公害対策並びに環境保全特別委員会 第34号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/06/29
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 水俣問題に関する各省庁に対する要望事項について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
○岡本委員 まず最初にお聞きしたいことは、先般当委員会から水俣、有明方面にも調査に参りましたが、その中で、まず早急にやらなければならぬことがありましたが、それは被害者の救済であります。有明町におけるところの水俣の疑似患者、この人たちが、特に要望しておりましたことは、私たちがほんとうの水俣病なのか、あるいはまたそうでないのか、何の連絡もない。また、もう一つは、治療法ですね。こういうようなことで、非常に不安な毎日を送っておるのだということでありますから、人命問題でありますので、まずこの点について環境庁としてどうなさるのか、一日も早くこの点をはっきりとしてあげていただきたい。これについて、ひとつまずお聞きしたい。これはどこからですか、環境庁長官のほうから。
○三木国務大臣 こういう問題があるわけですね、一つは、いま岡本委員の御指摘のような水俣病の治療方法ということですね。これはなかなか残念ながら、いま治療方法というものは医学的に解決されてないわけですね。これは、今度一つの研究治療のセンターをつくりたいという考えでありますから、相当やはりこの日本の医学者の協力あるいはまた世界にそういうふうなことで国際的な協力の面も得てもいいと思うくらい、やはり治療の方法は改善しなければならぬ。まあ、だからいまのところでは、私も現地を見てみると、病気を悪化させないということは可能なようですね。じいっとおれば、悪化していくのをある程度食いとめるというようなことでは何か効果があったと私に話した人もあります。あるいはまたいろいろな訓練を通じて、日常の用は自分で足せるような、やはり訓練、リハビリテーションといいますかね、そういうふうな可能なことからできるだけのことをして、根本の問題である、神経がおかされておるものに対して、神経の回復というものは、まだ医学的になかなか解明されていないわけですから、これは相当な時間をかけて取り組んでいくよりほかにはない。しかし、現在の医学でできるだけの最大なことをいたしまして、患者の苦痛をできるだけ軽減をするために努力をしたいと考えております。
○岡本委員 それで、もう一つ私がお聞きしたのは、有明町付近で、十人でしたか、あの方々は、聞くところによると、あの付近にはそういう水俣病の患者はいないんだということで、水俣病の方々の対照の地域として、熊本医大から過去一年間ですか、二年ぐらいかかって調査をしてもらって、そうして十人余りの患者が出たわけですが、これについては、私たちははたして水俣病の患者なのか、そうでないのか、患者であれば早く認定してもらいたい。要するにヘビのなま殺しのようにしてほうってあるわけですよね。それも通知はマスコミの方から、あなたがそういう疑似患者になっていますよ、こういうようなことで非常に不安な毎日を送っているということでありますから、私、熊本県知事にも早く何らかの手を打ってあげていただきたい。そしてそのときに、公害患者として国で指定をしてくれるならば、直ちにやれるんだ、しかし、国のほうでそれをしてくれないので、あそこの十人なら十人だけやるわけにはいかない。ということは、いま申請だけでも千何人かきている。千二百何名ですか、その方々にも同じことをしなければならぬ、片手落ちになるのでどうすることもできないというのが、熊本県知事の答えでありました。したがって、熊本県知事のほうでは、環境庁で何らかしてくれなければ困る、環境庁のほうもまたはっきりしないというようなことでは、私は、いつまでたってもこの方々の不安というものは除かれない。まずそれについて早急に手を打たなければならぬではないかということでありますから、これについてひとつお聞きしたい。
○三木国務大臣 私も現地などを見てみると、やはり申請者の検診が非常におくれるんですね。したがって、これは厚生省ともいま相談をしておるわけですが、この検診を促進する方法は一体どういう方法があるか。そこで、国としても医師団の派遣等、国としていろいろ協力できる面がありますから、それから検診の方法というものもやはり検討する余地がありますので、このままでいけば、検診の能力というものが各府県においても限られていますから、非常に長年月かかるような予定になりますから、これを促進するために検診の体制というものを整えるために、政府のほうとしてもこれをできるだけ促進さすにいい一つの案を見出したいと努力をいたしておる次第でございます。これは国としても相当協力しなければならぬと考えて、いま厚生省と話を進めておる次第でございます。岡本委員の御心配のようなことは、われわれもやはりそうだというふうに考えておるわけでございます。
○岡本委員 そこで、いろいろと検討はしていらっしゃると思うのですが、現実に進まなくては、千二百何名ですか、あとの潜在患者の申請、それから特に有明あたりではもう申請もしてないわけです、どっちかわからないというようなことで。認定につきましても非常にひまがかかる。 それで文部省にお聞きしたいのですが、文部省はこの間、国立大学に対して研究費を出すとかあるいはまた研究費の補助金、大体そういうような説明だけであった。熊本県知事の要望によりますと、各国立大学のそういった専門家をひとつ熊本県に派遣してもらって、そして早急に一緒に認定のほうに当たってもらえないだろうかというような意見もあったわけですが、文部省としてはどういうように考えておりますか。
○齋藤説明員 仰せのように、現在熊本大学の各科の教官あるいは医師が認定のための検診等を行なっておるわけでありますけれども、これにつきましては外から急に集めても直ちに検診できるという能力がない、こういう問題もありまして、その辺につきましては大学全体として公害関係の研究の水準を高めるという基本的な姿勢が必要でありますが、当面熊本大学としてどういう体制をとればよいかということを、現在熊本大学の病院の院長にお願いをいたしましていま検討をしていただいておるわけでございます。その上で、文部省として熊本大学にどういう措置をとるべきかということを至急に検討したい。現在向こう側から出てくるそれを大学にお願いしておる、こういう状況でございます。
○岡本委員 これは環境庁長官に要望もし、またやってもらいたいのですが、いま文部省のほうでは熊大だけをたよりにしておる。熊本大学の武内教授の話を聞きますと、たとえば脳神経だとかあるいはいろいろな専門家を集めて、そしてこれとこれとこれであるんだという環境庁の認定の基準が出ておりますが、それだけやればちゃんとわかるんです。ただ、要は人員がないのですね。手がない。ですから、九州大学あるいは熊本大学、あるいはあの付近の大学を網羅してしばらくそういう人たちに認定に当たっていただく、こういうような強力な手を国のほうで打っていただけないかというような話です。だから、これは所管が違うとしても、長官は副総理でありますから、早急にそういった手を打って患者の救済に当たらなければならないのじゃないかということなんですが、この点についていかがですか。
○三木国務大臣 私もいま考えておるのは、班を幾つかつくって、それに対してはやはり国立病院の医師団、あるいはまた水俣病に対していままで経験のある人、そういう人で――いまの人数だけではこなすのに限度がありますから、何かもう一つ班をつくる。そうして、検診というものが申請をしてから結論が出るのに何年もかかるというような事態は、やはりわれわれとしてもすみやかに改める必要があると考えておりますので、そういう方式をいま検討しておるということでございます。
○岡本委員 もう一つ、有明の十人につきまして先ほど私が要求しましたが、県知事は、この方々だけを特別に認定するわけにもいかないのだ、あるいはまた特別に救済することはできないのだということですが、これは環境庁のほうから――潜在患者としていま申請しておる千何名も必要でありますけれども、この十人の方については早急に結論を出していただきたい。それが私は大切であろうと思うのですが、この点について環境庁のほうで特別の配慮ができないのか、お聞きしたいのです。
○三木国務大臣 これは熊本大学からああいう指摘もありまして、本人からすればたいへんに不安な毎日だと思いますので、県とも相談をして、この熊本大学から指摘された水俣病のような症状があらわれておるこの人は特別な措置を考えます。
○岡本委員 次に厚生省にお聞きしますが、この間私は社労との連合審査のときにも指摘をしたのですが、魚の安全基準というものについて、厚生省は献立だとかいろんなものを発表するのですが、絶えず二転三転しているわけですよ。そして、こんなことをすればするほどかえって一般の消費者は不安だというような、厚生省に対して非常に不信を持っておる。 率直に聞きますけれども、あなたのほうで魚の安全基準をこうして発表するときにほんとうに確信があり、また間違いないものを発表できるのかどうか。それでないと、魚が売れないとやはり漁業者は困る。また、それに対するいろんな関連業者も困る。同時にまた、いいものであればどんどん魚を食べたらいいわけですが、これについて、ほんとうはまず厚生大臣に聞くところですが、環境庁からひとつはっきりした答えをいただきたい。
○浦田政府委員 魚介類の水銀の暫定的基準について公表をいたしました際に、こちら側の資料などの説明の上で不手ぎわ、不十分なところがございまして、国民の皆さまにいろいろと御迷惑をかけ、混迷におとしいれた点につきましては、この席をかりて深くおわび申し上げます。 私は今度の暫定的基準を発表するにつきまして、いかにこのように学問的にむずかしい内容を持ったものをわかりやすく国民の皆さま方にお示しするということがむずかしいかということを身をもって痛感したわけでございます。 一番私が気がつきましたことの一つといたしまして、学問というものは実は非常にむずかしい用語、定義の積み重ねでございます。一つの用語、一つの定義というものに、その背景に何百年という歴史とそれから膨大な研究と資料というものがあるわけでございます。これらに基づいて、さらに新しい知見を加えていく、新しいデータを加えていくということでございまして、それらを端的に短い表現で、しかも短い時間にはっきりと相手に伝えるということは、実は私は至難のわざであると思います。 安全基準、おことばを返すようでございますが、岡本委員が安全基準ということばをおっしゃって、そして二転、三転したというふうにおっしゃっておりますが、事実は私はそうでなかったと思います。今日まで私の口からあるいは厚生省から、少なくとも安全基準ということばを使ったことはないはずでございまして、常に暫定的許容限度、許容量の限度とかあるいは暫定的許容摂取量あるいは暫定的規制値というふうに申し上げておるつもりでございます。 いきさつを申しますと、これはいわゆる第三の水俣病の発見報告以来急速に高まってまいりましたメチル水銀に対する国民の不安に答えるために、水銀等汚染対策推進会議が環境庁長官の三木大臣のもとに設定されまして、そしていろいろと協議があったわけでございますが、その中の緊急第一の課題として、それはしかも本委員会におきましてもそれが第一の緊急事であるというふうな御意見があったやに私も覚えておりますが、第一の緊急の課題といたしまして、対策推進会議では、魚の水銀に関する安全基準を早く設定しろということであったのでございます。 これにこたえるべく前後して発足しておりました魚介類の水銀に関する専門家会議、武内教授あるいは椿教授等々世界的な水銀中毒に関する専門家、権威者の方々にお集まりいただきましたこの専門家会議に非常に御無理をお願いいたしまして、それこそ最終的には連日連夜といったような形で御審議をお願いいたしました。実に膨大な資料を背景といたしまして、そしてまとめた。このような背景に基づく魚介類の水銀の暫定的基準の設定でございます。意見でございます。 それで繰り返しになりますけれども、たしかすでに資料としてお手元にお配りしてあるはずでございますが、「魚介類の水銀の暫定的基準についての意見(昭和四十八年六月二十四日)魚介類の水銀に関する専門家会議」という見出しで、三枚つづりの刷りものとして大かたのほうにお配りしたわけでございますが、その前文は省略いたしますが、この内容は二つのおもな点に分かれるわけでございます。 一つは、総体として一体メチル水銀は量としてどれほどとったら一生涯安全だ、一生涯その量以内に押えることができれば安全だという、そのような量の限度というものはいかんということでございまして、これはメチル水銀の暫定的摂取量限度ということで、すなわち「成人(体重五十キログラム)に対し一週メチル水銀〇.一七ミリグラム(水銀として)とする。」となっておりまして、これが第一点でございます。これをどのような学問的根拠、背景のもとにきめたかということにつきましてはここでは省略させていただきます。ただ、その背景には膨大な研究、調査、検査の資料があったということを申し添えておきます。 それから第二点といたしまして、水銀の暫定的規制値というものを定めてございます。これは濃度規制でございまして、総水銀〇・四PPM、総水銀で〇・四PPMをこえる場合には、メチル水銀で〇・三PPM、詳細は説明は省略させていただきますが、数字から申しますと、平均で総水銀量が〇・四PPM、メチル水銀で〇・三PPMという暫定的規制値、この二つに分かれておるのでございます。 実は、一週間にどれだけの量を体内に取り入れることができるか。そのぎりぎりの限界は幾らかということだけをきめておれば学問的、医学的にはほかは一切必要ないはずでございます。たとえば、たとえの例があるいは不適当かもしれませんけれども、いわゆるアルコール類、酒類にたとえをとりますと、お酒好きな方は、日本酒の好きな方は日本酒で二合とか、ビール党はビールで一本あるいはウイスキーの好きな方は水割りにするにしても、二はいとかあるいはストレートで飲んで三ばいとか、こういったようなことで、いろいろと飲み方はあると思います。しかし、いずれもほんとうは問題になっているのはアルコールの度合いでございます。ウイスキーはおそらく四十二、三度、それから日本酒ですと十四、五度、あるいはビールですと、どれくらいですか、十度前後ですか、もうちょっと下ですか、私も専門家でございませんのでよく覚えておりませんが、そういったようなことでアルコールの度ということで示しております。おれは酒は一升飲んでも平気だといわれる方は、一升というと幾らになりますか、千八百CC、これで十五度というのは一五%ですから、計算するとアルコールの量が出てまいりす。それと同じだけのアルコールの量をウイスキーで飲むとすれば一体何ばい飲めるのか私存じません。そこまできょうは計算してきておりません。しかし、いわば目安はアルコールの度数でございます。お魚を幾ら食べられるか、メチル水銀で〇・一七ミリグラム一週間まで食べてよろしい。これは何のことやらわかりません。お魚と申しましても、カツオもあればマグロもある。あるいはサバもあればヒラメもある。いろいろとございます。イワシもあればサンマもあるということでございますが、そのおのおのの魚がどれだけのメチル水銀を持って泳いでいるか。お酒ですと酒屋さんのほうで、これはレッテルに濃度が書いてございますけれども、魚のほうはわき腹に、おれはメチル水銀を何ぼ持っているというレッテルを張って泳いでいるわけではございません。また店頭でそういうことはできません。それで結局どうしても人間のほうでこれをはかるわけでございますが、そのときに大きな魚であればきっとたくさんのメチル水銀、かりにあるとすれば、同じ量であるとすれば、からだの大きいほうにたくさんメチル水銀があるにきまっております。そうすると、いつもからだの大きいほうは損する。イワシとかもっと小さいほかの魚は、メチル水銀の総体量が少なくなりますから何だか損する。いつものけものにされる。いや、逆かもしれませんが、かえって小さいほうがぐあいがよろしいということでございますが、そういうことでは何だか不合理でございます。結局比べる場合には、からだの大きい魚、小さい魚、同じように百グラムなら百グラムのものを持ってきて、そして同じ量にして物を同じにしまして、その中に一体メチル水銀が幾らあるのだろうかということを比べるのでなければ不公平でございます。その規制値、比べる値、酒類の中のアルコールの度数に当たるものが暫定的規制値でございます。これは総水銀量で申しまして〇・四PPMということでございます。メチル水銀で〇・三PPMということでございます。 そうしておきますと、からだの大きい、小さいにかかわらず、魚類のいかんにかかわらず〇・四PPMは〇・四PPMということに相なるわけでございますから、そうしますと、行政のほうの手段としてはにらむだけではわかりませんけれども、ちゃんと分析測定すればはっきりと区別が公平につけられます。合理的につけられます。そういうものが暫定的規制値、PPMでございます。この週間許容摂取限度とそれから暫定的規制値と両々相まちまして行政的ないろいろな対抗手段がとっていけるわけでございます。そうして冒頭にお断わり申しましたように、水銀等汚染対策推進会議では、ほかのいろいろな手段をとるための第一の目標として、この規制値あるいは基準をつくれということでございましたので、そういった目的はもございますが、私どもは一般国民の方の食生活の安全を確保するという立場、そういった両方の立場からこの規制値なりあるいは週間の許容限度というものをきめたわけでございます。これにつきましては、繰り返しになりますが、専門家の先生方のほんとうに非常な御苦心、御努力でもってでき上がったものでございます。 それから暫定的と申しておりますが、実はこれはまだサルの実験等々、一応いましばらくお待ちいただければ、もっとよりよい研究結果が出てくるという背景もございますので、暫定的と書いてございますが、これはおそらく世界的な水準から照らしてみても、最も権威ある基準値であると思います。規制値というのは行政上の目的なども多少加味されますので、規制値については申しませんが、暫定的な週間摂取限度というこの数字の根拠、これは専門家会議のいままでのいろいろな結論というものは世界的にも権威の高いものだということはいえると思います。 それできまったのは実はそれだけでございます。これに私ども頭の悪い行政官が、何とかしてこのようなむずかしいお話をわかりやすく国民の皆さまにお伝えしたいということでいろいろと苦心したのでございます。これをお読みいただければあるいはわれわれの気持ちは誤りなく伝えられると思いますし、またそう申してはなんですけれども、その発表した時点において各紙をよくごらんになっていただきますと、私は各新聞紙とも実に正確にこの暫定的基準についての記事は載せられてあったと思います。私はよくお読みいただきたいと思います。 それとともに、私どもは悪い頭を知恵をしぼりながら、いまのようなお話をできるだけわかりやすくと思いまして、よせばよかったと思いますが、こういったようないわゆる手引き書、解説書というつもりで、水銀汚染から健康を守るために未定稿としてお示ししたわけでございます。それがやはり舌足らずの点あるいは説明不足の点等々もございまして、何だかこれそのものが安全基準の本文である。これそのものが、お魚が何匹食べられるというのが安全基準であるといったような誤解を生んだようでございまして、その点初め規制値〇・三PPM、一ぱい満度によごれた魚ばかり食べるとして、一週間〇・一七ミリグラムを目標とした場合に何匹食べられるのだろうか、こんなことはあり得ないわけですけれども、これだけぎりぎり汚染度一ぱいまでよごれた場合に何匹食べられるだろうかという計算をしてアジが十二匹とか、ちょっと例が悪かったのでしかられましたが、イカが何枚とか、あるいはハマチが幾らといったような数字絵解きをしたわけでございます。それが非常に誤解を生んだのでございまして、その点私どもはたいへんに恐縮いたしておる次第でございます。 それで、どうもこれだけしか普通でも食べられないというふうにたいへんな不安というものが広まっているということで、もう一つそれでは例を引きましょうということで、たとえばをもう一つふやしたわけでございます。そのたとえばという根拠になりましたのが〇・〇八PPMということで、これはいままで厚生省時代から環境庁に引き継ぎまして、いろいろと汚染状況を調べておりました過去のデータを平均した濃度が〇・〇八PPMということでございました。じゃこれが架空の数字、たとえを引くにしても、まあまあ根拠のある数字でございますから、それをもととして計算してみると幾らになるかというと、これは簡単でございます。〇・一二PPMが〇・〇八PPMになったのでございますから、約四倍近く魚が食べられるということになることはあたりまえのことでございます。決して厚生省はがたがたしているわけでもないし、その限りにおいては基準を変えたわけでもございません。ただその資料の示し方に不手ぎわがあったことは、これは率直に認めます。そういったことでたいへんにはたから見ますといかにも自信がないことを厚生省は繰り返している、あげくの果てが、御指摘にございましたような大臣談話発表のいきさつなどもございまして、ますますその点混迷の度を深めたごとき印象でございましたが、あくまでも事実はこのとおりでございますから、その点はどうか誤りのなきょう御了解いただくようにお願い申し上げます。 たいへん長くなりましたがお答えといたします。
○岡本委員 あまり時間がないところを長く話してくれましたが、そこで私は、安全基準と言ったのは安全宣言の間違いでありますけれども、安全宣言を、これは二十七日でしたかなさった。それから一時間後にすぐまた、その魚の安全宣言を取り消しているというような報道があるわけですね。それでますます厚生省の安全宣言というものに対して、国民が不安を感ずるわけですね。 そこで、こういう要求が来ているのですよ。魚介類生鮮食料品に含まれる水銀、PCB等の汚染、環境汚染物資による住民の健康被害の発生を未然に防止するため、水銀、PCBを含有する魚介類等生鮮食品の安全基準を早急に設定するとともに、権威ある判定機関を設置すること。これによると要するに厚生省は権威ある判定機関でなくなっているようにとっているわけです そこでこれは環境庁長官に、こんなに厚生大臣があやまってみたりあるいはいろいろなことをしているわけですよ。だから政府として統一見解をはっきり発表し、そして、現在のこの水域はだめだけれどもこの水域は全部だいじょうぶですというようなはっきりした統一見解を発表する。ただそれが、この間私は厚生大臣にもお話ししまして厚生大臣もそれを了としたのですけれども、一ペんぐらいの発表ではだめだと思うのですよ。一カ月なり一週間なり続けて毎日、毎日、テレビなんかもこの間総理府で、広報室ですかどこかで行政管理庁のことを発表していましたが、私見ておったのですけれども、ああいうようにして、この魚はだいじょうぶなんだということをどんどん、いままでの変な、がたがたしたやつをぴしっと政府見解として発表していく、それでなければならないと私は思うのですが、その点について副総理としてどういうように検討されますか、ちょっとお聞きしたいのです。
○三木国務大臣 ちょうどきょう、問題のあるような各地域の係官を東京に招集をして会議をやっておるわけでございます。それはどういうことをしようとしておるのかというと、漁場の市場において七月一日から県の衛生試験場、あるいはまた地方の大学の協力も得る場合もあるでしょうし、民間の検査機関の協力も得て、そしてこれから常時魚介類に対する検査分析を行なうわけです。そしてこれを公表するつもりです。東京湾も二十七日から始めていますが、これを全国的な、問題が起こっているような海域のところでこれからは常時検査をしてそれを公表する。これはずっとやるわけです。そういうことで、そしてしかも公表の結果をあからさまにみなに対して発表をして、そして現実にその海域における魚の汚染状態はどうであるかということをそのデータを通じて国民の理解を求める、これが一つ。 もう一つは、七月一日から全国的な一つの環境の調査を行なう。魚介類からプランクトンから水質から底質から、単に水銀ばかりでなしにPCBもカドミウムも、有害物質に対する全国的な総点検を行なう。それは順序としては問題のある地域を先にやりますけれども、これは全国的にやる。そして近いうちに、ここ数日のうちにヘドロの除去基準というものを発表いたします。いま専門家が検討を加えておるところでございます。この除去基準に照らしてみて有害物質が除去基準を越えるような水域に対してはヘドロを処理したい。日本列島大掃除をやりたい。 そういうことで、そのためには十分な科学的な調査をしなければなりませんから、それを七月一日から始める。しかも問題の水域は三カ月の期間にこの調査を完了する。それからまた次に全国的にやるわけですが、そういうことで、ただ政治的な発言ではなしに、ちゃんと調査のデータにのっとって水銀の汚染からくる国民の不安の解消につとめたい、こういうことでいま会議をやっておる最中でございます。こういう考え方でございます。
○岡本委員 そこで、確かにそういった調査も必要であります。環境庁はこれからそう言って全部調査をいたします、こういう発表ですね。片方の厚生省のほうでは、魚はだいじょうぶです、こういうことですね。悪いのを公表するのもよろしいよ。しかしいいのもやはり公表していただかないと、悪いのだけ見たら全部あかんのか、こういうふうに国民は非常に不安なんですね。この海域はだいじょうぶです、こういう魚はだいじょうぶですというように、だから権威ある判定機関を設置してもらいたいというような要求です。 そこで、いま私があなたに申し上げたのは、そういった調査も必要でありましょう、これは大事だと思います。そしてヘドロを全部除去してもらうというようなことも大事です。しかし、各県で私はいま全然やっていないことはないと思うのですよ。水銀問題についてはもう四十三年から問題になっているわけですから、もっと前から問題になっている。四十三年にああして水俣病の認定がされましてから、相当各県におきましても調査していると思うのです。そういったもののデータを全部取り寄せて、まずこういった魚はだいじょうぶだという安全宣言――厚生省でこれだけみそをつけたんじゃ話にならないと思うのですね。ですから、政府見解として、政府としてはこうだというようにしなければ、もう漁業者もみんなたいへんなんです。同時に、国民の皆さんもほんとうはどれを信用していいかわからぬということになってしまっているわけです。ですから、政治的配慮というたら政治的配慮になりますけれども、これは現在のわかっている範囲、要するに各県からの資料をいろいろ取り上げて、この魚は食べてもだいじょうぶですというようなことをはっきりすべきじゃないですか、私はこういうように考えておるわけですが、大臣、ひとっここらで勇断をふるってやらなければいかぬ時期が来たんじゃないかと思うのですよ。
○浦田政府委員 魚の安全宣言でございますが、私どもの立場から申しますと、これはいまのデータで言える、こう言ったってしょうがないわけです。はっきりとこれが安全であるということを言うのには証拠が要るわけでございます。とりあえずは私どものほうの立場としましては、流通市場において、皆さま方の食卓にのぼる直前の段階において抜き取り検査をやりまして、ほんとうに安全かどうかということを証拠をもってお示しする。もしも基準以上のものがあれば除くことはもちろんでありますけれども、そういうはっきりしたデータでお示ししたい、こう思うわけであります。それに対して個人的に幾ら腹でこれはだいじょうぶだと思っておっても、そういうことで済む問題ではないと思います。これはもう岡本先生もおわかりのとおりだと思います。したがいまして、その証拠ということが一番大事でございますし、いまこのきょうの会議に引き続きまして――産地市場と申しますか、水揚げされてくるすぐわきの市場でもって押えまして、そこでまた抜き取り検査をやっていこうじゃないか。これは実は早く汚染源対策をやって、汚染している水域を確定して一これは私ともの立場でできないことですけれども、水産庁さんなり関係の省庁のほうでそこの漁獲制限、漁獲禁止というようなものをしていただくということを私どもとしてはやっていただきたいわけです。それはいま環境庁の対策会議で、三カ月以内にその汚染しているかどうかという判定をはっきりするということでございますから、おいおい私どもは一匹の汚染魚も市場にのぼってこないということができると思いますが、それまでの間の問題がございます。したがいまして、それまでの間、とりあえずは抜き取り検査を産地市場あるいは東京中央卸売市場において行ないまして、その結果を公表していくことによって、なるべく早く、私の望みとしてはなるほど厚生省の言っているとおりきれいだったんだなというふうにおわかりいただける日が一日も早いように、その九月の終わりまでの間、私どもはとりあえずそれができるように、いま関係府県の担当官を呼んでおりまして、一部はすでに各県独自の立場でもって検査をしているようでございますけれども、全国的な問題でもございますから、お互いに相連絡し、統一した体制のもとに検査をしていくということをこれから相談し、指示するということでございます。
○岡本委員 それもよろしいと思いますが、新聞記事を見ましても、「変な安全宣言、厚生省おろおろ、」こういうように新聞発表されているわけですね。これしか一般の国民の皆さんは見ないわけですよ。だから一ぺんこれに出ると、魚は売れなくなる、もうすし屋も上がったりだというようなことで、だからこれに対しては、ぐあいが悪いのはぐあいが悪いとはっきり国民の健康の問題ですからやらなければなりませんが、いいものに対しては、これはだいじょうぶなんだということを――三月も待っておれないですよ、ほんとうのことを言いますと。だから、こうやって熊本県も安全宣言したり、あるいは兵庫県でもやっております。そのあとでまた政府のほうあるいはまたいろいろななにが出てきますと、またおかしくなるということですから、いいものはいいんだという発表をずっと積み重ねていく。これは厚生大臣もこの間約束したわけですけれども、しかし厚生省についてはみんなあまり信用できなくなってきた、これはやはりどうしても政府自体として乗り出さなければ――厚生省も政府ですけれども、そうしなければ、もうみんな気持ちが悪いということで食べなくなる。この間も、おかあさんが魚を買おうとすると、子供がうしろから買うな、買うなと、口に出すと悪いから引っぱるというのですね。こんなことでは非常に政治不信につながると思うのです。ですから、ひとつ長官、環境庁として取りまとめて――厚生省の意見はいいですよ。ひとつ統一見解なるものをばっと発表していくというような考え方はどうですか。
○三木国務大臣 私は、政府がどう対処するかということをいま岡本委員にお答えしたわけですが、やはり公害対策には国民と政府との間に信頼関係が要りますから、その信頼関係というものは裏づけのある科学的な調査というものが必要である、そのために七月一日から全国的な海域の調査をやるわけです。しかしその間、これもやはり七月一日から、各魚の産地の市場において魚ごとの、抜き取りの方法でありましょうが、それで検査、分析をして毎日発表すると言っているのですからね。そうして、その魚はだいじょうぶです、あるいはまた中に汚染しているものがあったら、こういう魚が汚染をしておった、これを何も包み隠さずに公表すると言っているのですから、こういうことで、みな地域の人たちも、そういう調査の結果に基づいてこれはだいじょうぶだということになれば、今日のような不安は解消できるものだ、これを七月一日からやろうということを私はここでお約束しておるわけですから……。そういうことであります。
○岡本委員 なかなか長官は言うことを聞かぬからしょうがないです。 それで、厚生省は、この間大臣が、社労との連合審査のときに、毎日でもどんどん安全宣言をしていく、テレビでも新聞でも何でもどんどんやっていくのだという約束をされましたが、それをどういうふうに実行するのか、もう一度……。
○浦田政府委員 この前の大臣談話の中身は、結局非常に膨大な中身を非常に詰めたということで、先ほど申しましたように、用語の不適切その他からどうも一部資料がないのに安全だと言い切ったというような印象もございまして、私どもは、それをさらに的確な表現にし、場合によっては説明するために補足資料というものもっけて出すべきであると思ったので、一応ちょっと待ってくれということになったわけでございます。それはやはりいま市場に出回っている魚、これは全国どこから来ておるかなかなかはっきりしておりません、ひょっとして汚染されておる魚があがっておるかもしれないということでございまして、そういうようなひょっとしてというようなことについて、何もそれを否定する材料を政府全体としても持ち合わせておりません。厚生省は厚生省の立場でいろいろと計算し推測して安全だと思っておりますけれども、証拠が出せません。したがって、さっそく流通市場において検査して、証拠というと大げさですけれども、ほんとうに分析してみてそれを見た上でやるべきじゃないかという判断を持っておりまして、やはりそういうところを見きわめながら、時期を見てタイミングを考えて内容の適切さというものに対して十分自信を持って発表してまいりたい。もう少し時間を経たほうが適切であると考えております。
○岡本委員 約束の時間が迫ってきましたので、そこでまとめてお聞きしますが、これは当委員会におきまして、四十七年三月十七日、PCBの分析方法を確立して排出基準をぴしっと定める必要があるという質問に対して、分析方法を開発中である、この研究の結果を待ってできるだけ早く基準を設定したいというようなことで、まだこの答えが出ておりません。それからPCBを水質汚濁防止法及び大気汚染防止法の一部を改正する法律案の中身に入れるようにということも要求しておりますが、これもまだできておりません。それから第三点は、PCBの回収については行政指導のみならず回収規定を明確にすべきである。これは今度商工委員会に出ておるようでありますが、この回収処理体制について四十八年度の予算は八百万しか出ていない、こんなことではうまくいかないのではないか。それから回収されたPCBの処置について、二次公害が出ないように十分留意して専焼炉の開発を研究してもらいたい、こういうことも要求をしておきましたが、これについてもまだはっきりした答えが出ておりません。たとえば三菱モンサントあるいはまた鐘淵化学ですか、あそこで千二百度以上の温度をかけてこれを分解する、処理するということでありましたが、そこから出る煙ですが、ここから大気汚染の原因になるのではないかということで、現地住民の皆さんも心配をして戸惑っているような状態です。しかもこの二社でもって回収をしたものを、これを処分するというようなお話でありましたけれども、私どもが調査いたしますと、東洋レーヨン、ここで約十四トンの自家で燃焼をして処分しておる、これについても非常に心配である。したがって、これは私どもが党で調査をしてわかったわけでありますから、ほかでもこういうことが行なわれているのではないか。したがって、これはひとついままでのPCBを使用したそういった各企業に対してはよく再調査をする、立ち入り検査をして点検をする、これが大切だろうと思うのです。この四点についてお聞きいたしまして終わりたいと思います。
○岡安政府委員 最初の二項目について私からお答え申し上げます。 まずPCBの規制でございますが、現在PCBにつきましては、PCBについての暫定的な指導指針というのを出しております。暫定的な指導指針ということになっておりますのは、先生御指摘のとおり、現在PCBの分析につきましては清水とか食料品中のPCBの分析方法は一応確立されておりますけれども、汚濁水中からPCBを純粋抽出するという方法は確立されておりません。そこで、清水、食料品中のPCBを分析する方法によりまして排水の規制をするということで暫定的指針を出しておるわけでございます。では汚水中のPCBの分析方法はいつごろできるかという問題でございますが、関係省庁といま協議いたしております。御検討いただいておりますが、近くこれが確立するというふうに聞いております。それができれば、私どもは水質汚濁防止法に基づきます正式の排水基準として指定をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○田中(芳)政府委員 PCBの焼却の問題でございますが、ただいま御指摘のように鐘化等におきましてこれが回収を受けましたものの焼却を実施することとしておるわけでありますが、そしてまたこれを受けまして環境庁のほうにおかれまして、大気に排出するときに暫定排出基準、これを設定されたところでございます。企業側といたしましては、この排出基準に適応する炉を建設することといたしまして準備を進めておるわけでございますが、しかし、地元の方々の御納得がなお得られていない状況でございます。したがいまして、今後私どもといたしましては環境庁及び県当局とも十分御連絡、御相談をして、これが処理が円滑に進みますように努力をしてまいりたい、このように考えております。 それから感圧紙あるいは電気器具に入っておりますPCBでございますが、これにつきましては通常のと申しますか、ただいま申し上げました焼却方法とは違う形の焼却方法を開発することが必要ではないかというふうに考えられるところでございます。そこで、PCBの完全燃焼に関する研究を行ないますために、公害資源研究所で技術的に検討を実施しておりますほか微生物工業技術研究所におきましてもPCB等の生物学的分解に関する研究も現在実施中でございます。できる限り早く結論を得たい、このように考えておるところでございます。 それから回収方法の確立でございますが、熱媒体につきましては、おそくとも本年末までにこれを回収することとし、その徹底を期しておるところでございます。しかし電気機械等に入りました使用しておりますPCBにつきましては、いわゆる一般消費者の手に渡っておるところでもございますので、これが回収につきましてはできる限り迅速かつ効率的な回収をはかる必要があろうということで、使用されております電気器具のリストを近く整理いたしまして公表いたしますとともに、やはり一般廃棄物として市町村等に放出される可能性が非常に大きいものでございますので、厚生省それから当該市町村とも十分連絡し、かたがたメーカーの処理体制というものをこれで確立することにいたしたい。目下それが体制の整備を急いでおるところでございます。 第三番目に、どうもこの回収の体制が十分でないところから、お調べになりました工場におきまして自己焼却というようなことも行なわれており、きわめてまた二次公害と申しますか、そういうことが危険であるという御指摘がございました。私ども先般来三百三十八工場につきまして通産局を動員いたしまして現在PCB使用工場の総点検をしておるところでございます。御指摘が先日かあるいは先々日、先生から他の委員会でございましたようでございますので、さっそく当該通産局長に連絡をいたしまして総点検をいたしております。担当官に工場に対しましてそのようなことを今後絶対に起こさないように強い指導を指示させることといたしますとともに、今後の回収にそのような二次的公害を起こさざるよう重ねて各PCB使用工場に対しまして私どもとして厳重な通達をいたしたい、このように考えておるところでございます。
○岡本委員 もう一つ答弁漏れがありましたでしょう。これはCPBの問題は政令で有害物質に認定すること、そして要するに水質汚濁防水法あるいは大気汚染防止法の一部を改正する法律案の中身に入れる。これはまだ入ってない。これは早く入れれば、そのときからこれは無過失賠償の対象物質となるわけですが、この点についてもひとつはっきり答えておいてもらいたい。 そこで大臣、このPCB問題も、いまお聞きのようにまだまだお寒い対策です。水銀と同じような問題、これも四十二年から私は水銀、水俣病問題でもやかましく言いましたし、いまになって騒いでおるときは何だかんだともあれやろうとするのですが、しばらくほかの問題に情報化時代で移りますと、あと非常に手ぬるいですよ。これではまだこういった問題がどんどん出てくるのじゃないかということでありますから、ひとつきちっとやることはやってしまうというように、一つ一つ公害というものを、私は環境問題はおろそかにせずにやっていかなければならぬということを要求しておきますけれども、それについて反論があればひとつしてください。
○三木国務大臣 反論はありません。私もそのように考えておるわけで、PCBは代替品がないということで一部使用しておるが、年度内で使用は認めないようにするPCB、いま回収はとにかく開放性の場合はノーカーボン紙であるとか、電気器具とか、非常に国民の生活の中に広く入っておって回収がなかなか時間がかかるわけであります。しかし、電気器具などをメーカーに責任を持たせてこれを早急に回収をしようということになっておりまして、岡本委員の御指摘のように騒がれぬから、この問題は軽視することは断じてありません。
○岡安政府委員 もう一度御答弁申し上げますが、現在は暫定指導指針ということで指導いたしております。汚水中の分析方法が確立されておりませんので、清水中、または食品中の分析方法を準用していたしております。汚水中の分析方法につきましては関係省庁と合同で現在その確立を促進いたしております。近くその方向が確立をいたす見込みでございますので、それが確定次第水質汚濁防止法の有害物質に指定をいたしまして、排水規制をいたしたい、かように考えております。
○岡本委員 終わります。
○佐野委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 長官にお伺いしますが、最近の水銀汚染というのは、ただ工場排水だけではなくて、農薬にも原因があるということがいわれておりますし、また私もそう思いますが、まず大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○岡安政府委員 水銀によります水質汚濁につきましてはいろいろ原因がいわれております。先生おっしゃるとおり、かつて農薬として水銀剤が相当大量に全国的に散布されましたものですから、それによる汚染があるのではないかということがいろいろいわれております。これは非常にむずかしいといいますか、原因追及につきましてはむずかしい問題がございます。しかし、確かに大量の水銀が長い間ではございますけれども全国的に散布されたのは事実でございますので、私どもは今回の全国総点検の一環といたしまして、土壌中の水銀の量、これを分析をいたしてみたいというふうに考えております。問題は、かりに土壌中になお相当多量の水銀が残存をするということがあるならば、それから公共用水域を汚染することが考えられるかどうか、そういうメカニズムを早急に私どもは検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○小宮委員 農薬として有機水銀農薬はすでに戦前から種もみ消毒用にエチル水銀が使われておりまして、昭和二十八年ごろからはイモチ病防除のためのフェニル水銀剤が多量に使われておりました。昨年日本農村医学研究所が長野県、新潟県、群馬県、東京都の白米について総水銀を測定したところ、最高値で〇・三七六PPM、平均値で〇・一三四PPMが検出されていることが明らかになっております。そこで、農薬中の水銀が日本全国に大体どれぐらいばらまかれておるのか、そういう点、これは農林省が一番詳しいのではないかと思いますが、農林省、いかがですか。
○福田説明員 今日までわが国に農薬という形でばらまかれました水銀の量は、水銀として二千三百トンと推定しております。
○小宮委員 最近岡山県で水俣病患者と同じ症状の患者が発生しておることは御存じのことと思いますが、この患者が発生した付近には昭和四十二年ごろまで水銀農薬を製造していた工場がありまして、最盛期には月産二千五百トンから三千トンを製造しておったということもいわれておりまして、その場合の水銀使用量も月間三十トンから二百五十トンくらい使っておったということをいわれておりますが、この水俣病患者と同一症状の患者のその原因は、水銀の農薬に原因があるのではないかというふうに見られますが、農林省あるいは厚生省でもけっこうですが、その原因についてはどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○福田説明員 工場からのお話になりますと、工場からの排水によって汚水が河川、海に流れ出たかということかと思いますけれども、工場排水につきましては環境庁の御指導で都道府県がチェックしていくということになっておりますが、私どもが伺っておりますところでは、検出せずという限界以下に聞いております。
○小宮委員 検出しないということですが、しかし、現実にこういうような患者も発生しておるし、また現に水銀農薬をつくっておったところではいろいろ問題が発生しているわけですよ。それでは、農林省として残留農薬水銀による汚染調査を全国的にやったことがありますか、また、私は、このように水銀汚染が問題になった今日、やはり全国的な調査でもすべきではないか、こう思いますが、どうですか。
○福田説明員 今日まで全国的に組織的な調査はございません。しかしながら、先生御指摘のように、農薬による汚染の調査をすべきであるということを考えまして、研究機関において検討していただいておりますが、土壌中の水銀の分析方法というものに問題があるように聞いておりまして、そのような段階でいま研究機関で研究いたしております。ただ、もう一方、環境庁のほうで実施なさることになっております環境調査、これは全国の土壌等も入っておりまして、その調査に農林省も全面的に御協力申し上げるということになっております。
○小宮委員 私は前回農林水産委員会におりましたけれども、公害問題については農林省の姿勢そのものが非常に消極的で、積極的に公害に取り組もうという姿勢がいつも見受けられません。その意味では非常に残念でございますが、それはまた別の機会に譲るといたしまして、それでは、東京都がさきに都内におけるPCBの総合調査結果を発表しております。これによりますと、日本人の主食である米から〇・〇二PPMないし〇・〇四PPMが検出されておりますが、米のPCB汚染の原因はどこにあると思いますか。これは厚生省でもけっこうだと思いますし、環境庁でもけっこうだと思います。米のPCB汚染の原因はどこにあるか。
○岡安政府委員 実は玄米からPCBが高濃度に発見されましたのは、御存じの滋賀県の日本コンデンサ周辺の圃場の稲から発見されております。この原因が何であるかということ、実は結論から申しますと、必ずしもまだはっきりいたしておりません。推定されますのは、やはり土壌がPCBに汚染をされまして、その土壌から稲が吸い上げたということが一つ考えられます。もう一つは、大気中のPCBが、もみ、茎葉等に付着をいたしまして玄米中に入ったということが想像せられます。しかし必ずしもそれだけであるのかどうかはっきりいたしておりませんので、それらにつきましては現在鋭意検討中というのが現状でございます。
○小宮委員 日本人の主食である米については、カドミウムの場合は基準があるわけですが、PCBについては基準がないわけですね。したがって、米に対するPCB基準をつくるお考えがあるかどうか、これは厚生省ですか、ひとつ御答弁願いたい。
○浦田政府委員 ただいま米についてのPCBの基準はおっしゃるとおりまだできておりません。現在ありますPCBの基準値は昨年につくったわけでございますが、その際、米と野菜類などの中に含まれているPCB、それらのものも一応考慮して規制値はつくってあるわけでございますが、さらにいろいろとその後研究も進みまして、実態もある程度わかってまいりましたので、近くまた特別部会を招集いたしまして、それらの点について専門家の御意見をお聞きした上で決定するかどうかきめてまいりたいと考えております。
○小宮委員 それではいまの答弁によれば、米についてもPCB基準をつくるということで専門家の意見を十分聞いてみたいということに理解していいですね。
○浦田政府委員 そのように御理解していただいてけっこうでございます。
○小宮委員 米の場合、特にこれは毎日日本人は米を食べるわけですから、そういう意味では、カドミウム汚染、PCB汚染あるいは水銀汚染、こういった複合汚染が当然考えられてくるわけですが、その点は厚生省としてはどういうふうに考えられますか。
○浦田政府委員 それぞれの有害あるいは有毒な物質が、たとえば米なら米、魚なら魚には複合して含まれてくるという事態は否定できないと思います。そのおのおのの物質がお互いにどのように作用し合うか、たとえばお互いに毒性を強め合うかあるいは弱め合うか、打ち消し合うか、いろいろあると思います。残念ながら、それらの実態については私よく承知しておりません。薬など一部のものにつきましてはある程度の知見があるようでございますが、現在食品添加物につきましていろいろと組み合わせを考えながら実験を継続中でございます。しかしながら、食品添加物にいたしましてもあるいはいまおっしゃいましたような環境汚染を通じて入ってまいりますもろもろの有害、有毒物質にいたしましても、その規制値、基準値をつくります場合には、こういったことも考慮いたしまして、いわゆる安全率ということを見込んでやってきております。それで私どもは十分であるというふうに考えておりますが、なおだんだんにそういうかっこうで汚染された場合の健康への影響ということにつきましては、鋭意研究を進めまして、それらの知見をもととして、常に最新の知識でそういったことをもろとさらに科学的に明らかな数字でもって持っていくように努力したいと思います。
○小宮委員 複合汚染の場合は、先ほどから答弁がありましたように、ただカドミウムの基準をきめた、PCBの基準をきめたとしても、そういったものが複合された場合、ばらばらの基準だけきめても、ほんとうに食べる場合にだいじょうぶかどうかという心配がありますので、ぜひそういうような複合汚染についての問題も十分解明してもらって、われわれは魚も大事ですけれども、米も日本人の主食ですから、早くこの結論を出してもらって、国民が安心して米を食べられるようにしていただきたいということを特に強く要求しておきます。そして、これはいずれの場合も同じですが、国にしてもたとえば東京都にしても、いろいろこういうふうにPCBに汚染されております、あるいはカドミウムに汚染されております、水銀に汚染されておりますということを発表しこれをやるけれども、それじゃ具体的にそのためにはどういうような対策をとるのか。ただ厚生省が言っておるように、魚は一週間の献立表を出して、これ以上は食べてはいけませんよ、これまではだいじょうぶですよという方法も一つの方法ではあろうかと思いますが、具体的にPCBを消滅する、分解してなくなすような技術的な研究、こういうふうなことをやらなければ、ただ汚染されておりますよということではあまりにも国の政治としても無責任ではないのかということを私は指摘したいのです。したがって、その意味でPCBの解毒、分解する何か薬品はないのか、あるいはバクテリアの開発はどうなっておるか、そういったことも並行して研究してもらわなければ、国民にただここまで汚染されてもだいじょうぶですよと言ってみたって、やはり国民はなかなか安心はできません。その意味で、こういうような対策をやります、こういうふうにすれば解毒しますというような対策を国としても研究してもらわなければ国民としてはやはり安心できないということを私は思うのですが、これについて厚生省としてはどのような対策をもって臨まれようとしておられるのか、ひとつお聞きしたい。
○浦田政府委員 厚生省の立場でできるものもありますし、できないものもあると思います。私どもは、いま薬品の基準を定めるということによって、人間のからだに入る最後の関門において絶対に安全性を確保したいということをやっておるわけでございます。これはたとえば先ほど御説明いたしましたPCBの規制値あるいは有機水銀の規制値ということに相なっておるわけでございます。ところがさらにもう一つ考えられることは、これもやはり最終の段階、からだの中に入ったものということにも相なるわけでございますが、万一からだの中に入ったものを発病させないようにうまく分解させるとか、早く体外に排出させる研究、こういったようなことも確かに検討に値する事項であると思います。 それから、さらにからだの中に入る前の段階において根本的な対策を立てていただきたい、これは厚生省の側からいたしましたら、いろいろと各関係の省庁に対するお願いになるわけでございます。それにはやはり厚生省はかくかくしかじかの物質はからだにこのような影響があるということを明確にし、その数的な関係というものを明確にして警告を発するということが厚生省の役割りであり義務、責任であると思います。それに基づきまして、ほかの省庁に、たとえば汚染源対策をしていただく、あるいはそれを始末するのにきちっと始末をしていただく、外界に汚染を起こさないようにしていただく、こういったようなことに相なろうかと思います。その点は、私のほうからは一々の具体的なことについての権限はございませんので、水銀につきましては、環境庁で全体が集まって、政府として考えていただくといったようなこと等々によってお願いしておるところでございます。
○小宮委員 いま申し上げましたPCBの解毒、分解の薬品だとかバクテリアの開発だとか、こういったようなものについては、厚生省は私のほうの所管ではございませんので、それは環境庁なり通産省のほうでひとつぜひ研究してもらいたいというような答弁のようにお聞きしましたけれども、この点については長官、ひとつぜひこういったことを研究開発をやってもらわぬと――いまからPCBをつくるところには、先ほど質問しましたけれども、やはり開放系のものについては製造を中止しております。しかしながらまだ残っております。したがって、いままでの分について、PCB汚染が現実にあらわれておるという今日、これを解毒する方法がないものかどうか、この点通産省ですか、この研究をやっていただきたいということについて通産省、どうですか。
○齋藤(太)政府委員 ただいま、たとえばトランス等に含まれておりますPCBが出荷量として三万七千トンほどございます。これは計画的に回収をはかることといたしておりますが、PCBは御承知のように難燃性でございまして、非常に燃えにくい性質を持っておりますので、これをうまく燃やしまして、完全に二次公害を起こさないで処理するするための燃焼技術の研究につきまして、ただいま四十七年度に八千万円の予算で通産省の公害資源研究所で燃焼技術の研究をやっているところでございます。 それからバクテリアによりまして、たとえば工場排水等に含まれておりますPCBを分解する技術につきましては、通産省の微生物工業技術研究所で昨年六百万、ことし千三百万の予算で、現在研究を続けておるところでございます。
○小宮委員 厚生省にまたお伺いしますが、現行の米については、これは安全基準は玄米で一PPM未満となっておりますね。そして一PPM未満であって、〇・四PPM以上のものは政府は買い上げてもこれを配給しないというたてまえになっておりますけれども、最近大阪府立公衆衛生研究所が指摘するところでは、この現在の一PPM未満というのも、これは誤った計算方法に基づいてなされておるのではないかという指摘がなされております。この研究所での発表によりますと、〇・二三PPMになる、同じ計算の方法を使っても〇・二三PPMになるということが指摘されておるわけですが、もしこれが事実とすれば、現行の玄米のカドミウム基準にしてもやはり問題があると思うのです。いまは〇・四PPMまでは食べておるわけですから、〇・四PPM以上は政府は買い上げてもこれは配給していないからまずまずとしても、〇・四PPMまでは配給しておるわけですから、もしこの大阪の公衆衛生研究所が指摘しておることが事実とすれば、これはやはりたいへんなことだと思うのです。この点について、この指摘が事実なのか、厚生省の見解――厚生省がこれまでとった一PPMという基準が正しいのか、その点ひとつ明らかにしてもらわなければ国民は安心して米を食えないと思いますが、どうですか。
○浦田政府委員 大阪の衛生研究所のそのような見解を、新聞の紙上を通じて私も承知いたしております。 率直に申しまして、カドミウムの基準に関しまして局外者が無責任なことを言われるのは、私ははなはだ迷惑だと思っております。と申しますのは、私どもがきめましたカドミウムの基準の算定基礎は、全然あのことは援用しておりません。ただ厚生省で取りまとめました、厚生省のほうでお願いした研究班が取りまとめましたカドミウムのいろいろな調査報告の中には、一部あの指摘のような資料が載っておったようでございます。しかしながら、私どものほうでつくりましたカドミウムの基準、暫定規制値と申しておりますが、これにつきましては、あの根拠は全然御指摘のような資料は使っておりませんので、あれは明らかに誤解に基づく意見でございます。ただいまの、玄米において一PPM、白米において〇・九PPMという規制値基準は、これは学問的に権威のあるものでございまして、ただいままでのところ、これによって厚生省がにわかに見解を変えるといったようなことも考えていないわけでございます。
○小宮委員 厚生省としても、やはりその指摘がかりに事実であったとしても、いまさら、そうでございます、ということは言えないですから、それはそれで水かけ論ですから一応やめておきましょう。 それでは、この一、二年前、母乳のBHC汚染が非常に問題になってきましたが、ところがこのPCBとBHCとDDTが相互作用をすると非常に重大な健康障害を起こすということは、これは学界の定説になっておりますけれども、この母乳の問題について、BHCの追跡調査をやったことがあるのかどうか、これもひとつ念のためにお聞きしておきたいと思います。
○島田説明員 お答え申し上げます。 BHCとDDTにつきましては、先生御、案内のように、第一回が四十六年の一月から三月、第二回が四十六年の一月から四十七年の二月にかけて、二回実施いたしております。
○小宮委員 それから代替たん白源としての牛乳、乳製品、食肉などはPCB汚染はないのかどうか、調査したことはありますか。
○浦田政府委員 調査したことはございます。また規制値も設けてございます。 昨年度、環境保全総合調査研究促進調整費、これは環境庁のほうからの移しがえでやっておる分でございますが、それを受けまして実施した結果、牛乳におきましては四十三検体で「検出せず」から「最高」が〇・〇一PPMということで、規制値は〇・一でございまして、かなり規制値を下回っております。それから乳製品を四十四検体調査いたしまして、これもやはり「検出せず」から「最高」で〇・三PPMということでございまして、これに対する規制値は一PPMですから、これもかなり下回っておると言えます。それから育児用粉乳、二十八検体につきまして、これも「検出せず」から「最高」が〇・〇二PPMということでございまして、これは規制値は〇・二PPMですから、これもかなり下回っておると申せます。肉類につきまして八十四検体を調べております。これは「検出せず」から「最高」が〇・五PPMで、まあこれはたった一つぐらいの検体だったと思いますが、〇・五というのがございました。しかし規制値は〇・五でございまして、一つがたしかその辺ぐらいだったかと思いますが、ぎりぎりのところにきておるという結果が出ておりますが、総体としてはまずまず御心配なかろう。また〇・五が規制値ですから、全体として、全部規制値以下だということは言えると思います。それから卵類でございますが、二十九検体で、これも「検出せず」から「最高」が〇・二ということで、規制値の〇・二ぎりぎりのところにきている検体が少しある、一つか二つあるということでございます。肉類、卵類がほかのものに比べれば多少――多少というか、ごくわずかな数でございますが、規制値ぎりぎりまで汚染されておるのが現状でございます。 これらは、なお念のために申しますが、北海道、宮城、神奈川県等々、十県市で行なっておりますが、一部、未報告のものもございます。 それからついでですが、米の調査もやっております。これは四十七検体につきまして、「検出せず」から「最高」で〇・〇六というようなことで、これはほんの御参考に供するだけで、正式のものと受けとめていただかないようにお願いしたいと思います。
○小宮委員 このPCB公害が非常に問題になってから、PCBを使っている感圧紙だとか接着剤、塗料などの使用は四十六年十二月に製造、販売が中止になっていますね。これは通産省に聞きますが、製造、販売が中止になった時点で、こういうような感圧紙とかそれから接着剤とか塗料などの残量がどれだけあったのか、それから幾ら回収されたのか、市中に出回っておったのはどれくらいあるのか、その点いかがですか。
○齋藤(太)政府委員 おおよその数字でございますけれども、昭和二十九年から昨年の六月、生産を停止いたしますまでの全体のPCBの出荷量は、内需向けが約五万四千トンでございます。そのうちトランス、コンデンサー等の電機関係が約三万七千トン、それから熱媒体が約八千六百トン、感圧紙向けは約五千トンでございます。それから接着剤、塗料等々のいわゆる開放系向けが約二千九百トンでございました。 それに対しまして回収をした量でございますが、熱媒体の関係は今年一ぱいで全量使用をやめて、回収して、ほかの品物に切りかえるようにいたしておりまして、ただいままでのところの回収量が約三千五百トンほどでございます。それから感圧紙につきましては大半が使われまして、現在は回収しましたのは紙量として千二百トンほどでございまして、これは現在製紙業者の倉庫に普通の紙と区別して保存してございます。それからなお、市中に残っております感圧紙は、すでに使われまして、たとえば官公庁等ですと文書の保存期間がございますので、保存されております。あるいは会社等にもそういうものがございまして、大体それが五、六千トン、現在使用済みの在庫があるのではないかというふうに考えておりますが、これは計画的に、文書保存期間の切れますものから回収をさせてもらいたいと考えております。それからそのほかでは、インキ関係でインキの墨にいたしまして六十一トン回収をいたしました。それから塗料等で約十五トン塗料向けのPCBを回収いたしました。したがいまして、その差額は結局使われたというかっこうになっております。
○小宮委員 製造、販売が中止になってからちょうど一年間になるわけですが、それに対しての回収率が一〇〇%なされていないということは、われわれが心配するのは、製造、販売が中止されても市中に出回っておるものはやはりもったいないからいろいろ使っておるわけです。その意味でこの完全回収をやっていただかなければ、ただ一片の通達だけでは、やはり買った以上は使うわけです。その意味で、このPCB汚染というものが、それだけではないでしょうけれども、やはり製造、販売を中止したら徹底してひとつそこでストップして、そして全部回収してしまう、販売に出回っておるものもはっきり回収してしまうということで、それをやはり通産省としてはチェックをしてもらわぬと困ると思うのです。 それでは、その回収されたものはどういうふうに処理されておりますか。
○齋藤(太)政府委員 熱媒体用の液体PCBは三千四百トンほど回収をいたしましたが、そのうち百トン強は、すでにメーカーの焼却炉で昨年焼却をいたしました。それから、昨年の六月に兵庫県から大気中のPCBの基準がきまってないので焼却は待ってほしいというお話がございまして、それ以後は焼却はやめておりまして、そのために、回収してどんどんふえてまいりますPCBは、メーカーであります鐘淵化学と三菱モンサントの工場のタンクに現在貯蔵をいたしております。
○小宮委員 そういうような、特に処理方法についても、ただ一片の企業からの報告だけではなくて、通産省もかなり、出先の通産局あたりで確認をするという方法をとってもらわなければ、私は非常に危険だと思うのですよ。 それはそれとして、水俣病汚染地区の住民の平均寿命を調べてみますと男で五十・三六歳、女で五十二・五〇歳と、日本人の平均寿命が現在男子が七十・一歳、女子が七十五・四八歳ですから、それに比べますと、平均寿命が非常に低くなっておりますが、これは水俣病の関係で有機水銀の影響によって地域住民の平均寿命が縮まっておるのではないかという見方をされるわけですが、その点についての厚生省の所見はどうですか。
○岩城説明員 お答え申し上げます。 新聞の報道で拝見するところのデーターでは、厳密な意味でと申しますか、平均寿命の計算の方法などに若干疑問の点もございますので、厳密な意味で平均寿命を縮めているかどうかということははっきりいたしませんが、いずれにいたしましても、有機水銀中流が人間の寿命を縮めるということは十分考えられることでございますので、熊本大学から資料をいただくとともに、厚生省でもさっそく試算するように検討したいと思っております。
○小宮委員 通産省にお尋ねしますが、水銀法から隔膜法に転換するということが決定をされておるわけですが、この隔膜法に転換するためには、どれくらいの費用が要りますか。
○齋藤(太)政府委員 現在の水銀電解法の工場は全国で約五十工場ございまして、平均の規模が月産にいたしまして六千トンでございます。これに対しまして隔膜法の場合は、大型化されたものが一つの単位になっておりまして、大体月産で一万トンが標準規模というふうに、外国で動いております工場は、いわれております。それの建設費は大体一工場五十億円でございます。
○小宮委員 それから、隔膜法に切りかえるまでの一つの段階として、これは長官も言っておりましたが、クローズドシステムですね。このクローズドシステム化の対象は、汚染地域の企業だけを対象にしておるのか、全国のこういった水銀を使用しておる企業を対象にしておるのか。おそらく今回の場合は汚染地区のそのような企業だけを対象にしておると私は理解するのですが、どうですか。
○齋藤(太)政府委員 抜本策としましては、水銀を使わないいわゆる隔膜法に製法を転換するように指導してまいりたいと思っておりますが、当面、水銀の工程を経ました水を工場外に出さないで、工程にさらに循環をさせるといういわゆるクローズドシステムをとらせるように指導することにいたしまして、先般の第一回の水銀等対策会議で全苛性ソーダ工場につきまして来年九月までにクローズドシステムに切りかえるようにすることが決定を見たわけでございます。 ところで、今般九水域につきまして汚染状況の調査を至急やることになったわけでございますが、この九水域はいろいろ現地で紛争等も起こっておるような地域を選んできめたわけでございますので、住民の不安等もございますから、早くこのクローズドシステムを、この九水域に面している工場につきましてはやらせようということで、九水域に面します工場につきましては今年末までに全部クローズドシステムに切りかえさせる、こういうことを第二回の水銀対策会議で決定をいたしました。残りのその他の九水域以外の地域にございます工場につきましても、来年九月を待たないでも切りかえ工事を急がせましてなるべく早く完了させたいと思っておりますが、中小企業等もございまして、それからいろいろ技術面でもクローズドシステムにかえますと、工程に必要とする水と、それから出ます水が、量が違うものがございまして、水バランスが合いませんので、一部工程から出た水を、蒸発装置をつけまして余った水を蒸発させる。その場合に、水銀が蒸発の中に、外に出ませんように水銀を捕捉しながら蒸発させるとか、工程に戻しますときに一ぺん浄化装置を通してそこの部分の水銀を捕捉して、もう一ぺんきれいな水にして工程に戻すとか、いろいろ設備投資やそのための技術が要りますので、中小企業等の関係もほかの工場についてございまして、一応来年の九月までといたしておりますが、これらの指導をいたしまして、極力早く切りかえさせるように検討いたしたいと考えております。
○小宮委員 これはひとつ長官にお聞きします。 加害者負担の原則ですね。これは現実にその企業が現存しておれば、加害者負担の原則でその企業に対して漁業補償であろうと、患者の補償であろうと、実際は行なわれるわけですが、もしそういうような、たとえば農薬水銀にしても、戦時中設立された会社であって、それがもう現在ではなくなってしまっている、現在もう企業が存在しないというような、そういうような、かつての企業の原因によってこういうような被害が出た場合の加害者負担の原則はどうなりますか。現存しておればいいですよ。問題はない。すでに十年も二十年も前、戦時中だけであとはもうなくなったという場合、それは、かつての原因によって今日被害者が出てきたという場合の加害者負担の原則はどうなりますか。
○三木国務大臣 加害者が発見をされますときは、これはいろんな被害に対して簡単ですけれども、御指摘のような加害者が容易に判明しない、あるいは判明してもそれは存在しないというような場合もございますから、どうしてもこれは生業補償といいますか、被害補償というようなものの何らかの新しい制度が私は要るという考えですよ。今度の場合も健康被害に限ったわけですけれども、引き続いてこういう財産被害に対しての制度を確立するために、これは農林省とも関係することが多いのですが、農林省とも緊密な連絡をとって、これを制度として何かつくり上げたいという考えです。
○小宮委員 今度政府が提案しようとしておる公害健康被害補償法の問題にしても、それは企業がはっきりしておればいいわけです。企業から拠出金を出させればいいわけですから。しかし、こういうのでも、すでにその当時の会社はなくなってしまった。それはそのときの社長が日本のどこかにおれば、さがして回ってもいいが、その社長が死んでおるかもわからぬ、そういうような場合は、私はやはり当然国が責任を持つべきだというふうに考えるのです。特に戦時中あたりは国が増産増産でやってきたわけですから、そういった意味で、そういうような加害者負担の原則は、もしそういうような加害者が判明したとしても、その人が現在死亡していないとかあるいは企業として存在していないとかいう場合は、やはりいま言われた特別立法でも長官が次期の国会にでも出せば別ですけれども、やはり緊急にこの人たちを救済しなければならないという場合は、国が責任をもってやるべきだ、こういうふうに考えるんです。そういうようなことで、長官、いいですか、国が責任を持つと。
○三木国務大臣 そう簡単にはいくまいと思いますのは、原因者がはっきりしておる場合もたくさんあるわけですし、はっきりしない場合もある。こういうものをやはり両方のものを包括できるような新しい制度が要るのではないか。全部簡単に国がみなめんどう見ますということは、これは親切なようで、けじめがつかない。だから、原因者のはっきりしておるもの、はっきりしないもの、これを一緒に包括した新しい制度をこれはぜひつくりたいと私は思っております。
○小宮委員 それから厚生省、今度の許容基準からマグロをはずしておりますね。これは本委員会でも参考人を呼んだ場合にも、結局マグロ漁船員からはかなりの高い水銀が毛髪からやはり検出されているわけですね。にもかかわらず、今度規制の対象からはずしたというのはどういうことなのか。何か自然汚染でどうだとかあるいは食生活で指導するとかいうようなことをいっておりますけれども、このマグロを規制措置からはずしたということはどういうことなんですか。
○浦田政府委員 マグロ類ですが、マグロ類が今度のいわゆる暫定的規制値、総水銀で〇・四PPMという規制値はかけなくてよろしいということでございますから、市場にどんどん出回ってくることになるわけです。しかし、先生方にいろいろと御意見をお聞きしますと、確かにマグロ類は天然にも水銀を含んでおるということが明らかなようでございますが、総量規制という一つのもとになる考え方があるわけでございますから、一週間メチル水銀〇・一七ミリグラム以内ならば食べてもよい。実はマグロ類の水銀がはたして人体に、健康に影響を与えるかどうか、有害かという問題については、いろいろお説もあるようです。前回の専門家会議の結論から申しますと、先生方、やはり総量規制ということで考えたほうがよかろうという御意見でございますが、規制値は、そういった意味で必要ないのじゃないか。それからもう一つ、この規制値をきめた一つの大きな目標は、早く汚染対策をやる、封じ込め作戦をやるという一つのこれがもとの数字になるわけでございます。したがいまして、そういった意味から申しましても、遠洋はるかを泳ぎ回っておりますマグロ類について規制値を設けるという必要はないのじゃないかということで、したがいまして、献立ではおさしみ何きれといったような一つのたとえであげておりますが、規制値はあげなかった。 以上のような理由でございます。
○小宮委員 どうもマグロを規制措置からはずしたというのは、何か政治的な配慮があるのではないか、これは皆さん方も、マグロを食べる人が、長官以下多いわけですから、マグロまで食べられぬということになるとたいへんなことになるので、これはすし屋さんも困るわけですが、そういった意味で何かマグロの規制を除外したというのは、どうもそういった政治的な配慮からのほうが強いんじゃないかというような感じもします。厚生省は、一方の手引きではマグロのさしみは一週間に四十七切れまではよろしいということをいっておるわけです。そうしますと、除外しておきながら、片方の手引き書では四十七切れ、大きさはわかりませんよ、四十七切れまでは食べてもよろしいというのは、何か矛盾をしておるようにも感じられるし、そうであれば規制の中に入れて、四十七切れまでは食べてよろしいとしてもよかったのではないかというような感じですが、どうですか。マグロを規制からはずしたということについては、どうも釈然としないものがあるのですが、どうですか。
○浦田政府委員 ウイスキーでも、(「ウイスキーはいいです。ウイスキーを言うなら、一日どれだけ飲みなさいと指示してください。」と呼ぶ者あり)そういうことでございます。マグロ類は、確かにメチル水銀が入っているということは事実でございます。それで、人体の健康いかんということになりますと、いまさっき先生がおっしゃいましたように、マグロの乗り組み員は、一日に二百グラムも三百グラムも、人によりましては五百グラムも食べておるということでございます。そして、その体内の水銀の排せつの一つの経路である髪の毛、こういったようなものに、そういった方は、どんどん水銀が排出されていって、かなり高い濃度の水銀値を示しておる、含有量を示しておるということも事実でございます。しかしながら、皆さん方は、にもかかわらず非常に元気に毎日仕事をしておられる、認めるべき障害が起こっていないということも、これも事実でございます。そういったようなことから、マグロ類のメチル水銀というものがいかなる意味を持っておるかということについては、まだ確定しておりません。しかも、調べてみますと、一世紀昔のマグロ類も現在のマグロ類も、水銀の含有量はほとんど変わっていないということも明らかにされております。したがいまして、これを規制値をかけて、はずすはずさないという問題になりますと、たとえばメチル水銀で申しますと、おそらくはマグロ類のメチル水銀の平均含有濃度は、規制値として参考に出しておりますメチル水銀〇・三PPMをちょっとながらこしております。さて、(「困ったでしょう。」と呼ぶ者あり)いや、それは私どもは全然困りません。規制値をかけてもよろしゅうございます。しかし、それが現実的な問題かどうか、学問というものはやはり合理的な一つの判断基準ということでございますから、それは皆さま方の御選択にまかせる問題でございます。しかし、われわれ健康を守る厚生省の立場からは、総量規制ということで、食事の御自身の判断というものによってその点はお考えください、マグロを好きな方は、私どもで申し上げられることは、一週間にメチル水銀で〇・一七ミリグラム、それ以内にとどまる範囲であるならば幾らお食べになってもけっけうでございます、しかし、皆さんがたばこをお吸いになるあるいはお酒をお飲みになるのと同じように、自分の責任と自分の判断において毎日五百グラム食べる、一キロ食べる、これは個人の自由でございますから、そこまでは申し上げません。それから、繰り返して言いますけれども、規制値はあくまで汚染源対策の第一歩として設けたものでございまして、マグロ類を取り締まるためのものではございません。ただ、健康上の安全性の限界いかんということを厚生省として示せば足りるのでございます。
○小宮委員 それは自然汚染であろうと水産庁の指定した汚染地域であろうと、現実に水銀で汚染されておるということであれば、当然やはり規制を考えねばいかぬと私は思うのです。いま言うように一週間に〇・一七ミリグラムしか食べていかぬと規制しておりながら、好きな人は二百グラムでも三百グラムでも食べてください、こういうようなことでは、厚生省は何のためにそれでは安全基準をきめておるのですか。いま言われたように国民の生命を守るためにこういった安全基準をきめたのでしょう。そういうようなことを言うならあんなもの要りませんよ。好きなだけ食べなさい、好きなものを食べて死ねば色目がよいそうですから、それでもかまいませんが、国民の健康と生命を守るために基準をきめたのでしょう。そうであれば、いまの説明では私もなかなか納得しません。これはすでにマグロ船員ばかりでなくて、魚市場の東京都の職員の中からもメチル水銀が毛髪から出ておる。魚市場へ行ってマグロを検査したことがありますか、どれくらいメチル水銀が入っておるのか。
○浦田政府委員 マグロの有機水銀あるいは含有している水銀そのものを私自身が検査したことはございません。しかし、それぞれの立場におかれまして、東京都なりあるいは学者の方が詳しく分析しておられるデータは、私は説明を受けて勉強いたしております。 それから、もう一度繰り返して申しますが、私どもに見解を求めていただけるならば、一週間〇・一七ミリグラムの範囲内にどうか押えてくださいというひとつの判断基準を明確に、学問的な根拠をもって示しておるわけでございます。私どもはそれをぜひ国民の皆さま方におわかりいただきたい、守っていただきたいと心から望んでおります。 それから、マグロをたくさん食べておられる方々の今後の健康管理ということは、これは大切なことであると思います。すでに労働省などにお願いいたしまして、マグロ漁船に乗り組んでおられる漁船員の方の健康管理調査ということについては、過去においても開始しておるところでございます。そのように、私はマグロを無制限に食べてもよろしいという趣旨で、先ほどの発言を申したのではありません。多少言い過ぎの点があったかと思いますけれども、その点は決して私の本意ではございません。どうかおわかりいただきたいと思います。
○小宮委員 今度の基準から河川魚を除いた理由は、どんな理由ですか。何か説明を聞くと、一般市場には流通せず、地域の問題として処理できるからという理由のようですが、もっと明確に言ってください。
○浦田政府委員 これも専門家会議の意見書の中に明白にしてあるところでございますが、河川は規制値を適用いたしておりません。その理由は、河川からの魚介類は、これは局地的な問題でございまして、全国的普遍性という点から考えますと、規制値ということを一律にかけるということについてはいささか私どもとしては疑問を持っております。といってほおっておくつもりはさらさらございません。各県などでやはりその現地に即応した、よりきめのこまかい適切な指導をしていただく、場合によってはこの規制値に準じたものを考えていただくということもあり得ると思います。それらは各都道府県の当事者とよく御相談の上できめていくべきじゃないか。私どもとしては、各県の方の御判断というものに従ってまいりたいと考えております。
○小宮委員 いまの答弁では、河川魚については全国的に出回ることでもないし、その地域地域、それぞれの県において自主的に判断をして、そして何らかの規制値を設けてもらいたい、設けるだろうというようなお考えのようですが、その規制値が各県によってばらばらであった場合どうしますか。やはりむしろ厚生省が、これこれ以上は食べたらあぶないですよという一つの方針を出すべきであって、したがって、その地域の人たちでも、それは汚染されておるから食べようか、食べまいかというような判断の基礎になる資料というものは、やはり厚生省として親切に指導すべきだ。そうしないと、各県でばらばらになったらどうしますか。
○浦田政府委員 二十四日の段階では、いわば学理、学問の上からきめた数値でございます。これを実際に全国的に適用するには、それぞれの事情があろうかと思います。その辺は十分に検討しながら、しかも全国的に一つのきまりのある、ばらばらでないような方向で進めてまいりたいと思います。それにはやはり各府県の実情をそれこそよくお聞きした上で、慎重に検討してまいりたいと考えております。
○小宮委員 時間が来たようですから、ひとつ最後に。 今度の厚生省が発表した魚の安全メニューの中で、妊婦や乳幼児に対しては何ら触れていないのですが、これは成人と同様に妊婦とか乳幼児も食べていいのかどうか。水俣病の経験からしても、三歳ぐらいの乳幼児でも死亡したという例もあるし、その意味では、今回乳幼児と妊婦に対して何ら触れておらないというのは、どういうような理由ですか。別に基準をつくるという考えがあれば、それもひとつ示してください。
○浦田政府委員 あの意見書をごらんいただきますと、妊婦あるいは乳幼児に対する特別な配慮をすることについての注が響いてあります。それは、総勢、いわゆる一週間の許容限度の〇・一七ミリグラム、この数字を適用するにあたっての特別な場合についての注が出ております。 その一つは、妊婦、乳幼児に対する考慮でございます。 先生方、この問題について実は現段階では的確に数字をもって示すことはできないけれども、しかしこの〇・一七ミリグラムを適用するにあたっては、より厳格に考えてほしい。たとえば、体一重五十キログラムについて〇・一七ミリグラムでございますから、体重十キログラムの子供ですと、五分の一ということになります。そうすると、体重割りで考えますと、〇・一七ミリグラムの五分の一、すなわち〇・〇三四ミリグラム食べれば理論上はいいわけです。ところが、さらにそれを下回るようにいたしなさいということでございまして、これに対してどういうふうに考えたらよろしいかといいますと、遠海ものをたくさん食べていただく、できるだけ問題があると思われるようなところの魚は食べないようにするとか、あるいはほかのたん白質に切りかえるとかいったようなこまかい指導をしていくということによって、無用の心配がないようにしていく、そういう趣旨でございます。 妊婦に対しても同様でございます。私どもは、個々の食生活を通じまして間違いのないような指導をしてまいりたい、それから、できるだけ早い機会に、専門家の御意見もまとまりましたならば、それを的確に数字で示すというふうに努力してまいりたいと考えております。
○小宮委員 子供の場合は、体重が十キロならば五十キロの五分の一ということなんです。妊婦の場合は、おなかに子供が入ったら体重はふえますよ。五十キロ以上になったら成人以上に食べていいですか、体重だけのことを言うなら。
○浦田政府委員 妊婦の方はやはり二人分食べておるわけでございまして、(「一人半だよ」と呼ぶ者あり)いや、赤ちゃんの分も食べておるわけでございます。それは医学上はっきりしております。それでございますから、その分食べていただいてけっこうでございます。しかしながら、つまり体重五十キロがかりに六十キロになったといたしますと、二割方たくさんメチル水銀がからだの中に入ってもいいということでございますけれども、そうは考えてはいけません。理論上、この数字をそのまま読むとそうなるけれども、これはもっともっと厳格に考えてください、そういう意味を申し上げておるわけでございます。 したがいまして、決して妊婦に対する考慮がないとかなんとかいうことはないのでございまして、妊婦に対しましては、そういったことでございますから、個々の指導でもってより厳格に、親切に指導していくようにするのが一番いいことじゃないか。努力してまいりたいと考えておるわけでございます。
○小宮委員 それから、いまの話が出ましたけれども、この暫定基準についての意見書が出ていますね。この注のところに、「この規制値の運用に当たっては、内水面水域の河川についてはこれを適用しないものとするが、これらの河川水域で水銀による汚染がある場合においては、適時食生活指導を行なうことが望ましい。」というように出ていますね。これをちょっと説明してください。
○浦田政府委員 これは、先ほどからいろいろと私の説明の中にも出てまいっておると思いますが、そうだからといって、決して無制限に川の魚を食べてよろしいという意味ではございません。よくよく調べてみますと、ある特定の川はそばに水銀を扱う工場などが現に操業しておったりあるいは昔あったりしまして、その排水が適切に処理されてなかったために、付近の川が水銀でよごされておるといったような事実も確かに過去にあったわけでございます。そうしますと、それによる魚介類の汚染ということがあったわけでございます。また現にいまあるかもしれません。 そうでございますから、それらの実態をよく知っておる都道府県等におかれましては、やはりそれらの魚介類の汚染の状況というものを県民の方にお示しする、そしてその上でいわゆる暫定的摂取許容限度〇・一七ミリグラムの範囲内でとどまるように、うまいぐあいに献立を考えていけというふうな指導をしなさいという意味でございます。
○小宮委員 最後に厚生省、これは魚体に水銀がどれだけ摂取されておるか、含有されておるかということが、いろいろ五十キロで一週間に〇・一七ミリグラムといったってわからぬから、今度何匹というのを持ってきたわけですが、それがまた問題があっていろいろ皆さん方もお困りのようで、厚生大臣はだいぶ魚屋さんに押しかけられて、ちょうど本会議のあとでとっつかまっておりましたけれども、ひとつ安心できるように、たとえば放射能を調べる場合に何とかというのがありますね。あれとか、電流を調べる場合に電流計でぱっと何アンぺア出るとか、そういうものを開発して、魚屋さんに行って魚に当てればすぐどのくらい汚染されておるということが一目りょう然わかれば、消費者は安心すると思うのです。これはどうですか。私は、いまのように医学、科学が発達しておれば何か開発できるんじゃないかというような気もするのですよ。消費者を安心させるためにそういったことをひとつ真剣に研究させてみたらどうですか。その点、どうですか。
○浦田政府委員 全く同感でございます。メチル水銀の魚介類の騒ぎがかっての原爆の騒ぎのように、ガイガーカウンターなどでさっとわかる、あるいは電気をはかるようにさっとわかれば、ほんとうに皆さま方に的確に判断を示すことができて、私どもとしてはたいへん……(「どうしてそれをやらない」と呼ぶ者あり)ということでございまして、非常に残念でございますけれども、科学はまだそこまで行き着いておりません。(「ほんとうか、科学技術庁もあるぞ」と呼ぶ者あり)私が申し上げるとちょっとおかしゅうございますが、科学技術庁のほうにも先生のアイデアはぜひお伝えいたします。ここで長官が聞いておられますし、ほんとうにそういった機械を全力をあげて開発していただきたい、こう考えております。
○小宮委員 それでは質問を終わります。
○佐野委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時十二分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕