公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/05/11
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の補欠選任に関する件についておはかりいたします。 去る一月二十六日、理事島村一郎君の委員辞任に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、この補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により、委員長において指名をするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は理事に小沢辰男君を指名いたします。 ————◇—————
○田中委員長 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。江崎自治大臣。
○江崎国務大臣 自治大臣の江崎でございます。 選挙の関係につきまして、当委員会の皆さま方にかねてから格別の御高配にあずかっておることに対し、この機会に厚くお礼を申し上げます。 申すまでもなく、選挙は民主政治の基盤をなすものであります。民主政治の健全な発展を期するためには、広く国民の参加のもとに公正な選挙の執行を確保するとともに、常に国民の政治意識の高揚につとめるなど、不断の努力を続けることが必要と考える次第であります。私といたしましては責任の重大さを痛感いたしまするとともに、また、このために最大の努力を傾けてまいる所存であります。何とぞ格別の御指導と御協力を賜わりまするようお願いを申し上げます。 この機会に、昨年十二月十日に執行されました、第三十三回衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査の結果の概要並びに第七次選挙制度審議会の審議結果について御報告を申し上げます。 御承知のとおり、過般の総選挙は、昨年十一月十三日衆議院が解散をされたことに伴い、同月二十日に公示され、十二月十日に執行されたのであります。 まず、投票の状況について申し上げますると、選挙当日の有権者総数七千三百七十七万人のうち五千二百九十四万人が投票をし、投票率は七一・七六%でありまして、前回の投票率六八・五一%を三・二五%上回ったわけであります。これは、今回の総選挙に対する有権者の関心が高かったこと、一部の地方を除き比較的天候に恵まれたこと等によるものと思われます。 立候補の状況について申し上げますると、今回の候補者数は八百九十五人で、前回の候補者数九百四十五人を大幅に下回っております。 これを党派別に見ますると、自由民主党三百三十九人、日本社会党百六十一人、日本共産党百二十二人、公明党五十九人、民社党六十五人、諸派及び無所属百四十九人であります。 当選人の状況は、議員定数四百九十一人のうち、自由民主党二百七十一人、日本社会党百十八人、日本共産党三十八人、公明党二十九人、民社党十九人、諸派及び無所属十六人であります。 なお、自由民主党から無所属十一人について追加公認した旨の届け出がありましたので、これによりますると、自由民主党二百八十二人、諸派及び無所属五人となります。 同様に党派別得票数を見ますると、自由民主党は二千四百五十六万票で、有効投票の四六 八五%、日本社会党は千百四十八万票で二一・九%、日本共産党は五百五十万票で一〇・四九%、公明党は四百四十四万票で八 ・四六%、民社党は三百六十六万票で六・九八%、諸派及び無所属は二百七十九万票で五・三二%となっております。 なお、自由民主党の追加公認の届け出後のものでは、自由民主党が二千五百十七万票で四八 〇二%、諸派及び無所属が二百十八万票で四 一五%となります。 次に選挙違反の状況について申し上げますると、一月九日現在におきまして、検挙件数八千百五件、検挙人数一万四千八百二人となっております。 次に、最高裁判所裁判官国民審査の状況について申し上げます。 今回の国民審査は七人の裁判官について行なわれたのでありまするが、その結果、罷免を可とする投票は、いずれも有効投票の一一%ないし一五%程度でありまして、審査に付されました全裁判官が罷免されないこととなりました。 最後に、第七次選挙制度審議会の審議の結果とその後の状況につきまして、一言申し上げます。 御承知のとおり、第七次選挙制度審議会は、その任期の最終段階で衆議院の解散がありましたため、答申を取りまとめるまでに至らなかったのでありまするが、昨年十二月二十日に二年間の長きにわたる慎重な審議の状況について御報告いただいたところであります。 その報告には、選挙制度の仕組みや選挙運動のあり方等について、審議の過程において示された数々の貴重な御意見や具体的改善策が盛り込まれているのでありまして、政府といたしましては、この報告を受けて以来、引き続き慎重に検討を加えておるところであります。政党本位の選挙制度について、最終的な成案を得たいと考えている次第であります。 以上、第三十三回衆議院議員総選挙の結果の概要と、第七次選挙制度審議会の審議結果について御説明を申し上げました。何とぞ今後ともよろしくお願いを申し上げます。 —————————————
○田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 ただいま江崎自治大臣の所信を伺っておりますと、選挙制度は民主政治の基盤である、広く国民の参加によって行なわれなければならない、こういうふうにお話がございました。現在私ども一が新聞、テレビ等で承知をいたしておるところによりますと、田中総理は、この国会の後半、先月になって、四月になって、突然として小選挙区を中心とするところの衆議院の区制、参議院の区制あるいは選挙運動と政治資金規制をワンセットにしてこの国会に提出をするというふうに伝えられておるのであります。その後、私どもは、この前の総選挙にあたって、自由民主党はこの選挙法の改正を公約に何ら盛り込むことなく、さらにこの特別国会の冒頭にあたり、総理の所信表明においてもこの選挙法の問題には一言すらも触れないでおいて、会期も終わりに近づく段階で、突然このような考え方を発表して推進をしてきておるというのは一体どういうことなのか、まず最初にわれわれはこのような、あなたの言った民主政治の基盤であり、広く国民が参加をしてきめなければならないものを、このように唐突に党利党略で出しておることを断じて許すことはできないと思うのでありますが、現在における自治省として、政府案で提出すると伝えられておることでありますから、経過についての御報告をいただきたいと思います。
○江崎国務大臣 御承知のとおり、この選挙法の問題につきましては、ただいまも御報告に述べましたように、昨年の暮れ、ちょうど選挙が終わりましたあとになりまして、選挙制度調査会から御承知のとおりの報告書、これはいわば答申と申しても差しつかえない程度に相当内容のあるものであります。これが答申という正式の名称になりませんでした理由は、これも先ほどちょっと触れましたように、たまたま最終段階においてにわかに衆議院の解散があった、そのために、衆議院の議席を持って各党派から参加をしておられました選挙制度審議会の委員のメンバーがその資格を失うことになったというようなために、最終的な取りまとめに、従来の構成メンバーあるいは手続その他においても多少不備があったというようなことから、報告という名称になったもののようでありますが、これは相当−私ども政府といたしましては正規の法的機関による研究の成果、いわゆる学識経験者による、しかも与党ばかりではなくて、審議の経過においては、社会党、公明党、民社党のそれぞれ議席を持たれる委員の方もこれには参加をされておったわけでございます。この成果が報告をされました以上は、内閣といたしましては極力その答申を参考にいたしまして、先ほども申し上げました、民主政治の基盤である選挙制度、その他これに関連する諸制度を整備していくことが、政府としての責任であるというふうに考えるものでございます。 田中首相が施政方針演説において述べなかったのはいかがなものであろうか、こういうお尋ねでありますが、田中首相のことばをかりますと、民主政治というものは一日もなおざりにできるものではないので、できるだけこの選挙制度調査会等権威のある機関からの答申があればそれを常時検討して、民主政治をよりよく育てていくためには常に努力をするというのが内閣及び政治家の心がまえである、したがって、この答申があったことを受けて、この答申の前にもそうでありますが、答申を受けましてからは、本会議あるいは予算委員会等において、各党の代表者から選挙制度の改正の意思がありやなしやという点について御質問をいただいておるわけであります。それについては常に答申の線を十分参考にして、民主政治が健全に伸びていくような理想的な選挙法をつくり上げたいということをしばしば答弁申し上げておるつもりだ、このように総理は申しておるわけでございます。 したがいまして、今国会におきましても、衆参両院を通じましてしばしばこの議論が展開され、総理としては、選挙法改正の意思を率直にお訴え申し上げてきたつもりだというふうに申しておる次第でございます。 私ども自治省におきましては、この答申がございまして以来、たまたま政府与党であります自民党内にも、選挙制度をいかに位置づけるかということについての委員会が発足をいたしました。そういう意見ももとより参考にいたしておりますが、答申の線を十分に参酌しながら、また各党のこれに対する反応、世論の動向、そういったものも見届けながら、実は目下鋭意成案を得るべく努力中というのが今日の状況でございます。
○堀委員 いま自治大臣は、盛んに答申答申ということばを言われておりますが、事実が相違しておりますから、以後当委員会で、第七次審は答申をしておりませんから、中間報告でありますから、誤りなきように答弁をひとつお願いいたします。 それから、いま中間報告は十二月に出されておると思うのですが、十二月何日に出されたのですか。
○山本(悟)政府委員 十二月二十日でございます。
○堀委員 施政方針演説は一体いつ行なわれたのですか。
○江崎国務大臣 一月二十七日の本会議でございます。
○堀委員 中間報告がなされて、一カ月たって総理が施政方針演説をして、選挙後における特別国会でありますから、もし総理がいま言ったように常時検討し、常に努力するというのであるならば、報告をそういうふうな形であなた方が尊重しようというのであるならば、当然施政方針演説に盛り込むだけの時間も余裕もあったはずであります。この国会で何をするかということで所信を明らかにされるのが施政方針演説というものではないのですか、自治大臣、いかがですか。
○江崎国務大臣 おっしゃる意味は、私確かにそうだと思います。ただ、先ほど私ちょっと総理のことばを引用いたしたわけでございますが、選挙制度の問題については、常時民主政治をよくするために考えていかなければならないというわけで、自分としては特段にこれをどうするということは言わなかったかもしれないが、常にこのことについては審議を通じて触れておる。総理の施政方針が終わりましたあとも、一月二十九日の衆議院本会議で石橋政嗣君の質問に触れて、選挙法問題を取り上げております。また、続いて共産党の村上弘君の質問に答えて、一月三十日、同様にこのことに触れております。また一月三十日、参議院の本会議では、同様に占部秀男君の質問にお答えをする、あるいは翌三十一日、参議院の本会議で向井長年君の質問に答えて、また同様のやりとりをするというわけで、常にこのことには触れておったつもりだ、このように申しておるわけでございます。
○堀委員 その答弁は私も聞いておりましたけれども、わが党の石橋書記長が尋ねたのは、いま国民の声というのは、定数是正を行なえ、政治資金規制を行なえということだ、それについて総理はどう考えるか、こうお尋ねしておるわけです。総理はそのときに、いま伝えられておるような形で処理いたしますなどという答弁は一言もやっておらないじゃないですか、やっているならお答えください。
○江崎国務大臣 答弁でありますから、答弁といたしましては、世論の動向、各政党の御意見等も十分に聞きながら、慎重に検討をしてまいりますということで、その意思表示を行なっておるわけでございまするが、いつどの時点でやろうということは、お答えの中で一々私調べたわけではありませんが、どういう表現をしておりまするか、石橋さんの場合は、いま申し上げたようなお答えをしておったというふうに記憶いたしております。 それから、総理が選挙法の改正ということを考えておるなということは、ちょうど私もたまたま第二次田中内閣の発足にあたりまして自治大臣に任ぜられたわけでありまするが、その任命のとき、私は辞令交付の場合に、自治大臣と国家公安委員長と北海道開発庁長官、この三つの辞令交付を受けたわけでありまするが、そのときに、もう一つ実は選挙制度の改正という大問題がある、自治大臣の範疇にこれは含まれるわけだが、本来いうと辞令は四枚くらいだねと言って、まあ私語でありまするが、私にささやいておりました。 かれこれそういうことを考えますると、田中首相としては、第二次田中内閣の発足当初から選挙制度を、報告書の線を十分参考にしながら改正していこう、こういう意思を持っておったものというふうに考えられます。
○堀委員 自治大臣が盛んに、総理がこう思っておったように思うと言っても、これは、総理にここへ来て、ほんとうにどう思っておったのか聞かないことにはわからぬですよ。あなたは間接的に聞いて、どうもこう思っておったようだ、こう言っておるわけですね。いま、私どもの書記長に答えた答弁で、世論の動向に十分気をつけ、各政党ともよく話し合って、慎重にやりたい、こう言われましたけれども、いまのやり方はそうなっておりますかね、江崎さん、どうですか。
○江崎国務大臣 その点はなかなか微妙な点だと思います。 実は、選挙法の改正等を含んで党でございましたか、政府としてでしたか、党首会談というのですから、党の立場で、自民党総裁という立場であったと思いまするが、党首会談を考えた場面が、的確ではありませんがちょうどいまから一カ月半ほど前にあったわけでございます。ところが、どうもそれがうまくいきそうにないということで、このことを途中において断念しなければならなかったというような場面があったことは、御承知のとおりだと思います。やはり自民党総裁として、願わくは各党の党首に会っていただいて、そしていろいろ選挙制度の問題等々について御意見を承りたい、こういう気持ちであったことは事実でございます。
○堀委員 いまお話しになっているあなたの立場もありましょうから、そう言わざるを得ないでしょうけれども、事実と違うことが多過ぎるですね。いまのあなたの御答弁を聞いておりましても、選挙制度のような問題はこんな短時間一気かせいに、言うなれば自由民主党の内部すらも、私どもが新聞等で承知しておる範囲では、はっきり確定した案を持たないで問題を進めておられる情勢でありますから、私どもは、まず与党内においても完全に一致しておるとは理解をしておりません。それほど問題は複雑であり、重要な問題であります。私どもは、大体選挙法などというものは政党のためにあると考えていないのです。あなたが前段で言われたように、民主主義の基盤に関する問題である。国民がいかにして自分たちの意思を正しく国政に反映するかというためにあるのであって、政党が先行して、そうして政党の利害によって問題をごく短時間に一挙にきめようなどという考え方は、現在の憲法の精神に反しておるのですよ。選挙の基本的な考え方に反しておるわけですよ。要するに、もし選挙法を改正するというのであるならば、ここに書いてあるように、まず与党である皆さん方がある一つの案をきちんときめて、そしてその案について、こういう案でわれわれは国民に信を問いたいということで、それを一つ選挙の課題として総選挙をやってくるというのならば、ひとつ国民の世論に聞くということになりましょう。さらに、政党の意見を聞くというのは、党首会談で話をすれば政党の意見が聞けるというものではありません。そのために、ここには公職選挙法の委員会というものがあるのじゃありませんか。ここにおのおのの専門家の委員がおるのでありますから、まずここの問題として、こういう考え方であるけれども、野党の意見はどうかという問題が提起をされて、そこで各党の意見を聞いて、それを十分取り入れた上で考えるというのならば、施政方針演説におけるわが石橋書記長に対する答弁のとおりになるのでありますけれども、何らそれらの手続も取り扱いもやらないでおいて、一気かせいに処理をしようということは、きわめて非民主的なやり方です。国民の多くの批判が、いま新聞やあるいはテレビその他の社説や論説、解説を通じて流れておることは、自治大臣といえども御承知のことであろうと思うのですが、いかがですか。
○江崎国務大臣 御指摘のように、選挙法は全く民主政治の発展をどう意図するか、それに最も合致したものが望ましい。これは私も全く同感に思っております。政党のためにあるなどとは、ゆめゆめ思っておりません。 また現在、自治省において検討をいたしておりまするものも、やはり選挙制度調査会の報告書に基づいて、それを十分参考にしながら作業をいたしておるわけでございます。まさに選挙の問題については、ここにそれぞれ専門の皆さま方大ぜいいらっしゃるわけです。わが政府与党におきましても、同様に関心の深い、また専門的な知識を持っておる諸君が鋭意検討いたしておるわけでございまして、その間、公式、非公式いろいろな形はあったかと思いまするが、野党といわれるそれぞれの各政党の皆さまにも、いろいろ打診をするというような場面もあったかと思いまするが、(堀委員「ない、全然ない、そんなものは」と呼ぶ)これが十分御了解を得られないままで平行線のような形になって今日おることは、私どもも残念に思っておるような次第でございます。
○堀委員 あなたが残念に思う程度で、ものは片づかぬのですよ。事は非常に重大なんです。 そこでちょっと伺いますが、自治省で検討中の案というのは、じゃどういう案ですか。
○江崎国務大臣 この案につきましては、間もなく成案を得るわけでありまするが、おおむね報告書に基づいた方向、それを極力参照いたしまして、報告書からあまり遠からざる方向で検討しておるというのが現況でございます。
○堀委員 たいへん抽象的に、間もなく成案ができる、極力参照して遠からざるものにしたい、こういうことでありますが、衆議院の選挙区制については、そのいまのあなた方の検討しておるのはどういう案ですか、ちょっと言ってください。
○江崎国務大臣 衆議院につきましては、報告書を参考にいたしておりまするから、選挙区としては小選挙区を考えております。それから、これについて比例代表制を取り入れようという方向も考えております。この比率等につきましてどうするかというのですが、大体報告書にありまする、小選挙区で六〇%、四〇%が比例代表に基づくものがよかろうかという方向をいま検討しておるというわけでございまして、まだ決定には至っておりませんが、おおむね報告書にあらわれておるような点をしさいに検討をしておるというわけでございます。
○堀委員 小選挙区というのは、一名の選挙区をもって小選挙区といっておるのです。二名、三名というのは中選挙区なんですね。そうすると、あなたはいま小選挙区を中心とする、こう言っていますがね、全部一名の選挙区ですか。
○江崎国務大臣 これは御承知のように昨日、区割り、この衆議院の選挙区割りをやはり選挙制度審議会のメンバーの中からしかるべき方にお願いをするということで、七名の人選をして、新聞等にも報道せられておるとおりでございます。したがって、あの方たちは、特に高田元三郎さんは、選挙区割りの小委員長ということを審議会において分担しておられたお方であります。したがって、この区割り等につきましても、他の委員よりは十分詳しく選挙区のあり方等についても通暁いたしておられるというようなことから、まあそういった方たちにお願いをして、今後この区割りを決定するわけでございます。したがいまして、この区割りがどうなるかということは、もとよりいま堀さん言われまするように、小選挙区、一人一区が原則であります。ただ、どうしてもこの行政区域、あるいは市町村の歴史的な流れ、従来の慣習、いろいろこれはございましょう。そういう面から、いかにも分割することがむずかしいような地域等については、これは諸外国の例にもありまするように、最小限例外的なものがあらわれることもまたやむを得ないのではなかろうか、しかし、これは今後の、すべて区割り確定の委員会に委嘱してお願いをすることであるというふうに考えております。原則的にはいま申し上げたように考えておる次第でございます。
○堀委員 大体区割りの委員会というのは、新聞の伝えるところでは総理の私的な委員会だということでありますが、これはどういう委員会ですか。
○江崎国務大臣 御指摘のように、選挙制度審議会等は、これは法律に基づいた公的な委員会でございます。この区割りの委員会は、たまたま法律に基づいて選ばれた選挙制度審議会の中で、比較的この区割り等々にも関心をお持ちになり、御熱心に旺盛に御協議願えるといったような方を、まあ総理が私どもに協議があり、従来の経緯等を踏まえまして人選したものでありまして、これは法的でないという意味から言いまするならば私的諮問機関、こういうふうに言えると思います。
○堀委員 そういう総理の私的なものをつくって、言うなれば自民党に有利な区割りをやらせようというのがいまの区割り委員会の性格だとわれわれは考えております。それが第一点。 第二点は、高田さんが区割りの小委員長というのは、この第七次選挙制度審議会はまだ審議の経過中であって、少なくとも審議が終わるまでには区割りを含めて答申をするというのが、第七次審議会の方向であったと私は承知をしておりますが、選挙部長どうですか。
○山本(悟)政府委員 いろいろな経過はございますが、第七次選挙制度審議会の最終段階におきましては、区割りをつけるというところまでは各委員ともほとんど考えられていなかったと存じます。これは、時間的その他からかようなことになっていたと思います。
○堀委員 いまお聞きのとおり、時間的な経過でそこまでいかないで終わっておるのであって、この選挙制度審議会は二つの案を出していますよ。比例代表併立制、併用制。しかし、あと小委員会から出たのは、単純小選挙区制とそれから中選挙区比例代表と、四つの案が小委員会から出されて、それを第一委員会は、その二つまでを審議したところで審議が終わっておるというのが審議会の経過でありますから、だから中途はんぱな経過になっておる。その区割りも、そういうことで、将来やりたい、審議会がやりたいといっていたものならば、第八次審議会を開いて、それのあとの継続をしてやって、審議会がすべての審議を尽くしてから、その答申に基づいて政府がものを考えるというのが審議会法の筋ではないですか。あなた方は、その途中の段階で自分たちに都合のいいものだけを取り上げて、そうしてそれを審議会の答申でもあるがごとく置きかえようとしているのは大きな誤りですが、自治大臣、どうですか、それは。
○江崎国務大臣 これは、まあ審議会としましては答申にならなかったわけであります。これはよくわかります。しかし、少なくとも委員長が答申に類するものというような相当な権威ある結論を得たとしてこの報告書にされたわけでありまして、まあこれが第七次の選挙制度審議会は終わったわけでありまするから、やはり相当権威のある、私どもとしては尊重に値するものというふうに考えておる次第でございます。
○堀委員 そこで時間がありませんから先へ進みますが、区割りの委員会で区割りが出されて、あなた方が政府案として区割りを確定できるのは大体いつですか。
○江崎国務大臣 これは明日の十時から首相官邸におきまして、お引き受けをいただきました区割り確定の委員各位にお集まりをいただくわけでございます。それが第一回の会合になるわけでございます。今後お集まりをいただきまして、この委員の方たちの意見を十分取り入れる形で結論を得たい、なるべくすみやかに結論を得たい、かように思っております。
○堀委員 なるべくすみやかにと言いますがね、十二日でしょう。あしたからやるのでしょう。この会期は一体何日ですか、終わりは。
○江崎国務大臣 会期は二十日でございます。
○堀委員 そうすると八日間しかありませんね。実質的に八日間しかない。区割りの委員会がものをきめたら、それでこれはすぐきまるのですか、政府案になるのですか。
○江崎国務大臣 まあこのあたりはたいへん、まあ今後のことに属するわけでございまするが、もし二十日までに区割りの確定が間に合わなかった場合どうするかということであろうかと思います。間に合わない場合も私はあり得ると思うのでございます。もし間に合わなかった場合は、これはおしかりをこうむるかもしれませんが、公職選挙法を改正するという意思を表明したことになるわけですね。それは、まず本法案を提出することと、そして区割り委員会については、選挙制度審議会の中の有力なメンバーにお願いをして、公正妥当な区割りをしていただく。まあこれがちょっと別々になることは異例な形になるかと思います。異例な形になるかと思いまするが、御審議の場に供するまでにすみやかにこれを確定していただいて、そしてあとから国会にお出しするということも現実の問題としては考えておかなければならないと思う次第でございます。
○堀委員 いまの答弁はきわめて重大ですよ。いいですか。憲法四十七条は、選挙に関する事項として選挙区というのを明確にしているわけです。いいですか。その次は投票方法です。選挙区というのは、あなた、区割りのない小選挙区というのがここの憲法のいう選挙区というのに当たりますか。
○江崎国務大臣 ですから、公職選挙法という本体があるわけでございまするから、この一部を改正する法律案が提出をせられ、それに基づいてあとからこの付属の区割り表をつけて出す。当然、憲法に基づきましてこれは国会の御審議をいただく、これはもう当然なことであるというふうに私ども了承しております。
○堀委員 あとから出すと言いますがね、国会、二十日までしかないのですよ。どこの国会に出すのですか。あとからというのは何国会に出すのですか。どこの国会に出すのですか。はっきりしてください。
○江崎国務大臣 どうもこれは私、だからお怒りをこうむるかもしれませんがと、はなはだ恐縮しながら御答弁を申し上げたわけでありまするが、実は御承知のように法案自体がまだ三十件程度しか通っておりません。正確に、私いまちょっと忘れましたが、百件以上の法案の中でわずかしか通っていないということになれば、これはいずれ会期延長の問題等についても、政府側からも院に向けてお願いをしなければならぬものというふうに先入観がございまして、ことばが足りなかったと思いまするが、本法案をこの会期中にお出ししておいて、間に合えばそれこそ二十日までに出したいわけでございます。しかし、これは第三者にお願いするわけでありまするから、もし間に合わなかった場合にどうするのかという意味を含めての御質問でございましたので、間に合わない場合はという仮定の問題を実は率直にお答えを申し上げた、こういうわけでございます。
○堀委員 大体国民がこれだけ重大な関心があり、反対をし、われわれ野党全部が反対をしておる法案を国会に、この七十一国会の最終日までに間に合わなくて、なおかつ出そうなどということが民主的な政府であり、国会の運営であると考えますか。私はいまの自治大臣の答弁は政府の答弁としては全く遺憾であります。 ともかくこの点は、委員長にちょっとお願いをいたしますけれども、こうなれば総理の出席を求めて、この問題の理非曲直を明らかにしなければ、私たちとしては法案の特に重要な選挙区に関するものを二つに分けて、そうして、一つだけを会期中に出して、あとは暴力によってともかく会期を延長して、そうしてそのあとに出そうなどとは、それは国民の許すことのできない重大な問題でありますから、この際、ひとつ田中総理の出席を要求をいたします。
○江崎国務大臣 これは、私がいまも申し上げましたように、間に合わなかったらどうするかということを含んでの堀さんからのお尋ねですから、そういう場合はこういうこともあり得ますということを申し上げたのであって、とにかく明日、区画を確定する委員会が発足するわけでございます。したがって、現実にどうだとおっしゃるならば、明日、区画決定のための委員会が開かれて、そうしてその後に属する問題でございまして、当然この委員各位の意向を参酌して本格的にきまる、そうなればここでもっとはっきりしたお答えができるかというふうに思います。
○堀委員 私どもはお昼のテレビその他の報道によって、本日田中総理と官房長官と江崎自治大臣は三者で、この選挙法については分割をして出すということをきめたというふうに報道を聞いておるわけでありますが、自治大臣、事実を明らかにしてください。
○江崎国務大臣 まあきめたというわけでもないわけでして、これは御承知のように私ども政府側がきめたからといって、国会のお取り扱いがどういうことになるか、これは院の問題でございます。政府側としては、できるならば二十日までにすべて間に合わしたい、これが第一でございます。間に合わしたい。しかし明日、先ほどから申し上げておりまするように、第三者委員会でありまするから、この第三者委員会にお願いする以上、この委員会の意思を無視したり、かりそめにも区割りというきわめて微妙な重要な問題を押しつけるというようなことがあっては、これはなりません。したがって、もし区割り委員会においてどうしても間に合わないというような場面があれば、その場合はどうも分割提出もやむを得ないのではないかというような意見交換をしたということであって、最終的に決定をしたわけではございません。それからまた、私ども院に対しては政府・与党の自民党がこれを操作するわけでございまして、自民党側においてもこの分割提出等については、しばらく自分たちについても考えさせてくれ、これは四、五日前の段階でありまするが、そういうことで目下考慮中というようなわけでありまするから、話し合いをしたというのが実情でございます。
○堀委員 高田さんが昨日の新聞社の皆さんに話されておるのは、自分の過去の経験からしても二十日までに区割りをきめるのは困難だ、こう言っておられるのを私も承知しております。私も選挙制度審議会の委員を長くしておりますから、区割りの問題が三日や五日で片づくようなものではないし、そんなことをするのは、それはカクマンダーもはなはだしいと言わなければならぬ。それは慎重にやらなければならぬ。当然のことであります。しかし、あなたができないということを承知の上で総理と官房長官と話をして、いまのような話をきめたということは、総理がどうしても何でもかんでもこの国会に分割してまでも出したい、こういうことなんでしょう。だから、それならば、あなたの言うことから見ても総理からその真意を聞くことが私の聞きたいことなんですから、委員長ひとつ総理の出席を求めます。休憩を求めます。そして理事会を開いて、ひとつこの問題の取り扱いをきめていただきたい。休憩をして、ひとつ理事会を開いてください。
○江崎国務大臣 堀さんに重ねてお答えを申し上げますが、話し合いをした程度であって、決定したわけではございません。
○堀委員 委員長、委員長。委員長に私は休憩を求めて理事会を開いてくれと言っているのですよ、重大な問題だから。これはこの前の理事会の約束だったじゃないですか。
○田中委員長 堀昌雄君に委員長から申し上げますが、一応質問をやっていただきまして、後ほど理事会を開きまして皆さんと御相談いたしたいと思いますので、一応質問を続けていただきたいと思います。あとで理事会を開きますから。
○堀委員 各党がいずれもそう言って意見を述べておるのだから、ここで理事会を開くのは当然じゃないですか。(「そのとおり」「休憩休憩」と呼ぶ者あり)これだけ重大な問題になっているから、これ以上質疑が続けられないから、総理の出席を求める、そのための理事会を開けと言うのに、終わってからというわけにはいかないと言っているじゃないですか。だから、いま休憩をして理事会を開いて、そして総理が出てくるかどうかによっては次のことを考えるということでなければおかしいじゃないですか。この前約束しているじゃないですか。自治大臣の答弁が不十分であればともかく総理の出席を求める、それはそのとき考えよう、こういうことになっているじゃないですか。 〔「休憩休憩」と呼び、その他発言する者多し〕
○田中委員長 それでは委員長から皆さんにおはかりいたしますが、暫時休憩をいたしまして、その間に理事会を開きまして、本件のことにつきまして十分お話しをいたしたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 それではさように決定いたします。 暫時休憩をいたします。そして理事会を開催いたします。 午後一時二十一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕