社会労働委員会 第40号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/07/10
会議録
○田川委員長 これより会議を開きます。 労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案及び船員保険法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、質疑を行ないます。 申し出がありますので、順次これを許します。八木一男君。
○八木(一)委員 議題になりました両法案及び関係の事項について、労働省、厚生省に御質問申し上げたいと思うのです。 まず、労災法の問題でございますが、これは当然至急に全面適用になるべきものだと考えているわけでございますが、労働省の見解を聞かせていただきたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 労働者保護のためには労災法を全面適用するようにつとめるべきは当然のことでございまして、現在、昭和四十四年の失業保険法及び労災保険法の一部改正によりまして、たてまえとしては、労働者を使用するすべての事業場に適用するということにはなっておりますが、しかし任意適用事業場というものを一挙に強制適用事業場とすることにつきましては、事務的にも困難でございますので、現在、当分の間、政令によりまして一定の事業場を任意適用事業場に残しておるわけでございます。これにつきましても、四十七年には、製造業、運輸通信業、鉱業などで、従来任意適用でありましたものを強制適用に組み入れたりいたしまして、逐次強制適用の範囲を拡大いたしておりますが、まだ五人未満の商業、サービス業等が任意適用事業場に残っております。これにつきましては、事務処理体制の整備等をはかりながら、できるだけすみやかに適用拡大をはかりまして、全面適用を実現するようにいたしたいかように考えて努力いたしておるところでございます。
○八木(一)委員 労働省の努力と推進の気持ちはある程度理解いたしますが、そのようにはずれているところにある労働者こそ、労働災害を受けたときにほんとうに困る実情にあることは申すまでもございません。この労災法だけではなしにほかの関係の法律も、ただ事務的なものというような関係で、一番そのような補償が必要な人たちに適用されていない部分が多いということは、これは非常に本末転倒だと思うのです。ぜひ全部に完全適用になるように至急に御推進を願いたい。それについて労働大臣から積極的な決意のほどを伺っておきたい。
○加藤国務大臣 この全面適用の問題は少しずつ改善してきましたが、今後全面適用の方向で、もうあと残っているものは一部でありますから、全面適用するように、今後きつい方針であります。根本的な方針で全面適用に向かうように措置いたしたいと思います。
○八木(一)委員 基準局のほうが実際の準備に当たられると思います。労働大臣の決意をほんとうに実現するように全力を尽くして推進をしていただきたいと思いますが、局長のほうからひとつ。
○渡邊(健)政府委員 大臣からもそういう御方針を指示されておりますので、私ども、でき得る限り早くこれを実際に実現いたしますよう、でき得る限りの努力をいたす所存でございます。
○八木(一)委員 労災法のいろいろな給付がございますが、すべての給付についてこれがほんとうにその給付に値するものになるように充実をしていかなければならないわけでございますが、この中の休業補償の給付については、いま六割の給付だそうでございますが、労働災害というものは全面的に使用主の責任にかかるものでございまして、どんなに給付を受けても、そのような災害を受けた労働者の不幸というのは消え去るものではございません。 そこで、休業給付が六割というようなことでは、ほかの医療その他のこともあったとしても、その間労働者が生活に非常に困るわけであります。当然これは、働いていたときの賃金と同じものが——賃金または日本の慣行で手当とか賞与とか年末一時的な給付とか、そういうものがございますけれども、それが全部補償されるようにならなければならないと思うわけであります。そのような休業給付を飛躍的に充実するものにしなければならないと思いますが、それについての労働省の見解を承っておきたい。
○加藤国務大臣 いまの休業給付その他遺族補償給付など、労災保険の給付の改善については、いままで法律改正を行なってこの水準の向上につとめてきましたが、いろいろ批判がありますけれども、ILOの百二十一号条約の水準には達しております。しかし、まだそれで完全とは思っておりませんので、従来から労災保険全般にわたりまして再検討いたしておりますので、審議会なり審議会内の懇談会で、これが改善に対して全面的な検討を行なっております。よくわれわれ役所のほうが、やれ審議会、懇談会にまかしておるんだということを言いますが、これはまあそういう意味でなく、労働省自体も熱意を持ってこれが改善に対処いたしておりますので、近いうちに全面的な給付の改善を行ないたい所存であります。
○八木(一)委員 積極的な御決意でけっこうでございます。なお積極的になっていただきたいと思います。 ILOの条約の問題について、労働省あるいはまた厚生省でもいろいろ論議をされますが、たいへんへっぴり腰だと思う。ILOの最低基準を満たせばまあまあというようなことでは、これはもうとんでもないことで、日本の産業が非常に飛躍的に前進をしておる、その中で、たとえばこの問題で、労働災害が起こるということ自体がけしからぬので、これは完全に防止をしなければなりませんけれども、そこで、起こったものについての補償についても万全な対策をとらなければならない。日本の経済が、世界の中で、ほかの国がびっくりして迷惑をするほど発展をしています。これは日本の労働者の低賃金と重労働と、それから危険な職場でこき使われる、そういう犠牲から成り立っていることは、これは、こういう政治や経済は改めていかなければならないと思いますが、このような労災の問題について、そんなILOの基準みたいなちっぽけなものではなしに、日本がILOの基準をはかるに上回るものを実施する、世界じゅうのおくれた労働政策が日本の進んだ労働政策に従ってくる、ILOのその条約ももっと高い水準の条約が結ばれる、そのような推進を日本がやるというようなことでやっていかなければならないと思うのです。そういう点でひとつ一そうの決意を明らかにしていただきたいと思います。
○加藤国務大臣 八木先生の御趣旨ごもっともであります。今後日本の生産が向上し、経済が発展するに即応して、ILOの程度でいけばいいという考えはありません、いまの労災保険の給付の改善についてもILOの水準に達していますけれども、それ以上のことをやりたい、こういう所存でありまして、御趣旨ごもっともで、労働省といたしましても、御趣旨に沿って対処いたします。
○八木(一)委員 そのような御決意のもとに補償をみな上げなければならないけれども、たとえばその中心の一つである休業補償については、十割給付ということを日本でまず来年からこれを実現をするということをしていただきたいと思いますが、これについての御見解を伺いたい。
○加藤国務大臣 一ぺんに十割というのは、それは急にここでお答えすることもなかなか困難でありますけれども、理想の目的はその線に向かって進めたい。やはり急に一ぺんに六割が十割というわけにもここでお答えはできませんが、できるだけこれが改善につとめたい所存であります。
○八木(一)委員 先日私はいわゆる振動障害、白ろう病の問題について調査に行ってまいりました。そこで実際に伺ったところ、振動障害の労災の適用を受けている人が多くなければならないのに、国有林ではかなり出ている、ところが民有林のほうはもっと振動の多い悪い機械を使っているし、もっと労働条件が悪いから、当然国有林よりもっと振動障害の比率が多く出ていなければならない。実際見ましたら出ているんです。ところが労災の申請をしない。労災の申請をすると、もうあれは使いものにならないといって働かしてくれない。これは早晩一家心中になる。労災の申請をして適用になって休業補償をもらっても、六割ではどうしても食えないというために、自分のからだはどんどん悪くなるのを知りながら労災の申請をしないで働いているという点があるわけです。こういう点を考えると、いま労働大臣が十割はどうかと言われましたけれども、少なくともこういう人たちの問題では即時十割に踏み切らないと、ほんとうに一生懸命に山の中でこつこつと日本の国民の必要な木材を生育させ、それを伐採をし、搬出をし、ほんとうに文化的なもののないところで朝から晩まで激しい労働をして一生涯を貫いていく人たちに対する対処ではないと思う。少なくともこういう人たちに対する十割給付ということは至急に進めていただきたいと思いますが、これについての労働省の御見解を伺いたい。
○渡邊(健)政府委員 林業労働者の白ろう病患者につきまして先生御指摘のような事情があることも私どもよく聞いておるわけでございまして、現在労災保険の給付改善につきましては先ほど大臣からお答えいたしましたように検討中でございまして、いまどれだけにするということをまだ明確に申し上げる段階ではございませんけれども、それらの事情も十分踏まえながら前向きにそれらの問題を検討し、給付の改善をはかるようにいたしてまいりたいと存じます。
○八木(一)委員 ぜひそのようにお願いをしたいと思います。 それから、実は全般の問題でございますが、給付率を引き上げると同時に、いま最低の底上げをしておられますけれども、それはいま何日分になっておりますか。
○渡邊(健)政府委員 現在労災保険の最低基礎日額は四十七年度から千円というふうにいたしておるわけでございます。これは一般の賃金の趨勢あるいは物価、生計費あるいは他の社会保険における給付等々をにらみ合わせながら逐次改善する考えでおりますので、現在の給付率につきましても今後の情勢を見ながらこの改善方について今後考えてまいりたい、かように考えております。
○八木(一)委員 振動障害の問題についていま基準局長からお答えをいただきましたが、労働大臣からその問題について全力を尽くして取り組まれる御決意を伺いたいのと、それからもう一つ、最低日額の底上げの問題、給付率を上げる問題、その中で十割にしてもらいたいけれども一ぺんにいかなかったら、たとえば全体は九割にするけれども、安いところは十割にするとか、そういうことも込めて、ほんとうに全力をあげて取っ組んでいただきたいと思いますが、振動障害の問題を含めて労働大臣の御決意のほどを伺っておきたいと思います。
○加藤国務大臣 白ろう病の問題は、患者が多いにかかわらず申告がないというのは、八木先生のおっしゃるとおりで、給付が少ないからかえって労災のほうに届けるよりはまだましだから働こうほんとうに叱咤するようなかっこうの現状でありますので、いま局長から言ったように、十割にするというところまではまだ省内は進んでおりませんが、よく前向きで、八木先生の御意見に沿うように前向きで検討いたします。答弁だけの答弁でなしに、その後段の問題も御趣旨に沿って検討いたします。
○八木(一)委員 全般の問題について前向きですけれども、ちょっとぼやけた前向き——もっとかっちりした、はっきりした前向きになっていただきたいし、振動障害の十割はぜひ実現をしてもらいたいと思いますが、一そうひとつ決意を込めてやっていただくように、ひとつもう一回御回答をお願いいたします。
○加藤国務大臣 いろいろの関係もありますので他との不均衡になっても困りますので、全般的に全部十割というわけにもいかない。その中で、ここは八割とか九割とかにしてくれという御趣旨よくわかりますが、いま前向きにというのでは具体的でないという御質問でありますけれども、内部なり関係方面ともよく相談いたしまして、できるだけ御趣旨に沿うような線で対処いたします。
○八木(一)委員 よくほかとのバランスということがいわれますけれども、とにかく全部前進しなければならない。ほかがなまけているからうちもなまけているということではいけないので、特に労働者の生活と権利を確保するのは労働省の任務であります。ほかの省がだらけていたらしかり飛ばして、労働省が先頭を切ってそういうことをやるということで、決意を込めてやっていただきたいと思います。 それから、具体的な問題に入りたいと思います。 わが党の多賀谷委員をはじめ同僚委員が、通勤途上災害の問題について具体的に疑義を解明されました。大半解明をされていると思いますが、私もその一部についてはっきりさしておきたいと思うわけであります。 実は、つとめているところに食事をするところがないというときに、昼めしの食事に行く。行ったときに、その昼めしの食事に行くとき、行ってから職場に帰るときに、交通災害その他の災害にあうという場合に、私は当然通勤途上の災害に全部入れるべきだと思うわけであります。これはフランスでは完全にそうなっているわけでございますが、今回その点が少しはっきりしていないのでこれを全部入れるようにしていただきたいと思うわけであります。一応その点の御見解を伺っておきたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 就業の場所と食事の場所との途上におきます災害は、フランス等は自宅に食事に帰るといったようなかっこうが一般的であるというような理由から、先生おっしゃるようなことになっておりますが、日本ではそこまでの慣行もございませんし、いまのところそれを一般的に業務災害または通勤災害として取り扱うことは困難かと存じますけれども、事業場に食事をする施設がない場合あるいは施設の不十分な場合におきまして、使用者が事業場に近接する食堂と従業員の食事について契約を結んで、事業場の指定食堂としているようなときは、その食堂との間の直接の往復途上における災害につきましては、業務上の災害になるものと考えるような次第でございます。
○八木(一)委員 ある程度けっこうです。これをもっととにかく制約がつかないところで——食事というものは人間の生活上絶対必要なものである。そして今度の法律では、住居というより生活の本拠という解釈で、生活の本拠から職場に通勤をするというところで組み立てられておるわけです。本拠ということでしぼられているのは一応の理由はありますけれども、生活の中には、睡眠をとるとか食事をするとかいろいろなことが必要なわけです。住居が全面的な拠点ですけれども、人によっては、たとえば住居に食事をつくってくれる主婦その他がいない。そして自分がやろうとしても、そういう炊事をするところがない。いろいろなことがあれば、拠点の中の一部分がほかに移らざるを得ない。昼のときに弁当をつくってくれるような家庭人がいない。それを自分でつくろうと思っても炊事場がないということになれば、当然、昼の食事をして労働能力をちゃんとつけて就業するためには食事に出なければならないということになろうと思います。会社でりっぱな食堂があればいいけれども、ないときには当然どこかに食べに行く。安いところで便利なところへ食べに行くということにならなきゃならないので、これは生活の拠点の一部だと当然考えていいと思うわけです。いまの局長の御答弁、大体はそれで対処がなされると思いますが、ひとつさらにこの問題を完全に対処をされるように努力をしていただきたいと思うわけです。
○加藤国務大臣 まあ住居というのは、食堂を住居とするということは本法上困難でありますけれども、人間、生活する場合に、昼食事をしなかったら、これは人間の生活ではありません。従来は、弁当さげていくということがあったのでありますけれども、このごろは弁当というのもこれはちょっと無理でありますので、いま八木先生から言われたように、最初このことについて疑義が生じておりましたが、私の意見は、大体食事はもうよかろう、住居とみなしてもいいではないか、こういう意見を持っておったのでありますが、先般来から省内で協議いたしまして、いま局長から御答弁のような話がありましたが、契約して指定食堂といったって、これは高いところ安いところといろいろな関係がありますので、契約しなくても、何キロぐらいのところに三、四軒あるときには、三、四軒ぐらいの程度は、局長とちょっと私の見解が違うが、大臣のほうが責任者でありますから、この点は、八木先生のほうはもうこれでいいという気持ちらしいですけれども、食事だけは、そう契約して指定食堂にしなかったらいかぬということになると、これまた弊害が伴いますので、あんまり遠方に行って妙なところに行くと困りますけれども、大体この程度というような、会社から契約しなくても、こことここまでよかろう、こういう程度で、今後、この法案の食事の場合のことは私はあとで局長と相談をいたしまして、そういうようにいたしたいという所存であります。
○八木(一)委員 大臣の具体的な労働者のための御判断、非常にけっこうだと思います。局長さんも同じようなお考えであると私は思います。大臣のおっしゃった運営をなさるということを、ひとつもう一回大臣と局長からお答えをいただきたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 大臣の御趣旨に従いましてやっていきたいと思います。
○八木(一)委員 では、もう一つ問題を伺っておきたいと思いますが、就業しているときにいろいろの病気になったり、からだのぐあいが悪くなるときがあると思います。たとえば急に歯がうんで、痛くてしようがない。それで自分の判断でも、歯ぐきにちょっとメスを入れてうみを出してもらわないと、もう二、三日目におたふくみたいになってしまうというような危険を感ずるし、このように痛くては仕事もできないというようなこともあると思いますし、また夏、下痢や何かでもうとにかく一時間に二十回も便所に通わなければならない。仕事にもならないし、からだも衰弱してたまらぬ、そういう場合が起こると思うのです。そういう場合に、もよりの診療所に、これは内科の場合や歯科の場合、両方あると思いますけれども、そういうときに行く。そのときに、残念ながら、近いんだけれども、その間に大通りがあってそれで乱暴な運転手がぴゆっと飛んできてはねられたというような場合も起こり得ると思います。そういう診療所に行く、また診療所で診療を受けて帰るというときにも、これは通勤途上のこの災害の補償に当然適用されるべきだと思うわけでございますが、労働省の御見解をひとつ……。
○渡邊(健)政府委員 労働者が病院や診療所に寄られるような場合は、出勤または退勤の途中でそういう診療所や病院にお寄りになる場合に、これはおそ出あるいは早退などを伴う場合もございましょうが、それらを含めまして、これは今度の改正法の七条三項の「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為」に該当するものと考えるわけでございます。 なおまた、会社に診療所がない場合に、就業中に先生おっしゃったようなことでちょっと緊急の治療を要するというようなときに、会社の指示または了解によってそういう病院、診療所の間を往復します行為、これは就業に伴うことでございますので、これはこちらのほうは業務上になる、かように考えております。
○加藤国務大臣 先ほどちょっと私と局長との話が食い違いがありましたが、この問題はもう同意見であります。局長の意見のとおりであります。
○八木(一)委員 大臣及び局長の御答弁でけっこうであります。それをぜひ、何かその境目みたいなものが起こったときもほんとうに労働者のために御判断になるように、監督署その他に御指示をいただきたいと思います。 いま厚生省のほうも、労働省と質問者の質疑応答を聞いておられまして、昼休みに近くの食堂で御飯を食べる、そのときに自動車にはねられるというようなこと、そういうときには通勤途上の災害として考える。それからまた、病気の場合、朝診療所に行ってそれから会社に出られる、それから会社の帰りに診療所に寄って帰られる。それから昼いきなり歯や腹とかぐあいが悪くなった、そういうとき、これは労働省がいま答弁していられたのを厚生省はお聞きだと思いますが、昼間のときには、会社にその診療施設がないときというふうにおっしゃっていましたが、そういうことを含めて、厚生省のほうも、船員関係のほうの通勤途上の災害について同様に考えられるかどうか、ひとつ厚生省のほうから伺っておきたいと思います。
○山口(敏)政府委員 ただいま労働大臣からの御見解がございましたように、厚生省のほうといたしましても、陸上労働者の場合に準じて取り扱うように処置したいと思っております。
○八木(一)委員 それでは、実は特別加入者の問題でございますが、先ほどから、全面的に全部この適用をすることについて意見を申し上げ、お答えをいただいたわけでございますが、特別加入者はいま通勤途上の災害が入っておりません。入っていないことについてはいろいろと、一人親方その他が、自分で労働者としてやっているのか自分の営業上の何とかかということの解釈がむずかしい点があるということで、今度は入っていなかったのではないかと思います。法制上の点でそういう点はおありになると思いますけれども、そういう人たちがもし通勤途上で災害を受けたときの痛手というのは非常に大きいわけですね。ですから、そういう事務的なことは至急に解決され——とにかく働く者は、労働者あるいはまた一人親方でも働いて暮らしている人です。そういう人たちは全部善人である、よい労働者である、よい働く人であるという観点で、たとえば千人のうち一人がもし法を拡大解釈をして入るような危険があっても、九百九十九人の善意の人が適用を受けられないことによって対処されないということであってはいけないので、そういう意味で、特別加入者について至急に通勤災害保護制度を実現をしていただきたいと思うわけでございます。それについての労働省の前向きの御見解をひとつ伺っておきたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 先生おっしゃるとおり、労働者でなくても、一人親方あるいは家内労働者等々の方々は労働者と同じように働いて生計を営んでおられる、経済社会に寄与されている方でございますので、私ども労働者と同じような保護をできるだけして差し上げる努力をすべきものと考えております。通勤途上災害を特別加入者に適用しないというのは、これは当面緊急に労働者につきまして通勤災害をすみやかに実施したいということで、これらのいろいろ検討を要する問題のためにおくれることがないようということでこういうことになりましたけれども、審議会等におきましても、特別加入者に対する通勤災害の適用につきましては早急に検討するようにという御意見もいただいております。私どもも鋭意これにつきましては検討を続けて、できるだけすみやかに御趣旨に沿うような方向で考えてまいりたい、かように考えております。
○八木(一)委員 ただいまの御答弁のとおり、至急に実現をしていただきたいと思います。 私は参議院のほうでこれから提案説明をしますので、質問はこれぐらいにしたいと思いますが、労働大臣から、私の先ほどから質疑をし、また主張をし、お答えをいただいた点、さらにわが党の同僚委員が熱心に質問された点について、労働者をほんとうに守る立場から、全面的に一そうにこの労災法の問題その他の問題について強力に前進をさせるという御決意をひとつ伺って質問はこれだけにしたいと思います。
○加藤国務大臣 先ほどから私が御答弁申し上げるとおり、一般の問題並びに——一般というのは、労災保険のいまの御質問の点、また通勤のいろいろな適用範囲、いろいろな御意見に対しましては、前向きにというので御不満でありましたら、御趣旨を尊重して、今後前進するように対処いたします。
○田川委員長 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 先日の委員会で、業務終了後の事業所内におけるクラブ活動を行なったり、労働組合の会合に出席したりしてその後に帰宅をする場合のケースについていろいろお聞きしたわけです。この問題はきわめて重要な問題でありますし、その後の運用、適用についても個々の労働者に非常に影響がある問題ですから、ひとつ統一的に見解を述べていただきたい、かように思います。
○加藤国務大臣 この問題は、前回の委員会では、まだもことして適用範囲がどうもわかりにくかった。労働省のほうもどの程度ということがもう少し明確でなかったので、その後省内で協議いたしましたが、大体の統一見解として、この程度でよかろうという方針を申し上げたいと思います。 終業後業務に関係なく、しばらくの間事業所内に残留することは、通常行なわれていることであり、たとえば碁、将棋をしたり、クラブ活動を行なったり、組合の会議その他の会合に出席した後に帰宅する場合であっても、それが社会通念上——社会通念というのがなかなか不明確なところがあるのでございまして、あとで局長から詳しく御説明申し上げますが、社会通念上終業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間のものでないときは、退勤に含めて差しつかえない。長時間というのも何時間が長時間かということは、これもあとから局長から補足して答弁させますが、具体的な認定についてはケース・バイ・ケースでもあると思います。私のいま言ったのは、この程度でよかろうという省内で協議した決定事項でありますから、もう少し具体的には局長から説明させます。
○渡邊(健)政府委員 ただいま大臣がお答えをいたしたとおりでございまして、画一的にとは申しません、ケース・バイ・ケースであるわけでございますけれども、通常、会社、事業所等におきまして労働者が、仕事が終わりましてからいろいろな用事で残っておりますことは間々あることでございますので、そういう一般の事業所、会社等で普通に労働者として行なわれるようなものであれば、これは特にそれを排除することなしに、ある程度残留して帰る場合も退勤に含める、こういう考え方でございます。
○多賀谷委員 とにかく事業所に業務のために行き、業務が終わって帰るわけですから、その業務後に若干の組合の会議があったりあるいは大会があったり、あるいは若干のレクリエーション等がなされる場合、それはその付帯的な事業をやるために行ったりまたそれによって帰るわけじゃありませんから、その点は残ったあとの行為が業務であったかどうかということをあまり厳密に吟味するのじゃなくて、出勤をしてから退勤をするまでの間の業務の実態を総体的に把握して適用してもらいたい、かように希望します。
○渡邊(健)政府委員 私ども考え方としては御趣旨のような考え方でございまして、むずかしく厳密に申しますと、先ほど大臣からお答えがございましたように、社会通念上終業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間のものは別だけれども、それ以外の、その後に帰るのは退勤である、こういう考え方でございますが、先ほど申し上げましたように、普通に会社や事業所で行なわれている程度のもの、これは別に除外しないで、それから帰る場合は当然退勤に含めていく、こういう考え方でございます。
○田川委員長 石母田達君。
○石母田委員 きょう予定されていました田中美智子議員が病気で質問ができませんので私が急遽かわりまして質問したいと思います。 最初に私はこの法案についての党の態度を述べたいと思います。 私どもは今回の法改正が積極的なものとして支持したい、賛成したいと思っております。ただ一つの前提と幾つかの条件がございますので、その問題についての審議における政府側の答弁、さらに附帯決議案などにおいてそれが生かされる場合という条件づきということになっております。 私どもは、今回の法改正が業務災害を拡大して通勤途上における災害にまで及ぼそうということは、非常に積極的なものとして支持したいと思います。しかしこの間の答弁にありますようにそれを全面的な業務上の災害ということとしてみなすことはできないという、特に使用者側の強い意見があって今回のような制度を新しい制度として出されたわけですけれども、このため幾つかのこれから申し上げます否定的な、改善をしなければならない問題点が含まれている、こういう点から今回の法改正が将来通勤途上における災害を業務災害とみなすという方向の過渡的なものとして見ていいのかどうか。また、そういうことを検討するという方向を政府として持っておられるかどうかということをまず前提としてお聞きしたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 今回の通勤災害保護制度につきましては、先生も御承知のような通勤途上災害調査会におきます経緯がございまして、政府提案のような考え方、内容に基づくことと相なったわけでございまして、これにつきましては労、使公益三者意見の一致があるわけでございます。この法案、過渡的とおっしゃいますと、私ども過渡的であるというふうにはお答えすることはできないのでございますが、ただ通勤途上災害調査会の報告におきましてもその末尾におきまして、「この制度は、何分にも初めての制度であるので、将来、この制度運営の経験に照らして、適時必要な検討を行なうことが望ましい。」というふうに述べられております。したがいまして私どもは、もちろんこの新法が成立いたしますならば、それに基づいて通勤途上災害と労働者の保護をはかってまいるわけでございますが、なおその運営をする上におきましても、この制度を将来さらに発展させることにつきましては十分必要な検討は適時行なっていく考えでおるわけでございます。
○石母田委員 その点非常に大事な点なのでもう一度正確なお答えを特に大臣からお答え願いたいのですけれども、つまり調査会の内容としては、労働者側委員のほうは、通勤がなければ労働の提供はあり得ないんだから通勤途上災害は業務災害とすべきである、一方使用者側委員のほうは、通勤は使用者の支配下にあるものではないのでその途上における災害はあくまでも業務外の災害である、こういうことが対立して、労働者側委員に言わせると一つの妥協の産物として、しかしともかく制度としては前進的な方向としてこれを支持した、こういうふうにいわれているわけですが、政府としてはこの方向を一体将来どっちの方向に持っていくのかということなんです。つまりもう一ぺん逆戻り、私どもから言わせると逆戻り、使用者側委員の意見のようにそれは業務外とすべきだ、これは妥協だというふうな見解なのか、あるいは反対に労働者側の委員の言う意見も一つの意見であるし、同時にいまILOの全体的な潮流、国際的な趨勢からいきましてもこの問題を将来業務上災害とみなすといいますか、業務災害そのもの、全面的にみなすとかいろいろ区別しておるようですが、いわゆるみなすという方向で、この間から審議されておる諸問題をそういう方向で解決する、あるいは今度のあれは政府としても最良のものだ、ですからこれを最良のものとして長期間固定的な制度として考える、こういう性質、三つくらい考えられるのですけれども、私どもとしては、やはりいろいろの矛盾が含まれておる。当面こういうことで出発さしたとしても、将来は業務上の災害とみなす方向の検討をぜひやってほしい、こういうふうに思っておるわけですけれども、その点についての政府の見解を労働大臣のほうからお伺いしたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 私からお答えを申し上げますが、調査会の審議の過程において先生御指摘のようないろいろな意見があったことはおっしゃるとおりであるわけでございますが、結論といたしましては、調査会の答申は、通勤は労務の提供、就業と密接な関係があるけれども、業務上そのものではないけれども、給付の事由、内容等、業務上災害に準じた通勤災害という新しい概念、これを設けて、それによって通勤災害の保護をはかるのだという考え方の上に立っていると考えておるのでございまして、一応この報告に基づきます考え方はそれなりの筋はある、かように私は考えております。しかしながら、先ほども申し上げましたように、何ぶんにも全く初めての制度でございまして、したがいまして今回、労、使、公益三者の意見の一致に従いまして法律改正を提案したわけでございますが、これが成立いたしますならば、この考え方に従って制度の運用をはかってまいりまして、その運営の過程におきまして十分それらの運営の経験に照らして、今後制度の内容を充実するという見地に立って検討は続けてまいりたいというのが、私どもの現在の考え方でございます。
○石母田委員 どうもその点が明確でないのですね。もう一度くどいようですけれども、いまのお答えですと、現在のこういう対立したものが一緒になって、妥協といいますか、いまのような調査会の結論が出て、そのまま忠実にそれを反映した法律である。したがって認定上の問題とかあるいは休業中のいろいろな補償の問題いろいろな点での矛盾が、問題点があったことは今度の審議の中であったと思います。ですから新しい法改正から出てくる問題点として運用上それを充実させていくということと同時に、この調査会の中における、またあなた自身も主張されたように、使用者側の意見と労働者側の見解が対立したままで出てきた改正案だということですから、そういう意味ではどちらの方向でそういう出てきた矛盾を解決していくかということで、いま出されている業務上の災害とみなすという方向での検討をやる余地があるのかどうか、この改正が一番いいのだということで、これの運用の問題あるいは充実という問題だけで政府は臨まれるのか、それともここでも審議されたような業務上の災害とみなすという一つの有力な意見でございますから、そういう点での検討をやれる余地があるかどうかということをもう一度大臣のほうからもはっきり御答弁願いたい。
○加藤国務大臣 これは調査会の報告書の末尾に「なお、この制度は、何分にも初めての制度であるので、将来、この制度運営の経験に照らして、適時必要な検討を行なう」、こういう末尾の文句がありましたが、石母田さんが言うように、これを業務災害とみなすという方針で対立したからとりあえずこれで出発する、こういうのでなくて、通勤災害は通勤災害、業務災害は業務災害、こういうので、これは初めての法案でありますのでいろいろ今後制度運営の経験を積み上げてなお一そう充実する。いろいろな事務的とか解釈の点はこれは整備しなくちゃならぬが、当面はこの方針で、通勤災害は通勤災害でいく。とりあえず通勤災害で今後業務のほうへこれを直す、こういう意味ではありません。しかし、朝令暮改ではないが、いろいろ労使、また関係各方面の御意見がそういうような機運の場合には、これはまた考えざるを得ないという場合もありましょうけれども、いまの場合はそういう方向ではありません。
○石母田委員 じゃ、その使用者側のいう、通勤途上についてはあくまでも業務外の災害であるというふうな意見、そういう方向での検討とかあるいはそういう方向に持っていくつもりなんですか。
○渡邊(健)政府委員 この調査会の報告は、使用者側の意見のままではもちろんないわけでございます。使用者側は業務上の災害ではないということで給付の内容等についても業務上の災害と別個に差別をつけた給付にするように、また保険料も労働者が保険料負担という形でするようにといったような幾つかの主張をしておったのでありますが、その点はこの中には入っておらないわけでございまして、これは通勤の性格が使用者の管理下にあるという意味の業務上と全く同じではないが、しかしながら通勤というのは就業と非常に密接な関係がある、一種の現在における社会的な危険性である、それらを考えて、業務上ではないけれども給付の事由、内容等はそれに準じた通勤災害という新しい概念を設けまして、それによって業務上災害に準じた保護をしよう、こういう考えであるわけでありまして、私ども別に使用者の考えに従って将来検討しようというようなことを考えているわけではもちろんないわけでございます。
○石母田委員 御承知のようにこの間の答弁だと思いますが、一日以上の休業を必要とするような通勤上の災害が年間に直すと一千人のうち四人弱とか言っておりましたね。そういうふうに今後高度経済成長の中でますますこれは増加する傾向にありますけれども、その中で事業所で私傷病以上の扱いにしているところが一三・一%とかいう数字が出ていたようです。それから制度上就業規則や労働協約で定めているところは私どもの調べでは五千人以上の事業所の四一・九%にも達している。こういう状況の中で、昭和四十年の第四十八国会、昭和四十五年の第六十三国会、昭和四十七年の第六十八国会それぞれ国会の中でもこの通勤途上災害の問題で補償制度の確立が決議されているわけですね。先ほどILOの問題もありましたけれども、百二十一号において通勤途上の災害を労働災害とみなすというような意味のことがきめられておりますし、フランスやドイツの話も再三この審議の中で出ておるわけです。そういう中で、こういう労働者側委員のいう、通勤というものが業務にとって不可欠なものであるというところからこれを業務災害とみなすべきであるという意見や、その方向の解決のしかたがいま世界各国でもとられ、あるいはもうすでに前からとり始めているところが多くなっているんじゃないか。そういうところはすでに五十カ国もあるというような話も聞いております。そういう点からいいますと、この日本のような解決のしかたの中でどっちの方向に将来検討していかなければならないかということになりますと、やはり私が先ほど申し上げたような業務災害とみなす方向での解決というものが政府としても検討すべき内容なんじゃないか。これはいつからどうのこうのというのでなく新しく発足したばかりですけれども、そういうものについて検討する用意があるのかどうかという点を、もし使用者側の意見そのままでやったのじゃない、あるいは業務外というような方向でのことは考えてないとすれば、ではもう一つの意見としてそういう有力な意見について検討する用意があるのかどうか、もう一回お伺いしたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 通勤途上災害調査会におきまして二年有余にわたります労、使、公益、各側の非常な御熱心な御討議によって三者一致でこの答申が出たわけでございます。それに従いましてこの法案を出したわけでございますので、いまこれと違った考え方で将来検討するということを申し上げることは困難でございまして、私どもといたしましては、せっかく長年の三者の熱心な御討議の結果一致した結論でございますので、当面はこの新しい制度によって通勤労働者の保護に万全を期するようにはかってまいりたい、かように考えておるわけでございます。ただ何ぶんにも初めての制度でございますので、この制度を運営して実情どういういろいろな問題点が出てくるかというようなことを見ました上で、通勤途上災害調査会の末尾にも触れられておりますように、今後この制度をよりよきものとしていくためには今後とも検討を惜しむものではない、こういう考え方でございます。この出しております法案と違った考え方で将来検討するというようなことをいまちょっと申し上げる段階ではない、かように存ずる次第でございます。
○石母田委員 これ以上よしますけれども、ただ全く違った考えじゃないですね。今度のはそういう意見も入り、使用者側の意見も入り、そしてミックスしてできたものです。そういう中で労働者側の意見も全面的には採用されなかった、使用者側の意見も全面的には採用されなかった、しかし両方の部分もまた入っているという今度の法案ですから、私は検討するに値する意見だと思うし、この問題はまだ解決されてないとすれば、解決するようにやはり政府自身としても指導的な立場で検討していくというのが、私は政府の態度だと思うんですよ。ですから私の質問に対して何かかたくなに——私は労働者側の意見にあなたたちが賛成しろと言っているのじゃなくて、また調査会と全然違った意見のことを言うのではなくて、調査会の今度の報告の過程がそういう二つの意見がミックスされたものだから、それぞれの意見というものは十分検討するに値する意見としていく必要があるのじゃないか、こういうことを言っているわけです。それはじゃ要望としておきましょう。 それから幾つかのいまの問題から出てくる条件についてお伺いし、またお答え願いたいと思うのです。一つは、私ども一番問題にしているのは業務外、業務上とみなされなかったというところから労働者に対する権利保護というような点で非常に不十分な点があるということです。たとえばこの間の質問の中に出ていましたような解雇制限の問題、労働基準法の適用がないわけでして、そういうところから休業中の解雇問題というような問題が起きやしないかということなんです。労働基準法ですと三年までは十九条によって解雇の制限があるわけですね。今度の場合はないわけですね。ですからけがをした、たとえばむち打ちになったというようなことで、それを直接の理由とするかどうかは別として、休業中に解雇をしようとすれば、基準法上の制限がないわけですからできるという問題が一つありますね。それからもう一つは、今度の第十二条八の改正で長期傷病補償のほうに移行ができるようになっていますね。三年以上たって、しかも政府が必要と認めた場合には移る。そうすると、この移行した、あるいは移行したあとにおける解雇問題というのは三年以内でもできるけれども、企業主から見ればより良心に苛責なくできる条件になっているわけですね。条件というとおかしいけれども、長期でなおらない、なかなかなおりにくいというようなことで、補償給付に移したということによって、これがまた解雇の理由になるということも、労災のときよりももっと大きくなるのじゃないか、ひどくなるんじゃないかということを私どもは心配しているわけです。この解雇制限についての歯どめというか、あるいはそういうことをさせないような指導、行政的な処置というようなものについて何か考えておられるかどうかお伺いしたいと思うのです。
○渡邊(健)政府委員 先生おっしゃいまいたように、通勤途上災害は労災保険法の上で今回保護することになりましたけれども、基準法上個別使用者にそれについての責任を課しておるわけではないわけでございます。したがいまして、基準法十九条の業務災害につきましての解雇制限ということも、通勤途上災害につきましては適用がないのでございまして、そういう法律的ないわゆる禁止義務といったようなものは及ばないわけでございます。しかしながら業務上災害につきましても、三年たって打ち切り補償を払った場合に、労災でいいますと、三年以上療養補償を続けましてそのあとで長期傷病補償に切りかえられたような場合には、この十九条の解雇制限がはずれることに法律上は相なっておるわけでございますが、実際問題におきましては、これらは労使の話し合いによってそれぞれ処理をされておるわけでございまして、私どもといたしましては、通勤災害にあわれました労働者のそれらの問題につきましても、労使が良識をもって合理的な処理をされることを期待いたしておるわけでございます。
○石母田委員 期待するのはいいのですけれども、何かその期待を、この基準法の第十九条の解雇制限を少なくとも三年以内というところには準用するとか、それを尊重さして、通勤途上のほうにも適用というか準用というような、そういう処置というのは何かないのですか。野放しにするというか、そういう点では非常に休業中の雇用の不安定というものが、病気をなおしたりあるいはむち打ち症なんかの場合かなり神経的なものもありますから、そういう点の社会復帰、職場への復帰を早めるためにも、そうした雇用上の不安をなくすような措置というのは、私はこういう法を出す場合には当然出てくる問題として、それを予防する措置として労働省が考えておかなければならない問題じゃないかと思うけれども、その点はどうですか。
○渡邊(健)政府委員 この法案の考え方によりますと、通勤途上災害というのは使用者の管理下において発生した事故でないという意味におきましては、業務上の災害と全く性格が同じだというふうに考えることはできないと存じますので、したがいまして、そういうものにつきまして法律上使用者に解雇制限義務を課するということはいろいろ問題があろうと考えるわけでございます。しかしながら従来通勤災害につきまして法令上何らの保護がなかった場合にも、先ほど先生がおあげになりましたように、協定あるいは就業規則等々におきまして何らかの保護処置を労使の話し合い等によってやっておる例もあるわけでございます。したがいまして、そういう通勤災害といったような労働者のお気の毒な方々につきましては、これはやはり労使がそういうことで良識をもって合理的な労使関係ということで処理される、こういうことが現在の状態においては最も合理的であり望ましいことであると考えるわけでございまして、私どもといたしましても、労使間でそういう問題について合理的な良識のある話し合いによる処理がなされるよう期待するとともに、側面より協力指導してまいりたいと考えるわけでございます。
○石母田委員 そうすると、法律上いまそれを準用する、適用するということはむずかしいけれども、就業規則や労働協約などの労使間の問題、そこの企業の中でそうしたものを取り入れてやっていくことには側面からも協力したい、こういうことに考えていいですか。
○渡邊(健)政府委員 そのとおりでございます。
○石母田委員 それからいま協約上や就業規則、その問題が出ましたけれども、この法案の実施の中で、いままでの労使慣行といいますか、そういう協約で得た、労働者側から見れば一つの既得権というようなものがかえって後退するというようなことがないようにしてほしいと思うのです。たとえば通勤災害による勤務日数の減少というような問題で、有給休暇の問題ですけれども、これが削減されないように、第三十九条の五項の「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び産前産後」の場合、こうしたものは出勤したものとみなすという、いわゆる休業期間の出勤扱いというようなことについて、先ほどと同じようにこれを準用できるような処置はとれないかどうか。あるいはそういうものをきちんと結んでいる既得権に対して、協約やそういうものに対して、それを後退させないような処置を何かとろうと考えられるかどうか、いかがでしょう。 〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕
○渡邊(健)政府委員 今回の措置は通勤災害にあわれた労働者を保護しようという趣旨でございます。したがいまして、従来法制上何らの措置もなかったときに労使間協約や協定、就業規則などによって労働者に有利な取り扱いをしておりましたものが、今回通勤保護制度ができたために従来の有利な取り扱いがかえって低められるということでは、これは今回の法律改正をいたしました趣旨に全く沿わないわけでございます。労働条件は、これはできるだけ向上するよう努力すべきことが基準法に定められました基本的な方向でございまして、そういうようなものがこの法律ができたということで低められることが好ましくないことは当然でございますので、私どもいま例におあげになりました三十九条五項の休業の日数の計算に限らず、すべてにつきまして従来協約、協定、就業規則でありました有利な取り扱いが、今回の法律改正によって従来よりむしろ低められるといったようなことがないように、これは十分に行政指導してまいりたいと考えております。
○石母田委員 それから初回時の二百円の本人負担なんですが、これは二つの点でわれわれが同意できない面が含まれておるわけです。 一つは、この考え方というのは、二百円という金額にかかわらず、労働者の自己負担といいますか、受益者負担というか、そういう負担をさせるという考え方が二百円となって出たわけですね。そういう考え方自体が一つです。御承知のように、この問題については私たちは使用者が責任を負うべきものだというように考えておりますし、さらに一歩譲って、業務上だというふうなことを認めることを拒否している場合でも、一歩外に出て、いまの交通事情の中でこうした事故が増大するということから使用者自身が自分たちだけの責任じゃないという中には、今日の交通政策、交通渋滞、交通災害を激増させているこれまでの高度経済成長政策というような自民党の政治がやはり一つの大きな原因にもなっているということを考えますと、労働者に受益者負担、自己負担をさせるという考え方自体に私は同意できないわけです。同時に、もう一つは、こうした労働者負担を二百円ということで、これは受診時でなく一回だということですが、これをどこに納めて、どういうふうに徴収するのか知りませんけれども、そういう実務上からいってもたいへんな問題になるのじゃないか。職員が、あとで申しますけれども、この間、増員問題でいろいろ問題になっていますように、そうでなくてさえこの法の改正によって人員をよけい使わなければならぬという中で、この二百円の徴収方法からくる実務上の問題といっても、困難な面が出てくるんじゃないかという点から、この二百円の問題については、はっきりいってやめたほうがいいんじゃないかというふうに私ども考えているわけですが、その点の見解と、さらにこの二百円はどういう方法で、どこへ納めるのか、そのこともお答え願いたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 これは先ほども申しましたように、通勤災害というのは、使用者の管理下で生じたものでないという意味において業務災害と全く性格が同一とはいえない、こういうことから労働者が受益者としてその一部を負担するということも理屈があることではないか、こういう考えではございますが、しかし使用者のほうが主張しておりましたように労働者の保険料負担という形で負担せいということになりますと、これは労働者が強く反対されておったばかりでなしに、労災保険というのは従来は労働者の保険料負担というのはなかったわけであります。それから今回の通勤途上災害のための費用も業務上災害のための費用も同じく労働保険の中の労災保険勘定ということで一括して処理されますので、業務上災害についても労働者の保険料がまじって取り扱われるということになると、性格上も問題があるということで、保険料という形でなしに、それと切り離した形で一部負担という形でやるということ、しかもその一部負担につきましても、金額が高いと、せっかくの保護制度であるのに、その負担が労働者が保護を受けることの障害になるということになってはならない、こういうことも考えまして、初診時二百円以内という程度ならばそういうおそれもなかろうということで、こういう制度に相なったわけでございます。なお一々二百円を取るのはたいへんじゃないかということでございますが、これは実際に個々の労働者から徴収するということでなしに、保険からいろいろな保険給付が出ます、それとの相殺という形で二百円は処理する。あるいは自動車その他の第三者行為があった場合には第三者にその分も求償するというような形で、直接労働者から個々に取るという事務をしないで、これを保険が徴収する仕組みをとることに相なっておるわけでございます。
○石母田委員 もう少しこまかく、二百円を窓口でこれは監督署へ払うのでしょう。どうやって窓口で払うのか、監督署で払うのか、だれが集めるのか、もう少しそこのところを具体的に言ってください。
○石井説明員 二百円の徴収は、監督署が行なうたてまえになっております。先ほど局長が御答弁いたしましたように、保険給付がございますから、実際の手続上は保険給付の中、たとえば休業給付があります、その中から二百円を相殺するという手続をとる、こういうことでございます。それから第三者行為の場合は、これは自動車事故が非常に多いわけでございますから、その負担は第三者が負いますから、それに対する求償は行ないますけれども、ということで、直接労働者が二百円を監督署へ持ってくるというケースは非常に少ないというふうに考えております。
○石母田委員 そうしますと、第三者以外はもう差し引きで、天引きというとおかしいけれども、補償するうちから二百円ずつ差し引いてしまう。それから、第三者では、持ってくるのはあるんですか。
○石井説明員 差し引く場合は、これは、保険給付がある場合——当然保険給付がございますから差し引きは可能でございます。それから第三者の場合は、もちろんいずれにせよ第三者からは求償しなくちゃいけません。その中にその二百円は当然入ってくるわけです。こういうことでございます。
○石母田委員 そうすると、実務上で繁雑になるということはないんですか。
○石井説明員 したがいまして、その実務上は、私どもの考えでは、いまの相殺と第三者の求償の中に組み込まれておりますから、ある部分は残りますけれども、それが大きな業務量の増ということになることはないだろうというふうに推測いたしております。
○石母田委員 この点については、いま初めてのことなんで、二百円の本人負担ということは撤回される意思はないようですけれども、われわれとしては、こういう非常にわずかな金額で、しかも調査会できまったことを忠実に反映するということがこういうところへ出ているんでしょうけれども、こういうものは、先ほど言った理由から、やはり廃止すべきだというふうに考えております。 次に、同じような問題ですけれども、労働者の負担といいますか労働者の側に——休業給付開始までの三日間ですね、四日目からあれですから、この三日間の問題は、今度は、あの労働基準法の七十六条が適用できなくなるわけです。三日間の負担は、負担というよりも、賃金はもらわないわけですね。そういうことになりますね。
○渡邊(健)政府委員 労災保険は従来からの業務上に対する休業補償も三日間のいわゆる待期というものがございまして、保険からは出ないことに相なっております。したがいまして今度の通勤途上災害の休業給付につきましても同じくその三日間の待期の制度が適用がございますので、その点について労災保険法上は業務上も通勤災害も全く同じに取り扱われるわけでございます。ただ、業務上の場合はそれと別個に基準法上の個別使用主の補償責任がございますので、おっしゃいましたように基準法七十六条によりまして使用者はその保険から出ない休業補償を払わなければならないということで、使用者から出るわけでございますが、通勤途上災害につきましては使用主の補償責任というものはございませんので、その結果使用主からは出ない、こういうことに結果としてなるということでございます。
○石母田委員 二百円の負担とは性格は違いますが、労働者の側にも一定の負担をさせなければならないということから来たんじゃなくて、労働基準法が適用されないから結果としてそうなったんだと、こういうふうに理解していいですか。
○渡邊(健)政府委員 おっしゃるとおりの考え方でございます。
○石母田委員 この点についての救済策というようなものは、検討する余地はないんですか。そのことはもう検討する必要ないというふうに考えているわけですか。
○渡邊(健)政府委員 法律上は、通勤災害というのを、先ほど申しましたような業務災害と異った性格からいたしまして、個別使用主の責任ということは、これは問題があろうと思いますので、それに見合う措置をすることは困難である、かように考えますが、ただ、労災保険法上で給付すべき業務上災害に準じた給付をすることになりますと、おそらく多くの会社、事業場におきましては、三日分程度につきましては企業内の措置としていろいろな措置がとられるのではないか、かように私どもは考えておるところでございます。
○石母田委員 では先ほどと同じように、その方向に協力していただきたいと思います。 それから、この間もこれは出ましたけれども、いわゆる人員増の問題なんです。それからもう一つは認定機構の問題なんですけれども、関係職員の人員が非常に足りないということで、この間の答弁では定員削減と大蔵省に要求した定員増、これは私の記憶では何か差し引き十三名くらいしかならなかったのじゃないかというような数字も出ていたようですけれども、定員法に基づく第二次削減計画におけるこの関係職員のほうの削減計画と、それからこの前いわれていた八十何名かの増員計画の問題と、もう少しその数字がわかりましたら、差し引き十何名というものの根拠をお答え願いたいと思います。
○石井説明員 四十八年度の状況を申し上げますと、労働基準局の定数、監督署でございますが、四十七年度末の定員が八千五百四十七人ということでございます。これに対しまして四十八年度増員が二百一人、削減計画が百七十九人、その他振りかえがございまして九人がございます。差し引きプラス十三人、こういうことになります。それで最終的には四十八年度は八千五百六十人の定員、こういうのが実態でございます。ただ、これはいわゆる基準行政全体の定員でございまして、労災関係にのみ限定いたした中身を申し上げますと、四十七年度末の定員が三千四百五十二人、四十八年度増員が百五十二人、削減が八十八人ということでございまして、全体で六十四人のプラスということに相なります。
○石母田委員 これの削減というのは、第二次定員削減計画のいわゆる四十七、四十八、四十九の三カ年のうちの四十八年、そういうことですね。
○石井説明員 そのとおりでございます。
○石母田委員 これは私、国立医療機関における看護婦問題のときにも質問したのですけれども、いわゆる行管、行政管理庁における削減計画というものはかなり一律的な問題で、あまり実態から見たものじゃないということは、計画者自身そういっておりました。ですから、そういう意味ではあまり拘束力はなくて、一定のそういうめどを出したものだということをいっておりました。そういう点から、私どもの聞いた範囲内ではこの審議の中でも明らかになりましたような、こういう労働者を保護するという立場で積極的な法の持つ意味からいっても、こういう業務をやる職員というものはやはり増員していただきたい。そしてそのためには、こういう一律的な定数削減というものについて、労働省としても私は強力な態度をとっていただきたい。というのは、医療関係でも医一、二、三というふうにいろいろありますけれども、そういう看護婦さんとか技師だとか医者だとかいう、もう当然ふやさなければならないものについては交渉して、事実上増員をかちとっているわけですよ。そういう点で、決して政府の方針だからとか何とかいうふうに消極的にならずに、こういう労働者にとって必要な職員の増強については、労働省としても強力にこの定数削減の問題についても交渉して増員をかちとるようにしていただきたい、こういうふうに思います。その点を要望しておきたいと思いますが、これは労働大臣の決意のほどもお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 先般の委員会でも御懇切な御意見がございましたが、今後その方針で対処いたしたいと思います。 〔竹内(黎)委員長代理退席、委員長着席〕
○石母田委員 それではもう一つ労働大臣に。この間大臣が、いろいろ認定上の問題が出てくる、この認定の問題については、審議から出た意見も十分尊重して、参酌して、そういう新しい基準みたいなものをつくりたい、こういうふうに言っておりましたけれども、いつごろそういう基準をつくるつもりなのか、お答え願いたいと思います。
○加藤国務大臣 先般来からこの委員会で基準の問題についていろいろ論議がありまして、だいぶ固まってきましたが、最終的には通牒をもって各末端機構に通達する。それが一つの基準となると思います。最近その通達を出す基準を整備いたしまして、この法案が通りましたらその通達を出す所存でございます。
○石母田委員 そのときも大臣は言われました。できたら皆さん方のほうにも知らせてそれでいろいろ御意見も聞きたいというような意味のことを発言されましたけれども、それはその通知の内容を何らかの方法でわれわれに知らせるというようなものでしょうか。
○加藤国務大臣 さようにいたしたいと思います。
○石母田委員 最後に私、問題にしたいのは、これは要望にもなりますけれども、たとえば通勤途上でむち打ち病などにかかった場合ですね。御承知のようにむち打ちというのは病気であるようなないような状態がかなり長く続くわけですね。ですから職場復帰、社会復帰、それを早めるための職業的なリハビリ施設あるいは訓練というようなものを企業自体がやるように義務づけるとかいうようなことは——あれは急に車に乗れといわれても乗れない、一時間二時間くらい車をこわがっている状態を直す一定の訓練をやって、だんだんそれを多くして復帰させるというようなことも非常に必要なわけですが、そういうアフターケアですか治療が終わった段階での、この職場復帰を早めるためのいろいろな訓練というものを企業主に義務づける、あるいは社会復帰対策をそうした方向でとらせるという点での政府としての指導なり行政的な処置なりをぜひお願いしたい、こういうふうに思いますけれども、何かその点で考えておられることがあったらお答え願いたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 おっしゃるとおり、むち打ち症は、いわゆる治療が済みまして治癒いたしましても、社会復帰いたしますまでいろいろなアフターケア、リハビリテーション、こういうことが必要でございます。したがいまして労災保険といたしましても、単に治療すれば終わりということでなしに、これらにつきましては今後保険といたしまして必要なリハビリテーションあるいはアフターケアをいろいろやってまいりたいと考えますが、同時に個々の使用者におきましても、それらの労働者の方が社会復帰、職場復帰ができますよう、それらのアフターケアについて適切な配慮あるいは企業内における処置等を講じられるよう、これについては十分、保険における施設と相まって指導をしてまいりたい、かように考えております。
○石母田委員 以上で私の質問を終わりますけれども、もう一つ、ちょっと私の個人的な関係で、特別加入の問題で港湾のはしけを持っている船主ですね、あれは対象になるのか、それからいま労災関係では何か加入は認められてないのですけれども、知っている方があったら……。
○渡邊(健)政府委員 いわゆるはしけ荷役の労働者と見られるような場合にはもちろん労働者でございますし、あるいははしけの船主であって同時に一人か二人使っているといったような場合でございますと、いわゆる中小企業主ということで、特別加入の対象になり得るわけでございます。
○石母田委員 それが、雇ってない場合はどうなんですか。そのほうが多いのです。
○渡邊(健)政府委員 労働者を雇っていない、いわゆる一人親方的な方で特別加入の対象になりますものは、現在は「労働省令で定める種類の事業を労働者を使用しないで行なうことを常態とする者」ということで、労働省令では、自動車運送、土木建設、漁業等が定められておりますので、いまの港湾荷役のはしけということでございますと、現在は労働省令で定めた事業の対象になっていないわけでございますが、これらの点については今後検討をいたしてみたいと考えます。
○石母田委員 終わります。
○田川委員長 多賀谷君。
○多賀谷委員 国家公務員災害補償法の政府提案の説明書の中に、通勤途上、ことに退勤時に手相、人相をちょっと立ち寄って見てもらう場合には通勤時に入らないと、わざわざ書いてある。これは二、三分しかかからぬわけですね、手相、人相というのは……。それを提案理由の解説にわざわざ書いてある。ところが、いままでの労働省の見解とはかなり違うように感ずるわけですけれども、残念ながら人事院見えておられませんが、これはやはり政府として統一見解でいかれるわけでしょう。解釈が国家公務員の場合と地方公務員の場合おのおの違うということでは困るので、これは一体どういうように解釈されますか。
○渡邊(健)政府委員 私ども、退勤時にちょっと通路で立ち寄って、大道の手相見、人相見に手相や人相を見てもらう程度は、これは別に中断にもならない、かように考えるわけでございますが、ただ、手相や人相と申しましても、大きく通勤の経路から迂回をして、あるいは一戸建ての門戸をかまえたそれぞれ専門業者のところに寄って見てもらうということになりますと、これはまた別途迂回、中断ということになるかと思いますが、通常、通勤の経路上でその程度のことをすることは別に中断にならない、かように考えておりますので、人事院のほうとは十分それらについて連絡をとりまして、取り扱いが不利にならないように意見の調整をはかるようにいたしたいと思います。
○田川委員長 八木君。
○八木(一)委員 関連して一つ。この委員会で各委員が熱心に御質疑になって、私もその一部質疑をさしていただきました。労働省また厚生省もおられましたけれども、見解がそこで明らかになったわけです。この問題について、国家公務員災害補償法等他の類似のものについて労働省あるいは厚生省、この委員会で確認されたことが同じようになるようにしていただかなければならないと思うわけでございますが、その点についてひとり……。
○加藤国務大臣 御趣旨ごもっともでございます。当然でありますので、よく協議いたしまして、統一的な方向に向かうように必ずします。
○田川委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○田川委員長 次に、両案を討論に付するのでありますが、申し出もありませんので、これより両案について採決いたします。 両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田川委員長 起立総員。よって、両案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○田川委員長 この際、竹内黎一君、多賀谷真稔君、寺前巖君、坂口力君及び小宮武喜君より労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案に対して、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 その趣旨の説明を聴取いたします。竹内黎一君。
○竹内(黎)委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 政府は、次の事項に関しすみやかに所要の措置を講ずべきである。 一 通勤災害を業務上の災害とするよう検討すること。 二 特別加入者についても通勤災害保護制度を適用するよう検討すること。 三 通勤の範囲に関する規定については、労働者保護の見地から、実情に即した適切な運用を図ること。 四 労使の協定等によつて、すでに、通勤災害に関する企業内措置が講じられているものについては、この法律の施行を理由にその実質的な利益を失なわせないように指導すること。 五 労災保険の全面適用を早急に実現すること。 六 労災保険の給付改善については、すみやかに必要な措置を講ずること。 七 通勤災害保護制度の円滑な実施、労働災害の発生防止等を図るため、関係職員を大幅に増員すること。 八 被災労働者の社会復帰のための諸措置を充実すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○田川委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田川委員長 起立総員。よって、本案については、竹内黎一君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。労働大臣加藤常太郎君。
○加藤国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重し、関係各省とも協議の上、善処してまいりたい所存であります。 —————————————
○田川委員長 なお、両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田川委員長 次回は、明後十二日木曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会