公害対策並びに環境保全特別委員会 第53号
- 発言数
- 435 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/11/13
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 この際、去る十月十八日より五日間、公害対策並びに環境保全問題の実情調査のため委員を派遣いたしましたので、派遣委員の報告を聴取いたします。小林信一君。
○小林(信)委員 公害対策並びに環境保全状況の実情調査のため、議長の承認を得て、去る十月十八日から二十二日まで五日間、富山県、福井県、滋賀県及び北海道に派遣されました派遣委員を代表して、その概要を御報告申し上げます。 派遣委員は、佐野憲治君、林義郎君、小林信一君、島本虎三君、木下元二君及び岡本富夫君の六名でありまして、ほかに現地参加として委員三枝三郎君並びに地元選出議員多数の参加を得たのであります。 調査団は、十月十八日、まず中部山岳国立公園における自然環境保全状況を調査するため、長野県大町市から関西電力ルートを通って富山県に入り、黒部ダムを経て、大観峰、室堂平、弥陀ケ原等、立山黒部アルペンルート周辺における自然保護の実情を視察いたしました。 翌十九日は、富山県庁において県当局から、県下における水銀による汚染問題、自然環境保全の状況、イタイイタイ病に関する状況、カドミウムによる神通川流域、黒部市周辺における土壌汚染の状況等について、それぞれ説明を聴取し、富山市長及び自然保護団体関係者から陳情を受けた後、日本海石油富山精油所、北陸電力富山新港共同火力発電所を調査し、さらに高岡市役所において高岡臨海工業地帯における公害対策及び伏木港の問題について、その概要説明を聴取するとともに、日本曹達高岡工場、東亜合成化学工業高岡工場におもむき、同社における水銀使用状況等について調査を行ない、引き続き伏木港を視察いたしました。 次いで、二十日は福井県庁において県当局から福井臨海工業地帯造成計画、原子力発電の概況及びPCB対策について説明を聴取した後、北陸電力福井火力発電所を調査、敦賀におもむき、東洋紡績敦賀工場においては、PCBによる汚染問題、関西電力美浜原子力発電所においては、原子力発電の運転状況、安全性の問題について調査を行ないました。 二十一日には、琵琶湖の水質汚濁、環境保全の問題及びその周辺におけるPCB汚染の概況について滋賀県当局から説明を聴取した後、日本コンデンサー工業草津工場においてPCBによる土壌の汚染及びその処理状況について事情を聴取し、同工場内を視察し、その後、船で雨煙る琵琶湖上より湖南中部流域下水道浄化センター建設地を視察、その際、この浄化センター建設に反対する住民の代表より陳情を受けました。 二十二日は、北海道伊達市役所において北海道及び伊達市当局から伊達火力発電所建設についての概況等の説明を聴取した後、伊達火力反対連絡会及び伊達商工会議所代表から、それぞれ陳情を受け、引き続き火力発電所建設現場を視察いたしました。 次いで、苫小牧市当局より、苫小牧東部大規模工業基地開発計画についての概況説明を受け、開発予定地の原野を視察し、さらに恵庭岳山ろくの冬季オリンピック大会滑降競技場あと地において滑降コースのあとの自然環境復元工事の状況を視察し、調査を終了した次第であります。 以上、調査の概要を簡単に御報告いたしましたが、調査結果の詳細につきましては、委員長のお手元に報告書を提出しておきましたので、本日の会議録に掲載されるようお取り計らいをお願いいたします。
○佐野委員長 以上で派遣委員からの報告聴取は終わりました。 —————————————
○佐野委員長 おはかりいたします。 ただいまの小林信一君の御提案のとおり、調査報告書は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
○佐野委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 私といたしましては、ここで、最近続発しておりますコンビナートの災害の実態とその対策並びに石油危機と電力の問題、これに焦点を合わせまして、公害対策、環境保全という立場から、政策的な論議になるわけであります。しかし、大臣がまだ見えませんし、環境庁政務次官がお一人見えられるようでありますので、事務的な質疑とともに環境庁のこのような問題点をひとつお伺いしておきたい、こう思います。 まず、続発するコンビナートの災害の実態とその対策の問題であります。本委員会においては、いままで再々、環境アセスメント、これを実施するように要請しておったわけであります。同時に、コンビナートに対しましての災害の発生の防止については、事あるたびごとにこれを要請しておったのであります。最大の努力を払っておったような印象を受けておったのでありますが、この十月になってから、高圧ガス関係の事故の発生は、まさに目に余るものがあります。私は、これはどういうような理由なのか、ここではっきり究明するのでなければ今後の日本の産業や経済に重大な影響を及ぼすものである、こういうふうに思うわけであります。したがって、いまお伺いしておきたいのは、高圧ガス関係を含めてこの一年間にどれほどの事故が発生したのであるか、ちょっと事務当局に報告願いたい。
○林説明員 お答えいたします。 ただいま島本先生御指摘のとおり、最近高圧ガス関係の事故が続出しておりまして、特に十月だけでも八件を数えるというような状況になっています。年別で申し上げますと、従来少ないときで五件、多い年で十件になっております。こういう過去の実情と比べましても、今年はただいま御指摘のとおり相当件数がふえておる状況でございます。 なお、私どものほうは高圧ガス取締法の事案だけを担当しておりますので、なお他の諸法規の関係は、それぞれ関係省庁で御報告があろうかと思います。
○島本委員 どうしてそういう答弁しかできないのですか。事故の発生は高圧ガスの事故だけですか、そのほかないのですか。
○林説明員 私の所掌が高圧ガス及び……。
○島本委員 消防庁来ておりますか。——どういうわけで来ないのですか。 これも昭和四十八年三月以来かつてないような件数なんです。高圧ガスに限ってのみというような答弁はないでしょう。これはもう災害関係の、続発するコンビナート災害の実態と対策のために呼んであるのです。そのほかの事故だって、たくさんある。じゃこれに対するどういう対策を行なっていますか、通産省。
○林説明員 お答え申し上げます。 最近の事故の続発に対しまして、私ども高圧ガスを中心といたしますコンビナートの事故防止を担当いたしております者としまして、一般国民にたいへんな不安を与えております、さらに産業自体の存立について国民が不安を持つというふうな事態に立ち至っておりますことは、たいへん遺憾なことだと存じております。これに対しまして通産省といたしまして、まず生産よりも安全が第一である、優先するという方針を再三確認をいたしております。そういう方針に基づきまして、まず企業の責任者に対しまして厳重な警告を出して、さらに被害者に対しまして十全の措置をとるように対企業及び自治体に指導いたしております。 それから事故につきましては、すぐ専門官を現地に派遣いたしております。さらに地元の県市町村との連携を緊密にいたしております。さらに、事故の原因を徹底的に科学的に究明する必要がございますので、主要な事故につきましては事故調査委員会を設けまして、事故原因の究明と万全の改善措置の究明、及びその結果を当該企業に府県と相談の上やらせようという措置をとっております。 一般的に申し上げますと、保安管理体制の強化、それから教育訓練の充実、それから各種のマニュアル類、運転基準と申しますか、こういったマニュアルの整備、それから保安設備、消火設備の増強といったようなことを具体的に指導いたしますと同時に、事故以外の企業に対しましても、事故企業のその結果を秘密にわたる事項も含めまして行政指導によりまして公開させまして、広く領布して、類似の事故が再発しないような措置をずっと講じてまいっております。
○島本委員 類似の事故を起こさないようにこれはもう十分配慮してきている——これはもう類似の事故を起こさないように配慮したのは今回初めてですか。以前からやっていましたか。これは重要ですから、ちょっと伺います。
○林説明員 お答え申し上げます。 高圧ガス取締法に基づきまして、すでにコンビナートが展開してまいりました昭和四十二、三年ごろ、たまたま事故もございました、その経験にかんがみまして、コンビナートの保安確保に対します特別の通牒を出しております。ここで個別具体的にコンビナートの防災保安の万全措置を通達したわけでございます。その後の事故のたびごとに、その結果を可能な限り資料にいたしまして頒布するという措置を講じてまいってきたわけでございますが、特にこの七月七日の出光の事故は、御案内のように非常に大きな不安を残しました。したがいまして、その出光の事故につきましては詳細にわたりまして、ただいま申し上げましたとおり一般に資料を公開させますと同時に、類似事故の防止につき万全を期するよう私名で通牒を出すとか、あるいは団体名で、団体を経由いたしまして注意を促すというふうな措置をとってまいっておる次第でございます。
○島本委員 局長、確かにこの七月七日の出光石油化学の徳山工場の大事故、これによって全国の十七カ所のコンビナートを総点検、これをやりましたね。一体、全部皆さん方のほうでは、しり抜けしり抜けの点検しかやっていないじゃありませんか。みんなそうです。今度の信越化学の場合には住民にまで被害を及ぼしているでしょう。十何カ所のコンビナートを総点検した。これはエチレンセンター保安点検。そうしたところが、十月になって今度はチッソ石油の五井工場が爆発した。しかしこれは対象外になっておった。これで急遽あわを食ってコンビナート内の二百二十の関連化学工業に対しての点検にまた着手した。そうしたところが信越化学工業の直江津工場がまた爆発した。これは関連産業でもない。単独化学工業だ。一つ一つ抜けるじゃありませんか。 一体総点検したといいながら、こういうようにして次から次と爆発を起こしているのは、いま言ったことが行なわれていなかった証拠ですよ。どうしてこういうようにやる場合には一斉に全部やらぬのですか。一つずつあと、しりだけ抜けるようなやり方を通産省はするのですか。いま私が言ったのはうそですか。
○林説明員 お答え申し上げます。 通産省の打ちました対策の中で、総点検をやることによって事故原因を徹底的に究明いたしますと同時に、類似の同様な工場におきまして類似の災害を事前に防止するという措置をとったわけでございますが、そのとり方が、ただいま島本先生御指摘のとおり、出光の際にはエチレンセンター十七カ所に限定いたしております。さらに、その後の五井のチッソの工場が、御指摘のとおり誘導品でございまして、エチレンセンターの総点検の際にはずれておりました。さらに、五井の工場の災害を踏まえまして、コンビナートを形成しております誘導品工場、約二百社余りでございますが、これを対象に総点検をやるべく準備中のさなかでございました。その際に、また御指摘のように単独立地の化学工場として、信越化学直江津工場の事故が起きたわけでございます。したがいまして、いま先生が御指摘になりましたことは、そのとおり事実でございます。 私どもといたしましては、こういった爆発事故の波及がここまで大きくなるというふうな予想がなかなかつきませんで、御指摘のような後手に回っておるわけでございます。したがいまして、こういう事態を再度繰り返さないように——日石の浮島の事故が十八日に起きております。五井工場は八日でございますが、その翌日、大臣が直接関係企業及び産業部門の責任者を招致いたしまして、厳重に警告をし、かつ通産省の基本的な考え方並びに保安確保につきましての企業の責任等について厳重な注意を具体的に喚起した次第でございます。
○島本委員 やはり事務的なことを幾ら聞いてもだめなんです。やっている、やっていると言っていて、そのあとから起きているから、その姿勢が悪いのです。まだ企業に癒着したような指導しかしていないから、こういうふうになっているのです。その事実をあげなければなりません。これはどうしても大臣が必要なんです。 それなら、高圧ガス関係の取締法、二十六年にできていますが、こういう立法ば完全だと思っていますか。この立法のとおりにやって事故を起こしているのでしょう。これに対しての何か考えがありますか、法的な一つの規制方法。
○林説明員 お答え申し上げます。 現在の高圧ガス取締法は、ただいま先生御指摘のように昭和二十六年制定にかかるものでございます。コンビナートのスタートが、三十三年ごろからごく小規模で始まりました。四十年代になりますと、十万あるいは二十万、最近では三十万トンというふうな規模になってまいっております。したがいまして、こういう累積の危険を伴いますようなものを取り締まるのにそういった古い法律でだいじょうぶかという問題意識は、つとに私ども内部でも反省しておりますし、いままでも国会の各委員会で御指摘を受けております。したがいまして今年春、高圧ガス等審議会で高圧ガスの保安体制の抜本的なあり方について学識経験者の意見をいただくという手はずをとっております。 さらに、特に最近のコンビナート事故にかんがみまして、その中にコンビナートの保安の抜本的なあり方について御検討を願う小委員会を発足させて、はたして法的な措置が必要かどうか、あるいはもっと抜本的にどういう形が一番望ましいかというふうな検討をしていただいております。その結果に従いまして、省令あるいは政令、必要によりまして法律の改正も考えるという所存でおります。
○島本委員 それ、いつでも後手後手ですね。もうすでに徳山以来、直江律、ここでも住民の被害を起こしてしまった。これを規制できるのは高圧ガス関係の法律でしょう。それをそのままにしておいて、次から次へと事故を起こしておる。これじゃどうもあと追いも——人の命はもとに戻りませんから、これは困るのです。ここで姿勢を改めなければならないのであります。 それで、両大臣そろいましたから、私はまず消防庁にお伺いいたします。 こういう爆発事故が十月に集中した、この原因は何だと思っておりますか。調べてありますか。
○永瀬説明員 事故は十月に確かに集中いたしておりますが、私ども、なぜこの時期に、またこのように連発してきたかという点について、いろいろ考え合わせてまいりましたけれども、十月に連発したという原因がどうしてもつかめません。
○島本委員 どうしても原因がつかめないのに、その対策だけは通産省で完全にやると言っても、どうしてやるのですか。原因がわからない……。
○林説明員 事故の原因につきましては、先ほど申し上げましたように、一級の学識経験者から構成されました事故調査委員会を設けまして、その原因の追及に当たっております。出光あるいはチッソの五井等につきましては、ここですでに事故の原因は大体明らかになっております。だれが責任者であるかという問題は、なお警察の段階で残っておる向きもございますけれども、技術的なプロセスとしての原因の過程は明らかになっております。したがいまして、そういう技術的なプロセスといたしまして事故が起きないような方法、これを私どもの対策として、ただいま御説明申し上げたところでございまして、なお高圧ガス等審議会におきまして抜本的な対策を審議願っておるさなかでございます。
○島本委員 これほどの大きい事故が起きて、その対策を審議願っておる、こういうような状態であります。やはり企業と政府の指導、この姿勢によるのじゃないか。この点を私はこの際にはっきりさせたいと思うのです。 これらの事故は事前に察知できなかったのかどうか。通産大臣、こういうような事故は重大であります。本年三月三十日に大阪府の築港浜寺町一番地のゼネラル石油精製株式会社の製油所が爆発して以来の事故、これ以来続発しているんですね。十月にこれまた集中しておるのです。十月に集中した原因はまだわからない、こういうふうに言われておるのです。しかし、こういうような事故に対して事前に察知はほんとうにできないものですか。これはやはり事前に察知して、前々と手を打つのでなければ、あとはもう絶対出しませんといっても、北海道の炭鉱のように爆発を繰り返して、そのうちに、ついに企業閉鎖というようなことになってきた。このような事例からして、こういうようなものを事前に察知しなければならないはずなのに、このあたりが手抜かりが多過ぎたのじゃないか、私はこういうふうに見ておるのです。大臣、これに対してどういうお考えでしょう。そしてこれらに対する対策は、どういうふうにお持ちでしょう。
○中曽根国務大臣 事故の調査を見ますと、一言で申し上げれば、やはり管理が不十分であったということに尽きるように思います。こういう事態が起きましたことは、通産省としても、まことに遺憾に存ずる次第でございます。 それで、事前に察知ができなかったかという御質問でございますが、出光の事故が起きまして以来、われわれとしては企業側に対して非常に具体的な指示をいたしまして、事故が起きないように社長以下陣頭に立ってやるように管理の徹底を期して指示してきたところでございます。しかし、われわれとしては事前の察知ということはできなかったわけでございますが、結果的に見ますと、相次ぐ事故というものが、あまり機械に信用を置き過ぎたりコンピューターに信用を置き過ぎたりして、現場の係員のいろいろな操作その他ミスが重なってきた、そういうことがうかがわれますので、これはもっと大事な、一番現場にある係員の教育、訓練等を徹底させる必要があったのだなと、結果的に見てそういうふうに考えておるところでございます。
○島本委員 確かに現場の係員、こういう方面の教育、また労働災害に対する一つの訓練、こういうようなものが不十分だということはわかるのです。しかし、やはりコンピューター過信、それと同時にオペレーターも不足しておる。単純作業であるから、それにつきたがらない。したがって、二十代の人をつけておく。これが日石化学の浮島工場の犠牲者二名とも二十代の青年だったということです。だからベテランは、あまりこういうような場所にいないようであります。そういう管理はもちろんなんでしょうけれども、そのほかにフル操業をほとんどしいられておった、この事態があるようであります。そういうような中では、フル操業をするならば必ず事故が人身の面か機械の面かに起きてくる、それあたりは予知できるはずであります。予知できないということには当然ならないと思うのです。したがって、普通は九〇%が適正率だとすると、ほとんどが九五%以上稼働しておる。そしてチッソ石油化学五井工場に至っては九七%の稼動であった、こういうような報告が出ておるのです。これは事故に対しては当然的確な対策を講じておらない、こういうようなことになるじゃありませんか。私ども、そういうような点が一番残念なんであります。 それと同時に、信越化学の直江津工場、ここでは弗素ガスと、それから亜硫酸ガスで付近の人が痛めつけられておったという事実がありましょう。四十一年にも工場に爆発事故があったでしょう。あっていながら、また今度の大爆発。民家との間の距離がほとんどないような状態。おそらくこういうのは察知できるはずです。私は、事故が察知できない、こういうようなことではないと思う。人間がやる仕事に人間がその事故を察知できない、こういうようなことは私は怠慢につながるんじゃないか、こう思っているのです。いまの直江津の場合には、もうすでに前にこういうような例があるのです。当然考えなければならないことだと思うのです。 それでなお企業の姿勢も中にないかどうか、これはもう重大な問題だと思います。これは裁判の証言なんです。「水俣病裁判における水俣工場第一組合労働者の証言」の中ですから、これは間違いないはずです。会社のほうでは逐一報告するようになっている、小さい事故でも、長い間の私の保安の生活の中では、報告はしておりましたけれども、大きいものだけに限っておった、こういうような証言があります。音が聞こえた場合でも、会社じゃないですかときた場合には会社じゃありませんというふうに答弁するようになっておったという。そして消防が来たならば、正門の前でこれを断わりなさい、食いとめなさい、こういうような指導を工場自身が行なっておった、これが証言にあるのです。 やはり企業自身がそういう考えであったならば、蓄積して大きい事故になるのは当然じゃありませんか。これは予知できない、こういうことにはならないと思います。この点は十分今後注意すべきだと思うのでありますけれども、大臣、これでも予知できないんだということになりましょうか。
○中曽根国務大臣 やはり管理の不十分ということが今度の一連の事故の背景にあるようでございますから、各所各所を点検して、しっかり管理をしておけば、みんな未然に防止できた筋の仕事であります。そういう意味において、私は十月十九日に石油化学等の首脳部を集めまして、増産よりも安全第一である、そういうように心得て安全第一ということに徹して、もう一回再点検をし、指導をしてもらいたいということを要請したわけであります。にもかかわらず、信越化学のような事故がまた起こりましたことば、まことに残念でございますけれども、やはり管理の不十分という面を見れば、管理を徹底すれば防止できるわけでありますから、そういう点については、さらに私たちは戒めていきたいと思っております。
○島本委員 大臣、やはりいまこの機会に抜本的に改めなければだめだ、その一つの機会だ、重大な方向転換のチャンスだ、私はそう見ているのです。しかし、いまの体質の中で、思い切って副総理としての三木環境庁長官も、この点にメスを入れなければならない重大な問題があると思うのです。 最近、企業と経済官庁との癒着ぶりがものすごくよけいになってきている。警察庁にお伺いしますけれども、四十六年までは、こういうような贈収賄の事件が少なくなってきているのです。しかしながら四十七年から、田中内閣に入って急によけいになってきているのですが、これは一体どういうようなことですか。
○田村説明員 統計上は、ただいま御指摘のとおり件数、人員ともふえておりますし、内容的にも四十七年、八年は悪質と申しますか、そういうふうな事件が出てまいっております。 原因なり背景がどうかというお尋ねでございますけれども、汚職事件のよって来たる原因というものは、いろいろ複雑なものがあると思いますけれども、やはり一つは、いわゆる豊かな社会ということで消費というものが盛んに行なわれる。そういうふうなことで社会一般におきましても、飲食でありますとか、あるいは贈答でありますとか、そういうふうなものがわりあい豊かにと申しますか、はでに行なわれるというような風潮が一般的であると思います。そういうふうな風潮が公務員に影響をいたしまして、越えるべからざる限界を越えて、そこにいま言われた表現をおかりすれば、公務員と業者との癒着と申しますか、あるいは汚職事件の発生ということを見ておると思いますし、また一部の企業におきましては、やはり少しでも有利に仕事を進めたいという点から、関係公務員等にいろいろな手段、方法で接近をいたしまして、自分たちに有利なほうに持っていこう、こういうふうなこともございまして、そういうふうなことがいろいろと重なりまして、いま御指摘のような情勢になったというふうに考えております。
○島本委員 やはり企業に対して注意する、企業はその注意を受ける。その場合に監督しているその官庁、監督する側と企業がべったり癒着されたような状態で注意を受けても、これは何にもならないのじゃないか。大臣もこの点は単に注意しておっても、あなたの部下である官僚が、企業との間にべったり癒着した状態でいかに注意しても、次から次と裏をかかれて事故の発生の原因になるのじゃないか、こう思われるのです。私どもとしては、この点ではまことに残念であります。 最近やはり経済官庁の役人に見られるように、外部団体との間に同じようなパターンが繰り広げられておる。従来は特定の仕事や特定の便宜の対価として与えられたのが、最近では仕事があろうがなかろうが、贈賄的な行為が恒常化してきている。そしてこれは完全に社会的には汚職であるが、役人と業者の癒着がそのまま行なわれているということであります。私はやはりこういうような状態では、件数がふえるだけじゃなく、事故も根絶しない、このことであります。最近、また私も調べてあるのです。昔は金だったものが、最近はつけ回しが多いということ。これも警察庁のほうで調べてありますから、時間の関係で質問いたしません。大臣、このとおり申し上げます。それからゴルフの接待とタクシーのチケット、こういうようなものを非常にやっておる。もうすでに検察庁に送検されている人もあるようであります。 こうしてみますと、注意はしてある、しかしながら依然として大企業との間にこういう便宜供与があるということになると、思い切った手段をとれないではありませんか。いま、これをばっしりと中から改めて、こういう癒着状態を断ち切らなければ、ほんとうの事故の解決にならないと思うわけであります。大臣の所見を伺います。
○中曽根国務大臣 通産省の一部に、御指摘いただきましたような不祥事件がありましたことは、まことに申しわけない事態でございます。 確かに癒着と思われるようなことがございまして、われわれも、こういうような不浄な関係は断然断ち切って芟除しなければならぬ、そういう考えに立ちまして、いろいろ綱紀粛正委員会等もつくりまして、省内を戒めておるところでございます。
○島本委員 あらわれた事犯だけじゃ、これは依然として出た芽をつむだけであって、根がある以上、また再び出てくるわけでありますから、この機会に徹底的にひとつやってもらいたいと思うのです。 総理府の人事局、本年に入ってからの公務員関係の汚職、これによって検挙され、また徴戒免になった者を省別にあげていただきたい。
○藤井説明員 お答えいたします。 本年に入りましてからの収賄事件の事案でございますけれども、科学技術庁が三名でございます。大蔵省が一名でございます。林野庁が一名でございます。建設省が一名でございます。それから通産省が四名でございます。
○島本委員 通産省は群を抜いているわけです。こういうように各省にこれがあるということは、全部これは業者に対する便宜供与なんです。災害を防止するための大事なセメントの強度をはかるような機関に対しても、便宜供与してあげられているのです。私は、こういう点はまことに残念だと思うのです。 それで三木環境庁長官、これはやはり内閣の問題です。政府の問題です。本日以後、こういうようなことは絶対ないように、各省全部総点検してもらいたい。する意思がありますか、ありませんか。
○三木国務大臣 御指摘のように、最近、こういう不祥な事件が各省に次々に起こっておることは、政府として重大視されなければならぬわけでございまして、官庁の中に清廉な気風が確立されなければ、政治、行政に対する国民の信頼なんかは地を払うことになるわけでございますから、内閣全体として、こういうことの絶対に起こることのないように戒心をいたしてまいりたいと考えます。
○島本委員 通産省では、総点検をして事故の防止につとめておられる。それはいまいろいろと報告がありました。しかし事故の防止につとめておっても、依然として、それを取り締まるほうの側にある各官庁が、それぞれ業者との癒着によって必要な便宜を大いにはかってやる、こういうようなことになると、それによってまた事故が発生するようになるから、一つは技術的にこれはきちっと業者に対して通産省はやる。そういうようなことがないように、各省に対して癒着を断ち切るように、一斉総点検をあなたがはからなければならないと思うのです。 いままでの答弁では、何か食い足りないような気がいたしますけれども、いま工場に対する総点検をやったならば、業者との癒着や綱紀粛正についての総点検をもう一回、今度は副総理としてあなたがやらなければならないと思うのです。それを聞いているのです。力強くやりますということばは出ませんか。
○三木国務大臣 先般も閣議におきまして、官庁における綱紀の粛正について強い政府の方針というものを打ち出したわけでございます。その中には、御指摘のような役人と業者との癒着というものを断ち切らなければ、いろいろな弊害が起こってくるわけでございますから、そういう政府できめた方針というものを厳重に励行すれば、こういうことは起こり得ないわけでありますから、今後御指摘のように強く指導をしてまいりたいと思います。
○島本委員 それで、一応この問題は了承しておきたいと思いますが、官庁の綱紀の粛正について、これは十月三十日に閣議決定して、そのあと、それぞれ内閣官房長官から、また総理府から、あるいは各省から、具体的にこれは指示されているのです。指示されてあるんだけれども、さっぱり効果がないんです。したがって、いまここではっきりこの癒着を断ち切る、こういうような態度でいかなければならないし、あわせて大企業からの献金は、やはり十分これは皆さんのほうでも気をつけられたほうがいいし、これでストップする、こういうふうな一つの姿勢も必要じゃないかと思うのです。この点では田中総理は、なかなかうんと言わないようですが、副総理はいかがですか。
○三木国務大臣 それは現在のいろいろな資金に対しての制約もあるわけでございますから、政治献金というものについては、いろいろ改革を要する点はございますけれども、全部企業側からの政治献金を禁止をするという、現実の問題としてはそういうわけにもまいらぬと思います。しかし、いやしくも国民に疑惑を与えるような献金を受けてはならぬ、そういう意味において献金の受け方に対する一つの節度、自制、これは当然に要求されてしかるべきだと思います。
○島本委員 それから通産大臣、この企業の姿勢そのものの中にも、まだまだ私どもは真剣さが足りない、この点で今後十分注意しなければならないと思うのは、やはりこの水俣工場の裁判における証言にあるんです。消防が来る、そうすると消防署は正門で食いとめる、そのあとには今度消防署や警察へ車一ぱいのつけ届けをしておりますと言っている。消防署や警察には消防自動車に一ぱい積んで、いろいろな小さいものとか大きいものとかありましたけれども、私も持っていった記憶があります、こういうようなのがあるんです。これは証言ですから、うそじゃないはずです。やはり企業のこういうような態度を絶滅しなければならない、このことだけは強く私から要請しておかなければならないと思うのです。 同時に企業秘密に対しては、今後十分考えを改めないとだめじゃないかと思いますが、通産大臣いかがでしょうか。これは企業秘密をたてにして第三者を寄せつけない化学工場の秘密主義、こういうようなものがいざというときの事故となって消防活動を妨げる結果になる。工場の総点検、こういうようなことをしても、その秘密の壁を取り払わない限りは、企業の独善的な自己点検だけでは、これはやはり事故再発のおそれがあるんじゃないか、この企業秘密に対して今後はっきりした態度をとるべきである、こう思いますが、事故防止のためにも企業秘密の壁、これに対して通産大臣はどのようなお考えを持っておられましょうか。
○中曽根国務大臣 事故防止ということが至上命令でございますから、この間も各社の社長等を集めました際に、企業の秘密等も相互にできるだけ公開し合って、そして事故を防止するために共同で責任を持って研究も進め、いい知恵も出し合って協力してやってもらいたいという要請をいたしまして、先方も了承いたしまして、そういう線で事故防止の共同的な体制を整えていくようにしております。 いろいろ工業所有権上の秘密等につきましては、これは財産権の問題でもありまして、一がいに規制することは、むずかしいと思いますけれども、公害防止という大きな社会的問題をかかえまして、企業の社会的責任からも、いまのような線で進むことが適当であろう、このように考えます。
○島本委員 私はやはり企業秘密である、こういうようなことのために、消防にさえも、その的確な消火方法も通知もしておらない。同時に、化学消防体系がそこに不完備のままで、こういうような大企業が運営していることになると、やはりこの問題は、結果が大きいような災害を招くおそれがあるのじゃないか。まさに石油コンビナートは巨大な火薬庫みたいなものです。そういうようなのが住宅街の近くにあるということになりますと、やはりこの点は十分爆発のおそれがないように、つとめてやらなければなりませんのはもちろんです。しかし、少なくとも消防が行ってもどうすることもできないような、こういうような状態にしておくべきじゃないと思います。その壁は、私はあくまでも企業秘密というものに固執して、安全性を無視するようなことがあるのは遺憾だと思っておるのです。 このことはいかがでしょうか。六月ごろから隔膜電解法へ全面切りかえになりました。そして九五%水銀電解法だったものを、今後は徐々に昭和五十二年九月までには全面転換することになって、通産省では八百七十億円を予算として融資のために要請している、こういうようなことを承っております。しかし、これはあくまでも技術は米国で開発していますから、フッカー、それからダイヤモンド・シャムロック、それからPPG、第四番目はダウケミカル、こういう四つの会社があるようでありますが、ダイヤモンド・シャムロック、PPG、この二社に対しては三井物産が独占契約をした。フッカーについては、三菱商事がフッカー電解社をつくって、それと特約を結んでおる。ダウケミカルは社外へ技術を出さない、こういうようなことで一切やりませんから、今度隔膜電解法を採用するとなると、すべての工場は、この三井物産か、それでなければ三菱商事、この技術の特許を利用しなければならない。 いま、それぞれプラント製造販売している最中だそうでありますが、この三井、三菱と契約する以外には技術導入方法がないようにしたということ、商社が国民的課題の水銀防止策の技術を買い占めるということ、こういうようなことば社会モラルの問題じゃないだろうか。これでいいだろうか。当然この中にまた秘密がある。秘密が入ったならば、これは教えない。こういうようなことになった場合には、公害の場合と災害の場合と同じような状態になりはせぬだろうか。ひそかに汚物をまき散らした。ひそかに防災の手を抜いた。一方は公害である、一方は工場災害である。工場災害の場合には、依然として第三者を寄せつけないような秘密主義を、この重要な隔膜電解法に対してもとろうとしておる。これはやはり商業モラルの問題ももちろんでありますけれども、災害という見地からしても十分戒心すべきじゃなかろうかと思うのでありますけれども、技術は公開させるべきじゃありませんか。こういうような技術指導、企業秘密として商売にするのを許さない、こういうような態度で指導すべきじゃないでしょうか。 私はやはり公害という立場と災害という立場をあわせて、この点で通産省も一歩踏み切るべきじゃないか、そういう指導をすべきじゃなかろうか、こう思うのでありますけれども、大臣の御高見を承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 公害防除という大きな社会的な問題を控えまして、それに良心的に協力するということは、モラルの問題としても好ましいことであると思います。しかし一方においては、技術の研究開発というものは、また非常な価値を持つ財産権でありまして、そういう財産権が尊重されて初めてまた技術開発は進むものであります。その間のかね合いをどうするか、非常にむずかしいところでありますけれども、やはり永続的な制度として考えます場合には、商慣習なり、その国その国によるいろいろな契約の形等もありまして、一がいに公共の名前において私契約を否定するということもまたできない情勢であります。われわれとしては、そういう公共目的のために、できるだけ技術を公開することが好ましい、そういう方向にわれわれは指導していきたいと思いますけれども、強制するということは限度があるだろうと思います。
○島本委員 災害に対しては、大臣、これはやはり秘密があっちゃいけないんじゃありませんか。
○中曽根国務大臣 災害の場合でも同様でございまして、その場合は、その技術を買い取るとか公開化させるための費用を国が出すとか公共団体が出すとか、そういう保証をもってやはり行なうべきものじゃないかと思います。
○島本委員 特にそういうような場合には、いままでの場合には秘密主義というか、一つの企業秘密をたてにして、入ることもできない、消火もできない、一切わからない、こういうような状態にだけはしておいてはならないと思います。業者にそういうふうな場合には、完全に化学消防なり、防災に必要な施策だけは完全にとっておかなければならないはずであります。いままで起きた事故、会社内に完全な化学消防体系がないじゃありませんか。私どもそういうふうに見る場合には、やはり企業秘密をたてにして第三者を寄せつけないというこの態度、業者との癒着とともにこういうような考え方も、いまにして転換しなければならないと思っているのです。これは十分検討してもらいたいと思います。私は、これを要請しておきたいと思います。——検討に値しませんか。
○中曽根国務大臣 技術の秘密を守るために消防を寄せつけないというようなことは、私は適当でないと思います。やはり公衆全般の保安あるいは安全を守るためには、会社はもちろんその場合には犠牲を甘受しなければならぬ、そういう公共責任があると思うのです。そういう点については、われわれは行政指導いたしたいと思います。
○島本委員 次に、石油危機と電力の問題と公害をあわせて伺いたいと思うのです。 これは最近、石油不足が御承知のような状態で、電力やその他企業に対して一〇%か二〇%ダウンするように、これは要請があるようであります。石油関係からは、この際、硫黄を半減することは延期してもらいたいと電力九社が申し入れの方針だということを伺っておるわけであります。こういうようなことば、やはり妥当じゃないんじゃないか、こういうふうに思います。石油不足だから悪い油をたく、したがって環境悪化はあきらめてもらいたい、こういうような考えを持つとするならば、せっかくここまで進んできて、石油不足に籍口して——四十五年の十二月の公害国会で基本法が、産業との調和というこのことばをそのためにとったのです。しかし、また復活してくるおそれがあると思う。私は断じてこの問題に対しては、そのままにしておくべきじゃない、こう思いますが、環境庁、通産省の両方から、これに対しての意見を伺います。
○三木国務大臣 環境の基準は、人間の健康保持という点から環境基準をきめたわけでございますから、石油の供給不足という、こういう事態に処しても、この環境基準というものを励行していきたいという基本的な方針にはいささかの変更もない。実際低硫黄の原油というものの入手が困難になるような、局部的ないろいろな困難はあるけれども、全体として石油の輸入が減り、消費が減るわけでありますから、大気汚染のもとになる硫黄酸化物なんかが減るということになるわけでございますし、脱硫的な技術も相当開発しておりますので、こういう石油の供給不足ということから、直ちに環境基準を緩和するとか、あるいは変更を加えるとかいう考え方は持っておりません。
○島本委員 持っていないということはわかりました。 それで、今度の石油事情が、石油不足がこういうような状態になって、企業に対しての要請等については十分通産省も、閣議ですか、これを了承を得たようでありますが、これはどういう方針で、これから臨む予定でございますか。
○中曽根国務大臣 まず、先のお尋ねがございましたから、お答え申し上げますが、法律できめられました環境基準は守っていくように私たちもやっていきたいと思います。ただ、いま産業との調和という段階ではないのでありまして、灯油にいたしましても軽油にいたしましても、国民生活の最低を確保しなければならぬ。あるいは中小企業の営業継続や農民の仕事を維持していくというような面で、将来油が非常に逼迫してきて、生活の最低限度を守るというような必要性、あるいは中小企業その他の業務、農民の仕事等を守るという必要性がどうしても出てきて、やむを得ないという場合がないとも限りません。これはアラブ、イスラエルの戦争の情勢によって石油のカットがどうなるかということによって影響を受けることです。 だから、いまわれわれは環境基準を変えよう、法律を直そうとか、そういう考えは全然ございません。だがしかし、そういう情勢の推移によっては、いま地方でそれを上積みして公共団体等と基準を新しくつくったり、あるいは協定等によって法律以上の強さを要求している場合があります。そういう問題については、当事者間で需給関係を見ながら、国民生活の最低限度を守るという面から検討していただくこともないとは限らない。しかし、国がきめた基準は、やはり守っていく。そういうような考えを私は現在持っております。
○島本委員 環境に対する配慮、国がきめた基準は十分守っていく、この態度だ、これはやはり私としては当然なんであります。そのためには、私どもとしては大臣にこの際、はっきり伺いたいことが一つあります。 石油がこういうような状態だとすると、電力問題に対しても、あれは四分の一ほど消費しているわけでありますから、その大口になります。いま建設中のこういうような重油専焼の火力発電所、あるいはまた係争中のこういうようなものに対しては、ことにいまはっきり係争中のものは、その決着がつくまでの間は急ぐべきではない、こういうように私どもは思っておるわけでありますが、この点等についても大臣の所見を承りたいのです。 札幌地方裁判所では、十一月の八日に公有水面埋め立て免許処分の取り消しを求めた行政訴訟が行なわれました。そして、それには北海道電力も参加するということが決定して、九日に関係者に通知を出されたようであります。これはもうわれわれも調査しましたが、伊達市の長和海面三万三千八百平米、これを埋め立てる、これを北海道に申請し、道がこれを認めたことになります。有珠と伊達の漁協の七十名の人が、埋め立て工事によって海水が汚濁し、漁業被害を受ける上、環境に悪影響を及ぼすから、埋め立て免許の取り消しの訴えをしているわけです。それに対して、十日に現場検証を行なったりしております。そして十月の二十七日と二十八日、大しけで海水汚濁防止シート、こういうものが破れてしまって、どうにもならなくなった、こういうような問題で、いま裁判係争中のもの——いま油が不足している。この油の配給までも減少させようとするときに、こういうような係争中のものに対しては、やはり裁判が落着するまでの間は、国が工事を進めさせてはならないはずであります。私は、この点に対して大臣の決意を聞いておきたいのです。
○中曽根国務大臣 係争中のものについて工事を中止させよという御意見については、必ずしも私納得いたしません。係争は係争でありますけれども、しかし、それが工事をストップさせなければならぬというようなものであるかどうか、この点は検討を要する余地が私はあると思います。 しかし、石油の供給減から、産業に対してどういうように供給規制が出てくるかというようなことは、いま通産省としても、しさいに検討しており、いろいろケース、ケースについて勉強もしておるところでございまして、まだ正式にきめたわけではございませんし、閣議でまだ正式にきめたわけではございません。大体そういう方向にいくであろうという予測は持っており、しさいに検討はしておりますが、ここでいまどうするかということは明言を避けたいと思います。
○島本委員 いま明言のできない状態であるということは残念であります。できるならば、既成の電力に対しても一〇%、二〇%、これだけダウンを要求するのでありますから、いままたこれを大口に使う、こういうようなものに対しては、もう一歩待てと。それと、ことに係争中のものに対して——この問題に対して係争中なんです。裁判所でこの場所に行ってもう点検しているのです。そういうようなものを急いでやらせるというのは、私はこれはどうもおかしいと思うのです。これはやむを得ないという考え方は、私は予定していなかったのでありますけれども、しかしこれは十分考えなければならない問題であります。もう一歩この問題に対しては深く立ち入って、そして減らすことが必要な状態ですから、これから大口で使うというようなものに対しては当然予見されますから、これは規制する、そのための一歩として、係争中のものはこのまま、発表が終わるまでの間は建設を進めない、こういう態度が私は必要だと思います。大臣があくまでも今後考えるというなら、まだあれですけれども、そういうような問題は問題外だと言うに至っては、私は言語道断だと思っているのであります。 それと同時に、最後にお伺いしておきますけれども、先般石油事情の悪化が表面化してまいりました際に、北海道では、いま石炭が閉山、閉山になっております。もう一回エネルギー対策を改めて、そしてここに石炭の見直しが必要だ、石炭鉱業審議会の体制委員会の円城寺委員長がこれを提案しております。ことにこの問題では、もう一度こういうような山——電力事情が悪化するならば石炭をもう一回復活させ、主としてこれを臨海だけじゃなしに、内陸のほうにもこれを行なったらどうだ、こういうような提案がなされたようであります。これは七日になされたようでありますが、大臣はこの点に対してどう考えますか。
○中曽根国務大臣 石油情勢の変化がございまして、われわれはいわゆる第五次答申の線をあくまで確保してまいりますが、この情勢の変化というものも踏まえまして、石炭の問題については、またいろいろ検討してみたいと思います。
○島本委員 いろいろ申し上げましたけれども、やはりこの際ですから、災害を絶滅させるために総点検は一部に限らないで全部これを行なうようにしてもらいたい。それと同時に業者との癒着、こういうような関係をはっきり断ち切ってもらいたい。それとあわせて、今後石油事情の悪化に伴って、この環境を悪化させるようなことがないように十分環境庁をはじめとして留意してもらいたい。あわせてこの石炭事情も十分今後考えるべきである。このことを要請いたしまして、私の質問を終わらせてもらいます。
○佐野委員長 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 私は、大阪国際空港における航空騒音の防止対策、なかんずく夜間郵便専用機の騒音対策についてお尋ねをしたいと思います。 特に、長官にこの内容を十分承知をしていただくために、今日までの経過について明らかにしておきたいと思うのでございますが、昭和四十六年の九月二十七日に、前大石環境庁長官が中央公害対策審議会に対して「特殊騒音に係る環境基準の設定について」諮問をなさっております。こういうものでございますけれども、この諮問を受けて、四十六年十二月二十七日答申が行なわれております。これは「当面の措置を講ずる場合における指針」ということになって、中央公害対策審議会からこの答申が行なわれております。環境庁は直ちにその翌日、四十六年十二月二十八日に、この諮問に基づいて運輸大臣に対し「環境保全上緊急を要する航空機騒音対策について」勧告を行なっております。環境庁設置法の六条三項に基づくこの勧告の中で「とくに夜間、深夜においては睡眠等が妨げられることのないよう、静穏の保持を図ること。」が要請をされておるのでございます。その方法として、この規制を強化をし「航空機の発着は、午後十時から翌日午前七時までの間、緊急その他やむを得ない場合を除き」一切禁止すべきである。こうなりまして、郵便機を含めてプロペラ機についても、その飛行を禁止するように勧告が行なわれたわけでございます。 ところで、運輸省はこの勧告を受けて検討の結果、翌昭和四十七年三月二十九日に至りまして、運輸大臣から環境庁長官に報告が出されております。その報告は、郵便輸送機についても、段階的に夜間飛行を解消すると述べております。四月二十七日から実施をするというふうに報告をされております。 以上の経過について、間違いがあるかどうか、環境庁と運輸省から承りたいのでございます。
○春日説明員 ただいまお述べになりました航空機騒音の緊急対策に関する経過を伺ったところでございますが、私どもの承知いたしております経過と一致いたしております。
○隅説明員 ただいまの御質問に対しまして、運輸省といたしましては四十七年三月二十九日、空監第百四十八号をもちまして、丹羽運輸大臣から大石環境庁長官に「航空機騒音緊急対策」についての御回答を申し上げております。
○阿部(未)委員 運輸省、回答はわかっておる。内容に誤りがあるかどうか、経過に誤りがあるかどうか尋ねておる。
○隅説明員 内容につきましては、先生のおっしゃるとおりでございます。
○阿部(未)委員 郵政省、見えておりますね。 そこで、郵政省にお伺いいたしますけれども、四十七年三月二十九日の時点、運輸省が環境庁に報告を提出をした時点における、大阪空港に発着をしていた夜間郵便輸送機の発着の回数と、今日発着しておるその回数とは、どういうふうに変わっておるか、お答えを願いたいのです。
○石井説明員 お答えいたします。 ただいま御指示いただきました二つの時点、現在と当時との間におきまして、大阪の夜間の航空便の発着の郵便専用機の便数は、現在も同数が発着いたしておるわけでございます。
○阿部(未)委員 環境庁長官、これを一体あなたはどういうふうにお考えになりますか。環境庁が運輸省に対して勧告をし、そして運輸省から、もう約一年半前に、その措置について報告がなされておるのにもかかわらず、今日なお全然改善されていない。この環境庁設置法六条三項に基づく勧告並びにこの環境庁設置法六条の五項による、いわゆる内閣法第六条の規定の問題について、一体環境庁長官はどうお考えでしょうか。
○三木国務大臣 いま郵政省の意向も聞いたわけでございますが、来年早々には相当削減をした計画をいま実施すべく準備をしておるということでございますので、そう遠くない時期に、いまの便数は減らされることになるということでございます。
○阿部(未)委員 私は、長官のおっしゃるように、もし来年変更ができるものであるならば、なぜ一年六カ月間にわたって、調査の当時からなら二カ年にわたって今日まで地域住民の苦悩を外に見て放置してあったのか。しかもその間環境庁は勧告をしております。その勧告さえ一年六カ月の間放置されて、できないというならまだ理屈はわかりますが、来年の一月に変更できるものを一年六カ月間放置した理由は、どこにあるのでしょうか。 これは長官、あなたは勧告した責任者としてお答えを願いたいし、郵政省が一年六カ月間これを放置してきた、変更できるものを放置してきた理由がどこにあるのか、明確にしてもらいたい。
○石井説明員 郵政省といたしましては、先ほどの、御指不いただきました改善の運輸省の措置が実施されましてから、問題は郵便の送達速度というものとかね合いでこれをどのように実施していくか、勧告にありますように、あるいはまたそのときの措置に書いてありますように、一時的には夜間の専用機による郵便の輸送を認められましたけれども、段階的にこれを漸減していくようにという内容になっているわけでございます。 私たちといたしましては、これを郵便の送達速度を一切無視して考えるといたしますと問題は単純でございますけれども、やはり現在の郵便に課せられております使命と申しますか、できるだけ送達速度を安定させ、またできるだけ迅速に送達しなければならないということ、私たちとしてもこれは郵便事業の使命でもあると思いまして、これにかわる代替手段がないものかどうかということで、従来この措置が出まして以来、たとえば国鉄の新幹線による深夜の輸送という方法を、特にこれによりますと郵便の送達速度もほとんど阻害されることなくスムーズに切りかえができるというようなことで、ずっと国鉄当局とも折衝を続けてきておるわけでございますが、今日までの時点で、国鉄方面でもこの運営その他の面から問題があるということと、またこれは新たなる公害を発生するというふうな問題もありまして、現在非常に困難な状況になっております。 そのほか、深夜における自動車による東海道の輸送ということも現在いろいろ議論しておるわけでございますが、これも時間的にやはり十時間以上かかるというふうなことでございまして、どうしても郵便の速度を犠牲にして対処しなければ、この公害対策としての、いま問題になっていることに対する解決策は見出せないというのが、実は私たち最近の結論でございまして、従来はその送達速度を阻害しないということでの代替手段の詮議のためにたいへん時間が経過いたしましたことは、郵政省といたしましても、たいへん申しわけないと思うのでございますけれども、今後はある程度郵便の送達速度も、もう落としてもやむを得ないということで、しかし、できるだけその点の影響の少ない範囲で漸減していきたいというふうなことで、まあもうしばらく時間をかしていただけますと、そういった措置を講じていきたい、一便でも二便でも減らしていきたいということで、現在具体的な措置を検討中でございます。
○阿部(未)委員 運輸省のほうにもお伺いいたしますが、運輸省は、さっき申し上げたように四十七年の四月二十七日から改善をしていくのだというふうに大体報告をなさっておりますが、いまお話を聞きますと、それからでもすでに一年半——一年半という長い間全然改善が行なわれていないことについてどういう措置をとってこられたのですか。
○隅説明員 郵便機についてのお答えでございます。 これにつきましては、ただいま郵務局長からお話がございましたように、われわれは、大臣あるいは次官あるいは局長同士、この問題につきまして、できるだけ一便でも、大阪離発着の夜間の郵便機についてこれを何とかできないか、ほかに輸送手段がないかどうかということを御協議申し上げましたけれども、ただいまお話しのとおりでございました。
○阿部(未)委員 これは長官、環境庁はもとより、運輸省にしろ郵政省にしろ、現地住民の皆さんがどんなにこのためにお苦しみになっておるかということを全然理解していないから、二年ないしはこの報告後も、一年六カ月という期間を放置してあった。いまにして若干の郵便の速度を落とすならば、夜間便の改善ができるというふうな結論に達するならば、熱意があればもっと早く、二年前、一年六カ月前にこれはできておったはずであります。 私は、たいへん失礼ですけれども、環境庁の長官が、この大阪国際空港の周辺で、特に夜の十時以降翌日の午前七時までの間に離着陸するのは郵便飛行だけでございますが、その郵便飛行のためにどのような迷惑をこうむり、どういう思いで毎日を過ごしておられるかを、どの程度一体御存じなのか、長官が把握をしておられるところをちょっと私に知らしてくれませんか。
○三木国務大臣 郵政省からもいま答弁されましたように、郵便というものの国民的な使命からして、なるべく郵便の配達というものに対する支障を最小限度に押えながら夜間飛行を減らす方法というものを検討しておったのでしょうが、御指摘のように、時間がかかり過ぎたわけでございます。これはやはり、もう多少の郵便配達上の支障を起こしても航空機騒音というものを、いつまでも放置できないということで、近くこれを計画的に減らそうということでございますから、われわれも航空機の騒音に対しての苦情は、もう常に聞いておるわけでございますので、これはできるだけ夜間飛行というものを、便数を減らしていくようなことについて郵政省とも十分連絡をとって、せっかく勧告をしながら、いままで長年月の間放置されておる事態はまことに遺憾でありますが、今後は早急にこの問題の解決に向かって環境庁も重大な関心を持って当たるつもりでございます。
○阿部(未)委員 長官、長官のお答えは非常にうしろ向きになっておるのです。環境庁が勧告をなさった内容は、夜の十時から翌日の午前七時までの間は、航空機は一切飛ばしてはならないという勧告なのでございます。その線に向かって努力が積み重ねられてきたのなら私はわかりますが、いまの長官の御答弁の内容は、少しでも減らしたいという、いわゆる運輸省の報告を基準にしてお考えのようですけれども、前に大石長官が勧告なさった思想というものは、夜間の航空機の発着は一切認めないのだという、地域住民の生活を念頭に置いた、地域住民の苦しみを理解した環境庁の勧告であったはずです。いまの長官の答弁ではだいぶん後退しておりますが、前の基準に戻ってもらわなければ話が進みません。どうでしょうか。
○三木国務大臣 私どもの環境庁の勧告は、お説のように原則的に禁止という勧告であります。まあ運輸省は段階的に実施しようということで、勧告の原則的禁止と段階的実施との間に多少のズレがあるわけでありますが、われわれの指導としては、できるだけ原則的禁止というような方向に向かって努力をするようにということを、われわれは勧告しておるわけでございます。だから将来は十時から朝の七時までは全面的禁止、まあ多少のこの経過措置があることはやむを得ないと思いますが、その方向に向かって今後も努力をいたす所存であります。
○阿部(未)委員 まだ私は十分納得がいきません。環境庁としては、あくまでもこれは解消だというふうに私は理解をしたいのです。 同じように、運輸省のほうもこの報告の中で、段階的に解消をするということになっておると私は思うのです。だから、残すのではなくて、段階的になくなっていくのだ、やがてなくなるという前提があるはずです。そこで問題は、段階とは一体どの期間を置くのかということが問題になってくるわけです。これが二カ月置いて一便減った、四カ月置いてまた一便減った、六カ月置いて一便減って、一年後に段階的に解消されたというならば、私は段階的ということばを理解するにやぶさかではありません。一年六カ月ないしは二カ年間放置して、段階的な措置が何にもとられずに、これからぽつぽつ段階的だなどということになれば、地域の住民の皆さんの気持ちをそんたくして納得するわけにはいきません。したがって、いまからやるとするならば、これは段階的ではなくて、もはや完全な解消、環境庁の勧告どおりに実施をしてもらいたいと思いますが、運輸省どうですか。
○隅説明員 われわれといたしまして、段階的に解消ということで郵政省とも話をいたしました。また運輸省では、ほかの飛行機につきましては十時から七時まで一切大阪の離発着を認めておりません。 こういうことで、たとえば大阪発東京行きの時間調整であるとか、あるいは福岡行き、あるいは大阪へ福岡から来るということにつきまして、いろいろお話は申し上げましたけれども、やはり郵便の公共性その他のいろいろの御事情によって、いまだに段階的にこのお話がついていないということが事実でございます。
○阿部(未)委員 事実はわかっておるのです。それはもう先ほど私も申し上げたとおり、今日までの経過、事実というものはわかっておりますが、残念ながら非常に長い時間がかかった。長い時間をかけて、なお、これから段階的だというお考えか、もうこれだけの期間がかかった以上は、環境庁は勧告のとおりに夜間便一切を廃止するというふうになさるおつもりかということを聞いておるのです。
○隅説明員 郵政省とお話がつきまして、郵政省のほうで、夜間郵便機については大阪は使わないというようなお話になりましたら、われわれとしては、これを一挙に解消することは当然でございます。
○阿部(未)委員 郵政省のほうは、いままでるる討論したのでよくおわかりと思いますけれども、私は率直に申し上げますが、今日郵便の中の大部分は、いわゆるダイレクトメールで、そんなに急がなくてもいいものが相当数あることは間違いがないはずでございます。特に東京、大阪に住む人だけが翌日配達の恩恵を受けるということが、一律の郵便料金のたてまえからして、たとえば九州から郵便を出して札幌には同じ二十円で翌日配達してもらえるが、ずっと近い岐阜のほうは三日もかかるというような実態さえある。それが郵便の便益を享受する国民にとって平等であるかどうかということについて私はいろいろ疑問があります。ありますけれども、それはいずれまた逓信委員会の場で十分論議をしたいと思いますけれども、少なくとも今日まで勧告を受けながら二年間にわたって放置をしてきた。いまこれを改善しようとするならば、もはや段階的な解消などということではなくて、地域住民の皆さんの要望に沿って夜間便のすべてをなくする、そういう決意をお持ちかどうかをはっきりしてもらいたい。
○石井説明員 ただいまの御質問でございますが、郵政省といたしましては、この問題の重要性にかんがみまして、とにかく代替手段で、一切この航空便を夜間には走らせないということを十分検討したつもりでございますけれども、残念ながら現在までその結論が、他に代替手段を見出すことができないということになりましたために、次善の策と申しますか、やはり郵便のサービスをダウンいたしましても、こういった夜間の航空便によって迷惑をかけておる皆さま方に少しでも早く、また少しでもそういった公害の面の被害を受けていただかないようにするための措置としまして、先ほど申し上げましたような夜間の便数の削減のことを申し上げたわけでございます。 今後こういったことを一歩一歩進めてまいるつもりでございまして、いますぐこの夜間便全部を廃止いたすといたしますと、これはただ東京、大阪のみならず、全国の郵便の送達の基本になっておりまするのが東京と大阪の便でございまして、それから分かれまして、また各地に行っておるわけでございまするので、もう少し全体の郵便のサービスのあり方を検討する中で、ただいま御指摘の問題についての回答を出さなければならぬと思いますので、もう少しその問題につきましては、時間をかしていただきたいと思うわけでございます。
○阿部(未)委員 長官、まだ郵政省は現地の人がどれだけ苦痛を受けておるかということで理解がないようでございます。大体夜の十時までは、あのジェット機の音でもって気違いになるような状況のもとにさらされておるのです。やっとジェット機が飛ばなくなった十時から寝ようかと思うと、それから今度は郵便機が飛び始めるわけでございます。一日じゅう、昼寝もできなければ夜も寝られないという状況にさらされておるのです。 そこで環境庁にちょっとお伺いしますが、環境基準で夜間の二十二時三十分から翌日の六時三十分までの間の騒音の規制は、この地域で大体どうなっておりますか。
○春日説明員 一般環境基準のお問い合わせだと存じますが、この地域における一般住宅地域、それから商業を中心とする地域等々によって異なりますが、大体最高六十ホンから最低四十五ホン程度の規制をしているはずでございます。
○阿部(未)委員 非常にいいことをおっしゃっていただいたのです。大体いままでの例から見ても、夜間が五十五、昼間が六十から六十五ぐらいになっておれば、たいへんありがたいのですが、残念ながらこの地域では七十五ホンになっておるのです。ところが、その七十五ホンさえ、長官、守られていないのです。これは昼間のジェット機と一緒に飛ばせば、プロペラ機は音が軽いでしょう。しかし夜間寝静まったところで飛ぶプロペラ機というのは相当大きい音になっておるのです。 それで、これは該当する川西市の調査でございますけれども、新しいものですが、十月二十一日から十月二十七日に至る一週間のデータがここに出されておりますけれども、二十一日の夜の午前二時十九分が八十九ホン、同じく二時三十八分が七十八ホン、その夜の三十二時三十一分は八十五ホンです。それから二十二日はなし——なしというのは、風向きの関係で反対の方向に飛び立つ場合があるから、これはないわけです。その次に二十三日ですけれども、これが三時五十五分が七十九ホン、それから夜の二十二時四十五分が七十八ホン。翌二十四日は二時四十五分が八十ホン、四時二分に八十六ホン。翌二十五日が四時三分に八十ホン、二十二時三十九分に七十九ホン。二十六日が二時二十六分に七十七ホン、四時三分に八十ホン、そして夜の二十二時四十分に八十一ホン。二十七日が二時二十分に八十二ホン、四時一分に七十九ホン、二十二時四十分に八十九ホン。いま環境庁がいみじくもお答えになりましたが、大体夜間は五十ホンから五十五ホン、ほんとうは四十ホンぐらいにしなければならないのですけれども、七十五ホンというこの規制値も私は非常に高い、これは不都合だと思うのですけれども、それさえも守られずに、川西市の自動測定器によってはかられた音響は、こういう音響を出しているのです。 そうしますと、さっき申し上げたように十時からやっと寝ようとするころから、ぼつぼつ福岡便が出るとか、東京の到着便がある。それからまたプロペラを回して始動し始める。そして飛び立っていく。夜中じゅう、これは眠られないんですよ。特に医学的な検討をした結果がありますけれども、たとえば睡眠の度に一段階から四段階までぐらいの睡眠の度合いが医学的にあるそうでございます。その中で七十五ホンの音が出ますと、これは一〇〇%、みんな目がさめるのだそうです、第一段階の眠りの段階では。二段階の眠りの段階に入っておったとしても、六〇%の人は目がさめて、四〇%の人は眠りが二段階から一段階に浅くなってくる。これは以下四段階までずっとそういうふうに医学的に証明をされているようでございます。 そういう状況にあるわけでございますから、こまかいことはいずれまた逓信委員会で議論しますけれども、郵政省が、いずれは環境庁なり運輸省の言うように、夜間便の解消に踏み切らなければならないとするならば、何を好んで、、何便かを減便するだけで、がまんをしてもらおうなどという発想が出てくるのか。この二カ年間、いやもっと長い期間にわたって、現地の皆さんにこれだけの迷惑を及ぼしてきているわけです。私どもも郵便は利用しております。郵便は利用しておりますが、その郵便が、東京で出したのだから、あした必ず着くというようなことは私ども思っておりません。あさってでもいい。より確実に着いてくれることを期待しておる。これは世論調査もございます。アンケートもございますけれども、そのアンケートの結果を見ても、急ぐ用事は電話でする。それから速達、電報。はがきなどで連絡するのは、わずかに一%しかないのです。急ぐ用事というものは、今日の社会ではほとんど電話でするのが常識でございましょう。それを急ぐ急ぐというその迅速を前面に押し立てて、確実などということはほとんど守られておりません。 若干余談になりますが、郵務局長にお伺いしますけれども、それではいまあなた方がおやりになっている輸送形態でいっておるならば、現実の問題として郵便が、あなた方が約束したとおり翌日配達の地域は翌日配達、二日の地域は二日後に間違いなく利用者の手に届けられておりますか。
○石井説明員 お答えいたします。 現在、御存じのように、四十七年の十月から郵便のダイヤといいますか、送達日数表というものを全国の主要な郵便局に掲示いたしております。主要な土地あての郵便の日数を国民の皆さま方にお知らせする、またお約束する制度になっておるわけです。いまお尋ねの件は、その日数表どおりいっているかどうかということでございますが、私たちの現在までの調査によりますと、時期によりまして実は多少の波動はございますけれども、おおむね、非常にまあばく然とした言い方でございますけれども、送達日数表は守られておるというふうに確信いたしておるわけでございますが、ただ、これはもう先生御案内のように、私のほうの内部でいろいろ問題が各地で起こっておりまして、そのような労務情勢等のために、いろいろな郵便の送達日数がおくれるといったようなケースはございますけれども、そういったような問題がない場合は、大体私たちがお約束申し上げておる日数で郵便の送達は行なわれておるというふうに認識しておるわけでございます。
○阿部(未)委員 だから、私が申し上げたように、翌日配達をされるよりも、二日後でもいい、確実に郵便が手元に届くことのほうを利用者は期待しておるのです。ところが、現実の問題は、ここで言うのは若干筋違いですけれども、郵政省のきわめてまずい労務管理、労働者不信の政策から、労使関係が常に紛争して、翌日どころか五日おくれ、七日おくれという郵便が山ほどあるじゃありませんか。そういうものを抜きにしておいて、この夜間飛行を使って翌日配達、翌日配達といってみても、国民は一向それを信頼していないのです。むしろ一日おくれてもいいから、出した郵便が確実に、一週間も十日もおくれることがなく手元に届くことのほうを国民が期待していることは、これはもう明らかな事実でございます。あなた方は一部の郵便と言いましたか、ある期間だけは翌日配達ができたからといって、たとえば年末に至って郵便が十日も十五日もおくれて、それでも翌日配達がやっぱりいいんだとお考えになりますか。むしろ翌日配達を一日おくらかしても、出した郵便は一日おくれても二日後には必ず手元に届くという郵便事業のほうが、国民の信頼を得ると思いますか。 いま国民は、あなた方が幾ら口をすっぱくしておっしゃってみても、東京に出した郵便が、あした大阪に着くというふうには考えていません。間に合うように着いてくれてありがたいとしか思っていないのですよ。それほど郵便事業は混乱しておるじゃありませんか。その中で、この夜間飛行を使ってまで翌日配達、翌日配達と口をすっぱくして言わなければならない理由は、国民の側から見るならば、私はきわめて薄いものだといわなければならない。もちろん、確実の次には早いほうがいいでしょう。おそいよりも早いほうがいいにきまっているけれども、第一の問題である安全確実というものが現に失われておって、そして翌日配達だけに、あなた方が執着をしておるというのは、私はどうも理解ができないのです。しかし、その論争はいずれ逓信委員会でやりましょう。 ただ、きょうは、いま環境庁も運輸省も、いずれは解消するんだということをはっきりおっしゃっているんです。ならば、来年のいつか知りませんが、来年の早い時期と環境庁長官はおっしゃいましたが、来年の早い時期の改正には、さっきおっしゃったように、若干郵便がおくれても何とかしたいというお考えのようでありますから、この際、夜間便は全部やらないということを明確に答えてもらいたい。
○石井説明員 ただいまのお尋ねの件は、私先ほどお答え申したわけでございますが、郵便輸送上、全国的にやはり同じ問題があるわけでございますけれども、これは翌日配達ということについての、いま御批判をいただきましたけれども、私たち郵便をあずかっている者といたしましては、やはり郵便の送達日数を少しでも縮めるということ、もちろんそれにも程度がございまして、ただいま御指摘のように、その他の通信手段もありますことですから、何も郵便だけが、時代の変遷とともに要請されておる使命というものも、これは変わっていっていいということは私も考えるわけでございますけれども、現在の時点では、これはわが国のみの問題じゃなくて、やはり夜間の航空郵便を飛ばせることによって翌日配達を確保するということを、世界各国とも共通の使命として現在やっておるわけでございますので、わが国におきましても、やはりわれわれの郵便の一つの生命線と申しますか、その点は何とかがんばらなければならないのではないか。この辺を一切くずして考えますと、三日のところが五日でも一週間でもかまわないということになりますと、これはまた別でございますけれども、できるだけそういった送達日数のほうも考えながら、もちろんいま御指摘になりました地元の住民の皆さんの御迷惑を考えて、できるだけそういった被害の少なくなるような方向でもっと検討を進めてまいりたいと思いますけれども、いまここですぐ全部廃止ということにつきましては、もう少し時間をかけさせていただきたいと思うわけでございます。
○阿部(未)委員 郵務局長、くどいようですが、もう一ぺん申し上げますよ。環境庁の長官も運輸省も、夜間便は解消するのだとおっしゃっているのですよ。いま郵務局長のお話ですと、どうも解消しない。若干便は減らしても解消はしないのだというふうに私は受け取れるのです。しかし、国の機関である環境庁や運輸省のほうでは解消するのだ、こう私に言っておる。郵政省はどうも解消はできない、こういう答えになってくるのですが、私は、環境庁長官は副総理でもございますし、これは内閣の中でも重要な責任を持っての御発言だと思いますから、解消するという政府の方針が明らかならば、郵政省といえども、それは解消せざるを得ないでしょう。ならば、その時期の問題しか残らないはずでございます、あとは。その時期の問題は、いままで引き延ばしてきたのだから、ここで一挙に抜本的な改正を行なうべきであって、なおかじりついて、この上地域の住民の皆さんに御迷惑をかけるようなことは、この際思い切って改善をしてもらいたい、こう思うのです。どうですか郵務局長、もうこの辺で決意をしてください。
○三木国務大臣 この問題は勧告にもありますように、解消するという方向で——いまここで郵務局長が直ちに解消いたしますという答弁は、郵務局長としてなかなかしにくいと思いますので、まあこれを解消するという方向で近く改正をするわけですが、そのときには解消という方針に沿うような夜間飛行の便数を思い切って減らす。多少の、やはり過渡的な処置が私は実際問題として要ると思います。しかし、それはあくまでもいつまでもそういう状態に置くのではなくして、解消するという方向に向かって、できるだけ過渡的な期間を少なくするように努力をいたしますということで御了承願いたいと思います。
○阿部(未)委員 長官、私はそのほうはわりあいに詳しいのです。したがって、やる気になれば、半日おくらかすつもりならば、いかなる代がえ手段もあるのです。半日おくらかすつもりならば、あるのです。その半日おくらかすかおくらさないかが問題になっておるわけですから、私は、いま長官が言ったのは一ぺん取り消していただいて、残るかもわからないという考えを持ってもらっては困ります。なくする、解消するという基本線を失ってもらっては困ります。 長官、実情はたくさんありますけれども、ひとつ訴えておきたいのですが、お年寄りの御夫妻が、ちょうど夜間郵便機の離陸をする下にお住まいなんです。この方が何とおっしゃるかといいますと、私どもは年ですから、皆さんと一緒に旗を持って反対だと言って動くほどの元気はありません。しかし、一升びんにガソリンを一ぱい詰め込んで、あの郵便機の下にもぐり込んで、これを爆発させて私も一緒に死んでしまう、そのくらいのことはできます。それでこの地域の皆さんがこうむっている悩みが解消するのならば、私は命を捨てることにやぶさかでありませんと、お年寄りはこうおっしゃっておるのです。これほどいま夜間郵便飛行の問題は地域の住民の皆さんの睡眠の妨害にものすごい影響を与えておるわけなんです。 ですから、郵便が大阪地域に半日早いとか半日おそいとかいうような問題ではないし、なかんずく、申し上げたようなダイレクトメールなんかが八〇%くらいあると私は思っておるのですが、そんな広告を何でそんなに急いで翌日届けなければならない理由があるのですか。それから大阪を支点として発着をする九州、四国、中国のほうも一部半日おくれる程度で、陸上輸送で十分間に合う計画ができるはずでございます。そういうことは専門的な分野に属しますから、これはいずれほかの分野で論議しますが、いま長官にお願いしたいのは、先ほどお話がありましたように、解消する、この原則を間違いなく守ってもらいたい。その線でまた運輸省、環境庁一緒に郵政省のほうと話し合いをしてもらいたい。 それから時間がありませんから、長官の都合もあるそうですから……。本件はいま裁判で係争中のようでございます。しかし第一点としては、裁判で係争中であろうとなかろうと、すでに環境庁がこの問題について勧告を発し、運輸省がそれに報告して解消の方向に向かって努力をしておるわけでございますから、裁判の進行とは無関係に、いままでの議論を踏まえて善処をしてもらえるかどうか、これが第一点目、お答え願いたいと思います。
○三木国務大臣 環境庁の勧告を出した線に沿うて努力をいたします。
○阿部(未)委員 二点目でございますけれども、今日まで公害の裁判については環境庁としても第一審の判決に従うように、民間のいろいろな問題について、もうずっとお進めになってきて、私はその姿勢は環境庁として非常にりっぱだと思っております。今回は国が相手になります、率直に言って。国が相手になりますが、かりにここで国が敗訴したとしても、控訴するようなばかげたことは、副総理として環境庁長官としてなさらないと思いますが、いかがでしょうか。
○三木国務大臣 まだ判決も下っておりませんから、いまお答えすることはどうかと思いますが、その時点において、公害問題という特殊性にもかんがみて十分に検討をいたします。
○阿部(未)委員 歯切れが悪いです。環境庁長官、あなた民間の場合に、一審の判決に従うべきだということをあれだけ指導しておられながら、たまたま国が相手であるからといって——第一審の判決がこれだけの長い期間かかって、住民を苦しめてきて、その判決が、もし夜間便を廃止すべきであるという判決が出たならば、いさぎよく副総理として、政府としてこれに従ってもらいたい。もし勝訴をした場合、国が勝ったというような場合においても、これは先ほど申し上げたように、当然措置をしなければならない問題です。ましていわんや敗訴したというようなことが起こった場合には、当然その判決に従うということを、ここではっきりお約束願いたいのでございます。
○三木国務大臣 その判決は政府も尊重しなければならぬのでありましょうが、この時点、判決の前にいずれの場合でも、公害問題でも、そういう民間の場合の例はありましたけれども、判決はできるだけ尊重するということが必要だと思いますが、しかし、それをどうするかということは、まだこの時点で申し上げるのは、少し時期が早い感じがいたします。
○阿部(未)委員 くどくなりますが、判決がどうであろうとも、これは解消するのですよ、長官。判決がどうであろうと解消するものが、判決で負けたからといって控訴するようなことは、長官のいままで私に答えていただいた内容と全く違ったものになってくる。かりに国が勝ったとしても解消しなければならない。ましていわんや負けて解消せよといわれたならば、解消するのがあたりまえじゃないですか。こういうはっきりした理論はないじゃないですか。それを約束ができないというのは、このまま裁判が、判決がなければ解消できるけれども、もし裁判で解消せよという判決があったならば、逆にもうおやりにならないということになるのですか、どうでしょうか。
○三木国務大臣 解消するようにということで勧告を出しておるようでございますから、そういう判決の場合には先ほど申しておるように、尊重することは当然でございましょう。しかし、いまここで判決の前にどうこうということを申し上げるのは、時期が早い感じがする。しかし、それは尊重することは当然でございましょう。
○阿部(未)委員 政府の責任者として、長官がここで控訴するしないとまでは言い切れないが尊重するのだ、いままでの議論の経緯もあるのではないかというおことばでございますから、それを私は全面的に信頼いたします。特に運輸省と郵政省については、長い間にわたって地域の住民の皆さんにたいへんな御迷惑をおかけしてきたわけですから、しかも方向はすでにきまっておるわけでございますから、この際たびたびこういう問題が起こらないように、ひとつ郵務局長、思い切って措置をとるように検討していただきたいということをお願いをして、私の質問を終わります。
○佐野委員長 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ————◇————— 午後一時四十二分開議
○佐野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 公害対策並びに環境保全に関する件、特に騒音対策問題等について、本日参考人として日本道路公団理事三野定君に出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認め、よって、さように決しました。 ————◇—————
○佐野委員長 この際、島本虎三君の発言を許します。島本虎三君。
○島本委員 この際、環境庁に資料提出の要求をいたしたいと思います。 いま問題になっております九水域の水銀にかかる環境調査の結果の資料は、当然もうおできになっているはずであります。これは重大な段階でありますので、ぜひ当委員会に資料の提出方を要請いたしたいと思います。よろしくお取り計らい願います。
○三木国務大臣 提出をいたします。
○島本委員 了解いたしました。 ————◇—————
○佐野委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について、質疑を続行いたします。木下元二君。
○木下委員 私は、この前この委員会で視察に参りましたので、その視察をいたしました琵琶湖の問題、福井臨海工業地帯の問題等につきまして二、三お尋ねいたしたいと思います。それから兵庫県で起こっております高速道路の問題についてお尋ねいたします。 まず、琵琶湖の問題でありますが、この前視察に行きまして、船に乗って汚染状況を調査もいたしました。ずいぶん汚染が進行いたしております。最近の新聞報道を見ましても、琵琶湖の汚染問題に警告を発しておりまして、あと数年で飲用は無理だ、こういうふうに報道いたしておるのでありますが、すでにこの点につきましては、二月二十八日の建設委員会で共産党の瀬崎委員からも、この点を詳しく指摘をいたしております。この琵琶湖の水というのは京阪神をはじめ、近畿一千万の住民がこれを飲んでおるわけであります。近畿のかけがえのない水がめであり、生命の源であります。これがどんどん汚染される、もう事態は深刻であります。 環境庁長官にお尋ねいたしますが、この点はどのように認識をされておるでしょうか。また、これ以上汚染を進行させないために、どういう対策が必要と考えておられるでしょうか。お尋ねいたします。
○三木国務大臣 今年の春に琵琶湖に関しても、瀬戸内海のようなああいう立法的な措置がございましたので、この立法の趣旨に沿って、琵琶湖の浄化をはかっていきたいということで指導をいたしておる次第でございます。
○木下委員 具体的にお尋ねしますが、視察もしたのですけれども、矢橋というところがあります。ここに六十七万平方メートルの人工島をつくって、下水道浄化センターを設けるという計画であります。これが進められております。これはもう琵琶湖の汚染を一そう進行させることは明らかであります。この点建設委員会でも問題になりまして、岡安局長は答弁をいたしておりますが、一般的にいって、閉鎖水域では埋め立ては汚染を進行させるので好ましくない、こう述べておられます。環境庁として、この琵琶湖のきれいな水を取り戻すという観点から、この人工島の問題をどのようにお考えになっていられるのか、お尋ねします。
○森説明員 お答えいたします。 一般的に申し上げまして、公有水面の埋め立て地の造成につきましては、環境保全の立場から事前にきびしくチェックをいたしまして、その埋め立てが必要不可欠で、環境保全上問題がないというものに限って認めてまいる方針でございますが、先ほど大臣からも公有水面埋立法の改正に基づきまして、埋め立てにつきまして環境庁にもいろいろ御相談があるということで、きびしくそういうチェックをしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 いま御指摘のございました琵琶湖の草津の浄化センターでございますか……。
○木下委員 下水道。
○森説明員 下水道の終末処理場の問題でございますが、これにつきましては、琵琶湖を、ただいま御指摘ございましたように、このままではやはりいけない。そうしますと、やはり下水道を完備しなければいけないということになるわけでございまして、そのための不可欠な施設というふうに考えておるわけでございます。 それから問題は、どこへ排水するかということでございますが、今回の計画では瀬田川のほうに排出をするという計画でございますので、琵琶湖自身の汚染に問題はないのではないか。 それから埋め立てによりまして、流水が停滞するというような問題は、立地上どうもあの地区にはないというふうに考えておりまして、したがいまして、埋め立て造成ということは、やむを得ない措置ではないかというふうに考えておるわけでございます。ただ問題は、工事にあたりまして、工法等で何か問題が起こらないように、よく指導してまいりたいということが一つでございます。 それからもう一つ、瀬田川への排水につきまして、漁業に対する影響なども十分配慮いたしまして——排水先がいろいろ問題になっているようでございます。三千メートル以上、下へ持っていって排水をするという計画でございますが、その排水先の決定につきましては、十分今後関係者と協議をいたしまして、問題の起こらない措置をしてまいりたいという考え方でございます。
○木下委員 この人工島をつくるのは、埋め立てをして人工島をつくることになるので、こういう水域、特に閉鎖水域で埋め立てをして人工島をつくるということになると汚染が進むことは、もう争いの余地がないと思うのです。いま言われたのでは、汚染に問題はない、こんなことを言われましたけれども、とんでもないことですよ。汚染が一そう進行いたします。下水道浄化センターをつくる必要があるんだと言われることはわかりますが、この矢橋以外に適当な場所がないのかどうか、これが問題ではないのですか。 現地では説明を受けましたけれども、ほかにはどうも適当な場所がないような県の説明でありました。しかし、そうではないと思うのです。周辺には大企業が所有をしております土地、しかもこれは埋め立てられた土地なんであります。埋め立てられた大企業の未利用地あるいはゴルフ場、こういうものがあるのです。そういうものを放出させて、そこに浄化センターをつくるべきではないか、この点は一体どうでしょうか。 そういうふうな大企業の所有しておる未利用の土地があるかないか調査もされていないというのか、あるいは調査をされ、それを取得するために、いろいろ交渉も進められたというのか、どうなんでしょうか、そこを伺いたいと思います。
○森説明員 私、直接見ておりませんから、たいへん申しわけございませんけれども、私が聞いております限りでは、いまのようなほかの代替地につきまして検討はいたしたようでございます。ただ、面積の問題、逆に言いますと、もう少しやはりいまの計画よりも狭い、そういう問題があることが一つと、それから今度の浄化センターの場所でございますが、先生御視察のとおり湾曲部になっておりまして、そこを埋め立てましても流水等に影響がないという判断のもとに、今回の場所を選定をしておるというふうに聞いております。
○木下委員 どうも、代替地について幾らか検討されておるということを言われますが、もっと私は真剣に検討すべきだと思うのです。代替地があるけれども面積が少ないというようなことを言われますが、これは反対運動を起こしておる住民の側からも、いろんな案が提起されておると思うのですよ。面積がもっと少なくなってもやっていけるような対案というものが出ております。私はここで、時間の関係で詳しく申し上げませんけれども、そうしたことについて、真剣に検討して、一体代替が可能かどうか、私は、環境庁はもっと根本的に検討すべきだというふうに思います。 この矢橋の下水道浄化センターばかりではなくて、浜大津の人工島というものも計画にありますが、この計画も非常に問題であります。もう滋賀県のほうでは、これを予算化し、埋め立て認可申請をしようとしておるようでありますが、これは滋賀県だけの問題ではないんですよ。これは浄化センターにいたしましても、そうでありますが、ただ滋賀県だけの問題ではありません。これはもうすぐその近くから京都の疎水が流れております。京都の飲料水、京都ばかりではありません、これは近畿全体の飲料水が汚染されるという問題なんです。一千万住民の命と健康にかかわる問題ですよ。それをただ滋賀県が、県の段階でおきめになるということでは、非常に問題があるように思います。環境庁としましても、こうした問題について抜本的に再検討を進めていただきたいと思うのです。長官いかがでしょうか。
○三木国務大臣 下水道の最終処理などに対して埋め立てなどが行なわれるという例は、ほかにもあるわけであります。ほかに代替になる土地があったならば、そういうことをしないほうがいいとは思いますが、この場合にはやむを得ないというようなことであって、そこで人工島ですか、そういうものをつくるということのようでありますが、しかし、そのことによって環境の汚染をなおさらにひどくするようなことがあれば目的を達成できませんから、今後県を指導して、十分に県とも連絡をとって遺憾なきを期してまいりたいと思います。
○木下委員 その点は、代替地がほかに適当なところがないようだと言われますが、いま申しましたように代替地はあるのですよ。しかも埋め立て地があるのです。埋め立てをされまして——一々名前も申してもいいのですけれども、大企業が持っております。利用されていないあき地になったところがあるのです。面積が少ないと言いますけれども、これもやりようによっては十分これでやっていけるという対案も出ておるわけです。そこらについて十分検討をいただいて、ひとつ指導を強めていただきたい。よろしいですか。
○三木国務大臣 よろしい。
○木下委員 それから次は、福井県の問題でありますが、これも時間がありませんので一、二点だけ簡単にお尋ねいたします。 去る九月四日に福井県は、地元住民の反対を押し切って、古河アルミニウム工業株式会社ということでありますが、ここと立地協定に調印をいたしました。同時に中部電力と共同火力発電所建設の覚え書きを交換いたしました。通産省は、この件に関しまして、一定の事前の環境アセスメントを行なっておると思います。環境庁にお尋ねいたしますが、通産省のこの環境アセスメントをどのように評価しておられるでしょうか、これで十分とお考えでしょうか、まずお聞きします。
○城戸説明員 福井県の臨海工業開発計画でございますが、この点に関しましては、経過から申し上げますと、ことしの四月に近畿圏整備本部からいろいろ事前のお打ち合わせがございまして、その後福井県といろいろヒヤリングをしながら資料も要求いたしているわけでございまして、現にこの九月になりましても、再度資料の追加要求をいたしております。したがって、現在の段階におきます事前調査というのは、まだ十分ではないと私ども考えております。
○木下委員 環境庁のほうは、この立地協定が締結されました後に、福井県に対しまして十二項目の質問書をお出しになっている。これは新聞報道によりますと十三項目だという記事もありますけれども、とにかくそういう質問書をお出しになって回答を求めておられると聞いております。 そこでまず第一に指摘しなければならないのは、この港湾の建設も始まり、用地の埋め立てがどんどん進行し、そしてそこに公害の元凶である火力発電所とアルミ工場の進出がきまった後にやっと質問書を出すという環境行政のおくれがあるわけであります。この質問書を出す前に環境庁は一体何をやっておったか、この質問書を出さなければならないというのは、通産省の環境アセスメントにも問題があるのではないか、もっと事前にどうしてチェックできなかったのか、こういうふうにも思えるわけであります。この点を伺います。
○城戸説明員 これは、私どもこういう形で地域開発等に発言をいたします場合、いろいろな形のものがございます。たとえば公有水面の埋め立てということになりますれば、新しく改正されました法律では、環境庁長官の意見を聞いて運輸大臣がしかるべき措置をする、こうなっておるわけであります。ところが、この今回の関係は、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律に基づく計画として進められてまいりました関係で、私どものほうにまいりますのは、造成敷地等の処分管理計画が近畿圏整備本部のほうに届けられましてから以後動いてくる、こういうかっこうになるわけでございまして、その辺法律の体系的にも非常にいろいろ問題があった点もございまして、県のほうも現に調査等をやる時期が非常におくれておりまして、私どものほうに持ち込んでまいったのが時期的に非常におくれておったわけでございます。そういうことで今回察知いたしましたのが、さっきお話ししましたように四月以降、かような状況になっております。
○木下委員 この質問の十二項目か十三項目か知りませんけれども、重要な問題点一、二でけっこうですが、どういうものがございますか。
○城戸説明員 これは最初に県に要請しましたときが先生いまおっしゃったように十三項目でございます。これは八月の三十日でございます。その後さらにこれをしぼりまして、九月の二十八日に要請しておりますのが九項目でございます。 大きな項目で申し上げますと弗化物の問題。これはアルミでございますから弗化物が一番大きな問題でございます。この点につきましての問題がないということが十分評価できるようなシミュレーションによる予測等を行なってもらいたいというのが第一点、第二点が硫黄酸化物の関係、第三点が窒素酸化物の関係、第四点が浮遊粒子状物質の関係、第五点が工場排水中の健康項目の関係、第六点が産業廃棄物、第七点が温排水等々となっておるわけであります。
○木下委員 この質問書に対する回答は、いま県で検討中だというふうに聞いておりますが、この回答が不十分な場合には、計画の変更なりあるいは立地協定の破棄なりの要求を環境庁としては、やるお考えがあるでしょうか。
○城戸説明員 先ほどもお話ししましたように、私どもとしましては処分管理計画につきましての意見を近畿圏整備本部のほうに言う、これが法律上のたてまえになっておるわけでございまして、あとは県のほうに事実上の関係としまして今後問題が起こらないような指導をしていく、かようなことになろうかと思うわけでございます。 それで一番中心のアルミの問題につきましても、その後できるだけデータを持ってきてもらうように言っておりますので、その辺を見ました上で判断をいたしたいと思っております。 実はこの段取りとしましては、処分管理計画のあとでさらに工事が完了しました後に造成敷地の譲渡、それから製造工場の建設、こういう手順になるわけでございまして、まだその段階には少し早いわけでございますので、その間にいまのような形で、いわば譲渡の予約契約的性質を持ちます立地協定が結ばれたわけでございますが、今後のアセスメントの内容、それに対する結果の評価いかんによりまして、私どもとしましては十分意見を言ってまいりたい、こう思っております。
○木下委員 ちょっとよくわかりにくいのですが、新聞報道なんか見ましても、環境庁のほうは回答次第では臨海工業計画の練り直しをきびしく要請していくというふうにも書かれておりますが、そういう姿勢はあるというふうに理解していいわけですか。
○城戸説明員 県のほうに対しては、私どもといたしましては、そういう考え方で要請してまいりたいと思っておりますが、これはさっきもお話ししましたように、法律上のたてまえとして環境庁自身が法律的にチェックする、こういうような体系にはなっておりませんことを申し添えておきます。
○木下委員 また、環境庁でいろいろ質問をされておるこの質問書に対する県の回答もあるわけでありますが、こうしたものを公表して、関係住民やあるいは諸団体で十分討議を進めていくということが必要不可欠のことだと私は思うのです。関係住民をつんぼさじきに置くのではなくて、住民をこうした問題に積極的に参加をさせていく、これが民主主義というものだと思いますが、こうした点についてどうでしょうか、これを公表する、あるいは住民参加の機会をつくっていく、こういうお考えは環境庁としてお持ちでしょうか。
○城戸説明員 事前環境アセスメントなるものは、いまおっしゃいましたように住民の納得を得るためにやるわけでございますから、各種の調査等を終わりましたら、それの調査結果に基づきまして住民サイドと十分話し合っていく。それでその結果についての、まあ役所側からいいますと十分なるPRをしていく。それによって了解を得られれば、それで問題は解決するわけでございますから、そういうことが適当だろうということは指導をいたしておるところでございます。
○木下委員 いまのちょっとわかりにくかったのですが、何ですか、全部終わったらという意味ですか。質問をされ、回答があるわけですね。その時点でそうしたことを公表していくということですか。
○城戸説明員 これはさっきお話ししましたように、非常にたくさんの項目があるわけでございますが、それぞれの項目に応じまして、調査がまとまり次第、その結果によって、こういう問題点がある、あるいはこの問題に対しては、そういう問題があるから、こう対処するということについて住民側と話し合っていくことが一番あとあと問題を生じない原因じゃなかろうか、こういうふうに考えて指導をしておるところでございます。
○木下委員 けっこうでございます。 それでは次は、中国縦貫自動車道の建設の問題をお尋ねいたします。 これは日本道路公団がやっておるわけでありますが、西宮市の塩瀬町青葉台地区で、この道路工事をめぐって住民との間に大きなトラブルが起こっておるわけであります。この青葉台地区と申しますのは武庫川の上流でありまして、山々に囲まれた静かなところであります。付近はピクニックやキャンプの目的地として阪神間でも有名なところであります。ここを阪神電鉄が住宅地として開発いたしまして、四十二年十月ごろから分譲に出したわけであります。現在の住民というのは、騒々しい都会生活、ひどくなる公害からのがれるようにしてここにやってきたわけであります。 ところがその後、この青葉台地区の住宅地域、大体二百戸以上の住宅密集地域でありますが、その住宅地域のまん中を中国縦貫道路が通るという計画が発表されました。住民のほうにわかったのは四十四年以降であります。そして四十六年五月に工事の爆破事故がありまして、これをきっかけとして公団、住民との間に工事をめぐって交渉が進められてきました。 ここに「中国道問題 経過のあらまし」と題する住民側のつくったメモがあります。経過がずっと詳しく載っておりますが、省略をいたしまして、四十六年の十一月十四日に公団と住民のほうで話し合いが持たれまして、約束が行なわれておるということが書かれております。そこの項を読んでみたいと思います。 「十一月十四日、第三回協議集会、公団側長野(大阪支社長代理として)、県議、市議各一名。今後下の三項目に従って交渉を進めることが約束される。一、青葉台近傍道路の設計については公団単独で決定せず住民と協議の上行なうこと。この観点から公団は先ずトンネルカバー案を具体的に検討した上でその結果を住民に説明すること。二、次回の協議集会には木村支社長の出席をはかること。三、設計問題について協議による解決が行なわれるまで工事を中止すること。」こういう約束があったというふうに書かれております。 その後も再三話し合いがありましたけれども解決に至りませんで、ことしの十月末ごろになって、公団は工事の一方的再開を表明してまいりました。県があっせんに入りましたけれども、不調に終わって、結局住民がすわり込んで反対する中を工事を強行してきました。これが今日までの経過であります。 そこで、公団のほうにいろいろ詳しく質問する予定でおりましたけれども、私の持ち時間がもうあと十五分しかありませんので、それはあとで公団のほうにいろいろお尋ねしたいと思います。 そこで、こういう経過がありまして、結局、住民と公団との間にいま私が指摘しましたような約束があるのに、これを一方的に破棄をして工事を強行してきた。まあこれは、約束があった、なかったにかかわらず、こうした問題については双方が円満解決を期して話し合ってきたわけでありますから、工事をストップして話し合ってきたわけでありますから、それをいきなり、もう問答無用だということで強行をするのは穏当ではない、信義に反すると思います。これはもう全く暴挙だと思います。 しかもこれは、住民のほうは決して無理難題を吹っかけておるわけではないのであります。住宅のまん中に高速道路が通れば、環境が一変いたします。健康がそこなわれます。一体何のために、住民はこの青葉台にやってきたのかわかりません。何とか公害の生じないように万全を期してやってもらいたい、これが住民の願いであります。高速道路の建設そのものをとめようとするのでも、あるいは引き延ばそうとするものでもありません。なぜ誠心誠意真心を持って住民と話し合いができないのか、こう思うのです。 そこで私、環境庁長官にお尋ねしたいのですけれども、このような公団の態度、権力をかさに着まして、もうまるで警察権力のやり方そっくりであります。住民のほうは、環境が破壊される、子供たちの健康を一体どうしてくれるのか。何とかひとつトンネルカバー方式について考えてくれないのか。これは当然の要求だと思うのです。当然これは工事を中止して話し合うべきだと思いますが、この点はいかがか、長官のお考えを聞きたいと思います。
○三木国務大臣 原則的には、道路建設の場合には、地元住民との間に円満な話し合いをつけることが好ましいと思います。この青葉台も、昭和四十六年ですからね、二カ年間にわたって市会とか県会が仲へ入っていろいろな調停案も出たようですが、それがまとまらなくて、工事が開始されたことは残念に思うわけであります。 しかし、われわれが関心を持つのは、これによっていろいろな環境上の悪い影響というものに対しては、環境庁も関心を持たなければならぬわけでありますから、公団のほうでもこれをやってみて、観測をして、もし非常に騒音というものがひどいような場合には、道路におおいをするわけですが、そういうことのできるような工法を残しながら道路の建設をするということになっておるようでございますから、今後の工事が進んでいくことによって、それが環境にどういう影響を与えるかということは、われわれも今後は関心を持ち続けてまいりたいと考えております。
○木下委員 いろいろ方法はあると思うのですが、私は、第一にお尋ねしておるのは、こういうふうに話し合いをしておったのに、これを一方的に打ち切って、工事を強行する。しかも住民との話し合いの中では、円満な話し合いによって解決するまでは工事はストップをするということになっておるのに、こういうふうな形で強行してくる。これが非常に問題ではないかということを言っておるわけです。特に公団のほうは——西宮市の公害対策特別委員会、これは西宮市議会にあります。この特別委員会が行政分科会を開きまして、工事を強行すべきではないという決議までいたしております。全委員が現地に飛んでその旨を公団側に申し入れもしております。それを無視して、次々とくいを打って、金網を張って工事をやっておる。さらに兵庫県当局が十一月一日にあっせんに乗り出しましたけれども、そのあっせん中にさえ工事を強行しておるのであります。 これは地元議会、地方議会、地方自治を否定し、民主主義のルールを踏みにじるやり方だと思います。道路公団というのは、私は国民に対するサービス機関だと思っておりましたけれども、いつ、こういうファッショ的な権力機関に変わったのか。特に七日には公団は全国から数百名の職員、八百人とも千人ともいわれておりますが、そういう大量動員をいたしまして、ヘルメットで固めさせまして住民をごぼう抜きいたしまして作業を進めました。女性や老人や子供を中心にした百人足らずの住民を、まさにねじ伏せるように圧殺して工事を進めておる。これは常軌を逸したやり方だと思うのです。けが人も出ております。こういうふうな強権的なファッショ的な工事の進め方は、私は絶対許せないと思うのです。環境庁、この点いかがですか。
○三木国務大臣 われわれが関心を持つのは、道路建設による環境への影響というものを、環境庁としては住民の立場から非常に重大な関心を持つわけでございます。しかし先ほど申したように、道路建設するような場合に、二年という歳月がかかっておって、いろいろな案が出たけれども、そこで話がまとまらなかったのでしょう。しかし、いずれにしても、できるだけ地元との間に円満な話をつけてから工事をやるということが好ましいことは間違いないので、いまいろいろ御指摘になったことの事情は私は詳細には承知いたしませんが、やはりそれは、そういう話がつかないままに工事を再開するということは残念なことだと思っております。 今後公団が、いろいろ全国の道路建設の場合があるわけで、公団側としても地元の話し合いというものは寛容、忍耐、そういうものがないと、話は簡単につかない場合が多いと思いますが、今後はできる限り、そういう話のつかないままに工事を再開することのないことを、公団側にも強く要請をいたしたいと思います。
○木下委員 二年間やったから十分ではないかという考えでもないとは思いますけれども、この二年間一体何をやっておったのかという点、これは公団のほうにも聞きたいと思いますけれども、解決能力のある者が話し合いに参加して、解決のために一体どれだけ努力を払ってきたのか、これは非常に疑わしいと思う。ただ、とにかく時間をかけたというだけであって、ほんとうに真剣に前向きでこれを解決するために取り組んだとは私は思いません。そのことを指摘しておきたいと思います。 もう時間がありませんので、一つだけ申しておきたいのです。中央高速道路の北烏山地域というところが、いま問題になっておりますが、ここでは公団のほうからシェルター方式というものの提案がされておるのですね。これで一応解決のきざしが何か見えたように新聞は報道しておりますが、青葉台では逆に住民のほうから提案をいたしましても、これが取り上げられないのです。北烏山でやれることを青葉台でどうしてやれないのか、当然これはやれるはずだと思うのです。 そのことと、それから公団のほうは、おそらくこれはシェルター方式でなくて防音壁でやれば十分ではないかということだ思うのですが、一体防音壁で環境基準が守れるのかどうか。公団のほうがいっておるのは、道路に面する地域についての環境基準、これは何とか守れるから、この防音壁でかまわないじゃないかというふうに言っておるようなんです。この点、私は非常に問題があると思うのです。いわゆる住居用に供せられておる地域の環境基準、これがずっと適用されてきておって、そして今度は新たに道路がつくられる、だから道路に面する地域になったから、道路に面する地域の環境基準で十分なんだという考え、これは私は非常に問題だと思うのです。一方的に住居地域のまん中に高速道路をつくって、道路に面する地域になったんだから、その環境基準でいいんだ、これではあまりにも不当だと私は思います。 これは一般論といたしましても、道路に面する地域の環境基準というのは、これは既設の道路がある地域についてのものではないかと考えるのです。新たに住居地域に道路がつくられる場合の基準ではない、こう私は解釈をいたします。そうでなければ、もう一方的な環境破壊をどんどん許すことになります。しかも道路に面する地域の環境基準というのは、これは一応数値が出されておりますけれども、これは別に定めがありまして、五年以内を目途とした努力目標とされております。場合によっては五年をこえてもかまわぬということになっているのですね。ですから、住宅街に高速道路がつくられましたときは、一ぺんに環境基準がなくなってしまうような結果になるわけです。この点について、環境庁長官はどのようにお考えになっておるのか。これは当然私がいま言いますような解釈でいいと思うのですけれども。
○春日説明員 御指摘の問題、非常にむずかしい問題だと私も存じております。 御指摘のように、青葉台団地の中央にハイウェーが走りました場合、従来は住宅地域、いわゆるA地域であったわけでありますから、A地域の騒音に係る環境基準が適用されておったわけでございますが、ハイウェーができまして、その両わき四十メートルずつ公団が買収をいたして、いわゆる緩衝地をつくっておりますが、その緩衝地のすぐそばに家が建っておるわけでございますので、やはりこれは騒音に係る環境基準のいわゆる地域補正と申しますか、道路に面した地域として、住宅地とは違う新たな環境基準が適用されるのは当然であろうと考えております。
○木下委員 もう時間がありませんから、ここで論議はいたしませんけれども、そういう解釈は非常に問題がありますよ。住宅地域に新たに道路がつくられると、もう道路に面する地域ということになって、その環境基準が適用されるということになれば、幾らでも環境が破壊されるということになる。だから、もし、そういう考えでいくとすれば、私は前提があると思うのです。その前提というのは、住民こぞって、その道路がつくられることに同意をしておる、納得しておるということだと思うのです。住民が反対しておるのに一方的に道路をつくって、環境基準を一方的に切り下げてしまう、これではもう環境基準なんというのは有名無実であります。そういうことができるとすれば、もう住民の健康はそこなわれるし、住宅地域の地価もどんどん下がって財産的価値も失われていく、たいへんな問題になると思うのです。その点だけを指摘しておきます。 最後に、環境庁長官と建設省のほうの政務次官来ておられますので、時間がございませんので最後にお尋ねいたします。——環境庁長官おられませんので、それでは建設省の政務次官のほうから先にお伺いいたします。 この道路工事を環境破壊おかまいなしに権力でゴリ押しをするようなやり方、これはひとつ改めるように、公団を説得をしていただきたいと思うのです。 さっきから申しておりますように、住民は何も道路がつくられることを頭から反対といっておるわけではないのです。自分たちの環境を守れるような方法にしてほしい、そういうことで、いま申しましたようなフェンダー方式というのですかトンネル方式ですね、そういうものができないだろうか。もしそれがすぐできないとすれば、その五メートルの防音壁でけっこうだ、しかし道路ができて側定をして、基準をオーバーしておるということになれば、そのとき直ちにトンネルカバー方式をとってくれ、こういうふうな、だれが見ましても非常に理の通った要求を出しておるのですけれども、そういう問題について話し合いがきちんとできるまで工事をとめて円満に話し合ってほしい、こういっているのですよ。 ですから、この点はひとつ建設省のほうといたしましても公団を説得をしていただいて、そういうことができるように話し合いができるようにお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○松野説明員 先ほど来いろいろ御質問がございましたが、公団のほうとしましてはある程度の時間もかけまして、一生懸命地元住民との話し合いを進めたように報告を聞いております。したがいまして、やむにやまれずこの段階に至ったと思いますが、しかし御趣旨の点につきましては、なお住民と話し合いをしながら工事を進めていきたい。ここで工事をとめておりますると、全体の計画が大きく狂いを生じますので、もちろん住民の御意見も十分聞きながら、工事を進めながらということで、むしろ先生のほうからも、そのあっせんの労もとっていただきたいということを私のほうからもお願いを申し上げます。
○木下委員 それはいままでずっと私、経過をお話ししましたことから見まして、もう全く不当な結論だと思います。環境庁長官おられませんね。——もう来られますか。建設省のほうあるいは公団のほうに対しましては、あとで私はもう少し、いま言った問題等につきまして質問いたしたいと思います。 長官に最後にお尋ねいたしますが、住民と公団との話し合いが円滑に進むことがいま一番大事だと思うのです。これはどういう不祥事態がまだまだ起こるかわかりません。すでにいまさっき申しましたように、けが人も出ております。住民のほうは、自分たちの命と健康を守るんだ、自分たちの財産を守るんだということで、これは当然の正当行為ですよ。こういうことで不祥事態が起こるということはよくないことですから、何とか円滑に話を進めていただきたいと思うのです。 そのためには工事を中止して話し合いを進めなければ、これはもう話ができません。一方で住民に対して、つらをなぐるようなことをしながら、他方で話し合いといったって、そんなこと、できっこないのです。そこで、この青葉台の環境が破壊されないためにも、ひとつ公団なりあるいは建設省に強力に働きかけていただきたいと思います。いかがですか。
○三木国務大臣 この問題については、両方の歩み寄りも相当にあると思うのですよ。伊丹市会でしたかな、調停案が……(木下委員「あっせん案が県から出ております」と呼ぶ)県から出ておるあっせん案なども、読んでみると相当歩み寄れる余地もありますよね、ああいう点で。そういうことで、いま木下委員の言われるように工事を全面ストップというわけにはまいりますまいけれども、工事を継続しながらも両方の話し合いをしなければ、御指摘のようないろいろなことによって住民の賛成を得られないで工事を強行するということになってくると、いろんな不測の事態も起こりますので、したがって今後も歩み寄れる余地はあると思いますから、よく話をするように伝えることにいたします。
○木下委員 いま長官が指摘されましたように、住民の賛成が得られないで工事をやるということは、いろいろ問題が起こるわけですから、工事をやりながら話し合いといったって、そんなことはできっこないのですよ。これまでずっと工事がストップされて話し合いが進められておったわけですからね。それを一方で工事をやりながら、環境をどんどんぶちこわしながら話をするといったって、そんな話なんて住民の立場から申しますと、できません。いま環境庁長官も言われましたように、むずかしい条件とか困難な問題ということではないと思うのです。もうわずかのところまできていると思う。だから、工事をストップして集中的に話し合いが進められるように、できるかできぬかわかりませんけれども、少なくとも環境庁の長官としては、そういう立場でひとつあっせんなり、あるいは公団なり建設省のほうに働きかけていただきたいと思います。
○三木国務大臣 地元の住宅地を通るわけですから、この道路が環境にどういう影響を持つかということは重大な関心を持っているわけです。したがって、そういう立場から住民の人たちが非常な不安を持つということはよくわかるわけですから、今後においてそれが悪い影響を与えるならば、公団自身も、そういう場合に対しての用意も持っておるようですから、おおいをしてしまうとか、こういうことに対しては、われわれも住民側に立って今後道路公団との間に環境保全のためのあっせんはいたしたいと思います。 けれども、あなたとの違いは、いままでも二年もかけていろいろないきさつがあったわけですから、この工事に全面ストップをかけて話をやれということには、いまさようにいたしますというお答えはできませんが、とにかく話し合いをつけてやることが、工事を進めるについても非常にやりやすいわけですから、いま工事をやりながらも円満な話し合いがつくように努力をせよということは申します。これで話し合いがつくことによって、住民の人たちのいまの対立関係も解消できるような努力はいたすつもりでございます。
○木下委員 もう時間がありませんので終わりますが、どうもその点が、やはり長官わかっていないと思うのですよ。それはまさに国の側に立っておられると思うのです。環境庁の立場に立ってお考えになると、道路をどんどん強行してつくるということは、住民のほうの要求を無視して環境を破壊していくということですから、そういうことでは困ると思うのです。だから、そういうことでは住民のほうだって、納得して円満な話し合いなんということにはならぬでしょう。一方的にどんどん環境を破壊しながら話し合いなんていったって、そんなことでは住民は納得しませんよ。長官は現地の状況もわからぬし、そこらの認識が誤っておると思うのです。そこらをもう一ぺんよく考え直していただきたいと思います。私また長官のところへ参りますので、その点はよくお考えいただきたいと思います。 もう時間が来ましたので、やめます。
○佐野委員長 中島武敏君。
○中島委員 私は、きょうは大分新産都市の問題について質問をしたいと思っています。 一つは、大分市の三佐地区の健康被害問題についてです。もう一つは、最近結ばれました、県、市と新日鉄の大分の大増設計画をめぐっての公害防止協定の問題、三つ目は六、七号地の埋め立て問題、いま一つは佐賀関漁協の漁業権問題、これらについてお尋ねしたいと思っております。 まず最初に三佐地域の健康被害の問題に関してなんですが、これは大分県の医師会が行なった健康調査に関する報告書ですけれども、「三佐校区住民健康調査結果報告書」というものが出されております。環境庁は、いつこれを入手されましたか。
○橋本説明員 いま先生のお示しになりました報告書は、公害保健課のほうに、たしかことしの五月ごろ参ったというように聞いております。
○中島委員 これを受け取られて、どんな分析を行なわれ、どんな評価をされたか、その点をお尋ねしたいと思います。
○橋本説明員 いま先生のお示しになりました報告書でございますが、これは大分県の医師会が調査をしたということでございまして、県から委託を受けた調査であると、私ども解しております。そして、その行なわれました医師会自身が、この地域の公害を防止するというために地域活動として健康調査をやられるということは、私どもは非常に歓迎をしておるということでございます。 それから、そこの内容でございますが、その内容はこの医師会が、BMRCと申しまして、イギリスの医学研究委員会のつくっている調査票の様式を一部少し変えまして、モディファイしまして、つくった調査票を使いまして調査をしたわけでございます。その調査のやり方は、国が地域指定をやるときの調査と完全に一致しているかというと、非常に似ておりまして、同じところもございますが、なかなか国がやっている調査と同じように、この数字をすぐさまもろには比べるわけにはいかないというぐあいに感じました。 もう一つは、大分の中を調べる場合に、医師会がおやりになったことでございますから、大分県の中でいろいろ比べる場合には、それはわりに意味のあることだろうというぐあいに解しております。
○中島委員 どういう分析と評価をされたかということをお尋ねしたのですけれども、それについてはいかがですか。
○橋本説明員 この分析の評価でございますが、ここの中で三佐地区というところを五つに分けておりまして、その中でいろいろ調査をしておりますが、そこの調査の結果を見ますと、この三佐地区の五区というところは、大体中等度汚染地帯並みの有症率を示しておるというように私どもは解しております。この場所は御承知のように農薬工場とパルプ工場に囲まれて、一方に石油精製工場があるというような非常に工場に囲まれた地域でございまして、この点において、このような有症率が出るということは注目しなければならないだろうというように私どもは感じております。 ただ、ここの場所の汚染測定データを見ますと、これは硫黄酸化物のデータでは低くなっております、大分県が従来はかっておりますが。そういうことで、従来からはかられた汚染測定データと有症率ということを比較すると、どうしてこういう形が出るのだろうかということが、少し納得がいかないというところがございます。
○中島委員 もうちょっとお尋ねしておきたいのですが、環境庁はことしの三月二十七、八日に大分に調査団を派遣されましたですね。そのときの報告も出ているのではなかろうかと思いますが、この健康被害問題についても非常に注目をしておられたんじゃないかと思うのです。私が出席をしておりました委員会においても若干の報告がありましたが、この点はいかがだったでしょう。
○橋本説明員 三月に参りました調査団は、公害防止計画のほうと公害保健課と両方関係して参りましたが、現地におきまして、まだこの調査が集計中の段階でありまして、この調査のデータを見て議論のできるという段階ではなかったということが一点ございます。 それから、もう一つは、現地の三佐地区の先ほど申し上げましたような地形の場所の方からは、目の刺激とか、そのような刺激についての苦情があったというように聞いております。
○中島委員 もう一つだけお尋ねしておきたいのですが、環境庁として、いまの報告書の中に慢性気管支炎の有症率というのが出ております。これとの関係で大分の新産都第一期計画、これの工場の増設問題ができておりますね。これであるとか、あるいは二期計画の問題、六号地から七、八号地までの問題、この点、関係を見て何らかの指導をされたかどうかということについてお尋ねしておきたいと思います。
○城戸説明員 ただいま審議官からお答えしましたように、この健康調査の結果につきましては、有症率が慢性気管支炎につきまして非常に高い地区があるということが第一点。 第二点は、当該地域におきます環境の汚染につきましては、導電率法に関します限り硫黄酸化物の濃度もそう高く出ていないというようなことがございまして、もう少し調査を継続するなり補足するなりしなければ判断できないという、こういうような段階でございます。したがって、断定的なことは申せませんが、ただ慎重に今後すべてを計画していくようにということは、当然私どもの考え方として伝えてございます。
○中島委員 この問題について、いまさっき若干の評価ということがやられたのですが、実は私はこの報告書というのは、たいへんな問題をはらんでいる報告書だと思っております。といいますのは、どういう点にあるかというと、これはほんとうは時間があれば詳しくやりたいところなんですけれども、私の側から申し上げておきたいと思うのです。 それは三佐地区のCB有症率、慢性気管支炎の有症率は四・一%であるというふうに報告書ではなっております。それから地区別の有症率も出ておりますが、これは十五歳以上をとっておる。これは非常にはっきりしておるわけです。ところが一カ所だけ、四十歳以上だと六・一%である、こういう数字が出てくるのです。四十歳以上をとっているのは、たった一カ所ここだけ、六・一%というところだけしか出てこないわけです。その結論が、先ほど環境庁のほうも確認されましたようないわゆる東京、大阪並みと申しましょうか、中等度の汚染である、こういうふうに結論づけているわけであります。 ところが、問題はここからなんです。その四十歳以上の地区別男女別慢性気管支炎の有症率については、これは一切触れられていないのです。四十歳以上ということになりますと、これは一切触れられておりません。ところが、これを見ればわかることですけれども、他の地区の表が載っかっております。四日市その他の表が載っかっております。ところが、こちらのほうは四十歳以上になっておるわけです。そうすると、こういう表を載せましても、これは実際のところ比較することができない中身だと思うのです。私もこの報告書を見たのですけれども、そうするとこのCB有症率、これは一体どこにあるのか。これを探すのはなかなかたいへんなんですよ、この報告書は。ちょっとしろうとが見てもわかるような仕組みになっていないのです。一生懸命探していきますと、「たばことの関係」なんというようなところの中にもぐり込んでいるのです。これはちょっと見た目にはわからない。そういうふうに、これはなっております。 それで、その結果は、これは全部拾って、四十歳以上——これは十五歳以上というふうにずっと文章では出てきておるわけですが、四十歳以上拾ったら、どういう結果が出るかということであります。大体一般的には四十歳以上なんです。先ほど申し上げたように、四日市その他のデータも四十歳以上をとっているわけです。それを拾いますと、こういう結果になるのですよ。三佐地域全体は先ほど申し上げたように有症率四・一%。ところが四十歳以上の平均で六・一%なんです。男九・五%、女子三・三%、こうなっておる。一区から五区まで地域を分けている。そして四区を見ますと、男子一一・四%、女子二・四%、平均六・六%です。ところが発表されておるこの文書によりますと、これは三・五%ということになっているのです。なぜならば十五歳以上で発表しているからなんです。それから五区を見てみるとどうなるかというと、五区は同じく男子が一一・四%、女子が六・七%、平均八・九%です。ところが十五歳以上でとって発表しておりますから、その発表されておるところは六・〇%、こうなっているのです。 ということは、一体これはどういうことを意味するかということなんです。十五歳以上でやれば低い数値が出てくるのです。普通は四十歳以上でやる、これはあたりまえの話ですね。そうすると非常に高い数値が出てくる。特に四区とか五区ですね。非常に高い数値が出てくるわけなんです。これはもう四日市に次ぐという数値です。こういうものが出てきておるということであります。 結論的に見ますと、どういうことがいえるか。中等度の汚染地域というこの結論は正しいのか。私はこれは正しくないと思うのです。四区、五区に関する限りは、もう明らかに非常な高いレベルの汚染度を示しておるわけであります。なぜ一体こんなことになっているかということであります。大体非汚染地域の有症率が三%というふうにいわれておりますが、この三%に比べるならば、二倍から三倍という非常に高い有症率を示しているわけであります。四区、五区というのは一体どういう地域かという問題であります。 先ほど若干お話がありました。四区、五区というのは、三号埋め立て地の新日鉄、それから二号埋め立て地の昭和電工、そして一号埋め立て地の九州石油、これに北側はぴっちり囲まれている地域です。それならば、、南側のほうはどうか。南側は、住友化学——二度も事故を起こしましたでしょう。この間爆発をやったじゃありませんか。あの住友化学、それに隣接して鶴崎パルプ。この四区、五区というのは、工場に全部囲まれてしまっている地域なんです。おわかりでしょうか。実は県の医師会の調整が行なったその結果報告を私どもが分析すると、こういうことになって出てくるのです。 そこで、環境庁のほうで先ほどお話がありましたけれども、こういう分析をいままでやっていらっしゃらないのかどうか、また、私がいま言ったことを確認することができるかどうかという点について、まず伺いたいと思います。
○橋本説明員 いまおっしゃいましたような分析は私どもも試みてみまして、そのような問題点があると思います。ただ、最初申し上げましたように、この成績は、大分の中ではお互いに比べられるが、全国的な調査と比べられるかという問題になりますと、環境庁が地域指定をする際にやっております正式のスタンダーダイズされた方法、正式の標準化された製表形式とは全く異なっております。そういう点がございまして、正確に比べるには、やはりはっきりした調査をしてみる必要があるという考え方でございまして、ことし一度春ごろ、するかという議論もしたときがございますが、ちょうど地元がほかの業務で忙しいときで、そのことが果たせなかったということがございますので、当然いま先生の御指摘のあったような解析というのは、私どももいろいろ議論がございまして、これを試みてみて、そのような数字はこの表からは出てくる。ただし、その数字をすぐさま全国の環境庁がスタンダーダイズして出した数字と比べるというには問題があるというぐあいに考えておるわけであります。
○中島委員 ということは、BMRC方式そのものではないからということが、その基礎にあるわけですね。そういうことでございますね。私は、なるほどその点は若干の調査のやり方というものに違いがあることは、よくわかっております。しかし若干の違いがあったにしても、それは環境庁が確認されたように若干の違いがあったにしても、しかし非常に高い数値を示しているということについても、いま分析をされた結果は、やはり私の言っていることと同じだということを確認された。これだけすごい高い数値が出ているということを、これはまた調査をやらなければならないでしょう、しかしこれをこのままほっておいていいということには私はならないと思うのです。この点どうですか。
○橋本説明員 いま御指摘の問題点は、私どもも現に非常にきびしい姿勢でいろいろ指摘をしながら議論をしておるというところの問題でございます。当然これにつきましては、正確な調査をしてみるということが必要であるというぐあいに考えております。
○中島委員 長官、いまお聞きのとおりなんです。これは再調査も必要でしょう。いろいろなことも必要でしょう。しかし、これは高い数値を示しているということは、もう明らかなんです。これは一体ほんとうに長官、どういうふうにしなければいけないか。ことばをかえていいますと、これはきわめて重大な、この四区、五区の地域は、たいへんな汚染された中に人間が住んでいるということであります。健康はほんとうに破壊されていっているということを、この数値というのは、示していると私は思うのです。言ってみれば、非常に深刻な健康被害の実態が明らかになっているのだと思うのです。 私は、こういうところでは、工場を新しくつくるとか、あるいは新規の埋め立て計画は、中止するというようなことをはっきりやってもおかしくないぐらいな、それぐらいひどい状態じゃないかというふうに考えるのです。長官いかがですか。
○三木国務大臣 四区、五区の数値は相当高い数値が出ておりますし、これに対しては、健康調査は再調査をやる必要があると考えております。また、そういう地域に対しての工場立地ということについては、環境全体への影響というものを考えて、慎重に検討さるべきものだと考えます。
○中島委員 慎重な検討だけではだめですよ、これは。やはり直ちに——あとで御質問申し上げますけれども、その問題に非常に深いかかわりを持っているわけですから、またそこでお尋ねしましょう。 ところが、先ほどこれは環境庁のほうでも確認されたようでありますが、この五区の地域、これは一般には三佐地域というふうに呼んでおりますけれども、ここのSO2の濃度は、年平均値で〇・〇二PPM程度である。非常にといいますか、低いわけですね。ところが、非常に高い有症率を示している。これは一体なぜだろうかという問題であります。この点については、環境庁のほうでは、どこに原因がある、どの汚染物質によって健康が破壊されているというふうにお考えになっておられるか、お尋ねしたいと思います。
○橋本説明員 いま御指摘のあった問題は非常にむずかしい問題でございますが、この四区、五区といいますのは、三佐地区の中の家島という地区が主体になっておりまして、そこはパルプの工場から硫化水素が出てまいります。硫化水素が出てまいりますと、硫黄酸化物の測定濃度が普通より低く出るということは、起こり得ることでございます。しかし、まわりに農薬やあるいはパルプの工場そのほかの工場等がありますから、私どもは何の汚染物によってこう起こっているかということは、現在の段階では何とも明らかにし得ないということが一点と、もう一つは、そのほかの大分の地区についてかなりの有症率があるということを、その報告書の中には書いてございます。 そういう観点から見ますと、はたして汚染の影響だけの問題か、そのほかの問題があるのかということは、医学的にはやはりわからないポイントがあるというぐあいに考えております。
○中島委員 硫化水素という物質名をあげられましたが、たとえばNOxの影響はどうでしょう。それはほとんど考慮に入れておられませんか。
○橋本説明員 資料が不足しておりますので、判断がいたしかねます。
○中島委員 私は、県の行なった医師会の報告、これははっきりいって、どうでしょう、表面的に書いてあることと、中を分析して出てくることがこんなに違うということは、統計上の作為があったんじゃないかとさえ思わざるを得ないわけです。環境庁、これについてはどう思っておられますか。
○橋本説明員 私どもは統計上の作為があったとは思いたくないと思っております。医師会自身が御自身で自主的にやるという場合に、役所で干渉することはあまり喜ばれないということもございますので、自主的な活動でおやりになって、自主的に製表されるということは十分起こり得ることであるというぐあいに考えております。
○中島委員 私は少なくとも、医師会がなるほど自主的にやったというそういう見方をすることもできるでしょう、また作為的にやったというふうに見たくないというその気持ちもわかります。しかし現実にはこういうものがされておる。しかも県の委託によって行なわれた調査。県もこれをこのまま発表しているわけですね。私は、こういう点では環境庁は県の姿勢に対してもっと正すという立場をとっていかなければならないのじゃないかと思うのです。長官、どうです。
○三木国務大臣 大分地区については、いろいろと問題のある地区でありますから、これは相当環境庁としても、その環境汚染については十分慎重にいろいろな影響というものを絶えずやはり監視する必要を感じております。
○中島委員 次の問題について伺いたいと思います。 新日鉄大分の二号高炉計画についての県、市との間の公害防止協定の問題であります。九月の十二日に協定案が発表されまして、引き続いて市の公害対策審議会で十月三日審議されました。県の公害対策審議会においては十月十六日に審議されました。そしてその一週間後に協定調印が行なわれました。協定の調印は十月二十三日です。そしてその翌日、まさにその翌日、新日鉄の安全祈願祭がやられております。十月二十四日です。県はこの公害防止協定について、全国一きびしい協定である、こういうふうに発表いたしております。 さて、ところで、環境庁のほうはこの県の協定案の説明というものについて、いつお聞きになって、それに対してどのような意見を述べられたか、あるいはクレームをつけられたかということについてお尋ねしたいと思います。
○春日説明員 本件のような新日鉄増設計画のアセスメントにつきましては、環境庁として第一義的には関係地方自治体、大分県が行なうよう指導いたしておるわけでございます。しかし環境庁といたしましては、大分県から本件増設計画について技術的な指導を求められたので、これに対しまして、硫黄酸化物については地域の許容総排出量の設定について補完調査を実施すること、窒素酸化物につきましては監視測定体制の不整備を指摘いたしまして、その整備を促進することなどを指示いたしました。また、今後とも環境アセスメントを継続して実施するよう指導しておるわけでございます。
○中島委員 いつこの協定案を入手されましたか。
○春日説明員 正確な日にちは記憶いたしておりませんが、協定があって、しばらくしてからだと記憶しております。
○中島委員 県の資料によりますと、NOxにつきましては、移動測定によって求めた。それは八月に行なわれて、五地点において一地点約一週間ずつ、こういう測定を行なって、その結果が最高値で〇・〇一七PPM以下である。環境基準の一時間値の二十四時間平均値〇・〇二PPMを満足している、こういうふうに県の資料は発表しております。 さて、ここで伺いたいのですが、NOx、これを即時実施する地域としてこの大分を環境庁は認められますか。もうちょっと言いますと、すでに通達が出されておりまして、達成期間の問題について、環境庁の通達の中で「大気汚染の状態が二酸化いおう等に係る環境基準を満足している地域にあっては、当該環境基準が維持されるよう努めるものとする。」、こうなっております。つまり、いまの環境基準以下であるという県の報告であるわけですね。そうすると、これはもう当然のことですけれども、即時これはこの環境基準が適用される、そういう地域として環境庁は認めるか、そういう質問であります。
○春日説明員 ただいま先生の御指摘のように、窒素酸化物については正確な測定体制がないわけでございます。したがいまして、私どもは測定体制を整備することが先決であるということを指摘、指導いたしております。したがいまして、移動車で数地点において二カ月間にわたって行なったものでは確実なものだとは私どもは考えておりません、参考にはなりますが。したがいまして、この点につきましてはもう少し測定値を見たいと考えております。現在測定局をつくっておるようでございますから、その固定測定局の値を検討したいと思っております。
○中島委員 この県の移動測定の数値は信頼することのできないものであるということを、いまお認めになったということですね。
○春日説明員 移動車による測定というものは意味がない、あるいは不正確だ、そういうふうに申し上げておるわけではございませんが、わずか二カ月で、しかも移動車による測定値というものは、やはり不十分でございます。もっと長い固定測定局による測定値について私どもはものを言いたい、かように考えております。
○中島委員 もう一つお尋ねいたしますが、環境庁は監視測定の体制を強めていかなければならないという指摘をされたそうでありますね。なるほど定点観測を行なうという装置はなかった、やってなかった、これは明らかであります。ところが十一月になりましてから十台、これは環境庁の指摘によってでしょう、設けているのです。購入して開始しておるわけです。 さて、私はこの問題で非常に奇妙に思うのです。先ほど申し上げたように、協定は発効してしまった。それからあとに監視測定の体制をつくり上げていく、これは全くあべこべじゃないでしょうか。しかもその数値はいまも環境庁が確認されたように、まるきり信頼することはできないとはいえないかもしれないけれども、十分信頼することのできないものであることだけは確かである。そういうものが基礎になって協定が結ばれている。これを環境庁は承認されているのですか。私はこういう問題がはっきりしておったなら、これからの監視測定体制ということだけじゃなくて、なぜ事前にこの問題についてチェックをしないのかということについてお聞きしたいと思う。
○春日説明員 御指摘のように窒素酸化物の測定を、あとで測定器を十台設置して、いまごろになってからやるのは、あべこべではないかという御指摘がありました。これにつきましては現実の仕事の流れの中でそういうことになったのは、私は確かに決してほめられていいことではないと思います。好ましいことではないでしょう。しかしながら、それによって全く意味がないというのではなくて、これから必要なわけでございますから、窒素酸化物の測定器を十台設置してテレメーターでつないでいこうという大分県の態度については当然であろうと考えております。 なお、先ほどもお答え申し上げましたように、本件のような増設計画のアセスメントについては、第一義的には県が行なうよう指導いたしておるわけでございまして、これについて私どもは技術的な指導を求められた。それに対して先ほどから申しておりますような硫黄酸化物についていうならば、地域の許容総排出量の基準設置についての補完調査とか、窒素酸化物については監視測定体制の整備を促進するようにいっておるわけでございまして、これを全面的に環境庁として認めるとか認めないとかということではないと考えております。
○中島委員 その問題はまたあとでやりたいと思います。 もう一つ、そこへ入る前にお尋ねしておきたいのです。この公害防止協定のNOx対策ですが、総排出量を押えておりますか。
○春日説明員 協定案を見ますと、窒素酸化物、NOxの排出総量と着地濃度については確かに触れていないわけでございます。それに対して先生の御指摘は、おそらくSOxについては総排出量を設定し、新日鉄の排出量もちゃんときめているではないか。したがいまして、窒素酸化物については非常に態度があいまいではないかという御指摘であろうと思います。その点につきましては、確かに窒素酸化物の対策の弱点ともいえるわけでございますが、窒素酸化物につきましては、御承知のとおり、硫黄酸化物に見るごとく急速にそれをカットする技術的な革新がまだ行なわれていない、こういう弱点に基づくものであろうと考えております。
○中島委員 これを私見ているのです。いまあなたもごらんになっておられた。時間がありませんので、私ちょっと結論のほうを急ぎたいと思うのですが、これは総量では押えていないわけですね。もうはっきり総量では押えておりません。ボイラ過熱炉の排出濃度を規制はいたしております。しかし焼結炉やコークス炉の排出濃度を規制しているかということになると、これは濃度規制をやっていないわけであります。ところが二号高炉が入りますと、現在三百五十万トンですが、二号高炉が入りますと、四百五十万トンふえて八百万トンになる、そういう生産体制に入るわけであります。そうするとNOxの、窒素酸化物の排出量もざっと考えて二倍になるんじゃないかということが考えられるわけであります。 ところが県のほうはどういうふうにいっているか。県のほうは、これを現在とほぼ同じぐらいに押えるということをいっておるわけであります。排出総量において同じぐらいに押えるというふうにいっている。しかし、その中身はどんなふうにして押えるのかということは全く明らかになっていない。全く明らかになっていないということは、これは実際は目標数値として、行政目標として掲げて発表しているかもしれないけれども、それを達成するという保証は何もないわけなんです。つまり、もっともっとNOxはふえていく、窒素酸化物はふえていくということになる。これが常識的な見方であります。こういうことになったら、先ほどの健康調査の問題、その三佐、家島地区、これはどうなるか、もっともっと深刻な事態に立ち至ってくるということは火を見るより明らかだというふうに私は思っております。 先ほどから環境庁も認めておられるように、正確な測定データもない、NOxの環境アセスメントもやられていない。こういう状態のもとで協定が結ばれていく。はたしてこれでいいのかという問題であります。ここのところが一番肝心なところだと私は思うのです。環境庁がこれに対してどのような指導をなさったのか、やったのか。先ほどからのお話を聞いていると、ほとんど指導らしい指導はやっておられないようであります。監視測定体制を強める、その他のことをなるほどやっておられる。しかし、それはもう協定が結ばれたあとの問題であります。この協定を認めるかどうかという、まさにその以前にやらなければならないことが、ずいぶんあったんじゃないか。いや、もっとはっきり申し上げるならば、これだけデータの不足した、こういう状態のもとで協定が結ばれていくということは、もっと環境を破壊し、健康を破壊していくということは明らかなんじゃないか。これに対して環境庁ははっきりしたチェックをする必要があるのではないだろうかと私は思うのです。そういう点で、時間がないから私もっと具体的に言います。 いま、もう協定は結ばれてしまった。あとは着工だ、もう祈願祭までやってしまった、こういう段階なんです。こんな状態で着工が進んでいくということを環境庁は認めていいんですか。私は少なくともこれらの問題がはっきりするまで着工を待てという、そういうストップをかけるのが環境庁としてやらなければならないことじゃないかと思うのです。どうでしょう、長官。
○三木国務大臣 先ほど申したように大分地区というものは相当な工業の立地が立て込んで問題のあるところでありますから、環境への影響というものについては今後とも十分な検討を加える所存でございます。
○中島委員 長官はなかなか——検討を加えていられるとおっしゃるのですけれども、検討を加えているうちに現実は進んでいってしまうのです。進んでいったらやられちゃうかもしれない。検討は、それはけっこうですよ。しかし、検討しておったら現実は動いていってしまう。これに対して何もすることできないじゃありませんか。私ははっきり申し上げる。長官、環境庁設置法の第六条、ここには勧告権が長官に与えられている。この勧告権をはっきり抜いて、そうして県なり通産省なりあるいは自治省なりにきちっとした勧告を行なうべきじゃありませんか。検討しておるだけでは事態は進んでしまいますよ。そういう態度をとられなくていいんでしょうか、どうでしょう。
○三木国務大臣 いずれの場合でも、何をいたすにつきましても、あなたの言われるような勧告をするにしたって、十分な検討が進まなければ、いきなり勧告というわけにもいきませんから、十分環境への影響というものを、これはそんなにマンマンデに時間がかかるわけではないわけですから、至急に環境への影響というものを十分調査をいたします。
○中島委員 長官とまだ論議やりますよ、これは。そんな話じゃ、とてもじゃないけれども環境なんか守れるもんじゃない。人間の健康を守れるもんじゃない。しかし、残念なことに時間なんですよ。私これで一時中止しますけれども、長官、またこれやりますからね。 ではこれで……。
○佐野委員長 坂口力君。
○坂口委員 石油コンビナートの問題に入ります前に、先日、東海公衆衛生学会で「大気汚染と佝僂病様症状」という発表がございましたが、時間がございませんので簡単にこれを先に触れさせてもらいたいと思います。 以前にも東京の糀谷保健所で同様の発表をなされたことがございますが、大気汚染の進んでいる地域で乳幼児のエックス線撮影の結果、佝僂病様の骨変化が認められるということが、今回発表になったわけであります。これが大気汚染と本格的に因果関係があるかどうかということにつきましては、まだ明らかでございませんけれども、この点につきまして、環境庁それから厚生省ともに、どのように現在の時点で把握をされておみえになるか、これをまずお伺いしたいと思います。
○春日説明員 東海公衆衛生学会、これは静岡、愛知、岐阜、三重等の学会で、私もその会長をしたことがございますので覚えておりますが、ただ、この佝僂病様の変化があらわれたということにつきましての報告は、残念ながら私、入手をいたしておりません。ただし、同様な調査はいままでもあるわけでございます。 たとえて申しますと、昭和四十五年の東京都の糀谷保健所において実施されたものがございます。それをかわりにちょっと御紹介いたしますと、大気汚染のはなはだしい糀谷保健所管内において、大気汚染と乳児保健との関連について数年間調査が続けられたようでございまして、調査対象は生後三、四カ月の乳児、集団検診時にレントゲン写真をとったということでございます。その結論から申しますと、大気汚染の状態は昭和四十年以降非常に激しくなっている地域でございますが、昭和四十一年以降出生の時期に関係なく、尺骨の骨端部の変化というものは調査人員の七%前後認められております。ただし、大気汚染に由来するということを断定することは危険だといっております。ほぼこれに似たような調査は、ほかにもあろうかと思います。
○島田説明員 お答え申し上げます。 現在、乳幼児の健康検診につきましては、保健所で実施をいたしておりまして、その際に佝僂病の変化についてのチェックということもあわせ行なっておりますけれども、全国的に多発した、こういうふうな報告は受けておりません。 ただいま先生の御指摘になりました知多保健所の報告、それから糀谷保健所の報告を見ますと、知多保健所の場合には、コントロールがないので大気汚染との因果関係については不明である、はっきり言えない、こういうようなことでございます。 また糀谷保健所につきましては、ただいま大気汚染局長が申しましたように、大気汚染に由来するということを断定するということは危険である、このようなことと私ども聞き及んでおります。
○坂口委員 因果関係は、いま皆さん方が御説明になりましたとおり、はっきりいたしておりませんが、しかし大気汚染地域でほんとうに、こういうふうなことが起こっているということになりますと、これは外国の文献にもございますし、やはりほっておけない一つの問題だというふうに思うわけでございます。また、もしもこういうふうなことが事実であるとすれば、新しい角度から大気汚染というものを考えなければならない、こういう結果にもなろうかと思います。きょうはこの問題を詳しくやっておる時間がございませんので、これでとどめさせていただきますが、ひとつ今後こういうふうな問題を、厚生省それから環境庁で合同ででも、また別々でもけっこうでございますが、調査をお進めいただいて、全容を明らかにしていただきたいと思います。ひとつ長官にも、あえて御答弁をいただきませんけれども、こういう問題があるということだけ御認識をいただきたいと思います。それをひとつよろしくお願いをいたします。 続きまして、コンビナートの続発いたしております爆発事故につきまして、質問を続けたいと思います。 多数のコンビナートがございますが、たとえば四日市のコンビナート等は非常に石油タンク等も多うございます。四日市の例を見ますと、石油タンクだけでも千百十九基ございますし、関連企業の小さいものを加えますと二千七百四十六基にも及んでおります。パイプラインを延べで見ますと三百キロメートルにも及んでいる。こういうふうな非常に大きなコンビナートが日本にはあちこちあるわけでございます。今回のような事故が続いてまいりますと、その地域の住民が非常に不安を覚えるのは、もう当然のことではなかろうかと思います。今朝来いろいろこの事故につきましては討議もございましたが、続いてお尋ねをしたいわけであります。 まず通産省と消防庁にお伺いしたいわけでございますが、最近連続して起こっております事故は、その原因が何であるかということについて、特にもう少しこまかく限定いたしますと、いわゆる機械設備上の問題か、それとも人のいわゆる操作の誤りか、このどちらに重きがあるか。ケース・バイ・ケースで違う場合もあろうかと思いますが、そのいずれが大きな原因をなしているとお考えになっているかということを、まずお伺いをしたい。
○林説明員 お答え申し上げます。 最近の一連の事故のうち、すでに原因が判明しておりますものから判断いたしますと、直接原因といたしましては、一つが誤操作。それから二番目が点検あるいは監視の不十分。それから三番目が異常な事態におきます判断が適切でなかった、あるいは対応策が適切でなかった。こういった、どちらかと申し上げますと、ソフト面があげられるかと思います。 この背景には、一般職員の安全に対する意識あるいは知識、経験あるいは平素の訓練というふうなものがあろうかと思われます。同時にその背景には、会社側全体といたしまして、保安管理体制の不備、教育訓練の不徹底、各種のマニュアル類の不整備、あるいはただいま先生が御指摘になられました設備管理の不十分といった点もあろうかと思われます。
○永瀬説明員 ただいま通産省のほうからお答えがございましたとおりではございますけれども、総じまして私どもが見ておりますのは、操作上のミスと申しますか未熟さ、判断の甘さ、能力の欠如あるいは経験の不足というようなことと加えまして、やはりどこかに保安体制の不備というものが事故に結びついている、かように考えております。
○坂口委員 けさ通産大臣は管理不十分であったというふうに発言をしておみえになりますし、また生産よりも安全第一ということを各企業に申し渡した、こういう発言がございましたが、この安全第一という大臣の発言でございますけれども、もう少し具体的に、これはどういうことであったのか、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 生産活動を行ないます場合に、必ず安全を確保するという大前提を置きながら、そのワクの中で、その制限の中で生産を進めていく、こういうことでございます。言いかえますと、安全を犠牲にして無理な操業をしないということでございます。こういうふうな形にするためには、企業全体が安全につきまして意識、体制等々の面で具体的な措置が十全に完備されていることが要求されるわけでございます。したがいまして、社長が陣頭指揮に立つべきである、あるいは社長直属の安全対策本部を持つとか、あるいは安全技術に関する専門の研究所を持つとか、あるいはそういう専門の部局を持つとか、こういうことによってまず経営者サイドにおきます安全確保の手を十分打っていく、こういうことでございます。あわせまして、ただいま申し上げました一般従業員の教育、訓練等々が必要かと思います。
○坂口委員 いまの御答弁でございますと、通産省も、それから消防庁のほうも、どちらかと申しますと、誤操作に基づくミスというふうに判断をしておみえになるようでございますが、それが事実といたしますと、いわゆる合理化の問題、人減らしの問題による質の低下あるいは操作担当者数の減少というものが私どもは根底にあるのではないかというふうに思うわけでございます。たとえばある専門家の意見を見ますと、石油化学の実態の解析技術が進歩していないのにコンピューターを導入したから、そこに微妙なズレが生じて、オペレーターは赤ランプがついた幾つかの個所があっても、それを点検したくても、ぎりぎりの人員のために、それすら思うにまかせない。もしもたくさんの赤ランプがついたら、逃げる以外に手はないというようなことを書いておみえになるわけであります。 安全第一ということを通産大臣が述べられましたけれども、それはあくまでも、いまいろいろお答えいただいたようなこともあろうかと思いますが、しかしながら実際に操作担当者の人的確保というようなことが非常に大きな問題になってくるのではないか。 高圧ガスの取締法によりますと、作業主任が二人、代理が二人で計四人ということが一応定められております。こういった人員で、はたして安全が確保できるのかどうか、この点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 一般的にコンビナートの外延的な延びと、それから人員の伸びとの比較をとってみますと、ただいま先生から問題だと御指摘を受けましたような形に一応なっております。生産額で申し上げますと、四十年に対する四十七年が三・九倍、従業員の数が一・八倍、こういう形になっておりますので、もしも技術進歩がない、あるいは設備の大型化がないという前提に立ちますと、確かに御指摘のような事態かと思います。ただし、現実のコンビナートの状況は、御案内のとおり数万トンの規模から現在三十万トンというふうな大容量に発展いたしておりますので、この数字だけで現在の従業員を無理に圧縮しているということは、一がいに言い切れないかと思っております。 いずれにいたしましても、現実にこの操作ミスというようなことが多いという現状にかんがみまして、私どもは現場重点ということも、先ほど触れました企業経営サイドにおきます改善と並行して、きわめて重要な問題だということで、大臣も直接こういったことにつきまして指示をしておられまして、たとえばすでに経験を積みまして事務に上がった方をもう一ぺん直におりてもらうというふうなこと、あるいは週末、それから休み中、それから休み明けといったような時期に比較的この事故が集中しておるという傾向が見られますので、そういう時期には老練な熟達した監督者が現場について、直接作業手の指導に当たりながら、そういった時期を乗り切るというふうな方法もとっております。 それから、ただいま御指摘の作業主任者でございますが、これは作業主任者という形で登録する者はそういう四名というようなかっこうでございますが、有資格者——国家試験を行なっておりますが、これは多数おりまして、これが各直を構成いたしますときに、その直の中に何人か配列されておる。こういう形によって作業面におきます保安の確保に努力させている状況でございます。
○坂口委員 時間がないものですから、この点もう少し御質問したいのですけれども、あまり詳しくできません。いまおっしゃったように週末から週の初めにかけまして、金曜、土曜、日曜、月曜、そういったところに事故が発生していることは私も存じております。こういう時期に集中しているということは、とりもなおさず、やはり労働者の疲労というものがかなり関係をしているというふうに認識するのが妥当ではないか。そういうことになりますと、やはり現在のそういうコントロール班等に配備されている人数、それからその内容等をこれは検討をすべきことを示唆しているものというふうに私考えるわけであります。 その点について、安全第一ということを大臣が言われるのならば、これは当然そう言われるべきであります。そのためにはどうしても人の配置というものについて、さらにこれは検討を加え、人数の足らないところを増加をするということが最も先決な問題ではないかと私は思う。ひとつこの点について積極的な対策をお願いをしておきたいと思います。 環境庁の長官にもここで一言おことばをいただきたいわけでございますが、やはり最近になりまして、これだけ連続して起こっている事故でございます。一応通産省なり他の省の管轄にはなりますけれども、やはり環境庁としましても、今後新しい企業をつくるとか、あるいはまた企業をさらに大きくしていくというような問題とからめまして、環境の大きな問題になろうかと思います。ひとつ今回の爆発事故に対するどういうふうな認識をお持ちであるか御答弁をいただきたいと思います。
○三木国務大臣 坂口委員の御指摘のように、非常に事故が集中的に頻発しておる。しかも、その事故がどうも操作上の初歩的なミスと思われるようなものが多いということに対して、これは通産省などにおいても安全の確保ということについては、現地のそういう管理体制というものに対して、いまいろいろ御指摘になりましたけれども、そういうものもひっくるめて、事故があったときに反射的に気をつけるというようなものでなくして、もっと、操作上のいま持っておるいろいろな欠陥があると思いますから、それを補うような安全確保のための通産行政というものが私は望まれる。環境庁としても、今後の産業立地の場合には、相当やはり事故が起これば健康の被害なども起こるわけでありますから、住宅地域というものと工場地域というものに対しては、これはよほどきびしい態度で臨まなければ、こんなに化学工業の事故が起こってきて、もしそれが住宅の地域と接近をしておれば非常な被害になるおそれがありますから、これに対しては産業立地上きびしい規制が要るということを強く感知されておる次第でございます。
○坂口委員 もう一つの重要な点は、今後企業をつくる、あるいは企業を大きくするというときに、現在住んでいる人たちとの間の距離をどうするかという、いま長官がおっしゃった点だろうと思うわけです。その点につきましては、先日通産省から出ておりますエチレンセンター総点検報告書にも書かれております。この内容を見せていただきますと、一応百五十メートル未満の事業所については、保安距離の改善措置等をはからせる必要がある、こう書いておるわけです。今回のいろいろな、続発して起こりました事故等の内容を見ておりますと、千五百メートルぐらいまで非常な危険なものがあったわけです。外国におきましては、三キロぐらいとっておるところもございます。はたして、百五十メートルか二百メートルぐらいでいいのかという気がするわけであります。その問題を今後どうなさるのかということが一つ。 それから、現在、百五十メートル未満のような事業所については、それは原則として企業を移転させるのか、それとも住民の側に移転を要請するのか。その二点について、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 今後、保安距離の適切な確保につきましては、現在の高圧ガス保安審議会で、最重要検討項目として検討していただいております。その答申をまちまして、これに従って改正してまいりたいと考えております。 それから、現在、百五十メートル未満のところでございますが、私どもは、企業をして百五十メートルの距離をとるように指導しております。これに満たない企業につきましては、いろんな方法がございまして、まず、自分の中で高圧ガス設備を一部移動させるというような方法、あるいはこの境界線上に、あるいは設備と境界との間に適切な防護壁を設けることによって、実質上保安距離をある程度とったと同じような結果を招来するとか、あるいはもう一つの方法といたしましては、付近の民家の協力を得て、保安距離を拡大していく、こういったいろんな方法で現状に即して確保さしていきたいというふうに考えております。
○坂口委員 審議会の結果は、いつごろ出ますか。
○林説明員 来年の四月ごろを目標にいたしております。
○坂口委員 それから、断片的になってまずいのですが、けさからのいろいろの討議の中にもありましたとおり、会社は、消防署は正門で食いとめろ、こういうような指示をしているというようなことがいわれております。消防庁は、そのような事実をつかんでおられるのかどうか。この点、まず消防庁にお聞きしたいと思います。
○永瀬説明員 先生御指摘のような、工場の入り口で消防車をとめて、中に入らせないということは、過去、かなり前には、事実ございました。最近におきましては、その後、いろいろ会社と話し合いをいたしまして、現在ではそういう事実はございません。このように認識いたしております。ただ、工場の中の施設というのは多種多様でございまして、火災がどこで起きて、今後どのように発展していき、どういう危険があるかということは、事前に打ち合わせはいたしますけれども、現実の火災の状況を知らなければ活動ができません関係で、入り口で火災の状況を報告をしていただく。会社側から報告をしてもらって、それによって判断して活動するという形式をほとんどのところはとっております。 ただ、この活動の判断がつき得ない場合、会社の中に消防署の車を入れまして、しばし次の対策を立てるということは、しばしばございます。消防団の場合には外で待ってもらう、これは消防署の判断で外で待ってもらう、あるいは中の駐車場に入れて待ってもらう、こういうような状態で運用いたしております。
○坂口委員 もう一つ重ねてお聞きをしたいと思います。 そういたしますと、今後企業内で何か爆発事故でも起きました場合、もしも企業の側が正門でそれを中へ入れないというようなことが起こったら、これはそういったことには、徹底的に皆さん方は挑戦をなすって、中にお入りになるということでございますか、その点ははっきりしているのですね。これは重要な問題なんです。私も二、三実例を知っております。もしもそういうふうなことで消防署が中に入らずに大きな事故になったら、これはたいへんな問題になるわけです。ですから、ここで企業内のそういった問題については、ひとつ企業のことばに従うのではなしに、消防署の独自の判断で、消火のために企業内に入ることを私は徹底してほしいと思うのです。その点について再度御答弁を願います。
○永瀬説明員 消防機関といたしましては、火災が起きましたときばかりでなくて、事前に立ち入りいたしまして、検査いたす権限を持っております。その権限に基づきまして、事前に危険なものの所在を明らかにし、そしてそれに対応する消火の活動計画というものを立てておりますが、先ほど申し上げましたように、起きました時点が被害予想と合致いたしている場合はよろしゅうございますけれども、違う場合がございます。さらに有毒ガスの発生の有無という問題もございますので、この点を会社から、現実の事故に際しまして聞く必要がございますが、いずれにいたしましても、消防側といたしましては、当然中へ入って、活動する義務もございますし、権限も持っておりますので、これは事情が明らかになって、活動の状態、こうとるのだという判断ができた場合は、当然入ってまいります。会社側の言い分でとめられて中へ入らないということは絶対あり得ないと信じております。
○坂口委員 この水俣裁判における証言者の記録等を見ますと、そういうふうな企業側の態度に対しまして、消防署はそうですかといって帰っていったこともあるというような記録が出ております。こういうふうなことでは困るわけです。もっとしっかりとした態度をひとつとってもらいたい。 それから通産省のほうに対しましても、この点について念を押しておきたいと思いますが、こういうことが一切ないように、ひとつ今後指導を徹底をしてもらいたい。一言だけ……。
○林説明員 お答え申し上げます。 ただいま消防庁のほうからお話がありましたとおりでございます。正当な理由がなくて消防活動の権利と義務に対して、企業がいたずらに妨害するようなことは、私どものほうといたしましても、許すわけにはまいりません。そういう姿勢で一貫いたしてまいりたいと思っております。
○坂口委員 時間がございませんので、もう一つだけ質問しておきたいと思います。 通産省は、十月の二十六日に、コンビナート保安規則の検討に着手したということが出ております。これは省令段階の検討で済まされない重大な問題であると私どもは考えております。コンビナートに対する取り締まり法が現在はなくて、一般の高圧ガス保安規則ですか、これによって、たとえば町の酸素工場と同格の扱いを受けているというような現状からしまして、コンビナートを取り締まる、あるいは規制する独自の立法というものが必要ではないかというふうに私どもは思いますが、その点についての御見解。 それからもう一点は、高圧ガス取締法などのチェック権限というものは、これは全部中央にございまして、地方にございません。地方にこういうチェック権限というものは委譲すべきであるというふうに思いますが、この点につきまして通産省と、それから三木長官の御見解を伺って、最後にしたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 まず第一点のコンビナート独自の取締法をつくるべきだという御意見でございますが、コンビナートが独自の集積の危険を持ったものであるという事実にかんがみまして、私どもは、当然通常の町のボンベ工場と違う扱いをすべきだという立場に立っております。いかなる形の独自の取締法にするかということでございますが、これは現在高圧ガス等取り締まり審議会で基本問題として検討中でございますので、その結論をまって、適切な措置をとりたいと考えております。 なお、現在の高圧ガス取締法は、取り締まり法規のワク組みといたしましては、きわめてきつい法律でございまして、事業開始から設備、運搬、製造、貯蔵といったような各過程におきましてすべて認可というふうな形になっております。むしろ、実情を申し上げますと、そういうきつい法律に基づきます具体的な省令、運用通達あるいは自主保安規制等々に実体的な問題があるというふうな意見もございますので、そういったものを大所高所から総合いたしまして、ただいま申し上げましたような運びで結論を得たいと思っております。 それから、地方自治体にもっとチェックの権限を渡すべきだという先生の御意見でございますが、私ども全く同感でございまして、現在の高圧ガス取締法はすべて知事の許可権限ということになっており、異常な場合にのみ通産大臣も緊急命令を発動し得る、こういう形になっておりますので、地方庁と一体になりまして、保安の確保に万全の手を打ってまいりたいと考えております。
○三木国務大臣 公害関係は地方の自治体に権限をみなおろしておるわけですが、高圧ガス取締法などは通産省が持っておるわけで、この点は検討すべき問題点だと思いますので、いま審議会等においても検討を加えておるということでありますから、工場の安全確保という見地に立って、その点は十分に検討を加えることが必要であると考えます。
○坂口委員 そういたしますと、長官もこの権限は地方に委譲すべきである、そういう御見解であるというふうに承ってよろしゅうございますか。
○三木国務大臣 地方の自治体の持っておる能力というようなものも検討する必要があると思いますから、原則的には公害関係の権限は地方におろしたらいいというのが私の考えでございますが、この問題については、地方の自治体における技術の能力、こういう点も勘案をして検討を加える必要があると思います。
○坂口委員 時間が参りましたので、終わります。
○佐野委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 先ほども島本委員から資料提出の要求がありましたけれども、政府が十日に水銀等汚染対策推進会議を開いて、そこで、水銀汚染調査検討委員会から出された九水域の環境調査結果をもとに、今後の対策を検討しております。その中で、第三水俣病発生で非常に騒がれました有明海の魚介類については、漁獲、販売ともに差しつかえないという白の判定をいたしております。これはもう御承知のとおりです。 そこで、私がこの問題で非常に割り切れぬ問題を感じますのは、これは特に漁民の方もそうですが、今度白と断定されたこの有明海の魚騒動に限って私振り返ってみますと、その発端は、ことしの三月、熊大の第二次水俣病研究班によって第三水俣病の疑いありという報告が出され、それが日本国じゅう大きな問題となって、魚価が非常に大暴落をした、それから漁業者は出漁を中止した、そして漁民が非常に大きな損失をこうむったというふうに、はっきり発展しているわけです。しかし、その後、その直接の原因となっておった熊本県天草郡の有明町の第三水俣病の疑いありと思われた人のうちで、二人はシロというふうに判断が出ているのですね。 また、この八月十七日に開かれた政府の水銀汚染調査検討委員会の健康調査分科会でもシロというふうに判断をされて、さらに二十二日の熊本大学の医学部の教授会でもシロという判定がなされているわけです。そのほかにも、大牟田市で発生した一人の、これもやはり水俣病患者と疑われる者が、九州大学で精密検査をした結果は、これもシロという判定がされておる。 そうなりますと、このように次々にシロというような断定がされるということになれば、あれほど大きな社会問題にまで発展した第三水俣病の真実というのはどうなっておるのか。どちらがほんとうなのか、こういった気持ちを漁民の方も、私自身も感じているわけです。もちろん、このことについては患者もそうでありますが、長崎県、佐賀県、熊本県、福岡県の漁民の方々も、何か振り回されたような感じがした、しておるということを言っておるわけです。そうしますと、この問題について、私はそういった記憶を振り返ってみて、私自身もそのような感じを持っておるのですが、担当大臣である三木環境庁長官はどのような所見を持っておられるか、まずお伺いしたいと思います。
○三木国務大臣 水俣病については、疑いのある者に対しては慎重な態度で、やはり健康問題については精密な検査をする必要がある。したがって、熊本の研究班が疑いがあるという問題を提起したことは、それは何も悪意によってしたものでもないし、人間の健康に関係することでありますから、非常に用心深く、そういう一つの注意を喚起したことについては、それなりの社会的意義があったと思うわけでございます。 しかし、その後精密な調査の結果、水俣病ではなかったという判定が下されて、そのことで、テレビなどを見ると、患者の方もたいへん喜ばれた。やはり水俣病の疑いを持っておるということは、本人の人生にとっても暗い人生ですからね、ああよかったと言って喜ばれている姿を見て、それはそれで非常にしあわせであったと私も思うわけでございまして、何かこう振り回されたとは私は考えないのです。これはまだ解明されていない点もありますからね。その間いろいろな何というか、はっきりともう水俣病に対するいろいろ医学的な面からも解明し尽くされておるならば、問題というものはきわめて単純明快に割り切っていけるわけですが、そうでないだけに、いろいろないきさつが生まれることもやむを得ないと思います。 今回、まあ有明海に対しての環境の調査も結果が発表になり、またその水俣病患者の二人の人がシロと出た。しかし、これ以外の人については、これからやるわけですから、有明海がシロと出たからといって健康調査をやめないわけです。これはやりますから、そういうことによって、現在の医学において考えられる精密な検査をして結論を出すという考えでございます。結果的に見れば、おっしゃるように振り回されたような感じもありますが、そういうふうに私は思わないのです。こういう問題は世界でも珍しいし、日本においても初めてのケースですから、いろいろな試行錯誤みたいなこともあり得る。しかし、それはやはり日本の医学の前進をすることにおいて、こういう問題というものは、もっと明快に解決ができる日が来るに違いないと思っております。
○小宮委員 これは長官がどういうふうに答弁されようとも、漁民の間では、率直に言って、何か振り回されたという実感を持っておることは、もう疑うところがないわけです。しかし、時間がございませんから、長官は四時五分までということですから、いまの問題、実はあと質問がありますけれども、長官にだけ質問します。 そうしますと、長官、やはり十日に開かれた水銀等汚染対策推進会議で漁業補償の方針を決定しておられますね。その方針決定が出て、長官は、シロとなった地域でも、企業が過去に汚染物質を流したということは事実であり、企業の海域汚染に対する道義的責任は免れない、こういうふうに強調されておるわけですが、これを読んでみまして、わざわざシロとなった地域でも道義的な責任があると言うことは、漁業補償の問題について非常に影響が出てくるのではないかというふうに私は判断をしておるのです。また長官自身も、たとえば直接そういうような水俣湾あるいは徳山湾とか、こういうようなところと違って、シロと判定ができた水域については、何か漁業補償についてどうも後退したような感じを三木長官が言われた中で私、感じるのですが、そういうようなことはないのですか、その点、いかがですか、わざわざこういった強調しているところを見れば。
○三木国務大臣 シロということでありますから、企業側からいえば、シロと出たんだから、何も責任がないんだ、そういうことは言えない。なぜかといったら、過去において水銀を排出しておったことは事実ですからね。現在調べたときにおいては、環境基準というものから照らして漁業をやっても差しつかえないということは出たけれども、過去においてそういう有害物質を出したことは事実であって、そのことからきて漁業の上においていろいろな混乱が起こったわけですから、そして漁業者というものが現実に損害をこうむったわけでありますから、シロと出たんだから、一切のことはおれは責任はないんだとは言わせませんよ、と言ったので、私は、後退どころか、企業の責任というものをシロと出た機会に強調しておきたいということで発言をしたわけでございます。
○小宮委員 長官はもういいですから……。 それでは、環境庁のほうは、たとえばシロの地域あるいはクロの地域において、加害企業に対して漁民の漁業補償をする場合は、格差を設けずに負担をさせるという考え方なのかどうか、その点、政務次官、どうですか。局長からでもいいです。
○城戸説明員 ただいま大臣からお答えしましたように、大臣の誠実性としてそういうことを申されたわけでございまして、事務的なことをいろいろ考えているわけではございません。なお、この会議の決定で、漁業者に対する補償問題につきましては、PPPによって水産庁が都道府県のあっせんのもとに解決をはかるよう指導する、こういうことが決定されておりますので、環境庁が直接中に入るということではございません。
○小宮委員 それでは話をまたもとに戻しますけれども、天草の有明町のシロと判定されたこの二人を除いて、残りの七名か八名かの患者、疑似患者の方々の病状の再検討は現在やられておりますか、その点いかがですか。
○城戸説明員 いまの御質問に直接お答えします前に全体のことをお話し申し上げますが、健康調査につきましては、この間の推進会議でも確認しておりますように、予定どおりやっていくということになっております。それで、全体としましては大体一月中をめどにまとめていきたいと思っておりますが、熊本県関係は三月一ぱいぐらいかかる、こういう予定になっております。現在大体第三次検診の段階に入っておりますので、熊本の二人以外の残りの方につきましても、その第三次検診の一環として処理していく、こういう考え方で対処いたしております。
○小宮委員 一般検診はやるということは、はっきりしておるわけです。しかしながら、これほど問題を起こした中の二人がシロと判定をされたということになると、あとの残りの七名か八名かのこの人たちの診断をやはり優先してやってもらって、この人たちはほんとうにそういった水俣病の患者なのか、それともどうなのかということをはっきりしてもらいたいというのが関係漁民の方々の非常な訴えなんですが、やはり一般検診——第三次検診といまいわれておりましたけれども、この人たちに対しては、ひとつ特別にシロかクロかやはり精密検査をやってもらいたいと思いますけれども、どうですか。
○城戸説明員 この問題につきましては、水銀汚染調査検討委員会の健康調査分科会でいろいろ検討しているところでございますが、その具体的な精密検診につきましては、いま申し上げましたように、第三次検診の一環としてやりました上で、必要がありますれば、この分科会で最終的に県の要請によりまして検討する、かようなことになろうかと思っておるわけでございまして、残りの方をそういう意味で早く決着をつけたいという気持ちは変わりませんが、現在すでにそういうことで第三次検診が各地で行なわれておりますので、その一環として最終的な結論を出すということが適当でなかろうか。そうしませんと、この方々だけに先に結論が出まして、また次に第三次検診の結果、ほかの多くの方の中から問題の方が出る、こういうことも考えるわけでございますので、その点は一括して最終的に処理していくのがよかろう、こう考えておるわけでございます。
○小宮委員 それではこの有明町の二人がシロという判定がされたということによって、この水俣病判定基準に影響があるのかどうかということと、もう一つは、水俣病に対しては環境庁の姿勢として疑わしき者は救済せよという現在の方針ですが、その方針を今後も堅持していくのかどうか、その点いかがですか。
○城戸説明員 さきに二人の方につきましてシロの判定が出たということにときましては、特に臨床症状その他から見まして、環境汚染の調査を待つまでもなく、そういう判定ができるからなされたわけでございます。また、この二人の方は特に本人の御希望がございまして、早く精密検診をしてくれということで熊大においでになったわけでございまして、早く本人に結果を通知しなければならぬということで別個切り離して結論が出されたものでございます。 なお、そういうことでございますから、判定についての考え方は全く私ども違っていないわけでございます。 それからいま申されました前の次官通達の件でございますが、これはむしろこういう汚染水域につきまして、それがどのくらい汚染しているか、それに関連した、環境汚染に関連する、あるいはそれに原因する疾病があるのかどうか、こういう問題について言ったわけでございませんで、すでに指定地域となっております熊本等につきまして、その個々の患者の認定にあたっての基本的な方針を明らかにしたものでございます。この点は今後とも同じような方針でまいる、こう考えております。
○小宮委員 それから徳山湾第四水俣病と騒がれたこの人たちについても、この前、健康調査分科会での報告だけあって、その後、次回検討するということになっておりますけれども、これの検討はどうなされているのか、その点いかがですか。
○城戸説明員 この方々につきましても、実はあの段階では別個に山口大学以外のところでもう一度検診をした上で、分科会で取り上げたらという御意見もございましたが、現在すでに山口県におきましても第三次検診が進められておりますので、その一環として処理していく、熊本の場合と全く同じ考えを持っております。
○小宮委員 少し急ぎますから、今度は漁業補償問題について水産庁に質問します。 十日の水銀等汚染対策推進会議でこの漁業補償について、汚染者負担の原則により水産庁が都道府県のあっせんのもとに解決をはかるということが決定しておりますね。この意味は、大体どういうふうに理解すればいいんですか。たとえば、水産庁と加害企業との間で直接話し合いはするけれども、その中に各都道府県が入るのか、それとも水産庁の意向をくんで各都道府県が加害企業との間に交渉を行なうのか、その点の具体的な交渉のあり方についてちょっとよくわからぬところがあるものですから、ひとつ説明してください。
○安福説明員 お答えいたします。 いま御指摘の点は、十日の推進会議で決定を見た事項でございます。元来、こういった漁業補償につきましては、非常に現地の問題、具体的な問題でございますので、原因者企業と漁民並びに漁業者団体、そういった者の直接的な話し合いということをたてまえにいたしております。したがいまして、将来ともそういったたてまえでいきたい、こういうふうに考えております。と申しますのは、こういうケースにつきましては、まだ全国的にこういう一つの方程式で補償をすべきであると、こういうケースまでには煮詰まってないといいますか、そういう抽象化された基準というのをつくるのは非常にむずかしい問題でございます。われわれの手元に参っておりますこれまでの補償されましたケースとしまして、いろいろな形の補償の形態があるわけでございますから、よりその現地に即した企業と漁民並びに漁民団体、そういった話し合いがたてまえであろう、このように考えておるわけでございます。 もちろん、その中でいろいろ両者意見の対立、立場の違う者同士が話し合うわけでございますから、公共団体であります県のあっせんというものは当然その中に入ってくるだろうと思いますし、そういう問題をひっくるめまして、いろいろな問題がちぐはぐすることがあろうと思います。そういった面で、全国的なそういうケースを私どものほうで集めておりますから、そういった経験に即しまして適切な指導を水産庁としてはしてまいる。 したがいまして、もう一度繰り返しますと、やはり企業者と漁民との間の直接的な話し合いというのが、まず第一義的であろう、その中に県の一つのあっせんをお願いする、それを大所高所の立場に立って水産庁は指導してまいる、かように考えておるわけでございます。
○小宮委員 そうした場合に、前国会で成立した水銀等による水産動植物の汚染に係る被害漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法、この場合にここの委員会でもはっきり答弁しておることは、こういった被害漁業者に対する補償は、これはたとえ国が融資をしても、これは国から取るんだから、利子を含めて取るんだから、これはただになるんだというような答弁をし、われわれもそう理解しておるわけです。そうしますと、そのことと、いま言われたように漁業組合なり、ないしは漁業者と加害企業との間の話し合いをされる、話し合いをされて幾らにきまるかわからぬ、そうした場合に、これは融資をするために特別立法をやって、現在各漁協関係では、その融資の手続をやっているわけですよ。そのことは、その補償とは無関係にそういうようなことをやられておるのですか。 われわれのいままでの理解は、農林水産委員会でもここの委員会でも、漁業補償については、特に加害企業から取るので金利も元金もただになるんだというわれわれは理解をしておるのです。そうした場合に、いまの漁民と漁業組合とか加害企業だけに交渉をまかして、そういうようなものとの関連はどうなりますか。
○安福説明員 一般に補償の問題は、やはり原因者のその原因自体がどこまでの因果関係をたどれるか、こういう問題になろうと思います。私どもの国会での答弁も、その因果関係の範囲内において、証明できる範囲内において企業の負担がやはりされるべきであろう、こういうふうに答弁したかと思うわけでございまして、現在融資を進められている全額がすぐにイコール補償の内ワクになるというふうな答弁には必ずしもなっていないと私は思うわけでございますけれども、実際に融資の実態から申し上げますと、まだ必ずしも実態がはっきりいたしておりませんけれども、やはり漁民といたしましては、自分の必要な、現在において非常に困っておるという事情があるわけでございますから、その範囲内において融資の申し込みをしてきている、こういう実情にあろうかと思います。 それがやはり因果関係を証明する一つのデータではあろうと思いますけれども、やはり補償は補償として原因は原因としてのその因果関係があるわけでございますから、その間の詰めというものは今後の漁民と原因者との間の話し合いになろうかと思います。したがいまして、理屈ではございますけれども、それがイコールその内ワクに必ずなるんだ、こういうふうには私ども考えておりません、結果はどうなるかわかりませんけれども。そういうふうな答弁をしてきたと思います。
○小宮委員 それは大きな問題ですからね、これはそういうようなことになれば議事録を全部、農林水産とこの委員会について調べますから。そういうような理解をわれわれはここで聞いていないのです。だからわれわれは、漁業補償については加害企業に負担させるんだから、金利まで含めてただになるというようなわれわれ理解をしておるし、そういうようにわれわれはここで答弁を聞いておると私は記憶しておるのです。 そうなりますと、それでは水産庁は全然ノータッチで、漁民と加害企業だけで交渉しなさいということになれば、現在この緊急融資の問題を各漁協では申請をやらしているわけですね。そういうようなものとの関係は無関係になって、もし融資額がそれをオーバーした場合どうなるのか、そういうような点、どうも次長の答弁は、これまでの答弁とちょっと違っておる。特に現地の漁民はこの特別措置法の中でうたっておるところの指定区域、それから特定区域ですね、指定区域の人は、元金、利息を含めて加害企業から取るので全部ただだというように理解しておるのですよ。これは公害の委員会だけでないのですよ。農林水産でこの問題は何回も質問されておるのです。そういう特定区域については、これは利子補給をやっておる、元金、金利は、利子補給をした分の残りの三%ですか、これは特定区域の人たちについては本人に支払うんだというふうに理解をしておるのです。 私は、現にこの特別立法をする場合の最終の農林水産小委員会に行ってきておるのです。だからその意味でも、いまの水産庁の答弁はちょっとおかしいと思う。その点はどうですか。指定区域にしても特別区域にしても、現在漁民が融資の申請をやっておるのは、これは漁業補償とは別なんだという考え方ですか。
○安福説明員 現在進められております融資はやはり緊急措置の融資でございますから、あくまで融資でございます。したがいまして、これはやはり期限が来れば農民が返す、こういうことに相なるわけでございます。それと補償の問題は、それがイコール補償であるという問題ではございませんで、補償の問題はやはりそれの因果関係、原因がどういうふうに損害を与えているか、こういう問題にからむわけでございますから、一応別問題としてわれわれは理解しております。ただ、その原因自身があったためにこういう事態が起きているわけでございますから、その間にやはり因果関係もあろうと思います。ただ、融資がたとえば五十万なら五十万というものが、すぐに全部その補償の対象になり得るかどうかというのは今後の問題でございます。ただ先ほど来申しましたように緊急措置でございますから、金額的にも十分だ、必ずしもこういうふうに私ども考えておりませんし、そういった意味合いにおいて一つの融資の額というものが、やはり現地におきますいろいろな漁民の実態に応じた融資がおそらくされているだろう、こういうふうに考えますから、そういう面で補償という問題が起きる場合の一つのメルクマールにはなると思います。 そういう意味合いにおいて、その範囲内で補償から払われると理解されるという漁民の感情自身は、私は何も否定するつもりはございませんけれども、法律的には、やはり補償は補償として因果関係を立てられる範囲内において支払われる問題である、このように理解しておりますし、私自身の答弁もそういうような答弁をいたしております。もちろん、そのほかにもいろいろな人の答弁もあろうかと思いますから、どういう答弁になっておりますか、私まだ全部網羅しておりませんけれども、私はそういう趣旨で申し上げた、こういうことでございます。
○小宮委員 それでは水産庁としては、いま緊急融資をするのは当然です。これはやはりいま漁業補償は、きょうあす解決できるという問題ではないし、そのためにこの緊急つなぎ融資のワクをつくって、そこからいまこの特別措置法にうたわれたような緊急融資をするわけですから、たてまえはそうなるわけです。しかしながら実際問題、たとえばいま現在、日本合成化学と三井東圧の間に福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の漁業団体の交渉が行なわれておりますね。そうしたら、いまの緊急融資を申し込んだ、貸し付けを受けた人たちは、この貸し付けした分は補償から負担して、本人たちはただになるということになるのですか、その点どうですか。融資は融資、補償は補償ということで、水産庁は融資した分はやはり回収する、返済させるというたてまえですか。
○安福説明員 たてまえ論はそういうふうになると思います。融資イコール補償では必ずしもないわけでございますから。
○小宮委員 この問題はあとで私はまた——もう現地の漁民の方々は大体そういうふうにみんな理解しておる。われわれもそう理解しておった。特に指定区域じゃなくて特定地域の人ですらも、そういうように理解しておるのです。そのために私は水産庁はどういうような行政指導をやっておるのかということを聞きたいと思ったくらいです。まあしかし、その問題はもっと議事録を全部調べてみます、われわれの理解とちょっと違うようですから。 それから、この被害漁業者というのは今度の緊急融資の問題で、昭和四十八年五月二十二日以降における収入の減少額は政令で定める基準、すなわち平年における当該月の収入百分の五十以上のものとなっていますね。この百分の五十というのは、百分の五十以下の損失の場合は貸し付けないということですか。この条文どおり解釈すれば、そうなるわけですが。
○安福説明員 政府がこれまでこういう事態の場合に、融資する場合の一つの例としまして災害融資があるわけでございます。災害融資が、一番手厚い融資の一つの補償になっているわけでございまして、政府ベースで閣議決定を見ました措置、それからさらに議員立法で御審議願いました法律、成立した法律、そのいろいろな過程におきましていろいろな議論はございましたけれども、やはり災害と同じ一番手厚いあれをやるべきだ、こういう意見で五〇%、災害が五〇%ということでございます。したがいまして、それをもって基準を引いたということでございまして、それ以下の場合には融資の対象にならない、こういうふうに相なるわけでございます。
○小宮委員 この五月二十二日以降というのは、なぜ五月二十二日以降ときめたのですか。たとえば有明海の場合はすでに五月二十二日以前にも、やはりこの漁業損失が起きているわけですね。たとえば魚が暴落した、それで操業を中止したというような事態は五月二十二日以前にも発生しておるわけです。なぜ五月二十二日以降ということにしたのですか。
○安福説明員 公害の問題は、これは単に一地域だけの問題じゃなくて、過去においてもいろいろあるわけでございますけれども、公害の問題が魚価に非常に極端な形であらわれましたのが、御承知のとおり熊本大学の武内先生の報告書、あれが発表になりました以降でございます。もちろんそれ以前にもあったわけでございますが、その事態を一つの境にいたしまして、非常にこの問題が顕在化されまして、魚価の低落、流通関係から消費に至るまでいろいろなパニック状態を来たした、こういうことでございます。したがいまして五月二十二日以降を取り上げた、こういうことでございます。
○小宮委員 末端の漁民にいろいろ聞いてみますと、この貸し付け条件の中にやはりほんとうに困っておる人が借りられずに困っている。いわゆる返済能力のない人には貸さないというような行政指導をやられておる。そのために、ほんとうに零細な漁民の人たちが生活に困って借りたくても借りられないという問題が起きているのですが、貸し付け条件はどういうふうになっておりますか。どういうふうに指導されていますか。
○安福説明員 今回の融資はやはり金に一番困っている人に対する緊急融資でございます。したがいまして金の返済能力という問題、これは現時点の問題ではございませんで、一応償還期間が五年あるわけでございます。一番必要なのは金に現在困っている人でございますから、現時点においては返済能力がないから、むしろ借りたいということだろうと私は思うわけでございます。そういう意味合いにおきまして、私ども融資の場合には余裕のある人は、これは必要ない問題でございますから、やはり返済能力という問題は将来の問題でございます。 したがいまして、一応いろいろな形で私ども手当てもしているわけでございますが、一応事態も若干冷静化しつつある現状でございますし、将来に向かいまして、沿岸漁業のいろいろな振興策を講ずる、あるいは漁場の回復を含めましていろいろな措置を講じて、その五年の間に通常な操業ぺースにこれが戻れば、やはり返済能力もできてくる、こういうような考えでございますから、現在そういった能力がないというものが判断の基準になるとは思っておりません。そういう指導はいたしておらない、こういうことでございます。
○小宮委員 それでは困っておる漁民で貸し付けを希望する者には全部に貸し付ける、そういうふうに理解していいですか。
○安福説明員 貸し付けの場合の条件がございますから、それを満たしておれば貸し付けの対象になるということは当然でございます。
○小宮委員 その条件に問題があるんだ、条件に。
○安福説明員 その条件というのは返済能力がないという条件でございましょう。いま返済能力がある人は借りる必要がないのでございますね、実際問題としまして。返済能力が問題になるのは五年先、返済期限が来るときの問題でございますから、それまでの間に、われわれとしてはできるだけの沿岸漁業の振興も断々固としてやっているわけでございますから、操業も実際の操業のルートに、正常な姿に戻るだろうということでございますから、当然この程度の緊急融資は返済能力ができるのだ、このように私どもは考えております。
○小宮委員 いろいろ質問したいことがありますが、大体予定の時間が来ましたから、これで質問を終わります。
○佐野委員長 土井たか子君。
○土井委員 まだ自民党席のほうにはどなたもお見えにならないようですが、道路公団の御出席の方がお急ぎのようでありますから、取り急いで質問を開始したいと思います。 さて、中国縦貫道建設工事現場の中で、兵庫県西宮市にございます青葉台地区の問題が、いまたいへんに注目を沿びているところでありますが、この問題について、まず道路公団側にお尋ねしたいのは、青葉台の現状で一体一番の問題点はどこにあるとお考えでいらっしゃるのか、その点をまずお尋ねいたしましょう。
○三野参考人 現在、青葉台地区におきまして工事を着工いたしておりますが、この地区につきましては昭和四十六年以来二年余にわたりまして工事を一時控えまして青葉台地区の住民の方々とお話し合いをしてきたところでございます。 問題の焦点は、道路公害対策といたしまして、住民の方はいわゆるトンネルカバーとおっしゃるものを要求をされておるわけでございますが、私どもは道路の環境基準を守って全国的にこれを一生懸命果たすべく努力をいたしておりますので、その基準からいたしまして、そういう必要はございません、十分遮音壁で間に合いますということを申し上げてまいったわけでございます。三メートルの遮音壁で計算をいたしましても、十分道路の環境基準は守れるということで申し上げておったのでございますけれども、この二年有余の間、十数回にわたる話し合いの間におきまして、絶えずこのトンネルカバー以外のものはだめだという主張を繰り返されますので、私どもはそういうお気持ちに対しまして、兵庫県等のごあっせんもございましたので、それではまあ三メートルの遮音壁で十分守れると思うけれども、兵庫県が五メートルまでかさ上げをしたらどうか、こういうおすすめがございました。そのあっせん案を受けまして五メートルの遮音壁ということで施工いたすことで、そのあっせん案を受け入れたわけでございますが、それでもなおトンネルカバーでなくては承知しないというお話がございます。これはおそらくはやはり将来の道路環境に対する御不安がある、万一、公団はああ言うておるけれども、そういう公団の考えている構造で不十分な場合には、ほったらかしで何もしてくれないのではなかろうか、こういう御心配があるやに私どもも判断をいたします。 そこで、私どもは道路の環境基準を守るということを再三申し上げておるわけでございますから、将来もし私どもの計算をしているつまり推定をいたしておる騒音の状態がもっと予想以上に悪くなって、そうして遮音壁構造では不十分だという事態ができるかもしれぬ、そういう場合にはトンネルカバーをいたしましょう、それからまた、あるいはこの環境基準というものが将来改定をされるというようなこともあるかもしれぬ、そういう場合にも、そういうことで今度は守れなくなるというような事態がございましたら、そのときはトンネルカバーが必要であれば、それをやりましょう。ただ、そのときになって、そんなものがつけられないという構造になっておるのであったら、これはお約束が果たせませんので、あらかじめ将来今度は上にそういう屋根をかぶせるというような形になりますから、そういう構造に耐え得るような基礎構造にいたしておきましょう、こういうところまで申し上げたのでございますけれども、それでもなお直ちにトンネルカバーをしなければ、それ以外のものはだめだ、こういうお話で、全くお話が進みませんで、県も仲介を打ち切られる、こういうようなことになりました。そういう状態で続いたわけでございます。 問題点はいわゆる環境基準というものに対して、直ちにトンネルカバーをやれというのが地元の方々の主張であるし、私どもは全国的に一つの基準をもってやっているのでございますから、われわれのいま考えているもので十分だと思います。しかし、将来それで不十分だという場合に備える必要もありましょうから、そういう場合に備えて、あらかじめそういうことにしておきましょうということを申し上げているのですけれども、それでお聞きにならないということが、われわれと住民の方との間のこの二年間のブランク、二年間の話し合いの結果でどうしても一致しないという、そこが問題の最大のところでございます。
○土井委員 いまの御答弁を聞いておりますと、どうもこの問題、どこまで行ったって平行線しかないという感じがするわけであります。片や住民の方からいたします行政不信という中身をよく分析してみますと、これはどこの例でもあるわけですけれども、お役所仕事の中で、どうも数字だけでものごとを考え、計算をし、その結果、だいじょうぶだということに従って事を強行されるという傾向がよくある。現に、青葉台周辺の方々は数値については御存じのはずなんです。ただ、しかし、要求の中身に出てくるのは、私たちなま身の人間ですと、またここの周辺は、よくごらんいただいたらおわかりになるごとくに、緑でおおわれている山々であります。この自然の環境に恵まれたところで、なま身の人間が、これから一生ここで生活を続けていくという場所であることを忘れてもらったら困ると、数字で迫るのに対して、こっちはなま身で迫るわけですからね。そういう点からしますと、話し合いをお続けになっても、そういう感覚じゃ、私はどうも平行線しかないように思うのです。 しかし、その問題はおいおい申し上げるとしまして、さて、いまの基準値、これはやはりいままでの一つの争点であります。現に公団側は、いまの環境基準ということから考えて、基準値以下に押えていくことが必ずできるから、この五メーターの遮音壁で臨みたいというお考えをいままで続けられてきたし、またいまも持っていらっしゃるし、これからもそうであるらしいですね。しかし、こういう基準値について、どういうふうにしたらよいかというふうなお考えを、具体的にはどういう作業のもとにお進めになったかということを、私は過日、道路公団の方にお尋ねをしてみたのです。 そうしますと、十一月六日という日付のついたお知らせをいただきました。このお知らせの中身は「中国縦貫自動車道青葉台問題に関する兵庫県のあっ旋調停について」ということでありますが、結局このあっせん調停ということができなくて破綻をした結果、今日に至っているわけですけれども、これについての経過がずっと述べられる中に、私が口頭でいろいろお伺いしますと、実は青葉台周辺について、この環境基準で臨むということについても環境庁といままでいろいろと連絡をとり、いろいろと研究をした結果、こういうことになったんだというお話でありました。 ところで、環境庁のほうにお伺いするのですが、公団のほうから、こういう問題について、この環境基準——騒音の問題は言うまでもありませんが、排気ガス等々全部ひっくるめて、この青葉台の中国自動車道について御相談があったのは、一体いつごろの時点から具体的にあったのか、その辺聞かしていただきたいと思います。
○春日説明員 この問題は、昭和四十年十月十八日に基本計画ができ、四十一年の七月に整備計画、同日付で日本道路公団に施工を建設大臣から命令ということになりまして、四十三年から工事に着手いたしておるわけでございます。中国縦貫自動車道路そのものについてはですね。 ところで、この青葉台地区の工事につきましては、四十六年の十一月十五日から工事を一時中止して、本年の十月三十日から工事を再開したということなんです。その長い経過の中で、中国縦貫道路の一般問題につきましては、環境庁、道路公団といろいろな意味でお話は何回もいたしたことはございますが、青葉台の直接の問題についての具体的な相談はそれほどなかったように思います。最近、具体的な話、たとえば環境基準の問題等についてのお問い合わせ、これはございました。
○土井委員 環境庁に重ねてお尋ねするのですが、それはいつごろ御相談が具体的にあったわけですか、環境基準について。いまの青葉台問題でございますよ。
○春日説明員 十一月七日でございます。
○土井委員 私が道路公団の方からお知らせというのをいただいたのは、十一月六日なんです。それ以前に環境庁のほうとも種々連絡をしながら、いま青葉台の問題について具体的に対処いたしておりますというお知らせだったんですよ。いまお伺いしてみますと、七日に初めて御相談があったというお答えじゃありませんか。これは一体どういうことなんです。私は、いろいろ住民の方々に御意見がおありになるだろうと思いますけれども、こういう態度がやはり住民からすると不信の種じゃないですか。公団側にひとつ釈明を要求します。
○三野参考人 私は、先生のところへどういう御説明をしたか存じませんけれども、この道路騒音につきましての推定式につきましては、ジョンソン・アンド・サンダースの理論式並びに日本音響学会の道路騒音調査研究委員会がつくっております道路騒音調査報告書に掲載されているものを基本式といたしましてやっておるわけでございまして、これは別に環境庁の方に御相談するまでもないことだと思います。このことは住民の皆さんにもよく説明をいたしておりますし、至るところでこの説明をいたしておりますので、その辺で、別にその意味での環境庁との関係というのはなかろうかと存じます。
○土井委員 まことにセクト主義であり、独善的でございます。環境庁というのは一体何のためにあるかという御認識は十分にお持ちの上で、いまの御答弁をなすったであろうと私は理解しているわけでありますが、大体公団が考えている中身は、こういうふうな科学的なデータの裏づけがあるから、だいじょうぶと幾らおっしゃっても、住民側がそれを納得なすっていないから、いまのような状態になっているのじゃありませんか。したがいまして、そういう態度で、いまのまま、いまのお考えどおりで強行なさるということになると、いよいよ混乱のみあって、決して収拾はつかないだろうというふうに私は思っております。 私に対して、六日の日にこの兵庫県のあっせん調停についてというお知らせをいただいた節、環境庁とも連絡をしながらということをおっしゃるのは、やはりその辺少しは気にかけていらっしゃるからだろうと私は思っているわけですが、いまの御答弁を承りますと、それはもうまるでそれとは違った御答弁が出てくるわけで、ここのところ、やはり各省庁、特に担当省庁との間で十分な連絡協議の結果、具体的な工事に対して責任を持った公団のあり方ではないということを確認させていただきます。いかがですか。
○三野参考人 道路騒音につきまして、いろいろ検討をいたすべき区域は非常に多いのでございます。これらにつきましては、環境基準の適用等につきまして、そういう法律的な問題に触れるような疑義が生じますならば、私どもも御相談をいたすでございましょうけれども、まあ通常の問題であるというふうに考えまして、この青葉台につきましては、もうずっと前からこれで皆さんに御説明をしてきておりますし、これで私どものやったことは間違っていない、こういうふうに思っておりますが……。まあそういうふうに考えております。
○土井委員 これは公団は言うまでもございませんが、行政側は一体規則に対する行政をやっていらっしゃるのか、基準に対する行政をやっていらっしゃるのか、法律に対する行政をやっていらっしゃるのか、それとも国民、住民に対しての行政をやっていらっしゃるのか、そこのところの基本点というのを私はいま一たび、もう一度はっきり出発点に立ち戻って考え直していただきたいような気持ちです。法律に違反さえしなければ、それでよい、基準値を守っていさえすれば、それでよい。こういう姿勢が、いままで住民からすれば行政不信を招くもとになっていたのじゃないでしょうか。それでゴリ押しをやって、強行をやって工事に着工して、そして道路を貫通させて、そこに自動車が走るということになりましても、決してこれは国民、住民のための道路ではないという認識を住民は持つ。これが私はあとに十分残ると思うのです。 いまそういう点からいうと、非常に大事な時期だと思うのですね。道路公団側はどういう態度でこの問題に臨まれるのかというのが非常に大事な時期だと思うのです。住民は決してここに道路を通すなといっているわけじゃないのですよ。道路について、環境を破壊しないような道路、公害防止に対して十分に配慮のある道路、それを考えていただきたいという要求じゃないですか。これに対する態度としては、したがいまして、先ほどから言うように、基準値さえまかなっておれば、それでよいということじゃだめなんで、法律に違反しさえしなければそれでよいというような態度じゃだめなんで、それを要求している住民や国民に対して、その意見の本質というものがどういうものか、その持っている中身というものがどういうものかということを非常に謙虚に誠実に聞くという態度がなければうそじゃないでしょうか。 それからすると、やはりそういう行政を行なう場合に、その行政の担当省庁と協議を進めて、政府としては、また公団としては、これで臨みますよということも、やはり責任ある態度として、まずは持っていただかなければうそだと思うのです。その点は、まず住民の態度を誠実に聞くということからすると、もう一つ私は十分とはいえない気がいたしますし、また各省庁との連絡という点からいっても、私は先ほど来聞いていて、不十分のそしりを免れない。こういう態度が続けられる限り、私は最初に申し上げたとおりに、話し合いは平行線ばかりであろうというふうに思うわけです。ひとつ、いまここで公団側の猛反省を要求します。 まずそれを申し上げておいて、さて、その環境基準の問題が問題になっておりますから、ひとつここであらためて指摘をさせていただきたいのは、御承知のとおりに十一月十日まで、第十一回日本道路会議、五日間、日本道路協会が主催をして行なわれました。これは御承知のとおりです。あの日本道路会議の中で五日間討議された中身は何だったかというと、いままでの道路建設について再検討すれば、結局われわれの結論として出てくるのは、道路建設の基本にもっと住民本位ということを考えていかなければ、うそだという姿勢なんですよ。住民本位ということを忘れたら、だめだという姿勢なんですね。その中に環境保全の対策として、郊外の、特に幹線道路について注目をいたしまして、この道路の建設については両側五百メートルの沿道地域に規制地域というものが必要だというふうな結論も出ております。 それからさらに、これについては何としても住民参加がなくては出発できない。したがって住民参加という点からみると、いままでには住民との対話、計画説明というふうなことの場所を設けることが少なかった。これを多く設けるということが、どうしても必要だ。その際には、まずこれはABC、基本の問題でありますが、調査データや情報を公開するということになっているのです。 ところで、環境基準の基準値の問題については、いろいろまた別の機会に私は詳しくお尋ねしなければ、きょうは時間の都合がありますから、それを追っかけていては、とうてい本論に立ち戻る余裕がなくなってしまいますので、それを割愛して先に進みますけれども、このいまの調査データ、情報という点からいたしまして、あの青葉台の置かれております地理的条件、環境、そういうものに即応して、いまの環境基準の上から考えてどうかこうかというふうな——これは最近よくこのことに対しては重視されていわれるのですが、実際上のアセスメントをなすったことがあるかどうか、これをひとつお伺いしたい。
○三野参考人 いまアセスメントということが非常に大きく出てまいっておりますけれども、ここについては私どもはまだやっておりません。
○土井委員 基本的な問題をやらずして、これは何の調査データ、情報ということになるかと思いますし、計画説明かということにもなろうかと思うのです。そのあたりはまだどうも出発していないようなありさまじゃないのですか。にもかかわらず工事には着工するということが先走ってしまって、そうして来たるべき何年何月何日を期して開通させなければならぬばかりで頭の中は一ぱいだ、こういうふうな感じが私はするのでございます。 そこで私はここに一つのデータを持ってまいりました。これはことしの七月に阪神高速道路公団が発表されました「防音塀の効果の調査研究」という中間報告です。御承知だと思いますが、尼崎で国道四十三号線の問題がずいぶん紛糾いたしまして、とうとう裁判所に住民側から提訴されるという事情を来たしました。そこで市のほうがぜひともこの実情に即応した環境アセスメントこそ必要だということでなされたのが、この調査研究の中間報告の中身なんであります。 これを見ておりまして私はまず驚いたのは、こういう種の実験は日本で初めてだということなんです。こういう研究は日本で初めてだということです。研究のみならず実験をし、実際問題その条件に適合させて、当てはめて考えてみるという研究、実験というのは初めてだということです。全国津々浦々にこれだけ高速道路、縦貫道というものが建設されていて、しかも住民の住まいからすれば、住民の生活からすれば、何としても、やはり自分たちの環境保全という要求はどこまでも出るはずです。その側面からの実験、調査というものがいまだかつてなされていなかったということについてあらためて知らされて、あ然とする思いであります。 そうしてしかもこの中では、実はずっと見てまいりますと、今回の青葉台の場合には、重要であろうと思われる部分の調査が抜けております。問題は四十三号線の調査ですから、その点は環境が大いに違う、青葉台の場合と違います。青葉台の場合には、おそらくこれをやらなければならないという実験が、この中間報告の中にはすっぽり抜けています。 何かというと、それは反響音の実験であります。御承知だと思いますよ、公団側はいま着工なすっているわけでありますから。準備工事についてもう着工を進めていらっしゃるわけでありますから、工事を進めていらっしゃるわけでありますから御存じだと思いますが、片面は山なんですね。青々とした木がある、緑に恵まれています。片側は百七十六号線がたいへんな過密状態で、車が行き戻りしている道であります。その間に谷間を縫って家がある。みんな一戸建ての建て売りを、緑を求めて都心からわざわざ借金までして、ここに移り住まわれた方々が多いのです。移り住まわれてからあと、実はここに中国縦貫道の計画があるということを知らされてびっくりしたといわれる方々が、あそこにはあるのです。そこに道路が通るわけでありますから、これはどうしても、あの状況からすれば反響音の実験というものは、ぜひやっていただかなければ、実情に即応した環境基準はまかないきれる問題じゃないと思います。 それからさらにこの実験した結果を見てみますと、地形の異なるところでは必ずしもこの場合の実験上の効果は期待できません。場所によってはへいをつくることで悪い結果も考えられるということにもなっているのです。いま三メートルから五メートル、公団側は譲歩なすって好意的にやってやったという御気分でいらっしゃるかもしれませんけれども、場所によっては、むしろ防音壁やあるいは防音へいを高くつくることによって、状態は一そう悪くなる場合もあるという研究データであります。 その辺は、やはり考えてみますと、単に数字からして、偉い学者のすでに研究をされてきた数字の上でのデータを裏づけにしながら、だいじょうぶだだいじょうぶだとおっしゃるけれども、実際問題、あそこの地形に即応したアセスメントが何らないということは、一体どうしたことかということにもなってまいります。この問題、いかがお考えですか。
○三野参考人 遮音壁の効果等については、私ども幾つかの個所でいろいろ実験をいたしておりまして、自信を持っております。なお現地におきますところの設備が十分であるかどうか、この問題は、不十分であるならば修正できるような構造にしてあるということを申し上げておりますので、そういう事態が発見されますならば、修正をすることができようかと思います。ああいう大きな構造物につきましては、なかなか実験でそのままの状態を再現するということがむずかしゅうございますので、通常はモデルテストというようなことでやるわけでございます。しかしそういう、いつでも修正をできるような構造にいたしておりますので、しかもその辺につきましては県御当局等も一緒に保証をしておられるのでございますので、その辺の御心配はないというふうに私どもは考えるわけでございます。 なお、現地の状況につきましては、多少私どもの路線がきまりました時点と、道路に近くの方々が入ってこられた時点との問題等もございますけれども、私どもはそういうことは一応先後の関係は別にしまして一道路の環境基準というものを守るという基本姿勢を全国に対しまして私どもはとっておるわけでございます。やはり住民との対話、住民が一体何を指向しておるか、この辺を聞くことが非常に大事でございますし、先生の御意見にはたいへん敬服するのでございますけれども、住民のいうところを、すべてそのとおりにするというようなことは、全国的な立場に立ちますと、なかなかむずかしゅうございます。やはり何らかの線といいますか、それは決してぎりぎりの線であるとは思いませんけれども、そういう線をやはりきめて、それを目標に詰めていく。それからなお、それではその基準にぎりぎりでいいのか、この辺の問題は非常にデリケートなこともございますので、この辺はある程度のことは、やはり住民感情等も考えまして、融通のきかない対処のしかたはしてないつもりでございます。 その辺のところはよく御了承いただきまして、私どももこの青葉台の現在の状態が満足すべき状態であると思っておるわけでは決してございません。あくまで円満な解決に向かって努力すべきだと思いますので、ぜひその辺のお力添えもいただきとうございますし、また私どもは、先生からさきに仰せいただきましたけれども、やはり中国道全線のほかの地域の方々のことも考えなければなりませんので工事を急いでおるわけでございますけれども、ただ青葉台の地区につきまして、現実にいわゆる遮音壁構造あるいは遮音構造と申しますか、全体を含めましてどういう形にしましょうとも、具体的にそういう遮音構造に着工いたしますのは十カ月先でございます。私どもは十分にお話し合いの時間的な余地はあるというふうに思います。住民の方々が誤解をしておられるようですけれども、取り返しのつかないような状態になるんではなかろうかということをお感じのようですし、またあるいはほかの方々もお思いかもしれませんけれども、これは十カ月の余裕がある、十分この構造についてはお話し合いをする余裕があるというふうに考えておりますので、どうぞひとつその辺、うまく円満な解決にいきますように、お力添えを賜わりとうございます。
○土井委員 いまの御答弁を聞いておりまして、先にそれじゃ環境庁のほうに御意見を承りたい気になってきたことが一つあります。それは、現在これでだいじょうぶだろうとおっしゃっている環境基準、あれは昭和四十六年五月の閣議決定によってもたらされた環境基準ですね。ところでその基準値というのは、大体五年以内にあの中身を満たさなければならぬということでつくられているわけでありますから、昭和五十一年を期して中身は完全実施されていなければ困るわけであります。いま全国の幹線道路をごらんいただきまして、環境庁としては、いまこの環境基準を十分に五十一年について満たしていける自信があるとお考えであるかどうか。大体だいじょうぶだと言い切れるかどうか。だいじょうぶですよと、もう胸をたたいて言い切れるかどうか、ひとつそこのところをお聞かせいただきます。
○春日説明員 これからの交通問題の進展によりまして、ことにモータリゼーションがますます盛んになるというような状態で、道路の交通容量に対して、ますます自動車がふえるという状態が出てまいりますならば、残念ながら胸をたたいて確実にだいじょうぶであるとは申し上げかねるであろうと思います。
○土井委員 といういまのお答えでありました。私はまことに事実をよくごらんになった正直なお答えだと思います。 そこで公団に申し上げたい。いま工事をしながら十カ月も先の話だ、十カ月もその間期間があるのだから、その間に住民の方にも十分納得していただけるだけの努力をしようというお話であります。この環境基準というものがつくられてからこの方、努力に努力に努力を重ねて、来たるべき五十一年、きめられたあの五年以内に完全にこの基準値が守れるようにということで出された基準値が、胸をたたいてだいじょうぶだといえない状態にあるんですよ。もう工事には手をつけて、基礎工事は終わった、本工事にも着工だ、十カ月ある。その間に何とか考えていったら何とかなるじゃなかろうか、この態度が私は間違いだと言っているのです。 住民の方々が納得なさらないのは、その点でもあります。アセスメントは何もない。ただあるのは机の上の数字だけ。数字のつじつま合わせをやり、いままでの値の似通ったところのサンプリングをとってきて、これでいったら、だいじょうぶだろうといって出てきたことに、どうして住民側が納得されるかということを私は言いたいのです。特に三メートルが五メートルになったというあの防音壁の実情を見てまいりますと、必ず第二次公害が起こりますよ。付近の住宅に日照権の問題で、必ず近い将来にこの五メートルの防音壁を相手どって問題が起こらないという保証はどこにもないです。ごらんになって御存じだろうと思う。いかにしてこの環境破壊ということをしないで、ここに工事を進めるかということに対しての配慮が、努力として、私たちがなるほどと、うなずけるだけあるようにはどうしても思えないのです。 私は、住民の方々が話し合う用意がありながら、しかも話し合いはいつも決裂状態で平行線をたどるというのは、一つは、先ほど来申し上げているとおり、その辺の公団側の基本姿勢に負うところが多いのじゃなかろうか。十カ月期間があるから、その間工事は片やで進めながら住民の方々とお話しをしますといったって、住民の方々は工事が着々と進んでいっているそのありさまを目のあたりにしながら、どうして話し合う気になれますか。 特にいままで、よろしい、これでだいじょうぶというふうな納得のいく調査結果、また実情に即応した説明というものを住民側がお聞きになっていれば別ですよ。実は二年あった、三年あった、話し合いの期間が長い間あったというふうな当初の御説明で、きょうもございましたけれども、二年の間に実質的な話し合いの期間といったらどのくらいか、私はよく御承知のことだと思います。一年半くらいは空白期間。そしてその間、住民側の方々が何ら意見をおっしゃらなかったからと公団側はおっしゃるかもしれません。しかし、公団側もはたして住民の方々に対して実情を説明し、納得してもらえるだけの努力をその間払われたかというと、これもいなであります。問題は水かけ論じゃありませんか。そしてとうとうタイムリミットだ、もう竣工の期間というものを私たちは目の前にしている。どうしてもその時期までに工事に着工して、竣工させなければならぬ。こうなってくると、そこのけそこのけお馬が通るの方式になってくるのであります。これが問題なんです。 したがいまして、もう一度問題を白紙に戻して、あの場所での話し合いを誠実にやる。誠実にやるのには条件がいろいろございますよ。住民の方々からいま持っていらっしゃる不安を解消するに足るだけのいろいろな説明も必要であります。公団側からその説明がなされねばなりません。また、あの条件に適合した、環境破壊をこういうふうに押えていきますという、親切、懇切丁寧な調査の結果の説明というもの、やはりなされなければならないだろうと思います。さらにその間は、来たるべき何月何日にここを車を走らせなければならないということだけを至上命題にすることをやめて、誠実に話し合うという条件からすれば、住民の方々と私たちはこれだけ誠実に話し合うという態度でもって臨むのだから、ひとつ住民の方々もその話に乗っていただきたい、ついては、その間は工事について進めないでおきましょうということは、これは条件の一つだと思うのであります。この辺をひとつ、いまあそこは一番大事な時期、お考えをいただかなければ困ります。そうでなければ私は事は進展しない、あとに悔いを残すことになるだろうと思います。 いかにいま五メートルにした、測量のいろいろな機器もあそこに備えた、その結果、基準値をオーバーするようなことにでもなれば、初めてシェルターをつけようじゃないかとおっしゃるような説明じゃ、これは住民は納得しないのは、いままでどおりであります、いままでそうだったのだから。これからだって、その態度を変えずに工事を強行なさるということになると、私は悔いを後に残されるであろうと思います。問題は青葉台だけじゃございません。全国で縦貫道をこれから着々建設なさる予定がおありになるわけでありますから、あとあとにこれは前例となるわけです。ひとつそういう意味も含んで、ここでもう一度白紙に戻って出直すくらいのつもりでやっていただけないか、これを私申し上げたいのです。いかがでございますか。
○三野参考人 先生の御意見、たいへん敬服して伺いました。この三十日に着工いたしましてからも、その話し合いの機会を持つということで、再三、ごあっせんくださる方もございまして、私どもも応ずることで話し合いがつきかけたのでございますけれども、そのつど、住民の皆さん方にいろいろ問題がございまして、成立をいたしませんでしたが、私どもも話し合いを望んでいるわけでございます。ただ、この三十日以前の、この二年間のような状態では、私どもも困るし、また住民の方も困る。その辺を何か明るくするような、そういう手だてはないものか、この辺が大事なところだろうと思っております。 〔委員長退席、小林(信)委員長代理着席〕 もちろん現在の状態は、まあ普通の状態ではございませんので、私どもも別に望んでいるわけではございませんし、早く正常な状態にいたしたいと思っております。その辺につきまして、いろいろ私ども努力をいたしてみたいと思っております。
○土井委員 努力してくださるという最後のおことばでありますが、しかし、努力の中身がもう一つばく然としておりまして、どういうふうに具体的に考えていただけるかということが、いまお答えの中には聞かれなかった。それを最後には実は聞きたいわけですが、あともう一つだけ私は申し上げて、時間が来ておりますから、終わりにしたいと思うのです。 「高速道路」という旬刊の新聞がございますね。御存じだと思います。この「高速道路」というのは、一体どこが発行なすっていて、発行部数がどれくらいで、財源はどこから出ているかということを、ひとつ御説明賜わりませんか。
○三野参考人 これは全国の高速自動車国道の建設を促進しておられる協議会で出しておられるものだと存じております。ただ、残念ながら私、発行部数がどのくらいか、あるいは財源がどういうことになっておるか、その辺は存じません。
○土井委員 この記事の中身については——まあいまお答えのとおりで、発行部数であるとか、財源がどうなっているかということは御存じないといたしましよう。記事の中身については、公団側としてはよく御了承のところでありますね。いかがでありますか。そうしたら、その辺をお聞かせいただきたい。
○三野参考人 実はどの号をお持ちか存じませんけれども、ちょっとここのところ私見ておりませんので、最近のものを存じません。
○土井委員 いま問題になっております、公団にとりましては、たいへん大切な青葉台の問題が一面に全部出ております号であります。お読みになっていらっしゃいませんか。お読みにならない。——やはり青葉台についての認識か、その程度では困るのです。これは「高速道路」という旬刊ですよ。毎日出ているものじゃない、旬刊で出るんですからね、一年に出る時期というのは限られているんですわ。発行部数が三万、全国高速自動車国道建設協議会というのが各県で、高速道を建設されつつあるところが主体になりまして、、財政面の運営をされているようであります。予算は各県の負担金になっておる。こういうことで、これは旬刊で出されている新聞なんですね。 この新聞の中身を見ますと、私は当然にこれを御承知だろうと思うのですが、住民側がいま要求を持って道路公団側に対していろいろと話し合いを進めていらっしゃる。その住民側について、記事の中では「過激派が主体」と書いてある。これは事実を事実として認識なすっていないにもほどがあると私は思うのですね。過激派が主体じゃないですよ。私も現地についてはよく存じておりますが、まるで横のつながりを知らなかった一人一人の家庭の主婦が、いまあの中では必死であります。公団のえらい方々が来られたときには、その前でものを言うのもしどろもどろ、舌も十分に回らないくらいにおじけづいてしまうという主婦が中心であります。これを称して過激派とおっしゃるのならば、実は過激派の方々が憤慨なさるだろうと思うのです。やはり事実を事実として十分に認識なさることから出発していただかなければ困ります。こういうことが記事として実は三万部これは刷られて、公団側にももちろんこれは配られているはずなんです。 この前も私は十一月六日のこと、いろいろと説明をお聞かせいただくために足を運んでいただいてお伺いしたところ、その席でも、どうも住民の方々の中に、強硬にこの工事に対して要求を聞いてくれなければとおっしゃるのは、過激派でありますという表現なんです。そういうふうに公団側は認識されているのですかと言ったら、事実はそうでありますからと言うから、事実はそうじゃない、もう一度事実を事実として認識するところから出発し直していただかなければならないということを私はその席でも申し上げました。 実は考えてみていただきたいのは、いま公団があすこに高速道を建設なさるという事業そのものは、国家的事業なんですね。国家の計画に従って、いま事業が進められつつあるわけですね。その中で、その工事の中身について、自分たちの生活を破壊されないために、自分たちの生活を保全していくことのために、声を上げているのは一人一人の国民、住民なんです。いま、道路公団側が国家の計画に従って、これは強権力を用いて強行しようとしたら、できる側に立っていらっしゃるのですよ。住民側からすれば、そんな力ございません。せいぜい、いままで隣に住んでいる人の顔も知らなかったような生活の中で、しかし、たいへんなことになってきたというので、それぞれが精一ぱい生活を守るために、いま、この問題に対してのいろいろな話し合いをして、要求を出して、聞いてもらおうということになってこられているんじゃありませんか。これを押しのけて、払いのけて工事を強行されるということは、いまの日本国憲法の基本原理にももとると私は思うのです。 そういう点からすると、問題は大きいと私は思うのですよ。工事のあり方が適正であったか不適正であったか、その問題ももちろんございましょう。だけれども、要は、政治に対して国民側がほんとうにこの機会を通じて、政治はわれわれのためにあると考えるか、それとも、さらに不信の念を強く持つことしかないか。非常に大きな問題もはらんでいると思うのであります。そういうことからすると、私は、これからの公団側のおとりになるこれに対する対策、これに対しておとりになる行動、これの一つ一つがたいへん大事なことだと思っているのです。 そういうことで、最後にお伺いしたいのは、いまから住民の方々に対して話し合いを進められる節に、先ほど私がいろいろな条件があるということを申し上げましたが、それについてどういうお考えをいまお持ちになっているかということをひとつお聞かせいただいて、私は終わりにいたします。
○三野参考人 私どもも、ただいまお話のございましたように、一日も早く正常な状態でお話し合いを進めたいと存じております。いろいろ御注意もいただきましたし、その辺を十分に私どもも考えまして、ひとつ円満な解決に誠心誠意努力をいたしたいと思います。
○土井委員 先ほどと同じそれは御答弁なんで、それは、誠心誠意ということについては、それじゃ時間を限って、いつごろまでに具体的にこういうことでその場に臨みたいという御返答がいただけるかぐらいは、はっきりここでひとつそれじゃお答えいただきましょうか。いまのばく然として誠心誠意ばっかりじゃ、これは困る。いままでだって、誠心誠意おやりになったんでしょう。いままでが誠心誠意でないとおっしゃるのならば、何をかいわんやであります。だけれども、誠心誠意おやりになって、このさまなんです。したがいまして、これからは、同じ誠心誠意でも、中身についてこういきたいというところが何か聞かせていただかなきゃ、これは問題として進展しているとは理解できません。いかがですか。
○三野参考人 私どもも一日も早くと思ってはおりますが、従来ごあっせんをいただいた方々とのお話もございますし、ちょっといつまでと申し上げることができないのは非常に残念でございます。できるだけ早くいたしたい、これはもうおっしゃられるまでもないことでございます。まあ何せ、やはりここのところのいきさつもございまして、そういう方々との接触をやはり回復をいたしまして、よく御相談をいたしましてから、やらなければなりませんので、いつまでと、こういうお約束はちょっとここでいたしかねますが、ひとつあしからず御了承いただきたいと思います。
○土井委員 それでは、最後に一言申し上げますが、それは確かにそうです。いままであっせん努力してこられた西宮市、兵庫県のお立場もあろう。したがいまして、その立場も考えなければという御答弁のとおりだと思いますが、ひとつ最後に申し上げておきたいのは、そのあっせんをいろいろと努力して、いまやりかけていらっしゃる方々に対する立場もおありになる。それで、住民の方がそれをどういう態度でお臨みになるかということもある。非常に微妙な時期であります。その間、工事については進めないということぐらいは、ひとつ公団の内部で討議をして、この線に沿って態度を具体的にとっていただくように、これを要望いたします。 あっせんがどういう形で出されるか、そのあっせんについてどういう話し合いの条件がそこで出てくるか、その問題もあろうと思いますが、基本的に公団側としては、あっせんということが動いているその期間は、工事について進めないということくらいは、ひとつ公団内で討議をしてはっきりさせていただきたい。これを要望として申し上げて、私は終わります。
○三野参考人 よく相談をいたしましてから決心をいたします。
○土井委員 終わります。
○小林(信)委員長代理 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 通産省お見えになっていますか。——まず通産のほうにお伺いしますか、この委員会でも宮崎県の土呂久の砒素中毒の問題がしばしば論議をされて、たしか本年二月、環境庁のほうでも土呂久を公害指定地域に指定なすったというふうに覚えておりますが、私ども現地を見せていただいてきたのでありますが、あの現地のズリ等に対する処理はその後どういうふうにおやりになっておりますか。おそらく租鉱権者、鉱業権者に命じて措置をされたものと思いますが、措置の概略でけっこうですから、お知らせ願いたいのでございます。
○江口説明員 土呂久鉱山の鉱害防止問題につきましては、現在二つの方法で対処いたしております。 第一は、鉱害防止義務者でございました住友金属鉱山に対しまして、亜砒酸の製錬施設の取りこわし、それから堆積場の流出防止あるいは覆土植生等についても工事を実施いたさせておりまして、これは四十七年の十二月末ですべて完了しております。その後現地の鉱山監督局におきまして検査を行ないまして、一応現在までのところ所期の成果をあげておるというふうに考えております。 それから第二の点といたしましては、東岸寺堆積場、これは従来中島鉱山が持っておられたところでございますが、それが倒産いたしましたあと、現在鉱害防止義務者が存在しておりません。この地区の堆積場につきましては、流出防止のための擁壁の設置それから、同じく覆土植生等の工事を、これは休廃止鉱山鉱害防止工事費補助金制度、例の補助金制度がございますので、それによって高千穂地方を通じまして実施いたしております。 現状は以上のようでございます。
○阿部(未)委員 鉱害防止義務者のいないほうがまだ終わっていないようですけれども、環境庁のほうにお尋ねしますが、ことし、四十八年の三月七日ですから、住友のほうの措置は終わったあとになるのですけれども、この付近のいわゆる粉じんと申しますか、そういうものについて調査をした結果が、これは宮崎県衛生研究所というのが出しておるのですけれども、調査をした日時は四十八年の三月七日、場所はこのズリを積んであるところから三百メートルくらいの地点のところの橋の欄干の上に落ちている砂じん、非常に新しいものだといえると思います。それからツバキの葉っぱにくっついている降下じん、さらに堆積場の周囲等について砒素の含有量調査をしておる。その結果、橋の欄干の上の砂じんの中から五四〇PPM、雨どいの中もやっておりますが、雨どいの中の降下じんが二、二〇〇PPM、ツバキの葉っぱの表側についておる、じんあいと申しますか、この中から一、三〇〇PPM、これだけの砒素がことしの三月時点でなお検出をされておるようでございます。環境庁はこれを承知しておるかどうか、どうでしょう。
○春日説明員 残念ながら、その調査入手いたしておりません。
○阿部(未)委員 きょうはもう時間もあまりありませんので……。ただ、こういう宮崎の衛生研究所の調査、これは私は非常に新しいものだと思うわけですね。土の底にあるものを掘り上げたわけではなくて、降下してきたじんあい等を調査した結果の検出の内容でございますから。そうしてみると、私は通産省で行なっておるズリ等に対する処置がまだ必ずしも完全でないということがいえるのではないかと思います。したがって、これは至急に一緒に調査をしていただいて、そしてこういう心配がないような措置をとってもらいたいと思います。 参考までに聞きたいのですが、さっき申し上げた二、二〇〇PPMとか一、三〇〇PPMというふうな砒素の含有というのは、これはやはり心配になる量ではないんでしょうか。
○春日説明員 ただいま正確なる数字を覚えておりませんので、調査いたしまして、お答え申し上げます。
○阿部(未)委員 それでは次に移りますけれども、さっき申し上げましたように、土呂久が公害の認定地域にされた。たしか本年の二月かにそういうことがあったと思うのですが、公害病として認定をしてきたその後の経過について、ちょっとお知らせを願いたい。
○城戸説明員 本年の二月一日、健康被害救済特別措置法の施行令を改正しまして、いまおっしゃったように指定地域が指定され、なお慢性砒素中毒が疾病として指定されたわけでございます。その後新たに認定されました者は、前の健康診断の結果要観察者となっていました者の精密診断の結果三名、及び前の健康診断を受けなかった者の中から一名、合計四名が法律によります認定患者として認定されております。 なお、この政令を改正しました直後の三月から、県では再度土呂久住民の健康調査を行なっておりまして、現在二次検診が終わりまして、その結果十三名ほど慢性砒素中毒と思われる方が出ておられますし、それからなお二十七名につきましては要三次検診者ということになっておりますので、三次検診がわかりますれば、その中で何名が慢性砒素中毒と思われるか、はっきりしてくるわけでございます。 なお、こういう慢性砒素中毒ということになりました方につきましては、当然必要がございますれば、救済特別措置法によります認定措置を講ずるわけでございますが、最初に慢性砒素中毒ということになりました七名につきましては、この法律上の認定を受けることなしに、知事のあっせんによりまして、関係企業から補償が行なわれておる、こういう状況でございます。
○阿部(未)委員 そこのところ、ちょっとわからないのですけれども、地元の新聞等によっても、認定された者はすでに十二名、今回新たに十三名が申請をされるんだというふうに報道されておるわけです。しかしいまおっしゃったように、資料によると認定されておる者は四名、地元のほうでは十二名が認定されておるというふうに理解をしておる。ところが、実際はこっちは四名しか認定をしていない。その間いまおっしゃったような事情で、何か知事があっせんをして、その必要がないんだというふうにお答えのようですが、砒素中毒患者であることが明らかであって、そして知事があっせんをして企業との間にも補償が成立したからといって、中毒患者である者が、認定患者である者が、はずされるという理由はないのではないかと思うのですが、これはどういう事情にありますか。
○城戸説明員 現在の健康被害救済特別措置法は申請主義をとっております。したがって、関係の方から申請かあれば当然認定をするわけでございまして、認定のあとで補償が行なわれました場合は、認定そのものは別に取り消されておるわけではございません。ただ、本件につきましては、認定のためにむしろ前提になります地域指定あるいは疾病指定が終わります以前に補償のほうが済んだ関係で、特に申請がございませんから認定患者にはなっていない。ただ、疾病の実態はいわゆる公害病患者、認定患者というものと全く同じ状況にあるという意味におきまして十何名という計算になっておるのだろう、こう思います。
○阿部(未)委員 その辺私は今後も問題が残ると思うのですが、一応補償が終わったとしても、実はこの宮崎の場合に、知事があっせんをした補償の内容が非常にその後問題を生んでおることは、あなたも御存じと思うのです。したがって、これが認定されておるということと認定されていないということについて、将来やはり問題をかもしそうな気がいたします。地元あたりではさっき申し上げたように、これは認定されておって、すでに十二名の認定患者がおるのだというふうに理解をしておる。ところが実際の行政の手続は四名しか認定をされてない。残りの八名については企業との間に補償が済んだから、申請を原則にしておるから、もう認定しなくともいいのだというお考えのようですが、私は補償の問題とは別に、当然認定すべき患者は認定しておかないと、あとで問題が起こるような気がするのですが、その辺の取り扱いは一ぺん考えてみる必要があるんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。
○城戸説明員 これは私も原則的には先生いまおっしゃったように認定をしておいて、その上で補償が行なわれるというのが通常の形だと思います。また将来健康被害救済特別措置法の問題とも関連しますので、この点さらに県のほうと相談しまして検討したいと思いますが、あくまで現在の特別措置法も新しい健康被害補償法も申請主義に立っておるということで、さような形になっておるわけでございます。その点につきましては、先生御指摘の点が何か問題があるかどうか、将来のことも考えて検討してみたいと思います。
○阿部(未)委員 私も大体申請主義ということについてはわかるわけなんですけれども、こういうケースがあらわれてきますと、明らかに認定できるものが、申請主義だから認定をせずに企業との間の話し合いで事を済ました。後日これが物議をかもしたということが起こったとき、やはりこれは認定しておったほうが正しいのじゃなかったかということが起こってきそうな気がするのです。 事例がありますから、ちょっと申し上げますが、いまいわゆる宮崎県知事が仲介に入って企業との間で和解をした人の中で佐藤ツルエさんという方がおいでになるのですけれども、この方が三百万円で話し合いがついておるのです。ところが、この佐藤さんの話によりますと、これは県からだまされた。県からだまされて三百万円を押しつけられたというふうにいわれております。特にこの当時新聞をにぎわしたのは、こういう被害者を旅館の一室に閉じ込めて、当時はいわゆる密室の婦女暴行などという問題までかもし出した事件があって、要するに一睡もさせずに知事があっせん案を押しつけたのだ、こういうことがいわれておるわけです。 そうなってくると、やはり非常に問題があるし、またこの八名について知事がそれだけのあっせんをして救済をしてあげなさいという熱意があるのならば、残る四名について、認定された四名について、知事は一体なぜあっせんをしないのだろうかという疑問も残ってきます。一部では、おそらく知事があの八名だけで、この問題は決着をつけてしまいたいという、いわば企業の側に立ってあっせんをし、この方々に認定をさせないように押しつけをした。しかし、あらためて認定患者が出てきたら、もう横を向いて知らぬ顔をしておる、こういうことではないかという疑いが持たれておるようでございます。そういう点について環境庁のほうで何か御存じならば知らしてもらいたいのですが、いかがでしょうか。
○城戸説明員 いまのあとの認定されました四名の方々につきまして、補償問題がどういうぐあいになっておるかということは、正式には聞いておりません。ただ、この方々につきましても、あっせんをするような動きが一部ありまして、そのうちに新しい今回の健康調査の結果の十三名なりあるいは将来最終的な判定を下される二十七名というのが出てこられたという関係で、その補償問題というのは直接表に出ないで推移しておるということでないかと考えておりますが、正確には存じておりません。
○阿部(未)委員 これは法のたてまえからしても、認定患者になったから補償しなくていいという理屈はどこにもないわけで、補償するのが当然だから、したがって認定されなかった——申請のなかった者についてさえ補償の仲介が行なわれたのに、認定された者について全然横を向いておるという知事の姿勢については、それは地方自治体の権限ではございましょうし、知事がやる、やらぬは向こうの自由ではありましょうけれども、行政指導の立場に立つ環境庁としては、お考えになるべきではないかという気がするのですが、どうでしょうか。
○城戸説明員 私も、先生の御指摘のような、同じ考えを持っております。したがいまして、あと二十七名につきましての判定結果を待ちまして、その辺のことは地元のほうと十分連絡してみたいと思っております。
○阿部(未)委員 その次ですが、先ほどのお話では、今年に入ってあらためて検診をした結果、四十名とか四十四名とかいろいろ説があるようですが、その中から十三名が申請をされてきておる、残る二十七名かについて第三次の検診を行なう、その結果でまた申請をするかどうかがきまるのだというふうに言われていますが、この数字に間違いありませんか。
○城戸説明員 ことしの三月から始めました対象者が二百四十七名、その中で第一次検診受診者が二百九名、第二次検診対象者が四十四名、その中の受診者が四十名でございます。四十名の振り分けが十三名と二十七名でございまして、二十七名につきましては引き続き皮膚組織検査等第三次検診をやっていく、かようになっております。
○阿部(未)委員 今回十三名がいわゆる申請をされて、どうもいまのお話では、これはもう認定をされそうでございますけれども、この十三名の方と、すでに認定をされている四名ないしは申請はなかったけれども同じような症状であった和解をした八名、こういう方々の症状というのは、どういう相違があるのでしょう。
○城戸説明員 これは医学的な問題は後ほど課長から答弁いたしますが、おのおの手順としまして最初に二百六十九名の方を対象に四十六年の十一月から検診をやったわけでございます。今度は二百四十七名を対象といたしておりまして、もちろんこの対象者はほとんど重複しております。ただ、未受診の方が第一回の検診のときございましたので、そういう方で今回の検診に入っている方もあるわけでございます。 それでは、どうしてこういうふうに二度になったかということでございますが、これは第一回の場合に比べまして第二回の検診を始めました時期におきましては、特に国が砒素による健康被害検討委員会を設けまして、診断基準あるいは認定基準等が相当明確になったということでございます。その前提に立って、二月の一日には、先ほどの、御答弁申し上げましたような政令改正が行なわれますと同時に、三月からは今回の検診が進められる、こういうことになっているわけでございます。
○阿部(未)委員 地元の、自分は砒素中毒ではなかろうかというふうなことを考えておられる方々は、この認定がいわば三回にわたってなされた形になったわけですが、同じような症状でありながら、第一回のときには認定をしていただけなくて、二回、三回と重なって、だんだん認定をされてくる。これは直接おたくの責任ではないですよ。県がおやりになっているのですから、直接おたくの責任ではありませんが、しかし、どうですか、患者さんにとって、一回検診したけれども、おまえはそうじゃないと言われて、二回目に、おまえはそれじゃ公害病だと認定をされるようなことになると、そういうやり方というものについて、措信するといいますか、検診に対する信頼度というものは一体どういうことになりましょうか。
○城戸説明員 これは先生こういうぐあいに答えろとおっしゃっているようなものでございますから、お答え特にすることないと思いますが、ただ、結果的にこうなりましたのは、砒素によるこういう公害病というのは初めてでございまして、最初のときは、やはりその辺が十分詰まっていなかったということ。それを検討委員会で診断基準なり認定基準を詰めましたので、今回はそういうことを前提にしまして広く検診もし、それから判定も的確にやられている、これが実情でございます。 もちろん一回でやれれば、なおけっこうでございますが、私どもとしましては、少しでもそういう問題がある方を広く拾っていくという精神におきましては、このやり方が全く間違っているとは思いませんので、その点非常に、二度にわたりましたが、ひとつ御協力いただいて、最後まで処理していきたいと思っているわけでございます。
○阿部(未)委員 なるべく広く拾い上げていくということについては、私もまことに賛成でございます。 ただ、一回で七人、その次は四人で、今度は十三人、まだ二十七人残っておる、こういう数字が出てきますと、拾い上げたのではなくて、初めから手落ちがあったのではないか、しかも大体似たような症状のように言われておるのですが、そうすると私はむしろ検診そのものがずさんであったというか手落ちがあったのではないかという疑問を一つ持つわけです。 それからもう一つ、現行の基準ではいわゆる皮膚疾患といいますか、それが中心になっておるようですけれども、地元の人たちのいろいろな調査によりますと、まだ今日五十三名、いまの十三、二十七のほかになお五十三人の方々が闘病生活を送っておる、その方々がたまたま砒素中毒患者の認定の症状に合致をしないとかというふうな関係もあって認定されていないということで、何とかならないものかという意見があるようです。たとえば手がしびれるとか、ふるえが出るとか、あるいは歯ぐきが悪いとか、こういうものと砒素との関係について、いますぐこうしますということは言えないかもわかりませんが、もう少し検討してみる必要があるのではなかろうか。それで、それが砒素に原因するものであるということになるならば、当然私は救済の手を差し伸べるべきだ、いわゆる内臓疾患等について砒素との関係をもう少し検討される必要があるのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○竹中説明員 最初の検診の進め方の問題でございますが、先ほど局長がちょっと御説明申し上げましたように、当初県において、昨年調査をいたしました。このときは慢性砒素中毒をどういうものを認定するかということは必ずしも明確でございませんで、かなりの数の患者が要観察というような経過をたどったものもございます。その後本年二月に地域指定と同時に、私どものほうで砒素健康被害検討委員会の結論でございます認定条件を明らかにしたわけでございます。県では、その認定条件に基づきまして、再度今回の第二次の調査を実施をいたしたというようなことでございます。 なお、今回二次検診が必要ということになりました四十四名のうちで、前回の検診でたとえば三次検診で保留になったもの、あるいは二次検診の結果、三次検診が必要だとされたもの、その他経過観察が必要とされたもの、こういったものが七名ばかり入っております。 〔小林(信)委員長代理退席、書見長着席〕 それから第二の問題の、内臓の疾患等と慢性砒素中毒との関係でございますが、先ほども申し上げましたように、砒素健康被害検討委員会におきまして土呂久のデータを、昨年の健康調査のデータを詳細に検討をいたしまして、その結果、最終的には皮膚症状、それから微粘膜の症状、この二つに重点を置いて認定条件というのがつくられたわけでございます。ただ、この検討委員会の議論の過程で、たとえば神経炎でございますとか、あるいは肝臓疾患でございますとか、こういったものについてもやはり討議が行なわれたわけでございます。その結論といたしましては、こういう神経炎あるいは肝疾患につきましては非特異的な症状でございまして、この症状だけで砒素中毒ということは判断できないということで、最終的には先ほど申し上げました皮膚と微粘膜に重点を置いて認定条件がつくられたということでございます。
○阿部(未)委員 経過については、よく私も理解ができます。ただ、しかし現実にいま申し上げたように、この地域に住んでおられる方々で五十三名という方々が、いわゆる砒素中毒の認定条件を満たしていないという理由で闘病生活をなさっているという事実があるわけです。したがって、さっき局長もお話なさっておりましたけれども、できるだけのものは救っていきたいという原則に立って、きょうは多くを申しませんが、ひとつ環境庁のほうから、これら五十三名の患者について調査をしていただいて、その上で認定条件について改定をしなければならないかどうか、そういうことについて検討していただきたい、こういうふうに考えるのですが、その辺は何とか措置ができましょうか。政務次官、これはあなたのお仕事でしょう。
○坂本説明員 五十三名の現実に病気になっておられる方がある、しかしその方々については、いままでの基準、判断では認定患者として断定できない。しかし、現にそのほかに認定患者が出ておるわけでありますから、いまおっしゃった五十三名の方々の中に砒素による患者がいないとは、これは断言できませんね。ですから、それは医学の限りを尽くして調査すべきものは当然であると思います。ですから、あなたのおっしゃるように、五十三名の方々には、これはやはり特に気をつけて、そしてその中に砒素中毒の患者がいないかどうか。これは重点的に十分診断をして、検討をいたしたいと思います。
○阿部(未)委員 幸い政務次官のおことばをいただきましたので、なるべく早い時期に調査をしていただきまして、苦しんでおられる五十三名の方々が、基本線にのっとって、可能であるならば救済できるような方向を検討していただきたいことを特に要望いたしまして、この問題についての質問を終わります。 それから次に二点目ですが、秋田県の米代川の流域五十キロにわたって、上の鉱山からカドミウムがずっと流れて、今年四十八年産米の収穫の結果、多量のカドミウムが検出されておる。該当する農家の方々は、いまてんやわんやの騒ぎになっておるようでございますが、この事実について環境庁は把握をしておられますか。
○森説明員 御指摘のように、米代川の流域は稼働鉱山のほかに、休廃止の鉱山が非常に多いというふうに聞いておりまして、カドミウム等によります汚染が非常に心配をされている地帯でございます。 私ども現在までに聞いておりますのは、米につきましてカドミウムが一PPM以上検出されたのは、小坂町の細越地区それから比内町といいますか弥助地区、田代町の比立内地区等でございまして、これらにつきましては一応四十八年度米代川の流域以外の地域も含めまして、一PPM以上の米が検出された地帯が七地域あるというふうに承知しております。
○阿部(未)委員 私の資料とほぼ一致するようでございますが、その中で一番カドミウム含有量の高いところは、四・八一PPMとなっておりますが、この数字も間違いありませんか。
○森説明員 間違いございません。
○阿部(未)委員 農林省お見えになっていますか。——農林省もこの実態について把握をされておると思うのですけれども、いまもお話がありましたように、一PPM以上のカドミウムを含有しておる米は、いわゆる汚染米ということになりますが、準汚染米といいますか、そういうものがその次にたくさんあるんです。いわゆる〇・四PPM以上、一PPM以下のほとんどといっていいほどこれがカドミウムを含有しておる、こういう県の調査になっておるようでございますが、おたくのほうで把握されておる内容は、どうなっておりますか。
○虎谷説明員 カドミウム濃度一以上につきましては政府買い入れをいたさない、配給もいたさない。それから〇・四以上、一未満につきましては、法律的には売れるわけでございますが、消費者感情を考慮して配給には回さない、こういうふうにいたしております。その〇・四以上に該当する米につきまして、相当数量出ておるということを県から報告を受けております。ただ食糧庁といたしましては、県の調査が行なわれる地域につきましては、あらかじめ買い入れを保留いたしておりまして、県の調査が公表されまして、その結果に基づきまして、一PPM以上の地域、それから〇・四と一未満の地域というふうに分けまして県知事がそれを確定する。確定されました地域につきまして、その一以上なり一未満なりの取り扱いをいたすということにしております。
○阿部(未)委員 大体事情はわかりましたが、いずれにしても、現地の農民の方々はたいへんなことだと思います。通産省のほうは、これについてどういう対策をお立てになっておるのですか、お知らせ願いたいと思います。
○江口説明員 いささかちょっと質問が、突然伺いましたので、さだかに申し上げることができないのは残念でございますけれども、現在一応当地区では休廃止鉱山が九十程度あるように聞いております。現在稼行中のものが十三鉱山、合計いたしまして百四鉱山があるようでございますけれども、これはいわゆる黒鉱地帯になります。したがいまして、カドミ等の出る可能性はないわけではございません。ただ、しかしながら、何ぶんそのうちのこれらの鉱山に対しましては、いずれも鉱山保安法に基づきます公害防止工事をやっておりまして、現在の排水等につきましては一応基準値を充足しておるようでございます。したがいまして、こういう事態が発生するということは、あるいは過去の蓄積というようなことになるのかもわかりません。いずれにいたしましても、さらに詳細に調査をいたしまして、もしそういう事実があれば、所要の対策をとりたいというふうに考えております。
○阿部(未)委員 実は通産省おっしゃるように、事前に連絡をしていなかったから十分な調査ができなかったと思いますので、きょうは私、これ以上申し上げませんが、実は県のほうでおやりになった、いわゆる五市町二十一地区の調査の結果を県から報告があっておると思いますから、これについて、これは環境庁のほうでもけっこうですから、どういうふうになっているか、内容の詳細な資料を提出していただきたい。 それから通産省のほうは、いまお話がありました稼行しておる鉱山、休廃止鉱山のそれぞれの地域と、その鉱山の内容ですね、どういうものをとっておったか。それからその後の措置、特に公害防止の措置等についてどういうことが行なわれておるか、これについてひとつ資料を提出をしていただきたい。 それから農林省のほうでは、正確にはわからないまでも、いわゆる一PPM以上の政府買い上げ米の地域と、その数量がどのくらいになるのか。それから〇・四PPM以上、一PPM以下のいわゆる準汚染米といわれるものについて、いま差しとめてあるそうですけれども、この地域と、その数量がどうなるのか、その対策等について資料を提出していただきたいと思いますが、各省よろしゅうこざいましょうか。
○森説明員 至急取りまとめまして御報告いたします。
○江口説明員 資料を作成いたしまして御報告いたします。
○虎谷説明員 私のほうは、県知事の地域の確定を現在待っておる段階でございまして、県知事の地域確定がきまりますと、食糧事務所のほうの数字がきまりますが、知事の地域確定がきまりませんと、数字の確定ができない事情になっております。
○阿部(未)委員 農林省を除いては、それぞれお約束いただきましたが、農林省のほうも、きわめて正確な数字でなくても、たとえば想定をさるるものでもいいから、実は私、近く現地を調査してみたいと思っておるのです。そういう意味合いから、なるべく期日を切りたいのですが、二十五日ごろまでに各省ひとつそういう資料の御提出を願えましょうか。——いいですね。それを御了解いただきまして質問を終わります。どうもありがとうございました。
○佐野委員長 中島武敏君。
○中島委員 それでは先ほどに引き続いて質問を続行したいと思います。 次の問題に移る前に、先ほどの答弁の中でもう一度お尋ねをし、確認をしておきたい問題があります。先ほど橋本審議官が、例の大分の県の医師会の健康調査報告、この問題に関して環境庁のほうでも春に健康調査をやろうと思ったが、先方の都合でできなかったというような趣旨の御発言があったかと思います。それでちょっと伺っておきたいのですが、先方の都合でと言われましたのはどういう内容でございましょうか。
○橋本説明員 いま申しておりましたのは、かなり年度末に迫った時期でございまして、その短い間にはなかなか準備ができない、向こう自身の既定の仕事もあるということでございますので、特殊な問題ではございません。
○中島委員 それはわかりました。 それで県の調査報告、医師会の調査報告が出されましたのは五月、今日まで六カ月経過しておるわけですが、この六カ月間に、いまのような事情でしたら、やろうと思えばやることができたというようなことじゃなかろうかと思うのですが、今日まだできてない、やってないというのは、何か理由がおありだったわけでしょうか。
○橋本説明員 大分のことを今日までどうしておったかということでございますが、非常に申しわけございませんが、損害賠償保障制度の準備にすべて追われまして十分な打ち合わせ等ができませんでした。話はいたしておりまして、できれば、来年、環境庁として大分県と組んで調査をしようというような下話はいたしております。まだ確定はいたしておりませんが、そのようなテンポで、現在保障法の準備のほうに全力をあげておった、そのような事態でございます。
○中島委員 来年でしょうか、来年度でしょうか。
○橋本説明員 来年度でございます。
○中島委員 ぜひこういうふうに、先ほど申し上げたような、明らかになったような問題もあるわけですから、来年度といわず、また来年といわず、ぜひひとつことしのうちに手がけていただきたいと思います。 それでは次の問題なんですけれども、六、七号地の問題についてお伺いしたいと思うのです。 大分県が十月の二十三日に七号地埋め立ての業者入札をやりまして、すでに四社が決定していると聞いております。それで工事を開始しようというふうにしているわけですが、県のほうでは大気汚染、水質汚濁などの環境アセスメントですね、これをはっきりやったのかどうかという点を、まずお伺いしたいと思うのです。
○江口説明員 現在大分地区につきましては、昭和四十年度、第一期計画が具体化されます直前に事前調査を実施しております。それからその後昭和四十六年から七年にかけまして、第一期と第二期計画を含めまして事前調査を実施しております。
○中島委員 この事前評価はいまのお話ではたいへん古いものなんですね。新日鉄などの増設計画も出てくるというような条件のもとに、あらためてまたやってみる必要があると思うのですが、そういう新しいものをやられているのでしょうか。
○江口説明員 御指摘のとおり、これは古いものでございまして、たとえばSO等につきましても、その後環境基準が変わってきております。したがいまして、現在四十八年度調査といたしまして、同一の調査対象二十五社を対象にいたしまして調査を現在実施中でございます。
○中島委員 そうしますと、SOxはやっていらっしゃるというお話ですが、たとえばNOxであるとか、浮遊粒子状物質だとか、あるいはさらに言えば別府湾のCOD、油分、それからさらにいえばSS、こういうものについて十分にやっておられるのでしょうか。
○江口説明員 この中では大気につきましてはSOを中心にしておりますが、問題のNOにつきましてもNO2は現在測定をいたしております。ただ、しかしながらNOxの問題はNOの問題とNO2と両方ございまして、これをどういうふうに把握するかということは、なお測定上いろいろ問題があろうかと考えております。したがいまして、現在野外実験、岡山県の玉島を中心にいたしましてモデル実験をいたしまして、そこでその測定の理論的な方法を確立するということをあわせてやっておりまして、さらに大分地区等につきましても、そういった成果を踏まえまして解析をするというふうに進めてまいりたいと考えております。 それから水につきましては、水質関係の調査は四十三年度に実施しておるわけでございます。これもいささか古い調査でございますが、一応そういうことで、その後も水はあらためて水質調査はCOD等についていたしております。
○中島委員 この六、七号地問題というのは、なかなか大問題なんですね。いまお話を伺いますと、古いものはある。新しいものは現在やっている最中だ。それで六、七号地の着工問題ですね、これにはっきり踏み切ってもよろしい、そういう評価があって着工にかかる、こういうことになっているのですか。いまのお話を伺っておりますと、どうも着工前のアセスメントは古いものをもとにしてやっておられて、そして、着工、こういこうとしておられる。そして現在また新しいそういうものをやっている。そういうふうに聞こえたのですが、どうでしょう。私はこの点は、いろいろな調査、事前評価をやられる、いろいろなチェックを進められる、これは必要なことであります。しかしこの着工問題ということで考えますと、きわめて古い状態のものをもとにしてやっておられるんではないか、そんなふうに思いますがどうですか。
○江口説明員 一応問題になります六号、七号あるいは将来の問題といたしまして八号地の問題があろうかと思います。 水の点につきましては、確かに四十二年度の調査、これは古い資料でございます。ただしかし、先ほどちょっとはっきりいたしませんでしたけれども、その後、四十七年調査をいたしておりまして、その際、企業から一応計画等を出してもらいまして、昭和五十年のCODの量というものを一応測定しております。具体的に申しますと、五十年で五十四トン・パー・デーという資料が出てきておりますけれども、これを一応四十一トン・パ一・デーまで下げるように指導するというようなことをいたしております。ただしかし、これら四十一トンのうちの大部分は既存企業でございますので、したがいまして、今後同地区の第二期計画を含めた事前調査というものを、やはりもう一辺やり直す必要があるんではないかというふうに考えております。したがいまして、それを行ないました上で指示をする、あるいは指導するということになろうかと考えております。
○中島委員 ということは、やはりいまのおことばですと、これは着工してしまったら、もうどうにもならぬわけですね。ちゃんときちんとした事前評価ができて、これならだいじょうぶだ、いや、これじゃだいじょうぶじゃないということが、きっちりはっきりしてから着工をするべきじゃありませんか。そして、それまでは着工を待つというのが正しいんじゃありませんか。
○江口説明員 確かにそういう点もあるわけでございますが、ただまあ、現在既存企業というものの数がかなりの数にのぼっておりまして、そこの排出量というものをある程度調整することによりまして、若干のアローアンスが出てくる余地もございます。したがいまして、そういう点を踏まえまして、なおもちろん慎重に検討する必要があろうかと思いますが、だからといって、いま全然できないということにはならないのではないかと考えております。
○中島委員 これはちょっと見解が違うんですが、私は環境問題は非常に重要な問題だと思います。それで、すでに昨年の暮れにも中央公害対策審議会の防止計画部会から「特定地域における公害の未然防止の徹底の方策についての中間報告」というものが出されています。もうすでに当然これはお読みのところだと思うのですが、これは従来の開発優先の考え方というものに対して反省を加えているわけであります。「今後は、これらの政策目標」——これらの政策目標といいますのは、経済成長とか国民所得の増大、地域格差の是正、雇用機会の増大等経済的、社会的要請のもとに、進めてきたことですね。こういうことについて、こういう政策目標と並んで、「しかも、より優先する政策目標として「環境保全」を掲げ、他の政策目標は環境保全と両立しうるという十分な検証」——十分なです。「十分な検証を経てのちはじめて実施に移すという原則を確立する必要がある。」こういうふうに言い切っておるわけです。具体的にどうするかということについても、この中で、省略しますが、述べております。やはりこれくらい厳正な態度で臨むということが私は必要だと思うのです。 そういう点では政務次官、私は、ここに述べられていることを、ほんとうに厳正な態度で臨むということが非常に必要なんじゃないか。そうしますと、いま御答弁をいただいていたことは、まさにきっちりはっきり十分な検証を経ているのかということになりますと、そういうふうには認めていらっしゃらないわけであります。私は、この態度をやはり貫くべきじゃないだろうか。環境庁としては、特にこの態度を貫かなければいけないのじゃないだろうかというふうに思いますが、いかがでしょう。
○坂本説明員 公共事業であろうと、それからコンビナートであろうと、お聞きの埋め立てであろうと、そういう事業をやるときには環境アセスメントをやれということは、もう鉄則でありまして、これは政府の方針であります。ですから、それは着工の前には当然十分なるアセスメントを完了しておるというのは、これはもうはっきりしたたてまえであります。それは疑うべからざるところでございましょう。ただ、いま私も専門的に詳しいことはわかりませんけれども、いろいろと通産のほうでも事前調査の指導もしておるようでございまするが、とにかくこれは未然防止のためにやるわけでありまするから、環境アセスメントについては、やはりきびしい態度を貫くということは当然のことでございます。
○中島委員 きびしい態度を貫く。そうしますと、もう一つお尋ねしたいのですが、いま県があわてて十月の二十三日に入札をして着工しよう、こうやっておるのを、ちょっと待てということを県に指導なさる必要が出てくるんじゃないかと思うのですけれども、いかがですか。
○坂本説明員 その環境アセスメントの内容でございますけれども、その点について私、まだ専門的な理解がございません。これとこれとこれをやれば十分であるとか、これとこれとやって、しかしまあ補足程度にこの程度は事後になっても差しつかえはないとか、そういうような専門的なところを私存じませんけれども、基本的姿勢は先ほど申し上げたとおり、事前にやるのが環境アセスメントである、これだけは間違いありません。
○中島委員 事前にやるのが環境アセスメント、それはそのとおりであります。先ほどから向こうのほうからも答弁がありまして、必ずしも十分なものじゃない、しかし、こういうやり方ならやれないこともないんだという、そういう答弁があったですね。私は、これは十分なものだというふうには思えないです。現実の答弁もあったので、その点どう踏まえて対処されようとするかという点で、単に哲学ではなくて、具体的な態度、方針ということをお尋ねしておるわけであります。
○春日説明員 六号、七号地につきましては正規の埋め立て免許がすでになされているわけでございまして、環境庁の立場からは認可取り消しの勧告を行なうことは、なかなかむずかしいのじゃなかろうかと思っておるわけですが、もちろん企業の立地について、きびしい環境基準を維持し得る範囲内でこれを認めるよう県を強力に指導していくという基本姿勢につきましては、ただいま次官が答えたとおりでございます。
○中島委員 認可の取り消しを私はいまここで環境庁に要求したわけではありません。そうじゃなくて、もういま着工しようというふうにかかっている、これを待ったをかける必要があるのじゃないかというお話を申し上げているわけです。その間に十分なアセスメントの検証を経るというようにしても、決しておそくはないのじゃないか、そういう意味であります。もうちょっとはっきりした御答弁をいただきたいと思う。
○坂本説明員 これは、うちの環境庁も、いま詳しいところまではここで知らぬようでありますから、ちょっと時間をかしていただきます。県ともどの程度のアセスメントをやっておるか、もう少し専門家に調べさせまして、その上で不十分なところがあれば、やはり着工はしばらく控えるべきでありましょう。環境庁として、そのアセスメントについて、この程度ならよかろうということならば、それはやってもよい。しばらく環境庁のほうで実施主体の県に対して一ぺん相談をさせていただきたい、こう思うわけです。
○中島委員 十分知らないという御答弁が先ほどからあったとは思わなかったのですけれども、いま政務次官はっきりそういうふうにおっしゃるのですから、環境庁のほうでもやはり十分な調査ができていないということだと思うのです。ならば、政務次官言われたように、ひとつ県のほうを調査していただいて、そして資料なんかも全部持ってこさせて、よく点検をしていただきたいと思うのです。事がどんどん進んでいかないように、もう進んでしまったんじゃ何にもならないわけですから、ぜひひとつそのことを調査を急ぐ、県との間の話を急ぐということと、それまではやはり着工ちょっと待ちなさい、問題があるようだというような態度をぜひひとつとっていただきたいと思います。いかがですか。
○坂本説明員 アセスメントは厳正にやるべきであるというたてまえの上で県と十分連絡をとりまして、そして、いま環境庁のほうでは十分な事情を掌握するに至っておらぬようでございますから、先ほど申しましたように県と十分連絡をとって、アセスメントが十分に行なわれ、着工されても心配のないようにという立場を貫いていきたいと思っております。
○中島委員 もう一つ、この問題にかかわりがあるのですが、六号地に何が予定されているかといいますと、昭和電工、それから九州石油のコンビナートなんです。これが大野川のすぐ近くに予定されているわけなんです。その東側のほうに三菱造船ですか三菱グループが予定されているのです。先ほど来非常に健康調査のところで問題になりました三佐の家島地区ですね、一番被害が多く出ている地区、これはいまでさえ先ほど申し上げたような、あれほどの被害が出ている上に、今度またもう一つコンビナートがそこにかぶさってくる、こういうかっこうになっているわけなんです。 これは工場の配置といいますか、あるいはレイアウトといいますか、そういう点からいっても、実際逆なんじゃないかというふうに考えるわけなんです。こういう点についてどうお考えになられるか、もしこういうようなやり方でいきますと、もうほんとうに先ほど申し上げたことでもわかりますように、家島地区だけじゃなくて大在のあたりまで第二の家島になってしまうというようなことになってこざるを得なくなると思うのですね。そういう点で、通産省のほうもおいでいただいておりますので、これひとつ通産省にもお伺いしてみたいと思うのですが、いかがでございますか。
○江口説明員 先ほども申し上げましたように、事前調査につきましては現在も依然検討を続けております。特に風洞実験等の影響等も十分考慮いたしまして、その点は十分検討をする必要があると思っております。ただ、いずれにいたしましても、こういう計画があるということにつきましては、やはりそれなりの根拠があろうかと思います。したがいまして、私どもの担当部局でもその点をもう少し事情を聴取いたしまして、対処してまいりたいと考えております。
○中島委員 通産省は、調査をされるというのが結論でございますね。
○江口説明員 事前調査の結果出てまいりました結果等に基づきまして検討を加えてまいりたいと考えております。
○中島委員 環境庁に同じことをお尋ねしたいのですが、こういう工場の配置ですね、これはむしろ逆じゃないかと私は思うのですが、環境庁がごらんになって、どんなふうにお考えになりますか。
○城戸説明員 先ほど来、家島を中心としました地区の健康被害の問題等御指摘でございますので、その点につきましては今後県と協力して調査してまいりたいと思っておるわけでございます。もちろん、その辺の調査ができてからあと進めていくというのが正攻法だと思います。しかし、アセスメントとしまして、健康調査の点を抜きましてどういうものが出てくるか、この辺はまた通産省あるいは県と御相談する事項だと思うわけでございます。
○中島委員 運輸省のほうでは、これは非常にかかわりが深いのですが、どういう態度でございますか。
○鮫島説明員 お答えいたします。 御質問の六、七号地の公有水面の埋め立てにつきましては、私どものほうといたしましては、港湾計画に合致しているかどうかという点と、公害防止対策について十分配慮がなされているかどうかという点につきまして、特に申請者であります大分県から種々の説明を求めまして、慎重に検討してまいったつもりでございます。 私どもの判断といたしまして、結論をまず申し上げますと、すでに当該の地域につきまして公害防止基本計画が確定しております。それから公有水面埋め立ての免許権者といたしましても、埋め立て免許の条件として、工場の用地の譲渡にあたりまして立地企業との間にかわされる譲渡契約書において、公害防除の条項及び解除権留保条項というものを規定する、これを条件としているわけでございます。そういうような点から公害の防除について十分配慮が行なわれているというふうな判断をいたしまして認可を行なったものでございます。 なお、この際、この件につきましては、公害防止に対します大分県の考え方というものを特に文書をもって求めているわけでございます。 その内容はいろいろございますけれども、特に中心の部分を申し上げますと、「第二期計画では、とくに第一期計画に基づく立地企業との複合公害も問題となるので、さらにきびしい基準を維持させるため、工場建設時点で開発された最高水準の公害防止施設を設置させるとともに、排出量規制についても、企業立地の推移と環境汚染の変化に対応して逐次強化し、さらに必要に応じては、法律に基づく規制基準を上まわる県独自の上乗せ基準を設定するなど、細心の注意をはらいながら防止措置を行なう方針である。」こういう文書をいただいております。
○中島委員 伺いますと、十分な事前評価をやって、これでだいじょうぶということで通したんだというお話なんですね。そうでしょう。
○鮫島説明員 ただいま申し上げましたように、いろいろいままでの県の調査もございます。それによりましてのいろいろな予測もあるかと思いますけれども、それよりも、これからその埋め立て地に立地していく企業というものに対して、公害防止基本計画に基づいて、それから今後の推移に基づきましてきびしい規制をやっていくという方針、それに基づいて認可したものでございます。
○中島委員 これは私、先に聞いたほうがよかったのです。先ほどから通産省やそれから環境庁のほうからもお話がありまして、いまの御答弁ですと、これは食い違っているふうにもとれるのですよ。実際のところ言ってそうなんです。だから、私はこれは先に聞くべきだったと思うのです。ところが、もうすでに進んだ時点で逆になってしまいましたのでちょっと妙なかっこうですけれども、先ほどからお話のあったことを、通産省それから環境庁、この点で運輸省のほうもこれに統一してやっていくべきではないかと思うのです。それは別に異論はなかろうと思うのですが、どうですか。
○鮫島説明員 お答えいたします。 私ども認可をいたしまして、港湾管理者の免許がおりているわけでございます。そういうようなものに対しまして、もちろん認可を取り消すとかいうことは、もとよりでございますけれども、実際の着工等を規制するという法的な権限は持っておりません。私が先ほど申しておりますのは、企業の立地にあたりまして、そういう十分に強い姿勢をもって臨むという県の意思というものを尊重いたしまして認可をしたということでございます。
○中島委員 これは全く逆になってしまったので妙なかっこうになっているんですよ。妙なかっこうになっているんですが、私は、先ほど環境政務次官のほうからもはっきり言われました点で、きちんと統一して進めていただきたいということを再確認して、次の問題に移りたいと思うのです。 次の問題なんですが、これもやはりこの問題にかかわりがあるのですが、佐賀関の漁協問題なんです。漁業権問題のからむ問題であります。時間の関係もありますので、私のほうから少し申し上げて、あとお尋ねしたいと思うのですが、県が新産の二期計画、つまり六、七、八号地の埋め立てを発表してから、そこから漁協の混乱が始まっているということは事実だと思います。海を奪われるということは漁民にとりましては、ほんとうに死活問題なんですね。当然この問題が大きな問題として、死活の問題として問題になってくるというのは、私は当然だと思うのです。しかし一方で、漁民の中には補償を数千万円もらったというような話を身近に見聞きして動揺する漁民も生まれてきている。私は、そういう中から、これらの現在の混乱が生まれてきているんだというふうに思うのです。 そういう点で言いますと、この新産二期計画の推進というものは、そういう意味ではきわめて罪の深いものだということを痛感するわけであり、かつまた、県がいわば札束で横っつらを張るような形で事を進めているというのは、正しいやり方ではないというように思っております。 ことしの七月の初めに漁協の執行部が辞任をする。そして八月の四日に役員選出のための総会がえ選挙をやりましたが、これは流れた。そして九月の十八日に総会をやったけれども、これも流会になった。結局十月の十七日にようやく役員を選出することができた。しかし、漁協の財政も非常に危機でありますし、さらに神崎地区の漁民が新しい神崎漁協を設立をするというふうになってきたわけであります。私どもの知っているところでは、正組合員八十六名をもって七月二十日に申請を出しております。そして九月二十五日にこの組合が自然成立をするというかっこうになったわけであります。十一月の五日、今月の五日に漁業権の申請を行なっている。 一方、佐賀関の漁協は、これは約千十名というふうに聞いておりますが、新産二期計画反対あるいは賛成と二つに割れているために、漁業権の切りかえ手続に必要な総会の三分の二以上の議決がとれないという状態にあります。この切りかえ手続の期限でありましたきのうの総会、これも流会をしておるということで、とうとうこの期限が切れてしまった。このために来年の一月一日から漁業権が消滅しようとしている。これはまことに私は重大なところに来ているというように思うわけであります。 もともと大分県は昭和四十三年に合併助成法に基づいて、佐賀関にあった四つの漁協を合併させるという措置をとったわけであります。その反面において新しい神崎漁協の分離独立について、先ほど申し上げたように、これを認可するとも不許可にするともいうような結論を出さないで、結局水産業協同組合法六十五条の二項に基づいて、二カ月後に自然成立というふうになったわけであります。私は、これは県がとった、いままで合併しろということを言ってきた態度とは全く逆行した態度ではないかというように考えるわけであります。私は、その点では大分県がとっている態度というのは、正しくないと思うのです。水産庁にお伺いしたいのは、こういう県がとっている態度について、どういうような指導をしてこられたのか、どういうふうにこの問題を評価し、どう指導してこられたのかという問題について、まず最初に伺いたいのです。
○安福説明員 ただいま御指摘になりました事実は、そのとおりの事実関係だろうと思います。 組合の合併の問題は、経済がこれだけ大型化してまいっておりますから、主として合併の必要性が生じますのは、経済事業である信用事業を含めまして、それから利用事業、そういった主として経済事業の観点から組合を合併してまいるというのが水産庁の方針であり、実際の経済の実態にマッチしたようなことであろう、こういうことで鋭意進めているわけでございます。したがいまして、今回のように組合が分裂するということは、水産につきましては、これは非常に不幸だ、遺憾なことだということでございます。したがいまして、そういう組合合併の本旨に立って、これはできるだけ分裂を来たさないように、大分県当局にも従来からも私ども鋭意指導してまいった、こういうことでございます。
○中島委員 そうすると、それに対してどうですか。水産庁のほうからそういう指導をなさって、県のほうは結局言うことを聞かなかったということですか。
○安福説明員 県は言うことを聞かなかったということじゃなくて、県もわれわれの指導はそのとおりだという認識は持っております。ただ、現在の水産業協同組合法のたてまえ、これは水産業協同組合法だけではなくて、すべての協同組合法のたてまえが、そういうふうになっているわけでございますけれども、一定の条件を満たして申請いたしますと、それに対して欠格条件がない限り不認可にできない。不認可処分をしない、あるいは認可処分をしなければ、二カ月たてば当然それが成立する。結果として不本意な、分裂はまだいたしておりませんけれども、オーバーラップした形で新しい組合が発足した、こういうことになった、こういうことでございます。
○中島委員 しかし、これはなるほど法の網の目をくぐってそういう動きをしている、こういうふうにも言えるわけですね。また御答弁も、意味をそこまでおっしゃったかどうか、私が聞くと、そういうふうに聞けないわけでもないような御答弁だったという感じもするのですが、大分の地元では、この問題をどう見ているかといいますと、新しくつくった神崎漁協、結局これは県の七号地埋め立ての漁業補償に応ずるために、漁業権を売り渡すために、あの漁協をつくったのだ、こういうふうにもうだれしもが感じていることなんですね。これはもっぱらそういう話になっております。私もこの問題というのは、そういう本質を持っていると思うのです。そうした場合に、結局のところ海を売るために新しい漁協の設立ということが行なわれる。これは法の上でチェックできないからといって認めていいのかという問題であります。この点についての水産庁の考えというものを私は聞きたいと思うのです。
○安福説明員 水産庁といたしましては、水産業を振興するという立場から、やはり漁場の確保ということが至上命令でございます。そういった面で漁場が喪失される、埋め立てられるということに対しましては、基本的には反対でございます。 ただ、漁場、それに依存しています漁民の意思というものは、やはりそんたくする必要があるわけでございます。ただ、その関係漁民だけが、たとえば現在問題になっておりますのは八号地の埋め立ての問題、それに関連する漁業権の問題をめぐっての問題でございますから、その漁場を埋め立てる——もちろん埋め立てについていろいろな影響なり、水を汚濁する、そういうことも出てまいりますから、その地先だけの問題として認識されますと、非常に迷惑するわけでございます、その周辺に連鎖反応が起こるわけでございますから。 そういったものが関係漁民にがまんできるのか。がまんできない場合に金銭補償で、それでまたコンセンサスが得られるのかどうか、こういった問題がやはり関連してくると思います。そういった問題を十分総合的な判断をして、埋め立てをするかどうかというふうに考えるべき問題と私どもは考えているわけでございます。 ただ、ただいまの御質問の中に漁業権を放棄するために組合を分裂した——分裂したというか、新しい組合を設立する、これはわれわれの立場からすると言語道断だ、こういうふうに私は思います。 ただ、佐賀関漁協の漁業権の使い方の問題、これは私が申し上げるまでもなく十分御承知だと思いますけれども、従来の漁業権をそれぞれの四つの組合が持っていたわけであります。それが合併のときにどういう取り扱いをしたかと申しますと、従来の四つの単協の漁民が実際は行使をしている、こういう形で現在まできていたようでございます。来年の一月一日に漁業権の切りかえが行なわれるということでございまして、それをめぐりまして、いろいろな問題がまた地元であったということもございますし、先ほど来御指摘ありましたように、神崎漁協は十一月五日に自分が関係地区であり、従来からも使っておった漁業権についての申請をしたということはございますが、大きな佐賀関漁協につきましては、私ども聞いておりますのも、昨日の採決の結果、三分の二の同意が得られなくて、実際は申請かできなかった、期間切れになった、こういうことは聞いております。 ただ、この点につきましては、県もあらためて漁場計画の公示をもう一度修正いたしまして、申請月日を延ばす。それによっていまの神崎地区以外の佐賀関の残る漁民、それが将来漁業権を使った漁業もやるわけでございますから、そういった漁業権については救済措置を講ずる、こういうふうに私ども聞いております。したがいまして、いまの手続的な一つの欠缺があるわけでございますけれども、残る佐賀関漁協の漁業権については、そういう救済措置がとられるであろう、私どもはそういうことは当然そうあるべきだ、このように考えます。
○中島委員 これは新しい漁協ですけれども、これは八十六名、これは間違いないかどうか。そしてこの八十六名の新しい正組合員が漁業権の申請をした。県はこれに対して認可をおろすことはできるのかどうか。ちょっと聞いたところによりますと、八十六名では認可はおりないのだ、なぜならば、その地先の関連の漁民がどれだけいるか、そしてその三分の二を必要とするというようなふうにも聞いているわけですが、この点について水産庁のほうの正確な御答弁をいただきたいと思うのです。
○安福説明員 ただいまの正組合員の数字について、私どもの報告では七十四名と聞いております。それは正確であるかどうか、若干先生の御指摘の数字と違っておりますけれども。 それから具体的に漁業権が免許できるのかどうかという問題でございますけれども、先ほど申しましたように合併の際にも漁業権につきましては、使い方は従来の分かれておった四つの協同組合の組合員が、その漁業権を行使する、こういうふうに佐賀関の漁業協同組合の行使権規則でもきめているようでございます。それは漁場計画というものを立てまして、その場合にどういう組合員が資格があるかということがきめられるわけでございますね。それを適格性ということをいっているわけですけれども、その適格性をそのまま反映して、そのままソフトランディングしたというような感じなんですね、合併をしたときに。したがって漁業権は従来の使用していた者を中心に行使する、その以前にございます漁場計画はそのとおりであるということでございます。非常にむずかしい、回りくどいあれになりますけれども。したがいまして今度新しく漁場計画を公示して、新しく漁業権を免許する、そういう場合の漁場計画も、十年前の漁場計画と同じような関係地区、地元地区というものがあるわけです。そういう計画になっているようでございます。 したがいまして、それを受けまして、どういう組合にその資格があるかということになるわけでございますけれども、現在の状況は——七十四名であるか、七十六名であるかは別といたしまして、これの脱退は来年の三月のはずでございます。会計年度が終わりませんと、脱退は正式には認められませんから。したがっていまの七十四名は新しい組合の組合員であると同時に、古い佐賀関組合の組合員でもあるわけです。オーバーラップしているのですね。したがいまして、それを踏まえて、いま公示している漁業権がどういう免許がされるかということになりますと、その適格性のあるのは両方の組合にあるということに相なるわけでございます。したがって、両方とも申請できるわけです。したがいまして、期間が十二日に切れておりますから、その際に、申請してなければもちろん免許の対象になりませんから、その場合には、神崎地区の新しい組合が——申請は十一月五日に御指摘のようにしているようでございますから、いまのまま推移しますと神崎地区の組合がそれを受けるということでございます。現在の時点では適格性は両方ともある。将来それがまたトラブルの原因になりますけれども、現在ではそういうふうな結果になるのではないだろうか、このように思います。
○中島委員 私は、いまの結論のほうのことですけれども、新しいところに免許がされるということになる、これはやはり非常に重大な問題じゃないかと思うのですよ。そういう点で水産庁にお伺いもしたいのですけれども、海を守り魚族を守っていくという立場から、もっとこういう問題の解決、指導を正しくはかっていく、そういう立場からひとつ伺いたいのです。 私は、これは水協法の六十四条二項、それから六十三条二項の活用の問題なんです。つまり、新しい組合の事業活動、経済活動が漁協として成り立つ裏づけを持っているかどうかということについて、きびしく資料の提出を要求するというようなことをやって、そしてその適格性があるかどうかというようなことができることになっていますね、これは六十四条二項と六十三条二項ですか、こういう何か活用できるものをすべて活用して、そして問題の正しい解決に進むということが私は必要じゃないかと思うのです。 そういう点で、水産庁のほうで、これが唯一いい方法だと、私は専門家じゃありませんからわかりませんけれども、やはりこういうことも含めてもっと解決していこうというような御意見があれば聞きたいと思っておるのです。
○安福説明員 これはもう結果になるわけでございますけれども、現実に七月二十五日でございますか、自然成立してしまったわけですね、設立になったわけでございますから。現実に二つの組合が存立しているということに相なるわけでございますから、その現実を踏まえて将来の問題を考えざるを得ないということでございます。経過的には先生御指摘のように、組合法の六十四条で私どものほうも免許の月日が一月一日である、したがってその時点においてはまだ半年近くも月日があるのだから、これだけの問題を踏まえた問題でございますから、そういったいろいろの中断的な措置をやって、できるだけ組合が分裂することを避けるべきである、こういう指導を私どもはしてきたわけでございます。 ただ私どもあくまで指導でございまして、やはりこれは県の良識ある、それについての一つの対応ということが先決になるわけでございまして、県自体としましても、ストップがもうかけられないというような判断に基づいたわけでございまして、その判断をわれわれがここでとやかく申し上げるということはちょっと私、バックグランドその他についてさらに見ませんと、それが妥当であるか、違法であるかどうかという問題、あるいは不当であるか怒すべき問題であるかということをここで申し上げるわけにはまいりませんけれども、そういう指導を水産庁としてはやってまいったということでございます。
○中島委員 先ほどの問題に戻りますが、神崎の漁協じゃなくて佐賀関の漁協の問題ですが、漁業権が自然消滅をしないように申請の時期でしたかを延ばすというようなことの措置を県がとっておるというお話があった。私はこれはやはりほんとうに死活にかかわる問題ですから、そういう点ははっきり確認をしてもらいたいと思いますし、同時に水産庁としても、県のほうにはっきりこの点を申し入れるというようにぜひしていただきたいと思うのです。どうでしょう。
○安福説明員 私自身、漁業権の実体がどういうことであるかという資料がここにございませんけれども、全くそこが自由放任されるということになりますと、漁業秩序というものは非常に複雑な構成になっておりますから、県としては当然それに対する善後措置はとるべきであると思いますし、私のほうからも、県に、そういう点については重要なことでございますから十分指導してまいりたい、こう思います。
○中島委員 終わります。
○佐野委員長 木下元二君。
○木下委員 午前中に引き続きまして、青葉台の問題について質問をいたしますが、簡単に質問をいたしますので、お答えのほうも簡潔にお願いしたいと思います。 この青葉台を通る高速道路につきまして住民のほうが要求しておりましたトンネルカバー方式というものを具体的に検討したことはあるのでしょうかどうでしょうか。あるかないかお答え願いたい。
○三野参考人 いたしております。
○木下委員 検討された結果はどういうことなのか、これも簡単でけっこうでございますから。
○三野参考人 構造的には研究いたしておりますが、これは私どもとしては、あの場所でやることは適当でないというふうに考えております。
○木下委員 適当でないという理由はどういうことですか。
○三野参考人 私どもは全国で同様な工事をやっておるわけでございます。そういうところでやはり環境を守っていくという立場をとっておるわけでございますけれども、やはり全国同様な一つの考え方で対処するという必要があるわけでございまして、その意味で、この基準を守るという立場から考えますと、青葉台の場合にはいま直ちに必要であるとは考えられませんし、将来も大体必要がないであろうというふうに、私どもは私どもの推定に基づきまして、そういう結論を持ったわけでございます。 しかしながら将来まあ私どもの推定が間違うこともあるでございましょうし、またあるいはこの基準そのものが見直しという時期もくるかもしれぬ。そういう場合にはやはり住民の言っておられるトンネルカバー、と先方でおっしゃっておるわけですけれども、そういう構造も必要になる時期があるいはくるかもしれぬ。そういうことはやはり私どもとして考えておかなければなりませんので、そういう意味で、そういう準備だけ、そういう構造に変えられる下部構造、基礎だけはやりましょうということで申し上げてきたわけでございまして、今後そういう事態が必要になったならば、私どもとしてそういうことに変えることもあるというふうに申し上げてきたわけでございます。
○木下委員 いま二つ言われましたが、一つは全国同様の考えをしておるので、特別な扱いはできないということと、それから必要がないということ、この必要がないということは、どうもその具体的な理由がはっきりしなかったように思うのですけれども、これは専門的な立場から検討されて、そういう必要がないということの専門的な立場からの理由、そういうものはあるわけですか。ただ必要がないというだけではわかりにくいです。
○三野参考人 その点につきましては、現在の段階で、おそらく先生も御存じでございましょうけれども、推定をいたします基本的な計算方法というのがございます。それをあの場所に当てはめまして推定をいたしたものでございます。そういう意味で申し上げたわけでございます。
○木下委員 それは、そうしますと騒音の点だけですか。大気汚染のほうはどうなんですか。
○三野参考人 青葉台の方々のおっしゃっております最大の問題点でございますトンネルカバーというのは、これは騒音に対する考慮でございますので、騒音のことだけ申し上げましたが、もちろん排気ガスの問題につきましても御説明をいたしておるわけでございます。
○木下委員 そうしますと、いまの騒音について検討しても必要がないというのは、この地域を、政府のほうがきめておる道路に面する地域ということで、道路に面する地域についての環境基準というのがありますね、これから見て、別段トンネルカバーにしなくても、この環境基準を守ることはできるという、そういう理由から必要がないということなんですか。
○三野参考人 私どもがとっております基準は、ただいまおっしゃいました道路に関する環境基準でございます。
○木下委員 その問題については、あとからお尋ねいたします。 それで、トンネルカバー案を具体的に検討したけれども、これはやるべきではないし、必要がないんだということを、住民のほうに対してよく説明されましたか。どうですか。
○三野参考人 よく説明をいたしておると私は承知いたしております。
○木下委員 そういう説明は住民のほうは聞いていないと言うのですが、説明していますか。だれから、いつ、どこで説明していますか。
○三野参考人 四十七年の二月二十七日の会合であると存じます。
○木下委員 だれから。
○三野参考人 これは宝塚の工事事務所長から御説明をいたしておると思います。
○木下委員 だれですか、名前は。
○三野参考人 長野と申します。
○木下委員 私のほうに住民の方々がつくった「中国道問題経過のあらまし」というメモがあります。その二月の二十七日というのは、確かに話し合いが行なわれております。ところが、「設計問題についての協議は十一月十四日の約束に沿ったものでなければならない。即ち公式な協議には十一月十四日に約束されたトンネルカバー案の具体的検討と説明が果たされていることが前提条件となる。従って公式の協議集会のための事前の話合いとして次の条件のもとでなら公団側の同席を受け入れてもよい。」こういうふうに書かれておりまして、条件が幾らか書かれておりますけれども、ここではトンネルカバー案について検討した結果が説明されたというふうな記載は載っていないのですがね。そんな説明をされたというふうに聞いておられるのですか。
○三野参考人 この二月二十七日に防音壁の段階施工ということを申し上げております。この段階施工というのは、先ほど申し上げました将来のトンネルカバーにでき得る構造という意味のことでございます。また、重ねて本年の三月四日並びに四月二十二日、やはり同様な説明をいたしております。
○木下委員 公団のほうは、防音壁、特にこのときは三メートルになっておりますが、その防音壁に固執して、トンネルカバー方式なんというものは問題にしなかったのじゃないですか。なぜトンネルカバー方式はだめなのか、必要ないのか、そういう理由についての説明なんかなかったでしょう。住民のほうはトンネルカバー方式を何とかしてもらいたいということで、これは前の年の十一月十四日に要求が出まして、ひとつこの問題について具体的に検討をし、その結果を住民のほうに説明いたしましよう、こういう約束ができておったでしょう。そういう約束になっておるのに、そのような説明がされていない。どうですか、その点は。
○三野参考人 十一月十四日の会合におきましては、トンネルがやれないという理由は説明をいたしておるわけでございます。もちろんこの段階では三メートルの防音壁で御説明をいたしたわけでございますが、その後、兵庫県のごあっせんもございまして——ちょうと四十六年の暮れごろから兵庫県のあっせんがございまして、そこで、昭和四十七年の初め、二月から三月、さらに六月ぐらいまでかけまして、兵庫県のごありせんがあったわけでございます。この際に、先ほど申しましたように、防音壁を、三メートルでいいというけれども、五メートルまで上げたらどうだ、それから、将来トンネルも可能なような基礎工事をあらかじめしておくようにというようなあっせんが出たわけでございます。
○木下委員 経過はけっこうですから……。 十一月十四日の話し合いでの確認を、ちょっとここで確認しておきたいのですが、そのときは、いまさっき申しますように、「公団は先ずトンネルカバー案を具体的に検討した上でその結果を住民に説明すること。」それから「次回の協議集会には木村支社長の出席をはかること。」三つ目に「設計問題について協議による解決が行なわれるまで工事を中止すること。」この三つの約束があったというふうにこのメモには残っておるんですが、そういう約束があったことは事実でしょう。
○三野参考人 そういう御要求があったように承知しておりますが、約束はいたしておりません。非常に混乱をいたしまして、その際に次の会議までそれじゃ工事を見合わせましょうということを申しておるそうでございます。
○木下委員 そうすると、そういう約束はなかったというんですか。約束は全然なかったというんですか。
○三野参考人 ございませんでした。
○木下委員 そうしますと、住民のほうから、いまのトンネルカバー方式について、こうしてもらいたいという要求があった、あるいはその工事を中止をしてもらいたいという要求があった、これはお認めになるわけですね。それに対して、じゃ公団はどういう態度をとったんですか。そこで当然そういう要求があったんですから、それに対してイエスとかノーとか回答があったと思うのですけれども、それはどうですか。ノーとは言っていないでしょう。
○三野参考人 ただいまの三点の御要求があったわけでございます。それで支社長の出席については事務所長から、ひとつ支社長に相談して努力をいたしましょうという返事をいたしたようでございます。このトンネルの問題につきましては次の会にやりましょう、その次の会まで一時工事を見合わせましょう、こういうふうに答えたようでございます。
○木下委員 それはあなた、ほんとうにそういうことを確認しているんですか。そしたら、このとき公団のほうから代表として出たのは、だれですか。
○三野参考人 この十一月十四日の会合には所長の長野と、それから副所長が出席したと存じます。
○木下委員 そしたら、あなたが、いまこの十四日の日にいろいろ話し合いがあった、そういう約束はなかった、こう言われるんだけれども、その点については、その事実関係については、どのようにして確認をしておるのですか。だれから、どういうふうに確認しているのですか。
○三野参考人 事務所長よりの報告に基づくものでございます。
○木下委員 事務所長というのは、いまの長野という人ですか。
○三野参考人 そうです。
○木下委員 長野一人から確認をしたわけですか。
○三野参考人 事務所長よりの報告に基づくものでございます。
○木下委員 いつ報告があったですか。
○三野参考人 直ちに報告があったものと存じます。私がきっちりした日時までは確かめておりません。
○木下委員 いま問題になっておる約束があったかどうかというのは非常に重大なことなんです。このメモにもきちんとそういうふうに、私がいま言いましたように書いてある。これが、じゃあうそだということになる。しかも、この集会、この会合には県会議員、市会議員が各一名立ち会っておりますね。たくさんの住民が参加しておるのです。そしてそのことが確認されておる。それを公団のほうで出た人が、それはそういうことはなかったと言われるということになりますと、これはちょっとたいへんなことだと思うのです。 県会議員、市会議員が参加をし、何十名という住民が参加して交渉があって、そして確認されたこと、これを否認されるわけですか。否認されるのですか。しかも、どうですか、十一月十四日にいま私が言っているような約束があったことについて、これはその後何回か住民側の文書で、この十四日にこういう約束があった、この約束に基づく解決を求める、こういう趣旨の文書の要求が何回かあったはずなんです。それは一々言ってもよろしいですが、このメモによりましても、それが出ておる。それに対しまして公団のほうは、一言でもそういう約束はなかったということを言ってきたでしょうか。そんな約束は知らぬなんということを言い出したのはごく最近、いまごろになってそういうことを言っているんでしょう。この十一月十四日の約束があって、それ以降に何回も文書でこの約束に基づく履行を求めておるのですよ、住民は。それに対して、じゃ公団はそんな約束は知らぬというなら、そのつどそんな約束はなかったということをどうして言わなかったんですか。
○三野参考人 その後の会議のたびに工事はさせていただきますということを再々申し上げております。
○木下委員 いや、そんなことを聞いてないですよ、工事はさしてもらうなんということは。そうでなくて、そういう約束が十一月十四日の約束に沿った解決を要求するということで、たとえば——じゃ申しましょう。その四十六年の十一月十四日にその問題の約束があって、その年の十二月五日、十一月十四日の協議による約束事項の遂行を文書で要求しておる。口頭では再々ありますけれども、文書だけ申しましても、四十七年の六月二十三日、文書を出しております。それに対して、あなたのほうでは、そんな約束なんか知らぬなんてことは言いましたか、言ってないでしょう。
○三野参考人 再々口頭で申し上げていると聞いております。
○木下委員 文書ではどうしてしなかったのですか。文書で来ているんだから、そんな大事なことをなかったというなら、文書でするべきですよ。文書でしましたか。
○三野参考人 私が現在持っている資料では、文書ではいたしていないようでございます。
○木下委員 文書で、その約束に基づく履行を求めておるのに、何らその点については触れないでおいて、いまごろになって工事を強行してきて、いやそんな約束はなかったということを言っているんですよ、あなたは。 その点、問題を指摘するにとどめますが、もう時間がありませんので一つ伺いたいのは、中央高速道路の北烏山地域、ここでは公団のほうからシェルター方式の提案をしておる。北烏山でやれることを、この青葉台のほうでやってはならないということにはならないと思うのです。この点どうですか。
○三野参考人 私どもは環境対策としていろいろ苦心をいたしておりますが、これの考え方の基本につきましては先ほど申しましたように、いわゆる道路の環境基準を守る、こういう立場で終始いたしておるわけでございます。烏山の場合は、道路と、それから住宅団地の建物の高さとの関係におきまして、特に四階、五階等の道路よりも高い部分で、道路に近い部分につきまして、ああいうシェルター方式でなければ基準が守れない、これは必要であるというふうに判断をいたしたからであります。
○木下委員 あなたのほうは、防音壁で環境基準は守れるのだ、こう言うのだけれども、これも一つはその数値だけをいじった机上の計算でしょう。現地の実情に即したものですか。現地の状況というものは、ちょうど盆地みたいになってまして、その周囲が山で盆地になっておって、音響、騒音が非常に響きやすい、そういう地形ですね。しかも、百七十六号線もすぐ二百メートルほど西側にあるわけですね。だから複合公害といったことも考えられるわけですけれども、現地の状況に即してそういう数値を出したわけではないでしょう。 その点をひとつお答えいただきたいのと、それからもう一つは、これはさっきも初めに伺ったのだけれども、道路については、住居の用に供される地域についての環境基準は守れないということになるのですね。その二つをお尋ねします。
○三野参考人 騒音の推定につきましては、現地の状況に応じまして計算をしたものでございます。机上の計算とおっしゃいましたけれども、推定をいたすには、やはり計算をいたさなければなりません。 それから百七十六号との複合した騒音の関係、これももちろんこの計算の中に百七十六号の影響は入れてございます。 それから私どもが計算いたしておりますのは、遮音壁を立ててどういう結果になるかということを計算したわけでございまして、その結果が十分道路に関する環境基準を守れるという判断をいたしておるわけでございます。住宅関係の環境基準、いわゆる通称住宅に関する環境基準とおっしゃっておられるものと比べて、どうというところまではいたしておりません。
○木下委員 いま現地の状況に即して計算したと言われましたが、それは車の台数がこの道路をどのくらい通るかといったことは計算をされたと思うのです。そうでなくて、私が聞いているのは、本件の青葉台の地形上の状況から来るところの騒音効果、騒音の響きとか、そういうのはやはりいろいろ違うと思うのです。これはさっきから申しておりますように盆地になっておりまして、大気汚染でもそうですけれども、騒音でも非常に響きが通るような、そういう場所ではないかと思うのですが、そうした状況についてのあれは別に計算に入れていないんじゃないかと思うのです。そうでしょう。
○三野参考人 もちろん、向こう側沿いの谷の一部ではございますけれども、向こう側からはかなり高い位置にございます。それから住宅との関係位置、こういうものから判断いたしまして、私どもの計算は誤っていないというふうに考えております。
○木下委員 いや、質問に答えてほしいのです。地形上の特殊性を考慮したかどうかを聞いている。簡単に答えてください。したか、していないか。
○三野参考人 地形上の特殊性は考えておりません。
○木下委員 それから問題は、あなたは、道路に面する地域だということでその環境基準をお考えになった、こう言うのですが、午前中も聞いたのですけれども、これは非常に大事な点なんですよ。 あなた方は道路をつくるんだから、道路だけのことを考えればいいのかもわからぬけれども、ここにもともと道路があって、その道路を補修するというならけっこうですよ。そうではなくて、ここは住宅専用地域なんです。その住宅が密集しているまっただ中に高速道路を通すというのでしょう。新しく高速道路をつくるのです。その場合に、政府がきめた道路に面する地域だということで、その道路に面する地域としての環境基準を適用するというのでは、これはあまりひどいではないか。もともと住宅地域なんだから、住宅としての環境基準というのがあるから、その住宅としての環境基準を守れるようなことを公団としては配慮すべきではないか。これは当然のことですよ。そう思いませんか。
○三野参考人 私どもは、やはり道路に関する環境基準というのが私どもの守るべき基準だと考えておりますが、現場の状況は私もよく存じておりますけれども、まだ道路の山側等にはあまり住宅も建っておりませんし、そういう地域でございます。いずれにいたしましても、私どもとしては道路に関する環境基準を守るべく一生懸命苦心いたしておるわけでございます。
○木下委員 もう時間がありませんので、政務次官にお尋ねしたいのですが、えらいお待たせしまして……。 いまの問題ですが、公団のほうは、この道路に面する地域についての環境基準さえ守ればいいんだ、こういう考えなんですよ、はっきり言っているように。これはすでに道路があって、そしてその道路を改修するとか、あるいは変更するとかいうのなら、それでけっこうだと思うのですが、そういう道路がなくて、住宅密集地域のところに新しく道路をつくる。その場合に、道路に面する環境基準でいいんだということになりますと、非常に私は問題があると思うのです。環境基準が違いますからね、住宅の場合の基準と道路の基準とで。 これまでは住宅の基準で、住宅の基準が適用になって、わりに静かであった。それが道路ができたから道路の環境基準でいいんだということで、住宅の基準は守らぬでもいいということになると、これは非常に不合理だと思うのですよ。その住宅に住んでいる人たちが、そういう道路をつくるということに納得をされているのなら、これはけっこうですよ。そうでなくて、一方的に住民の反対を押し切って道路をつくる。そしてその環境基準も道路の環境基準でいくということになると、これは住民は踏んだりけったりだと思うのですよ。せっかく静かなところを求めて、うるさいところからやってきたのに。どうですか、その点は。
○春日説明員 午前中のお答えが多少舌足らずでございましたので、申しわけございませんが、やや時間をとらしていただきます。 騒音に係る環境については、一般の地域及び道路に面する地域において、それぞれ維持することが望ましい騒音の程度を定めたものであることは御存じのとおりでございますが、御質問のようなケースは、崖かに地元住民の立場からいたしますと不満が出る。これは私ども十分理解できるわけでございます。 ただし、一般論で申せば、たとえばA地域、住宅専用地域であったのが、商工業がだんだんその地域に開発されて入ってくる。そうすると、これは自然にB地域になる。そうすれば、A地域よりゆるい基準が適用になる。こういうようなことはあり得ることだろうと思います。それと同様に、道路に面する地域となりますと、これはともかく道路ができるという前提でものを言っているわけですが、道路ができますと、その車線数と時間の区分によって若干緩和した値をとっていくのは、これは当然ではなかろうかと思います。言うなれば、道路ができる。そうすれば車が通る。そうすれば、車は音は出すであろう。そうなれば、やはりそういった実態に応じて道路に面した地域は、面しない地域と全く同じレベルのきびしい基準を適用するということは、これは妥当ではない、こういうことになろうかと思います。 もちろん、幾ら緩和すると申し上げましても、健康への影響が生ずるようなレベルであってはならぬのは当然でございます。この場合、A地域でございますから、昼間が五十ホン、それから夕方、朝が四十五、それから夜間が四十ホンですが、それがそれぞれ十ホンずつ繰り上がる、こういうことになります。そこで、A地域で二車線以上のところでございますから、十ホンずつ上がると申し上げましたが、昼間の最高を六十ホンといたしますと、室内でやや下ってまいりますから、ほぼ五十ホンになるわけでございます。屋内で生理的ストレスを生ずるホンの閾値が大体五十五ホン程度だといわれておりますので、この点では、その生理的ストレスは大体の場合避け得るのではなかろうかと思います。夜間の場合も睡眠の深度が浅くなるとか、睡眠への影響というような問題も、この場合はほぼよろしいのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。 ただし、道路建設当局において、新設道路でございますから、先生御指摘のように道路をともかくつくるわけでございますから、当初からこの環境基準を達成するように努力することはもちろんであると同時に、できる限り低い、環境騒音に関する一般の基準以下に下げるように対策を講ずること、これはもう望ましいことであろうかと思います。十分その住民の御意見に沿って、こういうような道路に面した地域の基準はあっても、一般住宅の基準に近づけるように努力すべきである。 ただ、くどいようですが、もう一回申し上げますと、行政的に申せば、やはり自動車が通れば、それに面した地域は道路に面した地域の環境基準が適用されることになると思います。
○木下委員 いまのお話は一般論として、行政的にいいましても非常に不当だと思うし、特に法的にいえば非常に問題があると思います。しかし、ここでそれをやっておりましても時間がありませんので……。 ただ、お認めになりましたように、具体的な問題として考えると、道路ができるのだから、もう道路に面する地域についての基準でいいんだというふうな、そういうことではなくて、やはり住宅として、住宅地域であったわけですから、その住宅としての環境基準ができるだけ守られるように配慮すべきだ、こういうふうに伺ったのです。そうだとすれば、いまの公団の考え方というのは、少し反省してもらわねばならないものがあると思うのです。公団のほうは、道路ができるんだからその環境基準でいくんだから、もうトンネルカバーは要らぬのだ、こういう考え方のようですから、少しこの点は改めていただきたいと思います。 もう時間がありませんので、結局住民の反対を押し切って、この環境破壊をもたらすような道路工事を権力でゴリ押しをする、こういうことは厳に慎むべきだと思うのです。これは民主主義を踏みにじるものでありますし、また環境破壊を一そう進行させるということでありますが、しかもこういう道路工事をゴリ押しでやりましても、これは決してスムーズにいきません。もう現に混乱とトラブルを生んでおるわけであります。こういうことが起こらぬようにしてほしいなんて言われますけれども、これは起こるのが当然なんです。民主主義の世の中、住民の意思を無視して環境を破壊していく。これは当然混乱が起こります。まだまだ混乱が起こると思うのです。 だから私は、公団はほんとうに公団の立場からいいましても、いまゴリ押しをするのは賢明ではないと思うのです。ひとつこういう権力をかさに着たゴリ押しの態度をやめて、工事をストップして話し合いで解決することを、これはいますぐここでそうするということをお約束はむずかしいかもわかりません。ひとつそのことを検討していただきたい。強く要請する次第でありますが、どうですか政務次官。
○坂本説明員 いまお話を承っておりまして、住民の皆さんの中に、やはり公害問題で非常に心配をしておられるという方がたくさんある。それと国家的事業ではありますけれども、公団側との間に意思の疎通に欠けるところがあるということは、これはやはりいいことじゃありません。しかし、いままでのことはともかくといたしまして、とにかく公団側も、それは法律の規則、解釈、そういうこと以前に、やはりこれからも誠意をもって対話を続けるということでございますから、少しでも心配のないように公団側も私は努力を重ねるだろうと思います。 いろいろ住民の側にとっても、いま局長が答弁をいたしましたように、住民地域だと思っておるわけですから、それに対してやっぱり心配をするということに対して、公団側も重ねて納得のいくような説明もやることと思いますし、その対話を通じて、ひとつ円満に理解が成立することをほんとうに望んでおります。 この環境問題は、やっぱり住民とそれから事業主体——企業のこともありましょう、公団のこともありましょう、それから、自治体と政府と一体にならぬとうまい解決はできないものでございまして、私どももそういう基本姿勢で関係方面に協力を呼びかけておるわけでございます。それは、なかなかむずかしいことは百も承知です、美濃部さんもてこずっておるのですから。これはよう承知しておりまするが、その基本姿勢だけはひとつ——もう済んだことよりも、これからのことを、ひとつ対話を進めるように、私からも関係方面に協力をお願いをしたいと思っております。
○木下委員 それではもう一度確認しておきますが、いまの工事をストップして、円満な対話が進むように、ひとつ環境庁として御尽力くださる、こういうふうに伺っていいわけですね。
○坂本説明員 私、いまここでお話を承っただけでは、工事をストップせよと言う権限もございませんけれども……(木下委員「だから、そういう方向でひとつ努力をしてくださるというふうに伺っていいのかどうかということを聞いているのです」と呼ぶ)私は、工事のストップとかストップでないとかいうことよりも、対話を進めるということに重点を置いて……(木下委員「対話を進めるためには、工事をストップしなければならないでしょう」と呼ぶ)まず対話の精神ということがあれば、いろいろ解決は生まれるだろう、そういうことで、公団側にもひとつがんばってもらうように協力を要請したいと思います。
○木下委員 終わります。
○佐野委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後七時四十二分散会