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71回国会衆議院1973/04/03

社会労働委員会 第12号

発言数
393
登壇者
29
会派数
5
開催日
1973/04/03

会議録

田川誠一自由民主党

○田川委員長 これより会議を開きます。  駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出があります。順次これを許します。大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 米軍の基地の返還あるいは縮小というのは、当然のことでありますけれども、われわれとしましては非常にうれしいことでありますけれども、そのつど解雇される労働者の立場からしてみれば、これはきわめて深刻な重要問題であるはずです。これらの諸問題につきまして政府は、関係当局の皆さんは、きめこまかい配慮のもとに指導あるいは適切な措置を講じていただきたい、そして解雇される労働者の生活の安定をはかっていただきたいということを冒頭に要望して質問に入ります。  まず最初、施設庁にお尋ねしますが、去る三月三十日、相模補給廠の従業員が七百数十名解雇通知を受けたということを聞いておりますけれども、その点の事情をまず説明していただきたいと思います。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 お答えいたします。  三月の三十日付をもちまして、いまおっしゃいますように七百八十名ばかりの人員整理通告が相模原補給廠で出ました。その内容を見ますと、従来、昨年度、戦車その他戦闘車両の修理機能の縮小というようなことを政府としては申し入れておったわけでございますが、その分ではございませんで、ベトナムからの返送物品の処理の仕事が和平の成立の結果減ったということがおもな理由でございます。それらの離職対策につきましては、駐留軍関係離職者等臨時措置法等に基づき万全を期してまいります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 三月の三十日に解雇通告がされたということでございますが、実施はたしか六月の二十九日だと聞いておりますけれども、間違いございませんか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 発効日はそのとおりでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 そうしてみますと、最近労働者の皆さんからよく要望されております、解雇通告は少なくとも九十日間はほしいという、その要望を満たしていると見るわけでございますが、そう判断してよろしいですか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 ちょうど九十日になるかと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 この補給廠の従業員七百八十数名の解雇される方々の平均年齢は幾らぐらいになっておりますか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 いま詳細には調べておりませんが、大体五十足らずだと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 平均年齢が詳しくわからぬけれども五十歳そこそこであるということは、かなり高年齢者ですね。私は現在求人と求職の関係を調べてみましたら、求人数に対して求職者が非常に多いということが一般的に統計上あらわれておりますし、問題化されている中に、しかもこういう高齢者ともなればさらに就職が困難であろうということを心配するわけでございますが、この補給廠の解雇者はどのような対策のもとに再就職をはかろうとなされているか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 私どもで行なっております離職対策をさきに申し上げまして御説明いたしますが、離職前の職業訓練と申しますか、そういったことをかねがねやっておるわけでございます。これは具体的にいまの相模原の七百八十名ばかりの方々についてはまだちょっと資料はできておりませんが、昨年度約五千人ぐらいの対象者について、自動車の運転とかクレーンの操作とか、あるいは変わったのでは調理士の講習とか、そういったこともやっておるわけでございます。それによってできるだけ資格、免許等をとっていただいて次の就職の便に供したいということが一つでございます。  それから退職手当等につきまして、一般の公務員の場合に比しまして若干高率のものを支給できるようになっております。さらに特別給付金を最高三十五万円支給できるようになっております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 労働省にお尋ねいたしますが、これは労働省の職業安定業務統計の表でございますが、これは必ずしも駐留軍関係じゃないのです。一般的な問題ですが、これによりますと、いわゆる月間有効求人数に対する月間有効求職者数、それに就職件数あるいは求職倍率、こういう表になっているわけでございますが、これを見てまいりますと、四十一歳から五十歳の求職倍率は三・四倍になっております。それから五十一歳から五十五歳になると四・三倍というきわめて高い求職倍率を示しているわけでございます。いま、相模補給廠から解雇される皆さんは五十歳前後の方々ばかりだというのですね。これはいよいよ求職困難であるということが数字の上からもはっきりしているわけですけれども、労働省としてはこれに対して特別な配慮をなさっているのかどうか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 相模総合補給廠の駐留軍労務者の解雇問題につきましては、神奈川県当局と密接な連絡をとりまして対策につとめているところでございます。神奈川県におきましては駐留軍離職者対策協議会というものがございますが、これの幹事会をさっそく開きまして各般の対策をきめておりまして、ただいま防衛施設庁のほうからお話がございました対策とあわせまして、労働省としてやるべき施策を強力に進める考えでございます。いろいろございますけれども、臨時に総合相談所というのを設置いたしまして、管轄の安定所だけでは大量の解雇者の職業あっせん等は不可能でございますので、もよりの安定所からも職員を動員いたしまして、きめこまかな対策を講ずるつもりでございます。特に、おやめになる方々の今後の御希望を聴取するのが基本でございますので、ケースワーク方式を採用いたしまして事情聴取を行ない、それに基づきまして、極力御希望に沿うような就職のあっせんにつとめるという態度で臨んでおります。  ただいま大橋先生御指摘のように、中高年齢者の就職は若年者に比べまして必ずしも容易でございません。しかしながら東京あるいは神奈川は、いわゆる過疎地帯の県とは違いまして総体的には求人もございますので、極力離職者の方々の御要望に沿うような再就職のあっせんにつとめ、その過程におきまして必要があれば職業訓練等も実施して、少しでも有利な職場に再就職していただくということに今後とも努力をいたしたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 施設庁に聞きますが、いま通告されているのは七百八十数名だと聞いておりますけれども、さらに百名が追加されるということも聞き及んでおりますが、この点はどうですか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 お答えいたします。  先のことがよくわからなくて恐縮でございますが、そういうこともあり得るというふうに私どもは予想しております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 労働省にお尋ねしますが、いま言ったように七百八十数名のみならず、またまたそれに百名が追加される予想であるというのです。私はこの再就職について非常に心配をするわけでございますが、実は過去三年間の駐留軍関係の解雇者数、就職者数を調べてみましたところが、四十五年では解雇者数二百十五人のうち就職したのが百六十七人、四十六年では二百九名中就職したのが百名、四十七年では百二十四名中七十五名、合計しまして解雇者五百四十八名中三百四十二名が就職した。わずか六二%ですね。ましてや今度は五十歳前後の高齢者がほとんどです。この就職はそれこそ想像以上に困難であることを十分踏まえられた上で、しっかりした対策を講じていただきたい、これを強く要望をいたします。  大臣、これは労働省、施設庁がともに強い連携のもとに行なわれていると思いますけれども、大臣のほうから一言、この重要な高齢者の再就職についての所信を述べていただきたいと思います。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 大橋議員から御指摘のように、駐留軍関係も日本を取り巻く諸情勢の変化——これはまあいい方向に向かっておりますが、その犠牲としてかように大量の離職者が出る。これはほんとうに御本人にとってはお気の毒と思います。特に、御指摘のように駐留軍に就職なさってからだいぶ年数もたっておりますので、高齢者が多い。求職の倍率から見ましても、いま大橋議員がおっしゃったとおりでありまして、これに対しましては職業紹介、職業訓練、こういう面は当然でありますが、促進手当を出してこれを援助する。しかし、私は一般に離職者対策については、特に相模の補給廠は七百何名、また百名追加ということを考えますと、従来の対策がありますが、私は、施設庁と労働省、両省庁のお役所の人も本気になって、いろいろの手当てをいたすといたしましても心から親切に、懇切丁寧に、要するにただ形式的だとか、やることはわかっておるんだという気持ちではなく、私からも関係の連中に対しては、これは親切にやらなくちゃならぬぞ、こういうふうに心から指示をいたしておりますので、手厚い援護措置を十分講じたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 施設庁にお尋ねしますが、沖繩の駐留軍関係労働者の給料の遅延がいま大きな社会問題化しつつあるわけでございますが、その原因、理由は一体何だったのか、あるいはこれについてどのような解決方策を立てられているのか、説明していただきたいと思います。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 沖繩の復帰に伴いまして、駐留軍従業員関係の諸制度、特に給与制度については本土並みになったところでございますが、その実施事務と申しますか、たとえば給与の支払い事務が本土並みに達していないということについては、まことに遺憾に思っております。  それで、これの最初の復帰直後のあたりの混乱は、たとえば復帰前に長期のストライキがあって軍の内部がいろいろ混乱したとか、あるいは軍の若干の編成がえがあったとか、あるいは沖繩県庁における要員が最初の段階で十分充員できなかったとかいろいろございました。その後沖繩県庁の充員は順調に進みまして、当初二百六名ぐらいだったかと思いますが、これが現在、二百六十名から二百七十名になっております。  それから、さらに昨年の十二月から、それでもなかなか進まないものでございますから、私どものほうといたしましては、約四十人のアルバイトを雇う予算と申しますか、そういうものを沖繩県庁に流しまして、ただいまはその四十人の人を二つの渉外労管に投入して、給与関係事務等の手伝いをしているはずでございます。  それから、現地の沖繩の米軍と沖繩県庁との間に、最近給与支払い事務改善のための検討委員会と申しますか、そういったものを二月から開いて、これは事務の問題でございますから、どういうことで滞るのかやっております。これに私ども国側の者としまして出先の者が入りまして、三者でやっておりますが、ただいままでのところ、まず最初に改善ができたと思いますのは、米軍のほうから前月の各人の労働時間等の通知が県庁に参りますが、その通知の日取りを、約束では翌月の三日となっていましたのを、二日ぐらいにはなるはずでございます。三月の場合には、三月三日でなくて三月の二日に、ほとんど大部分県庁に渡しました。それから間違いもだいぶ減ったように聞いておりますので、その辺の改善は進んできていると思います。県庁の中のいろいろの事務の流れ、コンピューターとの連携等についての問題、そういった問題もこまかく事務的に現在詰めておりますので、早急にこの改善ができますように、私どもとしては、これは職員の長期派遣等も行ないましてやっておるわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 るる御説明なさいましたけれども、理由はいかにあれ、問題はあるのですよ。何だか七十日間ぐらいの遅延らしいですね。けしからぬですよ。とんでもないですよ。長官、これはどう思われますか。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 この前もこの問題について私申し上げたのでございますが、何といっても、これが遅延していることは致命的な問題だと思います。われわれれとしては、これはとにかく早く正常な状態に戻すということで、昨年の復帰以来これに全力をかけてまいりました。昨年は少なくともボーナスを支払う前、十一月までに一応完全な状態に戻すということを目標にしてやりました。しかし、残念ながらこれができませんでした。次いで、本年三月までにはこれを正常な状態に戻すということでやってまいりました。本土府県は十日の支払い日が大体基準でございますけれども、それに対して、現在十四日ないし十三日、三日ないし四日おくれているというふうな状態に現在なっているわけでございます。しかし、もう二、三日のことでございますから、これを何とかして縮めたい。先ほどおっしゃいました、最初は七十何日という非常にひどい状態もございましたが、そういう状態からはようやく抜けましたけれども、そういう点で、まだ不十分であるということで、いま全力を傾けております。  で、この前も申し上げましたが、何が原因かということが実は私どもとして非常につかみかねている問題です。原因がわかれば、そこをしっかりやれば問題は解決するはずだと思うのでございますけれども、いろいろなところに原因があるようでございまして、それらがたいへん複合して非常にむずかしい状態になっておりますが、先ほど労務部長が御説明申し上げましたように、県も米軍もそれぞれ一生懸命になってそれの改善策につとめておるという状態でございます。もうしばらく御猶予いただきたいと思います。何とかいたしたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 要するに、米軍基地で働いていたそうした労働者の皆さんに対するいわゆる軽視であろうと思いますね。私は、軽く見ておるのであろと思います。もっとほんとうに重視し、そして尊重した立場で、今後手厚い対策を進めていただきたい。  それから、駐留軍関係労働者の沖繩復帰前と復帰後の状況について私もひとつ調べてみたのですけれども、復帰前一種の方が一万八千五十三人、二種の方が八千二百五十四名、合計しますと、一種、二種で二万六千三百七人であったわけです。復帰後の一種の方が一万五千八十六人、二種の方が三千九百六十八人、合計一万九千五十四人、ですから、先ほどの復帰前の数字からいまの数字を引きますと七千二百五十三人になるわけです。七千二百五十三人から、復帰後解雇されたのは九百十二人ですので、六千三百四十一人という方が一体どうなったのだろうかという私の疑問なんです。これは労働省から出ている資料で計算したわけです。復帰前の解雇人員は不明だとしてあります。復帰後は九百十二人だとしてあります。私はその六千三百四十一人の人は一体どうなっているのだろうかという疑問がわいたのですけれども、どうなったのでしょうか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 私どものほうで承知しております数を申し上げますと、復帰に際しまして、これは従前軍が直接雇用していた者、いまおっしゃいました旧一種とか旧二種とかいう問題、そういったものについて米軍からリストが参りまして、それに基づいて間接雇用制度に移ることについての意向照会を、沖繩県を通じまして復帰の時点でやったわけでございます。そのときの数は約二万六百程度でございます。それで、いま先生のおっしゃいました数の中にはおそらく三公社、水道公社ですね、そういったところの職員の数が人っておるのじゃないかというふうに、推定でございますけれども、思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 施設庁の復帰前後で調べられた数字もこれはきちっと符合するわけです。私はこの六千数百人の人が一体どうなったのだろうかという疑問を抱いておりますので、これはまた後に開かれる委員会においていま一回尋ねてみたいと思っておりますから、その点調べていただきたいと思います。  そのほか、特免といわれた人ですね。特殊免許といいますか、特別に免許された人が三千五百四十九人、それから四種の方が八千二百三十九人、メードさん等が一万四千七百七十名、それからアメリカの団体に直接雇用されているのが二十九名て、合計五万二千八百九十四名。これは先ほどの一種、二種の数を含めてですよ。合計五万二千八百九十四名、これは防衛施設庁から出された資料なんです。私が特にここで聞きたいのはこの四種ですね、重要産業に従事していた人たち、この四種の方々の取り扱いがどうなったのであろうかということです。わかりますか。つまり四種の方が法的にどういう扱いを受けてきたか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 旧四種の方々は従前も、いわゆる請負契約を米軍と結んでいる業者のもとで働いておられた人たちでございます。これはいまの地位協定の十二条四項で申します米軍並びに諸機関が需要する労務ということになりませんので、いわゆる間接雇用と申しますか、施設庁長官を雇用主とします従業員にはなっておりません。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私は同じような取り扱いをすべきではないか、こういう強い意見を持っているのですけれども、この点はどうですかね。これは長官、どうです。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 この四種の問題につきましては、現在もいろいろな事件が起こっていることは承知いたしております。ただ、この問題は、米軍と当該請負業者との間の問題、あるいは当該請負業者とその従業員との間の問題、こういう形になっておりまして、間接雇用の従来の一種、二種というものを担当している私どもといたしましては、ちょっと関与することのできない問題であろうかというふうに考えております。ただ、現在沖繩で千数百名の四種の解雇問題が起こっておる、これについてのいろいろな問題があり、これについては労働省とも協議会を設けていろいろ協議をしているところでございます。まだ結論は出ませんけれども、私どもとしてもできるだけ御協力は申し上げたい、かように存じておりますが、所管の事項とは少し間が離れる、こういうふうに理解しております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私は一つの例をあげますが、國場組というのがありますね。港湾荷役をやっているわけですが、港湾荷役というのは、昭和二十五年以来民間業者の請負で行なわれてきて、これまで業者は四度かわったそうですけれども、國場組の例を引きますと、今度千五十三人が解雇通知を受けたわけですね。この解雇通知を出したのはいつですか。そしてその実施はいつですか。——私の調べたところでは、三月の十日、そして実施は三月三十一日だと聞いております。そうしますと、いままで守られてきた通告期間三十日が満たされていないわけですね。問題ですよ、これは。どう考えられますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 解雇する場合には、先生御承知のように、基準法では三十日前に予告しなければならないことになっておるわけでございます。したがいまして、こういうような労働者に対しても、当然使用者としては三十日の予告が必要なわけでございます。ただ、基準法では三十日の予告日数に足りない場合には、その足りない日数については、予告手当としてその日数一日について平均賃金一日分を支払えばその予告の義務を免れることに相なっておりますので、予告手当を足りない日数分に相当するだけ支払われれば基準法違反の問題はないわけでございます。  そこで私どもも、基準法違反にならないように指導いたしたのでございますが、聞くところによりますと、三十一日に國場組のほうでは——日数が九日足りないわけでございます。十日から三十一日まで予告期間があるわけです。したがいまして、九日分の予告手当を支払う旨を國場組は申し出たそうでございますが、何か労働者のほうでそれを受け取らないということで争っておるというのが現状だというふうに聞いております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣、これはやはり大きな問題になろうと思います。ただ九日分を賃金で埋め合わせればそれでいいという問題じゃないと思うのですね。これにも大臣の立場からしっかりした指導をしていただきたい。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 この問題は、三月二十九日に沖繩委員会に私出席いたしまして、関係の外務省、施設庁それから運輸省、みな政府委員も——他の大臣はおらなかったのでありますが、どうも聞いておりますと、何だかみんな責任があるようでないようで、なすり合いのような感じが、打ち合わせがなかったので、私そのとき直観的にいたしまして、思いつきと言ったらはなはだことばが適切でありませんが、これはいかぬ、こう思いまして、その日に大臣の発言として、今後ひとつ連絡協議会というものをさっそつつくらなければいかぬ、こう言って強く関係各政府委員に要望いたしまして、質問者の方も賛成でありますので、二十九日に連絡会議を開いて——そうすると、どこが中心になるか、こういうことでありまして、ほかの大臣も出席ありませんから、これも適切でありませんが、労働省でやろう、こういって発言いたしまして、その後、総務長官も私の退席後すぐに来まして、労働大臣がそういうように発言をしたのであれば私も賛成、こういうので連絡協議会を設けまして、その日に第一回の会合をやりました。ところが、ここでやっても現地との間がなかなかぐあい悪いので、現地は何といったって、責任はどこにあろうが、やはり県が中心にならなくちゃならぬというので電話連絡をとりまして、宮里副知事を本部長といたしまして、現地にも連絡協議会をつくってさっそく発足いたしております。  先ほど政府委員から答弁ありました九日間の不足の問題も、解決したのはそのおかげで、今後やはり請負制度でありますけれども、これは駐留軍関係の法律ではいきませんが、沖繩振興開発の法律で、これは法律の内容が多少違いますが、これにたよるほかにいたし方ないと思いますので、この法律を大いに発動して、いま言ったように、やはり関係者が一体となって大いにやらなくちゃならぬ、こういう意味でやらしております。  以上のとおりであります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 しっかりお願いします。  そこで、いままでに請負業者が四度かわったそうですけれども、従業員のほう、労働者のほうはずっと引き継がれてきたんですね。今回はこれで終わりになるのかどうか、あと業者が出るのかどうかということが非常に注目されているわけですけれども、見通しはありますか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 現地の対策本部とは毎日何回となく連絡をとって、時々刻々情報を集めております。ただ現在のところ非常にむずかしい状態にございまして、三月三十一日以降引き続き國場組が軍と請負契約を結びまして雇用関係を継続するということは非常に困難であろうというふうに思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いま特別措置法で救済するという大臣のお話でございましたけれども、まあそうした法的な立場からの救済も大事ですけれども、やはり再就職させること自体がほんとうの援護措置ですから、ひとつその点も踏まえてよろしくお願いします。  一つの実例を私申し上げますと、就職促進手当のことです。沖繩の那覇市の識名というところに住んでいらっしゃるMさんという方です。復帰前、米軍の嘉手納エアベースに給油関係で働いていた方でございますが、十九年七カ月働いたそうです。家族は五人、夫婦子供三人です。当時月給が四百ドル、約十四万円の人でありました。ところが、これは復帰直前解雇でありまして、直ちに失業保険に下ったわけですね。そうしますと、約十四万円の月給が月額七万円に下がるわけです。失業保険ですから。九カ月受給して、今度はいよいよ就職促進手当に入るわけでございますけれども、これが月額三万六千九百円ですね。就職促進手当に入りますと、十四万円月給をもらっていた人が三万六千九百円に落ちるわけです。これは二種の方です。それからもう一つは四種の方ですが、これは米軍のダイナエレクトロンの旋盤工で、退職時、やはり日本のお金に直しますと、七万二千円の月給であったということです。七人家族です。これも直前解雇でありまして、復帰後、現在就職促進手当は三万五千円でございます。七万二千円もらっていた人が三万五千円ということですね。私がここで問題にしたいのは、現在の生活保護費が、沖繩は三級になると思いますので、そこのところを拾ってみますと、三万六千三百八十円です。それから今度改正になるその金額を見ますと、四万一千四百七十二円ですね。もちろん就職促進手当も平均四万一千二百五十円にはなりますけれども、生活保護費よりも下回っているわけですよ、就職促進手当は。ということは、生活保障費にはならない。生活保護費それ自体が低いといわれているのでしょう。さらに低いわけですから、こんなおざなりな手当では私は話にならない、当然これはもっと手厚い内容に改めるべきである、こう思うのですけれども、どうでしょう。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 就職促進手当は、三年間、離職者の生活の援助をしながら再就職の促進をはかろうとする趣旨のものでございます。離職当初は失業保険金の支給が行なわれるわけでございまして、失業保険金も必ずしも十分とは申せませんけれども、生活保護費を上回る金額ではございます。それが切れましたときに就職促進手当に移って、合計通算三年間生活費の援助をするというシステムになっておることは御承知のとおりでございます。その金額につきましては、失業保険金受給者の現状その他を参考にいたしましてきめておるわけでございますけれども、性格的に、生活保護費とは算定方法について若干異なるわけでございます。しかし御指摘のとおり、就職促進手当、これはことしの予算におきましても、従来の千百十円頭打ちを千三百十円ということで、一八%程度増額したのではございますけれども、必ずしも十分ではございません。今後格段の努力をいたしまして、御指摘の事態の改善につとめたいと考えます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 いま道正局長からお話があったように、算定方式が違っておりますが、現実に片一方は五万何ぼ、片一方は四万百二十何ぼ、理論はどうであろうが、これは違うということは、いままで私、再三各議員からの御質問で聞いておりますが、就任以来、これには大いに予算の獲得に力を入れたのでありますが、いま道正局長から話があったように、今後この増額については、本年度はもうきまりましたが、なお一そう努力いたします。十四万が七万というのは、これは家族手当の関係その他で、家族関係の構成でそうなったんだろうと思いますけれども、多少、御指摘のような矛盾の点も感じられますから、そういう意味でなお一そう努力いたしますことを大臣としてお約束いたします。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣がお感じになったとおり、十四万の方が、家族五人ですけれども、失業保険になると七万円になるということはほんとうに低過ぎますね。これはいまの諸物価の高騰のおりから、当然失業保険の金額も大幅に引き上げるときが来ている。いまの大臣のお約束を私は期待しておきます。先ほど言いましたように、十四万の生活をしておった人が一年ほどたった後にはもうすでに三万六千九百円の生活に下がるということは、これはたいへんな苦痛を感じていらっしゃるであろうと思いますね。たいへんなことだろうと思います。こういう事情もよくわかった上で、血の通った政治を行なっていただきたいということです。  それからもう一つお尋ねいたしますが、沖繩県の雇用状況を調べてみましたところが、四十七年の一月から十二月までの求人は一万二千六百一人です。求職者が何と十二万八千四百十人ですよ。就職した人が九千六百二十一人、わずか七・五%です。いいですか。十二月だけを見てみますと、求人が二千六百六人、求職が一万一千三十八人、就職した人が三百二十三人、わずか二・九%なんですよ。話にならないですね。もう失業者だらけという感じですよ。これに対しまして、どういう考えで、どのような対策を立てられようとなさっているか。真剣な話です。お願いしますよ。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 御指摘のとおり、本土に比べまして沖繩の雇用事情は必ずしもよくございません。求職倍率等もかなり高うございます。したがいまして、私ども対策に苦慮をいたしておるわけでございますが、御承知の海洋博が近く本格的な工事にかかるわけでございます。また、かなり多額の沖繩振興関係の事業も進められておりますので、雇用事情は今後は好転すると期待いたしております。ただ、求職者と求人をほんとうの意味できめこまかく結びつけるということは、これは必ずしも容易でございません。したがって、私どもといたしましては、全体として雇用量がふえるからということで能事終われりというつもりは毛頭ございませんで、安定所を動員いたしまして、求職者一人一人の側に立って、きめこまかな就職のごあっせんにつとめるというつもりでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 とにかく、沖繩が復帰されたその喜びは大きかったと思いますが、こうした失業者の実態を見るにつけ、現地では泣いている方々が非常に多くいらっしゃるということです。これに対しては、施設庁もさることながら、やはり労働省の大きな責任のもとに何かとこれを救っていただきたい。ほんとうに心から要望いたしております。  それでは、施設庁の方にお尋ねしますか——その前に、いまの問題ですが、これほど失業者があるのですから、職業訓練を特に重視しなければならぬと思うのです。いま総合職業訓練所は一つだと思うのですけれども、これではまかない切れぬじゃないかと思うのですがね。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 いま大橋委員からの御質問でありますが、道正局長から御説明したように、海洋博の問題これまた求人難というような関係で、なかなか妙な——沖繩の関係は離職者か、求職倍率がふえる、求人倍率もふえたというような関係は、これは独特だと思っておりますが、よく聞きますと、やはりこの技能者が必要だというので、うまくかみ合わないのであります。今後海洋博が建設をいたしますと、サトウキビをつくっているのをやめて転換する。そうであったら古来の産業が大きな打撃をこうむる。いろいろとこう沖繩は、ちょっと求職、求人の関係がかみ合っておらぬのであります。そういう点からいきますと、いま大橋議員からお尋ねのような点を私申し上げたかったのでありますが、やはり職業訓練、技能者その他の問題に対しましても考慮いたしたい。いまさっそく、どういう手だてを講ずるかということにつきましては、いろいろ考えておりますが、技術の大いな一新をはかるとか、いろいろ職業訓練に対しまして特別な訓練を施すようなことを、これは当面の急務であろうと思います。これに対しまして省内におきましても、何とかこれが解決をはかろう、こういう意味で努力いたしております。  以上のとおりでありますが、先ほど就職促進手当四万二百五十円と言いましたが、四万一千二百五十円でありますので、訂正をいたしておきます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 では、職業訓練所を増設すると理解していいですか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 そのとおりでございまして、四十八年度におきましては既設の訓練校の整備拡充を行なうと同時に、雇用促進事業団で総合高等職業訓練校をさらに一校新設いたします。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それでは、もう時間が来たようですので、最後に施設庁にお尋ねいたしますが、沖繩復帰特別措置法の適用者については、特別給付金が支給されていない。私はこれを支給する方向で検討していただきたいということですよ。これが一つ。  もう一つは、旧四種適用者に特別給付金に準ずる給付をするということを聞いたわけでございますが、事実かどうか、この点。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 最初の御質問について、沖繩復特法は一応私どもの所管ではございませんので、所管のほうの臨時措置法のほうで申し上げますと、国が雇用主になっています関係上特別給付金を払うものはございます。間接雇用の対象者もございます。したがいまして、そちらのほうではいろいろ難点があるかと思います。  それから、何か準じたようなものを払ったことがあるかという御質問でございますが、これは沖繩の復帰に伴いまして、これは要するに普通の特別給付金ですと、退職のときでございますけれども、復帰に伴いまして、従前のいわば米国の施政権下にあったときの不利を謝すると申しますか、そういったようなことで、旧四種の方々、いわゆる一種二種に準ずるような方々ですね、について関係の機関で大体認定がなされましたので、それに対する見舞い金を支給いたしております。四十七年度予算であります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 その金額は大体どの程度なんですか、見舞い金というのは。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 これは、勤続期間が十九年の方について最高四十万円弱だと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 沖繩復帰に伴い、あるいは米軍の基地返還あるいは縮小に伴って、こうした離職者が続々と出てきているわけでございますが、とにかく生活安定第一と考えて、今後も労働省そして施設庁、ともに連携を深く保たれて手厚い対策を打たれることを心からお願いをしまして、私の質問を終わります。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 駐留軍の労務者の問題については、かねがねの御努力によりまして、この法案の内容としては相当の対策が盛られておると思うのですが、ただこの問題をめぐる二つの大きな問題があると思うのです。  一つは、駐留軍の労務者がいつ整理されるのかという問題についての見通しのようなものがないことが一つだと思います。もう一つは、せっかく相当の措置が講ぜられておりますけれども、離職者に対する就労あっせんといいますか、これが必ずしも十分でない。つまりまだ未就職者が相当たくさんおるという二つの問題だと思うのです。つまり法案の内容よりは、むしろこの法案の前提になっておる処理のしかたというところに、かなり問題があるというふうに私は思うのです。  まず第一点ですけれども、いままでベトナム戦争がある、あるいは朝鮮半島の緊張状態があるというような状態のもとでは、なかなかこの基地の駐留軍の規模を、あるいは基地を整理するというようなことについては見通しがつかなかったと思うのですけれども、最近ではベトナム戦争が終結をいたした。あるいは朝鮮半島も次第に平和な状態になりつつある。中国との関係も画期的な改善が行なわれたというこの段階に立ちますと、アメリカのほうとしても日本における基地の整理あるいは統合の問題も、かなり方針として見込みが立てられる状態ではないかと思うのですね。そこらでこの際日本の駐留軍の、まあわれわれの関心は労務者の問題が中心ですけれども、労務者の整理というものがどのようなタイミングで、どのような規模で行なわれるかということについての一般的な一つの見通しについての協議が行なわれてしかるべきだと私は思うのですけれども、この点、国務大臣としての労働大臣、そして防衛施設庁の方々の御見解を承りたい。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 御指摘のように、私どもも一つの見通しをぜひ得たい。それから米軍としての一つの長期的な見通しなり計画なりがあれば、それについてはぜひ承知したいということで、しばしばこれは米軍当局にも申し入れております。ただ残念ながら、現在のところでは現地の米軍自身にもその点についてはあまりはっきりした計画は持っていないようでございます。いま御指摘がありましたように、施設の整理統合あるいは閉鎖それから業務量の減少、たとえば先般の相模補給廠における七百八十八名の解雇のごとく、ベトナム送還の物資の処理をするものの仕事の量が減ってきている。それからもう一つは、米軍の予算の削減、こういうふうなものがからみまして、今後かなりの整理が行なわれてくるのではなかろうかというふうに予測しまして、それで今度の臨時措置法についても延長をお願いしているわけでございますけれども、これについても、大体こういうふうになるであろうということは、残念ながら明確に把握いたしかねております。  ちなみに、最近における人員整理の数を申し上げますと、四十五年が七千四百二十九名、四十六年が四千四百八十一名、四十七年が大体五千七百名ぐらい。この傾向をずっとたどっていきますと、大体傾向値としては六千百七十名ぐらいの数というものが数字的にははじき出されてまいります。しかし関東計画において、たとえば二千六百という数を米軍が発表いたしておりますが、そういうふうなこと、それから最近の、いまほど御指摘になったようなことを考えますと、その数はまだふえるのじゃないか、私どもの予想しておる数よりはふえてくるのではなかろうか、かように思います。そういうことで正確な予想がつかないことば申しわけございませんが、大体そういうふうな実情にございます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 いま防衛施設庁からお話がありましたとおり、われわれ考えるのと、ほんとうにもう少し計画的に今後の見通しについて、発表というか事前に通告をしていただきたいという希望があるのでありますが、相手がやはり軍という関係上、軍の性格からいってどうもそういう点が、日本国内の問題でありませんので、施設庁もいま言ったように困っておると思いますけれども、一方では極東の情勢が平穏化した、そうすると、こっちの問題にしわ寄せがくる。こういうような関係で、先ほど大橋議員にも御説明いたしたのでありますけれども、これは私の管轄でありませんが、防衛施設庁のほうも従来はおもに駐留軍の関係のお世話をしていた。これが今後労務者の対策に相当ウエートが高まってくるのではないか、こういう関係が生じてくると私思いますので、長官にもこの間うちからお話を申し上げておるのであります。離職者の問題に対して、労働省もやるが、もう少しそっちも本腰になってくれ、こう言って要望いたしておりますが、関係大臣にも私よくそのことをお話しいたしまして、もう少し施設庁、労働省、これか一体となって——先ほども申したのでありますが、ただお役所仕事で、従来の駐留軍のこの措置法によっていろいろお世話するという気持ちではどうも手ぬるい。やはり犠牲者であるという立場で、懇切丁寧に、心から親切味をもってこれに対する対策を機動的に機に応じてやる、これが私必要と思います。もうしょうがないが、こういうかっこうでなく、手厚い援護措置を今後とる必要が特にあると思います。それはやはり何といっても一つの犠牲者でありますから、同胞に対するあたたかい温情をもっていろいろな措置をとって迅速に対処する、これが必要だと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは重ねて要望いたしたいと思いますけれども、先ほど申し上げたとおり、労働大臣もおっしゃるとおり、軍の問題でございまして、いつどこで作戦行動が必要だというふうなことがわからない、あるいはあり得るという状況のもとでは、そういうふうな議論もなかなかできにくいと思うのですが、いま申し上げたとおり、極東の状態がかなり安定的な状態になっているということはアメリカ自身十分承知しておる。したがって、今後の見通しについても、何とかつけてくれという日本からの要求は決して無理な要求ではない。これは独立国としては、本来かなり激しい戦闘がある場合でも当然のことですけれども、戦後たいへんお世話になったアメリカとの協力関係ということですから、変なことは申し上げないのですけれども、この際にアメリカ側と日本における基地の問題——労務者だけの問題ではありません、基地の問題と、したがって労務者の整理の問題について、新しい段階に立って日本の政府としてぜひとも交渉をしていただきたいと私は思うのです。これは防衛庁長官だけでなくて、外務大臣にもあるいは総理大臣にもぜひともひとつ——労働大臣は御自分の主管のことからいっても、そういう責任もあるわけだと思うのです。特にいままでのような景気がずっと非常に調子がいいときにはそれでいいのですけれども、今後の問題は日本の景気としてはどういうふうになるかさだかな状態ではない、必ずしも明るい状態でもないということですから、一挙に数千人あるいはそれ以上の離職者が出てくるということは、今後非常に問題になる可能性を持っているということもありますので、政府としてアメリカ側と基地の整理、縮小の問題についての打ち合わせ、労務者の整理についての見通し、この問題についてぜひとも話をつけてもらいたい、そうしないと労働省としたって、施設庁にしたってやりにくいでしょう。いままでは九十日の予告期間というものさえ守られていないということですけれども、これも緊急な作戦行動があるときはそういうこともあり得ますよ。けれども現在はそういう状態じゃありません。だから日本の国の当然の要求として、そういうふうな要求をもってアメリカとの交渉をしてもらいたい、これが第一点です。  この問題についてはあとで労働大臣から御所信を承りたいと思うのですけれども、きょうは時間もございませんから、先ほど申し上げた第二の点ですが、せっかくこの法律でもってかなり手厚い保護を受けておる労務者ですけれども、離職者に対する再就職の状況が少なくとも数字的に見れば必ずしも十分ではないという感じがするのですけれども、一番の問題はどういうところにありますか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 離職者がいままで働いておられた勤務地の問題もあろうかと思いますが、一般的には何と申しましてもかなり高齢者が多いということでございます。御承知のように、学卒を中心として若年労働者につきましては最近雇用事情は非常に好転いたしてきておりますが、依然として中高年齢者の雇用事情は必ずしもよくございません。それに勤務地が都会地から遠いところになりますと、さらに困難の度が加わるわけでございます。そういうことが原因と思いますので、われわれといたしましては関係の省庁あるいは関係の組合あるいは都道府県、総動員いたしまして、大量の離職者が発生した場合におきましては、いち早く対策本部等を設けまして、きめこまかな対策を総合的に講じてまいっておりますけれども、御指摘のように必ずしも十分ではございませんが、今後とも万全の努力をするつもりでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この離職者の就職先の御調査があるわけでございますけれども、これによりますと、民間が六八%、官公庁が九%、米軍が八%というふうになっておりますけれども、これは間違いないですね。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 そのとおりでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 官公庁というのは主としてどういうところですか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 特に内訳はとっておりませんが、一般の官公庁でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 このような人たちは本来相当部分を防衛庁が引き受けるわけだと思うのですけれども、この防衛庁が引き受けるということについて、国内では、あるいは国内の有力な政党の中にも相当強い反対をするものがおるのですけれども、私は本来アメリカの駐留軍の人たちは、防衛庁が大部分、希望によりますけれども、とにかく引き受けなきゃならぬという感じがするのです。施設庁の方にお伺いしますが、防衛庁がこの人たちの身柄を引き受けて再就職さすという問題については非常に困難がありますか。どういう状況になっていますか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○松崎政府委員 お答えいたします。  米軍基地がかりに返還になりましたあと、そのあとの利用計画いかんによりますが、そんなにたくさん自衛隊の基地になっているわけではないということをまず申し上げておきたいと思います。その自衛隊の基地にかりに引き続き使用と申しますか、そういったかっこうになったものの例で申し上げますと、たとえば最近沖繩の復帰に伴いまして、離島の沖永良部島とか久米島とか宮古島というところにレーダーサイトがございますが、それの返還を受けまして、それを航空自衛隊が現在使用している、それから使用し始めているものがございます。そういう場合には、離島でございましてなかなかほかに適当な仕事が少ない場合が多うございますので、航空自衛隊関係でそれを再雇用といいますか、できるだけ雇用するように庁内ではいろいろ協議をやっています。たとえば沖永良部の場合で申しますと、自衛隊への就職希望者は約三十人程あるというふうに捕捉しているのですが、それの四十七年度で十二人ですか、四十八年度はちょっといま予算がきまっておりませんのではっきりした数は申し上げませんが、ほぼそれに似た数かそれ以上の数を雇い入れるように現在予定いたしております。ただ問題は、警備というような職種が、自衛隊の場合ですと自衛隊の隊員を警備を行ないますので、そういった関係はなかなか使用することがむずかしいお思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 米軍のビヘービアと日本の自衛隊のビヘービアとはかなり違うと思いますから、そういう点はあると思いますけれども、やはりそういう面も考えてみる必要がある。これはいろんな意見がありますけれども、日本の最小限度の自衛力といっても相当な、いろんな基地における配分が必要だということですから、こういう問題についてあまり遠慮しないで、必要な要員は必要な要員として自衛隊が保留するというような体制をとる必要があると私は思うのですね。この点も要望しておきたいと思います。  そして中高年齢層の問題ですけれども、労働大臣、一般の中高年齢層の雇用促進という問題は大体御予定のとおり進んでいますか。この問題を離れて、一般の中高年齢層の問題。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 中高年齢者の対策は雇用政策上の最重点策の一つとして取り組んでおりまして、いまその大きな柱といたしまして定年制の延長等を中心とする法律改正案を御提案申し上げていることは、御承知のとおりでございます。全体といたしまして、大幅な改善ということは申せませんけれども、企業一般の理解も得つつ、改善を着実にはかっていくということで進んでまいりたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 役所の仕事は大体あまり重労働というものではなくて、比較的頭を使う部分が多いと思うのですけれども、役所のほうに、中高年齢層でもって民間のそういう余った人で適当な人をもっと積極的に使うというような配慮は持っておられますか。あるいは、やはり役所でも若手の人をどんどん入れなければいかぬというふうに、一般の会社などと同じような感じを持っておりますか、どうですか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 公務員一般でございますので、私から申し上げるのは必ずしも適当かどうか存じませんが、中高年齢失業者等に対します特別措置法があることは御承知のとおりでございまして、求職手帳制度というものもございます。また、中高年齢向きの職種を定めまして、それぞれの職種ごとに雇用率を設定いたしております。これは官庁におきましても適用されておりまして、各省庁で御努力を願っておるわけでございます。     〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕 御承知のように、官公庁には定年制というのがございませんので、話し合いと申しますか両当事者の了解を得て退職をするという慣行になっております。全体といたしましては、民間と同じく、あるいは民間よりやや中高年齢層の構成比は少ないように考えております。ただ、現実問題といたしまして、一たんほかの職場をやめた方、これは五十五歳以上の方々が多いわけでございますので、そういう方々、民間の離職者を官公庁が率先して受け入れるということは、これは必ずしも容易ではないというふうに考えます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これはやはり一般の賃金政策との関係もあると思うのですけれども、若年労働者はわりあい安く使える。しかもいい働き手になる。中高年齢層はあまりからだは動かなくなるけれども、月給は高くやらなければいかぬというようなこととも関係があると思うのですけれども、こういう問題を、つまり終身雇用という体系から能力給の問題に切りかえていく、この問題については、相当やはりそういう見通しを持っておられますか。持っても非常に困難だと思うか。あるいはそういう切りかえは日本では適当ではないとお思いになるか。いかがでしょうか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 中高年齢者の雇用対策の基本的な問題点は、諸外国と違いまして、いわゆる年金の支給が始まる年齢と、一般の民間で行なわれておりますいわゆる定年との間にかなりのギャップがあるということであろかと思います。そのギャップを埋めるために定年制の延長を強力に進めるということで、法案も順次御審議をわずらわすわけでございますが、その際にやはり御指摘のように賃金問題がからむわけでございまして、賃金研究会その他の関係委員会、研究会等におきましては、定年延長に伴って給与制度というものは当然問題になる。     〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、これをこうあるべきだというふうに役所が指導するよりも、やはり労使の話し合いによりまして定年制延長に伴います給与問題を円満に解決するということが望ましいと考えるわけであります。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 外国と比べて、中高年層でもできる職場で、しかも中高年層が比較的少ないというのが一般的な日本の感じだと思うのですけれども、これは自主的ないろいろな労使の交渉ということもありますが、やはり指導する立場として労働省としてももっとそういう基本的な問題を解決していかないと、いつまでもこの中高年齢層の問題が解決できない。内容的にかえっていい場面がたくさんあると思う、中高年層に切りかえても。それでもなかなか進まないという原因をもっとひとつ御研究いただきたいと思うわけです。  そして、最後ですけれども、今度のドルの切り下げの問題が駐留軍の労務者の整理という問題とかなり密接な関係を持つと思うのですけれども、いままで支払いは円建てですね。前のドルの切り下げでもって一六・八八%、今度は変動相場制になっておりますけれども、相当大幅だ。これは支払い側のアメリカにとっては実際にどういう影響を持っておりますか。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 円建てでこちらへ償還してくるわけでございますから、日本側としては何ら影響はないということになりますけれども、実際に、たとえば二〇%近いドルの切り下げがあるというふうなことになりまずければ、アメリカ側の予算としては当然に響いてくるわけでございます。それについて、こういう点にあらわれてきたという形のものが現在までのところまだ見受けられません。ただこの前の一六%でしたか、あの問題のあとにわりあいに出てまいりましたのが、いわゆるIHAの機関、独立採算をやっている米軍の諸機関の中の人員整理あるいはパートタイムヘの切りかえ、こういうふうな形のものが昨年の秋ごろからことしの初めにかなり出てきております。これは人員が減ってきたという問題もありましょうけれども、ややそういうふうな形のものがあらわれておるのではなかろうかというふうに考えます。したがってこの次の問題というものが、七月から始まります米軍の明年度予算との関連においてどういう形で出てくるであろうかというところを、私どもとしても非常に危惧をしておるところでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それと関連して特別給付金の問題ですが、これも今後五カ年ということになりますと、二十七年といういままでの取りきめがずっと延びていかなければならない。その内訳の刻みをずっと延ばしていくという問題があると思うのです。これは合理的に御配慮いただけると思うのですが、ぜひともこの問題も御配慮をいただきたいと思います。  要するに私が最初申し上げたとおり、この段階におけるアメリカ側としての基地に対する態度、労務者の整理の方針、この見通しについては、労働大臣、日本の政府としてもぜひとも積極的な姿勢をとってアメリカと交渉していただきたい。そうでないと基地の労務者も不安だし、日本の関係当局も対策が非常に因難になってくるという問題があると思いますから、この問題について大臣からおことばをいただいて、要望をいたしまして私の質問を終わりたいと思います。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 和田議員のお説ごもっともでありますから、その線に沿って大いに善処いたします。  それから先ほどの軍との関係の今後の見通しでありますが、これもなかなか当を得た、いま当面の問題と私思いますので、やり方をどう持っていくか、そういうことをいま頭の中で考えておりますが、関係の外務省を含めた方々と懇談するとか、また適当な近い時期に閣議で発言をするとか、何とか御趣旨に沿うように、これは当面の言いのがれという意味ではなしに、心からそう思っておりますから、これはひとつおまかせ願って、対処いたします。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 ぜひともお願いいたします。どうもありがとうございました。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 速記を始めて。  この際、労働大臣より発言を求められております。これを許します。労働大臣加藤常太郎君。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 先般の寺前議員の御質問に対する見解を申し上げたいと思います。  一昨年十一月の寺前議員の質問に対する原大臣の答弁は、特定の政党のみについてその加入の有無を記入させることについて、好ましくないと考えるというものであります。  一般的に、政治的団体への加入の有無を聞くことについて、これを好ましいとか好ましくないということは一概に言い得ないものと考えますが、特定の思想、信条そのものを調査することを目的として行なわれるものであれば、一般的には好ましいものではないと考えます。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 寺前君。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 それがわからぬのだけれどもね、大臣。従来、共産党もしくは家族に共産党の人がおりましたかどうか、それで虚偽の事実を書いた場合には解雇しますよということで締めくくっていたわけでしょう。履歴書を書け、こういっておったわけでしょう。ですからそういう思想、信条調査が米軍の占領下において行なわれているわけです。ところが、日本の本土でも同じようなものが行なわれている。しかし、安保条約や地位協定に基づいて、基地内の労働者に対する労務の基本権というのは、日本の法律を尊重しますということになっている。そうすると日本の国土の中において、あなたの家族にどこの党の人がおったか、あなたは共産党員かということを聞くということは、思想、信条で調査をしたいという目的をちゃんと持っているんだから、そういう目的を持っていることにこたえなかったら、それはうそを言ったということになって処分されるということになったらこれはたいへんな問題だ、原労働大臣どうなんだ、こう聞いたら、それは占領下で行なわれたことであって、そんなことはどうも好ましくないというのが一昨年の暮れの話だった。  それで、それじゃどうするんだ、そうしたら交渉しますという話になって、アメリカさんと交渉したんでしょう。交渉してやってきた姿というのが、形が変わった。どういうふうに変わったかというと、この前に話があったように共産党並びにその家族云々という項は抜いた。抜いたけれども、そこにかわって出てきたのは、政治団体への加入について書けというてきた。政治団体への加入云々だけ持ち込んできた。そうしたら、そこで政治団体への加入を書かなかったらまた、虚偽だとこうなるでしょう。だから書くのです。書いたら、日本共産党と書かなきゃならぬことになる、うそをついたらいかぬのだから。やっぱり書かすのでしょう。書かすということは、やっぱり、特定の意図があればこそ書かすのだ。そうすると、あなたが先ほど言われたように「特定の思想、信条そのものを調査することを目的として」——まあ「そのもの」のところを強調するのかもしらぬけれども、「そのもの」を調べるのに、いろんな特定政党の名前を全部書きなさいといういい方で、事実は客観的に特定のことを知りたい。それだったらそうなるでしょう。だからていさいを変えただけと違いますか。結局やはり思想、信条の調査をやる。それをもって、自分の基地内における労務者をどういうふうに扱うかという基礎にしている。基礎にする必要がなかったら、そんなものは撤廃したらいいんだ。違いますか。意味がないのに書かすことはないでしょう。意味のあることでしょう。意味があるというのは、どこの政党所属かということを調べるということが意味があるんでしょう。意味がないものだったら、撤廃せいで済む話ですよ。どの党かということを調べるというんでしょう。ほんとうに調べたいのは共産党だということは、これは歴史的な事実として、そういう文書であったことからも明らかでしょう。いずれにしたってですよ、その調査は特定の思想、信条そのものを知りたいわけでしょうが。知りたくないのですか。大臣、どう思います。思想、信条を、この人は何を持っているかということを知りたいから書かすというのと違いますか。知りたいから書かすんでしょう。それ以外に考えられますか。大臣、答弁願います。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 御質問でありますが、原大臣の当時とは、今回のいろいろな関係は相当な変革を来たしておりますが、この問題につきましては、事実関係も防衛施設庁の関係でありますから、施設庁のほうからひとつ答弁させたいと思います。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 ちょっと待ってくれ。いや、そんな問題とは違うの、ぼくが言っているのは。大臣に聞いているのは、そんな事実問題を聞いているんじゃないの。大臣に聞いているのは何かというたら、書かすということは——ちょっと局長、じゃまになる、横から。話を聞かぬと。ぼくが質問しておるんだから、ぼくの話をちゃんとよく聞きなさいよ。そうでしょう、書かすというのは。前は共産党あるいは家族におるということについて書け、こうきた。今度はそういうのは変えてしまって、どのような政治団体へ加入しているのかということになったわけでしょう。それを書けというのは、共産党や社会党やと、こう書けというんでしょう。その書かすというのは、どのような思想、信条をこの人は持っているかということを調べたいから書かすんでしょう。違いますかというんですよ、書かすということは。それ以外に考えられますか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 原大臣のときはもう判然といたしておりますが、今回は、どうも寺前議員のほうはこっちだ、こっちだと持っていきますが、全体の政党のことを記入するのでありますから、事実関係からいうと、前回とは相当変革は来たしておる、こう思いまして、先ほど私が文書で書いたものを読みましたとおりの方向と私は考えております。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 いや、前回よりももっと細分化して、あなたの思想、信条はどれかということをみんなに書かすんでしょう。どれなんだということを書かすんでしょう。もっと細分化しただけの話です。そうでしょう、書かせ方は。だから、それをもっと細分化して、もっと特定の思想、信条を知りたい。もっと前よりも深くなってきたんだ。前は共産党以外のやつはどうでもかまわぬ。共産党だという思想だけを、ここだけを調べたかった。今度はもっと細分化して一ぱいしるしてはっきり書けよ、おまえの思想はどの部類に所属するんだというやり方に変わってきているだけや。だから、やっぱり知りたいということにおいては同じでしょうと言うんです。知りたくないんですか。知りたくないんだったら、そういうものはやめたらいい。知りたいということになったらやっぱり問題じゃないか、同じことじゃないかということを私は言っておる。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 それは施設庁のほうで駐留軍の関係といろいろ協議したものと思いますが、従来を改めて全体のことを聞くのでありまして、寺前議員は、共産党だ、共産党だというほうへ持っていきますが、そういう見解をあなたは持たれておりますが、私はいまお答えしたとおり、ばく然と広くなったので、いままでのように共産党だけを対象としてこのことを聞くというのでありませんから、まあ趣味だとか加入のクラブを聞くとか、ことによったら、政党はどういうところか、参考に、君はどこが好きなんだとか、こういうことは好ましいとは私は言いません。しかし世間にも、一般の民間にも多少、いろいろそういう点を仄聞いたしますので、ただ、そう共産党だけを特に書かすために一般を書かしたのだ、こうとるのもいかがかと私は考えておる次第であります。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 施設庁長官から発言を求められておりますので……。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 いまほど御説明がございましたように、現在行なわれております履歴書は、いずれを問わず政治団体であればあまねく記入するということになっております。こういう政治団体の加入の有無を記載させるということは、学歴、職歴あるいは趣味、加入しているクラブその他のもろもろの要素とともに総合的に判断して、そうして応募者の中から合衆国軍隊という勤務環境に適する者を採用決定する資料にしよう、こういうものでございます。したがって、特に思想、信条調査を目的としておるものではないというふうに私ども考えております。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 大臣、基地内であったって、労働基本権を尊重する日本国憲法では、思想、信条は自由だということを保障しているわけでしょう。だから私は、この問題は大きいのです。会社だって同じことですよ。思想、信条でもって左右するということは、日本国憲法では許されないはずですよ。そうでしょう、大臣。思想、信条で左右することはできないでしょう、会社であろうとどこであろうと。これは日本国憲法に基づいていっているのだから、そんなことで左右することはできないはずです。その点はいいですな、大臣。これは一番基本問題だから、局長じゃない。局長になんて答弁を求めていない。あなたは閣僚として非常に重要な地位におるから、私はそのことを言っているんだ。——ちょっと待ってなさいよ。質問中、何しているのか。質問しているのに何だ。思想、信条でもって人を左右することはできないはずですよ、憲法に基づいて。そうしたら、基地内であっても同じことだ。基地内においても同じこと。そうすると、その基地内において、あなたはどの政党だか書け——それは調査するわけでしょう。書けということは調査じゃないですか。共産党であろうとどこであろうと、調査は調査。調査をするということは、意図があるから調査をするんですよ。さきの施設庁長官のことばをかりるならば、基地の労働者としてどうかということの一つとして考えるということなんでしょう。その位置づけに思想という問題が出てくるということになったら、これは重大な問題じゃないか。だから、好ましくないということが原労働大臣のときに言われたのでしょう。だから、その原労働大臣のときに言われた、好ましくないという問題は、急に変わったのか。田中内閣になったら変わったのか。そういう問題として私は聞いているんですよ。佐藤総理大臣のときの原労働大臣の答弁は、それは基本的にやはり生きておるのが私はあたりまえだと思う。したがって、そういう調査を一つずつ、今度は言い方を変えた。政党名を全部書きなさいと言ったって調査は調査。そうしたら、その調査は、意図があるから調査があるので、その調査は好ましくないという点においては同じことではないのか。それを急にあいまいにするということは、何か新しいたくらみがあるというふうに解釈せざるを得ぬじゃないですか。そうでしょう。佐藤内閣のときと田中内閣は態度を変えて、そういう、どの政党に所属するのかということを書かす。形は違うけれども、特定の思想、信条を調査するということをやるという態度に切りかえるのか。そういう問題として私は聞いているんですよ。どうなんです。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 憲法第十四条は、寺前議員御承知のとおり、基本的には国と私人との間の関係を律する規定でございまして、直ちに私人間の関係、たとえば企業と従業員の雇い入れについての関係を律するものではございません。したがいまして、従業員を採用するにあたって、政治的団体の加入の有無を聞くことをもって直ちに憲法第十四条に違反すると断ずることは困難であるのみならず、逆に、国がみだりに介入いたしましてすべてのケースについて当不当の判断を下すということが、かえって違憲のそしりを招きかねない場合もあり得るわけでございます。必ずしも適切な例とも考えられませんが、たとえば特定の宗教を基本とするミッションスクールの場合に、その先生あるいは職員を採用するにあたって所属の宗教団体のいかんを聞くということは、一がいに不当ときめつけるわけにはいかないのではないかと考えます。ただし、その目的が思想、信条そのものを調査するということにありますならば、それは適当でないというふうに申し上げておるわけでございまして、これ以上はケースごとに実体判断の問題にならざるを得ないのではないかというふうに考えるわけでございます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 ただいま政府委員からお答えいたしましたとおり、それが目的であるかないかという立証もいまのところわかりませんが、何も佐藤内閣が田中内閣になったから憲法の解釈が変わったということは全然ありません。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 目的がない調査だったらやめたらどうですか。思想を調べるという目的がないものだったら、やめたらいいでしょう。大臣、どうです。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 その問題は施設庁からお答えいたします。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 問題は、駐留軍労務者の採用に際しての問題でございます。それで、そういう加入団体の有無を書かせることが直ちに思想、信条の調査そのものにはならないということを先ほど申し上げましたが、そういうふうな有無を記入させてそれを採用の判断の資料にするということは、合衆国軍隊という特殊な性格からして、国際通念からいっても当然と申しますか、やむを得ないと申しますか、当然のことであろうというふうに私ども考える次第であります。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 大臣、どうです。合衆国軍隊について特殊な性格だからやむを得ない、調査をやる、特定の思想、信条は合衆国軍隊という特殊な性格を持っておるからやるんだ、こう言うんでしょう。いまそう言ったじゃないですか、特殊な性格を持っているから思想、信条の調査が要るんだ。片一方では——私はさっきの局長の答弁を何も支持しませんよ。これは問題だと思う。しかし、それはまた後日論争するけれども、それを一応置いといたとしても、特定の思想、信条を目的としてやることは好ましくない、こう言っているわけです。そのことはさっきの答弁でも、一般的には好ましくないと言っている。ところが、特定の思想、信条そのものを合衆国軍隊だからやる必要がある、合衆国軍隊の基地だからやる必要があるんだと言ったら、はっきりとさっきの答弁と食い違いがあるじゃないですか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 私はここにおって聞いたのでありますが、寺前議員のお話とちょっと食い違っておりますから、もう一度施設庁からお答えいたします。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 軍隊という特殊な性格からそういうことの調査が必要だ、こういうふうに申し上げたのではございませんで、そういうことは直ちに思想、信条そのものの調査というふうには理解されないけれども、しかし、そうかといって、政党加入の有無を記載させて、それをほかの材料と一緒にあわせて採用の判断の資料に資する、こういうことは軍隊という特性からいって、国際通念上からも当然であろう、こういうふうに申し上げたわけでございます。  先ほど職業安定局長からミッションスクールという話が出ましたが、四十三年六月の東京高裁判決にも、特定の新聞社、宗教学校等、そういうものについては、これに反する者を採用することが業務上支障のある場合には、かかる者を採用しないことが許されるというふうな意味の、傍論ではございますけれども、そういう判決もございます。  それで私が申し上げましたのはそういう意味での——この場合の問題は、そういう思想、信条そのものを調査する必要がないのになぜ政党加入の有無を書かせるのかということになれば、そこにはやはり軍隊というものの特殊な性格がございましょうということを申し上げたわけでございます。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 そうでしょう。軍隊という特殊なものがあるから書かすのだ、一般的にやったら書かす必要がないということでしょう。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 寺前議員の聞き方はどうもものごとをこう曲げたようなかっこうで、軍隊の特殊性というので特定の信条を目的とするという意味でこちらは答弁したのを、寺前議員のほうは駐留軍という米軍の軍隊という特殊性、これを言っておるので、本問題については寺前議員の御質問とちょっと食い違いがあります。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 あなたは、評論家みたいにあっちとこっちの間に立って何を言っているのだ。あなたに向って質問しているのじゃないか。冗談じゃないよ。  軍隊という特殊な性格を持っているからそのものを調査するというふうに言うわけじゃないけれども、記載させて判断をする総合的な資料の中に入れるんだということは、軍隊だからあえて要るんだということを指摘しているわけでしょう。軍隊だからあえて要るというところに思想調査が要るのだということを言っているわけでしょう。一般的には要らない。軍隊だからこれは要るのだ。だから、その特殊性から要ると言うのだ。軍隊という特殊な性格を持っているから、そこには思想、信条の調査が要るのだ。あなたたちのほうは、特定の思想、信条を調査することを目的とすることは好ましくないと言っている。片一方は好ましくないと言い、片一方は軍隊だから要るのだという話は合わぬじゃないか。どうです。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 先ほど来申し上げておりますように、特定の思想、信条そのものを調査するかどうかという事実問題、これは防衛施設庁のほうが米軍と接触されておるわけでございますから、防衛施設庁のほうからお聞き取りいただきたいと思います。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 防衛施設庁の問題じゃないですよ。労働大臣として、前は労働大臣がしっかり答えているのだよ、そういう思想、信条調査をするということは好ましくないと。それに基づいて交渉するということまで言っている。やったんだ。形は変えたやり方でもって持ち込んできている。だけれども内容は一緒だ。こういうことになったら新しい大臣は、それはもう一度検討してみる必要があるというふうに考えられるのかどうか。そうでなかったならば、田中内閣になってから変わったということになりますよ。私はそのことを言っているのだ。いや、前と同じだと言うのだったら、形は変っても内容はやはり思想、信条の調査が入っている以上は——施設庁長官か、軍隊という特殊性のあるところだから要るのだと言っているのだ。その立場だったら、この問題は後退せざるを得ないということになるじゃないですか。前の労働大臣と新しい労働大臣との関係を私は言っているのだ。だから新しい労働大臣は、これは問題だというふうに思わないのか。私はそのことを言っているのだ。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 先ほど私から申し上げたように、もう一度言いますが、特定の思想、信条そのものを調査することを目的として行なわれるものであれば、一般的には好ましいものではないと考えます、こういっておるので……。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 そうしたら、履歴書ですよ、あれは。履歴書の中に一ぱい書いてあるのだ。一ぱい書いてある中に思想調査があったら、これは思想調査そのものを全体としては調査していないからいい、こういうように解釈するのか。その一項目であっても、その項目はなくては困るという性格だということを施設庁の長官は言っているのだよ。それはそのもの自身を、履歴書のその中の項は思想そのものを調べるという調査なんだよ。だからこれは好ましくないという立場であなたの答弁を理解していいのか。私ははっきりしてもらわぬと困る。前の労働大臣のときも同じ用紙なんだよ。だけれども、そこに思想、信条の調査があったのだ。その項について好ましくないという指摘をしたのだよ。あなたもやはりそれは好ましくない、思想、信条そのものを調査するものであったらそれは好ましくない、一項目であってもそうなんだというふうに理解していいのですか。原労働大臣のときと同じように理解していいのですかど私は聞いておるのだ。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 原労働大臣のときには、特定の共産党と、こう聞いたのでありますが、今度は一般にクラブ加入だとかいろいろなことを聞く中に、全体を、あなたはどこがお好みですかとかいうことは、これは特定の政党なり思想、信条を指定したのではありませんから、前回の原大臣のときとは状態が変わっておる。今後、寺前議員の言うように、それが特定の思想、信条、政党を目的とした場合にはこれは好ましくないと言えますけれども、いまの場合にはそれに対して的確な判断が下せないと思います。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 前は共産党だけ書いてあったのだよ。今度はもっとわかりやすく言えば、共産党、社会党、民社党、公明党、自民党、全部書いてある。どれかにまるをつけなさい。わかりやすくいえばそれだけのことだ。書く側になれば同じこと。前は共産党というところだけあった。ほかのところは書いていなかった。今度はそれをこまかく分けただけの話。書く段になったら一緒や。書く段になったら一緒だけれども、あなたはどの特定の思想を持つのかという調査だと私は言うのだ。書く段になったら一緒。それをあなた、わからないのかいな。これは軍隊だから要るんだと施設庁の長官は言うのだよ。だからそこは私は問題だと言うのだ。原労働大臣のときには、その点を、特定のことを書かすというのはよくない、だからこれは検討しましょうというのだったんだよ。原労働大臣は、検討しましょうと言ったのに、それがちょっと形が変って、もっとこまかくとんとんと書き出したのを、あなたは、これはいろいろなことが一ぱい書いてある中だからかまわぬのや。それでは、原労働大臣が言っておったときとは全然違うぞということになる。どうなんです。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 私先ほど申し上げましたのは、たくさんの項目がありますその一つの項目にそういうものがある。そのたくさんの項目に書かれてあることとあわせて、それも採用の判断の資料にする。そういうことは、これは軍隊というものの特殊な性格よりして当然ではないであろうか、こういうことを申し上げたわけであります。それが結果的にかりに思想調査というふうな形のように見えましても、その程度の資料をとる、政党加入の有無についての記載を求めて、ほかのたくさんの記載とあわせてそれで採用の判断を決するということは、直ちにそれが思想、信条そのものを調査しているということには結びつかない、こういうことを申し上げたわけでございます。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 大臣、どうなんです。時間さえ過ごしていったらいいという性格のものじゃないのですよ、ほんとうに。共産党と書いたときにはこれは好ましくなかった、ほかの党の名前も全部並べたらその調査は特定政党の調査じゃない、そんなことはないですよ。書く人間においてはどこの党かということは、調べるということになっなら同じことじゃないか。ちっとも変わらないじゃないか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 先ほどから文章を読んで私は私の意見として申し上げて、寺前議員の意見は意見。この話であなたの意見に私が従え、そう言ったって、なかなかそうはいきません、そう言うよりいたしかたございません。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 だから私は言うておるんだよ。佐藤内閣のときの労働大臣の答弁とは違うことになるのじゃないか。あのときは、これは好ましくないからといって再検討するという話だった。ああいうものは再検討してくれますか。このまま過ごすわけにはいかぬからな、何ぼ言われたって。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 何回もお答えしたので、もう結局何回も言ったって、あなたの意見には従え。私は、私に従えと言っておるのじゃありません。こういう見解であります、こういうので、これを何回やっても……。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 私はこの問題は留保しておきますよ。この前の原労働大臣のときよりも内容は後退しているということになるんじゃないか。再検討してもらいます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 原労働大臣のときと状態が異なっておりますので、見解の相違も——多少は違っております。いま文章で申し上げましたとおりで、これ以上、結局、あなたの意見に従えと言ったって、もうこれ以上申し上げたって、何回やっても同じでありますから……。

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前委員 私は了解するわけにいかないから、これは留保して終わります。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

田川誠一自由民主党

○田川委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に申し出がありませんので、駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

田川誠一自由民主党

○田川委員長 この際、竹内黎一君、川俣健二郎君、寺前巖君、大橋敏雄君及び和田耕作君より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  その趣旨の説明を聴取いたします。川俣健二郎君。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。      駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について努力すること。  一 ドルの切下げ、円の変動相場制移行に伴う米軍関係労務予算の不足及び基地の整理統合等を理由とする人員整理が予想されるので、駐留軍関係離職者等臨時措置法施行令第十条に基づく特別給付金の増額及び支給区分の拡大を考慮するとともに、労働者の雇用及び労働条件の確保に万全を図ること。  二 沖繩における旧第四種労働者をめぐる諸問題の改善を検討すること。  三 就職困難な中高年齢者が多い実情にあるので、再就職促進のため既設の援護措置の一層の充実と、制度の効果的な運用を図ること。  四 人員整理発出については、九十日以上の予告期間の確保に最善を尽すこと。  五 人員整理の予想される施設においては、人員整理予告前早期に希望退職者の募集を行ない、極力人員整理者の減少を図るよう努めること。 以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)

田川誠一自由民主党

○田川委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 起立総員。よって、本案については竹内黎一君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付するに決しました。  この際、労働大臣より発言を求められております。これを許します。労働大臣加藤常太郎君。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 ただいま決議いただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重し、関係各省とも協議の上、措置いたしたいと存じます。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

田川誠一自由民主党

○田川委員長 港湾労働法の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————

田川誠一自由民主党

○田川委員長 提案理由の説明を聴取いたします。労働大臣加藤常太郎君。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 ただいま議題となりました港湾労働法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  港湾労働法は、港湾運送の必要な労働力の確保と港湾労働者の雇用の安定その他福祉の増進をはかるため、一定数の日雇い港湾労働者を登録し、優先的に雇用せしめるとともに、港湾労働者の雇用の調整を行なうことを目的として、昭和四十年に制定されたものであります。  最近におきましては、コンテナ輸送の増大等港湾における輸送革新か著しく進展し、港湾労働力に対する需要に大きな変化が見られますが、港湾荷役における波動性に伴う臨時的な労働力需要の充足について、日雇い港湾労働者に依存しなければならないという事情は、法制定当時と基本的には変わっておりません。このような事情にもかかわらず、登録日雇い港湾労働者の就労状況は逐年悪化しており、港湾労働法の目的とする港湾労働者の雇用の安定にとって好ましくない事態を招いております。  このときあたり、昨年十一月には港湾調整審議会から、また、本年一月には中央職業安定審議会から、それぞれ労働大臣に対して、今後の港湾労働対策に関する建議が提出されたのであります。  政府といたしましては、これらの建議の趣旨を尊重し、港湾労働対策を一そう強化するため、港湾労働法を改正する必要があると考え、中央職業安定審議会にはかり、その答申に基づいて、この法律案を作成し、提案した次第であります。  次に、その内容の概要を御説明申し上げます。  第一に、事業主が共同して登録日雇い港湾労働者の雇用機会の確保その他雇用の安定をはかるようにするため、港湾労働協会を設立することであります。港湾労働協会は、港湾ごとに事業主を会員として設立される地区協会とこれらの地区協会を会員とする中央協会の二種類としております。  地区協会は、労働大臣が定める港湾雇用調整計画に即応して、日雇い港湾労働者の登録、登録日雇い港湾労働者の紹介、訓練、雇用機会の確保等の業務を行なうこととしております。また、中央協会は、会員に対する指導及び援助等の業務を行なうこととしております。  第二に、港湾労働者の雇用の調整を適正かつ円滑に行なうため、港湾労働者の雇用の規制を強化することであります。  その一は、六カ月以内の季節求人については登録日雇い港湾労働者をもって充足させるため、六カ月以内の期間を定めて雇用させる港湾労働者も日雇い港湾労働者として取り扱うこととしております。  その二に、日雇い港湾労働者の雇い入れ秩序を確立するため、天災等の場合を除いては、地区協会あるいは公共職業安定所の紹介によらないで日雇い港湾労働者を使用することを禁止することとしております。  その三は、登録日雇い港湾労働者の雇用の安定をはかるため、事業主が港湾労働法の適用されていない他の港湾で使用している労働者を登録日雇い港湾労働者の就労状態が悪化した港湾において臨時に使用することを禁止できることとしております。  その四は、常用港湾労働者の雇用状態の改善をはかるため、雇用された日から六カ月以内に離職した常用港湾労働者についても、その雇用期間に応じて、事業主から納付金を徴収することとしております。  以上のほか、この法律案におきましては、港湾雇用調整計画の的確かつ円滑な実施のため事業主に対して必要な勧告等を行なうことができることとする等所要の規定を設けております。  以上この法律案の提案理由及びその概要につきまして御説明申し上げました。  何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。     〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕      ————◇—————

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 この際、天然痘発生に関する問題について、厚生大臣より発言を求められております。厚生大臣齋藤邦吉君。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先般真性痘瘡患者が発生いたしましたので、真性痘瘡と決定するまでの経過並びに措置将来の見通し等につきまして申し上げたいと思います。  真性痘瘡と決定いたしました患者は、郵政省電波監理局に勤務しておりまする塚原君という方でございまして、この患者は三月十八日、バングラデシュから東京国際空港に到着いたしまして、三月二十三日発病いたし、当時の熱は三十八度であったわけでございますが、郵政省に出務をいたし、その間夕方、参議院の予算委員会において青島議員の質疑がございましたので、その際、参議院予算委員会の入り口周辺において立っておりまして、その後国会を出まして郵政省に戻り、自宅に帰ったわけでございますが、三月二十三日発病いたし、二十四日、二十五日、三十九・七度の発熱でございまして、二十四日、二十五日は自宅において静養し、二十六日入院をいたしました。東京逓信病院に入院いたしたのでありますが、当時の熱は高熱四十度になっております。  東京逓信病院に入りまして、三十一日に至りまして天然痘の疑いを病院において感じましたので、直ちに厚生省並びに予防衛生研究所に連絡がございましたので、その日の夕方、午後五時、本人を直ちに隔離することとし、東京荏原病院に隔離収容いたしました。家族も同時に収容をいたしたわけでございます。直ちに三十一日、専門の先生方に検診をお願いいたしましたところ、臨床上間違いなく真性痘瘡であろうと判断されたのでございますが、病原菌について、さらに電子顕微鏡において検査する必要を認め、一日その顕微鏡において診断いたしましたところが、その病原菌が明らかになりましたので、四月一日真性痘瘡と決定いたした次第でございます。  こうしたことになりましたので、三十一日、四月一日、土、日の二日間に徹底的な防疫体制を全国にしくことといたしました。  まず第一に、この飛行機に同乗いたしてまいりました乗客百三十四人、乗務員十三人、この乗客は東京都外十四道府県に及んでおりますので、この方々に対し、一斉に検病の調査を行なうように全国に指令を発しました。幸いに、乗客百三十四人、乗務員十三人には健康上異常がないということが、きょうの時点においての状況でございます。  こうした乗客並びに乗務員に対する検病の調査を行ないますと同時に、先ほど申し上げましたように、患者の家族は都立荏原病院に隔離し、同時に患者が生活をいたしておりました郵政省公舎周辺並びに郵政省の役所並びに国会において、それぞれ消毒を徹底的にいたしました。  それと同時に、将来の感染を防止する意味において、臨時予防接種を実施いたしたのでございまして、臨時予防接種用のワクチンといたしましては、東京都に痘苗九千人分を配布いたしました。郵政省には痘苗二千人分、参議院には痘苗五百人分を配布いたした次第でございまして、一斉に臨時予防接種を実施いたし、ほぼ完了に近い状況に相なっております。  なお、念のために、厚生省所管において保有いたしておりまするワクチンの備蓄の状況を申し上げますと、乾燥痘苗二百九十万人分、大体三百万人分を備蓄いたしておる状況にあるわけでございます。  そうした防疫体制を全国的にしいてまいったわけでございますが、この患者の危険な接触の日にちは、二十三日発病いたしておりますので、隔離いたしまする三十一日までが間違いなく接触伝染のおそれのある時期であるわけでございます。すなわち、空気伝染ではございませんで、接触感染でございますから、二十二日までは発病いたしておりません。発病いたすと同時に、口の中その他に発しんを起こすわけでございます。その本人のつばその他が飛んだりしますと、空気を流れていくということになるわけでございます。そういうことで、二十三日から三十一日までの間に接触いたしますと、これが感染のおそれがあるわけでございますので、患者につきまして二十三日から三十一日までの期間に接触した方々の追跡調査をいたしておるわけでございます。  その結果、私どもとして今後注意しなければならない対象として考えられますのは、家族でございます。それから二十三日国会に参りますときは、郵政省の電波監理局の局長と一緒に自動車で来ておりますから、そうした方々は要警戒と考えるべきであると考えます。さらに東京逓信病院に二十六日入院いたしまして、三十一日までおりましたので、その期間中における看護婦、医師その他の方々が接触の可能性があったわけでございます。さらに兵庫のテレビの放送記者が二十三日本人と対談をいたしております。これも昨日になりまして追跡の結果わかりましたので、この者については家庭において静養することにいたしておるわけでございます。  以上申し述べました方々がまかり間違えば二次感染を発生せしめる可能性があるわけでございますので、厚生省におきましては二次感染の発生の可能性が全然ないと断言をするわけにはまいらないわけでございます。なるべく感染をしてほしくないと思いますけれども、第二次感染の可能性はあるという前提に立って、個々人につきましての行動の監視をいたしておるのが現状でございます。  したがいまして、二十三日から三十一日ということになりますと、二週間の潜伏期間ということになりますから、早く感染したものがあらわれるとすれば四月三日、三十一日に感染したとすればおくれて四月十四日ということになりますので、要警戒の期間は四月三日から十四日、この間が発生するとすればあらわれるであろう期間でございますので、この期間は、先ほど申し上げましたような方々について、十分監視をいたしてまいりたいと考えております。  それとともに、第二次感染者が出ないことを望みますが、どんな場合でも私どもは第三次感染だけは防ぎとめなければならない、こういう考え方で目下努力をいたしておりますることを申し上げる次第でございます。     —————————————

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 ただいまの厚生大臣の報告につきまして、質疑の申し出があります。これを許します。橋本龍太郎君。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員 いま厚生大臣からの説明によりまして、今回の痘瘡患者の発生以来迅速に防疫対策が進められておることは一応了解をいたします。ちょうどきょうから、もし二次感染の患者が発生するとすれば、その危険な時期に差しかかるわけでありまして、これ以上に流行が拡大することのないように、防疫体制の上で今後一そうの御努力をお願い申し上げたいと思います。  ところで、今回の問題の中から、実は幾つかの問題点が出てまいります。たとえば、現在厚生省として認可を行ない、接種を行なっている痘苗そのものの性質、その量のいかん、こうした問題も当然考えていかなければならない問題点であります。きょうは非常に限られた時間で各党それぞれに質問をさせていただきますので、私は問題点を一つにしぼってお尋ねをしたいと思います。  それは、今回の患者の場合に、たまたま航空路という非常に時間的に短い期間で異なった地点への移動をする交通機関を利用した。従来のように船舶を利用すれば、あるいは中間で発見できたものが、国内に入ってから発病したという事例であります。そういう状況から考えてみると、空港の検疫というものが、一つの大きな今後の防疫対策の上での問題点であります。  現在検疫所の職員そのものの数も必ずしも十分ではありません。この空港検疫の現状は一体どうなっているのか、これがまず第一点にお尋ねをしたいことでありますし、同時に、国際交通の激増に伴い、今回のような事例は今後も発生し得る可能性を常に秘めておるわけであります。しかもそれは天然痘だけではなく、コレラその他の伝染病においても同じ危険があるわけでありまして、こうした観点から、今後空港検疫というものを一そう強化していかなければならないという感じが私はいたしますが、これらの点について、厚生省として、今回の問題を契機に、どのような考え方をとっていかれるか、私はこの一点に限り、お尋ねをしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 御承知のように、国際交通の激増に伴いまして、空港検疫を実施することの必要、それを強化する必要、お尋ねのとおり、ごもっともでございます。  今日まで私どもは、空港検疫におきましては、乗客並びに乗務員につきましては、そのつど視診、目で見る、あるいは問診、必要に応じて質問をいたしたりいたしまして——いたしてまいったわけでございますが、今回の痘瘡の教訓を生かしまして、この際コレラと相並んで、質問票を乗客にお願いをいたしまして、その協力のもとに、天然痘発生を防止するようにいたしたいと考えております。  WHOにおいて汚染地域となっておりまするエチオピア、インド、パキスタン、バングラデシュ、すなわち南回りの航空機につきましては、こういう地域から乗られる方々に対し、十四日間のこういう地域における滞在地などを明らかにしていただくような御協力をいただいて、御質問票を交付する、提示を求める、こういうふうなことをいたしまして、さらに一そう空港検疫の強化をはかってまいる所存でございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員 特に定員等を含めて、なお一そうの御努力をお願いを申し上げます。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 川俣健二郎君。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 あらましの緊急報告が大臣からなされましたが、この問題は近く医療問題の法案で全般的に審議になる予定でありますので、深めたいのですが、ただ一、二点緊急にお伺いして、要望と、一つ要求しておきたいと思います。  時間がありませんから項目的にまず伺いたいのですが、日本における過去の発生状況をひとつ簡単に知らせていただきたいと思います。  それから二つ目は、どうもきのうあたりからのマスコミによると、二次患者の発生のおそれはもう薄らいだろうという印象が与えられておるんだが、いまの大臣の報告によると、そうではないようなんで、その辺を聞かせてもらいたい。  それから三番目は、にわかにこういう騒動になったわけですが、この防疫体制、特に保健所の体制なんですが、いわゆるわれわれが常日ごろ言う、保健所をもっと強化せいというのは、そのことを言っているのですが、その深みの入った質問は健保その他で、医療問題全般でやりますが、こういったものは十分だったかどうか、当局から率直に聞かせてもらいたい。  それから四つ目は、いまワクチンがこれだけあるという手持ちの数量を報告されたが、そうしますと確認しておきますが、今回は二次発生を防いでだめ押しするまで、ワクチンは十分であるということを確認していいのかどうか、この四つをまず質問しておきます。

加倉井駿一厚生省公衆衛生局長

○加倉井政府委員 第一点の御質問でございますが、わが国におきます痘瘡の発生患者の状況は昭和二十年から三十年までに及んでおりまして、二十一年の一万七千九百五十名を最高といたしまして、二十年が千六百十四名、以下ずっと減りまして、最後の三十年には一名の発生を見ております。  それから第二点の二次患者の発生のおそれでございますが、先ほど大臣もお答えになりましたように、私どもといたしましては、患者の接触状況からいたしまして、二次患者の発生のおそれは十分あるということのもとに、いろいろの体制をしいてございます。  第三点の保健所の体制でございますが、この問題につきましては、かねて私どもといたしまして、予防接種に関係いたしましていろいろ種痘の問題も同時に検討いたしております。したがって、その体制等につきましても議論の中にいろいろ出てまいっておりまして、たとえば各県におきまして検診班等の編成等につきましても十分体制は整っておるというふうに考えております。しかしながら、末端の保健所におきまして若干痘瘡の発生に経験のないところもあるかと存じますが、この問題につきましては今後十分その体制のとれるように持っていきたい、かように考えております。  第四点のワクチンにつきましては、現在厚生省の手持ちといたしまして三百万人分所有いたしておりますが、一応私どもといたしましては、これで十分ではないかというふうに考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それで問題は、これからの海外旅行者との行政指導の関係もあるのだろうが、はたしてバングラデシュが発生源であったのかということを突きとめておるのかどうかということと、それから、一体御本人、塚原さんでしたか、ワクチン注射をして行ったのかどうか。  それにちなんで、いまどろなわ式に接触関係者の注射を急いでおるわけですが、このワクチン注射の効力ですね、効力期間というか、それは二次感染を防ぐ効力は十分なのか、その辺を少し聞かしてもらいたいのです。

加倉井駿一厚生省公衆衛生局長

○加倉井政府委員 バングラデシュにおきまして痘瘡が発生しておりますことは、私どもWHOからの情報が刻々入っておりまして、流行地であること、あるいは流行地としての指定がなされておることは十分承知いたしております。ただし、御本人につきまして、それが痘瘡の流行地であるかどうかということの認識につきましては、確かめてございません。  それから第二点の、御本人がワクチン注射をやって行ったかどうかということでございますが、これは一月九日に接種をいたしてございます。  それからワクチンの注射の効力期間の問題でございますが、大体接種をして一週間日に効力が発生するという学説になっております。したがって、現在私どもが予防接種を臨時的に実施いたしておりますのは、当然第二次感染を防止するという意味もございますし、また、予防接種をすることによりまして完全に発病の防止はできないまでも、若干の、もし不幸にして発病いたしました場合には、その症状をできるだけ軽くするという意味もございますので、現在行なっております予防接種につきましては、一応私どもの体制といたしまして、疑問のないことというふうに考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 時間制限の質問ですから、最後に要望しておきますが、どうも注射と効力との関係が多分に安心できないものがあります。  そこで要望しておきますが、けさの新聞によると、齋藤厚生大臣が、わしもこわいと大元締めの予防接種をやっておる写真が大きく出ておりますが、国会とか官庁それから家族、住居地域は予防接種、液体消毒等やっておるようですが、どうもウイルスの経路というか、塚原さん本人の足どり、いまだにまだつかめていないのはタクシーの往復。それらはさらに追跡をゆるめるべきではないと私は思います。  それから二つ目は、その防疫に当たっている医療従事者、その家族、これはかなり陰に陽に犠牲的精神を払っておるんだと思います。みんなおっかなびっくり近づかないように気をつけますけれども、その医療従事者の、やはり何らかの対策をこの機会に要望しておきます。  それから三つ目は——これで終わります。三つ目は、防疫体制の問題、さっきの保健所じゃないですが、一ぺんこの騒動が落ちついたところで、医療問題、防疫問題からのてんまつ記というか、これを一つの報告書にして、これは率直に、こういうところはやはり不備だった、こういうところが非常に不注意だった、こういった面を、特にこの当事者委員会ですから、社会労働委員会で明確にしてもらいたいと思いますが、大臣、その所見をひとつ聞かしてもらいたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 私も、こういうことを体験いたしたわけでございますから、いろいろ反省すべき点があると思いますから、終末いたしましたら、さような報告書をつくりまして提出いたしたいと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 終わります。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 田中美智子君。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 時間が少ししかございませんので、いままでの質問と重複しないよう、また現在の時点の問題はだいぶ厚生大臣からも言われましたし、その中での質問はありますけれども、観点を変えて基本的なことを、二、三質問をしたいというふうに思います。  まずバングラデシュに天然痘が発生していたということはわかっていたということでしたけれども、他の地域、他の国、インドとかそういうところにも発生していないかどうか。どういうところに発生しているかということをまずお聞きしたいということが一点です。これをしないと、いまの二次感染を防ぐというだけでなく、次々また新しくああいう患者が入ってくる、帰国した人に発生するということがあり得るわけですから、それをまずしていただきたいということです。  それから検疫の問題になりますけれども、いま三月三十一日の日にちを一つ見ましても、一日に八千人から九千人、約一万人近い乗客が出入りしているのに、検疫官がわずか二十七名、医者が七名というふうに非常に少ないということです。これもやはり緊急に考えなければならぬことだと思います。それが第二点です。特にいまの点ですけれども、ラッシュのところでは、それこそ六千人ぐらいの乗客に対して検疫官がわずか六名、医者が一名というような、そういう状態ということを考えていただきたい。この質問が第二点です。  それから第三点は、そういう現地のほうでまずチェックするということが先ではないか。羽田でチェックする前に、現地にこちから検疫官を派遣して——それぞれの発生して日本人が多く行くところ、それから向こうから来るというようなところの現地に派遣して、そこで防疫体制をチェックして、こちらと連絡をとりながらやるということをしなければいけないのではないかと思いますけれども、その三点について質問いたします。

加倉井駿一厚生省公衆衛生局長

○加倉井政府委員 第一点の痘瘡の発生地でございますが、先ほど大臣の答弁の中にもございましたように、エチオピアそれからインド、パキスタンそれからバングラデシュ、これは絶えずWHOのほうから報告が参っておりまして、発生状況は把握いたしてございます。  それから第二点の検疫官が少ないという点は御指摘のとおりでございまして、検疫官を確保することにつきまして、特に医師の確保につきましては、私どもといたしまして、なかなか苦心、困難をいたしておるところでございますが、できるだけ今後やはり航空機の増発等に伴いまして、その事態に備えるべく私どもは増員に努力をいたしたい、かように考えております。  それから第三点の、チェックのため現地に検疫官を派遣するという問題でございますが、これも先ほどの定員の問題と関連いたしまして、理想的にはそういう形態をとりたいとは思いますけれども、なかなか現地に派遣するということもできませんし、またこれは外国の問題でございますので、やはり先ほどの情報ということを早くキャッチいたしまして、国内の検疫体制を固めるということが必要ではないかと考えております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それではその点十分に、根本のところで二度とこういうことが起きないような対策を至急にしていただきたいというふうに思います。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 坂口力君。

坂口力公明党

○坂口委員 久々に天然痘の患者さんが出たわけでございますが、先ほどからいろいろお話がございましたとおり、これは防疫体制の問題になると思います。しばらくの間この防疫体制というもの、特にバングラデシュですとか、インドですとか、パキスタンとかいうような非常に流行地域からの出入りをなさることについての防疫体制というものを、具体的にどのように強化されるか。たとえば非常に流行が盛んなところについての旅行というようなものについては、ある程度制限をするとかというようなことをお考えになっているのか。その点をひとつお伺いしたいと思います。

加倉井駿一厚生省公衆衛生局長

○加倉井政府委員 防疫体制の強化につきましては、先ほど大臣もお答え申し上げましたように、国内の検疫体制につきまして十分配慮をいたしたいと思いますが、第二の渡航の制限につきましては、私どもといたしまして、これを制限することはできないというふうに考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 もう一つは、おとなはほとんど植えぼうそうをやっておりますししますけれども、専門家からのいろいろの御意見が出ていると思いますが、現在成人男女、これが伝播する可能性、この人たちがかなり伝染をされる可能性ですね。免疫というものがかなり落ちているかどうかというようなことについて、どういうふうな見解をお持ちでございましょう。

加倉井駿一厚生省公衆衛生局長

○加倉井政府委員 免疫効果につきましては、いろいろ学説がございますが、現在の段階におきまして、私どもといたしましては大体ある程度免疫は保持されているというふうに考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 それから種痘の問題でございますが、かなり長い間国内ではやるということがなかったものですから、種痘については任意にしてはどうかというような意見が出ておったやさきでございますが、小さい子供さんをお持ちのお母さんというのは、この病気に対する恐怖と、それから種痘禍による心配との板ばさみになってお見えになると思いますが、ちょっと場違いでございますが、要するに種痘の株に対する研究ですね、これに対しては現在かなり進んでおりますでしょうか。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 四十五年に種痘の副作用につきまして、たいへん問題がありまして、それ以降厚生省といたしましては国立予防衛生研究所を主体といたしまして、副作用の少ない痘瘡ワクチンの開発につきまして鋭意研究を進めております。なお実用化される段階にまでは至っておりませんので、今後ともさらに今度の経験を教訓といたしまして研究の強化をはかってまいりたい、このように考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 ぜひその研究の強化をお願いをしたいと思います。  それからもう一点だけお聞きをしたいと思いますが、バングラデシュをはじめインド、パキスタンというようなところに流行があるということでございますが、日本として、これらの国に医療団を派遣するように国際協力をするようなお気持ちがないかどうか。最後にそれを一点お聞きをしたいと思います。

加倉井駿一厚生省公衆衛生局長

○加倉井政府委員 両国より要請があれば喜んで私どもは協力いたしたいと思っております。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 関連の申し出がありますので、これを許します。山本政弘君。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 先ほどの話では、一月九日に種痘をされたというのでしょう。一月九日に種痘をされて、そして今度発生をしたわけでしょう。そうすると効力期間からいえば、一月九日にやったことだったら、当然効力があるはずですね。それがなぜ病気になったのか、つまり痘苗が悪いのか、あるいはそういうことは考うべきことじゃないかもしれぬけれども、本人が種痘をしたということにして種痘をしなかったのか、その点が明らかにならなければ原因が究明されないと思うのですよ。その点どうなんですか。

加倉井駿一厚生省公衆衛生局長

○加倉井政府委員 種痘をいたしましても、完全に発病を防止するということはできないと思います。と申しますのは、その接触した人の受けるビールスの量の多少によりまして発病するかしないかの決定のかぎがありまして、この場合、塚原さんの場合にはおそらく多量のビールスに接触した。したがって発病した。しかしながら、その症状その他非常に軽かった、こういう結果だというふうに考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 国際協力をこちらに申し入れられましたら、積極的な協力をお願いいたしまして、終わりたいと思います。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 天然痘発生に関する質趣は以上で終わりました。      ————◇—————

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 引き続きまして、労働関係の基本施策に関する件につきまして調査を進めます。     〔竹内(黎)委員長代理退席、委員長着席〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 質疑の申し出があります。順次これを許します。山本政弘君。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 昨年の五月の三十日に政府の見解が出ました。これまでこの当事者能力の問題については私どものかつての同僚である後藤君が四年くらいやって解決がついてない問題でありますけれども、五月三十日政府見解でこう述べております。労使双方から実情及び意見を聴取する場を速急に設ける。それでその具体化として、内示対象の特殊法人労使にアンケートを実施する。こういうことについて私もかつて質問を申し上げたわけでありますが、その後大蔵省あるいは労働省が中心となってヒヤリングをやる、こういう話でありましたけれども、その後、五・三〇政府見解以後、政府は一体どういうような努力をなされておるのか。そしてもう春闘が始まっておるわけでありますけれども、労働省として一体いつ結論をお出しになるつもりか、この点をまずお伺いしたいと思います。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 昨年の五月三十日の政府見解の発言以後、ただいまお話しのごとくアンケート調査をまずいたしまして、それからアンケート調査を終わりました後にヒヤリングをいたしております。毎月二ないし四団体くらいヒヤリングをしておるという状態でございます。その間、昨年の賃金につきましては従来の方式をおおむね踏襲したわけでございますが、その中におきましても内示の時期の繰り上げ、あるいは内示内容の弾力化というような点につきましては、大蔵当局におきまして種々御努力をなすっておる。現在はヒヤリングを続行しているという段階でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 これはもう労働省のほうの見解がすでに出ているのでありますけれども、政府のほうとしては、自主交渉あるいは自主解決の方向が望ましい、こうおっしゃっておる。そう言う以上は、使用者側としても少なくともそれに対応する形でやらなければいかぬと思うわけでありますけれども、アンケ−トに対して使用者側の回答は一体どんな回答をなさっておるのか。簡単でいいですから要点だけをひとつ聞かしていただきたいと思います。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 アンケートの結果につきましては、こまかいことはいろいろ問題もございますが、大別いたしますと、現行の内示承認制度を維持すべきであるという意見、それから現行の内示承認制度を尊重しつつもその運用を改めるべきであるという意見、それから現行制度を大幅に改めるべきであるというような意見、大きく別けてこの三つに分けられると存じます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 内示の問題にいろいろありますけれども、一体内示の性質といいますか拘束力といいますか、政労協関係の給与関係についての大蔵省の内示というのは、この範囲内で給与改定を考えてほしいという行政庁としての希望にすぎないと私は思うわけでありますけれども、それに対しては違った考えをお持ちなところもある。法的な効力といいますか拘束力を持たない行政指導にすぎないと思うのですけれども、労働省は一体どういうふうにお考えになるのか、これが一点であります。  と申しますのは、使用者側のほうも内示について、これは行政監督権に基づく事実上の行為であることを認めておる。御承知だと思いますけれども、埼玉の地労委の理研事件についてもそういう問題が出ておる。それから中労委の石井会長もそういうことを言われておる。それから私の知った範囲では、関係の労働法学者あるいは行政法学者もそういうふうな見解をお持ちになっておる、こう思うわけであります。その点についてかつて労政局長は四月の十八日ですかに本委員会で見解をお述べになったことがありますけれども、あらためてどういうふうにお考えになっておるのか、この点をお伺いしたいと思います。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 内示の正確な性格につきましては、あるいは大蔵省からお答えするのが適当かと存じますが、私どもといたしましては、政府関係特殊法人の予算あるいは給与支給基準といったようなものについては、主務大臣の認可、承認というようなものにかかわらしめられておる。これは法的な拘束力を持つものでございます。内示というものはその事前に、この範囲のものであるならば大蔵省としては主務大臣から協議があった場合に承認する用意があるという行政措置であるというように考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 大蔵省の見解を聞かせてください。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 ただいま労政局長がお答え申し上げましたとおり、大蔵省の行なっている内示というものは、財政との調和をはかるために、一つの積算基準を示すという形をとっております。したがいまして、そういう面からいいますと、内示そのものは法律的な拘束力はないのではなかろうか、こう思っております。ただ従来から議論されておりますとおり、政府関係機関の職員の勤務内容なり形態が国家公務員と非常に類似している、そういうようなことから、政府関係機関の職員の給与につきましては、人事院勧告を待ちまして、それとのバランスをとりましてやっていくというような感じを持っているわけでございます。ただ私どもやはり政府関係機関、一部勤務形態も類似しておりますが、それと同時に、やはり財政補給なり補助なりあるいは出資なりを受けまして運営しているわけでございます。政府関係機関につきましては、御承知のような財政の運営に関しまして大蔵大臣との協議事項が定められております。そういうものを踏まえた基準でございますので、もしそれを著しく逸脱したような結果があるとすれば、財政面からの制約といいますか、そういうものが加えられるのではないかと考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 労政局長にお伺いしたいのですけれども、団体交渉権というのは労働組合の権利として確保されなければなりませんね。その点まずお伺いしておきます。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 団体交渉権は憲法並びに労働組合法によりまして、労働者及び労働組合に保障されております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、労働組合法の七条ですか、使用者が雇用する労働者の代表として団体交渉することを正当な理由なくして拒むことばできないということだろうと思うのですけれども、労働法上においてはっきりしておる、憲法上においてもはっきりしておるというお話である。そうすると、組合側が使用者側に対して団体交渉をする場合に、いわばいまの公社、公団の特殊法人関係の理事者というのは実力を持っておらぬということです。その上に、背後に監督官庁がある。それが大蔵省。ですから大蔵省の内示を伺って、そして内示どおりの返答しかできない、こういうことですね。そうすると、それは正式な団体交渉になるのかどうか、この点は労政局長よりかむしろ大蔵省に私は聞きたいと思うのです。労政局長からは何回も聞いているわけですから、大蔵省の見解を聞かせてほしいのです。重ねて申し上げますよ。要するに労働組合法と、それから労政局長は憲法にもあるようにと、こうおっしゃっている。大蔵省は一体どういうふうにお考えですか。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 団体交渉の法的な性格は、まさに御質問のとおりの性格を持っておると思います。ただ、私ども重ねてお答え申し上げますとおり、当事者としては団体交渉の場の交渉権を持っているわけでございますが、一方、政府関係機関は財政面のチェックも受ける、そういうことから一つの制約を受けるということではなかろうか、こう考えます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 じゃ、話を進める前に大蔵省にお伺いしたいのですが、そうすると、内示というのは命令ですか。命令であるか命令でないかということだけ……。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 命令ではないと私どもは解しております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 命令でなければ、法律的には従う必要はないということですね。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、拘束力はないと私ども解しております。  ただ、一言申し上げておきたいことは、これによりまして、各当事者ないし理事者の一つの判断基準を示すわけです。やはり各政府機関のいろいろなバランスとか、それから財政運営というようなことから自主的な財政面からの一つのチェック、制約があるのじゃないかと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 後段のほうはあとであらためてもう一ぺん御質問申し上げますけれども、命令でなければ、要するに従う義務はないということ、つまり行政指導であるということですね。そう理解してよろしゅうございますか。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 そう理解していただいてけっこうであります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、財政的な云々という話があったけれども、そういうことによって事実上の圧迫を加えることは、大蔵省の権限ではないと思うのですが、その点についてどうお考えですか。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 権限といいますか、理事者が行動すべき一つの基準を非常に求めておられる、そういうことを受けてやっておる行為であります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、かつて大蔵省は、七〇年の十月九日の衆議院の社会労働委員会、本委員会でありますが、内示をこえた給与改定は認めないと公言したことがある。ここにちゃんとその議事録の写しを持ってきております。あなたの言うことと、そして七〇年の十月九日の本委員会で言ったこととは、私は違いがあるというふうに理解をいたしますが、その点どうなんですか。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 先ほど申し上げました後段の財政的な一つの運用といいますか、そういう立場から内示をこえまして給与水準かふくれ上がるということにつきましては、財政的立場から認められない、こういう趣旨でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと、つまり承認権ということが問題になってくると思うのですけれども、政府の言う考え方をそのまま理解をすれば、政府は、労働三権が承認権によって制約をされておる、そういうふうにおっしゃっているような気がしてならぬわけです。逆でしょう。承認権が労働三権によって制約されているというのがほんとうじゃないのですか。だから労政局長も、憲法の上において、そういうことばを使った、こう思うのですよ。まさに逆だと思うのですね。基本権である労働三権というものが承認権によって制約されておるというのが、現実の姿ですよ。そうじゃありませんか。そしてそれに藉口することが、実は財政というものがあるからということで藉口されておる。その点どうなんです。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 労働組合側には労働三権が保障されていることは御指摘のとおりであります。しかしながら、使用者側の理事者の立場につきましては、財政上の理由、その他いわゆる特殊性法人の公共性、特殊性に基づきまして、理事者側にはかなり強い制約が加えられておるという状態でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 要するに主務官庁、大蔵省が財政上の理由によっていろいろな制約を加えておるという、そういう制約、それと労働三権とはどちらが私は尊重されるべきかと思うのですけれども、その点どうなんでしょう。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 労働三権は、労働省として、最も尊重すべきものであると思います。しかしながら、政府関係特殊法人はまさに特殊法人であります。まあ政府の仕事の代行をしているというような面が非常に強うございます。したがいまして、理事者の権限、行動につきまして制約があるということもこれまたやむを得ない。それでちょっと私見を述べさせていただきますと、その二つの調和をどうするかということが非常に問題である。その調和の問題につきまして現行法上はっきりした規定がないということで、いろいろ問題が出ているんだと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 承認権といいますか承認行為といいますか、一般的な理解というのはこういうことじゃないでしょうか。公共性を持つ企業とか事業とかあるいは研究所、そういうものの運営というものを法律によって継続的に担保する。そうしてその資金は実は税金でまかなわれておる面がある。だから予算執行の適正をはかるという点から何らかの監督権が承認される、こういうことだろうと思うのですよね。そうしてその一方法として実は承認権がある。しかし、承認権というのは私は監督権ではないと思うのですよ。つまり私が一般的理解としていま申し上げたものはまさに監督権だろうと思う。一般業務の運営というものを円満に遂行するということは監督業務ではありませんよ。そうしてその中に実は承認権が一つの方法として承認をされておるということじゃないだろうか。ですから私は、大蔵省が政府関係特殊法人というものに対して監督権を持っている、このことは否定しません。しかし、承認権というものは監督権とは同じではないでしょう。その点はどうなんです。大蔵省の方にお聞きします。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 監督権の一つの形態として承認権があるという山本委員の御指摘は、そのとおりでございます。全般的に一緒だと私ども考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 じゃ、もう一ぺん確認いたしますけれども、承認権というものは監督権ではない。特別の法律規定に明文の根拠を持った独立の監督の形式だ。そうでしょう。だから、単なる業務一般の監督権ではないはずです。承認権とは別に——だから、業務運営に関する一般の監督の権利というものは別にあるはずですね。だから私は官庁に承認権がないなどということを申し上げるつもりはないのです。要するに承認権はある。それは申し上げたように、国民の税金を使っているということから承認権はあるだろう。しかるがゆえに、要するに国民のそういう税金を使っている以上は、民主的な統制というものをやはりやらなければいかぬだろうということだろうと、こう思うのです。そうすると、問題は承認権の性質になってくるわけです。承認行為にどんな制約があるかということがまさに問題になるわけです。そうですね。そういう意味でいけば、私は先ほど申し上げたように、国民の税金、そうしてそれがあるがゆえに民主的な統制が必要だ、こう言ったのだけれども、したがって、そういう意味では、予算の運用というものを適正ならしめなければいかぬということが出てくる。そうすると、予算の運営を適正ならしめるということの場合に、一体必要とされる場合に予算を流用することは適正ではないのだろうかどうか、その点はいかがなんでしょう。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 流用の適否は、その流用の必要性の具体的事実を踏まえた判断によるべきであると考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 つまり、みだりに行なってはいかぬけれども、一定のワク内における流用の禁止に違反しなければ流用してもいいということですね。そうですね。そうすると、組合側と使用者といいますか理事者側とがいわゆる正当なる交渉において成立をしたものが、みだりにこれを行なったことになるのだろうかどうだろうか、この点はどうなんです。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 私ども、理事者側が組合側と交渉する基準をお示しするわけでございます。理事者側がその基準を頭に置きながら組合側と折衝に入るわけでございまして、先ほど来申し上げましたとおり、正当な交渉の結果でき上がった形は私ども尊重していきたいと思っております。ただ再三申し上げますとおり、政府関係機関全体のバランス、それからそれが当年度以降の財政に及ぼす影響等を考えまして、やはり私どもが内示いたしました基準を越えてそういうものを行なうということにつきましては財政上制約があってしかるべきじゃないか、こう考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 だから、大蔵省は財政上の制約があってしかるべきだ、こういうお話を言っているから、私は予算の流用についてみだりに行なうという、みだりにということばを使ったわけです。ですから、正当な交渉によって客観的に、たとえば民間の賃上げというようなことがあって、それを参考にしながら、それに基づいて、要するに交渉の結果できたそういう金額というもの、それがかりに内示を越えたときに、それがみだりにということばに妥当するかどうかという見解の問題になってくると思うのです。これまで内示を越えた労使双方の妥結ということはなかったわけでしょう。常に内示もしくは内示以下だということになるわけでしょう。内示を幾らかでも越えたらいかぬというのかどうかということです。それがみだりにということばに該当するのかどうか。千円こえた場合に、それはみだりにになるのかどうか、具体的にそういうことを私はお伺いしたいのですよ。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 非常にむずかしい御質問でございますが、私ども当事者の当事者能力をできるだけ尊重していくという立場から、ここしばらくの間、内示はいたしますが、内示の上に弾力化ということを進めておるわけでございます。いまの山本委員御質疑の千円でもこえたらどうかというきわめてむずかしい問題でございますが、全体のバランスをはかる意味におきまして、私どもは内示でお示ししました基準のうちでおさまることを期待しておるわけです。ただ、いま御質疑のあるようなそういう基本問題がございますように、御承知のように昨年来どういうぐあいにこの労働関係の法律、それから政府関係機関のいろいろな制約というものを調和せしめていくべきかということにつきまして、労働省当局と一緒になって、また政府関係機関の組合と理事者と討議を重ねておる、こういうような実情でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 どうも肝心のところになるとぼかしてこられるのですけれどもね。つまり、あなたのおっしゃっていることは、ぼくは非常に形式論理的になっていると思うのですよ。そういうおっしゃり方は、たとえば私の質問をしたことが答弁するのにたいへんむずかしい問題だというふうにお逃げになっているということは、逆にいえば、承認権をあなた方が依然として乱用しようとするお心持ちを持っているんだというふうにしか私は理解できないわけです。繰り返し申し上げたし、そしてそれは平行線であるかもわからぬけれども、承認権の行使というものが労働三権を一方的に制約し続けてきたわけでしょう。労働三権、そして承認権を中心とするいろいろな制約がある。この中で、かつて、労働三権が承認権を越えて、そうして労働者側の意見がある程度通ったというためしはないわけですよ。調和はむずかしいというけれども、調和というものがあったためしがなかったということですよ。一度や二度くらいは承認権というものがあなたのおっしゃるように弾力性を持ったというんだったら、私は理解ができますよ。しかし持っておらぬという現実が過去にあるわけでしょう。そして承認権ということによって労働三権を押え続けてきたという問題があるわけです。ところが、弾力性ということがあってたいへんむずかしいということであれば——むずかしいということは、むずかしいからやりませんということではなくて、解釈上むずかしいというお話だと私は理解しているのです、いままでの筋からいえば。そうしたら、その調和というものが一度や二度くらいあったっていいはずだ。それがかつてただの一度もないということなんですよ。そして私が知る限りにおいても、後藤君が四年にわたって質問をしているけれども、なお解決をしておらぬという現実がある。それなら、弾力性というものをもっとあなた方がお認めになっていいはずだと思うのですけれども、その点はどうなんです。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 繰り返すような回答になりまして恐縮でございますが、私ども後藤先生の数次にわたる御指摘等もありまして、たとえば内示のできるだけ早期実施とか、あるいは内示にあたっての基準の運用の弾力化等をはかってきた次第でございます。見解の相違になるかもしれませんが、結果におきましては、人事院勧告で保障されている一般の公務員の民間との権衡を持った給与上昇ということが、政府関係機関にも毎年保障されている結果になっているということはあると思います。ただこれが労働三権にかかる一つの団体交渉、こういう結果の自由な展開ということにつきましては、山本委員が先ほど御指摘になりましたとおり、財政上の制約からこういう結果になっているということを申し上げておるわけであります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 財政上の制約からこういうことになっているというのは、あなた方の論理だというように申し上げているのです。私がそう申し上げたんじゃないですよ。  それじゃお伺いしましょう。大蔵省の内示があるまでということで——私がいま手元に持っておる中でも、ここに水資源開発公団労働組合に対する水資源開発公団の回答がある。この中にも、要するに内示がない限りは返答がない、こういう意味のことが書いてある。つまり大蔵省の内示があるまではゼロ回答を続けていくということなんですね。そして長期にわたって実質的な交渉を回避してゼロ回答を続けておる。それは大蔵省の内示があるまでという理由によってであります。  労政局長にお伺いしたいんだけれども、長期にわたってそういう実質的な交渉を回避しているという実態というものは、労使のノーマルな関係であるのかどうか、この点はいかがでしょう。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 一般民間企業でありますならば、そういう事態というのはたいへん好ましい事態であるというふうに申すわけにはまいらないと思います。こういう政府関係法人につきましては、先ほど来いろいろ大蔵省からも申し上げておりますように、まあいろいろ問題はあるけれども、目下のところはやむを得ないんじゃないかと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 いろいろの問題というのをお聞かせください。いろいろな問題があるけれどもという、その問題点はどういう問題ですか。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 いろいろな問題というのを具体的に私ただいま申し上げる立場にはございませんが、先ほど申し上げましたように、労働権と監督権、承認権との調知をどうするかという問題に帰するんじゃないかと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 たとえば三公社というのを例にとってみましょう。三公社というのは、要するに公労法十六条のような法的な規制がありますね。しかもその十六条には、資金の追加支出に対しては国会の承認を要するということがある。そうすると、私はこれはたいへんな——たいへんなという言い方というのはおかしいけれども、政府関係特殊法人と比べれば、規制というものがむしろ非常に強いというふうに見ていいだろう、こう思うわけです。その点はどうですか。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 規制が強いか弱いかということは、これは見方の相違でございますが、十六条の点につきましては、国会にかけるという点で、単なる主務大臣あるいは大蔵大臣の承認というものよりは強い点があるわけでありますが、また実際の慣行という点におきましては、御承知のごとく仲裁裁定はすべて実施しておるという慣行になっております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 電電公社は、今度の三月二十七日の回答では、「本年の賃金引上げについては、諸物価の値上がり等諸般の情勢から、これを否定するものではないが、」云々というふうに書いたあと、「すでにある程度明らかになっている物価、生計費の状態、国家公務員、民間事業の従業者および諸外国との賃金比較等については協議を進めていきたい。」こういっているのです。そうすると、規制がゆるやかな特殊法人について、これすら認められておらぬという点は、大蔵省の、主務官庁の当事者としておかしいとお思いになりませんか。三公社ですらこの程度のことがやれる。  もう一つ申し上げましょうか。専売公社も同じことをいっていますよ。「生計費物価などのように、現在或程度明確になっているものについて協議をすすめていく」、三公社というのは、これは、常識的に見れば特殊法人よりか規制のワクがやはり強いと見なければならぬはずですよ。なぜならば、労働三権というものが否定されているのだから。全面的な回復、復活というものをいま進めておるのですけれども、しかし現実はそういうふうになっている。そういう三公社というものが、これだけの回答をやっておるにもかかわらず、特殊法人関係というものはすべてゼロ回答ということは、常識的に考えておかしいと思いませんか。これはむしろ労政局長よりか、私は大蔵省の方にお伺いしたいのです。つまり、客観的に見て、そういうやり方は一般的に常識の線を逸脱していないかどうか。その点いかがですか。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 私どものほうの基準の内示に伴いまして、各理事者はそれを判断の基準といたしまして最終的な交渉の妥協を見るわけでございますが、先ほど山本委員が引かれました水資源公団の例でございますが、私ども内示の前は一切交渉が進展してはならないという考えは持っていないわけでございます。交渉としては進んでおる。ただし結果におきましては、内示を最終決着で待つということになるのだと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 だから、内示を最終決着で待つということは、幾らそういうことの中で進めておるといっても、進めておることにはならぬわけでしょう。あなたは、国から補助を受けておる、こうおっしゃった。受けてない特殊法人があるじゃありませんか。受けてない特殊法人ですらゼロ回答ということは、それじゃどういうことになっているのですか。あなたの論理を進めていくならば、受けてなければ自主交渉をやれますね。やれるはずじゃありませんか。なぜそれが進められていないのですか。名前を申し上げましょうか。独立採算でやっているところがありますよ。かりに一歩譲っても、補助金とかなんとかというものが出ているということがあるにしても、ちゃんと独立採算制でやっているところすらゼロ回答になっているということは、どういう意味ですか。あなたのおっしゃることはつじつまが合わぬじゃありませんか。それが一つ。  もう一つは、法人は国と独立した機関じゃないですか。政府関係特殊法人というのは、政府に全く従属している機関なんですか。独立した機関じゃないのですか。時間がありませんから私も簡略にしますけれども、第一点は、あなたのおっしゃることは結果としては全く違うことになっている。その点いかがですか。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 私、先ほど、補給金、補助金あるいは政府の出資等を受けて運用している法人が相当多い、それはすべての法人がそういうものを受けているという趣旨で申したわけではございませんで、そういうような国の財政支出によって相当助成されている法人が多い。それと同時に、給与準則その他につきまして大蔵大臣の協議を受けるということは、やはり性格が一般の行政機関ときわめて類似しているということを申し上げたかったわけでありまして、独立採算なるがゆえにすべて基準を離れて、お互いのバランスがございますので、きめていっていいという考えは、私ども、いまのところは持っていないわけでございます。  それから後段のほうの自主交渉の問題でございますが、重ねて申し上げますとおり、私どもの基準が示されるまで自主交渉が進展してはならないということは申していないわけであります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 ですから私がお伺いしておるのは、自主交渉の結果出てきた回答というものについて、大蔵省がみだりに拘束する必要はないのではないだろうか、こういう質問をしているのです。みだりに拘束する必要はないと私は思うのです。その点はどうなんだということです。  もう一つ、あなたたちがそんなことをおっしゃるんだったら、昭和二十七年五月十四日、大蔵委員会で国民金融公庫の法改正があったときに何と言っておりますか。これは大蔵省の当事者が答えているのですよ。給与関係については大蔵大臣その他の制約を受けることなしに、今後は団体交渉の当事者になり得ると書いてあるじゃありませんか。大蔵省の監督というものは現在のところ業務上におきますところの監督ということを主体としている、こういうふうに続けて言っている。内部の身分関係等については総裁の権限の問題である。なお委員が確認したことに対して、内部規定その他によって職務内容に応じて、責任に応じたところの給与並びに旅費の支給をなし得る、かように御了承願います、何回も言っているわけですよ。いつ、このことが変わったのですか、あなたたちの見解は。法改正のときには、あなた方は法改正することだけに頭が置かれておって、いわば言いのがれにこの答弁をなさったのかどうか。大蔵省の存続する限り、大蔵省の言ったことはちゃんと——どこかで変わりましたということかなければ、続いているはずでしょう。それならどこで変わったのですか、教えていただきたい。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 当事者が団体交渉の当事者に当然なれるということは事実でございまして、申し上げますが、私どもの基準が示されるまで団体交渉が継続できないということではないと思います。その二十七年、非常に古い話でございますが、一般的なことにつきましては、予算の調整権を大蔵大臣は持っているわけでございまして、予算の調整権の発動としての一つの基準、こういうことが現在行なわれているわけでございます。山本委員御指摘のとおり、これが自由な団体交渉権を結果において財政の立場から制約していることになっているということも、私ども、いなめないと思います。ただ、団体交渉渉の当事者に当然なれるという立場も、一方においてあるわけでございます。  回答として非常に不十分かもしれませんが、お答えさせていただきます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 だから私は、この質問の初めのときに、みだりに予算の流用ということはこういうことでございますねという確認をしたのですよ。それはいま私が申し上げた委員会の速記録の中にこういうことがあるからです。「大蔵大臣の金融公庫に対する監督権が、」これから先は承認権の問題になると思うのですが、「そういった給与、旅費規則の制定の場合に、やはり承認を求めるとか何とかいうのが出ておるのでございますか」という質問に答えてこう言っておる。有吉さんという人です。説明員ですよ。「先ほど公庫の総裁から御答弁がございました通り、予算の枠というものに一応縛られますが、その簡囲内におきまして、公庫のほうにおきまして給与規程というものを作るということに相成るわけでございます。」こう言っておる。補正予算を私はつくれとまては——本来ならそういう要求をしたいわけですよ。論理からいえばそうなってもいいはずです。その点一歩譲っても、予算の中で流用できるものだったら流用ができるということをちゃんとこの中で示しているじゃありませんか。そうしたら、内示額というもので予算に縛られても、かりに一歩譲って予算に縛られておるとしても、この範囲ならできるというそういう裁量権というものが公社、公団の総裁にあってしかるべきでしょう。それをしもいま縛っているというのが現実じゃないですか。それは内示ということによって縛っているじゃありませんか。そんなことを言ったって、あなたのおっしゃっていることは論理的に通りませんよ。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 ちょっと速記をやめて。     〔速記中止〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 速記を続けてください。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そして最後に、「大蔵大臣の承認という形はございません。」とこの速記録は書いておるのですよ。だから承認権というものは、この速記録は、そうではないということを言っておるわけです。速記録ですよ。そうしたら、あなたのおっしゃっていることと違うじゃありませんか。一つには、独立採算制でないということの中には、そういうものもありますという答弁になっちゃった。承認権の問題では、いまおっしゃったような答弁になっちゃった。だけれども、この速記録によれば、承認というものは、大蔵大臣の承認というものはございませんとはっきりなっておる。     〔委員長退席、橋本(龍)委員長代理着席〕 そうしたら承認権というものは、私が冒頭に申し上げたように、予算の流用に対して適正であれば当然効力を発揮し得るものでしょう。その点いかがなんですか。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 最初のほうにお答え申し上げましたとおり、流用も必要に応じまして判断されて適正なものであればできるということになっております。  それから繰り返すようになりますが、先生の御質問の、「みだりに」ということでございますが、私ども財政調整の全般の見地から一つの基準を示しているわけでございまして、その基準を越えるということは、現在遺憾ながら私ども「みだりに」と解釈せざるを得ないと考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 基準というのはどういう基準ですか。あなた方の内示を越えるものと理解していいですか。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 内示の簡囲内の弾力的運用はみだりに越えたことにならないが、内示上示しました額は最高限度であるというぐあいに考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 私はいいたくないけれども申し上げますよ。特殊法人の役員と退職金の比較を見てごらんなさい。一年間つとめて公社、公団の役員の退職金が二百五十九万円、大学卒業の人たちが一年つとめて退職するときは幾らもらえると思いますか。四万四千四百円ぐらいしかもらえないわけです。五年つとめたら千二百九十六万円。大学卒業の人は幾らになるだろう、二十八万八千円ぐらいでしょう。十年つとめたら二千五百九十二万円、大学卒業の人は八十九万円。しかも四十八年二月六日、大蔵省主計局「特殊法人の役職員特別手当加算率の改定について」で、「期末・勤勉手当の加算率が改定されたことに伴ない、特殊法人の役職員の特別手当の加算率を下記のとおり改定する。」とある。この率は上に厚く下に薄いじゃありませんか。これも内示ですか。役員は一五%、が一九%、職員は九%が一二%になる、そういうことの中にあなたたちの内示が入っているかどうか、それから聞かしてください。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 この問題につきましては個別の相談に応じまして、公務員の改定率に準じまして指導しております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 つまりあなた方に都合のいいときには個別の相談になり、都合の悪いときには内示という承認権をてこにして十分な労使の意思の疎通までもさせないということになっておる。そして労使の交渉権というものを、あるいは交渉の妥結の結果というものが出てくることを押えておる。そんなばかなことが一体どこにありますか。私はほんとうは出したくないから言わなかったのだけれども、あなた方はどの点をついてもまともな返事をなさろうとしないから私は申し上げているのですよ。しかも関係省庁別の役員等の天下り率を見てごらんなさい。一〇〇%というところがあるじゃありませんか。九五・五%というところがあるじゃありませんか。つまりあなた方は役員に対してはなれ合いをやるとおっしゃるのか、そして職員に対しては内示というもので規制をなさるつもりなのか。一体どこの世界にこういうことがありますか。答弁してください。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 ただいまの手当等の問題その他、これは結局一般公務員の改定に準じまして行なっていくということで、私ども格別に基準的なものを全部に示しませんが、すべて一律のやり方によってやっているわけでございまして、バランスはとれている、こういうぐあいに考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは天下りのほうはどうなんですか。一〇〇%、九五%、八五%、九四・五%、八六・七%、ほとんどと言っていいほど、八〇%以上じゃありませんか、天下りは。その点はいかがです。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 全般の人事行政に関する問題でございますので、私ども的確なお答えはできないと思いますが、たとえば新設直後の法人などにつきましては、官庁から理事及び職員の相当部分が行くということもあり得ると思います。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。     午後二時一分休憩      ————◇—————     午後四時十五分開議

田川誠一自由民主党

○田川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。質疑を行ないます。山本政弘君。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 先ほどから質問申し上げておるのですけれども、公社、公団側が、内示がなければ回答ができませんといってゼロ回答を続けてきた、そして内示をこえた給与規程はできませんと、内示が出たときにはそう言う。つまり労使の間では団体交渉というものが全く無意味だということですよ、その限りからいえば。そうすると、労使間に、労働三法という基本権を認めて、そして団体交渉というものを是認をしている根拠というものが一体どこにあるのか、たいへん私は疑わしいと思うのですが、その点ひとつ見解を聞きたいと思うのです。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 団体交渉——実は私ともの内示でございますが、人事院勧告を待ちまして、それに比準した基準をつくるわけでございますが、その前に労使の団体交渉が行なわれていることを否定するものではないわけでございます。先ほど来山本先生の御指摘もございまして、私ども今後内示にあたって弾力性をさらに付与していこうかということを考えております。と申しますのは、昨年、初めてでございますが、政府関係機関の内示にあたりまして一定の率プラス額ということをやったわけでございます。その額につきましては、先生御指摘のいわゆる自主交渉の対象と私ども考えております。もちろん、この額が総額できめられていることに対しましていろいろ御批判はあるかと思いますが、いま御指摘に基づきまして、私ども、場合によりましてはこの額の範囲をさらに検討するとか、あるいはそれにかわるべき何らかの方法というものをいろいろ考えていきたい、こう思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 本会議のあとで少しばかり前向きの御答弁をいただいたのですが、公団、事業団の根拠法上では、賃金の支給基準の変更については主務大臣の承認が要るという規定がありますね。しかし、この承認の客体になる賃金の原資というものは実は補助金とか交付金に依拠しておる。その使途にかかわる承認というのは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律というものがあって、それが適用されることになっている。  そこでお伺いしたいわけでありますけれども、二十四条に「不当干渉等の防止」というのがあります。「補助金等の交付に関する事務その他補助金等に係る予算の執行に関する事務に従事する国又は都道府県の職員は、当該事務を不当に遅延させ、又は補助金等の交付の目的を達成するため必要な限度をこえて不当に補助事業者等若しくは間接補助事業者等に対して干渉してはならない。」そうしますと、内示の規制というのは、補助金等の交付目的をこえた不当な干渉になりはしないか。つまり二十四条の違反行為になりはしないか、私はこう思うのです。その点について御意見を聞かしていただきたいと思います。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 不当に遅延せしめるという「不当」の解釈だと思います。私ども、内示制度の実施にあたりましてはできるだけその促進をはかるということで、この数年間、内示の時期を、事務の能力の許す限り繰り上げてくるという方向で対処してきております。今後とも、内示制度の実施によりまして、非常におくれるということを防止いたしていきたいと考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは、いま、賃金要求は三月十日に出しました、回答が三月の三十日に出るという話でありますけれども、回答の内容はおそらく、公務員の給与改定があればやります、あるいは内示が出たらすぐやります、こういうことになるだろうと思うのですね。そうしますと、かなり時間がかかる。そうすると、労使の間で紛争が起きてくる、あるいはゼロ回答をめぐって紛争が出てくる。当然ストライキなども多発してくるでしょうし、長期化の傾向も出てくるだろう。これは決して好ましいことじゃないと私は思うのです。  そうすると、第一点は、使用者への判断基準というものを、民間の大勢がきまるころですから、つまり四月の下旬か、あるいは五月上旬ごろになるんじゃないかと思いますけれども、その時分に示すことができないかどうか、この点いかがでしょう。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 政府関係機関の給与の基本と比準しております人事院勧告、これは八月に出るわけであります。ただ、いま御質問の点は、民間比準で人事院勧告が出ているのであるから、春の段階で民間の賃金水準が決定された際に、その民間の水準を比準して政府関係機関にも一つの基準が示されていいんじゃないか、こういう御質問かと思いますが、私ども、政府関係機関の業務、これが公務員の業務と非常に類似している。民間の製造業とかその他のものとはだいぶ違った面も持っているということで、やはり民間比準ではございますが、人事院勧告を待ちましてきめようという考えできておるわけであります。このような考え方につきましてはいろいろ御議論もあると思いますが、私どもはそういう形で、なるほど九月一日に持ち越されますが、その時期をできるだけ早めるということで対処していきたいと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと、たとえば労使交渉でかりに合意を見出したとするのですよ。そうした場合に、要するに申請行為かあったときに、一体承認行為というものがそれに相応じて行なわれるものかどうか、この点はいかがでしょう。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○吉瀬政府委員 労使間で一つの適正な基準が合意されまして、これに基づいて申請があったというわけでございますが、私ども、そういうものを人事院勧告以前にいただいて、それがはたしていわゆる公務員に準拠する政府関係機関の給与として適正かどうかという、今度はこちらのほうの判断基準がなかなか得にくいんじゃなかろうか、こう考える次第でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 私は、先ほどこう申し上げました。特殊法人の役員と職員の退職金の比較を先ほど申し上げましたね。たとえば五年たった場合に、片一方は千二百九十六万、片一方は二十八万八千円。総合的な判断をしてきめたんだというけれども、私は、そういうことからいえば、官庁のそういう給与の基準というのが常識的にいってたいへんおかしいというような感じがするわけです。     〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕 しかも天下りというのが、建設省に至っては八二・七%、農林省八五%、文部省九五・五%、労働省も九四・五%、厚生省一〇〇%、外務省八六%、大蔵省もここにあるのですよ、あえて申しませんけれども。そういうことを考えると、特殊法人の退職金それから天下り、これはきわめて非常識であると思うのですね。そしてその中でさらに出てきたのが、特殊法人の役職員の特別手当が、上級の人に対しては一五%から一九%。四%ですよ。一般職員は九%から十二%。三%。上厚下薄というほかはない。そうすると、それ自体考えてみても、きわめて常識的でないということになる。それと内示規制ということを考えると、どうも私は一般的に考えると常識というものを欠いているというふうに、少なくとも給与の基準からいえば考えられる。しかもその中で紛争というものが行なわれて、先ほど私が質問いたしました判断基準というものを、民間の大勢を見きわめた上ですぐきめるということに対しても、できない。そして大蔵省として、労使交渉で合意を見出したときに、その申請かあったときに、その承認行為というものは必ずしもできない。一、二も全部できないということになる。まるきり、労使交渉の結果というものは効果がない、あるいは効力がないということになる。そうするとこの一、二もできないわけですね。  とすると、大臣にお伺いしたいのであります。そのどれもできないということになってくると、紛争というものは先ほど申し上げますように多発するだろうし、長期化するだろう。そうして政府のほうはそのことに対して態度を表明できないということになる。その責任は一体だれが持つことになるのでしょう。その責任は一体だれが持つことになるか。(「毎年毎年同じことだ」と呼ぶ者あり)毎年毎年というお話がありますが、これで五年目です。それが第一点。  第二点は、具体的にどうなさるか。大蔵省とそれから労働省は、一体具体的に、五年もかかってまだ解決できない問題に対してどうなさるおつもりなのか、これを提示してもらいたいと私は思うのです。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 山本委員の御指摘の、公団、公庫、事業団、この問題はなかなか、いままでも、山本委員から私お聞きいたしますと、再三再四御指摘があったが、どうもすっきり解決できない。先ほど政府委員から答弁のように、労働三権ははっきりしておる、そうして三権がはっきりすれば、労使の賃金の問題は当事者が自主的に解決する、これが原則であることは、これはもう労働行政の基幹であります。しかし、やはり国家公務員のほうは国民に奉仕するというたてまえ、そこでいろいろ制限がありますが、ここには制限がない。といいながらやはり、独立採算制の団体もありますけれども、政府が出資しておる。そして主務大臣のいろいろ関係もあり、また大蔵省の予算の制約もある、交付金その他の問題。こういう関係で、やはり人事院の勧告が出てくる。おそくなる。それまで待てぬ。昨年五月の三十日に、衆議院社労委員会で前大臣もこの点について、もう少し何とか前向きにこれが改善をしたい、こういうのでアンケートなり、いろいろな問題を聴取する、こういうので関係省とも連絡をとりまして、これが資料のいろいろな進め方、連絡等もやっておりますが、しからば本年度のいろいろな問題に対して、いま多少大蔵省の政府委員から答弁がありましたが、やはり労働省がこの中に入って、主導権を握るというのが、これがなかなか特殊な関係で、主導権をとって、こうせいという強い指示権が遺憾ながらないのは御承知のとおりでありますが、やはり労働省の、これは何といったって勤労者の、事業団などの方々は傘下でありますので、なお一そういろいろの点をよく検討して、そして関係各大臣とも連絡をとって、十分これに対する対策を、今後山本委員の御意見を踏まえて、尊重して、善処いたす所存であります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 私の質問にお答えになってないのですよ。つまり、先ほど申し上げたように、第一点についても第二点についても、大蔵省は否定的なお答えをなされておる。そうすると、この紛争の要するに責任というのは、一体だれがお持ちになるんだろうか。大蔵省もお持ちにならない、労働省もお持ちにならない。そして公社、公団も持つことができないとするならば、一体だれが持つんだろうか。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 現行の制度につきましては、大蔵省から申し上げましたように、改善をはかっておりますけれども、基本的に解決の方法にはまだ至っておらないわけでございます。それによりまして労使の紛争が長引くということは、これは非常に遺憾なことでございます。私どもといたしましては、いま大臣も申し上げましたように、この労働権の問題と、予算その他の監督権の問題との調和をいかにはかるかという問題について、非常にこれはむずかしい問題なことは山本委員も十分御承知のとおりでございますが、それにつきましては、私ども何とか現状よりももっと円滑にいく方法を考え出したいと思いまして、昨年来鋭意努力しておりますし、今後もできだけすみやかに、いい解決案を得るように努力いたしたいと考えておる次第でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 五年目なんですね。五年目だとすると、もう一ぺん春闘があって、そして来年も紛争が起こる。大蔵省とそれから労働省に御答弁を願いたい。いつまでをこれのめどにして、そして具体的な案というものを御提示いただけるかどうか、それを聞かしてください。最後の質問にしたいと思います。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 実は、アンケート、ヒヤリング等も、私どもが予定いたしました日程よりは——関係者が非常に多いわけでございますから、関係者の意見等も調整しながらやっておりまして、実は予定よりもかなりおくれております。したがいまして、いつまでに必ず回答ができるというお約束はいたしかねるわけでございますが、できる限り早くするという決心で私どものほうはおります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 大臣、公社は公労法の規定、制約があるのですよ。政労協、政府関係特殊法人というのはそれがないのですね。だから団交権がある。そうすると、政労協の、要するに労働三法という基本権があるということに対して、片一方は予算上の問題で法的な制約があるということ、これは次元が違うと思いませんか、思いますか。そのことだけ。——次元か違うと思うのですね。労働三権というのは基本権でしょう。要するに人権にかかわる問題の一つなんですよ。その点どうでしょうか。最後の質問ですよ。大臣の自主的な判断でおやりなさい。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 労働三権の問題は、これは先ほど私から申し上げたとおり当然持っております。ところが、いまの給与の関係の進行状況でありますが、これは予算なり、いろいろな従来からの事業団、公団の特殊性から観点が違いますので、三権とこれとは別途の問題でありますから、この点はひとつ御了察をお願いしたいと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 ですから、基本権ではないわけでしょう。法律上、財政法の問題というのは要するに基本権から比べれば主たる問題ではないでしょう。——逃げてはいけませんよ。大臣からですよ。最終的なたいへん大きな問題なんですよ。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 あとで私からまた……。

石黒拓爾労働省労政局長

○石黒政府委員 先刻も申し上げたとおり、労働基本権というのは憲法二十七条に基づく非常に重要な権利でございます。で、財政問題あるいは監督権というのはそれとは異なる観点からのものでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 ですから、とにかくもう四年も五年もかかっておる問題なんですよ。大蔵省にもお願いをしたい。ことし中にというよりか、今春闘中に要するに結論を出すように努力をしてください。毎年こういうことをやることはおかしいと思うのですよ。しかも、毎年そのことに対して変わった意見はないわけです。ですから、論理的にいえば監督権と承認権とは全く違うものです。財政法上からいったって、承認権というものについては適法に出しなさいということがちゃんとあるのですよ。それを阻害しておるのは、あなた方が要するにかってに、私をして言わしめればかってにチェックをしているとしか思えないわけですね。したがって、とにかく早く結論を出していただきたい。来年は少なくともこういう質問というものが出ないように措置をしていただきたいと思います。  終わります。     —————————————

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  電気通信設備の工事における労働安全の問題について、本日、電信電話工事協会会長平井始君に参考人として御出席願い、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 きょうの本会議では、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案、これの提案理由の説明が大臣から堂々と行なわれたわけであります。その内容、質疑の中でいみじくもまた出てまいりましたのが郵政省関係、電電公社のマンホール事故であります。私もそういうような中で、きょうは何としても、労働省では所管事務でありますから、他の官庁に対しても労働安全に関しては十分主導権を発揮するのでなければならないし、指導力を持つものでなければならないと思います。大臣はその点は十分肝に銘じておかなければなりません。その見地から、私はここに大臣に一、二伺ってみたいと思います。  従来は労働基準法の中に特に第五章として、「安全及び衛生」として章を起こして定められておったのです。そうですね。ところが労働安全及び衛生について特にその必要性を認めて、四十七年の十月一日に施行の法第五十七号によって労働安全衛生を独立して立法化したのです。独立したのはどういう意味か。大臣、これは大事なんです。というのは、基準局長、みんなおりますけれども、最近の経済の高度の成長の中で事故が多発してきた。したがって、その事故に対して未然防止の方法並びに手段を十分とっておきなさい。そして起きた労働者に対しては十分手厚くこれも治療さしてやりなさい、こういうようなことから労働安全の重要性が社会的に認められたのです。これが要請されたにほかならない、それで単独に、労働基準法から分離していまの労働安全衛生法ができた。できた以上、できるだけの価値がなければなりません。またできた以上、労働省もその見地に立って労働安全衛生を指導するのでなければなりません。したがって、安全衛生関係で、法制定以来災害の防止についてどういうようなことになっているのか、どのような対策を講じているのか、これをひとつ報告願いたいのであります。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 島本議員からお尋ねのように、従来は基準法であらゆる問題をあれしたのでありますが、最近のいろいろな経済の発展、また機構の複雑化、科学の近代化等によりまして、安全衛生の問題につきましてもいろいろ複雑多岐にわたりましたので、基準法で足らない点を安全衛生法で規定したのは島本議員の御指摘のとおりであります。それについて御質問の趣旨は郵政関係、電電公社の問題であろうと思いますが、いままでの細目のいろいろの点については基準局長からお答えさせます。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 昨年十月安全衛生法が施行されまして以来、労働省といたしましては、新しい安全衛生法に基づきまして管理体制の確立、それから安全衛生教育の徹底、あるいは新しく新法によりましていろいろ規定されておりますところの指導行政の推進、あるいは昨年新しく設けられました安全衛生融資の活用等によりますところの中小企業に対する財政面からの援助等々の施策を極力強力に進めておるところでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 法第十条によって総括安全衛生管理者を置け、こういうふうにあります。それが政令に定められる規模の事業所に置かなければならないという設置規定もあります。数の制限もあり、限定もあります。第一種に属するものは百名以上、これは建設、林業、鉱業、運送・清掃関係、以上の業種にあるのです。第二種として、これは三百名以上のところで、これは通信、電気、ガス、水道、製造業関係のほうにこれを規定しているわけです。第三種として、一千名以上になっておりますが、これは商業、サービス関係一般、デパートの従業員なんか適用されるようになっているのです。これで見られるように、危険度の高い業種を重要視しているのです。これは危険度の高い業種を重要視した法律なんです。したがって安全委員会——労働者の安全の基本となる事項の審議、調査のために安全委員会をつくらなければならないのでしょう。これは法十七条によって、一号または二号は、常時百名以上の事務所に設置が義務づけられているのです、大臣。そうしてその委員会の開催についても、安全衛生規則二十三条で月一回以上ということにこれもきめられているのです。それから構成単位についても労働組合の推薦に基づいて事業主が指定することになっているのです。労働組合のないところは、過半数を代表する者の推薦に基づいて指定するわけであります。  こういうふうにしてみますと、やはり安全衛生規則並びに政令を含めて、法関係においては一応できておるのであります。はたしてこれが末端まで全部行き渡っているかどうかが今後問題なんであります。この監督権は労働省にあるはずであります。私は、そういうような点からして電電公社の請負業者に総括安全管理者を任命しなければならないようになっておると承っておるのでありますけれども、こういうような点等については労働省いかがなものでございますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 昨年十月の施行以来新法に規定されました、いま先生御指摘のような諸条につきましては、極力関係労使に新法の趣旨の普及徹底につとめておるところでございます。私ども、かなりこの新法も普及いたしましたので、一般に多くの事業場においてすでに守られつつある、かように考えておりますけれども、なお今後とも監督を厳重にいたしまして、もしまだ新法の規定を十分守っていないところがありましたならば、十分に監督指導いたしまして、すみやかに安全衛生法の趣旨がすべての事業場で守られるようにいたしてまいりたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これはいかがなもんでしょうか、安全管理者は製造業等においては常時五十名以上の事業所に置かなければならないのであります。電電公社等においてはこれを実施しているでしょうか。まだこういうようなものはつくっていないのでしょうか。また安全委員会ができていることを知っているのでしょうか。これは各下請業者を含めてどのようになっておりますか、その詳細を御説明願いたいと思います。

中久保卓治日本電信電話公社建設局長

○中久保説明員 お答えいたします。  先生御指摘いただきましたように、最近私どもの電気通信設備の請負工事におきまして事故が多発しておりますことを私どもはなはだ遺憾に存じておるところでございます。  いま先生御指摘の労働安全委員会等につきましては、私ども請負業界に対しまして、安全委員会あるいは安全担当の部の強化、そういったことを指導しておるところでございます。公社内におきましては、先生いまお話のございましたように、五十人以上の事業所におきましては全部労働安全委員会を設置して安全対策に対処しているところでございます。なお、先生御指摘のように私どもさらにそういった指導について強化していきたいというふうに存ずる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 私の手元にある若干の目に触れた事故だけでも、電電公社の下請関係が意外に多いのであります。本会議においてもこの点の指摘がきょうあったんです。  昭和四十八年二月五日の毎日の夕刊には、「左官、屋根までビューン 真下に子供部屋 ケーブル工事 メタン引火」これは大阪の東住吉の事故であります。長くなりますから見出しだけです。同じようにこれまた四十八年二月九日、読売の朝刊になりますと、「また人間ロケット マンホール噴射 4人吹っ飛ぶ 死亡2負傷2 倉庫越え民家の屋根へ」これは京都の事例です。今度は四十七年六月十一日の朝日です。「マンホールに有毒ガス 作業員四人死ぬ」これは京都です。今度は前橋です。これは四十六年十二月二十二日になります。「前橋の電話工事現場 四人が重軽傷 作業員のたばこから引火?」こういうような事故がまたあるわけです。ずっとたくさんありますが、「マンホール点検中、二君死ぬ」信越の事故です。四十八年一月三十日、今度は「下請け含む四人 正月気分ふき飛ばす 爆発で即死 四国では正面衝突」これもまた事故としてあげられておるわけです。こうやってずっとやってみますと、数限りなく北海道から九州までずっとあるわけです。おそらく沖繩まででしょう。私の手元にもこれだけあるのです。最後に、四十六年九月の十八日は松戸で「中心街で圧縮空気爆発、鉄板も吹飛ばす 電話線埋設現場 二人即死五人けが」、いろいろやってみると枚挙にいとまがないと思われるほどこういう事故が出ているわけです。惹起しているわけです。いま労働省では、こういう事故をなくするために、基準法から特に法を別にして、点検とそれから調査、指導を完全にするようにしているはずです。ところがそれをやられた以後でも依然として出ているわけです。そういたしますと、ここに何らか欠陥があるのではないか、こういうように思うわけであります。  労働省のほうに伺いますが、中小零細企業もこの法の適用に入っているのですか、いないのですか。これはどういうふうに運営していますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 もちろん安全衛生法の対象には、中小企業も入っておるわけでございます。しかしながら、中小企業においては従来から大企業に比較いたしまして災害の発生率が多いことが問題になっておるところでございますので、これまで中小企業は特に重点的に監督指導を実施しておるところでございまして、先般の安全衛生法も、中小企業などについては監督指導とともに、さらに安全衛生を守らせるためにはやはりあわせて行政指導あるいは財政的な援助、技術的な援助、こういうことも並行してやることが非常に効果をあげるために必要なんだということで、そのためのいろいろな諸規定も設けられておるところでございますので、労働省といたしましては、新しい法律の精神に従いまして極力中小企業についても、今後災害を大幅に減少することを目標といたしまして、安全衛生行政を現在進めておるところでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 法は完備している、行政指導もりっぱだ。効果があがらない。この原因は、大臣どこにありますか。これは監督官の不足ですか、それとも他のほうが労働省の言うことを聞かないのですか、どちらですか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 いま御指摘の点は、基準監督局に専門官も置いておりますけれども、本年その拡充は八十五名で、その上、中で半分ぐらいがその専門員と私承知いたしておりますが、多少御指摘のような点もなきにしもあらずであります。なお一そう下部機構も動員して、まだ法制定以後日にちも浅いものでありますから、関係業者並びに関係方面においてももう少し徹底、強化という点について欠けておる点もあります。その意味でこの問題は今後、本日本会議でも御質問がありましたが、やはり労働者の基本的人権を守るためには、人間尊重といったって災害が起きてあわててももうおそいのであります。やはりいろいろ常に工場なり職場を回って、かような災害が起きないように、いろいろな事故が発生しないように、特に危険な爆発などに対しましては、今後監督指導いたしまして、私からも下部機構に対して厳重に通達を出す所存でありますので、多少御指摘のようないろいろな欠陥が伏在することもなきにしもあらずと、こう御答弁せざるを得ないのでありまして、今後御趣旨に沿って大いに前向きに積極的に推進いたす所存であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 地方へ参りますと、業者の中には、地方の基準監督官は都市ガスの関係や酸素欠乏、酸欠について認識度が薄い、こうさえ言っている人のことばを聞いてまいりました。監督官が八十何名、これは日本国じゅう全部で八十何名ですから、そうすると一県に何ぼになるのですか、まだまだこれじゃ十分じゃない。それにこれには技術も十分でない人がいるということは、まだまだ法はできても体制が整っていないということになるのじゃありませんか。これはもっと検討させないといけない、こういうように思います。  そのほか共同溝——共同溝は政府がむだを排除するために共同溝にして、電気もガスもいろいろなものを中に突っ込んでいるのです。この共同溝の定全指導と安全衛生管理はどこでやっていることになっておりますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 共同溝につきましては、ガス管、電力ケーブル等が布設されておりますので、ガス爆発、感電等のおそれがございますし、また溝内作業におきましては酸素欠乏の危険などもあるわけでございます。このため、労働省といたしましては、昨年制定されました労働安全衛生法に基づきまして、それに基づく各規則などにもこれらの問題に対するいろいろな災害防止のための規定を設けておりますので、それらを順守させるよう十分監督指導を行ないますとともに、関係労働省の安全衛生教育それから作業場所の事前点検の徹底等の措置をはかりまして、共同溝における労働災害の防止にできる限りの努力をいたしておるところでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これはどうもはっきり答弁にはなっていないようですが、これは安全衛生は、共同溝に関して総体的な管理はだれがやっているのですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 共同溝の管理責任者は、建設省、都道府県知事等の道路管理者でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 だから結局、マンホールの事故は管理者の不行き届きということになり、建設省が全面的な責任を負うべきなんですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 いろいろな場合があると存じますが、共同溝の中で工事を行なっておりますものが事業者といたしまして安全衛生法に基づく各種法令の規定等を十分順守しておらないためにそういう事故が起きたような場合には、これは当該事業主も責任があるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そういう仮定の問題じゃなくて、現に起きている問題が一つや二つでなくて累積しているのです。こういうような場合に、これはどちらかのミスでなければ起きないわけでしょう。管理権は建設省にあるというのでしょう。建設省の管理が悪いから起きるということなれば、管理を完全にすれば起きないということになるでしょう。また取り扱いが不徹底だとするならば、労働衛生関係の管理が不行き届きだというので、やったほうにまた責任が行くのでしょう。これがどっち側になるのか、それははっきりしていますからということなんですが、どうも仮定にばかり答えるようで、普通のところへ行ったらそれでいいかもしれぬけれども、この委員会では基準局長その答弁じゃだめだということはあなた知っているでしょう。もう少し具体的にしてみてください。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 いろいろな事件によって、個々の場合にやはりいろいろな違いがあると思います。たとえば共同溝に入るような場合には、事前のガスやなんかの点検を行なって労働者を入れるべきことが規定されておる場合に、十分な点検を行なわずに労働者を入れたために、中で中毒等にあった、あるいは酸素欠乏症にかかったというような場合には、やはり必要な点検を行なわなかった基準法の責任はその当該事業の使用主にあると思うわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その場合使用方法またはいろいろな安全方法に対して具体的に指導してあるのですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 安全衛生法に基づきます安全衛生規則等におきましては、たとえば共同溝におけるような事業につきましては、電気工事等の場合に作業指揮者を選任して一定のことを作業指揮者に行なわせるべきこと、あるいは酸素欠乏症防止規則などにおきましては、共同溝等の作業におきましては、当該作業場における酸素の濃度を事前に測定すべき義務等々の義務が課せられておるわけでございまして、それらの規則は当然事業主としては作業にあたりまして守っていかなければならないわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 最近の事業は電電関係の下請だけの問題ではなく、第三者への危害も続発しているのです。一業者の被害だけではなく、必ず月に平均一名以上第三者への危害が及ぼされているのです。そうなると、一つの重大な社会問題化しつつあるのです、こういうような行き方が。したがってもしそうだとすると、よくわかりましたが、これは労働省の工事の指導基準、こういうようなものは完全に守られるように指導してあるものであり、守らないほうが悪い、こういうふうにわれわれは認識しなければならないと思いますが、そうですが。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 御指摘のように、共同溝における作業等はきわめて危険度の高いものでございますから、私どももそれらの諸規定の順守については十分指導、努力をいたしておるところでございますが、事業者等におかれましても、これはもちろん法令で定められた危害防止基準というものは十分に守っていただいて、やはりこれら危険の高い作業については災害の防止のために努力をしていただかなければならないと存じます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それならば電電公社関係のほうへ。  法の関係や安全並びに衛生関係の指導、こういうようなものは一応は整っているようであります。もしそうだとすると、これらの事故は電電公社の指導かまたは認定業者、こういうような方面にそれぞれの責任があるのじゃないかと思われるのです。四十七年の六月から四十八年の二月までの間にもうすでに死亡事故、こういうようなものは全部で六十名近くなっているのです。かつてないことです。こういうようにして見ると、年々これがふえてきているという事態に対してもう少しメスを入れて——労働力は売っても命は売っていないはずであります。それに対して、売らないはずの命が召し上げられているということ、こういうようなことはまさに重大だと思います。  私そういうような点からして、次に電電公社関係のほうに次の点を伺っていきたい、こう思うのです。  まず昭和四十八年三月の八日に衆議院の逓信委員会か開かれました。その衆議院の逓信委員会の席上で社会党の森井忠良委員のほうから、七項目にわたって公社の建設請負の安全労働について質問してあります。それに対して郵政大臣並びに公社総裁を含めて皆さんが、関係者が、十分にそれに対処するという答弁でございました。どのようなことをなさいましたか、これに対してどなたでもよろしゅうございますからひとつその経過を発表してください。

中久保卓治日本電信電話公社建設局長

○中久保説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生から私どもの工事に対しまして事故が発生いたしましたことについて強くおしかりを賜わりまして、私どもその責任を痛感しておる次第でございます。  私ども、かねてから安全確保につきましては、先ほど労働省からもお話がございましたように、諸法令を順守していろいろ安全工法を施工していくとかいう点で配慮いたしておるつもりでございます。たとえば電気通信設備の請負工事に際しましては、請負契約書によりまして関係諸法令に定めるところによって安全の確保につとめるというようなことを義務づけておる次第でございます。  ただいま先生から御指摘賜わりました、先般国会で御指摘を賜わりました項目につきまして、その後私たちが検討しておる概要についてちょっと申し上げさせていただきたいと思います。  先般御指摘いただきました安全対策につきましては、より効果的な安全対策を促進したいということから、私ども公社それから関係労働組合並びに工事業界等による安全対策につきましての研究審議会、そういった場を設けるように現在積極的に検討いたしておる次等でございます。これは早急に実現いたしたいというふうに思っております。  それから足場等の安全器具あるいは柱上作業車、マンホール対策、こういったものの御指摘をいただきましたが、これらについても安全をいかにすべきか。マンホールというものはガスが貯留しておる、あるいは酸欠空気が貯留しておる、そういった危険の強いもの、まず危険だという認識に立って、それらについて安全対策をどうすべきかというのを現在積極的に検討いたしております。結論が出次第実行に移すつもりでございます。  なお、そのほか、業界への安全対策指導とかあるいは安全訓練について御指摘をいただきましたが、これらもさらに積極的に推進しようというふうに思っておる次第でございます。  事故が多い業者に対してどういうふうに対処するのかという御指摘もございましたわけですが、これらにつきまして一定期間指名停止、そういったことで今後事故の再演を防止する、反省を求めるというような措置を強化していくというふうに思っております。  なお、安全に対する作業あるいは機器に対する研究機関について考えろという御指摘もございましたが、これは昨年筑波に建設技術の開発センターを発足させまして、安全に対するそういった対策について早急に研究開発していくというような取り運びをやっておるところでございます。  以上、お答えいたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員 三月八日の逓信委員会で、責任者である郵政大臣、電電公社総裁並びに局長クラスの皆さんが、再び事故を起こさないということをはっきり言明している。いまやっておることを聞いてみても、やはりそういうようなことです。しかし、事故が続発しないということに対して事故が続発しておるということは、これはどうしたわけなんですか。三月八日以来ないはずの事故が六件発生しています。そして三名死亡、五名重傷です。そのうち、死亡者の中には第三者である子供と学生がおるのです。これは安全防止等の欠如、そのまま依然として反省なしに行なわれているということじゃございませんですか。一たん大臣が責任をもって、公社総裁が責任をもって、もう事故は起こしませんと言った、したがって起こらないのがあたりまえだと思うのです。それは三月八日にそれを言って、それ以来現在までの間にいまのような事故が起きておる。私の手元で調べただけで六十件近く起こっておる。そして死亡者、重傷者、このような数になっておるわけです。これはやはり根本的な防止策の欠如があるのじゃないか。これに対する心組みと取り組み方が欠けておる点があるのじゃないか、こう思うのですが、これはもう、せっかく大臣と総裁が答弁してからこうなんです。これは事務当局がいかに言っても起きたのは現実なんです、事実なんです。これに対して、どういうわけですか。

秋草篤二日本電信電話公社副総裁

○秋草説明員 電電公社に関する直接間接の工事におきまして、先生御指摘のように昨今立て続けに事故が多発し、しかもそれが人身事故も含めて非常に続発したことに対しまして、ほんとうに申しわけない、遺憾の意を表する次第でございます。  私の思いますのに、十年二十年前あるいは大正時代の災害の問題と昨令の問題は、かなり様相が変わってきているような感じがいたします。ことにマンホールの問題ガスの問題というものは、もう過密都市におきましてはほとんどいかなるところでもガスが入っているんだという、まあ地雷原の中で工事をするような心がまえでないと、ほんとうにもう大きな事故が続発する危険性が常にあるような感じがいたします。そこで、つい一カ月前に逓信委員会で大臣、総裁がお誓い申し上げましたにかかわらず、こうした事故が起きますので、とりあえずいま中久保君が申しましたような措置を講じておりますけれども、何ぶんにもこの点は全国に直営、請負を含めて十万程度の労働者が常に働いておりますので、この方々に末端まで徹底するということにつきましては、単なる工法とか技術上の案内とかいうものよりも、むしろ心がまえなり注意というようなものが非常に徹底しないと、ほんとうの完全な安全確保というのはできないのではなかろうかと思います。ただいま中久保君が申しましたようなものもなかなか時間のかかるものもありますし、研究を要するようなものもございますけれども、一にも二にも早くこれを業界を通じ、また私ども直営工事におきましては機関を通じまして、くどいように徹底をさせるということが一番、おそいようで早道であろう、こういうふうに思っております。いずれにしましても、昔のように強電力の感電の事故だとか、あるいはは高所の危険作業のようなものと違って、注意を怠るというと、たとえばマンホールの中に入るときに、ガスが必ずあるということで、繰り返し繰り返し注意深く検針して、つい一時間前に検針したのでもこれをまたもう一ぺん必ず確認して入るんだというようなことが行き届かないと、こういう問題は今後も続発するんではなかろうか。いずれにしましても、業界を通じ、また私どもの直営工事におきましても、繰り返し繰り返しこの工事作業員の注意を十分喚起して、もちろん徹底的に教育の問題、それから作業工具の問題あるいはガスの検針の計器の開発とか、そういうものもできるだけ便利ですぐわかるようなものも開発しなければいけませんけれども、とりあえず早くこういうような問題については現場に徹底させるということを私たちはこれから一そう努力しなければいけないと思っております。たいへん申しわけなく思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 やはりこれは人命に関することですから、再びこれを繰り返さしてはならないという前提であります。私が調べただけでも六十件、そしてここに八名の死傷者、中には第三者が死亡しているという重大な事件があります。そして、郵政政務次官も来ていますが、労働大臣、これはもう大臣の言明なんです、再び起こさないというのは。起こさないと言っていて一カ月たってまた起きているということですから、やはりはっきりこの点については今後起こさないだけの体制をとらなければならないのは当然でしょう。責任もこの際はっきりしておかなければならない、これも当然でしょう。ましてや近畿通建では重大な事故を惹起して、そして注意を受けて一カ月たってまたして起こしているというような事例があるのです。再び三たびこういうふうにしてやるのでは、基本的に何か指導体制が十分じゃないのじゃないか、こういうようにも思うわけであります。もうこういうようなことを労働省でも十分知っていなければならないのです。大臣知っていなければならないし、もちろん郵政政務次官なんか特に知っていなければならない。こういうようなことをいままで知ってなかったでしょう。大臣知っていたか……。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 それは十分知っております。この問題はいま副総裁から御懇切に内容について話がありましたが、やはり末端の何十万でありますから、これは仕事が、常に毎日それに従事いたしておりますと、なれ過ぎるということが事故の発生の問題の重点だと私は思います。電電公社の下請でありますから、いろいろの雰細企業と違って企業者はその危険性は十分熟知いたしておると思いますけれども、やはり、なれ、そういうような関係がありますので、今後、その発生したのが労働省の責任とかそういうことは抜きにいたしまして、よく下部機構を動員してその趣旨の徹底そして注意のしかたの徹底、こういう点を十分徹底さすように監督指導を行なう。そして、ただ労働省だけがいかに力こぶを入れましてもなかなか困難な点もありますので、関係各省も協力をいただくことが——これは間違いないと思います。今後よく相談いたしまして再びかようなことが起こらないように対処することは当然と思いますので、いま島本君からお話があったように全然知らぬということはありません。従来からこの点はよく新聞にも出ておりますし、私は御承知のような関係でありますので逓信関係のことについてもよく聞いておりますので、この点についてはほんとうに心配いたしておりました。今後十分対処いたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員 私は大臣が一番よく知っているということはわかりました。それと同時に、なれ過ぎの結果だから気をつければ直るように大臣はおっしゃっておる。そこがやはりわからないのじゃないかと私は言っているのです。というのは昭和四十三年から昭和四十七年までの電電公社の事業量を金に見積もって、四十三年度は年間一千四百億、四十七年度になると約三千億になっているのです。二倍以上になっているわけです。     〔竹内(黎)委員長代理退席、委員長着席〕 ところが人員の増は昭和四十三年から四十七年までの間に二万五千よりふえていない。六万の人員が八万若干よりふえていない。こうだとすると、仕事量だけが二倍以上になっても、人員も二倍になれば十二万にならぬとだめなんですが、これは逆に人員がふえておらない。したがってこれを下請、下請とずっとおろしていく結果の事故じゃないか。こういうような一つのメカニズムを十分考えておいて事故対処に当たらなければ——これは単なるなれ過ぎではないということは自明の理なんであります。ですからこの点等においては十分私は対処していかなければならないと思うのでございます。この工事量の増大に対して人員増は、電電公社の認定業者、下請業者、孫請業者並びに一般業者まで入れて、これはもう十分対処できるような人員増になっているのでしょうか。この点について。

中久保卓治日本電信電話公社建設局長

○中久保説明員 お答え申し上げます。  その前に、先ほど先生のいろいろの御指摘に対して、私ちょっとことばが足りなかったので補足させていただきますが、私建設局長着任以来日は浅うございますが、とにかく労働災害防止に対しましては、作業者はとにかく電気通信工事の一翼をになっておる大切な人という認識を持ちまして、人間尊重という精神で末端までいろいろ安全を徹底さしていきたいということで業務を進めておる次第でございます。  ただいまの工事能力につきましての先生の御指摘でございますが、私どもといたしましては、先般五次五カ年計画も早期に設定いたしましたし、計画の設定を早期にいたしまして、これに伴って請負業界で技術者を増強してもらう、あるいは訓練の強化をはかって工事能力をアップしてもらう、あるいは機械化を進め、あるいは機械器具、そういった整備を行ないまして、工事能力を増強するように指導するということを強力に推進しておる次第でございます。で、私ども公社自体といたしましても、工事を山あり谷ありというような発注のしかたですと、能力がフルに発揮できませんので、工事の発注の平準化を行なうようにいたしております。また施工方法についても能率アップのために、従来は、たとえば一例を申し上げますと、マンホールなんかはコンクリートを現場で打つようにいたしておりましたが、プレハブ式と申しますか、組み立て式にいたしまして、現場ですぐ組み立てれば完成するというような技術開発をいたしまして、能力のアップにつとめておるところでございます。今後とも、御指摘のように工事能力には大いに問題がございますので、強化をはかっていきたいというふうに考える次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 したがってこの際、こういうふうにして十分やっていても事故が起きるという現状からして、これを機会に全業者に対して安全性に対する総点検をすべきではありませんか。そしてわかったものに対しては、ほんとうに不足している場合にはその工事を停止させる、これが安全性を確保するための最大の妙薬じゃないかと思いますが、この点いかがなんですか。郵政省でなく電電公社……。

秋草篤二日本電信電話公社副総裁

○秋草説明員 特別な総点検と申さなくとも、この点は常々業界を通じ、また契約を通じまして強く要望しているのでございまして、先ほど中久保局長が申しましたように、できるだけ早く請負業者それから労働組合それに学識経験者も入れてこれに対する根本的な、大小を問わず根本施策に対する審議会をまず設ける。これは労働安全法に基づくものではなくて、公社の一つの大きな立場からまずこういうものを開いて、常時この情報なり事故の原因等も分析して対策を立てる恒久的な機関を一つつくる。それからもうすでに業界全体の幹部にお集まり願って、きょうお出ましいただいた会長さんも、また公社の建設局長もこの点については全国レベルで強い指示と訓示を発しておる次第でございます。現場の総点検と申しましても、器具の点検なりあるいは脆弱な通信施設の点検とかいうものではなくて、やはり常時の作業態度というものが非常に大きな影響をいたしますので、これは常にやはり各業界を通じ、また公社の直営工場等を通じて注意深く繰り返し、根気強く指示するということ以外にはないと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 平井協会長さんもおいでになっておられますが、この際、事故撲滅、人命尊重という見地から電通共闘が結成以来、昭和四十年から協会側へ労働安全と雇用安定について話し合いを持つべきであるということの申し入れが再々あったということを伺っておりますが、前向きに検討されておるものだ、こういうように存じております。しかも昨年、一昨年、電電合理化の計画と労働安全の関係について電通共闘と協会で話し合いの場所を持つということを再三申し入れたようであります。しかしこういうようなことに対してはどういうふうになっておりますか、その事情も御説明願いたいと思います。

平井始電信電話工事協会会長

○平井参考人 お答え申し上げます。  かつて、全電通、それから国際電電、共済会あるいは電気通信労組等で組織しております電通共闘から、私もしばしば会見しておりますが、そのときに安全衛生についての会合を持たないかというお話がございました。これは事実でございます。それで、それにつきまして私ども慎重に検討いたしました結果お断わり申し上げたのも事実でございます。  理由をこれから申し上げます。  実はそのときのお話では交渉形式でいたしたい、こういうお話がございました。実は私ども考えまして、工事協会は業界の私どもまあ工事業者が主体でございますが、その会員の協力によりまして各種の調査研究等の活動をいたしまして、それによって業者の社会的地位の向上、ひいては電気通信事業を通じまして国民に奉仕するために設立されました社団法人でございます。それで交渉形式によって話をしたいというお話がございまして検討いたしましたのですが、安全の問題につきましては、私どもいま取り上げております問題は、こまかい多種多様の原因に基づく災害に対してまして一つ一つ対策を立てていく。そしてそれがすべての人間に理解され、実行に移されていくということが最も必要だと考えました。それには私どもといたしまして、交渉形式によっていたしましても工事協会は当事者能力がなく、それを各社に強制するという力がございませんので守り切れないわけであろうと考えましてお断わり申し上げたわけでございます。しかし、その後の多発する事故につきましては全く私どもの責任でございまして、まことにその点申しわけなく存ずる次第でございまして、協会のやり得る範囲におきまして、最大限の努力を払ってこの撲滅に努力をいたしたいと考えておる次第でございます。  以上、お答え申し上げます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 ひとり撲滅に努力すると言っても、これはお経を読むようなもので、これは自分だけわかっておっても、事故はだんだんふえてきているというようなこの事実、それと、きょうは呼んでおりませんが、私が聞きたいことの一つには、電電公社の認定業者のトップ、業界のトップに立っている会社があります。そして昨年よりも五割も増して受注を受け取っているところがあります。そしてそれが昨年は九名も死亡しております。一昨年、その前も死亡率は業界のトップであります。あわせて労災適用者の数も断然トップであります。そしてそれが、労働組合が再三にわたって話し合いの場所を設けようと言っているにかかわらず、労働組合が法にきめられた正当な手続を踏んでも交渉に応じない、こういうような経過があるようでありますが、これでは私としては納得できないのであります。一体こういうようなのはあったのですか、ないのですか。この点等においては私はどうも理解に苦しみますので、ひとつはっきりここで説明してもらいたいと思います。

平井始電信電話工事協会会長

○平井参考人 お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘のような例は私は聞いておりません。企業内におきまして労働安全衛生委員会をつくりまして、そして企業内の組合と経営者とがたいていの会社でやっておると聞いておりますので、先生御指摘のような例は私は聞いておりませんので、ちょっとそれだけ申し上げます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 もし聞いておらないというなら、これは協和電設であります。もうそういうような点については、死亡者の数も一番多い、受注も一番多い、こういうような状態で、安全衛生も完全にやっているということにはなりませんので、その点では多大に疑問があるということであります。はたしてそれをやっているとするならば、私はむしろその内容を聞きたいほどです。私はやっていないと聞いている。これはやっておられるとするならば、後日あらためてこの内容等についてはっきりさしてもらわないといけないと思います。私は、そういう点からしてこの次には協和電設を呼んでおいてもらいたい、この点だけは申し述べておきたい、こういうように思います。  最後に、電電公社のほうにもお伺いいたします。  この業者一体の安全対策、まさに労使一体の安全対策、これは今後の一つの命題です。そのためには公社自身も、電通共闘というせっかくの組織もあるわけでありますから——全国組織です。そして中央に共闘会議があり、地方には地方組織、地方共闘会議がある。その場でやりたいというならば、このような安全の問題に対しては、進んでやってください、応じますというのが業者の態度でなければならないと思うのです。当然これはやるべきだと思いますが、会長いかがでありますか。

平井始電信電話工事協会会長

○平井参考人 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘になりますように、災害の防止というのは私どもいま最大の問題でございます。また人命というのは何ものにも増して大事であるということも痛感しておりまして、私どもの至らないところを痛感しておるわけでございますので、ただいま御指摘ございましたような点につきましても、前向きに検討させて御趣旨に沿うようにいたしたいと存ずる次第でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 関連質問。先ほど来の質疑応答を聞いておりますと、これは基準局長に、昨年、安全衛生法をつくる際に、こういう場合は——当事者能力云々ということを協会の会長さんおっしゃるのですが、こちらのほうでは労働組合側として共闘の組織をつくっておるわけですよ。そういう場では必ず労働安全、災害の問題は優先的に取り扱って話し合うということを確認しているのですよ。それに対してどうなんですか、行政指導は。おかしいと思うよ、これは。これは一字一句これからやってもいいんだけれども、関連質問だからその点だけを追及しておきます。これは必ず交渉に応じなければならないんですよ。安全衛生委員会もつくらなければならないというところまで私は言いたいんだけれども……。これは話し合う必要があるんですよ。どうですか、これは。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 労働安全衛生法では、先生御承知のように、一定規模以上の事業場においては安全委員会あるいは衛生委員会を設けなければならないことになっておりまして、その委員の半数は労働者の代表を加えることになっておるわけでございまして、それはその規模に該当する事業場であればそういう委員会を設けなければならないことは、法律の定めるところでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 関連ですからこれでやめますが、この労働安全衛生法をつくるときにはかなり時間をかけてやったんだよ、十五条をこれだけの膨大な衛生法にしたわけだから。その際に、工事をやるものとかあるいは官庁関係はまだそれが徹底してないから、労働省は責任をもって行政指導するということになっているんだ。それを周知徹底してないところに協会長の発言で、われわれは当事者能力がないから交渉に応じなくたっていいんだという発言になるんだよ。その辺を少し、局長言ってみてくださいよ。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 労働安全衛生法の趣旨徹底については、法制定以来極力つとめておるところでございますが、まだ法施行後期間も浅いためにあるいはその趣旨が十分徹底していないところがあるといたしますれば、今後も一そうその趣旨の徹底につとめる所存でございます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 いろいろ島本議員なりまた関連のことを考えまして、特に天下の電電公社の下請の関係でかようなことが多発するということは大問題で、ほかの中小企業、零細企業の場合には、なかなか先ほど言ったように手が回わりかねるような点もなきにしもあらずでありますが、今後かようなことが再発しないように、いま安全衛生法の法律のいろいろな徹底の問題並びに技術的な問題——労働省にも専門家もおりますし、電電公社のほうにも特に多年の経験を積んだ専門家もおりますから、一度、ただ目先だけでなく、電電公社関係のいろいろな方のお集まりを願って、労働省のほうからも出向いて、これが法の趣旨並びに今後の災害防止のいろいろな協議会を持って、今回の衛生法のいろいろな点についても、私はこれはただもうおざなりでなく、連絡的ないろいろの会をつくって、そしてかようなことがないように万全の策を立てるように、大臣名で電電公社にも要請いたしまして、ただおざなりでなく、正規の会を持って推進いたしたいという所存をここでお約束いたします。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 きょう理事会できめた制限時間がございますから、もう一つ出かせぎの問題で私質問を予定しておりましたが、天下の電電といみじくも大臣がおっしゃいましたけれども、協会で、そして何とか株式会社で、さらにその下の下請で、その下請で働く労務者は電気の知識も何もないやつを入れておるんだよ。これはこの次にしたいと思います。したがって、いま言われた、大臣に、要望じゃなくて、強い要求というか、通達に近いものを電電公社に出して行政指導をやってもらいたいことを要求して終わります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それで、最後になりますけれども、電電公社のほうでは、やはりこういうようにして事故が多発しているという現状からして、工事量並びに下請関係の人員増、こういうようなところから見まして、公社といわは認定業者——認定業者は七十社でございます。そしてその下には協力会社がそれぞれあります。その下には今度孫請があるようでございます。ことばは適当でないかもしれませんが、普通孫請。その下にはこれまた個人請負業者があるのであります。公社から認定業者のほうに委託して請負させて、それから協力会社へ行き、それから孫請へ行き、それから一般業者のほうへやられるとするならば、やはりこれは末端のほうへ行くと、労働安全衛生法ということに対してはまことに知識が希薄になっているわけであります。この末端までこれを行き渡らせないと、事故は必ず起きる。どこで死んでも人命はとうといのでありますから、こういうようなことのないようにすべきである。したがって私は、この責任は電電公社としても公社とこの認定業者の線でとどめておいて、下のほうにまで全部責任を負わしてしまうならば、これはもう全然事故はなくならないのじゃないか。したがって、安全管理と安全施策の責任、事故が起きた場合の補償、これをあわせて公社と認定業者がまず責任を持つことであって、協力会社以下の末端のほうに対しても十分責任を持たして、それで突っぱねることがないようにするのが事故をなくする一つの行き方だと思います。それに対してこの際はっきりしたお考えを承りたいことです。  もう一つは、やはり公社の場合には訓練施設にりっぱなものを持っております。しかし認定会社や下請にまいりますと、はたしてそれが十分な施設であるかどうかわかりません。人格が異なっておっても、安全対策には違いはありません。公害対策や安全対策、すべてこれはもうそっちの対策のほうが優先するのです。これが現在の常識です。したがって、いま公社の持っている訓練施設、こういうようなものに対しては通建労働者にも十分開放してやって、そしてあらためて安全衛生のための機構を十分に——新しい機械の開発、これも大事ですが、そこに働く労働者の生命の安全ということがそれにも増して大事でありますから、この点を十分に考えて処置されるようにすべきであろう、私はそう思っているのです。  いまの場合の二つについて、これはまことに重要でありますから、この点については郵政省、公社の責任者の御答弁を承りたいと思います。

秋草篤二日本電信電話公社副総裁

○秋草説明員 確かに先生御指摘のように、この問題の根本問題はやはり請負制度のあり方というか、孫請の、あるいはまたそのまた下請、そういうものになりますと趣旨が徹底しなくなる。そこで責任問題でございますが、これは一応公社と請負業者との間におきましては、そういうものの一切の責任を強く監督しながら契約金額に盛り込んであるわけです。それをまた孫請が受けてやった場合にはどうなるかということでございますが、これか一がいには——事故の原因なり作業状況等によって判断しなければなりませんが、また孫請がそうした災害に対して人命の損害賠償とかいうことが不可能のようなことにどうしてもなるという場合には、私は請負業者が最終的な責任を持つということに、契約上明快にはできませんけれども、最終的にはそういうことも考えなければならぬという配慮を請負業者に強く命じて、日ごろの監督を十分にするということが大事なことだと思っております。  それから教育の問題につきましては、もうすでに工事協会もりっぱな訓練所を持っておりますし、また私どもの技術者なり安全管理の責任者が講師としてお手伝いするということは、常日ごろやっております。また、公社の学園なり訓練所を開放するというのはまだやっておりませんけれども、この点は公社、工事会社一体でございますので、この点につきましては有無相通じて、場所なり教官の相互融通は大いにこれからまた強化して差しつかえないと思っております。  それだけでございます。

鬼丸勝之自由民主党郵政政務次官

○鬼丸政府委員 ただいま島本委員から御指摘の件につきましては、私も全く同感に存じます。郵政省といたしましては常々事故防止、安全対策につきましては公社に対して強く慎重、十分な配慮をするように要請をいたしておりますところでありますが、御指摘のように最近、事故が多発しておる、まことに遺憾でございます。いま副総裁からお話もありました、特に請負業者の末端まで安全管理、事故撲滅の訓練を徹底するということ、これは郵政省といたしましても今後公社側に具体的に指導監督の面で強く要請し、十分努力をいたす所存でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これで終わりますが、最後にこれは大臣、いまいろいろな事故の点を見ましても、労働省自身の工事の指導基準、こういうような問題を通じて、工事にも十分合うようにして、これをもう一回練り直してみる必要がある。それと同時に、電電公社の関係工事は建設業として法の基準に合致しないものが多いということ、これがやはり一つの盲点になっておるようであります。(川俣委員「事故が多いことは事実なんだから」と呼ぶ)そのとおりだ。事故が多いことは事実なんだから、そういうのとあわせて、法制定の意義に欠けるものがありますから、そういうような点を十分とらえて、盲点であってはなりません、谷間にしてはなりません。したがって、法的にも十分実態に合うようにこれを検討し、今後指導の実をあげるように心から要望しておきたいと思います。  以上要望して、私の質問を終わります。     〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 田中美智子君。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 先日、三月六日に、性による差別定年制のことについて質問いたしました。そのときに労働大臣は、かような問題に対して断固たる態度で臨む所存であるというふうに言われましたし、「裁判にも判然といたしておるのでありますから、その方向に従って指導監督いたす所存であります。」と、断固たる態度で臨むというふうに言われたわけです。それから約一カ月たっているわけですけれども、どのような指導監督をしていただいたか、お答えをしていただきたいと思います。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 あのときにお約束いたしたとおり、私から政府委員をして——名古屋放送のほうもだいぶ前非を悔いて善処するということを責任者も約束した返事が役所にも参りました。だいぶよくなっておると思いますが……。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ただいまのお尋ねの件につきましては、その後さっそく大臣の命を受けて名古屋放送のほうに就業規則の改正を再三申し入れをいたしておりまして、名古屋放送でも誠意を持って検討をしておられる、そのような状態でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 いま、前非を悔いてというふうなことを言われました。それで、改善するというふうに労働大臣言われましたけれども、そういうことで私は会社の労働者のほうに聞いてみましたが、いま労働者のほうも全然そのようなことを知らないわけですね。どういう書類が来ているのか、会社側として労働省に対してどのような返答をしているのか、提出していただけないでしょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 名古屋放送に対しましては私ども婦人少年局がその折衝に当たっておりますが、いままでのところでは、東京支社長の方に再三お目にかかって、お互いに口頭でお話をし合ってと、こういう状態でございまして、したがいまして、書いたものをちょうだいする、そのようなことはございません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは前非を悔いて改善すると言われているのは、一体それはいつなのかということ。大木さんの場合はもう四十四年から切られているのですから、それが——労働省では厳重にやると口頭で言っている。前非を悔いているというならば、これはすぐになさらなければならないことだと思うのです。それは一体いつなされるのか。あしたというのかあさってというのか、そこら辺のところをはっきりしていただかないと、いつまでと言っても、指導しています、向こうは前非を悔いています、だけれども労働者はもとには戻らないということでは、これは真意を疑うわけです。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 私ども接触している限りにおきましては、誠意をもって検討をしておられるということでございますが、就業規則の改正ということはかなり重大な問題でございますので、社としても検討を重ねておられる、このようなことであるかと存じます。     〔竹内(黎)委員長代理退席、委員長着席〕

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 誠意をもってやっているし、社のほうでもやっているのだと言われますけれども、いま私が聞いているのは、めどとして——それは何月何日というふうには質問しませんけれども、めどとして一体いつごろ職場に復帰させるのかというようなことが明らかにならない限りは、それが明らかにならなければ、私はいつまででもこれをやらなければならないというふうに思うのです。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 この点につきましては、先生も重々御存じのように、法律違反という事案でもございませんので、私どもといたしましても強権をもって直ちに改正せよと迫ることは不可能でございまして、納得ずくで理解していただき、そのような方向に改正方をお願いする、このような姿勢で臨んでおりまして、それに対して、名古屋放送の当局としましてはこの問題を慎重に考えておられるということでございまして、それを、私どもとしてはあくまでも改正方を申し入れているところでございますが、先方では慎重に検討している、こういう状況でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それではいまのところでは、労働省としては断固たる態度で臨んだけれども、いま検討中で、まだ何のめども立っていないという結果になりますね。そういうことですね。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 再三申し入れをいたしておりまして、いまもその回答を待っているというのが正確な状態でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、その回答が一日も早く下されるようにしていただきたいと思うわけです。  ただ、私としては、誠意を持ってというのはだれが誠意を持っているのか、労働大臣が誠意を持ってやっているけれども、向こう側は誠意を持ってやっているのかどうか非常に疑わしい点がそのあと出てきているわけです。  それは清水さんの問題ですけれども、賃金の上昇分というもの、賃上げ分というものを昨年の四月から払っていたわけです、会社側が。そこの話はそちらも御存じだと思いますので簡単に略してしますけれども、結局それが払い過ぎであったということで、これを取り返すというふうな——もとに戻るものであれば当然賃上げがあるはずなんです。その賃上げの六〇%までは認めて払うけれども、それ以上は払わないというわけですね。そうしてその前に払った分をさかのぼって返せということで、ことしの三月十六日の月給日に、五万百六十円という大金を返せ返せと盛んに言っていたわけですけれども、三月十六日の月給からこれが差し引かれてきたわけです。そうしますと、清水さんの月給袋には二万六千二百五十九円しか入っていなかったわけですね。こうしますと、これは労働基準法の第十七条で、そういう借金だとかいうものを賃金と相殺してはならないということもありますし、それから民事訴訟法の六百十八条で、賃金からそういうものを引く場合には四分の一をこえてはならないというふうな法律もあるわけですね。それにもかかわらずこういうことをやっているということは、これはどう考えましても、労働省の指導に対して会社側が誠意をもって臨んでいる態度というふうに私たちは、労働者は思えないわけです。その点はどのようにお考えになりますか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 いま田中議員のお尋ねで、私局長を通じてさっそく交渉させたのでありますが、向こうもやはりいいとは言わない。よくお話を聞いて善処いたしますと、こういうので、これは当然だというような御返事じゃなかったから、私もちょっとことばが、前非ということばを使いましたが、向こうが言ったのでなくて、私の想像でそう思った、こういうことばでありますので、前非前非と言われると、ちょっと私の失言のような関係になりますので、この点だけはひとつ御了解願いたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それじゃ、労働大臣が想像してちょっとことばをすべらしたということで、それを訂正なさったということですね。  そうすると、誠意をもってやっているにもかかわらず、このようなことがあれ以後起きているということはどのようにお考えになりますか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ただいまおあげになりました清水さんという方の場合でございますが、これは私が寡聞にしてその経緯を存じておりませんですが、私の理解では、その方は前にやはり若年定年の適用を受けて退職を迫られ、そして仮処分の申請をされ、仮処分の判決でその解雇が無効であるという、地位保全ですか、それの判決を得た方であろうかと思いますが、その仮処分の内容が、結局あれは地位保全とそれからその間の給与でございましたか、そのようなことであったかと存じますが、ただ私どもその仮処分の詳しい内容がわかりませんので、その判決の効果というものがどの程度に及ぶものか存じませんので、いまのお尋ねに対しましてはお答えをいたしかねます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、そういう誠意をもって検討しているはずの会社が、これが判決では、職場に戻せ、そして賃金を払えということで、賃金は払っているわけですね。それの賃上げ分をこういう形で労働基準法十七条に違反し、訴訟法六百十八条に違反することを平気でやっているということは、どう考えても、誠意をもって清水さんや大木さんや楢崎さんに当たっているというふうには思えないわけですね。  いまそちらではこれを御存じないということですので、至急にお調べになって、これが違反しているならば、これは裁判所でありませんから、私はこの間からもたびたび言っておりますけれども、強権発動せよということを言っているわけではないわけです。できないことをやれとは言っていませんけれども、労働省としては強硬な態度で臨むと言っているわけですから、少なくともいつごろに返事をもらえるかとか、そういうふうなことをはっきりと回答をしていただきたいと思います。その検討がいつまで続くのかというようなことをはっきりしていただきたいと思います。これは次々とこういう問題が起きてくるということから私が強く言っているわけですけれども、いま婦人労働者は、御存じのようにもう三人に一人は婦人になっておりますし、そして単なる職場の花ではなく、ほんとうの労働者として日本をしょって立っているわけです。それだからということだけではありませんけれども、そういう現状の中で、三十歳の定年制が堂々とまかり通っているということは絶対に許されないことだと思うのです。これが指導できないというならば、労働省お手あげで、労働大臣は、もうお手あげだというふうにはっきり言っていただきたいと思うのですね。できるならばどこまでできるか、そこのところをはっきりとしていただきたい。いまその決意をはっきりお聞きしたいというふうに思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 先生のおことばにもございましたように、今日婦人は非常に職場に大ぜい進出いたしておりまして、日本の経済、社会をささえる大きな力であるばかりでなく、婦人自身にとっても職業というものの意義がきわめて大きい、こういうように私ども認識いたしております。したがいまして、婦人が職場で生きがいを持って働くことができるような環境を整えるということが、きわめて重要なことだと思います。そういう意味合いで、この若年定年というような制度は明らかに望ましくないことであると思われますので、私どもは従来からその姿勢は変わりませんが、今後も一そうこの若年定年のような不合理な差別というものについては強い姿勢でその改正ということに取り組んでまいりたいと考えます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 強い姿勢ということに対しては、私としてはいまの時点では信頼できないわけです。結果的に何も効果が出ていないわけですから、きちっとした効果を出していただきたいというふうに思います。  それで、女子若年定年制の改善についてということで、昨年の十二月九日付で労働省の婦人少年局婦人労働課から出しているこの書類は御存じだと思いますけれども、こういうものがマル秘になっているというのはどういうことなんでしょうか。簡単にちょっとお答えいただきたい、今後のことで参考にしたいと思いますので。なぜこういう改善をせよというふうなことが、政府の資料としてマル秘になるのか、非常にふしぎに思いますので…

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 私どもはこの若年定年、それ以外にもでございますが、婦人の能力の有効発揮を妨げるようないろいろな不合理な雇用慣行、職場慣行等については、それを是正するべきであるという趣旨の通達は、これは単独の通達もございますが、また勤労婦人福祉法の施行通達にも明記いたしまして公の通達としてお出しいたしております。その公の通達に対しましては、これを秘扱いにするという筋のものではございませんが、ただいまお示しになられましたものにつきましては、公のものでございませんし、また私の関知しないものでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、これはどこが関知しているのですか。労働大臣は御存じないのですか。それでは、これはどこから出しているのですか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 公のものとしてはどこからも出ておりません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 公でなくて——これは婦人労働課と書いてあるわけですね、こういうのがマル秘で出ているのですね。ですから、労働省というのは何かおかしい。誠意があるとか何とかいいながらも、こういうマル秘で——中身はいいものなんです、改善せよということなんですから。それを全く関知しないということはどういうことなのですか。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長 始めてください。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ただいま事務の者に問いましたところ、この件に関しましては、民放連盟に対してその傘下の事業所における若年定年の指導ということを行ないましたときに、こちらの趣旨というものを明確にしたいからという意味で、こちらの係の者が口頭で申したものをお書き取りになった、このようにいま説明を受けました。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、全く関知していないことじゃないわけですね。こういうふうに印刷になっているわけですからね。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 印刷は先方でなさったということでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それは間違いないわけですね。こういう指導をしたということは事実だったわけですね。これは日にちが十二月九日になっております。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 これは民放連盟に対しまして御指導いたしました、そのときのものでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 こういうことを実際にやっているというふうな、形だけのことをやりながら実際には——形だけだったものですから、具体的には効果が出ていないわけですね。少なくとも私が質問し始めてから、ないわけです。  そのあと三月二十三日に今度は日産自動車の中本ミヨさんという方がやはり東京地裁で勝訴しているわけです、この方がやはり差別定年制で、こういうふうな形で出てきているわけですね。そうすると、ちっとも解決しないで次々とこういう問題が出てくる。裁判で勝ってももとへ戻さないというふうなことというのは、労働大臣は一体どうお考えになるのですか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ちょっと具体的なことがからんでおりますので、私からお答え申し上げます。  民間放送連盟に対して御指導申し上げて——十二月ごろでございますが、その効果は、この前の社労で先生が御指摘のように、その後若干の民放の事業所におきまして、それまでありました若年定年制を改正なさっております。そのような効果はあると申せると思います。  それから最近の日産自動車の件でございますが、これはまた私どもがこの前先生の御指摘がございましてこの改正方に取り組む前に発生した事件でございまして、直接その効果というようにおっしゃられてもちょっと困る点がございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 これは二十三日にあった事件です。こういうふうに次々とこういう事件が起きてくるわけですね。それが前からちっとも解決されていかない。こういうふうなことでは、私は女の執念で、労働省がやるまで何回でも社労でこれをやり続けていく以外にないというふうに思っています。そのおつもりで労働大臣いていただきたいというふうに思います。  こういう婦人に対する差別というのが、ほんとうに日本の場合はひどいわけなのです。これはやはり労働省が本腰を入れないと、世界に対しても、この間のニューズウイークでありませんけれども、非常に恥をかいているし、先進国だといいながら実際には封建制がそのまま残っているようなことがあるわけですね。これは衆議院では非常に婦人の議員が少ないし、どうしても私はがんばり続けなければならないというふうに思っているわけです。次々とこういう資料がたくさんありまして、どこから手をつけていいかわからないほどこういう問題があるわけです。ですから一つ一つ取り上げたものを労働省は徹底的にやっていただきたいというふうに思うわけです。  いま、もう一つ来ておりますのが銀行関係。金融関係では女子の差別賃金が非常に多いわけです。それはもう十分高橋さん御存じのことだと思いますけれども、その中で差別賃金をとっているところは、私が調べたところではこれは一〇〇%です。全くないということはないくらいにあるわけですね。しかしこまかくいえば見解の相違ということも出てきますので、その中で非常にはっきりしている問題を一つ申し上げたいと思うのです。  これは日本信託銀行で、二十八歳以上の男子で、高卒十年、大卒六年働いた方に対しては特別手当というものを月四千円出しているわけです。しかし女性には一銭も出さないということをしているわけですね。これは制度上から見ましても明らかに差別賃金になっているわけです。これについて労働大臣はどういうふうにお考えになるのでしょうか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 あとで全部答えます。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 先生御承知のように、基準法の第四条におきまして、使用者は、労働者が女子であることを理由に賃金について差別をいたしますことは基準法違反として禁ぜられておるところでございまして、私どもも基準法施行という意味におきまして、幾つかの最近の例におきましても、そういうものを発見いたしましたときには是正勧告をして是正をさせている例はあるわけでございます。  ただ、ただいま御指摘の日本信託銀行の問題につきましては私どもいままでは全然掌握しておりませんでしたので、きのうそういう旨の御指摘がございまして、至急調べるように命じておるところでございまして、実情をよく把握いたしまして、もし明確な違反であれば是正させるようにいたす所存でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 この信託銀行では、最近の銀行の中の労働者というのは、ほとんどの事務処理というのは婦人がやっているわけですね。むしろ男子は外勤になっているわけです。それはもうそちらが十分御存じのことだと思います。そういう中で全員の男子の役職でない人に対しては無条件で特別手当を出しているにもかかわらず、女性に対しては一銭も出さないというのは、これは明らかに性による賃金差別だというふうに思うわけです。いまの金融関係の事務というのは、ほとんど女性の頭と目と手で行なわれているというふうにいわれるようになっている時代に、こういうようなことがやはり天下をまかり通るということでは、文化国家だといわれる日本にとっては非常に恥ずかしいことだというふうに思うわけです。そういう意味で、やはり労働省が徹底的にこれを調べていただきたいと思います。  いま調査中だということですけれども、いつごろにこういうのは大体わかり、そしてどういうふうな指導をしていただけるのか。またそのままになるということでは困ると思うのです。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 事情調査は、そう期間がかからずに事情が明白になると思います。調べまして、もし違反しておるということであれば、一定の、一カ月ないし事情によりまして数カ月の猶予期間を設けまして、その間に是正するように文書による勧告をいたすわけでございまして、その場合には、その期間内に是正したかどうかという報告を後ほど徴することになるわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、時間がございませんので、最後に要求したいと思いますけれども、いまの調査をし、そしてその結果どういう指導をしたか、それに対してどういうふうな回答があったか、一体どういう改善がなされたかということを報告していただきたいというふうに思いますけれども、よろしいでしょうか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 その結果につきましては先生にお知らせ申し上げます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 労働行政の根幹は、性によって差別しない、同一労働同一賃金。それから定年の問題も、これは係争中の問題は、行政府がいろいろ、この見通しについてどうかということを申し上げることはできませんが、労働省の方針は、定年の問題も、いろいろ世間でいっております、また裁判では五十とかいろいろいっておりますが、性で差別がないという原則は打ち立てられておりますので、この方針には、労働省、間違いありません。大臣も間違いありません。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 方針が間違いないことは私も一応信ずるわけですけれども、それに効果がないということで言っているわけなんです。  それで、労働大臣にどうしてもお願いしたいと思いますことは、この清水さんと大木さん、それから楢崎さんの問題、この間三月六日にやった問題ですね、これについていま指導中だというふうに言われておりますので、会社側かどのような回答をしてきたかということを、ただ誠意をもって検討中ですということでは、これは回答にならないと思うのです。どういう解決をとろうとしているかというようなことを必ず報告していただきたい。  それから、先ほど言いました、賃金の半分以上というものを差し引いているということが法律に違反しているということ、これが同じ人について起きた事件でして、非常に誠意がないと思われているわけですから、一体これは何なんだということを至急調査して報告していただきたいということ。  それからもう一つ、中本ミヨさんについて、この方は東京地裁で勝っておりますし、この方はもう年齢なわけですから、ぐずぐずしていますと、そのままになっちゃうわけです。これの指導を至急にしていただきたいわけです。そして、その指導の結果がどうなったかということ、少なくともここで質問したものに対する回答というのは、そのままにしないで、報告をきちっとしていただきたいと思うわけです。そうしませんと、何回でも労働委員会でやらなければならないということになりますので、その点を労働大臣の口からはっきり確約していただきたいというふうに思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ただいま御指摘の案件につきまして、一そう前向きに努力してまいる所存でございます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 政府委員が答弁したとおりでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 もうやめようと思ったのですけれども、いまのお返事はやはり誠意がないというふうに思うのです。やはり労働大臣のことばではっきり言っていただきたいと思います。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 御報告するようにいたしたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 指導と報告……。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 指導も当然であります。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、私の質問を終わります。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 石母田達君。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私は、きょう、先日新聞にも報道になりまして大きな反響を呼んでおります三井東圧化学の大牟田工場で起きたいわゆる「人体実験」問題について、質問したいと思います。  この新聞報道によりまして明らかなように、約四十名の当工場の下請労働者に、有毒な除草剤であります二・四・五TCPやPCPの溶液をしみ込ませたガーゼを背中に張りまして、そのかぶれぐあいを見てその有毒性の程度を検査するということを行ないました。この結果、これら検査をされた従業員には、その後かぶれなどができまして大きな問題になった。しかもこの実験の内容が本人に知らされなかった、何ら了解を得ずに行なわれたということによって、新聞でも、これは明らかに「人体実験」ではないか、こういうような報道の内容であります。これはこのとおりの事実であるかどうか、お伺いしたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 三井東圧の大牟田工業所におきまして、二・四・五TCP、PCP等につきましていわゆるパッチテストといわれる、その薬品を貼付いたしましてそうしてその過敏性等について検査をいたしたということがあったことは事実でございます。  で、いわゆる薬品の中で感作料品といわれます種類の薬品につきまして、これらの薬品に対する過敏症の者を発見いたしまして適切な処置を行ないますために、少量を皮膚に貼付試験するいわゆるパッチテストというものが行なわれますことは、これは一般に行なわれていることでありまして、健康管理の一環として行なわれるものである限り、労働衛生上あり得ることであるわけでございます。  ただ、これにつきましてはいろいろ注意をしなければならぬ点があるわけでございまして、労働省といたしましても、昭和三十三年に、皮膚貼付試験についてという通達を出しまして、そういうものを行なっていい場合、それからそういうものを行なう場合についてのいろいろな注意を十分にいたしておるところでございますが、今回の大牟田工業所の件につきましては、これはその皮膚貼付試験につきまして、関係労働者に対しその目的等の周知が十分でなかったことは、はなはだ遺憾なことでありまして、直ちに事業所の担当責任者の出頭を求めまして厳重注意を与えますとともに、福岡の労働基準局長に対しまして、その後の実態について調査を実施し、適切な指導を行なうよう指示をいたしたところでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 いつもあなたの答弁に言いたいのですけれども、時間がないので、私は事実の確認だけ、そうなのかどうかということですから、そうならそうだということだけ答えてください。その後の労働省の見解については、あなたのようにどんどん先取りされてやられますと、非常に今後質問がしにくくなって、こっちが組んでおるやつが次々にくずれていくのです。  それで、労働省の見解については大体いまお話しになったので、当日の新聞に発表された労働省労働衛生課の談話というのは、大体あなたのような見解なので、これは労働省の見解と見ていいわけですね。それではこれを前提にいたしまして質問をいたします。  これによりますと、「テストの手ぬかりが明らかになれば、会社側に厳重な注意を申し入れることになろう」、こういうことになりまして、いまちょっとそのことに触れましたけれども、会社側に厳重な注意を、申し入れたのか、入れたとすればいつそれを行なったのか、これをお伺いしたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 三月二十九日に会社側に対しまして厳重に注意を与えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そうしますと、やはりこのテストに大きな手抜かりがあったからということになると思いますけれども、さらに私は、このパッチテストという方法のやり方がまずかったというだけではなくて、このパッチテストというのは皮膚に張りつけて、薬品中毒の有無、程度を判定する方法だそうですけれども、これを行なった二・四・五TCPとかあるいはPCPというものは、非常に毒性の高いものであるというふうに聞いておりますけれども、この毒性の程度について、関係当局の答弁を願いたいと思います。

豊田勤治厚生省薬務局参事官

○豊田説明員 先ほど先生御指摘の二・四・五T、トリクロルフェノキシ酢酸、このものにつきましては劇物に指定しておるものでございますが、実験に使われました二・四・五TCPでございますが、これは二・四・五Tというものの原料でございまして、この原料の毒性につきましては、現在われわれのほうでは文献によるものしかわかっておりません。経口毒性といたしましては非常に弱いものでございまして、体重一キログラム当たり二千九百六十ミリグラムという毒性のものでございます。それからPCPでございますが、これは先生御指摘のように、ペンタクロルフェノールというものでございまして、すでに除草剤として使われておったものでございますが、これも毒性につきましては、ラットの経口毒性、LD50グラムは百二十五から二百ミリグラムというものでございまして、これはすでに劇物として指定されておるものでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 三月二十八日の参議院の公害環境特別委員会で、二・四・五TCPというのはベトナムでの米軍の「枯れ葉作戦」に使った農薬ではないかというようなことがいわれておりますけれども、こういうふうに使ったと聞いているか、あるいは使われる可能性のあるようなものなのか、そういうことについてお伺いしたいと思います。

豊田勤治厚生省薬務局参事官

○豊田説明員 先ほど御説明いたしましたように、二・四・五TCPは二・四・五Tの原料でございまして、二・四・五Tが、先ほど御指摘になりましたように、枯れ葉作戦に使われた薬剤でございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そういう「枯れ葉作戦」に使われるくらいですから、高い毒性を持ったものと思われますけれども、そうしたものの検査を行なう、しかもこれはすでに製造中止されているものです。この製造中止されたものを、その工場でいろいろ障害が出て、組合や労働者のほうからも要請があって、その問題を会社では非常に問題にしなければならぬということですが、この毒性の強いPCPやあるいは二・四・五TCPやあるいは二・四・五TCPを張りつけてやるということについて、これはやり方の問題がまずかったのか、そういう有毒なものをそういう方法でやること自体がもうすでに間違っているんじゃないか、被害が出ているものをまたからだに張りつけてやるという、こういうものについて、労働省としてはこれは明らかにただやり方だけの問題だというふうに見ているのかどうか、お伺いしたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 この感作料品といわれる種類のそれらの薬品につきましては、特定の敏感症の人について特に強く作用するものでございますので、健康管理上一定の敏感症の該当者であるかどうかということを調べまして、作業配置等につきましても敏感者はこれを避けるといったような措置が必要なわけでございます。そういうことの一環といたしまして、今度の場合も熊本大学医学部の野村教授の指導のもとに、それらの薬品の非常に薄めました液を、直径一センチ大の円にしみ込ませたガーゼを絆創膏で貼付いたしまして、二十四時間経過後の観察等を行なったものでございまして、もちろんこういういわゆるパッチテストをやっていいもの、そういうものをやるべからざるもの等もあるわけでございますが、私どもが専門家から聞いておりますところでは、今回のこの薬品は、そういうパッチテストをやっても別に特別な場合ではない、やってもいい種類のものに入るのだというふうに聞いておるわけでございます。ただ、もちろんそういうものをやりますについては、十分いろいろな注意をして、必ず経験のある医師が行なう等のほかに、その被検労働者に対しましては、試験の目的、反応の程度、試験中における必要な注意等を具体的に周知徹底せしめまして、かつそういうことを実施することについて御本人の承諾を得て行なうように、私ども従来から指導いたしておったわけでございますが、今回の場合につきましては、それらの注意あるいは本人の同意を得た上で行なう等々、やり方について、私どもから見ましても確かに遺憾な点があった、かように考えましたので、厳重な注意をいたしたところでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 いまの答弁を聞きますと、こういう薬品のパッチテストが許されていると言われますけれども、PCPでは許されているのですか。特定化学物質等障害予防規則というのがありますけれども、この中でPCPパッチテストの問題は書かれてませんよ。どうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 PCPについては、そういうパッチテストが行なわれることがある薬品だそうでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 この特定化学物質等障害予防規則では、パッチテストについてはPCPについて許されていますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 特化則にはPCPについては特に規定がございません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 ないでしょう。大牟田の労働基準監督署の久保山正信第二課長、その人ははっきりPCPの検診方法についてパッチテストは書いてないといっておるのです。ですから、先ほどの答弁で、専門家の話を聞いて、あなたは認められているというけれども、その点については間違っているでしょう。あなたの先ほどの答弁、いま言ったように、薬品についてはパッチテストは認められているというふうに聞いていると言うけれども、PCPについては違うでしょう。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 特化則にはパッチテストの規定はPCPについては特にございませんけれども、PCPについてもパッチテストが行なわれておる薬品であるというふうに専門家には聞いております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 間違っていたら間違っていた、知らなかったら知らなかったでいいんだ。いまうしろを向いてわかったんだからね。非常に不愉快なんだな。何もその点は、お互いに間違いがあるのだから、それで正しい方向に認識を改めたらそれでいいのです。  またもう一つ、熊本大学の医学部の野村茂教授の名前が出ましたけれども、いまのあなたのお話ですと、この大学教授がやったんだから、こういうふうに言っていますけれども、これはあなたも御承知のように、有機塩素系の薬品公害では有名な方です。この人たちが、教授が言っているように、何でいまさらそんな毒性を調べるんだ、こんなことをしなくてもPCPや二・四・五TCPの毒性はわかっていますよ、こういうことを言っているのです。つまり、いまさら何で会社がそういう方法で検査をするのか。特に朝めしを食わせないで検査をしたということが検査項目にあるそうですけれども、こういうことは、教授や教室からいっても、検査目的がよくわからぬと言っているのです。この点についてはあなたは教授にまかせたからいいだろうということを言っておるが、しかしこの検査というものは工場がやったものであり、そしてまた、こういう検査の内容、方法についても工場がきちんと責任を負うべきじゃないかと思うのですけれども、どうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 もちろん、これは工場が教授に依頼して行なったものでございますから、責任は工場のほうにあると存じます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そうしますと、私は、労働省がまず見解として発表した、詳しく調査して云々というふうにこれには書いてありますけれども、いまのあなたの答弁を聞いても、詳しく調査をしたというふうには思えません。そしてしかも、そのパッチテストというものは、どう見ても、ガーゼにしみ込ませて背中の皮膚に張りつけるという方法ですから、そしてその張りつける内容のものがすでに何年も前に製造中止になり、毒性としてわかっておるものです。そしてその被害者が出ておる。その被害の程度を調べるのにまたパッチテストを使う。これは、私は明らかに、労働者の生命、健康というものをきわめて軽んじた工場側の姿勢があらわれておる、こういうふうに思いますけれども、この点については労働大臣、あくびをなさっておられますけれども、労働大臣に聞きましょう。いまあなた聞いていて、工場がこういう毒性のようなものを、パッチテストが許されるとか許されないとかいうものはあるけれども、こういう背中に張って、そして皮膚のかぶれを来たす、そうやって労働者に実験をするというととは、私は明らかに労働者の人権、生命、健康というものを非常に軽んじたやり方だ、こういうふうに思いますけれども、あなたはどう思いますか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 私、この点では化学的な頭が十分ないので、どの程度の毒性があるかということについてはちょっとわかりませんが、いまの話では……

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 さっき聞いたでしょう、「枯れ葉作戦」に使っているんだということを。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 まあ話を聞いてください。枯れ葉作戦に使ったとかいうようなことから、相当な危険な薬品であることには間違いはないと思うが、健康管理の見地からこれを試用した行為ではあったけれども、どうも危険性がある。こういうようなことに対しまして、今後そのようなことがないように、健康管理の面からといったって、やはり、危険性のあることに対しては十分留意をするように通達を発したいと思います。     〔発言する者あり〕

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 いまうしろのほうで、枯れ葉にはあるかもしらぬけれども、人体にはあまり毒はないのではないのではないかという言う方がいますので、もう一ぺん申しますが、二・四・五TCPの中毒患者が三十五人すでに被患しておる、そしてそのうちの八人が熊大の付属病院に治療中である。PCPについては三十二人が被患して、二十四人が治療中である。こういう薬品でこうした問題が起きておるから、今度の実験という問題が出ておるわけです。そういうことについて労働省はもちろん知っておると思いますけれども、どうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 二・四・五TCP及びPCPにつきまして、御指摘のような障害が発生いたしておることは承知しております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 こういう非常に重大な問題なんです。御承知のように、大牟田というのは、行ってみればわかりますけれども、公害の町なんです。これは、公害の発生する中で最も大きなものは、三井東圧化学といわれておるのです。あの大牟田川がああいう「七色の川」といわれて、日本でも最大の汚染の川となっている一つは、この三井東圧化学の廃液を流し込んだからです。そうして、この会社が爆発事故や有毒ガスの漏れなどで何回も事故を起こし、さらにこのように、製品を生産している中で、PCPやあるいは二・四・五TCP、ベンジン、そうしたもののために多数の職業病が出ており、労働者に被害を与えておる工場なんです。こういう公害大企業がまたしてもこういう問題を起こしたことに対して、労働省が、いま政府の全体の方向からいっても、この公害大企業に徹底的にメスを加えていかなくちゃならぬ。こういう問題が起きたときにこそ、厳重にやっていかなければならぬ。  ところが、いま話を聞いてみると、厳重に注意したと言うけれども、具体的には何にもないでしょう。そうして、むしろ、労働省の見解というものは私には弁護しているとしか思えない。この実態をほんとうにつかんでこれを追及していく方向でなくて、何かパッチテストは許されているのだ、だから医療上は問題ない、そういうような煙幕を張る方向に行っている。こういう大企業に対しては私は徹底的に追及して——このような労働者の生命、健康、それから公害を軽んずるようなそういう大企業に対しては、徹底的な追及をしていかなくちゃならぬ。そういう点では、この新聞に発表された、先ほど皆さんが発表されている労働省の見解、政府の見解というものは私はきわめて不十分である、こういう点をぜひともいま言ったような方向で直していただきたい、ぜひ労働大臣の答弁を求めたいと思います。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 これは、私、はなはだ申しわけないのでありますが、十分お話を聞いたのでございますが、福岡の労働基準局長もこれにタッチいたしておりますが、いま話を聞きますと、これはもうお説のとおりでありますので、私も御趣旨にほんとうに同感であります。本省のほうから、専門家と、そして政治的な考え方を持てる方と、お二人現地に派遣いたしまして調査をいたします。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 質問を終わります。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 小宮武喜君。

小宮武喜民社党

○小宮委員 最近週休二日制について、政府もそれから労働団体も非常に精力的に取り組んでおられることについては喜ばしいことでありますが、昨日労働省が取りまとめた四十七年の労働時間制度調査によりますと、昨年九月末現在で、週休二日制を採用している企業は、前年の六・五%から一三・二%に倍増し、適用されている労働者も、前年より五割増の三六%となっております。しかしその実態を見ますと、企業規模や業種によってかなりのアンバランスが生じておりまして、従業員千人以上の大企業では過半数が週休二日制に踏み切っているのに対して、中企業では二割ちょっと、小企業では九%足らずとなっています。また、週休二日制の内容にしましても、企業によって、月一回採用しているとか二回あるいは隔週とかがほとんどで、完全週休二日制を実施している企業は全体の一%、労働者数で五・八%となっております。したがいまして、政府は大体昭和何年ごろまでにこの完全週休二日制を実施しようとして考えておられるのか。公務員については昭和五十年までには週休二日制を採用したいということを言われておりますけれども、ただ公務員だけ実施をしたり、あるいは大手企業の労働者だけが週休二日制を実施してみても、これは意味はないのです。もっともっと、やはり中小企業の方々、こういった人たちがほんとうに完全週休制に踏み切ったときに、私はこの週休二日制の意義があるんだというふうに考えておりますけれども、ひとつ労働大臣は大体昭和何年ごろまでに全企業の労働者が完全週休制に踏み切るように行政指導するつもりなのか、まずその点からお伺いいたします。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 経済社会基本計画にも、その期間中に大体完全週休制に持っていこう、当面、大企業の問題は五年ぐらいのうちにひとつ完全週休制を実施したいという行政指導——五年以内に持っていく所存であります。中小企業の問題これが、企業の関係、いろいろなお得意先の関係、これがなかなか困難でありますが、しかし、だいぶんこれが趣旨が徹底いたしまして、これはもう自慢ではありませんが、やはり労働省、政府は週休二日制をやるんだ、こういう一つのにしきの御旗を掲げておりますので、それを背景といたしまして、労使において相当な話し合いが進んでおります。しかし、実際の完全週休二日制ということには、中小企業、零細企業については、さっそく五年間にこれが完全実施が可能であるかということについては、多少労働省も疑問視いたしておりますが、やはり隔週とか、地方においては時季的だとか、いろいろなケース・バイ・ケースで実情に即した週休二日制に持っていく、こういうふうな指導方針であります。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それでは、いま五年ぐらいという表現を使われましたが、昭和四十八年から計算して昭和五十二年ぐらいまでには、中小企業も含めて完全週休制を実施したい、それは先ほど言われたように、完全ではないかもしれませんが、一応目安としては、昭和五十二年ごろを目途に週休二日制の完全実施に対して強力な行政指導をやっていくということで理解していいですか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 大企業は大体もうお説のとおりで、労働省もその方針で強力に進めていきます。しかし、中小企業の場合には、これはまあいろいろな地方的な関係とか、いろいろ、ほんとうにやられたら困るとか、完全というところまではいきませんが、これははなはだ失礼な言いようでありますが、土曜日の車のこみ方から見て、最近労働省が統計を出しましたが、もうそれ以上のパーセンテージが相当毎月毎月進行いたしております。そういう意味で、大企業のほうは大体見込みが立っておるのでありますが、ただ、中小企業が必ずしもその五年間に完全とかいう点については、これは自信を持ってお答えすることはできません。しかし、月に一回とか二回とか、または時季においては、商売柄においては、これをかためて休むとか、いろいろな準じた方法でやはり五年間ぐらいの程度には相当進行させたい。五年間に完全実施というと、ちょっと自信がありませんが、やはりその方向で進めていく所存であります。

小宮武喜民社党

○小宮委員 やはりこの問題は、企業と労働組合、または労働組合かないところの企業に、ただあなたまかせにしておいて完全週休二日制を実施しなさいと言ってみたところで、これはなかなか、いま大臣が言われるように、減収になって週休二日制をやるならいとも簡単なんです。しかし、中小企業においては特に日給制なんです。したがって、週休二日制にすると一日分の収入が減る。しかし、週休二日制の本来の考え方というのは、減収にならずに週休二日制を実施しようというところにねらいがあるわけですから、そういった意味では、週休二日制を実施する場合には、それに見合う分の日給なり月給を上げていくというような行政指導も含めてやらぬと、これはただもう、私はいま見ておりますと、政府が言っているのは何とかの一つ覚えのように、週休二日制、週休二日制ということとだけ掲げて叫んでおりますけれども、減収にならぬように週休二日制を実施するためにどう行政指導していくのかというようなことが、一番中小企業で大きな問題なんです。そこの点を含めて行政指導をやってもらいたい。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 やはりこれを推進するために、最初週休二日制のことを労働省が持ち出したときには、時間短縮、賃金を上げるとか下げるというようなことにはさわらなかったのでありますが、最近は、労働省の指導方針も、週休二日制の実施前の賃金は確保する、下げない、上げるという指導方針をこのごろは強力にはっきりと文書にも書いております。半年前には、これはその方針でございますけれども、やはり週休二日制を推進するというたてまえから、多少障害になってもいかぬ。しかし、いまの時期は、その段階を過ぎまして、賃金の問題、時間の問題も、これは相当強力にもう表にあらわしております。今後御趣旨のような線に沿ってこれを推進いたします。

小宮武喜民社党

○小宮委員 大手企業といえども、いまの週休二日制の実態というのは、結局実働時間を延長しておるわけですね。結局労働基準法の三十二条にうたわれておる範囲内まで延ばして、実働七時間を七時間半に延ばして週休二日制に踏み切っているわけです。そのことは時間がありませんから言いませんけれども、そういうふうな実態の中で、それではどうでしょうか、週休二日制になった場合の一日の労働時間は何時間が妥当か、それに、週の労働時間は何時間が妥当か、ひとつお聞きします。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 労働時間を何時間にすべきかということは、これは労働条件の非常に重要な要素でございますので、労使がお話し合いによってこれをおきめになる、きめられるべき筋のものであると考えておるわけでございます。それで、週休二日制を導入いたしました場合、確かに、先生のおっしゃいますように、従来の例でございますと、一日の労働時間は若干延ばしておるという例が多いわけでございます。     〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕 しかし、一週間のトータルで労働時間を見ますると、ほとんどの場合、トータルとしては時間短縮に相なっておる。私どもも、そういう意味におきまして、トータルの週労働時間につきましては、時間短縮になるような方向で週休二日制が進められるべきものだということで指導いたしておるところでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 労働基準法の三十二条は、一人一日八時間をこえてはいかぬ、週四十八時間をこえてはならないと書いてありますね。かりに一日八時間として、いままでは週休二日制でないわけですから、結局六倍の四十八時間ときめてあるわけですね。それでは今度週休二日制になった場合に、一日八時間とした場合に五日では四十時間ですよ。まだいまの場合はこの基準法でいいわけですけれども、完全週休二日制になった場合に三十二条は矛盾してきます。そうでしょう。週を押えた場合に一日の労働時間は九時間幾らになりますよ。八時間で押えたら、週休二日制で四十時間です。だから将来この完全週休二日制が実現された場合は、この労働基準法は改正すべきだと思う。矛盾してくるわけです。その意味では、むしろ私は労働基準法というのが、大手企業あたりでは労働基準法のこの範囲内でやはり労使の交渉でどんどん縮められておりますけれども、中小企業においては労働基準法、最低の基準を示した労働基準法というのを唯一のよりどころにしていろいろ経営者はきめておるわけです。そういった意味では、こういうような労働基準法というものを基準にして労使のいろいろな話し合いがされておるというのが現実ですから、そういうような労働基準法は先導的な役割りを果たしておるという立場から見れば、週休二日制を大臣は五年間と言われたけれども、早くやろうと思えば、週休二日制は当然八時間と四十八時間の関係は矛盾を生じてくるわけです。したがって、私はむしろ先導的な役割りを果たして、週休二日制を五年を三年にとか縮めようとするならば、労働基準法三十二条を改正するのが一番手っとり早くていいのじゃないか、こういうように言いたいのですが、どうですか。改正する意思はないですか、大臣。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 いろいろ基準法は改正に改正を重ねたのでありますが、最近のいろいろ各方面のいまの御意見なり、またその他の方面からいろいろ改正について御意見があります。基準の審議会にもはかっておりますが、いまさっそくこれが改正をされるような見地から断行する、ここまではいっておりませんが、多少いろいろの点を研究しなければならぬという段階に来ておることは、もう大体想像ができると思います。いろいろ関係方面とも連絡をとり、審議会の答申も待って対処いたしたいと思います。

小宮武喜民社党

○小宮委員 基準法の改正はずっと重ねられてきておりますけれども、やはり現在の社会になってくると、基準法自身はもう再検討する時期に来ておるのです。その意味ではいろいろな、たとえば審議会を設けて検討しても、大臣どうでしょうか、とにかく二年や三年かかるわけでしょう。長いのは五年も六年もかかるわけでしょう。どうですか。もうそろそろ基準法をもう一度見直しすべきだ。そのためには早急にそういうような審議会をつくるか検討委員会でもつくって検討すべきだというように考えます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 いま審議会と言いましたが、現在その研究会があります。研究会でその問題にも、いろいろな問題に入って研究いたしております。     〔山下(徳)委員長代理退席、委員長着席〕 これはまあいつだというと、小宮さん二年先だとおっしゃいましたが、期限のことは何だか切りようでありますけれども、大体その方向がだいぶん機運が強くなってきておることはもう間違いありません。ただ、大臣がここで言うことは相当な影響力がありますので、御趣旨の線に沿って進行しておる、こういうことは言えると思います。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それから週休二日制を実施していく中で、週休二日制というものが普及されてきますと、やはりどうしても使用者側は、今度は所定内労働時間が制約を受けると、時間外労働のほうに、必ずそちらのほうで穴埋めをし、そちらのほうに逃げようとする傾向が出てくるのは、これはもう当然なんです。  そこで時間外労働については、大体何時間ぐらいが適当と思っておられますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 時間外労働について、これが何時間が適当だということは一がいに申せませんので、先生も御承知のように、基準法でも労使が協定を結んで時間外労働をやることになっておるわけでございます。ただ週休二日制を導入いたしました場合に、せっかく週休二日制を導入したけれども時間外労働がふえるということでは、その意味がございません。  私どもも週休二日制を指導いたすにつきましては、事前に、先生御指摘の賃金の保障とか、時間外労働がふえないようにするとか、そういう問題を十分労使で話し合って、そういうマイナスの面、デメリットの面が出ないようなことを十分話し合った上で進めるように労使に指導いたしておるところでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それではそういうような中企業、小企業で大体時間外労働を幾らやっていますか。傾向としては、何時間が妥当かということはなかなかむずかしいにしても、傾向としては大体時間外労働時間が短縮されつつあることは事実なんです。普通の大手の労働者では大体六十時間もやっておる、五十時間もやっておる、五十時間で協定を結んだところもある、そういうようなことを見た場合に、大体やはり一応の考え方というのはできるはずなんです。だから、たとえば中企業、小企業で時間外労働時間はいま幾らありますか、調査したことはありますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 ちょっと規模別のはいま直ちに、調べないとわかりませんが、全体といたしましては大体数年前までは月二十時間くらいでございましたが、だんだん減ってまいりまして、近ごろでは月十五時間くらいに、平均いたしますと、なってまいっておるわけでございます。  ただ、先生も御承知のように、これは規模だけのほかに、業種等によりましても非常に違いますし、あるいは業務の繁閑、たとえばニッパチのような非常にひまなとき、あるいは年末のような非常に繁忙期、これによっても違いますので、なかなか一律には言えないわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 やはり時間外労働についても、その意味では私は、いまの基準法では現に時間外はうたわれておりません。しかし少なくとも上限くらいは基準法で、大臣もいま言われておったように、現在研究機関もあるし、研究もやっておるということであれば、どうしてもやっぱり基準法というのは、中小企業においては労働基準法というものがもうこれは後生大事にこれを金科玉条のようにしていろいろ労働条件をきめていくわけです。その意味では上限くらいきめていいのじゃないか。たとえば一日の労働時間八時間、最低基準をきめておるわけですね。週四十八時間。時間外労働について、特殊作業についてはこれは弾力性を持たせてもいいのですけれども、一応上限くらい労働基準法の中でうたってもおかしくないのじゃないか。そうして全体の中で日本人は働き過ぎといわれているので、働き過ぎないように、働き過ぎさせないように、やはり上限くらいきめてもいいのじゃないかという考え方を持っておるのですが、所見はどうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 私どもも時間外労働があまりに長いことは決して好ましいことだとは考えておらないわけでございまして、行政指導におきましては、基準法三十六条の時間外協定を結ぶときには限度を協定するように指導もいたしておるところでございまするが、なお、先生御指摘の、法律で、基準法の中に時間外労働の限度を設けていいのではないかという点につきましては、そういった御意見も私どもたくさん聞いておりまして、検討すべき問題であると考えておるわけでございますが、先ほど大臣からも申し上げました基準法研究会等で基準法全般の検討をする中で、そういう問題も御検討をいただいておるところでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それから、時間外労働についての考え方がいろいろあるわけですね。だから、その意味では、現行の労働基準法でいう時間外割り増し賃金は二割五分になっていますね、これもやはり時代の趨勢とともに、現行の二割五分というのはほとんどの企業においてば、やはり労働基準法で二割五分最低限度ときめておりますから、それにみな押えられておるわけですね。それで現在では三割とか三割五分の要求を出してやっておりますけれども、そういった意味では、労働者は企業のサイドに立つのか、労働者の立場に立つのかという、そういう発想の転換をやることによって、労働者が健康な、そして文化的な生活をするためにはどうあるべきかという、労働省自身が労働者サイドに立って、いまの時間外の割り増し賃金についても、特に週休二日制に移行した場合に、使用者が労働者を時間外労働で穴埋めをしようということを防止するために、また時間外労働に対しての考え方として、一つは罰則の意味もあるわけですから、そういった意味では公休出勤だとか——時間外の割り増し賃金は現行は二割五分ですね。これだけは基準法ではっきり二割五分と最低をきめておるわけですから、こういったものは、少なくとも三割五分ぐらいに割り増し賃金を上げるべきだ。これは基準法にうたえということを言わぬでも、基準法にうたわれてあるわけだから、これくらい三割五分に引き上げるべきだというふうに考えますが、その点についての考え方はどうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 現行労働基準法は、先生御指摘のように、時間外労働、休日労働は二割五分増しの割り増し賃金ということを規定いたしております。しかし企業におきましては、労働協約等でそれを上回る、たとえば三割とかいうような割り増し賃金率をきめておるところもございますし、諸外国には二割五分よりも高いものを法律できめている国もあるわけでございます。現在の基準法で二割五分をもっと上げるべきではないかという点につきましても、そういう御意見も私ども各方面から聞いておりますし、基準法全般の中では、将来にわたる問題点の一つであると考えております。そこで、基準法全体の検討につきまして、先ほど申し上げました基準法研究会などにおきましても、これらの点も御検討の項目になっておるわけでございますので、それらの結果を見ました上で、十分、今後私ども考えてまいりたいと存じておるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それから、週休二日制と余暇の利用が非常に論議を呼んでおるわけでございます。  これは、私がある奥さんから聞いた話では、自分が一人のときは、昼めしでもあり合わせで何か食っておったけれども、どうもおやじが二日間も休むと、なかなかそうもいかぬし、金が要る。しかも、二日間もおやじがごろごろうちの中におられたのでは、掃除するじゃまになるし、いろいろ小言を言うし、出ていけというとパチンコ屋かどこかで金を使う、困ったものだということで、奥さん方には、この週休二日制というものはあまり歓迎されていない。それじゃ困るのですが、しかし、それは教育の問題もありましょうけれども、とにかくこの余暇利用について何か名案は——大臣はすぐいこいの村を言うでしょうけれども、ひとつ余暇利用について何か名案があったら教えてください。

渡邊健二労働省労働基準局長

○渡邊(健)政府委員 確かに、時間短縮、週休二日制が進みますと、その余暇をいかに有効に利用するかということが非常に重要な問題でございます。大企業におきましては、企業内福利施設を設けましたり、あるいはそういう余暇利用につきまして相談員を置いたり、あるいは研修機関を設けたりいたしまして、そういう対策を講じておるわけでございます。問題は中小企業であると存ずるわけでございまして、中小企業は企業内施設も恵まれておりません。なかなかそういう機会に恵まれませんので、私ども、週休二日制を進めるについては、中小企業についてそういう対策を講じなければならないと考えております。  そこで、いま先生もおっしゃいました、そういう中小企業のための適正な料金による健康な余暇利用施設ということで、いこいの村といったような構想を立てまして、四十八年度に初めて予算がついたわけでございますが、今後もこういうものをふやしまして、将来全国的なネットワークをつくりまして、中小企業の方々が適正な料金で有効に余暇を利用されるようにいたしたいと考えておりますし、また、ことしは実現するに至りませんでしたけれども、そういう中小企業の方の余暇利用の相談に応ずるような何らかの機関というものも、将来にわたってはつくってまいりまして、そういう方々の余暇の有効活用に協力していくような方向に持っていきたいと考えておるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 いま局長が言われたように、大手企業はいろいろな企業内の施設があるから案外できるのです。しかし中小企業が週休二日制に移行した場合には、そういった施設がないのです。だから、いこいの村にしたって、これは全国で三カ所ですか十カ所ですか……(加藤国務大臣「いや、十六カ所です」と呼ぶ)そういうようなことで、これは長崎にぜひつくってもらわなければ困りますが、中小企業の福祉施設をどんどんつくってもらわなければいかぬ。いま局長があれだけ言われたんだから、来年度の予算あたりで楽しみにしておりますが、ぜひひとつ進めていただきたい。  それと、定年延長の問題ですね。これも労働省は、政府としても大体六十歳ぐらいまでと言っておりますけれども、現実に六十歳まで完全定年延長というのはほとんどないのです。普通は変質した雇用延長という形で、いろいろな問題が出ておりますが、そういうような問題についても、今度の予算で雇用延長促進のための、一人一年二万五千円だったですか、ああいうような助成費で、大体二万五千円もらうからといって、ほんとうに定年延長が実現するか、また実効をあげるかどうかということは疑問なんですが、政府もこの定年延長についてはもっと本腰を入れてもらいたいと思いますが、いまのようななまぬるいようなことでは、また、企業にまかせて、ひとつやってくださいというようなことでは、定年延長というのは百年河清を待つにひとしいようなことじゃないですか。そういうような意味で、労働大臣の決意のほどを具体的に聞きます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○加藤国務大臣 お説のとおり、私担当いたしましてから、定年延長は掲げておりますが、実効がそう急速に進まない、多少遅々の感があります。これに対しまして、やはり人間の寿命も延びたのでありますから、従来の、五十五歳でまだ働き盛りのときにこれで首ちょん、こういうのはちょっと日本の現状に比べて不適当だと私は思います。そういう意味で本腰を入れます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 私は、協力しまして時間どおりもうやめますけれども、しかし皆さん方、最後になる人はつらいのです。理事会できめられた時間は各質問者とも守っていただくように、委員長からも十分注意してもらわないと、最後になるわれわれはいつも困る。その点を特に委員長に要望して、私の質問を終わります。

田川誠一自由民主党

○田川委員長 次回は明後五日木曜日、午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後七時九分散会

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