公害対策並びに環境保全特別委員会 第18号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/04/24
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
○岡本委員 きょうは日中の記念の会合もありますので、わずかな時間でございますので、基本姿勢あるいはまた基本的な問題だけを長官に聞いておきたいと思います。 まず、国連環境会議が日本で開催の公算が強いということでありますが、ストロング事務局長と長官との話し合いがあったように聞いておるのですけれども、先般の第一回環境会議のときには大石長官が日本で開催したいということであったのですが、どういう圧力があったのか、とうとう実現できなかったということで、今度は日本で開催するということに対して、三木長官はどういう考えを持っていらっしゃるか、またいかなる圧力があっても日本で開催する考え方があるのか、これをちょっとお聞きしておきたい。
○三木国務大臣 御発言の中にもありましたように、国連のストロング環境問題事務局長が参りましたときに、日本に第二回の人間環境会議を招致したいということを熱心に私は話しまして、事務局長の協力も要請をしたわけです。彼が申しますのは、自分は日本が適当だと思う、それは日本がホストカントリーになる一つの資格を十分に備えていると思うから、できるだけ努力をしたいということでありました。私も、日本はこれだけ環境問題、公害問題がやかましいし、これに対して日本が取り組んでいるわけでありますから、第二回の人間環境会議を日本に開催することによって一段と環境問題、公害問題に対する国民の、あるいはまた世界的にも関心を高めることによって十分にやはり意義があるし、世界にも寄与できると思いますので、これはゼスチュアでなしに本気でやはり招致することに努力をしたいと思っております。
○岡本委員 報道によりますと、ストロング局長のほうから要請があったというような記事も見受けられるのですが、三木長官のほうから要請された、こういうふうに解してようしゅうございますね。 そうしますと、要するに政府部内と申しますか、日本政府としてそういう合意はできておるわけでございましょうか。
○三木国務大臣 話の糸口として私から切り出したのですが、その切り出した背景のもとには、政府を代表した意思において招致をしたいという希望を述べたわけでございます。
○岡本委員 それなら了承しておきますから、あとやはり先ほど長官もおっしゃったように、大事なことは、わが国の環境問題を解決する、また世界の環境問題もありますけれども、そうして公害列島といわれる日本の環境をよくし、将来の、後代の人たちにこの日本列島を譲っていかなければならぬという面から考えますと、やはり努力したいというのではなくして、前はなるべくこの公害の問題は隠さなければならぬという姿勢がありました。この点については、いろいろな問題も起こってこようと思いますが、赤裸々に出して、やはり世界の学者の知識を集めて、そして日本の公害をなくしていこう、環境問題を解決していこうという考え方に立っていただきたいと要請しておきます。 次にもう一つ長官が徳島で記者会見をされたときに、瀬戸内海の特別立法をつくりたいというような御発言があったわけですが、この前私当委員会でこの瀬戸内海の問題についてお話し申し上げたのですが、これはどうも相当後退した姿勢なんです。要するにすぐにできないんだというような御発言だったように思うんですが、選挙区へお帰りになりますと相当前向きな御発言のようにうかがわれるわけでありますが、そうしますと、これは自民党のほうもいろいろ林君なんかを中心にしてやっておるらしい、また公明党も社会党さんも対案を出しておりますから、これについて、ことに瀬戸内海は御承知のように二年前から五・二倍に汚染しておるというような発表も運輸省のほうでやっておりますので、したがってこれは相当強い姿勢で臨まなければならぬと思うのですが、これについてどういう現在お考えを持って、そして環境庁部内に指示をされておるか、これをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○三木国務大臣 前の私が岡本委員に対しての御答弁も、否定的ではなかったですね、まあ、慎重にお答えしたんだと思うんですが、否定的な答えではなかったわけでありますが、私は特別立法がこれは要るという心境なんですよ、いま。それで環境庁においても研究をするように指示をして、いまやっておるわけですが、国会側においても、岡本委員の公明党の案も私はよくいろいろ検討をいたしております。各党それぞれ瀬戸内海に対する特別立法というものを準備されておるし、また自民党のほうでも研究をしておることは事実ですから、これがどういう形態になるかということは、これは研究をする必要はあると思いますが、何とか特別立法というものをこの国会に上程できるように持っていくことが、瀬戸内海の環境保全のためには必要だというような考え方で準備をいたしておるということでございます。
○岡本委員 そこで実際に去年、おととしと、ことしまた赤潮が発生をして、そしていま御承知のように水産は養殖にどんどん変わってきておる。こういうように政府のほうも指導しておるわけでありますが、この養殖業者の皆さん、あるいはまた漁業者の皆さんが、またお金をかけていろいろやってもどうなんだろうか、非常に心配をしておる。したがって、赤潮の原因というものを、これをやはり確かめなきゃならぬのでありますが、どうも環境庁のほうでこの赤潮の原因というものがはっきりしないのではないか、これについて、これは事務当局からでもけっこうですから、どの程度解明されておるか、これをひとつお聞きしたいと思います。
○岡安政府委員 赤潮の原因といいますか、調査につきましては、すでに御承知のとおり、四十二年から四十四年まで科学技術庁が調査をやったわけでございますが、その結果の中間報告といたしまして、赤潮の発生は富栄養化、特に燐、窒素が相当豊富になりまして、そういう富栄養化の状況を基盤といたしましてビタミン恥等の誘因物質が作用し、さらに天候等の誘因作用といいますか、それが働いて赤潮が出るであろうというところまでは解明されたわけでございますが、さらに細密なメカニズムが明らかでないということもございまして、四十六年から四十八年の三カ年計画をもちまして、関係各省と共同して現在調査を進めている段階でございます。今年度は三年目に当たりますので、私どもは今年度中には、たとえば現在やっております研究の赤潮発生予察技術に関する研究とか、赤潮による水産被害の防除抑制技術に関する研究、さらには赤潮発生水域等の汚染環境等に関する研究、大体三つの研究が完成をいたしまして、ある程度予防等に役立ち得るようなメカニズムの解明ができるものというふうに考えておる次第でございます。
○岡本委員 これは長官、やはり相当強力に予算をつけて早くやりませんと、水産庁でも中間報告は聞きましたけれども、三カ年間かかって大した成果もあげていない。そのあと環境庁が引き継いでいるわけですけれども、いまだにはっきりしない。この原因がわからぬと対策の立て方というものがないと思うのです。したがって、これは強力に、ひとつ早急に原因がわかり、そしてその対策が立てられるようにひとつ指示をしていただきたい。 もう時間がありませんが、次にもう一つ原因のわからないものに光化学スモッグ、これも昨年、一昨年——ことしは昨年よりも十六日も早く東京都内においてあるいは北多摩のほうの保谷市ですか、こういうほうに注意報が出ているわけですが、どうもこの光化学スモッグについても、もう一つはっきりしたお答えがない。この光化学スモッグの原因、これは大気保全局長のほうでありますが、大体はっきりしたわけですか。この点ひとつ。
○山形(操)政府委員 光化学スモッグの原因ということになりますと、十数年前からロサンゼルスで発生いたしましたとき、それ以来の学者グループによる推定が行なわれております。 それによりますと、窒素酸化物と炭化水素が太陽の紫外線の照射を受けて、酸化物の二次発生生産物ができる。その大部分はオゾンであるけれども、それ以外にPANとかアルデヒドとかいろいろなものができて、人体あるいは植物等に影響を与える、こういう一応の推定がなされております。 で、わが国の光化学スモッグの事例が、やはりいままでの研究によりますと、その発生機序についてはその推定とほぼ同じと見てよろしいかと思いますが、ただ人体に対する影響が外国の例と比べて非常に重症例が出るという点が、根本的に違っておる点でございます。したがって、この重症例の出るのが、何かほかの物質が介入しているのか、あるいは相乗作用をしているのか、この点について根本的な解明をしようといま努力をしているわけでありますが、いままでやってきました調査研究の成果から見ますと、やはり自動車の排気ガスとそれから工場から出ます汚染物質、それとが一緒になって、海風、陸風の大気の移動に従ってある場所に移動していって、その逆転層でその地区を襲うというような一つの流れはつかめました。しかし、これは東京湾はそういう形でありますが、大阪についてもそのようなことが言えるかどうか。やはり、各地における現象をつまびらかにしなくてはなりません。 それから、実験室の中においても、人工的に光化学スモッグのオキシダントをつくって、それについての動物実験等、基礎研究をさらに進めなければなりませんので、十省庁集まりましてその研究、対策を目下やっておる最中でございます。根本的には工場からの窒素酸化物の排出、それから自動車からの窒素酸化物、炭化水素の排出を押えるということでございますが、それについては段階を踏んで目下規制をかけるべく努力はしております。根本的な発生機序の解明がきちんとできますと、さらによりよい対策ができるんでありますが、残念ながら、目下、間接的なできるだけの対策を進めておって、そのうちに根本的な対策に取り組むという、ステップ・バイ・ステップでやっていかざるを得ない現状でございます。
○岡本委員 この光化学スモッグが発生し出したのが、たしか五年ほど前からだと思うのですが、そこで、いまも確たる原因というものがはっきりしないけれども、その主因は自動車が原因ではないか、確かに東京なんかも見ますと、工場は前からありまして、その工場から出てくるところのばい煙あるいはまた亜硫酸ガス、こういうのは相当押えてきておると思うのです。東京の空も、美濃部知事あたりが相当がんばって、だいぶきれいになったように思うのです。ところが、自動車のほうはどんどんふえておる。どこに原因があるのかということを、いまもう一度検討しなければならぬということでありますけれども、大体主因が自動車の排気ガスのようにいま話がありました。 そこで、自動車がどんどん、野放しですね、ここで一番私は長官に念を押しておきたいことは、昭和五十年に日本版のマスキー法といいますか、これをやりたい、やろうというようなこの前のお話がありましたが、アメリカは何か一年ぐらい延期するんじゃないかというようなこともあります。この間アメリカへ私どものほうから調査に行きましたけれども、向こうはやはり何と申しましても国土が広い。車は多いけれども、日本ほど過密でないわけですね。したがって、日本版のマスキー法の実施は決して延長しないというのが日本の環境対策の大きな打つ手ではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、長官の考え方あるいはどういうように善処するかということをひとつ聞きたいと思います。
○三木国務大臣 アメリカは一カ年間マスキー法の実施を延期したということでございますが、いま岡本委員の御指摘のように、アメリカに比べると、自動車の台数もキロ平方当たり八倍くらい多いわけです。しかも、一方においては、本田技研とかあるいは東洋工業なんか、アメリカのマスキー法をパスするような自動車製作に成功したということもいわれておるわけでありますから、日本としてはぜひ予定どおりいわゆるマスキー法を実施したい。そのために業界の人たちもいわゆるマスキー法を実施できるような技術開発に全力をあげてもらいたいと願っておるわけであります。
○岡本委員 あとのほうがちょっと聞こえにくかったのですが、そうすると、本田技研さんですか、このあたりは大体マスキー法に対処できるというようなことでありますから、昭和五十年実施ということに対しては延長しない、こういうようにはっきりお考えですね。
○三木国務大臣 そういうことです。
○岡本委員 もう一つ聞いておきたいことがあるのは、航空機の騒音の基準が中公審の特殊騒音専門委員会で七十WECPNL、こういうようにおきめになったということでありますが、このあと今度は中公審でいろいろと検討をして環境庁に答申をするということでありますが、これを検討する中公審のメンバーをちょっと承っておきたいのです。
○山形(操)政府委員 いま手元に名簿を持っておりませんので、一人一人のお名前のことは申し上げられませんが、中公審のうち騒音振動部会の部会長は五十嵐教授にお願いいたしまして、それから専門委員長である楠本先生、それから鉄道のほうの技師長、あるいは業界としては日本航空から一名、その他学識経験者を集めて、騒音振動部会の部会員として構成されております。
○岡本委員 そこでこの中公審の中に日本航空の社長さんとか、そういうのが入っていますと、環境庁に答申をする前に、これではぐあいが悪いとか、いろいろな意見が出まして、相当後退するのではないかというような心配をいたしておるわけであります。この中公審の特殊騒音専門委員会においては、これはやはり人体、要するにそこの住民が耐えられるような、そういう基準を出しておるように思うわけでありますが、これを、そういうことでは飛行機を飛ばせないとかなんとかいって後退させられたのでは、環境庁に答申で出てくるときに相当後退してくる。こういうようなことではちょっとぐあいが悪い。そこで、それについての長官の考え方ですね。そういう後退はないだろうか、これが住民の皆さんや、あるいは毎日毎日被害を受けている皆さんの心配の声であります。これをひとつ念を押しておきたいと思います。
○三木国務大臣 日航からも、連合会長という形で入っておりますが、これは運航とか、これを実施していくためのいろいろな手順とか、そういうものに対して意見を聞こうというのであって、環境基準をきめるときに大きな発言力を持って、そしてそれを航空会社の都合で曲げるというようなことは絶対にありません。
○岡本委員 それを聞いて非常に安心しました。私は、そういうように航空会社の代表といいますか、日本航空の社長も入っているわけですが、そうするときには、住民の代表というもの、絶えず航空機の騒音によって被害を受けている人、こういう人をやはりそこに一人入れなければ、ほんとうは意味がないのじゃないかという考え方をしておったわけでありますけれども、いま長官の御意見で、それはどういうように運航するかというような意見を聞くのだということでありますから、七十WECPNLは後退しないという長官の考え方だ、こう受け取ってよろしゅうございますね。
○三木国務大臣 よろしゅうございます。
○岡本委員 それではひとつさらにこの実現にあたって、何年も先だというようなことでも困る、これから十年先あるいは五年も先というようなことでも困るわけでありますから、その点の期間についても、どういうような見当になるのか。基準はできたけれどもそれを実行するのはもっとずっと先だということではぐあいが悪いと思うのですが、これについて最後にお聞きして終わりたいと思います。
○三木国務大臣 年内には環境基準をきめます。しかし、それは相当きびしいことを考えておりますが、運輸省との間にも、これは何年の間にこれを達成するかということで、こちらはできるだけ短い期間に達成させたいと思うし、また、運輸省は運輸省としてのいろいろな考えもありますので、行政面での調整はまだ今後に残されておるわけですけれども、しかし環境基準は年内にはきめる、こういう方針でございます。
○岡本委員 年内というのはことしの十二月までですか。大臣に予算委員会で私この問題をお聞きしたところが、三月末には大体発表できる、きめます、というようなお話であったのですが、年度内、これは年度内過ぎちゃったですね。言うたびにおくれる。年内というのは毎年あるわけですが、もっと早くきまるわけにはいかないのですか。その点ひとつもう一度お聞かせ願いたいと思うのです。
○三木国務大臣 これは世界でどこもきめたところはないですね。初めての環境基準でありますから、できるだけ早くきめたいとは思っておりますけれども、これは学者の間、また運輸省との間で話をたいへんに詰めなければならぬ問題がたくさんありますから、まあ用心深くこれくらい期間を置いて実現をしたいとお答えをしておるわけでございます。
○岡本委員 約束の時間ですから終わりますけれども、長官、それは運輸省との打ち合わせということもわかりますけれども、それでは運輸省サイドに引っぱられたんじゃ、これはこの基準が後退するということになるわけです。ですから、やはり環境庁長官としては、住民の皆さんの健康、それを中心とした基準でなければならない、産業優先の基準ではならない、こういうことでありますから、ひとつその点を頭に入れられて、そうして早急におきめいただくことが、私はいまの住民の皆さんにこたえる大きな長官としての責務である、こういうように思うわけです。それを要求いたしまして、きょうはこれで終わります。どうもありがとうございました。
○佐野委員長 次回は、明二十五日水曜日、午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二分散会