建設委員会 第32号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/09/07
会議録
○服部委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 水源地域対策特別措置法案審査のため、本日、水資源開発公団総裁柴田達夫君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○服部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人からの御意見は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。 ————◇—————
○服部委員長 次に、内閣提出、参議院送付、水源地域対策特別措置法案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北側義一君。
○北側委員 まず、この法案の審議に入ります前に、私は、建設大臣の公共事業の推進にあたっての基本的な政治姿勢、これから先にお聞きしてまいりたい、かように考えております。と申しますのは、御存じのとおり、道路行政にいたしましても、この水源地対策の行政にいたしましても、住民の反対運動その他、これからの公共事業の推進というものが非常にむずかしくなってくるのではないか、このような面で、先にこの基本的な姿勢をお伺いするわけであります。 憲法二十九条の第一項では財産権の不可侵性を規定しております。そうしてなお第二項では、「財産權の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」このように規定されております。また第三項では、「私有財産は、正當な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」このように規定されておるわけです。これは第一項のいわゆる財産権の不可侵性に対して、第二項、第三項というのは必要限度の制約を認めておる、このように私は解釈しておるわけです。またこれらの条文とは別に、他の条文におきましても、基本的人権についても明らかにされておるわけです。 そこで、先ほど申し上げましたとおり、高速道路の建設反対の住民運動、またダム建設反対の住民運動、このようなことで、これからの建設行政における公共の福祉と基本的人権の調和、これは非常に重大になってくるのではないか、このように私思っておる次第です。そのような点について、まず建設大臣からその行政に対する政治姿勢をお伺いしたいと思います。
○金丸国務大臣 ただいま、公共事業を推進する上についての基本的人権というようなことについての御質問のようにとるわけでございますが、ただいまダムの問題が提案されておりますので、その件に関して考え方を申し上げたいと思うわけでございます。 大規模のダムを建設するということは、その周辺の基礎条件に著しい変化を来たすと思うわけでありまして、また関係住民の生活環境が変わってきたり、生活水準が維持できなくなってみたりすることもありますし、また、いままでダムをつくるということによって、その周辺地域、水没される地域の住民というものがその利益の効果を得るというものは少なく、むしろほとんど下流にあるというようなことであったわけでありまして、そういうようなことがこのダム建設にも非常に支障を来たしておるということであろうと私は思うわけであります。そういうことを考えてみますと、その水没される地域住民の生活環境あるいは生活設計、生活再建というような問題についても、ほんとうにあたたかい思いやりのある行政をやらなければならぬ。そういう意味で十二分に人権を尊重して、ほんとうに、私がいつも申し上げることでありますが、対話のある道路、対話のあるダムというようなものをつくっていくということが基本でなければならぬ、こう私は考えておる次第であります。
○北側委員 私は、今日までのいわゆる公共事業、これをずっとながめておりますと、どうしても経済優先の行政が推し進められているように思うわけです。これからのそういう公共事業につきましては、あくまでも住民福祉優先の行政、こういう考えに立った行政でなければ、やはり公共事業を推進していくにあたりまして非常にいろんな困難にぶち当たるのじゃないか、かように考えております。 本法律案におきましても、先般来大臣が、参議院におきまして審議された場合、また現在衆議院で審議されておりますが、先般の委員の質問に対して、やはりこの水資源対策は万全であるとは思っておらないというような御答弁をなさっておられるわけです。私、どのような点が欠けておるので万全でないのか、どういう点が欠けておるのか、この法案については。その点をお伺いしたいと思います。
○松村政府委員 お答え申し上げます。 この法律につきまして万全ではないということでございますけれども、現段階におきましては必要な事項につきましては網羅したつもりでございます。ただし、われわれといたしましても、この法律の内容として、これが全部が全部、もちろん満足しているわけではございません。単にこの法律のみならず、公共補償全般に関連する点もございます。この法律のみで解決する点のみではなくて、こういう問題についての全般的の検討も必要とするということで、単にこの法律のみでは解決しない点が幾分残っておるのじゃないかというように感じておる次第でございます。これらにつきましては、今後われわれといたしましても必要なことにつきましては検討を進めまして、またさらに現実の問題といたしまして、これは運営におきましても、こういうところに問題が残らないように解決していこうというふうに考えておる次第でございます。
○北側委員 いまの御答弁では、他の分野におけるところの調整とか、そういう問題が欠けておるのでこれは万全でない、このようにお答えになられたように思うのですが、たとえばどういう面ですか。
○松村政府委員 たとえば補償の問題につきましても、一つは、現在の補償基準の基本に流れているものはやはり財産補償でございます。しかし、問題は、この財産補償のみでは解決しない点もあるんじゃないかというような点、それから生活再建等の問題につきましても、この法律では許す限りのことは入れているつもりでございますけれども、ただし、これが一つのところの権限で全部が解決する問題ではありません。したがいまして、これらは関係各省庁と協力してやっていくという姿勢をとっておるわけでございますけれども、これらを一元化するというようなこともあるいは必要ではないか、将来としては。そういうような点も多少問題として残っておるのじゃないかというように考えております。
○北側委員 大体いま言われたような点に私もあろうかと思うわけですが、まず、このダムをつくる場合におきましても、その実施にあたりまして最大の難関というのは、まず用地確保であろうと思うのです。御存じのとおり、比較的僻地にダムの建設用地がある。そういうところに住んでおられる人は、ずっと昔から、先祖代々ずっとそこで生活をなさってこられたわけです。生活の根拠になっておるわけです。そこでそういうダム建設について立ちのきが行なわれるわけです。そうしますと、どうしてもそこで大きな一つの生活の変化というものがこれは起こってまいるわけでありますが、そういう点がやはり一番大きな、地元住民にとりましては反対する原因になっていくのではないか、このように私は思うわけです。それを推進しなければいけないたとえば都道府県にしましても市町村にしましても、住民を納得さすには納得さすだけのメリットというものがやはりなければ、市町村にしたって都道府県にしたって住民を納得さすことができないと思うのです。どうしても傍観者的な立場をとらざるを得ない、このようなことがあるのじゃないか。そういう点を補うために今回の法律案ができておる、このように私は理解しておるわけですが、一番問題なのは、このような法律ができましても、それを実施するにあたりまして、関係官庁、こういうところが連絡を密に行なわなければなかなかこれは実際はできないのじゃないか、このように私は思っておるのです。そういう関係省庁間または地方公共団体の協力体制、こういうものについてどのように対処していくのか、これを伺いたいと思います。
○松村政府委員 お話しのとおり、関係各官庁——行政機関でございます、等の協力が非常に必要だということになるわけでございますが、これにつきましては、中央におきましては水源地の問題につきまして関係各省庁によります一つの連絡協議会、こういうものを昨年からつくっております。こういうようなものをも活用いたしまして、基本的な問題については連絡をやっていく。それからまた個々の問題につきましては、それのまた幹事会といったようなものもございまして、さらに下部機構的なものもございます。また地方的な問題になりますと、建設省がつくっておるダムでございますと地建等が中心になりまして、その付近のあるいは農林省関係あるいはその他の関係の出先機関等が集まりまして協議会というものもつくっております。こういうようなものも活用いたしまして、基本的な問題あるいは個々の問題、それぞれ連絡を密にしてやっていきたいというふうに考えております。
○北側委員 この点がうまくいかなければこの法律が生きてこないわけですね。そういう点でお尋ねしたわけです。 やはり、先ほどおっしゃっておられたとおり、この法律案が万全でないというところには、一つは私は、現在の損失補償基準というものが対価補償制度になっておる、ここに大きな問題があるのじゃないかと思うのですね。 〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕 そういうダム建設なり、たとえば道路建設でも同じですが、ダムの場合は根こそぎいかれるわけですから、そういう場合、生活が変化することはどうしようもない。そういう考え方に立った場合、やはり現在の損失補償基準によるところの対価補償という考え方、これはやはり改めなければいけない時期が来ておるのじゃないかと思うのです。そうしなければ、これから長期にわたっていわゆる水資源というものを考えてみた場合に——この法律案が通ったら、それはなるほど一歩前進のそういう行政ができるでしょうが、しかしいままでもそういうことはある程度はやっておられたわけですから、それは法律にぴしっと整備されたということですね。いままで全然やっておられぬことじゃないのです。そうでなくてもやはり個人的な問題になってまいりますと、現在の対価補償の問題これを、こういう日本の将来における水資源の需要、こういう見通しに立った損失補償基準の考え方というものにやはりここで改めなければ、非常にむずかしい事態におちいるのじゃないか、このように私見ておるわけなんですが、その点、どうでしょうか。
○大塩政府委員 損失補償基準の問題についてお答えいたします。 現在、私どもは損失補償につきまして、お説のとおり金銭による財産上の損失を補償する制度をとっております。しかしながら、だんだん公共事業が大規模になったりいたしますと、財産権に対する補償だけではなかなかうまくいかない場合があるということで、事情の許す限り、施行者、あるいは国や地方公共団体等が生活再建あるいは環境整備等の措置を講じていくという必要が、最近特に公共事業等の大型化に伴いまして、その要請が高まってきておるのでございます。しかしながら、損失の補償というのはあくまでも財産権に対する補償でございますので、したがって、いま申しましたような要請は高まっておりますが、現在のたてまえからいいますと、この補償と別個の援助措置あるいは施策といたしまして、これをあわせ並行して行なうというような考え方でやっておるような次第でございます。
○北側委員 この問題がやはり非常にむずかしい問題じゃなかろうかと思うんです。いわゆるダム建設でその場所を追い出される。金銭的な、いわゆる対価的な補償だけでは、仕事をやる行政マン、その当事者ですね、この人たちが話しに行っても、むずかしい問題が非常に出てくるのじゃないかと思うんです。そういう面から考えますと、やはりこれからの行政のあり方としては、一歩そこまで突っ込んだものの考え方によらなければ、この法律がかりに適用されても、それは一歩前進の姿であったとしても、それは万全ではないと私は思うんですね。そういう点を何とかひとつこれから検討して、考慮してやっていかなければ、需要の見通しは立っておりますが、その需要を満たすだけの水源地対策はできない、このように私見ておるわけなんです。そういう点を特に今後検討していただきたい、このことをお願いしておきます。 それと、わが国の河川につきましては、ある外人がわが国の河川を見まして、川でなくて全く滝である、このようなことを言った人がおるらしいんですが、そういう急流でありますので、同じダムをつくりましても、大陸あたりでつくるダムと比べて、ダムの貯水効率が日本の場合非常に悪いわけですね。それとあわせて、そういう急流であるがために、貯水池のいわゆる寿命といいますか、そういうものも、土砂の流入等によりまして貯水効率が非常に悪くなってくる。この問題につきましては参議院でも論議されたと思うんですが、この土砂の流入防止対策としては現在どういう手を打っておられるのか、それをお伺いします。
○松村政府委員 先生御指摘のとおり、日本のダムにおきましては、ダムの大きさに比べまして水のたまる量は非常に少ない。確かに地形上の問題はございます。それでこれに流入する河川、これも比較的急流でございます。したがいまして、この流入土砂量というものも比較的多い。こういう関係から、まず貯水池としてのダムをつくる際には、この流入する土砂の量を推定いたしまして、これが十分にたまっても効用を失しないように、そもそも計画段階においてから考えておるわけでございます。しかしながら、その後の流域の状況の変化その他によりまして計画どおりにたまっていないで、一時に流入土砂が多かったというダムの例もないわけではございません。特に小規模のダム、これは貯水を目的というよりも取水を目的にするダムが多いのでございますが、こういうダム等におきましては数年にして満ぱいになっているという例もございます。しかし大きなダムにつきましては、こういう例は比較的少ないわけですね。しかしながら、やはりこれの流入土砂を防止するということは非常に重要なことでございまして、建設省といたしましては、こういうダム等の存在する上流の山からの流入土砂を防止するという意味から砂防工事等を積極的に進めておるわけで、こういうことによってできる限り流入土砂を防止するということと、さらに流入して土砂がたまったダムについての対策等につきましても、必要に応じてこれを掘さくする、それで被害をなくすようにするというような措置もあわせ考え、この土砂問題につきましては極力問題の起こらぬように進めておる次第でございます。
○北側委員 それとあわせて、わが国のダムを見ますと非常に多目的ダムが多いわけです。多目的ダムのあり方として、治水目的と利水目的と、この二つがあると思うのですね。たとえば治水目的のダムというのは洪水調整をやらなければならない。また利水目的のためのダムというのは、上水道、工業用水道、また農業用水、発電、このようにあるわけです。考えますと、治水と利水の目的は全然相反するわけですね。たとえば雨季になりまして、治水目的のためであるならばこれは水を全部流しておいたほうがいいわけですね。しかしあと雨が降らないとこれは非常に困るわけです、利水の目的から見た場合には。そこらの調整が非常にむずかしいと思うのです。特に台風時、雨の多いときに、現在のこういう多目的ダムの管理、水を出したりとめたり、そういう調整に非常に混乱を来たすのじゃないかと思うのですが、現在どのような考えでそれをやっておられるのか、それをまずお伺いしたいと思うのです。
○松村政府委員 治水目的と利水目的とをあわせて持った多目的ダム、この治水、利水間の調整というのは非常に重要な問題でございます。そもそもこの多目的ダムというものが日本で非常に採用されているということはどういうことかと申しますと、先ほど申し上げましたように、日本では地形上ダムを築造できるようなところが非常に少ない、ダムサイトが非常に少ない。しかしこのダムによりましての治水もやらなければならぬ、あるいは利水の必要にも応じなければならぬということから、両者をあわせ持ってつくったわけでございます。しかしながら、この目的にはおのずから相反する部分もございます。したがいましてこれらの調整につきましては、われわれとしては計画段階において、すでにこの矛盾を解決するように最大の努力をはかっておるわけでございます。 具体的に申し上げますと、洪水期間、これはおおむね六月くらいから九月くらいまでが多いのでございますけれども、こういう期間におきましては、主要なダムについてはいわゆる制限水位と申しまして、洪水がきたときにもそれから上によりまして洪水調節ができるような容量をあけておくというような方向でやっております。それで洪水期間が過ぎたあとの水、これをためるということで進んでおるわけでございます。したがいましてこれが全部の水を貯留できればダムの利水面からいっての有効化はもちろんできるわけでございますけれども、いま言いましたような事柄から、やはり全部の水をこのダムのみによって有効化することは現在の情勢ではなかなかむずかしい。大きな洪水がきた場合にはどうしても無効で流れる部分が出てくるわけです。したがいまして、問題はダムの容量そのものがこれを全部のみ込んでも十分なだけのダムができればいいわけですけれどもなかなかそれだけの容量を持つダムができませんので、いま言ったように治水と利水を洪水期間におきましては分けまして、その他の期間におきましては水を極力ためるようにいたしますけれどもこういうことによってできるだけの有効利用をはかっていこうという方針でいっているわけでございます。
○北側委員 これからダムを相当つくっていかれるわけですが、なるほどいま局長が答えられたとおりダムを建設する用地も非常に少ない、そういうことでどうしても多目的ダムが多くなるのではないかと思うのですが、やはり水資源という問題から見た場合には、利水だけの目的のダム建設もこれから必要になってくるんじゃないかと思うのです。そういう点を私は考えておったわけなんです。 それから実は、これは問題が変わりますが、先般建設省の河川局がまとめた昭和六十年の水需給の見通し、これによりますと、南関東、京阪神、北九州、こういう大都市圏で大体三十六・三億立方メートルの水不足になるという見通しを立てておられるわけです。この数字は聞くところによりますと、年間の実質経済成長率をうんと押えていく、そうして五百八十カ所のダムや河口ぜき、こういうものを全部つくって、その上これだけ足らないのだというようなことを私は聞いておるわけなんですが、いわゆるこの三つの大都市圏の水需給の見通し及びそれに対する対策を根本的にどのように考えておられるのか。特に東京、大阪はことしあたりも異常渇水でずいぶんたいへんなことになったわけです。この見通しについてどういうように対策をなされるのか、それをまず伺いたいと思います。
○松村政府委員 私どものほうで先月、広域利水調査の第二次報告というものを発表しております。これによりますと、先ほど先生が言われましたように、全国的に水の不足する地域が出てきております。私どものほうで、供給が昭和六十年に不足するであろうといいます地域が全国で約八地域、これで年間四十二億トンほどの水の不足が生ずるおそれがあるというふうにいっておるわけです。このうち南関東、京阪神、それからただいま先生の言われたのはおそらく北部九州のことかと思いますが、この三つの地域において三十数億トンの不足になっておるわけでございます。 それで、これらについての対策をどうするかという問題でございますけれども、これの需要を想定いたしました段階におきまして、全国を各ブロックに分けまして、このブロックにおける需要を想定したわけでございますけれども、この需要の想定の根拠になります人口につきましては、現在の各ブロック別のシェアをそのまま維持していく。いわば集中を抑制いたしまして現在のシェアを維持していくということをもとにして人口を推定しております。それから工業の出荷額、こういうものにつきましては、特に人口集中の著しい地域におきます出荷額のシェアというものを非常にしぼってきております。工場の分散をはかっておるということでやっておるわけでございます。 しかしながら、それにもかかわらずこのような不足が想定されるわけでございますので、これの基本的な対策といたしましては、水の使用の合理化をはかるということがまず一つかと思います。工業用水等におきましてはさらにこれの反復利用をはかり、回収率を高くして有効に水を使っていくということが第一、こういうことによりまして工業用水のいわゆる水の使用量を減らしていこうということ、それからまたさらに、この水の不足地域におきます用水型の工業の分散をはかる必要があるのではないかというようなこと、こういうようなことから極力需要のほうの抑制も必要だということでございます。またしかし、一方におきましては、この水資源の開発につきましても、現在想定されます計画によりまして昭和六十年の供給量を出しておるわけでございますが、これをさらに広域的な融通等をはかりまして、不足する地域の水を満たすということの検討も必要かと思います。この需要のほうの調整と、さらに開発のほうの一そうの検討ということでこの水のバランスをとらなければならないのではないかということで、今後さらにわれわれといたしましてはこの努力を進めていきたいというふうに考えております。
○北側委員 たとえば、いまお答えになりましたとおり、水の使用を合理化していく、そのうちの工業用水道につきましても反復利用していく。これは現在も各都道府県におきましては、この工水の反復利用ということについてはもうすでに相当やっておるわけなんです。工水の反復利用ができているのは現在大体何%ぐらいですか。
○天野(光)委員長代理 河川局長。——要領よく短く答弁してください。
○松村政府委員 現在の水の反復利用と申しますか、利用率は約五〇%ぐらいということでございます。これをこの六十年の計画では約六〇%ぐらいまで上げようということでございますが、さらに通産省等でいろいろ検討しておりまして、地域によっては七〇%ぐらいまで上げられるのじゃないかということでさらに検討を進めておる次第でございます。
○北側委員 実際問題としてこの計画というのは先ほど申しましたとおり経済成長率も落としておる、人口の集中度もできるだけ抑制しておる、また河口ぜき、ダム、こういうものが建設された後においてこれだけの水不足がいわれておるのじゃないかと思うのです。たしか先般のこの委員会で経済企画庁が新全総の総点検で昭和六十年の東京圏で必要な資源として水不足を推定しておるわけです。この人口集中がこのまま進んだ、いわゆる趨勢型というのですか、この場合四十一億トン、趨勢鈍化型で二十一・七億トン、こう発表しておりますね。ちょっと数字のほうが建設省と違うわけです。この違いはどう見ておられるのですか。
○松村政府委員 建設省でこの需要想定をするもとになっておりますものは、実は建設省の「新国土建設長期構想」という昨年の十二月に出したものでございます。それでこの数字を使っておるのでございますけれども、これにおきましての企画庁との考え方の相違と申しますか、まず人口の分布につきましては、南関東を見ますというと、企画庁でいっております分散型の一番人口の少ない部分、われわれのは二千八百九十万かと思いましたが、企画庁では二千八百七十万でございましたか、ほぼ同じでございます。ところがこの工業出荷額につきましては、先ほどちょっと触れましたが、私のほうも極力しぼっておるのでございますけれども、企画庁のほうでいう二度目の趨勢鈍化型でございますかとほぼ同じ程度でございます。したがいまして、企画庁の分散型におきましてはさらにこれをしぼっておる形になっておりますので、こういう点、われわれのほうとしてもこういうふうにさらに工場の分散というのを極力進めてできるだけ企画庁に近いように努力したいというような考え方でおります。
○北側委員 この問題につきましては、これから昭和六十年といいますとあと十二年余りですが、これは非常に重要な問題だと思うのです。 先般異常渇水で東京及び大阪等は取水制限をされておるわけですね。きのう、おととい雨が降りましたので一息ついたのじゃないか、こう思うのですが、先般ちょうど公明党の都議会議員が東京の水飢饉を解決するため、水資源調査団、これを編成して関東五県にわたって七月十七日から四日間調査に歩いたわけです。特に反対住民のなまの声を聞いて、そうして調査報告をまとめたわけです。この報告書につきましては先般私ども建設大臣にもお渡ししたわけでありますが、行った地域というのは、霞ケ浦開発計画、思川開発計画、野田緊急暫定導水路、北千葉導水路、奈良俣ダム、八ッ場ダム、滝沢ダム、浦山ダム、このような個所を調査に行ったわけです。こういう調査事項につきましても、建設省と専門の立場におられるいわゆる水資源開発公団等は十分御承知であろうと私は思うわけであります。この八つの中でも所管官庁が違うわけですね。たとえば水資源開発公団の所管分もあるでしょうし、また建設省、また霞ケ浦開発につきましては水資源開発公団のほかにいわゆる農林省の干拓事業も含まれておるわけです。この要望書及び調査内容につきまして、一応水資源開発公団及び建設省のほうに私質問通告のときに、それに対する御返答をいただきたい、このように言っておったわけですが、それはどうでしょうか。 〔天野(光)委員長代理退席、委員長着席〕
○松村政府委員 今回、公明党の東京都議会の方々の利根川水系並びに荒川水系もございますが、これらの関東地域における水資源の開発状況等の調査報告書を読ましていただきまして、非常に詳しく調べていただきまして、また問題点も指摘され、われわれとして大いに参考になり非常に感謝している次第でございます。 これらを拝見いたしまして、まず、この首都圏の急増する水需要に対処いたします水資源の開発につきまして、非常に問題点もありまして、おくれているということは確かでございます。予定どおり進捗していないわけでございますが、これらにつきましてはできるだけ今回の水源地域対策法等の成立を期待いたしまして、さらに一そうの努力をしていきたいというふうに考えております。 具体的にいろいろ申し上げますと、まず、御要望の趣旨の利根川の広域導水事業のうちの野田導水事業につきましては、昭和四十九年度完成の目途で工事中でございます。そうして北千葉の導水事業につきましては現在実施計画中でございますので、極力早期に完成をするように努力したいというふうに考えております。 また滝沢ダム、これはダムに対する基本計画が実は四十八年の一月にきまりまして、現在補償交渉を進めておる段階でございますが、これも極力進めていきたいと思います。また八ッ場、奈良俣、浦山、こういうような各ダムにつきましても基本計画を早期に決定いたしまして、早期着工をはかっていこうというふうに考えております。 それから思川の開発事業、これにつきましては四十四年度から水資源開発公団の事業といたしまして実施計画調査を実施中でございます。しかし、いろいろお調べのとおり、大谷川等からの取水に伴います下流地区への影響、こういう問題が非常に重要な問題になっておりまして、専門家による地下水調査等をやっている次第でございます。本事業を実施する際には、こういうような地下水調査等の結果を十分に検討いたしまして、下流地区に対する必要な配慮、それから地元の御協力等を得るように努力して進めていきたいと思っております。なお、大谷川の上流の山くずれ等に対しましては、現在山腹工、流路工等の砂防工事を実施中でございますが、これを今後さらに強化していきたいと考えております。 また霞ケ浦開発事業、これは現在水資源開発公団において工事を実施中でございますが、これにつきまして特に重要な問題は、一つはやはり水質保全ということかと思います。この水質保全の関係につきましては、今回の法律が成立したあかつきには霞ケ浦に関する整備計画等もつくりまして下水道等の事業も促進いたします。また流入河川等のヘドロしゅんせつ等も実施しておりますので極力これらを促進いたしまして水質の保全あるいは改善をはかっていきたいというふうに考えております。 以上、問題の個所について触れましたが、その他の個所につきましてもさらに調査を進めるなりあるいは工事を促進するなりいたしまして、この水の供給につきまして極力努力して、水不足のないようにしたいというふうに考えております。
○柴田参考人 ただいま要望書につきまして河川局長から包括的な御説明がございましたが、水資源開発公団分の要点につきまして私から補足的に申し述べたいと存じます。 霞ケ浦開発事業につきましては現在公団が着工いたしておりますが、そのうち解決を急ぐよう指摘されておりまする漁業補償につきまして一言申し上げます。公団といたしましては、この漁業補償につきましては四十六年度中に霞ケ浦関係の三つの漁業組合連合会から事業着工の同意を得まして、さらに本年の二月にはこの三漁連に具体的な補償額を提示しております。現在、この夏の異常渇水による漁業関係の被害発生等のために交渉が中断されておりますけれども、全体として補償交渉継続中でございますので、その経過の推移を待ちまして、四十八年度中に解決をはかることを目途にいたしまして、茨城県等の関係者の協力を得て鋭意交渉を進めてまいる所存でございます。 第二に、思川開発事業につきましては現在公団が実施計画の調査中でありますが、先ほど河川局長がお触れになりましたように、大谷川等からの取水に伴う下流地区への影響について地元に不安がございまして、このために専門学者による取水影響調査も行なっております。この影響調査は四十八年度末、本年度末までにその結論が出ることを目途にいたしておりますので、その結論を待ちまして、栃木県当局とも協議をいたしまして必要な措置を講ずることといたしまして、地元関係者の理解が得られるよう問題の解決に努力する所存でございます。 第三は、奈良俣ダムについてでございますが、本年六月、公団の実施計画調査に先立ちまして、地元群馬県並びに水上町と協議をいたしまして、水上町との間に奈良俣ダムの調査計画に関する覚え書きを交換しております。公団といたしましては、地元の要望等について群馬県並びに水上町との間に緊密な連絡をはかりながら、地元関係者の理解のもとに事業の推進をはかる所存でございます。
○北側委員 いま大体お伺いしたわけですが、これはあくまでも調査に行きましたいわゆる都議会これは東京都の立場で調査しておるものですね。そういう点、いまたとえば八ッ場ダムにしましても猛烈な反対があるわけです。実際問題として、もういまのままではとても工事着工まではいかないような状況ですね。またこの前の委員会でもおっしゃっておられたとおり、霞ケ浦開発にいたしましても、下水道整備の問題と関連しまして非常にたいへんな問題になってきておるわけです。先般も言っておられたとおり、コイが三十三万匹ですか、死んだとか聞いております。 それとあわせてまた、八ッ場ダムの反対理由の中には吾妻川の水質は酸性が強く魚も住めない、生活用水として不適である、こういう理由がつけられておるが、これはどうなんですか。
○松村政府委員 吾妻川の水質は非常に酸度が高いということで、いままでこれの開発はいろいろ問題になってきたわけでございます。しかし、これはちょっと年数は忘れましたが、吾妻川の支流に品木ダムというのができておりますが、このダムの上流で石灰投入の水質改善事業を現在ずっと続けております。こういうことによりまして吾妻川の水質が改善されまして、この水を利用できるということで、すべての計画を進めておるわけでございます。
○北側委員 これは私もずっと読みましたが、やはりそういう水を利用する、いわゆる供給を受けるわけですから、受ける側がそういう反対住民の方のところへ頭を下げるべきだと思うのです。しかし美濃部さんは、いまのこういう国の水資源対策では、実際の問題としてそういうダムをつくることはできない、こういうことを言っておられるわけです。そういう点から考えまして、これらのダムが完成してもなおかつ、見通しによりますと昭和六十年には水が不足である、こういうぐあいになるのじゃないかと思うので、これは一つ一つ取り上げましても非常にたいへんな問題が含まれております。これから先相当積極的に——また、私先ほど申し上げましたとおり、いわゆる補償の基準というものもほんとうに検討しなければならない段階が来ているのじゃないかと思うのです。それがやれなければ、この生活再建措置だけではちょっとむずかしいのじゃないか、こういう見方を私はしておるのです。その証拠に、この法案につきましても現地の人たちはずいぶん反対なさっておられる、こう聞いております。 そういうことで、次にこの法案の内容に入りますが、この法案の内容にしましても、第二条では水没戸数三十戸以上、水没農地面積三十ヘクタール以上、このようにして基準がきめられておるわけです。これ以下はどうするかという問題ですね。それから第九条の「国の負担又は補助の割合の特例」において、水没戸数二百戸以上、水没農地二百ヘクタール以上、そのような基準がきめられてあるわけですね。一体こういう基準の裏づけとなったのは、どこに何が裏づけとしてあったのか。またあわせて、現在このような指定基準が設けられた場合に、これから建設されていくであろうダムにつきまして、一体第二条、第九条の関係においてどれほどのダムがこれに該当するのか。どうなっておりますか。
○川田政府委員 お答え申し上げます。 まず第二条の「指定ダム」の指定基準である戸数三十戸につきましては、一九七〇年の農業統計等によって調査しましたところ、農村集落として一番代表的な戸数は大体三十戸から三十五戸程度でございます。農村集落の中で三十五戸程度のものが四一・五%を占めているというところから、これが一つの代表的な単位であるというふうに考えたわけでございます。また同時に、各農家一戸当たりの保有農地も一ヘクタールということが、私どもとしては調査の結果統計上判定されましたので、農地は三十ヘクタール以上ということをもってまずこの法律の指定基準にしたわけでございます。 それから九条のかさ上げの対象は二百戸以上、二百ヘクタール以上ということにいたしてございますが、建設省で考えております地方生活圏の中の一番基礎的な単位でありますものは基礎集落圏でございますが、この基礎集落圏の戸数が大体二百戸から二百五十戸くらいまでの単位で、これが地域社会としての一つのある程度の完結した姿を持つ最小単位であるということから、九条かさ上げの対象にしたわけでございます。 また、三十戸未満のダムはしからばどうなるかというお尋ねでございますが、ダムをつくる場合には、大体各県庁におかれましてもすべて企画部あるいは企画調整局というような機構ができておりまして、そこで、地元の方々の地域的な、補償は別として、補償によっても完全に解決されないもろもろの問題、もちろん生活再建問題も含めまして、そういうところで十分検討し、答えを出してダムを進めているわけでございます。またいずれも国庫補助事業として実施されるのが大部分でございますので、そういった推進面で建設省あるいは各省として協力すべき面がございますならば、中央官庁でも十分そういった点をしんしゃくいたしまして、先ほど局長から御答弁申し上げました中央官庁における水資源地域対策の特別連絡協議会という場において解決していきたい、こういう考え方でおります。
○北側委員 このように指定基準がありまして、それ以下についてもやはり十分検討してやっていかなければならないと思うのですね。 それからあと第三条その他、この法案についていろいろ聞きたいこともあるのですが、参議院の議事録等を見ますと大体の答弁はわかっておりますので、もう時間もあれですから一応これはやめます。 ただ一つだけ、これは非常に愚問になるかもわかりませんが、第二条で、「この法律において「指定ダム」とは、国、地方公共団体、水資源開発公団又は電源開発株式会社が建設するダム」こうなっているわけですね。この電源開発株式会社もちろんこれは電力の需要という面から入っておるのだと思うのですが、ここらの見解はどうなんですか。
○川田政府委員 大規模なダムが建設されるケースとしましては、まず一番代表的に考えられるのは水資源開発公団並びに建設省の直轄の多目的ダム、それから農林省の利水ダム等が考えられますが、そのほか一番代表的なものは何といいましても九電力ないしは電発が建設する電力用のダムでございます。ダムということ、そしてそれによって水没地ができるという意味においては、地域社会に対する影響は同じでございますが、企業の中で全部解決すべきもの、私どもは九電力についてはそういうふうに考えてこの法律の対象にはいたさなかったわけでございます。しかし、電源開発株式会社について考えてみますと、九電力と非常に本質的に違っている面がございます。一番代表的なものは、まず株式会社という名前でございますが、七百六億円の払い込み資本のうち七七・三%に該当する五百四十六億円は国の出資にかかっております。九電力の出資は二二%ということでございます。しかも株式の配当につきましては、政府保有株式については利息は配当しない。それから九電力保有株式についても、株主総会の議決によりまして毎年配当は行なっていないという点で、まず内容的に九電力と大きな差がございます。また電力開発地点につきましてもいろいろ制約を加えておりまして、九電力の民間ベ−スでは開発し得ない、むしろ不利大規模な開発地点を国にかわって開発するというような意味合いでつくられたものでございますので、特に本法の対象にした次第でございます。
○北側委員 その場合、たとえば電源開発株式会社が建設するそのダムは、あくまでも発電用のみのダムである、そういう場合も同じですか。
○川田政府委員 先生御指摘のとおり、電源開発だけのために電源開発株式会社が建設するダムをこの法律は対象に考えております。しかし現在のところではそういった地点は非常に少なくなっております。大規模なダムが建設されるような地点におきましては、むしろ治水、都市用水等の利水も加えた、電源オンリーでなくて、多目的なダムでつくるように私どもとしては考えていきたいというふうに存じております。
○北側委員 それと、たとえば、これから先はあまりそういう電源開発のみのダムはできないというお話ですが、電源開発が行なうダム建設の補償と、それから建設省の水資源公団が行なう補償と、これは幾ぶん違うように私は聞いておるのですが、どこらが違うのですか。
○川田政府委員 建設省で出しております「公共事業の施行に伴う損失補償基準」というのがございまして、それによって建設省の直轄事業、補助事業、それから水資源公団事業等は準拠いたしまして補償を実施している次第でございますが、個々の物件の評価等につきましても、不動産鑑定士等もございますし、また住民の方々との何回にもわたる、また長期間にわたる折衝によりまして、それぞれ補償の妥結ということになっているわけでございます。九電力の体系におきましても、おそらくこの「損失補償基準」というものを踏まえながらやっているものと考えるわけでございますが、住民感情といたしましては、相手が国の場合、地方公共団体の場合、また公団の場合、全くの民間会社の場合で、やはり何らかのそういった面での差というものがあるいはあるかもしれないというふうに考えております。
○北側委員 たとえばいま言われた、建設省でつくられた「損失補償基準」それに従ってやっておられる。電源開発のほうでは礼金というのですか、そういうものも出ておるように私聞いているわけです。そういう面から考えまして、私思うのですが、一番大事なことは、なるほどこの法案におきましてこういう生活再建措置が講じられておる。これは一歩前進であることは間違いないわけです。そこで個々の補償という問題は大きなウエートを占めておると思うのです。ここらの考え方をどうしていくか。先ほど言いました建設省の昭和六十年の水需給の見通し、この不足分をきちんとやるやらぬというのは−先ほどの東京の八つの、ダム建設、導水路等を見ましても、これは非常に困難がたくさんあるわけです。ここらの問題を早急に検討しなければならないのじゃないかと思うのですが、大臣、これはどうでしょうか。実際問題として、この法律案の生活再建措置、これらでそういう措置が間違いなく全部できるかどうか。質疑をする以上はそこらをはっきりしておかぬと、何のために質疑をしておるかわかりませんので……。
○金丸国務大臣 先ほど来いろいろ御質疑を聞いておったわけでございますが、この法律はオールマイティーでないということも私は考えるわけでありまして、先ほど次長からお話がありましたように、水源地対策協議会で足らざるは補いながらやっていく、こういうことでございますが、水没する地域住民の環境、生活、生産機能というものは著しく変化していくわけでございますし、また下流のこの水によって受ける利益というようなものを考えてみますと、そういうものも算定の中に入れて、十分な補償をしなければダム建設というものは今後ますます困難になるだろうということは、私も先生の御指摘のとおりだと思います。そういう面につきまして今後とも、この法案、それで満足ということでなくて、なお一そう十分な検討をして、六十年代の必要量の水に対応できる措置を講じてまいりたい、こう考えております。
○北側委員 その点ひとつよろしくお願いします。 あとまだ質問が十問くらいあるのですが、これは次の機会に回しまして、どうしてもお聞きしたい点だけ聞いてまいります。 農林省お見えですね。——今度のいわゆる日本全体、特に西日本のいわゆる異常渇水、これで農作物にだいぶん干ばつ被害が出ておるのです。これに対して、その実態と、異常渇水対策としてどのような手を、たとえば助成措置等打たれたか、それをお伺いしたい。
○渡邊説明員 お答えいたします。 農林省の統計調査部で八月十日現在で中間的に取りまとめました農作物の被害状況でございますが、東北南部、関東北部、近畿、瀬戸内、山陰地方が中心になりまして、総面積で七十三万七千ヘクタール、被害金額で六百七十五億、こういうような数字になっております。おもな作物別に申しますと、野菜で二百二十四億円、水陸稲で百七十七億円、果樹で百五億円、その他工芸作物、飼料作物、雑穀、豆類、バレイショ等の被害が出ておるわけでございます。これに対しまして農林省といたしましては、都道府県に対しまして干ばつ応急対策事業を積極的に実施するように指導いたしておりますが、地方農政局の所有にかかわります揚水機の貸し出し等によりまして、鋭意用水確保につとめております。 今回の干ばつの被害が増大する傾向にもかんがみまして、農林省といたしましてとりました対策の第一は天災融資法の発動でございまして、さきの統計の数字で、中間的とはいえ六百億をこす被害金額になっておりますので、政令は後ほどになりますが、とりあえず天災融資法の発動を決定いたしました。第二点は干ばつ応急対策事業でございますが、八月末で町村等が現在実施しております干ばつ応急対策事業も約三十八億二千万円程度の金額にものぼっております。こうした実情から、今後最終的な実績をつかみまして具体的な助成等は考えられますが、とりあえず国がこれらの干ばつ応急対策事業に対しまして助成をするという方針を決定いたしたわけでございます。そのほか制度金融の償還猶予等の問題につきましても、地元の御要求等を見ながら、きめこまかに前向きに対処いたしてまいりたい、このように考えております。
○北側委員 関係が違うかもわかりませんが、先般、都市緑化促進法の可決を見たわけです。水資源の問題を考えれば、やはり植林造成、これが非常に重要になってくるんじゃないかと思うのです。水は、雨が降ってもさあっと流れるような方向じゃなくして、やはり政府としてもそういう対策を考えなければいけない、そういうように思うわけですが、それらについてどういう対策をいま打たれておるのか。水をいわゆる涵養するために、また国土保全のためにも必要になってくると思うのですね。そういう造林等はどうなっておりますか。そこらは河川局でもいいですよ。
○松村政府委員 造林事業につきまして、実は河川局で所管しておりませんのでこの実態についての詳しいことは存じませんけれども、ダムのありますところの上流のいろいろ造林問題につきましては、各協議会等におきまして農林省と林野庁のほうにも話しまして、極力これを進めてもらうようにしております。また、これは造林とは直接関係ございませんけれども、建設省といたしましても砂防事業等で上流の崩壊等を防ぎ、間接的に水源の保全ということをはかっていきたいということでつとめております。
○北側委員 そこらの協議をしっかりやってもらいたいと思うのですね。 あとまだだいぶ質問が残っておるのですが、一般質問もあることですからそのときに回します。やはりこの水資源問題で重要なのは下水道整備だと思うのです。霞ケ浦の開発にしましても、琵琶湖総合開発、これは決定されておりますが、琵琶湖等も非常に水質が汚濁しております。そういう面を考えますと、この下水道整備は相当急がなければならないということを私思うわけなんです。いま正直に申し上げまして、道路行政、橋をかけたり道路をつくったり、こういう行政のほうは非常に一生懸命いままでやってこられたと思うのです。ところが住民福祉につながるこういう下水道整備、これは非常におくれておる。この問題がやはりこれから建設省関係で一番重要な問題になってくるのではないかと思うのです。たとえば幾ら水があったって、その水が汚染された水であるならばそれはどうしようもないわけです。そういう点をずっとこまかく質問したかったわけです。しかし時間のほうも参っておりますのでこれでやめまして次の機会に回しますが、そういう点につきましてひとつ昭和四十九年度、これからがっちりと取り組んでもらいたいと思うのです。この下水道整備につきましては来年から計画が改定されてそうしてやっていかれる、このように聞いておるのですが、この点だけ、大体どういう構想でやっていくのか、それだけ聞かしてください。
○金丸国務大臣 水質汚濁という問題は重大な問題でありますし、御指摘のように、水があってもその水が使えないということになれば、その水は不用ということになるわけでございますので、これは御指摘のとおり、下水道問題を解決しなければ解決つかない。しかし現状、日本の下水道事業は一九%程度の設備しかないというような状況で公害対策、福祉国家、環境保全というようなことを叫んでおるいまの大きな政治問題の上からいいましても、下水道事業というものは大きく推進しなくちゃならぬ。そこで御案内のように、来年度を初年度として五カ年計画を、八兆五千億という予算をつくりまして、大蔵省に骨格予算としての要求をいたしたところであります。しかし八兆五千億がそれで十分かということになると、私はそれだけでは十分でないという考え方をするわけでございますが、予算の取り方の手段として、八兆五千億ということが妥当だろうというところでこの問題を取り上げたわけでございますが、今後この問題には、建設省といたしましても大きな政治問題でありますので、十分な推進をしてまいる所存でございます。
○北側委員 そのほか国庫補助の問題とか、国庫補助対象ワクの問題とか、いろいろ問題がありますが、そういうようなこまかい問題につきましてはここで論議できませんので、次の機会に回して質問さしてもらいます。
○服部委員長 浦井洋君。
○浦井委員 いますでに水の需給計画について論議があったわけですけれども、法案に直接入る前に私もその点をもう一度尋ねておきたいと思うのであります。 建設省にお尋ねしたいのでありますけれども、建設省が八月の末に発表された例の「広域利水調査第二次報告書」を見ますと、昭和六十年における水の年間総需要量が合計千百六十三億トン、内訳は、生活用水二百七億トン、工業用水三百七十一億トン、農業用水五百八十五億トン、こういうことで、昭和四十五年度の実績、年間七百九十四億トンに対して約三百六十九億トンの増加となっておる。それを全国的に見ると、新規の河川水必要量が四百二億トン、それに供給可能量が四百六十五億トンで、差し引き全国的には六十三億トンの余裕がある、こういうような数字を拝見したわけでありますけれども、しかしブロック別に見ると、先ほどもお話があったように全国のうち八地域で合計四十二億トン不足する。特に南関東、首都圏では十九・七億トン、京阪神では十二・一億トンと、非常に大きな不足が生ずるという予測を立てておられる。ただしこれは十年に一度の渇水年における不足量だということの注釈がついておるわけでありますけれども、それにしてもやはり過密地域の首都圏、近畿圏などでこれだけの量の不足が予測をされるということは相当重大な事態であるというように私どもは受け取るわけであります。 そこで建設省にお尋ねをしたいわけですが、いま私が言いました供給可能量四百六十五億トンというのは、たとえばダム建設であるとかあるいは河口ぜきであるとか、あらゆる水資源開発のための努力を払って、その上でのぎりぎりの可能量であるのかどうかという点が第一点であります。 それから第二点は、これも先ほどお話が出ましたけれども、近畿圏あるいは首都圏、南関東、京阪神地方におけるこのような大量の不足に対して一体どのような覚悟をきめてどういうふうな対処をされようとしておるのか。その辺のところ、二つの点をまず最初に建設省にお尋ねをしておきたいと思うのであります。
○松村政府委員 まず第一のお尋ねの点、四百六十億トン開発というのはぎりぎりの線かどうかということでございます。実はこの二次報告で調べましたのは、昭和六十年のみではなく、いわゆる可能量というものについても検討しております。これでいきますと四百六十億トンよりもさらに余分にございまして、数字で申しますと約八百億トンの新規開発が可能であろうというふうにしております。ただしこの四百六十億トン以上の分につきましては、調査等についてまだ十分確信の持てるところまではいっておりません。ただし可能性としてはこういうものがあるということで、さらに調査を進めるつもりでおります。それで、四百六十億トン算出いたしましたのでは、個々のダムにつきましてこれの六十年度までの可能性というのを積み上げまして、一応現在最善の努力をして達成可能という数字をあげているわけでございます。さらにまた四百六十億トンの中の地域別の水の配分という問題につきましても、現在の情勢をさらに努力して水の広域利用をはかる限界をこの程度としておりまして、これはさらに努力をいたしまして融通の度合いを進めるということは可能かと思います。 次に第二点の、特に水の不足する地域の対策でございます。まず南関東地域でございますけれども、南関東地域につきましては約二十億トンの水が不足するということになっておりますけれどもこれを解消するには、まず工業用水の回収率の向上、こういうことによりまして、いわゆる出荷額当たりの水の原単位、こういうものを極力少なくしていこう。これは通産省等においても、先ほど申し上げましたように減らすことに努力をしておりますが、こういうことで相当の水が生み出せる。それからさらにまた産業の分散、特に用水型産業ですね、これの分散等、この地域における立地の抑制等をはかっていく必要があろうということでございます。またさらに、先ほど申し上げました広域的な水の運用、これは実は南関東につきましては、関東地域全体、このブロックの中の水の融通だけでは足りません。したがいまして、関東地域ブロック以外からの融通ということも検討の対象にはなるであろう。こういうことでこの二十億トンの不足の解消をはかっていこうということでございます。 それから京阪神地域、これにつきましては約十二億トンの水の不足が予想されております。これにつきましての対策は、やはり南関東におけると同様に、工業用水の回収率の向上等によりまして水の有効利用をはかるとともに、さらに水資源の広域的な運用ということを考える必要がありますが、これは関東よりは少し範囲が狭く、近畿ブロック内における——これは京阪神でございますけれども、近畿ブロック全体を考えますと、この中の融通ということでもさらに相当の水の確保ができる可能性がございます。こういうことで、両者あわせて解決していきたい。 それから北部九州でございますけれども、これは約四・五億トンほど不足する。これにつきましても、同じことでございますけれども、これは数量的におきまして関東、近畿よりも多少少ない点もあり、しかしまた一方、水資源の開発は、御承知のように筑後川水系における地質があまりよくありませんので、非常に困難な点がありますが、これは需要と供給、両者から努力していきたいというふうに考えております。
○浦井委員 南関東、京阪神、広域的な融通のし合いに少し差があるけれども、いずれもこの不足をできるだけ少なくさせるために、まず第一に工業用水の回収率を高めたいという点を言われたわけであります。 それに関連いたしましてひとつ通産省にお尋ねをしたいと思うのですが、来ておられますか。——通産省、先ほどもこれは出ましたけれども、いまのお話を踏んまえて、回収率の一そうの向上に当然努力をしなければならないというふうに思うわけですが、現在の通産省の資料によりますと、工業用水の回収率というのは昭和四十五年段階で全国で五一・七%である、こういうことですね。それを、目標である昭和六十年までにどこまで回収率を高めるつもりなのか。また、それを含めた将来、通産省として一体技術的にどこまで回収率を高められる可能性があるのかという点、二点をまず最初に聞いておきたいと思うのです。
○柴田説明員 御説明申し上げます。 先生ただいま御指摘のように、四十五年の回収率の実績は五一・七%でございまして、六十年におきましては一応の目標といたしまして七〇%程度を設定しております。それを達成するために、技術的にどこまで高められるかという御質問でございますが、そういう一応の目標を設定いたしまして、昨年度から用水型産業でありますところの紙パルプとかあるいは石油化学とか、そういうものを中心にいたしましていま調査を行なっている段階でございます。
○浦井委員 後段のほうの質問に対してはお答えがなかったというふうに考えるわけですが、これは全く予測を立てておられないのか、そういう努力を怠っておられるのか、どちらかだと思うのですが、どうですか。
○柴田説明員 先ほどの答弁でちょっと舌足らずの点があったかと思いますが、各業種別に技術的な調査を昨年度から行なってきている段階でございまして、回収率の向上というのを一応七〇%を目標にしているわけでございますけれども、回収設備の改善とかあるいは排水の再生利用とか、技術的に検討すべき問題が非常に多うございますので、昨年度から国庫補助をいただきまして業種別に調査を始めている、そういう段階でございます。
○浦井委員 それではもう一つお聞きしますけれども、通産省として、工業用水を節約するという意味を踏んまえて新しい法律を準備しておられるというように私聞くわけですけれども、そのほぼの内容はどういうものですか。
○柴田説明員 御説明申し上げます。 工業用水の使用合理化ということで法案の検討をしているのではないかという御指摘でございますが、まだこれは全く事務レベルで内部的に検討していることでございまして、その内容につきましてまだ申し上げるほどの固まり、確定はしておりません。ただ、われわれがいろいろ考えておりますのは、やはり工業用水の使用方法について何らかの指針を策定して、それを各企業の参考に供したい、そういう内容のものになろうかと思いますけれども、まだ外部に御説明するほどの内容まで固まっていないのが現状でございます。
○浦井委員 いまの御説明であれば、新聞記事のほうが相当詳しいわけですよ。使用の指針をつくろうと思っておるということなんですが、私、これは少し余談になるかもわかりませんけれども、この間苫小牧へ行ってまいりまして、そこで市役所などで関係者から水の使用量などを聞いてみますと、十二万市民のための生活用水、上水道が日量約五万トン、これに対してその地方の大企業である、いまも出ております紙パ、王子製紙であるとかあるいは山陽国策パルプ、ここの工場だけで日量五十六万トンというような大量の水を使っている。もちろんこれは自分のところで河川を独占して、川をダムでせきとめて、水利権を取って昔からやっておるということで、一応法的には合致しておるようでございますが、いま北海道はたまたま水の需給関係のバランスがとれておりて、まだまだ供給のほうが多いというデータは出ておりますけれども、やはり国民感情としてもうなずけないものがあるというふうに思うわけで、そういう点では、通産省としてはぜひ強い態度で、工業用水の節約のための方策を講ずるべきだというふうに私は考えるわけであります。 いまのお答えの中で、工業用水の業種別の使い方の指針をつくるということでありますけれども、その指針をつくる場合に、やはり工業用水の原単位の問題が出てくるのでひとつお聞きしたいのですが、用水型産業の御三家といわれるところの化学工業、それから鉄鋼、紙パ、この三業種の、現在通産省がつかんでおられるところの工業用水の原単位というのは大体どれくらいなんでしょうか。
○柴田説明員 御説明申し上げます。 通産省でつかんでおりますところの原単位は、製品一年間の出荷額当たりの全工業用水使用量でございまして、補給水だけではございませんが、そういう意味でお聞き取り願いたいと思います。 御指摘の紙パルプにつきましては、製品出荷額一億円当たり七百トンでございます。それから鉄鋼につきましては二百七十五トン、それから石油、石炭という分類になっておりますが、これが百五十五トン、こういう数字を把握しております。
○浦井委員 化学はどうですか。
○柴田説明員 化学につきましては五百六十トンでございます。
○浦井委員 それに関連してお尋ねしますけれども、石油、石炭もお答えになったわけですが、紙パ、化学、鉄鋼、それぞれ相当大きな工場があるわけで、それぞれの工場の原単位がどれくらいになっておるのかという点はそちらのほうではつかんでおられるかどうか。 〔委員長退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕 というのは、同じ業種の中でも相当の原単位のばらつきがあるというふうに私は聞いておるわけでございますけれども、その点、通産省のほうでつかんでおられるかどうか、お聞きしたいと思います。
○柴田説明員 われわれのほうの原単位は、先生御案内のとおり工業統計表に基づいて把握しているわけでございまして、工業統計表では業種別にしか出ておりませんで、各企業別のほうは把握しておりません。
○浦井委員 各企業別からずっと積み上げていかなければ、調査という点では実質的な役に私は立たないと思うのであります。 それではお聞きしますけれども、業種別に出ておる。いま言われたのは確かに業種別の三業種についての原単位だと思う。そうしたらこれは産業分類のいわゆる中分類ですね。たとえば化学でいいますならば、化学工業という中分類の下に小分類があって、そしてそこには化学肥料製造業であるとか、無機工業製品製造業であるとか、化学製品製造業というふうに、また実際上業種の異なるものも含まれておるわけなんです。さらに、たとえば無機工業製品製造業というところで細分類があって、そうしてソーダ工業であるとか、塩製造業であるとか、無機顔料の製造業、こういうふうに変わる。中分類はもちろんですけれども、小分類、細分類で、原単位が業種分類でもそれぞれ違うと私は思うのですが、そういうばらつきの状況はつかんでおられるかどうか、これをお聞きしたい。
○柴田説明員 手元に工業統計表を持ってまいりませんでしたので、先生おっしゃるような小分類あるいは細分類というのはちょっとわかりませんが、私が従来タッチしている限りでは中分類の原単位しか把握してないようでございます。
○浦井委員 先ほども言いましたように、中分類といいますと化学、鉄鋼、紙パというような程度の分類。そうするとこれから調査をされるのかどうか。どうなんですか、原単位を小分類、細分類の段階まで。
○柴田説明員 今後調査する予定にしております。
○浦井委員 まあ、工業用水の節約、規制をしようという法案を準備されておるわけですから、当然こういうようなものは基礎中の基礎データとして整備されなければ、その上に積み上がったものが出てこないと思うのです。私は、これはぜひ早く調査をして、しかもそのデータを見せていただきたい。 さらにつけ加えるならば、大企業の場合に、これは単に統計で平均値をとっただけでなしに、大企業はそれぞれの工場の原単位までもきっちりと所管官庁でつかまえて、そしてそういう状況にのっとって施策を打ち出すべきだというふうに私は思うわけです。でないと、いまのお答えの状況では、なるほど水資源は有限だから、貴重だから何とかしたいと、ことばの上では言っておられても、実際上の態度あるいは実際上のやり方というものは全くなっておらない、このようにいわざるを得ないわけなんです。水源地域の人々は、この水源地域対策特別措置法の中でも、この審議の中でもいろいろ言われておりますように、なぜおれたちだけが水を取られ、そして犠牲にならなければならぬのだということで、いろいろなところでこのダムに反対する運動を繰り広げられておるわけなんです。そういう貴重な水を使っておる、先ほども言いましたようにどんどん工場は使っておるわけなんですから、そういう通産省の態度では非常にもの足りないということを私は強く指摘しておきたいと思うのであります。 そこで、ある学者の調査によりますと——これはある学者といっても別に秘密でも何でもない。「日本経済と水」という書物の中に出ておる島津という方の論文によりますと、先ほどから私が申し上げておる原単位の中分類の程度で各工場別の量を比較していきますと、十の三乗、すなわち千倍ぐらいのオーダーで原単位のばらつきがあるというのです。ある工場では一の原単位であった。ところが化学と同じ業種のところで千ぐらいの工業用水の原単位、こういうばらつきがある。それからさらにそれをこまかくいって、細分類の項で見ても、たとえばソーダ製造業、こういうようなところでも十の二乗、すなわち、多いところは少ないところの百倍ぐらいの工業用水の原単位を示しておる、こういうデータがあるわけなんです。大体こういうようなばらつきは普通は考えられないのですが、この学者は確信を持ってそういうふうに結論づけられておるわけなんです。何でそういう事態が出てくるか、ひとつ通産省の御意見をお伺いしたい。
○柴田説明員 工業統計表の中分類で見る限りは先生御指摘のような千倍あるいは百倍というばらつきは見受けられないわけでございまして、せいぜい数倍程度のばらつきになっております。このぱらつきにつきまして、たとえば鉄鋼業につきましてのある程度のばらつきはございますが、われわれ類推するのに、同じ鉄鋼業という中分類でとらえました場合には、高炉メーカー、平炉メーカー圧延等々、それぞれの企業の内容が違ってまいりますので、そのために用水原単位もある程度ばらつきが出てくる、さように理解しております。
○浦井委員 あんまりはっきり調べておられないようです。これは統計の常識なんですけれども、中分類で数倍というのは、そういう点ではこれはあたりまえのことだと思うのです。 この議論をしておると時間もとるし、なかなかむずかしくなりますから私は指摘するだけにとどめておきたいと思うのですけれども、そこで島津という方はこういうふうにいっておられるわけなんです。「用水コストからの制約が非常に少ないので、生産工程上の最小必要水量を決めることが行なわれず、水使用量はその場その場で任意に使用されているがゆえに、原単位は工場によってまちまちの値にならざるをえない」「このように、企業が水を任意に使用しているか、あるいは入手しうる水をあるだけ使っているからこそ、原単位はめちゃくちゃにばらつくのである。」こういうふうにいっておられるわけなんです。これは私はなるほどというふうにうなずけるわけなんです。 そこで私は対策として、この方もいっておられますけれども、企業の現在のような水使用を改めさせるには、やっぱり料金規制をやらなければならぬ。たとえば料金の値上げであるとか、あるいは賦課金による企業の水コストの上昇をはかる、これが最も有効な方法ではないかというふうに思うわけなんですけれども、通産省の御意見をひとつお聞きしたい。
○柴田説明員 工業用水の供給につきましては、工業用水道事業法はもちろんでございますけれども、その他新産業都市建設促進法あるいは工業整備特別地域整備促進法等々、いろいろの法律で、工業用水の供給は産業基盤の一環としてとらえておりまして、国がその整備あるいは援助をしなければならないというふうになっているわけでございます。そういう意味で、われわれは、各地域開発に直結し、あるいは産業の地域分散に役立つという観点から、国が援助いたしまして、料金を設定しているわけでございます。特に工業用水の場合には地下水転換とのからみがございまして、地下水につきましては御案内のとおり料金が——料金といいますか、コストが非常に安うございまして、地下水転換を進める場合におきましても、料金をそう高く設定するということができない。で現実問題、公営企業年鑑に実績が出ておりますけれども、ほぼコストに見合う料金になっている現状でございます。
○浦井委員 あなた、そう言われますけれども、ことしの八月二十日の読売新聞の工業用水の関連の記事によりますと、どれぐらい用水価格を上げれば企業の態度を変え得るかということを考えてみると、通産省の中間報告ではトン当たり五十円以上という結果が出ておる、こういう記事があるわけなんです。いまあなたはるる説明されたわけですけれども、中小企業の場合は工業用水を使えずに上水道を使わざるを得ないというところが多々あるわけです。そこではトン当たり八十円くらいの水を使わざるを得ない。ところが大企業では、地下水を規制するというかっこうにして非常に手厚い、どういいますか、補助政策といいますか、こういうことで安い工業用水、トン当たり七、八円で使っておる。そうして、先ほどもいろいろ申し上げたように、文字どおり湯水のごとく水を使っておるというのが現状なんです。こういう点でも私はきわめて矛盾をしておると思うのです。だから私は、せっかく通産省が工業用水の規制に目を向けられたのならば、ぜひその中に、いまの補助金政策を大幅に変更していく、補助金を撤廃するというような大胆な方向をとるべきだし、工業用水のトン当たりの料金にしても、もっと格段に高くする必要がある、こういうふうに考えるわけなんです。いまの通産省の課長の答えというのはきわめて不徹底であるし、やはり大きな会社に奉仕するという姿勢が抜け切っておらないというふうに私はいわざるを得ないと思うのですが、この問題について最後にひとつ通産省からお答え願いたい。
○柴田説明員 先ほども御説明申し上げましたように、工業用水は産業基盤の整備と地域開発ということで非常に重要でございますので、料金問題については、合理的な形にする必要はございますけれども、やはり国の援助を続けまして、各産業に安定的に合理的に供給していくということで考えております。
○浦井委員 それではだめです。答えにはなっておらない。しかしこれは時間の関係もありますから、この問題はまた商工委員会くらいでやりたいと思うのです。 そこで、この法案の具体的な問題に入っていきたいと思うのです。まず建設省にお尋ねをしたいのですが、具体的なダムの例を引きながら法案の審議をやっていきたいと思うのです。 群馬県にある草木ダム、これは五十二年完成というめどが立ったということでありますけれどもこれは水没戸数が二百戸以上だし、農地は少ないと思うのですが、そういうことになりますと、この法案がもし成立をすれば当然指定ダムの中に入るだろうし、それからこの法案の第九条の補助率のかさ上げ分の中にも当然該当するというふうに考えるわけなんですが、建設省、この点はどうですか。
○松村政府委員 草木ダムが本法案の指定ダム、それから第九条のダムということに適合するかどうかというお話でございますが、草木ダムにつきましては、この水没戸数、こういうものからいきますと適合する条件になっております。しかし、この草木ダムにつきましては四十六年八月に地元の補償基準の調印が行なわれ、また公共補償その他、あるいは関係住民の生活再建、こういうことにつきましても具体的に水資源開発公団と地元との間に十分協議が行なわれて、すでに地元の了解も得て着々と進んでおるわけでございます。もう補償あるいは公共補償、すべて含めましてこれが軌道に乗って、ダムの本体工事も相当規模進んでおるこれにつきましては、本法案の対象のダムにはしないようにわれわれの方針としてはやっております。したがいまして、この草木ダムにつきましてはこの法律の適用からは除外されることになるわけであります。
○浦井委員 話が済んでおるから該当しない、該当させない、指定しないということのようでありますけれども、そうすると、この法案でいわれておる整備事業、具体的に草木ダムでいいますならば草木橋、それから東宮橋、それから左岸の村道こういうものが整備事業に当たると思うわけですけれども、これは精神はやはりこの法案が貫かれるだろうと思いますので、昭和五十二年度完成という予定であれば、当然そういう整備事業もそれまでには工事を完了して使用ができるという状況になるわけですね。この点をひとつ確認しておきたいと思うのです。これは水資源公団……。
○柴田参考人 草木ダムは私どものほうで建設中でございますのでお答え申し上げますが、いま先生からお話がございました草木橋、それから左岸の村道につきまして、草木橋は本年中に着工いたしまして、湛水、すなわち五十年の末までに完成させる予定でございます。それから左岸の村道につきましては、延長六千八百四十メートルのうちこれは四十三年度に着工いたしまして、現在約三千メートルを完成させておりまして、残りはこれも昭和五十年度の湛水時期までに完成させるつもりでございます。
○浦井委員 そうすると湛水の時期までには、村民の要望しておる橋、それから村道というものが完成して村に無償譲渡をされるということを確認しておきたいのですが、そうですね。
○柴田参考人 お話しのとおりでございます。
○浦井委員 そういうことで橋ができた、村道もできた、そこでそういうものができて、水資源公団としては、この法案の目的でいうところの「関係住民の生活の安定と福祉の向上」がすべてはかれるというふうに思っておられるのかどうか、ひとつ念のために聞いておきたいと思う。
○柴田参考人 草木ダムにつきましては、補償で解決する問題、これは個人補償と公共補償についてでございますが、ことに公共補償につきましては、いま先生から御指摘もございましたが、左岸側が非常に少数者が残存するようなことになるというようなことからいたしまして、ただいまお話しの草木橋をかけますとか村道を拡幅いたしまして完成させるとか、あるいは草木駅の廃止に伴いまして、草木駅にかわる代替の補償といたしまして村営バスを現在運行いたしておりますが、大体そういう地元の御要望につきまして公共補償で解決する問題、それから特別に、この法律ができてまいる前でございましたけれども、地元の御要望に対しましては極力補償については最大限度、解釈できる限りの措置をつとめて、協定が、先ほど河川局長が申し上げましたように四十六年度に解決しておりますし、そのほか整備事業といたしましても、事実上、下流とのお話し合いでやれるだけのことをやっております。そういうことでございますので、左岸側につきましてもただ残存者の生活不便、交通上の不便ということを解消するだけでなくて、過疎地域として産業上も、あそこは木材、それから石材の産地でございます、そういうものの搬出道路をつくりますとか、演習林につきましても、これは県や各方面のごあっせんによりまして国立農工大から払い下げを受けまして、そういうようなことにつきまして最初の御要望につきましては、地元としては満足とはお考えなのかどうか知りませんけれども、まあまあ解決してもらったという感じになるようにやっているわけでございます。 〔渡辺(栄)委員長代理退席、委員長着席〕 そうしまして、そういう補償、整備事業に関する限りにおきましては大体において解決済みである。古河鉱業の発電所の補償だけが残っておりますがこれは一般補償からは別ワクでございますので、公団といたしましては完了によりまして、地元の御協力が得られて現在の工事を鋭意やっておる、こういうふうに考えておる次第でございます。
○浦井委員 まあできるだけのことをやって、ほぼ満足をいただいておるのではないかというお話であったと思うのですけれども、私たちが調べたところによるとそうではないわけなんですね。特に横川地区の六戸残存された方たちの聞き取り調査をやってみました。そういたしますと、いろいろな御意見を承ったわけですけれども、ある一軒では、買いものに行くのに朝八時に出て午後おそくにしか帰れない、いままでは午前中だけで用が足せたというような問題、だから副食は買いだめしておかなければならない、お客が来るときはみやげに副食を買ってきてくれというようなことを頼まなければならない。このように戸数が少ないし、悪い道で——まあこれは解消されるのでしょうけれども、道のりがあるから行商も来てくれない。口では言えないほどの苦痛を味わっておる、こういうことなんです。あるおうちに行きますと教育の問題、保育園、小学校、中学校へ行くのにたいへん困難で問題がある。それからある一軒のおうちでは、移りたいのだけれども補償対象にならないので移れない、財産もないし当然移れないというようなこと。それから補償対象地域に入っておらないので、水没地からはずれたために自動車の免許のあっせんもしてもらえないというような、さまざまな不安なりあるいは不満なりが漏らされておるわけなんです。 そこで具体的にお聞きしたいのですが、この地区の六戸の方について、さっき読みましたように移転をしたい方もおられる。なぜこれを移転補償の対象に含められなかったのか。それから例の統一要綱ですね。閣議決定の統一要綱の中の「少数残存者補償」の中になぜこの人たちを含めなかったのかという点をひとつ聞いておきたいと思います。
○柴田参考人 お尋ねは横川地区の少数残存者の問題だと思います。これは二十五戸ありましたうちで十九戸が水没いたしまして六戸が残っている。水没者の中から一戸だけ加わりましたので、移転してこられましたので、現在七戸の問題でございます。これはどうして少数残存者として移転補償しなかったかというお尋ねだと思いますが、どこまで少数残存者補償の対象になるかという問題は補償上はたいへんむずかしい問題でございます。いまお示しの基準によりましても、一つの生活共同体の大部分の者がいなくなって、そしてそのために社会通念上ほとんど生業の維持または生活の継続ができなくなるような場合に移転補償を認めるという、やはり補償原理上かなりきびしい基準がございます。 本件はどうかということでございますが、水没はいたしておりませんからまあ残存になるわけでありますが、農地の減少もそうひどいものじゃございません。六戸のうち三戸が農家で、三戸が山林関係の労務者でございます。したがいまして、この補償基準から申しますと生業を維持することが困難だというケースには当てはまらない。 問題は、足尾線のつけかえによりまして、従来ありました草木駅がなくなるのでたいへん不便になる。交通上の不便、つまり居住条件が悪化するために生活が継続されないというふうに認めるべきかどうかというのが問題点でございます。先ほどお尋ねのその点につきましては、村当局の公共補償の問題といたしまして非常に強い要望がございまして、まず駅がなくなるのだから草木橋をかける。左山岸の村道をりっぱにつくる。それから草木橋を通って右岸に出まして、これは国道がございます。それのために、従来の国鉄利用者のために、今度は国道に村営バスを運行させるための補助金を差し上げて、現在もうことしの七月一日から運行いたしております。 そのほか、生活問題のほかにさらに生業上のために、あそこは花こう岩の産地でございまして、従来石材産業をやっておる。これがなくなりますので、先ほど申し上げました演習林の払い下げをいたしまして生産の場も与える。そのための搬出道路についても六千万円の金を出している。 こういうことをあわせまして、残った居住条件の悪化の問題については、とにかくこれによりまして生活上の継続ができないという事態ではなくなった、かように認められる次第でございまして、そういうことで少数残存者の移転補償をしなかったわけでございます。補償原理上両方をするわけにまいりません。移転補償をするか、あるいは公共補償のほうでそれにかわるべき措置をとるか。本件につきましては、残存者の方々との間に入られました村当局との協定によりましてお話し合いがついた次第でございます。
○浦井委員 私、ここで言いたいのは、三十七年の閣議決定の統一補償基準要綱というものの中の、たとえばこの少数残存者補償のワクがきわめて厳格に過ぎるのではないかということを言いたいわけであります。いま総裁がるる説明をされて、わかったようなわからないような話でございましたけれども、たとえば生活共同体から分離をされるということになると、二十五戸あって六戸、まあ合計七戸しか残っておらないという解釈も成り立つわけであります。経済的にこの受忍の範囲を越える著しい損失が、一応表面的にはいまはないかもわからぬけれども、これは経済的というふうに問題を限ればそうかもしれないけれども、しかし人間が生活していく上でということになれば、やはりそう簡単にはアウトだというふうな結論は出せないと思う。もう一つの条件でいきますならば、公平の原則に著しく反する。これは各地の水没地の住民の沿革調査などをやってみますと、やはり財産を持ち、多額の補償をもらった人たちはその後も生活が不変かあるいはよくなっておる。しかし財産もなし、したがって補償も少なかった人たちは生活が急速に悪くなっておるというデータも出ておるわけです。これは横川地区でも、いまはそうでないかもわからぬけれども、もう間もなくそういう現象があらわれて、きわめて不公平な状況が出てくるのではないかということが当然予想されると私は思うわけであります。だから、やはり私は公団に、これはもう話が全部済んでしまったということであるのでしょうけれども、統一補償基準要綱の四十五条ですか、「少数残存者補償」の項についてはもっと基準を広げて、この場合で言うならば生活補償をやったり、あるいは移転補償要求にももっとフランクに応ずるべきではなかったかというふうに私は意見を申し述べておきたいわけです。 そこで大臣にこの問題についてお尋ねをしたいのですけれども、やはりこういう一つの例からもわかりますように、三十七年にきめられた統一要綱というものがすでに時世に合わなくなっておる、ある言い方で言えば。だからたとえば、いまは財産的補償というかっこうがきわめて厳格に出ておるわけですけれども、やはり少数残存者補償、これは生活的補償だと思うのですが、そういう生活補償的な方向にもっと統一基準要綱というものを改正していくべきではないか、私はこう思うわけなのです。大臣は非常に思いやりがございまして、ことしの六月二十六日の参議院のこの法案の審議のときに、わが党の春日議員の質問に対してこう言っておられる。「まあ公共のために使うダムのことでございますから、そのために犠牲を払わされるということであるならば、できるだけのめんどうは見てやるということが私は政治的な配慮だと思います。」全くそのとおりだと思う。そういう点で、やはりその根本になりますところの統一要綱というものを、この際ひとつ、財産的補償の方向でなしに、これがますます強くなってきておるので、やはり生活補償的方向に変えていくという努力をしていただきたいと思うのですが、お答えはどうですか。
○金丸国務大臣 水の需給というものはまことに年々逼迫をしていくというふうな状況でありますし、ことしの状況を見ましてもそういう実態が露見されておるわけでありまして、水を確保するということは重大な政治問題だと私も考えております。そういう意味で、水源地の水没する地域の方、その周辺の方、産業機能の、あるいは生活環境の変化というふうなものを考えてみまして、急変するということでございますから、生活再建という面も考えて、相当思いやりのある行政が行なわれなければならぬ。統一要綱等の問題等につきましても、私はまず水を確保するということが大切で、このままの状況で、このままの法律で、このままの要綱で水を確保できるということであるならばけっこうだろうと思うけれども、実際問題としてはそこに大きないろいろのトラブルもあるということを考えてみれば、また今後の水を確保する速度というものをゆるめるわけにはいかない、そういうことから考えれば、当然そういう要綱等の問題につきましても十分な配慮をして再検討すべきだ、こう考えております。
○浦井委員 これはそういう方向で、ひとつぜひ早急に再検討して改めていただきたいというふうに思うわけです。今度のこの水源地域対策特別措置法を見ましても、やはり損失補償についてはいまの要綱を堅持して、そしてそこにプラス生活再建というような、わかったようなわからぬようなものをつけて乗り切ろうとしておる、きわめて私は欺瞞的なものだと思うわけです。こういう点で、ぜひその大臣の御答弁を積極的に実現をしていただきたい、このように要望をしておきたいと思うのであります。 そこで、もう一つの例で、これは兵庫県三田市につくられるところの県営の補助ダムの青野ダムの問題でありますけれども、これは用地の取得がおくれて、計画さえも正式に立てられないというふうに聞いておるわけでございますけれども、この辺の計画なりあるいは進捗状況についてまず最初にちょっと聞いておきたいと思うのです。これは建設省河川局ですね。
○松村政府委員 お答え申し上げます。 青野ダムに関しましては、調査は実は相当以前からやっておりまして、四十三年度から県営としての実施計画調査に入っておる次第でございます。 〔委員長退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕 ただしその後いろいろと補償の問題その他でもって現在まで延びてきておりまして、今年度から事業費がついて工事着手という段階になっておる次第でございます。
○浦井委員 そうするとこの青野ダムの場合は、この水源地域対策特別措置法がもし成立をすればこれは水没戸数は二百戸以下だったと思うが、しかし指定ダムにはなるわけですか。
○松村政府委員 水没戸数が約九十戸足らずでございますから、指定ダムの要件は戸数からいっては満たしております。ただし、このダムにつきましては問題がございます。先生御存じかと思いますけれども、この地域は非常に開発されておりまして、いろいろ団地その他の造成もあるということから、この地域がダムをつくることによって過疎化するとか、そういうような、この特別措置法の対象の考え方とは多少のズレがあると思います。そういうことから、このダムの指定につきましてはいま関係各省といろいろ協議しておる段階で、まだ結論を出すところまでいっておりません。
○浦井委員 結論を出すところまでいっておらないということなんで、それはそれとしておきますけれども、ぜひ私申し上げておきたいのは、その用地を手放さざるを得ないというような地域におるところの農民というものは、これは私も直接調査をいたしましたけれども、三田市で最も篤農家ぞろいのところばかりであります。そうして、どうあっても農業を今後とも続けていきたい、こういう強い希望を出しておるわけであります。私もいろいろ話を聞いてみて、その要求というのは当然だと思うわけです。しかもそこの農民は非常に考え方が進んでおりまして、こういう三田市の市街地に近いところに、底の浅い、効率の悪いダムをつくるよりも、おれたちの長年の経験とそれから相当科学的な裏づけによって、こうすれば今後需要が伸びてくる都市用水にもたえ得るようなダムがこういう場所にこれだけつくれるのだというような具体的な案までも持っておるわけです。だからそういう点を踏んまえて十分に話し合わなければこのダムはとうていできないのではないか。私自身も、確かにこの多目的ダムの場合は洪水調節プラス都市用水でございます。だから、どちらの目的もほんとうに地元の住民の納得を得てやられるならば、ダムをつくるということにあえて反対するものではないわけですけれども、いまの県のやり方ではとうてい農民の十分な納得は得られない。単なる損失補償の問題で片づかない非常に根深い問題があるというふうに思うわけです。 そこで、もう終わりますけれども、ここでこの問題について言えることは、やはり三十七年の例の統一基準要綱、これも金銭で補償するということが原則になっておるわけですけれども、この場合には農民は百歩譲って、いまと同じような農地が獲得をできるならば話もある程度なるのだというような気持ちも持っておるようでございます。だからそういう意味で、この統一基準要綱というものも現物補償という考え方をやはり相当前面に押し出さなければならぬのではないか。そういう考え方に基づいて農民との話し合いを十分にすることが必要であるというふうに私は現地に入ってみまして感じたわけなんですけれども、この点についてひとつ河川局長からお答えを願いたいと思います。
○松村政府委員 先生御指摘のように、この地域の農民は非常に農地に執着されまして、これを継続したいという御希望が強いということはわれわれも県を通じていろいろ聞いております。それでこれの対策として現物補償と申しますか、代替地のあっせんというようなこと、これにつきまして県当局といたしましても極力努力いたしまして、いまごく一部ではございますが、こういう用地も用意はしておるように聞いております。ただし問題は、この地域におきましては非常に都市化が進んでおると申しますか、この近傍に代替地を求めるということは現実の問題としては非常にむずかしい問題があります。したがいまして、この御要望を全面的に受け入れるかどうか非常に困難な点がございますが、極力努力するように進める所存ではございます。
○浦井委員 県の用意しておる代替地というのは、この青野ダムが湛水をした場合に、その沿岸各所を干拓をし埋め立てをして、それをひとつ代替地に充てたいということで、水没農民が百六十から百七十ヘクタールだと思うのですが、県の現在用意しておるのは、いろいろな案が出ておるようですけれども、最小五十、多く見積もっても七十ヘクタールだというふうに私は聞いておるわけなんです。この点についても農民の意見を聞いてみましたけれども、全く話にならないということで県の案は一蹴をされておるわけであります。そういう意味で、やはりもっと慎重に考えていかなければならぬというふうに私は強く感ずるわけです。 時間が参りましたので結論を急ぎますけれども、最後にまた大臣にこの点についてもお伺いしたい。このケースの場合には金銭補償でなしに現物補償、前の場合には財産的補償でなしにもつと生活補償的な方向で統一基準要綱というものを早く改めるべきではないかというふうに私は思うわけなんです。建設白書などには、昨年建設省の中で損失補償制度改善研究会というようなものもできておるように聞くわけですけれども、これの状況はどうなっておるのか。その後の作業状況、これを聞きたいと思います。
○高橋(弘)政府委員 公共用地の取得に伴いましての損失補償制度を改善する研究会は昨年の六月にできたわけでございます。その後研究会を大体十数回やっておりまして、当面する諸問題についていろいろ論議いたしております。まず、いわゆる事業損失補償というもの、たとえば日照阻害に伴うもの、それから道路交通の騒音に伴うもの等を取り上げていろいろ検討いたしておるわけでございますが、その後そういう見通しがつきましたら、機能回復の問題だとかその他いろいろな、先生方の御指摘の諸問題について研究を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○浦井委員 当面の問題ということで都市問題の騒音あるいは日照、振動というようなことに集中されておるように承っておるわけですが、やはりこういう法案の出されておるのを機会に、全国的なこういう問題を早く取り上げて、そして正しい結論を出してほしいというように私は要望しておきたいと思うのです。 簡単にその要望をさしてもらいますと、先ほども申し上げたように、第一は、やはり財産的な補償ではなしに生活権的補償をやるという方向を打ち出さなければならぬのではないか。それから、いまは原則的に金銭補償になっておるわけですが、やはり現物補償の原則を打ち立てるべきではないかというふうに思います。それから精神的な補償、こういうものも必要、当然補償さるべきだというふうに思います。そういう中で、ほんとうに関係住民の納得できるような正当な補償理論を早く確立していって、そしてやってほしい、このことを私は要望しておきたいと思うわけです。 たまたま私の取り上げた二つのダムの例というのは、これはそれなりに地域では大きな関係を呼んでおるところでございますし、また非常に重要な位置にある。だから私は当然第九条適用の水源地域になるだろうし、あるいはその規格にはずれても指定ダムにはなるだろうということで調査を進め質問をしたわけですが、それが二つながらこの法案の——青野ダムの場合には結論が出ておらないということでございますけれども、この法案の適用が不可能だ、それに近い結論が出ておる。 〔渡辺(栄)委員長代理退席、委員長着席〕 ここに私はこの水源地域対策特別措置法の非常におざなりな、参議院である議員があめ法だと言われておりましたけれども、あめ法、ざる法的な本質を見る思いがするわけです。そういう点で最後にひとつ大臣の、損失補償要綱の問題とそれからこの法案に対する決意をお聞きして、私の質問を終わりたいと思うのです。
○金丸国務大臣 先生のいろいろな御指摘の点につきましては私にもわかります。しかし、この法律は、あめ法という御指摘でありますが、地元住民のいろいろの隘路になっておる問題を解消するという点においては一歩も二歩も前進だという感じもいたすわけであります。ただ、この法律自体が全きものであるということだけは言い切れないと私も思うわけでありまして、こういう問題につきましては今後も十分に検討しながら、水を確保しなくちゃならない、そしてあくまでもいわゆる犠牲者だというようなことでなくて、土地を放した、あるいは水没した、けれどもまあまあよかったという程度のことだけはしてやらなければならぬ、そういう意味で、要綱等の問題につきましても、今後水を確保するという方向で、十分真剣に検討して努力してまいりたい、こう考えております。
○服部委員長 次回は、来たる十二日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時散会