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71回国会衆議院1973/05/11

公害対策並びに環境保全特別委員会 第21号

発言数
205
登壇者
22
会派数
5
開催日
1973/05/11

会議録

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 これより会議を開きます。  この際、連合審査会開会申し入れの件についておはかりいたします。  運輸委員会において審査中の国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、運輸委員会に連合審査会の開会申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ————◇—————

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 内閣提出の富士地域環境保全整備特別措置法案並びに自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案を議題とし、それぞれ提案理由の説明を聴取いたします。三木環境庁長官。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 ただいま議題となりました富士地域環境保全整備特別措置法案について、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。  富士山は、わが国の最高峰として、その雄大典雅な山容の美しさは古くから国民にとうとばれ、あるいは、詩歌、絵画等文芸上の題材となり、あるいは、登山、逍遥等の適地として利用されるなど、広く親しまれてきた名山でありまして、わが国の自然の象徴であるとともに、国際的にも希少なすぐれた景観を持つ山岳として高く評価されているものであります。  このようなことから、富士山の地域は、早くから国立公園に指定され、自然環境を保護しつつ国民の健全な利用に供することとされてきたのであります。  しかしながら、この富士山及びその山ろく地域は、首都から約百キロという近距離に位置し、近来、東名、中央の両高速道路をはじめとする各種の交通運輸機関が整備されたため、この地域を訪れる者の数は急激に増加し、別荘、ゴルフ場等の開発も進行し、自然環境の保護かつ適正な利用環境の確保、あるいはこれらに必要な施設の整備のあり方等について多くの問題が生じつつあるのであります。  このような現下の状況を考えますと、国民的資産としてのこの地域の自然環境を十分に保護して、長く後代の国民に伝えるためには、国立公園外の山ろく一帯の地域も含め、より広域にわたって乱開発を防止し、山ろく一帯の環境をこの地域にふさわしい形で計画的に整備することが、きわめて緊急の課題であると考えるのであります。  このような観点に立って、今回、自然公園法等と相まって、富士山及びその周辺地域の自然環境を保護し、それにふさわしい利用環境を確保するための特別の措置を講ずる目的をもって、この法律案を提案いたした次第であります。  以下、この法律案の内容を御説明申し上げます。  まず第一に、この法律案において対象とする富士地域とは、富士山及びその周辺地域のうち、その自然環境の保護及びその自然環境にふさわしい利用環境の確保並びにこれらに必要な施設の整備を富士山を中心として一体的かつ計画的に推進する必要がある地域であり、具体的には、今後十分な調査を行なった上で決定いたしたいと考えておりますが、現在のところ、おおむね富士山頂から半径二十キロの圏内について政令で指定を行なう考えであります。  第二に、富士地域における自然環境の保護及びその自然環境にふさわしい利用環境の確保並びにこれらに必要な施設の整備をはかるため、富士地域保護利用整備計画を策定し、その実施を推進することにいたしております。  第三に、富士地域における自然環境の保護または利用環境の確保のための規制につきましては、国立公園の区域における自然公園法に基づく規制の適正な運用と相まって、国立公園の区域外についても、建築物等の設置に関し所要の規制を行なう等、富士地域の自然環境の保護の徹底を期するとともに、利用規制地域として徒歩利用地域等の四種類の利用地域を指定し、これら利用地域においては、その指定の目的を達成するために支障を及ぼす行為については、これを規制し、良好な利用環境の確保をはかることにいたしております。  第四に、富士地域保護利用整備計画に基づく保護利用整備事業につきましては、毎年度定められる実施計画に従い、国、地方公共団体その他の者が実施することにいたしておりますが、これら事業にかわる経費につきましては、国が財政上の特別措置を講ずることにいたしております。  このほか、富士地域の自然環境の保護等に関する重要事項について調査審議するため、学識経験者等からなる富士地域保護利用整備審議会を設置する規定等を設けております。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案の提案理由の説明をいたします。  ただいま議題になりました自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案についてでありますが、最近、国立公園等のすぐれた自然環境を有する地域にも、各種の開発行為が波及しつつあり、このような事態に対処するためには、国立公園もしくは国定公園の普通地域または自然環境保全地域の普通地区における行為の規制を強化する必要があります。このような観点に立って、自然公園法及び自然環境保全法の規定を整備し、わが国における自然環境の適正な保全をはかる目的をもって、この法律案を提案いたした次第であります。  以下、この法律案の内容は御説明申し上げます。  まず、自然公園法の規定の改正として、第一に、国立公園または国定公園の普通地域における届け出を要する行為に、新たに、 一 土地の形状を変更すること。 二 海面以外の水面を埋め立て、または干拓すること。 三 陸域において、鉱物を掘採し、または土石を採取すること を追加いたすことであります。これは、最近これらの開発行為がますます顕著となる傾向にあり、これが無秩序に進められた場合には、自然環境の破壊をもたらすおそれが大きいため、自然公園法上有効な規制措置を講ずることが緊急の課題であると考えたからであります。  第二に、自然公園の普通地域における届け出を要する行為について、着手制限期間を設けることであり、今後普通地域において届け出を要する行為をしようとする場合には、原則として、その届け出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届け出にかかる行為に着手してはならないことといたしております。  この改正は、三十日間の着手制限期間に、届け出のあった行為を十分審査し、自然環境に悪影響を及ぼすおそれがあると認められる場合には、行為の着手前にその禁止、制限等の措置をとることができるように改めるものでありまして、実質的に特別地域における許可制に準ずる規制をはかることをねらいとしたものであります。  次に、自然環境保全法の規定の改正でありますが、これは、自然公園法の普通地域における着手制限期間の設定と同様の趣旨のもとに、自然環境保全地域の普通地区において届け出を要する行為をしようとする場合に、三十日間の着手制限期間を設けることにいたしたものであります。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。  右両案の質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 長官はきょうだいぶ疲れておるようであります。九日、十日、二日間水俣へ視察に行かれたようでございます。ほんとうに労を多とする次第でございます。ほんとうに御苦労さまでした。  それで、実際見てこられたので、私は率直に伺ってみたいと思います。  まず私ども心配したのは、裁判が終わってから依然としてまだあの中のしこりが解けない。怨念、こういうような考え方も解決していないのじゃないか、こう私どもは心配しているわけなんです。まして患者、被害者、こういうような人も水俣ではやはりまだべっ視されておる、村八分の傾向があるのじゃないかということをこの東京で心配していたのです。そうだったならば、これからも相当解決の前途に暗い影があり、私どもは大いにこの方面の努力を要請されると思っておるのですが、この点等についてはいかような見解をお持ちでございましたでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 私が水俣に参りましたことに対して、労をねぎらっていただいたことに非常に感謝いたしております。  二日間実際に現地の患者に接してみて、たいへんに悲惨な状態に私は胸を打たれたものであります。このような悲惨な人災というもの、これを繰り返してはならないという非常な決意を、企業はもちろん、政治に携わる者、行政に携わる者も固めなければならぬものであるという感を深くいたしたのでございます。  私は、いま島本委員の言われるように、患者と市民との感情というものを非常に心配しておったわけです。現地に参りますと、そういう事態もあったのでしょうが、いまは島本委員の御指摘のような患者をべっ視するというような傾向はありません。やはり市民の間に気の毒だという非常に同情する気持ちがみなぎっておりました。ただ私が市の当局者、市会議員にも言ったのは、水俣市が新しい出発をするためには、水俣病の患者の人々を村八分に置いておいて新しい出発はない、市民みながあたたかい気持ちで患者を抱きかかえるということが新しい水俣市の出発点だ、だから市としても、市会議員の人たち、代表者が見えておりましたが、どうかそういう気持ちで患者に接してあげてもらいたい、そうでなければ水俣の再建はできない、患者を孤立させるような状態に置いて新しい水俣市が建設できるわけがないということを非常に強調をいたしたわけでございます。みなもそうだ、そういうことでいまはみながそういう気持ちでやらないと、悪いイメージを持たれた水俣でありますから、新しい水俣として再建するためには、そういう気持ちに市民全体がなることが水俣市の再出発の出発点であるという長官の言われることはもっともだということで、そういう意味において、いままでのような島本委員の御心配のような状態は現状においては非常に変わっているという感を受けました。

島本虎三日本社会党

○島本委員 現実の面では変わっておるというそのことについては、私どもは患者に接し、またいろいろ代表の意見を聞いても、裁判を終わってもまだ怨念は消えないんだ、政治も行政も進んでこのみぞを埋めるように今後つとめなければならない、こう思っておったのです。しかしいま長官の御意見もございましたし、われわれも今後これに十分関心を持たなければならないと思います。  次に、補償問題については一応は山を越えたと見られております。しかし患者の治療や水銀ヘドロの処理それから潜在患者の発掘、こういうようなことに対して十分政治と行政の場で取っ組まなければならない問題が残っておるのです。長官はこれをまのあたりに見て直接住民とのお約束もなさったようでありますが、この点についてやはり国会のほうにも御報告を願いたい、こう思うわけです。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 先ほど申したように、こういう悲惨な状態を二度と起こさないということが必要だし、起こさないためにはきびしい環境の管理をしなければいけない、これは第一です。しかし、いま起こっておる不幸な事態に対して、健康とか生命はもとに返らぬにしても、せめても現状でなし得る最善のことはしなければならない。その一つにはまだやはり水俣病患者が潜在しておる傾向もありますので、沢田知事とも話し合いをしまして、不知火海沿岸に対して広く一斉検診をする、それを県としてやってもらいたいということを強く要請をしておきました。  それからもう一つの問題は補償問題でありますが、訴訟派、自主交渉派これはまだ解決しない。ほかのほうは大体解決をしたわけですが、この二つはまだ解決を見ておりませんので、これは私も、会社に対して、誠意を持って話し合ってこの問題を早く解決するようにということを強く要請をするつもりでおります。  それからまた患者の人たち、いろいろ医者の人たちにも集まってもらったり、熊本大学の医学部長以下水俣病といままで取り組んできた人たちとも話し合ったのですが、やはり病気が悪化することを治療によって食いとめることはある程度できるような気がする、それからまたいろんな訓練をすることによって、自分の身の回りの処理は、自分でできなかったものが訓練によってできるようになったという例も相当あるということで、根本的な研究もやらなければならぬですし、研究とか、治療とか、リハビリテーションとか、こういうものに対して、政府も、そういうものを総合的に、患者の人たちのためにできる限り治療などについても希望が持て、あるいは社会復帰に対しても助けになるような施設とか、今後どういう形が一番効果的だということはいろんな方面の意見も聞く必要がありますので、何かそういうものを具体化するためのいろいろ御相談する場をつくりたいと思っております。そしてそういうものに総合的な施策を講じていきたい。  もう一つはヘドロの処理であります。ああいう水銀がそのまま海底に沈んで、それをかかえていつまでもいくということでは不安は除去できませんから、運輸省の係官にも同道を求めたのです。そして船で水俣湾を見て歩いたわけですが、私は運輸省の港湾局長も呼んで、君は中心になって、どうしたって計画を立てるのは県ですけれども、技術的指導は運輸省がやらないと地方だけでは技術陣営は弱体ですから、君は全責任を持って技術的な指導をするということをやってくれということを要請をした。港湾局長もひとつやってみましょうということになりまして、運輸省でも検討を加えて、港湾局の参事官が同行した。それで県に対しても、運輸省の指導のもとに計画を早急に、ことしじゅうには立てて、四・四半期の来年の年が明けたようなときには工事にかかれるくらいの速度でひとつやってもらいたいということを要請して、それはなかなかたいへんなことですけれども、しかしやってみましょうということでありました。これはむずかしい問題ですからね、しかも第二次汚染というものも防がなければならぬ、むずかしいむずかしいといううちに日はたってしまうし、また禍根を断つわけにいかぬということでは、地元民の不安というのはなかなか解消できませんから、一応そういう目標を立ててこのヘドロの処理に対して取り組みたい、また取り組まなければならぬ、こういうことを現地を見て一そう責任を感じて帰ってまいったわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 やはり今後に残る問題は依然として自主交渉派並びに現在これから起こってくると予想される人たちの問題ですね。また補償その他の問題でも、長官は副総理として行って期待も大きいと思います、期待されておると思いますから、十分それにこたえて、この機会にこれを打ち切るところまで十分努力して、長官の、まさに環境庁長官ここにありで、こういう状態にしてやってもらいたい、こう思うわけです。いまの自主交渉派その他を含めて、これは完全にやってもらいたいと思います、解決してもらいたいと思います。その自信はおありでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 これを解決できないような日本の政治では、これはもう日本の政治の水準を疑われるわけですから、全力を尽くすつもりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 全力を要請して、十分間だけでしたからこれで終わります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 阿部未喜男君。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 まず長官にお伺いしたいのですけれども、この委員会でもいままでしばしば問題になってまいりました特に瀬戸内海地域を中心にする赤潮の発生の問題でございますけれども、われわれ子供の時分には、特異な天候が続くとか、そういう場合に何年かに一回ああいうものが発生しておったのですけれども、最近では夏冬を問わず、冬でも四、五日おきには赤潮が発生をする。この赤潮が魚族に影響を与えて魚の斃死等があらわれておることは御案内のとおりです。  ところで私は、この日本の科学技術の粋を集めてここ三年間もかかりながらどうして赤潮の原因が究明できないのか、そこに非常に疑問を持つのですが、長官、この赤潮の発生の原因についての研究、その機構のあり方等についてどういうふうにお考えでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 私も赤潮の発生が範囲が広がっていくし、長期化するような傾向を非常に心配をして、またこのために養殖漁業家などがたいへんな被害を毎年受けている、それで何とかこれを、いま阿部委員の言われるように衆知を集めてこの問題と取り組んで、赤潮問題の解決に当たらなければいかぬと考えて、役所に対して督励をしておるわけですが、三年かけていま三年目がことしになるわけですね。どうもまだこれだという、これだからこうしたらいいというところまでいかない。しかしそういう原因の究明というものもだんだん進んではきておるわけです。だからこれにはむずかしいのは、やはり今後やらなきゃならぬのは、工場排水なんかの規制を強化して、結局富栄養ということでしょうからね、そういうことでやはり生態上の変化が起こってきておるのでしょうから。あるいはまた一方においては下水の整備その他もあるということですし、したがって、こういう調査の結果も踏まえて総合的な対策を立てて、赤潮問題と真剣に取り組まなければ、不安は増大するばかりですからね。そういう考え方でおるわけでございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 赤潮の原因の究明について、現在何かプロジェクトみたいなものをつくって研究をされておるのですか、どうですか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 現在第二回目の三カ年計画といたしまして四十六年から四十八年まで、各省協力いたしまして赤潮の研究をいたしております。テーマをきめまして、そのテーマごとにそれぞれ担当の省庁をきめ、それで研究を進めているわけでございます。大ざっぱにテーマを申し上げますと、一つは赤潮の発生を減らす技術に関する研究、それから二つ目は赤潮生物による被害防除抑制技術に関する研究、それから赤潮発生海区と汚染海域の海洋環境に関する研究と分けまして、それぞれ細目をきめて担当の省庁と連絡をし、相互に協力をしながら現在研究を進めておる次第でございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 この赤潮が異常な発生を起こすために各地方自治体なりそれぞれの地域でもそのままに捨ておけないということで、地方自治体でもまたそれなりにいろいろな赤潮対策をやっておる。特にその原因についての究明が基本になるわけでございますけれども、私はもう少しこの赤潮の対策についてはそうばらばらな行政ではなくて、たとえば赤潮の原因というものは県が調べても国が調べても同じ結果しか出てこないと思うのですのですから、一本化されたシステムの中で検討さるべきではないかと思うのですが、そういう点はどうなっておりますか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 赤潮の研究につきまして、おっしゃるとおり地方自治体でもやっておりますし、また大学でもいろいろやっておるようでございます。もちろん私どもはそれらの成果につきましてはいろいろ打ち合わせ等やりまして極力取り入れてやっておりますが、ただ自主的におやりになるのを統制する一わけにはまいりません。私どもむしろわからない点が非常に多いわけでございますので、それぞれ研究機関、地方自治体等がおやりになるのは大いにやっていただきたいと私は考えておるわけでございます。と申しますのは、たとえば富栄養化が原因でもって赤潮ができると一般に言われておりますけれども、たとえば響灘等におきましては必ずしも富栄養化の状態が進んでいないにもかかわらず赤潮が発生している状態もございます。なおやはり解明を要することがたくさんあるのではなかろうかと考えておりますので、私ども極力研究成果はこれを集積し積み重ねるということをいたしますけれども、各方面が活発にやっていただくことを希望いたしておる次第でございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 私はまずその一つには財政的にきわめてむだなことではないか、というと言い過ぎになると思いますけれども、非常にむだではないか。私の住んでいる大分県では、県がやり、市がまた学者に委嘱をする、そして国もまたやっておる。それならばもっと一本化して、もっとそこに精力を集中し、一日も早く赤潮の原因を究明する、そういうシステムをつくるべきではないか。かりにいまあなたのおっしゃるようなことになっておったとしても、やはり地方自治体、大学、それから国、これは科学技術庁が中心だと思うのですけれども、その関連はどういうふうになっておるわけですか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 国の段階におきます研究につきましては、科学技術庁並びに環境庁が中心になりましてそれぞれ調整いたしましてやっております。大学等につきましてはもちろん文部省が中心になりましていろいろ研究テーマのセレクションその他をやっておりますが、実は地方大学からも希望がたくさんあるわけでございまして、むしろ文部省のほうがその希望に応じ切れないというようなことが実情であります。しかしなるべくこれも調整をいたすということで文部省のほうにもお願いをしておりますが、私どもはむしろ調整をして整理をするということよりも、なかなか手が回りかねる点がございますので、むしろ積極的にいろいろおやりいただくということが大事だろうというふうに実は考えております。各地方団体におきましても、それぞれの問題によりまして、たとえば響灘の問題につきましても山口、福岡両県が中心になりまして赤潮問題の研究等いたしておりますが、これらはやはり国との相談といいますか、協力のもとにおいて行なっておるわけでございますし、大分県でやっておられるということになりますと、これは私ども詳しいことは存じておりませんけれども、できれば事前に御連絡をいただけば、研究テーマ等の調整をしてやっていきたいと実は考えております。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 三木長官、研究のシステムですが、いまもお話がありましたように、それぞれの自治体がこれ以上待っておれないというふうな気持ちから、自治体の予算の中で赤潮の原因究明に乗り出しておられるようです。しかもそれが必ずしも国の赤潮原因究明との連携が十分であるとは考えられませんので、もっとこの体系化した、前の大石長官は、環境庁は頭脳みたいなものだということばを使われましたが、環境庁を中心にしてまず原因究明についての一つの線を立てる。それからもう一つは、やはりこれによるところの被害の対策だと思うのですけれども、水産庁お見えになっておられますが、最近大体どのくらい被害が出ておるのか、ここ一年ぐらいの統計はどうなっておりますか、知らしてもらえませんか。

安福数夫水産庁次長

○安福政府委員 私のほうの手元に最近の被害額の数字がまだ集計が終わっておりませんので、現在申し上げられません。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 漁民にとって赤潮による被害というのは、死活の問題です。かねてからこの委員会でもその対策についていろいろお願いをしてきたところですが、ノリ、魚、おたくのほうでいまできておるのは天災融資法の適用をするとかという程度であって、それ以上の補償が国ではほとんど行なわれていない。地方自治体では一部そういうものに対しても補償を行なっておるところもあるようでございますが、せっかく水産庁という役所があるわけですから、常に被害の状況をしっかりと把握してその対策を立ててやらなければ、私はこれから問題になると思いますけれども、赤潮による漁民の被害というものは全く目に余る気の毒なものがあると思います。ひとつしっかり、これは水産庁のほうでもがんばってもらいたいと思うのです。  さて、その赤潮の原因の問題ですが、いろいろ学説はあるようですけれども、先ほど長官、ちょっとお触れになりましたが、工業用の廃水あるいは都市下水の関係が問題ではないか。いわゆる富栄養だろう、こういうようなことも言っておられました。まだ原因は明らかでないと言われながらも、少なくとも富栄養が原因だということについては大体一致した意見のようであります。したがってそうなれば、当然いまの工業用廃水についての規制とか都市下水についての規制が手を打たれなければならない。原因がよしそれがすべての原因じゃなかったとしても、これが一つの原因であろうとするならば、それに対して手を打っていくというのが行政の姿勢でなければならぬと思うのですけれども、長官はどういうふうにお考えでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 瀬戸内海に対しては、各党の間にでも特別立法が必要なんじゃないかという声が強くなってきて、各党その特別立法を用意しておるような状態で、政府のほうとしても検討を加えておるわけです。それはなぜかといえば、たとえば都市下水の問題にしても、いまのような全体の計画だったら非常に年限がかかるから、相当思い切って促進しなければならぬ。これは政府自体としても、下水道の整備というものは来年度から五カ年計画を立ててこの問題とは大きく取り組んでいこうという姿勢でありますが、しかし、瀬戸内海というものはこのままにしておけばなかなか時期的に間に合わないような事態も考えられますので、都市下水の整備を特に促進する方法、これは来年度予算等とにらみ合わせて促進しなければならない。また工場排水についても規制を強化していく、あるいはまたその他埋め立て等の工場に対しても規制をしていかなければならないことは明らかであります。こういう総合的な対策が赤潮対策としても必要になるわけでありますから、こういうことで、原因は富栄養であろうということはみんなの一致する意見でありますが、今後これと取り組んでいきたいと考えておる次第でございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 科学技術庁見えておりますか。——それでは水産庁のほうにいろいろとお伺いしますが、いま長官からもお話がありましたように、いわゆる工業用排水、都市下水が主たる原因ではないか、特に瀬戸内海汚染の八七%ぐらいは工業用排水、下水ではないか。しかも工業用排水、下水が富栄養の非常に大きい原因になっているというようなことが、香川大学の岡市先生等の学説でかなり出てきておるようです。  もう一つ私は、いま長官からお話があった響灘あるいは大分県の新産都第二期計画等によるヘドロのしゅんせつ工事と赤潮との関係が非常に気になるのですけれども、工業用排水と赤潮との関連、都市下水と赤潮との関連、それからヘドロのしゅんせつと赤潮との関連の研究がどの辺まで進んでおるのか、ちょっとお伺いしたいのです。

安福数夫水産庁次長

○安福政府委員 お答えいたします。  赤潮の発生原因につきましては、大体アウトライン的にはいわゆる有機物が非常に過剰に海水の中にたまると申しますか、そういうところに発生の土壌があるだろう、基盤があるだろう、こういうふうに考えているわけでございますけれども、それに対しましていろいろな条件がどういうふうに重なった場合に出るのだろうかという問題でございます。  御承知のとおり、プランクトンには動物性もございますしあるいは植物性もございます。あるいは淡水を非常にに好むものもございますし海水を非常に好むもの、いろいろな種類がございます。そういった発生するプランクトンによりましてまた条件なり環境なり非常に違っているんだろう、こういうふうに考えておりますけれども、ただいま申し上げましたように、有機質物質というのがやはり基本的に発生の土壌になっているだろうということが大方の意見として考えられているわけでございます。  それに対しまして、いろいろ起爆的な要素が何だろうかという問題なんですけれども、昨年瀬戸内海で大発生しましたときには異常な降雨があった、このために淡水と申しますか、塩分濃度が非常に低下したという問題、それからまた海水の温度が上昇する、あるいはたまたま海流が非常に停滞する、こういった悪条件が重なる、その中にはさらにそういった異常なたん白質が発生する増殖の促進的な要素の物質があるだろう、その中でもビタミンB12であるとかあるいは鉄分であるとか有機質の分解質のものであるとか、そういったものが起爆剤的な機能を果たしているのじゃないか、こういった赤潮発生の一つの循環体系というものが一応考えられているわけでございますけれども、いろいろ条件が違いますし、また発生するプランクトンの種類も違うということで、基本的にはまだ未知の分野が非常に多い、われわれはこのように考えておるわけでございます。そういった面を水産庁は水産庁なりに、南西海区の水産研究所それから東海区の水産研究所、水産大学校といったところを動員いたしまして、また瀬戸内海の関係十一県の水産試験場というところと十分密接な連携をとりながら、赤潮の発生体系のひとつの基礎的なさらに突っ込んだ研究をいろいろ進めておる、こういう段階でございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 長官お聞きのとおり、たとえば昨年は非常に長期にわたる降雨があって海水の塩分が薄まったのではないかというような原因も考えられる、いわゆる起爆としての原因のお話があったのですが、昨年の冬からことしの春にかけては、そういう雨とか天候とかにかかわり合いなく、三日おきあるいは五日おきくらいに別府湾には赤潮が発生しておるわけです。そこで、仮定ですけれども、たとえば別府なら別府という地域を一つのモデル地域として、そこの都市下水をとめるというとあれですが浄化する、工業用排水を何らかの方法で規制してみる、そういう形で原因を究明しなければ、いまのように何が原因かということをずっとやっていたって、いつまでたっても百年河清を待つことになるのじゃないか。おっしゃるように富栄養が原因であるとするならば、その富栄養のもとになると考えられる工業用排水なり都市下水をとめてみる——これはかなりむずかしい問題ですが、浄化してみる。そのことをやってなおかつ赤潮が出るのかどうか、そういうことをひとつモデル地域をつくっておやりになってみたらどうでしょうか。行政の側として、そういうお考えはございませんか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 一つの地域をモデルとしてというお考えですが、しかし赤潮というものが別府なら別府というだけの問題でもありません。やはり私も、いまの阿部委員と同じようなことを役所の者に申したのです。何かプロジェクトチームみたいなものをつくって——各省の寄り集まりということはなかなか研究が促進されない場合もありますから、何か問題が起こったら日本の場合においてもそういうふうな仕組みをこれからやっていかないと、問題の解決というものに能率をあげていくことはなかなかむずかしいと思いますので、いまの体制というものはやり方を研究してみたいと思うのですよ。しかし一カ所に限ってモデルとして赤潮をやるということはなかなかむずかしいと思いますが、いまの研究体制というものを何かもっと促進する方法というものは検討してみたいと私も考えておるものでございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 私はこの前山口県に行きまして、特に響灘の赤潮についていろいろ調査をさせてもらったのですよ。あの因果関係を見ると、北九州のヘドロのしゅんせつをやると必ず赤潮が起こるという実態があるわけです。そこで、あそこのヘドロのしゅんせつをとめる。これは必ずしも不可能なことではないから、これをやらしてみて赤潮が起こるか起こらないか。響灘などは、そういう部分的な一つの実験の場としては非常におもしろい地域ではないかというようなことを考えてみたのですが、これは当然行政でおやりになることですから意見として申し上げて、ひとつ考慮に入れておいてもらいたいと思います。  水質汚濁の関係でもう一つ、これは環境庁のほうがいいのですが、大分県に日田市という市がございますけれども、ここに三隈川という川が流れておりますが、ここに異常なPCBが発見された。フナだとかイダとかの魚の体内から、環境基準をはかるかにこえるPCBが出ておるという報道がなされておりますが、これを把握しておられますか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 そういう事実があったということを聞いております。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 これまた長官、PCBが製紙工場から流れて出て、三隈川の支流で調査したところ、いま申し上げたように非常に高い数字の——数字は申し上げませんが、PCBが検出された。これはその下の大きい川に流れ込んでおるわけです。したがって、こういう問題が起こったときには県に指示するなり何らかの方法で——いま支流だけしか検査が終わっていないわけですよ。したがって本流のほうは、これはアユの名所でございまして、アユは一年生ですからPCBの蓄積がどうなるかいろいろ問題はあろうと思いますが、しかしこの川だってアユだけでなしにフナもおればイダもおるわけですから、もう少し環境庁のほうからこういう情報があったときには適当な指示を与えて、地域の住民が不安を持たないような措置を講じてもらいたいと思います。これも要望でございます。  次に、自然環境保全法の二十五条「特別地区」というのがございますが、この自然環境保全の特別地区は、いま全国にどのくらい指定になっておるものでしょうか。

首尾木一環境庁自然保護局長

○首尾木政府委員 先生の仰せられましたのは自然環境保全法の自然環境保全地域の特別地区ということだと考えますが、これにつきましては御案内のようにこの法律は本年の四月十二日から施行になりましたので、いまだその指定につきましてはこれを実施をしておりませんので、審議会も発足をいたしましたので、審議会等に諮問をいたしまして、今後逐次やっていきたいというふうに考えておるところでございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 この特別地区の指定を受ける場合の手続ですね、これがどうも法律を読んでもよくわからないのですが、その手続のしかた、それからもう一つ前のほうと関連があるかどうかわかりませんが、この場合は国または県、地方公共団体の所有でなくとも指定ができるのかどうか。

首尾木一環境庁自然保護局長

○首尾木政府委員 自然環境保全地域の指定の手続でございますが、それは法律の二十五条に書いてございますように、まず自然環境保全地域に関する保全計画に基づきまして、その保全計画において特別地区とそれから普通地域というものを分けて保全計画をつくりますが、それに基づきまして指定をいたすということでございます。  なお原生自然環境保全地域につきましては、これは国有地でありますとかあるいは都道府県の有地でありますとかそういう公有地に限るわけでございますが、この自然環境保全地域というのは民有地も含めまして指定ができるということになっておるわけでございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 いま手続がなかったのですが、どういう手続をすればいいのか、たとえば国立公園の中に入っておる地域の中で、特にこの特別地域に指定をしてもらいたい。それは珍しいこん虫がおるとか、それから湿地の草があるとか、あるいは鳥類がおるとかいろいろあって、幾つかの地域を集めて一つの特別地域というようなことが可能であるのかどうかですね。

首尾木一環境庁自然保護局長

○首尾木政府委員 自然環境保全法による自然環境保全地域は、これは法律的に申しまして自然公園とダブらないという形になっておりますので、国立公園内でございますれば国立公園内の特別保護地区あるいは特別地域というような指定によりましてその保護をはかっていくということでございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 その手続ですね。

首尾木一環境庁自然保護局長

○首尾木政府委員 お答えいたします。  国立公園内におきます特別保護地区あるいは特別地域の設定というのは環境庁長官がこれを指定をするということでございまして、実態的に申し上げますと、それぞれの国立公園につきまして環境庁が現地を調査をいたしまして、関係各省と協議をいたしましてその特別地域を設定をするということでございます。もちろんその間に、関係の都道府県知事の意見を聞く、それからその地域の設定につきまして、その地域の設定についての実際上の問題といたしまして利害関係を持っている者との協議といったことを事実上の問題として行なっておりますが、そういう手続を経まして指定をいたすということでございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 たとえばそういう地域で、いま国立公園の中に入るかどうかわかりませんが、民有地でレジャーの開発が行なわれようとしておる、そこがたまたま非常に珍しい植物やこん虫や鳥類がいる、何とかこれを保存してもらいたいものだ、そういう要望が出てきますと、地主、所有者とそれを保存してもらいたいという地域の住民なりそういう方々との間に意見が対立をしてくるおそれがあるのですが、そういう場合どういうことになりますか。

首尾木一環境庁自然保護局長

○首尾木政府委員 具体的な例が国立公園の地域である場合、それから国立公園の地域外である場合、いろいろあると思います。が、私どもといたしましては、たとえば国立公園に該当し、国立公園の中で特にすぐれた自然の地域を持っておるところにつきましてはこれは積極的にやはり指定をするということでございまして、単純にその問題について、これは国立公園の中でございますれば、あるいは指定ということにつきましては法律的には民有地のあるいは所有者の同意というものを要しないということになっておるわけでございますが、実際の問題といたしましてその地域をほんとうに守っていくためにはやはり相手方の了解ということが必要でございますので、極力これを説得をするという形でもって指定をいたしておるわけでございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 いまのお話をずっと総合すると、それを特別地域に指定をするかしないかということは環境庁のほうで調査をされてお考えになる。しかし、こういうところがあるということについての申請といいますか、そういうような手続は要らないわけですか。

首尾木一環境庁自然保護局長

○首尾木政府委員 ケースによって違いますが、私どもが具体的に私どもの調査によってその地域が特に重要であるということを承知をいたしておりますそういう地域につきましては、これは私どものほうから発動をしていくという形になっております。ただしそういったような実態につきましては必ずしも全国の実態というものが漏れなく把握できておるというわけでもございませんので、そういう問題につきまして県当局あるいは地元からそういうすぐれた自然についての指定をやってもらいたい、こういうようないわば事実上の申請といいますか要望がございまして、そういうようなことに基づきまして私どもがさらに調査をしてこの指定を発動していくというような場合もございます。両方の場合があるわけでございます。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 もう一つ最後にお伺いしたいのですが、通産省お見えになっていますか。  大分県の下毛郡山国町というところに、いろいろな呼び名があるようでございますが、草本鉱山あるいは大峯金山とか旭金山とかいろいろ呼び名があるようでございますが、これは廃止鉱になっておるのじゃないかと思いますけれども、鉱山があるかどうか、ちょっとお知らせ願いたいと思います。

青木慎三通商産業省公害保安局長

○青木政府委員 お答えいたします。  ただいま御指摘の鉱山は金鉱山でございまして、下毛郡山国町一帯でございます。この山は徳川時代に盛んに稼行されたわけでございますが、最近ではこれらの金山は昭和八年に石原産業が石原旭鉱山として統合しまして稼行いたしたわけでございます。ただ、これは昭和十八年に至りまして金鉱業整備令により休山いたしております。戦後はその一部を大峯鉱山といたしまして、田中国広という方が昭和二十六年から二十八年まで、従業員約十六名から十九名を使用して金銀の粗鉱を採掘いたしております。昭和二十九年以降は休山いたしまして、昭和三十三年に鉱業権は現鉱業権者の藤田登という人に譲渡されておりますが、その後は稼行した実績はございません。それからまた、この地区の一部は溝部鉱山として、昭和二十六年、日本特殊鉱業に鉱業権が譲渡されておりますが、さらに三十年に阿寒硫黄株式会社に、三十八年に中島吉正という方に鉱業権が移っておりまして、昭和四十六年にこの中島さんがなくなりまして、鉱業権は消滅しております。この間、鉱業権はいろいろ移動しておりますが、溝部鉱山としての稼行実績はない模様でございます。  ただいま申し上げましたように、この山は両方とも現在稼行いたしておりませんが、福岡県の鉱山保安監督局では、昭和四十六年と七年に現地調査を行なっております。その結果を見ますと、大峯鉱山では選鉱スライムの堆積場は草木が茂っておりまして安定しております。それからまた、ズリは土建用バラスとして利用されておる模様でございます。溝部鉱山の堆積場も土地と一体化しておりまして一応安定しております。  また、この両鉱山から出ております坑内水につきましては、水質はいずれも排出基準以下でございまして、問題はないというふうに報告を受けております。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 大体おたくの御調査のような内容のようでございますが、ただこれは労働省の関係になると思うのですけれども、実はいまいうところのこの旭金山の関係で、三十七名くらいの従業員があったようでございますが、その後二名ほどの方がけい肺病でなくなった。それからこれはおかしいということで追跡調査を行なったところ、三十七名の方々のうちで、大体十四名はすでに死亡されておる。十四名死亡された中の半分の七名はけい肺病であったといわれております。さらにいま生存しておる方々のうちで、六名がけい肺病で治療を受けておる。さらに七人についても、これはけい肺病の疑いがある、こういうふうにいわれております。残る十人が診療を受けられなかったりあるいは疑いがなかったりということになっております。大体患者の数からいきますと、けい肺病で死亡した者が、明らかなもので七名、現在けい肺病にかかっておる者が六人、疑いのある者が七人、その他十と、こういう勘定になるわけでございますが、二十二年以前の問題でございますから労災の適用がないわけでございます。  したがって、これは本人たちにとっては非常に気の毒なんですが、長官はこういう問題についてどうお考えになるのか、今日休廃止鉱山の問題が非常に大きい問題になっておるし、特に健康被害については何らかの措置を講じなければならないという状態になっておるときに、こういう実態があるわけですが、見解を承りたいと思います。

青木慎三通商産業省公害保安局長

○青木政府委員 本来、これは労働省からお答えいただく問題かと思いますが、いままで私どもの承知しております関係で申しますと、昭和二十二年の前でございますから、労災法の適用はないように聞いております。こういう場合に、私どもが答えるのは適切でないかもしれませんが、労働省のほうでは、極力前の鉱業権者に対しまして実質上めんどうを見るような行政指導をしているように、一般方針としては聞いております。ただこのケースの場合、どういう行政指導がされておるのか、私ども承知いたしておりませんので、一般論で言いますと、そういうふうに労働省は指導をしているように聞いております。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 この山の経歴でも明らかなように、実際に鉱業権を持って粗鉱した人はもう鉱業権を譲って、鉱業権を譲り受けた人は実際に何も稼行されずに、そのまま鉱業権だけを持っておる。そうなれば、いま鉱業権がたまたまあるからといって、十数年前に行なわれた稼行についての労働災害になるわけですけれども、けい肺病を見よといっても、これはおそらく新しい鉱業権者は、以前の鉱業権者がやった行為についてまで責任を負わぬだろうと思います。  ところで前の鉱業権者にしてみれば、すでに鉱業権を譲るという状態でございますから、これまたおそらく病気の方々のめんどうを見るということにはならぬだろうと思うのです。そこで、こういう場合に国の何らかの措置がなければならない。これはちょうどこの前の国民保険の問題と一緒で、途中で抜けた勘定になる。今度せっかく新しい法律をつくったが、ここだけ途中抜けたという勘定になるのですが、事務当局でもけっこうですが、こういう場合は何らかの方法がないのか。各官庁の公害対策の頭脳といわれる環境庁としてはどうでしょうか。何か考えはないでしょうか。

青木慎三通商産業省公害保安局長

○青木政府委員 確かにそこに盲点があることは、私どもも承知いたしておるわけでございますが、これは企業に雇われております労働者に対する労働災害の問題でございますので、どうも私からお答えするのは適切じゃないと思いますが、十分労働省のほうに御意見のほどはお伝えしておくようにいたしたいと思います。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 確かにこれはいまおっしゃるように労働災害の問題なんです。しかし鉱山公害であることもこれは間違いがないわけでございますから、その意味で、先ほど申し上げたように、公害の大元締めである環境庁で特にどうしても救済ができないとすれば、何らか国で措置ができるようなことを、ひとつ長官はお考え願えませんか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 これは労働省との関係もありますから、そういう場合に、阿部委員御指摘のように非常に気の毒ですから、労働省と打ち合わせて、何か救済の方法がないか考えてみたいと思います。

阿部未喜男日本社会党

○阿部(未)委員 では、いまの長官の御意思を受けて事務当局のほうで労働省と打ち合わせをされて、その結果を報告していただくようにお願いをしまして、私の質問を終わります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 中島武敏君。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 最近、ついこの間ですが、窒素酸化物とそれからオキシダントについての環境基準が告示されましたが、これに基づいて排出基準などをきめて実行に取りかからなければならないと思いますが、これは一体いつごろから具体的な規制にかかることを計画されておりますか、それを最初にちょっとお尋ねしたいのです。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 お答えいたします。  できました環境基準を維持達成するために排出基準をつくらなくてはなりません。これの検討委員会もすでに発足して作業をしておりまして、数カ月中に排出基準をつくって対策の基礎にいたしたいと考えております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 その場合にどういう規制のしかたをされようというふうに考えていらっしゃるのか。検討されていらっしゃると思いますので、その点もまたあわせてお尋ねしたいと思います。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 具体的にまだ煮詰まっていない点もありますが、考え方だけ申し上げますと、まず測定方法は、従来の環境基準に出ましたのは環境の測定技術でございますが、今度、沿道の直接出てくる窒素酸化物の測定方法は非常にむずかしゅうございまして、これらについてどういう方式でやるかという問題が一つ。それから排出口から出る排出規制の問題につきましては、これもボイラーなりかまなり炉等々によっていろいろ条件が違いますので、これらについてどういうふうな種類と規模によって規制していくか、またそれについてどれくらいの数値をもってそれを規制していくか、これらの作業がございます。  それから、全体的に汚染されておるところには中間目標値をつくってございますので、それに大体どのくらいで達成するか。これらの地域、場所等についても検討を加えて示していくという作業がいま残っておるわけでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 この規制の方法に関してなんですけれども、いま検討されておられる最中だというのですが、この間の中公審の答申の中にもあるわけですが、総量で規制をするということが検討されなければならないというふうに述べてあります。私どもは、これはもうかねてから申し上げておりますように、ほんとうにその効果をあらしめるということから考えますと、やはり量規制をやらなきゃいけない、それも環境基準が維持できるように総量で規制をしていくということが非常に大事なことだと思うのです。その点で環境庁のほうでは量の規制でやられようとしておられるのか、あるいは濃度の規制でやられようとしていらっしゃるのか、あるいは総量規制を実際に実行しようとされていらっしゃるのか、その辺、もうちょっと伺いたいのです。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 いま窒素酸化物の排出規制のことについてお答えしましたので、総量規制のことに関しましては、硫黄酸化物と窒素酸化物と両方の問題がございます。いずれも同じ方法で総量規制にしていこうという考え方で作業を進めております。  ただ、御承知のとおり、総量規制のいろいろな技術的な問題がございますので、それを四十八年度中に何とか結論を得たいということで、水島地区等に現在作業をしてございますが、それらの成果を見た上で早く総量規制の方式を導入しようということをいまやっておるわけでございます。  ただ、現在新しくできました窒素酸化物につきましては、根本的に硫黄酸化物と同じような排出規制をしていくほうがよろしいのか、いわゆる煙突の高さを中心にした、K値方式といっておりますが、それの問題と、それから窒素酸化物の場合には、大企業という点だけに重点を置くよりも、やはりいろいろな排出口の問題を総量としての押え方もしていかなければなりませんので、こまかくやるにはやはり濃度規制も第一回は取り入れなくてはならない。それらの作業を済ました上で総量規制という問題に入ってまいりますので、窒素酸化物の最初に行なわれる排出規制の方式に、最初から総量規制ということはまずむずかしいと私は考えます。したがって、どういう形になるかわかりませんが、まず濃度規制等を取り上げてそれから硫黄酸化物と窒素酸化物とあわせて総量規制に持っていくという、こういう方向に進むことと予想しております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 重ねてお尋ねしたいのですが、この二酸化窒素の場合に達成の期限としては五年ということを目標にされていらっしゃる。ただ、「過度の人口集中地域または大規模工業立地地域であって、」云々ということで、「過度の人口集中地域または大規模工業立地地域」ここは八年を限度として達成、こういうことになっているわけですね。私どもは五年というのも災は非常に長い、八年というのはきわめて長過ぎるというふうに思っているわけでありますが、この問題に関係してお尋ねしたいのは、過度の人口集中地域あるいは大規模工業立地地域というのはどういうところを考えていらっしゃるのか、このことを先にちょっとお尋ねしたいと思うのです。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 これは硫黄酸化物の場合におけるのと同じように、コンビナートを中心とした、現在非常に汚染の高い地区、これを過密の工業地帯、それから大都市、東京、大阪等含めた、これもやはり汚染濃度の高い、これらを過密地域として考えておるわけでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 現在建設中の工特の鹿島、これは一体大規模工業地域というものの中に入れて考えていらっしゃるか。それともまた、これから新しく工業開発をする地域というふうに含めてそちらのほうに考えていらっしゃるか。その点はどうでしょう。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 お答えいたします。  それぞれの場所についての分け方というのは、正直いいますと、まだきちんとした定義を持っておりません。それには何といいましても窒素酸化物のデータがまだ十分とれてないところもございますし、従来の硫黄酸化物を中心にした地域の配分においてものを考え、それから窒素酸化物に関するデータのないところはそれらをとりまして、それに勘案して先ほど申しました中間目標値等、あるいは早く到達する地域というようなことをあわせて考えていきたい、こういう作業をしておる最中でございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私がいま申しましたように五年という期限で達成するということは、実際に人間の健康をほんとうに守っていくという立場からいいますと決して短い期限ではないのですね。現実に大きな被害が起きておるということから考えますと、この期限はもっと短縮されなければならないというように思います。  それで、その上でなおコンビナート地域というようなところ、あるいは東京、大阪というような、いまお答えがありましたような大都市、そういうところが八年というふうにかえって長くなっている。実はそれは技術上の困難とかいろいろなことが理由としてあげられるかもしれませんが、本来早く達成されなければならない地域というのは、私は東京や大阪やあるいはまたコンビナート地域でないのか。むしろそこからこそ、硫黄酸化物にしましても、また今回の窒素酸化物にしましても、排出されている量が非常に多いわけですね。そしてそのことが人間の健康に対して、やはり重大な影響を与えておるというのが実態なわけです。ですからそういう個所こそむしろ考え方からいえば早く達成する必要がある地域なのではないかというふうに思うのです。その点で長官にお尋ねしたいと思うのですけれども、この点ですでに危険地域は八年というふうに告示をされているのですけれども、これはもっと短縮をする、そして早く目標を達成するというような考え方をお持ちでいらっしゃるかどうか。それからまたこれは窒素酸化物だけではなく、二酸化窒素だけではなく、硫黄酸化物の場合にはこれから告示か何かされるのだと思うのです、まだされておりませんから。あわせてその辺の考え方、どうされようとしていらっしゃるのかということについてお尋ねしたいと思うのです。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 硫黄酸化物は来週告示をいたそうと思っております。窒素酸化物に対しては、御指摘のように実際大都会、コンビナート地域というものが問題でありますが、今度きめられた窒素酸化物の規制にしましても、世界に類例のないきびしさですから、アメリカの例などとってお考えになってもわかるように。だからわれわれといえども、技術開発の段階からしていまなかなかやはり不可能に近いということを、理想としてとっても、告示をすることは現実的でないと思うのです。それで五年、八年ということになったわけですけれども、しかしこういうことはやはり鉄鋼業界に対しても非常な大きなショックを与えたことは事実でしょうから、どうしても今後は技術開発というものを促進していくに違いない。また促進せざるを得ないですわね、年限が限られておるわけですから。その技術開発の段階をにらみ合わせて、もう中島委員の言われるように早いに越したことはないのですから、健康被害という問題を考えれば。それでこの年限に限らず、技術開発ともにらみ合わせてできるだけ促進したいというのは基本的な態度です。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 これは私が申し上げるまでもありませんが、昨年の十二月に中央公害対策審議会の防止計画部会で、御存じのように「特定地域における公害の未然防止の徹底の方策についての中間報告」という文書を発表されていらっしゃる。そしてこの中で、やはり従来の地域開発において公害が発生したというのは、開発優先の考え方が支配的であったことによるものだと、きわめてはっきりこの点を指摘をして、今後の地域開発においては環境保全優先へと立場を転換し、環境保全と両立し得るときのみに地域開発が認められるべきである、こういうような見解を出しているわけです。これは私は新しくこれから地域開発を行なうところ、これはもちろんこういう見解に立ってやらなければならないのは私は当然だと思うのですが、現在すでにもう被害をたくさん発生させている地域ですね、大都市あるいはコンビナート地域というようなところは、当然何というのでしょうか、もっとやはり長官早くできれば、年限を五年じゃなくて四年、三年というふうに短くしなければならないし、八年じゃなくても、もっとうんと短くするというのは当然だというお考え方のようでありますけれども、いやしくもそういう点から言いますと、もっとこれは短くしなければいかぬ、その努力をしなければならぬというように考えるのです。  そういう上に立って、もう一つ、二つこの問題に関連してお尋ねしたいのですが、いまさっき長官言われたように、鉄鋼業界なんかもだいぶんショックだったようだという話なんです。そこで規制を加えるという場合に、鉄鋼とかあるいはそのほかも含めてですが、何か例外を設けてそこのところは別だ、こういうような措置をとられては私は困ると思うのです。少なくともこれは困ることだと思うのですが、例外なしにやはり規制を加えていくということは必要と思いますが、この点についての長官の見解をお伺いしたいと思うのです。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 例外を設ける考えは全然ありません。われわれがにらまなければならぬのは、技術開発の進捗状態ということは、これは実際の現実に整備をやっておるものとして考えなければなりませんが、業界によって区別をする考えはございません。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 もう一つお尋ねいたします。この基準として〇・〇二PPMということが答申され、またこれは告示されていらっしゃるのですが、私は率直に申しますけれども、お尋ねしたいのですけれども、すでに〇・〇二PPMをこえている地域というのは大都市の場合には大部分だろうと思うのですね。すでにそういうことのようであります。それで、そういう地域に対して新しくこれから工場をつくるというようなことは許されるべきじゃないと思うのです。新しく工場をつくるとかあるいは増設をするとかということになりますと、結局基準以下である、基準をずっとオーバーしているにかかわらずさらに汚染度が進められていくということになるわけであります。だから私は、少なくともやはりこういう点も態度をはっきりしていかなければならない問題ではないのだろうかというふうに考えるのです。この点は、長官、どうでしょう。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 最初中島委員も言われましたように、これからの開発は環境容量といいますか、それの許す範囲内の開発でなければならないことは当然です。したがって、今後の新しい工場の建設にしても、こういうきびしい基準が出たのですから、その基準というものに合致するような工場でなければ新規の工場の建設はできないわけになります。新規の工場を建設しようとするには、この新しく告示をされた環境基準を考えまして建設をせざるを得ないという制約を受けることは当然であります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 それはちょっと私、聞き漏らしたかもしれませんので、重ねてお尋ねするのですが、これから開発をするという地域はそうですけれども、現在すでに開発されてしまっているという地域、そういう地域についても同様のお考え方であるということでしょうか。私、なぜそれを言うかというと、たとえば、この前もちょっと御意見を伺ったことがあるのですが、四日市なんかも基準に照らせば問題にならない。しかもああいう裁判の判決も出ている、にもかかわらず工場が増設が許可されていくというようなことになりますと、これはまさに基準が生きてこないわけですね。発表された、告示された基準というものが生きてこなくなってしまう。そういう点で、いま申し上げたことをお尋ねしているわけであります。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 これはこれから、これだけの公害問題というのはやかましい問題になっているのですから、工場の建設の場合にも、全体としての環境の容量といいますか、それを計算してみて、新規の工場の建設というものが国民の健康に対して非常に被害を与えるというような場合には、工場の建設は抑制されなければならぬことは当然でございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 これも全部かかわっている問題でありますが、光化学の時期に実は入ってしまいまして、ことしの場合、東京でいいますと、四月の十一日に東京都の注意報が発令された。それで、これは昨年から比べますと十六日も早いという実態なんですね。だんだんこれはひどくなってきているというのがその実態だと思います。そういう点で、この間アメリカのほうでは例の環境保護局がマスキー法の一年延期というような問題を発表された。それで長官のほうは、日本の場合には和製マスキー法といいましょうか、については延期をするというような考え方はないというふうに言われたと私は聞いているのですが、この点について長官の見解を念のため伺いたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 日本は昭和五十年、五十一年をかけて、いわゆるマスキー法といわれておるような規制を日本に行なうという方針は変更する考えはございません。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 これは念のためでありますが、五十一年の窒素酸化物〇・二五グラム、これも変更しないというお考えでございますね。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 趣旨はいま長官がお答えになったとおりでございます。ただ技術的な問題から見ますと、五十一年の窒素酸化物の規制の十分の一は、これは非常にきつうございますので、現段階ではなかなか技術的にむずかしい点もあるかと思いますが、なお、いまの努力を重ねていくことによって達成し得るかどうか期待をしておるところでございますが、基本的には五十年、五十一年の姿勢をくずすつもりはございません。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 これはぜひひとつきっちり貫いて、技術的にも克服をして、必ず実行していただきたいと思います。  それで、これは東京都の光化学スモッグの問題なんですが、東京都の注意報は、御存じのように〇・一五PPMというふうになっているわけであります。少なくとも、〇・一五の注意報が出ないということのためには、窒素酸化物あるいは炭化水素を現在の何%削減すれば注意報が出ないで済むと考えていらっしゃるか。これはなるほど算術だけではちょっと言い切れない要素がありますけれども、大体の基本的な考え方としてはこうだ、何%ぐらいだというようなことは出ないわけでもなかろうと思うのです。そういう点からいって、これは運輸省のほうにお尋ねしたいのですが、どう考えていらっしゃるかということについてお尋ねします。あるいは環境庁かもしれませんね。どっちでございますか、環境庁でございますかな。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 いま先生からお話ございましたように、私のほうからだけお答えできることではないと思いますけれども、現在、窒素酸化物につきましては、これは環境庁の審議会の資料でございますけれども、大体、固定発生源から六割ぐらい、移動発生源から四割ぐらいというふうに聞いております。それから炭化水素につきましては、自動車のほうが、移動発生源が大体六割ぐらいで、固定発生源が大体四割ぐらい。いろいろ計算の過程もこの資料にはついておりまして、必ずしも、この数字が、ぴったり光化学スモッグの影響度になるということではないという注がついておりますけれども、一応ございます。  私ども自動車のほうにつきましては、従来一酸化窒素の規制はしておりましたけれども、それから炭化水素につきまして若干の規制をしておりましたけれども、窒素酸化物、炭化水素につきまして排気ガスから出てくるものにつきまして、四十八年の新しい車からの規制、これを一つの方法として、規制としてやっております。それからもう一つ、それだけでは、この焦眉の急に間に合いませんので、現在使われている車につきましても、それぞれ少しずつでもいいから皆さんから協力してもらうということで、中古車の規制、使用過程車の規制をいたした、こういうことでございます。  なお先ほど環境庁長官からお話がございましたが、五十年規制ということになりますと、炭化水素が大体十分の一ぐらいに減るということでございます。こういった面から、自動車からの発生につきましては、それぞれの時点での技術でできる限りの削減を講じて、光化学スモッグが出ないようにしようということは、一生懸命やっておるつもりでございます。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 先生の御質問で、どのくらい窒素酸化物あるいは炭化水素を押えたら光化学が出ないかという、そのお答えは非常にむずかしゅうございます。その理由は、米国においては、カリフォルニア州ロサンゼルスを中心に、光化学発生の推定はやはり窒素酸化物と炭化水素ということはわかっておりますが、米国のほうは、まず炭化水素のほうの押えにかかりました。窒素酸化物もそのあとやっておりますが、力の入れ方が炭化水素が先でございます。わが国のほうは窒素酸化物のほうの押えを先にやりまして、もちろん同時に、炭化水素についても目下やろうとしております。自動車等についてはもうすでにやりかかっておる最中でございます。  これは世界の学者にいろいろの御意見がございまして、どっちが一番ウエートがあるかというのは、先ほど運輸省のほうからお答えになった寄与率でもってものをいっているだけのことで、実質的に光化学オキシダントを発生させるその計算した寄与率がそのまま当てはまるかどうかということは、二次発生物でございますので、なかなかこれは的確なお答えにならないと思います。したがって私どもは、光化学オキシダントにかかわる環境基準を維持、達成するために、窒素酸化物の排出規制と同時に、炭化水素についても固定発生源及び自動車について規制をどんどん強めていく。その並行の対策を推し進めるという方向で進んでおるということであります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 ことしの中古車について点火時期の調整その他の措置をとっていらっしゃるわけですが、このことによって、どれだけ炭化水素、窒素酸化物が減るというふうに考えていらっしゃいますか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 私どもが東京都周辺地域につきまして計算いたしましたところ、炭化水素につきましては、大体一・六年間東京で自動車がふえなかったという計算、一・六年間自動車のふえるのを抑えたのと同じ効果だということであります。それから窒素酸化物につきましては、二・八年間自動車の増加を押えた、こういう計算をしております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 重ねて質問いたします。  ということは、現状もし押えなければ——車がふえなかったという、一・六年間あるいは二・八年間という、そういう計算方法もあると思いますが、現在の窒素酸化物あるいは炭化水素を何割ぐらい削減できるというふうに考えていらっしゃるのか、パーセントでいえばどれぐらいになるか、こういう質問なんです。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 すみません。パーセントで申し上げますと、炭化水素が約一〇%、それから窒素酸化物が約一八%の削減、こういうことでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 そうしますと、東京都の注意報を基準にしての話ですけれども、六割あるいは四割の削減をしなければならないということが一つの指標としてある。しかし、現在とっている措置によっては一〇%あるいは一七、八%ということになると、ことしも相変わらず注意報はどんどん出るであろうということになってしまう。被害も現実にもうすでに発生しておるわけです。そうしますと、中古車やあるいは新車の規制というだけではなくて、車の交通の規制ということなども含めて、いろいろ対策を講じなければならないと思うのです。そういう点で、排気ガスのほうの規制ではなくて、それ以外の規制についてどういう方法を考えていらっしゃるか、その点を伺いたいのです。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 私は実は車そのものの規制の立場でございますので、ほかのことを十分お答えできる立場にございませんが、承知いたしております範囲で申し上げますと、やはり交通の円滑化でございますとか、あるいは私どもの役所の範囲で申しますと、バスとか地下鉄とかそういった公共輸送機関の整備をいたしますことによりまして、個人輸送機関の利用を減らす、こういうようなこと、この辺がやはり一緒に行なわれることが必要であろう、こういうふうに考えております。で、現在国民の皆さがん使っておられます車につきましてはやはりそれぞれの車の特性その他いろいろございますので、現在のところ先ほど申しましたような数字以上に規制をいたしますと車がうまく走れなくなる、安全性の問題とかそういったようなこともあろうかと思いますので、現状では使用過程車対策は精一ぱいであろう、こういうふうに考えております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 環境庁のほう……。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 いまこまかい資料を持っておりませんので大ざっぱなことしか申し上げられませんが、光化学スモッグ対策推進に関して十省庁集まって対策をことしもつくってございます。それはいま運輸省のほうからもお答えがありましたが、発生源だけでなくていろいろな交通規制の問題も含めて広範な対策を講じておりますが、ただ、先生のおっしゃった中身からいいますと、注意報の問題とからめますと、やはり注意報の段階だけではなかなかいろいろな対策が打てません。大気汚染防止法においてはもっと緊急時の問題になれば一応できる形になっておりますが、それの前に予報を出していろいろな自主規制あるいは間接規制のほうに、警察のほうへ頼んでそれを積極的にやってもらうというのが対策の中身でございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 結局排気ガスのほうの規制で十分でないということになればいろいろな意味のもっとほかの対策もあわせてやらなければならないのですが、私はそういう中でも交通規制ということも非常に重要な対策の一つだと思うのですね。そういう点ではしかし、いま環境庁のほうでお話がありましたように交通規制権ということになりますと、公安委員会、こうなるわけなんですね。そうしますと、そこの問題に責任を持っている知事が十分にこれについて規制の権限をふるえないという一つの制約があるわけですね。私はこのことについては、やはり率直に言いますけれども、もっとこれは現在警察だ公安委員会だというようなものを思い切って知事に渡しちゃう、そしてもっとどんどん規制もできるというようなことが必要なんじゃないかと思うのですね。これはかなり毎年問題になっているわけなんですけれども、これについて長官にちょっとお尋ねしたいのですけれども、その辺のところの考え方というのは私どもはそう思うのですが、長官、そう思いませんか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 いま事務的な面からいいますと東京だけの車でないのです、各県から車は入ってくるわけですから。だから知事だけというわけにはいかない。そういう点で公安委員会というものにまかしておるわけでありますが、公安委員会といえどもこの光化学スモッグなどに対してはこれは共通の対策を考えなければならぬ立場ですから、知事に権限を渡せばそれがより迅速に対策が、交通規制ができて、公安委員会だったらできないと私は考えないのです。みんなこれは共通に心配をしておる問題ですから、それはだからいまのたてまえをくずさないで迅速な交通規制もできるように運用の面においてすることが実際的だと私は思うのです。何かいまここでたてまえをくずしていこうということになりますと、そのこと自体に議論を呼んで非常に迅速な対策がとりにくいことになりますから、運用の面でそういう弊害があるならばその弊害を補っていくととが実際的であるというふうに考えております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 きょうは時間の制約上私も質問を終わらなければならないのですが、最後にもう一つだけ。  これは長官も含めて見解をお尋ねしたいのですが、今度の中古車対策の問題について費用は一体だれが持つかということになりますと、これは車の所有者が費用を持っているわけです。ところがこの資料によりますと、点火時期制御方式でやった場合に、装置をつけるという場合でも価格は千円から二千円です。これは言ってみれば実際にかけている宣伝費の何分の一というような、五分の一あるいはもっと少ないかもしれませんが、私は、これはやはり企業がきちんと持つというぐらいのことをやらなければいけない性質のものじゃないかというふうに思うのです。車を売るときにはそういうふうになっていなくてどんどん売っておいて、あとは買った人の責任でやれという考えですよね、ここに出されているものは。  それで、まず最初に私は運輸省にお尋ねしたいのですけれども、率直に言って企業——企業というのはメーカーですね——に持たせるべき性質のものではないか。それも極端に大きな費用であるならば、これはいろいろ考えなければならぬという面も出てくるかもしれません。しかし一台についていえば非常にわずかなものであります。どうでしょう。私はそういうふうにするべきじゃないかと思うのですよ。これは運輸省にお尋ねして、最後に長官の見解もこれについてお伺いして、きょうは質問を終わりたいと思います。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 経済的な問題になりますと私もちょっとお答えするのに十分かどうかわかりませんが、一台二千円前後ということでございますが、日本じゅうに車が二千万台でございますので総額としては相当な金額になるんじゃないかと思います。それからもう一つは、いま持っておられる方が車を使い始められたそのときは自動車の数は実はたくさんはなかったわけです。だんだんふえてきて、いまこの混雑した社会の中で車を使うためにはやはり何らかの措置をしていただかなければいけない。実は公害と申しますか排出ガスの問題だけではございませんで、安全の問題でもあとからこういうものをつけるという規制を実は私どもしております。これも前からしておりますが、こういった場合も、いままでのやり方といたしましては、そういった条件において車を引き続いてお使いになろうという方の負担ということで実は割り切ってやってきておるというのが実態でございます。  以上、私全部お答えできる立場にないものですから、いままではこういうことだったということをお答えさしていただきます。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 中古車の問題ですから、私もこの段階ではやはりユーザーが負担することを現実的だというふうに考えます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 いま長官からそういう返事がストレートに出てくるとは私は思いませんでしたね。これはどちらに責任のある問題かということになりますと、もとをただせばやはりこれはメーカーがしかるべき措置を最初からやっておるのが当然であります。そのしりぬぐいを国民にかぶせるということは、考え方としては正しくない。しかも、金額の上からいってもごくわずかなものであるとするならば、その基本的な考え方を貫くべきである。私は重ねて長官にそのことを要請して、きょうは質問を終わりにいたします。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 私は限られた時間でございますので、簡単明瞭に質問いたします。  先月の二十五日に、青森県と秋田県の間にある十和田湖に行ってまいりました。山は富士、湖水は十和田、広い世界にただ一つ、といわれるような、非常にに風光明媚なところでありましたが、それが最近非常によごれてしまって、このまま行けば、十和田湖は汚染が激しく、もう再びよみがえることがないというようになるのではないかということで、非常に心配して現地からいってきたわけであります。それで参りまして、私は、この十和田湖を中心とした国立公園の管理があまりにもずさんである、総合計画ができていないということをつくづく感じて帰ったわけです。  十和田湖がなぜそのようにどんどんよごれていくのか。そのうちの一つの原因といたしましては、十和田湖は、湖、要するに公園としての湖として残していない。水力発電に使っているのですね。水力発電に使ったその水を今度はかんがい用水に使っている。そういうように十和田湖を利用している。ただそのまま利用するのであればよろしいのですが、この水力発電の水を、十和田湖そのものの水を逆送するのではなくして、途中のあちこちから出てきた水をまた十和田湖に向けて逆送する。昔はそれでよかったのではないかと思うのです。しかし、付近が林野庁が経営しておる山林なんですが、その自然林がどんどん開発されておる。そのために、流れてくる水がどんどんよごれてしまっておるのですね。どろ水です。そのどろ水を十和田湖に逆送水する。こういうようなことから、相当などろが十和田湖の中にたまっておる。それによって毎年悪くなっていくのではないかというような現地の話もありましたし、私もこの目で見まして、これはあまりにもずさんではないかということを感じて帰ってきたわけです。  そこで、時間の関係で、まず長官にずばり申し上げたいのですが、きょうも提案理由の説明がありましたけれども、富士地域の保全特別措置法というのがつくられる。十和田湖も、国立公園を擁護するような特別保全法というようなものが必要ではないか。それは、そうしなければどうしようもないということを一番に感じたわけでございますので、まず長官に、その点、検討をされるかどうかお聞きしたい。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 そうなってくると、十和田湖ばかりでなしに、特別立法ばかりが方々にできることになってしまいます。日本は至るところ景勝の地域というものがありますから、特別立法よりも国立公園内部における管理を厳重にする——今度の法案の改正などもそういう意図があるわけですが、管理をもう少し厳重にし、いろいろな規制ができるようにするということが実際的だと思うのです。お気持ちはわかりますけれども、どこもかしこも特別立法特別立法というと、特別立法という意図が失われてまいりますから、国立公園内部における管理と規制を強化していく、そういう方向で十和田湖の問題も対処していきたいと考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 長官、あなたは現地をごらんになってないのではないかと思うのですが、十和田湖に逆送水される水力発電の水、このどろ水は国立公園の中にあるのではないのです。国立公園の周囲に林野庁が経営しておるところのたくさんの山があるわけです。それが全部切られてしまっておる。そしてそこの水が逆送水されるわけですよ。ですから、あなたがおっしゃるように、公園内を何ぼ整備、管理しようとしましてもだめなんです。あなた、そうおっしゃるのですから、それならばこの水力発電の逆送水を停止させなければいけない。そうしなければ十和田湖の環境保全はできないと私は思うのです。ものすごいどろ水が入ってくるのですよ。ですから、国立公園の中だけを何とかしょうといったって無理なんです。外輪山を何とか保護しなければいけない。だから、私はまず長官に、一歩引いて、一ぺん総合調査をやっていただきたいと思うのですがね。これをやらなければどうしようもない。しかも、向こうの環境庁の人員が何と三名ですよ、あんな広いところで。前は四名いたのです。それが一人、一番熱心にやっていた人が転勤になっちゃった。今度新しい人が来ているわけですが、この方も全然わからない。ただいま許可事業の判を押すだけで精一ぱいというようなところなんです。このままほっておけばたいへんなことが起こるのじゃないか。だから、この点について総合調査を早急に環境庁で行なっていただきたい。これを要求するのですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 逆送水からくる汚染というのは、私もいろいろと報告を読んで、これはなかなか問題だという感を深くしておるものでございます。そういうことで、東北電力に対して環境庁からもいろいろな指示を与えてあるわけです。ですが、いまお話しのように、十和田湖全体の総合的な調査、それに基づいて公園計画というものをやり直す必要があると思います。調査をいたします。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、長官、これ、何だと思いますか。これはモなんです。こういうのが去年あたりから十和田湖の中に一ぱいできるようになったのですよ。前はなかったのです。これが網につきますとべたべたです。だから、いま早くやらなければいかぬということ私申し上げたいのです。これは坑水です。鉱山がありまして、それがまだ流れてきておるのです。この中には亜鉛、銅、カドミ、こういうものが入っている。まだ分析してないのですけれどもね。  そこで、十和田湖の水位を一・六六メートル、五尺五寸ですか、そこまで下がってもいいというような許可をしているわけです。これは環境庁じゃなしに前の厚生省時代だと思いますけれども、そういうことをしますと、付近のヒメマスの卵が全部産めなくなっちゃう。この一・六六メートルというのは、戦時中に——戦前ですか、増産のためにやはり水力発電所をつくらなければならないということで暫定的にきめたのではないかと思います。科学的根拠はないと思うのです。そういうことから考えますと、この水位についてもやはり再検討をする必要がある。  そこで片っ方に奥入瀬川の渓流があるのです。この水が、発電所のほうへ行った場合には全然水がないのです。お客さんが春と秋来るときにはちょろちょろと流すのです。そして間は水がない。夜は水が通ってない。そういうような渓流なんです。ですから、そういうところの木は、水がなくなるものですから、どんどんおかしくなってくる。ああいう十和田湖の、あのすばらしい奥入瀬川の渓流というものは私は残しておかなければならぬと思うのですが、いまのままいきますと、これは遠からずだめになってしまうのではないか一これはいまあなたのほうで総合調査をして再計画をするということであります。  そこで、通産省の公益事業局長にお伺いしますが、水力がわずか三万数千キロ、はたして東北電力でこの電気が必要なのかどうか、一ぺんお聞きしたいのですが、いかがですか。

井上保通商産業省公益事業局長

○井上政府委員 現在の電力需給状況につきましては先生御承知のとおりでありまして、なかなか火力発電所その他原子力発電所等の開発が順調に進んでいない状況でございますが、一方、需要のほうは毎年確実に一〇%ずつ上昇をいたしておりまして、最後のエマージェンシー等に対しますマージンのキロワットというのは非常に重要でございまして、われわれといたしましては、やはりこれを運転しないということではなくて、適当に運転をしていきたい、こういうふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 八戸の火力発電所へ行きますと、東北電力は電気が余り過ぎている、余っているから全部稼働しないのです、こういう答弁をするのですよ。わずか三万二千キロですか、三万数千キロ、これが必要だ。どうも東北電力のいうことがふに落ちない。それはそれとして、ではどうしてもここを使いたい、こういうのであれば、逆送水するところの水をシックナーをつけてそのどろを全部除去して、きれいな水を十和田湖に流すように、そういう指示をあなたのほうからしたらどうですか。いかがですか。

井上保通商産業省公益事業局長

○井上政府委員 逆送水の水の透明度をいかにして確保するかという問題でございますが、これにつきましては、従来十和田湖の汚染の原因等の調査を地元の県あるいは東北大学等と一緒にいろいろ研究いたしておりまして、渓流の取り入れのところの砂防ダムをつくるとかその他いろいろなことをやりたいということで、いま研究いたしております。特に具体的な問題といたしましては、最近渓流の取り入れはほとんどいたしておりませんが、今後も昼間におきましては一々見まして、これはシェーカーにとってよく見て、濁っておるというようなときには渓流取り入れを中止する。それから夜間におきましては、雨が一時間に十ミリ、全体の量で二十ミリ降ったというときには渓流取り入れを中止するというようなことで、この逆送水の水の純度を保っていくというふうにさしあたり考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 東北電力がそういうふうに答弁していました。しかし、現地の人に聞いてみますと、そうではないというのですよ。湖水に百メートルにわたって取り入れ口から逆送水の水がずっと、もうものすごくよごれちゃうのですね。そして夜になればあんまり濁った水が見えない。その間に流しておる。これも東北電力がやっているのですが、だれも監視する者がいないのですよ。濁水がどのくらいになったらだめだとか、あれだとか、全然、監視も何もしてないのです。いま、東北電力のいっていることをそのまま私に答弁したのです。  あなたは現地を見ましたか。ぼくはこの目で見ておるのですよ。そして付近の人たちみんなにいろいろ聞いておる。だからこれはどうしてもシックナーをつけてろ過をして、そしてきれいな水を十和田湖に入れるようにしなければ、この湖水は一つしかないのですよ。電力はどっかでまたとれますよ。これは環境庁がいかにがんばっても、いかによくしようとしたって——しかも東北電力の逆送水するところの水はなぜよごれてきたかというと、これはまた林野庁に問題がある。林野庁はどんどんその付近の山を切ってしまって、そしてきたないどろ水が逆送水するその水源へ入ってくるわけですよ。ですから、これは昭和十五年ですか、十八年ですか、そのころと、あるいはここ十年前とは全然模様が違っておる。これは犯人は——犯人といっては悪いですけれども、林野庁にも問題があるのですけれども、そういうことを考えると、いままでと同じようにこの水を電力に使おうとすれば、私はろ過しなければ使えないのではないか、ろ過しなければ十和田湖は環境維持ができないのではないか、こういうことを考えるわけですが、ひとつ公益事業局でそのほうの指示を——しかもそれは東北電力だけでは相当な費用がかかりますから、これは林野庁の乱伐もあるわけですから、何とか補助金くらい出してそして確保できるようにするならば、私はこの水をさらに電力に使ってもいいと思いますが、その点ひとつ再調査して検討しますか。いかがですか。

井上保通商産業省公益事業局長

○井上政府委員 十和田湖の水の使用の状況でございますが、先生御指摘のとおりかんがい用水あるいは観光用あるいは電気ということでいろいろ使用いたしておりまして、その結果逆送水をする必要が生じてくるということに相なるわけでありますが、逆送水の水がいずれにいたしましても百メートルも濁っておるというようなことでは非常に困りますので、そういうことがないように何らかの方法を検討していきたい、こういうふうに考えます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 あなたは見てないのだから、何らかの方法、その中にはろ過をする、そういうことも含めて検討をしてもらいたい。  時間があまりありませんから、次に林野庁、あなたのほうは、十和田湖、この国立公園を守るためには、いままであまりにも乱伐し過ぎている。しかも、それを感じて、今度は秋田県側の営林署ではもう四十八年度からは一切木は切らない、こういうことで答弁をしておりました。ところが、青森県側はまだ木を切っていこうというような考え方を私に披瀝しておりましたが、この点についてはいかがですか。

松形祐堯林野庁指導部長

○松形説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘ございました十和田湖の周辺の国有林、約六千二百ヘクタールございます。全部が国立公園に指定されておるわけでございますが、その中で特に禁伐とか、そういうきわめて厳重な管理をいたしております特別地域が、大部分の四千三百ヘクタールでございます。したがって、その差の千九百ヘクタールというようなものが普通地域でございまして、従来からこの施業等につきましては、環境庁と十分協議された範囲の中で施業いたしておりますが、その中でやはり地元住民の薪炭という問題がございまして、従来、年間千四百立方ずつ切っておったわけでございます。しかし、ただいまお話ございましたように、たいへん風致の維持とかあるいは水資源の涵養とか、そういう面で大事でございますので、この十和田湖の外輪山地域におきましては、普通地域だけの伐採にしぼりまして、しかもその伐採量を千四百立方から三分の一弱の四百立方程度は、やはり地元の薪炭という面がございますので、山間僻地の住民の方々に供給するということの必要がありまして、四百立方程度に落とすというような計画に変更いたしたわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 それについては環境庁とよく打ち合わせをしてやっているのですか、いかがですか。これは自然保護局長、あなたのほうの関係になるのですね。ぼくは現地で聞きますと、森林の施業について、何か百メートルくらいのベルト地帯を、このくらいはさわらない。その次はどんどん切っているわけですよ。百メートルくらいですよ、そこから水は流れてくるわけですからね。もう一度再調査をよくして、なるべく、というよりも、ほとんど切らないほうがいい。切らないでも大事なところは切ってしまってもうありませんけれども、再調査をあなたのほうがする必要があると思いますよ。このままいくと十和田湖はほんとうに死んでしまう。これは林野庁と環境庁の間で再検討しなければいけないと私は思うのです。それを考えて、秋田県側の営林署の署長さんは、もう絶対に切らないようにします。四十八年から切りません、こういうことを言っていました。だから、この点について検討してもらいたいと私は思うのです。林野庁の言うことばかり聞いておったらだめなんです。  そこで、水産庁来てますか。——これは緑藻糸というのだそうです。あなた知ってますか。これはモです。これがどんどん発生してきている。去年からヒメマスをあなたのほうで一生懸命に助成をして残すようにしてますが、こういうのがどんどん発生してきているのです。これについてひとつ調査してもらいたいと思うのですが、いかがですか。  それから、ヒメマスがどんどん死んでおる。そのうちのもう一つの原因としては、東北電力の取水口に魚がみな吸われてしまうのですよ。小さい魚はみな吸われてしまう。まあいいかげんなものだ、この取水口というのは。水を取るところがこのぐらいのワクになっているだけですから、そこから魚がみな抜けてしまうのです。水産庁は一生懸命にふ化して漁民の人に渡している。ところがそこから抜けてしまうのです。こういう面も水産庁で一ぺん検討して、もっといい網をつくらせるとか、これも東北電力は、私のほうはいろいろ協力しています、こういうことなんです。東北電力が一番水を使うのに、協力というようなことをいっておりましたが、ひとつこれは水産庁と通産省で、あとでこれを渡しますから、検討して返事をしていただきたいと思うのです。  それから、環境庁、いつごろ十和田湖の総合開発調査をやるか、各省とも連絡をとってですね。大体のスケジュールを御返事願いたい。いかがですか。

首尾木一環境庁自然保護局長

○首尾木政府委員 今年予算を計上いたしまして、十和田湖の湖水の特定調査を行なうことにいたしておりますが、この時期は大体七月ごろの予定というふうにいまのところ考えておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 次に、これは長官に配慮をしていただかなければならぬのです。ということは、十和田湖畔の土地、これが大企業に——こういう報道があるのです。「緑とゆるい起伏と恵まれ、眼下に“神秘の湖”を見おろす青森県・十和田町の湯の平高原。国立公園に隣接するこの一帯の国有地約六百ヘクタール」、これが知らぬ間に昨年十月から大手商社伊藤忠商事の所有として登記されておる。(三木国務大臣「それは国有地。」と呼ぶ)いや、これは国有地の隣です。  そこで、初めから伊藤忠商事が買ったんではないのですね。そこに仲介役の十和田観光株式会社、この会社が一昨年の秋からこの買い占めを始めている。そして、興銀のあっせんで伊藤忠にジョイントした。この地域を見てまいりましたら、ここに変なものが建ちますと、これはもうそこからどんどん十和田湖にきたないものが入ってくるわけです。そしてこれは十和田湖の汚染に大きく寄与するのではないか、地元の人たちもこれを非常に心配しておりました。  先国会におきまして、こういった国立公園の近所については国が買い上げるという——六十億でしたか、予算がついたのに、一億しか使っていないというのは非常に怠慢だ。こういったところにその金を出して、十和田湖を保護していくことに使ったらどうかということを、私は提案したいのです。この点についてひとつ御検討いただきたいのですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 そういうふうな土地を国有地にするためには、やはり国立公園あるいは国定公園というところから手をつけていくことが第一である。国立公園の隣までということは、その前に国立公園などを国有化していくことが必要だと思っておるので、そこまで国として土地を買い入れるという考え方はいま持っておりませんが、しかし、国立公園の近くの開発というものが国立公園にいろいろな影響を与えますから、これは青森県側にも、どういう事情になっておるのかを問い合わせて、できるだけ環境保全に協力してもらうように、県ともよく話をしてみます。ただしかし、土地の売買ということは、それをこちらのほうでとめるというわけにはいかないわけですから、そのことから、環境に対しての影響、ことに国立公園の隣接地域であるということで、県のほうに対しても注意を喚起いたしておきます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 長官、湖というのは山の上にあるんじゃないのですよ。湖ですから低いところにあるのです。その周辺、外輪というものはやはり事前に手を打ちませんと、そこからどんどんきたないものが入ってくる。また異常な開発によって山の水がどんどん入ってくる。  ちょうど私はこの付近を通ってみましたが、これは早く手を打たなければ、いかに湖だけをきれいにしようとしたところでどうしようもないのですよ。ですから、先ほど局長さんから、七月ごろに大体予算をつけたから総合的な調査をいたしますという話がありましたが、そこにもやはりこの問題もひとつ入れて、本気になって十和田湖を守るという環境庁の姿勢がなければ、このままだめになってしまうのではないか。こういう湖ですと、水がどんどん変わるわけはないと思うのですね。洞爺湖もそうでしたが、どんどんきたなくなってきた。この点を考えますと、事前に早く手を打つためには、相当大きな考え方でやらなければ、私は、この環境保全はできないのではないかということをつくづく実感として感じたのです。  あともう一つ、すぐそばに鉛鉱山があるのですよ。これがその鉱水なんですが、ここへ行ってみますと、全然処理してない。処理場は一つありますよ。しかし、処理場に行っているところの水系と、処理をせぬでどんどん流しておるのがこっちの水系なんです。これはまだ分析しないとわかりませんが、それがああいうところに幾らでもたまってくるわけですね。ですからひとつこの点も、きょうは時間がありませんからいろいろ提案をしておきますので、七月にりっぱな総合調査のもとにひとつりっぱな処置をしていただくことを要求いたしまして、長官から最後に決意のほどを答弁いただいて終わります。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 いまのような問題も含めて総合調査を十分にいたすことにいたします。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 小宮武喜君。

小宮武喜民社党

○小宮委員 長官は、水俣病関係で視察に行かれて帰ってきたようですが、まず、どこどこを視察されて、視察されての所感と今後の取り組む姿勢について伺っておきたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 最初に四カ所患者のうちを訪問しまして、そこにみな患者が集まってくれておった。個人の宅に見舞いに寄ったわけですが、そこに、グループに分かれていますから、その代表者が寄っていろいろな話を聞いたわけです。また水俣病の患者にも直接接したわけです。  非常に感じましたことは、もう二度と再びこういうふうな悲惨なことを繰り返してはいけない、そのために企業ももちろんであるけれども、やはり行政も、政治も、非常に決意を新たにしなければいかぬなということを、これはほんとうに実感として感じました。そういう水俣病患者という人たちの悲惨な状態を見ますと、いまからする対策といってもどうにもならぬ面もあるでしょう、生命を失った人もおるし、健康を害した人もあって。したがって、これを事前にそういう事態を起こさないための厳重な環境の管理というものが必要ということを痛感をしたわけです。  それから、患者の人たちの話をいろいろ聞いたわけですが、どうも水俣病というものは完全に根治するような治療の方法というものがいまだない。その点に対して、一生暗い思いをする。ことに胎児性の水俣病患者の人たちは、親とすればこんなに若い人たちに一生涯暗い人生を送らし、親がなくなった後にこの子供たちはどうしていくんだろうという非常な不安を持っていますから、この基礎的な研究、治療の方法、またリハビリテーションといいますか、訓練によってある程度運動の機能が改善されるところなども見てもらったわけです。全然歩くことができなかった人が訓練でこの程度は歩けるようになったという話も実例として聞いたのです。そういう体制を現実に即して、研究、治療、リハビリテーション、そういうふうな施設というものを整備しなければならない、こういう感じを受けたわけです。  またあくる日は、ヘドロの問題を残しておる水俣湾を船で見たわけですが、漁業組合の人も、その他の水俣市の代表的な人たちもここに来ていまして、これをいつまでもこの状態でおけば永久に不安だから、ひとつ第二次汚染を起こさないような方法で早くヘドロを処理してもらいたいということを訴えておりました。もっともなことだと思うのですね。そういう点で、このヘドロ処理についていまいろいろな工法を考えているわけですが、これを今年度の暦年でいったら十二月ごろまでに一つの計画を立てまして、まあ年がかわれば工事にかかれるくらいのスピードでヘドロの処理を考えたいということを考えております。  また、医者の人あるいはまた漁業組合の人たち、あるいは熊本市では熊本大学の人たち、いま言ったようないわゆる研究、治療、リハビリテーションあるいはヘドロの処理、こういう問題を中心としたいろいろ経験を持っている人の話を聞いて帰ってきたわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 最近また水俣で問題になってきたのが、もうすでに長官も御承知と思いますが、昭和二十六年から四十六年三月までに二百四十九万トンといういわばカーバイドかすによって埋め立てられた八幡プール埋め立てから、水俣病原因のメチル水銀が、五・五PPMという高度のものがまた検出されておることは御存じですね。この埋め立て地は、今度は長官は視察されませんでしたか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 視察の予定の中に入っておったのです。ところが飛行機が霧の関係で熊本の空港まで飛べないので、福岡から汽車に変えたものですから、多少日程を圧縮せざるを得なくて行けませんでした。しかしそれを見てまいりたいと思ったのは、これは一体どういうふうになっておるかということでありまして、この八幡プールにいまおびただしいカーバイドのかすが蓄積されておるわけですが、そういうので十分な調査をやってみたいと思っております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 この問題もやはり十分に調査をやってもらわなければ、不知火海の汚染にこのカーバイドかすのメチル水銀が溶出されて汚染に影響しておるんではないかという見方も非常に強まっておりますので、十分調査をしてもらいたいと思うのです。調査をやった結果どうなりますか、やはりやった結果不知火海の汚染に影響ありということになれば、これは国として十分の責任をもってこの問題について取り組んでもらいたいと思いますが、その点について、時間がございませんので、いろいろ詳しいことはもう質問しませんが、調査を早急にやっていただくということと、これがやはり不知火海の汚染に影響があるとすれば、国としてひとつ十分の措置をとってもらいたいということを要望したいと思いますが、長官の所見を聞いておきたい。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 十分調査しまして、処理する必要があるとするならば処理をいたします。

小宮武喜民社党

○小宮委員 あとは本会議後質問します。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 この際、午後三時まで休憩いたします。    午後一時五十六分休憩      ————◇—————    午後三時六分開議

林義郎自由民主党

○林(義)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  委員長が所用のためおくれますので、委員長の指名により私が委員長代理を行ないます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  公害対策並びに環境保全に関する件、特に騒音対策問題調査のため、本日参考人として阪神高速道路公団理事南俊次君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林義郎自由民主党

○林(義)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ————◇—————

林義郎自由民主党

○林(義)委員長代理 公害対策並びに並びに環境保全に関する件について質疑を続行いたします。小宮武喜君。

小宮武喜民社党

○小宮委員 私は、千葉ニッコー事件のその後の経過について、若干質問いたします。  この事件については、厚生省は一次製品、二次製品についても大体白という判定を下して、一見、落着したように見えますけれども、それだけでは、カネミ油症事件とかまたは今回の事件の教訓がどう生かされたのか不明でございます。したがって、このような事件の再発を防止するためにどのような対策をとられたのか、まず厚生省にお尋ねします。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 今後の対策でございますが、昨年食品衛生法の改正がございまして、その第十九条の十八によりまして、有毒な、あるいは有害な物質が混入することを防止するための措置基準を定めることができるようになっておったわけでございますが、カネミ油症事件あるいは今回の千葉ニッコー事件を教訓といたしまして、実態に即した基準を早急に整備するということが私どもの課題であるわけでございます。  なお、四月十八日から一週間の予定で全国の熱媒体を扱っている食品油脂製造業四百工場に対しまする一斉点検をやったわけでございますが、この調査結果が判明次第、詳細にわたりまして検討を加えまして、耐用年数あるいは食品衛生管理者の業務等につきましても、十分指導してまいりたいと考えております。   〔林(義)委員長代理退席、島本委員長代理着   席〕  なお、食品監視の体制でございますが、まだ必ずしも十分ではございませんので、食品衛生監視員の増員、あるいは監視員の研修体制の充実、それから一斉監視の実施等によりまして、今後この種の事故のないように取り計らってまいりたいと考えております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 厚生省、これは昨年の六月にも、いま言われたようにカネミ油症事件を教訓として食品衛生法の改正を行なって、有毒物の混入防止措置基準をつくるようになっていたのですね。ところが各都道府県ではその基準をつくったにもかかわらず、肝心の厚生省がいまだにつくっておらないということはどういうふうな理由ですか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 昨年の法律改正のときに同時につくるべきでございましたが、当時まだ実態が十分にわからなかったということと、いろいろ検討の段階で問題点等もございましておくれたわけでございます。今月中をめどに、これは早急につくってまいりたいというふうに考えております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 カネミ油症事件が発生してからでも昨年の六月までにはもう三年も四年もたっているわけですね。そこで新たに食品衛生法改正でそういうふうな基準をつくろうということがきまったわけですが、それでもいまだにつくっていない。特に今回、また同じように今回の事件を契機として、厚生省としては食品製造過程での有毒物質混入防止に関する基準をつくろうとしているわけです。いままでもつくっていない。また今回も同じようなことをやろうとしておるわけです。したがって、いままでの前例もあるんで、大体厚生省としては本気で、いつごろまでにつくろうとしておるのか、その点を明らかにしてもらいたい。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 この基準につきましては今月中をめどに考えております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それでは、どういう内容の基準をつくるのですか、その基準の内容についてひとつ御説明を願いたい。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 基準の中身につきましては目下検討中でございますが、大きなものといたしまして、一つは食品の製造所等におきまして殺虫剤あるいは殺菌剤、こういった殺虫とか殺菌などの衛生管理のために用います化学物質というものについて厳格な管理義務を課するというようなことがございます。それからまた、あるいは油脂製造業におきましては、熱媒体は一般には有害な物質であるという判断に立たなければならないわけでございますが、その減耗量のチェックのための鋭敏なゲージの備えつけ義務、あるいは熱媒体の通っているパイプ等の機械器具の損耗度の定期点検、あるいは製品のロット検査義務を課すべきではないか。こういう方向でいま検討しているわけでございますが、またさらに、これらのことに関します記録の備えつけ義務あるいは食品衛生管理責任者の設置義務、こういったものも含めまして現在検討を加えておるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 先ほど食品衛生監視員の問題が出ましたけれども、これにしたって、食品衛生法施行令によりますと、食用油脂製造業については、この監視員が年六回監督指導するようになっておりますね。ところが千葉ニッコーの場合も年二回しか行なわれておらない。また昨年の実績を見ても、全国の三百八十五工場に対して五百四十八回の監視指導しか行なっていない。これでは一工場に対して大体一・五回しか監督指導を行なっていないということになるのですね。そうすると、いま言われるように食品監視員の制度を設けても、いまのような制度の中ではやはり非常に問題があるんじゃないか。  たとえば、この食品衛生監視員というのは非常に少ないのではないだろうかということで、やはりいま説明があったような考え方で基準をつくるとすれば、この食品衛生監視員というものを思い切って強化しなければ、ただその基準だけつくっても、それが実際には守られておらないというような現状の中で、また同じようなことを繰り返すということにもなりかねないので、その食品衛生監視員の問題については今後どういうように取り組むのか、思い切った強化措置をとるべきだと思いますけれども、どうですか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 先生御指摘のとおり、食品衛生監視員がまだまだ少のうございまして、これはその増員の一語に尽きるわけでございます。私ども毎年全国的には三百名くらいずつふえておるわけでございますが、もちろんこれではいま満足しておるわけではございません。現在食品の許可営業が三百万施設ある。これに対して全国で五千九百名の監視員が当たっておるわけですけれども、とてもこれでは間に合わぬということはわかっておるわけです。したがいまして、一挙に増員ということも非常に無理がございます。努力はいたしますけれども、その間の監視方法といたしまして、特に食品製造工場、むしろ小売り店よりもこういうものに今後重点を置いてやるべきではないか。これがおそらく二十万ぐらいございますが、特にその中でも熱媒体を使うような危険なと申しますかそういうのは、食品油脂製造業だけでございます。これが昨年末の統計で四百社あるわけでございます。四百工場あるわけですが、こういったものに当分重点的に監視をして、少ない監視員をカバーしていこうという方法で、全国の都道府県に指示しておるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 確かに、ただその製造された製品の監視をするために人間を、監視員をふやすということも一つの方法ではあるけれども、やはりこの今回の事件、またカネミ油症事件の教訓を生かすとするならば、確かにいま言われたように、やはり製造の過程でこれをチェックするというような方法をまず第一番に考えるべきだと思う。したがいまして、いまの課長が説明したようなことだけで完全に、このカネミ油症事件、今回のニッコー事件のような問題が防止できるかどうかということになりますと、まだまだ心もとないような気がするのです。  そこで、これは今回の事件にかんがみて私自身も考えるわけですが、やはり問題は、この脱臭塔の中のステンレスパイプのコイルに穴があいたということが、これはもうカネミ事件の場合も今度のニッコーの場合も共通していえることなんですね。だから、これにメスを入れずにおいて、ほかのほうだけやってみたって、ほんとうにこういった教訓を生かしたということはいえぬのじゃないか、こういうふうに私は考えます。  そういうような意味で、今回この事件が発生してからわれわれも現地調査に行ってきましたが、その後あの脱臭塔を分解検査、解放検査をやったということが伝えられておりますが、その解放検査の結果は、われわれが事前にここで質問した場合も、パイプに穴があいておった、そのほかにも穴があく寸前のものが十一カ所もあったというようなこともわれわれはここで指摘をしておいたわけですが、その解放検査の結果はどうであったかということをまず説明願いたいと思います。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 脱臭塔の分解の検査はいま警察のほうでやっておりまして、まだ私どものほうに結果の報告がないわけでございます。目下警察のほうで調べておるということでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 解放検査に厚生省は立ち会わぬのですか。警察だけでやるんですか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 解体のときには立ち会っております。  なお、これに修理個所その他レントゲンを当てたり精密な検査をしてみなければいかぬわけです。その点は現在警察でやっておるということでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 現在まだやっておるわけですか。警察ではそれはどこの担当ですか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 千葉県警が現在検査をしておるということでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 課長、千葉県警がやっておるにしても、ちゃんと質問の中にはその解放検査の結果はどうなんだということを指摘しておるし、厚生省として、いや、私は千葉県警がやっておりますので知りませんというようなことでは、これはあまりにも厚生省としては無責任ではないのか。少なくとも千葉県警に連絡をとって調べておれば、いまどういうような状態なのかというようなことぐらいは、厚生省としてもやはり連携をとって、ここで少なくとも報告のできるような親切さがあってほしいと思うのですがね。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 もちろんこれにつきましては千葉県の衛生部と千葉県警と常に連絡をとりながらやっておるわけですが、しかしこの解体をし収去したものは千葉県警のほうに持ち込まれて警察のほうでやっており、間もなく結果は出るだろうと思いますが、まだ最終的な報告の段階には至っていない、こういうことでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 一番肝心なところが聞き出せぬということでは、ここで私が質問しようとするのはここが一番焦点なんです。たとえばこの前現地調査をした場合にも、たとえばあそこの現地の工場長の説明では、脱臭塔の中のコイルが熱作用で、百五十度から二百七十度に変化してきますので、その熱作用によってパイプが膨張し、コイルとコイルが接触して、そのためにパイプが摩耗して穴があいたと思いますということを言っておるわけです。ということになれば、先ほどから申しておるような、たとえば今回の事故を今後二度と起こさぬためにはどうするかという対策は、原因がわからなければ対策は出てこないわけです。いまここが一番肝心なところなんです。そのことについては厚生省は全然知りませんか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 千葉県のほうと連絡をとりました段階では、現在穴はあいていない。それもそのはずです、これは修理をしておりますから。しかし、それをレントゲンを通してみてどの程度の穴かということを調べてみたいということで、現在調査中だということは聞いておるわけです。

小宮武喜民社党

○小宮委員 そういうようなことであれば、この問題についてはこれ以上質問をしてもむだだと思うのです。しかしながら、それは食品衛生法違反で告発するとかどうかというような問題であれば警察のほうとしてもいろいろやるでしょうけれども、ただ脱臭塔に穴があいておって解放検査をした結果がどうであったかということは、あれはこの事件が起きてからぼくらが現地調査に行った二、三日あとに分解検査したはずなんですね。その結果あたりも厚生省には報告も来ないのですか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 千葉県が四月の十六日に食品衛生法違反で告発をしております。したがいまして、警察のほうで取り調べが続けられておるということでございまして、間もなく結果はわかるんではないかと思います。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それでは、その点はもうやむを得ません。この脱臭塔のコイルも、私がここで質問した場合は二年と言っておったのですが、現地の説明では七年になっておるわけですね。したがって、この七年間、こういうふうなパイプに穴があいたかどうかというような定期検査というのはどういうふうにやっておるのですか。たとえば、私は少なくともああいうふうな状態の中では、穴があいてビフェニールが混入されてから措置をとったのでは、このような事件はいつまでたっても何回も今後も継続して発生すると思うのですよ。そのために、私はやはり今回厚生省が基準をつくるということであれば、その中で、たとえば年に一回ぐらいは解放検査をしてそういうようなコイルの状態がどうなっておるのか、やはり解放検査を義務づけるぐらいの基準をつくるべきだというふうに考えますが、今回厚生省がつくろうとしておる基準というのは、そういうふうなことも考えておられますか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 あの工場の定期点検でございますが、あの工場は四十六年の十月から現社長の管理下に入ったわけでございまして、昨年の八月に一度水張り検査をしておるそうでございます。その結果では異常がなかったということでございますが、その際に脱臭塔の分解まではやっておりません。したがいまして、今度私どものつくります管理基準の一番の焦点はこの辺にあろうかと思いますが、もちろん私ども今後年に一回ぐらいの定期点検、分解させてそれの総点検を行なうという方向で考えておるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 ただコイルに水を通しただけではわかりません、水圧をかけぬと。だからそういうような点、どういうような検査をされておるのか。これはニッコーだけではないのですよ。全国の食油製造業に対してやはりはっきりした基準を設けて——総点検をしたというならどういうような総点検をやられたのですか。先ほどの説明の中で四百社に対して総点検をしたと言ったですね。どういうふうな総点検をしたのですか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 今回の総点検につきましては、四月の十八日から一週間の予定でやっておるわけでございますが、これにつきましてはもちろん製造を中止して中を全部確認しなさいという趣旨で行なっておるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 ただ中を確認しなさいというような指示だけでは、これはやはりわれわれから見れば非常にあいまいなところが多いのです。やはりもっと確認をするならばこうして確認をしなさいということを、もっときめのこまい指示をやらなければ、それはやはりいままでと同じようにただ食品衛生監視員が行って年二回立ち入り検査をするようになっておるけれども、行ってみて、いかがですか、何も変わったことはありませんか、ありません、そうですかというようなことと同じなのです。だからやはりこの際総点検をするなら、そういうような脱臭塔あたりを全部解放してやるとか、そういったもっときめのこまい指示をして点検をやらぬと、それは同じようなことをまた繰り返す結果になるんじゃないかということを私は非常に心配します。厚生省として今後ともぜひひとつ私が言ったようなことは、そういうようなことを二度と起こさないように——もういままでで二度。三度も起きたら厚生省大責任ですよ。今度でも責任ですけれども。一つもカネミの教訓が生かされていないわけですから。しかも昨年の六月にわざわざこのカネミの教訓によって食品衛生法改正までして、基準をつくるようになっておるのに、いまだにつくっておらぬということ自体全く厚生省の責任ですよ。今度はひとつ厚生省としても本気で取り組んでもらわなければ困ると思うのです。したがって、厚生省はニッコーの無期限営業停止をしましたけれども、これはいつごろ解除するのですか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課長

○三浦説明員 今回の事件が、当初カネミ油症事件の教訓から、脱臭塔内のパイプから漏洩したという疑いが当然強かったわけでございます。したがって、カネミの経験からして、これらの点検がきわめて複雑で、大規模な作業が予測されたわけでございまして、そういう意味で、期間を設けた営業停止処分より、期間を設けない営業停止処分がよかろうということで千葉県がとった措置でございまして、それでその後告発をしたこと等もございまして、設備の改善等の指示を現在控えておったわけでございます。今後警察当局と協議の上、施設整備の改善等につきましても具体的な指示をするということを千葉県のほうから聞いておるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 ニッコーの事件はそれくらいにして、次は運輸省に対して質問します。  五月一日からの光化学スモッグの大きな原因になっておる中古車の排出ガス規制について、ちょっとお尋ねします。  この五月一日から排出ガスの規制をした中古車の数は何台ですか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 お答えいたします。  約二千万台でございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 その中で浄化装置の取りつけを義務づけられておる東京、大阪での千八百cc以上の車は何台で、五月一日現在取りつけを終わった車は何台ですか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 東京都、大阪府両方合わせまして、排気量千八百cc以上の乗用車約三十四万台と推定しております。これにつきまして排気ガスの減少装置を取りつけるということになっておるわけでございます。これにつきましては、一台一台全部当たることはできませんけれども、さっそく五月二日の日に、私ども警察庁と一緒になりまして、街頭でチェックをいたしました。私も京葉道路のほうに参りまして、現に見てまいりました。その調査の結果でございますと、装置あるいは調整、これをしておりませんものは、両方合わせまして、一三%くらいの車が対策が未済でございまして、このうち装置を取りつけるべき単であって、装置を取りつけていないのがどのくらいあったかということでございますが、それぞれのチェックポイントでの統計が全部完全に整理されておりませんけれども、私が京葉道路に参りました時点におきましては、装置を取りつけるべき車はほとんどが装置を取りつけておった、こういうことでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 いまの運輸省の景山整備部長の答弁は、どうも我田引水的なところがありはせぬかと思うのです。まあそういうことは申しませんが。結局しかしいずれにしてもその取りつけを終わっておらない車もあるわけですよ。この原因はどういうようなところにありますか。たとえば浄化装置なり点火時期調整の機械を、そういうような製造工場が製造が間に合わなかったのか。それとも整備工場が取りつける時間がなかったのか、どちらかということです。それでこれはその後どういうふうにして、いつごろまでに取りつけを完全に完了させるのか。いまはそういうようないわゆる義務違反車が走っておるわけですね。そういうような義務違反車が出た原因は、どこにあって、そしていつごろまでにその車はその取りつけを終わらせるのかということです。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 先生御指摘のように、街頭で私も職掌柄時間がありますとサンプル統計的にながめておりますが、若干の車がまだ装着対処が終わっていないということは事実でございます。   〔島本委員長代理退席、委員長着席〕 これにつきまして、私どものほうも、まずこの装置が間に合わないといけないということで、前もっていろいろ関係の向きに準備をいたさせました。現在までのところ私どもの手元に入っている資料でございますと、先ほど申し上げました三十四万台の数に対しまして六十七万装置、約倍に近い装置が生産、供給されておるというふうにつかんでおります。  もちろん、千八百cc以上の東京、大阪の車が三十四万台ということでございますが、それ以外の地域の方でも、おつけになった方も若干あるかと思います。しかし、いまのところ、私が思いますには、約倍に近い供給をいたしておりますので、装置が足らなかったということはないのではなかろうかと思います。  それから次に、先生のお話にございます整備工場の能力の問題でございます。これにつきまして、実は昨年の秋に運輸技術審議会の専門委員会の先生方に御審議をお願いいたしまして、昨年の十一月にどういうふうにやればいいのかという答申をいただきました。それから関係の手続あるいは技術的な諸準備をいろいろいたしました。いよいよ品物が出るようになりましたのが三月の初めでございます。したがいまして、二千万台の車に対しまして処置をするのに十二分な時間があったと私ども思ってはおりません。しかし整備工場は全国に約六万六千ございます。こういった工場につきまして整備能力を勘定いたしてみますと、大体工員一人当たり一日に一台か一・二台くらい。少し大目に見ても一台半までというくらいに、なべてやってもらえれば十分できる。一人につき一日に一台ないし一台半でございますし、作業の所要時間というのは一時間とか二時間、こういった時間でございます。でございますので、整備能力としては、全体なべてみますと不十分であったとは思っておりません。ただ地域的に、車を使っておられます方が平均して来ていただけなかった。そして終わりのころに殺到したというところはあると私も承知いたしております。  なお、先ほど先生から御注意がございましたけれども、先ほど私が参りましたところのデータで恐縮でございますけれども、そのときにやってなかった方のアンケートをいたしましたところ、大体一割の車がやってなかったわけでございます。ですから、チェックいたしました全体の数のうち三%の方が、知らなかったとおっしゃる方がございました。これにつきましてはあとで御説明いたしますが、私どもも実は相当一生懸命PRをやったつもりでございますが、残念ながら三%の方が御存じなかった。残りの方は大部分の方が仕事の都合上やれなかった、多忙でできなかったということでございまして、部品がなかったとか工場でできなかったという方は京葉道路の場合についてはなかった。ただ地方によりましては、整備工場の能力があふれたところもあるいはあったのではないかという心配は若干いたしております。  なお、私どものいたしましたPRの状況でございますが、まずラジオ、テレビ、こういったものに私も出ましたけれども、それからまた運輸省記者クラブにもPRをいたしまして、運輸技術審議会の答申が出ましたときに、すでに来年の四月からはこういうことをしてもらわなければならないということは、各紙にも五段抜きくらいで出たところでございますし、その後正式に決定いたしましてからも、ラジオ、テレビでいろいろやっております。その他新聞にも、これは政府の広報の経費で約五百万円を出しまして、広告も出しました。それから、ポスター、チラシその他も出しましたし、まれそれぞれ自動車メーカーといいますか、販売店といいますか、こういったところからもダイレクトメールを出すようにという指示もいたしまして、相当なことを実はやったつもりでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、若干、まだ御存じなかったとおっしゃった方がありましたことは残念だと思っております。なお、すでに期限が切れておりますので、実は先日も決裁したところでございますが、残念ながらまだやっておられない方があるので、関係の向き、協会あるいは整備関係といったところで至急やっていただくようにという指導を徹底するように指示もいたしたところでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 いまの説明によれば、五月一日を目前にして一度にどっと殺到したとかいろいろ言っておるけれども、いまの各整備工場での処理能力はわかっているわけですよ、たとえば一人一台とか一台半とか。そうであれば、四月三十日までに整備を済ますということであれば、たとえばこれで、三十四万台あれば大体何日間かかるということもちゃんと計算して出ている。そうすれば、たとえば地区別に何月何日から何日まではここはひとつ浄化装置をつけてくださいというような指導をやらないと、しかもテレビ、ラジオとか言っておるけれども、テレビ、ラジオを聞く人ばかりおらぬし、私の知っておるところでは一ただ整備工場にポスターを張っておるのは私も見てきましたよ。しかし、整備工場にポスターを張ったって整備工場に行かぬ車は見ないわけですよ。その意味でもっとPRについての——運輸省の官僚的な発想だろうと思うのだが、ただそういうようなことだけで、周知徹底がされなかったのは残念だというようなことを言っておるわけで、やはり運輸省あたりは、この問題についてはそういった周知徹底させる方法を事前にもっと十分に検討すべきであったということを私は指摘したいのです。  それから、特に東京、大阪以外の道府県については五十年の四月一日までに順次実施するということを言っておりますね。その具体的な計画はどういうふうになっておりますか。今回のミスを二度と繰り返さないためにはどういうような対策を立てるのか、その点もあわせてひとつ御答弁を願いたい。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 東京、大阪以外でございますが、いま先生からお話ございましたように、地域とそれから車の大きさを分けまして、五十年三月三十一日までにやるということでございます。  少し詳しく申し上げますと、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、兵庫県といったところにつきましては、千八百cc以上の乗用車、これは八月三十一日までにやるということにしてございます。それから、千八百から千六百までの車、これは東京、大阪といま申し上げました五県あわせましてことしの十一月一ぱいにやる、こういうことになっております。その他逐次千六百以下千までと、あるいは千以下、あるいは乗用車以外のもの、こういうふうに分かれておるところでございます。  なお、今後のPRにつきましては、私どもも実は何千万という数のものにつきましてやりましたのは初めてでございまして、なかなかたいへんだということもよくわかりましたので、今後とも十分注意をいたしましてやっていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 先ほど言った、結局東京、大阪の千八百cc以上の車には浄化装置をつける、しかし全車について、結局四十三年の一月以降に登録されておる三百六十cc以上の中古車については、それまでの応急措置として全部点火時期調整をつけるようになっていますね。これも今回五月一日から実施したにもかかわらず、まだつけていない車がかなり走っておるという状態ですが、大体何台くらい走っていますか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 実は先ほど申し上げました一三%という数字が調整のものと装置のものと、両方合わせた数字になってございます。ですから、大体二千万台に対しまして一三%でございますから、二百五、六十万、もちろん本日まで十日ほどたっておりますので、さらに改善はされていると思います。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それから、東京、大阪で千八百cc以上の車に浄化装置を取り付けることによって炭化水素、窒素酸化物、これがどの程度減少するのか、この点いかがですか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 ことしの八月現在で、東京都につきまして私ども試算したのがございますが、炭化水素につきましては約一〇%、窒素酸化物につきまして約一八%減少する、こういうことを試算いたしております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 そうしたら、結局東京と大阪の空は、今回の規制によって光化学スモッグが減って、昭和何年ころの空にまで取り戻すことができるのですか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 私どもの先ほど申し上げました数値をもとにいたしました計算でございますが、炭化水素のほうにつきましては一・六年、つまり一年七カ月の間東京の自動車が一台もふえなかったのと同じである、それから窒素酸化物につきましては二・八年でございますから、約二年と十カ月の間自動車が一台もふえなかったと同じである、こういうことでございます。ですから、いま先生の御質問にお答えを戻しますと、ちょうどいま申し上げました期間の分だけ戻るというかっこうでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それではいま昭和四十七年の四月とした場合に、車がふえなかった場合は二年十カ月とか一年七カ月戻って、そのころの空にしかならぬということですか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 今度やりました措置は、いままで国民の皆さんが使っておられます車を少しでも何とかしょうという措置でございますので、そうものすごく減らすというわけにいかないということでございます。それでとにかく車を使えるようにすることができる範囲の中で炭化水素と窒素酸化物はできるだけ減らすことができないかということでやりました措置でございます。実はこの程度の措置でも少しユーザーの方々から車が前どおり走らなくなったといってお小言をちょうだいしている、こういうかっこうでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それではいろいろな環境基準をもう少しきびしくやらないと、いま車が一台もふえなかったとした場合に一年七カ月とか二年十カ月、ここら以前にしか戻らないということでは、どうも問題があると思うのです。しかも、いまそれでは車がふえないという場合——車が東京、大阪でこの一年間にどれくらいふえていますか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 この対策はこれだけ完全に光化学スモッグがなくなってしまうということは私どもも実は考えておりません。それからごく最近発表になりました窒素酸化物あるいは光化学オキシダントの環境基準と照らし合わせてみましても、これを達成することはなかなかたいへんなことでございます。現在自動車から発生しております窒素酸化物は、固定発生源、煙突その他合わせました全体のうちで約四割が自動車でございまして、六割がほかの固定発生源から出ているということでございます。炭化水素につきましても自動車が六割、ほかのものが四割、大体逆でございますけれども、そういったことでございますので、自動車そのものにつきましては一昨年の十月に環境庁の中央公害対策審議会から昭和五十年あるいは五十一年についてこれだけの規制をする、一言で申しますと有害物質の発生量を十分の一に減らすという規制方針が出ておりましたが、やはりこれを早く達成することが必要であろうかと私ども自動車屋としては考えておるわけでございます。  それから御質問ありました東京、大阪の車の伸びでございますが、昨年までの車の伸びを勘案いたしまして推定をいたしてみました。これから先の伸びといいますのは、実はいろんな要件が入りますので非常に推定がむずかしゅうございますが、一応いままでの傾向ということでやってみますと、昭和四十七年度と五十年度を比べてみますと、大体東京で一〇%前後の伸びにとどまるであろう、それから大阪府につきましては一六%ぐらいの伸びにとどまるのではなかろうか、こういうふうに推定をいたしているところでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 そういうような浄化装置を取りつけても、現状の技術の水準からいって、いまの一年七カ月とか二年十カ月とかいうようなことだけではやはり問題がありはせぬか。たとえばこういった光化学スモッグで非常に困っておる東京の空を、そういうような光化学スモッグでいろいろ頭痛を訴えたりしておる現状の中でほんとうに何年ぐらいか前の空にまで戻して、そういうような光化学スモッグをなくしていこうという目標をきめぬと、ただ、いまの自動車の技術水準からだけいってこれくらいだからこれぐらいだというようなことでは、やはり公害行政に取り組む立場として全く私はナンセンスだと思うのです。運輸省のほうはにこにこして、責任はそちらのほうだというような顔をしているけれども、そういうようなことはやめて、あなたのほうがしっかりしてもらわなければ困るのですよ。その意味で、たとえば東京都で自動車とか石油化学工場から一日百七トンの炭化水素が放出されておる。これを東京都あたりでは昭和三十九年から四十年ごろの空に戻すために一日四十七トンのレベルまで引き上げる方針だということをいろいろ言っておるわけです。しかしいまのようなことではこれはもうとうてい不可能なんですね。たとえば昭和五十年、五十一年から和製マスキー法を実施してもはたして可能かどうかということは非常にむずかしいんだ。そのほかに車がふえていく。たとえば大阪でも一日に放出される窒素酸化物は二百五十三トン、炭化水素が百六トン、今回の規制で減るのは、窒素酸化物は十四トン、炭化水素が十三・二トンといわれておる。これでは光化学スモッグは解消しないのですよ。だからこういうふうに減ったとしても、車がふえればその分は相殺されて、現状とひとつも変わらぬということになるのです。そういうようなことでほんとうに環境行政としても、公害行政としてもいいんですかね。大阪府ではいま毎年二十万台の車が増加しているといわれておるのです。今回の減った分はそれで相殺されて、ひとつもよくならぬということをいわれておるわけですよ。だからもうちょっと環境庁どうでしょうか、規制する場合には車の増加というものを計算に入れて、車はふえるのだという立場に立たぬと、車の排気ガスの規制をやっても、車がふえていったら何にもならぬということなんです。そういうようなことを環境庁はどのように考えているのか、ひとつ環境庁の所見を聞いておきたい。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 直接明快な答えはできませんけれども、考え方といたしましては、車の台数だけで光化学の問題がだめだというふうには私は考えません。その理由は、確かに先生おっしゃるとおりの台数の計算からすれば、排出量に云々ということにつながりますけれども、私どもの考え方では、東京、大阪におけるドライバーの増加、一応一〇%と先ほどお話がありました。それは台数はそうかもしれませんが、交通量はほとんど横ばいの状況に東京、大阪はなっております。したがって排出ガスの量的なものの計算方法はいまいろいろなやり方がありますので一がいには言えないかもしれませんが、もし五十年及び五十一年度の規制で十分の一排出量が押えられるということになりますと、この自動車に基因する大気汚染は著しく改善されると私は思います。それと同時に、光化学オキシダントの問題は、午前中にもお答えいたしましたが、固定発生源の窒素酸化物の対策もやりますし、それから炭化水素について今年中に環境基準をつくり、さらにガソリン有機溶剤等の漏出についての対策も強力に実施していこうと思っておりますので、確かに何年の時点にこういう問題がなくなるかという点に関しましては、いま明確にお答えできませんけれども、光化学オキシダントに対する対策は、窒素酸化物と炭化水素の両面から攻めていって、何とか全力をあげて防止対策に資したいと考えておる次第でございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 昭和五十年、五十一年から実施しようとしておるいわゆる和製マスキー法ともいわれるしまた日本版マスキー法ともいわれておりますもの、これは新車だけでしょう。中古車は含まれていないでしょう。そうすると新車についてはそういうようにきびしい基準を設けてやろうとしておるけれども、現在ある中古車についてはそのマスキー法の対象になっていないわけだ。いまの浄化装置をつけるだけなんですよ。それではたしていいのかどうかという考え方を持つのです。これは長官に聞くのを忘れておったのでまたあとで聞きますけれども、このマスキー法の実施について、環境庁は、対策技術開発状況に関する聴聞を各メーカーに対して十四日から開催しておりますね。この聴聞の結果、マスキー法について修正したりまた考え方を変えるようなことは、長官もいままでは絶対にそういうことはいたしませんと言っておるけれども、そういうような考え方はないですね、もう一ぺん確認をいただきます。

山形操六環境庁大気保全局長

○山形(操)政府委員 初めの中古車の問題につきましては、これは大体東京の場合は中古車は五年でかわっておりますので、それらも計算に入れながら新車、中古車対策で光化学対策を攻めていこう、こういう考え方でございます。  後半のマスキー法に関しましては、私どもがヒヤリングを実施するというのでなしに、態度は変えないかということでございますが、このヒヤリングと申しますのは、現在自動車の排出ガスの許容限度を平均値できめておりますのを今度最高値できめなくてはなりません。そういった問題に関する事務当局においてのヒヤリングでございますので、初期の既定の方針に変更はございません。

小宮武喜民社党

○小宮委員 また運輸省に戻りますが、五月一日から実施の今回の規制に要した整備済みのステッカー、これが私が帰ったら、長崎県だけでも三万枚不足した、それから福岡県が七万枚、熊本県が五万枚、そのほか宮崎、鹿児島、至るところ全部不足している。全部で九州管内だけでも三十万枚不足しておるのですよ。それでドライバーの人たちからいろいろな文句が出ておるのです。したがって、そういうような整備が済んでもステッカーを張らずに走っておる車が全国にかなりあると思うのですが、大体そのステッカーがどれくらい不足しているのか、九州管内だけでも三十万枚不足しておるわけですから、そういうような意味では全国でかなりの数のステッカーが不足している。整備済みのステッカーを張らずに走っておる車は何台くらいありますか。

景山久運輸省自動車局整備部長

○景山説明員 ステッカーの配付につきまして、約二千万台実は車があるわけでございます。これにつきまして、これはきちんとした管理をいたします必要上中央で刷りまして送ったわけでございますが、実は若干この流通過程におきまして偏在をしたということがまず一つあるようでございます。そのための、偏在のための流通上のアローアンスといいますか、これを少し見込まなければいけなかったということはあるようでございます。  それからもう一つは、非常に追い込みで大事な時期にいろいろな輸送手段が若干の混乱をいたしまして、最後には実は航空便でも手配をしたという状況でございます。  先生のお話の長崎でございますが、所要枚数が約二十万枚でございます。四月三十日現在に二十万枚実は送付をしてございます。二十万枚送付をしたわけでございますが、いま申し上げましたような流通過程での偏在といったようなこともありまして、足りないところが出たようでございます。お話の、これは新聞にもございましたが、三万枚と申しますのは、三万枚ネット足らなかったということではなくて、これはそういうことなら少し余裕をもって送ろうということで追加発送をした枚数でございまして、ネットの足らなかった枚数というわけではございません。  現在、約二千万枚に対しまして二千百十万枚を配付済みでございまして、どうやら遠いところで少しそういった輸送上の問題が起きたというふうに私理解をしておりますが、これで本日現在ではもう手配は全部済んでおりますのでだいじょうぶだろう、こう思っております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 いや、手配は済んでも、全部張っておるかどうかというのは疑問なんですよ。すぐ運輸省はそういうふうに交通ゼネストがあったからどうだこうだとかそういうことを言うけれども、やはりこれは私は運輸省としての大きなミスだと思うのです。特にこの点について、そういうステッカーを張らずに走っておる車がかなりいるのですよ。  このことについて厳密にいえば、これらの車は道交法違反として、これは五千円の反則金とか、悪質者は最高懲役三カ月以下もしくは罰金三万円以下の刑罰に処せられることになっておる。しかしながら検察庁としてもこの問題については運輸省と話されたか相談されたか知らぬけれども、やはり運輸省としての当然のミスもあるわけだから、そういうようなことで、警察庁としても五月一日から規制を実施したにもかわわらず、五月中を指導期間として、六月中を整備通告期間として、ステッカーを張っていなくてもこれを検挙をしないという方針を決定したというように聞いておるが、事実ですか、警察庁のほう……。

加野久武男警察庁交通局交通指導課長

○加野説明員 警察庁といたしましても、このたびの排出ガス規制に関する国の方針につきましては積極的に取り組んでおるところでございます。  ただ、従来からこの種の新しい行政法令の施行に際しましては、法令の周知徹底の度合い等にかんがみまして通常一カ月ないし二カ月の指導期間、つまり検挙よりも指導に重点を置く期間を設けておるのが通例でございます。このたびもそういう方針で臨むように第一線のほうに示しております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 このことについて運輸省から警察庁に対して相談か何か話し合いがあったか、それともそれは警察庁だけの独自の判断によるものですか。

加野久武男警察庁交通局交通指導課長

○加野説明員 この取り締まりの基本方針につきましては警察独自の判断で策定いたしたものでございます。格別相談を受けてつくり上げたものではございません。

小宮武喜民社党

○小宮委員 今回の排出ガスの規制を見ても、これはいろいろ答弁はされましたけれども、やはりこれは運輸省としての大きなミスだと思うのですよ。したがって運輸省あたりにしても、警察庁にしても、やはり普通違反したらびしびし取り締まるのだけれども、今回の場合、どうもその意味から、警察庁は独自の判断でやったと言っておるけれども、五月一日から実施してもほんとうにステッカーも張ってない車が走っておる、また浄化装置をつけておらない車が走っておる、それで点火時期調整をつけておらない車も走っておるというようなことは、いろいろ答弁はされておるけれども、私はやはり明らかに運輸省の行政指導のミスだというふうに言いたい。だからその意味では今後運輸省としてはまだまだいまからの仕事が多いのだから、厳重に事前にやはり周到な準備をしてこういうようなことがないように特に指導していただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 木下元二君。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 まず環境庁に伺いますが、現在、自動車騒音などによる健康と生活の破壊をおそれる住民の戦いが全国的に起こっております。にもかかわらず、政府は自動車優先、道路建設優先の政策をやめようとせず、それどころか、あの列島改造論を振りかざしまして、そのような政策を一そう推し進めようといたしております。  たとえば昭和四十七年度を初年とする第七次道路整備五カ年計画によりますと、その基本方針としまして、国土開発幹線自動車道としまして全区間七千六百キロメートルを昭和五十八年度を目途に建設をするということであります。そして計画期間内に約三千百キロメートルの建設を行なうものとされております。  環境庁長官は、今国会の所信表明におきまして従来の環境行政を深刻に反省し、道路建設など公共事業の実施に際しましては「環境破壊の未然防止策等について検討を行ない、これらの事業が環境破壊をもたらさないと認められる場合に限り事業実施を認める」という環境保全についての一定の前向きの態度を示されたのであります。問題はこうした所信表明に沿ったような環境行政が積極的に進められておるかどうかということであります。たとえば公共事業に対する事前のチェックが行なわれておるかどうか。実施中の工事に対する環境保全のための万全の措置がとられておるかどうか。あるいはまた被害住民の意見の聴取が十分にやられておるかどうか。こうした環境行政がほんとうに実行に移されておるのかどうか。このことを伺いたいと思います。  それからさらに建設省に対しまして、この道路建設にあたりまして、一体公害対策をどのように取り入れてきたのか。そしてまた、住民の意見を十分にくみ取る努力を果たしてきたのかどうか、こういった問題についてあわせて伺いたいと思います。

小林育夫環境庁大気保全局自動車公害課長

○小林説明員 ただいま先生お話しのように、私どもといたしましては、道路建設等の公共事業によりまして環境破壊が起こらないようにということで、道路計画等の立案あるいは工事の実施等に際しまして環境影響の調査を行ない、公害の発生とか自然環境の破壊が起こらないように環境保全上の問題について十分に措置をしていただくというたてまえから、昨年の四十七年の六月六日に閣議了解をいたしまして、各省が責任をもってこうした公共事業をやる場合には環境破壊が起こらないようにということをお願いして、政府として了解しているわけであります。したがいまして、これによりましてそういうことが各省で行なわれているわけでございますけれども、しかし現実の問題といたしましては、道路建設その他いろいろな問題が各地方で起きておりまして、私どものほうへ住民のほうからいろいろ陳情がございます。こうした際にはそのつど関係各省庁に連絡をいたしまして、具体的な場所についての具体的な方策について建設省なりあるいは道路公団なりと話し合いをして、できるだけ住民の方の御意見に沿った解決の方法ということで前向きに話し合いを進めておる次第でございます。

村山幸雄建設省都市局街路課長

○村山説明員 ただいまの御質問の趣旨は道路建設を行なう場合に道路公害についてどのような配慮が行なわれておるか。それからまたそういう道路をつくっていくに際しまして住民の意見をどのように取り入れておるかということであろうかと思います。ただ私、都市局の街路課長でございまして、ほかに道路局という局がございまして、道路局でもいろいろな道路事業をやっておるわけでございますので、私の所掌しております、特に市街地の中の都市計画事業といたしまして施行いたします街路事業、計画をいたしましたり施行いたします街路事業について簡単に御説明申し上げてみたいと思います。  まず、この問題に関しましては計画の段階、いわゆる道路網の計画の段階において根本的に考慮することがございます。それから第二の段階といたしましては、道路の位置がきまりました場合に、それに対しまして設計上の問題あるいは施工上の問題、こういうように二つに大別されるかというように考えるわけでございます。道路網の問題に関しましては、道路には区画道路とか幹線街路、主要幹線道路、いろいろあるわけでございますが、とかく道路の不足がちの現在、そういうものが混同されながら使われておるという面もあるわけでございまして、こういうものを土地利用との関係において非常に明確にいたしまして、特に幹線道路というようなものになりますと、できるだけ住宅地をバイパスさす、これは非常に必要なことであろうかと思います。ただ現在の市街地の状況を見てみますと、第一種住専、第二種住専、住居地域、いろいろございますが、約八割程度は住居地域になっておるわけでございます。そうしますと、道路を計画いたします場合に、こういう住宅地を全部バイパスさせるということはこれは不可能でございますので、そういう場合、そういう個所を通ることもどうしても避けられない事実でございます。そういうところに対してどういうような処置をとるか、いままで計画決定は、相当前から都市計画の決定過程で幅員がきまっておりまして、その幅員の実行ということでやっておるわけでございますけれども、昨今のいろいろな状況に対応するためには、まず、これは非常にむずかしいことでありますけれども、基本的には道路の幅員を広げまして、そして緑地等を設けて車の走行から沿道への影響、これを緩和するということが非常に重要なことだと思います。それから同じく計画上の問題といたしましては、まあ住宅地の中の区画道路というようなものは、行き詰まり道路というようなものをたくさん使って極力通過交通を排除いたしまして交通量を減らすというようなこと。あるいは歩行者専用道路というようなものを考慮いたしまして、車と人の分離をはかるということ、こういうことが必要であろうかと思います。そういうようにいたしましても、場所によりましては、どういたしましてもそういうことができなくて相当周辺に音響があるというような場合には、植樹とか遮音壁を設置するというようなことも考えられますし、まあ土地利用の許すところでございますと、高架とか掘り割り形式とか構造物でもって騒音に対処するというようなことも考えられるわけでございます。  ただ御承知のとおりに、道路は単に車、自動車が走るということだけではございませんで、両側に家が建つとか歩行者が歩くとか街路樹等の町の緑化に影響する、非常に貢献する、あるいは埋設物とかいろいろございまして、沿道との関係は要するに街路は交通以外にそういういろいろな目的を持っておりますので、必ずしもいま申し上げましたような構造物をつくることで、それでもって足りるかどうかということについては非常に疑問視されているわけでございます。  以上いろいろ計画上の問題あるいは具体的にその場所でできる問題等を申し上げましたのですが、これは道路だけの問題ではなくて、たとえば住宅団地をつくるような場合には団地のむねの配置の問題、それから最近いろいろ行なわれております交通規制の問題、そういうものとからみ合いまして、この問題に取り組んでいく必要がある、こういうふうに考えております。建設省と申し上げますよりも、都市局的な色彩で御答弁申し上げた次第でございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 環境庁が言われましたのは、どうも答弁が具体的でなくてきわめて不十分なお答えのように思います。建設省のほうも一般的な幅員を広げるとか緑地をつくるとかいうことを言われましたけれども、各地に深刻な道路公害が起こっているわけであります。そういう住民が反対をし、ますます深刻になっておる道路公害の問題にどのように対処するのかということが少しく不十分な気がいたします。また住民の意見をどのようにくみ取っておるかということについてもお答えがなかったように思うのであります。しかし時間の関係がありますので、そうした問題については後に具体的にお尋ねをしていきたいと思います。  昭和四十六年に騒音にかかる環境基準が定められまして、道路に面する地域につきましては、そうでない地域よりもよりゆるい基準が設けられております。しかもこの基準を五年以内を目途として達成するようにつとめるということになっておりまして、まことにゆうちょうな猶予条件がついております。また交通量が多い幹線道路に面する地域、こういう地域ではまさに早急に騒音を少なくし、生活環境を取り戻す必要があろうと思うのですけれども、その五年という期限さえこうした交通量が多い幹線道路に面する地域については取り払われておる。五年をこえる期間で可及的すみやかに達成するようつとめるものとされておるのであります。  そこで環境庁に伺いたいのでありますが、現在の全国の道路騒音にかかる環境基準の達成状況、特に騒音の激しいと思われる都市における達成状況を、環境基準のつくられた四十六年と比較しまして現在どうなっているか、そういったことについてお答えをいただきたいと思います。

小林育夫環境庁大気保全局自動車公害課長

○小林説明員 ただいまの先生の御質問は、環境基準のできたときと現在とどうなっておるかという御質問でございますけれども、四十五年に全国の道路についての測定というものはほとんどなされておりません。したがいまして、そのころのデータ等ございませんが、現在の測定値から判断いたしますと、いろいろ道路の類別とか、あるいは朝昼晩という区別がございますけれども、おおむね環境基準に対しまして三ホンから十二ホン程度上回っているというのが、昨年一年各県並びに政令指定市等で調査を行ないまして、私どもに報告をいただいております概要でございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 環境基準が達成されていない場合がほとんどであるということですけれども、それでは基準達成のためにとられた対策はどういうことですか。

小林育夫環境庁大気保全局自動車公害課長

○小林説明員 自動車騒音の規制につきましては、この環境基準が四十六年五月に定められておりまして、その後自動車の騒音の大きさの許容限度というものの改正を行なって、自動車に対する騒音規制の強化がはかられております。  なお騒音規制法におきましては、このほかに自動車の騒音が一定の基準を越えます場所におきましては、地方公共団体が測定をいたしまして、その結果に基づいて交通規制の実施を要請したり、さらには道路構造の改善等につきまして道路管理者に意見を述べるというような措置ができるような仕組みになっております。  道路騒音の改善といいますか、減少につきましては、非常に多岐にわたる方策が必要であろうかと思います。ただいま申し上げましたように、発生源としての自動車の音を下げていくという問題が一つ。それからもう一つは、道路構造を改善していく。トンネルにするとか掘り割りにするとか、あるいはおおいをかぶせるとか、そういうような道路構造の改善、さらには交通の取り締まり、大型車を排除するとかその他の交通規制、現在は、法の規制ではそこまで及ぶわけでございますけれども、それ以外にも、道路周辺、ことに高速道路周辺におきましては、土地利用の適正化というようなものをあわせて行なってまいりませんと、これはなかなか効果をあげることができないというふうに考えております。  自動車の騒音発生源としての規制でございますけれども、これにつきましては、発生源たる自動車の規制の抜本的な強化をはかるために、先月の十日に、中央公害対策審議会に対しまして、環境庁長官から、今後の自動車の騒音の許容限度の長期的な方策というものを諮問しております。ただいま中公審におきましてこれを審議していただこうとしているわけでございまして、こうした答申をもとにいたしまして、発生源たる自動車の騒音は抜本的に規制を加えていくということでございまして、さらには、今後こうしたものが具体的になりました暁には、さらにこれを道路構造なり交通規制なり土地利用というものでカバーしていくというふうに環境庁としては考えております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 その自動車の騒音の規制を加えていくというのは、いまから計画をつくって、これからやろうとされておることですね。それから道路構造の問題についてもいろいろ考えていくということを言われたのですが、これまですでに環境基準ができましてから相当な年月を経過しますけれども、そしてその間その環境基準が達成されていないのに、一体どういう対策が具体的にとられてきたのかということを伺ったのですけれども、結局これからこういうことをしようという趣旨で言われました。ということは、これまで具体的にこの環境基準達成のための対策、特に抜本的な対策というものがとられてこなかったということをみずから証明されておると私は思うのです。結局これまでは不十分な手ぬるい措置しかとられておらなかったということではないのでしょうか。一方ではそういったきわめて不十分な対策しかとられない、そして他方では車がどんどんふえていく。道路をつくっていく。都市のどまん中を走る通過道路をつくっていく。道路をつくって車をふやす、車がふえるからまた道路がふえる、こういうふうな、まるでイタチごっこのような状態が繰り返されておると思うのです。こういう状態では、何年たっても環境基準の達成はおぼつかないと思うのです。  その点は答弁はけっこうですが、その駆音とともに道路公害の内容であります大気汚染の問題、これは先ほど詳しく質問もありましたので、私は一言だけお尋ねをしますが、硫黄酸化物とか一酸化炭素とか、そうした大気汚染の環境基準がきめられまして、これは大都市の中で、特に道路交通量が多い幹線道路の周辺で達成されておるのかどうか。簡単でけっこうですから……。

小林育夫環境庁大気保全局自動車公害課長

○小林説明員 たとえば東京におきます交差点等に固定の測定点というようなものを設けて測定をいたしております。ただいまの御質問は、環境基準を満足しているかどうかという御質問でございますけれども、その中で、東京都あるいは国がそうした測定点を設けておるわけでございますけれども、年間平均にいたしまして、測定値は毎年下がってきております。COにつきましては、環境基準を定めました当時の約半分の数値に下がってきております。しかしながら、それでは東京の全部の交差点が環境基準を満足するかというと、これは必ずしも満足しない交差点もあるわけでございまして、それと同時に、過去測定をしていなかった場所に新しく測定点が設けられるということもございまして、それではどのくらい改善されたかということにつきまして、正確に比較するわけにはいきませんけれども、しかし一酸化炭素につきましては相当程度改善されているということは事実でございまして、私ども国がはかっております東京都の三つの地点、これにつきましては、平均値的には十分環境基準を満足する。環境基準を満足しない日というのはほんの数日にしかすぎないというのが実態でございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 この政府のつくった環境基準そのものが、これはきわめてなまぬるい、甘い基準であります。その甘い環境基準でさえ守られていない。この環境基準が不十分な甘いものでありますから、守られていてでも公害病患者が続出をしておる、こういう状況なんですね。  東京の例を言われましたけれども、たとえば阪神間、特に尼崎ですね、たいへんな状況です。この前も新聞発表がありましたけれども、もういまでは公害病認定患者は二千七百八十名をこえておる。日本一の状態であります。特にここは関西電力をはじめとする工場群がありますが、それとともにこの通過道路、これは私いまから質問をするわけでありますが、四十三号線の道路などによる車公害、これとの複合汚染によりましてもうたいへんなひどい状況になっておるわけですね。こういう深刻な状況に対して、私は先ほどから聞いておりますが、環境庁にいたしましても、建設省にいたしましても、その対策がきわめて不十分だ、こういうふうに思うわけです。そのことは指摘だけしておきます。  ひとつ具体的な質問に移ります。それは、尼崎を通過しておる道路でありますが、阪神高速大阪—西宮線の建設にかかる問題であります。これは、現在十車線の国道四十三号線の上を高架で走る東西六車線の自動車専用道路をつくるという問題であります。この計画に対しまして付近の住民三十七人が、現在の四十三号線だけでもひどい騒音、振動、排気ガスで健康がむしばまれておるのに、この上高速道路が走ったのではたまったものではない、こういうことで神戸地裁尼崎支部に工事禁止の仮処分の申請をしております。実はその決定があす十二日に出る予定になっておるのです。この裁判というのは、憲法二十五条に規定をしておる国民の生存権に基づく環境権、それに基づいて道路建設の中止を求めるという、差しとめ請求権、こうした、裁判上これまでなかった新しい問題をめぐって行なわれておるわけでありまして、全国でも注目をされております。  そこで私は、この裁判の決定に先立って、この問題に関して若干の質問をしたいのであります。  まず公団に対してでありますが、昨年の二月、この四十三号線周辺の住民の人たちが集まって四十三号線公害対策尼崎連合会というのができまして、この連合会と公団の話し合いで、公害対策について話し合いが行なわれている間は工事をストップするという約束ができました。この約束ができたにもかわわらず、八月に入りましていきなり公団のほうは工事を再開して現在も行なわれておるという状態であります。住民との約束を簡単に破ってしまったことについてどのように考えておられるのか、質問いたします。

南俊次阪神高速道路公団理事

○南参考人 お答え申し上げます。  いま木下先生のおっしゃったようないきさつになったことについては、私も心から残念に思っております。ただ御質問に答えまして、なぜやむを得ずそうなってしまったかということ、それからそれにかかわる若干の事柄について御説明申し上げたいと思います。  いま問題になっております阪神高速道路大阪−西宮線、この事業を執行するにあたりましては、昭和四十年五月二十日の都市計画決定以来、その後、路線認定でございますとか、自動車専用道路の指定あるいは工事実施計画の認可等、法的な手続を経まして、四十五年度から尼崎地区の用地買収にかかりました。その間尼崎市当局並びに議会筋その他地元などと交渉を進めまして、四十七年二月の十四日に工事に着手したわけでございます。ところが、いまおっしゃいました四十三号線公害対策尼崎連合会との話し合いが一月の末に行なわれたのでございますが、不幸にして円満にいかなかったわけです。それでややもの別れのままで二月の十四日に工事に着手いたしました。そのころまでに市当局並びに議会筋あるいはこの連合会その他地元の方々に対して、公団が示しておりましたところの公害対策というものがおおむね七項目ございます。これは高さ一メートルの高欄を私どもの構造は持っておりますが、それだけでは騒音対策あるいは防じん対策あるいは大雨が降ったときの水はねあるいは荷くずれ等による被害、そういうものに対する手当て等について不十分でございますので、さらにこの上に一メートル、ポリカーボネートと称するプラスチックの板を設置いたしました。それが一つであります。  それから……(木下委員「なるべく簡単に言ってください。私の質問に答えてもらいたいと思います」と呼ぶ)はい。こういうあるいは路面を高くいたしますとか、そういう七項目のお答えをしておったわけでございます。ところが、市当局並びに議会筋は、しかたなかろうということであったわけでございますが、連合会との話し合いがつかないで、このときにもやや強行的に工事をやらざるを得なかった。ところが工事を始めますと、体当たり的な反対運動が起こりまして、そうして尼崎市長さんのほうからあるいはまた議会筋その他から、工事をやめろとはおっしゃいませんでしたけれども、不測の事態を避けるようにしてくれという申し入れがございました。そこで私どもも、建設省とも協議の結果、一時工事をやめまして、先ほどおっしゃったように、円満な話し合い、これは、私どものほうといたしますと、円満な話し合いということは工事中止を前提とした話し合いではございませんで、工事はやるが、さらにもう少し公害対策を加えることはないかというような話し合い、そういうことに応じましょう、で、その間は強行しないことにいたしましょうとお約束いたしました。そうして二月二十五日を初めといたしまして、七月の五日に至ります間、七回にわたりましていろいろ打ち合わせいたしました。この間の事情は木下先生も御存じだと私は思っております。ところが、道路反対……(木下委員「詳しいことはけっこうですから。私が聞いている趣旨はわかりますか。私はいま、約束があったのに、その約束に反して工事を再び強行したのはどうしてか、約束違反ではないかということを聞いているんです」と呼ぶ)少し詳し過ぎましたので、もう少しあれしましょう。  結局連合会との話し合いがうまくいかなかった。ところが一つ実ったことがございまして、五音協議会なんです。これも御存じでございますが、近畿地建、兵庫県、兵庫県警それから地元の尼崎市それと阪神公団、この五者の間で先ほど申しました七項目、一月までの時点でお約束した七項目以上に現実の四十三号線の公害に皆さんが悩んでいらっしゃる。これを中心にいたします限り、どうしても国道四十三号線を管理いたしております近畿地建とは話をしなければならない。また兵庫県警の協力も得なければならないというようなこと、または尼崎市とももちろん話をしなければならない。それでこれを始めたわけです。そして三回にわたってこれは実行いたしました。  一方、地元の中に大庄地区高速道路工事被害対策協議会というのができまして、これと二月二十五日を初めといたしまして七回にわたりましていろいろ協議いたしました。その間、別途尼崎市当局並びに議会筋あるいは大庄地区の対策協議会等といろいろ公害対策について話をしていきまして、結局現在新しい七項目とわれわれが称しておりますところの対策ができかかったわけです。その中には、私どもたいへんこれは画期的だと思っておりますが、国道四十三号線からの騒音を軽減するために、四十三号十車線の上に六車線の高速道路ができるならば、現在の十車線のうち二車線を閉塞しまして、それを緑化するという対策も考えております。これはもちろん近畿地建にやっていただかなければなりませんが、このことは近畿地建と覚書を締結いたしまして、必ずやるということになっているわけでございます。このほか、たとえばプラスチックの遮音板を、一メートルと前に約束したのを二メートルにするというようなこと、そういうことを含めました新しい七項目が出てきたわけです。  そこで一方、大庄地区の対策協議会との話し合いをやっております。途中で向こうからきた対策協議会からの書類に書いてあるのでございますが、いまのままほうっておくと四十三号自体の公害がますますひどくなる。ですから、なるべく早く道路をつくって、そうして下の渋交通を上に上げてくれというような御要望がございました。それでわれわれとしても裁判でいろいろ述べておりますとおり、やはりそういうことが必要である。これは四十三号をそのままにしておいていいというわけではございませんで、やはり必要なんだ、少しでも現在の被害を軽減するのに役立つのじゃないか、こういうことで、この連合会との話し合いを七回で打ち切らざるを得なかった。これはまことに残念でございます。非常に残念に思っております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 経過はわかりましたが、簡単にお答えいただきたいのですが、要するに連合会と話し合いを進めてこられた。その話し合いの場には円満な話し合いをやろう、その間は工事をしない、こういう確約があって、それに基づいて話し合いが進められた。ところが、いろいろ経過はあるでしょう、その話し合いを公団のほうが一方的に打ち切ったということはお認めになりますか。つまり一方的という意味は、その連合会のほうと、ではもう話はこれでやめましょうということで、連合会の了解を得て打ち切ったのか。そうでなくて、あなたのほうが一方的に打ち切った、そういうふうに私は理解しているのですが、そうでしょうか。簡単に答えてくださいよ。

南俊次阪神高速道路公団理事

○南参考人 事実を申し上げますと、私どものほうは七月五日のあとでもう一ぺん話し合いを提案したのです。それは断わられました。ところが、非常に話が込み入ってくるのですが、それに前後しまして連合会のほうは市の環境局のほうですか、話をされまして、環境局立ち合いのもとにやろう——私どものほうで、打ち切って工事を再開するといっても、直ちにきょういってきょうできないわけです。一カ月程度の準備期間を置いたのですけれども、それで一度断わられまして、それでやむを得ない、これは残念だが強行せざるを得ないと決心をして、覚悟をして準備をしてから後に、そのあとまた申し入れがございました。その申し入れに対してはもうお断わりした、そういうことでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 ですから、住民のほうが、あなたのほうが申し入れをして話し合いをしよう、それをもうあなた方とは話し合いをせぬといって断わったわけではないでしょう。断わったわけではなくて、住民のほうは話し合いをしよう、話し合いをしておれば工事もストップされるのだからということで、話し合いを求めておると思うのですよ。それで七月の初めに何か住民のほうが断わったように言われますけれども、それは今後一切公団のほうとは話をしませんよということではないでしょう。だから、そういうことがどういう経過があったのか私は詳しいこと知りませんけれども、結局もう工事を進めるということで住民側との話し合いを打ち切ったのは、いろいろ理由はあるでしょうけれども、公団のほうでしょう。

南俊次阪神高速道路公団理事

○南参考人 多少のいきさつはございますけれども、結論的に申しますと、ずばり言えばおっしゃるとおりになると思います。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 そこで、一方的に打ち切ったことが直ちに私は悪いとは言いません、いろいろ理由があるでしょうから。ただ、一体打ち切った時点で話し合いが七回と言われましたけれども、十分煮詰まってもうこれ以上話し合う余地がないというところに来ておったのかどうかということですよ。そうでなくて、まだまだ住民のほうと話し合いがされる余地があったのではないか、住民のほうも話し合いを望んでおったのではないか。それをあなたのほうが一方的に打ち切って工事を強行された、そういうことじゃないのですか。

南俊次阪神高速道路公団理事

○南参考人 たいへん微妙でございますが、話し合う内容が食い違っておりまして、私どもは工事を前提とする話し合いをやろう。ところが住民の皆さんは、私ある日の議事録を持っております。河野某なる人のその場でおっしゃったという記録を全部持っておりますが、結局この連合会は道路建設反対ということでとにかく一致した団体である。それぞれの思い思いはみな違うのだ、こういうことをはっきりおっしゃっております。要するに、それでは一メートルのフェンスを二メートルにしたらどうかというような話し合いは不幸にしてこの七回の間では全然出てこなかった。これでは幾ら話し合いをしてもしようがない。そこで非常に残念ながら、一方的に打ち切ったといわれるのは非常に残念ですけれども、最終的にずばりいえば、そういう結果になってしまったということでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 ですから、そこらが公団側の一方的な主観的な判断によって話し合いを打ち切って工事を強行された。もっと住民のほうと話をして、もう話がこれ以上進まないから工事をやりますよという声をかけるとか了解を得るとか、何らかの意思表示をしてされるというのならばわかりますけれども、そうでなくて権力でゴリ押しをした、こういう気がするのですよ。そこで聞いたわけです。  そこで、ほかの問題ですけれども、関連した問題です。  一体、住民との話し合いの中で、あるいはその後でもけっこうですが、現在まで、住民のほうに対して、住民のほうが納得のいくような科学的な資料、この二階建ての道路をつくるということ、これによって公害が起こらないということについての科学的な資料、そういったものを住民のほうに提示したことはありますか、ないでしょう。

南俊次阪神高速道路公団理事

○南参考人 残念ながら非常に騒音等にまぎれてよく聞いていただけなかったと思います。つまり円満な話し合いをするつもりが、円満な話し合いではなくて、よく聞いていただけないということでございました。ただ不幸にして、その後仮処分申請を出されました。森島千代子以下三十七名ですね。それでその裁判の過程におきまして、われわれとしてなし得る限りの疎明資料、科学的な根拠を持った疎明資料を添えまして、これは確かに二回や三回の話し合いであれだけむずかしい騒音とか排気ガス対策というようなものはなかなか御理解いただくのは無理だということは、私も当方の弁護士といろいろ話し合っているうち、よく理解いたしました。ところが幸か不幸か書類審尋という形で平静にお互いに信ずるところを書類で出し合って十分に議論を尽くし合ったわけでございますね。したがって、これは私、一面その事柄は評価していいんじゃないか。したがっていわゆる地元説明会という形ではなかなか徹底しなかった問題が、相手方の弁護士の先生方を通じて、それはまあ意見の合わないところもございましょうけれども、ある程度話し合いできたのじゃないかと、私、逆にそういうふうに評価しております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 私はこの道路建設についての、付近住民の意思というものを無視して強行されようとする態度について問題にしておるわけなんです。たとえばこの計画は昭和四十四年五月に都市計画で決定されましたけれども、買収や立ちのき対象者に対しまして説明を始めたのは工事開始が公告された四十五年四月なんですね。それ以外の住民はこの決定があったのち二年以上もたって初めて知ったという人もおるのです。しかも住民のほうから、公害が起こらないというけれども一体その科学的な資料はどうなっておるのかということを要求しても、それをお出しになろうとしない。それから裁判の中ではあなた、お出しになったと言われますけれども、裁判で出すのは当然なんで、裁判で疎明資料を出さなかったら負けてしまいますよ。勝つために資料を出すのでしょう。裁判中に住民あるいは市のほうから資料要求があったと思うのです、裁判とは別に。裁判とは別に住民や市から資料要求があったのに、これに対してはあなた方のほうでは全く資料をお出しになっていない。そういうこともあるわけなんです。  それからまた五音協議会、さっきも言われましたけれども、一体この五音協議会、これは結局公害をなくす、環境整備をするというそういう性格の協議会だと思うのですけれども、一番肝心な住民がここから抜けておるのですね。こんなばかな話、ないですよ。警察が入っている。市や県が入るのはともかくとして、住民が入らずに警察が入った。こういう協議会、こんなのはナンセンスですよ。ですから私は、道路公団というのは、道路づくりをする国民に対するサービス機関だというふうに思っているのです。それがこれは、私も初めからの経過は知っておりますけれども、権力をかさに着て、もう話し合いなんかどうでもいいんだ、やるんだ、こういう問答無用の態度があらわれておる。そういう姿勢について、過去のことでありますけれども、今後の問題としてもこれは重要であります。十分に改めてもらいたいと思うのです。その点について何か御意見ありますか。

南俊次阪神高速道路公団理事

○南参考人 道路建設にあたりまして公害対策が十分でなかった。それから在来道路建設をわれわれやってまいりますときに公害対策を十分に考えない。これは、国全体の方針に従わなければならぬものですから、そういう点ございました。それからまた、ともすれば公権力にたよるような気配もあったということは反省いたします。ただ、いま先生ちょっとおっしゃったように、五音協議会になぜ兵庫県警が入ったかといいますと、これは住民の反対を押えるためじゃございません。県警と申しましても、公安とか交通とかいろいろございまして、交通問題を処理するためでございます。現に昨日の新聞を見ますと、尼崎も含んでおりますが、尼崎、西宮、芦屋の各市長から、いわゆる要請基準をオーバーする騒音が四十三号に出ておる、これを何とかしろという要望が出ました。それにこたえるかのごとくに、まだ完全に固まっておりませんが、五者協議会から——私ども抜けましたところの協議会の話し合いだそうでございますが、それによりましてすでにできております神戸−西宮線において、下の道路十車線を夜間は六車線にしぼりまして——これは六車線じゃないですが、しぼりまして阪神高速の上に乗せて、そして公害を減らそうというような対策を考えているかのように出ております。そういう意味の兵庫県警でございますので、そういう点の誤解はないようにお願いします。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 実はまだいろいろ質問をしたい点があったわけでございますが、緊急なことがありますので、最後に一言だけ申しておきたいと思いますが、この阪神高速の問題については、先ほども言いましたように、あす判決が出るわけであります。実は私もその弁護団の一人であります。一体この裁判をなぜ起こしたのかということでありますが、弁護団が裁判を起こすにあたりまして、声明を出しておるのです。それは一言で申しますと、この裁判で住民は、生活環境無視の道路づくりを告発し、道路行政の方向転換を求める、全国から道路公害をなくしたい、こういう趣旨であります。こういう趣旨でこの裁判を起こした。つまり住民無視、公害拡散の道路行政、環境行政に対して、裁判に訴えて問題提起をしたのです。もう裁判に訴えなければ問題提起ができない、聞いてくれないということで裁判を起こしたのです。しかるに裁判を起こしましても、現在までほとんどこれが、環境庁にいたしましてもあるいは建設省あるいは公団にいたしましても傍観をしてこられた。手をこまねいてほとんど、私のほうから言わせれば、傍観をしてこられた。あと追い行政ということについて批判がありますけれども、あと追い行政どころか、そのあと追いさえされずに現在まで来たわけであります。なぜこの住民の命と健康、環境を守る立場に立たなかったか、私は深く反省を求めます。  あなた、もう答弁はけっこうであります。これで質問を一応終えまして、この問題についてはあす判決が出ましてから、これはどういう判決になるかわかりませんけれども、その判決にのっとってまた質問したいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後四時五十九分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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