公害対策並びに環境保全特別委員会 第29号
- 発言数
- 136 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/06/21
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件、特に水俣病問題について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中島武敏君。
○中島委員 きのうに引き続き質問を続行いたします。 きのう私は水銀、PCBなどの汚染が深刻な事態になっていること、そしてその重大な責任が企業の公害たれ流しを野放しにしてきた政府にあること、政府の姿勢を根本的に改めなければならないことをただしました。同時に、政府の責任とともに企業の責任を明確にすることの必要をただしました。この質問の中途で長官が退席されましたので、この問題から質問を続けます。 私は、企業がいかに公害のたれ流しを隠蔽しているかを日本カーバイドや日本合成の例をあげて実証したつもりであります。また雑誌「商事法務」に書かれている経団連常務理事、産業部長菅元彦氏の「これからの企業経営と公害対策」に示された企業の姿勢がいかにでたらめなものであるか、それは公害追放の住民運動を敵視し、損害賠償保障制度は紛争の抑止効果と経営の安定効果のためにこれをねらったものである、こういうふうに言っているわけでありますが、このことについて質問をいたしました。通産政務次官は、読んでいないが、そういう姿勢ではこれからの企業はやっていけるものでもないし、そういう姿勢であってはならないという趣旨のことを言われました。 通産政務次官に重ねてお伺いしたいと思います。企業の姿勢としては確かにあってはならない姿勢であります。これでは公害をなくすことなど思いも及びません。雑誌にどんな意見を発表するのも自由でしょう。しかし、企業の総元締めである経団連がこんな姿勢でいるのをほっておいてよいでしょうか。幾ら副総理が、公害行政のあり方が人間優先だ、人間の命と健康が優先だ、質的転換が必要だとかっこうのいいことを言っても、この企業の姿勢をこのままにしておいては公害を防げるものではありません。通産政務次官、この菅論文に反批判論文を書いたらどうかと思うのですが、いかがでしょう。
○塩川政府委員 菅常務理事は現在アフリカのほうからヨーロッパのほうに旅行しております。帰ってまいりましたらその書いた趣旨、これはただ文書の面だけではなくして、思想的に私は確かめてみたいと思っております。したがいまして、それが思想的にそういうことを言っておるということであれば、私はやはりこれは問題だと思います。ただ、先ほどお読みになった文言、私読んでおらないのですが、損害賠償制度が紛争の抑止であるというようなことを言っておる、私はその内容を聞いてみたいと思ったりしております。したがって、最初申しましたように、ほんとうにそういう考え方であるというならば、これは重大な問題でございますし、通産省といたしましては、いままでの指導方針と違ったことを言っておることになりますので、これは強く私のほうからも反駁をしたいと思っております。
○中島委員 この問題について環境庁長官はどのように考えられますか。
○三木国務大臣 私もそのことは直接に見てはおりませんが、そういう考え方を持っておるということは、企業の、経団連のような重要な地位にある人がどうも私はよくわからない。これからは実際問題として企業はそういう考え方ではやっていけないわけですよ。これはもう全国的ないまの状態を考えてみても、これからの企業は、公害を防止するということが企業の生命だと思いますね。問題を起こせば企業の経営の存立の基礎もやはりゆるむのですから、したがって、どの企業もこれから競い合わなければならぬのは、技術開発をやって公害を外へ出さないようにして、なおかつできるだけいい品物を安くつくるということが企業のこれからの競争の条件じゃないでしょうか。それは一、二また特別な考えの人があっても、全体の大きな日本の企業に課されておる今日の責任というものは、これは私がいま言ったようなことでなければ企業はやっていけないのだ。また企業もそういう考え方にみながなりつつあると私は思いますよ。もう企業はみな悪だという考え方に私は賛成をしない。企業というものは全部悪で、企業というものはみなやっつけなければいかぬのだ、そういう考え方では、これはもう今日の社会は維持できませんからね。そういうことでやはり企業自身も、いままではいろいろ公害というものに対する企業の心がまえの中には責めらるべきものはありますよ。政府だってそうだと思います。しかしこれから、いやしくもこれだけの問題が起こっておるときに、新しいこれからの時代、この企業の責任者というものは、いま私の言ったような考え方でなければ企業は経営できないのですから、今日の段階になっても、利潤一本やりで公害防止のことは企業は考えないと断ずることは独断に過ぎるということであります。これは、みなこれからそういう方向に考えが及んでない人も急速に変えざるを得ないでしょう。企業はやっていけないでしょう。そういうふうに考える次第でございます。
○中島委員 単に企業がやっていけないというだけではなくて、現実にはこういうことが書かれているし、こういう姿勢でいるわけであります。また日本カーバイドにしましてもあるいは日本合成にしましても、やはりこの姿勢は正しい姿勢ではないということははっきり言えるわけであります。そういう点からいえば、私は単にやっていけないというだけではなくて、政府の側からこの姿勢を正していくということが非常に必要な問題であるというように思うのです。これではやっていけないといってほうっておいたのでは私はいかぬと思うのです。やっていけないはずであるというようなことをいってほうっておいてはいけない、これをもっと正していかなければならない、そこに政府の今日直面している重大な責任と任務があるというように私は思うわけであります。そういう上に立って、こういうふうに企業がいろいろな隠蔽をしたり、うその報告をしたり、あるいはまたまじめに公害を防ごうとしていない、こういう現実がある以上は、これは企業に対して、企業の善意にたよるということは公害を防ぐ上ではできないわけであります。そういう点では、企業に対してきびしい規制を加えていくということがどうしても必要であります。ところが、現行公害法は七〇年のいわゆる公害国会で改正されました。しかし、にもかかわらず、今日見るようにPCBの汚染、水銀の汚染が激発をして、しかも企業はかってなことをやっている。これが現実であります。これは何を証明しているか。これは現行公害法が公害を防ぐ上で多分に無力であるということを証明していると私は思うのです。 そこで、私は具体的にお聞きしたいと思います。水銀は水質汚濁防止法に許容限度がきめられているだけであります。大気汚染防止法には何の規制もありません。PCBに至っては、いまだに有害物質にさえ指定されていないのです。これは長官御存じだと思うのです。PCBを有害物質に直ちに指定する必要があるのではないでしょうか。そしてまたPCB、水銀、これは大気、水質ともに排出を禁止するべきではないでしょうか。長官の考えを伺いたいと思います。
○岡安政府委員 PCBにつきましては、御指摘のとおり、現在までは指導指針ということで基準をきめております。これは、いままで分析方法につきまして確立された方法がきまっておらないということで、そういう措置をとっておるわけでございますが、近く分析方法も確立するというふうに聞いております。その際は、私どもも水質汚濁法の政令等によりまして排出規制をいたしたい、かように考えております。
○塩川政府委員 PCBにつきましては、現在生産を停止さしております。したがいまして、目下そういうものを使っておった原材料等につきましては極力回収につとめておりまして、このことにつきましては中島先生も御承知いただいておると思います。鋭意回収して使用を一切せしめないという方向で現在やっております。
○中島委員 私もそれは存じております。同時にまた、このことをきびしく規制していくという上から言うならば、やはりはっきり有害物質として法的にもこれを指定をするということが必要だと思うのです。近く分析方法が確立をするので、それを待って有害物質に指定をしたい、水質保全局長のいまの御答弁はこういうことでございましたね。これは一体いつごろ有害物質に指定ができるのかということについてもう少しはっきりした答弁をいただきたいと思うのです。
○岡安政府委員 PCBの分析方法につきましては、昨年度までにきれいな水とか、食品中の分析方法はきまったわけでございますが、私どもが必要なのは汚濁水といいますか、いろいろな物質が混在している場合のPCBの分析方法でございます。これは、科学技術庁を中心にいたしまして、方法の確定につとめていただいておるわけでございますが、これが多少おくれぎみであるということが、現在までに水質汚濁防止法の有害物質として指定できない原因でございますが、聞くところによりますと、近くその方法もきまるというふうに聞いておりますので、それによりまして私どもは措置をいたしたい。そんなに先ではないというふうに聞いております。
○中島委員 そんなに遠い将来でないということは、つまりあと一月くらいという意味なのか、それとも一年くらい先だというお話なのか、その辺がはっきりしないわけであります。もうちょっと明快に御答弁願いたいと思います。
○岡安政府委員 一年というような遠い先ではございませんで、二、三カ月以内というふうに考えております。
○中島委員 水質についてはそういうふうにして有害物質にも指定をしていく。しかし、これはPCBにしてもあるいは水銀にしてもそうですけれども、大気の問題があるのです。この大気の問題につきましてはどういうふうなお考えでいらっしゃるか。私は大気の問題もはっきり排出を禁止をするというふうにしなければいかぬと思うのです。これは環境庁の御意見を伺いたいと思います。
○佐野委員長 担当局長がまだ来ていないそうですが、もうすぐ来るそうですから……。
○中島委員 では、この問題保留して先へ進みましょう。 もう一つ。私はこれらの問題をめぐって痛感することは、公害に関する資料を公開するという問題についてであります。過日私ども日本合成に調査に参りました。このときにも明らかになったことですが、第一水俣病に関して、熊大の研究班が水銀汚染によるものであるという見解を示した三十四年当時、通産省から水銀の排出状況についての報告を求められたと、はっきり日本合成は言っております。そしてそのときに報告もした。ところが、会社のほうにはその当時の資料がない。通産省にも当時の資料がない。こういうふうに何回かここの当委員会においても答弁がありました。私は、これはきわめて重大な問題だというように考えているわけであります。やはりこれははっきりその当時に公開をしておけば、もう情報社会でありますから、新聞なり何なりに全部載るわけであります。このことによってはっきり記録されるわけでありますから、やはりこういう問題は公表しなければいけないということをこの際確立するべきではないでしょうか。また、今回のPCB汚染の調査の問題にしましても、当初、今月六日の農林水産委員会では、水産庁長官は、今回の調査はPCBの調査であり、今回の調査は汚染魚介の状況調査が目的であり、発生の調査を目的としたものではない、複合汚染もあり原因者が十分つかまえられない、こういう理由で公表を渋られたわけであります。その後十二日の公害対策特別委員会で要請があれば提出をする、こういうふうに変わった。私はやはりこの問題についても、企業の側も政府の側も、やはりこういう公害に関する資料というのは公表するということをはっきり原則にするべきではないかというように思うわけであります。公害を防止する上で、この資料の公開ということの持っている意味はきわめて重大だと思っております。政府の見解、特にこれは長官の見解を伺いたいと思うのです。
○三木国務大臣 環境庁の方針は公開をするというのが方針でございます。
○中島委員 現在の公害法には公開が義務づけられておりますか。
○三木国務大臣 知識の普及などの条項はあるようでありますが——これは都道府県知事の場合は、水質汚濁防止法の第十七条に、「都道府県知事は、当該都道府県の区域に属する公共用水域の水質汚濁の状況を公表しなければならない。」という規定があるわけですが、国の場合に、これはいろいろ知識の普及をはかるとかそういう間接的な表現で、明文としてはないと思いますが、方針として公表をするのが環境庁の方針であるということでございます。
○中島委員 ごく部分的に載せられているだけであります。公害に関する資料、これを全部公開するべきだということは、公害法の中にはないのです。長官は公開が原則だということを重ねて言われました。私は、単に指導方針として公開が原則であるというふうにしておくのでは不十分である。なぜならば、いままでそういうことは書かれていても、現実には公開されないで今日まで来ているのです。そしていま、この段階になってあらためて問題になっている。私は、これは指導の問題とか、あるいは企業の善意とかあるいは政府の善意とかいうことだけにたよっているというのではこの問題は解決しないと思うのです。長官がいま言われたように公開が原則であるとするならば、法の上においてもきちんとそのことを義務づけるというところまで進めなければならないのじゃないでしょうか。今日の事態というのは、まさにそのことが欠けていたということが端的に証明された事件だというふうに私は思っているわけであります。 私どもの党は、四月六日に、今度の国会に対して公害法の改正案を提出いたしております。その中にはPCB、水銀の排出禁止、公害資料の公開、企業に対するきびしい規制その他を盛り込んでおります。長官、単に昨日の答弁で言われましたように質的な転換ということだけでは、これをことばで言うだけでは公害を防げるものではありません。公害をほんとうに防除するためには、実効ある公害法の改正ということが必要なのではないでしょうか。どうでしょう、長官。
○三木国務大臣 法律は絶えずいろいろ検討して、不備なところは改正する必要がありましょう。絶対のものではないわけですが、これはおのずからいろいろな手続を要するわけで、方針としては公開をすると私が申しておるのですから、今日の段階ではそのように御了承願いたい。
○中島委員 私は次に、水銀等汚染対策推進会議の決定内容について伺いたいと思います。ある新聞は、十四日午前に環境庁長官は「カセイソーダ工場規制として「五十年九月までに現在の水銀触媒法を水銀を使用しない隔膜法に転換する」と発表したが、午後になって環境庁が「五十年九月をメドに」、めどにです。「隔膜法への転換を極力」、極力です。「行なう」と訂正、早くも政府の汚染対策は大きく後退した。」と報じております。この新聞は続けて、「この訂正に対し環境庁は「十分論議を尽くさなかったため」と語っているが、会議直後の発表を知って「ガクゼン」とした通産省が「二年間ではいくら努力しても五〇%きり転換できない」と協力を拒否、訂正を要求したためとみられている。」とこういう報道がなされております。 そこで私は伺いたいのは、この新聞報道は事実かどうかということについて通産省と長官にお伺いしたいと思います。
○三木国務大臣 その前段に、やはりクローズドシステムで水銀を外へ出さないように、来年の九月までにするという決定を行なっているわけです。だけれども、それでも水銀を循環法で外へ出さないようにするということばかりではなくして、水銀を全然使わないということが一番の対策としては完ぺきでありますから、何とかしてこれを昭和五十年の九月までにできないかということは強い私の希望であったわけですが、どうもまだ隔膜法による技術開発というものが、二年間でそこまで約束するという段階には至ってないということを会議の席上で通産省からも述べられたわけであります。しかし、国産の隔膜法に対する技術開発もだいぶ進んでおるようでありますから、一応それを目途として、極力これを切りかえるようにやるということで会議は合意に達したのでありますが、そのときの発表に「極力」という字を落としたのであります。意識的に落としたわけじゃないのですが、そのときに「極力」という字を発表のときに落としたものでありますから、そういうことで、これは会議で合意されたように「極力」という字をやはり入れておいてもらわないと混乱が起こるからという通産省からの申し出があったことは事実ですが、最初からきめたことを、通産省の代表が役所に帰って、あとからまたそれを後退するという決定、後退をするような申し出があって変えたのではないのですよ。最初から極力隔膜法に切りかえるということであったのを、「極力」という字を発表のときに落としたということでありますから、それを何か通産省にねじ込まれて後退したというのは、少し何か事実を勘ぐり過ぎると私は思っています。
○中島委員 通産省、いかがですか。
○田中(芳)政府委員 通産省といたしましては、水銀法によります苛性ソーダ、これにつきまして、たとえば化繊等の繊維業界、これが品質等の問題で、なかなか需要者の選好と申しますか、こういった業界の選好から問題があるところでございますけれども、こうした情勢にかんがみまして、水銀法によります生産はこれをやめさせるという方向で対処したいというのが基本的態度でございます。しかしながら、隔膜法によります転換につきましては、昨年度より、工業技術院で国産技術の開発につとめておるところでございますが、現段階におきましては、どうしても外国技術によらざるを得ないわけでございまして、これが技術導入の折衝等の期間もございます。また、隔膜法によりますと、かなり蒸気を大量に使用せざるを得ない。そこで大型のボイラー等の設置が必要になりますが、一方御承知のとおり大気汚染問題等もございますので、こうした面でまた別途の問題を起こさないように対策をあわせ講じていく必要があるだろう。第三点といたしまして、特殊な金属によります電極あるいは隔膜、こういったものにつきましては、実のところ生産業者がきわめて限られております。さらにかなりの根本的な工場の改造ということになりますと、こうした面での機械メーカーその他の工事能力というのもございますので、五十年の段階におきましては、一応目標といたしまして極力これをやらせるという形で御了解をいただいたわけでございます。
○中島委員 水銀の使用状況についてはさっぱりつかんでおらなかった通産省が、隔膜法に転換するのにはどれぐらいの時間がかかるかということについては、実によく詳細につかんでいるじゃありませんか。私はほんとうは、「めど」と「極力」、「目途」と「極力」ですね、これは削ったほうがいいと思います。そしてそれはどうしてもここで削るというのなら、ここでそういう答弁をしていただきたいし、それからどうしても削れないというのなら、何も五十年の九月を待たずに、できるところから次々に転換するという指導をしなければいけないと思うのです。いかがでしょうか。
○三木国務大臣 私がその会議の議長をして、議題も自分で成立さしたわけでありますから、私はどうしても達成をしたいと思ったのは、クローズドシステムで外へ出さぬということは、これはどうしても決定をしなければならぬ。しかしそれをやはり隔膜法に転換をして、水銀を使わないということが一番完全なんで、それでこれを何とか二カ年でできないかと思ったことは事実です。しかし、いまのような事情の説明が会議の席上でありました。そういうできないことを通産省としてもお約束することはできないでしょうが、ただ極力ということで、何かめどを入れておいたほうが通産省に責任を負わすためにもいいということで、二年というのを入れたのです。入れないでできるだけやるというのも一つの行き方でしょうが、何か日時を、目標を設定しておいて努力をするというほうが日本人の性質には向いておるようでありますから、そういう点でこれを入れたのであります。そういうものがないと、できるだけとかいうことになってくると——何か一応のめどを持って、いま五〇%といっているのですが、それを六〇%にし、七〇%にする一つの目標を設定してやってみるということで、通産省としてもそういう方向に向かって努力をすることが必要であるということで、五十年九月というものを入れたわけでございます。
○塩川政府委員 目下電解法に水銀を使っております工場、会社、こういうものを集めまして転換策を強力に指導いたしております。そこで、先ほど三木長官もおっしゃいましたように、とりあえず四十九年の九月までには全部クローズドシステム制に変えてしまって、そして五十年九月ごろには隔膜法に変えるように努力いたしております。 そこで、お尋ねの、できるところからやったらいいじゃないかということでしたら、もちろんそうでございます。おっしゃるとおりでございまして、できるところからどんどんとやらしていく。ただ、これは先ほど田中参事官も申しましたように技術的な問題がございますのと、それからこの技術導入につきましてのノーハウの関係もございまして、そういうようなものをあらゆる面から努力して、五十年九月にはおおむね隔膜法に転換し得るように、とにかく一生懸命やっていきたい、このように思っております。
○中島委員 クローズドシステム完了の時期は四十九年の九月末となっておりますが、私はそれはおそいと思うのです。三井東圧では四十九年九月までにクローズドシステムにすると私たちが調査に行ったときは言いました。しかしその翌々日、有明海沿岸四県漁民代表の追及にあって、ことしの九月までに完全循環方式に切りかえる、もし期限までにできないときは水銀使用工場の操業は停止する、こういう約束をしているわけであります。やる気になればできるということをこれは示しているのです。やる気になればできるということです。そういう点で、来年九月というのも一つのめどでしょうけれども、しかし三井東圧でも、われわれが行ったときには四十九年の九月、その翌々日には四十八年、ことしの九月と一年間繰り上げているのです。私は、この時期をもっと早くする必要があるのじゃないか、また先ほどお話しのように、できるところからすぐに切りかえていくようにするべきだと思うのです。いかがですか。
○塩川政府委員 おっしゃるように、できるところからやらすのが当然でございます。私たちが四十九年九月を設定いたしておりますのは、現在四十九工場水銀を使って電解ソーダをやっておるわけでございますから、それを全部終わらすということを一つの目標にしておりまして、したがいまして、それぞれの工場の事情等もいろいろございましょう。しかしそういうようなものを克服して、一年以内にとにかく完了せしめるという方針でございます。ついては、先ほど来しばしば御質問がございましたように、何もその目標といたしましたそこまでにやればいいんだという指導はいたしておらないということだけは御了解いただきたい。できるところからどんどんやらしていく、しかし最悪の場合は、たとえばクローズドシステムを完成させるためには、四十九工場全部そうせしめるのは来年の九月である、そういうふうにきめておるのでございまして、できるところからやるという原則には変わりございません。
○中島委員 原因者の追及の問題についてお尋ねしたいと思います。 昨日、原因者を特定するには健康調査、環境調査を行なってからでなければならないという答弁がありました。また、環境調査の終わる時期は来年になるというお話でありました。しかし、たとえば日本合成の場合には、チッソと同じアセトアルデヒドを同じ工程でつくり出しているわけであります。メチル水銀が副生されていることは証明済みの問題であります。そしてすでに有明町には患者も出ている。メチルもたれ流しだ。そしてまた、最近行ないました熊本県の調査によりましても、緑川の河口からメチル水銀が検出されております。これ以上何を調べなければ原因者を特定することはできないというのでしょうか。特定できるものは直ちに特定すべきじゃないか。何をぐずぐず延ばさなければならない理由があるのでしょうか。これだけ材料がそろっていて、何が延ばさなければならないのか。延ばす理由が明確にあるならはっきり答えていただきたい。なければはっきり言えばいいのです。何でいまだに延ばしているのですか。これははっきり伺いたいと思うのです。
○三木国務大臣 延ばす理由はありません。われわれも早くしたいのであります。したがって、環境調査も一年もかかるとは考えてない。むろん今年中で環境の調査はやらなければならぬ。健康調査も全部終わってということではないのです。サンプル調査もできるわけでありますから、したがって、私も、どんなにおそくてもこの年内には原因者を究明しなければならぬということをお答えをしておるわけで、できればそれをもっと早めたいと思っています。ただしかし、いろいろな補償の問題も出てまいりますし、そういうことで一つの根拠のある原因者に対する政府の見解を述べなければなりませんから、やはり全部が終わってというふうには考えてないのです。中間的な一つの調査の段階において、これで政府の見解を述べるのに根拠ありというときには、できるだけ早く原因者を明らかにしたいと思っております。
○中島委員 いま年内にこれをやるというふうに長官言われた。これは有明海沿岸だけではなくて、全国の各地にいま激発している問題について年内にすべてやるというお話なのか、それとも有明海沿岸についてのお話なのか、これをはっきりさせておいていただきたいと思う。
○三木国務大臣 いまお答えをしておるのは有明海でありますが、できる限りほかの各海域においても、原因者の究明というものは、問題の解決をするためにはどうしても必要な前提でありますから、ほかの地域もできるだけ早くそういう究明をしたいとは思っておりますが、しかし一番最初に有明海を取り上げてみたい。ほかのほうもできるだけ早く原因者の究明をしたいと考えております。
○中島委員 この問題はぜひひとつ——私の見解によれば、はっきりしているのは、先ほど申し上げたように、これ以上調べる必要はないところもあるというくらいに思っておるのです。ですから、ほんとうにこれは急ぐ必要があると思います。特にこの問題は漁民その他の補償問題ともからんでいる問題であります。すでに三井東圧の場合にも補償を漁民に対して約束をいたしておることは御存じだと思います。そういう点で、これの原因者の特定ということについてはほんとうに急がなければならないと思うのです。 この問題に関連して補償の問題でありますが、これはもう私から申し上げるまでもなく、漁民や鮮魚商あるいは旅館業の人たち、これは実に深刻な事態になっております。もうだれも魚を買ってくれないというので、すでに操業を停止してしまっていることは御存じだと思います。今度の十一項目の対策の中に漁民対策としてつなぎ融資がきめられておりますが、結局これはあとで返さなければいけない。このつなぎ融資ではだめだ。私は、これが完全にいけないという意味ではありませんけれども、もっと別の方法をとって急ぐ必要があるんじゃないか。それは汚染者負担の原則をはっきりさせた上で、政府がいますぐ立てかえ払いをする、そして原因者の究明ができたならば、これに求償するというやり方をとるならばいますぐにもこの問題は解決することができる問題だというふうに考えるわけであります。私は、ぜひひとつそういうふうにやっていただきたいと思うのです。いかがですか、これは。
○三木国務大臣 現在の場合は、天災融資法に準ずるような条件のもとに、融資でやることが私はこの問題としては適当であろうということで、そういう融資という方針をこの間はきめたわけでございます。制度的には、いま中島委員の言われるようなこと、これは制度として必要があると思うのですよ。損害賠償の、今度は健康というものをわれわれは中心に考えたわけですが、生業補償という問題が次に取り上げられなければならぬ問題で、制度の中でこれは生かさなければ、なかなか急速に、しかも行き届いた損害補償というものの目的は達成できにくい点があると思いますので、これは政府もいま検討に取りかかっておるのですが、この場合においては融資ということで……。しかし一方においては原因者の究明を急いで、その場合には漁業者の損害に対する補償、企業の責任は追及できるわけでありますから、その間の短期間のつなぎ資金でありますので、現在のところは融資でやることが適当であるという考え方で、そういう方針をきめたわけでございます。
○中島委員 重ねて申し上げますが、制度としては今度政府が損害賠償保障法案を出していらっしゃる。しかしこれは財産、生業補償は入っておりませんですね。私はこれの中にも財産、生業補償ということを加えるべきだと思うのです。そしてそれまでのつなぎとして、いま私が申し上げたように、汚染者負担の原則で政府が払う、いや企業が払うんですけれども、それまでの間一時立てかえ払いをしてやっておくというやり方をするならば、現在やることがそのまま制度の中に吸収されていくということにもなるわけであります。そういうふうなお考えはいかがでしょう。
○三木国務大臣 水銀とかあるいはPCBの汚染からくる漁業者の被害というのは、いま現実に何らかの処置を講じなければならぬですから、まだこれから御審議を願う法律というものが、実施というと来年からでありますから、将来の生業補償というものは、われわれとしてこれに取り組むということを申し上げておるわけでありますので、いまの場合としては、やはり漁業者の今日の状態に対する救済的な処置をいま直ちにとる必要がありますから、融資が適当であると考えた次第でございます。
○中島委員 私は最後に、時間の関係がありますので三点だけまとめて質問をいたします。 一つは、この十一項目の対策を見て私の感じますのは、抜けている問題がある。それは何かというと、一つは有明町の患者に公害被害救済法を適用するという問題です。この問題が抜けてしまっている。それから認定の問題が抜けている。私はぜひこのことを加えていただきたいと思うのです。 なぜかならば、現在認定を申請している人は熊本県だけで一千名をこえているわけであります。申請を希望している人も、また私どもの党の調査によれば一千名をこえております。現在は二カ月に一回認定審査会が開かれて一回に九十人を扱うだけにすぎません。これでは一年間に五百四十名、つまり現在申請されている一千名の人たちだけでも二年間かかるということであります。したがって、この問題について改善の必要を認められないかどうか。認められるとするならば、どのような改善をやろうとお考えになっていらっしゃるか、これが第一の質問であります。 第二の質問は、有明町の患者の問題であります。当委員会において、私は有明町の患者に対して、公害被害救済法を直ちに適用するべきだということを申しましたところ、長官はそのように考える、当然これは適用しなければならないというふうに答弁なさった。しかし現実にはまだ適用されていないのです。一体、なぜ幾日もたって、こんなに長いこと適用されていないのか。これははっきり適用していただくようにしてもらわなければいかぬと思うのです。これが第二の問題であります。 第三の問題はヘドロ対策の問題であります。この問題についてもここに書かれてありますけれども、恋路島を中心にして、両わきを仮締め切りを行なうことをわが党は申し入れているのですけれども、いまだにそれは実際にやられていない。ですから汚染された魚が日々回遊して歩いているわけです。あるいは汚染を拡大しているわけです。私は、漁民に対する補償を前提として直ちに仮締め切りを行ない、そしてその後に必要な調査を行なって、十分な方針を確立して、これを処理をするというようにするべきじゃないかと思うのです。 以上、三点についてお伺いをして私質問を終わります。
○船後政府委員 御質問の第一点と第二点につきお答え申し上げます。 まず第一に、現在熊本における水俣病の認定患者の審査能力の問題でございますが、御指摘のとおり、最近申請者が激増いたしまして、審査事務はかなり困難をきわめております。これは専門家の意見によりますと、患者一人を審査いたしますにつきましても各科の診断を要し、十数時間を要するとのことでございまして、現在の陣容をもってしては月に四、五十人程度が最大限である、こういうことでございます。私どもも何とか早くこの事務を促進しなければならないと思っておりますが、患者の健康にかかわる重大問題でございますので、いいかげんなことでもって済ますわけにはまいりません。そこで熊本県及び水俣市に、ともかくどのような方法でこれを切り抜けるか、検査器材が足りないならば、これについては国においても適当な援助を考え、さらに人手が足りなければ、私どもは厚生省、医師会のほうに応援体制は依存いたしておりますが、そこらあたりの具体的な計画をもってこの問題を解決したいと思っております。 他方におきまして、八代海全域の補完調査あるいは有明海全域の健康調査という面にもやはり専門家を必要といたしまして、この辺の具体的な計画は現在県、市で考えておりますが、いまのところまだ具体的にお答えする段階に至っておりません。 それから次に第二点でございますが、有明町の今回の熊大報告による患者でございますが、これは熊大報告によりましても水俣病と断定いたしておるものではございません。疫学的調査からこの患者を有機水銀中毒症とみなすとすれば、という報告でございまして、どういたしましても全面的な疫学調査、つまり環境調査と健康調査というものを急がなければならない。この結果によりまして、この有明地区が水銀で汚染され、かつその有機水銀の影響によりまして水俣病患者がおるということが医学的にも明らかになりますれば、当然のことながら特別措置法に基づきまして指定する、あるいは認定するということになるわけでございます。
○岡安政府委員 三番目の御質問にお答えいたします。 水俣湾のヘドロの処理につきましては、現在運輸省港湾局を中心といたしましていろいろ計画を練っていただいているわけでございますが、ヘドロの処理をする場合に最も問題になりますのは二次汚染の防止でございます。二次汚染の防止の方法の一つといたしまして、いま先生のおっしゃいました仮締め切りを行ないまして、それによって湾内のヘドロの処理をするという方法も考えられるので、ぜひそういう方法もあわせて検討してもらいたいということを、現在運輸省のほうに申し入れてございます。技術的な問題その他の解明ができ、それが最も適当な方法であるということになれば、先生のおっしゃるような方法も採用できるのではあるまいかというふうに考えております。
○山形(操)政府委員 先ほどPCBの大気汚染の対策の問題について御質問があったのでお答えいたします。 PCBの大気汚染を防止する問題につきましては現在いろいろな研究がされておりますが、現段階ではやはり焼却、熱分解が一番効果的であると言われております。したがって、私どもは回収されたPCBの処理につきましては、専焼炉によって焼却する。これの煙突から出ていく暫定排出許容限界を昨年の十二月にきめました。一般的なところから出るのがどのくらいあるかというのを現在調べておりますが、これは非常に微々たるものがときどき検出される程度でございまして、問題はやはり専焼炉のほうが問題でございますので、これのほうの処置についてやっております。したがって、いま直ちにこれは有害物質に取り入れて規制をするという措置は、大気に関しましては取らなくて済むのではなかろうか。まず排出許容限界を守らせる、専焼炉の対策を進めることをまずもって先にやっていこう、こういう考え方で処置いたしております。
○中島委員 まだまだ詰めたいところ、聞きたいところがありますが、時間ですからこれで終わります。
○佐野委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。小澤太郎君。
○小澤(太)委員 ほんの短時間、小林委員からお許しを得ましたので、関連質問をさしていただきたいと思います。 それは、ただいま中島委員の質問に対する長官の御答弁と、実は昨日の、長官御不在でございましたけれども、私が通産政務次官に質問いたしましたときの御答弁と、若干ニュアンスが違うものですから、その点をひとつ確認しておきたいと思うのです。 今回の場合は、私は徳山湾のことを申し上げておったのですけれども、有明の問題も同じだと思いますが、漁業者あるいは魚屋さん、これに対してとりあえず天災融資法その他の方法によってつなぎ融資をする、そして生計を助けていこう、こういう政府の措置でございますから、それはまことにけっこうでございますが、原因者負担の原則を貫くということになりますれば、早く原因者を発見して、確定していただいて、その上でこのつなぎ融資というものを原因者が今度は支払う、こういうことになるべきじゃないかということであります。その際には生業補償の問題はもちろん含むわけでございまして、今後御提案になりまするところの公害の補償法とは関係なしに、しかも原因者が明確でございます、そしてとりあえず政府がつなぎ融資をやり、PPPの原則をやるならば必ず原因者がこれを償う。その範囲も健康だけではなしに生業補償というところまで行かなければならぬ、こう申し上げたところが、通産政務次官はそのとおりだ。というのは、いま原因者であると思われているところの企業が魚をどんどん買い上げておるのです。あるいはまた一日一万円ずつ漁民に金を出していろのです。これはもう原因者とおぼしき者が自分でもう原因者の責任という立場からすでに生業補償をやっているわけですね。それをつなぎ融資だけで済んで、あとはという、はっきりしないようでは——それから、この補償法との関係、これは関係ないわけでございますから、その関係がないということは長官が言われましたからはっきりいたしておりますが、そういうことをひとつはっきりお答えいただきたい、こういうことでございます。
○三木国務大臣 私が申し上げておるのは、原因者がわかれば、その原因者がその損害補償という、原因者が負担をするという原則は、これは動かすわけにはいかない。しかしその原因者の究明は大体常識的にわかるといっても、やはり調査をしたデータもないと、政府が見解を述べるわけですから、そういうので、できるだけ早くやりたいと思いますよ、いま迷惑をかけているわけですから。しかし多少の時間がかかる。その間のつなぎ資金として政府が低利な資金を融資する、しかしそれは原因者がわかったときには、その融資をした金はやはり補償の中にそういう金は組み入れられて原因者が負担をすることになる、こう申し上げておるわけですが、そういうことでよろしゅうございますか。
○小澤(太)委員 先ほど私が聞いておりましたら、その点がはっきりしておりませんでしたから、重ねて私がお伺いしたのですが、長官のそういう御意向ははっきりわかりました。どうぞそういう点でひとつしっかりお願いしたいと思います。
○佐野委員長 小林信一君。
○小林(信)委員 私のもらいました時間が最初の予定では十二時三十分ということになっておりまして、あと十二分くらいしかないのですが、長官は二時三十分までここにおいでになり、そのあとはというようなばく然としたお話になっておりますが、ぎりぎりのところ何時までここにおいでになりますか。
○三木国務大臣 デンマークから環境大臣ですかが見えておって、それが二時半ですから、必要があれば昼めし抜きでもけっこうですが、二時半に私が環境庁で会う約束をしておりますから、それまではぎりぎりおれるわけであります。まあ昼めしでも食べろということになれば三十分前、二時ということにもなりますが、それは小林委員におまかせをいたします。
○小林(信)委員 こういう話をしておる間でも時間はたってしまうわけでありますが、実は何かの点から私がしわ寄せを受けまして、ほかの方たちの時間というものは正規にとって、一切私が調整をしなければならぬ役目なんですが、大臣は二時半とこうおっしゃっていますが、しかもこれは昼食抜きで大臣の時間というものは限定されているわけです。そうすると、もう昼食抜きででも二時三十分までにこの予定を消化するためには私はあと十分しかありませんから、これはもう私が一切責めを負うということになっておりますから、十分だけ質問をいたします。 率直に申し上げますが、一体公害対策に三木長官は自信を持っておいでになるかどうか。まことに愚劣な質問かもしれません。それは決して大臣が能力がないとか努力しないとかいうことでなくて、私は実は大臣がこの所管大臣になられて以来顔つきを見ておりますが、最初は多少戸惑いをして従来のような顔色がないふうにうかがっておったんですが、だんだんたってまいりますとそうではなくて、あまりに公害問題というのは深刻だ、しかしなかなか政治がこれを解決することは至難だというような心を痛めた状態でのいわゆる老練の政治家としての気色がうかがわれないわけなんですが、そういう点から一体自信を持っておいでになるのかどうかと聞かざるを得ないのです。というのは、あまりに問題が次から次に出てきておる。予想しない問題が続発する。しかもその一つ一つを解決するにはなかなか困難な問題がつきまとう。あるいは法律の解釈を、現行の法律を検討しなければならぬようになる。あるいは新しい法律をつくらなければならぬ。おそらくいま私どもが水俣の問題を見てきて、これは地元の人たちの要求するような結果をつくるためには相当な金も支出しなきゃならないと思います。そういうような点をずっと考えてまいりますと、やはりもう公害対策というのはこうやって論議はするけれども、自信というものは政府もわれわれもなくなすところに来ているんじゃないか、こんなふうに思いますが、ここで大臣に初めてこういう問題で私は質問するわけですから、所信のほどをまずお聞きしたいと思います。
○三木国務大臣 これはだれかがやらなきゃならぬです。これはこのままでは置けませんよ。こういうことを置いていけば、これはやがては日本人の生存に関係をしてくるようになるので、だれかがやらなきゃならぬものである。これはおまえは自信があるかといえば、これはだれでも一人で自信がありますというふうにはなかなか答えられない。それはもう小林君をはじめ野党の諸君にも協力してもらわなければいけない。公害問題というものはもう与野党を越えて、イデオロギーの問題でもないですから、みなが総がかかりになって日本の過去に蓄積された公害を除去して、これ以上日本を汚染しないようにして、さらにこれをよくするということはもう全く国民的課題だと思います。しかしそれはやらなければならぬわけですから、私自身もまことに微力ではありますけれども、これに責任と使命を感じておるわけでありますから、これはもう全力を尽くしたいということでございます。
○小林(信)委員 私も大臣がそういう決意を持っておいでになることは十分わかります。やらなければならぬ。しかし、そのやらなければならぬことをいまのような状態でもって進んでいっていいかどうかということがまたお聞きしたいところですが、まさに一つの地域の公害問題をながめますと、県庁もあるいは市役所も地元住民から信頼を失っておりますよ。なぜやってくれないか、なぜまだ手をつけないかというようなことから地方自治体も不信感を買っておる。ひいてはこれはもう国の政治に対する不信感というものが出てくる。そうして地域の人たち、地域が持っておりますいままでの秩序、人間関係、こんなものを私はこのままほうっておけばどんどん破壊されていくというふうなことを考えたときに、一体これに対する対策というものはいま審議しておるような一つ一つの問題をどういうふうに積み重ねていくかという問題よりも、先ほどお話を聞いておりますと、危険な薬品は使用禁止にするというお話がありました。しかしそういうことを積み重ねても、いまの企業の姿勢とかあるいはいまの自由経済というものを非常に強くいまの政府は強調しておりますけれども、そういう問題すらも私は検討しなければならぬところへ来ておると思います。あるいは政治の問題ですが、長官のような熱意を持っておられる方がこれからずっとすわって十年も十五年もやるぐらいのそういう姿勢でなければこの問題は解決しないと思うのです。八月内閣改造がくればおれもまたどこかへ行くのだ、だからその間一生懸命やれくらいの考え方では、私はもうこの公害問題というものは解決しない。だから、ただ何をどういたしますというわれわれの質問に対して、居並ぶ諸公にお答えを願っておる、それだけでなく政治そのもののあり方、ここで私は従来のあり方を検討しなければならぬ、あるいは生産に対する考え方も従来のような形でもっていいかどうかというところへ来ているのじゃないかと思っているのですが、その点でも何かお考えがありましたら聞かしてください。
○三木国務大臣 私も小林委員の考えるように、大きな転換期だと思うのです。まだやはりそこまで転換し切れない点が各方面にあると思いますよ。しかしいやでもおうでもそこへ行かなければ日本というものの将来の発展はない。公害を徹底的に防除しながら日本は経済成長を遂げていくだけの能力を持つかどうかということが、やはり国の大きな一つの試練だと私は思うのです。これはいままでそこまでいかないと考えた人があったら大間違いですよ。もう徹底的に公害を防除しながら、なおかつ生産を発展していくというそのやり方というものが発見できなければ日本の将来の発展はない。これはもうそういうことで突き進んでいけば、そのことは日本がGNPがどうなるということではないのですから、根底において民族の生存に関係をしてくるわけですから、だからこれはもうそこまでまだ心の切りかえのできてない分野もありますけれども、政府も企業もあるいは地方自治体もあるいは地方住民もみながやはりそういうことで、日本がいままでのやり方に対する大きな転換を遂げなければ、この国の将来はない、そのくらいのものだと私は思いますよ。だから地域の住民の人たちとの間にいろいろ信頼感の一つのギャップがあるといわれた。やはり各地でいろいろな問題、開発を通じて紛争が起こっておることは、これからの開発の場合でも地域住民を取り入れてやるというような態度が必要だと思うのですね。そういう点で地方自治体ももう少し努力をしなければならぬ。企業なんかもそうですね。そういう点の努力というものをやってやらなければ、そういう点のくふうもしなければ、地域社会との信頼感のギャップは埋められないと思いますが、しかしこれはその大きな転換の方向というものを見失ったらこの国の将来の発展はない、これはもう民族の生存というものがかかっているというぐらい重大な問題を含んでいると私は考えております。
○小林(信)委員 大臣のその考え方を根拠にしての毎日の御活動ならば、私は大臣の存在ということについては一応了解するわけですが、しかしそれがほんとうにいまの日本の政治の根本的なものゆさぶるような、そういう大臣の活動というものがいまの公害対策の裏になければならない。もしそれがあれば、私が心配するように、これはもう公害対策どこへいくのだというような、何か見限りをつけたような顔色でなく、環境庁長官としてもっと生気のある顔色をしておられると思うのですよ。この一つ一つの問題がだめだったら、これはもう環境行政も公害行政もだめだ、日本の政治もだめだ、民族の将来もだめだ、かかって三木長官の双肩にはそういうものがあるということをひとつ確認をして、これからお進みを願いたいと思うのですが、私はもうこれで時間がないのです。一時間くれたのですが、だんだんしわ寄せがきて、もうなくなってしまったのですが、ひとつ私はここで警告をしておきます。答弁をしていただくことはできませんが、あとの人に二、三分食い込ませていただきます。 というのは、今度私は有明海あるいは八代湾の視察をしまして、これはもの日本の港湾、日本の海岸線の一つの代表的なものだと思うのです。あれだけの大きな、四県が沿岸にある有明海がわずか小さな入り口でもって外海と接しておる。これはもうそこへ流し込んだものは永久にあそこへ蓄積されて外へ出ませんよ。したがって、これは瀬戸内海も同じ問題だと思います。そういう特殊事情というものを、地理的な検討をもっと環境行政の中で加えておったならば、もう未然に、こういうところはこうなるという判断から相当な対策というものが講ぜられたのではないか。これが一つです。これは単に環境庁だけの問題ではない。通産省も、その沿岸に工場があるならば、この工場からは絶対に水銀は出さしてはならない、あるいは運輸省は、ここへ蓄積されればおれたちがこれをしゅんせつをしなければならぬということを考えていかなければならないわけなんですから、未然に手を打っているはずなんです。ところがそういう手が打たれておらぬから、ああいう内海は外海へ流れ出すというのはわずかなもので、長い間の蓄積というものはもう死の海をつくりつつあるわけで、さっき中島委員が、ふさいで、締め切りしろというようなお話まで出ているわけですが、こんなことはいま考えることではない。政治があるならばもうとっくに日本の沿岸というものは調査をされていなければならぬ問題だと思います。その湾の中に、また小さく入った湾の中にチッソのあの水銀というものがほうり込まれているわけでしょう。だからそこの魚を食べたら、これは被害を受けるのは当然なんです。こういう一つの地理的な問題から、私は日本全体を点検しなければならぬということが一つ。 もう一つは、熊本大学の先生の調査の問題です。これはきょう文部省が、大臣が来られないそうですし次官も来られないということですが、私は三木長官を通して内閣の中に文教行政としてひとつ強く言ってもらいたいことは、学問の自由とか研究の自由とかいうことが強く叫ばれておりますが、私たちが主張しておりますものは学内だけの自由というわけじゃないのです。やっぱり学者の自由に研究する態度、学問に対するところの自由の態度というものがあったからこそ、この問題というものが大きく出てきた。これはこの地域の人たちに言わせれば、あの武内教授がこんなことをしてくれなければ魚が売れたんだという幼稚な考え方をする人があるかもしれません。そういうことを承知の上で、いろいろな圧力の中で、こんなことを発表したら委嘱した熊本県も困るだろうということも承知の上でもって勇敢に取り組んで、そして自分の所信というものをそのまま出した。 しかし文部省は、私の聞くところではこれに対して一文も金は出しておりません。熊本県では一千三百六十万の金を出して調査をさせておる。文部省はこれに対して、拘束はしなかった。拘束はしなかったけれども、そういう資金的な配慮というものはなかったと思うのですが、三木長官、文部行政というものがあるなら——そして研究するということについては意欲を燃やしているわけですよ。これは私読むことはしませんが、武内教授は、私は有機水銀の被害だと考えておるから、この問題に積極的に取り組みましたというような、そういう研究家の活動というものが非常に大事であるし、その心がまえというものは非常に大事なんですが、こういう問題を私は第二の問題として考えたし、それから漁民の被害というものは、いままで私は農村の天災被害を経験をしてまいりましたが、それ以上の深刻なものであることを経験いたしました。 これらについて私は私の意見も述べながら政府の意見もただしたかったのですが、時間がございませんので、またいずれかの機会に御質問を申し上げます。ありがとうございました。
○三木国務大臣 公害問題全般についていろいろ広範な御質問であったわけですが、私は日本があの敗戦のどん底から今日のような発展を遂げた日本の能力からすれば、みなが総がかりになって公害を防止しよう、よい環境を守ろうということになれば、必ず公害というものは防止し、日本によい環境を保全することができると思うのです。あんまり悲観的に思っていない。今日はあまりにも高度経済成長、昭和三十年代からずっときたために、いろいろなそういう点というものが、生活のレベルを求めて、公害というものが大きな関心でなかったことは事実です。 しかし今日になってくると、もう量的な拡大でなくして公害を防止するということでなければ、幾ら生産を上げてもそれは今日の生産としては大きな価値にはならないんだという時代になってきておるわけですから、大きな意識の変化もあるし、これだけの日本の科学技術の発達もありますから、みながやはり公害を防止しなければならぬというこの一点に努力を集中してやるならば、必ず公害は防止できて、よい環境は保全できるという時期はくるし、したがってそういうことにしなければならぬですが、また一方において、それは単なる希望でなくして、それだけの能力を日本人は持っておるということで、大きな全体を見通した場合に、私はそう悲観的には見ていないということを申し上げておきたいのでございます。
○佐野委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 水俣、有明、あちらの調査に参りまして、まず一番最初何をやらなければならぬか。いろいろと対策もあろうと思いますけれども、まず漁業専業者、それから専業の仲買い人、小売り人、あるいはまた観光の魚介類を立ち売りしているこの人たちが、私のそばへ来た人の中では、もうおかゆを食っているのです。こういうようなことを泣きながら訴える御婦人がいました。したがって、この人たちに対する対策というものは、私はきめこまかく、ただ天災融資法を適用するとかあるいは農林資金から出すとかいうようなことで、ただ政府がそういうかけ声だけではならないと思うのです。これに対して、まず水産庁としてどういうように対策を立てていくのか。これは漁業者のほうです。 それから仲買い人あるいは小売り人、この人たちは漁業組合に入っておりませんから、水産庁関係でなくなってくる。これは勢い通産省の関係になってくると思うのです、小売業者でありますから、中小企業になりますから。ですから、これについてまずただしておきたいと思うのです、水産庁のほうと、それから政務次官がいらっしゃる間にその点について。
○荒勝政府委員 ただいま御指摘になりましたように、今回の第三水俣病を契機といたしまして、有明海あるいは不知火海を中心とする漁民の方々に結果的には非常に御迷惑をかけているということにつきましては、私たちのほうでもいろいろと知らされているわけでございます。これにつきまして、政府部内におきまして、三木環境庁長官を中心といたしまして、緊急な対策会議を持ったわけでございますが、水産庁といたしまして分担した事項といたしましては、この生業資金をどうするんだということが一つ、それから今後の漁業の振興をはかる方法は何かということが一つでございますが、当面の緊急な課題といたしまして、ただいま御指摘ありましたように、原因者負担の原則というものは貫きながらも、なおかつ、さしあたり政府として、やはり漁民の方に御迷惑をかけておりますので、この救済に当たらねばならないということで、環境会議の結果、早急に、天災融資法に準じた方法によりまして、漁民の方々に融資を行なうということで、目下鋭意検討中でございまして、事務的にも相当煮詰まってまいりましたので、近日中に政府の所信がきめられるのではなかろうか、こういうふうに思っております。 なお、漁業の振興対策等につきましては、いわゆる漁民の方が、もう少し沖合いに出ての漁業をいたしたいというふうな希望もありますので、この漁船の許可につきましては、逐次進捗している次第でございます。
○塩川政府委員 お尋ねの緊急融資の件でございますが、早急に実施するように、実は中小企業庁から、国民金融公庫、中小企業金融公庫等に対し指示をいたしております。 そこで、いつからだということが一番問題だろうと思うのでございますが、いまのところ、早急にという準備の体制は整ってきております。したがってわれわれといたしましては、御要望に沿うようにいたしたい。 そこで、いろいろと岡本先生からございましたが、われわれは、いまさらなわ張りを言い、あるいは所管事項を言う、こういうものではございません。そんなものを超越して、政府としてやっていくべきものはやっていかなければならぬ、こういうことでございますが、念のために申し上げますならば、鮮魚に関しましては、実は鮮魚商は水産庁が所管いたしております。仲買い人につきましては、農林省の食品流通局がこれを所管いたしております。そして、観光業者のお尋ねがございました。こういうようなものは運輸省の観光部ということになっておるのでございますが、いずれもこういう窓口としては国民金融公庫を一応通すべきであろうと思ったりいたしまして、国民金融公庫にはすでに、いつ何どきでも緊急融資できる体制を整えておけということの指示はいたしておるようなことでございます。
○岡本委員 いま水産庁からお聞きすると、まだ鋭意検討中。ここにいる委員長も御存じだと思うのです。それから皆さん、行った人たちはそれぞれわかっておると思うのですが、五月二十二日から魚が売れなくなって、そしていままでのたくわえで食べてずっと生き延びておるわけですが、それも底をついてきた。これから鋭意検討されて、いつまで検討されるのか。その間にどうなるかということになりますと、あの姿を見ますれば、いつ暴動が起こるかわからない。もうすでに会社の排水口を押えに行ったり、いろいろなことをやっております。私は、こういった社会不安を防ぐためには、政府は早急に手を打たなければならないのじゃないか。なるほど汚染原因者の責任でございますけれども、しかし、汚染原因者の責任ではあるけれども、これをはっきりと取り締まらなかったところの各行政の責任は大きいと思います。その点について、まずきめこまかい手を打っていただくことを要求しておきます。 そこで、まず通産省に、昭和三十三年十二月二十五日の工場排水等の規制に関する法律の中で、この施行令を見ますと、「水銀電解法か性ソーダ製造業の用に供する施設であって、次に掲げるもの」すなわち「電解そう」あるいは「塩水精製そう」これは通産大臣が直接の取り締まりをしなければならない所管の大臣になっているわけですね。 そこで、三十四年に施行令ができておりまして、三十五年、三井東圧にしましても、これは戦時中からやっているというんですね。日本合成もそうでありましたが、こういった取り締まりがはっきりできていないのではないか。もしもそのときにこういった面に早く気がついてとめておけば、今日のようにならなかった。だから私は、まず通産省の責任というものは非常に重大である、これをしみじみ感じたわけですが、これについて参事官のほうでもよろしいから……。
○田中(芳)政府委員 ただいま御指摘の工場排水法によります規制の問題でございます。昭和三十三年から工場に関します排出規制につきましては、御承知のとおり経済企画庁長官が水質保全法に基づきまして水域の指定をいたします。そしてまた、水質基準の設定を行なうこととなっておるわけでございます。そして事業所管大臣、ただいま水銀の例をあげられたわけでございますが、通商産業大臣がこれに基づきまして、工場排水規制法によって監督を行なっておったわけでございます。 しかし、水銀に関しましては、昭和四十三年七月に大牟田地域が初めて指定された形になっておる状況でございます。したがいまして、私どもはこの水域及び水質基準に沿うように、四十三年以降特に厳重な監督を行なってきたところでございます。そして昭和三十四年熊本大学におきまして、水俣病の原因物質として有機水銀説が出てまいりました段階におきましては、私どもといたしまして、無機水銀から有機水銀というこの新しい考え方に、当時の知見の乏しさ等もございまして、なかなかこうした説についていけなかったことを深く反省をいたしておりますが、当時やや排水に問題があるのではないかということから、チッソ等に対しまして、排水処理施設を整備すべきことを指示いたしておるわけでございます。なお日本合成につきましてもそのような指示をいたしたわけでございます。そして水銀の処理状況あるいは工場排水中の含有量などの調査をいたすように通達をいたしました。この通達並びに調査内容につきましては、先ほど中島委員からも御指摘がございましたように現存する資料がない、これにつきましてはまことにうかつと申しますか、私ども深く反省をいたしておる次第でございます。
○岡本委員 いま日本合成、三井東圧へ参りまして、どのくらい水銀を排出したんですかと聞きますと、全然資料がございませんので推察であります。この当時こういったところまできちっと点検をしておけば、もっと早く手が打てたんではないか。したがって、政府の責任というのは非常に大きい、こういうように私は考えるわけです。 そこで、漁民の皆さんは、私たちはもう五月二十三日からずっと失業をしているんだ。ところが会社は操業しているじゃないか。加害者であるところの企業は操業して、私たち被害者が遊んでいるというこんなばかなことがあるか、こういうことなんです。 そこで、日本合成、三井東圧の現在の排水口から水銀はもう出ていないのか。私は地元へ参りまして、この点が非常に心配になった。福岡県のほうに聞きますと、いつ検査したですか、会社のほうにもいつごろ来たですかと聞いても、さあいつだったかというような、年に四回やっているのか五回やっているのかはっきりしないのですね。現在もこうやってどんどん海が汚染されているにかかわらず、きちっとした排水の検査がしていない。ここに私はまだまだ政府の公害に対する施策というものが非常に弱いんではないかということをつくづく感じたわけです。 そこで環境庁は、現在の排水口からは——日本合成のほうは全部製品が変わっておりますからあれですけれども、三井東圧から出ていないということをはっきり言えますか。どうですか。
○岡安政府委員 県のほうの調査の結果の報告を受けているわけでございますけれども、現状で定められております基準で検出されない、以下であるという報告は受けております。
○岡本委員 検出されない、以下というのは何ですか。検出されないその以下といったらどうなるんですか。検出されないというのは全然出ないということでしょう。それ以下だったら前のがなくなるということですか。長官、こういうところは非常に——私どもが会社へ行って直接聞きますと、〇・〇二ですか、これくらいはいまのところ許容基準で許されております。県はそれを検査されない。それを真に受けて環境庁ではもう全然出ていないんだ。こんな無責任なことありますか。長官、いかがですか。
○岡安政府委員 これは先生御承知と思うわけでございますが、現在の水質汚濁防止法の排水基準によりますと、検出されてはならないということになっているわけで、先ほどお答えいたしましたのはそういう状態になっておるということを申し上げたわけです。ただ、いろいろ問題があるということであえて申し上げますと、現在の総水銀につきましての分析方法は、ジチゾン・吸光光度法という方法によりまして検出されない、その検出限界は〇・〇二PPMであるというふうに定められているわけでございまして、そういうような検出されない、限界以下であるというような報告があるということを申し上げたわけでございます。
○岡本委員 それでは、長官おわかりなければ環境庁にお聞きしたいのですが、海水中の〇・〇〇〇〇五PPM、その水銀をプランクトンが食べる。そのプランクトンをはかると〇・〇四PPMに濃縮される。さらにそのプランクトンを魚が食べると、魚の体内では二・〇七PPMに濃縮される。すなわち四万倍に濃縮される。これは富山大学の河野という助教授が学会で発表しているわけです。したがって、〇・〇二ですか、これ以下でも——直接人間がそれを飲んだ、これはたいしたことないと思いますけれども、プランクトンが食べて、そのプランクトンを魚が食べると濃縮されてくる。このままいったら私はいつまでたっても解決しないんじゃないか。〇・〇〇〇〇五ですか、それが四万倍に濃縮されるという生体濃縮がはっきりされているわけです。〇・〇二でしたら、これはどうなりますか。そこらは科学的な分析あるいはまた科学的な調査に基づいた基準なのか。先ほど長官ば、これは必ず解決できるんだというようなお話でありましたが、こうなってくると非常におそろしいんじゃないですか。長官、いかがですか。
○岡安政府委員 先生御指摘のとおり水銀につきましては、生物循環の過程におきましていろいろ濃縮されるということがいわれております。 で、その濃縮の度合いがどの程度であるかということにつきましては、先生御指摘の四万倍といいますか、そういう例もあるかと思いますが、いろいろ魚種によりまして、生体によりまして、それからまた水中の水銀の濃度等によりまして違うようでございます。私どももそういうことも考えまして、現在の水質の基準は、有害物質につきましては、主として水道水基準というものに合わせまして設定がされているわけでございます。したがって、そういう意味合いにおきましては、生物循環の過程におきましての配慮というものが必ずしも十分でないというふうに考えております。そこで私どもも至急その点は検討いたしまして、さらに基準につきましてきびしくすべきものは早急にきびしくいたしたい、かように考えている次第でございます。
○岡本委員 そこで、この問題を論議するにあたって、もう一つ政府の責任があるのは、昭和四十二年から四十三年——当時は厚生省です、環境庁にその所管が移りましたけれども。これは富山県、委員長の選挙区です、ここにおきまして、当時喜田村教授が調査をしている。厚生省も調査をしているわけです。そして神通川においては、その上流でコイが一〇・一五PPM、またその一部を除くほとんどが一PPM以上で三ないし六PPMというような数字も出ておる。またウグイが六・一二PPM。これは神通川ですね。こういうような成績が出ながら、四十八年六月十三日これは県が公表しているわけです。それまで厚生省がこうして調査をしたのを部外秘として倉庫にしまってあった。その間この人たちはみな知らないで食べているわけですよ。長官、ちょっとお眠いでしょうが、聞いてくださいよ。いままでの姿勢が今日総決算を迫られるときになっている。相当重大な決意でやらなければならぬのですが、この問題については、これは環境庁に移りましたけれども、厚生省としてはこれはいかがお考えですか。前の環境衛生局ですね。
○浦田政府委員 結論から申しますと、厚生省は富山県の水銀の調査に関しましていままでその結果を隠したといった事実はございません。喜田村教授が富山県下の水銀汚染調査を実施されたのは厚生省が調査を実施する前の段階でありましたが、厚生省は喜田村教授の調査の結果を受けまして、さらに調査研究をする必要があるというふうに当時認めまして、昭和四十二年度以降、厚生省が水域をきめて、水銀汚染調査を富山県あるいは学者の参加を得まして実施をいたしまして、昭和四十二年度以降につきましてはデータはすべて県に正式に渡してあるのでございます。それからこの調査に基づきまして、四十二年度以来水銀取り扱い工場の排水と関係水域の調査を開始しておりまして、その結果はいわゆる暫定対策要領とともに公表いたしております。それから小矢部川につきましては、昭和四十二年度の調査結果から見まして水銀汚染の問題が認められましたので、四十三年三月漁獲自粛を公式に要望いたしております。それから流域住民、時に漁民の方には、魚の多食者の健康調査を始めております。その結果、原因の工場がわかったというようなこともございますし、それから神通川につきましても同様に調査をいたしておりまして、原因工場も突きとめまして、ある工場につきましてはその工程を停止するあるいは改善するといったようなことをやっておるわけでございます。 以上のような経過でございまして、厚生省が六年間ひた隠しに隠したという県の発表につきましては、私どもは事実に全く反するものであるというふうに考えております。
○岡本委員 四十四年六月一日、部外秘、外にはちゃんとそういう判を押しているわけですよ。 それはそれとして、環境庁のほうですでに突きとめていらっしゃるかもわかりませんが、富山県の、これも調査しなければなりませんけれども、五工場で百二十トン以上の水銀が行くえ不明になった、こういうことなんです。これについて、これは環境庁ですか、答弁できますかいかがですか。
○齋藤(太)政府委員 現在苛性ソーダを水銀電解法で製造いたしております全国の工場につきましては、これらの工場の開始以来の水銀投入量、それから現存量、これまでの回収量、したがってその間の消費量、その消費量のうちまた工場外に流れ出ました量とか処理しました量とかこういうものの調査研究もいたしておるところでございますが、私ども通産省の調査と別個に、富山県のほうで、富山県に所在いたします苛性ソーダ工場、塩化ビニール工場で従来水銀触媒を使っておりました工場、これらにつきましての水銀の使用量等の調査が行なわれまして、昨日県のほうから発表があったようでございます。詳細はまだ承知しておりませんけれども、県からの発表の概略について申し上げますと、苛性ソーダ四工場での過去の水銀の総消費量が三百六十八トンでございます。それからこの三百六十八トンに対しまして、工場外に排水を通じて流れ出ました水銀の量は約二トンでございます。それから塩化ビニールの関係で触媒として投入されて消耗しました水銀が七十二トンでございまして、この七十二トンの中で排水中に出ました量が三百八十七キログラムでございまして、苛性ソーダと塩化ビニールと合計をいたしますと消費量が四百四十トンになりまして、このうち排水中を通じまして工場外に出たものは二千三百八十キログラムという数字になっております。
○岡本委員 それは会社の報告だと思うんですよ。これは通産省のほうで、私九州へ参りましたときにもらった資料で「中和ピット中の水銀損失量の行くえについて」の中で「水銀損失量六千五百三十二キログラム」ですか、これはずっとあるわけですが、みな読むわけにいかぬので、その他未回収の水銀量が二トン六百、この二トン六百の未回収というのはどうなったのかさっぱりわからない。これは計算で出したというわけですが、こういうようないいかげんな、会社から受けた資料に基づいて、排水中に流出した水銀量を計算しておるのです。これは環境庁と通産省でもっとはっきりした資料を要求もすると同時に、実態調査をしなければならぬと私思うのです。会社に前にいた人たちを呼んで、こうだとかああだとかいいかげんなことを言っておりますけれども、おそらく富山県もこれと同じようなことをやっているのじゃないか。なかなか推定となにはむずかしかろうと思いますけれども、会社へ行きましてどのように計算したのかといってもなかなか答えられないですよ。皆さま方は県に依頼してある、県に依頼してあると言う。ところが県のほうでは、先ほど私が申しましたように三井東圧の排水口の試験だって、いつ行ったのですかと言うと、担当者に聞いても、年に四、五回行っております、会社に聞きましても、最近いつだったかなというような調子ではっきりしない。したがって、権限が県に、地方自治体に委譲されても、こういった会社に対するところのはっきりした立ち入り検査というものはできてない。立ち入り検査も、この法律によると犯罪を捜査するためではないのだというような一項もありますから、非常にお願いしているような姿だと思うのです。これでは私は原因がはっきりしないと思う。きょうははっきりひとつ通産省と環境庁で、その所管の局長がきちっと調査をこれは全国やらなければいかぬと思うのです。これについて、ひとつはっきり答弁をいただきたい。
○塩川政府委員 水銀につきましては目下これを使用しておる工場、事業所等について調査をいたしております。そこで電解法によるソーダ工場、これにつきましては大体六月じゅうに調査が完了いたします。そして七月じゅうにこれを取りまとめ、きちっといたすつもりでございます。それ以外の事業所等においても水銀を使っておるところがございますので、要するに水銀については総点検をしておるところでございますが、とりあえず一番問題となっておりますソーダ工業、これの水銀状態というものを六月中にはっきりつかみたい、このように思っております。ついては、PCBの場合もさようでございましたが、こういう有害物質の管理というものにつきまして、われわれといたしましても特別に配慮をしていかなければならぬと思います。またこれに相関連いたしまして、現在参議院等においても御審議いただいております特定化学物質の法律がございますが、そういうもの等いろいろ現在持っております法的な規制力というものを十分に使って、今後の管理の万全を期したい、このように思う次第でございます。
○岡本委員 環境庁はどうですか。
○岡安政府委員 いま工場サイドの問題といたしましては通産政務次官からお答え申し上げましたとおり通産省に責任を持っていただきまして、従来の水銀の収支並びに工場内に堆積してあるような廃棄物等の現状の調査をお願いいたします。私どもはそういう水銀取り扱い工場の周辺の水域につきまして、水質、底質、魚介類等の現状の調査を、これは全国一斉にいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○岡本委員 いまごろ点検しているというのはおかしいのですけれども、まあしかたがない。 そこでもう一つは、私どこに行っても非常にはっきりしなかったのが分析法であります。この分析法が違いますと、みな数値が変わってくるのです。あなたのほうはどういう分析法でやっておりますかと言っても、はっきり答えられないのですね。この分析法について、ひとつはっきり指示をする必要があろうと思うのです。非常に微量金属でありますから、この分析の方法、ばらつきですか、あるいはそのとり方、これによって、言えばどうでもいいかげんなデータも出すことができるわけです。それを真に受けて、今度ここで論議している。どんどん公害は起こってくる。これじゃ話にならない。したがってこれをきちっとひとつ統一しておく必要があると思うのですが、これはどちらでやるのですか。環境庁ですかどっちですか。
○岡安政府委員 おっしゃるとおり、基準をきめましても、分析法が一定しておらなければ結果が違ってまいりまして、それに対する措置が明らかにならないわけでございますが、現在私どもといたしましては水質汚濁防止法に基づきましては、たとえば排水基準につきましては総理府令によりまして基準値がきまり、その基準値の測定の方法につきましても告示でもって定めているわけでございます。環境基準につきましても環境基準をきめました表の付表の中で詳細に分析方法を一定をいたしておるわけでございます。
○岡本委員 その告示が徹底してないんじゃないですか。だから県庁に行って、このデータはジチゾン比色法でやったのですかあるいは電子吸光法でやったのですか、こう聞きましてもはっきりしないのですね。両方ですとかあるいはまたむにゃむにゃとはっきりしない。私はその点をもう一度、実際にデータを出す人にあるいはまたそれを説明する人にはっきりしておく必要があると思うのです。これはひとつぜひ通達をもう一ぺんし直してください。告示があったらそのとおりやるようにと。 それから長官がこちらへ来られるまでに、PCBの問題について一言触れておきますけれども、水産庁来ていますね。——水産庁はこの間PCBの汚染の魚の発表をされました。これはあなたのほうの資料ですけれども、「魚介類のPCB汚染状況の精密な調査の結果について」四十八年六月四日。この中に、兵庫県の分を見ますと、大阪湾北西部水域、この中でコノシロとサバと、播磨灘沿岸ではボラとスズキ、これだけしか発表してないのです。ところが兵庫県で実際に調査をした資料を見ますと、これ以外に三PPMを上回った魚は、キス、アイナメ、アナゴ、ヒイラギ、メバルそれから貝類、こういうものが出てきておるわけです。どうも水産庁の発表と兵庫県の発表とが違う。これは水産庁いかがですか。
○荒勝政府委員 私のほうで先般公表いたしましたものは、お手持ちの資料をごらん願いますとわかりますが、それぞれの地区につきまして魚介類百六十検体を調査したわけでございます。そしてその調査した魚の種類もそれぞれ明示してあるわけでございますが、調査しました結果、兵庫県で、大阪湾北西部の水域のうち小区域名といたしまして和田岬沖三キロ以内で三PPM以上の魚介類が出たものについてのみ私のほうでは公表さしていただきまして、コノシロあるいはサバというように十検体を調べたら、コノシロがいずれも三PPM以上あった。サバにしても十検体を調べましたが、十検体いずれも三PPM以上あったということで、この結果そのままの資料を、三PPM以上のものにつきましてのみ発表したわけでございますが、これは昨年十二月の全国的な概査に基づきまして今回十四水域を二月、三月と限定いたしまして調べた結果の数字でございまして、今後さらに定期的に調査を続けることによりまして、この精度は深めてまいりたいと思いますが、今回は調査したままの数字でございまして、多少県なりその他の調査研究機関との間に数字のばらつきといいますか、誤差はあるいはあるかとも思いますが、今後精度を深めてまいりたい、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○岡本委員 そうしますと、あなたのほうの発表した調査は四十八年の二月から、こういうようになっていますよ、ここに出ているのは。兵庫県もおそらく——四十八年の六月五日に発表しているわけですが、この中に先ほど申しましたように、和田岬のところは妙法寺川ですが、和田岬の先は、高砂のほうも三PPMをこすところの、たとえばスズキだったら三一PPMですか、コノシロは四四PPM、ボラは一一PPM、キスが一〇PPM、アイナメというのが四三PPM、タナゴなんて六九PPM、こんなすごいデータが出ておるわけですが、あなたのほうでは二種類しか出ていない。次の播磨方面ではボラ、スズキと、こういうふうに四種類だけしか出ていないのですね。悪く勘ぐれば、全部出さなかったのじゃないかというようなことをいわれてもしかたがないと私は思うのです。これはあなたのほうで独自でやっているのですか、どうですか。県から聞いて出しているのですか。
○荒勝政府委員 この調査は水産庁が各県に委託をいたしまして、県でそれぞれ整理していただきまして、その結果を私のほうへいただきまして、発表をさせていただいたものでございます。その間、計数整理の過程で数字自身をいじるというようなことは毛頭ございませんで、むしろ今回の発表では、世間に不当に疑惑を招きたくないということで、三PPM以下のものにつきましては一切発表はいたしておりませんが、三PPM以上出たものにつきましては、その魚種を非常に明確にいたすとともに、またその地区につきましても、非常にこまかく発表さしていただいております。 なお先生がお手元に持っておられます兵庫県の発表の分につきましては、たぶん県独自で御調査になった分でございまして、私のほうのは県に委託をいたしまして、県で整理していただきました数字でございます。
○岡本委員 どうもその点が私ははっきりしないように思うのです。これは両方とも三PPM以上の話ですがね。この問題で押し合いしてもしかたがありませんが、やはり高砂は鐘淵化学なんか、PCBの工場があるわけですから、高いのはあたりまえなんです。今後こういった魚介類の汚染されたものははっきり公表はする、しかしそれに対する対策は立てる、こうしませんと、国民の健康というものがたいへん心配だということを私は申し上げたいわけです。今度これははっきりしてください。県と公表が違うというのは話にならない。 時間が迫りましたが、長官おいでくださったですね。 水俣の水俣病——水俣病と言うのは何とかこれはやめてくれということでした。確かにそうでしょう。しかし、いま病気になられた方の早期治療といいますか、あるいは回復を願うところの治療センターというものを何か大石長官が現地に早くつくるという約束をしてきているのです、あなたの行く前に。ところが、大石長官は、そう言っただけで、あと何もしてくれない。またもう一つは、三木長官がおいでくださったけれども、あと何もない。向こうは非常に政治不信ですよ。これについて、治療センターのようなものをどの辺に予定をされておるのか、煮詰まっておるのか、この点をひとつお聞きしておきたいと思います。
○三木国務大臣 水俣に参りまして、岡本委員、ちょっと政治不信だというふうには思わないのですよ。みなが協力して、非常に悲惨なことが起こったけれども、あと片づけばひとつ市民も協力するから早くやってくれということで、あなたの言われるような信頼のギャップは、私はないと思います。研究治療のセンターについても、敷地の選定に市長などもいま骨折っておるわけでございます。しかし、その研究治療の体制をつくる上については、熊本大学はじめ水俣病に長くいろいろ寄与された医師団の協力も必要でございますから、専門の委員会をつくりたいということで、その専門家の意見もいろいろと聞きまして、理想的なものをつくりたいということで、近く委員会の発足をしたいと思っております。いま人選中でございます。
○岡本委員 これは私だけではなくして、行きました各委員が、与野党を問わず、みんな非常に政治不信だ——これは問題は別ですけれども、実は木村建設大臣が行って、向こうの災害のものを必ずこれをやると言ってきたようですけれども、まだ三分の一もできていない。それから、先ほど申しましたように、大石長官が国立の水俣病の研究治療センターのようなものをつくろうという発表をしてきた。それも何も手を打ってくれないということで、これは水俣の浮池市長からも要求がありました。それで、敷地はすぐ用意します、敷地のあっせんはいたします、こういうような話もございました。これはみな聞いております。健康センターというようなものをつくってあげると二代目の大石長官が発表してきたのですから、あの人はよくばんばん打ち上げるんでしたけれども、あとのおしりふきはどうしても長官にやっていただかなければしかたがないわけですが、会議だけでなくして、ひとつ国立の水俣病研究センター、向こうはもうやむにやまれぬ気持ちで胆水園というような、赤字を市で負担をしてつくっておりましたけれども、国で何とかやってもらいたいという、前長官の言ってきたことに対しては、私はやっぱりやらなければぐあいが悪いんじゃないか、こういう考えなんですが、会議だけでなくしてやはりそういった建物もつくって、そうして治療もそこでしていく、検診もしていけるということが、私は、いままで政府が工場の検査なんかもしなかった、そういった、先ほど申しました責任を果たす大きな一環になるのではないか、こういうことを考えておるのですが、長官、もう一ぺんひとつ……。
○三木国務大臣 私も現地へ行きまして、研究、治療のセンターをつくるという約束をしたものですが、約束は必ず守るというのが私の政治信条でございますから、しかし、つくる以上は理想的なものにしたいのですよ。ただつくったということだけではなくして、そのことが水俣病の研究、治療のために、大きくいえば世界的にも貢献できるようなそういう程度の高いものにしたいというところに苦心があるわけです。ただつくるということになれば、それはまあ簡単にできるかもしれませんが、そういうことで、できるだけいい治療、研究のセンターにしたいということで努力をしておるわけでございますが、つくるという方針に変更はございません。
○岡本委員 これは早急にひとつ、いつできるかわからぬ、つくることはつくるけれども、五年も先、二年も三年も先では話にならないと私は思うのです。 もう一つ長官にお聞きしておきたいのですけれども、これも長官に陳情があったかと思いますけれども、水俣病という病名を何とかひとつ変更してもらいたいというのが強い希望でありましたが、この点についてのお答えをひとついただきたい。
○三木国務大臣 この水俣病というのは世界的にも有名になっておるわけですから、したがって、これを水銀中毒症というのですか、何か、しかし実際は一般の人の中に水俣病ということで国民の頭の中にも入っている、世界的にも有名になっておるから、なかなかすぐに名前を変えたといっても水俣病というような呼び方が変わるかどうかということは、岡本委員、私は問題だと思うのですよ。しかし、いろいろ言う場合に病名で言うようにするということは、そういう病名で言うようなことがいいのかもしれませんけれども、この国会でもみな水俣ですから、岡本委員をはじめみな水俣病、水俣病と、こう言っているわけですから、これを何か切りかえるということは、実際問題としてなかなかむずかしい問題があるかと思いますが、地元の人がそういうことを言う気持ちもわからぬでもありませんが、できるだけ公式の文書などに対しては病名で言うようにいたしましょう。
○岡本委員 あと五分ありますので、ちょっとまとめてお聞きしますが、もう一つPCB問題で残っているのが、回収の問題の中で、すでに有償でやっているものは、鐘淵化学や三菱モンサントでいまやっているわけですけれども、これも相当日がかかる。ところが、感光紙とかあるいは電気製品の中に入っているもの、これが全国にこの前の通産省の答弁では約一万七千トン、これがある。この未回収の一万七千トン、こういうものが「一般廃棄物という取り扱いというわけにもまいりませんので、厚生省と昨晩煮詰めまして、焼却炉は政府でこういったものを建設をするような方向で、いま具体的に進めてまいっておることを御報告を申し上げておきたいと思います。」これが先国会の四十七年の四月十四日の稲村政務次官の答弁でありますが、どういうように具体化しておるのか、これをひとつお聞きしておきたい。
○齋藤(太)政府委員 PCBでございますけれども、熱媒体につきましては現在だいぶ回収が進んでまいりまして、三千五百トンほど回収が終わりまして、これは鐘淵化学と三菱モンサントの工場のタンクに貯蔵してございます。これの焼却につきましては、両社の焼却炉で焼却をしたいというふうに考えておりますが、兵庫県当局の御了解が必要でございますので、いま県当局とお話をしておるところでございます。 それから電気製品関係のトランス、コンデンサーの関係は三万一千トンほど回収を見込んでおります。これにつきましては、現在回収した場合の焼却の方法につきまして、私どものほうの公害試験所で八千万円の予算で焼却方法の研究をいたしておるところでございまして、大体いま四十七年度の研究のデータを整理しておるところでございます。予定といたしましては、今年度中にそのデータに基づきましてパイロットのプラントとしての炉をつくりまして、それの成績を見まして、その後に本物の炉を建設いたしたい、こういうふうな段取りを考えております。この炉を設置をいたします主体といたしまして財団法人PCB処理協会というものを設立する予定でございまして、ただいまの予定では、来月中にその協会の設立の運びになろうかと考えております。これは電機業界が主たる母体になりまして、業界の資金一億円と競輪資金一億円の二億円をもちまして、今年度としては二億円で事業を営む予定にいたしております。感圧紙につきましては、現在回収いたしましたものは紙会社の倉庫に一般の紙と区別して貯蔵してございまして、焼却の方法について国の試験所での成績が出るのを待っておるところでございまして、その結果によりまして処理方法を検討するというふうにいまのところはいたしておるところでございます。
○岡本委員 時間が参りましたから、最後に厚生省に——こういう話があるんですよ。オーストラリアのビクトリア州、そこからサメが日本に輸入される。このビクトリア州の政府の食品許可基準は〇・〇五PPMから〇・一PPMになっている。日本がこれを輸入したときに政府がこれよりも基準がやわらかくて日本で売れるようだったらどんどん輸出すると言っているわけです。こういう報道がありますが、諸外国で水銀の基準が高いものを日本に持ってくれば政府の基準がやわらかくて売れるということは、日本が要するに公害のモルモットになるということです。ですから、その点もひとつ、いま初めて申し上げたわけですけれども、こういう報道がありますから、ひとつ人体試験——人体試験というのはおかしいんですけれども、この基準についても、やはりはっきりした基準をきめてもらうということも要求しておきまして、きょうはもう時間ですから、またこの次ということにして終わります。
○三木国務大臣 岡本委員の御質問の中で、水俣病の名前を使うなということで、学術的な病名を使うように研究するとお答えをしましたが、これは学問的な用語ですから、学者とも相談するということをつけ加えさせていただかないと、何か水俣病という一つの病気の俗称でなくして、病気として水俣病ということになっておるようです。これは学者というか専門家の意見も徴して、いろいろの御希望もございますから研究する。そう補足させていただかないと、変えると言ったじゃないかといって、私も水俣病ということばを使うかもしれませんから、そういうことでこれをつけ加えさせていただきます。
○佐野委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 通産政務次官はいないようですが、私、まず通産省の公害に取り組む基本的な姿勢についてお伺いしたいと思うのです。 と申しますのは、先ほど十一項目の対策の中でも「極力」ということばを使っていますね。長官は、それは十四日の午前中の発表の中で「極力」ということばを落としておったんだという答弁をしておられますけれども、私はそれをウのみにするわけにはまいりません。十一項目の対策を行なう場合にも、三木長官の国民の健康を最優先すべきだという主張に対して、通産省は必ずしもこれに同調しなかったというようなことも漏れ聞いておりますし、またこれまでの通産省の公害に取り組む姿勢を見てまいりましても、通産省がほんとに国民の健康を最優先させて公害に取り組んできたかどうかということについては疑問を持たざるを得ません。したがって「極力」ということも、これは三木長官が午前中発表したのが本音で、午後から通産省があわてて飛び込んだために長官自身が「極力」ということばを入れたんだというふうに私は理解をいたしております。そのような意味では、水俣病の判決があった際に、この判決を厳粛に受けとめて決意を新たにしておるということを長官が言われましたけれども、長官だけで、いまの環境庁の権限だけで公害問題がほんとうに解決するかどうかということになると、私はやはり疑問を持たざるを得ません。 そのような意味で通産省のいままでのあり方についていろいろ具体的な指摘をしたいと思いますけれども、時間がございませんから次の機会に譲りますが、まずひとつ通産省の公害に取り組む基本的な姿勢をここで聞いておきたいと思います。企業の利益より国民の健康を最優先するのか、企業の利益を優先するのか、その点はっきりおっしゃってください。
○齋藤(太)政府委員 今回の、有明海に水俣病の発生が予想されるという熊本大学の報告には、私ども通産省としましてもたいへんに衝撃を受けたところでございます。ただいま至急にこの工場の現地調査を実施いたしておるところでございますが、考えてみますと、過去におきましては科学的な知見が十分でなかった等の事情もございまして、適切な行政措置を直ちに実施に移していくという面におきまして若干おくれた面があったことは率直に認める次第でございます。 しかし現在におきましては、私どもの気持ちとしましては当然人の健康を守ることが第一でございまして、企業の利益に優先することは申し上げるまでもないところでございます。企業自体といたしましても、公害の防止が企業の存立の前提でございまして、公害防止なくしては企業の存立も許されない、こういうふうに私ども考える次第でございまして、そういう考え方で今後も企業を指導してまいりたい、かように考えております。 それで、御指摘の苛性ソーダの製法を水銀法から隔膜法に転換する問題でございますけれども、これはいろいろな困難がございますが、私どもは全力をあげましてなるべくすみやかに隔膜法に転換をいたしたいというふうに考えておりまして、そういう指導をいたす所存でございます。五十年九月までに全面転換できればそうしたいと思っておりますけれども、いろいろむずかしい問題がございます。これは企業の利益云々ということでございませんで、まず隔膜法につきましての技術が日本にございませんので、これからアメリカ等から技術導入をしなければならない。それの交渉等もございまして、物理的にも、その後工場の建設にかかりますと、いまから考えまして最低二年はかかります。 それから隔膜法に使います場合の電極が新しい金属電極でございまして、これはイタリアの特許がございまして日本で一社しかつくっておりません。日本の、現在三百六十万トンございます水銀法の設備を一挙に二年間に転換するといたしますと、この材料になる金属電極が間に合わないのでございまして、こういった資材面の制約でございますとか、それから隔膜法の場合には塩分が入ってまいりまして、製品の品質が悪くなります関係で、特に化繊関係の苛性ソーダは隔膜法のものは使えないというふうにユーザーが言っておりまして、その辺ユーザーにどういうふうに了解を願うか、そういったような面の事情もございます。 それから隔膜法の場合は大量に蒸気を使用いたしますので、ボイラーの設置が新たに必要になってまいります。この点はまた大気汚染の新しい問題が出てまいりますので、大気汚染をしないようにボイラーを設置するということにつきましての立地の問題、自治体当局との交渉等々、技術的にいろいろ問題がございまして、決して企業の利益云々のために転換がおくれるということではありませんで、そういった物理的あるいは技術的な面の事情で「極力」ということで、まあ二年間に目標は一〇〇%転換したいと考えておりますが、万一そういった事情からできない場合の政府の責任の問題もございますので「極力」というふうにいたしたわけでございまして、気持ちとしてはむしろ全面的に転換をいたしたい、こういう心がまえで私どもおるところでございます。
○小宮委員 いま答弁の中で気持ちとしてはということばを使われましたが、それでは確認をしたいと思いますが、通産省としては、国民の健康を何ものにもかえて最優先させて公害対策に取り組んでいくということがその基本方針と理解していいですね。
○齋藤(太)政府委員 国民の健康を守ることが第一であるというふうに考えております。
○小宮委員 これは通産省それから環境庁にもお伺いしたいんですが、そういった公害防止施設をやる場合に企業、特に中小企業あたりでは、ただこういうふうな施設をやりなさいと言うだけでは、それを実現させるのは非常にむずかしいと思うのです。だからただその考え方、精神的な訓示とか規定だけではなくて、国が公害防止施設を行なうにあたっては、企業、特に中小企業に対しては国が思い切った融資措置、助成措置をやらなければそういった成果をあげることはむずかしいのではないかというように考えますが、通産省としてそういうふうなお考えがあるかどうか、今後どういうふうな方針で進むのか、その点もあわせてひとつ御説明願いたい。
○田中(芳)政府委員 公害の防止の徹底をはかります段階におきまして、ただいま御指摘がございましたような、中小企業あるいは零細企業がこれにいかに対応していくかということにつきましては、かなり資金量も要ります。技術も開発していかなければならぬという問題もあろうかと思います。 これに対してただいまの御意見は、助成措置を考えよ、こういう御指摘でございますが、国際的に問題となっておりますPPPの原則からまいりますと、これに対しまして補助金を支出するということにつきましては、かなり議論があるところでございますので、私どもといたしましては、やはり金融あるいは税制面におきまして、これらが目標を達成できるような対策を講じてまいる、それに全力をあげてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○小宮委員 それから対策会議の第一項の、魚介類についての安全基準の設定の問題ですが、この問題については何か二十三日に決定するとかお伺いしましたけれども、事実ですか。もし二十三日に決定するというようなことであれば、たとえ二十三日が違っても、方針としては今月中に基準をつくるということがはっきりいわれておるわけですから、いずれにしましても、この魚介類の安全基準について、現在の作業の状態はどうなっておるのか、それができればどういうような内容のものになるのか、ひとつ御参考までに御説明を願いたいと思います。
○山中説明員 現在魚介類の安全基準の衛生専門家会議をやっておるわけですが、二十三日に、それをするという目標で、専門家会議を開くことになっております。 その結果でございますが、もちろん基準でございますから、これは、一応学問に基礎を置いた基準としては、やはりPPMという表現にはなると思います。しかし、それではやはり、国民がそれだけ見たんじゃ一向にわからぬということがありますので、むしろ国民がわかる、その基準に付随させてたとえば一つの例をあげまして、こういう魚はこのくらいとか、そういういわば指導基準をやるという方向でいまやっております。 御承知のように、二十三日は土曜日でございますが、専門家会議がございまして、二十三日に発表するということになるかあるいは二十四日になるか、その辺は、そのあとの指導基準や何かの作業がございますので、多少、二、三日はおくれるかもしれませんが、いずれにしましても、今月中には明らかにするということで進めてございます。
○小宮委員 それくらいなら私も知っておるのです。しかし、これ以上のことはもう追及を避けたいと思います。 あなたもこの前調査に行かれて——結局もう熊本県、福岡県、佐賀県、長崎県の漁民は、いま全部操業停止をやっておるわけですね、それに、いままで出荷した魚にしてもせりからはずされたり、価格も三分の一くらいに暴落して、非常に損失をこうむっておるというようないまの実態の中で、この魚介類の安全基準を設定したことによって、そういうような価格の暴落だとか取引の中止だとかいったものはもとの状態に復するとお考えになりますかどうか。
○山中説明員 厚生省としましては、安全基準は全く国民の健康を守るという立場でつくるわけでございまして、まあ無責任ではございますが、その後、その基準ができた結果、いろいろ経済上の問題、流通の問題ということが起こると思いますが、基準のつくり方の精神はあくまで国民の健康ということでございます。 それで、いま先生御指摘の問題、専門ではございませんが、一つの流れとして、非常な価格の暴落から操業停止とかそうなっておるのでありまして、安全基準をつくったあとはそれがもとへ戻るかということに関しましては、もとへ戻るという確信はございません。しかし今度は、そういう安全基準を初めてきめるわけでございますから、それを基準にしましていわば科学的な、そういう国民の世論というものを、われわれのほうも相談し、説明し、それで適正な外部の動きというものをつくっていきたい、そう考えております。
○小宮委員 この問題については、たとえば福岡県にしても、佐賀県にしても、長崎県にしても、安全宣言を行なっているわけです。熊本県にしても、水俣湾と恋路島を結ぶ線だけはいかぬけれどもほかのところはいいという安全宣言をしているわけです。してもなおかつ、いま言ったような問題が発生しているわけですね。したがいまして、この問題について、たとえば魚介類の安全基準をきめたからといって絶対にだいじょうぶだということが言えるかどうか、非常にむずかしいと思うのですが、少なくとも国としてそういった安全宣言をするようなお考えがあるかどうか。たとえばこの中の四項、各種調査の実施とありますね。有明海、八代海を含め全国的な規模で調査する。こういうような時点で安全宣言でもやる意思があるかどうか、長官、お聞きします。
○三木国務大臣 まあ二十三日になりますか、あるいはまた多少おくれましても、とにかく今月中にやるでしょう。魚の安全基準は全国一律のものですが、私が会議で言ったのは、生活の指針になるようにしてもらいたい、何PPMというだけでは一般の人の食生活の指針にはなりませんから、そのことを踏まえて、海域に対しての安全宣言といいますか、各府県でやっておるようでありますが、その海域の魚の安全度合いというものもやはり一緒に何か発表できたらいいという考えです。それは決定されるときにはわれわれも相談にあずかることになっていますから、何か発表されることが日常の食生活の中で指針になるような形で発表するように努力したいと思います。
○小宮委員 これは私は非常に重要視しておるのです。というのは、各知事が安全宣言をやった以後においても、各市場でこれがせりからはずされてしまうし買い手がいないというようなことでいまのような状態が続いておるわけですから、そういうような意味では何か国として権威のあるものを示すべきではないのか、国として安全宣言でもすべきではないのかということを考えているのです。したがいまして、魚介類の安全基準がかりにできたとしても、私自身も、それによって現状が、安全宣言をした翌日からすぐさませりが始まるしすぐ操業に取りかかれるというところまでには、相当時間をかけて見なければわからぬと思うのです。やはり漁民の方々が言われておるのは、そういった国あたりの権威のある安全宣言か何かでもほしいということを訴えておるわけですから、そういった意味では、いつの日にやるかという時期についてはなかなか問題があろうかと思いますが、環境調査をいろいろやった結果として、ある時点ではそういうような安全宣言でも国としてすべきではないかというようにも考えるのです。長官もその意思はおありのようですから、時期は別として、国としてもそういうような安全宣言みたいなものを出すというような御意思があるというふうに理解していいですね。
○三木国務大臣 いままでのデータもありますけれども、しかしなお環境の安全について問題の海域をみなやろうとしておりますから、国の安全宣言というような形でやる場合にはそういう環境調査も要るでしょう。私が言うのは、みんなのばく然たる不安というものが解消できるようなことに何か今度の発表でできればいいがと思うのですが、安全宣言ということになりますと環境調査というものも要るということで、それだけの手続が必要であると私は思います。
○小宮委員 いまの漁業補償とか生業補償の問題について、水産庁長官も天災融資法の適用をして融資をしたいと言っておりますけれども、それはあくまで汚染源の企業がはっきりした場合にその企業との補償金の中でそれを操作するというようなことをおっしゃられておるようですけれども、しからば、いまのような状態が続いた場合に、汚染源の企業が明らかにならなければ、いまの漁民の方々はいつまでも非常に困窮した生活を続けていかなければならぬということになりますけれども、昨日からの長官の答弁を聞いておりましても、大体年内ぐらいにはというような答弁がございましたが、やはり汚染企業の糾明を早くやってもらわないと、ただつなぎ融資だけをするといってみても、その安全宣言をやることによってその漁港が正常に復し、その操業が開始されるというような状態になれば幸いですけれども、なかなかそこまですぐさまいかなかった場合に、またいまの問題よりもっともっと深刻な問題が出てくるのではなかろうかというように心配されます。そういった意味で、つなぎ融資の問題にしても、これを見てみますと、農林漁業金融公庫の漁業経営資金をもって措置するとともに、天災融資法に準じた措置を行なうこととして——農林漁業金融公庫の漁業経営資金というのは一人当たり五十万円で、金利五分で二十五年間返済ですか、長官。
○荒勝政府委員 農林漁業金融公庫の漁業経営安定資金の制度につきましては、一漁家当たり五十万円、二十年間で五分の金利でございます。
○小宮委員 それでは、私のこういうような心配は杞憂でしょうか。たとえばかりに汚染源が明らかになったとして、各県知事は安全宣言を行なっておるというような場合に、企業側は、たとえば特定の水俣湾であればこれは窒素とわかるし、また大牟田であれば日本合成化学あるいは三井東圧ですか、あの周辺ならすぐわかる。有明海の場合、汚染源というものをはっきりつかむのにはなかなか時間がかかるのではないかということが考えられますので、その場合にかりにわかったとしても、有明海の汚染は私の企業だけではないですよ、したがって漁業補償を私のほうだけに持ってこられても迷惑します、あるいは、その魚自身は県も安全宣言をやっておるではありませんか、したがって魚が売れないというのは流通の問題、消費者の意向によってきまる問題であって、私のほうには責任はありませんよということで逃げられる心配があるわけですが、そういった各県知事の安全宣言と汚染企業に対して漁業補償を要求する場合の関連について、私が心配しておることは杞憂でしょうかどうでしょうか、その点の所見をひとつ長官から承ります。
○三木国務大臣 原因者の究明というのは、いまのような底質の調査などをやり、患者なども水俣病の症状は出ておるというのですが、これはやはり確定をしなければなりませんから、底質の調査などをすれば因果関係というものは明らかになる場合もありましょうが、いま全海域についてということになればいろいろ問題はあろうかと思います。そういう点で多少の時間がかかると私は思うのですけれども、いずれにしても責任は加害者にあるという原則はくずさないのです。ただ、その場合に損害の補償について、この損害はこの企業だと言い切れぬ場合もあると思いますから、そういうことについては今後いろんな角度から検討を加える必要があろうと思いますが、動かさないのはやはり加害者に責任を負わす——いま漁業に対してつなぎ資金を出しても、そのしりぬぐいは企業がしなければならぬという原則はくずさないという方針だけは、これはもう貫いていきたいと思っております。
○小宮委員 ちょっと私の質問に対してそれておるのですが、そういうような補償交渉をする場合に、各県の安全宣言は全然影響ないかどうかということなんです。
○船後政府委員 有明海の場合でございますが、当初熊大から研究報告を発表いたしました際に報告でもいっておりますように、現在の魚類のメチル水銀含有量からの発症は考えにくいがということでもって、有明海で水俣病と全く区別できない患者があったということを報告しておるわけでございます。こういったことから沿岸各県も、この報告があった直後に、最近の水銀の汚染度というものを勘案いたしまして、県ごとにあるいは安全宣言といったことをいたしたところがあるわけでございますが、しかし実際問題といたしましてその後非常な消費者の不安等がございまして、有明海の魚がとれましても市場で売れない、あるいは買いたたかれるというような問題が生じまして、現実に漁民に経済的な損失が生じておることは事実でございます。そこで、こういった経済的な損失を発生源である企業との間でどの程度因果関係をたどりまして損害賠償をさせるかということは、なかなかこれ民事の問題でございまして、むずかしいとは思いますが、しかしいずれにいたしましても県知事がいたしましたそういった安全宣言的なもの、これはやはり民事の損害賠償とは関係がない、こういうふうに私は考えております。
○小宮委員 水産庁長官、先ほど農林漁業金融公庫から漁業経営資金の問題が一人当たり——あれは一人当たりじゃないのですか、五十万円、金利五分で二十年間、これにしても、たとえばそのほかの天災融資法の問題ですね、これにしても、汚染企業が明らかになった場合は企業負担の中でこれは相殺するということになるのですか、考えておるのですか。
○荒勝政府委員 今回の水銀もしくはPCBの汚染ということによりまして、緊急融資を行なうということになってきておりまして、原因があくまで汚染があったからこういう融資は始まったわけでございまして、ただいま環境庁長官がおっしゃいますように、将来において原因者が究明された場合におきましてはその間の被害の漁家が受けた融資の分につきましては、当然に原因者が元利合計で負担してもらうものと私どもは理解しておる次第でございます。
○小宮委員 天災融資法の場合の融資ですね、これはどうでしょうか。たとえば天災融資法の中でも特別漁業者として、いまはもう全然水揚げないわけですね。だから、激甚の災害と同様な取り扱いをして、漁業者に対する助成の道は考えられぬですか。天災融資法による激甚災害のほうが有利ですから、長官、そうすれば融資のほうが率が高いでしょう。
○荒勝政府委員 ただいま申し上げました公庫のほうは政府機関の一種の財政融資でございますが、現在検討さしていただいております。天災融資法に準ずる措置ということで被害漁民の方々に融資を行なうべく検討中で、近日中に何らか結論を得たいと思っております。この考え方といたしまして、天災融資法に準ずる道で被害が大きい方というところで三分資金が最低の金利体系になっておりまして、極力三分資金が実現できるようにいま政府部内で努力をしている次第でございます。
○小宮委員 これはどちらですか、つなぎ資金の問題ですね、五十万でいいのかどうか。もうすでに各県とも今月の十四日くらいから操業停止をやっておるし、従来もそれまでにも第三水俣病が報道されてから、各漁業者もほとんど漁価が暴落しておるわけですね。それに対してつなぎ資金というのが五十万だ、これは一戸当たりですか、これだけでいいのかどうか、もう少し弾力——たとえばいまさっき言われたように魚介類の安全基準をきめた場合に、もとの正常な状態に復すればいいですけれども、それも当分続くということになった場合に、五十万円つなぎ資金でいけるのかどうか、いいのかどうかという疑問を持つのですが、このつなぎ融資の問題についてはまだ弾力的に、期間が長期になってくればまたその場合にはつなぎ融資を別途考えますというような幅のあるものなのかどうか、その点は水産庁がつなぎ資金の場合は考えておられるようですから、どうでしょうか。
○荒勝政府委員 これは先般の環境庁長官が御主宰の会議で、この問題が公式に提起され、また閣議でも相当論議された結果、そういったことで緊急の問題として、われわれ事務当局といたしましてはこの問題に取り組んでいま作業を急いでいる次第でございますが、いろいろとこの問題につきましては法律によってせずに、あくまで準じた措置ということで、緊急、応急の策ということで実行いたしておりまして、非常に問題点は残っていると思います。現在その残っている問題点を全部詰めておりますと、非常にまた時間もかかりますので、問題は詰め残したまま今回さしあたり緊急の融資措置をやらしていただく、こういうふうに御理解願いたいので、また今後いろいろな融資を行なった後におきましても、原因者は結果的にわからなかったとか、あるいはまだ五十万なら五十万で足りないとか、そういった問題が出てくると思います。そのときはそのときの問題といたしまして、われわれとしましては今後融資はさせていただいておいてあとさらに問題は詰めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○小宮委員 長官、これはわれわれも視察に行ってほんとうに漁民の方々の血のにじむような切々たる訴えを聞いて、これは何とかしなければいかぬというようなことを視察団委員全部が感じてきたわけですが、それではこの決定がなされたわけですから、すぐこれは実施するわけですか。融資の申し込みがあれば、すぐこれは貸し付けるわけですか。いつから貸し付けますか。
○荒勝政府委員 このつなぎ資金の問題につきましては、ただいま事務当局で鋭意検討させていただいておりまして、なるべく早い機会に実行するようにいたしたいと思っておりますが、当然その最終決定といいますか、それは閣議なり何かの御検討を必要とするのではなかろうか、こう思っておりますが、その事務的な手続が完結し次第、いつでも貸せるように道は開きたいと思っております。 なお資金需要の点につきまして、私のほうで各県といま早急に需要量を集めておりますが、御存じのように非常に問題が動態的に動いておりまして、県におかれましても端的に資金需要量はまだ固まっていないような段階でございますが、固まってきた県からこの問題は逐次発動ができるようにいたしてまいりたい、こういうように考えております。
○小宮委員 その点は、特にお願いをしておきたいと思うんです。かなりの額にあがってくると思いますが、その場合に農林漁業金融公庫のワクはこうだとか、こういった金融のワクはこうだとか、いつもそういったことで皆さんが答弁される場合は、十分皆さん方の要請にこたえますと言っておるけれども、現実にはやはり地方に行きますと、ワクはこれしかないとかいうことでいつも問題が起きておりますので、もしこれが長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県、これはただ四県だけでなくて、徳山周辺の山口県にしてもいろいろな問題が起きてきますから、これはおそらく四県だけの水俣病だけでなくていろいろな問題の広範囲にわたってまいりますから、そういうような意味でこういった人たちに対するつなぎ資金の融資の問題については、やはりワクにとらわれずに、十分需要に応じてもらいたいということを特に要望しておきます。 それからもう一つ、先ほどからも出ておりましたように、やはり漁業者ばかりではなくて、仲買い業者とか旅館業者いろいろありましたけれども、そういうような人たちに対しては七項で関連企業対策として国民金融公庫資金等の活用をはかるということになっておりますけれども、これは具体的に国民金融公庫からどれくらいの金を一戸当たり貸すのか。その点の具体的な問題はわかっていませんか。わかっておればひとつ教えてください。
○田中(芳)政府委員 中小企業庁のほうからお答え申すべきところでございますが、出席しておりませんので、かわりまして現在の私どもが聞いております状況について御報告いたします。 零細の規模の方々がかなりの範囲にわたりまして被害を受けておられるようでございます。ただいま資金のワクはどれくらい考えておるか、こういう御質問でございますけれども、現実のところまだ資金需要を的確につかむに至たっておりません。問題は非常に急を要すると思いますので、関係府県等にもできる限りこうした需要を吸い上げて早くまとめていただくように、それから金融公庫等の支所を通じまして資金需要をつかむ努力をいたしておるわけでございます。できる限り早い機会にこれをつかまえまして、そして所要の資金ワクを設定したい、このように考えております。
○小宮委員 それから水産庁長官、今度の水産庁の各水域の汚染調査の結果八水域については漁業の操業の自主規制を指示しましたね。こういうような問題についての補償問題をどうするかという問題もあるのですが、こういった問題については特別の立法措置をつくる必要があるのではないかというふうに考えるのですが、立法措置の必要はないのですか。その補償の問題等を含めて水産庁としてこういうようなところでは魚をとっていけませんよというような、それも当然企業負担との関連も出てきましょうが、何かそういう特別の立法措置をとったほうがいいんじゃないかというような感じがするのですが、その点どうでしょうか。特に漁業補償についても明らかに長官は交渉は自主的にやりなさい、たとえば加害企業がはっきりした場合は漁民と企業とで自主交渉しなさいというようなことを言っておられますけれども、いろいろこういうような問題が問題になる。たとえば水俣病の問題だってもう十年近くもかかっておるわけですから、そういった意味では水産庁が、自主規制をやられる場合あるいはいま言われるように有明海みたいにどうしても自主操業せざるを得なくなったような場合の補償の問題とか、ただ単に皆さん方が話をしなさい、交渉をしなさいというようなことではなくて、別途何か立法措置が必要ではないかという気がするのですが、その必要はないでしょうか。
○荒勝政府委員 今回PCBの調査をいたしまして、その結果八水域につきまして汚染状況が明確になりましたので、その結果を先般発表させていただいた次第でございます。大体二月、三月に調査をいたしまして四月から五月の上旬ごろまでに汚染の状況の結果が私の手元へ集計されたわけでございます。公表する前にその対応策につきまして各県と十分連絡をとりながら、中央の発表のしぶりにおきましても地先を限定し、また魚種を限定して発表したこともございました。また県におきましてもその間の対応姿勢はある程度私たちの意もくまれまして、発表と同時に大体それぞれの県あるいはそれぞれの地区におきまして、原因者負担の原則によりましてこの問題がおおむね進捗している次第でございます。 ただ、ただいま御指摘のようにこれが自主規制ということで漁労の中止が行なわれたような形になっておりまして、これは都道府県知事と地元の汚染された漁業協同組合との間の話し合いでそういう形になったのでありますが、私たちといたしましては、たてまえといたしましては原因者負担の原則ということで、そのことにつきましては県で十分対応されるようにという指導をしたつもりでございますが、やはり問題といたしましてただいま御指摘のように、現在の漁業法のたてまえなり漁業法の条文からいたしますと、この法律が十年ほど前に最終的に改正したままになっておりまして現代の状況に合わずに、公害ということを念頭に置いた法体系が何ら条文に入っておりません。非常にその点で問題になりまして自主規制というかっこうになったのですが、やはりわれわれといたしまして今回の措置の中で非常にいろいろと反省させられて、また勉強させられたような形になっておりまして、この今後の取り扱いの問題といたしましては、何らかの一つの対策が要るのではないかという問題があるわけでございますが、漁業権というものが御存じのように一つの物権の対象になっております。民法上の物権でございますので、いわゆる禁止あるいは漁業権の抹殺というふうなことが簡単にできるものかどうかということにつきまして、非常に内部的にも論議を呼んでおりまして、この問題につきましてはなお慎重に内部で議論させていただきたいというふうに私たちただいま感じている次第でございます。
○小宮委員 それから今度視察に参って各漁民から異口同音に訴えられたことは、やはりいままで漁業近代化資金だとかいろいろな各種資金をみんな融資を受けているわけですね。したがって、それに対していまののような状態では返済するということは非常に困難である。だから返済についての繰り延べだとかいろいろなそういった措置を講じてくれということをかなり強く訴えられておるのですが、こういうような制度資金から融資を受けた資金の返済について特別の考慮を払うべきだと思いますが、長官何か考えておられますか。
○荒勝政府委員 私たちのほうにもそういう非常に強い御要望をいただいております。それにつきましては従来の非常に大きな天災があった場合におきましての措置に準じまして、今度の公庫資金にいたしましてもあるいは農林中金を含む系統資金にいたしましても、返済できない方から無理やりに取り上げるという姿勢ではございませんで、この問題につきましてはケース・バイ・ケースの問題として御要望にこたえるよう指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○小宮委員 これはぜひ長官考えてもらいたい。 それともう一つ、特にこれは水俣の場合に非常に出てくるのですが、たとえば水俣湾は、もうすでにあそこは今度ヘドロの問題等もあって締め切ってしまうというような問題でたとえばノリの養殖業、こういうようなところあたりは漁場を変更しなければいかぬというような問題もあるようです。また変えようというような考え方もかなり強いようです。というのはそういった場合に、特にそういうような特別の措置を行なうとかあるいは漁業を沿岸漁業から沖合い漁業に転換していくために大型船をつくるとかいうようなこともいろいろ漁協の中でも具体的に話し合いがされておるようです。したがって、たとえばいまの沖合い漁業に転換する場合においても、いわゆる許可漁業に転換する場合、たとえば漁船の建造ワクの問題がひっかかってきますね。そういう問題をひとつ緩和してほしいというような強い要請も出ております。特に水俣湾では、第二次構造改善事業も、あれだけ汚染されてしまえば、繰り上げてやってもらったほうが非常にいいという声も強く出ておりますが、そういうような第二次構造改善事業の繰り上げ実施の問題、許可漁業に転換する場合の漁船建造ワクの緩和の問題、こういうような点についてはどう考えておられますか。
○荒勝政府委員 水俣の場合のそういう御要望につきましては、県を通じまして十分に聞かしていただいております。この水俣周辺の漁業の振興対策につきましては私たちも十分にそれにこたえてまいりたい、こういうふうに思っております。 具体的には、ただいま御指摘のように、構造改善事業も早く切りかえて行なうよう指導してまいりたいと思っておりますし、また漁業の転換につきまして、また大型漁船の建造ワクの問題等につきまして、すでに県と十分打ち合わしておりまして、漁船のほかの魚種への転換等につきましてはすでに一部実行されております。この問題につきましては、多少既存の地元の漁業者の方との間に摩擦が生ずるかとも思いますが、県の調整を期待しながら、われわれとしては努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○小宮委員 今度の第三水俣病周辺地域の住民の健康診断は漁民だけを対象にされたのですか。その点、いかがですか。
○船後政府委員 有明沿岸につきまして、現在、環境調査とあわせて、水銀汚染につきましての健康調査も計画いたしております。これにつきましては、まず魚類を大量摂取する可能性の一番大きい漁民を対象といたしまして調査を進めたいということで、いま各県ごとに具体的な実施計画を練っておるところであります。
○小宮委員 この前の視察の結果も、水俣病の患者が必ずしも漁民の中からだけ出ているのではないのですね。ほかの一般の人からも出ているわけですね。だから、そういうような意味で、第一次、第二次やるわけですから、第一次検診、いわゆるアンケート調査ですか、それをやる場合、ただ沿岸漁民だけを対象にしてやるのではなくて、やはり地域住民を含めてやってもらいたいと思うのです。 それから特に、調査をする場合に、一次検診にしたって二カ月ぐらいかかる、二次検診になるとまた三カ月くらいかかる、三次検診に入っていくと、これはもう一年くらいかかる。先ほどからいろいろ言われておりましたけれども、この対策の中にも、「国立病院等の医師を動員してこれを応援する。」としておりますね。各県の国立病院の医者だって遊んでいるわけじゃないのです。だから、動員するといったって、日曜日に行けば別ですけれども、普通の日に動員体制ができるかどうか、非常に疑問だと思うのですよ。こういうような抽象的なことばとして、国立病院の医師を動員するということをいわれても、現実問題としてできるかどうか。たとえば一次検診にしても、保健婦を動員してやるわけでありますけれども、保健婦だって遊んでいる人はおらぬわけです。そのために人間が余分に要るわけです。そういうような実態を十分把握しないで、こういうような問題をただその県だけにまかしておったのではなかなか思いどおりにいかないのではないかというふうに考えます。そういうような意味で、できるだけ検診を早めてもらう。二カ月とか三カ月とかいっておったんでは、その間住民は非常に不安感を抱くわけですから、そういうような意味で、一次検診でもできるだけ短縮するように、二次検診でも短縮するように、そういうことをやってもらいたいと思うのですが、一次検診でどれくらいの期間がかかりますか、二次検診でどれくらいの期間がかかりますか。それから健康診断の費用は一人どれくらいかかりますか。そういった意味でいろいろな健康診断を行なう、そういう体制はどうなのか、そういうふうなものを含めていろいろ答弁していただきたいと思います。
○船後政府委員 まず、健康調査の対象に漁民以外の者を含めたらどうかということでございますが、私どもも、魚類を大量に摂取しております者は漁民には限らない、かように考えております。ただ、いま急がねばならないのは、有明海沿岸に水俣病があるかどうか、あるとすれば、それはどのような広がりと深さであるかということを疫学的につかむことが第一でございます。したがいまして、先ほど来申しておりますように、調査に何カ月も何年もかけていいならば、これは全住民を対象にできるわけでございますが、現在のところはそういう調査目的でございますので、魚類の大量摂取の可能性の一番多い漁民を対象に調査をする。その結果、ある地域に水俣病の疑いがあるということになりますれば、当然全住民を対象とする次の調査に移るという手順になるわけでございます。 それから、現在、熊本県にいたしましても、一つは、かなりたまっております認定の問題、これを急がねばなりません。さらに、八代海沿岸で行ないました一斉調査、これの補完調査もしなければなりません。それに有明海沿岸の健康調査ということで、事務が非常にふくそうしておるわけでございます。そこで、熊本県の医療関係者だけではとうてい短時日の間に調査の完了ができない、かように考えられますので、基本的には国立病院等のお医者さんにも手伝っていただくということについて厚生省の原則的な協力を得まして、その上で現在各県ごとに、どのような手順で何班編成とし、どのようにして調査するかということで、詳細計画をつくっておるわけでございます。他方また、この調査は四県が行なうわけでございますから、調査方法の統一も要ります。さらに、従来かなりの経験を積んでおりますので、できるだけ調査を確実かつ迅速に行なうための調査手法というものを統一せねばなりません。本日、保健課長が失礼いたしておりますのは、実はそのほうの会議に参加しておるからでありまして、専門の先生方にそのような問題も詰めていただいております。こうしたことを合わせまして、具体的に各県ごとに調査計画をつくる、そして所要の予算措置を講ずるということになるわけでございますが、現在のところはまだ具体的な計画を御説明する段階ではございません。
○小宮委員 そういった健康診断に要する費用は国が全部持つわけですか。——もう時間が来たようですが、いま言われたように、たとえば水俣病患者の認定作業にしても、一つの県の力だけではどうにもならぬというようなことが、熊本県に行っても訴えられておりますし、また先ほど言った有明海沿岸地域の健康診断にしても、なかなか県だけではまかない切れぬというような問題が起きた場合には、国としてこれを全面的に援助していくというような体制をぜひとつてもらいたいと思います。先ほど申しました健康診断に要する費用は、これは国が持つのですか。その点だけをお伺いしておきます。
○船後政府委員 現在のところは、先ほど来申しておりますように、健康調査の具体的な計画を詰めるということが第一でございまして、それができました上でどのような費用負担にするか、この問題は政府部内において早急に詰めたい、かように考えております。 なお熊本県におかれまして認定事務も非常にむずかしいということで、国の援助というお話でございますが、しかし、個々の患者の認定というのは、これはとうてい東京でできる仕事ではございません。やはり実際は熊本県の現地で、しかも専門の学者は一番熊本にいらっしゃるわけでございますから、そういうことで、事務そのものはやはり現在の体制でもっていかねばなりませんが、ただし財政負担の問題につきましては、これは別の問題でございますから、県とも十分相談いたしまして、国としてもできる限りの援助をいたしたいと考えております。
○小宮委員 これで質問を終わります。
○佐野委員長 次回は、明二十二日金曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十一分散会