかということになってまいりますと、離農給付金は十五万円ないし三十五万円という給付金の制度がある。ところが、離農給付金の支給事業は、農業者年金事業の補完措置としてつくられたものだから、そのねらいは、第三者へ農地等を処分して離農する者に対して一時金として十五万円ないし三十五万円が支給される、こうなっておる。そういうことでもって経営移譲を促進するというところに離農給付金のねらいが実はある。ところが、本件の場合は汚染農地ですからね。これはもう農地としては使わないわけです。したがって、この離農給付金の対象にはならない、こういうことなんです。 さて、農民は、今度土地は幾らで買い上げてくれるのかどうかわかりませんが、それでは生活補償ということにはならないのですよ。これはいま申し上げております対馬なんということになってまいりますと、対州鉱山でも採用してくれるのかというようなことになってまいりますと、七百名くらいおりました労働者が、鉱山が縮小されまして四百名を割るというような形に実はなってきたわけです。おそらくまたもっと整理されるであろう、こう思うのです。ところが、離島僻地ですから、ほかに転業をするということになりましてもなかなか適当な転業というものも考えられない。そこで、生活問題というものはこれまたきわめて深刻な問題であるわけです。これに対して、この補償についてどうするのかといったような問題はこれまたお答えをいただかなければなりませんけれども、これはどうしたらよろしいのでしょうか。
○遠藤(寛)政府委員 先ほど先生お話しになりましたとおり、確かに離農給付金というのは経営改善のために後継者に道を譲る、あるいはほかの人の規模拡大のために道を譲る場合を原則としてもともと考えられたものでございまして、こういった場合に適用というのは非常に困難であろうと存じます。それからまた、額にしましても非常に少のうございます。それでこういう問題につきましての生活補償というものは、やはり先ほど水質保全局長のほうでお答えになりましたように、私どもとしましては、第一次的には加害者側といいますか、原因者側の負担において措置を講ずべきだ、また、現行の法規ということで申しますとおしかりをいただくわけでございますが、そういうように考えざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○中村(重)委員 あなたのようなお答えが返ってくると、また先ほどの農地の問題と同じようなことを繰り返さなくちゃならぬのですね。これはいずれにしても鉱害による犠牲者であることに変わりはないのです。ただしかし、現行法によって鉱山は存続するけれども、鉱業権者はいるのだから、その鉱業権者に対して全面的にこの補償要求というようなことを、国もできなければ住民もできないということになっている。それじゃといってこれは住民が泣き寝入りをするというわけにはまいらない。いま私どもが審議をいたしておりますこの休廃止鉱山の問題にいたしましても、これは鉱業権者というものがいなければ国や町村がかわって鉱害防止をやる、そうして地域住民の健康を守り生活を守っていくという道を開いていくわけなんですね。それならばその犠牲者であるところの農民に対しまして、地域住民に対しまして、この生活補償の道も当然考えてもらわなければいけないということなんです。この犠牲者を現行法でどうすることもできませんというわけで放置するわけにはまいりません。いまのお答えのように、離農給付金というのはそういう制度になっておりますから、これはどうにも方法がないのです。鉱業権者にやってもらわなければなりませんと言うが、鉱業権者はただいま私が申し上げておるとおりのことなのだから、あなたの答弁では問題が解決しないのだから、やはり解決をするような住民が生きていくところの道を見出していくのでなければならない、それは国の責任であることは明らかであります。憲法によっても、あるいは多くの法律に基づきましても、これは当然国がその責任を負わなければならぬということは言うまでもありません。そうしてそれぞれ県に対し、あるいは町村に対し、あるいは企業側に対しましてどういうことをやらせるのかということは、現行法に不備があるならば、原点に返ってやはり国がこれを処理していくということでなければ問題の解決にはならないのだ、私はこう申し上げるわけです。ですから、この段階ではもう大臣からお答えをいただきまして、問題の解決に乗り出していただかなければならぬと思います。
○中曽根国務大臣 いろいろお話を承りまして、いまのような問題については法の盲点あるいは法の不備、あるいは法がありましても非常に小わざでできている、そういう感じがいたします。それで憲法第二十五条でありましたか、健康にして文化的な生活を営むことを国はめんどう見なければならぬということでありますから、市町村あるいは県に一応はやらしても、最終的にはやはり国が責任を持たなければならぬというのがこの構造であるだろうと私は思います。そういう面から見ますと、いまのいろいろな法体系あるいはその他を無視することになるかもしれませんが、いまのやり方を相当考え直してみて法の体系自体を変えなければいかぬところがあるのではないか、率直に申してそういうことを感じたわけであります。 一番端的にいえば、いまのような問題の場合には、企業者はまだ企業もしているようです、亜鉛鉱山か何かで。だからPPPの原則というのがまず第一次的に適用さるべきだと思います。しかしそれ以上、企業で及ばないところがあります。たとえばいまの転業の問題とか、あるいは土地の使用の問題であるとか、あるいは残土の処理とか、とても企業だけでは及ばない、国あるいは県が協力して、あるいは国や県がかわりにやってやらなければ処理できないという問題も非常にあるように思います。そういう問題についての手当てができてないようにも思います。したがいまして、そういうポイントを問題として持って帰りまして、ひとつ各省とも研究してみまして、すぐ間に合うかどうかわかりませんが、少なくともそういう方角からこの問題を改革する、そういうところへ努力していきたいと思います。
○中村(重)委員 大臣のお答えは、一般論ではなくて具体的な私の質問に対してのお答えであったわけでありますから、大臣のいまのお答えに期待をいたします。 ともかく深刻な問題ですから、すみやかにこれは解決されるように、法の不備は直していく。また現行法の中におきましても、いろいろの解決の道はあり得るであろう、かように考えますから、大臣は精力的にこの問題に取り組んでいただきたい。あまりにも期間が長過ぎるということでございます。 最後に、一点、法律案の内容についてお尋ねをいたしまして質問を終わりたいと思いますが、鉱山保安法第四条二号に「ガス、粉じん、捨石、鉱さい、坑水、廃水及び鉱煙の処理に伴う危害又は鉱害の防止」、こういう規定が実はあるわけであります。ところが、この金属鉱業等鉱害対策特別措置法案を見ますと、使用済み特定施設の防止事業に対する着工義務を明記していないようであります。これをどうするのかということです。届け出とかなんとかという場合におきましては、それぞれこの法案の五条の中にある。ところが、特定施設の防止事業というようなものの着工義務というものがなければ、仏つくって魂入れずということになる。この法律は有効に働かないということになっていくのではないかというふうに私には思われます。その点に対して、どうこれを運営していこうとお考えになっていらっしゃいますか。
○青木政府委員 この四条に基づく着工義務でございますが、今回のこの法律を施行するに伴いまして、保安法の四条に基づきます保安規則を改正いたしまして、こういう蓄積鉱害に対します鉱害防止工事の着工を義務づける規定を規則の中に盛り込む予定にいたしておりますので、その規則の運用によりまして着工は義務づけられるというふうに解しております。
○中村(重)委員 いまのは私どうもはっきり理解ができませんでしたから、鉱山保安法に基づいてということですか、あるいは私どもがいま審議をいたしておりますこの特別措置法案に基づいて、この着工義務があるということですか。この法案の中からは理解しにくいので、もう一度お答え願います。
○青木政府委員 この法案は鉱山保安法と相まって運用することになっておりまして、こういう直接の規制は鉱山保安法に基づく規則の改正によりまして、保安法が直接働くということに相なることになっております。
○中村(重)委員 それでは、鉱山保安法の改正案をお出しにならなければいけないのではありませんか。
○青木政府委員 鉱山保安法の際には鉱山保安規則という規則にゆだねられておりますので、現在その規則をどう改正すべきか、原案を作成中でございます。
○中村(重)委員 少なくとも使用を終了いたしました特定施設に対するところの鉱害防止のための立法をなされたわけでしょう。これに基づくところの着工の義務づけというようなものが単なる規則によってやるというのが適当であるとあなたはお考えになりますか。これは当然立法化する必要があると私は思う。それだけの重要な意味を持っておる内容であると私は考えますが、そうは思いませんか。
○青木政府委員 鉱山保安法の第三十条に省令への委任の規定がございまして、こういう鉱業権者が四条の規定によって講ずべき措置及び保安その他がございまして、「守るべき事項は、省令で定める。」ということになっておりまして、この省令にゆだねられておりますので、この省令の改正を行なう予定でございます。
○中村(重)委員 それは稼働しておるところの鉱害防止、鉱害対策という形で鉱山保安法というものは働く。ところが、いま私どもが審議をいたしておりますのは、休廃止鉱山というものが中心になっておる。私が申し上げておりますのは、この休廃止鉱山の特定施設、使用終了済みのもの、これに対してどうするのか、いつどういう方法で着工するのかといういわゆる着工義務というものは当然この特別措置法の中に盛り込んでしかるべきであった、そのように考えます。稼働中の山というよりも、この法律というものは休廃止鉱山を対象にして考えた立法であると私がいま指摘をいたしておりますのは、使用終了済みの特定施設のものについていっているのであるから、それのみをこの鉱山保安法に求めるということは私は適当じゃないのじゃないかという感じがいたします。納得がいけばよろしいのですよ。あなたのほうも、どうも立法しようと思っておったのだけれども、落とした、しかしこれによって補完できるのだという、もう少し納得のいく答弁でなければつじつまが合わない。
○青木政府委員 鉱山保安法は鉱業権者に対する義務を規定しておるものでございまして、鉱業権者に対して蓄積鉱害たると現在稼行中の事業に対する規制であろうと、いずれも規制ができることになっております。この法律では、そういう規制の義務ではなくて、こういう蓄積鉱害に対しまして計画的に実施させるための必要な措置を講じておるわけでございます。したがいまして、規制そのものは保安法でやるというのがこの法律構成になっておりますので、そういう関係になるわけでございます。
○中村(重)委員 あなたのような答弁ならば、この特別措置法の中に盛り込んでおるものは鉱山保安法の規則によってやってもよろしいものもある。しかし、この鉱山保安法あるいは鉱業法というものは、現に稼働中の山というものを中心にして働いておる。それでは不十分であるからというので、休廃止鉱山に対する立法措置を講じろという要求によってこの法律案が出てきたわけです。そうして特定施設というものをここにあげて、これに対しては届け出の義務であるとか、いろいろなものが講じられてくるわけです。したがって、それならば、鉱害防止に着工する着工義務というものは、私は、鉱山保安法の規則に待つのではなくて、立法措置として当然講じられるべきであった、こう言うのです。
○青木政府委員 この法律では、蓄積鉱害を計画的に処理するための必要な規定を置いておるわけでございます。この中で通産大臣がその基本方針をきめ、それから鉱業権者はそれに基づいて使用済み特定施設の鉱害防止事業計画の届け出をするというような一連の規定を置いておるわけでございます。それで、これに関しまして実際に規制をするというほうは、従来の鉱山保安法の体系の中で規則を改正いたしまして、蓄積鉱害に対しましても鉱害防止事業を着工すること及びこの法案に従って鉱業権者が出します事業計画に従ってこれを処理しなければならないという旨の規制規定を新たに規則でもって補足しまして規定するということにいたしておるわけでございます。
○中村(重)委員 私は、この鉱山保安法の、いまあなたがお答えになりましたような規則を引用しても、これはできないとは言いません。できると思う。しかしながら、せっかくこれを立法するならば、着工義務というものは本法の中に入れるべきであったというのが私の指摘なんです。 それで、これは鉱業権者がいるもの、あるいは鉱業権者がいないもの、これを地方自治体に義務づけるもの等々いろいろあるわけです。それらのことを考えてまいりますと、いまあなたがお答えになりましたように鉱山保安法に求めるのではなくて、むしろ本法に明らかにすることのほうがより明確になったのではないか、こう申し上げているわけです。ですから私どもは、この鉱山保安法によることがきわめて不当であるということであるならば、これは賛成するわけにはまいりませんが、賛成をしたいという考え方で私どもは質疑をしてまいりましたし、不十分ではあるけれども、いまあなたがお答えになりましたような鉱山保安法の規定に基づいてやることもできるわけだが、しかしきわめて不十分であるから、せっかくこれらの立法措置を講ずるならば、もっと完全な立法措置を講じられる必要があったのではないかということ、きわめて不十分であるということを指摘するにとどめて、私の質疑を終わりたいと思います。
○浦野委員長 以上で、両案に対する質疑は終了いたしました。
○浦野委員長 これより討論に入るのでありますが、両案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 次に、金属鉱業等鉱害対策特別措置法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○浦野委員長 ただいま議決いたしました両法律案に対し、それぞれ田中六助君外四名から、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党五党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。板川正吾君。
○板川委員 ただいま議題となりました附帯決議案に対し、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、その案文を朗読いたします。 政府は、本法施行にあたり、重大な危機に直面している金属鉱業の実情にかんがみ、長期的資源政策の視野に立つ鉱業政策の確立を図るとともに、当面、次の諸点についてすみやかに適切な措置を講ずべきである。 一、国内鉱山の維持・発展を図るため、探鉱助成の抜本的拡充強化、価格安定機構の確立及び税制・関税制度の改善を図ること。 二、鉱山における労働力の確保を図るため、鉱山労働者年金制度の創設及び中小鉱山の退職金共済制度の確立を図るとともに、鉱山労働者の労働条件の改善について十分指導すること。なお、離職者対策について、万全を期すこと。 次に、金属鉱業等鉱害対策特別措置法案に対する附帯決議案について、その案文を朗読いたします。 政府は、本法施行にあたり、金属鉱業等による鉱害問題の重要性と緊急性にかんがみ、鉱害源対策と健康被害、土壌汚染等に対する対策とを総合的かつ計画的に促進するとともに、次の諸点についてすみやかに適切な措置を講ずべきである。 一、蓄積鉱害源を早急かつ確実に処理するため、休廃止鉱山の鉱害調査を一層促進するとともに、鉱害防止に関する指導監督を強化すること。 二、蓄積鉱害の特殊な歴史性と経緯にかんがみ、鉱害防止義務者に対する融資制度の拡充を図り、特に中小鉱山については特別の配慮を加えるとともに、鉱害防止義務者不存在の場合の鉱害防止事業について、事業規模の拡大による早期処理及び都道府県の負担の軽減を図ること。 三、将来の鉱害防止事業を確実に実施させるため、的確かつ厳格な指導監督を行なうとともに、鉱害防止積立金制度の適切な運用を図り、鉱害防止積立金の税法上の優遇措置を検討すること。 四、分離鉱山等の特定施設に係る鉱害防止については、汚染者費用負担の原則の精神にもとづき、鉱害防止事業が円滑かつ確実に実施されるよう適切な行政指導を行なうとともに、 関係法制の再検討を行なうこと。 以上であります。 両附帯決議案の趣旨は、法律案審議の過程において種々論議され、すでに御承知と思いますので、その詳細な説明は省略させていただきます。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○浦野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 まず、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を付すべしとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 次に、金属鉱業等鉱害対策特別措置法案に対する附帯決議を付すべしとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、両附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。中曽根通商産業大臣。
○中曽根国務大臣 両附帯決議案に対しましては、御趣旨を尊重して万遺憾なきを期する所存でございます。どうもありがとうございました。 —————————————
○浦野委員長 おはかりいたします。 両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○浦野委員長 次回は、明後三十日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十八分散会