公害対策並びに環境保全特別委員会 第32号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/06/27
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 この際、連合審査会の開会申し入れの件についておはかりいたします。 社会労働委員会において審査中の健康保険法等の一部を改正する法律案について、社会労働委員会に連合審査会の開会申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ――――◇―――――
○佐野委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 水俣病問題に関する各省庁に対する要望事項について各省庁から順次説明を求めます。まず環境庁から説明を求めます。環境庁船後企画調整局長。
○船後政府委員 御要望事項のうち環境庁分につきまして御説明申し上げます。 第一項目は、沿岸住民に対する健康調査の早期実施でございます。公害にかかわる健康調査は単に医学的な検査だけではなくて、対象住民の生活歴、職業歴あるいは嗜好といった日常生活まで調査いたしまして、環境汚染との関連を究明するものでございますので、従来から住民の実態に最も触れております関係府県において実施してまいったのでございますが、当然国におきましても必要に応じ指導及び助成を行なっておるところでございます。 まず調査手法の問題でございますが、これにつきましては、従来水俣病につきましては熊本、鹿児島、新潟、この三県で実施してまいったのでございますが、今回健康調査を広く八代及び有明海沿岸に広げましたことに伴いまして、先般熊大、鹿児島大、新潟大、久留米大、九州大、長崎大などの専門の先生方にお願いいたしまして会合を持ちまして、調査手法をこの際統一するという作業を進めております。 すでに第一次アンケート調査の様式はきまったのでございますが、引き続きまして二次、三次の調査手法につきましても検討を進めてまいる予定でございます。 なお、健康調査は府県で実施するのでございますが、特に熊本県におきましては調査班が拡大されまして、人手不足という問題が生じておりますので、国立病院の医師等を応援させるということに方針をきめまして、この検診医師の確保につとめてまいりたいと考えております。 さらに調査の範囲でございますが、先ほど申しましたように、八代、有明海全沿岸に広げるとともに、従来熊本県及び鹿児島県で実施してまいりました水俣湾沿岸の健康調査につきましても、受診率が必ずしも十分でなかったというような問題がございますので、並行いたしまして熊本県において補完調査の実施を計画いたしております。 さらにまた一部におきましては、対象地域も拡大することを検討しておるところでございます。 次に第二項、第三項及び第四項につきましては、担当の水質保全局長から御説明申し上げます。
○岡安政府委員 二番目の環境調査の早期実施でございます。 公共用水域におきましては、御承知のとおり有害物質によります環境汚染問題が生じておりますので、環境庁といたしましては、現在早急に全国的な環境総合調査を実施いたします方針で現在準備を急いでいるところでございます。 その内容といたしましては、水質、底質、魚介類、土壌、農作物等につきまして水銀、PCB、カドミウム等の有害物質によります汚染の状況の調査を実施することといたしておりますが、特に有明海とか八代海につきましては、詳細な調査を行ないたいというふうに考えておる次第でございます。 それから三番目の工場の施設及び排水等に対しまして常時監視体制を強化しろということでございますが、従来からも公共用水域の水質保全をはかる上で常時監視体制の整備を促進することが重要であるというふうに私ども考えております。 そこで環境庁といたしましては、従来から測定機器の整備、自動監視機器及び工場排水の監視測定につきまして助成をしてまいりましたけれども、今後ともさらに監視測定機器の整備に関する助成なり、研修による測定技術者の養成など監視測定体制の拡充強化につとめる考えでございます。 それから四番目の底質基準の早期設定でございます。 水銀、PCBなどの有害物質によりまして汚染された水域の底質は、これはすみやかに除去して水質の浄化をはかるということを私どもは考えているわけでございます。 底質の除去基準につきましては、現在中央公害対策審議会で検討中でございまして、水銀につきましては、近くその除去基準を設定できる見込みでございます。PCBにつきましてはすでに暫定的な除去の指針を示しておりますので、この指針によりまして、PCBによりまして汚染されました底質の除去を促進させたいというふうに考えている次第でございます。その他の有害物質を含む底質の除去基準につきましても順次その検討を進めまして、その除去基準を設定する方針でございます。
○船後政府委員 第五項目は被害者の救済、有明町における水俣病類似患者の医療救済措置の問題でございます。 先般の熊大の研究班の報告によりまして有明町において定型的水俣病と全く区別できない患者が五名、水俣病と同様とみなされるものが三名、さらに水俣病の疑いと同じように見られるものが二名というふうにありましたが、十名の患者の存在が指摘されたのでございます。 これを受けまして直ちに、この患者が有機水銀中毒症であるかいなかという問題につきましての疫学的調査を急ぐ必要があるわけでございますので、広く有明海沿岸につきまして、関係四県協同いたしまして健康調査を実施することといたしております。 このような科学的な究明をいたしました結果、特別措置法の適用を検討することになったわけでございまして、有明町に見られたような患者が水俣病であるという医学的な結論が出ますれば、当然特別措置法の政令指定を改正いたしまして、医療救済の措置をとることになるわけであります。 次に第六は、有明海に関する環境保全のための特別立法措置の問題でございます。 有明海につきましては特に水銀汚染という観点から環境保全の施策を急ぐ必要があるのでございますが、まず前提となる排水基準という問題につきましては、早急に最近の分析技術の進歩等も取り入れまして排水基準の見直しを行ない、さらにまたPCBにつきましても分析方法の確立を待って排水基準を設定する方針でございます。 さらに水銀汚染、ヘドロにつきましても、先ほど水質保全局長が御説明申し上げましたように、暫定的な除去基準をすみやかに設定する予定でございます。 このような基準を踏まえまして、有明海の環境保全の施策を総合的に展開いたしたい。これは後ほど通産省あるいは建設省から御説明あることと思いますが、沿岸の水銀取り扱い工場等に対する規制の強化あるいはまた汚染ヘドロの浄化事業というものを今後計画的に実施することといたしておりますので、この際特に立法措置を講じなくとも支障はないものと考えております。 それから第七項目は水俣病研究総合センターの問題でございます。 これはすでに水俣病判決が出ました際に、水俣病に関しまして基礎的な研究さらには治療方法の研究から進んで検診、治療、リハビリテーション等を総合的に推進するため何らかの総合センターを設置する必要があると考えておりまして、現在環境庁におきましてその具体的な検討を進めるために専門委員会を設けることとして、その人選を急いでおるところでございます。 それから第八項目は公害健康被害者救済制度の改善の問題でございます。 一つは水俣病患者認定審査作業の迅速化の問題でございます。 最近熊本県及び鹿児島県における水俣湾沿岸住民の認定申請者の数は月平均で百名程度の状況でございまして、五月末現在の未審査の認定患者数は千名をこえているという状況になっております。ところが、この水俣病の認定を行なうにあたりましては内科、眼科、耳鼻科等の各科総合的な判断を要しまして、かなり一人の患者についての審査に日数を要する状況であり、かつまた判断するお医者さんも専門的な知識を必要としますので人的能力の上で限界があるわけでございます。私どもも何とかして早くこの認定を急ぎたい。最近の実績は毎月四、五名程度の審査が精一ぱいでございますのでこれを何とかして急ぎたい。そのような方法があるかということを現地及び熊大等とも相談しながら適切な指導を行なってまいりたいと考えております。 それから次は、認定事務の国による一元化という問題でございます。 現行救済法の認定は都道府県知事が行なうことにいたしておりますが、これはやはり住民の保健福祉に第一義的に責任を持つのは都道府県である、さらにまた公害病の認定と申しますのは、一方におきまして疾病であるかいなかの判断であると同時に、その地域における水質あるいは大気等の汚染の影響というものを把握する必要があるわけでございまして、そういったことから患者の日常生活を最もよく知っております関係県において行なうのが妥当であると考えておるわけでございます。ただ、認定の方針、診断基準といったような問題につきましては、これは当然各県統一された考え方で行なう必要がございますので、診断基準等の統一につきましは、環境庁におきまして指導いたしておるところでございます。 次に指定医療機関の改正というのは、どうもよく内容がわからないのでございますが、現在水俣病の認定という問題は、ただいま御説明いたしましたように、都道府県に置かれております認定審査会でいたしておるわけでございまして、この認定審査会には都道府県知事が指定いたしました専門家の委員というものが構成メンバーになっておるわけでございます。他方、水俣病と認定されました患者の治療につきましては、健康保険等の保険医療機関でこの診療に当たっておるのでございまして、このシステムは、現在特に変える必要はない、かように考えております。 医療手当、介護手当の増額の問題でございますが、現行特別措置法発足以来、毎年逐次改善をはかってまいった点でございますが、今後ともその増額につとめてまいりたいと考えております。 次に、第九の明水園の国への移管、充実、それから第十の水俣病患者並びに家族のための福祉工場の充実、さらに十一の胎児性患者のための教育施設の整備拡充、このうち九の明水園は社会福祉法人でございまして、厚生省の所管でございますが、この九、十、十一、いずれも先ほど第七項目で申しました水俣病総合センターとの関連性を考えつつ、地域住民及び患者の保健、福祉の増進のために今後その整備拡充を考えてまいりたいと思っております。 第十二項目は、水俣病の病名変更でございます。水俣病という病名は、三十年の初期に患者が発見されまして以来、医学界においても用いられておりまして、現在ではわが国の学界はもとより、国際学界におきましても広く認められておる名称でございます。したがいまして、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法の施行令におきましても、指定疾病として水俣病といたしておるのでございますが、この病名を変更するにつきましては、以上申しましたように学術用語との関連もございますので、医学専門家の意見を聞いて、なお慎重に検討を進めてまいりたいと思っております。 最後に、財産被害に対する救済基金制度の確立という問題でございます。今回政府におきましては、公害にかかわる健康被害の補償につきまして、従来の特別措置法をさらに広げ、障害補償費等の支給も行なう公害健康被害補障法案を提出し御審議を願うことといたしておるのでございますが、もちろん公害による損害といたしましては、財産被害があり、かつその中でも漁業あるいは農業といったいわゆる生業被害は、やはり何らかの制度的な補償措置を講ずる必要があろうと思いまして、その点につきましても検討を進めておるのでございますが、これらの生業被害はいずれも経済的損失でございまして、被害の態様も非常に複雑であり、かつまた因果関係も健康被害と異なる点がございます。したがいまして給付の仕組みをどうするか、あるいはその給付に必要な財源をいかにして負担させるかということになりますと、やはり健康被害とは異なった仕組みが必要ではなかろうか、このように考えておる次第でございまして、現在そういった農業あるいは漁業被害を中心とした問題につきましては、農林省におきましても検討をしておるところでありまして、これら関係省庁と相談しながら引き続き検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○手塚説明員 国立大学による公害病の医療体制の強化でありますが、私、公害病の研究体制の強化について一言申し上げたいと思います。 文部省は、国立大学における公害病関係の研究推進につきましては、従来から主として科学研究費補助金を中心といたしましてこういう援助をしてまいりました。その他国立大学に関しましては、その大学に関係する特別会計の事業費のほうでもそういうふうな措置を講じました。それから、そのほか関係の研究所とか研究施設を新設する、整備するというふうな形でも、こういう研究の推進につとめてまいったわけでございます。 具体的に申し上げますれば、たとえば熊本大学の水俣病の研究経費につきましては、昭和三十一年、その当時はまだ原因不明の中枢神経疾患の問題というふうな非常にわからない時期においても、こういうふうなものについてほとんど毎年、三十一年以降何らかの研究費の援助をしてまいっておりますし、そういう意味で、今日こういうふうな事態に対しましても若干寄与ができたのではないかと思っておりますが、今後とも大学という、教育研究機関という役割りを考えまして、特にその基礎的な研究を重視して研究の推進につとめたいと思っております。 四十八年度の実態で申しますと、科学研究補助金といたしましては五千七百五十六万円を援助しておりますし、その他こういうふうな関連の研究施設を新たに新設するような方向で努力につとめております。来年以降におきましても、いま申し上げましたいろいろな方法によりまして、積極的にこの種の研究の推進につとめてまいりたいと考えております。
○齋藤説明員 この種の医療については、一般の医療機関の整備拡充と相まって、大学付属病院はその指導的な役割りを果たすべきものと考えまして、その面から今後とも医療体制の拡充強化をはかりたい、このように考えております。従来は基礎医学並びに臨床医学のそれぞれの担当の教官あるいは医師がこれに当たっておりましたが、今後どのように医療体制を強化すべきであるかということは、現在熊本大学の病院長にもその考え方をいろいろ聞いておりまして、それに応じて処置を講じていきたい、こう考えておる次第であります。 その次に、健康調査なり検診に対する国立大学の協力でありますけれども、熊本大学病院といたしましては、昭和三十四年から集団検診等を実施しておりますが、現在は県の依頼を受けて県の指定する場所に神経科、内科、小児科、眼科等の診療科の教官なり医師を派遣して、認定のための検診を行なっておるわけであります。なお別途、九州一円の大学は特別措置法に基づきます指定医療機関となっておりまして、認定のための検査を担当しておりまして、熊本大学が中心になっておるわけでございます。こういう健康調査なり検診に対する国立大学の協力をさらに拡充強化するための措置については、具体的に大学と話し合いを進めて、政府として行なうべき点について今後検討いたしたい、このように考えておる次第でございます。
○佐野委員長 国松特殊教育課長。
○国松説明員 文部省関係の三番目、胎児性患者のための教育施設の整備拡充ということでございますが、私どものほうでは、やはり該当の児童生徒の障害の種類とか程度に応じまして、あるいは養護学校がいいか、あるいは特殊学級がいいかというふうなことで、それぞれの教育の場に就学させるということが適当ではないかというふうに考えております。現に、熊本県の中でも特殊学級に就学しておるという児童生徒もいるわけでございますが、県のほうが、なお今後特殊学級をふやしていくとかあるいは養護学校の増設をしていくとか、そういうふうな計画で対処をしていくことになろうかと思います。国のほうといたしましては、こういう障害児に対します養護学校とか特殊学級というふうなものが全体的におくれておりまして、現在その拡充整備計画を進めておるわけでございますので、県がその具体的な計画を出すということになりますと、その国のほうの整備計画の中にありますいろいろな助成措置をもってそれにこたえていくというふうなことで対処をすることにいたしたいと思っておる次第でございます。
○佐野委員長 次に、大蔵省の説明を求めます。大蔵省徳田総務課長。
○徳田説明員 御説明申し上げます。 魚介類の価格暴落及び休業等に伴う漁業者及び関連業者に対するつなぎ資金の融資について御説明申し上げます。 まず漁業者に対する措置でございますが、六月二十二日に閣議決定が行なわれまして、水銀またはPCBの汚染による被害漁業者に対しまして、生活資金及び経営資金について緊急つなぎ融資を行なうことになりました。 その主要な貸し付け条件は、貸し付け金利三%、貸し付け限度は五人世帯に対して五十万円、また償還期限は五年以内、このほか据え置き期間が一年、このようになっております。 次に、関連業者に対する措置でございますが、水銀、PCB等の有害物質に基因する漁獲制限水域またはその周辺水域において漁獲された魚介類を取り扱っている鮮魚商等に対しましては、売り上げ減少等の被害が生じている現状にございますので、とりあえず国民金融公庫に対しまして、つなぎ融資について配慮するとともに、これらのもののうち既往融資の返済困難なものに対しては、償還期限の延長等についても十分配慮するよう指導したところでございます。 それから、これらの漁業関連企業者につきましても、特別融資を行なうべきであるという御要望がございますが、これにつきましては、現在関係省庁間で検討をしておりまして、早急に結論を得たい、このように考えております。
○佐野委員長 伊豫田税制第一課長。
○伊豫田説明員 魚介類の価格暴落及び休業等に伴う漁業者及び関連業者に対する四十八年度無税措置及び租税の減免という御要望について御説明申し上げます。 現在、所得税法上の規定におきましては、損害賠償あるいは補償金に類するものの取り扱いといたしましては、心身または資産に加えられた損害につきましてはこれを非課税としております。したがって、水俣病患者系統のものにつきましては非課税の取り扱いとなるわけでございますが、収益補償と申しますかあるいは営業補償と申しますか、あるいは休業補償と申しますか、いわば営業していたと同様の状態にしてもらうために補償を受ける、こういうものの性格につきましては、これについてはやはり普通のたなおろし資産を売った場合と同様に、その補償金について課税が行なわれているわけでございます。 この点につきましては、他にたとえばカドミウムの場合あるいは塩害に基づいて農産物が非常にとれなくなった場合等について同じような取り扱いをしている例がございまして、それとのバランス等を考慮いたしますと、この点につきましては普通の営業と同様の考え方をもって、補償金について課税せざるを得ないのではないかということを考えております。
○佐野委員長 次に、厚生省の説明を求めます。厚生省浦田環境衛生局長。
○浦田政府委員 まず、魚介藻類の食品としての安全基準の早期設定でございますが、これは昨日、本委員会において御報告したとおりでございますので、ごく要約を申し上げます。 すなわち、最新の内外における知見をもとといたしまして、十分な安全率を見込みまして、専門家会議といたしましてはその意見の中で、週間許容摂取量を、成人体重五十キログラムといたしまして〇・一七〇ミリグラムと定めております。それから、これを確実に実行するために濃度規制を行なう必要があるといたしまして、その場合にはその指標を総水銀に求めまして、〇・四PPMと定めております。 なお、参考といたしまして、〇・四PPMをこえる場合には、さらに〇・三PPM、メチル水銀の基準を設けまして、これをこえる場合には適当な措置をとるということをいたしております。 したがいまして、第一の件に関しましては一応暫定基準というものはでき上がったわけでございます。 第二点の、魚介類の常時検査体制の確立でございますが、これにつきましては、いま御説明申し上げました規制値に基礎を置きまして、直ちにこの体制の確立に移りたいのでございますが、二十九日に、関係の府県を重点といたしまして全国の担当の課長会議を招集いたしまして、常時検査体制の確立についての具体的な方策について指示いたしたい考えでございます。
○佐野委員長 金田障害福祉課長。
○金田説明員 明水園の国への移管、充実ということにつきまして御説明申し上げます。 重症心身障害児施設明水園は、水俣市が設置いたしまして、これを社会福祉法人明水園に経営を委託しているものでございます。昨年の十二月に開所した施設でございます。御案内のとおり、この重度心身障害児施設明水園は児童福祉施設でございますけれども、同時に医療法上の病院でなければならないということになっております。したがいまして、その運営費につきましては、基本的には医療費で運営されるものでございますけれども、重症児の特殊性にかんがみまして、特に医療費に上積みされまして重症児指導費というものが加算されているわけでございます。そこで私どもといたしましては、この明水園につきましては、その重症児指導費等の増額をはかることによって、その内容の充実等をはかってまいりたい、かようにいま考えているわけでございます。
○佐野委員長 田川生活課長。
○田川説明員 第四、水俣病患者並びに家族のための福祉工場の充実について申し上げます。 地元の水俣病患者の方々及びその家族の方々から、福祉工場を創設してほしいという御要望がございましたが、その御要望の内容を拝見いたしますと、身体障害者手帳の交付を受ける程度の障害を持っておられる方がごくわずかでございまして、そのほかの方は、少なくとも障害といたしましては軽度である、あるいは家族の方であるということでございまして、県当局といたしましては、この福祉工場と申しますのが、重度の身体障害者の方が、稼働能力は十分に持っているけれども、その作業環境でございますとか、あるいはその通勤に要します環境でございますとか、そういう面から、特に一カ所に収容いたしまして、十分な健康管理とともに、そういう稼働能力を十分に発揮していただいて収入を得ていただく、そういう目的のものでございますので、そのようなことから、福祉工場という方向での施策は困難であると県は判断いたしているようでございます。ただし、そういう御要望でございまして、収入を得るための施策がほかにございます。たとえば社会福祉事業法によります授産施設でございますとか、そういう面につきましていま県でも検討いたしまして、御要望のございました患者の方々あるいは家族の方々と検討を進めている、そのように承っております。
○佐野委員長 次に、水産庁の説明を求めます。増満漁政部長。
○増満説明員 水俣病発表による魚介類の価格暴落及び休業等に対する漁民の救済措置につきましては、先ほど大蔵省のほうからも御説明がございましたように被害漁業者及び水産業協同組合に対しまして、生活資金及び経営資金につきまして天災融資法に準じた緊急のつなぎ融資を行なうことといたしました。この融資の利子は可能な限り低利とするように考えまして、現在の天災融資法におきます激甚災の特別被害漁業者並みの三%とした次第でございます。 なお無利子融資制度の創設という御要望でございますが、この三%の金利も原因者が明らかになりました場合には、原因者負担の原則によって当然原因者に求償せらるべきものでございまして、実質的には漁業者の負担に帰するものではありません。しかし無利子融資制度につきましては、他の金融制度との関連その他で、困難な問題がきわめて多いというふうに思います。 暴落した魚価に対する差額の助成でございますが、PCB、水銀等によります汚染を原因にします魚価の暴落による漁業者の被害につきましても、他の被害と同様、原因者負担の原則によって解決されるべきものと考えます。しかしながら魚価の暴落によりまして漁業者の収入が著しく減少して生活に支障を来たしている場合には、今回の緊急のつなぎ融資の対象として救済していくというふうに考えます。 それから出荷停止魚介類に対する適正価格の買い上げでございますが、汚染が著しいという理由で販売することが不可能になった魚介類につきましても、原因者負担の原則によりまして、原因者による適正価格による買い上げ、埋め立て等の補償措置がとらるべきものであるということで、すでに関係者を指導してきているところでございます。 償還期限の延長につきましては、被害漁業者等の償還が困難と認められるものについては、その実情に応じまして極力償還期限の延長をはかるように、農林漁業金融公庫及び漁協系統金融機関に対して依頼しております。 第二番目の汚染水域における漁獲禁止と補償等に関する立法措置でございますが、汚染された漁場の漁業の禁止につきましては、現在の漁業法上その規定がありませんために、漁獲の自主規制ということを指導しております。これによりまして、汚染された魚類が流通段階に乗らないように県を指導しておりますし、先ほど申しましたようにそれに伴います漁業補償につきましては、原因者負担の原則ということで支払われるべきものではございますが、当面の措置としまして天災融資法に準じた末端三分のつなぎ資金の融資を行なう、こういうことで考えております。 特別立法につきましてはいろいろ困難な問題もありますが、今後内部で検討を行ないたいというふうに考えております。 三の沿岸漁業の振興について御説明申し上げます。 水俣病対策として漁業協同組合が実施する事業への融資、利子補給につきましては、先ほども申しましたように漁業協同組合もつなぎ資金の融資の対象にしてございます。漁協が産地市場を営んで、魚価の暴落によって経営が不振となりましたような場合には、この融資で対処できるというふうに考えます。 それから沿岸漁業の振興について補助金の拡大、第二次構造改善事業の繰り上げ実施でございますが、汚染された漁場の機能回復とあわせまして、汚染海域外の漁業への転換等の措置も必要になる場合があります。このためには既存漁業との十分な調整をはかりました上、転換に必要な漁船の建造、魚礁の設置、増養殖漁場の造成等の事業を実施することが必要になります。これらの事業の推進につきましては、第二次沿岸漁業構造改善事業の実施あるいは漁業近代化資金あるいは農林漁業金融公庫の資金の貸し付け等によって、積極的に対処してまいりたいと考えております。 それから許可漁業、漁船建造ワクの緩和でございますが、この点につきましては漁業調整上あるいは水産資源の保護上から見て支障のない限り、漁業転換をはかるための措置について関係県の意見も聞いて対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○佐野委員長 次に、通商産業省の説明を求めます。一田中参事官。
○田中(芳)政府委員 まず汚染源の徹底究明の問題と三の有害物質工場の一斉点検の実施につきまして御説明申し上げます。 通産省ではすでにアセチレン法アセトアルデヒド製造工場、アセチレン法塩ビモノマー製造工場、水銀法の苛性ソーダ製造工場、これにかかわります水銀及び水産庁が発表いたしましたPCB汚染八水域に立地いたしますPCBの使用工場、これにつきまして、担当官を現場に派遣し、生産、消費、あるいは排出処理、廃棄物の保管状況につきまして、現在鋭意実態を調査中でございます。 水銀につきましては、ほぼ今月中に現地調査を完了し、七月中には結果を取りまとめたいと考えております。 またPCBにつきましては、関係工場が三百三十八工場の多きにのぼるところから、七月中旬までに調査を完了したい予定で努力中でございます。 こうした結果、私どもといたしましては、汚染発生源と思われます工場につきましての実態を明らかにし、さらに、環境庁で行なわれます環境調査とあわせて、汚染源の究明をはかってまいりたい、このように努力中でございます。 第二に、生鮮魚介類販売業者と水産加工関係中小企業者に対するつなぎ資金の問題でございますが、規模が零細にわたり大きな打撃を受けておりますところから、これが資金の融資の迅速な実現をはかりたいと考え、目下、関係各省庁と緊密な連絡をとりつつ、その早期決定に努力中でございます。 〔委員長退席、登坂委員長代理着席〕 第四の工場排水施設の改善問題でございますが、苛性ソーダにつきましては、水銀を使わない隔膜法への転換を五十年九月を目途に極力進めることとする一方、これら工場のクローズド化を、四十九年九月末を目途としてこれを完了するように、業界を強く指導中でございます。 なお、水俣湾から酒田港に至ります問題とされます九水域に立地いたします十五工場につきましては、クローズド化をさらに繰り上げ、本年末までに完了をいたしますように措置をいたしたいと考えております。 第五の八幡プールの問題でございますが、私ども通産省といたしましては、本年四月四日から五日にかけまして現地調査を実施し、県と協議をいたしたいところでございます。この結果に基づきまして、厚生省、環境庁とも協議し、これが処理方針の確立を急いでおるところでございます。現在、先ほど御説明いたしました水銀関係工場に関します工場の一斉点検を実施いたしておりますが、この段階におきましても、廃棄物の保管状況につきまして調査をいたしておるところであります。そして、この八幡プールにつきましては、かなり問題が指摘されております状況にかんがみ、私どもといたしましては、ボーリング、あるいはその採取いたしました残滓の分析、溶出試験等を早急に実施し、これを環境庁の環境調査の結果ともあわせまして、方向といたしましては、これら残滓を覆土、芝張りする、あるいはアスファルト塗装をする、あるいは地下水の浸透を防止いたしますための護岸の整備をする等の方策を樹立する必要があると考え、その結果を待って早急に処理をはかる考えでございます。 以上でございます。
○登坂委員長代理 次に、運輸省の説明を求めます。加藤公害対策室長。
○加藤説明員 水俣湾内の水銀ヘドロの早期処理計画の促進、締め切り、埋め立ての即時実施、水俣港の機能拡充について、御説明申し上げます。 水俣港の汚泥の処理につきましては、現在運輸省と環境庁が中心になりまして、処理対策の実施のために必要な実施計画の策定を熊本県に検討させているところでございます。そのためには、まず第一に、底質の除去基準の設定が必要でございますが、これにつきましては、現在中央公害対策審議会の水質部会で検討中で、特に水俣港の基準につきましては急いで御検討いただいておりまして、近々結論が得られると聞いております。この暫定基準がきまり次第、汚泥処理を行なうべき範囲がきまりますので、具体的な実施計画を策定することとなります。 それから第二番目に、これと並行しまして、事業者負担額の算定が必要でございますが、これにつきましては、県の公害対策審議会の意見を聞いて知事が決定することになっておりまして、現在審議中でございます。 さらに第三に、汚泥処理に際しましては、汚泥の拡散等二次公害の発生を防止する必要がございますので、そのための工法の検討を行なわねばなりません。 以上のような準備が済み次第処理作業に入るわけでありますが、年度内に着工することを目標に検討を進めております。 それから水俣港の機能拡充のための将来計画につきましては、この公害防止のための実施計画の中に港湾の将来計画もあわせて検討しまして、全体的な港湾計画を策定するということにいたしております。
○登坂委員長代理 次に、中村観光部長。
○中村(大)政府委員 観光業者の経済的損失に対する救済、長期低利の融資をしろ、こういう御要望でございます。観光業者と一口に申し上げましても非常に範囲が広うございまして、旅館業者からみやげもの商あるいは釣り船というふうに、いろいろ範囲が広いわけでございます。 運輸省といたしましては、今回特に水俣湾の汚染に関しまして、熊本県当局に対してさらに詳細な影響につきましての報告を求めておるわけでございますけれども、現在までに私どもが把握いたしましたところでは、旅館業者につきましては、当該地域に約七百軒程度でございまして、特に湯ノ児温泉地区というのが被害が大きくて、大幅に入り込み客が減少し、また予約の取り消しという事態が生じておるというふうに聞いております。県に対しましていろいろ資金の貸し付け等の要望が出されておるわけでございますが、運輸省といたしましては、先ほど来関係各省から御説明がありましたけれども、鮮魚商に対する措置に準じまして、観光業者につきましても低利な資金の融資について、早急に関係省庁と十分な協議をいたしまして対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○登坂委員長代理 次に、建設省の説明を求めます。栂野治水課長。
○栂野説明員 汚染河川、海域におけるヘドロ処理と浄化についてでございますが、建設省におきましては、従来から河川及び一般海域におきまして水質、底質の汚染状況調査を行なってまいりました。今後もこれらの調査を一そう充実して実施してまいりたい、こういうふうに考えております。 現在問題になっております八代海につきましては、本年度におきまして、関係各省庁と協力しましてこれらの海域それから流入河川につきまして水質、底質の汚染状況それから処理方法、こういうのを調査する予定にしております。 汚染河川のヘドロの処理でございますけれども、これらにつきましてはすでに都市河川環境整備事業で継続実施しておりまして、これらの調査結果を踏まえましてさらに対処してまいりたい、こういうふうに考えております。 一般海域におきますヘドロの処理でございますが、これにつきましてもこれからの調査結果を踏まえまして、来年度以降におきまして浄化対策事業を実施したい、こういうふうに考えております。
○登坂委員長代理 次に自治省の説明を求めます。土屋財政課長。
○土屋説明員 公害対策に伴う地方自治団体の財政負担増に対します財政措置をどう考えているかということでございますが、公害対策の積極的な推進が緊急の課題になっております今日、地方公共団体におきましても公害防止対策事業の実施とかあるいは監視測定体制といったようなこと等に積極的に取り組んでおるわけでございます。 これに要します経費につきましては、これまでにおきましても地方交付税、地方債の配分を通じまして所要の措置を講じてきたわけでございますが、昭和四十八年度地方財政計画の策定におきましては、公害対策経費といたしまして国庫補助事業四千八百億円、前年度に対しまして六〇・八%の増でございます。 〔登坂委員長代理退席、委員長着席〕 また地方単独事業につきましては三千百九億円、前年度に対しまして四九・四%の増、総計で七千九百二十五億円、対前年度五六・二%増というような大きな額を計上しておるわけでございまして、これに対しましては一般財源のほかに地方債の活用によりまして財政措置をしておる次第でございます。 地方交付税におきましては、監視測定体制の整備をはかるための公害対策関係職員の増員のための人件費約百四十億円ぐらいございます。それから一般行政費、単独事業等に要します経費百九十億円を交付税上算入しておるわけでございまして、また地方債につきましても二千八百十九億円、対前年度七七・七%の増でございます。二千八百十九億円を予定しておりまして、さらに実情に応じまして特に必要があります場合は、特別交付税による措置も講ずることによりまして、円滑な事業の執行をはかることとしておる次第でございます。 なお、最近のPCBあるいは水銀等によります汚染問題等にも関連いたしまして、ますます公害対策に伴う財政負担が増加することが予想されるわけでございますので、さらに所要の財源の確保につとめてまいりたいと思っておるわけでございます。特に緊急の漁業者に対するつなぎ融資の利子補給等に対する地方団体の負担につきましては、特別交付税で措置するといったこと等を考えております。事態の推移、地方団体の財政力等を勘案しながら、また公害対策にはもちろん国の積極的な財政措置が必要となってまいりますので、関係省庁における施策の充実と相まちまして適切な財源措置を検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○佐野委員長 以上で各省庁からの説明聴取は終わりました。 なお、これに対する質疑は、あす行なうことといたします。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕