建設委員会 第31号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/08/31
会議録
○服部委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 水源地域対策特別措置法案審査のため、本日、水資源開発公団総裁柴田達夫君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○服部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人からの御意見は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。 ————◇—————
○服部委員長 次に、内閣提出、参議院送付、水源地域対策特別措置法案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。清水徳松君。
○清水委員 私は、水源地域対策特別措置法に対しまして若干の質問をいたしたいと思います。なお、この法律に関連をすると申しましょうか、同じ類型のものといたしまして、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律あるいは琵琶湖総合開発特別措置法、防衛施設周辺の整備等に関する法律あるいは目下審議中であります発電用施設周辺地域整備法案、こういつたようなものがあるわけです。そのほかあるかもしれません。こういう法律については、いわゆるあめ法といわれる法律ですから、現地の住民としてはある意味において歓迎される面もあるわけでございます。それは理解できると思います。この法案を一読いたしましても、実際にダムができる、飛行場ができる、発電所ができる、その地域のいわゆる生活環境整備あるいは福祉対策、こういったようなものを整備していく、これが主たる目的になっておるわけでございます。しかし、この法案の適用を直接受けない、つまりダムをつくるなり飛行場をつくるなり、あるいはまた発電所等をつくるなりする場合、生活基盤をすでに奪われてしまい、そうしてまた職業を奪われ、そこにいわゆる住民として残っておられなくなった、そういったような人に対する対策というものはきわめて不十分であるというように感ずるわけでございますが、その点、建設大臣から御所見をお伺いをいたしたいと思います。
○金丸国務大臣 今回御提案し、御審議願っております法律につきまして、全き法律でないとおっしゃられる。また私も、この水源地の生活環境が変わり、あるいはその犠牲にならなくちゃならない、こういうような方々に対しては、いままでのあり方につきましてもこれは大いに反省しなくちゃならぬし、今後のまた日本全体の水という問題を考えてみましても、大きく水の要求を迫られておる、そういうことを考えてみますと、ダムをつくらなくちゃならない。しかし、ダムをつくるのにいままでのような考え方でいいのかということになりますと、いままでのような考え方でいったのでは、この水需要にこたえることはできないし、また水没する地域の人たちの環境その他を考えてみますと、水を受ける側と同じような処遇があってしかるべきだ。しかし、いままでのダム建設の中にはそういうことが多分に欠けておったというところにも、現在ダム建設のむずかしさがあると思うわけでございまして、私はそういう意味で、このダム建設の問題については、水源地の人たちの処遇という問題については、現在の法律でほんとうに水の確保が全きを得られるかということになると、まことに私もその点を心配をいたしておるわけでございますが、今回提案いたしました法案につきましては一歩前進、二歩前進というわけでありまして、これで全き法律だとは考えておりません。
○清水委員 この生活再建措置について明文化した法律としては、今度のこの水源地域対策特別措置法については相当明確になっておるわけでありますが、そのほかについては琵琶湖総合開発特別措置法、これについても生活再建ということについて若干明記されておるわけですが、それだけではないでしょうか。その他いろんな開発法律があるけれども、この生活再建措置について明確に規定したという法律はこの二法だけのように理解しておりますが、そのほかの法律、ありますか。
○川田政府委員 お答え申し上げます。 大規模な公共事業等の実施に伴います用地補償関係の方々の生活再建等のために、特別な配慮をしなければならないというふうに義務づけております法律は、琵琶湖総合開発特別措置法のほかに国土開発幹線自動車道建設法、それから公共用地の取得に関する特別措置法、それから、これは一般法でございますが都市計画法等にはそれぞれ類似の条文がございます。
○清水委員 類似の条項はあるけれども、こういうふうにはっきり生活再建として住宅を確保する、あるいは農地を確保する、あるいはまたその他環境整備をするとか、いろいろ具体的に書かれておる例というものはほかにないような気がしましたが、具体的に書かれているんでしょうか。
○松村政府委員 お答え申し上げます。 ただいま次長から申し上げましたように、これに関連する法律というのはたくさんありますけれども、具体的に生活再建についての具体的事例をあげてはっきりと説明している法は琵琶湖総合開発法一つかと考えます。それで、先ほど大臣が概括的に御説明申し上げましたけれども、ちょっと補足さしていただきますというと、ダムをつくる上におきまして問題になりますのは、一つはその地域の開発と申しますか、その周辺地域がダムの開発のために非常に阻害される。これを追いついて、下流とともに受益をするということは一つの大きな問題でございますが、それとともに、水没する人々、これがその地域から外へ出る人もありますし、その地域に残る人もあります。その地域に残る人につきましては、それぞれ整備計画の中においても措置できますけれども、それ以外に、出る者、これは非常に問題でございます。それでこの法律案におきましても、第八条にあります「生活再建のための措置」につきましても、単に水没地域、その周辺地域に残るだけでなくて、出る人に対してもいろいろと考えなければいかぬということを加味して、いろいろと御相談なり何なりをするように考えておる次第でございます。
○清水委員 いまこの法律案の資料を、これは専門調査員室のほうでつくった資料でございますが、拝見をいたしました。それによりますと、「四十八年度において建設中又は実施計画調査中の所管別ダム数」というのがございまして、建設中が各省の分全部合わせて二百二十三カ所、それから実施計画調査中のものが百七十カ所、合計で三百九十三カ所というものがあげられておるわけですが、多少の相違はありましょうが、これによって実際水没をするという戸数、あるいはその農地がどれくらいあるか、それについて具体的に計算したものがありますならばお示しを願いたいと思います。
○川田政府委員 水没戸数の総合計と、それからそれによってつぶれます農地の総合計につきましては、できるだけ早い機会に集計をいたしまして、資料としてお届けするようにいたしたいと思います。
○清水委員 これは提案説明等からの数字でございますが、昭和六十年における全国の水需要のうち河川に依存する分は約九百七十億立方メートル、そのうち都市の使うものが五百十億立方メートル、またそのために、日本列島改造論を読みましても、昭和六十年には大小千百カ所のダムを建設するというふうに書かれておるわけでございます。こういったような場合に、大体これまた水没をする戸数あるいは水没をする農地、もちろん森林を含めてもけっこうでありますが、大体の概算というものが出ておるものかどうか。もしありましたら、これもまたお知らせを願いたいと思います。
○松村政府委員 ただいま昭和六十年段階のダムの建設と、それに対します農地の水没する数あるいは水没する家屋の数というものの概算ということでございますが、これにつきましては実は詳しく調査のできていない部分が相当数ございます。その中で近い将来と申しますか、この数年の間に着工しようというものにつきましては調査も相当進んでおるものもございます。しかしまた一方におきましては、将来の六十年に近くなってから着手しょうとしているものにつきましては、まだ調査がそこまで進んでおらないという関係があって、この概数というものは非常につかみにくいのですが、大体の数というものにつきましてのおよそのことはつかむことができます。それで、いまここには資料がありませんけれども、後ほどまた先生のほうにでもお届けしたいと思います。
○清水委員 もちろん将来のものについて概算を出せといっても相当時間を要するだろうと思います。それならば、ここの資料にあります二百二十三カ所の建設中のもの、これについてはしっかりした数字が出ていると思いますのでお知らせ願いたいと思います。
○松村政府委員 いまここに積算しておりませんけれども、これはすぐまとめられますので、後ほどこの場において御報告申し上げましょう。
○清水委員 この水没戸数あるいは水没農地面積等々は、この法案の適用という意味におきまして非常に大きな問題の部分となるわけですから、その点、それが数字がはっきりしないということになると、この法律案の審議にも非常に重要な影響があるわけですから、その資料については早急に提出をしていただきたいというふうに思います。 特にまた、われわれのほうで想定をいたしましても、生活基盤を失う者が非常に多数にのぼるというふうに予想されるわけであります。ですから、これらの生活基盤を失う者、しかも職業を失う者、農業なり漁業なりを失う者、こういった者に対しての対策というものを綿密に立てていかなければ、とても現在建設中のものも、それからまたさらに将来建設しようとするものについても、そこのところが大きなネックになって反対の声がますます大きくなって、ついに計画のものができない、建設中のものもどんどん延びていく、こういったようなことになりかねないと思いますので、その点について十分に調査し、そうしてまた十分に対策を練っていただきたい、そのように思いますが、大臣の御決意をひとつお伺いをいたしたいと思います。
○金丸国務大臣 ただいま先生の申されましたことにつきましては、十分検討してまいる所存でございます。
○清水委員 本法案、すなわち水源地域対策特別措置法案、そのほかに公有水面埋立法あるいは東京国際空港法、筑波学園、その他工業整備特別地域整備促進法等々、たくさんあるわけです。特に工業整備特別地域整備促進法ということになると、鹿島地区、東駿河湾地区、東三河地区、播磨地区、備後地区あるいは周南地区等々、たくさんの地域が指定されて、そこに工場が設置されるわけでありますが、このダムだけでも多くの農民がその職を失うというようなことになりかねないわけであります。なりかねないじゃない、実際なるわけです。特にまた、いま言ったような開発が行なわれますと、農民のみならず漁民その他の関係者がその職を失うことになるわけであります。いままでこれらのことについて、水没なりあるいは立ちのきの農家に対して、また農家ばかりじゃなく、それによって直接職を失うというような方に対してどのような対策がとられてきたか、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○川田政府委員 先生御指摘のように、従来建設省ではいろいろ大型なダムをつくっております。また水資源公団もいろいろ大型のダムをつくっているわけでございますが、たとえば東北地建で申し上げますと釜房ダムとか、それから関東地建の管内で申し上げますと薗原ダム、それから中部地建では矢作ダム、九州地建では松原・下筌ダム等につきまして、それぞれ用地買収に伴う移転を余儀なくされた人あるいは職業の変更を余儀なくされた方々に対しまして、現在追跡調査を行なっている最中でございまして、その後の生活環境等の実情を調べている最中でございます。 また、この法律をいま御審議いただいているわけですが、こういった法律の構想をまとめる前の段階で、用地買収等に伴ういろいろな影響を受ける方々に対しまして、具体的に、たとえば下久保ダムの例について申し上げますと、生活再建のための具体的な対策として群馬県等にダム対策室をまず設けまして、そしてそのダム対策室においては、御相談に応じまして、移転先のあっせんとか、代替農地のあっせんとか、それから転職の相談とかを現実に実施いたした次第でございます。
○清水委員 その追跡調査は公有水面埋立法の審議のときに御要望申し上げて、そちらでもおやりになるということであったわけで、それを実行されておることについては大いに期待をいたします。追跡調査は、何となく行なったのでは成果があがらないわけですから、それは集中的に、どこか一カ所選んで追跡調査したほうがいいと思いますが、どこか集中的におやりになっているわけですか。それとも、何となくピックアップしたようなかっこうで追跡調査されておるわけですか。どういう形で追跡調査をされておりますか。
○川田政府委員 先生お尋ねの御趣旨は、移転、買収者に対する悉皆調査であるか、あるいは抽出調査であるかとのお尋ねだったと私思うわけでございますが、現在私どもやっておりますのは抽出調査でございますが、これから手がける大きなダムについては悉皆調査もやりたい、やらなければならないと考えております。
○清水委員 その調査の目的というものは、つまり生活再建対策のより徹底したものを求めるために行なうものであろう思います。われわれもそのように主張をいたしたわけであります。生活再建策については、もちろんこれから多くの開発が行なわれるわけでありますが、それぞれの法律においてそれぞれその生活再建対策というものをきめていく必要があろうかと思います。そして現時点においても、本法案と、そしてまた琵琶湖法案に生活再建対策の項が設けられておるわけです。しかしこの生活再建対策というものは、先ほど申し上げましたように、筑波学園都市建設法あるいはまた工業整備特別地域整備促進法それから公有水面埋立法、そういったようなものについても当然これを挿入をしていかなければならないとわれわれは思うわけですが、その点についての御意見をお伺いするとともに、そういったようなばらばらの法律をつくっているのでは、どうしても漏れというものが出てくるんじゃないかと思います。ですから、この際、そういう追跡調査を基礎にして、いわゆる公共の利益のための事業、それはダムの場合もあるし、飛行場の場合もあるし、あるいは発電所の場合もある、また公共施設の場合もある。そういったようなものを全部総合いたしまして、離職者に対する特別措置法というものをこの際考えるときではないかというふうに思うわけでございます。ですから、前段のそれぞれ開発立法に挿入するという点、それから、それだけではだめな場合があるから特別立法をつくる必要があると思うが、その点についてどうか。その二点についてお答えを願いたいと思います。
○川田政府委員 現在、いろいろな大規模事業を実施する法律の中に、先生御承知のように、用地買収による影響を受ける方に対して特別な生活再建のお手伝いをするような法文が入っておりますが、あくまでも援助ないしあっせんという体制でございまして、法律上の明確な義務づけにはなっていないわけでございます。そういった意味で、はたして統一的な立法ができるかどうかということにつきまして法文上の検討をなお要するかと思いますが、同時に、国民に対する親切な行政として、そういった法案を追跡調査の結果を待ちながらいろいろ私どもも検討していかなければなるまいと思うわけでございます。一応現在の補償の体制はやはり金銭補償を中心ないしは根幹といたしまして、それを補完する措置としていろいろなかえ地の提供とかあるいはまた就職等のあっせんとかそういうような措置を補完的にとって公共事業等が円滑に実施できるような運用になっているわけですが、それを一歩進めて法律体制にせよとの先生の御意見でございますので、あるいはこれは河川局としてお答えすべきテーマよりもっと大きなテーマかもしれませんけれども、私どもとしては十分検討していく必要があるというふうに考えております。
○清水委員 これはもちろんいまおっしゃったように建設省だけの問題ではないわけです。通産省所管もあるし、あるいは防衛庁所管もあるわけです。運輸省所管もあるわけです。しかし、この水源地域対策特別措置法のような、こういう生活再建措置の向上というものをそれぞれの法律の中に取り入れるようにひとつ——ここに防衛庁も呼んであるわけですが、直接このために呼んだわけでもなかったわけですが、防衛庁としても配慮してもらいたいし、それからまた建設省としても他の省庁に対して強く働きかけをしていただきたいというふうに思います。さらにまた、何といっても建設関係が一番主ですから、この総合的な離職者対策について建設省が中心になって、今後ともその特別立法について特別に心を砕いた配慮をしていただきたい。強く要望しておきたいと思いますす。 次に、国土総合開発法が目下審議中であるわけですが、それについて、都市地域に総合開発計画がそれぞれ行なわれた場合にも、それを実際実効のあるものにするためには、どうしてもこういった離職者対策というものも十分やっていかないということであれば、必要以上の抵抗というものが出てくるのじゃないかというような心配があるわけです。もちろんこれに対して、われわれ国土総合開発法案に対する賛否というものを別にしての論議をしておるわけですが、こういったようなあらゆる計画、こういう離職者対策というものは、直接その土地の売買のときに関連することですから、これは十分配慮しておかないと、そしておまえたちは土地を手放しても食うには心配ないのだ、将来ともだいじょうぶだというようなあらかじめのそういった対策がきちっとしていないと、とても計画などというものは絵にかいたもちのような形になりまして、実効にはきわめて困難な面が出てくるのじゃないかというふうに思うわけです。その点について大臣から特別のお答えをいただきたいと思います。
○金丸国務大臣 先生の御指摘の点につきましては、今後いかなる公共事業を推進していく上におきましても離職者対策というようなことは考えなければならぬし、いたしますが、ダムの問題等につきましては追跡調査を十分にし、また各関係省庁とも十分連絡をとりながらひとつその問題にとり組んで、今後十分な検討を進めてまいりたいと考えております。
○清水委員 日本列島改造論にいたしましても、昭和六十年までに千百カ所くらいのダムをつくるといっておるわけですが、そのダムは、この法案の第二条の指定基準に達するものというのは大体どの程度になるものか。もちろんこれはまだ計画ですから、具体的にまだはっきりした問題じゃありませんから数字が出ないと言われればそれまでですが、総理の書いたものですから、おそらくその原案というものは皆さんのほうで出されている、その素材というものは皆さんのほうで提供されているに相違ないと思います。ですからそういう意味でお伺いするわけです。どの程度第二条の指定基準に達しているものがあるか、おわかりでしょうか。
○松村政府委員 お答え申し上げます。 日本列島改造論でいう千百のダム、実は私のほうもその内容はよくわからないわけでございますが、われわれのほうの計画といたしましてもやはり千個ほどダムが将来には必要になるという結論が出ております。ところでこのダムの個々の水没戸数あるいは水没面積、これ等ははっきりわからないのが相当あるわけでございますので、これについてどの程度この水源地域対策特別措置法が適用されるかということはちょっとわからないわけでございます。ただ現在の実施中のダム、これのうちにどの程度が水没されるかということは、これはもちろん推計されるわけで、私どもでいきますと、この整備計画が適用されるダムというのは大体六十前後になるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。ということになりますと、大体四百のうちに六十くらいの数でございますから、その割合でいきますとおそらく、千百というと百五十か何か、そのくらいのことになるのじゃないか。これはほんとうに推計でございますので、あとはわかりませんが、現在はその程度でございます。
○清水委員 そうすると、ほんの一割か二割ということ、個数としてはそういうことになりますね。もちろん水没戸数、水没農地の広さ、そういったものになった場合はなかなかそういうことじゃないだろうと思いますが、いずれにしても指定に達しない、水没三十戸あるいは農地三十ヘクタール、これ以下のものについてはどういうような救済対策があるのか。その点、政府委員のほうからお伺いをいたしたいと思います。
○松村政府委員 ただいまお話しがございましたように、これの適用にならないダムについてどう考えるかということでございます。これにつきましては、この法律を提出する以前におきましても、その地域からのいろいろ再建対策あるいは周辺の整備対策、こういうものについての要望は数数あったわけでございます。それでこれにつきましては私ども各省といろいろ連絡いたしましてできる限りの措置はやってきておる。行政措置としてやはり道路とかその他の整備あるいは農地の整備についてはつとめてきたわけでございます。ところがこれが非常に数が多くなる、しかも水没戸数も多くなるというようなダムにつきましてはなかなか困難な点もあったわけで、それで今回の法律によってこれの万全を期したいというふうに考えておるわけです。したがいまして、この法律から漏れるいわば小規模ダムにつきましても、やはりこの法律の精神にのっとりまして、行政措置といたしまして、各省とも連絡もとりまして、あるいはまた建設省自体でもって措置できるものも相当ございますが、これでその地域の整備ということについては極力進めて、この法律に近いような効果をあげたいというふうに考えておる次第でございます。
○清水委員 むしろ問題はこの三十戸あるいは三十ヘクタールの基準に達しないもの、あるいはさらに地域指定という項があるわけですが、この法律がほんとうに効果を発揮するのは、この地域指定になった場合、大体戸数にして水没二百戸、それから農地面積二百ヘクタール、こういったようなことをお考えのようですが、これぐらいに大きくなれば、やはりそれによって生業を失う、職を失う、こういったような数も相当多くなるわけですから、法律ができようとできまいと、あろうとあるまいと、相当の運動になって、皆さんのほうで、政府としてあるいは地方自治体として対策を練らざるを得ないようなことになるであろう、そういうふうに思います。ところが小規模あるいは基準以下ということになりますと、このとおり三十戸あるいは三十ヘクタール、面積も非常に狭いし、それから戸数も少ないということで、これはなかなか運動にはならない。われわれを何とかしてくれといったような運動にはならない。どうしてもそのためにも救済措置を整備しておかなければならぬ場合がむしろ多いんじゃないかというふうにわれわれは思います。そのためにも、こういういわゆる基準に達しないものを救済するためにも——これはダム関係の法律ばかりじゃなくて、あらゆる開発関係の法律にもおそらく同じようなことが言い得るだろうと思います。そういったようないわゆる基準以下のものはきわめて弱い立場にあるから、むしろ法律的にきちっとしたものをつくっておいて救済措置をしていかなければならないのじゃないか。特に一つの別々の法律に規定することができないとするならば、たくさん集まると相当の数になるわけですから、したがって、いわゆる公共の福祉のための事業によって職を失う、それに対する特別措置というものが必要になってくるというふうに思うわけです。ですから、こういうこまかいものを広範に救うためにも独立立法が、いわゆる離職者対策のための特別立法が必要じゃないかとも思うわけですが、その点、御見解を承りたいと思います。
○松村政府委員 お答え申し上げます。 先ほど私申し上げましたのは、単に生活再建ということだけではなくて、やはりその地域の周辺の整備計画というものを含めてのお話を申し上げまして、しかしまあこのうちの離職者、特に水没いたしましての生活再建の一部としての離職者対策、これについては非常に重要なもので、ダムについて申し上げますと、やはりこれが一つのダムで非常にまとまってくると問題が大きくなってくる。それでまた地方の公共団体、市町村あるいは県、こういう段階でなかなか措置のしにくい点もある。それでこういう法律でもってひとつまとめていきたいということでやっておるわけでございます。これは数が少ない場合には、これのあっせんその他の措置につきましても、地方公共団体等の協力を得ますると、比較的可能性も多いわけでございます。そういうことで措置しておるようなわけでございますけれども、これは国全体の措置といたしまして、ダムだけでなく、ほかのものも、こういう公共事業等によりまして土地を失い、あるいは離職した者に対する対策を考える必要があろうということは、私も十分検討してやらなければならないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○清水委員 先ほど申し上げましたとおり、本法案はこの周辺に残っている方々に対する対策を主としてつくられておる、いわゆる周辺の整備の決律であるわけです。ですから、その法律に出てこない、そのためにこの地域を去らなければならない方々に対する対策というものがもっと明確にされてよいのじゃないかということで質問しておるわけでございます。もちろんこの法律に初めて生活再建というものがきわめて具体的に出てきたということに対して歓迎しながらも、他の法律があまりにもまだおくれておる、そういう点についてあまりにも気を配らな過ぎるといったような立場で、この法案にかこつけながら御質問を申し上げておるわけでございます。そういう意味におきまして、このダム法案に限らず、他の多くの開発法律の中にもぜひ、小規模開発であってとかく忘れられがちのこの犠牲者に対する措置というものを、今後ともそれぞれの法律に入れるか、あるいはまた独立立法というものをつくるか、いずれかにしてもらいたいということを再三申し上げておるわけでございます。 本論に戻りますが、いま言ったようにこの水没面積が二百ヘクタール、あるいはまた水没戸数が二百戸、そういったようなある水準以上のものに対して適用されるということであるとするならば、この法律の適用を受ける数は千百のうちの百五十くらいかといったような御説明があったわけですが、きわめて少ない数になるような気がするわけであります。いま現在、この資料によっても三百九十三カ所というものが予定されておるわけですが、そのうち実際この法律が適用されるであろうと予想されるものは何カ所ぐらいになるわけですか。先ほどの六十カ所といったような数字ですか。
○松村政府委員 そのとおりでございます。
○清水委員 この法律は、水資源確保のためのダム建設または湖沼の水使用促進をはかる上で隘路となっている周辺地域住民の反対に対して一定の水源地整備と生活再建、国の負担の割合の特例を設ける、そういうことによって事業の促進をはかるということが目的となっておるわけです。しかし、いわゆる金銭補償といったような原則は相変わらず変わっておらないわけでございます。しつこく言うようですが、国が職業の保障あるいは前収補償等を金銭補償と一緒に、それ以上に努力をしていかなければならないということを強く訴えていきたいと思います。この法案の内容だけならば地方自治体やあるいはまた、水資源公団総裁も来ておられますが、公団のほうでもすでに相当程度やってきたような気がするわけでございます。それを、この法律をつくることによっていままでやってきた以上にやろうとする一つの当然のねらいがあるだろうと思いますが、具体的にいままでやってきた以上のことでどういうことをこれからやろうとしておるのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。いまこの法案にあらわれている程度ならば、すでに今日までやってきておるわけですね。ですから、もしさらに前進したものを皆さんがおやりになるというならば、もちろんわれわれは大いにそれを期待するわけですが、具体的にどのようなことを今後おやりになろうとしているのか、その点をお伺いをいたしたいと思います。
○川田政府委員 先生お尋ねの御趣旨は、生活再建のための措置について、この法律を出すことによって具体的に一体どのように新しいことをやろうとするのかとのお尋ねでございますけれども、私ども従来からいろいろ大型のダムを手がけております。各地方におきましてそれぞれ三百戸以上水没するようなダムも手がけているわけでございますが、その場合に一番問題になりますものは用地の買収並びに移転の補償という問題でございまして、これは常に古くしてしかも新しい事業と申しますか、新しい問題点が常に出てくるわけでございます。そうしたものをまず第一番に解決いたしませんと、ダムの工事に入れないというのが実情でございます。したがいまして、それぞれのダムの特殊事情に応じまして、あらゆる限りの対策をいままでもすでに講じてきておりますので、今後この法律が出ましたからといって、何かいままで落ちがある、新しいことをここでやろうとするのかという疑問も当然生ずるわけでございますが、そうした趣旨ではなくて、考えられるいろいろなことを親切にやっていくわけです。代表的なことといたしまして、宅地のあっせんとか農地の取得に関するあっせんとか、住宅、店舗その他建物の取得に関するあっせんとか、職業の紹介、指導または訓練に関するあっせんをやるということを法律上の条項として義務づけるということに非常に意味がある。またこれによって直接地元の人たちも、調査事務所あるいは工事事務所等と折衝をする際に、こういった条文を背景としていろいろ御要求も出せるということにむしろ意味があるものというふうに考えている次第でございます。
○清水委員 もちろんこの生活再建のことについては琵琶湖総合開発特別措置法に始まり、さらにまた本法案において前進している点が見られるということについては、われわれも大いに歓迎するところであります。しかしながらやはりまだまだ金銭補償という域を出ておらない。われわれはこの法律をつくるねらいというものは、さらにその場限りでないもの、言うなればアフターケア的なものをぜひやってもらいたい、そういったような前進した姿を今後見せてもらいたいということを強く要望するわけでございます。たとえば農家に対して金銭補償をする。そしてそれによって農家はアパートを建てればいいじゃないか。そうしたら何もやらなくとも食っていけるじゃないかというような説明がいつかの委員会の御答弁にあったと思います。しかしながら、われわれとしては、農民の場合はその労働力を使い得るような形での職業保障をしていかなければならぬ。そうでないと、いままで営々として働いておった農民が労働力を使うことなく、ただアパートの収入によって生活をするといったようなことだけでは、ほんとうの意味での生業保障にはなるまい。そういったようなことについて同じく生業保障を考えるにしても、やはりいままでやってきた職業を十分に配慮してこれらの方々に対する一つの生活保障というものをやっていかなければならないのじゃないか。そういうきめこまかい指導というか、そしてまたアフターケア的なものが絶対に必要になるであろうというふうに思うわけでございます。そういう意味におきましても、せっかく生活再建ということにだんだん法案の規定がきめこまかくなりつつあるわけですから、そこまで考えたところの内容にまでさらに一歩前進をさせていただきたいというふうに強く思うわけでございます。 いままでは、目下つくられつつあるもの、それからまたこれからつくられるであろうものを対象にして御質問を申し上げたわけですが、どうでしょう、いままでも相当つくられておるわけでございます。現在建設中のものあるいはまた将来の計画に対してもあまり完全な対策がない現在、既設のものについては何らの配慮がなされておらないのは当然でありましょうが、こういったように少しでも前向きのものが出てきた今日において、すでにつくられたものに対しては今後どういう対策をしていこうとするのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○川田政府委員 今回御提案申し上げました水源地域対策特別措置法案の考え方といたしましては、先生御指摘のように、生活再建のための措置というものと、それから地域社会がこうむるいろいろな不利益に対する補てん的な事業を実施することを一つのねらいとしているわけでございまして、そのために水源地域整備計画というものをつくり、計画的な事業を実施するということを一つのねらいとしているわけでございます。 そこで、いままでつくられたダムというものにつきましての措置でございますが、すっかり完成しているダムにつきましては、一応事前に十分そういった計画についても地元の方々と、各個人ないしは地方公共団体とも十分打ち合わせをやった上で実施している次第でございますので、特にこの法律として取り上げるということは考えておりませんが、ただ、この法律の運用上必要な各省の連絡の場がどうしても必要でございます。いろいろな事業にわたり、また生活再建の御協力にしても、建設省限りで処理し得ないような問題がもちろんたくさんあるわけでございますから、そういった問題も含めまして、関係各省の連絡協議会という場をつくっております。四十七年の九月に次官会議申し合わせで、ほとんど各省網羅した局長クラスの方々で、ダム関係のそういった問題を処理するための連絡協議会をつくっておりますので、もしもいままでやったダムにつきましていろいろまだ問題点が残っているということでございますと、そういった場で取り上げて、個々に解決してまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 既設のダムのある市町村からいろいろな要望が出されているわけですが、「既設ダム所在市町村の低位にある行財政水準の速やかな引き上げのため、国の財政援助措置について十分な配慮を行なうこと。」それからまた「ダムに係る固定資産のうち、水道事業及び工業水道の用に供する部分について、固定資産税の課税対象あるいは国有資産等所在市町村交付金の交付対象とするよう所要の措置を講ずること。」こういったような要望があるわけですが、こういったような要望に対してはどのように対処をされていくつもりであるか、御所見をお伺いいたしたいと存じます。
○松村政府委員 ダムの固定資産のうちの水道、工業用水道にかかる分、これの固定資産税あるいは市町村交付金、これの分につきましては数年来非常に問題になっておるわけでございます。それで、ダムをつくる建設省といたしましては、この固定資産税、あるいは交付金、これの交付はぜひ必要ではないかという主張を続けてきておるわけでございます。しかし一方、公共料金等の関係もありまして、これについてさらに検討を要するという声も関係各省のうちには出ておるわけです。それで、早急の解決ということにつきまして、私どものほうもぜひともこれを進めたいということで、さらに強力に担当者といたしましては進めていく考えでございます。
○清水委員 時間がありませんので質問を進めたいと思います。 いままでは、生活の基盤を失い、生業を失った者に対する対策を中心に御質問申し上げたわけですが、今度は本来の目的である関係住民の生活安定と福祉の向上という立場から御質問を申し上げたいと思います。 政府は、ダムのためには水源地域対策特別措置法案、あるいはまた新東京国際空港のためには新東京国際空港周辺の整備のための国の財政上の特別措置法、軍事基地のためには防衛施設の周辺の整備に関する法律、発電所、これは火力だとか原子力発電所等のためには、発電用施設の周辺地域整備の法案、それぞれ用意をしておるわけです。また筑波学園都市あるいは鹿島工業団地等の開発の場合にも周辺地域の対策が当然必要になってくるわけでございます。 多少それるような感じもするわけですが、いまいわゆる日米の申し合わせによって、軍事基地というものがそれぞれ国の何カ所かに集約されるような方向でありまして、それに関連して相当多くの米軍基地というものが返還をされるという状態に来ておるわけでございます。いま私が御質問申し上げようとするのは、全国的に見てちょっと様子の異なるケースでありますので御質問申し上げるわけですが、埼玉県の狭山において払い下げの問題になっているのは、もとの稲荷山公園というところにありましたハイドパーク、二十一万九千百平方メートルの問題であるわけです。これは戦後米軍の進駐によって強制収用同然に取り上げられたものであるわけです。このときに狭山市の所有者は——所有関係はどういうふうになっておったか私たちもよく調べがついておりませんが、防衛庁のほうで、この米軍に接収されました稲荷山公園というものが、そもそもどのようないきさつで、どのような値段によって強制収用されたものであるか、もしおわかりならばひとつこの席で御説明を願いたいと思います。
○奈良説明員 お答えいたします。 先生御指摘のいまの稲荷山公園地区といいますのは、いわゆるハイドパークといわれております住宅地区のことだと思うのでございますが、これは米軍の接収以来といいますか、昭和三十二年以降五年にわたって民間の方から買収させていただいたものでございます。当時の経緯につきましては現在わかりませんけれども、価格でございますが、三十五年、最終年度の価格は坪で二千六百十円で買い上げております。 以上でございます。
○清水委員 狭山市のほうでは、今度この返還のあと地を稲荷山公園として、もとのとおりにして市民のために使用しようというように考えておるわけでございます。そのためにぜひ無償払い下げあるいはまた無償貸与をしてもらえないかというお願いが、大蔵省なり防衛庁なり、それぞれの関係機関のところに来ておるわけでございます。私は別にここで陳情申し上げようとは思わないが、とにかく市民から強制収用同様にして取り上げたこのハイドパークがせっかく返るわけでありますから、特に狭山市としては、自衛隊がこの米軍基地のほとんどを使っているわけですから、基地そのものは依然として残る、したがって当然基地周辺の整備に関する法律の適用の中にあるわけでございまして、そういう意味からしても、当然相当程度の施設を市民のために今後ともしなければならないといったようなことがはっきりしている以上、この市民の要請に対しては当然こたえるべきであるというふうに私は思うわけですが、その点について大蔵省はどのようにお考えになっているか、担当の人が来ていると思いますので、ひとつお答え願いたいと思います。
○川崎説明員 御指摘の稲荷山公園でございますが、地元から公園にという御要望は私どもも承っておりまして検討いたしております。ただ、御承知かと思いますが、この米軍施設の統合につきましてはかなりの経費を要しますが、このあと地は特定国有財産整備特別会計で行なうということになっております。したがいまして、国有財産一般の原則でございますが、時価処分ということになるわけでございます。しかしながら、公園あるいは学校、そういったような無償で貸し付けることができるとか減額売り払いができる、そういったものに該当いたします用途に充てるといった場合には、やはりそれはそれぞれ無償で貸し付けたり減額するということもできると考えますので、時価売り払いの原則とこの無償貸し付けできるという範囲をケース・バイ・ケースで、特に地元とよく御相談をしながらきめていきたいと考えておるわけでございます。
○清水委員 ぜひその点について前向きの、市民の喜ばれるような形での御検討をお願いをいたしたい。特に軍事基地が依然として大半残るという形の中での払い下げの、あるいは貸与の問題でございますので、その点、防衛施設周辺の整備等に関する法律のたてまえからしても十分配慮していただきたい。実はいま国会の前におきまして「北富士 忍草母の会」という方々が「国策遂行に悪乗りする防衛施設庁の不正な補助金行政のごり押しを告発する」というような文書をまかれておったわけですが、この事の内容は別として、一応防衛施設庁としても北富士演習場関係にも十億円近い補助金が交付されるというような内容も書かれておるわけです。いずれにしろ、基地周辺には相当多額の金を防衛庁としても支出されておるわけですから、その一環としてでも、ぜひ大蔵省と協議されまして、市民にはできるだけ負担のかからないような形で、もとの稲荷山公園とすることができるような形を考慮してもらいたい、すべきである、そういうふうに思うわけでございます。 これは同じく入間市においても同じことが言い得るわけでございます。入間市というところは、主要なところ、駅も袋小路みたいなところに存在するという形で、これも基地が駅の周辺までずっときておるといったようなことが大きな原因になっておるわけですが、たまたまこの基地の返還ということが起こってまいりまして、その点において、これを機会に駅の周辺を整備をして、ほんとうに近代的な入間市を建設しようというような、そういう計画がいま入間市の中で練られておるところでございます。ですから、これまた防衛施設周辺の整備等に関する法律の趣旨からして、あるいはまたこの入間基地の前身である航空士官学校ができるときのいままでの入間市の協力の経過からして、当然このハイドパーク同様に、基地周辺の整備をするため、入間市の近代的な整備計画というものを成功させるためにも、大蔵省、防衛庁としてもこれに対して協力をしていかなければならないんじゃないかというふうに思うわけでございます。その点についてハイドパークとあわせて、防衛庁、そして大蔵省からの御答弁をひとついただきたいと思います。
○奈良説明員 私どもは、現在もそうでございますが、今後も特にこの関東地区の基地の集約あるいは返還ということに努力をしてまいりたいと思います。その結果返ってまいります土地が出てまいりますれば、これはそれぞれの地方の実情に合った形で大蔵省等におきまして利用計画を検討されるわけでございますが、基地として長い間使っていたという因縁もございますので、私どもも十分地元の方たちの御希望を大蔵省等にお取り次ぎをして、側面から援助させていただきたい、このように考えております。
○川崎説明員 先生お話しの入間市からの御要望も私どもよく承っておるわけでございまして、ただいま関係機関がたびたび集まって協議をいたしておる段階でございますが、いずれ成案を得ましたら中央審議会におはかりをしたい、そしてその上で具体的に中央審議会の審議を経て処分を決定する、そういうふうに考えております。その際にはやはり地元の御要望に最も沿った形で、過大な負担にならないような案をつくって御審議をお願いしたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○清水委員 本法案の中にも、ダムの周辺整備計画を実行するために必要ある場合は国有財産等も払い下げるといったようなこともあるわけですから、全く同類の法律である防衛施設周辺の整備等に関する法律の趣旨からしても、当然この入間市なり狭山市の都市計画について、十分基地の周辺の土地として協力をしていく必要があろうというふうに思うわけでございまして、そういう意味からしても、ぜひ大蔵省、防衛庁、ともに、この入間市、狭山市に向かっての整備計画に十分ひとつ協力をしてほしいということを御要望申し上げておきたいと思います。 次に、これはダムではございませんが、全くダムと同じように、地域住民にはそのものが典型的な公共の施設でありながら、ちっとも周辺にはメリトがないというようなことでやはり問題になっておるのは、いわゆる建設省直接の所管でありますが、森林公園の問題があるわけでございます。 〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕 森林公園というのは、これまた埼玉県の滑川村というところ、熊谷に少しかかるわけですが、約三百ヘクタールという、日本では最大の公園といわれておるわけでございます。問題の本質はダムと全く同じでございます。これは明治百年記念公園として、いわゆる武蔵丘陵森林公園と呼ばれておるわけですが、昭和四十四年に着工いたしまして、四十九年五月開園、来年の五月には開園ということになっておるわけでございまして、ほとんど七、八割方完成を見ておるわけでございます。経費は四十六億円、広さは、先ほど申し上げました三百ヘクタール余り。で、ダムではないけれども、この市町村の生活の基礎条件というものが非常に変化をするということ、また、変化はするが、それによってメリットというものが非常に少ないという点においては全く同じで、ダムと同じであるというような気がするわけでございます。このことについて関係市町村からは早くから一つの要望というものが出されておるわけでありまして、公園の整備と並行して周辺の整備が行なわれることが地域発展上絶対必要な条件である。そして、県や国においても関係市町村のこの要望を取り入れて森林公園周辺の整備を早急にお願いをする。そしてまた、整備計画をやるについても関係市町村と十分連絡をとって、意思というものを尊重してもらいたいというような要望も出されておるわけでございます。これについて建設省としてはどのように考えられておるか、ひとつお答えをお願いいたしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 武蔵丘陵森林公園は、御指摘のとおり三百ヘクタール余に及ぶ非常に広大な公園でございまして、全額国費をもって明治百年記念事業として施工中であり、四十九年には大部分が完成いたしますので開園の予定であるということはおっしゃるとおりでございます。お話ではございますが、この事業に関連いたしまして、いろいろと周辺地域あるいは地元村にとりましてもメリットとなるようなことも多々あると考えております。たとえば、東武東上線に「森林公園」という駅ができるとか、あるいは関越自道車道が現在建設中でありますが、そのインターチェンジが付近にできるとか、あるいは国道のバイパス等が促進されるとか、あるいは緑道が関連して整備されるとか、県道の拡幅などが行なわれるということがあるかと思いますが、それにいたしましても、広大な地域を国営公園として将来にわたり、占めることになりますので、今後とも地元村の御要望、御意見も拝聴しながら、さらにこの地域全般の総合的な発展、保全ということの調和につとめることにいたしたいと思います。
○清水委員 たいへんメリットがあるようなお話をされたけれども、最初はそういうことになるであろうというようなことで、村のほうとしてもたいへん喜んでおったようでございます。ですからわれわれも、これは建設省のほうにも来ているだろうと思いますが、四十三年のこの計画がされたあたりは、非常に陳情書にも歓迎されておる状態というものがよくあらわれておるわけでございます。たとえば四十三年の六月二十二日の陳情書を見ましても、「国、県当局の格段の協力とご努力により、本村に森林公園建設の決定がなされたことは村民挙げて感謝しております。」こういうようなことが冒頭に記されておるわけでございます。ところが実際この工事が進行し、完成が近づくにつれて、だんだんこれは様子が変だというようなことになってきておるわけでございます。そしてこれは四十七年三月二十一日の請願書になるとだいぶん様子が変わってきて、「爾後五ケ年間農地買収に応じた旧地主は生計に事欠く事態となり細々公園労務者として労金をえて生計を保つ現状であります。森林公園開園後は労金の途も絶え、その後に於ける生計は誠に憂慮に堪えない事態が到来することは必然であります。ついては私達旧地主の窮状をご推察下さいまして公園内に於ける売店その他公園一般管理業務に関する諸権利を旧地主にお与え下さる様特別の措置をいただきたい」こういったような、どうも生業の保障の問題で非常に大きな問題が出てきておるというように感ずるわけでございます。そういったような点についてひとつ建設省の今後の対策をお伺いをいたしたいと思います。 同時に、この森林公園ができたことと関連して、県のほうでは緑地保全地域というものをこの滑川村のほとんど全域にわたって指定をするというような状況になっておるわけでありまして、その点についてはわれわれは別に反対というようなここに意思表示をしておるわけではありません。ただ、滑川村としては、この公園ができたために非常に今後町も発展するであろう、それからまた開発もされるのではないかというような期待が非常にあったようでありますが、森林公園ができてくるにつれて、どうもそういう方向のことが期待できなくなったといったようなことで、村民としては、森林公園に対するメリットという点においては当初の考えよりもだいぶん当てがはずれたということで失望しておるというのが現状のようでございます。その点についてひとつ建設省の御見解を承りたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 先ほども申し上げましたような関連する諸事業の促進というようなことは、当初から別段過大に申し上げたことはないと思いますが、しかし現実に数年間たちまして、まのあたり開園の時期が来たら、それぞれの村民の方が思っていたようなイメージと実際上感じが食い違うということもあり得ないことではないと思います。私どもそういうことで誠意をもって全体の総合的な計画を進めてきたつもりでありますが、なお村当局あるいは地元村民、なかんずく用地買収に協力された方々の御要望につきましては、個別に御相談に応じ、できる範囲で今後の対策に生かしていきたい、こう考えます。
○清水委員 この森林公園は、最初は大体年間百万程度の入園者を考えるといったようなことのようであったのですけれども、いろいろ諸般の情勢——コンピューターにかけてやったそうですが、三百六十万程度の入園が予想されるというような実情のようであります。こういったような場合に、森林公園の周辺の道路事情というものは、関越道路といったようなものもあるし、それに取りつけ道路もできるわけだが、特に北のほう、熊谷−森林公園、こういったような森林公園との間の道路について全然計画がないというような状況のようであります。しかし、一般的な利用のしかたを考えてみると、東京から森林公園を見て、それから熊谷のほうへ出てそのまま北へ抜ける人、あるいはそのまま十七号を下がる、そういったような利用のしかたをする人も相当あるのじゃないか。また逆の場合もあるのじゃないかというような予想からして、この道路計画といったようなものはどのようになっているのか。そういったようなことについて地元の自治体、特に滑川村との間にいろいろと折衝がなければならぬはずですが、どういったような状態になっておるのか、その辺のこともお伺いをいたしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 私ども開園当初から百万人程度の入園者があるものと予測しておりましたが、次第に後年度になるにつれまして、将来としては二百万人くらいにふえるものと考えております。非常に広大な公園でありまして、それが南北に長細くなっておりますので、南北間の距離というのも相当あります。その辺が当初の計画には、たとえば御指摘のように北側の入り口とか、あるいは北側に取りつくような道路という計画もなかったわけでございますが、そういった地形あるいは入園者の予想等を勘案し、かつは地元の御当局のいろいろな御要請というものも考え合わせまして、北側にも入り口をつくり、さらにその周辺街路を整備するというようなことを考えたいと思っております。特に入り口につきましては四十九年度にこれを事業化したい。当初の公園全体計画三十六億には含まれてない事業でございますが、明年度これを予算要求して実施し、あわせておいおいと関連事業の整備にもつとめたい、こう思います。
○清水委員 道路計画もさりながら、今後の森林公園の運営の問題、それから周辺の整備の問題等等、地元の自治体との間の話し合いが建設省との間に行なわれているかどうか。どうもわれわれ行って現地を視察してみても、その間何らの折衝もないようなきわめて断絶した状態にあるような感じを持ってきましたが、その点について自治体との間の、いわゆる関係市町村との間の話し合いが進められておるかどうか。今後の森林公園の運営の問題、それからまた周辺の道路計画その他を中心とした計画の問題についてお話し合いをしているのかどうか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 この事業は、直接には関東地方建設局道路部及び出先の事務所で担当しているわけでありまして、いろいろ地元の方たちの御要望によりましては、直接その事務所なり地建だけで対処できない問題もあります。その間に御指摘のようなそごもあったかもしれませんが、基本的には十分接触もし、御意見も承るようにつとめているはずでありまして、もし抜かりがあるようでございましたら、今後はそのようなことのないように十分に注意いたしたいと思います。
○清水委員 地元との話し合いを早急に持たないと、来年の五月開園ですから、あと幾らもないわけです。やることはたくさんあるわけです。しかも地元の農地を手放した方からの悲壮なるいわゆる生業保障その他の要望も出ておるわけでありまして、これはたまたまダム関係の法律審議のときにやるのはどうかと思ったのですが、類型としては同じ種類のものであろうというような考え方のもとに、時間をかりて御質問を申し上げておるわけでございます。その点について村との間にひとつ早急に今後のいろいろな運営や整備計画の問題で話し合いをしていただきたい。現地で当事者能力がない場合が相当あるようですから、これは建設省の直轄でやっている仕事でございますだけに、ぜひひとつ今後話し合いに入ってもらいたいというふうに思います。 特にいま問題になっておるのは水道の問題でございます。これはいつか新聞でも出ておった問題ですが、滑川村というところは大体水はないのです。北に行くほど関東平野は水がないわけですが、深い井戸かあるいはため池等を利用して水を使っておるという状態です。森林公園ができて、森林公園のほうからの要請によって水道が必要になったということで、四十六年三月に県のほうの水道の施設の認可をとりまして、東松山のほうから一日三千立方メートルという水を購入する契約をいたしまして、そのうち公園が一日一千立方メートルというような話し合い、約束であったわけです。公園側としては四十七年度現在、一日にたった十立方メートル程度しか使っていないようです。ところが滑川村としては、森林公園ができたということを一つの契機にいたしまして、一挙にここで村での水道事業というものをひとつ整備していこうということになりまして、先ほど申し上げましたような計画になったわけでございます。しかし去年の四月に建設省のほうから、四月から給水してもらいたいという依頼書が参りまして、それで四月一日から給水の開始ということになっておるわけでございます。これは依頼書というのは建設省関東地建の局長から来ておるわけでございます。どっちにしても四月一日から滑川村では給水を公園に対して開始をしておるわけでございます。ところが公園側としては現在は一日たった十立方メートルしか使っていない。しかし村としては、一応公園側に日に一千立方メートルというものを給水するということを一つのてこにしながら村の水道計画というものを立てておるわけでございます。村のほうとしてはそのような水道給水計画のもとに水道事業を始めたのであるから、いまさら一千立方メートル使わない、十立方メートルしか使わないから、その十立方メートルの代金でがまんしろといわれても水道会計は成り立たないということで、森林公園に対して、一日に千立方メートルですから、月三万立方メートル分の二百二十五万円の請求をした。ところが公園のほうでは十立方メートルしか使わないからそれだけしか払えないというようなことで争いが起きておるわけでございます。その点について、現在もそういう状態が続いておるかどうかをちょっとお伺いいたしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 現在もまだ話し合い継続中でありまして解決しておりませんが、直接に村当局あるいは県のほうのあっせんなどもお願いしているようでございまして、早急に解決しなければならないと考えております。
○清水委員 いろいろ問題があると思います。実際、村のほうとしても無理を言っておるという点もわれわれのほうとしても考えられなくはないわけです。しかしこういうような、村の約十分の一くらいの地域を占める森林公園、この森林公園の及ぼす影響というものは、やはりそうメリットばかりではない、デメリットも相当あるものというふうにわれわれは考えておるわけであります。そういったようなことで、こういったようなものをつくる以上は、やはり周辺の整備ということについても建設省としては当然協力をしていくというようなことでなければならないと思います、当然村の水道事業の運営についても協力をしていくという態度があっていいんじゃないかというふうに思うわけでございます。現在公園に関する周辺整備の法律が別にないわけですから、せめて水道事業ぐらいで率先この事業の円滑なる運営のために建設省は協力すべきであるし、村としてもその辺のねらいからそれを要求しておるのではないか。せめて水道事業くらいは建設省協力してくれたっていいんじゃないかというのがほんとうの気持ちのように私は受け取っておるわけでございます。その点について重ねて建設省側の御見解を承りたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 水道事業の運営につきまして未解決の問題が残っていることはまことに恐縮であります。私どもも一応の筋道と理論づけというものがなければ、やはり全額国費で建設もし、将来は維持運営もしていくというつもりでありますので、そういった費用を出すということも説明ができないのではないか、こういうような意味合いでありますが、しかしながら村当局もかなり大規模にこの公園による水の使用料というものに依存している事業計画であるということもわかりますので、そういった何が何でも計算づくめという態度ばかりじゃなくて、おっしゃるような気持ちも含めまして円満に解決するようにいたしたいと思います。
○清水委員 そういったような前向きの御答弁で私は了解したいと思いますが、本法案の十一条の精神からしても、ぜひこの地元の要望というものにこたえていただき、そしてまた少しでもこの地元の各方面の整備計画に協力していっていただきたい。それが一連のこの公共施設の設置に伴う周辺整備の法律の趣旨でもあろうというふうに思うわけでございます。 最後にお伺いしますけれども、この森林公園の運営については、その運営の主体はどういう形になるのか、やり方はどういう形になるのか、その点、お伺いをいたしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 当初予定しました事業は今年度でほぼ終わるのでございますが、しかしながら先ほどのお話しのような北のほうの入口の追加工事も必要だと考えて、これも明年度相当額予算計上いたしたいということで予算要求をすることにいたしております。そういったことで、五月ごろに開園はいたしますが、依然として明年度は建設工事も終息しない、こういう状況であろうかと思います。本格的にはおそらく五十年ごろに工事は終わりまして、維持管理のみに切り変わっていくと思いますが、将来の維持管理のあり方といたしましては、私どもは、国が建設した公園でございますので、国、つまり建設省の直轄による維持管理ということを考えます。ただし、直接にその維持管理の人手をたくわえておくということは、定員も非常にかかりますし、非常に繁雑な事務にもなりますので、そういった定員の節約その他から見まして——これはまだ私どもの考えでありますが、国とか地方団体の共同出資によるような法人でもつくっていただいて、これに事実行為を委託するというようなことが最も適切ではないかと考えておりますが、なおこの点は検討中であります。
○清水委員 それじゃ念のためにお伺いしますが、大体国と地元の自治体、それから民間を含めた、言うなれば第三セクター的なものをお考えになっておることですか。
○吉田(泰)政府委員 これはまだ私どもの構想でありますが、したがって民間まで入れるかどうかまだ考えておりませんけれども、少なくとも国だけじゃなくて、国と地元の両方の出資による財団法人のようなものであれば、その運営についても地元の方のいろいろな意見というのも反映されやすいのではないか、こう考えております。しかしながら運営費自体はもちろん国の予算をもって計上し、これをそこに全額委託する、こういうかっこうになります。
○清水委員 こういった運営についても、村のほうから「武蔵丘陵森林公園園内受託業務並びに周辺業務に関する組織編成について」といったような提起もされておるようでございます。ですから、いずれにしろいまの場合ですと地元の自治体との間の話し合いというものが、来年の五月開園を控えて全然ないといったようなことは、ずいぶんいろいろな面で問題があるようでございますから、単にこの水道料金の問題ばかりじゃなくて、今後の森林公園の運営のやり方等についても十分ひとつ地元の自治体と話し合って、地元の自治体の意向というものを取り入れていただきたいということを強く要請しておきたいと思います。また、そういったような形がなければ、今後ともこういった公的なものの設置というものについては地域の住民の大きな抵抗を受けることになるのではないかというふうに思いますので、その点十分留意されて地元と折衝に当たられることを重ねて御要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○天野(光)委員長代理 久保三郎君。
○久保(三)委員 申し合わせの時間もきめられているようでありますから、あるいは中途でやめなければいかぬかもしれませんし、また、お呼びした政府委員側にもお尋ねしないでお帰りいただく場合もあるかと思うのですが、たいへん失礼ですがあらかじめ御了承いただきたいと思うのです。 私は、御提案なさっている水源地域対策特別措置法の中で、全体的には同僚の皆さんから専門的な立場で御審議がなされていると思うので、特に、私自身にも関係することでありますが、この法案の中に入っている湖沼の問題について限定してお尋ねしたいと思うのであります。 まず第一に、この法案にある「湖沼」という中にはどういうものを具体的に御指定なさるのか、確認のためにお尋ねしたいと思います。
○松村政府委員 お答え申し上げます。 この法案の中に入っております補償ということばでございますが、この法案に入っておりますのは、一つは整備計画というものをつくりまして、ダム及び湖沼の周辺の整備をするということと、それから再建対策と申しますか、水没者に対します生活再建のための措置、こういうものを入れているわけでございます。個人の補償をどうするかということにつきましては、この法律そのものでは特には触れておりません。
○久保(三)委員 湖沼そのものには触れておらないそうでありますが、それでは「指定湖沼」という、その指定される湖沼はいかなるものであるのか、それを聞いているのですよ。回りくどい話は、時間がないから端的に答えてもらいたい。
○松村政府委員 問題を取り違えまして失礼いたしました。 この法律にあげております「湖沼」の対象といたしましては、現在さしあたり考えておりますのは霞ケ浦でございます。
○久保(三)委員 さしあたりは霞ケ浦だが、これ以外に今後予想されるものがあるのかないのか。
○松村政府委員 まだ具体的にどこということはいまきまっておりませんが、将来としまして考えられないことはないと思います。
○久保(三)委員 考えられないことはないということは非常に不確定な話ですね。それでこの問題ははっきりいって、先ほど来御説明があったように、水源地対策といって、ダムの周辺におけるところの整備、それからダム建設を容易にするための目的で最初考えられたし、そういう本院におけるところの附帯決議もあり、関係都道府県知事の要請に基づいてこれはつくってきた。そうでしょう。その途中で「湖沼」と入ったのは、たしか今年の予算委員会の中でも、当時、あなたかどうかわかりませんでしたが、私と議論しましたね。そのときに霞ケ浦の問題の議論をした、霞ケ浦の総合開発の問題で。昨年は琵琶湖の総合開発特別法ができた、これとちっとも変わらないし、こういう対策でなければ、やはりだめではないかという議論をしたところが、いや幸いに水源地域対策特別措置法というか、そういうものをいま考えているから、それに突っ込んで解決しようという話が当時あったと思うのですね。そうでしょう。だからこの法案にある「湖沼」というものは、具体的には霞ケ浦だけに限っているはずだと思うのだが、どうです。
○松村政府委員 先ほどの答弁を繰り返すことになりますが、いま直ちにこれが適用されるのは霞ケ浦のみでございます。
○久保(三)委員 法律の文言上はそのとおりです。「湖沼」と書いてあるのだから、霞ケ浦と書いちゃいないのだから、当然指定されようとするのは建設省としては霞ケ浦を考えていますというのは……。答弁としてはそのとおりだろうと思う。しかし予想されて「湖沼」と入れたのはこれは霞ケ浦なんです。それじゃなぜ琵琶湖を入れなかったのか。琵琶湖と霞ケ浦の違いはどこにありますか。琵琶湖の総合開発と霞ケ浦の問題——もちろん大きさは違います。多少機能も違うかもしらぬ。しかし琵琶湖に次ぐところの霞ケ浦は、これは日本全体においての湖だとわれわれは承知しているわけですよ。しかも琵琶湖の特別法は、これはあなたのほうが立案者だからよくわかっている。第一条に目的が書いてあるが、その目的の中に何と書いてあるか。目的では、「この法律は、琵琶湖の自然環境の保全と汚濁した水質の回復を図りつつ、その水資源の利用と関係」云々、こう書いてある。目的の主眼とするところは、自然環境を保全し汚濁した水質を回復するということなんだ。この法律には残念ながら水質の保全という文言があるだけだ。第五条の第一項第二号で、「又は湖沼の水質を保全するため必要と認められる事業」ということで、初めてここの項に水質の保全というものが一つある。前にも「あわせて湖沼の水質を保全するため、」というのがあるのですが……。いま琵琶湖と霞ケ浦の水質を考えた場合に、これは環境庁から聞きましょう、どっちが一番環境基準としてひどいのか、お答えいただきたい。
○太田説明員 琵琶湖にしましても霞ケ浦にいたしましても非常に水質がよごれつつございますが、どちらかと申しますと、環境基準の当てはめの合格状況と申しますか、それから申し上げますと霞ケ浦のほうがよりよごれているように私どもはデータを承知いたしております。
○久保(三)委員 あなたも御承知のはずなんです、いまの答弁で。だから琵琶湖の法律とこの法案で、同じ湖で水質の汚濁が一番ひどい霞ケ浦の水質を保全するということをこれに書いてあるのだ。片方はひどいにはひどいけれども、霞ケ浦よりはまだいいほうなんだ。上流のほうは琵琶湖はたいへんきれいなんです。下流というか、南のほうがきたなくなっている。その琵琶湖総合開発特別措置法では、「汚濁した水質の回復」をはかるという。「保全」というのは、あるがままを完全に保っていくということですよ。いままさに霞ケ浦も琵琶湖も必要なのは水質汚濁を回復するということじゃないですか。回復しないでどうして利用できるかという問題だ。あなたの参議院での答弁がここにある。あなたはこんなことを言っている。田中参議院議員の質問に答えて、琵琶湖の法律は琵琶湖全体の問題だ。「特にその水資源開発を含めた法律でございます。これにつきましては、」というのは、この水源地域対策です。「これにつきましては、ダムの築造によっての周辺の影響を緩和するための措置の法律と、まあ違うわけでございます。」琵琶湖のほうは水資源の開発であります。そのためには汚濁された水質を回復するということがあるわけだ。ところが、この法律は全然、あなたの答弁からいけば湖沼というのはつけ足しなんだ。だからこの法律の中身、全体の体系からいけば、湖沼のほうはなじまないものがたくさん出てきているのです。精神がなじまない。あなたが答弁しているように、この法律はダムをつくるのです。ダムをつくりやすくするために周辺の整備をするための措置を考えているのです。霞ケ浦はそうじゃないのだ。いかにして水質をきれいにして、これを昔どおりに、あるいはそれ以上にどうやって活用するかという問題なんだ、そうでしょう。だから、この法律で、あなたがいつか予算委員会で答弁したような問題は解決されていないのですよ。はっきりいって、これで解決できますか。しかも、琵琶湖のほうの特別法は特別に法に基づいて総合開発計画を立てることになっている。霞ケ浦のほうは水資源のほうの計画でやるようになっておりますね。大体、中身が違う。水資源開発促進法といいますか、この法律の第一条には目的が書いてある。「この法律は、産業の開発又は発展及び都市人口の増加に伴い用水を必要とする地域に対する水の供給を確保するため、水源の保全かん養と相まって、河川の水系における水資源の総合的な開発及び利用の合理化の促進を図りたい、」云々と書いてある。そうでしょう。琵琶湖のほうはさっき読んだとおりなんだ。 いま霞ケ浦で必要なのは、琶琵湖の法律の第一条が必要なんだ。現にこの水資源開発促進法に基づいて水資源公団が霞ケ浦の開発というか、これをいま計画してやっているのですね。やっている問題は何かというと、あなたのほうがよく知っておるからあまり時間もないのにおしゃべりするのはどうかと思いますが、一言言うならば、水がめにしようというのです。下流の常陸川の水門を締め切って、川の堤防をかさ上げして、あるいはないところには、無堤地区には堤防を築いて、これを水がめ化していこうということなんですね。水がめにすると同時に、これは流入しているところがあまりないのです、実際言うと。十何川入ってくるが、みんな汚濁している。しかも底が浅い湖なんだ。それにこの水をため込んで何にしようかという問題、それだけが中心になっているのですね。これから四十トンほどよけいにして、農業用水にも使います。こういっているが、農林省から来ているが、あとから聞きますが、農業用水でいま困っているという面はないのです、実際言って。全然困ってないかというと、ことしのようなときにはそれはある程度困りますよ。どこでも同じだ。極端な話でありますが、霞ケ浦に注ぐところの桜川という一つの河川がある。霞ケ浦の水をその桜川の上流にもう一ぺん持っていって農業用水に使おうという話なんだ。ばかばかしい話ですね。これが一つと、そういうものを含めて農業用水に一番多く使うように計算しているが、実際は違う。工業用水に持っていこうという話なんです。そのために水がめにしようという。ところが水質はだんだんひどくなってきている。ことしは日照りでありますからよけいであるかもしれませんが、下流におけるところの逆水門は締め切ったまま、ずっと締め切っている。雨は降らぬし、入ってくる水はどろ水だし、というので、そのために霞ケ浦はいま青粉と称するプランクトンの層がずっとべったり張りついて、漁業も何もあったものじゃありません。みんなコイは死んでいく。昔はウナギとかワカサギがとれた湖でありますが、いわゆるきたなくなった水でもふえていくというか、生きていける魚はコイとフナ、だといわれていた。ところがその一番強いコイかフナがことしはずいぶん死んだ。いわゆる酸素欠乏といいますか、そういうことですね。そういう事例がいまあるのですよ。 だから話はもとに戻りますが、この法律であなたは霞ケ浦の水質汚濁を改善することができますか。それだけ一つ聞きます。
○松村政府委員 霞ケ浦の水質汚濁の防止でございますが、これは水質汚濁の防止方法としては幾通りか考えられるわけでございますが、一つは環境基準を達成するための流入する水質の規制でございます。これは環境庁主管でございますが、これによりまして都道府県知事が処置しておるということで、これを規制することが第一の条件。それでこれは順次規制をしているはずでございます。それとともに、流入する汚濁をさらに防止するための流域下水道の整備、あるいは都市下水道も入れまして、下水道の整備ということが一番重要な問題かと思います。これにつきましては下水道の計画をいま進めておりまして、早急にこれをやりたいということで進めておる次第でございます。またそれとともに、流入する河川等に対しましても、いろいろと底にヘドロがたまっている部分もありますし、こういうものの除去等の整備事業、これにつきましても一部着工しております。続けて進めていきたい。したがいまして、そのうちこの法律の関係するものといたしましては、整備事業としての下水道計画、それからまた河川の改修計画、こういうものがこの中に入っておりまして、もちろんこの霞ケ浦の水質をよくすることについてはこの法律のみというわけではありませんが、この法律が一つの大きな役割りをなしておるということはやはりいえると思います。このことについては琵琶湖についても全く同じでございまして、琵琶湖もやはり流入する水質の規制、それから下水道の整備、これが主幹でございまして、やはり琵琶湖総合開発特別措置法のみではこれは琵琶湖の水質の改善ということはできませんで、これは主要な役割りをなしておりますが、やはり水質の規制ということも一つの大きな役割りをなしておるわけです。これらの点が相まってこれらの水質を回復していくのが筋かと考えております。
○久保(三)委員 いまあなた、下水道の問題を出しておりますが、参議院では下水道の五カ年計画に霞ケ浦の関係だけは織り込んでいると言って、いまは何か、織り込んだとは言わないのですが、織り込んでいらっしゃるのですか、はっきりしてください。
○松村政府委員 この法律ができまして整備計画をつくる際には、その整備計画の中に下水道の計画を入れる予定にしております。
○久保(三)委員 それではその下水道計画というのは、霞ケ浦の分だけ聞きますが、五カ年計画でどの程度完成しますか。
○吉田(泰)政府委員 霞ケ浦に関連した下水道の計画としては、三つの流域下水道と、それに関連する公共下水道、それと流域下水道に関連しない七町村に関係する公共下水道、こういったものを総合的かつできるだけ優先的に実施したいということでございます。
○久保(三)委員 計画は、五カ年計画の中で完全に仕上げようというお話でございますか。
○吉田(泰)政府委員 私どもは一応十カ年ぐらいの目標の計画が立つように聞いておりますが、中でも優先すべきものが前期というような意味で五カ年ということになれば、その中に緊要な場所は加えるようにしたいと思っております。
○久保(三)委員 予算は総額で幾らぐらい必要であるか、わかりますか。
○吉田(泰)政府委員 大体十カ年計画のつもりでおりますが、関連する流域下水道及び公共下水道を総合いたしますと四百億をこえる程度かと思います。
○久保(三)委員 それは国の負担分だけですね。そうですな。
○吉田(泰)政府委員 全体の事業費でございます。
○久保(三)委員 全体の計画などはそんなものじゃ間に合いませんぞ。八百六十億ほどかかりますぞ。
○吉田(泰)政府委員 下水道は遺憾ながら全国的にもたいへんにおくれておりまして、中でもこういった霞ケ浦のような内水であって汚濁の進行が著しいようなところは、極力重点を置いて実施しなければならないと思います。それにしましても、今後全体としての下水道の五カ年計画の大幅な改定等も含めまして鋭意実施体制を整えるとともに、そういった計画の拡大を通じまして、ようやく十年、十五年先に何とか欧米並みに持っていこうという計画であります。はなはだおくれております点は申しわけありませんが、しかしながら過去の事業費に比べれば格段にふやしてきておる実績もございます。明年度以降さらにこれを一段と飛躍させまして、こういった需要に対処したいと考えておりますので、やや時間はかかりますが、ごしんぼうをいただきたいと思います。
○久保(三)委員 ごしんぼういただくといううちにあなたもえらくなってどこかへ行ってしまうのじゃないですか。あなたはしんぼうできるかもしれないが、地元の人間は逃げていくわけにいかないから、しんぼうできませんからね。 そのことは別にしましても、この霞ケ浦の開発計画というか基本的計画はたしか四十三年から始まっていて、計画としては五十年度に完成する予定だと思うが、河川局長、これに間違いありませんか。
○松村政府委員 お答え申し上げます。 霞ケ浦の開発計画、これにつきましては、現在の予定といたしましては五十年度末ということになっております。しかし現実の問題といたしまして、この霞ケ浦の開発事業そのものがおくれていることも事実でございまして、五十年度末の完成は、現在としては少し無理ではないか、少し延ばさざるを得ないというような状態で、現在検討しておる段階でございます。
○久保(三)委員 少しというのはどの程度なんですかね。
○松村政府委員 まだ最終結論は出ておりませんが、あるいはほぼ二年近くおくれることになるかと思います。
○久保(三)委員 二年か三年にしても五十二、三年ですね。ところが肝心かなめの水質汚濁を回復する一番問題の下水道のほうは十年かかるといっているのですね。どうも話が逆じゃないですか。きれいな水にして使うというのが順序じゃないのでしょうかね。しかも額もわからぬというんですから。四百億ぐらいだ、そんなのはでたらめですよ。だからこれはもう局長さんに聞いてもどうかと思うのですが、時間もありませんし、大臣にお伺いするというか申し上げたいのです。 予算委員会でも申し上げたのですが、そのときに大臣は、霞ケ浦も総合的な観点から検討する必要はあります。ただ国会中は忙しいからということでありました。通年国会みたいになったのでこれは御検討いただく時間もないのかもしれませんけれども、この法律の中に霞ケ浦を突っ込んで出してきたところを見ると、どうも何かこれで、当面ないよりはましじゃないかというふうに思っていらっしゃるのかもしれません。大臣はそういうふうに思うかもしれないが、河川局長などは当初からそういうふうな考えのようでありましたから何でありますが……。私は地元だから言っているのじゃない。こういう特殊なものはそう簡単にダムのようにいかぬ。ダムはまずかったらダムのところをハッパをかけてこわせばもとの流れになるんですね。ところが、日本で二番目の霞ケ浦のような湖に堤防を築き上げて締め切って腐った水を入れておく。死んだ湖をつくってしまった。これを直すということに対してどうにも方法がないじゃないかということになったらたいへんだと思うんです。そういう意味で特に私は申し上げるのであります。 私も茨城県人でありまして、霞ケ浦はわれわれの暮らしなんです。あるいは極端な言い方をすると命みたいなものなんですよ。そういうものが、無計画と言ったらたいへん失礼だが、何かばらばらな計画で、ただ単に水が必要だから水をためてやろうじゃないかということだけではいけないと思うんですね。琵琶湖についてもそういう問題があったので、御案内のとおり去年琵琶湖の特別法ができたと思うのであります。私は法律ができたからといって必ずしも万全だと考えてはおりません。しかしながら少なくとも法律はある程度方向を示すものだから、その方向が正しくなければ、あとからついてくる手段、方法も間違ってくると思うんですよ。そういう意味で私は、ここまで来て、この法律をこの委員会でもどうなさるのかよくわかりませんけれども、私としては、万が一多数で通すにしても、霞ケ浦については特別に総合計画というものを立てていく。法律がなくても立てられると思うんです。そのためにはもう少し法律の文言等も、直せるものがあれば直したほうがいいと思っているのです。よそから来てそこまで言うと越権行為になりますからこれは別でありますが、少なくともこの法律は、湖沼については突っ込みである。便乗というなら別でありますが、便乗にならないで、一緒に連れていこうということで強引に乗せようというのがこれだと思うのですね。だから、もしこれでおやりになるとするならばいろんな問題が出てくると思うのです。ただ地元では、ないよりましだからいいじゃないですかというのが——大体茨城県人などは善良な者ばかりが多いものでありますから、ないよりはましだからいいじゃないかというようなことで、半ば歓迎している面もありますが、私はこれから長い目で見た場合に間違いを起こすと思うので、特に申し上げるのです。 話が長くなりましたが、いずれにしても霞ケ浦対策というのは総合的な対策を立てていくべきだし、いま水資源公団のやっている仕事をむやみやたらに先行させるべきではないと私は思うのです。どっちにしろ、いま申し上げたように、五十年という目標が二年は延びましょうというから、少し短目に見たんだろうと思うのですが、五十三年くらいには少なくともなる、そういうことでありますから、あわてることはないんじゃないですか。 それで、いまあわてなくちゃならぬのは鹿島における工業用水の問題だと思うのであります。最近茨城県はこの九月の県会に向かって、公害を出す企業には水は送らぬという規制をしようというところまでなってきました。当然だと思うのです。しかも、この水の使い方が荒っぽいんじゃないですか。霞ケ浦を見ただけで、水は幾らでもあると思って使っていたんでは困る。これは循環して使う。極端なことをいえば、海はすぐでございますから、海水を使うとかいうようなことをひとつ考えさせるべきだと思うのですよ。これははっきりいって、幾らでもあるなんてものじゃありません。 それからもう一つ、もう時間もありませんから、きょうは残ったのはまたあとでお願いしますけれども、緊急の問題として、逆水門を締めっぱなしでいるわけです。逆水門は、御承知のように完成したのが昭和三十八年ごろだと思うのであります。その以前に、海水が逆流してまいりまして、稲の田植えをしたあと、苗しろから移植した時期に塩害にかかってたいへん困った時期がたくさんありました。そこで一つには逆水門というのをつくろう。これは逆水門とは最初言わなかったのです。防潮提、いわゆる潮を防ぐというかっこうですね。そのあと、これは治水の関係もあったんでありましょうが、逆水門という、利根川から遮断しょうということですね。いま、今年の例などを見ますと、かなり湖面の水位が低下しております。だから、さっき申し上げたような水産に対する影響というのが非常に大きく出てまいりました。結局霞ケ浦の水面と逆水門の下流との境は、いまでは逆に少し差がありますね。だから、おそらく門扉をあければ海水のほうが当然流れてくるでしょう。だから、塩分が強いからということで、漁民の再三にわたる強硬な要求にもかかわらず、この逆水門の門扉をあけないでいるわけですね。 私は、これは試験的にでも一ぺんあけたらいいと思うのです。塩分の度合いが、なるほど逆水門の下ではかなりの濃度でありますが、いまやもう稲は——その濃度にはもちろんなかなか問題があるかもしれませんが、広い地域に逆流してくるのでありますから、塩分の濃度は薄まるわけです。いままでもそうでありますが、建設省が逆水門の管理をしておるのでありますが、大体いままで門扉の開閉をする場合は、基準はこんな基準になっておるのです。苗しろに植えてからいわゆる活着期、稲が根を張るまで、この期間は大体、六〇〇PPMそういう限度まではよろしい。それから次には分葉期、分葉が始まってから穂が出る稲の生育期には一二〇〇PPMまで濃度があってもよろしい。それからそれ以上の稲が育ったいまごろですね、これは一五〇OPPMまでは大体問題がないというふうに協定ではなって、やっているのですよにもかかわらず、いままで、たしか五月の下旬かそこらからこの門扉は締めっぱなしでいると思うのです。これは特に鹿島工業用水を取るために締めっぱなしかと思うのでありますが、そのためにいろいろな問題が出てきておるわけです。もともとの逆水門の設置の理由は、工業用水を送るための目的であれはつくったわけじゃないのです。これはもちろん霞ケ浦の関発計画、これに基づいて、水資源公団と関係の漁連の間には補償がきまらない前でも着工してよろしいという同意があったので着工しているようでありますが、補償金を払えば操作は水資源公団の手によってやるそうですが、実際はそういう時期までまだ来ていないのです。そういう問題をからめて、私はさしあたり逆水門の開閉についてもう一ぺん歴史をさかのぼって考えてみて、どうあるべきかを考えたらどうかというふうに一つは提案する。 それからもう一つは、利根川の本流からやはり水を導入してやらなければ、永久にといったらたいへん失礼かもしれませんが、霞ケ浦はいつまでもきたない、よどんだ水のままで、私は再生できないのではないだろうかという気がするのです。いまの説明を聞いても、下水道一つとっても十年というから十年以上かかるでしょうし環境庁が出した環境基準Aクラスにするためには五年以上可及的すみやかにというんだから、一番長期を要すると思って設定しているわけですね。そういういろいろな各方面からの意見を聞きますと、残念ながら霞ケ浦は水資源公団がこれからいろいろやっていきましても、思うような水はとれないだろうというふうに思っているのです。 だからこれはむしろ、工業用水、農業用水、それから上水もありますが、そういうような三つの用水について真剣にもう一ぺん当たり直してみて、水には限度があるのでありますから、企業や水を使うものの需要に応じてあと追いをして霞ケ浦の水をどうしようかという考え方はさかさまの考え方であります。もはや、霞ケ浦の水の限度はどうであるか、その限度からはじいて何と何をどうするかということを考えるのが、私は一つだと思っています。どうかそういうことで総合的に考えることと、当面逆水門の問題の解決をもう一ぺん専門的立場からもやってもらいたいというふうに思うのです。これが大臣に申し上げることでありますが、時間がありませんからあとで簡単にお答えいただきたいと思います。 それからもう一つ、これは課題でありますから、この次に答弁してもらうのが一番いいと思うので申し上げたいと思うのですが、これは日本水産資源保護協会というのが「霞ケ浦総合開発水産影響調査」というのを四十六年にやりました報告書であります。この報告書の中に書いてあること——その前に申し上げますが、水資源開発公団の手によって霞ケ浦の開発をするのでありますが、その際の一つの条件として、水産に影響を及ぼさないよう十分留意することとなっているのだが、一つも留意していない。そのためにトラブルがいろいろいま起きているということも、水資源開発公団の総裁いらっしゃるから、これはきょう時間的に御答弁いただけないと思いますから何でありますが、申し上げておきたいと思うのであります。 そこで、霞ケ浦が、ことしは日照りで雨が降らぬから湖面の低下があった、だからいろいろな問題があるのだ、こういうことでありますが、低下しても低下せぬでも問題はあるということをこの調査は報告しています。ちょっと読んでみましょう。「霞ケ浦北浦における水質汚濁の現状は、都市廃水、醗酵廃水、養豚廃水等いわゆる有機汚染であるから水位の低下期には滞流時間が短かくなることによって汚濁物質の流入地点での拡散は速やまり、若干の濃度の減少が考えられるが、反面有機物の酸化が鈍り、湖全体への影響が大となり、その汚濁範囲は拡大する反対に水位の回復期には滞流時間が長くなることによって、流入地点での拡散が鈍り、汚濁範囲は縮まり湖全域の水質に及ぼす影響は小さくなる。したがって湖の水位と流量によっていろいろなケースが考えられるわけであるが、水質についての問題は、最渇水位Y・P・〇mに焦点をしぼって考える性質のものであり、かつ実際には生活水準の向上にともなって、汚濁負荷量も増加するから、各種廃水の処理を充分に実施しない限り、水質の悪化傾向を喰いとめることは出来ないであろう。」こう書いてあるのです。だから、ほんとうに真剣にこの霞ケ浦の水をきれいにして使うというのなら、先ほど都市局長ですか、十年と言ったが、おそらくこれも、十年といえば十五年くらいでしょうね。大体私が知っている範囲での予算よりは半分だから、倍かかれば二十年ですね。そういうことを計算に入れないで工業用水を何トン取るとかいうようなことをやっても無理だと私は思うのです。取れば取るほど霞ケ浦の水は汚濁していくわけですから、この点をひとつ考えてもらいたい。あらためて建設大臣にお伺いしたいのは、緊急対策としての問題と総合対策をどうするかという問題ですね。 それから、時間ですからもう一つ聞きますが、これは河川局長に聞きましょう。この別表第二であります。これは琶琵湖の対策と違っている点が一つあるようでありますが、私が間違っていれば何でありますが、別表第二の「土地改良法第二条第三項に規定する土地改良事業のうち農業用用排水施設の新設若しくは変更又は区画整理で政令で定めるもの」これは国の負担割合は十分の五・五以内になっておる。琵琶湖のほうは十分の六・五以内になっておる。違いがあるとすれば、どうしてこんな差があるのか、教えていただきたい。 以上です。
○川田政府委員 一番最後のお尋ねの点でございますが、琵琶湖におきましては百分の六十という国営のかんがい排水事業がございます。霞ケ浦では現在のところそういうものが考えられておりませんので、百分の五十を五%かさ上げするということで百分の五十五以内というふうにした次第でございます。
○久保(三)委員 国営でやっていれば高くなるし、そうでなければ安いということですか。同じようになぜ見られないかという問題だな。まあ、時間もないから簡単に答弁できればよし、答弁できなければ次に……。
○松村政府委員 現行やっております補助率に同じような率でアップしているということであります。現行が低いものについては、上げる率は同じでもやはり低くなるということになっております。
○金丸国務大臣 緊急対策と総合対策という問題でありますが、霞ケ浦の問題につきましてはいろいろ問題のあることも十分承知いたしております。先般私のところに陳情がありました。ただいま先生からも御指摘がありましたように、コイが千トン以上も死んでおるというような状況をかかえ、またプランクトンの発生した水も持ってきて私も見せられまして、このような状況を放置しておくわけにはいかないという考え方、そういう意味でこの問題につきまして、逆水門の問題につきましては先生の御指摘のように門を開くことが可であるか——この問題につきましては茨城県の知事からの要請によってこれを締めておる、またそこに協議会とか市議会とかいうものがあって、その意見によってこれを決定いたしておるということもあるわけでありますが、あのような状況になっておって、海水を入れることによってその問題が幾分でも解消されるということになるならばと私も考えるわけでありまして、その問題につきましては茨城県当局と十分今後話し合ってみるということを指示いたしておるわけでございます。 また総合対策という問題につでましては、何でも水を取ればいいという考え方はこれはいかない。それだけの十分な用意をして、そして地域住民にも迷惑をかけない、漁民にも迷惑をかけない、こういうことも考えなくちゃなりませんし、そういう意味で下水道の問題を先ほど都市局長から御説明がありまして、十年あるいは十五年というようなマンマンデーでやったのではこれははやの間には間に合わない。幸い来年度から五カ年計画の改定もあることでございますから、あらためてこの下水道問題はひとつ考え方を練り直してこの問題に対処してまいりたい、このように考えております。
○久保(三)委員 時間でありますが、最後に簡単に答えてください。農林省の構造改善局からおいででありますか——。 いまのような霞ケ浦の状態で、予算委員会でもこの話をしましたが、高浜入りの干拓などはこれは時代に逆行するもので、いま土手を築いて、下を締めて水がめにしようという時代に、湖面を埋め立てて、しかもかなりの反対があるし、それに多額の金をかけてやるというのはばかばかしい話だと私は思っているわけです。いまもしもやるとするならばたいへんな問題になると思うのだが、農林省はいまどういうふうに考えておるか。その考えの結論だけ聞いておきましょう。
○山本説明員 先生御指摘の事情があることは私どもよく知っておりますが、高浜入りの干拓につきましては、地元の市町村あるいは県等の要望も非常に強いので、われわれといたしましては地元の客観情勢が許されるならば着工したい、こういうふうに考えております。
○久保(三)委員 県や町村というのは、これは十何年前の話なんです。いまごろになって、もう足を突っ込んでしまったからあとへ引けないので体面上やっているので、われわれ政治家は体面でなど、これからうんと金を出したり損をするようなことをやらせるわけにいかないというのがわれわれの考えなんだ。農林省の役人はちょいちょいかわってしまうからわからないけれども、そういうことを何べんも言っているのだ。この辺で思い切ってやめるかどうか検討するように上司とも相談してほしいと思います。 以上です。
○天野(光)委員長代理 次回は、来たる九月七日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十一分散会