公害対策並びに環境保全特別委員会 第35号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/07/06
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の公害健康被害補償法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。三木環境庁長官。
○三木国務大臣 ただいま議題となりました公害健康被害補償法案について、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 経済の急速な拡大と都市化の進行の過程におきまして、環境汚染の進行には著しいものがあり、大気の汚染や水質の汚濁による健康被害の発生は重大な社会問題となってきております。昨今相次いで終結を見るに至りました四大公害裁判は、これら公害による健康被害の深刻さと問題解決の困難さを如実に物語るものであります。 このような深刻な公害による健康被害者を救済するため、政府におきましては、昭和四十四年には、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法を制定し、当面の緊急措置として医療費等の給付を行なうという行政上の救済措置を講ずるとともに、昭和四十七年には、事業者の公害にかかる無過失責任を明らかにする法律を制定し、民事上の見地からも、被害者を救済する措置を講じてまいったところであります。 しかしながら、健康被害救済特別措置法におきましては、逸失利益に対する補償がないなど給付の内容が限定されており、また、いわゆる無過失責任法におきましては、民事訴訟の手段により損害賠償を求めるものであるためにその解決にはかなりの労力と時日を要するという問題があり、被害者の救済に万全を期するとはいいがたい現状にあります。特に、原因者が不特定多数で、民事的解決にゆだねることがきわめて困難と見られる都市や工業地域における大気の汚染による健康被害者の救済の問題は、当面すみやかな解決を必要とする課題となっております。 このような事態に対処して、今回、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる著しい大気の汚染または水質の汚濁の影響による健康被害に対して補償等を行なうことにより、健康被害を受けた被害者の迅速かつ公正な保護をはかるため、公害健康被害補償法案を提案した次第であります。 以下、この法律案の内容を御説明申し上げます。 第一に、救済の対象となる者の範囲でありますが、政令で定める地域において政令で定める疾病にかかっている等一定の要件を満たすものとして都道府県知事等の認定を受けた者及びその遺族等としております。 第二に、給付の種類でありますが、療養の給付、障害補償費、遺族補償費、遺族補償一時金、児童補償手当、療養手当及び葬祭料の七種類の補償給付を行なうこととしております。 まず、療養の給付は、公害医療機関において現物給付として行なうことを原則としており、療養の給付を行なうことが困難であると認める場合には、療養の給付にかえて、療養費を支給することができるものとしております。 なお、療養の給付及び療養費については、従来健康保険等が負担していた分も含めて負担することとしております。 次に、障害補償費は、指定疾病による障害を受けている者に対して、その障害の程度に応じて労働者の賃金水準その他の事情を考慮して定める額を支給することとしております。 次に、遺族補償費は、指定疾病に起因して死亡した者の遺族に対して、労働者の賃金水準、死亡した者が死亡しなかったとすれば通常支出すると見込まれる経費その他の事情を考慮して定める額を支給することとしております。 なお、遺族補償費を受けることができる遺族がない場合には、一定の者に遺族補償一時金を支給することとしております。 次に、児童補償手当は、指定疾病による障害が一定の程度にある児童を対象として、療養手当は、被害者が指定疾病にかかっているために医療を受けており、かつ、その病状が一定の程度にある者に対して、また、葬祭料は、被害者が指定疾病に起因して死亡したときにその葬祭を行なう者に対して支給することとし、これらの補償給付の額は政令で定めることとしております。 第三に、補償給付の支給の実施機関でありますが、救済の対象となる地域として政令で定める地域の全部または一部を管轄する都道府県知事等が認定及び補償給付の支給の事務を行なうこととしております。 第四に、都道府県知事等は、被害者の健康を回復させる等被害者の福祉を増進し、及び指定疾病による被害を予防するために必要な公害保健福祉事業を行なうこととしております。 第五に、本制度に必要な費用についてでありますが、まず、ぜんそく等の非特異的疾患に係る被害者に対する補償給付の支給に要する費用につきましては、大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設等を設置する事業者から、その汚染負荷量に大気の汚染の状況に応じた地域の別に定める料率を乗じて得た金額として徴収した汚染負荷量賦課金を充てるほか、別に法律で定めるところにより徴収される金員をもって充てることとしております。 次に、特異的疾患に係る被害者に対する補償給付の支給に要する費用につきましては、大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設もしくは特定施設または水質汚濁防止法に規定する特定施設を設置する事業者から徴収する特定賦課金を充てることとしております。 また、公害保健福祉事業に要する費用につきましては、その二分の一を事業者から徴収する賦課金等をもって充てることとし、残余の二分の一につきましては、国と都道府県等とが折半して負担することとしております。 さらに、認定及び補償給付の支給に関する事務の処理に要する費用につきましては、国と都道府県等が折半して負担することとしております。 第六に、賦課金の徴収及び納付に関する機構でありますが、汚染負荷量賦課金及び特定賦課金の徴収を行なうとともに、都道府県等に対する納付金の納付等を行なう組織として、特殊法人である公害健康被害補償協会を設置することとしております。 第七に、不服申し立てについてでありますが、被害者である旨の認定または補償給付の支給に関する処分に対する審査請求事件を取り扱わせるために、委員六人をもって組織する公害健康被害補償不服審査会を設置することとしております。 第八に、この法律は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 第九に、この法律の制定に伴い公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法は廃止することとし、これに伴う経過措置を講ずるほか、所要の経過措置を定めることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○佐野委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
○佐野委員長 この際、おはかりいたします。 内閣提出の公害健康被害補償法案について公聴会を開きたいと存じます。 つきましては、公聴会開会について議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、公聴会の開会日時、公述人の選定その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○佐野委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 公害健康被害補償法案審査のため、参考人の出頭を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決定いたしました。 なお、参考人の人選、出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認め、よってさように決定いたしました。 ――――◇―――――
○佐野委員長 内閣提出の富士地域環境保全整備特別措置法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。登坂重次郎君。
○登坂委員 富士地域環境保全整備特別措置法案を審議するにあたりまして、まず環境庁にお尋ねいたします。 現在、自然保護ということは国民的願望であります。そういう意味合いにおいて、まず環境庁所管の国立公園の実態をお伺いいたしたいと思うのであります。今日、国立公園は、その面積において、またその個所数においてどのくらいか、またどういう現状になっておるか、それからひとつお伺いしたいと思います。
○首尾木政府委員 現在国立公園は二十六カ所が指定をされておりまして、その面積はおよそ二百万ヘクタールでございます。
○登坂委員 二十六カ所と申しますると、これに順序をつけるということはなかなかむずかしいことでありましょうが、その整備及び管理についてはどのような計画をお持ちでございますか。
○首尾木政府委員 国立公園につきましては、一般的に自然公園法によりまして国立公園それぞれについての保護並びに利用の計画というものがございます。それに基づいて、保護計画としましては、特に重要な特別保護地区の指定、特別地域の指定、その余の部分は普通地域として管理をされておるということでございます。利用に関する計画と申しますのは、利用の施設に関する計画でございまして、このような施設につきましては、民間が行ないます場合にはこれを認可し、国あるいは国にかわって都道府県が公共事業としてこれを行なっておるということでございます。御指摘のように、国立公園と申しましてもいろいろ性格がございます。それぞれの性格に応じまして、先ほど申し上げましたような計画を策定して、これを管理しておるということでございます。
○登坂委員 この国立公園二十六カ所の中で、まず緊急を要する計画の順序、予算というようなものについての御配慮はどうなっておりますか。
○首尾木政府委員 国立公園についての国の予算としては、総額におきまして、現在約三十億を計上いたしております。そのほかに、特に緊急を要する問題といたしましては、現在のわが国の国立公園というのが地域性の公園でございますので、いわば専用の目的のための公園ではないということから、その地域が各種の開発あるいは各種の公園目的以外の人間活動ということにも使われておるということでございまして、それらと公園との調整ということが非常にむずかしい問題になっておるわけでございます。そういうような観点から、私どもとしましては必要な地域、特に私権を制限しなければならないといったような重要な国立公園の地域につきまして、先ほど申し上げました三十億の予算以外に、特に土地の買い上げということに力を入れておるわけでございます。この執行の状態につきましては、いろいろ問題がございますけれども、今後土地の公有化等によりましてなるべく国立公園らしい利用の方向に誘導していくということが一つの大きな重点というふうに考えております。さらにまた、国立公園につきましては管理体制を特に強化するということが必要だというふうに考えておるわけでございます。
○登坂委員 今日だんだん自然が破壊されつつあるという現状にかんがみまして、せめて国立公園だけは、あらゆる力を注いで、行政的にも、またわれわれ国民的にもこの保存に協力しなければならないと思うのであります。 そこで、国立公園の内容について、いま概略御説明があったわけでありますが、このうち、相当利用価値があると申してはなんでありますが、レクリエーションあるいは自然に親しむという意味合いにおいて、ただいまどこが一番利用されているか。そういう調査はいたしておりますか。
○首尾木政府委員 お尋ねの点は、利用の状況に関する調査というものを行なっておるか、こういうことと考えますが、現在、国立公園全体で約三億人、これは延べの人数でございますけれども、そのような数字が出ております。こういったような概数の統計資料というものはございますけれども、利用の全体についてのこまかい調査といったようなものにつきましてはまだ整備をされておりません。
○登坂委員 国立公園は各地に分散されておるわけでありますが、そういった場合に、地方自治体との連絡、協調ということはどういうふうにいたしておりますか。自然の美を求めて観光客が集まる、あるいはレクリエーションの場となっておる、そういうところにおいて、いわゆる観光公害と申しますかそういうものが非常に多い。また国立公園というのは非常に不便なところにある、どうしても民間地を通らなければならない、あるいは地方自治体の協力を得なければならない、そういうような現状になっておると思うのでありますが、そういう点についてはどういう配慮をしつつあるか、それもお尋ねいたします。
○首尾木政府委員 国立公園の管理につきましては、現地に国立公園管理事務所がございます。これは全国でまだ十カ所ほどでございますが……。それから、全国の主要な集団施設地区に本年は七十一名の国立公園管理員ができるわけでございますが、もちろんこれだけでは十分な国立公園の管理あるいは利用指導ということはできませんので、この点につきましては当然都道府県あるいは地元、それから民間の国立公園指導員、自然公園指導員という方々の協力を仰いで、利用等に関する指導あるいは利用者の行為に対する法律上の規制といいますか、そういうことに当たっておるわけでございまして、今日の国立公園は、現実におきまして国と地方公共団体が一体となりましてその管理に当たっておるというのが実情でございます。私どもはそういう点で常々地方公共団体と、この問題については会議あるいは相互の連絡を緊密にするというような方法で、この全体の利用が適切に行なわれますように心がけておるところでございます。
○登坂委員 国立公園、国定公園、県立公園、これは大体三者並立しておるようなところが多いと思うのであります。でありまするから、今後われわれが健康を保つ上においてもまた生態学的な自然保護という観点からいたしましても、国立公園を中心としてわれわれが直接行政に関与できるものはなるべく大事に保護しなきゃいけない。またその保護にあたっては国だけではできない。地方自治体にお願いしなければならない。地方自治体は非常にその管理体制にお金がかかる。こういうような現状になっておると思うのであります。また昨今非常に交通が利便になりましたために観光客が殺到する、そういう状況であろうかと思います。 そこで、全国的な国立公園の中で最も大切な、また最も緊急を要する個所というものは、およそどういう順序で考えておりますか。ちょっと御説明を願います。
○首尾木政府委員 全体といたしまして国立公園に、特にどの公園から最初に手をつけるかという、そういう順序の問題ということになりますと、なかなかむずかしい問題でございますが、特に今回御提案を申し上げました富士山を中心といたします国立公園等につきましては、これが首都圏に非常に近いということ、それによってまた利用人口が非常に多いということ、それから富士のすそ野一帯につきまして開発が非常に進行しておるというようなこと等から考えまして、この富士地域というのは一つの大きな、今後緊急にここの管理あるいは計画的な整備等をはかるべき地帯だというふうに考えております。
○登坂委員 そこで環境庁長官にひとつお伺いしたいのでありますが、富士山はわが国の象徴である、国民のアイドルである。そういう点はわれわれが古来より聞かせられておりますし、またわれわれもそう信じておる。また、世界各国においても、富士山は日本の象徴である。そういう点に眼目を置いて、この富士山を日本の最も大切な国立公園の一つとして保存しようとする気持ちから、今回この富士保全法なるものを立法化して、そしてまた自然の環境を保ちつつもこれを有意義に開放しつつある今日、いかにしたらその現状をよりよくできるか、こういう立法の趣旨によってつくられたと思うのでありますが、この富士保全法をつくるほんとうの趣旨は、ややもすれば何か一部には間違った誤解に基づくものがあるやに聞いております。すなわち、富士山の中にはいわゆる自衛隊の云々というものがあって、これと云々するようなためにやむを得ずつくったのだというような一部の誤解があるように私は聞いておるのであります。真の立法の精神をひとつ長官からお願いいたしたいと思うのであります。
○三木国務大臣 昨年、演習地の問題について山梨県と話し合いが起こったときに、この問題が論議されたことは事実ですけれども、しかし、ずっと前から、そういう演習地の問題というものが契約の更新期というような時期にならない前からも、富士というものに対する保護あるいはまた整備、こういうことの必要というものは前からずいぶんいわれておった。なぜかといえば、これは首都から百キロ以内にあるものですから、したがって富士山麓に対するいろいろな利用計画というものは非常に立てられて開発が行なわれて、このままでおけばあのような国民的な象徴ともいうべき富士山並びにその山麓が非常に無計画に開発されていくことはよろしくない。総合的に計画的に富士山並びにその山麓の保護整備をはかる必要があるということは、もう演習地と関係なく論じられておったわけであります。そういうことで、この際にちゃんとした富士山の開発に対する整備計画、開発計画、こういうものを立ててやらなければこれはなかなか取り返しのつかないことになるではないかという必要をいわれておったので、これが巷間伝えられるような演習地の取引として生まれてきたものでは断じてないということでございます。
○登坂委員 私もさように理解いたしておるのであります。とにかく富士というものはやはり日本の象徴である。これを利用する人は年々累増しておると思うのであります。いまや観光公害ということばすら出ておるのであります。でありますから、これを長期計画によって、あるいはできるだけその施設の整備をし、自然を破壊しないように配慮しつつ、そしてこの富士の姿、富士の自然を保護するという力点からこういう法律を出されたものと私ども了解いたしております。それについて、なおきょうは内閣の官房副長官山下さんにおいで願っておるのでありますが、ただいま環境庁長官の申されたとおり内閣においてもさように了解しておるかどうか、その点一言お願いしたいと思います。
○山下(元)政府委員 いまの御指摘の問題につきましては、ただいま環境庁長官からお答えのありましたとおりでございまして、昨年七月以来、北富士演習場の取り扱いにつきまして、政府と地元の山梨県側との間におきまして種々の話し合いが行なわれたことは事実でございます。その過程におきまして、富士山周辺の自然環境を保全するための立法措置を講ずるということが話題になったことも事実でございます。そうしたことが契機となりまして促進されたことはされましたけれども、しかし富士山というものはわが国のすぐれた自然の象徴でありますために、この自然環境を保全するという趣旨はかねがね考えていた次第でございまして、そうした演習場につきましての話し合いが行なわれましたけれども、決してその代償としてこれが立法されたものでないことははっきりと申し上げます。
○登坂委員 それで本法の制定の意味が了解されたわけであります。 さて、ここを防衛庁が演習地としていま使っておられるわけでありますが、防衛庁は国立公園の意義をどういうふうに理解しておるか。皆さんは国の安全、平和を守るためにどうしても必要であるという自衛隊の趣旨に沿って、今年ただいまから利用されたわけじゃなく、従来から引き続きそういうものを利用されてきたのでありますが、自然環境の保護ということは国民的な願望であり、またそれをどうしても維持しなければならぬのがわれわれの責務であります。そういうところを防衛庁が施設として利用していることはわれわれも認めておるわけでありますが、利用するにあたって防衛庁の皆さんとして国立公園の趣旨をどういうふうに理解し、今後その趣旨に沿った方向で運営していくんだというあなた方の気持ち、決意をここでひとつあらためて披瀝してもらいたい。
○高松政府委員 御指摘のようにわが国を代表する非常に傑出した自然の風致地域でございます。それで、これにつきましては私どもといたしましても、防衛施設の維持、運営あるいは演習行為を行なうにあたりましてその自然環境の保護ということには十分留意してまいりましたし、また今後もそういうふうにしてまいるべきであると思います。つまり自然環境を適正に保護し、その自然環境にふさわしい利用環境を確保するという目的は、私どもとしても大いに尊重し、できる限りそういう保護に留意して、その運営をはかってまいるというのが基本的な考え方でございます。
○登坂委員 ぜひとも常にそういう精神のもとに、富士の自然保護についても特段の協力、最大の努力を払ってもらいたい。 そこでいよいよこの内容に入りまするが、ただいまものすごい観光客が富士に押し寄せる、これを利用しようとする者が従来から激増しておる。こういうときに富士を保全するにあたりまして、環境庁は地元の県、自治体とも綿密な連絡をとっておると思うのでありまするが、この富士保全法の中で整備計画というものをつくることになっております。その概念はどういうものになっておりますか。
○首尾木政府委員 富士地域につきまして、その自然環境にふさわしい利用環境を確保し、かつその適正な利用ということが行なわれますように、これを計画的に実施するために保護利用整備計画をつくるわけでございますが、その内容といたしましては、特に富士地域の利用環境というものが非常にすぐれた自然、またたぐいまれな風致の地域として利用をされておるわけでございますので、その実態を勘案いたしまして、そのような地域の中に徒歩利用地域あるいは自然探勝利用地域、野外施設利用地域、休泊利用地域というような特別の利用地域を設けまして、その利用にふさわしいような環境を確保するということでこの富士地域保護利用整備計画を定めまして、それに基づいてこの地域のふさわしい利用というものをはかっていきたいというふうに考えております。 なお、この富士地域につきましては、国立公園である富士山の国立公園地域を中心といたしまして、広くその周辺地域も含めましてこれを整備していきたいと考えておるわけでございまして、特にその整備の内容といたしましては、開発ということではなしにむしろ自然環境の保護、それから利用環境の確保に必要な施設の整備ということに重点を置きまして、治山治水あるいは砂防のための施設の整備でありますとか、特に富士五湖等重要な水系の水質の汚濁を防止するための下水道施設の事業でありますとか、自然公園の保護あるいは利用のための施設の整備事業でございますとか、あるいは広域的な地域でございますからその中には都市的な地域も含まれておりますので、そのようなところにつきましても都市公園等についての整備に関する事業とか、そういうようなものを計画的に配置をいたしまして、これらに対して国の補助金の面におきましても特別の配慮を行なうということにいたしておるわけでございます。このような富士地域の保護利用整備計画につきましては、今後山梨県あるいは静岡県と私どもと十分協議をいたしまして、その内容を詰めてまいりたいというふうに現在考えておるところでございます。
○登坂委員 富士山のそういう利用計画については相当の経費もかかるでありましょうし、また地元地域住民、自治体の希望もあるでありましょう。そこで審議会か何かをつくってそういう利用計画をつくるということになっておるようでありまするが、審議会の構成あるいはそういう地域の代表者、そういう内容についてはどういうふうにお考えですか。
○首尾木政府委員 審議会はこの法律の第四条に規定をしておりますように一関係行政機関の職員、関係県の知事、関係市町村の長を代表する者、学識経験のある者によって構成をされることになっております。
○登坂委員 富士山と申しましてもその地域はかなり膨大な面積になっており、そしてこれを利用するにあたりましては山梨あるいは静岡両県に多分の負担をかけておる。また、上降口もそういうところにあるというわけで、現在までも、公園法ができる前からすでに利用されているものが多々ある。また富士五湖と申しまして、そういう地域の湖にいたしましても、汚染度がだんだん高まってまいると思うのであります。 そこで、一番大事なことは、やはり下水道の整備、そういうりっぱな自然の中にある内水面の整備が最も緊要であり、またこれが重点的に行なわれなければならない。こういう点からして、今度の富士保全法の中の下水道整備事業というものは、目立たないようでありますが、画期的な自然保護の大きな柱の一つであると思うのでありますが、その整備計画というものはあらかじめお考えですか。
○首尾木政府委員 この富士地域保護利用整備計画に基づきます事業と申しますのは、先ほど御説明を申し上げましたが、第五条の第一項第三号に掲げてあるような事業でございます。 その中に「その他政令で定める事業」とございますが、これは、たとえばごみ処理の事業でございますとか、あるいは屎尿処理の事業でございますとか、お尋ねの下水道施設の整備に関する事業というのも、これは非常に重要な問題でございます。 これらの第三号に掲げてある事業というのは、それぞれ所管の省庁がございまして、たとえば下水道について申し上げますれば、建設省ということになっておるわけでございます。予算的には、それぞれの省庁と山梨県あるいは静岡県とが協議をいたしまして、この点についての詰めを進めていくということになっておるわけでございます。 この計画は、総合をいたしまして、それらの全体の計画にいたすわけでございますが、いずれもこの富士地域保護利用整備計画というものは、これから検討をされるところでございまして、このような地域の下水道施設の整備に関する事業につきましては、それぞれ従来の計画としてもございましたが、さらにこれを富士地域保護利用整備計画全体の中でどのように強化するかといったようなことにつきましても、今後関係省庁、関係県との間で詰め、それを利用整備計画として全体としてまとめまして固めていきたい、かように考えておるわけでございまして、具体的には、この法律は一年間の施行のための猶予期間というものがございますので、四十九年度以降の予算におきましてこれを実現をしていくということでございます。
○登坂委員 富士山というものは、先ほど来申し上げているとおり、わが国の象徴である、この自然をどうしても保護しつつも、やはりある程度われわれが利用させてもらわなければならない、そういうものであろうかと思います。また従来も、そういうふうに国民は喜んでその自然に浸って、富士山を敬愛しておったところであります。 そこで、今度の立法の趣旨において、国立公園の中で大きくはっきりと利用地域というものを指定しました。利用ということばを大胆に入れました。でありますから、この利用にあたっては、行政的にも最大の責任を持たねばならぬと思うし、また地方自治体との協調も一段と深めなければならぬと思うのであります。そこで、まだ本法施行は先になると思うのでありますが、あるいは現在までは、ただ地方自治体におまかせして、富士は国立公園だということで管理運営も非常にお粗末であったので、これからは地方自治体と相当綿密なる連絡をとって、この自然利用に重点を置きつつ、かつまたその自然保護のためにはあらゆるこまかい努力を払わなければならない。そして今日までとこれから本法が制定されてからと、具体的にどういうふうに進展するのか、どういうふうによくなるのか、そういう構想をあらかじめ聞かしてもらいたい。
○首尾木政府委員 本法が施行になりますと、関係県におきまして、まずこの富士地域についての保護利用整備計画の原案を、関係の住民の意見も十分取り入れてつくりまして、それをさらに国におきまして富士地域保護利用整備計画として決定をする。この年次計画に基づきましてこれを制定してまいるということでございます。 特にお尋ねの利用の問題でございますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、徒歩のみの利用をはかるような地域、いろいろ車とかそういうものにわずらわされないでそのような利用がはかれるような地域、その環境を整備するための地域、それから自然探勝利用地域、あるいは野外施設利用地域、休泊利用地域といったようなものを指定をいたしまして、それぞれの地域について、先ほど申し上げましたように、それにふさわしくない行為というものを規制する、開発につきましてもそれにふさわしくないようなものについては許可をしないということによって、これを統制するということを強くやってまいりたいと考えておるわけでございます。 しかし、この富士地域というのは単純にそのままであるということではございませんで、このような利用地域というものを設けます――利用地域というのは、これにふさわしい環境を保護すると同時に、やはりそれぞれの目的を持った地域でございますから、たとえば野外施設利用あるいは休泊利用といったようなことにふさわしい地域につきましては、これにふさわしい施設の整備について国も十分援助をいたしまして、このような施設の整備ということに今後つとめてまいろうというふうに考えておるわけでございます。
○登坂委員 そういう諸施設は、地方自治体と協調のもとに、審議会の議を経て前進的な計画を立てて、一般大衆のために利用の限度を示しつつ策定されると思うのでありますが、その費用負担については自治体にどういう補助なりあるいは資金計画なりが想定されるのでありましょうか。
○首尾木政府委員 資金計画につきましては、ただいまのところ全体としての計画というものはいまだこれを決定いたしておりませんで、先ほど申し上げましたような全体としての計画というものを今後つくりまして、その計画に基づいて全体のワクを定めていくことになるわけでございます。
○登坂委員 大体全体の構想はほぼわかったわけでありまするが、とにかく地元の県民の皆様方には富士はわれわれの大事な宝である、そういうお考えが強いと思う。でありまするから、それを自然の環境を保護するということに力点を置いて、かつまたこれを最小限度に利用地域を設定し、その利用地域の利用計画にあたっては、やはり中央と地方との綿密なる連絡をとりつつ、地方財政に負担をかけないように、地方においていままでより強度な管理運営権を持つということが大事であろうかと思う次第でありますし、また環境庁もそういう方向で進むということが大体わかったわけでありまするが、私はこの富士保全法なるものが契機になって、これがりっぱな実を結ぶことによって、今後たとえば十和田湖とがあるいは阿寒湖とか、そういういわゆる屈指の景勝地、そうして比較的多数の観光客が参るというようなところのいわゆる内水面の整備ということ、水はどうしてもきたなくしてしまうとあとなかなか自浄作用、浄化作用というものは非常に内水面はむずかしいと思うのでありまするから、今後そういう内水面の整備にあたって、国定公園内の内水面の整備ということは、この富士保全法に準じた措置を全国のそういう国定公園及び国立公園あるいは県立公園、そういうもののいわゆる浄化整備に特段の配慮をお願いしたい、こう思うわけでありまするが、そういう考えはありますかどうか。
○首尾木政府委員 お尋ねの点は内水面の問題について対策を強化せよと、こういう御指摘の問題だと考えておりますが、私ども十分そういったような点につきまして今後対策を整備をしてまいりたいというふうに考えております。
○登坂委員 最後に環境庁長官にお尋ねいたしまするが、とかくこの富士保全法というものは富士山の自然の美を永久に保ちつつ、そうしてかつまた国民的合意に基づいて最小の利用をはかろう、利用施設にあたってはりっぱなものをつくろう、こういう非常に自然公園法の中のむずかしい条件を保ちながらりっぱにこれを第一番目として富士保全法なるものが制定されると思うのであります。こういうせっかく制定されるこの法案に対して、環境庁長官といたしましてその整備の徹底をはかると同時に、今後の強い指導体制をひとつお願いして富士保全法がりっぱに実を結ぶようにひとつ長官の今後の特段の決意を伺って、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
○三木国務大臣 富士山は御指摘のように国民の最もすぐれたる共通の財産でありますから、これを保護し、これを利用するにしても整備された形で利用されなければならぬわけでありますから、この法律が国会で可決をいたしまして立法化されますならば、この法律を適正に運用をして富士山並びにその山麓というものが国民的象徴の場所にふさわしいような方法を考えるために一段と努力をいたしたい決意でございます。
○登坂委員 終わります。
○佐野委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時三十六分休憩 ――――◇――――― 午後一時九分開議
○佐野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 委員長も御存じのように、先般公害特としていろいろ有明、水俣の調査に入りました。それと同時に、その後また各党としてもそれぞれの調査活動を展開しているわけであります。その調査の中で、特に私どもとしても最近の傾向をはっきりつかむことができるわけでありますが、その傾向の中で、環境庁長官に一つはっきり伺っておかなければならない問題があるのであります。 と申しますのは、最近経団連の首脳が、政府の水銀汚染対策に対して、苛性ソーダや塩素の生産をやめたりすると物価高になるという牽制的な発言をした、それに対して小坂経済企画庁長官が、関係官庁に伝えておく、こういうふうに言ったということ、これは何か最近の環境行政に私としてはどうかつするような行為じゃないか。海岸というもの、また海洋というものはまさに世界の資源であって、特に日本民族のたん白源である魚介類を育てている重要な国民全体の資産になるわけです。決して一企業がそれを専有していいはずの問題じゃないのであります。ところが、企業が無責任にもたれ流す水銀やPCBがとうとい人命を脅かしている、悲惨な公害病患者を出しているのです。第三、第四または第五ということになりますと、国民全体の生存をさえ脅かすような結果になると思います。私は、そういうような見地からして重大な発言じゃなかろうか、こういうふうに思うわけであります。幸いにして、自民党の副総裁でありそして環境庁長官でありますところの三木長官に、こういうような見解に対してどう思うのか、これでいいのか、政府の姿勢についてはっきり見解を承りたいと思います。
○三木国務大臣 どういう場面にどういうことを言ったのか、私も承知しておりませんが、ここではっきり言えることは、環境庁はいかなる者のどうかつにも左右されるものではない、これは御信頼を願ってけっこうでございます。
○島本委員 そういうような副総理の立場であるならば、少なくとも国民に誤解を受けるような発言を閣内ですることのないように、これだけは厳重に慎まなければならないと思うのです。経済企画庁長官ともなればその方面の指導者でもありますから、まさにいま長官が言ったように、そういうようなどうかつ的な言動では困るんだということを言えばいいのに、軽はずみにも、それをお伝え申し上げます、便々と帰ってきている。こういうのはまさに閣内不一致であります。その不一致の責任は副総理はとらなければならないと思います。これはほんとうに笑いごとでは済まされないような重大な要素がありますので、この点については特に注意を喚起しておきたい、こういうように思うわけであります。 それと同時に、先般、本年の七月二日に私どもは重大な一つの要請を受けました。山口県の岩国並びに徳山、その方面のPCB並びに水銀の汚染についてであります。いずれその件については、われわれとしてははっきり政府に対策の要請をしこれを推進させたいと思いますが、ここにはっきり聞いておきたいことが一つあるのであります。 大体、東洋曹達においてはいま言ったと同じような現象であります。指定工場を、逆に水銀のものを増設しようと思ったが申請を見合わせました、こういうような答弁がありました。それと同時に、鋭意隔膜法に切りかえる、この作業をやりたいと言っておりました。五十年の九月をめどにしてやってもそれまでにできない場合には、隔膜法に切りかえたほうの操業はする、ただし水銀を媒体に使う場合の工場の操業を中止するか、こういうふうに言ったらしないと言うのであります。どうしてもしないのか、こういうふうに言ったら、国がやめろといえばやめます、国の指導に従います、こういうような言であります。これもまた私どもとしては、企業モラルというか、あまりにもいままでは国に寄りかかり過ぎておったし、それは大企業や財界との関係はそれぞれおありでしょうから、これは自民党の性質としてはやむを得なかったかもしれない。しかし、もう四十五年十月以降はこういう考えじゃだめだということでなぜ企業の指導を通産省がしないのか、これが問題であります。やはり隔膜法に切りかえられない、また切りかえようとしても十分予定のコースまでいかなかった、数までいかなかったとすると、その際でも、これは国としては隔膜法に切りかえたほうがよろしい、水銀を使うほうに対しては操業を中止すべきであるということの指導をなさるつもりかなさらぬつもりか、この点に対して、長官並びに通産省の基本的な態度を承りたいと思います。
○三木国務大臣 隔膜法に対しての転換、これは極力ということばがついておりますが、一日も早くやろうということですから、その前にクローズドシステムにする、循環方式で外へ出さぬようにするということは、これは来年のどんなにおそくても九月でありますけれども、主要な工場は今年中にやるということになっておりますから、まず第一の関所はそこでつくる、それがクローズドシステムができないものは操業を中止するということになります。
○島本委員 クローズドシステムにすべて転換させる、まことにけっこうであります。通産省に伺いますが、この際クローズドシステムにした、そのシステムそのものは絶対他のほうに水銀が漏れるおそれのないものかどうか、また過去において漏れたおそれはありませんかどうか、この点についてひとつ伺います。
○齋藤(太)政府委員 御指摘の東洋曹達と徳山曹達でございますが、東洋曹達につきましては、去る七月一日から作業用水につきましては循環方式に切りかえまして、作業用水を全部再度工程の塩を溶かします塩水池へ戻しまして循環をさせております。問題は、工場内に降りました雨水の処理でございまして、これにつきましては本年末までに全部雨水を収集して処理して再度工程に戻す、こういうふうにするべく、現在対策を講じておるところでございます。 それから徳山曹達につきましては、作業用水につきまして六月十六日から一部循環方式に切りかえておりますが、その他の水につきましても年末までに全部循環方式にかえるように現在計画を練っておるところでございます。循環方式にいたしますと、この関係の水はすべて工程の中を回りまして工場外に一切出ないわけでございます。その間一部水のバランスがくずれまして、作業用水の洗浄水等が、工程に戻します場合に工程に必要とする水よりも排出される洗浄水が多くなりますので、このバランスをオーバーします分につきましては、蒸発の工程を途中に入れまして外に蒸発をさせる、その場合に当然水銀が出ませんようにその水銀は回収する措置が必要だと存じますが、そういう形によりまして水を工程の中をぐるぐる回しまして、一切外には出しませんので、水銀は外に出ることはないと存じます。
○島本委員 念を押します。過去にもそういうような点で被害を及ぼしたおそれがありましたか、過去にありませんでしたか。
○齋藤(太)政府委員 まだ苛性ソーダ工場で過去に完全循環方式をとっておる工場はございませんで、排水として処理をして外へ放流する、こういうようなことをいたしておりましたが、その場合には、御承知の、現在の水質汚濁防止法によります規制基準以下の排水ということで放流をされておると思います。
○島本委員 重ねてこの点ははっきりお伺いしておきますが、政府のほうでもこの点は十分御存じだと思うのです。水銀を使っております山口県の徳山並びに東洋曹達会社、それらの中で四十六年以降については当然これは廃棄物を産業用廃棄物としてこれをコンクリートに固めて埋め立てに使うように現在指導され、これをやっているようであります。ちょうど私も、帰るときに、魚汚染がいま大きい社会不安をもたらしておりますが、この水銀とPCBの使用工場や使用量、その処理のしかたと発生源の実態、これらが十分つかまれておらないということは、これは熊本においても、同時に福岡県においても、山口においてもしかりであります。 ちょうど愛知県でも同じような事件が同じような時期に起こっております。水銀を大量に使用している工場、これが三井東圧化学、これは南区にある。東亜合成、これは港区にある。この二つの会社が、多量の水銀を含む廃棄物、これは塩水マッドにして、捨てた場所が一切わからない、こういうようなことになっております。そうして、三井東圧は二十六年から四十年までに一万八千トンを自社内で処理した、四十六年からは三千四百トン、コンクリートで固形化して処理した。東亜合成は、昭和十年から四十年まで、五千五百トンを港区昭和町の東工場内に、四十年から四十六年まで四千五百トンを東海市の南部一区の自社敷地内に埋め立てをして処理した。両社とも四十六年以降は千七百五十トン、これは東亜合成ですが、これをコンクリートで固形化した、そしてこれらもまた埋め立てに使っている、こういうようなことであります。ちょうどわれわれが調査に入りました山口県の徳山でも、愛知県でも、同じケースであります。 そうすると、通産省としては、そういうふうにして四十六年以降はすべて埋め立てのために使えという指導をなすったのですか、どうですか、この点伺います。
○齋藤(太)政府委員 御承知のように、塩を原料といたしまして苛性ソーダを製造いたします際には、塩の中に不純分が相当まじっておりまして、それをマッドという形で回収をいたしておりますが、その際にマッドの中に水銀が混入してまいります。混入いたしましたマッドにつきましては従来法律の規制がございませんでした。昭和四十六年以前につきましては、御指摘のようにたいていの工場におきまして、工場内の敷地にこれを埋め立てておったのでございます。四十六年九月に産業廃棄物法が施行になりまして、こういったマッドのような産業廃棄物につきましては、埋め立てるか海洋投棄をするか、いずれかで処理すること、埋め立てる場合にはコンクリートで固形化いたしまして、それがコンクリートから外へ流出しないように処理をして埋め立てること、また海洋に捨てます場合には同じくコンクリートに固形化をしまして、それが外に漏れないようにして捨てるように、こういった法律の規制が適用になりましたので、四十六年九月以降は、全工場がこういうふうにコンクリート固形化をいたしまして工場に埋め立てるなりあるいは海洋深海に投棄するなり二つの方法で現在処分をいたしております。
○島本委員 運輸省に伺いますが、そういうふうにして四十六年以降は工場の地先または出先、これらを工場廃棄物によって埋め立てをせんとする場合には、その埋め立てに対して無条件でこれを許可しておりますか。
○岡部政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御質問のいわゆる産業廃棄物を利用しての埋め立ての問題でございます。これは私どものほうで特にこういう方法でこういうことでやらなければならぬとか、そういうような埋め立ての免許あるいは認可に際して特別なあれはございません。ただ環境問題として十分注意しなければいかぬということで、外へたれ流しをしたり、そういうようなことをしないように注意するという条項は免許条件にたいてい入れさせるように指導いたしております。
○島本委員 ちょうどわれわれもその点については昭和四十五年の十二月の公害国会、この際に十四の法律案をいろいろ審議した。その中に、産業廃棄物と家庭の廃棄物、この処理についてもはっきり立法化し、改正したわけであります。ですからそれに応じて処置されている、この点については私は何ら異議をはさむものではありません。そうして環境を十分はかって埋め立ても許可している、これも当然でございます。そうすると徳山曹達では四十一年度に県知事と運輸省の港湾局の認可を得て、地先百二十万平米についてこれを埋め立ての許可をすでにもらっておるのであります。そうしてその周辺には瀬戸内海のいわゆる国立公園地帯である西ノ島、中ノ島、鍋島、竹島、この島を含んで全部埋め立てを許可することになるのであります。そうなりますと、これは島が一つずつ国立公園としてその意義を認められて、そうして国立公園地帯に指定されているその島に埋め立てる、それも産業廃棄物によって埋め立てがいま百二十万平米にわたって行なわれることをすでに許可をずっと以前からとっている、――一体瀬戸内海の国立公園の実態はどうなんですか。いま言った西ノ島、中ノ島、鍋島、竹島これらは国立公園地帯の島嶼じゃないのですか。あったとするならばこれを許可したときの条件をお示し願いたい。
○首尾木政府委員 御指摘の埋め立ては、西ノ島、中ノ島、鍋島、竹島という第二種特別地域にかかって埋め立てる、海面そのものは普通地域となっておりますが、これは四十一年の四月十八日に許可がおりております。これは普通地域を含めまして全体で約百十七万平米、百十七ヘクタールでございますが、この特別地域にかかっている部分と申しますのは、いまの海面に接する部分が特別地域ということになるわけでございまして、それについては許可がなされておるわけでございます。このときの条件でございますが、これについては、許可の条件としては特別のものはございませんけれども、県に対しまして、当該埋め立て地域については将来これをできるだけ緑化するようにという指導をさせるということをいたしておるわけでございます。その後、昭和四十八年六月でございますが、県におきまして全面積の二〇%を緑化するということで工場の配置計画あるいは緑化計画等を誓約書として県のほうに出させておる、こういう経緯でございます。
○島本委員 もうすでに水島では、鷲生国立公園の中の特別地域でさえも松が排煙のために枯れているのです。煙がその場所だけに停滞しているのじゃないのです。そういう状態の中に何のためにこの四つの島、このあたりまで埋め立てを許可しなければならないのですか。瀬戸内海はどうでもいいのですか、考え方は。ほんとうに瀬戸内海の環境を保全するとするならば環境アセスメント、こういうものに対して十分考慮してやったのですか。いまやったそのような程度の誓約はどこでもやっているのです。環境庁ができても以前厚生省がやっていたのと同じなんじゃありませんか。こういうやり方では何にもならない。それだけで環境の保全は十分やれますか。環境に関してのアセスメント、こういうものに対して考慮を払ったのですか。その中で企業活動がいまのようにして展開されていくと、結局国立公園内のこれらの島はそのままの状態であるわけが全然ないじゃありませんか。もうすでにわかっている。これは企業優先の考え方と違いますか。環境従属、企業優先、こういうような考え方はいまごろあってはならないのですが、依然として環境庁はそれをやらしている。とんでもないことです。この企業はこれだけ埋め立てなければやれない企業じゃありません。行って見てきましたか、環境庁。こうまでして環境を破壊して一体何のかんばせあって環境庁の各局長はそこに並んでいることができるのですか。総辞任でもしないと国民のために済まないと思わないのですか。いまの見解はっきりさせてください。
○首尾木政府委員 瀬戸内海の埋め立てに関する問題でございますが、御指摘の件につきましては昭和四十一年に行なわれたものでございまして、当時といたしましては、当時と現在におきましては自然環境に対する考え方というものも非常に大きく変わってきておると考えております。四十一年当時におきまして、この地域は特別地域も含めましてほとんどが普通地域でございますが、これの百十七ヘクタールといったような非常に大きな埋め立てが国立公園地域内に行なわれているということでございまして、今日の状態におきましては、私ども国立公園内においてこのような大きな埋め立て工事というものは容易に認めるということはない。十分に事前にアセスメントをやりましてやるべき問題だというふうに考えておりますが、当時の状態といたしましてそのような十分な環境アセスメントらしいものが行なわれておらなかったということは事実であろうと考えております。私どもといたしましては、やはり瀬戸内海の国立公園の重要な地域につきましては、今後十分自然環境といったような面からのアセスメントも強化をいたしまして対処していきたいと考えておるわけでございます。
○島本委員 そうしたならば、いまの埋め立ての工事は環境アセスメントを考えて変更を考えますか考えませんか、運輸省。
○岡部政府委員 ただいま先生のおっしゃいました問題点、私どもの考え方をはっきり申し上げますと、この免許条件において申し上げましたように護岸を十分築造して内部のものが外へ流出しないようにというような条件はございます。ただ、いま先生のおっしゃいました平面計画としての問題点、いわゆる国立公園の特別地域である島等の問題点、これにつきましては現実の問題として埋め立て計画を変えなければならないわけでございます。そこの辺は県とこれから相談をいたしまして、県の指導によって会社が埋め立て計画を変えるかどうか、そこの辺についてもう少し詰めさせていただきたいと思います。
○島本委員 了解しました。環境庁よりも運輸省のほうがきれいな答弁をする。どうもこのごろ環境庁はあんまり専門的になってはっきりしたことを言えないような状態になってきた。いまの答弁見なさい。きれいじゃありませんか。環境アセスメントを考えて知事と相談してそうしてそういうような件について対処する。あたりまえのことなんです。皆さんのほうには調整権がある。その調整権をなぜ発動すると言えぬのですか。環境庁は通産は通産、みんなそれぞれの官庁から来ているから、それぞれの官庁に義理立てをしなければならないような寄せ集めなんですか。環境庁は調整権があるのですよ。なぜいまのようなことを一口ぴしっと言えないのですか。ことば悪く言うともっと言いたいのですが、少しふんまんやる方ないままにして次に移ります。 同じような状態で北海道に知床半島がありますが、あの知床半島は国立公園に指定されておりますが、一種、二種、三種、それぞれあるようでありますが、その面積どうなっていますか。
○首尾木政府委員 知床国立公園の特別保護地区が二万一千三百十七ヘクタール、全体の五一・五%でございます。特別地域が全体としまして二万五十二ヘクタールでございまして、四八・五%に当たります。このうち第一種が四千二百六十七ヘクタール、第二種か六百九十二ヘクタール、第三種が一万五千九十九ヘクタール、若干残っておりますのがこれが普通地域でございまして、知床国立公園の総体の面積は四万一千三百七十五ヘクタールでございます。
○島本委員 国立公園地帯の第三種といわれる特別地域、これはどういう地帯ですか。
○首尾木政府委員 特別地域の中で第三種の地域というのは、特別地域の中といたしましてはその風致の保全といったような観点から申しますと一番低いグレードの地域でございまして、たとえて申しますと、個々の林業等につきましては、通常の林業ならばそこで行なえるというような地域でございます。
○島本委員 国立公園部長の通知によって第一種、第二種、第三種「自然公園の特別地域区分」として、「第三種特別地域は、特別地域中では風致維持の必要度が比較的少ない地域で、風致上の規制を行なうにあたっては、特に景観に重大な影響を及ぼすと思われる顕著な行為を規制し、通常の産業行為は原則として許可されるものである。」こういうふうな資料が届いておりますが、これに間違いございませんね。
○首尾木政府委員 その通知は、昭和三十四年十一月九日の国立公園部長通知というもので出されておるものでございます。
○島本委員 現行ですか。
○首尾木政府委員 この通知が出されて後におきまして特に一般的な通知というものは出されておりません。これは一種、二種、三種と申しますのは、国立公園計画に基づきまして保護計画としまして第一種特別地域、第二種特別地域、第三種特別地域という区分を出しております。目安でございます。したがって、この考え方と申しますのは、いわば非常に抽象的な形でもって指示をいたしておるものでございまして、したがって、その内容の運用につきましては、この当時に比べますと、今日の状態というのは非常に強くされておるというふうに考えております。
○島本委員 全然反対なようです。というのは、では、通常の産業行為は原則として許可される、その第三種一万五千九十九ヘクタール、これはどういうふうにして産業行為を許可しておりますか、これは林野庁。
○松形説明員 お答え申し上げます。当地区には国有林あるいは民有林等がございますが、国有林につきましては、環境庁と一括協議いたしておりますし、民有林の場合には、その年度ごとにそれぞれ許可申請を出して環境庁の許可があってはじめて伐採をする、こういうふうな仕組みにいたしておるわけでございます。
○島本委員 いまこの第三種の特別地域において、十条製紙が請け負って大量の皆伐をしている事実がありますか、ありませんか。
○松形説明員 お答え申し上げます。 当地区には十条製紙の社有林といたしまして一千二百ヘクタールございます。したがって、その一千二百ヘクタールにつきまして、年度ごとに先ほど申し上げましたように環境庁の許可を得まして伐採をしている、こういう事実がございます。
○島本委員 いま林野庁では環境庁と相談して、二〇%かせいぜい三〇%の択伐をやらしているでしょう。何のために五〇%をこえるような皆伐をお認めになったのですか。その理由を聞かしてください。
○首尾木政府委員 先ほど林野庁のほうから、十条製紙の伐採の問題につきまして環境庁長官の許可というふうなお話がございましたけれども、事実は、これは施行令によりまして、その伐採につきましては権限が委任されておりまして、北海道知事がこれを許可をしているということでございます。この地域につきましては、全般として第三種の地域でございますが、先生御指摘のような択伐を原則として行なうというようなことになっておると承知いたしております。
○島本委員 その事実はもうすでに一過間前に調査に入ってはっきり見届けてあるのです。林野庁も環境庁も知床の調査を最近いつしましたか。
○首尾木政府委員 知床国立公園の調査でございますが、私どもの直接の担当官といたしましては、阿寒に国立公園事務所がございまして、夏季の間知床のほうに管理人が現在駐在をしておる、これは夏季だけでございます。そのような意味で目が十分届いていないということは遺憾ながら事実でございます。したがいまして、私どもはその管理人を通じまして留意すべき事項について報告を受けておりますが、特別に知床についての全般的な調査というものは、指定以降におきまして特に行なったことはございません。 ただいま先生のお話のございました十条製紙の社有林の伐採等の問題でございますが、この辺の状況につきましては、目下阿寒の事務所からさらに人を派遣いたしまして、この辺を現在調査をいたしておる段階でございます。
○松形説明員 お答え申し上げます。 国有林は御承知をいただいておりますとおりに、営林署がございまして、斜里営林署が管轄しております。したがって営林署には担当区とか、いろいろ巡視のための制度あるいは人員を配置しておりまして、常時これを見回っておるわけでございます。なお今月の二日であったと思いますが、北海道庁並びに北大、営林局、地元町村、それに十条製紙も加わりまして現地を調査した次第でございます。
○島本委員 ここに国立公園知床半島の一種、二種、三種の特別地域の指定の図があるわけです。環境庁、この第三種を指定したという根拠は何ですか。
○首尾木政府委員 先ほど全体につきまして御説明申し上げましたように、全体の相当広くの部分を、この地域につきましては特別保護地域ということで保護いたしておるわけでございます。全般といたしましてこの地域を指定いたします際には自然環境の保持、自然環境としてのすぐれた度合いによりましてこれを指定いたすわけでございますが、なおそのほかに私権との調整という観点からいたしまして、どうしてもやはり林業等との調整というようなことで第三種の程度の規制をかけざるを得ないというような、話し合いが成り立たなかったということで第三種の指定をやっているというものもあるわけでございまして、この地域につきましてもそのようなものが含まれておると考えております。
○島本委員 特別保護地区、第一種の特別地域、第二種の特別地域、第三種の特別地域、それぞれこれははっきり分化されておるのですが、何ですか、これは特別地域の中を縫うようにしてほとんど第三種を指定してあるじゃありませんか。そして第二種はほんのちょっぴりしかない。第一種でなければ第三種でしょう。こういうような一つの自然環境保護の基本的な立場というものは一体だれのためにあるのですか。これは造林業者のために国立公園を指定するのですか。この地図を見てごらんなさい。特別地域、この間を縫ってほとんど全部が第三種じゃありませんか。第一種も第二種もほんのわずかしかない。どういうわけで第三種をよけいにしてやったのですか。業者のためですか。
○首尾木政府委員 自然公園の地域といたしましてそれぞれの地域を指定いたしますのは、原則といたしまして先ほど申し上げましたようにその自然のすぐれた度合い、これを保護する必要性に応じまして特別地域それから特別保護地区、それから特別地域の第一種、第二種、第三種を指定いたしておるわけでございますが、なおその指定の問題につきましては、やはり林業との調整といったような観点からいたしまして、どうしても強い規制地域になし得ない、それをすることが困難であるという場合がきわめて多いという実情にございます。この知床国立公園でございますが、これは先ほど数字で申し上げましたが、特に特別保護地域が非常に多い地域でございまして、半分に近い特別保護地域、特別保護地区をとっておりますので、その面ではこの知床国立公園というものはかなり強く保護が行き届き得る公園というふうに考えております。 なお、第二種が非常に少なくて第三種が非常に多いではないかという御指摘でございますが、この点は特別に二種を少なくするという趣旨ではございませんで、むしろ一般的に第三種のこの地域、つまり林業経営との調整といった観点から第三種にする地域を広くとらなければならなかったというのが実情であるわけでございまして、意図的に第二種よりも第三種を広くしたというものではないわけでございます。
○島本委員 いまの答弁は納得できません。それじゃ、知床半島の中で特別地域はよろしい。それに匹敵するだけ第三種が多くて第一種、第二種は少ないというのはどういうわけですか。その必要がないということでしょう。第三種は業者が営業行為として、産業行為として原則として乱伐もできる個所なんです。それを十条製紙が五〇%以上もいま皆伐をやっているのです。そういう実態を知らないでそういう机上の空論みたいなことを言ってもだめです。そして民有林の場合には針葉樹はほとんど皆伐している。これは一体どういうふうなことでやっているのか。その場合、林道やそういうようなものに対してどういうような措置をしたか。これは林野庁にお伺いいたします。林道はどうしましたか。
○松形説明員 お答え申し上げます。 先ほど環境庁のほうから御答弁がございましたように、第三種につきましては産業上の行為が認められておるわけでございます。したがって、先生がおっしゃいましたように皆伐もできるということにはなっております。しかし私ども、特に国有林の多い地帯でございますから、第二種並みの択伐三〇%という施業をとっておるわけでございます。これはそれにならいまして十条製紙におきましても大体三〇%の択伐というような施業方針を社としてもとったわけでございます。ただ部分的に針葉樹等につきまして先生のおっしゃるとおり五〇%というような場所があるかどうか、私存じておりませんけれども、私どものところに届いておりますのは、大体三〇%程度の伐採である。ただ現地におきまして伐採いたしましたときに風倒木が生ずるおそれがあるとか、あるいは択伐の技術論でございますけれども、一本の木を中心といたしまして木のまとまりとして樹群と私ども称しておりますが、一本抜くことによって周囲が枯れるという現象がございます。したがってその樹群単位に抜くということもございます。したがって非常に小さい穴があいた場合には、その部分だけとりますと五〇%というような場合もございますが、全体的に見ますと、環境庁のほうの認可をいただいた伐採量を大体守っておるというふうに私ども理解いたしておるわけでございます。
○島本委員 もし理解しているとするならば現実と違う理解でありますから、社会党の芳賀貢代議士と、それから中村波男参議院議員その他の人が行って現地調査をして、この方法を見てあ然としてきておるのでございますから、いずれ文書なり要請として皆さんがどぎもを抜かれるような状態の報告があろうかと思います。行ってきた人が意外の乱伐ぶりに驚いてきております。五〇%以上ないなんて、見てきた上でそれを言うならよろしい。二〇%、三〇%択伐をやる、これは国有林ですから当然林野庁がやる。それから環境庁の指導のもとにやられるから、これはわかる。一たん民間にやらしたならば、何十%やってどこを残したか、その辺なんか十分調査なさらぬのですか。まして林道をつけるのにブルドーザーを使っておる。あの辺一帯は火山地帯です。そうしてもうすぐ風化してしまうでしょう。それをやった事業体が森林開発公団、これが請け負ってやっておるのです。ブルドーザーで中腹から岩石をがけ下へそのままくずしておろしておる。それが林道だ。上のほうはよろしい。下のほうはほとんどこれまたいたむじゃありませんか。こういうようなやり方は木曽の山中にあって、この点でははっきりと、この方式はやめますということを林野庁の長官がこの席で言明されている。これが去年です。ことしもすでに今度知床でこれをやっている。これは一体どういうわけですか。この事実についてはっきりしてください。去年長官が、この方法はやめますと言っているはずです。その森林開発公団が請け負っている。同じようにブルドーザーで林道をつけてやっている。環境破壊も著しいじゃありませんか。環境庁もこれを知っているのですか。
○松形説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生のおっしゃいましたように、関連林道といたしまして――これは関連林道と申しますと、国有林、民有林を通じまして、国有林の民有林協力という趣旨から開発公団にその実行をまかせたものでございますが、この林道は、昭和三十七年から四十二年までに一応関連林道といたしましては完成いたしております。そしてなお国有林の林道といたしまして、四十三年、四十四年、五キロ程度を延ばしまして、現在二十四キロという林道になっているわけでございます。近ごろこの林道をつくったということはございませんけれども、この林道に着手いたしましたのが三十七年でございまして、国立公園に指定されましたのは三十九年でございます。その後はそれぞれ年度ごとに環境庁と協議をいたしまして、そして林道を実行いたしておるわけでございます。
○島本委員 十條製紙が皆伐した木材の搬出に便利なように、知床大橋から二十四キロの林道でしょう。七億円かけているでしょう。そしてそれをやっていながら、その途中では五十メートル程度の隧道、これに鉄骨を使うのに、また保守のために二千万円かけているでしょう。これは一体だれのためのやり方なんです。以前の話ですから、たぶん業者中心にやったものだということは想像にかたくありません。しかしいまこういうようなことは許されないし、いまの状態、この自然破壊の状態を完全にもとへ戻しておくようにしなければなりません。ただ単にグリーン作戦で空から緑の芝生の種をまいた程度でこれをごまかしている。こういうようなやり方はもうすでに許されないけれども、許されないはずのものが、いま大雪とともに北海道に残った知床半島の知床国立公園地帯に行なわれている。こういうようにして自然破壊をやらしてはたまったものではありません。 またそれを監視するのに国立公園監視員は何人いて、給料は何ぼ払っているのですか。
○首尾木政府委員 先ほども申し上げましたように、知床国立公園には常駐の管理員を置いておりません。現在のところ阿寒国立公園管理事務所から夏季にここへ現地駐在の者を一人派遣しておるにすぎないわけでございます。
○島本委員 その一人の給料は幾らですか。
○首尾木政府委員 ただいま手元に資料を整えておりませんので、御報告させていただきます。
○島本委員 恥ずかしくて報告できないから手元に書類がないなんと言うのでしょう。年間五万円でしょう。間違いありませんか。
○首尾木政府委員 先生のおっしゃいます年間五万円というのは私にもちょっと思い当たらないわけでございますけれども、これは国家公務員といたしまして、国立公園の管理員として派遣をしておるわけでございますから、五万円ということはないかと思います。
○島本委員 国家公務員としてはあり得ない。しかし臨時にどなたかを委嘱して、その人にやらして、本人は阿寒のほうにいる。その人にやっているのは年間五万円、実査して、この間本人に会って確かめてきているのです。そういうようなのはございませんか。
○松形説明員 お答え申し上げます。 先ほどもお答え申し上げましたように、また先生御承知のとおりに、営林署がございます。営林署は大体平均的に百名程度の職員等がございます。それでまた現地には担当区がございまして、この知床半島担当といたしましては、二つの担当区を配置いたしておるようなわけでございます。
○島本委員 三木長官、とにかく監視体制はなっておりません。森林監視隊を出して、ヘリコプターでこれを監視するような大きい構想を出して去年できたのが自然環境保全法、実際やってみたら国家公務員でもない特定の人が年間五万円程度の金でようやく一人だけ、それも委託を受けて監視している。こんな実態がほんとうだとするならばじょうだんじゃありません。現在の環境庁は自然破壊のために手をかしているようなものであって、環境庁の資格はない。それと公園環境の基準、これも明確にしないといけない。第三種地帯または普通地域、こういうようなところに何でもかんでもじゃんじゃん建っている。自然環境破壊もはなはだしい。即時これは調査して、こういうような破壊がないように、残っているのは大雪と知床なんですから、それがないように環境庁も林野庁も十分手配してもらいたい。このことだけ強く言っておきます。すぐ調査してみてください。この第三種はみだりに伐採してはならないのです。基準は皆さん言わなかったけれども、海から見て環境の破壊にならない点を第三種にしたのでしょう。この知床は海からばかり見るのじゃないのですよ。ほんの残されたりっぱな環境保全地帯なんです。基準は、海から見て環境が保全されていればいい、こういうようなことで低いところは皆伐してもよろしいというような、またそういう可能性のあるような第三種にしてしまっている。こんなことではだめです。もう一回これを練り直してみてください。せっかく買い上げの予算もあるはずですから、もっともっと的確にこれを把握して処置しなければなりません。いまの監視体制も予算の使い方も全然なっておりません。もう一回十條製紙その他を入れて再調査するかしないか、はっきりこの点言明してください。
○首尾木政府委員 十條製紙の問題を含めまして再調査いたしたいと思います。その結果によりまして、先ほど先生の御指摘もいろいろございました地域区分等の問題でございますが、これは私どもといたしまして現在の情勢に即応するように国立公園全体としまして計画の見直しを考えておるわけでございます。その中において特にこの知床国立公園につきましては十分それを見直していきたい、かように考えております。
○島本委員 そういうようにしてやってもらいたいと思います。 最後に一つ最近また水銀のたれ流しがあとを断たない。今度は徳島にもそういう状態が発生した。これは三十二年に操業開始して百八十トンの水銀を使っておる。その中で、工場が塩水の電解作業場で、徳島大学の調査によると、従業員の頭髪から最高千百四十一PPMの総水銀が検出された、こういうふうにある。おそらく以前からこういうようなことがないように十分調査して、そして労働省なりあるいは厚生省なりこれに当たっているはずです。現在もうすでにこういう作業場がある。安全衛生法の改正は一体どういうことなんですか。労働省来ておりますか。これを解明してください。一体どういうわけなんですか。
○倉橋説明員 水銀の取り扱い労働者につきましては、安全衛生法に基づきます特定化学物資等障害予防規則によりまして所要の措置を事業者に行使させるとともに、特定の項目につきまして年に二回健康診断を実施するよう義務づけておるところでございます。
○島本委員 その答弁もまただめだ。一体、労働安全衛生法、これを改正したことを御存じでしょう。今度はあれはもう基準法から独立しているのですよ。そして独立の権限を持って労働者を守るための法律だ、提案理由の説明もそういっている。これもあらためて徳島大学からついに指摘されてようやく調査にかかった。その従業員の頭髪から千百四十一PPMもの総水銀が検出された。それで労働省はあわ食っている。定期検診しているならば、こんなのは大学に指摘される前にわかっていなければならないはずです。だめです、こんな態度は。すべて行政は立ちおくれです。自然環境保全、こういうふうな点においてもまことに私は遺憾の意を表さなければなりません。まして瀬戸内海環境保全法、こういうようなものが出てもさっぱり進捗もしない、こういうような状態。だれが環境を守ってやらなければならないのですか。だれのためなんですか。すべて国民のためです。企業のためじゃないのです。その点だけはっきり肝に銘じておいてください。通産省、環境庁、運輸省、労働省、林野庁もそうだ。こういうような体制を一本にして、そのために副総理が環境庁長官にわざわざお出ましになったのですから、その意を体して、ひとつ環境保全のためにも公害防除のためにも格段の努力を払うようにしてもらわなければならない。 最後に、三木長官の御高見を拝聴して私の質問を終わりたいと思います。
○三木国務大臣 いろいろ御指摘になった点で行政上留意すべき点も多いと思います。環境の保全ということは、これは党派的な問題でありませんので、島本委員の御注意の中でわれわれとして留意しなければならぬ点は積極的に取り上げて、遺憾なきを期したいと考えます。
○島本委員 終わります。
○佐野委員長 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 長官御案内のように、新全総から田中総理の日本列島改造論の中で、いわゆる山口県から福岡県、大分県の三県にまたがって周防灘の水深十メートルまでを埋め立てて大規模開発を行なうという計画が発表されました。しかし、これが瀬戸内海を殺すものであるというふうな観点から、私もこの委員会においてそういう計画は無謀ではないかという質問をし、幸い通産省のほうでも埋め立てによる開発についてはもう一度考え直さなければならない、そういう御意見を賜わって、年が明けて二月十四日、いわゆる十一府県知事の集合を願って、長官の瀬戸内海を守るという構想が発表されました。そして周防灘総合開発の問題は一時たな上げ、特に埋め立てによる開発については見合わせるという社会的な要請、政府の方針が明らかになったわけでございます。したがって、私はもはや周防灘が埋め立てによって開発が行なわれ、瀬戸内海がこれ以上よごされることはないものというふうに理解をしておったのですけれども、最近の情報によりますと、ここ一、二年の間に周防灘の中心になる福岡県豊前市に豊前火力発電、当面百万キロワット、将来計画二百五十万キロワットという火力発電が二百二十万平方メートルの埋め立てを行なって建設をさるる予定が進んでおると聞きますが、このような計画について、今日までの経過を踏まえ、長官はどのようにお考えでございますか。
○岡安政府委員 豊前火力の問題でございますが、私どもの承知いたしておりますのは、先生おっしゃるとおり、福岡県豊前市地先の海域におきまして三十九ヘクタールを埋め立てまして、当面五十万キロワット、将来百万キロワットの火力発電を設置をいたすというようなことを聞いております。ただ、これはまだ正式に私ども伺っているわけではございません。と申しますのは、私どもの聞いております限りにおきましては、埋め立ての免許申請につきましてもまだ県知事のほうに申請がなされておらないように聞いておりますし、その他の手続につきましてもまだ正式には手続が踏まれておるというふうには聞いておりません。
○阿部(未)委員 私は長官に、今日までの経過を踏まえて、そのような計画が進められておるとするならば長官のお考えはどうですかということをお伺いしておるのです。
○三木国務大臣 私は、できるだけ新規な埋め立ては抑制すべきだという考えであります。しかし、絶対というわけにもいかぬと思いますから、そういう点で必要最小限度に抑制しなければならぬと思いますので、もしそういう火力発電所の計画があるならば、できるだけ抑制したいという私の考え方に照らして厳重な――環境の諸条件も調査をして、これは単に安易にそういう計画を認めるということでなくして、厳重な調査の結果によってこの問題に対する態度をきめたいと考えております。
○阿部(未)委員 もう一つ長官にお伺いしますが、たしか長官は電調審のメンバーだったと思いますが、間違いございませんか。
○三木国務大臣 間違いありません。
○阿部(未)委員 近く電調審が開かれるというふうに聞いておりますが、その御連絡をいただいておりますか。
○三木国務大臣 まだ来てないようです。
○阿部(未)委員 それでは後ほど経済企画庁に聞くことにいたしまして、私が申し上げるよりもむしろこの計画については、いま環境庁は当面五十万キロワットというお話があっていますけれども、会社の計画を見ましても、昭和五十一年に五十万キロワット、五十二年ですかに五十万キロワット、合わせて百万キロワットというのは具体的な日程にのぼっておるわけです。将来計画としては二百万キロワットあるいは二百五十万キロワットと、いろいろ意見が出ておるようでございますけれども、まず当面の計画について、私は百万キロワットのほうが正しいのではないかという気がいたします。 そこで、この計画の内容について通産省のほうから御説明を願います。
○和田説明員 いま先生のおっしゃいました豊前火力につきましては、昭和五十一年、五十二年の需要に対応するために、先生おっしゃいましたような五十万キロのものをできるだけ早く着工いたしまして、五十一年、五十二年のピークに問に合わせたい、こういう計画でございます。
○阿部(未)委員 それじゃ環境庁に伺いますが、百万キロワットの火力発電が建設された場合、予想される大気の汚染、海水の汚濁についてはどういう形になりましょうか。
○山形(操)政府委員 事前のチェックで計算したものを申し上げます。将来の環境濃度を予測いたしましたところ、硫黄酸化物SOxは、一時間値が〇・〇四一PPM、二十四時間平均値、これは最大値でございますが、これが〇・〇二八PPM、それから窒素酸化物のNOxは、二十四時間平均、これは最大値でありますが、これが〇・〇一四一PPMでございましたて、昨今私どもがっくりました見直しをいたしました硫黄酸化物及び窒素酸化物のきびしい環境基準以下でございますので、その基準は維持されるものと考えております。
○阿部(未)委員 いま豊前火力発電と豊前市あるいは隣の中津市その他の市と取りかわした協定を私はここに拝見しておるのでございますけれども、協定の中では、最大着地濃度が〇・〇〇九PPM、そして大体亜硫酸ガスの排出量が、九電側では千六百七十ノルマル立米、これが協定の結果千百六十一ノルマル立米、こういう形になっておるようでございます。私は専門家でありませんから詳しいことはわかりません。しかし長官、この千百六十一ノルマル立米という亜硫酸ガスを重さに換算してみますと、一時間にこれは三トン以上の量になるようでございます。年間二万トンの亜硫酸ガスがその地域に降ってくることは間違いがないのです。私は、この年間二万トンをこす亜硫酸ガスがその地域に降って、基準以下だから絶対に安心ですという環境庁の言い方について、それじゃ、もしここで公害が起きた場合、亜硫酸ガスの公害が起きた場合、あなたたちはその責任が持てるのですか。そのことをお伺いしたいのです。
○山形(操)政府委員 先生御指摘の、排出のノルマル立米をトンに換算しての数字でございますが、確かにトン計算では二万トンという数字も出てまいると思います。ただ、御承知のとおり、大気関係の測定問題としては、排出のほうの規制と、それから集合煙突で拡散の問題を取り上げて、それで計算をいたします。それから、ステーションにおける測定は環境濃度として測定いたしますので、それらをもとに国内でも国際的にも、二十四時間値あるいは年間の平均値等でもって規制しておりますので、私どもはかつてきめました硫黄酸化物の環境基準をさらに三分の一あるいは四分の一近くきびしく今回いたしましたので、この数字と照らし合わせて見るならば、一応人体の健康に対する被害の問題はなかろうかというふうに判断したところでございます。
○阿部(未)委員 長官、最近特に九州の有明海を中心にして漁業に関連をする皆さん方がたくさんお見えになっております。この皆さん方のお話を承っておりますと、企業の側で言っておることは、われわれは国が守れという基準を守ってきたのだ、あるいは国が規制をしなかったときは、国の規制なかったままにやってきた、基準を守れといわれれば基準を守ってきた。いわば国の指示どおりやってきた。公害が出たら、それがあたかもすべて企業の責任であるかのごとくいわれる。そういう言い方で企業の責任がのがれられるとは思いませんけれども、その企業の言い分の中には、やはり国が今日までとってきた行政に対する不満というものを私は率直に言いあらわされておると思うのです。先般長官にお願いした大分の新産都についても、大気汚染について御調査をお願いしました。私はここで、公害病が発生しておるようだから早く認定していただきたいということをお願いしたんですけれども、当時、危険ではあるがまだどうこうというようなことで、冨崎課長さんでしたか、いろいろ報告を承りました。ところが、すでにこれが六月二十九日の地元の新聞でございますけれども、県が委嘱をして調査をした医師会のほうから、かなり前から慢性の症状があらわれておるということが発表されております。ここといえども新産都です。大体国の定めた基準の中で操業をしてきたにもかかわらず、こういう公害病が現にあらわれておる。とするならば、いま局長さんのお話もありましたけれども、私どもしろうとの計算で、さっき申し上げた年間二万トンというのは、これは大体こういう計算なんですよ。一時間当たり千百六十一ノルマル立米の亜硫酸ガスを噴出をして、これを一日に直して大体三・三トン、そうして年間百分の七十の稼働であるとすると、計算をしてみて二万トンの亜硫酸ガスが降ってくるという計算になるんです。それと、なおかつ煙突が二百メートル以上の高さであるからあるいは拡散をするから安全だろうとおっしゃっておりますけれども、重ねて聞きますけれども、この地域で絶対に亜硫酸ガスによる公害は起こりませんということを環境庁は保障するかどうか、これを私はお伺いしたいのです。
○山形(操)政府委員 環境基準と疾病の発病との関係の御質問に関しましては、過去の行政できめました環境基準が低硫黄の燃料の不足の問題、それから脱硫技術のまだ未発達の問題等を含めて、過密の地域においてあるいは開発の進んでいる地域において環境基準を守っていても、やはり慢性気管支炎を中心とする疾病が発生しておったということは、疫学的にもこれは十分証明されております。ただ従来先生方の研究成果からいって、これはどうしてもあとから疫学的に追っていくものでございますので、工場等のないきれいな場所においてもそういう疾病は非特異性疾病として発症いたしますので、それとよごれた地域の発症がどのぐらいの比率があるかというようなことで疫学的に処理しておるものでございます。したがって、過去は、過密地域では十年ぐらいを目途としての環境基準ということでございましたので、先生御指摘のように、環境基準を守っていてもやはり病人がたくさん出たということが、過般の四日市の裁判の判決にもありましたとおりでございまして、この点に関しましては私どもも十分反省をいたしまして、さらに今回はほんとうに健康に被害のない点はどこの数字になるかというのをもう一回見直しまして、いろいろな疫学その他実験動物の成績等を兼ね合わせて、従来の環境基準をさらにきびしくする数値を出したのでございます。したがいまして、今回のきびしい硫黄酸化物の環境基準を維持することは、これは健康の保持に十分役に立つ数字であるということに判断しております。したがって、過去ゆるかったという点においては私どものほうも十分反省しておりますが、今回見直ししました数字につきましては、これを維持達成するならば、十分に健康の被害が起こらないだろうということを私は言い得るのではないかと思います。
○阿部(未)委員 これは長官、電力会社にとっても私は気の毒だと思うのです。確かに九州地方における電力事情が通産省の言うような計算に立つならば、これは不足をしてくると思います。そこで通産省はどうしてもやっぱり電気がほしいから、つくれつくれ、こういっておるわけですけれども、もうここで発想の転換をしなければ、必要な電気はどうしてもつくるのだという前提に立つならば、日本人は公害から免れることができないだろう。若干電力について不自由があろうとも、人の健康を守るという基本的な観念に立つならば、もうこういう無法なことはやるべきでない。若干の不自由を忍んででも健康を守るのか、必要な電力はあくまでもつくるという前提に立って公害対策を行なうのか、その発想の転換を迫られておる時期だと思うのですが、長官どうお考えになりますか。
○三木国務大臣 まあ電力の需要という面から、できる限りわれわれとしても電力の需要を節約するという面は要ると思います。しかし絶対量としてある程度の電力は必要でありますから、その場合に私は、ものの考え方というものを人間の健康か産業の開発かという二者択一的にとらないのです。これはやはり両立させなければ、人間は原始時代に返るわけにいかぬわけですから、したがってこれは両立さすためには基準というものを非常に強くいっていくし、また燃料などに対してもできる限り低硫黄の燃料を使うとか、両立さすためにはひとつみなが知恵をしぼらなければ、いま御指摘のように健康か産業かと、こういう、それが発想の転換だとは思わないのです。むしろどうやって公害というものを防ぐか。そのためにいろんな投資を必要とすることはやむを得ないと思い・ますね。そういう形で問題を解決することが現実的で、どちらか選べ、こういうふうになってくると非常にこれは、いまのような近代社会で現実的だとは私は思わないのでございます。
○阿部(未)委員 島本理事がおらぬからいいようなものですが、この前、公害基本法が変えられたときに、経済と自然、健康との調和という問題がありました。その調和を削ったという基本的な考え方に立つならば、私はやはり原則として健康を守るという大前提を立てた上での開発でなければならない。まだ長官の頭の中には調和だという考えが残っておるようで、私が最も尊敬をし、日本を公害から守り、自然を守る第一人者と思っておる長官にして、なおそのような調和というようなお考えがあるとするならばまことに残念で、もう一ぺん、健康が優先するのだという信念を明らかにしてもらいたいと思います。
○三木国務大臣 私は足して二で割るというようなことを言っていないのですよ。しかしやはり公害防止というものは技術的に解決をしなければならない問題です。そうでなければ、みな原始時代に返れといっても返れないのですから、そういうことで、これからむしろ量的に生産を拡大していくというよりかは公害を防止して、人間の健康等に害を与えない生産活動というものが要請されるわけですから、何か両方足して二で割るような考え方は私は好きではない。しかしどうしてもそこに健康に非常に被害を与えるようなことで両立をしない場合には、人間の生命と健康を大切にするというほうを選択することは当然であります。そうでなければ人間の社会というものは存立しなくなりますから、それはもう何ものにもかえがたい、一つの優先的に考えなければならぬことであることは申すまでもございません。
○阿部(未)委員 長官は二者択一と申されましたが、長官がおっしゃるように開発しなければ原始に返るというのも、これまた暴論でございまして、私は今日から先の開発を急いで進めなくとも、今日の時点において公害を除いていくような方法を講じて、それから後の開発でいいではないかという考えに立っておるわけですから、この点は長官にしては若干暴論で、いま開発をやめれば原始に返るというものの考え方はないと思います。したがって私は開発を急ぐ必要はないのではないか、これからの開発については人間の健康が優先しなければならない、そういう観点でものを見るべきではないかと思うのですが、ひとつ長官のお考えを教えてもらいたいと思う。
○三木国務大臣 いま私の申したように、量的拡大というのは一つの方向転換のときにきておるわけです。選挙をやればみな各党とも生活優先と言うことは量的拡大ということではないです。やはりいままでおろそかにされておったいろいろな質的な面における諸条件を整えていくということが時代の要請でありますから、したがって、開発というのも、むやみに量的拡大を目ざした高度経済成長時代のような成長第一主義という時代は終わった、これはもう大きな転換期に差しかかっておると思いますので、むやみな開発を私は奨励するものではありません。
○阿部(未)委員 次に、通産省に伺いますが、この計画でいわゆる公害を防止するためにどういう施設が考えられておりますか。
○和田説明員 まず大気汚染の問題でございますが、二百メートルの一、二号の集合煙突を使いまして、できるだけ広い範囲に薄めてあれしようということでございます。 排煙脱硫装置は、一、二号ともフルの五十万の出力に対して、半分の容量をつけることによりまして、着地濃度は〇・〇〇九でございますが、排脱後の等価硫黄分と申しますか、たく油の硫黄分でございますが、それが重油で〇・七三%の油をたくのに等価の装置をつける計画にしております。そのほかNOx等につきましても、最近の進歩した技術、たとえば二段燃焼法でございますとか、あるいは排ガス混入法等によりまして、現在の技術の許す限りの、大体煙突の出口の平均濃度におきまして二〇〇PPM程度の濃度に下げる、そういう計画をしております。 それから温排水につきましても、いろいろな施設をいたしまして、できるだけ影響面積を少なくしよう、そういうような公害防止施設あるいは方法を考えておるわけでございます。
○阿部(未)委員 〇・七三%の重油をお使いになるのですか。
○和田説明員 実際にたく油は一・二ないしあるいは一・二少し出るかもしれませんが、半分の排脱をつけますので、煙突の出口の濃度におきましては排脱がないときに〇・七三の油をたいたと同じ、相当の油、こういう意味であります。
○阿部(未)委員 そういう点ごまかさないでくださいよ。私もしろうとですが、大体〇・七三%の重油がここでたくほどあるわけはないですよ。おそらくこれは排脱をつけたあとの濃度がそういう結果と同じになるだろうということをおっしゃっておるのだろうと思うのですけれども、そこでいまのお話では、五十万キロワット時の設備に対して二十五万キロワットの排脱をつける。二台で百万キロワットについて五十万キロワットの排脱装置をつける、こういうことのようでありますが、局長、先ほどあなたのお話ではこういうものをすべて施設したあとの計算として、環境庁の基準の中におさまる、こういうお話でしょう。ではいま日本の技術で、湿式で二十五万キロワットの排脱がどこかにつけてあるところがございましょうか。
○和田説明員 排煙脱硫につきましては、現在すでにわれわれのほうとしましては実用化の段階に到達した、そういう判断のもとに、今後の低硫黄化対策の一環として積極的に推進することにしておりまして、現在稼動しております排煙脱硫装置としては、電気出力に換算いたしまして十五万キロワット相当のものが二基ございます。これは昨年から稼働しておりまして、運転成績も良好でございます。 それから現在建設中のもの、最近運開いたしますものといたしましては、湿式で二十二万キロワット相当のものがこれは名古屋で間もなく八月に運開をする予定になっております。目下試運転中でございます。このほうの成績も良好である、こう聞いております。 それで、九電力会社においても、約八百万キロワット相当の排煙脱硫装置を五十二年度までにつけようという計画をしておりますので、そういう現在の実績、今後の技術進歩から考えまして、豊前の計画しております五十一年あるいは五十二年度において二十五万キロワット相当の排脱装置は十分実用化できる、こういうふうにわれわれ確信しております。
○阿部(未)委員 そういう装置ができるならば、五十万キロワットの出力を持つこの会社の設備については、五十万キロワットの排脱をつければいいじゃないですか。なぜ五十万キロワットの出力を持つものに二十五万キロワットの排脱をつけるのですか。五十万をつけたらどうですか。
○和田説明員 先生おっしゃるような五十万キロの火力に五十万キロの排脱をつける、そういうことも一つ考え得るわけでございますが、御承知のように、電気の需要というものは刻々変化いたしまして、火力は五十万キロの火力でありましても、年がら年じゅう五十万キロの運転をするわけではございません。それでございますから、フルでなくてその半量程度つけて、あとは燃料のほうの硫黄分を低下させていくということが一般的には経済的だろう、こういうふうに考えております。
○阿部(未)委員 これはおそらく私は通産省の試算による九州地方の電力需要の表だと思うのですが、この電力需要の表によりますと、全部で百万キロワットの電力が半分くらいしか操業しないというような、そんなばかげたことはありませんよ。それなら初めから百万つくらないで五十万でいけばいいじゃないか、そんなに電力の余裕があるならば。余裕がないからこそあなたのほうは急いでいるのでしょう。それならばまず五十万の火力発電所は五十万の発電をすると見なければならない。それに五十万の排脱をつけさえすれば、かりにその稼働が若干下がったとしても公害はとまるわけでしょう。少なくなるわけでしょう。それになぜ五十万キロワットの発電に二十五万キロの排脱でよろしいなどという考えを持つのですか。姿勢がおかしいじゃないですか。
○和田説明員 電力会社といたしましては、われわれも指導いたしまして、既設火力についてもおいおい排脱をつける計画にしておりまして、先生おっしゃるように、五十万キロの火力をつくって五十万キロの稼働をしないというのはおかしいじゃないか、こうおっしゃいますが、私は五十万キロの稼働をしないという意味で申し上げたわけではなしに、一年間通じて五十万キロの運転をするわけではございません、こういうことを申し上げているわけでありまして、排脱の作製能力あるいは設置能力からいって、半量程度を方々の発電所につけたほうがより有効である、こういう意味でございます。
○阿部(未)委員 ここにやっぱり長官、私はからくりといいますか穴があると思うのです。ほんとうに公害を撲滅するという前提に立つならば、排煙脱硫装置一つをとってみても、完璧なものにしなければならないと思うのです。それなのに、五十万キロワットの出力を持つ火力発電をつくるのに二十五万キロワットの排脱をつける。これは最高に稼働したときは二十五万はなまのまま出るということになるでしょう。それが平均年間で着地濃度が何ぼだとか一時間当たり何ぼだとかいろいろ理屈を言いますけれども、公害を撲滅するという前提に立ち、人の健康が開発よりも優先をずるという前提に立つならば、なぜ五十万キロワットの発電に五十万の排脱をつけないのでしょうか。そういうところに私は通産省などのものの考え方に、基準の中におさまりさえすればいい、企業はかばわなければならないという、健康を無視した開発第一主義の考えがあると思うのです。長官のお考えはどうですか。
○三木国務大臣 技術的な問題はあるでしょうが、それが解決できるならば、全部やっぱりそういう装置をするべきだと私は思います。
○阿部(未)委員 通産省どうですか。
○和田説明員 九州電力管内におきましても、たとえば苅田でございますとか唐津でございますとか、そういうところにも、それぞれ年度は違いますが、四十九年でございますとか五十一年あるいは五十二年に排煙脱硫装置をつける計画がございまして、そういうことで既設火力を含めて順次つけていくのが、火力の稼働条件からいきまして一番公害を防除するのに効果がある、そういう考えで半量程度を順次つけていく、そういう考えでおります。
○阿部(未)委員 私は既設の火力発電に排煙脱硫をつけるのがいけないなどということは一言も言っていないのです。当然つけるべきだと思うのです。しかし同時に、新しくつくる火力発電については特に細心の注意を払うべきだという観点から、五十万キロワットの発電所には当然五十万キロワットの排脱装置をつけるべきではないか。その基本的な考えを通産省にただしておるのです。わかりませんか。既設の火力発電につけるから、新しくできるものは半分でいいというお考えですか。私の言っていることがわかりませんか。
○和田説明員 半分でいいという意味ではございませんが、いろいろなところの公害防除を順次計画的にやっていく。それに排脱のみならず燃料の低硫黄化と両方の手段で対処しているわけでございますが、そういう燃料の低硫黄化、それから排煙脱硫による実質的な低硫黄化、この二つの手段の組み合わせにおきまして、半量程度つけるのが、全部一ぺんにつけられれば一番それにこしたことはないわけでございますが、設置能力でございますとか製造能力等も限りがありますので、そういう全部つけるという点から見れば不十分ではありますが、逐次そういうものを設置していくのが公害防除上一番最上の策ではないか、こういうふうに考えております。
○阿部(未)委員 私はそういう考え方がどうしても納得できないのです。通産省は企業の側に立って企業能力だけを考えている。それでできないのならば、さっき言うように、電力供給が若干おくれようとも、できる能力ができるまで待てばいいじゃないですか。なぜそれをあわててつくらなければならないのですか。私がさっき申し上げたように、年間に二万トンもの亜硫酸ガスが降ってくる、そういう状況にある中で、なぜそれを急がなければならないのですか。まず健康に被害を及ぼさない最善の努力をしてつくっていくという姿勢がない限り、通産省は何か電力需要だけを考えて、人間の健康を無視するようなやり方は、私は絶対に納得ができません。なぜ五十万キロワットの出力を持つ火力発電に五十万の脱硫をつけないのですか。そういう指導がなぜできないのですか。それをやったら電力会社がつぶれるのですか。つぶれるならつぶれるという具体的な数字をあげてみてください。どうなんですか。
○和田説明員 先ほどから申し上げておりますように、公害防除上排煙脱硫だけではなしに燃料の低硫黄化、これのほうがむしろ大きな柱だと思いますが、それと排煙脱硫と併用して進めていこうということでございまして、そういう点からいって排煙脱硫装置を全部つけなければ公害が人間の健康にすぐに被害を及ぼす、こういうふうには私ども考えておりません。
○阿部(未)委員 どうも議論がかみ合わないようですけれども、低硫黄を使うということと排煙脱硫装置をつけるということは、結果的には同じ意味を持つとあなたさっきおっしゃったでしょう。私はこの湿式の脱硫装置というものには疑問がありますけれども、かりにあなたのおことばをそのまま信頼するとすれば、ローサルファの石油を使うか、排煙脱硫装置をつけるかということは、結果的には同じ効果を持つはずなんです。とするならば、非常に低硫黄分の重油が少ない今日、むしろ、八五%とあなた方が呼号しておる脱硫装置をつけたほうがより安全であるという理屈にならないでしょうか。
○和田説明員 もちろん全量につければ、同じ油をたいた場合に、先生のおっしゃいますように、煙突から出てくる硫黄分が少ないわけでございますから、それはそれなりにいいわけでございますが、たとえば排煙脱硫装置にいたしましても、全国的に方々でつけますので、メーカーの製造能力だとかそういうことを勘案いたしまして、現在ではそういう計画で、燃料の低硫黄化と排煙脱硫装置の設置という二本の柱で進んでいきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 可能な限り公害の出ないような施策をとるべきだと私は思うのですが、いまの通産省のお考えでは、何かメーカーのほうが排煙脱硫装置をつくる時間がないのだとか能力が欠けておるとか、いろいろ苦しい言いわけをなさっておるようですけれども、しかし、もし、あなた方がおっしゃるように、排煙脱硫装置をつければ八五%の脱硫ができるとするならば、繰り返して申し上げますが、五十万キロワットの発電には五十万の排脱をつけるというくらいな姿勢がなければならない。 私の聞いたところでは、少しあなたと違うのです。いま日本の湿式の排脱装置は十七万ができていますね。おそらく、二十二万か何かできつつあるが、二十五万が限度ではないかと聞いているのです。二十五万の排脱装置が限度だから二十五万をつけると聞いているのです。 あなたはさっき八百万ができるとかなんとかおっしゃっていましたが、いまの日本の技術能力では、二十五万に着手をしている、二十五万が限度ではないかといわれているから、二十五万の排脱をつけるのであって、あなたがそのことを、気ばって、大きいのができるとか、ハチの頭とかなんとか言っていましたけれども、そういうものではない。私の聞いた限りでは、二十五万が限度だろう、こう聞いているのですが、どうですか。
○和田説明員 豊前火力につきましては、計画におきましても、完成年度が五十一年あるいは五十二年でございますので、われわれといたしましては、二十五万が限度とは考えておりません。 ただ、先生おっしゃいますように、現在運転実績があるものは、十五万がわが国では一番大きいものでございまして、間もなく運転に入ろうとするものも二十二万でございます。 それから、さっき八百万と申し上げましたのは、全部の排脱装置の合計でございまして、タンクの容量ではございません。
○阿部(未)委員 そこで長官、大体お話はおかったと思うのですが、あなたは電調審の委員でございますから、いまの二十五万の湿式の排脱装置と五十万の出力を持つ発電との関係についてはわかっていただけたと思いますから、もうこれ以上申し上げません。 その次にお伺いしたいのですが、一体この排煙脱硫装置というものが、いま通産省がおっしゃっておる、あるいは電力会社が言っておる八五%の脱硫能力があるという点について、措信し得るものでしょうか。 私は先般、中部火力の発電所の視察に参りました。加藤さんというあそこの方にお聞きしたときに、社長さんだかその次の人か知りませんが、とにかく中部火力の方のおっしゃったのには、こういうことを言っておったのですよ。なぜここには排煙脱硫装置をつけないのですかと言ったところが、これはまだ役に立つか立たぬかわからぬ、だからつけないんだというお話を私は聞いたのです。 ある電力会社の責任者は、排煙脱硫装置は役に立つか立たぬかわからぬのでつけません、こうおっしゃる。一方の社長さんは、これさえつければ八五%脱硫できる、こうおっしゃる。われわれしろうとは、どっちを信頼すればいいかわからなくなってくるのですが、どうなんですか。――これはだれが答えてくれるのですか、通産省ですか、環境庁ですか。
○和田説明員 現在までの実績でございますが、たとえば東京電力でいま使っております活性炭法でございますが、これでは九十数%の能率があるようでございますし、それから、ほかの湿式のもう少し小さい例でございますが、九一%程度の実績をあげているようでございます。 排脱にいたしましても、いろいろな方式がありまして、この方式ごとに技術開発の度合いが違うと思いますが、われわれといたしましては、少なくとも八五%以上は排脱効率はある、こういうふうに確信いたしております。
○阿部(未)委員 私は疑問がありますけれども、やはり公害防除の対策としては、ないよりもあったほうがいいだろうと思います。したがって、この点についてはもうこれ以上論争しませんが、いわゆる湿式の排脱の装置にしても、これが絶対に八五%の脱硫をするというだけの確固たる基準というものはないと思います。だから、たとえ排脱装置をつけてもなお危険であるということがいえるのではないかと思うのですけれども、これはきょうの議論の外に置きます。 さてその次に、さっき通産省のほうでは、大体一・二くらいの重油を使うことになるだろう、こういうお話でございました。一・二の重油を使うとしますと、私の計算からいきますと、年間大体百四十万キロリットルに相当すると思うのですけれども、この程度の一・二の重油が使われるということになりますと、この場合に、窒素酸化物は一時間当たりどのくらいの量排出されることになりましょうか、環境庁。
○山形(操)政府委員 ちょうど先生おっしゃいましたS分一・二に相当して排脱をしておるということでは、ぴったり合うかどうかわかりませんが、一応二百五十PPMが勘定した数字だと思います。
○阿部(未)委員 大体私の勘定と合うようでございます。 そこで、局長おっしゃるように二百五十PPMとしますと、これは重さに換算してみまして、一時間に千五百キログラムの窒素酸化物が排出をされるという勘定になるようですが、この勘定は間違いありませんか。
○山形(操)政府委員 申しわけありませんが、その換算数字はいま持っておりません。
○阿部(未)委員 それじゃ、私の計算ですから、誤りがあれば後ほど直してもらいたいと思いますけれども、さらに一時間に千五百キログラムの窒素酸化物が排出をされるということは、小型の自動車で大体一万二千五百台分の排気ガスに相当すると思いますが、この勘定はどうでしょうか。
○山形(操)政府委員 前に私どもの環境庁のほうで東京湾を中心にして各移動発生源等の排出係数を出したことがございます。それでいきますと、ガソリン自動車の場合にはパーキロリットル当たり十六・三キログラムという数字が一応出ております。それとこれとが、いま先生おっしゃった一万二千五百台とが計算がうまく合うかどうか、少しやってみませんとわかりませんので、いますぐお答え申し上げかねます。
○阿部(未)委員 もう一ぺん念のために申し上げておきます。小型自動車では一万二千五百台分ですから、一ぺん計算をしてこの次のときでも示していただきたいと思います。 そこで、窒素酸化物と公害との関連ですけれども、環境庁のほうではこれは七月の二日ですか三日ですか、窒素酸化物の野放しをきびしく規制をする。この中でいまおっしゃった二五〇PPM、これが火力発電の場合の大体の基準になっていると思うのですけれども、これを少なくともいわゆる二段燃焼法等によって七月以降ですか一八〇PPMぐらいまでは下げたい、こういうふうな発表をなさっておるようでございます。 ところで、いま予定されておるこの豊前火力発電の場合には二五〇PPMという一応の考えを持っておるようでございますから、こういう点について、これは通産省、公害対策の面から窒素酸化物の規制についてはどう考えておりますか。
○和田説明員 窒素酸化物につきましては、発電所から出る分の影響といたしまして一応われわれのほうで試算している数字は着地濃度で〇・〇〇四PPM、これは一時間値でございまして、最近発表されております二十四時間値の〇・〇二に比べて一けた低い数字である。そういうことで、現在の環境濃度等から考えまして差しつかえないのじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○阿部(未)委員 いまの計算で、新しい環境庁の基準との対比はどうなりますか。
○山形(操)政府委員 窒素酸化物に関しまして、現在の発電所の環境濃度というものは、二十四時間値で申しますと、これはNO2ございますが、〇・〇一一でございます。今回の発電を行ないまして、それで付加する分が〇・〇〇三一と出ます。したがって、その両方を足して、将来の環境濃度というものは〇・〇一四一が将来予測の環境濃度となります。したがって、昨今つくりました二十四時間値のNO2の環境基準が最終的には〇・〇二を目途にせよというのは私どものつくったものでございます。過密地区等については中間目標値でやっていくことになりますが、〇・〇二でございますので、一番きびしい値以下になるということで、数字の上でこれは満足するということになるはずでございます。
○阿部(未)委員 着地濃度と排煙中の窒素酸化物とあちこち入れかえて言われると、私頭が悪いからわかりにくいのですが、さっきおっしゃった一・二の重油をたいた場合には大体二五〇PPMになるだろう、こういうことになりますね。その二五〇PPMと、おたくの発表によると一七〇くらいに落としたいのだ、こういうことになっていますね。それでは一・二の重油をたいた場合に排煙中のこの窒素酸化物が二五〇PPMであるというのは、この数字が間違いになるわけですか。
○山形(操)政府委員 失礼いたしました。先ほど私が言いましたのは着地濃度を中心にしての数字でございます。先生おっしゃいました排出口における二五〇PPM、これを今回私どもこの環境基準を維持達成するためにどのくらいに各企業で下げたらよろしいかという排出基準をこれからつくろうとしている最中でございます。電力会社等におきましてはすでにいろいろな二段燃焼その他の措置によって三、四〇%のものは落とせるであろうという見込みがついてございますので、それらを含めてこの計算は二五〇PPMというものが平均としては二〇〇PPMという数字が出てはおりますが、これをさらに低くするような基準をつくることが私どもの目下の仕事でございます。
○阿部(未)委員 長官、お聞きのように、まず硫黄酸化物の問題にしても窒素酸化物の問題にしても、まだこれで絶対という結論までには至っていないようでございます。そういう中でこの計画が進められておるわけでございます。 そこでもう一つお伺いしたいのですが、水質のほうの方見えておりますか。――ここの温排水についてひとつ伺いたい。どんな計画に相なっておりましょうか。
○岡安政府委員 私どもの聞いておるところによりますと、温排水は温度の上昇幅が約七度ということで、毎秒四十トンの排水というふうにいわれております。これは夏季、冬季と違うわけでございますけれども、かりに和田式という方式によりまして計算しますと、これは冬でございますが、幅が約二キロ、それから地先からの沖合いに大体七百メートルというようなことで、二度の温度の温排水が拡散されるというようなことが計算されております。夏季におきましては、それが幅で約一キロ、それから地先で約五百メートルというような計算がなされておるわけでございます。
○阿部(未)委員 水産庁お見えになっておりますか。――ノリの養殖について、特にこれは冬季ですね、十一月、十二月から一月、二月にかけて、一番冷たい温度の中にノリに二度という温度の影響を与えた場合にどういう結果が出てきますか。
○松下説明員 温排水の影響は、一般に底棲の生物に与える影響が考えられるわけでありますが、先生のただいまのノリについてでありますが、特にノリは高水温の影響を受けやすいということがいわれておりまして、漁場の冬季の水温が十度以上になると病害が発生しやすいというふうにいわれておるわけでありますが、ただし、これは地域地域によりまして非常に条件が違ってまいりますので、いま一度の差についてどういう影響があるかということにつきましては現在即答できません。
○阿部(未)委員 この豊前海が日本でも有名なノリの産地であることは水産庁も御存じのとおりです。水温が上がると非常にノリが腐る、こういう状況が出てくることも御案内のとおりです。大体豊前の水産試験場の調査によりますと、一月、二月、三月という時期が七・二から六・七、八・一というところが平均です。したがって、日中の水温が大体十度から十一度くらいに上がってくる、十一度に上がったときに二度の温度を加えるから十三度になる、十三度になったらノリが全滅しますよ、そういうふうな影響を持っております。水温わずか二度とおっしゃるけれども、その二度の水温がノリが腐るか腐らないかという影響を持っている。しかも、潮流というのは、海には県の境がありませんから、ここが県境でございますからここから向こうに行きませんといわないのです。あたたかい水が隣の県にも流れていくのです。そして大分県側のノリ漁場も影響を受けるであろうということが容易に推定をされるのです。こういう温排水の排出について水産庁はどういうお考えを持っていますか。
○松下説明員 豊前の火力発電所の温排水の影響範囲につきましては、ただいま環境庁からお話あったとおりでございますが、先生ただいまお話しございました大分県側に対する影響でございますが、これを設置予定地点から六、七キロメートル以上離れておりますので、いまのところ隣接いたします大分県の中津市地先への影響はないというふうに、これは県の報告を伺っている次第でございます。
○阿部(未)委員 それは県の報告がそうなっておるわけでございますね。潮流というのは行くものだと私は思う。大体魚に影響がないだろうとおっしゃっても、魚が行くか行かないかは魚のほうの都合によることであって、こっちのほうの都合どおりには魚は動かない。同じように、潮流もこっちの予定どおりには動かない。どういう形で流れていくか。たとえば二度の温度の差はなかろうと、一度の温度の差があっても、ノリに影響すると私は考えます。そして、水産庁のほうは、県の報告があったからそれで安心だということで、あなたは絶対に大分県のノリに被害はないという保証ができますか。
○松下説明員 この豊前の火力発電所に対します温排水の影響、漁業に対する影響に対します県側の報告結果につきましては、私どもまだ詳細存じておりませんので、必要があれば報告書を取り害せて検討いたしたいと思います。
○阿部(未)委員 水産庁のほうに参考までに申し上げておきますが、毎秒大体百四十トンです。そして温度差は大体七度、これはため池のところに入っていく温度の差が七度ですから、流れ出るときはもう少し下がっておると思いますけれども、最悪の場合には七度も温度の違う、高い温排水が海中に流れ込むと見なければなりません。これは最悪の場合ですけれども。そういうことを前提に、毎秒百四十トン、一日三百四十五万六千トンの温排水が豊前海に流れ込んでいくわけです。これをもってして、なお開発を急ぐがゆえに、漁業に影響がない、そういうことが言えるかどうかということについて、詳細な調査をして私の手元まで届けてください。よろしゅうございますか。
○松下説明員 ただいまの先生のお話でございますが、まず私どものは、県の水産試験場でいろいろ詳細な調査をなさっておりますので、その結果を十分検討させていただきたいと思っております。
○阿部(未)委員 調査結果の資料を私の手元に出していただくということをお願いしておるのです。委員長いかがでしょうか。
○佐野委員長 水産庁、いいですか、資料は。
○松下説明員 県の資料でなくて、水産庁の資料でございますか。
○阿部(未)委員 あるものはみな。両方とも出してもらいたい。
○松下説明員 先ほど申しましたように、県のほうで詳細な調査をなさっておりますので、その結果を私どものほうとして十分検討させていただきたいと思っております。
○阿部(未)委員 出すか出さぬかと聞いておるのです、ぼくのところに。
○松下説明員 検討の結果を提出いたしたいと思います。
○阿部(未)委員 予定の時間が迫ってきましたので、次に経済企画庁お見えになっておりますか。電調審はいつごろ開催される予定になっておりますか、次の開催は。
○伊藤説明員 お答え申し上げます。 七月の九日に開催いたすことにしております。
○阿部(未)委員 そこで議題として、どの地域の開発を承認をするというふうな議題を提案される予定になっておりますか。特に豊前の問題が入っておるかおらぬか、ちょっと。
○伊藤説明員 お答え申し上げます。 この問題につきましては、先ごろから関係省庁とも十分協議をしておるところでございます。また都道府県の意見も聞いておりますけれども、豊前火力の計画につきましては現在なお一応漁業協同組合の合意の問題がございます。そういった問題がありますので、この地点につきましては関係各省とも早急に協議した上で処理することにいたしたい、そういうふうに考えております。
○阿部(未)委員 いまお話が出ました漁業権の問題ですけれども、水産庁のほうにちょっとお伺いしたいのですが、椎田という漁協があるのですけれども、ここの漁協でかねて豊前火力建設反対の決議が行なわれておったわけでございます。これは漁業補償の問題についてでございます。 ところで七月三日に総会を開いたところ、この総会の第一回目の投票では、補償交渉に入るべきであるというものが百二十四、それから交渉に応じないというのが四十五票、無効が四、計百七十三票、こういう結果が出たそうでございます。そこでもう一回、補償交渉に入るについていろいろまだ議論が出ましたので、反対決議を有効としたまま交渉に入るか、反対決議を撤回をして白紙で交渉に入るかという投票をやったところが、反対決議を有効としたまま交渉に入るべきであるというのが八十七、反対決議を撤回をして白紙で交渉に入れというのが八十四、行方不明の票が二票あったわけでございますけれども、要するに三票の差が出たそうでございます。漁業協同組合法によって、このような意思表示について、監督官庁水産庁はどういうふうな判断をなさいますか。
○松下説明員 お答え申し上げます。 七月三日の椎田漁業協同組合の総会におきましてどういった決議が行なわれたのか、そのときの状況がどうであったのか、水産庁といたしましては詳細な報告を受け取っておりませんので、総会の議事録を取り許せまして、慎重に検討してまいりたいと思っております。
○阿部(未)委員 わかりました。 そこで経済企画庁にもう一つお伺いしたいのですが、電調審のあり方なんですけれども、長官、これあなたもお聞きになっていただきたいのですが、この電調審のメンバーが、会長が田中角榮先生、大蔵大臣、それから農林大臣、通産大臣、その次がずっとありまして環境庁長官に至っておるのですが、そのほかに出ておる方々が、学識経験者等もあるようでございますが、銀行とかあるいは企業のほうも出ておるようでございます。 私は、この電調審のあり方を原則としてまず公開にできないものかどうか。原則として公開にすべきではないか。 二番目に、住民参加という意味から、それぞれ関係のある地域についてはそこの特に反対をする代表を加えて、どういう理由で反対しておるか、そういうことについても意見を聞く。これはまあ、メンバーとして加えなくてもけっこうですが、参考人として呼ぶ、そういうような制度に改むるべきではないか。さきに公有水面埋立法においても、地域住民の意見を申し述べることができるというふうに法改正を行なっております。ましていわんや、善悪は別として、今日ほうはいとして住民運動が起こっておる中で、その地域の反対する意見が一体どういうものなのかということを聞いてみる、それだけのことは行政としてやらなければならない。 したがって、公開の原則と地域住民の意見を聞くという二つのことを、電調審の中へ取り入れてその運営がはかられないものかどうか。そのメンバーの一人である長官と、関係の経済企画庁のほうのお考えを聞きたいのです。
○三木国務大臣 電調審の中に反対者を入れるということは適当だと私は思いません。しかしそこまでに至るまでの間、これからの工業立地というものは、電調審の中にメンバーは入らぬにしても、地元と企業との間に十分な意思の疎通をはかって、地元の理解、同意というものが必要になってくるのですね、実際問題。それくらいの努力をしなければならぬわけですから、電調審というものではなくて、工場立地の場合に企業側は地元の理解あるいは支持を得るためにあらゆる努力を払うべき時代である、こう思います。 それから、電調審の会議の公開ということはどうでしょうかね。長所、いい点もあるけれども弊害もあるでしょうね。これは直ちにお答えをいたしかねます。
○伊藤説明員 お答え申し上げます。 いまの公開の問題につきましては、長官の御意見のとおりでございますが、もう一点地元の意見等を聞いたらどうかという点でございますが、これにつきましては電調審にかけるかどうかという問題につきまして、都道府県知事の意見をあらかじめ聞いております。そういったことによりまして、都道府県知事は地元の民意というものを十分反映した上で御回答をいただいておる、そういうふうに理解しておりますので、十分に住民の意見は審議会に反映されるのではないか、かように考えております。
○阿部(未)委員 要望として申し上げておきますが、地方自治体の議会が決議をした、地方自治体の長がいいといった、だからいいというものの判断は、やはり早計に過ぎるのではないか。先般厚生省の見解を私聞いたことがありますが、地元の反対とは、特にそれによって影響を受くる住民の皆さんの意思のことをいうのであって、そこの議会が決議したから直ちに地元が賛成したというふうな見方はいたしません、これは厚生省のほうの見解で、浄化装置をつくる場合などについての見解なんです。これは参考にしてもらいたいと思います。 最後になりましたが長官、電調審に臨まれる長官並びに関係の皆さん方について、私はいまここでどうせよこうせよということを申し上げるというようなおこがましい考えは持っておりません。ただ、いままでの議論を踏まえて、正しい判断を下していただくことを期待をして私の質問を終わります。
○佐野委員長 吉田法晴君。
○吉田委員 お許しを得て、カネミの油症患者に関する対策と、それから北九州市門司区の小野田化学工場で起こりました弗素の中毒等公害に関連をいたします問題についてお尋ねをしたいと思いますが、環境庁長官があとの御都合もおありのようでございますから、環境庁長官に対するお尋ねを先にいたしたいと思います。 この国会の初期のころ、まだ予算審議が始まったばかりのときに、カネミの油症患者が大臣にお目にかかりまして陳情いたしました。そのときに、患者が皆さん申されておりましたのは、これは三代の環境庁長官それから厚生大臣等に陳情をしてきて、大臣の見られましたように、たいへん症状のひどい、しかもまだ治療方法が発見されていない、十人に近い人が死んでおる。未認定患者の認定の要望も強いが、残念なことに水俣病あるいはイタイイタイ病等については、水俣病については熊大、あるいはイタイイタイ病については萩野さん外たいへん篤志の人もございまして、その治療方法等も発見されておりますが、カネミの場合には公的医療機関に対する不信もございまして、認定機関の改善についても考えてもらいたい。何よりも、早くその治療方法を確立をし、そして生活の不安その他を除いて、再び同様な食品公害が起こらないような体制をつくってもらいたいということを繰り返して望んでおりました。あの前後、患者さんに二人の大臣からも言明していただきましたけれども、その後どう進んでおるだろうかということもあって、その政府の態度をいわば究明するという気持ちもございまして、はっきりするまですわり込むつもりもあって出てまいりましたが、環境庁もそれから厚生省も誠意ある態度を示していただいたと考えて、すわり込まないで帰りました。ところがその後若干の認定患者の増加等がございましたけれども、対策についてはまだはっきりしない。そこで、数日のうちには全国の患者さんがそれぞれ各県の代表者そろって出てくるという話であります。 そこで、この与えられました機会に、前回の、環境庁長官も含めましてこの政府で言明をいただきましたことに関連をしてお尋ねをしたいと思います。環境庁長官はその後の経緯については詳しくは御存じないと思いますが、お手元に幾らか資料が出ているようでありますが、私はこういう問題は、これは公害問題全般についてでありますけれども、さっき産業と健康との均衡の問題が論議されておりましたけれども、日本においては、残念ながら人間の命と産業と比べてみて、人間の命が軽視をされてきた。万一の場合にも生命の補償が一千万円にもなりません。あの自衛隊機が日航機に突き当たって落としたときには欠点があったと考えられて、初めて一千万円をこしましたけれども、それまで人間の命が何百万円にしかなりませんでした、正直に申し上げますと。そして人間の命があまりに安いもので、あるいは軽視をされるものだから、この操業の点についても、工場の経営の点についても安かろうがよかろう、何とか安くあげるということが第一義的に考えられて、その結果がどういうように人間に及ぶかということはほとんど考えなかった。これは水俣に参りましても、あるいはこの間の第三の水俣病の出ました三井東圧化学に行ってもそれを感じます。あるいはイタイイタイ病に至っては戦争中の原因でもございますけれども、鉛の生産を上げればいい、その結果がどうなろうということは全く考えなかった。ですから、公害問題に取り組むについては均衡論がさっきありましたが、足して二で割る、そういうことは考えておらぬとおっしゃいました。おっしゃいましたけれども、この問題については、人間の、人一人の命も地球よりも重いということがほんとうに政治の上で保障されぬ限りは、これはなくならぬと思います。日本列島改造論に対して私どもが批判をいたしますのも、その点がやはり従来と同じではないか。成長政策を依然として続けられようとする。その結果が人間の生活にあるいは人間の生命に、健康にどうなるかということはあまり考えられていないのではないか、少なくとも従属視されておられるのではないかということについて私ども反対の一番大きな理由があるわけであります。 カネミの問題について、三木環境庁長官を含んで、公害に準じて取り扱ってやりたい、何とかしてやりたいということを患者やあるいは関係者に言明をいただいたところでありますから、環境庁長官に、この対策の基礎をなす、何とかしてやろうとおっしゃったその基本的な精神はひとつぜひしお尋ねをし、あと細目は順次お尋ねをしてまいりたいところであります。詳しく申し上げるあれはありませんけれども、たとえば国からあるいは公共団体から研究費の補助が足りません。九大の医学部がこの研究班なんですが、研究班がカネミから二千万円の資金をもらった、こういうごときはまさに政治の貧困の結果だと思います。国から研究費が十分いかないから、熊本大学と九大とがそれほど違うとは思いませんけれども、その辺にやはり私は政府の責任が感じられますだけに、その段階で決定的な方向を出していただくためには、大臣の公開の席上での言明をぜひお願いしたいと思います。
○三木国務大臣 カネミ油症の患者の人たち、たいへん気の毒だと思うのですが、吉田議員も御承知のように、公害基本法の中には食品というものが入っていないわけです。大気の汚染とか水質の汚濁とかそういう被害が公害基本法にあげられておるわけで、食品に対しても、厚生省にも言っておるんですが、食品の被害についても何らかの救済の制度が要るんではないかということを考えるわけでございます。カネミ油症については、昨年の十月の末だったと思いますが、九州大学の研究班によって診断の基準、治療の方針というものが作成されたわけでございます。現行の制度のもとにおいては限られておる面もありますが、われわれとしてもそういう気の毒な方々にできるだけのことをしたいという考えは持っておるわけでございますが、いま言った制度の上においていろいろな制約を持っている。公害基本法の中に食品が入っていない。別の制度をつくらなければならぬという困難な問題があるということでございます。
○吉田委員 公害基本法の中に食品ということばが入ってないという御答弁ですが、三木長官にしても、たいへん逃げられるにしても逃げ口上が悪いんですが、被害者はこう考えています。水俣病はチッソ水俣という加害者がある、あるいはイタイイタイ病は三井神岡鉱山という加害者がある、しかしその影響といいますかあるいは被害の状況等がひどいから公害として取り上げられた。カネミの油症は、これは監督をしておりますのは市や県それから食品衛生ということでいえば国でしょう。国や公共団体がこの食品は食えるんだ、心配は要らぬのだということで、監督行政の結果、判は押してないけれども、売り出されるときには監督官庁のいわば監督を通って売り出されているものだ。私どもも参りましたが、最初に工場に入りましたが、これは監督に入っている。しかし食品の中に有害なものが入っているかどうかは全く検査がされておりません。おそらくカネクロールの管理が不十分な工場の実態等も見てないのじゃないかと思います。そして試験所がございますが、その試験所は油の成分がどうだということだけしか検査されていない、こういう管理体制の悪い結果起こったのではないかという不信がございます。そして初めの症状が十分厚生省やらあるいは環境庁にわかってなかったせいかもしれませんけれども、公害取り扱いを受けているところについては、加害者がわかっているのに公害取り扱いがなされておる。カネミにしたって、カネミ倉庫と初め言いましたが、倉庫の食品の油を食ったことは間違いない。しかし監督の責任はだれが負っておったのか、あるいは国民が食っても差しつかえないという保証は国や公共団体の証明があったからこそ食ったのではないか。なるほど広告には高血圧を下げるとかあるいは美容にきくということが書いてありました。また高くないということも原因であったかもしれません。しかし信頼をしたゆえんのものはやはり監督官庁の監督を通ってきたものだ。だからそれを食ったら死ぬようなことが起こるとは考えない、あるいは内臓から全身がおかされるということは考えなかったと少なくとも考えているのです。あるいはカネミに取り合っても会ってもくれぬ。この間会おうとして警官に排除された。あれは、社長が会おうと言ったのは初めてです。しかしその社長も患者とだけは会うけれども、患者以外の者でついてくる者には会わぬといって警官を呼んで排除した。カネミは相手にならぬから市に陳情する、あるいは県に陳情する、そして何べんも上京して環境庁長官にあるいは厚生大臣に陳情をして何とかしてくださいというのは、やはり悲願がこもっているからです。そして会ってくださったらひどいことがわかったから、何とかしなければならぬと三代の大臣から言ってもらいました。そして公害に準じた取り扱いをしたい、それには法律もつくろう、法律ができるまでも待っておれぬだろうから何とかしましょうという言明をいただいて、最初お会いいただいたときからいうともう何年かたっている。三木長官に会っていただいてからももう半年以上過ぎるわけであります。 あとで聞きますけれども、法律をつくるために努力している、あるいは基本的にはいま読み上げられたメモの中に、食品公害は公害とは認定をしていない。加害者が明らかになっているから、その加害者に賠償させるあるいは治療費も払わさせる、それが原則だ。患者は、政府を代表する大臣が、環境庁長官と厚生大臣とそろって何とかしてやるから、公害に準じて取り扱いますからと言われたそれを一〇〇%信頼をします。最初の話があってからもう何年かたっているのですよ。重ねてひとつ御答弁を願いたい。
○三木国務大臣 健康被害に関する特別措置法の適用を受けない、そういうことでこの制度で救済ができないことが残念だと申したわけでありますが、患者の人から見れば、そういう食品を食べたことによって被害が起きたというものに対して、行政に対してもいろいろ責任はあるではないかと言われることはよくわかります。ただ私は逃げる気持ちはないのです。この問題は気の毒だと私自身も思っておるのです。食品に関係した被害でありますから、厚生省を中心としてこの問題は対策を考えなければならぬわけでありますが、この問題はおそらく患者の方々会われて、厚生省との間には、やはり厚生省の所管をしておる問題ですから、具体的ないろいろな話はずいぶんあったものだと思うのです。そういうことで私自身からも厚生大臣とも打ち合わせしてみまして、いろいろ診断の体制などに対しては昨年の秋から診察の基準をつくったり、治療の方法を作成したりして多少の進展があるようでありますが、実際の生活上いろいろ困難な問題を持っている患者もおると思いますし、ことに、訴訟をされておるわけですが、それはまだ判決がおりてないわけであります。そういう点で、私自身としても、厚生大臣とこの問題については至急に打ち合わせて、一体厚生省がどういうことを考えて対策を立てようとしておるのか、打ち合わせをいたすことにいたします。
○吉田委員 厚生大臣と打ち合わせてということですから、あとは要望することにとどめておきますが、それは正直に言って、この種問題についてどこよりも、副総理でありそして公害問題について期待をし得るのは、三木大臣しかないと思っておる。その三木大臣が何とかしてやりましょうとおっしゃったのだから、何とかなると思うのは、これは当然です。あとは厚生大臣と打ち合わせて――これはこの前のときの予算の分科会でやりましたものを速記録を見てみると、あなたとそれから厚生大臣が、公害に準じて取り扱いたい、法律ができるまで何とかしてやりたいとおっしゃったあと、質問をしましてだんだんいきますと、結局はそれぞれの局長で善処せい、こういうことになっておる。きょうも局長さんは社労委員会の関係もありまして御出席をいただけませんが、こまかい診断基準だとか認定基準だとかあるいは生活問題だとか、だんだん下に行きますと、いまの生活保護法でいうとこういうことにしかなりませんという話になって、小さくなってしまう。しまいには、ドジョウをつかまえるように、ウナギをつかまえるように、ウナギをつかまえてもつかまえても逃げていくというようなかっこうになりがちである。私は、個人的にいうと環境衛生局長もよくやってくだすっていると思います。思いますけれども、患者は、二人の大臣に会って、何とかしましょうと言われたのは、すぐに実現すると思うのは当然じゃないでしょうか。それが何年もたつ。あるいは三木長官にお会いしてからも半年たっている。そうすると、やはりもう一ぺん三木長官に会って何とかしてくださいというのは当然だと思う。あとで細目は伺います。 もう一つ、これは本質的には労災問題だと思いますが、それも姿勢に関連をしますし、厚生省と、というお話でございましたが、たいへん恐縮ですが、ぜひ三木長官が厚生大臣に会って、大綱だけはひとつきめてください。研究費の問題あるいは認定方法の問題、とにかく不信があるのです。その不信を取り除いて、制度としてこうしてくださるという言明が得られるならば、あとはこの問題について、治療やあるいは生活の問題については公害に準じて取り扱えるという実際の保証が得られるように――具体的には、小さい点はあとで立たれてから詰めます。あるいは患者も参りますから、それはこの月の半ばに直接折衝いたしますけれども、基本原則について、何とかしますと言われたのが、両大臣会われて基本的な線が出ぬことには、直接局長さん、課長さんに相談をいたしましてもなかなか前進をいたしませんので、ぜひひとつその点はお願いしておきます。 それからもう一つは、これは労働省あるいは通産省に関連するのですが、北九州の門司で起こりました小野田化学での弗素公害事件。これは氷晶石といいます、いわば弗素を含んでおります製品をつくるわけでありますが、アルミを製錬するときに溶融剤に使われる氷晶石というのをつくっておるのでありますが、そのほかに飼料もつくっておりまして、飼料の工場の際には問題はありませんでしたが、酸性弗化ソーダを原料にして氷晶石をつくっておる工場で、弗素の中毒患者と思われる者が出た。これは門司労災病院の副院長の診断書が出たのです。私どもが調査に参りましたら、玄関で私どもも入れぬという拒否的な態度でございます。基準署の勧告もあって工場の中には入って見ることができました。新聞にも、氷晶石は弗素の化合物の一種で弗化水素のように危険性の高いものではない云々と書いてありますが、工場をつくるときに環境条件を十分にすることを考えたが弗素が出ることを新聞の上でも全く否定をされているわけでもございませんし、私どもが参りましたときにも、その工場の一部で弗素が出る可能性があることを認められました。ところが実際には工場に言わないで、外にこういうことを言った、いわば内部告発をしたということについてたいへん立腹をし、そしてこれを問題にし、その被害者、あるいは問題にいたしました組合の役員に対して、たいへんどうかつ的な態度といいますか、ただではおかぬぞといったような御発言もあるようであります。近代的な工場だと思いまして、中に入ってみましたら、玄関のところ、工場の入り口は近代的な工場でしたが、中に入って私ども若干驚いた。全く可能性がないわけではない。焼成工場では、詰まったときに途中をあけて鉄の棒でつついているような情景もございました。そこから出るはずはないけれども、弗素が漏れる可能性は、現地に行ってみて私どもも認めました。また工場長も、現場についていうと、それを否定するわけにはいかなかった。これはさっきから申し上げているところでありますが、人間の命や健康というものは、人一人の命といえども地球よりも重い。そんな危険性が指摘されたら、あるいは危険性があるということがわかったら、だれが言おうと、監督官庁じゃなくても、従業員であろうと、あるいは職員であろうと、あるいは安全管理者であろうとなかろうと、率直に反省をされ、直されるのが近代的な経営者の姿勢だと思う。公害があまりにひどくて世論の問題になってまいりましたから、最近は中央の経済の指導者は姿勢を変えることを言明しておられます。私はこれは日本全体としてそういう段階にきていると思いますが、末端に行ってみますと、こういう驚くべき事態がございます。これは、通産大臣来ておられませんからあなたにお尋ねをするしかありませんけれども、こういうことは、こまかいことはとにかくといたしまして、人間を大事にする制度あるいは生産に対する人間の優位性等は、通産省であろうと労働省であろうと、あるいは環境庁でなくても貫かれなければならないと私は思うのですが、大臣の所見を承り、それから具体的にこういう問題についての指導の方法をひとつ承りたいと思います。
○三木国務大臣 申すまでもなく、人間の生命、健康というものは、企業であろうが何であろうがそれは第一番に尊重する、人命尊重ということがやはり一切の基本でありますから、企業経営者もそのことを中心に置いて経営をしなければならない。人間の生命を犠牲にしてどういうメリットがあるか、そんなメリットはありません。これはもう一切のものの根源でありますから、言われるとおりだと思います。 中央においては経営者もしばしば会合を重ねて、企業の姿勢というものに対して改めなければいかぬという反省期にあることは御承知のとおりであります。地方の末端にいくと、まだそういう趣旨の徹していないような企業も中にはあるのかもしれませんが、しかしそういう企業はもうやっていけなくなってくる時代だと私は思います。地方の住民の人たちも、いろいろとそれに対する、反発する運動というものが非常に大きく起こっているわけでありますから、そういう点で、そういう考え方は急速に改めなければならぬ時代だと思いますが、われわれ、企業に対して監督、指導しておる立場からも、そういう趣旨にのっとって、環境庁でいうならば環境の基準であるとか排出の基準、こういうようなものを強化して、そういう形で、それぞれの役所はその分野において人命尊重ということを頭に置いた施策を強化することによって、企業側の意識ばかりでなく、実際の企業の運営自体も、人命尊重ということが中心でなければ運営ができないような仕組みに持っていくことが必要である。通産省でも、いろいろな化学工業なんかもクローズドシステムにこれから変えていこうということも、やはり人命尊重という立場から有害物を外に出さないようにしようということがあるわけでありますから、今後はわれわれもそれぞれの分野で、人命尊重ということを頭に置きながら行政指導を強化してまいりたいと思います。
○吉田委員 それでは、あとは具体的に聞いてまいりますから、大臣どうぞ……。 時間がございませんからなるべく要領よく御回答いただきたいと思います。私に与えられました時間は四時二十二分までということでありますから、あと二つについてお尋ねをいたしますからお願いいたします。 厚生省の、先般来の患者を含めまして陳情をいたしました問題点は御承知のところでありますが、まず、研究費の問題についてはどういうことになりましたか、承りたい。
○三浦説明員 研究費の問題につきましては、昨年が四千六百万円でございました。これはカネミ油症の分が九百五十万、それからPCBの研究がこれには必ず関連してまいりますので、その研究費分として三千七百万円入っておりますが、合わせて四千六百万円ということでございます。今年度分につきましては、この六月に油症治療研究班の研究成果の報告がございました。これに基づきまして今年度の研究内容等について要望がございまして、いまその要望につきまして中で検討しておるわけでございますが、カネミ油症分を昨年度よりも増額することとして、いま検討しておるところでございます。
○吉田委員 総額四千六百万ということですが、そのほかにPCB一般の研究費が三千七百万ですか。
○三浦説明員 PCBの研究とカネミ油症関係の研究とこれも表裏一体のものでございまして、合わせた額が四千六百万ということでございます。この内訳といたしまして、三千七百万のPCBの研究と、それから九千五百万円の……(吉田委員「九百五十万」と呼ぶ)失礼いたしました。九百五十万円でございます。
○吉田委員 九千五百万というお話でしたからびっくりしたのですが、精細に検討しますと九百五十万。九百五十万の研究費しかないような実情だから、加害者であるカネミから二千万もの――これ献金か何か知りませんけれども、加害者から二千万円ももらっていて、ほんとうに患者のための研究ができるとも思われません。九百五十万は増額するということだそうでありますが、この三千七百万の一般的なPCBの研究も九大だけにやられるわけではないでしょう。分けられるところでありますから、私が指摘をした原因の除去、そして十分な研究費がことしも与えられるとは考えられませんが、これだけ質問していると時間がなくなりますから、これは要望いたしておきます。 そういうことでは、カネミの対策、研究対策費ということでは十分でないことは、いま九百五十万が九千五百万と間違えたことに笑いの声が出ましたように、問題になりません。 それから、この診断基準といいますか、認定方法について改定を加える。環境衛生局長のことばによりますと、詳しい、民間の造詣の深い先生方の意見も聞いて云々という話でありましたが、幾らかふえたことは事実です。しかし、ある家族について見ますと、奥さんが一番最初に認定をされた、去年からの努力で御主人も認定された、しかし二人の子供はまだ残っておる。これは具体的に知っている家庭の問題です。ですから、疑わしいものは全部拾い上げられて、患者と認定をされた、それについての対策が講ぜられるところまではまだいってないように思うのです。これらの点についてはどういうぐあいにされておるわけでございますか。
○三浦説明員 昨年の秋に診断基準を改正いたしまして、昨年の八月の段階でございますが、患者さんが千九十七名おりました。それが診断基準の改定によりまして九十六名ふえたわけでございます。 この診断基準を改定するにつきましては、油症研究班の先生方の御意見を聞いたわけでございますけれども、この先生方は現地で患者さんを見る際にすでに地元の先生方の意見も十分に聞いておるわけでございまして、もちろんそれらの先生方の意見も入った意見というふうに私ども考えておるわけでございます。 なお認定方法の問題ですが、各県によってかなり差がございます。福岡県では九州大学の医学部が中心となっておりますし、山口県では山口大学の医学部が中心となっております。それから長崎県につきましては、大学の先生方が五島のほうまでなかなかいけません。したがって地元の先生方に見ていただいておるという実情もございますので、認定方法というものはできれば統一したほうがいいというふうに私ども考えておりますけれども、地元の医師会また大学の医学部等のいろいろな御意見がございますので、今後なるべく統一するような方向に持っていきたいと思っておりましす。
○吉田委員 千九十名が二千百八十名にでもなったというのなら診断基準の改定と認定方法の改善によって成果があがったと申せますが、局長のこの前の言明にかかわらず九十六名しかふえなかったというお話をいま聞くと、なるほどと思います。この点もさらに再検討を願い、厚生省と環境庁――いま長官に、何とかしますということばに関連してお願いをしておいたところでありますが、環境庁も関係者がおられるようでありますので、あとで検討を願う際の問題としてお聞き取りを願いたいと思います。 それから治療方法ですが、私は予算委員会の分科会でやりましたときに特殊病院にも触れたのですが、水俣病については特殊病院の計画がございます。いまの湯ノ児にいたしましてもあるいは市立病院にしても、特に湯ノ児のほうは相当専門的に研究しておられると思いますけれども、それでもなお、あの水俣病の深刻さにかんがみて治療方法にももっと金をかけ、特殊病院もつくって研究されるべきだと思います。 それからさっきのお話によりますと、費用が九百五十万というのがふえるそうですけれども、九百五十万がどれだけふえてもあるいは四千六百万がどれだけふえても治療方法が近年中に発見されるとは考えられませんが、これらの点についてもひとつ思い切った対策が講ぜられますように環境庁、厚生省の打ち合わせにまちます。 それからもう一つ。法律をつくって公害に準じて取り扱うがというお話がございましたが、その法律制定の経緯を承りたいと思います。審議会といいますか法律を考えていただいている委員さんの委嘱はいたしましたけれども、まだ法律の要綱もできておらぬようであります。普通諮問をされるときには一応責任官庁の意見をもって諮問されるようでありますが、いままでのところ白紙で諮問しておられるかどうか知りませんけれども、こういうことでは法律を制定して公害に準じて救う、法律の制定まで待つわけにもいかぬからそれに準じて取り扱うといわれても、法律の要綱さえできておらぬようでは、それに準じて取り扱うことがことしじゅうにできるとは思われません。どういうようにしていただけるか承りたい。
○三浦説明員 先ほど来先生が環境庁長官にお話ししておりました公害健康被害補償法でこれが見られないかという問題は、これはまあ前からあったわけでございますが、この健康被害の補償法は大気汚染あるいは水質汚濁の影響による健康被害ということでございまして、食品事故による場合はこの中に含まれておらぬわけでございます。したがって厚生省ではいま学識経験者を集めまして、五月の十九日以来すでに四回にわたってこの研究会を開催しておりまして、できれば秋までに成案を得たい、それで次期国会に御検討をお願いしたい、こういう方向でいま急いでその制度化の検討をしておる段階でございます。
○吉田委員 まあ、厚生省は責任者がおられませんからしかたありませんけれども、健康被害補償法の適用ができるかできぬかというのは、これは内輪の話であります。先ほども申し上げましたように両大臣から、何とかします、何とかしたい、そして、公害に準じて取り扱いたい、法律の制定はこの次の通常国会までに間に合わせたいが、それも待っておられぬから云々というお話があったのであります。患者は大臣の言明を信じて、秋に成案が得られるまでにも何とかしてくださるだろう、こういうふうに感じておりましたが、秋になるまでどうして待てばいいのかという問題が起こるわけであります。これも環境庁長官と厚生大臣の間で相談をされる際に、法律の中身、どういうことで救済しようかという基本的な点、それからもしそれもかたまらないと、公害に準じて救済をしたいと考えられても救済の方法がないでしょう。ですからそれを両大臣の間で詰めてもらうようにひとつお骨折り願いたいと思います。 それからもう一つ、生活補償の問題であります。これは大臣がおられるときに詰めませんでしたけれども、この前には、労災の場合には休業補償という制度がある、仕事もできなくなった、結婚もできなくなった、その残された方法は生活補償しかないようであります。ところがみんな生活補償を受けるつもりはない。そこで、それこそおかゆをすすってもあるいはカンパにたよってでも何とか生きているが云々ということで、最後には生活保護の中での融資の問題を取り上げられました。しかしそれも最終的にはだんだん消えていくような実態でございましたが、これの実施の状況を承りたい。
○三浦説明員 救済の制度化につきましては、先ほど申し上げましたように検討しておるわけでございますが、それまでの間における救済の措置につきましては、この三月二日に先生の御紹介で厚生省の社会局長に会われまして、社会局長から回答があったわけでございますが、とにかく世帯更生資金の活用を何とかしてはかってまいりたいということでございます。この中で、限度額の引き上げ、償還年限の延長、それから資金を借りやすいように県に対しては十分に指導いたしますということをすでに患者さん方にも回答してございますが、これにつきましては、社会局のほうで県に対して指導をされておるというふうに伺っております。
○吉田委員 それでは社会局のほうから実績を御報告いただきたい。
○三浦説明員 社会局のほうから見えておりませんので、私から御報告させていただきます。 世帯更生資金、この四月現在でございますが、福岡県では七十七世帯、千三十五万円でございます。それから長崎県では六十一世帯に対して七百十九万円、合わせて百三十八世帯で千七百五十四万円でございます。
○吉田委員 わらをもつかむ気持ちというのはこのことだと思うのですが、更生資金の貸し付けにつきましても、いま百三十八件ですか、実績を承りましたが、総じて大臣のその後の何とかしたいという言明が前進があまり見られないものですから、月の半ばには上京してくるということでございますから、その際に譲りたいと思います。あと時間が十二、三分しかございませんから、門司の弗素問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 通産省と労働省から来ていただいておりますが、労働省からは改善勧告と申しますか出ておりますから御存じだと思うのですが、労働省のほうから一応いままで受けられました報告と、それからとられました措置について伺いたい。
○倉橋説明員 小野田化学工業門司工場におきまして氷晶石を取り扱っている直用の労働者並びに下請の労働者の各一名の方々が異常を訴えまして、門司労災病院で診断を受けられたところ、急性ないし慢性の弗素中毒症にかかっているという診断がなされておりまして、現在入院いたしまして精密な検査を実施しているわけでございます。こういうことから、労働基準機関といたしましては、四月の二十一日に当該工場に対しまして氷晶石の袋詰めの場所等いろいろ氷晶石関係の粉じんが立ちます発散源に対しまして、必要な局所排気装置を設営する。またオートフィルタープレス、これは途中の氷晶石の生産過程におきます装置でございますが、その場所につきまして弗化物の発散が見られるわけでございますが、そこに排ガス処理装置を設ける等いろいろな項目にわたりまして改善をするよう事業所に指示をしたところでございます。その後福岡の基準局におきましても立ち入り調査いたしまして、関係労働者、直用の方々、下請の方々、そういう方々に検診を実施するよういろいろな指示をしているところでございます。
○吉田委員 大体のことは御存じのようでありますが、患者が出ていることは間違いありません、病院に入っているので。ところが会社側のいわば内部告発をしたことについてのいわば憤慨というのか、あるいは敵視政策としか思えぬといったような態度でございますが、ただではおかぬぞといったような、公の文書には出ておりませんけれども、公の文書の中にも若干のそういう意味が読み取れる、この被害者やあるいはこれらの人々に対してはいわれておりますが、患者の取り扱いはどうなっているか。
○倉橋説明員 これは診断を受けられました二名の方々につきましては、現在労災病院に入院中でございます。ここで精密な検診を受けているわけでございますが、これらの方々に対しましては賃金の面につきましては、直用の労働者につきましては会社のほうから一〇〇%の賃金補てんをしている。下請の方々につきましては当該下請の企業のほうから六〇%の賃金を現在支給しているというふうに聞いております。
○吉田委員 弗素の中毒だという診断書もございます。あるいは弗素なり氷晶石なり弗素化合物の弊害があると思われたからだろうと思いますが、改善勧告も出ておる。そうしますと、工場の中で症状が出たこと、あるいは山佐作業員については、鼻血が出たあるいは吐きけがあった、歯が悪くなった。それから従業員につきましては、あるいは両者についても吐きけがある、全身がだるい、あるいは背骨が痛い。検診したところが、少なくとも検診したときには〇・五PPMの弗素が検出をされた。そして入院をさせているということ、これは疑いもなく労働災害だと思われますが、労災取り扱いはなされているのですかなされてないのですか。
○山口説明員 ただいま御説明ありましたとおり、従業員一名と下請従業員一名から補償請求がなされたわけでございます。補償請求は先月十四日に出ておりますが、これは門司労災病院における診療費の請求でございます。これにつきましてただいま説明がありましたとおり、診断書には急性弗素中毒症の病名で精査を要するという診断書をいただいております。病院においてはなお精査が続けられておりますし、一方ただいま説明があったとおり環境の測定を指示しておりますし、なお従業員と下請従業員含めて百六十四名につきまして健康診断を実施しております。この結果環境と健康診断結果、なお門司労災における精査結果を待ちまして、結果が出次第取り急いで業務障害の認定を行ないたい、こう考えております。ただいま申し上げました健康診断は先月の二十九日に百六十四名について終わっておりますので、間もなくその結果が提出されるものと思っております。提供あり次第さっそく認定を行ないたい、このように考えております。
○吉田委員 百六十四名については診断をして認定をするということになりますが、そのうちから何人出るかわかりません。しかし四月の末に弗素中毒の疑いがある、あるいは検査をすると〇・五PPMあったというならば、いま何カ月ですか、五、六、そして三カ月日、その間取扱いを放置して、それが労災なのか労災でないのか、林業補償や何かの問題ではありません。入院している患者の取り扱いがきまらぬということは、監督官庁もおかしいではないですか。そう思われませんか。それは直用の人が賃金を一〇〇%払ってもらっている。しかし下請の人はその会社から六〇%しかもらってないという話でありますけれども、それにも影響いたしますけれども、それをどう結果としてなるかは別問題として、工場で起こりました病気、しかもその原因が工場の中にあったということ、病気の原因が工場の中にあったというならば、それは労災ではありませんか。業務上の疾病じゃありませんか。兼崎という副院長が書いた診断書に基づいてなぜ労災取り扱いができぬのですか。
○山口説明員 先生御指摘のとおり、診断書には病名として急性弗素中毒症、上記診断にて精査を要するというふうに書かれているかと思います。 病院におきまして最初に問題とされたのは、尿中の弗素量が〇・五PPM検出されたということから始まるわけでございますが、その後二日ほどしての検出数値が極端に落ちているという点もございます。 なお、尿中の弗素量は食物や飲料水中の弗素含有量というような影響も受けますので、排出が必ずしも一定していないといわれておるわけでございます。たとえば福島医大の調査結果では、正常値は男子について〇・四三プラマイ〇・二五PPM、女子については〇・五二プラマイ〇・四二PPM、こう発表されております。またバイオケミカル・ハンドブックその他によっても正常値は若干異なっておるということがございます。 こういうような数値から見ますと、ただいまの二名の弗素中毒の疑いと診断された者の尿中の弗素量は必ずしも異常高値だとは言えないというようなこともございまして、病院の精査をお願いしているわけでございます。一方、この二名と一般従業員との間に有意差があるかどうかという意味合いから関係者の検診をして、その関連を明らかにしようという作業を取り急いでいるわけでございます。結果が出次第、先ほど申し上げましたように業務上外の認定を急いで行ないたい、こういう段階でございます。
○吉田委員 通産省のほうには、質問をしながら先ほど大臣に申し上げたような御注意を申し上げようと思っておりましたが、労働基準監督署あるいは労働省というのは労働者を守る立場でできておる官署じゃないでしょうか。そして改善勧告――改善命令ではありませんよ。改善勧告をされるについては、施設について不十分なところがある、あるいは危険なところがあるからということで勧告を出しておったんじゃないですか。それならば勧告をするほどの施設の不備があった、したがってその結果中毒症と思われるものがある。いま診断書のことを言われましたけれども、診断書を手元に持っておりますが、兼崎副院長の診断書は、一、急性弗素中毒症、二、慢性弗素中毒症の疑い、それから肝障害。これは四月の二十八日ですけれども、入院しておりますのは三月の十三日からですよ。三月の十三日から入院をしておって手当てはしている。金は会社が払っているかもしれません。あるいは賃金もその従業員については一〇〇%払われているという話でありますが、なぜ会社が負担をして診療をさせなければならぬのですか。工場の中の実態も見て欠陥があると思われたからこそ勧告がなされている。そしてそこから起こってきた中毒症状については-ほかのことは言いません。百六十四名なら百六十四名の検診の結果、どういうぐあいに診断がされるか、あるいはそれに対してどういう取り扱いをするかはその診断が出てからでもかまいません。三月十四日から入院をしている者について四月の二十八日には診断が出た。今日に至るまで労災取り扱いをするかどうか――これが職業病として認定するかどうかは別問題ですよ。その村上文寿という人については、中毒症の原因が工場の中にあったと考えられるならば、ちゅうちょすることなく労災の取り扱いをするのは当然じゃないですか。労災取り扱いをさせるのが私は監督官署としての当然の責務だと思いますが、どうですか。
○山口説明員 先生御指摘のとおり弗素中毒の疑いがあり、かつ、環境結果も近くわかるということでございますので、上外の認定は診定の出次第、早急に行なえると思います。 ただ、三月から診療を受けていることも事実でございますが、診療期間中は門司労災の診療を受けているわけでございますが、会社の負担ではございません。上外決定までは支払いが保留されているという関係でございます。いずれにせよ若干期間が経過しておりますので、できるだけ早く認定を行なえるように現地を指導したい、こう思っております。
○吉田委員 大体認められましたから、あとは手続がされると思います。 ただあとの基準の問題については、ここに会社側が出しました「連絡ニュース」というものがございますが、その中に、先ほど言いましたような内部告発に対する前時代的な非難と、そしてそういう会社に断わりなしに、連絡なしに外に出したようなことについては、もし白になったらただではおかぬぞ、そういう意向が書いてございます。そしてその中に秋田大学やらあるいは日本内科全書ですか、一般の水道の中にも弗素が〇・〇一%くらいはある云々といったような資料がございますが、残念なことに、いま答弁をされましたのは会社側を弁護するような、あるいは会社側の資料を認定して、労働者の不安にこたえるような態度がないことは残念だと申し上げておきます。 それからもう一つ環境庁にお願いをしたいところでありますが、小野田化学に弗素中毒患者が出たのじゃないかという新聞記事と、もう一つ別に、これは何カ月か前でありますが、その小野田化学から硫酸が流れ出て、スクリューがぼろぼろになった。あるいはいけすの魚が死ぬといったような被害が出ておると報ぜられております。これは昭和四十六年六月三日の読売新聞です。 環境庁と通産省にお尋ねをいたしますが、これはやはり先ほど申し上げました経営者の基本的な態度にあったと思うのでありますが、こういう点については通産省あるいは環境庁等はどういうぐあいに指導をなさっておるのか。労災が発生をしたといっても、労働省は小野田化学の労災問題についてのやり方、あるいは工場の姿勢についてたいへん批判的だ、憤慨をされた場面もあると聞きましたけれども、問題は通産局あるいは公害問題について、担当しております市や県の態度にも関連をいたしますけれども、国にも関連をいたしますが、これだけ弗素中毒が出たではないか、内部の弗素中毒をあくまで隠そうとする姿勢は、弗素中毒が外部に及んだ危険性があったとしても、私は責任をとるような態度はとらないと思います。あるいは労働省から、基準監督署から勧告があったけれども、私は一番危険があると思いましたのは、原料を焼いている間に弗素が出てくるのではないかという詰まったところを金棒で突っつくようなところについての改善勧告はまだ出ていないのであります。そういう態度が前面にあったら、これは従業員についても同じでありますが、周辺についての公害の危険は押えることはできない、こう考えるのであります。 これらの点について、環境庁それから生産指導をしておられます通産省の所見について承りたいと思います。
○岡安政府委員 いま先生のお話の、硫酸が工場外に出たのではあるまいかというケースにつきまして私どもは詳細は承知いたしておりません。本来硫酸のごときものは工場外へ出るべき筋合いのものではない。これは特に毒劇法によります取り締まり対象になるべきものでございますので、慎重に取り扱うべきものであるというふうに考えております。むしろ環境保全という以前の問題ではなかろうかというふうに考えております。
○山形(操)政府委員 小野田化学の従業員に弗素中毒の疑いがある患者が発生しているということを聞きました。私ども工場周辺のほうにもそういうような大気汚染があるのではないかと一応心配しております。御承知のように大気汚染防止法におきましては、有害物質として弗素を取り扱っておりまして、これにおきましては、小野田化学におきます規模では排出基準をきめておりまして、一立方メートルの排出が二十ミリグラムときめております。市のほうでもさっそく立ち入りをいたしまして、一応この基準内ではあるという報告を私は得ましたが、目下従業員に対していろいろ健康調査も行なっておりますので、それらの状況を見て環境調査をさらに実施するように指導するつもりでございます。 また、この弗素問題は各県によっていろいろ事情が違いまして、私どものきめております排出基準をさらに自治体で上乗せをしておるところもございますので、市の対策決定を待ちまして、必要があれば上のせ基準を設定するような指導をしていきたいと思っております。
○吉田委員 硫酸が流れ出るごときは公害以前というふうなお話がございましたが、これは三十六年の話でありますが、「海上保安部が排水口付近を中心にさる四月二十二日、五月二十四日、同月三十一日の三回にわたって計五カ所の海水を採取、PH(水素イオン濃度)を測定したところ、」云々ということで、その検査の結果は、「排水口の真下で二・三、排水口から五メートル離れた深さ三十センチまでが三・四、同じく深さ一メートルのところで六・八。また先月二十四日に測ったときも」これはいま六月ですから五月二十四日、「測ったときも排水口の真下で五・三、三十一日は三・三だった。」と書いてございますところをもってしても、これは公害以前かどうか知りませんけれども、船だまりでスクリューがぼろぼろになるあるいはいけすの魚が死ぬというのは――最近で言いますと、水俣病の影響で奇形の魚が出たりあるいは魚の売り上げが減ったり、これが公害だと私は考えるのでありますが、スクリューがぼろぼろになったりあるいはいけすの魚が死んだりすることは公害でないと考えられますか。
○岡安政府委員 私がそう申し上げたわけではございません。というのは、先生が四十六年に硫酸が外に出たとおっしゃったものでございますから、硫酸につきましてはこれは毒劇法によって厳重な取り扱いをすべきものであって、それが工場外にみだりに出るというようなことは公害以前の問題だということを申し上げたわけでございます。もし公害の観点からすれば、先生おっしゃったとおりPHにつきましては、海以外においては五・入以上、入・六以下、海域につきましては五・六以上、九・〇以下にしなければならないわけでございますので、これはもちろんそういうような規制ははかっておりますが、硫酸が出るというようなことは、私どもといたしましては、工場の管理が何かおかしいのではあるまいかというふうに考えておるということで申し上げたわけでございます。
○吉田委員 新聞に「強い硫酸流す」と書いてありましたから、読み上げることをいたしませんでした。実は時間がもう超過しておるものだから急いで質問をしたところが、質問の不十分さを逆襲されたわけでありますが、問題はこういう工場があることをほうっておいていいかということを尋ねておるわけであります。それから弗素の問題につきましては、外での影響はまだ具体的に私どももつかんでおりません。しかしだれが摘発をしようとあるいはだれが発見をしようと、健康被害についてあるいは人間についての被害については、緊急避難じゃありませんけれども、だれがとめても私は差しつかえないものだと思う。環境庁で公害がなくなるために御努力を願うべきはずのところで、具体的な指摘がなかったからということで逆襲をされるのは、いささか小役人的な根性だと思わざるを得ませんが、願わくば環境庁がいよいよこれから公害が広がらぬようにせっかく御努力を願いたいと思います。 指摘をいたしました小野田化学工業の門司工場については、先ほど来申し上げましたように工場内における弗素中毒の疑いのある患者が出ております。周辺については、これは弗素ではありませんで水素イオンでございますけれども、被害があったということを報じておることでもございますから、この企業についての工場内の労災あるいは工場外の公害を問わず、この姿勢については正すように、それぞれの官庁で御指導を願いたいということを要望したいわけであります。 これは工場でございますから、通産省来ておられましたら御所見をひとつ最後に承って質問を終わりたいと思います。
○大津説明員 お答えいたします。 先ほど来先生からいろいろ御指摘のように、公害防止につきましては、今後ともわれわれといたしまして強力に指導してまいりたいという考えでございます。
○吉田委員 どういうように指導するのですか。
○大津説明員 今回の社会党の先生方の工場視察に対しまして、会社側のほうで最初の段階において強い難色を示されたことがあったことにつきましては、はなはだ遺憾に存じております。今後このようなことがないように業界を指導してまいりたいと思います。 なお、このたびの設備の内容につきましては、詳細に会社から事情を聞きまして、改善すべきところは労働省の指導のもとにすでに大部分の改善が終わってあと一項目を残すのみとなったように聞いております。今後ともこの設備の具体的改善の指導とさらにその成果のあがったことを確認してまいりたいというふうに考えております。
○吉田委員 社会党の調査が入ろうとしたらそれを拒否したとか云々ということを主として言っておるのではありません。工場の中で従業員についてあるいは下請の働く人について弗素の患者らしい人が出た。それをだれが言おうとだれが問題にしようと、これは問題ではないじゃないか。それが問題になるようではやはり経営者の姿勢に人命尊重なりあるいは人の健康を生産の能率以上に重視する見解が足らぬのではないか、こういう意味で最初に環境庁長官に問うたわけですが、通産大臣がおられぬから、そこで問題は、そういう公害なりあるいは健康をそこなうような生産の過程があるならば、いま欠点は認められましたけれども、それは直接の監督官庁は法上からいえば労働省かもしれません、あるいは基準監督署かもしれません。しかし指導をしておる通産省としてはそういうことがないように今後人命を尊重する経営をさせていくように指導していきたいというのが答弁でなければならないと思うのですが、そういう姿勢に問題がある。時に工場に行かれるかもしれませんけれども、現場に行って工場の欠陥を指摘をして直させるようなことはいままでなかったようです。そこが問題なんですが、これは通産局の姿勢になりますけれども、所管の生産工場についての指導にあたっても十分留意をしてもらいたいということを要望しておるわけでありますから、その点をひとつちゃんとお伝えを願いたいし、姿勢の変更を求める次第です。ありがとうございました。
○佐野委員長 次回は、来たる十日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十二分散会