交通安全対策特別委員会 第13号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/06/14
会議録
○久保委員長 これより会議を開きます。 自動車事故対策センター法案を議題といたします。 この際、御報告申し上げます。 去る五月三十日の委員会におきまして、委員派遣の承認申請を行なうことといたしたのでありますが、都合により、取りやめることといたしましたので、御了承ください。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。太田一夫君。
○太田委員 適性診断に関しまして、これは警察庁にお尋ねをいたします。 国家公務員であります場合に、現在、適性検査を行なうという義務づけ、それから安全運転管理者に対する講習を行なうという義務づけ、これは道交法によって確立されておると思うのでありますが、そう理解してよろしいか。 それから、現実に各省庁等は多数の自家用車を保持をしていらっしゃいますが、わが衆議院等におきましてもそうであります。そういう自家用車の運転者に対する適性診断、これは現在どのように行なわれ、そしてまた、安全運転管理者に対する講習はどのようにして行なわれておりますか、お答えをいただきたいと思います。
○寺尾説明員 お答えいたします。 最初に、安全運転管理者につきましては、法律で義務づけておりまして、国家公務員、官庁を問わず一般利用者と同じように行なっております。総理府の規則によりまして、年間四ないし六時間の講習を行なうというふうにしております。 次に、適性検査でございますけれども、法律で義務づけております範囲におきましては、国家公務員、これは運転者に義務づけておりますので、免許を受ける際あるいは更新の際に適性検査を行ないますが、ただ、それは非常に簡単なものでございまして、目、手足の運動、反応力といったような点でございます。おそらく先生の御質問の趣旨は、今度の法案に出ておりますような心理試験あるいは脳波試験といったようなところまで、どこまでやれておるかという趣旨であろうかと思いますけれども、その点につきましては、たとえば心理試験につきましては、都道府県の警察官について行なっておりますけれども、その他の国家公務員等につきましては、要請があればいつでもやれるたてまえにございますけれども、あまり行なっていないのが実情でございます。
○太田委員 運輸省の佐藤政務次官にお尋ねをしますが、いま警察庁の参事官からお話のありましたように、国家公務員といえども道交法の対象外ではない、道交法の対象にされておる。総理府で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに運転管理者を置くということも義務づけられております。そしてまた、運転管理者に対しては講習も行なわれておるということであります。ただ、運転者に対しては、申し出によって簡単な適性診断であるということになりますと、今度あなたのほうの御提案なされました本法案につきましては、三十一条第一項第二号によりまして、心理学的、医学的というふうに非常に微に入り細をうがった適性診断を行なうという制度をおつくりになりましたが、それと著しく内容を異にする。格差をつけられたことになりましたが、それについて、なぜプロの専門の運転者だけそのように厳密にやり、プロでないけれども、他人の生命を乗せあるいは貴重な物資を載せておる白ナンバーの運転手に対してはいまのような方針でよろしいとしたのか、その区別をした理由というのを、あなたのほうの立案の本旨でありますが、御説明いただきたい。
○佐藤(文)政府委員 自動車における事故防止対策につきまして、いままでやっておったやり方を抜本的にひとつ変えていかなくてはならぬというかねてからの懸案事項でございまして、特に、営業用の自動車における事故というのが、自家用のプロでない事故に比較いたしまして最近非常に多くなってきたというデータも出てきましたし、また、営業面におけるところの事故というのが、お客さんの要請によって、お客さんの希望によってその運送をやり、しかもそれが一定の許可基準に従って営業しているという面については、安全面というものが確立されておるのだ、特に各営業所ごとに運転管理者を置いて、それを免許の基準といたしておる、そういうことで、安全面については確立した体制で営業を実施しておるという面で事故が発生するということについては、これはプロでない自家用車の事故に比べてやはり社会的に与える影響が非常に大きいと思うのであります。したがって、今度の法案の三十一条の一項二号によりまして、その事故の未然防止というものを徹底的に追求するためには、心理学的に医学的に両面から未然に事故を防止するという対策をとらなくてはならぬという考え方に立ちまして、したがって、心理面、医学面両面からより一そう徹底した事故防止対策をとることがよりよい方策である、こう考えて、そういう考え方の内容になっておるわけであります。
○太田委員 それは、そういう話を何回も聞きましたけれども、実際上いま白ナンバーの車の事故数が一番多いのです。現在、社会で一番問題にしておるのは白ナンバーの車あるいは一匹オオカミのダンプカー等を問題にしておるのでありまして、陸運局の監督を二重、三重に受けておるような青ナンバーのドライバー諸君に対するものじゃない。世間の目はそこに向いておるわけじゃない。もしも適性診断が必要ならば、道交法八十八条によって免許の資格の欠格事由というのが明らかにされていて、それに該当するときには、適性検査を行ない、免許を取り消すということになっておるのでありますから、現状において制度に不足はない。それを、青ナンバーのみ特に取り上げたということは、少なくとも青ナンバーの運転者諸君に対する皆さんの、慎重な配慮ではなくして、不信のあらわれだと思う。私ども考えますのに、自家用車の運転手に対する対策がいまのままでよろしいというなら、もともと第二種免許を受けておるような人たちを中心とする青ナンバーの運転者に対する対策もいまのままでよろしいのです。 そこで、寺尾参事官にもう一度お尋ねしますが、道交法八十八条、これは青ナンバーであろうと白ナンバーであろうと、ともに適用され、百三条による免許の取り消しあるいは百二条によるところの適性検査の実施等は、青ナンバー、白ナンバーを問わず、両方とも行なわれるということなのでありましょう。
○寺尾説明員 道交法のたてまえはそのようになっております。 なお、先ほどの点をちょっと補足さしていただきますと、国家公務員というお問いでございましたので、私、それにおいてお答えいたしましたけれども、警察におきましても、都道府県の公安委員会で事故を起こした者を行政処分をいたします、その行政処分を行なった者に対して講習をやるたてまえになっておりますが、それの長期、中期——悪質な違反者に対しては相当長い講習をやりまして、その中で、今度の法案に出ておりますのに近い適性診断を行なっております。またそのほかに、要望によってやっているものが約八万人ぐらい、今度の法案の趣旨と同じような適性判断も行なっておるということをつけ加えたいと思います。
○太田委員 総理府の秋山交通安全対策室長にお尋ねをいたしますが、いまお話を承りましたように、道交法八十八条に「免許の欠格事由」というのがありまして、その場合には、政令で定める身体の障害があらわれたとき、たとえばハンドル等の装置を随意に操作できがたくなったというような場合には、百二条によりまして公安委員会は臨時に適性検査を行なう。それで、明らかになれば、百三条によって免許の取り消しということになるわけであります。こういう制度になっておる。だから、いまこの制度で全部網羅されておるならば青、白の区別をする必要はないと思うが、交通安全対策の総元締めである総理府としてはどうお考えになりますか。
○秋山政府委員 道交法による適性検査の警察における取り扱いの現状は、事故を起こした者たちについて行なっているのが現状でございます。今回のセンター法におきましては、事故を起こした者に限らず事前に検査をするというようなことで予防効果をねらっているものと考えられます。なお、運転免許の試験のときにそういうことを行なうのが理想でございますが、現在の非常に膨大な運転者数におきましては、そういうことがなかなか実現できないという実態から、こうした特に不特定多数の一般国民に影響のある事業に従事する運転者についてこうしたことを行なうことは、総理府としても、適正なことだ、こう考えておる次第でございます。
○太田委員 では、総理府の秋山室長さん、重ねてお尋ねをいたしますが、そうしますと、あなたは道交法百二条の「臨時適性検査」という条項を理解していらっしゃるのですか。これは事故を起こした者の適性検査じゃありませんよ。制度として事前にやるのですよ。だから、道交法を厳格に適正に実施することができるならば、いまの三十一条第一項第二号の適性診断というのは屋上屋を架すことであるということになると言うのです。 それからもう一つ、ついでにそこのところの見解を承りたいのでありますが、「雇用者の義務」というのが道交法の七十四条にありまして、あなたのほうの基準によって安全運転管理者をきめます。だから、衆議院の自動車でも安全運転管理者があるのですよ。その安全運転管理者はいろいろなことを義務づけられておりまして、たとえば過労運転等をさせてはならないということがあるわけです。こういう点からいいまして、衆議院ほど自動車の使い方の荒いところもないかもしれません。私どもがはたから見ている上においては、ずいぶん衆議院そのものは足元の自動車の運転手諸君に対しては過労をしいておる。休憩室もない、就眠する部屋もないというような状態の中で、安全運転管理者を選定するあなたのほうの基準もあやふやな、これはつくっただけで、つくっておけば責任はそれぞれのところへいくであろうということであなたたちはほったらかしにして、それで臨時適性検査の道交法百二条があるのにかかわらず、事故の起きた者だけの適性検査——そうじゃない、事前にやる方法があるのです。こういうことがどうも制度として首尾一貫せぬように思うし、魂が入っておらぬように思う。総理府はすべての交通安全対策の総元締めであるのに、まず百二条を理解していらっしゃいますかということです。たとえば衆議院の自動車のごとく、それぞれみんなうるさい人たちを乗せて走り回っておる運転手に対する安全運転管理が完全に行なわれておるか。それはどこでチェックしておるか。夜おそくなったときなどは運転手諸君は家に帰れない。ところが寝る部屋もない、あるいは全部休憩室に入ったときには休憩する場所もないという状態が全く放置されておる。あなたたちの足元ですよ。だから、これは少なくとも、道路交通法の所管である警察庁も、そんな国家公務員のことなんかどうでもいいわ、こうなる。大きな会社のことは会社が自由にやるであろう、それもどうでもいいわ。まあ運輸省だけが、いま佐藤政務次官のおっしゃったように少し熱心になって、あなたのほうが少しオーバーランしたかもしれませんね。熱心過ぎる。全体の交通安全のバランスがとれていない。総理府のバランス機能というのがこのごろは衰えて、それぞれがばらばらになったということがわかるのですよ、運輸省だけある程度いいことをやるのですから。あなたのほうが少し行き過ぎてしまった。 秋山さん、百二条御存じですか。それから安全運転管理者、国家公務員等白いナンバーの自動車を運転する運転者に対する安全運転管理者の事務は十分に達成されておるというチェックが行なわれておりますか。そういう点についてお尋ねをいたします。
○秋山政府委員 道交法の百二条につきましては先生の御指摘のとおりでございますが、先ほど申し上げましたのは、現状では運転者の数が非常に膨大なので、なかなかそこまでできないということで申し上げた次第でございます。 なお、総理府令につきましては、実は私どものいわゆる総理府の内部の規定ではございませんで道交法の施行に関する総理府令で警察庁の所管でございますので、専門のほうから答えていただきたい、こう思います。
○寺尾説明員 お答えいたします。 法律を受けまして道路交通法の施行規則というのがございまして、その中で、安全運転管理者を選任すべき企業といいますか、五台以上持っておる企業とか、あるいは安全運転管理者の要件、どういう者を選任しなさいとか、あるいは安全運転管理者はどういうような仕事をしなさいということを規定してございます。
○佐藤(文)政府委員 先生が言われました、運輸省のほうが少し先のほうに出過ぎたじゃないかというお話がありましたのですが、私は、私自身も自動車の運転をやっておるわけでございます。そこで、この経験から見ましても、道路交通法によるいろんな適性試験の検査と、今度のセンターの適性診断の相違点というものをこの機会に明確にしておきたいと思うのです。 それは、道路交通法の適性試験検査の目的は、運転適性の有無の判断をいたしまして、そして最小限度必要な一定の免許要件を満たさない者は不合格にする、こういうたてまえで適性検査をやって、それを私個人もパスして免許証をもらったわけです。ところが、免許証をもらった者がやはり依然として事故を起こす。それを根絶する必要がある。そのためには、今度のセンターの適性診断というものを実施する目的というものは、運転の適性をさらに向上させていく、そして運転免許の保有者にそれを実施して、その結果によって事故を未然に防止する必要な指導を積極的に行なっていくという、前向きな安全運転への指導体制をとっていこうという考え方、ステップ・バイ・ステップの一歩を上がったところである、こういうぐあいに考えて、その内容を規定しているわけでございます。
○太田委員 どうも責任ある御答弁が警察庁、総理府、少しなかったような気がするのですね。昔はもう少し交通安全対策というのは熱意があったのですが、このごろどうも政府にないんじゃないでしょうかね。いや、今後大いにひとつ勉強してください。 わが国自動車の事故が、大体一〇%ないし二%というのは無免許、酔っぱらいということがいわれておりますから、それで、そういうものの原因の追及ということに力を入れなければなりませんから、したがって、いままでの議論から言うて、自動車教習所の制度、免許の制度というものはこの際少し洗い直してみる必要もあるんじゃないか。それで、免許は厳正でなくちゃならぬので、免許を受けたということで適性診断にはパスしておるということは、いまの政務次官のお話ではございませんが、世間の人はそう思っておるわけでありますから、労働科学研究所とか大学の付属研究所とかの機関を総動員して活用をはかるということが必要だと思うのです。 そこで、法案の内容の中に三十一条一項八号、これは「第一条の目的を達成するために必要な業務」を行なうと書いてあります。それはどういうものであるかということをお尋ねします。 前回、たしか一匹オオカミであるダンプカーの運転手も捕えることができるし、事業所等に相当数の自動車を持っておるところ、言うならば安全運転管理者のある事業場の運転手もここの中にある適性診断を行なうことができる。あるいは交通遺児の中に、遺児といっても父親がある場合がある。父親が不具、廃疾等によってないと同じような状態のときには、その遺児も交通遺児としてみなすというような場合も、「第一条の目的を達成するために必要な業務」として、三十一条一項八号によって運輸大臣の認可を受けて行なうのだ、このような御説明があったような気がするのでありますが、そういうことは間違いございませんですか。
○小林(正)政府委員 ただいま御指摘の第三十一条第一項第八号のいわゆる目的達成業務といたしまして、現在具体的にどのようなものを考えているかという御質疑だと思いますが、先ほど来、事業用自動車以外の自動車の運転者、すなわち自家用自動車の運転手につきましても、事業用自動車に準じて適性診断を実施したい、これらにつきましては、二千数百万にのぼる自家用運転手全部というわけにはまいりませんが、重点的に要請に応じまして、なお、白トラ等につきましても指導をいたしまして、この適性診断の受診を進めるようにいたしていきたいと思っておるわけでございます。この際に、先ほど来の御質疑で明らかになりましたが、第一義的には、事業用自動車等の運転手につきまして具体的に業務の中に書いたわけでございまして、ただいま申し上げましたような、これに準じて自家用自動車の運転手につきましてもいたす適性診断について、この八号の目的達成業務といたして具体的には実施いたしたいという考え方を持っております。 もう一つ、ただいま具体的に御質疑がございましたが、交通遺児に対しての貸し付けという際に正確には、御承知のとおり、交通遺児につきましては、世帯主である父親または母親を失った遺児でございますが、ただいま御指摘のとおり、交通遺児に準ずるものとして、たとえば世帯主が不具廃疾状態になったというようなことも当然考えられますので、こういった点については、交通遺児に準じて、同じような考え方でそれら被害者の子供さん方に対する育英費の貸し付けということをいたす場合も想定されますので、こういった際には、この第八号の目的達成業務に入るかと思います。
○太田委員 その運転者の適性診断、先ほどのその内容でありますが、その中で若干不安がありますので確認をしておきます。 自動車の運行安全を確保するために行なうというのでありますが、これは運転者そのものについては不必要な不安を与えることもないことはないのです。これが不当労働行為を誘発したり、あるいはそうでなくとも、非常に不利益な取り扱いを受けるような解雇、配置転換等のような問題を起こすことになっては心配でありますが、そういう心配につながる制度ではないでしょうねということと、この適性診断というのは任意であるのか、義務づけであるのかということと、もし適性診断の結果、道交法にいうところの精神病者、精神薄弱者、てんかん症患者等道交法上の運転免許の欠格事由に該当するような疑いのある者があらわれたら、それはどうなるんであろうか。
○小林(正)政府委員 まず適性診断の義務づけの問題ですが、先ほど来の御質疑でございましたが、警察庁で行なっております、ドライバー全般についての適性検査を行なってそして運転免許の可否を決定するという問題とは、若干質が別でございまして、免許の合否でございませんで、運転免許を得た運転手に対して適性診断というものを行ないまして、事故防止を、事故の発生の未然防止をいたしたいという趣旨でございます。したがいまして、これはそういった意味からいいますと、合否を決定いたします最低限度の基準でございませんで、ドライバーとしていろいろ適性、適格性についてのアドバイスを与えるという趣旨でございますので、そのこと自体の性格が、法的に強制する際に若干問題があろうかと思います。 ただ、現在までのところ、この適性診断自体の実績が非常に効果があがっておりますので、先生御指摘のとおり、すべての自動車運転手が受診することが望ましいことは当然でございます。しかしながら、この受診の義務づけということになりますと、受診料の負担の問題というようなことにもあるいはあるかと思います。また受け入れ態勢の整備の問題もございます。こういった点にかんがみまして、今後センター施設の整備の状況というものも勘案いたしまして、義務づけの問題については慎重に検討していきたいと思うわけでございます。かりにこういった問題が将来相当熟しまして、義務づけ可能だという場合にも、これはやはり運送事業者にこういったものを課するというような方向で検討をしたいと思っております。 それから第二点の、この適性診断の結果当該運転者が不利益をこうむるのではないかというような問題がございますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたような適性診断の本質からかんがみまして、これをもって直ちに運転者としての欠格云々の問題ではございませんので、不利益な取り扱いをするということは事柄の性質上考えられないわけでございます。ただ、そういった間違った運用をするような管理者というようなものは、絶対考えられないわけではございませんので、そういった際の問題につきましては十分配慮いたしまして、この適性診断というものを正しい方向に普及させていきたいと思っておるわけでございます。 それからなお、道路交通法との関連で、精神病者、てんかん病者等が発見された場合にどう処置するか。これはこの診断の結果、たまたまそういった者が発見された場合には、やはり道路交通法の規定に基づいていかなる処置をとるかということは、警察庁の問題でございますので、連絡をいたしまして適切な処置をとっていただくようにお願いするということに相なるかと思います。
○太田委員 次に、遺児の貸し付けのことにつきましてお尋ねをいたします。 一時金と育成費——交通遺児というのは六万三百六十六名、小中学関係四万五千百七十人、こういわれております。その中の生活保護世帯が八・二%、準生活保護世帯二九・一%、合わせて一万六千八百五十人。それに対しまして千五百人を対象に遺児に一時金並びに育成費を貸し付けを行なう、こういうわけであります。 厚生省の中野保護課長さんにお尋ねをいたしますが、交通遺児に関して、生活保護世帯を一つの基準にして何かほかの給付をしておるところがあるのでしょうか。御存じならばひとつお知らせをいただきたいし、御存じなければ、現在生活保護を受けておる世帯、これはどのくらいあって、その中の交通遺児の世帯はいま私が申し上げた数字で間違いないのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○中野説明員 お答え申し上げます。 まず第一に、先生御質問の交通遺児についての生活援助的な施策をほかに聞いておるかという御質問でございますが、これにつきましていま手元に正確な資料を持ち合わせておりませんけれども、私の記憶では、地方自治体レベルにおきまして、交通遺児に対しまして、いわば自立援助的な意味におきまして定期的な、いわば何と申しましょうか、恵与金のようなものを支出しておるケースがあったように記憶しております。 それから御質問の第二点でございますが、生活保護法の保護を受けておられる方々の中に交通遺児が何人おるかというデータは、先ほど先生お触れになりました総理府の調査以外にはございません。
○太田委員 それから、あわせて厚生省にお尋ねしますが、この数字以外にないとするならば、生活保護世帯のいまの認定基準、これを生活保護世帯と準生活保護世帯とに分けてお知らせをいただきたいと思います。
○中野説明員 お答え申し上げます。 まず、この調査におきますところの準要保護と申しますのは、おそらく定義からいたしまして、生活保護には該当はしないがという意味であろうかと思います。したがいまして、この調査によるところの要保護という定義の方々に対する生活保護上の取り扱いと申しますか、処遇はどうなるかという意味でお答えを申し上げたいと思いますが、生活保護法の場合には、先生御承知のとおりに、厚生大臣が、たとえばその保護を受けます世帯の人数、その方々の男女の性別あるいはその年齢、それからその所在の地域等の要素によりまして、保護基準という非常にこまかい数字を含んだものをきめまして告示をいたしております。この告示されました保護基準というのがいわば最低生活の保障の水準をあらわすものでございまして、この保護基準から当該世帯のいわば所得と申しますか、収入を差し引いたものが生活保護の金品としましてその世帯に支給される額になる、こういう仕組みになっておるわけでございます。 したがいまして、いま申し上げます数字は、そういう意味での保護基準の額が、たとえば交通遺児の世帯とどうなっておるかという、そういう一つのサンプルをとりましてお答えを申し上げますと、たとえば東京都に居住しておられますところの交通遺児であると仮定をいたしまして、たとえば母子三人世帯というふうな設例をいたしますと、先ほど申し上げました保護の基準というのは、大体月額で五万三千円程度になります。したがいまして、これはもちろん、住宅費等につきまして借間の費用が非常に高いという場合にそれを加算するというような特別措置もございますから、五万三千円をさらにオーバーする場合が往々にしてあるわけでございますが、この五万三千円以下の収入と申しますか所得の方々については、その差額について生活保護を適用いたしまして保護金品を支給する、そのようなシステムになっておるわけでございます。
○太田委員 これは佐藤政務次官、あなたにお尋ねしますが、漁船海難遺児育英会というようなものがあるのを御存じでございましょうか。漁船海難遺児育英会、これはやはり遺児でございますが小中学校並びに高校生徒に対しまして、四十八年度三千九百五十人に奨学金を給付しておるのですここも非常に基金が足らなくて困っておるのでありますが、漁船の海難ですから海の交通遺児といえばそういうことなんです。これに対して何か御配慮をお考えになったことはありますか。
○佐藤(文)政府委員 残念ながらまだ私聞いておりません。
○太田委員 そこで、これは運輸省にお尋ねいたしますが、自動車局長、千五百人、一万六千八百五十人の大体生活保護世帯と認定される家庭の遺児に対して千五百人を対象として貸し付けを行なうというのでありますが、この育英資金的な貸し付けは千五百人ということは、一年ぽっきりのものじゃございませんから、ことし千五百人貸し付けを終わりますと来年もそれが続く、その次も続くとまず見ていかなければなりません。予算書等を見まして、計画案によりますと、千五百人に貸したら新しい人がなかなか貸し付けを受けることが困難だ、こういうものになろうと思うのでありますが、その点いかがですか。
○小林(正)政府委員 この交通遺児の貸し付けの対象者をどのくらいと見たかということについて一応の目安といたしまして一年間に千五百人というようなことを、これは予算としては当然単年度それぞれの年に予算を編成するわけでございまして、現在千五百人の予算というものはまだきまっておるわけでないわけであります。ただ、こういったセンターをつくる際の一つの目安、見通しといたしまして、事務的に一つの見通しを立てたにすぎないわけでございますが、その際、交通遺児の数あるいは要保護世帯の割合というようなものを勘案いたしまして、また、全体の資金貸し付けワクというようなものを考慮しながら、平年度千五百人ということを計画いたしたわけでございます。いままでのたとえば高校生を対象といたしました交通遺児育英会などにおきましても、現在では三千数百人、約四千人程度の方が貸し付けを受けておるようでございますが、やはり発足当初は非常に少なくて、それの十分の一ぐらいというようなことから発足したわけであります。 私どもといたしましては、この千五百人という数字はそういったようなことから絶対的なものではございませんで、今後の貸し付け応募の状況あるいはその他の立てかえ貸し付け等の資金ワク等とも関連させまして、必要な場合には当然貸し付け対象者数をふやす方向で予算上努力すべきであると思いますし、また、そういったことは可能かと思うわけでございます。
○太田委員 予算上努力をなさる。どこからかひねり出すというみみっちい話でなくして、五億円の年間貸し付け予算というものは、ワクを大幅にふやさないことには、他の一時立てかえ金もあることですから、育英資金が千五百人以上ふえるという可能性は非常に薄いのです。これは玉井さんがおやりになります育英会でも、高校に四千五百人、大学に二百人、これだけやってなおかつこれでは足らない、足らないとおっしゃるときに、小中学生に対して千五百人というようなみみっちいものでは何とも情けないと思うのです。せっかくおやりになるならば、最初千五百人、来年はこれだけ新たにつけ加えてというようなぐあいに量が飛躍的にふえていくようにお考えいただきたい。一ぺん貸したら同じ人に継続して更新して貸し出しするだけだという業務だったら、こんなたくさんの機構は要らないじゃありませんか。そこのところは私は問題だと思うのです。全国に市が六百四十三あるでしょう。六百四十三市で千五百人、割ってごらんなさいよ。東京都も一市と見て、平均して一つの市に二・三人じゃありませんか。そんなことでどうやって選定してやるのですか。それはもうスズメの涙の制度、あるといえばある、ないといえばない制度でございますね。ここのところが今度の一つの眼目であるのにかかわらず、私どもとしては、あまりにもそれが小さいので意に満たないわけです。これで育英資金は貸し出しておりますと宣伝されたらかなわない。一つの市で二・三人。 そこで、これはあとでまた自賠保険のところで少し議論していきたいのでありますが、資金を飛躍的に増加させて予算規模の拡大をはかれるように考えたい。それはおそらく大蔵省が反対をしているじゃないかと思うのです。大きな規模、数字を出すと、運輸省のほうにそんなに出すわけにいかない、こういうことであろうと思うのですが、いいことはいいのですから、これこそ大きいことはいいことですよ。ここのところはとことんまでひとつ運輸省としてはがんばり抜いていただきたいと思う。中卒、十五歳になって就職することは考えられませんから、十五歳になりましたときには、高校へさらに引き続いて行くときには玉井さんのほうの育英会にバトンタッチ、向こうでも借りるということになれば、返済は実行できませんから、その際にはやはり返済猶予を認めるとこの間お話しになりました。この貸し付け金の契約の相手側というのは一体だれでございますか。
○小林(正)政府委員 貸し付けの対象者は遺児本人にいたすことにいたしておりますが、実際の契約を結びます場合には、親権者あるいは後見人が法定代理人となりまして契約に当たることになるわけでございます。
○太田委員 そうすると、母子家庭がほとんど大半だと思いますが、おかあさんが借り受け人となり、返済義務者である、こういうことでございますね。
○小林(正)政府委員 さようでございます。
○太田委員 したがって、おかあさんとてもますます高校へ入ればお金が要るのですから、奨学資金の貸し付けという制度はさらに小中学校から高校、大学へとつないでいく制度をはっきりつくらなければならぬということになる。 忘れないうちに聞いておきますが、これは次官大臣にかわって答弁してください。交通遺児育英会に三千万円補助金を出していますね。きのうもここで参考人として玉井専務理事がおいでになりまして、内容のことで非常に苦しいお話をなさいましたが、あなたもどうも千五百人しか出せないというところで、心の中では、うん千五百人ではまずいけれども大蔵省の目が光っているししかたがない、まあそのうちに、こういうことでしょうが、政府の事情は政府の事情として私ども率直にそれを客観視しておりますが、育英会のほうに対しても三千万円の補助金というのは少な過ぎる。運用益から三千万円でしょう。これはもっともっとふやすというようなことは、この際こちらのほうはありませんか。
○佐藤(文)政府委員 当然その増額のことについては今後前向きで考えていくべきである、こう考えております。
○太田委員 そういうことにしてほしいと思います。非常にいいことですね。いいことは急いでやるべきだと思います。 そこで、自賠責保険の問題につきましてお尋ねいたしますが、日本人の生命が安いということはほんとうに世界的に概念として普遍普及されておるような観念でありまして、アメリカなどは自分のほうではたいへん高い保険制度をつくっておりますね。何千万円、三千万円、五千万円というような保険制度をつくっておる。ところがアメリカのほうは、日本人に対して見るというと、日本人というのは生命なんか安いものだ、自賠責保険だって安いじゃないか、たった五百万円じゃないか。だから現在問題になっておりますけれども、ノースウエストの飛行機会社が争議をやっています。いまも争議をやっている。あそこの東京支社長は、日本の労務者に対してどんなことを言っているか。われわれはビフテキを食べていかなければ生きていけないけれども、おまえたちはうどんを食べていればいいんじゃないかということを言われたということが伝えられております。そういうように日本人は何もかも人間並み以下の扱いをアメリカから受けておるというところに、いまノースウエストの争議の深刻さがあるのですけれども、これはまた日を改めて聞きます。聞きますが、この自賠責保険というものは、五百万円に限度を置いたということも、あの当時では進歩でありましたが、今日とても間に合うものではないということは何回か言われておる。そこで、高額の保険金というものは一体どういう性格を持つものだろうか。高額保険にすることによって事故が抑制されて、安全運行ということが側面から援助される、こういうものじゃないだろうかと思うのですよ。 これはちょっと警察庁に聞いておきたいのですが、アメリカでは、自動車で人をひいたときには殺人罪と言われておるそうですね。日本のほうは業務上過失致死ですね。この区別はどういうふうにわれわれは理解したらよろしいのですか。
○寺尾説明員 お答えいたします。 アメリカで殺人というのは、私もちょっと不勉強でよくわからないのでございますけれども、自動車が危険なものであることは間違いないのでございますが、しかし、社会的に有用だということで、許された危険の範囲内で運転者がやって、そしてたまたま事故が起これば、それは過失ということで業務上過失になっております。ただし、私どもにおきましても、非常に酔っぱらって人をひくとかいったような交通事故につきましては、未必の故意ということで殺人罪を適用することもやっておるわけでございます。アメリカの点は、ちょっと私不勉強でございます。
○太田委員 それは別に寺尾参事官にここで高尚な学説を披露してほしいと思うのじゃありませんが、日本は業務上過失致死ということで、何か罪の観念が一段低くされておるような感じです。そういう点で、自動車で人をひいた場合にはやむを得ないのだという気持ちがもしあるとするならばたいへんだ。少なくとも自賠責保険の限度額の引き上げを大幅に行なうことによって、千五百万円とか、少なくとも即時一千万円は必要でしょう。そういうことを行なうことによって安全運行がおのずから心理的にも達成されるようにすることは必要なことだ。 そこで自賠責保険の会計についてお尋ねしますが、これは国が保険料の一部を負担しておるという何かがあるのですか。
○小林(正)政府委員 保険料の一部を負担するということはございません。保険料は、当然保険契約者が保険料を払うわけでございます。
○太田委員 そうすると、自賠責保険運用について国の予算というのは……。
○小林(正)政府委員 保険料はただいま申し上げたようなことでございますが、この保険制度は強制保険になっておるというようなこと、あるいは当初いろいろな理由がございまして、その六割を国が再保険をする。したがって六割部分については、国営保険のような形で実際運営しておるわけでございます。この再保険というものにつきまして再保険特別会計というものを設けておりますので、その特別会計を実施いたします事務経費につきましては、国の一般会計が負担をいたしておるわけであります。
○太田委員 それは幾らくらいですか。
○小林(正)政府委員 ちょっといま調べますから……。
○太田委員 私は、保険料をドライバーの自前で保険金も自前であるということについては、新しい近代の保険の構造論として一体それでいいのかどうか疑わしいと思うのです。それはあとで議論しましょう。しかし、自賠責保険は強制保険ですから、この金額を高めることが少なくとも交通戦争を防止することになるのだということは、私はそう信じておるのですが、自動車局長、運輸省のほうじゃどうですか。
○小林(正)政府委員 保険金の限度額を上げるという問題につきましては、これは被害者保護の観点ということから、当然積極的に検討すべき問題だと思っておるわけでございます。どのくらいにするかというようなことにつきまして、いろいろ事故率等の推移の見通し、そのほかこまかい算定上の作業をいたしまして、できるだけ早い機会に政府部内にございます自賠責審議会にもはかりまして、この問題に取り組んでいきたい、こう思っておるわけでございます。
○太田委員 私は、自賠責の限度を引き上げるということは、被害者保護ということだけではないもっと積極的な意味においてこれは交通戦争の抑止だ、こういうことにまでならなければうそだと思っている。これは少し抽象論ですからよろしいです。 そこで自賠責保険のノープロフィットの原則ですね。この原則についてのお尋ねをしますが、この原則というのは、いうならいまのところはそうなっておらぬわけですね。黒字になっておるところがあり、赤字になっておるところがあるでしょう。
○小林(正)政府委員 保険料の収入で全体の保険金をまかなっていくべきこの保険の性格でございますが、単年度で見ますと、四十五年から黒字になってまいりました。しかしながら、従来の赤字、累積赤字がございますので、これがほぼ今年度内に解消するという見通しが一応立っておるわけでございます。
○太田委員 それは農協共済の場合は、だいぶその成績がよろしいじゃありませんか。
○佐々木説明員 農協の自賠責共済事業の収支の状況でございますけれども、自賠責の収支残額を見ますと、四十一年度の契約分につきまして二十七億一千四百万円、四十二年度の契約分につきまして十九億六百万円、四十三年度の契約分につきまして十五億二千八百万円、こういうふうな形で収支残額が出ております。
○太田委員 運輸省の自動車局長さん、農協共済の場合はそういうふうに非常に、成績がいいということばは使っていいのかどうか知りません。成績のいいということは、本来は使うわけにいかないでしょう。これはあなたからお答えいただくか、それとも、大蔵省の安井保険部長さん来ていらっしゃいますね、保険部長さんからお答えいただきたいのですが、再保険された分は、いま現在赤字だとか累積赤字があるとか、損保の保険会社のほうは赤字だとか、いろいろ言っておりますが、農協共済に対しては黒字であるということですね。これは保険全体から考えて、ひとつこの辺で何か考えるべきときが来ておるということになるのではないでしょうか。
○安井説明員 先生御指摘のように、農業協同組合の自賠責は黒字になり、それから政府と申しますか、損害保険会社が扱っております分、つまり損害保険会社自身で保留している分と国の再保険でしている分と両方合わせまして、四十六年度末でまだ赤字が残っている。その理由というのは、実は事故率が、農業協同組合がやっております自賠責共済と、それから保険会社のほうがやっております自賠責保険とでは、片一方は農村地域が中心になりますし、片一方は都市区域も含まれておりますために、事故率が違うわけでございます。しかし、それでは保険料率を両方、農業共済の場合とそれから損害保険会社、これは国の再保険分も含めてでありますが、これを変えたらどうかという議論もあるわけでありますけれども、国全体としてこの自賠責を運営していくためには、この保険料率を変えますれば差が出てしまいまして、全体の保険計画としてうまくいかない、こういうところに問題があるわけでございます。
○太田委員 保険部長さん、もうけてもいけなければ損してもいけないという、収支とんとんをもって理想とする保険の収支という原則を見てみますると、いまのお話でいくと——四十七年度の推定でございましょう、四十七年度推定累積赤字が幾らとかいう話ですが、だいぶ黒字化してきておるという話ですから、これはもうけるということはあり得ない保険でありますから、この辺で限度額の引き上げは当然日程にのぼり、しかも、相当大幅に上げなきゃならないという世論にこたえるということは必要だと思う。もうけても損をしてもいけないという原則については、いまさらこれは変えることができるわけじゃありませんから、そういうことでしょうね。
○安井説明員 先生御指摘のとおり、ノーロス・ノープロフィットという原則を変えるわけにはまいらないと思います。むしろ、現在損害保険会社が使っております事務経費のほうが赤字になっておりまして、いま問題になっております純保険料のほうが、先ほど来お話になっておりますように、四十七年度末に黒字で片づくだろうという一つの推定があるというのが現在の状況でございます。
○太田委員 そこで、農協のほうが九十八億のいろいろな御寄付をなさいましたね。それで、そういう医療費に寄付されるとか、それからあるいは救急車を寄付なさったということは、私はいいことだと思います。いいことだと思いますが、運用益の使い方というものについては、もっともっと総合的に考える必要があるじゃなかろうかと思うのです。先ほどから申し上げておるように、今度のセンターにおける交通遺児への貸し付け金もわずか千五百人、一つの市に平均して二・三人、こういうようなみみっちいものでありますし、交通遺児育英会のほうに対しましては三千万円というふうにふやしたとおっしゃっても、たかが三千万円。こういうことでは何だか画竜点睛を欠くような気がしてしようがない。その点について大蔵省保険部長さん、どうですか。あなたのほうはそういうものをもっと常識に合うようにふやすことについては異議はないですか。
○安井説明員 自賠責の運用益につきましては、先生も御承知のように、昭和四十四年の自賠責審議会におきましても、保険料率の引き下げに充てるほか、救急医療施設の整備等適切な使途に用いるべきであるという答申もあるわけでございますので、十分運輸省とも御相談をして、私ども、保険会社のほうがお預りをしております運用益についてもその使途を考えてまいりたい、かように考えております。
○太田委員 これは運輸省にお尋ねをいたしますが……。 〔発言する者あり〕
○久保委員長 静粛に願います。
○太田委員 今度のセンターに出資金として求められたのは、損保から四千万円、それから農協共済から一千万円、合わせて五千万円でございますね。農協共済というのは非常にもうかっていて、何もそう遠慮して一千万なんていう金だけを——形だけ出資者になってくださいとあなたのほうが頼まれたような気がするのだが、もっとあなた、先ほどのように、遺児貸し付け金だって原資が足らない足らないということであんな千五百人ということになっておるのだから、〇・一億ということでなくて、一億でも二億でも三億でもよろしかったのではありませんか。なぜ遠慮なさったのですか。農協を加えることに対してあなたのほうが何か逡巡されたのでありますか。
○小林(正)政府委員 このセンターをつくります際の出資金の額、構成の問題でございますが、この額につきましては、このセンターが将来施設を整備するということで、主として適性診断用の機器等になると思いますが、こういったものにつきましてこれは出資金でまかなう、こういう構想になっておるわけでございます。それで三カ年間に九億という金で施設整備をいたしたい。この施設整備費に充てるための出資金、一年間三億という見積もりをいたしたわけでございます。したがいまして、その際に国から二億五千万、その他同じ自賠責の仕事をやっております損保あるいは農業協同組合から残りの五千万ということで、合わせて三億、こういう計画にいたしたわけでございます。 なお、五千万のうち、損保関係が四千万で農協関係が一千万という点については、保険の規模等からおおむねその程度が適当ではないかというように考えておるわけでございまして、特別に申し入れに対してこれを断わるとか、あるいは特に無理して多くするとかいう特別な折衝等は何らございません。
○太田委員 あなたのお話を聞いておきますけれども、一千万円ばかり出して、しかもこの予算で見ますと、民間出資金はことし、来年、再来年と三年だけですよ。この出資金は、もっと思い切ってとるか、長期にわたってとるか——とるというとおかしいですね。いただくか。それくらいのことがあっていいじゃありませんか。そうでないと、これは事業はできませんよ。金が足らなくて事業が少ないのだから、もっといただいていいところからいただいたらどうですか。そして、たとえば漁船の海難遺児育英会にも少し金を出そうとか、あるいはまた、高校あるいは大学の交通遺児育英会のことも考えて、いろいろあるじゃございませんか。それは大いにあなたも考えられていらっしゃるだろうし、遠慮する必要はないですから、今後考えて、また要請するところは要請してください。 その次にお尋ねしたいのは、この事業計画ということですが、事業費という予算がございますね。この事業費というものを見ますと、事業費の全予算の七五%が人件費ですね。一億五千万の七五%。その事業費が来年になるとさらにことしよりもふえまして、八億六千八百万。五十年は十一億五千六百万。五十一年は十二億四千八百万。五十二年は十三億五千八百万となりますが、全予算の五〇%から七〇%へと事業費のウエートが上がっていくわけです。これはほとんどが人件費でございますか。
○小林(正)政府委員 このセンターの主たる業務は、大きく分けまして適性診断の業務、それから貸し付けの業務、この二つでございます。この適性診断の業務につきましては、先ほど御説明いたしましたような出資金をもちまして、創業時に必要な施設費をまかなうわけでございます。したがまして、センターの発足後かかりますいわゆる毎年の事業費というものにつきましては、適性診断の業務に当たる職員それから貸し付け業務に当たる職員の人たちの人件費というものが全体の中でかなり大きなウエートを占めることになることは、業務の性格から当然出てくるかと思います。したがいまして、人件費以外の事業費というものは、このセンター運営に伴います事務所の借料であるとかあるいは消耗品費であるとか、通信費であるとか、そういったようなものでございますので、このセンターの性格から、事業費の中の人件費の占める割合は多くなるかと思うわけでございます。
○太田委員 重ねて伺いますが、そうすると、四十八年度の場合は事業費一億五千万の中身は七五%が人件費になっておりますね。そうでしょう。だから、四十九年度からはいろいろなことをやるとおっしゃるが、その人件費というのはこの膨大な予算の中の一体何%なんですか。
○小林(正)政府委員 四十八年度につきましては年度の途中でございますが、大体それと比例するかどうか。それぞれ単年度ごとに今後予算をやっていくわけでございますが、一億五千万のうちのおおむね一億一千万ぐらいの比率に相なるかと思います。
○太田委員 大臣がいらっしゃったから、これは大臣ちょっとお答えしてくださいよ。 いまセンター法案の最終のお尋ねをしておるわけですが、事業費というのは人件費の割合が実に大きいわけです。貸し付け金なんてほんのわずかです。支出の中の貸し付け金というのはずっと五億。ところが事業費というのは、人件費がそのほとんど大半でありますが、これが来年度から全体の予算の半分以上になる。やがて七割以上になる。言うならば人件費をまかなうためにセンターがあるという形である。そんなことのそしりを受けないように、事業の充実ということをもっとやらなければいけないと思うのですが、それが明らかにされておらない。
○新谷国務大臣 先般も同じような御注意があったと思いますが、センターの仕事は、これがこれから発足するわけでございますから、いま御注意のような点を十分考えまして、その事業遂行上支障のないような予算を組み、実行するように努力をしたいと思います。
○太田委員 ぜひそのそしりを免れてくださいよ。だれが何と言ったって、そんな人件費だけの事業体なんてあり得ませんよ。 しかも大臣、あなたがいらっしゃったからもう一ぺん言いますが、天下待望、交通関係の人たちが待望しておった遺児の貸し付け金は、一つの市に直すと頭割り二人平均です。一つの市に二人しか貸し出しできない。しかもこの予算だと、一たん貸し出しをしたらあと追加ができない。それで、この予算がほとんど人件費に食われるということになってくると、役員の人事とかあるいは評議員職員人事ということはよほど気をつけなきゃならない。妙な意味の天下りの場所をつくるための法案であるとかいうようなそしりを免れるために、大臣としても将来この内容の強化ということについてはひとつ徹底的に努力してもらいたいと思うのですが、どうですか。
○新谷国務大臣 おっしゃるとおりに努力をいたします。
○太田委員 自動車局長、あなたにセンターの職員の関係で聞きますが、労使関係はどの法律に根拠を置くことになりますか。これだけをお尋ねして私の質問を終わります。
○小林(正)政府委員 特別な法律はないかと思います。一般の特殊法人の職員と同じように、労働三法のもとで労使関係が行なわれると思います。
○久保委員長 平田藤吉君。
○平田委員 私は、次の二点について御質問したいと思います。 きのうの委員会で遺児育英会の玉井参考人が述べていましたように、育英資金の貸し付け対象者は八万人にのぼっているのに千五百人は少な過ぎる、全員に貸し付けるべきだと思うがどうか。また、一人五千円というのは非常に少ない。これを大幅に引き上げるべきだと思うがどうか。以上二点についてまず御質問いたします。
○小林(正)政府委員 遺児の貸し付け対象者の数あるいはその金額につきましては、これからセンター発足後正式にきめて運営いたすわけでございますが、その際、希望者につきまして——来年度以降の予算はこれからでございますので、希望者について、そういった方々が漏れることのないように十分配慮いたしたいと思うわけでございます。 なお、五千円という一応の予定の金額につきましては、他の貸し付け制度等との均衡もあるかと思いますが、そういった点につきましても、御趣旨の線を体しまして今後正式に決定していきたいと思っているわけでございます。
○平田委員 今後とおっしゃいますけれども、見通しなどについて聞いた際にはあんまり変わりないんですよ。結局、ここに出されている遺児に対する貸し付け金にしても、これは名目上の、つまり交通事故対策センターという体面をつくろうためのものにすぎないということになってしまうと思うんです。 一方、事業用自動車の運転者に対してだけ適性診断を押しつけております。実は法案全体を読んでみると、さっきも人件費が多過ぎるという問題がありましたけれども、人件費が多過ぎるという結果になってくるのも、実は相当数にのぼっている事業用自動車の運転者に対してだけ適性診断を押しつけている、ここのところにやはり問題がある。この法案もここに重点が置かれているんではないかというように思うが、どうですか。
○小林(正)政府委員 人件費が多いという御指摘でございますが、このセンターの業務のおもな内容が、先ほど来申し上げますように、適性診断をいたすわけでございます。その施設費、これが一番たくさんかかるわけでございますが、これにつきましては、出資金でまかなうということにいたしておるわけでございます。 それから、貸し付け金の規模の問題につきましては、今後、応募された方が漏れることのないように十分な資金ワクは確保していくつもりでございます。そういたしますと、いわゆる会計的な正確な意味での事業費というようなものは、この適性診断施設を運用する人たちに要する金あるいは事務所経費ということで、結果的に事業費の中では人件費が多いということを先ほど御説明をしたわけでございまして、センター全体の資金計画の中におきましては、当然、施設の整備費とかあるいは貸し付け金の貸し付けワクといいますか、そういった資金等が一番多いわけでございます。
○平田委員 この交通事故対策センター法案は、義務教育課程の交通遺児に対し育成資金の貸し付け、被害者への貸し付けを制度として盛り込んだ点で、いい面を持っているというように考えるわけであります。自動車による交通事故は多少減ったとはいえ、年間約一万五千人の死者を含む九十万人の犠牲者を出しており、依然として交通戦争といわれる事態に変わりはありません。犠牲者の家族は塗炭の苦しみにおそわれております。交通遺児は毎日三十人、年一万人もつくり出されております。その被害者と交通遺児に対する国の援助はないにひとしかったわけであります。おそまきながらこの法案でそれが取り上げられたことはいいことであるというふうに考えます。 しかし、その貸し付け額、貸し付け対象者定数ともに全く少ないといわざるを得ません。その上他方では、事業用自動車の運転者に適性診断が義務づけられ、その運用いかんは、運転者の生活権をおびやかす結果を生む内容を含んでおります。こういう点については、私は絶対に反対であります。 また、この法案には、事故原因となる過積み問題や運転者の労働条件、賃金制度、交通安全施設など、事故原因となる諸条件の除去については全く触れられていません。これでは、交通事故をなくすことはできません。センターの役員についても、犠牲者の代表の参加が保証されておりません。さらに、事故の際の救急対策、救急病院や脳外科の体制が含まれていないことは重大な欠陥であります。 以上のように、この法案は、われわれが賛成できる面を持ちながらも、事故対策センターというには重大な欠陥を持つものであり、私は、日本共産党・革新共同を代表して、棄権することを表明し、質問を終わります。
○久保委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○久保委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 自動車事故対策センター法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久保委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○久保委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、野中英二君外三名より、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。野中英二君。
○野中委員 私は、ただいま議決いたしました本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 自動車事故対策センター法案に対する附帯決議(案) 政府は、自動車事故及びその被害者の実態にかんがみ、自動車事故の発生防止と被害者の保護を図るため、次の事項を推進すべきである。 一 自動車事故対策センターの運営にあたっては、広く事故防止対策事業の実施に対し、十分な資金を充当するよう配慮すること。 また、交通遺児等に対する貸付けの金額、条件及び範囲等については、被害者の保護が十分図られるよう措置すること。 二 自動車運転者の適性診断については、自家用自動車の運転者についても関係の機関、団体が協力してその充実に努めること。 三 自動車損害賠償責任保険制度について、保険金の給付限度額を引き上げるとともに、損害査定基準を実情に即するよう改定すること。 また、保険料率については、事故防止対策の見地を加え、その合理化を検討すること。 四 自動車損害賠償責任保険の黒字基調転換の原因が交通安全諸対策の結果である実情にかんがみ、その運用益の活用にあたつては、救急医療体制の拡充整備並びに交通安全の推進に努めている諸機関、諸団体に対し助成措置の強化に努めること。 五 自動車事故対策センターの役職員の選任については、本法案の趣旨にかんがみ十分考慮すること。 右決議する。 以上の附帯決議の趣旨につきましては、すでに質疑の過程で十分論議されており、委員各位には御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ御賛同賜わりますようお願いいたします。(拍手)
○久保委員長 以上で趣旨の説明は終わりました おはかりいたします。 本動議のごとく附帯決議を付することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。新谷運輸大臣。
○新谷国務大臣 ただいまは、自動車事故対策センター法案について慎重御審議の結果、御採決をいただきまして、まことにありがとうございました。 また、附帯決議の内容につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、誠意をもって実施に当たる所存でございます。 まことにありがとうございました。(拍手)
○久保委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○久保委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十八分散会