建設委員会 第24号
- 発言数
- 23 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1973/06/29
会議録
○服部委員長 これより会議を開きます。 去る二十七日参議院より送付され、本付託となりました内閣提出、水源地域対策特別措置法案を議題といたします。
○服部委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。金丸建設大臣。
○金丸国務大臣 ただいま議題となりました水源地域対策特別措置法案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 政府におきましては、水資源の開発及び国土の保全をはかるため多目的ダム等の建設をつとに推進してまいったところでありますが、最近における産業の発展、生活水準の向上等に伴い、ダム及び湖沼水位調節施設の建設を一そう促進する必要があります。 しかしながら、ダム及び湖沼水位調節施設の建設は、その周辺地域の生産機能、生活環境等に著しい影響を与え、関係住民の生活水準の維持等に支障を及ぼすおそれもあります。 これに対処するため、従来から、水源地域の整備、関係住民の生活再建等について各種の施策を講じてきたところでありますが、ダム及び湖沼水位調節施設の建設による影響を緩和し、関係住民の生活の安定と福祉の向上をはかるためには、水源地域の生活環境、産業基盤等の計画的な整備及び湖沼水位調節施設を建設する湖沼の水質の保全について特別の措置を講ずる必要があります。 これが、この法律案を提出する理由でありますが、次にこの法律案のおもな内容について申し上げます。 第一に、国、地方公共団体、水資源開発公団もしくは電源開発株式会社が建設するダムまたは国、地方公共団体もしくは水資源開発公団が建設する湖沼水位調節施設で一定の要件に該当するものを本法律を適用するダム等として政令で指定することとしております。 第二に、これら指定ダム等の周辺の地域で、その建設により基礎条件が著しく変化すると認められる地域を水源地域として、都道府県知事の申し出に基づき内閣総理大臣が指定することとしております。 第三に、これら水源地域の基礎条件の著しい変化による影響を緩和するため及びこれにあわせて湖沼の水質を保全するため必要と認められる土地改良事業等一定の事業の概要等について都道府県知事の作成した案に基づき水源地域整備計画を内閣総理大臣が決定することとしております。 第四に、国は、水源地域整備計画を達成するために水源地域整備計画に基づく事業を実施する者に対して必要な財政上及び金融上の援助を与えることとしておりますが、とりわけ、地域社会の基礎条件を特に著しく変化させるダム等にかかる特定の整備事業については、その経費に対する国の負担割合を引き上げることとしております。 第五に、水源地域整備計画に基づく事業に要する経費を負担する地元地方公共団体は、ダム等を利用して河川の流水を利用することが予定されている者等と協議して、その負担する経費の一部をこれに負担させることができることとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。
○服部委員長 以上で提案理由の説明聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 ————◇—————
○服部委員長 次に、内閣提出、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案、内閣提出、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、内閣提出、国土総合開発法案、以上三案を一括して議題とし、審査に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。村田敬次郎君。
○村田委員 私は、ただいま議題となりました国土総合開発法案、都市計画法及び建築基準法の一部改正案、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案、この三案につきまして質問をいたしたいと存じます。 まず第一にお伺いいたしたいのは、新国総法と日本列島改造論との関係についてであります。 日本列島改造論につきましては、これが発表されました以後、私は昨年の九月に、この日本列島改造論に対する注文と申しますか、意見を発表いたしました。その第一点は、膨大な財源問題にいかに対処をしていくか。第二点は、土地問題を解決するきめ手があるか。第三は、公害や環境破壊への反発から開発を忌避する感情が地方に高まっているが、こうした住民運動にどう対処していくのか。第四点は、工場の地方分散をはかる場合、労働力の確保、地方移転を円滑に進めることができるかどうか。第五点は、この日本列島改造論の地方への進め方につきまして、地方自治体に与える影響、地方行財政に大きな影響を及ぼす、また地方自治のあり方との関連についてどういうふうに考えていくか。以上の五点が、私が日本列島改造論に対する注文なりあるいは課題として考えたものでありました。 それ以後、国会の審議を通じまして、たとえば本年の三月三十一日、参議院予算委員会における羽生三七委員の質問に答えて田中総理は、おそまきながら改造論の第二巻を書く、第二巻は、成長政策の拡大ではなく、福祉政策の拡大に主眼を置きたい、第二巻は第一巻に追加するものではなくて、第一巻にかわるものだ、こういうふうに述べておりまして、厚生重視の日本列島改造論こそ優先すべきであったということを明らかにしております。また、先般、新国総法が本会議に上程されました際、渡辺惣蔵議員の質問に答えて、やはり日本列島改造論に対する反省と申しますか、田中総理自身の考え方を述べられておるのであります。 こうした、いままで国会におけるいろいろな審議を通じ、日本列島改造論についての議論が出ておるのでございますが、この日本列島改造論と新国総法との関係について、私がただいま申し上げたような問題点を踏まえながら、小坂経済企画庁長官の御意見をまず承りたいと存じます。
○小坂国務大臣 戦後の日本経済の主導的な牽引力となりましたものは、率直に申しまして成長政策であったと思います。そのために、これはある意味で完全雇用を実現することができましたし、国民所得も非常にふやすことができたわけでございます。しかし、やはりそのデメリットと申しますか、その半面、公害とかあるいは非常な資源の不足に直面する問題とかいうことが新しく出てきておりますのは、ただいまこの日本列島改造に対する疑問としてお述べになりましたことに象徴されておる点だと存じます。私はそういう点から、最近に出ております日本の成長論に対する反省といいますか、それに対する再批判と申しますか、やはり国民の福祉増進の社会をつくらなければならぬという点で、活力のある福祉社会を五年後につくることにしようではないかというので、経済社会基本計画というものを内閣として決定いたしておりますことは御承知のとおりでございます。 その一つの問題点といたしまして、限りある国土を最も有効に利用するにはどうしたらいいかという点で、国土総合開発法というものを新しく、戦後二十五年につくりましたものでございますけれども、これを全く新しい構想で書き直しましたのが国土総合開発法でございまして、ただいま御審議をいただいている問題でございます。田中総理の日本列島改造論は非常にすぐれた着想を数多く含んでおるわけでございますが、これは田中総理が個人として書かれたものでございまして、先ほど御質問の中にございましたように、ひとつ自分は今度は福祉というものを重点とした列島改造をさらに検討してみたいということもおっしゃっているわけでございますが、この国土総合開発法はそうした気持ちも全部含めまして、いわゆる日本列島改造の政府版じゃございませんで、これからの限りある国土を有効に利用するにはどうしたらいいか、どうしたら国民福祉を増進することができるかという点に問題をしぼりまして政府として提案しているものというふうに御了承を願いたいと存じます。
○村田委員 そこで新全総の問題に移るわけでございますが、御案内のように、現行法の七条に基づいて新全国総合開発計画が定められたわけであります。そして新法におきましては、附則の三条におきまして、新しい計画ができます間は現在ある計画をその新法によって定められた計画とみなすという、暫定的なみなし方をしておるわけであります。 そこで私は考えるのでございますけれども、戦後の地域開発の歴史というものが、ただいま小坂大臣がおっしゃいましたように、一つの日本の戦後の歴史というものを大きく物語っておると思います。その第一の時代は自然開発の時代であり、そしてそれに続く時代は経済開発の時代であり、そして現在の時代は社会開発の時代であるというふうに、私は三つに区分して考えております。別のことばで言えば、自然開発の時代は河川開発というものを非常に中心に考えていった河川の時代。また経済開発の時代は、拠点から拠点へ結ぶ、あるいは大都市と地方の都市とを結ぶ、そういった道路の構築ということが中心になったという意味で、道路建設の時代、道路の時代と言ってもいいかと思います。またそれに続くいわゆる社会開発の時代は、爆発する都市と申しますか、都市化の非常に著しい進展によって大きな社会問題が発生をした、いわば都市の時代であり、都市建築の時代であるというふうに理解をいたしております。 これを手法的に申しますると、戦後の地域開発の歴史は、まず大ざっぱに、多目的ダムの建設を中心とした河川総合開発時代、それから新産都市ブームにわいた拠点開発の時代、そして新しい全国的な総合開発計画に乗った巨大開発の時代、この三つの段階に分けてとらえることが非常に妥当であろうかと考えております。河川総合開発の時代は、いわば、昭和二十年代であって、国土の荒廃を立て直す目的をもって、電源開発、食糧増産、治山治水の一石三鳥をねらったダム建設が主流をつくったわけであります。それで昭和二十五年の国土総合開発法によって北上、只見、木曽、阿蘇などの二十一地域が特定開発地域に指定をされました。そしてそれに続く昭和三十年代、やがて経済の高度成長時代の訪れとともに拠点開発の段階がやってまいります。この時代には重化学コンビナート開発計画が各地方で次々につくられました。国では国民所得倍増計画と、それから全国総合開発計画、それから北海道の道央、仙台湾、新潟、徳島、日向延岡など十五カ所が新産都市に指定をされ、また鹿島、東三河、播磨など六カ所が工業整備特別地域の指定を受けたわけであります。それに続く現在は、新全国総合開発計画から日本列島改造論へつながる、いわゆる巨大開発の時代であるといわれております。そしてただいま小坂長官が御指摘になりました、田中角榮氏個人のすぐれた考え方といわれました日本列島改造論、これは人と経済の流れを変えるという政策遂行のための開発ということを目ざしておるわけであります。 こうした流れの中で考えてみますると、現在は新全国総合開発計画というものが進行中であるわけでございますけれども、この新全総が現在の時代にはマッチしなくなっておるということが日本列島改造論のころからいわれておるわけでありまして、したがって新全国総合開発計画にかわるこの新法による新しい新全国総合開発計画、言うならば新々全総をつくらなければならないということがいわれておるわけであります。 まず話の順序といたしまして、かねていわれております新全国総合開発計画の総点検作業というものがどうなっておるか。これは、私は二月二十八日のこの建設委員会における質問におきまして下河辺総合開発局長にこの問題を投げかけ、そして他日を期して必ずこれについての御回答をいただくというお約束をしておったわけです。この際、ひとつぜひ小坂長官から、まず新全総の総点検作業を承りたいと存じます。
○小坂国務大臣 村田委員から非常に詳細に、しかも精密な、戦後の建設の歴史についての分析を承ったわけでございますが、私も全く御指摘のとおりの経過をたどってきておると存じます次第でございます。 そこで新全総の総点検でございまするけれども、私どもといたしましては、これは四年余にわたりまする期間における社会情勢の非常な変化がございますわけでございまして、特に環境問題が深刻化しており、なかんずく巨大都市の過密化に伴いまして、主としてこれは環境問題から点検をするのがよかろうというようなことで行なっておるわけでございます。 具体的に総点検の作業の内容を申し上げますと、一つ、経済計画との調整、二つ、自然環境の保全、三つ、巨大都市問題、四つ、工業基地問題、五つ、農林水産業問題、六つ、地方都市問題、七つ、土地問題、八つ、国土総合開発法等の改正の八項目について行なっておりますわけでございます。 新全総の総点検におきまして、まず巨大都市の問題を最重要項目の一つとして取り上げまして、この作業を重点的に進めようとしておりまして、この巨大都市の総点検作業にあたりましては特に東京圏の問題を取り上げました。巨大都市におけるナショナルミニマムの確保という観点から、水資源、土地、環境等のいわば巨大都市をめぐる国土資源の有限性に着目して、人口、産業の集積の限界をできる限り具体的に明らかにしようということを考えております。また、都市の環境を抜本的に改善するためには再開発策が必要であると思うが、それはどういうものであろうかということを考えております。さらに、巨大都市をその限界内にとどめるためには集中抑制策をとらなければなりませんと思いますし、またそのためには地方へ分散する分散のあり方を研究しなければならぬと考えまして、この点を検討することにいたしております。 さらに、総点検作業の成果につきましては、巨大都市産業問題、九大都市問題をはじめといたしまして、順次これを中間的に取りまとめまして、国土開発審議会におきまして御審議をいただこう、こういう予定にいたしております。
○村田委員 新全総の総点検作業につきましては、ただいま小坂大臣がおっしゃいましたように、フレーム、自然環境、巨大都市、工業基地、農林水産業、地方都市、土地、それから国土総合開発法等の制度、八項目にわたって御検討をされており、しかもその中では巨大都市の過密化の問題、環境問題の総点検、あるいは東京圏におけるナショナルミニマムの追求、水資源、土地、環境、人口、産業等の非常に具体的な項目について点検されるということが明らかになったわけでありますが、これはこの新国総法におけるいわゆる、新全総の総点検の結果が新々全総と申しますか、あるいは二十一世紀に対する新しい全国総合開発計画と申しますか、そういった姿勢につながるものであろうと思います。したがって、小坂大臣としてはその新々全総、つまりこの新国総法による新しい計画というものについて意欲を燃やしておられると思いますし、また総理とも打ち合わせをされておると思いますが、その新しい新々全総計画について承りたいと思います。
○小坂国務大臣 二十一世紀に対する挑戦と申しますか、私などは二十一世紀にはもう過去の人間になっておると思いますけれども、しかしこれから来る人のために少なくともよい道をつくっておかなければならぬと思います。その意味におきまして、やはり国土の総合開発は西暦紀元二〇〇〇年というものを一つの展望といたしまして、それまでに人口の問題はどうなるであろうか、食糧あるいは資源等はどうなるであろうかということの長期的な展望を持ちまして、そうしてそれに通ずる道として今日はいかにあるべきかということを考えねばならぬと存じております次第でございます。やはり私どもがこの際に痛感をいたしておりますところのものは、まず資源とか環境というものは有限のものである。われわれが無限だと考えておった水も、それから空気も、あるいは太陽すらも、これは人間があまりに自然を征服したなどと思い上がりますとこれは使えないものになるのでございまして、その意味で有限である、こう思うわけでございます。 御承知のように、一昨年ローマクラブが「成長の限界」というレポートを出したわけでございますが、ここでは世界的な関心である五つの傾向、すなわち工業が加速的に進んでいくという問題、それから急速な人口増加があるという問題広範な食糧不足がくるのではないかという問題、それから天然資源の枯渇という問題と環境が悪化する問題、この五つの問題を分析いたしまして、世界の、われわれの住む地球は限りのある地球であるということを明らかにしたわけでございます。この研究に対しまして国際的にも活発な議論が行なわれておりまして、世界の未来の状況に対してわれわれが深く考えなければならぬということを教えたことによって、私は非常に意味があると思うわけでございます。 われわれのこの新々全総と申しますか、名前はどういうふうになりますか、またこれは皆さまのお知恵を拝借いたしまして今後考えていくべき問題と存じますけれども、このローマクラブのレポートのひそみにならうわけではございませんけれども、御承知のように、わが国の総面積は三千七百万ヘクタールでございまして、また降雨量も年間六千七百億立方メートル、河川に流入する量は五千二百億立方メートルと限りがあるわけでございますし、一方人口の問題も、二〇〇〇年には一億三千二百万人程度ではなかろうかといわれておりまして、昭和四十五年の一・三倍になるというふうに見られておるわけでございます。そして、そういう限りのある国土、そして資源、しかも人口、産業のかかわり合いをどう考えていったらいいかということ。特に食糧の問題、水資源の問題、林産資源の問題、またエネルギーや環境の問題等、いろいろ検討すべきことが多いと存ずるのでございまして、われわれはこの時点に立ちまして、今後の問題を考えると同時に、紀元二〇〇〇年というターゲットを置きまして、それからこちらへ帰納していく問題、この二つをあわせて考えてまいりたい、こう思っておる次第でございますが、はしなくも村田委員から非常に重要な問題についての御指摘をいただきまして、感謝をいたすと同時に、この際私の気持ちを申し上げた次第でございます。
○村田委員 その新々全総と申しますか、あるいは二〇〇〇年計画と申しますか、その二〇〇〇年計画を立てます時点、つまり来年立てるのか、あるいは再来年立てるのか、その立てます時点はいつごろと考えておられますか。
○小坂国務大臣 実は、どういう範囲、内容のものにするかということでございますけれども、まずこういう課題を計量的に考えなければいかぬと思うのでございまして、そうした展望のもとに国土改造の長期計画を明らかにするということで、その基本をまず昭和六十年、この新全総の見直しは五十年までにやるわけでございますので、十カ年の計画を立てて、昭和六十年ということをまずきめます。それから、この十カ年間計画の範囲、内容については、御審議いただいております国総法の第三条に示すものでございますが、この策定にあたりましては、いまの点検の成果と、さらに今日までいろいろ学び取りました教訓を十分に生かしてまいりたいと考えておるわけでございます。そういうようなことで、まず六十年までやってみる。それから二〇〇〇年計画は別個にやって、それから十年フィードバックする、こちらは十年先に進むということで考えてみてはどうかというふうに存じておる次第でございます。
○村田委員 私も、ただいま小坂大臣の御指摘になりましたローマクラブのレポートは承知をいたしております。非常に興味を持っております。二〇〇〇年計画ということで大臣が御指摘になりました、人口、それから工業、食糧、それからエネルギー資源、環境、水資源等の問題、これは非常に重要な問題でございまして、世界的な意味でも、この問題の追求は日本にとって非常に大切な問題であろうと思います。したがいまして、新全総の総点検を、ことしは四十八年でございますが、昭和五十年までに行なって、そしてその五十年には、五十年から六十年までの新々全総のいわば十カ年計画を立てる。それから、それと同時に、大臣のおっしゃった紀元二〇〇〇年計画と申しますか、これはいまから二十七年後ということになるわけでございますが、二〇〇〇年計画を並行して進めていくというふうに了解してよろしゅうございますか。
○小坂国務大臣 この二〇〇〇年計画というのは非常に雄大な計画であるわけでございまして、やはり一方において進みつつ、他方において非常に長期的な視野から逆算していく。そういう意味で並行というふうに考えていただいてけっこうだと思います。
○村田委員 新全総の総点検、これはもう前から言われておったことでありまして、きょう初めて大臣から相当詳細に具体的なお話が聞けたかと思います。それから、ただいま大臣のおっしゃいました二〇〇〇年計画と申しますか、新々全総に至るその過程はきょう初めて承ったことでございますが、これについては事務局としては相当程度の準備も進められておるかと存じます。そういった点について下河辺局長から、その具体的な作業の問題で補足していただきたいと思います。
○下河辺政府委員 考え方あるいは進め方につきましては企画庁長官からお答えしたとおりでありますが、その作業の具体的内容は、現在作業を継続しておりまして、できるだけ早い機会にその基礎的な資料を国土総合開発審議会におはかりして検討を進めたいと考えておりますので、現在ただちにここで御説明するという事態に立ち至ってないわけでございますが、せっかくのお尋ねでありますので、その作業を始めております糸口のところを少し御説明申し上げたいと思います。 やはり日本の場合、国土の利用が、東京圏と申しますか首都圏と申しますか、大都市に非常に片寄っていることは御指摘いただいたようなわけでございますが、この事態がどのような経緯をたどるかということを予測してみることから私どもは始めてみたいと考えております。たとえば東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県という一都三県というものについて見ておりますと、現在、昭和四十五年で約二千四百万人程度の人口が居住しているわけでございますが、これは昭和六十年時点で、従来のような集中の趨勢が続けば実に三千八百万を若干こえるのではないかという推計も成り立っております。しかし一方、建設省、その他運輸省などにおきまして、水資源の問題あるいは通勤の問題、通産省におきまして電力の問題など、いろいろと環境問題と兼ねながら議論をしていきますと、二千八百万あるいは二千九百万程度にとどまらない場合は、どうしても相当な環境の悪化を覚悟せざるを得ないというふうな数字も出始めております。 なお作業が詰まりました段階で、あらためて御説明さしていただきたいと思います。
○村田委員 この新々全総の問題は、実は私は前から非常に期待を持っておりまして、たとえば自民党の部会であるとか、あらゆる機会にお尋ねをしてきた問題でございます。したがいまして、この問題についてまた今後とも引き続いていろいろ伺っていきたいと思います。 時間がございませんので次にまいりますが、この新しい国総法の一つの中心点は、御承知のように土地についての許可制度あるいは届け出、勧告制度といったような、土地取引の規制問題であります。 この問題について私は諸外国の例をいろいろ調べてみたのでございますが、いわゆる開発計画についての規制は、たとえばイギリスにも開発計画があり、フランスにも都市計画、あるいは西ドイツにも建設基本計画、アメリカにも都市計画といったふうに、各国とも当然持っておるわけであります。しかし、いわゆる土地売買についての許可制度というものは、これは外国にも例を見ないようであります。土地取引そのものについての規制の事例を見てみますと、イギリスはございません。フランスにおきましては、長期整備地域内において土地を譲り渡そうとする者は、指定後八年間は公共団体に売り渡し価格を申告しなければならない。公共団体はこれに対して先買い権を行使するけれども、価格が折り合わなかったときは裁判で争うことになる、こういう規定がフランスの場合ございます。それから西ドイツの場合には、敷地の分割及び建築物の建築あるいは小菜園利用のための敷地譲渡について市町村の許可を要するといったような規定、あるいは公共用地、土地区画整理用地などにおいて土地を譲り渡そうとする者は、市町村に売買契約が締結された旨通知する。市町村は通知後一カ月以内に先買い権を行使する。その価格は土地所有者が第三者と契約締結した価格であるといったような、新国総法にやや類似の規定がございます。そういった点で土地取引についての一応の規制は見られるわけでございます。また開発規制については、たとえばイギリスもフランスも西ドイツもアメリカも、それぞれいろいろと掲げております。 所有権の理念というものは、御案内のように目的物を全面的一般的に支配する物権であって、所有者はその所有物を自由に使用、収益、処分できるというのが所有権の概念でございまして、これは民法二百六条、二百七条に規定するところであります。近代的所有権というのは、たとえばローマ法の時代には占有ということ、オキュペーチオというのが所有を意味しておった時代もある。それから中世においても所有権は種々の拘束に服していたわけでありますが、近代的所有権はそれを脱しまして自由な所有権として確立をされた。近代社会においては所有権は資本主義の基礎をなしておって、日本国憲法の二十九条でも保障をしておりますし、刑法によっても強く保護されておるところであります。したがって、こういった所有権の概念そのもので保障しているだけではなく、フランスでもフランス共和国憲法の中で、人権宣言第十七条で保障をしておりますし、ドイツ連邦共和国憲法でも第十四条でこれを保障しているところでございます。 そういった所有権概念というものから申しますと、今回のいわゆる土地売買についての許可制度、これは特定地域についてでありますが、こういった許可制度はいわば法律の所有権概念に対する画期的な考え方ではないか。そういった意味で所有権というものに非常に激しい制限を加えるものであるというふうにも考えられるわけです。したがって、その関係を憲法等との関係においてどういうふうに割り切って考えられたものであるか、この点について伺いたいわけでございます。
○小坂国務大臣 土地が商品であるかどうであるか、一般の所有権概念と区別できるのかどうかという点は、御指摘のようにいろいろ問題がございますわけで、諸外国の立法例を見ましても、いまの御指摘のように、わが国のような規制をそのままやっているところも少ないわけでございます。でございますけれども、土地というものが日本の地形からいたしまして非常に限られておる。市街地として適する土地が限られておる。具体的に申し上げますと、三千七百万ヘクタールのうちで市街地が五十万ヘクタール、工場用地が十万ヘクタールというのが今日の数でございまして、全体としても一・七%くらいのところに一億の人口がおもに住んでいる。農業用地あるいは林産地を別にしまして、ことに三大湾地区には四十数%の人口が蝟集している。そういう関係から、同じような西ヨーロッパの国などに比べまして、国の大きさから見て平地が非常に少ないというわが国の特殊事情もございます。そういう点と、ことに最近の物価の値上がりの先駆をなしました土地取引というものについていろいろ考えましたあげく、これはやはり商品であるけれども、公共の福祉のために特に規制をして差しつかえないものであるということに踏み切ったわけでございまして、先般御審議をいただき、可決していただきました税法においては、土地税制というものは別の扱いをいたしたわけでございます。国総法の中におきましても土地利用計画というものをつくっておりまして、公表、勧告あるいは規制というものを場所によってやっておりますが、特になかんずく特別規制区域におきましては明瞭に所有権の制限を課しておるわけです。しかしこれも永久にそういうことをするわけではなくて、期限を限って制限をしているという点が特徴かと存ずるわけでございます。 私は物価担当大臣ということで、物価の問題についていろいろ御批判を一身に受けておるわけでございますが、その中で土地問題、地価の問題をどうするのだ、何にもしないじゃないかという御意見が一番強うございまして、非常に私も苦悩いたしておるわけですが、私をして言わしていただければ、この国総法の中で地価の問題を解決したい。日本は法律によらざればこういう所有権の制限はできないのだから、特にいまの大事な物価問題の一つの目玉としてこの問題を御審議いただいておるので、一日も早くこれを御可決していただいて、私どもの物価対策の目を入れていただきたいと考えておりますことを、この際つけ加えて申し上げさせていただきます。
○村田委員 ただいま小坂大臣が御指摘になりました税の問題あるいは日本の土地の特殊性の問題、この問題について調べてみますと、欧米には日本でいうような土地問題はないというふうにわが国の土地問題の専門家が言っておる。これは大臣が御指摘になりましたように、欧米の場合は平野部の面積が広くて、そして地価が日本とは比較にならないくらい安い。そしてまた、たとえばイギリスなどでは土地は神のものあるいは国王のものであるというような、非常に公共的な意識が国民全般に行き渡っておる。したがって、日本の場合のような土地所有に対する執着が欧米の場合は薄いのじゃないかということが指摘をされております。 しかし、地価上昇や投機を防ぐための土地政策は各国ともかなり進められておりまして、たとえば大臣の御指摘になった税の問題では、イタリアが一九六三年に土地増価税法という税法をかけておりまして、土地の値上がり分に税金をかけておる。それからまたフランスが一九六一年、一九六二年に投機的不動産利得税というような税法をかけておる。それから土地収用の面でまいりますと、これはイタリアの例でございますが、一九六二年に経済的庶民住宅用地の取得を促進する法律というのをつくっておりまして、庶民住宅用地取得については相当思い切って収用をしておるという事例がございます。それから利用規制の場合は、フランスのパリで工場、事務所の新増設に許可制をとりまして、また賦課金制度をかけておって、施設住宅大臣、これは日本で申しますれば建設大臣でございましょうか、それが許可をするというような制度になっております。またアメリカの場合は、各市町村段階で用途地域規制、土地分割規制を警察権限で行なっておるということを聞いております。こうした政策の効果もあって、ヨーロッパの土地問題は六〇年代でほぼ解決をしたとわが国の専門家は見ておるというわけです。 欧米とわが国では、地価上昇率一つをとってもかなり問題の背景が違うわけでありまして、イタリアの庶民住宅建設対策などのような思い切った政策、それからさまざまな政策の組み合わせによって、いわゆる土地の病と申しますか、土地に悩んでおるわが国で思い切った方法をとらなければならない。そういった点で今回の国総法の改正というものは、私は画期的なものだと思っております。したがって、この土地関係法の改正については、これは与野党を問わず、国民のために当然同意をいただくものであろうという考え方を持っておるわけでありますが、現在、いろいろな調査に基づいてみますると、特に大都市圏の範囲において大企業等の土地の買い占めが非常に進んでおるという事態がございます。こうしたいわゆる公共的な財産である土地の買い占めが行なわれておるということは非常に望ましくないことであって、この新国総法を施行いたしましても、すでに買い占められた土地については、それが戻ってこないというような実態があろうかと思います。そういった土地の現実的な規制の問題を大臣はどういうふうに考えておられますか。
○小坂国務大臣 ヨーロッパと比較するのは、それぞれ国情が違うことでございましょうけれども、ヨーロッパにおいては大体投機というものは、スペキュレーションというものは上等な人間がやることではないということになっておるそうでございまして、ことに会社、企業が投機をやるというようなことは非常に下等なことであるという認識があるようでございます。わが国の場合もこれについては非常に世論が高まりまして、実は本日参議院で御可決をいただきました売り惜しみ買いだめの法律の規制、そういうものも出たわけでございますけれども、とにかく一昨年のニクソンショックの緩和、そしてそれによる円為替の切り上げを防止するということで、非常に金融を緩慢にし、またいわゆる過剰流動性がふえた、そこで、そういう金もあるんだからこれでひとつ土地でも買うかというようなことになったんじゃないでございましょうか。そこでそういう全体の状況をいま財政、金融両面から締めております。それから先ほど申し上げました土地税制、この問題もございまして、だんだんそういうものを持っておることも困難であるということになって、そういう面から、金融は締まり、税制もなかなかきびしいという面からだんだん土地が出てくる、こういうふうに私どもは期待しておるということでございます。
○村田委員 ここにNHKの行ないましたニュース特集で「土地問題、知事はこう考える」という全国知事のアンケートがあるわけであります。こういったことについてまだいろいろ私問題を持っておるわけでありますが、時間が参ったようでありますからきょうはその質問を保留しまして、一応終わります。
○服部委員長 次回は、来たる七月四日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二分散会