商工委員会 第8号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/03/13
会議録
○田中(六)委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長所用のため、その指定により、私が委員長の職務を行ないます。 内閣提出、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹村幸雄君。
○竹村委員 金属鉱山等の鉱害対策についてお伺いいたします。 有名な田中正造氏による足尾鉱山鉱害の追及をはじめとして、鉱害一掃に対する抜本的対策が叫ばれて久しいわけでありますが、今回イタイイタイ病や土呂久鉱山鉱害問題を契機として、鉱害防止のための諸施策が講ぜられようとしていることに対しては一応の評価をいたすものでありますが、金属鉱業事業団法あるいは金属鉱業等鉱害対策特別措置法のみで、はたして鉱害の一掃という所期の目的を達成することができるのか、若干の危惧を持っておるものであります。 そこで、次の諸点についてお伺いをいたしたいと思います。 まず第一に、長年にわたる資源開発の結果、処理すべき膨大な蓄積鉱害源が存在すると規定いたしておりますが、蓄積鉱害源については、その実態を十分に把握されておるのかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○青木政府委員 蓄積鉱害源につきましては、かねてからいろいろの調査をいたしております。 まず第一に、鉱山保安監督局部が稼行鉱山及び休廃止鉱山の一部について、従来監督、検査及び調査を行なってきたわけでございます。 昭和四十六年度末の数字で申し上げますと、稼行鉱山が二千百二鉱山ございまして、休廃止のうち六百三十八鉱山につきましては、これに合わせまして定期巡回をいたしておりますので、この辺の調査につきましては、十分実態を把握していると存じております。しかし、そのほかの大部分の休廃止鉱山につきましては目下調査中でございまして、現時点におきましては、過去の資料、たとえば施業案、施設認可申請書、保安図等によりまして、蓄積鉱害源の有無及びその状況について推定しておるものでございますが、ほぼ実態に近いものと考えております。 これにつきましては、一番重金属の鉱害の推定されます千五十鉱山につきまして、昭和四十五年度より四カ年計画で鉱山保安監督局部において調査をいたしておりまして、四十八年度に三百二十五鉱山をやりますと、大体この千五十につきましては調査が完了するわけでございます。残ります鉱山につきましては三千三百四十九ございますが、県に委託いたしまして概査を今後実施していこうということで予定しております。四十八年度には約九百九十鉱山につきまして県に概査を委託する。この県の概査をまちまして精密調査の必要なものにつきましては、鉱山保安監督局部がまたさらに詳細な調査をする、こういう段取りになっておるわけでございます。
○竹村委員 鉱山保安法によりますと、鉱害には非常にきびしい規制があり、法律が正しく運用されているとするならば、膨大な鉱害源が蓄積されることはないと思いますけれども、蓄積鉱害源があるということは監督が不十分であったというふうに理解していいのかどうか。
○青木政府委員 現在、鉱山保安法によりまして、鉱害につきましてはきびしい規制をいたしておりますが、蓄積鉱害源となりましたものにつきましては、従来重金属の分析技術が十分確立していなかったこと、あるいはその重金属によります被害の与え方の経路その他につきまして十分な解析がなされていなかったということのために、過去におきましてはそれほどきびしい鉱山保安法による規制がなされていなかったということに基づくものでございまして、こういうものが非常に古くからの鉱山全部にわたってありますので、それが現在残っております大きな蓄積鉱害源となったものでございます。
○竹村委員 また、蓄積鉱害の理由の一つは、戦時中における国家の方針による増産第一主義、鉱害無視の政策の結果だといわれておりますけれども、その点についてはどう思われますか。
○青木政府委員 戦時中の金属鉱山の増産につきましては、確かに戦時中という関係もございまして、相当無理した生産が行なわれたこともございますが、そういうことによると申しますよりも、むしろ当時は、重金属の鉱害に対する分析なり、その原因、結果に対する解析なりが不十分であったというところに基づく蓄積鉱害源が出てきたものというふうに私どもは解しております。
○竹村委員 戦時中、国の方針としての乱掘によるところの蓄積鉱害については国の責任と思うけれども、その点についてはどうお考えになっておるか、そしていままた御答弁がありましたけれども、重金属等の鉱害についての分析が十分でなかったということでありますけれども、その場合、無過失責任が国に問われると思いますけれども、その点についての答弁を承りたいと思います。
○青木政府委員 戦時中の金属鉱山におきます生産の命令その他増産の国策があったわけでございますが、やはり生産をいたしますのは鉱業権者でございますので、第一次的には、鉱業権者は、たとえ国の命令がございましても、十分鉱害を防止して生産をすべき義務があるものと思われますので、その辺の第一次的責任はやはり鉱業権者にあるものというふうに私どもは解しております。
○竹村委員 重金属の鉱害源についての分析の不十分さについてはどう考えられますか。
○青木政府委員 重金属によります鉱害の解析その他につきましては、従来から十分でなかったということは私どもは認めざるを得ないと思いますけれども、その当時の分析技術ないし社会情勢から申しまして、いまから考えますとやむを得なかったのではないかというふうに解しております。
○竹村委員 中小鉱山については低利融資だけで十分鉱害防止がやっていけると思われておるのか、先ほども申し上げましたように、蓄積鉱害については、国も全く責任がないと思われないし、もっと手厚い措置が必要だと思いますけれども、その点についてはどう思われますか。
○青木政府委員 金属鉱害防止工事については、中小企業といえどもやはり第一次的には鉱業権者の責任でございますので、これは鉱業権者が極力それを処理するということが望ましいというふうに考えております。ただ、この鉱害防止工事につきましては、それが利潤を生むものでもございませんし、将来の生産に特に寄与するものでもございません。したがいまして、これを実施するための資金の調達は非常にむずかしいことが予想されるわけでございます。したがいまして、私どものほうといたしましては、長期低利の融資という、他の公害等に比べましてはなはだ手厚い制度を考えたわけでございます。 なお、金属鉱業事業団の融資は、中小企業につきまして八〇%でございますので、あと二〇%につきましては市中金融を受けなければなりませんが、これも中小鉱山にとっては非常に負担が重いということでございますので、これにつきましても金属鉱業事業団において保証するということによりまして、資金の調達については十分手厚い施策をこれから講ずることにしているというふうに感じております。
○竹村委員 また、先ほどの調査資料によりますと、五千三十七の休廃止鉱山のうちで鉱害ありと思われる鉱山は、この資料によりましても、三千五百六十八となっておりますけれども、廃鉱は、調査すればするほど増加をするというふうにも言われておりますので、今後補助金対象事業である廃止鉱山蓄積鉱害量は増大していくと思いますけれども、その点についてはどう思われますか。 〔田中(六)委員長代理退席、稻村(左)委員長代理着席〕
○青木政府委員 休廃止鉱山の蓄積鉱害量について増大していくのではないかというお尋ねでございますが、現在、補助金の対象といたしております休廃止鉱山は、鉱業権が消滅した後五年以上を経過して、鉱山保安法上の義務者が不存在の場合と、また五年以内でありましても、義務者が、法人の場合解散、個人の場合死亡等で現存しないか、無資力の場合等でございます。 このたび特別措置法、または金属鉱物探鉱促進事業団法の改正によりまして、鉱業権者に対して、蓄積鉱害源の処理のための長期低利の融資を行なうというような制度を設けますと同時に、今後の操業に伴うものについては、積立金の制度を義務づけております。これら義務者がこういう措置をとることによりまして、今後極力鉱業権者に処理していただくということによりまして、今後補助対象事業量を増大しないように処理してまいりたいというふうに考えております。現在の試算では、八十八億一千万円の工事量がございますが、これは中小鉱山の休廃止鉱山もある程度見込んで積算しております。したがいまして、今後補助対象が著しく増大するということはないように考えております。
○竹村委員 廃止鉱は、調査すればするほど数が無数にふえてくるのではないかというふうに言われておるのでありますけれども、その点についてはどうお考えですか。
○青木政府委員 先ほど御説明いたしましたとおり、残りの鉱山につきまして、県で概査をいたしまして、そのうち必要なものについては、鉱山監督局部において精密調査をするということになっておりますが、現在までのところ、資料で推定しておりますので、実地に踏査いたしますと、ある程度の鉱害源というものは出てくることも予想されますが、それほど急激に増加するというふうには私どもは考えておらない次第でございます。
○竹村委員 いま一応の試算として、補助金対象の鉱害防止事業量が八十八億一千万円というふうに言われましたけれども、昨年京都府大江町において、わずかな防止対策を講じただけでも一千五百万円かかったというふうに聞いておるわけでありますけれども、補助金対象の鉱害事業量が非常に大きくなり、今後工事主体たる府県の財政を圧迫するおそれがあると思いますけれども、どうお考えでしょうか。
○青木政府委員 先ほどお答えしましたように、今後の工事費の値上がり分を考慮してはおりませんが、一応八十八億一千万円という鉱害量が急激に大きくなるというふうに私どもは考えておりませんが、それにしましても、今後事業が進んでまいりますにつきまして、地方公共団体の財政が圧迫されることもあり得るというふうに考えております。 私どものほうとしましては、今後の補助金工事の推移を見ながら、もし財政圧迫が非常に著しいということになりました場合には、関係省庁と協議いたしまして、何らかの改善措置を考えなければならないというふうに考えております。
○竹村委員 基本的には、鉱害問題については、鉱業権者と監督者である国の責任において解決すべき問題であり、地方自治体に財政負担を押しつけるべきではないと思いますけれども、その点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○青木政府委員 先生御指摘のとおり、鉱害につきましては、第一次的には鉱業権者の義務でございますが、そういう鉱業権者にやらせることができないものにつきましては、国が三分の二の補助金を交付し、地方公共団体が三分の一を負担するという原則になっております。これは国の責任もございますけれども、地方の住民の健康保持の問題でもあり、かつ、かつてはその地方の産業として、地方にも貢献した産業でもございますので、その一部の費用を負担していただくということは、ある程度考えてもよいのではないかというふうに考えております。
○竹村委員 見解の相違になるわけですけれども、私は、基本的に鉱業権者並びに国のほうでこの種の問題は処理すべきであるというふうに考えておるところであります。 次に、法案の内容についてお伺いいたしたいと思います。 第一に、鉱害防止のための調査、指導の内容についてお尋ねをいたしたいと思います。
○青木政府委員 法に規定しております鉱害防止のための調査、指導と申しますのは、地方公共団体が国の補助を受けて行ないます事業につきまして、その鉱害防止、工事の調査及び指導ということでございます。 その調査と申しますのは、地方公共団体におきましては、鉱山の実態を十分掌握していない面もございますし、鉱山特有の鉱害防止工事でございますので、ある程度の専門性も要求されるわけでございます。そういうことを踏まえまして、金属鉱業事業団に鉱害防止対策をやってもらうに際しまして、その基礎的な調査につきましては、金属鉱業事業団に実施させるということが第一点でございます。 それから、指導につきましては、基礎調査が終わりました後に工事の設計その他の実務がついてくるわけでございますので、これにつきまして非常に経験が深い府県もございますが、あまり経験のない府県もございますので、その辺の専門的知識を提供いたしまして、その工事の円滑なる実施をはかりたいという意味での指導でございます。そのために、金属鉱業事業団に技術的なスタッフを設け、府県の要請に応じまして指導に出かけていくというような体制を整備いたしたいというふうに考えております。
○竹村委員 事業団が実際に鉱害防止融資等を実施するのは、いつからやるのですか。
○青木政府委員 事業団が鉱害防止融資を実施いたしますのは、今回の法律によりまして、金属鉱業等鉱害対策特別措置法によりまして、鉱業権者が鉱山保安監督局部長に事業計画を出すことになっております。この事業計画に基づいて実施される工事が対象になるわけでございます。 時期的には、措置法の施行日は公布の日から三カ月をこえない範囲において政令で定めることになっておりますので、法の施行のための準備、さらに事業計画の策定、それから事業団における融資計画の策定等の準備が必要でございますので、実際に融資が行なわれますのは、年度の後半になるというふうに考えております。
○竹村委員 次に、特別措置に関連して、鉱害防止積立金の今後の運用方針についてお伺いいたしたいと思います。
○青木政府委員 鉱害防止積立金の目的は、今後の特定施設使用終了後におきまして、その積立金を取りくずして、鉱害防止事業を行なうということを担保することにございます。したがいまして、積立金は、この目的に使いますために、積み立てておく必要があるわけでございますが、その余裕金の運用につきましては、ある程度今後検討してまいりたいと思います。 この運用をいたします場合に、鉱害防止事業の融資に使いますと、これが十五年という長い期間の貸し付けでございますので、実際上本来の目的に差しさわりないように運用しなければなりませんので、この辺のところは今後検討いたしまして、できる限り有利な運用をいたしたいと思いますが、直ちに鉱害防止融資の財源として使えるかどうかにつきましては、いましばらく検討さしていただきたいと思います。
○竹村委員 次に、特別措置法と公害規制諸法との関係について御説明を願いたいと思います。
○青木政府委員 特別措置法は、現在の鉱山保安法によります規制の特別法というふうに性格づけるべきだと思います。したがいまして、ほかの公害諸法との関係は、鉱山保安法と他の公害諸法との関係と同様というふうに考えております。 たとえて申しますならば、水質汚濁防止法との関係を申し上げますと、基準は保安法上も同様に適用されるということでございますが、規制そのものは鉱山保安法によるという運用になっておるわけでございます。こういうように、公害諸法とのいろいろ入り組んだ関係がございますが、この特別措置法は、あくまで鉱山保安法の特別法でございますので、保安法と同一の性格を有すると御解釈願ってけっこうだと思います。
○竹村委員 次に、法案に関連して、政府の金属鉱業政策についてお伺いいたしたいと思います。 最近の金属鉱業を取り巻く情勢は、きわめてきびしいものがあります。特に中小鉱山にとっては、内外ともにきびしい条件に立たされているのであります。今回提案された鉱害対策法に見られるように、国内においては鉱害問題防止の解決に迫られ、また円変動相場制という異常事態に直面し、この際、鉱害対策をはじめ鉱業政策全般にわたる再検討が必要であると思うのであります。 そこでお尋ねいたすものでありますけれども、まず第一に、変動相場制移行という事態に対処し、金属鉱業に対しいかなる施策を講ずるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○塩川政府委員 竹村先生のおっしゃるように、確かに現在わが国の金属鉱山は内外ともに非常に多くの問題を持っております。その中の一つといたしまして、円の変動制移行に伴って、採算ベースも非常に苦しい状態になってきたというのは事実でございます。しかし、何といたしましても、わが国の基礎的な資源を安定的に確保するという観点から、こういう鉱山に対しては、やはり国としては手厚い保護をしていかなければならないと思います。特に御承知のように、こういう種類の鉱山は、いわば中小鉱山が非常に多いのでございますから、どうしても政策の重点を中小鉱山を対象にした政策にしぼっていかなければならないと思うものでございまして、今後とも一そうこれを強化していきたい、このように思っております。
○竹村委員 いま具体的に考えておられる施策があれば、お示しを願いたいと思います。
○外山政府委員 最近のような情勢変化の中で、非鉄金属鉱業、特に中小鉱山に対しましてはその影響が著しいということになると思います。現在でも、非鉄金属鉱業政策の中で、中小鉱山に対しましては他のものよりは手厚い措置を講じていることは御承知のとおりだと思います。たとえば探鉱助成につきましても、中小鉱山に対しては補助金を出しておるわけでございます。そういう意味の差はつけておりますけれども、今後こういう情勢変化の中でさらにどういった手が必要であろうか。場合によっては、もう一つ補助金の項目を設けることも必要かもしれない。あるいは現在の補助金の補助率を上げることも必要かもしれない。そういった角度で、現在情勢の変化を見ながら今後の対策の強化を検討しているところでございます。
○竹村委員 ただいまもお話にありましたように、中小鉱山に対しては特段の配慮が必要だろうと思います。鋭意御努力をいただきたいというふうに要望申し上げたいと思います。 次に、現在一山一社制に第二会社をつくって移行する傾向が強く出ておりますけれども、この傾向について、どう思われますか。
○外山政府委員 確かに企業が自分の行き方としまして御指摘のような方向で分離をしたりするようなケースがあることは事実でございます。しかし、基本的には企業が自主的にそういった方向で判断するということは、これはやむを得ないことであると同時に、企業自身がそういうことをみずから判断してやらなければいけない、こう考えるわけでございます。 特に、大企業が地域社会に大きな影響を持っている場合に、閉山あるいは分離というふうなかっこうで地元地域社会に不安を与えるというふうなことがあるとすれば、これは非常に問題でございます。その経営方針の変更の中でも、特にそういったことに十分に慎重な配慮をするよう、私どもとしては指導しているわけでございます。今後、そういった分離によって実態がもしも中小鉱山になるというふうなことになれば、中小鉱山に対する政策を適用するということも必要でございます。 それからまた、分離に伴って鉱山労務者あるいは地域社会に好ましくない影響が出るということがあるとすれば、これは厳重に企業に対して指導すると同時に、地域社会の問題につきましては、今後とも十分な配慮を都道府県と協調してやっていかなければならない、こう考える次第でございます。 いずれにしましても、分離だけでは直ちに問題があるわけではなく、企業自身が自主的にきめることではございますが、その影響の見通しといったようなものについては、私どもとしては慎重に考えてまいりたい、こう考える次第でございます。
○竹村委員 先ほども御心配がありましたように、私は分離によって労働対策あるいは鉱害対策上非常に無理が生じてくるのではないかというふうに考えるものでありまして、このような傾向については好ましくないと思うわけでありますけれども、政府といたしましては、そういう立場に立って行政指導をされるお考えはないですか。
○外山政府委員 先ほど申し上げましたような考え方で、私どもといたしましては今後とも地域社会への影響、労務者の問題等について、分離の問題が影響を与えることのないよう、十分行政指導をしてまいりたい、こう考える次第でございます。 いずれにいたしましても、今後どのような分離が行なわれるかということについての実態把握は必ずしも明確でございませんが、さらに実態調査を十分にいたしまして、そういった問題が起こるおそれがある場合には、事前に十分な行政指導ができるように、私どもとしても勉強してまいりたい、こう考える次第でございます。
○竹村委員 このまま推移してまいりますと、中小鉱山をはじめ閉山続出という事態が予想されるわけでありますけれども、いかなる対策を考えておられますか。
○外山政府委員 現在、先ほど申しましたような角度から実態調査を個々の鉱山についてやる体制にございます。それで、これに基づきましてどのような見通しになるか、それを頭に入れまして、先ほど申しましたような地域社会との関係、労務者との問題、こういった点についての十分な配慮をしていきたい。企業に対する指導、あるいは地域問題に対する都道府県との連絡、こういった点についての強化を考えてまいりたい。いずれにしましても、今後どんどん分離の傾向が出るのではないかという御指摘でございますが、私どもとしましては、もう少し実態を見きわめた上でその辺の問題点を検討したい、こう考えている次第でございます。
○竹村委員 次に、輸入関税についてお尋ねをいたしたいと思います。 現行関税は地金、粗銅については一トン当たり二万四千円の関税が課せられるように国内法で保護されております。しかし、輸入鉱石には関税が課せられていないために、四十七年度一年間の鉱石の輸入によって、概算でありますけれども、関税分約百六十億円の利益が業者のふところに入ったというふうにいわれておりますけれども、その点についてはどうお考えですか。
○外山政府委員 御指摘のように非鉄金属の関税は地金にかかっておりまして、輸入鉱にはかかっていないわけでございます。輸入鉱に課税するということになりますと、これは実はガットにおきまして無税とするという約束をしております。したがって、国際的に新たな了解も必要であるというふうな問題点もございますので、そのこと自体かりに実現を進めるとしましても、そういった問題点がある、そういったことについて明確にする必要があるというふうなことがございます。 それで、ただいま、今後の国内鉱山対策として、かりにこれに課税をいたしましてその財源を充てたらどうだろうかというふうな御意見でございますが、私どもとしましては、鉱石にまで関税をかけるということによって、現在国内鉱山のウエートが現状のようなかっこうになっているときに、さらに需要家サイドに対して問題となるような措置を講ずることにはやはり慎重でなければならない、こう思います。 しかし同時に、国内鉱山の一定量について、何とかしてこの積極的活用をはかるための対策として、どうしてもこういった方向でさらに現行の諸施策よりも一歩前進した政策が必要であるというふうな判断に立ったときには、先ほど言ったような問題点はございますけれども、私どもとしては、そういった方向の検討をしなければならぬ、こう考えているわけでございます。現在客観情勢の推移の中でどういった問題を見きわめ、さらに、どういった諸対策の強化が現行路線の延長の上にさらに加えて必要であるか、こういった点は今後慎重に考えてまいりたい、こう考える次第でございます。
○竹村委員 地金や粗銅に関税をかけ、あるいはまた鉱石に関税を免除するという精神には、国内鉱山の保護がうたわれているというふうに感ずるわけでありますけれども、現実に国内鉱山がどんどん休廃止になっている現状を見て、どのようにお考えになりますか。
○外山政府委員 現在の非鉄金属鉱山の縮小傾向の中にはいろいろな問題点があると思います。さらに、最近のような通貨情勢の中で、国内鉱山の競争力をどう見るかという問題も加わったという感じがいたします。しかし、やはり国内の探鉱助成を強化し、さらにいい品位の山の発掘ということもここ数年来あるわけでございますから、そういった助成策を強化することによって国内鉱山が品位のいい山にリフレッシュしていく、そういった中で一定量の山が確保できるというふうに私どもは考えているわけでございます。もちろん鉱量が枯渇するとか、鉱害問題等の問題に直面して閉山したようなケースもあったと思います。今後いまの傾向が絶対にとまるというふうには思いませんが、しかし同時に、一挙に国内鉱山が大きな影響を受けて存続できなくなるというふうなことにはならないように、私どもとしては対策の強化を鋭意考えてまいりたい、こう考えておる次第でございまして、何と申しましても安定供給の貴重な財源である、あるいは地域社会との関係を考えても、また、海外開発を考える場合の地盤という点を考えましても、国内鉱山については、何とかしてこれの一定量の活用をはかるような助成策を今後はますます強化して考えたいと考えておりますので、先生御指摘のようなことにはならないように私どもとしても努力をしたい、こう考える次第でございます。
○竹村委員 ただいまの答弁にもありましたように、政府の方針としては、国内鉱山を保護していく方針であるというふうに理解してよろしいか。 また、銅あるいは鉛、亜鉛等の産業の基軸物資の自給量は、これはむずかしい問題だと思いますけれども、大体最低何%ぐらいが必要だというふうにお考えですか。
○外山政府委員 数字的に表現することはたいへんむずかしい問題だと思います。ただ、現状を申しますと、銅につきましては国内鉱石への依存席が一七、八%、鉛、亜鉛はそれぞれ三〇%から三五、六%のところだったと思います。 どの程度の割合が安定供給の問題につながるかという御指摘でございますが、数字的にそれを表現するよりも、私どもとしましては、現状程度の国内鉱山の安定供給度は確保したい。その中で、中身がいい山に悪い山がかわっていくということはあると思いますが、その程度の国内鉱山が確保されることが望ましいと私は考えております。
○竹村委員 現在程度の自給率は確保したいという答弁でありましたけれども、そのためには、具体的にどのような施策を講じようとしておられるのか、お伺いしたい。
○外山政府委員 現在とっております政策の強化をはかっていきたいと考えておるわけでございますが、一つは、先ほど来問題となっております関税の問題でございます。これはやはり保護策としては基本をなすものでございます。いろいろな物資が関税の引き下げの要請の激しいあらしの中にございますが、非鉄金属だけは、何とかこれを維持してまいりたい、現行関税は少なくとも維持してまいりたい、こう考えて、現在も定率法の改正を提案しておるわけでございますが、そういった関税上の保護はやはり今後も考えていきたい。これが一つでございます。 それから、探鉱助成策というものにつきましては、現行の制度をさらに強化することを考えたいと思います。先ほど申しましたように、現在の個々の制度の補助率なり割合なりを強化すると同時に、ことしからまた始めまする探鉱助成の第二期の計画、広域調査、精密調査等の措置につきましても、その助成の内容を拡充していくということも今後必要だろうと思います。そういった保護策と助成策両方含めまして、何とか国内鉱山の実態に即した助成策がはまるように努力してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○竹村委員 最後に、現在の国内鉱、輸入鉱石の関連を考慮して、輸入鉱石にも関税をかけて、地金、粗銅等の関税を含めて、財源として一般会計からも思い切って金を出して、鉱害対策をはじめとして鉱山保護、労働対策など抜本的な対策を考えるべきではないかということを提案をして、そのことに対するお考えをお聞かせ願って、質問を終わりたいと思います。
○塩川政府委員 先ほど外山局長が答えましたように、鉱石に対しまして関税をかけるということは国際的な問題もございますし、これは一がいに私から即答できる問題ではないと思うのでございますが、しかし地金に対する関税は、これは国内鉱山保護の立場から、ぜひともわれわれは貫いていきたいと思っているものであります。 そして先生お尋ねの鉱害対策なりあるいは探鉱資金あるいは技術援助、こういうようなものをしてより振興策をはかれということでございまして、それに対する財源を、何とかそういう関税を財源にしてというお考えでございますが、確かにその一部に当たるものもございましょう。地金に対するものが一般会計に入りまして、それが回ってくることもございましょうが、しかし、それとはまた別の立場からも財源はつぎ込んでいくべきであると思うのであります。 いずれにいたしましても、数回御答弁いたしておりますように、国内鉱の維持、振興ということは、わが国の基礎資源の安定供給という立場から、そしてまたそこの鉱山の持っております地域社会との関係、やはり山間僻地のところに社会をつくっておられるのでございますから、こういう方々に急激な変化を起こさしてはいかぬという立場からも、慎重に考えていかなければならぬと思っておりますし、鉱石の確保については一段の努力を重ねていくつもりでございます。
○稻村(左)委員長代理 板川正吾君。
○板川委員 きょうは議題となっておりまする金属鉱物探鉱促進事業団、主としてこれに関して質問いたしたいと思います。 鉱害問題は、いずれ提案になった後、あわせてあとで質問いたします。 とりあえず事業団について質問いたしますが、この金属鉱物探鉱促進事業団の沿革と申しますか、いつ発足をし、どういう事業内容を持ち、実績を持っておるか、こういう点をまず説明していただきたいと思います。新しい議員もおるわけでありまして、過去のこの事業団の実績について、あるいは知悉してない点もあろうかと思いますから、一応その点からひとつ説明をしていただきたいと思います。
○青木政府委員 金属鉱物探鉱促進事業団の設立以来の経緯を簡単に私どものほうから御説明いたしまして、後ほど鉱山石炭局から補足していただいたらけっこうかと思います。 そもそもこの事業団ができましたのは、昭和三十七年当時、貿易の自由化に対処するためにわが国の鉱業の体質を強化するという目的でつくったものでございます。 設立は、昭和三十八年四月に金属鉱物探鉱融資事業団法が公布されまして、五月二十日に、金属鉱物の探鉱を急速に促進して、その優良資源の確保をはかり、もって金属鉱業の国際競争力の強化に資するために、金属鉱物の探鉱に必要な資金の貸し付けを行なうことを目的にいたしまして、金属鉱物探鉱融資事業団が設立されたわけでございます。 その設立後、事業団の業務内容の範囲の拡大とともに名称も変更いたしまして、現在に至っております。 その業務範囲の拡大の歴史を申し上げますと、昭和三十九年に精密調査業務を追加いたしまして、金属鉱物探鉱促進事業団というふうに改称いたしております。 昭和四十一年に広域調査業務を追加いたしております。 昭和四十三年に海外関係業務を追加いたしております。この海外関係業務は、第一が海外探鉱融資でございます。第二が海外地質構造調査、第三が海外開発債務保証、第四が資料、情報の収集、提供及び海外調査員の派遣ということでございます。それから同時に、金鉱山の基礎的な地質構造調査業務というものを追加いたしております。 それから、昭和四十五年に資源開発協力基礎調査業務というのを追加いたしております。 それから、昭和四十六年に地域開発計画調査業務というものを追加いたしております。 昭和四十七年に海外におけるウランの探鉱に対する成功払い融資制度、地質調査船の建造業務というものを追加いたしております。 このうち、法文上明確に追加いたしておりますのは、昭和三十九年の精密調査業務、それから昭和四十一年の広域調査業務、それから四十三年の海外関係の業務追加ということでございまして、あとは実質上の措置として追加いたしております。 それから、金属鉱物探鉱促進事業団の現況でございますが、資本金は政府が全額出資することとされております。当初二億円で発足いたしまして、その後追加出資を受けまして、四十七年度末においては六十九億円でございます。 それから、機構及び定員でございますが、役員が現在四名、そのほかに非常勤の理事が一名ございます。職員が百十一名、計百十五名の組織でございます。 概略御説明いたしましたが、以上が概要でございます。
○板川委員 鉱物資源は、エネルギーとともに産業に重要な資源であります。エネルギーが産業の血であるならば、鉱物はいわば産業の栄養ではないかと思います。エネルギーでもあるいは鉱物でも同じでありますが、大切なことは安定的な供給を確保する、こういうことが私はエネルギーや資源対策で最大の課題であろう、こう思います。この安定的な供給を確保するということに対して、わが国は資源が少ない国で、海外にその大半をたよっているわけですが、国内の資源というのが一番安定供給の源であることは言うをまたないのであります。 最近、御承知のように、国内の金属鉱山が相次いで閉山をいたしております。これは昭和三十四年から四十六年の統計でありますが、鉱山は、三十四年に七百三十三あったが、四十六年には百六十三、五百七十の鉱山が休廃止となっておるわけであります。そのうち、銅山が百九十二あったのが、四十六年には四十五で百四十七が休廃止になっておる。従業員も、三十四年には七万四千人おったのが三万四千人となり、四万人も減っております。製錬所の数も十七あったのが十五になり、製錬所の従業員も一万二千人いたのが六千人となって半減しておる、こういう状況が続いております。 最近は、さらにこの休廃止鉱山のテンポが早まってきておると思いますが、最近における鉱山の休廃止状況について説明をしていただきたいと思います。
○外山政府委員 四十六年までの状況、その前十年間の状況については、ただいま御指摘のとおりでございますが、最近の状況を申しますと、四十五年四月に、稼行中の国内金属鉱山数は二百四十六、従業員数は三万四千三百人でございまして、その後閉山が相次ぎまして、四十七年の十一月には、七十四減りまして鉱山数が百七十二になっております。それから従業員数は二万七千九百人で、その間六千四百人の減少をしているわけでございます。
○板川委員 これはあとで私大臣に詰めて伺うつもりでおるのですが、国内金属鉱山の今後、将来というのは、どういうふうに政府は見通しを持っておるのか。御承知のように、一昨年は円の切り上げがあり、今日はすでに二〇%近い円の切り上げが実質的に行なわれておる、こういう状況の中で、国内の金属鉱山の将来を政府は一体どう考えておるかということを聞きたいのでありますが、これはまた大臣等に伺います。 先ほど竹村委員から話がありました点、この関税の問題でちょっとお伺いしますが、銅の地金価格、これはどこでどういうふうにきまりますか。
○外山政府委員 銅には御承知のようにLME相場というものがございまして、国際的にロンドンで相場が地金価格としてきまるということでございます。その影響を受けるということでございます。
○板川委員 LME、ロンドン相場ですね。これがきまれば世界のどこでもこの相場によって取引が行なわれるということになります。それでは、鉱石価格はどういう基準をもってきまりますか。
○外山政府委員 そのLMEの地金相場から見まして、製錬費を加味して鉱石の値段がきまるということでございます。
○板川委員 そうですね。鉱石の価格はロンドン相場で地金の価格がきまる。地金の相場がきまったならば、今度は鉱石から地金が幾らとれるかということを勘案して製錬費を差し引いたもので鉱石の値段がきまる、こういうことになっております。したがって、銅も鉱石も、国際相場、ロンドン相場によって左右されておるということになるわけであります。現在の仕組みは、もしこの国際相場トン三十八万五千円が下がった場合には関税をかける、こういうことになっておるわけですね。そしてその関税をかけるのは鉱石にはかけない、地金にかける。しかし地金にかけて、国内に輸入される値段がそれだけ高くなれば、国内の鉱石を持つ鉱山は、したがって銅の価格が上がるから国内の販売価格も上がるという仕組みで、国内鉱山を保護しておるということになっておるわけですね。したがって、私は、この三十八万五千円という基準が実態に即しているかどうか、これが一つのポイントであろうと思います。この三十八万五千円という銅の価格のポイントですね。これが今日なお実態に即しておるとお考えでありましょうか。
○外山政府委員 ただいまの関税の上限並びに二万四千円という関税額につきましては、四十六年の関税率審議会で決定したものでございます。しだがいまして、そのときは、前の円の問題、通貨問題があったときにそういった措置を講じまして、若干保護性を強化したというのが現在に至っているわけでございます。
○板川委員 したがって、この三十八万五千円という限界コストといいますか、これは現状に照らして再検討を要請したいと思っているわけであります。要請をしておきます。 それから、時間の関係もありますから次にお伺いしますが、金の地金が自由化されますね。自由化されました場合に、一体国内金山に対してどういう対策をお考えか。政策を持っておるか、たとえば、輸入によって国内金山なんというものはつぶしていってもいいというふうにお考えなのか、それともそれに対して何らかの助成政策を考えておられるか、その点を伺いたい。
○外山政府委員 金の地金は長いことたいへん手厚い保護の中で国内対策が行なわれておりまして、御承知のように、一定の政府の指定した者しか輸入できないというふうなかっこうをとっておったわけでございます。これを最近のような国際情勢の中で自由化をするということになりますと、その保護の問題が一挙に国内鉱山の死活の問題になるという認識に立ちまして、私どもといたしましては、自由化は進めるけれども、同時に対策も強化しなければいけないといことで、いまお願いを申し上げておる予算案の中に二つの新しい制度があるわけでございます。 一つは、新たに国内金山に対する探鉱助成費でございます。これはいままで国がみずから見るというかっこうではなかったのでございますが、新たに五億程度の金をつけまして、これについての助成策の強化をやろうということが一つでございます。 それからもう一つは、過去十年来六百六十円という値段の中で国内金山は一応安定した経営を続けていたわけでございます。したがいまして、その六百六十円を下回るような国際価格になる場合は、その分までの価格差補給をすべきであるということで、その価格差補給のための金額を予算に計上させていただいておるわけでございます。 いまのところは、海外の金価格は異常に上がっております。したがいまして、そういうような問題点はございませんが、もしも自由化に伴いまして非常に下がるというような場合、つまり従来の六百六十円よりも下がるという場合には、その価格差を補給して金鉱山が安心して操業できるようにしたい、こう考えておる次第でございます。
○板川委員 わかりました。 次に、国内鉱山の開発ということに関連しまして、海洋資源の開発というのがたいへん重要であろうと思います。地球上に賦存する鉱物の中で、陸上にあるのは何らかの方法で探知でき開発もされておるのでありますが、海洋資源の開発ということに対して、この場合には石油、ガスを言いません。金属鉱物ということにいたしますが、この海洋資源の開発に対して、国は、どういうような政策を持ち、指導されようとしておりますか、その点を伺います。
○外山政府委員 海洋の鉱物と申しますと、もちろん石油及び天然ガスも入るわけでございますが、いま御指摘のように、金属鉱物に限って申し上げますと、大陸だなの金属鉱物資源という問題と、もう一つは、海底深く蔵しているマンガンノジュール、これはいろいろな貴重な金属のまざった鉱物でございますが、そういったものが海底深く内蔵されている。それをどうするかという問題と、この二つの問題が、海洋の金属鉱物資源の問題だろうと思います。 前者につきましては、これまで工業技術院の地質調査所が、主として砂鉄を目的とする調査を行なっておりました。しかしながら、これまでの調査も非常に局部的なものでございましたし、浅いところに限定されておりまして、大陸だなの基礎地質、そういったものを十分つかまれているというふうにはいえないわけでございます。このため通産省といたしましては、いまこの金属鉱物探鉱促進事業団に発注をして建造をしているところでございますが、地質調査船といったようなものの建造をはかりまして、その就航を待ちまして、日本周辺の大陸だなの基礎知識を体系的に調査しよう、そして鉱物資源探鉱の促進をはかっていきたい、こう考えている次第でございます。 それから、もう一つの海底二千ないしは六千メートルの深い底にありまするニッケル、コバルト、銅、マンガン、こういったものを高品位に含有するマンガンノジュールというのが大量に賦存しておるということが世界的に大きな関心を集めているわけでございますが、わが国といたしましても、これまでのところは、工業技術院の地質調査所あるいは公害資源研究所が中心となって、南西太平洋の深い海の調査を行なってまいりました。しかし、これまでのところ、専用の船もない、それから調査の機械も非常に不十分であるということで、相当外国に比べておくれをとっておるのが現状でございます。 〔稻村(左)委員長代理退席、田中(六)委員長代理着席〕 今後その賦存量の膨大さにかんがみますと、かなり安定的な供給源になり得るのではないかということも考えられるわけでございまして、やはりこれに対しても、いま建造中の地質調査船というものの就航を待ちまして、こういったマンガンノジュールの本格的な探索といった方向に一歩でも踏み出したい、こう考えている次第でございます。
○板川委員 地質調査船は、今度の予算に計上されておりますね。 次に伺いますが、この探鉱促進事業団は、いままではこうした前向きの仕事を担当しており、今度は公害防止といういわばうしろ向きの事業もこの事業団で担当することになるわけであります。 そこで伺いたいのですが、土地改良事業は事業団の対象事業となるかどうかということを伺います。 この間、私は足尾に調査に行ってまいりましたが、足尾には堆積された鉱滓が何十年、何百年というふうにあるわけであります。もちろんある種の安全性をもって堆積をしておるわけでありますが、しかし、地殻の変動やあるいは地震その他によって、あるいは大雨のときに山くずれ等によってそれが破壊され、流れ出さないとは限らないものがあるわけであります。したがって、そういう鉱害の原因となる鉱滓の堆積場をただ単にどろをかぶせておくというだけじゃなくて、土壌の改良をする必要があります。 足尾では、足尾町とそれから古河鉱業ですかが力を合わせて、この鉱滓の古いものを掘り出してきて、それで下水用土管をつくっている、そういう事業を興こしております。普通の下水用土管ですと酸性に弱いそうでありまして、この鉱滓からとれたものは、普通のものよりもずっと重く酸性にも強いというので、そういう面で需要が非常に多くなっているそうでありますが、そういうように、一たんたまっているものを他に利用し、そのあとの土壌を改良していくということが必要ではないだろうか。そうでないと、ただ埋めて木を植えてだいじょうぶだろうと思っていたら、大風水害等によってそれが流れ出すおそれもなしとしない、こういうわけでありまして、今度の促進事業団の中に、こうした土壌改良を含めた事業というものが対象になり得るかどうか、伺っておきたいと思います。
○青木政府委員 土壌改良の問題について、私のほうからお答えいたします。 鉱害によりまして汚染されました土壌の改良事業につきましては、土壌汚染防止法という法律がありまして、農地の土壌汚染、客土その他によりまして、改良事業はこの法律の適用でやっております。したがいまして、私どものほうの現在考えております鉱害防止事業とは区分して考えております。
○外山政府委員 ただいま板川先生から足尾における鉱滓の有効利用の御指摘がございました。確かにおっしゃるとおり、現在陶管原料、窯業原料としての利用方法がございまして、足尾鉱山等では鉱滓を利用して陶管の製造を行なっているということはそのとおりでございます。 私どもとしましては、このような鉱滓の有効利用が各鉱山の実情に応じまして適切に行なわれるというようなことをはかるための指導を行なってまいりたい。そのため鉱滓の安全な利用方法についても、必要があれば技術面での助成策、たとえば重要技術研究補助金といったものがございますが、そういったものを対象にいたしまして、技術的な助成も考えていったらどうだろうか、こう考えている次第でございます。
○板川委員 次に、この事業団の事業の一つである海外の資料センターがありますが、この資料センターではどういったものを資料として発行し、それを一般に配っておりますか。これはあとでその資料を出してもらいたいと思いますが、資料センターの事業の状況といいますか、これをちょっと一言でいいですから説明してください。
○外山政府委員 金属鉱物探鉱促進事業団は、当初のスタートは国内探鉱で始まり、四十三年に、先ほどもお話がございましたように、海外開発に乗り出すといったようなことで画期的な段階を迎え、さらに今回は、鉱害の防止まで事業に加えるというふうな画期的な変化をそのつどの情勢の中でやってまいったわけでございます。 いま御指摘の資料センターという問題は、今後の海外鉱物資源開発の強力な推進のために非常に大事な資料を提供するわけでございまして、私どもとしましては、ここで必要な資料の一元的な集中保管、そうして同時に整理分類といったことで利用が適切に行なわれる、活用が広く行なわれるということを願って、今後とも十分なこの利用をはかってまいりたい。四十三年度から全額の政府補助金をもって業務を開始しておるわけでございますが、今後ともこの体制の拡充強化をはかってまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○板川委員 金属鉱物探鉱促進事業団についての質疑はこの程度にいたします。いずれもう一つの鉱害防止の法案が提案されましたならば、あわせて鉱業政策全般について質疑をいたしたいということで留保いたします。 次に、大臣が来るまで若干時間がありますから、次の問題について伺いたいと思います。 これは金属鉱山及び石山鉱業、石灰石とか採石とか、そういう事業経費の中で爆薬というのが相当なコストを占めておるのであります。私がいまこれから質問したいことは、この金属鉱山にしましても石山鉱業にいたしましても、いま相当な経営困難になっておる。しかも、爆薬がその経費の中で相当なコストを占めておる。爆薬について、実は安全で安い爆薬が発明された。ところが、旧来の火薬業界では、そういう新しい爆薬の参入を拒否する体制があります。前回、ずっと前でありますが、アンホというのがありまして、このアンホというのもわりあいにダイナマイトよりも扱いが簡単で安い。このアンホが発明されたが、こういう産業火薬業界で、それに反対してなかなかできなかったのでありますが、当委員会で私が取り上げた結果アンホが採用され、そして地方の鉱山や石山に行きますと、安くて安全な爆薬が使用できることになったので非常に助かった、こういう発言等も聞いておるわけでありまして、今度は、そのアンホよりもさらに安くて安全性のある爆薬が発明されたということであれば、これの業界で参入を許すということは当然であろうと私は思いますので、その問題について質問をいたしたいと思います。 まず、警察庁に伺いますが、昭和四十六年六月ごろ、栃木県佐野警察が、栃木県警の指揮のもとに、高山某ほか二人を火薬類取締法違反として任意出頭を求め、九回にも及んで取り調べをし、そして事案は足利検察庁支部に書類送検された。足利検察庁支部でも前後三回にわたって取り調べをした結果、四十七年十二月に起訴猶予になったという事件があります。 その事件の違反と思われる事実は、許可を受けないで火薬類を製造したこと、法で許されている以上の大量の消費、実験をした、あるいは無資格者が取り扱ったというようなことらしいのでありますが、とりあえずそうした事実があったかどうかということと、その事実についての所見を伺いたいと思います。
○相川説明員 お答えいたします。 ただいまお尋ねの新しい火薬の実験に関する事件は、埼玉県大宮市に所在いたします日本ユニゲル——ユニゲルというのは糊材でございますけれども、ユニゲルの製造会社が、御指摘のように栃木県の田沼町等におきまして、硝安、ユニゲル及びアルミ粉末を混合した新しい爆薬を製造いたしまして、爆発の実験ということで消費していた事案がございます。 この事実につきまして、たしか四十六年の二月ごろでございましたが、私ども警察が認知するところとなりまして、栃木県の警察本部では、所轄署が佐野警察署の管内でありますので、この警察署に指揮をいたしまして捜査を始めたわけであります。その結果、爆薬の無許可製造、それから無許可消費という疑いがございましたので、火薬類取締法に該当する爆薬になるかどうかということにつきまして、検察庁を通じて通産省にも照会をいたしました。通産省からは、この新しい実験をいたしております爆薬なるものは火取法にいうところの爆薬に該当するという積極的な見解、回答もいただきましたので、本格的な捜査を始めたわけです。 捜査の概要について申し上げますと、これは関係府県が多うございまして、実に三十一都道府県に及びまして、それから参考人も百四十名以上取り調べをいたしたわけですが、その結果、この会社の役員など三名のものにつきまして、四十二年の八月から四十五年の十一月ごろまでの間に、大体十回くらいにわたって、先ほどお話し申し上げました硝安あるいはユニゲル、アルミ粉末、こういうものを混合した硝酸塩を主とする爆薬、合計七百七十キログラムくらいでございますが、これを無許可で製造し、しかも実験という名前のもとに無許可で消費していたということに結論を得まして、捜査を終わりました段階で、たしか四十六年の十月初旬ですが、これを宇都宮地検の足利支部に書類送致をいたしました。 私どもの聞いておりますところでは、先ほどお話がありましたように、四十七年の十月の末に、これら被疑者三名について、検察庁では、起訴猶予処分ということで、一応事件は落着しておると聞いております。
○板川委員 現物がここにあるのですが、それを火薬類取締法の無許可で製造したということであれば、懲役三年以下、罰金三十万円以下、こういう刑罰が課せられて当然だと思うのです。しかし、これが起訴猶予になったのはどういう理由でありますか。起訴なら起訴、不起訴なら不起訴と、その理由を開示して明らかにすべきじゃないでしょうか。なぜ理由を明示しないで起訴猶予になったのか、この点はどういうふうにお考えですか。
○相川説明員 私ども警察におきましては、事件の容疑がございますと、当該事実につきまして捜査をいたしまして、それを検察庁に送致をいたすのが、通常の事件捜査のあり方です。 今回のこの事件につきましては、私どもが事件送致をし、その後、検察庁におきまして起訴猶予処分ということになったと聞いておりますけれども、それでは検察庁がどういう理由で起訴猶予にいたしましたのか、その点については、検察庁の判断でございますし、私としては、どういう理由でそうなったかについては推測でしか申し上げるわけにいかないのです。したがいまして、私からその理由をいま申し上げることができないような事情にございます。
○板川委員 起訴なりあるいは不起訴にする場合には、その理由を明示しなくてはなりません。しかし、起訴猶予の場合には明示をしなくていい、こういうことでありますから、本来爆薬として、しかも大量に消費したというのであれば、三年以下の懲役、三十万円以下の罰金、いずれかにするとか、あるいは不起訴ならこれこれの理由で不起訴にする、こういう理由がほしかったわけでありますが、実は起訴猶予であるために、新しい発明者としては、何が原因で、われわれのこの安全で爆発力を持つ新しい爆薬が受け入れられないのだろうかという気持ちを持つわけであります。 そこで、次に通産省に伺いますが、通産省がこれを爆薬とした根拠はどういうことでありますか。
○青木政府委員 通産省としましては、これを火薬類取締法上の爆薬といたしました理由は次のとおりでございます。 火薬類取締法上の爆薬とは、可燃物と酸素供給剤が適切に混合され、ある一定の条件で起爆した場合において爆発し、破壊的爆発の用途に供せられるものであるというふうに解しております。この場合、可燃物としましてはアルミがございまして、酸素供給剤としては硝酸アンモニウムがございます。このユニゲル・スラリーにつきましては、これが爆発の用途に供する目的で製造されたものでありまして、警察から入手しました成分配合比や実験結果から見ましても、火薬類取締法の第二条第二号にいう硝酸塩を主とする爆薬とすると解釈しまして、警察のほうにもそう回答した次第でございます。
○板川委員 これは火薬類取締法第二条第二号の口にある硝酸塩を主とする爆薬という規定でありますね。これは、あるいはそういう解釈をするのは当然だと私も認めます。では、この場合、製造許可、輸送、販売、こういうことについてはどういう規定がございますか。
○上杉説明員 製造につきましては、法律の第三条及び第四条に許可を受けるべきことが書いてございます。 消費につきましては、法律の二十五条におきまして、やはりこれは都道府県知事でございますが、都道府県知事の許可を受ける必要があるという規定になっております。 それから、運搬につきましては、十九条におきまして届け出をする必要があるということになっております。 以上でございます。
○板川委員 私がここで言いたいことは、おそらく火薬類取締法ができたときには、この種の爆薬というのは想定をされない、しかしこの規定がある以上、この規定で取り締まるということになりますと、実は実態とはなはだ違うような状況になるということであります。 この問題となっておるUSM、ウルトラ・スラリー・ミキスチャーというのだそうでありますが、これは確かにそのもの自体が爆発するものじゃないのですが、爆剤として使用目的を持つものであります。したがって、これは火薬類取締法の対象になることは当然でありましょう。この爆薬の材料というのは、硝安、すなわち硝酸アンモニウムに無機膠質のゲル剤、これは一種の粘土だそうでありますが、これを複合してスラリー状態に製造しておく。もう一つは、アルミの粉を用意し、これは装飾用にも使う銀粉でありまして、これ自体は爆発するものじゃありません。前の硝安は肥料でありまして、肥料に一種の粘土をまぜたからといって、これ自体が爆剤とはならない。この硝安に粘土質のものを複合したものをゲランといっていますが、そのゲランに別途用意したアルミの粉を使用寸前に混合して、それに雷管を差し込んで、少量の火薬を起爆剤として爆発させる、その偉力はダイナマイトに匹敵するというのであります。これを混合しただけでは、マッチをつけても、火の中にくべても、これ自体爆発するものではない。硝安は肥料として販売している、あるいはこのアルミも塗装用の塗料としてどこでも売っておる。したがって、安全で、火薬のように取り扱いに非常な注意をしなくては何かの間違いで衝撃を受けて爆発するということはないそうでありますが、これが非常に安くできるわけです。 そこで、たとえば火薬の製造の場合には、製造する部屋についてどういう措置をしろとか、あるいは保安距離をどうしろとか、輸送するときには、公安委員会に届け出をして「危険」という火薬輸送の自動車で運ぶとか、いろいろの火薬に対する危険防止の手当てがあるわけですが、いまの法律でいうと、これも全然危険性がない、使う寸前において混合して、雷管を差し込んで使うということだそうですが、これもいまの火薬類取締法によって、相当な距離をおかないとやたらに製造してはいけないとか、あるいは使用してはいけないということにひっかかってくるわけであります。この火薬の製造というのは、このゲランの場合に、どの段階を製造というふうに規定してこの法律を当てはめるのか。硝安を肥料会社でつくっているのを火薬類取締法で取り締まっているわけではない、アルミの粉をつくっているところをこれまた火薬類取締法で取り締まっているわけではない。だから、この場合に、製造とは一体どういう条件下におけるものを製造とお考えですか。
○青木政府委員 先ほど御説明しましたように、火薬類とは酸素供給剤と可燃性物質から構成されているわけでございますので、その爆薬におきましても、硝酸アンモニウムとアルミニウムとが混合される段階から爆薬の製造過程に入ることになると解釈しております。ですから、ゲルと硝酸アンモニウムとか、ゲルとアルミニウムの段階では爆薬には該当しないのでございます。たとえば、ゲルと硝酸アンモニウムとアルミニウムを混合する段階から火薬類の製造過程に入るというふうに解釈されております。
○板川委員 この混合する段階で製造というふうに見られるということになれば、それの途中まで、輸送する段階では、別に公安委員会に届け出をして危険予防する必要はないということになりますね。 そこで、火薬類取締法施行規則の第四条にこういう規定があるのです。これは必要なところだけ読みますが、「前項第四号から第八号まで、第十一号、第十三号、第十八号および第二十三号の二から第二十七号までに規定する基準については、通商産業大臣が土地の状況その他の関係により危険の虞がないと認めた場合に限り、当該規定にかかわらず、その程度に応じて認めたものをもつて基準とする。」こういう規定があります。これは一般の火薬の場合には危険工室の安全性の問題とか、保安距離とか、あるいは輸送についての注意とか、あるいは火薬取り締まり資格者の扱いとか、いろいろの規定がありますが、特に通産大臣が危険がないと認めた場合に限り、当該規定にかかわらず、そういうことを省略して、その程度において認めたものをもって基準とする、こういうふうに、いまのこの製造の段階を両方混合したときをもって製造とするということであれば、こういう規定を考慮の上に解釈されたのかどうか、伺いたいと思う。
○青木政府委員 先ほど御説明しましたように、混合の段階から火薬になるわけでございまして、その前の段階で別々に取り扱っている場合は爆薬ではございませんので、火薬類取締法の適用を受けないというふうに解釈しております。
○板川委員 そうしますと、これは別々に持って現地へ向かっておれば、その段階では火薬類ではない、こういうふうに解釈していいわけですね。混合してから爆薬の取り締まりを受ける——わかりました。 それがわかればいいのですが、先ほども言いましたように、既存の火薬業界というのは、こういう安全でしかも安い火薬類が発見され、しかもそれが産業用全体に使われるということを実は拒否する体制があるわけです。これはわからぬでもありません。古いものが新しいものの参入を拒否するということはわからぬでもありませんが、どうも通産省は、火薬業界との関係があるかどうか知りませんが、こういう新しい火薬類、こういう新しい発明品の参入についてあまり前向きでない感じを聞いておるものですから、本委員会で取り上げたわけであります。 いずれ関係者が正式に製造許可の書類を出し、あるいは必要とあれば公開実験をして、爆薬として安定性のある爆薬ということであれば、こういう新しい安全で危険のない爆薬の参入を積極的に奨励すべきであろう、私はこう考えますが、塩川次官、いかがでございますか。
○塩川政府委員 仰せのように技術開発でどんどん新しいものが生み出されていくことは、これは大いに歓迎すべきことでございます。したがいまして、安全性と効果性というものが何らかの方法で実証されるようなことがございましたならば、やはり積極的にこういう安価で有利なものは取り上げていくべきであろうと思うのでございまして、できるだけ早い機会に関係所管庁にそのものを提出していただいて、積極的にひとつ御協力を申し上げたい、このように思います。
○板川委員 以上をもって私の本日の質問を終わります。
○田中(六)委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田中(六)委員長代理 速記を始めて。 この際、関連質問の申し出がありますので、これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 この第三条の役員の増加なんだけれども、事業団の常任理事、いま何名いるんでしたか、これを二名増加するという必要性はどういうことですか。それだけ答弁してもらって、大臣にあと……。
○青木政府委員 事業団の役員は現在四人いますが、今回鉱害防止事業を業務に追加いたしますに際しまして二名増員することを予定いたしております。 この二名は、新しく改組拡充によりまして鉱害部内の組織を整えることを考えておりまして、理事は業務部または技術部の業務に関し、それぞれ対外的責任者としての役割りを受け持たせるように考えております。 すなわち、技術部におきましては、休廃止鉱山鉱害防止工事費補助金制度により地方公共団体が工事を実施する場合に要する事前調査、測量、土質試験または地方公共団体の要請に基づきます技術的指導、助言を行なうことにいたしておりますが、補助金対象工事量の増大に伴いまして増大する業務につきましては、地方公共団体との折衝をはじめ、適宜適切な処理をする必要がございますので、その責任者としての技術部担当の理事を置くことが必要であるということでございます。 一方、業務部におきましては、鉱業権者の鉱害防止工事費に充てるための長期低利の融資及び金融機関の融資分に対する債務保証等、主として融資関係の業務を行なうことになるわけでありますが、この場合、債権の確保に過度の重点を置けば融資できないというために鉱害源を処理しきれないということになりますし、逆に借り入れ企業の担保力を過大に評価し過ぎましても融資業務の健全性を問われる結果になりかねないというような実態にあるわけでございます。したがいまして、業務部としましては、鉱業権者の経営内容の審査、あるいは国、地方公共団体、地域住民等の要請を検討いたしまして調整をはかる必要がございますが、こういう問題のむずかしい処理をいたしますためには、対外的に責任者として業務部担当の理事が一人いるということで、この二名を追加することになっております。
○中村(重)委員 大臣がいまお見えになりましたが、むずかしい問題ではございませんので、常識的な点から大臣に要望しておきたい。 いまこの事業団法の改正ということで、金属鉱物探鉱促進事業団が、金属鉱業事業団ということに名称を改める。しかも、非常に重要な鉱害防止という役割りを果たす。そうした業務の拡大に伴って、現在の四名の理事を二名増員をして六名にする、いま局長からお答えがございましたように、その役割りと申しましょうか、業務の内容はきわめて重要である。これらのこと等を考えますと、えてして事業団等をつくるとか、あるいは理事等の増員をするという場合に、天下り人事である、一つの職場をさがすために、こうした拡大あるいは進出等をやるのだという批判等もあるわけです。通産省といたしましても、いま局長からお答えになりましたような任務の重要性ということから考えまして、そうした批判等は避けなければならないというお考え方は十分あることとは思いますけれども、なかんずく中曽根通産大臣は、この人選にあたりましては、慎重にひとつその任務を十分達成し得る人材を登用する、そういうことで、この法律案が成立をいたしましたならば配慮してもらいたい、このように思います。この点ひとつお考え方をお聞かせいただいておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 法改正の趣旨に沿うような人事をしなければならぬと思います。そういう場面に参りましたら御相談申し上げたいと思います。 ————◇—————
○田中(六)委員長代理 内閣提出、金属鉱業等鉱害対策特別措置法案を議題といたします。
○田中(六)委員長代理 この際、提案理由の説明を聴取いたします。中曽根通商産業大臣。
○中曽根国務大臣 金属鉱業等鉱害対策特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 さきに提出いたしました金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案につきまして御説明いたしました際に申し述べましたように、金属鉱業等による鉱害は、その発生源が、おもに、鉱物の掘採の用に供される坑道及び不要となった鉱滓等の堆積場という鉱山に特有の施設であり、しかもこれらの施設は、鉱業の終了後も半永久的に存在し、カドミウム、砒素等の人の健康に直接被害を及ぼすおそれのある有害重金属を含んだ地下水または浸透水を排出する等他の一般産業における公害と異なる特殊性を有しております。 このような状況にかんがみ、金属鉱業等における鉱害問題を抜本的に解決するためには、従来に引き続き規制、監督を拡充強化することに加えて、現在までに蓄積されている鉱害源につきましては、採掘権者等においてこれを計画的かつ確実に処理し、その一掃をはかるとともに、今後使用する施設につきましては、採掘権者等に対し、その使用終了後における鉱害防止事業の実施に必要な資金の確保を義務づける必要があると考えます。 政府といたしましては、このような施策を実現するためには、特別の立法上の措置が必要であると考え、昨年来鋭意検討を進めてまいりました結果、このたび成案を得るに至りましたので、ここに金属鉱業等鉱害対策特別措置法案を国会に提出いたしました次第であります。 以下同法案の内容の要旨を御説明申し上げます。 第一は、すでに使用が終了している坑道及び捨て石または鉱滓の集積場について、鉱害の防止事業を計画的に実施させるため、通商産業大臣が鉱害の防止事業に関する基本方針を定めることとするとともに、採掘権者等の鉱害防止義務者に具体的な鉱害防止の事業計画を届け出させ、これに従って鉱害の防止事業を実施させることとすることであります。 第二は、鉱害防止積立金制度の創設であります。採掘権者等は、今後これらの施設の使用終了後に実施する鉱害防止事業に必要な金銭を、あらかじめ金属鉱業事業団に積み立て、鉱害の防止事業を実施する等の場合にのみ、これを取り戻すことができることとし、今後の鉱害防止事業の確実な実施をはかることとしております。 第三は、採掘権者等に課された以上の措置の履行を担保するための強制措置を講ずることであります。すなわち、採掘権者等が事業計画を届け出ないとき、鉱害防止積立金の積み立てをしていないとき等の場合には、その鉱業の停止を命ずることとし、さらに、その停止命令に違反したときは、採掘権等を取り消すことができることとしております。 本法案の主要点は以上でございますが、ほかに法の施行に必要な報告徴収、立入検査、罰則等に関する規定を定めるとともに、附則におきまして金属鉱業事業団法を改正し、金属鉱業事業団の業務に鉱害防止積立金の管理業務を追加することとしております。 なお、法の施行期日は、公布の日から起算して、三カ月をこえない範囲内で政令で定める日としております。 以上が本法案の提案理由及び要旨であります。金属鉱業等の鉱害対策につきましては、さきに国会に提出いたしました金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案とあわせて、その万全を期することとしております。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○田中(六)委員長代理 以上で提案理由の説明は終わりました。 次回は、明十四日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十七分散会