公害対策並びに環境保全特別委員会 第30号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/06/22
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
○岡本委員 ただいま議題となっております自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案について、おとといの質疑に続いてただしていきたいと思います。 そこで、いままで環境庁には、ことしになって、国立あるいは国定公園の中において自然公園法に違反する行為にはどういうものがあったか、まずお知らせいただきたい。
○首尾木政府委員 自然公園法違反の行為といたしましては、自然公園法による許可を受けるべき行為について、許可を受けないで実施したといったような事例でございますとか、あるいは許可に付した条件についてこれを守らなかったというようなことでございまして、これはそれぞれの行為、たとえば土石の採取、そういったものについていろいろ見られるわけでございます。
○岡本委員 警察庁来ておりますか。
○佐野委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○佐野委員長 速記を始めて。
○岡本委員 あと水産庁、建設省、すぐ呼んでおいてください。 そこで、警察の方にお伺いしますけれども、自然公園法に違反するところの行為、これについて、本年の違反行為をひとつここで明らかにしていただきたい。
○相川説明員 お答えいたします。 自然環境を破壊する事犯の検挙状況はどうなっているかというお尋ねでございますが、昨年におきまして、知事の許可を得ることなく保安林指定区域内の立ち木を伐採するとかあるいは国立公園内に許可なく宅地造成を行なうとか、登録を受けずに砂利採取を行なうとか、いろいろな自然環境破壊事犯の検挙をしたという報告を受けておりますけれども、実は残念ながら私ども警察庁の統計様式の関係もございまして、自然環境破壊事犯そのものとしての独立した数字というものは把握いたしておりません。ただ、ことしに入りまして、不動産事犯の取り締まり強化月間というものを去る五月一ぱい行ないましたが、この月間中における検挙実績を見てみますと、自然環境の破壊が行なわれた事犯としましては、自然公園法違反が十一件ございました。それから森林法違反が二件、海岸法違反が二件、河川法違反が三件、秒利採取法違反が一件、そのほか県の風致地区条例違反が七件ほど数えられております。
○岡本委員 その中で、伊勢志摩国立自然公園特別地域内におけるところの無許可の宅地造成の件について、警察庁はどういうように調査したのか、その結果をひとつお知らせいただきたい。
○相川説明員 ただいま御指摘の伊勢志摩国立自然公園内における事犯について申し上げますと、これは伊勢市に住みます不動産ブローカーあるいは土建業者などが、伊勢志摩国立自然公園特別地域内の山林を約二万五千平方メートルほど買収いたしまして、ここに無許可で宅地造成を行ないまして、このうち約二万平方メートルを約三十四名ぐらいの者に販売していたという事犯がございます。これは自然公園法違反にもなりますし、都市計画法違反にもなりますので、私ども警察としましては、厳正な捜査を行ないまして、四十七年の十二月に検察庁に送致いたしております。このような事犯がございました。
○岡本委員 そのほかの、吉野熊野国立自然公園特別地域内におけるところの事犯、それから北長門海岸の国定公園の無許可の宅地造成、こういうのもわかっておれば、何件か明らかにしてもらいたい。
○相川説明員 ただいま申し上げました伊勢志摩国立自然公園内における事犯のほかに、特異なものといたしましては、御指摘もございましたが、北長門の海岸国定公園内の第二種特別地域に指定されておる山林を無許可で宅地造成をしたという事犯もございますし、吉野熊野国立自然公園特別地域内の海岸岩場に、採石事業によって生じました廃石約一万立米を投げ捨てまして、自然公園の土地の形状変更したというような事犯もございます。さらには保安林の指定区域内における立ち木の伐採をいたしましたり、あるいは庭石を採取したという森林法違反事件あるいは砂防法違反事件というようなものがございます。この辺がおもな例でございます。
○岡本委員 本年の取り締まり月間、これは何カ月ですか。その何カ月の間にいまあなたのほうから発表のあった数件ですね、これをはっきりしてください。
○相川説明員 ただいま申し上げました幾つかの自然破壊事犯は、本年の五月一日から五月三十一日までの一月の間に全国的に実施いたしました不動産事犯取り締まり月間中の実績といいますか、結果でございます。
○岡本委員 環境庁にお聞きしますけれども、四十八年の五月一日から四十八年の五月三十一日、この間の警察の不動産関係の取り締まり月間、わずか一カ月の間に自然公園法の違反が十一件、森林法が二件、風致地区条例七件その他たくさんありますけれども、わずかこの一カ月の取り締まり月間でこれだけ出てくるわけです。ということは、現在自然公園法によって環境庁がこれだけのことを取り締まりができないではないか。たった一カ月でこれだけですからね。これを一年もやれば相当なことになってくるのじゃないか。ということになりますと、自然公園あるいは自然公園の中の国立公園、国定公園、こういうものは相当食い荒されておるのではないか、非常にその点を懸念するわけでありますが、環境庁としてはどうやってこの取り締まりをやっておるのか、その点をひとつ明らかにしてもらいたい。
○首尾木政府委員 いろいろこのような違反事件が多いという事実に対しましては、これは基本的にやはり私ども管理体制の問題にあろうかと思います。私どもは現在の管理といたしまして、国立公園内に現在六十二人の現地管理員を配置をいたし、本年それが九名増員になりまして七十一名になりますが、国立公園管理員を現地に派遣いたして、これを第一線の自然公園内の管理の部隊といたしておるわけでございます。管理事務所を設けておりますのは、現在の国立公園二十六の中で八つございまして、ここに二つふえまして十になりますが、十カ所の管理事務所を設けてそれらをやっておるわけでございます。しかしながら、全国で国立公園が二百万ヘクタールもございましてさらに国定公園は百万ヘクタールの面積を持っておるわけでございまして、とうてい国の本庁及び管理事務所、国立公園管理員だけでは十分な監視体制というものはできないわけでございまして、したがいまして、自然公園法上も権限につきましては相当程度都道府県知事に権限が委任をされておりますし、都道府県におきましても自然保護のための要員を備えておりまして、都道府県における自然保護の体制とあわせてこの土地の管理をやっておるわけでございます。 都道府県における自然環境の保護についての組織体制でございますが、これは近年増員あるいは施設の課の増強といったようなことが行なわれておりますけれども、まだこれも十分なものとはいえない状況にあるわけでございまして、今後こうしたような管理体制というのを特に強化をするということが必要かと存じておるわけでございます。 それから一方におきまして、もう一つやはり自然公園法等におきます地域住民等の自然公園法の地域の認識でございますとか、そういったような点につきましても十分でないという点がございますので、私どもは今後さらにそういう地域を設定いたしましたところの保護計画等を十分に周知徹底をはかっていくということが必要であろうと考えておるわけでございます。 全体としまして、現在の管理体制が非常に弱体でございますので、これを強化することによって今後違反事例というものの減少あるいは防止というものを期待したいと考えておるわけでございます。
○岡本委員 管理体制が非常に弱体である、これが一つでありますけれども、もう一つは伊勢志摩国立自然公園特別地域内におけるところの山林等二万五千六百九十一ヘクタールですか、七千七百八十五坪ですね。これは無許可で宅地造成して、約三十四人の方に転売しているという先ほどのお話がありましたが、こういう特別地域内は民有林にしておくところにやはり問題があろうと思うのです。 今度長官にお伺いするのですけれども、したがって現在すでに国立自然公園になって、またしかも特別地域になっておる、こういうようなところの山林等は、一日も早く環境庁で買い上げて、そして国のものにしておけば——三十四人の方、この買った人たちは、家は建てられないし非常に困っておるのです。それもあるけれども、こうして自然公園の特別地域が食い荒らされているということになれば、早く環境庁でこういうところを点検して買い上げをしていく、これは大切であろうと私は思うのですが、長官の御意見はいかがですか。
○三木国務大臣 私どもそういうように考えて、きょうも環境庁で相談をしておったのですが、国立公園の中の特別地域くらいはひとつ買い上げるということで——いままでどうも買い上げがうまくいかない。これは木材の値上げなどで折り合わないのですね。地価の非常な値上がり、これをみな期待するわけです。だから少し弾力的に、あまりしゃくし定木でなしに、ひとつ買い上げというものを積極的に推進していこうではないか。けさも相談をしておったので、岡本委員と全く同感で、私権を制限するわけですから、どうしても国のものにしておいたほうが、環境の保全からいっても万全を期すことができるわけですから、そういう方針で今後取り組んでいきたいと考えております。
○岡本委員 事務当局に聞きますけれども、全国のこういった自然公園特別地域内で、まだ民間が持っている民有林で伊勢志摩の国立公園のような可能性のあるところ、こういうような点検ができておりますか。いかがですか。
○首尾木政府委員 お答えいたします。 本年度買い上げにつきましての調査をいたしております。現実にそのようなおそれのあるといったようなところにつきましては、これを具体的に県を通じまして報告をとっております。おもなところについては把握をいたしております。
○岡本委員 これはことしですか、これから買い上げていく予定のところをいま審議会でいろいろともんでおるようでありますけれども、それは大きなところですね。私が言わんとするところは、すでに自然公園になっている、特別地域になっている、ところがそれがまだまだ民有林である、いまのような事例がまた起こるのではないかという非常に心配なところ、これは当然徹底的に総点検をして調査をして、そして予算をつけていく。長官、見ておりますと、何か民有林を買い上げて自然原始林を残す、こういう大きな発表といいますか、これはいいかっこうなんです。ところが、こういった特別地域でありながらまだ民有林でそのままになっているところ、先ほど私、警察から聞いてもわずか一カ月でこういった事例がたくさん出てくるわけでしょう。そういったきめのこまかい施策が不足をしておるのではないか、私はひとつ検討していただきたいと思うのですが、全国の総点検をして、ひとつきめこまかく買い上げていく、こういう考え方はいかがですか。
○三木国務大臣 どうしても全国を総点検しまして、必要の度合いというものがあるでしょうからやはり必要の度合いの強いところからできるだけ買い上げていくという方針で取り組んでいくことにしたいと思います。
○岡本委員 そうしますと、ことばを返して悪いようですけれども、自然公園の特別地域の中で不必要なところというのはあるのですか。
○三木国務大臣 不必要なところは特別地域にはしていないでしょうけれども、どうしてもこれは買い上げておいたほうがいいというふうな多少の重要度の度合いというものはあるでしょうから、一挙にぱっとやれればいいのですけれども、だから、できるだけそういう重要度合い等も勘案をして、そうして積極的に買い上げの方針を推進していくということにいたしたいと思います。
○岡本委員 私は、これはおそらく環境庁でいろいろな状態を都道府県に連絡したくらいで、全部握っていないんだろうと思うのですよ。ですからそういう重要なところで——不必要とは言いませんけれども、重要でないところというようなお考え方が出てくるのではないかと思いますが、それはやはり実態を調査した上で、そうしてこういった違反事故が起こらないように、また、特別地域に指定しておるところですから、これは自然公園の中でも大事なところだと思うのです。それでなかったら特別地域にしていないです。それはまあ予算の都合もありますから、一挙に全部というわけにいきませんけれども、一つ一つ点検をして買い上げて、こういう違反の事例のないように、また大事な自然公園を残していくように、こういうように私は提案をしておきます。 次に、この法律案を見ますと、届け出行為の着手制限、国立公園または国定公園の普通地域において、行為の届けをなした者は、その届けをした日から起算して、原則として三十日を経過した後でなければ行為に着手してはならない、こういうことでありますが、私心配するのは、届け出をする、それから三十日以内に、それはだめだ、こういうように言わなければ、届け出して三十日たてばもう着手してしまうわけです。ということは、当然だと認めてしまうわけです。ところがいま環境庁から話がありましたように、管理体制というものは非常に貧弱である。そうしますと、届け出してきたものを全部点検をして、そうしてそれは許可する——これは三十日以内に措置しなかったらそのまま、もう効力が発生するわけです、不許可にするとかそういうことをしなければ。 私は、これだけの広い場所、たとえばあとでお話ししますけれども、十和田湖あるいはまた八幡平のあの広い場所で、環境庁からたった二人であります。県から一人だけ出向しております。一人や二人ではとてもどうにもならない。行って聞いてみますと、一緒に私案内してもらったんですがその所長さんが、たしか三カ月くらいになっているのですが、あなたここ来たことありますかと言ったら、初めてです。何やっているんですかと聞いたら、いろいろ判を押したりする行事が多くてとてもこういうところへは来ておれません、こういうようなことですから、私はおそらく、こういった届け出がありましても、それを点検をしてイエスかノーか、いいか悪いかということを答えてあげるには、とても手が足らないのじゃないか。したがって、これは三十日というようなことで切ってはならないのじゃないか。それでなければ、結局三十日を経過したらもうこれは認められたものとして着手をしてしまう、で、あとになって問題が起こる、こういうことになるのではないかということで、非常に懸念をするわけです。したがって、許可制にしておけば、これは許可がなかったら着手できないわけですから、許可制にしておくと、何日引っぱってもと言ってはおかしいのですけれども、はっきりした点検を終わるまで許可をしないということになりますから、自然公園を守れるのではないか、こういうことを私は特に感ずるわけです。また、実際に調査をいたしましてそういうことであったわけですが、その点についての御見解を承りたい。
○首尾木政府委員 ただいまの御意見でございますが、自然公園法で申しますと、第二十条の第四項がございますように、この三十日の期間というものは、これをさらに延長することができるということになっておりまして、合理的な理由がある場合には三十日の着工制限の期間をさらに延長をするということになるわけでございます。したがいまして、そういう規定もございますので、この三十日の期間に、非常に重要なものにつきましては、実態的にこれについては問題があるということで、これを通告をいたしますので、したがって従来はこれは届け出をすれば済む、着工ができるということで、その着工によって、現実に着工になりますとなかなかこれについての補償問題とかいろいろなことで、禁止命令とかあるいはこれに対する十分な措置ができなかったというような実情があるわけでございますが、今回の場合は着工制限という期間がございますので、その間の問題については非常に処理がしやすいというようなことになるわけでございまして、私どもこれは、その点についての、やっていいのか悪いのかといったような判断は三十日の期間の間にできるというふうに考えておるわけでございます。 なお、先生の具体的に御指摘になりました十和田の管理事務所の問題でございますが、たまたま、その件につきましてちょっと釈明をいたしておきたいのですけれども、着任して三カ月の間にその地域を見ておらなかったというような事実があったかのようでございますが、これは一般的に申しまして、現地の管理員というのはその地域内の事情というものは非常に詳しく把握をいたしておるという現状でございまして、たまたま着任早々でありましたために、そういったような点についての現地の把握ということが十分行なわれておらなかったという点があったのではないかと考えておるわけでございまして、一般的には、その地域内の事情につきましては、管理事務所あるいは管理員というものは常にその地域を見回っておりまして、その地域内の事情については精通をいたしておるというふうに考えておるわけでございます。
○岡本委員 一般にはその管理事務所の所長あるいはまた所員がその中のことに精通しているのがあたりまえだ、こういうことでありますけれども事実私が行きまして調査をしますと、とてもそこまで手が伸びませんということです。だからできないことを強制しても何にもならないと私は思うのです。そこであれだけの広い、あれは何平方メートルか何ヘクタールだったか、ちょっとこの数字を持ち合わせませんが、わずか二人ですよね。それだけでもってこれだけの届け出が出てくる。あるいはそれ以外の事項がたくさんございます。またあとでお話をしようと思っておりますけれども、その中でこれは重要である、これは簡単であるというようなことの見分けがなかなかつかないのじゃないかと私は思うのですね。したがって、これはひとつ三十日はもう少し、まあ二カ月にするとか三カ月にするとか、それ以内でこれならいいというものであれば、どんどんこれは通知してやればできるわけですからね。まして今回届け出事項の追加事項は海面以外の水面の埋め立て、要するに川、湖ですね。あるいはまた鉱物を採掘する、こういう大事なものが入っているわけです。ですから私はこれはほんとうは許可制にしなければりっぱな自然公園を守れないということをまず申し上げておきたいと思うのです。許可制ということがなければ少なくとも三十日以上三カ月から六カ月、これくらいにする考えはないかどうか、もう一度……。
○首尾木政府委員 三十日が合理的であるか、あるいはもう少し長いほうがいいか、その点についてでございますが、私どもやはり一つの一般的な目安といたしまして、一カ月間あればこのような問題について処理ができるというふうに判断をいたしておりまして、その辺はやはり私権というものと行政上の措置というものとのかね合いの問題であろうというふうに考えておりますので、一応私ども原則としまして、三十日としておるわけでございまして、これが絶対に正しいというものでは必ずしもないと思いますが、三十日の間にこの問題について処理ができるように全力を尽くしたいというふうに考えておるわけでございます。
○岡本委員 では長官にお聞きします。土地は私権ということもございますけれども、この前の委員会で私言いましたように、これからはやはり大切なこの日本列島を守るために、われわれ一億国民の、また後代の人たちの命を守るために、健康を守るために、自然環境というものが今後は大事な問題になってこようと思うのです。したがってやはり公共というもの、人の命というもの、日本の将来ということをひとつ考えて、いままでのような考え方を捨てて私権の制限も公共のためにしかたがないのではないか、こういうふうに私は考えるのですが、その根本的な考え方をひとつお聞きしたい。
○三木国務大臣 土地問題は、所有権というものはこれからも動かすことのできないものであります。しかし利用権といいますか、土地の利用に対してはやはり制限を加える場合はあり得るし、また加える必要がある。このことはやはり私権という憲法上の規定に反するものではない。所有権はもう確立しておるけれども、土地の利用権というものに対しては、これはやはり公共の福祉を優先する考え方が、一つの土地利用という考え方の中に確立してしかるべきだと私は思っています。
○岡本委員 やはり長官は環境庁長官になっただけにそういう意見を出された。そうすると事務当局で私権にばかり——要するに公共の用に供するわけですからね。それも御承知のように日本の私たちの命と健康の問題になってくるわけです。これは御承知のように国立公園あるいは国定公園、自然公園となっておるのです。あまり私権にとらわれて、私権を制限してはいかぬから三十日にしたということでなくて、やはりもう少しそこに経過事項も強力にしなければならぬと私は思うのです。この点いかがですか。
○首尾木政府委員 私、私権とのかね合いということを申し上げたわけでありますが、いま申しましたのは決してこれが絶対のものであるというようなことを申し上げた趣旨ではございません。基本的にやはりそのような土地の利用といったようなものも、公共の福祉から制限を受けるということは当然でございまして、自然公園法なり自然環境保全法というものは、そのような観点からこういう制限を課しておるものでございます。したがいまして、そのような基本的な考え方は全くそのとおりでございますが、しかし、これについては一方でやはり私権というものも無視するものではないわけでございまして、したがって、そこでかね合いの問題ということを申し上げた趣旨でございまして、三十日が絶対的なものであるというふうなことを必ずしも申し上げておるわけではございませんが、一方においてやはり行政上もできるだけのそういうような努力をいたさなければならないわけでございまして、単なる事務上の都合だけからこの期間を延ばすということについては、これは私どもとしては若干どうであろうかというような考え方から申し上げたわけでございまして、基本的な考え方において、これは私権だからしかたがないのだというような考え方を持っておるものではございません。
○岡本委員 では、その問題はあとでもう一度理事会においてひとつ詰めていただくことにしまして、今度は事実に基づいての質疑を二、三しておきたいと思います。 これも私、この前取り上げたかもわかりません。二、三日前にも実は環境庁長官のほうにも直接陳情があったかわかりませんが、十和田湖自然保護の会の方がお見えになりましたが、私もこれは調査に行ったからよくわかっているのですが、いままで湖水は十和田といわれた十和田湖が、非常に最近よごれておる。あるいはまたその周辺のもみじですか、紅葉がどんどん衰えつつある。この原因についてまず一つ一つただしていきたいのでありますけれども、そしていまのうちに十和田国立公園を守らなければならない、こういう考え方から質問をいたします。 まず十和田湖が、水力発電に使い、またその水をかんがい用水に使っている、要するにあの戦時中の電力不足あるいはまた食糧不足、これを補うための水ためになったという事実がありますが、そのままでこの十和田湖が、また十和田国立公園が保持されるならば、私はあえて言わないわけでありますけれども、ところが、最近は非常によごれる、また破壊される。この辺で何とか抜本的な対策を整えて、そうして守らなければならないときが来ているんではないかということであります。まずここで十和田湖の湖水がどんどんよごれていく。またその湖底にはどろがどんどんたまって、いまでは大体五・五メートル、こんなにもたまっている。このままずっといくと、しまいには湖水でなくなってしまうというような考えからしますと、東北電力の十和田発電所、この逆送水といいますか、雪解けのとき、あるいはまた秋の水の少ないときといいますか、このときに発電をやるために逆送水をいたしております。この逆送水の水が非常にどろといろんなものを含めて湖水にまた流し込んでおる。したがって、もしも逆送水を現在するのであるならば、どうしてもこの逆送水を浄化する装置、シックナーかあるいはまた沈でん槽、こういうものが必要であろうということでありますが、これについて、これは通産省でありますが、どういう考えを持ち、またどういう指示をしているか、これをひとつ明らかにしていただきたい。
○和田説明員 先生御指摘のように、十和田発電所は、十和田湖の水を利用いたしまして下流のかんがい用水の補給も兼ねております。そういう意味で先生おっしゃった逆送水という途中の渓流取水をいたしまして、下流の水が要らないときに逆に湖のほうへ送り込んで、湖の水位回復に資しているわけでございますが、この逆送水の水は、先生御指摘のように、雨が多量に降ったときだとか雪解けのときは非常に濁る傾向があるものですから、とりあえず東北電力に指導いたしまして、この濁りを測定いたしまして、非常に濁っているときは逆送水をとめるような指導をことしからしております。その結果、ことしの実績について見ますと、逆送水は春の四月、五月が大部分でございますが、四月、五月は過去の平均でございますと千七百万立米ぐらいの逆送水があったわけでございますが、四十八年度については約六分の一の三百万立米というふうに減少いたしておるわけでございます。それから長期的な問題といたしましては、この渓流取水と湖水汚濁の因果関係につきまして、東北大学のほうにお願いをいたしまして、いろいろな調査をするとともに、青森県の委員会にも参加してこの研究をいたしている現状でございます。
○岡本委員 あなた、ただ東北電力から聞いてそれを答弁するだけじゃちょっと困る。私も行ってみましたですよ。逆送水するのは、ちょうど春季の雪解けのときあるいはまた秋季の降雨時、こういうときに逆送水を約一万七千三十トンから一万五千十トンですか、こういうような膨大なものがどろとして入ってくる。これはこの少し前までは——少し前というのは、林野庁がその付近の山をみな切っちゃった。林野庁にも責任があると思うのです。要するに支流の川の水を集めて逆送水するわけですが、その支流の山をどんどん切ってしまいまして、そしてそれが牧場にもなっているわけですが、そうすると最近では、ぐあいが悪いのは、その牧場の畜産公害ですか、こういうものが一緒になってまた逆送水されて湖水の中に入ってくる。こういうことで、この両方の面から非常に湖水がよごれている、こういうことなんです。ですから現在は支流の山を切って、切らない前、乱伐しない前、こういうときとは事情が違う。したがって、これは東北電力だけに責任を持たすというわけにいかないかもしれませんけれども、その乱伐をしたところの林野庁にも責任があるわけですから、だからその点をひとつどういうように話し合いをするかによって、これはシックナーかあるいは沈でん槽をつくってやらなければ、このままいくと湖水はどんどんよごれるあるいは汚染されてくるのは、これは火を見るよりも明らかです。これからのほうがよけい進みますよ。この点についてもう一度通産省からお聞きしたい。
○和田説明員 先ほど申し上げましたように、東北電力に対して指導いたしまして、大体二PPM以上に逆送水がよごれておるときには、逆送水の十和田湖への流入を停止いたしまして、発電のほうに直接使っております。その結果、前の十年平均ぐらいの量に対して約六分の一に逆送水の量がことしの春について見ますと減っているわけでございます。それで先生御指摘のように、この周囲のいろんな条件の変化によりまして逆送水の濁度がはなはだしくなっているということも考えられますので、その辺も関係のところといろいろ協議いたしまして、あるいは東北大学のいま調査しています湖水汚濁と渓流取水の因果関係につきましての調査と相まちまして対策を講じていきたい、こういうふうに考えております。
○岡本委員 長官、いまあなた御存じかどうかわかりませんが、何とかいまの間にこの処置をしませんと大事な自然公園——十和田湖の公園というのはほんとうに富士山と並んで日本の名勝でありますし、いまたくさんの観光客が行っているわけですが、これは長官のほうで指示をしてもらいたいと思うのです。これから調査します——調査事項はできているのです。すでにいろいろ下調査については、県やあるいはまたその地域の人が大体握っておりますから、あとはこれをやるだけなんですよ。シックナーをつけるか沈でん槽をつけるか、それで浄化をしてもう一度逆送水をする、そうして水を湖水に入れるしかない。あるいは三万一千キロの発電をやめるかですよ。これは早く手を打ちませんと、全然どないもならなくなりますよ。この点について、長官、いかがでございますか。
○首尾木政府委員 逆送水の取水口でございます青ブナに計測施設をつくりまして、洪水時等汚濁水が逆送水されるというようなときにその送水を停止をさせましたり、あるいはさらにお話が出ました沈でん池等を設けることによりまして、汚濁水が十和田湖に流入することについて、しないような方法を指示いたしたい、かように考えております。
○岡本委員 これはぜひいまの間に英断をふるって政府としてやってください。先ほど申しましたように支流の付近の乱伐ですよ。これは林野庁が一番けしからぬ。そこを牧場にしているわけですね。ぼくは見てきたのですけれども、牧場にしておくと畜産の排水の公害がまた一緒になって出てくる。こういうことで湖水はどんどんよごれていくわけですが、これに対する処置はいかがなさいますか。これは林野庁と環境庁の両方からお答え願いたい。
○福田政府委員 お答えいたします。 十和田周辺はその部分がほとんど国立公園地帯になっておりまして、湖の周辺は第一種でございます。それから奥入瀬の渓流は特別保護地区というふうになって、これは禁伐でございます。またその周辺もそれぞれ国立公園になっているところが多いわけでございます。だからこの地区につきましては、先生御指摘のように青森県の中全体は、十和田を含めましてこの近辺というのは農林業に従事するものが非常に多かったわけでございます。従来は自然保護に配慮しながらもやはり地元産業の振興という意味で伐採をいたしまして、その原林を薪炭材あるいは木工の原料というものを販売してきたいきさつがございます。しかし自然保護に対するいろいろな強い要請にこたえまして、昨年からこの地域に対する施業方針を変えております。特にそういった意味では伐採を規制いたしまして、従来のたとえば大面積の皆伐はこれを限定いたしまして、しかも分散させて、できるだけ天然林を残すというような配慮をいたしております。 そういうことで、特にこの国立公園地帯の中におきましても、あるいはこの地区は水源涵養林になっておりますから、そういう意味で伐採の方式を、禁伐あるいは択伐、皆伐するにしましても、いま言ったような方法でこれをきびしく規制していくという方針で対処をしてまいりたい、こう考えております。
○岡本委員 林野庁長官、ぼくは直接向こうへ行って聞きますと、秋田県側のほうの営林局長さんは、これからはもう全然切りません。ところが青森県側のほうでは、これはまた択伐をする、こう言っておるのですよ。しかも牧場になったところはそのまま水をたれ流しておるわけです。たれ流すというとおかしいけれども、その水がどんどん支流に入ってまた逆送するということですよ。ですから、これから切ってはいけませんよ。畜産公害を防ぐための浄化装置をするとか何かしなければいけませんよ。これをひとつ要求しておきます。 最後に、約束の時間ですから、水産庁、ヒメマスの問題、これがどんどんなくなってきておる。ですからヒメマスを何としても——まぼろしの魚ということになってしまいますから、これの対策を徹底的に講じていただきたい。これについて一言お聞きして終わりたいと思います。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 御承知のように十和田湖の水産で一番大きな魚種はもちろんヒメマスということでございます。三十六年以降四十三年くらいまでは年間大体三十トン内外の生産があったわけでございますけれども、昭和四十四年以降生産水準がかなり低下してきております。この原因といたしましては、根本的には稚魚の放流量が減退してきたということだと思われますけれども、その稚魚の放流量が減退する理由といたしましては、親魚が減少したということだと考えております。それは他産業の進展とかに伴います漁場環境の悪化等があり、あるいは遊漁者がふえたということからする漁獲努力の増大ということがこの親魚の補獲量を減少させてきたものと考えております。そこで水産庁といたしましてはヒメマスの卵をほかの地域から積極的に導入いたしまして、たとえば昭和四十三年におきましては日光の淡水研の支所のほうから五十万粒ほど持ってまいりましたし、四十四年には同じく北海道さけ、ますふ化場から十万粒ほど持ってまいりまして、それを十和田湖に放流するというようなことをやっております。その他親魚の養成に関する試験研究につきましても秋田県、青森県等に助成をいたしておりまして、ヒメマスの増殖努力をできるだけ向上させていくことにつき努力いたしておる次第でございます。
○岡本委員 長官、十和田湖に早急にひとつ手を打っていただきたい。イタヤハムシあるいはそういう害虫が盛んに出まして、このままにほっておきますと国立公園としてまた大事な景観がなくなってしまいます。これはいつごろ調査をはっきりしてくれるか、それだけもう一度お聞きして、終わりたいと思います。
○首尾木政府委員 すでに必要な面につきましては調査もいたしておりますので、できるだけ早急にこれについての手を打っていきたい、かように考えております。
○岡本委員 終わります。
○佐野委員長 島本虎三君。
○島本委員 前回の宿題が二つありまして、一つは北海道の沼田の演習地の面積と、その使用計画の中にある保安林の問題についての計画書、これらについての資料提出であります。もう一つは、雲仙天草国立公園周辺の県立自然公園の保守の問題です。私としては、この二つの問題についてだけは、資料提出とともに意見を留保しておったところであります。私はいまここでその問題を先に聞いてまいりたいと思うわけであります。 まず第一番に、天草の国立公園周辺の自然公園で、天草五橋のかけ橋があるその第一の天門橋のあたりの橋げたの島がすっかりえぐられておる。この問題は重大でありまして、少なくとも国立公園の周辺であり、それを保存しなければならない立場にありますところの環境庁として、国立公園内にあるということがはっきりしていながら、そのような荒廃の状態にしておいていいのか、こういうことであります。これについてはいろいろと資料の提出を求めておいたわけでありますが、これも環境庁のほうでできたようでございます。その結果について報告を願いたい。
○首尾木政府委員 前回問題になりましたのは、熊本県三角の三角大矢野海辺県立自然公園内の大矢野島、それの天草五橋第一橋付近でございますが、そこで四業者が採石をいたしておりまして、ここは明治時代から石材の採取が行なわれてきたのでございます。 この地域は、ただいま申し上げました県立自然公園でございますが、この県立自然公園は、いまだ特別地域の設定をいたしておりませんで、普通地域でございますために、法律的にはその条例に基づく規制がなされておらないわけでございます。御案内のように、今回自然公園法の改正を提案いたしておりまして、その点で、普通地域について新たに土地の形状変更を加えたわけでございますが、それ以前は届け出行為にはなっておらなかったということで、法律上、自然公園条例もまた自然公園法の公園の普通地域の範囲内においての規制でございますので、それができなかったという点がございまして、条例上の措置が講ぜられないというような現状にあったわけでございます。 なお、この地域は熊本営林局管内の国有林地でございまして、昭和四十七年度での採石量は約十六万一千トン、これは売石契約が結ばれておりまして、一年更新ということになっておるそうでございます。 これに対する対策でございますが、ただいま申し上げましたように、自然公園法上は自然公園条例に基づく規制というものができませんでした。これは、その地域について特別地域の設定をされておらないというような点に欠陥があったわけでございますので、今後こういう問題につきましては、特別地域の設定ということで、環境庁としては対処する。あるいは今回法律の改正ということがございますので、一年更新ということでございますから、そういう時期において法改正が成立いたしますれば、法律的な措置が期待できるわけでございます。 なお、現在の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたように、営林局で管理をいたしております国有林地でございますので、この点については、熊本県の自然保護課と熊本営林局のほうで協議をいたしました結果、毎年採石量を二割減らしていくということで、五年目には廃止に持ち込む方針というふうに伺っておりますが、この方針に対しまして採石業者のほうは、これは従来から採石をいたしておるということで抵抗を示しておる、こういう実情のように聞いておるわけでございます。
○島本委員 これは熊本営林局管内の国有林地である。昭和四十七年度での採石量は約十六万一千トンもあった。それから契約は一年更新である。これを許可しているのは営林局である。そうすると、林野庁が森林破壊の元凶であるということになってしまうじゃありませんか。調べて、それまではわかりませんでしたか。この点ではどうもちょっと問題がある。長官、こういうふうな点についてはいままで一年更新であるものをそのまま認めておった、これは私としては不可解であります。これは自然公園地内であり、しかも雲仙天草国立公園の周辺地であります。そして、フェリーも通るし、もちろん橋の上は数限りなくいろいろな車が走るのでありますが、この第一橋の橋げたがえぐられて、島一つがまる坊主にされるほど石がとられておる。こういうようなことの許可を営林局がやっておった。これはちょっと自然に対する考え方が不十分じゃないか、管理の怠慢じゃないか、こう思われるのでありますが、調査の結果わかったとすると、これは重大です。林野庁の処置をお伺いいたします。
○福田政府委員 いま御指摘の個所につきましては、私も至急調査の結果、写真も見せていただきました。確かに橋のすぐそばが大きくえぐられて裸になっておるわけであります。四十七年度は、いま御指摘のように、立方で申し上げますと六万五千立方販売いたしております。四十八年度も予定がありましたけれども、林野庁としましては営林局に対して、これは販売を中止する方向で至急検討しろというふうに指示をしたのでございます。その後、いま環境庁のほうからも御説明ありましたけれども、調査の結果では、ここは、私のほうの調べによりますというと、この橋のできる前、江戸時代の後期、天保年間から石をとっておったということでございます。長年とっておったもので、とる石がなくなってしまった。どうか石をとらしてくれということで、二十数年前にこれを許可しまして、この人たちに石をとらしておったといういきさつがございます。橋はその後にできたものでございます。地元の、この採石することによって生活している人が約百人ぐらいあるそうでございます。自分たちの生活が困るということでこの町長を中心にしまして、営林局なりあるいは県にいろいろと陳情をしている模様でございます。そこで県のほうでも非常に困りまして、何とかこれをしようじゃないかということで対策協議会をつくりまして、県なり営林局なり建設局、建設業関係、採石の人たち、その他学識経験者の方々でこの人たちのことについてどう処置するか、あるいは現地をどうするかということについて協議をしているそうでございます。結局はやはりこの人たちがほかの場所へ行って石をとるとかあるいは転業するとか、それに対する対策ということを真剣に検討しているようでございます。林野庁といたしましては、ここはぜひ重要な地域でもございますので、橋はあとからできたのでございますからしかたがないですが、やっぱり地元の人たちも考えてあげながら、いずれにしましても、ここは禁伐の地区に入れて、あと地も緑化するように、いろいろ検討するように考えております。
○島本委員 すなわち問題点もその辺にもあるのじゃないかと思うのです。 先般参考人の招致によって、三人の人たちから参考意見を聴取いたしました。その参考意見の中にも、やはり特別地域の相当面積、これの買い上げの予算、約六十億。ただし現在まで行なわれているのは、ほんの一億、こういうような状態はまことに不可解である。しかしながら、特別の保護地区と第一種の特別地域、これだけが買い上げの対象になっておるものであり、第二種と普通地域、これはもうだめだということになっているから、したがって、これでは自然保護の意味は全然ないものである。したがってこれは結局は乱開発につながるものであり、真に乱開発防止のためであるとするならば、第二種以下のこの制限についても解除すべきである、こういうような貴重な意見があったわけであります。 そうすると、この法自体が不備である、十分じゃない。このために起こったところの一つの現象であろうかと思うのであります。これらの参考意見に徴しましても、やはり国においてもそういうような、本人が生業上必要である個所である。したがって、それは景観を破壊し、その辺の重大な資源破損につながってもそれをとらなければ生業できないんだとすると、それを進んで買って、生業でも補償してやって、そうして景観、自然を破壊から防止する、こういう態度こそ必要なんじゃないかと、だれしもこれを思うのであります。こういうようにして、立法だけはできた。しかしながらこれさえ一つできない、こういうような法律では、何のためにつくったのか意味はありません。ほんの一部を改正して、手直しして、それで自己満足をするようなやり方では、全然私は意味がないと思う。したがって今後は、こういうような島を破壊から景観を守るためにも、自然を守るためにも、ぜひこれは買い上げの対象にして自然を保護するような態度こそ必要だ、こう思うのであります。これに対して環境庁ではどのように考えておりますか。
○首尾木政府委員 零細な事業でありますとか、住民のそういった生業というものと、それから自然の景観の保護ということとの調整という問題は非常にむずかしい問題でございますが、私ども、御意見がございましたように、そういうようなことで土地の買い上げというものを現在予算上の措置といたしまして実行いたしておるわけでございます。現在対象にいたしておりますのは、お話のように特に何もやらせないというような特別保護地区でありますとか、あるいはそれに準ずる一種地区でございますとか、そういった非常に権利制限の強いところにつきまして、まずこれを優先的に買い上げていくというような形で六十億のものを持っておるわけでございます。現在はそのようなことで制度を持っておるわけでございますが、これにつきまして昨年は、ただいま御指摘のように一億足らずという状況でございました。本年度におきましては、そのようなものにつきましてぜひ積極的に買い上げをやりまして、この六十億を消化をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。 さらに二種地域、三種地域その他の地域等につきましても、必要なものについては、こういうことをやる必要があるのではないかという点については、理想的に申しますと御指摘のとおりだ、かように考えておりますが、それらの点につきましても、今後の問題として、必要な地域としてどの程度のものを買うのかということについてさらに検討を加えまして、今後このような点については前向きにひとつ検討をいたしたい、かように考えておるわけでございます。 なお、これは単に買い上げだけではございませんで、許可をしないことによる補償というものもございます。ただ、この補償措置というものにつきましては、補償すべき額というものをどの程度のものにするのかといったような点につきましてなお定説がないという現状でございますので、そういう点につきましても今後問題があれば、そのようなところについては許可をしないで補償という形で問題を処理するというようなことにつきましても、積極的に私どものほうでそのような措置も一方において考えてみるということをいたしたい、かように考えておるわけでございまして、私ども今回の改正をしただけで十分だというふうには考えておりませんで、従来の自然公園法の運用でございますとか、今後の自然環境保全法の運用ということが非常に重要な問題であるというふうに考えておりますので、むしろそういったような問題が非常に重要な問題だと考えておりますので、今後はそういう点についてさらに自然環境の保全という点から格段に強化をしていきたい、かように思っておるのでございます。
○島本委員 長官、いま答弁あったようにして特別地域の買い上げ、これは六十億予算化されてあっても実際はそれがきびしくて、特別保護地区や第一種特別地域しか対象にならないのであります。いまほんとうに必要なものには手が出ない、こういうような現状であります。それをこれからやはり何とか考えて対処しなければならないという事務当局の答弁であります。自然の景観保護、いまや景観だけでは足りないのだ、自然環境そのものも十分守らなければならないのだ、こういう段階に来ているというのは、先般の参考人のこれはとうとい意見であったわけであります。ですからして、現在はそういうような状態であっても、二種地域であるとか普通地域、この中にも必要だと思われるところはどんどん買い上げできるようにして、国のほうでちゃんと緑の保全をしなければならないのだ、こういうような要望もあるわけであります。法律はまだそこまでいっておらないのであります。したがって今度は事務当局は、それに対して今後前向きに考えるということですが、長官としても、この際はっきりこの問題に対して決意を表明しておいてもらいたいと思うのです。
○三木国務大臣 私は岡本委員の御質問にも答えたんですが、できるだけ買い上げて、所有権というものが民間にある場合はその環境保全という点でいろいろな困難な問題も起こりますからね。これを買い上げをする場合に、やはり値段の問題なんですね、結局は。値上がりしてくるということを期待するものだから折り合わないのですよ。予算を持っておっても、それをもう少し弾力的にやるような方法を考えないと、予算をとってもなかなか買い上げられないのではないか・けさも私は話したばかりです。 それから普通地域の、島本委員はもっと買い上げを拡大しろという、それは必要なところもあるでしょう。これは予算の問題とも関連するが、そういうところで特に必要な地域は買えるような仕組みに考えていきたいと思っております。
○島本委員 それから、これはもう環境庁並びに林野庁、この三月に行政管理庁から「自然保護に関する行政監察結果に基づく勧告」この中にもいま私が指摘しているような事実が具体的に指摘されているのです。「開発行為等に対する規制の適正化について」「公園計画の見直しと策定について」この中には、「最近、国立・国定公園、都道府県立自然公園等の指定区域内で、宅地造成、採石、森林の伐採、道路・林道の建設等各種の開発行為が急速に進行しており、その結果、原生林の伐採・枯死、捨て土によるけい谷の埋没、採石跡地や道路のり面等における山膚の露出など自然景観の破壊、損傷がもたらされている事例が数多くみられ、また各種開発事業の計画と自然保護との調整が難航しているなどの事例も多い。」はっきりここで、もう三月の時点で指摘されているのです。こういうような問題は、結論としては「環境庁は、都道府県立自然公園の公園計画の策定が進んでいない都道府県に対し、自然公園の保護を適切に行なうため、公園計画の策定を促進するよう指導する必要がある。」こういうふうにさえ言われているわけであります。当然この前にも、「公園利用施設については、特にきびしく景観を保存する必要があるとして指定された特別保護地区内の自動車道で、開設後、道路交通量、利用者の急激な増加等により、周囲の環境に影響を与えた事例があり、利用施設の計画段階で十分な事前調査の実施など慎重な検討が必要とされる」これも指摘されているのです。 そうしてみると、環境庁並びに林野庁にもこの三月に、もうすでにこういうような指摘がある以上、これに対して行政的にも当然対処しておかなければならない。こういうような一つの義務があるんじゃないか。当然これは知事権限の許可制の中にも、許可基準の三十三条の四、この適用、これを考えてもできることです。公共の福祉のためにというのはあるのですから、県としても、また林野庁並びに環境庁としても、当然採石問題についてもこの点から考えて措置をさせる方法もあったはずであります。まことにいままでの態度はなまぬるい。こういうようにして、できないという考え方の上に立って何もしないことが、もうすでに行政を退歩させておる、怠慢です、これは。われわれが行って、それも公害の調査に行って初めて自然景観が破壊されているということさえわかったのです。もう現行法でもできる。それもやらないでおく。これじゃ全くもって私は怠慢のそしりは免れない、こういうふうに思うわけであります。 せっかくこの点等については今後善処するようであります。並びに買い上げ等については、法改正して今後もこの点十分に措置したいという考えのようでありますから、一切今後にこれは期待しておきたい、こういうように思うわけであります。しかし、いままでやはり手足を持たない環境庁、持っているはずだけれども、経営のほうに片寄った林野庁、この考え方がもうすでに自然の景観破壊だけじゃなく、環境破壊にまで重大な足跡を残してしまったということになります。まことに遺憾である、こういうように思います。今後ひとついま質問した趣旨に沿うように十分対処しておいてもらいたい、このことを要請しておきます。両当局からひとつ決意を述べてもらって次に進みます。
○首尾木政府委員 御指摘の点につきましては、できるだけの措置を考えてまいりたいと考えております。 さらに土地の買い上げ問題でございますが、これは先生、法改正の問題仰せになりましたが、これはただいまのこの土地買い上げ制度というのは、これは予算上の措置としてやっておる問題でございまして、この範囲として一応現在六十億の予定といたしておりますのは、これは先ほど申し上げました特別保護地区それから一種地域でございますが、今後の予算の問題といたしまして、その点についての拡充ということを今後につきまして十分検討し、努力したい、かように考えております。
○福田政府委員 御指摘の点につきましては、従来も自然公園の地区内あるいはまた保護林制度、あるいは天然記念物等、あるいはまた自然休養林、そういった制限林につきまして一応つとめてきたところでございますけれども、今後一そうきびしくそういう制限林内の問題につきまして基準を設けて指導してまいりたいと思います。 なおまたそういう制限林以外の普通林につきましても、乱開発防止という意味で、一つのたとえば環境を破壊する、あるいは土砂の流出に影響を与えるとか、あるいは水資源の涵養に影響を与えるということにつきましては、普通林におきましても許可制を導入してこれをきびしく制限してまいりたいというふうに考えまして、今回森林法の改正を検討中でございます。
○島本委員 次に、生態系を守るための面積は一応は国際的には千ヘクタールという程度なものが必要であるといわれているそうであります。環境庁のほうでは、いまこの一部改正法案を出しているわけでありますが、保安林というものに対する考え方、これをどういうふうに考えているのか。特に保安林というものを考える場合には、原生自然環境保全地域、それと保安林、この段階的な考え方、これも今後の緑を保全するためにも必要な一つの発想のもとになります保安林に対しては一応どう考えているのか、これをお伺いいたします。
○首尾木政府委員 保安林は、森林法によりまして、水源涵養でございますとかあるいは土砂防備でありますとかあるいは風致保存でありますとか、いろいろ保安林、それぞれの目的に従いまして保安林を設定をし、その森林を守るということになっておるわけでございまして、これは森林法上の制度でございますが、全体といたしましてこれが自然環境の保全ということと非常に重要な関係のあるものでございまして、そのような点では保安林制度というものを十分活用されますことが、これが自然環境の保全に非常に大きな意味を持っておるというふうに考えておるわけでございます。 なお、先生の御指摘になりました原生自然環境保全地域と保安林の問題でございますが、これは制度上原生自然環境保全地域と保安林というものを競合しないというような形でできております。この考え方は、原生自然環境保全地域というのは、これはいわば原生的な自然そのままの状態において残しておくところでございまして、保安林につきましては、これはたとえば水源涵養保安林で申しますと、樹種の更新ということによってより水源涵養の目的というものを果たす、あるいはまた治山治水等の目的から設けられましたそのような保安林につきましては、そういう工事というものがかなり行なわれるというようなところは、原生自然環境保全地域とはやや相矛盾するという点ができますので、その点は制度上、原生自然環境保全地域と保安林というものは競合しないという形で、原生自然環境保全地域はほとんど手を入れないというような地域として私ども考えておるわけでございます。
○島本委員 そうすると保安林は手を入れてよろしい、こういうような考えですか。
○首尾木政府委員 保安林につきましては、それぞれの保安林の目的を達成するためのものとしての手が入れられるということが前提になっておるところだというふうに理解をいたしております。
○島本委員 そうすると、これは前回私が要求した資料が出てまいったのでありますが、北海道の沼田演習場について、演習計画の規模、それから買収の契約の状況や国有林との関係、また町当局から出されている要請、こういうようなものについて資料の提出を求めてあったのでありますが、ほんとうにばく然と紙きれ一枚ということで、まことにあじけないような資料が出てまいったのであります。 これはほんとうにこのとおりでございますか、それについてまずお伺いいたします。
○長坂政府委員 お答え申し上げます。 この沼田演習場は、ここに御要求の資料として御提出申し上げましたところに書いてございますように、現在まだ計画を決定しておるものではございません。それで、いま陸上自衛隊のほうから防衛施設庁、したがって札幌の防衛施設局に現地の調査を依頼しておりまして、いろいろな権利関係であるとか、それからどのぐらいの面積であるとか、これは下のほうにも書いてございますが、沼田町から防衛庁への陳情概要——これはほんとうに概要でございますが、所有者の持っている部分はどのくらいであり、それに隣接しているところはどのようなものであるか、そういうところをいま調査している段階でございまして、これは買収済みの契約状況と申されましても、全然そういう段階ではございません。 それから民有林の契約状況でございますが、そういうものはございません。それ以前の、まだ計画をきめる以前の調査の段階でございます。 以上でございます。
○島本委員 そうすると、これは予算措置は四十九年度だ、こういうことになるのですか。
○長坂政府委員 私どもは安くなければ買いたくないというふうに思っておりますが、四十八年度の予算としてはこれは全然ついてございません。対象事項はございません。それで、四十九年度以降何年計画で買おうかというようなことも検討の対象にしております。したがいまして、一番早くても四十九年度に一部がのっかる予算として要求できるか、こういう段階でございます。
○島本委員 防衛庁としては、それを取得したいというふうに考えているのですか。
○長坂政府委員 端的に申しまして安ければ、たとえばいま若松とか恵庭とかというところを含めました北海道演習場などもございますけれども、都市化の波などに押されておりますので、将来を見越しまして現在のうちに安ければ買いたいという希望は持っております。しかしいろいろな権利関係その他ございますので、そこら辺はよく念査しまして最終的に態度をきめたいと思っておりますが、まだ態度はきめておりません。
○島本委員 現地では、四十九年度に調査費をかけて行ないたい、こういうような発言が新聞に載っておるのでありますけれども、調査費をかけるところまで調査されておってまだそれは海のものとも山のものともつかない、こういうことなんですか。
○長坂政府委員 お答えいたしますが、四十九年度の調査費というふうに運ぶか、あるいはいきなり四十九年度で買収の経費をのっけるか、そういうところまでも実はまだきまっておりません。
○島本委員 そうすると、沼田町の演習地、安ければ買収したいという面積予定は何ヘクタールくらいになるのですか。
○長坂政府委員 面積を割り出します場合に、やはり実際の実弾演習に使いたいという希望があるわけでございますので、射程五千から六千メートル、あるいは六千から七千メートルは確保したいということで、そこから面積を割り出していくわけでございますけれども、その場合に、いまの北海道演習場は約九千万平米でございますが、九千万平米よりも幾らか上になろうかというふうに考えております。そこを現地の図面に合わせましてそれだけの面積がとれるかどうか、そういうこともいま検討の対象事項でございます。
○島本委員 現地の面積というと、その中で沼田町全体の面積は幾らくらいあるのですか。それと皆さんのほうで演習地として六、七千メートルくらいの射程を有する演習場とすると、何ヘクタールを要することになるのですか。
○長坂政府委員 射程五千ないし六千、あるいは六千ないし七千というようなところで、九千万平米から一億二千万平米くらいのところが必要になってくるであろうということは先ほど申し上げたとおりでございますが、その町有地がどのくらいあるか、あるいは隣接の市もあるようでございますが、そこら辺の確たるところは、私どもとしてはまだつかんでおりません。
○島本委員 もう一回数字を言ってみてくださいませんか。
○長坂政府委員 射程五千ないし六千、あるいは六千ないし七千という数字が一つございますね。そして、いまの北海道の演習場九千万平米というのがございます。その九千万平米で射程五千ないし六千がとれるわけであります。六千ないし七千というと、それよりも少し多くてやはり一億二千万平米くらいほしいというようなことになる。その二種類の数字でございます。
○島本委員 一億二千万平米もほしいということだとすると、問題の沼田町は何平米ありますか。
○長坂政府委員 沼田町全体の面積はつかんでおりませんが、この陳情をもとにしましたある会社の所有地の面積がざっと一億平米というように聞いております。
○島本委員 会社の、それが一億平米ですか。
○長坂政府委員 はい。
○島本委員 これは一億平米ですね。そうすると、沼田町の面積は二万九千ヘクタールになっていますね。そうなるとある特定の会社の持ち山全部ということ。そうすると、これは沼田町の山林や町全体を含めて一億になるのですか。この辺私少し不分明でわかりませんが、もう少し計画を明らかにしてもらえませんか。——わかりました。それにいたしましても演習地、これは平米で言わないでヘクタールで言って一万ヘクタールの演習地、これはほとんど特定会社の持ち山ですか。
○長坂政府委員 ほとんどそうでございます。
○島本委員 そうすると、その一万ヘクタールだけでこれはいいことになるわけですか。
○長坂政府委員 いろいろな考え方がとれると思っております。内部にいろいろな意見がございますが、そこだけで、一万ヘクタールだけでその範囲内で済まそうという意見も確かに内部にございます。 それから将来のことを考えましたり、あるいは安全上のこと、それから保全のことと申しますか、演習場、実弾射撃場と一般との間の何といいますか安全性、緩衝地帯というような意味で少し幅広くとろうか。そういうことになりますと一万ヘクタールでは足りなくて、もっと余分に必要だという意見もございます。しかしそこらはまだいずれともきまっておりませんが、十分検討してまいりたい、こういうふうに思います。
○島本委員 その一万ヘクタールの中に三百ヘクタールは町有地であり、水田が五百ヘクタールであり、酪農が百ヘクタール、これが民有地なんです。これも全部入って特定の会社の所有地だ、こういうことになっているのですか。
○長坂政府委員 いま権利関係、所有関係その他住居の関係とかそういう調査を札幌施設局、陸上自衛隊に頼みましてやっておる段階でまだ報告が上がっておりませんが、おそらく先生のおっしゃるような状況だと思いますけれども、それらを含めまして、一つの会社の所有地でございましてもそこに入り会いの関係とかいろいろな権利関係がある場合が多いわけでございますので、そういうような権利関係もよく調べまして、実際に全部で幾らかかるのかというようなことも目算を立ててみなければ踏み切れない事案であるというふうに見ております。
○島本委員 当然この中には水源涵養林があるわけでありますね。これは四十六年に指定されてあります。四十六年に指定されてありますが、これをやるとこれは当然解除されなくてはならなくなるわけでありますが、この関係はどうなんですか。
○長坂政府委員 そういうような実情と申しますかそういうことはいま現地で調査中でございまして、全部上がってきましてから態度をきめたいと思っておりますが、そういうような水源涵養林というようなものに対しては、私どもとしては慎重な態度をとってまいりたいというふうに考えております。
○島本委員 その慎重な態度というのは、いままでの場合はわれわれが考える慎重な態度じゃないのですね。時間をかけてなにしても切る木は切ってしまうという態度だったのですね。その慎重な態度というのは、まさに防衛庁長官が六月の十五日にはっきりこれは環境も考慮しなければならないということを言っていますね。もしこれをやるのに環境を考慮しなければならないのだとするならば、水源涵養林としてここに千九百ヘクタールもあるわけですから、これも全部申請して解除してしまって、そうしてこれは緑を破壊する、こういうようなやり方はまさに環境を考慮しないことになるわけです。したがってこの水源涵養林は一切考慮しない、ここまで触れないのだ、こういう考えであるかどうか、これを確かめておきたいわけです。
○長坂政府委員 まだ全部現地から報告が上がってきていない段階でございますので、それがどの位置にあるのか、位置いかんによっては演習場としても不適当であるという判断が下るかもしれませんが、私どもとしては先ほど来環境庁からも御発言があるような趣旨もございますし、水源涵養林ということの重みも十分わかりますので、そういうことの意味合いが生かされるように、そういうことも十分に勘案いたしまして、演習場としての取得なり演習場としての設定なりという際には、そういう点も十分関係の向きとも相談いたしまして態度をきめてまいりたいと思います。そういう意味で、慎重なというのは従来の何でもかんでもとるということの慎重という意味ではございませんで、まさに水源涵養林の意味というものについて、十分慎重に配慮してまいりたいというふうに考えております。
○島本委員 これは林野庁並びに環境庁、先般のいわゆる参考意見の聴取を行なった公聴会で、石破鳥取県知事は、だれが自然保護を求めているのか、これは都市生活者が一番これを求めておる、こういうように言っているわけです。そしてあとずっと言っておりますけれども、環境保全が必要だということを言っているのです。それと同時に、横浜国立大学の宮脇昭教授ですが、もし市町村が財政が困窮して手放したいような土地並びにこういうような森林がある場合には、国の行政自体としてはこれはチャンスである。したがって土地を売りたいというならばそれは国自身が買って、そして積極的に適正な価格で買い取って、そして過密地域の人々、これに緑と健康を与えるように十分配慮しなければならない、こういうふうに言っているのです。これにはもう皆さん全然異議のなかったところであり、長官以下皆さん御存じのとおりなんです。いま出されたこの沼田の自衛隊の大演習場、これはものすごく構想がでかいのだそうでありますけれども、しかし、これに対しても大演習場の用地買収のために周辺の農民が追い出され、かえって過疎に拍車をかけるおそれがあるということで、これは反対の陳情が続々と来ているわけです。同時に演習場維持のために最小限の管理部隊しか置かないということになれば、町の経済の発展につながらないからこれはお返ししたほうがよろしいという、こういうふうな陳情も続々と集まっているわけです。ことに山中防衛庁長官は初代の環境庁長官でもあるわけです。そしてこの場合にはこのような膨大な保安林もありますから、環境も十分この場合には考慮しなければならないということはあえて言っているわけです。こういうような事態からして、どのようなことをやってもまずこういうような地帯に演習場をつくるというこの考えをもう一ぺん改めなければならないのじゃないか。ましてこの千九百ヘクタールにも及ぶ水源涵養林、この指定を四十六度にしてありますから、かりそめにもこれを解除するようなことは絶対してはならないのだ、これが一つの鉄則じゃないかと思いますが、この点についてひとつ林野庁並びに防衛庁の意見を聞かしてもらいます。
○長坂政府委員 この沼田町からの陳情、これはここに自衛隊の誘致をする、そしてその上での演習場の設定、こういうような趣旨で来ておりまして、現在まで沼田町の態度というものは再三再四にわたって私どものほうへ要望がございます。したがいまして、これはここの地域のこともそうでございますけれども、他の演習場、都市化の波に押されている演習場問題というものに対する将来の解決策の一つという意味で私どもも検討をいたしているわけでございまして、その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。 それで、先生御指摘の水源涵養林の問題、その意味、そういうものにつきましては、実際の演習場の弾着地をどこに置くかというような問題、弾着地以外のところに水源涵養林が依然としてあるというようなことが可能であるならば、これも先生の御指摘の趣旨とは相反しないものではないだろうか。もう少し現地の報告も得まして、弾着地はどうするのか、射撃の方向はどうするのか、そういうようなことによって水源涵養林が持っている意味もまた生かされるというようなことであれば、これも一つの行き方ではないか、こんなふうに現在は考えております。具体的に計画をまだ持っておらない、計画が決定しない問題でございますので、方向と申しますか、先生の御指摘をいただきました直後におきます私どもの考えを率直に申し上げまして、御理解をいただきたいと思います。
○福田政府委員 保安林には十七種類あるわけでございますけれども、いま全国で二千五百万町歩のうち、保安林は六百六十八万町歩ございます。約二七%でございますが、最近はいろいろと広域的な要請に基づきまして保安林を拡充していきたい、かように考えております。特に一番多いのは水源涵養保安林でございまして、全体の九割近くを占めているものでございます。この保安林を解除する場合の条件というのは法律に明定されておりまして、森林法の中で、その指定の理由が消滅したとき、それから公益上の必要が生じたときというのがあります。ですから、水源涵養のそういった持っている機能というものが失われない場合は、これは絶対解除したくないと思っているわけでございます。水源涵養の機能が失われる場合には法律に基づいてこれを解除しているのもございます。そういうことで、私たち保安林を管理する者といたしまして、原則的にはよほどのことがない限りは解除しないという方針でまいっております。
○島本委員 なるほど長官が言うように、この保安林解除要件というものは森林法第二十六条の二項にはっきりきまっているのです。一項には「保安林について、その指定の理由が消滅したときは遅滞なくその部分につき保安林の指定を解除しなければならない。」これはやはり指定の理由が消滅したのですから、水源涵養のためにやるのですから、これじゃないわけです。二項のほうには「農林大臣は、公益上の理由により必要が生じたときは、その部分につき保安林の指定を解除することができる。」まあこれじゃないか。もしそうだとするならば、これは公益上の理由により必要が生じたときにはやる、こういうことになるわけですから、水をたくわえる水源涵養の目的でこれは四十六年に指定されて、そして直ちに解除する、これではまさに無計画のそしりを免れません。まして今度は公益上の理由ということで、いわゆる大演習場をつくっていく。こういうようなことはまさにこれはためにする理由であって、その理由は真の公益上の理由にはならない。環境の保全こそいま世界の一つの流れであり目的です。そこを演習場にしたら、富士山の東でも西でもみんなもう実弾演習場になる。その被害を受けているのが国民であり、不発弾によって、もうすでに皆さん御存じのように被害さえ受け、とうとい人命を落としている。こういうような状態をかもし出して、つくり出して、それが公益上の理由ということにはなりません。私どもは自然環境の保全ということは何ものにも優先するのであって、その立場からすると、公益上の理由ということで水源涵養林の指定が四十六年になされたものを、これを無惨にも解除するということは万が一にもあり得べきことじゃない、こういうように考えておるわけであります。これがはずれたならいいだろう、こういうことになりますが、もともといいということではないのですよ。何のためにこのようなことまでやるのか。ほんとうにいいのは、この沼田町が困って、そして売りたいというならば、それを国が買って緑の保全をし、大都市の札幌が近いのですから旭川、札幌、こういうような方面からどんどんその周辺に来て自然と緑と健康を楽しめるような場所にしてやるのが真の意味になるわけであります。防衛庁は何でも破壊すればよろしい、何でも演習場をつくればよろしい、不発弾によって人畜を殺傷すればよろしい、こういうような考え方に立つのはまさに時代錯誤であります。したがって、こういうような計画はまずおやめになったほうがいい。 それと同時に私は、環境も考慮してこれは行なわなければならないという、この環境を考慮するということは、山中総理府総務長官は初代の人だったんですから、いまや防衛庁長官として、初代に自分がやったことと相反することをやるという理由は断じてないのでありますから、これはやはり上、上ならば下は下で、その気持ちを体してこういうような計画はみだりに手を触れてはならない、これがあたりまえじゃありませんか。本末転倒してはいけないのであります。私はそういうような点は特に皆さんに注意しておきたい。大体これで全貌がわかりましたが、皆さんのほうには必ず議会の決定であるとか町長の要請であるとかいうものしかいかない。それが全体の意見だとして皆さん見がちである。われわれのほうには町民や諸団体や民主団体の意見がどんどんくるのです。したがって、往々にして皆さんの考え方と違うような結論が出されるわけです。こういうようなことからして、必ずしも皆さんの決定、考え方だけが民意を代表するものじゃないということは、いまや公害の原点に立って当然考えなければならない点なんです。町長が、市長が、知事がそれを承認したから何でもいいんだ、これが民意だ、こういうような考え方には、もう公害行政は全然関係ないです。ほんとうの民意というものは住民組織がこれを了解することが民意なんです。何でも県知事だとか市長とか議会が了解すると、すべてがこれで終わったんだ、この考え方がいまの日本をここまで荒廃さしたのです。防衛庁もそこをよく考えておいてください。あなたの場合は、ほんとうに山中前総理府長官はいまやもう三木環境庁長官と匹敵されるほど名長官だった人ですから、防衛庁長官になってもその品位だけはそこなわないように、十分これは考えてやるのがあなたの義務です。もしこの点において反論があったならば聞いておいて次に進みたいと思います。なければよろしゅうございます。十分その意味を考えてみだりにこういうようなことをしないようにしたほうがよろしいと思います。しかしこれは環境の破壊につながることです。それも千九百ヘクタールという水源涵養林の指定は四十六年になされたばかりであるということ、ここを十分考えておいてもらいたい、こういうように思うわけであります。
○長坂政府委員 先ほど申し上げましたように、着弾地というような場所がはたして水源涵養林に当たるものであるかどうかというような点も検討の対象にいたしておりますし、それから先生御指摘のような現防衛庁長官は初代環境庁長官である、そういう御趣旨もよくわかりますので、そういうような点、もろもろ考えまして、なお慎重に対処してまいりたいと思っております。
○島本委員 慎重に対処するというところで、今度は私自身長官にひとつお伺いしたいことがあるわけであります。それはもういろいろと自然公園法及び自然環境保全法の改正法案、この中でまた土地利用計画というようなものの重要性は私が指摘する必要もないほどであります。これは自然というものは一たん破壊されるともう戻らないというほど重要なものでありますから、少なくとも国立公園内、しかもこの特別地域内あるいは国定公園内あるいは都道府県立自然公園内、こういうようなところには原子力発電所というようなものをつくることに対しては、十分戒めなければならないはずであります。それと同時に、自衛隊の演習場はこういうようなことからして絶対やらないということのようでありますから、いまはそれに触れませんけれども、当然環境を破壊するおそれがあるような、いわば火力発電所、こういうようなものについても建設を今後十分考えなければならないし、厳に戒むべきじゃないか、こういうように考えるわけでありますが、この点について三木環境庁長官はいかがお考えでございましょうか。
○三木国務大臣 原則的には島本委員の言われるとおりでございます。
○島本委員 原則は原則として実際はそれと違うという意味ですか。
○三木国務大臣 違うというわけではありません。あなたの言われるような心がけでなければ環境の保全はできないものだと考えます。
○島本委員 大石前長官もその点に触れまして、国立公園なり国定公園の根拠地には絶対に認めるわけにはまいりません、こういうようなことをまくらことばに入れているわけでありますから、その点では私もこの姿勢をくずしてはならない、こういうふうに思うわけであります。特別の例外が事務的にあるとお考えですか。あるとすればどういうようなことを予想されますか。
○首尾木政府委員 原子力発電の問題でございますが、最近のあれといたしましては、原子力発電についての許可の申請というものが出ておりまして、それにつきましては現在全く保留という形で推移をいたしております。何か特別の例外があるか、こういうふうなお話でございますけれども、一般的な問題といたしましては、電力という一方において非常に公益的な事業でございます。また原子力発電の場合は、やはり人家から離れたところでありますとか、あるいは海岸でありますとか、あるいは岩盤の非常に強いところであるとか、そういったようなことで往々にいたしまして国立公園の地域内がその候補地としてねらわれるということがあるわけであります。そういうような場合におきまして、私どもとしましては原則的にやはり国立公園の重要な地域については、そういう問題についてこれを軽々に認めるというようなことはいたさないつもりでございます。例外的にと申しますか、従来の例といたしましては若狭湾の国定公園に、これは都道府県知事の権限でございましたが、原子力発電所が許可されたという例はございます。
○島本委員 それは重要じゃありませんか。もうすでに原則が破壊されてしまった。原子力の破壊力はもうすでに原則まで破壊してしまった。こういうようなことを各地域にやってはいけないじゃありませんか。そこよりほかにないのですか。伊達の火力も同じで、景勝地であり、りっぱな場所にこれをつくることであります。ただ経済的効率でしか考えない。これでは環境庁はばかにされておるようなものではありませんか。
○首尾木政府委員 この問題につきましては、私ども過去の事例としてそういうふうなことがあったということを申し上げたわけでございまして、原則的な方針といたしまして、先ほど長官からお話がございましたように軽々にこれを認めるということはいたさないつもりで、現に和歌山県那智勝浦それから瀬戸内海の鹿久居島等におきまして、そういうことについてのボーリングの申請等が出ておりますが、そのボーリングの申請につきましても、これを許可をいたしてはおらないわけでございます。重要な地域につきましては厳正な態度でもってこういう問題について臨んでまいりたい、かように考えておるところであります。
○島本委員 委員長、やはり自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案として、法律をだんだんよくしてくる、そして自然環境を守る、地球を完全に保存するのだ、こういうような一つの大きい理想の上に立って、そして日本を徐々に、自然公園法や自然環境保全法を改正しながら、そういう努力を続けてきているわけです。それをまたまっこうから踏みにじるような、こういうような行為が存在したというのは、これはやはり基本的に間違いです。その許可はもうすでにどうにもならないのですか。
○首尾木政府委員 もうすでに操業中のものでございまして、これについてすでに許可をいたしましたものを、これを取り消すということは法律上不可能でございます。
○島本委員 二度と愚は繰り返さない、こういうようなことでなければならないのですが、やはりもう三木さんも副総理としてここにいる以上、そういうようなことは原則としてと言った意味は、過去にあったらあとは絶対にやらないんだ、この意味の原則だ、こういうことにいまようやく私は理解できたけれども、今後は絶対こういうことはしちゃならないと思うのです。あり得ないのです。少なくとも自然環境保全と言いながらも、破壊を前提にするような、こういうような一つの行為を許しちゃならない。これは原則ですから、ひとつここを十分考えて、今後行政に対処してもらわなければいけないと思うのです。この点についてひとつ三木長官、国民はやはりこういうような点についても心配しているんじゃありませんか、一言国民の前に安心せよということを言ってあげていただけませんか。
○三木国務大臣 まあいろいろ原子力発電にしてもよく言うのですけれども、そういう場合には、立地を考えて、そうして国立公園のようなところにそういう立地はしないようにするということが必要でございますから、どうか島本委員御安心を願います。
○島本委員 きのうでしょうか、参議院の決算委員会で長官もいろいろと環境保全についていろいろな決議を承ってきた、こういうふうに伺いますが、その中で、自然公園地内に今度ゴルフ場をつくったり、そしてそのための土地の形状の変更、こういうようなものをしてはならない、こういうことがあったのかどうか、その点についてあらためてお伺いいたします。
○首尾木政府委員 国立公園内におけるゴルフ場の問題でございますが、これについては、今後の方針といたしまして、国立公園でそういう許可を要する地域についてゴルフ場を新たに認める、許可するというようなことはしないというような方針を言ったわけでございます。
○島本委員 そうすると、自然公園法施行令、これは第四条「公園事業となる施設の種類」その中の第五号の七つ目に「ゴルフ場及び」とこうなっていって「乗馬施設」とあるのですが、これは施行令でありますが、そういうようなことであれば、当然これも改正するということになりますか。
○首尾木政府委員 国立公園の中の健全なレクリエーション事業といたしまして、そのレクリエーション事業を公園事業としても把握をいたしておりまして、過去においてそういう事業の一つとしてゴルフ場が考えられたということでございますが、今日の事態において、非常にゴルフ場が乱造をされるというような傾向がございますので、私ども行政措置といたしまして、こういったようなゴルフ場を今後当分の間これについて認めないという方針を出すことが、こういう乱造傾向をとめるのに最も的確な措置であるということで、そういう方針を出したわけでございまして、ゴルフ場は絶対にいけないものだということ、そういうふうに考えておるわけではないのでございます。しかし、私ども方針といたしまして、そういうゴルフ場を国立公園の中で許可をすることは新たにはやらない、こういうふうに言っておるわけでありますから、ゴルフ場を認可事業の中から消すということも当然考えられるわけでございます。ただ問題は、従来からございました、公園事業として認可をいたしまして、すでに現にありますゴルフ場というものは、やはり公園事業として把握した上で、これに十分な監督を加えていくというような必要がございますから、従来のものについては、この施行令のもとで把握をいたしておきまして、そういう監督を十分にやっていくという必要から、それは一律にそこを消してしまうというわけにはまいらないということでございまして、新しいものとしましては、これは今後、この事業からはずすということは当然検討すべき問題だと考えております。
○島本委員 これは施行令ですよ。皆さんのほうではっきりそれが政府の方針としてきまったのに、施行令はそのまま生かしては、それだったら、これを利用して申請をしてきた場合には許可しなければならなくなるわけじゃありませんか。
○首尾木政府委員 施行令の措置はいたしたいと考えます。
○島本委員 これはどうですか、国立公園の区域内で国有地であるとか公有地、こういうものに対していま民間には払い下げておりますか、払い下げておりませんか。
○福田政府委員 ただいま資料を持っておりませんけれども、国立公園の中におきまして、国有地を貸し付けたり払い下げたりした経過はございます。ですが、これは国立公園地帯の中におきましては制限がございまして、一つは、従来から長い間慣行的にその土地を使ってきたところ、いわゆる借りておったところをほしいといったような場合とか、あるいはその他の公共的な施設にこれを使う場合であるとか、一応その法律あるいは政令に基づいてそれを判断しておりますが、そうたくさんはないはずでございます。
○島本委員 その資料を整えて後ほどひとつ知らせていただきたいと思います。いいですか。
○福田政府委員 あとで正確なあれはお届けいたしますけれども、手元にありますものの中で、四十七年度の国立公園内の国有林野売り払いの予定のものがございます。それは、件数にしまして百二十六件、七十八ヘクタールでございます。ただ、中身は、いま申し上げましたように、従来の縁故関係で売り払いをしようとしておるものでございます。予決令の九十九条に基づくものでございます。
○島本委員 え、何ですか。
○福田政府委員 予算決算及び会計令、予決令と略称しております。その政令に基づいて、縁故関係から古くからあるものについては売ってもよろしいというものがございます。それから自然公園法の第十四条に基づく公園事業、それから同じく第十七条に基づく建物、工作物といったもの、具体的な事例を申し上げるというと、たとえば、駐車場であるとか養魚場であるとか売店だとか、そういったいろいろなこまかいものでございます。件数は非常に多いのですけれども、面積としてはこの程度で、ただいま申し上げた程度であります。すべて環境庁と相談して決定いたしております。
○島本委員 これは環境庁と話し合いをした上でこれをやるということですが、その場合には大蔵省は当然その仕組みの中に入っているのじゃないかと思いますが、大蔵省も十分この話し合いの中に入っておりますか。
○福田政府委員 貸したり売ったりいたしますと収入が入ってまいりますので、そういう意味では当然大蔵省と協議をしております。
○島本委員 首尾木局長、百二十六件、七十八ヘクタールについては、これはすべて環境庁長官と話し合いをしたというのですが、これはすべて環境庁長官と協議した上で了解した事件ですか。
○首尾木政府委員 さようでございます。
○島本委員 逆に、いまそういうような必要な場所を買うために六十億という金を予算化しておいて、片や林野庁のほうではどんどん国立公園の区域内における国有地や公有地について民間に払い下げていく。環境庁のほうではそれに対しても関与しているとすると、予算のつけ方や考え方がこれじゃ逆じゃありませんか。逆に、それを払い下げをして、管理していくのだ、これを買い上げて自然を保護するのだ、こういうような考え方であったのに、逆に払い下げてやるのにそれを今度は協議の対象にして、どんどん百二十六件、七十八ヘクタールもこれを出している。一体環境庁はどういう考えがほんとうなんですか。
○首尾木政府委員 国有林の払い下げにつきましては、私ども協議を受けておりますが、その性質としましては、農地でありますとか、あるいは旅館等に貸し付けてあります、そういうすでに貸し付けられているものでございますとか、あるいはまた公園の計画上の施設に該当しておりますものの敷地でありますとか、そういうものにつきまして、これを民間に払い下げるというケースが多いわけでございまして、先ほど申しました六十億というのは、これは当然自然環境として破損させないでおいて保全をしているというものを買い上げのものでございますので、そういう形で、すでに旅館だとかあるいはそういうものに貸し付けられておりますものについては、協議して、それについては協議に応じるということもやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。その他のものにつきましては、そういうような事情のないものにつきましては、私どもできるだけこれを抑制をしてもらうように林野庁に要望をしておるものでございます。
○島本委員 せっかくのこの自然環境保全法、これを前国会で急速成立させた。そして、その際の目玉は、必要な土地を売買によって破壊の対象にしない、それを買い上げて自然と環境を保護するのだ、これが目玉だったじゃありませんか。したがって、これを最大限度適用されるものだ、こういうふうに思っておりましたところが、いま聞いておりましたら、国立公園の区域内における国有地や公有地についても百二十六件、七十八ヘクタールも売り払っている、払い下げている。こういうようなことだとすると、どうもこの問題に対しては私は理解ができないのであります。これはどのような場所にこれを売り払ったのか、そしてそれはいつなのか。それについて一つ一つ環境庁がOKを与えたというならば、その実態について資料として差し出してもらいたい。これは環境行政せっかく提案しながら趣旨と逆行しているからであります。私はこの自然環境保全法、これを参考人の意見を聞いて、はっと思った点もあったわけです。しかしながらやはり現在それを行なっておる実態をいろいろ聞いて、なおさらこの中にはもっともっと手を入れなければならないということを痛感しているのです。資料として提出を要請いたします。よろしゅうございますか。
○福田政府委員 さっそく提出いたします。
○島本委員 それから自然保護のための民有地の買い上げ。今度は逆です、払い下げじゃなく民有地の買い上げ。これに対してはやはりいろいろ意見もあり、大事な点もあるようでございますからこの際その金額であるとか、単価であるとか、税制上の措置であるとか、こういうような点を、もう一度考え直さなければならないのじゃないかと思うのですが、はっきりした対策ございますか。
○首尾木政府委員 金額、その内容につきましては、さらに今後十分検討をいたしたいと考えております。
○島本委員 税制上の点でどのような点をお考えですか。
○首尾木政府委員 税制上の問題といたしましては、現在まだそれについての具体案について関係当局と検討をいたしておりませんが、今後至急そういう問題については検討したいと考えております。
○島本委員 税制上の問題に対する具体策もないままに、約六十億の予算を行使しようとする。これがただ一億でとどまってしまったというこの実態、これを見ましても、私ども初めからそれが予測できないわけではないわけであります。木材やそれから土地の急騰、こういうものから値段が引き合わなかった、こういうようなことのようであります。しかしながら、よく考えてみますと、これはやってやっても、税制上の措置としては一千万円までは無税だ、売買の対象になるそれは億をこえる、そういった場合は、せっかくそっちへやっても税金でごっぽり持っていかれるから、ひとつそういうようないろいろな考慮等があって、売ることに対しても遅疑逡巡する向きもないわけではなかろうと思うのです。公益のために国にこれを売るのですから、その場合には、特に環境保全のためであるとするならば、そのあとで、今度は税制上の点であまり不便をかけないようにしてやるのが、たとえそれが法人であろうとも、私としてはそれくらいの態度は必要じゃないか、こう思うのです。それは無責任に切って破損させようとするのじゃないのですから、国にやって保存してもらおうとするために手放すのですから、その場合には当然そのような措置をいままで考えないのがおかしい、こうさえ思うのであります。なぜいままで考えなかったのですか。
○首尾木政府委員 そういう税制上の問題につきましてそういう問題があるということにつきましては、これは御指摘のとおりでございますが、各種のそういう土地の買い上げ等の場合におきます一般的な問題とも関連をいたしますので、税制上の問題というものは関係当局と今後十分詰めたいというふうに考えておる次第でございます。
○島本委員 初め提案するときにその辺も考え、そして提案されるのが望ましいということであります。まあ私どももこの点については今後も皆さんの態度に期待しておりますが、十分これは考えてやってもいいはずの問題だと思います。 それからこれはどういうようなことでございますか、環境白書、これはせっかく皆さんのほうで出したもの、その三二四ページのところにある問題ですが、観光という——もちろん自然が保存された優秀な景観、これは大いに利用し保護するのは当然であります。しかしながら最近国定公園に指定される、あるいは国立公園に指定される、こういうようなことになると怒涛のように人が押し寄せるわけです。それはまあ当然でしょう。しかし実際は指定をし、それによって行く場所には必ず市町村があるわけです、地方自治体があるわけです。地方自治体のほうでは指定してもらってありがたいのかありがたくないのか、これは私はわかりません。普通にはありがたいのが当然なんです。ところがある場所では、これは方々に共通の事例だと思うのですが、指定されて、景観がすばらしい、春、夏、秋を通じて、冬でさえもたくさん観光客が押し寄せる。そして当然利用は十分する、そのあと始末が全然なっておらない。すなわち当然生理的な現象もあるでしょう。そこへまた一つのモラルの問題もあるでしょう。食べもののかす、そういうようなのを散らして、そしてはなはだしきに至っては、ある町では夏場だけで、指定されたがために来る観光客、その観光客の生理的な現象、ふん尿の処理、これだけでも約百五十万円要しておる。しかしながら都道府県からくるのは二けたじゃない、一けただ、五万か六万程度だ。実際指定してもらうのはいいが、この辺の対策を全然なさないままの指定は迷惑千万だ、こういうような声さえあるのです。私はやはり一たん指定するとするならば、その辺も考えて、利用面それから保護面、行政面、これも十分考えた上での運営でなければならないと思うのです。この点で環境庁はいままでどういうふうにしてこれを考えてやらしているのですか。
○首尾木政府委員 ごみ処理等の問題でございますが、この点につきましては先生御指摘のように従来自然公園内のそういったようなことに対する特別の援助というものが欠けておったということは事実でございます。従来はこれにつきましてごみを処理するための特別の簡易なごみの焼却炉でありますとか、そういったようなものを中心とします施設に対しての補助金というものはございましたが、問題はそういったようなことについての管理の面で地元の市町村が相当費用を負担をしておるというのが実態でございます。こういうことに対しまして若干のそういう補助金といったようなものが都道府県において組まれておるというようなことがございますけれども、なおそういう点で地元にかなりの負担をかけておるということは事実である、かように考えておりまして、これは今後の問題として、私ども予算上の問題としてこれに対する助成の方法を努力するというほかはないわけでございますが、そういったような助成金なりあるいはまた場合によりまして特別交付税といったようなこと等におきまして、そういう面をできるだけカバーをしていくということを検討したいと考えておるわけでございます。
○島本委員 いま自然環境保全法の中には水中公園というようなものの指定もあったようでありますが、これは当然もう法によって保護されている自然環境でありますけれども、一般の指定された以外の海底なり湖底なりそれから川の底、こういうようなところの保護も十分考えられておりますか。
○首尾木政府委員 先生のおっしゃる指定のあったところ以外という点につきましては、ちょっと私聞き違えておるかもしれないと思いますが、現在の法律では、そういう自然環境保全の場合でございますと、たとえば土石の採取でありますとか陸水域の中における河川の底をさらう問題でありますとか、底のどろをかえる、土石を採取する問題でありますとか、あるいはまた湖底のそういうところをやるものでありますとか、それから海底の土石の採取でありますとか、そういう問題については、これは対象になっています。 ただ、自然公園の場合、自然公園法において海中公園におきましての土石の採取といったようなことが禁じられておるというようなことになっておるわけでございます。
○島本委員 自然公園または国立公園、国定公園瀬戸内海あたり、どこでも上のほうの空気の当たる個所、こういうようなところに対しては景観が保全されている。水から下、湖底なり海底なり、こういうほうに対してはいままで保護が行なわれていたのかいないのかということです。
○首尾木政府委員 指定されたところ以外の場所についても水中での砂利の採取といったようなことにつきましては、砂利採取法によりましてそれが制限をされているということであります。
○島本委員 そうじゃないのです。採取ばかり考えて景観を考えているのじゃないのです。せっかく景観保護のために上のほうはよくても底がおかされていたら何にもならないのです。せっかく自然景観なり環境なりをよくしても、湖底や海底または川の底がよごされるようなこういうような状態ではだめなんです。もうすでに景観がそこからおかされるのです。したがってその方面の保護も十分考えられておるのか、おらなければ重大であります。これを聞いているのです。
○首尾木政府委員 自然公園法におきましては、海中公園地区に指定をされているところにつきましてその保護が考えられております。それから自然環境保全法におきましても自然環境保全地域として指定をされております。 海中につきましては、それは土石の採取あるいは……
○島本委員 土石の採取は関係ない。公園として景観を保護し環境をちゃんときちっとして守るというのに、目に触れる場所、水から上はやっても氷から下のほうはそれに対して十分手当てしているのかというのです。あなたも建設省と一緒になって取ることばかり考えている。それじゃだめなんです。これを保護する、保全するために十分考えてやっているのかということですよ。これはもうあなたはいいから、長官とやりましょうか。
○首尾木政府委員 自然環境保全法の第二十八条にもございますが、これは海底を含めまして、土地の形質を変更するということについての規定であるわけでございます。
○島本委員 瀬戸内海の底はどうなっているか、調査されましたか。
○首尾木政府委員 私のほうで直接に調査をいたしたことはございません。
○島本委員 国立公園なり国定公園が指定される。そしてその海底まで、水底までそれはやはり管理の対象になる、こういわれていながらも、湖底のほうには、また海底のほうには——湖底といえば、たとえば琵琶湖の南湖並びに北湖、あの湖底でさえももう汚染されているでしょう。瀬戸内海に至っては、国立公園はもうすでに名前だけでしょう。海底はもう全部汚染されているでしょう。管理の対象になっているとしながら、それまで全然海底を調べていないということはおかしいじゃありませんか。もうすでに海底では奇形魚がとれるほど汚染されているのです。もしそうだとすれば、これは完全に管理の手抜かりじゃございませんか。いままで言った答弁は間違いないのですか。
○首尾木政府委員 自然保護局といたしまして、自然公園あるいは自然環境保全地域を管理すべきところといたしまして、従来直接にこの問題についての調査というものを——部分的にはこれはそういうものもございますけれども、全体としてそういうものをやっておらないということにつきましては、これは事実でございまして、そういう水底の問題というようなことにつきましても、私どものほうの部局でも今後の問題としてこれをやっていかなければならない問題だというふうに考えております。 なお、現在は、水底の問題というものは、ヘドロ対策等におきまして、水質の汚染ということとの関係において部分的に環境庁においてそういう調査が行なわれているというのが実態でございます。
○島本委員 これは時間とって申しわけないのですが、せっかくこれを指定しているのですから、完全な環境をつくり上げておかなければならない。その中に水底も海底も入る。こういうのはほとんどやっていない。部分的にやっておるといったって、ほんのつめのあかほどでしょう。水底が完全に調査されて、そして水底がよごされないようにしておけば、瀬戸内海があれほど汚染される理由がないのです。瀬戸内海はもう死の海になっている。あれは国立公園地帯じゃありませんか。そういうような状態にしておいて、流れる水も知らない、そして海底もよごされっぱなしだ、それで目に見える空気の上だけを保全すればいいんだ、この考え方はあまりにも単純過ぎます。あまりにも皮相です。こういうような考えではほんとうの環境の保全になりません。環境保全と公害防除の接点はもうすでに底まで来ているのです。これより一歩上がったら公害なんです。環境保全は根底から破壊されるのです。そういうように接点が下まで来ているのに、それも十分にわきまえないで、自然環境保全法の一部を改正します、こんなものを出してきたって何の価値がありますか。ほんの一部です。大事な点を忘れているじゃありませんか。自然環境保全と公害防除と、もうすでに空と海底でつながっているのです。両方から侵されておるのです。そういうような重大な段階に法一部改正、こういうのを出しながら、その辺まで十分具体的な調査もしていない、こういうようなことは私としてはもうほんとうに遺憾だ、こう思います。この点は厳重に注意するのでなければ、もうすでにそこは公害と環境保全とつながる場所じゃありませんか。上は空気、下は水、その水も空気も侵されて中間の地帯だけこれが保全される、こんな奇想天外な考え方はありません。もう少しこの点では完全にやっておいてもらわないといけないと思います。
○首尾木政府委員 従来そういったような海底の調査というようなものが不十分でございました点は事実でございますので、これはこれからの問題として私ども特に力を入れてまいりたいというふうに考えております。ことし全国の自然の調査をいたしまして、これにおきましては海岸の調査ということが入ってございますので、そういう中でもそういう問題に配慮しましてやりますが、なお引き続きまして、ただ一年だけの調査ということではおそらく十分な実態というものを海底まで全部洗い尽くすということはなかなかむずかしかろうと存じますので、そういう点につきましては今後の問題として努力をいたしたい、かように考えます。
○島本委員 公害防除と環境保全、この二つが環境庁の最大の任務なんですから、その接点さえも気づかないで行政を執行するというのは怠慢です。底がもうすでに現在の公害の一つの重大な汚点になっているじゃありませんか。海底がほとんどよごされておるのは国立公園もしかり。きれいな水でこれでいいのか、こう思っておっても、水俣湾のきれいな水に住む魚、これが現在の重大な病気のもとになっているでしょう。その底はどうなっていると思いますか。一回も調査してない。いま水がきれいであっても湖底がよごれている、海底がよごれている。それがためにもうすでに魚は奇形魚さえ目に見えるような状態になったでしょう。この点はやはり重要だと思います。 陸上においてもまだあると思います。建設省来ておりますか——北海道千歳市、飛行場のあるあたりです。あの辺では終戦以来大きい穴が公園地内にぼこぼこあいたまま、あるいはまたそれがくずれて木がひっくり返ったりしている。これはもう二、三年前から完全に直したはずなんですが、公園が荒れ果てておる、大きい穴があいておる。これはどなたの管理になっているわけですか。
○吉田(泰)政府委員 青葉公園は都市公園として市が管理しております。
○島本委員 戦中のあの防空壕、この処理については防衛庁、現在どうなっていますか。
○長坂政府委員 防空壕の所管につきましては、先般の予算委員会におきましても二階堂官房長官からお答えがございまして、農村部においては農林省、都市部においては建設省ということで、いま御指摘の青葉公園などにつきましては建設省の所管であるというふうに私どもは承知をいたしております。
○島本委員 建設省、あの大穴はどうなっているのですか。
○吉田(泰)政府委員 千歳市の青葉公園の中にたくさんの陥没個所があります。かつての地震で陥没したようでございますが、これの復旧につきましては、現在市におきまして、付近の街路事業の残土をもって、陥没しているところをとりあえず復旧作業いたしておりまして、八月末ごろにはこれを完了するということでございますが、陥没部分以外の防空壕も相当あるようでございますので、その辺はさらに詳細調査いたしまして、今後の対策を講じたいと思います。
○島本委員 それはもう都市公園内なんでして、やはり市の管理であって、あの場合には、防空壕が、戦時中旧海軍の関係で縦横無尽にあの公園の中を走っておって、あれが火山灰である関係上、地震のために落ちたのではなくて、中に穴が掘られているから、あれは雨やまた地震や、こういう衝動によって陥没するのです。穴のないところは陥没しないのです。その穴がどのように掘られているか、自衛隊はそれさえも十分把握していない。そうして、あれはもう数年前に終わっていることになっているはずです。ところが両方で連絡をさっぱりとり合っていないようじゃありませんか。建設省では、やはり都市部ですから建設省の所管になって、あの部分に対する処置をするとするならば、防衛庁のほうから、どういうふうな横穴があいて、そしてこういうふうになっているのか、横穴が走っているのか、その辺の地図さえももらって——はっきり対処しなければならないはずじゃありませんか。いま、都市公園でありながら鉄さくが張ってあって散策にも入れないような、こういうような公園がありますか。それをそのままにしておくというのも、これは自然公園法改正法案を出す環境庁としても考えなければならない。そういうような公園がまだあるのですよ。あぶないから入れないのです。そうして、陥没によって大穴があいた。そうしたら非行青少年がその辺へある老婆の死体を持ってきて埋めた。それももう約百キロほど離れたその辺の老婆を殺して、その辺へ持ってきて埋めた、こういう事件さえあったのです。それがそのままにまだなっている。これはいけません。直ちにこれは処置すべきだ、こう思います。防衛庁のほうでも知っているはずじゃありませんか。旧海軍の横穴ですよ。どう走っているのか、これをちゃんと建設省へ示して、そうしてそれを早く措置して、公園は公園の機能を十分発揮させるのでないといけません。これも行政の怠慢ですか。これも防衛庁のほうでは建設省のほうへお示しにならぬのですか。それで建設省のほうで工事に着工できないのですか。これは早くするとするならば、してやったほうが望ましいのであります。この辺、両省庁の連絡は十分なんですか。
○吉田(泰)政府委員 旧軍等によりまして防空壕とか横穴が掘られております実情につきまして、終戦直後に、当時としては一応この埋め戻し等をやったようでございますが、その後中断しております。現在いろいろ市街化も進み、当時気がつかなかった、あるいは問題にならなかったような個所も出てきておりますので、先般来いろいろな委員会でも御指摘がございました。おくればせながら、早急に各都道付県を通じまして全貌を把握し、さらに詳細調査を要するものは引き続き詳細に調査するというようなこととともに、これを個々の個所ごとにどういうふうに復旧していくかということを検討したいと思います。 それにつきまして防衛庁等に当時の資料がありますれば、もちろんこれを示していただきまして、その実態把握に資したいと思います。
○長坂政府委員 お答え申し上げたいと思いますが、先ほど申し上げました予算委員会において、当時の防衛庁長官は「御承知のように、自衛隊には工事引き受けというのがございますので、いまのような問題は、関係市町村長から要望が出ますれば、十分その要望にこたえる方向で検討いたしたいと、こう考えます。」というふうに答弁いたしております。 したがいまして、私どもとしましては、市町村あるいは建設省から具体的なお申し出があれば、施設部隊等の工事日程に合わせまして御協力申し上げるという姿勢でございます。 なお、先生、旧軍の防空壕は当然自衛隊の所管であるかのようなおことばであったように思いますけれども、決してそういうようなつながりにはなっておらない。これはまあ先生御承知のところでございましょうが、そういう直接のつながりにはなっておりませんので、これは建設省のほうからそういった内部の図面等のことについて御連絡がございますれば、御要望がございますれば、その当時のことを知っている者などをさがし出すような、そういう協力は各省庁間の協力事項として心がまえをいたしておりますので、以上お答え申し上げます。
○島本委員 まあ、初めからそう思っておりませんで、あの海軍の、たった三階建ての石づくりの兵舎一つ、飛行機の進入口にあった、それ一つさえ取りこわすのに、それでも日米のあの行政協定による協議会へ出してでないと、あれはこわせなかったのです。あれはどっちのほうの所管になっておるのか、それさえもはっきりしないで、とりあえずまあ総理府ということになったんじゃありませんか。その辺はあなた、そんなことでおこったって、ちっぽけなことですよ。(長坂政府委員「別におこっているわけじゃありません」と呼ぶ) そういうようなことでありますが、十分やって、早く公園の機能を発揮させてやってほしいということなんです。あれも終戦後ですから、公園がはっきり機能を回復するまでは戦後は終わらない、これは千歳市民の感情ですよ。まして、この自然公園法や自然環境保全法の改正法案が出ても、依然として防空壕のあと、戦争のなごりがあそこになまなましく残っている。これではほんとうに困るわけであります。 なお、市町村から要請が来るならばと、それもしてこないかのようなことを言っていますが、戦後何回来ていますか。ものすごいほど来ているはずです。まして坂村政務次官、あの人のもとに直接来て、私立ち合いで、これはもう陳情書をやって、具体的な事例まで指摘して、この点の要請もしてあったはずであります。来たならばという、来ないかのような言動は、これまたあなたも知らな過ぎるのです。しょっちゅうの話ですから、これも記憶にとどめておいてください。早くこれを回復するように、これは建設省に要請しておきます。 なお、建設省は、これをすっかり直すまでの間の計画というものございますか。 なぜ聞くかというと、いままでやるやると言ってやらなかったのです。一ころは自衛隊が自分の力でやると言ったことがあるのです。それさえもやらなかったのです。それから話し合って、今度建設省ということになった、こういうような事態もありますから、これはすっかり直すための計画等ございましたら、はっきり示してください。
○吉田(泰)政府委員 公園の中にありますものはもちろんのことですが、それ以外でも、いろいろ陥没したりその他危険であったり、あるいは治安上、風紀上問題があるというような個所が全国的にもかなりあるようでございまして、こういうものを取り急ぎ概要だけでもつかみまして、明年度以降早急にこれが復旧対策をどういうふうにしてやるか、具体的に検討しました上、所要の予算措置も講ずるように建設省としては考えております。
○島本委員 では、これはまだはっきり復旧の計画がないということですね。これから立てるということですか。
○吉田(泰)政府委員 いまの青葉公園につきましては、陥没部分はすぐ別の事業による土をもって埋めることができますので、先ほど申し上げましたが、八月一ぱいぐらいに埋め戻しを完了いたします。残る未陥没部分の工事はなかなか技術的にもむずかしい面もあろうかと思いますが、これも全国の計画と合わせながら、特に危険なようなところは取り急ぎ復旧していくということを考えております。
○島本委員 都市公園であろうと自然公園であろうと、やはり公園においては違いがないのでありまして、公園の中に散策もできない、入れないような鉄条網が張ってあるような公園があるとするならば、日本の恥ですよ。そして何回もいわれても、それを扱う官庁、そのセクト性によってこれに手をつけておらない、ようやくいま建設省ということになったようであります。まだこれがどういうふうに走っておるかわからないという、それはわかっておるはずです。H型に走っているか、どういうふうに走っているかということは、大体市民に聞いてもわかるようです。ですから、それを早く調べて、埋めるなり何かはっきり対策を立てるべきです。そして都市公園としての機能を十分果たさせるようにすべきです。これから計画するというのはおそきに過ぎるのです。どうも私はそれを聞いても、この公園行政は自然公園法及び自然環境保全法、この法律案が出ても遅々としてなかなか進んでおらないような点が遺憾なんであります。だいぶ時間が進んでまいりましたから、もっともっと言いたいことがあるのですが、きょうはこの辺でやめておきたいと思います。 したがって、これで終わる前に、私は、長官にはっきりこれをお伺いしておきたいのです。 いまのようにして、自然公園法及び自然環境保全法、これができて、できただけでなしに、これが実施されるような状態になってもまだ不備な点が多いのであります。そこで、実際に保全されるべき環境が逆におかされてきておるわけです。そうしてまだ、名前が変わりましても、都市公園なんかに至っては公園の機能を果たしていない、こういうような公園さえあるわけであります。どうも公園全体を見る場合には、国民の緑に対するあこがれといこいと環境の保全、こういうことにはまだほど遠いという感が強いのであります。せっかくこの改正法案を出した以上は、それに肉づけをするように今後とも万全の配慮をしなければならないが、環境庁は手足を持ちません。したがって、今後は各省庁にこの点等も十分要請して、そうして法の意味するところを具体的に実施させるようにすべきだと思うのです。いま伺ってみまして、まことにこの法律の持つ機能というものが十分発揮されていない、このことにがく然としたわけでありまして、今後これは、これで済まない、この次にはほとんど大改正しなければならない、こう思いますが、長官の意見をお伺いいたします
○三木国務大臣 締めくくりの意味で御発言だと思いますが、いろいろとお話を聞くまでもなく、環境の保全というものに対してはまだ至らぬ点が多々あることは御指摘のとおりだと思います。自然環境を保全していくという管理の面について、これはなかなか環境庁としても実際に、人員も少ないという点もございましょうし、いろいろな制約条件はあるけれども、これは環境庁のみならず、政府全体としても、環境保全というものが大きな開発の前提になる、こういう考え方のもとに、今後自然環境の保全について万全を期していかなければ、破壊されればこれは取り返しがつかないわけです。また環境庁としても、もう少し自然環境の保全に関する管理機能というものを強化しなければならぬ。そういう点で、人員、機構という面についても今後強化の方向で考えてまいりたいと思っております。いろいろと御言い分もあるでしょうけれども、一歩前進ということで、この法案に対する御賛成を願っておく次第でございます。
○島本委員 では、これで終わります。
○佐野委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時五十六分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕