P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
71回国会衆議院1973/05/31

社会労働委員会 第22号

発言数
511
登壇者
20
会派数
5
開催日
1973/05/31

会議録

田川誠一自由民主党

○田川委員長 これより会議を開きます。  日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出があります。これを許します。島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 日雇健康保険法の一部を改正する法律案、その審議に入るに先立ちまして、大臣に一つだけ、医療の立場からどういうように考えているのか伺ってみたいと思います。  きのう来本朝にかけて、医師会の武見会長が三十日の夕方齋藤厚生大臣をたずねて、公費負担医療の請求事務を一本化してほしい、こういうような問題についていろいろ話し合った。そして医療のスライド制の導入をめぐり、会長不信任の問題等についても話し合った、そして今後は、六月の一日に再会談の予定である、こういうような記事が載っておるのであります。もちろんわれわれとても、医療関係のこの重大な政府管掌の健康保険法、これを審議しておるさなかにこういうような事態が起こるということについては、大いにこれは気にかかるところであり、憂慮にたえない次第であります。それも委員の発言の内容にも触れ、そういうような問題もあるかのように伺うのでありますけれども、これはまことに重大であると思います。ひとつこの際、大臣がどのように考えてこれに対処するのか、国民の前にはっきりこれを御声明願いたい、こう思う次第であります。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 すでに御承知のように去る十六日、中央医療協議会の二号側委員すなわち医療担当者側の委員の方々が連名で、中医協の会長を信任しないという旨を文書をもちまして厚生大臣あてに書類が提出されたわけでございます。それ以来今日まで中医協の機能が停止されておるわけでございますが、私もこの問題につきましては国民医療の上からきわめて重要な問題と考えて心配をいたしておるような次第でございます。  私は厚生大臣として、診療報酬につきましては、最近における賃金、物価の上昇等の動向等もございますので、早期に診療報酬の改定をしていただきたいということを前々からお願いをいたしておったわけでございますので、私としては一日も早く中医協がその本来の機能を発揮できますように努力をいたさなければならぬと考えておる次第でございます。この事態が発生いたしましてから、医療担当者側あるいは支払い者側におきまして、それぞれの何と申しますか、声明と申しますか、意見の発表があるわけでございまして、私はそうした内容につきましてとやかく申し上げることを差し控えさしていただきたいと考えておるわけでございますが、私としては一日も早く中医協の本来の機能が回復されますように全力を尽くす覚悟でございまして、この事態発生以来の具体的なことを申し上げることは差し控えさしていただきますが、努力もいたしておるわけでございます。  きょうの時点において解決しておりませんことはまことに私も申しわけないと思いますが、国民医療の上からいってこれはきわめて重要な問題であり、一日も早く本来の機能を回復するということのために努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございまして、関係方面とも今日まで数次お目にかかって私の意のあるところはお伝えをいたしておりますが、まだ十分解決に至っておりませんが、今後とも私は精力的に努力いたしまして、一日も早く機能が回復せられますように努力をいたす考えでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは国民の医療という立場から一日も早く解決するように望んでやみません。同時に、この真相については国民は重大な関心を持っているという点を十分お考え願って、そして一日も早く解決してもらいたい、また、するのが大臣としてのこれは緊急の任務である、こうも思います。ことに、いろいろいわれておりますように、内部での発言いかんによってそれが問題化するということになれば、問題は結果でありまして、そのような点についても十分話し合いの要があるんじゃないか。だれもそれになり手がない、こういうようになっては困りますから、十分その辺の配慮を持って臨んでもらいたい。このことを心から要請しておきたいと思います。重大な決意も要するのでありますが、大臣にこの点をとくと承っておきます。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先生お述べになりましたように、この問題は重大な問題でございますので、深刻に私も受けとめております。したがいまして、どちらの側がどういう意見を言うたとか、どちらがどういう話をしたとかいうことについては、一切私も批判がましいことは何も申さないようにいたしておりますし、事態を深刻に受けとめて、本来の機能が回復するように全力を尽くしたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それを要請いたします。ところで、私はいま大臣にいろいろ伺いたいことの前提条件はまだまだたくさんあるのであります。しかし、それは本題とともにいろいろと答弁してもらうことにして、まずとりあえず大臣に一つだけ伺いたいことがあります。  それはいま老人対策がいろいろ世の焦点になっております。議論の焦点にもなっております。同時に、日雇い健康保険の一部改正法案、これがいま審議に入っているのでありますが、平均年齢は五十九歳ということになっておるのであります。そのさなかにちょうど、御存じだと思いますが、自治体の病院に老人病棟を設けなさいということについて、地方公共団体が経営する病院の団体である全国自治体病院協議会から齋藤大臣に、これまた老人医療無料化に対する医療供給体制整備運営についての緊急総合対策を確立せよ、こういうような申し入れがあったと思います。当然その問題については大臣ははっきりとした決意と方策を持っているものである、こう思うのでありますが、問題はやはりその中に看護婦不足であるとか、医療経営の赤字であるとか、いろいろそういうような問題もあるのであります。そのためにまた老人がいろいろな点から治療の疎隔を来たしては困る、こういうようなこともまた当然考えなければならない点であろうと思います。こういうような要請を受けて、そうしていま政管健保の改正法案もここに討議しております。またきょうここに、日雇い健康保険の改正案も討議するのであります。三者これは一体になったような考え方の上に立たなければならないはずのものであります。政管健保の改正、日雇い健康保険の改正、この中にはっきりした差が具体的にあるのであります。差をつけたまま老人医療の実を結ぶということには、これはどうしてもなりかねるのでありますが、大臣、この辺の格差はどういうような状態で解消するのか、格差は永久につけるのか、この辺からまず伺っておきたいと思うのです。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 老人医療の問題につきまして先般、全国自治体病院協議会から要望書が提出されておりまして、私も承知いたしておりますが、その老人医療との関連において、保険給付のいろいろな水準について差があることについて今後どうするかというふうな趣旨のお尋ねであったと思いますが、できるだけ私は水準の統一をはかっていくようにすべきものであると考えております。  しかしながら、現在のそれぞれの制度にはそれぞれの沿革があり、またそれぞれの財政的な事情等もございまして、いま直ちに全部これを一本化するというふうなわけにはまいりませんので、逐次実行可能なところから改善を加えていく、こういうふうにいたしておる次第でございます。  将来とも私はなるべく基本的には水準を統一していく、一本化していくという方向に努力はいたしたいと思いますが、いま申し上げましたようないろいろな沿革あるいは財政の事情等もございまして、いますぐ実現することはできないわけでございます。  特に今回の日雇い健康保険につきましては、いろいろ御意見のあることと存じておるわけでございますが、先般の社会保険審議会においても、いまの段階ではこれでけっこうだろうというふうなことで全会一致の賛成を得て答申をいただいておる次第でございますが、将来はいま先生がお述べになりましたような方向に努力をしていくべきものであると考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣、その考え方にやはりズレがあることにちょっと気がつくのです。いまの段階ではやむを得ないからよかろう、これで満足して出したという考え方があるようでございますが、これは緊急にやる必要があるからとりあえずやりなさい、しかし引き続いて、すぐにでもこれを是正しなさい、こういうような意味であるはずなんです。それをもうこれで満足だから出したという考えでここで停滞させるならば、画龍点睛を欠く。まして、前のこの委員会で山本政弘委員の質問がございまして、渡部主計官からいろいろ答弁があった。その中で──この点だけは大臣も聞いておったのですからおわかりだと思うのです。社会保障に対する給付、その部分に触れて、一体どうなんだということであったと思うのです。これは保険によるとか租税によるとか三十七年度に議論があった、こういうような話でありました。健保については全所得相互扶助のたてまえをとる。社会保障に向けるためには、貧困それから低所得層への福祉、社会防衛的公衆衛生部門、こういうような方面には社会保障的な立場から対処しなければならないと思う、その方面には財政措置も講じなければならない、こういうふうに承っております。こういうようなことに私聞いておりましたが、渡部主計官、これはこのとおりでございますか。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○渡部説明員 前回山本委員から社会保障の財源のあり方についてのお尋ねがございましたときにたしかお答え申し上げましたことであろうかと思いますが、これは要するに一般財源である租税財源と保険料財源、この二つが財源として考えられるわけでございますが、それを社会保障の給付にどういうぐあいに割り振っていくかという考え方を私が述べたわけでございます。しかしこれは実は私の考えを述べたわけではございませんで、社会保障制度審議会の答申等いろいろな有力な御意見がございますものを紹介したわけでございます。その考え方、これは三十七年の社会保障制度審議会の社会保障の財源について御議論があった際の答申でございますが、そこに、これは医療のほうの保障といたしましても、これももちろん社会保障の給付であることには変わりがないわけでございますが、それを一般財源である租税財源から充当するものの優先度といたしましては、先生先ほど申されましたように貧困階層に対する生活保護といったようなもの、それから貧困階層まではいきませんが、いわゆる低所得階層、ほうっておきますと貧困になられるかもしれない、そういう防貧的な措置としての社会福祉対策、これが二番目にくるのではなかろうか、それから全所得階層に該当するものでございますけれども、いわゆる社会防衛的な意味におきまして措置を要する公衆衛生的な費用、これは一般財源、つまり租税財源から充当するものとしての優先度として考えられるのではなかろうか。  次に、同じ社会保障の給付ではございますが、いわゆる社会保険の分野につきましては、これは一般財源ではなくて、相互扶助というかっこうの保険料財源を主たる財源とする、これがいわゆる社会保険のたてまえではなかろうか、こういうような趣旨でのお話をいたしたわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣もその点はよく聞いておったからおわかりだと思うのです。したがっていま私が言いたいのは、貧困階層に対するいわゆる社会保障の財源に対する議論の中で貧困階層、低所得階層への福祉、社会防衛的な公衆衛生、この三つに該当するものこそ日雇い労働者じゃないかということです。したがって政府、大蔵省を通じてもこの点については一般の考え方よりもっと進んで、画期的に対処しなければならないはずじゃなかったのか、この点なんであります。ちょうどいま渡部主計官が言ったそのことと同じであります。いま試みに見ます場合には、大臣も御承知だと思うのですが、日雇いの労働者の本年度のベースアップは何%でございましたか。労働省、来ておりますか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○桑原政府委員 日雇い労働者のうち失対就労者につきましては、四十八年度の賃金は昨年度に比べまして二二・二%のアップになっております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 一三・二%のアップになっておるわけです。ところが一般の労働者その他、皆さん春闘で御存じのとおりなんです。そしてこの五月現在、東京の物価の値上がりの状態を見ましても総合で一一・六%、食料で一三・七%そして被服の点は二一・九%も上がってしまっておる。そうすると、食料の点で一三・七%上がっていますから、一三・二%上げたものは五月になってもうすでに何もない、こういうふうな状態になっておるわけです。そういうようなさなかにこれまた病気をするようなことがあった場合には、これはとんでもないことになるわけでありますから、当然いま渡部主計官の言ったような貧困階層に対する対策、それから低所得階層への福祉に対する対策、ちょうどこれに該当するものは、社会保障財源として政府が租税の面からもこれに対処するのが正しいのだという三十七年度の議論、これにぴったりやらなければならないのは日雇い健康保険の改正案でなければならないはずなんであります。いまの状態で、この程度の改正案で、大臣、いいとは言えないはずなんです。生活がもうすでに貧困になっておる。ベースアップは東京では二カ月でどうにもならなくなった。あとの地域では一カ月おくれますね、データとして。全国的には一カ月おくれたデータが出ます。ですけれども、東京では食料だけでももう二二・七%で、〇・五%アップしてしまっている。追い越されているのです。こういうふうな状態なんです。したがって、この問題に対しては二カ月でどうにもできなくなった。それでもアップしたからいいのだ、こういうふうな考えにはとうていならない、そういうふうなことからして──六月になった場合にはまた上がるわけでしょう。七月になってもまた上がるわけです。そうなりますと、今度の賃金に対しては、全然これは問題にならない程度のアップ率ですから、そのほかは社会保障的な見地から十分庇護してやらなければならない。それもまた低率で押えられる。そうなった場合にはどこに国の社会保障なんだということになってしまうわけなんです。この点で賃金の改定はすぐ大きい社会問題になるんじゃないか、こういうふうに思います。総評でもこの問題を取り上げ、全労働者のみならず社会の低階層の問題であるということで、大きい問題にいまなろうとしております。早くこれに対処するのでなければならないと私は思うのですが、これに対して医療対策の面が追いついていないこと、それからもう賃金そのものは全然問題にならないこと、この点についてひとつ私に説明してもらいたいのであります。労働省と厚生省。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○桑原政府委員 失対賃金につきましては、先ほど申し上げましたように一三・二%平均アップいたしております。私どもの手元にあります物価上昇は、全国と東京では確かに一月ズレがございますが、最近九%以上の物価の上昇になっております。私どもといたしましても物価の上昇が低所得層に対して非常に大きな影響を与えておることについては心配をいたしております。ただ先生御承知のように、失対賃金は失対法の十条の二の規定によりまして、民間の類似の労働者つまり建設業の労働者の賃金を基礎にいたしてきめております。したがって物価と直接パラレルにきめておりません。そういうことで賃金の改定につきましては、そういう原則を踏まえて当然私ども法律に基づいてやっていかなければならぬ。  なお、最近のそういった物価上昇の中において低所得層についていろいろな問題があります。これはまあ失対就労者だけの問題ではございません。そういった問題については十分今後、物価上昇の推移を見て対処していかなければなりませんけれども、幸い失対就労者につきましてはさきの臨時の賃金制度がございますので、そういったものの支給の中において十分考慮いたしてまいりたい、そういうように考えております。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ただいまお話のございました日雇い労働者に対する社会保険の問題でございますけれども、仰せのとおり、社会保険のグループの中では最も恵まれないグループの方々が日雇い労働者かと思います。そういう意味合いで、制度が発足いたしました二十八年以来、保険料の負担というものもできるだけ押えて、また国庫補助の面におきましても、三十六年からは三五%という、相対的には非常に高額な国の負担をやっているわけでございます。ただ一面におきましては、いまお話もございましたが、三十六年以来改正が行なわれておりませんで、給付の改善もございませんし、また賃金が相当、三十六年に比べますと大体四倍程度にふえておりますけれども、そういった面での保険料の改定もない、こういう状況でございますので、何とか改善をしたい、こういった社会保険のグループの中でも非常に貧しい方々に対してはできるだけ手厚い給付をしたいということで、昨年の六月に関係審議会からの答申もいただいております。そういうわけでありますから、関係者の方々の合意もございます最も緊急に行なわなければならない給付の改善ということを今回はお願いをするわけでございます。それに伴いまして、三十六年以来の改正でございますから、その間の日雇い労働者の方々の賃金の上昇というふうなことも勘案をしながら、この際さらに負担区分を細分をして、多少のそこには負担の増加をお願いする、そのかわり給付の期間は相当大幅に延長し、現金給付の引き上げを行なうなどの改善をして当面の問題に対処していきたいというのが、今回の改正の趣旨でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その大幅が小幅だということが問題なんです。口では大幅、しかし何を標準にして大幅なのか、これから順次検討していきたいと思うのです。  それで日雇い健康保険の場合には、十二年間くらい改善されないままほったらかされていたのですね。それも五人未満の事業所の適用の問題に対しては、政管健保の適用事業所にこれはなっていないのですね。そうすると、この労働省関係では労災や失保、こういうものの実施については五十年までに五人未満は全部適用させるようにもう踏み切ってやっているのですね。これは労働省だけでなく、厚生省のほうでは手厚くこれを考えていると言いながらも、だいぶ同じ政府の、内閣の部内でも考え方と措置が違って、おくれているのじゃありませんか。まして十二年間の空白をいまようやく埋めようとして日雇い健康保険の改善法案を提起してきた。しかし、その内容としてもまだまだ不十分なんだ、こういうようなことになっているのじゃありませんか。たとえば今後出てくるいろいろな給付の問題、医療給付の問題でもそうですね。そのほかに、あとからまたやりますが、埋葬料、分べん費、この問題なんかも休業補償の面を含めてみな一つ一つあげられますね。給付が低いですね。大蔵省でも三十七年にはっきりこの貧困階層や低所得階層の福祉、それから社会防衛的な公衆衛生、この方面には、いわゆる社会保障を租税によってこれを埋めていくことを重点に考えるべきだ、財源としてもこれは十分考えていくべきだ、こういうようなことの議論はあったようなんです。当然失対の場合にはその方面からでも遠慮しないで、大臣としても十分対処すべきじゃなかったのですか。今回出てきたのはおそきに過ぎる、こういうように思いますし、また低きに過ぎる、こういうふうにいわざるを得ないのであります。これは今後どんどん改善していかなければならないと思うのですが、この法の目的の趣旨にもまだまだこれは及びもつかないのではないか。日雇い健康保険法の第一条、この中に何と書いてありますか、局長。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 第一条には、日雇い労働者のいわゆる業務外の健康保険上の事故に対しまして保険給付を行なうことによってその生活の安定に寄与するということが、目的として書かれております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 生活の安定に寄与していますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 私どもは、この法律ができました二十八年当時のこともこの際いろいろ回顧をしてみたいと思うのでございますが、当時、二十四年には日雇い労働者について失業保険ができまして、その後やはり皆保険でない時代がございましたので、日雇い労働者の方々の健康をこういった特別法によって守るということでこの法律ができたように私は記憶をいたしております。したがって、これは島本先生も御承知のように、できました当時の当委員会の附帯決議におきましても、今後十分政府はこの法律の目的を達成するように努力をしろ、また、社会保険制度の体系確立の上で支障を生じないように十分指導をしろ、こういうふうなものをいただいております。そういうことをわきまえまして、その後、たしか二十九年でございますか、国庫負担の定率化、あるいは三十六年には三五%の法律化という問題もあったわけであります。そういったことで、また療養給付期間の延長もございましたし、現金給付の問題もございましたし、いろいろな面でそれなりに私どもは生活の安定に寄与をするという見地からやってまいったつもりでございますが、なお先ほどからいろいろお話がございますとおり、このような状態で私どもは決して妥当だとは思っておりません。  今回の改正案は、先ほども説明申し上げましたとおり、とりあえず関係者の合意ができたところを早急に実現をして、実現した暁にはその次のステップを十分に考えて、いま先生御指摘の生活の安定に寄与するように、さらに一段の法案の準備につとめたい、このような気持ちでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 念のために、いま十分に目的をと言うならば、この日雇労働者健康保険法ができたころの二十八年七月二十七日と八月六日、国会の衆参両院からの決議がありますね。これは、読んでみたならば、もうほとんど政府はこれをやっていませんね。  「一、本法案がその所期の目的を達成し得るため、政府は全責任を以て、その運用に遺憾なきよう十全の努力を払うこと。二、本案の実施に関しては、政府は将来、社会保険制度の体系確立上支障を生ぜざるよう、充分指導すること。」「本法による給付の内容充実と、他の保険給付との均衡を計り、更に被保険者の範囲を拡大し、以て全日雇労働者の福祉と生活安定を期するため、国庫負担の実現を希望する。」ちゃんと附帯決議が載っていますね。衆参両院の附帯決議。「国庫負担の実現を希望する。」こう見ておっても、確かに三十七年では、いま渡部主計官が言ったように、そういう議論があったということはわかりました。二十八年にできてからほとんど、これまた十分だと言えないどころか、十二年間も今日まで放置されてきておった。これじゃまさに怠慢そのものじゃございませんか。私どもは今後は一つ一つそれをあげていくことによって、ぜひともこれを善処をしてもらいたい、こういうように思うのです。具体的には資料によってやればいいわけですけれども、そうなる前にでも、ひとつ答弁によってでもこれはやってもらいたい。こたえてもらいたい。そしてその一つとしては立法の趣旨を十分生かして、そうして恵まれないこの者たちの立場を十分考慮してやる、これが法の目的であり、これを実施するのが政府の、内閣の当然の義務であるわけです。いままでこの点については十分ではなかったということをほんとうに遺憾に思いますが、今後この点等に対しては十分大臣、いま主計官も来ていることですから、十分対処しておいてもらわなければならないのであります。  それで、政管健保は事業所に責任を持たしているわけですけれども、日雇い健康保険の場合には事業所に責任を負わしておらないようです。十全の措置をするといいながらも、この二つの法律案を並べてみても相当の差があるように思われるのです。この内容等についても十分検討しないといけない、こう思うのです。そういうようなことはありませんか。これは大臣でなく、局長に……。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 日雇い労働者の方々の健康保険は、制度をつくります場合にやはり技術的にも非常にむずかしい点があったわけでございます。したがいまして、その適用事業所という点から考えますと、一般の健康保険は、適用事業所に使用される者が被保険者である、こうなっておりますが、日雇い労働者の方々は事業所を転々といたしますので、保険料の納付にいたしましても、使用される日ごとに印紙貼付のかっこうで保険料を納付するということになっております。先生から御指摘もございましたし、いろいろ問題もあるかもしれませんけれども、保険料の納付に関する限りは事業主の責務でございます。それから、他の職務につきましては、いま申し上げましたように、日雇い労働者の方々の就労形態の浮動性と申しますか、不安定性と申しますか、そういった面から見て、一般の健康保険とは多少違った面のあることは確かに事実だろうと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣、日雇い労働者の身分はどういうふうになっているか御存じですね。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 日雇い労働者の身分は、日々雇い入れられ、または短期間の期間をきめて雇われておるということでございますから、その稼働が安定していない、こういう方でございまして、稼働が不安定な状況にある、こういうことで、労働階層の中では恵まれない方々であろう、かように考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それはそのとおりなんです。身分としては非常勤の特別職の地方公務員になっているのです。私島本虎三は非常勤の特別職の国家公務員でしょう。大臣もそうでしょう。地方公務員と国家公務員だけの違いです。それがいま大臣が言われたような状態に置かれているのです。身分は地方公務員である、非常勤であり特別職である、こういうような違いでこういうふうに差を設けることがどうなんだということなんです、私の言うのは。  もう少し具体的に言っていきますが、では、日雇い労働者を雇用している事業所はいまどれほどありますか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 日雇い健康保険の適用事業所の四十七年度の数字でございますが、大体三万四千ちょっとばかりございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それでは、五人以上の強制適用事業所、これはどのくらいありますか。調べてございますか。なければいいのですが……。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 四十六年度末で大体五十二万六千、四十七年十二月末で五十三万一千、大体そんな見当です。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これはだんだん多くなっていますか、少なくなっていますか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 日雇い健康保険の適用事業所の動きは、率直にいいまして漸減の傾向にございまして、三十九年度で大体四万六千八百くらいだったのですが、先ほど申し上げましたように四十七年度では三万四千ちょっとになっておりまして、八年間に三割弱くらい減っておるという状況でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣、そういうような中で、日雇い健康保険の適用事業所でも日雇い労働者に健康保険の印紙を張らない事業所がこのごろ多くなってきたというふうに聞くのですが、そういうような事業所があるのかないのか調べたことがございましょうか。私はこれは重大だと思うのです。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 われわれ、通常の月におきましては、社会保険事務所の調査官を使いまして事業所の調査をやっております。また、毎年二月と七月でございますか、特別な調査月を設けて督励はいたしております。先生のような御指摘につきましては、今後もよく検討してまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この少なくなってきているという中に、日雇い健康保険の適用事業所でも印紙を張らない事業所があるということ、これは指導の問題であって、もうそのままに放置しておかれない問題です。やはりこれは十分調べていないんじゃないかと思うのです。ところが現実に、行ってみるとそういうような事業所があるということなんです。これはやはり重大ですよ。今後はどのように指導していくのか、まずこれもはっきりさしておいたほうがいいんじゃないかと思うのです。大蔵省でも、また労働省のほうでも、こういうような問題はそのままにしておけない問題だと思いますから、特にこの指導についてはどういうふうにするのか、この際聞かしてもらいたいと思うのです。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 先生のおっしゃること、なかなか重大でございます。われわれといたしましても、先ほど先生から御指摘がありましたように、五人未満の問題とかいわゆる適用事業所の問題について総合的に今年度中によく調べて、できるだけそういうことのないように厳重に督励してまいりたい、とにかく実態を十分把握してまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 くどいけれども、これはもう好意のあるくどさですから、このくどさを少し皆さんも肝に銘じておいてほしいと思うのです。十分に調べ、指導したい、それはいいんですが、どこを通じて調べて指導するのですか、この点も念のためにはっきりしておいてください。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 われわれの持っております末端の機関は社会保険事務所でございますから、基本的には社会保険事務所の人間を使いまして個々のケースについて十分当たる、そのほかに総合的な調査も実施してまいるということでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 やはりこの問題は双方にからむのです。労働省の職安のほうでもこれは十分考えないといけない問題なんです。したがって、大臣は閣僚の一人として、この点労働大臣と十分協議して──社会保険事務所、それは当然です。労働省の職安の事務所もあるはずですから、その方面でもこれを十分指導するということでなければならないのです。それでもなお十分じゃない点ができるかもしれませんが、往々にしてこれは二つあるために十分じゃないのであります。この点、大臣に特に要請しておきたいのですが、こういうようなことは許されないことですから、ひとつ大臣も決意してほしいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 お話しのとおり、そういうふうなことがあるようであれば、日雇い労働者はせっかくのこういう医療保険の恩恵を受けられない。これは放置しがたい大きな問題であると考えております。日雇い健康保険の適用を受けておる中の失対事業に従事しておられる方々については、県の失対あるいは市町村の失対ということでございますから、これはもう当然県や市町村が張るべきであるわけでございまして、労働省が当然監督して行なうべきものであります。したがって問題は、民間の事業所に日雇い労働者が働いている場合、これについて間々そういうことがあるのではないかというふうな感じもするわけでございまして、そういうことがやはり一人でもあってはなりません。そこで、そういう民間の日雇いの職業紹介は労働省の職業安定所の窓口を通じてやるというのが一応原則でございますし、私どもの社会保険事務所だけで十分監査ができるとも考えておりませんから、ひとつこれは安定所のほうとも緊密な連絡をとって、そして一人でもこういう恩恵を受けられない方があってはならないという前提に立っていくべきであると考えておりますので、近く労働省とも十分緊密な連絡をとりまして、両省一体になって、こういう保険の恩恵を受けられるように努力をいたしたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣の答弁としてはきょうは少しさえているようでありますから、大いにこの点は満足し、今後なおさらりっぱな答弁をしてもらいたいと思うのです。  この中で、政管健保の場合には、労働者を雇用した場合、事業所に被保険者の加入する手続のすべての責任を負わしているわけです。そうですね。しかし日雇い健康保険の場合には、労働者が社会保険事務所のほうへ行って手帳をもらう手続をして、今度は事業所に保険手帳を提出する義務を労働者のほうに負わされているわけですね。そして事業所はその手帳を出すと印紙を張ってやるということになっているわけですね。そして事業所に対して、雇われる立場の弱い日雇い労働者ですから、そういうような点で抜けていても、印紙を出さなくてもそのままにして帰ってくるような傾向さえあるわけですね。したがって不安定雇用である日雇い労働者が、事業所ににくまれないように配慮し、手帳を出さないこともあり得るのだということを聞いて、私はこういうようなこまかいところまで知らなかったのです。私も知らなかったのです。調べた結果、まだそういうふうな恵まれないものが、手帳に張る印紙まで自分で遠慮をしながら、張らない場合でも、これをそのまま張らないで帰ってきているというこの事実、こういうような点はやはり是正しないといけません。そういうような弱い立場だということを十分考えてやらないといけない、こう思うのです。したがって、今後は指導ももちろん重要であります。この手続上の問題についても今度十分これを考える必要があるんじゃないか、こういうようなことです。一般の場合には事業所、非常勤の特別職の地方公務員である日雇い労働者の場合は、すべてこれは自分に責任を負わされております。しかしそういうような立場、これはいかに立法の当時はそういうようなことであっても、もうすでに改正する時期になっている、こう思いますから、この点は今後ひとつ格段の留意をすべき点である、こういうように思いますが、この点いかがでしょう。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 先生の御指摘まことにごもっともでございまして、日雇いに関しましては事業所の責任がやや薄い、むしろ本人に主たる義務が負わされているということは、もっともであります。ただ一般的にいいますと、日雇いの方々の就労の場所がかなり流動的である場合もあると思います。もし就労の場所が固定しておりましたならば政管健保と同じような形もとれるかと思うのでありますが、そこら辺のかみ合わせ、あるいは事務の取り進めをどういうように考えていくか、今後の問題として十分検討していきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それと同時に、今度は印紙の問題です。印紙を張るにもそういうふうに遠慮してやっている。この印紙が前二カ月で二十八枚、前六カ月で七十八枚の印紙が張ってなければ、これは受給資格要件にはならないことになっておりますね。一体この根拠はどういうところから持ってきたのですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 これはやはり制度発足以来の問題でございますけれども、いまのお話にも関係いたしますが、就労状態が流動的であるということで、事業所を転々とするということで、結局その保険給付を受給するための受給要件というものがどうしても必要ではなかろうかということで、こういう仕組みをとったわけでございます。発足当時はそれでも二カ月間で二十八日分以上というだけでございましたが、その後はさらに六カ月間で七十八日分というようなものを追加をいたしまして、受給要件の緩和等もはかっておりますけれども、現在のような就労形態の実情からみますと、こういう仕組みをとることはいまのところやむを得ないところではなかろうか、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いままではやむを得ないとすると、今後もやむを得ないということがいえるかどうかが問題でしょう。今度は、かけ捨ての分はばかにできないような高額の料金になるわけでしょう。五十円、九十円、百三十円、二百円、こういうことになるわけです。いままでの二十円、二十六円、この半額というようなもので済まなくなるわけです。したがって前二カ月二十八枚、前六カ月で七十八枚、これに満たないときには医者にもかかれない。いわゆるかけ捨てになる。こういうようなことであるならば、療養給付も受けられない人、この実態はまことに哀れになるわけですね。こういうような状態に対して、やむを得ないと考えていますか。善処しなければならないと考えていますか。いままではやむを得ないという答弁。ほんとはいままでだってやむを得るんです。やむを得ないということは、ちょっと聞き捨てならないのですが、きょうは大臣の答弁がいいですから局長のほうはこの程度でやっておきますけれども、いままでかけ捨てになっている分も相当あるのですよ。だけれども今後はやはり高額になりますから、その点は十分療養給付を受けられるように考えてやらなければならない。こういうような点からして、港湾労働者の点であるとか競輪競馬の労働者の点であるとか、こういうような点も十分考えてやるならば、やはりこの点ももう一歩進めて改善してやらなければならないはずなんです。いままでと同じ考えですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 かけ捨て問題というのは、日雇い労働者の特殊性からいいまして制度創設以来の問題でございます。制度をつくりますときにも、したがって現行規定にもございますように、二十八日間未満、つまり初めから日雇い労働者として給付を受けること、受給要件を満たすことができないという事情が明らかな場合には、適用除外というような制度も実は設けておったような次第でございます。ただ、そういう制度がございましたけれども、確かに先生おっしゃったような点で、結局は受給の面で不利益な面が出てまいりますので、今回の改正におきましてはこういった点をやはり是正をいたしまして、給付期間が満了いたしました後におきましても、所定の保険料を納付しております限りは引き続いて給付を受けることができるような措置もいたしておりまするので、先ほどはやむを得ないと申し上げましたが、こういった点の是正と申しますか、日雇い労働者の方々の特殊な就労形態ということについての制約の中においてできるだけの改善をして、いま言われたような不合理の改善につとめたい、このような趣旨でございます。また、そのような趣旨に沿って今度の改正案をお願いしておるようなわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは厚生年金や国民年金の場合には、こういうような資格要件の問題に対して何か特例がございましたか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 年金の話で、私も十分には申し上げられないかと思いますけれども、国民年金では確か免除制度があったように記憶いたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この点は、医療費の問題とからんで、やはり救済措置を、他の法律にあるものを十分検討した上で考えるべきじゃないかと思うのです。たぶん厚生年金の場合には、脱退一時金の制度があったんじゃないかと思うのです。資格のとれない場合でも、一時金制度によって、これは何か救済措置をしたようにも思うのですが、しかし、この社会保険で保険料を取られながらかけ捨てになるような制度、こういうようなものに対しては、やはりこれは貧困階層であればあるだけに、こういうような点だけはどうしても是正してやらなければならないし、その方法がないならまだしも、あるなら、それを準用または適用させるべきです。特別療養費という、こういうような制度があるようでありますが、これに対しては、初めて被保険者手帳を受けた者が、印紙が足りなくても療養に要した費用について特別療養費を支給されることができるような制度じゃないかと思うのですが、こういうような制度はいまでもあるのですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そういうような考え方、掛け捨てにならないようにこれは準用することはできないのですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 その準用という意味が、どういうふうにわれわれは処理したらいいか、突然のことでございますので十分考えが及ばないわけでございますが、やはり療養の給付は現物給付でもございますし、厚生年金等とは多少ニュアンスが違うと思うわけでございます。特別療養の制度は、御承知のように、失業者を前提として、しかもまた国民健康保険と日雇労働者健康保険との間の出入り、あるいは健康保険と日雇労働者健康保険との間の出入り、こういったこともございますので、そういった摩擦的な救済としてできた制度でございまして、おっしゃったような趣旨で準用ということになりますと、どういうかっこうでやるのか、今後の検討課題といたしまして研究させていただきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その目的とするところは、やはり掛け捨てにならないように救済してやるべきだ、これが目的です。そのためにいろいろな制度なり方法なりを考えなさい。いままではそれはやむを得なかったとしても、今度は五十円、九十円、百三十円、二百円というふうに金額が高くなるでしょう。そうなった場合には、これはやはり生活上にも影響を及ぼす問題にもなりますから、今後そういうような問題に対して考えなければいけない、これが趣旨です。考えるということならばいいのです。考えてやったほうがいいんじゃありませんか。二分の一ですから、いままでは二十円、二十六円だったから十円、十三円、この程度ならば若干目もつぶれたかもしれません。今度は金額が相当張るのですから、掛け捨てなんかにならないようにこれは善処すべきである。この点だけは強く検討を要請しておきたい、こういうように思うのです。検討しますか、しませんか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 確かにおっしゃったように、保険料も上がってくるわけでございますから、御要望の趣旨は十分理解をいたしまして、今後どういうふうに対処するか検討をさせていただきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いろいろとこの中で使用者の都合によって日数が不足したり、受給資格が取得できない者については、この不足日数の保険料を支払うことによって資格の取得を認める、こういうようなやり方だって考えようによってはできるわけでしょう。ですからこういうような点も十分今後検討しておいてもらいたいということです。  それと同時に、日雇いの場合には高齢者が多いわけです。平均して何歳ぐらいが日雇いの年齢になりますか。労働省の人来ておりましたら、失対部長覚えているでしょうから……。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○桑原政府委員 失対就労者だけに限って申し上げますと、年齢が五十九歳でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いままで療養期間二年間で切れた人の病名、どういうような病名の人が二年引き続いて、そして二年で切られておったか、この点調べてありましょうからひとつ御発表願います。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 本日手元に資料を持ってまいりませんでしたけれども、いずれにせよ成人病的な疾患が非常に多く、長期外来という方が非常に多いということは事実でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 わからない。もう一回。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 本日資料を持ってまいっておりませんが、成人病疾患が非常に多い、それから長期療養の外来患者が多いということは事実でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 日雇労働者健康保険の改正法案をやるのに、どういうような長期療養者の病名であるのか、その調書を持ってこないというのは、いかに質問することは通告してないといえども、これは少しいけませんよ。心臓病の人や高血圧の人や慢性胃病の人が多いのでしょう。もしそうだとすると、この失対事業で働く人たち、平均して五十九歳ですね、今後は三年半に療養期間を延ばすことになるわけですね。はたして三年半くらいでこれらの病気、いままで二年でなおらなかったやつを三年半にしたら、一年半延ばしてけっこうだ、しかしこれでなおるだろうか。これに対する見解をひとつ伺わしてください。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 現在までの調査と申しますか、四十五年四月の時点における政府管掌健康保険の診療分についての実績として出ております点に基づいて申し上げますと、被保険者の入院分のうち診療開始後三年半をこえるものの割合は〇・ ○八四%ということになっております。したがいまして、今回二年から三年半に療養の給付期間を延長いたしますので、このデータから見ますと、大体ほとんど大半の方々が今度の改正措置によって転帰まで療養の給付を継続して受給できるようになるのではなかろかというように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それも少し甘い考えでありませんか。おそらくこういうような人たちはもう疲れておりまして、次から次と、心臓のほうがなおった──なおることは心臓の場合はまあないでしょう。それでもわりあいに楽になったり、高血圧の人、それから慢性胃病の人、こういうような人たち、かっけなんかもあるようですが、おそらくは、かっけくらいはなおるかもしれません。しかしやはり高年齢であるということと合わせて、この点は十分配慮してやる必要があるということです。もう三年半で全部なおらせることができるだけの技術も、薬も進むでしょうし、そうあってほしいわけです。ただ行政的な措置として、その際にはっきりとそこで、三年半で切れちまった。切れちまったらあとはどうなるか。野となれ山となれ、こういうような態度は私はとってもらいたくないし、その辺は十分行政的にも配慮すべきである、こういうように思うのです。現在のところ二年間で療養給付が切れた人、こういうような人に対してどういうようにしておりますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 先ほど御説明申し上げましたのにちょっとつけ加えて申し上げておきます。それは、先般の御質問にも関連をするわけでございますが、今回の改正におきましては、三年半というように療養の給付期間を延長いたしました。しかしその期間が経過したあとにおきましても、その当該期間が経過したあとの日の属する月の前二カ月間に通算して二十八日分以上あるいはまた六カ月間に七十八日分以上の保険料が納付されておる場合には引き続いて給付を受けることができる、こういうようなことになっておりますので、これを全体的に考えますと、現在のたてまえを維持しながら実態的には給付期間の制限をだんだんとなくしていく、こういうことになっておりますので、先ほどの実績から見た三年半の給付期間の延長がもたらします効果と、それから、それにつけ加えました新しい給付期間経過後の受給の問題とあわせお考えいただきますと、今度の改正措置は相当大きな効果を出すのじゃないか、相当給付の制限というものに対してこれを緩和するのに役立っているのじゃないか、このように考えます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 昭和二十八年十二月十四日厚生省発保第二百三十八号、厚生事務次官から都道府県知事あての通ちょう、これは現在生きてますか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 現在でも趣旨は生きているというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 趣旨は生きているということは、その文句は死んでいるという意味ですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 その後状況が若干変化しておりますので、厳格にいいますと、改正する必要がある部分もあるかと思います。考え方としては生きております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それに基づいて昭和二十八年十二月二十五日に保険発第二八四号、各都道府県民生部(局)長宛、厚生省保険局健康保険課長、社会局保護課長連名通知、これも出されていますね。これも当然趣旨は生きているのですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 そのように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そうだとすると、療養給付が切れた人で、それを知らないでそのまま医者にかかっておったという人はあってはならないことになるわです。そういうようなことはございませんか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 おっしゃるとおりの事例があってはならないのでございますが、現実の事務的な関係でそういうことは全くないとは断定できません。

島本虎三日本社会党

○島本委員 全くないとは断言できないでは困る。いまのように社会的な一つの低所得階層、貧困階層、これに属する人がもし知らないでやって、返還を命ぜられたらどうなりますか。だからそういうことのないように十分対処せよというのがいままでの通牒だったのです。現にこれは東京であったようですね。この措置をどうしたのか伺っておきます。これは板橋区の小豆沢病院で日雇労働者健康保険法の法満を越えて診療中の四人の日雇い労働者に八万円の請求が出された。こういうようなことがあるのですが、これだったら当然通牒そのものが生かされておらないことになるので、その辺の手続が粗漏だったことにもなろうかと思うのです。こういうようなことがあってはならないと思うわけですが、現にあったのですから、この返還金はどうしましたか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 先生の御指摘の具体的な事例、まだ私のほうで調査いたしておりませんので、早急に調査いたしまして、後ほどお答えいたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そういうようなことがあっては困りますので、十分行政的な手を打ってください、こういうような意味の質問なんです。現にあったのです。局長も大臣も、こういうような点だけは十分肝に銘じておいてほしいのです。医療給付が不十分だ。その人がいままで二年間給付をずっとやってきた。大体いままでのところはそれでなおっておったんでしょうという答弁なのですが、なおらないのです。それでずっと続けていたのです。続けた結果、今度それがわかったわけです。それに対して八万円の追徴金を払いなさいときた。どうして日雇いの人たちに払えますか。私の手元にあるのは亀井喜美子さんという五十四歳の方、これは板橋の人のようです。それから田代常二さんという七十二歳の人、小泉藤三郎さん、七十五歳の人、風間タケさん、五十三歳の方、こういうような人たちです。高血圧症の長期治療を受けておったのです。高血圧ですから当然これはなおらないでしょう。それがもう二年を過ぎて、それぞれ二万円前後の支払い請求書が病院から送られた。こういうような古い記事なのです。これは社会保険事務所あたりでも、こういう通牒も出ておるのですけれども、具体的な点で相当粗漏があったのではないか、こう思うわけなんです。今度の場合なんかでも三年半になるわけで、それでもなおらない──高血圧症の人なんかなおらぬでしょう。そういうような場合にも、行政上のこういうような点がないように十分指導すべきだ、このことです。おそらくは答弁によると何もないはずなんですが、古い新聞にそういうように出ておるのです。ですから、これは行政上の問題ですからこういうようなことがないように当然指導すべきです。これらに対してどうしたのか、古い新聞でこれはもう結果はわかりませんが、こういう行政上のミスもありますから、調べた上で十分私のほうへ知らせてもらいたい、こう思うのです。この点いいですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 承知いたしました。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この返還命令、こういうようなものに対しては今後出させてはならないということで十分対処してもらいたい、このことだけは強く要請しておきます。  たんたんと進みますけれども、埋葬料と分べん費、この問題です。政管健保の場合の埋葬料と分べん費は幾らになっていますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 政管健保は現在本人は標準報酬の一カ月分、それから被扶養者は最低保障といたしまして二千円でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 政府管掌健康保険法の改正法案では幾らですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 改正法案のほうは今度は二万円でございます。本人はもちろん一カ月分でございますが、被扶養者のほうは二万円でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 日雇い健康保険法の一部改正法案と今度は健康保険法の一部を改正する法律案、政管健保とこれと二つ出て、いまやっているのは日雇い健康保険のほうなんです。埋葬料についても分べん費についても、両方とも開きがあるのです。差がはっきりついているのです。これは大臣のほうがよく覚えているのですがね。政府管掌の健康保険の最低保障ということになると、分べん費の場合四万円ですからね。埋葬料もそれぞれ出ておるのです。日雇い健康保険との間に差があるのです。最低保障になぜこう差があるのですかということを言っているのです。決して意地悪い質問じゃないのです。──隣とよく相談し合ってください。あなたたち二人で相談してから答弁してください。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 御指摘のとおり健康保険のほうと日雇い健保の場合におきましては、今度の改正案において差があります。ただいま分べん費とそれから埋葬料の問題の御指摘がございましたが、全体的に申しまして私どもの一番問題としてきびしく認識をいたしておりますことは、できるだけ早期に、昨年の段階で関係審議会等からも関係者の合意を得て答申をいただきましたところをまず実現をいたしまして、実現した暁において次のステップをなるべく早く考えていく、こういうことで考えておりますので、その点はひとつ御了解をいただきたいと思います。私どもはこういう二つの保険において差があることが当然とは考えておりません。しかし現実の進め方として、いま申し上げましたように、とりあえずのステップとして、昨年の答申をまずできるだけ早く実現する、そういう趣旨でございます。どうかその辺を御了承願いたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 まあそういうような趣旨であるとするならばわからぬわけじゃないんです。  ただ、政府管掌の健康保険には、最低保障というような説明もあるわけですね、大臣。最低保障なのに、それの半分になっているのが日雇い健康保険だから、日雇い労働者の場合には普通の人の半分でいいのか、国民の最低保障が日雇い労働者には適用されないのか、考え方として当然そうなるわけなんです。考え方が政府部内で一致しないということはあり得ないわけでしょう。そこなんです。今後やはりそれは十分一致させるように考えなければならないんじゃないか。せめてこれは、最低保障ということばであるならば、最低保障について国民の間に差があってはいけない。そういうような意味で、埋葬料も分べん費もともに十分今後の場合に考えなければならないのですが、これは一致させるのが正しいのか、させないのが正しいのか。もうあえて言う必要はないのですが、いまの、ワンステップとしてこう出したのか、この点だけはっきりと議事録にとどめておかなければなりません。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 いまのお答えとも重複をいたしますけれども、今回の改正は、とりあえず関係審議会の全会一致の賛成を得ました改善案をできるだけ早期に実現をするという意味でお願いしているわけでございます。したがって、基本的に差があるべきであるというふうなことは考えておりませんで、この改正案ができ上がった暁において、次のステップとして問題の処理を考えてまいりたい、そのように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これをやる場合にはやはり、社会保険審議会会長からの答申書がございますね、答申書に基づいて当然改正案として出したものである、こういうように思いますが、これにもやはり「日雇労働者健康保険の給付内容は、この諮問内容による改善をもってしてもなお大きな立ち遅れがあることは事実であり、とくに埋葬料等については、今後重点的に改善を行なう必要がある。政府は、今回の諮問による改善措置に引き続き、すみやかに給付格差の解消を図る抜本的改正についての検討をすすめ、その実現に努力すべきである。なお、今回の諮問の趣旨よりすれば、実施時期は、できる限り早期であることが望ましく、昭和四十七年度中にも実施すべきであることを附言する。」こうありますね。こうあるのだから、遠慮なしにこれを一致させて出したって、答申の趣旨には沿っているんです。最低保障の意味までも差をつけるという考え方はだめなんです。せめてこの点は一致させても差しつかえなかったのじゃありませんか。答申に一致するじゃありませんか。日雇いであるからといって、その点だけは一歩下に見るというような考え方は持ってはならないことなんです。  まあこれはしかったってしょうがないわけなんでありますけれども、これはもう重点的に改正せいとなっているのですから、おそらくこの次の問題になるんじゃないかと思いますが、この点大臣の答弁を承っておきます。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほど来局長からお答え申し上げましたように、今回の提案は、非常におくれておりますから、何とか早くこれだけはやれよ、こういう趣旨に私ども理解をいたしておりまして、仰せのごとく、埋葬料その他について差があっていいなんということを、私は将来の問題として考えてはおりません。すなわち、将来の改善を目ざしてのまず第一歩、しかも早急にやれという趣旨においてやらなければならない第一歩である、こういうふうに理解いたしておりますので、この法案が皆さま方の御協力によって成立いたしました暁には、給付の面において、さらにまた埋葬料、分べん費等々につきましても、もっと前向きに根本的な改善策について検討をいたす、かように考えておるような次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 休業補償の問題ですが、傷病手当金が三十日しか出せない理由というものは、何かはっきりあるのでしょうか。この点についての考え方を伺います。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 今回の改正におきましては、非常に財政状態の悪いという日雇い健保の中におきましても、できるだけの改正をしたいというのが基本的な方針でございます。そういう意味合いで、四十五年のときの改正法案と同じような考え方で、大体関係審議会の全会一致の賛成も得ております改善案をまず実現をする。これはいま大臣から申されたとおりでありますが、そういう意味合いにおきまして、今回の傷病手当金支給日数につきましても、この改正案の基礎になりました四十四年の諮問原案に対しまして、社会保険審議会から二十七日という原案を三十日に延長するようにという御意見がございましたので、そういうところをしんしゃくいたしまして三十日というふうにしたような次第でございます。  なお、つけ加えて申し上げておきますと、日雇い健保の傷病手当金は、やはり受給要件として、療養の給付を受けた日の属する月の前二カ月間に二十八日以上の保険料が納付されているということがあるわけでございます。そういうところがら、保険料の納付期間である二カ月の半分程度、三十日間ぐらいというところが現状から見ますと一応妥当な線ではなかろうか、このように考えまして三十日というふうにしたような次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これはそれ以上出せないという理由はまあないわけですけれども、これも一般とレベルを合わせる必要が当然あるのじゃないかと思います。  日雇い健康保険の被保険者の扶養家族数は平均して何人くらいありますか。労働省ですか、厚生省ですか、いずれでもいいです。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 日雇い健康保険の被保険者の場合、扶養者の平均は〇・六人でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 二コンマじゃないですか。二ですか、零ですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 〇・六人でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 労働省のほうは何人になっておりますか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○桑原政府委員 失対就労者の世帯人員構成は、たしか二・三人というふうに記憶しております。扶養家族というのではございませんで、世帯構成は、多少端数がございますけれども、たしか二・三と記憶しております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そうすると、厚生省のほうは〇・六、労働省のほうは二・三。これが日雇い健康保険の被保険者の扶養者数だということになると、やはりまたちょっと違うような気もするのですが、どっちのほうがほんとうですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 相互にあまり矛盾しないかと思うのでございます。といいますのは、世帯構成がそうであっても、日雇い健康保険の適用上被扶養者となるかどうかという点のギャップは必ずあるわけでございます。われわれも若干意外ではあるのでございますが、最近いたしました調査の結果では〇・六人というのが平均になっております。おそらくこれは日雇い労働者の方がかなり高齢になっておられる、その結果として被扶養者数が少ないというふうに出ておるのではないかと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 江間さん、ふだん声が大きくて、答弁のときだけ声が低いのはどういうわけですか。だめですよ。  それにしても〇・六と二・三、これが違うということはまだ了解できないのですよ。これをもう少し具体的に詰めてはしいのであります。なぜならば、これは今度は三年半の給付になりますから、その病気で休む三十日しか傷病手当が出ない。そのあと家族はどうして生活するんだということになるでしょう。厚生省のほうでは、〇・六程度だから、少ないからこれはだいじょうぶだ。労働省のほうは二・三もいると言う。そうだった場合、これはやはり相当違ってくるのですよ。数字が違うだけじゃない。人の命にかかわる問題にもなってくるわけです。この点あたりは私はどうも理解できないのでありますけれども、わかるようにはっきり答弁してください。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 それではもう少しふえんして申し上げますと、要するに平均扶養率というのは正確には〇・五九九、すなわち〇・六人と考えております。なお、これに該当する数字、政管健保の場合には〇・九八五、すなわち大体一人ということになっております。ただしかし、実際に被扶養者を持っておる人は、被扶養者がどのくらいになっておるかという平均をとりますと、政管健保の場合でも二人ちょっとという数字になりますので、そこら辺は、日雇いの場合には単身の方が非常に多い。しかし実際には被扶養者をかかえておられる方はかなりの人数だというふうに御理解いただけばいいんじゃないかというふうに思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 三年半も病気で休んで三十日しか傷病手当が出ないんだ、これを原点にして考えたならば、あとの家族の生活に対しても十分考えてやらないとだめなんですね。数字が若干違う、〇・六だからいいとか、二・三であるから重大だ、これはそういう問題じゃないのです。何人であろうとも、それは生命に関する問題だということなんだから、この点はもっと考えないといけません。ですから、今後その点に対して十分配慮してもらわぬといけないから、これも大臣、やはり次の問題になるんじゃないかと思います。この点に対しても十分配慮していただきたい、これを要請します。大臣、いかがですか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先生のおっしゃること、私もまことにごもっともと拝聴いたしておるわけでございまして、今後十分検討をいたしたいと考えます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いま、単身者が多いということでございましたが、単身者の傷病手当ですか、これはどういうふうになっていますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 単身者が入院いたしました場合の現在の傷病手当金は、そうでない者の三分の二でございます。一般の健康保険で申しますと、一般の方々は六割、それから単身者の場合は四割、大体それに見合ったかっこうになっております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 三分の二の傷病手当、この金額はどのようなものを含んだ金額として算定されているか。これは三分の二だというならば、それに根拠があるはずですね。私もいま急な思いつきですけれども、この傷病手当の金額はどのようなものを含んだ金額として算定されてあるのか。この点についてもちょっと伺いたいわけです。というのは、家族の生活費、本人の入院中の必要物資、こういうようなものに対する配慮はどういうように加えられているか。こういうようなことです。一体この算定の基礎は何です。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 単身者が入院をした場合には、その方の生計費の大部分は入院料に包括をされて、療養の給付として含まれておるというような点も考慮をいたしまして、この問題は日雇い健保に限りませんけれども、一般健康保険の場合でも大体三分の二、こういうふうなことにしているわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 だから、家族の食費だとか衣料、こういうようなものはどういうふうに考えられておりますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 いまのお尋ねは、単身者の場合でございますので……。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いわゆる単身者の傷病手当が三分の二に減額されているんだ。そしてこれは平均してみても、単身者であっても払っている金は、保険金は同じ、それで傷病手当が少ない。こういうような差をつけているというこの実態がおかしいんじゃないか、こういうようなことです。すなわち、三分の二だと聞いて私も実際はびっくりしたわけなんですが、保険金は同じに取っておいて、傷病手当が少ない。この点についてはもう差別扱いじゃないですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 いま先生が御指摘になりましたような角度からの見方もあると思います。ただ、これは健康保険でも同様でございますが、やはり単身者の方の場合には単身者としての生活の形態もございますし、家族持ちの場合には家族持ちの形態もございますので、そういう点で入院中のいろいろな費用のかかりぐあいも違ってまいりまするから、そういう意味から健康保険、いわば日雇い健保の母法になっておる健康保険におきましても、従前から六割、四割という考え方が現在の段階まで定着をいたしておりますので、それにならったかっこうで、日雇い健保の場合もこういう仕組みをとっておるような形でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 どうもその点は私は理解に苦しむわけなんですが、単身者に対する不当なる搾取ですね。この点についても十分考えておいてもらわねばなりません。  まして今度は一級は八百円、二級は千二百円、三級は千八百円、四級が二千六百四十円、こういうふうになるわけであります。しかし、こうせいああせいと言うのではありませんが、やはり考え方からして、家族の多い者に傷病手当を多く出さなければならないんだという理由が、当然、単身者三分の二だということになれば、そういうのが生じてくるわけでありますが、そういうような点からして単身者のみ傷病手当を三分の二に減額するというようなことに対しては、将来はこれはやはり考えてやらなければならないんじゃないか、こういうように思います。これはひとつ宿題として、私も今後考えます、皆さんのほうも考えてください。私、実際はああせい、こうせいという資料はまだ十分持っていません。これは質問の中から派生してきたのでありますから、今後私ども考えていきたいと思うのです。皆さんのほうも考えてください。ついでに大蔵省も考えておいてください。そういうような点、強く要請しておきます。大臣、これはいいですね。  次に、賃金の問題について軽く触れていきたいと思います。  失対部長、日雇い労働者の賃金、これには手当も──退職金なんか失対労務者の賃金の中に入っていましたか。これはどうなっていましたか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○桑原政府委員 失対事業に働いておる就労者というのは、先生、これは釈迦に説法でしょうけれども、一般の民間の雇用に行く方々がすぐに行けないということで、一時的な就労の場を提供しているということでございますので、いわゆる退職金と申しますか、一般の企業において終身雇用制度の中で積み上げて退職金が出るというような性格の退職金は、制度としてはなじまないというように考えております。したがって、退職金についての賃金のほうへのリンクというものはございません。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そうすると、この賃金はそういうもの、手当もないわけですか。退職金もないわけで、そうすると、これはもうやり方によっては、いわゆる道具代、器具代、ガソリン代、これを一括して支払っている日雇いもあるわけですね。そうなりますと、賃金そのものの性格は──これも総金額そのものが保険料につながらない。中に道具代も入る、こういうようなことにもなる。けれども保険料は全額から取るというのは、少し矛盾するように考えるのですけれども、この点の解明をひとつ願っておきたいと思います。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 いま先生御指摘のとおり、一般的に日雇い労働者、特に山林関係の方々の賃金の中には相当いろいろな業務関係の経費が入っているケースが多いと思います。われわれもその実態を承知しておるつもりでございます。善処してまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この問題は深入りいたしません。これは宿題だ。  次に、傷病手当金を請求する場合の手続がどうも煩瑣なようでありますが、この煩瑣な手続、これについては十分今後考えて実施すべきじゃないかと思います。  今回の改正案でも、十六条の二の第二項、第一級から第四級までの枚数を数えて、それぞれの合算額をプラスして、二十八で割った額、これが傷病手当金になる、改正案ということになっておりますが、それにまた日額を掛けて出す。なかなかこれはめんどうくさいようであります。したがって問題は、計算のために時間がかかって、これは本人が行くわけですから、こういうふうな本人に対する余分な時間の浪費、並びにそのためにいろいろな病気の再発、こういうようなものも考えてやらなければならないのじゃないかと思います。これは全部個人負担になっていますから。この点手続の簡素化については十分考えてやってほしい、こういうように思うのです。これはもっとここで議論したいのだけれども、先を急ぐので……。これは皆さんにはっきりここで私から指摘をして、今後の改正案の場合には考えてもらいたい。手続があまりに複雑だ。このことです。もっと簡単にやれる。あまり日雇い労働者だからといって待たせるな。すぐ出してやりなさい。日雇いも日本国民だぞ、こういうようなことです。それ、いいですね。うんとかすんとか言ってくれ。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 よくわかりました。

島本虎三日本社会党

○島本委員 私どものほうでもいろいろとあるわけでありますが、それぞれ──結論の時間になったようでありまして、理事さんがそばに来てすわると、ろくなことがないのであります。  それで、ちょっと念のために聞いておきたいのですが、療養の給付期間について、これは何としても無条件で、完全になおるまで、転帰までとすべきである。これはもう大かたの原則なんです。期日をつけるのは間違いなんです。この件についてどう考えますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 これは先生御承知のように、日雇い健保は療養の給付期間は三カ月から始まったわけであります。現在は二年で、これも今度は三年半に延長いたします。三年半に延長いたしますと、先ほど申し上げましたように、大部分の方々がまずカバーできるであろうということであります。さらにつけ加えて、先ほど申し上げました新しい、給付期間終了後も受給要件を満たしておれば受給ができるというような仕組みもとっておるわけでございます。でございますから、無条件で転帰できるまでということはまことに望ましいことでございますが、私どもは、こういう実態をつくれば大部分の方々は救済ができるのではなかろうかと思っておりますけれども、なおこの法律の改正案が御審議をいただきましてでき上がりました暁におきましては、そういう点も十分に今後の検討課題として検討してまいりたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 検討、検討と言うけれども、これはやはり転帰までとすべきであるというような原則の上に立って検討するということでしょう。そうじゃないのかな。はっきり言ってください。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 健康保険は転帰まででございますから、いわゆる給付格差の是正という面から考えますと、確かにそのようなことでございます。ただやはり財政的な問題というような問題も無視はできませんし、いろいろあれやこれや実態を考えますと、現在の段階では今度の改正案で大部分がカバーできると思っております。その後の状況等も十分考えて、先生の御趣旨を十分拳々服膺いたしたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 家族の高額医療費の制度とこの日雇い健康保険、これはもう病気の実態からして重大な問題であります。したがって、家族の高額医療費の制度を日雇い健康保険にも当然設けるべきである、こう考えます。この点はまあ、官僚答弁よりも大臣の答弁のほうが私はいいと思うのですが、大臣……。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 御承知のように今回の改正というのは、非常におくれている日雇い健康保険について、さしあたりこれだけは至急にやってくださいということから始まりまして、そういう点が抜けておるわけでございますが、将来の方向としてはそういうことを設けることが私は望ましいと考えておりますから、この法律の成立しました暁、この法律の施行状況等を勘案いたしまして、先ほど来いろいろお述べになりましたような問題も含めまして、前向きに検討してまいりたいと考えております。  要するに、日雇い問題というのは、日雇い労働者の医療保険というのは、非常にこれ、いろいろな複雑な内容を持っておりまして、やはり私は基本的にきめのこまかい、これは同感だと思うのですが、きめのこまかい手をやはり打っていく必要があると思うのです。そういう意味において、いまお述べになりましたようなことも、法律施行後、施行状況を勘案いたしまして、前向きに検討をいたしたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは、埋葬料、いろいろ意見がありました。委員長もこれを聞いておられたと思いますけれども、埋葬料を健康保険と同様にすべきであるという点とあわせて、配偶者の分べん費について、少なくとも本人の分べん費と同様にこれをすべきである。日雇い労働者だけ分べん費半額であっていいわけではありません。したがって、これはもうやはり将来あわせて、本人の分べん費と同様に、配偶者の分べん費についても二万円にすべきである。同時に埋葬料についても健保と同様にすべきである、こういうように思うわけです。  この点については私は、日雇い健康保険だけ差をつけたということは、重大なミスである、人権じゅうりんである、こう言わざるを得ないと思います。これは当然一緒にすべきである、こういうように思います。  あわせて家族埋葬料、こういうものを日雇い健保のほうでどういうふうに考えておられるのでしょうか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 私は先生の御趣旨のとおり、健康保険の基調といたしましては健保であれ、日雇い健保であれ、いまおっしゃいましたような現金給付について基本的に差のあることが好ましいとか、あるべきだとは考えておりません。ただ今回の改正の趣旨が、非常に急ぎますことと、それから現在改正案として御審議いただいております点において関係者の合意を得ておりますので、とりあえずそれを一刻も早く当院において御承認をいただきたい。成立後にそういった問題は十分早く検討をやって、関係者の合意を得た上で改正の方向に向かいたい、このように考えておるところでございます。  家族の埋葬料の点につきましては、私どもは全く同じ意見でございます。この改正案につきましては、健康保険との間に確かに差がございます。それが当然の姿だとは考えておりませんが、この法案を御承認願いましたあとにおいて、できるだけ早く健保の水準に近づけたい、このように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは政管の健康保険と差別しない、こういうようなふうにこれを近づけていく、不完全なる内容、これも直ちに政管健保並みに改正してやる、こういうふうな姿勢でなければならないわけだけれども、これは残念ながらいままでは妙に遠慮をされてそこまでやっておらない。しかし前進した改正案を出しておる。しかし家族給付についても、これは十分配慮しなければならないことは申すまでもありませんが、差をつけているということ、これも審議会あたりでもこの点は十分指摘しているところでありますから、この点を考えて、実行面で善処するようにこの点を心から私は要請いたします。  それと同時に、ここに休業補償の点を含めたいろいろな問題があるわけでありますけれども、通勤途上の労災とか、それからいろいろな問題について立法化されて、このあとで審議するようになっております。日雇いの場合には通勤途上の、基準局から出しておるこの法律案の適用になるのかならないのか、またこれにも差をつけるのかどうか。これは重大な問題でありますので、まあいま立法化され、提案がされております通勤途上の労災の改正法案、これに日雇いの場合も入っているのかいないのか、この点もひとつ明らかにしておいてもらいたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 今国会に御提案いたしております労災保険法の改正におきましては、労災保険の適用事業場につきましては、当該事業場に雇用されます労働者は、常用でありますと日雇いでありますとを問わず、通勤途上災害に対して保護を適用することとしておるところであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それはきわめて当然なことでありまして、そういうような差をつけているのじゃないかと思って聞いたのです。差をつけていないとすると、それにこしたことはございません。十分それは見てやるように今後もしてやってください。  なお、これは最後に私は要請しておきたいのです。いま言ったようにして、日雇い健康保険の給付の面でもいろいろ差がついております。また、一三・二%今回日雇い労働者の賃金を上げたと労働省のほうで出しているわけです。一二・二%上がっても、五月現在で東京都内の食料費が上がったのが平均一二・七%で、二カ月にして日雇い労働者の賃金はもう何にもならなくなってしまっているわけです。そして他の一般給与は五けたまで上がっている。ところがただ単に一三・二%しか上がらない、千円程度しか上がらない、こういうようなことであっては、おそらくは生活上の重大な問題にもなります。今後これを再改定するようにして、これは当然人間として憂いなく生活できるようにしてやる、こうでなければならない。同時にそれがまた、病気をした場合どうなりますか。まだまだ一般の健康保険よりも差がついているわけです。ましてこれは組合管掌の健康保険その他共済健康保険、これに比べたら格段の違いがある。格段の違いがあるままにこれを実施することは、人間に差をつけることにもなる。同時に、人間の命は地球より重い、こう言いながらも、日雇いであるがために療養給付は差をつけられる、賃金なんか二カ月にしてだめになった、こういうような状態であります。こういうような状態は決して望ましいことではありません。せっかく労働省もここへ来ているのでありますから、この賃金の差は十分今後考えて、可及的すみやかにこれを是正してやる。それから齋藤厚生大臣その他皆さん十分考えて、他の健康保険からも相当差がありますから、これを早く一般的に是正してやる。こうでなければ、やはり高度経済成長のもとにその礎石として働いた労働者に対する待遇にはならないはずであります。この点を強く要請しておきます。最後に大臣のこれに対する決意を伺って私はやめたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほど来たびたびお答え申し上げておりますように、日雇い健保、政管健保の給付水準その他につきましていろいろ差がありますのは、今日までの沿革あるいは財政の事情等によってそういうふうになっておるわけでございますが、こういう差があることを私も望ましいとは一つも考えておりませんから、将来はなるべく給付の水準を一本化し統一していくような方向、その他の問題につきましても、埋葬料、分べん費等につきましても差がないように、一日も早くそうなるように今後とも私は前向きに努力を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございますが、さしあたりこの問題は、ただいま提案しております問題は、労使双方とも何とか早くこれだけは、あまりにもおくれているじゃないか、こういうことから出発いたしました改正案でございますので、格段の御協力をお願い申し上げ、根本的な改正につきましては、次の機会に全力を尽くして前向きの努力をいたしたいと考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これで私は終わるわけでありますが、いままでのいろいろな質疑の内容等については、大蔵省の渡部主計官も十分聞いておられることと思います。すべてこれは三十七年に討議された、社会保障に対して政府が責任を持たなければならない部分こそいまの日雇い健康保険に対する給付であり、また日雇いに対する賃金の問題でもある、このことを強く私は皆さんに申し上げまして、再省を促して私の質問を終わるわけであります。      ――――◇―――――

田川誠一自由民主党

○田川委員長 健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出があります。順次これを許します。村山富市君。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 私は、前回の委員会で今回の健康保険法の改正をめぐって、一体国民は保険給付を受ける以外にどの程度の差額の診療費を払っておるのかということが明確にならなければおかしいではないか、こういう意味で差額ベッドの問題を取り上げたわけであります。  そこで、それに引き続いてお尋ねしたいと思うのですが、前回の質問に対する答弁を聞いておりますと、厚生省のほうでは、患者が欲しないのに差額ベッドに収容することは避けるべきである。さらにまた若干の需要を考慮して二割から二割五分にとどめるべきである。こういう意味の基本的な方針を三十九年にきめて指導しておる。現に国立病院や公的病院には、直ちにその方針に直すように指導しております。こういう意味の答弁があったわけであります。しかし現実には、そういう厚生省の考え方とは別に、まあ診療報酬などの関連もありますけれども、実際には手がつけられない状況にあるのではないか。特に私的医療機関等については調査さえできない現状にある。これが私は偽らない現実じゃないかと思うのです。  したがって、こういう厚生省の態度では、なかなかそういう問題の解決はできないのではないか。私はこの差額ベッドの問題や付添看護等の問題について、ほんとうに解決する腹があるのなら、もっと具体的に解決できるような方策を出すべきである、こう思うのですけれども、その見解を聞きたいと思います。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ただいまお話のございましたように、前回も申し上げましたが、差額ベッドの問題は、なかなかむずかしい問題の一つでございます。三十九年に、皆保険になりましてから以後の差額ベッドというものについての基本的な考え方を部内でまとめまして、それによっていまお話のございましたような指導を続けてまいって現在に至っておるわけでございますが、現在の段階におきましては、前回も申し上げましたが、ややこの差額ベッドの問題が、私どもの気持ちとは反しまして乱に走っているという状況にあるという点は、確かに御指摘のとおりであろうかと存じます。  私どもは現在の健康保険が果たしております非常に大きな効用というもの――やはり本人は十割給付で今度はまた家族は六割給付で、差額医療費を支給するというようなこと、そういうことをやっても保険外で、いわば保険の隣接地帯で被保険者あるいは被扶養者の負担がかさかんでくることは、これは何としても避けなければならない問題でございますので、これは前回も申し上げましたが、この際、三十九年のこの基本的な方針というものを再確認をいたしまして、現在極端なケースとしてすべてのベッドからでも差額を徴収しているというふうな実態が現にあるわけでありますから、そういう極端なケースがないように、できるだけこの問題はけじめをつけて指導に当たりたい。どういうところがけじめかと申しますと、私はこの前も申し上げましたような基本的な線は変わりません。これは実行の問題でございますから、できるだけ関係の機関を使って、また関係の団体の了承も得て十分な措置をしたい、このような考え方でおります。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 昨年の六月に、国立病院や公的病院その他の法人等についての調査をやっておりますね。ところが、私的医療機関については全然手がつけられておらないわけです。だから差額ベッド等については現状がどうなっておるのかさえ把握されておらないわけです。こういう現状では、私は解決すると言ったって解決にはならぬと思います。そういう意味で、そうした私的医療機関等についても、一体国民が保険料以外に医療費というものをどの程度負担をしておるのか。私的医療機関も含めて差額ベッドの現状というものは、一体どうなっておるのかというようなことについて調査をする意思があるかないか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 昨年の六月の時点におきまして公的な病院以外の調査ができなかった事情につきましては、一昨年の保険医の総辞退というふうな非常事態というものもございました関係もあって、残念ながら、できなかったわけでございます。しかし、今後の問題といたしましては、いまも申し上げましたが、こういう問題はやはり関係団体の十分な了解と理解が必要でございますから、そういうことも十分得つつ、できるだけ早い機会に十分詳細にこの問題について実態を把握をして、その上に立って先ほど申し上げましたような基本的な線を推し進める、こういう考え方でございます。     〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 特に私はその差額ベッドがどの程度あるかという量だけの問題ではなくて、質の問題もあると思うのです。  これは先般総評がそういう意味の医療機関の調査をやっておりますが、その調査の中で患者が述べている部分があるわけです。その意見をちょっと紹介しますと、「一日百五十円(労働災害入院者には一日六百円)の部屋六人部屋。カーテン・レールでベッド間が区切ってあることだけが、普通ベッドとのちがいというありさま。しかし、患者はただでさえむさくるしい部屋にカーテンがあるとよけい陰気になるといってカーテンをとりはらっているのだから、いったいなんのために、一日百五十円も払わなければならないかわからない。  一日千円。二人部屋だが、冷蔵庫もないし、自炊施設もない。差額部屋でも監獄部屋と一緒ですよ。救急で入院したとき、この部屋しかあいていないといわれてここに入ったのです。本当は大部屋に移りたいのですが、そこでは付そいを認めてくれないので仕方なくここに入っています。  一日六百五十円の部屋なのに、木のベッドでぎしぎしいうし、マットは干してくれない。部屋もさむい。  病室のしきりはベニヤ板だし、ベッド間はカーテンで区切っているだけ。となりの患者の苦しみの声が聞こえる。また、トイレの音や臭いがするので眠れないこともある。一日五百円の大部屋。」  これがまあ特徴的かもしれませんけれども、これが差額ベッドの実態なんです。そうすると、保険で給付をされる基準ベッドというものがあるとしますと、その基準ベッドと差額ベッドとの違いは一体どこにあるのかということさえわからないような現状になっておるのではないかと思われるのです。したがって、こういう差額ベッドの質の問題について現状では全く野放しになっておる。こういう点については、どういうふうにお考えになりますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 まことにおっしゃったような実態を私も総評の調査で承知をいたしております。やはり病院の経営ということから申しますと、一つの大きなファクターはいま先生おっしゃった診療報酬の問題であろうかと思います。現在の診療報酬をどのようにして適正化するかという問題は非常に大きな問題として議論されておりますが、そのこと以外に差額ベッドというような問題につきましても、いま言われたことに関連をして申し上げますと、やはり問題は、三十九年に私どもがまとめました差額徴収の基本的な考え方であろうと思うのです。  カーテンで仕切って差額を取るとか、あるいは全ベッドについて、まんべんなく差額徴収をするとか、そういうことは本来差額ベッドの趣旨ではございませんで、そういうことがいろいろな原因から現在普遍化するような傾向にあるとするならば、これはまことに医療保険というサイドから考えましてゆゆしき問題でございますので、先ほど申し上げましたように国公病院あるいは公的病院についてはそういうアクションを起こしておりますけれども、それ以外の病院につきましても、そういうことができるだけ早い機会に解消するように、あらゆる角度から、きめこまかに検討をし、また、きめこまかい調査をし、対処をしてまいりたい、このように考えております。  そういった差額ベッドのあり方の実態、こういう問題について、私どももその質的な認識あるいは量的な現状というものについて、十分な問題意識を持っていることを、この際申し上げておきたいと思います。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 ちょうど中医協で診療報酬の改定なんかの問題が、これから論議をされるという段階なのですから、こういうものもやはり基礎資料として十分出す必要がある。そういうものを抜きにして幾ら検討してみても、ほんとうの意味で国民のための医療の解決にならぬのじゃないか、こういうふうに思うのです。  特にもう二十年前とはだいぶ人間のものの考え方も変わっていますし、社会的条件も変わっているわけですね。それで医療供給機関だけは依然として旧態依然たる状況にある。特に大部屋主義である。もういまは病院に入って、そして冷暖房があったり自炊施設があったりするのはあたりまえの話なんです。  ですから、むしろ給付の改善をやって、快適な病室の中で患者が十分保険で治療できるというような病院にする必要があるのじゃないか。こういう点については、私は差額ベッドの量、質等の問題とも関連をして、一体長期計画の中で、こうした問題を厚生省としてはどういうふうに考えておるのか。こうした方針について承りたいと思うのです。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 確かに十年前に比べまして、皆保険が発足いたしました当時に比べまして、現在は非常に社会的な環境が変わっていると思います。いま仰せのように、やはり患者さんは病院に入院しているときこそ日常生活よりもよけい快適な病院環境と申しますか、そういうものを熱望していると思うのです。この問題はしたがって医療保険のサイドから申しますと、医療保険というものが、そのレーゾンデートルが薄まらないように、差額ベッドのために医療保険が矮小化されないように、われわれは努力をしなければならないと思います。  また医療保険の面を離れましても、これに隣接をする、いま御指摘の医療供給体制という面から見ましても、病院の整備、公的な機能の整備というものについては、公の資金の投入ということについて現在以上にできるだけ努力をいたしまして、そして全体的に、医療保険の面からも、あるいは医療供給体制の面からも、両面からアプローチをして、この問題について十年たった現在、現在の社会環境に合うような環境の整備をしていく、私はこれが考え方の基本と思っておりますので、こういう点は保険局のみならず医務局の所管でもございますから、厚生省関係部局十分に連携をとりまして、こういったことがないように、こういった事態がやや放漫になっているということを解消するために、できるだけの努力を続けてまいりたいと思っております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 これは具体的にいま作業が行なわれている長期計画の中で、そういう問題も含めて改善の論議がされる、方針が出されるというふうに理解していいのですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 いま長期計画というお話がございましたが、厚生省にも今後の長期計画の懇談会ができまして、すでに発足をいたしております。そういう中でこういった問題も当然一つの重要な問題として議論されるでございましょうから、医療体制の整備という全体の中で、この問題の処理を適切に行なうように考えたいと思っております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 こういう問題については、またあとでいずれ同僚議員のほうからいろいろ問題が出ると思いますから、これで打ち切ります。  次に、先ほど申し上げました診療報酬の改定をめぐって、いま中医協がたいへん混乱をしておる。言うならば、空中分解をしておる。これは診療側の委員が圓城寺会長の不信任を出して、そして空中分解を生じておる。同時に、その中医協における発言の問題をめぐって、日本医師会がその発言者の会社が生産する商品についてボイコットする、こういう方針をきめておる。ここに日本医師会の出した文書があります。それを読んでみますと、こう書いてあるわけです。    東芝関係各社全製品に対するボイコットについて  中医協における支払い側委員のスライド制の導入を阻止せんとする狂奔は、すでに御承知のとおりですが、なかんずく河原亮三郎委員の言動は目に余るものがあります。  河原亮三郎委員は、東芝機械社長として経営者を代表する立場から日経連推薦中医協委員として参加しているのでありますが、別添資料の示すごとく  一、医療費の改訂後、賃金は春闘によって通算四二・二%も急上昇し、物価は日々異常な高騰を続けている現実を無視して、医療の本質をわきまえない立場から、スライド制の導入をまつこうから否定する発言。  二、社会保険診療報酬への租税特別措置に対して全く理解を欠いた立場からのこれを攻撃する発言。  三、医薬品業界の甚だしい矛盾を見当違いにも医師の責任とする発言。  四、商社の買い占めによるガーゼ価格の急騰に対する経営者の責任を問われたことに対して、みずからの責任は口をぬぐい、かえって医療国営をほのめかし、医療担当者側委員を恫喝した発言、等の暴言を繰り返しております。  日本医師会常任理事会は、五月十日、以上のごとき河原委員の言動に対し、河原委員を経営の代表とする東芝全製品──エックス線機器、電気機器をはじめとする東芝関係全社全製品のボイコットを決定いたしました。  つきましては、別添資料を参考の上、貴会会員に東芝製品のボイコットにつき、趣旨徹底をお願い申し上げます。こういう意味の文書が全国の医師会に配られておるわけです。この医師会の態度にこたえて、支払い側の委員である河原委員は辞任届けを出しました。新聞の報道するところによりますと、厚生大臣はこの辞任届けを受理しているわけです。どういう見解で辞任届けを受理されておるのか、その見解を聞きたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先般、医療担当者側から会長に対する不信任の意を表し、その文書を厚生大臣あてに提出されました。それ以来紛糾が生じておりますことは御承知のとおりでございます。  私としては国民医療の上からいって、何とか一日も早くこうした事態が解決され、中医協がその本来の機能を回復して、国民がいま最も望んでおります診療報酬の改定が早期に行なわれることを期待いたしながら、事態収拾のために全力を尽くしておるような段階でございます。したがいまして私といたしましては、それぞれの側からいろいろな意見が出ておりますことは承知いたしておりますが、そうした問題につきまして、いま具体的に、これについて多少批判めいたことを申し上げることは、事態の解決のために適切であるかどうか、私も疑問を抱いておりますので、そうした問題につきましてはお答え申し上げることを控えさせていただきたいと考えております。  しかし、そうした紛糾の中にありまして、先般日経連の推薦の方が辞意を表されまして、辞表が提出されました。それに基づきまして、ただいま日経連に対しまして、本人の辞意が非常にかたいので、かりに辞表をいただくといたしましても、後任がきまりませんと、私のほうとしてはなかなかむずかしいので、日経連に対して後任者の推薦方をお願いいたし、その辞表を目下預かっておるような次第でございます。しかし本人の辞意は非常にかたいと承知いたしておりますので、日経連の後任推薦等ともにらみ合わせながら発令せざるを得ないのではないか、さようにきょう現在考えておる次第でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 私は手続の経過を聞いているのではなくて、あなたが辞表を受理された理由は何か、その見解を聞いているわけです。これはなぜこういう質問をするかと申し上げますと、中医協の中における発言が問題になって、そして経済的な圧迫を加えられる。これは私は今後の中医協のあり方についても重要な問題をもたらすと思うのです。特に基本的人権にも触れるのではないかと思うのです。憲法の第十九条では「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」第二十一条には「集會、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」こう憲法の規定があるのですよ。  この中医協における発言が取り上げられて、経済的な圧迫を加えられていくということになれば、憲法で保障された言論の自由というものも侵害されることになるのです。私は憲法違反になるのではないかという疑義さえ持っているのです。しかも支払い側の委員が発言したことに対して、そういう圧迫を加えていくということは、これから公平な審議ができなくなるのではないかということも心配するわけですね。そういう問題について厚生大臣はどういう見解を持っておるか、お示し願いたいと思うのです。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほどもお答え申し上、げましたように、私としては事態収拾に全力を払っておる段階でございますので、具体的な問題につきまして、いま私がいろいろ申し上げることは、かえって事態を混乱せしめるようなことがあってはなりませんので、本来の機能を回復せしめるという大きな目標のために現在努力をいたしておる段階でございますので、そうした問題につきまして具体的にお答えを申し上げることは、ひとつ差し控えさせていただきたいと考えておる次第でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 納得できませんね。中医協の混乱を収拾するのに、くさいものにふたで、まあまあでいけるようなかっこうになるなら、今後にも問題が残っていくわけですよ。     〔山下(徳)委員長代理退席、委員長着席〕  私は具体的な問題から離れて、中医協でこうした発言をした、その発言に対して経済的な圧迫を加えていく、言論を封殺していくということは、先ほど申し上げましたような言論を保障する基本的人権、憲法の保障に触れるのではないか、こう思うのですけれども、その見解を、それではまずお伺いいたします。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほどと同じ答えになりまして恐縮でございますが、それぞれの立場でいま意見を述べておるところでございます。医療担当者側ではこういう意見を声明し、さらにまた支払い側はそういう声明を発表するというわけで、紛糾が続いておるいまの段階でございます。  紛糾が現在続いておるわけでございまして、私としては中医協というものを本来の姿に戻さなければならない、こういう考え方で努力をいたしておるわけでございまして、いろいろ言い方は私はあると思いますが、どうかいましばらく、そうした問題につきましては、いろいろお答え申し上げることは、かえって事態の紛糾を来たすものではないか。くさいものにふたをするという考え方ではございません。事態の収拾のために努力をいたしておる段階でございますので、しばらくお答えを控えさしていただきたい。たびたび申し上げておるとおりでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 本来の姿に戻すという、本来の姿とは何ですか。中医協でいろいろ言ったことが、こういうふうに圧迫を加えられて、言論の自由も保障されないというような姿が本来の姿なんですか。それが一点と、こういう状況に対してあなたが辞表を受理された、そのあなたの立場からして、憲法上の解釈はどういうふうに考えられますかという見解を聞いているのです。これは基本的な問題ですから、そういう見解が明確にならなければ、これからの審議はできませんよ。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 中医協は、御承知のように診療報酬の適正化の問題を審議いただく場でございます。したがいまして、現在の段階では医療担当者が、総会を開きましても、圓城寺会長のもとにいま出席することが困難であり、その機能がとまっておる段階でございます。そこで私は、一日も早く医療担当者も、この中医協の場に出席し、そして支払い側、さらに公益側、三者構成になっております。そこで自由に医療報酬の問題について、各方面から審議ができるような場を早くつくるように努力をいたすべきであると考えておるわけでございまして、私どもは言論の自由はあくまでも尊重せらるべきものでありますので、そうした場が正常に運営されますように目下努力をいたしておるような次第でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 その問題だけで関連して、大臣にちょっと伺いますが、両者の対立を担当大臣として円満に解決したいので、私の意見は述べるのは差し控えたいという気持ちはわかります。しかし、これはこの健保審議のアウトサイダー的な問題じゃなくて、むしろ医療問題の核心に触れる問題であるだけに、それがある程度解明されないと、健保の審議というものがちょっとできないのじゃないかというように感じられるのが一つでございます。  それから次に、支払い側の代表の一人が、たまたまある会社の社長だった。そうしたら、その会社の製品を一切買うなというおふれを流すということに対する、これはいま法制局を呼んでおりますから、法解釈を聞いてみたいと思うのですけれども、確かにこういうものが日本の社会に、もし許されるとすれば、もう審議会をやろうが何をやろうが、発言が全然封鎖されるという状態になるんだと思います。この点についてぐらいは、まず厚生大臣の私見を法制局の法解釈の考え方の前に、ひとつ聞かしてもらいたいのが一つです。  それから二つ目に、厚生大臣に、これは武見会長とお会いになって非常に苦慮されておるということはわかるとしても、その中で東芝機械の社長はこういうようになじられております。河原委員の言動は目に余るものがある。それは「支払い側委員のスライド制の導入を阻止せんとする狂奔は、」ということばになっております。ところが、私が事実を知りたいのは、河原委員がスライド制を導入するなら、医療制度の社会化を同時にやるべきではないかと言ったことが事実かどうかということを、厚生大臣にまず二つ目として聞きたいのです。これは一方的にスライド制拒否ということだけでなじっておるので、あえてこれを聞きたい。  それから三つ目は、これぐらいは厚生大臣は発言していいと思うんだが、大臣と会長が会見の中でこういうように言っております。「今後、公費負担医療について現物給付方式をいっさい拒否し、厚生行政の猛省を強く促す」こういうことを向こうが言うた、これがほんとうかどうか。それに対して大臣は改善の必要を認めた、こうあるんだが、これはそうなのか。こういう考え方ぐらいは大臣から聞かしてもらわないと、私はやはり健康保険の核心の問題であるだけに、これぐらいはある程度われわれは理解してかからないと、審議は進まないのだと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほどもお答えを申し上げましたが、紛争中の問題につきましては、いましばらくお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的な問題として言い得ることは、言論の自由はあくまでも尊重せらるべきものである、これは私は信念として抱いておるものでございます。  なお、実は昨日、日本医師会長が私のところに持ってまいりました書類は、医療保険と公費負担医療との診療報酬請求事務の一本化についての要望を持ってまいったのでございます。それによりますと、保険と医療の無料化といったふうなものの関係で、お医者さん方の請求事務が非常に複雑になっておりますので、何とかこれを一本化してもらえぬだろうか、こういうふうな趣旨でございました。これは、私ども厚生省といたしましては、前から何とかできるだけ簡素にすることは、できないだろうかということで研究をいたしておるわけでございます。  そこで私は武見さんに、詳細検討しなければなりませんが、一本化ということは、たとえば結核、精神、こういうふうな問題になりますと、もうこれはなじんでおる問題でございますので、そう繁雑でもないでしょうが、老人医療等の問題に関連いたしまして非常に複雑になっておるということは十分承知いたしておりまするから、一本化はかりにできないにいたしましても、簡素化のためには、できるだけ努力をいたしましょうということを回答いたしておる次第でございます。その点だけは、昨日その場で簡素化のために努力をいたしましょうということをお答え申し上げておる次第でございます。  したがって、いまお述べになりました公費負担医療による現物給付方式を一括拒否するというふうなことについては、あまりそういうことは、おやりにならぬほうがいいでしょうということは申し上げてございます。     〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕 請求事務の簡素化については、できるだけ努力をいたしますということだけは回答いたしてございます。これだけは明らかにいたしておきたいと思います。  それからなお、日経連関係の委員がどういう発言をされたかにつきましては、必要がございますれば、保険局長から答弁させるようにいたしたいと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 少し詳細に教えてください。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ただいまお話のございました河原委員の発言でございますが、私どもが理解しております限りにおいては、大体次のような問題であっただろうと思います。  ことしの二月の二十八日に六十一回の中医協の総会を行ないまして、そのときに、当時ガーゼが相当地域的に不足を来たしておるというような事態がございました。その問題に関連をいたしまして、診療担当者側のほうから最近のこういったガーゼ不足というようなことについて、これは大手の商社による買い占めによる物価騰貴というふうな問題も言っておられますが、こういう問題に対して利潤の追求を考えておるような一部の企業の動向によって医療の場が荒らされるというようなことについて、日経連の河原さんは、どういうふうなお考えを持っておられるか、またどういう防衛手段を、中医協のいまの薬価を審議する場でお考えになっているか、こういうお尋ねがあったわけであります。  これに対して、河原委員はいろいろ言っておられますけれども、一つの画一的な統制のメカニズムと、それから自由主義経済のメカニズムとが混在をしているという状況のもとで、いろいろな不都合が起こってくるであろうということは想像ができる。長期的には別としても、こういった一時的な問題が起こることは、現在の機構では避けがたいんではないか。要するに、行政指導でそういう事態をなくするようにすべきではなかろうか、こういうふうなことを言われまして、そのあとで、こういうふうなメカニズムを、国民皆保険という中で完全に操作をするという以上は、できるだけそういう面に合わせるように、いろいろな面を要請できるということでなければならない。最後に、こういういわゆる医療の国家管理というようなことをどうするかというふうなところへ落ちついてくるんだと思いますが、そう言うより私は答えようがないと思う。  こういう趣旨のことを発言しておられまして、ただいま御指摘の医療の国家管理との関係から申しますと、中医協の場における河原委員の発言は、若干はしょって申し上げましたが、以上のような内容でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 大臣、医療社会化の問題が非常に曲解されているんじゃなかろうかというように考えられるわけですよ。近く社会党も医療基本法を出させてもらいますが、向こうが意識的に誤解して宣伝しておるのですが、別に開業医ボイコットということが医療社会化じゃありませんので、その辺はあとで党のほうから出させてもらって、われわれの考え方も述べさせてもらいます。  それから、もう一つは、憲法違反の問題は、過日の天皇に対する内奏の問題にしろ、いろいろとこういった問題が、大きくいま日本の国に出てきているような気がします。したがって、きょうは取り急ぎ法制局を呼んだものですから、都合が悪いそうですから別に時間を設定しますが、この問題は、国会全体の問題として取り上げる場合があることを、まず申し上げておきたいと思います。  それから一つだけ聞いて、私の関連質問を終わりたいのですが、武見会長の申し入れに対して、大臣が関係部局によるプロジェクトチームをつくって近く検討したい、こうおっしゃるのですが、できれば、担当省であります、しかも医療問題の基本問題に触れることですから、そのプロジェクトチームの結論が出てから健保審議というものに入らないと、われわれはやはり、何となく単に一%動かすとか下げるという問題では健保審議に入れないような気がするのです。したがって、参考までにいつごろまでに、そのプロジェクトチームの結論を聞かしてもらえるのかどうか、これだけ聞いて私の関連質問を終わります。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 お医者さん方が診療報酬を請求する手続の簡素化という問題でございまして、これは従来とも厚生省において努力をいたしておるわけでございますが、この問題については従来から関心のある問題でございますから、ひとつ関係局が、すなわち社会局、医務局、保険局、そういうのが関係局になるわけでございますから、そういうところで至急に結論をできるだけ早い機会に──一本化ということは、私はなかなかそうはできないと思います。一本化はできないと思います。ただ簡素にする手続、これはやはり私は大事なことだと思いますので、できるだけ早くやるようにということを、きのうも事務次官に指示しておるわけでありまして、できるだけ早く急がすようにしたいと考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 できるだけ早くもいいですが、これは単なる手続だけが結論になるかもしらぬけれども、その手続のしかたに医療問題の根本が触れるということがにおうんですよ。したがって、私はあえて大体いつごろまでかを聞かしてもらいたいのです。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 この手続は法律のもとにおける行政的な手続の問題でございまして、できるだけ早く結論を出すようにしたいと考えておりますが、あした、あさってまでといったふうなものではないと思います。要するに法律に基づく手続、書類のつくり方、そういうところが問題である、こういうふうに御理解いただければしあわせと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 この問題は、理事会でもう少し詰めてみたいと思うので、私の関連質問は終わります。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 いま関連質問の中で答弁があったのですが、一般論として、言論の自由が保障されるのは、あたりまえの話ですね。それで今回の問題が、憲法上どうなるかという問題につきましては、いずれまた場を変えて論議するにいたしましても、これからの中医協の中における審議というものには非常に大きな影響をもたらしますからね、おそらく支払い側と診療側とは利害関係が対立するわけです。したがって経営者の代表が診療側に反対的なことを言えば、企業的な圧迫を受ける、労働団体の代表が言えば、その出身組合の組合員の保険医療は受け付けないといったような圧力が出るかもしれない。そうしますと、ものが言えなくなるんですよ。したがって一般論としてではなくて、この種中医協あるいは審議会等における言論の自由というものは保障されるべきであると思いますが、いかがですか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 紛争中の具体的な問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、お答え申し上げることを、しばらく差し控えさせていただきたいと申し上げておるわけでありますが、一般的に申しますならば、当然言論の自由というものは審議会においても尊重されるべきものである。これは私もさように考えておる次第であります。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 その辞任は受け付けたのでありますか、どうですか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほどお答え申し上げてありまするように、辞表の提出がございます。そこで私どものほうといたしましては、まげて留任をしていただきたいということをお願いいたしました。しかし本人の辞意がかたいものでございますから、現在預かっておる段階でございまして、後任を早く推薦をしてくださいということを日経連にいまお願いをしておる段階でございます。私のほうとしては、できるだけさようなことのないようにということで、とどまっていただくようにお願いをいたしましたが、ぜひこの際やめさせていただきたい、こういう強い御意思でございますので、一応預かって日経連のほうに御推薦をお願いしておる、こういう段階でございまして、発令はいたしてございません。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 それは先ほど紹介しましたように、こういうふうに自分のところの会社でつくられている全製品がボイコットされるということになると、これはたいへんな問題ですからね。したがって、こういう問題が解決されない限りは辞意がかたいのは、あたりまえなんですよ。それを、あなたがそのまま受け入れるというようなかっこうになれば、今後に対する影響は非常に大きいと私は思うのです。そういう意味でこの問題は、またいずれ憲法論議と合わせてあとで論議されると思いますから、一応お預けにしますが、ただ、この中医協の問題と関連してもう一点お尋ねしたいのです。  それは、会長の不信任が出されている理由はいろいろあるわけですが、その理由をめぐって診療側の言い分と支払い側の言い分とは、それぞれ対立しているわけです。診療側のほうは、人件費、物価の値上がり等にスライドすべきである、こういう主張をしておる。支払い側のほうは、現状の報酬体系の中にはいろいろ問題がある、特に薬価基準のきめ方等について問題がある、これをこのままにして、直ちにスライド制を採用することについては問題があるから、毎年一回現状に見合って改定することはいいだろう、こう言われておるわけですね。  これから中医協がどうなっていくかわかりませんけれども、一応審議が軌道に乗ってくれば当然診療報酬の改定がなされると私は思うのです。その点の見解はどうですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 昨年の二月改定の基本になりました一月の中医協の建議書がございます。その中には、御承知かと存じますが、診療報酬の改定は物価、人件費に対応していくことが一つと、それから医学技術の進歩に対応して行なうことが一つ、この二点をあげております。したがいまして中医協といたしましても、いわゆるスライド制、物価あるいは人件費の変動に対応した診療報酬の改定はやるべきである、こういうふうな基本的な考え方でございます。その考え方を受けました今回の中医協では、昨年の秋以来の審議の過程で、いま御指摘のようにスライド制というものについての一号側、二号側、すなわち支払い者側と診療担当者側の解釈の相違と申しましょうか、そういったものがいろいろ出ておりまして、その辺が、今度の問題が現在デッドロックに乗り上げております一つの問題点でございます。それにさらに、いま御指摘の薬価問題も加味されております。  でございますから、私どもは従来からの例によりましても、中医協の建議というものを受けて諮問をして、答申をいただいて医療費を改定していく、こういうふうなことによって保険医療行政というものが円満に、円滑に動いていくように努力してまいっておりまするので、そういうことを考えますと、いずれ中医協が正常化いたしました暁には診療報酬の改定ということについて、現在係争中の問題が整理をされて、改定の方向に向くであろうというふうに私どもは考えておるというのが現状でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 おそらく改定をされるだろうということは認められたわけですが、四十七年二月に診療報酬を一二%改定されておるわけですね。かりにですよ、ことしまた一二%改定された場合に、その額はどれくらいになりますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 四十七年度ベースで一%で七十四億でございますから、来年度では大体これの十二倍でございますから、約八百数十億になると思います。そういう計算になると思います。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 それはもう少ししっかり計算をしてみて、あとで見せてください。  そこで、幾ら改定されるかわかりませんけれども、当然本年中に診療報酬の改定があって引き上げがなされる。かりに一二%、昨年と同じ率で改定された場合に、いまの説明では八百数十億ということになるわけですね。そうしますと、今回提案をされております健康保険法の改正案は、いままでの三千億円という累積赤字をたな上げして、そして単年度赤字、収支が見合うような形で健全化をはかっていきたい、こういう意味で保険料も引き上げる、ボーナスからも特別保険料を取る、国の持ち分も定率にしましょう、そのかわりに支出のほうでも若干の改善をいたしますといって出しておるわけですね。  そうしますと、この保険財政というものは診療報酬の改定がなされることによって当然破綻を来たすわけです。その赤字の分は例の弾力条項を使ってやるつもりですか。どうなんです。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 今度の法律改正案の内容といたしましては、四十八年度末、つまり本年度末における累積赤字はたな上げをするということになっておりますので、それを考えますると、いまお話しのような診療報酬の改定ということがございましても、四十八年度じゆうに行なわれる限りにおいては、それが直ちに弾力調整につながるというふうには考えておりません。(「毎年赤字はたな上げか」と呼ぶ者あり)四十八年度末の累積赤字はたな上げをするというのが、今度の法律改正の中身でございます。  したがいまして、四十八年度において診療報酬の引き上げが行なわれましても、また行なわれることによって赤字がふえてくるということになりましても、そのことが直ちに弾力調整規定の援用にはならない、こういうふうに申し上げたわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そうしますと、いまの説明でいきますと、この健康保険改正案の論議をする意味をなさなくなるのですよ。四十八年度は、赤字が出ても、その赤字はたな上げしますというんでしょう。そうしますと四十九年には、どういうことになるわけですか。毎年毎年診療報酬の改定はしましょうといっているわけでしょう。またされると思うのです。そこらの見合いはどうなんですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 今度の改正は保険料の調整幅をお願いいたしまして、また保険料が上がったときには国庫補助にもリンクをするというしかけになっております。これは先般も申し上、げたかと思いますけれども、最近の傾向を引き伸ばしまして、ここ数年間の予測を一つの試算としてやってみますと、私もはっきりしたことは、まだ申し上げかねますけれども、大体次のようなことになるのではないかと思うのであります。  それは、現在までの実績から見まして保険料収入、いわゆる入ってくるほうですね。このほうは四十八年度の予算では、先般もお話がありましたが、大体一二・四%ぐらいの増収があるだろう、こう見ているわけです。ただし春闘による非常に大幅な賃金アップ等もございますし、そういった点も加味いたしますと、これがさらに上のせになる、こう考えられる。まあ、その点は一つの試算でございますから、一五、六%くらいになるんではなかろうかという一応のめどがあるわけであります。  それから、それに対しまして今度は出ていくほうでございますが、医療給付費のほうは、最近数年間の傾向から見て、医学技術の進歩等によるいわゆる自然増というものが八%ぐらい、あるいは九%ぐらいではなかろうか、こう考えております。したがってその限りにおいては、診療報酬の改定がない場合には保険料収入でもって医療費のいわゆる自然増的なものは吸収できる。ただし、先ほど先生もおっしゃいましたように、現在中医協において行なわれておりますような議論あるいは建議書、そういったところを通じて考えましても、大体年一回診療報酬の改定はやるのが今後の一つの方向であろうということになりますと、いま申し上げました十数%と八%の差額というふうなものは、これは計算上も歳入でもって吸収できていく。それを上回る分につきましては、今後保険料率の引き上げ、あるいはそれに連動した国庫補助の上のせ、こういったことでカバーをしてまいりまして、こういう見通しを立てて、われわれは将来を考えておるわけでございます。  経済の変動とか、社会的ないろいろな条件の変動とか、あるいは医学技術の進歩とか、浮動的なファクターがいろいろございますから、万々間違いのない予測ということは、こういう問題については、なかなかむずかしいと思います。思いますが、そういうことで大体推測をしてみますと、少なくとも現在の状況のもとでは、ここ数年間は、現在お願いをいたしております改正案によって、保険料率の調整ということによって財政的にも安定した運営が可能になるのではなかろうかという一応のめどを現在持っておるような次第でございます。いろいろ要因がございますから、条件がございますから、確定的なことは申しかねます。大体そういうようなことであります。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そうすると、確認しますけれども、四十八年度分の赤字はたな上げするわけですね。かりに赤字が出た場合にはたな上げするわけですね。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 今度の改正案におきましても、累積赤字はたな上げをする……。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そうしますと、私が厚生省の事務局のほうで聞いた説明では、大体医療費の自然増は八ないし九%程度ある、この三年間の平均だそうですけれども。それから、保険料の自然増分が一二・四%くらい。これは金額にすれば大体医療費の自然増分と保険料の自然増分はとんとんで見合う程度です。そうしますと、診療報酬の改定をして引き上げられた分だけは確実に赤字になるような計算になるわけです。これは私が推算をしますと、かりに一二%引き上げると仮定した場合、大体九百六十億円ぐらいになるのではないかと思うのです。そうすると一千億円近い赤字が出るわけです。大ざっぱにしますと、こういう計算になるわけです。  そういう赤字が予想されておるにもかかわらず、そういう問題を全然抜きにして、この健康保険の審議はできぬと私は思うのです。もっと明確な資料を出してもらうか説明を聞かぬと、問題があると私は思うのです。どうですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 資料ということになりますと、また御要求に従ってどの程度のものができるかわかりませんが、これはまた別途検討いたします。ただし、私が申し上げましたのは、医療費の自然増的なものと、それから保険料収入というものとのかね合いを考えまして、今度の法律の仕組みで大体今後数年間くらいは安定するだろうと申し上げたわけです。  ただし、その問題を考えます場合に、条件の設定が非常にむずかしいと申しますのは、医療費の面におきましても八ないし九%の自然増と申しましても、それは現在までの状況でございますから、今後それがどの程度のものになるか。これを下回るか上回るか非常に浮動的な要因があるわけです。でありますから、いままでのトレンドから考えて、大体そのようなことになるだろう、こういうことを申し上げたわけです。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 ちょっと関連してお伺いしますけれども、保険料の自然増が一二%から一三%、こういうことですね。確認したいのですけれども。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 そのとおりでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、これは春闘によっての、ある程度自然増と見てよいですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 先生がおっしゃいました、われわれの予定しておる保険料の増収といいますのは、過去のトレンドを平均して出したものでございまして、この春の具体的な春闘による保険料の増収がどれだけになるかというのは、なかなかまだ正確にキャッチしておりません。それとのギャップは幾らかあるかと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 保険料の自然増というのは、先般の私の質問でお答えになったときには一二から一三%、こうおっしゃいましたね。せんだっての新聞によりますと、中小企業の今度の春闘のアップ率は二〇%をこして二一%くらいだと思うのです。そうすると、その間の差額というものは金額にしてどれくらいにふえるんでしょう。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 春闘の実績によってアップ率はどれだけになるか。たとえば先生いま二一%というのを想定なさったわけでございますが、かりにその数字をとりますと、われわれ御承知のように標準報酬の最高限という制度を持っておりますので、そのアップ率が鈍化いたします。大体二ないし三%くらい鈍化するかと、われわれ考えております。(発言する者あり)したがいまして、二一から二を引いたとして一九くらいになる。したがいまして、われわれが予定しております試算というものと一九の差というものが予定せざる増収ということになるかと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 いまうしろのほうから話がありましたように、中小企業の場合は上限というのが、あなたのおっしゃるように、そんなに上のほうが詰まらぬだろうと思うのです。それは別といたしましても、しかし、そうするとそこに一つ見通しとしては、保険料の増というのが見込まれますね。ちょっとさっき聞き落としたのですが、八%から九%の自然増というのは、これは何ですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 先ほど保険局長がお答えした自然増といいますのは、それはいわゆる医療費の自然増、要するに診療報酬の改定がなかったとしても、過去の実績によりますと、自然にその分が医療費がふえてまいります。それを八ないし九%というふうに保険局長は申し上げた、こういうことであります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと、私の記憶に間違いがなければ去年の二月ですか、このときの診療費の増というのは一二%……。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 おっしゃるとおり、ネットにいたしまして一二%増ということであります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと、それがいま村山さんがお話しになったように九百六十億ですね。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 大体そのようにお考えになってけっこうだと思います。四十八年度の医療費は政管健保が大体八千億ぐらいでございますから、それに一二%をかけると、大体村山先生のおっしゃったような数字になるかと存じます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと支出は九百六十億で、収入は一体どのくらいになりますか。つまり一九%というふうに、あなたのおっしゃるようにして、どれだけの収入になるだろうか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 そのギャップ大体一%について、われわれ三十億ぐらいの見当で考えていいかと思います。したがいまして、もし六ギャップがあったとしますと、百五十から二百ぐらいの間のギャップになるかと存じます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、収入が百五十億から二百億ぐらい。支出がかりに一二%程度、私はあるいは場合によっては、それ以上になるかもわからぬと思いますけれども、その差というものは当然予想されますね。収入、支出の差、九百六十億と、多目に見ても二百億ということになると七百六十億の赤字というものが当然出てくる。それに対する補てんは一体どうなさるおつもりなんですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 私は診療報酬の改定については、お答えする立場にございませんが、単純に数字的な差し引きから見ると、先生のおっしゃるとおりであります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 毎年毎年そういうふうになっておりますという村山さんのお話から、事務当局としては当然そういう支出というものは予想されるべきであるということは考えられるでしょう。同時にあなた方がやっていることは、予算をお立てになるときには過去三年間の資料に基づいてお立てになっておるというお話もされたというように私は記憶しておる。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 純事務屋の観点から言いますと、予算をつくりますときに、事前に診療報酬の改定を予定して予算を組むということは、いままでいたしておりません。すなわち、自然増分については予算に組むけれども、診療報酬の改定については、事前に組まないということになっております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは自然増について九%とした場合の支出の増は幾らになりますか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 それは先ほど申しましたように、大体年間八千億でございますから、大体七百億ぐらいのものになるかと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 九百六十億でなくて七百六十億にしまして、七百六十億の支出増と、それから収入増の二百億との差額というのは一体どういうふうになさるのですか。そこに出てくる赤字の補てんは一体どうなさるおつもりですか。すでにそこに赤字が出てくるはずでしょう。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 従来の慣例でございますと、診療報酬の改定が正式に決定いたしましてから財政的な措置をするというのが、従来の方式でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 財政的な措置をするというのは、どういうふうな措置をされるのでしょうか、私にはわかりませんけれども。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 まず予備費を支出いたしまして、それでも不足した場合には補正予算を組むとか、そういうふうなことでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 予備費の支出というのは二百四十億でしょう。予備費というのは、たとえばインフルエンザとかなんとかいうような特別な事情があった場合に備えての二百四十億だと私は思うのです。それをみだりに、そういうところに回すべきではないだろうと思うのです。そうすると依然として残ってくるのは、五百億の赤字というものが残ってくる。かりに八%が一二%になれば、七百億の赤字が出てくるということになる。赤字というのは依然として出てくることになる。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 おっしゃるとおりでございますが、ただ、医療費の改定というものも、年度途中から行なわれるわけでございまして、ただきっかり一年間の赤字が出るというものでもございません。  それから、予備費につきましては、先生の御指摘のとおりでございますが、ただ、最終的な財政的なことを考えますときには、そういうことも考慮に入りましょうし、ともかく財政収支を保つための措置は事後的に行なうというのが従来のやり方でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 私は非常に不審に思うのは、五十億とか百億という金額なら、まだそういうことが考えられるだろうと思うのですよ。しかし、すでにあなた方がもう頭の中に考えられておる八%から九%ということで支出増が行なわれるということになり、同時に、収入のほうについても一二%──一九%じゃないですよ。一二%から一三%の保険料の収入増ということになると、そこにもうすでにマイナスというものが出てくるということがはっきり明確になっているじゃありませんか。その明確になっていることについて、それをそのまま何らの処置を考えない、それは赤字が出てからのことでございますというのは、ぼくはそういう意味では当局は非常に不見識だと思うのですよ。  そういうことになれば、抜本的に一体保険財政をどうするかということを、あらためて考えなければならぬだろうと思うのです。つまり、あなた方の考えておられるのは、常にテンポラリーなことで事を済まそうとしていることになるんじゃないだろうか、ぼくにはそう思えてならぬのです。そうじゃありませんか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 先生のおっしゃる御指摘ももっともなのでございますが、ただ従来は、事前に診療報酬の改定を何%にするという予定をして予算に組むということは、いたしていないわけでございます。それも当然予想に入れるべきだという御指摘もわかりますが、そこら辺はやはり従来の慣例がそうなっておる、四十八年度についても同様なことをしたということでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 だから、診療報酬の改定がないにしても、八%から九%の増ということになれば、すでにそこにもう、支出の増と、それから収入の増ということに対するプラスマイナスの差というのが明確に出てきているじゃないですか。その金額は五百億くらいになりはせぬか。しかも、それを二百四十億という予備費でもって充てるというのは、おかしなことになるのじゃないか、こういうことなんです。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 私の説明がやや不十分だったわけでございますが、自然増につきましては、過去の実績でございますし、それは当然収支の中にももうすでに織り込んでございます。     〔山下(徳)委員長代理退席、委員長着席〕  ですから、問題は、これから行なわれるかもしれない診療報酬改定分をどうするかという問題だけでございます。それにつきましては、先生がさっき御指摘になったように、春闘の実績と、それからわれわれが予想しておる保険料の収入増のそのギャップはございます。ともかく若干そのギャップが生じるかもしれない。しかし、いずれにせよ、不確定要素でございますので、われわれとしてはまだ四十八年度の予算に組んでない、そういうことでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと、自然増の八%か九%のほかに、かりに診療報酬の改定があれば、それに一二%上積みされるわけですね。それが九百六十億ということになる。そうすると、その九百六十億に対する手当てというものは別途に考慮するということなんですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 従来のやり方でございますと、おっしゃるとおりでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 これはしかし、部長でなくて大臣から聞きたいのですが、いまそれぞれ御説明がありましたように、医療費の改定がなくても赤字は予想される。医療費の改定があれば、それに上積みされた赤字が当然予想されるわけですね。そうした額について一体大臣はどういうふうにその財源をするつもりですか、大臣の見解を聞きたいと思うのです。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 事務的な数字でございますから、まず保険局長から答弁させます。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 先ほど申し上げたのでございますが、医療費の改定につきましては、根っこには昨年の一月の中医協の建議書があるわけでございます。その建議書に基づいて、昨年の秋以来中医協が、その中で医療費改定のルールをどうするかということについて、いろいろ議論が行なわれておる。その結果どういう結論が出るかということは、私どももまだ現段階では予測ができません。先ほど申し上げましたのは、かりにそのスライド的な考え方、あるいは一年に一回改定という考え方が、その結果出てくるものと仮定するならば、四十九年度以降、おおよそ歳入歳出両面においてどういうふうな推移をたどるだろうかということを申し上げたわけであります。  歳入のほうが予測としては、いわゆる自然増としての歳出よりは上回っておる。だけれども、医療費の改定があるならば、その歳入を上回った分については、保険料率の引き上げとか、あるいはそれに類似した国庫補助の上のせとか、そういったもので処理をしていくことになるであろう、そういう予測を申し上げたわけでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 江間さんの御答弁で大臣に一つだけ確認をしておきたいと思うのです。つまり、もし診療報酬の改定が言われるごとく一二%ということになれば、九百六十億の支出になる。そのときに、弾力条項を適用しませんね。と申しますのは、私がこの前冒頭に質問をしたときに、それは給付の改善にのみ使うというお話がありました。それをいま確認してよろしゅうございますね。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 たびたびこの問題についてはお答え申し上げてございますが、診療報酬の改定並びに給付の改善、こういう限定目標に限って弾力条項を発動いたします。すなわち、診療報酬の改定と給付の改善と二つ言うております。(発言する者あり)いや、二つ間違いなく言うております。     〔「おかしい」「速記録を見ろ」と呼び、その他発言する者あり〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 速記を始めて。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ただいまの山本先生のお尋ねでございますが、四十八年度の問題であろうと思います。この改正法のいわゆる弾力調整の規定、七十一条ノ四関係の規定でございますが、その規定と、それから先生御承知の特別会計法の改正規定と読み合わせますと、「この法律による改正後の健康保険法第七十一条ノ四第二項の規定による保険料率の変更についての申し出は、」――この申し出は社会保険庁長官の申し出でございますが、「昭和四十九年度以降の年度に係る保険料及び国庫補助をもつて当該年度に係る保険給付費、保健施設費その他政令で定める経費にあてる費用に不足若しくは剰余を生じ又は生ずることが明らかとなったときに限り、行なうことができる。」こう規定しておりますので、私どもはこの規定は四十九年度以降の問題である、このように考えております。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後一時五十一分休憩      ――――◇―――――     午後二時二十九分開議

田川誠一自由民主党

○田川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  休憩前の質疑を続けます。村山富市君。     〔発言する者あり〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 御静粛に願います。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 先ほど来の論議で計数がまだ明確ではありませんけれども、しかしおそらく診療報酬が一二%プラスアルファ引き上げられるんではないかということを想定した上の論議をしているわけです。私はその先ほどの大臣の答弁の、弾力条項の扱いについての是非は一応別にしても、診療報酬の改定がなされるということは、人件費等が上がることによって改定がなされるわけです。したがって、その診療報酬の改定の財源というものは、人件費等の引き上げによる自然増を財源として充てるべきではないか、それに見合うような形できめるべきではないか、こう考えますと、そういうものにこの弾力条項を使うということは、理論的にもおかしいのではないかということが一つです。  それからもう一つは、今後毎年診療報酬の改定がなされることが想定をされるわけです。そうすると、この保険財政というものは、赤字基調を踏まえて財政が運営されていくわけです。そのことを想定しますと、決して政府が提案をしておるような形で健全財政というようなことは考えられないわけです。その赤字基調というものは当然予想さるべきものであり、国費をもって充てるべきものである。これを保険料の引き上げや、あるいは患者負担に転嫁するということについては納得できない。私は、そういう意味も含めて、この問題についてはもう少し計数が明確になり、問題点が明確になった上で再度取り上げていきたいというふうに考えます。  そこで、次に移りたいと思いますが、今度の診療報酬改定をめぐる中医協の論議の中でも一番問題になっているのは薬価基準ですね。私は冒頭に大臣にお尋ねしたいのですが、いまの診療報酬体系が適正なものであると考えているかどうか、もし適正なものでないとするならば、どういう点が適正でないと考えておられるか、その点を御答弁を願います。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ただいまお話に出ました中医協の論議でございますが、その中でも、診療報酬の適正化という問題と、それから薬価基準という問題とが大きな二つのテーマでございます。  診療報酬の適正化の問題は、三十三年でございますか、新医療費体系問題に関連して現在の点数制度ができまして、物と技術を分離するということで、その後たびたびの診療報酬改定の際に、そういった方向でいろいろな問題点が整理をされてまいってきているような実情でございます。  たとえば先般の、昨年の二月改定では看護の問題で、部屋代と基準看護を分けまして、技術評価と申しますか、物と技術を分離したとか、あるいは慢性疾患指導料を設けたとか、こういう問題がございます。またその前の改定では特類看護の新設、またその前の改定では入院医学管理料と、こういうように改正のつど、この適正化の方向に、いわゆる適正化という方向に向いているわけでございますけれども、なお現在でも論議の過程でいろいろございますように、診療報酬はまだまだ適正化の余地がある、そういうことで論議が続けられておりますので、今後もなおそういう方向で、いろいろ問題点が論議をされ、整理をされていく、適正化の方向に向かっていく、こういうふうに私どもは理解をいたします。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 特に薬価基準の問題について申し上げますと、先般の参議院のたしか予算分科会だと思うのですけれども、病院や診療所が扱う薬価の中でマージンが二割から三割あるだろう、こういうふうに答弁をされている議事録を拝見したのですが、その点は誤りありませんか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 薬価基準の問題につきましては、いま申し上げましたように実勢価格に合わせるように毎年一回改定をしているわけでございますが、昨年の改定の際に、個々の診療報酬の積み上げ、個々の診療報酬の内容の問題の検討、そういったことを終わりましたあと、全般的に、マクロ的にどういうような見地から全体のアップ率をきめたらいいか、こういう議論がなされたわけでございます。  その際に、昨年の一月の時点でいろいろな、賃金の上昇率でございますとか、あるいは消費者物価の上昇率でございますとか、あるいは薬価の下降率でございますとか、そういったことが全体的に議論された中で、薬価について二割から三割くらいのマージンのあるものもある、こういう議論もございまして、そういったことで全般の改定の積み上げの試算の過程で、そういう議論があった、こういう趣旨のことを先般申し上げたような次第でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 大体四十七年度の総医療費は三兆五千億円ぐらいと聞いておりますけれども、これははっきりした結果ではありませんが、その点はどうですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 現在わかっておりますのは、四十五年度まででございますけれども、それを比べていきますと約三兆円ぐらいになるであろうという推定が行なわれております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そうしますと、かりに三兆としますと、その三兆の中で占める総医療費というのは、従来からずっと問題になっておりますけれども、その保険給付あるいは個人負担分だけ、さらにまた薬屋で薬を買ったとか、あるいはあんま、はりとか、そういうふうなものだけであって、俗にいわれる差額ですね、この差額ベッド料とか、あるいは付添看護婦の現金支払いとか、そういう意味で保険給付、保険関係以外に患者が負担をしておるものは、この総医療費の中に入っておりますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 差額ベッド以外の分も入っております。差額ベッドは入っておりません。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そうすると、その差額ベッド以外の分というのは、どういうものですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 買薬でございますとか、あるいはあんま、はりでございますとか、そういったたぐいのものでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そうしますと、先ほど私が言いましたように、たとえば差額ベッドとか、あるいは付添看護とか、あるいはまた自由診療分とか、そういうものは入っていますか入っていませんか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 自由診療は入っております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 おたくのほうから四十五年度の国民総医療費の調査をした分、ここに資料がありますけれども、これを見ますと、「公費負担分」「保険者等負担分」それから「労働者災害補償保険」「その他」あるいは「患者負担分」、この「患者負担分」というのは何か、こう聞きましたら、これはたとえば健康保険の場合に家族が五割給付というのがある、したがってその五割負担分です、あるいは国民健康保険の場合には七割ですから三割負担ですということですから、ここにどこを見ても自由診療の分は入っておらぬというふうに私は思うのですが、どうですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 お手元の資料にあると思いますけれども、「全額自費」というのがございまして、これがいわゆる自由診療に相当する分でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そうしますと、この自由診療分なんかがここではっきり統計の中に出てくるということであれば、私は、自由診療分が大体何ぼで、差額ベッド料が幾らで、あるいは普通看護料はどれくらいで、保険以外に患者がどの程度負担をしているという計算はできますか。資料ができますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ちょっと現在の段階ではすぐに出てまいりませんが、どういう方法でやればいいか検討さしていただきますけれども、ちょっといまのところ、データの持ち合わせがございません。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 それでは、いずれそれは資料として提出願います。  それから、いま言ったようなものを含めますと、私は総医療費の総額はもっとふくらむと思うのです。そうして、その総医療費の中で占める薬剤の率というものが、大体政府管掌の健康保険だけを見ても四三%くらいあるといわれておりますけれども、これで間違いございませんか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 そのとおりでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そうしますと、かりに四三%、約半分くらいあるわけです。三兆円とした場合に薬剤が一兆五千億円くらいを占めるわけですね。これは健康保険だけですから、その他のものを含めますと、薬剤はもっとマージンは多くなるかもしれませんがね。そうしますと、一兆五千億円の中で三割のマージンがあるとしますと四千五百億円くらい実際薬の利潤があるわけです。そういういまの薬剤のあり方、薬価基準のあり方等について、どう思いますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 医療費の中に占める薬の割合が非常に大きいということにつきましては、また年々歳々これが高くなっているということにつきましては、私どもも医療行政と申しますか、あるいはまた保険の運営という面からも、非常にこれは問題としてながめている点でございます。したがいまして先ほども申し上げましたが、薬価調査というものを毎年一回やる。このことは昨年の中医協の建議書にもございますが、そのことによって、できるだけ適正価格を把握いたしまして、現在言われております実勢価格と薬価基準価格との差というものを縮めて、保険の運営上も薬のむだがないように、できるだけそういった面については努力をしているつもりでありますし、今後もそういう方向で薬価調査を厳格にやってまいりたい。これによって、いま言われておるような実勢価格との格差是正につとめてまいりたい、このように考えております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 薬価基準のきめ方については、たとえば支払い側の委員が言っていますが、九〇%バルクラインで線を引くことにも問題があるだろうという問題提起もされております。私はそれも問題があると思いますけれども、問題は薬価基準と実勢価格との差が一応マージンと考えられるわけですね。一応考えられると思うのです。そうしますと昨年三・九%薬価基準を下げていますね。その三・九%薬価基準を下げたときの根拠は何ですか。その数字的な根拠。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 これはいま申し上げましたように薬価調査を行ないました結果、その結果として三・九%下げることが適当であろう、こういうことで下げたわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 適当だろうと判断をした、それは一応実勢価格は調査されるのでしょう。調査をした上で薬価基準がきめられていくわけでしょう、そういうことですね。そうすると、その調査した結果三・九%を引き下げることが適当であろうと判断をされた、その適当という資料は何ですか。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 ただいま保険局長から御説明申し上げましたように、薬価調査の結果の数字をそのまま反映いたしまして三・九%の平均の引き下げを行なったわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 私が見まするに二割から三割のマージンがあると想定されるのは四十七年度だけではないでしょう。その点はどうでしょうか。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 二割、三割ということがいろいろ議論されておるわけでございますが、現在の薬価のきめ方は、御承知のように薬価調査の結果に基づきまして、実勢価格の中の一番低いものから九十番目のものの価格をとりまして、いわゆる九〇%バルクラインで薬価基準を設定するわけでございます。一方では医薬品の取引の相場というものが設定されておるわけではございませんので、個々の取引におきまして取引の態様とか信用の程度、包装の大小、取引の量、いろいろな条件によって相当取引価格に幅があるわけでございます。したがって個々の取引価格をつかまえました場合には、薬価基準との間で相当の差があるという事例も間々出てきておるわけでございます。  実態といたしましては、大体においてごく少数の例外を除きましては、薬価基準の額を大体天井といたしまして、それ以内の価格において取引が行なわれるというのが実態でございます。したがって、それ全体がどれくらいの差があるかということは、具体的にはなかなか把握しにくいわけでございます。そういう意味で年に一回の調査を行ないまして、その調査の結果を反映いたしまして、前回薬価基準を設定した以後において、取引の実勢がそれより下がっておるという実態を把握いたしました場合には、薬価基準を引き下げるという操作を行なっておるわけでございます。  ただ、もちろん御指摘のように実勢価格と薬価基準というものが、あまりにも乖離しているということは決して適当なことではございませんので、今年度からはさらにその中間的な追跡調査を行ないまして、さらにその実勢価格を正確に把握いたしまして、できるだけ実勢価格を反映できるような薬価基準を設定していくという努力を、これは中医協の御意見もございまして、さらに進めてまいりたい、そのようにいま努力いたしておる次第でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そういう意味で、こまかな計数はわからぬと思いますけれども、しかし大体いまの実態から判断をして、薬剤のマージンが二割から三割あるだろうということは想定されるわけですね。それはもう、そう言っていますから……。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 ただいま申し上げましたように、実勢の取引価格は相当高下がございますので、御指摘のような幅のあるものもございます。薬価基準すれすれというような取引もございまして、全体的なものにつきましては、なかなか把握することが困難であると思います。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 はっきり言っていますよ。大体二割から三割程度ございますと、こう言っていますからね。私は全般的に考えて、その程度のマージンはあるのではないかというふうに思われるわけです。これは薬価基準は調べてみますと、毎年下げているわけですよ。毎年のを言いますと、四十二年の二月には平均一〇・二%を引き下げております。それから四十三年は五・六%下げております。四十四年は三%下げておる。四十六年は三・九%下げておる。四十七年は先ほど申し上げましたように三・九%下げております。そしてなおかつ言うなれば、病院や診療所の薬のマージンというものは大体二割から三割あるのではないかということが想定されるわけです。あなたの答弁でもそう思われるわけです。  そして製薬会社の収支決算を日銀の発表した資料によって見ますと、四十六年の上期で一般の製造業の三・八三に対して製薬大手の十二社は一三・一一%の収益をあげているわけですね。毎年毎年薬価基準は下げているけれども、しかしなおかつ、薬のマージンはある程度保障されておる。しかも製薬会社はどこの企業よりも大きな利潤をあげておる。  それだけなら、まだいいのですよ。ところが患者が病院に参りますね。この間渋谷区の高校三年生ですが、かぜを引いて病院に行ったわけです。ある病院に行ったら注射を三本打たれて薬をもらって、そして七百八十円取られた、国民健康保険ですよ。ところが、なおらずに、また別の病院に行ったんです。そうしたらそのお医者さんは、この程度のかぜなら注射を打つ必要もありません。帰ってゆっくりお休みなさいということで薬だけもらって三百二十円で済んだというのです。それでけろっとなおっておるわけです。もちろんそのときの病状というものがありますから、一がいには言えないかと思いますけれども、その学生が驚いているわけです。どうして同じ病院でそんなに違うのだろうかということが一つありますね。  それからもう一つは、いま病院に行って薬をもらう、いま薬をたくさんくれますから、私の調べた範囲内でも全部薬を飲んでいる患者というのはないのですよ。大体半分くらい飲んで半分くらい捨てていますよ。しかも最近のいろいろな学者の学説によりますと、薬をたくさん飲むと害になるといわれておるわけです。しかし、お医者さんは薬を患者に与えることによって収益があがっていく。だから必然的に薬を患者にたくさんあげる。もらった患者は薬を半分くらい飲んで半分くらい捨てておる。しかもちゃんと病院や診療所のマージンは保障され、製薬会社は不当な利益をあげておる、こういう現状をそのままにして保険財政だけを幾らいじくってみても、国民は納得しないと私は思うのです。そういう点もっと解明をして、もう少し大衆が納得できるような条件をつくり上げていかぬと私は納得できないと思います。そういう点についてどう思いますか。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 製薬企業の問題についてお答え申し上げたいと思います。  いま先生御指摘のように、日本の製薬企業の利益率が他産業に比して比較的高いということは、御指摘のとおりであろうと思います。ただ製薬企業は、産業の性格といたしまして、いわゆる非常に知識集約的な産業でございまして、特に国民医療を向上させていくというその使命から申しまして、新しい薬品を常に研究開発していくという非常に特殊な使命を負わされておるわけでございます。新薬品の開発は非常に困難な問題でございまして、三年、五年の日時をかけ、またこれはと思って手をつけたものの中で、二千あるいは三千の中で一つものになるというような性格のものであって、特に安全性の問題等については相当膨大な試験研究費を必要とするというような性格を持っているわけでございます。  そういうような意味で、はたして製薬企業の利益率が高過ぎるということがいえるものかどうか。これはやはり製薬企業の本質的な性格から申しまして、相当むずかしい問題ではなかろうかと存じます。  また諸外国の製薬会社の利益率と比較いたしましても、日本の製薬業界の利益率は高いというようなことは、格別に指摘すべき点はございません。一般的に自由競争に基づく企業を前提といたしましての日本の産業の体制といたしまして、どの産業の利益率が、どの程度が適当であるかということを判断いたしますことは、おそらく困難であろうと思います。  ただ私どもといたしましては、先ほどから先生御指摘のような、通常取引で行なわれております実勢価格をできるだけ薬価基準に反映させるということは、これは制度のたてまえといたしまして、ぜひしなければならないことでございますので、そういった面におきましての努力は、先ほど申し上げましたように追跡調査等も含めまして今後とも努力をしてまいりたい、そのように考えております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 いずれにしましても、国民の側からすれば、いまのようなあり方というものは納得できないと思うのですよ。それは必要以上に薬をもらって、もらった薬を全部飲んでないのですから、半分くらいみんな捨てておるわけですから、そういう投薬のしかたというものは、やはりみな疑問を感じているのですよ。しかも最近、さっき申し上げましたように、むしろ薬を飲み過ぎて害がある、できるだけ飲まないほうがいいんだ、こういわれているのです。そして保険財政は赤字になって、もうけているのは製薬会社だけじゃないか、こういういまのようなあり方についてはどうしても納得ができない、これが大多数の国民の声ですよ。それが一つです。  もう一つは、私は薬務行政にいろいろ問題があると思う。たとえばこれはごく最近出されている新聞の記事ですが、兵庫県立の神戸生活科学センターが医薬品としてのドリンク、清涼飲料水としてのドリンク、この二種類について調査をしたわけです。ところがその調査の結果「防腐剤、合成甘味料、合成着色料といった添加物の使用状況を分析したのだが、すでに禁止されている防腐剤を使ったり、公称純白糖がサッカリンだったり、デタラメ商品がいっぱい、」だということがわかった、こうなっているわけです。  この記事から見ましても、薬店で売っているドリンクや、あるいはいろいろな店で売っている清涼飲料水としてのドリンク、こういうものの中に、こんなものがたくさん入っておる。これが自由に横行しておる。こういう実態に対して厚生省はこの種の食品、医薬品に対する管理というものが、きわめてずさんではないかといわざるを得ないと私は思います。  しかももう一つあります。これは去る十日に何か使用の禁止をきめたそうですが、デヒドロ酢酸添加物がございますね。これはアメリカでは、すでに数年前から医薬品にも清涼飲料水にも使用を禁止しておる。日本の国はやっと昨年の十月にジュースなど清涼飲料水への添加を禁止した。そしてこれが、じん臓結石の原因になるおそれがあるというようなことがいわれ出して、初めて医薬品等に対する使用も禁止しておる。  こんなことが起こるのは私はおかしいと思うのです。アメリカはもう数年前からやっておるのです。日本の国は去年やっと清涼飲料水に使用を禁止して、医薬品はそのまま、あわてて医薬品の使用も禁止する、こういう現象というのは一体どういう理由で起こるのか、私は理解できないわけです。ですから、どうしてこういうことになるのか、納得できるような説明をしてください。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 二つの御質問でございますので、初めに兵庫県の記事が出ておりますが、ドリンク剤の問題についてお答え申し上げたいと思います。  いわゆるドリンク剤と申しますのは、栄養補給等を目的といたしました薬剤、液剤でございまして、大体通常いわれておりますのは、百CC程度のびんに入っております、甘味をつけましたものをドリンク剤と称しております。御指摘のように同種の形態のものにつきまして、清涼飲料水として食品衛生法の適用を受けて発売されておるものもございますけれども、医薬品として認めておりますドリンク剤は、相当の栄養成分あるいはその他の有効成分を入れまして薬効を認めておりますものについて、医薬品としての承認をいたしておりまして、成分自体が清涼飲料水と同種のものではございません。ただ国民生活の実態といたしまして、若干類似のものと両方発売されておりますために、その辺が混同されて受け取られておるという傾向はいなめないと存じます。  最近問題になりまして兵庫県の生活科学センターで検査されましたものにつきましては、私どもも資料を取り寄せまして確かめておるわけでございますが、これが指摘されましたのは、決して有害なものを入れていたという性質のものではございませんので、医薬品としての成分につきましては食品の場合と異なりまして、全部こまかい成分に至りますまでその製造方法、成分の内容につきまして、分量につきまして個々に厚生大臣の承認を受けることが必要でございます。それがだいぶ前に承認を受けまして、その一部の防腐剤等の処方の変更をしながら、その一部の変更の承認を受けることを怠っておったという事例が若干ございまして、そういうものが問題になったわけでございまして、そういった処方変更された後の内容につきましても、特段に保健衛生上有害というようなものではないわけでございますけれども、ただやはり薬事法上の違反は明確な違反でございますので、私どもといたしましても現品を全部回収させ、行政処分につきましても、現在聴聞等を行なって措置を検討しておる段階でございます。  それからもう一つのお尋ねのデヒドロ酢酸の問題でございますが、デヒドロ酢酸は、食品衛生法におきまして防腐剤として使います場合と医薬品におきまして使用いたします場合とは、御指摘のように若干その乖離がございます。ただそれは性質上、いま申し上げましたように、医薬品につきましては個々の処方につきまして一々承認を受けるということがたてまえでございます。したがって、その成分、分量の内容によりまして、どういう防腐剤が全体的に見て最も保健衛生上有効であるかということを個々に審査し得るたてまえになっております。  食品の場合には、一括してこれこれのものは使ってはいかぬというような法律上の規制がございますけれども、個々の品目についての承認制度はとっておりません。したがって、食品につきましては、これは他の所管でございますが、私の承知いたします限りでは、まず添加物はできるだけ少なくするということを前提といたしまして、食品をグループに分けて、こういう食品にはこの添加物だけ、また別のグループにはこの添加物だけというような措置をいたしております。  そういう制度の違いから、御指摘のようなギャップが起こったわけでございますけれども、ただ、先ほど御答弁いたしましたように、ドリンク剤そのものが、医薬品の中でも多少清涼飲料に類似したような受け取られ方を国民にされておるというようなことを考えますと、やはり今度のようなことで、食品に認められていない、清涼飲料に認められていない防腐剤をドリンク剤に使っているということは、たとえ個々の商品におきまして安全性を認められておるものでございましても、国民に不測の不安を与えるというような要素もあろうかと懸念いたしまして、指導方針といたしまして、今後はドリンク剤には使用しないようにという指導をいたしたわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 特に最近薬害というものが、いろいろな意味でたいへん問題になっておりますね。現にキノホルムによるスモン病なんかも訴訟になって、企業と国が訴えられているわけです。その訴えられておることに対して、国がこういう弁明をしているのですよ。「キノホルムは十分な審査に基づいて「日本薬局方」の規格に納められており、これまでわが国の最高権威者で組織する各審議会で何度も検討を加えられたが、その安全性を疑問視する意見はなかった。従ってキノホルムを有効成分にした各医薬品の製造承認に際し、国は原告のいうような試験や実験で安全性を確認する義務はない」こう言って抗弁しているわけです。いまの法律手続からいえば、これはこうなるかもしれぬと思うのです。しかし、国民の健康に対して、あるいは命に対して責任を持つという国の立場からすれば、こんなことでは私は納得できないと思うのです。  そこで、薬物の管理についてはいろいろ問題があると思う。たとえば日本の製薬企業は、厚生省が許可した業種は三千社ぐらいあるといわれておりますね。その中には大中小たくさんあるでしょうが、みずからが研究開発あるいは副作用の追跡等のできる機関を持っている企業はどのくらいありますか。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 医薬品の研究開発と申しましても、非常に高度な、たとえば制ガン剤のようなものから、あるいは御指摘のような薬局方に記載されておりますものにつきましても、剤型等について吸収されやすい形をとる、あるいは純度を高めるというような品質的な研究に至りますまで、かなりランクがあるわけでございます。したがって、二千余りの業者の中でどれだけがその研究開発ができるかということを数として申し上げることは、ちょっと困難かと存じますが、私の承知しております限りでは、それぞれの規模に応じまして、自分のところで製造いたします医薬品をよりょくしていく、あるいは試験検査を行ないながら純良なものを出していくという面におきます努力はやられておると考えております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 もう私の持ち時間は過ぎているそうですから問題点だけ指摘しておきたいと思うのですが、そういう製薬企業に対する許可基準等にも問題があるのではないか。同時にまた特許法は、物を生産する技術過程だけを特許している。したがって、できた商品に特許権がないわけですから、イミテーションが何ぼでもできる、類似品ができる、こういうことからくる弊害があるのではないか。この点は検討する必要があるのではないか。  さらにまた新薬を許可する場合、これはさっきスモン病で申し上げましたように、国はそれを立証する研究をするわけでもない、あるいは試験をする機関があるわけでもない。申請者の書類によって審査をしてきめる。もちろんその過程にはいろいろありますけれども、そういうたてまえになっておりますね。こういうところにやはり問題があるのではないか。国みずからが責任をもって国民に信頼を受けるようなものを出すということにするためには、国自体がその機関を持つか、あるいは信頼の置ける第三者に委託をするか、そういう手続を経る必要があるのではないか。  こういったようなものがたくさんありますけれども、時間もございませんので、きょうはこれで打ち切って、いずれまた機会があったら御質問申し上げます。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 坂口力君。

坂口力公明党

○坂口委員 この健保の問題を論じるにあたりましては、いろいろこまかな問題もございますけれども、医療制度あるいは医療保険制度を今後どうするかという大きな流れの問題、これが非常に重要な問題であるというふうに考えております。こまかな問題をお聞きいたします前に、医療の大きな流れ、これを今後どういうふうに定めていくのか、そういうふうな点についてお聞きをしたいと思うのであります。  そこで、まず第一にお聞きをしたいことは、現在の医療保険制度、これはたいへん大きな問題でございますが、この制度について、将来これをどういうふうに改革していこうとしておられるのか、それとも現在のままでいいというふうにお考えになっているのか。たいへん大きなところでございますけれども、その点からまずお聞きをしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 私からお答えを申し上げます。  国民医療の基本は、何と申しましても、すべての地域における、すべての国民が、あまねく充実した医療を受けられるようにつとめることが基本でなければならぬと考えております。それがためには、私が申し上げるまでもなく、わが国の医療施設というものの体系的な整備が十分であるであろうか、さらにまた医療従事者の養成、特に看護婦その他の医療従事者の養成がはたして十分であるであろうか、こういったふうな問題について根本的な計画をつくる、これがやはり基本であろうと思います。そういうふうなことと並行いたしまして、救急医療の問題、あるいは僻地医療の問題、こういう問題に十分な対策を講じていかなければならぬと考えておりまして、私どもは私どもなりに、今日までできるだけ努力をいたしてまいりましたけれども、まだ十分であるというところまではいってないと思います。  そこで、そういうふうな考え方に立ちまして、先般来発足いたしました社会保障長期計画懇談会においてこうした問題を本格的に取り上げて、いま検討をお願いいたしておるような次第でございます。  そういうふうな中にあって、医療による経済負担の問題をどうやって解決するかということに保険制度が一つの大きな役割りを占めるわけでございますが、この保険制度については、もうすでに先生御承知のように、たくさんの種々さまざまな保険制度があるわけでございまして、現在九種類の保険制度があるわけでございます。そこで、この九種類もの保険制度は、もう申し上げるまでもなく御承知のように、それぞれの沿革でできてきておりますから、実際問題として、いま直ちにこれを一本化するというわけにはいかないと私は思います。  しかしながら、いまのような中で、非常に給付の水準が違っておったり、あるいは先ほどお話も出ましたように、分べん費の問題とか、あるいは埋葬料の問題とか、そういうふうな給付の面においてアンバランスがたくさん出ておるわけでございますので、将来の方向としては、どうしてもこういうふうな国民が受ける給付の内容について、一つの統一的な水準までまとめ上げていくというところが一番の重点ではなかろうか、かように考えております。  すなわち直ちに制度を一本にするということは、私は、沿革その他がありますから、これは相当困難でございますが、中身についてはできるだけすべての国民にあまねき給付の水準が受けられるような方向に、斉合性と申しますか、そういう方面に力を尽くすことが基本でなければならない、そしてまた私どももそういう方向で努力をしたい、かように考えておるような次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 そういたしますと、いま大臣のお話をお伺いいたしますと、保険そのものはざっと分けましても、いまおっしゃったように、九種類ございます。こういう保険の一本化ということについては、なかなかむずかしいけれども、その内容については一本化をしていこう、そういう方向に進んでいきたいという意味でございました。これは保険の一本化というのと同じ意味じゃないかと思いますが、いかがですか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 制度そのものを一本化するというのは、実際問題としてむずかしいと思うのです。たとえば政管健保にいたしましても、組合健保にいたしましても、あるいは公務員の共済組合その他にいたしましても、一本化するというのは、やはりむずかしい。やはり問題の基本は、給付の内容においてできるだけ斉合性を確保していくという方向にいくべきではないだろうか。しかし、そのことは必ずしも制度の一本化というものを意味するものではない。やはりその制度のそれぞれの特殊性を生かし、沿革に基づいた給付の統一的な姿に持っていく。これがやはり、いまのところ一番力をいたさなければならぬ点ではないか、かように考えておる次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 一本化は非常にむずかしいというふうにおっしゃるわけでございますけれども、大臣は、これは一本化したほうが好ましいとお考えになるのかどうか、その点どうでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 白紙にものを書くような形で申し上げることはできませんが、一本化ということができるならば、私は望ましいと思います。しかし、それには先ほど申し上げましたように、いろいろな沿革、それからその保険者の特殊事情等がありますから、なかなかそう簡単にいかないと思いますが、白紙でものを書くなら、一本でいくというのが望ましい、かように私は考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 今回出されましたこの健保の改正案でございますが、この改正案は、そういたしますと、いま大臣がおっしゃった、いわゆる一本化への道を進むという方向に進んでいるというふうにお考えになるのかどうか、まずそれをお伺いします。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 実現可能な問題をとらまえながら、そうした方向に向いての一歩前進であると私は考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 これはいままでも、いろいろ議論されたところでございますけれども、同じ健保の中でも、政管健保と組合健保の間にはいろいろの差がございます。その二つの間を比較いたしましても、今回の改正案は必ずしもそれを一本化する方向に向かっていないというふうに、われわれは考えているわけであります。この問題は、以後、時間がまだ十分ございますので、触れさせていただくといたしますが、一応大臣のお考えを伺いましたので、この問題はあとに回させていただきまして、次に移らせていただきたいと思います。  次に、医療制度の問題でございますけれども、健康保険にいたしましても、社会保険にいたしましても、せっかく医療保険に入りながら、医療機関がないために医療を受けられない人たちというのが、たくさんあるわけでございます。先ほど大臣も御指摘のとおりでございます。先般の質問でも私、この無医村地域の問題についてお尋ねをいたしました。そのときに、たいへん頭を痛めている問題の一つであるけれども、現在としては、それに対していい方策というものはないというふうな御答弁であったと思います。  しかし、今回こういうふうに健康保険の改正案が出されまして審議をされる段階になりました以上、やはり国民に今後はこういうふうな方針で保険を使用できないような無医地区をなくしていくのだという、そういうスケジュールを示す義務があると思うわけでございます。今回のこの法案を出されるにあたりまして、その辺のことをどのようにお考えになっているか、まずお聞かせをいただきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 現在御承知のように、無医村と申しますか、たくさんあるわけでございますが、そういう無医村の地域に全部お医者さんに行っていただくような体制をとるということは、実際問題として非常に困難な問題でございます。これはおわかりいただけると思います。  そこで、そういうふうな実情も考えながら、こういう無医地区の方々に医療保険の恩恵を受けさすようにするにはどうすればいいかということで、実は厚生省においても、隣接の医師会の協力をいただいて、病気になったときは患者輸送車でそちらのほうで見ていただくとか、患者輸送車といったふうな施設を整備するというやり方、あるいは隣接の医師会との協力関係をどうやっていくかというふうなことをやったり、さらにまた、国立病院等のお医者さんに日をきめて輪番的に行っていただくようなやり方をするとか、あるいは保健婦をすべての無医地区には、さしあたり一人ぐらいは置けるようにしようではないかといったふうなことを、それぞれ今日まで努力をしてきておりますが、しかし、まだ完全であるとは申し上げることはできません。  そこで、先般来全国の無医地区につきまして、各町村ごとの具体的な特殊事情がございますから、町村ごとに具体的な案をつくらしてみようということをいたしておるわけでございます。すなわち、私の村においては隣接に国立病院があるから、国立病院と話をつけて──話をつけてというよりも、厚生省が仲に入って、国立病院のお医者さんを一週間に一日は必ず行ってもらうようにしようじゃないかといったふうな具体的な措置を町村ごとにつくらせるようにしようじゃないかということで、いま県と相談をして、その計画をつくらせつつあります。  その計画に基づきまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、社会保障長期計画の中で、こういうふうな計画をやっていくためには、たとえば国公立の病院にはお医者さんを予備に何人ぐらい置かなければならぬとか、あるいは患者輸送車というならば何台足りないというのか、あるいは隣接の医師会の協力をいただけるというのならば、どういうふうな予算措置を講じなければならないかとか、そういうふうな具体的な一つ一つの村についての措置を積み重ねて、その全体計画を社会保障長期計画懇談会の中で御相談を願って、そして少なくとも五年の間には──この長期計画は一応五年ということになっておりますが、五年といいましても、四十九年度になりますと四年度になりますから、その四年度において何とか対策を講ずるように、予算的な面はどの程度金がかかる、そういうふうなことをあわせ御検討願って、無医村について何とか医療の恩恵を受けられるような体制づくりの計画を八月末までに確定して、それに基づいて四十九年度の予算を要求する、こんなふうにいたしたいと考えておるわけでございまして、これは私としては最も力を入れなければならない問題であると考えておるような次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 いま無医村におきます保健婦の問題が出ましたけれども、昨年の八月に保健婦の補助金交付要綱の改正がございました。これによりますと、いわゆる農山村型あるいは都市型、その中間型ということで十分類されておりまして、そしてその地域、地域で大体被保険者何人に対して保健婦何人という線がきまっておる。これでいきますと、いままで無医村等の山村あるいは市町村で、保健婦を何人か置いていましたけれども、しかしながらこういうワクがはっきりきめられたものですから、そうすると、そのワクからはみ出たところがたくさんあるわけです。いままで二人置いておいたのが、これからいくと一人しか認められないというところもあるわけです。  御承知のように、最近看護婦だとか保健婦だとかいうような職種の人は非常にたくさん変わります。変わるまではそのまま置いておくといたしましても、一ぺん変わってしまって新しく入れようとしますと、そのワクがないというようなことが起こっております。この点、私は無医村等において国保の保健婦というようなものを、もっと力を入れて置いていくというような方針であれば、国庫補助とか、あるいはまた被保険者何人に対して一人という、大体一番少ないところで千五百人でございますか、平均いたしまして三千人前後と思いますが、その人数をもう少し少ない人数に対して一人というふうな、何らかもう少しワクを広げていく必要があるのではないかと思いますが、この点いかがですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ただいまのお話のとおり、国民健康保険における保健婦の活動というものは、地域社会にとって非常に大きなウエートを持っていると思います。これの配置のしかたといたしまして、やはり都市部と農山村部とでは多少実態も違いまするし、そういう意味合いから、現在では衛生水準が比較的高い都市部に比べて、農山村の場合にはやや低い基準で配置しておることは事実でございます。そういう意味合いで、いまおっしゃいましたような分類がございますけれども、冒頭にも申し上げました保健婦活動の重要性ということからいたしまして、今後ともこの補助の問題につきましては、単価の増でありますとか、そういったいろいろな面で私どもはこの上とも十分な努力をはかってまいりたいと考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 たとえば都市型の場合、多いところでは被保険者八千人に対して保健婦一人という形になっております。総人口じゃなしに、都市の中で国保にお入りになっている方といいますと二、三〇%だと思いますが、その中でそれが八千人に一人ということになりますと、たいへん広い範囲を一人で持たなければならないということになる。この場合に、いま話に出ておりますのは国保の保健婦の話でございますが、これは保健所等における保健婦でも同じことが言えると思うわけであります。これだけ多くの人数を一人の保健婦に持たせるということは、これは無理な話だと私は思う。  特に医療等に恵まれなくて、先ほどのお話にもありましたとおり、せっかく医療保険に入っておりながら、その恩恵に浴することができないようなところについては、ことさらのこと保健婦等は重要な地位を占めてくると思うわけでございます。いまもお話ございましたが、しかし、この点もう少し私は前向きに何とか、国保保健婦に対して優遇措置といいますか、それを置く市町村に対しても優遇措置を講ずべきじゃないかと思いますが、その点についてはいかがですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 いま御指摘ありました都市部における保健婦の活動等につきましては、単に国保の保健婦だけではなしに、いわゆる保健所活動としての保健婦の関係もあるわけでございます。両々相まって、やはりその地域の十分な保健活動というものを遂行してまいらなければならない、このように考えております。  確かに八千人に一人という数は十分な数ではございません。いろいろこの点につきましても今後検討課題ではございますが、いま申し上げますように、保健婦活動全体というものと保健所活動あるいは国保の面から両方からつかまえて、連帯して十分な活動ができるように、そういう点の配慮も必要ではないかと思います。また国保の保健婦につきましては、特に従来から給与の面におきましても保健所の保健婦と格差がございましたので、昨年度から三年計画で給与の是正もやっておりまするし、給与の面でも優遇をして、できるだけ確保ができるような措置もとってまいっておりまするので、御指摘の点も十分ひとつ頭に置きまして、今後いろいろな点での保健活動の充実につとめてまいりたいと考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 大臣から保健婦の問題が出ましたので、私も保健婦の問題を先に取り上げさしていただいたわけでございますが、この無医地区等におきましては、保健婦の活動がまことに重要でございますので、いま申し述べたことに、大臣、何とかひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思うわけでございます。  保健婦の問題は、それくらいにいたしまして、医師の問題がございます。最近医師の確保がたいへんむずかしくなっておるのは、これはもう御存じのとおりでございますが、医師の養成等も急がれているようでございますので、その医師の今後の問題についての計画、そういったものをひとつお話をいただきたいと思うわけであります。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 医師の養成計画につきましては、昭和四十年以前までは偏在が主たる原因であるということを中心にものを考えられておりましたが、四十年以後、皆保険が進展するにつれて、医師不足という問題がやはり社会問題になりまして、昭和四十二年、四十五年、二回にわたりまして厚生省は文部省に医師養成の拡充対策について申し入れをいたしたのでございまます。四十五年に申し入れましたときに十万対医師数百五十を、昭和六十年をもって確保するように御配慮願いたいという考え方を打ち出したわけでございまして、その点に沿いましてただいま文部省が新たに医大等を各県に設置の計画を立てておるわけでございますが、四十八年度で開校がきまりました定員を加えますと、医師の養成数が約六千人少しになります。  こういうような計画でいきますと、昭和六十年で十万対百五十という当初の目標は一応達成することになるわけでございますが、世界各国とも医師数については歴史、制度に違いがございまして、必ずしも統一した医師の必要数というものに対する学問的な見解も、また社会学的な見解も一致したものはございませんけれども、われわれのほうで当面文部省に申し入れたのは、国民皆保険が実施される以前の医師一人当たりの担当受け持ち患者数三十六名という実績がございます。その程度を中心に昭和六十年ごろでも、その程度を確保するというものの考え方を中心にいたしまして計画をお願いし、それが実現の運びになると申しますか、まあ実現の見込みが立ったというのが現状でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 四十六年一月現在の数でございますけれども、全国で二千四百七十三カ所の無医地区がございます。県によって非常なばらつきがございますが、人口当たり一番医者の多いところと申しますと京都ではないかと思うのですが、京都でも二十七カ所の無医地区があるわけでございます。もちろん医者の絶対数が足らなくては、これではもう話にはなりませんが、しかし医者の数がある程度多くなりましても、必ずしもこの無医地区というのはなくならないわけでございます。それは数字の示しますとおり、非常に医師の数の少ないところでも無医地区が少ないところがございます。医者が多いところでも無医地区の多いところがある。それはやはりその都道府県の地理的条件、自然的条件が非常に大きく影響しているであろうと思うわけであります。  そういう面からいきますと、ただ医師の数をふやすだけでは無医地区というようなものは少なくなっていかない。この点につきまして、将来どういうふうにしていこうとお考えになっているのか、その点お伺いしたい。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 先生御指摘のように、無医地区というものの、われわれが定義しております条件を踏まえた二千四百七十数カ所の現在考えております無医地区といいますものは、先生のおっしゃるように、医師の各府県における人口当たりに存在する数を比べたときに、必ずしも医師の数が多いから僻地が少ないという実態でないことはもう仰せのとおりでございます。しかし、われわれといたしましては、僻地そのものの対策よりも、まず根っことして地域医療全体の計画、医療水準を高めるためには、少なくとも各県に医学部、医大のない県に将来設置するという計画については、そういう地域医療の向上の面から、これは必要ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。  それから僻地に医師を確保する。僻地はこの前の先生の御質問でもお答えしましたように、確かに交通事情その他によって条件が変わってまいります。しかし変わったとしても、やはり医師を確保できなくても、少なくともその地域の住民の医療を確保するという立場から考えますと、相当思い切った対策をする必要がある。先ほど大臣からお話がございましたような線を受けまして、われわれがいま長期計画で検討しています問題も、従来は診療所等を僻地に持っていこうというのが以前にあった考えでございます。  それから今度は、輸送車、患者車等で患者を医療機関に結びつけようという対策が一つ。ところがこの結びつける医療機関が不十分である、医師の確保が十分できない、こういうような段階になっておりますので、やはり僻地をお世話をする、いわゆる担当する病院というものを、かなり中心的に、大きな病院まで設定することを考えませんと、僻地に近い病院を医師の確保の対象に、従来政策的に考えておりました点を改めませんと、この対策は進展しないのではなかろうか。  こういうふうになってまいりますと、やはり僻地の数、いわゆる医師の数が多いということ、しかも医療水準全体が高まるということと、その高まった医療水準をできるだけ僻地に均てんさせるようにするという方策とは、これはやはり医師の絶対数の増加も必要ではございますし、そこにどうしても一つの政策が加わりませんと結びつきができない。この政策を、まずどういう政策をするかというのが、これが大きな問題であります。  その上に医療情報の問題が一つあります。以上のようなことであります。

坂口力公明党

○坂口委員 実はその政策を聞きたいわけでございまして、それを先ほどから皆さんにお答えをいただきたいと思っているわけでございますが、お聞きしたいのは、いわゆる現在の医療点数制度、これは人数が多くなければやっていけない制度になっております。これもたいへんむずかしい問題ではございますけれども、山間僻地で人数が非常に少ないところ、過疎地になりまして、だんだん人口が減っていくようなところでは、現在病院は経営が成り立たないような形になっている。それに対して、どういうふうに手を打っていかれるのか。そういうふうな地域に住む人こそ、健康保険なり何なり、これはもうみな、ちゃんとそういうふうな人も払っておるわけです。上がるとか上がらないとかいっておりますけれども、上がれば同じように、その人たちも払わなければならないわけです。ところが、いままであった医療機関も、過疎地で減っていったために医療機関がなくなる、そういったところもあるわけであります。  この現在の医療点数制度、これに対して、これはまあきょうあすの問題じゃございません、しかし将来どういうふうな手を加えていこうとなさるのか、それとも現在のままで、もうこれよりいい手はないので、このままいくんだというふうにお考えになっているのか、その点をひとつお聞きをしたいと思います。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ただいま僻地の例が出まして、現在の診療報酬の仕組みについて、どのような長期的な改善の考えがあるかというお尋ねでございます。  私どもは、現在の点数表は個々の医療行為を評価して診療報酬を支払う、いわゆる出来高払いの制度になっております。したがいまして、僻地の例が出ましたけれども、個々の医療行為につきましても、いろいろまだ是正すべきアンバランスな部分が少なくないわけでございます。それは先刻も申し上げましたが、診療報酬の改定というものが、いわゆる適正化ということで行なわれておりまするし、また最近の改定の実例の中でも、やはりものと技術とを分離をして、技術について適正な評価をする、そういった方向に沿って行なわれておるのは事実でございます。そういう意味合いにおきましても、私どもは、一面においては技術の進歩に応じた改定、また他面におきましては、物価、人件費等の経済社会変動に応じた改定、こういったことを考えておるような次第でございます。  僻地の例が出ましたけれども、僻地について、それじゃ診療報酬点数の面からどうするかというふうな問題は、実は現在のところ私どもは、具体的な問題の処理方法をまだ持ち合わせていないような状況でございます。僻地対策はそういった診療報酬点数の体系の面からアプローチをしたほうがいいのか、あるいはまたそうではなくて、医療費という面も含めた医療供給体制全体の面から総合的にこの問題の解決をしたほうがいいのかというふうな問題もございますので、診療報酬点数表、診療報酬という面からだけ僻地の問題を取り上げる、こういうことはいまのところまだ考えていないような実情でございますけれども、全体的には適正化の方向で考えておる、こういうことだけを申し上げておきたいと思います。

坂口力公明党

○坂口委員 この健康保険等を問題にするときには、これは結局皆保険でございますし、そうしてだれしも必要に応じてやはり受けられるという原則のもとに考えられているわけでございます。その保険について、いまいろいろと討論されているわけでありますが、一方においてそういう討論をしながら、一方においてどうしても医療を受けられない地域をそのままにおいておいて、それもいまは、きょうあすでは、どうにもならないかもしれません。しかし今後もどうするかという計画すらないままで、一方においてこの保険のことを云々、これを改めておるというのは、あまりにも片手落ちじゃないですか。どうです、その点。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 確かに、医療制度全体をながめますと、いわゆる医療供給体制の整備ということで、施設の整備、それからマンパワーの供給、それから診療報酬を、どのようにして適正なものにしていくかという三つのファクターがあるだろうと思います。  前段のいわゆる医療供給体制という面につきましては、ただいま医務局長からもお話がございましたが、人的な供給あるいは物的な整備、そういう面を計画的に進められておりますし、また診療報酬の面におきましては、中医協におきまして診療報酬の適正化ということについて多年議論がされ、また徐々にではありますけれども、適正化の実績をあげているわけでございます。でございますから、いわゆる健康保険制度改正ということと並行いたしまして、私どもは診療報酬の面におきましても、あるいはその他の面におきましても、それなりに改善の方向に向かって並行して努力をしている、このように考えている次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 これは前回の委員会のときに、私この問題を一度やらしていただきました。そのときにこの無医地区で診療をなさる方にはただそれだけじゃなしに、たとえば研究費だとかなんとかというような名目ででも、あるいはまた保険点数そのものに何割かプラスするとかというような方向でも、何らかの方法を講じることはできないかということを実は私は申し上げたのです。そのときに、厚生大臣からたいへんグッドアイデアである、アイデア賞をいただいたわけでございます。私、幾らアイデア賞をいただきましても、実際にやらなかったらどうにもなりません。その点、アイデア賞をもらった経緯もございますので、大臣、ひとつ、今回この健保の問題を出されるにあたりまして、一歩進んだお考えをお聞かせいただきたいと思うわけでございます。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 実は無医地区の医師の配置につきましては、二千数百カ所に全部配置することは困難であるということを申し上げましたが、国の政策としては、御承知のように無医地区にお医者さんを配置することを前提とした自治省の大学というものを発足させているわけでございます。さらにまた、医学校のない府県に医学校をつくろうではないかという計画もその一環の計画でございます。  それから、やはりそういたしましても、無医地区に行かれるお医者さん方の処遇を改善するといいうことが、やはり一番大事なことだと思うのです。それがためには、医学生の養成にあたって育英制度を拡充していくとか、こういう問題もありましょう。それから、先ほどお述べになりましたような、たとえば国立病院、療養所あたりの若い先生が定期的に、そういう無医地区に行っていただくという場合においては、いま坂口委員がお述べになりましたような、研究費をそういう国立病院なり療養所に配りまして、そして二、三年そこでしんぼうしてください、それが済んだら、ひとつ外国に行くような勉強の機会を与えるようにするとか、あるいはまたそこの土地において、時間を見て別な学校へ行って勉強できるような機会を与えるとか、やはりそういうふうな研究ができないということが、お医者さんにとっては一番さびしいことなんですから、国公立の病院、療養所等の医師につきましては、そういふうなやり方を考えるようにいたしたいと考えておる次第でございます。  なお、それと同時に、国保の診療所についても、私はそういうことを考えていいんじゃないかと思うのです。何かしら名分を考えまして、研究費の補助をするとか、何かやはりそういうやり方をひとつ私は考えてみたいと思っておりますから、来年度の予算編成の際に、どういう形になるかわかりませんが、そういうふうな研究費の助成、こういうものをひとつ実現するように努力いたしたいと考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 単なる大臣の思いつきじゃなしに、ひとつ政策として、私はまとめていただきたいと思うわけです。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 はい。

坂口力公明党

○坂口委員 千人の人口のところと三百人の人口のところと、これはもうおのずから違うわけであります。だから、たとえ三百人の人口のところでも、そこに一つの診療所を置いて、その地域の人々の健康を守ろうというのであれば、それができる体制というものを、やはりつくらなければならない。その点についてのひとつ積極的な政策をお願いをしたいと思います。  ところが、最近はそういう農山村、いわゆる山間僻地といわれるところではなしに、たとえば東京のまん中ですら医療に困っているところがあるわけであります。たとえば大学病院等を見ましても、大学病院ですら非常にベッドが遊んでいるというような問題があります。これもそういうふうな傾向の一つかと思います。あるいはまた新しくたくさん団地ができる、そこに医療がないというような問題もございます。先日も東京大学におじやまをいたしました。東京大学でも、やはりごたぶんに漏れず、たくさんのベッドがあいているということでございます。  その大きな原因の一つは、医師の不足もありますけれども、以前から問題になっております看護婦の不足がここでも大きな問題になっているわけであります。看護婦の問題につきましては、私何回かやらせていただきました。まあ、いままでやらせていただきましたのを、まとめてみれば、結局昭和四十三年でございましたか、一応これで充足をさせるというプランを立てたということでございましたが、それができなかった。四十八年には何とかしてまとめるという話であったけれども、その四十八年が参りましたが、それも現在できていない。     〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕 その次に、それじゃほんとうに、いつになったら充足できるのかということを聞きましたら、順調にいって昭和五十三年という話でございました。順調にいってです。そういうことばがついておりました。順調にいかなかったら、いつのことやらわからぬということだと思うのですが、そういう経緯、それから看護婦の給与体系等につきましても、これは人事院の方もそのときにお見えになっておりました。これは給与等については、十分その看護というものをよく認識した上で改定をするという御回答であったと記憶いたしております。  私考えますのに、そういう給与というようなものの改定、それからどんどん学校の数をふやしていくということも、これは大事でありますが、その学校についての問題、これもどなたかの質問にあったかと思いますが、学校の問題も非常に混乱をきわめておりまして、どうしてもこれを整理をしなければならない段階にきていると思います。  私の知っております先生の一人に、これは私のほうの三重県の遠山病院という病院がございますが、その院長先生は非常に看護婦問題につきましていろいろと御心配もなさり、いろいろ研究もなすっている方の一人でございます。この人の「看護婦不足対策についての提言」というパンフレットをいただきまして、先日も見せていただきました。  以前に大学の教授をしておみえになりましたこの遠山先生がお書きになっておりますのは、現在の看護教育というものをどうしても一本化する必要がある。高等学校から短大あるいは大学院に至るまで一本の形態をとるべきである。そうして実力に応じて、またその機会に応じて幾らでも上のほうに行けるという形態をとらなければいかぬ。そうしないことには看護婦が集まらない。現在看護婦になるということに非常に何か誇りを持つどころか、かえって逆の心境にある人が多いというようなことを述べております。  私も確かにそのとおりだと思いますし、賛同する者の一人でございますが、この看護教育の問題ですね、現在どういうふうにお考えになっているのか、ここでひとつ発表していただきたい。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 看護教育につきましては、先生の、ただいま遠山先生の御意見のように一本化、これの考え方には、一本化という表現に、いろいろ──たとえば准看護婦というものを廃止して看護婦一本にしろというような意味の一本化もあり、先生のおっしゃられたように、大学教育と高校の教育というものが、途中からでもさらに大学教育にも行けるような教育形態の上で一本化をというような御意見もございますが、これ、両面を含めまして、ただいま厚生大臣の諮問的な機関として看護制度の改善に関する懇談会をつくって、この問題を議論しております。その結論がおそらく近くいただけると思います。  その中にその教育の問題あるいは身分、資格の問題があるわけでございますが、ただ准看護婦制度もかなり定着をして、特に看護高校のようなものが各地にございまして、あれを出ただけでは准看でございますけれども、あそこに専攻科が加わりますと、そのまま最短距離の少なくとも高卒の看護婦になれるわけでございまして、そういうことと准看廃止の問題とは、量質両面の確保から、いつ准看を解消していくか、そうしていま身分的な意味の一元化をどうはかるか、それから文部省の教育形態、特に学校教育法による一条校としての大学教育としての看護教育の要望が非常に強いわけでございます。それが先生がおっしゃった誇りを持つ看護婦の育成ということとつながるわけでございまして、これに対する教育制度上の考え方、こういう問題も踏まえ、あるいは文部、厚生両省が共管的な看護関係の大学あるいは医療関係の大学の設置というような意見も出ております。そういうものを総合いたしまして実施いたしたいわけでございますが、ただこの際、世界各国ともいろいろのコースをとって看護婦になれる、あるいは三年というものを二年で看護婦にしているアメリカのような制度も加えながら、この問題は検討いたしたいというふうに思っておる次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 厚生省からの資料をいただきますと、もう看護婦は何か充足されているような資料があります。だいじょうぶだというような資料がありまして、これだけ末端では足らない、大学病院等でもベッドの半分が遊んでいるというような現状であるにもかかわらず、厚生省から資料をいただきますと、何か十分足りているような、せいぜい少なくとも九五%くらいな数字になってくるわけです。この辺そういうふうな何か看護婦が足りているか足りていないかの資料になさる基準というものがあると思うのですが、この基準は、どういうふうな基準で厚生省のほうはおやりになっているのでしょうか。その基準が違いますと、たいへんな違いになってくるわけであります。また、その基準のとり方によりまして今後の育成の計画というものも違ってくると思うのです。その辺いかがでございますか。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 先生のおっしゃる基準というものは、医療法の標準にございます職員数の中で、看護婦は入院患者四人に一人という例の問題がございます。そうして外来患者三十人に一人という標準がございますが、その面からこれをとって、マクロの数字で現在の入院患者数、外来患者数という統計資料の人数を当てはめますと、ほぼ大きな差がないというところに達しているという数字にはなるわけです。  しかしながら現実には、先生が何を基準にとっているかという御質問にお答えするのに、二・八体制というのが実は昭和四十年の人事院の勧告によって、例の二人夜勤月八日、あの問題が出てまいりまして、公的病院等においては特にこの体制を整えるということが、ここ二、三年急速に進んだわけでございまして、二・八体制を組むためには一看護単位婦長以下十六人という仕組みがございませんと、その一つのチームで毎晩二人がいて、そして一カ月に八日の夜勤で済むというチームを組み合わせるためにはどうしても十六人が必要でございます。それから、一人で八日で済ませる病棟は九人必要でございます。そういうことをわが国の病院の少なくとも百ベッド以上の病院を全部出しまして、そこの看護単位数を五十床、大体標準である五十床ぐらいを看護単位と考えまして、わが国全体の看護単位を出して、その五割五割、その看護単位の半分をまず二・八の十六人の組み合わせにしよう、それからもう一つの半分の看護単位を一人、八日夜勤という組み合わせにかりに基準をとって計算をし直しますと、やはり相当数足りないという数字が出てまいります。これが現実の足りないという実態に合っているというものの考え方なり基準のとり方といえると思うのです。  しかしながら、中には県立病院その他にあっては、組合との話し合いその他によって、二・八がいま五割五割じゃなくて、七割とか八割とか、二人夜勤の病棟がふえているところが出てまいりました。そうすると、いまの計算よりさらにまた不足の実態というものが、そういうところに必要な看護婦というものを張りつけてあって、かなりその不足の状態というものがわが国全体に出てくる。しかもそういう確保できないところは、確保できる病棟だけでも二人、八日にしようという労働条件の問題も考えますと、どうしても今度は病棟を閉鎖してでもこちらの病棟だけは二人、八日の仕組みで確保しようと努力するわけでございます。したがって、都内の大きな病院等では、看護婦の確保ということと勤務体制ということとあわせまして病棟が閉鎖されている、あるいは開棟できないというような実態が出てくる。  ですから結論をいうと、四人に一人とか三十人に一人とかいうようなものの考え方でなくて、やはりそういう勤務形態というものを基準にしたとり方をすることが実態にも沿うことであり、それの計算でいくと看護婦不足というものがはっきりと出てくる、こういうような形になるわけでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 そういたしますと、この問題ばかりやっておるわけにまいりませんので、先を急ぎますが、いわゆる看護教育というものについては、これは現在のように各病院まかせの教育であったり、あるいは医師会に頼んだりというような形ではなしに、はっきりとした体系の一本化をして、そうしていわゆる各種学校ではなしに文部省管轄の看護教育にしていく、そういう方針であることには間違いないのですか。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 そういう教育形態もさらに強化していくということでございまして、全体をすべてそういう方向に持っていくというのが理想ではございましょうけれども、当分現実的にはその問題は無理でございますし、先ほども触れましたように、各国の看護婦の養成制度には病院付属型もあり、大学教育型もありしながら、お互いにそこを出た人が指導者になったり、あるいは現実的な、プラクチカルなナースになったりして、チームとして仕事をしていくということでございますから、今回のいろいろな教育制度の検討会の御意見でも、にわかに全部が学校教育法に基づく方法で行きなさいということにはならないというふうに思いますし、われわれといたしましても、そういう方向の卒業生を、そういうことで教育を受ける人を多くしたいのでございますけれども、制度全体をそういうふうに全部切りかえるということは理想ではございますが、相当時間がかかるし、現実的でない。  したがって当分そういうものをふやしながら、付属病院型のものも現実にもっと内容をよくし、あるいは運営費の補助金等も強化いたしまして、ただ病院で診療報酬におんぶして看護婦養成が行なわれるというような、過去にいろいろ御批判がありましたことは解消する方向で努力いたしたいと考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 現実的でないとおっしゃいますけれども、現実的でないというのは具体的にどういうことですか。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 具体的には、そのような何か文部省の教育制度によりますと、いわゆる教授の身分、資格等を踏まえまして、この教育関係者の確保というものが、まず非常にむずかしいということ。それからもちろん投資をすれば建物その他の整備については、これは不可能なことではございませんけれども、まず教員の確保が非常にむずかしい。したがって、まず大学制度の看護婦の教員の養成というものが当面非常に大きな課題であって、その充実ができることに並行しながら短大型の形式の看護大学というものも考えていくべきだろう、こういうことでございますから、そういう意味では、現実的にはにわかに急速な改革は無理である、こういうふうに申し上げているわけでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 そんなことは私は理由にならぬと思うのです。ただし、この問題あまりやっておれませんので、きょうはこの辺にしておきますが、医療法によります看護基準の四対一の問題がございます。これは四対一と申しましても、その医療機関によりまして、これはかなり違うと思うのです。  たとえば最近多くの問題になっております身体障害者ですね。これはこの療養施設等におきましては、四人に一人というのは正直に申しまして無理な話なんです。だからそのために四人に一人はむずかしい。それ以上置くことはできない。しかもそれを無理をしてやっている。そこでオーバーワークになる、やめていく、またオーバーワークになる、そういう悪循環を繰り返しているわけです。これは特にそういうふうな肢体不自由児ですとかそういう施設については、看護基準というものに対して検討をされるお気持ちはないかどうか、それが一つ。  それからもう一つは、看護婦の問題と一緒に申し上げて、ちょっと混雑いたしますが、先日も東京大学に参りましたときに、これは看護婦ではなしに検査のほうをなすっている方でございましたが、やはり病院で正式に雇えない、いわゆるパートでたくさん雇われているわけです。これは免許も何も持たない人です。その人たちが正規の仕事をし、しかもときには外来に出て、たとえば耳から採血をするというようなこともやらされるということを、本人がはっきりそう言ってお見えになる。私どもはそういう資格もないし、何とか許していただきたいと思うけれども、しかしやらざるを得ない現状である。こういうことを言ってお見えになる。こういう現状に対して、どういうふうにお考えになっているか、それもあわせてひとつお聞きをしたいと思います。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 最初の四人に一人の問題でございますが、これは大臣からも検討を命ぜられている問題でございまして、結論を申しますというと、実態に合いますように、いずれこの基準について改める必要が生じてきておるという認識に立つわけでございます。ただ、病院の実態というものは非常に――先生例に引かれていましたように肢体不自由児、その中でも重症心身障害児というようなものは、もう二対一以上にもなろうといたしておりますし、それから先ほど例に引きました二・八体制というものを患者数に合わせますというと、ほとんど四を割る実態になるわけでございます。  その他ICUの問題とか、いろいろ重症患者の看護の仕組みを考えますと、現状の医療法は標準として一応四対一を示しておるのでございますが、この点につきましては関係各方面の御意見と実態を踏まえまして、場合によってはその病院の機能とか、あるいは患者の態様に応じた基準の設定というようなことも考えまして検討いたしたいと思っております。  それから第二点の、東大等において人の不足のためにパートタイム等のいわゆる無資格者が、かなり有資格者がやるべきと申しますか、一般的な医療に関する人体に触れたいろいろな検査などをしておる、こういう問題でございますけれども、この点につきましては、確かに資格のある者がやれる仕事と無資格者ではやれない問題とあるわけでございますけれども、これは結論を申しますというと、やはり病院管理の責任の問題であろうと思うのでございます。  これは先生も御理解いただけるように、要するに耳から血をとるという採血と、静脈からの採血、今度臨床検査技師法ができて採血ができるようになりました、ああいうようなこととの関連をこまかく踏まえて、そして病院管理の責任者が、この者にこれだけの経験があり、これだけの訓練をすれば、この範囲のものは無資格者であっても、やらしていいというような範囲をきちんと限定いたしませんと、いわゆるやる仕事の内容にも──いまの例示したことがいいかどうかはいろいろ先生も御意見があると思いますけれども、かりにわかりやすく申しますならば、そういう仕事の責任の度合いというものと無資格者、有資格者の仕事の分担というものとを、いかに人手が不足しようとも、それは病院管理あるいは医療管理の責任者の判断においてこれを実施していただきませんと、この問題は問題が起こった場合、事故が発生した場合の責任の問題にも触れてくることでございますので、われわれとしては、例示されたことに対しては、そういう見解を持っております。

坂口力公明党

○坂口委員 私がいま申しましたのは、耳からとっているからどうのこうのという問題ではなしに、そういうふうにせざるを得ない現在の体制をどう思うかということなんです。そういう人を雇っていかないことには、正規に決められた人数ではどうしてもやっていけない。そういう体制をどう思うかということを、どうお考えになっていられるかということを私はお聞きしたわけです。  それともう一つの四対一の看護婦の問題につきましては、特に重度の身体障害者、こういった子供たちを収容しているところについては、これは特に早急に考えてほしい。その点については、ひとつ私大臣のお話も承っておきたいと思うわけでございます。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 確かに重度の方々のお世話をする方々の御労苦、並みたいていなものではありません。たしか、これはいま一・五対一人になっているのじゃないかと思いますが、やはり施設によりましては、収容している子供の平均年齢層だとかいろいろなものを考えてみますと、一・五人に一人でやれない個所があると思うのです。小さな十四、五の子供だけでございますと、一・五対一人でいい場合もあると思いますが、もう二十前後に成長いたしてまいりますと、これはたいへんなことだと思うのです。  そうしたことがありましたので、本年度の予算は一応重度心身障害児については、一・五対一人ということで予算がきまっておるのですが、その実情に即して、やはり弾力的に運営をしなければなるまいというので、実は先般関係局長にも話をいたしまして、目下大蔵省とも折衝いたしておりまして、特別基準を設けて──全部が全部じゃありませんが、特に人手の多くかかるところについては、やり繰りで一対一くらいまで持っていかなければなるまいというので、いま特別基準をつくろうというので努力をいたしておる最中でございます。画一的にやることは、もう適当でない。かように私は考えておる次第であります。

坂口力公明党

○坂口委員 その点、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  それから公立病院の問題につきまして、非常に経営的に成り立たないというような公立病院からの報告がございます。これを見ますと、昨年の報告でございますが、九百四十四の自治体の病院の中で八割が赤字だと、この人たちはいってお見えになる。年平均十病院ぐらいずつが倒れていっているというような申し出がございますが、これに対しては厚生省としては、どういうふうな見解をお持ちになっているのか。現在はそれが当然なんだ、こういうふうにお考えになっているのか、それともこれは経営上に問題があるのだというふうにお考えになっているのか、その点をひとつお聞かせを願いたい。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 確かにわれわれの持っております資料でも、たとえば地方自治体の病院がやはり先生のおっしゃるように八割近い赤字が四十六年度に出ております。この問題につきましては自治省といたしましても、公営企業法に基づく例の交通問題を取り上げた以後、次は自治体病院の問題であるということで取り組むことをお聞きしております。現在はこの自治体病院の特殊な政策医療等につきまして、基本的に病院を持っておるということに対する一般の交付税の積算の中にあるほかに、特定な僻地、救急等の問題についても特別交付税の考慮が払われておるようでございます。  もう一つ自治体のほかに、われわれが公的医療機関として日赤、済生会等の問題をお世話をしておるわけでございますが、この点につきましては、自治体の病院が親元として交付税、特別交付税等で若干政策医療の問題をめんどうを見ておられるという実態にかんがみまして、親元のないと申しますか、直接的にそういうあれがない日赤、済生会、厚生連等の公的病院については、本年度二億八千万の運営費の補助を、特定な政策的な医療を担当しておって、なおかつ赤字の病院に対して、われわれは予算化が初めてできたわけでございます。  将来公的病院の運営の問題は自治省とも十分協議しなければなりませんし、また公営企業法という一つの法律の考え方もございますので、この点については一般的に、ただ赤字であるから助成するというのでなく、やはり具体的な事業を担当していただくことにかんがみて、それぞれの部門に対する政策的な、特に僻地、救急、ガン等の特殊な医療対策について必要な器具、器材、設備の設置をはじめ、将来やはり運営費の問題については、企業法との関連、自治省との関連を整理して検討しなければならないと思っております。  もちろん地方自治体の病院にしろ公的病院にしろ、診療報酬の適正な改定ということは、やはり影響してくる問題でございますから、これはこれとしてわが国全体の診療報酬の適正な御判断を願いますほかに特殊な政策医療、不採算医療等については公的な助成策を講ずる必要があろうというふうに私どもは考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 赤字の原因について、どういうふうに認識されるかということは、午前中にもいろいろ話が出ておりましたし、あるいは私の前にも話が出ておりましたが、今後の医療費の値上げ等と大きな関連を持ってくることですから、その赤字の原因について、どういうふうに認識しておられるのか。  たとえば先ほど申しましたように過疎地で人が非常に少なくて、しかもなお、そこで病院を経営していかなければならないということが原因で赤字になっておるものも、もちろん中にはあろうかと思います。しかし、そうでないところもあるわけであります。この原因について、いろいろあると思いますが、大まかに申しまして、どういうふうな認識をお持ちか。これは健保の問題にもたいへん大きく影響してくる問題であるというふうに思います。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 赤字の原因につきましては、先生のいま例示されたようなことも原因の一つになっている病院があるかもしれません。それから一般的に病院の実態をいろいろ議論する方々の取り上げます問題では人件費の問題もございます。国立、県立等は、一般的に申しまして人件費の経営費に占める割合が六〇%をこしておるのが実態でございます。それから日赤等も、赤字の病院もあり、黒字の病院もございますけれども、五一%程度が人件費のシェアであるというように、そこに、病院の実態に応じた人件費というものにかなりウエートがありながら、またお互いの病院ごとに差があるということもいろいろ議論される対象になります。  それから先ほど例にしましたように、特殊な公的医療機関としての公衆衛生活動であるとか、あるいは僻地、救急、特に救急については、公的医療機関では、自賠法の請求額についても保険の十円をそのまま使う。民間の施設の場合には、地域の医療機関の約束によって自賠の点数を、たとえば十五円を一点単価としょうということですが、公的機関では保険の点数をきちっと守っていく。こういうふうにいろいろのものが総合されて赤字の要因になる可能性があるということでございまして、一がいに何がという特定なものを取り上げて、赤字の原因であると指摘することは非常に困難な問題だというふうにわれわれ理解いたしております。

坂口力公明党

○坂口委員 現在の診療費等の問題は妥当であるというふうに厚生省は思っておられるのかどうかということを私は聞きたかったわけであります。これはあとにもまた関連してまいりますので、この辺にしておきます。  もう一つ大事な問題は、これも先ほど出ておりましたが、医療点数のいろいろな問題点がございます。お話にございましたとおり、今後改善をしていかなければならない点が多いわけでございますが、特に技術中心の医療点数ではないというところに大きな問題があると、いままでも指摘されてきております。これもたいへん大きな問題といいますと、そういうことになりますが、しかしあまり大きな問題ばかり言っておりましても、御回答がいただきにくいと思いますから、具体的な問題を二、三あげますので、ひとつ御回答をいただきたいと思います。  一つは、先ほどお話が出ました肢体不自由児の療養所、そういったところにはいわゆる作業療法士といいますか、OTといっておりますが、そういう人たちがおります。これは法律もちゃんとできまして、公立の学校もできて、そこを卒業なさった方が、もうかなりたくさんあるわけです。ところが、そういう人たちがおるのに、その人たちがやることについては何ら点数が認められておらない。一方におきましては、先ほど話がありましたように、薬だとか何だとかいうものが認められ過ぎておる反面、今度は認められなければならないところが認められていないという点もあるわけです。あるいはまた輸血料なんかもいろいろ問題点がございます。  たとえば輸血をいたしますときにでも、いわゆる新鮮血と申しますか、なま血と申しますか、そういう血液を輸血をするときと、それから今度は保存血液を輸血するときと、同じように輸血をするのでも、かなり点数が違うわけなんです。昭和四十五年度の例を見ますと、保存血液を輸血する場合、二百ccまでは百点になる。それから百ccをこえるごとに四十一点追加ということになる。なま血の場合にはccまでが百三十点になる。それが百ccをこえるごとに五十四点追加ということになる。いわゆるなま血を輸血する場合のほうが非常に点数が高くなっている。  こういうふうに点数が違いますと、これは単なる点数の違いではなしに、それが医療の面で弊害になったりすることが起こるわけでございます。たとえば、そういうふうな差がありますと、人情といたしまして、どういたしましても、なま血をということになります。なま血を輸血することが、はたして人間のためになるかというと、どうしても新鮮血でないことにはいけない患者さんもありますが、そうでない場合には、これをやられるということについては、その弊害がある場合もございます。だから、こういうふうな単なる点数の違いが、あとで弊害としていろいろ出てくる場合がございます。  また、もう一つ例をあげますと、肺結核等で非常に問題点が多くて、そうしてそういうようなところを手術をして取り、そのあと非常に肺活量の少ない呼吸機能障害者と申しますか、いわゆる低肺者と申しておりますが、こういう人になりますと、毎日生活をしますのに、たとえば朝晩とかあるいは朝だけとか、少し酸素を吸入しないと非常にえらいというような人たちがおります。こういうふうな人たちが酸素を吸入しようと思っても、これが保険が通用するかというと、通用しないわけなんです。  こういうふうな具体的な問題もあるわけです。問題がたいへん具体的過ぎておわかりにくい点があるかと思いますけれども、総体的でもけっこうでございますが、現在の医療点数を総ざらいに一ペん検討されるのかどうか、その辺ひとつお伺いをしたいと思います。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 点数表の個々の問題についてでございますが、特に第一点で触れられました、リハビリテーション関係の点数評価につきましては、現在の医療費が、いわゆる総合医療ということで、予防、治療、リハビリという観点からながめましても非常に重要な問題であろうかと思います。そういう意味合いで四十二年以降、整形外科、機能訓練の点数改正等について、その引き上げを行なってまいったところでございますけれども、現在の点数表の中では一つの大きな問題点として、特にいま申し上げました医療のあり方からする問題点として、なお問題がございますので、今後の点数改正の際に中医協のほうにおいて、いわゆる適正化の線に沿って十分検討をお願いしたいと思っております。  それから輸血料につきましては、診療報酬の適正な評価という観点から四十五年と四十七年の二回、改正が行なわれたということであります。いまお話しの点数につきましては、保存血の場合は二百ccまでが百七十点で、あと百cc増すごとに六十九点、なま血の場合には百ccまでが二百六十点で、百cc増すごとに百点、こういうことでございますけれども、これにつきましても、なお今後の適正化の過程でいろいろ議論の存するところと思います。  また低肺機能者に対する酸素吸入の問題も、いま御指摘のとおり現在の点数表の中におきます問題点のあるところでございますので、診療報酬の体系並びに個々の点数の適正化是正ということで、今後問題として十分力を入れてまいりたいと考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 そういたしますと、いま個々の非常にこまかな例をあげたわけでございますが、個々の例は別にいたしまして、全体的に一度この総点数を見直すということはやられるわけなんですか。  たとえば先ほどの作業療法士の問題もしかりでございますし、先ほどあげました看護婦の問題でもしかりだと思うのです。看護婦の場合に機能看護料というようなものが一応認められてはおりますけれども、私はこの前も申しましたとおり看護の本来の仕事と申しますか、これがやはり看護婦の仕事だという面に対する評価というのは、されていないと思うのです。だから、どうしてもつけ足しみたいな形になってしまう。そういたしますと、魅力のない職場になってしまうというふうなことになってまいります。  そういうふうな問題もございますし、やはりこれは全体の医療にかかわってくる問題でございますが、やはりつけるべきところにはつける、余分なところには一切つけないという、はっきりとした線でもう一ぺんこれは洗い直すべきだと思う。その点につきまして何か現在の段階で具体的に計画等がございましたら、もう一度お願いをしたいと思います。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 具体的な考えということになりますと、お尋ねの趣旨に合うかどうかわかりませんけれども、先ほども申し上げました昨年の一月の中医協の建議書におきましても、診療報酬の改定についての基本的な方針として、一つは社会的ないろいろな条件に対応する改定、もう一つは医療技術の進歩に対応した改定、こういったことが建議されておるような次第であります。  そういう意味合いで私どもは全般的には申し上げかねますが、たとえば最も現在的な問題といたしまして、休日急患診療というふうなものをどういうふうに評価をするのか。あるいはまた看護の問題にいたしましても一昨年でございますか、特類看護というものを新しく設けられたというような点もございますが、これもまた今後どういうふうに考えていますか、そういった問題もございます。また診療報酬の改定そのものについて、先刻からも議論になっておりますように、どういうタームで改定をしていくかというような問題もございます。  そういった改定のしかた、改定のタームとか、あるいは改定の内容、現在的ないま私が二、三例をあげましたような問題、そういうところを今後できるだけ早い機会に中医協の場において関係者の合意を得て、現在の状況に合うように全般的に、個々的に、これを適正化の方向に持っていきたい、これが現在の考え方でございます。     〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕

坂口力公明党

○坂口委員 そういたしますと、中医協ではその点についての検討というのは始まっているわけでございますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 そういう意味で昨年の建議書が基本的な問題を提起いたしておりますので、そういった意味合いで昨年の秋から診療担当者側あるいはこの診療報酬を実際に支払います支払い者側、双方から問題点を出し合いまして、どういうところに今回改定のルールを置こうか、そういうことで全体的な改定のルールの問題、さらにまた、それがある程度定まってまいりますと、どういうふうなところに点数を配分するか。いま先生御指摘の、要らないところには配分しない、最も必要なところに配分するということで、そういう問題点がだんだんと細部にわたって議論がされてまいるように私は見込んでおるところでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 先ほどもあるいはまた先日も薬品の問題が出ました。いろいろと議論をされましたが、薬品と並んでいわゆる医療器具、医療器材あるいは材料、そういった問題がございます。医療器具等の値段等につきましても、非常にそのときによりまして値段なんかも高いものもございますし、その値段のつけ方等にも、いろいろといままでもいわれてまいりました。  そこで一つお聞きをしたいのは、いわゆる医療器材等の単価の決定にあたっては、どういうふうな指導をされているのか、それはいわゆる業者まかせなのかどうか。まずその辺からお聞きをしたいと思います。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 薬事法上の問題といたしましては、医療用具ということばを使っておりますが、医療機械あるいは種々の医療機器、簡単な注射器等の医療機器、あるいは歯科材、そういったものを含めて医療用具と申しておりますが、そういったものの価格の決定につきましては、先ほども御説明申し上げましたような医薬品の価格決定等と同様の構成でございまして、こういったものの決定について、やはりこれは市場価格によるというたてまえをとっておりまして、価格につきましての特段の法制的な規制は加えておりません。  ただ、もちろん先生御指摘のように、医療の面におきましては、これは非常に大きな要素になるものでございますので、薬事法に基づいて種々の規制を加える対象でございますので、業者に対する指導といたしましては、できるだけ適正な価格をもって供給するようにという指導なり、お願いはいたしております。

坂口力公明党

○坂口委員 やはり医療用具あるいは材料、こういったものの値段の値上がりというものは、いつかは必ず一般のわれわれの医療費としてはね返ってくるわけであります。だから、そのときには病院とこういうふうな器材の販売店との間の問題でありましても、知らず知らずの間にわれわれの問題になってくるわけであります。  たとえば先日もガーゼが非常に値上がりになりまして騒がれました。買い占めみたいなものがいわゆる衛生材料まで及んだのではないかというようなことがいわれました。私もあのときにかなり調べましたが、非常にあいまいもこといたしまして、はっきりしない点がございました。たとえば昭和四十七年の昨年の上半期に病院の買い入れ価格、これはガーゼ一反百三十円ぐらいでありましたものが、本年の四月ごろには少なくとも三百五、六十円、高いところでは五、六百円で購入をしておる。最近だいぶ落ちついてはきたようでございますけれども、少なくとも三倍ぐらいな値段になってきているわけでございます。  なぜこんなに高くなっているのかということを追及いたしますと、初めは糸が非常に高くなったから──糸の値段を調べてみますと、一ポンド当たりでございますが、昨年の上半期で大体二百九円、二百十円ぐらいでございます。ことしの四月現在で大体三百円前後ということになっておりまして、五割方上がっておることは事実でございます。それからそれを言いますと、今度は賃金が上がったと、こうおっしゃる。いわゆる生産地、たとえば大阪のほうの泉州あるいは愛知のほうの知多、こういったところで賃織りの工賃を調べてみますと、昨年の上半期で一反当たりが三十二円から三十七円でありましたものが、最近、本年に入りまして、大体五十五円から六十円ぐらいになっております。やはりこれも五割アップぐらいにはなっております。そして出荷価格をそこで調べてみますと、これは賃織りじゃなしに、そこの出荷価格という形で見てみますと、昨年の上半期に百円から百十二円でありましたものが、本年の三、四月になりますと、これで百六十円から百七十五円ぐらいになっております。  この数字を見てみますと、大体五割アップという形でございますが、しかし、実際に病院が買い入れますガーゼの値段というのは三倍ぐらいになっておる。ここを押せばあちらと言う、あちらと言えばこちらというように、いろいろ逃げますけれども、全部を調べてみますと、それほど、三倍にもならなければならない理由はつかめないわけです。ないないといいながら、いつの間にやら出てくる。出てきたと思ったら、ちゃんと値上がりになっている。これはこういうことが自在にやられましては、それがいつの間にかわれわれの生活にはね返ってくるわけであります。  また一説によりますと、このガーゼが、たとえば赤ちゃんの下着とかハンカチーフみたいなものに流れるから値段が高くなった、こういう言い方もしていたわけです。ところが、よく現地で聞いてみますと、初めからそれはもう織り方が違って、この医療用のガーゼなんというのは、そんな下着とかほかのものに使えるような織り方じゃないんだ、これは織る時点から全然別個のものだというようなことでございます。そういう一時的な業者の言いのがれがございます。しかしながら、現実として調べてみますと、こういう結果が出ているわけです。  私はこういうふうな医療器具あるいは材料というようなものに対する指導が、野放しにされている証拠だと私は思う。この点につきまして、もう少し御見解を賜わりたいと思います。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 ただいま御指摘のガーゼの価格、それから品薄問題につきましては、この二月ごろから地域的には一部品薄になり、またそれが仮需要を喚起するというような要素も加わりまして、相当急速な高騰を示しましたことは、先生御指摘のとおりでございます。その点、私どもたいへん心配をいたしまして、その原因あるいは需給の状況等調査いたしまして、個々の点につきましては、先生いま御指摘になりましたこと、私ども調べましても大体おっしゃるとおりでございまして、ただ特に原料になります綿糸につきましては、御承知のようにこれは三品相場といわれるような、かなり投機的な商品でございまして、原綿自体が輸入価格が上がったことも拍車をかけまして、高い時期におきましては半年くらいの間に一コリで倍以上の高騰を示しております。  それからもう一つは、天然繊維が見直されたというようなことで工賃が非常に上がっておる。それから織機が一時に比べまして、少なくなっておるというような要素もございまして、ガーゼがほかの用途にも用いられる、織り方も多少違うかもしれませんが、この織機は同じものを使うわけでございます。三十センチ幅の織機を用いますので、需要ができまして、たとえば下着用のガーゼが需要が多くなり値段が上がるということになりますと、工員がそちらのほうへ流れてしまいましてガーゼの供給が少なくなる。ガーゼが医療上欠くべからざるものでございますので、業者といたしましては相当無理な工賃を払っても、それを供給しなければならぬということで、そういう相関関係が加わりまして、ただいま御指摘のような相当高値になっておる。三百五十円くらいという御指摘でございましたが、私どももそのように承知をいたしております。  そういったことは非常な社会問題でもございます。一般的な物資の異常な品薄、高騰ということとも関連をいたしまして、私ども逐次対策を講じたところでございまして、まずこのガーゼにつきましては品薄ということが非常に大きな問題でございます。医療上支障を来たしてはたいへんなことでございますので、まず現物を供給するということを中心にいたしまして、衛生材料工業連合会に指示いたしまして、地域的な医師会とも連絡をとり、連合会の中にあっせん窓口を常設いたしまして、医師会のほうで品薄のところがあるというお話があれば、すぐそこへ直送できるようにするという体制をとりまして、北海道につきましては、そういう措置をとっております。  それとあわせまして、価格の問題につきましては業者にも十分指示いたしまして、また全体のこれは繊維製品の価格とも関連をいたしまして、ことしの四月十三日の物価対策閣僚協議会においても当面の安定対策といたしまして綿布等異常な高騰を来たしましたものの価格の引き下げというような対策を講じたわけでございます。  特に綿糸につきましては、先ほど申し上げましたように相当投機性を持った商品でございますので、その後反落いたしまして若干の下降を見せております。そういったことも反映いたしまして、現在は大体いままで逐次上がっておりました価格は上げどまりという傾向に向かっておりまして、やや低下の方向に向いておるというような状況でございます。  ただ御指摘のように、こういったガーゼというようなものは医療の基礎になるものでございまして、こういうものの安定的な供給は欠くべからざるものでございますので、業界にも十分指示をいたし、私どもも厳格な需給状況及び価格の調査体制をとりまして、今後ともできるだけ妥当な方向に向けていくということで引き続き指導を行なっておるような次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 いま局長からお話がありました種々の原因というのは、これは業者の人が言っておるのを私も聞いたわけです。先ほども申しましたとおり、材料の値上がり、賃織りの値上がり、そういったことをおっしゃるわけですが、いま数字をあげましたとおり、現場で調査をしましたら、上がってはおりますけれども、それほどの上がりじゃないわけです。それにもかかわらず病院のほうに到着をいたしますと、いつの間にやら高くなっている。その辺のところが中間が全くあいまいもことしておりまして、非常にすっきりとしない。地元では――地元と申しますか、生産地では足らないというので、二、三割ずつ生産アップをしているわけです。その時点がずっと三月、四月と続いていながら、現場によっては非常に足らないというのがなおかつ続いている。その理解が非常にわれわれは苦しむわけなんです。  それで、そうしながらだんだん値段が上がってくるということが、しかも上がりが同じぐらいなアップになっている、これはやむを得ないと思うのです。いわゆる賃織りのほうも上がり、あるいは材料のほうも上がるという、それに合わせた上がり方なら、これはやむを得ぬと思うのです。その賃織りやあるいは材料のほうが五割アップなのに、できてしまったら三倍にもなっているというような結果というのは、これは私は途中で操作をされたと考えざるを得ないわけなんです。これはどうするのだと言いましても、どうにもならないというような、そういうふうなことで、たとえば先ほどの薬も同じでございますが、いわゆる製薬会社あるいはまたこういうふうなガーゼ等の中間の商社、そういったところが自由に値段をきめてくるという感じをわれわれは持たざるを得ないわけなんです。こういったことが自由にできるということを放置しておきますと、それがいつの間にか積もり積もって医療費の中にはね返ってくるわけです。  結局そういうふうなことをしておりますと、この保険の赤字というものがだんだんふえてくる原因を知らずのうちにつくっていくわけなんです。この辺のところから私は整理していかないことには、これはたとえ今回赤字が解消されたとしても、またぞろ一年たちましたら、またできたといって騒がなければならない。そういった原因は、こういうふうなところから私は詰めてこなければならないと思います。  私はこれは、現在ガーゼは一例でございますけれども、こういった問題につきましても、積極的に厚生省のほうが指導なさる必要がある。これも衛生材料店へ行って一反ですか、十メートルの長さに切ってさらされて、そして消毒された時点から厚生省管轄で、その前は通産省の管轄でありましょう。ややこしいのです。双方からいろいろいただいたり、通産省のほうへお聞きもいたしました。ところが、その点が両方合わせましても、どうしてもつじつまが合ってこないわけなんです。この辺につきまして、ひとつさらに今後こういったことが起こってはならないと思います。ひとつ御検討をいただきたいと思います。もう一度ひとつ御答弁を願います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 確かにガーゼの問題、実は率直に言って私もおかしいと思っております。なるほどガーゼが昨年に比べますと反当たり百十円が三百五十円、三倍以上になっている。現在私もおかしいと思っているのです。その理屈を聞くと、綿布は値上がりをしている、工賃は上がっている、それも確かにあると私は思います。しかし、それにしては増産はどんどんやらしているのですね。これは役所のほうで指導して増産させている。させているにかかわらず、なるほどそれは、高いときに買った綿糸が原料になってガーゼをつくっているには違いないと思います。ですから、ある程度の上がりは私はあってしかるべきだと思います。けれども、百十円が三百五十円になって、停滞ぎみだとおっしゃっても下がる気配はないです。  私は率直に言います。これは私も、この問題はこの際思い切って、局長を通して生産者なり配給ルートなりに厳重に申し入れいたしまして、このおかしな情勢はもう少し低下させるように努力すべきだと私は考えますから、努力いたします。

坂口力公明党

○坂口委員 お願いいたします。  いままでいろいろと健康保険を取り巻きます医療制度、あるいは医療保険制度全体にわたって、いろいろ御意見をお聞きしたわけでございますが、健保そのものにつきましても、続いてお聞きをしたいと思うわけでございます。  健健保険のいわゆる赤字解消の問題につきまして、いままで厚生省当局で再三赤字の原因の調査をするということを言っておみえになりました。現在までのところ、現在たまっております赤字につきまして、どういうふうな調査結果が出ているのか、もし出ておりましたら、ひとつお知らせをいただきたいと思います。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 基本的に、やはり政府管掌の健康保険の財政構造には、赤字が多いということは明らかでございます。われわれ、まず被保険者について見ますと、組合管掌の健康保険と比べまして、年齢的に非常に高齢者が政管健保に多い。こういう方々は一般的に所得も低いし、しかも有病率が高い。それから、そういう社会階層と関係なしに、所得水準におきまして、やはり組合管掌とかなりの差がございます。基本的にはこの二つが大きな赤字を生んだ原因かと思います。

坂口力公明党

○坂口委員 そういたしますと、赤字の原因は、いわゆる制度的欠陥によるものである、こういうことでございますか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 制度的な欠陥というよりも、要するに政管健保の適用対象となっておる人が、組合管掌の健康保険の対象の人に比べまして、構造的に所得水準なりその他の面において不利である、こういうふうに思います。

坂口力公明党

○坂口委員 そこで一番最初の問題に戻っていくわけでございますが、私どもはこの保険の一本化あるいはせいぜい二本化と申しますか、統合をしていくべきであるという立場をとっているわけでございます。いまおっしゃいますとおり、確かに、私どもが調べてみましても、たとえば組合健保の被保険者の平均標準報酬、それから政管健保のそれとを比較いたしまして、年年多少の違いはございますけれども、昭和四十五年で政管健保の方は組合健保の方の約八割、八〇・七%、約二〇%の差があるわけでございます。これはいま御指摘いただいたとおりでございます。  それから年齢等につきましても、組合管掌のほうは五十五歳以上の人が五・二六%だし、政府管掌のほうは一〇・三五%である。これは四十四年の数字、ちょっと古うございますけれども、大きな違いはないと思います。こういうふうに倍の開きがございます。したがいまして、この辺の年齢がかなり高いということは、それだけいわゆる有病率あるいは疾病率、こういったものも急にふえるわけでございます。そういったことが原因になるということは、これは私当然過ぎるほど当然だと思うわけでございます。  そういうふうなことから、保険の改正というものが、もし行なわれるとするならば、それはすべての保険の条件を一本化していくような方向に改められてしかるべきである、それでこそ初めて私はその改正の意義があると思う。この点につきましては、どうお考えになりますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ただいまのお尋ねは、冒頭大臣からお答え申し上げましたことにも関連をいたします。要するに各種の医療保険を実質的に負担の均衡、給付の公平と申しますか、そういう見地から、できるだけ格差を是正していくということが、まさしくいわゆる抜本改正といわれておりますことの基本であろうかと思います。  そういう意味合いで、今回改正案として御審議をお願いいたしておりますものは、現在すでに、この十年間近くの間に非常に明確になってまいりました政管健保の、それ以前とは違った構造的な赤字を一般会計一〇%で補てんをして、そして現在内部的に不均衡を生じております負担の公平と標準報酬を、現在の賃金の実勢に合わせるように上のせをして、そのときの条件を整備して、その上で今後の財政上の安定の基盤をはかる、また片方におきましては、より現在的に切実な問題として家族の給付率を上げる、あるいはまた高額な療養費につきましては、これを保険で適用するということで、だんだんといま申し上げました負担の公平、給付の公平というところに、制度は別でありましても近づけていく、こういう考え方でございますので、今回の改正もそういった基本的な趣旨に立った改正であるというふうに私どもは考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 たとえば、今回の改正案の中で特別保険料を新設する、それからいわゆる、先ほどから問題になっておりました弾力的調整を計画している、こういった点は、たとえば健保の中でも政管健保と組合健保の間に差を固定化するものになりはしないか。先ほどから申し上げますとおり、改正が行なわれるとするならば、それはすべての保険の条件を一定化していく、そういう改正であって、これはしかるべきである。ところが、今回の改正案の中身は決してそうではなくて、差を固定化していくような傾向が見られる。  この点について、先ほどの御答弁にもありましたが、形はいずれにいたしましても、方向としては一本化していくということには皆さん方も御賛成なわけでございますから、その点今回の改正案と比べて矛盾がありはしないかと私は思うのであります。その点はどうですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 今度の改正の基本的なスタンスというものをどういうふうに評価を願えるかという点にかかっているかと思います。私どもは、今回の改正が先生御指摘のように、必ずしも格差が定着するような方向で行なわれているものだとは思っておりません。と申しますのは、いま申し上げましたように御例示として特別保険料でありますとか、あるいは弾力調整というふうな問題がございましたが、やはり基本的な政管健保の弱さと申しますか、そういうところは一般会計、一般税負担で補強いたしまして、そうして補強した上で、次の安定的な保険の運営をはかっていこうというわけでございますから、そういう面から考えますと、私は、それなりに現在的にその点は御評価を願えるのではないか、こう思うわけでございます。  もちろんこの点は、大臣からも申し上げましたが、この今度の改正がすべてではございませんで、やはりこれがいわゆる抜本的な医療保険制度の改革への第一歩であるという意味でございますから、そういう意味合いで申しますと、いま申しました財政基盤の整備と同時に、片方におきましては、給付の改善ということについて、従来の赤字は全部たな上げをいたしまして、今後の健全な運営の基盤に立った給付改善ということをも考えているわけでございますから、先生おっしゃるように、全くすべてを平準化して、きちっとしてということには必ずしも一〇〇%ならないかもしれませんけれども、少なくとも、現在ありますような格差を是正していくという面では一つの前進である、従来なかった大きな前進であるというふうに私どもは考えておるような次第であります。

坂口力公明党

○坂口委員 北川保険局長は基金幹事長会議でも、今国会で審議中の健保法改正案について「給付の大幅な改善を盛り込んだもので、一部から非難されるような単なる値上げ法案ではない。」こう力んでおみえになるわけであります。まさしくそのとおり、いまの御意見のとおりだと思うのですが、これは単なる値上げ法案ではないと言われますけれども、これは値上げ法案といわれてもしかたがないと思う。それは一方において、皆さん方がおっしゃるように、少し、ずつの改善はありましょう。しかし、それを帳消しにして余りあるだけ一方で上げているのですから、これは値上げ法案でなくて、何法案だと言うことはできないと思うのです。これはやはり値上げ法案だと思います。  先ほども御答弁ありましたとおり、同じ健保の中を比較いたしましても、やはりいろいろの差があるわけです。被保険者の年齢にいたしましても、それから給与にいたしましても、大きな差があるわけです。どうしてもその差がある低いほうは、何とかして少しでもたな上げをして、ベースを一つに合わせなければいかぬ。そういたしますと、先ほども半分質問いたしましたが、もし政管健保の人の給与が組合健保の方と同じだというように仮定したら、いわゆる保険料の収入は大体どれだけアップになるのですか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 先生さっき二割と御指摘になりましたが、もし二割が正しいといたしますと、理論的には二割そのままでございますが、ただ、標準報酬の最高限という制度がございますから、その増収率も若干スローダウンになりますが、まあしかし、やはり一五%をこえる増収があることだけは事実だろうと思います。

坂口力公明党

○坂口委員 いまおっしゃるとおり、計算のしかたによっても多少違うと思いますけれども、ざっと私どもがやりましたもので、これでもしも政管健保の被保険者の平均標準給与が組合健保並みに引き上げられた場合、保険料収入の増加分は約千三百億円くらいになるであろう、こう思います。これだけの差があるわけです。だから、今回国庫補助定率一〇%、大体八百七十億前後かと思います。そういたしますと、千三百億になりますためには、現在の時点でも定率一五%くらいにならないと、これはベースがそろわないわけです。この点をどういうふうにお考えになっているか。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 必ずしも私がお答えすべき点かどうか存じませんが、先生のおっしゃるように、もし両者の所得格差をそのまま国庫補助で埋めるという考え方をとるとすれば、そのような数字になろうかと思います。

坂口力公明党

○坂口委員 数字はそうなるのですよ。私も言いましたとおり、そうなるだろうと思うのです。それに対してどうお考えになりますかということを聞いている。数字はそのとおり、私が言うておるとおりですから。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 数字の点で、その収入面と申しますか標準報酬の面で申しますと、確かにそういう仮定を置けば、そういうふうなことになるだろうと思います。  ただ、私が先ほどから申し上げておりますのは、私の話が引用されまして、はなはだ恐縮でありますけれども、今回の改正の原点と申しますものが、長年積み重なってきた赤字をすべて四十八年度末の時点でたな上げをして凍結するという点が一つあるわけであります。それから体質的な弱みというのは、大体従来の、最近数年間ないしは十年間の収入、支出の差を見てみましても、また今回標準報酬の上のせをいたしますので、それによる増収というふうなことを考えてみましても、大体一〇%程度の一般会計負担を入れますと、政管健保のベーシックな財政状況はまず安定するのではなかろうかという一つの見通しに立っているわけでございます。     〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕  なお、それ以前の問題といたしまして、結果的には保険料の増収というかっこうにはなりますけれども、七年間以上放置をされました賃金の実勢に合わない標準報酬の等級表という問題もございますので、この問題は、むしろ保険料増収以前の政管健保内部における負担の均衡ということで、十万の方も二十万の方も同じ保険料を納めていただくということでなくて、やはり所得に応じた保険料を納めていただくというような不均衡是正をやるわけでありますから、赤字たな上げ、不均衡是正、それから体質的な基盤の補てん、そういうことを今回改正のスタートラインとして実は考えているわけでございます。  そういう意味合いでは、政管健保と組合健保とを比べて数字をもってのお話でございますけれども、いまのようなファクターを総合いたしますと、大体一〇%程度の国庫補助でもって政管健保の体質的な、構造的な基礎はほぼ固まるのじゃないか、このように考える次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 政管健保には体質的な弱さがあるというお話がございました。そうですね。──確かに私もそうだと思います。その体質的な弱さは今後とれていくのですか。私は、体質的な弱さというのは今後も続くであろう。たとえば定年制の問題がどうなりますかわかりませんが、いまのように五十五歳なら五十五歳で定年になって、おやめになる方々が入られるところというのは、やはりこの政管健保のところが、かなり多いでしょうね。そういう人たちが平均寿命がだんだん延びて、そうしてそういう人たちが入られるこの政管健保の体質的な弱さというものが直っていくとは私は思えぬわけです。  いままでの赤字の問題、これはたな上げすれば、それで片がつくでしょう。しかし、その体質的な弱さが残る以上、私は赤字は続くであろう、それを埋めるために、その人たちだけにおんぶをして、また保険料を上げる、それはあなた方がおっしゃる相互扶助の精神にも反するのじゃないか、こう申し上げているわけです。     〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕  だから、相互扶助と言われるなら、これは単に健保の中だけの相互扶助じゃなしに、九種類なら九種類の中での相互扶助、もう少し相互扶助と言われるのならば、それを広げていくべきではないか、それは一本化への方向ではないか、こういうことを申し上げているわけです。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 まことに坂口先生のおっしゃることは、非常に私ども感銘の深いことなわけでございます。ただ、私どもたいへん健康保険制度の抜本改正といわれておりますものを考えてまいりまして、いまお尋ねの点に関連して申し上げますと、いわゆる組合健保と政管健保との財政調整という問題が従来から議論をされてまいっております。この問題をどういうふうに始末をつけるかというふうな問題が依然としてあると思うのでございます。  でございますが、そういった問題は、冒頭にも大臣から申し上げましたが、とりあえず給付の改善ということをやるということが、現在最も必要な状況であるということを考えますると、また財政調整というふうなことが、なかなかにその実現については関係者の合意が容易には得にくいというような点を考えますると、まずそれぞれの保険において給付の改善をする、あるいはまた、その給付の改善のために必要な基盤を一般会計なりその他なりによって整備をしていく、こういうことが基本的な改革の第一歩ではなかろうか、こういうふうに考えております。  それで、財調の問題に関連をいたしまして、私どもは、組合健保というものが標準報酬が二割程度違うというお話でございますが、なるほどその程度でございましょう。このままの状態であっていいとは決して思っておりません。私どもは財政調整ということが、なかなか当面困難な問題にいたしましても、組合健保は、御承知のように、非常に大幅な保健施設と申しますか、予防活動をやっております。ですから、せめて予防活動の面でも、あるいは保健施設の面でも、組合健保と政管健保とがお互いに力を合わせてやっていくことができないか。組合健保が広く門戸を開放して、政管健保の被保険者にも予防活動の手を差し伸べる、あるいは地域社会でもそういったことが行なわれる、こういうことで、とにかく次のステップへ向かっていけば、やがては先生おっしゃる一元化の方向に向かっていくのではなかろうかと思っております。  したがいまして、今回の改革は、先ほどからもるる申し上げておりますとおり、当面実現可能な問題について一歩を踏み込むということでございますから、決してこれでもってすべての保険の一元化の方向が完全にでき上がったとは思っておりません。給付の改善ということをやって、その上で、その次のステップとして、どういうふうな方向でほんとうの意味での保険の基本的な整理をするかということは、十分にひとつ時間をかけて、関係者の合意を得て検討していく、このように考えているのが私どもの実情でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 大臣、一番最初にお聞きしたところにまた戻ってきてしまったわけでございますが、先ほどから何回も申し上げておりますとおり、大臣も最初におっしゃったとおり、一本化、これはなかなかむずかしい問題があるかと思います。しかし、一本化はできないまでも、やはり一本化を目ざしていくためには、そういう条件を一定にしていく、九種類なら九種類に分かれたままでもいいから、その内容を一つの方向に持っていく、同じような条件に持っていく、それが結局は実質的には一本化に近い状態になるではないか、大臣の御意見もそうだったと私思うのです。  そういうふうな考え方でいきますと、やはり今回の改正案でも、改正するのならば、私は思い切って、やはりそれぞれの分かれております保険のベースを合わせていくべきだ。だから、政管健保と組合健保とを比較して、やはり政管健保に入っている人の給料等が二割方少ないですから、やはりそれを埋めるだけの定率、少なくとも現在の私どもの試算でいきましても、少々の違いはありますでしょうけれども、一五%ぐらいになると思います。それの国庫負担をして初めて現在の段階でも、この政管健保と組合健保の間のベースが整うわけです。改める以上は、そういうふうにしていくべきではないか。ようやく一〇%の声がかかったのですが、一〇%と言わずに、やはりやるからには理屈の合った線まで上げてもらうべきじゃないか、こう思いますけれども、もう一度ひとつ大臣の……。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほども私申し上げましたように、たくさんの医療保険制度が分立しておるわけでございます。政管健保と組合健保との統合という問題、一本化という問題、私は確かにあると思いますが、しかしこれをやるといたしますと、相互の財政調整をやる、こういう問題がある。その相互の財政調整ということになりますと、すべての保険の関係者のコンセンサスを得ることは、なかなか容易ではない。したがって、組合健保との財政調整のかわりに政管健保そのものの持っている基盤の脆弱さを補てんしなければならない。そういうことで、国の定率一〇%という補助をしようということにしたわけなんです。  そこで、一〇%では足りぬじゃないか、これはいろいろ御意見のあるところだと思いますが、私どもとしては、一応一〇%の定率補助をすれば、きょうの現在のところ、政管健保はこれで財政は安定するであろう、こういう考えの基礎に立っておるわけでございます。しかし、そう言うても将来もっと赤字になるんじゃないか、こういう問題がありましたので、将来保険料を上げる際には、その保険料に見合って国も金を出しましょうという、いわゆる弾力調整の規定を設けることにしたわけなんです。  そこで、この弾力調整の中身は、前にもどなたかから御質問を受けましたが、同額の三者三泣きというのではございませんが、そうした方向に近い金額にしておるわけでございます。すなわち、かりに一%上げるとなりますと、労使がたしか五十五億ぐらいそれぞれ負担になる。その際に、国も〇・四、かりに現在の総医療費が八千八百億といたしますと四、八、三十二の四、八、三十二ですから三十五億、なるほど同額ではありませんが、三者三泣き的な考え方で今後はそういうことをやっていく。根っこの基礎においては一応国の負担を一〇%の定率にしまして、一応基盤の脆弱さをこれで補う。そうして将来は、そういうふうな形でいけば、何とか財政が安定するではないか。これはいろいろ御意見、御批判のあるところだとは思いますが、私どもは私どもなりに、政管健保の財政の基盤の強化ということは、努力したことは御理解をいただけると思うのです。  すなわち、いままでは労使の保険料だけでまかなっておった。そうしてたった二百二十五億でございますか、それだけの定額の補助きり出さなかった。それに対して今度は一〇%という定率を出す。さらに将来保険料率を上げるときには、総医療費の〇・四%というものを今後は出すように見合っていこうではないか、こういうわけでございますから、これは坂口先生、いろいろそれぼっちなら足りぬという御意見があると思うのですが、私どもは私どもなりに、政管健保の財政の強化ということには前向きに取り組んでおったんだ、それを、組合健保との財政調整ということになりますと、なかなか国民のコンセンサスを得ることは困難だから、それはそれとして、それは将来の検討課題といたしまして、今回はまず政管健保だけの財政の基盤の強化ということに私どもなりに相当思い切った努力をした。  もちろん一〇%ということは、昨年の皆さん方のいろいろな御意見等によってそういうふうに定着をいたしたわけでございますが、厚生省は厚生省なりに、できるだけの前向きの努力をしておったんだということだけは、ひとつどうか御理解を賜わりたい、かように考えておる次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 大臣の政管健保に対する体質的な弱さがあるというお答え、ゆえに国庫補助を定率一〇%出した。体質的に弱い、そして国庫補助を出す、そこまでは私も全く大臣の御意見に賛成なんです。ところが将来の問題として、そしてまた赤字になってきたら保険料率を上げて、それに見合っただけは国庫補助のほうも上げましょう。三泣きということをおっしゃいましたけれども、ここが私は気に入らないわけなんです。  体質的な弱さは今後も一向に変わる気配はないわけです。弱くなっていくかもしれないけれども、強うはなっていかないと思うのです。そういう体質は一方に認めながら、少なくとも現在でもほんとうをいうならば、一五%でいかなければならないのを、大臣もおっしゃる、一歩も二歩も譲って、いまは一〇%であったとしても、将来また出たら、それを上げればいいじゃないか、その上げるのも保険料率を上げながら国庫補助も上げればいいじゃないか、こういう御意見については、ちょっと納得できない。  と申しますのは、何度か申しますけれども、もうもともと体質的な弱さがあり、そこに入っているいわゆる被保険者は、それだけベースが低いわけなんです。ほかに比べて低い分だけは何とかして国がめんどうを見てやるのが、それがやはり政治というものではないか、こう私は思うわけです。この問題を何度もやっておりましても、大臣もそれ以上はおっしゃらないと思いますし、一番最後に言っていただけばけっこうでありますが、ひとまずおくといたしまして、次の問題に入ります。  これは本会議のときにも私お尋ねをしたわけでございますが、現在の疾病構造を見てみますと、たいへんこれは変化をいたしております。また、年齢構造というものも現在変化をしてまいりましたし、今後もまた変化をするであろうと思います。そして現在の産業構造等も変化をしてまいります。  そういった中で今後の疾病構造というものは、さらにまた変化をしていくであろうと思うわけです。その疾病構造の変化の特にこれから顕著になるものとしては、いわゆる成人病といわれているものが、より大きな問題になってくることは明らかでございます。特に動脈硬化、高血圧を含めたいわゆる血管系の病気あるいはガン、そういったものが今後大きな位置を占めてくることは、もう間違いないと思うのです。そういう病気が中心になっていきます今後、やはりそれに対応した保険体制というのをとっていかなければならないと思います。いままでのように、特に十年なり二十年なり前のように、いわゆる感染症を中心とした、たとえば結核ですとか肺炎だとかいうような病気を中心としたときと、それからいま、あるいはまた将来の成人病を中心とした疾病構造のときとは、やはりその時代その時代に応じた、その疾病構造、疾病構造に応じた保険制度であり、その体制でなければならないと思うわけでございます。  そういう意味で、現在のように単なる疾病保険ではなしに、いわゆる健康な人もその保険に浴することができるような体制というものをやはり今後は考えていくべきではないかということを実は本会議のときにも私、申し上げたわけでございますが、今後の問題としまして、どうしても初めから大きな問題はむずかしいと思いますが、たとえば年に一回ないし二回の健康診断等は保険で受けられるというような形が、私は今後の日本人の健康を守っていくために非常に重要なことではないかと思うわけであります。その点につきまして、あらためて御意見をお伺いいたしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 仰せのごとく、健康管理につきましては疾病の予防、治療、リハビリ、包括的に一貫して行なっていくことが望ましい、これはもうお述べになりましたとおりであります。そこで実は政管健保などにおきましても、年一回あるいは二回健康診断を保険のワクの中でやっていくということは、私は非常に望ましいと思います。将来ともそういう方向が実現するように、私は今後とも努力をいたしたいと考えておる次第でございます。  これも特に、いつかどなたかの御質問にお答えいたしましたが、特に主婦の検診、これなどは、私はこの法律が成立いたしました暁には、まつ先にこれをひとつ取り上げてやっていきたい、こういうことをお答えいたしたことがございます。私はそのことはいまでもちゃんと覚えておりまして、法律が通りましたら、その方法をどういうふうにやっていくか、至急に案を練りたい、こんなふうに考えておる次第でございます。そのほかの方々についても、やはりできればそこまで持っていく、私はそれが望ましい姿である、かように考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 大臣は、これさえ通ったら、あとは全部考えるというけれども、これさえ通ったらと、何を聞いても、そういうお話でございますけれども、そういうわけにはいきませんで、この保険の中で、そういったことが考えられないかということを、これはこれで一ぺん通してしまって、そしてあとの問題として考える、これじゃなしに、この保険の中でそういったことが考えられていかないか。もしも現在の健保を改正されるのであれば、そういうことにこそ改正点を見つけていくべきではないかということを私申し上げているわけでございます。その点どうでございますか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 現在の保険財政のもとではそこまで手を伸べることは非常に困難でございます。率直に申しまして困難でございます。そこでこの法律が通りました暁において、そうしたものを十分考えて努力をしょう、こういうことを申し上げておる次第でございます。

江間時彦社会保険庁医療保険部長

○江間政府委員 実を言いますと、先生のおっしゃるように、われわれも疾病の治療よりも、むしろ方向としましては予防に重点を置きたいと思っています。  ただ御承知のように、われわれ保険という技術を使いました場合には、理論的にやはり保険という技術を使う以上、事故というものが発生して初めて給付を行なうという概念構成になっておりまして、率直に言いまして、その点はかなり不便があるのでございます。しかし、われわれのほうにも制度的にいわゆる保健施設、そういう形で支出をする道がございます。従来からわれわれそれを活用したかったのでございますが、御承知のように保健施設費というのは医療給付費に比べますと、やはり二義的な取り扱いを受けておる。  たとえば四十七年度にいま先生が御指摘の健康保険の予防その他に使ったお金は二億七千五百万円というわずかなものであります。これはやはりわれわれの手元が十分でないために、それぐらいしか支出できなかった。四十八年度におきましては、われわれ法律を通していただける、そうすることによりまして、この財政もかなりよくなる。その結果として保健施設に相当なお金がさける。たとえばいま申しました二億七千五百万しかなかったものを十五億五千万円ぐらいのものにまでふやす予定でございまして、先生のいま御指摘になった定診なども、かなり人数をふやしまして、大体金額的にも五倍半くらいになると思いますが、そういう道を考えております。さらに政管健保の財政が豊かになりましたならば、この点は一そう重点的にやってまいりたいと思っております。

坂口力公明党

○坂口委員 大臣は、現在の病気は病気としてあって、そのほかにいわゆる健康診断を受けるから、その分だけよけいかかる、こうおっしゃるのでしょう。だからそれだけの財源はない。私の言っているのはそうじゃないわけです。健康診断、まあ予防と申しましょう。疾病予防のために、この保険の金を使って年一回なり二回なりは健康診断を受けさせるということをすることによって、病気がもしあれば早期発見をし、病気がないまでも修正をすることがあったら、その指導をするということを加えていくことによって、火事をぼやのままでとどめることができるということを私は申し上げておる。大きな火事にすることを押えることができる。したがって、それが保険財政を自然によくさせていく最も大事な道である、こういうことを私は申し上げているのです。  何も病気は病気で置いておいて、別に健康診断をやって、別々のことでと私言っているわけじゃない。体質的な弱さもある、特にそういう健保なんです。だから、年齢的にも高年齢の方が多くて、やはりいろいろの病気を持つ率も高い、そういう人々であればこそ、よけいに日ごろからのことが大事である、それを手がけることが、この体質的な弱さを救うただ一つの道である、こう私は言っておるわけです。だからひとつ、それを取り入れてはいただけませんか、こういうことを申し上げておるのです。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 おっしゃるとおり、予防に力を入れれば病気の発生が少なくなるであろうからという前提に立ってのお話でございますが、現在の御承知の政管健保は、赤字をかかえて四苦八苦をしておる状況でございまして、そこまですぐ手を回すということは、いまの財政のもとではできない、こういうことを私は申し上げておるわけでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 赤字があることはよくわかっております。しかし、赤字があるから、そういうようなことが手がけられないというのであれば、これはいつまでたっても体質上私はできないと思います。その辺のところはどこかで一ぺん切って、思い切ってやるときがなければならぬと思うのです。それはひとつ大臣の決断によって、大臣の手で、ここまでいったのですから、お願いをしたいということを言っておるわけです。  そうしませんと、これはいつまでたちましても、イタチごっこをしているだけです。この悪循環の輪は私は切れないと思います。それをいつかは切らなければならない、その絶好のときでもある。もしもその輪が切れたら──非常に狭い期間で見ましたら、一時的にたいへん金も要るかもしれません。しかし、長い目で見ましたら、それは決して大きな金が要ったことにはならないと思うのです。単年度で見ましたら、それは金も出るかもしれません。しかし、それは顕微鏡的に見れば、そうかもしれませんけれども、望遠鏡的に見てもらったら、決してそういうことはないと思う。それ以外に弱い体質を救う道はないと思いますので、あえて申し上げたわけでございます。ひとつこの問題も積極的に大臣にお取り組みをいただいて、何らかの前進を見ていただきたいことをお願いするわけです。  それから、もう一つお願いしたいのは、現金給付の問題でございますけれども、分べん費の問題、これは一応四万円ということで今度出されております。この四万円という数字を出された根拠について、ひとつお聞きをしたいと思います。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 分べん費の算定の根拠につきましては、大体現在の分べん時の各種の所要経費の中で、現行の診療報酬点数表にあるものにつきましては、これによって算定をいたしまして、点数表にないものにつきましては、国立病院等の公的な医療機関の慣行料金を考慮してやったものであります。  診料報酬点数表にあるものにつきましては、たとえば部屋代でございますとか看護料、普通給食料、基準給食サービス料あるいは基準看護サービス料、基準寝具あるいは入院時医学管理料あるいは新生児の介輔料、こういうもので大体積み上げまして約二万円、それから診療報酬点数表にないものにつきましては、分べんの介助料、その他胎盤の処理料等がございますが、こういったものが約二万円、こういうことで全体を積み上げまして、大体四万円というところを今回の改正では最低保障として算出をしたような次第でございます。  なお、国立病院における分べん料につきましては、昨年十月当時の全国各地域の代表的なところを調査をいたしまして、そういったものを参考にしてきめたものでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 これは不確定要素も非常に多いと思いますけれども、実際問題といたしまして、分べんに要します費用というものは四万円で済まないことは、もう一般の方がよく御存じのことでございます。話はややっこしくなりますので、保険の現金給付として認めるとか認めないとかいう問題は、ひとつ置いておいていただきましょう、また金がないからという話が出るでしょうから。  それは別としまして、実際問題として、どれだけかかるかという問題だけにしぼって話をしますと、私もこれはどれだけかかるかいろいろ調べてみました。確かに病院、診療所等によりましても多少の差はございますし、地域による差もございます。約二十一病院くらいですか、そこでお産をなさった方大体四十数名の方から聞いてみました。そういたしますと、平均いたしまして、大体七万五千円ないし八万円、そのほか雑費とかなんとかということをいったらきりがありません。いまあなたがおっしゃったような内容のものをずっと拾っていきますと、そのくらいかかるのが普通なんです。もし四万円でやっていただける病院があったら、厚生省はここの病院は四万円でやってくれますと公表してほしいと思う。みんなそこへ行きます。  だから、もしも現在の分べん費というものが四万円でおさまっているから四万円にしたのだとおっしゃるのだったら、その基礎資料というものを、もう一ぺん考え直してほしい。ほんとうは八万なら八万かかるんだけれども、金がないので四万円にしたのだというなら話は別ですよ。だけれども、あなた方がおっしゃるように、現在のところ四万円しかかかっていないんだから四万円にしたのだと言われるなら、もう一ぺんそれはやり直してほしい。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 私が申し上げましたのは、四万円という新しい分べん費の算定の基礎について申し上げたわけでございます。確かに先生おっしゃるように、実際の分べん料につきましては地域差もございますし、また病院によっても若干相違はございます。いま申し上げました昨年十月の国立病院の調査におきましても、北海道から九州まで、最高から最低まで、これは相当ばらつきがございます。また反面、母子健康センター等で行なわれます分べんの費用につきましては、かなり低額なものもあるわけでございます。  そういった点も全体を見渡しまして、現在の状況のもとにおける分べん費の改善ということで考えますと、まず四万円程度のものがわれわれとしては考えられる、また一応積算できる標準的なものではなかろうか、こういう意味で四万円というのは最低保障として新しくきめようとする額なのでございまして、そういった考え方について、ひとつ御理解を願いたいと思います。

坂口力公明党

○坂口委員 それでは、この問題については私のほうもいろいろ試算をやっておりますので、一ぺん試算の詳しいものをひとつ教えていただきたい。あとでけっこうでございます。それの積算基礎になるものをきちっとお出しをいただきたい。それによってこれは議論をさしてもらわないと、ものさしがはっきりせずにお互いに言い合っておりましても、これはどうにもなりませんので、一ぺん双方のものさしを一本化したいと思います。ひとつお教えをいただきたいと思います。  最後に、家族給付の問題でございますけれども、この問題につきましては、いままで多くの人もお触れになりましたし、それから参議院のほうでは、各党の本会議での演説を聞いておりましても、自民党の方も家族のほうは六割ではなしに七割にすべきであるということをおっしゃっておみえになったと思うのであります。  われわれは本人、そして家族の差、本人十割、家族いままで五割というこの差があるということが、非常にこれは不可解なことであるということを言ってきたわけであります。今回六割という線が出されたわけでございますが、しかし、これは少なくとも国保並みの七割にすべきであるということは、これはもう皆さんがよくおっしゃる世間一般のコンセンサスもこの辺に落ちついていることはもう間違いない。健保のこの問題が出されましてからも、だいぶ日数もたちましたし、いろいろの討議もいままでされたわけでございますので、その中でこれに対する考え方がどのように変わってきているかという点だけ一つお聞きしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 健康保険法の改正法案を提案いたしまして、衆議院、参議院の本会議等においていろいろ御質問をちょうだいいたしたわけでございます。家族給付を七割にしたらどうか、こういうお尋ねがございました。これにつきましては、私は終始一貫、現在提案をいたしておりまする六割給付の法律案が成立しました暁において、次の段階として七割給付実現のために努力いたしたい、かように申し上、げておるわけでございまして、提案いたしておりまする政府といたしましては従来とも方針は変わってない、かように申し上げたいと思います。

坂口力公明党

○坂口委員 どうも大臣のお話は、全部一ぺんこれを通してからということに終始一貫をして御答弁をしておみえになるようでございますが、通ってしもうてから次という形ではなしに、現在の健保の議論の中でコンセンサスを求めれば、そこに行くということをわれわれは申し上げているわけでございます。  まあ一ぺん六割という線を出されて、それから七割というふうにすっと行くにはいろいろと問題もございましょう。しかしながら、政府から六割という数字が示されたそれ以後、いろいろの方の意見というものがもう出尽くしたと思います。そのすべての人が、やはりこれだけは七割にすべきである、こう言っておみえになる。これは厚生大臣ただ一人残されたほかは、みんなそうおっしゃる。厚生大臣ただ一人であると私は言ってもいいと思う。厚生大臣もよくみんなの意見を聞きながらとおっしゃるのです。みんなの意見がここまで来ました以上は、ひとついままでの考え方を、少し柔軟な姿勢で受けとめていただいて、かたくなに一ぺん六割と言うたんだから、しまいまで六割だというそんな態度ではなくて、六割だとは言うたけれども、これだけ皆の意見が七割ということになり、また自民党を含めて七割賛成であるならば、この辺で一ぺん考えてみようというふうにおっしゃっても、決して言い過ぎではない。いかがでございましょう。その点ひとつ前向きな御答弁をお願いします。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 今日まで与党、野党両方を通じまして、七割給付にしたらどうであろうかという御質問をいろいろいただきまして、私どもとしましては七割給付にしたいということを初めから申し上げておったわけでございますが、健保財政の現在の段階において六割を七割にいたしますと、やはり相当な金がかかるわけでございますので、私としては、現在提案いたしておりまする法律が成立いたしました暁に、次の段階として七割給付実現のために努力したい。こういう点につきましては、総理もこの前お答えいたしておりますが、この点については終始一貫さように考えておる次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 いままでの経過としましては、おそらくそういう結果であったろうと思います。それは六割を七割に上げれば、それだけ金が要ることも当然でございます。しかし、これだけ議論が尽くされてまいりまして、いろいろのデータも示されました。厚生省のほうも御勉強をいただいたと思いますが、われわれの側からもいろいろの資料が出されたわけでございます。これはここで結論の出る問題ではないと思いますけれども、ひとつ今後の検討の中で考えてみようくらいな程度には前進していただいていいと思う。いかがでございましょう。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 同じことをお答えいたしまして、あまりおもしろくないとお考えになるかもしれませんが、相当の金がかかる問題でございますので、ただいま提案をいたしておりまする法律が成立いたしました暁において、次の段階の問題として七割給付実現のために努力をいたしたい、かように考えている次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 私も同じことを何べんか言うのは気がひけるわけでございますけれども、今回の議論の中で、今後も幾日間かこの問題が議論をされると思います。その中で、やはり何と申しましても最後まで残ってまいります問題、結局最重点の問題になってまいりますのは、この点ではないかと思います。私ども先ほどから申しましたとおり、また私が申しましたとおり、いろいろ問題点がございます。そういうふうな中にありましても、この問題が、より大きな問題であることには間違いないと思うわけでございます。この辺のところについて、さらに私どももいろいろの問題を提起をしていきたいというふうに考えます。ひとつその点を十分に御配慮をいただきたいと思うわけでございます。  何べん申しましても、大臣もこれ以上お答えはいただけないと思いますので、この辺にいたしますが、先ほど申しました看護の問題、きようずっと初めにサマライズいたしましたが、その中で一つ聞き忘れましたのに、給与改定の問題があるのです。これはこの前にお尋ねしましたときにもお答えをいただきました。  まずこの給与改定の問題は問題ないと思いますが、先日、五月九日の日の新聞を見ておりましたら、人事院の給与局長さんが中心になられまして、防衛庁の職員給与体系の検討問題が出ておりました。防衛庁の職員給与の改善について制度調査会というものをつくられ、積極的にこれにかかっておみえになる。これを見ますと、退職金でも、二年でおやめになったら十三万六千円、三年でおやめになったら二十一万四千円、たいへんこまかな数字まで出まして、調査会のことが出ておりました。  自衛隊の場合なんかですと、急にこういうふうな調査会というものができまして、そして事が進められるのに、命を守っております看護婦等の問題につきましては大臣も何回か御答弁をいただいておるにもかかわらず、なかなかこれが具体化されて、こういった形になってこないような、じれったさみたいなものを、われわれとしては感じるわけでございます。具体的にその後どういうふうになっているかということをちょっとお聞きしたい。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 看護婦の確保のためには給与の改善が絶対必要であることにつきましては、先般来たびたびお答え申し上げているとおりでございます。そういうふうな考え方に基づきまして、厚生省も医務局長がすでに人事院と事務的にいろいろ打ち合わせをいたしております。  まだ結論は得ておりませんが、六月になりましたら、できるだけ早い機会に私も直接人事院総裁にお目にかかりまして、六月の上旬には総裁にお目にかかって看護婦確保の状況等を申し上げ、給与の改善に思い切った措置をとっていただくようにお願いをしようと、かように考えております。事務的にはいろいろ話し合いをすでにいたしておるわけでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 そういたしますと、これは看護の問題というのは単なる看護婦の問題ではなくて、先ほどからも申しましたとおり、これは現在の医療の最も端的にひずみのあらわれた部分として、全体の問題であるわけでございますので、私何度か念を押してお聞きするわけでございますが、この給与の改定というものによって、すべてが解決するわけではないと思うのです。給与が改定されましても、それで一度に看護婦がふえてくるというわけのものではないと思います。しかし、一つのネックのところをひとつとるということにはなるであろうというふうに考えております。そういたしますと、一応今年中には決着がつくというふうに考えてよろしゅうございますか。これはたとえば看護婦、保健婦、そういったもの全部含めての話でございますか。看護婦だけ、病院看護婦だけ、そういうことですか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 これはもう御承知のように、人事院の勧告は国家公務員の職員の給与ということで出るわけでございますから、看護婦、それから保健婦、それから助産婦、そういうものについての勧告が出るわけでございますから、おそらく八月上旬には出ると思います。七月の末か、いつも八月の上旬でございますね。ですから、私も六月の上旬に人事院総裁と折衝をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 そこで問題になりますのは、これは前回にもあるいは申し上げたかもわかりませんし、金子議員からも前回出た問題でございますが、公立のほうはそれで済むわけでございます。ところが、病院等は公立だけではなしに、どちらかと申しますと、私立のほうが多いわけでございます。で、現在でも看護婦という職種に限って比較いたしますと、一般の病院の看護婦よりも、まだ公立のほうが少し給与はいいわけなんですね。そうですね。いまでも官公立のほうがいいはずなんです。それでもこれで官公立のほうは、そういうふうにしてお考えいただくこととして、そうすれば一方は前進すると思うのですが、いわゆる私立の場合に、それに合わせて上がるかと言いますと、これは上げるだけの余裕があるかと言いますと、なかなかいろいろの問題があると思うのです。この辺につきまして、いわゆる私立のほうの病院の看護婦の問題については担当局としては、どういうふうにお考えになっているか、ちょっとお伺いしたいと思います。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 先生御指摘のように、一般的には国家公務員、官公立の看護婦の給与が高いというように、一般的にはそれでいいと思いますけれども、個々には、特に都会地の私立の病院等は本俸は比較的公務員よりも低い状態でも、諸手当等において高くなって、全体の手取りとしては、かなり高いというようなことも含めまして、必ずしも国家公務員なり公立の看護婦のほうが民間より高いとも言えない面はあるのです。  それは別といたしまして、いま先生のお尋ねの人事院の勧告に基づく看護婦の給与改善に伴います民間への波及の問題をどうするかということは、われわれ医療供給のことを担当する者としては非常に関心を持たなければならぬ、また具体的に検討しなければならぬ問題でございます。この点につきましては、従来夜間看護手当三百五十円を千円に増額していただいて、人事院の規則も制定されたわけでございますが、これに関してやはり同様のお尋ねがありましたときに、われわれは診療報酬の適正な改定の時期に十分この問題について御考慮いただき、またそれを期待しておるということをお答えしておるわけでございます。  看護婦の給与の改定等が従来より以上に改善された場合にも同様にこれを受けて、やはり診療報酬のほうで適正な御考慮をいただきたいというふうに、医療を供給する立場のわれわれの側からは考えているわけでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 そういたしますと、いわゆる診療報酬の改定によって私立の病院の看護婦の問題については決着をつける、こういう意味でございますか、そういうふうに当局としては希望しているということでございますか、そういうふうに理解させていただいてよろしゅうございますか。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 病院の経営等につきましては公立、私立を問わず、それに従来努力してまいっておる実績があるわけでございますけれども、具体的にそのように一つの大幅なはっきりとした改善をする場合、従来の経営努力だけでは足りない面があるという声が非常に強いわけでございますから、先生おっしゃるように、われわれ医療を供給する側の立場からは、そういうことを期待し、希望するわけでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 これはいわゆる医療費の値上げ等にも結びついてくる問題でございますので、われわれとしましても慎重に発言をしなければならないところではございます。しかし、これはこの前も申しましたが、現在の制度がすべて、いわゆる看護というものを認めていないということについては、たいへん私どもは不満に思っているわけでございます。だから、いわゆる基礎看護という問題はございますけれども、しかしそれだけではなしに、いわゆる看護とは何かということをよく認識していただいて、ほんとうに看護婦がなすべき仕事のところには、それにふさわしい、やはり処遇をするということをしていただかないと、これはいけない。  これは初めに出ました技術の評価の問題、これはその中に入るべき問題だと思います。その辺の評価のしかたについてはどうでございますか、具体的にそういう問題は出ておりますか。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 その問題につきましては、先ほど申し上げました看護問題の制度を検討していただいている中で、最も根本的に論じられている点でございます。  いかにして看護職というものを専門職として評価されるような立場に教育の面からも、また業務分担の面からも、また医療全体の従事者の看護への理解、こういうような問題を含めまして各方面からこの問題が検討され、したがって教育課程の問題、あるいは教育制度の問題、あるいは准看護婦というもののあり方と申しますか、将来やはり准看護婦は廃止して看護婦一本に制度を改定すべきだということの中に、独立した専門職としての看護婦の評価という問題が基本に論ぜられているというような次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 この人数としては、今後もふやしていかれる御用意はございますか、いわゆる学生数としては。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 この問題につきましては、基本的に不足いたしておりますので、先ほど来先生のお尋ねもございましたように、いわゆる大学コースの設置も必要でございましょうし、また病院付属の従来の三年コースの看護婦養成、あるいは准看からの進学課程、こういう問題を含めまして、養成施設の増強あるいは大学コースの設置等については、かなり積極的に増設をはかる必要があります。

坂口力公明党

○坂口委員 そういたしますと、いわゆる教育制度も含めて看護問題というのは、今後根本的に検討をされる、しかも非常に近い時期に、それはなされるというふうに理解してよろしゅうございますか。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 ただいまお答えいたしましたように、制度検討会の答申をいただきまして、それに基づいて諸般の手続なり予算措置、あるいは社会保障の長期計画、特に看護問題は医療供給体制の柱でございますから、そういう点に具体的に生かして実現をはかりたい、こういうふうに考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 それからさっきお尋ねした中で確約と申しますか、はっきりと最後のほうを理解しなかったのですが、いわゆる作業療法士、OTの問題でございますね。  結局、ああいうふうな制度ができておりますが、しかし、先ほど申しましたとおり、現在それに対する評価というのはなされていない。こういうふうなものは、まだほかにもあるかもしれないと思うのです。そして、北川局長さんの答弁でありましたか、先ほど、これは今後検討をするという程度のお話でございましたけれども、こういった問題について、現在すでにはっきりとした検討をしなければならぬというような段階に入っているのか、まだそういうふうな声は何ら出ていないのか、その辺もうちょっと具体的にお願いできませんか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 作業療法士あるいは理学療法士も含めてOT、PTは、先ほども申し上げましたが、現在の医療の中で非常に重要な位置を占めつつあると思うのです。したがいまして、こういった方々の技術に対する評価を保険医療の面でよりょくしていくということは、現在の疾病構造といいますか、あるいは社会の変化と申しますか、そういう面から考えまして非常に重要な問題だと思うのです。OT、PTという問題は養成問題と同時に、いま申しましたように、そういう問題があるわけです。  したがいまして、先ほど申し上げたとおり、この問題は過去二回にわたって適正な評価の方向に対して点数是正をやっておりますが、その重要性は現在でも依然として変わらぬわけでありますから、そういう意味合いで私は、今後もこの問題は引き続いて十分な評価をするように努力をしていくべき問題である、やはりそういうふうなことは中医協の場においても診療報酬改定の際に十分検討されるであろう、こういうことを申し上げたわけでございます。したがいまして、現時点において御指摘の作業療法士についてどうするかということは、まだ具体的な議論としては行なわれておりません。しかし方向としては、そういう方向ではなかろうかということを申し上げた次第でございます。

坂口力公明党

○坂口委員 いままでこれに評価がなされなかったというのは、こういう職種の人ができましても、こちらに改定その他がなかったからなんですか。それとも、こういうOTの人たちが卒業してからずっと仕事をして、それからこちらに改定があったんだけれども、何らかの事情があって、それはその場で取り上げられなかったのですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 実は作業療法につきましては、これはむしろ先生のほうがお詳しいと思うのでございますけれども、いわゆるメディカルな面と社会復帰的な面と両方あると思うのです。したがって、どういう部分をメディカルな面として保険医療で取り入れていくか、あるいはどの面は社会復帰的な面であるか、たしかそういったような議論から、この作業療法士の保険医療の点数化の問題は議論が始まったように私は記憶いたしております。  しかしながら先ほどから申し上げておりますとおり、リハビリテーションが非常に重要な問題であるということで、すでに二回にわたって評価をされ、また現在の時点の医療の状況を考えますと、今後も依然として、その重要性はあるわけでございますから、そういう意味合いで今後の診療報酬適正化の中においても、さらに検討が加えられるであろう、こういうことを申し上げたわけでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 その問題はありがとうございました。よろしくお願いいたします。  いろいろな問題についてお聞きをさせていただいたわけでございます。初めにも申しましたとおり、何と申しましても健保の問題を論ずるにあたりましては、やはりその健保の背後にありますところの医療の流れというものをどうするのかということが論じられずして、その中に小さく浮かんだ小舟のような健保の問題だけにいかに議論を集中しましても、意味がないという考え方を私は持っております。そういうふうな意味で、現在置かれております医療のいろいろのひずみの面を指摘しながら、大臣はじめ皆さんのお考えをただしたわけでございます。どういたしましても、医療の流れの方向というものを一日も早く方向づけていただいて、その中で種々の問題が論じられてしかるべきであるというふうに考えております。  いろいろお答えをいただきました中で、一歩でも二歩でも前進した問題もございましたし、それから遅々として進まない、まだ計画すらも立っていないような問題もございます。  たとえば無医地区等の問題につきましては、非常に急務の問題でございますが、先ほどの御答弁をお聞きいたしますと、現在までと何ら変わっていない、まだはっきりとした計画等がないように思われます。保険等のこういうような改正案が出されました以上、日本の中でその保険に浴することのできない人がいるというようなことは、どうしても避けなければならないと私は思いますし、こういう議論の中で当然並行してなされるべきである、少なくとも今後こういうふうにするという計画が示されてしかるべき問題であるというふうに私は考えましたので、その問題を特にきょうは取り上げたわけでございます。  さらに予防医学の問題、これは先ほども申しましたとおり、今後の疾病構造から見まして、当然考えていかなければならない問題でございます。いつかは決断をしていただかなければならない問題であると考えております。  特にこの二点の問題と、それから保険間の格差を是正する方向に改正されて、改正としての意味があるのである。この保険間の格差是正の方向に向かわない改正は全く意味がないということを申し上げ、そしてお願いをしたわけでございます。  たいへん長い間ありがとうございました。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 大臣、いま世間では日本の医療制度を評して、保険あって医療なしということばがあるのですけれども、これはそこにおられる日本共産党・革新共同の田中美智子君も、たしか本会議の代表質問のときに使ったことばだと思うのですけれども、この問題は非常に大事な問題だと私は思うのです。そういうことばがあることが、現状の日本の医療制度に当てはまらないと大臣はお考えになりますか、あるいは若干当てはまる、全く当てはまる、この三つのうちでどういうふうにお考えになっておられますか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 現在のわが国の医療の実相というものを考えてみますと、内容は別といたしまして、全国民を対象とする保険制度が一応確立されておりますが、その保険制度によって恩恵を受ける医療という面から見ますと、私は率直にいいまして、医療供給体制、すなわち医療関係従事者の問題あるいは医療施設の体系的な整備の問題、それから無医地区の対策の問題、あるいは救急医療の問題、こういうふうな問題につきましては、厚生省も今日までできるだけの努力はいたしてまいったつもりでございますが、しかし全国すべての地域においてあまねく充実した医療を受けるという体制になっているかどうかということを反省いたしますれば、確かに保険は形だけはできたが、中身の医療はどうであろうか、こういう御批判を受けることは、率直に言うて私はやむを得ないことであると思っております。  したがって、そうした反省の上に立って、今後医療供給体制の確立の問題とか、あるいは無医村問題、救急医療の問題、こういう問題に重点をそちらに置いて努力していくべきではないか、かように考えておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 非常に大切な御意見だと思いますけれども、ぜひともそういう問題について、もっともっと大きな力を注いでいかなければならない。  ただ、大臣が指摘された問題のほかに、忘れている問題がもっとありはしないかと私は思うのですが、これはお医者さんの質の問題でございます。お医者さんという人は患者にとってはたいへんこわい人で、そういう声は民間でぶすぶす言われておりますけれども、なかなかそういう開き直った声になってこないというわけですけれども、やはり政治家としては、この問題が困難なものであっても、この段階で声を大きくして、できるだけお医者さんの質の問題を提起をして、そして何とか国民の期待に沿わなければならない、私はそういうふうに思うのですけれども、現状のお医者さんの質の問題を、大臣としてごらんになって、どのような御判断を持っておられるでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 御承知のように、医師になりますためには国家試験を受けて、それから以前のインターンみたいなものを受ける。卒後の訓練、教育ということになっておるわけでございますが、世間では、特に最近諸外国との比較等におきまして、わが国の医療水準がややともすると劣っているではないかというふうな批判をされる向きがふえてきておることは事実でございます。  私ももちろんそのほうの専門家ではございませんが、そういう声があるということは、やはり何かしらそういう現実の問題が国際的にあるのではないか、こういうふうなことも考えられますので、実は卒後の教育──学校においては、少なくとも国家試験などには落第しないように生徒をみっちり教育してほしいと思うのです。それから卒業した医師の、国家試験を受けたあと、もちろん二年のいろんな教育をいたしますが、医学は日進月歩でありますから、お医者さんも終生勉強だ、こういう気持ちで卒後の教育ということに重点を置いたやり方を医療行政として、していく必要がある、私はこういうふうに考えているわけでございます。  後ほどまた、これに関連して、いろいろお尋ねがあるかもしれませんが、私としては、卒後教育、これに相当力を入れていく。これは厚生省としてなすべきことではないか。文部省に対しては、ぜひとも学校中にはしっかり勉強して国家試験は一人も落ちないような、どんなむずかしい試験が出ても落ちないように、それぐらいのことはやってもらいたいということを私は文部省にも要望いたしますが、卒後の教育ということについては、厚生省は真剣になって取り組んでいかなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 きょうは私は率直に意見を述べながら、御見解を承りたいと思うのですけれども、現在国民の多数の人たちが、昔のようにお医者さんを尊敬しなくなったという事実もあると思うのです。これは幾つかのマスコミの資料によりましても、信用できないという判断をする人が半分以上おるというのが実情だと思うのです。  信用できないというその根拠については、いろいろの理由があると思うのですけれども、これはお医者さんが働く医療体制が不備な場合もあるし、お医者さんの診断の能力が非常にまずい面もある、だろうし、あるいはまた、能力があっても非常に不親切な状態があるということもあるだろうし、いろんなことがあると思うのですけれども、しかし大きく分けて、お医者さんの教育の一つの過程、つまり文部省が管轄している過程における問題点と、卒業して、いろんなところで働かれるお医者さんの大部分の人が、保険体制のもとで働いておられる人が多いわけですけれども、保険体制のもとでのお医者さんが仕事をなさっておる状態のもとで起きておる問題、この二つに大分けして分けられると思うのです。  この二つの問題について、きょうは率直にお伺いしたいのですが、最初に、文部省の方お見えになっておりますか。──私は、三月二十七日の本会議のときにこの問題を指摘したわけでございますけれども、そのときは一問一答という形がないものですから、質問のしっぱなし、そして総理大臣、厚生大臣からも答弁はいただいたのですが、私としては全く不十分な答弁であったので、ここで重ねて質問したいと思うのですが、たしかそのときに文部省から、昭和四十六年度の医学部に入学したときの寄付金の概況という資料をいただいたのです。  これによりますと、四十六年には、学部数が十八学部、入学者数が二千百三十七人、そのうちで寄付をして入った人が千三百九十三人、つまり入学者総数に対して六五%の人が何らかの寄付をして入っておるという実情である資料をいただいたわけです。そして、どのくらいの寄付をしておるかというと、千三百九十三人のうちで平均して六百万円、総額にして八十三億五千二百万円、こういう数字をいただいておるわけです。なお、その内訳から見れば、六百万円から八百万円前後の人が全体の大体七〇%という数字になっておると思うのですけれども、これは間違いないですね。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私どもが四十六年の三月に調査した結果でございまして、そのとおりでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 そして現在、私立大学で勉強しておる医学生と国立大学で勉強しておる医学生との比較をしますと、私立大学では授業料が四十二万七千円、国立大学では三万六千円、そのほかに、私立大学では入学したときの初年度に百十四万九千円、国立大学では一万二千円、こういう状況であることも、これは間違いないですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 そのとおりでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは昭和四十六年の数字でございますけれども、四十七年――八年はわからないとしても、四十七年の数字はおわかりになりませんか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 入学時の寄付金につきましては、実は四十六年の資料が最新の資料でございまして、四十七年は調査をいたしておりません。なお四十八年につきましては、現在調査中でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 四十七年に調査をなさらないという意味は――昭和四十六年に御調査なさったのは、どういう目的で調査をなさったのですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 当時国会でやはり医学部の高額な入学金ということが問題になりまして、委員会の質疑応答の間におきまして文部大臣から調査をいたしましょうという答弁をいたしました。それに基づいて調査をしたという経過がございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは現在のお医者さんの質を考える問題点として考える場合に、非常に重要な問題だと思うのですね。われわれの生命、健康を預かる人なんですから、病気になれば完全にお医者さんの管理下に置かれるわけです。患者は、いろいろ言っても、あの医者は気に食わないから、よそに行くということが少しはあっても、大部分の人はお医者さんの言うままで、そして自分の病気の療養をするというのですから、文字どおり生命を預けるわけですね。  その人がこのような状況で学習をするということは、文部省がもう少し医学という問題を重視しておられれば、私は四十六年にこういう数字が出ておるとすれば、四十七年にも四十八年にも、もっと詳細に調査をするような心がまえがあってしかるべきだと思うのです。また四十八年に調査をなさっておるという話ですけれども、その点についてお伺いをしたい。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 最近の状況の把握でございますが、四十六年の事実につきましては、さっき御指摘のような資料が集まっておるわけでございます。実は、これがはたして現実このとおりの実態であるかどうかということにつきましても、私ども遺憾ながら自信を持てないわけでございます。四十七年度につきまして調査いたしましても、おそらくこの程度ないしはこれ以上の結果が出るであろうということは、容易に予想されたわけでございまして、したがいまして、特にあらためて調査をしなかったということでございますが、最近特にこのことが大きな問題になっておりまするので、四十八年三月の状況につきまして、今回あらためて調査をしたいということで調査中ということでございます。  この問題が医師養成の観点から非常に大きな問題であるという点につきましては、私ども全く同感でございまして、三月二十七日の本会議で総理大臣並びに文部大臣から御答弁申し上げましたような方向で、せっかく努力をいたしておるというところでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは委員長からぜひお願いしておいていただきたいと思うのですけれども、四十七年、四十八年度の実態について文部省は──私は、これは控え目の数字だと思うのです。世間で言われておる数字はもっともっと大きいのです。最近では三千万円もかかるといわれておる。またお医者さんにとってみれば、自分のあと取りを仕立てるためには三千万円、五千万円出しても、まだペイするというような、ペイするということばが出るような状況にありますから、これはゆゆしき問題でございます。ぜひ文部省は責任をもって、いま申し上げた数字を御回答いただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 四十八年度につきましては、ただいま申し上げましたように調査中でございますから、その結果が出ましたならば、御報告を申し上げたいと思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 つまりこのような状態、四十六年の数字によりますと、全体の入学者のうちの半分以上、六五%がこのような寄付金を何がしか払って、そして卒業をするというわけですね。お医者さんで落第をするということは聞いたことはないし、そしてまた卒業すると、武見さんの表現によると九八%は国家試験で通っていくということのようですけれども、こんなにたくさん金を取りますと、落第をさせようといったって事実上できませんよ。よほど変な事件を起こしてということはあるでしょうけれども。  それだけに、医学教育というもの全体に対しての疑惑というものが出てくる。はたして文部省、これが本気になってやっておられるか。国立大学は確かにやっておられるでしょう。しかし国立大学と私立大学との比率は大体半々です。日本の全部のお医者さんの半分近いものが私立大学出だが、この大学でこういう教育が行なわれておる。この人たちが十分な勉強をしたとも思われないと想像される状態のもとで勉強されて出てきておられる。出てくれば、国家試験のあとでは自由に自分の独立した判断で開業もできるし、いろいろなこともできる。その問題について国その他の機関は、いささかの制肘も加えないということです。はたしてこういうことで厚生大臣、国民の医療を預かる責任者として責任が持てますか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、国民の医療を担当することでございますから、医学教育の基本において、しっかりした教育を文部省もやっていただきたいということを私は強く要望しておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 本会議で私質問したときも、総理大臣はそれは非常に重要な問題だから、今後ともそういう裏口入学とかいう形のものはなくするような方向で指導したいという御答弁だったと思うのです。それほどはっきり言わなかったかもしれませんが、とにかく何とかして、この実態はあれしたいということだった。その後文部省としては、政策としてこの問題を解決するために、どのような処置をとっておられるか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 医学部の入学時の寄付金の問題につきましては、まず第一に医学部の設置認可の際の条件といたしまして、入学の条件として寄付金を取ってはならない。条件としない場合にありましても、高額の寄付金を取ってはならないという条件をつけておるわけでございます。  それから医学部が発足いたしました後におきましても、毎年一回アフターケアと称しまして実地調査をやっております。これは私立大学審議会の委員と文部省の事務官が同行いたしまして、各学校特に新設の医科大学を中心にいたしまして現地調査をやっております。それは毎年続けておるわけでございまして、その際のアフターケアの意見といたしましても、ただいま申し上げますと同じように、寄付金の抑制については特に留意するようにという意見を管理局長の名前で各大学に通達をいたしております。本年度も六月からでございますが、これまた新設の医科大学を中心といたしまして同じような実態調査をやりまして、その結果に基づきまして必要な指導をしたいというふうに考えております。  それが指導の問題でございますが、ただしかし、寄付金の問題がそうした指導の問題だけで解決されるかといいますと、これはなかなか問題でございまして、むしろ医学部の経営と申しますか、経費の実態に即した国の補助の増額という問題にやはり取り組まなければならないというふうに考えております。現状は御承知のとおり私立大学の経常費等の補助金が四十五年から始まっておるわけでございます。四十八年度について申しますと、医学部関係の補助総額は約六十九億でございます。完成校におきます学生の定員一人に対します補助額は七十万八千円ということでございます。これは全私立大学の学生に対する補助額が六万一千円でございますから、医学部のこの補助額は平均の十二倍ということでございます。  しかし、医学生の教育には年間二百万をこえる経費が必要だというふうに推定されるわけでございます。そうした額に比べますと、国の補助はなお少ない、こう言わざるを得ないわけでございます。こうした点につきまして、四十九年度予算編成も迫っておるわけでございますから、その段階におきまして十分前向きに検討し、努力をしていきたいというふうに考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 四十五年から、かなり多額の補助だと思うのですけれども、それをしたときに、裏口入学等を防ぐようにというような、それに類した指示はなさいましたか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 この補助金に関連して、さような指導をしたということは、私聞いておりません。承知いたしておりません。  ただ、先ほどもちょっと申し上げましたように、医学生の教育には二百万をこえる年間経費が必要であるというような実態がございますから、先ほど御指摘がございましたように、授業料の平均額が四十二万ということで、国の補助金が七十万といたしましても、百十数万にしかならないわけでございまして、その差額をどうしてカバーするかという問題が残るわけでございます。その差額は、実際は当然必要な経費でございます。私どもの指導といたしましては、必要な経費は寄付金というような形ではなくて、正規に取るべきであろうという指導をいたしておるわけでございます。  ただ、実際問題といたしますと、つまりそのことは同時に授業料の値上げという結果になるわけでございまして、昨今の状況を見ますと、やはり大学の紛争の原因になりかねない。現に、慶応大学の医学部におきましては、本年授業料を五十万に引き上げるということが、まあ原因の一つになりまして、紛争が起こっておるわけでございます。  大学側といたしましては、文部省の指導は、それはそのとおりだけれども、実際問題として、いろいろな困難が伴うのだということを申しております。かつまた、一律に年間二百万ものものを取るということになりますと、それの負担にたえ得ない者の入学についての問題が起こるではないかということを指摘をいたしております。寄付金でございますと、まあ能力のある者が多額に出し、能力のない者はゼロ、あるいはわずかで済むというような運用も可能ではないかというのが私立大学側の言い分でございます。  しかし、私どもは、その結果が現状であるとすれば、やはりこれは放置できないという考えを持っておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、やはり国の補助という問題に取り組まざるを得ないのではないだろうか、かように考えておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いろいろと御苦労なすっておられることはよくわかりますし、非常にむずかしいことはわかりますけれども、まあいろいろないきさつを考え、今後の問題を考えまして、お医者さんの養成は私立大学では適当でないというような御判断はできないものですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 たてまえとして適当ではないということは、これはなかなか言いにくいことかと思いますが、私ども昨今の経験からいたしますと、実際問題としては、これは困難ではないか、医学教育を私立大学でやることは、きわめて困難ではないかという判断を持っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 まあそのような判断がかりにできるとして、今後の医学部の新設は、私立大学ではいろいろな事情はあっても、もういけない、医学部、お医者さんの養成は国立あるいは公立、せいぜい公立まででやるというような方針は立てられますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 実は、先生の本会議における質問に対しまして文部大臣からお答えをしておるわけでございますが、それに尽きるかと思います。その答弁、ちょっと読ませていただきますと、「より根本的には、私立の医科大学の設置認可、これについては慎重を期していきたい。反面、国公立の医科大学を計画的に増設していきたいと考えている」ということを申しておるわけであります。  先ほど申し上げましたように、私立医科大学はこれはたてまえでいけないという議論はなかなか困難でございます。りっぱにやるというものが出てきた場合に、なおかつ、これが認められないというわけにはまいらないかと思いますが、実態上なかなか困難な問題をかかえているわけでございますから、文部大臣の答弁のように、今後は国公立を中心に計画的に、その増設をはかっていきたいということが、文部省の考え方でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 そのような方針をぜひ堅持していただきたいと思うのですけれども、いままである大学でも、文部省で一定の基準をつくって、その基準を、何回も注意をしても、なかなか聞かれないという状態のもとでは、これは国が肩がわりしていく、あるいは公共団体に肩がわりさせていく、こういう方針をきめるということはできませんか。  それはりっぱにやっているところもあるわけですから、裏口もないと言われるところもあるわけですから──それは知りませんよ、ないと言われるところもあります。あるから、文部省で、ある基準を設けて、りっぱにやってくだされば、それはそれでいいのです。しかし、それがなかなか、なんぼ注意しても、やれないという場合には、これは国が責任持って代行していく、代行よりも、直接やっていくというくらいの決意を持つことが必要なほど重要なことだと私は思うのですけれども、そういう点については御検討願えませんか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいまお話しのような観点から、現在ありまする私立の医科大学を国公立に移管するといったようなことは、考えておりません。むしろ、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように助成を強化する、同時にそれに伴って、監督ということばは非常にきらわれることばでございますが、そうした行政をやはり強めていく必要があるのではないか。特に医学部、歯学部等については、そういう必要が強いのではないかというふうに考えます。  ただ、御承知のとおり現行の私立学校法は、私立学校の自主性を尊重するということを大原則にしております。そのことはたいへん重要な原則だと思いますが、一方好ましくない事態がございましても、必要な手が打てないという結果にもなっておるわけでございまして、その辺のところは、やはり基本的に検討しなければならない問題ではないかというふうに思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 実際お医者さんやっている方で、私立大学を出たお医者さんが、官公立を出たお医者さんよりもはるかに優秀で、はるかに国民から期待されておる人がたくさんおられる。おられるけれども、この世の中には非常にまずいところもある。まずいところには、そういうことができないような一定の指導の基準をしっかり確立すべきだ。私はそういうことを主張しているわけですね。もしそれができなければ、つまりおまえさんの学校には、お医者さんの教育はまかせないのだというようなときには、最後に申し上げたような方法をとる道を開く必要があるのじゃないか。私はこの問題はそれぞれ重要な問題だと思うのです。  私たちもいろいろ大学への裏口入学の世話を頼まれることがあります。これをやりました。そうたくさんないけれどもやりました。経済とか法律とかいうところであれば、まあまあと思ってやるのですけれども、お医者さんのことを頼まれても、私はできる能力も少ないけれども、これはお断わりします。これは、この際にお医者さんの質の低下という問題を防ぐ根源的なものとして、もっと慎重に考えてもらわなければいかぬ、そういうふうに思います。ぜひともひとつ御検討をしていただいて、できるだけ改善の方向に向いていくように、これはお医者さんに対する信頼の前提ですから、ぜひともお願いしたいと思います。  それで厚生大臣、もう一つの問題ですが、お医者さんになってからの、お医者さんの技能低下の問題ですけれども、実はこの前武見さんとこの問題を中心にしてお目にかかって、率直に武見さんにもお話ししたことがありました。そうしたら武見さんが、いや私も全く同感なんだということで、最近このような小冊子を出したということで、私三、四部いただきました。その一番の冒頭に、これは武見さんは、もし医師会の幹部に相談したら必ず反対されるから、私自身の責任でやったんだ。私は武見さんに、あなた、それはたいへん勇気のあることで、りっぱなことですというふうに言ったこともありましたけれども、武見さんはその冒頭でこういうことを書いておられる。  添え書きのところに「最近、日本の医師の技能低下が国際的な話題となってまいりました。  その原因をたずねると、社会保険制度のもとにおける医療が日本の全医界を支配した結果、このような状態におちいったことは論議の余地がありません。」こういうことばで始めておるのです、この内容を全般的に説明するところで。これは武見さん御自身が保険医ではないようですから、保険医というものに対するある考え方に基づいておるかもわかりませんけれども、保険制度のもとで、ある一定のワクが入って、点数が何点何点というようなことで仕事をなさっておるということが、医師の医療低下の一つの基本的な原因だというふうなお考えも、確かにこのおことばの中には入っておると思うのですね。  あの方のことばは、わりあいに──わりあいにというよりも非常にむずかしい表現があったり、普通の人とは違った表現があったりして判読しがたいところがあるのですけれども、しかし、この冒頭に書いたところは、私は、武見さんが最近痛切に感じておられる点じゃないかと思うのです。そのとき武見さん、私にこう言いました。和田さん、この問題について、医師の技能低下について、総理大臣並びに厚生大臣はどのようにお考えになっておられるのか、これをぜひ代表質問へ入れてください、こうおっしゃいますから、それは必ずお約束しますということで、あの代表質問が若干長くなったのは、このくだりを入れたので少し長くなったのですけれども、武見さん御自身も、この問題については非常に真剣に考えておられるようです。  それで、この内容というものを見ても、非常にきびしいいろいろな条件を書いておられる。一つのポイントは、厚生省と文部省とが共同をして、医師の技能低下の問題について、質の向上の問題について話し合う機関を設けたら、どうなんだというくだりが一つあるんですけれども、こういう問題について厚生大臣もしかるべき御意見があると思うのですが、これは全体の問題ですね。お医者さんを初め養成するときから、外へ出て仕事をなさるときにまたがって、そういうふうなしかるべきその方面の学識経験者が、絶えず技能低下の問題について、いろいろな問題を検討するという機関があってしかるべきだと私も思うのですけれども、いかがでしょう。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 優秀な医師を養成するためには、医学教育の問題と、それから行政の所管でいいますと卒後の研修という問題、権限的にいいますと、そういうふうに二つに割れるわけでございますが、これはやっぱり一体として考えるべき必要があると私は考えております。まあ所管は所管でそれぞれ割れておっても、やっぱり一体なものとして、国際的な立場に立って、水準が日本の医学は落ちてない、お医者さんは落ちてないというふうなことになるようなことを相互に協力し合っていく、これは私は絶対必要だと思うのです。  私も、実は昨年の暮れ、厚生省に職を得たわけでございますが、確かに、こういう問題についての教育訓練の内容について、はたして十分な連絡があるのかなという感じがときどきすることが私あるのです。そういう意味で、実は武見さんのその御提言は私も――私のところに見えまして、本人自身が読みながら私にいろいろ話をしていきました。私も非常に関心を持って、この提言を何とか考えなくちゃならぬなということをしみじみ感じたわけでございまして、これは両省において、りっぱな医師を養成するという大きな立場に立って相互に協力し合う、こういう機関が必要である、こういうふうに私は考えておるわけでございます。  何かと多忙でございますので、そういう問題について、まだ取り組み方が不十分であるということは私も反省しておりますが、もうちょっと時間的余裕ができましたならば、この問題は厚生省だ、文部省だと言わないで、よき医師の養成ということに真剣に取り組んでいかなければならぬ、それがためには両省のそういう協議機関と申しますか、打ち合わせ機関と申しますか、そういうことが絶対に必要である、私はこういうふうに考えておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それで、この保険の問題と、もっと近づいた問題に移っていきたいと思うのですけれども、私の兄弟あるいは親戚の者にも医者がたくさんおりますけれども、やはり開業しておるお医者さんにとってみれば、薬を扱うということが非常に煩瑣な、あるいは保険のいろいろな請求の事務をとるということが非常に煩瑣な事務になっておるということは事実だと私は思うんですね。この問題は、つまりたくさんある中で、厚生省も昨年の御提案のときに医薬分業という問題を取り上げられました。あれには保険医療に限って医薬分業を段階的に進めていくという御方針のようだったと思うのですが、あの案は、いまでも大臣、できるだけ早く実行したいというふうに思っておられますか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 昨年、たしか医療基本法という中で和田先生がお述べになりましたような、地域を指定し、段階的に計画的にやっていくという案が出たことは、私も承知いたしております。そこで、私の気持ちとしては、将来はそういう方向にいくべきだと思うのですけれども、あの法案を出しました当時、どうも各方面からいろいろな反対意見が実は出たわけでございますので、あの医療基本法はもう少し国民のコンセンサスを得る必要があるということで、練り直さなければならぬというので今度の国会には提案いたさずにいたわけでございますが、やはり国民医療の将来の向上のためには、そのやり方については、またいろいろ御意見もあるかもしれませんが、そうした方向で努力をしていくということが必要であろう、私はこういうふうに考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 基本法の問題全体としては、これはいろいろむずかしい問題があると思うのですけれども、あの中の医薬分業に関するものは、厚生省としては非常に決断をされた御提案だったと私は思うのです。あれを一つも審議もしないで流したということは、他の問題もいろいろからんでおったと思いますけれども、国会の審議のしかたとしても、一つの問題があると私は思うのです。せっかく出ておる、いいところを葬ってしまったということになるわけだと思うのですが、ひとつあの医薬分業に関するくだりは、ぜひとも、これは格別法改正ということはやらなくても、できることですから──完全にできるとは言いませんが、とにかく段階的にできることですから、ぜひともあの項目は具体的なものにして実行していっていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょう。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 仰せのごとく、あの内容の問題は法律でなくても行政措置で進めようと思えば進められる事項だと思います。私も先ほどお答えいたしましたが、やはり医薬分業の問題は、次の段階の大きな政治的な課題として取り組んでいかなければならない。これにはまた後ほどいろいろ御質問もおありだと思いますけれども、いろいろなむずかしい問題がたくさん控えておりますために、そう歯切れのいい、こういうふうにいつからやりますというようなことは言いにくい問題がたくさんあるわけでございますが、方向としては、ああいう方向で医薬分業の問題の解決に着手する、これがやはり一番望ましいと、私はいまのところ考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この問題は、特に医師会のほうで相当反対ないし慎重な意見があるということは私も承知しております。武見さんにお目にかかった一つの重要なポイントはこの問題でした。率直に私も申し上げました。申し上げましたが、武見さんは、いや私も医薬分業の論者だということを前提にされて医師会の案を、幾つか変わった案をお示しになって御説明になっておられました。武見さんも、一言でいって、いまの薬剤師さんは信用できない面があるということではないかと私は判断をしたのですけれども、しかし、あらためて別の角度で考えてみますと、薬の問題についてはお医者さんが専門家か薬剤師が専門家かということになると、これはどちらでしょう。薬剤師が専門家でしょう。それはどうでしょう。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 御意見のとおりでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 薬剤師が専門であることを、お医者さんの側から見て、あれはやはり信用しにくい、あるいは国民は納得しないという表現で、信用できないからということは、確かに現在の薬剤師の状態を見れば、それは投薬するよりは、化粧品を売るというような実情があると思います。  しかし、そういうふうになるのは、結局その薬剤師の投薬というものが、全体としてはほとんど薬剤師の手を通っていない。ほとんど通っていないというこの実情から来ておることであって、薬剤師さんもりっぱな、薬学についての教育を受けた人、一番の権威者でもあるわけですから、その人をそのような職分としてお使いになれば、当然この薬剤師というりっぱな機能を果たせると私は思うのですけれども、結局そのような現状にあるのは、薬剤師さんを薬の専門家としてお使いにならないような現実があるからではないか、こういうように思うのですけれども、いかがでしょう。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 医薬分業が現在行なわれていない理由といたしまして、いろいろな点が考えられると思います。先生御指摘のようなお医者さんの側におけるある意味の不信感ということも、それはないとは言い切れないものがあるかもしれませんが、やはりいろいろな要素がからみ合いまして、医薬分業というものがなお十分に行なわれていない。一番大きな要素といたしましては、むしろ国民が、いままでの歴史的なあるいは沿革的な事情もございまして、医薬分業というものに西欧諸国と違ってなじんでいない。そのために不便さというようなものが先に立つというようなこと、そういった意図が反映いたしまして、ある意味の不信感が生まれてきておる。またそういうことのために薬局が物品販売業のような形になっておって、悪循環をなしておる。そういう点では御指摘のような要素はある程度あろうかと思います。  今後医薬分業を推進いたしますためには、そういった悪循環をどこかで断ち切らなければいかぬわけでございまして、基本的には、やはりお医者さんが処方せんを出して、薬剤師が薬局で調剤をするというのが原則でございますから、要はお医者さんが理解して処方せんを出してくれるという気分にならなければ──そのためには、迂遠なようでございますけれども、やはり国民に対しまして医薬分業の長所というものを十分にPRいたしまして、国民の世論といたしまして医薬分業を進めなければならないということがわき上がってくるのが一番正道であろう。     〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕  それと同時に、医師会側も指摘しておられますように、調剤に関する受け入れ体制なり公営薬局というような御意見も出ておるようでございますけれども、少なくとも調剤に従事する薬局の整備というものがさらに進められなければならない。そういう意味から申しまして、厚生省といたしましても、四十六年度から引き続き調剤用の医療品の純良を期しますための薬剤師会による医薬品の検査センターというようなものに対しまして補助金を出し、あるいは医療金融公庫における融資を促進するというような形によりまして薬局側の受け入れ体制を整備する、その両方の面からできるだけ進めてまいりたいと努力しておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いま薬務局長のおっしゃる点はよくわかります。それをやるためにも、昨年の基本方針のところで出したあれを政府としてはやるのだというかまえがあれば、いまあなたのおっしゃったことが基本的に生きてくるのです。こういう段取りでこういう方法でやるのだということがはっきりしないと、いまあなたがそういうようにおっしゃっても、もう二十年にわたって、そういう方法をやってこられたと思いますけれども、実際はほとんど意味をなさないことになっておるということですから、その問題をもう一度大臣と武見さんと、そして薬剤師会会長の石館さんとお三人でひとつ詰めていただきたいと私は思うのです。  そのことを私は武見さんにも申しました。いつでも話し合いをいたします、こういう話をしておられました。それで武見さん、分業についての案もいろいろ出しておりました。これは大臣、ぜひとも武見さん、それから日本薬剤師会会長の石館さんと具体的に話し合っていただきたいと思うのです。武見さんも開業医の何万という人をうしろに持っておる人ですから、なかなか動きにくいところもあると思いますけれども、事はお医者さんの質をよくする問題とつながる。私が強調するのはそういうことです。  何も薬剤師の肩を持って何とかかんとか言うわけではないのです。武見さんも指摘しておられるように、医師の技能の低下というものがあれば、何ぼ保険料が安くたって意味がないのですよ、この問題だけは。商品の取引ではないのですから。やはりいいお医者さんをつくるのには、どうしたらいいかということを、日本の医療制度の問題を議論する場合の根本の座に据えてこなければ、事はますます悪くなっていくと思いますよ。  いまの形であれすれば、保険料を払うほうは、できるだけ安いほうがいいという。あるいはお医者さんにしてみれば、できるだけ収入が多くなってくればいいという、こういう議論のやりとりをやればやるほど、これはまずくなると思う。したがって、いいお医者さんをつくるためには、どうしたらいいのか。いいお医者さんができるためには、われわれだってもっと負担しようじゃないか。これは国民だって、そのことがわかってもらえば私は喜んで出すと思いますよ。これは安い金でも何のために出しておるかわからないのだから、ただ、かっこうだけのお医者さんに見てもらうという機会ができる、内容的にいえばですよ。  そういうふうな場合が非常に多いわけですから、そういう問題は、ぜひともひとつこの際──社会保険制度というのは、金がなくてお医者さんにがかろうと思っても、かかれないということが一般的だった戦前の状態から、これを直すために社会保険制度という非常にりっぱな制度が導入された。さんざん政府は御苦労なさって皆保険という状態になり、いまもさんざん御苦労なさっておられる。これはだれしも評価はしております。  しかし問題は、そこに重点が置かれて、お医者さんの質という問題、つまりサービスという問題が、ほとんど無視されているという状況のもとでは、何のことかわからない。そういう状態のもとで医療費の四二%も三%もという、とんでもない、外国の先進国の人が見れば、あきれてものが言えないような状態が現出してきている。これは皆さんもよくわかっておられる。どうしてこれが起こっているかもわかっておられる。しかもそれに手をつけないで、保険料が高いの安いのということにいつまでもあれをしておる、こういうことじゃないですか、問題の焦点は。ひとつ厚生大臣、この問題は決断をして、何とか解決していただきたい。  これは社会保険審議会でも社会保障制度審議会でも、もう十年間出しておられる抜本策の中でも、絶えずこの問題とからんできておる。支払いが何ぼ要るという場合に、どういう形の支払いをしておるのだということを明らかにしろというのが、両審議会の提案でしょう。この問題について医師会は非常に強力な団体で、これがある程度横車──ある程度というか、相当横車を押してくるという状態、医師会にしたって横車を押さざるを得ないという状態が制度の中にある。  こういう問題ですから、ひとつ大臣、これはぜひとも決断をもってこの大事な問題に取りかかっていただきたい。そうすれば、いまのような保険制度が千分の幾つというようなことは、これは大事なことですけれども、こんなにまで解決できない大きな問題になりはしませんよ。この問題を解決すれば、これはお互いの大事な医療の問題ですから、そういう点をひとつ大臣、ぜひともお考えいただきたいと思います。御所見をお伺いしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 この医薬分業をめぐる問題につきましては、医師会は医師会の意見があり、薬剤師会は薬剤師会の意見があると私も承知しておりますが、それをあちらがどう言う、こちらがどう言うということを言っておったのでは、問題は解決しないし、それから先ほどお述べになりましたように、鶏が先か卵が先かというようなことをやっておっても、この問題の解決はやはりしないのです。したがって、この医薬分業という問題は、非常に古くから言われておりながら解決できない。ある意味から言えば、非常に新しい問題だということが言えるわけでございます。  そこで、それがためには、やはり基本的には国民全体がこの医薬分業に対する認識というものを持つということが、私は基本だと思います。その基本の上に立って、関係団体が虚心たんかいに、先生のことばをもって申しますれば、国民の命を守る、健康を守るという国民医療の上から、よき医師を養成する必要があるという観点からの御意見でございますが、そのとおりでございまして、やはり関係団体も、そのときそのときの利害を多少離れまして、大局的な立場に立って、いろいろ話し合いをし、また厚生省もその中に入って、いろいろあっせんをしてあげるとか、そういうふうなことが私は必要であると、実は痛感をいたしておるわけなのです。  実は、ことしの、大臣になりまして間もなくでございましたが、保険局長、医務局長、薬務局長、三人呼んで、この関係団体が虚心たんかいに話し合う場をつくる可能性について検討してごらんというふうなことを指示しておるわけでございますが、なかなかいまのところ、むずかしいようでございますという返事が、実は率直に申しますと、そういう返事が私のところに来ておるわけでございます。しかし、この問題は、先生もお述べになりましたように、やはり国民医療の向上から申しますれば、そうした方向を目ざして進んでいく、これは私は絶対必要だと思うのです。そういう意味において、どういうふうなアクションを起こしたらいいか、これはもう少し時間をかけて、私にも研究さしていただきたいと思います。  いずれにせよ、関係団体が大局的な立場に立つという前提に立って、そしてやはり人の健康を守るという、国民の医療という大きな目標に向かって、それぞれの団体が協力し合うという中で問題を解決していく、これでないか、かように考えております。私もそうした方向が望ましいと考えておる一人でございますから、そうした方向で、今後とも関係団体と話し合う場をどうやってつくっていくか、そういうふうなところから、ひとつ取り組んでまいりたい、こんなふうに考えておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 このお医者さんの質の問題というのは、これは厚生省の中では、医務局長の一番の守備範囲だと私は思うのですけれども、医務局長、少しこの問題について、踏み込んで、お医者さんの説得に当たるというようなことをやる決意をひとつしていただけませんか。

滝沢正厚生省医務局長

○滝沢政府委員 先ほど来、またかねて先生が良医をつくる御主張を持っておられることは承知いたしておるわけでございますが、具体的には、やはり根っこの、大臣からお答えの、医学教育の中を充実していただくことによるりっぱな医師の養成が基本でございまして、国家試験をむずかしくすることによって不十分な医師が社会に出ることを防げという御意見も実はありますけれども、私は、率直に言って本末転倒だと思います。  医学教育をしっかりすることが──しかし最後には、やはり国家の定めによるところの医師という身分のための国家試験というものを、これは大臣お答えのように、いかにむずかしくても全員が通っていただくという意味で、医学教育が根本である。国家試験をむずかしくすることによって医師をよくすればいいじゃないか、安っぽい医者をつくらないようにすればいいという意見、一見正しいように受け取る方もあるかもしれませんが、基本的には私は、本末転倒だと思います。  しかしながら、国家試験そのものにも、やはり先ほど先生が例に引かれました武見会長の御提案の中にも、国家試験の再検討の問題がございます。それも、教育専門の方々からも、いわゆるコンピューターを使って解答を処理するというふうにすれば、出題そのものもコンピューターを使った、かなり合理的な出題でないと、それぞれの先生方が頭の中で判断して考えたような問題提起では、もはや何千人の医師を国家試験をしていく場合に、きわめて不合理であるという御意見も出ましたので、本年度から研究費を用意いたしまして、そうして国家試験のあり方の具体的な検討に入ることにいたしております。  そのようなことのほかに、教育病院群というものの設置について検討いたしておりまして、ほぼ中間的な御報告をいただきました。国立あるいは県立等主要な公的病院等を中心に、全国に教育病院を育成する必要がある。これは相当国が投資すべきである。しかもそこに指導員を置いて、いわゆる国家試験を終わった、二年間の医師法に基づく研修生を十分教育するだけの投資をいままでしていないという点については、私は、率直に言って、そのような感じを持っております。  医師学生一人当たり、ただいま予算が五十万でございます。総額で約四十億、文部省関係が二十億、厚生省関係が約二十億という段階でございます。五十万という単価で、総額にしますと四十億というかなりな金額になるように見えますけれども、個々の内容に至っては、きわめて貧弱になってしまいます。  また指導員に対する手当その他も研究費的な配慮も不十分でございます。そういう指導員の養成のためには、むしろ国内だけの勉学じゃなくて、もっと国際的な視野からのインストラクターの養成の必要性も御提案の中にはございました。この点は、各方面で非常に関心を持たれておる問題でございますので、これも予算の要求の実現の方向としては、こういう指導員の養成から十分にかまえていく必要がある。  それから先ほど申し上げた教育病院群というものを十分勉強できる病院に設定するためには、相当計画的な投資をする必要があるというふうに思っておるわけでございまして、先生のかねて良医をつくることについての主張に対しては、われわれとしては非常に関心を持っている問題でございますので、積極的に努力いたしたい、こういうふうに思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この問題は、ひとつ私どもも野におりまして、こういう仕事に、社会労働委員という仕事にタッチしておる限りは、特にこれはひとつ今後とも全力をあげて、そういうりっぱな制度ができるようにがんばっていきたいと思っております。  それで、この医療制度の提供する側の問題については、まだたくさんの問題がございます。これは厚生大臣が最初にお話しになりましたように、供給体制の問題については、私は不備というよりは、やはりいまのお医者さんのモラルの問題との関連が非常に多いと思うのです、制度はあっても。こういうふうな問題との関連がありますから、お医者さんが、おれたちは国民の命と健康に責任を持っておるのだという自負心を持ってこられれば、いまの制度でもある程度までカバーできるという感じがするのですけれども、その点がいまの保険制度についても非常に欠けている点だと私は思うのです。  だからお医者さんには診療報酬でもって十分暮らせるような報酬体系、診療報酬を引き上げる。いまの病院がそうでしょう。病院が診療報酬を引き上げてくれという矢のような催促です。これも必要な面があるのです。これも私やってあげなければならぬ面があると思います。ただ、そういうふうなことをやる場合にも、いまの基本問題をやはり解決していけば、国民は納得すると私は思うのです。診療報酬を上げる、そうしてお医者さんも一生懸生がんばってもらえるということになれば、喜んで負担すると思うのです。また負担の全体の総額も、いまよりは私は多くなると思えない、医療費総額が。そういうことになって、かりに一時的に多くなっても、それはやるべきだというふうに私は思うのです。ぜひともひとつお願いをいたしておきます。  次に、保険の内容の問題について若干申し上げてみたいと思うのですが、これは同僚議員からの何回かの御質疑があったと思いますので、簡単にしたいと思うのですが、大臣、六割給付の問題、これはせんだってNHKのテレビで大臣と、ちょうど御一緒になったことがありまして、大臣はこれは必ずやります、来年はやるつもりですというお話があったのですけれども、これは大臣、この席上でも同じことなんでしょうね。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 この問題につきましては、すでに御承知のように、衆議院、参議院の本会議の趣旨説明の際に、与党、野党各党から御質問をいただきました。それからテレビでも先生と同席いたしたことがございますが、要するに今回私どもが、この健康保険法の改正に手をつけましたのは、私も実は当初から七割にしたい、そのくらいの気持ちを持っておりました。しかし七割給付ということになりますと、実は相当ばく大な金がかかるわけでございます。そこで、そうなってくると、こういう際でございますから、保険料をそうたくさん上げるというわけにもいかない。そこでまずさしあたり実現可能な段階から始めてみようということで、実は六割給付ということを提案をいたしておるわけでございます。  皆さま方のいろいろ御質問のお気持ち、私は十分理解はいたしておりますが、責任を持っておる厚生大臣としては、いまの財政の中で、いま直ちに七割ということは困難ではないか。したがって提案をいたしております、この法案が成立いたしました暁に、必ず私は七割給付の方向を目ざして、これが実現のために努力するということを御答弁申し上げておるわけでございまして、いまもその気持ちには全然変わりございません。皆さん方の御協力をいただいて、成立いたしました暁には、必ず七割給付実現のために努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 くどいようですけれども、この法案を厚生省も一生懸命で、よくするためには耳を傾けるという話もありますけれども、この法案自体を六割を七割にするということは至難なことですか。つまり絶対だめだ、ノーだということですか、あるいはというようなことが多少ございますか、その点いかがですか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 たびたび申し上げておりますように、政管健保の財政は非常に脆弱でございます。そこで何とかその基礎固めをしなければならない。そこで一〇%という定率補助、八百八十億近い補助を出すようにし、さらにまた将来料率を上げる際には国の補助もそれと一緒に、三者三泣きといったような考え方、もちろん額は多少違いますが、そうした方向でやっていこう、こういうことの思い切った措置を講じて、なおかつ六割で何とかとんとんでいけるという段階でございます、これは私は率直に申しまして。  ですから、いまの財政のもとで七割給付というのは非常に困難である。やはりこの法律を通していただいたあと、これは私も真剣に前向きに努力をいたしたい、こう考えておりますので、どうかそうした私の気持ちも御了承、御理解いただきたい、かように考えておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それからもう一つ高額医療の問題ですけれども、私は社会保険審議会の答申を読んでおりまして、事業主側として、あの高額医療の実施のしかたについて、所得によって差をつけたらどうか、所得の少ない人には全額でも持つ、多くなればそれに従って応分の負担をさすという考え方、これは厚生省としては、どういう考えを持っておられますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 確かに御指摘のとおり社会保険審議会の答申の中におきましては、高額医療についていろいろ御意見がございました。その中には、一つはいま先生御指摘の、所得に応じて自己負担限度額に段階を設けるということ、それからもう一つは自己負担限度額の引き下げをはかるべきであろう、こういうことでございます。  私ども現在の段階では、いずれもなかなか傾聴に値する御意見でございますけれども、新しい制度でもございますので、前回もお答えを申し上げましたが、やはりそういう制度は、わりあいクリアなかっこうでスタートしたほうが、制度の円滑な実施をはかることができようという見地から、いまのところ、社会保険審議会の意見にはございますが、やはり三万円程度の自己負担、それ以上は高額医療で償還払いをする、こういう仕組みを考えておるような現状でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いまの三万円のお金は確定的なものと受け取っていいのですか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 いろいろ言い方もあろうかと思いますけれども、この制度を立案をいたしましたのに伴いまして四十八年度の予算というものも組んでいるわけでございます。その際に、この問題を考えました場合に、三万円というものを標準にして、基礎にいたしまして予算を組んでおります。われわれの気持ちといたしましては、大体そういうところで固まっておる、そういうような実情でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは、これを実施の場合に諮問する委員会の話し合いによっては変更できるものですか、あるいは変更できないものですか、その点をお伺いしたい。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 法律案の内容は、御承知のように高額療養費の支給の要件でございますとか、あるいは支給の額でございますとか、その他この件についての必要な事項は政令で定めるということになっておりまするので、政令制定の段階におきまして社会保険審議会に諮問いたします際に、現在の考えておりますことが全く不動のものであるということではないと私は思います。  しかし、先ほど申し上げました予算編成の際の経緯もあり、また実際上の制度の円滑な発足、また関係者の事務的な円滑さというふうな面を考慮いたしますと、現在まで申し上げておりますことが、大体今後私どもが事を進めます場合の標準的なものの考え方になるだろう、このように考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 このような問題は非常に大事な問題です。特に最近のような老人病関係、あるいはガンその他の長期療養の重病がある場合には、非常に重要な意味を持ってくるわけです。したがって他の一般のものは少し高くしてもいいから、こういうものは全部ただで療養できるようなことを考えたらいいのじゃないかという意見もありますね。普通の軽い病気は一般の人が負担したっていいじゃないか、こういうものは全部国がめんどうを見ようという考え方があるのですけれども、これは私は非常に理屈があると思うのです。  こういうふうな理屈がすなおに議論ができるようなことになれば、私はこの医療問題は、もっと大事な問題が解決できるものになると思うのですけれども、そういう問題を、大臣考え方としてでけっこうですけれども、お伺いしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 この問題につきまして、そういう御提言、私も非常に理解できる問題でございます。  そこで、いま保険局長からも申し上げましたように、手続的には社会保険審議会と相談をしてきめる、そこで初めて確定する、手続的にはそういうわけでございまして、ただ私どもは、まあ一応発足当時はわかりやすく、一件一月三万円ということで趣旨の徹底をはかったほうがいいのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。したがって、そうしたことで出発いたしまして、その後の情勢に応じて、いま先生のお述べになりましたような御意見も十分私は考えて、この改善をはかっていかなければならない、こういうふうに考えておりますが、いまのところ、やはり当初の出発は一月一件三万円というほうが、かえって国民に対しては、わかりいいのではないか、こういうふうな感じもいたします。  しかし、もともとこうした構想を生み出した根本は、ガンとかあるいは成人病とか、そういうことから出発いたした問題でございますから、今後発足いたしましたあとの情勢の推移に応じまして、十分そういうことを考えていく必要があるのではないか、こういうふうに私はいま率直に考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 最低の場合実際支払いのできない人、これが相当おると思います。そういう場合の減免の余地はありますか。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 いまのところは、そこまでのことは考えておりません。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは当然考えていい問題ではないでしょうか。先ほどからのこの案、この制度を導入した趣旨からいっても、支払いのできない人には、何ぼこういういい制度があっても意味がない。しかも支払いのできない人が、このごろは多いと思うのですね。そういう人には、ある条件をもって減免をするという制度がなければ、私はあたたかい思いやりというものが、にじみ出てこないという感じがするのですが、大臣いかがでしょう、この問題は。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 私どもは実は、先生のおことばを返すわけではございませんけれども、この制度については、いろいろ考えている面があるわけです。  その一つは、いま先生のお話にも関連をいたしますが、こういう制度をつくる以上は、片方において低額な医療費については自己負担にするというような御提言がございました。これは前回にも当委員会で申し上げたのでございますけれども、現在全く医療保険制度というものがなくて、現在のような疾病構造のもとで新しく医療保険制度をつくるというようなことが、かりにありといたしますならば、おそらくは今回考えておりますような高額医療費を対象にした制度、あるいはまた高額か中額かわかりませんけれども、そういったものが中心になった制度ができてくるような可能性もないことはないと思います。  しかじかさようにこの制度は、この制度だけでどうも十分であるかどうかという点は、制度上のバランスは若干残っていると思うのです。さらに今回は家族の給付につきましては五割を六割に上げまして、残った四割分について自己負担を三万円にして償還するという仕組みでございますので、むしろ免除というような考え方で、この制度にアプローチをする考え方というのは、私どもはいかがなものか。やはり一部負担としての三万円、残りは償還される、こういうふうなかっこうで給付率としては六割まで上げて、高額なものは償還をする、一部負担的なものとして三万円である、こういうふうに考えるのが、この制度のまともな理解のしかたじゃないか、こういった見地から免除というふうなことは、どうも今度の制度の考え方になじむかどうか多少疑問に思っておるような次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 こういうふうに申し上げるのは、月三万円というのは、やはり一般の勤労者にとっては半分、あるいは四割くらいになるかもしれませんけれども、半分近い負担になるわけであります。これが毎月ということになると、相当困難な人も出てくると思うのですね。その払えない人の救済の道というものを考えてしかるべきじゃないかと思うわけでございまして、ひとつ一段のくふうができないものか、御検討いただきたいと思うのです。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 ただいま申し上げたようなのが私どもの現在の考え方でございますけれども、先ほど大臣からもお話がありましたが、とにかく制度を発足させました上で、いろいろまたこの制度については補完すべき点もあると思いますから、そういった際に問題点は十分に考えていきたい、かように考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 最後に病院の問題ですけれども、私どもは全国の国立病院の長の会の方々から非常にきつい陳情を受けるのですが、病院長の方々の強い不満の一つは、自分たちの意見が公的な機関に反映できないということを非常に不満に思っているようですね。これは私、話を聞くともっともだと思うのです。  私は、この前に武見さんにお目にかかったそのときに率直に申し上げた。武見さんは、和田さんそれは病院の代表は入っているのだ、相当大きな病院の代表が二人入っているのだ、十分それで代表はできるのだということを言っておられました。  しかし武見さん、そうおっしゃっても、それとこれとは話が違う。個人の病院長ではあっても、病院全体の意見を代表するということは必ずしもできない。このいまの全体の日本の医療提供側の状況から見て、個人の開業医の人たちと病院というもののウエートを考えてみれば、やはりいろいろ見方によって違いはありますけれども、病院の役割りというものは非常に大きな役割りを持っている。特にたいしたことはない病気は個人の人がやっても、ちょっと問題になると、みな病院へ持っていく。こういう病院の人たちが、自分たちの考え方が公的な場に反映できないということは、これは非常に問題にしている点だし、これはある程度筋の通っているものだと思うのですね。  いまの委員のワクがあって入れられなければ委員のワクをふやすとかいうことについても、武見さん御不満であれば武見さんをひとつ説得なさって──私は武見さんはもののわからぬ人じゃないと思いますよ。私は初めて会ったのですけれども、初め、私は武見さんの悪口をときどき言うので断わられると思ったところが、理事会をやっている最中に時間をさいて一時間半も会ってくださった。私はいろいろ話をしてみて、わかる人だと思ったのです。率直に、そういうような問題もひとつ打開していったら、どうだろうかというふうに私は思うのですけれども、いかがでしょう、大臣。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 中医協に病院の代表を入れたらどうかという御意見、私もときどき承っております。しかし、いまの中医協その他のたてまえは、医師会の推薦しておる委員の方が、そちらのほうの立場も代弁をするという仕組みに一応なっておるわけでございまして、この点は和田先生も御理解いただいていると思います。     〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、いまのところ大体医師会側の推薦の方々が十分病院のことも理解して発言をされ、行動されていると私も実は考えておるものでございますから、いますぐ病院代表というようなことで入れる必要があるかないか、私も多少疑問を持っておるわけなんでございます。しかし、だいぶあちらこちらからも、そういういろいろな意見もあることでもございますから、何らかの機会にそういう関係団体の方々にもお伝えをし、そして十分相談をしてみたいと考えております。  しかし医師会側の推薦の方々は、ぼくらもだいぶ理解して大いに代弁しているんだということを非常に言うておるものですから、言うておるのに、あなた方どうも十分でないようだとも言えませんものですから、そういうことにはならぬわけでございますが、各方面から十分私も意見を承っておりますから、私もそのうちざっくばらんに相談はしてみたいと思っております。しかし現在のところ、私のほうとしてはそう支障は感じてない、こういう実情も御理解いただきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この問題、私、どういう点に利害の相違があるだろうかとふしぎに思って双方にお聞きしますと、医師会さんのほうは、病院は野戦病院だという表現、片一方のほうは、あれは小売り商だという。さしあたりスーパーと小売り商みたいな関係があるんじゃないかという感じを持ったのですけれども、そうであればあるほど、両方とも大事な機関ですから、やはり小売り商がスーパーの代弁をすることはできないし、スーパーが小売り商の代弁をすることはできないわけですから、この状態を見て、やはり大臣もひとつそういう実情から、二つの利害の違った団体の意見を反映さすというようなこともお考えになっていただかなければならぬじゃないか、そういうふうに思うのですけれども、これは強く要望しておきたいと思います。  最後になりますけれども、これは他の委員からも御質問があった点ですが、救急医療体制という問題ですけれども、これは国民が非常に関心を持っている問題の一つだと思います。  実は私せんだって──私は郷里は高知県で、私のおいごになるのが医者をしておりまして、その医者のおいごのにいさんが車にはねられて、ある救急病院に持っていかれた。ところが、その救急病院は──それは医者が言うことですよ。きわめてこれは不適当な処置をしているということを、名前は一切言いませんけれども、そういうことを聞いてきたばかりです。よく事情を聞きましたところが、設備も不備だし、お医者さんの心がまえも不備だしと言う。そういう実情は、私これは他にもたくさんあると思うのですけれども、そういう救急病院の整備というものは、いまの供給体制の側から見て、一番重要な問題だというふうに私は思うのです。  それともう一つ、患者さんがお医者さんに見てもらおうと思っても、休みのときはなかなか来てくれないという問題、これは公的な形で、義務づけられたような形でカバーできる。完全にできるとは思いませんけれども、とにかく東京であれば一つの区に一つ、あるいは小さな市では一つ、そこに行けば必ず見てもらえる、処置が受けられるというところを一つおつくりになったらどうかと思います。すでにあるところもあると思いますけれども、それはいかがでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 救急医療の問題、それから休日の医療の問題、これは非常にむずかしいのですが、解決しておかなければならない重要な問題だと実は私は考えておるわけです。救急医療の問題につきましては、御承知のように救急医療センターを、たいてい人口十万ないし十五万単位に一カ所つくるということをやっておりますが、率直に言って、これもまだ十分整備されておりません。しかも、それがまた全国で全部整備されておるわけでもない。これはやはり思い切って整備をするように設備、機械等について充実させる必要がある、こういうふうに考えております。  これは休日医療の問題と関連して先ほどもちょっと申し上げましたが、社会保障長期計画の医療供給体制の中の一つの大きな柱として取り上げてまいりたいと考えております。特に休日医療の問題などにつきましては、これから週休二日制がだんだん行なわれるようになってまいりますと、これはなかなかたいへんなんです。これもいまから準備しておきませんと、労働省のほうでは盛んに週休二日制の趣旨の普及をはかろう、こうやっておりますが、私のほうは、右から左にやられて国民医療の責任を負えるかという問題があるわけであります。  そこで、これは思いつきのような話をして恐縮なんですが、たとえばそういう際は国公立病院あたりが休日と普通の日を振りかえて、休日はむしろ国公立の病院が本気になってやってくれるというようなやり方でもやりませんと、国公立の病院もそうたくさんの数はありませんにしましても、そういうことをやっていくようなことでも考えないと、これはたいへんなことじゃないか。思いつきみたいなことを申し上げて恐縮なんですが、これは思い切ってそういう措置も講じていかなければならぬと思うのです。  ですから、いま先生がお述べになりましたように、休日のような医療については一区一カ所くらいは必ずといった方向、これはいま輪番制、当番制でやっておるわけでございますが、これについても思い切った相当の援助を国もしながら、この問題には真剣に取り組んでいきたいと考えております。これは全国的に見ますと、地方、地方によっては事情も違う面もあるとは思いますが、この問題はひとつ思い切った医療投資も行ないながら真剣に取り組んでまいりたい、かように考えておるような次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは消防署みたいなもので、消防署は火事がなければ、遊んでいるわけではないけれども、訓練しておるけれども、火事があったときだけ出るようになっておるわけですね。やはり国公立の病院として区に一つくらいは、患者はなくても、いつでも患者が見られるという全科のお医者さんを配置しておるところがあってしかるべきだ。これは事によっては、ほかにもっと急ぐ問題があるのですが、そういうことを国民のために親身に考えておるのだというところが厚生省にあってほしいわけです。大臣はそういうことを十分考えられる人柄だと思いますから、ぜひひとつそういうことをお考えになっていただきたい。  そういうことを積極的にやってくださいますと、保険のこういう法案の問題でも対処のしかたがみな変わってくると思うのです。いいお医者さんができれば薬代、医療費が高うたって喜ぶと同じように、そういうふうな姿勢で厚生省として、いま急ぐ問題についてとにかく踏み出してもらいたい、こういうように思うわけでございまして、その問題を最後にお願いいたしまして、質問を終わります。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 速記を始めて。      ――――◇―――――

田川誠一自由民主党

○田川委員長 内閣提出の厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、八木一男君外十六名提出の国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、及び国民年金等の積立金の運用に関する法律案の各案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出があります。これを許します。田中美智子君。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 十一日の年金の質問に引き続いて、年金について質問したいと思います。たいへん時間がおそくなりまして、皆さんたいへんだと思いますけれども、私もがんばりますので、がんばっていただきたいと思います。できるだけ簡潔に私もやりますので、そちらも簡潔にお答えいただきたいと思います。  この間の論議が続きませんので、簡単ですけれども、ちょっと重複させていただきます。  女性には五万円年金が一人もいないということ、それから夫婦で厚生年金に入っていた場合に、遺族年金と自分の厚生年金が両方もらえないというようなことだとか、それから母子年金が三分の一引かれるとか、それから離婚した場合の妻の座がゼロになるとか、それから再婚した場合の遺族年金、母子年金の問題、こういうふうなことを、この間ここまでくらいなところでストップしたわけです。これはずっとつながっているわけですので、もうちょっとありますので、その次をしたいと思います。  これはやはり遺族年金ですけれども、たとえば夫が農業で国民年金に十年入っていた。それが公務員か何かになって、また十年今度は共済年金に入った。そしてまた、それをやめて、ある会社につとめて、三年間厚生年金に入った。夫がもし生きていれば、全部通算年金でもらえるわけですけれども、夫がなくなった場合には、妻が最後の厚生年金三年しかもらえないというのは、たいへんおかしいと思うわけです。こういう制度について、これをどういうふうに考えられるか、ちょっとお話を伺いたいと思います。遺族年金の通算年金の問題。     〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 ただいまの御質問は、厚生年金の最後三年お入りになったわけでございますね。──それで三年お入りになりますと、その方は六カ月以上加入しておられますと遺族年金が出るわけでございます、厚生年金について。ですから、御質問の趣旨はどういうことでございましょうか。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 結局夫は通算して二十三年年金に入っているわけですね。ですから、夫が生きていれば二十三年でいいわけですね。しかし夫がなくなった場合には、妻は最後の三年の遺族年金しかもらえないということですね。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 ですから、それは六カ月以上加入しておりますと遺族年金をもらうわけです。ですから三年分についてのというよりも、六カ月以上加入しておりますと、もらうわけですから、その場合に問題は、最低保障の問題のことだろうと思います。ですから二十年未満の加入期間の場合でも、前にちょっとお答えしたかどうか記憶ございませんが、二十年分の最低保障額は設けてございますので、つまり三年ではございますけれども、二十年分の最低保障額だけはもらえる、こういうことになっているわけであります。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 結局金額が少なくなるわけですね。ならないわけですか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 少ないといいましても、二十年分の計算はするわけですから、何と比べて少ないという御指摘でしょうか。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 夫の年金の五〇%が出るわけでしょう。ということは、生きていた場合より少なくなるわけでしょう。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 御質問の趣旨を理解するのにたいへん時間がかかりまして……。それは、つまり遺族年金が老齢年金の半額であるということ、その問題でございますね。  ですから、その問題は前にも申し上げましたように、これはわが国の公的年金制度におきましては、遺族年金はすべてその半額というふうなことをいたしておりまして、それが定着いたしておるわけでございます。  ただ問題は、国際的に見ました場合に、遺族年金の二分の一という給付額が低過ぎるのではないかという問題のあることは、私どもも十分認識いたしておりますけれども、何せこの問題につきましては、公的年金全部に通じての問題でもございますので、そこまで今回の改正は及ばなかったということです。  ただ前から申しておりますように、基本額自体が相当大幅に改善されておりますから、したがって二分の一相当額も、それにつれて大きくなっておりますし、それから最低保障の問題につきましては、定額部分も御承知のように四百六十円を九百二十円にいたしまして、それの二十年分でございますので、遺族年金の絶対額自体は相当大きくなっておる、こういうことでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 いま最初に私は、女性の年金権についてということをちょっと言わなかったものですから、何か理解を──この間の続きで、女性の年金権について、ずっと女性がこういうところで不利になっているということを話しているわけなんです。  それで、いまの五〇%というのも定着しているというふうに言われるのはどういう意味なんですか。五〇%が定着しているというのは、どういう意味なんですか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 それは長年にわたりまして、公的年金制度いろいろございますが、それぞれの年金制度が、いま申しましたように二分の一という金額で遺族年金を組み立てておるわけでございます。それが相当長年にわたって、そういう状態でございますので、それで定着と申したわけです。  ただ、さっき申しましたようにいろいろな観点から、この点については将来にわたっては検討しなければならない問題である、そういった問題の意識は十分に持っております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 やはり定着しているなんということばを使っていただくのは非常に困ると思います。人の苦労なら何年でもがまんできるという姿勢としか私には考えられないわけです。これは保険審でも国民年金審議会でも八〇%くらいにすべきだというふうな意見が、五〇%では少ないという意見が出てるわけですから、厚生省としては、それが定着している、長年だからいいということは、こんなに長い間国民が困ってきたんだ、夫に死なれた妻が困ってきているんだということ、だからこそ、これは一日も早く改革していかなければならないという姿勢に立たなければ、いつまでたっても、年金がほんとうの国民皆保険にはなっていかないんだというふうに思います。  時間がありませんので、次にいきますけれども、非常に重箱の底をほじくるようになりますけれども、たとえば夫に死なれた妻が遺族年金をもらっている、そしてその次の夫と新しい二度目の結婚をするわけですね、再婚する。そうすると、前の夫の遺族年金はだめになってしまうわけですね。その次の夫がまだあれにならない場合、遺族年金をもらえる間にならない場合に死んだ場合ですね。非常にほじくるようですが、そういう場合には全然その女性には前の夫の年金が復活しないわけなんです。わかりますか。これはどういうふうにお考えでしょうか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 いまの御質問はあれでございましょうか、再婚した相手が六カ月の遺族年金の受給資格が奥さんにいくその期間以内になくなった……(田中(美)委員「はい、そういうことです」と呼ぶ)それは当然出ないわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうしますと、いま、この間からずっと続いて女性の年金が、一生を通して女性が結婚をしたり、子供を生んだり、再婚したり、いろいろこうありますね。そういう人生をたどる中で、ときどき人間でなくなってくる。年金からすぽっとはずれるところがあるわけなんです。いまの場合でもそうですね。そういうことはたまにしかないと言われるかもしれませんけれども、やはりあり得ることなんですね。そういうことがたくさん出てきている。  この間、たとえば老人ホームのおばあさんがおじいさんと結婚した場合に、遺族年金がなくなるというようなことを申しましたら、これはあとで厚生大臣が冗談のように言われたのですけれども、そんな者にまで出していたら、何べんも結婚して、三回結婚して三人の夫の遺族年金をみんなもらうようになるじゃないかというふうなことを言われたのですけれども、私はそういうふうにしてくれということではなくて、なぜこんなにたくさんの――これはほんの一部分です。まだ出てくるわけですけれども、婦人の一生を通して見ますと、国民皆年金といわれながら、ときどきそれに当てはまらないときが出てくるということなんです。  これはなぜそういうものが出てくるのかということは、厚生省の意見を聞きたいわけですけれども、私から申したいと思いますけれども、結局、一人の人間というふうな考え方で考えていない。女は常にだれかの付属物のような形で考えられているということが、大体の女は当てはまるけれども、というふうな考え方できているわけです。そういうところから、こういうことが出ているんだと思うのです。ここら辺で厚生省が今後十分に研究を続けていただきたいと思うのですけれども、基本に流れているのは、戦前の民法の中では、女性というのは、ほんとうに準禁治産者並みに扱われていたわけです。新しい憲法ができて初めて法の上では平等になったわけですけれども、やはり厚生省のお考えになる考え方の基本の中には、戦前の女性観でやっている。だけれども、実際にはもう婦人労働者がどんどんふえているし、いまもう男性のほぼ半分は働いているわけです。これはどんどん男性と同じ数に接近していっているわけですね。そういう中でやはり一人の個人というふうにして考えて年金というものをつくっていかない限りは、こうした、ほじくってみますと、一生の間で女がいろんなところで路頭に迷うというふうな状態がくるということを言っているわけです。  いま大体、妻だけという人たちが九百四十万人ぐらいいるわけですけれども、そういう人たちの問題というものをもう少し根本的に厚生省で研究していただきたい。これはこの間でも、ヨーロッパではというふうなことを言われましたけれども、いまはヨーロッパでも、この問題は非常に大きな問題になっておりますし、フランスあたりでも、この婦人の個人としての年金権というものの研究がどんどんいまなされているときです。そういう点で厚生省はぜひ十分な研究をしていただきたい。  それからこれに関連して、五月九日の新聞、ほとんどの新聞に出ておりましたけれども、東京都の独身の中高年婦人の調査をしたのが出ていたわけです。この中高年というのは、この間の戦争でほとんど結婚の相手を殺されてしまって、俗にいえば、トラック一ぱいの女に男一人というふうにいわれるような比率だった人たちというのが、いま高年になって働いているわけですね。こういう人たちの年金権というものが、きちんとしていないということは、戦争の被害者でもあるし、そういうところに老人問題というものが、いま婦人問題だといわれるくらいになっているわけです。  そういう意味で、私いつも感ずるわけですけれども、こうしておりましても、厚生省の役員の中にはとんど女性がいないということを考えましても、非常におかしいように感ずるわけです。ぜひこういう点を今後とも直していただきたいというふうに思います。  次にいきます。別に男、女ということでなくて、年金権の問題。やはり国民皆年金というからには、すべての人が年金をもらうということが大切だというふうに思うわけです。金額が少ないということは、もちろんですけれども、もっと大事なことという――どちらといえないかもわかりませんけれども、成熟度を高めるという意味で、年金をもらう人は落ちこぼれが全然ないということ。そして六十歳になったら、すべての人がどこかで年金をもらえるようにするということを、やはり基本にきちっと置いていただきたいと思うわけです。  先ほどの女性の年金権のときに、ちょっと言い忘れましたけれども、こういうふうな問題が起きるというのは、やはり最低の一人三万円年金というものを確立しておきさえすれば、そして保険でかけた人は、その上に上積みしていくんだという、一人、たとえばいまでいえば福祉年金のようなもので三万円ときちっときまっている。厚生年金ならば四万とかというふうにきまっている。たとえばスウェーデンなどでは一〇〇%四万ときめているわけですね。その上にあれしていくわけですから、そういうことがきちっときまれば、いまのような問題というのは相当解決つくのではないかと思うのです。  この年金のいろいろ落ちこぼれている人たちというのも、最低の生活保障、食える年金というものがきまっていれば、そういうことは起きないわけですけれども、非常にたくさん年金から落ちこぼれる人たちがあるわけです。これは落ちこぼれるということばは、私は適当でないと思いますけれども、不当に権利を奪われている人たちなんだというふうに思いたいわけです。  まず、谷間の問題がいま新聞などにいろいろ出ておりますけれども、この六十七歳から六十九歳の方たちの問題というのを、どのようにお考えになっているか、お答え願いたいと思います。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 最後の御質問にお答えいたします前に、私も先ほどからいろいろ申し上げました際に、申し落としたことを申し上げますと、この遺族年金の問題に関しまして、婦人の年金権というのが非常に十分な年金権として確立していないというふうな御意見でございますが、前回も申し上げましたように、この遺族年金につきましては、男も女も同じような法的なたてまえにしてございますし、それから、これから先、先生御指摘のように、遺族年金がどうあるべきかという点については、私どもも十分の問題意識を持っておりますので、検討はいたしますが、前にも申しましたように、被用者年金と、それから自営業者、農民の年金、この二つになっておりまして、特に被用者の妻につきましては、国民年金に任意加入ができるようなたてまえになっておる。それとの関連等もございますので、国民全体に対して一本の年金制度であるという前提でものを考えれば非常に簡単かもしれませんが、そういったいろんな問題がからんでおります。  それで、いまの最後の御質問にお答えいたしますが、たとえばスウェーデンのように、全国民に対して一つの一般制度としての年金制度というのがあって、その上に付加的なものがつけ加わっておる、そういうかっこうがいいのだという御意見でございますが、この年金制度の型と申しますかタイプと申しますのは、その国その国の年金制度の発展の歴史なり国情なり、そういうものによって、いろいろ異なっておるわけでございます。  いま御指摘のスウェーデンでございますとか、あるいはイギリス等におきましては、こういった、いうなれば公的扶助に類するような一般制度としての年金制度があって、ただしかし、通常の場合そういう制度のデメリットとされております、年金額自体があまり高いことは期待できないということを解決するために、その上に付加年金制度がつけ加わっておる。しかし、その反面、別の国、たとえばいろいろ被用者年金等について議論をいたします際に、世界で最も進んでおる被用者年金制度の一つとして引用されます西ドイツ等におきましては、こういった一般制度というのはなくて、年金は被用者年金制度を中心にその制度が組み立てられておるわけでございます。それからアメリカなんかにおきましても、こういった一般制度というものはございませんで、被用者年金が中心になって組み立てられております。  したがって一般制度として、たとえば三万円の年金を全国民に対して支給したならば、すべての問題が片づくかといえば、そういうものではございません。こういうようなやり方をいま少し導入いたします際には、どちらかといえば、やはり公的扶助的なものになってしまいまして、年金として十分将来にわたって伸びのある制度になり得るかどうか、その辺も非常に疑問でございます。ですから、一般制度として三万円年金というものをしきさえすれば、ものごとが解決するという単純なものではございませんので、そういった御意見も貴重な御意見でございますので、将来にわたって大いに検討の材料にはさせていただきたいと思いますが、年金制度の組み立て方の将来については、いろいろなやり方がございますので、私ども十分時間をかけて検討いたしてまいりたいと思っております。  それから谷間の問題につきましては、これは総理大臣、厚生大臣からいろいろな機会にお答えがございますその趣旨に沿いまして、私どもも現在事務的にいろいろ、どのようなやり方をやったらいいか、検討をいたしております。それで、この問題につきましては、総理大臣、厚生大臣からお答えのように、法案の審議の段階において十分に先生方の御意見を承った上で御結論を出していただけるものと思っておりますので、そういった場合にすぐ、そういったことが現実の法律の、たとえば修正なり何なりのかっこうで実現できるような、そういった事務的な勉強、準備は十分いたしております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 その前の答弁は私の質問に対してでなくて、そちらの御意見をおっしゃったわけですけれども、三万円にすれば、すべてが解決すると私は言っておりません。しかし食える年金でなければ年金ではない。そして西ドイツにしても六〇%近くの人がもらっている。スウェーデンでは一〇〇%もらっている。イギリスでも八十何%が年金に入っているわけです。しかし、日本の場合にはこれは非常に少ないわけですね。そういうことを考えて、あまりにも日本の年金というのが貧しいということを言っているわけですから、決してスウェーデンのとおりにせよというふうに言っているわけではないわけです。  この谷間の問題も、六十五歳から福祉年金を出すというふうにすればすべて解決することだ、これこそ簡単に解決することだというふうに思うわけです。六十五歳に福祉年金をあげるということは、これはどういうふうにお考えでしょうか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 この問題は、私どもまだどのような結論になるのか、それによって作業いたしますものですから、いまの時点でとやかく申し上げるつもりはございませんが、ただ一般的な議論として申しますと、この谷間問題の解決をいたします際に、すでに拠出制年金に結びついておる年齢層の方までも、たとえば無拠出年金である福祉年金を支給することによってものごとを解決するというようなことは、なかなか理論的にも実際的にも問題の多い解決のしかたではないかと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、拠出している人に悪いからというふうな考え方があるとすれば、五年年金というのは非常におかしいというふうに思うのです。  いま政府がいわれているのは、三年で福祉年金を一万円にするというふうなことをいっているわけです。そうすると、昭和五十年には一万円に福祉年金がなるとしますと、そのときの五年年金というのは昭和五十年から開始です。いまのままでいきますと八千円なんですね。そうすると、あなたもおっしゃるように、拠出しているほうがむしろ少なくなるというふうな、これはまあいまの問題とからめるのはおかしいのですけれども、ちょっとでも出している人には差がついてなければならないということに異常に固執している人が、どうしてこういうおかしな計算をするのかというふうに私は言いたいわけです。この五年年金というのは、おかしいとお思いになりませんか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 私の申しました無拠出、拠出の問題は、お金を出す方と出さない方というよりは、拠出制の年金制度の網のもとにあって、それに加入できる方と加入のチャンスのある方、そういった方はこの拠出制の年金でということでまいっておるわけでございます。したがいまして、純粋の谷間と申しますか、そういった方は拠出制の年金の網の目の外にある方でございます。したがって谷間問題の解決としては、そちらのほうだけを解決するのがおそらく理論的には妥当であろう、こう申したわけです。  それから金額の問題につきましては、この八千円という金額は御承知のように四十八年度の八千円でございまして、これから先、拠出制の年金につきましては物価による自動スライド制、それから場合によっては五年になりますかどうですか、そういった政策スライドの機会というものもございますので、そちらのほうのレールに乗っかってまいるわけでございます。  したがって非常に極端なことを申しますと、たとえば五十年に福祉年金が一万円になったといたしました際に、それよりも拠出制の五年年金のほうが額が低いということも理論的にはあり得ないことではないと思います。それはやはり拠出年金は拠出年金のレールに乗っかっていくべきだし、それから無拠出年金のほうにつきましては全額国庫負担でございますので、この改定というものは、そのつどそのつど政策的になされるべきものであるというようなこと、それからまたこの無拠出の問題につきましては、そのほかのいろいろな公的扶助の制度でございますとか、その他万般の社会福祉制度との関連の問題等も考えなければなりませんが、まあ拠出であるから、ちょっとでも少なくとも高くなければならないとか、無拠出であるから絶対に低くなければならないとかということは、やはり理屈の上では妥当な理屈ではないのではないかと考えております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 だから私がそういうふうに言っているわけです。そちらのほうでやはり拠出している人があるからというふうに言われるわけですね。  それで問題は、やはり谷間の人を救うからとかという問題だけでなくて、老人といえば一体幾つからなんだというふうに考えた場合に、七十歳からというのは、あまりにも高過ぎると思うのです。福祉年金は六十五歳からでなければ、ほんとうの年金にはなれない。それでも少ない。ほんとうならば六十歳からすべての老人というふうに考えたいわけですけれども、福祉年金を、六十五歳からという谷間を救うためにというだけでなくて、そういう考え方、これは非常に国民の大きな要求になっているわけです。いま私のアイデアなんという問題ではないわけですね。この点について国民の多くが望んでいるので、大臣は六十五歳からということについては、どのようにお考えになりますか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 老齢福祉年金というのは、御承知のように、いまから十二年前に国民年金制度ができましたときに、五十五歳以上の方々には保険料をかけていただく期間がほとんどない。ですから、そういう方々は拠出制という国民年金に入ることは困難でございましょう。したがってそういう方々は、しかし、さればといって、お年寄りになったときに一文も上げないということは、どうであろうかということで、その方々についてだけは、七十歳になってから老齢福祉年金を差し上げるようにいたしましょう、こういう制度でできたわけなんです。  そこで大体あの当時五十五歳以上の方は、大部分の方々は、今日すでに十二年たっておりますから七十歳以上になっておるわけなんですが、七十歳に届かない方がまだ六十七歳、六十八歳、六十九歳、この三年齢層があるわけなんです。この方方は、前々からの五年年金にも十年年金にも入れなかった方、この方々に七十歳までお待ちいただくのはどうであろうか。そこでこの際、特別の老齢年金を支給するようにしたら、どうだろうかということになったわけでございます。それがいわゆる谷間の問題、あと六十六歳以下の方々、六十六歳、六十五歳の方々については、五年年金なり十年年金の仕組みに入れる道を開いてあるわけでございます。それから今度の法律改正においても、もう一回五年年金でお入りいただけませんか、こういう仕組みにいたしまして法案を提案いたしておるわけでございますから、そこで私どもの考え方としては、六十七歳、六十八歳、六十九歳の方々についてだけ特別な年金制度を考える、六十六歳以下の方はいまでも五年年金にお入りいただきたい、こういうことを申し上げておるわけでございます。そういう考え方の法案を提案しておる、こういうわけでございまして、私どもは老齢福祉年金については六十五歳まで下げるという考え方は全然持っていないということを明らかにしておきたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 国民はいま非常に強く谷間の問題だけでなくて、六十五歳からの福祉年金というものを要求しているわけです。厚生大臣は全くそのお気持ちがないというふうにおっしゃったわけです。  それで次に、日本の年金というのは請求しなければ権利はできないというところを私は非常に不親切だというふうに思うわけです。受給期間がくれば自動的に知らせるというふうな──ほとんどがこの権利を知らないがために、それから期日がおくれたというために、年金をもらわないでいるという人が非常にたくさんいるわけです。その点について、どういうふうにお考えになりますか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 年金が、請求をしなければという、こういうたてまえは、おそらくどこの国でもそうだろうと思います。ですから問題は、年金権が発生いたしました際に漏れなくこれを御請求いただくような、いろいろなPRというものの重要性ということになるのだろうと思いますが、その点につきまして、いま先生御指摘のように、それを知らないために年金権をみすみす失ってしまうという方が非常に多いというお話でございますが、私ども聞いております範囲内では、そのようには理解いたしておりません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 もうこれは不親切というか、知らないほうが悪いというふうなことになる。そちらではそういうふうになるでしょうし、第一、全然御存じないということは、雲の上にいらっしゃるから御存じないのかもしれませんけれども、実際には知らないために、たくさんの権利をあれしている人があるわけです。  いまここでそれを全部読み上げていますと非常に時間がありませんけれども、一つだけ例をあげたいと思いますけれども、これは東京の中野区の新井一丁目三十三番地岡本文子さんという方です。六十三歳のこの方は、国民年金に入っていたわけですけれども、結局生活ができなくなって、昭和三十八年から生活保護を受けているわけです。生活保護を受けているにもかかわらず、国民年金の保険料を取りに来ているわけなんですね。生活保護を受けていれば、当然これは免除規定になるわけですね。そういうようなことを知らない。その方が知らないから悪いのだということになって、結局取りに来ているわけですね。それで四年間もこれは取られているわけですね。それをある人が知って教えて交渉に当たるわけです。また、交渉に当たっても、なかなかそれが解決しないというふうなことが起きているわけです。  これは一つの例で、何も──この岡本文子さんは、いま交渉をやっているわけです。役場としても、区役所としてもこれは認めているわけですからね。そう思いますけれども、こういうことが際限なくあるということを厚生省が御存じないということでは、ほんとうに困ると思うのです。  いまおっしゃったように、そういうことを厚生省は知らない。実際にこういうことがあるわけですね。気がついてお金を返してくれという交渉をしても、これはたいへんな時間がかかるわけですね。生活保護をもらっている方たちからもそうした年金を取っていく、そういうふうな状態ですからね。まして年金権ができているのに知らないで請求しなかったら、そのままになるという数が、いかにたくさんあるかということ、もし御存じないならば私は調べていただきたいというふうに思うわけです。いま保険に入っている加入者と被保険者の数というのはわかりますか。

八木哲夫社会保険庁年金保険部長

○八木政府委員 御質問は厚生年金でございますか。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 はい。

八木哲夫社会保険庁年金保険部長

○八木政府委員 厚生年金でございますと、約二千三百万人でございます。現在の加入者、被保険者でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 入っている数はですか。

八木哲夫社会保険庁年金保険部長

○八木政府委員 私が申し上げましたのは、現在、厚生年金の被保険者の数でございますから、厚生年金に加入している者の数でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 実際の人数と入っているのと数が違うのじゃないですか。

八木哲夫社会保険庁年金保険部長

○八木政府委員 これは実際に入っている被保険者の数でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 一人が二つ入っているということはあるんじゃないですか。そういうことは調べていらっしゃいますでしょうか。

八木哲夫社会保険庁年金保険部長

○八木政府委員 御質問の趣旨は、一人の方で、厚生年金で被保険者証を二つもらっている方があるんじゃないかということでございましょうか。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうです。

八木哲夫社会保険庁年金保険部長

○八木政府委員 これは実際には、ちょっとわからないのでございます。私どものほうでは、業務課で受給者の記録、これは年金の場合には記録というのが一番重要なわけでございますので、非常に被保険者大量でございますし、できるだけ国民のサービスをはかるという意味から、コンピューターによる機械処理をやっております。現在、厚生年金で業務課が保管しております被保険者証を交付しました、したがいまして、被保険者の台帳がございますが、七千五百万でございます。  ただ、これは、厚生年金の制度ができましたのが昭和十七年でございます。したがいまして、すでに三十年以上経過してございますし、その間なくなられた方もございますし、あるいは厚生年金をおやめになりまして、ほかの制度にいかれた方もございます。そういう面から申しますと、現在の被保険者の数がどのくらいあるかということになると正確な数字はわからぬわけでございますが、先生御指摘のように、被保険者の中には二枚以上の被保険者証を持っている方がいる。したがいまして、業務課の登録されております台帳が二つ以上あるという方もあるわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それを見ましても、いかに国民が──大体いま世間一般で推測しておるのは、大ざっぱに見まして約三倍であろうというふうにいっているわけです。実際の人数は三分の一だろう、こういわれているわけです。こういうことは本人が知っていれば、それを最初に入った番号で次に入っていけばいいわけですね。知っていればいいわけです。知らないから、職をかわりますと、また新しくそこで厚生年金に入り、またやめると、入っていくというふうな形になっているわけです。そういうことを知って台帳が──なくなった方の数もあるから、正確ではないかもしれませんが、いまあなたのおっしゃったこの数というのは、世間のうわさと大体似ているわけなんです。おそらく三倍であろう、こういうふうにいっているわけですね。  そこから見ますと、問題は知らない人がいかに多いかということが、この数を見てわかるわけですよ。やはりそれを見て、政治というものは、みんな知らないんだなということで手を打っていかなければいけない。どうやって知らせていくかという努力をしていかなければ、結局今度これが通算されるということも知らない。そうなってくれば年金が非常に少なくなったり、また年金権がなくなったりする人というのは出てくるわけです、実際にはたくさんもらえるはずなのに。絶対数はたくさんじゃないですけれどもね。そういうことに対して、どういう手を打っていらっしゃるか、どういう努力をしていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。

八木哲夫社会保険庁年金保険部長

○八木政府委員 ただいま御指摘ございました厚生年金の例で申しますと、七千五百万件ございますけれども、先ほど御説明申し上げましたように三十数年もたっておるわけでございますが、実際には三倍というようなことはまずないと思います。  ただ御指摘のように、これはいろいろな理由があると思いますが、一つは、私どものPRがかつて十分でなかったという点もあると思いますし、それから年金制度に対します関心というのが現在ほど高まっておらなかった、あるいは厚生年金の場合でございますと、被保険者証が非常にぺらぺらの薄い紙であったというようなことから十分な認識がございませんで、年金の番号二つ以上持っていられるという方もあったと思います。  現実問題といたしまして、もし二つ以上の年金番号を持っておられるという方が、片っ方しか現実の年金裁定の際に計算されないということでは申しわけないわけでございますから、私どもといたしましては、請求が出ました際に、御本人は覚えておられないかもしれませんけれども、できるだけ詳細な経歴を出していただきまして、それにつきまして非常に古い記録もございますけれども、最善の努力をいたしまして、両方つなぎ合わせまして、期間を満たしました年金、両方合わせました年金が出るというような方策を講じておりますし、それからPRの面につきましても、できるだけ年金制度の趣旨なり内容なりにつきまして十分努力しておりますし、このような時代になっておりますので、PR面につきましても最善の努力を払っているわけでございます。  特に最近は年金相談の問題が非常に多いわけでございますので、業務課あるいは都道府県、市町村通じまして、年金相談の面につきましても相当の力を入れていかなければならないということで、実施面におきまして最大の努力目標を、相談なりPRにあげておるような状況でございます。  それから厚生年金の場合には、被保険者証が非常にぺらぺらで薄いというようなことから、幾つもの被保険者証が交付され、現実に年金番号が二つ以上になるというようなことを防ぎますためにも、従来社会保険審議会からいろいろ御意見ございまして、年金手帳一本の、各制度を通じての年金手帳というものを発行したらどうかというような御意見もございましたので、この問題につきましては本年度予算化いたした次第でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 年金手帳をいま考えていらっしゃるということですので、これはぜひやっていただきたい、どうしてもやっていただきたい。その手帳にずっと通算できるようにしていただきたい。いままで最善の努力をなさったということは、とても考えられないので、最善の努力をしても、こんなことでは、これは最善ではなかったのだというふうに結果的にはなると思いますけれども、年金手帳をちょうど──母子手帳というのは非常に普及していると思うのです。きちっと保健所でやっているわけですね。そういうふうに、やはり年金手帳を大事にたんすの引き出しにしまっておくというふうに、国民がなれるようにすることが最善の努力なんだというふうに思います。  いま国民が、自分は年金がもらえるだろうかというようなことを問い合わせましても、通算年金ということがありますから、もし該当するなら、それでやってみたらどうですかというような、非常につれない、こういう手紙が来るのですね。そうすると、その意味が国民のほうにはよくわからないわけです。一体、通算年金とは何だということもよくわからない。そういうことで、そういう問い合わせがあったときには、やはり役所のほうでそれを調べてあげるというふうにしていかない限りは、いままで入っていたものを、そのまま捨ててしまうという人がたくさん出ているのではないかというふうに思うのですね。そういうことが日本の老人の自殺が多いということにも結局はつながってきているというふうに思いますので、今後最善の努力をしていただきたいと思います。  それから時効の問題、結局請求しなければ権利がないことになっているということで、気がついてしたときには、もうこれは時効になっていたというようなこと自体、もう年金としては、おかしいわけです、借金ではないわけですから。やはりここら辺のところも国民皆年金の精神からすると非常に私はおかしいのだと思います。  時間がありませんので、ちょっと急いで次にいきますけれども、これは婦人の年金権のところで言うべきだったかもわかりませんが、脱退手当金というのがあるわけです。これは婦人だけではないようですけれども、おもに婦人が多いわけです。これには標準報酬の読みかえがないということは、どういうことなんでしょうか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 脱退手当金は御承知のように男の場合ですと五年、女の場合ですと二年、それだけの勤務歴の方でございます。したがって五年ないし二年という非常に短い期間でございますから、長期にわたっての標準報酬の時価評価をし直す再評価、そういったこともあまり実益がないというようなことが、おもな理由でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それから障害年金の問題になりますけれども、七十歳以上の廃疾の方を障害福祉年金にしないということは、どういうことなんでしょうか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 御質問の趣旨は七十になって……。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 なってから……。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 七十になりますと福祉年金が出るわけでございますが、その方についてあとで障害になった場合に障害年金に切りかえにならないということでございますか。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 はい。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 失礼いたしました。これは拠出制年金、福祉年金を通じての問題なんでございますけれども、主として拠出制年金のほうで考えております考え方を踏襲いたしておるわけです。それで拠出制年金につきましては、御承知かと思いますけれども、被保険者期間内に起こりました保険事故、それに対して保険給付をする、こういうたてまえになっておるわけです。無拠出制年金の場合は被保険者期間というものは実際はないわけでございますけれども、その方が七十歳になるまでの間は、いわば被保険者期間みたいなもので、七十歳になって老齢福祉年金を受給されますと被保険者から受給者にかわる、そういうかっこうになるというようなことで、七十歳以降につきましては、言うならば受給者になってからの事故である。したがって、その年金も従来の老齢福祉年金であって、その後における障害等があっても障害福祉年金に切りかえることはしない。どちらかといいますと、拠出年金についてのその論理と申しますか、そういったものを無拠出年金についても当てはめたというふうな形でございます。  ただ問題は、そういったことは非常に問題ではないかという問題等もございましょうが、おそらくその年金という範囲内でものごとを考えます場合には、その考え方を飛び越えることは非常にむずかしいという気持ちがいたします。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 これは婦人の問題もそうですけれども、人によっていろいろと差別をしているというふうに私は思うわけです。七十歳になったら、もういいのじゃないかというふうな考え方が、やはりこの中にうかがえるというふうに思います。これは幾つであろうとも、障害がある場合には、それが障害年金につながっていくというのが、ほんとうだと思うわけです。そういう点、その底にすべての人間を個人として平等にとうとんでいくという一本が貫かれていないということが、やはりこういういろんな──小さいことのようですけれども、いろいろと不備が出てきている。  その中で特に強調したいと思いますのは、障害者の問題ですけれども、福祉年金が一級にだけしか当てはめられていないということは、これは福祉年金というのは一級だけですね。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 そのとおりでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 第一、この一級ということも、身体障害者の手帳を出すときのとはまた違うし、非常に複雑でわかりにくいと思うのですけれども、一級だけしか、この福祉年金は当てはめてない。たとえば内部疾患のようなものですと非常にわかりにくいわけですね。結局死ぬ直前にこの一級に当てはまる。そのときに申請しなければ、それでだめになってしまうということは、もう事実上内部疾患の場合には福祉年金をもらうということは非常に少ないというふうに考えられるわけです。これは何としても二級まで障害年金を当てはめなければ障害福祉年金の意味がないのではないか、死ぬまぎわにちょこっと出してという、そういう結果になるのでは、意味がないのではないかと思いますけれども……。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 障害等級の問題は、先生御指摘のように制度によって違っておりまして、これは相当問題なわけです。違っておるだけではなくて、たとえば厚生年金につきましては一級から三級、それから国民年金の拠出制につきましては一級、二級、障害福祉年金は先生お話しのようなぐあいになっております。それからまたそれぞれの一級、二級、三級と申しましても、必ずしも厚年の一級が国年の一級そのものではない。いろんな問題がございます。  ただこの問題につきましては、それぞれの制度の発足の歴史が違っておりまして、発足と同時にそういった障害等級等をつくってやっておりますので、一がいにそれを一本化するということは、なかなかむずかしいようでございまして、実は過去におきましても、虎の門病院の院長をしておられました沖中先生をキャップにいたしまして障害等級の統一化ということについて相当大がかりな御研究を願ったこともあったわけでございます。ただ、結論的に申しますと、その御研究の結果も、必ずしも現実の制度として動かし得るような結論も得ませんでしたので、この問題につきましては、私どもこれからもさらに十分の検討を加えたい、こう思っております。  それからもう一つの問題は、いま先生言われました認定の問題でございますが、この認定の問題につきましては、これは実務上の問題でございますから、これから先、いま言われたようなことのないように十分注意をしてまいりたいと思います。  それから障害福祉年金の内部障害は、そういうことでもらっておられる方が非常に少ないという御指摘でございますが、障害福祉年金の受給者数で申しますと、内部障害でもらっておられる方が三〇%いらっしゃるようでございます。必ずしも少ない数字ではないような気もいたしますが、また私、何か御質問の趣旨を取り違えておりましたら、再度お尋ねいただきたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 何はともあれ、障害年金をもらっている人たちが非常に少ないわけです。過酷になっているわけですね。ほんとうにもうどうしようもないという人しかもらえていないというふうに思うわけですけれども、その中に、いろいろ注意するということだけではできない、制度上の運用の上で相当気をつけるということは当然ですけれども、制度上にも非常に落とされていくということは、疾病の認定日のことですね。  これは初診日から三年目というふうにいわれていますけれども、それでいいわけですね。こういうふうになりますと、たとえばじん臓病の場合などは透析をしなければならないので非常に困るし、それから特に脳卒中の場合などというのは大体半年で障害が固定してしまうわけですね。しかし、それは三年待たないと認定されないわけですね。そこのところは、そういうふうになっていますか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 三年と申しますのは、原則が三年でございまして、その三年をたたない間に症状が固定いたしますと、それでよろしいわけです。そういう場合でも三年待たなければならないということはないわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 その固定したという場合は、どういうふうな場合できめるわけですか。固定というのは医者の診断があればいいわけですか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 お説のとおり、お医者さんの認定でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、厚生年金の場合、これは一級から三級ですね。そうすると、病気が動く場合に、もしなおって四級になりますと、はずされてしまいますけれども、今度悪くなって三級、二級になっていく、そういう場合には年金はもらえるのですか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 現行法でございますと、それがよくなってしまえばだめになるということでございますが、今度の改正をお願いしておる、その改正法の内容によりますと、それは症状が一時そういうふうになりましても、しばらくの間は停止をするだけで、またもとに戻れば、そこで復活する、そういうふうな改正をお願いいたしております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、いままでは一度四級になってしまうと、もう三級、二級、になっても永遠にだめだったものが、今度はいいというわけですね。特に結核などは、私も結核をしてよくわかるのですけれども、新薬を飲みますと、すぐ菌がとまるわけですね。排菌してなければだめなんだ、こういうふうにいわれますと、菌はとまるから、これはだめになってしまう、また出てくるということがあるわけですけれども、そういう場合もまた復活するということはできるわけですか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 私も実は、排菌の状態がどうなればどうという詳細までは存じませんが、いまおっしゃったような場合は、それだけの理由で切るというのは、おそらくやってないと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 いままでは、実際にはやっているわけです。菌が出なくなると、これはもう三級ではないということで切っているわけです、実際に。それは切っているわけですけれども、切ってないわけですか。そうすると、いままで切っていたというのは、おかしいわけですか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 排菌の状態がどうである、こうであるというのは非常に専門的な認定だと思いますが、どうも、ほんとうに出なくなったということになりますと、切っておるようでございますが、それは先ほど申しましたように、今度の改正では、その場合には一時停止はいたしますけれども、またもとに戻る、そういった仕組みでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、もう一つ障害年金のことです。これは障害者たちが言っておるわけですけれども、御存じだと思います。だるま理論なんというふうに言っておりますけれども、たとえば、指を一本ずつ切っていった場合には非常に年金が少ない、一ぺんに五本の指が取れてしまえば多い、実際に障害にあった人が、同じなのに、こちらの人とこちらの人とでは、けがのしかたの順番によって年金が違う。これはやはり非常におかしいというふうに思うのですけれども、それはどういうふうになっていますか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 おそらく前後認定の問題だと思いますが、それはいまお話しのように、最初の前発障害と申しますか、前発障害、後発障害、この前発障害、後発障害ともに障害等級に該当するという場合にしかやっておりません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 これはやはり通算していくべきだと思うのです。実際に即してやっていかないと、同じ手のない人がこちらは高い、こちらは少ないということになるのではないかと思うのです。こういうふうな不備が、あげていくと限りがないほどまだ多い。あと略していきますけれども、たいへんに不備が、落ちこぼれているというか権利が奪われているというか、そういう人たちが非常にたくさんいるということです。たとえば保険料免除の場合でも三分の一ということはおかしいので、国庫補助は二分の一あるわけですから、こういう小さいことを言っていきますと切りがありませんけれども、そういう形で何か貧乏人がいつも損をする、何か貧乏というものが個人の罪悪であるというふうな感じ、私、年金の制度を見ていきますと、そういう感じがするわけです。  私は少しひどい言い方かもわかりませんけれども、厚生省というところは──これは実際にもらおうと思って行っている人たちが言うわけですね、切り落とすための技術屋の集団じゃないかというふうな、たいへん皮肉な、意地の悪い言い方ですけれども、そういうふうな感じがするわけです。厚生省というところは、いい頭を寄せ集めて、一人も落ちこぼれがないように努力すべきところを、何か悪知恵を働かして少しでも切っていこう、非常にその技術がすぐれているというふうな、どこかでひっかかっていくというふうな感じを私はいま言いたくて、こういう小さいことをたくさんあげたわけです。こういう中で非常に国民は泣いているわけです。そこに当てはまらない人たちというのが泣いているわけですね。ですから年齢を六十五歳にする、六十歳にするということで成熟度を高めていくと同時に、いろいろな面で年金から落ちこぼれている人たちというものを当てはめていって、成熟度をうんと高めていくということが、年金のこれからのあり方だというふうに私は思います。  その次、時間がずいぶん急いであれですけれども、福祉年金の問題です。結論から言いますと、五千円の福祉年金というのは、もう問題にならないということを私は言いたいわけです。厚生大臣は御存じかどうかわかりませんけれども、いまひとり暮らしの老人というのは日本に大体何人ぐらいいらっしゃるか、この数です。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤(威)政府委員 大体三十五万でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 三十五万ですか、もっと多いと私は思うのですけれども。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤(威)政府委員 どういう数字を先生がお持ちか知りませんけれども──三十五万というのは寝たきり老人でございまして、ひとり暮らしは四十八万でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 ひとり暮らしというのは、もっと多いのじゃないですか。四十二万ですか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤(威)政府委員 四十八万でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 四十八万ですか。まだ少ないように思いますけれども、その数で言い合っていても……。私の調べたのでは七十二万というふうに調べておりますけれども、それではもう一度私も確認してみます。厚生省が間違っているか田中美智子が間違っているか、いずれにしましても、このひとり暮らしの老人の数というのは、ますますいまふえているわけなんですね。このふえる状態というのは、これは核家族化などや住宅が小さいとか、いろいろなことから出ているわけですけれども、当分の間はひとり暮らしの老人がどんどんふえる傾向である、私などはそういうふうに思いますけれども、どうお思いになりますか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤(威)政府委員 これは確かに御指摘のように、核家族化、そういうようなことで統計的にもだんだんふえてきておる、こういうことでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 ふえているとするならば、ひとり暮らしの老人がどうして生きていくのかということを、やはり厚生省が考えていく、いまのひとり暮らしの方が今後どんどんふえるんだから、ますますこれに対して力を入れていく必要があると思うわけです。ひとり暮らしの方たちが平均大体どれくらいで生活をしているのでしょうか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤(威)政府委員 その生計の実態というのは、把握がなかなかむずかしいのでございますけれども、一応四十八万のうち、とにかく自分の収入で何とか生活を維持できるというのが大体三割でございます。それであとは子供からの仕送りとか生活保護の受給、それぞれ二〇%前後でございます。それから年金、恩給等が一八%等ということで、これは収入源でございますけれども、収入の実態も、これはひとり暮らしもいろいろあるということで一がいには言えませんけれども、大半の方はぎりぎりの生活の方が多いのじゃないかということでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 これは昨年、三多摩でひとり暮らしの老人がどんな生活をしているかということを調査したものを私が見たわけです。  いまおっしゃったように、それぞれ違うわけですから、確かにむずかしいわけですけれども、大体だれからもらおうと、何をしようと、どれだけ要るかということで、間借りのような三畳一間を借りているとかいうような形で、四、五千円の家賃で月大体二万円というものはかかっているわけですね。これは昨年のことです。いま物価がたいへん上がっておりますから、この調査を見ますと、生活保護をもらわないで何とかやりくりして最低の生活で二万円で生活をしているというような数が非常に多く出ているわけです。  どういう収入を得ているか。子供から多少もらうとか、多少の年金があるとか、そういうようなこと、あと内職をしているわけですね。旅館の掃除をやっているとか銭湯の雑役をするとか、和裁や洋裁などを多少やるとかというので、何とかかき集めて二万円ちょっとぐらいで生活をしている。  この人たちの食べているものがどういうものか。これはもうほんとうに厚生大臣に見てきてほしいというふうに私は思うわけなんです。食べているものというのは、ほとんどコンブのつくだ煮だとか梅干しだとか、みそだけを御飯につけて食べているわけですね。  それでも生活保護はもらいたくないというふうなことを言っているわけです。なぜ生活保護をもらわないのか。生活保護をもらえば何とかもう少しなるのじゃないかといっても、生活保護はもらいたくない、生活保護というのは、国のこじきなんだとか貧乏人だというらく印を押される、こう言うんですね。     〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕 役所自体からもそういうふうな差別を受けるということで、老人は生活保護をもらいたくないと言っているわけです。こういう生活をしているわけです。  いま、こういう老人がますますふえているというときに、五千円の福祉年金というものが、いかにおかしいものか、おかしいというよりも、これはほんとうに怒りになるものだというふうに思いますけれども、厚生大臣は、その点、五千円でひとり暮らしの老人が生きていけると思っていらっしゃるのでしょうか。厚生大臣の意見をお聞きしたいと思うのです。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 老齢福祉年金の金額の問題でございますが、御承知のように昭和三十四年に始まりました際は千円でございます。実は千円の老齢福祉年金制度が始まりましたその当時、社会保障制度審議会の答申なるものがございます。そこでは、無拠出年金の金額は、当時は千円でございますが、農村においては、なお相当の価値が認められる、都会においても、このような年金の存在が老人等を大いに勇気づける効果はあると信ずる、こういうふうな答申を受けまして千円ということになっておるようでございますが、いま読みました、これでおわかりのように、当時は、どちらかといいますと、福祉年金なるものの性格が、農村においては相当のものだが、都会においては勇気づける効果というふうな、敬老年金的な性格であったことは、いなめない事実だろうと思うのであります。  しかし先生の御指摘にもございますように、やはり福祉年金でもって老人の生活をできるだけカバーすべきだというふうな生活保障的なものに、逐次その性格を変えてきておるのも事実でございまして、御承知のように昨年は千円の引き上げをして三千三百円、それから今度は千七百円の引き上げをして五千円、さらに、政治的なお約束としては、四十九年度は七千五百円、五十年度は一万円、こういうふうにだんだん生活保障的な色彩を強めていくわけでございます。  ただ問題は、福祉年金でもって、それなら一挙に老人の生活のすべてをカバーするようにしたらどうだという、この問題でございますが、いまも例をお出しになりましたように、生活扶助の問題でございますとか、そのほかのもろもろの社会福祉政策とのかみ合いの問題がございますので、そういった問題を一切度外視して、一挙に福祉年金でもって老人の生活を全部カバーするということは、なかなかむずかしいと思います。  したがって私どもといたしましては、できるだけ、あまりしちめんどくさいようないろいろな調査等を受けることなく、当然の権利としてもらえる福祉年金によって、できるだけ生活をカバーする、その部分を大きくしていきたいというふうなことは考えておりますが、さればといって、現在いろいろかみ合っております、すべての制度を無視して、これだけでもってあらゆる生活をカバーするというところまでは、なかなか一挙に踏み切れません。  実際問題としては、申し上げるまでもなく御承知のことでありますが、生活保護を受けておられるような老人の場合には、生活保護を受けておられる上に福祉年金というものを老齢加算として、そのまま上積みして給付する、そういうふうなかっこうになっておるわけでございます。  ただ将来の方向としては、そういったことをむしろやめてしまって、年金でもって生活をカバーして、それでなおかつ足らない部分は生活保護によってというような御議論等も、学者その他の中で最近強くなっておるようでございますので、そういったことも十分考慮いたしながら、福祉年金の金額なり、そのほかの支給の条件等については検討を続けてまいりたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 いま審議会のことをおっしゃいましたけれども、確かに初めのうちは勇気づけるということであったかもしれませんけれども、だんだん要求も違ってきましたし、生活のしかたも違ってきているわけですね。そういう中で社会保障懇談会でしたか、昭和四十四年の千八百円のときに、一万円にすべきだという意見が出ていたというふうに思います。これで見ますと、昭和四十四年に一万円にすべきだというふうな意見が出ているわけですね。そうしますと、少なくともいまの物価でいけば、一万六千円から二万円くらいの金額に相当するのじゃないかというふうに思うのです。懇談会の中でこういうふうにいろいろな意見が出ているわけですね。  いまおっしゃったように、すべての生活を見るということは一挙に踏み切れないということはわかります。しかし、幾ら何でも五千円というのは、最近のお年寄りの要求からすると、勇気づけてもいないのですね。むしろ五千円とは何だという憤激を買っているわけです。初めのうちは意識も違いますから、もらえるものだと思っていなかった。それが、千円でも出たということで勇気づけたかもわかりませんけれども、いまの生活実態の中では、そのような気持ちではないわけです。ですから五千円では全然勇気づけることにならない。むしろ人をばかにしているじゃないかというのがお年寄りの実感だというふうに私は思うわけです。  特にお年寄りが、私に会えば年金を何とかしてください、年金を何とかということを言うのは、実に年金に対する国民の要求というのは爆発的に強くなっているわけです。そのときに福祉年金がわずか五千円だということは、結局厚生年金や共済年金やほかの年金をも足を引っぱることになりますね。この福祉年金を一挙にすべての生活を見ろというふうには言っておりません。しかし五千円では、あまりにも人をばかにしているのではないかということを私は言いたいわけですけれども、厚生大臣は、この国民の爆発的な要求に対して、どういうふうにお考えになりますか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 老齢福祉年金についていろいろな御意見のありますことは、私も十分承知いたしております。しかし先ほど来、局長が申し上げておりますように、老齢福祉年金の性格というものは、御老人の方々の生活を全部見るというふうな仕組み、考え方ではできていないことは御承知のとおりです。そこで、そういう考え方があり、しかもまたこれは全額国民の税金でできておるということもあわせて考えてみますれば、なるほど五千円では不満だという御意見は私もわかりますが、去年よりは千七百円上げているというところは買っていただかなければならない。そこが一番大事なところでございます。  そういう意味において十分であるかないか。十分でないとかいろいろ御意見があることは、私聞いております。しかし昨年に比べて千七百円増額しておる、こういう点は政府の意のあるところは御理解いただきたい、こういうように考えております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それは去年よりは千七百円、千七百円でどれだけのものが買えるかということは、大臣はあまりお金のこと、おわかりにならないかもわかりませんけれども、三菱銀行の──これは銀行が調査したわけです。別に組合ではありません。労働組合ではないわけです。銀行が、老後の保障をするにはどうしたらいいか、どういうふうに貯金をしたらいいかということで計算をしたわけです。ここで私自身はたいへんおもしろい調査だと思いまして、どれだけ貯金していったらいいか、二十歳からずうっとこう出ているわけです。四十歳以上というところが私にも一番関係ありますし、そこをこう見るわけですね。そうすると四十歳以上の人は自分の収入の八〇%を貯金していかなければ老後の保障はないと書いてあるわけなんです。  こういうふうになりますと、もう私たちは老後の保障というものを自分の力でできるということは、これは買い占めをしたりなんかしてもうけている人たちは別ですけれども、普通の庶民にはゼロだということなんです。あと年をとったらどうなるのか。定年は非常に早いじゃないか。年金をもらう金額は少ないじゃないか。そういうことがもちろん自殺につながっていくという、自殺だけでなく、そこへ行くまでに、どれだけか家庭の中の葛藤や何かが起きるわけですね。そういうものはみんな個人の責任である。貧乏というのは個人の責任だというふうな意識が厚生省の中に非常に強いんじゃないか。政府にそういう意見が強いんじゃないかというふうに思うんです。  それは思うだけでなくて、御存じだと思いますけれども、元労働大臣が養老院問題ということで──第一、養老院ということば自体いまないわけですね。それを一国の大臣がこういうことを言われて、これに憤激したのは、だれなんだといいますと、お年寄りよりも、むしろ成人式のところで言って、そこに出ていた二十歳の若者が非常におこったわけですね。そういうことが結局大臣の首が飛ぶというところまでいったわけですけれども、その感覚の違いというものが私はまだ残っている。これをやはり一掃していただかない限りは千円上げた、千七百円上げた、だから意のあるところをくんでくれということばというのは、首にまでいくような暴言ではないにしても、非常に似通ったものを、そういうことばの中に私は感ずるわけです。  これは大臣は御存じかどうかわかりませんけれども、これは朝日訴訟というので憲法二十五条の文化的な最低の生活を保障するというもので、初めて国を相手どって裁判をした有名な朝日訴訟です。この中で、これを私読んでみまして、たいへん驚くべき発言がたくさんあるわけです。これは古いですから、現在の厚生省はそうでないとおっしゃるかもわかりませんけれども、こういうことをいっているわけです。社会保障制度審議会の委員である末高さんという方が言っているわけです。この人が、日本のチベットといわれる岩手の山奥など行けば裸、はだしで走り回り、用便の始末も草の葉でしている、それに比べると、たとえちり紙が一日に一枚半しか使えなくても、健康で文化的だということを言っているわけです。これはいまでも世界の笑いぐさになっているというか、社会保障の学者の中では笑いぐさになっているわけです。たとえ一日にちり紙一枚半でも、岩手の山奥に行けば木の葉で用便のあと始末をする、それに比べれば健康で文化的だから憲法二十五条に違反していないという考え方なんですね。こういう考え方が特に福祉年金の考え方の中に、そのまままだ残っているという感じがするわけです。五千円でどうして憲法二十五条が保障できるだろうかというふうに思うわけです。  ただ、先ほども言いましたように、一挙にすべての生活というふうに私はいま言っていないわけです。その方向に向いているならば、確かに勇気づけるように生活できる金額のうちの半額であるとかいうふうなものが出て、初めて勇気づけられるのだというふうに思うんです。五千円というのは、だから国民はあめ玉年金とかたばこの年金だとかいうようなことをいっているわけです。五千円では朝日訴訟の考え方、いまから十何年も前の考え方と厚生省がちっとも変わっていないんじゃないかと私はこの福祉年金を見て、非常に強い怒りを感ずるわけです。  国民は、この福祉年金に対しては非常におこっているということです。決してこれを勇気づけてはいない。むしろ人をばかにしているという考え方ですし、時間があれば、いろいろ言いたいこと一ぱいあるのですけれども、こうした東京都が暮らし向きのアンケートをしたなんというのを見ましても、貯金が減ったということが圧倒的に多くなっているわけですね。この物価高の中で国民は、ますますもう自分自身食うのに困っている。ましてや父や母を仕送りするということは非常に困難になってきているわけです。そういうものに即して、この福祉年金を確立するということは、一番最大の重要なことではないかというふうに思うわけです。  あと十分しか時間がありませんので、皆さんお疲れだと思いますので、大急ぎで十分間でやります。  あと財政方式で、もう言わなくても、厚生省の方たちは新聞なり何なり世間の批判というものは非常に出ているわけですから、もう何を言おうとしているか御存じだと思います。しかし、やはり言わなければならない一番大事なことだと思うんです。これは保険料の収入一々聞いておりますと、時間がかかりますので──保険料を非常に上げている。そして日本の積み立て方式というのは、その利子でやっているわけですね。利子でやっていて、この利子が四千五百九十四億円ある。その給付は三千二百三十六億円だということです。これでは国民は納得しないのですね。赤字に近い──厚年と国年を合わせますと、九兆円をこえるという積み立て金があるわけですね。それだけのお金があって、そして給付を多少よくするからといって掛け金を上げる、これは絶対に許せないことだと思います。お金がないんじゃないですからね。これは国民は絶対に保険料を上げるということは承服できないというふうに思うわけです。  このお金がどこに行っているかということなんですけれども、これはいま非常に参議院のほうでもやられたりしていますけれども、お金に色がついてないから、厚生年金のお金がどこに行って、どこに使われたかということは、わからないわけです。わからないようにしたところが厚生省の頭のいいところだ、悪知恵なんだというふうに私はどうしても思うわけです。どうして分離しないのかということです。資金運用部のお金をどうして分離しないのかということなんですね。  それで、聞けばまた長いこと返事をなさるので、言いたいことだけ言いますけれども、まず資金運用部の資金法というのがありますね。この十二条には分類表を出せということが書いてあるわけですね。書いてありますね、これは十二条。おわかりですか。それはその年の年金の集まったお金を何に使いますという分類を出しているわけですね。分類を出しただけで、この法律では、そのあとほんとうに、そのとおりに使われたかということがないのですね、この法律は。この法律をまず改めなければ、私は絶対にこのお金が何に使われたかわからないようになっているということが、実際には大企業のお金に使われている、いろいろ国民の間でうわさされているわけですね。たとえばバーの改築費に年金の金が使われているんじゃないかなんということまで国民の間にうわさとして流れるわけです。そういううわさを立てられたくないならば、この十二条を改正して、分類したとおりに、そのお金が何に使われたか、きちっとしていくということが必要だと思うのです。  そしてできれば──これはできればでなくて、ほかのお金と分けて分類してしまえば一番簡単なわけです。年金のお金を九兆円別にしてしまう。そうすれば、それがどのように使われるかということがわかるし、またそれを民主的に管理運営するということも非常にやりやすくなってくるわけです。この分離をどうしてもやっていただきたいというふうに思うわけです。  それからもう一つですけれども、資金運用部の利子というのは幾らで貸しているのですか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 資金運用部から貸し付ける利子でございますか。それはいろいろございます。それはいろいろあるわけです。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 どのくらいですか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 それでは御質問いただきました点について、お答えいたします。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 簡単に言ってください。時間があと六分しかありません。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 まず最初に、運用いたします際の運用のしかたの問題でございますが、おそらく先生の言っておられるのは、年金については勘定を区分して特別勘定を設けるべきじゃないか、こういう御意見だと思いますが……。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうじゃないのです。利子を聞いているのです。六・二ですか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 利子だけですか。利子はいろいろございまして、標準的なものは五月一ぱいは六・二%、それから六月からは三厘上がりますから六・五%です。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、物価はどれくらい上がっていますか。いま何%くらい上がっていますか。

横田陽吉厚生省年金局長

○横田政府委員 私、ちょっとここに数字を持っておりませんので、調べてお答えいたします。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それじゃけっこうです。これは一〇%上がったとしますね、物価が。そうしますと、これは中学生が考えましても、この九兆円のお金というものがどんどん減っていくということですね。減っていっているわけですね。数字は減りませんよ。しかし物価はどんどん上がるわけですから、実質的には価値が減価していっているわけですね。一体この補償はどうしてくれるかということを私は言いたいわけです。  時間がありませんので──このインフレのときには、いまもまさにインフレですからね、こういうときに、ヨーロッパを見ましても、非常にインフレのときに賦課方式に切りかえているわけです。国民のほんとうに汗の結晶である年金を積み立てたお金というものがふえていく。そしてこれがいいものに使われていくんなら、まだいいわけですけれども、どんどんこれが減っていくわけですね。ですから、これは年金を受け取る分が減るだけではなくて、積み立て金が減価していく。その補償をどうしてくれるのだということを国民の側から言いたいわけです。そういうことから考えましても、どうしてもいまの積み立て方式というものを変えて、そして賦課方式に変えていかなければ、結局国民のお金というものはどんどん減っていくということです。  ですから、前にここでも話になっておりましたけれども、ピークになるのは昭和九十年だとか何年だとかというようなことを言って、そのときの話をしていらっしゃったわけですけれども、全くいまおぼれかけた人を救うということをしないで、さくをどのようにつくろうかというようなことを考えているというふうに見えるわけです。いまのお年寄りがどうなるかということを考えれば、当然こうした運用部資金の問題にしても、賦課方式にするという問題にしても、金がそこにあるわけですから、それを使わないで、そして保険料だけを上げていくということでは、国民は絶対に納得できないというふうに思います。  そして労使の負担割合というものを、いまこれは組合保険のほうでももう百三十六ぐらいのところが三対七とか四対六というふうな割合になってきているわけです。これはいつか五対五は定着してきている、こういうふうに言われましたけれども、決してこれは定着していない。むしろこれは変わってきているわけです。ヨーロッパでも、これは折半というところはありますけれども、三カ国ぐらいしかないわけです。ほとんどが労働者の負担のほうが少なくなってきているわけです。その労使のこれを三対七にするというふうなことをしていかない限りは、ほんとうの年金制度というものは、できていかないというふうに思います。  最後に、保険料は絶対に上げてはいけないということです。これを上げないでやるということは、十分にできるわけですから、この点について最後に厚生大臣の、保険料を絶対上げない、どういうふうに考えていられるか。上げないと言っていただきたいというふうに思います。大臣に、時間がありませんのでお答えを……。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 私からお答えを申し上げますが、厚生年金あるいは国民年金のような二十年、三十年の長期にわたる計算をしなければならない制度でございまして、そういう制度につきましては修正積み立て方式が最も適当であると考えておるわけでございまして、いま直ちに賦課方式に切りかえるという考えは全然持っておりません。したがって修正積み立て方式というものをとる以上は、保険料について、ある程度の保険料を上げていただかなければならない、これは当然でございます。  御承知のように国家公務員その他の共済組合においても千分の八十八でございまして、それよりも私どもが今度上げたいと考えておりまする率は七十九でございまして、よその長期保険と比べまして、そんなに高いものではない、かように御承知願いたいと思います。  したがいまして、私どもはいま直ちに賦課方式に切りかえは全然考えておらないということだけを明らかにしておきたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そういう厚生大臣のもとでは、いい年金はできないということをしみじみと感じました。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 次回は、来たる六月五日火曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後九時十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗