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71回国会衆議院1973/07/04

建設委員会 第25号

発言数
99
登壇者
11
会派数
2
開催日
1973/07/04

会議録

服部安司自由民主党

○服部委員長 これより会議を開きます。  この際、公聴会開会承認要求の件についておはかりいたします。  ただいま本委員会において審査中の工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、国土総合開発法案について、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

服部安司自由民主党

○服部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   なお、公聴会は、来たる十二日開会することとし、公述人の選定その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

服部安司自由民主党

○服部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

服部安司自由民主党

○服部委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  ただいま本委員会において審査中の工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、国土総合開発法案について、審査の参考に資するため、委員を派遣いたしたいと存じます。  つきましては、議長に対し、委員派遣承認の申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

服部安司自由民主党

○服部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、派遣地、派遣の日時、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

服部安司自由民主党

○服部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  この際、午後一時三十分まで休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ————◇—————    午後一時四十二分開議

服部安司自由民主党

○服部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  内閣提出、工業再配置・産炭地域振興公団法の  一部を改正する法律案、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、国土総合開発法案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 議事進行について発言を許していただきたいと思います。

服部安司自由民主党

○服部委員長 井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 議事進行で発言の許しを得たのでございますが、われわれ、この国土総合開発法並びに公団法及び都市計画法と建築基準法の一部改正の法案に先立ちまして、この法案の提案者であり責任者である経済企画庁長官小坂さんの発言についてお伺いいたしたいと思うのでございます。  経済企画庁長官小坂大臣は、六月の二十三日、水戸におきまして経済講演をされたようであります。その一部が新聞に出ております。私はこの小坂発言を新聞で拝見いたしまして、何と情けない大臣がおるものだ、何とまあめちゃくちゃな大臣がおるものだ、国会の権威を踏みにじることを平気でする大臣がおるものだと、実は心を寒くいたしたのでございます。このような大臣が、最も重大なると目される国土総合開発法の説明に当たられる、質疑の答弁に当たられるということはまことにもって遺憾であり、もしこの発言の真意がそこにあるならば、このような予断を持って国会審議に答弁される大臣でありますならば、私どもは審議に応ずるわけにまいらない、このように考えるものであります。  水戸における経済講演の要旨といたしまして、毎日新聞六月二十四日の朝刊に出ております一文を読み上げますならば、「土地投機を抑える国土開発法案や買占め、売りおしみ規制法案は野党が審議をストップしているので、政府は対策のたてようがない。野党議員は週休二日で五日審議してくれればよいが、週休七日制で月給数十万円とっているようなもので、度を越している。少数横暴だ。」こう新聞に出ております。  このたびの国会が、一時審議がストップしたことは御承知のとおりであります。しかしながら、そのストップするにつきましては、たとえば小選挙区法のような無謀なことをやって審議がストップしたのは御承知のとおりであり、また増原発言のごとく、実に憲法にかかわるような、国の大事にかかわるような不用意な発言によって審議がストップしたのは御承知のとおりであります。  これはひとえに政府関係者あるいは総理の不用意な考え方や思いつき、そこらから出てきて審議がストップしたことは御承知のとおりであります。しかるにもかかわらず、少数横暴であるというような御発言、お考え。あるいはまた当建設委員会において事態がこじれて、われわれ野党がごり押しをしてストップしたようなことはない。常に審議に御協力申し上げてまいったつもりであります。しかるにもかかわらずこのような国会に対する予断を持ってこの法案の審議に入るということは、私どもはまことに遺憾といわざるを得ないのであります。御答弁のいかんによりましては私どもも重大なる決意をいたしておりますので、大臣の水戸発言に対するお考え方をここで再確認したいと思いますので、お答え願いたいと存じます。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 井上委員の御発言の御趣旨はえりを正して承りました。私の水戸におきます話というものは、茨城県政経懇談会という会でいたしたのでございまして、そのときにもう一人お見えになる予定の方がお見えになりませんで私一人でございましたので、約二時間近く、非常に長い話をいたしたわけでございまして、その中の話が部そういうふうに伝わりまして、全文申し上げればあるいはそういう誤解もなかったかとも思うのでありますけれども、いろいろお怒りをこうむり、まして恐縮に存ずる次第でございます。  私の申しましたこの前段、週休七日、月給数十万というのは、実は私が発明したのではなくて、読売新聞に出ておりました漫画を私は御披露いたしたのでございます。念のためここへ持ってまいりましたが、六月十日に出ておりまする読売新聞の漫画でございまして、ここに国会議事堂の絵が書いてあって、ここに昼寝をしておる人がある。ここに太陽があって、「週休七日、月給数十万」、こう書いてあるわけであります。私が申しましたのは、こういうことになりますと国会そのものが非常に権威を失墜することになる。われわれ一生懸命働いておるし、一生懸命国民のために大事な法律をかかえておるし——私の講演の主題は実は「新しい国土総合開発の進め方」というのでございましたので、いまそういうこともやっておるので、こういう法案を法律として議決していただけば土地の問題もよほど目鼻がついてくるという点を述べまして、まだできないのは残念だということは申しましたけれども、そこにお読み上げになりましたような、野党議員だけが昼寝をしているような、そういうことを申した覚えはないわけでございます。  それからもう一つの少数横暴ということでございますが、これはやはりもう一つの新聞、すなわち毎日新聞の論説に出ておりました問題を引いたのでありまして、国会というのは審議をする場所であって、あくまでも少数意見を尊重しなければならぬ。しかし、少数意見が必ずしも多数意見より正しいということはいえないのであって、最後には民主主義の原点に返って採決をするということも必要であるのだから、そうした国会の原点に返れという趣旨の社説がございました。論説というので、これは署名入りでございました。それをあげまして、われわれはやはりこのごろの国会の運営について私も国会議員の一人としていろいろ考えさせられるということを申したわけでございますが、お読み上げになりましたような、ただ少数横暴だ、そういうことばは私は使わなかったと思いますが、とにかくそういうことが出ますとそれはお怒りをこうむるのは当然だと思うのでございまして、私はまあ、いろいろ言いわけをしますと長くなりますので事実だけ申し上げまして、ただそういうことによって、お読み上げになりましたような記事によってお怒りをこうむるということはこれはごもっともでございますので、そういう事態になりましたことについては、はなはだ申しわけなく存じておる次第でございまして、つつしんで私の真意を申し上げて、おわびを申し上げたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 いまの御答弁を承りますと、真意は違うんだ。そのような読売新聞を出しまして、国会がともかく昼寝している様子をしゃべったんだ、こうおっしゃるのであります。しかしながら、このたびの審議ストップの状況はどこから出てきたか。あくまでも政府の、これこそ公約にも出していない、あるいはまた施政方針にも発表していないような小選挙区制を強引に国会に提出してきたところに端を発しておることは御承知のとおりです。何も野党がこれを審議拒否するためにやったんじゃない。あくまでも政府の責任においてこのような事態が起こってきたんだという御認識がない。しかもそれが少数の横暴であると最後には結論づけられておる。これも毎日新聞の論説を引用したんだとおっしゃいますけれども、私どもはその点は納得しがたい。いまのお話によりますれば、真意はどうも伝わっておらないとおっしゃいますけれども、ここにもう一つ茨城新聞を私は持っておる。やはり同じような論旨のことがいわれておるのであります。いまの大臣のような御答弁でこの重大な法案の審議に入るわけには私はまいらない。もう少し大臣は率直にこの重大なる時期をお考えになると同時に、御自分の発言に対しましては責任を持っていただきたい。そのことを強く私は要求いたしたいと思うのです。あなたの御発言は、国会議員は数十万円の月給どろぼうのごとく書いておる。あるいはまた野党が審議をストップする、その原因については何ら言及するところがない。このようなことではわれわれはこの重大な法案の審議について、しかもその担当の大臣がこのような予断を持って国会に臨まれることについては、はなはだ迷惑であり、国会軽視の大臣であるといわなければならないと存ずるのであります。大臣の再度の御答弁を私は要求いたしたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 私も国会議員の一人といたしまして、ぜひとも国民の信託にこたえる国会をつくる責任が私自身にもあるというふうに考えておるのでございまして、そういう関係から常に自粛自戒いたさねばならないと思っておる次第でございます。私、もとより非常に欠陥の多い人間でございまして、その自粛自戒において、こたえておるかどうか、これはいろいろ問題があると思いますけれども、主観的にはさように思っている次第でございます。ただいまいろいろ私自身について、この国会の運営について反省がないというおしかりをいただきましたわけでございますが、そのおしかりは率直に私もちょうだいいたしまして、今後言動を慎みまして、いやしくもさような誤解を与えないように十分注意いたしたいと考えております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 常にこの国会におきましても大臣の放言等々が問題になるのでありますが、わが建設委員会におきまして審議を拒否した覚えはございませんし、また国会の全体といたしましても、民主主義の根幹に触れるような問題につきましては内閣の責任を追及するためにわれわれは審議拒否ということもあり得ます。いまの大臣の御答弁はまことに反省しておるというお話ではございますけれども、政府全体としても、また責任を明確にする意味合いにおきましても、もう少し御反省があってしかるべきじゃないかと私は考えるのであります。国民に、あたかも国会がサボっておるがごとき、そのような新聞記事を麗々しく大衆の前に示し、かつまたそれが書かれたのでしょうというがごときことは、示すことそれ自体においても軽率のそしりを免れないと思うのであります。同じく小坂さんは二十五年を経験せられたわれわれの先輩の議員でありますけれども、大臣になられたとたんに、そのように国会軽視の風潮をさらにかき立てるがごとき言動というものは今後一そう慎んでいただきたい、このことを強く要求いたしたいと思うのであります。  同時に、先ほど来申しますように、この国総法が重大法案であることは私ども知っておるために、立場は違いますけれども、この問題について当建設委員会において審議を拒否した覚えは全然ない。こういうような委員会におきまして、われわれといたしましてもまことに心外であります。また国会全体といたしましてもはなはだ心外であります。ここらあたりにつきましての大臣の再度の御答弁を承りたいのであります。  なお、建設大臣にお伺いしたい。あなたはずっとこの建設委員会におきまして御答弁をされておるはずです。建設委員会においてそのようなことがありましたか。少なくともわれわれはこの建設委員会におきましてはいままで十分な論議を尽くしてまいったつもりでありますが、いつ審議拒否したか。建設大臣の御所見と、それから経企庁長官の釈明をお願いいたしたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 当委員会の非常な御精励ぶり、非常に順調な御審議の状況につきましてはかねがね十分承知もいたし、敬意を表している次第でございますが、ただいまの御指摘の点は十分今後において注意いたしますので、どうぞよろしく御了承賜わりたくお願い申し上げる次第でございます。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 当委員会は非常に熱心に各委員の御討議をいただきまして、いままで拒否をいただいたようなことは一度もなかったということは、私がいつも感謝をいたしている次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 ともかく私どもといたしましては、この問題につきまして大臣がこのような御発言をなされたことをはなはだ残念に思いますし、またこのような国会に対する予断を持って御答弁なさらないということを私どもは強く要求いたしたいと思うのであります。時間もたちますのでこの程度でやめますが、ともかくこのような予断を持って御答弁になることは慎んでいただきたいことを強く要求いたしたいと思います。  終わります。

服部安司自由民主党

○服部委員長 福岡義登君。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 いま議題になっております三つの法案は田中内閣の日本列島改造論の実施法であると指摘されておるのでありますが、そういう立場に立ちますとどうしても日本列島改造論について若干の言及をせざるを得ないわけであります。私は、この日本列島改造論に対しまして基本的な幾つかの問題についてまず見解を明らかにしまして、長官以下関係の向きの答弁をいただきたいと思うのであります。  その第一は、昨年の田中内閣登場のときに日本列島改造論が大きなキャッチフレーズになっておったのでありますが、日がたつに従いましてそれが幻想であったということが明らかになりつつあるのであります。私をして言わしむれば、この日本列島改造論は、大企業や商社の土地の買い占めにより、対価の高騰をはじめ、庶民六衆のマイホームは打ち砕かれたばかりか、日本経済をインフレの中へ突き落としたということが第一の問題として指摘できると思うのであります。  第二の問題は、日本列島改造論は、今日までの歴代の自民党内閣の高度経済成長政策と同様に、大企業優先、生産第一主義の政策であるという点であります。昭和六十年におけるGNPを三百四兆円としておるのでありますが、これは昭和四十五年のGNPの実に四倍に相当する驚くべき高い数字であります。はたしてそこまでの成長を必要としておるのか、あるいはまたそのことは可能なのか、大いに疑問とするところであります。  第三の点は国民福祉についてでありますが、わが国は御承知のごとく国民総生産では世界第三位になりました。しかしそれは大企業を中心としたものでありまして、中小企業や農漁村は大きな立ちおくれを示しておるのであります。また国民生活の面では、国民所得水準は世界で十六位、社会保障では二十五位という低いところを低迷しておるのも御承知のとおりであります。今日、日本に必要なことは、大企業優先の生産第一主義ではなくて、国民生活向上のための社会改造を断行することだと確信をするのであります。  第四の点は公害についてであります。今日までの高度経済成長政策は幾つか大きなひずみをもたらしましたが、中でも公害はその極に達しまして、早急な対策を必要としていることも多言を要しないところであります。かかる状態の中で、日本列島改造論のように生産第一主義の政策をとることははかり知れない結果を私ども国民に及ぼすといわなければならぬのであります。  第五の点は農業についてであります。私たちは現在大豆ショックを受けておるのでありますが、アメリカ政府が去る六月二十七日、大豆の輸出を全面的に禁止すると発表したのがそれであります。この機会に別の角度から食用農産物の自給論が再評価されなければならぬのではないか、こう思います。高度経済成長政策は必然的に工業化、都市化を促進して、農業を圧迫しておるのであります。食糧の自給率を低下させるとともに、農業資源も食いつぶしておるというのが今日までの高度経済成長政策の実態なのであります。百年前にイギリスが、農産物は輸入でまかない、工業製品を輸出して立国する国際分業路線をとり、今日の斜陽大英帝国になったとの指摘もありますように、いまこそわが国は経済ベースを離れて食糧の自給体制を確立するべきだと思うのであります。日本列島改造論にはこのことが明確にされておりません。  以上、私は田中内閣の日本列島改造論について基本的な五つの問題を指摘いたしました。経済企画庁長官はじめ関係大臣の御見解を承りたいと思うのであります。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 日本列島改造論というものは田中総理の個人としての私見ではございますけれども、これは日本の現在の姿をさらに国民福祉との関連でりっぱなものにしていこうというのが骨子だと思うのでございますが、あるいは交通、通信のネットワークの完備であるとか、あるいは工業の全国的再配置であるとか、あるいは地方都市の育成強化であるとかいうような幾つかの柱を中心といたしまして、非常にすぐれた構想を持ったものであると存じておる次第でございます。しかし、冒頭申し上げたように、これはあくまでも個人の見解でございまして、それに付随したデータというようなものがやはり十分消化されていない面も否定できないと思うのでございます。そういう意味からいろいろな誤解等も生んでいるかと思いまするけれども、公式的に申しますと、この二月に閣議決定をいたしました経済社会基本計画あるいはいま総点検をしておりまする新全総、そういうもの、またただいま御審議をいただいておりまする国土総合開発法、その中に含まれておる幾つかの問題点、そういうものがむしろ政府の——田中総理は個人として列島改造を言われ、本を書かれたわけでございますけれども、総理大臣としての田中さんの考え方というものは、公式的にはいま私が申し上げたような三つの柱の中に入っているということは申し上げられ得ると思うのでございまして、いまお示しの六十年に三百四兆というような数字が可能であるか、あるいは望ましい姿であるか、それに到達するにはどういう困難があるかというような分析が十分になされていないという御指摘があれば、その点はそうであると申し上げられると思うのでございます。さような点で、政府といたしましてただいまお願いいたしておりまする国土総合開発の考え方、新しい国土開発の考え方の中におきまして今後の展望を述べておるわけでございます。  また食糧の自給度の点にいたしましても、これは農林省にいろいろ研究をわずらわしておるのでございますが、先ほども御指摘のありましたように、アメリカの輸出の見直し、ことに七月三日付で発表せられました九月までは既契約のものについては半分にするというような新しい事態に即応いたしまして、あるいはもっと輸入先をふやすとか、あるいは開発輸入をするとか、さらにはわが国自身の自給度の向上とか、そういうような問題を含めていろいろと検討いたしておるわけでございますので、こうした問題につきましてはまたいろいろ御叱正いただきまして誤りなきものをつくってまいりたい、こう思っておる次第でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 私がお尋ねしておりますのは、日本列島改造論が公式に閣議で決定をされたものでないことはよく承知の上でございます。しかし、この日本列島改造論が二月十三日の閣議決定の経済社会基本計画の基礎になっておるし、あるいはまた今後進められようといたしております政策の内容につきましても、あるいは国総法を見ましても、あくまでも基礎になっておるのはこの日本列島改造論である。これはあくまでも大企業優先の生産第一主義を貫いておる。つまり、今日までの歴代自民党内閣の高度経済成長政策をそのまま延長しようとしておるものである。今日、日本に必要なのは、そういう列島改造じゃなくて、国民生活を向上するための社会改造こそが必要なんだということを私は指摘したわけであります。その点についての御見解を答えられていない。経済社会基本計画につきましての内容はあとで触れることにしておりますが、田中内閣の大きな目玉商品であるこの列島改造についてその御見解をただしておるのでありますから、それに答えていただきたいと思うのであります。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 経済社会基本計画の中に列島改造の考え方は確かに多く取り入れられております。しかし、経済社会基本計画そのものは、ただいまお示しのようにこれからの社会福祉を中心とした社会をどうしてつくるかという、その方向づけでございまして、副題にございますように、「活力ある福祉社会のために」ということを目途といたしておる次第でございます。近年、環境の問題、あるいは資源は有限である、資源を限りないと考えてはいけないという問題がたいへん大きな問題としてお互いの眼前にあるわけであります。われわれはそういうことを十分配慮して、新しい、福祉に満ちた日本の社会をつくっていこうと考えておる次第でございます。列島改造そのものに盛られた根本的な考え方——いまの日本の人口が、三大湾都市というような一%にも満たないような国土の部分に四五%という大きな人口が入っておる。そのことはやはり全国的に分散する方向で考えていかなければならないという基本的な考え方、これは正しい考え方だと私は思っておるわけでございます。なお、加えて申し上げますと、先ほども申し上げたように、その数字的なデータ、こういう点は、やはり個人の著作でございましたので、その後役所の機構等でいろいろ精査いたしてみますと、これは修正したほうがいいというところは幾多あるわけでございますので、さような方向について誤りなきを期してまいりたいと考えておる次第でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 答弁がすれ違っておるのですよね。分散政策をとらなければいかぬということは私も否定したのじゃないのです。それはあとで触れます。  私がいまあなたにお尋ねしておりますのは、日本列島改造論を貫いておる考え方はいままでと同じように高度経済成長政策、つまり生産第一主義という柱を立てておるのじゃないか。それは改めるべき時期に来ておるのじゃないかということを言っておるわけであります。先ほども申し上げましたように、GNPは世界三位、国民所得水準は十六位、社会保障は二十五位という低いところに低迷しておる。これを改善していく。つまり社会改造というのがより重要な時期に来ておるのだ、そういうことを御質問しておるわけでありますから、そこのところを答えていただきたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 田中総理のお考えもまたあなたと同様の点がたくさんあるのでございまして、やはり大企業中心の生産中心ということは今後は変えていかなければならない。活力に満ちた福祉社会をつくるということは、政府用語で申しますと振替所得、社会保障面への財政支出をもっとふやしていかなければならない、こういうことは総理も強く言っておられるわけでありまして、田中総理の考え方は、ただ単に今後においても生産中心、大企業中心ということではもちろんないわけでございます。  それから私ども、今度の経済社会基本計画の中で平均の年成長率が九%程度といたしておりますのは、いままで二けたの成長でございますので、今後五年の間にこれを六なり四なりにするということになりますと時期的な非常な急降下をしなければならない、短時日のうちに非常な経済の縮小を見なければならぬ、そういうことが縮小均衡につながっていくということになると非常に危険でございますので、やはりなだらかにこの姿勢を変えていくという方向を考えておるわけなんでございまして、ただいま御指摘のような点は私どもとしてもそのとおりである。これはやはり、いままでのような生産からむしろ分配という方向に主眼点を置いていく必要がある、こう考えておる次第でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 ことばの上では生活向上を中心にするのだ、そうおっしゃったわけなんですが、以下、具体的に内容を明らかにしていきたいと思いますが、日本列島改造論なり経済社会基本計画はあくまでも生産第一主義を貫こうとしているのですよ。おっしゃるようにほんとうに生産第一主義を改めて生活向上の政策をとろうとするならば、考え方を変えていただかなければならぬことになるわけであります。具体的な政策を変えていただかなければならぬことになるわけであります。それはあとで個々の問題について解明をしていきたいと思いますが、列島改造についてはとりあえずこの程度でおきたいと思います。  そこで、お話のありました経済社会基本計画についてなんですが、中身に入りますまでに、若干この位置づけというものをお伺いしてみたいと思うのであります。  経済社会基本計画、つまり二月十三日に閣議決定をされたものであります。これと、四十五年の五月にきめられました新経済社会発展計画、もう一つ、いま検討中といわれる、昭和五十年度を初年度とする、あえて言えば新々になるのでしょうか、国土の総合開発に関する十カ年計画との関係はどういうように理解すればよろしいのか、説明をお願いしたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 昭和四十四年五月に新全総ができまして、それから四十五年に新経済社会発展計画ができまして、さらにこの国総法をわれわれは考え、新全総を五十年を起点として見直そう、こういうことを申し上げているわけでございます。また片一方、先ごろから御議論を申し上げております経済社会基本計画ができておる、その関連はということでございますが、われわれ、はっきり申しまして、いままでの戦後の歴史というものはむしろ開発と成長と発展の歴史であったと思うのでございますけれども、そこに資源問題と環境問題が非常に大きな比重をもってあらわれてまいったということが言えると存じます。ことに、限られた国土の開発と、そして地域住民のしあわせとの組み合わせ、そういうものを考えてまいりますと、いままでのやり方について非常に多く反省すべき点があると思っておるわけでございまして、そういう点を十分考慮していこうというのが今度の新しい国総法であり、あるいは新々全総である、こう申し上げて差しつかえないと思うのでございます。  それからもう一つは、実は先般村田委員に御答弁申し上げたことでございますけれども、われわれやはり二十一世紀というものを考えてみますと、たいへんな人口の膨張が推測されるわけでございまして、その間においてわが国でも一億三千二百万人というような数をいわれておるわけでございますが、その際のあり方というもの、日本の国民なり国土のあり方というものが一体どういうものかということを一応想定して、それならばそれから十年さかのぼった五十年から十年後の事態はどうなるか。正確には十年ではございませんが大体十年として、そういうことも考えたらどうか。両方から昭和六十年の姿というものも私ども考えていく必要があるのではないかというふうに存じておる次第でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 この二月十三日閣議決定の経済社会基本計画のあるところにこう書いてあるわけであります。「昭和五十年度を初年度とする国土の総合開発に関する十カ年計画を策定することとしているが、本計画においては、このような国土空間の再構成のための始動条件の創出をめざして、」云々と、こう書いてあります。ところが、この同じ基本計画の中身には、昭和六十年なり昭和六十五年というものを想定した数字というもの、あるいは政策目標というものが相当入れられておると思うのです。入れてあるのですよ。いぼ長官の御説明になりましたいわゆる新々全総計画といいますか、昭和五十年に始まるものとの関係、それは一体どう理解すればよろしいのか。この基本計画の中にあるものは、六十年を目標にして新しく策定されるであろう新々全総計画もこれに基づいて策定されると理解していいのか、もしくは、これは一応のめどであっていま検討中であるからこれにはそうこだわらないで、別の観点から方向をきめていくというように理解すればいいのか、これはどちらなんでしょう。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○宮崎(仁)政府委員 内容についての御質問でございますので私からお答えをさしていただきます。  御指摘のとおり、経済社会基本計画におきまして、いま長官の御答弁にもございましたように、昭和五十年度を初年度とする国土の総合開発に関する十カ年計画の策定ということを頭の中に入れまして、この計画においてその始動条件をつくるということを考えながらつくったということが書かれておるわけでございます。また、御指摘もございましたように、この計画の策定におきまして、私どもコスモという名前を使っておりますが、新しい長期のモデルを使いまして、昭和六十年ないし六十五年の一応の展望を描きまして、そういうことを背景にしながら五カ年計画をつくるという作業をいたしております。そういう点からいたしまして、現在御議論をいただいておりますような国総法の考え方、そういったことも、この計画策定の時点までに入る狩ることはできるだけ取り込もうという姿勢でやったわけでございます。しかし、当然これはこれから五十年までかけて計画策定が行なわれるわけでございますから、この想定と相当変わってくるということは考えなければなりません。そういう場合には、この計画そのもののほうをその時点でまた見直す、こういうことでこの計画の策定をいたした、大体そういう経緯でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 それでは次のことをお伺いするのですが、九十兆円の投資額が想定されておるわけであります。当然いまのお話からいきますと変わり得る要素が多分にあるということになるのでありますが、それは別といたしまして、この九十兆円の投資額が部門別にいろいろ書いてあるのであります。それの具体的な内容もいろいろ述べられておる。しかし細部について検討すれば相当問題が多いと私は思うのであります。しかしこれも時間の都合上きょうは割愛したいと思うのですが、問題はこの九十兆円投資の財源をどういう方向で考えられておるかという点をお伺いしたいのであります。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○宮崎(仁)政府委員 この計画における一つの特色は、先ほど長官の御答弁にもありましたように、資源配分の転換をやる、それを大幅にやるということが一つの大きな特色になるわけでございます。したがいまして、二一ページの「昭和五十二年度におけるわが国経済の輪郭」にございますように、与件としての社会資本投資あるいは政府から個人への移転支出といった、いわゆる社会保障でございますが、こういう部面を従来に比べて非常に大きく伸ばしているということが特色になります。特に固定資本形成につきましては年率一五・五%ということを見込みました。したがいまして従来に比べて三%近い増加になる、こういう姿を描いております。  こういうことになってまいりますと、当然その財源ということが問題になってまいります。そういうことから、一つはやはり税負担ということに相当期待せざるを得ないということでございまして、これにも書いてございますように、計画期間内において税負担率を大体三%程度引き上げるということを想定いたしておる次第でございます。また、これは公共投資には直接関係はございませんが、社会保険負担についても応分の、ある程度の負担をお願いするということを想定してつくられております。そういうことでございますが、一方公債につきましても、財政金融の部に書いてありますように、かなりの期間においてウエートを持ったものを考えなければならない、こういう想定でございまして、そういうことによって財政主導型の経済運営ということが行なわれる、そういうことを想定してこの計画がつくられておる、こう申していいと思います。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 税負担あるいは社会保険負担あるいは公債、そういう観点から考えられておるということなんでありますが、では新しい税制というものが考えられておるのかどうか。第七次道路整備五カ年計画の審議のときにも問題になったのですが、十九兆五千億円の財源が見込まれておるのにもかかわらず、その財源については来年度までにめどをつけてということで終わっておるわけであります。この九十兆円全体につきましても、いまお話もありましたけれども、具体的な内容はおそらくまだ詰めていないのじゃないかと思う。ここで伺っておきたいと思いますのは、新しい税金、たとえば付加価値税であるとかそういったような、新しい財源として税の制度を新設されることも考えられておるのかどうか、その点を御説明いただきたいと思います。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○宮崎(仁)政府委員 税につきましては、個人税とそれから法人税と間接税について記述がしてございますが、御指摘のとおり、内容をきちっときめるということはこの計画の性格上やっておらないわけでございます。全体の負担率として三%程度上げたい。しかしそれぞれの叙述において若干のニュアンスは出ております。たとえば「法人税についてはなお今後相応の負担を求めることが必要である。」ということで、ある程度上げざるを得ないだろうという感じは出しております。さらに間接税においては、いまのままで置きますと間接税の割合が減りますので、「税体系において適切な地位を維持するよう努力する」というようなことが書いてございますが、 いずれにいたしましても、この税の内容についてはこういった形で大ワクをきめたわけでございまして、税制調査会においてこの内容を具体的におきめを願う。こういうことでございまして、私ども計画のフォローアップということを申してありますが、この実行の過程につきましてはそういった各省の施策を十分見守りながら実効をあげていく、こういうことでこれからもやってまいりたいと思っておる次第でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 九十兆円の投資額の内訳を見ますと、初めにも指摘しましたように大企業優先、生産第一主義の思想が貫かれておるのであります。九十兆円の投資額の中で、たとえば道路であります。六十年を目標に一万キロの高速自動車道路、五十二年に三千百キロを目標にして十九兆円組まれております。あるいは新幹線関係では六十年七千キロで、五十二年千九百キロ、七兆八千五百億、港湾整備の関係が三兆一千九百億、その他工業用地であるとか工業用水であるとか電源、ダム、そういうものを加えますと相当大きなウエートになります。おおむね九十兆円の四、五〇%になるのじゃないかと思います。これに比べまして農漁村関係は五兆五千五百億円しかないのです。全体の約六%ですね。厚生福祉関係を見ましても一兆八千二百億円しか見ていない。全体の二%です。住宅関係を見ましても六兆八百億円しか計上されていない。産業基盤強化関係には相当思い切った投資が予定されておるけれども、国民生活向上のための、あるいは過疎過密が問題になっておる農漁村対策あるいは厚生福祉関係という投資は非常に少ないのですね。もう少し生活優先の投資に切りかえるべきではないかと思うのですが、経済企画庁長官の見解はどうですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 ただいま御指摘のように九十兆円の内容はなっておりまして、そのとおりでございますが、そこで、公共投資が多いということは一般の市民生活とかけ離れていくではないか、大企業優先ではないかという御指摘が一つございましたので、その点についての見解をまず申し上げたいと存じます。  いまの経済社会は大体公共投資によって仕事がなされます面と私企業の設備投資による面とございますわけで、私企業の設備投資による面は非常に大企業が多いのでありまして、大体六〇%、四〇%くらいの割りで大企業中心と言えると思うのであります。そこで公共投資の場合でございますが、これはむしろそれが逆になりまして、中小企業の活動分野が広くなるというふうに学者の分析では出ておるのでございます。  そこでわが国の今後を考えてみますと、やはり交通、通信のネットワークをよくして、そして他方にいろいろ投資を分散せしめて、また工業も公害をまき散らさぬような範囲でそうした種類の工業を地方都市にいろいろ入れていくということを考えますと、やはり道路であるとか鉄道であるとかあるいは港湾であるとかいうようなものをもっとよくしていかなければならぬというふうに私どもは考えるわけでございます。  農業投資につきましては、これは何と申しましても土地改良が中心になるわけだと存じます。農業の自給率、これはいま米で大体一〇六%くらいの自給率になっておるわけでございますが、さらに、たとえば大豆のようないま非常に自給率の低くなっているものを上げていくとか、そういうようなことはいろいろございましょう。しかし、そういうようないろいろ農業生産物の生産条件をよくすると同時に、やはりできたものを非常に有効な流通過程に乗せるということもまた必要でございまして、その面ではやはりそうした流通を便利ならしむる道路とか鉄道網とかあるいは通信のネットワークとか、こういうものをよくするということもこれはあわせて必要なのでございまして、そういう観点から、われわれ全体の斉合性を見てこの九十兆という投資内容をつくっておる次第でございまして、決して大企業優先というようなことではないわけでございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 そうおっしゃいますが、大企業優先なんですよ。それはあとで具体的に幾つかの問題を取り上げて解明をしたいと思うのですが、ここでは、九十兆円の投資内容があまりにも生活面が少ない、あるいは農漁村関係が少ない、あるいは福祉関係が少ないということだけを指摘をしておきたいと思います。  そこで、この一万キロ高速自動車道路、七千キロ新幹線、こういうことが日本列島改造論に書いてある。それがそのままこの経済社会基本計画に採用されておるのであります。そこで私は一つ問題を提起して見解を承りたいと思うのですが、ことしの三月十四日に産業計画懇談会が一つの提言をいたしました。そこでこういうように述べております。「われわれの第四章に述べていることが仮にも真実に近いものなら、」——謙虚に書いておりますが、「いま世間に通用しており田中総理の「日本列島改造論」にも引用されているところの“昭和六十年のGNPを三〇八兆円とみる見方”を基本とする一連の数字は、完全に根拠を失うことになる。これは当面の政策問題としても極めて重要な意味を持つことであるから、我々が第四章に述べるところは間違っているのか、いないのか、責任ある方面の責任ある研究を、これは国民の名において、希望したいと思う。」と、こう指摘しておるのですね。この産業計画懇談会が提言をしておる個々の中身につきましては、あとで一、二の問題につきまして取り上げて見解を承りたいと思うのですが、ここでは列島改造論というものがいかに根拠の薄い、ある意味では間違ったものであるかということが指摘されておるわけであります。  そこで、中身はあとでやりますが、私がここでお伺いしたい点は、二月十三日に閣議決定をした経済社会基本計画とこの産業計画懇談会が提言しておるものと比べてみると相当大きな隔たりがある。そこでどういうようにこれを受けとめるかというその見解を伺いたいのであります。この提言はただ単に提言であって歯牙にもかける必要がない、そういう態度を持っておられるのか、貴重な提言として経済社会基本計画を修正をするための検討を始めるという考えなのか、その他あるかもしれませんが、この産業計画懇談会の提言というものを、つまり日本列島改造論に採用されておる一連の数字は根拠なきものとして指摘しているのだけれども、その辺を一体どう受けとめておられるかという点を長官のほうからお伺いしたいのであります。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 産業計画懇談会の提言は、いま私どもが問題といたしております資源の有限性、そして環境問題の重要さ、そういうことを十分に考えました非常に貴重な提言であって、私どもの経済社会基本計画の線にも一致する、こういうふうに私どもは理解をいたしております。ただ、田中総理の列島改造論の際に、やはりあれは個人の提言であって数字的に詰まっていない点があると申し上げましたが、それと同様な問題がやはり計画懇談会の提言にもあるように思われるわけでございます。  具体的に申し上げますと、この懇談会の提言は、昭和四十七年から一〇%の割合でGNPがふえていく、こういう想定をいたしておりまして、六十年想定で二百三十一兆円というふうにいっておるわけでございます。田中総理の列島改造は名目で三百兆でございます。私どもの経済社会基本計画は、これは五十二年まででございますが、先ほど宮崎局長のほうから申し上げましたように、コスモ・モデル——コンプリヘンシブ・システム・モデルというものを略してそう言っておるわけでございますが、コスモで申しますと百五兆円になるわけでございます。政策を急に変える政策急転型で試算いたしますと百二十兆円程度である、そういうことが出ておりまして、まあ政策を急に変えていろいろなヘッジを起こしてはいけないというので、私どもはこのコスモの計画を基礎として計算いたしておるわけでございますが、これから見ますとまだ計画懇談会の提言は数が大きいのです。そういう問題がございます。  それから、いわゆるネガティブ・リスト、ポジティブ・リストというものをつくりまして、これから急速に生産をやめてしまうことが望ましい産業を幾つかリストにしてあげて、これをネガティブ・リストとしております。それから、これから大いにやっていかなければならないものをポジティブ・リストといっております。ネガティブ・リストに入った産業を一体どういう過程でそういう方向に持っていったらいいか、これは政策上非常にむずかしい重要な問題をはらんでおるわけでございますが、そういうものに対する詰めがないし、われわれ政府当局をおあずかりしている者からするとむしろそのことが非常に政治上重要問題でございますので、こういう点が今後検討を要する点だというふうに私どもは思っておるわけでございます。  しかし、冒頭に申したように、非常に資源が足りなくなるぞとか、あるいは環境問題がたいへんに重要であるとか、そういう点を指摘されたことは私どもの考えと一致しているところである、こう理解しておるわけでございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 資源、環境問題とは別に、たとえばこういう大きな開きがあるのであります。日本列島改造論では昭和六十年の貨物の輸送量は二百億トンと想定されておる。経済社会基本計画では昭和五十二年の貨物輸送量は九十五億トンと想定されておるわけでございます。これを六十年に引き延ばしていきますとおおむね二百億トン程度になる、こういうわけですね。ところがこの産業計画懇談会が提言をしておりますのは、日本列島改造論に示された数字二百億トンの四〇%程度にしかすぎない、こういっておるわけですね。一方では二百億トンの貨物輸送量、産業計画懇談会の計算によれば二百億トンの四〇%なら八十億トンでしかないのです。こうなってまいりますと、さっき指摘しました九十兆円の投資額が問題になってくるのです。道路関係に第七次五カ年計画では十九兆円と、予備費の調整費ですか、五千億がありますから、総額は十九兆五千億円、鉄道関係の投資額は七兆八千五百億円になっておるでしょう。これは昭和五十二年の貨物輸送量が——これは旅客のほうもあるわけですが、貨物輸送量だけでいえば九十五億トンという前提の上に投資額が計算されておるのです。昭和六十年が二百億トンという前提で投資額が考えられておるわけなんですね。もしそれが八十億トンということになるんならばこれだけ膨大な投資は必要としませんね。長官は環境なり資源の問題を指摘されたのですが、交通面においてこれだけの相違がある。二百億トンに対して百八十億トンとか二百十億トンとかいうようなわずかの差ならば、将来のことであるし、若干予測しがたい面もあるかもしらぬけれども、二百対八十ではあまりにも開きが大き過ぎると思うのです。あとで交通政策は触れますけれども、ここでは昭和五十二年における経済社会基本計画が見込んでおる九十五億トンという貨物の輸送量は一体正当だといまでも考えておられるのかどうか。あえて言えば、この九十五億トンは輸送することが可能であるのかどうか、そういうめどをつけられておるのかどうか。長官、どうですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 実は先ほどもえんきょくに申したのでありますけれども、産業計画懇談会のいっておられますのは、一〇%の割合でGNPが伸びていくという考え方でございますので、そういうふうに伸びていくならばとてもそんな貨物輸送量では済まないと私は思います。  それからもう一つ問題は、そのように非常にネガティブ・リストをたくさんつくって、生産を急激に縮小していって、そうして経済成長率一〇%、すなわち六十年には二百三十一兆円にGNPがなるということの間に、やはりもう少し詰めてみる必要がある、問題点があるというふうに思うのです。もっと率直に言いますと、一次産業、二次産業、こういうものの生産は急激に減らしていい、しかし全体はふえるということになれば、それじゃ三次産業を非常に膨大にしなければならないという問題が出てくるわけです。いま三次産業の占める割合は非常に大きなものになっておりますけれども、しかしこれよりもきわだった、計画懇談会の提言のような速度で三次産業がふやせるものかどうか、これは大いに検討を要する点だと思っております。これもまた冒頭に申し上げたことに返るわけですけれども、やはり十分なそういう計算の手を持ちませんとなかなか数字が出てこないという点は私ども十分お察しした批評をしなければならぬので、この数字が合わぬということを私はことさらに声を大にしてあげておるつもりはございません。しかし、そういう御指摘があればこういうことでございますということを申し上げる、そういう消極的な意味で、私は政府の考えている点にもう少し懇談会の方々も注目をいただいて、やはりいいことであれば、目的はいいことなんですから、両方で寄り合って問題を詰めていただくということが望ましいというふうに思っております。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 寄り合って詰めてもらいたいと言う。他人事じゃないですよ、長官。経済成長率を幾らに見るかというのは、これはいろいろ議論があるでしょうが、産計懇もいまの経済社会基本計画もそんなに違いやしないのです。中身を個々に比較すると相当の違いがある。断わっておきたいのですが、ここで引用しておる産業計画懇談会の提言、これは結論に対して私どもも相当強い意見を持っているのです。しかしそれは別にしまして、いまここで引用しておりますのは、いかに二月十三日の閣議決定の経済社会基本計画があいまいであり、ずさんであるかという点を明確にしようとしておるわけなんです。先ほども申し上げましたように、わずかの輸送量の差ならばこれはさして問題はない。ところがこれだけ大きな差があるのに、これを前提にして輸送関係の投資をやっていこう。申し上げましたように、道路と鉄道、港湾を合わせますと三十兆円をこえる金額でしょう。九十兆円の三分の一をこえる投資をあいまいな前提のもとにやるということは許せない。一体その辺どう考えるかということなんであります。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 輸送量の問題は担当の局長から詳しく申し上げますが、全体として申し上げられることは、私どものほうの基本計画の六十年を想定してのGNPは百八十五兆円程度でございまして、産業計画懇談会は二百三十一兆円ということをいっておるわけでございまして、非常に大きな差があるわけであります。産業計画懇談会のほうが大きいのです。大きい計画を出しながら輸送力が非常に少なくなるというところは私どもには解せないわけでございます。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○宮崎(仁)政府委員 確かにこの経済社会基本計画におきまして、貨物の輸送トン数については五十二年九十五億トンということで想定いたしております。これはGNPあるいは産業構造その他を変数といたしまして推定したものでございまして、従来に比べますと伸び率は低下をいたしておりますが、しかしそんなに下がってはおらないということでございます。こういった交通需要を考えながら御指摘のように交通投資の数字も考えられておる、こういう形になっております。  いま長官の御答弁がございましたが、産業計画懇談会のほうでお出しになった輸送量の大幅な減少という形は、おそらく産業構造の非常に大きな転換を考えて、そういった形から出てくるものとわれわれ考えておりますけれども、しかし八十億トンくらいで済むということはなかなか、どうもそういう形にはちょっと数字が出ないわけでございまして、この辺の長期の見通しについては、先ほど申しましたように計画としてもフォローアップという形でこれからもちろん検討を進めてまいりますし、また、この五十年につくられるという新しい国土計画でも議論になることでございましょう。しかし、今後五年ということで見込んでいく限りは、大体この九十五億トンと推定いたしました輸送量というものはそう大きく狂うことはないのではないかというふうに考えておる次第でございます。現在若干、GNPのほうはむしろこの計画の趨勢線より上回っておりますので、これをどのようにこの趨勢線に近づけていくかということをわれわれは考えておるわけでございますが、従来の経験等からいいましても、輸送量の見通しについてはまあ大体このくらいのところに来るのではないか、こう思っている次第でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 依然として重化学工業中心の産業政策ということが前提になっておるのじゃないか。いまお話しのように、産業構造の改革をやっていかなければならぬということを産計懇が提言をしておるのですから、その方向に従っていけば輸送量はこれよりも相当減るはずであるということは間違いないですね。  その論争は別の機会に残すといたしまして、それじゃここでお伺いしたいのですが、九十五億トンがそんなに変わらないという見込みだとおっしゃる前提でお伺いするのですが、それならば昭和五十二年に九十五億トンを輸送可能であるとあなたたちはお考えであるのかどうか、結論をまず最初に聞かせていただきたい。私は不可能だろうと思うのだが、その理由はあとで申し上げます。どうですか、これは。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○宮崎(仁)政府委員 この点につきましては、関係各省それから各方面の専門家等のいろいろの御意見も伺いまして推定をいたしたものでございまして、またそれに見合ったようにこの交通の投資等も考えていくということで斉合性を保ったつもりでございます。したがって、この九十五億トンと申しました輸送は可能であるという前提のもとに計画がつくられておる、こういうことでございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 それじゃお伺いしますが、局長いいですか、九十五億トンの貨物輸送は可能であるとあなたはおっしゃった。それならば私は、こういう問題はどう解決するかということを二、三お伺いしていきたいと思うのです。いいですね。  この基本計画に従いますと、一四四ページに輸送機関別のシェアが書いてあります。昭和四十六年、鉄道で、トンキロで申し上げますと一八・七%、それが五十二年には一四・三%、若干下がりますね。自動車は、同じくトンキロなんですが、四二・九%で、昭和五十二年には四四・〇%、海運は三八・四%が五十二年には四一・七%になる。トン数で申し上げますと、鉄道で四・七%しか荷物を昭和四十六年には運んでない。昭和五十二年にそれが若干ダウンしまして三・一%、車は四十六年に八九・四%、五十二年に九〇・一%、海運は五・九%が六・八%、こう想定されておるのですよ。そうなってまいりますとこれは自動車輸送中心ということになります。自動車輸送中心ということになりますと、昭和五十二年度にどれだけの自動車が必要になるか。これは旅客も含めてでありますが、同じくおたくの資料に、この経済社会基本計画には三千百七十二万台自動車の保有台数がある、こうおっしゃるのですね。三千二百万台近い自動車がこの日本列島にあふれることになる。いいですか、その場合に燃料はだいじょうぶか、公審はだいじょうぶか、運転手はどう考えられておるのか。局長、どうですか。宮崎(仁)政府委員 まず第一の燃料の問題でございますが、石油の精製量につきましては、やはりこの参考資料に出ておりますのでごらんのとおりだと思いますが、三億キロリットル、この中でガソリンが、まあ得率を一走として約二割程度だと思いますが、そういう形でやはり若干ふえてまいるわけでございますけれども、これは供給できるという考え方でございます。  労働力の問題、公害の問題ということになりますと、その計画でかっちりした数字を詰めておりませんのでなかなかむずかしい点がございます。特に公害については、大気汚染については一応ここである程度の目標を出しておりますが、しかしNOxについての数値はこの計画でははっきり出しておりません。この辺は環境庁のこれからの施策に待つということで考えておるわけでございます。それから労働力については、総体としては考えておりますけれども、トラック等の労働力というものがどういう形になってくるかということになると、それは若干問題はあるだろうというふうにわれわれも考えております。  しかし、この輸送需要にもございますように、当面五年間の産業構造その他いろいろの面から、鉱工業生産、GNPという面から推定してまいりますと大体こんな形にならざるを得ぬのではないか、こういうことで計画としては出したわけでございまして、確かに長期に見るとそういった方向でいつまでやれるのかという御議論はあると思います。そういう面から超長期の展望も出したわけでございますが、こういった問題については政策急転換型とか趨勢延長型とかあるいは選択可能なバランス型とか、いろいろケースを出しておりまして、むしろこれからどういうふうにこれを選んでいくかということが問題になるのだ、こういうことで考えておる次第でございます。御指摘のように環境、公害あるいは労働力というような制限が今後非常に強まってくるということをわれわれも頭に置いて今後考えていかなければならない、こう申し上げる次第でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 これは責任ある答弁だとは言えぬと思うのですね。  ガソリンの問題ですが、世界の総輸出量が昭和五十五年に十二・五億トンしかない。あなたがおっしゃったように計算を積み上げていきますと、日本の消費予想量は燃料を含めまして六億トン、そうすると全世界の石油の総輸出量の四八%は日本が輸入しなければならぬ。局長、責任持てますか。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○宮崎(仁)政府委員 石油につきましては、確かに御指摘のように非常に資源的に最近また問題が出てきておるということはわれわれも承知をいたしておるわけでございます。そういうことを踏まえながらこの五十二年の数字を三億ないし三億五千万キロリットルという程度に想定をいたしておるわけでございまして、昭和六十年にどのくらいになるかということになりますと、選択可能なバランス型で大体五億キロリットル程度、こう想定いたしておりますが、しかしこれにしても相当たいへんである、いろいろ問題があるということはこの計画の中でも書いておるとおりでございまして、いわゆる省資源、省エネルギー型に思い切って転換をはかっていかなければならぬということは十分意識しておる次第でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 トラック輸送の日本で一番大きいのは何といいましても日通でしょう。日本通運がどういうように運転者のことを予測しておるかといいますと、ここにパンフレットが出てきております。「運輸労働力のはなし」というので、簡単にくずしてあるのです。一々読みませんが、このままでいくと昭和六十年に十二万人不足するというのです。十二万人のプロドライバーがトラックで不足をする、こういうのですね。計算どおりにいくと昭和六十年には四百三十万人のプロドライバーが必要となります。これをいろいろくふうをいたしまして、可能性その他の問題もあって二百万人程度と押えてみて、なお十二万人足らぬ、こういっておるのです。あなたはさっき燃料あるいはその他の問題にも関連して言われましたが、何とか努力をしていきたい、あるいは今後対策を考えていきたいと言われるんだけれども、そういうあいまいなことでこういう計画を組んでおられるのは問題ですね、これは。不可能なことを計画立てたってだめじゃないですか。産計懇が提言をしておるように、総輸送量というものをある程度圧縮するように産業構造を改革をしていくという、そういう道筋が取り入れられなければならぬ時期に来ておるんじゃないですか。どうですか、局長。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○宮崎(仁)政府委員 長官の御答弁もありましたように、産計懇のこの指摘されたことは、非常に大胆に、しかも率直に方向づけを出されたということで、私どもその評価をいたしておるわけでございますが、たとえば、あのネガ・リストにございますようなものが全部現状どおりになるということで押えております。そういう形で、はたしてあそこで考えられておるようないろいろの福祉的な面に資金を出したり、そういったことができるのかどうか、その辺が全体としては数値的な斉合性を求める場合に重要な問題になるわけでございます。この五年については私どもそれでやったわけでございますが、さらに長い期間についてどうか。特にいま御指摘のありました労働力について、昭和六十年トラックの運転手がどうかということになりますと、私どもそれについてはまだ十分検討をしておるというわけではございません。したがいまして、不確かではないかと言われればそのとおりだと申し上げるしかないわけでございますけれども、労働力についてももちろんこの五年については十分の推定をいたしたわけでございまして、年齢別あるいは職業別に検討いたしまして、大体こういった形でまかなえるであろうという裏づけをもって出したつもりでございますので、詳しくどれが何人というようなことは作業としては出しておりませんけれども、そういうことで御理解願いたいと思います。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 ここで労働力の問題をこれ以上争ってみてもいたし方ないかとも思うのですが、決定的にプロドライバーは不足をしてくる。三千二百万台の自動車を動かす。これは自家用車もあるのですが、営業用関係のバス、トラックを動かすためのプロドライバーというものは決定的に不足をする。だから、自動車輸送に重点を置いておられるいまのこの経済社会基本計画の考え方というものは破綻を来たすということだけは明確に指摘をしておきたいと思うのであります。  道路の関係でもう一つ、経済性の問題を私は取り上げたいと思うのであります。これは伊藤善市東京女子大教授が指摘をしておるのですが、高速道路の建設に必要な電力などのエネルギーは鉄道建設に比べて四倍かかる、こういうのです。自動車で一トンの荷物を運ぶのに必要なエネルギーは鉄道輸送よりも六倍かかると試算される、こういっているのですね。乏しい資源、乏しいエネルギーなんです。国際的に資源問題が非常にやかましくなってきておるときに、自動車輸送を中心にして考える、そういう結果、鉄道建設よりも四倍のエネルギーを費やして道路を建設をする、あるいは一トンの貨物を運ぶのに自動車は鉄道の六倍もエネルギーを消費するという、そういう政策がはたして妥当ですか。長官、どうですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 今日の鉄道の状況を見ますと、福岡委員御承知のように非常な赤字でございます。そこで私どもは、新幹線というものを今後大いに伸ばしていこう、鉄道の持つ役割りというものは都市の通勤通学、地方都市間の連絡、それから長距離の旅客輸送ということにいたしまして、他をトラックに持っていこう、こういう計画を立てておるわけでございまして、全国の新幹線網というのもさような発想から来ているわけでございます。  そこで、先ほどトラックのドライバーの話が出ましたけれども、今日のトラックの状況を見ますと、これはもうよく御承知のことと思いますけれども、自家用トラックというものか非常に多いわけでございますね。営業用トラックというものは非常に少ない。今後ドライバーとしてやるということよりも、やはり営業マンそのものが自動車を運転できるというような、そういう想定を私どもはやっているわけでございまして、そういう面で先ほど局長の申し上げました数字を考えているわけでございますが、しかしいまから十二年後に絶対おまえ保証するかと言われると、それは多少のあれはあるかもしれませんと申し上げるほうがあるいは正直かもしれませんけれども、私どもはそれでたいした大きな違いはあるまい、それは可能な数字である、かように考えているわけでございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 私は可能でないと思う。いまの長官のお話も、まとめていえば期待、可能性ということを言われておる。そうありたい、そうなってほしいという期待感を含めて言われておるわけですね。たとえば営業マンがプロドライバーになれるとあなたが幾らお考えになっても、そういうように社会が動かなければだめでしょう。しかもいま私が問題提起をしておるのは、自動車輸送と鉄道輸送の経済性を取り上げておるのです。国際的に資源問題がやかましくいわれているときに、申し上げましたような不経済なやり方をやっていいのか。どうですか、長官。   〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 たとえば東京都内の通勤通学を考えますような場合には、やはりこれは鉄道による輸送のほうがはるかに効率的であるということを私ども考えておるわけであります。ただそういう幹線網以外のところで交通を至便ならしめようとすると、これは道路交通のほうがいいのではないか、こういうことを考えまして、高速道路の考え方あるいは産業道路あるいは主要交通道路の考え方を、いま鉄道輸送と自動車道路と並行して考えているわけで、鉄道は、いまあるところですでに採算ベースに全く乗らないような路線が幾つもある現況でございますので、これを強化するよりはさらに道路のほうに重点を置いたほうかより国民経済的に見てよいのではないかというのが私どもの発想の根本でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 おっしゃいますが、新幹線と高速自動車道路と並行して建設されておるところが相当あるでしょう。いまの御説明と一貫しないじゃないですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 これは場所によって並行する場所もございますけれども、主として通りますその地区、地区を考えてみますと、たとえば東北の自動車道と東北新幹線と、これは東北へ行くということにおいては並行しておりますかもしれませんけれども、やはりその通過する地点を考えてみますと、それぞれの地点でそれぞれの必要がありまして、それに適合するということを考えて行なわれておるわけだと存じます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 これも並行線の議論かもしれないのですが、どうも長官の説明ではわれわれは得心できないですよ。あらゆる角度から検討してみても自動車中心の輸送体系というものは不可能である、私はこう思うのですよ。これは私だけではなくて、もう一つだけ、第三者の意見が出ておりますから、それを披露して次へ移りたいと思うのですが、法政大学の力石定一教授がこういっているんですね。「交通麻痺や自動車公害はひどくなり、自動車輸送を押える時期が来たことはわかりきっていることだ。この際、政府は、道路計画のうち、国土縦貫の高速道路部分の建設は全部削除し、県道や町村道、生活関連道路に限定すべきである。」こう述べておるのですね。ですから私は、三千二百万台もの自動車をこの狭い日本列島にあふれさせる、交通事情も悪い、エネルギーも消費する、あるいはプロドライバーが非常に不足をするといわれている、そういう無理な輸送体系を考えておる経済社会基本計画は再検討されなければならぬ、この点を強く指摘をしておきたいと思うのであります。  もう一つ、交通問題について、ついでですから見解を明らかにしたいと思うのですが、七月三日の読売新聞にこれは出ておるのですが、見だしがこう書いてあるのです。「今秋着工の本四架橋 漁業、壊滅的な打撃 瀬戸内調査団が報告書」と。経済企画庁長官、この新聞読まれましたか。これは京都大学ほか十八の大学の若い教授が中心になって調査をしておるのですが、このままで本四の三本の橋がかけられるとすれば漁業は壊滅的な打撃を受ける、こういっておるわけです。これはゆゆしき一大事なんですね。これに対して長官は総合開発という立場からどういう御見解でしょうか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 総合開発という立場といって御質問がございましたけれども、これはやはり建設大臣、それから環境庁長官、それから農林大臣、そういう方々の意見を私十分伺いまして、その上で公式に私の意見を述べさしていただきたいと思いますので、いまちょっと私だけの考え方を申し述べることは差し控えさしていただきたいと思います。  それから、先ほどちょっとトラックの問題で申し上げましたが、これは意見ではございませんで、ただ御参考までに申し上げておきたいのでありますが、今日、自家用トラックというのは実に九四%を占めておりまして、五百四十万台ございます。営業用トラックが六%、三十九万台でございます。この形がいいのか悪いのかということは問題がございます。しかし、営業用と、他のいろいろな業種をやっておる者が自分でトラックを持って運転しておるという実態はこういうふうになっておるということを御参考までに申し上げておきます。  それからいまの自動車が多過ぎるではないか、これはもう私もそう思っております。今日非常に光化学スモッグの原因になるような、こういう排気ガスをまき散らすような自動車というものをこのままにしておいていいとは思いませんので、やはりマスキー法というようなものを相当きびしく考えてやるということなどもそうでございましょうけれども、全体として道路の容量なりあるいは空気をよごすよごし方というもの、人間環境の保全という見地から見て、この自動車の現在のふえ方というものは考えていかなければならぬという点は私も同感でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 本四の架橋の問題はあとで、それでは環境庁なり建設省から何ぶんの見解を表明していただきたいのですが、いま小坂長官は、あたかも運転手は御心配ないですよというために説明になったと思うのですが、日通はトラック輸送の専門家ですよ。あなたよりは詳しいと思うのです。そこが十二万人も足らぬということを言っているのに、あなたが自家用車であるから心配ないのだという要らぬことを言う必要はないのです。深刻な運転手が不足をする事態が出てくるということだけは言っておきたい。  それから、これも長官が持ち出されましたからついでに聞きたいのですが、通産省お見えになっておるでしょう。一体日本の列島の中で、道路整備その他の事情も勘案をしながら、自動車の保有台数の限界はどの程度だとお考えになっておられるのか。自動車生産についての一つの行政指導をやっておられるのかどうか。現状と将来について説明していただきたいと思います。

中村泰男通商産業省重工業局自動車課長

○中村説明員 ただいま御質問のございました点でございますが、適正な保有台数という点はたいへんむずかしい問題だと思います。経済社会基本計画では三千百七十万台という想定がされております。私どももこの計画年度の想定としては妥当な数字と考えております。私どもも、今後の生産の考え方、そういうのにあたりましては、この保有台数を一つのめどにして考えていきたいと思っております。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 答弁にならぬですよ。三千百七十万台が妥当だとおっしゃった。それから、適正な自動車の保有台数はなかなかむずかしい、こうおっしゃった。適正な自動車の保有台数を算出するのがむずかしいとおっしゃりながら、三千百七十万台は適当だ。どういう根拠があるか。  それともう一つ、適正な自動車の保有台数ということと、この限定されておる日本列島の中に何万台が限界なのかという限界値があると思うのですが、通産省はその適正値と限界値というものを検討しておるかどうか。またそれに基づいた行政指導はどのようにしておるか。

中村泰男通商産業省重工業局自動車課長

○中村説明員 答弁が不足の点はおわび申し上げます。  適正な保有台数はむずかしいと申し上げましたのは、道路の容量とか公害の問題とか資源の問題とか、そういう非常にたくさんの要素を考えていかなければならないかと存ずるわけでございます。そういう意味で日本としてどれだけがほんとうにリミットなのかということはたいへんむずかしい問題だと申し上げたわけでございます。ただ、申し上げましたのは、計画年度として三千百七十万台という数字は一つの目標として妥当ではないかということを申し上げたわけでございます。保有台数がどの程度がリミットかという問題は、通産省が産業サイドではじき出せる問題でございませんで、経済企画庁が中心になろうかと思いますが、関係省庁からいろいろお教えを受けながら、われわれとしても一つの数字を勉強してまいりたいと思っております。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 この問題もまだたくさん問題は残るのですが、この程度にしておきたいと思います。  そこで、さっき残りました本四架橋の問題ですが、環境庁と建設省は一体どういうお考えなのか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 お答えいたします。  環境庁といたしましては、本四架橋の問題に限らず、環境に影響いたしますような公共事業につきましては、事前に事業施行者に種々の環境への影響に対して調査させまして、その結果に基づいて、その事業の実施の是非、あるいは計画変更、あるいは適正な工法等について評価をしてまいりたいと一般的に考えておるわけでございます。御指摘の本四架橋の問題につきましても、すでに本四連絡橋公団に対しまして、水質、環境に与える影響あるいはそれに関連する調査を実施するよう具体的な指示をいたしておりまして、まだ最終的な報告をいただいておりませんが、いずれにしましてもその公団の行ないます調査結果を評価していきたいと考えておるわけでございます。最終判断におきましては御指摘の研究報告も十分尊重して結論を出したい、かように考えております。

大津留温建設大臣官房長

○大津留政府委員 私も新聞で拝見いたしまして、たいへん重大な問題であるというふうに考えたわけでございます。本四連絡橋公団におきましても、この架橋が環境に与える影響ということはたいへん重大な問題でございますのでいろいろな角度から研究しておると思いますが、その研究の結果を待ちまして、そういう影響を最小限度にとどめるようなくふうをすべきだというふうに考えております。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 慎重な配慮を要望いたしまして、この問題はこの程度にしておきたいと思うのであります。  次は、農業問題と列島改造といいますか、経済社会基本計画などの関係を解明したいと思うのですが、一九七三年の農業白書を読ましていただきました。その要点を整理してみますと、農業が非常に下降線をたどっておるということに尽きるわけであります。たとえば五つ、六つの点をあげますと、農業生産が前年度に対しまして四・六%減少しておる。これは三年連続の減少であります。その反面輸入が増大しておる。自然、自給率は低下する、これが一つであります。二つ目には、農業総産出額は四兆三千三百億円、対前年五・二%の減であります。それから第三は、専業農家が著しく減少し、兼業農家が全農家の八五・六%にも及んでおるという点であります。第四は、農業就業人口の減少でありまして、同時に老齢化、女子化が進行しておるということであります。第五の点は、農産物価格が上昇鈍化した反面、農業用資材の価格がはね上がって経営が非常に苦しくなっておるという点であります。第六の点は、自立経営農家、これは農林省では昭和四十六年で年収百七十万円という基準を設定しておるようでありますが、この自立経営農家が四十二年度は全農家戸数の一二・九%で、約四百万戸あった。それが昭和四十六年には、わずか四年間で四・四%、二十三万戸に減少しておる。協業経営のほうは一体どうなっておるかといいますと、昭和四十三年に稲作の場合で六千三百六十三組の協業組織があったのに、昭和四十七年度では五千三百五十五組に減少しておるという点であります。  こういう農業の実態を見ますときに、日本国民の食糧問題、非常に重要な危機に直面しておると私は思うのでありますが、これに対して将来、日本の経済社会基本計画を立てられておる経済企画庁としては一体どういう御見解でおられるのか、同時に農林省当局はどういう見解でおられるのか、まずその辺をお聞かせいただきたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 農業につきましては、いままで他の問題がそうでございましたように、生産そのものもさることながら、今後においてはその福祉を増進しよう、いわば高福祉農村というものをつくっていこうというのが私どもの農業に関する基本的な考え方でございます。この基本計画の四八ページ一四二五のところに「農林漁業」という項目があるわけでございますが、「農林漁業については、生産基盤の拡充をはかるのみならず、あわせて生活環境整備を推進するとともに、農林水産物価格の安定に資するため、流通の合理化に特段の配慮を行なう。とくに、農業については、計画期間中に高能率営農が可能となる農用地面積が現状のおおむね二倍程度となることを目途に、農業の機械化や土地の高度利用の基礎条件となるほ場、基幹的な用排水施設、大規模な草地、農道等の整備を進めるとともに林道、漁港等の整備を推進する。」かような点を基本として考えておるわけでございます。  なお、お話のございました自給度の問題でございまするが、私ども、この世界的な食糧不足の問題、これに対処いたしまして自給度を高めることを検討していかなければならぬと思っております。ことに最近の食糧の危機的な様相が、天候の一時的なものであるかどうか。これは学者の意見は過渡的なものという説が多いのでありますけれども、しかしそういう点を十分踏まえまして、備蓄なりあるいは輸入先の多角化なりを考えますが、なかんずくわれわれの国土においてつくることが可能なものについてはできるだけ自給度を高めるという方針で考えてまいりたいと思っております。

松本作衛農林大臣官房企画室長

○松本説明員 農業を取り巻く諸条件が非常にきびしい中にありまして、ただいま御指摘がございましたように、昭和四十六年の農業の条件はいろいろと問題が多く出ております。ただ、四十六年につきましては米の生産調整というようなことが始まりまして、生産面を主食であります米について圧縮をしたというふうな事情もあるわけでございますが、農業白書にも示しておりますような問題点を、われわれとしては逐一解決をしていかなければならないというふうなつもりでおるわけでございます。特に御指摘がありましたように、世界的な食糧の需給事情が緊迫化いたしております中で、日本の国内の農業生産をできるだけ高めていくというようなことにつきまして、農林省といたしましては昨年秋に農産物の需給の見通しを立てまして、それに基づきまして昭和五十七年の生産目標をつくったわけでございます。この生産目標におきましては、国内において生産可能な農産物につきましてはできるだけ国内で自給をしていくという考え方に基づきまして、主要な農産物につきましては八割以上の自給度をなるべく確保していきたい。一方におきまして、どうしても国内で生産が困難であります麦類でありますとか大豆等の、いわゆる耕地面積を特に大きく必要とするような農産物につきましては安定的に輸入源を確保していくというような考え方に立ちまして、国民食糧の安定的な供給をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 小坂長官の御答弁は通り一ぺんの御答弁で、書いてあることをちょっと読まれただけである。深刻に食糧問題を受けとめておられぬですよ、あなたは。それでは長官、お伺いしますが、食糧が非常に危機に直面しておるというのだけれども、日本政府としては一体世界の食糧事情をどのように掌握されていますか。私どもが農業白書やその他政府の刊行物をさがしてみましても、ローマクラブやあるいはFAOなどの予測というものは引用されております。しかし、国際的な食糧事情というものについて日本政府の見解、見通しというものはどこにもないのだが、長官、あなたはどのように掌握されておりますか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 一九七二年は非常に世界的に食糧が不足したと言えると思うのでございまして、まずソ連の大量な食糧輸入の必要、そのことがアメリカ、カナダの小麦の価格を上げ、しかも輸送の船賃を上げたわけでございます。この状況は中国にもございましたし、あるいは東南アジア全域にわたりまして、インドにおいてあり、マレーシアにおいてあり、しかもベトナムはこれまた戦火の関係もあって、従来の輸出国がままならぬという状況。しかも最近、バングラデシュの状況というものは御承知のとおりでございまして、もう実に飢えそのものが国民を襲っているという状況でございます。  わが国は幸いにいたしまして、昭和四十六年ごろから米の生産調整を必要とするような、そういう非常な豊作を実現することができましたわけでございます。これはもちろんわが国農民の非常な努力と、それから政府のかんがい排水の管理、土地基盤の整備、そういうものがだんだん功を奏してきたと思うのでございます。生産調整につきまして、私さっき一〇六%と米の自給率を申し上げましたが、これは昭和四十五年の統計で申し上げたわけでございまして、これはその後生産調整に入っているわけで、これをどういうふうに持っていくかということが今後の問題でございます。  先ほど農林省から答弁申し上げましたように、わが国としては全体の自給度を上げようという方向でございます。ことに昨年の食糧の不足を反映いたしまして、非常に世界各国から日本の米に対する需要が多いという情勢でございますことは御承知のとおりだと思うのでございます。やはり現在西アフリカにおいて見られておりますような深刻な水不足、食糧不足、こういう状況が今日においても、この文明社会においても現実にあるのだということを私どもは十分頭に置いて、やはり農は国の大本ということはいつの時代にも私どもは十分考えていかねばならぬことであるということを考えながら農業問題を考えていこうと思います。しかも、先ほど申し上げたように、農業に携わる人の生活そのものについて、高福祉農村を建設するという方向で、農業を営むことがその福祉につながるというような、そうした環境をもつくっていかねばならぬというのが政府の考えと申し上げてよろしいかと思います。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 長官、七二年にどうして国際的に不足であったか、ソ連が、中国がというような、そういうようなことを聞いておるのじゃないのです。私がお尋ねしておりますのは、日本政府として国際的な食糧事情をどのように掌握されておるか、こういうことを聞いておるわけです。農業白書やその他の政府の刊行物を見ても、日本政府の世界の食糧の見通しというものはどこにも書いていない。非常に深刻になりつつあるということは何となくいわれておるけれども、具体的に一体どういう見通しを持っておられるのか。それをお尋ねしておるのであります。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 具体的に私どもはいま申し上げておるように、米の生産調整等については大いに今後検討していくという考え方を持っております。それから輸入しておる食糧については、これはやはり備蓄ということを考えていかなければならぬ。それから輸入しておるものについては……(福岡委員「聞いていることに答えてください」と呼ぶ)答弁中ですよ。その輸入しておるものについては、この方向の多角化を考えなければいかぬし、また開発輸入を考えなければいかぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。日本政府の食糧に対する態度はどうかということでございますからそういうことを申し上げておるわけでございまして……。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 よく私の質問を聞いておってもらいたいのですよ。どうするかということは、私なりの見解を述べて、あとでこれをやりたいと思うのです。  いまお尋ねしておるのは、国際的に食糧の危機が近づいておるということをいっておるけれども、日本政府としては一体国際的な食糧事情をどのように見通しを持っておるか、これを聞いておるのであります。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 なお専門の農林省から答えてもらいまするが、私どもは、この一九七三年の問題ですね——七二年はそういう天候の非常な異変があった。そして天候の異変が、先ほども言ったようにこれが永久的なものか一時的なものか、これは非常に重要な問題であるけれども、一時的な問題であると言う人が多い。そういう認識に立っておると思うのです。  そこでアメリカの状況は、ことしは小麦の植えつけはよくいっている。それから大豆についても、これは九月末の取り入れ時期には、非常にまきつける地域がふえておりまするから、アメリカはまれに見る豊作であるということをアメリカはいっているわけです。それからトウモロコシが少し問題でありますけれども、これもまきつけを順調に終わった、こういうふうに聞いておるわけでございまして、他のソ連とか中国とかいう問題は、これは私どもわかりません。わかりませんが、従来大量の穀物を輸入しておるほかの国の状況というものは、今度は輸入しないでいいというふうに変わるとは見ていないわけでございます。  詳しくは農林省から申し上げます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 農林省の答弁はあとでいいです。質問を続けたいと思うのです。  小坂長官、いかがでしょうか、二月十三日に閣議決定をされた経済社会基本計画というものがある。お読みになったように、農業問題についても立案するにあたって農業政策をどうするかということを考える場合に、世界の食糧事情は一体どういうことかという見通しが立たなければ政策も立たないでしょう。ぼくは農林省から専門的にどうこうというこまかい数字を聞こうと思っているのじゃないのです。政策立案の基礎となっておる国際的な食糧事情の見通しはどうとらまえておられるかということ、これは長官、知らぬとは言われぬと思うのですね。わかっていないならわかっていないと言われざるを得ないでしょうが、何かのめどを持っていなければ政策が立案できないじゃないか。よその国がどうだこうだということを聞いているのではないのです。日本政府として世界の食糧事情はどういう傾向にあると掌握しているか、それをお伺いしておるのであります。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○宮崎(仁)政府委員 計画策定の前提といたしました食糧の需給状況につきましては、一九八〇年を見通したFAOの報告、いろいろの資料もございましたので、こういったものを考えに入れながら、今後における需給事情ということは、従来ほど緩慢ということではないと思いますけれども、そう心配はない、こういう前提のもとに大体つくっておるわけでございます。したがいまして自給率等につきましても大体現状程度でいく、こういうことになっておるのは御承知のとおりでございます。確かに、御指摘のように七二年の非常な異常状態というようなこと、特に最近また問題がいろいろ出ておりますので、これはフォローアップの一つの重要な問題としてさらに検討を続けていく、こういうことにいたしたいと思っておりますが、策定作業の段階ではただいま申し上げましたような前提で考えております。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 それでは無責任ですよ。一番私が遺憾としますのは、いま局長も引用されましたが、FAOあるいはローマクラブなど、諸外国なり他の機関が一つの見通しを持っておるものを引用されておるにすぎない。参考にされることはけっこうですよ。いろいろな材料を参考にされて、日本政府としてはこういう見通しを立てておるのだ——心配はないとおっしゃるが、心配あると書いてある。農業白書にこう書いておるでしょう。「世界の食料需給の長期展望については、FAOの一九八〇年の世界食料需給の中期見通しがあるが、これによると、穀物の需給は過剰基調が続くものの、牛肉、乳製品等の畜産物は不足するとの見通しを行なっている。さらに、長期的なローマクラブの予測では、二〇〇〇年代には食料生産の増加と人口の増加のバランスがくずれ、深刻な食料不足が到来することを予測し、世界の食料供給の絶対的不足を警告している。」   〔天野(光)委員長代理退席、委員長着席〕 これは農業白書が他の機関のものを引用しておるだけで、いろいろの材料を集めて、日本政府としての見通しというものは全然立てていないのです。局長は、たしか、だいじょうぶだろう、こうおっしゃる。自給率もこの程度はいくのじゃないかとおっしゃるけれども、現にわれわれは大豆のショックを受けておるじゃありませんか。農業政策を立案するにあたってはそういう基礎的な見通しというものをもう少し明確にしてもらわなければならない。ここの点を見ましても、重化学工業中心の政策あるいは生産第一主義の政策を貫こうとしておるといわれてもしかたがないじゃないですか。国民の食生活という面があまりにも軽視されておる。これ以上基本問題を指摘してもしかたがないのですが、もう少しまじめなというか、責任ある態度で農業政策は考えていただかなければならない。  そこで、具体的な問題を二、三お尋ねしたいと思うのですが、自給率が八〇%とおっしゃった、昭和五十七年を目標にすると農林省は説明をしたのですね。ところが濃厚飼料は四〇%程度しか自給率がないですね。食用農産物は、白書によりますと四十六年では七二%でしかない。この食用農産物の自給率を八〇に上げていく。濃厚飼料の自給率を何%までに上げようとされているのか知りませんが、少なくとも四〇%ではどうにもならないということはいえるわけですね。抜本的な農業対策が立てられなければならないのです。ところが私どもが得心できるような農業政策はどうも見当たらない。  ただ、農業白書の中に非常にいいことが一つ書いてある。いままでとは考え方を変えた考え方がここに述べられておるのですが、これは歓迎したい。しかし、その中身が一体どうなっておるのかということが私は問題だと思うのであります。農業白書の「農村社会の動向」という結びにこう書いてあるのです。「永い歴史のもとで培われてきたわが国の農村的風土をその文化的伝統とともに永く存続・発展させていくためには、農村社会のもつ現代的役割の国民的認識と評価のうえに立って、地域の特性に応じた農村社会の将来像を樹立し、新しい明日の農村を築きあげなければならない。」従来、こういうことは白書に書いてなかった。これは私どもも大いに歓迎するところなんでありますが、問題はこの中身なんであります。先ほど言いましたように、美辞麗句は並べてあるけれども、農業政策に関して具体的な政策というものは非常に乏しい、この点を指摘せざるを得ないのであります。  そこで、二、三具体的な政策について聞きたいのですが、一つは、最近農地が非常に荒廃をしておる。宅地、工場用地あるいは道路などの公共用地、さらには投機買いなどによりまして農地がどんどんとつぶれていっておるのでありますが、これに対して一体どういう対策を考えられておるかということであります。  それから第二番目の点は、穀物については一〇〇%の自給率が確保できるのではないか、こういう御説であります。ところが反対にこういう説もある。いままでの最高の豊作の年は千四百五十万トンであります。ところがその千四百五十万トンの生産というのは、農薬や化学肥料を駆使して生産できたものであって、農薬公害やその他の関係から思うように農薬、化学肥料が使用できなくなりつつある。そういう事情の中で千四百五十万トンの生産を再び期待することは不可能である。そこへ、減反によって農地が相当つぶれておる。先ほど申し上げました公共用地などにも相当農地がつぶされておる。最近また農業に対する魅力が非常に減退をしておる。先ほど白書の中で項目を七つばかり披露いたしましたように、農業は下降の一途をたどっておる今日の中で、再び千四百五十万トンのようなあの大増産を期待することはとうてい不可能である。そう考えてまいりますと米の自給率についても楽観することはできないのじゃないか。しかも、いま小麦の輸入は五百万トンいたしております。もしこの小麦がアメリカから入らなくなったならば主食は直ちに不足してくることになるのだが、一体今後、この農地の確保の問題、あるいは農薬や化学肥料と生産の問題、あるいは麦の輸入などの問題、こういうことに対してどういう考えを持っておられるか。  これは単に農林省の技術論じゃないです。政治論として経済企画庁長官はどう考えておられるか、明らかにしていただきたい。同時に、減反政策についても再検討を加えなければならぬとさっきおっしゃいましたが、減反政策は来年度からやめるのかどうか、そういう点についても明らかにしていただきたいと思うのであります。そして、この経済社会基本計画の中で農業に対する具体的な投資その他を含めた政策はどうあるのかということを、あわせて御披露いただきたいと思います。

松本作衛農林大臣官房企画室長

○松本説明員 ただいま御質問がございました第一点の農地の確保の対策でございますが、農地の確保につきましては、私ども先ほど申しましたような生産目標の将来からいたしますと、大体五十七年で耕地が五百二十万ヘクタール必要なのではないかと誓えておるわけでございます。こういうふうな必要な耕地を確保いたしますために、現在、農業振興法によります農業振興地域の線引きをいたしておりまして、この計画が今年度中に一応達成される予定でございます。この振興地域に指定されました中で農地用に指定されたところを重点といたしまして、農地法の適正な運用によって必要な農地を確保してまいりたいと考えておる次第でございます。  それから米の自給率につきましても、現在のような農用地、それから農業生産の悪条件というようなことを考えれば、いろいろと達成が困難な面があるのではないかという御指摘でございますが、私どもとしては米の需要については、現在一人当たりの消費の動向等からして今後そう大きくは伸びていかないのではないかということで、十年先の五十七年の需要につきましてはおおむね千百万トン程度の需要であろうというふうに見込んでおります。それでこれに必要な生産につきましては、確かに御指摘のような点もあるわけでございますが、一方におきましては農業技術の向上なりないしは経営の集団化、大機械の活用というようなことによる能率向上等も考えますと、この需要に対応する生産の確保は十分可能であろうというふうに考えておりまして、全量を国内で生産するということは可能であるというふうに見込んでおるわけでございます。  なお、輸入食糧の中で特に重要な小麦等についてはどう考えておるのかという点でございます。確かに麦につきましてはその相当部分を海外から依存しておるというふうな実態でございますが、御案内のように麦類につきましては国の食糧管理特別会計が管理をいたしております。今回の世界的な食糧の不安、小麦の生産減退というような事態に対応いたしまして、食糧庁といたしましてはできるだけ先の品物を手当てするということで、現在までのところできるだけ今年中くらいのものを手当てしていきたいという考え方でおりますし、さらに来年度の分についてもできるだけ手当てをしていこうというようなことで、これは国の責任において心配のないような手当てをしていきたいというふうに考えておる次第でございます。  なお、減反政策につきましては、現在いろいろと検討をいたしておる段階でございますので、いまだこの段階で明年度以降の減反政策について明確にお答えすることは困難でございますけれども、私どもといたしましては、休耕奨励金というものは来年度からは廃止をいたしまして、転作を中心といたしました生産調整という形を進めていきたいというふうに思っておりますが、これにつきましては政府といたしまして最終的な決定をしていくという今後の段階にまかせられておるわけでございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 いま一通りの御説明は聞いたんですが、非常に農業問題を甘くとらえておる。もう少し深刻に考えていただかなければいけない。  そこで、これはまた後ほど同僚議員も触れると思うのですが、ここで委員長にお願いしておきたいのは、昭和五十七年を目標にいろいろな需給の計画をしておる、こう農林省は言うのですが、品目別に自給率は年々どう改善されて、五十七年にはどうなるのかというこまかい資料を提出をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。

服部安司自由民主党

○服部委員長 取り計らいます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 次の問題は法案関係について、個々の条文につきましてはまた後ほど同僚議員が触れると思いますので、柱の部分について二、三の問題点を解明さしていただきたいと思うのであります。  まず一つは、この全国総合開発計画策定についてでありますが、手続と内容が非常に中央集権的であって、住民参加の保障がないという点であります。都道府県の総合開発計画を策定する場合には都道府県議会——もちろん審議会は中央にも地方にもあるのですが、都道府県議会の議決を経なければならないことになっております。これは第五条四項でそう規定されておるのであります。県議会の議を経なければならぬということは、その過程におきまして関係地域住民の意見を求めることも可能であります。公聴会などの方法もとろうとすればとれるわけであります。しかるに全国総合開発計画、つまり内閣総理大臣がきめるのでありますが、この手続は一体どうなっておるかといいますと、都道府県知事の意見を聞かなければならぬということが三条五項で規定はされております。しかしその意見の処理に関する規定というものは何もないのであります。意見を聞けばいいんですからね。それを取り入れるかどうか、その意見がどう処理されるかということは一切この法文に規定がないのです。これは三条五項ですね、意見を聞かなければならぬということになっておる。また、いままでの国総法では、審議会の委員には国会議員を含めておった。たしか衆議院九名、参議院六名だったと思うのですが、今度それを削除しておるのです。ですから私は、総理大臣が定める全国総合開発計画というものは議会の議を経なければならぬ、そういうことにするべきだと思うのですが、長官、どうですか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局長

○下河辺政府委員 御指名いただきましたので私から最初御説明を申し上げまして、あとで長官からお考えを述べていただきます。  新国総法の第三条には、御指摘いただきましたように全国総合開発計画の策定の手続を定めてございます。現行法におきましては地域との関係の規定がございませんで、私どもはいままで非公式に知事の意見を聞きながら計画をつくってまいったつもりでございますが、この際、知事の意見を法律の手続によって正式にお聞かせいただいて、この意見を十分尊重して全国計画をつくりたいという趣旨でつくったわけでございます。この際に、都道府県知事におかれましては、「都道府県総合開発計画」の第五条の規定によりまして手続を経た都道府県総合開発計画に根拠を置きまして、全国総合開発計画に対する御意見をいただけるものと期待しておりますが、実務的には、この意見の交換を数次にわたって繰り返すことによって、都道府県総合開発計画と全国総合開発計画との調整を十分はかった上で全国総合開発計画をきめてまいりたいということが一つでございます。  それからさらに三条の六項によりまして、内閣総理大臣は、全国総合開発計画の案を作成する場合に、現況及び将来の見通しに関する調査を行なうことを義務づけてございますが、この趣旨は、地域の方々の御意向に対しますアンケート調査も含めまして、地域の方々の御意向を調査しながら内閣総理大臣としては全国総合開発計画の案をつくりたいという趣旨で六項をつくっているわけでございます。  それからもう一つのお尋ねは、国土総合開発審議会におきます委員の内容でございます。これは御指摘のように、国会議員というものが現行法では国会の指名によりまして総理大臣から国土総合開発審議会の委員として任命をされ、審議会の仕事をお願いしておりますことは御承知のとおりでありますが、新国総法におきましては国会議員の委員をはずしてございます。これの理由についてのお尋ねでありますが、私どもいろいろと議論を重ねたわけでございますが、一つは沖繩振興開発法におきます審議会の委員につきまして内部的にいろいろ議論いたしました際に、地域開発計画の審議会におきまして学識経験者及び行政関係機関の職員によって審議会の運営をすることを一つ考え、国会の御審議の関係はまた別途国会の議場を通じて御意見を承ることではいかがかということがあった経緯が一つございます。  それからもう一つは、現行の国土総合開発法は昭和二十五年に制定されておりまして、二十五年に制定されましたときには国会議員を委員としておらなかったわけでございますが、昭和二十七年の改定時に国会議員の方々を委員にするということの改正がございました。この改正のときの趣旨を私ども十分体すべきであるという考え方でございますが、その当時担当していなかったために必ずしもつまびらかではございませんけれども、いままでいわれておりますところでは、北上総合開発計画というふうな特定総合開発計画について特に促進の必要があるということから一部改正が行なわれ、そしてそれに関連して国会議員を委員にするということがあったかのように伺っておるわけでございますが、このたびの新法におきましては、その特定総合開発計画の、計画の権限を知事におろし、そして特定総合開発計画あるいは特定総合地域を指定することに関しまして、住民参加を得るということでどのような方式があるかということにくふうをこらしまして、指定におきます手続、そして指定後におきます計画の手続につきまして手続を定めたわけでございまして、そういうようなことから十分地域の事情をくみ取ることができるということを通じて、審議会の委員の構成を定めたわけでございます。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 いまの局長の答弁で十分だと思いますが一言つけ加えますると、この国総法というものはやはり県知事というものを中心に考えておりまして、県知事が市町村長の意見を聞いて計画を立案して持ってくるということになっております。ただ、県にまたがる場合あるいは全国的な調整を要する場合、そういう場合にはやはり全体の責任者として総理大臣がいろいろ意見を述べるという場があっても当然ではないかと思っておるわけでございます。  それから、審議会というものはやはり行政機関の補助機関のようなものでございまするので、やはり立法府の議員とされては、この国会の場を通じて十分に御審議をいただくものでございまするし、また、先ほど答弁が局長からありましたように、地域的な問題を推進するということであれば、これは知事が今度は主体になるのでございますので、これはひとつ知事ということでそちらのほうに主役を演じてもらい、国会は国会という国権の最高機関としての場において意見を述べられるというふうにお願いするほうが適当ではないかというのが私どもの考えでございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 県知事を中心にしておるとおっしゃいますが、それは見せかけですよ。それはあとで問題を具体的に指摘しますが、私がいまお尋ねをしておるのは、あるいは意見を述べておりますのは、国会に全国総合開発計画というものは何らかの形で関連が持たされなければならぬ。審議会に必ずしも国会議員を入れろというほどじゃないのですね。従来は入っておったが、なぜはずしたか。都道府県知事が計画を策定する場合は議会の議を経なければならぬと書いてあるのに、全国総合開発計画ではその規定がない。全く国会とは関係がなくきめられるわけですね。だから、全国総合開発計画を策定するときには国会の議を経なければならぬということにしたらどうだというふうに言っておるのですが、その点、長官どうですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 この国土総合開発計画法は、御承知のように国土の段階的な、計画的な発展を考えておるわけでございまして、その中に土地利用の規制が入っておるわけです。その土地利用の規制というものは、御承知のようにある場所においては二千平米、五千平米、二万平米、それ以上は届け出をするとか、知事がどうするという権限がございます。それから特定地域、この中においてはいわゆる地価の凍結ができるということになっております。あるいは総合開発地域もございますが、そういう場合にどこの土地を指定するかというようなことはこれは県知事がやるわけで、県知事がやるということは県の議会もあるいは市町村長の執行部も議会も関与してくるわけで、そのことは当然に国会議員が全体を見る立場から、これはそういう権限があるかないかという問題とは別に、全員に関係を持ってくる問題だと思うのです。国会の審議の場を通じて、そういう点に問題があればいつでも、諮問に応ずる形ではなくて、いつでもむしろ積極的に問題を提起できるわけでございますから、なまじ政府の委員になるということよりも、国会は国会としての立場で申すほうがいいというふうに私は考えます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 冒頭に井上理事のほうからあなたの水戸発言を問題にしましたが、そういう根性がいまの答弁の中にも流れているのですね。本来ならば、水戸発言はこれは重大な問題でありまして、長官を入れかえなければ審議に応じられないとわれわれはかたい決意をしておったのだが、会期も短いことだし、百歩を譲って審議に入っておるのだが、いまの御答弁は国会無視もはなはだしいですよ。  しかももう一つは、局長の説明があったけれども、知事の意見を聞かなければならぬ、調査段階があるのだからと、いろいろ説明があったけれども、知事の意見を聞き、尊重しなければならぬぐらい入れておかなければならぬのに、聞きっぱなしでいいわけなんだ。  それともう一つは国会軽視、国会と関係なくきめられる。それはおっしゃるように国会は国権の最高機関だからいろんな問題審議できますよ。しかしそれとこれは違う。内閣総理大臣が全国総合開発計画をきめるときには、少なくとも国会の議を経るとか……。農業白書なんかでも報告の義務を負って国会に報告しておるものでしょう。どうですか、長官。

下河辺淳経済企画庁総合開発局長

○下河辺政府委員 一つの点は、全国総合開発計画の国会承認あるいは報告というふうな手続との関係の御質問だと存じますが、私どもその点で考えました点は、新国総法の第二条に「基本理念」というものをまず明らかにして、その基本理念を国会において御承認をいただきたいということが一つの考え方であります。従来の国土総合開発法には基本理念というものを明らかにされておりませんで、すべてを行政に委任するという形をとつておりますが、やはり私どもいままでやってきた開発行政の反省から、ここであらためて国会におかれましてこの基本理念ということの確立をお願いいたしまして、この基本理念を十分御審議いただきました上で、この基本理念に基づく範囲内に限定されて行政に全国総合開発計画の業務をおまかせいただきたいという趣旨でつくったわけでございます。  それからもう一つは、都道府県知事の意見を聞かなければならないということについて御質疑がございましたが、私どもといたしましては、内閣総理大臣が知事の意見を聞かなければならないということを規定をいただきましたときには、やはり意見を尊重するということは当然であると考えたわけでございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 いまの局長の答弁は、それはかどわかすものであって、答弁に誠意がないですよ。これはあとで明らかにしますが、基本理念は確かにけっこう書いてある。ところが内容はやっぱり産業基盤優先なんです。この基本理念と具体的なあとで指摘する問題点とは一致していない。かりに一致しておるとしても、この基本理念に基づいてかくかくしかじかの計画を策定をしたいと思いますというぐらいの、当然国会に審議を求められるべきではないか。意見を聞かなければならぬ、それは当然尊重するという前提ですと、こうおっしゃるが、それならばどうしてこの法案に書かないのか。長官、どう考えられますか。非常に大切な部分ですよ。憲法にいう私権の大幅な制限もするわけですから、この計画によって。国会には全然関係なく内閣総理大臣は全国総合開発計画を策定してよろしいといまもお考えでしょうか。——こんな重要な柱については、局長に相談せぬでも答弁できぬですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 いま局長から申し上げたこと以外特にと申し上げましてもないわけでございますけれども、私どもは、この法律は、先ほどから申し上げておるように、やはり国土の開発というものは住民の意思というものを十分にくみ入れて、それに適合するような開発、しかも全体の計画に斉合さしてやっていくのがよろしいと思っておるわけでございます。その地域の住民の気持ちを一番知っているのはやはり県知事である。しかしその場所についてこまかくいえば、そこに市町村長もおられるの、だから市町村長の意見も聞いて、そして知事がきめていくという授権を国会が与えるというのがこの法律の趣旨でございます。それを一つ一つその場所について国会が介入したらどうかという御意見のようにもとれるのですが……。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)そうでございませんければそれは別に問題はございません。問題はございませんが、それであればなおのこと、それは市町村長の意見を聞いて知事が案をつくるということではいかがなものかということを局長から申し上げましたが、私もそれでよろしいのではないか、こう思っておる次第でございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 いまの御答弁では得心できません。これは重要な問題点なのであります。しかし、この問題だけやっておりましても時間が経過しますので、この問題は重大な問題として保留しておきたいと思います。  次の問題は一もうちょっとです、もう一時間もかからぬです。非常にこの法案は総理大臣の権限が強く規定されておるわけであります。本来、都道府県が自主的に決定すべき土地利用計画あるいは特別規制地域の指定、特定総合開発地域の指定等につきましては内閣総理大臣が全面的に承認、これは六条三項に規定してありますね。それと指示、これは十四条一項によって強力な指示を行なうことができる。特別規制地域に至っては、都道府県知事が指示に従わない場合、規制の緩和まで含めてみずから措置することができるという、きわめて強い権限を総理大臣に与えておるわけであります。そうですね。都道府県の計画なり地域指定について、かりに全国的調整等の必要があるとしましても、それは、承認権あるいは指示権は、助言または勧告の権限に改められるべきではないかと私は思うのであります。内閣総理大臣みずからが知事にかわって措置を講じようとする場合は、たとえば地方自治法百四十六条に規定する慎重な手続をとるべきではないか。あまりにも内閣総理大臣の権限が強く規定をされておる点が問題だと思うのでありますが、長官、どうですか、それは。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 この点は、私は実はそう思っておりませんのでございまして、やはり内閣総理大臣は国の最高の責任者として、問題の責任に任ずるわけでございます。したがって、やはり国の関与というものはある程度必要であるということでございます。この法律は、たびたび申し上げますように、都道府県知事というものが主体になって、地域住民の意向というものを考えながら、しかも国全体の開発計画というものを推進していくという点で主体的な立場に立つわけです。それは法律の一貫して流れる精神でございます。しかし、さりとてそれじゃ国の最高責任者の総理大臣はこれに全然無関係でいいのかといえば、そうはいかない。それは総理大臣として当然責任を負う立場から関与はある程度必要である、こう私ども思っております。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 ある程度の関与ではありませんよ、長官。申し上げましたように、内閣総理大臣がやろうと思えば何でもできるのです、知事の意見とは関係なく。そうでしょう。関与なんというものじゃないでしょう、これは。小坂長官、どうですか、六条三項あるいは十四条の一項、十四条の二項を読んでもらいたい。関与などというものじゃないでしょう。絶対権ですよ。知事の意思にかかわりなく総理大臣がものごとをきめることができる、こうなっているのです。  そこで、かりに全国的な調整が必要で関与するとしましても、地方自治を保障するという立場から、地方自治法百四十六条のような手続を経ることが適当ではないかということを言っているのです。長官いかがですか。単なる関与じゃないですよ、これは。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 総理大臣が何でもできるということではございませんで、そこには幾つかのしぼりがあるわけでございます。たとえば総合開発審議会というものがございまして、この意見、それから都道府県知事の意見、そうして閣議の決定、そういうものを経て全国の開発計画をきめるわけでございます。これ以外の国の計画は、国の総合開発に関して基本を一つきめまして、それにのっとってやっていくわけでございますが、内閣総理大臣がそれでは逆にそういうこともできなくていいのかということになりますと、これは当然内閣総理大臣というものはそういう必要な助言もしなければならないし、また責任を負う立場から必要な意見を述べてその計画の決定をするということもしなければならぬことだと思うのでございます。  それから、ただいま国土の総合開発に関して国の立場から必要がある。これは全然ないとはいえないので、必ずそういう場合が出てくるわけでございまして、国の立場から必要があると認めるときは、都道府県知事に対して特別規制地域の指定等を指示することができる。これはやはり国が、たとえば例でございますが、新幹線をつくってそこに駅ができた、その周辺、あるいは縦貫道路ができてインターチェンジの周辺、そういうところはやはり国として、知事も同一意見ではございましょうけれども、国全体の立場からこれを指示することができる。これはもう当然さようなことがあってよろしい、むしろなければならぬことであるというように思っております。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 どうも答弁になってないのですが、これも重要な問題として一応質問を保留しておきたいと思います。問題の指摘程度にとどめておきたいと思います。  第三の点は、特別規制地域の指定についてであります。これは法律が少し弱いのじゃないかということを言いたいのですが、特別規制地域指定に関する限定的な要件を大幅に緩和するべきである。同時に、三年を原則とし二年延長できるという、この期間の限度に関する規定は削除するべきである。これは十三条、十四条の関係なんでありますが、どうですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 これはどうも御意見として承っておくより方法がないと思うのです。私どもはこの法案に書いてあることが必要である、こう言っているわけでございます。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 意見として承っておくではいけないのですよ。あとでまた審議いたしますし、私どもの意見を出したいと思うのですが、四番目の点、これには自治体による公共用地の優先取得の保障がないのです。産業基盤強化の公共事業中心から、生活関連社会資本の大幅な拡充整備と環境保全を中心としまして、地方自治体による土地取得が優先されなければならないということはもう論をまたないことなんであります。しかしこの法案では、規制を受けた土地所有者は、知事に対し買い取り請求または買い取りの協議に応ずること及び買い取りは公示価格に準ずるという定めはありますが、自治体が住宅、学校、公園、社会福祉施設、清掃工場などの建設や自然環境の保全を目的として土地の確保をしようとするときに、一定の要件は必要であるといたしましても、先買い権を与えなければならぬと私は思うのであります。同時に、政府はその先買い権に対する財政措置を規定しなければならぬと思うのでありますが、これが全然ない。長官の御見解はどうですか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局長

○下河辺政府委員 いまのお尋ねは特別規制地域に関しての先買い権に関する御質問であるかと存じます。私どもといたしましては、先ほどお尋ねがありましたが、三年で、二年に限り延長することができるということで期限を切りました理由の一つといたしまして、この特別規制地域というきわめてきつい許可制度を指定いたしますことについては、緊急事態であるという認識が非常に強うございまして、それだけに知事が強行して指定することができるというようにしたわけでございますが、その緊急事態という趣旨は、地価が著しい高騰をする、あるいはそこにおいて投機のための土地取引が非常に激しい状態になって、その地域におきます通常の活動が害される場合にこの特別規制地域を指定して、いわばそこにおきます土地取引あるいは価格に関します過熱状態をできるだけ短期間に冷却したいという趣旨でこの特別規制地域という制度を設けたわけでございまして、その間におきましては、積極的に公共団体が先買い権を発動して必要な用地を購入するということをむしろ避けることが適当ではないかという趣旨で、ここではむしろ公共団体側が先買い権を発動するということを避けましたわけでございます。しかし、その間におきまして、その土地を持つ方々の御事情によりまして、どうしても土地を売却しなければ生活の上であるいは経営の上で困るという場合には、凍結価格をもって買い取り請求を知事に対してすることができるという救済規定を設けたわけでございますので、そういう意味で、特別規制地域におきまして積極的にこの先買い制度によりまして公共用地を取得するという考え方にはなっておりません。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 下河辺局長の答弁としてはこれはあまりさえてない。日本政府の局長クラスで下河辺局長はトップクラスということをかねがね聞いておるのですが、どうもいまの答弁はかゆいところをかくような答弁になっていない。きょうは日が悪いのかどうかわかりませんが、一応問題の提起だけにとどめておきたいと思います。  最後にいま一つ、これも重要な柱で問題提起だけになると思うのですが、二十四条で特定総合開発地域の基準が定められておりますね。四つある。一つは「新都市の開発」、これはつまり田中総理御自慢の中核都市をさしておるのじゃないかと思うのですが、二つ目が「自然環境の保護及び利用」、第三が「産業立地基盤の開発」、そして「交通結節拠点の開発」という四つの基準がある。一応自然環境の保護及び利用ということがうたってあるが、初めに指摘しましたように、この国総法なるものはこれはやはり産業基盤強化になっておるわけですよ。四項目の基準の中で自然環境というのは一つしか入っていない。しかもやろうとすればこれをある程度軽視しあるいは無視して、この第三項の産業基盤強化の開発、こういうものを中心にやることができる。ここに実は問題がある。これもまあ指摘しておくにとどめたい。  さて、そこで私は結論的に一つの提案を含めて御見解をお伺いしたいのだが、この国総法の問題点は一体何か。一つは、初めに申し上げましたように産業基盤優先である、あるいは大企業優先、生産第一主義の政策が貫かれておるということが問題なんですね。もう一つは、この法案の中に土地規制がある。二つの柱がある。いわゆる開発と土地規制の二つであります。そこで私どもは、総合開発法の開発関係については意見を多く持っておる。これはもう絶対に賛成できないのです。ところが土地規制をしなければならぬということだけは、これは認めておるわけです。  そこで私は、このせっかくの御提案ではありますが、国土総合開発法案を二つに分離しまして、土地規制だけを立法化して、いまの土地の買い占めあるいは売り惜しみ、乱開発、そういうようなものを規制していく、同時に地価もこれは抑制をすることになるのでありますが、この地価対策、土地問題こそ緊急を要する政治課題である。総合開発のほうは、これは昭和五十年度を初年度とする十カ年計画もいま検討中であるから、何も急いで成立をさせる必要はない、こう理解をするのです。そこで、もし小坂経済企画庁長官がほんとうの政治家であるなら、この法案を分離いたします、土地規制だけをやろうじゃないですかということを言われることを私は期待するのだが、どうですか。私どもは、土地規制だけ分離して成立をさせようと言われるならこれは大いに賛成する。内容についてはいろいろ相談もしなければなりませんが。御見解はいかがですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 私は物価の問題についていろいろ担当させられておるわけでございますが、なかんずく地価の問題は非常に重要であると考えておりまして、そのゆえに国総法の成立を一日も早くお願いをいたしたい、こう考えておる次第でございます。ただいまの御意見は十分拝聴いたしまして、さらに検討させていただきたいと思います。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 本日はこれで終わりたいと思います。

服部安司自由民主党

○服部委員長 次回は、来たる六日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時二十八分散会

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