公害対策並びに環境保全特別委員会 第15号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/04/13
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 長官にまず伺います。 大体きょうは吉野川のカドミウムを中心としての質問でありましたが、これはいろいろな関係で次回に延ばします。したがって、環境保全一般、それから伊達火力に入りまして、私はこれで岡田委員に引き継ぐ予定になっております。 最近の重要な問題の一つとして、大臣にぜひこの際承っておきたいことがあります。それはアメリカのマスキー法が一年延期された、そして大臣もこれに対して所見を発表された、こういうようなことがあります。しかし、日本も再検討すべきじゃないかという、三木環境庁長官の談話に反発した業界からの意見もあるかのように伺っておるのであります。しかしこれはまた国際的にも重大な問題でありますが、この際大臣の決意をはっきり国民の前に披瀝しておいてもらいたい、こう思うわけであります。
○三木国務大臣 アメリカの決定があった直後に、新聞紙から私の所見を求められて、日本は予定どおりの方針に従っていくことにしたい。ことにいま本田技研などにおいても無公害車の開発が成功しておる時期でもございますから、そういうことでいろいろな困難があっても、この日本の大気汚染の現状にかんがみ、各業界において、技術開発というものに対して最大限度の努力を払ってもらいたいということを強く要請するということを述べたのでございまして、私はいまもそういう考えでございます。
○島本委員 それでは大臣も既定の方針に従って大いにばく進してもらいたいことを私は要請いたします。 運輸省のほうではこれと逆に軟化した意見が出ておるということを承っておりますが、こういう事実はございませんか。
○景山説明員 お答えいたします。 一部にそういうような文字があったようでございますけれども、ただいま環境庁長官からもお話がございましたように、私どもといたしましても毛頭そういうことは考えておりません。既定方針どおり進めてまいる、こういう所存でございます。
○島本委員 ぜひそういうふうに進めてもらいたいことを、この際ですからはっきり確認しておきたいと思います。大臣もこの点では一そう馬力をかけてもらいたいことをお願いいたします。 次に厚生省。最近給食にも有害汚染油が入ったということで、先般もまた社会労働委員会で問題になっております。こういうのはカネミ油症の問題等を通じて、当委員会においても、これらの問題に対してPCBその他化学物質等の問題、これも総点検して、法律案としてもこれをもうすでに可決し、法律も出ている最中です。それが再びあとを追うかのようにこういうようなのが繰り返されておるということは、私は実際遺憾なんであります。その遺憾もきわまりございまして、学校の給食にまでいった、こういうのは事実であります。これあたりは一体どういうようなことなんですか。これらに対しては毒性はないということで安心されておるようでありますけれども、これはもう毒性の検査も全部終わって、ないということをはっきりさせたのですか。この毒性は急性ですか慢性ですか。それとも発ガン性や催奇性や繁殖試験並びに胎仔試験、慢性毒性試験、こういうようなものを全終わったあと、これはもう毒性はないものであるということを表明されておるのですか。この点をはっきりさせておいていただきたいと思います。
○浦田政府委員 最初に、かかる種の事故を起こしたことは、前にカネミ油症の例もございまして、はなはだ遺憾に存じております。また行政監督上の責任を深く感じております。ことに御案内のように一カ月近くもひた隠しに隠したという企業側のモラルの問題につきましては、私どもといたしましては厳重な態度でこの措置について臨みたいと思っております。また消費者の皆さま方の不安の除去につきましては全力を上げて、解決は国民の皆さまの納得のいく方向でもって一刻も早くはかりたいと考えております。 御指摘の事件でございますが、これは千葉県所在の千葉ニッコー株式会社が製造いたしました食用油に、熱媒体である商品名ダウサムA及びKSK含まれておるという疑いを持たれる食用油が大体千四百トン余りすでに販売ルートに乗せられたということでございまして、その中心となっておる最も疑わしい食用油は三月十五日に製造されました約三十トン、これにその日、熱媒体であるダウサムAなどの入りましたタンクが非常にその表面が降下するということから漏れているという事実に会社側が気がついたわけでございますが、そのときに会社側が推定した量といたしましては約十五キログラムということでございます。 そして熱媒体が混入したと思われますこの食用油を検査いたしておりますが、この検査は千葉県ではございませんで岡山県倉敷市所在の日本興油株式会社に委託してございます。その結果ダウサムAなどが9PPM検出されておる。それを今度は再精製いたしまして一部出荷いたしております。御指摘の安全性については未確認のままでございます。ただし、この再精製したものについて検査は再びいたしておるようでございますが、この結果を確認しないままに、すなわち安全性を未確認のままで出荷しておる、こういうことでございます。 この熱媒体の組成でございますが、ダウサムAが六〇%KSKが四〇%という混合物質でございまして、ダウサムAはさらにジフェニルエーテル七三・五%、ジフェニル二六・五%の共融の混合物でございます。またKSKとは、アルキルアロマといわれておる化合物質でございまして、アルキルベンゼン、アルキルナフタリンなどがこれに該当しておりまして、ダウサムAについてはアメリカからの輸入品であり、KSKは国産品でございます。この毒性でございますが、ダウサムAは、急性毒性につきましてラットの経口投与が試みられておりますが、体重一キログラム当たり二グラムまでは影響が出ておりません。しかし、体重一キログラム当たり六グラム以上になりますと死亡いたしております。 なお、ダウサムAに含まれておりますジフェニルにつきましては、食品添加物といたしまして、体重一キログラム当たり〇・〇七グラムまでの量がオレンジの保存料として表皮に残存することが認められております。 慢性毒性につきましては、残念ながら詳しい資料を持っておりません。 それからKSKでございますが、これは少し毒性の評価の方法が違いますが、LD50、マウスで申しますと、KSK二六〇につきましては五・九ミリリットルでございますから、ほかの表現でいいますと約六ccあるいは五・四グラムに該当するかと思いますが、体重一キログラム当たり六・〇ミリリットルで半数が死亡するということでございます。 慢性毒性につきましても、残念ながら詳しいデータがございません。目下国立衛生試験所にさっそく手配いたしまして、これらの慢性毒性の実際について早急に明らかにするようにいたしたいと考えております。 以上でございます。
○島本委員 これはもう、何回もこういうようなことを言われても、同じようなことを自然と繰り返している。その政治姿勢が一番悪いのは公害関係。いつでも公害対策ということにはね返ってくる。今後いたしませんと言いながら、いつでも繰り返されるのは公害対策、それから山の爆発。もう爆発するようなものがなくなったら、閉山してしまう、廃山になってしまう、こういうような状態です。公害関係は、こういうような点から見ると、通産関係の指導はもっときちっとやらないとだめなんじゃありませんか。いまこの中で、安全性未確認のまま出荷しておったという、こういうようなことでは、私どもとしてはほんとうに、通産省の姿勢は一体、業者のためにはかられて、国民のためにないのが通産省か、こういわざるを得ないと思うのであります。 こういうような点に対して、政務次官、どういうような指導をなすっておられるのですか。いま、安全性未確認のままで出荷したという。これまた厚生省のほうでは、こういうようないろいろな毒性についての試験が十分なされておらない。なされておらないままにこれを製造して、これは出荷しておる。熱媒体としてこれは使ってもいいということになっておる。禁止しないで許しておいて、こういうような被害が出るということは、政府の責任です。通産省と厚生省、この点は、もう坊主になっても、皆さんの責任は免責にはならないと思うのです。熱媒体として使うのを禁止すべきじゃありませんか。そうでない限り、これは政府の責任じゃありませんか。同時に、安全性未確認のまま出荷したというこの責任は、どなたがお持ちになっているのですか。通産省、どなたがこれを指導なさったのですか。
○塩川政府委員 あらゆる食品を含みますところのあらゆる生活物資、こういうものに対する安全性の確保ということにつきましては、これは製造に携わる者が単に、これらは重要な要件であるだけでなくして、行政の中にも、当然この安全性確保については万全を期さなければならないのでございますが、つきましては、安全性を特に必要とする個々の製品につきまして、たとえば食品等につきましては食品衛生法、電気機器等につきましては電気用品取締法というふうに、個々の法律によってこれを規制し、検査もし、安全性を確かめておるのでございますが、中にこういうようなものが出てまいりましたことについては、ほんとうに遺憾に思っております。しかしながら、ただこういう特定の商品だけではなくして、一般の生活関連物資につきましてもその安全性を確保しなけれがならぬという範囲を最近広げまして、たとえて申しますならば、スポーツ用品でございますとかあるいはまた家庭の台所用品というようなもの、こういうものに対します安全確保ということにつきましても未然に防ぐ必要があると思いまして、現在国会に、消費生活の製品安全法の御審議をお願いしておるような次第でございます。 島本先生お尋ねのように、安全の確保というのは、いままでややもしますと、製品をいいもので安いものをつくるということに各製造業者は指向しておったように思うのでありますが、最近の国民の要望というものは、安くていいもの、その上にさらに一番大事なものはやはり安全性である、そういうふうにわれわれも認識いたしております。したがって、今後、そういうあらゆるメーカーにつきましての指導というものは、安全性の確保を第一主義にして、その上に良質で安いものというような指導をしていくべきであるということでございまして、われわれも行政上はそういうふうにつとめてまいりたいと思っておる次第であります。
○島本委員 これは農林省もこういうような品物の出荷を認めて、ルートを通じて大いに奨励をしておったはずであります。そういうような点は私はまことに遺憾でありますが、厚生省、これはいままで原料用として大口約五〇%、一般用として二五%、残りが家庭用として配給されているようであります。この回収の状態について、いまもう一生懸命やっておられるようでありますが、もうすでに冷凍食品や学校給食用に回っている。これに対して、厚生省では、人体への影響が少ないということで、この点もわりあいに安閑としているように思いますが、こういうような人体への影響が少ないということは、いままでいろいろテストされたその結果、いろいろな毒性試験は、急性、亜急性、慢性、これらの段階を通じて不十分なんです。不十分だけれども、わかっている段階においてはということをつけないとだめです。わからない点がたくさんあるのに、わかった点ではわりあいに安心だ、そういうようなことを言わないから、これは全部安心なものだと思うじゃありませんか。この点もっと国民に対してもはっきりさしておかなければなりません。 回収はどのようにいっているのか、この点がはっきりした場合には、ここに資料として出してもらいたい、このことだけ要請しておきます。回収は円満にいっていますか。
○浦田政府委員 さっそく会社に、担当官を県のほうに派遣いたしまして、出荷伝票について詳細に調べました。その食用油の出回り先を調べております。それによりますと、卸売り先が一都一府十九県ということで、二月二十日から三月二十日までの製造された食用油、この千葉ニッコーで製造した食用油は約五百二十トン、これは岡山の工場で製造された食用油が千葉ニッコーでびん詰めその他荷分けされておりまして、これが約九百トン、その区別がなかなかつきかねまして、同じTのマークのついたラベルを張られまして出回っておりますので、それを含めまして千四百トン余りが一応疑わしいということでもって、いわば防疫の手法でもって、疑わしきものはすべてまず禁止するということで、その移動の停止、販売の禁止、及び先生の御指摘の製品の回収、これに全力を注いでおるわけでございますが、出荷先をずっと追っておりますので、ほとんど末端まで、その辺のところはいずれ判明できるものと思っておりますが、現在の回収状況——現在と申しますのは昨夕方の五月現在でございますが、厚生省に報告されました回収量は百四十トンでございまして、約一〇%ぐらいでございます。なお、各県では目下鋭意その回収の促進について努力中でございます。 なお、資料は後刻そのつど出すようにいたしたいというように思います。
○島本委員 じゃ、資料は急いで出してもらいたいと思います。 それと同時に、今後このようなことを二度、三度繰り返してはなりません。あなたは前に一回こういうようなことでこの委員会で詰問されておる。それで今度また再びこういうような問題を質問されるわけでありますが、二度、三度繰り返してはならないのであります。この点、十分注意されるように要請しておきます。 それと同時に、いま環境庁長官、やはり食品関係、こういうようなものは重要でありまして、よく調整権を発動して、こういうことを再び繰り返さないように、これはもう注意を厳重にさせるようにしてもらいたい。マスキー法の一年延期の問題とあわせて、こういうような問題はまことに重要でありますから、十分今後気をつけてもらいたい。これも要請しておきます。 次に、伊達火力の問題で、ただ一つだけ疑念をたださせてもらいます。 最近の通産行政の指導は、いまのようにして政務次官、ちょいちょいとおかしい。あの水俣の問題これも参考人の出席を求めて陳述を得たりして、いろいろ参考にいたしました。聞けば聞くほどいままでの過去の積み重ね、行政責任が問われるのであります。それがいまつながっているのが現在の伊達火力の問題なんです。この伊達火力の問題で私は一つだけぜひともこれは聞いておきたいことがあるのです。 それは、四月の十日に伊達火力の着工を北海道電力では宣言したようであります。その根拠として言ったのは、有珠の漁業協同組合長と協定が締結されたということをあげておる。有珠の漁業協同組合は、最近では四日の日に総会が流れましたし、二回にわたって総会を招集しているけれども、組合員が賛否両論に分かれたために総会は成立していないわけであります。したがって、有珠の漁業協同組合は、前回の総会で決定しているような絶対反対の線はいまくずれていないわけであります。したがって、今日の協同組合法上、絶対反対であるのに、組合長が、これも組合長として協定が締結されたということ、賛成に転じたということ、これは協同組合法上有効であるのかないのか、まことにこの点は疑義の残るところなんです。ぜひともこれをやれというふうに通産省がこれを奨励したのか、またはこれはどういうような指導になっておるのか、これもこの際はっきりさせてもらいたいと思うのであります。水産庁……。
○安福政府委員 お答えいたします。 ただいまの御質問は、四十六年にさかのぼるかと思いますけれども、四十六年の十二月二十五日に、伊達火力の反対の総会決定があった事実がございます。ただ、こういう火力発電所をつくることについての反対、賛成、こういったことは必ずしも、法律上の問題でございますけれども、総会の議決事項になっていないということでございます。ただ、地先の漁業権なりあるいは漁業の実態、そういったものと非常に関係があるというので、その際はたまたま組合長自身がそういう判断があったんだろうと思いますけれども、総会にかけて決定した、こういう経緯になっておると思います。これは、法律的に見ますと、必ずしも総会議決事項じゃございません。その後、いろいろな内部の考え方が変わってきた、こういう経緯もあったようでございまして、組合自身で総会を開いてもう一度意思の決定を直そう、こういう経緯もあったようでございます。ただ、総会議決事項ではございませんから、やはり組合長としても、組合員の意思が那辺にあるかということを、総会だけでなくて、他の方法でも確認ができる、こういうことに相なろうかと存じます。ただ、問題が非常に重要な問題でございますから、私どもとしても、かつて総会で決定を見たこういう事項でございますから、常識的には、総会議決事項じゃなくても、あらためてその考え方を確認するという方法としては、総会にはかったほうがベターであろう、こういうふうな考えを持っているわけであります。
○島本委員 なかなか奇々怪々なことを言う。あなたは水産庁の次長ですか、どこの次長ですか、はっきりしてください。
○安福政府委員 水産庁の次長であります。
○島本委員 水産庁の次長が、水産業を衰退をさせるようなことに対してあいまいな態度をとっていいのですか。瀬戸内海の現在の汚濁の状態はどなたが指導しているのです。あれに対してあなたは抗議の一本でもやったことがあるのですか。またしていまここでそういうような状態になることを、それもあたりまえの行為だというふうにあなたは答えている。冗談じゃありません。その姿勢が悪いのです。水産庁がそのような姿勢だったから、日本全国から全部漁民がなくなってしまったのです。何ですか、そういう態度は。(安福政府委員「委員長」と呼ぶ)まだ答えろと言っていない。 それから組合長の協定の締結という行動、これは組合法の三十五条の二の「理事の忠実義務」、これに当然反するじゃありませんか、決定になっていないものをかってにやるのですから。こんなことまであなたは認めていいということなんですか。そういう指導を水産庁がしていいのですか。そこをはっきりしてください。
○安福政府委員 ただいまの御指摘の点は、水産庁に道庁のほうから照会がありましたのは、四月の初めだったと私は承知しているわけでございます。その際に、法律的な問題と現実の問題とそれをどういうふうに処理するか、こういう立場で私どものほうは道庁に回答を申し上げた、こういう経緯がございます。したがいまして、法律上の問題といたしましては、ただいま私がおしかりをちょうだいいたしましたようなことに相なろうかと思うわけでございますけれども、現実の問題で非常に重要な問題でございますから、かつて総会でそれを決定を見たということであれば、常識的に考えましても、総会であらためてその決定をいたすというのが妥当であろう、こういう回答を私どもが申し上げたことでございます。ただ、いま御指摘がございます水産業協同組合法の三十五条の二の忠実の義務でございます。これも、そういう法律に基づいての問題と現実の問題、これは法律上の問題じゃなくて現実の問題として組合の指導者、幹部、それが善処されることをわれわれとしては希望しておる次第でございます。
○島本委員 したがって、こういうふうにして金を目の前に出してやって、地先の漁業権だけを消滅させる。それで、あとはいかなる汚濁をしてもいいものである、このような考えの上に立っていままでのコンビナートは造成されてきているんです。瀬戸内海がみんなそうじゃありませんか。いまの同じような考えに立って九州の果てまでやっている。それがもう北進していまや伊達まで及ぼうとしておるのです。水産庁は水産業と漁民をまず先に考えなければならないはずなんです。いままでこれに対して抵抗や、これに対して環境庁にやってきてそれを阻止するような運動の先頭に立ったことがありますか。唯々諾々として漁民と漁業を売ってしまっているじゃありませんか。今度そんなことを繰り返してはならないのです。これはもう重大な罪に値するようなことをやっているのです。その反省の一つだに——そういうようなことをしちゃあいけない、また、漁業協同組合の総会の議を経てやるんでないとだめだ、自分が金をもらえればあとはどうなってもいいんだという考え方じゃだめだということを一つぐらい指導できないのですか。組合長であるそこへ金を積まれるならば、かってにこういうふうなこと、「理事の忠実義務」、組合法の三十五条の二、これに反する形、あなたもそう言ったけれども、そういうようなことを堂々としているのです。こういうふうなことでいま通産省ではこれを強行させようとしているのです。それが伊達の実態なんです。こんなことは許されません。これでもなおかつこういうような状態においても、金を積んで強行なさるのですか、政務次官。
○塩川政府委員 島本先生から強行ということばがございましたが、私、通産省のほうといたしましては、強行しろという指導は絶対いたしておりません。つきましては、伊達火力の建設は、建設地点としての事業の許可は確かにいたしました。ただしその着工につきましては、地元のいろいろな要件もございますでしょうしいたしますので、そこは円満に話し合って、その上で着工すべきであるということの指示は十分いたしておるつもりでございます。
○島本委員 終わります。
○佐野委員長 岡田春夫君。
○岡田(春)委員 時間がもう五十分ぐらいしかないので、いろいろ伺いたいのですけれども、ひとつ答えは簡単明瞭にお願いします。さっきから政府委員の答弁を聞いておると、必要でないようなことまで言いますから、ひとつ簡単明瞭にお答えをいただきたい。 私が御質問いたしますのは、伊達火力の問題ばかりです。 まず第一点に、これは通産省の関係にお伺いしたほうがいいと思うのですけれども、昭和四十六年版「電気事業の現状」、いわゆる電力白書ですね。昨年の電力白書には、新設の発電所を決定する場合には、次のような段取りと手続を行なってきめることになっている。その白書の中では、こういうように書いてあります。「当該年度の開発地点については、その立地の適否を判断する「立地基準」に適合することを必要条件とし、地元との調整が整っていることを十分条件として、両条件が満たされたものを基本計画として決定することとしている。」しかも、まだ調整できないところ、「要調整地点の取扱いは、地元との調整が整うことを最終決定の条件としつつ、その解決について努力しかつ合理的な論議の場を通じて電源立地円滑化の促進を図ることとしている。」このように電力白書に書いてあります。 通産政務次官が見えておりますので、まずお伺いをしたいと思いますけれども、こういう方針に基づいて電調審が新たな発電所の設置を承認するにあたって、この電力白書の手続、段取り、これに沿って、いままで厳重に行なっているのかどうか、この点から伺ってまいりたいと思います。
○井上政府委員 電調審の決定でございますが、これは決定をいたします前に、関係各省、それから地元、これは知事からの意見を文書でいただきまして、地元の同意がとれておるということを確認いたしましてから、計画に決定いたしております。
○岡田(春)委員 ここで、地元との調整を十分条件とし、こう書いてありますが、十分条件とは、どういう意味ですか。
○井上政府委員 当該地点につきまして、知事の意見を伺う。そのときに着工することについては異議がないということにつきまして、意思の表明があるということを十分条件というふうに考えております。
○岡田(春)委員 それから、要調整地点の場合にも、地元との調整が最終決定の条件である。ですから、どのいずれを見ましても、地元との調整というのが非常に重要な前提条件になる。 そこで、具体的にお伺いをいたしますが、電調審の承認があって、通産省は工事の許可を与えている。しかもその工事が現在行なわれておらない場合に、何らかの事情のために地元との調整がととのわなくなったというような場合には、どういう措置をとりますか。
○井上政府委員 電調審で決定いたしましたあとは、電気事業法に基づきます許可、認可がございますが、その場合には一定の期間——許可いたしましてから三年なら三年、事情によりましてはさらに延ばすこともありますが、一定の期間着工できないというような場合には、そのときの情勢に応じて判断するということでございます。
○岡田(春)委員 先ほどから御答弁のように、地元との調整というのが電調審の承認の前提条件だ。そうすると、承認に基づく着工よりも地元の調整のほうが優先するのだというように考えるべきだと思いますが、政務次官、どうでしょう。
○塩川政府委員 地元との意見の調整また利害の調整、こういうようなものが一番大事な問題だろうと思います。
○岡田(春)委員 これは三木さんにお伺いしたいのですが、四日市の裁判の判決では、予見される被害を防止するというそのために立地上の高度の注意義務が課されている。この点はもちろん政府は十分に尊重しなければなりませんし、これは注意義務を尊重するように、順守するように、発電所建設の当事者にも要求すべきだと思いますが、どうですか。
○三木国務大臣 当然にそうだろうと思います。
○岡田(春)委員 電調審の承認があって、それから通産省の認可があって、そのあとになってから予見される被害が明らかになってきた場合、政府は電調審の承認並びに通産省の認可を取り消す措置をおとりになるのか、あるいは工事の着工を差しとめられるのか。予見される被害が明らかになってきた場合においては、これはどのような措置をおとりになります。
○三木国務大臣 電調審で許可を与えるときには、そういう諸条件をいろいろ勘案しながら許可になるわけでありますから、そういうような予見しない問題の発生を当初においても防ぐための十分な検討がなされておるし、また発電所の建設後においてもそういうことを起こさないためのいろいろな制約を加えるわけですから、そういう点でそういう事態を引き起こさないための最大限度の努力を払うということであります。
○岡田(春)委員 しかし、そのあと、そういうことはあり得るわけですね。予見できない被害というものがあらわれてきたという場合に、まだ着工してない、だが少なくとも着工を一時的に差しとめて、その予見される被害についての防護対策を講じてから着工させる、これが順序だろうと思いますが、重ねてお伺いいたします。
○三木国務大臣 たとえば公害問題についても、いろいろな排出の基準などがあるわけです。その基準というものを守るということでその工事が許されるわけでありますから、いまの段階で予見ということはないわけです。将来において予見されるようなことをやったら、これは認めないわけですから、現在の段階ではそういうことにはならないわけでありますが、しかし、発電所ができた後においても、十分な監視というものが必要であることは、言うまでもありません。
○岡田(春)委員 まあいまは予見されておらないとおっしゃいますが、私がいま予見される被害を明らかにしますから、その場合にはひとつ着工は差しとめていただかなければならぬ。 電調審の承認にあたって、伊達火力の建設に基づく補償は、伊達の漁業協同組合だけに対して行なっています。それ以外に対しては補償に足るべき被害はないという判断に立っていると思います。たとえば発電所のつくられる長和あるいは壮瞥の果樹組合、この農地については、補償すべき被害はないという見解に立っているようです。また有珠の漁業協同組合に対しては、補償に足るべき被害はないという判断に立っているようです。そのような結論で伊達の漁協の補償をきめたのだと思いますが、こういうように理解してもよろしゅうございますか、政務次官。
○塩川政府委員 それぞれ関係地域もしくは関係しております海面におきます調査を十分した上で結論を出したことと思っております。
○岡田(春)委員 それじゃ答弁すれ違っておりますよ。伊達の漁協だけは補償したのでしょう。それ以外のところを、長和とか壮瞥とか有珠は、補償に足るべき損害はないということで補償しないのでしょう。そういう結論に立って電調審が承認したのでしょう。そうじゃないのですか。そういうわかりきったことをあんまり回りくどく言わないでください。そうでしょう。イエスかノーか言ってもらえばいいのです。
○井上政府委員 原則的にはおっしゃるとおりであります。
○岡田(春)委員 原則というのは何ですか。
○井上政府委員 たとえば有珠の場合には温排水の一部が水のかたまりとなっていくことがある。しかしそれは非常に小さい。したがってその補償の対象としてはあまり問題にならないというようなことでございまして、そういう影響が若干はあるかもしれぬということは考えております。
○岡田(春)委員 だから私言っているじゃありませんか。補償に足るべき被害はない、こういうように聞いているじゃないですか。そんなこと聞いてないです。補償する必要はないと言っている。だから原則は要らないのです。 その次、具体的に言うと長和農業を守る会、これは長和地区の九八%の農民が入っておって、自分のところには被害は及ぶと言って、再三にわたって北電と話し合いを申し入れているんだが、二月にほんのちょっと形式的に会っただけで、その後北電はこの直接の長和農業を守る会に対して会っておらないのです。こういうことで地元のコンセンサスが一体得られますか、これは。通産省はこういう指導をしているのですか。
○井上政府委員 具体的にそういう指導はいたしておりませんが、関係の各市町村との公害協定によりますと、万一公害が発生したような場合には北電は誠意をもってその公害の賠償に当たる。なおかつ話し合いがつかない場合には関係の市町村等が中に入ってその間をあっせんするというようなことになっておりまして、具体的にそういう問題が発生をいたしました場合には、これは通産省がしっかり監督いたしまして誠意をもって当たらせる、こういうことでございます。
○岡田(春)委員 具体的にあらわれつつあるわけです。長和の地区は、先ほどの御答弁を見ても補償に足るべき被害はない、こう言いながら——これは大臣ぜひお聞きいただきたいんだが、一方において伊達市の当局を通じて北電は、長和と壮瞥の両地区に農業用水の建設という名目のもとに、二億六千万円の肩がわり支出をするという申し入れをしている。これは実際上被害があるから二億六千万円出そうといっているのです。ところが農民に対しては交渉にも応じない。地元の調整もはからないでこのような形で二億六千万円の金を払うといっているんですが、これはおかしいじゃありませんか。まさに被害があることを前提にしているから二億六千万円払うんじゃありませんか。こういう事実があるのに、地元の農民とは話をしないという北電の態度は、これはまさに先ほどの電力白書の態度と全く反していると思うが、大臣どうお考えになりますか。
○三木国務大臣 この委員会でもしばしば私も言っておることは、北電とすれば地元の関係の町村あるいは漁業協同組合等々と十分に話し合いをつけて、そして理解のもとにこの工事を進めるようにということは、私はしばしば注意を与えておるわけであります。それは北海道庁を通じて注意を与えておるわけであります。望ましいことはもう、地元の皆の理解のもとにこういう工場の建設されることが望ましいことは申すまでもないことでございます。
○岡田(春)委員 いや、私の質問に答えてください。二億六千万円という金を払うと言っている。それなら被害があるということが考えられるからこれは払うということでしょう。それならば着工前に地元の長和の農民と話し合うように、着工前にですよ、話し合うように、環境庁長官としては北海道庁に指示を与えられますか。どうですか。
○三木国務大臣 二億何千万円をどういう理由で払ったのか……(岡田(春)委員「いや払うと言う」と呼ぶ)私はそれはよく存じませんが、しかしこれは、常にいままでもしばしば北海道庁にも注意をしたことは、地元との間によく話し合って理解を求めるようにということは強く指導をいたしてきたわけでございます。
○岡田(春)委員 いや、指示を与えられますか、その問題について。
○三木国務大臣 今後においても地元との間に話し合いをできるだけして、理解を深めるようにということの注意は北海道庁に与えます。
○岡田(春)委員 時間がないので、もっと詰めたいんですけれども詰められないのですが、問題の有珠漁協の補償問題、海域の問題、この問題について触れてまいりますが、先ほど局長の御答弁によると有珠の漁業海域には補償に足るべき被害はない。その根拠として電調審にかけられているのは、いいですか、いわゆる日本水産資源保護協会が出された調査報告書、これは大臣もぜひ聞いておいていただきたい。この報告書に基づいて、有珠の漁業協同組合には補償すべき被害がないから補償しないという態度をとっている。ところが、この報告書というのはきわめてでたらめな報告書である。これを具体的にこれからひとつ伺ってまいりますから。 この報告書に基づいておやりになったんだと思いますが、そうでないのかどうか、その点をまず伺いたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 電調審のやり方は、先ほど井上局長から申し上げたとおりでございまして、私どものほうでそういった報告書を審議会の場で検討するというわけじゃございませんで、関係各省の御意見を聞いてきめるということでございます。農林大臣も委員でございますから、この場合、水産庁の御意見によって、これはよろしいということになればこれできめる、こういうことでございます。
○岡田(春)委員 だからこれを基準にして判断したんでしょう。じゃ水産庁のほうに伺います。
○安福政府委員 水産庁といたしましても伊達火力の建設にからみまして地元の漁業に影響を与えるということは当然考えられるわけでございます。それにつきましてはいろいろな調査もありますし事実もあろうと思いますけれども、基本的にはやはり水産資源保護協会が調査の担当責任として出したこの報告書に基づいて判断いたしている次第でございます。
○岡田(春)委員 宮崎局長、あなた、そんなことを言うけれども、あなたの電源開発官が、日本水産資源保護協会の調査報告によりますと云々と言って電調審でやっているじゃないですか。あなた、これにたよったんじゃないと言うけれども、電源開発官がやっているよ。そんないいかげんなことを言ったらだめですよ。それよりも、いまこれが基準になっているということですから、もっと進めますが、問題は、有珠の漁業海域は、コンブ、ノリ、ワカメの養殖並びにホタテガイの養殖基地で有名であります。これらに被害を与えるかいなかの一つの大きな要因は、発電所の放水口から出される温排水が海水の流向、海流ですね、海流によってどちらに流れるか、そして温排水の拡散が有珠の漁協の海域に及ぶかどうか、このことが一番重要な問題になるわけですね。まあそのほかにも重要な点はありますけれども、そこで、この報告書によると海流の方向というのが接沿岸流は南東流が常に卓越しておる、南東流が海岸のふちには卓越している。それから環流のほうは、春から夏にかけては時計回り、秋から冬にかけては逆時計回りであるという結論を出しておる。ところがその根拠を報告書で調べると、きわめて根拠があいまいである。なぜならば実際の海を調査したのは、昭和四十六年の九月のわずか十日間だけ調査した。しかもその調査の内容は人工クラゲを放流したということと、目視観測だけなんです。これで、しかも二一ページに書いてございますが、こういう調査に基づいて「ノリ・ワカメ漁場に影響を与える可能性は極めて少ない」と書いてあります。こういう判断を下すということはこれは即断と言わざるを得ない。しかもここで、時間がありませんから出しますが、こういう調査をしているが、この報告書の中にも赤外線スキャンニング方式での海流の調査というのが非常に正確だといっている。ここにあります。あとでごらんにいれますが、有珠というのはここなんです。伊達というところはそこに川がある。その川の流れの水が逆時計回りに回っている。接沿岸流は常に南東が卓越しているといっている。これはうそです。私はこれだけですべてを決定しようとは思っていないけれども、少なくともこういう点で非常に疑惑がある。その点は北大の神山桂一という助教授が沿岸の海流は左回り、つまり反時計回りではないだろうかとこの写真を見て結論を下している。こういう点でもこの保護協会の調査というのはきわめてずさんであって、正確さを欠いていると思うのです。こういう点についてどの程度の調査をおやりになったのかどうか、まず水産庁から見解をお伺いいたしたいと思います。
○安福政府委員 水産資源保護協会が伊達市からの委託に基づきまして四十七年の八月から一年かかって調査をしておるようでございます。その調査の結果の前提となりますいろいろなデータがあろうと思いますけれども、それまでにいろいろな団体なりあるいは道庁の調査の結果もあるわけでございます。そういった既存の既知の資料を前提にいたしまして、いろいろな検討が加えられております。さらに不足いたしますことがございますので、委託を受けまして、形成されました調査委員会の独自の判断で、特に一番問題になります海岸流の沿岸に接岸する海流の動きというものを特に特別に調査したようでございます。そういった既知のデータ、さらに調査委員会自体が独自で調査いたしましたそういった資料を前提にして分析、報告があったと、このように私ども承知いたしております。
○岡田(春)委員 この点も詰めなければならないのですが、もう時間がだんだんないので、もう一つ伺いたいのですが、これは宮崎局長、あなたのほうの速記録に出ていることを言いますから、あなたのほうで電源開発官並びにあなたのさっき言った水産庁から来ている人の意見によると、温排水の拡散範囲は一度Cで約七百八十メートルの半径、沿岸流を考慮して、その両側に七百二十メートル、それを加えて千五百メートルの範囲以上には温排水は広がらない、こういうことをいっている。 まず第一点、伺いますが、平野敏行という人の算定方式に基づく算定方式によったのだと思いますが、どうですか。 それから第二点。温排水の、その七百八十メートルという場合の温排水の表層水の厚さは一メートルという算定である。この算定は一メートルであったと思うが、この点はどうか。 第三点。〇・五メートルの厚さの算出をなぜおやりにならなかったのか。この三点をお伺いいたしたいと思います。
○安福政府委員 御指摘の点が三つあったと思いますけれども、第一点、第二点は御説のとおりでございます。問題は一メーター以下あるいは一度C以下の問題、そこで一つも見解が書かれてない、こういう問題にかかる問題でございます。ただ、一メーターと一度Cということで、〇・五メーターの層をなぜ検討しなかったか、こういう御質問でございますけれども、その平野方式の問題、あるいはほかに四つ、五つ私ども承知をしておる方式があると思いますけれども、大体大同小異のそういった考え方でございまして、いわゆる温排水がどういう状態で拡散するかということを、一定の前提を置きまして理論的に拡散の実態を把握している方式でございますけれども、その際に厚さが一メーター、それから一度Cの温度差、それ以下になった場合に自然の状態とどういうふうになるかという一つの判断がそこに前提になっていると思います。天然現象といたしましても、そういう一度C、一度C以下、あるいは一メーターの厚さ、そういったものは自然との関係におきまして非常にあいまいな限界になってくると思いますし、自然現象といたしましてもそういった現象があり得る、こういう前提で一メーター、一度C、こういうところで限界を置いて算定いたした、こういうふうに私ども承知いたしております。
○岡田(春)委員 中間報告では〇・五の計算を出しているじゃないですか。中間報告のページ数を言いましょうか。一四ページにある。こういうようにいっている、水温上昇域の厚さを〇・五メートル、一メートル、二メートルとして拡散の面積を求める云々と。
○安福政府委員 いろいろ学術的な質問、方式論というものは、一つの前提を置いて計算ができるわけでございますから、これを〇・五メーターという層にまで落とした計算は可能でございますし、報告の段階におきましても当然そういった点の検討はされた、こういうふうに私ども承知いたしております。
○岡田(春)委員 それじゃちょっと伺っておきますが、簡単なこと、この報告書の一一ページをちょっと開いてください。一一ページの上から八行目「さて第一〇表から」この第一〇表というのはどこにありますか。九表が五一ページにあって五二ページに一〇表がなきゃならないのですが、一〇表はどこへやったんですか。
○安福政府委員 御指摘のように一〇表がどうも見当たらないようでございます。
○岡田(春)委員 こういうインチキをしているんです。一〇表を出すと有珠海域に及ぶという数字が出てくるから一〇表を削ったんです。ところが頭隠してしり隠さずで、第一〇表と書いてあるのです。第一〇表は、私のほうが持っているから、あなたのほうに見せてあげましょう、一〇表、ここにあります。これをちょっと、委員長にも上げてください。環境庁長官にはぜひ見てもらわなきゃ。これは、一〇表というのは中間報告の三二ページに出ている。これを削ったんですよ。しかも大臣、一〇表をよくごらんなさい。たとえばここにグラフが出ているけれども、これをごらんになってもおわかりのように、一度Cと二度Cはあるが、その前は余白になっている。これは〇・五メートルのことですよ。なぜ〇・五メートルというのかというと、その根拠を言いましょう。これは、水温上昇域の厚さを〇・五メートル、一メートル、二メートルとして拡散面積を求め、さらに、拡散域が放出点を中心に半円状に広がったとして、その半径を求めると第一〇表に示したようになると中間報告の一四ページにははっきり書いてある。ですから、〇・五メートルは当然計算したのです。ところが、発表は、中間報告でも出すと差しつかえがあるというので、このを空白にしたのです。こういうインチキをやっている。しかも正式の報告書にはこの一〇表というものさえ削ってしまって出していないのです。こういうでたらめをやっているのです。 もう一つ申し上げましょう。時間がないから申し上げますけれども、その空白の点を計算してあなたのほうに差し上げますよ。計算した数字も全部持っております。 〔岡田(春)委員、書類を示す〕 これはもう明らかなのは三木大臣お聞きのとおりです。おわかりですか。〇・五メートルの場合に、先ほど一度の場合には七百八十メートルー確かに七百八十メートルなら及ばないのです。〇・五になると二千二百六メートルにもなるという数字が出ている。こういうように私は地図をつくってきました。これはこっちのほうに原本もありますから……。 〔岡田(春)委員、地図を示す〕 七百八十メートルの場合には、水が出るところ、放水口ですね、これは確かにエントモみさきまで及ばないから、有珠に被害は及ばない、これは間違いない。この小さな緑色のところがそれです。しかし、いまの〇・五で計算するとどうなるか。エントモみさきを越えてここに及ぶ。明らかに有珠にはっきり入っておるじゃないですか。しかも水産省の計算方式で二千二百六メートル、両側に流れたとして七百二十メートルがある。それを加えてごらんなさい、この赤い線になる。完全に及んでいます。こういう被害が及ぶということがわかるから、さっき言ったでしょう、最後の資料まで破って出している、こういうごまかしをやっているのですよ。こういう点で明らかに予見される被害は明確じゃありませんか。こういうようになっているのに、これをごまかしているのですよ。大臣どうですか、これについて。
○安福政府委員 先ほども申し上げたかと思いますけれども、一応の検討の過程におきまして、私ども承知いたしておりますことは、〇・五メートルの計算もしたということは承知いたしております。その結果の数値が二千二百メートルに及ぶということも私ども十分承知をいたしております。ただ、先ほども申しましたように、一メートル一度C、それ以下になった場合、自然との混合希釈というものは非常にすみやかに行なわれる、そういう判断の結果…… 〔岡田(春)委員「そんなこと書いていないですよ。」と呼ぶ〕 検討の過程におきましてそういう議論がされたというふうに私ども承知いたしております。その結果報告書ができ上がった。ただ、御指摘になりましたように、第一〇表というものがそういう形で、非常に頭隠してしり隠さず、こういうことの御指摘、そういう疑惑を招くということにつきましては、私どもさらにもう一度十分調査団体であります水産資源保護協会に聞きたい、こういうように思います。
○岡田(春)委員 及ぶということは明らかになりましたね。〇・五メートルというのを算定方式に出したのは意味があるのです。なぜかといいますと、ワカメの養殖というのは海底〇・五メートル以下三メートルですか、その間でやるのです。だから〇・五メートルを出す根拠というのはあるのです。ですから、温度の差はあまりないと言うけれども、そういうことが問題ではないのです。〇・五メートルの問題はこういう意味で必要なんです。それだけではありません。中間報告と比べてもう一つやりましよう。 二五ページを開いてごらんなさい。二五ページに、いわゆる温排水が流れることによってホタテの幼生、いわゆる稚貝ですね。子供です。子供にどういう被害を与えるか、こういう計算が出されている。これが四・六%の被害しか与えない、こういうように書いてある。ところが、この計算の根拠が中間報告と違うのだ。たとえば、ここで、続んでみますが、「三五日間に取水される水量は六、六五三万立方メートルとなる。」となっている。ところがこっち、これは中間報告のオリジナルです。こっちで見ると、三十五日間に取水される水量は六百六十五万トンになっている。一けた違う。これは根本的な間違いですよ。取水量が一けた違うのだから、計算が全然違うはずなんだ。ところが、結論を見てごらんなさい。結論は四・六%、こちらも四・六%、どちらも四、六%になるようになっている。どうしてか。これは間違っていることが北大の教授によって暴露された。それであわてて架空の、十分の一という数字を根拠もなしに出している。そのために結論だけは合っている。結論だけは四・六%になっている。こういういいかげんなことをやっているのです。この点はいかがですか。
○安福政府委員 ただいま御指摘の点はホタテの問題だと思うのですけれども、これは中間報告とファイナルな報告との間に違いがあるということでございますけれども、確かにそのものが間違っていたということは事実でございます。一けた間違ったということでございます。それは最終の段階では訂正されたということでございます。 ただ、ホタテの稚貝の問題につきましては、一つ経験例といたしまして、陸奥湾についての一つの経験例があるわけでございます。そういう関係を、現時点におきましてもある程度の検討は加えられた、こういうふうに承知いたしておりまして、そういう数字については、一応ホタテの権威者である山本委員、そういう方の参加のもとにそういう意見等に本づいてそういう報告書になっておる、こういうふうに承知しております。
○岡田(春)委員 いま山本さんという人の話も出ましたが、これは間違いですよ。これは十分の一にしたのは、なぎさ線の量は少ないから十分の一にするというのです。ところが、皆さん、どうですか。水を取るのはなぎさで取るのではないですよ。カーテンウォールをつくって、上から水深六メートルのところから取るのですよ。六メートルのところから取ったらどういう計算になりますか。その数字をお持ちですか。四・六%どころじゃない。四六%でもない、一〇〇%近く稚貝は全部死んでしまう、そういう計算になるはずだ。やってごらんなさいよ。
○安福政府委員 ただいまの資料は手元に持ってきておりませんので、ちょっとお答えしかねます。
○岡田(春)委員 大臣、そうなんですよ。ホタテの被害についても、たった四・六%というのが公式発表なんです。ところがいま言ったように——政務次官も覚えておいてください、それから局長も知っておいてください。計算してごらんなさい。水深六メートルのところからこれを取ったらこの取水口に入るホタテの稚貝は全部死んでしまう計算になるはずだ。そしたら有珠に被害がないなんて言えますか。もしその数字が正しければ被害がないなんて言えないだろうと思うが、大臣どうですか。
○三木国務大臣 われわれも日本水産資源保護協会ですか、その報告というものはいろいろ判断の基礎になるわけですから、専門的にいろいろと水産庁としても検討された結果であって、これはかなり専門的な意見も加わりますが、とにかくこの問題というものはやはりもう少し正確なデータで検討すべきだと思います。
○岡田(春)委員 正確なデータでやるべきだ、そのとおりなんです。なぜならば、これはもう少し申し上げておきますが、時間がないから言うが、この調査報告は、金は全部北電が出しているのですよ。北電が出してこれをつくらしたのです。表面は伊達市になっているけれども、全部そうなんです。しかもこれごらんなさい。先ほどいろいろなこと言うけれども、報告書の大部分は北電提出資料と書いてある。漁民のほうでこれに対して、大学の先生を調査員に入れてくれと希望した。これは全部断わった。まさに北電のための資料です。こんなものが科学的な調査だなんていえますか、あなた。こんなでたらめなもので、これは初めから意図を持ってつくられた文書です。これによって承認を与えたなんというのは、これは電調審の態度きわめて重大です。私は時間がないので続いて申しますが、これは科学的な根拠が必要だと大臣おっしゃったのを私は了解して進めますが、それだけではないのです。これは伊達の問題についてはあなた御存じだろうと思うが、電調審で承認を与えたが、まだ今日まで発電所の用地の中に二万六千平方メートルの私有地が北電に移っていない、係争中の土地がある。しかもこれはたとえばその敷地のすみっこにあるというならまた別ですね。これは本館を建てるなくてはならない取水口、水を取り入れる部分がまだ北電のものになっていない、買収が済んでないということ、係争中である。しかも四月の十六日ですから月曜日、札幌地裁の仮処分に基づいて二万六千平方メートルは立ち入り禁止の執行が行なわれる、こういうことなんですよ。土地はまだきまっていない。そして係争中の相手が仮処分の申請をして、十六日には立ち入り禁止の執行が行なわれることになった。北電、これは自分の土地でないのですから、そこに建てるわけにはいかないのですよ。それだけじゃありません。その地先に、取水口の設置の地先のところの埋め立て予定地、そこには小さな島がある。その島も北電のものになっていない。それは当然埋め立ての中に入ってしまう。これは局長知らないはずだから、これは申し上げておきます。土地所有者は伊達市向有珠、志麻留太郎、地番は伊達市若生二、こういう島もある。これも全部北電のものになっていない。それじゃあなた、電調審で建設の許可を与える、承認を与える前に北電の発電所の場所もまだ確定できないということで承認を与えたなんというのは、これは間違いじゃありませんか。どうですか、これは。北電の発電所をつくるのに土地がまだきまっていないなんというのは、承認を与えたなんというのは、これは一体どうなんですか。これは局長の答弁なんかではわれわれ了解できません。電調審の会長は総理大臣なんだから、副総理大臣として三木さんどうお考えになるか、意見を伺いたい。
○宮崎(仁)政府委員 技術的な点で御説明いたします……
○岡田(春)委員 三木環境庁長官にお願いします。この人は、この前電調審の承認をする前に決定を発表をしてあやまり状を出した人なんだから信用できません。
○三木国務大臣 技術問題ですから、こういう問題に携わっておる者がどういういきさつになっておったかを最初にお答えしたほうが適当だと思うのですけれども、その答弁は要らぬということですから、これはやはりおそらく計画をする場合にそこまで全部土地は取得しておることが理想的だと思いますよ。それが理想的だけれども、いままでのいきさつに、そういう大きな計画で、そして当事者もみなこれに同意をしておった場合にはそういう例があるかもしれませんが、これは実際に岡田委員も言われるように、火力発電所を建設する土地の取得は終わっておってそして進めることがこれは適当だと思いますよ。しかし全部が全部いままでの例がそういったことでなしに計画としての承認を与えることになるわけでありますから、計画のときに土地の取得が済んでない例もいままでにはあったと思います、計画で承認するわけですから。そういうことで、そういう技術問題について説明が必要ならば、実際問題を取り扱っておる者が説明をいたします。
○岡田(春)委員 時間が二分しかない、本会議が始まるので……。 〔委員長退席、岩垂委員長代理着席〕 たとえば三木さん、これはどうですか。この承認、認可は不当であるということで行政不服審査会に異議の申し立てをすることができますか。そういう申し立てをした場合には、政府としてはこれを受け付けますかどうですか。
○三木国務大臣 いろいろの具体的にお出しになった疑問に対して、これはいろいろな実態というものが説明をしなければならぬ面があると思います。限られた時間で十分岡田委員の御納得のいくような答弁の時間のなかったことは残念でございますが、いま伊達火力の電調審の結論が不当であるということは、これは申せないと思います。
○岡田(春)委員 それはあなた、行政不服審査会に国民は提訴する権利を持っている。その権利をお出しになった場合に、政府は受けなければならないでしょう。どうなんです。
○三木国務大臣 これは政治的に御答弁するというよりかは、法律的な問題ですから、六十日過ぎておるので、したがってその訴訟はできないということに法律上なっておる。
○岡田(春)委員 訴訟はできないことになっているというと、不当に電調審の承認というものが住民に押しつけられる、そういう結果になる。先ほどからもうおわかりのとおり、温排水の被害は及ぶ、それからホタテの稚貝についての計算というものが全然違っている、こういう事実が新たに明らかになった。きょう私が初めて明らかにした。当然これは六十日の法的問題は別として、これに対して不服があれば国民が提訴するのはあたりまえですよ。これはいろいろな手続をやるいま準備を進めています。しかし少なくともこれは政治的な問題で、三木さんに伺いましょう。少なくともこういう疑惑が起こったときには着工はしばらく延期をして、電調審の承認が取り消しができないにしても延期をして、国民が納得できるようにしなければこれは問題にならぬと思う。こういう政治的な解決はできるはずだ。こういう事実はあなたは先ほどからお認めになっているなら、四日市の判決に基づいて、予見される被害が新たに起こったのであるから、これに対して着工はできるだけ延期をして国民が納得のいくようにさせるべきだと思いますが、政治的にいかがでございますか。
○三木国務大臣 われわれがしばしば言っておるのは、そういう地域住民の理解を得て、そしてこの工事を進めることが望ましいということを言っておるのですから、現実に正確なやはりいろいろなデータによらなければならぬわけでありますが、そういうデータに基づいて被害が実際にあるというときには、その漁業の被害の問題も、当然その工事をするならば、解決すべき責任を持っておると私は思います。
○岡田(春)委員 ですから、着工の問題です。これで終わります。問題は着工してしまったら、あなた、元も子もないじゃありませんか。だから、着工はしばらく模様を見て、これの国民の納得を得るようにしなければ、これは私は電調審の議長代理である副総理にこれを伺いたいわけです。納得のいくようにしてもらわなければ、こんなことじゃ納得できませんよ。
○三木国務大臣 そういうふうな問題について漁業組合とも十分な話し合いをするようにという注意を与えます。
○岡田(春)委員 それじゃ本会議になりましたので、まだあるのですが、きょうはこの程度にいたしておきます。
○岩垂委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕