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71回国会衆議院1973/06/08

社会労働委員会 第25号

発言数
16
登壇者
4
会派数
3
開催日
1973/06/08

会議録

田川誠一自由民主党

○田川委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、八木一男君外十六名提出の国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、同じく国民年金等の積立金の運用に関する法律案の各案を一括して議題とし、質疑を行ないます。  申し出がありますので、順次これを許します。大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 きょうは社会労働委員会の定例日、貴重な定例日が中曽根発言がもとになりまして空転したわけでございますが、約一日空転いたしましたけれども、ようやくこうして開かれることになったわけでございます。まあどなたに言うわけじゃございませんが、「幸いは心より出て身を飾り、災いは口より出て身を破る」という教えがございますが、お互いに胸にかみしめてみたいものだと思います。  そこで、いよいよ年金の質疑に入るわけでございますけれども、わが国は福祉国家を標榜いたしておりますけれども、真の福祉国家であるかどうかというものは年金制度の充実の度合い、これによって評価されるといっても過言ではないと思うのであります。わが国の年金制度は御承知のように欧米先進国に比べると大きく劣っております。こういう実態を政府また自民党さんも理解なさったのか、ようやく昨年の九月、田中総理は四十八年度を年金の年にしようと言明いたしておりました。そして、その暮れの総選挙では、与野党の候補ともに年金の大幅改善を叫んできたのは御承知のとおりであります。これからわが国の年金制度が大幅に改善、改革されていくわけでございますけれども、まずそれにあたっての基本的な理念といいますか、方針といいますか、そういうものをかいつまんで述べていただきたい。  これは野党四党共同提案の八木先生にも一言言ってもらいたいのですが、しょせん年金というのは生存権の保障並びに社会的連帯と世代間の合意によってささえられているものと私は考えるものであります。先ほど申し上げましたように、年金自身の理念、今後の基本的な方針、これを政府と八木先生に答えていただきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 政府におきましては、今後福祉国家建設の大きな道を進んでいこう、こういうことを決意をいたしておるわけでございます。御承知のように、わが国の社会保障制度は戦後逐年発展に発展を遂げてまいりましたけれども、西欧先進諸国に比べますと、何といっても一番おくれておりましたのは、年金の中身の問題であったと思います。制度的には各種の社会保障の法体系というものはできておったわけでございます。  年金につきましても、厚生年金はだいぶ以前に制定され、さらにまた国民年金につきましては十二年前に野党の諸君の御協力をいただきながら成立をいたしてまいったわけでございますが、その中身がやはり一番問題であるわけでございます。現行の厚生年金はすでに御承知のように、二万円年金、国民年金も二万円年金、こういうふうなことが今日、日本の社会保障が西欧先進諸国に劣っておるゆえんであるわけでございまして、私どもは福祉国家建設にあたりましては、西欧先進諸国並みの社会保障の国にしなければならない、それがためにはまっ先に年金という問題の中身の充実をはかっていかなければならない、こういう考えを持ちまして、昨年来、いわゆることしを年金の年とし、福祉国家建設への初年度にしようではないか、レールを敷こうではないか、こういうことで五万円年金を提案し、総選挙におきましても、野党の諸君は野党の諸君でそれぞれの年金の改善を約束され、私どももまた五万円年金ということを打ち出してまいったわけでございます。  そこで、この五万円年金を案としてつくりまして、ただいま国会に提案をし、御審議をいただいておるわけでございますが、今後私どもはこの改正を第一段階と踏まえて、もっともっと改善を加えていかなければならぬと思います。目ざすところは、できるだけすみやかな西欧先進諸国並みの年金の充実、こういうことでございまして、将来のいろいろな改善の方策につきましては、すでに御承知のように、社会福祉長期計画、五カ年計画というものを打ち立てようということで、五月、厚生省に社会保障長期計画懇談会を設置いたしたわけでございますので、この法律が皆さま方の御協力によって成立いたしました時点をとらまえて、さらに今後どうするか、今後五カ年計画を打ち立てていく、こういうような手順で進めてまいりたいと考えておるわけでございまして、年金の、目下政治において最も大きな問題である点、年金の充実の必要なること、大橋委員と私は全く同感でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)議員 大橋委員の福祉国家、年金の問題についての御熱意に心から敬意を表しながら御答弁をさせていただきたいと思います。  大橋委員がおっしゃいましたように、福祉国家を建設するためには、年金制度の充実ということが絶対必要な大きな柱であることは申すまでもございません。ところで、年金、年金といいますけれども、年金といっても、ほんとうの年金であるか、そうでないかというところに問題があろうかと思います。ほんとうの生存権の思想に基づいた年金制度を日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党は、それをぜひ日本で早急に実現をしたいということで、四党の共同提案をいたしておるわけでございます。  基本的人権の中に自由平等権というものがかなり早くから定着をしておりますけれども、いまの資本主義の矛盾が出てまいりましてから、生存権という思想が非常に大事なものとして各国において定着し始めてきているわけであります。日本国憲法では、生存権の思想に従いまして憲法二十五条から二十八条までの規定がございます。憲法二十五条には健康で文化的な生活を国民に保障するという点があり、また、社会福祉、社会保障、公衆衛生については国が不断の改善、充実をしなければならない責務を明確にいたしておるわけでございます。  その意味で社会保障の理念に従った年金を私どもはつくっていかなければならない、ほんとうに生存権が確保、確立される内容の充実をして、守っていかなければならないということでございまして、さらに完成をいたしたいわけでございますが、現時点において、たとえば平均六万円年金、そして最低保障が厚生年金においては四万三千円、国民年金で一番その点について不利な方でも夫婦四万円というものを根底としたものを出しているわけでございます。  ところで、政府案のほうでいろいろ御努力のようでございますけれども、年金からはずれている人がたくさんあるわけであります。また形式的にはずれていなくても、生存権を保障するに足る十分な年金制度からは完全にはずれている人が多いわけであります。  野党案はそうでなしに、すべての人々に年金を完全に確立をしたい、そしてすべての人々に生存できる年金を確立をしたい、それを将来ではなしに現在直ちに全国民に、そのような生存できる年金を確立いたしたいということを一つの大きな柱とし、しかもその年金制度を確立するときに、保険料その他でいまの苦しい労働者や国民の生活を、それを増大をして圧迫をさせないように、保険料の値上げなしに、そのようなりっぱな年金を全国民に確立をしたい、しかもいろいろの状況の変化に応じて、それが実質価値が減らないように、さらにふえるように、賃金スライドをもって年金をほんとうの意味で保障したいという内容でつくったものでございまして、積極的な御理解を賜わっておりますが、ぜひそれの成立のために大橋委員の御推進をお願いをいたしたいと思うわけであります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 政府案というものは、五万円とはいうもののまぼろし年金だとか、厚生年金にいたしましても三万数千円程度の非常に低い水準にあると、いろいろ国民から批判が出ておりますが、簡単に厚生年金の一部改正案と野党案の大きな相違を言うならば、政府案は被保険者期間が二十七年、そして五万円年金、物価スライド制、修正積み立て方式、野党案はいわゆる被保険者期間が二十年で六万円、そして賃金スライド、賦課方式、このようにはっきりと分かれているわけでございますが、もう一回八木先生に、野党案の大体のあらましは言ってありましたけれども、もう一歩深めて、ここだけは断じて政府案と違ういいところだというところを述べて下さい。

八木一男日本社会党

○八木(一)議員 先ほども少し触れさせていただきましたが、いまの苦しい生活状態の中で労働者や被保険者の保険料などの負担を増大しないで、しかも全国民にりっぱな生存できる年金を保障しようということが野党案の一つの大きな柱であります。そのためには当然国庫負担を増大する。たとえば厚生年金では二割の国庫負担を三割にする、国民年金では保険料に対して五割の国庫負担を保険料に対して十割、給付に対して三分の一のものを、給付に対して二分の一にするというようなことを骨子にする。それから労働者の場合には、使用主と労働者の負担区分を、五対五を改めて使用主七、労働者三にする。  そのような骨子を盛ってありますとともに、年金を受給する方々の数がふえてまいりますから、それに対処するために賦課方式に踏み切るようにいたしたわけであります。そして一定の時点によって、膨大な積み立て金をその時点の年金受給者に充てていく、そのことによって保険料を値上げをしないでこれに対処をする。  ずっと将来の問題については、政府筋の学者の人々が言うように、たとえば世代間の均衡をはかれといって賦課方式は不可能だと言いますけれども、私たちは、将来において労働者、国民が十分な生活を、その働きに見合ったものを獲得できる時代になっておりますから、そのときにはその労働者や国民は、自分の仲間の先輩のための保険料の負担について十分にたえ得る収入を得ているという確信のもとに、実質的均衡論をもって賦課方式に踏み切ることにいたしたわけであります。  それとともに、もう一つの柱は、先ほど抽象的に申し上げましたけれども、年金制度からはずれている人を全部そこに含んでいく、しかも労働者年金からはずれている人は全部労働者年金に含んでいく。たとえば厚生年金の制度にあっては、五人未満の事業所の労働者は当然厚生年金の適用を受けられるようにする。日雇い労働者の人々も適用を促進することを、この法律規定の中に入れております。それとともに、いままで掛け捨てとか、あるいは脱退一時金だけで自分の権利をもぎ取られておった人たちを、この厚生年金で拾いまして、その人たちにも同様の生活保障がいくようにいたしてまいりたい。  さらに、まだまだたくさんございますが、国民年金のほうでは、たとえば七十歳以上のお年寄りしか老齢福祉年金の適用がない。それを少なくとも六十五歳以上の人に適用を受けていただくようにして、谷間の老人が、このような冷たい世の中ではございますが、あたたかい年金制度によって老後を安心して暮らしていただけるようなものをつくっていきたい。さらにまた、国民年金の拠出制において保険料免除を受けた人たちの年金が三分の一しか保障されていない。保険料を払いにくい人こそ年金の必要度がほかの人よりもはるかに多いということを考えて、こういう方々の年金をはるかにふやしてまいりたい。  もう一つだけ簡単に申し上げますと、たとえば二十歳以前の障害者の方々には障害年金の適用がありません。また障害福祉年金は非常に少ない。二級障害年金もない。こういうことを改善をいたしまして、そういう障害者の方々にも年金の光が当たるようにいたしてまいりたいと考えているところでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 政府も国民の強い要望にこたえて、財政再計算期を繰り上げて今回の改善案が提出されたわけでございますけれども、その気持ちはよしとしましても、それにいたしましては基本的な諸問題が見送られております。年金額と保険料の引き上げ及びスライド制の導入程度のことで事が処せられております。非常に残念に思います。  私は、きょうこれからこの問題を十分突き詰めていきたいところでありますが、どういうわけか、きょうちょっとぐあいが悪うございますので、委員長、次の機会に譲らしていただきたいと思うのですが……。      ————◇—————

田川誠一自由民主党

○田川委員長 公聴会開会承認要求の件についておはかりいたします。  ただいま当委員会において審査中の内閣提出の健康保険法等の一部を改正する法律案についての公聴会、並びに内閣提出の厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、八木一男君外十六名提出の国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、同じく国民年金等の積立金の運用に関する法律案についての公聴会を、それぞれ開きたいと存じます。  つきましては、公聴会開会について議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、公聴会の開会日時、公述人の選定その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

田川誠一自由民主党

○田川委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  内閣提出の健康保険法等の一部を改正する法律案並びに内閣提出の厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、八木一男君外十六名提出の国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、同じく国民年金等の積立金の運用に関する法律案について、それぞれ委員を派遣し、審査の参考にいたしたいと存じます。  つきましては、議長に対し、委員派遣承認の申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、派遣地、派遣の日時、派遣委員等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

田川誠一自由民主党

○田川委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  港湾労働法の一部を改正する法律案審査のため、参考人に御出席を願い、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次回は来たる十二日火曜日、午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後六時五十九分散会

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