交通安全対策特別委員会 第22号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/09/19
会議録
○久保委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 この際、カーフェリーの現状と海上交通安全対策に関する実情調査のため、去る十二日及び十三日の両日兵庫県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員から報告を聴取いたします。中村弘海君。
○中村(弘)委員 御報告申し上げます。 カーフェリーの現状等海上交通安全対策の実情調査のため、議長の承認を得まして、去る十三、十四日兵庫県に派遣されました派遣委員を代表いたしまして、その調査の結果を御報告申し上げます。 派遣委員は、久保委員長、野中英二君、井上泉君、太田一夫君、紺野与次郎君、沖本泰幸君、それに私、中村弘海であります。 今回は、最近カーフェリーの事故が多く発生している現状にかんがみ、カーフェリーの安全対策と明石海峡において海上交通安全法施行後における船舶交通の状況等を重点的に調査いたしてまいりました。 まず、神戸海運局において、神戸海運局、第五管区海上保安本部、第三港湾建設局から、カーフェリー関係の所管行政について説明を聴取いたしました。 神戸海運局からは、管内カーフェリー航路としては、短距離の対淡路島航路のほか、中長距離航路として対北四国、対北九州航路等二十余の航路を管轄しており、これら航路の輸送量はほぼ全国の一四%を占め、これらの航路のうち東神戸フェリーセンターに発着するものは、長距離フェリーを主体に全国の六%に及んでおり、一ターミナルにこれだけ集中していることは他に例がなく、しかも輸送量は、この三年間急速に増加しており、東神戸フェリーセンターだけでは旅客、車両とも二倍以上と増加し、それだけにカーフェリーの安全確保は何にも増して重要な課題であるので、経営のトップから現場の末端に至る事業全体における安全対策のシステム化を目ざし、安全経営体制の推進、乗り組み員の教育訓練の強化、安全設備の充実と整備点検の励行を三本柱に、現地の実情に即したきめこまかい諸対策を講じているとの説明が行なわれました。 第五管区海上保安本部からは、海洋汚染防止法及び海上交通安全法の施行に伴い、両法関連の指導、取り締まり業務に重点を置いて活動しており、特に明石海峡においては、一日当たり二千隻の海上交通量があり、しかも混合交通の状況では船舶相互の避航が困難であるため、海上交通安全法において同航路七キロメートルにわたり右側通行が実施ざれたが、法の施行にあたり鋭意指導、取り締まりに当たってきた結果、当初百件近くもあった違反が最近では著しく減少しているとの説明が行なわれました。 第三港湾建設局からは、神戸港の概況説明があった後、長距離フェリー航路の増加、カーフェリーの大型化に対応し、昭和五十四年を目途として六甲アイランドにさらに三バースのフェリー埠頭の整備計画を進めている旨の説明が行なわれました。 次いで、東部第四工区の神戸フェリーセンターを視察し、着岸中の関西汽船所属神戸−高松航路の双胴型カーフェリー「六甲丸」に乗船し、デッキ、操舵室、機関室等を巡視した後、当フェリーセンター及び神戸フェリー埠頭利用者協議会のメンバーから、それぞれの業務及び安全管理について事情を聴取いたしました。 神戸フェリーセンター理事長からは、四年前、フェリーブームに対応し、港湾管理者が当地に四バースのフェリー専用バースを造成したのを機に、これからバース、可動橋、駐車場等の施設の管理委託を受け、また船会社から入出港手続、切符販売、旅客及び車両の乗下船作業等の委託を受け、以来半官半民の組織でこれら業務の運営が行なわれているとの説明とともに、業務の性格上関係官庁の指導、各船会社の協力のもとに安全第一に徹して業務に邁進している旨が述べられました。 神戸フェリー埠頭利用者協議会副会長からは、当フェリーセンターに発着する船会社間で、フェリーセンターへの入出港に関する情報連絡方法、港内水路における交通規制等を内容とする自主的協定を結び、フェリーセンターと表裏一体となってフェリー業務の円滑な運営を期しており、港内における事故は協議会発足以来皆無である旨が述べられました。 また、これらに関連して、第五管区海上保安本部から、港内水路の出口に信号所を設置し、今秋より航路管制を行なうことにしている旨付言されました。 引き続き、コントロールセンターにおいて、VHF通信、テレビ受像機等による入出港管理業務をつぶさに視察してまいりました。 次いで、巡視船「みなべ」に乗船し、明石海峡航路において、交通規制下の船舶交通の状況、海上保安部の巡視艇、ヘリコプターによる監視状況をつぶさに視察いたしました。 関係各所におけるフェリー業務に関する事情聴取及び視察を通じ、カーフェリーの安全について熱心に対策が講じられていることが理解されましたが、現在のように船舶の多様化、航行形態の複雑化が進行する中にあっては、なお一そうハード、ソフト両面にわたる改善が必要であるように感じられました。具体的には、船舶構造面で安全設備を一そう充実すること、過密とならないよう便数及びダイヤを調整改善すること、運航面において、夜間、霧中等事故が発生しやすい状況下での事故防止対策に一そう留意するとともに、運航中止条件の統一をはかることなどが必要であると考えられます。 翌日、川崎重工業神戸工場の視察に参りました。視察の目的は、言うまでもなく船舶の安全確保について建造者側がどのような姿勢で取り組み、実施しているかということであります。 同工場内において、会社の概況、規模、建造工程につき、副社長及び担当重役より事情聴取を行ない、引き続き船舶の安全対策について、無公害燃料として注目されているLNG船建造に際しとっている措置及びカーフェリーの安全対策と安全性確保に関する研究開発等について質問がなされ、造船所側からは、これら船舶の安全確保に関する問題に対しては、具体的にきわめて強い姿勢で取り組んでいること及び今後とも一そうの努力を払っていくべきであるという態度の表明が行なわれました。 船舶の安全対策を完全ならしめるためには、このような建造者側の姿勢と適正な行政とが相まって達成されるものであることが痛感され、今後とも関係各機関の努力を期待いたしたいと思います。 以上でありますが、今回の調査にあたりまして、関係者の御協力に対し、心から感謝いたすものであります。 以上で終わります。(拍手)
○久保委員長 これにて派遣委員からの報告は終わりました。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時五十七分散会