公害対策並びに環境保全特別委員会 第2号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/02/13
会議録
○佐野委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 まず、環境庁長官から所信を伺うことといたします。三木環境庁長官。
○三木国務大臣 今回環境庁長官に就任いたしました三木武夫でございます。委員長並びに委員各位によろしくお願いをいたす次第でございます。 きょうは私の考えておる所信の表明をいたしたいと思います。 第七十一回国会における衆議院公害対策並びに環境保全特別委員会の審議に先だって、私の所信を申し述べたいと存じます。 わが国は、従来久しく経済成長を促進することを軸に内政の展開をはかり、その結果、所得水準も大幅な向上を示してまいりました。しかしながら、その反面、大気汚染、水質汚濁等の公害の発生と自然環境の破壊が急速に激化し、国民の健康と生活環境が脅かされているという深刻な事態が発生いたしました。 今日、国民は、経済成長の成果を享受しながらも、いままで営々と追い求めてきたものがはたして何であったかということに強い疑いを持ち始め、金銭であがなうことのできないきれいな空気と水、生き生きとした緑を求めております。国民の欲求に対する価値観は大きく変わってきております。 一国の文明の度合いは、その国が、環境の保全にどれだけの努力を傾倒するか、また、破壊された環境の復元にどれほどの能力を有し、熱意を示しているかにあると言っても過言ではないと考えております。私は、いまや、環境問題こそ政治の出発点であり、この問題の解決は、われわれに課せられた至上の命題であると確信いたすものであります。 率直に申し上げて、従来の環境行政は、公害が発生し、自然の破壊が深刻になってからようやく対策を講じるという、いわゆるあと追い行政であったことは否定できません。しかし、一たび破壊によって失われた環境を再び回復することはきわめて困難なことであります。 われわれは、われわれの共通の資産である美しい国土、豊かな自然を破壊の手から未然に防止し、これを次の世代に伝える責務があります。私は、このような基本的姿勢のもとに、環境行政の前進のために全力を傾ける覚悟でありますが、当面、次の事項に重点を指向し、所管行政の積極的な推進をはかってまいりたいと考えております。 まず、第一は、環境アセスメントの確立であります。道路、港湾等の各種公共事業の実施及び地域の開発について、その環境に及ぼす影響の内容及び程度、環境破壊の未然防止策等について検討を行ない、これらの事業が環境破壊をもたらさないと認められる場合に限り事業実施を認める制度、すなわち環境アセスメントの確立をはかってまいりたいと考えております。 現在、国土全般にわたる計画的な地域開発が推進されようとしておりますが、これにあたっては、さきに述べたような基本方針のもとで、厳正なチェックを行なってまいる所存であります。 また、環境の破壊を未然に防止するためには、全国にわたって保存すべき地域を明らかにし、そこでは開発を認めないこととすることがぜひとも必要であります。このような観点から、私は、まず、動物の生息状況、植物の分布、地形、地質等の自然環境を詳細に調査するとともに、これら自然環境の改変状況を把握するという、いわば自然の国勢調査を実施し、自然環境を保全すべき地域の指定を推進して、美しく、かつ繊細にして変化に富んだわが国の自然環境を保全してまいりたいと考えております。 次に、公害の発生を未然に防止するため、各種公害にかかる環境基準や、排出基準、排水基準等の設定、見直し強化につとめるとともに、総量規制方式の導入をはかってまいりたいと考えております。 また、このような基準に基づいて、環境の汚染度の測定、公害発生の監視取り締まりを担当する地方公共団体に対しては、監視測定体制を整備するための助成を一そう推進する所存であります。 現在、不幸にして公害により被害を受けられた方々が、相当数にのぼっていることも、遺憾ながら事実であり、このような公害被害者の救済に万全を期することは、最も緊急を要する課題であります。現在、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置制度がありますが、この制度に基づく救済は必ずしも十分でないので、この制度にかえて、新たに公害被害者の損害賠償を保障する制度を創設することとし、成案を得次第今国会に法律案を提出いたします。 公害対策を推進するためには、調査及び試験研究を充実することが何よりも重要であります。このため、来年一月には筑波学園都市に、公害に関する中核的かつ総合的な試験研究機関として、国立公害研究所を設置することとしておりますが、この研究所は、国際的な水準をいく設備と能力を備えたものといたしたいと考えております。 また、特に、広域水質汚濁問題に対処するため、瀬戸内海の環境保全対策の一そうの推進をはかるとともに、新たに東京湾、伊勢湾についても調査を実施することといたしております。さらに、光化学スモッグ、PCB、赤潮等の新しい公害に対する対策のための調査研究をなお一そう促進する所存であります。 昨年の国連人間環境会議で、わが国とセネガルの共同提案により、毎年六月五日を世界環境デーとすることが決定されました。わが国としては、この日を初日とする環境週間を設け、全国民的な運動を展開する予定でありますが、これに対する国民の御協力を切にお願いする次第であります。 以上、私の所信の一端を申し述べましたが、環境行政推進のために、今後とも本委員会及び委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第であります。 何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○佐野委員長 以上で三木環境庁長官の所信表明は終わりました。
○佐野委員長 この際、坂本環境政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。坂本環境政務次官。
○坂本政府委員 このたび環境政務次官に就任をいたしました坂本三十次でございます。どうぞよろしく御指導を賜わりますように心からお願いをいたしまして、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手) ————◇—————
○佐野委員長 引き続き、昭和四十八年度環境庁関係予算の説明を求めます。城戸官房長。
○城戸政府委員 昭和四十八年度の環境庁関係の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十八年度の総理府所管一般会計歳出予算のうち環境庁の予算の総額は、百十億四千九百三十一万四千円でありまして、これを前年度の歳出予算額八十一億七千十万二千円に比較いたしますと、二十八億七千九百二十一万二千円の増額となっております。 このほかに建設省の所管予算として計上されております国立公害研究所及び公害研修所の施設整備の経費がありますので、これを合わせますと、昭和四十八年度の環境庁関係予算は百三十一億一千五百十六万六千円となり、前年度の環境庁関係予算に比べ四十六億七千五百六万四千円の増額となっております。 なお、建設省所管予算の官庁営繕の国庫債務負担行為として、国立公害研究所にかかわるものが新たに十六億四千万円予定されております。 次に、個々の施策の予算の重点について御説明いたします。 第一に、公害対策について申し上げます。 まず、大気汚染等防止対策及び水質汚濁防止対策につきましては、環境基準の設定のために所要の経費を計上いたし、計画的にこれを推進するとともに、排出基準、排水基準をはじめ各種公害の規制基準の一そうの強化をはかり、また、総量規制の確立を検討するための経費、都市型の大気汚染防止のための調査等の経費のほか、自動車公害、振動、悪臭並びに航空機及び新幹線の騒音について対策の確立のための調査を行なう等五億三千六百八十一万円を計上いたしております。 このほか、地盤沈下及び廃棄物対策費に三千六百十万円、土壌汚染防止及び農薬対策費に一億二千九百六十七万円をそれぞれ計上するなど、公害規制基準の強化等の経費として、総額七億二百五十八万円を計上いたしております。 また、公害監視設備整備費につきましては、地方公共団体の監視測定体制及び地方公害研究所等の分析体制の計画的な整備を一そう推進するため補助金の大幅な増額をはかり、これが施策を一そう強化するとともに、新たに大規模発生源に対する常時監視体制の整備費の補助の経費、新たな構想による国設大気測定網整備のための経費などを合わせ十億八千四百十三万円を計上しており、前年度予算に比し大幅な増額となっております。 環境保全企画調整等の経費については、開発に際しての環境アセスメントの手法開発のための経費のほか、環境保全パイロットモデルの作成に必要な経費などのため四千四百二十六万円を計上いたしております。 公害防止計画策定については、公害防止計画策定のための基礎調査を十地域において実施するほか、公害防止計画策定第一次地域について公害防止計画の見直し調査を行なうなどのため三千三百十九万円を計上いたしております。 公害健康被害救済対策については、医療手当の額の引き上げ、支給制限の緩和をはかるほか、地域指定拡大に要する経費を見込むなど、制度の一そうの充実強化をはかるため一億九千八百七十四万円を計上いたしております。 また、公害に係る被害者の救済をはかるための損害賠償保障制度の創設のために各種の調査を進める必要があり、このために必要な経費として九千四百二十六万円を計上いたしております。 公害防止事業団については、事業規模を七百三十億円に拡大するとともに、中小企業等の公害防止施設の整備を促進するため、金利の引き下げ、事業団の業務範囲の拡大を行なうこととし、これに伴う事務費等の助成費を含め九億五百十二万円を計上いたしております。 次に、公害の防止等に関する調査研究の推進のための経費については、科学的な調査及び試験研究を一そう推進するため、総額三十二億四千九百八万円を計上しております。 まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として三十二億九百八十万円を環境庁において一括計上いたし、各省庁の試験研究機関等の公害の防止に関する試験研究の総合的推進をはかることといたしております。 さらに、社会的に強い要請のあります光化学スモッグに係る調査研究については、東京湾周辺地域のほか、新たに大阪湾周辺地域を対象地域に加えることとし、これに要する経費として一億八千二百四十八万円を計上いたしております。 広域水質汚濁総合調査については、瀬戸内海について補足調査を行なうとともに、新たに東京湾及び伊勢湾についても調査を実施することとし、また広域水域の水質の常時監視に必要な水質監視ブイの試験設置のための経費を計上するなど、一億二百五十七万円を計上いたしております。 その他、健康被害、自然保護、大気汚染及び水質汚濁等に関する調査研究費として三億七千四百二十二万円を計上し、重点的な調査研究を進めることといたしております。 以上のほか、環境保全総合調査研究促進調整費として三億八千万円を計上いたし、関係省庁の所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的な調整をはかることといたしております。 また、政府における公害等の試験研究の推進のための中核的な機関として、昭和四十八年度中に発足する予定の国立公害研究所に必要な経費として九千八百四十七万円を計上いたしております。 さらに、公害行政担当者の研修を行なうため、昭和四十七年度中に発足する予定の公害研修所に必要な経費として二千四百三十六万円を計上いたしております。 以上、これらもろもろの施策に必要な公害対策費として、総額六十四億三千四百二十二万円を計上いたしております。 第二に、自然環境の保護整備対策について申し上げます。 まず、自然環境保全対策については、わが国土の動植物、地形、地質等の自然環境の実態等について基礎調査を行なうほか、自然環境保全のための基本方針の策定などのため二億五千二百七万円を計上いたしております。 また、交付公債による民有地の買い上げ制度により、自然環境を保全すべき民有地の買い上げを行なうため、事業費総額を六十億円と予定いたし、このために必要な経費として、三億三千九百十一万円を計上いたしております。 鳥獣保護行政については、新たに地方公共団体に対する野鳥の森の整備費の補助を行なうほか、タンチョウの生息する湿原保護のための調査を行なうなどこれが施策を一そう強化することとし、一億三千四百八十万円を計上いたしております。 さらに、自然公園等の施設の整備につきましては、二十億八千八百八十四万円を計上し、国立公園等の整備をはかる等これまでの施策にあわせ、新たに国民休養地の整備を行なうほか、国民休暇村の増設に着手することといたしております。 また、自然公園の維持管理体制の充実強化のために、管理事務所を二カ所増設するなど、自然公園等維持管理費として二億四千三百七十四万円を計上いたしております。 以上、これらもろもろの施策に必要な自然環境の保護整備対策費として総額三十億五千八百五十七万円を計上いたしております。 なお、このほか建設省所管の予算として、国立公害研究所の四十八年度建設費として十六億四千百八十四万円、公害研修所の四十八年度建設費として四億二千四百万円がそれぞれ計上されております。 以上をもちまして、昭和四十八年度の環境庁関係予算案の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。 —————————————
○佐野委員長 次に、昭和四十八年度環境保全関係各省庁予算について、便宜環境庁から説明を求めます。船後企画調整局長。
○船後政府委員 各省庁の昭和四十八年度環境保全関係予算の概要について御説明いたします。 まず歳出予算について御説明いたします。昭和四十八年度における環境保全関係予算の総額は二千七百三十七億円となり、前年度の当初予算に比べ千四十四億円、六一・七%の増加となっております。 このうち一般会計分は二千五百十九億円と、前年度の当初予算に比べ九百三十九億円の増加となっており、各特別会計分は二百十八億円と、前年度の当初予算に比べ百五億円の増加となっております。 これを公害防止関係と自然環境保全関係とに分けますと、公害防止関係予算は二千四百四十四億円、自然環境保全関係予算は二百九十三億円となっており、それぞれ前年度の当初予算に比べ、九百二十一億円、百二十三億円の増加となっております。 次に、各省庁別にその予算の主要項目について御説明申し上げます。 第一に、総理府におきましては、公害等調整委員会の経費として一億八千九百万円を計上しております。 警察庁におきましては、公害事犯の取り締まりに万全を期すべく、これに必要な資器材、指導等に要する経費六千九百万円を計上しております。 首都圏整備委員会におきましては、首都圏における広域的な排水計画等に関する調査及び近郊整備地帯の緑地の現況等の調査を行なうこととし、調査費九百万円を計上しております。 北海道開発庁におきましては、下水道事業費補助、公園事業費補助等の北海道分として総額七十九億四千九百万円を計上しております。 防衛施設庁におきましては、防衛施設周辺の整備等に関する法律に基づき、学校等の防音工事の助成、家屋の移転補償等を行なうこととし、これに必要な経費二百五億四千万円を計上しております。 経済企画庁におきましては、離島における下水道事業、廃棄物処理施設整備事業等を実施することとし、総額二億四千五百万円を計上しております。 科学技術庁におきましては、公害を起こさない新農薬の創製開発をはじめとする各種調査研究を実施することとし、所要の経費五千七百万円を計上しております。 沖繩開発庁におきましては、沖繩における下水道事業、廃棄物処理施設整備事業及び公園事業を実施するほか、公害防止のため各種調査、指導を実施することとし、総額二十五億四千五百万円を計上しております。 環境庁関係予算につきましては別途御説明申し上げましたので、説明を省略させていただきます。 以上総理府関係の予算を合計いたしますと総額四百二十六億五千二百万円となっております。 第二に、文部省におきましては、公立学校の公害防止工事等の補助につき大幅拡充をはかることとして十七億二千九百万円、さらに、少年の健康を守るとともに自然についての体験的学習を行なわしめることを目的とする少年自然の家の設置費用の補助についても、大幅拡充をはかることとして十億円、大気汚染地域の公立小中学校児童生徒を対象として、特別健康診断及び移動教室を実施するとともに、学校環境の緑化を推進することにより児童生徒の健康の保持増進に資するための経費として三億八千八百万円を計上するほか、史跡等の買い上げを行なうための史跡等買い上げ費三十億円を含め、総額七十二億五千七百万円を計上しております。 第三に、厚生省におきましては、近時における廃棄物発生量の飛躍的増加と処理の困難化の実情にかんがみ、廃棄物処理施設整備計画に基づく補助を飛躍的に拡充することとし、百五十八億一千四百万円を計上しております。このほか、PCB対策として、各種の疫学的実態調査等を実施するための経費二千万円、浄水場の排水処理施設整備費四億五千九百万円、保健所の公害関係諸経費一億六百万円等を含め、総額百六十四億三千百万円を計上しております。 第四に、農林省におきましては、まず農業関係公害防止対策として、都市排水等による農業用水の水質汚濁に対処するため水質障害対策費九億円、土壌に蓄積された重金属の排除等をはかるため公害防除特別土地改良事業費二億三百万円、畜産経営の規模拡大をはかるとともに公害問題の解決に資するため、畜産団地造成事業費十三億七千八百万円及び畜産経営環境整備事業費六億六千百万円、地盤沈下対策として新潟地域等特殊排水事業費十八億六千万円を計上する等の措置を講ずることとしております。また、瀬戸内海赤潮対策等水産関係環境保全対策四億四千七百万円を計上しており、このほか農林水産業の環境保全機能の解明その他公害関係の試験研究の強化、農薬残留対策の充実等をはかることとしており、これらを合わせて、総額として八十億五千三百万円を計上しております。 第五に、通商産業省におきましては、まず、公害防止技術の開発を強力に推進するため、重要技術研究開発費補助金について、新たに新技術企業化をその対象に加えることとするほか、従来からのクローズドプロセス技術等の開発を進めることとして、十五億六千万円を計上し、さらに大型工業技術研究開発費、資源再生利用技術システム研究開発調査費等を大幅に拡充することとしております。次に、公害の未然防止のため、産業公害防止対策調査のための経費二億一千六百万円を計上するとともに、新たに内陸工業開発総合事前調査費として三千万円、環境汚染を経て人体に悪影響のある化学品についての安全性を確保するための対策として一億四千四百万円を計上しております。また、鉱山による鉱害の防止をより一そう推進するため、金属鉱物探鉱促進事業団を改組拡充して計画的に鉱害防止対策の促進をはかることとし、二億九千万円を計上するとともに、従来からの休廃止鉱山鉱害防止対策関係経費も七億四千五百万円と大幅に拡充することとしております。このほか地盤沈下防止対策工業用水道事業費補助の飛躍的拡充をはかることとしており、これらを合わせて総額八十一億八千六百万円を計上しております。 第六に、運輸省におきましては、まず、海洋汚染防止対策として、海上公害事犯の取り締まりを効果的に行なうための監視・取り締まり体制の整備のための経費として一億一千四百万円、港湾における汚泥しゅんせつ事業の補助に要する経費として八億四千七百万円を計上するほか、新たに海洋の清掃のための清掃船の建造、港湾内の廃棄物処理施設の整備等を実施することとし、合わせて五十八億五千六百万円を計上することとしております。また、空港周辺の騒音問題に対処するため、学校等公共施設の防音工事の助成、家屋の移転補償等の事業の拡充をはかるとともに、新たに民家の防音工事に対する助成、大阪空港周辺整備機構(仮称)の設置による空港周辺の土地利用計画の策定、これに基づく緩衝緑地の造成等を実施することとし、百十億四千万円を計上することとしております。このほか自動車の低公害技術の開発等による自動車公害防止対策、観光レクリエーション地区の整備等の自然環境保全対策も推進することとしており、これらを合わせて、総額百七十三億二千七百万円を計上しております。 第七に、労働省におきましては、労働環境整備の見地から各種専門技術指導を行なうため、有害環境改善推進費として四千二百万円を計上しております。 第八に、建設省におきましては、まず、下水道整備対策について、下水道整備五カ年計画を大幅に繰り上げ実施することとし、千四百六十六億三千五百万円を計上することとしたほか、下水道事業の円滑な実施をはかるため、下水道事業センター助成に必要な経費として二億八千万円を計上しております。 次に、都市における産業公害を緩和防止するための措置として実施している緩衝緑地整備事業の拡充をはかることとし、二十二億円、地盤沈下に対処するため、高潮対策事業費につきましても所要の予算を確保することとし、三十億六千万円をそれぞれ計上する等各種の公害防止事業の拡充をはかることとしております。 自然環境保全関係の施策としては、都市の生活環境の改善をはかるため、公園事業費の飛躍的拡充をはかることとし、百七十二億八千三百万円を計上するとともに、大都市近郊の自然環境の保全及び古都における歴史的風土の保存をはかるため、古都及び緑地保全事業として六億四千七百万円を計上しております。 以上の経費を中心といたしまして、建設省においては総額千七百三十七億五千二百万円を計上しております。 次に、公害防止関係財政投融資について御説明いたします。 昭和四十八年度における公害防止関係財政投融資は、全体として、事業規模または貸し付け規模において、総額四千二百九十九億円を予定し、前年度の当初計画に比べて千六百六十七億円の増加となっております。 公害規制諸法の強化に伴い、民間企業等においては公害防除装置の設置等公害防止事業の飛躍的増大が必要になってきており、これを円滑に実施せしめるため政府関係機関等の果たすべき役割りはきわめて重要であります。 まず、公害防止事業団におきましては、事業規模において七百三十億円と前年度に比べて百四十億円の増加をはかるとともに、金利を引き下げることとし、さらに業務対象として、産業廃棄物の処理を行なうため地方公共団体が設立する公社等及び産業廃棄物処理業者を追加することとしております。 次に、日本開発銀行におきましては、貸し付け規模において六百五十億円と前年度に比べて三百億円の増加をはかるとともに、金利を引き下げることとし、さらに工場立地法の制定を待って、工場周辺地域の環境整備を行なう事業を融資対象として追加することとしております。 さらに、中小企業金融公庫におきましては、貸し付け規模において百億円と前年度に比べて二十億円の増加をはかることとしております。 国民金融公庫におきましては、貸し付け規模において三十億円、農林漁業金融公庫におきましては、畜産経営環境保全施設に関し、貸し付け規模二十九億円を設けるほか、貸し付け条件の緩和をはかることとしております。 また、新たに、金属鉱物探鉱促進事業団におきまして、金属等の鉱山の鉱害防止工事に対し、長期低利資金の融資を行なうため十一億円の貸し付け規模を確保するとともに、日本私学振興財団におきましても、私立学校の防音工事等に関し四億円の貸し付け規模を予定しております。 このほか、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理施設整備等の事業を推進することとし、地方債計画において二千七百四十五億円を予定しております。 最後に、公害防止関係の税制上の措置について、そのおもなものにつき御説明いたします。 まず、無振動鍛造機等の無公害化生産設備について、初年度三分の一の特別償却制度を創設するとともに、公害防止施設の特別償却制度について、対象となる施設の範囲を拡大し、さらに適用期限の到来する施設についてはその延長を行なうこととしております。 次に、公害防止準備金制度について、その適用対象業種を拡大するとともに、公害防止事業団から事業協同組合等が譲渡を受けた土地をその組合等から再譲渡により組合員等が取得する場合の登録免許税の税率の軽減措置について適用期限を二年延長することとしております。 また、昭和五十年度に適用される運輸省が定める保安基準に適合する乗用自動車の開発普及を促進するため、低公害車の物品税について課税標準を昭和四十八年度は四分の一、昭和四十九年度上半期は八分の一相当額だけ減額することとしております。 さらに、ガス製造に供される燃焼用揮発油に対する揮発油税及び地方道路税を二年間免除することとしております。 以上をもちまして、各省庁の昭和四十八年度環境保全関係予算の御説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○佐野委員長 以上で予算の説明は終わりました。 ————◇—————
○佐野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 公害対策並びに環境保全に関する件について、本日、参考人として、公害防止事業団理事長江口俊男君に出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。 —————————————
○佐野委員長 次に、公害防止事業団の事業概要について、参考人江口理事長から説明を聴取いたします。公害防止事業団理事長江口俊男君。
○江口参考人 公害防止事業団の事業の概況につきまして、御説明をいたします。 まず、公害防止事業のこれまでの実施状況につきましては、公害防止事業団が昭和四十年十月一日に設立されまして以来、昭和四十七年十二月三十一日現在までで、すなわち七年三カ月の間に、造成建設事業におきまして七十三件、約五百三十億円、貸付事業におきまして九百五十五件、約八百六十四億円、合計いたしますと千三百九十三億円に及ぶ事業を手がけてまいった次第でございます。 当事業団が行なっております造成建設事業には、お手元にお配りをいたしております資料の三枚目にございますように、共同公害防止施設の設置・譲渡、共同利用建物の設置・譲渡、工場移転用地の造成・譲渡、共同福利施設の設置・譲渡、以上の四種類がございます。 共同公害防止施設に関しましては、三重県四日市市の共同公害防止施設など十三件につきまして建設業務の受託及び譲渡契約を結び、十五億円を投じ、すでに八件について完成譲渡をいたしております。 共同利用建物につきましては、神戸ゴム工場アパートなど十一件、約六十四億円につきまして契約をし、そのうち九件が完成を見ております。 工場移転用地は、三十五件中二十七件がすでに完成しておりまして、事業費はおよそ二百二十億円に達しております。 また、公害が発生するおそれが特に著しい地域に工業地域と住居地域とを遮断するためのいわゆる緩衝緑地地帯を設ける共同福利施設では、市原、四日市、大阪泉北地区、赤穂地区、徳山の五地区がすでに完成をいたしまして、現在、鹿島など八地区で工事が行なわれております。この事業費は総計約二百三十億円に達する見込みであります。 一方、貸付事業のほうでありますが、昭和四十一年度は十三件、二十四億円とわずかでございましたが、ここ数年来公害が大きな社会問題となるに従いまして、企業からの申し込みも殺到いたしまして、四十六年度は三百九十七件、約三百八十億円、四十七年度は十二月末までに、二百四十八件、百九十三億円の貸付契約が行なわれ、一月末現在の貸付決定は三百九件、二百五十七億円に及んでおります。 次に、当事業団の昭和四十八年度予算案について御説明いたします。 まず、事業費はお配りした資料の一枚目にありますように、契約ベースで七百三十億円、その内訳は造成建設事業百八十億円、貸付事業五百五十億円であります。 また、資金ベースでは六百九十二億円、財投資金借り入れ額では五百七十億円であります。 また、公害防止施設の設置は多額の資金を必要とするのに、企業利益に直接には寄与しない設備投資であることをも勘案いたしまして、その設置を促進するために助成条件の緩和をはかる必要があると考えまして、資料の二枚目にありますように金利の引き下げが認められることとなります。 すなわち、共同公害防止施設につきましては、中小企業及び地方公共団体の場合、これは建設事業の場合も、貸付事業の場合も同じでございますが、現在は当初の三年間五%、四年目以降が五・五%となっておりますのを当初の三年間を四・五%、四年目以降五%に引き下げる。大企業につきましては建設事業の場合も、昨年十月一日以降引き下げられた融資事業の場合と同様に、当初の三年間は六・七五%、四年目以降七%となっておりますのを当初三年間六・五%、四年目以降が六・七%となりますし、共同利用建設、工場移転用地、共同福利施設の建設事業及び公害防止施設に対する個別融資につきましては、中小企業及び地方公共団体の場合は、現在六%となっておりますのを五・五%に、大企業の場合七%となっておりますのを六・七%に、それぞれ引き下げることになるわけでございます。 さらに、事業団の実施する事業のうち、共同福利施設いわゆる緩衝緑地の建設につきましては、その高度の公共性にかんがみまして、毎年補助金が交付されておりますが、昭和四十八年度も二十二億円の国庫補助が行なわれることと相なっております。 以上のような事業量の増大に応じまして、それを遂行する事務費として、人員五名の増員分を含めまして九億四百万円の交付金予算となっております。 最後に、納付業務関係予算案につきましては、納付業務費約五億四千万円となっております。これは昭和四十四年十二月に公布されました公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法によりまして、公害病認定患者の救済に充てるため、事業団から県に納付する医療費等と事務費の総額でございまして、国からの交付金と公害対策協力財団の拠出金の合計額であります。 以上が、簡単ではありますが、公害防止事業団の事業及び四十八年度の予算案につきましての概況でございます。よろしくお願いいたします。
○佐野委員長 以上で公害防止事業団の事業概要説明は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十七分散会