建設委員会 第26号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/07/06
会議録
○服部委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、国土総合開発法案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺惣蔵君。
○渡辺(惣)委員 国総法及び二件につきまして質疑をいたすのでありますが、どうも前回の福岡議員の質疑に対しまして経企長官の答弁は全くかみ合っていないようであります。かみ合っていないというよりは、非常に熱意が足りないのか、責任感が薄いのか、私がふだん評価しておった小坂さんというのは非常に尊敬に値する、自民党のうちでも最高のエリートの大臣であると敬意を表しておったのですが、どうももう少し大臣のにじみ出るような答弁を得たいということを求めるわけであります。経済企画庁はどこの委員会にも属していないから、大臣は国会の委員会において責任ある答弁をする場所がない、そういう点で非常に気楽さがあるのではないかと思いますが、ここは建設委員会の席でありますから、人のお座敷を拝借して切り抜けさえすればよいというようなことでは困ると思うのであります。あなたは非常に頭の回転が早いし、勉強していらっしゃるが、非常に知能にたより過ぎて、うまいことを言って言いのがれすれば済むのだというわけにはまいりかねると思いますので、その点につきましてひとつこの法案に対する誠意ある答弁をあらためて期待をするわけであります。 そこで問題になりますのは何と申しましても、昭和三十七年十月に全総計画を策定して、四十五年を目途にしてつくられたものが、四十四年の四月に新全総がつくられた。この新全総はたしか六十年までを目標年次にしたものだと思いますが、その目標年次のとば口で、策定してわずか三年間で総点検をせざるを得なくなってきたという理由はどこにあるのか。総点検は何をしようとするのか。どこを問題にしているのか。その点についての大臣からの答弁を願いたいと思います。
○小坂国務大臣 渡辺議員の御指摘のように、新全総の総点検はあまりに早く行なうようになったがどういうわけであるかという点は、私もお気持ちはよく理解できますし、私自身も大いに反省していかなければならぬと考えている点でございます。 御承知のように、昭和四十四年ごろは開発ということが非常に大きく取り上げられておりまして、国全体の経済も発展、そして地域は開発ということで進んでまいったわけでございますが、最近非常に汚染の問題、環境の問題、そして資源有限性の問題というのがきびしい問題になりまして、どうもいままでの開発の方針というものは必ずしもその地域の住民の意向に沿うていない点があるのではないかという点も考えられますので、そうした地域住民の意向というものを十分くみ上げた、しかも資源の問題、環境汚染の問題、そういうものとの関連を十分に考えた見直しが必要である、かように考えたわけでございまして、それではなぜもっと早く、四十四年度からそういうことについて十分やらなかったかと言われれば、この点は私といたしまして、読みの浅さと申しますか、そういう点は反省しなければならぬと思いますが、そういう点は十分踏まえて見直してまいりたいと思っておる次第でございます。
○渡辺(惣)委員 新全総の総点検の件につきましては、去年の十月二十四日の総点検の文書、これは閣議決定のものでありますか。
○下河辺政府委員 十月二十四日の「総点検について」という文書は、国土総合開発審議会で了承を得て、この方針で経済企画庁といたしまして作業を始めているという性質の文書でございます。閣議決定ではございません。
○渡辺(惣)委員 こういうような重大な、国の政策の大転換にかかわるような重大な提案、ことに前の二つの、三十七年の全総計画、四十四年の新全総計画はそれぞれ閣議決定であります。その閣議決定をした重要な国の文書を改変するのに閣議決定の議を経ないで、これだけの大きな仕事の混迷を国に与えているということは解せないことでございます。一体何でこの問題は閣議決定をせずに提案をしているのか、その趣旨を大臣から明らかにしていただきたいと思います。
○小坂国務大臣 私ども法律の実施をいたします場合に、常に、この法律がよく実態に沿うているかどうかということを考えながらやってまいることは当然であるわけでございますが、この新全総計画につきましても、特に国土開発審議会の議を経まして見直そういうことになったわけでございます。そこで、見直すことになったということをなぜ閣議決定しなかったかという御質問でございまするが、私どもは、そうしたことをやって見直した結果、こういうことが妥当であるという結論が出ましたときにおいて閣議決定をお願いするというふうな考えでおるわけでございます。
○渡辺(惣)委員 これは前の全総計画及び新全総計画の二つの中身を抜本的に変えようというものであれば、閣議で論議すべきものだと思うのです。これを避けたのは何か理由があるのですか。たとえばその直前に、七月の時点で田中角榮氏の列島改造計画が公表されておる。したがってそれとの関連があって閣議決定を避けたのか、あるいは閣議決定を万が一すれば、またすぐこの総点検がくずれてしまった場合の政治的責任をかぶらなければならないので閣議決定を避けて、国総審議会の決定ということで、逃避をしてそういう手順を踏んでいるのかどうか。もう少しその責任を明らかにしていただきたいと思います。
○下河辺政府委員 考え方はただいま長官から申し上げましたが、事務上の手続といたしましては、この国土総合開発審議会に一応おはかりいたしまして、総点検の方針をこの方向で総点検をしてみるようにという御指示をいただきましたので、その方針で作業を進めているわけでございますが、作業の結果が出ました際に、その結果については私ども閣議の御了解を得るのが当然かと考えておるわけでございます。日本列島改造論が出たから閣議決定を避けたということではございません。
○渡辺(惣)委員 私はどうものみ込めないのです。全総計画とか新全総計画というような国の骨格をきめる基本の問題は、われわれが真剣に考えるほど閣議でも、政府の関係でも、皆さんでもあまり重要に扱っておらないのだということであればそのつもりで審議に応じなければならぬということになるわけです。新全総、全総計画というものは、国会に対して文書報告する義務も何も規定されておらない。 そこで、これは総務長官にお伺いしたいと思いますが、政府の発表すべき文書のうちで国会に報告する義務を負っている文書があると思いますが、一体何件ありますか。農業基本法に基づく農業白書その他の文書が必ず国会に提出する義務を負わされていますが、新全総はそういう規定がないのですけれども、政府の関係で年間の白書を国会に提出することを義務づけられているところの法に基づく文書は一体幾つあるか、明らかにしていただきたいと思います。
○坪川国務大臣 渡辺委員御指摘になりました正確な件数でございますが、漁港の計画あるいは土地改良の基本計画というようなもの等幾多ございますが、正確な件数につきましては調査の上、後ほどまた御報告をさせていただきたい、こう思います。
○渡辺(惣)委員 幾つありますか。
○下河辺政府委員 ただいま調査をいたしましたところ、社会保障制度審議会に関する報告、公正取引委員会の年次報告、公害調整委員会の年次報告、首都圏整備委員会の年次報告、観光の状況に関する年次報告、いま御指摘いただきました農業基本法に基づく年次報告、災害に関してとった措置の概況に関する報告、これは災害基本法に関するものでございます。それから沿岸漁業等振興法による年度次に講じようとする沿岸漁業等の施策に関する文書、林業基本法に基づく林業の動向に関する報告書、中小企業基本法に関する報告書、公害対策基本法に基づく公害防止施策に関する文書、それから交通安全対策基本法に関する年次報告、以上であるというふうに考えてございます。
○渡辺(惣)委員 ただいま下河辺さんから報告されたのは十二点にわたっています。これらの報告書、白書が国会に提出をする義務を負っているのに、新全総の場合には全然そういう取り扱いを受けていないのは、新全総というのは問題にならない文書であるから、信奉するに足りない文書であるから軽く扱われているのか。一体、政府の白書の取り扱い、あるいはこうした国会に提出すべき文書の取り扱いは何を基準にして行なわれているのか。したがってまた、新全総はどういう視点からその取り扱いを国全体のものとして取り上げられてきていないのかという点を明らかにしてもらいたいと思います。
○下河辺政府委員 私どもが法律を立案します際に考えておりましたことをそのまま御説明申し上げますが、いま御説明いたしました国会提出に関します年次報告書というようなものの全体の性格を一括して申し上げるならば、つまりその年間におけるそれに関する行政上の白書ともいうべき報告書であるかと存じておりますが、全国総合開発計画は行政上の施設を中心とし、あるいは土地利用計画を中心とした行政計画であるということから、年次報告書とは性格を異にするのではないかというふうに考えて、国会への提出ということにいたさなかった次第でございます。
○渡辺(惣)委員 おかしい答弁ですね。それはこれからのことをあなたは言っていますが、いままでの取り扱いのことを聞いているのですよ。いままで、昭和三十七年以来こういう膨大な——いまのは土地法的な性格の非常に強いものといいますから、いまのことを聞いていないのです。いままでの基本計画の文書について国会に配付しなかったのはどういう理由であるかということです。従来のことを言っているのですよ。それから、その他の白書の類とこの文書との比較、持っている中身の重要性、国とのかかわり合いの重要性についてどう評価をされているのか。国会に提出されている年次白書から見ると、むしろこれこそは総括的な基本計画です。その基本計画が国会に提出をされないで、あなた方がかってに作文をしたり、いやになったらやめたり、書き変えたり、自在に、国民にかかわりなしにやっている。国会の審議にかかわりなしに文書をつくっているということになりますが、そういう受けとめ方をしてよろしいのかどうか、もう一ぺん答弁を願います。
○下河辺政府委員 従来のことでございますれば、現行法の国土総合開発法の手続によって全国計画を策定し公表しているわけでございまして、現行法におきまして国会への提出ということになっていなかったということが事務上の理由であると考えます。しかし、御指摘いただきましたように、行政が計画をつくって、そしてそれを変更するについて、どのような手続を経て考えるかということは非常に重要な問題であるというふうに私も存じます。そして、そのためには私どもは絶えず地方公共団体との連絡、あるいは地方における地域開発の動向を調査をし、地方公共団体からの意見を伺いまして、日本経済あるいは国民生活全体の動向を一方で把握しながら、その勘案することを国土総合開発審議会にはかりながら検討を重ねていっているわけでございます。常日ごろ、計画がきまったからそれでよろしいということではなくて、絶えずフォローをするということを私どもは義務づけられているというふうに考えて作業をしているわけでございまして、作業が最終的な段階にまいりますれば、法の定めによりまして手続を経て閣議決定をしたいというふうに考えているわけでございます。
○渡辺(惣)委員 下河辺さんは勉強家だから当然のこと目を通していらっしゃると思いますが、あなたは国土計画のうちでも世界的に最もすぐれているといわれている西ドイツの国土計画の十三カ条の成文に目を通していらっしゃると思うのです。その西ドイツの国土計画法によれば、一年ごとに地域の情勢の変動やその他については国会に文書をもって報告するということが義務づけられておるはずですが、いかがですか。
○下河辺政府委員 実は西ドイツの開発計画の問題につきましては、私どももドイツにおもむきまして、担当しておりますドイツの担当官との意見交換をしたこともございます。そしていま御指摘いただきましたように、西ドイツの法律におきまして国会との関係が条文化されていることも存じおります。
○渡辺(惣)委員 何を調べてきたのか。自分たちの都合のいいところだけ聞いてきて、肝心の、日本の国にとって一番大事な国会との関連、国民との合意という中心になります文書の報告の義務については、そういう西ドイツの国土計画法を参考にしながら日本についてそれをどういうように受けとめたのか。日本では必要ないとあなたは判断されたのか。官僚一個の判断でこの法律の起案をされたのか。それとも政府それ自身が国土計画、総合開発計画についてはそういう程度にしか評価していない、手軽なものだとお考えになっているのかどうかということをもう一ぺん答弁願いたい。
○下河辺政府委員 決して都合のいいところだけ勉強してきたつもりではございませんが、一つの話題になりました点を御披露いたしますと、全国計画という、国が立てます計画の性格についてというところが一番大きな議論でございました。実際の地域開発というものはやはり地方公共団体が主体となるべきであるということの議論がもっぱら中心でございまして、ドイツにおきましてもやはり地方公共団体を主体とした土地利用規制なり売買の規制なり、収用法との関係というところを行政上だいぶ勉強しているらしいというところをわれわれとしては非常に学び取ろうとしたわけでございまして、今度の新しい国土総合開発法におきましては、やはり昭和二十五年以来の地域立法の特性として内閣総理大臣中心主義であったものを、地方公共団体、特に都道府県中心主義に改めるというところに力点を置いているわけでございます。
○渡辺(惣)委員 西ドイツの国土計画法については後ほどまた触れたいと思いますが、もちろん連邦組織の西ドイツと日本の国家構造とが違うことは明らかであります。しかし西ドイツの場合は国土計画はあくまで国の基本計画として取り上げている。あなたのほうはこれは基本計画なのか、その中の実施法なのか規制法なのか、わけのわからない、農地関係の法と混合しておるところにこの法の乱れがあり、まとまりがつかないことになってきている。これを決して私は西ドイツ流にしなさい、こう言っているのじゃない。基本法は基本法だ。この国土開発法というものは基本法だという性格をとっているのか、基本法ではないのだ、これは実施法なのだという見解をとっているのかあいまいだと思うのです。少なくとも、昭和二十五年に制定されて二十七年改定以降における国総法というものは、明らかにそれなりに日本の国土開発に関する基本法的性格を表現している法律であったと思うのです。ところが今度の場合は全然基本法という性格を放棄したのかどうか。 〔委員長退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕 あるいは看板は同じだけれども中身はすっかりすりかえてしまって、ちょうど杉並のごみ騒動のごみ袋みたいに、袋は同じだけれども中身はあきかんもあればビールびんのかけらもある、大根のしっぽもある。中身はてんでんばらばらで看板だけは同じだ。国総法は名は同じだけれども中身は月とスッポンほど違うものにすりかえられておる。この法律の基本法的性格はどうしたのか。基本法的なものが国土開発法の本来の姿ではないのか。その点を明らかにしてもらいたいと思います。——大臣の答弁だ、基本的な問題だから。
○下河辺政府委員 先に私からお答えさせていただきます。 渡辺委員のよく御承知のところでございますけれども、昭和四十四年に全国総合開発計画を策定したあと、私どもが非常に深く反省すべきであると思いました点の一つでございますが、基本法によりまして計画をつくって発表するだけにとどまることに、私どもとしてかなりの弊害を伴うということを感じ取ることになってまいりました一つの点は、やはり土地問題に対して適切な手が打たれているという状況のもとで計画を策定すべきであるという点、もう一つは、この基本理念にもありますように、自然環境に対する保全についての考え方を十分チェックして、環境行政とのつながりをつけて始めるべきであるという点、もう一つは、特定の大規模な開発が進みます場合に、住民あるいは地方公共団体との関係で十分な手続が制度上担保されているということが重要であって、そのことがなしに計画をつくるということに混乱を生む原因の一つがあるのではないかということから、基本法ではありますけれども、基本法の中に土地に対する点あるいは手続に対する点を入れて新法をつくったというのが経緯でございます。
○渡辺(惣)委員 大臣の答弁。
○小坂国務大臣 下河辺局長から申し上げましたこととあるいは重複するかもしれませんけれども、やはり限りある国土の開発を考えまする場合、一つの計画を持たなければならぬことは当然でございまするが、その中心はやはりその地方地方に住む住民の利益を内容としなければならぬというふうに思っておりますわけで、この点今度の国総法の改正には非常に大きく出ておると存ずるのでございます。そういう意味からいいまして、基本法としての国総法ということよりも、実態的に、開発を進めるにあたってこの開発の基準となるべきものはどうあるべきかということを示すと同時に、地方住民の気持ちを吸い上げ、地方の自然環境との調和を保ちつつ国土を開発する、このことがこの法律に強く盛り込まれていなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
○渡辺(惣)委員 私はそこが一番あいまいだと思うのです。昭和三十七年の全総計画、四十四年の新全総計画と、失敗に終わっている。その失敗に終わった理由はどこにあるのかということになりますと、日本の将来展望の見通しを誤ったというところにあると思うのです。要すれば、日本の基本計画が明確でなかった点が失敗の根源をなすものだと思うのです。その根源を明らかにしないで地方自治体、都道府県に責任を転嫁する。実施の責任はそっちに押しつけて、チェックだけを政府がやっていこうという責任のがれの立法措置であると考えるのです。したがって、大臣にもう一ぺんお尋ねするのですが、なぜ基本法を放棄してそういう方向をとらざるを得なかったのか。基本法で示すと困る事情があるのかどうか。この国土計画というものは国の未来につながる基本的な方針、国の進め方をどうするかという基本問題を決定する一番最高の法律でなければならぬ。それほど重要な法律だ。その基本的な認識についてもう一ぺん明らかにしていただきたいと思います。
○小坂国務大臣 私ども最近つくづくと感じさせられておりますことの中に、資源の有限性の問題がございますわけでございまして、やはり限りある国土、しかも、空気もあるいは太陽すらもかってに野方図に使っていくことにおいていたずらに国土を荒廃させ、住民を疲弊せしめることになる。開発が自然への挑戦という形で行なわれます場合は、かえって自然の報復を受けるというような問題があるというふうに私は思っておるわけでございます。そこで、この国土総合開発審議会が昨年の十月二十四日におきめいただきました総点検の中にも、「わが国近代化の百年の歴史のなかで形成されてきた体制の変化への適応性について検討を加え、新たな飛躍のためにその改革をはかるべきときにきている。」こういう感じを私ども持ちまして、その意味で見直しを必要としているというふうに存じておる次第でございます。
○渡辺(惣)委員 それは、この問題を詰めていきますと法案の提出をし直さなければならぬことになりますから、大臣もそれは基本法的な性格を盛り込むということは言い切れないと思うのです。基本法であれば法体系が違ってきますし、それから法の中身も変わってこなければならない。したがって、もしここであなたが私の質問に応ずるようなことになりますと、法自身を修正して再提出をしなければならぬ結果になってきますから言い切れないと思います。したがいまして、この問題は平行線をたどることになりますからあとに譲りまして、次の問題に移りたいと思いますが、いま大臣の答弁の中に若干総点検の中身が触れられてまいっていると思います。総点検を出した理由、動機はどこにあるか、明らかにしてもらいたいと思います。
○小坂国務大臣 まず第一点が総合政策との関連性でございます。特に経済社会情勢が非常に大きくこのところ変化をいたしておりますし、また公害など広範な環境問題が深刻化している。しかもまた巨大都市の過密化の問題ということ、それとの逆のような現象でございますが、地方に過疎の問題が起きている。したがって、地域政策というものは全体を総合した政策の展開を考え、その間に斉合性を持っていかなければならぬということであると存ずる次第でございます。そういう意味からやはり経済計画との調整、自然環境との調整、巨大都市との調整、しこうして工業基地問題との調整、あるいは農林水産業との調整、地方都市問題、そうして土地政策、そういうようなことが見直しのおもな要項であると存じます。
○渡辺(惣)委員 いま一番大事な法案の審議をしている最中の問題に大臣がいかに無関心であるかということを物語るものであると思うのですが、触れていない。それは、総点検文書によれば八項目あげてある。八項目の最後は「国土総合開発法等の改正」ということになっている。一番肝心な、いまかかっているのを見落とすほど、それほど無関心な状態にあると思うのです。あなたは何を勘違いしているのか。いま法案の審議をしているのは、これらの総点検の結果として第八の項目が生きているはずです。第八の項目を審議するのは、これは総点検によれば、いま述べられた七つの問題を討議した結果、いわゆる国土総合開発法の改正に至るわけです。あなたは至らないのです。どうなんです。それは当然、審議の順位から見たら、総点検の順位は国土総合開発法の改正が前提になっていま審議されているのです。あなたのほうのこの文書によれば、その審議の結果、こういうことを盛り合わせて、その審議の結果国土総合開発法の改正に到達するはずなんです。到達の地点も忘れているというのはおかしいと思うのです。総点検の審議のしかたの順序を間違えているのではないか。それとも順序を途中で変えられたのか。総点検の文書はいいかげんでどうでもいいものだから、前七項はほったらかして、国総法だけは結論をつけようというのがこの委員会の審議の目的なのかどうか。はなはだ遺憾であると思うのです。本末転倒もはなはだしいと思いますが、答弁願います。
○小坂国務大臣 ただいま本委員会におきまして他の法案とともに国総法の御審議をいただいておるわけでございまして、私どももそれと並行いたしまして新全総の見直しをいたしまして、五十年度からいわば新々全総ともいうべきものを計画いたしておるわけでございます。その見直しの重点としましていま申し上げたような七つの点を申し上げたわけでございますが、国総法の問題はそういう問題ともろちん深い関係があるわけでございますけれども、そういう点を十分頭に入れて土地利用計画等含めた国総法の審議をお願い申し上げているということでございます。
○渡辺(惣)委員 新全総の総点検によれば、旧新全総と比較して三つの新しい問題に触れてきていると思います。去年の十月に出した文書の中に——長い文章ですから省略しますが、拾ってみますと、総合的政策との関連性の問題と、それから国土資源の有限性の制約、住民参加のルール等に新しい制度を確立しよう、これら三点が従来の新全総の中で語られていない文章であると思いますが、そのうちで特に資源の有限性の制約という問題はしばしば大臣のことばに出てまいります。資源の有限性というのは開聞以来、初めからわかっておる。いまになって初めてわかったものではない、資源の有限性ということは。資源が有限性であるから、資源の活用は大事にしなければならぬ、悠久の民族のものとしてこれを大事に保全していかなければいかぬ、あたりまえのことです。まことに常識的な話なのに、もっともらしく出てきたのはどういう理由であるのか。それは新全総の提案後に、昭和四十五年の段階になってから御存じのローマクラブがつくられて、ローマクラブの中で初めて成長の限界を取り上げ、そしてここにもございますが、人類の危機レポートがローマクラブから発表されておる。この中で資源の有限性からくる成長の限界が取り上げられて初めて、外国のローマクラブでいったから取り上げたのです。その前は取り上げていない。これはどういうことですか。ローマクラブの意見を取り入れたのかどうか、ローマクラブの意見に制肘されたのか、その影響を受けたのか。そのローマクラブの問題については村田敬次郎氏からも発言がありましたし、同僚の福岡君からも発言があった。ちらちらとローマクラブの問題が出てまいりますが、ローマクラブと皆さんとの関連がどういうふうになっているのか。もっとも、ローマクラブについては、経企庁のもとの局長であった大来佐武郎氏がローマクラブの二十六人委員会の一人であるし、また日本委員会の主要メンバーの一人でもある。だから、そういう指導的影響を受けて、にわかに今度は成長の限界論に変わってきたのかどうか。しばしばこれを皆さんのほうが引用しておりますが、この点について明らかにしてもらいたいと思います。
○下河辺政府委員 御指摘いただきましたように、資源が有限であることは今日になって気がついたというわけにはまいらないと存じます。しかし、いままで私どもが開発におきまして、たとえば水を供給するとかあるいは道路の整備をするという際に、水の必要量あるいは交通の必要量を算定いたしまして、それに必要な水の開発をする、あるいは道路の整備をするという考え方というものが開発計画の中心であったかと思います。しかし今日では、日本の国土の現状、資源の状態というものを見ました際に、需要があれば需要に応じただけの供給としての施設計画をつくるということではやはり環境悪化に対して非常に大きな問題があるということから、むしろ供給の限界のほうから需要を制限する必要があるということになってきているということは現状で当然認識されるわけでございまして、その限りにおいて、やはり国土が持っております限界性というものに基づいてむしろ経済計画あるいは総需要のほうに向かって発言をするという側面を持つ時期に来ているのではないかということで、ここであらためて資源の有限性ということを強調するに至ったわけでございます。そういったところへたまたまローマクラブの発言あるいは産業計画会議の発言等もございまして、同様の趣旨であると考えました関係で同意を示し、共同の作業があれば共同の作業もいたしたいということで関連したわけでございまして、ローマクラブの提案があったので政府が資源の有限性を強調したということとは逆であるというふうに考えております。
○渡辺(惣)委員 しかしその前に、新全総の場合には高度経済成長政策で、そういうことの反省が全然なかったのが、新全総の行き詰まりの時点でローマクラブの意見の発表があったので、それにすがりついて総点検の柱に加えてきた、こういう印象が抜け切れない。その点、大臣の答弁を願いたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいま下河辺局長から申し上げたとおりでございますけれども、どちらかと申しますと、従来は人間の科学技術に対する開発能力、それが相当の資源をさらに開発していくのではないかというふうに非常に期待をかける面が多かったのでございますが、最近になりまして非常に著しく、私どもが痛いほど知らされている問題は、それにもやはり能力の限界があるのだということではないかと存じます。それは公害汚染という形になってわれわれのところへ返ってきている、この反省は確かにいままでよりも強く出てきている問題だと存じます。いままではどうも成長ばかりに酔っておったのではないかと言われれば、そういうことばかりも言えぬと思いますけれども、どちらかといえばそういうことよりも、さらに資源の有限性というものをわれわれ十分考えて、ものを開発する場合にその点に注目しつつやっていかなければならぬ、こういうことであるかと存ずるわけでございます。一時は、日本は資源がない、しかし外国から持ってくればいいのだ、それには、大量に外国へ輸出することも不可能ならばまず国内で大量に消費して、大量に消費するということが大量の生産を可能ならしめることなので、それが成長への原動力になるというふうにいっておった時代もあることはそのとおりなんでございますが、そういう点に若干反省が必要とされるというふうに私どもは存じておる次第でございます。
○渡辺(惣)委員 わずかに大臣の反省の色が出てまいりましたが、あとの問題とまた関連しましてその点につきまして意見をお伺いしたいと思っております。 もう一つ、その総点検の中でまことに重大な発想が載ってきておるのであります。それは、住民参加の新しい制度を確立するという問題であります。住民参加の新しい制度を樹立するという構想は、文字どおり、字づらでおうかがいすればもっともしごくで何も言うことはない、まことにけっこうしごくだということになりますが、それはどういう中身を持とうとするのか。その住民参加のあり方につきましてひとつ所信を伺っておきたいと思います。
○小坂国務大臣 住民との対話というようなことをよく申しますけれども、これは全部の住民となかなか対話をし切れるわけではございませんわけで、したがってその住民の意向を代表する人々との公聴会であるとか、あるいはそういう住民の意向によって選出された市町村長であるとかあるいは県知事であるとか、そういう地域に密着した代表者の意見が非常に大きく反映される、こういうふうな意味ではないかと存じます。
○渡辺(惣)委員 そうするといまここであなた方が言っているのは、今日いわれている住民参加というものと全く違った、都道府県の知事と連携し、知事につながって地方計画を遂行しようとするところに住民参加問題の拠点を求めようとしておるのか。一体この国会の場で討議するのに、たとえばわれわれ国会議員というのは地方の住民の代表なんですよ。その対話を拒否しておいて、そうして地方の府県の自治体の長と連絡を密にすることが住民参加という意味なのか。あるいは地域で日照権や公害やその他で、巨大開発のためにあるいは都市開発のために困り抜いておる一人一人の地域の住民の意思をどう尊重し、吸い上げるか。どこへ吸収し、どこでその精神をとらえて高揚していくかという観点につきまして、ちっとも明らかでないと思います。その点について、起案者であります下河辺君からもう少し明らかにしてもらいたいと思います。
○下河辺政府委員 開発計画のすべてに国民あるいは住民の御意向が十分入るということは原則的に重要であると思います。そしていま御指摘いただきました点に関しましては、私どもが新しい国総法の中で一番重要視して検討いたしましたのはやはり日常生活としての地域住民と開発との関係でございまして、そのために旧法におきます特定地域制度を新法におきます特定総合開発地域制度に改革をいたしまして、その中で指定の際の手続を明細にきめまして、県、市町村あるいは公聴会等を通じ、住民の方々の御意向をくみたいということを考えましたが、指定のときに全部を住民の方々とお話をすることが無理であろうかと考えましたために、指定後三年の間にこの指定された地域の計画をきめるようにということを義務づけまして、三年の間に知事は計画を策定するということになりますが、その作成の際にまた再び、指定のときと同じ手続によりまして、住民の方々の御意向をくみたいということを考えておりまして、法律によりますと、もし、指定いたしましたにしても計画が整わない場合には指定は無効になるという手続までつくりまして、そこで私どもはいま渡辺委員から御指摘いただきました基本的な住民参加のルールのまず第一歩をつくりたいということでつくったわけでございます。上位計画になりますほど直接住民の方々とのお話し合いをすることが技術上困難になってまいりますので、やはり県、市町村から代表的な意見を聞いて行政を施行してまいりたいということは小坂長官からお答えしたとおりでございます。
○渡辺(惣)委員 どうもはっきりしない節々が多いと思いますが、そこでいう、あなたの言う住民とはどういうことを指示しているのですか。住民とは何か。住民参加における住民とは何をさしているのか。参加のルールは何か。どういう方式で参加させるつもりなのか。市町村長と連絡させることが住民参加の意思形態だ、あなたはそういう方式でいるということなのか。非常にあいまいであります。私の受けている、このあなたのところで出した文書が住民参加の問題に触れてきたということは重要な問題だと思いますから、もう少し明確にしてもらいたいと思います。
○下河辺政府委員 先ほど申しましたように、やはりその地域に日常生活というものを行為として持っている方々について住民ということを考えたいというふうに私どもは考えておりまして、その方々を代表して市町村長あるいは県知事が行政を施行しておられる点では、県知事あるいは市町村長の御意向を伺うということは重要であると思いますが、それだけではなくて、行政が施行されます特定総合開発地域につきましては、その指定についてもあるいは計画についても公示をすること、あるいは縦覧するということを通じて、住民の方々に十分意向を事前に知ってもらうということを法律上義務づけ、それをお知りになった地域の日常生活をしておられる方々が、いろいろな御意見がございましょうから、その御意見を市町村長あるいは県知事において承りまして、場合によっては公聴会を開いて、意向を十分くむような行政の姿勢を示したいということで考えたわけでございます。
○渡辺(惣)委員 この問題はあとで質疑をいたします。巨大開発の問題において住民参加の問題についてもう少し明確にしていただきたい。具体的な例として論議を深めてみたいと思っております。 次に質問いたしますのは、これは同僚の福岡君が前回の御質問で触れておる問題でありますが、今度の国総法の改正で国土総合開発審議会の委員から国会議員を全面的に追っ払ってしまったという問題について大臣の所見を伺いたいと思うのです。旧法によれば、国土総合開発審議会の委員は総数四十五名、そのうち国会議員が十五名参加しております。衆議院は九名、参議院は六名であります。学識経験者が十五名、政府職員は十二名、地方団体が三名になっています。それが今度は全然国会議員関係はカットしまして、学識経験者十七名、政府行政職員が十七名、地方団体五名、計三十九名ということで規定されておるわけでありますが、もう一ぺん念のためにお伺いします。特にこの際、この新法で国土総合開発審議会の委員から国会議員を全面的に控除、削除してしまった理由を明らかにしていただきたいと思います。
○小坂国務大臣 この点は先般下河辺局長から申し上げましたことでございますけれども、昭和二十七年に国土総合開発法が一部改正されました際、国土総合開発計画、特に特定地域総合開発計画の実施をはかる一環として、その地域の住民の意向をより明確に反映させるという必要上、現在の法に規定されておりますように、またただいまお述べになりましたように、国会議員が委員にお加わりになっていただいておるわけでございます。しかしその後におきまして、昭和四十四年、政府部内におきまして「審議会等の設置および運営について」という基本的な取り扱いをきめました際に、審議会というのは本来行政機関の付属機関であるというふうに存じまして、意見の具申を行なう場合には学識経験者をもって構成することが適当であるというふうにきめ、その考え方から、国会議員、行政機関の職員は原則として構成員にしないということにしておるわけでございます。したがって、中部圏開発整備法あるいは沖繩振興開発特別措置法等においては国会議員が審議会の構成員から除かれておるということになっておるわけでございまして、こういう点を踏まえまして新しい国総法の審議会の委員は国会議員を除くというふうにきめておるわけでございます。まあ、私の考えでございますけれども、これはやはりこうした国総法というものにおきまして全体の開発の理念を国会でおきめいただき、そしてその開発の仕組みをきめていただきまして、そしてあとは審議会の行政的な決定にゆだね、それに問題がございます場合は、国権の最高機関としての国会においていつでもまた御意見を賜わるということによって円滑な運営が期し得られるのではないか、かように存じておる次第でございます。
○渡辺(惣)委員 どうも都合のいいところだけ一部出して、都合の悪いところはほおかむりしようという答弁のしかたであると思いますが、一体あなたは昭和四十四年七月十一日に閣議決定をした臨時行査調査会から勧告されている勧告案、その趣旨をよくお読みなんですか。これは臨時行政調査会の、審議会等における委員の立法、行政の混同は好ましくないという三十九年の勧告から始まった四十四年七月十一日の閣議決定事項でありますが、その中に、特に具体的に第七項目に「国会議員および行政機関の職員は原則として、審議会等の構成員にしないものとする。」ところがここでぬけぬけと国会議員の審議権だけは拒否しておいて、事務官僚だけは全員入っているのです。片手落ちではないですか。これは閣議決定違反ですよ。もし閣議決定をたてにしてこの今度の新法からこれを除くというならそれはそれで一応、見解の相違は別としても、行政と立法との紛淆を避けよう、けじめをつけようというならそれなりでまた一つの理由がある。 しかし問題は、一体この閣議決定事項は、行政府職員も国会議員と同様に控除して、純然たる民間の学者あるいは評論家その他の人々を中心にして主要な構成メンバーとして委員会を持てというのが本来の趣旨であろうと思うのです。この法案の立案者は行政府職員ですよ。行政府職員である者がこの立案に当たるのはあたりまえですが、そのときに、自分たちだけ都合よく中へすべり込もうとしておるのはおかしいと思うのです。閣議決定の趣旨にも反しますし、大体とんでもない誤りをおかしておる。しかも今年度の国土総合開発審議会の委員の中で——私は国土総合開発審議会の委員で、首切られる組の一人なんですよ。だから言うのじゃない。私は個人のことでなく制度として言っておる。誤解しないでおいてもらいたいと思いますが、特に官僚、行政職員の名簿を見ますと、全部そろって各省次官ですよ。下河辺君も委員になれないのですよ。下河辺君自身もその審議会の委員に入れない。入るのは各省次官だけですよ。各省次官というのをこの審議会に入れなければ中の事務連絡がとれないような仕組みになっているのですか。小坂さんは総理大臣代理でひとつ答弁願いたいと思うのですが、おかしいと思うのです。各省には事務連絡会議があるはずだ。各省連絡会議を持たれているはずだ。事務次官会議もあるはずだ。各省の、政府関係の機関の意見統一は政府自身が行なうべきであって、審議会の場でやらなければならぬ性質の問題ではない。何を理由にしてこの際このようにしたのか。政府関係の委員だけがごっそりと入って、事実上自分たちの意のとおり、外から来た者の意見を聞かず、国会の意見も聞かず、自分たちの行政ペースでねじ曲げよう、強引に進めていこう、数で進めていこう、こういうやり方がありありと出てきている。この点につきまして、一体大臣、今度の法律の出し方は閣議決定違反ではないのか。もし閣議決定が有効であるとあなたがおっしゃるなら、行政職員を入れているということはこれは閣議決定違反になるのではないかということです。明らかにしてもらいたいと思います。
○下河辺政府委員 御指摘いただきましたように、昭和四十四年七月十一日の閣議決定によりまして、「国会議員および行政機関の職員は原則として、審議会等の構成員にしないものとする。」という決定があることは私どもも存じております。そして、私ども法案をつくります際に、国会議員及び行政機関の職員についてどのような取り扱いをしたらよいのかということについては、だいぶ長時間かけて議論があったところでございます。そのために私どもがまず、一つは地域関係立法全体についてどう考えるかというところへ議論が発展するわけでございますが、御承知のとおり、昭和二十五年以来昭和四十年に至る間にたくさんの地域立法がございますが、それは法律の例として、国会議員及び関係行政機関の職員がその両方とも参加していただいているというのがむしろ通例の地域立法の形であるというふうに存じております。しかし、この閣議決定が昭和四十二年閣議口頭了解になり四十四年閣議決定になります過程で、地域立法がさらに制定されておりますが、特に奄美大島の振興法あるいは近畿圏整備法あるいは中部圏整備法あるいは昭和四十六年の沖繩振興開発特別措置法というものが制定され、この四十年代になってからの新しい立法例を見ますと、これは国会議員を削除いたしまして、行政機関の職員を入れるという形でその制度を整えてきておりまして、閣議決定による方針といたしましては、いずれにしても関係行政機関の職員は入らないということが適当ではないかという方針をいただいているわけですけれども、現在の立法例ではまだ、国会議員を削除して行政機関の職員だけが入っているという前例がございまして、このたびの私どもの国土総合開発法におきましてもこの例にならったということで立法化したわけでございます。 そこで、この行政機関の職員が入っていることの意味でございますけれども、地域開発というものが、おもに現在まで社会資本の整備ということを通じて中心的な業務がございまして、社会資本の整備というものが関係各省にまたがって非常に専門的な知識を必要とするということは事実でございまして、しかも最近では、この新法によりまして十七名に広げてあるわけでございますが、環境庁あるいはいままで入っていなかった文部省等も加えて、地域開発に関します専門的知識を審議会の席上において関係行政機関の職員からいただきたい、そのことがむしろ総合行政の実をあげるために、次官会議その他で公式的に決定する以前に十分具体的な調整をはかるのに必要なことではないかと考えた次第でございます。
○渡辺(惣)委員 全然下河辺君の都合のいい、立案者の都合のいい話です。私が質問しているのは、閣議決定違反にならないのかどうかということを言っているわけですよ。それを承知の上で、昭和四十年代になってからこの種の審議会には国会議員を入れないことに順次なってきておる。なっておるのは、さしたのはあなたたちでしょう。あなたたちがそういう起案をして、国会議員がそういう法案作成のときに注意を怠ったというすきをねらってそういう措置を講じてきた。あなた方がこういうような閣議決定違反をおかしてきている。いささかも理由が明らかでない。大臣、閣議決定というものはそれほど権威のないものなのか。簡単に中央官庁の職員が自分たちに都合のいいように、社会資本に関連がある、公共投資が非常に多いから入ったほうが便利でいいのだという、そういう御都合主義でこの臨時行政調査会は答申したのかどうか。それを閣議はそう簡単に扱ったのか。そのときあなたは閣僚であったかどうか知りませんが、その点おかしいと思うのです。ひとつ責任ある大臣の答弁を願いたいと思います。
○小坂国務大臣 渡辺委員の御指摘は、私は国会議員として同感でございます。三権分立という考え方から国会議員を除くというふうに私は考えておりまして、さように主張しておったわけでございますが、閣議決定で行政機関の職員も同様に除くというふうになっておる、その経過を実は私も存じませんので、これはよく調べさせていただきたいと思います。ただ、この決定は原則として除くと書いてございますので、それは原則として国会議員を除いたら、行政機関の職員は除かぬでいいのかという御議論も確かに理由のあることでございまして、この点は少し時間をいただきましてよく検討さしていただきたいと思います。下河辺局長が御答弁申し上げたように、実際の必要上行政機関の職員が特に地域開発立法等において入っているほうがいいという点はあろうかと思いますけれども、そういう閣議決定違反かどうかというふうに問い詰められるような形をそのままにしておくということは私は問題があると思いますので、この点はしばし御猶予をいただきまして、さらに考えさせていただきたい、いろいろ調整をさせていただきたい、こう思います。
○渡辺(惣)委員 しばらく猶予してくれということでありますから猶予はいたしますが、これはその結果によっては重要なこの法案の修正点になりますからね。猶予をとって審議するというのは、この法律案が通る場合は、その前にどうしても政府の統一見解が出てこなければわれわれはこの法案を通しませんからね。その猶予というのは期限なしじゃないんですよ。この法律案の審議の過程で明らかにしてもらわなければ、話をしっぱなしで、重大な閣議決定違反をおかして、官僚独善で自分たちの都合のいいようにつくられてはたまったものじゃないですよ。国の法律を官僚の思惑や構想でかってにすりかえられて、都合のいいときだけは閣議決定をたてにし、都合の悪いときは知らぬ顔で無視してかってにつくりかえる、そういうべらぼうなでたらめな法律を審議するわけにいかないですからね。この条項に関してはまず第一点の修正点でありますから、重要な閣議決定違反なら違反だという結論を出してもらわなければならない。後に述べますが、おそらく国会全体の問題になってきますからね。ひとつそのつもりで腹を据えて御答弁をしていただきたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいまの御指摘は当然と考えますので、できるだけ早く結論を出したいと思います。
○渡辺(惣)委員 総理府総務長官に質問いたしますが、国会議員が参加している審議会というものは一体どれくらいありますか。
○粟屋政府委員 お答え申し上げます。 地域開発関係におきまして十二の審議会に国会議員が参加をされておるわけでございます。
○渡辺(惣)委員 その答弁、間違えておりませんか。全部で十三審議会あるのじゃないですか。まだ国土開発審議会は除かれていないですよ。現存しているのですよ。かってにあなたが法案を決定するのじゃないですよ。われわれが削除するかしないか決定するんですよ。そんなとぼけた答弁は許されないですよ。
○粟屋政府委員 失礼いたしました。十三の審議会でございます。
○渡辺(惣)委員 あなたがかってに削除しても、審議が終わらないでしょう。この十三の審議会の中で、国会議員が参加している人数をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○粟屋政府委員 いまとりまとめておりますので、しばらく御猶予をいただきたいと思います。
○渡辺(惣)委員 休憩を願います。——十三審議会で衆議院七十四名、参議院は四十五名じゃないですか。違いますか。——(「質問を続けてくださいよ」と呼ぶ者あり)質問を続行せいといったってそれをはっきりしなければ……。首になるかならないかの瀬戸ぎわですからね。
○粟屋政府委員 どうもお待たせいたしました。衆議院が七十四名、参議院が四十五名でございます。
○渡辺(惣)委員 そこで総理府総務長官にお伺いするのですが、内閣の大番頭として、もしいまのこの方式が採用されれば、七十四名と四十五名の全員を各審議会から追放しなければ筋が通らないと思います。やりますか。やらないと、国土総合開発審議会の委員だけ控除して、官僚独占で、官僚に首を切られて追放されて、あと官僚だけ居直って残る、こういう仕組みになっておりますが、それをどうしますか。われわれは全部整理しなければ承知しないですよ。筋が通らぬですよ、閣議決定違反になるから。あなたも閣議決定に違反しかけているところだ。どうです。ひとつ閣議の趣旨から見てどうなるか。他の審議会はこの法律の発生と同時に全部整理しますか。
○坪川国務大臣 渡辺委員が御指摘になりました問題は非常に重要な問題であり、また御指摘の御趣旨も私は十分理解もいたしておるようなわけでございますので、これらを含めての取り扱いについては十分に検討し、慎重を期したいと考えております。
○渡辺(惣)委員 その意味は、小坂経企長官が答弁された、私がだめ押しをしている趣旨、この法律の上がる場合は、その時点までに政府の統一見解を出して、各審議会の法律全部、どの審議会も法律規定によるのだから、全部法改正して処理するという英断を下すのかどうか。それから同時に、各審議会から官僚を、臨時行政調査会の勧告に従って全部官僚を——官僚といったって事務次官ですから、肩書きだけですよ。実際には各審議会の幹事と称する下河辺君や宮崎君たちが引きずり回しているのですからね。幹事職が全部切り回している。官僚独善であることは同じなんだ。けれども、今日のような国土開発が混乱の状態になって国民から不信を買っている時期になりますと、国民代表が参加してわれわれが発言する、それがいやなものだから、審議会は一月から一ぺんもまだ開いていませんよ。私は審議会の委員だけれども、一ぺんも呼ばれたことも通知を受けたこともない。徹底的にサボれるだけサボる。審議会の招集をやらない。そういう形で審議会を逃げ場所に利用してきている。だから、いま総務長官が、事きわめて重大だから慎重審議する。あなたは慎重審議が特徴でありますが、しかし慎重審議では事がおさまらない。この法律の施行の時期とからまって問題は出てきているのですから、やるなら全部各法一緒に、筋論としては整理しなければ話が出てこない。あなたの慎重審議というのは、小坂さんがおっしゃるように、この法律の前に閣議の統一見解をもって閣議決定を変えるのか、閣議決定を生かすのか、閣議決定違反の法案をうのみにさせよう、ゴリ押ししようとするのか、ここのところのけじめをつけてもらわなければならぬと思います。お二人の統一見解を伺います。
○坪川国務大臣 審議会自体、審議会をどうすべきかという問題につきましても、新聞でごらんいただいておると思いますが、政府の政務次官会議においてもいろいろと論議をされている問題点でございます。そうした点、一つ一つその審議会のあり方、これからのこれを存置すべきかどうかというような問題点も含めまして、また構成員等の問題につきましても、十分そういった問題を、いま渡辺委員御指摘になった点を踏まえながら、政府といたしましては、いま小坂長官ともお話し申し上げているのですが、何らかの一つの統一的な見解を出すべき段階に来た、こう考えておりますので、そうした方向で取り組んでまいりたいと考えております。
○渡辺(惣)委員 それではこの法律案の審議の過程で、政府の統一見解、それから同時に実際の審議会を洗い直すということで明らかにしてもらいたいと思います。 そこで、こういう問題が出てまいりますのは、国土総合開発計画がほんとうに人民の意見を擁護し、国民のしあわせのためにつくられているのかどうかという問題にかかわってまいりますが、先ほど下河辺君の説明を聞いていますと、昭和二十五年の法制定当時には審議会はなかった。途中で、二十七年の法改正のときに審議会ができた。初めからこれはまま子扱いですね。途中からもらい子したように聞き取れるような答弁をしているのですが、まことにふに落ちない。昭和二十五年を起点にしまして、二十七年に法改正が行なわれ、審議会が制定された。しかし、この時期に全国に雨後のタケノコのように国土開発問題の火の手があがったのです。特に衆議院では三十年に国土総合開発特別委員会が設置されて昭和三十五年まで、全国総合開発計画の第一次ができ上がる時期に、前期には国会の中に国土総合開発特別委員会があってそこで審議をしたものです。私もそのころ国土総合開発特別委員会の理事をつとめておったのですが、廣川弘禪氏が委員長で、いまの大蔵大臣の愛知揆一氏も理事の一人で、東北開発問題で非常に盛んに議論をし合ったものです。 しかしいまこうなりますと、この法律案が通ったとしますと、関連して国土総合開発庁がスタートするそうですね。経済企画庁は存在する。この二つの役所は国会に審議機関を全然持っていないのです。どういうことになるのか。国会議員は国会の場所で国政の審議に応じなさい、場所がおありでしょう、こう言おうとしている。しかし、現存するところの、私は国会の中身のことを言いたくないけれども、たとえば逓信常任委員会などは郵政省と電電公社の二つだけで常任委員会が持たれているでしょう。国の運命をきめる、国民の運命をきめる、生活を支配する、このような将来の社会構造に重大な影響を及ぼす国総法あるいは国総公団法、それから国総開発庁、こういうものを抱きながら、しかも開発庁と企画庁とを踏まえながら、そのほかにたとえば沖繩開発庁であるとか北海道開発庁とか、開発関係の機関が外局のようなものとして存在している。それを国会審議に付する場所がない。あなた方は空間を縫って逃避する。かってな作業を目の通らないところでやる。立法府と行政府のかかわり合いが一体どこで出てくるのか。どこで審議しようというのか。あなた方はいま建設委員会の場所をかりてこの法案を提案している。建設委員会の法案でないでしょう。大臣も人の席をかりて陳弁これつとめている。審議する場所がないのです。あなた方は居場所がないでしょう。自分の委員会で自分の法案を愛情を持って審議してくれる、論議を深めてくれる接点がないでしょう。立法府と行政府の接点を一体どこに求めようとするのか。大臣の所見を明らかにしてもらいたい。
○坪川国務大臣 いま衆議院で御審議をお願いいたしておりますところの開発庁設置法案の開発庁は、御案内のごとく総理府の外局としての立場で行政的な機関に相なるわけでございます。したがいまして、幸いにして設置法が議決、通過されました場合において、これらに対する案件あるいは問題、審査、審議、すべてやはり国会でみずからおきめ願わなければならぬ立場に相なるのではなかろうか。したがって、行政府の私たちといたしましてはそれに対していま予想のもとにおいて容喙を申し上げることは慎むべきである、こういうふうな考えもいたしておるので、御趣旨、御指摘の点は私も十分理解申し上げておるわけでございますが、一応開発庁は総理府の外局としての立場に置かされるという点から、おのずから帰趨もはっきりいたすのではないかと思います。しかし、そうした点はやはり衆議院の議運その他において御決定を願わなければならぬ問題であろうかとも考えますので、まだ成立しない前に、私がいまこれらに対しての希望的な観測とか希望的な気持ちを申し上げることだけは御遠慮申し上げたいと思いますので、御理解願いたいと思います。
○渡辺(惣)委員 大臣の意見を聞くと、議運の委員長時代を思い出す。議運の委員長みたいな答弁ではここは通らないですよ。 それでは、この法案の審議は参議院はどこの委員会にかかるのですか。参議院はどこの委員会が審議することになっているのですか。建設委員会じゃ社会党の委員長だからあぶないから、ほかの委員会にもっていこうとする策動が行なわれていませんか。そういう無定見な、法案が出ていながら参議院で審議の場所が明らかでないという妙なことが起こっている、国会の楽屋で。一体この法案は参議院で審議する場合はどこの委員会にかかるのですか。
○坪川国務大臣 先ほども申しましたようなことでございますので、ぜひお願いいたさなければならぬのでありますが、幸いにして衆議院、本院において議決をいたされまして参議院に送付されますと、渡辺議員も御承知のとおり、お互い議運をやらしていただいた立場から考えてみても、付託案件の取り扱いのポジションをどうすべきかということは参議院自体がおきめ賜わることだと私は考えるのであります。
○渡辺(惣)委員 だからぼくは坪川さんに言ったのです、あなたの答弁を聞いていると議運の委員長時代を思い出すと。私は政府側の見解を聞いているのです。両院制度の上に立っていながら、審議の末期にきて、参議院の審議の機関をどこにするかということをきめるのはこっちから送り込まれた時点で。参議院のきめる日数がないのですよ。日数がないのに、どこの委員会に付託するのですか。 〔渡辺(栄)委員長代理退席、委員長着席〕 そんな不見識な……。われわれは建設委員会にかかるだろうということを予測して、建設委員会同士で連絡をしながらやっているのですが、それが突然変異で、参議院に送付をしたとたんにどこの委員会にかかるかわからない、この段階でもそういう状態だというのはどういうことですか。それは院がきめるのだという御意見ですがね、一体その提出した法案の提出者がどういうふうに承知しているのか、小坂大臣の見解を明らかにしてもらいたい。審議する場がないのです。かかわり合いになる審議機関が明らかでないのに、どうして審議していかれますか。
○小坂国務大臣 先ほどから経済企画庁を所管する委員会がないというお話がございましたが、物価問題等に関する特別委員会というのが私どもの企画庁の問題を主として審議する委員会でございます。そこで私どもは例の買い占め売り惜しみ規制法案をこの委員会に出しました。それから物価局の設置の法案は、これは内閣委員会に出しました。それから総合研究開発機構法案、これは商工委員会に出しました。この三案とも通過させていただきましたのでございますが、この国土総合開発法は、坪川総務長官の御所管の開発公団とともに、あるいは建設大臣御所管の法案とともに当建設委員会に御審議をしていただいておるわけでございます。これが参議院においてどうなるかということを私に言えという仰せでございまするが、坪川大臣からもお答えございましたように、われわれは法案を国会へ提案いたしまして、この付託は国会の委員会においておきめをいただくことになっておりますので、さような御決定をまって、私ども、どこへおきめいただこうとそこへ参りまして、十分御審議していただくという考えでおるわけでございます。
○渡辺(惣)委員 私は、経済企画庁の物価局が物価問題等に関する特別委員会にかかるということは、それは当然物価問題だからそちらの審議に引っぱり出されることはあたりまえのことだと思いますが、しかし私が言っておるのは、経済企画に関する、国土計画に関連する問題についての国会の論議の場所が安定的に確保されていない、国会議員が審議権を行使することが困難に直面しているということを申し上げておるのです。それをいいことにして、経済企画庁が、生まれ出てくるであろうかもしれない国土総合開発庁が、審議の空間を縫って、国民不在の中で、国会不在の中で動き回ろうとする、その象徴的な発言がいまあなたにあったわけです。場合によっては物価問題等に関する特別委員会を拝借する、場合によっては商工委員会を拝借する、都合によっては建設委員会も利用する。人の委員会をぐるぐる回って……(「議運できめるのだよ」と呼ぶ者あり)そういうことは議運できまるが、政府自身が法案の審議に対して一つの統一的な見解を持つべきだ、こう言っているのです。たとえ議運がきめたって、政府が示唆し、政府が要望する、そういう意向を受けて立って与党の人々が議運の中で取り計らってきたのが慣行です。事実です。そういうことが実際の状況ですよ。それをてんでんばらばらに、そのときそのつど態度を変えて、そうしてくぐり抜けていこう、こういう審議のあり方が問題になってくる。もう一つ明らかにしてもらいたいと思います。
○小坂国務大臣 私に国会議員の立場で意見を言えとおっしゃられればそれなりの意見はございます。しかし、国務大臣としてこの場で法案の審議をお願いしておる者の立場からは言うべき限界があると存じておる次第でございます。したがってさようなことを申しておるわけでございます。 これは私の個人的な見解を申し上げることになりますが、渡辺委員の御指摘のような点は確かに問題だと思います。国会として、国土総合開発なり重要なそういう問題を扱う場がきまらないという点は確かに問題であると存じますが、それをどうするかということは、他の委員会ともいろいろな関係もあり、あるいは審議日程という問題もございまして、その日程に従って大臣は必ず出ていかなければならないということになりまして、審議は全体とのバランスもあるので……。こんなことは国会のベテランでいらっしゃる渡辺委員に申し上げるまでもないことでございますが、せっかく意見を言えというお話でございますから申し上げますと、私はさように考えておる次第でございます。渡辺委員のおっしゃることは十分理由のあることである、私も同感をいたします。
○坪川国務大臣 ただいま小坂大臣もおっしゃったように、決して渡辺委員の御意見に反対をしたりあるいはおことばを返すというような意味でございませんけれども、総理府の立場から申し上げますれば、御承知のとおり非常に広範多岐にわたる行政の面をお預かりいたしておるというようなことで、交通問題になりますと交通安全対策特別委員会、あるいは防災問題になりますと災害対策特別委員会に御付託願ってお願いしておる。沖繩あるいは公害はそれぞれ別な委員会にお願いしておるというようなことでございますので、これを一がいに一つの総括的な問題点として一定の定木で整理すべき問題ではないと思います。そうした判断は、御承知のとおりにそれぞれの院の議運あるいは国対等において御協議をいただいて付託をしていただいておりますので、いま直ちに御指摘になるような大きな問題が伏在しておるというようなことでもないので、この点御理解を願いたい、こう思っております。
○服部委員長 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ————◇————— 午後一時三十五分開議
○服部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。渡辺惣蔵君。
○渡辺(惣)委員 経企庁長官に質問いたしますが、総点検八項目の中で私は重要な問題を置き忘れていると思いますが、それは先ほどの問題で触れましたローマクラブの提言の中でも一番問題になっております人口と食糧の問題であります。この重要な項目を落としてはほとんど今度の問題の意義はないと思いますが、その点につきまして、人口と食糧の問題に関連した問題をどのように見ておられるか、また総点検の中でどういうように規定しようとしておるのか、展望を承りたいと思います。
○下河辺政府委員 総点検の中におきまして人口問題と食糧問題をどのように考えておるかというお尋ねだと理解いたしますが、人口問題につきましては、終戦後非常に高い出生率がありまして、高度成長期の間は出生率が比較的低く推移してきたということは御承知のとおりでありますが、やはり今後におきましては若干出生率が高くなってくるのではないかという考え方のもとに、人口問題研究所とも相談をいたしまして、昭和六十年あるいは昭和七十五年の人口の推計を作業しておりまして、間もなく数字も固まってくると存じます。しかし、人口問題の基本はそういう総人口の推計ということだけではなくて、やはり日本の狭い国土の中へどういう形で居住性を持つであろうかということ、つまり巨大都市の人口の集中についてやはりはっきりした方向を持つべきであるということで議論を進めておるわけでございます。そういった人口問題から考えまして食糧の問題が非常に大きな問題になってきておることは、この間の福岡委員の御指摘あるいはきょうの先生の御指摘にもあるとおりでございまして、私ども、「農林水産業の問題とその対策」というところで、やはり今後におきますわが国の食糧の需給問題ということが非常に大きな課題でありますが、そのことは、農山漁村におきます第一次産業へ就業しておられる方々の生活問題ということを同時に解決していかなければなりませんし、また第一次産業が国土の保全と申しますか自然環境の保全というものへの役割りを非常に大きくになっているということについても注目しなければならないという角度から、農林水産業を新たに勉強し直したいというのが総点検の方針であります。それに基づいて現在作業を始めておりますが、ローマクラブとの関係ということで御指摘がございましたが、私どもといたしましては、従来国土総合開発法に基づきまして国内のいま申したような問題について勉強しておるわけでございますが、この段階になりますと水産業あるいは畜産業、林業等含めて、国際的な視野で資源の限界性というものに言及しながら国内の位置づけをしてまいらなければならないというふうに考えておるわけでございます。
○渡辺(惣)委員 去る三日の閣議でアメリカからの大豆輸入の問題が論議されて、経企長官は担当大臣として非常に苦悩しておるということが新聞に伝えられております。この閣議でアメリカの大豆輸入の問題が取り上げられた最中に、世界では食糧の危機の問題が報ぜられております。私は、ごく最近の新聞・テレビ等の報道だけでもたいへんな数に達しておると思います。六月二十九日発行の週刊朝日ではわざわざ食糧問題の特集をしております。またテレビでは、NHKは七月一日に十時から西アフリカ六カ国、モーリタニアその他、地中海のキプロスの飢饉等報道して、たいへんに注目を浴びております。また毎日新聞は西アフリカ救援記を六月三十日、同じくインドネシアの危機を七月一日に、それから西アフリカの危機を七月三日に、四日には中国五千年の気候変遷を取り上げております。朝日新聞はインド飢餓地帯を行く、全部新聞の特集であります。単なるニュースでなくて、特集記事としてこれだけの新聞が一斉に取り上げているのです。この点につきまして、物価問題からの視点だけではなしに、特に食糧危機が世界をおおうという状況の中でいま日本は食糧不足にあえいでおるわけでありますが、そういう全体の長期の展望の中で大臣はどう対処しようとしておられるか、所見を承りたいと思います。
○小坂国務大臣 お互いの学生のころにマルサスの「人口論」というのがございまして、やはり人口の増加と食糧の問題を非常に深刻に考えなければならぬということであったのでありますが、その後科学技術の進歩によって農耕法が非常に進んで、そのために食糧の問題がとかく忘れられがちになっておったというふうに私も思うわけでございます。これはローマクラブの提唱した、国連の推計でございますけれども、二〇〇〇年には人口が、現在三十七億でございますが、これが六十五億になる、六十四億九千万になるというようなことでございまして、その中でアジアのいまの二十一億の人口が三十七億になる。ことに非常にふえますのはアフリカで、今日三億五千万でございますが、これが八億一千万になる、こういうことをいっておるわけでございますが、この割合からいたしますと、日本の人口はそれほどふえておりません。今日一億五百万が一億三千四百万になるという推計でございます。これはただいま局長が答弁申し上げましたような、戦争後の人口のふえ方がわが国においては比較的少なかったという事情もあるわけでございますけれども、その意味でわが国の主食である米についてはあまり心配がないのではないかというように私思うのでございます。ところが他の小麦とかあるいは大豆というようなものは、非常に輸入に依存している割合が多いわけでございまして、こういう問題についてはできるだけ自給度を考え直していくということが必要であろうかと存じます。また政府としてはそういうふうなことで今後の手を考えているように理解いたすわけでございます。 アメリカの輸出規制の問題は、アメリカが従来お得意としておった日本に対しまして特に手をきびしくするというようなことは考えていないと先方は言うわけでございますが、いずれにいたしましても、新しいアメリカへの農産物の需要が非常にふえておる。これはソ連、中国以外にも、東南アジアの全域にわたって非常に食糧不足があったとか、あるいはいま御指摘の西アフリカの問題等を含めまして非常に新しい需要がふえておるので、一度これを締めて再点検をする、そういう意味で九月までの輸出量を半分にするのだという説明を先方はしておるわけでございます。しかしどうもなかなか情勢はきびしいようでございまして、ことにまたトウモロコシ等についても今後どうなるかという問題もございます。 そういう中で、私どもは何といっても日本の狭い土地柄でございますから、この狭い国土に適した最も効率的な食糧生産を考えると同時に、輸入の相手国につきましてもいろいろ多角化するとか、あるいは開発輸入を促進するとか、あるいはまた備蓄も考えるとかいうふうな、いろいろな総合的な手を打っていかなければならぬ、かように考えておるのでございます。食糧の問題について大いに考え直すべきだという渡辺委員の御指摘は、まことに私もそのとおりと考えます。
○渡辺(惣)委員 どうも大臣の見解は楽観的であると思います。ちょっとお尋ねしますが、大臣は非常に読書家だと承るのですが、農林省の食糧研究所の栄養化学研究室長をしている西丸震哉君という人物を御存じですか。
○小坂国務大臣 存じません。
○渡辺(惣)委員 そうですか。この西丸震哉君は専門の立場で非常に最近食糧と人口の問題を論じておるのです。特に自分の役所の勤務のポストの立場からも非常に問題を掘り下げて研究している、珍しい勇気ある官僚だと思うのであります。その西丸震哉君が食糧、人口問題を中心といたしまして、去年の十月の中央公論に「食事の哲学」という論文を執筆しております。この論文の趣旨は、「人類が直面する生存の危機は、過度の安楽追求と自然界に占める地位の認識不足から起る。」ということが中心のテーマであります。同じく同君は去年の中央公論十二月号に「飢えの時代が来る」「アラスカでの飢餓実験日記」というものを発表しております。「少なくも過去一万年間起らなかった生存条件の大変化が始った。大飢餓が襲って来るのだ。」こういう予想であります。みずからこの危機をあえて体験した現状の視察報告で、非常に感銘すべきものがあると思います。そのほか、最近私どもの手元にある資料だけでも、経済政策研究協会の会報に載っています「食糧と人類の危機」、それからごく最近、これは六月の段階ですが、総合雑誌で「終末から」という雑誌が出ております。非常に世紀末的な問題の提起のしかたでありますが、ここでは「腹ペコのバラード」という題で執筆しております。 わずか半年のうちで四回も総合雑誌あるいは権威ある研究協会に意見を発表しておるということは、非常に勇気の要ることだと思うわけなんです。科学者の立場でこういう提案をしておりますので、政治的な視点は何も持っておりませんが、純粋な科学者の立場に立っておることで、私は特にこの論文の中に注目をするわけであります。衆議院の建設委員会には珍しく二人の科学者がおられます。井上博士と浦井博士の両名の科学者がおられますので、私の提起する問題が科学的な立場からも専門職の立場からもどういう視点を持つものかということで共同の論議を深められるべきだと私は思うのであります。 私はここで、いまの経企庁長官並びに下河辺君の非常に楽観論的な食糧と人口の展望について、この四つの論文を通した総括的な見解を私なりにまとめてきたものをここで申し上げたいと思います。参考までにちょっと聞いてもらいたいと思います。将来展望の重要な提起であります。ことに皆さんの仲間である勇気ある官僚の提案であります。でありますから聞いてもらいたいのですが、彼は異常景気の原因のとらえ方を経企庁長官のような楽観論的な取り上げ方をしないで、非常に深刻に問題を取り上げております。 「西シベリアからヨーロッパ、カナダにむかって寒冷化が進んでいるが、これは第四永河期末期の状態に似ている。シベリアの気温はこの十年間に五度も下った。冬は割合暖かだが、春先冷え、一足飛びに夏になるが涼しく、秋がなくてすぐ冬に入るといった気象がつづき、ソ連の農業に大きな打撃をあたえている。 南では、インドから豪州にかけて旱魃が起り、ニューギニアでは、最低気温が十度以下になり、霜害騒ぎで食糧危機を起した。日本はその影響で東北、北海道の低温化が進み、稲作の北限が南下する兆候をみせ、南日本では旱魃が多くなり、高気圧にはさまれた中部は前線が停滞して雨が多く、日照不足をまねいている。去年の米作は条件からいえば大豊作でなければならないのに、平年作を下回る千二百万トンしかとれなかった。化学肥料を使いすぎて堆肥や厩肥を使わなくなったので地力が衰えたことも米の生産が頭打ちになった原因である。 北太平洋の水温が十年間に五・八度上昇したことがわかったが、それだけ大気に対する熱の補給が減り、大気がどんどん冷えてゆく。その原因として考えられることは、油のうすい膜が北太平洋をおおい、水分の蒸発を妨げていることである。一方、ジェット機や地上の煙突が排出する微細な塵が大気に層をつくって太陽の熱エネルギーを吸収し、北極に近いほど太陽熱が減る。氷や雪の太陽熱の反射も手伝って氷河地帯がひろがる。赤道に近い南では放散する熱がその層にひっかかって欝熱し、乾燥し、こうして地球全体にわたって食糧危機をまねいている。」 これは政治家の論文じゃないのです。科学者の見た、そして非常にデータを中心にして分析しておる状況であって、まさに地球の危機が迫っておることを予言しておるわけです。そういう点で、これほど極端でないにいたしましても、ローマクラブの提言等からも示唆を受けた部分が相当強い、それによって独自で足で歩いて調査をしているということを見出すのであります。 こういう状況の中で食糧問題の位置づけを彼はしようとしております。食糧問題については、「人間は一人年平均二百キロの主要食糧を摂取するから、地球上に住む三十六億の人間には七億トンが必要である。」非常にきちっとしています。「現在世界の穀物生産量は八億トンだが、水分を引けば七億トンでとんとんになる。しかし人間は文明が進むにしたがって畜産物をとるので、人間が食う穀類の四〇%が動物のエサとしてあたえられ、それが肉、卵、ミルクとなって人間の口に入るときはその四〇%の一五%に減り、減った分だけ食糧が不足する。食糧は将来まだ三割は増産できるという人もあるが、」これはたぶん小坂大臣のことを指示するのだろうと思います。「労働力の不足、農民の労働意欲の減退、農地の潰廃などを考えると、現在以上に供給をふやすことはむつかしい。各地で行われている大規模の自然改造は、食糧生産ではかえってマイナスが多い。」 こういう食糧の規定のしかたから、最後に人口問題に触れています。「半減する我国人口」、驚くべき提起であります。 「日本の食糧自給率は八五%なし九〇%といっているが、家畜の輸入飼料をいれると四〇%となり、四千万人分の食糧を自給しているだけである。日本人の食生活基準は、二千二百五十から二千三百カロリー、蛋白は七十五グラム以上になっているが、その結果成人病が急増している。昔あった長寿村は、空気や水がきれいで、気候はあまりよくない、労働がかなり行われ、ストレスがなく、粗食で蛋白質の摂取量が少く、野菜や海草を多くとるといった条件をそなえていた。いまは日本全国が肉食するようになった。食品添加物は三百五十種類あるといわれ、PCB、農薬、重金属などが入っているから肝臓が悪くなり、神経がおかされることは自然のいきおいである。 厚生省は二〇〇〇年の日本の人口を一億三千万と予測しているが、これにはマイナスの要因が入っていない。私の予測では、七〇年を一〇〇として八〇年で一〇八ないし九八、九〇年で九六ないし七七、二〇〇〇年には四八・五ないし四五・〇、四千五百万人となる可能性がある。現在は零才の者が半減するのは六十七・五才で、九十才で殆んど死亡するが、二十年後には、三十五才で半減し、四十五才で全員が死亡するという不吉な予想が可能である。このままでは人類の破滅が案外早くやって来ると警告したい。」 まさにあなた方の見解と対蹠的な驚くべき提案が出てきておるのであります。しかもそれは農林省の官僚であります。あなた方の仲間であります。彼は勇気をふるって——大臣に呼ばれて、大豆の問題はしゃべるな、食糧の問題はしゃべるな、こう言われたと伝えられていますが、それほどものをゆがめずに、あくまでも人間的な立場で、人類的な立場で問題を掘り下げ、問題を告発している勇気は非常に驚くべきものがあると思います。 それでこの問題につきまして、皆さんの見解と全く対蹠的な食糧、人口問題の展望が提起されておるという事情について、これは大臣は読まれてないかもしれないが、下河辺君は読んでおられるかもしれないので、そういうような提案が現実に科学者の中から、しかも天下に公開して、中央公論やその他に論策を出しておるということについて、どういうこれを打ち消す根拠——これは人口問題研究所がこういっておるとかなんとかではなしに、この問題を切り開いて、この問題をどう受けとめようとしておるのか、所見を承りたいと思います。
○下河辺政府委員 いま渡辺先生から御紹介いただいた論文のうちの、全部は拝見いたしておりませんけれども、一部は拝見しております。総点検の中で開発局の作業の中でも非常に大きな課題になっていることは御報告申し上げることができます。 経済企画庁といたしましては、去年でしたかおととしでしたか、ちょっと正確には覚えておりませんが、若い学者の方々にそういった食糧の成長の問題に関する科学的な研究ということで海外出張をお願いいたしまして、専門的な角度から、各国がそういう問題についてどう考えているかという調査も実は始めておる状況でございます。私ども総点検の中で、西暦二〇〇〇年、昭和七十五年のビジョンを国土の有限性ということから勉強したいという趣旨の一つの大きな柱は、やはり何といっても、長官からせんだって申しましたように、人口問題と食糧問題にあるのではないかということを考えておりまして、いま御指摘いただきましたように、食糧問題には現実的な今日の行政上の課題だけではなくて、やはり地球上の地球物理学的な問題、あるいは生物に対します成長促進に関する科学的な問題等が含まれてまいりましたので、私どもとしてはやはり御指摘いただいた点を十分勉強していかなければならないというふうに考えております。
○渡辺(惣)委員 非常に受けとめ方が浅いと思うのです。大臣は読まれておらないというお話ですが、私の発言に対しましてどういう見解を持たれておるのか。大臣の意見を承りたいと思います。
○小坂国務大臣 長い将来を通観しましたる場合に、人口の問題、資源の問題が非常にクロスしてくるという点は、非常にわれわれとしては考えなければならぬことであると思います。せんだって新聞に出ておりましたことでございますけれども、アメリカのある学者などは、大体人類はいま三十七億おるが、十億ぐらいがいいだろうというような、これまた別の意味で非常に思い切ったことを書いておったものもございます。そういうことは不可能なことでございますけれども、そういう点でいろいろ資源と人口の問題が課題になってきたことは、それなりに非常に意味があると思うのでございます。ただ、われわれが政府の立場に立ってものを申しまする場合に、予測はいろいろできるわけでございますけれども、非常に極端な予測をするということはできるだけ避けたいというふうに考えておるわけでございまして、ただいまのお考えも一つのりっぱなお考えでございましょうと思いますけれども、私どもの立場においてそれを考えまするときには、もう少しゆとりを持った考え方のほうが一般に与える影響として適当ではないかというふうに思います。
○渡辺(惣)委員 この中で指摘されております、たとえば地球の冷却による気候の変動、気象現象等の変動の問題についての予測はどう考えるか。この国土開発計画の策定の中に取り入れられて検討を加えられておるのかどうか、承りたいと思います。
○下河辺政府委員 実は私ども各省と連絡しながら専門的な事項の勉強をしておるわけでございますが、いま詳細にお述べになりました地球物理学的な、地球の気温その他の変化についての勉強という点は確かにおくれているのではないかというふうに私ども考えるところでございます。しかし、これからの地域開発あるいは日本の国土の開発を考える場合に、そういったようなことの見通しを立てながら考えていくということは当然しなければならないと思います。しかし、地球物理学的な地球の変化の方向については、私ども個別にいろいろな科学者からの話も聞くことがございますが、なかなかはっきりした方向性というものを得る段階に私どもまだ至っていない状況でございますので、今後勉強を進めてまいりたいと思います。
○渡辺(惣)委員 これは余談ですが、週刊朝日の六月二十九日の号で、これもまたショッキングな問題を取り上げております。「世界的異常気象 飢えの時代に挑む商社の情報戦略」というので、日本の総合商社が全世界の出張所、支店等を総動員して、出張員を中心にして世界のすみずみまでの気象の予測の情報をキャッチして、不足な分はすぐ買え。いわゆる私設気象庁ができていて、それが全世界の網を総動員して、そうして買い付けに狂奔しているという事実が出ているのですが、民間の機能で、私的利潤追求の立場でそういう気象現象のとらえ方をしているということが具体的に例証をあげて指摘されております。それほどいまや世界あげて異常気象の時代に入りつつある中で、これに対応する日本の国土計画、日本の国民総合生活計画というものが成り立たなければ意味をなさないと思います。国内だけであっちこっちでショベルふるって、土をこわして自然を破壊するだけが総合開発の仕事じゃない。もっと視点を変えて、人間的な、人類的な視点から、地球の一角に存在する日本民族が、日本人が生き残れるのかどうかという問題、それが、役所では全然事情がわかりません、セクション別にやっておりますがそれは知りませんでは済まない。もう現に経済活動がそれを先行投資で始められて、網の目を張りめぐらされておるという事実についてはどういう見解をとられますか。この雑誌は読んでおらないから実感がわかないと思いますが、そういう異常気象に対応するような政治的な対策ですね。気象庁の予報ではないのです。そういう予報に対応する政策が一体どこで行なわれておるのか。一体閣議でそういうことが真剣に論議されたことがあるのか。食糧問題の解決の一視点としてそういうことが取り上げられたことがあるかどうか、承りたいと思うのです。
○小坂国務大臣 閣議におきましてはいろいろな問題を論議いたしまするが、そのことの影響もいろいろ重要なものがありますわけで、私ども閣員といたしまして、閣議において結論の出たことについて報告する、それ以外のことは言わないという不文律になっておりますので、この内容はひとつごかんべんを賜わりたいと思います。しかし重要な問題については常に真剣な論議がかわされておるわけでございます。 ただいまの気象の問題につきまして、これは私見でございますけれども、私は私なりに専門家の意見を聞いておりまするが、異常気象が恒常的なものになるという意見もございますけれども、そうでないという意見のほうが多い。これはかなり一時的な現象であるという意見のほうが多いというふうに承知いたしておるわけでございます。 ただいま商社の問題をお述べになりましたけれども、商社といたしましては、やはり穀物の世界的な不足の事態を迎えております際でございまするので、それに相応したいろいろな買い付けをやる。これは最近に始まったことではなくて、従来からやっておることのように承知いたしておるわけでございます。
○渡辺(惣)委員 時間がだんだん制限されてきましたので具体的な問題に入りたいと思いますが、総括的なこの問題は一応あれしまして、関連した問題について具体的な発言をしたいと思います。 特に、いま経企長官に質疑しておる気象現象の変動が日本の政策にどういうような変動を与えるかという問題提起に関連しまして、田中角榮氏が日本列島改造論の中で唯一の気象問題に触れた事項があるわけです。これは政策提言の基盤になっておりますので、ここでその問題に触れたいと思います。 それは、彼の認識から申し上げますと、日本列島改造論の九三ページでありますが、彼は「豪雪地、寒冷地こそ工業化を」こういう提案をしておるわけであります。彼に言わせれば、こまかな彼の提案を読んでいる時間がありませんが、大体世界の国々の工業地帯は北緯五十度以北に存在しておる。イギリスにしてもあるいは北欧、東欧にしてもシベリアにしても、アメリカの場合でもその例を指摘しておりますが、工業地帯は北緯五十度以北にみな存在しておるのだ。北緯四十度、日本でいえば八郎潟あたりだといわれておりますが、北緯五十度になりますとサハリンの中部になる、その地帯が工業化の地帯に一番向くのだ、彼はこういう提起をしておるのです。ところがその地帯は、もしこういう地球の変動説をとるとすれば、一番寒冷化していく地帯になってくるのです。そういう問題につきましてどういう所見を持っているか。この日本の工業移動計画が田中角榮氏のように——もっと彼は極論して、彼の結論は「このさい私は改めて日本海時代、北海道時代の到来を予言しておきたい。」ここまで積極的にものを言っておるのです。日本の構造変化、これからの工業移動、禁止と誘導による工業の移動計画はそのような、田中角榮氏の認識のような視点に立っていま総点検をやっていらっしゃるのかどうか。この田中角榮の見解も総点検の対象になっておるのかどうかということの所見を承りたいと思います。
○下河辺政府委員 順序をさかさに御答弁することになると思いますが、日本列島改造論という田中角榮著なる本の総点検は経済企画庁ではやっておりません。(「書いた本人じゃないか」と呼ぶ者あり)私は書いておりません。 書いてあることの豪雪地帯に関する考え方を御指摘いただいたわけでございます。私どもといたしましては、日本の国土を見ました場合に、太平洋ベルト地帯という東京から博多に至る地帯に日本の経済的な開発が集中している、そのことによる問題が非常に多いということは一方で認識できることであるというふうに考えます。しかし、明治百年間の歴史をずっと開発行政について見ます際に、北海道あるいは東北あるいは日本海に面する地域、そういう地域についての開発行政というものがきわめて不十分であったという点を私どもは重要視いたしているということは事実でございます。しかもそういった地帯は積雪寒冷地帯であるということは事実でありまして、積雪寒冷であるがゆえにその地域の方々の福祉水準が低いということは許されないことではないかということ、積雪寒冷地帯であるから生活水準が低いということではないように、積雪ということに対して立ち向かおうということの気持ちを持っていることは事実でございます。しかし、御指摘いただきましたように、地球的な規模で北海道、東北地方の今後の気象条件がどう変化するか、その変化に対応してどういう開発行政のあり方がよいかという点については、私どもとしては北海道開発庁その他とさらによく勉強しなければならない、御指摘をいただいた点だと存じます。
○渡辺(惣)委員 これは当面する工業再配置計画と大きなつながりを持つわけです。工業再配置計画は現在のところ通産省ですね。通産省見えていますか。——工業再配置公団法が今度は国土総合開発公団法に変わることになって、ここに並行審議されておる課題の一つですが、この法案自身はあとで同僚議員からもっと専門的に質疑が掘り下げられると思いますが、昨年の六月に産炭地域振興事業団法が工業再配置公団法に変わってから一年経過をした。その間の工業再配置計画というものが一体どのように進められてきたのか。一年間でどういう実績をあげたのか。田中角榮氏が命をかける禁止と誘導政策に基づくこの工業再配置公団法の一年間の成果についてお答え願いたいと思います。
○三枝政府委員 お答え申し上げます。 工業再配置促進対策につきましては、昨年の十月二十五日に促進法を施行いたしまして、さらにそのちょっと前でございますが、十月二日には工業再配置・産炭地域振興公団ということで、従来の産炭地域振興事業団を改組いたしまして発足させた次第でございます。 その後の実施でございますが、いろいろな準備過程がございましたが、まず十月の二十四日には政令で、再配置促進対策の中核をなします太平洋ベルト地帯から過疎地域への工業の誘導の地域的な政策の対象になる一つの線引きと申しますか、移転促進地域及び誘導地域の振り分けをいたしまして政令を出してございます。また、この法律では工業再配置計画そのものをつくるということでございますが、先ほど来御審議のとおり、新全総の総点検あるいは経済社会基本計画との関係、それからさらに最近の環境問題等いろいろな角度からの慎重なる審議を要しますので、この点は現在内部で審議中でございまして、ただいまの新全総総点検とのかね合い等におきまして、できるだけ早い時期に策定、公表したいというふうに考えてございます。 また、移転計画の認定の制度であるとか工業再配置促進補助金の交付要領であるとか、団地造成の利子補給金につきましての交付要領、そういったものにつきましてはすべて制度化いたしまして、規則あるいはそのほかの手段によりまして制定済みでございます。 それからまた、振興公団につきましても業務方法書を今年二月十七日に正式に決定いたしまして、現在その事業の運営に当たっておるところでございますが、この点につきましてふえんさせていただきますと、工配公団の業務のうちで、御承知のとおり産炭地域振興業務、これは従来から継続してやってございますが、それを別といたしまして、御指摘の再配置業務の進行状況でございます。まず公団でやっております業務の中での移転に関連しました融資でございます。これはあと地融資と移転資金につきましての融資と二つの制度がございますが、両方合わせまして九件十工場につきまして、移転促進地域から誘導地域への案件に対しまして融資をしてございます。金額的には、契約額といたしまして百四十億円、そのうち四十七年度内の資金交付額は六十二億円ということになってございます。 それから公団のもう一つの大きな業務でございます中核的な工業団地の造成の業務でございますが、これは実績的にはまだ表面化して出てきてございませんが、各方面からいろいろな要望が出てまいりまして、現在全国で約二十程度の地区につきまして、公団としてそういう御要望に応じまして候補地区のいろいろな基礎的な調査というものをやっておるわけでございます。ただその中で数地区につきましては、地元におきます準備の進行状況もございまして相当具体化してきてございますので、正式の要請を受けてから公団として造成を開始するということで、各省にもいろいろ御相談した上で実施に移したいという段階になってまいっておる次第でございます。なおそれ以外の地域につきましても、地元で府県、市町村等を中心といたしましていろいろな計画の具体化が進められておりますので、逐次これは具体化されてくるというふうに考えてございます。 それからなお、先ほど申し上げました融資案件につきましても、四十七年度中はとりあえず九件十工場でありましたが、現在話としていろいろ照会がありますのは百件くらいになってきてございますし、その中でかなり具体的に進みそうなものは二、三十件すでに来てございます。 以上でございます。
○渡辺(惣)委員 だいぶ話が違うので、公団の人に来てもらわなければ話がつきませんな。あなたの話はふろしきを広げっぱなしで、私は公団の実務の状況をそう承っていないのです。私は公団の副総裁とも会ってこの事実を調べておるのです。大体、公団から出てきた資料によれば、現実にいま工場再配置の予定地だといわれているのが東北、北陸関係が十県で七もしくは八地区、中国五県のうち四ないし五地区、四国四県のうち一もしくは二地区、九州七県のうち五もしくは六地区、その他三地区、これしかないのです。これが文書で出てきているのです。これが公団から——おたくじゃないですよ、公団から私の手元に報告が来ている。たしか公団からそういう報告を受けているのに、あなた、百地区くらい問い合わせが来ていると言う。そういう状況でありますが、これは一体どういうことなのか。仕事をしているのかしていないのか。一年間、から遊びしておったのか、それとも公団は公団らしく、田中角榮氏の号令で禁止と誘導、工場再配置計画がどこまで進行したのか、もう少し詳しく、どこの県に予定があります、場所はこうで——場所の指定はいろいろなかかわり合いがあるから聞かぬが、四国四県のうち一地区もしくは二地区というのは四国のどこなのか、どこの県でやっているのか、あるいは中国の五県なら中国の五県に四もしくは五地区というのはどこの県に集中しようとしているのか、そういう具体的なことでなければ国会の論議のしようがないですよ。そういう点、もう少し明確にしていただきたいと思うのです。
○三枝政府委員 お答え申し上げます。 先ほど順序をちょっと入れかえて御説明申し上げましたために、私のほうの申し上げ方が逆でございましたので誤解を生んだのかと存じますが、中核団地の造成業務につきましては、ただいま先生のほうに公団の副総裁のほうが御説明にあげられました約二十カ所程度のうちで、いま調査等進んでおりますその中で、先ほど申し上げましたように三つないし四つの地区につきましては今年度中から仕事が始められるような情勢になりつつあるということでございます。百件と申しましたのは移転融資の案件の問題でございます。これは先ほど申し上げましたように、あと地融資、移転融資、合わせまして九件十工場については四十七年度中にすでに実施したものでございます。さらに現在その以外の移転融資としまして、話としては百件くらい来ておる。しかしその中で実際上の具体化の進みぐあいとしましては二、三十件くらいのものが当面上がってくるであろう、こう申し上げた次第でございます。 中核団地の問題につきましてさらにふえんして申し上げますと、現在二十団地くらいにつきましてのいろいろな調査あるいは地元からの調査要望ということでお話が出てございますが、東北、北陸関係では大体七団地程度、それから九州では五団地程度、それから中国では四団地、四国地区では一団地、そのほかの地区で二団地というような形で、約十九団地、面積にしまして、これはまだきわめて浮動のものでございますが、五千ヘクタール程度のものの造成についていろいろ意向打診が公団につきましてあるのが現状でございます。その中で今年度中に東北あるいは北陸地区でそれぞれ一カ所程度、あるいは中国地区で一カ所ないし二カ所程度、これが現実に造成開始に一番可能性のあるものとして考えられるというふうにわれわれとしても判断いたしております。
○渡辺(惣)委員 工場の移転融資を完了した地区は、京浜地区で栃木、群馬、茨城。宮城が二カ所。それから阪神地区と称する中には静岡の二。京都の二。間違いありませんか。
○三枝政府委員 お答え申し上げます。 移転融資九件十工場につきましての地区的な問題でありますが、移転先をベースにしてお話し申し上げますと、宮城県石巻市一件、仙台市が一件で、いわゆる東北地区としましては二件ございます。それから群馬県、茨城県、栃木県、いわゆる北関東地区が三件でございます。それから京都府で福知山関係が二件ございます。それから静岡県で二件。合わせて九件ということで、先生のおっしゃるとおりでございます。
○渡辺(惣)委員 この工場移転融資というのは、これを見ると、京浜地区の工場移転、ほとんど北関東を含む関東地域に移転したものだけに限られています。本来であれば、田中角榮的言説によれば、これは裏日本、北海道に移転しなければならぬはずです。この十地区は、宮城県の二地区を除くと、ほかは全部北関東を含めて関東地区、茨城とか群馬とかあるいは栃木とか、みな周辺にかたまっている。それから阪神地区の工場が転出したという意味では静岡、京都、同じ近畿の中ですね。西南地帯にも東北、北海道地帯にも、どこにも移転してない。これでは積極的に工場移転融資を助成するという田中角榮的発想、日本列島改造の発想、過疎化されている、そして四十度から五十度地域に工場移転がやらるべきだ、日本海時代、北海道時代が来るというふうに予言した田中総理の発言というのと全然違ったところへ工場誘致が行なわれているということですね。どういうわけですか。政策の破綻ですか。田中角榮氏の政策の破綻なのか。企業が行きたがらないのか、それとも田中角榮氏の発想というものはみじんに砕けているのか。そのとば口においてすでに実行不能におちいっているのかどうか。一年間経過してなおこういう状況だ。しかもそれは全部都合のいい同じ地区の北関東地区に結集してしまっている。これはどういう現象ですか。
○三枝政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、現在までの融資実績に見る限り、比較的近い誘導地域への移転という結果になっておるわけでございますが、この問題につきましては、われわれとしてもできるだけ山を越えて裏日本、北海道、九州地区というところへぜひ行ってもらいたいということで、いろいろ内面的にも指導申し上げるということもやってはございますが、現状におきましては、誘導地域といかしましてそういう地域だけでございませんで、山を越えてこちら側の太平洋に若干近い山間部等におきましてもやはり誘導地域ということで、そういう地元の府県のほうの要請が非常に強く、かつ集積度あるいは人口の過疎化という事態に着目いたしますと同じような情勢でございまして、その辺は誘導地域ということになってございますので、そこが比較的近距離でありかつ移転しやすいとか、あるいは御指摘のありました京都等におきまして福知山団地という非常に大規模なすばらしい団地が造成されておる。これも京都府自体といたしまして、やはり近畿圏の過密なところからの移転ということでいろいろ大きな力を入れてきている地区でございますので、これは海に面した事日本ということではございませんで中間地域ではございますが、工場の移転という角度からいきますと決して不適当な地域ということではございませんで、やはり内陸工業団地という形で機械型、高次加工型の公害の非常に少ない工場を張りつけるという場合には、やはりその辺でもりっぱな誘導対象ということで考えられると存ずる次第でございます。
○渡辺(惣)委員 この中核団地づくりの問題は、大体大きな中核団地で五百ヘクタール前後、中のところで三百から三百ヘクタールの団地、小さなところでも百ヘクタールの団地が形成されると承っていますが、そうすると、ことに北海道と違いまして、本州の場合は、農地のようなところは五、六反がせいぜいでありますから、所有者が非常に多いのであります。北海道であれば五町歩以上ですから所有者の数が比較的頭数は少ない。それだけにこの団地形成の場合、住民の合意が非常に必要だと思うのです。県庁と話をしているのか、どこと話をしているのか知らぬが、先ほどの新全総の総点検に出てくるいわゆる住民の合意の問題はどういうふうに処置されているのか、あるいはしようとしているのか。ところが、それをもしここで明らかにすれば総合商社に先取りされるという心配はありますか。総合商社のほうはどこに何があるかみんなわかっているのでしょう、もう全国全部買い尽くしていますから。どこにあき地があるか、どこに中核団地に適当な地域があるか、やるといえば先取りされてしまうでしょう。そういう心配はありませんか。心配がないならないと堂々と言ってもらいたい。これはあらためて中核団地、いま言われた地域における場所を具体的にした資料を正式に要求したいと思いますが、これは特に委員長から取り計らってもらいたいと思います。資料に基づかなければならぬ。しかし資料を発表するのに皆さんのほうで心配するのは、そうすれば先回りして土地を取られるという心配がある。取られるという心配は、それは総合商社、不動産会社等が先取りをして金もうけ、利潤の対象にしようとするところに問題があると思う。しかしこれだけの大団地は、百ヘクタールでも五反中心にすれば二百人の人の土地をまとめなければいかぬということになるのです。住民の合意の問題は一体どのように取り扱おうとしておるのですか、承りたいと思うのです。
○三枝政府委員 先ほど来の中核団地の造成につきましては、現在自治体からこういうことで公団に要請するということで正式に出てきているものはまだ一件もないわけでございますが、事前の、当県におきましてあるいは当市におきましてこういう計画を考えたいという要望を受けましていろいろやっておるわけでございます。大体におきまして、公団といたしましては地方の自治体との接触ということで、その間の地元民のそういう問題につきます意向等、自治体を通じまして十分検討の上、正式の要請を待って事業に着手するという方向で考えると同時に、また公団に対しましてそういう要請が出た後、通産省といたしましては関係各省と十分相談の上でこれをきめて実施に移すということで、公団にはっきり指示を出すというような形で運営をいたしたいというふうに考えております。また実際に要請が出て、その造成計画等の実施の問題、策定の問題ということになりますれば、当然これは自治体を中心に、いろいろな学識経験者あるいはそのほかの地元関係の方々の意見を十分にそんたくしながらこの造成計画をつくり、真に地元民に喜んで受け入れられるような計画を考えたいというふうに存じておる次第でございます。
○渡辺(惣)委員 そうすると、いろいろふろしきは広げられたが、中身はまだ市長とか町長とかと話している段階だというわけですね。話を聞いてみるとだんだんたよりなくなってきて、市長や町長とトップクラスでそういう話をしているという範囲なのかどうか。もっと具体的になっている話じゃないのですか。きまっている三件は合意を得たのですか。三件できまっていると言ったんですな。もう少し具体的に言っていただきたいと思います。
○三枝政府委員 公団に地元から、正式の要請ではございませんが、要望のある際に、いろいろ地元としてこういう計画を立て、県議会あるいは市議会等にはかった上で出てきているのが最近非常にございますし、具体化しているところはすべてそういうような形でそれぞれの正式の機関におきまして意向をきめた上でお話として出ているように私ども聞き、かつぜひそういうような形で円満に進めるような方向で対処願いたいということで公団にもお話をしている次第でございます。
○渡辺(惣)委員 これはとても禅問答で、何も具体的に仕事がなってないので、正式にどうしても資料を要求して、資料によってもう一ぺん検討を加える以外にないと思います。そのように取り計らいをお願いします。 公団の問題は打ち切りまして、次に私は巨大開発の問題と第三セクターに関する問題について質疑をしたいと思います。 むつ小川原の問題につきましては、仲間の米内山君が特に掘り下げる予定でありますので、私はざっと質疑を行ないますが、まず第一に、日本随一の大規模工業開発を担当しておる北海道開発庁、苫小牧東部の計画はどのような進行状態になっているか。
○山田(嘉)政府委員 お答え申し上げます。 苫小牧東部の大規模工業基地開発計画の進行状況でございますが、これはもともとは北海道の知事から内閣総理大臣に出された建議書に基づきまして、政府が北海道総合開発計画、十カ年計画でございますが、これを昭和四十五年に定めました。その計画の中に一つの中心的なプロジェクトとして、苫小牧の東部に大規模な工業港湾をつくり、大規模な工業基地を造成するという計画がございます。それに基づきまして、北海道開発庁といたしましてマスタープランと申しますか、そういうものの作成につきまして、地元の北海道庁あるいは関係の市町村をはじめ、関係各省及び港湾その他の専門家と鋭意検討を進めました。昭和四十六年の八月でございましたが、北海道開発審議会に大規模工業基地開発の基本計画案という開発庁の案をおはかり申しまして、大体の御了承を得ておるというのが今日のいわばマスタープランでございます。 このマスタープランに基づきまして、まず第一に公共事業として実行いたしますのは、あそこの大規模な工業港湾を造成していくという事業でございます。これにつきましては四十八年度の政府の予算におきまして、現地において東のほうから防波堤に着工するという予算が認められております。この予算を実行いたしますためには二つの要件がございまして、一つは、現地で漁業関係者と漁業補償の交渉が進んでおりますが、その見通しを得るということが一つと、それから、運輸省に置かれております港湾審議会に、現地の港湾管理者のほうからこの港湾計画に関する案を提出いたしまして、その審議会をパスするということが着工の前提の要件となるわけでございます。 この港湾計画の基礎となりますのは背後の工場の立地計画でございます。これは先生御承知のことと存じますが、マスタープランにおきまして、基本的には石油精製百万バーレルと鉄鋼二千万トン、これはいずれも非常に大きな規模でございますが、この二つの考え方を中核といたしまして大規模な工業基地を造成するという考え方で進んできております。ところが、こういう大規模な工業基地からもたらされますところの公害問題あるいは環境問題等につきまして、最近非常に全国的に関心も高まってきておりますし、政府としても最も注意をしておるところでございます。先ほど申し上げました政府の第三期北海道総合開発計画におきましても、この苫小牧東部の工業基地の建設につきましては環境問題に十分意を払っていることはもちろんでございますけれども、最近特に環境庁という役所も発足いたしまして、これに伴うところの環境の維持と申しますか、その問題をどういうふうに考えるかということが非常にここ一両年来内部において中心的な検討事項になってまいりました。もちろん地元の北海道庁が中心になりまして、ここの工業基地ができました場合にどういうような環境の変化が起こるかという一つの環境のアセスメントということを主として、環境庁の御指導のもとにいろいろ検討しておったわけでございますが、最近、昨年の四日市の公害裁判以来、環境問題に対する政府の考え方も非常に変わってまいりまして、先生御承知のように本年の五月まで非常におくれたわけでございます。新しい国の環境基準、たとえば窒素酸化物でございますとかあるいは硫黄酸化物に対する従来に比べて非常にきびしい環境基準が最近の五月になってようやくきめられたというようなことがございまして、この新しい、きびしい国の環境基準に合わせてどういう環境アセスメントをするかということにつきまして非常に時間がかかっておくれたわけでございます。 その結果、いま申し上げました鉄鋼二千万トン、石油精製百万バーレルを中心といたします従来のマスタープランを基礎にいたしまして、現在の技術水準でおよそ発生されると予想されますところのもろもろの大気及び水に対しますところの廃棄物の総量を測定いたしまして、そのうち、新しい、きびしい環境基準に適合するためにはどれだけその総量をカットしなければならないかというような計算を、これはもちろん北海道開発庁が中心になりまして、環境庁等の御指導を受けながらやっておったわけでございます。それが相当きびしい数字がようやく最近出てまいりまして、その結果、去る六月でございますが、鉄鋼に関しましては、現在の技術水準では窒素酸化物の防除技術等がまだ不十分な段階にある。これはもちろん今後飛躍的に脱硝技術等が進むこと、あるいは粉じん、ばいじん等の防除技術が大幅に進むことを期待しておりますけれども、現在のそういうような公害防止技術をもってしてはまだこの新しい、きびしい環境基準を達成するために相当の不安があるということが一点。 それから、鉄鋼が立地を予定されております苫小牧東部計画の中で、比較的西のほうの地域でございますが、それに隣接してかなりまとまった集落がございまして、これがもし現在のような技術水準のままで相当大規模な鉄鋼が立地をするということになりますと、いろいろ最近問題になりました四日市の磯津地区でございますとか、そういう苦い経験もございますので、そこに相当不安があるというような判断に立ちまして、地元の苫小牧市あるいは北海道庁等といろいろ協議をした結果、この港湾計画に関しては鉄鋼に関する部分は当面留保する、たな上げにするという前提で港湾計画をつくるということでほぼ意見の一致を見まして、地元の港湾管理者の要請によりまして、六月の下旬に予定されておりました港湾審議会にかける準備を政府側としてはいたしておったのでございますが、地元の港湾管理者であります苫小牧市のほうから、ただいま申し上げましたように国の環境基準の策定が非常におくれた、それからそれに伴いまして新しい現地の環境アセスメントの作成が非常におくれたということがございますので、これを地元の市の議会でございますとかあるいは一番関心を持っておられますところの地元の関係の住民の方に十分説明し、PRもしまして、十分の納得を得た上で出すには少し時間がなさ過ぎるという考え方が出てまいりまして、六月下旬の港湾審議会にこの計画をかけることはやめたいという意見が地元の市のほうから上がってまいりましたので、私どもといたしましてもそれをすなおに受けとめまして、六月末に予定されておりました運輸省の港湾審議会にはこれをかけなかったというような段階に現在ございます。
○渡辺(惣)委員 この苫小牧東部開発計画、大規模計画にはいろいろな問題がたくさんあり過ぎますが、いま最後に言われた、六月二十八日に港湾審議会にかける予定だったのが地元の反対のためにやむなく中止せざるを程なくなったということは重大なことだと思います。従来、環境庁の追跡調査がなければ、それは危険を含んだまま、住民合意もないままに、住民も気がつかずに押し通すことになる危険があるわけですね。一体あれだけの大計画をやるのに、住民の合意を得るということにいままでどういう措置を講じてきたのか。いまこの段階で、いよいよ三本の港湾掘り込みをやるという最終決定の直前になおかつそういう状態になっている。しかも昨年の七月にはすでに二十億円も払い込みの第三セクターの大がかりなものが出現している。しかも道議会を中心にして地方自治法の百条委員会が全会一致で発動して、いま議会でもうみんな再調査、農地の買い上げその他の農地法違反、その他の問題をめぐって大論争が展開されているというさなかですが、あまりにも問題が多過ぎます。それにつきまして所見を承りたいと思います。
○山田(嘉)政府委員 お答え申し上げます。 先生御承知のように、この計画が立てられましてから今日まで相当の時日がたっております。御承知のように、北海道庁は昭和四十四年の末から現地の土地の買収に入っているような状況でございまして、この苫小牧東部の開発につきましては相当長期間にわたりまして、報道機関その他を通じて現地の方には相当繰り返しいろいろな事情は報道され、相当徹底はしているというふうに考えてはおりますけれども、私どもといたしましては、これは何せ巨大開発でございますけれども、何よりもやはり地域の開発でございまして、先生御指摘のように地域の住民の幸福ということがもちろん一番大事なことでございますので、これにつきましては地元の苫小牧市をはじめといたしまして関係の市町村等あわせた協議会等もつくられておりまして、そういうところへ私のほうから出向いていったり、あるいはそういう方々に御上京願ったりして、何回か意見の交換等を繰り返しやってきておるところでございます。ただ、先ほど申し上げましたように環境問題につきまして——もちろん私どもは環境問題を無視して当初の計画のとおり突っ走るというつもりは毛頭ございませんでしたけれども、先ほど申し上げましたように国のきびしい環境基準がごく最近になって設定されたというようなこともございまして、新しい環境アセスメントの作成等が相当おくれたために、こういうことについて地元の関係の皆さんに情報を十分に御徹底することが少し足りなかった。したがって、鉄鋼を留保するというのは、これは非常に大きな問題として、確かにおっしゃるようにごく最近きまったようでございますので、こういうことにつきましてはこれから十分関係の住民の方に周知徹底が行なわれるように、道庁をはじめ関係の市町村とも連絡をとってまいりたいと考えておる次第でございます。
○渡辺(惣)委員 その北海道庁ですが、事業主体の北海道庁との間に、第三セクターである北海道苫小牧東部開発会社と開発協定がまだつくられていないと承っておりますが、その点はどうですか。
○山田(嘉)政府委員 ただいま御指摘ございました、いわゆる第三セクターでございます苫小牧東部開発株式会社、この会社が、道庁が先行取得いたしました土地を買い受けましてこれを造成するという役割りをになうことになりますので、本年の三月に北海道庁と東部開発会社との間に、工業基地開発並びに土地の売買に関しまして基本協定をすでにつくってございます。
○渡辺(惣)委員 三月にできておりますか。その中身はどういうことですか。簡単でいいですが……。
○山田(嘉)政府委員 簡単に申し上げますが、これは主として、この工業基地の先ほど申しました道が先行取得しました用地を東部開発会社に最初に売却いたしましたのが本年の三月末でございますので、それに先立ってそれに必要な基本的な事項について定めたものでございます。 これは、道庁のほうで毎年定めます計画に従いまして売り渡す場所なり面積なりを定めまして、第三セクターである開発会社のほうに逐次売却していくということと、それからどういう価格でもってこれを売却するかという売却価格の算定の方法、それから開発会社はこの取得いたしました用地を工業用地として造成するわけでございますが、これについてもちろん北海道庁及び他の行政機関と十分事前に協議をしてもらって造成計画を立てていくのだということ、それからそれを今度は進出してまいります企業に第三セクターが分譲するわけでございますが、この分譲につきましても開発会社は恣意的にはもちろんいたしませんで、分譲の相手方の決定でございますとか分譲地の用途、分譲の価格につきまして基本的な事項等はすべて道庁及び他の関係行政機関と協議した上でやるのだというようなことをきめております。それからこの工業基地は一万ヘクタールにわたる非常に広い地域でございますので、道路でございますとか公園でございますとかその他もろもろの公共用地が存在するわけでございます。この公共用地のあり方につきまして規定しております。これは大体考え方としては、これを道庁のほうでリザーブと申しますか、留保しようというような考え方でございます。それから開発会社はこの基地の開発につきまして環境保全に関する計画をきちっと立てていかなければならない。それからこの工業用地の造成用地を分譲いたしますときは、環境保全の実効を確保するため、その相手方に対しまして必ず北海道庁または関係の市町村と公害防止協定を締結するということを条件として土地を売却するというようなことを規定してございます。大体骨子は以上のようなことでございます。
○渡辺(惣)委員 その公共的投資の部分について、第三セクターとの間に完全な合意に至っておりますか。
○山田(嘉)政府委員 実はその点が非常に大きな問題でございまして、第三セクターが一体どういう仕事を分担していくかということにつきましての詰めばまだまだこれから必要な段階にございます。基本的には、先ほど申し上げましたように工場用地を造成してこれを企業に分譲するというのが基本的な第三セクターの事業でございますけれども、しかし、この広大な用地の中には街路でございますとか公園でございますとか緑地でございますとか、公共的な施設を相当広く確保していかなければならないという問題がございます。こういうものは元来すべて地元の地方自治体の責任であるというふうに簡単に割り切ってしまいますと、先生御承知のように、これは非常に膨大な金が先行的にかかりまして地方財政を非常に圧迫するという問題がございます。ここに第三セクターをつくりまして民間の資金を導入いたしまして、これを相当程度やはり少なくとも立てかえをしていく、あるいは立てかえではなしに第三セクターが最終的に負担してしまうということも必要ではないかというようなこともございます。そういう点についての分担と申しますか、その詰めが実はまだ現在行なわれておる段階でございまして、まだ折衝中であって、詰まっておらないという段階にございます。
○渡辺(惣)委員 そこで、時間がないので話をはしょりますが、私はここで苫小牧東部開発会社にあらわれた表徴的な第三セクターの姿について意見を承りたいと思うのです。 第三セクターはいま全国で大流行、今度の公用地取得法でまたふえてくると思いますが、自治省の調査によると、たとえば財団法人の何々開発協会あるいは公社——公社は地方自治体が全額出資しておる場合も一種の第三セクターとも呼ばれてきておりますが、株式会社が一番多いわけです。それがこの第三セクターといわれる、役所でもない、民間会社でもない、いわゆる官民共同会社。公団でもない、公社でもない、特殊会社でもない、全くえたいの知れないのがいまはびこっておるわけです。あえてはびこっておると、こう申しておきます。それで昭和四十五年十二月に自治省の調査によると、第三セクターと称するものの形態がとられておるものは千四百三十二、それから二年後の四十七年、去年十月には千九百八十六、これは日本経済新聞が発表しているのですから間違いないことだと思います。それから、そのうち地方自治体が二五%以上のものが、二年間に三八%もふえておる。五百五十四団体がふえているわけです。それから種類別に見ると、大体、土地開発がこのうち九百八十、農林水産事業が二百六十八、観光開発が百、住宅開発が百という区分けになっていますが、これはもう毎日のようにもっとふえています。 そこで、この開発で重大なのは、開発に関する資金の問題を国がどう考えているかという問題であります。これは、日本列島改造論の第六部「禁止と誘導と」の中で田中角榮氏は、「わが国の地域開発において、官民協同の第三セクターが積極的に活用され、その功罪も明らかになりつつある。最近では、大規模工業基地の建設の中心的な役割をになう大型の第三セクターもあらわれてきている。北海道東北開発公庫、青森県、財界などの共同出資によるむつ小川原開発株式会社が代表的なものであるし、近く、苫小牧東部開発株式会社も設立されることになっている。志布志湾開発のために第三セクターを設立することも検討されている。大型の内陸工業団地や流通業務団地の造成をねらいにした第三セクターも誕生している。北海道東北開発公庫や岩手県などのほかに三井、三菱、住友グループの民間デベロッパーの参加した岩手開発株式会社である。第三セクターは、資金の調達とか、公共部門の意志をどう反映させるかなどの面ではなお工夫を要するところも多いようである。しかし、これは注目すべき分野であり、注意深く育てていきたい。」こう田中角榮氏は言っております。同じく、これは省略しますが、この新全総の中でも第三セクターのいわゆる民間資金の導入計画を、あたかも田中角榮氏の理論を裏打ちするに足る文章が書かれております。 そこで私は、いま言った日本にかつて類例のない、半官半民でもない、そして株式会社である、どこにも監督権が及ばない、民法上の規定から見てもどこにも監督権が及ばないという一つの存在が出現してきた。これが一万ヘクタールだとか、あるいはむつ小川原のような八千ヘクタールというような膨大な個所に、どこでも起こってきている。 北海道の特徴からいきますと、ほとんど地場資本が参加していないで、ふしぎなことに全部商社が進出をしてきている。これは一体どういうわけなのか。日本の代表的な商社が全部入ってきているのです。頼んで入ってもらったのか。三菱商事、三井物産、丸紅、伊藤忠、住友商事、日商岩井、株式会社トーメン、兼松江商、それから安宅産業、日綿実業、ありとあらゆる日本の代表的なものが全部株主になっているのです。しかも、最近だんだん気がついてきたのですが、これは経団連サイドでつくっている会社ですね。たとえば、私は経団連の会長の植村さん、いろいろオリンピック組織委員会等で一緒で御懇意に願っていますが、りっぱな人物であります。しかし、個人がりっぱだということと、日本の独占資本、財界の大人物であるということは、人格は別であります。しかも、苫小牧東部も彼は、植村甲午郎氏は顧問という名前が出ておりますし、むつ小川原の会社にも、これは非常勤取締役という名前が入っておると承っております。新聞もそう伝えております。 そのほか最近は、もう驚きますのは、筑波学園都市の問題をめぐりましてやはりこれも第三セクターがつくられる。これは建設大臣の所管ですが、そこでもやはり茨城県議会、県当局のほうはこの総合商社が第三セクターに入り込んでくるのに反対の空気が強く、いまてんやわんやしておるといわれる。それから千葉の九十九里浜にレジャーランドをつくる問題についても、これも総合商社が入り込んできておる。そして排除しようというのでレジャーランドの計画がてんやわんやをしておる。 一番最近の顕著な例は、沖繩の本部における海洋博の問題をめぐって、レジャー機構をつくる。そこにもその総合商社が乗り込んでいる。これを手引きをしておるのは通産省のもと事務次官をしていた佐橋滋君が理事長である余暇何とかセンターという中央機関が先導して、そうしてやはり出てくるのはずらっとそろって経団連のメンバーを中心にした、そして間違いもなくその場合に前線部隊にその総合商社の名が入ってくる。いま全部の開発機構は総合商社に塗りつぶされようとしておるという危機にあると私は思うのです。そういう状況があることを、三大臣、御存じですか、御答弁を願いたいと思うのです。 この場で日本の巨大開発は全部、都市における都市開発や住宅問題だけでないのです、日本における大型の大規模開発は全部、この場で言いますと、総合商社に握られる。北海道で、たとえば苫小牧の東部開発には、地元の王子製紙であるとかあるいは山陽国策パルプであるとかあるいは新日鉄であるとかいう現地の企業、固定した工場機構を持ち、多くの地域住民がそこで勤労しておるような、経済行為をして固定的な安定的な基盤を持っておるものが、余力をもってその地方開発に参加をするということで協力するというのはこれはあり得ることだと思う。しかし、全然縁もゆかりもない総合商社が大量に、北海道でも九州でもあるいは青森でも、ついに最後には海洋博の沖繩まで乗り込んでいく。こういう状態に直面いたしますと、われわれはいまの第三セクターを取り締まる機関が全然ない、指導機関が何もない。田中角榮氏がこれを大いにちょうちん持ちをしておるという状況である。経済企画庁は合法的にこれを利用し育成して、民間資金の導入という口実で商社のこういうあぶれた金を導入しようとしておる。それによって結果的に大型開発の地区はみんな巨大な独占財閥に占有されてしまう。農民はどんどんはじき出されてしまう。地域の住民の合意も賛意も得られないままでどんどん開発が行なわれていく。こういう状況にあることを指摘しなければならぬと思うのです。この点、各大臣の所見を伺いたいと思います。
○坪川国務大臣 私の守備範囲内での問題は沖繩の本部の開発でございます。御承知のとおり二年後に迫った本部の海洋博の中心地でございます。これに対しましては、やはり世界あるいは国内から大体五百万の観客を迎えるという予定の大規模な海洋博でございますが、それを成功裏に推進する意味においては、地域の環境の整備、また開発を急がなければならぬとともに、下水あるいはその他屎尿処理あるいはいろいろの観光施設という立場から考えての諸問題もございます。そうしたことを考えますときに、沖繩県としてはいわゆる本部町付近の整備を第三セクターの方向に向かってやろうという意向でありまして、国に対しましても、沖繩開発庁の責任者である私のところにもそうした要望は参ったわけでございますが、まだ屋良知事からの正式な報告は受けておりません。県会と県の理事者との間に意見の相違を見ておるというようなことでございますので、そうした観光施設あるいはリゾートゾーンとしての開発の一計画がいまとんざといいますか、話し合いの場がまだまとまらないというような状況でもございます。通産省のほうにおいてもそれぞれの適切な指導はされておりますけれども、いずれ新たなる方法で県の開発を急ぎたいという方針は変わっておらないそうでございます。第三セクター方式の開発は断念されたようなことを紙上聞いておりますが、いずれ通産省その他と打ち合わせされました上において、県当局から開発庁に対していろいろの要請が出てまいろうかと思いますので、その要請の具体化した時点において政府としてとるべき態度を協議してまいりたい、こういうような現状であることを御参考に申し上げておきます。
○金丸国務大臣 筑波学園都市の第三セクターの問題につきましては、私の知る範囲においては入っておることはありませんし、また政府といたしましても、第三セクターの入る余地はない、こう考えております。
○小坂国務大臣 第一三セクターという問題は、いま御指摘のように半官半民でもなし、新しい様式でございまして、要するに行政行為としての政府の考え方と、それからいわば私企業的な利潤と申しますか、そうした経済行為を中心とした民間企業のあり方と、その両方の長所をとって開発に資しようということであります。しかしその際に、いまお話がございましたような土地の取得の方法であるとか開発の方法であるとか、そういうような問題で、ともすれば両方の悪い面が出てきているということも否定できないところであるかと思うのでありまして、そういう点は十分今後の問題として検討してまいらなければならぬと存じます。 御承知のごとく、一昨年以来日本に蓄積されましたいわゆる過剰流動性、これが非常にあったわけでございまして、こういう点において商社が非常にいろいろな面でその経済行為の輪を広げていったということは事実でありまして、これを何とか規制したほうがいいということで、金融の面におきましても、商社に対する貸し出し、特に土地に対する融資を規制するというような点で大きく方向転換いたしておりまするので、いま御指摘のような問題は、私現実にそのほうの衝に当たっておりませんのでよく存じませんけれども、非常に縮小されているのではないか、そういう悪い面はだんだん是正されつつあるのではないか、こういうように思うのでございます。少なくとも金融の面ではそういう余裕が非常に少なくなっておると存ずる次第でございます。 要するに、そういう点については十分地元の意向等も体しまして、今後、行き過ぎた点があればこれを是正するということにやぶさかでないわけでございます。
○渡辺(惣)委員 だいぶ質問と食い違ってきておるようですが、金丸建設大臣、たまに登場願わなければ申しわけないからあれするのですが、読売新聞の六月二十日、「筑波の第三セクター 大手商社の出資拒否 イメージ損ない信用落とす 茨城県が決定」こう堂々と読売新聞が報道しているのですよ。御存じないですか。
○金丸国務大臣 第三セクターの計画がある、申請があるのですが、それは検討中でありまして、商社やそういうものは介在して入ってくるということはない、こう申し上げたわけでございます。
○渡辺(惣)委員 これは建設省が反対しておるのではなくて、茨城県の地元が商社の介入を防止したいと反対しているんじゃないですか。建設省が反対しているんじゃないんじゃないですか。
○金丸国務大臣 失礼いたしました。建設省にはその話は来ておりません。茨城県だけの話のようでございます。
○渡辺(惣)委員 総理府総務長官に質問しますが、これは読売新聞の六月四日です。「海洋博めぐる開発 屋良県政苦境に 大企業の競争激化第三セクター(官民共同会社)与党も反発」これだけの大記事です。これに対しまして同じ六月二十七日、日本経済新聞は、「沖繩リゾート開発公社 第三セクターを断念 屋良知事、与党の反対で」こういう記事になってきていますね。沖繩の場合も茨城の場合も、いずれも地元が反対運動をやっている。こういう第三セクターの出現に反対したのはむしろ例外もなしに地方ですよ。商社が組織的に媒体になって新しい基地をめぐって乗り込んでくる。それがどうも経団連株式会社といわれるほど経団連が指揮をとっているのじゃないか。最近経団連がいろいろな注目の的になって、デモが行なわれたり抗議が行なわれているというような新聞報道を見るのですが、だんだん第三セクターの問題を追及していくと、背後には日本の財界の大御所の経団連がついて指図をしている向きが非常にある。これからの企業の拡大、高度成長に、何千、何万という地所を取得するのは困難だから、公共投資を足がかりにして、そして都合の悪いところは全部知事や町村に押しつけて新しく乗り込もう。人の資金でかせげるのだから手一ぱいかせごうというのが最近の商社の新しい企業戦略になってきていると思うのです。 一つの例で申しますと、先ほど苫小牧開発のことで北海道開発庁の山田監理官がお答えになりましたが、いま北海道庁と第三セクターとの間で開発協定をする場合にトラブルが起こっているのです。そのトラブルの起こり方について朝日新聞の一月二十四日の「土地の病理」という特集の中に出てくることによれば、この朝日新聞の特集の中で堂々と苫小牧東部開発会社の常務取締役、専従の役員の村上弥寿夫という人が談話を発表している。驚くべき発言ですよ。いいですか。開発協定の問題について、「一部負担するのにやぶさかではないが、会社経営上、それにも限界がある。しかも、公的機関が第三セクターを子会社のように考えてあまり口出しをするなら第三セクターの意味がない。それなら公団か公社でやればよい」こういう話です。会社をつくるときまで、公的機関から土地を第三セクターに受け渡しをするまではおとなしくするが、一たび受け渡しをすると、半額の公的機関出資の金をえさにして、踏み台にして、いつの間にか飼い犬が手をかむという成長のしかたをしてくるわけです。これが現在全国にびまんしている第三セクターの、全国で二千もそういう官民共同の特殊会社が出てきているのですよ、その驚くべき現象です。 これは経済企画庁長官に質問するのですが、これは田中角榮氏の意見じゃないのです、これは下河辺君か宮崎君が書いた文章だと思うのですが、この新全総の第三部「計画達成のための手段」の中で「大規模開発プロジェクトの実施」という項目がある。これは正式文書ですよ。この中段を読みます。「また、大規模開発プロジェクトの事業主体については、資金の調達、事業の実施等の面で効率的推進が図られるような組織とする必要がある。このため、たとえば、産業開発プロジェクト等においては、プロジェクトの中核的な事業の実施主体として公共・民間の混合方式による新たな事業主体を創設して民間資金の導入を図る方式、進出予定の民間企業が共同して設立した新会社による方式、これに民間ディベロッパーの参加を求める方式等大規模開発プロジェクトの内容に適合した方式を検討する。」四年前検討しているのですよ。あなた方はこの方式を検討しているのですよ。国の資金、公共資金、公庫資金等を導入して、半額出してやって、それで半額の出資で、半額のきわめて少ない金額です。 それで、この苫小牧東部開発は授権資本六十億、払い込み二十億ですよ。その二十億の株式会社の社長は、けちなことを言うのはいやですが、十万の出資金で七十万円の社長給料をもらっているのですよ。田中角榮氏の給料よりも上ですわ。十万円の出資で株主——もっとも出資金を出さぬでも株式会社の社長、重役になれますが、そして経団連推薦による社長です。北海道に縁もゆかりもない大阪の人ですよ。大阪の三井海運の重役だった人が、それが北海道開発にあらわれて、そうして社長になっておる。払い込み金額は——株主名簿ここにありますよ。見せましょうか。株主は払い込み十万円ですよ。十万円の出資金で、配当を受けて、二十億円の会社の社長になって、月に七十万円の高給をもらって、三分の二東京に住んでいて、そうしていま山田監理官が報告したように何も仕事していないわけです。この一年間何にも動いていないのです、第三セクターは。これは同じことがむつ小川原でもいえるのです。安藤何がしという、どこかの私鉄か何かの社長でしょう。青森に何も関係ない。青森出身でもない。そうでしょう。財界の古手のおえら方が、三井のいわゆる社長会だとか、三菱の社長会だとか、財界のグループで、今度はおまえの番だ、きみやめて後進に道を開け、そのかわり新しいところへ転出しろという話が出て、そういうのがこつ然と社長にあらわれたりする。でなければ田中角榮氏その他の人があっせんしているのですか。政府の公的資金が半分出ているのですから人事については政府も関与できると思うのです。これだけの金を誘導しているのですから。でなかったらあなた方も重役の推薦や株の配当に協力しているのかもしれぬ。そういう疑問を生む。この財界の、政府の計画でやっている仕事に、何兆円という政府の資金を導入することになる。そういう膨大な計画に対して、人事に何も相談を受けていないはずはないでしょう。経団連サイドにかってにまかしていいのですか。金だけ出して仕事はまかす、もうけはおまえたち適当にやれ、こういう扱いをしていいのかどうか。これは経済企画庁の正式文書の中で、第三セクターという名前は使ってはないが、だいぶ議論があったらしい。そうでしょう。確かに議論があったはずだと思う。第三セクターという名前を出すのはちょっといま時期が早いとか、第三セクターをいまのうちに規制しておかなければならぬという面があったはずだと思う。そういうものをあなた方も内包しているはずなんです。先ほど田中角榮氏の日本列島改造計画を話したのは、新全総のいわゆる開発の計画を受けて田中角榮氏がそれを演繹し発展させていったものだ、問題の根はここにあるのです。大臣の答弁を願いたいと思います。
○小坂国務大臣 第三セクターというのは先ほど申し上げたように、政府の行政的な施策、これは非常に確実であるけれどもテンポがおそいというか、非能率的な面がある。民間の経営というのはその意味では非常に個人の創意くふうというものが活発に働く。そこでこの両方をあわせ考えたならば開発に非常によろしいのではないかということが起こりであると存じておるのでございまして、そういう面から、これは、これはというので第三セクターが非常にふえておる、これも現実であろうと思います。 ところで、いま御指摘のようないろいろな弊害もまた生じておる。土地取得の方法が非常に乱暴であるとか、あるいは開発行為において自然環境の保全が無視されておるとかいうような、あるいは住民サイドの意思を無視して行なわれておるとかいうような点がいろいろ出てきておるわけでございまして、そういう点を総合調整をしながら、しかも国家の必要とする方向を誤りなく実現するように私どもとしては十分配慮してまいりたい、こう思っておる次第でございます。 役員その他の人選につきましては、実は私はそういう人選が行なわれるときにはまだ内閣におりませんでしたものですからよく存じませんけれども、いまの進藤孝二氏、あるいは何といいましたかね、小野田セメントですか、何か元社長をやっていた人、それぞれ企業経営者としては非常にりっぱな人であったように私承知しております。経団連が戦略としてそういう第三セクターに乗ってどうこうというのは私は考え過ぎだと思います。経団連というのは一流企業の責任者が寄っている財界の会でございますから、経団連がそうするというよりも、財界の責任者がいろいろ考えるということが、結果として経団連所属の会社がそういう社長等を送っておるということかと考えるのであります。いずれにいたしましても、国家の大切な資金を使うことでもございますから、しかもその資金は非常に能率的に効率的に国民のために使われなければならぬという観点から、誤りなくやっていってもらうように私どもとしては指導してまいりたい、こう思います。
○渡辺(惣)委員 それは苫小牧東部の例からいいますと、いま経団連は関知しないと言いましたが、御存じない。たぶん当時大臣でなかったから関与していらっしゃらないと言われればそのとおり受けとめなければいかぬと思いますが、たしか経団連推薦の経団連の役員で常勤役員だった人が経団連から苫小牧東部の重役に入ってきていると思うのですね。山田監理官どうです。
○山田(嘉)政府委員 経団連の専務理事の方が非常勤役員として参加しておられます。
○渡辺(惣)委員 それはどういう過程で、北海道とどういう関係があって、何のつながりがあって重役に入ってくるのですか、そこがわからないのだ。だから経団連株式会社だ、経団連サイドの会社だといわれるのです。
○山田(嘉)政府委員 苫小牧東部の開発事業の遂行をどういう形でやるかということにつきまして、まず用地を先行取得しておりましたが、北海道庁が中心になりまして、どういう形でやるかということにつきまして、もちろん私どもも相談に応じていろいろ議論があったわけでございますが、先ほどの御答弁で申しましたように、非常に先行的に膨大な金を投資しなくてはならないということで、北海道庁をはじめ地元の自治体にこれを全部かぶせるということは非常に大きな地方財政への圧迫にもなりますので、こういう大規模な開発につきましては全国的な観点から、民間の資金を導入いたしまして開発を進めていくということが適当であるというようなことで、いわゆる第三セクター方式をとってやろうじゃないかということに北海道庁はじめ関係者の意見が一致いたしまして、実際の設立の事務といたしましては、この株主になりました北海道庁でございますとか苫小牧市が経済界の各方面と、もちろん北海道の地元の経済界の長老の方が中心になって、先ほど先生御指摘になりました経済団体連合会でございますとか、あるいは商工会議所のトップの方等に御相談をしながらこの会社がつくられていったというように承知いたしております。これは非常に大規模な国家的な事業で、そういう意味で中央財界からの協力を得まして、民間の膨大な資金を導入していくということが必要であるというような観点から、もちろん経団連とも接触があったというふうに承知しておりますし、経団連の専務理事の方が非常勤の役員として入られましたのは、そういう意味でこれに御協力するという姿勢を経済団体連合会が表明された一つのあらわれであろうかというふうに私は理解申し上げております。
○渡辺(惣)委員 この北海道苫小牧東部開発という大会社、一万三千ヘクタールを占める大開発をやる実践部隊であるのが、驚くべきなのは、いま北海道経済界と北海道庁が話し合ってこういうことになったという話ですが、取締役八名のうち北海道から入っているのは民間人でたった一人ですよ。こんな会社がありますか。北海道が場所を提供して、北海道の一万三千ヘクタールの土地を使って、北海道の道民のしあわせのために、地域住民の幸福のために取り計らうという開発方式だったら、こんなばかな話はないと思う。八名の取締役のうち、地元の北海道から北電の社長の岩本君が一人入っているだけです。これでもわれわれは不満ですよ。独占資本の北電の社長が入っているのはぴんときませんが、ともかくも北海道で事業をして、北海道で企業を経営し、労働者を雇用し、北海道経済に多かれ少なかれ関与している。功績を持っている、しいて功績というならば。それはたった一人ですよ。あと苫小牧の市長が取締役に名前を並べているだけです。あとは北海道の人はだれもいないじゃないですか。北海道開発庁から前々の企画室長が取締役に行っております。これと、北海道庁の工業管理責任者であった浅井君。役人は二人入っている。役所は道庁と開発庁から一人ずつ入っていますが、しかし純粋の北海道経済につながりのある人はたった一人です。あとは全部違った、北海道に関係のない人たちが乗り込んで、そうして十億円は国の関係の資金を出しているのですよ。あとは地元資金を、銀行やその他の事業の金を吸収しながら北海道の経済人がだれもろくすっぽ入ってない。そんなインチキな会社がありますか。だから経団連の会社というのですよ。経団連サイドの会社でしょう。そんな不合理なものが全国に普及されてごらんなさい、全国、北海道から沖繩の果てまで、全部商社に独占されてしまいますよ。大資本独占ですよ。そのために巨大開発や中核都市づくりやいわゆる都市再開発を、一体国の資金を投じて、そうして利便を供与するためになぜやらなければならぬか。開発が必要なら開発が必要なように、地域住民が参加してやるべきだ。下河辺君はなおかつそれでも地域住民の参加を求めるとか同意を求めるとか協力を求めるとか……。どこに求めているのです。どこが一体北海道につながりがあるのです。何も関係ない人があらわれてきて北海道時代といっているでしょう。 それだけじゃないですよ。これはきょう人事院の総裁を呼べばよかったのですが、北海道開発庁の前の事務次官をやった小林元橡君が丸紅の重役に、専務に入って、その丸紅が第三セクターの出資団体、出資会社です。この人はもと計画策定をした人です、本人自身、事務次官ですから。第三次北海道開発計画を策定した、苫小牧東部開発の策定の最高責任者、事務責任者が、今度あべこべに土地会社に天下って、そうしてこの苫小牧東部の土地買い付けに狂奔して問題になったのです。同じことでは、むつ小川原の第三セクターの場合でも、中島といいましたか山本といいましたか、農林省の農地局長であった人物が天下って、そうしてその会社が土地買い付けに狂奔している。計画策定者、その計画に参加をし、みずからが中心だった人が、今度は役所をやめるとブローカーになり下がって、ブローカーの手先になって土地買いに狂奔をする。そうなれば地元の町村長も、事務次官のときには陳情に行ったりお世話願ったりして弱いところがありますから、言うことを聞かざるを得ない、顔を出すだけでも便宜をはかられる、こういう状態で、そうして自分の都合の悪いときはもう一つ代理会社のダミーを使って土地を買収する。むつ小川原の場合は三井のダミーである内外不動産というのが全部ダミーで買収。それは全額三井不動産が出している金でつくっている内外不動産がやっている。三井不動産はその企業に内部参加していますから、株主だから表面に立てないから、ダミーを使って買い出しをやらしている。至るところにそういう例が出てくる。 一体、下河辺君は良心的にこの案を作成したかもしれぬ。私は宮崎君や下河辺君を人間的に信用しますが、人間的に信用したからといって、やっていることは結果が違ってきたらどうする。結果はことごとくあべこべにいっている。そのあべこべにいっているのが田中角榮総理大臣のねらいじゃないか。意地悪じいさんではありませんが、あべこべを期待するのではないかと思うぐらいの、そのあべこべを期待して、あべこべの期待感でこういう案を策定をしているのじゃないか。こうなればこうなると、あなた方みたいな頭のいい人が読めないはずがないと思うのです。先々まで、未来社会まで推理をして、電算機にかけてこういう答えを出させるのに、こういうことであべこべにやればうまくいくぞ。列島総買い占め計画は田中氏自身がやらせていることかどうか知りませんが、田中総理の意図と反するかどうか知りませんが、全くそういう結果になってきているということで、ぼくはもう一ぺん買い占めを反省すべきだと思うのです。 この点について、第三セクターに対しての指導監督といいますか、指導育成ではない、指導監督、もうこの段階に来たらチェックしてもらう以外にない。どういうところで線を引くのか。まだ依然として昭和四十四年策定の新全総の考え方、そういう開発方式、そういう資金繰り政策、国は引き水の金だけ出せばいい、あとは民間だ、民間はだれが参加しようとそれは自由経済だ、適者生存だ、もうかるやつはもうければいい、こういう考え方で、いまでも要するに開発されればいいんだという開発方式の考え方、思考が残っておるのかどうか。これに対する何かの対策がないか。どうしたらよろしいのか。第三セクターに対するところの指導監督、あるいは特定の、将来国会で独自の法律案でも作成して、そうして取り締まりの法規、悪を取り除く規制法規を、たとえば第三セクターに商社のごときものは参加さしてはならないとか、そういう何らかの措置を講じなければ日本列島はむちゃくちゃになってしまう。開発すればするほど独占財閥のえさになってしまう。住民が反対するのは、縁もゆかりもないからですよ。住民が参加していれば、住民の利益が享受できるということになればみんなが協力するでしょう。見ず知らずの人があらわれて、そうして多くの地域住民や何千という人々がほうり出されて失業する、土地は取り上げられる、これでは納得するわけがないでしょう。血の通った開発をやるためにはどうすればいいのか。住民との結合はどこへ求めるべきか。住民参加と住民の合意をうたい文句にする総点検の起案者である下河辺君自身もその考え方を明らかにすべきであるし、また三人の大臣おのおのこれに対する明確な所信を伺って私の結論にしたいと思います。しかし、結論にしたいと思いますが、答弁がおかしければまたしゃべりますよ。
○下河辺政府委員 慎重にお答えいたします。 先ほど先生から解説についてお話がありましたが、実は解説書にも先生おっしゃるように書いたわけでございますが、閣議決定しております新全国総合開発計画の第三部「計画達成のための手段」というところで、大規模開発プロジェクトを実施しますことについて基本的課題をうたっておるわけでございます。そこをごらんいただきますと、まず第一に大規模プロジェクトを選定し、つまり着想ができて、調査をして、企画をして、計画をして、予算を立てていくという一連の動きがさらに制度化されなければならないし、科学的でなければならないということをいっておるわけでございますが、新全総のときにはこれは今後検討するということになっておって、計画だけが定められたという経緯であることは御承知のとおりであります。そしてそれを実施します主体についてさらに触れておりまして、その計画がきまりました場合に、その事業主体については資金の調達、事業の実施等の面で新しい組織というものも考えてみる必要がある。その中で、たとえば産業開発プロジェクトなどにおいては、プロジェクトの中核的な事業の実施主体として、公共、民間の混合方式の場合、あるいは進出する予定の民間企業が共同して立てる会社の場合、あるいは民間デベロッパーの参加を求める方式の場合などについてよく検討する必要があるということを、計画達成の手段の課題として残すということを閣議決定しておるところは先生の御承知のとおりでございます。その意を受けまして——むつ小川原についての実例をお話し申し上げたいと思いますが、むつ小川原につきましては、この検討をするということたけで閣議決定しておりました関係もありまして、すでに閣議決定の前後から民間によりますむつ小川原地区の土地の買い占めが行なわれまして、地域にだいぶ御迷惑をかけているという実態であったことは御承知のとおりでありまして、先ほど御指摘いただきましたように、大不動産業あるいはそれのダミーが土地を買いあさっていたことは私たちもよく承知しております。そのことを側とか食いとめなければならないということが非常に大きな課題になりまして、計画をきめるということも重要でありますが、同時に土地の買い占め、乱食いができるということについてもかなり憂慮いたしまして、そのために現行法の中ではたしてどういう手だてがあるかということを県とともにいろいろと苦心をいたしました結果、やはり個別企業が利益のために総がらみの土地買いあさりという形を阻止するために、むしろ不動産業を含む全企業にむつ小川原の開発が計画どおり行なわれますように協力をお願いするという意味も含めて、ひとつ全財界によります新しい企業をつくりまして、そこ以外の企業ではむつ小川原の土地の買い占めをやめていただきたいということを私ども申し入れましたし、それからまた地元では農協団体の方々の御協力を得て、農民の方々もどうかひとつ民間の個別企業へ土地を売るということは中止していただいて、県のほうからいろいろと案が出るに従って計画がきまってくるので、それに基づいて土地の売却をするということを考えていただきたいということを農協等を通じてお願いしたという経緯もありまして、新しい会社ができたわけでございます。 先ほどからお尋ねの地域住民の参加という問題でございますが、私どもは計画をつくるということについて、先ほどから特定地域総合開発計画などの例をとって手続を御説明し、総点検の場合でもそのことを十分考えたいということを申しておるわけでございますが、計画がきまりました際に、その計画を実施していく主体は、国が直接する場合、あるいは県がする場合、市町村がする場合、あるいはこういった第三セクターと俗称される新しい事業体がやる場合、その地域の中のプロジェクトの中におきましても事業分担をきめて、それによって実施していくという必要があろうかと思います。 特に、いま御指摘いただきました場合に、その計画をきめるときの手続を十分いたしまして、実施計画に基づきまして実施主体をつくるということをいたしましたにしても、その新しい株式会社制度によります事業主体に対する行政上の監督権をどうするかというお尋ねが最後の御意見、御質問であろうかと思います。この点に関しましては、現在は公共的な資金を資本金の中で約五〇%を占めて、株主権として行政上の意見を入れようということにとどまっていることは先生よく御承知のとおりでありまして、そのことで十分であるかどうかということになりますとやはり多少問題を残していくのではないかということがございまして、実は私ども、先ほど先生が御指摘になりましたように、自治省でお調べになったように、一〇〇%出資も含めますと約二千近い新しい団体ができているということも事実でございまして、その二千近い団体も実は性格は非常にいろいろな形をとっておりまして、大規模なもの、小規模なもの、事業の内容もだいぶ各種のものがございますし、資本の構成もいろいろございますので、自治省あるいは建設省あたりと実はそのあたりの内部の分析をして、これから私どもとして、そういう新しい団体に対して国としてのどういう行政上の監督権限を持つべきかということについて検討する必要があるという認識でおります。
○小坂国務大臣 渡辺委員の御説を十分承りました。幾多拝聴すべき点が多いと考えます。いま局長から申し述べましたような線で、この問題、今後において、せっかくできた制度でございますが、この長所をとり、短所をためるように考えてまいりたいと存じます。
○坪川国務大臣 第三セクターの取り組む基本的な姿勢並びにその事業遂行という基本的な観念は、何と申しましても、渡辺委員御指摘になりましたごとく、地域住民の合意、また理解と納得を得るということが一番重要なところであるとともに、関係地区の公共体のやはり完全なる意見の一致を見た上においての遂行を、民意を生かしながら取り組むという姿が私は至上のものでありたい、またわれわれもそうした考えで指導してまいりたい、こう考えております。
○金丸国務大臣 第三セクターの件につきましては、わが省といたしましてはいままでも十分指導してまいったところでありますが、先生の御指摘の点につきましてはまことに貴重な点が多いわけでありまして、その点も踏まえまして今後厳重に指導してまいりたいと思います。
○渡辺(惣)委員 有力なる三人の大臣の答弁を得ましたので、閣議の中でももう一ぺん、その機会がありましたらこの問題について統一見解を出していただきたいと思います。 午前、午後の長時間にわたりまして傾聴いただきまして、感謝いたします。
○服部委員長 次回は、来たる十一日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十二分散会