商工委員会 第10号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/03/27
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案及び金属鉱業等鉱害対策特別措置法案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。川俣健二郎君。
○川俣委員 金属鉱山の鉱害対策の法案を審議することになると、どうしても土壌汚染その他環境との関係が関連があるのですが、委員部の話によると、環境庁は長官、局長一切出れない、こういうことなんだが、できれば、一時間半いただいた時間の問に極力長官なり局長をまずお願いしておきたいと思います。したがって、せっかくの法案ですから、鉱害問題に集中すべきなんだけれども、そういうような状況ですので、鉱業政策と非常に密接な関係があると考えられるし、したがって、通産当局に、その間、鉱害に入る前に、鉱業政策問題を集中的に伺いたいと思います。 まず担当局長に伺いたいのですが、今回この特別措置法を出す気になった気持ち、それから時期を今回選んだということ、それからなかなか検討がむずかしくてできなかった無過失賠償責任なんというのは、鉱業法は大先輩ですが、こういう法律がなくても、いままでできておったのかどうか、そういった面をまず政府のほうに伺っておきたいと思います。局長のほうから聞かしてください。
○青木政府委員 お答えいたします。 今回この法律を出すに至りました契機は、近年鉱山の鉱害が非常に問題になりまして、たとえて申しますと、昨年の土呂久の鉱害の問題あるいは三井金属のイタイイタイ病の問題等、非常に大きな社会問題になっておりまして、こういう問題の一掃に政府としてはどうしても努力をしなければならないということになりましたのが契機でございます。 それで、ただいま鉱業法の民事責任との、無過失責任との関係でございますが、鉱業法では、確かに昭和十四年に成立いたしまして、十五年から施行されております法律におきまして、鉱害に関しましては無過失賠償責任制度を採用しておるわけでございます。ところが、この鉱山鉱害の問題につきましては、被害者が出ましてからの賠償問題のほかに、すでに操業を終わりました、あるいは操業しておりましても、過去の採掘の分にかかります鉱害、いわゆる蓄積鉱害というのが非常に大きくございまして、その蓄積鉱害に対しまして、鉱害の防止工事をさせるという必要があるわけでございます。これは現に生きております鉱山につきましては、鉱山保安法の運用によってある程度全うできるわけでございますが、すでに採掘を終わりました休廃止鉱山の鉱害につきましては、保安法の規定だけでは十分でないという面もございます。 なお、この蓄積鉱害につきましては、従来微量重金属の分析方法の確立がされてなかったこと及びそういう微量重金属の弊害が実際に人の健康被害に至る経路その他につきましても十分解明ができておりませんでしたために、長年の間放置されていたということもございます。そういうような蓄積鉱害を計画的に一掃いたしますと同時に、今後そういう蓄積鉱害を生じないような措置をとる必要があるということで、鉱業法の民事の賠償責任問題あるいは鉱山保安法によります規制の問題とあわせまして、今回この法律を提出したわけでございます。
○川俣委員 それで一昨年の円切り、さらに今回の再切り、フロート等によって鉱業政策を進める上にやはりこれがかなり影響したと考えられるかどうか、その辺を、一々山ごとに具体的というんじゃなくて、ある程度説明願いたいと思います。
○外山政府委員 一年半前に為替の変動制がとられまして、その後、為替レートの改定というふうな事態がございました。そういう事態を迎えた際に、非鉄金属業界といたしましてはいろいろな面で支障を受けるわけでございまして、一つは、海外のLME相場ということからくる影響、つまり製品価格が安くなる、国内価格も安くなる。反面、製錬費についてはドル建てでやらなければならないという点からくる国内製錬費の上昇、あるいは国内の生産鉱山の受ける影響、あるいは海外投資をしたものの為替差損、こういったようなものがすべて影響となってあらわれてくるわけでございます。 今回の為替の変動措置に対しましても、ここ二、三年来苦境に立っていたところに、さらにそういった環境変化があったということで、その影響はかなり大きな、広範にわたってくるものと思っているわけでございます。現在のところ、いまの三つの分野につきましてそれぞれ検討しているところでありますが、状況の推移を待ちましていろいろ今後の対策も考えなければいけない、こういうふうに考えている次第でございます。
○川俣委員 まずかなり支障を来たしたし、影響をこうむったという発言で、確認していきたいんだが、そこでベースメタル、まあ銅だけ取り上げてずっと受け答えを願いたいんだが、一体日本の需給、国内鉱山をこの需給に対し、どういう位置づけをもって進めようとしておるのか、その辺、聞かしてもらいたいんです。
○外山政府委員 銅について申しましても、日本は、御承知のように昔は産銅国といった範疇に属していたわけでございますが、国内鉱山の低迷と、一方銅に対する需要の拡大というふうなことから、国内鉱山の銅需給における位置づけは漸次低下しております。現在は約一八%程度になっているかと思います。そういった状況が、私どもといたしましては、国内鉱山を何とかこの際維持していこうということにおける一つのひっかかりだろうと思います。国内鉱山につきましては、品位のいい山にリプレースをしながらも、少なくとも国内鉱山の一定量の積極的活用をはかりたい、こういうことで国内鉱山対策を銅についても考えてまいりたい、こう考えている次第でございます。
○川俣委員 大臣、国内鉱山をつぶさないように位置づけていきたいということの発言のようなんだが、それじゃ一体いまどういう施策が行なわれておるか、それから今後どういうようにするつもりなのか、ちょっと大臣の発言を求めたいと思うんです。
○中曽根国務大臣 一番大きな問題は、やはり鉱害防除対策につきまして官民一緒になって住民の健康を守ってあげるように誠意を尽くすということでございます。この点につきましては、いろいろな減価償却やら、そのほかの措置をやっております。 それからもう一つは、関税面等におきまして、国内鉱山を保護するような措置を金属によっていろいろとっておるところがございます。 それからもう一つの点は、海外に対していろいろ技術的に進出するとか、あるいは経済協力を実行していくという場合に、日本の国内においてそれだけの技術の蓄積力、経営能力というものをふだん持っておりませんと、外国へ行ってそういう経済技術協力等を有効に展開することができません。そういう根拠地としての意味も国内鉱山にはございます。 それから最終的には、そういう非鉄金属のようなものは国内で可能な限り自給しておいて、国の安全保障の面からも措置しておくということも必要な面でございます。 そういう諸般の考えに基づいて国内鉱山を維持育成していく、そういう方針をとっているわけでございます。
○川俣委員 そこで局長に聞きたいんだが、国内鉱山の維持育成に一番大事なことは何だと思いますか。
○外山政府委員 一番大事なことと申しますれば、一番古くからやっており、現在もますますその政策を強化しておると思いますが、国内の探鉱に対する助成策だろうと思います。これはいまおはかりしております金属鉱物探鉱促進事業団が発足したときに、まず第一にそれにウエートを置いてスタートしたということから見ましても、この点が一番大事なポイントではないかと思います。
○川俣委員 そのとおりだと思います。 鉱山の場合は、皆さん御案内のように、何といったって有限性資産を相手どってやる商売ですから、探鉱をどのように続けられる能力があるかというところに問題があるわけでして、したがって、いまは一応フロート、円切りもこれあり、公害の賠償その他もあることなんだが、やはり露頭鉱床がある程度尽きて鉱害枯渇で、現在は潜頭鉱床に入らざるを得ないという段階だと思います。そこで、それをさらに深めてさがし求めていくという費用がどうしてもかかるというところに、金探ができ上がり、非常に援助のあれになっておると思うのだが、どうも諸般の事情を聞いてみると、金利その他の関係もこれありで、返さなければならぬことだし、そういったところを見ると、どうもせっかくの施策が必ずしも潤沢にありがたがられないきらいもあるのじゃないかということを考えるのです。 この辺で、促進事業団の理事長さんが見えておるようですから、一体いまの状況はどうなっておるのだろうか。さらに、これから借りていこうという意欲に企業が燃えているのか、それとももう少し利子が安ければという形になっているのか、その辺の融資状況、予算が足りないのか、その辺を少しお聞かせ願いたいと思います。
○平塚参考人 お答え申し上げます。 ただいま御質問の国内探鉱に対しまして融資金、これが十分であるか、また、融資の金利その他は業界が望んでおる程度のものであるかというようなことと解釈いたしますが、現段階におきましては、当事業団に年間割り当てられております金額は、今年度は三十三億円でございます。ところが、御案内のように、鉱山界全体が不況でございますので、さような時代では、まずもって探鉱費の節減というのが経費節約の一つの手だてとなっておるのは昔からでございますが、さようなことで若干使い余しがあるということを申し上げておきたいと存じます。 また、金利につきましては、今日まで七分五厘で融資いたしておりまするが、これはできるだけ低いことを業界が望んでおることと存じますが、明年度からは七分二厘でお貸しするように、関係方面から指示を受けておる次第でございます。さような次第でございます。
○川俣委員 それでは、また戻って局長に伺います。 この探鉱費ですが、思い切って日本の国内鉱山を全部国の費用でさがしてみるという体制が鉱業政策の中にひそんでおるかどうか、その辺、聞かせてもらいたいのです。
○外山政府委員 御承知のように、国内の探鉱助成は三段階方式と申しまして、最初が広域調査、それから精密調査、最後に探鉱助成ということになるわけでございますが、その広域調査の段階で、ことしは、今度は第二期の長期計画に入って、さらに二十数カ所の広域調査をやろうとしておるわけでございます。第一期につきましてもかなり成果があがったわけでありまして、今後もこういった地域の拡大を漸次やってまいりまして、できるだけおよそありそうと思われるところは全部調べられるように、私どもとしては、予算獲得に今後も努力してまいりたい。ことしは第二回目の長期計画といたしまして、五カ年計画の第一年度の予算をお願いしておるわけでございます。
○川俣委員 それから探鉱助成金ですね、奨励金、この辺の運用はどうなっていますか、状況を聞かしてください。
○外山政府委員 たとえば昨年度で申しますと、四十七年度の予算は五億五千百万円ついておりますが、この新鉱床探査費は全部使っております。ことしはさらに六億五千九百万の予算の要求をしておりますが、この新鉱床探査費も全部使われるだろうと思っております。
○川俣委員 それで大臣、いま局長の言ったことは中小鉱山が対象だと思いますが、しかし五〇%の持ち出しがあるわけでしょうから、これにも限界があるわけなんです。したがって、このいま局長が説明した五億何ぼというものを大幅に予算化して日本の国内鉱山を国の手で探鉱するという政策はどんなものですか。
○中曽根国務大臣 ウラニウムにつきましては、後発的な金属探鉱でございましたので燃料公社というものをつくりまして、国家資金を大部分投入して全国の探査をやっております。しかし、ほかの金属等につきましては、明治以来の長い伝統やいきさつもありまして、民間企業体で主としてやって国が助成するという形をとってきたのでございますけれども、いろいろ海外の情勢及び国内のそういう日本の鉱山を維持していくという政策等を見ますと、探鉱の部面については国家がもっと積極的に責任を引き受け、民間を助成する方向に前進していい、またしかるべきである、そう私は思いまして、その方向に向かって努力いたしたいと思います。
○川俣委員 そうなんだ。このように大臣が非常に前向きに発言し、前向きの考え方を持っておるのに、担当局が鉱業政策をもっとやらねばならないということを長年いわれていながら、どこに気がねをしているのか、あるいは何か支障があるのか。きわめてテンポがおそくてとうとう山をつぶして、足尾がつぶれ、生野がつぶれ、どんどんつぶれて、それにフロートだ、円切り上げだということになって、みなだめだ。それに鉱害問題、賠償問題になってきたら、国内の鉱山の位置づけというさっきからずっと話してきたものは、結局担当局の怠慢がこうなったと思うのですよ。いまの大臣の裏づけが今回予算になされていると思いますか。どうですか、局長。
○外山政府委員 国内探鉱の助成策としての三段階調査、あるいは大企業に対する事業団の融資規模、そういった点、すべて今回は前年度よりも若干ずつではございますがふえているわけでございます。私どもといたしましては、そういったことで漸次対象を拡大して、そして国内の探鉱助成を強化していく、そういうことを考えているわけでございますが、今回は、変動相場制の問題がさらに新たに起こっているわけでございます。ここで、私どもとしましても、いままでやっている助成の内容をさらに強化する。たとえば、補助率を引き上げるとか、金額を広げるとかいうことも今後の情勢に備えて必要になりはしないかということで、いまいろいろな対策を検討している最中でございます。
○川俣委員 漸次とか、検討のさなかとか言っているとどんどん鉱山はつぶれるのだよ、普通の工業製品と違って。鉱量がなくなればつぶれてしまうのは当然だよ、鉱山というのは。ところが大臣は、さっきから、せっかくの技術を確保する意味もあって、それから国内で維持しなければならないということもあってという気持ちを披瀝しておられた。それに対して漸次検討中がいままで長年続いているのだよ。 そこで私は思うのですよ。いろいろ法律的にぶつかるからということで中小鉱山のあれを考えるのですけれども、中小鉱山の場合は五割が持ち出しなんだ。大企業の場合は融資があるじゃないか。理事長さんから、今度利子を少し低くするということがあったけれども、それにしても七分二厘だ。こういうことを考えると、大鉱山、これは大手ですね。中小鉱山はどうなんだ。大企業のために探鉱奨励金は補助できないという意味なのか、その辺どうなんです。大手、中小というのはどういう意味なんだ。鉱山単位かね。企業単位かね。
○外山政府委員 御指摘のように、中小鉱山に対しては補助金、それから大鉱山に対しては融資ということで探鉱助成が行なわれているわけでございますが、どちらも対象は企業でございます。
○川俣委員 だからその考え方が私は違うと思うのですね。大きな鉱山は大きいなりに早くなくなるのだよ、資源が多く減るのだから。中小の場合は持ち出しが半分あるものだから、これは奨励金に対する限界があるわけだよ。だから、大鉱山とか中小鉱山を問わず探鉱奨励金を補助するという体制にならないのかね。どうです。それが一つ。それだったら、どこかの企業がやっているように、はやりか何か知らぬが、大鉱山を企業から離すという一山一社の形をとってしまうのだよ。そうなると探鉱奨励金をもらえるというまことに奇妙な法律だが、どう思いますか。
○外山政府委員 確かに大企業が分離をして中小鉱山になれば、中小鉱山の定義にはまるということで補助金が出るということは御指摘のとおりでございます。ただ、私どもとしましては、いまのままでも、いまの制度でも、大企業、中小企業を問わずそれぞれ融資なり補助金なりで探鉱助成をしていくというたてまえでまいっておるわけでございますが、先生がいま御指摘になったように、大鉱山に対しても、中小企業ほどではないにしても補助金というような思想は考えられないかということでございますが、今後の検討課題としてよく頭に入れておきたいと思います。
○川俣委員 大臣、いま局長が今後の研究課題だとおっしゃったが、どうです。これは来年度あたりから、石油のような成功払いでもいいでしょうし、いろいろ方法があるだろうと思うのですよ。さっきからお話を聞いていると思うのですけれども、その山が大企業についているから探鉱補助金は出せない、大企業から切り離して、商法を通して一応一山一社にすれば探鉱奨励金は出せる、こういう奇妙な法律なんです。したがって、私はそうじゃなくて、国内鉱山をやはり育成強化しなければならないということから考えれば、企業そのものに対するのじゃなくて、大鉱山であろうが中小鉱山であろうが、そういうことを区別なく検討するということが来年度の課題であると思うのですけれども、そういう方向づけは、大臣どうですか。
○中曽根国務大臣 鉱脈というものはやはり国全体の財産であるとも考えますから、そのお説は、国民経済全般から考えてみると合理性があると思います。ただ、やはり中小企業育成という面から、いままで通産省は中小鉱山を維持発展させるために努力してきたので、そういうことになっておると思いますが、先生のお考えをひとつ検討してみることにいたします。
○川俣委員 それで、これは地下資源で石炭とよく比較されるのですが、鉱業法のたてまえからちょっと直さなければならない時期じゃないかと思うのです。まず鉱業権なんですが、石炭の場合は能力主義というか、そういうことで認可しておるわけだ。ところがメタルの場合は先願主義ですか、私はあまりわからないのですが。そういうことで昔は山師みたいなものが非常に横行する材料だった。先願主義だから午前零時に受け付けということで鉱業権を取って、それを売買して、いわゆる一獲千金を夢見る山師の横行の種だった。ところが、もうそういうことはできないと思うのです。やはり金属鉱山は、国内鉱山の国家政策としてこれを取り上げて、この鉱業権を全部国が吸い上げて、もう一ぺん能力主義本位で、能力のあるもの、やる気のあるものに鉱業権をやるという方向の検討の時期じゃないだろうか。どうです。
○外山政府委員 石炭につきましても、鉱業法のたてまえは先願主義でございまして、これは非鉄金属と変わりございません。 ところで、御指摘のような問題点は、最近の経緯から見まして十分考えられるところでございます。ただ、前にも鉱業法の許可に能力主義を入れたらどうだという方向で改正案を検討したことがございます。能力主義と一がいに申しましても、能力の判定というのが非常にむずかしい、あるいは中小鉱山が締め出されるのではないか、こういったような問題点も当時あったように聞いております。 いずれにしましても、鉱業法という非常に古い伝統的な分野にタッチする法律でございまして、とれを部分的に改正するという点につきましても、たいへんな考え方の議論が必要な分野が多いと思います。したがいまして、この着手については慎重でなくてはならないと思いますが、同時に、鉱業法自体がやはり新しい時代の中でこういう点は改正したほうがいいんじゃないかという問題がこの問題以外にもございます。したがいまして、私は機会を見て鉱業法の改正ということについても、これもまた繰り返しになりますが、検討課題だというふうに考えているわけでございます。
○川俣委員 それじゃ局長、一応改正するという方向で検討しておるということを確認していいですね。
○外山政府委員 検討していると申し上げるのは言い過ぎかと思います。ただ、いろいろ仕事をやっておる上で気がつく点が多うございます。これはやはり鉱業法との関係をもう少し深めないと問題が多いというふうな点が多々ございますので、その点を頭に置きながら、やはりこういうことを含めて鉱業法の改正をいずれは日程にのせなければいけない、こう考えておるところでございます。
○川俣委員 これはやはりあれだと思います。大臣もさっき言っておられたのだが、明治百年だ。ところが、あのときには、徳川幕府のドル箱の鉱山を企業がもらって、それを掘り尽したというのが今日だと思うのですよ。露頭鉱床がなくなった、したがって、新しい鉱床をさがし求めなければ企業が成り立たないという時期がいまだと思うのです。しかも、鉱山というのは、御承知のように幕府のドル箱、それから明治維新後は資本主義のもとだ。それで戦争の資金にされて、いま野たれ死に、こういう歴史を経ておるわけだ。したがって、私は、こういう歴史的な発展過程から見ると、鉱業法というのは大きく改正をする時期だと思います。鉱業法というのは見直さなければならないと思います。一度検討したんだがものにならなかったという十五、六年前の時期といまは違うと思うので、これをさらに私からも要望しておきたいのですが、局長、どうです。
○外山政府委員 たしか十年くらい前だったと思います。その当時の経緯をよく私どもも検討をしているところでございますが、一番の問題点は、先ほどの能力主義にあったようでございます。したがいまして、その辺の問題点をよく頭に入れないと前に進むこともむずかしいという気がいたします。いずれにしましても、先ほどお答えいたしましたように、将来の検討課題として十分考えさしていただきたいと思います。
○川俣委員 それから鉱山の宿命は、鉱量ともう一つは何といったってペースメーカー、銅の場合はLMEの建て値だと思います。きょう現在あたりの方向はどうですか。
○外山政府委員 一ころ非常に低迷しておったわけでございますが、最近はかなりLME相場が上がっておりまして、日本のいまの関税のかかる上限でございまする三十八万五千円を若干こえているというふうに聞いております。
○川俣委員 その上限の三十八万五千円というのと二万四千円の補助との関係ですね。三十八万五千円を頭打ちにしなければならないという法律はどこから……。
○外山政府委員 銅というのは広範な用途を持っているわけでございまして、それで一年半前の為替変動の際に改定をいたしまして、若干保護的な色彩を入れて上限も上げるし、金額も上げるというふうなことをやったわけでございます。広範な需要家を控えているだけに、その上限の上げ方、関税額のつけ方、いろいろ議論の多いところでございまして、当時のいろいろないきさつから見まして三十八万五千円と二万四千円というのがきまったというふうに聞いております。 この点は、今後銅の地金に対してどういうふうな考え方を基本に持ちながら、具体的な方法論をどういうふうに立てていくかというときの一環として、関税はどうあるべきか、スライド関税でいいのかどうか、あるいはいまの上限をいじるべきかどうか、二万四千円もどうなのかということも総合的に今後研究していきたい、こう思います。
○川俣委員 その二万四千円の関税云々は、相手があることだから、これはなかなかやすやすとここではきまらぬことだが、その上限の三十八万五千円をどの法律でやっているのか。
○外山政府委員 同じく関税定率法の中に二万四千円と並んで規定されているわけでございます。
○川俣委員 それで局長、銅のコストとの関係、三十八万五千円はどうです。
○外山政府委員 御指摘のとおり、国内鉱山の銅の生産コストは四十万円を若干こえるところにあると思います。それが三十八万五千円でいっているというのは、やはりその間、需要家の立場を考えて、鉱山業界に努力をしている、努力を願っているというふうな要素だと思いますが、同時に、これを引き上げることで需要家にどれだけの影響があるかということも考えながら、その間をとってその額がきまったのだろうというふうに私どもは考えているわけでございます。
○川俣委員 大臣、三十八万五転円ときめた当時、いま局長が話しているように、銅のコストは四十万円だというんだ。ところが、三十八万五千円で補助が切られるわけだ。だからしたがって、四十万円がコスト、三十八万五千円が頭打ちの補助、それとの間は全然補助が得られない状態なんです。したがって、三十八万五千円をある程度見直す時期だと思うんだけれども、大臣、どうですか。
○中曽根国務大臣 銅の値段というものは非常にゆれがひどい情勢でございまして、六十万円くらいになったりあるいは三十万円を割るというような非常に乱高下の多いものであります。したがいまして、現在の時点の情勢だけを頭に置くと、また非常な変化も将来生まれると思うのであります。そういう意味において、その水準を動かすことはよほど慎重にやる必要があると思います。
○川俣委員 大臣、銅の建て値が非常に変動性があるものですから、三十八万五千円で頭打ちにしておくと支障を来たすわけだ。したがって、その辺を検討する時期だと思う。検討する必要があると思うのですが、どうですか。これは局長でもいい。
○外山政府委員 四十万をこえると申しましたのは、確かに中小鉱山のコストでございます。したがいまして、それに対していろいろな助成策を加えれば、もう少し低いところで上限があってもいいのではないかということもそのときの考慮だったと思います。いずれにしましても、以前きめた数字であることは間違いございません。最近のような情勢の変化の中でこれでいいかどうかということは、確かにもう一度検討しなければならない対象だろうと思います。
○川俣委員 そうだろう。やはり三十八万五千円というものは検討する必要があるんだよ。中小鉱山ならなおさらだ。四十万円の銅のコストに対して三十八万五千円、これではつぶれるのはあたりまえだ。だから、検討する時期だと思います。そういうふうに確認しておきます。いいですね。どうですか。
○外山政府委員 検討はいたします。
○川俣委員 そこで、その関税のことなんだが、地金、ブリスター、両方ともトン数と金額を教えてみてくれませんか。
○外山政府委員 地金の需給の関係でございますが、これは四十七年度の数字で申しますと、国内鉱山から出たのが十一万四千トン、それから海外鉱山から出ているのが六十三万五千トン、それからブリスターで出ているのがそのうちの十二万一千トン、その他七万五千トンで、生産としての供給が八十二万四千トン、それから地金で輸入されたかっこうが十五万二千トン、合わせまして供給が百五万三千トンでございます。
○川俣委員 それに続いて、関税の総額はどのくらいになりますか。
○外山政府委員 スライド関税でございまして、そのときの価格でかかったりかからなかったりしているわけでございます。手元に資料がありますればすぐお答えできるのでございますが、いまちょっと資料を持っておりませんので、後刻また御報告させていただきたいと思います。
○川俣委員 大臣どうですか。この関税を、せっかく目的関税でもあるから、さっきの上限も検討することになると三十八万五千円以上の方向で検討されることだろうから、関税をひとつプールして、これを特別会計のような形の方向を検討してもいい時期じゃないかと思うんだが、どうですか。
○中曽根国務大臣 この関税をどういうふうに使うか、目的的にちょうど重油関税みたいにお使いになるのか、そういう点について何かお考えがありますれば教えていただけばありがたいと思います。
○川俣委員 局長、考え方を教えてくれと大臣が言うんだが、局長はどうですか。
○外山政府委員 関税収入と申しましても、実はいまの地金の関税だけではそう大きな額ではないと思います。いずれにしましても、特別会計というかっこうで諸般の施策を考えるとしましても、収入源がやはり問題でございましょう。それからさらにはその使い方についても、額がどのくらいになるかによって違います。わずかな額の特別会計では逆にそれに押し詰められて何にもならなくなる。対策が十分できるような特別会計ならこれはまたなかなか実現がむずかしい、この辺の問題がございますので、現在方法論として特別会計がいいというふうな感じは、私は持っておりません。しかし、対策の強化をやっていかなければならない、こういうふうには考えております。
○川俣委員 いま通産省は探鉱事業団を通して助成し——この鉱害もそうだね。その方向におるようだから、これは一般会計からの繰り入れもかなりあるんだよ。ただ、この辺で特別会計でプールして、本格的に本腰を入れてやるという当局の考え方があれば、商工委員も実力者がたくさんいるんだから、要するに一般会計からの予算繰り入れも潤沢になるのですよ。ただ、当局がそういう姿勢にあるかどうか。いまの関税だけのプールでは何にもならないかもしれぬが、やはり石炭のように、だめになってしまってからではどうにもならないからね。特に金属鉱山なんというのは、やはり技術が切れてしまうと切れてしまうんだよ。これは一年や二年ではものにならない技術なんだ。坑内の支柱でも掘り方でも全部——大臣は、海外にこの技術を持っていって働こうじゃないかという気持ちをさっき一たん出されたけれども、国内に鉱山がなくなったら技術は切れると私は思う。そういうことを考えると、やはりあらゆる手を尽して国内鉱山というものを育成強化していくという考え方に立てば、ぽつぽつ関税を——六十万くらいに銅の建て値がなると企業はいやがるかもしれぬ。そしていまのように払底すると助けてくれとくる。この間に、当局はどうしたらいいかというのがあっちを見たりこっちを見たり、こういう鉱業政策だからいかぬのだよ。生野がもたない、足尾がもたない、そういう状態なんです。ですから、大臣は方法を教えてくれぬかと言う。これはなぞめいたことだと思うのだが、問題は、当局の姿勢を聞きたいと思うんだ。大臣もおそらく聞きたいと思うんだ。
○中曽根国務大臣 特別会計を多くつくるということは財政全体の統一性を害するという財政方針もありまして、なかなか内部的にもむずかしい問題がございます。特にその収入をある特定目的だけに使うということについては財政当局の非常に強い抵抗がございまして、原油関税のときには、石炭という非常に大きな非常にシリアスな問題がございましてあれは突破したわけでございますが、いまのほかの鉱山についてシリアスでないとは言いませんけれども、しかしいまの全般的な見方から見ますと、それでどの程度の収益があがってくるか、私の感じでは、それほど大きな期待するようなものはないのではないか、むしろ一般会計その他で思い切った金を、国内鉱山維持という大義名分のもとに、特に探鉱部面において国が相当役割りを果たす、そういう大義名分において取ったほうが、国全体としてのバランスがとれるのではないかと私個人は考えております。そして銅の問題のような問題については、むしろ国際的なバッファ機関といいますか緩衝機関をつくって、それによって輸入価格の乱高下を防ぐ。いまそういう議がのぼっておりますけれども、それを実らせていくことが適当ではないか、そう考えます。
○川俣委員 まだ環境庁が来ませんから、もう一つだけ伺っておきたいんだが、石炭とか、特に繊維ですね、買い上げという考え方があって、中曽根通産大臣も非常に積極的に繊維の買い上げ、いわゆる織機ですね、こういうところまで買い上げておる。鉱山の場合も、鉱業財団なんという財産は鉱山がつぶれれば無一文になる。土地だって社宅だって、中の坑内機械だってコンプレッサーを転用する程度なんだ。こういうことを考えると、さっきからの話によると、やはり円切り、フロートの影響がかなり痛かったということだから、これは石炭か繊維と同じように買い上げるという方向で検討しなければならないのじゃないか。これはどうですか。
○中曽根国務大臣 いまの自由企業体制で見ますと、企業が採算がうまくいかなくなったという場合に買い上げるということは非常にむずかしと思うのです。しかし、そういう場合に、あと始末をするために、鉱害の処理とか、あるいは労働者の身分の安定とか、そういう問題については国が乗り出してやることが適当であると思いますけれども、経営やそのほかの処理については、やはりそれは企業家の責任において処理すべきものではないかと思います。
○川俣委員 いや、そんなことはないよ。繊維では織機を買い上げるんだろう。どうなんです。
○中曽根国務大臣 繊維の場合にはまたいろいろ特有の特殊事情がございまして、日米繊維協定というような特殊のケースもありましてああいう措置をとったのでございますけれども、それをほかの企業全般に及ぼすことは無理ではないかと思います。
○川俣委員 全般じゃないよ。特殊事情といってどういう特殊事情か知らぬが、政治的に圧力が強いのか弱いのか知らぬが、金属鉱山のほうがおとなしいのか殿さま然としているのか知らぬが、石炭の場合は買い上げているんだろう。局長、どうです。
○中曽根国務大臣 石炭の場合でもまだ買い上げるということはやっておらないので、いろいろな助成措置をやっておるわけでございます。そういう状況でしばらくやっていくよりしようがないと思います。
○川俣委員 買い上げに近い政策をとっているんでしょう。どうです。たとえば、常磐炭艦一つ例を出してやってみなさい。どういう国家補助をやったか。足尾銅山と常磐炭礦のつぶれた結果の補助政策を比較して話してみてください。局長どうです。全然違う。
○外山政府委員 石炭につきましては現在買い上げのような措置はとっておりませんが、閉山交付金とかあるいは債務の肩がわりとか、こういう措置をとっておることは御承知のとおりでございます。非鉄金属鉱山の場合は、石炭と違いましてやはり需要がどんどん伸びていく性格の品物でございます。したがいまして、石炭とはその点だいぶ違うのではないか。私どもとしましては、国内鉱山に対する探鉱費の助成をさらに強化するということ、そうしてまた品位のいい山に漸次リプレースをはかっていくということ、そういうことで非鉄金属の場合はやれるのではないか、ただ、今後の状況をよく見なければいけませんが、それでいけるんではないか、石炭のような政策をとるのと商品の性質が違うというふうに現在は考えております。
○川俣委員 局長、そんな遠慮することはない。おかしいよ。いいですか。石炭の場合は、根底思想がエネルギー革命でしょうがないんだということで——硫黄山を見ましょうか。Sの回収により硫黄鉱山もばたばたいったでしょう。そうなんですよ。やはり似ているんじゃないか。どうです。これはそう違いはせぬよ。硫黄山が、Sの煙突からの回収のため鉱山硫黄が要らなくなってきちゃって、松尾はじめその他どんどんつぶれてきたでしょう。どうです。同じですよ。
○外山政府委員 御指摘のように、硫黄の場合は、確かに脱硫というふうな新しい要素から来る硫黄の需給関係から致命的な影響を受けて、構造的に今後硫黄の山は需要が非常に少ないというふうなかっこうになったことは御指摘のとおりでございます。しかし石炭とも違いまして、石炭のように九州、北海道に広範に操業が行なわれていたということ、そうしてその規模も断然違うということ、地域社会への影響についてももっと全国的に広範であるというふうなこと、いろいろ考えますと、石炭に対してはまずもってああいう政策が必要だろうと思います。そのほかのものにつきましての個別的な処理といいますか、地域問題、労働問題、そういったものについての対策は十分考えなければいけませんが、制度として石炭のようなかっこうをとらなければならないというふうには私どもは考えておりません。
○川俣委員 労働問題、厚生問題は、時間がなくなってきましたから社会労働委員会のほうでお願いして、時期を改めますが、これは私は石炭と違うのだということの観点に立つと、なかなか政策は出ないと思いますよ。 ベースメタルのことの話が出ましたが、いろいろとあるわけですよ。回収すればお金になるのが鉱山なんです。回収する能力がない、技術がないというところに今度は鉱害がある。回収すれば、これはみんな金になるやつなんです、鉱山というやつは。一つだって利用できないのはない、メタルの中には。それをいままではどんどん捨ててきたわけだ。ところが、カドミから何から全部回収すれば全部金になる。これからは、そういう回収技術も出てきたし、捨てれば鉱害でいじめられるということで企業も回収の努力に回る。そういうところにある程度メスを入れて鉱業政策を考えないと私はだめだと思うのです。ただ援助するとか、中小企業がかわいそうだからというだけの観点では、私は国内鉱山の位置づけはできないと思います。 もっと深いところに入っていって国内鉱山をどういうふうにすべきかということを根本的に考え直さないと、鉱業政策というのは、単に予算が去年はあれだからことしは二二、三%アップしてその予算の中でやろう、こういったことじゃだめだと思います。もう抜本的に鉱業政策を打ち立てなければ、私は鉱山というのはどんどんつぶれていくと思うのですがね。局長、これはどうです。
○外山政府委員 他のどの業種から見ましてもひけをとらないような情勢のきびしさに直面している業界であることは間違いございません。私どもも、それであるがゆえにいろいろ今後の状況の推移をよく見きわめて対策の強化に万全の措置をとりたい、こう考えておるわけであります。
○川俣委員 時間がだんだんなくなるので法案の一部をちょっと伺っておきたいのですが、これは探鉱事業団に鉱害関係を一切運営管理させるという方向なんだが、問題は、鉱山は探鉱事業団のそばにあるわけじゃない。通産省のそばにあるわけじゃない。したがって、各地方都市に局というもの、監督部を置いてあるわけです。鉱山監督部、監督局を置いてあるわけですね。これとの関係はどうなるのか。これと事業団との関係は……。
○青木政府委員 もちろん鉱害関係の事業をいたします場合に、事業団は従来の関係がそう深くなかったわけでございますが、各地の監督局部とは十分連絡をとりましてその指示を仰ぎ、その資料を利用させていただいてやりませんとスムーズな事業運営はできないと思いますが、その間の連絡を十分密接にするように指導してまいりたいと思っております。
○川俣委員 具体的に聞きたいのだが、実際に鉱害を監督するのは地方の監督部でしょう。そして総元締めは事業団でしょう。これはどうなんです。その関係を知りたいのです。 それからもう一つは、監督官をふやす方向で検討しているのか。 それからさらにもう一つは、時間がないからついでに聞いておきたいのだが、いま鉱害関係で調査しなければならない鉱山数が何ぼあって、一体何年計画でこれは調査するのか、その辺を聞かしてもらいたいのです。
○青木政府委員 まず第一に監督部と事業団の関係を申し上げますが、事業団が直接やります仕事は、第一には、現在休廃止鉱山に対しまして、鉱害防止義務者がおらない場合がございますが、その場合には、都道府県に補助金を交付しまして都道府県が鉱害防止工事をかわってやってやるという制度がございますが、この仕事に関しましては新たに事業団で基礎的な調査をいたすということが一つございます。それから地方公共団体のほうから依頼があれば、その工事方法等につきまして技術的なアドバイスを与えるというような仕事もございます。こういう仕事に関しましては、地方公共団体は必ずしも鉱山の従来の記録その他をよく知っているとは限りませんので、事業団が事前調査をいたします場合には、監督局部の記録その他従来の監督状況を十分指導してもらいまして、事業団が事前調査をやるというかっこうになると思います。その仕事は大体五年問で終了するように基本計画できめることになっております。 それから実際もう一つの事業団の仕事は、鉱業権者が自分で事業をする場合に、それに対する融資または保証でございますが、この事業につきましては、まず事業者から計画が出まして、それを監督局部で審査いたしまして、それがよろしいということになれば、これに基づいて鉱業権者が事業をすることになりますが、それに対する融資または保証をするわけでございます。その際も、その事業計画の適否その他の内容につきましては、監督局部から十分連絡を受けまして、その監督局部の認めました計画に従って仕事をするという際に、融資なり保証なりをやっていくということになりますので、これも監督局部の指導を十分受けないと実際上の仕事はできないということになっております。事業団と監督局部の関係はそういうことでございます。 それから第二に、監督局部の強化でございますが、これは年々強化しておりまして、来年度につきましてもこの関係の人員は大体二十四名増員する予定でございます。 それから、今後の調査対象鉱山でございますが、私どもが調査をする必要があると思っておりますのは約四千鉱山でございます。これを三年ないし四年でいたす計画になっておりまして、これはやり方といたしましては、県に概査と申しますか、一応大ざっぱな調査を依頼いたしまして、その概査をした結果、精密調査を必要とするものにつきまして鉱山監督局部がさらに調査をするということになっております。これは四十八年度には、県に対します依頼は約九百四十鉱山を概査の依頼をいたすということになっております。 以上でございます。
○川俣委員 時間がないので、次のあれは文書であとで回答してもらいたいのですが、結局このあれは積み立て制度だと思うのです。ところが、企業のほうでは、これは義務ですから、積立金を今度金策しなければならないですね。特に中小企業なんか金策しなければならぬ。極端に言うと、八分から一割近い金を借りて、四分五厘の利子をつける積み立てをするわけだ。企業が八分ぐらいの金を借りてきて、四分五厘の利子をつける積み立てをするわけだ。しかし、鉱害に用意して積み立てるという国家法律はいいと思います。このやり方はいいと思います。ただ、その場合、今度は企業のほうでは、これは文書回答でけっこうですが、これは損金処理できるのですか。
○青木政府委員 積立金の損金処理の問題でございますが、これは現在は制度上手当てをしてございませんけれども、一般的な公害防止準備金制度もございますし、来年度の税制改正にあたりまして、そういう点を踏まえまして、その制度との関連を踏まえまして検討し、本格的な積み立てが始まります四十九年度からは適当な処理ができるように持ってまいりたいと思っております。
○川俣委員 そこで、環境庁に伺いたいんだが、PPPという問題ですが、これは鉱山の鉱害との関係をひとつお聞かせを願いたいんです。
○船後政府委員 いわゆるPPP、汚染者負担の原則でございますが、これの内容につきましては、わが国ではさまざまな考え方があるようでございます。しかし、これを国際的な合意として採択いたしましたOECDにおきましては、過去の損害賠償あるいは原状回復の費用負担というような面ではなくして、むしろ一般的に環境汚染によりまして社会的被害が生ずる、こういう社会的被害がだれにも負担されずして放置されておるというところに環境問題があるわけでございますから、このような社会的費用というものを経済に内部化させろ、具体的には価格体系に反映させるべきであるということを国際的な合意としてその原則を採用したわけでございます。したがいまして、OECDの場では、冒頭に申し上げましたように、すでに生じた被害というものにつきましては、この原則が直ちに適用されるべき問題というようには理解していないのでございます。損害賠償ないしは原状回復という問題は、これはやはり原因となった者が負担するのは、別にこのような意味におけるPPPを持ち出さなくとも明らかなところである、かように考えております。
○川俣委員 鉱山の歴史を見ると、さっきちょっと話をしたのだが、昭和十三年三月に重要鉱物増産法ということで、いわゆる戦争に勝たなければならぬということで、企業が統制経済の中に、帝国興発その他に編入されてきた事情があるわけです。そういった場合には、鉱山の鉱害というのはPPPとの関係はどうなるんだろうか。
○船後政府委員 鉱山の鉱害による被害の復旧、これは鉱業法の規定するところでございます。御指摘のように、戦争中は重要鉱物増産法等によりまして大規模な採掘が行なわれておったのでございますが、このような事情というのは、これは戦争中の状況でございますから、必ずしも鉱山のみに限らず、全産業において講じられておったわけでございますが、戦争中でも当然鉱害防止の配慮は必要がないわけではございませんし、鉱業法の規定自体がすでに戦前に成立しておるわけでございます。でございますから、私どもやはり原則といたしましは、種々の事情はいろいろの産業にあるにせよ、すでに生じました鉱害というものに対する費用はその事業者が負担するのが筋である、かように考えております。
○川俣委員 山の木が乱伐、過伐で、山くずれ、地くずれ、あれは軍部の乱伐、過伐が今日たたっている。鉱山の場合も、増産法の場合、企業がほとんど意思決定の場がなかった。そこを掘ってはいけない、そのようにしてもらっては困るということを言えたと、こうおっしゃるのか。PPPの問題は、やはり重要鉱物増産法も一つの責任があるのではないだろうか、どうでしょうか。
○船後政府委員 私、先ほど申し上げましたように、PPPの原則、OECDの場で了解されたようなPPPの考え方は、過去の損害賠償につきましてどのような費用負担をすべきであるかということをきめたものではございません。鉱業法は、これは通産省の所管でございますが、環境庁で所管いたしております公害防止事業費事業者負担法という法律がございまして、これもまた過去の事業活動によって生じました公害、これを復旧するための事業費、これをいかなる原則のもとに負担すべきかということを規定した法律でございますが、この事業者負担法の体系におきましては、御承知のとおり、原則といたしまして、その事業者の原因となった程度というものに応じて負担すべきであるというような規定のしかたをいたしておるのでございますが、事業者負担法の場合には、鉱業と違いまして、一つの結果として生じております大気の汚染あるいは水質の汚濁というものが、いろいろな複合の結果として生じたということに着目いたしまして、必ずしも一〇〇%事業者負担という考え方にはなっていないのでございます。 しかし、鉱業法は別体系でございますから、鉱業法の体系によって処理する、こういうことでございますので、PPPから申しまして、過去のいろいろな汚染の蓄積に対する原因の中に、国がどの程度関与しておったから、これをどの程度割り引きすべきであるかということは、PPP自体からは出てくる問題ではない、かように考えております。
○川俣委員 局長のように、だいぶ柔軟にあれを解釈しておるからいいのだが、長官の場合は、きょう三木さんがいないのですけれども、PPPがすべてだという考え方を持っておるぞ、あれは。私は、いま出ている煙の公害賠償ということじゃないのだ。これは蓄積鉱害が鉱山の特徴なのだろう。そうすると、この増産法ができたときには、あしたの十トンよりきょうの一トンだということで、なりふりかまわず何でも掘れということで持っていかれた時代なんだ。そういうような時代的な背景での蓄積鉱害なのだ。だとすれば、PPPについてOECD、その辺もやはり柔軟な解釈をしておるようですよ、私の見たところは。どうですか。したがって、やはり重要鉱物増産法も、蓄積鉱害の責任の一端に入るべきでないかという解釈を私はしておるのですが、どうですか。
○船後政府委員 PPPの点からどうかという御質問でございますので、私はOECDで合意されておりますPPPというのは、むしろ今後に向かっての問題、この環境汚染による社会的費用というものを経済に内部化するという問題を取り上げておるわけでございまして、過去にいろいろな事業活動の結果生じました公害、これをいかなる費用負担のもとに施行するかというのは、必ずしもOECDの合意から一つの答えが出てくるわけのものではないということを申し上げております。 しかし、他方におきまして、原状回復あるいは損害賠償という問題は、これはもう民法七百九条でも明らかなように、その原因となった者が負担するのは筋でございます。したがいまして、わが国の現行法体系でも、そういう形でもって構成されておる、こういう現状ではございますが、しかし、それ以外の判断が絶対に働く余地がないのかどうなのかということになりますれば、これはまた、おのずから別個の問題であるということを申し上げておるわけでございます。
○川俣委員 そうしますと、その法体系と法理論は別として、具体的に重要鉱物増産法もPPPの仲間に入らなければならないという考え方でいいですか。
○船後政府委員 鉱業法は通産省の所管でございますから、私からこの解釈を公権的に申し上げるわけにはいかないのでございますが、しかし御指摘のように、いま、戦争中の事態ということを考えますと、この問題は鉱業のみに限らないわけでございまして、かなり無理は承知で増産を強行したというような事債があるわけでございます。重要鉱物増産法があるから、こういった復旧工事には国の費用負担が伴うということは、そこからは出てこないのじゃないか。まあ社会的に申し上げますと、この環境汚染の回復ということは急務でございますから、これをいかにして費用負担するかというような問題は、その問題として取り上げるべきである。そういった場合に基本になるのは、原因者の負担である。それを具体的にどう展開するか。これは立法政策の問題であるというふうに考えるわけでございます。
○川俣委員 まあ一般公害の元締めだから、さらにもう一つ聞くのだが、無過失賠償責任というのは鉱業法にあったのだ。施業案というものを出して、監督局の許可を得て鉱山を経営してきた、監督を受けてきた、認可を受けてきた。そうすると、認可のしかたが悪かったのか、監督のしかたが悪かったのか。蓄積鉱害というのは、あなたはどう解釈しますか。
○船後政府委員 まあ直接のお答えになるかどうかわかりませんが、一般論といたしまして、民事責任と行政規制との関係について申し上げますと、行政上の規制を守ったからといって民事責任は免れるわけにはいかないというのが通説であると考えております。
○川俣委員 少し法律にかたくなになって、公害退治をやる窓口としては非常に不適当な答弁ですが、もう少しどうですか。 それから局長、西多摩の日の出村のカドミ米、八PPM入っておった事件を知っていますか。きょうのニュースですが、知りませんか。
○船後政府委員 具体的な事実はまだ承知はいたしておりません。
○川俣委員 それじゃあとでいいですが、ざっと言うと、鉱山があるのだろうかということになるが、ない。セメント会社がそばにある。八PPMカドミが出た。これは一連の調査をして、ひとつ文書でお願いしたいのですが、土壌汚染その他でかなり騒いでおるようですから——けさです。よろしいですか。どうですか。
○船後政府委員 さっそく調査いたして、御報告申し上げます。
○川俣委員 大臣、鉱業法の見直し、それから鉱業政策の画期的な前向きの姿勢、それから育成強化、国内鉱山の位置づけ——ただ、大臣ときょう考え方が質疑応答の中から合わないのは、特別会計をつくるのは得策じゃないという大臣の考え方、私も得策だとは言わないが、やはり検討する必要があるのじゃないかと思います。いま、私もきめ手はないのだけれども、考えている間に、鉱山がつぶれていっているというこの現実なんですよ。当局が考えている間につぶれていっているというこの実態は、これはだれしも認めることだろうから、つぶれてしまってから、困った、政策を考えりゃよかったということじゃ、これは何のために通産省にそういう当局があるのかわからないから、その辺をやはりもう少し——鉱山というものを、中小企業とか大企業とか企業本位とか資本とかいうものにとらわれないで、日本の国の地下資源というものをどのように位置づけていくかということを大きく検討する必要があると思うのだが、どう思いますか。
○中曽根国務大臣 私は、おおむね川俣さんの御意見に賛成でございますが、いまの特別会計の問題は、なかなかこれは慎重にやる必要があるので、ここでコミットすることはむずかしいと思います。しかし、冒頭申し上げましたように、日本の鉱業政策自体については一つの大きな転機にも来ておるのでございまして、よく見直して検討してみたいと思っております。
○川俣委員 最後に、今回のこの措置法はむしろおそきに失したと思うくらいで、これは早急にやるべきだと思います。むしろこれでは少し予算なんか足りないと思います。そういう考え方で検討してもらいたいのが一つと、やはりいまの大臣の前向きの姿勢を当局が取り上げて、いろいろなきめこまかい政策をどんどん積極的に進めていく必要があると思うのですよ。大臣の前に局長、一言どうです。
○外山政府委員 大臣の御趣旨に沿いまして、極力その線で勉強してまいりたいと思います。
○川俣委員 それからついでで恐縮なんだけれども、地下資源の中にいろいろあります。石炭から石油、石油から何にいくか、いろいろあるのだが、地熱ですが、局長でもいいのですが、一体これは日本のエネルギーの一環として、はたしてこれを積極的に調査するという意欲があるのかどうか。 それから、施策があるとすれば、こういうような施策があるから積極的にやりたいという点があったらひとつ報告してもらいたいと思います。 それから、一ぺんに質問しますが、石油ですが、シベリアの例のあれが一体業界と国との関係がどうもパイプが詰まっちゃって、パイプがシベリアにうまく敷かれないわけなんだが、そういった面をどういうように考えているかということです。 それから三つ目、これは口頭でもいいんだが、尖閣列島の鉱業権はどうなっておったか。
○中曽根国務大臣 地熱発電の問題は積極的にわれわれも推進しようと思っておりまして、現に東北地方の、たしか松川でございましたか、成功しておる例もございます。公害の面その他を見ますと、かなり有望なエネルギー源にもなると思います。それで、その地下資源の賦存状態、特に別府であるとかあるいは東北地方であるとか、そういう方面の埋蔵量等いま調べておるところでございます。たしか三万キロワットか、七万キロワット程度はやっておるのだろうと思っておりまして、私は非常に積極的に熱意を持っております。ことしもたしか数千万円台の予算をとってその埋蔵の調査等をやる予定になっております。 それからチュメニの問題につきましては、民間レベルの話し合いがつけば政府は積極的に信用供与を検討する、そういう積極的な前向きの立場を持っております。それで、たしかこの四月に調査団がもう一回行きまして基本契約のネゴシエーションをやるだろうと思います。基本契約ができましてわれわれが検討して妥当であると思ったらそういう信用供与についてもわれわれは踏み切る検討をしよう、そう思ってこの点についてもわれわれは前向きです。別にパイプが詰まっているわけじゃございません。これからパイプを敷こうとしているところでありますが、この間、ソ連大使を呼びましてわれわれの政府の意思も伝えましたが、彼は喜んで本国に連絡するということを言っておりました。 尖閣列島の問題は、中国との関係あるいは台湾との関係という微妙な問題がございまして、しばらくこれはこちらのほうからとかく積極的な態度には出ないで、われわれがあれはわれわれの領土であるといういままでの立場を堅持して静観していく、そういうことが賢明ではないかと思います。
○川俣委員 終わります。 ————◇—————
○浦野委員長 この際、連合審査会開会に関する件についておはかりいたします。 本委員会において審査中の金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案及び金属鉱業等鉱害対策特別措置法案について、公害対策並びに環境保全特別委員会から連合審査会開会の申し出がありましたので、これを受諾するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、本連合審査会は、公害対策並びに環境保全特別委員会委員長と協議の上、本委員会散会後直ちに当委員室において開会することといたしますから、御了承ください。 次回は、明二十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会