公害対策並びに環境保全特別委員会 第27号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/06/19
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 この際、六月十六日より三日間、水俣病問題の実情調査のため委員を派遣いたしましたので、派遣委員の報告を聴取いたします。小林信一君。
○小林(信)委員 水俣病問題実情調査のため、議長の承認を得て、去る六月十六日から十八日までの三日間、福岡県、佐賀県、長崎県、及び熊本県に派遣されました。派遣委員を代表してその調査の概要を御報告申し上げます。 派遣委員は、委員長佐野憲治君、登坂重治郎君、林義郎君、島本虎三君、中島武敏君、岡本富夫君、小宮武喜君及び私小林信一の八名でありまして、ほかに現地参加として、委員土井たか子君並びに地元選出議員多数の参加を得たのであります。 今回の調査は、去る五月二十二日に熊本大学医学部水俣病研究班が熊本県知事に提出した報告書において指摘された、有明海沿岸におけるいわゆる第三水俣病について、その水銀汚染の実態、有明海、天草の漁民の実情並びに水俣地区における水俣病対策の実態を中心に調査いたしました。 調査団は、十六日午前空路福岡に入り、まず福岡県環境整備局長から、有明海水銀問題について、三井東圧化学大牟田工業所の水銀使用状況、有明海水産生物の水銀含有量調査等について説明を聴取した後、直ちに大牟田市の三井東圧化学大牟田工業所におもむき、会社側から水銀の使用量等についての説明及び福岡県有明海漁業協同組合連合会の代表の陳情を受け、その後工場内を調査いたしました。 ここで調査団は二つに分かれ、A班は熊本県におもむき、熊本県庁において県当局、熊本大学の武内教授外四名及び関係市当局よりそれぞれ説明を聴取し、熊本県漁業協同組合連合会の陳情を受けたのでありまして、他方B班は大牟田市よりバスにて佐賀県に向かい、佐賀県当局から説明を聞くとともに、同県の有明海漁業協同組合連合会の代表より陳情を受け、さらに島原市役所会議室において、長崎県当局より今日までの経過及び現況について説明を、また島原市及び関係市町当局より要望及び陳情を受けましたが、いずれも第三水俣病に関する発表が有明海域一帯で水揚げされる魚介類に対する不安と魚価の暴落等を来たし、沿岸漁業関係者に重大な打撃を与え、今日死活問題となっている窮状と、これに対する不安の解消及び生活安定のための早急な対策の実施を強く訴えられたのであります。 翌十七日、A班は日本合成化学工業熊本工場を調査、宇土市、三角町、有明町においてそれぞれ有明海関係各漁業協同組合の陳情を受けたのであります。 B班は、島原市漁業協同組合を視察した後、工業高校体育館において長崎県漁連及び水産業販売関係者より陳情を受け、さらに島原より三角港に渡りA班と合流し、有明町において調査を行ないました。 十八日は水俣に参り、山本タモさん他四名の患者の各家庭を訪問、お見舞いをした後、水俣市役所において概況説明を聴取し、さらに明水園の視察を行ない、調査を終了いたしました。 また、この間、一部の委員が隣接する鹿児島県出水市におもむき、視察をいたし、地元関係者の陳情を受けてまいりました。 なお、県当局はじめ漁業関係者等から多くの要望を受けてまいりましたので、そのおもなものを申し上げます。 一、有明海、八代海の環境調査と汚染源の究明を早急に実施すること。 二、有明海、八代海沿岸の住民に対する健康調査を早急に実施すること。 三、魚介類に関する安全基準を早急に設定すること。 四、水俣病の治療方法等の解明について研究を行なうこと。 五、水俣湾内推積汚泥の処理について、早急かつ安全な方法で処理するため積極的な指導援助と底質基準を早急に設定すること。 六、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法に基づく認定についてはすべて国いおいて行なうよう改正すること。 七、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法に基づく医療手当、介護手当等を増額すること。 八、有明町における水俣病類似患者について早急に医療救済が行なわれるよう地域の指定を検討すること。 九、水俣病総合センターをすみやかに設置すること。 十、水銀等におよ汚染水域における漁獲禁止と補償等に関する立法措置を講ずること。 十一、有明海、八代海沿岸漁民及び観光業者、鮮魚商の経済的損失に対する救済措置を講ずること。 十二、有明海、八代海における沿岸漁業の振興をはかること。 十三、いわゆる八幡プールにおける廃棄物の処理について積極的な指導援助を講ずること。 以上調査の概要を簡単に御報告いたしましたが、時間の都合もありますので、その調査結果の詳細につきましては、委員長のお手元に報告書を提出しておきましたので、本日の会議録に掲載されるようお取り計らいをお願いいたします。 この際、その詳細については省略させていただきたいと思います。 以上御報告申し上げます。 —————————————
○佐野委員長 おはかりいたします。 ただいまの小林信一君の御提案のとおり、調査報告は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認めます。よってさように決定いたしました。 ————————————— 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————◇—————
○佐野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 内閣提出の自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案審査のため、明二十日、参考人の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。 なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。
○佐野委員長 この際、連合審査会開会申し入れの件についておはかりいたします。 建設委員会において審査中の公有水面埋立法の一部を改正する法律案について、建設委員会に連合審査会の開会申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○佐野委員長 内閣提出の自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案、これがいま出されて審議に入ったわけであります。まず、これを審議するにあたりまして、ついに先般これは本法が衆議院を通過したばかりでございます。直ちにこれが改正法案として出てきたのであります。これは当時の原法があまりにも荒っぽくてまだまだ不完全なことがあって、これからじゃんじゃんとこういうようなのが出るのか、やむを得なくてこういうようなものを出されたのか、この問題についてやはり今後の問題もありますから、一応長官に御意見を伺っておきたいと思います。
○三木国務大臣 本法が出て、改正が出るまでの間非常に短期間であった。それはやはり本法の場合において早急に本法案を制定いたしたわけでございますから、まだ不十分なところを補う必要が生じたものだと思うのです。自然環境の保全ということはいま大きな問題でございますから、期間がたっていないといっても、よりよい改正をして、国民の期待にこたえることが必要だと考えましたのであまり時間がたっておりませんけれども、改正することによって自然環境保全の目的をよりよく果たしたいという趣旨でございます。
○島本委員 じゃ今度事務当局に聞きますが、まだまだこういうようなのは山積しているのですか。この程度なんですか。
○首尾木政府委員 今回の改正は、自然公園法及び自然環境保全法を含めまして、特に従来規制が手ぬるかった普通地域を中心にいたしまして改正を行なおうとするものでございます。そういう意味におきましては、今回の改正というのは、特に従来の自然公園法の普通地域、ここの問題を含めまして、同時に、昨年は自然公園法の普通地域との均衡から申しまして自然環境保全法があのようになっておったわけでございますが、普通地域を特に強化するといったような面で特段に急ぎまして、今回の御提案を申し上げたわけでございます。 なお、自然公園法あるいは自然環境保全法全体を含めまして、今後改正する点が多くあるのではないか、こういうふうな御指摘でございますけれども、そういう点につきましてはさらに——これらにつきましては決して完全なものではないわけでございますので、その点につきましては今後鋭意検討いたしまして、全体的な体系の整備について行なっていく必要があろうかと考えております。
○島本委員 まだまだたくさんあるかないかわからないような環境管理の状態では困るのです。いま当委員会で小林委員によって報告がなされましたが、有明湾、それから不知火湾一帯の公害の調査に当委員会は行ってきたのです。ところが、その中で自然環境の破壊をわれわれははっきり見せつけられてきたのです。そんなものは全然聞いていなかったんです。あの天草島一帯は、現在は県立公園か国定公園か何か指定されていると思います。あの辺一帯はどういうふうな公園の管理形態になっておりますか。
○首尾木政府委員 ただいま国立公園地域に指定をされております。
○島本委員 国立公園地域に指定されておるとするならば、天草五橋の第一橋天門橋、この天門橋のあるあたりはどういうふうな指定になっておりますか。
○首尾木政府委員 第一橋のところは区域外でございます。
○島本委員 区域内と外はどこで分けていますか。
○首尾木政府委員 ただいま詳細な地図を手元に持っておりませんが、天草島につきましては、その一部が雲仙天草国立公園の中に属しているわけでありまして、先ほど申し上げましたように、第一橋のところは地域外ということになっておるわけでございます。
○島本委員 もっと管理を完全にしておかないとだめですよ。場当たり的に何かあったならばすぐ法改正を出す、こんなことをしているから、他の官庁とのなわ張り争いの渦中に入ってしまったり、軽く見られるのです。手足を持たない者の悩みなんです、長官。こんなことで自然環境の保護ができますか。あれは多分県立公園の中にあるか、または国定公園になっているか、県管理になっているはずです。国立公園に一部がかかっており、それが若干はずれているところは国定公園、それも県管理になっているはずであります。その点事務当局わからぬのですか。天草雲仙は国立公園でししょう。その中にある天草五橋のうちの第一橋を言っているのですよ。それくらいあなた調べておかないといけませんよ。わからぬのですか。
○首尾木政府委員 雲仙天草のところには国定公園はございませんので、国定公園の地域には指定をされておりません。県立自然公園ということになっておりますかどうか、ただいま私十分把握いいだしておりませんので、早急に調べたいと思います。
○島本委員 環境庁の責任者がそういうような態度では困りますよ。実は県当局もわからぬ。ただ県管理というのはわかっているけれども、さあどっちのほうなんだか、たぶんこれは県立公園の中だと思います、県は管理しております、国定公園からはずれていると思いますが、この程度です。雲仙天草の国立公園の隣接地帯であって、それももう県管理になっているとするならば、県立自然公園じゃありませんか。そういうような状態さえも環境庁が知っておらない、とんでもないじゃありませんか。そうして雲仙天草の第一橋、第一番目の天門橋ですよ、これだって、橋げたから全部えぐられているのです。採石されているのです。橋げたまでゆらぐほど削られているのです。県当局はそれはどうにもできないと言うんです。一体これをどういうようにして管理していなさるのですか。それまた知らないと言うのですか。
○首尾木政府委員 私ども十分実態の把握ができておりませんことはたいへん申しわけないことでありますが、雲仙天草の第一橋の付近は、先ほどお話しいたしましたように国立公園の区域には入っておりません。それから国定公園はあすこにはございませんので、国定公園でもございません。そこで残っておりますのは都道府県立自然公園ということでございまして、確かに熊本におきましては三角、大矢野、あの近くを県立公園に指定をいたしておりますので、あるいはその中に入っておるかもしれないというふうな想像がされますが、私、ただいま地図でその点を調べておりませんので、正確なことを申し上げることはできないわけです。かりに都道府県立自然公園でございますれば、この地域につきまして、それが都道府県立自然公園につきましては自然公園法で条例によりその特別地域を指定することができるわけでございまして、特別地域の指定になっておりますれば採石につきまして許可制になっておるわけでございます。ただ、全般的に申しまして、現在条例でつくっております都道府県立自然公園というのは非常に普通地域が多うございまして、あるいはこの地域につきましても普通地域ということでございますれば、届け出のみにとどまっておるということかと考えております。なお詳細につきましては、それは調べたいと思いますが、一般論として都道府県立自然公園の地域につきましての規制が、また特別地域の指定が十分に行なわれておらないというような現実にございますので、私どもは先般の全国課長会議におきましても、都道府県立自然公園についても特別地域を拡張いたしまして、指定をいたしまして、今後そういったようなところを許可によって十分把握するようにということを指導いたしたところでございます。 なお、今回普通地域の改正をいたしまして、私どもは三十日間の事前の着手制限の期間を置きまして、その間十分審査をやってそれについて必要措置をとっていこうとしておるわけでございますので、都道府県立公園につきましても今回の改正の範囲内において規制を行なうことができるわけでございますから、都道府県に対しましても今後そういったような点を指導してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○島本委員 これは島原からフェリーがその橋の下を通って、そして一二角へ行くコースになっているわけです。それは国立公園の周遊コースにもなっているわけです。それがそういうような残酷な、これはもう一体どうなんだと思われるような状態を放置しておくという、こういうようなあり方は、これはいまの自然公園保護法、これを改正する上十分自然を保護するという上からも考えなければいけないのです。一業者が自分の採石業という業をするために、自分の所有地であるというのでそれを堀っている。数年間にわたってそれを継続してやっている。現在まだやっておる。そのために橋げたもゆらぐほどになっているという状態です。それに対して県知事は現在何ら手を施せない。やれるとすれば環境庁じゃありませんか。その環境庁が知らない、何たることですか。すぐこれを調べて、そしていかなる現状においてこれが採石が行なわれているのか、そして県との関係はどうなのか、今後環境庁としてはどうするのか、この三点にわたって十分調べて、私の質問は今後当分継続いたしますから、その間にひとつ答弁しておいていただきたい。不勉強です。不勉強はそのほかもうありませんか。ないつもりですか。
○首尾木政府委員 私ども全国の地域につきまして、国立公園につきましてはその実態把握を直接国でやるものでございますから十分それにつとめておりますし、また国定公園につきましてもその監督指導の面につきまして全力を尽くしておるわけでございます。また都道府県立自然公園につきましても、そういったようなことについて今後指導を強化をいたしていきたいと思っておりますが、何ぶんにも全国のこれだけの地域でございまして、そういったような点について実態把握というものは十分できておらないという点がありますことは、これは遺憾ながら事実でございまして、今後そういったような実態の把握につきましては十分力を尽くしたいと考えております。
○島本委員 したがって長官、なかなかこれは大事なことなんです。なぜ、このりっぱな環境保全という大義名分がありながら、次から次へとおかされなければならないか、これなんです。水島の周辺に鷲羽国立公園があるでしょう、あの辺の特別地帯、あれは海に面して松が去年あたりじゃんじゃん枯れていましたが、これは何の原因で枯れたのか調査しましたか。それと同時に、その後の管理はどういうふうになっておりますか。
○首尾木政府委員 私どものほうには鷲羽山の地区については、あまり松が枯れておるという報告が参っておりません。ただ、あの辺一帯の地域におきましてマツクイムシが発生をしたために、瀬戸内海の国立公園の中におきましてマツクイムシの被害がかなりあるということは事実でございます。こういったような点につきましては、国有林につきまして、また民有林等につきましても林野庁と十分連絡をいたしまして、ここについての松の伐採等によりまして、マツクイムシの防除を行なっておるところでございます。 なお、鷲羽山地区につきましては、全体としましてあそこの地区に人が相当参りまして、そういったようなことで松の勢いといいますか、そういうものが弱っているというようなことが一般的に指摘されておるところでございます。
○島本委員 確かにいまの鷲羽山のやつは、やるということはあなた通告しなかった。しなかったけれどもこの自然環境保全法、これを審議する際に、この問題についてはいわゆるコンビナートとの関係、現実的には水島工業地帯との関係で十分論議された問題なんです。その後の管理は完全にしなければならないと、どこまでも皆さん言っていたはずです。だからよく知っているんです。一年前の話です。今回私どもが耳にしたところによると、依然としてマツクイムシである、あるいはまた潮風のせいである、こういうようなことで海岸近くの松は枯れておる。しかし周辺の人に言わせると、風の関係で水島工業地帯からのばい煙や排出される煙によってのこれは被害である、こういうように言っているんです。この辺は十分調査をしないといけないんです。これは国立公園内の松やそういうものは、マツクイムシであるならば黙って枯らしてもいいということになっているんですか。潮風であるならば、黙って枯らしてもいいということになっておるのですか。林野庁の長官に今度は伺いましょう。
○福田政府委員 マツクイムシは最近特に瀬戸内海沿岸一体に異常に発生しております。その原因につきましては、いま先生御指摘の工場のばい煙に基づくものではないかというような御指摘も、たびたび受けておるわけでございます。特に最近その発生が大きくなりました原因には、一昨年の台風の影響もあってそれで樹勢が非常に弱くなっているところに、そういったものが複合されて出てきたのではなかろうかということも推定されるわけでございます。 そこでマツクイムシの発生につきましては、今回初めて原因がザイセン虫であったということがようやく試験研究の結果にわかった。その予防対策といたしまして、スミチオン等の薬剤を散布したりして、これを防除いたしております。こういう重要な地帯につきましては国でやっております。 それからその原因につきましては、いま御指摘のようなこともございますけれども、広島県その他においてそういった件についての原因の究明はいたしております。いずれにしましても、最近非常にマツクイムシの発生が大きいものでございますので、国営事業として特に私たちも力を入れてこの防除に努力しているところでございます。
○島本委員 なお環境庁も林野庁とそのような連絡を十分とって——ただしこれは以前の問題であるから、これをさかのぼって皆さんを追及するのは酷かもしれない。ただ水島周辺の荒廃は人為的です。そうして煙だけじゃなくて施設そのものにも影響がある。いろいろな施設を国立公園の中へ建てているというじゃありませんか、保養所か旅館か。そして山まで行くのにケーブルのようなものまでじゃんじゃんつくっているじゃありませんか。ああいうふうにしておいたら、やはり自然と枯れていくような状態は予想できます。海から見ても陸から見ても、これはやはり鷲羽国立公園地帯はいまやピンチである。この点は私から警告をしておきたいと思うのです。工業が先に出てコンビナートのほうが出たから、あとの国立公園はその被害を幾ら受けてもこれはやむを得ないんだ、こういうような考え方はないだろうと思うのですが、鷲羽国立公園地帯は一番ひどい。あれはコンビナートの影響なんです。もう規制しなければならないじゃありませんか。私は、こういうような点からして重大なる警告をしておきたいと思うのです。長官、これだけはひとつ肝に銘じておいてください。いつか機会がありましたらよくそれを見ておいて、周辺の人と話し合いを持って——昔の鷲羽公園はこうじゃなかったと言っているのです。いまほとんど残酷です。こういうような状態にしておきながら自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案、こんなのを出しておいて、ほんの一部を改正して、ほとんどのやつはそのまま骨抜きである、しり抜けである。こんなんじゃ、笑う者はどなたでしょうか。自然破壊車門業者だけ笑いますよ。ほくほくしております。これじゃいけません。もっともっと全体にわたってこれは調査しておくべきじゃないかと思うのです。これはもう長官、この機会にさせましょう。事務当局ばかりだったら、陳情が上がってきたものにしか対処しないようだから。これは公害対策も大事ですが、環境保全、これが大事なんです。いまのようなのはほんの一部ですよ。ほんの二、三日の間に目に触れたことですよ。これでもこのようなことがある。何んか行った委員はみんな知っていることなんです。長官、ひとつこの際心を入れかえて、もう一つこの内容に取っ組もうじゃありませんか。内容に、形式じゃない。(「入れかえるといったって、ないんだよ」と呼ぶ者あり)なかったらつくればいいじゃありませんか。副総理大臣でしょう、あなたは。田中角榮氏のやれないことをやる人でしょう。ですから、あなたにしてやれないことなはいはずだ。一北海道電力から無視されるようなあなたじゃないはずなんだ。所見を聞かしてください。
○三木国務大臣 御指摘の水島は私も船であの付近を見まして、実際、知事と一緒でしたが、どうしてこうやって松が枯れるんだと言ったら、マツクイムシということを言っていましたがね。マツクイムシというものはやっぱり松なんかの木の樹質というのですか、木の質が、いろんな工場地帯になって、排気ガス等で弱っていることは事実ですね。まあ人間のからだでも、いろんなばい菌というものはあるでしょう。やっぱり抵抗力が衰えるということは病気になる原因です。そういう点でやはり自然環境の保護といわゆる地域開発というものは重大な関係を持っておるわけですから、これは環境保全ということは単に自然環境を保全するということだけではなくて、全体として考えなければならぬ問題をたくさんに持っておると私は思います。そういうことで一ぺん——いろんな問題、必ずしも実情を全部把握しておるとは環境庁としてもいえない。まあ管理員などの人数も問題にならぬ。もう少し私はふやしたいと思うのですよ。いまはもうほんとうに広大な地域に対してあれだけの管理負、よくやっていると思うけれども、手に負えないですよ。これはもう少しやっぱり人員の点でも充実して、管理体制というものをもっとしっかりせなければいかぬ面がありますがとにかく全国的に点検をする必要がある。いま企業を直接に島本委員ごらんになってなまなましい材料で御質問になるものですから、役所のほうがいろいろ御質問に御満足のいくような答弁はできぬようでありますが——(島本委員「いつもです」と呼ぶ)いつもはそうでないようでありますが、全体としてもう少しやっぱり把握しておれということは、御指摘のとおりだと思います。これはよく実情を把握しておく必要がある。これは今後われわれとして、こういう法案も出すことでございますし、自然環境というものの管理というものには一段と力を入ててく必要があると思っております。
○島本委員 さすがに長官はいい点に触れたわけです。確かに管理体制がなっておらない。人的構成がほとんど貧弱だ、これはそのとおりです。それならばあえて言いますけれども、この自然環境保全法が成立した昭和四十七年六月十六日に、この附帯決議が付されてあります。この附帯決議は全部これを実行してありますか。
○首尾木政府委員 附帯決議の点で第二点で、「現地管理体制の確立について格段の努力をすべきである。」及び「この場合において、司法警察員としての権限を持つ自然保護取締官制度の創設につき、次期国会を目途として検討すること。」というこの点につきまして、前段の「現地管理体制の確立について格段の努力」の点でございますが、管理員につきましては、前年度で全国で六十二人の管理員でございまして、本年度これにつきまして九人の増員を見たところでございます。全体として七一人でございます。それから管理事務所につきまして、従前八カ所でございましたが、今回二カ所を新たに増設いたしまして十カ所にいたすわけでございます。しかしながらこの実態につきましては、やはり七十一名ということ、これくらいの増ではいまだ十分でございませんで、後段にございますような司法警察員としての権限を持たせ、自然保護をびしびしやっていくといったような点につきましては、とうていこの体制では手が回らないというような実情にございまして、私どもはこの附帯決議のこの項につきましてはぜひ実現をいたしたいということでございましたが、今年はそれを見送っておるわけでございます。今後この点につきましてはさらに拡充強化をいたしまして、御趣旨に沿うような方向で努力を継続をしたい、かように考えておるわけでございます。 その他の附帯決議の点でございますが、私ども、それぞれの項につきましてできるだけの努力をいたしておるところでございます。
○島本委員 私の前には、こういうような附帯決議に対する処理の点はあまり詳しい答弁をしてくれとは申しませんが、もっと的確にしておいてもらいたい、これだけは私は要請しておきたいのです。 いま三木長官が言ったから、附帯決議の二番目の問題に対してあなたは触れて、そのほかの問題はうまくやっている、このような答弁ですが、そんなこと言うなら次から次へと聞きますよ。何もやってないじゃありませんか。やっていると言うなら、これから聞いていきますから。 いまの管理体制でも、これもこの中には、「政府は、この法律の適切な実施運用を図るため、現地管理体制の確立について格段の努力をすべきである。」これは長官が言ったとおりだからいいのです。「この場合において、司法警察員としての権限を持つ自然保護取締官制度の創設につき、次期国会を目途として検討すること。」特にこの「次期国会」というのは今国会のことじゃありませんか。それがあえてさっぱりやっておらない、こういうようなことじゃありませんか。そうするとこれは非常に不十分だということになる。この点だけは格段の努力は当然すべきであるということになる。司法警察員については次期国会をめどに検討せいということになっておるのです。これはどのように検討しましたか。次期国会というのは今国会ですよ。したがって、この問題に対しては、やはりいまの長官が普通答弁のようにして言ったことと質が違うのです。もう少し具体的になっているはずです。どういうように検討いたしましたか。
○首尾木政府委員 昨年、この自然環境保全法を提出する時期におきましても、警察庁あるいは法務省とこの点につきまして検討をいたしましたが、この点については、先ほど申しましたように全体として自然環境保護の管理員が不十分な現状において、この自然保護取締官制度として司法警察員の権限を与えることにつきましては、本来の管理員の業務が非常に広範にわたりまして、これだけの少ない人員をもってしてはいまだ司法警察員としての権限を与えることは適当でないということでございました。その点につきまして、本年九名の増員を見たところでございますけれども、なおこれでは不十分であるということで、この点につきましては警察庁とも相談をいたしましたけれども、今回の法律の改正におきましてもこの点については踏み切ることができなかったわけでございます。
○島本委員 これは当時の大石環境庁長官の答弁です。四十七年六月十三日です。「権限を持った司法権もけっこうです。そのような権限を持ったいろいろな保安官といいますか、そういうような種類の者があったほうがいいというふうに考えます。しかしいまの段階では、この少数の人員の中で、定員の中では、そういうものはなかなか不可能だと思いますので、いろいろな段階を考えまして、もう少しある時期が来たならば、そのような権限を持った者を中に置いて——いまは警察の協力を得てやるほかないと思いますが、そういう者も中にあってさらに広い協力を得ながら、われわれもそのような仕事ができる者を持つことが望ましいと考えるわけでございます。」と言っているのです。ですから、これはまず早く整備をして人員をよけいにすること、それから中に司法警察権限を持ったそういう者も置くこと、これはだめじゃないのです。いま林野庁長官がいますが、林野庁はそういう体制なんですけれども、林野庁がやっている体制を環境庁がやれないという、そんなばかな話はないじゃないですか。どうもその点では熱意がなさそうじゃありませんか、熱意が。一年たって次期国会までに十分検討するという、こういう答弁が当時あったんですね。それは首尾木局長知っているでしょう。人員の増に対してもさっぱりやっておらない。こういう機構に対しての強化、こういうのもさっぱりやっていない。言ってみれば国立公園の入り口の山がくずれて、一業者の営利のためにもうまる坊主にならんとしているような雲仙天草国立公園地帯の入り口もある、こういうような現状でしょう。管理体制は弱いです。大臣、管理体制を弱くしておいて、いかにこの法律だけ改正しても実効が伴わないですよ。これは。 それだけじゃないのです。地方にいるところのこういうような人たちにも、都道府県等の職員にも、こういう司法警察権限というような権限を付与してでも自然の保護の任に当たらせるべきだ、こういうような質問に対してのいまのおことばなのです。したがって、当時の大石長官は地方の職員の権限さえも考えておったわけです。こういうような点を考えたら、まだまだ少しとろいようです。これはもう附帯決議の趣旨に沿っておりません。今後はどうしますか、今後は。また次の国会までこれを考えますか。少なくとも国会で出された附帯決議、これにはもう、その趣旨に沿うて努力いたしますというのが答弁としてなされているわけです。さっぱり努力してないとしたら国会無視じゃありませんか。自然環境を保護するという重要な任に当たる首尾木局長が、そのための手段方法、これを一年間無視して、そして国会を侮辱した、こういうようなことになってしまうじゃありませんか。これは少し私はいただけませんよ。これでいいですか。
○三木国務大臣 いま国立公園が面積が二百万ヘクタールで管理員が七十一名ですから、これは一人当たりにしたら三万ヘクタールくらいですか。(島本委員「やれないです」と呼ぶ)御指摘のようにこれはとても管理能力を越えていますから、まず管理員の人員を充実するということが一番大切ですね。やはりそれだけの管理体制を持たずして、司法警察官としての権限といってもなかなか——私どもは持ったほうがいいと思います、司法警察官としての一部の権限は持ったほうがいいと思いますが、必要なことは、やはり十分に管理できるような、それだけの陣容を持たなければならぬ。こういう点では管理体制の強化をいたし、そしてそういう上に立って司法警察官としての権限というものを考えることにいたしたいと思います。
○島本委員 当時まだなまなましい議論の一つとして、いまこの自然環境保護法、こういうようなものをやったならば画期的な管理体制が必要だ、ドラマティックなアメリカのこの体制をそのまままねせいとは言わぬけれども、必要によってはヘリコプターで全部そういう必要な地帯を管理する、このような方法だって考えるべきじゃないか、そうしてそのような司法権限を持った保安官、こういうような体制さえも考えておかないとこれはどうにもならないのじゃないかというふうなことまで審議されたのですが、その一歩として出てきたのがこれなんです。一歩も二歩もありません、これははるかかなたです。全然そこまで行っておりません。管理体制はまことに貧弱である。これはあくまで林野庁にたよってそれをやらざるを得ない、こういうような状態です。その林野庁が経営部門があって、さんざん木を切っているということですから、どうもこの点あわせてみても、どろぼうに十手取りなわをやるようなものですから、これは困る。したがって、必要な場合にはきちっと管理するような司法警察官が必要なのです。そういうような体制が不十分なのに一部の手直しをしても、ほんとうの自然環境保護にはならないのだ。大臣この辺も少し考えようじゃありませんか。私も当時からこの問題に対してはまあ気にしていた点なんです。しかし問題はそれだけではないのでございます。今後この問題に対してはきちっとしてやるということだけは私から強く要請しておきたいのです。いいですね、これは。 それから、人員の問題、体制の問題、権限の問題、この三つだけは、大臣、きちっとしましょう。そうでないと、いかに法律改正しても画竜点睛を欠きます。 次に進みます。首尾木局長、あなたもうこの点だけだと言うのですが、第一番目の、「政府は、原生自然環境保全地域の指定にあたっては、残された貴重な原生の自然状態にある地域について、もれなく指定するよう努めること。」こうなっておりますが、一年間たって、指定は何カ所いたしましたか、そして漏れなく行なわれましたか、この点についてひとつ御見解を伺います。
○首尾木政府委員 自然環境保全法の地域指定につきましては、現在、自然環境保全法がことしの四月十二日から施行になりまして、直ちに自然環境保全審議会の人選にかかりまして、自然環境保全審議会が発足をいたしたわけでございますが、今後自然環境保全法に基づきまして、この審議会で自然環境保全基本方針を策定し、それに基づいて原生自然環境保全地域、自然環境保全地域の指定を行なっていく所存であります。これにつきましては、漏れなくそのような指定をするようつとめること。ということでございまして、私ども、いま原生自然環境保全地域の候補地域といたしまして、日本学術会議等で指摘をされた地域でございますとか、その他の地域につきまして、一応の候補地の予定を持っておりますが、それらにつきまして早急にやるほか、ことし全国の自然環境の保全に関する一斉調査を行なうことにいたしておりまして、この結果に基づきまして、結果が出ますれば、これは附帯決議にございますように、漏れなく指定する候補地域というものができるわけでございますので、これらにつきまして、各関係方面とも協議をいたしまして、これについては附帯決議にございますように漏れなく指定するように努力をいたしたいと考えております。
○島本委員 では、漏れなく指定するといって、一年たって指定したのは何件でしょうか。今後の作業の見通しはどうなっておりましょうか。具体的に質問させていただきます。
○首尾木政府委員 現在のところ、まだ指定はいたしておりません。
○島本委員 この秋にも兆する予定がございますか。
○首尾木政府委員 秋には指定をいたしたいと思います。
○島本委員 それは、漏れなく指定ですか、一件のみですか。
○首尾木政府委員 その時点において直ちに漏れなく指定をするということは事実上不可能かと考えております。
○島本委員 どの程度見込まれますか。
○首尾木政府委員 秋の時点において何カ所ということをお約束することはなかなか困難でございますけれども、原生自然環境保全地域につきまして、本年内に少なくとも五カ所程度のものは指定をいたしたい、かように考えております。
○島本委員 今後の作業の見通しとしては、総点検をするということですね。そうしてこの問題に対しての指定は金はかからない、かかっても予算措置はしてあるはずですね。ですから、この問題に対しては別に異議がないと思う。これは人員が不足なのか、それとも環境に対する考え方が悪いけれども薄いのか、とにかく局があっても環境がこういうふうにして破壊されていくというようなことでは困りますから、それを保全するために、これはやはり今後の作業の見通しくらいはきちっと立てておかなければだめだ。ばく然と点検いたします、そのあとで結論を出します、これではだめです。漏れなく指定するというのは、いままでのところはやっておらないが、この秋に一件くらい見込まれる、この程度をもう少しふやしたい、それでは五件くらいになるでしょうかというような程度じゃどうも心細いのですね。長官、人が不足なら不足のように、いまや必要なのは環境の保全なんで、そのための環境庁の体制の確立はほんとうに国民全部が望んでいることなんですから——公害防除と環境保全、この二つだけは環境庁に与えられた重大な指導的任務でしょう。いまの自然環境に対してでもまだこういうような状態、これじゃなかなかだめです。漏れなく指定するようにいわれて、そのとおりやりますといって、まだ一件もない、これからやります、これに対しても私は厳重に注意しておきたい。今後の作業の見通しなんかないのでしょう。ただばく然と調査する、この程度では私は納得できません。何ならもう少し具体的にこれを明らかにしておいてください。
○首尾木政府委員 現在の予定といたしましては、自然環境保全法に基づきまして、原生自然環境保全地域の指定は自然環境保全基本方針に基づいてこれを指定をするということになっておりましていわば自然環境保全方針の策定が今後にかかっておるわけでございます。 〔委員長退席、登坂委員長代理着席〕 これは自然環境保全基本方針を早急にこの夏に審議会において策定をいたしまして、同時に、私ども並行的にそれらの地域についての調査を進めてまいりますが、秋以降におきまして、その原生自然環境保全地域を先ほど申しましたように具体的に指定をしてまいりたい、かように考えておるわけでございまして、先ほど漏れなくと申しましたのは、最終的に現在行なっております自然環境保全基礎調査によりまして、なお私どもが現実に把握をしておらない、そういう原生自然環境保全地域というものもあり得るわけでございますから、そういうものにつきまして、さらに追っかけてこういうものを指定していく、こういう趣旨でございます。したがいまして、具体的には、そういうもの以外現在わかっておりますものにつきましては、この秋以降におきまして具体的に指定の事務に入ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○島本委員 では、せっかくそこまで言うなら、それを期待しておきましょう。今度質問されるときに、まだ具体性が一つもなかったなんて言ったら、長官、これは首ものですな。したがって、これは大事なところですから、いま言ったとおり実施するように強力に要請します。 この指定を進んで行なうのはいいのです。行なわれてしまったあとの、古いことになりますが、北海道の恵庭岳のあの冬季オリンピックのスキー場のあとの還元、あれはすでになされておると思いますが、もうオリンピックの組織委員会も解散してしまってますから、すでにあれは林野庁の手に移っているんじゃないかと思うのです。林野庁のほうでこれを行なっておるのか、それとも環境庁のほうで実施しておるのか、それともどこでやっておるのか、この点はひとつお教え願いたい。それと同時に、この保全の状態はどういうふうな進捗を示しておるのか、この機会にその全貌を明らかにしてもらいたいと思います。
○首尾木政府委員 恵庭岳の復元の問題につきましては、現在最終的にオリンピック組織委員会が解散になりまして、その事後の措置につきましては、北海道庁のほうでこれを引き継いで復元をいたしておるわけでございます。現在の段階といたしましては、一部分その復旧のためにケーブルというものは残しておりますが、これは最終的に取り払う予定でございます。現在、緑化の作業にかかっておるところでございます。
○島本委員 少なくとも自然の破壊に対してはいかに代償がもう多いものであるか、自然環境などというものの破壊はすべきじゃないんだ、そういうような貴重なものなんだ、この意識だけははっきり植えつけて、そうしてそれに対する責任の行使だけは完全にやらせるように、これは強い指導を願っておきたいと思うのです。 それと同時に、これは直接作業するのは環境庁じゃないと思うのです。これは林野庁だと思うのですが、林野庁等においても、その点の指導なんかは万全を期しておられるんでしょうな。
○福田政府委員 あの場所は札幌営林局の管内になっておりまして、組織委員会のほうと昨年か久たびたび話し合いをいたしておりまして、完全に復旧をしてから営林局のほうに返還をしていただく、かようになっております。
○島本委員 これはやっぱり十分なし遂げてやってもらいたい、このことだけは強く要請いたします。 それと同時に、私どものほうとしても、附帯決議の第三番目に「自然環境の保全対策を強力に推進するためには、国または地方公共団体が、保護すべき自然環境を有する土地を直接買い上げ、これを適正に保護整備することが必要である。このような観点から土地買取り対策の確立について抜本的な検討を行なうこと。」、これが三つ目に書いてあるのであります。この自然公園の特別地域買い上げ、この予算は幾らあって、実際の買い上げは幾らだったのか、これを報告してもらいます。
○首尾木政府委員 現在国立公園内の特別地域及び第一種特別保護地区及び第一種特別地域を対象にいたしまして、その中において許可を得られないこと等のため、その土地の利用ということを所有者ができないというような場合におきまして、土地を買い上げる措置が講じられておるわけでございます。これにつきましては、昭和四十七年度に初めてこういう措置がなされたわけでございますが、これは交付公債によりまして十年間でこれを支払うという形になっておりまして、この買い上げは都道府県が行ないますが、この交付公債につきまして、十年間元利を均等に支払っていくわけでございますが、これに対しまして、国がその十割ないし八割を補助金として交付する、こういう制度になっておるわけでございます。昭和四十七年度におきましては、その交付公債総額が、一応六十億円まではその土地の買い上げというものにつきましてワクを持っていたわけでございますが、昨年度におきましては、阿蘇国立公園におきまして五千五百五十八万五千円、面積十七・四ヘクタール、及び富士箱根伊豆国立公園内におきまして面積三・一ヘクタール、価額三千五百万ということで、計九千五十八万五千円のものを交付公債として買い上げたというのが実績でございます。
○島本委員 せっかく大事なこの審議中、また大臣、いなくなるんですか、どういうようなことになるんですか。そんなことがあってはいけないはずですよ。 この自然公園の特別地域の買い上げ六十億のうち、実際買い上げたのは何件で何億ですか。
○首尾木政府委員 二件、約一億でございます。
○島本委員 五十九億はまだ残っているわけですか。
○首尾木政府委員 さようでございます。
○島本委員 いままっ先に言ったような熊本——ああいう雲仙、それから天草国立公園、その地帯、それも周辺地の重要な入り口のそういうような山が荒廃に帰して、知事でさえもどうしていいかわからないようなところを、なぜこういうようなものを対象にしたり、なぜこういうような問題に対して相談に乗ってやれないのですか。これはもっと管理体制というものを的確にして、こういうようなところを余すところなく把握する必要はあるじゃありませんか。当然この特別地域じゃないとかいろいろなことになるでしょうけれども、これはもう準用されることははっきりしていますから、このような点では、地方ではそういうふうにまる裸になる。しかしながら、国のほうでは、買い上げは六十億の予算で、使っているのはたった一億だ。これでは全然なっていないじゃありませんか。環境庁の長官、これではほんとうにせっかくの予算も全然行使されていませんね。これはほんとうの自然保全のためですか。そういうように瀕死の状態になっているところをなぜ買い上げないのですか。それとも値段が折り合わないのか。相手がめちゃくちゃで、これはどうしても買えないでのすか。これは重大じゃありませんか、六十億のうちまだ一億しかやっていない。
○首尾木政府委員 四十七年度が初年度でございまして、土地の買い上げにふなれであったという点もございますが、特にまた昨年におきまして、土地の値上がり等が非常にはなはだしかった、こういうようなこともございまして、所有者のほうの要請する価額と都道府県において算定をいたしました価額の間にかなりの差がございまして、そういう点で折り合わなかったというような点が大きな原因になっておるわけでございます。 今後の問題といたしましては、私どもこの価額の問題につきましてさらに十分関係者等と話し合いをいたしまして、あくまで適正な価額によってこの土地の買い上げというものを進めていきたい、かように考えておりますが、 〔登坂委員長代理退席、委員長着席〕 昨年度におきましては土地の買い上げについての最終的な要望等がおくれたといったような事実あるいは土地の買い上げについてのふなれがあったというようなことも確認をいたしておりますので、ことしはそのような点については早急にすでに買い上げについての交渉等を進めておりますので、本年度におきましてはぜひ昨年のような結果にならないようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○島本委員 どういうことになるんですか、これ具体的な例として第一号に載った大台ケ原、この交渉は先方も売りたいと言う、こっちも買いたいと言う。当時木材の値上げその他で値段が折り合わなかった。それも大石長官もその場所の必要性を認めて、木を切るな、これだけは大事に保存しなければならない、そういうふうにしておいて、買い上げ交渉に入ったら、高いから買わない。一体ほんとうに高いんですか。幾らで買うのが安くて幾らで買うのが高くて、これは成立しなかったのですか。
○首尾木政府委員 大台ケ原の土地の買い上げでございますが、私どもとしましては、その地域の森林の伐採を押えてきておるわけでございまして、したがって、そういうような点からこの土地については、当初先方のほうも売りたい、こちらとしてもその土地を奈良県を通じまして買い上げたい、かような考え方で折衝を進めてまいったわけでございますが、その後昨年におきまして特に木材価格の暴騰といったようなことがございまして、最初の相手方の言い値とそれから当方の言い値というものは非常な開きがあったわけでございまして、その後奈良県と本州製紙との間におきまして価格の交渉を進めましたが、なお最終的に相手方のほうといたしましては約二十五億というような金額を申しまして、奈良県の算定価格としましては一応十六億程度というようなものが示されまして、昨年度はその時点におきまして三月の時点において最終的にまとまらなかったというのが経緯でございます。今後この問題につきましては県の価格算定につきまして、もちろんこれについては私どももやはり適正価格ということで買い上げるということが、今後のこの制度の実施の上からいってもその点は貫いてまいらなければならないと考えておるわけでございますけれども、そういうような点で相手方の主張も十分に考え、この点について本年もさらに努力をいたしまして買い上げたい、かように考えておるわけでございます。もちろんその間におきましてこのような土地でございますから、私どものほうとしては木の伐採ということを認める意思は毛頭ございません。買い上げられない時期におきましても木の伐採については許可をしないという方針は変わりはないところでございます。
○島本委員 木の伐採を認めないんだから、いずれかまた売ってくれるだろう、こういうようなことのようでありますけれども、逆にこの列島の改造ブームによる土地の値上がりや木材の高騰、このあおりで結局買えなくなったんだから、責任は政府にあるのです。はっきり言うと三木長官にもあることになるのですよ、田中総理大臣の政策ですから。それも買えなくなってしまった。六十億のうち一億しかやってない。この点は私は事務当局はまだまだこの問題に対する取り組み方の甘さがある。それからこういうようにできなければ長官と相談して早く手を打つべきものは打たなければこれはどうにもしょうがなくなるでしょう。私としては、この点は長官にも強く要請をしておきたい。これは一つの目玉商品だったのです、前長官の。ところが、せっかく六十億、これをもらいながら一億しかまだ使っておらない、こういうような状態でまた改正法案を出してくる。これじゃ幾らやってもだめじゃありませんか。その実はと聞いたところが、土地の高騰であるということになったら、政府の政策によって政府自身がやろうとしている自然環境保全ができなくなったということになるのです。これは三木さん、あなたの責任だ、内閣の責任だ。官僚の責任じゃないですよ。あなたの責任ですよ、どうしますか。
○三木国務大臣 私は国立公園というものは、これは買い上げていったらいいという意見です。国が持ったほうがいいということでこの制度というものを活用したいと思っておるわけです。だから、私も関心を持ちまして、いまの本州製紙の問題も何か折り合わないかという、とにかく不動産業者でないですから、県とか、環境庁というものがなかなかやはり土地を買い上げるということに対しては、その場でどうというようななかなか土地の売買というものは、非常に何というものですかね、いろいろその場にあたってすぐに値段をどうというような、役所の仕事はそういうふうなものじゃないですからね。そういう点と、いま言ったようにみなが土地の値段は上がるという期待があるものですから、相当にこちらが予定しておる買い上げの価格よりもつり上げていく傾向がありますからね。そういう点でむずかしかったわけでありますが、しかし、ちゃんともう予定のこれで買うのだという、六十億というワクはこの地価でなければいかぬという非常に弾力性のないものでもないようでありますから、今後買い方、あるいは地価に対する評価のきめ方に対してもこれはくふうを少ししてみたい。せっかくこれだけのワクがあるのですから、これを活用して、だんだんと国立公園の土地というものは国が持つように持っていきたいというように考えでおります。 初めてですから、どうも商売人でない不手ぎわなところもありますが、また一方におきまして地価というものの最近の上がっていく形勢もある。そういう環境とこちらの買い上げる一つの手法というものも必ずしもじょうずでもない、そういう点で反省を加えて何か活用したいと考えております。
○島本委員 それでもこれは国立公園内のいわば自然公園の特別地域ですから、規制ができるわけです。ところが、ここにハリモミ原生林、これは甲府営林署管内、山中湖の山中湖村というものがいまあるのですかね、山中湖の付近で忍草方面、あそこには一九一六年ハーバート・ヘンリー・ウイルソン、この人によってえらい有名になった。忍野から山中湖へ県道ができておりますが、この道路ぎわにあるのが、このハリモミ純生林というのですか、原生林というのですか、とにかく樹齢二百五十年というような木もあって、優秀な一つの地帯ですよ。保全しなければならない地帯であります。それが道路ぎわのこのりっぱなハリモミ原生林が続々と枯れているのです。これは一体保全するのか枯らすのか、この点では私は十分わからないのでありますパリモミの原生林では世界でもここだけしかないのじゃありませんか。そして、天然記念物に指定されている、そうじゃありませんか。それがどうしてこう枯れるようになっているのですか。私どもは、これ五月三十日に直接現場へ行って見てきて驚いているわけであります。道路沿いの木はまたほとんど枯れてきている。これ一体どういうようなことになりますか。これは環境庁は関係ないのですか。それとも林野庁のほうでは、これはハリモミ原生林として全面的に管理していなさるのですか。これはいま重大なピンチのようでありますが、この件について林野庁さん、いかがなさいますか。
○福田政府委員 御指摘の沖新畑国有林にございますハリモミでございますが、これは純林としては日本にはここだけでございます。世界的にも有名な場所でございまして、いま先生から御指摘ありましたように文化財保護法で天然記念物にも指定しておりますし、それから国立公園の特別保護地区に指定しまして、これは禁伐林としているわけでございます。面積は約五十七ヘクタールでございます。その他この国有林一帯は学術参考保護林といたしまして、百三十町歩、これは全部禁伐にいたしております。富士山近辺にございますのは大体ウラジロモミが多いのでございますけれども、日本列島の大体中部以南でございますが、ハリモミというのは非常にめずらしい木でありまして、特にハリモミがいま御指摘のように枯れております。二百五十年から三百年でございます。 このようなモミの発生のいわゆる植生の変遷、プラントサクセションといいますか、そういう生因を見ますと、火山活動による山火事が出た結果、そのあとに出てまいりますのがアカマツでございます。そのアカマツが過ぎますと、そのあとにこういうモミの木が多くなりまして、次第にモミの純林になってまいります。モミの純林が老齢になってまいりますと、枯れてハリモミになってまいるという植生があるわけでございます。御存じのように北海道のエゾマツ、トドマツが二百年、三百年でございまして、かつて洞爺丸台風のときに木も枯れたわけでございます。やはり木も年とってまいりますと腐ってまいる。一番長いのは屋久島の屋久杉というのは千年以上、二千年、三千年というものがございますが、これはまれでございます。 そこで、この場所に対しましては、枯れました木をとりまして、そのあとにハリモミの補植をいたしております。これは植える場合も、文化財でございますので文化庁との協議が必要でございます。そういうことで、このハリモミにつきましては、枯れたものはとりまして、そのあとにこういった木を植えて、補植をしてこれを永久に保存するという考え方に立っているものでございます。台風とかその他の影響で腐ってきましたものは枯損する、これはいたしかたないものでございまして、一応学術参考林として最小限度の木は補植をしているわけでございます。
○島本委員 環境庁、知っていますか。
○首尾木政府委員 先ほど林野庁から国立公園の特別保護地区というお話がございましたが、現在のところ特別地域ということの指定にいたしておるところでございまして、今後の予定といたしまして、その地区につきましては特別保護地区に今後指定をしたいというふうに考えておるところでございます。御承知のハリモミの純林につきましては、これは私どもやはりそのような貴重なところでございますから、これを守っていきたいと考えておるわけでございまして、現在その林縁の部分におきまして樹勢が衰えたために立ち枯れ状態というものが出ておるということが事実でございます。これはやはりいま林野庁からお話のございましたような点でございますとか、あるいは林縁部というものが開墾等によりまして、樹勢が衰えたというようなところが出たと考えておるわけでございます。特にこのハリモミの純林を守るためには、林縁部の植生というものを十分つくっていかなければならないという点で、今後林野庁と相談をいたしまして、国有林におきまして補植等が現在行なわれておるところでございますので、そういう点でこのハリモミの純林は今後とも守っていきたい、かように考えておるところでございます。
○島本委員 ここは、特にハリモミ原生林は世界でもここだけであるというような点でこれは貴重です。それから天然記念物に指定されておるという点からして、現況は大きい木を切ってしまうから残っている木が枯れてしまうし、周囲がまだらになっている。あれは密生していないとだめだそうであります。その保護対策というものはほとんどとられていないという、こういうような状態でまことに遺憾であります。これもマツクイムシのせいである、こういうようなことになっているようでございますが、排気ガス、それからほとんど密生させないでぼつぼつ立っているような状態では、群生でない以上枯れるのではないか。これは私のしろうと考えでありますが、必ずしもそうでないようであります。一体大臣、管理するといいながらも、これは乱開発の犠牲にされているようなものじゃないかと思うんです。以前はうっそうとしておったそうでございます。しかしいまは道路をつけて自動車がじゃんじゃん走る、人も来る、そしてもうまだらになっている。これはまだらになったのはそのせいで、枯れたから切る、切るからまたまだらになる、こういうふうになるのか、その辺の因果関係はわからないのでありますけれども、いま行ってみたらうっそうたる原生林じゃございません、ぼつぼつとしているんです。あえていうと私の頭の毛のようなこういうはえ方をしているんです。したがいまして、これはほんとうに手を尽くした結果だ、こういうように言うことはできない。せっかくこれは林野庁の長官も首尾木局長もふさふさとしておるようでありますが、実際の山はあなたの頭と反対ですから、こういうような点は十分管理に手を尽くさないといけないと思うんです。林野庁、これは全然もう管理体制なってないでしょう。ただ指定して看板立ててあるだけでしょう。どういうようにあれを蘇生させようとしておりますか。
○福田政府委員 ハリモミの枯れました原因は、先生ただいま御指摘ありましたように、周囲から伐採が進んできて、残っているものが数十ヘクタールという、その林縁の部分がやはり台風等の影響を受けまして、樹勢が弱り、その結果枯れるということがあるわけでございます。しかし二百五十年ないし三百年という老齢の限度でございますので、先ほども申し上げましたように、そういった中でもやはり枯れるものがございます。それらに対しましては、ハリモミあるいはその他の樹種を植栽しまして、この林分を保存するようにしております。なお林縁につきましても、そういったような補植をいたしておるわけでございます。 なお、ここは甲府の営林署の管轄でございまして、随時そういった管理につきましては厳正を期するように指導いたしておるところでございます。 なおマツクイムシはどうかという御指摘がございましたけれども、この地区にはマツクイムシの発生はございません。
○島本委員 これは長官、われわれは富士のあの演習地の不発弾により被害を受けた、その調査に行ってそのそばにあるこの原生林を発見し、むごたらしい状態を見てきたのであります。ですから長官、これは単に演習地の不発弾の問題だけじゃなく、その周辺のせっかくりっぱにこういうように保存されるような状態にありながら、さっぱり手が加えられておらない。破壊されている。演習地のそばだからこういうふうになったのかどうか知りませんけれども、まばらになっているのです、まばらに。まばらになっている面積は林野庁のほうで調べてありますか。
○福田政府委員 ハリモミの純林は五十七ヘクタールでございます。全体がこれを保護林といたしまして百三十七町歩でございますので、純枠なハリモミだけの林分というのは五十七町歩ですけれども、その差額は、ハリモミの点在しておるものとかあるいはアカマツとか、そういった樹種が入っているわけでございます。
○島本委員 やはりこれは十分保全に気をつけなければなりませんし、この状態ではいまにあれ全部枯れてしまいます。そういうおそれを持って私は戻ってまいりました。林野庁長官、あなたも緑を愛するということをテレビを通じて全日本の婦女子に宣告しているのですから、今後はそういう点を守って、緑を守るのは林野庁なんだ、これに徹してやるようにしてもらいたい。ここはまことにお粗末な感じです。あなたも行って十分見てきたでしょうから、この保全には十分意を用いてやってもらいたい、このことを要請しておきます。 それと同時に、長官にまたお願いしておかなければならないのですが、このようにしていま自然公園法だとか自然環境保全法だとか、次から次に改善しようとしております。これは日本の自然を守るためなんです。必要なんです。同時に、いまの長官と以前は議論しました。安保条約のある以上、どうしても演習地はこれはやむを得ないのだ、そのかわり残りは管理する、こういうふうに言って在来の演習地を取り上げておった。あらためて今度環境の保全をするために、環境庁としては一生懸命にやらなければならないはずです。しかし、あらためてこの保全をするための水源涵養林であるとか保安林であるとか、こういうようなところを進んで演習地拡大であるとか、進んで演習地をつくったりすることに環境庁は決して賛成ではないでしょうな。
○三木国務大臣 たびたび申しておるように、自然環境保護という、自然環境の保全という観点から言えば、演習地というものが歓迎すべきものではないわけですから、これはできるだけ縮小をこそすれ、次々に拡大していくという考え方は環境庁が持つはずはないわけでございます。
○島本委員 北海道開発庁、来ておりますか。防衛庁、来ておりますか。 これは防衛庁にお伺いしますが、北海道に幌加内町というところがあります。この辺に幌新ダム、これは農業用ダムで開発庁が直轄工事で現在建設中である、こういうようなことでありますが、この幌新ダムの周辺で自衛隊が演習地を策定する、こういうような予定はございますか。
○伊藤説明員 お答えします。 私、幌新ダムというものを承知しておりませんですが、場所は北海道の空知郡でございましょうか、ちょっと……(島本委員「そうです」と呼ぶ)現在、北海道の沼田町ですが、その地元のほうから、演習場等の自衛隊への誘致の御要望がございまして、検討している事実はございます。ただ、ちょっと幌新ダムの計画そのものは承知しておりませんので、それはお許しいただきたいと思います。
○島本委員 二千二百ヘクタール、これを自衛隊の演習地にするために北炭の土地七百ヘクタールをすでに売約済みである、民有林二百ヘクタールはもう売買の目鼻がついた、そして残るのは国有林の千二百ヘクタールである、その周辺は水源滋養保安林の指定を受けている個所である、こういうようなことになっておりますが、もしこうだとすると、どこで計画し、どこで行なわれているのかわかりません。北海道開発庁が直轄工事をしているその周辺のようでございますが、この国有林千二百ヘクタール、こういうような点について、売買契約その他は林野庁で受けておりますか。
○福田政府委員 ただいまのところ、承知いたしておりません。
○島本委員 そういうような場合には、水源涵養林である場合には、当然これは許可してはならないものだと思っておりますが、その点についてはどういうようなお考えですか。
○福田政府委員 保安林の解除ということにつきましては、現在、森林法に基づきまして、その理由の消滅したときとかあるいは公益上必要があるときとか、そういった二点に限る。前者の場合には許可しなければならないし、後者の場合には許可してもよろしい、こうなっているわけでございます。御指摘の点につきましては、現在のところ、具体的に何もこちらに連絡がございませんので、これはもし具体的になりましたならばよく検討してみなければならぬと考えております。
○島本委員 環境庁長官は、在来のものであるならばこれはやむを得ないが、新たな環境破壊につながるようなことはしたくはないんだ、いま言ったばかりであります。これはもう自衛隊の演習場としてこういうような策定があるのですか、ないのですか、防衛庁。
○伊藤説明員 先ほどお答え申し上げましたように、事が沼田演習場のことでございましたならば、現在、地元の御要請もございまして、いま検討中でございます。
○島本委員 もうすでに北炭から七百ヘクタールの土地を買収済みですか、まだなんですか、この点をひとつお知らせください。
○伊藤説明員 御指摘の事実、ございません。
○島本委員 では、そういうような事実はないということですね。
○伊藤説明員 毎度申し上げるようでございますが、沼田演習場といいますか、沼田町に駐とん地演習場を御誘致されている。そして、それを受けまして私ども、いま検討しております。ただ、先ほど先生いろいろ数字もあげられましたし、それから誘致者の方のお名前もあげられておるようでございますが、現在のところ、まだ計画の事前段階の検討というところにとどまっておりますので、売買等をすでに行なった事実、契約等を行なった事実はございません。
○島本委員 私のほうには、北炭の土地の七百ヘクタールはもうすでに契約済みである、こういうようなことがございますが、まだそういうような事実がないとするならば、私のミスであるかもしれません。ただ、そのほかの民有林二百ヘクタールはこれはもう売買の目鼻がついた、こういうようなことをいわれておりますけれども、この問題についても全然目鼻がついていないのですか。
○伊藤説明員 お答えします。 沼田演習場の件につきましては、現在のところまだ計画決定もいたしておりませんので、一切、所有者の方どなたからも売買の契約を行なっているという事実はございません。
○島本委員 開発庁が来ているようですが、幌新ダムの開発計画はどういうふうに進んでいますか。
○山田(嘉)政府委員 ちょっと不勉強でございまして、お尋ねの幌新ダムは、ただいま全体設計という段階にあるように承知しておりますが、正確な点は取り調べまして後ほどお答えしたいと思います。
○島本委員 これは開発庁の直轄工事で目下建設中、こういうようなことになっているようでありますが、全然建設に入っていないのですか。
○山田(嘉)政府委員 おそれ入りますが、ちょっと取り調べまして至急お答えいたしますから、ちょっとお待ちください。
○島本委員 北海道では幌加内町の朱鞠内ダム、これを中心として道立公園をつくりたい、こういうような意向があるようですが、現在これはどういうふうに進んでいますか。
○首尾木政府委員 まだ北海道からそういうことにつきましては聞いておりません。
○島本委員 それに対してもストップがかかっているということですが、林野庁は御存じありませんか。
○福田政府委員 承知いたしておりません。
○島本委員 大体それはわかりました。これ以上調査しなくてもよろしいと思います。もう自衛隊のほうでは北炭の土地の七百ヘクタールは売約済みで手に入れているようであります。そして民有林の二百ヘクタールは目鼻がついた、こういうようなことになっておるようでありますが、まだ契約までいっていない。残る千二百ヘクタール、この国有林がなければ演習地としてその辺の開発はできません。同時に二百ヘクタールの自衛隊の演習場になるわけでありますから、北富士の演習場を上回るような膨大なものをつくろうとするし、それも水源涵養林千二百ヘクタール、ここにほこ先を向けているわけであります。当然、林野庁ではそういうような意思もないようであります。同時に変更の意思も今後は出ないと思いますから、これはこれで私の夢物語であった、自衛隊のほうでも、防衛庁のほうでもそういう計画はない、こういうようなことにはっきり了承しておきたい、こう思いますが、これで防衛庁はいいですね。
○伊藤説明員 お答えします。 先ほどからお答え申し上げておりますように、現在のところは演習場設置につきましては検討段階であって、まだ計画は確定していないということでございます。 それからもう一つは、先生がお話しになりましたようなすでに売買あるいは契約といったような事実はないという二点、先ほどから御説明申し上げたとおりでございます。
○島本委員 演習地をここでつくる計画を今後進めるのですか、ちょっとくどいですけれども……。
○伊藤説明員 お答えします。 再三のお答えで恐縮でございますが、現在検討中であって、計画はまだ決定していないということでございます。
○島本委員 水源涵養林として千二百ヘクタールあるのですが、林野庁としてはこれは開放する意思はないのですね。まだ相談を受けていないということですから、これは水源涵養林としても重要な場所ですから、その点についてはっきり聞いておきたいのです。まだ計画の段階ではっきりしていないというが、三木長官はこれから新たにこういうような自然の破壊は望ましくないのだ、こういうふうにはっきり言っていたのです。林野庁長官としても私は同意見だと思うのですけれども、これについてひとつ林野庁長官の意見を伺います。
○福田政府委員 保安林の管理につきましては、農林省の中で林野庁が行なっておることでございます。水源涵養保安林その他どういう保安林でございましても、保安林としての機能を完全に果たすように管理するのが私たちの役目でございます。したがいまして、政府として何らかの保安林についての解除の問題等が出てまいりますれば、私たちとしては、その保安林の機能が失われないようにするのが本意でございますので、先ほどちょっと申し上げました二点ございます。第一点は、保安林としての指定の目的が消滅した、つまりそこに山火事その他、でかい災害で森林がなくなったとか、あるいはほかの代替施設ができたとか別の保安林ができたという場合には、解除しなければならない。指定の理由が消滅する、それが森林法の中に一項ございます。もう一点は、公益上の理由、公共目的に沿って行なわなければならぬときには解除してもよろしい、こういうのが現在の森林法にございます。ございますけれども、まだ具体的な話でございませんので、私たちとしましては、現在の保安林はこのまま完全にその機能を維持するように管理してまいりたい、かように思っております。
○島本委員 やはりその辺になると、将来に含みをを残して、知らないと言いながらも、それじゃ知っているのですね。
○福田政府委員 保安林というものを解除する場合、いろいろございますけれども、何も防衛問題だけではございません。宅地造成をする場合とか、あるいは農地をつくる場合とか、草地をつくる場合とか、いろいろございます。それらを含めて保安林というものは一切解除しないのだということにしますと、やはりいろいろと問題もございますので、法律の中ではそういう可能性を残しているわけでございます。そのことだけを御説明申し上げまして、いまのそういう計画につきましては、全然承知いたしておりません。
○島本委員 そういう計画が内示されたら、どういうような態度をとりますか。
○福田政府委員 どういう計画でございますか、保安林の機能を害するような計画であるかどうかによって判断したいと思います。
○島本委員 国有林千二百ヘクタールを自衛隊の演習地に新たにつくり上げる、こういうならば、保安林の目的は全部なくなるでしょう。機能は果たせなくなるでしょう、切ってしまうのですから、その演習地にするということについてどうかということなんです。
○福田政府委員 演習地にするかどうかということは、林野庁としては意見を申し上げる立場ではございません。
○島本委員 演習地にすることにしましたらどうしますか。
○福田政府委員 私の立場としましては、こういった問題いろいろございますが、保安林を完全に守っていくのが使命でございますので、保安林を維持して、これをなくしないようにするのが原則でございます。
○島本委員 したがって、最後までその原則は貫くわけですね。
○福田政府委員 基本的な考えとしては、その原則は貫くものでございます。
○島本委員 防衛庁、私もこれは初めて聞くのですが、この計画は単にこれはもう机七プランでもない、話し合いが出てる程度であって、それは具体的にまだ起こしているような計画ではないのだ、こういうふうに承っておりましたが、これはもうほとんど計画として策定されているのですか、それともこれから策定しようとするのですか、この計画についてはっきりさせていただきたいと思うのです。環境庁の長官もそれから林野庁長官もここで原則を確立して進んで、現在のこの機能をそこなうようなことはしたくないということははっきりしているのですから、いまの問題はちょっと重要性を帯びてきましたので知らせてください。
○伊藤説明員 お答えします。 毎度申し上げるようでございますが、沼田演習場の問題につきましては、地元の御要望もありまして、現在防衛庁内部で検計中でございます。
○山田(嘉)政府委員 先ほど幌新ダムのお尋ねございまして、私がちょっと知識が不正確でございまして、全体設計の段階ではないかというふうに申し上げましたが、間違いでございまして、すでに建設に入っております。昭和五十年完了の予定で目下建設中でございます。
○島本委員 片やそういうふうにして建設に入っているわけであります。片や演習地の計画が案外進んでいるようであります。そしてこれは水源涵養林でありますから、これはめったに手をつけられない。したがって、水源涵養の目的をなくするために自衛隊が別なダムをつくってやって、そしてそのダムの機能が十分果たせるようになってからそれは伐採して自衛隊の演習場にしたい、こういうような意向があるかのように承っておるのですが、そういうような計画なりそういうような実行なりがあるのですか、防衛庁、開発庁。ないならばないでいいのです。私はないほうが望ましいのですから。
○伊藤説明員 演習場の設置につきましては現在検討中でございまして、まだ計画決定したものではございません。したがいまして、その規模あるいは範囲それからその中にかりに保安林があるとかないとかということについても、現在まだ何もきまっておりませんので、私どものほうでそういった代替施設について具体的なものを定めているということは一切ございません。
○山田(嘉)政府委員 ただいまのような話は、開発庁といたしましてはまだ全然話を聞いておりません。
○島本委員 北海道も知らない、林野庁も知らない、環境庁に至っては皆目知らないうちに、防衛庁のほうでは地元の要請にこたえてということでこういうふうな計画が進められているとしたら、これは重大です。私はこの機会に、そういうような計画がもうどのように進んでいるのか、資料としてこれを要求したいと思います。委員長から可及的すみやかに、二の計画、どの規模なのか、それから現在まで買収済みの土地はどれほどなのか、売約契約済みのものはどれほどなのか、規模とあわせてこの点をひとつ資料として要求いたします。
○佐野委員長 伊藤施設課長いかがですか、先ほど質疑応答の中でだいぶ明らかになったと思いますけれども、もう少しはっきり資料要求に対する件について……。
○伊藤説明員 お答えします。 ただいま先生の資料要求なされましたことにつきましては、先ほどからの答弁の内容にすべてお答え申し上げているつもりでございますが、それでよろしゅうございますでしょうか。
○島本委員 そういう計画があるというのでしょう。どういう計画なのか、知らしてもらえないのですか。計画は全然ないというんならいいんです。
○伊藤説明員 お答えします。 毎度お答えしておりますが、現在防衛庁の中で検討しておりますので、防衛庁としましては、その演習場の規模、内容等、現在まだ検討段階で、全く未定でございますので、そういう意味では、確定しました計画はございませんです。
○島本委員 したがって、確定された計画はないという、もちろん北海道も林野庁も環境庁も知らないといううちに、あなたのほうでは内々でそういうような計画を進めているという。しかし、もうすでに土地七百ヘクタールは北炭から買い上げ済みだ、こういうようなことをいわれているし、民有地、民有林の二百ヘクタールはもう売却の見通しがついたんだ、こういうようなことをいわれている。あと残るのは千二百ヘクタールの国有林である、そういうようなところまではっきりしているのに、これはもう計画であるから言われない。はっきりこれができてから、あとは強行実施、この段階になって言わせるというだけだったら、これはとんでもないことです。私そういうのを、計画はほんとうに小さくても、あるのかないのか——ないというならいいというんです。あるというならそれを知らせろというんです。資料として出せないですか。委員長、それは要求できないですか。
○伊藤説明員 お答えいたします。 先ほどから先生いろいろ数字をあげられ、あるいはその売却ないしは契約といったような具体的な名前もあげておられるようでございますけれども、私ども、先ほどお答え申し上げましたように、その事実ございませんので、そのように御承知おきいただきたいと思います。
○島本委員 どうも私理解できなくてまことに申しわけない。防衛庁でその演習地をつくるのかつくらないのか。地元の要望があるからつくるんだ、その計画は内々で進めているというんでしょう。そうじゃないのですか。進めているんだったら、それをはっきりさしてくれというんです。どの規模なのか。そして、いま言ったような事実がないならないでいいんです。それを示してもらいたいというんです。あなたはわからないかもしれぬが、私のほうがなおわからない。それも知らしてもらえないのですか。それも資料としてこっちのほうへちょうだいできないのですか。
○伊藤説明員 沼田演習場におきます現在の私どもの状況につきましては、先ほどからお答え申し上げたとおりでございますが、その現状につきまして資料として提出するようにというおことばでしたら、後刻お出しするようにいたします。
○島本委員 その規模、それと同時に、いま言ったような売却済みの土地の有無、それと、もうすでに民有林というようなものに対しての契約をしたのかしないのか、それから今後の、おそらく計画があるとするならば、国有林のほうにはどれほど入っているのか、私のほうでは千二百ヘクタールだと承っておる、こういうふうな点について、具体的にこれは資料として提出してもらいたい。要求しておきます。 委員長においてもしかるべく計らってもらいたいと思います。
○佐野委員長 ただいまの質疑応答の中でいろいろな点が明らかになっておると思うのですけれども、一応正規にその趣旨を、いまの答弁の趣旨を出していただきたいと思います。
○伊藤説明員 承知しました。
○島本委員 こういうようなことが知らないうちに行なわれているということは実際遺憾なんです。すべてこれは土地の要望であるからということで進めていくわけです。その裏には、もう保安林や緑したたるような山の木をどんどん切っていく計画なんです。もうすでに計画として策定され、実施に移されるときには、もう林野庁は全部それは政府の言うとおりになって解除しなければならないのがいままでのしきたりだったからです。今度は二葉にしてこういうような事態が発見されるならば、緑を保全するために、いませっかくこの法律まで出してやる。自然公園法だとか自然環境保全法の一部を改正してまでも自然を守ろうとするのですから、それに反逆するような行為があるとするならば、これは二葉にしておいてこれをつみ取らなければならない。この意味で私は重要だと思ったからしつこくこれを聞いたのであります。この点を十分理解しておいてもらわなければいけません。この点だけはひとつ御了承願っておきます。 それで、ちょっと速記をとめていただきます。
○佐野委員長 ちょっととめて。 〔速記中止〕
○佐野委員長 速記を始めて。
○島本委員 まだまだ政府のほうでは、せっかく自然公園法や自然環境保全法の一部を改正する法律案を出していながら、依然として、前回成立の際に附帯決議が六項目にわたってつけられておるのでありますけれども、この実施につきましてもまことに不完全であります。それと同時に、自然環境の破壊が随所においてもうこれは計画されているような、こういうような状態はまことに遺憾であります。私は、いま自衛隊の演習場の問題一つ見ましても、これを新たに計画し、これを行なおうとすることがあるとするならば、これはまことに重大な自然破壊になります。私は、そういうような点で資料も要求してありますから、その資料に基づいて次にこれを伺いたい、こう思いますので、保留してきょうはこれで終わります。
○佐野委員長 了解しました。 岡本富夫君。
○岡本委員 最初に長官にお聞きいたしますけれども、自然環境保全法それから自然公園法の一部改正でありますけれども、この自然環境保全というのは、中身を見ますと、私たち前国会で審議したので、ほとんど原始林といいますか、そういうものを残すというのがおもな目的になっております。そこで、そういう自然環境だけを保全するというような法案に近いわけでありますが、御承知のようにPCB問題あるいは水銀問題、あるいはまた大気汚染問題、こういうものが全国的にいま広がっているわけでありますが、はたして現在の公害対策基本法、これを御承知のように対症療法的といいますか、そういうものが起こってから対策をするというようなことではならない時期がもう来たのではないか。先ほど聞いておりますと、長官ももう全体を考えてやらなければならないというようなお話でありましたので、やはり私ども提唱しております環境保全基本法、こういうところから出発した対策でなければならない。その中に自然環境保全も入るわけでありますけれども、もう少し強い、また将来の後代の人が、私たちの子孫が住んでいけるようなそういう国土を考えた環境保全でなければならない、こういうように考えるわけでありますが、したがって現在の公害対策基本法あるいはまたそれに伴うところの実施法といいますか、こういうものの洗い直しをしなければならないときが来ておるのではないか。同時に、環境保全基本法を制定しなければならない時代が来たのではないか、こういうように考えるわけでありますが、長官の御意見を承っておきたいと思います。
○三木国務大臣 岡本委員の言われるように、環境を全体として考えなければならない問題、たくさんそういう事態が起こってきておることは、お説のとおりだと思います。だから、将来の課題としては、もう少し環境全体の保全ということで立法を考えるようなそういう発想も要るのかもしれません。しかし、いまのところは、環境を一番破壊するものは、端的に言って公害の問題ですから、そういう点で、この立法の趣旨に沿うて十分にこの目的を果たすということが今日一番必要なわけです。そういういま、公害基本法、これを全部やめて、環境保全という大きな立場ということで切りかえていくということが、こんなに公害問題が各地に起こっておるときに適当だとは思いませんが、将来の問題としては、ただ対症療法的でなしに、全体としての日本の環境保全というものを一体として考える必要というのは将来あり得ると思いますね。一つの考え方としては、そういう考え方というものも今後検討に値する一つの考え方だと存じます。
○岡本委員 長官のお考えを聞いておりますと、現在あちらこちらにたくさんの水銀問題あるいは全国的な公害問題、これはなぜこうしてどんどん起こってくるか。たとえば水銀汚染の問題あるいはPCBの問題、これも今度私どもは調査に参りまして、水俣からずっと回りました。それも、原因というのはもう三十年、三十四年あるいは戦時中、もうずっと原因が先になって、そうしていまはその施設がないとかいうような工場もある。ということは、十年、二十年先を見通しあるいは五十年、百年の先を見通したそういう施策がなかったところに、ただいたずらに経済成長ばかりのいままでの政治のあり方がこうなったのであるということを考えますれば、いま長官の現在の公害対策をやるためには現在の公害対策基本法でいいんだというようなお考えでは、また次の時代に、何年かすると——何年かどころかもうすでに次から次へ起こってくる目に見えない、たとえばDDTにしましてもこれがPCBにかわるというような説も出てきておるのですね。こういうことを考えますと、いまの時点においてそういった環境保全の最も大事な基本を示すときが来たんではないか。そうしなければまた同じことが次から次と起こって、日本列島は汚染列島になってしまうということを考えますと、ここで勇断をふるってひとつここらで大きく変えなければならぬ。長官は先ほど全体を考えていかなきゃならぬというようなお話だったんですが、いまの御答弁だとちょっと考え方が後退したように思ったので、その点についてもう一度……。
○三木国務大臣 すべての政治の基礎というものの中に、環境の保全というものがいま要求される時代だと思います。これはもう通産行政にしてもあるいは建設の行政にしても、厚生行政にしても、そこから出発せなければあとからあとから善後措置に追われることになっていく。だからそれは一本の法律で、岡本委員の言われるように法律でまとめあげようとすれば非常に広範な問題を含むわけですね。もう一切の政治の出発点、こういうことですから、後退はしていないのですよ。みなやはり政治をそこから出発せないとあと片づけばかりに追われることになる。だからそれを一本の法律でまとめ上げてということは政治万般に関係をするわけですから、やはりこれはなかなか大問題でありますから、とりあえずいま一番大きな問題、公害問題というのはこれだけの大きな問題ですから、そういう法律の趣旨を徹底していくと同時にいろんな政府の施策、それがやはりすべてそういうところから出発するということで、岡本委員がねらっていられる全体としての政治を環境保全という一点にしぼってやらなければいかぬということから環境保全法というような広範な法律をつくるべきだというのでしょうから、すぐに一本の法律にまとめないにしても、言われる精神というものはすべての政治の基本の中になければならぬ、そういうふうに考えますので、後退ということではないわけでございます。岡本委員の言うことをもっと強く政治の中に取り入れなければいかぬということをむしろ強く申し上げておると言えると思います。
○岡本委員 長官、政治の上にこれを取り入れていく。ところが、行政の立場としますと、やはり法律に基づいて行政を行なうべきなんですよね。法律を逸脱した行政なんというものはあり得ないわけです。 そこで、たとえば先ほど話がありました、この前ここで論議しました伊達火力の問題にしましても温排水の問題とか、そういうものに対してはまだきちっとしたけじめをつけてない。にもかかわらず通産省は認可している。これの認可は取り消さない。一ぺん認可したものは取り消すわけにはいかない、こういうような話ですね。ですから環境保全というもの、あらゆるものをきちっとした、実施法まで参るその前の基本法ですよ。この大気汚染防止法を見ましても、この火力発電につきましては、こういう認可につきましてはこれは地方自治体の長に委任していないのです。これを適用除外しているのですね。ですからいまのようなことが起こっているわけですよ。ですから私の言わんとするところは、長官がただ政治の上で取り上げていく。政治の上に取り上げていくのであれば、それを今度は各行政機関に対してやはり法律として、基本法としてその方針を打ち出さなければならないんじゃないか。いまのような御答弁ではどうも納得しかねる。同時に、いままでの公害対策基本法の実施法、こういうものの洗い直し、見直しをしていかなければ、いつまでたっても私たちが各所に参りまして、きのうも委員長と一緒に、三日間ずっと回りましたが、どこへ行っても結局立法府の責任——向こうへ行きますと立法府も行政府も関係ないわけですよ。徹底的にやられちゃったですよ。それはやられてもいいんですけれども、しかし考えますと、これは各官庁が、法律がこうなっているからとかそれは権限がないからとか、そういう無責任なことではこの日本列島は将来どうなりますか。だから実力者である副総理がここでひとつ先頭に立ってこの辺をお考えになって、私たちも対案を出しておるわけですから、政府としてもここで環境保全基本法をぜひともきちっとしたものを出して、あらゆる開発、あらゆる対策はこれをもとにしたものでなければならぬというのをお示しになるのが筋ではないか、こういうふうに私は思うのですが、いかがですか。
○三木国務大臣 岡本委員の考え方は、私は否定はしていないのです。だからやはり今後の課題として検討をするに値する課題である、こういうふうに考えておるわけでございます。
○岡本委員 値する課題なんていうより、一番最優先しなければならない課題です。せっかく六十億も予算をつけながら、先国会でも私たちが附帯決議にやかましくいった自然林の買い上げにしましてもできていない。これはなぜか。地価が騰貴した。ある本によると、福田行政管理庁長官が、この地価騰貴あるいは物価騰貴を押えるには日本列島改造をやめたらいいのだ、こういうようなことも出ておりましたが、長官の御意見はいかがですか。
○三木国務大臣 国土の総合的利用というものは必要ですね、岡本委員も御承知のように。あまりにも日本は片寄った開発が行なわれましたから、東京、大阪、名古屋に人口の四割も集中している実態、これは不自然で、都市の機能というものに非常にいろんな不都合が起こってくることは明らかであります。もう少し狭い国なら狭い国として国土を有効に利用するというそういう開発が行なわれなければならぬので、開発否定論者では私はないのです。しかしその開発というものが、環境の保全ということが開発の大きな出発点になる、あるいは環境を破壊し公害を発生させて、そして開発といっても、ねらっておるものは人間の生活の充実、人間の福祉の向上ということですから、そういうことでは幾ら開発といっても目的に沿わないわけですから、そういう点でもう少し、いままでは乱開発が行なわれておることは事実ですから、開発というものが環境を保全しながら開発する。そこがこれからの知恵の出しどころじゃないでしょうか。もう開発をやめなければ環境保全はできないんだ、だから開発は全部ストップということで割り切れるならば、あんまり知恵を出す必要はないですね。だけれども開発の必要性はある。開発をしながら環境を汚染しないというところがこれからの人間の知恵の出しどころで、また政治のくふうの要るところではないか。ふれからの人類社会というのはそういうことで競い合うのではないでしょうか。そういう能力も持たなければ日本の発展というものはできませんよ。環境を破壊しないでどのようにして開発し、日本が発展していくか。日本がそういう方法を編み出してこなければ、こんなに毎年日本が発展しておるような速度でいけるわけがない。国際的にも反発を受ける。国内でも反発が起こる。これからの日本の発展の大きな分かれ道は、環境を破壊しないでどのように発展をはかるかというところだと思います。それはできないことではない。人間は停滞を許されぬですから進歩しなければならぬ。そういう意味でこれはわれわれにとって大きないまの課題だと思いますので、開発は全部ストップという説には私はくみしない。しかし環境の破壊を伴うならばその開発はストップしなければならぬ、こういうことであります。
○岡本委員 長官、きょうは時間がありませんからまたあらためて論議をしますけれども、フランスの都市計画家コルビジェという人はこう言っていますね。太陽と緑と静けさが町づくりの三要素である。これが西欧の都市計画の基本づくりといいますか、一番の要素になっている。ドイツの科学者のベルナッキー博士は、自然に成長した十メートル以上の五十年生のブナの木は一本で四家族の人々の呼吸に必要な酸素を供給している。また山口医大の中山博士は、人は一日に一万リットルの空気を呼吸することによって生きている。私たちにとって大気がいささかでも有害あるいは有毒なものが含まれていて差しつかえないという根拠は全くない。アメリカの生態学者ダモン・C・コール教授は、人間の未来のおそろしい可能性として、緑の不足が酸素の不足となって人間の死を招くかもしれないというような重大な指摘をしております。 だから国土総合開発で道路をつけたりするについて一番大切なのは、自然環境、緑をどうやって保全していくかということです。緑を保全するためには、一本一本の木をそのまま残しておいたのではみんな倒れてしまうわけです。それにはまず潜在しておるところの植生というものを徹底的に調査をして、そしてその植生図に基づいた開発でなければならないと私は思います。日本にはそういった全国の植生図が全然ないわけです。諸外国では一九六二年ですか、その前からですが、西ドイツなんかでは食糧農林省それから国立植生図研究所、こういうものを合併しまして自然保護景観管理研究所というものをつくって、そして開発をするためには全国の植生図にきちっと合わせて、それを基本としてからでないと許可しないというきびしいものをやっております。悲しいことには日本にはこれが全然ない。ですから、相当予算を取って環境庁が音頭をとってやらなければ、いかに国土開発法ですかああいうものが出てきましても、ただ単にここならいいだろう、そこならいいだろうということでは何を基準にして許可をしておるのか。こういったきちっと科学的なものに基づいた——明日、おそらく横浜国大の宮脇教授が見えると思いますが、この人たちもこういう意見を出すと思います。やはりやらなければならぬと思いますよ。科学的な調査に基づいた開発、それでなければ自然というものは再び戻ってこないのではないかと思う。その点について長官の御意見を承りたい。
○三木国務大臣 私も岡本委員と同じような考え方を持っているわけです。それは部分的には植生図はありますよ。しかし日本列島というものを全体としてながめた植生の地図というものはないです。だからこれから自然をいろいろ保全していくについても、やはりそういう周到な調査の結果得た結論の上に立って言わなければ説得力はないですからね。だから私が環境庁長官になったときにも、予算の大体の折衝というものは進んでおったわけです。私が、必要であるという、岡本委員と同じような考え方で、ほとんどきまっておった予算に加えたのがいま言った全国的な日本の環境地図といいますか、いま御指摘の植生の状態などもひっくるめた環境保全地図というものをつくってやろう。これにはそう何年もかけたのでは、開発も進んでおるわけですし、そういう場合の一つの参考にもしなければならぬわけですから、一年とという年限を切ったわけです。そして地方の大学教授、専門家——あした来られるという宮脇教授も協力者の一員でありますが、それで一年間でつくり上げる。その後も、これをできるだけもっと精密なものにして日本が国民の常識として、これだけの環境は守らなければならぬというような、こういう一つの大きな参考になるようなものをつくりたいということで、いませっかくやっておるわけでございます。岡本委員の考え方と全く同じである、そういうことでいまその作業を進めておる次第でございます。
○岡本委員 長官が一年でそれをやり切るというそんな甘い考えでは、私は幾らの予算か知りませんが、ちょっと——まあ諸外国の例を引きますと、二百年ぐらいの計画です。ドイツなんか、ヒットラーというのはほんとに悪かったですけれども、この計画のためには全力を尽くしている。あのローマの廃墟の例を見ましてこういうようなものをつくっているわけですよ。日本はほとんどないといっていい。というのは、ただ文化庁で天然記念物のところだけちょこちょこっとあるだけなんです。あとは全然ないのです。また、これをつくるためには相当な技術者と専門家が必要なんです。あなた、一年でやり切るというんならやってみなさい。これは全然できない。 もう本会議の予鈴がなりましたから、午後からちょっと……。
○佐野委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○佐野委員長 では速記を始めてください。
○三木国務大臣 いまのにちょっと答えておきましょう。 植生地図が全然ないというのは、岡本委員それは少し実情に沿っていないと思うのです。これはあるのです。あるのだけれども、全国的な植生地図というようなものにはでき上がってない。言われるとおりですよ。これは百年くらいかけたらいいのですよ。しかし百年もかけるということは、それは許されることではないので、まずことしやってみる。それで、これを毎年精密なものに、できるだけ調査も補足もしていくし精密なものにするということで、言われるとおり一年という年月はこれはもう十分でないことはわかっておりますが、しかしこれだけ開発というものが進んでいくときに、一応の調べた結論というものは出しておくことがいろいろな場合の参考になるということで急ぐわけで、一年という年月が、言われるとおりそんなものは一年でできるかという御批判もあると思いますが、しかし急を要するところに年限を切ったわけでございます。
○岡本委員 では時間ですから保留しまして、一応きょうはこれでストップしておきますから、次の機会に委員長の配慮をひとつよろしくお願いいたします。 建設省と警察庁の方どうもすみませんでした。次の機会にお願いします。
○佐野委員長 十分審議の時間を持ちますから……。 次回は、明二十日水曜日、午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十三分散会